約 3,352,124 件
https://w.atwiki.jp/shingcmatome/pages/63.html
地球防衛軍6 真のクソゲー
https://w.atwiki.jp/gcmatome/pages/1560.html
本項ではD3パブリッシャー発売のゲームを取り扱う。アートディンク発売の『地球防衛軍シリーズ』については、本項では扱わない。 地球防衛軍シリーズリンク 機種 タイトル 概要 判定 ナンバリング PS2 SIMPLE2000シリーズ Vol.31 THE 地球防衛軍 廉価作とは思えないボリュームとクオリティで徐々に人気を伸ばした。 良 SIMPLE2000シリーズ Vol.81 THE 地球防衛軍2 空飛ぶ女性隊員「ペイルウイング」が初登場。ボリュームは前作の2倍に。 良 PSP 地球防衛軍2 PORTABLE 『2』の移植。新たな敵やミッションの追加、その他様々な仕様が変更されている。 PSV 地球防衛軍2 PORTABLE V2 『4』の「エアレイダー」を基にした「エアレイド」が新たに参戦。 Switch 地球防衛軍2 for Nintendo Switch Switch移植版。基本的な内容は『2PV2』と同一となっている。 360 地球防衛軍3 『1』の実質的なリメイク。この作品からSIMPLEシリーズを卒業しフルプライス作品に。映像やボリュームに難はあるが、NPCの初登場や絶妙なバランスでファンからの評価は高い。 なし PSV 地球防衛軍3 PORTABLE 『2』の「ペイルウイング」が参戦。ボリューム増加と絶妙なバランスはシリーズ屈指の出来。 良 Switch 地球防衛軍3 for Nintendo Switch Switch移植版。基本的な内容は『3P』と同一となっている。 PS3/360 地球防衛軍4 『2』の実質的なリメイク。グラフィックの質が過去作から大幅にレベルアップ。しかし、ストレス要素の増加や動作の不具合といった調整不足感が否めない。 賛否両論 360(*1) Earth Defense Force 2025 『4』の海外版。日本語未対応。ダウンロード版が日本版と別タイトルとして配信されている。 PS4/Win 地球防衛軍4.1 THE SHADOW OF NEW DESPAIR 『4』に多数のバランス調整や追加要素を施した実質的な完全版。シリーズ恒例の処理落ちはほぼ解消し、ロード時間も非常に短い。 良 Switch 地球防衛軍4.1 for Nintendo Switch Switch移植版。基本的な内容は『4.1』と同一となっている。 PS4/Win 地球防衛軍5 『1』 『2』と『3』 『4』より世界観を一新した、シリーズの実質的なリブート作品。シリーズで初めて人型エイリアンが登場し、新アクション等の追加要素も豊富。 良 PS5/PS4 地球防衛軍6 『5』の続編。過去の偶数ナンバリング作品とは異なり、敵に追い込まれ荒廃した世界が舞台。前作からさらにアクション性が強化され、さらにストーリーは歴代屈指の完成度を誇る。 良 EARTH DEFENSE FORCE PS3/360/Win EARTH DEFENSE FORCE INSECT ARMAGEDDON アメリカ生まれの『地球防衛軍』で、荒削りながらも面白さの根っこは健在。プレイの快適性はシリーズ随一とも言われているが、本家と比べると人気はイマイチ。 なし PS4/Win EARTH DEFENSE FORCE IRON RAIN 映像がナンバリング作品や『INSECT ARMAGEDDON』よりもレベルアップし、演出も強化。一方、プレイに支障を来す仕様や不具合等の調整不足が非常に多く、作品自体の評価は低い。DLCビークルの紹介で景品表示法に抵触する表記あり(*2)。こちらはユークスによる外注開発。 スピンオフ PS2 SIMPLE2000シリーズ Vol.103 THE 地球防衛軍タクティクス 戦術SLG。良くも悪くも無難な出来。 なし PS4/Win 地球防衛軍4.1 WINGDIVER THE SHOOTER DL専売。『4』の「ウイングダイバー」を主人公にした弾幕シューティング。 Switch/PS4/Win ま~るい地球が四角くなった!? デジボク地球防衛軍 EARTH DEFENSE FORCE WORLD BROTHERS 歴代シリーズからのオールスター作品。開発は『IRON RAIN』のユークスが担当。本編とは異なる、良くも悪くも明るい世界観が特徴のスピンオフ。 良 関連作品 機種 タイトル 概要 判定 SIMPLE2000シリーズ もともとはSIMPLE2000シリーズの一つだった。 ドリームクラブシリーズ シリーズのホストガールが「ピュアデコイ」としてゲスト出演。 PS2 ギガンティックドライブ 『地球防衛軍』シリーズの礎となった作品。 なし SIMPLE2000シリーズ Vol.91 THE ALL★STAR格闘祭 『地球防衛軍』からEDF隊員が参戦。 バカゲー Wii 斬撃のREGINLEIV システムを受け継いだファンタジー版『地球防衛軍』と言える作品。『地球防衛軍』シリーズにも大きな影響を与えている傑作。 良 シリーズ概要 D3パブリッシャーから発売されている3Dアクションシューティングゲームのシリーズ作。 上項の関連作品の通り、元々は同社から発売された安価のゲームシリーズ「SIMPLE2000シリーズ」のタイトルの内の1つだった。
https://w.atwiki.jp/shingcmatome/pages/27.html
真のゲームカタログ
https://w.atwiki.jp/edf2pcwc/pages/30.html
トップ 地球防衛軍4 Project 概要 メンバー一覧 進行状況(準備中) 初心者さんのためのガイド(準備中)
https://w.atwiki.jp/gcmatome/pages/81.html
地球防衛軍3 【ちきゅうぼうえいぐんすりー】 ジャンル 3Dアクションシューティング 対応機種 Xbox 360 発売元 D3パブリッシャー 開発元 サンドロット 発売日 2006年12月4日 定価 7,140円 廉価版 プラチナコレクション 2007年11月1日/2,940円 判定 なし ポイント 改良され生まれ変わった『地球防衛軍』フルプライス化に伴わないボリューム・内容 地球防衛軍シリーズ 概要 特徴 評価点 賛否両論点 問題点 総評 余談 概要 SIMPLEシリーズの傑作、『地球防衛軍』シリーズの第3作。しかし本作はSIMPLEシリーズではなくフルプライス化している。 ナンバリングは繋がっているものの、内容は『1』のリメイクにいくつか『2』の要素を付け足したもの。 従来作と同様に、低難易度では爽快感が得られ、高難易度では戦略性が求められる。 特徴 ジャンルはいわゆるTPS(3人称視点のシューティング)。操作方法に少し癖はあるが、慣れれば精密射撃もお手の物。 操作法は「ノーマル操作」と、一般的なTPSスタイルに近い「テクニカル操作」が存在する。ミッション中でも、ポーズ画面から切り替えることができるのはありがたい。 説明書ではテクニカル操作について「上級者向けです」「ゲームに慣れたら」と紹介されているが、こちらに早く慣れるのがオススメとされる。 ノーマル操作の方がテクニカルなどと言われる事も。勝手に敵の方を向くので自由度が低く、視覚的にも酔いやすい。 キーコンフィグもできるので、使いやすい配置にカスタムしよう。 移動手段は普通に歩き・走り・ジャンプの他にも、緊急回避という前転移動が可能。ダッシュより高速で飛ぶので回避よりもメインの移動手段として用いられることが多い。 本作でプレイヤーが使える兵種は陸戦兵のみ。実質『1』のリメイクなのでペイルウイングは存在しないが、武器はいくつか存在している。 持ち込める武器は従来と同じく二種類。リロードその他の仕様もほぼ同じなので割愛。 グレネードの仕様が変化し、発射ボタン押し続けで軌道の放物線が表示され、長押ししていると飛距離が伸び、離すと投げる仕様になっている。 泳いでいる間は銃系統の武器が使えない。本作ではグレネードも投げることができなくなり、乗り物が水中に入ると壊れる仕様になってしまったため、海で泳いで巨大生物の攻撃を避けつつグレネードで倒してアイテムを稼ぐ方法が使えなくなった。 新系統の特殊武器も追加され、特に指向性地雷・起爆型爆弾・設置砲台といった設置系武器がシリーズで初めて使えるようになった。 各難易度での全ミッションクリア特典もある。ラインナップは前作とは全く異なっている。 インフェルノクリア特典の「ジェノサイドガン」は健在だが、本作ではビームになっており弾速が非常に速く、リロード時間もとても短くなっており格段に扱いやすい武器となっている。その代わりキャリアーやマザーシップの弱点など一部の敵には完全に無効化されるようになっており、これだけでミッションを全制覇することは不可能となった。 ミッションでは画面右上に表示されるレーダーを確認しながら移動し、赤色の点で表示される敵を全て撃破すればクリアとなる。 敵は一度に全部が押し寄せてくるわけでなく、大抵2度か3度に分けて押し寄せてくる。 敵を倒すとたまにアイテムを落とす(レーダーには緑色の点で表示)。内容は「体力回復(小回復と大回復の2種類)」「ミッションクリア後にアーマーが増えるもの」「ミッションクリア後に武器が貰えるもの(何が貰えるかはランダム)」の3系統とこれまたシンプル。 ミッションには味方隊員が登場(レーダーに青い点で表示)し、一緒に戦ってくれる。武器はそれぞれ異なっており攻撃力はあるが、体力は低く、緊急回避を使わない等、一部能力は主人公に劣る。 従来作はアーマー上限が存在したが本作では確認されておらず、時間を掛ければ数百万までアーマーを上昇させられる。どうしてもクリアできなければごり押しも可能。 正確な数値上限は不明だが、公式曰く「理論上は一生続けても最大に達することは不可能」との事。 敵キャラクターはデザインと名称(従来はインベーダー、本作はフォーリナー)が変わっているが、基本的な部分は同じ。 雑魚敵はシリーズ恒例の蟻型巨大生物で、『2』の強敵である蜘蛛も登場。 輸送機や戦闘機(ガンシップ)は従来と違い、銀色に輝く装甲と所々に出てくる赤色の光が映えるデザインになっており、形状も独特に変化。特にガンシップは翼のようなパーツをもったいかにも戦闘機な見た目で、円盤状だった前作とは全く受ける印象が違う。ロボットも2足歩行に2本の腕と人型に近づいた。 さらに4足歩行の巨大要塞が登場。ゲーム中盤で撃墜することになる中ボス的ポジションである。 マザーシップも銀色に輝く球体で、『スター・ウォーズ』のデス・スターを彷彿とさせる。全体が銀色で統一されたデザインは神々しささえ感じられる。 怪獣は、まんま特撮の着ぐるみ怪獣だったソラスから、ごつごつしたうろこ状の皮膚とでかい腕を持つヴァラクに変更。ハリウッド版ゴジラみたいな印象を受ける。 全体的に敵デザインの統一性が図られており、B級特撮風なノリだった前々作・前作からちょっと豪華なSF映画風になった。 評価点 爽快感は変わらず、いつも通りのEDFである。従来の長所が維持されている。 グラフィックの強化もあり、オブジェクト破壊の爽快感がより増している。 一度に出てくる敵の数は旧作と比較して非常に多い。流石にこの点は360の性能にものを言わせている。終盤の一部ミッションではレーダーが真っ赤になる(そしているだけで処理落ちする)ほどの敵が登場する。 