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【咲-saki-】憧「阿知賀が共学化!?」京太郎「笹食ってる場合じゃねえ!!」 http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1369494054/ 【咲-Saki-】憧「阿知賀が共学化!?」京太郎「ちくわしか持ってねえ!!」 http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1372777238/ 【咲-Saki-】憧「阿知賀が共学化!?」京太郎「鯖じゃねえ!!」 http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1374246035/ 【咲-Saki-】憧「阿知賀が共学化!?」京太郎「ここで満足するしかねえ!!」 http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1376035968/ 【咲-Saki-】憧「阿知賀が共学化!?」京太郎「テレビもねえ!ラジオもねえ!!」 http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1377655737/ 【咲-Saki-】京太郎「あの地球人のように」憧「阿知賀が共学化!?」 http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1378449000/ 【咲-Saki-】京太郎「冬のナマズみたいに」憧「阿知賀が共学化!?」 http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1379315731/ 【咲-Saki-】京太郎「メロスのように」憧「阿知賀が共学化!?」 http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1380663596/ 【咲-Saki-】京太郎「エロ同人みたいに」憧「阿知賀が共学化!?」 http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1382205359/ 【咲-Saki-】京太郎「閃光のように……!!!」憧「阿知賀が共学化!?」 http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1383414955/ 【咲-Saki-】憧「阿知賀が共学化!?」京太郎「XENOGLOSSIA」 http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1384583522/ 【咲-Saki-】憧「阿知賀が共学化!?」京太郎「pure rouge」 http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1386062084/ 【咲-Saki-】憧「阿知賀が共学化!?」京太郎「Cool×Sweet」 http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1387095639/ 【咲-Saki-】憧「阿知賀が共学化!?」京太郎「-IL TEATRINO-」 http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1388335520/ 【咲-Saki-】憧「阿知賀が共学化!?」京太郎「~おかわり~」 http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1389323060/ 【咲-Saki-】京太郎「シュシュッと」憧「阿知賀が共学化!?」 http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1390243064/ 【咲-Saki-】京太郎「まるっと」憧「阿知賀が共学化!?」 http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1391185556/ 【咲-Saki-】京太郎「カカッっと」憧「阿知賀が共学化!?」 http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1392086267/ 【咲-Saki-】京太郎「も~っと」憧「阿知賀が共学化!?」 http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1394033673/ 【咲-Saki-】京太郎「ズバッと」憧「阿知賀が共学化!?」 http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1395072006/ 【咲-Saki-】憧「阿知賀が共学化!?」京太郎「アルティメット」 http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1396544144/ 【咲-Saki-】憧「阿知賀が共学化!?」京太郎「サバイブ」 http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1397666381/ 【咲-Saki-】憧「阿知賀が共学化!?」京太郎「キング」 http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1399036632/ 【咲-Saki-】憧「阿知賀が共学化!?」京太郎「エクストリーム」 http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1400854154/ 【咲-Saki-】憧「阿知賀が共学化!?」京太郎「インフィニティ」 http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1402592752/ 【咲-Saki-】憧「阿知賀が共学化!?」京太郎「再生怪人」 http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1405952881/
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未完・打ち切り他の非安価スレ 可能な限りまとめてますが、抜け等ありましたら自由に追加していってください。 もし復活したシリーズ等ありましたら確認次第現行スレ一覧に移します。 【咲-saki-】京太郎「二年生になったわけだが」咲「うん」 【咲】京太郎「出会いが欲しい」憧「お金が欲しい」【非安価】 京太郎「超影の薄い俺と麻雀」 【咲SS】京太郎「京太郎アレコレ」【短編集】 【咲-saki-】京太郎「 K & M」 京太郎「イチャイチャ」 京太郎「活動日誌?」【咲】 【京一SS】一「ボクの京太郎に手を出さないでよ!」純「…は?」 [不定期]須賀京太郎SS短編集[基本非安価] ハーレムスレより 京太郎「君が望むレジェンドに」 洋榎「なぁ、京太郎」 京太郎「何?」 京太郎「操り人形よ、糸を切れ」 京太郎「あいつ、エロくね?」 【咲-Saki-】京太郎「玄さんとのおもち戦争」【京玄】 【咲-Saki-】京太郎「静かに待つ身に憧れて」 京太郎「どうも、貴女のKYOです☆」咲「ドンペリもう一本♪」 京太郎「美穂子姉さんは」美穂子「ぽんこつ?」【咲】 郵便配達員「須賀さんお手紙が届いてます」京太郎「はーい」 【SS】咲「やっぱり京咲がナンバーワン!」京太郎「?」 京太郎「俺が彼氏で」和「私が彼女」 京太郎「もし俺が姫松高校に通っていたら」 京太郎「わりとお金持ち」 京太郎「わらう顔が見たいから」 京太郎「昏睡レイプ 野獣と化した先輩」まこ「大胆な告白は女の子の特権」 優希「京太郎、好きだじぇ…」 京太郎「……優希に告白する」 咲「京ちゃん」京太郎「ん?」 京太郎「咲-Saki SS」 京太郎「もしものifの異世界」【咲-saki-】 京太郎「早漏がひどい」 [咲-saki-] 京太郎「俺の彼女はふくよかアナウンサー」 【咲-saki- 】京太郎「麻雀郷?」咲「そうよ、京太郎さん」【東方】 【咲SS】久「お母さんが再婚した...」【京太郎スレ】 久「何か食べたいわねぇ」 京太郎「また買出しッスか」 【R-18】京太郎「男女の価値観が逆転した世界?」 R18 京太郎「哩姫調教日記」 京太郎「原村部長は仏頂面」和「はいはい」 フィレモン「名前を名乗れるかな」京太郎「だが断る」 咲-Saki- クロスSS - 【咲-saki-】憧「阿知賀が共学化!?」京太郎「笹食ってる場合じゃねえ!」 京太郎「阿知賀のレジェンド」 胡桃「あなたが例え、誰であろうと」 すこやん「くらえーアラサーズミキサー」京太郎「ぐああああ!!!」 京太郎「断片集」 京太郎「須賀君と××さん」 咲・優希「好きです!」京太郎「えっ」 京太郎「これが今の俺に出来る最高の和了だ……!」 【咲-Saki-】京太郎「もう一度、やり直す」 【咲-saki- 短編SS】京太郎「喼急如律令!」まこ「極楽へ送ってやるけぇ!」 怜「…男の子?」京太郎「まぁ、見ての通り…」 【咲SS】京太郎「ギアスで幼なじみにエロイことする」【エロ注意】 京太郎「目の前に俺がいる...」 【R-18】京太郎「やめろ?」 咲「私に任せて京ちゃん!!」【18禁エロ】 咲「駅まで送ってくれないかな?」京太郎「朝の五時なんだけど」 和「須賀くん、私とデートをしましょう!」京太郎(なんだとぉ!?) 咲「しょーとしょーと」京太郎「あらかると?」 京太郎「おっぱい…」 咲「なんですか、この飲み物?」 【咲-saki-】京太郎「二年生になったわけだが」咲「うん」 【咲-saki-】京太郎「二年生になったわけだが」咲「うん」 【咲】京太郎「出会いが欲しい」憧「お金が欲しい」【非安価】 【咲】京太郎「出会いが欲しい」憧「お金が欲しい」【非安価】 京太郎「超影の薄い俺と麻雀」 京太郎「超影の薄い俺と麻雀」 【咲SS】京太郎「京太郎アレコレ」【短編集】 【咲SS】京太郎「京太郎アレコレ」【短編集】 【咲-saki-】京太郎「 K & M」 【咲-saki-】京太郎「 K & M」 京太郎「イチャイチャ」 京太郎「イチャイチャ」 京太郎「活動日誌?」【咲】 京太郎「活動日誌?」【咲】 【京一SS】一「ボクの京太郎に手を出さないでよ!」純「…は?」 【京一SS】一「ボクの京太郎に手を出さないでよ!」純「…は?」 [不定期]須賀京太郎SS短編集[基本非安価] 【不定期】須賀京太郎SS短編集【基本非安価】 ハーレムスレより ハーレムスレより 京太郎「君が望むレジェンドに」 -京太郎「君が望むレジェンドに」 京太郎「君が望むレジェンドに」 京太郎「君が望むレジェンドに」灼「その2だとおも...」 洋榎「なぁ、京太郎」 京太郎「何?」 -洋榎「なぁ、京太郎」 京太郎「何?」 洋榎「なぁ、京太郎」 京太郎「何?」 洋榎「なぁ、京太郎。2スレ目やって!」 京太郎「へぇ」 京太郎「操り人形よ、糸を切れ」 -京太郎「操り人形よ、糸を切れ」 京太郎「操り人形よ、糸を切れ」 京太郎「限りなく黒に近い灰色」 京太郎「鼓動する星 ヤタガラスのための狂詩曲」 京太郎「あいつ、エロくね?」 京太郎「あいつ、エロくね?」 【咲-Saki-】京太郎「玄さんとのおもち戦争」【京玄】 【咲-Saki-】京太郎「玄さんとのおもち戦争」【京玄】 【咲-Saki-】京太郎「静かに待つ身に憧れて」 【咲-Saki-】京太郎「静かに待つ身に憧れて」 京太郎「どうも、貴女のKYOです☆」咲「ドンペリもう一本♪」 京太郎「どうも、貴女のKYOです☆」咲「ドンペリもう一本♪」 京太郎「美穂子姉さんは」美穂子「ぽんこつ?」【咲】 京太郎「美穂子姉さんは」美穂子「ぽんこつ?」【咲】 ※ハーメルンでリメイク 郵便配達員「須賀さんお手紙が届いてます」京太郎「はーい」 -郵便配達員「須賀さんお手紙が届いてます」京太郎「はーい」 郵便配達員「須賀さんお手紙が届いてます」京太郎「はーい」 【咲-Saki-】豊音「京太郎君!お手紙だよー!」京太郎「2通目だな」 【SS】咲「やっぱり京咲がナンバーワン!」京太郎「?」 -【SS】咲「やっぱり京咲がナンバーワン!」京太郎「?」 【SS】咲「やっぱり京咲がナンバーワン!」京太郎「?」 【SS】照「やっぱり京咲はナンバーツー!」京太郎「?」 【SS】菫「やはり京咲はナンバースリーか」京太郎「?」 優希「やっぱり京咲はナンバーフォーだじょ!」京太郎「?」 和「やっぱり京咲はナンバーファイブですね」京太郎「?」 久「やっぱり京咲はナンバーシックスだわ」京太郎「?」 京太郎「俺が彼氏で」和「私が彼女」 京太郎「俺が彼氏で」和「私が彼女」 京太郎「もし俺が姫松高校に通っていたら」 京太郎「もし俺が姫松高校に通っていたら」 京太郎「わりとお金持ち」 京太郎「わりとお金持ち」 京太郎「わらう顔が見たいから」 京太郎「わらう顔が見たいから」 京太郎「昏睡レイプ 野獣と化した先輩」まこ「大胆な告白は女の子の特権」 京太郎「昏睡レイプ 野獣と化した先輩」まこ「大胆な告白は女の子の特権」 優希「京太郎、好きだじぇ…」 優希「京太郎、好きだじぇ…」 京太郎「……優希に告白する」 京太郎「……優希に告白する」 咲「京ちゃん」京太郎「ん?」 咲「京ちゃん」京太郎「ん?」 京太郎「咲-Saki SS」 京太郎「咲-Saki SS」 京太郎「もしものifの異世界」【咲-saki-】 京太郎「もしものifの異世界」【咲-saki-】 京太郎「早漏がひどい」 京太郎「早漏がひどい」 [咲-saki-] 京太郎「俺の彼女はふくよかアナウンサー」 京太郎「俺の彼女はふくよかアナウンサー」 【咲-saki- 】京太郎「麻雀郷?」咲「そうよ、京太郎さん」【東方】 【咲-saki- 】京太郎「麻雀郷?」咲「そうよ、京太郎さん」【東方】 【咲SS】久「お母さんが再婚した...」【京太郎スレ】 【咲SS】久「お母さんが再婚した...」【京太郎スレ】 久「何か食べたいわねぇ」 京太郎「また買出しッスか」 久「何か食べたいわねぇ」 京太郎「また買出しッスか」 【R-18】京太郎「男女の価値観が逆転した世界?」 【R-18】京太郎「男女の価値観が逆転した世界?」 R18 京太郎「哩姫調教日記」 R18 京太郎「哩姫調教日記」 京太郎「原村部長は仏頂面」和「はいはい」 -京太郎「原村部長は仏頂面」和「はいはい」 京太郎「原村部長は仏頂面」和「はいはい」 京太郎「原村部長は」優希「おっぱい大明神」和「しばきますよ?」 京太郎「原村部長は!」咲「かわいいなぁ!」和「……むぅ///」 京太郎「原村部長は」ムロ「いつもお疲れ様です」和「本当ですよ……」 フィレモン「名前を名乗れるかな」京太郎「だが断る」 咲-Saki- クロスSS - 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1 名前:プロローグ[saga] 投稿日:2013/05/26(日) 00 00 54.33 ID 31bSCGEDo 風の噂で、奈良の山奥にある知る人ぞ知るお嬢様学校が来年度から共学化するらしい――と聞いた。 ので、 勉強した。 勉強した。 勉強した。 吐血した。 が、 勉強した。 で、 受験した。 ら、 合格した。 ので、 須賀京太郎15歳。 この春から阿知賀学院の生徒になります。 ヒャッッッッッホホオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオウ。 2 名前:プロローグ[saga] 投稿日:2013/05/26(日) 00 05 15.89 ID 31bSCGEDo …… ………… ……………… 京太郎「あ゛ー、やっと終わった……」 そして4月4日。 入学式を翌日に控えたこの日、俺は奈良への引越しを完了させた。 最後の荷物を片し、開いた窓から外の景色を眺める。 山。 山しかねぇ。 長野も大概田舎だが、こちらも負けず劣らずといった風情だ。 京太郎「……」 これまでの15年を過ごした故郷を離れ、独り。 これからの3年をこの町で過ごす。 両親には当然の如く反対された。 でも俺は諦めなかった。 諦める訳がなかった。 何故なら、 この進学は普通の期待値では測れない――俺の薔薇色の高校生活が懸かっているのだから!! 4 名前:プロローグ[saga] 投稿日:2013/05/26(日) 00 07 35.41 ID 31bSCGEDo 俺は戦った。 やれ自主性がどうとか、やれ人生経験がどうとか。 己のゲスな本音は包み隠し、もっともらしい言葉を総動員させ、決死の説得を重ねた。 その結果、渋々ながらも奈良での一人暮らしを認めさせるに至ったのだ。 もちろん、心残りがないと言えば嘘になる。 特に心配なのは、長野に置いてきたペットと幼馴染みのことだ。 京太郎「母さん、ちゃんとエサやってくれてるかな……咲に」 などとボケてもツッコミは返ってこない。 どころか、カピも咲も、しばらくは頭を撫でてやる機会さえないのだと考えたら、やはり寂しい。 しかし何も今生の別れという訳ではない。 門出にはそれなりの愁嘆場もあったが、出来ればゴールデン・ウィークに、無理でも夏休みには帰省するつもりだ。 だから、 京太郎「それまで元気で待ってろよ、咲――!」 春の空に、あの花の咲いたような笑顔を思い浮かべ、俺も笑った。 京太郎「あ、こっち西だ」 長野と逆じゃねぇか。 5 名前:プロローグ[saga] 投稿日:2013/05/26(日) 00 08 43.12 ID 31bSCGEDo 京太郎「……お?」 その時。 ウオオー! ウオオー!> なんか聞こえた。 これは……声か? 俺から見て右手――麓の側から聞こえてくる。 気になってそちらに目を向けていると、10秒も経たない内に音の出所と思しき影が見 ???「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」ドヒューン えなくなった。 京太郎「………………速ッ!?」 なにやだこわい。 今、猛烈なスピードで俺の視界を横断したのは……人? 獣? 辛うじて二本足で走っていたように見えたから、恐らく人間だろうけど。 それにしてもなんつー勢い。怖いわもー。 お陰様で感傷ムードも霧散しちまったし、日用品の買い出しにでも行こうかな。 7 名前:プロローグ[saga] 投稿日:2013/05/26(日) 00 10 06.83 ID 31bSCGEDo と。 更に、その時。 オーイ! チョットマッテー!> またなんか聞こえた。 今度は人の声だと分かった。 反射的に、窓を閉めようとしていた手が止まる。 さっきと同じ方向。距離は近い。常識的な速度で足音が迫る。 そして、 ???「こーらー! 待ちなさいってばー!!」 声の主は女の子だった。 しかも、めちゃくちゃ可愛い。 髪は薄桃色で両側に細い房を作った、いわゆるツーサイドアップ。 それが明るく春めいたファッションによく馴染んでいる。 言い方は悪くなるが、こんな山奥にあんな垢抜けた子がいるんだなぁ、という印象を受けた。 8 名前:プロローグ[saga] 投稿日:2013/05/26(日) 00 12 17.17 ID 31bSCGEDo そんな美少女が今、俺のアパートの真ん前で立ち止まり、乱れた息を整えている。 ???「はぁ、はぁ、はぁ……っもー! 一人でどこまで行く気なのよあの体力バカは!?」 忌々しげに声を荒げる彼女は、多分あの未確認暴走物体の関係者なんだろう。 俺から見て左手――頂の側を睨んでいる。 ???「大体あたしが付き合うって言ったのはあくまで散歩で、ランニングや登山じゃないっての! ったく……」ブツブツ 耳に届く言葉の端々から、女の子の気の強さがバシバシ伝わってくる。 見かけによらず結構キツい性格をしているのかもしれない。 ま、あのルックスならそれでも余裕でお釣りが返ってくるけどな。 ???「……はあ。行こ」 やがて諦めがついたのか、女の子がまた歩き出す。 もう自分から追いつくつもりはないらしい、のんびりとしたペースで。 一部始終を見ていた俺の存在にはついぞ気付かないまま、ゆるやかな坂の向こうに去っていった。 その間、俺の目は小気味よく左右に振られる少女の小尻に釘付けだった。 9 名前:プロローグ[saga] 投稿日:2013/05/26(日) 00 17 52.16 ID 31bSCGEDo しばらくして。 我に返った俺は、ほぅと溜め息をこぼした。 京太郎「可愛い子だったなぁ……」 地元の子かな? 歳は俺と同じくらいだろう。 ちょっと遊んでそうな外見はマイナス要因と言えなくもないが、総合的には十分プラスだ。 京太郎「あんな子と仲良くなれたら……」 それだけで、俺が理想とする薔薇色の高校生活は約束されたようなものだ。 京太郎「……よし」 燃えてきた。 なんせ明日から通うのは元お嬢様学校。 やまナシ・落ちナシ・意味ナシで幕を閉じた中学時代とは比べものにならないほど恵まれた環境だ。 あの子レベルは難しくても、無限に近いチャンスと選択肢が待っている! ……はず! 京太郎「頑張るぞ、おーーーっ!!」 希望に満ちた新生活に向け、俺は気合いの声を上げた。 ら、 外を通りかかった幼女に白い目で見られた。 メゲるわ。 【TO BE CONTINUED...】
