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【登録タグ 曖昧さ回避】 曖昧さ回避のためのページ パピ子の曲命短し恋せよ乙女/パピ子 デスおはぎの曲命短し恋せよ乙女/デスおはぎ 曖昧さ回避について 曖昧さ回避は、同名のページが複数存在してしまう場合にのみ行います。同名のページは同時に存在できないため、当該名は「曖昧さ回避」という入口にして個々のページはページ名を少し変えて両立させることになります。 【既存のページ】は「ページ名の変更」で移動してください。曖昧さ回避を【既存のページ】に上書きするのはやめてください。「〇〇」という曲のページを「〇〇/作り手」等に移動する場合にコピペはしないでください。 曖昧さ回避作成時は「曖昧さ回避の追加の仕方」を参照してください。 曖昧さ回避依頼はこちら→修正依頼/曖昧さ回避追加依頼
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【検索用 いのちみしかしこいせよおとめ 登録タグ VOCALOID い つみき みつあくま 初音ミク 曲 曲あ】 + 目次 目次 曲紹介 歌詞 コメント 作詞:つみき 作曲:つみき 動画:つみき 唄:初音ミク 曲紹介 曲名:『†命短し恋せよ乙女†』(いのちみじかしこいせよおとめ) アニメ「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」ED曲応募曲。結果、第13話のEDとして採用された。 登場人物の1人・黒猫の不器用な恋愛をイメージして制作された。 歌詞 (動画内歌詞より転載) しょせん恋 されど恋 恥らう 賢さは 邪魔なだけ 恋せよ命短し乙女よ 放課後チャイムは あなた知る魔法で 頼りない背中も 愛しくさせるの 内側から「カチャリ」 鍵掛けた気持ちに 気付いてほしいだけ 不器用な愛 どれだけ想えば 届くの? 千葉(せんよう)に書いた気持ち 涙 また零し 手紙濡らすの しょせん恋 されど恋 恥らう 賢さは 邪魔なだけ 子供(むじゃき)な心のまま 委ねたいの… あなたなら 抱きしめる? それとも恋焦がれ 待ち惚け? 待てない! 命短し乙女は コメント コメントが…( ゚Д゚) -- 鎖 (2015-11-19 23 08 30) 名前 コメント
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提供:門板・幻想郷の女の子をいぢめるスレ いわゆる○○×キャラものです。但し故人として登場 キャラクターの過去は想像上の産物です 幽香りんがメンヘル少女化してます 命短し恋せよ乙女 「ふん」 脳裏にふっと浮かんだその言葉を、鼻で笑って消し飛ばしたのは 風見幽香その人であった。 彼女の眼下には、太陽の畑の近くまで来て、バスケットに花を摘む 人間の少女と、それを近くから見つめる、幾分か少女よりも年上の 少年の姿があった。 幽香は、別段それに感けることなど無い。最強クラスの妖怪である 彼女にとっては、人間の子供などからかっても面白くないからだ。 あんなものにちょっかいを出すのは、せいぜいバカな妖精くらいのものだ。 幽香はそう考えて、傘にぶら下がりながらの空中散歩に戻ろうとした。 夕焼けが西へ沈もうとしていた。黄金の陽光は、もはやその残渣を 微妙に残すのみとなり、東は紫色の空が黒へ変貌していこうというところだ。 幽香は太陽の畑に戻ってきていた。くるくると、着陸地点を中心に 旋回しながら降下し、お洒落な靴を履いた脚が優雅に地に舞い降りる。 スカートが翻ることなどなく、まるでそれはワルツでも踊っているかのように繊細で 見る者がいないのが惜しいくらいであった。 あたりはすっかり暗くなっていたけれども、幽香の愛する向日葵の群れは 西へ向いたまま、わずかな陽光を反射してオレンジ色に煌いている。 彼女はそこまで歩き、今日もまた、いつもと変わらなかった一日を反芻しながら 向日葵へ手をついた。植物の心が伝わってくる。 向日葵は今日もよい一日だったと言っていた。それはそうだろう、一日見事に 晴れていたのだから。そして今しがた消えたあの夕焼け、明日も晴れるだろう。 