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476 名前:通常の名無しさんの3倍 :2011/01/15(土) 18 33 02 ID ??? シロー「アイナが妊娠した…」 477 名前:通常の名無しさんの3倍 :2011/01/15(土) 21 15 24 ID ??? 476 “妹魂”の面々 リヴァイブ「また自動音声…ギニアスさん、どこに行ったんでしょう?」 スティング「もうすぐ、新年会の時間なんだがな…」 ミハエル「時間厳守だ!って、言ってたのによぉ!!」 リヴァイブ「皆さんは先に行ってください。直接、自宅に行ってきます」ハァ… ゼクス「(空を見ながら)アプサラス?…あの方向はガンダム家だな」 478 名前:通常の名無しさんの3倍 :2011/01/15(土) 22 09 23 ID ??? 476 アムロ「どおおおおお!!」 ロラン「アムロ兄さんおおおおお落ち着いて!!」 アムロ「そっそそそそうだな、式場の手配と……あと姓名判断氏と産科医に連絡して……」 ロラン「仲人はノリスさん……いやほぼ親族だしグラハムさんのほうが良いかな……」 479 名前:通常の名無しさんの3倍 :2011/01/15(土) 23 22 20 ID ??? まぁ神様ずの力による夢オチという最終手段があるから この際兄弟に子どもができた時のシュミレーションと思ってだね シロー「俺じゃなくてもいいだろうが!」 ドモン「わかったよ兄さん!ここは僕が!」 アムロ「兄として弟たちに先をこされる訳にはいかない!ここは俺が!」 セレーネ「いいえ、ここは私が!」 マイ「いえいえ、ここは僕が」 シロー「え……じゃ、じゃあ俺が!」 「「「「どうぞ、どうぞ」」」」 483 名前:通常の名無しさんの3倍 :2011/01/16(日) 00 01 42 ID ??? もしシミュレーションじゃなかったら… アイナ「何を誤解してるのかしら?」 シロー「ひえええっ!?」 ガロード「すげえ……アプサラスを突き付けられてる……」 ロラン「家は巻き込まないでくださいね~」 アイナ「勿論です」 シロー「のんきな会話言ってないで助けてくれ!」 アイナ「では、弁明を聞こうかしら」 シロー「産婦人科に入るのを目g」 アイナ「友人のお見舞いです」 シロー「昨日すっぱいものが食べたいって……」 アイナ「時々わけも無く、すっぱい柑橘類が食べたくなるのよね」 シロー「ちょっとふくよかn」 アイナ「男は良いわよね……幾ら入れても消費しちゃうから……」 アイナ「覚悟しなさいっ!」 その日、シローはメガ粒子の光に包まれたという…… 488 名前:通常の名無しさんの3倍 :2011/01/16(日) 02 41 17 ID ??? 483 実写シャア「いや、男でも消費できない場合もあるぞ」 アムロ「貴様は単なる中年太りだろうが」 実写シャア「失敬な。一年戦争当時だから、こう見えてもまだ20歳だ」 アムロ「どうしてそうなるんだ……」 シャア「私も聞きたいよ……」 490 名前:通常の名無しさんの3倍 :2011/01/16(日) 05 32 31 ID ??? 488 アメリカ人の人は肉が主食ってのがいるからなー。 縦の成長が止まる18くらい(個人差アリ)から、食った油脂質、たんぱく質がどんどん皮下脂肪になる。 だから向こうの人はダイエットにすっげー気を使うんだが、圧倒的物量の前には… マーク「そんなに…太ってはいない…よな?」 実写シャア「標準体型だぞ」 スエッソン「だいたい地球人は太った痩せたと気にしすぎるのだ!」 ギンガナム「貴様は気にせんかああああ!」
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1 名前:風吹けば名無し [] 投稿日:2012/02/10(金) 23 03 22.60 ID BkisJG89 里崎「ひっ…ひっ…ふぅー…!!」 里崎「もう臨月やな…もうすぐやな」 坂本「サト……」 里崎「男の子やってな。名前どないしようか、はやと?」 坂本「サト、いい加減気付いてくれ!君のお腹は膨れてな」 小谷野「言うな、それ以上」 里崎「小谷野、あんたにはこの子抱かせへんで」 坂本「サト…」 里崎「女の子やったらマリンにしようと思ってたんや。千葉の海みたいに綺麗な子になってもらいたいっちゅう願いをこめて」 里崎「でも男の子やからなあ…よし!決めたで!」 里崎「この子にはパパみたいな男になってもらうんや!将来は野球選手やで!なあ、はやとぉおおおおお!!!!!」
