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嘘つき兎が召使いの物語 最終更新日 : 2009年07月20日21時43分30秒 【作者】:嘘つきの人 ◆38qnEzohvY 【舞台】:兎の国アトシャーマ 【作風】:えろえろ おばか 【注意】:百合。変態。主従逆転。 =話数= ==================簡易解説や補足================== =文量= 1話 マシロ×ユーヤ「嘘つき兎が召使い」 25KB 2話 マシロ×ユーヤ「ウサギの飼い方」 23KB ―― サイドストーリー ―― 外伝1話 クー×マシロ「生臭い贈りもの」 10KB 外伝2話 マシロ×ユーヤ「ねがいごとひとつ」 5KB メイン登場人物 一行紹介マシロ … ウサギ♀。魔女だけど色狂い。暴力的な色欲の持ち主。 クローディア … ウサギ♀。マシロのお目付け役。冷静なようで意外と頭の中はラヴい。 ユーヤ … ヒト♂。マシロに買われたヒト奴隷。だけど手違いでマシロの主人に。 < あらすじ >
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嘘つき兎が召使いの物語 最終更新日 : 2009年12月03日03時59分15秒 【作者】:嘘つきの人 ◆38qnEzohvY 【舞台】:兎の国アトシャーマ 【作風】:えろえろ おばか 【注意】:百合。変態。主従逆転。 =話数= ==================簡易解説や補足================== =文量= 1話 マシロ×ユーヤ「嘘つき兎が召使い」 25KB 2話 マシロ×ユーヤ「ウサギの飼い方」 23KB ―― サイドストーリー ―― 外伝1話 クー×マシロ「生臭い贈りもの」 10KB 外伝2話 マシロ×ユーヤ「ねがいごとひとつ」 5KB メイン登場人物 一行紹介マシロ … ウサギ♀。魔女だけど色狂い。暴力的な色欲の持ち主。 クローディア … ウサギ♀。マシロのお目付け役。冷静なようで意外と頭の中はラヴい。 ユーヤ … ヒト♂。マシロに買われたヒト奴隷。だけど手違いでマシロの主人に。 < あらすじ >
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杵を装備した兎。色だけでなく髪型も変わっていてカワイイ。 カラーバリエーションは青,黄,赤,桃,白,茶。 防御、HPは毛玉と同じ程度だが攻撃力は妖精の1.5倍ほどという大変な痛さ。 物防特化したキャラでないとかなり痛いので出現しても対応できる配置を考えよう。攻撃タイプは物理。 怠惰な餅つき兎 普通の餅つき兎 熟練の餅つき兎 精鋭の餅つき兎 幻想の餅つき兎 睡夢の餅つき兎
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ウフフ板発、ろだに上げられた作品置き場 訂正やご意見、ご要望は下まで ttp //ufu2-kourin.bbs.fc2.com/?act=reply tid=3717636 ページを選択後、移動を押すとそのページへ移動します。 ページを選択してくださいウフフ全年齢ss 2 51~90日ウフフ全年齢ss 3 91日~ 3スレ 10スレ 11スレ 12スレ 13スレ 16スレ 18スレ 19スレ 24スレ 25スレ 26スレ 29スレ 30スレ 31スレ 32スレ 33スレ 34スレ 35スレ 36スレ 37スレ 38スレ 39スレ 40スレ 41スレ 42スレ 43スレ 44スレ 45スレ 46スレ 47スレ 48スレ 49スレ 50スレ 3スレ 分類 タイトル 主要キャラ ろだ番 備考 画像 無題 霖之助 28 10スレ 分類 タイトル 主要キャラ ろだ番 備考 ss 無題 霖之助・魔理沙・霊夢 155 11スレ 分類 タイトル 主要キャラ ろだ番 備考 ss 無題 霖之助・魔理沙・霊夢 161 12スレ 分類 タイトル 主要キャラ ろだ番 備考 ss 無題 霖之助・魔理沙 165 ss 無題 霖之助・椛 167 ss 無題 霖之助・妖夢 169 13スレ 分類 タイトル 主要キャラ ろだ番 備考 ss 無題 霖之助・幽々子・紫 177 16スレ 分類 タイトル 主要キャラ ろだ番 備考 ss 無題 霖之助・幽香 210 18スレ 分類 タイトル 主要キャラ ろだ番 備考 画像 無題 霖之助・レミリア 232 画像 無題 霖之助・フラン 233 19スレ 分類 タイトル 主要キャラ ろだ番 備考 ss 空気を読みましょう 霖之助・衣玖・天子・紫 249 ss 無題 霖之助・朱鷺子・霊夢・魔理沙 250 24スレ 分類 タイトル 主要キャラ ろだ番 備考 画像 無題 霖之助 273 25スレ 分類 タイトル 主要キャラ ろだ番 備考 ss 咲夜さんが子供作って来いと言われたようです 霖之助・咲夜 277 ss 無題 霊夢・早苗 280 26スレ 分類 タイトル 主要キャラ ろだ番 備考 ss 無題 霖之助・朱鷺子 285 画像 無題 霖之助・朱鷺子 289 画像 無題 霖之助・魔理沙 290 29スレ 分類 タイトル 主要キャラ ろだ番 備考 ss 無題 霖之助・文 322 ss 無題 霖之助・慧音 323 30スレ 分類 タイトル 主要キャラ ろだ番 備考 ss 無題 霖之助・咲夜 329 ss 君と淀とが 霖之助・慧音・魔理沙 332 31スレ 分類 タイトル 主要キャラ ろだ番 備考 ss     霖之助・永琳 334 ss     霖之助・永琳・慧音 338 334の続き 32スレ 分類 タイトル 主要キャラ ろだ番 備考 ss 静かな毒 霖之助・紫 346 33スレ 分類 タイトル 主要キャラ ろだ番 備考 ss はんぶんふたつ、えいえんひとつ 霖之助・妹紅・慧音・永琳 355 ss 無題 霖之助・魔理沙 356 ss 無題 霖之助・文 357 ss 屋台始めました 霖之助・ミスティア 358 ss はんぶんふたつ、えいえんひとつ 霖之助・妹紅・慧音・永琳 359 355の続き 漫画 無題 霖之助・パルスィ・慧音 360 zip 34スレ 分類 タイトル 主要キャラ ろだ番 備考 ss 無題 霖之助・鈴仙 362 漫画 無題 霖之助・にとり 363 ss アンニュイ遠距離盗撮ガール 霖之助・椛・文 364 ss 胸に咲いた白色い花 霖之助・鈴蘭・幽香 368 ss 人妖、メイドと一夜を共にすること 霖之助・咲夜 369 35スレ 分類 タイトル 主要キャラ ろだ番 備考 ssまとめ 霖之助とこまっちゃんの友情シリーズ 霖之助・小町 371 zip ss A Rough Day 霖之助・魔理沙 382 漫画 天狗達の緋想天 霖之助 383 36スレ 分類 タイトル 主要キャラ ろだ番 備考 ss 冬の亡霊 霖之助・レティ 385 画像 無題 霖之助・幽々子 387 画像 無題 霖之助 388 37スレ 分類 タイトル 主要キャラ ろだ番 備考 ss わすられ 霖之助・早苗 391 ss 嘘つき兎はそこで笑う 霖之助・てゐ・永琳 395 38スレ 分類 タイトル 主要キャラ ろだ番 備考 ss 無題 霖之助・咲夜 397 ss 無題 霖之助・文 398 画像 無題 霖之助・朱鷺子 399 39スレ 分類 タイトル 主要キャラ ろだ番 備考 画像 無題 霖之助・天子 404 ss 黒 白 赤 青 霖之助・永遠組 405 40スレ 分類 タイトル 主要キャラ ろだ番 備考 ss 無題 霖之助・妹紅 408 ss 無題 霖之助・藍 410 ss 100年後の恋心 霖之助・妖夢 411 ss 冬の道具屋 閑話 霖之助・藍 416 410の続き ss 無題 霖之助・霊夢・魔理沙 417 41スレ 分類 タイトル 主要キャラ ろだ番 備考 ss 色彩四色 霖之助・咲夜 418 ss 心ゆくまで 霖之助・紫・藍・橙 419 ss 新婚さん出てこいや~天子編~ 霖之助・天子・萃香 420 ss あの素晴らしき日々。そのために今生きている 霖之助・慧音 425 ss 過保護から始まる恋もある 霖之助・神奈子・早苗 428 42スレ 分類 タイトル 主要キャラ ろだ番 備考 ss 君に会えるなら 霖之助・慧音 433 ss 超時空天人☆てんこちゃん前編 天子・霖之助・衣玖 434 43スレ 分類 タイトル 主要キャラ ろだ番 備考 ss 友人? 霖之助・美鈴 436 ss それでも、長い話 霖之助・稗田 437 ss 浅き夢は、現に醒め行き(1) 霖之助・妖夢 438 ss 上海アリス 霖之助・アリス・上海人形 441 ss 白黒閻魔の例外? 霖之助・映姫 442 ss 無題 霖之助・ヤマメ 444 ss 巫女の本分、巫女の本懐 霖之助・霊夢 445 ss 美酒の条件 霖之助・萃香 446 44スレ 分類 タイトル 主要キャラ ろだ番 備考 ss 料理の隠し味 霖之助・幽香 448 ss お求めは香霖堂 霖之助・早苗・咲夜 449 ss 母乳→搾乳→巨乳→小町→巨乳→母性 霖之助・小町 451 ss タイプと湯飲み 霖之助・紫 452 ss おとん 霖之助・俺・妹紅 453 45スレ 分類 タイトル 主要キャラ ろだ番 備考 ss 無題 霖之助・慧音・妖夢 454 画像 カスタム霖之助さん 霖之助・霊夢・魔理沙 455 ss 速さの秘訣? 霖之助・文 456 ss 無題 霖之助・ヤマメ・キスメ 459 444の続き 46スレ 分類 タイトル 主要キャラ ろだ番 備考 ss さよなら蒼き日々よ 霖之助・鈴仙 467 ss 無題 霖之助・紫 469 ss 月のかけらを探しに行こう 霖之助・ルナチャイルド 471 47スレ 分類 タイトル 主要キャラ ろだ番 備考 ss 半月昇夜 第1夜 霖之助・映姫・小町・霊夢・魔理沙・咲夜・阿求 472 ss 聖域だから仕方ない 霖之助・魔理沙 474 ss 浅き夢は、現に醒め行き(2) 霖之助・妖夢 475 438の続き 画像 無題 霖之助 477 48スレ 分類 タイトル 主要キャラ ろだ番 備考 ss BonusTrack 少女の見た贋物風景 霖之助・アリス・慧音・妹紅・永琳 482 359の続き 49スレ 分類 タイトル 主要キャラ ろだ番 備考 ss 無題 霖之助・咲夜 483 ss 作戦123 霖之助・咲夜・紅魔勢 487 409の続き ss 無題 霖之助・霊夢 488 漫画 グリモア閑話 霖之助・幽香・魔理沙 489 50スレ 分類 タイトル 主要キャラ ろだ番 備考 ss 無題 霖之助・霊夢 494 妊娠等の表現あり 漫画 グリモア閑話Part.2 霖之助・霊夢・小傘 495 489の続き ss 無題 霖之助・小傘 496 画像 無題 霖之助・さとり・フランドール 497 ss 小さな恋の唄 霖之助・ミスティア 498 ss 無題 霖之助・魔理沙・その他大勢 499