そもそも最初のミッションからして第3波まで敵が登場する。『1』『2』ともに第1・第2ミッションはすでに登場している敵を殲滅すれば終了だったので今までの作品をプレイしたファンは驚いたであろう。 ハードの進化によるグラフィックの向上。 良くも悪くも巨大生物の造形が更にリアルに。虫嫌いなら鳥肌が立ってしまうかもしれない。 街並み等もリアルになっており、自動車・自動販売機・自転車・バス停・標識など、今までのシリーズ作品に無かった小物類がたくさん配置されている。乱雑な配置でなく車の場合路肩に停めている、駐車場に停めてあるなど生活感あふれるよく考えられた配置になっている。 勿論、これらオブジェクトの大半が破壊可能である。山岳地帯の岩など、破壊したり動かせたりするオブジェクトは多い。 看板などの文字の書き込みも細かい。特に「エブリス」「民宿ゆうき」などはネタにされEDFMAD動画などでもしばしば破壊の対象にされる。中には広告募集中と書いてある看板があるなどこれまたリアル。 今回の海岸のマップは「津川浦」という地名があり、ミッション名になっているだけでなくマップ中の看板からも読みとれたりする。 環境マップ(*1)の品質が向上したため、金属の質感やビルの窓などのリアルさがより引き立てられている。 BGMは一新されたが、いずれも良質。緊迫感のあるものや熱いものが揃っており、ミッション内容や場面にもマッチしている。 本作では前作の担当者である高田雅史氏の縁からグラスホッパー・マニファクチュア所属(当時)の作曲家が参加。前作でSEを担当していた福田淳氏がメインで作曲を担当しており、高田氏はスタッフロールなど一部の作曲に回っている。また本作のみ、田中慎哉氏が一部の作曲に携わっている。このためか作風全体がややメロディアスで豪華なものに変化を遂げた。 インターミッションでは前作のメロディが一部に組み込まれるなど、地球防衛軍としてのお約束・作風は確立されている。 最終決戦である条件を満たすと前作の名曲「星戦」が流れるというファンサービスがあり、好評を得ている。 なお、360のカスタムサウンドトラック機能により好きな曲を流す事も可能。 乗り物について。 従来の戦闘ヘリ・バイク・戦車に加え、2足歩行の機動兵器「ベガルタ」が登場。3種類の武器で武装しており、操作性は極めて悪い代わりに装甲と火力に優れ、高難度ではお世話になる。 バイクは設置数が減り、画面端に敵が引っ掛かからなくなったため、従来作では行えばほぼクリア確定と言われていた「バイクに乗って外周に出てひたすらバック」する所謂「外周戦法」が使えなくなった。 その他、戦車は移動速度が遅くなった半面火力が大幅に上がり、ヘリにも追加武装が施されている等、細かい調整が施されている。 サンドロットの作品で常に付きまとっている問題の処理落ちは、ハードの向上によりある程度改善されている。 勿論発生しない訳ではなく、フレームレートも不安定ではあるが、それでも「紙芝居」レベルの処理落ちは一部でしか起きない。 従来は声のみの存在だった味方隊員がMAPに登場し、一緒に戦ってくれる。しかも妙に台詞が熱い。 味方隊員は攻撃面において強力。低~中難度では特に意識しなくてもクリアできるが、高難度では敵の誘導・援護・囮等・これの有効活用が勝利への鍵となる。 ちなみに、他部隊の隊長だけを暗殺峰撃ちして部隊員を指揮下に置くというテクニックも存在しており、ほぼ日常化している。これによるペナルティはない。 従来の「地球防衛人」「防衛軍は1人じゃない。でも2人しかいないぞ!」という欠点をカバーしてくれる頼もしい存在。 細かな微調整。 武器性能や敵の耐久力が見直されており、全体的に遊びやすくなっている。特に最高難度は従来作と比べてかなり遊びやすくなった。 緊急回避中に武器を切り替えられるようになり、ほぼ真上・真下まで照準を動かせるようになる等、システム面にも若干のメスが入っている。 賛否両論点 シナリオ・演出面 セリフは熱いものが多いのだが、ストーリーの運び方自体はかなり強引な部分が多く、全体的に粗っぽい。 空軍がガンシップとの戦闘で敗北する、マザーシップとの対決に決戦要塞が投入されるなど、ストーリーの重要な部分が無線のセリフだけで済まされてしまう。 さらにその空軍を落としたガンシップがそのまま歩兵隊に向かってきて流れでプレイヤーが全滅させることになったり、敵の能力や弱点をあっさりと解析してしまう本部のオペレーターなど、ご都合主義的な流れが少なくない。 過去作から説明文に反した実際のミッションの状況など明らかに本部の仕業としか思えないものを「本部の罠」と呼ぶネタがファンで定着していたが、本作でも同様。 それどころか「通信状態が悪い」「退却は許可できない」「よし、レンジャーチーム。5分後に再出撃だ」などこれまでにないタイプの極悪非道なセリフが登場。なお本部が「よく聞こえない」と言い張る無線はプレイヤーには聞き取れる程度の音質のことが多い(*2)。 中には説明文等で何も伝えずに、いつの間にか主人公を囮にして作戦を進めるという凶悪な行為まで行うミッションも。 以上のことから、「歴代最悪の本部」や「ブラック軍隊」などと評される始末。あまりにヒドすぎて完全にネタ化しており、ファンどころか公式まで面白がって後発の作品に同様の台詞をねじ込むことも。 一応フォローしておくと、味方NPCとの行動が前提となっているためか、主人公個人を怪物扱いするようなセリフはほぼ無くなっており、主人公への救援をきちんと行うミッションも多い。 最終決戦は演出・展開共に非常に盛り上がるのだが、エンディングは凄まじく簡素で後日談等も一切無し。 BGMの質自体も決して悪くないのだが、総数自体はかなり少ない。 いずれにしてもSIMPLE時代の路線をほぼそのまま受け継いだ内容と言える部分で、シナリオ全体の出来より瞬間的に熱くなれるだけのセリフと展開で十分と見るプレイヤーも多い。 問題点 『1』『2』と比較して割高感が非常に強い。 『1』と比べて「グラフィックの向上」「味方の存在」「バランス調整」程度の違いしかなく、それでいて従来作の問題点は殆ど改善されていない。 従来作が抱えていた多数の問題点は、2000円という低価格だからこそ許されていた。しかし本作はフルプライスであり、従来の問題点はほぼそのままに大した追加要素がないため、どうしても割高に感じられてしまう。 ある程度改善されたゲームバランスについても、元々がとてつもなく大味なゲームなせいで、やり込まないと違いが理解しづらい。どこが変わったか気がつく頃にはゲーム終盤に差し掛かっているか、いっそ気付かない可能性もある。 基本的に『1』のリメイクなので、『2』をプレイしたやり込み派ユーザーからはボリュームの面で物足りないとの声が上がっている。 総ステージ数は『2』の71から53に減っており、『1』のリメイクなので敵やボスの総数も同じ。マップに至っては増えるどころか減ってしまった。 特に『2』で使えたペイルウイングが削除された事についての不満が多い。『1』をリメイクするくらいなら『2』をリメイクすればいいのに、とはよくある声である。 NPCの味方隊員は囮に援護にネタにと役に立つのだが、「AIが馬鹿」という問題点も存在する。 敵の死体を撃ち続ける、障害物越しに敵を攻撃してロケランで自爆誤爆する等、げんなりする事が多々ある。特に地底ステージで使い物にならない時が多い。 また、NPCがステージ最後の敵を倒してもクリアとなってしまい、アイテムを取る前に終わってしまいやすい。 そのためクリア前にまずNPC隊員を暗殺峰撃ちし、アイテム回収してクリア…という悲しい行動を強いられる羽目に。 さらに、指揮下にいても指示はできない。合流すると死ぬまでプレイヤーの周囲をうろつくため、攻撃の瞬間に目の前に割り込まれて誤射することもザラ。 一番最悪なのが、爆発物で誤射したとき。周囲の隊員+自分の体力+弾1発分という損失を出してしまうため、高台に乗ったりジャンプして撃つという行動を余儀なくされる。 従来作に比べマップがかなり広くなったせいで、「移動が大変」という問題点が生まれてしまった。 遠くのアイテムを取りたい時、撃ち漏らした敵を撃破する時等。特に後者はかなり顕著で、「敵が1匹残ったがこちらに気付いていないため、ひたすら歩いて倒しに行く」という事態が頻繁に発生する。 特に山岳マップは滅茶苦茶広い上に登れない崖が存在しており、敵1匹倒すため、アイテム1つ回収するために何分も掛けて徒歩で歩く、という事態になりがち。 夜間マップが削除され、物語の都合上ロンドンもなし、海辺と山岳はひとまとめと、総数も『2』より減ってしまっている。 改善されていない従来作からの問題点。 システムの調整点は多数あるのだが、ゲームシステム全体としては悪い意味で変化がない。基本的な移動速度の遅さ・ダッシュが存在しない・左右にしかできない回避行動等、TPSのシステムとしては明らかに未成熟。 崖に引っ掛かる上に自動回収されないという、アイテム回収の煩わしさも全く変化無し。むしろ味方隊員の存在とマップの広さのせいで拍車が掛かっている。 ゲームバランスにはある程度の調整が入ったが、それでも良好とは言い難い。 高難度になるほど武器選択の幅が狭くなり、攻略に適したごく一部の高性能武器のみに絞られやすい…という問題点はそのまま。例えば難易度INFでは例外はあれどスナイパーライフル2丁持ち(あるいはサブ武器に後述の強力な設置系)がデフォであり、スタンダード兵装のアサルトライフルは(最上級武器でも)足止め程度にしかならなくなる。様々な武器を使って攻略、なんて事は不可能。 設置武器だとC型爆弾は難易度を考慮しても火力が高く、最高位では一発12000ダメージと文字通り桁違いの威力(*3)となり、しかも10発を一個ずつ小分けにして使える・爆破範囲も広いと非常に使い勝手が良い。セントリーガンも最高位では旋回性能・連射力・威力のいずれも高いためリロードこそ長いが対空武器や足止めとして有用。一方でインパルス地雷は火力や使い勝手が微妙な割にリロードも長く、高難度ではほぼ使い道がない。 高難度における敵攻撃力も相変わらず超インフレしている。難易度の上昇による攻撃力の上昇とは別に敵弾の同時発射数が増えるため、難易度が1段上がる毎に攻撃力がハネ上がる。難易度INFでは普通の酸蟻でさえ、至近距離で食らうとン100~1000ほどのダメージを負う。前作で猛威を振るった蜘蛛も相変わらず。 グラフィックは確かに向上したが、これは「ハードの性能」によるもので、決して「描き込まれている」訳ではない。 PS2後期の作品や同時期の他作品と比べてもそこまで綺麗でもなく、それこそ「PS3/360におけるSIMPLEレベル」である。 乗り物の操作性は恐ろしく悪い。どれもこれも慣性が極端に強く、極めて慎重な操作を要求される。 戦車は砲塔の慣性が非常に強く、更に弾道が放物線を描くため、狙った場所に着弾させるには相当な慣れが必要。 バイクもやはり慣性が強く、また耐久度が低いため、曲がり切れずに壁に突っ込んで大破という事態が頻繁に生じる。 ヘリは慣性が強い上に旋回性能が劣悪。右スティックで照準を合わせるなんて事はできないため、この劣悪な操作で機首を敵に向けて攻撃する、という超高等テクニックを要求される。『2』と比べミサイルが武装として追加されているが、誘導性が殆どなく完全に産廃。何のために追加したのやら。 ベガルタは移動速度や機動性は凄まじく悪いが、旋回性能は良く火力も高いのでまだ使っていける。 