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149. 名無し募集中。。。 2009/06/23(火) 01 35 19.62 0 それからお昼休みの間中愛理は夏焼先輩の話ばかりしていた 夏焼先輩のことを話す愛理の顔はまさに恋していますって感じ 愛理のそんな顔を初めて見て・・・愛理がなんか遠くなった気がして・・・ あたしは外見は大人っぽいって言われるけど中身はまだ子供だって思い知らされた 150. 名無し募集中。。。 2009/06/23(火) 01 51 23.84 0 教室に戻るとすぐに愛理が自分の席から手帳を持ってきた 「りーちゃん、さっきのライブの話なんだけど」 「あ、うん」 「ライブ、今週の土曜にあるんだけど行ける?」 「土曜?」 土曜かぁ・・・土曜は・・・って考えるふりするけど何も予定なんてない 部活にも入ってないし恋人がいるわけでもないから・・・ それでもちょっとためらう振りをしたのはあたしの精一杯の見栄 「あれ・・・?もしかして予定ある?」 泣きそうになりながらこちらを見てくる愛理 「いひぃいい♪大丈夫だってー!そんな顔しないでよ、愛理ー」 「も、もーう!りーちゃんのばかー!」 頬を膨らませて冗談めかして怒ったふりをする愛理 151. 名無し募集中。。。 2009/06/23(火) 02 07 06.99 0 今日で何回目だろう・・・ 「ごめんねぇ、みや、ちょっと今忙しいみたいなんだぁ」 廊下でずっと待っていた1年生に頭を下げる 「そうなんですか・・・じゃ、じゃあ!これだけ!渡してもらえますか?」 そう言ってうちに手紙を差し出すとバタバタとその場を去る1年生 「まいっちゃったなぁ」 手紙を手に持ったまま思わず頭を抱えたくなる みやに渡してもどうせいつも・・・なんて思うけど さっきの子だって勇気を出してここに来てこの手紙を書いたんだってわかるから 「渡してあげないとなぁ・・・」 ふーっとため息を一つついてみやのもとに向かう 158. 名無し募集中。。。 2009/06/23(火) 10 00 09.27 0 「みや、これ」 千奈美が手紙を渡してくる 別に千奈美がそんな申し訳なさそうな顔しなくていいのに 「…ああ」 正直めんどくさいという気持ちを隠して一応受け取ると、さっさとかばんに放り込んだ 「みやさ、ちゃんと読んであげてるの?」 「たまに」 「せっかく書いてくれてるんだから、ちゃんと読んであげなよ?」 少し怒ったような、寂しそうな顔で千奈美が言った 千奈美の言いたいことも分かる、だけどどうしてもこういう手紙はあまり読む気になれない あの子達はうちのことを分かってない きっといい部分、気に言った部分しか見てない。どこがいいのかもよく分からないけど 本当のうちを知ったらどうせ幻滅するんだ あの子たちが作りあげた”夏焼先輩”は本当のうちじゃない まぁ気が向いたら遊んであげたりしてるけど、この子マジだなって思うと距離を開けるようにしてる でも一番嫌なのは、みんなが思う”夏焼先輩”を演じれる自分だ 今ではもう無意識に演じれるようになってしまった 159. 名無し募集中。。。 2009/06/23(火) 10 13 11.02 0 「あの子・・・・りさこって言ったけ」 一瞬桃かと思った でも実際にいたのはくりっとした目をしたお人形みたいな女の子 なんとなくだけど、この子も人見知りなのかなって直感で思った いつもは人の顔なんてすぐ忘れちゃうのに、梨沙子の顔は鮮明に覚えている自分に驚く 「ま、もう会わないだろうしどうでもいっか」 教室の窓から空を見上げる やっぱり屋上が一番いいやなんて思いながら瞳を閉じた 163. 名無し募集中。。。 2009/06/23(火) 12 06 41.28 O 「聞いて聞いて!」 大声を出しながら教室に入ってくるクラスメイト 「どうしたの?」 そのこの周りに集まるみんな 「さっき高一の教室の前通ったんだけど ○○先輩、夏焼先輩にコクったんだってー!」 「うそ!あの人可愛いよね!」 「結果は?」 「会えなくて夏焼先輩の友達に手紙渡して終わりだって」 「なんだぁ…ちょっと安心したかも」 「確かに」 胸をなで下ろすみんな 「でもさぁ、夏焼先輩色んな人と遊んだりしてるけど本命の彼女とかいるのかな?」 「そういう話聞かないよね」 「いたらショックだなぁ」 なんてみんなが話している隣で一人俯いている愛理 「大丈夫だよ、愛理」 肩をたたいて元気づける愛理 なのに自分に言い聞かせている気がして、あたしはなんか変だ 173. 名無し募集中。。。 2009/06/23(火) 21 33 51.96 0 「でも、夏焼先輩ってそんな歌うまいの?」 話をそらすように愛理に質問してみた。 梨沙子が聞く限りでは合唱部に所属する愛理も相当歌がうまい。 そんな愛理が夢中になるぐらいなんだから相当うまいんだろう。 「うまいし、なんかあたしと違ってかっこいいんだよね・・・」 遠い目をしながら語る愛理の横顔はなんかすごい大人びてるように見えた。 「そうだ、インディーズだけどCDあるんだよ。りーちゃんに貸してあげる。」 愛理はバッグから大事そうに一枚のCDをとりだすとおもむろに梨沙子の手に渡たす。 Buono!と書かれたジャケットの中心にはまるで一流歌手のようなオーラを放つ夏焼先輩が写っていた。 その姿に梨沙子は思わず見とれてしまった。 174. 名無し募集中。。。 2009/06/23(火) 22 36 49.87 0 みやは変わったと思う 前まではもっと明るかったし女の子に告白されたらすぐに顔を赤らめてた それなのに今は断る時もそっけない それによく違う女の子を自転車の後ろに乗せて遊んでる だけど遊ぶだけ遊んであとはポイッ、女癖が悪くなった なんでこんな風になっちゃったんだろう・・・ そう考えるとうちはみやの親友のはずなのに みやのこと何にも知らない気がしてうちは悲しくなった 175. 名無し募集中。。。 2009/06/23(火) 23 55 56.69 0 「じゃありーちゃんに宿題!」 「宿題?」 あたしの顔をニヤニヤしながら見てくる愛理 「土曜のライブまでにこの曲を歌詞も含めて覚えてくること!」 びしっとあたしを指さす愛理 「えー!!歌詞は無理だよー!」 あたしの頭じゃ歌詞を土曜までに覚えるなんて・・・ 176. 名無し募集中。。。 2009/06/24(水) 00 46 22.50 0 とは言ったものの愛理にお願いされたら仕方ない あたしは家に帰ると夏焼先輩のBuono!のCDを聴いた あたしは元々ロックとか好きじゃないしあんまり聴かない だから、これがあたしの中で本格的に聴くロックだ 初めて聴いたけどすぐにあたしは夏焼先輩の歌声の虜になっちゃった 人気があるのも頷ける 夏焼先輩の歌詞の内容は好きな誰かに対しての思いを綴ったものだと なんとなく分かりました その人好きだという思いや、その人がいなくなって寂しいという感情があたしにも伝わった そうして聴いている内、あたしは夏焼先輩が思いを寄せているかもしれない誰かについて気になりだしてしまう その人は誰だろう?あたしの勘違い?ただの歌のための歌詞で深い意味は無いのかもしれない ほんとにそうなのかな?夏焼先輩は誰かを忘れられないような気がしてしょうがない でも、その忘れられない誰かはあたしじゃないって気付くと少し切なくなる もし・・・夏焼先輩にとっての忘れられない人があたしだったら・・・って!あたし何考えてんだろう? あたしはもしかして顔も見たこともない、その人に嫉妬してるの? 夏焼先輩の姿が頭から離れない・・・あたし今夏焼先輩のことばかり考えている 胸が苦しい・・・何だろうこの気持ち?
