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ブロークン・ファンタズム 作品名:Fateシリーズ 使用者:アーチャー(= エミヤ)、アーチャー(= 無銘) 奈須きのこ作品のFateシリーズに登場する術技。 宝具を使い捨ての矢として発射する 術技についての詳細宝具の弾丸 使用者との関連性エミヤ 関連項目 関連タグ リンク 術技についての詳細 宝具の弾丸 宝具を投影して矢として射つ着弾時に魔力を爆発させることで砲撃となる。 切り札的に用いられるのが、複製した宝具を 矢として放つ“壊れた幻想”だ。着弾時に魔力を 爆発させることで、圧倒的な破壊力を生み出す。 使用者との関連性 エミヤ 投影時に改造する状況にあった形に作り変えることが可能。 彼は保管された武具を自由に取り出して使うこ とができるだけではなく、カラドボルグⅡのように保 管した武具を彼好みに改造することもできる。ま た、再度投影できる特性を活かして、使い捨ての 矢の代わりに宝具を放ち、宝具の持つ魔力を爆発 させる“壊れた幻想”という戦法も得意とする。 関連項目 宝具 矢の材料。 王の号令 世界最古の壊れた幻想。 関連タグ Fate 奈須きのこ作品 武器 矢 術技 魔弾 リンク
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登録日:2009/05/31(日) 03 13 40 更新日:2023/10/22 Sun 19 15 16NEW! 所要時間:約 3 分で読めます ▽タグ一覧 Fate Fate用語項目 TYPE-MOON stay night アーチャー ブロークン・ファンタズム 壊れた幻想 宝具 最強 最終手段 ←割とよく使う 『壊れた幻想』 (ブロークン・ファンタズム) TYPE-MOON世界やFateシリーズにて登場する技であり、主にアーチャーが使用する。 魔力の詰まった宝具を相手にぶつけて壊すことで魔力を暴発させるという、ミサイルや爆弾さながらの宝具の使用法。 宝具の中に眠る莫大な魔力を爆発させる為、その破壊力は驚異的なものであり、 『Fate/stay night』の作中において『偽・螺旋剣(カラドボルグ)』でこの使用法が実行された際には、Aランクの宝具と同等の威力を持つと言われている。 しかし、この宝具の使用法は、どうあっても相手の宝具を越えられないとか、何をしても相手に通用しないというような余程の状況でも使われない。 そもそも、宝具というのは英霊にとっては生前共に在り続けた半身であり、それを壊すというのはその身を裂くほどの精神的苦痛を味わうので、まずそこで躊躇う。 また、壊してしまえばすぐ修復できないので当然、その後の戦闘は切り札を失った状態で行わないといけないし、 必要な時に宝具を召喚して使用するライダー(『騎英の手綱』はペガサス等を召喚してから使用する)のようなサーヴァントならまだしも、 セイバーのように真名開放をしていない状態でも武器として宝具を使用しているサーヴァントは武器をも失う為に徒手空拳で戦わなければならなくなるので、 大幅な戦力低下を招く恐れがあり、マスターも極力回避させたがる。 ただ、アーチャーだけは例外。 彼の宝具でもある、固有結界『無限の剣製』で投影した宝具は換えが効く上、 とある理由で英雄に絶望した彼は英雄のシンボルたる宝具を壊すことを躊躇しない為、何の抵抗もなく使用できるのである。 因みに、同じように無限に宝具を所持するギルガメッシュでも『壊れた幻想』は使わない。 まあ、投影し直せるアーチャーと違って壊れればもう元には戻せないし、普通に考えれば苦労して(?)集めた宝物を壊したくなどないだろうから、 当たり前と言えば当たり前。 ……と思われていたのだが、「Fate/Grand Order」にて初登場したギルガメッシュ(キャスター)が使用する宝具がまさかの『壊れた幻想』であった。 真名『王の号砲(メラム・ディンギル)』。ウルク城塞からの遠距離爆撃であり、ギルガメッシュは断腸の思いで自らのコレクションを弩に装填し、これを兵たちに任せている。 因みにこの宝具に関しての一文にギルガメッシュ本人からのコメントがあり、 「壊れた幻想ぅ?そんなもの、4000年以上前にこの我がやっているわ!」 などと生前既にやってのけていた事を明かしている。 何故ギルガメッシュがこのような手段を用いる羽目になったかは劇中で明らかとなる為、是非プレイして知ってほしい。 実体のない宝具(バーサーカー(Fate)の『十二の試練』)や、バーサーカー(Zero)の『騎士は徒手にて死せず』で作られた擬似的宝具もできるのかは不明。 アーチャー(蒼銀のフラグメンツ)の宝具はこれに近いが、壊すのは自身の霊核であるため使ったら死ぬ。詳しくは個別ページ参照。 二次創作での登場回数は、ぶっちゃけ下手な型月キャラよりも多い。 二次設定では投影したものなら何でもできるという事になっており、普通の武器から日用雑貨、釣り竿まで幅広く使用されている。 因みに、バトルに関係のない日常・ギャグにも普通に使っている。基本は嫌がらせ。 一例 凛「ねぇアーチャー、〇〇投影してくんない?」 ア「ヤダ」 ガンドの嵐 ア「…ぐっ、解ったから止めてくれ」 〇〇投影 凛「解ればいいのよ。それと、アンタのせいで荒れたんだからしっかり掃除しなさいよ。じゃあね~」 ブチ ア「壊れた幻想」 ドカーン 凛「何すんのよ!!」(アフロ姿で) ~こんな感じ~ まあ、宝具を物理的に叩き壊すことで使う『壊れた幻想』を遠隔で使用できるかはわからないが(もっとも、矢として放ったカラドボルグが真名解放と壊れた幻想で使い分けられてたり、使用者が自ら折った必滅の黄薔薇が爆発することなく霧散していたりするので担い手の意思によるスイッチ、信管のON・OFFは存在するとは思われる) 追記、修正よろしく。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] プリヤでは「ただ矢に変えて飛ばす」だけ…まあひろやまの事だから考えがあんだろうけど -- 名無しさん (2014-08-21 02 03 42) ↑ギル戦では剣を使い捨ての爆弾にしているって説明されてたよ -- 名無しさん (2014-08-21 02 12 41) 一例が投げやり過ぎてワロタ -- 名無しさん (2014-10-29 09 32 56) 「衛宮士郎は投影できる宝具の殆どがセイバーのものである」。UBW士郎「何言ってんだお前」HF士郎「なんでさ?」 -- 名無しさん (2014-11-03 01 52 47) ↑そういえばそうだな -- 名無しさん (2014-11-03 01 59 31) FATE士郎とUBW士郎はギルの王の財宝見て登録してるし、HF士郎は左腕が登録してるから、セイバーの宝具だけな訳ないんだよな。書いた奴はどこで勘違いしてるんだか -- 名無しさん (2014-11-03 16 32 30) これの使い手と言っていいアーチャー自身が壊れた(夢破れた)幻想(正義)とも呼べるっていうのがもうね…… -- 名無しさん (2014-11-03 16 37 23) 威力が半端ない上に真名解放より低コスト。ただし使用者がもっぱらアーチャーのみというね。てか後にも先にもこれを連発できる奴はアーチャーだけだろう -- 名無しさん (2014-11-10 21 33 37) 最期の一例ワロタwww -- 名無しさん (2014-11-12 21 29 44) より正確に言うなら本来の所有者はわざわざ宝具ぶっ壊す必要がないんだよね。あくまで完全な担い手にはなれないアニキの苦肉の策とも取れる。 -- 名無しさん (2014-11-12 22 05 30) 連射は大和の砲弾をガトリングの様に撃ち出すようなもんか -- 名無しさん (2014-12-22 08 40 32) 十二の試練もできるのかとかワロタw バーサーカー撃ち出して12回殺すのか? -- 名無しさん (2014-12-27 20 39 13) バーサーカーがAランク以下の攻撃を無効化しつつ突っ込んできて壊れた幻想で大爆発を起こすわけか、んでバーサーカーは十二の試練で蘇生と -- 名無しさん (2015-01-20 19 15 57) ↑それならギルにも勝てる気がする。 -- 名無しさん (2015-01-20 19 25 10) 十二の試練が爆発してんだから再生も無理じゃねえの。そもそも出来るとも思えないが -- 名無しさん (2015-01-20 19 31 17) 「衛宮士郎は投影できる宝具の殆どがセイバーのものである」 -- 名無しさん (2015-01-20 19 34 26) そういや戦闘中に干将莫邪が壊れても爆発しないあたり見るとアレに魔力が特にないのか爆発しないようにできるのか -- 名無しさん (2015-01-21 08 09 24) いや、アーチャーの投影宝具=壊れた幻想じゃないからね。常時使ってるわけでもないからね -- 名無しさん (2015-01-21 13 09 12) ↑ああごめん誤解があったね 魔力が詰まった宝具を相手にぶつけて壊して使う でしょ?宝具が戦闘で物理的にぶっ壊れても爆発しないのはもともと戦闘破壊じゃそういうことが起こらないのか それとも魔力が内包されてない武器なのか そういう風に作ってるのかって気になっただけ、常時使ってるわけじゃないのはわかっていってみてますよ -- 名無しさん (2015-01-21 13 32 46) 自分で壊すのと意図せず壊れるのでは違うだろう、壊れた幻想の爆発部分はオート発動じゃなくて任意発動なんじゃね -- 名無しさん (2015-01-21 14 39 44) 壊れた幻想って自分から破壊して、爆弾に変えてるんだろ。壊れたら勝手に爆発するとか危なすぎだろ -- 名無しさん (2015-01-21 16 50 15) アイアス砕かれたアーチャーが爆発に巻き込まれて死ぬとかくだらねえこと思いついたじゃねえか -- 名無しさん (2015-01-21 16 52 49) 海魔戦でかっこよく槍折って爆発するランサーとかな -- 名無しさん (2015-02-07 11 05 24) 子ギルなら余程の事が有れば使うだろうな… -- 名無しさん (2015-05-06 11 48 26) これ使うのってどの位魔力がいるんだろうか?宝具の魔力を使ってるわけだからそんなに多くはないのかな? -- 名無しさん (2015-07-07 02 54 39) アーチャーが使う分には投影する魔力+投影したものを矢やらに形状変化させる魔力くらいじゃない?爆発させるのは宝具の魔力だし -- 名無しさん (2015-07-07 11 02 30) ↑6.7 要するに信管を入れてるかいないかということか? -- 名無しさん (2015-09-17 16 46 59) 投影の際に何かしら特殊な処置をしてると思う 魔力量とかの制限があるとも 完全に任意起爆だと無限の剣製が無限の地雷原と化すぞ… -- 名無しさん (2015-09-17 17 32 57) ↑4 魔力も大量に使うってどっかで見たけど、どうだろ?少なくとも連発できるなら金ピカとの打ち合いで士郎も使ってる筈だし、そんなに連発できるもんではないんでしょ。 -- 名無しさん (2015-09-23 21 02 50) ↑というか爆発に指向性を持たせらんない以上基本的に狙撃技じゃね?投影宝具のランク次第である程度は威力調節出来るかもだが -- 名無しさん (2015-12-22 22 13 44) 爆発範囲広すぎて距離取らないと使い手も被爆しちゃうとか -- 名無しさん (2016-01-18 22 54 25) そういえばUBWのアニメでアーチャーの通常矢が爆撃を起こしていたが、あれも壊れた幻想の一種かな?宝具ではないにしろ魔力で投影した矢だから爆破可なのかな? -- 名無しさん (2016-04-19 01 08 17) ↑剣の宝具を矢に作り変えられるから爆撃が起きたてたんならたぶん宝具を矢に変えて使う壊れた幻想ね -- 名無しさん (2016-04-19 11 02 27) 固有結界から取り出した武器を消費しているので、魔力消費のコスパが良いんだよな? でなきゃそうそう使えない。でも固有結界から取り出す作業(投影のようで投影でない作業)である程度は魔力を消費するよね? -- 名無しさん (2016-07-21 13 56 11) 尚、ギルガメッシュは生前既に実行していた模様。曰く「壊れた幻想ぅ?そんなもの、4000年以上前にこの我がやっているわ!」との事 -- 名無しさん (2016-12-13 08 20 52) 二次設定では投影したものなら何でもできる>投影品に篭められた魔力の量に応じた爆発なら起こせそうだと思う、けど精々が花火や爆竹程度かな? -- 名無しさん (2016-12-29 17 05 58) セイバーがアヴァロンをブロークンしたら士郎が吹き飛ぶのだろうか -- 名無しさん (2017-01-05 17 47 31) ギルガメッシュに関しての記述追加しといた。 -- 名無しさん (2017-01-16 12 15 10) 実は凛もHFでこれっぽいの使ってる。宝石剣を生贄にして -- 名無しさん (2017-07-29 00 00 35) 固有結界も対応しているものなのか悩む。できるなら固有結界に取り込んだ後吹き飛ばせばだいたい誰相手でも相打ちに持ち込めそうな気がする -- 名無しさん (2018-11-02 17 24 36) ↑エミヤ・オルタの宝具がに似たようなもんか? -- 名無しさん (2021-08-26 03 57 16) ギルとアーチャー以外はほぼやらん戦法 -- 名無しさん (2023-10-22 19 15 16) 名前 コメント