共通する問題点として、乗り物はいずれも画面中央の照準が何故か存在しない。何処に撃てば何処に当たるかが分かり辛く、やはりこれも相当な慣れが必要になる。 流石にメーカーもヤバいと思ったのか、移植作の『EDF3P』では乗り物を強化する武器が追加された。ただし照準がないことや操作性の悪さ自体は改善されていない。乗り物の本格的な調整が入るのは『4』以降となる。 『2』よりマシになったとはいえ、やはり際立つ処理落ち。「真の敵」とも言われる。 SIMPLEならまあ許されたが、フルプライスの、しかも次世代機ゲームでこの点が目立つことについてグラフィックの質と合わせ開発の技術を疑問視する声もある。 実際のところゲーム進行に支障はないとはいえ地面や建物にめり込むなど旧作から存在するバグの類が結構多い。ネタにされるものもあるが。 XboxLIVE関連。 オンライン協力プレイの未導入。ゲームとも非常にマッチする為残念に思う人は多かった。 実績が一応用意されているのだが、これが各難易度制覇と武器コンプリートのみ(*4)で非常にお粗末。 しかも難易度制覇は勲章と同様高い難易度をクリアしてもそれ以下の難易度制覇実績は解除されない。 総評 ゲーム性の根幹はシンプルで面白く、シリーズ特有の魅力は健在ながらも、良くも悪くも従来作からの変化・進化が少ない作品。 細かな改善点こそあれど、低価格なら許されていたその他の大きな問題点についてはノータッチ。基本システムもそのまんまである。 「次世代機のEDF」としても「シリーズ最新作」としても明らかにパンチが足りず、それでいてフルプライスという点が圧し掛かる。 幸いにも現在は低価格の廉価版やボリューム面を改善した移植版が発売されている。これらだと多少の粗には目を瞑れるので、是非手に取ってみてほしい。 余談 2009年9月8日にゲームオンデマンドでも配信された。 2010年8月に360ダッシュボード上で年間ダウンロードランキングが公開され、『アイドルマスター』と『アイドルマスター ライブフォーユー!』を凌ぎ年間第1位に輝いている。 海外では『EARTH DEFENSE FORCE 2017』として発売された。 海外でもやはり『2』からのボリューム減少やグラフィックの質の悪さ、開発の技術力不足などが批判されているが、ゲームそのものの爽快感や独特のバカバカしさには高評価が下されている。 ミッション攻略・縛りプレイの自由度の高さや演出・台詞面のネタの豊富さなどから「観賞用のゲーム」としての評価も高い。 発売時期がちょうど動画共有サービスの認知度が高まりつつあった頃という時流もあって、BGMを差し替えたプレイ動画や縛りプレイ、本作の映像を使ったMADなどが多数投稿されている。 特に本作発売の直後にサービス開始したニコニコ動画では、本作の音楽差し替えプレイ動画が100万再生を越えた例も(現在、動画は権利者の申請で削除)。 公式でこの点の需要が意識されているのかは不明だが、『4』以降の作品では規約を順守することを条件にプレイ動画のアップロードが許可されるようになっている。 2012年9月27日にはPSVへの移植版『地球防衛軍3 PORTABLE』が発売された。 さらには2021年10月14日にはこの『PORTABLE』をベースとし、『地球防衛軍3 for Nintendo Switch』のタイトルでSwitchにも移植された。
https://w.atwiki.jp/shingcmatome/pages/32.html
真のゲームカタログ5?
https://w.atwiki.jp/shingcmatome/pages/30.html
真のゲームカタログ3
https://w.atwiki.jp/shingcmatome/pages/29.html
真のゲームカタログ2
https://w.atwiki.jp/shingcmatome/pages/31.html
真のゲームカタログ4
https://w.atwiki.jp/gcmatome/pages/9564.html
地球防衛軍6 【ちきゅうぼうえいぐんしっくす】 ジャンル 3Dアクションシューティング 対応機種 プレイステーション5プレイステーション4 発売元 D3パブリッシャー 開発元 サンドロットクラインコンピュータエンタテインメント(*1) 発売日 【PS5/PS4】2022年8月25日 定価 通常版 8,980円DL版デラックスエディション 12,100円 レーティング CERO D(17才以上対象) 判定 良作 ポイント 前作からシステム、ストーリー全てが地続き問題点の調整や新規要素で快適性が大幅アップシリーズ随一のストーリー演出 地球防衛軍シリーズ 概要 特徴 評価点 賛否両論点 問題点 総評 余談 概要 『地球防衛軍』シリーズのナンバリング6作目。過去の偶数ナンバリング作品同様、前作である『地球防衛軍5』と同じ世界観を舞台としている。 前作の操作性や各種調整を引き継ぎつつ、問題点の改善や新規要素の追加によってさらに遊びやすくなった。 また、前作の衝撃的な結末から物語が続くことが当初から発表されており、ストーリー面での注目度が非常に高かった。 特徴 絶望の結末から続くストーリー 前作にて人類は侵略者から地球を守り抜いたが、総人口を大きく減らし文明も崩壊寸前とシリーズでも類を見ない結末を迎えた。 それから3年後、荒廃した地球を舞台に残された怪物や未知なる侵略者を相手に立ち向かう物語が描かれる。 シチュエーションこそ特殊であるが、シリーズの基本である地球を守る地球防衛軍と宇宙からの侵略者プライマーの構図は変わっていない。 兵科はお馴染みレンジャー・エアレイダー・ウイングダイバー・フェンサー それぞれの主な特徴は前作と共通しており、前作で追加された新規アクションも健在。 味方NPCの回復能力の共通化や武器性能のカスタム値制などのシステム面も引き続き。 さらに新規要素として『よじ登り』と『バックパックツール』(*2)が追加。 『よじ登り』は背丈ほどの瓦礫や障害物をよじ登るアクションで、瓦礫が多い荒廃したフィールドを移動する上で便利に機能する。 『バックパックツール』は前作における一部カテゴリの武器と新規武器を装備できる新しい装備枠で、実質的に手数が増加。 ただし、フェンサーは元々操作が複雑であることや前作で頭一つ抜けて強かったことを踏まえて『バックパックツール』は追加されていない。 それ以外にも一部挙動の調整や性能調整が行われているが後述する。 さらに魅力的となった味方兵士 前作と同様に特定人物として扱われるNPCが登場しており、本作では数が大きく増加している。序盤から終盤まで長く登場するNPCから1ミッションしか登場しないNPCまで多数登場する。 小さな変化だが、CGモデルが口パクに対応している。ストーリー関連のセリフや戦闘中の会話時によく見るとNPCの口がちゃんと開いている。 ビークルNPCも種類が増加しており、コンバットフレームの上半身をトラックに搭載したコンバットワゴンや機関砲を搭載した自走車両等多数追加。さらに待望のヘリコプターNPCも演出としてだが登場した。 新しく、地球防衛軍らしい侵略者 蟻や蜘蛛、蜂といったシリーズお馴染みの怪物に加えて、金属質の外観を持つ機械生命体と海洋生物を模した未確認生物に分類される敵が多数登場。 大量出現した機械生命体が向かってくる様子や、銃を持ったタコ型エイリアンなど如何にもSF物っぽいデザインに加えて、性能面でも既存の敵と差別化が図られており攻略する面白みがある。 評価点 シリーズ屈指のストーリー 前作で壊滅寸前となった地球から始まるこれまでにないストーリー 朽ち果てたビルや瓦礫だらけの市街地、装備もボロボロとなった操作キャラや二足歩行ロボット型ビークルニクスが上半身をトラックに乗せて走る姿など、事前公開された情報でも地球が荒廃していることが強調されていた。 ゲーム内でも人類が置かれた厳しい状況には度々触れられるだけでなく、味方NPCがランダムに喋る会話も虚しい内容が多かったりと世界観をきっちりと演出している。 さらにストーリーを進めると人類がさらに追い詰められる展開になるのだが、その際にメニュー画面が悲壮感を感じさせる背景とBGMに代わり、絶望感をより感じさせる。メニュー画面は他にも複数の背景とBGMが存在し、ストーリー展開に合わせて変化するため没入感が高い。 あまりにも苦しい状況からどのような物語が展開されるのか話題になっていた本作だが、蓋を開けてみるととんでもない仕掛けが仕込まれており、プレイヤーの度胆を抜いた。 この仕掛けに関しては発売前のトレーラーはもちろん発売後の公式サイトでも秘匿されており、DLCの項目でわずかに触れる程度と徹底して隠している。 + 仕掛けについて言及するためネタバレ注意 時間を遡り、前作『地球防衛軍5』の時系列に戻る物語 あるミッションでの出来事により、時間が前作の時系列へと遡る。実は本作はシリーズ異例のループものであった事が判明し、そこからは絶望の未来を変えるべく行動する事になる。つまり前作の悲惨な展開や結末すらもこの布石だったのである。 そのミッションをクリアすると突然メニュー画面が前作の物になり、次のミッションが前作の序盤ミッション『転機』となる。 直前に「The Earth Defense Force 6 begins now.」と表示されることと、ミッションだけでなくメニュー画面すら前作の仕様に戻ることからプレイヤーに「過去に戻ったこと」と「地球防衛軍6がここから始まる」を強く感じさせるゲームでしかできない良演出である。 しかもこの「The Earth Defense Force 6」の表示は単純に本作『地球防衛軍6』を指しているだけではない事が後々判ってくる。 その後も見覚えのあるミッションが続くが、戦況が前作よりも悪化していたり見慣れぬ敵が現れることから、侵略者もタイムスリップしていることを知る。過去を踏まえた上で対抗策として強力な敵を未来から送り込む侵略者、それに抗うために何度も時間を遡り地球を守り抜く過去にないストーリーが描かれた。 前作の時系列にタイムスリップする都合、見覚えのある戦場や展開があり前作をプレイしているとニヤりとする場面も。本作独自のミッションも複数回登場する物があり、戦況の変化を感じやすい。 ループによるやり直しに抱く希望、それを打ち砕かれる現実、繰り返す失敗、そしてそこからの脱却と、ループもののお約束の展開もバッチリ完備。 ミッションが進むにつれて敵が強大になり戦況もどんどん悲惨になっていく様はシリーズでも屈指の絶望を感じさせるが、そこから描かれる逆転の一手は非常にカタルシス溢れるものとなっており、悲惨な展開だった前作を踏まえるととグッとくるものがある。 「敵輸送船の弱点を攻撃しても特定のミッション以降でないと何故か破壊できない」という前作の仕様に重大な意味があったことも判明し、それに関連したカタルシスのある展開も用意されている。 そしてそのカタルシスを最大限に高めるのが最終ミッション。詳細は伏せるが、ラスボス戦の展開や演出は前作を含めここまで戦ってきたプレイヤーの戦意をこの上なく高揚させてくれる。エンディングのメッセージも前作のものを踏まえると本当に感慨深い内容となっている。 戦績画面で判明するラスボスの名前も、この展開を考えると納得のネーミングであり、最終ミッションでプレイヤーが成し遂げた事についてのニクいダブルミーニングになっている。 さらにシリーズでは謎だった侵略者が地球を責める理由についても掘り下げが行われており、少しずつ核心にたどり着いていく本作のストーリー構造と合わせて評価点の一つ。 