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138. 名無し募集中。。。 2009/10/17(土) 11 30 06.77 0 部屋に差し込んできた朝日で目を覚ます 今、何時かな?って携帯をチェック 「6時か・・・ん?メール・・・?」 待受け画面にメールのマークがついていて誰?とページを呼び出す 「あ・・・」 差出人は・・・夏焼先輩・・・。 From:夏焼先輩 Subject ありがとう もう寝ちゃったかな?今日はリストバンドありがとね☆ 愛理も似合ってるって褒めてくれたよ♪ 明日からこれ着けて頑張ります(∂∀∂)ノ 夏焼先輩が昨日の夜送ってくれていたメール メールは嬉しいのに胸はずきずきする ―――愛理も似合ってるって褒めてくれたよ♪ あの後・・・先輩会ってたんだ・・・ 昨日だけは先輩の時間を独り占めしてたと思ったのに・・・ 「付き合ってるんだもんね・・・」 あたしは胸の痛みを抑えながら「じゃあ今日の練習は期待してますからね」と返した 144. 名無し募集中。。。 2009/10/17(土) 13 20 09.53 0 学校までの道のり・・・ あたしの家は学校からそこまで離れてないからゆっくり歩いて登校 その間あたしはいつも以上に携帯を気にしていた 今朝送った夏焼先輩へのメールの返信はまだない 普段、夏焼先輩は即レスが多いからちょっと心配 寝坊しちゃったのかな?とか体調悪いのかな?とか・・・ そんなことを考えながら交差点で信号が青になるのを待っていると 「あ・・・あれ・・・」 反対方向から自転車に乗った夏焼先輩の姿 まだあたしには気づいていない先輩はしきりに後ろを振り返りながら自転車を漕いでいる そんな後ろを向いて運転していると危ないよーと思って声をかけようと思って動きが止まった そう・・・後ろには人が乗っていた・・・ 夏焼先輩のカノジョの愛理ちゃんが・・・ 158. 名無し募集中。。。 2009/10/17(土) 16 48 41.35 0 「梨沙子ちゃん!」 「え…」 急に腕をぐいっと引っ張られ拍子でしりもちをついた 「いっ…」 「信号赤だよ!」 そう言われて信号を見ると横断歩道の向こうに見える信号機は赤色を点していた 「あ…」 「なんかあったの?」 あたしの顔を覗き込み優しそうにそう声かけたのは熊井先輩だった 前にもこんなことあった… あの時は夏焼先輩と愛理ちゃんが登校してる風景を見たとき 見たくない光景を見そうなあたしの目を遮ってくれた 今は見たくない光景を見てボーっとして赤信号を渡ろうとしたあたしを引き止めてくれた 170. 名無し募集中。。。 2009/10/17(土) 22 29 44.49 0 「ほら」 尻もちついてるかっこ悪いあたしを笑いもせず、手を差し伸べてくれる熊井先輩。 その手をとって立ち上がると、先輩はスカートについた砂まで払ってくれた。 「・・・ありがとうございます」 「いいよ。それより、何かあったんじゃないの?大丈夫?」 「いえ、大丈夫です。ぼーっとしてただけで・・・」 「そっか」 それ以上何も聞かずに「じゃあ行こうか」と歩きだす先輩。 ・・・熊井先輩って、こうゆうとこママと似てるなあ。 無理に色々聞いてこないし、優しいし、何でも包み込んでくれる感じがする。 1つしか歳違わないのに、凄く大人に見える。 それに比べて・・・夏焼先輩は、何でも聞いてくるし子どもっぽいしバカだしあたしに意地悪だし。 お人好しだし気遣い出来るしみんなに好かれてるし優しいし・・・ってダメだ・・・ いいとこだらけじゃん・・・ あたしって、先輩たちに恵まれてるんだなあ・・・ 174. 名無し募集中。。。 2009/10/17(土) 22 38 21.30 0 ぼーっとしてただけ そう言った梨沙子ちゃん でもわかってたよ 横断報道の向こうにみやと愛理ちゃんがいたのが見えたから いつも2人の前やうちらの前では何事もなかったかのように振舞って 弱さを見せない彼女がこうやって裏では傷ついて泣いてるのかなって思うと 例え傷ついたときの逃げ道でもいいから、そばで支えてあげたいって思える まぁ、これが恋なのかな… 227. 名無し募集中。。。 2009/10/18(日) 18 02 31.13 0|熊井先輩と一緒に部室に向かう 扉の前で足がすくんじゃったけど熊井先輩が先に勢いよく開けてくれて あたしもそれに続いた 中にいたのはこちらに背を向けてベンチに座っている夏焼先輩一人 「みや・・・?おはよ」 熊井先輩がおそるおそる声をかけるとびくっとする夏焼先輩 こちらに振り向くと笑顔で挨拶を返してくれる先輩 その左手には昨日あたしがあげた赤いリストバンド でもなんか今日の夏焼先輩・・・笑顔がいつもと違う・・・? 作ったような・・・ちょっと無理しているような・・・ 「熊井ちゃん、遅いよー?今日はうちが一番だから」 夏焼先輩はいつものようにおチャラけた後、一人先に体育館に向かった 228. 名無し募集中。。。 2009/10/18(日) 19 28 04.79 0 ――え?あたしは・・・? 先輩が出て行った扉を茫然と見つめる 先輩、あたしにだけ声掛けてくれなかった・・・ いつもだったら梨沙子おはよ!って元気に言ってくれるのに・・・ あたしに気付かなかった・・・わけないよね あたし、何か怒らせるようなことしたかな・・・? いや、でも、リストバンドはつけてくれてたし・・・ 思い過ごし、かな? うん、きっとそうだよ そうだよね・・・ 229. 名無し募集中。。。 2009/10/18(日) 19 36 50.57 0 さっき愛理に言われて言葉がずっと頭の中をぐるぐる回っていた ―――っ!最近のみやは梨沙子ちゃんのことばっかり・・・ うちが梨沙子の話ばかりだったから大好きな愛理を傷つけた 本当は朝、梨沙子が座り込んでいたから怪我してないかとか心配だし リストバンドのお礼もちゃんと言いたかった だけど梨沙子の顔を見ると愛理の言葉を思い出して胸が痛くなるから・・・ だからうちは逃げるように部室を出た 231. 名無し募集中。。。 2009/10/18(日) 20 15 16.82 0 結局夏焼先輩と一言も口を利かぬまま朝練は終了した。 話しかければ普通だったのかもしれないけど、 なんとなく避けられてるような気がしてならなくて、最後まで近づくことすら出来なかった。 いつもはかまってくれるのに、今日どうしちゃったんだろ・・・ ちらっと横目で先輩を見ると、先輩は徳永先輩たちといつも通り楽しそうに話してる。 他の部員とは普通に話すのに、なんであたしだけ・・・ 考えれば考えるほど辛くて、あたしは急いで着替えて教室に向かった。 先輩のバカ・・・