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嘘つき兎が召使いの物語 外伝第2話 7月7日が、着々と近づいてくる。 「んえ? たなばた?」 「そう、七夕。そんな風習を聞いたことはないですか?」 ここは極寒の地、ウサギの国アトシャーマ。 夏でも冬でも猛吹雪が吹いておかしくない、四季のカケラもないこの国にも、やはり月日は巡っていく。 7月7日……人間の世界では、織姫と彦星が出会って、なぜか皆して願い事を唱える、不思議な風習が行われる日。 「う~ん……聞いたような気がするけど、よく覚えてないなぁ。ヒトの文化ってあまり気にしたことないし」 そう言って、裸の身体をすり寄せてくる。 現在位置はベッドの中。彼女は再戦可能。僕は回復が追いついていない。 「犯される」と思ったときには既に犯されている。 それがウサギを相手にすることなのだと、この身をもって実感したのはいつの日か。 「一年に一度しか会えない織姫と彦星が、一年に一度会える日、です」 「年にいちどかぁ……」 顔をうっとりと赤く染めて、熱っぽい吐息をはきだした。 間違いない。このパターンはアレである。 「……夜は、燃えるんだろうなぁ」 「結局はそれですか」 ロマンスのカケラすら粉々だ。 まあ仕方ないか。ウサギだし。 「ね、ご主人……私たちも、熱く燃えようよぉ……」 「さっき燃え尽きました」 「じゃあ油そそぐから、またお○んこしようよ。私、いくらでも燃料になっちゃうよ」 彼女が、僕の身体に手足を絡めてくる。 この誘惑を我慢しようとしても無駄なのは、ずっと前に理解済み。 柔らかで暖かい、褐色の身体が密着し、僕のソレのアレが意思に反して燃え上がる。 ぬぷっ 「あふ、ん」 「ああ……」 ゆっくり動くのが、彼女の最近のお気に入りらしい。 とろとろに蕩けた膣ひだをいじらしく擦り付けてくる。 たまらずに、僕は彼女の身体を抱きしめた。 「あっ、あん……ご主人、お○んこ気持ちいい?」 「はい、お嬢さま……」 たまらず、腰を小刻みに震わせるように、彼女に打ち付ける。 彼女は可愛らしく悶えて、僕に口付けを求めてきた。 □ 結局、3発出した。 朝から何回したのか数えようと指を折りはじめ、片手で足りないことに気付いて数えるのを止めた。 僕もこの世界に来てから、だいぶ強くなったみたいだ。 「それで、ご主人。願い事って何でもいいの?」 「願い事……? あ、さっきの話ですか」 七夕の夜の、願い事。 短冊に書いた願いを、笹の木に吊るす……というか、笹ってこの世界にあるのかな。 「ううん。聞いたことないよ。南のほうに行けばあるかもしれないけど」 「じゃあ、七夕を行うのは、この国では難しいですね」 「やだぁ……お○んこしたいのにぃ……」 「……その話から離れてよ」 不満そうに口を尖らせて、僕をぎゅっと抱きしめてきた。もちろんアソコでも。 ……お嬢さま。今の、かなり気持ちよかったんですが。 「窓枠に吊るすとかで、代用できない?」 「そんな、てるてる坊主みたいな……。有りかもしれないけど……」 窓枠に短冊を吊るす光景を想像してみる。アトシャーマの家々には、塀も垣根もない。 恥ずかしい願い事をしたら間違いなく近所中から生暖かい目で見られる。 ウサギはネコ並みにゴシップ好きだから。 変な願いじゃなければいいけれど……。 「お嬢さま。どんな願いを叶えてもらいたいんですか?」 「う~ん……えっとね……」 頬を赤らめて、恥ずかしそうにもじもじしながら…… 『ご主人のおち○ちんが、もっと大きくなりますように ― マシロ』 マジ凹む。 あ、お嬢さま。もじもじと身体を揺するの、結構気持ちいいです。そろそろ勘弁してください。 また出ちゃいそう。助けて……。 「んぇ~。ご主人、なんか不満そう……これじゃだめ?」 「だめじゃないけど……自信なくしそうです」 「しょぼ~ん……そんなぁ……」 身体を丸めて、しぶしぶといった雰囲気だ。 「じゃあ、ご主人とずっとお○んこしていたい、ってお願いしようかな」 「もう叶ってます。現在進行形で」 「じゃあ、未来永劫も」 勘弁してください……。 「あぅうう……。じゃあ、ご主人が納得するようなお願い、寝ながら考えてみるね」 僕の身体をぎゅっと抱きかかえたまま、やっとお嬢さまは寝る気になってくれたようだ。 情事でずれてしまった布団を被りなおし、裸でも寒くないようにしてあげる。 そもそも二人で抱き合っていると熱いくらいだが……お嬢さまって体温、妙に高いし。 「えへへ。どんなお願いがいいかなぁ……」 色々と想像しているのだろう。嬉しそうな表情を浮かべている。 僕はお嬢さまが寝息を立てるまで、じっと身体を抱きかかえてやった。 □ その次の日、朝方のことだった。 僕は、窓枠に1枚の紙切れがぶら下がっていることに気付く。 『ご主人の大きなおち○ちんが、もっともっと大きくなりますように ― マシロ』 僕は愕然とした。 □ 結局、その日は家に押しかけてきたご近所さんを交えての大騒動が巻き起こった。 ついでに、1日の射精回数が新記録を達成した。 「あぁん……ご主人、ヒコボシみたい」 「それは絶倫って意味でですか」 お尻だけは死守できたことが幸いだった。 ■ 嘘つきウサギが召使いの物語 §外伝2.ねがいごとひとつ ~fin~
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嘘つき兎が召使いの物語 外伝第2話 7月7日が、着々と近づいてくる。 「んえ? たなばた?」 「そう、七夕。そんな風習を聞いたことはないですか?」 ここは極寒の地、ウサギの国アトシャーマ。 夏でも冬でも猛吹雪が吹いておかしくない、四季のカケラもないこの国にも、やはり月日は巡っていく。 7月7日……人間の世界では、織姫と彦星が出会って、なぜか皆して願い事を唱える、不思議な風習が行われる日。 「う~ん……聞いたような気がするけど、よく覚えてないなぁ。ヒトの文化ってあまり気にしたことないし」 そう言って、裸の身体をすり寄せてくる。 現在位置はベッドの中。彼女は再戦可能。僕は回復が追いついていない。 「犯される」と思ったときには既に犯されている。 それがウサギを相手にすることなのだと、この身をもって実感したのはいつの日か。 「一年に一度しか会えない織姫と彦星が、一年に一度会える日、です」 「年にいちどかぁ……」 顔をうっとりと赤く染めて、熱っぽい吐息をはきだした。 間違いない。このパターンはアレである。 「……夜は、燃えるんだろうなぁ」 「結局はそれですか」 ロマンスのカケラすら粉々だ。 まあ仕方ないか。ウサギだし。 「ね、ご主人……私たちも、熱く燃えようよぉ……」 「さっき燃え尽きました」 「じゃあ油そそぐから、またお○んこしようよ。私、いくらでも燃料になっちゃうよ」 彼女が、僕の身体に手足を絡めてくる。 この誘惑を我慢しようとしても無駄なのは、ずっと前に理解済み。 柔らかで暖かい、褐色の身体が密着し、僕のソレのアレが意思に反して燃え上がる。 ぬぷっ 「あふ、ん」 「ああ……」 ゆっくり動くのが、彼女の最近のお気に入りらしい。 とろとろに蕩けた膣ひだをいじらしく擦り付けてくる。 たまらずに、僕は彼女の身体を抱きしめた。 「あっ、あん……ご主人、お○んこ気持ちいい?」 「はい、お嬢さま……」 たまらず、腰を小刻みに震わせるように、彼女に打ち付ける。 彼女は可愛らしく悶えて、僕に口付けを求めてきた。 □ 結局、3発出した。 朝から何回したのか数えようと指を折りはじめ、片手で足りないことに気付いて数えるのを止めた。 僕もこの世界に来てから、だいぶ強くなったみたいだ。 「それで、ご主人。願い事って何でもいいの?」 「願い事……? あ、さっきの話ですか」 七夕の夜の、願い事。 短冊に書いた願いを、笹の木に吊るす……というか、笹ってこの世界にあるのかな。 「ううん。聞いたことないよ。南のほうに行けばあるかもしれないけど」 「じゃあ、七夕を行うのは、この国では難しいですね」 「やだぁ……お○んこしたいのにぃ……」 「……その話から離れてよ」 不満そうに口を尖らせて、僕をぎゅっと抱きしめてきた。もちろんアソコでも。 ……お嬢さま。今の、かなり気持ちよかったんですが。 「窓枠に吊るすとかで、代用できない?」 「そんな、てるてる坊主みたいな……。有りかもしれないけど……」 窓枠に短冊を吊るす光景を想像してみる。アトシャーマの家々には、塀も垣根もない。 恥ずかしい願い事をしたら間違いなく近所中から生暖かい目で見られる。 ウサギはネコ並みにゴシップ好きだから。 変な願いじゃなければいいけれど……。 「お嬢さま。どんな願いを叶えてもらいたいんですか?」 「う~ん……えっとね……」 頬を赤らめて、恥ずかしそうにもじもじしながら…… 『ご主人のおち○ちんが、もっと大きくなりますように ― マシロ』 マジ凹む。 あ、お嬢さま。もじもじと身体を揺するの、結構気持ちいいです。そろそろ勘弁してください。 また出ちゃいそう。助けて……。 「んぇ~。ご主人、なんか不満そう……これじゃだめ?」 「だめじゃないけど……自信なくしそうです」 「しょぼ~ん……そんなぁ……」 身体を丸めて、しぶしぶといった雰囲気だ。 「じゃあ、ご主人とずっとお○んこしていたい、ってお願いしようかな」 「もう叶ってます。現在進行形で」 「じゃあ、未来永劫も」 勘弁してください……。 「あぅうう……。じゃあ、ご主人が納得するようなお願い、寝ながら考えてみるね」 僕の身体をぎゅっと抱きかかえたまま、やっとお嬢さまは寝る気になってくれたようだ。 情事でずれてしまった布団を被りなおし、裸でも寒くないようにしてあげる。 そもそも二人で抱き合っていると熱いくらいだが……お嬢さまって体温、妙に高いし。 「えへへ。どんなお願いがいいかなぁ……」 色々と想像しているのだろう。嬉しそうな表情を浮かべている。 僕はお嬢さまが寝息を立てるまで、じっと身体を抱きかかえてやった。 □ その次の日、朝方のことだった。 僕は、窓枠に1枚の紙切れがぶら下がっていることに気付く。 『ご主人の大きなおち○ちんが、もっともっと大きくなりますように ― マシロ』 僕は愕然とした。 □ 結局、その日は家に押しかけてきたご近所さんを交えての大騒動が巻き起こった。 ついでに、1日の射精回数が新記録を達成した。 「あぁん……ご主人、ヒコボシみたい」 「それは絶倫って意味でですか」 お尻だけは死守できたことが幸いだった。 ■ 嘘つきウサギが召使いの物語 §外伝2.ねがいごとひとつ ~fin~