物語を演出する新キャラクター、前作のキャラクター 本作から登場する「プロフェッサー」は相棒的な立ち位置で出番が多いだけでなく、悪化する状況に対して悲痛を漏らしたりプライマーの戦略について考察を語るなど物語を引き立てる重要な役割を担う。正にストーム1に並ぶもう一人の主人公と言っても過言ではない。 その他の新規登場人物も評判は良く、特にプロフェッサーと並び固有モデルが用意され、いかにも映画の鬼教官のような言動をしながらよく見ると部下想いかつ平和な未来を虚しくも夢見る姿を見せる「大尉」、絶望の未来で主人公たちの案内役として登場しその無謀っぷりに呆れながらも結局は毎度助けてくれる「中尉」、食料を求めて無鉄砲に飛び出す「伍長」、荒くれの集まりな言動の駆除チームなど、味方隊員は何かしら印象に残る言動をしてくれる。 ストーリー上で死亡が明言され、出番が絶望的と思われた前作の登場人物に関しても、そのストーリー設計で再登場し、見せ場や出番がキッチリと用意されている。 前作の登場人物で大きく印象が変わるのが、少佐の部下とスプリガン。少佐の部下はいまいち役に立たない言動や悲観的な台詞が多かったが、本作ではちゃんとオペレートしたり希望的な台詞が増えたりと印象がだいぶ変わる。スプリガンは精鋭部隊NPCの中では出番が少なかったが、本作では出番の増加に加えて強力なMONSTERを装備して登場する場面もあることから精鋭部隊としての印象が強い。 最大のサプライズは、前作の最初のミッションで登場した民間人時代の先輩であろう。本作ではなんと主人公が助けることになり、その生存が逆転の大きな決め手になるという超展開で、前作から引き続き見られるどこかとぼけたキャラ性も相まってプレイヤーからは前作以上にネタ的に愛されるようになっている。 シリーズ定番の要素だが、短いながらも印象に残るネタ的な台詞は本作でも豊富。ストーリー密度が濃くなった分、台詞自体も相当増えており、過去作のオマージュ的台詞も含めてネタには事欠かない。 「リング到来にビビる兵士」「EMCとは何の略か尋ねる兵士」「婚約者がいるので死にたくないとフラグ建てまくる斥候」「温泉郷出身のウイングダイバー」「フラグを建てて即回収する漁師の息子」のような、肩書すらないモブ兵士の台詞も印象に残りやすい。 過去作で指摘されていたDLCにストーリー要素がない点に関しても改善されており、ミッションパック1では本編同様の演出が行われ、ミッションパック2はセリフ数こそ減少しているもののシミュレーターという設定で高難易度ミッションの理由付けの面を持つストーリーがある。 + ネタバレを含む詳しいDLCストーリー 特にDLC第一弾「LostDays」については前作『5』の前日譚ということもあり、『5』へ続くような演出や台詞、敵などが多く追加されている。 鎧をまとわず、生身で降下したため大気汚染によって数日しか活動できないコスモノーツや、高い戦闘力を持つが地上でしか繁殖できないため大量破壊兵器で駆除されてしまうプライマル系など、これまで存在しなかった敵を登場させつつ、『5』へ繋がっていく経緯をうまく説明できている。 また『5』で開戦と同時に主人公がいたベース228が執拗に攻撃された理由なども示唆されている。 本作は日本ゲーム大賞2023年間作品部門にて優秀賞を獲得しているが、その際にもストーリーについて触れられるなどシリーズの中でもストーリーを評価する声が多い。 一方で物語の重要事項はあくまで登場人物の推測という形で進められており、設計が難解なこともあってゲームをクリアしても細かな謎や疑問点が残っているのだが、それらについて前作のシナリオも含めて ファンコミュニティで考察する という、シリーズでも類を見ない楽しみ方を見出すファンすら現れている。 前作のシナリオは未回収の伏線や謎が多い点で批判を受けていたが、今作で真相が察せられる、またはある程度納得できる理由が考察できるようにもなっている。 過去のシリーズが「あくまで敵を撃ちまくるアクション重視、ストーリーはおまけのようなもの」と扱われることが多かっただけに、本作の内容はプレイヤーにとって新鮮に感じられるものであったと言える。 グラフィック・演出周りの強化 前作では中盤以降、演出が落下物に頼りがちと言われたが、本作では終盤まで多様な演出を見せてくれる。 高速で飛来する新型の船、基地のハッチが開いてリフトでビークル登場、地底の怪生物が天井を突き破って飛び出していく、怪生物同士が激突、遠景の巨大潜水艦からの攻撃などなど、様々なインパクトある展開が用意されている。 音声関連も変わらず好評。 音楽はシリーズお馴染みの高田雅史氏と福田淳氏のコンビが担当。前作のBGMの流用も多いが、細かくアレンジがされているものもあり、新曲も多数。 中でも疾走感ある曲調ながら緊迫感を煽る不穏なメロディの「死の疾走」、中盤の対抗する決意が固まったことを示す勇猛な曲調のインターミッション、最終ミッションのインターミッションおよび最終段階で流れる曲は印象が強く評価が高い。最終ミッションに専用BGMがあるのは(派生作品を除けば)何気にシリーズ初。 また一部ミッションでは『地球防衛軍4』のBGMも使用されておりファンサービスにもなっている。 ストーリーで説明したとおり進行によりインターミッションの曲が変わる演出を初導入した他、ミッション内容でクリア時のジングルが変わる演出もジングルの種類がさらに増えており、音楽関連演出は過去最高に気合が入っている。 前作同様、声優陣は豪華で、新キャラクターの分さらに出演者が増加。プロフェッサーの東地宏樹氏や大尉のてらそままさき氏など、主要キャラのベテラン配役も光る。 前作から再登場する一部の人物も同じ声優が続投。年月が相当開いたが演技的に前作とほぼ同じように演じられており、違和感はない。 グラフィックは後述する問題点こそあるが、人物以外のモデルの作りこみは「職人芸」の一言。遠景の潜水母艦は爆雷だけでなく艦載機のハッチも描かれていたり、武器のリロードモーションをよく見ると細かいパーツが変形するなど、メカニックの作りこみはお家芸と言えるサンドロットだけに非常に細かい。 新型含めてコンバットフレームの造形はいずれも好評。ニクス・エイレン・グラビスと用途に応じた細かな造形の違いがされており、特にグラビスは本編で入手できないためDLCでの配信が強く待ち望まれていた(後に実装)。 終盤でプレイヤーが使用できる「アーマメント・バルガ」も、その主要武装の変形機構や発動時のカメラワーク含めた演出の派手さ、それに見合う以上の圧倒的強さで好評を得ている。 武器のモデリングも前作からの続投組含めて細かくモデル変更がなされている。ちなみにアシッドシャワー試作型(殺虫スプレー)もグラフィック新造され、 異様にリアルなスプレー缶 になっている。 なんでだ。 町の造形も前作からのテクスチャ流用は目立つが、カーディーラーやガソリンスタンド、ゲーセンに温泉街など新しい建物やマップは多く、相変わらずの作りこみが光る造形となっている。 特にゲーセンは上記のテクスチャアニメーションを駆使してD3とサンドロットに関連したネタが豊富に詰め込まれた逸品。サンドロットマニアなら爆笑すること間違いなしである。 システム面の改善 ストーリーの字幕対応 ミッション内で作戦本部や味方NPCが発するセリフに字幕がつくようになった。爆発や密集した敵の悲鳴によって声が聞き取りにくい状況でも、セリフが視認できるようになったことで重要な会話を聞き逃すことがなくなった。 さらに発言に合わせて字幕がスクロールする形で字幕によるネタバレにも配慮されており、重要な部分を音より先に見てしまうことは少ない。 これを逆手にとって、不穏な言葉で台詞を始めてから、スクロールするとお茶目なことを言い出すというネタも見られたりする。 字幕の配置はプレイに支障がない程度にされており、文字の大きさも他のUIに比べて大きく視認性は高い。設定でオフにもできる。 オフラインとオンラインのクリア状況が共通化 本シリーズのオンラインプレイは難易度に応じて武器の持ち込み制限やアーマー数値に制限がかかり、クリア率を上げるとその制限を解除できる仕様がある。過去作ではクリア状況がオフラインとオンラインで区別されており、解除には途方もない時間がかかっていた。 本作はクリア状況の共通化によって制限解除の難易度が大きく緩和されただけでなく、トロフィーの取得難易度が低下する副次的なメリットもある。 使用不可武器の表記 エアレイダーの空爆要請やビークル要請は地下では不可能であり、持ち込んでも役に立たないが特に警告がないため過去作ではうっかり持ち込んでしまう事故があった。本作では使用できない武器はメニュー画面で赤く表記されて使用できないことを示唆するためそういった事故が起きにくくなった。 ダメージ表記の追加 敵に攻撃した際にダメージの数字が表示されるようになり、命中の有無がわかりやすくなった。高難易度では敵を一撃で倒せる武器の需要があるため敵の体力が把握しやすくなった点も評価されている。 前作で問題視されていた威力減衰による与ダメージのわかりにくさもある程度は改善され、敵ステータスの検証もやりやすくなった。 ダメージ表記も武器アイコン近くに合計値が出るタイプと着弾点に表示されるタイプ、着弾した敵ごとに表示されるタイプと複数種類に変更できる。これまで通りに表示なしでプレイも可能。 カメラワークの一部改善 これまではプレイヤーキャラが中央に陣取る配置しかなく、ズーム時に頭が邪魔になる点が問題視されていたが、本作ではカメラタイプを複数用意。プレイヤーキャラが左側に寄る一般的なTPS配置がデフォとなった。 カメラタイプを変えるとさらにプレイヤーキャラに近づいた配置となり、これまで以上に敵の巨大感が感じられるようになる。 このタイプの配置に慣れない旧作プレイヤー向けに、これまでと同様の中央配置も用意されている。 アイテムの点滅 回復アイテムやアーマー、武器アイテムが点滅するようになり、背景に紛れてアイテムが見つかりにくい状況が減少した。 暗い地底やカラフルな市街地戦では特にわかりやすく恩恵が大きい。 偏っていた4兵科のバランス調整 前作は兵科間のバランスが偏っており、特に他兵科と比べると火力や機動力が劣るレンジャーの弱さが指摘されていた。本作ではレンジャーの大幅強化と他兵科に調整が入ったことで兵科間のバランスは改善が見られる。 強力な反面操作難易度が高いフェンサーを据え置きとし、レンジャーをそれに近づけるべく調整。ウイングダイバーとエアレイダーは前作で強力過ぎた部分を調整しつつ新規要素でバランスを取り、兵科間の戦力差を抑えたといった具合。また、全兵科共通でほとんどの武器が上方調整がされ、火力不足は感じにくい。 + 詳しい調整内容 レンジャー ダッシュの操作方法や仕様が大幅改善。ボタンを押し続ける必要がなくなったためダッシュ中の操作がしやすくなり、左スティックでの方向転換を受け付けるようになったため機動性が向上。空中での使用も可能となり使い勝手がよくなった。 ローリングに被弾時の速度低下を無くす効果がつき、多段攻撃を受けて何もできずにやられる事態が少なくなった。代償に硬直時間が若干長くなっており前作のようにデフォルトではダッシュよりローリング連打の方が速いということはない。 強力だが使いどころを選んでいた手榴弾、設置式爆弾が新装備枠『バックパックツール』に移譲。これらはリロード中にも使用可能で、隙を埋めている。さらにエアレイダーからセントリーガンもこの枠に移譲されており、自衛能力が高まった。 