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362 名前:4月15日(月)[saga] 投稿日:2013/07/10(水) 00 43 31.33 ID zTTzBOcMo キーンコーン カーンコーン キーンコーン カーンコーン 京太郎「新子さーん、一緒にメシ食べ」 憧「ない」 京太郎「よな」 轟沈。 ちくしょう、今日も購買のパンで一人メシか…… そろそろクラスに男子の友達が欲しいなぁ…… 麻雀部に入ってなかったら即死だったぞ。孤独で。 とにかく今は腹が減った。 人気のパンが売り切れる前に購買へ急がねば。 そう思って立ち上がった――その時である。 ガラッ 穏乃「憧ー京太郎ーいるー?」 368 名前:4月15日(月)[saga] 投稿日:2013/07/10(水) 00 55 17.14 ID zTTzBOcMo 憧「しず?」 京太郎「の?」 穏乃「あ、いたいた。やほー」トテトテ 制服姿の穏乃が手を振り振りこちらへ近付いてくる。 ……ここは学校で、今は昼休みなのにわざわざ「制服姿の」とか書かなくちゃいけないのってどうなん? 憧「どうしたの? 今からそっち行こうと思ってたのに」 穏乃「んーちょっとね」 と言って穏乃が俺の方を向く。 穏乃「ね、京太郎はごはん食べた?」 京太郎「いやまだだけど。つか昼休み始まったばっかじゃねーか」 穏乃「だよね! 良かった~」 ホッと胸を撫で下ろす。 俺が餓えてるのがそんなに喜ばしいかこの美少女め。 371 名前:4月15日(月)[saga] 投稿日:2013/07/10(水) 01 12 54.92 ID zTTzBOcMo 穏乃「ねぇねぇ、良かったら一緒にごはん食べない?」 京太郎「ひょ?」 憧「は!?」 なんて? 今なんて? 京太郎「……一緒に?」 穏乃「うん!」 京太郎「……穏乃と?」 穏乃「そう! それに麻雀部のみんなで!」 憧「え゛、ちょっと待ってしず。みんなって、まさか……?」 穏乃「もちろん憧も一緒だよ? 決まってるじゃん」 憧「決まってなーい! いつ誰が決めたのよ!?」 穏乃「えと、昨日の内に私と玄さんと、宥さんと灼さんで」 憧「つまりあたし以外全員じゃない!? なんであたしにだけ教えないのよ!」 穏乃「言ったら絶対に嫌がるから黙っとこうって灼さんが」 憧「ぐぬぬ……」 図星だった。 376 名前:4月15日(月)[saga] 投稿日:2013/07/10(水) 01 34 36.30 ID zTTzBOcMo 京太郎「えっと、つまり、俺も皆さんの食事にご一緒してよろしいということなのでしょうか?」 穏乃「なんで敬語?」 京太郎「だ、だって……」 「だって今日までずっと一人で食べてたから」。 なんて言えない。言おうとして既に泣きそうだ。 穏乃「京太郎だって麻雀部の仲間なんだから全然オッケーだよ!」ニコッ 京太郎「(´;ω;`)」ブワッ 泣いた。 人目も憚らず泣いた。 穏乃「わわ、どうしたの京太郎!?」ビクッ 憧「なんで急に泣いてんの!?」ビクッ 京太郎「あったけぇ……最後の最後……あったけぇ……」ボロボロボロ 穏乃に心配されながら、新子さんにドン引きされながら、 俺は涙を流し続けた。 383 名前:4月15日(月)[saga] 投稿日:2013/07/10(水) 01 54 06.99 ID zTTzBOcMo ~食堂~ 数分後。 ようやっと泣き止んだ俺は穏乃に連れられ食堂に足を踏み入れていた。 京太郎「ていうか俺食堂来たの初めてだ」 憧「そうだったの?」 京太郎「ああ、普段はパンばっかり食ってるからな」 ぼっちだし。 穏乃「私も高校に上がってからは初めて来るかも」 物珍しさから見渡す食堂は広くて清潔で、なんつーか、お上品だった。 京太郎「けど思ったほど混んでないのな」 穏乃「生徒数の割に大きいからねーうちの施設って」 憧「ま、座れなくて困るよりマシだけどね。ところで玄達は?」 穏乃「先に来てるはずだよ。えーっと……いた! おーい、玄さーんっ!」ブンブン 玄「あ、穏乃ちゃーん!」フリフリ 385 名前:4月15日(月)[saga] 投稿日:2013/07/10(水) 02 20 23.97 ID zTTzBOcMo 六人掛けのテーブルの片側に玄先輩・宥先輩・灼先輩がついていた。 駆け寄る穏乃に俺達も続く。 穏乃「お待たせしました!」タタッ 玄「ううん、私達も今集まったところだから」 憧「玄、宥姉、灼さん、こんちわー」ヒラヒラ 宥「いらっしゃ~い」 京太郎「ど、どうも先輩方、この度はお招きに与りまして光栄の至りに存じます……」フカブカ 灼「堅苦し……」 挨拶が済むと、空いている片側の席の端に新子さんが座った。 憧「あれ、しずはお弁当じゃないの?」 穏乃「いやーそれが今朝お母さんが寝坊しちゃってさ……」タハハ 玄「じゃあ学食?」 穏乃「の、つもりです。京太郎も学食だよね?」 京太郎「おう、折角だからな」 穏乃「んじゃ一緒に行こ!」 という訳で四人に背を向け、入り口近くの券売機に引き返す。 386 名前:4月15日(月)[saga] 投稿日:2013/07/10(水) 02 46 11.22 ID zTTzBOcMo 穏乃「何にしよっかな~♪」 京太郎「結構メニュー豊富だなぁ」 学食の定番から誰得のイロモノまで、思わず目移りしてしまう品数だ。 穏乃「京太郎はもう決めた?」 京太郎「まだだよ。けど食べるならご飯ものか麺類かな」 穏乃「麺!? いいね麺、私もラーメンにしよっかな!」 京太郎「ラーメンとまでは言ってないんだけどオレェ」 しかし悩むな。 悩めば悩むだけ空腹感が増す悪循環。 ええい焦るんじゃない、俺は腹が減っているだけなんだ。 今の俺は何腹なのか、それを考えろ。 米か。麺か。米か。麺か。 いつまでも迷っている訳にはいかない。 何か、この状況を打開する何かはないのか―― 京太郎「……、ん?」 387 名前:4月15日(月)[saga] 投稿日:2013/07/10(水) 03 01 32.13 ID zTTzBOcMo ふ、と。 目に留まる。 ともすれば見逃してしまいそうな――いや、現に今まで見落としていた一品。 数多くのメニューの中、異彩を放つその名前。 京太郎「……」 穏乃「? どったの京太郎、もう決めた?」 隣の穏乃が不思議そうに俺を見上げる。 京太郎「……穏乃」 穏乃「なに?」 京太郎「阿知賀って、去年までは女子校だったんだよな」 穏乃「そだよ?」 ますます不思議そうに首を傾げる穏乃。 俺はゆっくりと腕を手を指を動かし、券売機に向ける。 京太郎「じゃあ、どうしてこんなメニューがあるんだ。この――」 そして人差し指を突き出して、叫ぶ。 京太郎「 カ ツ カ レ ー う ど ん 定 食 ! ! ! 」 穏乃「 カ ツ カ レ ー う ど ん 定 食 ! ! ? 」 389 名前:4月15日(月)[saga] 投稿日:2013/07/10(水) 03 25 58.15 ID zTTzBOcMo 京太郎「食うの? 女子、こういうの食うの? 実は人気メニューなの?」 穏乃「いや、こんなの私も知らな――あ、そういえば!」 京太郎「どうした?」 穏乃「聞いたことある……共学化に伴って食堂に男子向けメニューを追加するって!」 京太郎「じゃあこれがそうなのか?」 穏乃「たぶん」 そうか、男子向けの新メニューだったのか。 しかし男子=大飯喰らいってイメージで見てるのが丸分かりチョイスだな。 カツカレーうどん定食って……ん? 京太郎「なあ穏乃、これって『カツカレー』と『うどん』の定食なのか?」 穏乃「え?」 京太郎「それとも……『カツ』と『カレーうどん』の定食なのか?」 穏乃「!!」 京太郎「やべぇよ……もう気になって仕方ねぇ……俺これにする!」ピッ 穏乃「わ、私も!」ピッ 出てきた食券を引っ掴み、俺達は我先にとカウンター目指して走り出した。 397 名前:4月15日(月)[saga] 投稿日:2013/07/10(水) 03 38 57.87 ID zTTzBOcMo で。 京太郎「お待たせしましたー」 穏乃「しましたー」 料理の載った盆を手に戻って来た俺達学食野郎Aチーム。 並んだ順のまま、俺が先に席に着く。 と、 憧「ちょっ! どうして須賀くんがあたしの隣なのよ!?」 京太郎「いや流れで」 憧「どんな流……ちょっと待って。それなに」 京太郎「カツカレーうどん定食」 憧「は?」 穏乃「カツカレーうどん定食」 憧「しずまで!? 何よそのイロモノ!」 京太郎「イロモノ言うな!」 穏乃「そうだそうだ! ただうどんの上にカツが乗ってカレーがかかって、別のお茶碗にごはんが山盛りになってるだけだよ!」 憧「じゅうぶんイロモノよ!!」 401 名前:4月15日(月)[saga] 投稿日:2013/07/10(水) 03 51 21.94 ID zTTzBOcMo 玄「うわぁ、すごいボリュームだね」 宥「でもあったかそう……」 灼「何故選んだ」 京太郎「いやぁ、名前だけ見てどんな料理なのか気になっちゃって。な?」 穏乃「うんうん。それにカツとカレーとうどんならどうやってもまずくはならないはずだし!」 こうして実物を見てみると、意外と男子高校生のニーズにしっかり応えてるのかもしれない。 憧「ていうか、どうやって食べるのそれ……?」 京太郎「それについては俺がカツカレーうどんを食べた後で残った汁をご飯にかけるやり方で、」 穏乃「私がカレーうどんを食べながらごはんをカツで食べるやり方で試してみることにしてみた!」 どっちが美味かったか後で検討する予定だ。 憧「あ、そ……どうでもいいけど、絶対こっちに汁飛ばしたりしないでよね」ジロッ 京太郎「はーい善処しまーす」 憧「ぜ・っ・た・い!!」ギロッ 京太郎「肝に銘じます!!」 灼「……じゃ、みんな合わせて、手」 なにその倒置法。 灼「せーの」 「「「「「「いただきまーす!」」」」」」 438 名前:4月15日(月)[saga] 投稿日:2013/07/11(木) 01 19 07.75 ID sJFSRgobo 仲良く合唱して、各々昼食に箸をつける。 隣では穏乃が早速カツカレーうどんからカツを掬い、ご飯の上を経由させて口に運んでいた。 穏乃「んぐんぐ……こ、これは! カレーうどんの汁でふやけたカツの衣がなんとも言えず……うまい!」ズゾゾー! 京太郎「うまいって言ってんじゃねーか。ていうかお前も俺に汁とか飛ばすなよな……っと」ズルズル 細心の注意を払いながら俺も一口。 京太郎「ん! 確かにこれは中々……」 カレーうどんの汁でふやけたカツの衣がなんとも言えず美味い。……ハッ!? さておき。 美少女に囲まれての食事という千載一遇のチャンスだ、コミュニケーションを取らずしてどうする。 手始めに新子さんの方を見る。 って、 京太郎「新子さん、昼飯ってそんだけ?」 440 名前:4月15日(月)[saga] 投稿日:2013/07/11(木) 01 41 26.51 ID sJFSRgobo 憧「? そうだけど」ヒョイパク と、キョトン顔で新子さんが口に放るのはプチトマト。 それが収まっていた弁当箱はおやおやシルバニアファミリー用ですかってほどに小さかった(当社比)。 京太郎「たったそれだけで腹一杯になるのか……?」 憧「放っといて」モグモグ にべもない。 穏乃「憧はいつもそうなんだよー。もっと食べないと元気出ないよって言ってるのに」 憧「だから放っといてったら。っていうかしずは逆に食べ過ぎなのよ。太っても知らないんだから」 穏乃「えー大丈夫だよ、私食べても太らない体質っぽいし!」 憧「」ビキッビキッ 玄「」ギシッ 宥「……」ピクッ 京太郎「!?」 場が。 場が凍りました。 穏乃「むしろもう少し太りたいんだよねー。ほら、山登りの時とか重心が安定するし、他にも――」 京太郎「わ、分かった! 分かったから即刻この話は止めにしよう! な!?」 新子さんが手にしたフォークを振り上げない内に! 穏乃「?」 447 名前:4月15日(月)[saga] 投稿日:2013/07/11(木) 02 11 18.46 ID sJFSRgobo 京太郎「とッ、ところで玄先輩と宥先輩も弁当なんデスネ!」 声を裏返らせながらも必死の話題転換を図る。 ターゲットは揃いの和風な弁当箱を並べる松実姉妹だ。 玄「っへぁ、そ、そうだよー」コクコク 宥「私はそれに学食のお味噌汁……」 天使に似つかわしくないドス黒いオーラが霧散して、あわあわと首肯する玄先輩。 ほかほかと湯気を立てるお椀を手に取り、ずず、と小さく音を立てて啜る宥先輩。 宥「あったか~い」ポワワーン (結婚しよ)(毎朝あなたの味噌汁が飲みたい) 京太郎「にしても豪華な弁当ですよね。もしかして先輩方の手作りだったり?」 玄「あはは、残念ながらハズレ。これはうちの板前さんのお手製なのです!」 京太郎「い、板前?」 板前って一般家庭の台所に生息してるもんだっけ? そうでなければ……どことなく上品な雰囲気もあるし、松実姉妹ってひょっとしてお嬢様? 476 名前:4月15日(月)[saga] 投稿日:2013/07/12(金) 00 09 26.71 ID 4GjCKFqTo 穏乃「そっか、京太郎は知らないよね」 京太郎「え、何が?」 穏乃「フフフ……玄さん達の家はね、なんと旅館を経営してるんだよ!」バァーン 京太郎「な、なんだってー!?」 旅館とか。 ある意味お嬢で間違いないじゃないか。 京太郎「マジすか先輩方」 玄「うん、松実館って言うの」 宥「あったか~いお風呂と美味しい山の幸があなたをお待ちしています」ペコリ 京太郎「宣伝!?」 穏乃「ちなみに私んちが和菓子屋で、灼さんちはボウリング場だよ!」 灼「おばあちゃんちだけどね」 京太郎「へぇー」 知られざる一面というやつだ。 477 名前:4月15日(月)[saga] 投稿日:2013/07/12(金) 00 10 09.36 ID 4GjCKFqTo 穏乃「ちなみにちなみに憧んちは神j」 憧「しず、あーん!」バッ 穏乃「へ? あームゴォ!?」 京太郎「!?」ビクッ 穏乃「むぐむぐむぐ……憧んちの卵焼きおいひぃ~」ポワーン 憧「」ホッ なんだ今の。 新子さんが身を乗り出して穏乃の口に卵焼きを突っ込んだ。 えらく不自然なタイミングだったが…… 玄「そうだ穏乃ちゃん、私のお弁当も食べない? 少し多めに作ってもらったんだ」 穏乃「いいんですか!? いただきます!!」 玄「じゃあはい、あーん」 穏乃「あー……んっ! んー! おいひーです!」キラキラ 目を輝かせて喜ぶ穏乃。 羨ましい…… 玄「みんなも良ければ召し上がれ!」 京太郎「いいんですか!?」ガタッ 玄先輩マジ天使! 452 名前:4月15日(月)[saga] 投稿日:2013/07/11(木) 03 28 43.23 ID sJFSRgobo 玄「もちろん! 灼ちゃんも食べる?」 灼「じゃあ煮物ちょうだい。しいたけ」 玄「おっけー。はいあーん」 灼「あむ。……ん、ダシが染みてるね」 宥「憧ちゃんは?」 憧「う゛……あ、あたしは自分のがあるから……」プルプル 宥「いらないの? アスパラのベーコン巻き、好きだったよね?」 憧「うぅう……っもう! そんなの見せられて我慢出来る訳ないじゃない! ちょーだい!」 宥「ふふ、よかったぁ。はい、あ~ん」 憧「あー、んっ。ん~……♪」モグモグ なんか俺の目の前で百合の花が咲き乱れてる気がする。 玄「須賀くんはどれにする?」 京太郎「そっすね……じゃあ、良かったらその唐揚げなんか」 玄「唐揚げだね。りょうかーい」 そう言うと玄先輩は箸で唐揚げをつまんで――つまんで? 玄「はい、あーん」 京太郎「なっ!?」ギョッ 憧「ちょっ!?」ガタッ 玄「えっ?」エッ? 483 名前:4月15日(月)[saga] 投稿日:2013/07/12(金) 00 29 46.83 ID 4GjCKFqTo 京太郎「せ、先輩……あの、それって、」 玄「?」 やばい。 めっちゃドキドキする。 こんな美少女に無防備な笑顔で「あーん」してもらえるなんて。 リアル経験値の足りてない俺には刺激が強すぎて咄嗟の反応が出来ない。 憧「く、玄……あんた、自分が何してるか分かってるの……!?」 玄「へ? 何って、この唐揚げを須賀くんにあー……」 / .. .. .. / . . . . . . . . . . . ./ | . . .ハ . . . j . . . .} ゚。 |\ . . . . .| .. 。 .. .. .. .\ / .. .. .. / . . . . . . . /|__;.ム斗 ./ | . . .し . .;\_} . |__ ゚。. . . .| . ..゚。 .. .. \ .゚。 / .. .. .. / .i . . . i . /│ ./ | .′ | . . . . . ./ Ⅵ 。 . . | . . .. 。 .. .. .. }ⅵ /....... . ., . . . | . . . レ彡| ./三ミ {、 | . . . ./ 彡=リ三ミト、 . .| . . . . ゚ .. .. .. | リ / .. .. . . ′ . .| . ./〃 リ リヾ 、 . . . ./.〃 ヾ 、リ . . . . i .. .. ..| / .. .. . . イ . . . . .| /il{ }li } . ./ il{ }li | . . . . | .. .. ∧ 「!!!!!」 / .. .. ./ |. . . . . リ il{ }li l/ il{ }li | . . . .| . . .. .∧ / .. ./.. . . .|. . . . . .| ミト、 ィj/ ミト、 ィj/ | . . . .| . . . .. .∧ j ./ . .. . . . .| . . . . . | ゞ=====彡 ゞ=====彡 │ . . .| . . . . .. ∧ イO/ . .. . . . . .| . . . . . |////////////////{ . . . .| . . . . . .. ..∧ / ..// . .. . . . . . .| . . . . . |、 r――――― 、 ι ノ . . . .| . . . . . . . .. ∧ / .. ..// .. .. . . . . . . .| . . . . . | .\ ι | | イ | . . . . .| . . . .゚ , . . .. ..∧ / .. .. ..// . .. . . . . . . . . | . . . . . | . . 个 . . ノ ---―‐ ____} . . 个 . . .| . . . . .| . . . . . ゚。 . .. .. ∧ 〃 .. /|〃 . .. . . . . . . . . . | . . . . . | . . . .ハ . . .≧==- __ -==≦ .ハ. . j . . . .| . . . . .| . . . . . . |i .. . . . .∧ / ../ l/ .. . . . . . . . . . . . | . . . . . | . . / } . . . . / { } \ . . . / }. . . . . | . . . . .| . . . . . . }ト . .. .. ..∧ 憧「……」ジー 京太郎「……」ジー 玄「ちっ、違うの! 違うからね!? これはその……そう、穏乃ちゃんと灼ちゃんにはあーんしたからその流れで、流れでつい!!」ワタワタ 京太郎「わ、分かってますから」ドウドウ 玄「決して男の子に「あーん」だなんて新婚さんみたいで素敵かもなんて思ってませんので!!」 願望があるのか……? 487 名前:4月15日(月)[saga] 投稿日:2013/07/12(金) 00 35 24.78 ID 4GjCKFqTo 京太郎「ときに鷺森先輩は何を食べてるんですか?」 灼「おにぎり」モキュモキュ 京太郎「なるほど」 どっこいおむすび君。 492 名前:4月15日(月)[saga] 投稿日:2013/07/12(金) 00 48 11.63 ID 4GjCKFqTo 京太郎「あ、先輩」 玄「はい?」 宥「なぁに?」 灼「どうかした?」 京太郎「あーっと……すみません、宥先輩です。醤油取ってもらえますか?」 宥「うん。どうぞ」スッ 京太郎「ありがとうございます」 穏乃「そーか、その呼び方だと玄さんと宥さんと灼さんでカブっちゃうんだ」 京太郎「だな。今気付いた」 憧「もう名前だけで呼んだら? 他は誰も先輩なんて呼んでないんだし」 京太郎「俺にはそっちの方がどうかと思うんだが……」 フランク過ぎるぞ麻雀部。 494 名前:4月15日(月)[saga] 投稿日:2013/07/12(金) 00 57 49.27 ID 4GjCKFqTo 玄「私は別に気にしないよ? 先輩って呼ばれるのも新鮮で面白かったけど」エヘヘ 宥「わ、私も……好きに、呼んで……?」プルプル 灼「私も先輩じゃなくていい」 京太郎「先輩方がそう言うなら……」 だが呼び捨ては流石に無理だ。 なので、 京太郎「じゃあ……玄さん」 玄「はいっ!」 京太郎「宥さん」 宥「はぁい」 京太郎「あらt」 灼「鷺森部長とお呼び」 京太郎「ウィッス」 504 名前:4月15日(月)[saga] 投稿日:2013/07/12(金) 01 13 44.57 ID 4GjCKFqTo 灼「部長と監督……特別な立場同士……」ウットリ なんか悦に入ってらっしゃる鷺森先輩――改め、鷺森部長閣下。 一方、俺の隣では穏乃がカツカレーうどんの丼を持ち上げて汁を飲み干すところだった。 穏乃「っぷはー! ごちそうさまっ!!」 京太郎「早っ! 俺まだ残ってるぞ」 憧「それは須賀くんがお喋りしすぎなだけでしょ」ボソッ 京太郎「ひぎぃ」 穏乃「はーおいしかった! こういうのが食べられるなんて、共学化して良かったー!」 憧「そしてしずは単純すぎ……」ハァ 穏乃「これで部活も乗り切れるね!」 憧「こらこら、その前に午後の授業でしょーが」 穏乃「そうだった」テヘッ この二人は仲良いよな。 気兼ねない言葉の応酬が聞いていて楽しい。 505 名前:4月15日(月)[saga] 投稿日:2013/07/12(金) 01 48 41.04 ID 4GjCKFqTo 京太郎「あ、そういえば部活で思い出したんだけどさ」 穏乃「なに?」 京太郎「うちってかなり練習厳しいよな?」 俺はまだ見てるだけだけど。 穏乃「えー? そうかな?」 京太郎「いや俺もヨソを知ってる訳じゃないけどさ。すげー熱気じゃんか」 憧「ま、部員数少ないからね。密度は相当だと思うわよ」 京太郎「やっぱり?」 入学式当日から集まるような部活なんて、 その翌日から活動を始めるような部活なんて中々ない。 京太郎「それって、なにか目標があるからなのか?」 506 名前:4月15日(月)[saga] 投稿日:2013/07/12(金) 02 08 37.17 ID 4GjCKFqTo と、訊いた。 返事はすぐに来た。 穏乃「え? 全国!」 京太郎「……………………………………………………は?」 穏乃「ん?」 すげー意外そうな顔をされた。 穏乃にだけではない。 穏乃と目を合わせた新子さんも、更に視線を交わした玄さんも、宥さんも。鷺森部長はおにぎりを食べた。 なんというか、 「今更なに言ってんだコイツ」……的な。 そんな雰囲気だ。 510 名前:4月15日(月)[saga] 投稿日:2013/07/12(金) 02 35 49.38 ID 4GjCKFqTo 玄「……もしかして、須賀くんに言ってなかったっけ? 私達の目標」 京太郎「……初耳です、多分」 憧「ぅーゎー……」 ぅーゎー言わないで。なんか傷付く。 京太郎「えーっと……全国って、つまり、インターハイ?」 宥「そ、そう」コクリ 灼「目指すは優勝」 京太郎「へ~」 THE・生返事。 驚くタイミングを完全に逸した。 穏乃「その為にまずは県予選突破!!」ガタッ そんな不完全燃焼な俺とは対照的な奴が一人。 そうだね、穏乃だね。 512 名前:4月15日(月)[saga] 投稿日:2013/07/12(金) 03 10 17.61 ID 4GjCKFqTo 穏乃「そして更にその為には練習あるのみっ!!!」ズドドドドドドドド! 立ち上がった穏乃がその場で駆け足を始める。 駆け足というか、あまりの勢いに工事現場みたいになっちゃってるが。 穏乃「~~~ぅむぁーーーっ! 我慢できない、今から部室行って打とう!!」 京太郎「今から!?」 玄「いいねぇ、やろっか!」ガタッ 憧「この時間からだと東風一回って感じかな。あたしもやろーっと」ガタッ 宥「ゎわ、私も」ガタッ 灼「私はハルちゃんにエサやる時間だから」ガタッ 京太郎「あ、ちょ、俺まだ食べ終わってないんだけど!?」 穏乃「ゆっくり食べてていいよ! 先に部室行ってるからーっ!」ドヒューン 一目散に食堂を飛び出す穏乃。 それに新子さんと松実姉妹が続き、別件で鷺森部長も立ち去る。 京太郎「お、俺も急がねーと……!」 残り僅かとなったカツカレーうどんを焦ってかき込む。 早く、早く―― ピチャッ 京太郎「あ゛」 【TO BE CONTINUED...】