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475. 名無し募集中。。。 2009/06/27(土) 14 43 30.28 0 愛理は帰り道、暗く沈んだ気持ちで歩いていた 数時間前の・・・屋上で見た夏焼先輩とりーちゃんの関係が目に焼きついて離れない 私が知らない間に2人が惹かれあって急接近してただなんて知らなかった 私は夏焼先輩が好きだった・・・でも夏焼先輩は私のこと眼中にないのは薄々気付いてた 夏焼先輩には他に忘れられないで思っている人がいるのも分かってた それでも私は夏焼先輩のそばにいたくて、いつも夏焼先輩を追いかけてた いつか夏焼先輩が私に振り向いてくれるかもしれない そんな根拠の無い期待を抱いて追いかけていたの でも惨めね・・・ こんなに先輩のこと思ってたのに私の思いに夏焼先輩が答えてくることはなかった 夏焼先輩には他に好きな人がいた その子に夏焼先輩が取られた・・・その子は私の親友の梨沙子 476. 名無し募集中。。。 2009/06/27(土) 14 53 21.72 0 でも私はりーちゃんを恨めない 他の子だったら素直に嫉妬してたかもしれないけど 親友の梨沙子にはそんな感情がわかない 私はりーちゃんが好きだし、いつも一緒にいて友情を育んできたから 私にとってはりーちゃんも大切な人 気が合い心の許せるこれ以上いないってほどの親友だから でもだから余計辛い 夏焼先輩に思いが届かないで失恋したことも りーちゃんとの関係が壊れてしまうかもしれないってことも だって明日からどんな風にりーちゃんと接すればいいの? 夏焼先輩とりーちゃんの関係を見て私は耐えられる? 477. 名無し募集中。。。 2009/06/27(土) 15 01 28.88 0 りーちゃんを失いたくない りーちゃんまでいなくなったら私は一人ぼっち でもそれは無理かもしれない 私はそれでもまだ夏焼先輩が好きなの この夏焼先輩に対する思いは消えない まだ私は夏焼先輩が欲しい でも、その夏焼先輩はりーちゃんを選んだ りーちゃんも夏焼先輩のことが・・・ だったら私が身を引くしかないのかな? 夏焼先輩への思いも諦めて去るしかないのかな? きっと今までのようにりーちゃんや夏焼先輩と接することは自分にはできないから 今までのようにはいられないのよ、りーちゃん分かっているの? 478. 名無し募集中。。。 2009/06/27(土) 15 08 50.71 0 色々と考えをめぐらせていると、また涙が溢れてきた 辛くなって私は人気の無い公園の隅で泣きじゃくった 家に帰る気もしない、明日は学校にも行けそうにないかも 482. 478の続き 2009/06/27(土) 15 35 24.75 0 その後、私は当てもなく街を歩いてた どこに行くというわけでもなく適当にフラフラと歩いて気付くともう涙は乾いてた しかしもう私は心ここに在らず何も感じない 辺りを見渡すと空は暗くなっていて、あぁ夜になったんだとぼんやりしながら思った そしてここは見慣れない繁華街、普段私が行かないような場所にたどり着いていた 目の前を見ると私より年上かな?大学生くらいの男の子3人があたしのこと見てニヤニヤしてた 「ねえ今って暇?」 「どう俺達と遊ばね?」 いかにも軽そうな人達だった これってもしかしてナンパというもの?私には初めて経験するもので特に興味はなかったけど 私は誘われるがままその人達についていった 何も考えてなかった・・・もうどうにでもなちゃえ・・・ 484. 名無し募集中。。。 2009/06/27(土) 15 45 03.83 0 私は適当にその人達についていって 夏焼先輩とは大違いなほどの馬鹿そうな男が私に話しかけていて 適当に返事をしたり笑顔を作ったり こんなの私じゃない・・・何も感じない でも夏焼先輩を忘れられるなら・・・ 気付くと私はワゴン車に乗せられて後部座席に座っていた どこに連れてかれるのかとか考えてなかった 自暴自棄になってるのかなと心の片隅で冷静にそう思った でも心と意識が切り離されてる 488. 名無し募集中。。。 2009/06/27(土) 15 54 30.28 0 窓から車の外を見ると街からどんどん離れていって 見慣れない景色に変わっていた 私は不安になった 私何でここにいるの私は何してるの馬鹿みたい ふと我に帰る 「ここで降ろしてください」 私はその男の人達にそう頼んだ 「あ?何言ってんのお前?」 明らかに酔っ払ってる男の1人が私を睨む 冷静になって感覚が戻ってくる 怖い・・・恐怖心が私を包む 489. 名無し募集中。。。 2009/06/27(土) 15 58 55.55 0 しばらく無言になって、お互い考え事をしていた。 どれくらいたっただろうか。 「ねぇキャップ、もう帰ろうよ、タクシー代出すから。」 「帰りたいなら一人で帰りなよ・・・」 「そんなこと出来ないよ」 ここでふと思ったのは愛理ちゃんのこと。 もしかしたら見ちゃったんじゃないだろうか、あの二人を。 だから泣いていたんじゃないのか・・・・。 そうだとしたら・・・・やばいよね。 「熊井ちゃん!!」 「え!?何!?急に!」 「愛理ちゃん探すよ!」 「愛理ちゃん!?・・・・・あ!!!そっか!そうだ!!」 490. 名無し募集中。。。 2009/06/27(土) 16 00 14.52 0 最近あたしはよく夢か現実か分からないような夢をよく見る いつも愛理と話してる公園で誰かが泣いていた 暗くてよく見えないけど、一人は愛理だって分かった もう一人はだれ?隣にいるのはだれ?どうしてもその人の顔が見えない でもそれよりも、愛理が泣いている 側に行かなきゃ・・・・そう思うけど足が重くて進まない そうする間にも愛理の涙は地面をどんどん濡らしていき、土がどんどん緩くなっていく。 そしてついに愛理の体が沈んでいった 愛理!そう叫ぶけどあたしは動けないまま。愛理はどんどん土に沈んでいく。 愛理がいなくなっちゃう・・・・!そう思った時、愛理の隣で一緒に泣いてた誰かが愛理の体を引き上げた 「・・・んはっ!」 パッと目が覚めた。暑くもないのに汗をぐっしょりかいていた。 「夢か・・・」 いつの間に眠ってしまったのか、窓の外は真っ暗だった。 もう一度目を閉じる。泣いていた愛理が脳に焼き付いている。 そして・・・・隣にいたあの子も。 「梨沙子、愛理ちゃんのお母さんから電話よ」 「え?」 