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PI/S40-044 カード名:壊れた幻想 カテゴリ:イベント 色:赤 レベル:2 コスト:1 トリガー:0 このカードは、あなたのカード名に「クロ」を含むキャラがいないなら、手札からプレイできない。あなたの控え室のクライマックスが2枚以上なら、あなたは相手のキャラを1枚選び、そのターン中、パワーを-3500し、自分の《武器》のキャラを1枚選び、そのターン中、パワーを+3500。 レアリティ:C
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壊れた幻想 「クソっふざけやがって!」 上条当麻は怒りをその叫びで露にする。 何の意味も無い、ただ自身の娯楽の為に人々を殺し合わせる。 その非人道的過ぎる行為は上条の沸点を容易に超えた。 「絶対にこんな殺し合いは止めてみせる! 怪盗L、あんたのふざけた幻想は欠片残さずぶち殺す! 必ず!!」 何処に居るかも分からないLに宣戦布告し、上条は拳を握る。 先ずは仲間だ。殺し合いに否定的な者は少なくないはず。 彼らと結託すれば、殺し合いを止める事も不可能ではない。 そう考えた上条は善は急げとばかりに走り出し―― 「あ、あの」 その一秒後に足を止め、勢いに任せ転びかけた。 上条の目の前にはファンシーなドレスを纏った少女が両手を合わせ怯えた様子で立っていた。 「わ、私……一緒に居てくれる人、探してて……。たまたま声が聞こえたから」 「あ、ああ……俺叫んでたからな……。ええっとキミは」 上条よりは4、5歳は下の少女だ。 殺し合いなんかに巻き込まれて、怯えていてもおかしくはない。 上条は可能な限り優しく、怖がらせないように言葉を選ぶ。 「ビスケって言います」 「ビスケちゃんか。俺は上条当麻、よろしく」 何とか、自己紹介までは持っていけた。 互いにモジモジと挙動不審ではあるが。 「いきなりこんな事言うのも何だけど、私は殺し合いに反対なんです……だから、一緒に連れてって下さい!」 「え?」 「上条さん言ってたじゃないですか。『怪盗L、あんたのふざけた幻想は欠片残さずぶち殺す!』って。 だから、私も……」 「そこまで、鮮明に聞こえてたのか」 少し自分の台詞が恥ずかしくなってきた上条だが結果オーライと見るべきか。 早速、一緒に行動する仲間が出来た。これは大きな一歩だろう。 「――おい君達」 その時、上条とビスケ以外の声が響く。 声の方には奇抜なファッションをしつつも、芯を感じさせる男が居た。 上条は即座に身構えビスケの前に立つ。 「少し話をしたいんだが良いかな?“上条”」 「? 俺の名前を何で?」 「さっき“ビスケ”に言ってただろう」 「なっ……。まさかさっきの会話聞いてたのかよ!」 「まあ、立ち聞きしていたのは謝るよ。 しかし、こちらもお前達がどんなスタンスか分からなかったんだ」 「こっちをずっと盗み見てたってことだろ、アンタはよくてもこっちは信用出来ねえよ」 「ブローノ・ブチャラティ。殺し合いには乗っていない。 一先ず謝罪というには何だが名乗っておく」 上条は思考を巡らせる。 ブチャラティの言うとおり、殺し合いに乗っていないのならそれで良いが。 騙まし討ちという可能性も無い事は無い。 上条一人ならともかく、ビスケを巻き込むわけにはいかない。 「多分、彼は大丈夫だと思います」 「え?」 「だって騙まし討ちをするなら、もっとチャンスはあった筈です。 私と上条さんが話している最中とか。 それにそもそも、こちらを殺すつもりなら、わざわざ声を掛けて姿を見せる必要なんてありません。 一気に不意打ちすれば良いんですから」 意外にも心配の種の一つでもあるビスケ当人は冷静沈着だった。 むしろ上条以上に柔軟に考え、対処しているようにも見える。 「分かった……。悪かったブチャラティ」 「いや、警戒されるような事をしたこちらも悪かった」 「それでブチャラティさん。貴方も上条さんの意見に賛同しているんですか? 多分、あの叫び声も聞いてましたよね?」 どうにも上条が思った以上にビスケはグイグイブチャラティへと迫る。 最初は守ってあげなければとも思っていたが、割と肝が据わっているのかもしれない。 「俺もこんな殺し合いに乗るつもりは無い」 「良かったですね上条さん! 仲間が増えましたよ」 「いや、君達の仲間になるとは言って無いんだが……まあいい、幾つか確認したいこともある。 情報交換がてら、暫く君達と同行しよう」 その時、轟音が耳を鳴らし、上条の目の前――といっても距離的にはまだ数キロ先――に聳え立っている建物が崩れた。 正確には、崩れだしたといったところか。未だ辛うじて建物としての形を保っているものの、ただの廃墟と化するのは時間の問題。 遅れて気付いたブチャラティは地図を取り出し、建物の位置を確認する。 「あれはグリーン・ドルフィン・ストリート刑務所だな。地図も確認したし間違いない」 「あの壊れ方は爆発とかじゃないですね。多分、誰かが攻撃してるんですよ」 「んなこと、言ってる場合じゃねえ!」 倒壊していく刑務所を観察し考察を述べていく二人を余所に上条は駆け出す。 もしあれが誰かの攻撃なら、戦闘が行われている可能性が高い。 つまり、殺し合いが行われているという事だ。 (そんなの見過ごせる訳がねえだろ!!) 誰が誰を襲ってるのか知らないが、殺しを黙っているつもりはない。 内から沸く激情に従い上条は動く。 「待て。行くつもりなのか? あそこに」 それをブチャラティが止めたのは、ごく自然の当然の事であった。 「当たり前だろ。あそこで殺し合いが起きているかもしれないんだ」 「そうか、それすら分からない馬鹿かと思っていたが、それが分かって突っ込む大馬鹿だった訳だ」 「ああ、そうさ。俺は馬鹿だよ」 ブチャラティの皮肉を受け流し上条はそのまま横を通り抜けようとする。 「だが確かに、放っておく訳にもいかない、か。ビスケ、きみはどうする? 安全なところに避難しておくのがいいと思うが」 「いえ私は平気です。着いて行かせて下さい」 「分かった。だが、くれぐれも無茶はしないでくれ」 ブチャラティは知らないことだが、こう見えてもビスケは57歳のバリバリ武闘派のプロハンター。 下手をすれば、上条はおろかブチャラティをも凌駕するかもしれない戦闘力を持っている。 もっともその際は真の姿、若く見せている容姿をつまり57歳にまで戻さなければいけない訳で、彼らがそれを知ることはそうそう無いだろう。 「そうだ。えーとビスケは大丈夫か? これから走るんだけど」 ふとそこへ思い出したかのように上条が戻ってくる。 ビスケの身を案じたのだろうが、上記のように然したる問題ではない。 最も、か弱い女の子を演じるビスケはそれを隠し続けるだろうが。 「はい。何とか走りは得意なほうですから」 「そっか、でも何かあったらちゃんと言ってくれ」 この時、上条の右手がビスケに僅かに触れた。 それこそ時間にして、一秒も無いような掠ったという表現の方が正しいかもしれない程度だが。 けれども、その右手に宿る力。異能であるなら、神の奇跡すら打ち消す『幻想殺し(イマジンブレイカー)』は今確実にある幻想を殺してしまったのだ。 幻想が消え、上条の視界に無慈悲な現実……そう筋肉モリモリマッチョのおば……お姉さんが写りこんだと思えば、強烈な衝撃によりその意識を失った。 「ん?」 幸いだったのがブチャラティは刑務所の方を見ていた事だっただろうか。 後ろを向いた時には、気絶した上条と困惑したビスケが居るのみだった。 「どうかしたのか?」 「いえ、上条さん転んで頭打っちゃったみたいで」 「世話の焼ける奴だ。刑務所に行く前に意識が戻らなかったら、最悪何処かに置いて行くしかないな」 もし上条の意識があれば彼はきっとこう叫んだだろう。 「不幸だ」と。 【E-6/一日目-深夜】 【上条当麻@とある魔術の禁書目録】 [状態]:気絶 [装備]:なし [道具]:基本支給品一式 、ランダム品1~3 基本方針:殺し合いを止めて怪盗Lの幻想をぶち殺す。 1:…… 【ブローノ・ブチャラティ@ジョジョの奇妙な冒険】 [状態]:健康 [装備]:なし [道具]:基本支給品一式、ランダム支給品×1~3 [思考・行動] 基本方針:殺し合いから脱出し怪盗Lを倒す。 1:グリーン・ドルフィン・ストリート刑務所に向かい何があったのか確かめる。 2:ジョルノと合流。 [備考] ※少なくともディアボロの命令完遂後からの参戦。 【ビスケ@HUNTER×HUNTER】 [状態]:健康 [装備]:なし [道具]:基本支給品一式、ランダム支給品1~3 [思考・行動] 基本方針:殺し合いには乗らない。 1:戦闘は避けたい。というか真の姿はあまり晒したくない。 2:ゴン、キルア……ゴリラだけどゴレイヌとも合流。 3:ヒソカ、クロロは警戒しておく。 [備考] ※グリード・アイランド編終了後から参戦です。 時系列順で読む Back 三宮紫穂のプロファイリング講座 Next 黄金体験―螺旋― 投下順で読む Back 三宮紫穂のプロファイリング講座 Next 黄金体験―螺旋― GAME START 上条当麻 [[]] GAME START ブローノ・ブチャラティ [[]] GAME START ビスケ [[]]
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神属性 期間限定で幻想郷に出現 1ターン目に真・深緑結界 こちら側の地形変更を無効化する また、この結界により常時バフがかかった状態での戦闘のため、一撃一撃が重め。 技名 属性 効果 備考 リーフスパーク 木 ダメージ グリーンマジック 木 ダメージ 葉っぱ驚きフラッシュ 木 ダメージ 幻朧月睨 月 ダメージ ミスディレクション 時 ダメージ レーヴァティン 通常 ダメージ+確率で攻撃特性0 フジヤマヴォルケイノ 火 ダメージ+確率で火傷 プラントメイルシュトロム 光 ダメージ+確率で毒 封魔陣 魔 ダメージ+確率で麻痺 彩緑風鈴 破 ダメージ+確率で暗闇 ブレイク特性 派生あり 派生後は2,40ターン目に即死を撃ってくるのでバースト推奨 詳細な情報は後日追記予定