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361 名前:5月13日(月)[saga] 投稿日:2013/10/11(金) 01 21 43.47 ID 7DOisu05o 鉛のような時間が続いていた。 一秒が一分にも、永遠にも感じる鈍重な時間。 息苦しい。 激しい運動をした訳でもないのに、呼吸が乱れる。 心が軋みを上げているのだ。 碌な身動きも認められず、手足を伸ばすことも叶わない。 そんな状態で強制される行為に、俺は精神を蝕まれていた。 悲鳴を上げたい。 しかし許されない。 この空間の主が決して許しはしない。 「……もう、やだ」 隣で、声。 俺の友人にして、同じ囚人である、高鴨穏乃のものだ。 穏乃は、平素からは考えられないほどに衰弱していた。 感情の消え失せた瞳で、命じられたままを行う機械。 それが今の、今までの穏乃だった。 その穏乃が、か細い声を零した。 「もうやだよ、おねがい、ゆるして……ねえ、憧……っ」 言葉に、 「……駄目よ」 この空間の主――憧は、淡々と答えた。 親友の悲鳴じみた訴えに、眉ひとつ動かさず。 どこまでも冷酷。 どこまでも残忍。 どこまでも非情に、憧は言った。 「これは、アンタ達の為にしていることなんだから」 「ッ!」 それが俺の限界だった。 「ふ、ッざけんな……!」 椅子から立ち上がる俺を、憧の視線が射抜いた。 それがどうした。 強い意志で睨み返す。 穏乃は苦しんでいるのに。泣いているのに。 こんな仕打ちが俺達の為だなんて。 納得出来る筈がない。 全身の毛が逆立つ感覚。 血液が沸騰する錯覚。 叫ばずにはいられない。 「憧……どうして、」 どうして―― 362 名前:5月13日(月)[saga] 投稿日:2013/10/11(金) 01 23 59.91 ID 7DOisu05o 京゛太゛郎゛「゛ど゛う゛じ゛で゛勉゛強゛な゛ん゛が゛ざ゛ぜ゛る゛ん゛だ゛よ゛お゛ぉ゛お゛ぉ゛ぉ゛ア゛!゛!゛!゛!゛!゛」゛ 365 名前:5月13日(月)[saga] 投稿日:2013/10/11(金) 01 48 01.61 ID 7DOisu05o 憧「うるさい。口じゃなく手を動かしなさい」 京太郎「はい……」ストン 力なく椅子に腰を落とす。 目の前の机にはノート、ノート、プリント、教科書、ノート、キン消し、参考書、ノート、プリント…… そう、勉強会なう。 会場は麻雀部の部室だ。 穏乃「もーやだー! 勉強したくなーい!」ウギャー 隣で穏乃が騒いでいる。 俺だって同じ気持ちだ。 こうして憧が監視の目を光らせていなければ床を転げ回りたいほど、勉強したくない。 したくないが、しなければならない。 何故なら木曜から中間テストだから。 何故なら部活禁止期間だから。 何故なら憧に勉強会の監督を頼んだのは他でもない俺と穏乃だから。 だから、逃げ場なんて最初からどこにもないのだ。 368 名前:5月13日(月)[saga] 投稿日:2013/10/11(金) 02 12 29.72 ID 7DOisu05o 憧「普段から勉強してればこんなことにはならないのよ。自業自得」ツーン 京太郎「おっしゃる通りでございます……」 穏乃「でもさぁ、普段は部活で忙しくて勉強してる暇なんてないよ?」 憧「じゃあ家に帰ってから何してるか言ってみなさいよ」 穏乃「えーっと……ご飯食べてー筋トレしてーお風呂入ってーストレッチしてー漫画読んでー、で、寝る! 11時前には!」 憧「ダンベル持ってる暇があったら鉛筆持ってなさいこの脳筋娘!!」 それには同意する。 こんな元気だけが自慢ですみたいな奴がなんで麻雀やってんだろう。 京太郎「つーか、筋トレなんてしてるから背が伸びないんじゃないのか?」 穏乃「そ、そんなことないよ! 無茶なトレーニングはしてないし!……多分!」 京太郎「どうだかなぁ」グリグリ 穏乃「わー! 縮むツボやめー!」 憧「そこ、サボらない!!」カッ 369 名前:5月13日(月)[saga] 投稿日:2013/10/11(金) 02 36 30.22 ID 7DOisu05o 怒られたので真面目にやる。 今はテスト範囲の基礎の部分を復習している。 まずは一通り基本を洗い直し、それから応用問題に取り組む。 授業を濃縮したような、出来ない子向けの方針だった。 京太郎「でも、あー、」 なんとなく言い出して、だが口ごもってしまった。 お陰で憧から怪訝な視線を向けられる。 憧「……なによ?」 京太郎「いや、うん。ありがとな、俺まで世話になっちゃって」 憧「別に。しずのついでだし。マネージャーに赤点取られても困るし」 京太郎「はい。ありがとうございます」 会話終了。 いいから続けろと言わんばかりに穏乃の方へ向き直る憧。 そんな憧に、穏乃が。 穏乃「憧ー。やっぱり京太郎のこと怒っ」 憧「てるわよ」 穏乃「ぁう」 ぁう。 370 名前:5月13日(月)[saga] 投稿日:2013/10/11(金) 03 01 01.66 ID 7DOisu05o ちら、と横目で窺う。 食い気味に返す憧は無表情で、だからこそその裏の怒りが滲んでいた。 穏乃「でも、胸を触られただけなんでしょ? そんな何日も引きずるようなことじゃ……」 憧「触られただけ!!?」クワッ 穏乃「ひッ」 憧「あのねぇ、マンガやアニメじゃないのよ!? 実際に胸を触られたらね、キャーとかイヤーじゃ済まないの! 思い出すだけでム……イライラするの!!」ゴッッッ 穏乃「ひぃぃぃ」ガタガタ ひぃぃぃ。 この荒ぶりようである。 まあ、お怒りはごもっともなんだが。 土曜の指令以来、憧はすっかり激ぁこプンプン丸なのだ。 それこそ、この勉強会に応じてくれたのが奇跡的なほどに。 玄「うーん……これはなかなかのなかなかだね」アハハ 宥「あったかくない……」プルプル 灼「ハルちゃん、ここ教えてほし……」ピトッ レジェンド「う゛、専門外の教科……」タラリ この人達もいます。 378 名前:5月13日(月)[saga] 投稿日:2013/10/11(金) 03 33 05.32 ID 7DOisu05o 現在、部室の中央に机を集中させて上級生組と一年生組で半分に分かれて使っている。 上級生組はレジェンド、一年生組は憧が先生役だ。 と言っても、赤点が危ぶまれているのは俺と穏乃だけなので、先輩方はゆるーい雰囲気である。 憧「大体、中高一貫で油断してたしずと受験で入った京太郎がどうして同レベルなのよ?」 京太郎「受験の時だけ必死に勉強したからだよ!」キリッ 憧「偉そうに言うな! 阿知賀なんて楽勝じゃない。中の下ぐらいでしょ」 京太郎「うわー言うねぇ。勉強見てもらっといてナンだけど、憧ってそんなに頭いいのか?」 憧「アンタ達よりはね」 京太郎「そりゃそうだけど」 穏乃「京太郎ー、憧はすごいんだよ? なんたってあの晩成高校も余裕ってぐらいなんだから!」ムンッ と、ない胸を張る穏乃。 京太郎「いや、地元民じゃないから凄さが分からん」 レジェンド「偏差値70ぐらいだっけ」 京太郎「すっげえ!!?」 灼「その晩成を倒してインターハイに出場したハルちゃんもすごい!」イヤッホォーゥ 京太郎「アッハイ」 379 名前:5月13日(月)[saga] 投稿日:2013/10/11(金) 04 25 17.25 ID 7DOisu05o ていうか、そうか、晩成=例のインハイ常連校か。 この辺の情報がまだ足りてないな。 京太郎「……ん? 待てよ、じゃあ憧が進学するつもりだった高校って」 憧「晩成よ」 やっぱり。 京太郎「そんなすげートコ蹴って阿知賀に来たのか……親に何か言われなかったのか?」 憧「別に。阿知賀だって地元の評判は悪くないし、そもそも晩成を目指してたのだって強い麻雀部があったからってだけだし」 京太郎「基準は麻雀っすか……でも、部活ばっかりしてたらやっぱ成績落ちるだろ?」 憧「落ちるけど、いつでも巻き返せるもん。文句を言われない程度の順位をキープして、今は麻雀優先」 京太郎「はー……」 なんというストイックさ。 憧レベルで部活と勉強を両立させるのは、常人には相当厳しいだろう。 賢くて可愛くて、麻雀馬鹿な憧だった。 401 名前:5月13日(月)[saga] 投稿日:2013/10/12(土) 00 53 05.37 ID AIc87zpmo …… ………… ……………… 憧「――はい、じゃあ一旦休憩ね」 「「よっしゃああああああああああぁ」」グデェェェン 言葉の勢いとは裏腹に、力なく机に突っ伏す俺と穏乃。 疲れた。 入学してからの一ヶ月間より濃密に勉強した気がする。 京太郎「もうダメだ、頭から煙出てきそう。あるいは液状化しそう」ゲルゲル 憧「そんなオカモチありえないから」 よく分からない言い回しで切り捨てられた。 穏乃「はー……何もしないをするって幸せ……」グッタリ 京太郎「健康優良児らしからぬ発言!」 憧「休憩が終わったらワンランク上の問題を出すからね」 穏乃「うぎゃー! これからは家の手伝いもちゃんとやるから許してー!!」 憧「いや、それテストに関係ないから」 403 名前:5月13日(月)[saga] 投稿日:2013/10/12(土) 01 16 06.31 ID AIc87zpmo 京太郎「家って、そういえば店やってんだっけか」 穏乃「そだよ、和菓子屋ー」 京太郎「ふんふむ。で、玄さん宥さんちが旅館で憧んちが神社」 玄「そうだよー」 宥「あと、灼ちゃんのおうちはボウリング場だね」 憧「それがどうしたのよ?」 京太郎「いや、女子部員全員の家が自営業なんだなーと改めて思ってさ」 憧「あー」 玄「確かに、ちょっと珍しい偶然かもだね」 穏乃「京太郎の実家は違うの?」 京太郎「ごく平凡な一般家庭だな。だから家が何かの店ってのが不思議っつーかなんつーか」 灼「私達からすればそっちのが新鮮……」 憧「家でゴロゴロしてたら仕事手伝わされるもんねー」 宥「うん……おこたでのんびりしてたいのに……」プルプル 環境の違いって大きいんだなぁ、と感じる会話だ。 405 名前:5月13日(月)[saga] 投稿日:2013/10/12(土) 01 32 22.23 ID AIc87zpmo と、 ふと思いついたことを口に出してみる。 京太郎「じゃあ、みんな結婚する時は婿養子を取るのかな」 すると、 憧「……………………………………………………アンタねぇ」ジトッ 京太郎「オレェ?」 何やら冷めた視線を頂戴してしまった。 憧「女所帯のド真ん中でいきなり結婚の話とか、どういう神経してるのよ……」ジトー 京太郎「いや、ふと気になって。そんなにマズい話題だったか?」 憧「アレを見れば分かるわよ」クイッ 京太郎「アレェ?」クルッ レジェンド「お見合い……縁談……家族の視線……うっ頭が! 頭がああああああああああ!!!」ウゴゴゴ 灼「ハルちゃーん!!」 憧「分かった?」 京太郎「分かった」 408 名前:5月13日(月)[saga] 投稿日:2013/10/12(土) 01 56 26.80 ID AIc87zpmo 憧「ま、流石にハルエよりは全然若いし、あたしはそこまで危機感持ってないけどね」ケロッ レジェンド「」チーン 灼「ハルちゃああああああああああん!!!」 男嫌いがぬかしおる、と思ったがヤブヘビ怖いもんね。黙っとこ。 京太郎「で、婿養子の話に戻っていいか?」 憧「どんだけ婿養子トークしたいのよ……期待に添えなくて悪いけど、あたし次女だしあんまりそういうことは言われてないわよ」 玄「私も次女だからどうだろう? あ、でもおねーちゃんは……」 宥「うん……もしかしたらそうなるかも」モフン マフラーに口元を埋めるおなじみの仕草。 京太郎「やっぱり老舗旅館って跡取りとか気にするんですか?」 宥「お父さんは心配しなくていいって言ってくれてるけど……」 そういう訳にもいかない、と。 しがないサラリーマンを父に持つ身には遠い世界の話に聞こえてしまう。 灼「うちは半分おばあちゃんの道楽だから問題な……」 京太郎「なるほど」 穏乃「私んちは期待してないって言われてるよ!」 憧「あんた、もうちょっと親心を汲んであげなさいね……」 422 名前:5月13日(月)[saga] 投稿日:2013/10/12(土) 04 41 25.85 ID AIc87zpmo 京太郎「ってことは、この中で婿を取る可能性があるのは宥さんだけ?」 憧「なんじゃない? うちはお姉ちゃんがちゃんと巫女やってるし」 宥「ぅう……女将なんて出来る気がしないよぅ……」プルプル 玄「おねーちゃんがんば! 私も一生懸命働くから!」ギュッ 宥「玄ちゃあん……おねーちゃんを養ってぇ……」プルプルプルプル ダメ姉がいる! 憧もお互いを支え合う(物理)姉妹を複雑な表情で見ていた。 容姿は文句なしに最高なんだけどなぁ、どっか危なっかしいんだよなぁ。 しかし。 宥さんが結婚か…… 京太郎「………………」 穏乃「? 京太郎、急に黙ってどうしたの?」 京太郎「……ウオアー!! お父さんは許さーーーん!!!」ガタァァァッ 穏乃「本当にどうしたの!?」ビクゥッ 427 名前:5月13日(月)[saga] 投稿日:2013/10/12(土) 05 33 55.07 ID AIc87zpmo 京太郎「ハッ……すまん、宥さんが結婚すると考えたら親心がこう、グツグツと」 憧「なんでアンタが親心煮えたぎらせてるのよ……」 京太郎「だってよー、麻雀部のみんなって今一番つるんでるし、身内感あるだろ?」 玄「うんっ! あるね、あるある!!」グッ 京太郎「ど、どうも」 すっごい肯定された。 京太郎「……で、だからさ、ふと寂しくなっちまうんだよ。いつかは離れ離れになると思うとさ」 穏乃「あ……」 憧「んー……そりゃ、いつかはそうなるだろうし、そうなったら寂しいけどさ、今から考えても仕方なくない?」 京太郎「そうは言うがな大佐」 憧「誰が大佐よ」 遣り取り自体は軽快ながら、憧の表情はやや沈んで見えた。 穏乃も、あからさまに悲しそうに眉尻を下げている。 いかん、考えなしの発言で場の雰囲気を重くしてしまった。 と、うろたえていると、 玄「そうだ!」ピコーン 玄さんが、 -――- . . `丶、 / / ヽ . / / . . ./ . . . . . . . ヽ . . / / . / . . ./ | . . . . | . . . . i. . . ,' / . . i . . / │ . . . |\| . | .| .i | i . . | .| `ト| | | . . .L イ . | .| .| | i . . | 从≫=ミ|八 . . 抖=ミ从 | .| 「京太郎くんがおねーちゃんのお婿さんになったらどうかな!?」 | i . . | . |{ rJハ \_{.rJハ }| . | .| V| . .| . | 弋ツ 弋ツ . | .| /Ⅵ | . |'. 、 、 ' 、 、 /| | .| , /゚| .l .仏 __ 厶| | .| . / . | .| .| 个 . . ‘ ’ . 介/ / 八 / {/{∧ . .i. |〈 {≧ ‐≦} |/ . . /ヽ .. / . / _V^ 、|∧ ∨ーヘ. /iレく∨ ∧. .、. / . .」 // \く 、∨| /∨rく_ン⌒∨ | . .\ / . . 〔/ //⌒7┴ヘ_,//ー| ̄\\.\ 〕 . . . \ / . . / 〈 -={_}=ー 〉` \ . . . . \. /. . /{ 人_,/| |\_人 ト、. . . . . \ まーたやらかした。 473 名前:5月13日(月)[saga] 投稿日:2013/10/13(日) 00 59 37.06 ID tSoEU7gLo 宥「ふ――ぇええええええっ……!?」 宥さんが目をまんまるに見開いて驚いている。 鏡を見ればきっと俺も同じ顔をしていただろう。 憧も穏乃も、キョトンというかポカンというか、な表情だ。 玄「」ムフーッ 憧「……玄、あのさ……どうしてそうなるわけ?」 玄「え? だって、いつか誰かと結婚しなくちゃいけないなら、知らない人よりも知ってる人の方がいいよね?」 憧「まあ……そうかもね。お見合いでいきなりーってよりは、やっぱり恋愛結婚のが理想よね」 玄「だよねっ。だから、おねーちゃんと京太郎くんが結婚すれば松実館は安泰だし、二人を中心にみんなで集まれるかなーって!」ニパッ そのりくつはおかしい。 穏乃「なるほどー!」パァァッ ぇぇぇ。 穏乃「確かにそれならずっと一緒に居られそう! 京太郎、宥さんと結婚しちゃいなよ!」 京太郎「軽ぅ!? そんなホイホイ出来たら苦労しねーよ!」 したいけどな! したいけどな! 484 名前:5月13日(月)[saga] 投稿日:2013/10/13(日) 01 21 35.58 ID tSoEU7gLo 玄「えー、ダメかなぁ」 憧「かなぁってアンタね……当人の気持ち無視してたら意味ないでしょーが」ペシ 玄「ぁぅ」 例によって物理的に窘められる玄さん。 ほとんど力は入っていないようだが、はたかれた額を抑えながら頬を膨らませている可愛い。 玄「いい考えだと思ったんだけど……そんなにダメだったかな、おねーちゃん?」 宥「ふあっ!?」ビクッ さっきから言葉未満の音しか発していない宥さん。 大袈裟に肩をすくめ、小動物チックに玄さんと俺を交互に見る可愛い。 宥「ゎ、私は、あの、その、ダメ、だよ、ダメ、ゼッタイ」 京太郎「!!!!!!!!!!」ガーン はっきりダメって言われた…… あの気弱ながらも優しい宥さんの口からキッパリと。 元々突拍子もない話だったとは言え、メゲる。 502 名前:5月13日(月)[saga] 投稿日:2013/10/13(日) 01 47 30.67 ID tSoEU7gLo 京太郎「」メゲタァ 穏乃「あっ京太郎がメゲてる!」 憧「ホントだわ、目に見えてメゲてる!」 玄「おねーちゃんが京太郎くんを拒絶したから!」 宥「え、ぇえっ!? 私、拒絶なんかしてないよっ?」 ん? 憧「え、したでしょ。京太郎と結婚なんて死んでもお断りって」 宥「そんなこと言ってないよ!?」プルプル それは本当に言ってない。 宥「あの……もしかして誤解してる?」 誤解? 言葉なく宥さんを見る。 宥さんはマフラーの端を両手で弄りながら、 宥「えっと、私がダメって言ったのは、京太郎くんのことじゃなくて……私のこと、なの」 宥「だって、ほら、私って寒がりだし、暗いし」 宥「ぐーたらで、いっつも玄ちゃんにお世話してもらってて」 宥「それで最近、ふくらはぎの辺りがぷよぷよしてきちゃって……///」 宥「だから、そんなダメダメな私と結婚なんて京太郎くんに悪いなぁ、って」 宥「……ね?」モジッ Q:女神を見たことがある? いいえ─┐ ┌───わからない 9% 11% │ _..-ー''''''l'''''― ..、 ./ .l, | `''-、 ./ .l .| \ /ゝ、 l. | ヽ ./ .`'-、 l. | l │ ゙''-、 .l,| l | `'″ | │ ,! l 部室で見た ./ .ヽ / .\ 80% / `'-、 / `''ー .......... -‐'″ 510 名前:5月13日(月)[saga] 投稿日:2013/10/13(日) 02 10 37.70 ID tSoEU7gLo 京太郎「宥さん」 宥「は、はい?」 京太郎「幸せになりましょう」 宥「ふえっ!?」 憧「ふきゅっ!?」 京太郎「俺の人生すべて、貴女に捧げます……」スッ 床に跪き、恭しく宥さんの手を取った。 最初は冷たかったその手に、俺の体温が移っていく。 宥「ぁ……あったか~い」ポワワー その満面の笑顔を見れば答えなんていらない。 した。これは結婚した。 愛を求め流れ着いたこの奈良の地で、俺は運命の女性に巡り逢えたんだ。 穏乃「京太郎、宥さん、おめでとっ!」パチパチ 玄「おめでとー!」パチパチ 灼「おめでた……」パチパチ レジェンド「教え子に先を越された……」パチパチ ウォーズマン「コーホー」パチパチ 憧「」 京太郎「ありがとう! みんなありがとう!」 5月の空はどこまでも晴れ渡り―― ――俺達の歩む未来を、あたたかく照らしてくれているようだった。 憧「阿知賀が共学化!?」シリーズ~カンッ!~ 519 名前:5月13日(月)[saga] 投稿日:2013/10/13(日) 02 37 00.20 ID tSoEU7gLo 宥「京太郎くんもありがとうね」ニコ 京太郎「お礼を言われることなんて何も。俺と宥さんの仲じゃあないですか」 宥「ふふっ。冗談でも嬉しいよ」 京太郎「はっはっは。……は?」 宥「え?」ニコニコ 京太郎「……あの、今、なんと?」 宥「冗談でも結婚しようなんて言ってくれてありがとう、って」 京太郎「……………………………………………………本気デスヨ?」 宥「もう、そんなこと言って。私おねーちゃんだもん、本気かどうかくらい分かるよ?」クスッ アイエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエ!!!!! ナンデ!? ユウ=サンナンデ!? なんで今日……いや今に限ってそんなおねーちゃん風ビュウンビュウン吹かすんですか!? いつもはもっとポンコツ側の人じゃないですかあなた! いつもみたいに「あったか~い」と「あったかくない……」と「ゎゎゎゎゎ」だけでコミュニケーション取りましょうよ!! 宥「でも、本当に京太郎くんがお婿さんになってくれたら毎日楽しそうだよねぇ」ポワーン 京太郎「んまっ、つぁ、ちょぎっ――」 宥「そしたら、玄ちゃんは京太郎くんの義理の妹になるね」 / .. .. .. / . . . . . . . . . . . ./ | . . .ハ . . . j . . . .} ゚。 |\ . . . . .| .. 。 .. .. .. .\ / .. .. .. / . . . . . . . /|__;.ム斗 ./ | . . .し . .;\_} . |__ ゚。. . . .| . ..゚。 .. .. \ .゚。 / .. .. .. / .i . . . i . /│ ./ | .′ | . . . . . ./ Ⅵ 。 . . | . . .. 。 .. .. .. }ⅵ /....... . ., . . . | . . . レ彡| ./三ミ {、 | . . . ./ 彡=リ三ミト、 . .| . . . . ゚ .. .. .. | リ / .. .. . . ′ . .| . ./〃 リ リヾ 、 . . . ./.〃 ヾ 、リ . . . . i .. .. ..| / .. .. . . イ . . . . .| /il{ }li } . ./ il{ }li | . . . . | .. .. ∧ 「!!?」 / .. .. ./ |. . . . . リ il{ }li l/ il{ }li | . . . .| . . .. .∧ / .. ./.. . . .|. . . . . .| ミト、 ィj/ ミト、 ィj/ | . . . .| . . . .. .∧ j ./ . .. . . . .| . . . . . | ゞ=====彡 ゞ=====彡 │ . . .| . . . . .. ∧ イO/ . .. . . . . .| . . . . . |////////////////{ . . . .| . . . . . .. ..∧ / ..// . .. . . . . . .| . . . . . |、 r――――― 、 ι ノ . . . .| . . . . . . . .. ∧ / .. ..// .. .. . . . . . . .| . . . . . | .\ ι | | イ | . . . . .| . . . .゚ , . . .. ..∧ / .. .. ..// . .. . . . . . . . . | . . . . . | . . 个 . . ノ ---―‐ ____} . . 个 . . .| . . . . .| . . . . . ゚。 . .. .. ∧ 〃 .. /|〃 . .. . . . . . . . . . | . . . . . | . . . .ハ . . .≧==- __ -==≦ .ハ. . j . . . .| . . . . .| . . . . . . |i .. . . . .∧ / ../ l/ .. . . . . . . . . . . . | . . . . . | . . / } . . . . / { } \ . . . / }. . . . . | . . . . .| . . . . . . }ト . .. .. ..∧ 570 名前:5月13日(月)[saga] 投稿日:2013/10/14(月) 00 41 44.56 ID OiIXOBbao 玄「お! おおうぉうぉうおおをおををおおおおねーちゃん!? なに言ってるの!?」アセアセ 宥「あれ、間違ってた……?」