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霧切「苗木君…その…」 苗木「どうしたの?改まって」 霧切「……最近…来ないんだけど」 苗木「何が?」 霧切「だから、…生理、が」 苗木「」 霧切「…と、付き合っている男性に言って、自分を真剣に愛してくれているかを測る方法があるらしいわね」 苗木「う、え?」 霧切「ふふ…ちゃんと毎回付けてるし、大丈夫よ。あなたに迷惑はかけられないから」 苗木「あ、また僕のことからかったんだね?ひどいよ…!」 霧切(でも、あの反応…やっぱり、快くは思われないみたいね) ――数ヵ月後―― 霧切「ん…」 苗木「最近疲れてるの?元気ないし、酸っぱいもの欲しがるし…」 霧切「…そうね、ちょっと熱っぽいかも」 苗木「…今日は僕がご飯作るよ。霧切さんは休んでて」 霧切「そういうわけにもいかないわ…」 苗木「いいから。いつも霧切さん頑張ってるんだし、今日くらい休んでも罰は当たらないよ」 霧切「…それじゃあ、お言葉に甘えて」 霧切「…」 霧切「…家庭を持ったら、こんな感じなのかしら」 苗木「え、何?」 霧切「なんでもな……、っ」 霧切(急に、吐き気が…本当に体調を崩してしまったのかしら) 霧切(そういえば生理も遅れてるし…まさか、ね) ―――――――― 霧切「一応検査薬は買ってみたけれど…まあ、使い方を知っておくのも悪くないし」 霧切「えっと…こうすればいいのね…」 霧切「!!」 霧切「嘘…陽性、だなんて、そんな…だって、いつも付けているのに…」 霧切「これは、何かの間違いよ…ちゃんと病院で、検査を…」 ―――――――― 医師「ええ、おめでたですね」 霧切「……」 医師「まだ性別は分かりませんが…おそらく、双子でしょう」 霧切「そう、ですか…」 医師「どうかしましたか?」 霧切「いえ、……ありがとうございました」 ―――――――― 苗木「あ…お帰りなさい、霧切さん」 霧切「ええ…ただいま」 苗木「どこに行ってたの?」 霧切「……病院よ。体調が優れなかったから…点滴か薬でも、もらおうかと思って」 苗木「えっ…大丈夫、なの?」 霧切「ええ、問題ないわ。苗木君には負担のかからないように…」 苗木「そうじゃなくて。具合悪くなったらすぐに言ってね?」 霧切「ふふ…そんな、捨てられた犬みたいな顔して言わなくても、ホントに大丈夫よ」 苗木「い、犬って…僕は本気で心配して、」 霧切「ええ、わかってるわ。ありがとう、苗木君」 霧切「……」 霧切(…言えない) 霧切(苗木君には、言えない……) ―――――――― 霧切(どうしよう……) 霧切(中絶……、っ、ダメよ響子、安易に決断しては!…生まれてくる命に、罪はないわ) 霧切(苗木君との間に授かった命…嬉しくないと言えば嘘になるけれど) 霧切(産めば、確実に彼に負担をかける…探偵業は休まなければいけないし、費用も馬鹿にならない…) 霧切「……一人で、育てるしか…」 ―――――――― 霧切「苗木君、ちょっといいかしら?」 苗木「ん、何?」 霧切「…あなたに、話しておかなければならないことがあるから」 苗木「え…どうしたの、改まって」 霧切「…来月からしばらく、私は霧切の実家で暮らすことになったの」 苗木「へ?」 霧切「そうね、向こう6年くらいかしら…」 霧切「――だから、しばらく会えなくなるわ。私のことは忘れて、もっと…もっと、可愛げのある女の子と、」 苗木「ま、待ってよ…別れるってこと!?」 霧切「…」 苗木「…僕のことなんか、もう好きじゃないってこと…?」 霧切「っ……それは、違う。あなたのことは…ずっと、好きよ。愛している」 苗木「ぼ、僕だってそうだよ!」 霧切「…ありがとう。もし6年後までその気持ちが変わらなければ、もう一度出会った時に、同じ言葉を聞かせて、」 苗木「霧切さん!!」 霧切「っ…」 苗木「何が何だか分からないよ。ちゃんと説明して。どうして実家に帰るのか、どうして…別れなくちゃいけないのか」 霧切「そ、それは…」 苗木「言えないようなことなの?」 霧切「…、うっ!!」 苗木「霧切さん!?」 霧切「う、ぐふっ…お、ぇ…」 苗木「霧切さん、もしかして…そういえば前から、熱っぽかったり、酸っぱいもの欲しがったり…」 霧切「……」 苗木「……ホントに?」 霧切「っ…ゴメンなさい、苗木君…でも」 霧切「私はこの子たちを…産みたい。あなたとの間に授かった命を、大切に育てたい」 霧切「勝手を許して。あなたには迷惑はかけないわ…仕事を続けながら、実家で子育てをするから」 霧切「お願いよ、苗木君…他には何も望まないから、だからあなたとの子を…!」 苗木「霧切さん」 苗木「――そのお願いは、聞けないよ」 霧切「そ、んな……」 苗木「……」 霧切「…そうよね、分かってた。私が子供を産むことを、あなたが望んでいないことくらい」 霧切「…だけど」 霧切「中絶はしないわ。養育費も自分で稼ぐし、子育てと仕事を両立させてみせる」 苗木「…そんな簡単な事じゃないよ」 霧切「分かってる。それでも、私が自分で好きにやる分には、あなたも口出しを出来ないはずよ。私一人で――」 苗木「…ダメだ」 霧切「っ……私一人で、育ててみせる…!」 苗木「ダメだよ、だって」 苗木「僕の子供でも、あるんだから」 霧切「――え?」 苗木「独り占めなんかさせないよ。だから、霧切さんは子育てに専念して。養育費は、僕が稼いでみせる」 苗木「生まれた赤ちゃんをこの手で抱きあげたいから、実家にも帰してあげないし」 苗木「お腹の中の子供に負担がかからないように、家事はこれから僕がやるからね」 霧切「な、えぎ…」 苗木「どうしてあんなこと言ったの?実家に帰って、一人で育てるだなんて」 霧切「そんな、だって……嫌じゃないの?私が身ごもったこと…」 苗木「何で?