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「14人死んだのか……あのガキ……何やってるのか、分かってんのか」 「……信じ、られないわ」 乃亜の放送を聞き終えてから、日番谷冬獅郎は舌打ちをした。 子供ばかりを集めた挙句に、この一時間で二桁も死者を出している。ただの、子供だけの殺し合いならばそうはならない。 つまり、子供の中に殺人を肯定する危険な参加者を潜ませ、殺し合いを促進させている筈だ。 死神である日番谷が子供にカウントされているのであれば、同じように容姿だけが幼く、だが隊長格の死神にに匹敵する猛者がいるのだろう。 そんな連中と、ただの子供が殺し合うなど、ただの蹂躙劇にしかならない。 (あるいは、俺がそういった連中の対抗馬ってことか?) 乃亜の台詞の中に、"対主催を欺き、人数が減ったところで裏切る算段"というものがあった。 奴は殺し合いに肯定的な強者に、その逆の対主催をぶつけることで、弱者でも生き残れるように、この殺し合いをデザインしているのではないか? 「夕闇島の時みてえだなぁ……あの時も、滅茶苦茶人が死んだんだけどよ……でも、一時間だろ? 本当にこんな死んじまうのかよ……」 「元太君、貴方……もしかして、少年兵とかじゃないわよね?」 人の死に対しやけに達観した様子を見せる元太に対し、紗寿叶は訝しげに尋ねる。 もし、そうなら人が死ぬのは日常茶飯事だし、食にがめついのは戦場で食糧危機に扮した経験からなのではと考えたからだ。 当然、元太は首をかしげて「何言ってんだ、姉ちゃん」と本人にその気はなくとも、紗寿叶目線ではとぼけたふりをしてるかの様に返された気がした。 「お前ら、さっきの放送で、知り合いの名前はなかったんだな?」 「おう、探偵団のみんなの名前はなかったぜ」 「私も大丈夫だったわ……日番谷君は?」 「……居ねえな。多分、俺の知り合い自体、早々呼ばれることもねえだろうしな」 日番谷の身内で、この子供だけの殺し合いに呼ばれそうな人物と言えば、かつての十一番隊副隊長、草鹿やちるだが彼女は既に消えてしまった。 あとは、幼馴染の雛森桃も子供の基準を満たすかもしれない。だが、雛森は身長が低い童顔であって、やちる程、幼女と呼べる容姿ではない。 部下の松本乱菊など、子供から最もかけ離れた存在だ。絶対に居る筈がない。 「タブレットのマップで施設が更新されたが、お前ら何処か気になるところはあるか?」 「いや、全然ないぞ」 「……この海馬コーポレーションって、あの乃亜って子の名前に関係あるのかしら」 「乾、俺も同じことを考えてた。奴の手がかりが掴めるかもしれねえ。 お前らの知り合いを探しながら、ここに向かってみようと思うがいいか?」 「ええ、私も……ただ、ちょっとこのホグワーツっていう所も気になるかも」 「魔法の学校、か……鬼道とは違うのか? 首輪に俺も知らない力が、使われてる可能性もあるかもな……ここも、後で行ってみるか」 「すっげぇ~!! ホグワーツって、ここからでも見えるあの城みたいな奴だろ? でっけ~なぁ!」 方針はすぐに纏まった。乃亜の語った禁止エリアの事もある。あまり、時間を掛けている訳にもいかない。三人とも無意識ながらも、それを念頭に置いていたのだろう。 特に反対意見も出ず、準備を整えて行動を開始する。 「――――動くな! お前らッ!!」 その刹那、日番谷が声を荒げ二人を制止する。無数の射撃音と、日番谷が背の太刀を抜刀したのはほぼ同時だった。 「霜天に坐せ!! 『氷輪丸』!!!」 日番谷の振るう太刀の動きに合わせ、冷風を伴い大気中の水分が凍結し、それらの微小な氷が集まり竜を現出させる。 五月雨のように降り注ぐ魔弾の全ては、竜の放つ冷気により凍結し、運動エネルギーを相殺され弾き落とされた。 「これは凄いね。冷気の操作……いや、そんな生易しいものじゃない。本調子なら、天候も思いのままに操るとかかな?」 二丁の使い込まれた古臭い拳銃を手にした白髪で眼帯を付けた隻眼の少年。 ナチスの軍服も、少年のレトロな雰囲気に一役買っていた。 「てめぇ、何だ?」 「自分から名乗りなよ。ベイ中尉の言葉を借りれば、戦の作法も知らないのかな?」 「……」 思ってもないことを口にする。初対面の日番谷からして、既に少年の悪印象は最底辺に定義された。 その言葉には意味はなく、ただの気紛れに言い放ったもの。単に高貴な軍人を気取りたい気分であるだけだ。 「護廷十三隊十番隊隊長、日番谷冬獅郎」 「聖槍十三騎士団黒円卓第十二位・大隊長、ウォルフガング・シュライバー=フローズヴィトニル」 「そうだ。お前、うな重持ってねえか!!?」 奴の目的は殺戮そのもの。纏わりついた血と死臭の悪臭、そして内に取り込んだ数多の命の憎悪の悲鳴は、日番谷に霊圧という形で感知されていた。 瞬間、二つの銃口が弾け、竜の冷気が迸る。 「ッッ!!」 弾道を見切り、冷気で魔弾を凍結、即座に防御から攻撃へと転じる。踏み込み間合いを詰める。構えた太刀を横薙ぎに振るう。 それらの動作をコンマ以下の領域で行い、日番谷はシュライバーへと肉薄した。 だが、その切っ先からはシュライバーの姿は消える。 「あっ、はァ――――」 奇抜な笑い声が頭上から響いた。シュライバーは地を蹴り上空へと飛躍していた。 宙を舞い足を天上へ向け兜割の要領で、日番谷の脳天へ、踵をギロチンのように振り落とす。 氷壁を展開し、頭上に氷結の盾を生成する。 一瞬にして氷は砕け散り、一撃は大地に大きく亀裂を刻み込んだ。 「――――その動き、瞬歩でも、響転(ソニード)でもねぇな」 死神の持つ高速走法、瞬歩、死神により差はあれど護廷十三隊隊長の一人である日番谷の瞬歩も、決して鈍足なものではない。 時速数百キロの高速移動を可能にしている。 土煙の中、地面の亀裂の先に日番谷は未だ健在。高速の攻防の中、シュライバーの動きを見切り、瞬歩を用い後方へと瞬時に飛び退いていた。 「ああ、それ……走ってるつもりかい?」 だが、狂乱の白騎士を前にして、その絶速と比類するには児遊にも等しい。 日番谷の意識の外、視界の届かぬ背後から息の掛かる程の超至近距離から、憐れむように蔑むように、声を投げかける。 「チッ……!」 振り向きざまに太刀を一閃、しかし既にそこには虚空しかない。 空降りした体制から構えを修正し、周辺に意識を張り巡らせる。恐ろしいほどに何も音がない、あの白き災厄の姿が一片も見えない。 逃げた訳ではない。では、透明になって消えた? 違う。これはもっと簡単で、もっと恐ろしい驚異的事実、文字通り"目にも止まらぬ速さで駆け巡っている"のだ。 仮にも隊長格の死神である日番谷ですら、一切の反応が追い付かず完全な後手に回る程の驚異的速度。 「お前ら、俺から離れるな!!」 「日番y―――」 叫ぶ日番谷に、紗寿叶が無意識に呼びかける。だが、その名が紡がれる前に数百の銃声に上書きされる。 束の間の静寂を破り去り、シュライバーが魔人の域を以て射撃を開始する。 日番谷を取り囲むように、爆風を巻き起こし、衝撃波を発生させ、轟音と共に、この場に存在するありとあらゆる物を粉砕し、破壊し、蹂躙し尽くす。 既に、数十近くの殺人事件に関わったことのある元太と、ただの小柄な女子高生の紗寿叶では、息を吸う事すら奇跡に等しい惨状、。 しかし、まだ二人の命は消え去ってはいない。五体満足、一切の怪我もなく生存するという奇跡を成立させていた。 白き魔性に抗うように、白銀の氷竜が蜷局を巻くように、無辜の命を繋ぎとめる。 氷に鱗が罅割れ砕かれ、その身を粉々にされようとも大気から水分を凍結させ、再生させる。 (埒が明かねえ……!!) 敵の姿は未だ見えず、ただ後に置き去りにされた銃弾と、その絶速に齎される破壊に辛うじて耐えることは出来るが、消耗を続けているだけではいずれ拮抗は崩れる。 「卍解―――ッ!? がっ……!」 故に、切札を今ここで解放する。その寸前、シュライバーが日番谷へと肉薄した。 痺れを切らしたのは日番谷だけではなく、シュライバーもまた同じこと。 腹部に走る衝撃、シュライバーの靴が日番谷の腹に吸い寄せられ、吹き飛ばされていった。 ボールのように民家の外壁に衝突し、家は瓦礫と化し崩れ落ちていった。 「あれ? 何かする気だったのかな。だとしたら、遅過ぎるよ……。つまらないなァ」 「ひ、ひ……つが……や、くん……?」 戦いには無縁の紗寿叶でも分かる。恐ろしいほどのスピードを伴った攻撃は小柄な体躯など関係なく、膨大な破壊力を伴う。 苦悶の表情を浮かべ、張り裂けそうなほどの苦痛で顔を歪ませた日番谷の姿、あんまものを人間から直接受ければ肉片一つ残らず砕け散ってしまう。 「大紅蓮氷輪丸」 無数の氷柱が、シュライバーが居た場所を抉った。その僅か数㎝横で、シュライバーは好戦的な笑みを浮かる。 瓦礫を押しのけ、腹を抑えながらも日番谷は生きて、まだその足で立ち上がっていた。 「なるほどね。僕達で言う、創造みたいなものか」 日番谷が従えていた竜は術者と一体化し、その氷の翼を日番谷が受け継ぎ、力を増大化させる。 氷雪系最強の斬魄刀、氷輪丸の真の力を解放した姿。 その域に到達したのであれば、例外なく尸魂界の歴史に名を刻む、死神の奥義にして最大の秘技。卍解。 「減らず口を叩いてる暇があるのか」 「暇すぎて、欠伸が出そうだよォ!!」 己を追尾するように、次々と放たれる鋭利な氷柱を涼しい顔で避けながら、シュライバーはその力を分析する。 二丁の銃口から放った射撃は、桁違いにまで増大した冷気に、いとも容易く弾き落とされる。 「力だけじゃない。規模も射程も、速さも……全てが桁違いに増幅してる」 氷風と魔弾が入り交じり、風音と銃声が木霊し破壊の協奏曲を奏でる。 その中を肉薄した日番谷が振るう冷気を纏った太刀を避け、シュライバーは銃弾を百発叩き込む。背に纏う氷翼が盾となり、銃弾を防ぐ。 更に数百発撃ち込み、氷翼が軋み、追撃を掛け更に数百発着弾し、罅割れ砕け散る。 だが、大気の水分を吸い取り即座に翼は修復される。 死角に回り、横薙ぎに回し蹴りを放つ。だが、体を逸らし避けられる。 「群鳥氷柱」 反撃に数多の氷柱を投擲され、回避しながら銃弾を撃つ。 「良い能力だよ」 放たれた銃弾を太刀を数回振るい、全て弾きシュライバーへと肉薄する。 先ほどは瞬歩でも追い付けなかったシュライバーの動きに、日番谷の反応が追い付いている。 能力そのものは同じだ。ただ卍解以前の、全ての力をそのままに最大値を更新する正当進化を果たした姿なのだろう。 攻守ともに隙がなく。殺戮に於いて優れた才を持つシュライバーを以てしても、創造と形成を封じられては殺し切る手札が切れない。 「でも、きみは未熟だ」 しかし、同時に日番谷もシュライバーを倒し切れていない。圧倒されていた戦況を互角に持ち込んだに過ぎない。 証拠に、日番谷の背後に浮かぶ氷の花が一つ散る。 三つあったそれは、いまや一つにまで減っていた。 時間経過で消滅するそれは、既に相応の時間二人の戦闘が長引いていたことを現す。 「分かりやすい弱点だけど、後ろの花はそれはカウントだろ? 恐らくその卍解とやらの階位を維持するのに、きみの体は追い付いていない」 同時に、日番谷の消耗を具現化した者ともいえる。死神とも破面とも滅却師とも違う、最速の存在に日番谷は従来以上の霊力を消費していた。 その代償は、すぐにでも支払う羽目となる。 「ク、ソ……」 眼前に迫るシュライバー、一切の光沢を発さなくなった錆び付いたルガーP08が、日番谷の額に押し付けられる。 既に日番谷は膝を折り、限界を迎えていた。 「詰み(チェックメイト)だ」 その一撃はシュライバーとして、非常にゆっくりと、だが確実に引き金が引かれ、ただの一発の銃声が鳴り響く。 額を貫き、頭蓋を砕き、脳味噌を掻き分け、弾丸が後頭部から排出される。 「てめぇがな」 眼前の日番谷が、打ち込んだ弾痕から罅割れガラス細工のように砕け散る。 「――――!!?」 その瞬間、背後から今目の前で撃ち殺した筈の男の声が響く。 「ようやく背中を取れたな。苦労したぜ」 斬氷人形。 使用者である日番谷本人を再現した氷。 種さえ割れれば何てことない手品だが、初見でさえあれば、殺人に精通し殺害に必要であれば僅かな他者の機微すら見落とさないシュライバーでも、見分けが付かぬほど精巧な分身だ。 卍解を発動する寸前、シュライバーの奇襲を受けたのを利用し、その視界から外れた僅かな合間に分身を作り出し、操作し、同じく冷気も遠隔から放ちあたかも分身を本体と錯覚させていた。 「フ、フフフ……あはははははは!!!」 何てことない。本当になんて事のない。ただの小細工。 振り向きもせず、背後からの一太刀を前方へ跳躍して避ける。宙で体を捻り、日番谷と向き合うように着地する。 ただ、こちらの錯覚を利用し出し抜いたのは見事だが、別にそれだけだ。そこまでして背後に回ったからといって、肝心の不意打ちは掠りもしない。 「残念だったねェ! アイディアは悪く――――」 違う。狙いはこれではない。 コンマにも満たぬ刹那の瞬間に、シュライバーの脳内に思考が巡る。 僅かな違和感、そう、気温が下がっている。僅かではあるが確実に。シュライバーを取り囲むこの空間が冷え出している、 まさか、まさか、奴の狙いは。 「乃亜の言うハンデとやらのせいで、こいつを使うのに少しばかり時間が掛かっちまった」 天候を操り、大気中の水分から無尽蔵に氷を生み出し己の刃へと変える。ならば、その規模を更に拡大することも可能なはずだ。 地球上である限り、大気中に存在する水分が消えることはない以上、実質、無から氷を編み出せることと相違ない。 であれば、相手が同じく地球上の存在である限り、この世界と同じ大気を浴びている限り、奴の射程距離内に補足されている事と何ら変わりはない。 故に、今は距離を取る。爆ぜるように弾け飛び退き、日番谷の射程から脱出を図る。 少なくとも、この島全てを含む攻撃は不可能だ。