前作DLCでレンジャーの評価が上がった一因である光線銃ブレイザーが導入され、各種アサルトライフルの上位モデルに同DLCのアサルトライフルで好評だった貫通能力が追加。また、ショットガンやグレネードランチャーは残弾に応じてリロード時間が短縮される手込めが導入され、取り回しが改善されている。 スナイパーライフル、ロケットランチャー、火炎放射器の火力が向上し殲滅力が改善された。特にライサンダーとファングは火力が向上した事でクルールやクラーケンに対する有効な武器として活躍する様になった。 前作では誘導レーザーの仕様から扱いづらく不評だった「誘導ロケット」シリーズが緊急回避や武器を切り替えをした時には誘導が行われないようになって扱いやすさが向上した。 要請可能なビークルに新型戦車バリアス、自走高射機関砲ケブラー、新型ヘリコプターヘロンの3種類が追加。既存ビークルも性能が調整されており、中でもバイクが地形接触時にダメージを受けなくなった点は評価が高い。 ミッション開始直後のビークル要請に必要な功績値が各ビークルごとの数値に変更。一部のビークルは100%で開幕直後に要請することが可能となり、使い勝手が大幅に改善された。 ウイングダイバー プラズマコアやブーストの追加によって、飛行能力が非常に強化された結果無限飛行すら可能であったことを鑑みてかブーストの燃費と滞空性能が弱体化し、機動力が低下。 『バックパックツール』にあたる新装備枠『独立作動装備』が追加。レンジャー同様に前作の投擲武器が移譲されており、セイバーやシールド、トラップなどの新カテゴリ武器も存在。 シールドは文字通り攻撃を遮断する壁を設置する武器で、緊急チャージやリロードを補う有効な装備。トラップは特定方向に光線を発生させるため自衛や敵の進軍を食い止める使い方があり、シールドと合わせて低下した機動力を補えるだけの自衛力を備えている。 エアレイダー 空爆が火力こそ据え置きだが、リロード時間の延長や要請ポイントが増加して回転率が低下。さらにセントリーガンがレンジャーに移譲されたため陣地設営戦法も困難になった。 支援部隊が壊滅し要請不能になった状況を補うため、ドローン兵器が多数追加。火力こそ空爆と比べると一段落ちるが非常に回転率がよく、弱点だった自衛能力が改善。地底でも戦力になるため、総合的な手数は増加している。 前作で産廃と呼ばれ不評だったサプレスガンが弾数・連射速度・威力・射程を大幅強化。性能的にショットガンの範疇のためあくまで近距離の自衛武器の位置づけながら実弾兵器最強クラスのDPSを誇るようになり、十分に実用的になった。 『バックパックツール』が追加され、パワーポストやトーチカなどのサポート装置が移譲。加えてプレイヤーの周囲を飛行するカプセル兵士が追加され、セントリーガンが担っていた護衛の役割を担当する。 レンジャー同様にローリングに被弾時の速度低下を無くす効果が付与され、さらに歩行速度が2割ほど上がり弱点だった生身での機動力もやや改善。こちらはローリングの硬直時間は前作同様で、やはり障害物の破壊効果はない。 レンジャーの項目で触れたビークル別の初期功績値変更の恩恵はこちらも受けているが、コンバットフレームのみ初期功績値が低下。性能は据え置きであり、初期功績値も上位品になるにつれて上昇していく。 フェンサー 前作の時点で頭一つ抜けて強力だったためか他兵科に比べると変化は少なめ。 弱体化方向ではジャンプブースターの慣性減衰追加と、アーマー上昇量がレンジャーよりわずかに多い程度に低下。代わりに、サイドスラスターとジャンプブースターのデフォルト回数増加と弱体化に見合う強化はもらっている。 デフォルト回数増加はNPCにも適用されており、素の機動力が底上げされたのは地味に大きい。加えてジャンプとダッシュを交換する効果の強化パーツなどが追加されたため、強化パーツの選択肢も広がっている。 『バックパックツール』が追加されなかったため他兵科よりも変化が乏しいが、DLCではその反動か強力な装備の追加が多くオンラインではフェンサーの有無で難易度が大きく変わるミッションがあるほど。 NPCの調整 指揮下に入れたNPCが射線に割り込み誤爆を誘うことが以前から問題となっていたが、爆発物の武器がNPCを貫通するようになったため、プレイヤーごと巻き込んで誤爆する事態が無くなった。 通常の弾や爆風は相変わらず命中するが、隊長NPCを意図的に倒して部下を配下に入れたり特定地点に放置する峰撃ちと呼ばれる戦法があるためこの点は一長一短か。ただし本作では隊長含めて指揮下に入れることが多く、峰撃ちそのものがそもそも必要ないケースが多い。 また、プレイヤーがビークルに搭乗した際に配下に入れたNPCが周囲に散らばるようになり、ビークルの攻撃による誤爆も減少した。 視界妨害の改善 前作で問題点に挙げられた敵からの攻撃や天候による視界妨害は改善が見られる。敵からの攻撃で問題視されたレーザー砲や火炎放射器は光量が抑えられており、使用する敵の出現数も減っているため気になる機会そのものが減少。 天候は『濃霧』のみ続投したが前作よりもエフェクトがやや薄めで、新登場の敵であるスキュラが発生させている設定になった。そのためスキュラを倒すと霧が晴れる仕組みが導入され、攻略によって改善が可能となった。 天候の視界妨害が問題視された原因である長射程攻撃を持つ敵との組み合わせも減少しており、戦っていて不快になりにくい。 また、倒すと一定時間小範囲の霧を発生させるヘイズという敵が存在するが、接近される前に倒したり倒した後にその場を離れるといった対処方法があるため攻略要素として機能している。 その他、『4.1』の地底並みに暗いステージのミッションも存在するが、1ミッションのみで難易度も低い。 ただし、DLCでは視界妨害の問題が再発しておりそれについては後述する。 新機軸、お馴染みの侵略者 新登場の機械生命体と未確認生物はどちらも過去作にはない切り口のデザインと戦法を持つ。 機械生命体は文字通り機械のような外見を持っているが単眼でいびつな形状をしており生物感が薄く侵略者らしい外見と畏怖感がある。大量に出現する小型に射撃武器を装備した大型、サイズも大きく手ごわい巨大型と種類が多く、射程も巨大生物より長いためこれまでとは異なる戦法が求められる。 未確認生物は海産物をモチーフとした形状をしており、先述したタコ型エイリアンの邪神クルール、魚人のスキュラ、文字通りイカ型のクラーケンと生々しい外見の敵が多い。 中でもクルールとクラーケンは盾を装備しており、単純に攻撃しただけでは防がれてしまう。そのため盾に集中攻撃して無力化する、爆発範囲の広い武器や高弾速の武器で盾を無視する等攻略に一工夫必要で、シリーズの売りである戦略性がさらに増している。 過去作に登場した侵略者に関しても、お馴染みの蟻と蜘蛛に見た目や攻撃方法が異なるPlus型という新種が追加。カエルのような外見を持つコロニストも荒廃した地球の環境で疲弊した個体や、前作DLCで登場したプロテクテッド・エイリアンが登場する。 シーズンパス含むDLCの改善 前作ではボリュームの割に高すぎると言われていたシーズンパスがおよそ1,000円程安くなった3,960円で販売された。 さらにボリューム面も改善されており、ミッション数も合計で59と前作のほぼ倍になっている。先述した通り各ミッションパックにストーリーが存在している点も評価が高い。 ミッション数の内訳はミッションパック1が19、ミッションパック2が40と偏っているがミッションパック1の時点で前作のミッションパック単品の量を上回っている。 追加武器は本作独自の物だけで前作を上回る量があり、前作の追加武器も全て続投しているため武器のリストラに悩まされることもない。 賛否両論点 シナリオに引っ張られて増加したミッション数 本作のミッション数は147と前作をさらに上回る量となっているが、中身はストーリーの構造上使いまわされているミッションが50もある。戦闘が発生しないストーリー演出のみのミッションもいくつか含まれるため、実質的な新規ミッション数は100を下回っている。 前作で指摘されたミッションの水増しはシチュエーションの違いや似たようなミッションを増やす形だったが、本作ではシチュエーションが同じ状態で敵編成の変更や増援の追加が行われており使いまわし感が強いのが原因。 この使いまわしはストーリー演出上意味があるため評価点である一方、新規ミッションを増やしてほしいという声もあるため問題点ともなっている。 + ネタバレを含む詳しい使いまわしの内容 前作の時系列にタイムスリップを繰り返す都合、前作に登場したミッションが本作にも登場しており、該当ミッションは30ほど。 さらに本作独自のミッションもタイムスリップの都合再度登場することがあり、前作ミッションも同様。そういったミッションは20あるため、前作ミッション含めて50が使いまわしに該当する。 タイムスリップした回数に応じて敵種類の変更や増援追加が行われて元となったミッションよりも難易度は上がっており、通信内容の変化など戦況の悪化を感じさせやすい演出も含まれているのは確かだが、使いまわしが多いのは否定できない問題点だろう。 なおスタッフがインタビューで回答したところによると、開発事情的には前作のスクリプトがゲームエンジンの更新により使えなくなっており、一見使いまわしに見える前作のミッションは実は 本作仕様でイチから作り直したリメイク であるらしい。とはいえプレイヤーとしては、遊んでみた内容がほとんど前作と変わらないのだが。 加えて厄介なのは ミッションタイトルすらも使いまわし であること。 これも何度もループする中で起こる同じ事件という意味合いなのだろうが、前作では全く違うミッションが似た名前で武器選択を間違えやすいという問題点が指摘されていたところ、本作では流用ミッションが「○○†††††」「○○ 」と約物の数が増えることで表現されているため、紛らわしさが悪化している。多くのミッションが1つか2つで終わるものの、数の多い「死の疾走」「訪問者」「翌日」などは敵編成から戦略がガラッと変わるものなので厄介。 シナリオ面の賛否両論点 本作はそのシナリオ構成上、複雑かつ難解な部分が多く、1周しただけではシナリオを正しく理解しきれない部分が散見される。 + ネタバレを含む詳しい難解な箇所 本作ではストーム1、プロフェッサーがタイムリープを繰り返し、同じくタイムマシンを使って何度も歴史改変を試みているプライマーに対抗していく、というのが物語の大まかな構成となっている。劇中ではプライマーが歴史改変を行う「訪問者」というミッションを境に大きく歴史が変化しているという演出がなされているのだが、この時に改変前の記憶は登場人物たちからは消えてしまっている。 つまりストーム1やプロフェッサーを含む登場人物たちの間には プレイヤーがそれまでプレイしてきたミッションの記憶はなく、逆にプレイヤーには知ることのできない改変後の歴史の記憶を持っている という状態になっている。 当然これらの記憶状態については(登場人物が覚えていないので当たり前だが)ゲーム中語られることは無く、すぐに理解するのは難しいポイントとなっている。 上記の記憶状態について、理解せずともシナリオの大筋自体は掴めるようにはなっているのでさほど大きな問題とは言えないが、一方でこの記憶状態を前提とした演出も盛り込まれているため、混乱を招きやすい。 終盤ではプレイヤー自らプライマーの歴史改変を阻止するミッションを探し当てるための???