嬉しいに決まっているじゃないか!そりゃ、最初は驚いたけれど…だって、僕と霧切さんの子どもなんだよ?」 霧切「……ええ、そうね」 苗木「霧切さんは?」 霧切「あなたの言う通りよ。最初は驚いたけれど、私も嬉しいわ」 霧切(…何より、あなたが喜んでくれたことが、一番――) 苗木「うん…ありがとう、霧切さん」 霧切「こちらこそ…苗木君。素敵な子供に育てましょう」 ――十数年後――― 「ねえ、知ってる?『超高校級の双子』」 「ああ、来月うちの学校に転入してくる奴らだろ?でも、どこが超高校級なんだ?」 「うーん、今まとめスレ見てるんだけどね」 「どれ…双子って言っても、全然似てないな。男の方は白髪で色白だし、女の方はチビでぱっとしないし」 「でも、ほら…これ。両親が、うちのOBとOGらしいね」 「えーと、なになに…『親の七光という幸運に溺れることなく、母親を見習って海外に進出、ボランティア活動に従事…』」 「『一見して能力は平凡だが、互いをカバーして困難を乗り越えていく姿は、周囲に希望を与える』か。うーん」 「なんかパッとしない奴らだな…っておい、OBの父親って、ここの」 「うん、学園長だよ」 「マジかよ…そういうのって、いいのか?ずるくない?」 「いや、それがさ。学園長はこの二人を入学させるつもりはなかったみたいなんだけどね。 なんと、毎年ランダムで一人選ばれる、あの『超高校級の幸運』の特別枠に、なぜかこの双子が選ばれたらしいんだよ」 「ふーん、奇妙な事もあるもんだな…」 「ちょっと運命感じちゃうよね。ね、学園長って確か」 「ああ、出来ちゃった結婚だろ。奥さんの方の実家にまで乗りこんで、親御さんを説得して、ってやつ」 「すごいよね、『超高校級の幸運』で偶然編入した凡人が、学園長の娘と恋に落ちて…くぅー、ドラマチック~!」 「っていうか、今は『超高校級の幸運』じゃないだろ」 「え?…あ、そっか。今の学園長が就任してから、呼び方が変わったんだよね、確か――」 「『超高校級の希望』」
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元スレURL 遥「お姉ちゃん…あのね…大事な話があるの…私ね…妊娠した」彼方「うん?」 概要 全ギレ彼方ちゃん三度!? 大事な妹を孕ませたのはよりにもよって内浦のアイツで… タグ ^近江彼方 ^近江遥 ^松浦果南 ^宮下愛 ^天王寺璃奈 ^短編 ^コメディ 名前 コメント
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【おすすめブログ】妊娠したい ブログ Amazon.co.jp ウィジェット simpleapi_img 妊娠しやすいセックス、妊娠しやすい体位 妊活と不妊治療の違い 妊娠したいと思ったら始めること 関連項目 おすすめブログ 妊娠月別 用語一覧
https://w.atwiki.jp/jerwin19/pages/15.html
妊娠したいのになかなかできない。こうして悩んでいる男女は不妊症でなくても多くいます。 体の問題はもちろん、体が健康的でも心の問題によってもなかなか妊娠できない傾向になるようです。 妊娠したいという気持ちででいっぱいになってしまうと焦りをうみます。 その焦りがストレスとなってしまって、余計になかなかできなくなってしまうのです。 したがって心に余裕を持つためにも上手くストレスをため込まない方法を見つけて解消する事を考えてみましょう。 強いストレスは女性の排卵障害や生理不順をひき起こして妊娠できない状態を作ってしまう事があります。 ストレスを全く感じる事なく生きていく事はなかなかできませんが、和らげたり、自分なりにうまく解消することで排卵障害や生理不順までいかせない事が大切です。 自分なりの方法でも構いませんので、リラックスできる時間を意識して作る事で改善できる事もあります。 一番大切なのは夫婦がたくさん、会話をする事です。 心のモヤモヤは深刻にならない内にに口にしましょう。そうする事で気持ちはスッキリするはずです。 http //sei08ryoku.info/
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今月1日から生理が来て、12日に2回中出ししました。 14日位が排卵日だと思っていたので、それをめがけて。 毎月、月初めに生理がきて、13日くらいからネバネバしたおりものが出るので、その頃が排卵日だと思っていたのですが、それは周期が28日の人の目安なんですね。 私の場合、毎月月初めに生理が来るという事は、生理周期は30日か31日、排卵日は次回生理予定日の二週間前という事なので、18日くらいになるという事なんでしょうか?? 今は離れていて、排卵日前後に毎日セックスするのが困難な状態なので、あの12日に賭けていたのにぃ 妊娠してないかなぁ ちなみに危険日に中出ししたのは初めてです。 やっぱり一回で出来る訳がないですよねぇ 彼的には、かなりの量が出たと言っていました。 彼は3日ためた事がなく、ほとんど毎日ヌイてます。 はしたない話になってごめんなさい。 さっき、テルモのウーマンドシーを買ってきたので、明日から基礎体温を計るつもりです。 (遠距離をしていて、親が遠くに行くのが許せないと、結婚を認めてくれないので、既成事実を作る事にしました。) よろしくお願いします。 回答はこちら(Yahoo!知恵袋) 妊娠したい人のためのとっておきマニュアル