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サーヴァント 【クラス】キャスター 【真名】嘘つき 【容姿】チャラチャラとした男であり信じられないような不気味な雰囲気 【英雄点】45点(ステ27点・スキル18点):令呪1画消費 【HP】35/35 【筋力】B:4 【耐久】B:4 【敏捷】A+:6(7) 【魔力】EX:8(10) 【幸運】D:2 【スキル1】陣地作成 10: 移動フェイズに陣地を作成出来る。 陣地内では魔術攻撃と物理防御と魔術防御と奇襲防御時、補正値5を得る。 また、遠距離攻撃フェイズで受けるダメージを無効にする。 【スキル2】神性 5:キャラシート作成時、サーヴァントの英雄点10を得る。 【スキル3】嘘の嘘 3:魔術攻撃に補正値5を得る。 【宝具 】嘘の改革(イルミナティ・ザ・フェイク) 【ランク・種別】 A++・対概念宝具 【効果】魔術攻撃時に相手前衛全てに攻撃でき、補正値5を得る。 陣地内の場合、相手から受けたデメリットによるダイスの面数上下の効果を受けない。 【その他】 嘘つきと言う概念が反英霊となった者。 この世界で多くの嘘をつき多くの嘘をつかれた男 その英霊はそこにいてそこにはいない 死んでいるようで死んでいない。 ならば死は意味はない。 ステータスは知名度補正とマスターの魔力によるもの 令呪の縛りで悪さ不能 属性は 混沌・悪
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嘘つき兎が召使いの物語 第1話 ウサギに対しての、こんな言葉を耳にしたことがありますでしょうか。 「兎は淫乱……って本当?」 私の友人に猫国出身のかたがいらっしゃいますが、そのかたの御友人がそんなことを言いました。 もちろん面と向かって言われたわけではありません。 本人は内緒話のつもりだったようですが、さすがにあれほど大きな声で話されたのでは聞きたくなくても耳に入ります。 なにせ私はウサギですから。耳が良くて性風俗に寛容で。 その人の言うとおり『淫乱』というのもあながち間違いではありません。 だから私はこのように口を挟んでしまったのです。 「お言葉ですが……あなたは、あなたが好きな人を愛してあげる時間を持たないのですか?」 私には愛すべき人がたくさん居るだけです。猫のかたには理解していただけないかもしれませんが。 ……たくさんの人を愛することのできる心を分け与えてくれたレシーラ様。今、私はあなたに感謝しています。 □ ウサギの住む街、アトシャーマ。吹雪の吹き荒れる雪原の真っ只中、 魔法を使って居住可能な土地を確保しているこの街の朝は、厳しい冷え込みと共にやってくる。 「んっ……んっ……」 最新の魔法式を敷いたアトシャーマ外縁部ならともかく、中央に程近いこの小さな家の冷え込みは耐え難いものがある。 だからこそ、多くのウサギは暖かな布団を恋しく思ってしまうのだ。 彼女が漏らしたのは、そんな暖かな布団のなかの、朝のまどろみに飛び出した可愛らしい息遣い…… ではなく、明らかな嬌声。あの声。オナニーしてる最中に漏れてしまうエッチな喘ぎ声。 まだ少女の域を抜けていない年頃のウサギが、布団から顔を半分だけ出して、熱心に自慰に耽っている。 「んっ……はぁ……あぁ……あぁ……」 セミロングの白髪。褐色の肌。そして大きな白いウサギの耳。 整った顔立ちで他国でも目を引くであろう可愛らしい少女が、熱にうなされているような喘ぎを漏らしている。 瞑った目には涙がにじみ、頬は上気して朱に染まり。どんな娼婦よりも男を惹きつけそうな艶やかな表情。 ガラス細工のように乱暴に扱えば壊れてしまいそうな「はかなさ」さえ、その少女からは感じられた。 しかし布団のなかは凄まじい有様だ。 布団のなかでは愛液が飛び散りぐっちょんぐっちょんになっている。 いま布団をめくれば、少女の淫臭があたりに立ち込めること間違いなしである。 「あぁあ……いく……いくっ……いくっ……」 布団の中で、もぞもぞと身体を動かしながら、一人身体を高ぶらせていく。 彼女を攻め立てているのは1本のバイブだった。 エネルギーは彼女自身の魔力。兎国で開発されたそのバイブは、使用者の魔力を受け取り振動を与えるものだ。 最初は魔法学校の教材として、生徒たちの鍛錬用に使われる予定だったらしいが、結局その話は無しになったらしい。 実現していれば生徒諸君が女も男もバイブを咥えてあふんあふん叫びながら鍛錬に励む姿が見れたのだが、実現しなかった。 ……実に幸いなことである。 ともかく、ある程度の魔法を使える者でないと使いこなせないような特殊バイブを手に、彼女は自慰に耽っていた。 彼女がそれを使いこなせることは、ある意味では当たり前。 それもそのはず。彼女は兎国のなかでも最も魔法に長けた家柄の出身であり、『魔女』の名を与えられた者なのだから。 魔女だってオナニーするもん!! オナニーくらいするもん!! 有り余る魔法技術と底なしの魔力ですることと言えば自慰くらいなものである。他には特に無い。 いや沢山あるのは確かのはずなのだが、今の彼女にとってはオナニーこそが一番大切なのだ。 「ああああぁん! クーっ! いっ、いくっ! いくうううっ!」 バイブを手で秘所に埋め抜き差しすると、びっしりとついたイボイボが幼さすら残す柔肉を容赦なく抉っていく。 かき混ぜられ白く泡立った愛液が肌を伝い、ふわふわの布団を汚していく。 一番奥、子宮の入り口、膣の行き止まりにバイブの先端を当て、底なしの魔力をバイブに注ぎ込んでいく。 身体の奥底から揺さぶられるような振動と快感に襲われて、少女は絶叫し悶え跳ね回った。 「ぁ! ぁ! ぁ! ぁ! あっ! あっ! あっ!」 絶頂に見舞われた膣が、さらに強くバイブを食い締めてしまう。 布団をぎゅっと抱きしめ――想い人のことでも想像しているのか――布団に抱きつきながら快楽を味わっていた。 「……っ、はぁ……はぁ……はぁあ……」 荒い息を吐く。いつのまにか布団は汗で汚れていた。 布団の中は愛液で大変なことになっているだろう。正直めくりたくない。 「……おなか減っちゃった。のども渇いたし」 絶頂の熱も冷め始め、次第に落ち着く息と意識。 そして「くらっ」と眩暈がして、自分が朝起きてから何も飲食していないことを思い出す。 どこからともなく美味しそうな匂いが漂ってくると、少女は仕方無しに、のそのそとベッドから這い出した。 もうすぐ正午になる。きっと昼食が用意されているんだろう。 そう思い立ち上がると、布団の中から細身の身体に大人びたベビードールがあらわになる。褐色の肌に白い衣装が映えていた。 むねもおしりも慎ましく少女をより幼い印象に仕立て上げているが、それが返って背徳的ですらある。 そんな女性的な箇所が透けるほどの薄い布地は、扇情的だが……しかし、やっぱり肌寒い。 「……はくちっ! ……あう……魔法式、後で調律しないと……」 このところ特に朝が冷える。室内に施した暖房機能の魔法式が劣化し痛んでいるのかもしれない。 可愛らしくクシャミを1発。少女はスリッパを履いて、上からバスローブに似たコートを羽織った。 ちなみにバイブは入れたままだ。これが無いと朝方は調子が出ない。 できるならば身体を2つにして、片方で自慰しまくって、もう片方でご飯を食べたいところだった。 だが身体はひとつしかないので両方同時に行う。それが最適解であることは疑いようも無い。 しかし誤算がひとつだけあった。とある理由から、彼女には自慰と食事を同時に行うことはできないのだ。 「……んっ……はぁ……はぁ……はぁ」 一歩、また一歩と部屋の中を歩くたびに淫らな声が漏れていく。冷め始めたと思った淫熱が再びぶり返してくる。 なぜなら、少女が今咥えているバイブが特注品だからだ。 振動機構は汎用的とはいえ、外見は長さ・太さ・硬さに加えてカリの太さに竿のそりかえり具合、 さらには全体にびっしりとあしらわれたイボイボの大きさと配置までが、少女のためだけに計算しつくされたものだ。 そのバイブはいわば一種の魔法である。 彼女をイかせるためだけに存在する魔法の前では、いかな魔女といえども抵抗できず絶頂を極めさせられてしまうのだ。 「おち○ちん……おち○ちん、すごいの……」 うわ言のように呟き、よたよたと部屋の中を歩いていく。秘所からは新たな愛液が滲み出し太股を伝って滴り落ちていく。 部屋の入り口までの僅か数歩の距離を歩くだけで、少女の頭の中は張り型のことでいっぱいになってしまっていた。 それでも精一杯身体を動かし、ドアを開けようとノブに手を伸ばした。 ノブに手をかけて回そうとした瞬間……少女が力を入れるまでも無く、ノブが回りドアが開いていく。 ドアの反対側から、誰かが少女の部屋へ入ろうとしていたらしい。 □ 「失礼します。お嬢さま、お楽しみでしたか?」 ドアの前にいたのは、少女よりも頭ひとつ背の高く、少女より幾分か年上の、やはりウサギの女性だった。 白い肌に黒く長い髪、そして少女と同じ白く大きなウサギの耳。 少女とは異なり、ちゃんと服は着ている。うん。さすがに兎だって服くらいは着ます。 「…………うん。もう、イきそう……いっちゃいそう……あんっ! だめっ! 気持ちいいのっ!」 