キョトン 憧「えーっと……間違ってはないわね、うん。二人が結婚したら玄は京太郎の義妹になるわ」 宥「ほらね」フフッ 玄「で、でもでも! 私の方が京太郎くんより年上だよ? お姉さんだよ!?」 灼「いや、そういうものだから」ズバァッ 玄「はうぅ……」 穏乃「年上の妹かぁ~。なんかこう、不思議な感じですね!」 年上の妹かぁ…… なんかこう、興奮するな。 穏乃「ねーねー玄さん、なんか妹っぽいこと言ってみてください!」 玄「い、妹っぽいこと!? そんなの、急に言われても思いつかないよぉ……」 憧「いや、アンタ普段から宥姉の妹でしょうに」 灼「くろは こんらんしている」 573 名前:5月13日(月)[saga] 投稿日:2013/10/14(月) 01 11 06.99 ID OiIXOBbao 穏乃「ダメですか……?」ジィー 玄「ううっ、穏乃ちゃんの純粋な眼差し! でも……!」 京太郎「ダメですか……?」ジィー 玄「京太郎くんまで!?」ズガーン 当然だ。 だって、年上の玄さんが妹キャラを演じてくれるチャンスなんだ。 乗るしかない、このビッグウェーブに。 ……たとえ隣で憧に汚物を見るような目で睨まれていても。 玄「う、ぅう~………………じゃあ……恥ずかしいけど、ちょっとだけ、なら///」モジモジ 京太郎「ありがとうございます!!」ペッコリーン 穏乃「やったー! お願いしまーす!」バンザーイ 深々と頭を下げる俺。 高々と手を上げる穏乃。 二人の声に引っ張られるように、玄さんは席を立つ。 玄「すー……はー……すー……はー……。……うん、いくよっ――」 そして、 ,.' / / /!| ;' | __ .| | l . . .ヽ. / , ,' ! ,' ! ||i | !l_、 ヽ ̄ ト |. l . . .゙、 / ,1 ,'. | レ|´l|ヽ ゙、 ヽ_\l\! !. | . |. l ,' / ! l ! | リニ、 \!イ斥"寸、! ! ヽ! . !. .! 「きょ、京太郎お兄ちゃんはもう大人だから、玄の裸を見ていやらしい気持ちになったりはしないんだよね……?///」 { | | l | i 斥寸 弋しソノ| | ヽ| | . .| ヾ ! | 抖乂ソ `"" ! !=、l. .|. . ! | ! l ! ,, ", ""| | |! .! . l |λ l l | | ,ィ. | . .! jt | |l _ っ ! j´ | | . .! / | ゙ | ヽ/ノ .ィ. ,' ,'. / | . .| ,'/l | ゙ y' ,ィl>... _ .. ´ l / / / ! ハ lj ヾ、 ∨/ ! | } //| /´ ノ .ヽ ,' ´-ヽ . | | " У _ - "´ `ヽ . .゙、 l -テ! ,' _ノ / / \ ハ /| l´/ニ__ / ,' ヽ∧ ,' ! !' ` ,.' | ,'. . ヘ l. ノ ∧ァ__r‐-/ ;ィ / . . . \ 京太郎「なるに決まってるでしょうがああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」ガッタァァァァァ 玄「ふ、ふぇえええええっ!!?///」ビクーッ 587 名前:5月13日(月)[saga] 投稿日:2013/10/14(月) 01 48 41.73 ID OiIXOBbao 京太郎「玄さん! いや!! 玄!!!」ズイッ 玄「ひゃあっ!?/// ぃ、今、名前で……///」カァァッ 京太郎「なる。なります。なった。なったぞお兄ちゃんはいやらしい気持ちになアアアアアアアアアアン!!!」 玄「う、うそ!? ダメだよお兄ちゃん、私達兄妹なのにっ……」 京太郎「そう かんけいないね」 玄「あるよ!?」 京太郎「どうせ義理だから! ねっ! 義理だから!」ズイズイ 玄「そ、そっか……義理、だもんね……?」グルグル 京太郎「そう、義理なんだ。だからお兄ちゃんが玄の裸を見ていやらしい気持ちになるのも仕方ないことなんだ」 玄「そうだよね、義理だったらいやらしい気持ちにもなっちゃうよ、ね……///」モジモジ 京太郎「そう、なっちゃうんだ。ていうか、なりたいんだ。だから玄の裸、お兄ちゃんに見せてくれないか……?」キリッ 玄「ふえっ!? は、裸はダメだよお兄ちゃんっ、みんなが見てるもん、凄い形相で見てるもん!」 京太郎「だったらロッカーに入ろう! ちょうどそこにあるから! GO! ロッカーGO!」グイグイ 玄「ゃ、引っ張らないでっ! お兄ちゃ、やめ、あっ、お、おねーちゃああああんっ! 京太郎お兄ちゃんに大人にされちゃうううううっ!///」 憧「もっとだ! もっと!! もっとSHINEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEE!!!!!!!!!!」ゴォッッッ …… ………… ……………… 憧「さ、勉強再開するわよー」 穏乃「はーい」 京太郎「うーん……なんか頭が痛え。今の休憩も途中から寝落ちしてたっぽいし、勉強のしすぎかな……」ウゴゴゴ 憧「言うほどしてないから。真面目にやんなさい」 京太郎「へーい。先輩方も頑張りましょうね」ニコッ 玄「ぁぅぅ……///」プシュー 宥「あったか~い」ポワワー 灼「暑苦し……」 京太郎「?」 599 名前:5月13日(月)[saga] 投稿日:2013/10/14(月) 02 09 01.95 ID OiIXOBbao なんだろう。 悪い夢を見ていた気がする。 いや、きっと見ている最中は凄く楽しい夢だったに違いない。 それをまったく覚えていないから、その事実が辛いんだ。 歯痒い。今度から夢日記を書く習慣でもつけようか。 京太郎「っと、勉強勉強」 このままだと赤点→追試→補習のリアル悪夢不可避だ。 マネージャーとして部活に参加し続ける為にも、ここが踏ん張りどころだろう。 が、 京太郎「………………」ウゴゴゴ 分からねぇ。 憧の予告通り、休憩後に指定された範囲は難易度が上がっていた。 だから、分からねぇ。 どうしよう、憧に訊こうかな。 けど、週末のこともあるし、そうでなくても何故か休憩前より機嫌悪そうだし。 どうしよう。 602 名前:5月13日(月)[saga] 投稿日:2013/10/14(月) 02 25 07.43 ID OiIXOBbao 京太郎「あ」 そうだ、上級生に訊こう。 この面子で一番教え上手なのは憧だろうけど、先輩達だって負けちゃいない。 去年ないし一昨年に勉強したところなんて楽勝で教えてくれる筈だ。 となると、 京太郎「」チラリ 玄「ひぅっ///」ビクッ ウゥーン。 理由は皆目見当もつかないが、さっきから玄さんの様子がおかしい。 俺のことをチラチラ気にしているようで、こちらが視線を向けると顔を真っ赤にして逸らしてしまう。 これでは勉強を教わるのは難しいだろう。 となると、 京太郎「宥さん、ちょっといいですか?」 宥「なぁに?」 こうなる。 鷺森部長? レジェンドとヨロシクやってるよ。 605 名前:5月13日(月)[saga] 投稿日:2013/10/14(月) 02 45 29.08 ID OiIXOBbao 京太郎「ちょっと分からない問題があって……」 憧「」ムッ 宥「ん……どこ?」 京太郎「ここです」チョンチョン 問題集を持ち上げて、指差す。 と、 宥「……えっと、ちょっと待ってね……」ゴソゴソ 京太郎「?」 宥「ん、しょ」スチャッ 京太郎「可愛い!!!!!」 . / 〃 |! | | ′ 〃 ,' | | |V | | | ′ | Y'イ ′! !, w! V |l | | }; ! l '| | | j { ! {ノ^~ |∨ |^> 、 _| V!, | | |; ! |j l | | --|l--‐ヘ7 V 八 乂! \ !`ー─+ |ミ′ ′ |i' ! | V、 |V /⌒l \ ヘ /⌒li Y | ″ |l V | ゞ入 | {! }! `ー'' {i }l | 〃 ´ ∨ レ |! |! 、 r !l |! 、j j/ 「ふあっ!?」 | コ! ! j' }==( |! j' )コ / 7 | ゝ 、 乂ノ ノ ゝ 乂,ノ イ ' 〃 | |  ̄ ̄ ー─ ´ ' / イ | | """"" """" ′ / /{ | ヘ /⌒ー'⌒ー' ⌒ヽ ′ / / ′ | v\, { __ _ ) ,ノ / / { ∧ >- ー '  ̄´ `二´-─</ / / | ∨ ∧  ̄`´ / ノ / | 〉 ∧ ´ ̄ / // /| 乂 / ∨ ∧ ノ イ / / `ヽ \ 635 名前:5月13日(月)[saga] 投稿日:2013/10/14(月) 17 14 15.56 ID OiIXOBbao 京太郎「宥さん眼鏡なんて持ってたんですか!」 宥「う、うん。授業中とかだけ使ってるの」 京太郎「なるほど、道理で見覚えがないわけですね!」 宥「登下校の時にも掛けてるよ……? 違うのだけど」 京太郎「違うのですから。こっちの方がよくお似合いですよ!」ニコ 宥「ぁ……ありがとう、ございます///」ポワワ なんで敬語? 京太郎「それでこの問題なんですけど」 宥「うん……あ、そこなら教えられるよ。そっちに行くね」 京太郎「わざわざすんません」 とてとてと仮面ライダー宥さん眼鏡アームズが回り込んで来てくれる。 で、 宥「ここはね、教科書のこのページに――」 むにゅっ。 京太郎「!!!!!」 651 名前:5月13日(月)[saga] 投稿日:2013/10/15(火) 00 36 41.07 ID sU+gI2Ivo こ、これはッ! この感触はッ!! 背中に吸い付くようなこの優しい重みはッ!!! _人人人_> おもち < ̄Y^Y^Y^ ̄ 宥さんのあの厚着越しでも触れればハッキリと伝わる柔らかさ。 以前にも正面から抱き付かれたことはあったが、背後からのアプローチはまた趣が異なる。 例えるなら、そう、歯医者。 あの筆舌に尽くし難い興奮と背徳を今、神聖なる学び舎で体験している。 グレートですよ、こいつァ…… 宥「――で、この問題は解けるはずだよ。分かった?」 京太郎「あ、はい?」 宥「良かったぁ。また分からないところがあったら訊いてね」ニコ 京太郎「えっ」 俺が顔を上げた時には、もう宥さんは来た時と同じとことこ歩きで自分の席に戻っていた。 何も聞いていなかった……何も…… 652 名前:5月13日(月)[saga] 投稿日:2013/10/15(火) 00 48 51.01 ID sU+gI2Ivo どうしよう。 また宥さんを呼びつける訳にもいくまい。 となれば、 京太郎「あのー、玄さん」 玄「は、はひっ!?」ビクッ こうなる。 しかし、未だに様子がおかしい…… 京太郎「えっと、大丈夫ですか? 具合でも悪いとか」 玄「う、ううん! 平気だよ、京太郎お兄ちゃん!」 京太郎「オニイチャン!?」 玄「はわぁっ!? ゎわ、忘れて! なんでもないから!///」アセアセッ 京太郎「いやいやいや……」 無理だろ。 突然のお兄ちゃん呼ばわりをスルーとか無理だろ。 しかし、「京太郎お兄ちゃん」という言葉には何故か聞き覚えが……うっ頭が。 653 名前:5月13日(月)[saga] 投稿日:2013/10/15(火) 01 08 18.40 ID sU+gI2Ivo 仕方ない、今日のところは追求せずにいよう。 優先すべきは勉強だ、勉強。 京太郎「実はまだ分からないところが……も、もちろんさっきの問題とは別ですよっ?」 宥「?」キョトン 憧「」ムムッ 玄「教えて欲しいの? いいよー。お、お姉さんにおまかせあれ!」 気を取り直して、という表現がピッタリな様子の玄さん。 席を立ち、ぱたぱたと俺の背後に。 で、 玄「それで、どこが分からないのかな?」 ふにゅっ。 京太郎「!!!!!」 こ、これはッ! (中略) 玄「じゃあね。他にも遠慮なく訊いてくれて構いませんので!」パタパタ 京太郎「ぁぁー」 何も……何も…… 658 名前:5月13日(月)[saga] 投稿日:2013/10/15(火) 01 13 53.72 ID sU+gI2Ivo どうしよう。 どうすれば。 宥さんはダメ。 玄さんもダメ。 としたら、 京太郎「……」 煩悶。 負い目がある。 引け目もある。 それでも、 京太郎「………………憧ー?」ボソッ 憧「!」ピクッ 生きねば。 664 名前:5月13日(月)[saga] 投稿日:2013/10/15(火) 01 35 29.31 ID sU+gI2Ivo 憧「……なによ、なんか用?」ツーン 見るからに不機嫌そうな憧。 それは俺のせいだ。 だけど、頼らなくちゃいけない。 不甲斐なさを噛み締め、また口を開く。 京太郎「ああ。勉強を教えてくれないか?」 憧「なんであたしが……また宥姉とか玄に訊けば?」 京太郎「憧がいいんだ」 憧「っ」 京太郎「……頼む」ペコ 頭を下げる。 気付けばペンを動かす音もない、沈黙。 その中で、 憧「……仕方ないわね」 京太郎「!」 憧が立ち上がる。 近付く足音。 そして、 憧「ほら、顔上げなさいよ。問題集貸して」 スカッ(カッ(カッッ(カッッッ...(エコー) 京太郎「!!!!!!!!!!」 674 名前:5月13日(月)[saga] 投稿日:2013/10/15(火) 01 50 53.07 ID sU+gI2Ivo 憧「あー、ここかぁ……確かに少し難しいかもね。けどね――」 (中略) 憧「――ってわけ。どう? 分かった?」 京太郎「分かったああああああああああッ!!!」ガターッ 憧「ひえっ!?」ビクッ 咆哮が静寂の空間を粉砕する。 雲散霧消。 俺の心の中の闇は今、影も形も残さず消え去った。 憧「きゅ、急に大声出さないでよ! ビックリするでしょ!?」 京太郎「憧ー!!」ガシッ 憧「手ー!?///」カァッ この人の手を離さない。僕の魂ごと離してしまう気がするから。 (適当)。 677 名前:5月13日(月)[saga] 投稿日:2013/10/15(火) 02 21 57.97 ID sU+gI2Ivo 京太郎「憧! 俺、やっぱり憧じゃないとダメだ!」 憧「ふきゅっ!?」 京太郎「この前はごめんな、俺が悪かった。許してくれ」 憧「ぁ、あの、その、えっと!?」アワワアワワ 京太郎「俺には憧しかいないんだ! 憧だけが頼りなんだ!!」 憧「な、なによ……さっきからやたら特別扱いしてくれちゃって……こ、姑息だわっ///」 京太郎「……ダメか?」ジッ 憧「っふぎゅ……/// し、し、仕方ないわねっ! 一度は引き受けた以上、ちゃんと最後まで面倒見るわよ!」 京太郎「サンキュー! さっすが憧様は話が分かるッ!」ニッ 憧「~~~っ……もう、ばか」プイッ 宥「あったか~い」 玄「やっぱりみんな仲良しが一番だねー」 穏乃「うんうん! これはもう勉強なんてしてる場合じゃないね!」 灼「場合だよ」ズバァッ レジェンド「場合だね」ズバァッ 穏乃「二人して酷いっ!?」 681 名前:5月13日(月)[saga] 投稿日:2013/10/15(火) 02 39 43.06 ID sU+gI2Ivo …… ………… ……………… 憧「――はーい、それじゃ今日はここまでね」 レジェンド「みんなお疲れ!」 灼「お疲レジェンド」 / . . . . . . . . . . \ , . . . . . . . .. . . . . . . . . . . . . . ..ヽ . . . ヽ / . . . . . . . . . . ′. . . . . i{ . . . . . . . . . .. . ..‘. ∧ / / / / .. . . . . . . .| . . . . . . | . . . . . . . . . .∨. ‘.. . / .イ ′ . . . . . { . . . ,| ... . . . {∧ . . . . . . . . . i . . . :. i ././ ′ !. .|....... 小 . .ハ__ . . . . iハ 斗 十 .ト . .| . ... i . i .′} . |. ! . . 斗{ . 「 丁i . . . .ト .V ヘ .{\ . .`! . . . | | |′.′ l . |.ト . . | ヽ 气{\ . { \ ヽ. \} . | { i . . .| 八. .|ヽ{ _ \ ,z≦ミ、| . .! . |! 「お疲れ様ですっ!」 | /|. . . . ! ,ァ= =ミ ´ `'^| . | .小 |. / ! . . . .ハ ′ /i/, | . | .|i | ′ } . . | ∨ /i ' . . . .! . l { ○ ′. . .ト. . , 八 . .. } . l .‘ / .{ | . . . . { 込 ` ´ /} . . ./ . ! . ‘ / ; .| . | . . . . | 个 ..... .イ ∨ . . / /. .′ ∧ i /{ .! . | . . . . | / ノ}≧ - ´ {入 /. . ./i/ . .′ . . ‘. |{∧{.. .i . { . . ‘ . . / 乂 / / . . /V . . .{ . . . . . ‘. .′.. .八 !ム .七¨⌒} >t_ん / ./「/ . . 厂 ̄ ≧ 、 / . rヘ´ ヽ \ | ∧ ∧'ィ斗v′ . / ヽ. / . ′ 八_{ ̄≧ V__/イ´ {'リ . . . ′ / } / . . {⌒ヽ 八 z__{ }___, {.' . . ./ / | .′. . | \ 《 ハ下 . /. . . .′ , 小 / . . . .{ ヽ } ∧__/ }ハ ≧7. . . ./ / { ∧. / . ./.. . } . | く / } ; . . . . ′ .′/ { . .‘. / . ./.. . . .i ∨ } `≧-ヘ ∧ノ} . . . .{ . { .′ } . . ‘. / . /′ . . .} ‘. V| ∨ | ノ} . } j / / { . . . ‘. 宥「おつかれさまでしたぁ」 労いの声が夕暮れの部室を飛び交う。 穏乃「づがれだああああああああああ」 京゛太゛郎゛「゛も゛う゛指゛先゛び゛ど゛づ゛も゛ダ゛ヴ゛ン゛ざ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」゛ 主に労われる側である俺と穏乃の耳には届いていないのだが。 686 名前:5月13日(月)[saga] 投稿日:2013/10/15(火) 03 02 58.68 ID sU+gI2Ivo 憧「だらしないなぁ……シャキッとしなさいよシャキッと」 京太郎「無理。頭重くて持ち上がらねえ」 穏乃「同じくー……」 受験以来の脳味噌フル回転は堪えた。 だが、せめて視線だけでも憧へ。 京太郎「丁寧に教えてくれてありがとな、憧。すっげー分かりやすかった」 憧「な、なによ藪から棒に」 穏乃「あ、私も私も。ありがとー憧ー」 憧「しずまで……」 二人して額を机にへばりつけたまま、憧に感謝の言葉を贈る。 過酷な勉強会だったが、間違いなく有意義だった。 憧のお陰だ。 憧「も、もうっ! ありがとうなんてまだ早いでしょ。ちゃんと赤点回避出来てから言いなさいよね」フン はいはい照れてる照れてる。 顔が見えず幸いとばかりにニヤニヤしておく。 689 名前:5月13日(月)[saga] 投稿日:2013/10/15(火) 03 22 18.15 ID sU+gI2Ivo 憧「あ、そうだ。赤点回避出来たら見返りとかもらっちゃおうかな~?」ニヤリ 打って変わって意地悪げな声。 そろそろ回復してきたし、起き上がるとするかな。 穏乃「いいよー。その時はラーメン奢ったげる!」 隣では先に穏乃が椅子から立ち上がっていた。流石の回復力。 憧「え、いいの? 冗談のつもりで言ったんだけど」 穏乃「これだけ助けてもらってるんだもん、それくらいお安い御用だよ!」 憧「ほほーぅ、言ったね穏乃クン? 財布の中身確認しなくて大丈夫?」 穏乃「うぇ。だ、大丈夫……でしょ? だよね? ラーメンだもんね?」 憧「さてどうかな~」ニヤニヤ 穏乃「い、一番安いのでお願いしますっ!」 熱い手のひら返し。 京太郎「つか食い物取られたな……俺どうしよ」 穏乃「別に被ってもよくない? ていうか割り勘にしない!?」 京太郎「オイコラ」デコピンッ 憧「感謝の念はどこ行ったのよアンタ」デコピンッ 穏乃「うぁいたー!?」>< 696 名前:5月13日(月)[saga] 投稿日:2013/10/15(火) 07 03 35.71 ID sU+gI2Ivo 俺と憧からデコピンを喰らって、うっすら赤くなった額を押さえる穏乃。 は放っておいて、お礼を考えないと。 京太郎「何がいいかなぁ……」 憧「アンタも別に真面目に考えなくていいわよ?」 京太郎「いやーそういう訳にもいかんだろ。穏乃と同じでかなり助かってるし、ちゃんとお礼したい」 憧「……あ、そ。変に律儀よね、京太郎って」 京太郎「そうだ、一週間カバン持ちなんてどうだ!? 持つぜぇ~登下校の時とか超持つぜぇ~?」 憧「却下」 京太郎「じゃあどうすればいいんですかぁ!?」 憧「逆ギレ!? 自分で考えなさいよ!」 にべもない。 だが、ごもっともだ。 そうして悩んでいると、声が。 玄さんと共に部内やらかしランキング上位を総ナメするあの人の――声が。 レジェンド「デートでもしてあげたら?」 京太郎「ファッ!?」 713 名前:5月13日(月)[saga] 投稿日:2013/10/15(火) 15 25 34.41 ID sU+gI2Ivo 憧「」 ああっ憧がフリーズしてる! 無理もないが、じゃあ俺だけで対応しなくちゃいけないのか……うごごご。 京太郎「……監督。説明を要求します」 レジェンド「えー? 言葉のまんまだけど」 京太郎「いやいや。いやいやいや。なんでデートっすか」 レジェンド「いいじゃんデート。年頃の女の子は喜ぶよ?」ニヤリ 京太郎「年頃の女の子っつっても憧ですよ……? それに、そんな時間ないでしょ」 レジェンド「あるんだな、それが」 京太郎「ひょ?」 レジェンド「今月の26日……日曜ね。私が用事で空けるから部活は休みにする予定だったんだ」 京太郎「バン……ザド……?」 レジェンド「だからその日、もしテストで赤点回避出来たら須賀くんは憧をデートに誘うこと! 決定!」 京太郎「決定された!?」 718 名前:5月13日(月)[saga] 投稿日:2013/10/15(火) 15 53 45.10 ID sU+gI2Ivo レジェンド「顧問命令です」シレッ 京太郎「部員同士のデートを強制する権利なんて顧問にはねーよ!!」 レジェンド「さえずるなぁ……何? 須賀くんはデートしたくないの?」 京太郎「したいです」 くずおれる。 京太郎「赤土先生……! デートが、したいです……」 レジェンド「うむ、その為にも中間テストを頑張りたまえ!」 京太郎「はい!!」 問☆題☆解☆決! 俺はな。 肝心なのは…… レジェンド「憧ー。憧もそれでいいよね?」 憧「」ハッ 憧「いいわけないでしょなんであたしがデートなんてデートなんてデートなん」 レジェンド「あて身」ドスッ 憧「ふぎゅ」ガクッ レジェンド「けって~い☆」 問☆題☆解☆決(物理)!! こうして俺は、テストの結果次第で憧とデートすることになった。 ちなみに気絶した憧はレジェンドが責任を持って家まで送り届けた。 ついでに夕飯も御馳走になったらしい。 なにやってだ。 【TO BE CONTINUED...】 【松実玄のステータスが更新されました!】 京太郎への印象:...→\(・ω・\)おもち!(/・ω・)/身内!\(・ω・\)おもち!(/・ω・)/身内! →京太郎お兄ちゃんは大人なのに玄の裸を見たらいやらしい気持ちになるんだ……(new!) 【松実宥のステータスが更新されました!】 京太郎への印象:...→あったかい男の子 →おねーちゃんをからかっちゃいけません(new!)