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♪勉強? 唯「憂先生~またまたしつもーん」 憂「何かな?」 唯「今日世界史の授業で『ぐーぞーすーはい』っていうのをやったんだけど、これは いったい何?」 憂「うーん、そうだなあ……お姉ちゃんは神様や幽霊が見えたりする?」 唯「うん見えるよ」 憂「今後の展開がガラリと変わっちゃうかもしれないからそこは見えても見えない って言おうね」 唯「じゃあ見えないよ」 憂「だから神様は私たちみたいな凡愚のために……」 唯「ストップ。『ボング』って何?」 憂「私たちみたいな普通の人間のことを凡愚って言うんだよ」 唯「うんうん、それで?」 憂「当然私たち普通の人間には神様は見えないよね。だけど心優しい神様は 私たちにもお祈りができるように偶像として私たちの目に見える形をとってくれてるの」 唯「『ぐーぞーすーはい』はスゴクいいものなんだね」 憂「そう、とってもありがたいものなんだ。まあ、世の中には偶像崇拝を否定したり 批判する人もいるし、もとからそういう宗教的概念が存在しない国もあるけどね」 唯「憂は何でも知ってるね」 憂「何でもは知らないよ。知ってることだけ」 ♪米研ぎ! 憂「時間も時間なので米研ぎをしようね。とりあえずこれさえできれば一人でも生きて いけるようになるから頑張ろうね、お姉ちゃん」 唯「うん!わたしガンバっちゃうよ!ええと、この軽量カップに出るか出ないかの ギリギリまで入れればいいんだよね?」 憂「そうだよ。二合だからカップ二杯分だね。ちなみに手は濡れてない?」 唯「大丈夫っ。憂に言われた通り手を濡らさないようにトイレ行った後だけど 手は洗ってないよ!」 憂「お姉ちゃん。私は平気だし、むしろそんなお姉ちゃんの手によってできたお米なら どんな非合法な手段を使ってでも食べるけど他の人の気持ちも考えようね」 唯「さあ!米研ぎ開始っ!」 憂「いい、お姉ちゃん?最初のお米の研ぎ汁はにおいが強くて早く捨てないとまずく なっちゃうから注意してね」 唯「オッケー。水をつけてゴシゴシして素早く捨てて……ああああああぁぁ!! お米がああぁ……」 憂「うん、期待通りだよお姉ちゃん」 唯「ああ……わたし、これじゃあ一人で生きていけないよ」 憂「切ないね、お姉ちゃん」 唯「もう一回再チャレンジ!」 憂「米研ぎで一番面倒な最初の数回は私がしておいたから今度は大丈夫だよ。 お米が水分を吸って重くなってるからうっかり捨てちゃうことも無くなるしね」 唯「今度は上手くできるよ。ゴシゴシゴシゴシゴシゴシ(以外五分間延々とやり続ける) …………ねえなかなか水、透明にならないよ?」 憂「お姉ちゃん、言ったよね?お米の研ぎ汁を完璧に透明になるまで研いだら旨味が無くなるって」 唯「でもじゃあ憂は普段はどうやってあんな美味しそうな真っ白いお米を炊いてるの?」 憂「これを使ってるんだよ」 唯「これは……木炭?」 憂「そう。この木炭を使うと、不思議なことにお米が白くなるだけじゃなく、 更に味も美味しくなるんだよ」 唯「本当に白くなるの?」 憂「うん。しかも普段から木炭は使ってるからね」 唯「ええええぇぇっっ!! そうだったんだ……」 憂「何でそんなガッカリするのか私にはよくわからないよお姉ちゃん」 唯「じゃあ一通り終わったんでお風呂入ります!」 憂「うん、その間にカレンー作っておくね」 お姉ちゃんがお風呂に入っている間に、素早くカレーを作ってしまいます。明日は 和さんのお手伝いをする関係で遅くにしか帰れなさそうです。こういう時、二日目 も続けて食べられるカレーが重宝します。 隠し味に鷹の爪を仕込んでおきます。更に今日は豚のひき肉を使用しているので 明日には更に美味しくなったカレーをお姉ちゃんに食べてもらえるはずです。 圧力鍋にかけたカレーができたところで、味を引き締めるために外に出しておき、 その間にサラダを切り盛りします。 唯「うーいー、リンス切れてる~」 憂「今詰め替えるの持ってくねー」 お姉ちゃんのお世話をしながら、自分のことをこなすのは結構大変でした。 それでもやっぱり私はお姉ちゃんが大好きだから、全然苦にはなりませんでした。 ♪次の日・学校・昼休み! 憂「今日純ちゃん休んでるけど、理由知ってる?」 梓「ううん、知らないよ。どうしたんだろう?」 憂「純ちゃん、高校に入ってから一度も休んだことなかったのにね」 梓「少し心配だね。昨日あんなに元気だっただけに余計にね」 もちろん純ちゃんのことは私も心配です。ただ、昨日のことを思い出して、背筋 の震える私がいるのもまた、事実でした。 梓「ところで話が全然変わるけど、憂ってお菓子は作らないの?」 憂「お菓子……ブラウニーとか?ううん、あんまり作らないね。お姉ちゃんが 高校に入ってからはより一層作らなくなったし」 梓「どうして?」 