「ダメですよ、お嬢さま。自慰では愛が無いとたしなめたばかりではありませんか……」 少女の痴態に困ったような笑みを浮かべ、女性は少女を優しく抱きとめた。 快楽に腰を振りたくる少女を両腕で抱きしめ、少女の首筋に軽く口付けする。 少女はそんな女性にすがるように抱きついて自らの欲望のままに言葉を発する。 「うんっ……だから、クーでイきたいな……イかせて……」 「はい。仰せのままに……と言いたいところなのですが」 「……え? 今日はダメなの?」 クーと呼ばれた女性はその少女の願いを遮り、代わりに少女の身体をきゅっと抱きしめ、髪を優しく撫でてあげた。 そしてゆっくりと少女を解放し立ち上がると部屋の角に置かれたソファに向き直る。 少女の寝室からドア一枚隔てたリビング、その隅に置かれたソファに座っていたのは……。 「ユーヤさん。この子があなたの主人となるマシロお嬢さまです」 少女――マシロの頭を優しく撫でながら、ソファに腰掛ける少年に話しかけた。 毛に覆われていない女性のような綺麗な肌をしていながら、かといってマダラのような獣耳も無い。 マシロも一目でそれが『ヒト』であることに気付いた。 そのヒトが着ていた服は、マダラのウサギが着るような普通の服…… 落ちてきたときに着ていただろう服は、既に別のところに売られてしまったのだろうか。 ところでその少年、顔を真っ赤に染めて恥ずかしそうに俯きながら前屈みに身体をもじもじさせているところが不憫だった。 先ほどのマシロの嬌声は少年に全部筒抜けだった。しかも今ではバイブの振動音までキッチリと聞こえてくる始末である。 実に生殺しである。据え膳をお預けされるイヌっころの心境である。既に下半身はいつでも砲撃可能な状態だった。 「……ユーヤさん? 恥ずかしそうにしていないで、“立って”挨拶などしないのですか?」 「すっ、すみませんクローディアさん。ちょっといま立てなくて……いや、既に起っちゃってるんですが……」 「……はぁ。長旅で疲れたのでしたらそう言ってくだされば」 「は、はい。めっさ疲れました。脚がガクガクしてます」 あたふたと答える少年。実に哀れなり。 そしてそんな哀れな少年を、色情魔のきらきら輝く瞳が見つめていた。 「はぁ……はぁ…………本物の“おち○ちん”だぁ……っ!」 「お嬢さま」 「やぁん……だめ……クー、いま、私、おち○ちんのことしか考えられないよ……!」 チ○コ呼ばわりされた少年に、きらきらどころかギラギラした目をしたお嬢さまが近寄っていく。 せっかく着たローブも脱ぎ去り、透けるほど薄いベビードール姿に戻り。 挿入された張り型のためか、幾分か歩きにくそうな、よたよたした足取りで。 愛液が滴り落ちて、毛の長いカーペットに淫らな染みを作っていく。 色情魔は慌てる少年ににじり寄り小さくジャンプ。飛び掛かるように抱きついた。 「……捕まえた」 「はうっ!!」 飛びついてきた半裸の少女を成り行きで抱きしめる少年。 傍から見れば羨ましいその状況だが、しかしその少年は全身に鳥肌を立てていた。 マシロにとっては荒い息を吐きながら小声で呟いただけなのだが、少年には必要以上に恐ろしく伝わったらしい。 しかし身体は少女の柔らかな肢体を直に触り、心の鼓動を激しくさせ剛直を硬く大きくさせてしまっている。 少女の背中を少年の手が滑り落ちると、少女の口から艶めかしい吐息が漏れた。 「ねえ……おま○こ……おま○こ、しよ? おち○ちん、おま○こに……はぁ……はぁ……」 「ちょ、あの……っ!」 「はぁ……はぁ……うへへ。おま○こ、おちん○~んでズポズポ~ってされたいなぁ」 目がイっちゃってる。やばいですこの子。 口元に溜まったよだれをじゅるりとすする姿は、まさに獲物を強姦しようと迫る痴漢……もとい、痴女そのもの。 このままでは食われる……少年の本能が警鐘を鳴らしていた。 「お嬢さま、あまり浅ましい姿はお見せになられないほうが」 「あのっ、クローディアさん。言葉だけじゃなくて、止めてはくれないんですかっ!?」 「……何を仰るんですか。お嬢さまの世話を任せたのですから、お相手、よろしくお願いしますね」 そう言い放つクローディアは、上着を何枚も羽織り玄関へと繋がるドアの前。 その彼女は、目の前で繰り広げられる情事に動じることなく、全くもって冷静だった。 興奮してすらいないのは、心が強いのか単に慣れきってしまっただけなのか。 上着を羽織り終えた彼女は、最後に腰に剣を挿して、両手にミトンの手袋を嵌める。 「それでは少し出かけてきます。手続きなどがいくつか済んでいませんので。 帰ってくるまでの間、どうぞ熱い一時をお楽しみくださいね」 そして死刑宣告が下された。真っ白に固まる少年に対し、俄然色めき起つマシロ嬢。 「あはっ。お楽しみくださいだって。いっぱい楽しもうね! ね!! ね!!!」 「あ、えっ!? どこに行く……んっ! ちょ! やめっ!」 マシロは少年に擦り寄ったまま、少年の頬や首筋についばむようなキスの暴風雨を浴びせていた。 そんな少女を突き放すこともできず、なすがままにキスの雨嵐を浴び続けるユーヤ少年。 仲睦ましい二人を見て、クローディアは微笑みを漏らした。 「お嬢さまには気に入っていただけたようで幸いです。 ユーヤさんの所有には税金などが掛かりますから、その申請のために城に行ってきます。 20分くらいで戻ってきますから、帰ってきたら昼ごはんに致しましょう」 リビングからダイニングキッチンを見渡せば、並べられた皿にパンとジャムが入ったバスケット。 コンロにはシチューの大きな鍋。 昼食はあらかた準備されていたようで、先ほどから香る良い匂いはそこから漂ってきていたのだろう。 マシロがそちらを向いていると、反対側からパタン。とドアが閉まる軽い音。 それだけ言ってクローディアはさっと退室してしまった。ユーヤにとって唯一の救いの存在が居なくなってしまう。 同時に、マシロの相手をしてあげられるのが自分ただ一人になってしまったことにもユーヤは気付いた。 「ほら……私、バイブだけじゃやなの……おち○ちん、おま○こに入れてエッチしたいなぁ」 「………………」 張り型は、変わらずマシロの膣内で不気味な音をたてて振動していた。 ウサギより耳の良くないヒトでも、イヌより鼻の良くないヒトでも、卑猥な音色と立ち込める雌臭ははっきりと感じ取れるほど。 相手に見せ付けるように腰をゆっくりと前後左右にくねらせながら、マシロは淫らにおねだりする。 ユーヤは思わず唾を飲み込んだ。それが了承の合図となる。 □ ソファに腰掛ける少年よりも、床に立つ少女のほうが視点が高かった。 熱に浮かされたような赤い瞳で至近距離から見下ろされ、ユーヤは思わず身をすくめてしまう。 「あのっ……連続でしたりして、身体こわしちゃいませんか?」 「んっ……ふ。今まで壊したことないから大丈夫だよ。それとも……そのおち○ちんで壊す気まんまん?」 マシロがバイブを掴み引っ張り出す。くちゅりと水音を立てて長い棒が身体の中から抜き取られていく。 秘裂が名残惜しそうにバイブの刺激を追いかけていく。一挙動一挙動に鼻に掛かったような吐息が漏れていった。 愛液に塗れ、湯気と淫臭を漂わせる白色のバイブ。既にマシロからの魔力供給が止まっているのか動きは止まっていた。 たった今まで雌肉をほぐしていた玩具を見せ付けながら、誘うように熱い吐息を浴びせかける。 「次は、キミのおち○ちんが、こんな風にぐちゃぐちゃになる番だよ……うふふ」 「あ……あの、僕って本当にお嬢さまの性奴隷に……でも、まだ自信なくて……」 「うん。そのリアクション見れば、童貞クンだってのはわかるよぉ」 「いえ、この世界に落ちてから、調教師のひとに5回くらい……」 「……えへへ。5回くらいエッチなことされちゃったんだ。けど5回くらいなら童貞と同じだよ」 言いながら、マシロの手が少年の股間を、服越しに撫で始めた。 軽く擦る動きにときおり押し付けるような動きが混じっている。 ユーヤは顔を真っ赤にしながら、マシロの細い手に自分の手を重ねてふるふる震えていた。 「そんなに顔を赤くしちゃって、かあいいなぁ。もうイきそう? イっちゃう? おち○ちん、どぴゅどぴゅしちゃう?」 「は……はい……ちょっと、どころじゃなく、気持ちいいです……」 「ふふふ。だ~め。キミのおち○ちんミルクは、ぜーんぶ私の中に出さなきゃ、だめだよ?」 気持ちよさに目を潤ませていた少年を見つめ、マシロはいたずらな笑みを浮かべた。 涎をにじませるユーヤの口に吸い付くように唇を重ね、驚く相手をよそに強引に舌をねじ込んでいく。 マシロは手馴れた口付け、ユーヤはぎこちない口付け、ちぐはぐなディープキスは続く。 その間もマシロは身体をユーヤに摺り寄せていった。 ユーヤは思わずマシロを抱きとめるよう両腕を回し、マシロはそんなユーヤの仕草に嬉しそうに微笑んだ。 「ソファの背もたれは、ちゃんと掴んでてね。揺れるから」 「う、うん……」 マシロの言葉にユーヤは素直に従う。背もたれに背中を押し付け、浅く腰掛ける。 そのマシロはユーヤのスボンを脱がしにかかっていた。慣れた手つきでボタンを外し布地をずらしていく。 下に着ているパンツまで半脱ぎにさせられると、立派なそれが天井に向かって直立した。 マシロが熱い息を吐き出して、うっとりとそれに魅入ってしまう。 「はぁ……んっ、おち○ちん、おま○こに入れるよ。いつでも、何回でも中出ししていいからね」 ソファに乗り、少年を跨ぐ体勢で少年と向き合った。 薄い下着の股布をずらすと、愛液の滴り落ちる秘所を剛直に擦り合わせていく。 「んっ……あ……!」 女の子のような声を出したのは少年のほうだった。 可愛らしい反応を見せる男の子に、マシロはニヤリといたずらな笑みを浮かべる。 亀頭の先っぽで秘所を擦りあげる刺激を何回か楽しんだ少女は、いよいよ身体を捩って狙いを定めていく。 ためらうことなく身体を落とす。少女の蜜壷が少年の剛直を貪るように飲み込んでいった。 「あっ! ああっ!」 「んんっ……はぁあ……。もうイっちゃいそう? おち○ちん、私のおま○このなかでビクビクしてるよ」 根元まで棍棒を咥え込んだマシロが、少年にしなだれかかりながら囁いていく。 まだ腰を動かしていないというのに、マシロの膣ひだはユーヤの男根をざわざわと撫でるように刺激していた。 