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820 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2015/05/17(日) 21 31 30.57 ID d/1Ck0HBo ワイワイ ワイワイ ガヤガヤ ガヤガヤ 京太郎「……ん?」キョロキョロ 京太郎「今朝はやけに静かだと思ったら……アイツがまだ来てないのか」 京太郎「珍しいな。この時間には大体いるのに」 京太郎「あのバカに限って風邪なんてひかねーだろうし、寝坊か?」 キーンコーン カーンコーン キーンコーン カーンコーン 京太郎「あーあ予鈴が……こりゃ遅刻決定かな」 コソコソ... 京太郎「ん?」クルッ サッ 京太郎「……気のせいか」 コソコソ... 京太郎「んん?」クルッ ササッ 京太郎「……まだ寝ボケてんのかな俺」 コソコソ... 京太郎「――とでも言うと思ったか! かかったなアホが!!」バッ 821 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2015/05/17(日) 21 35 44.94 ID d/1Ck0HBo ???「ッ!」 \ ヽ | / / \ ヽ / / ‐、、 殺 伐 と し た 教 室 に S S S が ! ! _,,-'' ¨ ̄ ̄ ̄¨ 、 / _/ ̄} ̄`ー-、 / ./ /{____ }⌒ _ \ _/\/\/\/|_ / ./ /└.//-‐ /l \ \ \ / | |. /'‐-// |. / .i-‐''\ \ <ハーベストタイム> / .| {.〃⌒ヽ |/〃⌒ヽ | | 》 / \ // ./| |.{i. (^ノ i} {i (^ノ i}リノ /  ̄|/\/\/\/ ̄ -‐=ニニ二二二二二二 / ./ | ヾ 二ノ ヾゝ.イ| /. / / ./ ∧ ∧ 丶 フ | |r,人 (( // ./ / \. \┌--‐ /「/^i \. ヽ /. / ./ / ‐-┐ヽ. / { ヽ\ 二二二ニニ==‐ /.. / / 〈 -==} i} } .}\\ ヽ / // / ∧ } // ̄\/ / / \\ ノ / /. / / /∧{ {.{\. \/ / \\ / / ./| / //└-= \\ / \\ ( (. | / / ∧ 〉 \/ ) ) ヽ } / ̄{{__ .// } / // \ / . \.. ´ 《∨ / / .| . -===={ }=r‐-==‐-┐ ノ {/\ / / / ̄ ‐- -‐=='´ ∨/ ‐-‐ / / } < i/ ∨/// / / | \ i ∨//// { /‐-===┐ | \ ∨// ヽ../ } | /\ |-‐  ̄ ̄ | /| \__ -===┘  ̄ ̄| / \ |. / ,. ` | | / ,. ` |. |. rr/ ` |. |. / {冂./ | | / / } | -59400. {{. { {二二二ヽ_. \__〕 {_____〕 '''''''''''''''''''' ,,,, ll ,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,, llll ll '''''''''''''''llll'''''''''''' lll lll , ,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,, ,ll' ,ll' llll ,,,''' ,ll' ,ll' ll,,,,l'''' ''' '' 京太郎「」 825 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2015/05/17(日) 21 47 02.75 ID d/1Ck0HBo 淡「……」 京太郎「……」 淡「…………………………ふぅ、危ないところだった」キリッ 京太郎「おい」 淡「あわっ!?」ビクッ 京太郎「なーに上手いこと誤魔化せた風に振る舞ってやがりますかねお前は。あぁん?」 淡「な、なんで!? 100点満点の完璧なカモフラだったはずなのに!」 京太郎「その自信はどこから来るんだよ」 淡「だって須賀、振り向いても何も言わなかったし……」 京太郎「ツッコミどころが多すぎて言葉を失ってたんだよ!」 淡「がーん!?」 京太郎「まずお前は弘世部長でも宮永先輩でも尭深先輩でもないだろ! あと亦野先輩のことはもう許してやれよ!」 淡「ち、違うし。私は高校100年生の超新星美少女大星淡ちゃんじゃないし」ヒューヒュー 京太郎「俺はお前をまだ一度も大星とは呼んでねーぞ」 淡「ハッ!? だ、騙したな!」 京太郎「騙してない。あと口笛吹けてねーぞ」 淡「ハッ!? だ、騙したな!」 京太郎「騙してない」 828 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2015/05/17(日) 21 56 51.02 ID d/1Ck0HBo 淡「そんなぁ……須賀ごときにハメられるなんて……」グスッ 京太郎「人のこと泣く程ナメてんのか」 淡「だって須賀だし」 京太郎「はいはい。つーか、そんな悪目立ちして何をカモフラージュしたいんだよお前は……ん?」 淡「っ!」ビクッ 京太郎「言動に気を取られてたけど、よく見てみると……」ジロジロ 淡「な、なによ。女の子の顔ジロジロ見んなっ」 京太郎「なんだそのヘアピ」 淡「ヒャー!」 京太郎「ヘア」 淡「わー!」 京太郎「ヘピ」 淡「へうっ」 京太郎「(ちょっと楽しいな)」 832 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2015/05/17(日) 22 11 34.87 ID d/1Ck0HBo 淡「もー! 意地悪しないでよ!」 京太郎「ヘアピン珍しいな」 淡「わぁー不意打ち!?」 京太郎「何がだよ……」 淡「もうっ! どうして人が気にしてること言っちゃうのバカ須賀!」 京太郎「いや言われたくないならしてこなきゃいいだろアホ大星」 淡「ちーがーうーのー! ほんっと乙女心が分かってないんだから!」プンスコ 京太郎「分かって欲しけりゃリントの言葉で喋れや!」 淡「ッ……………………………………………………がみ」ボソッ 京太郎「え?」 淡「ま・え・が・み! 切るの失敗しちゃたから見られたくないの!」 京太郎「しょうもなっ」 淡「しょうもなくなーい!」ムキー 836 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2015/05/17(日) 22 28 58.24 ID d/1Ck0HBo 京太郎「だってお前、つまりアレだろ? その前髪をどうにかしようと思って遅刻寸前だったんだろ?」 淡「そうだけど……」 京太郎「それがしょうもなくなかったら何がしょうもなくなくないんだっつー話だよ」 淡「だってだって!……本当に見られるの嫌だったんだもん……」シュン 京太郎「え」 淡「ねえ、学校って前髪ダサくても来ていいのかな……?」 京太郎「当たり前だろ!?」 淡「ほんとに……? 校則違反だったりしない……?」ビクビク 京太郎「(なんだよ大星のやつ……普段とは別人みたいに弱気になってるな……)」 京太郎「(自信なさげに俯いて、周囲の目を気にしてオドオドして……)」 京太郎「(前髪ひとつでここまで落ち込めるのも凄いが……なんか調子狂うな)」 淡「やっぱ今からでも帰ろっかな……」ソワソワ 京太郎「あー待て待て! そんなことしたら後で弘世部長から大目玉だぞ!」 淡「やだ! 目玉やだ!」ヒィッ 京太郎「だろ? だから嫌でも辛抱しろって。ちょっとなら俺もフォローしてやるから」 840 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2015/05/17(日) 23 06 00.86 ID d/1Ck0HBo 淡「ほ、ほんと? ほんとに助けてくれるの?」 京太郎「ああ」 淡「その無駄にデカい図体で私のこと隠してくれる?」 京太郎「無駄には余計だ」 淡「宿題やってないんだけど写させてくれる?」 京太郎「それは俺もやってない」 淡「なにそれ役立たずじゃん!!」 京太郎「うるせえ! まず感謝の言葉も出てこねーのかお前は!」 淡「う゛っ。ぅー………………す、須賀」 京太郎「あん?」 淡「その、えと……」ゴニョゴニョ 京太郎「?」 淡「………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………ありが、と」フイッ 京太郎「お、おう」ドキッ 淡「……」 京太郎「……」 ガラッ 担任「はい皆おはよう。早速ですが昨日の課題を提出してくださーい」 「「あ゛」」 843 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2015/05/17(日) 23 57 38.22 ID d/1Ck0HBo ガミガミ... 淡「須賀のせいで怒られた!」 京太郎「自業自得だろ! 俺もお前もな!」 担任「はいそこ静かに。このまま授業に移りますよ」 淡「あっせんせーすいませーん」 担任「どうしました大星さん?」 淡「後ろの席に移動してもいいですか?」 担任「席を……? どうして?」 淡「それは……」ウーン 京太郎「(おっ早速フォロー事案か? やれやれ――)」 淡「目が良くなったので!」 担任「」 京太郎「」 淡「」キリッ 845 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2015/05/18(月) 00 41 40.89 ID IEcuHlsbo 担任「……良くなった。目が?」 淡「メガ良くなりました! 視力100くらい!」 担任「すごい」 淡「だから今の席じゃ見えすぎちゃって! 須賀の後ろに移動させてくださーい」 担任「うん……先生は構いませんよ……」 京太郎「(先生が死んだ目に……)」 淡「やたっ♪ 机とおりまーす」ガタガタ ガタン 京太郎「……」チラッ 淡「♪」ブイッ 京太郎「(もうコイツ一人でゴリ押し出来るんじゃないかな……)」 担任「先生は授業を始めますよ……」 …… ………… ……………… 淡「須賀がいるせいで黒板全然見えなかったじゃんバカー!」 京太郎「バーカ」 871 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2015/05/31(日) 22 09 08.79 ID aSXmL6OCo …… ………… ……………… キーンコーン カーンコーン キーンコーン カーンコーン 男子「須賀ーメシいこーぜ」 京太郎「おー」ガタッ クイッ 京太郎「おおっ?」ヨロッ 淡「……」 京太郎「なんだよ大星、シャツ引っ張んなよ伸びるだろ」 淡「じー……」 京太郎「いやだから言いたいことがあんならハッキリ……ってまさか」 淡「じぃーー……」 京太郎「う゛……」 淡「じぃーーーっ……」 京太郎「ッだー! 分かった分かりました、一緒にメシ食えば満足だろうが!」 淡「!」パァッ 京太郎「悪ぃ、つー訳だからさ」 男子「須賀がなるべく惨たらしく死にますように」 872 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2015/05/31(日) 22 26 08.10 ID aSXmL6OCo ~屋上~ ビュオオオ... 京太郎「ひとつの友情の終わりを感じる……」 淡「もー、須賀ってばいつまでウジウジしてんの」 京太郎「誰のせいだと思ってんだ」 淡「この大星淡ちゃんとお昼ごはん食べられるんなら友達100人ぐらいなくしても大丈夫でしょ!」 京太郎「お前のその自信はいっそ清々しいよ……」 淡「須賀だけに?」 京太郎「やかましい」 淡「あ、でも……」 京太郎「?」 淡「こんな前髪ダサい私とお昼なんて食べても嬉しくないよね……迷惑だよね……」ズーン 京太郎「お前いきなり自虐モード入んのやめてくれる!?」 874 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2015/05/31(日) 22 52 44.10 ID aSXmL6OCo 淡「だってぇ」グズグズ 京太郎「グズるなグズるな。別に迷惑とかじゃないし、ちゃんと一緒にメシ食ってやるから」 淡「ほんとに?」 京太郎「ほんとだっての。だからちょっと待ってろ」スッ 淡「えっどこ行くの!?」 京太郎「どこって、購買だよ購買。今日弁当持ってきてなくてさ」 淡「だめ!」 京太郎「ダメ!?」 淡「須賀が行っちゃったら私一人になっちゃうしっ」 京太郎「……お前も来れば?」 淡「人多いとこやだ……」 京太郎「どないせーと」 淡「……わ、わわ……」 京太郎「WA?」 淡「私のおべんと食べさせてあげる!」 877 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2015/05/31(日) 23 26 18.58 ID aSXmL6OCo 京太郎「は……!? ちょいタンマ大星、どうしてそうなった?」 淡「だってそれなら須賀がどこにも行く必要ないじゃん!」 京太郎「考慮すべき点が他にもあるだろ!?」 淡「もーうっさい! 食べるの? 食べないの!?」 京太郎「食べる以外の選択肢だとお前100%ゴネるだろーが!」 淡「!……にゅふふ、分かってんじゃん!」 京太郎「残念ながらな……」 淡「じゃあ、はい」スッ 京太郎「はい?」 淡「はい、あーん」 京太郎「はいィ!?」ガタッ 淡「え、なんでそんな大声?」 京太郎「なんでって、自分が何やってるか分かってんのか……?」 淡「私が? うーん……」 京太郎「……」 淡「……………………………………………………はぅあ!?///」ボフンッ 881 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2015/05/31(日) 23 55 58.31 ID aSXmL6OCo 京太郎「……」ジトー 淡「ちがっ、ちがうもん! 「食べさせてあげる」って言っちゃったから頭の中あーんしか浮かばなくって……したかったとかじゃないもん!」 京太郎「ああうん大丈夫お前が考えなしに行動するスカポンタンなのは嫌ってぐらい身に染みて分かってるからから次から気をつけモガァ」 淡「どう!? おいしい!? おいしいよね!?」グイー 京太郎「無許可で人の口に物を突っ込むんじゃあねえーッ! 今お口喋る番! 食べる番じゃないの!」 淡「うっさいばーか! お次は玉子焼き食らえっ!」ズボォ 京太郎「ンゴッ……あ、うめえ」ゴクン 淡「ほんとっ?」 京太郎「おう、これ作ったの大hそんなわけないか(笑)」 淡「せめて最後まで言ってよ!!」 京太郎「これ作ったの大星?」 淡「お母さんだけど」 京太郎「(失笑)」 淡「ムキー! じゃあ次は――」 …… ………… ……………… 淡「私のおべんとほとんど須賀が食べちゃったじゃんバカー!」 京太郎「お前ってほんとバカ」 907 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2015/06/07(日) 22 33 49.65 ID STIypqd6o …… ………… ……………… キーンコーン カーンコーン キーンコーン カーンコーン 京太郎「放課後……か」チラッ 淡「う゛~……」ウジウジ 京太郎「(中々席から離れようとしないな……)」 京太郎「(いつもなら一番に教室を飛び出すクセに……)」 京太郎「(……やれやれ、だな)」 京太郎「大星」 淡「なっなに?」ビクッ 京太郎「今日の部活だけどさ」 淡「う、うん……」ビクビク 京太郎「サボっちまうか」 淡「へっ?」 910 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2015/06/07(日) 23 12 19.30 ID STIypqd6o 京太郎「どうせ部活に出たって集中なんて出来ないだろ? だったらさ」 淡「でも……」 京太郎「どうした?」 淡「高校100年生の淡ちゃんはともかく激ザコの須賀に部活サボらせるのは悪いし……」 京太郎「傲慢なのか謙虚なのかわっかんねーなそれもう!!」 淡「ほんとのことだし……」 京太郎「だとしても気にする柄かよ……いいんだよ俺は。乗りかかった船だし、今のお前ほっとくのは怖ぇしな」 淡「須賀……」 京太郎「どうする? 今なら俺から弘世部長に連絡するサービス付きだぞ?」 淡「…………………………ありがと」 京太郎「決まりな。それでは参りましょう、お姫様」スッ 淡「あわっ!?///」ドキッ 京太郎「なんつってな――大星?」 淡「い……」 京太郎「い?」 淡「今のもっかい言って!///」ドキドキ 京太郎「さっさと鞄持てやアホ」 913 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2015/06/07(日) 23 54 13.68 ID STIypqd6o ~校外~ テクテクテク... 京太郎「ほい、送信完了っと」メルメルメー 淡「菫せんぱい怒るかな?」 京太郎「具合悪いってことにしたから大丈夫だとは思うけどな」 淡「おおっ策士」 京太郎「それに俺がお前の味方をするなんて珍しいからな。多分バレないだろ」 淡「……須賀」 京太郎「あん?」 淡「どうして……どうして私の味方をしてくれるの?」 京太郎「お前から頼んできたんじゃねーか」 淡「どうして頼みを聞いてくれたのって意味!」ムキー 京太郎「そういう意味なら……そうだなぁ……」ウーン 淡「……」 934 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2015/06/11(木) 23 12 54.89 ID 5dHr52NWo 京太郎「強いて言うなら……自分の為だわな」 淡「須賀の?」 京太郎「おう。なんつーか、お前にしおらしくされてると調子狂うんだよな」 淡「う゛っ」 京太郎「振り回されるのも疲れるし――って別に普段も振り回されてるか」 淡「そ、そうだよ! いっつも振り回してあげてんじゃん!」 京太郎「なんで恩着せがましめなの?」 淡「だって事実だしっ」 京太郎「はあ……いや、それもそうだな。実際そうだわ」 淡「え?」 京太郎「振り回されるなら元気なお前の方がいくらかマシだって意味だよ」ニッ 淡「ッ」ドキッ 京太郎「ま、結局そこまで髪型に一喜一憂する気持ちは分かんねーけどな」 淡「むっ。まだ言う!? どーして分かんないかなー!」プリプリ 京太郎「いや分かんねーって。だって――」 京太郎「――別に今のお前(の髪型)も好きだし」 淡「ほに゛ゃあっ///!!?!?!???!!!?!」ズキューン 940 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2015/06/12(金) 02 00 05.77 ID B/69YW27o 淡「す、好きって……好きって……!///」カァーッ 淡「(どどどどどどどどどーゆーこと!?)」 淡「(須賀が……私のこと……~~~ッ///)」 淡「(えっ……えーっ!?///)」 淡「(うそうそやだやだいやこれはそういうやだじゃなくてっ)」 淡「(でもだってなんで? 須賀のやつそんな素振り……全然――)」ハッ 淡「(あの日……ファーストキス……)」グルグル 淡「(胸……お尻……ほっぺも……)」グルグル 淡「(金髪……イケメン……意地悪だけど優しい……)」グルグル 淡「(――じゃあ、須賀のやつほんとに私を……私、は……)」グルグル 京太郎「大星?」 淡「えっあっ………………、わ」 京太郎「わ?」 淡「わ、私も好き!」 ? ,. ⌒ヽ、/⌒ 、-- 、 /_,..- ヽ ` 、 / /´ / ∨ \ , ´ / ,' 、 ヽ / , , / /| | . | | | ∨ _/ / / |_|__'_| | _}_|_|_| | |  ̄ ̄´/ イ ' { ´| |/__{ | , ´/}/_}∧ | | | / / , rⅥィ笊 从 {∨ /ィ笊_ヽ}/、 | | / イ ∧{ 从 Vり \∨' Vり /' / ∧{ ´/イ }从lム ; \ ,ノ / \ | ∧ ∧,イ Ⅵム - - イ // _ヽl\ //イ__ |////} ` ー ´「////| |////| . / |/[__}/| ,...<////∧ , |/////> 、 , <///////////\ ///////////> 、 , </////////////////}____{/////////////////> 、 //////////////////////| |////////////////////∧ {/////////////////////∧ ,'//////////////////////} |//////////////////////∧ ////////////////////////| 952 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2015/06/13(土) 07 15 07.98 ID ZKU/Gjv4o 淡「///」プルプル 京太郎「えー、っと……嫌いだったんじゃないのか?」 淡「そ、そんなことない! 確かに最初は嫌いだったかもしれないけど……」 京太郎「しれないけど?」 淡「ちょっとずつ嫌いじゃなくなってきてたっていうか……きっと、ずっと前から好きだったの!///」カァーッ 京太郎「ずっと前から……?」 