憂「ほら、お姉ちゃん、軽音部に入ってからは紬さんが持ってくる美味しいお菓子 を毎日食べてるでしょ?」 梓「そっか。そうだよね。昨日のムギ先輩が持ってきたフォンダンショコラも絶品 だったもんね……」 どこかアンニュイな表情を浮かべ、梓ちゃんは視線を窓側に向けました。 まるで恋に悩む乙女のようで、溜息をつくその姿は僅かではありましたが、色気を漂わ せていました。 梓「ごめん。食欲湧かないからこの卵焼き食べてほしいんだけど、いい?」 憂「構わないけど……どうしたの?」 箸をわざわざ上下逆にして卵焼きを私のお弁当に移す梓ちゃん。 たぶん彼女なりに気を遣ったのでしょうが、返し箸という立派なマナー違反です。 一々注意はしませんけど。 憂「何か悩みがあるなら相談にのるよ」 梓「うん……」 憂「もしかしてバレンタインデーに誰かにチョコを渡したい、とかそんな感じの悩み?」 私の言葉に、いたぶって殺したはずのゴキブリが突然動き出すのを見た猫のように 梓ちゃんは瞠目しました。 梓「なんでわかったの!?」 憂「いや、時期的にそろそろだし……そんなに驚かなくても」 憂「バレンタインって結構男子って意識してるよね」 梓「わかるかも。なんか別に『オレチョコなんかいらねーよ』って言ってる人に 限ってすごい意識してるよね」 憂「アレ、男子は気づかれてないつもりかもしれないけど私たちからするとバレバレ だよね」 梓「私の中学じゃバレンタインの日は、男子全員みんな休み時間が始まると同時に 教室から出て、休み時間が終わると戻ってきて机の中確かめてたりしてたよ」 憂「それ面白いね。でもうちの学校は女子校だから、バレンタインデーも渡すのは 友チョコぐらいしかないし気が楽だよね」 梓「そう。そのはずだったんだけど……はぁ、唯先輩」 憂「え?」 梓「え?」 ♪放課後・生徒会室 梓『その……本当のことを言うと誰にも話したくなかったんだ。でも誰にも話さない で自分一人で抱えこむのもすごく辛い……』 憂『梓ちゃん。話したくないなら無理に話す必要なんてないよ。でも私も梓ちゃんが 苦しんでいるのに何もできないのは辛いよ』 梓『自分でも明らかにおかしいっていうのは自覚してる。それに、はっきりして ないんだ。何て言うのか、自分でも上手く言葉にできない。できないんだけど……』 憂『……うん』 梓『その、つまり、んと………………………………唯先輩のこと、スキカモシレナイ』 憂『うん……うん!?うんんんんんんんん!?えーうん落ち着いて今梓ちゃんはなんて 言ったのもう一度口を開けて大きくはっきりした声で言ってごらん恥ずかしがらず』 梓『唯先輩のことが好きかもしれないのっっ!!!!!』 昼休み。 本来一般生徒が足を踏み入れるのは禁止されているはずの屋上で、お姉ちゃんへの 想いを、梓ちゃんは赤裸々に告白しました。その告白を聞いている間どういうワケか 背中が無性にかゆくなり仕舞いには私まで顔を赤くしながら、梓ちゃんの言葉一つ一つに 耳を傾けながら相槌を打ったのでした。 結局今の今まで、否、今もまだ梓ちゃんの告白の内容が頭の中をぐるぐる渦巻いていて、 当事者でないにも関わらず私は妙に辟易としていました。 和「わざわざ悪いわね。今日は私以外の執行部の人間がそれぞれ用事で出かけていて」 憂「気にしないで下さい。和さんにはいつもお世話になっていますし。それで、 お用事って何ですか?」 和「ごく簡単なものよ。生徒会のほうで発行しているこのタイムズをホッチキスで 止めて欲しいの。頼める?」 憂「任せて下さい」 和「ところで唯のほうは順調?」 憂「予想より結構手こずりそうです。でもお姉ちゃんもお姉ちゃんなりに頑張って ますから」 和「急いだほうがいいわよ。鉄は熱いうちに叩けって言うし」 憂「……そうですね」 和「そんな顔をしないで。特に今の言葉に深い意味はないから」 憂「ないんですか?」 和「実はというとこの「急いだほうがいい」って台詞が後々伏線になるから」 憂「話題変えていいですか?」 和「どうぞご自由に」 憂「和さんは同性の恋愛についてどう思いますか?」 和「興味深い質問ね……ってまさか、あなた唯に……!」 憂「違います。和さんの予想していることは絶対 に違います!」 和「そう。同性愛に近親相姦とか、とんでもないジャンルを現実に開拓するのかと 思ったわ。憂ほどのスペックなら十分にこなしてしまう可能があるから、ちょっと 暴走しそうになったわ」 憂「ちょっとどころじゃないですよ。それにかなり真面目に質問してるんですけど」 和「私は基本、いつだって真面目よ……そうね、ミミズ」 憂「はい?」 和「カタツムリでもいいわね」 憂「あの、和さん」 和「雌雄同体って知ってる?」 憂「ええ、知ってます」 和「今言ったミミズやカタツムリていうのがまさにそれなの」 憂「何が言いたいんですか?」 和「この雌雄同体って人間に置き換えたら相当気持ち悪いと思わない? オスとメスがくっついて混同しているのよ。人間で言えばずっとイチャイチャして、 セックスしてるって言っても過言じゃないわ。気持ち悪いとかそういう次元じゃない。 少なくとも私にはできないわね」 正直色々とツッコミたくなりましたけど、ここは我慢します。 