というナンバーのミッションが出現するが、このミッションが時系列上どのような扱いになっているかの説明が乏しい。 「それまでのタイムリープの中で見た過去の記憶」とも「ストーム1達が何度もタイムリープを繰り返している演出」とも取ることが出来るため、プレイヤーによって解釈が分かれている。 この辺りを「説明不足」と見るか「考察の余地がある」と見るかで評価が分かれるところ。 DLC第一弾「LostDays」では主人公であるストーム1が最終ミッションで繁殖を続ける怪物駆除のために発射された大型ミサイルに巻き込まれて死亡するという衝撃的な展開になるのだが、その際の演出がわかりにくい。 というのも直前に「ミサイルを発射するために基地を防衛する」というミッションが挟まるため。そのため基地を防衛しミサイルの発射を見送ったと思ったら、次のミッションでそのミサイルの着弾点に主人公がワープして死亡したと思い込むプレイヤーが続出した。台詞や説明文にきちんと目と通していれば防衛した基地と主人公を巻き込んだミサイルを発射した基地は別物であるとわかるのだが、如何せん基地の名前以外に識別する情報がなく、その名前も「ベース228」と「ベース235」と似ているため紛らわしいことこの上ない。 また主人公が死亡する、という展開ではこの先の話に繋がらないのではといった疑問を当然生まれることとなった。シナリオを紐解けば矛盾はないのだが、当然ゲーム内でそういった説明は無い。 シナリオの品質自体は非常に高いものの、147という膨大なミッション数や演出面の問題で「冗長すぎる」「もう少しコンパクトにまとめてほしかった」という意見も少なくはない。 + ネタバレを含む詳しいシナリオ構成 本作では主人公たちが何度もタイムリープを行うのだが、凡そタイムリープ1回で20~30ミッション程度の過去編→3年後の未来(現在)編が数ミッション→プライマーが過去改変を行い人類劣勢へ→主人公たちがタイムリープという流れを繰り返すことになる。 しかしこのタイムリープの回数が作中だけで実に 4回、100ミッション以上 かけてこの流れをひたすら繰り返すという構成のため流石に長さを感じやすい。 シナリオ自体もタイムリープ物でよくある「繰り返すことによって少しずつ必要な情報を集め、それらを集めたことが報われてリープを抜け出せる」というような繰り返すこと自体に意味があるシナリオにはなってはおらず余計に間延びしているように感じられる。 終盤にあるミッションで主人公たちがタイムリープを繰り返して過去改変を阻止するためのポイントを探していたという説明が入りはするが、台詞上は単に試行回数を稼いでいたというような表現となっているため、これまでの繰り返してきた数々のミッションが実を結んだ感は薄い。少なくともプレイヤーにタイムリープを4周分もプレイさせることの物語上の理由は無い。 一応プレイヤーに対してはプロフェッサーの口から少しずつ情報が明かされていくという構図になってはいるのだが、基本的には元々彼が知っている情報を小出しにして開示しているだけに過ぎず、プレイヤーがこれまでこなしたミッションから情報が判明していくというような描写は殆どない。…というかプレイヤーがこなしたミッションの内容は最終盤以外は 歴史上からは勿論、主人公たちの記憶からも抹消されてしまう 。 特にゲーム中で3度目のタイムリープの周回では、グラウコスやコマンドシップといった強敵を撃破し、3年後の未来で初めて人類が優勢となった世界が描かれる…のだが わずか1ミッションですべて無かったことにされ、いつも通りの荒廃世界に戻されてしまう 。これまで3度のタイムリープと100ミッション以上かけたことも相まって非常に徒労感を感じるポイントとなってしまっている。 また『5』以降からそういった傾向が強くなっているが、シナリオが進むミッションとそうでないミッションが混在しており、タイムリープを繰り返しては無かったことにされるというシナリオと相まって中弛み感を強める結果となってしまった。 これらの長さや演出については、「くどい」「冗長すぎる」という意見がある一方で、「敵の種類の豊富さを考えるとこれくらいの長さは必要」「主人公達の戦いを追体験することで最終盤の逆転劇のカタルシスがより一層増す」といった好意的な意見もあるため、一概に問題とも言い切れない。 また曹長(大尉)は何故かリング及びプライマーとの最終決戦には一切姿を表さない。 駆除チームや中尉は駆けつけてくれるのに…。 それまでのリング攻撃作戦の立役者の一人にもかかわらずフェードアウトする事に違和感を覚えるプレイヤーも少なくない。 命名前に名前を呼ばれる敵が存在しており矛盾が生じている。 新要素の調整内容 「よじ登り」は(特にレンジャーの)行動範囲増加や快適性向上につながる一方、「自動発生なので任意で出すのに慣れがいる」「動作中無防備なので暴発すると隙になる」という欠点があり、乱戦時に暴発して危険な状況になるというケースが度々発生する。 シリーズに慣れたプレイヤーがこの仕様を評する言葉は「 便利だけど不便 」。言いえて妙である。 複数用意されたカメラタイプの内容 操作キャラが左側に寄る配置しかなく、右側に寄せることができない。とは言えTPSの一般的な配置は左側に寄る方なので、気になる人はなる程度のものと言える。 カメラタイプは2、3、4と操作キャラにどんどん寄る配置なのだが、4は画面の左半分をほぼ操作キャラで埋めてしまうほどに寄る配置になっており「ネタ配置」「これ自体が縛りプレイ」と言われる。 画面の専有面積が小さいレンジャーですら左側のほとんどを埋めてしまうので、装備の大きいウイングダイバーやフェンサー、ドローンで画面を埋めるエアレイダーだとまともに戦うことすら難しい。 敵の巨大感を感じられやすくなり、臨場感は高くなるのだが、ここまで寄るぐらいならFPS視点を入れてほしいという声すらある。 アイテムまわりの仕様 シリーズが常に抱えている賛否両論点で、仕様はほぼ前作から引き継がれており問題点も前作と共通するため詳しい説明は割愛する。 簡潔に述べるとアイテムの回収に生じる手間と取得アイテムの各兵科分配、カスタム値の上昇が運任せである点が問題点として指摘がある。一方で回復など戦況に応じたアイテム回収がシリーズのゲーム性でもあるため賛否両論点として扱われている。 岡島Pは発売後のインタビューで、目に見えない面白さを削いでしまう為に今後もナンバリングタイトルではアイテムの自動回収を実装しない事を述べている。サンドロットスタッフもアイテム問題を課題としつつも、自動回収はテストプレイしてみたが単調さを増しただけだったことで却下した旨を明かしている。 本作ではアイテムの点滅により回収時の視認性が向上し、DLCでフェンサー用アイテム取得範囲拡大装備の追加、エアレイダー用ビークルのアイテム取得範囲拡大が行われたことで回収の手間は少なくなっている。 ただしウイングダイバーにそういった措置はなく、前作より機動力が弱体化したため手間は増えている。一応取得範囲拡大装備抜きで他兵科と比較すると機動力が高いため回収しやすい兵科ではある。 またアイテム点滅の弊害として、距離や明るさによっては大回復アイテムと武器アイテムが若干判別しにくくなった。 一度に表示されるアイテム個数は前作から変わらずで、本作は前作にも増して大量の敵が登場しアイテムドロップ率も高い敵が増えたため、普通に攻略するだけでもドロップ限界に達するケースがますます増えた。 裏を返せば、効率よくアイテムを集めたい場合は戦闘中にこまめな回収が必要なケースが増えたということで、戦況に応じたアイテム回収というゲーム性には一応マッチしている。 育成面においても前作とほぼ同じ仕様なので、「無理に全部集めなくてもこまめな回収をしていれば、使用兵科は程よく育つ」ぐらいのバランスは保たれており、極端な縛りを設けるのでなければおおよそ問題ない。 ミッションには短く周回しやすいものや終盤の割に難易度が低くアイテムもドロップ限界を数度起こすレベルで大量に拾えるものといった、いわゆる稼ぎミッションが複数あるため、これらを活用した育成も十分可能である。 その一方でアーマーの上昇量は元々下降傾向だった『5』よりもさらに低下していることや、武器アイテムについてはバックパックや補助装備、新武器の追加や『5』以降で追加されたカスタム値の存在などでアイテムの要求取得数が膨大化して行っており、上述の回収範囲の増加などを加味してもアイテム回収に費やす必要のある時間が増えていっているのも事実である。 グラフィックの賛否両論点 グロ・ゴア表現は過激化した前作から相変わらず。敵を撃てばギャグ一歩手前の大量の体液が飛び散って地形に貼り付き、体表が剥がれて痛々しい姿になっていき、爆発物でバラバラに吹っ飛んでいく。「爽快感がある」か「気持ち悪すぎてひるむ」かは人によってかなり強く分かれる。なお、やはり本作も過激な表現が含まれる旨の注意書き等はない。 本作では緑色とは言え脳味噌(っぽい組織)むき出しになる敵が出るなど、ますます見ようによってはグロい造形の敵が登場する。ラスボスも第2形態以降は内臓や体液の表現とは別に相当グロテスクな姿。 さらには毛の生えた造形の虫が中盤から登場し、前作までの蟻は平気だが今回は気持ち悪いという人も出た。造形力の高さと新規モデルの登場自体は評価する声もあるため、これも賛否の要素が表裏一体と言える。 終盤における背中から腰にかけて大きく開いて露出度が上がったウイングダイバーの衣装や、攻撃を受けると衣装が破れて水着になるDLCのリクルーター(*3)など、地味にセックスアピールも強い。 とはいえ前述の通りの人物造形であることや、リクルーターはデフォルメ体系のデコイバルーン(風船人形)であることから、あまり露骨な感じはなくそこまで気にしてない人の方が多い。 硬派なイメージが強いシリーズだが、元々ウイングダイバー(ペイルウイング)はミニスカートや胸元の大きく空いた衣装などそういう要素は強く、本作の初期ダイバー衣装の布面積が増えたことは(物資不足のはずなのにという点も含めて)公式トレイラーでもネタにされている始末である。 総じて「遊ぶ分には最低限の画質は確保しているし、歴代で最も綺麗」だが「新世代のゲームとして考えればもう一つ物足りない」といったところで、かつての『3』に近い評価であろう。かつ一定水準以上にある表現力の高さゆえにグロ描写も苛烈化しており、全体として人を選ぶ画風になっていると言える。 問題点 シナリオ面の問題点 『5』の続編であることを抜きにしても『5』のプレイを前提としている部分が非常に多い。 全体的に『5』を遊んでいることを前提として説明を省いている節があり、『5』の登場人物が説明なしに登場したり『5』の知識を前提とした伏線となる会話も多い。展開に関しても事前知識がないプレイヤーには唐突に思える箇所がいくつかある。 特に致命的な部分として『ストーム1』に関する解説が全くない。前作、そして本作主人公を指す名称なのだが、その名称が初めて出るのが終盤のミッション129と非常に遅い。脈絡なしに名称が出てくるため、前作未経験者からすると主人公がいきなりストーム1呼ばわりされる謎の状況。 それ以前から言及はなくともストーム1として扱われていた節はあるため、純粋な説明不足だろう。なお公式Twitter(現・X)ではシリーズでも異例なことに、本作の主人公は前作主人公ストーム1本人だと発売前から明示していた。 関連して『ストームチーム』に関する解説も乏しく『5』未経験者に不親切であるだけでなく、経験者からも残念な点として挙げられている。 + ネタバレを含む詳しい問題点 本作ではストームチームが結成される描写がない。何度もタイムスリップを繰り返すが、一度も結成描写がなくいつの間にか結成されて精鋭部隊のコードネームがストーム用の物に変わっている。 例を挙げるとスプリガンはミッション20で初登場するが、次に登場するミッション35ではストーム4と名乗る。ミッション35は前作では終盤ミッションなので経験者にはストームチーム結成済みであることが察せられるが、未経験者には困難。 グリムリーパーに至っては初登場時はストーム3を名乗っているが、その後もう一度タイムスリップした周回でグリムリーパーとして初登場するミッションがあり順番がちぐはぐ。出番の数も増えているが、前作で活躍するミッションがカットされており扱いが悪い。また前作でプレイヤーから副隊長格と目される印象に残る隊員がいたのだが、本作では新音声がなく前作のストーリー上の固有台詞流用のみで、ストーム3が生存した未来でも姿を見せることがない(*4)。 結成描写カットに加えて、ストームチーム結成後のミッションでもプレイヤーがストーム1と呼称されるのが前述のミッション129が最初のため、未経験者には理解しづらく、不親切だと評されている。 ミッション冒頭のイベントシーンのスキップが導入されたが、「メニュー画面を開いて再出撃するとミッション冒頭のイベントがスキップされる」というもの。むしろ「ミッション失敗して再出撃したらイベントは二度見ないで済む」という仕様を応用した裏技のような扱いで、シーンスキップのコマンドそのものがあるわけではない。 前作・本作共にミッション開始時のイベントムービーが削除された一方でストーリーを示すイベントはミッション中の動作や会話で進行するようになっており、ミッションによっては開始まで時間がかかるという問題点が指摘されている。ストーリーに気合が入った本作ではイベントシーンの比重も増加したため、なおのこと目立つ。 また、この仕様を以てしても飛ばせないイベントが複数存在する他、冒頭以外のミッション中に発生するイベント・演出はスキップできない。 戦闘面の問題点 ネイカーの攻撃力、耐久力が非常に高い 浮遊する貝のような見た目をしている敵で、内部に火炎放射器を内蔵しており攻撃時のみ露出させるのが特徴。その見た目通り、通常時にはダメージがほとんど通らないため内部を露出させた時に攻撃する必要がある。出現する時は大量に登場するようになっており、一体一体の耐久力は低めに設定されているのだが…。 問題は下手すると一発でやられてしまうほどに攻撃力が高いこと。なので接近される前に倒しておきたいが、通常時に与えられるダメージが通常の1%と非常に低いので攻撃時の隙をつく以外で撃破することは実質不可能…と、非常に嫌らしい調整がなされている。 攻撃力と耐久力が強化されたハイグレードモデルや、DLCで攻撃速度や射程が強化された亜種が登場するため、高い攻撃力と撃破しにくさが目につきやすい。 対策としては囲まれない位置取りや攻撃前の効果音を聞き逃さないといった方法はあるものの、一度のミスで致命傷レベルのダメージを受けかねない理不尽さから攻略の面白さよりも不評が上回りがち。 一応、火炎放射による攻撃しかできないことや、単体では高低差に対応できない弱点はあるため、一部のミッションでは安全地帯が成立する場面もある。 見た目や動き自体は愛嬌があって好評だが…。 新しい敵とNPCの相性が悪い 本作から新登場した敵は全体的に長射程の傾向があるが、NPCの射程は特に変更されていないため射程外から一方的に攻撃されてやられてしまう状況がある。 特にクルールとクラーケンは盾を保有しているがNPCはそれを想定して攻撃しないため、プレイヤーが盾を無力化しなければ一方的に敗北することも珍しくない。 これに関してはNPCの行動ルーチンにも原因があり、自身に一番近い敵を優先するため遠方から攻撃する敵を無視しがちになってしまう。先述したネイカーとも相性が悪く攻撃時に隙を見せた個体を優先して狙うルーチンがないため一方的に焼き尽くされがち。 悪化したNPCの追従性 前作ではナビメッシュ導入により、洞窟などでNPCが転落したり道に引っかかるケースがあったのが(別の問題も発生したとはいえ)改善されたのだが、本作ではナビメッシュの調整が荒く、頻繁に引っかかるようになって悪化している。 また、新要素であるよじ登りを積極的に使う一方でジャンプを全く使わなくなってしまっている。このためジャンプでは越えられるがよじ登れない障害物に度々引っかかってしまう。 ビークル関連 車両系ビークルが地形に引っかかりやすくなり、挙動が大幅に悪化。平地なら問題はないのだが瓦礫や段差に乗り上げると引っかかって身動きが取れなくなる状況が多発する。前作で走破性の高かったビークルでも本作では容赦なく引っ掛かる。 ビークルに搭乗して敵から逃げている際にちょっとした段差に引っかかり、敵に追いつかれて集中砲火を受けてしまう事故が発生しやすく当初から不評だったのだが、残念ながらアップデートなどでの改善はなかった。 よじ登りなどの導入で衝突判定の仕様変更がなされたためではと推測されているが、真偽は不明。 ほとんどのビークルが上方修正を受けている中でなぜかEMCだけが弱体化。上位品の火力が低下しており、最上位品に至っては前作の半分まで下がっており強みが失われた。それ以外のスペックは変化しておらず、功績値が重すぎて要請しにくい点もそのままなので使い道が非常に乏しい。 もともと前作でも「呼べれば鈍重だが火力はそこそこあるので使いようはあるが、呼ぶまでの功績値が非常に高く、呼ぶことすらできないミッションも少なくない」という扱いで決して万能超兵器と言えるものではなかった。レンジャー自体は相当な強化が施されたとはいえ、EMC弱体化の理由が不明瞭すぎて不満意見の方が強い。 特定ミッション限定で配備されるEMCは前作を上回る高火力であるため、プレイヤーが要請できるEMCの低火力が猶更目立つ。 ちなみに、発売当日に配信されたパッチで弱体化が施されたことが確認されており、パッケージ版でパッチを導入しなければ前作と同じ火力の設定になっている。 デプスクロウラーの調整が一部武装の強化が入った程度でほぼ前作から据え置き。本作のエアレイダーはミッション都合でビークルがこれしか呼べないケースが多いので、操作性にメスが入らなかったことも不満が上がる。 相変わらずカメラは劣悪で、いい加減調整して欲しいとの声は強い。 DLC抜きだと最上位品でも補助装備を活用したレンジャーより鈍足になってしまい、オンライン地底ミッションだとエアレイダーだけ置いていかれるケースも珍しくない。 一応、バルガと共に水中に入っても壊れないように仕様変更されており、水没アイテムを回収したい時には使えるという新たなメリットも用意されている。 オンラインの問題点 激しい同期ズレ 過去作でも倒した敵の死骸の位置が同期していないことによる誤爆などが問題点として挙がることはあったが、本作はそれに加えてプレイヤー同士のや敵の位置ズレが非常に激しい。 突然敵やプレイヤーがワープしたりと言ったことは日常茶飯事。更に敵に向けて爆発物を撃ち込んだら全く関係ない位置にいたように見えたプレイヤーにも当たるといった事故も起こることがある。如何せん本シリーズにはFFもあり、高難易度になればプレイヤーの放つ攻撃も強力になってくるためオンラインで高難易度ミッションを攻略しているとどうしても気になってしまう点である。位置ズレによる誤爆だと、誤爆した側が気づきにくいというのも問題もある。 DLCの問題点 ストーリー描写の追加や新しい追加武器等評価点こそあるが、問題点をいくつか抱えている。 プライマル種が再発させる視界妨害 DLC限定の敵であるプライマル種は通常よりもサイズが大きくなった蟻、蜘蛛、蜂なのだが、体に合わせて攻撃エフェクトも大きくなっているため本編では改善措置が見られた視界妨害が再発している。 特に蜘蛛は元々視界妨害気味だった糸の巨大化に加えて、電撃を流すエフェクトで非常に視界が塞がる。火力自体も高くアーマーをしっかり稼いでいても即死しかねないほど。 さらに倒した際に落とすアイテムの量が少なく、登場する敵がプライマル種に偏っていたミッションパック1では武器が稼ぎにくくそちらの面でも評判がよろしくなかった。 ミッションパック2では他の敵の比重とミッション数自体も増加したため改善されている。 前作追加武器の調整不足 一部の追加武器は性能が全く変わっておらず、欠点がそのまま放置されている武器がある。また、本編武器が上方修正を受けた一方で、その上方修正を前作追加武器に施し忘れた結果見劣りする武器があり、立ち位置が微妙になった武器も存在する。 一例として、欠点が放置されている武器の代表格がウイングダイバーの『ガイストG』。敵を追尾する武器だが、弾道変更の遅さと弾速の速さが噛み合わず命中率が極めて低い。威力は高いため調整を望まれていたが、未改善どころか燃費が悪化しさらに扱いにくくなった。 見劣りする武器についてはレンジャーの武器が特に多い。『ライサンダーZ』が前作から大きく強化された結果、Lv26もの差があるのに攻撃力で並ばれた『ライサンダーZF』、『MEX5エメロード』が大幅に上方修正されたせいでトップアタック以外の利点がなくなった『MSファルコン』、前作から名前を変えただけの使い回しなせいで下位装備に射程で劣る『プラネット・ブレイザー』、今作の上方修正を施さず、そのくせ今作の下方修正はきっちり施したせいで、本編武器に全く敵わない産廃と化した『フレイム・ガイザーF』、性能そのままにLvを上げてDLC2武器にしたせいで火力が足りず射程も本編武器以下の『KFF71S』と挙げればキリがない。 レンジャーのショットガン『バスターショット』など、前作のDLCにて追加された一部武器が引き続きDLCを導入しないと利用できないのも残念な点。同じく前作DLCで初登場したレンジャーの『ブレイザー』は本作では通常プレイでも入手でき、難易度に応じた下位モデルも追加されているため、こうした調整が他の武器にも欲しかったところ。 エアレイダーの追加武器がやや不遇 追加武器の内訳がドローン兵器に偏っており、新規追加された空爆がスプライトフォールスーパーデストロイの1種のみ。追加されたドローン兵器は強力だが、空爆の新規武器が本編では追加されておらずDLCで上位品や新規品の追加が望まれていたため1種しか増えなかったことが惜しまれていた。 加えてミッションパック2で追加された2種類のコンバットフレームがどちらも難点を抱えている。 前作の最上位枠に当たるエイレン・アサルトは性能は良いが、搭載しているハイパーレーザー砲がやたらと眩しく視界妨害を引き起こす。連射すると明滅を繰り返すため目にもよろしくない。 コンバットフレームの上半身をトラックに搭載したコンバットワゴンは追加自体は好評だったのだが、性能が中途半端で入手難易度に見合った活躍は難しく、操作面も照準表示が無いどころかカメラが砲塔を向けた方向に向かないと致命的な欠陥を抱えている。 さらに支援部隊が壊滅している状況では要請できないためNPCのコンバットワゴンが出てくる場面でこちらが使用することもできず、遊びで使うにも難を抱えている始末。 シナリオ面の問題点 DLC第二弾「Visions of Malice」のシナリオについては非常に薄味。前作『5』のように全く無線がないということは無いものの、シミュレーター内という設定のため、AIマリス以外のセリフは一切なく、本編に関する設定が明かされることもない。 