「愛理ちゃんがまだ家に帰ってきてないらいんだけど、知らないかって」 それを聞いた瞬間、あたしは家を飛び出していた お母さんが何か言ってたけど耳に入らなかった さっき見た夢、愛理の隣で泣いていたのは、愛理を助けたのは・・・・あたしだ。 愛理の隣にいるのは、どんな時もあたしだったんだ。 あたしは体の疲れも忘れて無我夢中で走った。 528. 名無し募集中。。。 2009/06/27(土) 21 40 33.77 0 夢中で走りながらあたしは昔のことを思い出していた。 屋上で泣いていた時に黙って背中を貸してくれたこと。 私も一緒に信じるよと言ってくれたこと。 あたしが悩み苦しんでいるとき、愛理はいつも側にいてくれた。 何か特別なことをしてくれたわけじゃない。 だけど、愛理が側にいてくれるだけであたしは安心することができた。 辛く悲しいことがあっても、なんとか乗り越えることができた。 愛理に何があったのか分からないけど、辛い思いをしていたのかもしれない。 一人で悩み苦しんでいたのかもしれない。 それなのにあたしはそのことに気づいてあげられなかった。 愛理の側にいてあげられなかった。 あたしは愛理の親友失格だ。 ごめんね愛理…本当にごめん 気がつけば頬に涙が伝っていた。 492. 名無し募集中。。。 2009/06/27(土) 16 02 58.17 0 「ここまで来たんだから楽しもうよ」 茶髪の男の人が私の隣に座り 私をいやらしく見てる・・・もしかしたら嫌な想像が浮かぶ その通りだった私の太ももをいやらしく触ってきたから、その手を跳ね除けた バシッ! 痛かった男の人が私の頬を殴った 痛さで涙が出そうになる そうして名前も知らない男が私の上に乗ってくる 私の制服に手をかけて脱がそうとしてるてに爪を立てる 「いやぁぁぁぁ!!!」 私は咄嗟に目の前にあった男の耳に噛み付いた 男は悲鳴を上げる 耳がちぎれたような気がした 口の中にしょっぱい血の味が広がる 494. 名無し募集中。。。 2009/06/27(土) 16 05 05.47 0 とりあえず、学校から愛理ちゃんの家の通学路を探すことにした。 キャプとふたりで、きょろきょろしながら探し回る。 もしかしたらもううちに帰ったんじゃ・・・ 「熊井ちゃん!!」 「ほぇ?」 「電話!!!愛理ちゃんの番号知ってるでしょ!?」 「あ、そうだ・・・w」 「もう!なんでもっと早く気付かないのよ!バカ!」 バカって・・・気付かなかったのはキャプもおんなじじゃんか! ってのは胸にしまいこんで電話を取る。 えーっと、愛理、愛理・・・ あれ?苗字は何だっけ? 「ねぇキャップ・・・・」 「何!早くしてよ!」 「いや・・・愛理ちゃんって苗字なんて言うの?」 「す・ず・き!」 うちは一切悪くない気がする。そんな怒鳴らなくても・・・ 少し半泣き気味で愛理ちゃんに電話をかけた 496. 名無し募集中。。。 2009/06/27(土) 16 13 59.72 0 男の人が手で耳を押さえて泣き喚いていた もう1人が大丈夫かとその男に駆け寄る 車を運転していた男が車を停車させた 逃げるなら今だと思った 私は車のドアを開けて逃げようとしたら 私の足を男が掴んでいた、掴んでいないもう片方の足で男の頭を蹴ると力が弱まった 掴んでいる手から足を抜くと私は一目散に走った 後ろで何かを叫んでいる声が聞こえたけど 真っ暗な歩道を私は死に物狂いで走った 誰かが追いかけてきている気がして どれくらい走っていたのかな? 後ろを振り返ると誰も追ってきてないし誰もいなかった あの人達病院にでも行ったのかな? 唇に手で触れると血がついた、その瞬間激しい嫌悪感に襲われて制服の袖で血を拭う 私馬鹿だ・・・何考えてるの? 502. 名無し募集中。。。 2009/06/27(土) 16 23 05.99 0 自分に嫌悪感が湧いてきた 知らない男の人についていったら危ないはずなのに ここどこなんだろう? 車で長い間連れてこられている内に知らないとこに迷子になってる 誰か助けて・・・その時夏焼先輩とりーちゃんの顔が浮かんだ 会いたい・・・こんなになっても私は2人を求めてる 不安になりながら夜道を歩いた でも民家の一つも見当たらない どうしよう 遠くで海の波の音が聴こえた 海が近いんだ・・・私は音がする方へ向かった
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580. 名無し募集中。。。 2009/12/02(水) 22 48 22.08 0 今日は引退した先輩も交えて試合をしたりと、午前からかなり濃い内容 夏焼先輩は今日もいっぱい声を出して チームを盛り上げて、率先してみんなを引っ張って 真剣な顔でずっとコートの中にいた あたしは笑顔で、チームのはつらつとした様子を見ていた 「あっ・・・」 ・・・と言った時には遅かった ボールを追ってた夏焼先輩と矢島先輩がぶつかって、矢島先輩が結構豪快に転んだ 「いたた・・・」 「もう何やってんの舞美ー!」 「いやー、やっぱブランクあるときっついわあ」 「舞美ださーい!」 あたしは慌てて駆け寄ろうとしたけど、笑ってる先輩たちを見る限り大丈夫そうなので足を止めた ママも、他の選手も、みんな、明るい先輩達のやり取りを笑顔で見ていた だから誰も、顔面を真っ青にして立ちすくんでる夏焼先輩に気付かなかった 581. 名無し募集中。。。 2009/12/02(水) 23 47 21.67 0 矢島先輩にぶつかった瞬間うちはそこから動くことができなくなった あの時とは全然当たり具合も違う・・・ それに矢島先輩は立ち上がってみんなと笑ってるじゃないか だけど・・・ 『ヤバイ!!救急車!!』 『村上!立てるか!?』 そして・・・ 『わざとじゃないのー?』 『なんかフェアじゃないよねー』 思い出されるのはあの試合のあの瞬間――― わざとじゃないんだ・・・ 仕方なかったんだ・・・ 583. 名無し募集中。。。 2009/12/03(木) 02 20 03.26 0 朝からのハードな練習 先輩の動きはやっぱすごい。見習わなきゃ。 なんてことを考えながらも先輩との交流試合で自分の実力が少しずつあがってるのがなんとなくだけど実感できた 「ママ、ここお水置いとくね」 「うん。ありがと」 こんな些細な会話にも耳を傾けてしまうのは前と変わらないけど… いけないいけない。と首を横に振り試合に戻ろうとしたときに豪快な音と共に しりもちをついている矢島先輩とその場に立ちつくしているみやが目に飛び込んだ 一瞬なにが起きたのがわからなかったけど二人に駆け寄るみんなに釣られるようにあたしも2人に駆け寄った 「いたた・・・」 「もう何やってんの舞美ー!」 