それは乃亜の言うハンデの対象内にある筈、それらを考慮すれば一定距離以上離れていれば、奴の射程距離から十分離脱出来ている筈。 「千年氷牢」 音速をも超え、ベストコンディションであれば宇宙的速度に匹敵する高速度で走り抜くシュライバーに、冷酷に死刑宣告を放つ。 大気にある全ての水を支配し、氷柱を発生させ、相手を包囲し巨大な氷塊へと囲う。 「く、ぐ―――――」 氷塊の牢獄、その一歩手前だった。その包囲網を抜ける手前で、シュライバーは氷柱により進行を遮られる。 「あと一歩、遅かったな」 シュライバーを囲う無数の氷柱、いかに速かろうと、駆け抜ける先がなければ、それは止まっている事と変わりはない。 逃げ場を失った哀れな狂獣は、氷の墓標の下に埋まる。 目の前の空間一帯を埋める程の氷塊を目の当たりにして、日番谷は敵の殲滅を確信した。 「グランシャリオォォォ!!!」 氷の一角に亀裂が走る。連鎖するように、氷塊が軋み、砕け散る。 「……なん……だと……?」 「使わせたね、これを」 氷塊の中から飛び出すは、漆の竜の鎧。 修羅化身グランシャリオ。 ある世界に於いて、危険主と呼ばれる超獣を素材に生成された鎧。 その性質は使用者の身体能力を向上させ、鎧としても高硬度な耐久力を誇る。いわば、パワードスーツに近い。 千年氷牢をグランシャリオの鎧を纏い防ぎ、高まった膂力で氷塊を打ち砕く事で、シュライバーは外界へと再び顕現した。 (クソ、氷塊の層が薄かったか……) シュライバーの速さに対抗する為、生成速度を優先した。恐らくは千年氷牢の耐久度が落ちていた可能性も高い。 既に日番谷の氷の花は一つのみ。 斬氷人形による搦手は、シュライバー程の相手には二度も通じないだろう。 そして、卍解を維持する日番谷の負担も激しい。氷輪丸を杖のように突きたて、体を預けなければ立てない程に消耗していた。 「はははははははははははッ!!!」 万事休すか。 漆黒の竜の化身が、白の騎士という、この世のありとあらゆる殺意を煮詰めたかのような災厄を伴い、加速し――――膝を地に着けた。 「なん、だ……?」 死をも覚悟した日番谷の口から疑問が零れた。 「……ば、かな、ァ……」 何も消耗していたのは日番谷だけではない。 シュライバーとて、同じこと。 既に、シュライバーはこの殺し合いトップクラスの実力者、孫悟飯との激戦を終えている。 活動階位で並みの聖遺物の使徒なら形成を使われていようと、十分に圧倒するシュライバーが最初から出し惜しみなく形成を発動する程の強敵だ。 創造を出しても尚、その肉体にほぼダメージも通せず、互角に渡り合ったあの少年との戦いが、シュライバーにとって負担にならない筈がない。 更にグランシャリオを纏ったとはいえ、本人にその意識はないが、シュライバーは打たれ弱い。 鎧の防御力は高いとはいえ、そのダメージを完全に殺し切れる代物でもない。本来の所有者であるウェイブも、強力過ぎる攻撃を受けた時は本体にもダメージが通じていた。 乃亜の言うハンデ、制限による影響に加えて、なまじグランシャリオを纏い、"鎧越し"に攻撃を受けた為、自身の体に"触れられた"とは認識せず、キレた者勝ちのご都合主義も起こりえない。 つまり、いくつかの条件と蓄積した疲労と巨大なダメージが積み重なり、今ここに一気に噴き出してしまった。 「……お前ェ……!」 「っ……」 銃を構えようとして、意識に反して腕が持ち上がらない。こんな疲労など、魔人となる以前にまで遡らなければ、経験がない。 殺害について、機械以上に正確で効率的な手順で実行するが、今はその手順すら脳内に展開できない。 状況を完全把握した上で、これ以上の殺戮は続行不可能だと、認識せざるを得ない。 「――――――!!!」 シュライバーは外国語が入り交じり、怒りを込めた奇声を発し、残された僅かな余力で日番谷の前から消え去った。 創造と形成を使えないとはいえ、こんな劣等如きに、劣等に支給された道具すらも使わされ、追い込まれ、それでこの有様。 普段ならば、確実に目の前の獲物を狩り取るまで、殺戮を続けていたが、狂気の中にあった理性は撤退を選択した。 これがバトルロワイアルである以上、皆殺しをする以上、次の戦を考えなければならない。 彼は、狂犬ではあるが、考えなしの馬鹿ではない。 殺戮に優れた彼は、今この場で引き体力の回復と温存を選ぶ事が、トータルで見れば後の殺戮についてより効率的だと判断したのだ。 「……退いた、か」 「冬獅郎! 大丈夫かよ! でも、強かったぜ……お前、本当にちり紙だったんだな!!」 「馬鹿、それを言うなら……死神だ……」 恐ろしい相手だった。奴の言葉を信じれば、死神の基準で言う始解すら使わず、隊長格の卍解と張り合ってみせたのだ。 使わなかった理由が乃亜のハンデだとしたら、時間の経過でそれが復活する可能性は高い。 ここで仕留めきれなかったのは痛手であると、日番谷は強く後悔した。 今は元太の能天気な声が、嵐が過ぎだった後の平穏の象徴のようで、少し心地よかった。 ―――――――― 「なんなのよ……なんなの、これ……」 私は目の前で繰り広げられた戦いに、完全に腰を抜かしてしまっていた。 とても速い銃を使う男の子と、私よりもずっと年下だと思っていた日番谷君の戦いは、私が好んで見ていたアニメのようだった。 でも、アニメで見るそれらとは違って、本物の殺意をぶつけ合う命のやり取りは、アニメと違ってカッコよさとか戦うヒロインの可憐さを演出したような物とは違った。 血生臭くて、憎悪をぶつけあって、相手の首を何時刎ね取ろうか考えてる。 怖い。 何で、私が殺し合いなんかしなくちゃいけないの。本当はこんな暗い夜中に放り出されるのだって、怖くて怖くて仕方ないのに。 あんな、あんな……平気で人に銃を向けて笑ってられるような子とまで、殺し合わなきゃいけないの? 無理だ。私なんかじゃ、どうやったって生き残れる訳がない。 助けて、誰か……。 「……」 「え」 フリルのついたピンクの衣装を着た、小さな女の子だった。 髪を白いリボンで二つに結んであって、ピンクのステッキを持って、空から宙を舞って降ってきた。 魔法としか思えないその芸当に、私は一つだけ心当たりがある。それは魔法、私が幼い頃からよく見ていた魔法少女が操る魔法。 「……素敵」 強い意志を持った真っすぐな瞳。とても整った美しい容姿。 強くて、キラキラして、かっこよくて、フリフリの可愛い服を着ていて、どんなに不幸でも、報われなくても、絶対に負けない希望の魔法少女。 きっと、こんな絶望の中にあっても、その娘は私を助けてくれるんだって。 「ごめんなさい。死んで」 私は、決めつけてしまっていた。 「危ねえぞ、姉ちゃん!!」 元太くんの声で、私はようやく、現実を悟った。女の子のステッキが私に向けられて、その先から光が圧縮されてる。 きっと、あれはそう……あの銃の男の子が向けてくる凶器と同じ意味合いを持ったものだ。だから、私は……。 ―――――――― 「く、そ……! 間に合わ――――」 新たな襲撃者に対し、完全に出遅れてしまった。卍解を解き、失った体力を回復させるために一時的に体の意識を休息に傾けた為に、反応が完全に間に合わず、スタートダッシュで出遅れた。 既にその少女は杖の先から光弾を作り出し、紗寿叶へと放たれていた。 そこへ割り込もうにも、たった僅かな距離が永久に感じるほどに、1秒にも満たない距離が永劫と見紛う程に遠い。 だから、間に合わない。 誰よりも早く、少女の襲撃を察知して、紗寿叶の元に飛び込んだ元太に。 「……げ、んた……く、ん……?」 光弾が触れる前、紗寿叶は強い衝撃を受けて体にのしかかる重さを感じた。 何が起こったか、数秒置いてから、生暖かく感じる大量の血液から、ようやく事の重大さを知る。 「なん、で……」 庇われたのだと。自分よりもずっと年下の男の子に、今、庇われたのだと悟った。 「……ね、えちゃん……大丈夫……か」 少年探偵団として、長い間、色んな殺人事件と関わり、そしてその殺人者たちを数多く見てきた。 だから、紗寿叶の元に現れた少女の顔を見た瞬間、元太は日番谷よりも早く、彼女が殺し合いに乗ることを決意しているのだと、理解してしまった。 先の戦闘の影響で、反応が遅れた日番谷を差し置いて、元太は紗寿叶の危機を直感し彼女を庇い、そして腹部を抉られた。 「霜天に坐せ!! 氷輪丸!!!」 始解を発動し、氷の竜の尾が襲撃者へと振るわれる。 (……この子は消耗してる。今なら、全員殺せる) 美遊・エーデルフェルトは日番谷の攻撃を避けながら、冷静に戦況を分析する。 周辺の破壊跡と、この日番谷の動きを見るにこの場で激戦があったのは確定だ。 なら、その戦闘後の疲弊した状態を狙えば、美遊にとって比較的少ないリスクで三人を殺害し支給品を奪い戦力を整えられる。 「……人、ごろ、しなんて、やめろよ……」 「ッ!?」 今の日番谷なら、まだ戦闘をしていない万全の美遊なら殺すことが出来る。戦況は比較的、美遊が優位だ。 だが、ステッキから放とうとした魔力弾の生成が鈍った。 あの肥満体系の少年の言葉が、小学一年生とは思えない程に、重みのある言葉が美遊に突き刺さる。 「そんな、こと……しても、よ……は、ら……減って……悲しい、だけだ、ぜ……」 「わた、し……は……!!」 それは元太なりに、人生を終わらされてしまった人達と、終わらせてしまった人達を見てきたからこそ、口にしたことだった。 どんな理由がある殺人でも、それが幸福で終わったことなど、ありえなかった。だからそんなことより、腹いっぱい飯でも食った方が良い。 美遊は、迷いを振り払おうとして、いずれ放っておけば死ぬであろう元太にステッキを向ける。 「やめ、て……お願い、もう……やめ、てぇ……」 「……っ」 元太の傍らに居る紗寿叶が、震える声で懇願する。 『……素敵』 最初、自分に向けられた紗寿叶の憧れと羨望の眼差しが、跡形も残らず歪んでいた。 あの、光輝いていた目が、今は絶望と恐怖に彩られ、濁っている。自分がそうさせた、他の誰でもない美遊・エーデルフェルトがこの惨劇を創り上げてしまった。 身勝手で独善的な願いの為に。大切な少数の為に、多数を切り捨てる。それがこの惨状だ。 「もう、わたしは……!! ―――ぐっ」 消耗しきったとしても日番谷もまた歴戦の死神、相手の僅かな動揺を見過ごす事はない。 氷輪丸の一太刀を美遊へと浴びせる。 装甲の薄そうな見た目に反し、実際のところは物理的な干渉に対する障壁が貼られていた。斬撃は弾かれるが、また美遊も死神の膂力を受けたことで強い衝撃が全身を襲う。 『美遊さん、撤退しましょう! 無理に戦う必要はないです!』 ルビーの叫びと共に、美遊は高く跳躍し、何もない空中に足場を作り天空を駆ける。 (イリヤ……私は……) 美遊の脳裏には、今しがた殺めた少年と、恐怖に染まった少女の姿が強くこびり付いて離れることはなかった。 ―――――――― 「……へへ、目の前によ……大量の……うな重が見えるぜ」 「んなもん、何処にも……」 血溜まりの中、日番谷は元太の死を悟り、言いかけた言葉を閉ざした。 傷が深すぎる。氷輪丸で止血したが、血が止まらない。 医療に長けた死神ではない日番谷では、これ以上の処置は取れない。 「これ、食って良いか……?」 「……ああ……好きに食え……全部、俺の驕りだ」 「マジかよ……へへ、こんだけのうな重、食い切れ……る、か、な……」 【小嶋元太@名探偵コナン 死亡】 【G-6/1日目/深夜】 【乾紗寿叶@その着せ替え人形は恋をする】 [状態]:健康、殺し合いに対する恐怖(大)、元太を死なせてしまった罪悪感(大)、魔法少女に対する恐怖(大) [装備]:なし [道具]:基本支給品、ランダム支給品×1~3 [思考・状況]基本方針:殺し合いはしない。 1:……。 2:妹(178㎝)は居ないと思うけど……。 [備考] 原作4巻終了以降からの参戦です。 【日番谷冬獅郎@BLEACH】 [状態]:疲労(極大)、ダメージ(中)、卍解不可(日中まで) [装備]:氷輪丸@BLEACH [道具]:基本支給品、ランダム支給品×0~2 [思考・状況]基本方針:殺し合いを潰し乃亜を倒す。 0:すまねえ、元太……。 1:巻き込まれた子供は保護し、殺し合いに乗った奴は倒す。 2:海馬コーポレーションに向かい、乃亜の手がかりを探す。 3:美遊、シュライバーを警戒。次は殺す。 [備考] ユーハバッハ撃破以降、最終話以前からの参戦です。 人間の参加者相手でも戦闘が成り立つように制限されています。 卍解は一度の使用で12時間使用不可。 【ウォルフガング・シュライバー@Dies Irae】 [状態]:疲労(大)ダメージ(大)、形成使用不可(日中まで)、創造使用不可(真夜中まで) [装備]:ルガーP08@Dies irae、モーゼルC96@Dies irae、修羅化身グランシャリオ@アカメが斬る! [道具]:基本支給品 [思考・状況]基本方針:皆殺し。 