淡「///」コクコク 京太郎「でも、前髪失敗したのって昨日だろ?」 淡「えっ?」 京太郎「え?」 淡「え?」 京太郎「え?」 淡「………………え?」 京太郎「え?」 / ヽ \ / ./ . / ′ /| ∧ .. / 7 | ./ ! | ∨ | | ′ ! | / ̄`∨ |´ ̄Ⅵ | | | | r≠ミ、∨ | r≠ミx | | | | 从 r' }!八 〃r' }!》 | | 「えっ……?」 | | ハ弋)ソ \{ 弋)ソ | | | { | i ,,, , ,,,, / 八 !. | } /7 / | 八 人 v フ / /} 八 \{\( >... 仏イ/ / \. / ≧ー < |/ / \ / 厂 ̄ | / / . \ // / /| / ∧ .. .. //' / ∧ // / \ . |. // / / /\ / / / \ . | l( / / / / / / \ .. | 981 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2015/06/18(木) 21 40 17.40 ID lzucfxHVo …… ………… ……………… 京太郎「……あー……」 淡「あ゛ーーーーーっ!///」 京太郎「まあ……その……なんだ。そろそろ落ち着けって」 淡「あ゛ーーーーーっ!/// ア゛ーーーーーーーーーーッ!!///」グネグネ 京太郎「落ち着けって」ズビシ 淡「んに゛ゃう!?」 京太郎「ったく……お前って本ッ当に……」 淡「な、なによぉ……」 京太郎「アホだな」ズバァッ 淡「なによー! そんなこと言われなくても分かってるもん! 自分でもやらかしたって思ってるもん!」 京太郎「だったら」 淡「でも気付いちゃったんだもん――須賀のこと、好き、なんだって」 京太郎「!」 淡「……そうしたら、黙ってなんていられなかったんだもん」グスッ 983 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2015/06/18(木) 21 57 24.40 ID lzucfxHVo 京太郎「……あー……」 淡「……」 京太郎「………………大星」 淡「……なによ」 京太郎「いや……あのな。こういうこと、後出しで言うのも卑怯だと思うんだがな……」 淡「……?」 ,. --- 、 ____ /, ´ ̄ ̄` '⌒´ \ 、_/_/⌒ヽ , / ヽ ,---、 / // ヽ . , / ̄-/ /' { | | | / __  ̄,./ /-' l| l | |___ l | | . ' / ,イ _| | |ア__l { { | / }`| | | / , ´ | { | l\{从 ∨ィ斧ミ、 | | 「好きだぞ。俺も、お前のこと」 /\'´ /{ | 从{__,. \∨Vソ }イ ト、 ∧{ ////\ r--- ´八 !∧  ̄ , . . }/ノ/ リ. ///////\ \}∧ u 八/ //////////〉 込、 __ ,. / ///////// / }>、 ` イ |从 ,'//////// / _ /--、l ` ̄ , |--、.///////// / イ/////\ {////} / 「///|'//////// /´// {////////ー '|////| , |///l|///////////// |l///////////ヽ// \ |////> 、////////{/////{!/////////////////}--- /////////> 、 淡「――」 京太郎「ッ恥ず……やべえなこれ、心臓がバクバク言ってら」 淡「ちょちょ、タンマ! 待って! すとーっぷ!」 984 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2015/06/18(木) 22 42 22.06 ID lzucfxHVo 京太郎「なんだよ?」 淡「なんだじゃないっ! 須賀こそなによ!」 京太郎「何って、だから好きだって」 淡「あわあっ!///」ボフンッ 京太郎「うし、二回目は俺からだ。これで恥かかせちまった分の埋め合わせは出来たかな」 淡「いッ、いぃいいいきなり言ったって信じてあげないんだからね!!」 京太郎「仕方ねーだろ、俺だって気付いたら黙ってられなかったんだよ」 淡「はぅ……」 京太郎「お互い素直じゃなかったみたいだな、俺達」 淡「……須賀ぁ」 京太郎「ムードの欠片もない展開で悪いけどよ、そこは今後に期待っつーことで……ダメか?」 淡「……」 京太郎「……」 淡「……だめじゃ、ない」 京太郎「!」 淡「ぜんぜん、だめじゃない。前髪ダサい私でよければ……付き合ってくださいっ!」 988 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2015/06/18(木) 23 14 32.01 ID lzucfxHVo 京太郎「こちらこそ、こんな俺でよければ」 淡「す、須賀じゃないとダメだもんっ」 京太郎「……素直すぎるのも違和感ハンパねーな」 淡「言わないでよバカ!//」カァッ 京太郎「おっ、そんな感じそんな感じ。少しずつ恋人らしくなっていこうぜ」 淡「少しずつでいいの?」 京太郎「お前も恥ずかしいだろ? 友達とか、部員とかにバレたら」 淡「う、うん。特に虎姫のみんなは……」 京太郎「宮永先輩とか?」 淡「だめっ!」 京太郎「尭深先輩と亦野先輩」 淡「だーめー!」 京太郎「弘世部ちょ」 淡「絶っっっっっっっっっっっっっっっ対だめ!!!」クワッ 京太郎「………………せめて俺だけでも優しくしたげよ」 淡「あわ?」 京太郎「なんでもない、気にすんな。じゃあ、しばらくは俺達が付き合ってるってのは内緒な」 淡「いえっさー!」ビシー 989 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2015/06/18(木) 23 23 51.13 ID lzucfxHVo …… ………… ……………… その後、 京太郎「ちわー、じゃじゃ馬お連れしましたー」 淡「あわ~」ゴロニャン 菫「来たか淡。具合はもういい……のか……」ジー 京太郎「弘世部長?」 菫「あ、ああ、いや、なんでもない。いつも悪いな須賀」 京太郎「慣れてますんで。また宮永先輩の卓へ?」 菫「頼む。……」ジー 京太郎「りょーかいでっす。ほれ行くぞ大星」 淡「連れてきたいなら手ー引っ張ってー」 京太郎「へいへい。卓についたら真面目に部活するんだぞ?」 ____ ´ `丶 / \ / \ ヽ / ,イ ヽ . // | | ' ト、 . j/ ; | | │ !∧ i / i |¬|ト│ |八-- 一 i i . Ν 八八 Ⅴ´\ハ | | ┼ __ | \ (⌒⌒) i Λ x= ミ \ル‐ =ミV | │ i │ レ(ノ\ レ 丿 \/ | i iハ . |. | │ i │ | i i . " "" ; | . | i . | i . ∨込. マ フ / イ リ i . 人八 ∨ 个ト ,,_ <「∨ /i i . /\[ | __j_」 ∨∠ リ リ 、 / リ jレ'´ 乂 У∨ ∧ \ / / /ー --/ / /⌒>、 \ / / / / 广⌒゙ア / ///⌒\ \ / / / / / 厶イ , \ \ / イ\ ,゙ / __/ {// | \ \ // /イ 「\\_/ . ´ 八 ∨ ′ | \ ヽ (/ ノ 人; \[__/ / / \∨{ 人 ∨)_ノ \{ / > [_[\__;;;/ )У 〉 ト、 │ \__{ / 几 \ 〈 /| |ハ | [__∨ ∨| \ 丶 込,,______ノ | / ∨ |__7 ノ│ 〈 | 〈 [_____________〕 | , / 尭深「……」 誠子「……」 照「……」モグモグ 滅茶苦茶すぐバレた。 【THE END】
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516 名前:5月7日(火)[saga] 投稿日:2013/09/25(水) 00 13 36.99 ID Q/0D/8pMo ガラッ 京太郎「……」 朝の俺は静かだ。 教室に入る時も言葉はない。 何故かと言えば、クラスに友達が少ないからだ。 少ないっていうか憧しかいない。 泣きたい。 入学から一ヶ月が過ぎて、未だに同性の友達がいない。 結構きつい。 そりゃあ女子にモテたいが為に遥々奈良まで来た俺だけど、だけども。 同性特有の気安さが恋しくなる時だってあるのだ。 とは言え現状、憧の存在は非常に大きい。 クラスで唯一の友達なのだから、性別への不満なんて贅沢だろう。 そんなことを考えながら、窓側――憧の隣に位置する自分の席を目指す。 517 名前:5月7日(火)[saga] 投稿日:2013/09/25(水) 00 38 35.27 ID Q/0D/8pMo 「でさーくさくってさー」ウフフ 憧「えーそれホントー?」アハハ 俺とは正反対に、憧はクラスの人気者だ。 女子にも男子にも。 まあ、本人が積極的にコミュニケーションを取るのは女子だけで、男子はその様子を見て溜め息をつくだけだが。 そのどちらにも属さない俺は、GW何してたトークに花を咲かせる憧と、 京太郎「よ、おはよー憧」 憧「あ、京太郎おはよ」 簡単な挨拶を済ませて、席に着いた。 ら、 「……」ジー 「……」ジー 「……」ジー 憧ごと、近くに集まっていた女子数名から凝視された。 なにゆえ。 523 名前:5月7日(火)[saga] 投稿日:2013/09/25(水) 01 25 01.28 ID Q/0D/8pMo 憧「ど、どうかした?」 「今」 「名前で」 「呼んだよね?」 憧「………………あっ!?」 京太郎「あー」 そういえば。 俺が憧を名前で呼ぶようになり、憧が俺を名前で呼ぶようになったのは連休中のことだ。 つまり今日は、名前で呼び合う仲になってから初めての学校。初めての教室。 油断してました☆ 「えーなにどういう関係!?」 憧「ちょ、待っ、」 「いつの間にそんなに仲良くなったの!?」 憧「べ、別に仲良くなんて」 「もうヤった?(直球)」 憧「ふきゅっ!?」 元お嬢様学校とは一体……うごごご…… 524 名前:5月7日(火)[saga] 投稿日:2013/09/25(水) 02 06 38.30 ID Q/0D/8pMo 「んでカレシの方……須賀くん、だっけ?」クルッ 京太郎「お、おう?」 こっちにも火の粉が。ていうか名前うろ覚え…… 憧「か、カレシじゃないわよっ!」 「はいはい。で、須賀くん。憧とはどこまで行ったの?」 京太郎「どこまでって……」 1.俺のアパート 2.旅館 3.風呂 京太郎「………………」 「須賀くーん?」 京太郎「憧トハ同ジ部活ノ仲間ダヨ」ニッコリ 「部活~?」 憧「そ、そうそう! ハルエ……顧問の方針でね、部員同士は名前で呼び合うことになってるの! ねっ!?」 京太郎「憧トハ同ジ部活ノ仲間ダヨ」ニッコリ 「ふぅん……せっかくストロベリぃ話が聞けると思ったのになー。ちぇっ」 「「」」ホッ かつてなく賑やかで、そしてスリリングな朝だった。 550 名前:5月7日(火)[saga] 投稿日:2013/09/26(木) 00 58 03.47 ID DjUHtDoDo …… ………… ……………… 休み時間は寝て過ごす。 眠くなくても寝て過ごす。 何故かと言えば、クラスに友達が少ないからだ。 少ないっていうか憧しかいない。 その憧も教室では大抵誰かと一緒にいる。 それが穏乃だったりすれば、俺も輪に加えてもらえるのだが。 他の、クラスの女子だった場合は俺が入り込む余地などない。 だから寝て過ごす。 起きてたり、顔を上げてたりすると、辛い現実が見えてしまうから。 今日もそんな風に過ごす筈だった。 が、 「な、なあ。ちょっといいか?」 京太郎「んぁ……?」 580 名前:5月7日(火)[saga] 投稿日:2013/09/27(金) 00 46 48.22 ID ucIo/EZ1o 恐らく俺宛と思われる声に顔を上げる。 声は男のもので、目の前に立っている奴も男で。 じゃあつまり俺は今、男から話しかけられたのか。 明日は雨かな? 「須賀、くん……だよな?」 京太郎「あ、ああ」 「今朝さ、新子さんと挨拶してた?」 京太郎「え? まあ、してたけど」 「名前で呼んでたよな……?」 京太郎「おう」 「……仲良いのか?」 京太郎「まあまあかな」 「……」 京太郎「……」 「つ、付き合ってるのか!?」 京太郎「いいえ(即答)」 「おーいみんなー! 違うってよー!!」 「「「「「マジかーーーっ!!!」」」」」ドドドドドッ 京太郎「!?」ビクッ 583 名前:5月7日(火)[saga] 投稿日:2013/09/27(金) 01 13 31.52 ID ucIo/EZ1o 何事だ!? 俺と話していた男子が呼びかけた途端、教室のあちこちに散らばっていた野郎共が駆け寄ってきた。 そして俺を包囲する。 「それは本当か須賀! くん!」 「新子さんとはなんでもないんだな須賀! くん!」 「もしかして女子より男子の方が好きなのかい須賀くん! くん!」 京太郎「と、とりあえず呼び捨てでいいから」 「え、でも須賀くんってヤンキーじゃ」 京太郎「ねーよ!!」ガーッ 「ヒィィ! 須賀くん様がお怒りだ!」 「酒と生肉持ってこいアパーム!!」 京太郎「ああもうなんなのお前ら!?」 ていうか未だにヤンキー疑惑晴れてなかったの!? 憧@隣の席「なに騒いでるんだろ……」ビクビク 586 名前:5月7日(火)[saga] 投稿日:2013/09/27(金) 01 44 47.30 ID ucIo/EZ1o ~廊下~ とりあえず全員で教室を出た。 なんか憧絡みの話っぽかったし、本人隣で怯えてたし。 京太郎「で、なんなのお前ら」 ツッコミではなく通常トーンでもう一度。 「何って、クラスメイトに決まってるじゃないか」 京太郎「そういうのいいから」 「元お嬢様学校に迷い込んだ憐れな少数派の子羊だよ」 京太郎「本音は?」 「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる」 京太郎「ゲスじゃねーか!」 「ゲスじゃないやい! 仮にゲスだとしても、ゲスという名の紳士だい!」 「普通は共学化一年目の学校なんて選ばねーよ!」 「そういう須賀だって女子目当てで入学したクチなんだろ!」 京太郎「うん!」 ハイタッチを交わした。 父さん母さんカピ&咲。 俺、友達が出来たよ。 590 名前:5月7日(火)[saga] 投稿日:2013/09/27(金) 02 10 32.99 ID ucIo/EZ1o 元お嬢様学校に迷い込んだ憐れな少数派の子羊(ゲス)こと俺。 そんな俺が、ようやく友情という光に辿り着くことが出来た。 もっと早く、それこそ入学初日に叶っていれば、あるいはゲスリング部の創設だって夢ではなかったかもしれない。 しかし所詮は可能性――たらればの話だ。 現実として、俺は麻雀部のマネージャーになった。 友と恋。どちらが大事かなんて俺には決められ恋。 「でよー須賀よー」 京太郎「おうなんだよ」 すっかり馴れ馴れしい。 「お前マジに新子さんとは何もねーの?」 京太郎「ねーなー」 「嘘つけ! 何もねーのに高校生男女が名前で呼び合ったりするかよ!」 「そうだそうだ! なんか弱みでも握ってるんだろ!」 「でも俺は苗字呼びも青春っぽくて興奮するぜ」 俺もだぜ。 592 名前:5月7日(火)[saga] 投稿日:2013/09/27(金) 03 04 26.26 ID ucIo/EZ1o 京太郎「いやマジだって、ただ部活が同じってだけで」 「「「「「「ぶ、部活!?」」」」」」 京太郎「おうっ!?」ビクッ 「須賀……お前……部活、入ってたのか?」 京太郎「ああ、麻雀部にな」 「ま、麻雀部……」 「部員は何人だ? 須賀の他に男子は!?」 京太郎「部員は俺まで入れて六人で、他に男子はいねえ」 「なんやそれハーレムやんけ!」 「女の園の更に奥に突入とかどんだけブレイブだよ!!」 「誰とも群れない一匹狼は格が違った」 群れないんじゃなくて群れ損ねただけだよ。 「ち、ちなみに他の部員って可愛い?」 京太郎「クッソ可愛い」 「俺も入部させてくれ!!!」 京太郎「……………………………………………………ゴッメェ~ン、今年はもう新入部員募集してないんだぁ~~~~~」テヘペロォ 「チクショオオオオオオオオオオ!!!」 許せ。 594 名前:5月7日(火)[saga] 投稿日:2013/09/27(金) 03 31 18.40 ID ucIo/EZ1o 「そうかぁ~部活かぁ~……盲点だったわぁぁぁ……」 「仮に気付いてもやっぱり入部する度胸がないわぁ……」 「須賀はそのへんどうだったの? 不安とかなかったの?」 京太郎「オレェ?」 どうだったかな。 再入部の時は腹を括ったが、最初の時は、 京太郎「憧を追い掛け回してたらいつの間にか入部してたからなぁ……」 「なにそれこわい」 「寺生まれってすごい」 京太郎「寺生まれじゃねーよ」 「そういえば須賀ってどこ出身? この辺じゃねーよな」 京太郎「ああ、県外だよ」 「やっぱなー。訛りとか違うもんな」 「俺らはだいたい県内だよな」 「そうそう、俺は地元だけど」 京太郎「俺長野」 「俺は隣町」 「俺も俺も」 「へへ、俺なんて山向こうから来たんだぜ」 「「「「「「長野!!?」」」」」」 598 名前:5月7日(火)[saga] 投稿日:2013/09/27(金) 03 47 56.13 ID ucIo/EZ1o 「な、長野って……長野?」 京太郎「長野」 「中部地方のあの長野?」 京太郎「長野」 「八つもの県と隣接しているあの長野?」 京太郎「長野」 「あずにゃん!?」 京太郎「中野」 「軽井沢とか日本アルプスとか浅間山とか白樺湖とかがあるあの長野?」 京太郎「長野」 「県木は白樺で県花はリンドウで県鳥は雷鳥で県獣はニホンカモシカのあの長野ォ!?」 京太郎「長野マニアァ!?」 俺だって知らんわそんなん。 600 名前:5月7日(火)[saga] 投稿日:2013/09/27(金) 04 09 12.40 ID ucIo/EZ1o 「マジかよ須賀ァ……マジで長野から来たのかよここ奈良によォ……」 京太郎「極めてマジだ」 「女子にモテる為、だけに……?」 京太郎「他には何もいらない」 「こいつやべぇ! 本物だ!」 「ああ、本物の漢だ!!」 「俺達のアニキだ!」 「須賀ニキだ!」 「野郎共! 須賀ニキを称えるぞ!」 「みなぎってきたぜええええええええええ!!!」 「「「須賀ニキ! 須賀ニキ! 須賀ニキ!」」」 「「「須賀ニキ! 須賀ニキ! 須賀ニキ!」」」 京太郎「ハッハッハッハッハッハッやめろ」 憧@トイレ帰り「まだ何かやってる……」ビクビク 602 名前:5月7日(火)[saga] 投稿日:2013/09/27(金) 04 31 16.63 ID ucIo/EZ1o …… ………… ……………… ~食堂~ 京太郎「ふぅ、やっと撒いたか……」 昼休み。 一緒にメシを食おうとする須賀ニキ須賀ニキやかましい連中から逃げて食堂にやってきた。 やっと出来た友達から逃げなくてはならないとは…… 京太郎「ま、モノを食べる時ってのは誰にも邪魔されず自由で、なんというか救われてなきゃあダメだからな」 ただし美少女に囲まれている場合を除く。 京太郎「さーて何を食おうか……」 券売機や、既に席について食事をしている人を見ながら悩む。 と、 京太郎「あ、あれは――!?」 604 名前:5月7日(火)[saga] 投稿日:2013/09/27(金) 04 57 25.92 ID ucIo/EZ1o ◇ 憧「だーかーらー。きょ……須賀くんとはなんでもないんだってば」 「え~? それはナシでしょ新子さーん」ニヤニヤ 憧「ナシって言われても……本当のことだし」 「でもさ、憧ちゃんって男子苦手なんでしょ? どうして須賀くんは平気なの?」 憧「へ、平気じゃないわよ。けど、同じ麻雀部員だから少しは慣れてるってだけで」 「それ! そこがアヤシイんだよねぇ」 憧「……どういう意味?」 「麻雀部って男子は須賀くん一人なんでしょ? しかもマネージャーなんだっけ?」 憧「そうだけど……」 「アっヤシイね~~~。下心ぷんぷんするじゃん」 憧「……」 「分かる! 露骨だよねー。見た目通りチャラいんだねーって感じ」 憧「……違う……」ボソッ 「アコ?」 605 名前:5月7日(火)[saga] 投稿日:2013/09/27(金) 05 27 13.77 ID ucIo/EZ1o 憧「た、確かにありえないぐらいスケベだけど、見た目ほどチャラくはないし……」 憧「それに! 須賀くん……京太郎は、もう下心で部活してなんかないから!」 憧「あんな奴でも、真面目に、あたし達の為にってマネージャーを頑張ってくれてるから!」 「へ、へー……」 「そうなんだ……」 「憧ちゃん……」 「……新子さーん?」 憧「」ハッ 憧「ま、ままままあ!? どーでもいいけどね!? 関係ないけどね!?///」アセアセッ 「へ~……?」ニヤニヤ 憧「なんでニヤニヤしてんの!? あたしはあくまで一人の人間として正しい評価をしただけであってあのそのえっと……えっ、とぉ……///」カァー 「「「「」」」」ニヤニヤ 憧「~~~っ……もー! 別に京太郎のことなんてなんとも――」 ガラッ!! 京太郎「憧ー!! 俺と付き合ってくれええええええええええ!!!」 憧「ふきゅっ!!?」 608 名前:5月7日(火)[saga] 投稿日:2013/09/27(金) 05 47 51.87 ID ucIo/EZ1o ざわ...! ざわ...! ざわ...! 京太郎「」キリッ 憧「な、なななななななな///」カァァァ ズカズカズカ...ピタッ 京太郎「憧」 憧「ひうッ」ビクッ グイッ 憧「あっ///」 京太郎「一緒に……来てくれるな?」 憧「あ、あの、京太郎……?」ドキドキ 京太郎「お前が必要なんだ」キリッッッ 憧「」ズキューン 京太郎「行こう!」ダッ 憧「は、はひっ///」ダッ タッタッタッタッ... 「キャーーーーーーーーーー! なに、なに今の!?」 「公開告白からの駆け落ち……? すご、初めて見た……」 「やったッ!! さすが須賀ニキ! おれたちにできない事を平然とやってのけるッ!」 「そこにシビれる! あこがれるゥ!」 キャーキャー スガニキ! スガニキ! ~食堂~ 憧「はい、レディースランチっ!!」バンッ 京太郎「おおう、サンキュー!」 614 名前:5月7日(火)[saga] 投稿日:2013/09/27(金) 06 04 22.70 ID ucIo/EZ1o ◆ 京太郎「いっただっきまーす!」パンッ 憧「ったく、これを注文させる為だけに食堂まで連れてくるとか……」ブツブツ 京太郎「いやー悪い悪い。今日のレディースランチがすっげー美味そうだったからさぁ」パクパク 憧「だからってあんな……少女漫画みたいに強引で大胆で……その気になっちゃうところだったじゃない……///」ブツブツ 京太郎「あ、一口食う?」 憧「い・り・ま・せ・ん!」 京太郎「うまいのに……」モキュモキュ 憧「言っとくけど、二度とこんなことしないんだから!」 京太郎「愛してるぜ憧」キリッ 憧「うっさい!///」 そんなこんなで楽しいランチだった。 教室に戻ったら地獄が待っているとは知らずに。 【TO BE CONTINUED...】