「いやー、やっぱブランクあるときっついわあ」 「舞美ださーい!」 そんな会話がもれる中、一人遠くでただそれを見てるだけのみやが視界に入ったけど まぁの「熊井ちゃん、ちょっと氷持ってきて!」という声にそんなみやの姿は一瞬で視界から消えた 584. 名無し募集中。。。 2009/12/03(木) 02 39 10.48 0 わざとじゃないのに… なんで… 『なにもかもあんたのせいよ!』 『もうあんたの顔なんて見たくない』 冷たく悔しさに包まれたあの日の彼女の声が何度も頭の中でリピートされていく… あたしのせい… 全部あたしの… 震えていた手にそっと包み込むように握られた優しい手 「夏焼先輩…?大丈夫ですか?」 あたしの顔を覗きこみ心配そうにした顔の梨沙子が目に入り その握られた手からは暖かい温もりが感じられた 587. 名無し募集中。。。 2009/12/03(木) 08 25 51.21 O 念のためママと一緒にコートに駆け寄ると、案の定たいしたケガはしてないみたいだった。 でも一応冷やした方がいいかな?って氷を持ってこようとした矢先に ママが「氷とってきて」ってなぜか熊井先輩に言ってて、 そこは普通あたしに頼むでしょー!って場違いに口を尖らした。 そしたらふと、輪から少し離れた場所で立ちすくんでる夏焼先輩に気付いた。 ケガしたのかな?と心配になって あたしは近づいて先輩の手をそっと握った。 「夏焼先輩…?大丈夫ですか?」 真っ青になってる先輩。 握った手はぐっしょり濡れていて、氷みたいに冷たくなっていた。 588. 名無し募集中。。。 2009/12/03(木) 08 39 11.47 O 先輩はあたしに気付くとふらっと倒れるようにして頭をあたしの鎖骨らへんに預けてきた。 でもそれは一瞬の出来事で、先輩はすぐに顔をあげた。 「大丈夫、だよ」 「いや、でも・・・」 ふらふらしてるし、汗もぐっしょりかいてる・・・ どうみても大丈夫には見えない。 「ほんとに平気だから。戻りな?」 それでも笑顔を作ってあたしの頭を撫でる先輩。 だけどその手が微かに震えてるような気がして あたしは先輩の言葉を無視してタオルで先輩の汗を拭った。 591. 名無し募集中。。。 2009/12/03(木) 13 15 55.78 O 夏焼先輩は「大丈夫だから…」と何度か呟いたけどとても大丈夫には見えくて… あたしの後ろにいつの間にか心配そうな顔した清水さんがいた。 「みや、顔色悪いよ…。 少し休みな」 「っ…大丈夫だよ…練習、続けよ」 清水さんに無理矢理作ったカラ元気な笑顔を見せる夏焼先輩… 平気ぶる先輩をあたしは見ていられなくて 「じゃ、ぶつかった夏焼先輩は罰として外を走って下さい」 この場に夏焼先輩をいさせたくなくて考えた苦肉の策。 あたしがこんなこと言う権限ないよね… 「何言ってんの。うちキャプテンだし…」 「それいいね!みや外周…そうだな浜辺走って足腰鍛えといで」 「キャプ…」 「あたしはまだみやのキャプテンでしょ?言うこと聞きな。 ズルしちゃいそうだから梨沙子ちゃんも一緒にお願い」 と清水さんにポンと肩を叩かれた。 すれ違い際にあたしにしか聞こえないくらいの小声で 「心配だから絶対に一人にさせないで」 と囁かれた。 夏焼先輩は納得いかない顔しながら外に向かって歩き出す。 あたしはその背中を見ながら追いかけた。 594. 名無し募集中。。。 2009/12/03(木) 16 47 51.88 O 体育館から少し離れた宿舎のそばの浜辺につくと先輩は黙々と走り出した あたしは宿舎から急いで自転車を借りてきて砂浜沿いの道を併走する ただまっすぐ前を見て走る夏焼先輩 その姿を見ながら置いていかれないようにあたしも必死で自転車をこいだ さっき言われた清水先輩の言葉 心配だから絶対目を離さないでってどういうことだろう? 確かに夏焼先輩の様子は普通じゃなかった だけど清水先輩の対応はもっと・・・なんか・・・ 色々考えていると先輩が走るのをやめて砂浜に座っていた あたしはカゴの中からドリンクとタオルを持って先輩に駆け寄った 595. 名無し募集中。。。 2009/12/03(木) 17 27 04.30 O どれくらい時間が経ったのかわからないけど 先に口を開いたのは夏焼先輩だった。 「何で梨沙子も行けって言ったか、わかる?」 「え?」 「うちがサボったりズルするわけないじゃん? 仮にも今はうちバスケ部のキャプテンなんだから。」 夏焼先輩の顔からは何も読み取れなかった… 顔色は幾分良くなったけど、無表情で話す夏焼先輩はなんだか悲しく見える…。 「…キャプテンでもズルするかもしれないじゃん。 だからお目付役であたしがいるんですー! はい!先輩全然飲んでないじゃないですか。 脱水症状起こされたらあたしが迷惑するから飲んで下さい」 こじつけの様に先輩にドリンクを押し付ける。 夏焼先輩はあっけに取られたような顔でドリンクを飲んだ後また頭を撫でてくれた。 「なんか、ありがとね色々」 いつもの笑顔であたしの頭をワシャワシャ撫でくり回す先輩。 少しは元気になったかな……… 610. 名無し募集中。。。 2009/12/03(木) 22 52 32.97 0 しばらくすると夏焼先輩は立ちあがってあたしに手を差し伸べて、 「帰ろう」 そう言って微笑んだ だけど、どこか無理してるようなその明るさは逆に 何かに怯えているような、何かから逃げてるような、そんな風に思えてならなかった 先輩が何かを思いつめてるのは確かだと思う だけど、深入りして話を聞くべきなのか いつものように元気に振舞うべきなのか どれが本当の優しさなのかあたしには分からなくて あたしは複雑な思いで先輩の手を握った 612. 名無し募集中。。。 2009/12/03(木) 23 01 06.33 0 梨沙子の手はとても暖かった その手を握っているとうちのことを待っていてくれている愛理を思い出した あの時愛理はうちにこう言ったんだ 『他の世界中のみんながみやの敵になったとしても』 ―――あたしだけはずっとみやの味方だから それを言われた時、うちは初めて愛理の目の前で涙を流すことができたんだ そして今度はうちが愛理を守るんだ 愛理のために強くなろう、そう決めたんだ・・・ 623. 名無し募集中。。。 2009/12/04(金) 00 21 42.45 0 だけど・・・ うちの心はまだまだ弱いみたいで 体育館が見えてくるにつれて心臓が嫌ってほど暴れていく ――愛理、うち、出来るよね・・・? 