和「でもね、彼等は人間なら絶対にしない愛しかただって平気で貫こうとするの。 なぜって? 本能で彼等は愛しあってるいるからよ。 周りのことなんて何にも考えず、互いにひたすら愛を貪っているのよ。 体面や沽券なんかを気にする人間の恋愛なんて彼等の愛の 前では、比べるのもおこがましいほど下らないものよ。 言語の壁、年齢の壁、性別の壁とか言ってその恋に挫折する人間が世の中にはごまんと いるけど、壁を作るのはいつだって自分よ。 そしてその勝手に作った壁相手に苦労するのも自分。 人間と人間の間に壁なんてない……私はそう信じてる。 それに自分で勝手に作った壁と格闘するくらいなら自分を磨いたほうがはるかに 有意義よ。 好きな人がいるなら、愛する人がいるなら、周りなんて気にせず、一心不乱に自分の 想いを貫き通せばいい。 後悔するぐらいなら、同性愛でも種族を越えた恋愛でも何でもしなさい。 恋っていうのは、自分の全てを賭けて挑むものよ」 憂「和さん……」 和さんの言葉は私の胸を打つには十分すぎるものでした。 梓ちゃんがこの場にいないことが悔やまれます。 憂「和さん……本当にありがとうございました」 和「何か吹っ切れた顔してるわね」 憂「はい……!」 和「私も応援してるわ。あなたと……唯の恋を」 最後の最後で締まらない和さんでした。 ちょうど玄関で靴を履き代えようとした直前に和さんが声をあげました。 和「私、もう一個頼まれていた仕事があったんだ。憂は先帰ってて」 そう言って颯爽と去っていく和さんをしばらく眺めていましたが、 「憂……」 自分を呼ぶ声が聞こえて、そちらを見ました。 梓ちゃんでした。 なぜ梓ちゃんがいるのでしょう。今日の軽音部は理由は知りませんが、お休みに なっていると私はお姉ちゃんから聞いていました。 当然軽音部の一員である梓ちゃんも既に学校にはいないはずですが……まあ、私のように 何か用事があっただけなのかもしれません。 梓「今日ね。憂の家に行こうと思って……私から言ったんだ。唯先輩の家に行かせて 下さいって。突然ごめんね」 私は自分の恋愛のために自らの力で道を切り開こうとする梓ちゃんをもちろん、 応援するつもりです。 憂「ううん、全然いいよっ」 私は俯いたままでいる梓ちゃんの小さな両肩に手を置きました。 憂「私も梓ちゃんの恋を応援するからね」 梓「本当にごめんね……」 憂「だから気にしないでよ。梓ちゃん」 梓「ホントにゴメンね」 憂「梓、ちゃん?」 梓「ホントニゴメンネ」 嫌な予感が汗となって首筋ら背中を伝ったのを感じたのと梓ちゃんが顔を上げたのは ほとんど同時だったと思います。 真っ先に浮かんだのは昨日の狂気に取り付かれた純ちゃんでした。 死んだ魚の目。ではなく梓ちゃんの目は泥水そっくりに濁っていて、私を見ている ようで私を見ていませんでした。 梓「お詫びにゴキブリの交尾の話しを聞かせてあげる。感謝してよっ!」 憂「言ってることが支離滅裂だよ梓ちゃん!ていうか謝罪を要求します!」 梓「ゴキブリって言えばみんな嫌いだよね?でも人間と意外と似ている部分も あるんだよ。人間ってほらエッチするときその……ええと、前戯っていうのをするでしょ? ゴキブリも実はというとそれをするんだよ。具体的にどんなことするかと……(以下略)」 手振り身振りまでつけて梓ちゃんはゴキブリの交尾について語りだしました。 揺れるツインテールがだんだんゴキブリの触角に見えてきて軽く吐き気を催しました。 梓「ゴキブリの求愛行動って知ってる?足や羽を使って音を出したりする求愛もある んだけど、中にはお尻から空気を出して求愛するゴキブリもいるんだよ」 憂「それってオナ……」 梓「ん?」 女子高生が高校の玄関でゴキブリの話に花を咲かせていました。 咲かせた花にまでゴキブリの卵が植えつけられそうです。 というかこの梓ちゃん誰も得しません。 不意に梓ちゃんは口を閉ざしました。 梓「ねえ、憂」 憂「あ、梓ちゃん?」 何の前触れもなければ予告もなく梓ちゃんは私の頬を両手で包みました。 ひんやりとした感触に一瞬、思考までもが凍りつきます。 え?なんですかこの状況!? 梓ちゃんの薄くも瑞々しい唇がいかなる理由か私に近づいてきます。 心なしか上気した頬の肌のキメの細かさに思わず目を奪われて、溜息が漏れてしまい ます。 思春期の男子だったらこの状況の時点で昇天してしまうかもしれません。 憂「あっ、あ、ああ梓ちゃんにはお姉ちゃんがいるんじゃ……」 梓「それとこれとは別だよ」 私と梓ちゃんの物理的距離はもうほとんどありませんでした。 僅かに震える睫毛から彼女の緊張が伝わってきて、私の心臓の鼓動も釣られて 早鐘のようにビートを刻みはじめました。 もうこのまま状況に流されて接吻してもいいのではないのかという気になってきました。 濃厚なのしちゃってもいいですか? 4