この点だけで問題点とは言い切れないものの、本編のシナリオの完成度が高く、DLC第一弾も本編を補完するシナリオであった他、まだ明らかになっていない点や描写されていない空白の期間なども残されていたため、これらと全く関係ない内容を残念に思うプレイヤーも多かった。 + ネタバレを含む詳しいシナリオの問題点 また薄味ながらも僅かにはあるシナリオ自体も決して評価は高くない。 内容はEDFの戦略AIマリスが「過酷な戦場での耐性を身につける」ことを目的として生成する数々の超高難易度ミッションをストーム1に次々とクリアされ、ミッション内容や態度を徐々に激烈化させていく、というもの。マリスがどれほど難しいミッションを用意してもストーム1にクリアされてしまうことから、次第にマリスの行動はおかしくなっていくのだが…。 マリスの異常行動は「誤情報でプレイヤーを惑わす」と言ったところから始まり「現実世界の作戦に干渉し、ストーム1の参加する作戦を妨害する」と言い出したり、あまつさえ 「ざまあみろ」「死ね、クソが」と主人公に向けて直接的な暴言を吐いてきたりする 。暴言については不快感を示すプレイヤーも一定数いた。 プライマー側に立って人類抹殺のシミュレーションを行い、その計画をプライマーにコンタクトして送信する、とすら言い出す始末。これらの言動には決まってその後に「ジョークです」などと付け加えるのだが、終盤になるとそれすら言わなくなる。最終的にはプライマーに計画を送るというセリフで最終ミッションが終わり、エンディングではこれが冗談なのか本気なのかわからないまま、 AI管理者と思われるモブキャラにマリスの電源を切られて強制ぶつ切りエンド となる。結局AIが暴走しつつあるかのような仕込みは全く回収されることないまま終わり、消化不良感の強すぎるシナリオになってしまった。 前作から残っている問題点 被弾時に移動が減速する仕様が続投。本作では連続攻撃や範囲攻撃を持つ敵が多く追加されたため、被弾時に移動が減速すると連続ヒットしやすく結果として敵の高火力化につながっていることから問題視されがち。 自爆のリスクを減らす調整は行われたが、相変わらずNPCに指示を出すことはできない。 評価点の通り基本のカメラ配置には改善がされたが、それ以外はほぼそのまま。 プレイヤーの背後に障害物が来たときのカメラや既に述べたビークル周りなど、未だに視認性が悪い場面は見られる。 不評だったレンジャーのダッシュのカメラも前作そのまま。ダッシュそのものは扱いやすくなったが、未だに尻アップと揶揄され評判は良くない。 前作との間に発売された外伝『デジボク地球防衛軍』ではダッシュが引く視点になっていたが、結局本家に逆輸入されなかった。 グラフィックは前作から僅かながら向上しており、テクスチャアニメーションで電光掲示板を表現するなど、新たな試みも行われている。しかし画質的にPS4後期~PS5のゲームとして考えた時に、決して美麗とは言えない程度の質となっている。 口パク導入のために兵士モデルは全て新造されているが、モデリング自体はやはり簡素。プロフェッサーなどの固有モデル人物も含めてまるでフィギュア・人形劇のような造形になっている。テクスチャそのものは毛穴やアーマーの傷まできっちり描きこまれているのだが…。 AOベイク(*5)に問題があるのか、口を開くと歯などの中身が真っ黒で汚く見えるモデルが多い。特に大尉がわかりやすい。通常プレイでそこまでのぞき込んで見ることはまずないので、相当気にしなければ問題にはならない範囲とも言えるが。 元々サンドロットは人体の造形が得意な方ではなく、同様の指摘・批判は『ギガンティックドライブ』時代から現在までのほとんどの作品でなされている。それでも本作はかなりレベルアップしている部類。 太陽の逆光やエフェクトなどの光源処理がやたら強い一方でシェーディング自体は全体的に弱めで、ポリゴンの角ばりも目立つところが多く、昨今のリアル調TPSとしてはいささか写実性に欠ける。上記の人物造形も含めて、「実写特撮」よりも「作りこんだジオラマ」のような雰囲気。『ゴジラ』『ウルトラマン』よりも『サンダーバード』っぽいと思えばこれはこれでアリかもしれないが。 濃霧などの一部天候の発生時以外は被写界深度や空気遠近法も弱めなので、巨大な敵と対峙すると遠近感も狂いやすい。前作から指摘があったタイプ2ドローンが特に顕著。 ラスボスもその巨体と行動範囲の広さから、レンジャーのスナイパーライフルの最大強化でも到達しない・着弾までに移動しているということが頻繁に起こる。もっともこれは無線でも言及されるので、意図的な設計としてそうなっている可能性が高い。 エフェクト全般も古いパーティクル表現に頼り切りな面が強く、特に爆風やマズルフラッシュなどの炎系エフェクトは『4』の頃からあまり進歩が見られない。エフェクトに使うスプライトの解像度も低く、前時代的な安っぽさが拭えない。 印象の強い効果音とともに大量に撒き散らすことが多いのでインパクトは強く、映像としての勢いはある。反面、多すぎて処理落ちの原因になったり強すぎて視界妨害の原因になったりと、シリーズ全体を通して頭痛の種になりがちなポイントでもある。 PS5版は4K解像度の出力に対応しているが、上記の通りの映像の作りなのでむしろ粗が際立って見えるデメリットの方が強いかもしれない。 後述の処理落ち問題も含め、これまでの内製エンジンによるグラフィック表現はいい加減限界なのではという意見も出始めている。サンドロットの規模的に飛躍的な進歩は難しいだろうという同情の声もあるのだが…。 前作との間に発売された外伝『IRON RAIN』がアンリアルエンジンによる写実的な映像を表現していただけに、本家シリーズも頑張って欲しいという声は強い。 シリーズ恒例の処理落ちは、『4.1』より悪くなったと評された前作から更に悪化しており、PS4版だと前作以上に敵の数やエフェクトが多い場面で処理落ちを起こしやすい。 前作以上にグラフィック拡張が行われたために通常PS4では当然に頻繁に処理落ちする。それどころか、本作ではDLC武器の「バスターショット」を地面に向けて接射すると PS4が熱暴走を起こして警告が出る という報告すら上がっている始末で、本当に本体へのダメージが懸念されるレベルと化している。冷却などの対策は必須。 また、処理落ちとは別にグラフィックのポップアップ現象やティアリング等も頻繁に発生しており、パフォーマンス面では大きく劣化したと言える。 PS4版はおろか、状況次第ではPS5版ですら上記のフレームレートの低下やティアリングが発生する。PS5はPS4/PS4proよりも遥かに高い性能を誇るため、それで処理落ちが発生するのは最適化不足と言う他ないだろう。一部ではゲームエンジンの古さに問題があると言われているが、詳細は不明。 物理演算も前作以上に不安定で頻繁に暴走する。最早プレイヤー側も開き直って味方兵士をハヴォックの力で敵陣に放り込んで囮にする作戦を考える始末。 前作で出番が少なかったネグリング自走ミサイルが相変わらず出番は一回だけで、救護車両キャリバンは出番が無くなってしまった。ただし、ネグリングが担っていた対空戦力としての役割は対空砲を搭載した新型ビークル・ケブラーのNPCが担当しており、キャリバンもDLCでは登場したりとある程度の改善はされている。 チュートリアルに説明抜けがある点やミッション扱いであるため達成率を上げるためには複数回のプレイが必要な点が引き続き残っている。いくつか存在するストーリー演出のみで戦闘がないミッションも複数回プレイが必要であるため問題点として声が上がる。 バグやミスが多い。前作にもあった敵が戦闘エリア外に出てしまい無敵化するものや、イベントフラグがうまく機能せず再出撃必須になるなど、プレイに影響が出るものも報告されている。 アップデートによる修正は幾度か行われたが、未だに多数残っており、DLC2の配信を始めて以降は放置されている。 総評 歴代で最も遊びやすいと評された前作のシステムをさらに改善して遊びやすく、その上で攻略性のある敵を追加したことでもっと面白く進化した『地球防衛軍』。 ストーリー面も絶望的な結末から続いた上でこれまでにない仕掛けを導入し、シリーズ経験者の度肝を抜きつつゲームでしかできない体験を伴った屈指の物語となった。 ただし、一部の敵の調整不足や挙動の悪化、前作から続投した問題点にシリーズが抱える問題点など、完全無欠というわけではなく、随所に粗を抱えている点は決して見過ごせるものではない。 それらを踏まえた上で本作は成長点や評価点が多数見受けられるのも事実であり、『地球防衛軍』としても、アクションゲームとしても良作と呼べる作品に仕上がっている。 余談 発売直後の初動から売れ行きが良く、2023年12月時点でPS4・PS5の累計売上は39万本に到達しているとのこと。 本作も発売前に延期が行われているが、岡島Pによると「その間に前作のPRをして売り上げを伸ばすことができ、前作を前提としたストーリー面から言えば決してマイナスではなかった」という。 発売後のプレイヤーからの評価はシリーズ中でも極めて高く、2022年のPlayStation Partner Awardsではプレイヤーが選出するUSERS CHOICE AWARDの受賞作品の一角となり、さらに日本ゲーム大賞2023では年間作品部門の優秀賞を受賞した。いずれもシリーズ初の快挙である。 発売初期は動画や静止画のアップロード制限が二段解存在しており、ストーリーが大きく変わる転機に合わせた制限となっていた。現在は全ての条件が解除されている。 2024年春に海外版の発売と共にSteam、Epic Games StoreにてPC版の発売が予定されていたが、制作スケジュールの見直しにより2024年夏に延期することが公式にアナウンスされた。 本作のストーリー重視路線は、開発会社であるサンドロットのディレクター兼シナリオ担当である本間毅寛氏が前作から温めていた構想だったが、過去と違う方向性で行くことから企画が通るのか不安があったという。 過去作と同じ路線で行くことも考えていたようだが、岡島Pはこれまでの仕事からサンドロットに対し信頼を持っていたことでGOサインを出した、という逸話が語られている。結果としては本作のストーリー演出は好評を以て受け入れられたため、本間氏は安堵したとのこと。 なお 本作のシナリオやテキスト全般は本間氏が1人で執筆している とのことで、本作のストーリーの軸になる大きな仕掛けについて前作時点で伏線・構想があったということは、開発スタッフ内で発売前に知る者は誰もいなかった模様。 発売後の2022年12月に4Gamerが本作の開発スタッフにインタビューを行っており、シリーズでも珍しく開発スタッフに集中したインタビューが行われることになった。そこでは本作のストーリーの構想やグラフィック・デザインの設計、ファンからよく話題にされるネタなどについて取り上げられている。参考記事はこちら(インタビュー内容の都合上、作品のネタバレを含むので注意) 本作の初回DLC武器ではバーチャルYouTuber集団「ホロライブ」とのコラボで、ホロライブ所属のVTuberを模したデコイバルーン「リクルーター」が付属しているが、これは同所属のVTuber・大神ミオが本シリーズのファンであり、公式生放送に出演したことから誕生した企画とのこと。 サンドロットのスタッフにもホロライブのファンリスナーがいたそうで、これまでの同様のDLCが1体につき3日ほどで完成させていたところ、今回は自主的に作りこんで1体当たり1か月かけていたという。