目を瞑って愛理に問いかけた 大丈夫、うちはやれる だってうちはキャプテンなんだから・・・ そう自分に言い聞かせて深呼吸した 624. 名無し募集中。。。 2009/12/04(金) 00 40 20.72 0 あたしは体育館に戻る間、先輩の背中を見つめ続けた 先輩のバカ・・・ あたしが前言ったこと覚えてないの? 弱音吐けなかったらあたしに言っていいって、そう言ったじゃん、バカ 先輩はいつも優しい それにいつも元気でみんなへの気配りを忘れない だけどあたし、マネージャーなんだよ? だから、少しは頼ってほしいよ、先輩 あたしは先輩を心配する気持ちと自分のやるせない気持ちを抱えながら歩き続けた 625. 名無し募集中。。。 2009/12/04(金) 02 46 40.83 0 「おかえり。ちゃんと走った?」 体育館に入るとキャプテンがうちのほうに駆け寄ってきてそう聞いた 「もちろん!ね、梨沙子?」 「う、うん」 少し曖昧な梨沙子の返事にも関わらずキャプテンは「そっか。お疲れ様」とそれだけ呟いた 「うん…。ごめんね、キャプテン…うちもう…」 「ったく、キャプテンはみやでしょ。あたしはもうただの清水先輩」 キャプテン失格だよね… そう言いかけたうちの言葉を察するかのように笑顔で答えたキャプテン 「キャプ…」 「ほら、今みんな休憩中だし水飲んできな。梨沙子ちゃんも」 うちの肩を2,3度優しくぽんぽんと叩いたキャプテンはもも達のほうへと歩いて行ってしまった 628. 名無し募集中。。。 2009/12/04(金) 10 29 14.24 O その後再開した練習試合では、さっきよりも声出してチームをまとめてる夏焼先輩の姿があった。 でもそれはどこか無理してるようで… 楽しんでる、というよりは緊張してるような… 『がんばらなきゃいけない』という義務感だけで動いてるような、 そんな印象を受けた。 それと気になるのが…… 先輩、いつもより全然攻めていかない…。 …なんて言うんだろ、相手との接触を避けてるっていうか… とにかくいつものプレーと違う…。 なんか、部員に遠慮してる…? 631. 名無し募集中。。。 2009/12/04(金) 14 48 56.53 0 交代でコートから出てきた。 先輩にどこか痛いのか確認しよう。 もしかしたらさきの矢島先輩との接触でどこか痛めたのかも知れないし。 「先輩・・・」 一瞬声をかけるのをためらうくらい無表情な夏焼先輩・・・ 綺麗な人形のような近寄りにくさがある。 あたしに気づくと軽く右手をあげ口の端だけ上げて笑顔を作る。 すっごく不自然。 なんだか悲しくなる、そんな顔されちゃ―――・・・・・・ 結局、あたしは声をかけれず先輩はしゃがみ込んでコートを眺めていた。
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76. 名無し募集中。。。 2009/10/15(木) 08 27 42.69 0 部屋に戻って今日の出来事を色々思い返した。 あたし最近、夏焼先輩のことで一喜一憂してばっかだな・・・ でもリストバンドあげて良かった。 ・・・・・好きになっちゃダメなのに もっともっと好きになっちゃう・・・・・ パンッ! 自分のほぺっぺを軽く叩いて気持ちを切り替える 「あたしは、マネージャー!・・・」 がんばろうって気持ちと夏焼先輩を気にしてしまう気持ちは こんな軽い渇を入れたところで変わらないけど あたしはバスケが大好き。 だから夏焼先輩にはバスケで活躍してほしい。 これくらいは思ってもいいよね・・・・・・? 107. 名無し募集中。。。 2009/10/16(金) 17 11 48.10 O 胸がなんだか苦しくて夕ご飯はいつもの3分の2しか食べれず… 湯船にしっかり浸かって、熊井先輩の足は大丈夫かな?とか 合宿って前の学校のとはきっと違うよね? なんて1人で考えを巡らせた。 日課の日記をつけた後、これまた日課の夜空を見た。 綺麗な三日月が晴れた夜空に輝いてて 何故か夏焼先輩を思い出してドキドキした……
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前へ 「すぎゃさん、一体どうなさったの」 眉をひそめて、黒目を潤ませた岡井さんが顔を近づけてくる。 私と一緒に泣いちゃうんじゃないかって思うぐらい、悲痛な表情を浮かべている。・・・岡井さんって、変な子だけど優しいからなあ、うん。 「おがいさぁん・・・うぅ・・・」 末っ子キャラって言われるけど、あんまし同い年の子にまで甘えるのは主義じゃないんだけど。 でもスタッフTシャツを着込んだ岡井さんはやけに凛々しく見えて、私はついつい至近距離で泣き顔をさらしてしまった。岡井さんのちっちゃい手に私の涙がぽつぽつと落ちていく。 「ひっく」 うまくまとめられないんだけど、私はどうして泣いているのか、必死で岡井さんに話した。 夏焼先輩が遠く感じるって力説しながら、岡井さんと一緒にBuono!のライブチケットを取りに行ったこととか、教室でセットリストの話で盛り上がったりしたことを思い出してしまって、余計に胸が苦しくなる。 多分、傍から見れば今の私は恐ろしく滑稽だろう。 でも、岡井さんは困惑した表情を浮かべながらも、一生懸命私の話の行き着く先を考えてくれているみたいだった。 「でね、夏焼先輩は去年よりかっこよかったし美しくて神々しくて」 「え、ええ」 「せくしーできゅーとでちゃーみんぐで」 その優しさについつい甘えて、私は悲しいっていうのに、気がついたらまたいつもの夏焼先輩弾丸トークをぶつけてしまっていた。 いいよね、これぐらい!岡井さんだって、3人中じゃ夏焼先輩推しだって言ってたし! それに、目力ともまた違う岡井さんの独特の“魔女の瞳”は、私の言葉の中にある気持ちを、すべて読み取ろうとしているかのようで頼もしかった。 「夏焼先輩が遠いよ、岡井さん」 「・・・やっぱ、梨沙子もそう思う?」 「あっ!」 振り向けば、そこにいたのは私のママことまーさ。 ここまで味方が集まってくれた状態だから、何とか私の精神状態も落ち着いてきた。 ママも夏焼先輩のテンションには疑問を抱いていたらしく、私がぶつける言葉にもうんうんと賛同してくれる。 だけど、さっきまでは冷静だった岡井さんが、今度はなぜか青ざめだして・・・ 「ごめんなさい、すぎゃさん」なんて涙目で言うもんだから、私の夏焼先輩センサーがフル作動。 1.(すぎゃさんの恋人の夏焼先輩を寝取って)ごめんなさい、すぎゃさん 2.(舞という恋人がいながら夏以下略)ごめんなさい、すぎゃさん さあ、どっちだ!