ときおり中が痙攣するようにヒクヒクと動き、ユーヤ自身を締め付けていく。 愛液に塗れた熱い蜜壷に挿入させられ、食べられ溶かされてしまったような、そんな感覚。 「あっ! だめ……お嬢さま、いくっ! いきます……っ!」 「あはっ! いいよっ! 種付け、きてっ! 早漏おち○ちん、びゅーってしてっ! あはっ!」 首を仰け反らせ耐えるが、精液を吸い付くさんと蠢く肉穴の前には無駄な抵抗でしかなかった。 熱い迸りが先端から吹き上がり、蜜壷の中へと溶けていってしまう。 興奮したマシロが軽く腰をひねるだけで射精が二度三度と促されてしまい、 そのたびに少年も少女も気持ちよさそうな蕩け顔を浮かべていた。 「はぁあ……やっぱりナマはいいよぉ……もっと出して……私もイきたいな……」 ユーヤの頬をぺろりと舐めたマシロが、肩に手を置き腰を振り始めた。 剛直がマシロの膣内にくちゅくちゅと音を立てて出入りしていく。膣ヒダが竿の側面を乱雑に扱きあげていく。 イったばかりの敏感な男根が擦りあげられ、むりやり勃たせられる苦しさに、ユーヤが時折顔をしかめていた。 「はぁ……あぁ……おち○ちん、いいよぉ……おま○この奥まで、ぐちゅぐちゅになっちゃう……ッ!」 「お嬢さま……ぁ! もっと、ゆっくり……!」 ぎしぎし音を立てて揺れるソファ。少年はたまらずマシロの身体を抱きかかえるように押さえつけようとした。 少女は抱きよせようとするユーヤに微笑み、艶やかなくねりと共に身体を摺り寄せていった。 結合している腰だけが別の生き物のように蠢き、膣はユーヤから精液を搾り取ろうと男根を締め付けていく。 「はっ……あっ……だめぇ。気持ちいいことガマンしちゃだめ……もっと、もっと愛し合おう……」 舌を絡ませ、胸を擦りつけ、秘所を結合させ……。情欲のままに性を貪っていく。 ユーヤの身体が、背もたれから崩れ落ち、ソファに横に寝る格好になった。 必然的にマシロの身体がユーヤの上にくる。騎乗位。マウントポジション。必勝形。もう逃げられない。 「あぁあ……いく……いきそ……おち○ちんでいっちゃうよ……いかされちゃう……」 「ぁ……ぁ……っ、く……は……ぁ……ッ!」 結合部は、精液と愛液が織り交ざった体液でどろどろに汚れていた。ソファや床にも飛び散り染みを作っている。 ユーヤはたまらず逃げようと身体をくねらせた。ずりずりとソファから床に身体が落ちていくが、 蕩けた表情の淫獣はそれを逃すまいとしがみつき、腰を叩きつけていった。 「いくっ! あっ! あはっ! ああっ! あはああぁぁぁっ!」 「くうっ……ああっ……!」 ユーヤの胸に両手をついて、マシロの身体が弓なりになった。 ペニスを咥えた秘所がぐちゅりと収縮し、それに捕らわれた男根が限界を迎えてしまい、 少女の中へと白濁液を勢いよく吹き上げていった。 その精液の勢いと熱に蕩けさせられたマシロも、何度目かの絶頂を極めさせられてしまう。 「はぁ……はぁ……これ、すごい……すごいよぉ……」 耳まで真っ赤になった淫兎がうっとりした表情で円を描くように腰を揺らしていく。 長い長い絶頂を味わいながらゆったりと腰を動かし、うっとりとした表情を浮かべ。 痙攣する全身で、精液の最後の一滴までをも啜り上げようと貪欲に膣壁をうねらせていく。 「あっ! あぁっ! はあっ! ああっ!」 搾られる側の少年は苦悶の表情を浮かべ、手のひらをぎゅっと握り締めて耐えている。 息遣いも喘ぎ声も女の子のような仕草。しかしその表情はメスの中に射精できたことの満足感で溢れていた。 マシロはそんな少年を可愛らしく感じて、そして唇を重ねていった。 少年の舌を嬲るように舌を差し込み、ちゅぷちゅぷと音を立てながら唾液を啜っていく。 握り締めたユーヤの手に優しく手を重ね、そして少年に微笑みかけていった。 □ 「ふう。やーっとおま○こ落ち着いたよ。助かっちゃった」 えへへと微笑んだマシロがふらふらと立ち上がった。数歩あるいてソファに倒れこむように腰をかける。 少年のほうを向いてソファをペシペシと叩いた。隣に座れという合図らしい。 慌ててユーヤも立ち上がり、いそいそとズボンを穿きなおしてからマシロの隣に腰掛けた。 「えへへ。想像していたよりずっと良い子が来ちゃった。いい買い物したなぁ」 「…………あ、ありがとう? ございます」 ユーヤの身体にマシロが寄り掛かる。 さほど背の変わらない柔らかな身体に密着されてユーヤはごくりと唾を飲み込んだ。 それでも「買い物」の言葉にユーヤはドキッとしていた。 気にしないようとしても、どうしても自分の置かれている状況を再認識してしまう。 「注文してたヒトが明日届くって聞いてて、でもガマンできなくて……今日だったんだね」 「あ、はい。この国には予定より早く着いたので……でも我慢しなさすぎですよ」 「えへ。これくらいフツウだよ。けど今日からはキミも使えるし。クーから話は聞いてるよね?」 「はい」 「それじゃ、マンネリしてた性活にもハリが出てくるかな。毎日、おま○こ、おねがいね」 「……あ……あはは……」 つまり、あれだけ乱れた主人の相手を任せられたということになる。乾いた笑いも出ようというもの。 自分がバイブのような性的玩具としか思われてないのだろうか、とかそんな不安もよぎってしまう。 「お嬢さま……さっきの玩具と僕と、どっちが気持ちよかったですか?」 「バイブ」 即答。 「やっぱりね、あのバイブだけじゃないけど、女の子をいかせるためだけに作られた玩具って凄いよ?」 「そ……そうですか……」 撃沈。しかもマシロはうっとりとその場面を回想しながら語り始めた。 「おま○このなかとかグリグリほじられて、奥がブルブルして、クリちゃんもコシコシされてね。 ちょっと前にはバイブの上に拘束帯付けて耐久したんだけど、100回越えたところから意識とんじゃって! いくら興味があったからって『少なくとも3日は外さないでね』なんて命令しなければよかったよ……。 おま○こ穿られて善がって病院だなんて、あんなに恥ずかしい思いをしたのは生まれて初めてだったなぁ。 けど本当に凄いのは二本挿しだよね。前と後ろからおま○こされるのクセになっちゃって……」 ユーヤの付け入る隙を与えず、ただ自分だけの世界にのめり込んでのマシンガントーク。 恥ずかしがるように脚をもじもじさせるのは、恥ずかしいのではなく身体が火照り始めたからだろう。 再燃し始めた淫獣のそばにいるのは危険なのだが、当の少年はそれどころではない様子だった。 ユーヤはマシロにお金で買われた性奴隷だ。その立場は高級な玩具に過ぎない。 奴隷商人からもクローディアからも、マシロ嬢を性的に満足させるよう言いつけられていた。 性交には慣れていないとはいえ、商人から最低限の指導は受け、最低でも無機質な玩具には負けない、と……。 しかし、自分では足りないと言われ、少年の目に涙が浮かび始める。 「それじゃあ……僕は不要と……」 「え? そんなことないよ?」 涙ぐむ少年の顔に、マシロは擦り寄り、そっと口付けを行った。 淫らではない、本当に触れ合うだけの軽い口付け。そして頬にもキスの雨を降らせて。 終わる頃には、二人の顔は揃って赤く染まっていた。 「ほら……ね? おもちゃは私を愛してくれないでしょ?」 赤い瞳で少年を見つめながら、少女はそう呟いた。 「お嬢さまって、読心術を使えるんですか」 「ううん、そんな気がするだけ。けど、そんな理由じゃだめかな? 玩具は気持ちいいけど、けど生身の人間じゃなきゃ好きっていえないでしょ」 「……はい」 二人して頬を赤く染めて微笑みあった。……しかし頬を染める理由は少し違ったもので。 先ほど回想に耽ってから淫獣、ずっと火照ったままだ。 「えっちなこと考えたら、またしたくなっちゃった。おま○こしてほしいな」 「……え?」 赤い瞳で少年を見つめながら、少女はそう呟いた。 秘所を自分の手でくちゅくちゅと弄り、再び熱い吐息を出し始める。 誘惑するような声で少年の身体に擦り寄り、圧し掛かり、優しくしかし確実に押し倒していく。 ユーヤはそれに抵抗することもできず、なすがままにされてしまい…… □ そんなとき、マシロの耳がピクっと動いた。 「んっ…………お嬢さま?」 自分に圧し掛かりながら、玄関へ続くドアに注目するマシロを見て、ユーヤが声をあげる。 ぱたぱたと音を立てて誰かが家に入り込んできた。クローディアが帰ってきたのだろう。 しかし何か様子がおかしい。妙に慌てているような音がドアの向こうから聞こえてくる。 ドアが開いた。息を切らしたクローディアが、マシロとユーヤの前に現れる。 出かける前とは明らかに様子が異なり、慌てた様子で、どこか涙目で。 「大変申し訳ございません。その……私の手違いで『お嬢さまのほうが奴隷に』なってしまいました……」 床に平伏し、深々と頭を下げて呟くのは謝罪の言葉。 一瞬で場の空気が凍ってしまう。あっけにとられたような表情を浮かべるマシロ。 ユーヤに至っては、いったい何が起きたのかすら把握できていなかった。 「申請書の『所有物』と『所有者』の欄を、お嬢さまとユーヤさんの名前を逆に書いてしまいまして……」 所有者がユーヤで所有物がマシロ。 ユーヤもマシロも、やっと何が起きたのか理解しだしてきた。 「えっと、そんなのが、なんで受理されるの……?」 「それが、書類を受け取ったのがモルガンルフェイ様でして……」 マシロの目が点になる。無理もない。自分が主人、少年が奴隷となるはずが…… なぜか、自分が奴隷で少年が主人になってしまったわけだから。 「モルガンルフェイ様?」 「うん。アリアンロッドの魔女で……できないことはないってくらい凄いひと」 「申請、取り消せたりできないんですか?」 「無理だとおもう……。あんなモンスター級が介入しているのなら、ちょっと私でも手が出せないよ……」 モルガンルフェイ・アリアンロッド。 幾多の魔女の中でもトップクラスの美貌と才能と政治力を持った、まさに化け物級の存在だ。 不可能は無いと言われる彼女にとって、マシロを奴隷に貶めることも不可能では無かったのだろうか。 「……ところで、なんで顔が笑ってるんですか?」 「え?」 そんな事態にあって、マシロの表情は混乱したそれではなく、笑顔だった。 それも引きつった笑顔ではなく、何かを期待しているかのようなわくわくした表情。 クローディアは気付く。