幽香は向日葵のいくつかと心を通わせてから、満足したように、そこに腰を下ろした。 あの少年少女は家に帰り着いただろうか? はっと目を覚ますと、いつもの真っ暗な向日葵畑だった。 真っ暗なのは夜だからだ。視線を上に向けると、新月に近いせいか夥しい数の 星々が夜空を埋め尽くしている。 その美しい光景を目の当たりにしても、幽香の動悸は治まることを知らなかった。 幽香はじわじわと激しくなってくる胸の不快感に堪えながら、向日葵の根元にうずくまり 小さくなって、嗚咽の声を洩らした。 信じがたいことに、幽香は泣いていた。夢幻館の住人たちの名を呼び 寂しい、苦しいとさえ口にした。 幽香が夢幻館に関わるずっと前、もう何百年か前の話になる。 その頃も、幽香は今とあまり変わらない生活をしていた。 花の近くに住まい、強者を見つけては勝負を挑み、勝ち、あるいは負けたりしていた。 今と違うのは、今ほどお洒落でも、優雅でもなく、夢幻館に居た頃に比べてもだらしなく 飢えた獣のように力ばかり追い求めていた点だった。 スペルカードルールなど無い時代で、さらに人間と妖怪の確執が今と比較にならないほど 強い時代であったので、命のやり取りになることもしばしば、そんな過酷な世の中で 幽香は花を操る能力を得たり、巨大なエネルギー波を繰り出す技を編み出していった。 強さこそ全て、世は弱肉強食であると、そう考えていた。 そこにあの男が現れた。今となっては名前も思い出せない。思い出せないのがもどかしい。 あんなに愛していた男の名前を忘れてしまった自分に腹が立った。 悪行を繰り返していた自分の前に現れた人間を、幽香は陰陽師か何かかと思った。 自分を退治しに、殺しに来たのだろう。そう感じさせるほどに、その男は 幽香を前にして堂々としていた。 取って食われてもおかしくない相手の前でそんな態度を取れる奴はいない。 「殺り合う?それとも尻尾を巻いて逃げる?十数えるまでに返事しなさい」 幽香がそう告げると、男は困ったような顔をして、言った。「そのどちらでもない」 幽香は拍子抜けした。人間と妖怪の関係で、戦うことと逃げること意外の何かなど 考えたこともなかったからだ。 男はさらに言った。「貴方は美しい。私は貴方の虜になった」 今度は幽香が困った顔を浮かべる番だった。人間が妖怪に魅入られることは多々あるが 自分はそんな類の妖怪ではなかったはずだからだ。 「私に喰って欲しいの?」 男は言った。「貴方がそうしたいなら、それでもいい。だが、私は貴方と恋がしたい」 恋。概念としては知っていたが、自分には関係のないことと思っていた。 幽香は困り果てた。どうしたらいいか解らなくなった。男は幽香に歩み寄り、動揺する幽香の 手を取って、言った。 「貴方と、共にありたいのだ」 幽香はその手を振り払った。人間風情が自分をバカにしている、などと思ったからではない。 経験したことのない感覚が胸中を支配し、表現方法が豊かでなかった幽香は、それ以外に 対応する術を持ち合わせていなかったのだ。 幽香はやけに身体が熱を持っている事から、この男が呪術の類で自分を殺そうと芝居を うっているのではないか、そうとも思ったが、不思議と、男を今ここで殺してしまおうとは思えず 「お前の考えていることは解らない、私は妖怪だ」 と言い残し、足早にそこを立ち去った。 幽香は近くの河に自分の顔をうつしてみた。真っ赤だった。 鼓動の高鳴りも一向に衰える気配を見せず、幽香は乱暴に河の水で顔を洗い、 木陰で横になった。 その日は、あの男の顔、言葉、そして繋がれた手の温もりが頭から離れず ちっとも眠ることができなかった。 何日かして、幽香は好敵手と戦い、勝った。 その悪魔は今まで何度となく戦っていた相手で、勝ち負けの数を競っていたので、 当時の世にあっても、命まで奪うということはない、そんな相手であった。 「22勝、14敗。あいかわらず私が勝っているわね」 調子の戻った幽香は、不適な態度でそう言った。だが、仰向けに倒れていた悪魔は 起き上がるなりこう言ったのだ。 「今日の幽香はいつもより迷いが多いんじゃない?」 幽香はその後、悪魔としばらく会話した。 人間の男から告白されたこと、呪術でもかけられたのか、あれから調子がよくないこと。 