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不意に脳裏に閃く光景ぐありました。 未だ見たことのないはずのゴキブリ同士の交尾――執拗に絡み交わり合い子作りに励む―― の光景が想像でしかないのに網膜に焼き付いて私は図らずも梓ちゃんの右頬を ぶっ叩いていました。 憂「いやあああああぁっ!!」 梓「のっほうぉおおおっ!?」 零距離からの見事な平手打ちに梓ちゃんは奇声をあげながら勢いよく吹っ飛びました。 沸騰した思考が緩やかに冷えてようやく私は正常な判断力を取り戻しました。 いったい全体どうして女の子同士でこんなことをしようとしているんでしょうか。 危うく流されて大事な何かを失うところでした。 梓ちゃんのお姉ちゃんへの想いを否定する気はさらさらありませんが、私も普通の 人間の例に漏れず、同性愛については正直ちょっとって感じなんで…… お姉ちゃんのことはもちろん大好きだし愛していますけどね。 梓「いたたた……って、あれ? 私なんでこんなとこに……憂?」 梓ちゃんが目をしばたたかせます。 光を取り戻した双眸が私を不思議そうに見つめました。 憂「梓ちゃん大丈夫?」 梓「うん……うん? 憂にほっぺを思いっきりはたかれた気がしたけど……気のせいかな?」 憂「気のせい。風のせい」 え……今度はなんですか? どうも私にとって運のいいことに梓ちゃんは今の今の記憶を無くしてしまった みたいです。 いや、梓ちゃん的にもゴキブリについて喜々として語っていたことなんて思い出したくも ないことでしょう。女子高生的に考えて。 梓「今日憂の家に行くって……話したっけ?」 憂「う、うん。どっかで聞いたかも」 良心の呵責に押し潰されそうになってとりあえず謝っておこうかと思いましたが よくよく考えれば、被害者はむしろ私のような気がしないこともないので、結局何も 言いませんでした。 和「あなたたちこんなところで何やってるの?」 まさか今の私の犯行の場面を見られた――そう思ってギョッとして和さんの方を 見ました。 和「どうかした?私の顔に何かついてる?」 逆に不思議そうな顔で見返されました。 どうやら犯行の瞬間は見られていないようです。 和「何かあった?」 憂「い、いえ、何も」 和「そう……ふぅ」 出し抜けに和さんは溜息をつきました。 額には僅かに汗が浮いています。 憂「和さん、力仕事でもしたんですか?」 和「卒業式が近づいているからその関係で色々と仕事が回ってくるのよ」 憂「大変ですね」 梓「よかったらハンカチどうぞ」 和「わざわざ悪いわね。明日には返すわね」 梓「そんなに気を遣わないで下さい」 しかし、ゴキブリについて舌に油でも塗りたくったかのようにまくし立てる梓ちゃん はいったい何だったのか結局わからないままでした。 ♪平沢家! 憂「ただいまー」 唯「おかえりー憂。よかった~早く帰ってこれたんだね。もうすぐ雨が降るって言って たから心配してたんだよ」 憂「うん、思ってたより早く頼まれた仕事が終わったから」 唯「あれ? あずにゃんは?」 憂「梓ちゃんは、一旦着替えてから家に来るって」 唯「そうだ憂、聞いて聞いて」 憂「なに、お姉ちゃん?」 唯「わたし、自分でお米を炊いたんだあ」 憂「なんだ……って?」 憂「…………」 炊飯器を開けて私は絶句しました。私の鼻腔を刺激したのは普段とは違うにおいを放つ お米でした。 憂「米研ぎが全然できていないよ」 それだけではありません。 水の量。本来であれば今日のカレーにあわせて水の量は通常よりも少なくしなければ いけません。しかし、お姉ちゃんの炊いたお米はほんどお粥に近い状態でした。 憂「ていうかよりによって何で五合も炊いたんだろう……」 仮にお姉ちゃんが美味しくお米を炊いていたなら私は喜んで梓ちゃんにこの カレーライスを食べさせてあげたでしょう。 梓『カレー美味しい!』 憂『このカレーライスのお米はお姉ちゃんが研いで炊いたんだよ』 梓『さすがは唯先輩!好きですチューしてくださいっ』 唯『あずにゃんカレー臭いよ~』 ……的な展開も望めたかもしれませんが、このお粥では、 梓『これ、唯先輩のゲロですか』 唯『一生懸命作ったのにひどいよあずにゃん!』 梓『ゲロと見間違えるようなものを出すほうが悪いに決まってるでしょうっ!』 唯『ぷんぷん!あずにゃんなんてだいっきらいぃうええええん』 ……ダメです。悪い想像しかできません。 憂「カレーのお米は固いほうがいいです。ええなぜかっていうとカレーライスには 当然カレールーをかけますよね。ですからそのカレールーによってお米は柔らかく なるので、柔らかいお米でカレーをすると柔らかくなりすぎて美味しくないです。 ええではそんな美味しくないお米はいったいどうしたらいいのか?」 ……あれ?私何言ってるんでしょう?もしかしてこれは古畑任三郎の真似ですか? 憂「簡単です。カレーとご飯を分けて食べればいいんです、或いは、ルーがほとんど ないのならそのルーの入った鍋にお米をつっこんでカレーチャーハンにすれば いいんです。んふふそうすることでお米の水分を弾き更に隅にまで残ったカレールー もええぇ美味しく完食できるのです」 いや、こんなことを言っている暇はないはずなんですけど。 意外とこのモノマネ楽しいかもしれません。 「ええ、しかしさすがにお粥はどうしようもありません。風邪を引いた人か、 もしくは、ご老人にでも食べてもらうしかありません。ふふふ、平沢憂でした」 憂「こうなったら――」 私のこの時の思考は非常に奇妙でした。