またお嬢さまが変なことを考えているのではないか、と。 「えっと、だって、私がユーヤの性奴隷になっちゃったわけでしょ?」 「はい。現在、書面上はそうなっているはずです」 「じゃあ私、ユーヤのおち○ちんが乾かないように、いつでもおま○こ開いてあげなきゃいけないんだよね?」 ……そうなるの? そうなるらしいです。 このお嬢さま、自分の立場より淫行を選びましたよ? そうなるらしいですね。 「なっちゃったものはしかたないよね。大切なのは、これからどうするかだし! どうセックスするかだし!」 「……えっと、お嬢さま……?」 「うへへ……安心して。絶対にエッチなことには不自由させないから……ん、はぁ……ぁ」 赤いギラギラとした瞳が少年を見つめている。 少年は思わず後ずさりするが、マシロはそんな少年ににじり寄りながら荒い息を呟いた。 「……うぅん……ご主人、これからよろしくね……。具体的には今から」 「その……僕、今はエッチなことに不自由はしていないのですが……」 マシロの秘所からは愛液と精液が交じり合った白い体液が漏れ出し、脚を伝って滴り落ちていた。 ギシっとソファが軋む音が響く。3人掛けのソファでは、逃げ場はそんなに広くは無かった。 「おねがい、ご主人。『お嬢さま』じゃなくて『マシロ』って呼び捨てにして……。 ううん、いっそのこと『メス奴隷』とか『おま○こ穴』とか『淫乱メス便器』って呼んでよぉ」 「お嬢さまっ! 今は遊んでいる場合ではっ!」 クローディアが制止する声も聞き入れず、マシロはユーヤに覆いかぶさっていく。 熱にうなされたような、興奮しているような、そんな熱く荒い息を吐きながら。 褐色の白兎は、目の前の獲物を味わうべく食事を開始した。 ■ 嘘つきウサギが召使いの物語 §1.嘘つきウサギが召使い ~fin~
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おまえはそこで―― ◆L62I.UGyuw みぞれ混じりの雪が降り注ぐ工場。 その敷地の一角、建ち並ぶ青い倉庫群の間に、雷が連続して炸裂する。 倉庫の陰からジャンパー姿の男が飛び出し、工場の中心へと走った。 すぐ背後を金色の怪物が追っている。 男は口の開いたデイパックを一つ手に持ち、それを思い切り振り回した。 工場周辺のそこかしこで見る人間大のドラム缶がどかどかとばら撒かれ、怪物の進路を塞ぐ。 転がるドラム缶を片腕で軽々と撥ね退け、怪物が哂った。 「かかっ、かかかかっ。ナガレよ、初めの威勢はどうしたァ? わしをブチ殺すんだろ? ちょこまか逃げてねーでかかってこいよ」 「ああ勿論、ブチ殺してやる――ぜっ、と」 工場の窓枠に足を掛け、流は明後日の方向にボールを放り投げた。 「ん? っとォ!」 ボールから刃が飛び出し、急転回して怪物に襲い掛かった。 ボールは身を引いた怪物の鼻先を掠めて飛び去り、しかしまた急旋回して怪物を狙う。 空を斬り裂き迫る凶器。 「ハッ、しゃらくせえ!」 それを怪物は事も無げに、まるで野球のボールを捕るが如く引っ掴んだ。 ぐしゃりとそのまま刃をものともせず握り潰す。 「くく、今のはちょっと面白かったぜ。んで、次はどうすんだ?」 掌から血をぼたぼたと垂らし、心底愉快そうに怪物が問う。 流は応えない。次々と外壁の梯子やパイプを跳び移りながら、工場の屋上へと逃れる。 その様子を見た怪物は、ふんと鼻を鳴らして、ただの一飛びで屋上まで達した。 流は上着のポケットに何かを仕舞っているところだった。 怪物が首を傾げる。 「何だよ、そりゃ?」 「これか? こいつァ、力が回復する薬、さ」 「ほー、便利なもん持ってんなァ。だがよ、ンなもん時間稼ぎにしかなんねェぞ」 怪物の指摘は正しい。 流の身体は既に傷だらけだった。 全身にいくつもの裂傷が走り、服や露出した皮膚が所々焼け焦げている。 息も少し上がっていた。 未だ大きな傷こそ負ってはいないが、いずれ体力が限界を迎えるのは目に見えている。 そうなれば、無慈悲な爪と牙が彼の身体を引き裂くだろう。 「ほれ、次ァどうするよ。坊主らしく念仏でも唱えてみるか?」 一方の怪物はといえば、多少の傷は負えどもまるで弱る様子を見せない。 舌なめずりをして、凄まじい妖気を発している。 だというのに、流の態度に焦りは見られなかった。 「念仏か。じゃァお言葉に甘えて、唱えてみようかね」 「あん?」 す、と顔の前に右手を持ってきて二本の指を立て、呪言を唱える。 すると貯水タンクの陰から細長い物が飛び出して怪物に巻き付き拘束した。 注連縄だ。 充分に法力が通してあるらしく、怪物の力でも容易には断ち切れない。 「チィィ、小細工を!」 怪物はたてがみを硬質化し注連縄を寸断する。 しかしそのときには既に、流は禍々しい漆黒の鞭――禁鞭を構えていた。 そして間髪入れず禁鞭の力を解放する。 貯水タンクの上半分が吹っ飛んだ。 屋内に繋がる扉が壁ごと粉砕される。 転落防止用の柵が飴細工のように纏めて折れる。 のたくるパイプの群れが根こそぎにされる。 漆黒の嵐が吹き荒れる中、鞭の一撃が怪物を頭上から激しく打ち据えた。 クッキーを砕くように床をブチ抜いて怪物の姿が消える。 衝撃に耐え切れず、屋上が崩壊していく。 のみならず、黒い暴風は工場の壁も設備も何もかもを打ち壊し薙ぎ払っていく。 永遠に続くかに見えた嵐は、しかし唐突に終息した。 時間にして僅か五秒。 僅か五秒で、屋上とその下のフロアは見る影もなく破壊されていた。 流は禁鞭を仕舞い、屋上に開いた大穴から階下を覗き込んだ。 直撃だ。 人間ならば確実に死んでいる。 いや、妖だろうと実体のない特殊な連中以外は無事ではいられまい。 しかし。 がら、と階下の瓦礫が動いた。 「ふん……まァそうだろうな」 がらがらと瓦礫の一角が崩れ、金色の太い腕が覗いた。 腕は瓦礫を纏めて力任せに吹き飛ばす。 そしてその下から怪物が現れた。 「今のが、奥の手かよ? ガ……ハァ……ハ、やるじゃねェか、流石に効いたぜ……。 だがよ、一発で仕留められなかったのは失敗だったなァ」 口から多量の血を吐きながらも、怪物は流を見上げて凄惨な笑みを浮かべた。 だが流は動じない。ごきりと首を鳴らす。 「いいや、これでいいのよ」 「ンだとォ?」 「これで――完成だからな」 工場内部へと飛び降りる。その寸前に、流は何かを屋上の床に打ち込んだ。 りん、と涼やかな鈴の音がやけに美しく響いた。 同時に、周囲の空気が一変した。 怪物が怪訝そうに辺りを見回す。そして床に降り立った流を睨んだ。 「こいつは……結界、か。ナガレ、てめえ、いつの間に――」 「はっ、オレが何も考えずに工場の周りを逃げ回ってるだけだとでも思ったのか? てめえだけは逃がす訳には行かねえんでな。ありったけの鈴と御幣で念入りに結界を張らせて貰ったぜ。 妖はもうこの工場に出入り出来ねえ。ここがてめえの棺桶だ。ただのバケモノにゃ、ちと贅沢過ぎるがな」 流の言に、怪物の目が大きく吊り上がった。 「逃がす……? 逃がすと言ったか? このわしを捕まえて『逃がす訳には行かぬ』だとォ!?」 たてがみがざわりと鋭く逆立つ。 「大口叩くじゃねェか、ニンゲン! 覚悟は出来てんだろうなァァ!」 どがん、と足元の瓦礫を蹴り飛ばし、大音声を響かせる。 薄笑いを浮かべて、流は錫杖を正面に構えた。 「覚悟だァ? ンなもんがなけりゃ戦えねえのはな、真っ当なヤツだけだ。 さあ、能書き垂れてねえでかかってきな、バケモン。 ――蹂躙してやるよ」 「はっ、上等ォォ!!」 発した叫びに追い付かんばかりの勢いで、金色の暴風が襲い来る。 瞬く間に両者の距離が詰まる。 「けえええええええええええええ!!」 体重を乗せ、力任せに爪を振り下ろす怪物。 対する流は両の錫杖を交差し、 「らァァァァァァァァァァァァァ!!」 正面から、止めた。 金属音が激しく響く。 「な、にィィィ!?」 「ぬぅぅぅぅん!!」 更に甲高い音。 弾かれ後退したのは、怪物の方だった。 片眉を大きく上げて低く唸る怪物。 「どうしたい? 人間に力比べで負けたのが、そんなに意外か?」 「……フン、ちと驚ェただけよ」 言うなり、再び鎌鼬にも負けぬ斬撃が放たれる。 今度は小さく鋭く横薙ぎに一閃。 流は錫杖一本で受け流す。 怪物は更に踏み込む。 姿勢を低めながら流の腹に目掛けて刺突。 流は身体を捻ってかわしつつ、怪物の胴に回し蹴りを叩き込んだ。 大きく間合いが離れる。 たたらを踏みつつも、流はすかさず破魔矢を放って追撃する。 怪物は避けようともせず左腕を盾に矢を止めた。 同時にたてがみから電撃を放つ。 バックステップで逃れる流。 好機と見たのか、怪物は鋭い奇声を上げて突進した。 流は口の端を微かに吊り上げた。 「孤月ッッ!」 叫び、錫杖を振り抜く。 法力が無数の三日月を形取り、怪物に飛来する。 「ぬゥゥオォォォォォ!?」 三日月が次々と怪物の身体に食い込んだ。突進が止まる。 その僅かな隙に、流は一気に間合いを詰めた。 そして修羅の形相で怪物の顔面を殴り抜く。 怪物は吹き飛び、空中で二回転して防火シャッターにめり込んだ。 「ぐ、ぬゥゥ……おかしいぞ、こんな……わしの身体が――」 「身体の動きが鈍い――ってか? あー、言い忘れてたぜ。 てめえがさっき握り潰したボールな、あれにゃ麻痺毒が塗ってあったのよ。 フツーなら一発で動けなくなるハズなんだがな。タフなヤツだぜ。 ……おい、どうしたよ。まさかオレが正々堂々と戦うとでも思ってたのか? 最初に言っただろうが。“てめえ”と戦いたいなんてこれっぽちも思わねえ、ってな」 隈取を大きく歪めて、怪物が流を睨み付ける。 たてがみが逆立ち、バチリ、と乾いた音が鳴った。 「この……たかが法力僧如きが……」 バチバチとたてがみの間に稲妻が飛び交う。 「調子に乗ってんじゃあねェぞ!!」 叫びと共に、それまでの様子見のものではない、全力の雷が放たれた。 幾千の光の蛇が流に襲いかかる。 到底避け切れるものではない。 しかし流は冷静に錫杖を翳し、何事かを唱えた。 光の蛇が錫杖を嫌うように次々とのたうって逸れる。 「何ィ!?」 「金気は木気を剋す。もう一つ言い忘れてたがな、ここに張った結界は五行の相剋を強化するモンでもあってよ。 まァ要するに――てめえの雷ァもう通じねぇんだよ」 がしゃん、と何処かでガラスの落ちる音がした。 