悪魔はそれを聞いて大笑いした。幽香は憤慨して悪魔の脳天に一撃、拳骨を見舞った。 悪魔はひとしきり笑い、幽香の拳骨に倒れてから、諭すように告げた。 「幽香、それは恋よ。貴方はその男に惚れた、それだけのことじゃない」 その瞬間、幽香は顔をボンと真っ赤にして、ひどく慌てた様子で、洪水のように言い訳を 繰り返し繰り返し口走った。悪魔は、幽香の乙女な一面を気に入ったらしく、 意地の悪い笑みを浮かべながら、いつまでもその言い訳に頷いていた。 幽香は数百年前の記憶をどうにか手繰り寄せて、過去をどうにか時系列に整理した。 それでもあの男の名は思い出せなかった。どうしても思い出せないのだ。 まるでロックでもかけられているかのように、そこだけ記憶が抜け落ちている。 幽香自身の記憶が正しければそこからはこうだ。 その後、数週間ほどしてから、再び男が幽香の前に姿を現した時、二人の間に敵意はなく ただ戸惑う幽香と、それを優しくリードする男があって、二人だけの空間が生まれ、 愛を囁かれるととたんに胸の不快感が快感に変わり、男のことしか目に入らなくなって 盲目になった幽香は、少女そのものといった猫撫で声で、男にYESの返事を返したはずだった。 そこから先は、短い間ながら幸福な時間が刻まれた。 幽香は植物を無数に生やし、それを編み上げて二人の家を作った。 男のために食べられる植物を生やしてやったりしたが、男は自分で作ったものを幽香に 食べさせたいと、自ら畑を耕して作物を植えた。 それが実った時の幸福感といったらなかった。男の作ってくれた粥はおいしかった。 昼は働き、夜は愛し合う生活が続いた。それは幽香の生の中で最も幸福な時期であり それだけに思い出すのが苦痛だった。 彼はもういない。幽香を愛してくれた彼はもういないのだ。 幽香の涙の理由はそこにあった。 昼間、自分のタイムスケールから考えれば一瞬で老いさらばえ死んでしまう人間の 少年少女が恋をしているのを、時間を共有しているのが妬ましかったのだ。 自分にそれは与えられなかった。 命短し恋せよ乙女、幽香にそれは当てはまらなかった。 当てはまるのは男のほうだった。 幽香は、男が老いてもなお愛を絶やすことはなかった。 周囲の妖怪が茶化してくることも、もうなくなっていた。幽香の愛が一時の気の迷いでなく 本物であると、人妖の誰もが理解していた。 男に手を出そうとする妖怪が現れれば、幽香はそれが何であろうと全力で滅しにかかった。 自分より強い妖怪が、少しは見れる妖怪かと思えば小賢しい小娘だったか、などと食って掛かり 二人の生活を破壊しようとしたとき、幽香は辛勝して男を守り通した。 本物の陰陽師がやってきて、妖怪幽香に魅入られた男を救いにきたと主張し、幽香を あと一歩のところまで追い詰めたときも、幽香はやはり最後には勝利した。 それが、強さを追い求め、力しか持たない自分にできる愛の形だと信じていたからだ。 やがて男が死を迎えようとしたとき、男は幽香にこう頼んだ。 自分の遺灰を肥しにして、大きな木を生やしてくれ、と。 幽香が雨をしのげるくらい大きな、幽香が安心して眠れる日陰を作れるくらい大きな 大木になるような木を生やして欲しいと、死んでなお幽香に愛を注ぎ続けたいと そう言ったのだ。 幽香は涙をぼろぼろこぼしながら、そのとおりにすると約束した。 二人の愛の日々は、ほどなくして終わりを告げた。 幽香は、男の遺言の通りに、男の墓の上に、幽香が知る限り最も大きくなる木を植え、 その大木を切り倒そうとするものが近寄れないよう呪符を貼って護った。 最初のうちしばらくは、幽香はその樹の下で生活していた。 だが、幽香は一度味わってしまった温もりを忘れることができず、一人ぼっちの生活を 続けることができなかった。 それからしばらくして、夢幻館が作られ、幽香が倒し従えた妖怪や、好敵手などが 住まうようになり、巫女と魔法使いが攻めてきたりはしたが、 ドタバタとした新しい生活やら魔界旅行やらの中で、幽香の心は少しづつ満たされていった。 「・・・いつからまた戻っちゃったんだろう」 幽香は一人呟いた。 くるみも、エリーも、夢月も、幻月も、夢幻館も、今はもうどこかへいってしまった。 