1:敵討ちをしたいのでルサルカ(アンナ)を殺す。 2:いずれ、悟飯と決着を着ける。その前に大勢を殺す。 3:忌々しいが、一旦、体力を回復させる。 4:アンナの事、聞くの忘れちゃったじゃないかァ! [備考] マリィルートで、ルサルカを殺害して以降からの参戦です。 殺し合いが破綻しないよう力を制限されています。 形成は一度の使用で12時間使用不可、創造は24時間使用不可 グランシャリオの鎧越しであれば、相手に触れられたとは認識しません。 【グランシャリオ@アカメが斬る!】 「鍵」と呼ばれる剣を手に、その名を叫ぶことで黒の鎧を召喚し、使用者に装着される。 装着者を攻守ともに強化する。他の低具とは違い、奥の手は存在しないが、非常に安定した性能を誇る。 【美遊・エーデルフェルト@Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ】 [状態]:健康、深い悲しみ、覚悟。人を殺めた動揺 [装備]:カレイドステッキ・ルビー@Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ [道具]:基本支給品一式、ランダム支給品0~1、クラスカード(不明)Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ [思考・状況] 基本方針:イリヤを元に戻すため、殺し合いに優勝する。 0:……今更、引き返せない。 1:ルビーと力を合わせて殺し合いに勝ち残る。 [備考] ※ドライ!!にて人形にされたイリヤを目撃した直後からの参戦です。 ※カレイドステッキ・ルビーはイリヤが人形にされたことを知りません。 OP2 第0回放送 投下順に読む 002 解体し統合せよ 時系列順に読む 001(候補作採用話) 後悔 ウォルフガング・シュライバー 064 まもるべきもの 133(候補作採用話) 子供隊長 日番谷冬獅郎 033 i m a dreamer 乾紗寿叶 小嶋元太 GAME OVER 125(候補作採用話) 友達 美遊・エーデルフェルト 037 選択
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悪夢 -壊れた幻想- ◆EvXLhHD0yY 『夜分遅く失礼します。インデックスです』 夜空に響き渡る少女の無機質な声。 ギャンブル船『エスポワール号』に向かっていた、衛宮士郎、福路美穂子、蒼崎橙子の三人は足を止める。 この島で、これで四回目となる放送が始まった。 そして告げられる連絡事項と禁止エリア。 そして、 【ライダー】 【ヒイロ・ユイ】 【レイ・ラングレン】 【ゼクス・マーキス】 四人の死者の名前。 歯を食いしばる。 手を握り締める。 また守れなかった。 また救えなかった。 ヒイロも、ゼクスも、俺が見殺しにしたようなものだった。 何が『正義の味方』だ。 こんな様で、全てを救うなどと、よく豪語したものだ。 あの時、織田信長を倒せていたら、ヒイロは死なずに済んだかもしれない。 あの時、ゼクスと一緒に行動していたら、ゼクスは助かったかもしれない。 けれど、そうはならなかった。 ヒイロとゼクスは死んだ。 死んでしまった。 夜空を見上げる。 ただひたすらに悔しくて。 ただひたすらに情けなくて。 どうしようもない程に俺は、無力だった。 いつもの様な蔑み、罵倒、激励の後、四回目の放送が終わる。 そしてそれを待っていたかのように、俺たちに声が掛けられた。 「こんにちは、いや、今はこんばんはだな」 落ち込んでいた思考を無理やりニュートラルに戻す。 声のした方向を向けば、まだ十代半ばだろうという少女がいた。 「はじめまして。おたくらは?」 「俺は衛宮士郎。殺し合いには乗ってない」 「福路美穂子です」 「蒼崎橙子だ」 俺の後に続いて、福路、蒼崎が自己紹介をする。 それに少女は満足げにうなずく。 「なるほど。士郎に美穂子に橙子だな。 あんたらは、これからどこへ行くつもりなんだ?」 「今はエスポワールに向かってる。そこに仲間がいるんだ」 「へぇ。仲間ねえ。それってもしかして、あんたのコレかい?」 少女は小指を突き立てながらそう言った。 ピンと立てられた小指の意味。それは恋人を示唆している。 少女が言ってるのは、俺とその仲間が恋人同士じゃないか、という事だ。 俺とその仲間。つまり黒子が、俺の……恋人? 「ち、違う違う! 俺と黒子はそんなんじゃない!」 「へえ。お仲間の名前は黒子って言うのか。そうかいそうかい。 けど満更でもないんだろ?」 「だから違うって!」 「そうかい。じゃあそっちの美穂子ちゃんの方が本命かい?」 「それも違う!」 からかわれてる。 絶対からかわれてる。 その証拠に、少女はニヤニヤと意地の悪い笑みを浮べてる。 これ以上追及されても困るので、無理やり話しを変える事にする。 何が困るって? それこそ返答に困る。 「あんた、男みたいな喋り方するんだな」 「ああ、これな。直そうかとも考えたんだが、生憎と性分でな」 「そうなのか」 そこまで言って、ある事に気がついた。 けれどそれが、引いてはいけない引き金だった事に、俺は気づかなかった。 「そう言えば、あんた、名前は?」 「俺か? 俺は海原光貴」 「え?」 『海原光貴』 その名前は既に三回目の放送で呼ばれてる。 何故そこで死者の名前が出てくるのか。 そんな疑問が頭をよぎる。 そしてそれは、この少女の前では致命的な隙だった。 バチリ、と火花が爆ぜる音がする。 少女の右腕が跳ね上がる。 残りのセリフが語られる。 「―――しがない戦争屋さ」 眼前には銃口。 既に引き金は引かれている。 もはや衛宮士郎では避けられない。 世界がスローモーションで流れる中、 「衛宮くん……!!」 銃声と共に、もう一人の少女の声が聞こえた。 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ その少女は、一目で言えば不思議な少女だった。 未成熟な外見。 男勝りな言動。 大人の様な雰囲気。 違和感のある挙動。 そんな、言いようのない齟齬が少女にはあった。 彼女は今、衛宮くんをからかって遊んでる。 その様子はまるで、気になる子のいる友人をからかう友達の様だった。 それと衛宮くん。そこまできっぱり否定されると、流石に少し傷つくんだけどな。 そんな、和気藹々とした雰囲気がそこにはあった。 けどそれは、衛宮くんが彼女に名前を聞くまでだった。 衛宮くんが彼女に名前を聞いた途端。 ゾクリ、と背筋が凍った。 まるで脊髄に液体窒素を流し込まれたかのよう。 既に私の両目は少女を捉えていた。 覚えのある感覚。 フラッシュバックする過去。 「衛宮くん……!!」 気づけば私は、衛宮くんに向かって走り出していた。 彼女と私。 どちらが先に動いたのかは、多分私だったんだろう。 「衛宮くん、無事!」 「あ、ああ。大丈夫」 でなければ今頃、彼は死んでいただろうから。 ボッと言う音。 それに続くように、舌打ちが聞こえた。 すぐに立ち上がって、少女がいる方向から距離を取る。 先ほどまで少女がいた場所には、凶悪な雰囲気を隠しもしない、ヒトゴロシの姿があった。 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 海原光貴と名乗った少女、アリー・アル・サーシェスは、士郎が美穂子に助けられ、銃弾を避けられた直後にはもう追撃の行動に入っていた。 紫電と共に銃口を倒れ込んだ美穂子たちへと向ける。 そして引き金に掛けた指に力を入れ、 咄嗟に後ろへと回避していた。 直後、鋭い蹴りが空気を破裂させ、先ほどまでサーシェスがいた空間を穿っていた。 「チッ!!」 続く蒼崎橙子の追撃を、更に後方に跳ぶ事によって回避する。 その頃にはもう二人は立ち上がり、こちらを警戒していた。 しくじった。 最初に一人殺って、その動揺を突いてもう一人。 最後に火力勝負でもう一人、と行く予定だったのだが。 結局誰一人殺せなかった。 「あんた、なんで」 「言っただろ、しがない戦争屋だって」 少年が実に不思議そうな顔で聞いてきたので、当たり前のように答えてやる。 「戦争屋、だって?」 「そう、戦争屋だ……戦争が好きで好きでたまらないなぁ!!」 紫電を纏って突撃する。 少年も反応するが、遅い! そのガラ空きの土手っ腹に銃口を突き付け、風穴を………ッ!! 空を切る銃による刺突。 そこには既に少年の姿はなく、 「トレース……!」 身に迫る悪寒が早急な退避を命じていた。 「オン……!!」 紫電を奔らせ、そのまま前へと回避する。 鋭い風切り音がすぐ後ろで響く。 素早く離れて振り向く。 いつの間に取りだしたのか。少年の両手には三本ずつ、計六本の刀が、奇怪な握り方で構えられていた。 「へぇ、やるじゃねえか」 「ッ………」 割りと本気の称賛を贈るも、無言の返答。 その代わりに返されるのは別方向からの鋭い蹴り込み。 それに追ずるように少年も迫ってくる。 あっちは六本の刀で、こっちは一個の拳銃。 接近戦では勝ち目がなさそうなので、円を描くように距離を取る。 そのお次には黒い泥が降ってくる。 触れたらヤバそうなのでその辺の木々を壁にする。 どうやら正解だったようで、壁にした木が煙を上げて溶けて行く。 「ひゅう、とんでもねえなソレ」 やはり返事はなし。 突撃してくる少年に試しに一発撃ってみるも、いとも簡単に弾かれる。 そのまま切り掛かられたので素早く撤退。 壁にしていた木は輪切りにされた。 更に速攻で襲って来る掌底を伏せて躱し、足払いを掛ける。 あちらは跳んでかわし、そのままの勢いで後ろ回し蹴りをしてくる。 それを頭が地面に着くほど仰け反って回避、バク転の要領で起き上がる。 また降って来た泥の雨はその辺の瓦礫で凌ぐ。 その後来る上からの刺突を避け、その大きな隙を狙わず逃げる。 思いっきり罠だと主張して見える。 直後に来るのはやっぱり橙子。 その蹴りは凄まじく、その辺の木端なら簡単に粉砕出来るだろう。 だがしかし、当たらなければどうという事は無い……!! 紫電を奔らせ紙一重で蹴りをかわす。 追撃の掌底を後方に飛びつつ左腕で受け、そこから電流を流してやる。 うまくいったのか、橙子の動きが鈍くなる。 その隙をきっちり逃さず鉛玉をプレゼントしてやる。 おかげで左腕が痛い事痛い事。 完璧に防いでこれとは恐れ入る。 骨に罅でも入ったんではなかろうか。 追いでくる黒い泥をやり過ごし、いくつか判った事を確認する。 一つ、あいつらは即席の組み合わせだ。チームプレイが成ってない。 二つ、今俺が使える程度の電流でも、スタンガン程度にはなるらしい。 三つ、衛宮士郎には、圧倒的に殺意が欠けている。切りかかる時も、致命傷になるような場所は避けている。 四つ、蒼崎橙子は危険だ。俺を殺すことに躊躇いが無く、また、何かしらの奥の手も隠しているだろう。 五つ、あの中で一番弱いのは福路美穂子だ。特異な能力を持っているようだが、恐らく元々は平和な世界から来たのだろう。 つまりはこの勝負(センソウ)、俺の勝ちだ……!! ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 「大丈夫か、蒼崎」 「問題ない。重要な血管や神経は避けている」 蒼崎は血が流れ出ている左足に、福路が持っていた包帯を巻き付けて応急処置をしている。 今あの少女は、福路の泥を避けて身を潜めている。 巧い。そう思った。 単純な強さや身体能力なら、サーヴァントや織田信長の方が圧倒的に上だ。 だが、“戦場での戦い方”とでも言うのだろうか。あいつは決して一対多になる戦いをしない。 常に俺と蒼崎を自分との直線状に置き、壁になる障害物の近くにいる。 先ほど蒼崎が当てた掌底にしても、左腕で防がれた上に、銃弾の返礼を貰ってしまった。 戦争屋とはつまり、いくつもの戦場を好き好んで渡り歩いてきたという事だ。 圧倒的な経験値の差。それが、今あの少女を倒せない最大の理由なのだろう。 このままではジリ貧になる。 撤退するか否かを蒼崎に聞こうとして、 「行くぜッ……!!」 「くそっ……!!」 銃を構え、少女が突撃してきた。 バチリ、と一際大きく少女の周囲がスパークする。 同時に響く、二つの銃声。 一つは蒼崎に、一つは俺に。 蒼崎は躱し、俺は防ぐ。 しかし、時間差で更に三つ、投擲物が飛んでくる。 それを再び六爪で防ぎ、 「……えっ!?」 ベチャリ、と音を立てて六爪にひっ付いた。 ゾクリと奔った悪寒に従い、即座に六爪を破棄。 前方に投げ捨て、後方へと飛び退く。 