どっちもか!岡井め!よくも夏焼先輩を! 「きえええ!」 奇声をあげて飛びかかるも、あえなくママと駆けつけた舞ちゃんに取り押さえられてしまう。 夏焼先輩のこととなると、見境がなくなる私(はい、自覚はあります)を、みんな心配しながらもちょっと面白がっているのが伝わってくる。 ・・・うん、もう自分でもわかってる。もう既に、みんなのおかげでとっくに元気を取り戻しているし、正直ごちゃごちゃ言ってないで、客席に戻って応援したい気持ちもある。 だけど、あるでしょ。変に意地張って、引き際がわからなくなっちゃうことって。 つられて笑いたいけど、変なプライドが邪魔をして、素直になれない。 「ちしゃとは俺の嫁!!」なんて本人の前で堂々と言えちゃう、舞ちゃんがうらやまキモい。 「梨~沙~子~!!!」 ごねている間に、今度はももまで登場。みんなして、私を心配してくれてるっていうのがよくわかる。わかるんだけど・・・。 私も舞ちゃんみたいに、直接夏焼先輩に思いを伝える勇気があればいいのに。 夏焼先輩のことがどれだけ大好きだか、友達にだったら徹夜で力説できるぐらいだけど、本人を前にしてなんて、とても無理だ。 「梨沙子、こんなとこで油売ってていいの?」 また、ももが助け舟を出してくれる。 デモデモダッテを繰り返していたって、もうとっくに自分の中で結論は出ている。 今からでも、夏焼先輩を応援したい。 悲しくなったって、どんだけ泣いたって、私の気持ちは変わらないんだから。 一方通行?それは仕方ないの。ファンの宿命っていうやつだ。問題は、ここまで惚れた夏焼先輩にどこまで忠誠を誓えるのかという事であり、その思いに背くということは自分自身の気持ちに背を向けるだけではなく夏(以下自問自答) 「さあ、座席に戻りましょう!」 幸いなことに、岡井さんもいつもの“キリッ”顔で私を応援してくれている。 「「みーやび、オイッ!みーやび、オイッ!」」 その勢いにまかせて、二人肩を組んで座席へ戻ろうとした刹那だった。 「呼んだ?」 「ひぎぃ!」 ついに、天女降臨。 岡井さんごと地面に転がる私を見て、「大丈夫?」と白魚のようなしなやかで艶かしい腕を差し出してくださる、夏焼先輩。 「あばばばばば」 一瞬で私の思考は完全にストップし、小汚い廊下は薔薇のカーペットに変化し、世界は私と夏焼先輩だけのものとなった。 「・・・今日のライブ、つまらなかった?」 いいえ、めっそうもない!!! 不安そうに眉をひそめる夏焼先輩。張り裂けそうなほど目を見開いたまま、私はあわてて首を横にブンブン振った。 「あの、あのあの」 とても、まともに口を利ける状態なんかじゃない。 岡井さんのお誘いで、ランチをご一緒した時だって、夏焼先輩の肌の隆起や産毛や毛穴レスなお顔をガン見するのが精一杯だった。 「ごめんね、梨沙子ちゃん。たしかに今日の私は、あんまよくない状態かもしれない」 真っ白な頭の中に、夏焼先輩の切なそうな声がしみこんでくる。 私は、何を血迷っていたんだろう。大事な人がいる?いつもよりお客さんに愛想がいい?それがどうしたっていうんだ。 私の神様に、こんな顔させて、私ってば信者・・・いえ、ファン失格!梨沙子のバカバカ! 「梨沙子、ほーんとみやのこと大好きだからね。ファンとして、みやの様子が違いすぎると不安になっちゃうんだよ」 「そんなに私のこと、見ててくれたんだ・・・」 ももが私の頭ぽんぽんなでながらそう言ってくれて、夏焼先輩の顔がほんのりほころぶ。 「あのっ」 声が裏返ったけど、誰も笑わないでくれた。私は飛び出しそうな心臓を抑えながら、夏焼先輩をまっすぐ見つめた。 「な、夏焼先輩は、私の、大事な人、なんですっ!!」 「大事な人・・・」 次へ TOP
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50. 名無し募集中。。。 2009/12/17(木) 16 44 44.22 O 亀井先輩とベンチに並んで座って練習を見守る その間に少し話して先輩がバスケ部の元マネージャーだって聞いた そんな亀井先輩はずっとニコニコしてみんなに声援を送ったりメガホンで叫んだりしていた きっとみんなかは愛されてたんだろうな なんとなくそう思いながら先輩の横顔をこっそり見る すると嬉しそうに口を開く亀井先輩 「みんな頼もしくなったなー」 「え?」 「絵里がいたときからすっごく成長してる みやびちゃんも上手くなったなぁ」 ドキッ――― 亀井先輩が夏焼先輩の名前を出しただけで高鳴る鼓動 あぁ、ホントあたし先輩のこと好きすぎだよね でも昔の夏焼先輩ってどんな感じだったんだろ 「あ、もー!小春はまたスタンドプレーしてる!!ったくー」 51. 名無し募集中。。。 2009/12/17(木) 17 31 38.78 0 「あの、亀井先輩・・・」 「ん?なぁにー?」 「その・・・夏焼先輩が入部した頃とかって、知ってます?」 「みやびちゃん?うん、知ってるよ。なになに?興味あるの〜?」 ニタニタしながら突いてくる亀井先輩 えっ!好きなのバレた!?いや、まさかそれはないよね・・・ 「っ・・・いや、興味あるっていうか、その、えっと」 「ははは。ゴメンね、うそうそ。んーとね、中一の時は確か黒髪のロングでぇ・・・」 黒髪ロング!?何それ想像つかない!超見たいんですけど! ママに今度写真見せてもらおっと 「入部した時はみんな大騒ぎだったよ。綺麗な子が入ってきたーって」 「そう、なんですか・・・」 「でもみやびちゃん人見知りでさ!絵里とかが話しかけても『はい』しか言わないし、 普通に話せるようになるまで大変だったよ〜」 「あはは。夏焼先輩らしいですね」 確かにちょっと人見知りっぽい感じかも、夏焼先輩 ま、あたしもだけどね でも不思議と夏焼先輩とは最初から普通に話せたんだよなぁ かなりあたし生意気だったと思うけど・・・ 52. 名無し募集中。。。 2009/12/17(木) 17 55 12.31 O 「そういえば初めからみやびちゃんモテてたなぁ」 「そうなんですか?」 「うん、今も相当みたいだけどね みやびちゃん目当てでファンの子がいっぱい来てたよ」 うん、やっぱりそうだよね・・・ あんなに綺麗でカッコいいんだもん 「あとはねぇ、超歌が上手いんだよ?知ってる?」 「え、知らないです」 「今度聞かせてもらいな?めっちゃ感動するから! 惚れちゃうかもよー 小春はヘタだけど」 いや、もう、既に惚れてますから・・・ なんて言える訳ないけど 先輩、歌上手いんだ・・・