たちの悪いことに、その経緯からしてよく思い出せなかった。 気が付くとそこには誰もおらず、夢幻館はどこを探しても見当たらなかった。 似て非なる洋館が湖のほとりに建っていたが、門番はエリーではなく妙な東洋妖怪だったし 主もまた別にいるようであった。 博麗大結界の作用によるものなのかもしれない。 ともかく、幽香はまたしても孤独な生活に戻ってしまったのだ。 それでも良かった。 再びあの男の墓を訪れたとき、木はまさしく大木となっていた。 幽香は何十年かぶりにそこで寝起きをし、数百年前の短かった甘い時間を思い出しては ぼうっとして時間を潰し、あるときは木をあの男に見立てて語りかけ、花で飾りつけたりもした。 後ろ向きな生活はかなり長い間続いた。 幻想郷が赤い霧で包まれたり、冬が長引いたり、月が満ちないというような異変があったが 幽香にとって、そんな異変から木を守るのは造作もないことだった。 一時、数十年に一回の、幻想郷が花まみれになる異変のときは、放っておいても平気と考え 往年の風見幽香を見せ付けるべく、思う存分暴れて回った。 だが、変貌した巫女と魔法使いはいたものの、夢月や幻月、魔界の神や悪霊といった 旧友たちを見つけることは叶わなかった。 ある時、幽香は数百年ぶりに恋に落ちた。 それも男が相手ではなかった。ごくか弱い、自分とは比べ物にならないような、虫の妖怪。 なぜ自分が彼女に惹かれたのかは、あの男のとき同様、よくわからなかった。 幽香は木の幹に背中を預けて過去の思い出に浸り、果たして新しい恋などできるのか そう自分に問いかけた。 男は生前、もう残された時間が長くなくなった頃に、こう言っていた。 「私が死んでも、きっとまた幽香を幸せにしてくれる相手が現れるだろう。 私はそう願うし、もし新しい相手と幽香が一緒になれたなら、ずっと見守っているよ」 その時の幽香はバカなこと言わないでったらなどと男の胸に顔をうずめて涙を滲ませていたが 今になってその言葉を思い返し、今度は人間相手ではないこと、女同士であることなど 前回と違う要素に悩み、悩んだ末、実行した。 彼が、見守っていてくれると信じたから、踏み出すことができたのだ。 実際、うまくいった。今度は幽香が彼女をリードする番であった。 彼女の名はリグルといった。ボーイッシュに見えて、どこか儚い少女。 そう、儚い。幽香はそこに、あの男とおなじ何かを見出していたのだろうか。 守りたい、自分が愛するものを守りたい、どこか心の奥底で、彼女らしからぬような そんな保護欲をかきたてるものが、蛍の妖怪であるリグルにはあったのかもしれない。 リグルは可愛かった。彼女が負けて帰ってくるたび、幽香は手当てを施してやり、 大小色とりどりの花を咲かせてはリグルの笑顔を愉しんだ。 殺虫剤で反則攻撃を繰り出しリグルをいじめる詐欺兎には元祖マスタースパークをぶつけ リグルが氷の妖精と仲良くしているのを見れば、浮気したわねなどと不満にしてみせた。 弁解するリグルがまたかわいかった。 ああ、ここまで。 私が思い出していいのはここまでだ。 幽香は頬を伝う涙を拭いながらそう自分に言い聞かせ、そこから先を思い出さないよう 何か別のことを考えようとした。 しかし、薄明るくなってきた空の東の果てから朝日がのぼってきたのに気づいて、 それを眺めたところで、しまったと思った。 太陽の畑の中心部の窪地からは、あの男の墓が見渡せた。 登りつつある太陽は、幽香に力を与えてくれる太陽は、そこにあるべきあの大木を 照らし出すことなど、決してなかったのだ。 幽香は思い出してしまった。悲しみが胸の奥からこみ上げてきて、彼女の顔をゆがませ 嗚咽と涙を追加させた。幽香は声を上げて泣いた。地面に膝をつき、服が汚れるのもかまわず ただ地面にひれ伏して泣き続けた。 リグルと付き合いはじめて何度目かの夏、幽香は、大木に葉が少ないことに気が付いた。 この木は樹齢千年は軽く達成する木なので、少しおかしいと思ったが、その年は冷夏だったので あまり深刻に思わず、そのまま忘れてしまった。 本格的におかしいことに気づいたのは、次の年の秋だった。 葉は昨年よりはるかに減り、尚且つ、紅葉がはじまるはるか前から葉が赤くなりだした。 幽香はこんなことはありえないと思った。