流は無造作に怪物との距離を詰めていく。 「そう、かい……じゃあコイツは、どォだァァァァ!!」 怪物の咆哮が猛火と化し踊り狂う。 すかさず流は跳躍し、錫杖を天に翳した。 降り続くみぞれが錫杖から放たれる法力に絡め取られ、渦を成して流を護る。 炎は彼の周囲でとぐろを巻いて、しかし中心部には届かずにあっけなく消滅した。 「……水気は火気を剋す。諦めな、てめえなんかじゃオレは喰えねえ。 『とら』は――いや、『うしおととら』はな、もっともっと強かったんだぜ」 「オ、オォォォォォォ! 何を、訳の解んねェことをォォォ!!」 「……訳の解らんこと、か」 残念だぜ、本当にな。 消え入るように呟いて、流は錫杖を構え直す。 三度目の区切りを告げる放送が響き渡り始めた。 ********** 遠雷が、聴こえる。 「『月輪』を出すまでもなかったなァ。人間に見下ろされる気分はどうだよ、バケモノ」 倦んだ声が、瓦礫の山に響いた。 雨に濡れ血と煤に塗れた顔を袖で軽く拭い、流は長い溜息を吐く。 錫杖の先端が力なく下がり、水溜りに浸かった。 彼の前には、両腕両脚をもがれ、胴が半ばから千切れかけた怪物が転がっている。 怪物の体毛は、元の色が判らないくらいに汚れていた。 「何だ、おい。もうくたばったのかよ」 蹴り付ける。返答はない。 「ったくよお、こんな下らねえこと仕組みやがった神サマには、キチンとオシオキしてやらにゃならねえよな」 返答はない。 「……そう思うだろ?」 返答はない。 「なあ」 返答はない。 「…………ふ」 唐突に、流の口元が歪んだ。 「ふ……ひ、ひ、ひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひ。 ひ、ひゃはっはははははははははははははははははははははははははははははははははははは、は。 なあ」 ぐりん、と妖怪染みた動きで流は振り返った。 「いつまで覗いてんだ? 趣味悪ィぜ」 出て来いよ、と感情のない声をかける。 それに応えるように、防火シャッターに開いた大穴から、静かに人影が現れた。 それは流の攻撃によって高空から転落したはずの男、リン・ヤオだった。 細い目を更に細めて、無言で流を睨み付けている。 「あー、何だ、てめえか。よく生きてたな」 何の感慨もないといった口調で流は続ける。 「気分じゃねえんだ。殺さねえでおいてやるからよ、とっとと消えな」 遠くで稲光が走った。 流の姿が一瞬だけはっきりと照らし出される。 彼の顔からは、『人間』がごっそり削げ落ちていた。 「お前に戦う理由がなくても、俺にはあるんダ」 異様な流の様子にも怯まず、リンは決然と言葉を放った。 リンの右手には包丁。左腕は不自然に彼の背後に隠れている。 流は心底うんざりだといった態度で手をひらひらと振った。 「後ろに切り札でも隠してんのかよ? だがやめときな。どうせ、そいつでオレを殺せる自信がねえんだろうが。 でなけりゃ、さっさと奇襲をかけてただろ」 「やってみなければ、判らなイ」 言うと同時に、リンは包丁を構えて突撃してきた。 「馬鹿が」 下げていた錫杖を跳ね上げて右腕ごと包丁を弾き飛ばす。 更にがら空きの腹に無造作に蹴りを入れた。 リンは面白いように吹っ飛んで床を転がる。 その拍子に、隠れていた左腕が露わになった。 リンの左腕は、手首から先がなかった。 「あァ? 何だそりゃ――ガッ!」 身体の芯に鈍い衝撃が走った。 眼球を下に向ける。 腹から黒塗りの刃が生えているのが見えた。 「ぬ……うぉっ」 捻りを加えながら刃が引っ込んだ。 次いで右足首が灼熱した。 なす術もなくバランスを崩して、錆色の水溜りに倒れ伏す。 視界の隅に、斬り飛ばされた自分の右足と、血の滴る黒い剣を持つ手が映った。 手は宙に浮いていた。 「ンなの……アリかよ……」 呼気と共に、口から粘つく血の泡が吹く。 浮かんだ手がすいと空を滑り、立ち上がったリンの左腕に接続する様子を、流は出来の悪い手品を見る目で見ていた。 「エドがいなくて良かったヨ。あいつは優し過ぎるからナ」 冷静に、ほとんど冷酷と言ってもいい口調でリンが呟いた。 「腹の中を掻き回しタ。お前はもう助からなイ。だがすぐに死ぬこともなイ」 頭だけを動かして、流はリンの顔を見た。 「……なァんだ、よく見りゃ……まだガキじゃ、ねぇか。……く、く、オレもヤキが回った……みてえだなァ……」 「ナガレ――と呼ばれてたナ。その怪物とお前の間に、何か事情があったのは判ル。 多分、それはお前たちにとって重要なことだったんだろうとも思うヨ。それこそ他者の命を踏み躙ることも厭わないくらいニ」 だが。 リンは淡々と続ける。 「踏み躙られた者にとっては、そんなもの知ったことじゃないんダ。 お前の命は、俺が無意味に踏み躙ってやル。だから、殺した者の怨嗟の声に――」 軽く剣を振るい血を掃う。床に赤い月が描かれる。 「おまえはそこでおぼれてゆけ」 血の月輪の真ん中で、リンは流を見下ろし冷然と宣告した。 そしてそれきり一瞥もくれず立ち去っていく。 ぴちゃりぴちゃりと、足音が遠ざかっていく。 自分は死ぬのだ。 流は急速に、数学の問題の解法を見つけたときのように、ただ理解した。 身体から熱が去っていく。 死に向かう苦痛と悪寒すら感情を揺さぶらない。 もう、自分の中には何もない。 何も。 「……風がよ、やまねえ……な」 誰に語るともなしに、呟く。 ちらりと怪物の死骸に目を遣る。 「あァ――そういや、一つやっとかにゃならんことが……残ってた、ぜ」 そう。 そうだった。 このバケモノが存在した痕跡は、一片たりとも――。 流の全身が光り始める。 滅己術『捌』――自らの体内で法力をオーバーロードさせる、技とすら呼べない技。 「おい――おい、待てよ、ガキ。いいこと……教えてやらァ」 不穏な雰囲気を敏感に感じ取ったリンが振り向く。 「殺すんならよ……次はキッチリ息の根止めとけ、バァカめ」 流と目が合った。見た者の脳裏から一生涯離れないであろう黒々とした眼だった。 にィィ、と道化の笑みを浮かべる流。 リンは舌打ちをして脱兎の如く駆け出す。 直後、流の体内で法力が一気に増幅し――そして、全てを呑み込む白光が炸裂した。 遠雷が、鳴っている。 【秋葉流@うしおととら 死亡】 【とら@うしおととら 死亡】 【E-6/工場/1日目/夜】 【リン・ヤオ@鋼の錬金術師】 [状態]:バラバラ人間 [服装]: [装備]:降魔杵@封神演義 [道具]:支給品一式、浴衣、刺身包丁×2、安藤(兄)の日記、食糧3人分程度、固形燃料×10、チャッカマン(燃料1/3) [思考] 基本:エドと共にこの殺し合いを叩き潰す。 1:エドとウィンリィが心配。 2:グリードの部下(咲夜)を狙った由乃を無力化したい。 3:安藤(兄)に警戒と嫌悪感。 4:関口伊万里と鳴海歩に強い警戒と敵意。 [備考] ※原作22巻以降からの参戦です。 ※雪輝から未来日記ほか、デウスやムルムルに関する情報を得ました。 ※異世界の存在を認識しました。 ※リンの気配探知にはある程度の距離制限があり、どの気が誰かなのかを明確に判別は出来ません。 ※首輪にエネルギー吸収と送信機能があるかもしれないと疑っています。 ※ワープ出口の気配を何となく察しています。 ※安藤(兄)の日記は、歴代特撮ヒーローについて書いたようにしか見えないようになっています。 ※インターネットの使い方をおおよそ把握しました。 ※九兵衛の手記を把握しました。 ※流ととらの所持品は爆発に巻き込まれました。 流の所持品: 支給品一式×2(名簿一枚紛失)、仙桃エキス(8/12)@封神演義、禁鞭@封神演義 んまい棒(サラミ×1、コーンポタージュ ×1)@銀魂、PDA型首輪探知機、研究棟のカードキー×2、 双眼鏡、食料、女物の着替え、毛布、錫杖×2、詳細不明アイテム(工場の生産ラインより発見) とらの所持品: 支給品一式×7、再会の才@うえきの法則、砂虫の筋弛緩毒(注射器 ×1)@トライガン・マキシマム、逃亡日記@未来日記、 マスター・Cの銃(残弾数50%・銃身射出済)@トライガン・マキシマム、デザートイーグル(残弾数5/12)@現実 マスター・Cの銃の予備弾丸3セット、不明支給品×1、詳細不明衣服×?、万里起雲煙@封神演義 時系列順で読む Back 第三回放送 長き昼と快適な夜を Next 明日の朝日がないじゃなし 投下順で読む Back 第三回放送 長き昼と快適な夜を Next 明日の朝日がないじゃなし 151 あるるかん -虎乱- 秋葉流 GAME OVER 151 あるるかん -虎乱- とら GAME OVER 139 ガラクタの魂を鳴らす者(下) リン・ヤオ 171 狂い咲く人間の証明
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嘘つき兎が召使いの物語 外伝第1話 ここ兎の国アトシャーマにも、バレンタインデーらしき風習はあったりする。 元をたどれば、どこの国にも1年に1回くらいある親しい人に贈り物をするごく普通のイベントだったのだが、 猫国からの商業主義の波が到達してしまったことで、いくらか現金な風習となってしまった経緯がある。 「お嬢さま、もう少し火を強めますか?」 「う~ん。このままでだいじょうぶかな」 早朝、台所にて何やら調理をしているウサギが2人。小さいほうがマシロ嬢。大きいほうが従者のクローディア。 二人してお揃いの花柄エプロンを身につけ、コンロの前で何やら白い液体を煮詰めていた。 そして漂う“クリの花”の香り。 「ふぁあ……いいにおい……」 もはや漂うというよりもあたりに充満していると表現するほうが正しいくらいだが。 マシロは木ベラを手に、白くどろっとした液体が焦げないように片手鍋を揺らしている。 いまマシロが作っているのは、親しい人にプレゼントするためのチョコレートだった。 今行っているのはチョコレートに入れる隠し味。 しかし、そのまま入れると味は隠せても匂いが隠せないので、煮詰めて匂いを飛ばそうとしているのだった。 すぐ横には刻んだチョコレートが用意されている。匂いが飛んだら鍋に入れて溶かすのだ。 「んっ……ん……」 そして漂う“クリの花”の香り。 匂いに当てられたのか、マシロ嬢の頬もいくらか赤く、吐息も艶めかしいものになり始めていた。 