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576. 名無し募集中。。。 2009/10/28(水) 19 28 06.31 0 「ふぅ・・・あ、アザできてる・・・むー・・・」 あたしはよく転んだりどこかにぶつかったり・・・ すり傷やアザを気がつかない内に作っちゃう天才だ。 これは・・・ん〜と、さっきの救急箱かな? 一人で考えてて、ふと顔を上げたら視線の先に夏焼先輩 バッチリと目が合ってしまった!! 怒ってるのかよくわかんないから・・・ここは! ・・・・・・・笑顔だ。 夏焼先輩も同じ様に笑ってくれていた。 怒ったり・・・は、してないよね? あたしは無意識の内に夏焼先輩の方へと歩いていた。 「お疲れ様です」 「うん、お疲れ」 朝のことなど無かったかのように 夏焼先輩は優しくあたしの髪を撫でてくれた。 577. 名無し募集中。。。 2009/10/28(水) 19 28 46.15 0 どうしよう・・・すっごく嬉しい・・・ 顔、赤くなっちゃダメだよ!あたしの顔さん!! 一人、頭の中で自分と戦ってたら 先輩が一瞬複雑な表情を見せた。 「・・・先輩?」 「え?あ・・・ゴメン。そうだ、梨沙子リストバンドありがとね!」 その戸惑うような表情は一瞬で、すぐ『いつもの先輩の顔』に戻った。 あ、リストバンド・・・えへへ。 気に入ってくれててやっぱり嬉しい。 先輩に似合ってるし。 「それじゃ、またね」 あ・・・・・・・先輩は出口に向かって真っ直ぐ歩いて行った・・・。 「・・・・ばーか、先輩なんて・・・・・・大好き・・・」 先輩の後姿に誰にも届かない声で呟いた。
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499. 名無し募集中。。。 2009/11/29(日) 16 02 15.76 O 時計を見るとそろそろみんなも起きだす時間 あたしはマネージャーだから朝食の準備しなきゃとベッドから立ち上がる 「ん?梨沙子どうした?」 「あ、あたし、先に言って朝食の準備しないと」 「えー?そんなの梨沙子ちゃんがしなくって大丈夫だってー!」 「いや、で、でも」 久住先輩に言われて戸惑っていると隣で夏焼先輩が「よっ」と立ち上げる 「じゃあうちらも一緒に行こうよ」 「「えっ!?」」 「だって3人で準備したほうが早いじゃん、うちお腹すいたし」 そう言って先輩はあたしたちを置いて先に部屋を出て行った 512. 名無し募集中。。。 2009/11/30(月) 08 52 39.50 O 結局三人で先に食堂に入って朝食の準備をした といっても久住先輩はしぶしぶだったけど あたしはお皿の準備をしながら夏焼先輩の姿を盗み見る 先輩は全員分のご飯をよそったり、味噌汁をお椀に入れたり なんだかすごく手際がいいのに驚いた 先輩、こういうこと得意なんだ・・・ 先輩の新しい一面が見れたような気がしてあたしは先輩から目が離せなかった 513. 名無し募集中。。。 2009/11/30(月) 09 47 04.01 O 「意外!みや超〜手際良いんですけど…お手伝いとかする方じゃないっしょ?」 あたしの心を見透かすように小春先輩が声をかけると 夏焼先輩はなんだか複雑そうな顔をして 「…ほら、もも〜先輩?がこういうの苦手だったじゃん(苦笑) だからキャプテンが手伝ってたの見てうちもよく手伝ってたからさ…」 「そうなんだ!?小春知らなかった」 「そ。ちぃは知ってるハズ… 小春はいっつも女の子達にメールしてたから気づかなかったんじゃないの?」 小春先輩は「そっか」と納得して布巾を絞った。 夏焼先輩と小春先輩って全然似てないようでたま〜〜に似てる気がするかも。 あたしはお茶を用意しながら二人の漫才のようなやり取りを見て笑ってた。 515. 名無し募集中。。。 2009/11/30(月) 11 41 47.17 O 他の部員もチラチラと食堂に集まりだした頃だった。 ドアが勢いよくバンと開いた。 「ごめん梨沙子!遅くなった!」 入ってきたのはママだった。 走ってきたみたいで肩で息をしてる。 「大丈夫だよ。夏焼先輩と久住先輩が手伝ってくれたから」 「そっか…ハァ…ごめんね」 夏焼先輩と久住先輩に謝るママ。 あたしは息を切らしたママのために椅子と水を持ってきてあげた。 なんかすごい疲れてるけどどっから走ってきたんだろう? 「ママ、もう若くないんだから走っちゃダメ!」 「はいはい」 「あれ?そういえば……」 熊井先輩は? そう言い掛けた時だった。 ちょうど食堂に入ってきたのは熊井先輩だった。 あたしは先輩とばっちり目があった。 525. 名無し募集中。。。 2009/11/30(月) 23 01 03.35 0 「あ・・・」 思わず目を反らしそうになるのをこらえる すると熊井先輩は口元を小さくきゅっと上げて席に向かっていった その瞬間ふぅと一つ息を吐く うん、きっと今日からも今まで通りやっていけるよね・・・?
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453. 名無し募集中。。。 2009/10/01(木) 00 03 10.89 0 夏焼先輩が帰った後、気まずい空気が流れて そのまま二人離れて部室に戻る あたしの頭の中はなんでだかわからないけど・・・ 夏焼先輩に見られた・・・ってことばかり・・・ だから夏焼先輩は関係ないじゃん!ただの先輩じゃん! 「はぁ・・・」 ため息をついてロッカーを開ける すると・・・ 「!!!!!」 中にはスポーツドリンクと1枚のメモ 『約束通り炭酸抜きで☆ 今日はランニングお疲れ様』 「夏焼先輩・・・」 474. 名無し募集中。。。 2009/10/01(木) 19 53 14.38 0 「あ、の・・・遅いし、送ろうか?」 「えっ、あ、大丈夫です。あの、先輩こそ足、気をつけてくださいね」 「わかってます、マネージャー。・・・じゃ、あんまり遅くまで居ないようにね」 長い手を軽く振って、静かにドアが閉じられた 今日も疲れた。でも、一日目と違って、心地よい疲れ まだまだ慣れないけれど、仕方ない 徐々に、徐々にで良いんだ・・・ 汗をかいたスポーツドリンクを頬に当てたら、心が和んだ 喉は渇いていたけれど、飲んでしまうのが何だか惜しい 青いパッケージと睨めっこ 結局、飲まず、飲めずの、一時休戦 一緒に置いてあったメモを再び開き、眺める 先輩、字あんま上手くないんだ・・・思わず一人で笑ってしまった ただの紙切れなのに 目上の人?年上の人に貰ったものだからね、うん 捨てたりしたら失礼だし・・・ キレイに、キレイに折りたたんで、お財布の中に忍ばせた