直後、六爪が爆散した。 (接着式の爆弾……!?) そんな驚愕の暇もあればこそ、少女は爆炎を潜り抜け、蹴り込んでくる。 それを腕を交差して防ぐが。 「ガッ……!?」 少女の蹴りの威力ではなく、別の要因で苦痛を覚える。 まるでスタンガンでも当てられたかの様に全身が痺れる。 見れば、蹴り込んだ少女の足は帯電していた。 少女が銃を構える。 その狙いは俺ではない。 銃口はその後ろ、福路に狙いを定めている! 「福路ッ!」 福路も気付いて逃げようとする。 けど遅い。逃れようのない引き金が引き絞られる。 政庁のような時ならともかく、今の福路に銃弾を防ぐ程の能力はない。 痺れて動けない体を叱咤し、強引にその射線上に割り込む。 「ギアッ……ッ!!」 二度響く銃声。 腹に灼熱が生まれる。 傷みを無視して拳を握りしめ、目の前の驚愕している少女に叩きつけた。 「衛宮くん……!!」 殴り飛ばされる少女。 足から力が抜け、そのまま倒れ込む。 福路が悲鳴をあげて駆け寄ってくる。 怪我はなさそうでよかった。 「……ッ、このぉ!!」 福路は怒りを顕わにし、右手を振りかぶる。 それと同時に放たれた泥の量は、先ほどまでの比ではない。 さしもの少女も、逃げに専念する。 そこに、 「返すぞ。受け取れ」 どうやってキャッチしたのか。 蒼崎が先ほどの爆弾を少女へと投げ返した。 「ウゲッ! マジかよ!!」 着弾と同時に爆発。 しかし少女はいまだ健在。 爆弾が投げられるとほぼ同時に、長方形の何かを爆弾に投げつけ、誘爆させたのだ。 「衛宮士郎。動けるか」 「ああ。なんとかな」 蒼崎が隣に立つ。 足に力を入れ、辛うじて立ちあがる。 腹が熱い。生きるために必要なモノが、止め処なく零れて行く。 「私に策がある。いけるか」 「ああ。それであいつを退けられるんなら、やってやる」 「良い返事だ」 そうして聞かされた蒼崎の策に驚くが、すぐに実行に移す。 少女はすでに物陰に隠れ、機を待っている。 躊躇っている余裕などない。 大きな深呼吸を一つ。 覚悟は出来た。 ―礼― 「同調、開始(トレース・オン)」 撃鉄を起こす。 全身を駆け巡る魔力。 これから行う奇抜な行為に不安がよぎる。 問題ない。 生涯にて射を外した事は、狙って外した一射のみ。 我が専心は、標的への必中にのみ向けられる。 ―足踏み― 「………ッ!」 血が足りない。 腹部からの出血に、意識が朦朧とし始める。 グラリと倒れそうになる体を、福路が支えてくれた。 情けない体に活を入れる。 両足に全身の力を注ぐ。 地面に剣を突き刺すように、大地をしっかりと踏みしめる。 ―胴造り― 「投影、重装(トレース・フラクタル)」 右手に剣を、左手に弓を。 それぞれ自分の知る限りで最高の物を投影する。 あまりの過負荷に、魔術回路がスパークし始める。 諸手に握られる、セイバーの剣と、アーチャーの弓。 ―弓構え― “―――己の本質を思い出せ” そんな言葉を思い出す。 自分の本質など分からない。 けれど、自分が憧れるカタチは在った。 ―打起し― 「体は……、―――」 一振りの剣。 決して揺らぐ事も毀れる事もない。 大地に深く突き刺さる、真直ぐな剣のように。 イメージするのは、そんな最強の自分(ツルギ) だから、――― 「―――体は剣で出来ている」 ―引分け― 少女が動き出した。 その手には大筒。 恐らく大砲か何かの部類だと思われる。 ―会― 問題ない。 剣はすでに番えられている。 標的に中るイメージも出来ている。 ―離れ― 剣という形の矢を放つ。 解き放たれた矢は黄金の閃光となる。 ―残心― 瞬間―――世界が、炸裂した。 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 「撤退だ。急ぐぞ、時間が無い」 「はい」 蒼崎さんが衛宮くんを担ぎ、走り出す。 衛宮くんは矢を放った後、それが炸裂するのを見届けた途端、気を失った。 血を失い過ぎているらしい。 むしろ、今まで持った方が奇跡なのだとか。 少し後ろを振り返る。 そこには、衛宮くんが作った劫火の壁があった。 『壊れた幻想』 高い魔力の籠った物。 例えば、宝具と称されるような物に含まれる魔力を爆発させ、使い捨ての強力な兵器にする技らしい。 もちろんそんな事をすれば、使った物は壊れてしまう。 故に普通、魔術師やサーヴァントは使わない技だそうだ。 ただ、衛宮くんはその例外なんだとか。 もっとも、魔術師じゃない私には詳しい事など解らないのだが。 前へと向き直る。 蒼崎さんに担がれた衛宮くんの顔色は、刻一刻と悪くなっていく。 急いで衛宮くんを治療できる所に行かなければ。 そう思い、もう少し走る速度を上げた。 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 「あんにゃろう。とんでもねえ隠し玉をもってやがった」 一人の少女が眼前に広がる炎の壁を見上げる。 その少女、アリー・アル・サーシェスは生きていた。 あの瞬間。 士郎達にバンカーバスターを撃ちこんでやろうとその身を晒した瞬間、生まれてこのかた一度も経験した事のないような、強大な死の恐怖がサーシェスを襲ったのだ。 それは恐らく、長年戦争屋として培ってきた生存本能の賜物だったのだろう。 即座に踵を反し、邪魔なモノを手放し、可能な限りの全速力であの場から逃げでした。 その直後だった。 世界が炸裂したのは。 その圧倒的な破壊力に吹き飛ばされ、気がついた時には気絶していたという有り様だった。 ただ一つだけ解っている事がある。 自分は“生き延びた”のではなく、“生かされた”のだと それに気づいた時、その顔に浮かんだのは、壮絶なまでの喜悦の表情だった。 「まったく、これだから戦争は止められねぇ……!!」 デバイスを取りだし、マップを開く。 リボンズには市街地へ向かってくれと言われている。 市街地は此処から西へ行けばすぐだ。 だが。 「黒子、とか言ったっけ? あいつの仲間は」 衛宮士郎が仲間だと言っていた少女。 それが今ギャンブル船に居るらしい。 「そっちに行って、衛宮士郎をぶち殺してやりました、と教えてやるのも一興か」 あんな至近距離から二発もブチ込んでやったのだ。 ロクな設備のないこの島では、あの出血量は致命傷だろう。 生き残る可能性が無い訳ではないが、その確率は低いと予想している。 だが、ギャンブル船へと向かえば、市街地からは離れてしまう。 そうすると、リボンズが命令違反として、首輪を爆破するかもしれないのだ。 欲か、保身か。二つに一つ。 「さて、どっちにするかねえ」 【E-3/東部/二日目/深夜】 【アリー・アル・サーシェス@機動戦士ガンダムOO】 [状態]:全身打撲、左頬に腫れ、左腕の骨に罅、妹達(シスターズ)に転身状態、体内電流を操作することで肉体の反応速度を上げることが可能 [服装]:清澄高校の制服@咲-saki-、ノーブラ、首輪 [装備]:ヨロイ・KMF・モビルスーツ各種完全型マニュアル、コルトガバメント(7/7)@現実、予備マガジン×2、接着式投擲爆弾×7@機動戦士ガンダム00 [道具]:基本支給品一式、特殊デバイス、救急セット、399万ペリカ、常盤台の制服@とある魔術の禁書目録 [思考] 基本:雇い主の意向の通りに働き、この戦争を勝ち上がる。 1:西の市街地かギャンブル船、どっちかに行く。 2:D-4、E-5以西の区域で好きなように立ち回る。 3:迂闊に他の参加者と接触はしない方がいいかもしれない。 4:上条当麻、デュオ、式、スザクたちには慎重に対処したい。余裕があれば暦に接触してみたい。 【備考】 ※セカンドシーズン第九話、刹那達との交戦後からの参戦です。 ※五飛からガンダムWの世界の情報を取得(ゼクスに関してはやや誤解あり。ゼクス=裏切りもの?)。真偽は保留にしています。 情報収集のためにデュオと接触する方針はとりあえず保留。 ※この世界の違和感(言語の問題等)は帝愛のせい、ということで納得しているようです。 ※スザク、レイ、一方通行がアーチャーに接触した可能性があるとみています。 ※ライダーとはアーチャーが、藤乃とは式が、それぞれに共通した敵であると伝えました。 ※シスターズの電撃能力は今のところ上手く使うことができません。 ※衛宮士郎は死んでいる可能性が高いと考えています。 ※特殊デバイスについて マップ機能の他に『あちら側』からの指令が届く。 それに従わなかった場合サーシェスの首輪は爆破される。 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ―――――――――生きる。 ――――――生きる。 生きる。 ―――生きる。 生きる。 生きる。 生きる。 生きる。生きる。生きる。生きる。生きる。生きる。生きる。 体が重い。 四肢に力が入らない。 意識が遠のく。 この感覚は知っている。 そうだ、これは死だ。 逃れようのない死が、近づいてきている。 十年前のように。 全てを焼き尽くした、あの赤い地獄。 助けられて逃れたはずのソレが、また近づいてくる。 ならばきっと逃げられない。 あの地獄からは逃げられない。 この身を蝕むのはそんな、どうしようもない死だった。 あの時の空を思い出す。 今にも泣き出しそうな曇り空。 ただ「空が遠いな」と思い伸ばした手。 あの時は、その手を掴んでくれた人がいた。 けれど、切嗣は死んだ。 あの月の綺麗な晩に、眠るように死んだ。 『正義の味方』は、もう居ないのだ。 だからあの時のように受け入れた。 受け入れた、筈なのに――― ―――なぜこの身体は、生きようと足掻くのか。 なぜこの心は、生きる事を諦めないのか。 ……そうだ。 守りたい約束があった。 果すべき誓いがあった。 目指すべき理想があった。 これらは自分が死んでしまえば消えてしまう。 無意味で無価値な幻想(ユメ)となってしまう。 そうなるのは嫌だった。 だから。 こんな所では終われない。 こんな場所で終わるわけにはいかない。 ―――生きる。 そうだ、生きなければならない。 まだ俺は、約束を果たしていない。 まだ俺は、誰一人救えていない。 まだ俺は、一人生き延びた責任を果たせていない。 衛宮士郎は、生きなければならない。 こんなところで死んでやる事なんて出来ない。 命を掛けて果さなければならない誓いがある。 だから俺は、生きる……………!!!!! それを、 “―――オマエが、オレのマスターになるのなら” 何か、得体の知れないモノが、 “―――契約が続く限り、その望みを叶えてやろう” 聞き届けてしまった。 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 象の像より地下通路に入る。 隠し扉は壊され、その先の通路が露わになっていた。 壊され方から見て両義式だろう。 その先の遺跡へと一気に駆け進む。 その道中。 福路美穂子にこれからするべき事を伝える。 「福路美穂子。この先にある遺跡にて、衛宮士郎の治療を行う。 その際、お前の身に刻まれた疑似魔術刻印の一部を、衛宮士郎へと移植する」 「え、それって……どういう……」 「魔力とは即ち、生命力だ。 それを魔術回路によって変質させたモノを、我々魔術師は魔力と呼ぶ。 故に、魔力による生命力の補完は容易だ。 そしてお前の身に宿る無尽蔵の魔力を以って、衛宮士郎の生命力を底上げする」 「……ッ! だ、駄目です、こんなモノを衛宮くんに使うわけにはいきません!!」 その意味に気付いたのだろう。 自身の体内の魔力を使う事は、アンリマユを使う事と同義である事に。 当然のこと、福路美穂子は猛然と反発してくる。 しかし。 「他に方法は無い。 衛宮士郎の出血量は甚大だ。既に命に係わっている」 「で、でもそれなら輸血とか、他に方法が……!」 「不可能だ。輸血用の血液も無く、専用の器具も無い。 更には手段を選択している余裕も、無い」 理詰めの会話。 福路美穂子には、選択の余地などない。 それでも、福路美穂子は躊躇いを見せる。 『アンリマユ』の毒性を正しく理解しているからこそだろう。 しかし。 今この場に、他に方法が無いのもまた、否定できない現実なのだ。 衛宮士郎の命を助けたいのなら、衛宮士郎の心を賭けなければならない。 長い沈黙の後、福路美穂子は絞り出すように言った。 「………ッ、分かり……ました」 「それでいい。遺跡につき次第、術式を開始する」 命は失ってしまえばそれまでだ。 だが心は、自分のように取り戻す可能性もある。 福路美穂子はその可能性に賭けたのだ。 自分より強い心を持つ衛宮士郎が、この悪意の猛毒に打ち勝つ事に。 福路美穂子の返答に満足し、その速度を上げる。 そして今此処に、蒼崎橙子、否、荒耶宗蓮の策は成った。 