強烈な香りがあたりを満たし、肌にしっとりと染み込んできているような錯覚さえ受ける。 きっと今日のおふろまで匂いは取れないんだろうな、と二人はそれぞれ思った。 「……お嬢さまがそうやっている姿を見るのは、初めてですね」 「ふぇ?」 後ろからマシロを見守っていたクローディアが、ふと呟いた。 マシロは手は止めずに、きょとんとした表情で後ろを振り返る。 「いえ。お嬢さまが薬の調合を行っている姿、そういえば私は記憶にないなと思いまして。 それに……魔女は、にやりと笑いながら鍋をかき混ぜているというイメージがあったのですが……」 「あはは。調合っていっても大鍋をかき混ぜるとかってあまりないよ」 「あら、そうですか。すみません」 「それに、私は調合が専門じゃないから薬はあまり作らないし……本家にいたころは結構作ってたけどね」 「本家のころですと、私が赴任される前ですか。ならおそらく見たことはないですね」 “本家”はマシロの実家。今マシロたちが住んでいるのは、本家から離れたところに建つ小さな家だ。 2階がマシロの作業部屋、通称“アトリエ”。 魔女の秘密がいっぱい詰まった秘密基地。迂闊に入るとヒドイ目に遭うので止めておくべきだ。もちろん性的な意味で。 性的に暴力的な才能を発揮するウサギがなお“酷い”と形容する仕打ち……普通の人が想像できなくても無理はないだろう。 「じゃあ……久々に作っちゃおっかな。超強力な媚薬とか。 クーがおま○こぐちゅぐちゅにしてエッチな声で誘うの、最近みてなかったしね」 「私が実験台になること前提ですか。薬で乱れるのはあまり本意ではないのですが……」 「薬使うと、頭の中が ラ ヴ でいっぱいになるよ?」 「……うっ。それはそれで喜ばしいような」 クローディアの頬も、マシロ同様ほんのりと朱に染まっていた。 きっとあたりに立ち込めるクリの花の香りに当てられたのだろう。 この匂いを嗅いで興奮しないウサギなんているのだろうか。二人の頭の中は、すでに精液のことでいっぱいだ。 早く作り終えておま○こしたいなぁ……なんて考え始めているに違いない。違いないったら違いない。 「あ、お嬢さま。そろそろ良いのではないでしょうか」 「は~い」 鍋の白い液体は沸騰まぎわだった。 ねっとりした液体が泡立つ光景はトラウマになりそうだが、匂い消しはもうそろそろ頃合だろう。 火を止めて、細かく切っておいたチョコレートをざらざらと流し込んでいく。 白い液体に茶色の固形物が混ざり、何ともいえない色合いを醸し出している。 これから、チョコが溶けて色むらが無くなるまで木ベラで混ぜていくのだ。 「……えへへ。ちょっとだけ味見してもいいかなぁ」 「ちょっとだけ、ですよ?」 「は~いっ!」 ヘラに付いた熱いチョコの液体を息で冷ましながら、マシロは顔をほころばせる。 ちろっと伸ばした舌が、木ベラを軽く掠めて……。 「う~まいっ!」 テーレッテレー! 「ふふ。味はちょうど良さそうですね」 「うんっ。良い感じになってるよ。……あ、でも、もうちょっと甘いほうが好みかなぁ」 「それじゃあ、粉砂糖をまぶしたらちょうどいいでしょうか」 「うんうんっ!」 出来上がりを楽しみに思いながら手を動かしていく。 次第に混ざり合う白と茶色に、わくわく感はどんどん膨らんでいった。 相変わらずあたりにはザーメンの凄まじい悪臭が充満していたが。 □ 数刻の後。精液臭の充満するマシロ亭ダイニングキッチン。 チョコは既にバットに流し込まれ冷蔵庫の中。あとは冷えるのを待って、切り分けて粉砂糖を塗せば完成だ。 「あっ! あはっ! クー、そこっ! そこぉ!」 甲高い嬌声が響き渡る。 椅子に座ったクローディアの上にさらにマシロが腰掛けた形。 マシロは背中をクローディアに預け、股間をまさぐる相手の指に陶酔している。 「お嬢さま、イき急いではいけません……もっと深く感じてください……」 「うんっ! あっ! あっ! ゆびっ! ゆび、すごいのっ!」 クローディアの中指が、マシロの中に埋められ、Gスポットをひたすら擦り上げていた。 親指の付け根で肉豆を揉むように圧迫し、股間全体に愛撫をくわえていく。 左手は、マシロの左足を高く上げさせて抱きかかえるように拘束し、さらに小さな胸を揉みしだいている。 マシロは口から唾液を、足の付け根から愛液を滴らせ、与えられる快感に酔いしれていく。 限界はあっというまにやってくる。 「ああっ! あっ! あ゛っ! あ゛っ! あ゛っ!」 断続的な悲鳴をあげて、マシロが身体を痙攣させた。 秘所から吹き出した潮が、クローディアの手のひらに当たってびちゃびちゃと音を立てている。 クローディアは、自分の膝からマシロが転げ落ちないように、優しくマシロの身体を抱きしめた。 そして膣肉がくわえ込む指を、さらに大きく動かして、マシロの雌穴をぐちゃぐちゃにしていく。 「クーっ! くーっ! ゆびとめてっ! イってるっ! いってうっ!」 「お断りいたします、お嬢さま……。私の指で、存分にお狂いください……」 「うあああっ! くるうううっ! おかしくなううっ! くうううっ!!」 頭を振りながら必死に快感から逃れようともがく小さな少女を愛しく想い、 クローディアは膣内をまさぐる指を3本に増やす。 「ふぁああああああっ!! あああっ! ああっ! ああああああああっっっ!」 増やされた指をぎゅっと締め上げながら、マシロは絶叫した。 □ 絶頂地獄から解放されたころには、マシロの腰は完全に砕けてしまっていた。 半ば放心状態でぐったりしている。目には涙、口には涎、顔は上気し肌には汗が、 そして二人の股間は、マシロから吹き出した潮でびしょびしょに汚れていた。 スカートを脱いでいたマシロは兎も角、クローディアは着替える必要があるだろう。 「……すみません。少々やりすぎてしまいました。 その……最近、お嬢さまはユーヤさんとばかり戯れていらっしゃいますので」 クローディアはクローディアで、悶々と溜まっていたものがあったらしい。 ちなみに今の情事は、今だあたりに濃く立ち込める精液の臭いがトリガーだった。 どんな兎といえどもザーメン臭を嗅がされて正気でいられるわけがない。本能がくすぐられてしまうのだ。 二人ともそれを承知で、チョコに入れようなどと考えてしまったのであるが。 くたっと手足から力を抜き、自分に身を預けてくるマシロを今一度いとおしく想い、 クローディアは自らの主人の大きな兎耳に、そっと口付けを行った。 「おはようござ……うぐっ!」 マシロの部屋のドアが開き、パジャマを来たヒトの少年が姿を現す。 ユーヤが起きてきたのだ。微妙にお寝坊さんなのは、他ならぬマシロ嬢のせいだろうか。 そのユーヤは、挨拶もそこそこに立ち込める精液臭に顔をしかめている。 「何ですかこの臭いは……」 「あ、すみません。生チョコを作っていたものでして」 「……まさか、チョコに、精液ですか……」 唖然とするユーヤ。 対してマシロとクローディアは、そろって一瞬きょとんとした表情を浮かべ、 そして二人揃ってくすくすと笑い出していた。 今度はユーヤがきょとんとする番だった。クローディアが笑いながら解説していく。 「精液? いいえ、アフアです。南国で採れるくだものですよ」 「えへへ。もしかして精液のほうがよかった?」 「……いえ、普通のくだものならば良いんです。……精液はちょっと勘弁してください」 アフアの実。 南方原産のくだもので、搾った汁は見た目・質感・臭いともに精液と酷似しているという性的に困った特徴がある。 ただ、ちゃんと味は甘いらしい。食べた人によると食感はまろやかで、味はバナナとリンゴの中間くらいだとか……。 本来は南国の果物なので、ここ極寒の地アトシャーマではあまり見かけることのない本当に貴重な一品だったりする。 誰かに渡すプレゼントとしては最適……なのだ。うん。たぶん。きっと。 ともかく、精液ではなかったことにユーヤは安堵の溜め息をついた。 しかしマシロは何やら不満なようで。 「えー!? 精液キライなんだ。おち○ちんミルク、クセあるけど美味しいのに……」 「お嬢さま。人の好き好みに文句を言ってはいけませんよ」 「う~ん……」 クローディアが、マシロの頭を優しく撫でながら嗜めている。 マシロは幾らか何かを考えていたようだったが、ほっとクローディアの膝から飛び降りて。 「……ご主人。それじゃ、えっちなこと、しちゃおうか」 ユーヤの身体にぽふっと抱きつきながら、そう呟いた。 「っ!? お嬢さまっ!?」 「だいじょうぶ。ユーヤにせーえきの味を教え込もうなんて、ちっとも思ってないよっ!」 「ぜんぜん信用できませんっ! それから、なんで下が真っ裸なんですかっ! それと腰振らないでくださいっ!」 先ほどクローディアとナニしてたままの、下半身に何も身に着けていないマシロ。 ユーヤの身体に抱きついたまま、円を描くように腰を踊らせて誘惑している。 「クー、チョコ、よろしくね」 「はいお嬢さま。後はお任せください」 クローディアも椅子から立ち上がり、情事でしわしわになったスカートを手で直す。 マシロの体液が染み込み、おもらししたようにも見えてしまうが、まあ気にしない気にしない。 「お嬢さまっ! 僕、まだ朝ごはんも……」 「やだぁご主人。朝ごはんは“私”だよ? おま○こ、いっぱい味あわせてあげるからね」 顔を赤くしながら、ぐいぐいとユーヤの身体を押していくマシロ。 ユーヤはそのまま流されるようにマシロの部屋へと連れ込まれてしまい、そしてドアが閉じられた。 鍵が掛かる音も聞こえる。ついでにユーヤの可愛らしい悲鳴も聞こえてきた気がする。 「さて……お鍋を片付けちゃいましょうか」 チョコが冷えるまで、まだだいぶ時間があるだろう。 クローディアはコンロの上に置かれたままの、片手鍋を手に取った。 いくらか冷めかけのチョコが、少しだけ鍋の底に残っている。 そっと指ですくい、味見がてら舌で舐めとった。 「…………ちょっと臭い抜きが足りませんでしたか。 それに、もう少し入れても良かったかもしれませんね。お嬢さまのラブジュース」 それでも舌の上でとろけるような美味しさが広がっていた。 チョコが出来たらみんなで分けて食べよう。 いつもと同じの、けどいつもとはちょっと違う光景を思い浮かべ、 クローディアは笑みをこぼした。 ■ 嘘つきウサギが召使いの物語 §外伝1.生臭い贈りもの ~fin~