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663 名前:5月10日(金)[saga] 投稿日:2013/09/29(日) 00 21 47.59 ID ZDKFMn+Qo 今日は朝から快晴だった。 東の低い位置から差す陽の光が心地良い。 こんな天気を『五月晴れ』と呼びたいが、ここで言われる『五月』とは旧暦――つまり6月のことである。 ちなみに読みは『さつきばれ』で、『ごがつばれ』と読む場合は新暦の5月を指す。とかなんとか。 閑話休題。 うららかな日和に欠伸を一つ、通学中の俺。 そういえば通学路で麻雀部のみんなと会ったことってないな。 入学式の日に憧を見かけたきりだ。 時間帯がズレてるんだろうけど、一度くらい女子と肩を並べて登校してみたい。 そんなことを考えながら歩いていると、 前方に不審者を発見した。 ___ 〃 ´ `丶、 ヾ / \ ヽ / / │ ヽ . / /l | |ヽ │ . {{ | i ト匕|\ ト-\| ト | | | { } |八{{ ̄ `}}_{{ ̄`}| 「 | | | }} |汁===介===1| |ノ| |リ | |} -〈┼‐ . }} |ノー弌 | 个ー‐_ァ==≦l |_______}、 |i人___ _リ 厂 ̄__}\ /{ ̄ ‐‐==厶イ__彡⌒ヽ \ { { \_______彡 i |/{{ }\ ハ { }} ∨ 人__∧人__| i | {{/ |∨} } }}. |八_/ { | i | /{{ | 〈/ /l〃l{ o} \乂/ i{ リ \ } //イ 八 {、 / }} ,゙| \ {{ /〃 | ヽ oヘ / /{{/│ \ { / 〃 │ -=い 丶/ /}八 \}} / {{. 八 〉 o/´ / {{ }\ \. / .}}/ ∨ } ,′ / }} \.\ ていうか宥さんだった。 670 名前:5月10日(金)[saga] 投稿日:2013/09/29(日) 00 38 53.38 ID ZDKFMn+Qo 宥「うぅぅ……」ノロノロ 京太郎「……」 眠っちまいそうなほどスロウリィな歩みだった。 部活が終わって帰る時にも目にする光景だが、清々しい朝日の下ではまた違った印象を受ける。 もう言ってしまったが、不審者にしか見えない。 しっかり着付けた冬服にマフラー、そして外出用(?)のマスクにメガネ。 寒さに丸まった背中。緩慢で覚束ない足取り。 どこに出しても恥ずかしくない不審者だった。 こうしちゃいられねぇ。 京太郎「宥さん!」タタッ 駆け寄りつつ名前を呼ぶ。 声が届き、宥さんが振り返る。 宥「わ、わ、京太郎くん?」 京太郎「おはようございます」 宥「お、おはよぉ」プルプル 小動物チックに震える宥さんの隣で立ち止まる。 誰かと並んでいれば不審者レベルも下がる筈だ。 676 名前:5月10日(金)[saga] 投稿日:2013/09/29(日) 01 10 11.42 ID ZDKFMn+Qo 京太郎「玄さんは一緒じゃないんですか?」 宥「うん……玄ちゃんは日直だから先に家を出たの」 京太郎「なるほど」 宥「だから朝ごはんの後おこたで二度寝してても誰も起こしてくれなくて……」プルプル 京太郎「なるほど……」 つーか、おこたで二度寝て。 可愛い(確信)。 京太郎「じゃあ学校までご一緒してもいいですか?」 宥「え……いいの……?」 京太郎「俺の方がお願いしてるんですよ」ニコッ 宥「わわわ……え、えと、ふつつかものですが……」ペコリ 京太郎「結婚してください(そんな嫁入りじゃないんですから)」 宥「ふえっ!?」 京太郎「あっ!?」 やべえ逆だった! 京太郎「すんません噛みました!」 宥「か、噛んだの……?」 京太郎「はい、噛みました」 宥「……びっくりしたぁ。怪我してない……?」 (改めて結婚を申し込みたい) 681 名前:5月10日(金)[saga] 投稿日:2013/09/29(日) 01 40 01.23 ID ZDKFMn+Qo テクテクテク... 二人で通学路を歩く。 スピードは宥さんに合わせて、やや遅め。 まあ遅刻はしまい。 宥「きょ、今日も寒いね……」プルプル 京太郎「太陽さんさん熱血パワーですよ!?」 毎度のことながらこの人の感覚には驚かされる。 妹の玄さんや付き合いの長い憧は慣れっこという風なので、やはり俺はまだまだ新参者だなぁと思う。 京太郎「それだけ着込んでても寒いもんなんですか?」 宥「うん……コート出してくれば良かった……」プルプル えぇー。 京太郎「だったら、もう一枚着ます?」 宥「え? もう一枚?」 京太郎「はい。よっ……」ヌギッ 宥「はゎ!?」ドキッ 687 名前:5月10日(金)[saga] 投稿日:2013/09/29(日) 02 10 00.23 ID ZDKFMn+Qo 制服の上着を脱いで宥さんの肩に掛ける。 体格差があるからすっぽり収まった。 宥「ゎ、わわゎわ」 京太郎「どうですか? あったかくなりました?」 傍目にはこの上なく暑苦しいが。 宥「……う、うん。あったかい……」ポワ 羽織った上着にくるまって表情を綻ばせる宥さん。 こちらまで微笑ましい気持ちになるというものだ。 どう見ても暑苦しいけど。 宥「ありがとうね、京太郎くん」ニコッ 京太郎「なんのこれしき。お役に立てて光栄ですよ」 可愛い笑顔も拝めたし、役得だよな。 薄着になった俺と厚着になった宥さんとでまた歩き出す。 京太郎「ところで、そのメガネも防寒具なんですか?」 宥「うん、ないよりマシかなって」 京太郎「いっそ水泳用のゴーグルにしたら気密性があってあったか~い、かもですね」アハハ 宥「……!」 京太郎「「その手が!」みたいな顔しないでください」 691 名前:5月10日(金)[saga] 投稿日:2013/09/29(日) 02 34 22.70 ID ZDKFMn+Qo …… ………… ……………… ~教室~ 京太郎「――という訳だったのサ」 憧「ふぅん、それで上着を回収し損ねたんだ」 京太郎「はい」 憧「アホね」ズバァッ 京太郎「最近の憧ちゃん、キツイや……」 だがまあ、ひとり衣替え状態で教室に入って悪目立ちしたのは事実だ。 男子連中から「夏を先取りヒューッ!」とか煽られたのが業腹である。 京太郎「でも仕方ねーだろ、あの宥さんから一度着せたものを剥ぎ取るとか出来るか?」 憧「うーん……そう言われると、確かに難しいかもしれないけどさ」 京太郎「だろ? あの小動物みたいな目は反則だって」 憧「あ、それ分かる。女のあたしでもたまにドキッとするもん」 京太郎「マジでか」 同性をも虜にする宥さん。 恐るべし、だ。 692 名前:5月10日(金)[saga] 投稿日:2013/09/29(日) 02 53 22.73 ID ZDKFMn+Qo 憧「にしてもコタツムリで遅刻寸前とか、宥姉は相変わらずだなぁ」 京太郎「昔からそうなのか?」 憧「うん。基本的に玄に頼りっきりだから生活能力は皆無よ」 京太郎「へー可愛い」 憧「その反応おかしくない?」 京太郎「おかしくない」 おかしくないよ。 憧「ま、いいけど……。……そんなんだからさ、付き合いも限られてくる訳でさ」 京太郎「え?」 急に憧の声音が変わる。 少しだけ、真剣なトーン。 憧「年がら年中あんな格好してると、あまり人は寄り付かないって話」 京太郎「……あー……」 そういう話か。 695 名前:5月10日(金)[saga] 投稿日:2013/09/29(日) 03 08 56.09 ID ZDKFMn+Qo 憧「玄が寂しくさせないよう頑張ってるけど、家族のそれと友達のそれって別でしょ?」 京太郎「ああ、まあ、そうかもな」 カピの尻を撫でても怒られないが咲の尻を撫でたら怒られる、みたいな理屈だろう。 憧「……だからさ、男のアンタに頼むのもどうかとは思うんだけど、でも」 憧「宥姉のこと、気に掛けてあげてね」 京太郎「お……おうっ! 任せとけ!」ムンッ 憧「もちろん、くれぐれもやりすぎないようにね」ジトッ 京太郎「ウィッス」 釘を刺されこそしたものの、憧の公認が下りた。 その事実に俺は喜びを隠しきれなかった。 知り合った当初に比べれば格段の信頼を得たということだよな。 京太郎「テンション上がってきたぜーーーーーーーーーーッ!!!」 憧「やりすぎないようにね!?」ギロッ 京太郎「ウィッス」 719 名前:5月10日(金)[saga] 投稿日:2013/09/30(月) 00 40 04.33 ID ftCg23Bmo …… ………… ……………… ~中庭~ 京太郎「水銀・コバルト・カドミウム~♪」 俺達の通う阿知賀学院は広い。無駄に広い。 京太郎「鉛・硫酸・オキシダン~♪」 それでいて生徒数は減少の一途を辿っているので、人口密度が低い。 京太郎「シアン・マンガン・バナジウム~♪」 昼食を早めに済ませた俺は、その閑散とした敷地を散策中だった。 京太郎「クロム・カリウム・ストロンチウム~♪」 朝から続く陽気に、思わず軽快なメロディが口をついて出る。 京太郎「汚れちまった海♪……ん?」ピタッ その途中で、足を止める。 今、何か聞こえたような…… ニャー> 京太郎「あ」 猫だ。 723 名前:5月10日(金)[saga] 投稿日:2013/09/30(月) 01 09 33.62 ID ftCg23Bmo どうやら近くに猫がいるらしい。 しかも、続けて聞こえる鳴き声から察するに複数。 これは探さねばなるまい。もふらねばなるまい。 長野を出てから一ヶ月、即ちカピから離れて一ヶ月。 動物の感触が懐かしい頃合いだ。 穏乃で時々発散させてもらってはいるが、やはり実物には及ばない。憧の監視も厳しいし。 本当はもっとメチャメチャに撫でくり回してやりたいのに。れじぇじぇ。 京太郎「こっちの方から聞こえてきたよな……?」テクテク 鳴き声を頼りに足が向かうのは校舎の陰だ。 いかにも猫がたむろしていそうな場所だし、期待が高まる。 京太郎「……?」ピタッ と。 猫の鳴き声以外にも何か聞こえることに気付く。 ゴロニャー ニャーン ニャー 「にゃー」 ニャーニャー ウニャー フニャー 人の声だ。 しかも、この声は…… 京太郎「……」テクテクテクテク 角を曲がる。 そこには、 「ニィ、ニィ」 宥「ふふ、にゃあ~」モフモフ (新居では白い大きな犬を飼お) 729 名前:5月10日(金)[saga] 投稿日:2013/09/30(月) 01 34 30.42 ID ftCg23Bmo 「ニャーン」スリスリ 宥「えへへ、可愛いなぁ……♪」ポワワー アンタがな!!! と叫びそうになったのをグッと堪えた。 よくぞ耐えたと自分を褒めてやりたい。 子猫と戯れる宥さん。 こんな神々しい光景を壊さずに済んで本当に良かった。 京太郎「……宥さーん」ボソッ 宥「ふぇ」ピクッ そっと近付き、声を掛ける。 宥さんは驚きこそしたものの、纏わりつく猫達が逃げることはなかった。 ゆっくりと、宥さんが振り返る。 宥「きょ、きょ、京太郎くん……?」プルプル 京太郎「どもです」 その身体はいつものように小刻みに震えていたが、顔だけがポッと赤く染まっていた。 733 名前:5月10日(金)[saga] 投稿日:2013/09/30(月) 01 53 32.12 ID ftCg23Bmo 宥「み、見てたの?」 京太郎「見てたというか、見かけたので話しかけてみたんですけど……迷惑でした?」 宥「あ、ぅ、うぅん、迷惑なんて。でも……」ゴニョ 京太郎「でも?」 宥「………………聞いてた?」 京太郎「にゃあ~(裏声)」 宥「~~~~~~~~~~っ///」モフン 「フニャー」 抱き上げた親猫のお腹に顔を埋めてしまった。 もーなにこの年上ー。 宥「は、恥ずかしぃぃぃ……///」プシュー 京太郎「可愛かったですよ(ゲス顔)」 宥「やめてぇぇぇ///」モフモフ 「ウニャニャー」タシタシ 抱きしめられた猫が猫パンチを浴びせている。 嫌ならそこ代わってくれよ。 738 名前:5月10日(金)[saga] 投稿日:2013/09/30(月) 02 21 44.01 ID ftCg23Bmo で、 とりあえず日の当たる場所に移動する俺達。 宥さんの後ろを猫の親子が付いてきて、さながらカルガモの行進だ。 そのまま中庭の芝生に腰を下ろす。 「ニャー」 「ニャニャー」 「ニャニャニャー」 宥「よしよし」モフモフ 「ゴロニャーン」 京太郎「人懐っこいですね、こいつら」モフモフ 宥「うん、よく遊んでるから……」 京太郎「ああ、迷い猫とかじゃないんですね」 宥「私が寒くて困ってると寄ってきてくれるんだぁ」ポワワ 涅槃かな? 741 名前:5月10日(金)[saga] 投稿日:2013/09/30(月) 02 46 58.70 ID ftCg23Bmo 京太郎「あー……ところで、その上着なんですけど」 宥「え?」キョトン 小首を傾げられた。可愛い。 いやそうじゃなくて。可愛いけどそうじゃなくて。 京太郎「えっと、俺のブレザー……」 宥「………………あっ!」 どうやら今になって気付いたご様子だった。 宥「ご、ごめんね京太郎くん、朝からずっと借りちゃってたんだね」アセアセ 京太郎「ええまあ。気にしてませんけどね」 宥「でも寒かったでしょ?」 京太郎「それはあなただけです」 宥「あぅ……と、とりあえず返すね。んしょ……っ」モゾモゾ 言って、羽織っていたブレザーを脱ぐ宥さん。 その途端、 宥「ゎゎゎゎゎゎゎゎゎゎ」プルプルプルプル 京太郎「えぇー……」 震え出す。 743 名前:5月10日(金)[saga] 投稿日:2013/09/30(月) 03 26 43.57 ID ftCg23Bmo 宥「さ、寒、寒ぃぃぃぃぃ……」ガタガタガタガタガタ 京太郎「あ、あの宥さん、俺は平気なんでブレザー着ててください」 一度でも着ていたものがなくなると、宥さんでなくても寒さを感じるものだ。 そして宥さんは宥さんなので、感じる寒さは俺達のそれとは段違いなのだろう。 しかし、 宥「う、うぅうううん。だだ、大丈夫、わわわ私は、猫さ、さん、呼ぶから、からっ」プルプルプルプル 京太郎「いや呼ぶって……」 宥「あったかいの……あったかいの……あったかいの、来て……っ」グッ 「「「ニャー!!」」」 京太郎「!?」ビクッ なんと。 宥さんが震えながら念じた(?)結果、四方八方から猫が飛び出してきた。 「寒くて困ってると寄ってきてくれる」って、そんな即効性のものだったのか…… 746 名前:5月10日(金)[saga] 投稿日:2013/09/30(月) 03 58 39.40 ID ftCg23Bmo 宥「ふわあ……あったかいの、いっぱゎぷっ!?」モフン と、 何やら様子がおかしいことに気付く。 猫、多すぎ。 宥「ね、猫さん……重い、苦しい~っ……!」ベシャッ たかられてる。 宥さんはあっという間に猫山の下敷きになっていた。 京太郎「ちょ、大丈夫ですか!?」 慌ててうずたかく積み上がった猫の撤去を試みる。 しかし一匹、二匹とどけても、またすぐに宥さんにくっついてしまう。 そればかりか、俺の干渉で興奮したらしく、 「ニャース!」モゾモゾ 宥「ふあっ!? そ、そんなところ入っちゃ……!///」 宥さんのスカートの中に潜り込む猫まで現れる始末である! おい代われ(真顔)。 787 名前:5月10日(金)[saga] 投稿日:2013/09/30(月) 22 30 59.32 ID ftCg23Bmo 「ニャンニャン」モゾモゾ 宥「やっ、奥……っ///」ピクンッ 京太郎「」ゴクリ 一体ナニが起きているというのか。 ただひとつ言えるのは、小動物に好き放題されてる宥さんがめっちゃエロいということだ。 混ざりたい。 宥「京太郎くん……っ」 京太郎「あ、はい!?」ビクッ 宥「み、見てないで、助け、てぇ……!」ピクピク 京太郎「うわぁそうでした! でも助けようにもこの猫の数じゃ」 宥「とりあえずスカートの中に入った子だけでも……」 京太郎「え?」 宥「お願い……中に突っ込んで、出してぇ……っ///」 主語ぃのおおおおおんほおおおおお!!! 793 名前:5月10日(金)[saga] 投稿日:2013/09/30(月) 23 04 35.96 ID ftCg23Bmo 京太郎「ゆ、ゆ、宥さん!? 自分で引っ張り出せないんですか!?」 宥「だ、だって、それだとスカートをめくり上げないといけなくて……そしたら……///」カァァ 京太郎「お、おおぅ……。いやでも、だからって男の俺がスカートに手を入れるなん――」ムグッ 言いかけて、口を噤む。 よそう。 俺の余計な見栄でチャンスを棒に振りたくない。 京太郎「――いいんでゲスね?(ゲス顔)」 宥「う、うん……早くぅ……///」プルプル この欲しがりさんめ! 本人が望んでいるのなら俺が断る理由はない。ないのだ。ないのだから、 京太郎「失礼しまーす(ゲス顔)」スルッ 宥「ふぁっ///」ピクンッ 柔らかっ! スカートの裾を少しだけ摘み上げ、そこから手を差し込む。 その際たまたま指が太ももを掠めたのだが……柔らかっ! これで膝枕とかしてもらえたら、もう死んでもいいな。 804 名前:5月10日(金)[saga] 投稿日:2013/09/30(月) 23 46 47.17 ID ftCg23Bmo 京太郎「おーい、猫やーい」モゾモゾ 「フシャー」ジタジタ 宥「んんん……///」ムズムズ 黒いタイツに包まれた脚。 その上で暴れ回る猫。 必然、手も躍る。 京太郎「……そこだっ!」ワシッ 宥「ふにゃあ!?」ビクンッ 鷲掴んじゃった。どことは言わない。 本物の猫には避けられたが、代わりに宥さんが猫みたいに鳴いた。 「ニャー」スリスリ 「ブニャー」ウロウロ 「トレニャー」ワサワサ 京太郎「ええい鬱陶しい!」 一匹にさえ手を焼いているというのに、周りに群がる連中の妨害まであるから厄介だ。 今や芝生に横たわる宥さんの上に跨り、両手をスカートの中に突っ込んでいた。 ら、 ザッ 憧「宥姉~。今日も猫ちゃん来てる? 来てたらあたしにも触らssssssssssssss」ピーガガガガガ 京太郎「あっ」 宥「あっ///」ピピクンッ ボーナスステージ終了のお知らせ。 814 名前:5月10日(金)[saga] 投稿日:2013/10/01(火) 00 07 40.45 ID s+efvdiAo ザザザザザザッ!! 途端、何かを察知したケモノ達が散り散りに逃げ出す。 モーゼかな? その中には今までスカート内に潜んでいた一匹も紛れ込んでいやがって。 気付けば、残ったケダモノは俺だけだった。 憧「……」 京太郎「……」 宥「はぁ……はぁ……///」クタッ おさらいしよう。 中庭。芝生に横たわる宥さん。 顔は赤く、息も絶え絶え。 仰向けになっても強く存在を主張するおもち。 タイツは――所々が伝線し、白い素肌を晒していた。 その宥さんに覆い被さってスカートの中をまさぐっている俺。 オレェ。 宥「んっ……は、ぁ……///」ピクンッ 憧「……………………………………………………なんか言ってみなさいよ」 京太郎「にゃあ~(裏声)」 816 名前:5月10日(金)[saga] 投稿日:2013/10/01(火) 00 09 36.51 ID s+efvdiAo ,.'`──、 _,.-'" ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`丶、 / `ー─'" ∴ `ヽ、 __,.-'"ヽ } ヾ . ∵ | ∵ ー'" ,.-'" { } `` ,,, | ,,, ー ,' ヾ ∵ 憧 ∵ - ,' 三 、 ∴ | ∴ _, ヾ / 彡三 ` ∵ | ∵ '" 三 ミ 彡 _,,,,,,,,,,_ | ___,,、 三≦ 彡 ,' ヾ、 ¨ ゝ | イ ¨ ア ', 彡ミ } |  ̄ヾ! /`ー‐'" ', 彡 } |! |! |! ∴ 三`ヽ, ヽ |! |! |! |! ミ三 `ヽ、 } ` / ヽ 三 `ヽ、 } / \ ミ `ー─────── 彡 { ,、_,.-──、_,.、 |! / ヾ |! \,、 ,、ノ |! / 彡 ,.=キ'" \_/ `==|ミ、 / ヾ / /ヽ | `=/ミ、ヾ _,.-" \ ' _人_ / _,.-'" `rー-、,ヾ, '"´ ̄ ̄ ̄`ヾ、,.