実を言えば。 ここまでの状況は荒耶宗蓮の策の内だった。 その策とは即ち、 衛宮士郎に重傷を負わせ、その治療と共に福路美穂子と接続する。 というものだ もちろんその采配は天に任せた所が、多分にある。 アリー・アル・サーシェスが接触してくるかどうか。 衛宮士郎、福路美穂子の両名がその戦いを生き残れるか。 そして、 衛宮士郎が生存可能な、ぎりぎりの重傷を負うかどうか。 無論、サーシェスが接触してこなければ、そのままエスポワール号まで向かったし、みすみす二人を死なせるつりもない。 そして衛宮士郎が福路美穂子を、その身を呈して庇う事も判っていた。 荒耶にとって一番の賭けだったのは、衛宮士郎が負う怪我の度合。 もしそれが軽過ぎれば簡単な治療で済んでしまうし、重過ぎればそのまま死んでしまうからだ。 そして荒耶宗蓮は、この賭けに勝った。 遺跡まではもう間もなく。 福路美穂子も説き伏せた。 あとするべき事は、衛宮士郎を治療し、福路美穂子と接続する事だけだ。 魔術師、荒耶宗蓮はまた一歩、『根源』への道を踏破した。 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 「ここは……」 何も無い場所。 美しいまでに透き通った暗黒の鏡面。 終わりも始まりも存在しない、無間に続く虚ろな揺籠。 天(ソラ)に輝く巨大なステンドグラスだけが、この常闇の世界を照らしている。 衛宮士郎が気付いた時には、既にこの世界に居た。 ふと、視界の隅に赤い影がよぎる。 振り向けばそこには、あまりにも見知った姿があった。 黒いボディーアーマーに、赤い外套。 褐色の肌と白い髪に鷹を思わせる鋭い目。 遠坂凛のサーヴァントだった男がそこにいた。 「アーチャー!? なんでここに!?」 他にも、 鉛色の巨人。 長い紫の髪の女性。 紫のローブを被った女性。 そして、 蒼いドレスに銀の甲冑。 黄金の聖剣を携えた、砂金の髪に聖緑の瞳。 忘れない。忘れる事など、出来る筈がない。 「セイ、バー……」 そこには、自らの剣であった少女がいた。 「ようこそ、この何も実らぬ無垢の楽土へ」 「ッ……!」 唐突に背後から、気配も無く声を掛けられた。 弾かれるように振り向く。 そこには、誰でもない“何か”がいた。 異状なまでの存在感と、異状なまでの現実感のなさ。 ……見ているだけでおぞましい。 あんな“何か”に話しかける事など、決して、人間に出来る事ではない。 セイバー達の姿はもうない。 元々幻だったのか、あるいは別の何かだったのか。 今この場には、あの黒い影のような“何か”しかいない。 故に話しかけなければならない。 あれに話しかけなければ始まらない。 ここから出る事も、生き残る事さえも。 あの“何か”こそが、この世界の主なのだ。 咽喉がカラカラに乾く。 体を恐怖が雁字搦めにする。 足が縫い止めたれたみたいに動かない。 それら全てを振り来て、あの“何か”に話しかけた。 「……あんた、一体“何”だ」 「おお! よくぞ訊いてくれました!」 のっぺらぼうの影がニヤリと笑う。 表情など無いのに、その感情表現は何よりも明白だった。 「オレはアヴェンジャー。復讐のサーヴァントだ。 だが、おまえが聞きたいのはそんな事じゃないよな。 おまえはオレに“何”だと訊いた。 実にいい質問の仕方だ」 何が楽しいのか、目の前の影、アヴェンジャーと名乗った“何か”はケタケタと笑っている。 いやまて、こいつは今何と言った? アヴェンジャー。復讐のサーヴァントだって? 遠坂から聞いた話に、そんなクラスのサーヴァントは存在しない。 ならば、目の前のサーヴァントだと名乗る、この得体の知れない“何か”は何だ!? 口に出してなどいないのに、その疑問に“何か”は答えるように言った。 「オレはおまえ達が“悪”と呼ぶ存在。 あるいは“悪神”。 あるいは“悪魔”。 あるいは“英雄”。 あるいは“怪物”。 あるいは“聖杯”。 そして、」 いつの間に近づいたのか。 すぐ目の前、あと数センチ近づけばぶつかる距離に“何か”がいた。 笑っている。哂っている。嗤っている。心の底から可笑しそうに、ワラッテイル。 その“何か”は俺の腕をガシッと掴み、 「―――オレは“おまえ”だ」 ゾクリと、自分が自分でなくなる感覚がする。 見れば、俺の体が四肢の末端からバリバリと、おぞましい異形へと変形し始めている。 それに比例するように“何か”の影が散霧する。 「ヒアッ……!?」 その異状な事態、異状な感覚に悲鳴を上げる。 俺が俺でなくなっていく。 黒いナニカに染められていく。 衛宮士郎という存在が壊れていく。 「―――ここに契約は完了した」 俺の全身が異形に変わるのと同時に、“何か”の顔が顕わになる。 肌や髪は黒い。 奇怪な刺青が全身に浮びあがっている。 けれど見間違いようもなく、 「―――さあ、おまえ(オレ)の願いを叶えよう」 ――――――“俺”がそこにいた。 「―――ア、アア、アアア、アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!」 ガバリと、空襲にでも遭ったかのように跳ね起きる。 両手を見る。 異形じゃない。 “俺”の手だ。 ちゃんと自分が自分である感覚がある。 「ッ、ハァ……ハァ……ハァ……」 息が上がっている。 心臓(こどう)が治まらない。 全身が汗で濡れている。 「ハァ……ハァ……。 ッ、ハァ……、……あれは夢、だったのか……?」 手で顔を覆う。 汗で濡れた服が気持ち悪い。 あの生々しい感覚を思い出す。 「そうか、……夢か。 はは……。そうか……良かった……」 心からの安堵を吐き出す。 アレがただの夢とは思えない。 けれど、少なくとも現実ではないらしい。 ふと、自身の状態に違和感を覚える。 外見は、先ほど確認した限りでは問題ない。 ならば内面。魔術師としての領分だろう。 「……同調、開始(トレース・オン)」 魔術回路を起動する。 すると回路には、溢れんばかりの魔力が流れている。 この魔力はどこから? 更に深く意識を向ける。 張り巡らされた魔術回路。 その深部に、未知の回路が増設されている。 「これは……?」 この膨大な魔力はそこから流れてきているらしい。 そこに更に意識を向け、その流れを辿る。 するとそれは自分の隣。 「福路……?」 福路美穂子から流れて来ていた。 彼女は今、眠っている。 先ほどの叫び声でも目覚めないほど深く。 一体何があったのか。 今この身を流れる魔力は、その大半が福路からのものだ。 その魔力量は、あの聖剣を十発撃っても余りあるほど。 けど同時に、何か良くないモノも流れ込んでいる。 多分、福路が抑えてくれているのだろう。 その量は非常に微々たるもので、通常の魔術行使に影響はなさそうだ。 だが。これは呪詛だ。 人が持ちうる悪性を濃縮して、そのまま純化させたような猛毒だ。 そして恐らくこれが、福路がああなってしまった原因の一端だろう。 「―――アヅッ……!?」 それに反応するかのように、左手の甲に激痛が走った。 まるで焼き鏝を当てられたように熱い。 あまりの激痛に意識が飛びそうになる。 歯を食いしばって痛みの発生源を見る。 「そんな……!? なんで、なんで令呪が……!!」 左手の甲に刻まれた、三画の模様からなるそれは。 間違いなく、聖杯戦争におけるマスターの証だった。 “―――オマエが、オレのマスターになるのなら” 早鐘のようだった心臓が停止する。 体中の神経が断絶し、血液が凍る。 まるで死体のように動けなくなる。 あの夢の最後に見た“自分”が、嗤っているような気がした。 “―――契約が続く限り、その望みを叶えてやろう” 【F-2/遺跡内部/二日目/深夜】 【衛宮士郎@Fate/stay night】 [状態]: 疲労(大)、全身打撲(治療中)、全身に軽い切り傷(治療中)、背中に火傷、額に軽い怪我(処置済み)、軽い貧血、アンリ・マユと契約?(美穂子経由) [服装]: 穂群原学園制服(上着なし、ボロボロ) [装備]: 落下杖(故障) [道具]: 基本支給品一式、特上寿司×20人前@現実、 伊達政宗の眼帯、 基本支給品外の薬数種類@現地調達 、ペリカード(残金5100万) [思考] 基本:主催者へ反抗する。黒子と共に生きてこの世界から出る。 0:黒子の所に急ぐ。 1:令呪に対する強い疑問。 2:福路美穂子や蒼崎橙子(荒耶宗蓮)と同行する。 3:蒼崎橙子(荒耶宗蓮)は信頼しきっていない。 4:秋山澪と合流する。 5:首輪の情報を技術者へ伝え、解除の方法を探す。 6:黒子を守る。しかし黒子が誰かを殺すなら全力で止める。 7:福路のことも、どうにかして助けたい。 8:女の子を戦わせない。出来るだけ自分で何とかする。 9:一方通行、織田信長、黒い魔術師(荒耶宗蓮)への警戒心。 10:夢で見た“何か”に本能的な恐怖心。 [備考] ※参戦時期は第12話『空を裂く』の直後です ※Eカード、鉄骨渡りのルールを知りました ※エスポワール会議に参加しました ※帝愛の裏には、黒幕として魔法の売り手がいるのではないかと考えています。 そして、黒幕には何か殺し合いを開きたい理由があったのではとも思っています。 ※衛宮士郎の【解析魔術】により、首輪の詳細情報(魔術的見地)を入手しました。 上記単体の情報では首輪の解除は不可能です。 ※ゼクスの手紙を読みました。 ※ユーフェミアの外見的特長を把握しました。 ※原村和が主催者に協力している可能性を知りました。 ※『黒子の仮説』を聞きました。 ※『ペリカの投影』には『通常の投影』より多大な魔力を消費します。よって『ペリカの投影』は今後は控える方向性です。 ※白井黒子の能力について把握しました。 ※自身の歪みについて気が付きました。 ※「剣」属性に特化した投影魔術を使用可能。 今後、投影した武器の本来の持ち主の技を模倣できるようになりました。 ※現在投影可能である主な刀剣類:エクスカリバー、カリバーン、六爪、打ち刀 ※『壊れた幻想』が使用可能になりました。 ※イリヤが主催・人質である可能性には現状全く思い至っていません。 ※エスポワール号に向かう三人(藤乃、黒子、衣)の名前と外見的特徴を得ました。 ※東横桃子、平沢憂、ルルーシュが殺し合いに乗っていることを知りました。 ※福路美穂子とラインが繋がれました。実質的に、無尽蔵な魔力行使が可能です。 アンリマユによる精神汚染は、現在はありません。 ただし、多量の魔力を使用した時や、福路美穂子に何かが起こった時は、その限りではありません。 ※サーヴァント・アヴェンジャーと契約しました。 その顕現方法は、後の書き手にお任せします。 ※残り令呪:3画。 ただし、通常の令呪ではないため、衛宮士郎の意思による使用は出来ません。 ※片岡優希のマウンテンバイク@咲-Saki-は政庁跡に放置されています。 【福路美穂子@咲-Saki-】 [状態]:アンリ・マユと契約、左腕欠損(処置済み)、疲労(大)、睡眠中 [服装]:黒いロングドレス (ボロボロ)、穂群原学園男子用制服(上着のみ、ボロボロ) [装備]:聖杯の泥@Fate/stay night、折れた片倉小十郎の日本刀 [道具]:支給品一式*2、伊達政宗の首輪、包帯×4巻、999万ペリカ ジーンズとワイシャツその他下着等の着衣@現実 [思考] 基本:自分自身には、絶対に負けたくない。失った人達の分まで勝利を手にしたい。 1:ただ己が正しいと信じたことを為し遂げる。 2:衛宮士郎や蒼崎橙子(荒耶宗蓮)と同行する。 3:蒼崎橙子(荒耶宗蓮)は信頼しきっていない。 4:「魔術師」「魔力」などの聞きなれない言葉を意識。 5:死した人達への思い。 6:衛宮士郎に対する罪悪感 [備考] 登場時期は最終回の合宿の後。 ※名簿のカタカナ表記名前のみ記載または不可解な名前の参加者を警戒しています。 ※死者蘇生はレイニーデビルやアンリ・マユを用いた物ではないかと考えています。 ※アンリマユと契約しました。 今は精神汚染を捻じ伏せています。 ※エスポワール号に向かう三人(藤乃、黒子、衣)の名前と外見的特徴を得ました。 ※東横桃子、平沢憂、ルルーシュが殺し合いに乗っていることを知りました。 ※衛宮士郎とラインが繋がれました。 衛宮士郎に流れる呪詛の量は、福路美穂子の精神状態に影響されます。 ※所持していた六爪はエリアD-5のビル郡に散らばりました。 【荒耶宗蓮@空の境界】 [状態]:身体適合率(大)、身体損傷(中)、格闘戦闘力多少低下、蒼崎橙子に転身 [服装]:白のワイシャツに黒いズボン(ボロボロで埃まみれ) [装備]:オレンジ色のコート [道具]:凛のペンダント(魔力残量:極小)@Fate/stay night [思考] 基本:式を手に入れ根源へ到る。 