冷静に振り返ってみれば、あまりに おかしすぎていっそのこと滑稽とすら言えたでしょう。 憂「いただきます」 大きな皿を二つ用意してお米五合をその二つの皿に移し終えると、私はおもむろにお粥 を貪り食いだしました。 自分でもビックリの奇行です。 頭に血が上っているのか、脳みそから変な分泌液でも放出しているのか、ただひたすら 私はご飯を口に放り込む作業に没頭しました。 流し台でね立ち食いとは、行儀の悪いことこの上ありませんでしたが、そんな ことを気にかける余裕も思慮もありませんでした。 憂「……うげっ、食べれちゃった」 何とご飯五合――しかもお粥を――私は完璧に平らげてしまいました。 完食するのに十五分もかかっていません。ご飯五合です。 言うまでもなく、平沢憂はただの女子高生であっても、お相撲さんではありません。 ただ単にお米を捨てて、次のものを炊けばそれで終わったのに……私は茨の道を選択して しまったのでした。 その代償はあまりに大きかったようです。 憂「…………っ?」 お腹に違和を感じたと思った次の瞬間には、耐え難いほどの激痛が襲ってきました。 それでも何とか最後の力を振り絞って私は、ソファーに辿り着くことができました。 唯「結構雨が本降りになってきたね、あずにゃん。おーい憂帰ってきたよ~ 早くカレーライス食べようよ」 梓「おじゃまします」 ――ちょうどその時、お姉ちゃんが帰ってきました。 唯「――、――ぅい、うい、憂!」 憂「!!」 目を開くとお姉ちゃんの泣き顔が視界いっぱいに広がっていました。 憂「お姉……ちゃん?」 唯「憂っ……よかったあ!」 梓「唯先輩、そんな風に抱き着くと憂が苦しそうですよ。大丈夫、憂?」 憂「うん、何とかね」 唯「本当に本当に大丈夫?」 憂「うん、心配かけてごめんねお姉ちゃんに梓ちゃん」 律「どうやら憂ちゃんは大丈夫みたいだな」 首にしがみついているお姉ちゃんの背中を撫でつつ、視線を後ろへ移すとそこには 律さん、いえ、軽音部の皆さんと和さんがいました。 憂「……っていうわけなんです」 何だか新手の罰ゲームを受けているような、そんな羞恥心を感じつつ、私は皆さんに 細かい部分――流し台で立ち食いしたとか――は省いて皆さんに告白しました。 私が意識を失った直後にお姉ちゃんがとった行動は救急車を呼ぶ、ではなく自分の 友達を呼ぶでした。 結果から見れば正解と言える選択でした。もし、救急車を呼ばれてたら色々とまずい ことになっていたでしょう。 お腹は相変わらず妊娠八ケ月の奥様みたいに事故主張していましたが、痛みが治まった だけでも幸いです。 今日私の人生の手帳に要らぬ武勇伝が印されてしまいました。 言わずもがなこんなのは誰にも知られたくないことで、胸のうちにそっと閉まっておきたい というのが本音なのですが、普段から真面目でいい娘で通ってきた私の奇行はしばらく は話の種になるでしょう。 世の中には思春期を迎えるにあたり、自分ではカッコイイと思いつつも第三者の視点 で見ると非常に痛々しい行動を起こしてしまい、後に自らその行動を思い返すと無性 に自殺したくなる死に至る病があるそうですが、もしかしたら今の私もそれに感染 しているのかもしれません。 紬「憂ちゃんは恥ずかしがることないと思う。あなたは姉である唯ちゃんのために 頑張ってお米五合も完食したんだから」 和「そうね。胸を張っていいと思うわ」 憂「今は無意味にお腹だけ張ってます」 憂「今は無意味にお腹だけ張ってます」 唯「そうだ!みんなまだご飯食べてないでしょ?今日は家で食べてってよ」 澪「急な話だな……いいのか?」 憂「ええ、皆さんには普段からお世話になってますし、今日は迷惑もかけてしまったんで。 差し支えがなければ是非家で食べてって下さい」 律「さっすが憂ちゃん『太っ腹ぁ』っていってえええええっ!何すんだ澪!」 澪「ごめん、何だか殴らないとダメな気がして……」 唯「とこれで、何たべようか?私はうどんすきに一票!」 律「いややっぱ皆でするって言ったら焼肉だろ!」 澪「ちじみとかヘルシーだしよくないか?」 紬「だったらお好み焼きとかは?」 梓「じゃあすき焼きをプッシュします」 和「しゃぶしゃぶなんか手がかからなくて私的にオススメなんだけど……」 憂「今のうちにトイレ行っておこう」 ♪二十分後 梓「……で結局意見がまとまらないので簡単なゲームをして決めることになったんですが……」 律「じゃあいよいよ私とムギで決勝戦だな!」 紬「ええ、望むところよりっちゃん。私は私のお好み焼きの夢のために勝たせてもらうわ」 唯「おお!普段穏やかなムギちゃんが珍しく燃えてるよっ」 律「そこまで言うならムギに次の勝負のゲームを選ばせてやるぜっ」 紬「じゃあお言葉に甘えて。『イっちゃダメゲーム』をしましょ」 律「……なんだそれ?」 和「明らかに字を間違っている気がするんだけど?」 澪「何となく知ってる気がする」 律「どういうゲームなんだ?」 紬「極めてシンプルなゲームよ。一つの単語を選んで、その選んだ言葉をお互いに 言ってはダメというゲームよ」 律「なーる。つまり逆にその単語を相手に言わせたら勝ちってわけか」 紬「ええ。言葉は私が選んでいいかしら?」 律「いいよん」 5