-'"´ } `'ヾ, , ,_, ,-'"´ ヾ / 同じネコ科でも格の違いを思い知らされた。 840 名前:5月10日(金)[saga] 投稿日:2013/10/01(火) 00 53 44.29 ID s+efvdiAo …… ………… ……………… ~温室~ レジェンドから「部活を始めたいから宥を連れてきて」と頼まれた。 憧の視線が恐ろしかったが、これもマネージャー業の一環なので仕方ない。 扉を開けると、むわっと熱気が漂ってきた。 京太郎「宥さーん」 宥「あ……京太郎くん」 目当ての人物は入り口から見える位置に立っていた。 片手にはジョウロ、肩には俺のブレザー。 ……まあ、帰る時に返してもらえば問題ないだろう。 京太郎「当番お疲れ様です。お迎えに上がりました」ウヤウヤー 恭しく礼なんてしてみる。なんちゃって執事だ。 宥「わ、わざわざごめんね。すぐ終わらせるから……」 京太郎「お構いなく。何か手伝うこととかあります?」 宥「んと……もう水遣りだけだし、大丈夫だよ」 京太郎「りょーかいでっす」 844 名前:5月10日(金)[saga] 投稿日:2013/10/01(火) 01 18 29.13 ID s+efvdiAo 宥「~♪」ショワー 鼻歌混じりに花に水を撒く宥さん。 マイホームの庭でエプロン着てやって欲しい。 と、そこである物を発見する。 京太郎「宥さん、それ水筒ですか?」 宥「え? あ、うん。そうだよ」 おもちを斜めに横断する形で魔法瓶が提げられていた。 京太郎「もしかして寒さ対策ですか? お茶とか」 宥「熱湯」 京太郎「え?」 宥「ただのお湯だよ」 京太郎「な、なんでただのお湯を持ち歩いてるんですか……?」 宥「寒くて寒くて仕方ない時に頭から被る用に……」プルプル 京太郎「追い詰められすぎィ!!?」 849 名前:5月10日(金)[saga] 投稿日:2013/10/01(火) 01 57 40.65 ID s+efvdiAo 宥「ま、まだ一度も実行したことはないよ?」プルプル 京太郎「そりゃそうですよ……」 実行に移さずとも、熱湯を携行してる時点で大分アウトだ。 口ぶりからすると遠からずやらかしそうな気配もあるし。 こうして言葉を交わす度に、宥さんに対する認識が上書きされていく。 最初は単純に儚げな美少女だったが、今は目の離せない愛すべきダメ人間だ。 京太郎「!」ピコーン と、その時。 不意に素晴らしいナイスアイディアを思いついた。 京太郎「宥さん、ちょっとその水筒貸してもらっていいですか?」 宥「? いいけど……」ハイ 京太郎「ありがとうございます。んで……」キョロキョロ 辺りを見回して、 京太郎「あった!」 宥「?」コクビッ 小首を傾げる宥さんに背を向けて作業。程なく完了。 そして振り返りざまに―― 京太郎「それっ!」プシュッ 宥「きゃっ!?……ぁ、あったか~……い?」ポカン ――霧吹きに注いだお湯を宥さんの頭上に噴射した。 851 名前:5月10日(金)[saga] 投稿日:2013/10/01(火) 02 01 32.55 ID s+efvdiAo . . . . . /. . . / / ヽ 、 . . 寸三ニ7 /. . / / / ! .| ゙、 ! . . 寸三} 原村です。 /. . //! ! ,' . .| . | ! ヽ l | . . . ゙ニ7 / . . Ll-┼┼-l、 | .!|ヽ,r|''T ーt、 ├'ヾ、 ,'. .´!.! | ∧ | l.| ! ,'| .l || | ! || | .l ! ヽ、 突然ですが解説です。 l{ |!| i' ヾ |! |/,'/| /|! |/|' | ./!| .,イ .i! i! l|ヽ | ┳━┳━/' / /./'┳━┳' イ /,' ,'| ノ .i! lヽl ┃//┃ /'´ ┃//┃ イ'l/ ,イリ 作中では霧吹きから噴いた水を温かいとか言っていますが、 | ‘ ━ ’ ‘ ━ ’ ' // | | ,' ´ ! . .! L """ ' """ | | . .l そんなオカルトありえません。 ト.ヽ イ l . ∧ |ヽ|ヽ ⊿ .ィ´ ! i . . .゙、 ト、l} ` _ _ .... チ .,' λ ! . . . ト、 実際には、お湯は噴射の瞬間から急速に冷めてしまいます。 ゙、/ 7"/' .,' ./ / | ! . .ト、゙、 . lヽ ,'-.、_ / ./!,' .! .| . . .l ヾ. . . ゙、 \ ∧ -. _//' ! .| . ! l l ですが裏を返せば至近距離で浴びればまだ熱いまま、ということも有り得ますので良い子は決して真似しないでくださいね。ヽ . . . . ヽ、 `ヽ ヽヽ |!`! | ! . | リ 855 名前:5月10日(金)[saga] 投稿日:2013/10/01(火) 02 28 32.03 ID s+efvdiAo 京太郎「どうですか? これなら直接お湯を被るよりはマシだと思いますけど」 宥「うん……」ポワワ 少し濡れた前髪を摘んで、どこか夢見心地な声を上げる宥さん(可愛い)。 宥「ね、ね、京太郎くん」チョイチョイ 京太郎「はい?」 いつになく幼げな感じに俺の袖を引っ張る宥さん(可愛い)。 そしてほんのり上気した顔でふんわりと笑って、 ,...-''´ ̄ ̄゛`.ヽ.、. /./../... //...,.........\ /ィ/ / // / / ....l ╲ /// {{ ィ‐ナt ハ iハ { |. 〵 |// ん't元ぅ| { ╲ l{ t-ん l | | / ,;|'´じ熱` `'tぇミ|ノノ l l /i / l x x x も温ツ. / l 「あったかいの、もっとちょうだい……?」 ,..-っ i l l/ / __’ x x x / / // //ニヲ, _....,-‐イ | | l ╲ ヽ_> / ハ // _/ /ニフ/ ノ⌒く| ╲;|\ \--..、___ // /ノ// /'´ i'´ レ´ツ'´ ̄\ . . | | . . . ̄ ¯ . . . . .¯'// . / / // | {´ノi,,l,,..-‐''\| / |\ . . . . . . . . . /イ / | | / / /{、_/´/ l ,,/ ___ノ/ / . . . ` ー ― ./ / /‐ r、{╲ |/-/ ソ´,,,,,二ブ /⌒ヽ- 、_ _ _ ./ / /、 {╲╲.}} |ィ ,,-‐''´ ノi/ / { .ノ r'二_ソ,へ . . .ヽ| i/ i\╲ V り,,-'´ // /...... ╲_ -‐'.○{\_ . ..;.ヘ ╲ ヽ,〉 /|, / ..{ ...... / ╲ . ー ヘ ╲ \r{____,,,,ハ | ╲,,,,-イ 人 ... / '´ ̄  ̄ノ / l ╲/ . { //} ... i........... } `i.| . ╲ . . . . | //; ○ l ...... / i {.ト;i i〵 . . . . {___,...ィッ'"´./ / ╲ . | ╲ .ド,╲ || | _; -‐'"´ / / i \ イ| \| \} ノ.リ / ノ-‐'´ 〵 ` ''´/ . .| | `i ╲ / ○ 〵 / | . . || ノ | _,..-'´ ╲ / | . . リ } ii,..< `ー-, \ / l ╲ / ll -'´ `i 〵 ╲_/ | || | ╲ l .| | || ○ | ╲ l l ╲ || {`ー-〵 \ |....} || ごくり。 857 名前:5月10日(金)[saga] 投稿日:2013/10/01(火) 03 01 00.30 ID s+efvdiAo 京太郎「………………」 プシュッ 宥「やんっ」ピクン プシュッ 宥「きゃう……♪」フルフル プシュッ プシュッ プシュッ 宥「ふああぁ……///」ポワワーン エロい(確信)。 霧吹きから発射されるお湯を全身に浴び、恍惚とする宥さん。 うっとりとした表情も、悩ましげに漏れる声も、どれも官能的ですらある。 これで服が透けでもしたら最高なんだが、いかんせん冬服だ。そして宥さんだ。 いつぞやの憧のようにブレザーの下まで濡れて……とはならない。れじぇじぇ。 しかし、 京太郎「そ~れ、まだまだ行きますよー」アハハ 宥「あったか~い」ウフフ 水を滴らせヨロコぶ宥さんを見ると、ついつい調子に乗ってしまう俺だった。 その結果、 宥「さ、ささ、さむいぃぃぃ……」ガチガチガチガチガチガチガチガチ 京太郎「あー……」 数分後にはこの有り様である。 860 名前:5月10日(金)[saga] 投稿日:2013/10/01(火) 03 38 30.99 ID s+efvdiAo いくら噴射時はお湯でも、時間が経てば水になる。 少し考えれば分かることだ。 問題は、俺に少しも考える気がなかったということだ。 宥「ゎゎゎゎゎゎゎゎゎゎゎゎゎゎゎゎゎゎゎゎゎゎゎゎゎゎゎゎゎゎ」ガチガチガチガチガチガチガチガチ 京太郎「おお、もう……」 あんなに暖かそうにしていた宥さんも、今ではただの濡れ鼠。 見るからに寒そうだし、きっと傍目よりも寒いのだろう。 宥「きょうたろうくん、あっためてぇぇぇ」カタカタカタカタ 京太郎「あっためてと言われても……」 曰く最終手段であるお湯は使ってしまったし。 京太郎「えーっと……俺の胸に飛び込んできてください! な~んちゃっ」 宥「おじゃましますっ!」ムギュッ 京太郎「てえええええええええ!!?」 マジか! なんの躊躇もなく抱き付いてきたぞ。 しかし、その身体と密着して納得もする。 冷たい。 常人よりも、水を被った常人よりも、明らかに。 それは俺が招いてしまったものだ。 宥「ぅぅぅぅぅ……」ブルブル 京太郎「ゆ、宥さん……」ソーッ 胸板に押し付けられる柔らかな感触を意識の端っこに追いやる。 そして、少しでもこの人を暖めてあげたい一心で、その背中に両手を回―― ガチャッ 憧「京太郎ー宥姉ー? 二人ともあんまり遅いからハルエに言われてあたしまで見に来ちゃったんだけど覚悟はいいわよね?」ゴッ 京太郎「ウィッス」 862 名前:5月10日(金)[saga] 投稿日:2013/10/01(火) 03 44 19.49 ID s+efvdiAo …… ………… ……………… ~部室~ 玄「おねーちゃん、どうしてジャージなんて着てるの?」 宥「そ、それは……ぅう///」モフン 玄「?」 穏乃「京太郎ー、なんで包帯なんて巻いてるの?」 京太郎「これには複雑な事情があってだな……」モガモガ 穏乃「?」 憧「」ツーン 灼「あっ……(察し)」 【TO BE CONTINUED...】 【松実宥のステータスが更新されました!】 京太郎への印象:...→不思議なあたたかさを感じる →あったかい男の子(new!)
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833 名前:4月12日(金)[saga] 投稿日:2013/06/30(日) 01 37 47.49 ID kzFcFqeJo …… ………… ……………… いよいよ部員めぐりも最後の一人・鷺森先輩を残すのみとなった。 彼女は玄先輩と同じクラスということで、最初はそちらに顔を出したのだが―― ――玄「灼ちゃん? んー……今はいないみたい。職員室に行ったんじゃないかな」―― ――とのことらしいので、その情報に従って歩いている次第である。 京太郎「けどなんで職員室? 呼び出しでも食らってんのかな」 憧「そんなワケないでしょ。須賀くんじゃあるまいし」 _人人人人人人人人人人_> 須賀くんじゃあるまいし < ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄ 不意打ちはやめて欲しい…… そうこうしている間に職員室に到着した。 憧「失礼します」 京太郎「失礼しまーす」 ガラッ 834 名前:4月12日(金)[saga] 投稿日:2013/06/30(日) 01 58 52.24 ID kzFcFqeJo レジェンド「はあ……」 灼「ハルちゃん、どうしたの? 溜め息なんてついて」 レジェンド「灼ァ……もうレジェンドもインターハイもないんだよ……はあぁ……」 灼「落ち込むなんてハルちゃんらしくないよ……?」 レジェンド「放っといてくれ! お前はいいよなァ、どうせ私なんて……」 灼「放っとけない! ハルちゃんを放っておくなんて出来ないよ!」 レジェンド「……灼は、どうしてそこまで私を信頼してくれるんだ?」 灼「え……?」 レジェンド「どうして?」 灼「だ……だって、ハルちゃん最高だから……」ボソッ レジェンド「聞こえないな。もっと大きな声で言いなさい」 灼「ッ! ハルちゃんは最高です!」 レジェンド「もっと大きな声で!!」 灼「ハルちゃんは最高です!!」 レジェンド「もっとだ!!!」 灼「ハルちゃん最高! いやっほぉーーーーーぅ!!!」 レジェンド「まあまあ良い応援だった。65点といったところだな」 灼「ありがとうございます!」 なにやってんだこの人達。 839 名前:4月12日(金)[saga] 投稿日:2013/06/30(日) 02 20 57.86 ID kzFcFqeJo 憧「なにやってんのアンタ達」 言っちゃうのかよ。 レジェンド「お? おー憧。須賀くんもいらっしゃい!」 灼「こんにちは」 京太郎「ちわス」ペコリ 憧「で、もっかい訊くけどなにやってんの」 レジェンド「何って言われても……なあ灼?」 灼「うん、ただの暇つぶし」 京太郎「職員室でやることですか」 周りの先生方に怒られたり……あれ? 誰も気にしてない!? そんな俺の動揺を見て取ったレジェンドがニヤリと笑う。 レジェンド「ふふふ……気付いたようね須賀くん」 京太郎「監督……まさか――!」 レジェンド「そのまさかよ! 毎日やってたら誰も気にしなくなった!!」バーン 京太郎「な、何ィーーーッ!?」ガーン 憧「……新任早々見放され気味?」ヒソッ 灼「しっ。ハルちゃんに聞こえる」ヒソヒソッ 841 名前:4月12日(金)[saga] 投稿日:2013/06/30(日) 02 55 03.46 ID kzFcFqeJo レジェンド「でも落ち込んでたのも本当なんだけどね」フー 京太郎「そうなんですか?」 レジェンド「教師とコーチの両立が思ってたよりも大変でさぁ」 京太郎「あ~……毎日お疲れ様です」 灼「お疲れ様」 憧「おつー」 レジェンド「あはは、ありがと。まあ自分からやるって決めたことだしね、頑張るよ!」ムンッ 憧「その意気その意気」 灼「やっぱりハルちゃんナンバーワン!」イヤッホォーゥ 仲良いなぁ。 大人と子供とか、教師と生徒とか。そういう立場の違いを感じさせない気安さがある。 これもレジェンドの人徳……なんだろうか? レジェンド「さて! じゃあ今から勉強しようかな」スッ 憧「なにその本?」 レジェンド「参考書。全ての女性監督必読の一冊だよ」 京太郎「へー。ちなみにタイトルは?」 レジェンド「おおきく振りかぶって」 京太郎「ダメだこいつ!!!」 860 名前:4月12日(金)[saga] 投稿日:2013/07/01(月) 01 03 20.88 ID tnaswXc2o レジェンド「ところで二人は何しに来たん?」 京太郎「あ、そうだった。鷺森先輩を探してたんですよ」 灼「私?」 京太郎「はい。今、部員めぐりってのを個人的にやってまして、鷺森先輩でラストなんです」 レジェンド「へー、そんなことしてんだ。他の子達はどうだった?」 京太郎「なんというか……刺激的でしたね!」キリッ 主に松実姉妹的な意味で。 レジェンド「あはは! 順調に打ち解けてるみたいで何よりだね」ケラケラ 京太郎「お陰様でー」ワハハ 憧「どこが順調なんだか……」ボソッ レジェンド「で、灼が最後だって?」 京太郎「そっすね。つー訳で鷺森先輩! 俺と楽しくお喋りしま」 灼「お断り」 京太郎「ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ」 861 名前:4月12日(金)[saga] 投稿日:2013/07/01(月) 01 38 58.03 ID tnaswXc2o 灼「私はハルちゃん以外と語らう言葉を持たな……」コォォ ストイック過ぎやしませんか。 レジェンド「あーらーた。せっかく仲良くなろうって来てくれてるんだから、ちゃんと相手してあげなよ」 灼「む……ハルちゃんがそう言うなら……」 レジェンド「よろしい。さあ須賀くん、なんでも訊いちゃってよ」 京太郎「えーっと……じゃあ、まずご趣味は」 憧「お見合いか」 灼「ハルちゃん」 「「即答!?」」 灼「私はハルちゃん以外に何も必要としな……」コォォ やはりストイック過ぎる。 そういえば自己紹介の時も「好きなものはハルちゃん」とか言ってた気がする(ていうか、それしか言ってなかった)し、まさに筋金入りってやつだ。 864 名前:4月12日(金)[saga] 投稿日:2013/07/01(月) 02 29 02.74 ID tnaswXc2o しかし、 京太郎「ぶっちゃけ監督のどこがそんなにいいんですか?」 レジェンド「ぶっちゃけ過ぎじゃない?」 ぶっちゃけ過ぎでした。 対する鷺森先輩の返答は―― 灼「……私にハルちゃんのことを語らせたいなら、まず石仮面を被ってくることをオススメする」 京太郎「不老不死になれと!? どんだけ語るつもりですかってか先輩の寿命の方は持つんですか!? 先輩も人間ですよね!?」 それとも座敷童かな? 京太郎「……オホン。じゃあちょいタンマ、質問変えます」 どうしよう。 更に直球を投げてみようか。 京太郎「鷺森先輩はどうしてそんなに監督のこと好きなんですか?」 すると、 意外にも、鷺森先輩は素直に柔らかく微笑んでこう言った。 灼「ずっとファンだったから」 865 名前:4月12日(金)[saga] 投稿日:2013/07/01(月) 03 37 31.03 ID tnaswXc2o 京太郎「ファン?」 教師と生徒の関係に用いるには、いささか不適当に思える表現だ。 というのが顔に出ていたのか、新子さんが鷺森先輩に言った。 憧「あ……もしかして、他県の人だから知らないんじゃない? 阿知賀のレジェンド」 京太郎「れじぇ?」 そういえば自己紹介の時も「人呼んで――阿知賀のレジェンド!」とか言ってた気がする(ていうか、それしか覚えてない)。 俺が脳内で「阿知賀の」を除いてあだ名として使っているソレとは、きっと意味合いが大きく異なるのだろう。 灼「その発想はなかった……須賀くん、本当に知らない? 阿知賀のレジェンド」 京太郎「さっぱり」 灼「ジーザス」 天を仰いだ。そこまでのことか。 悲嘆に暮れる鷺森先輩。しょうがないなとばかりに新子さんが前に出る。 憧「代わりに説明するけど……10年前、奈良最強と言われるインハイ常連校を阿知賀が倒したことがあって、その時のエースがハルエだったのよ」 京太郎「へー」 そりゃ確かに凄い。 地元の人間からヒーロー扱いされるのも頷ける。 京太郎「人は見かけによらないんですねぇ」シミジミ レジェンド「よーしちょっとツラ貸そうかー?」ニコニコ 867 名前:4月12日(金)[saga] 投稿日:2013/07/01(月) 04 18 01.04 ID tnaswXc2o ~面談室~ レジェンド「オラッとっとと座りな!」ドンッ 京太郎「キャー(裏声)!」ドサッ 本当に連行されてしまった。 俺をソファに突き飛ばし、レジェンドも反対側に腰を下ろす。 京太郎「こ、こんなところに連れ込んで……俺に乱暴する気ですね! エロ同人みたいに! エロ同人みたいに!」 レジェンド「しないよ」 京太郎「あ、はい」 真顔で返された。 さっきまでノってくれてたのに…… 京太郎「てか本当になんすか、新子さんと鷺森先輩まで置き去りにして」 レジェンド「別にあの二人は放っておいても問題ないから。ちょっとキミと話しておきたいことがあってねー」 京太郎「オレェ?」 わざわざこんな個室に押し込んでする話。 なんだろう…… 868 名前:4月12日(金)[saga] 投稿日:2013/07/01(月) 05 12 10.08 ID tnaswXc2o レジェンド「憧とはその後どう?」 京太郎「え」 詰まった。 喉に。 言葉が。 盛大にむせた。 京太郎「ゲッホゲッホゲッホゲッホ!」 レジェンド「あははははははは」 それを豪快に笑い飛ばす阿知賀のレジェンドとかいう鬼畜教師。 レジェンドは苦しむ俺を見て心ゆくまで楽んで、そして改めてニッと笑って、 レジェンド「あの子は難易度高いっしょー」 と言った。 京太郎「あー…………………………。そっすね、なかなかのなかなかです」 そーだろー、と何故か得意げなレジェンド。 873 名前:4月12日(金)[saga] 投稿日:2013/07/01(月) 07 21 04.05 ID tnaswXc2o レジェンド「今日とか二人で割と仲よさげだったよ?」 京太郎「部員めぐりには付き合ってくれてますからね。ただし本人曰く監視役で、それ以外では避けられがちってのが実際のところです」 言っててちょっと情けなくなってきた。 レジェンド「ふんふむ」 腕を組み、思案するレジェンド。 その間、俺は彼女のエッジの効いた前髪を眺めることぐらいしか出来ない。 レジェンド「須賀くんはさ」 京太郎「はい」 レジェンド「憧と仲良くなりたい?」 京太郎「はい」 今更な質問に反射的に即答する。 京太郎「せめて他の部員と同じくらいには、と思うんですけど……」 後から付け足した言葉に、レジェンドは黙ったまま頷く。 居心地の悪い沈黙が1分程度続いて―― レジェンド「……っよし! 分かった!」 不意に立ち上がる。 そして驚く俺に向かって、レジェンドはこう言い放った。 レジェンド「私にいい考えがある!!」 わー、嫌な予感しかしねー。 【TO BE CONTINUED...】