0:ひとまずはエスポワール号へ向かう。 1:士郎と美穂子の保護と櫓の状況を確認すべく、いったん身体を休められる場所、および工房に向かう。 2:周囲の参加者を利用して混乱をきたし、士郎の異界を式にぶつける。 3:美穂子を士郎の魔力ブーストとして使う。 4:体を完全に適合させる事に専念する。 5:信長を利用し、参加者の始末をしてもらう。 6:必要最小限の範囲で障害を排除する。 7:利用できそうなものは利用する。 [備考] ※B-3の安土城跡にある「荒耶宗蓮の工房」に続く道がなくなりました。扉だけが残っており先には進めません。 ※D-5の政庁に「荒耶宗蓮の工房」へと続く隠し扉がありますが崩壊と共に使用不可能になりました。 ※エリア間の瞬間移動も不可能となりました。 ※時間の経過でも少しは力が戻ります。 ※今現在、体は蒼崎橙子そのものですが、完全適合した場合に外見が元に戻るかは後の書き手にお任せします。 ※海原光貴(エツァリ)と情報を交換しました。 ※A-7の櫓に、何かしらの異常が起きた事を察知しました。 ※バーサーカーを倒したのは、ルルーシュであると確信をしています。 ※何か強力な武器が手に入ったら、信長に渡す約束をしています。 ※一方通行の異常に気付きました。 ※イリヤが黒幕である事を知っています。 [備考] ※E-3/東部にて大規模な爆発が起きました(エリアを超える程ではありません)。 どの程度まで爆音が響いたかは、後の書き手にお任せします。 ※濃姫のバンカーバスター@戦国BASARAは破壊されました。 E-3/東部の爆心地に残骸があるかもしれません。 時系列順で読む Back とある魔物の海底撈月(後編) Next はじまりのおはなし 投下順で読む Back 第四回定時放送 ~二四時間後~ Next はじまりのおはなし 265 Thanatos. アリー・アル・サーシェス 278 ......and nothing heart. 266 奈落 福路美穂子 281 おわりのはじまりⅢ「喝采の澪」 266 奈落 衛宮士郎 281 おわりのはじまりⅡ「東横桃子は笑わない」 266 奈落 荒耶宗蓮 281 おわりのはじまりⅢ「喝采の澪」
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34話 幻想~造られた幻想、壊れた幻想~ 「……よかった音無さんはまだ生きている…」 直井文人は放送を聞き終わり少しだけ安心した表情を見せた。 しかし、その表情もすぐに冷たい表情へと変わる。 「……まだ後31人減らさなくてはならないんだ…気を抜くな…!」 直井は民家から拝借した包丁を持ち、歩き始めた。 ◆ ◇ 「……よし、OKだ…行くぞ日向」 「あ、はい…分かりました」 所変わって土方と日向の二人。 放送を聞き終わって、民家から出ようとしていた。 「こんなに死人出たようじゃ、動かない訳にはいかねぇ…」 土方は外に出て周りを見回す。 誰もいない、そう思われる。 「おい、日向…日向?」 後ろを振り向く、するとそこには信じられない状況になっていた。 喉を切り裂かれて即死になっている日向と、包丁を持った男。 一瞬で事情を理解した土方は棍棒を直井に向かった叩きつけようとする。 しかし、それをよけられてしまい、直井は土方に急接近しこう言い放った。 『お前は、僕の言うとおりに動く操り人形だ。 僕に逆らおうなんて思うな、僕に服従しろ』 土方の眼から徐々に光が失われていった。 そして、終わった時には土方はその名の通り『操り人形』となっていた。 「これをやる…音無さんと僕以外の参加者を殺すのを手伝え」 「……」 無言で受け取り歩き出した。 直井は口元をゆがませて土方について行った。 「…すみません、音無さんを生き残らせるためには…仕方が無いんです」 【日向秀樹@AngelBeats! 死亡】 ◆ ◇ 「のび太君…くそ……」 「……大丈夫か?」 「うん…なんとしても生きて帰って…のび太君を死ぬなんて事を無くさせる…!」 「……(無かったことにさせる?)」 いちろとドラえもんはD-3で放送を聞いていた。 いちろにとっては安心できる事だったが、ドラえもんにとっては最悪の放送であった。 「行きましょう…早くとおこを探したいし…」 「え?とおこ?」 「いや、何でも無いよ…」 あえて隠しておくことにした。 もしこれで勘づかれたら大変だ。 「……あれは!?」 「人がいる…?ね」 「とおこおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」 「え!?ちょっと待って!」 いちろはドラえもんを無視して走って行ってしまう。 それをドラえもんが追いかける。 一体いちろはどんな光景を見たのか…。 ◆ ◇ 「なあ、山崎さん…アンタいつまでついてくるんだ?」 「え!?酷いじゃないか!危ないでしょ!?」 「私みたいな高校生に頼っても無駄よ…?」 「くっ…そうだけどさ…」 放送後…さっさと逃げるとおこを山崎が追いかけていたのだ。 傍から見ればストーカーなのだが、気にしないでおこう。 「あれ…人が…いや、あれは土方さんだ!!おーーい!!」 「……あれ?」 山崎が走っていったのを見送る。 しかし、一つだけ違和感を感じた。 なっぜ、向こうは一切の反応を見せてこない? 普通だったら手を振るくらいしてもいいはずだ。 「良かった!土方さんがいればこんな事態…って、あれ?その人は誰ですか?」 山崎が直井を指さして言う。 そして、返事する間もなく土方は手に持っていた包丁で山崎を斬りつける! 「う、うおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!! ひ、土方さん!洒落になんないッスよ!?」 「…………」 「え…?なんで話してくれないんで…?」 「……!」 もう一度土方が包丁で切り付けてくる。 もう、それを山崎が避ける事は無かった。 「………くそ、すみません…局長…」 「……!?」 局長と言う言葉を聞き、土方が少し表情を曲げた。 それでも、すぐに無かった事のようにし、山崎に包丁が刺さった。 「良くやりました…では、あそこの女もやってください」 「……」 「や、やめろ!来るな!」 とおこは腰を抜かして、動けなくなっている。 土方がどんどん近付いて行く。 そして、すぐ目の前になった時に、とおこが小さくつぶやいた。 「助けて…いちろ……」 「……」 土方は、それでも容赦なく少女を刺した。 彼女からどんどん血液が抜けていくのが見えた。 罪悪感もなく、ただ立っていた。 「とおこおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」 いちろが走ってくる。 しかし、それはもう遅かった。 地面には倒れて、血を流しているのが見えた。 「テメェ!よくもとおこに…ガは…?」 「……」 容赦なくいちろを刺す。 今度はためらいもなくだ。 七不思議を殺してきた彼も、幾度も戦いを切り抜けてきた男には勝てないのだ。 「よし、いいだろう…ここには用が無いから行くぞ」 「……」 ここに、最凶の手駒を手に入れた戦士が生まれたのである。 【山崎退@銀魂 死亡】 【鈴木とおこ@いちろ少年忌憚 死亡】 【佐々木いちろ@いちろ少年忌憚 死亡】 【午後/D-3住宅街西側】 【直井文人】 [状態]健康 [装備]なし [所持品]基本支給品、不明支給品(0~1) [思考・行動] 基本:音無さんを死なせない。 1:音無さんを見つけたい…。 [備考] ※願いは不明です。 ※参戦時期は本編最終回後です。 【土方十四郎】 [状態]精神操作中 [装備]包丁(現地調達品) [所持品]基本支給品、棍棒、素麺セット(残り三人分)、マヨネーズ(現地調達・2.5本) [思考・行動] 基本:直井文人に従う。 [備考] ※参戦時期は未定です。 ※願いがなにかは不明です。 ◆ ◇ 「な、なんでこんなことになっちゃったんだ!」 ドラえもんはすぐにその場から離れていた。 いちろが殺された時点で感じた、恐怖。 「ジャイアンはまだ生きているんだ…!早く見つけないと」 ドラえもんはその足で再び走り出した。 【午後/D-3住宅街】 【ドラえもん】 [状態]健康 [装備]なし [所持品]基本支給品、不明支給品(1~2) [思考・行動] 基本:殺し合いからの脱出、そして脱出したらこの殺し合いを事前に止める。 1:とにかくここから離れたい。 2:ジャイアンと合流する。 [備考] ※願いは不明です。 ※参戦時期は未定です。
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「どうして……?どうして、私が……?」 ロボットの惑星メカトピアからのスパイロボット、リルルは訳が分からなかった。 リルルは地球を守るため、メカトピアの歴史を変えることで存在ごと消失した。 なのに、あのフィアンマという男は、その常識をいともあっさりと打ち破ったのだ。 参加者の中には野比のび太やドラえもん、そして自分を友人と認めてくれた少女、源静香の名前があった。 絶対に死なせない。この命に代えても。たとえすべてを失っても、あの少女だけは守って見せる――――――!! 「そうよ。私は―――――誇り高きメカトピアのロボット、リルル」 闘志を奮い立たせ、前を見据える。フィアンマは倒す。自分のなりたい”天使のようなロボット”になるために、彼女は定められた殺し合いの運命に反逆した。 そんな時だった。b-2廃村に、戦闘のような音が響いたのは。 「何かしら……?」 息を殺して、ゆっくり音の方向へ近づく。そこには、あまりにもアブノーマルな光景、闇のようなものを纏い、撒き散らす少女と、魔法少女のような恰好で拳一つで戦う少年の姿。 少女の目はうつろで、明らかに正気を失っている。 さらに言えば少年もおかしい。少女が放つ攻撃を、ありえない威力のパンチで迎撃していたのだ。 「畜生ッ!きりがねえ!」 相川歩はネクロマンサー、ユークリウッド・ヘルサイズによってゾンビとなった。 そのため人間の限界を超えて戦うことが可能というわけだ。 「無駄―――――――だって………。あたしたち…は、……あんたなんかよりも、――――――化け物みた――――いな、やつと――――」 美樹さやかも同じく人間ではない。もとは魔法少女だったが、彼女自体が呪いを撒き散らす”魔女”になりかけの状態。 理性を失った彼女には容赦がない。だからこそ、歩にも即死級の攻撃を放つ。 そこに、リルルの射撃が横槍を入れた。さやかの腹に着弾する。 「大丈夫かしら?自己紹介は後よ。早くあの化け物を倒しましょう」 歩はうなずくと、リルルにさやかの攻撃を潰してほしいと頼む。 リルルの指先から光線が出て、さやかの攻撃を誘導し、打ち落とす。 歩は人間の限界を超えた300%の脚力で一気に距離を詰める。 そして、さやかの纏う闇ごと、さやかを跳ね飛ばした。勢いよくその肉体は飛び、勢いよく木に打ち付けられる。 間違いなく死んだだろう。歩でさえ不死の能力は制限されているのだ、あの少女も耐久力は制限されているだろう、という憶測で判断した。 「んじゃ、自己紹介といくか」 【一日目/深夜/B-2:廃村】 【リルル@大長編ドラえもん のび太と鉄人兵団】 [状態]:健康 [装備]:なし [所持品]:支給品一式、不明支給品1~2 [思考・行動]: 基本:源静香を守る。 1:ドラえもんたちは保留。 ※消失後からの参戦です ※手からの光線は規制されていません。 【相川歩@これはゾンビですか?】 [状態]:疲労(大) [装備]:なし [所持品]:支給品一式、不明支給品1 [思考・行動]: 基本:フィアンマをぶん殴る 1:ユー、ハルナ、セラフィムと合流したい。京子は警戒。 ※原作一巻、京子撃破後からの参戦です ※ゾンビの力については、不死能力は封印、再生能力は半分、日光への耐性は上昇。 【美樹さやか@魔法少女まどか☆マギカ】 [状態]:気絶、全身にダメージ(中)、無痛状態、魔女化 [装備]:闇 [所持品]:支給品一式、不明支給品1~2 [思考・行動]: 基本:すべて滅ぼす 1:まどかは…………? ※8話、一般人殺害後からの参戦です ※魔女化はこれ以上進むことはありません ※歩とリルルはさやかは死んだと思っています ※戦闘の音が響きました ふたりのヒーロー 投下順 神が下す審判 ふたりのヒーロー 時系列順 神が下す審判 GAME START リルル 痛覚残留 GAME START 相川歩 痛覚残留 GAME START 美樹さやか 悲哀の螺旋/怪物ふたり
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