術符で防護した木が急速に枯れに向かうなど 自分が知る限り、無かった。 幽香は木の幹に手をやり、その声を聞くことにした。今まであまり気が進まない方法だった。 なぜなら、これを実行すれば、そこにあるのはただの木であり、死んだ彼の面影などではないと 気づいてしまいそうだったからだ。 原因はすぐにわかった。害虫だった。 広葉樹であるこの木は、いつの間にか何千何万というキクイムシに侵されていた。 キクイムシが食い荒らした部分に、共生菌類がカビを生やし、樹木の水分の吸収を阻害するのだ。 幽香は絶望した。枯れた花を元通り咲かせることすらできる自分でも、これだけの大木から 数万のキクイムシの成虫・幼虫を駆逐し、そして再生させることは容易ではなかったからだ。 そしてもうひとつは、そのキクイムシを呼び込んだ原因が、おおむね予測できてしまうことだった。 幽香はリグルに問うた。キクイムシを呼び込んだのはリグルか、と。 リグルは違うと答えた。幽香は信用しなかった。幽香の愛は既に憎悪に置き換わり、 自分が愛し、守ってきたリグルへ、あの大木がどういうものだったのか、自分が愛した者の 生まれ変わりなのだと叫び、主張し、そしてリグルへの暴力というかたちで表現した。 リグルは抵抗しなかった。ただ「私はやってない」と弁解し、それ以外は幽香の荒れ狂うに 任せていた。 ひとしきり嵐が収まったあとで、幽香は自分が何をしていたのか気づいた。 リグルはボロボロだったが、立ち上がって、自分を殴って血まみれになった幽香の手を掴み 自分はそんなことはしていないと誓った。 幽香はうろたえた。そういえば証拠など何もなかった。 ただ自分の絶望をどうにかしたいがゆえに、浅はかな衝動に身を任せてしまった自らを呪った。 リグルは幽香に謝り、でももう幽香とは会えないね、私より大切な人がいるのなら、と告げて へたりこむ幽香に一瞥をくれると、そのまま去っていった。 幽香はそれまでに感じたことのない強烈な喪失感によって、しばらく放心していたが 気づいてからは半狂乱になって泣き叫んだ。 「・・・」 幽香は登ってくる朝日を眺めながら慟哭していた。 思い出したくないことにかぎって思い出してしまう、もしかしたら自分は病気かもしれない、 そう思った。 リグルとはそれっきりで終わってしまった。失意の幽香は大木を助けることもできなかった。 幽香に残ったのは、自分の愚かさへの後悔と、自分への嫌悪感と、絶望だけだった。 今日も晴れだ。向日葵にはとても良い日になる。幽香はそう自分に言い聞かせ、昨日と おなじように、今日もまた傘を手に、自分より強い者をもとめて飛び立った。 弾幕ごっこにいそしんでいるうちだけが、過去を忘れていられる時間だったからだ。 今日は花畑を迂回していこう。幽香は寝不足の頭でそれだけ考え、涙を拭うと 風に身を任せて、優雅に飛び去った。 いつもの、幽香だった。 「よかったね、チルノちゃん。これでリグルちゃんとチルノちゃんの間を邪魔する奴はもういないよ」 終 おまけ All the news without fear or favor BUNBUN-MARU TIMES ●幽香嬢、チルノと結婚 きょう午前8時、幻想郷役場に湖の氷精チルノさんと 最強で名高い風見幽香嬢が現れ、婚姻届を提出した。 早ければ届出は今日中にも受理される見通し。 会見でチルノさんと幽香嬢は互いの最強志向に共感し 愛情も最強に強まったので婚約を決意したとのこと。 新居についてはまだ決定していないが、幽香嬢は 氷の張る湖にも生える向日葵の開発に成功したとされ 熱に弱いチルノさんを労わり霧の湖の近くになるで あろうとのことである。 今回の婚姻で幻想郷にはいろいろな意味で最強の 家庭が誕生することになる。 大ちゃん「あれ?」 大ちゃんは私がもらっていきますね -- 名無しさん (2009-08-20 22 37 23) チルノはリグルを本当に友達として好きだったって事か、だから恋愛、結婚にはならなかったと・・・ -- 名無しさん (2009-08-20 23 42 00) 大ちゃん、黒いよ大ちゃん -- 名無しさん (2009-08-21 00 24 57) まさかの大チャン -- 名無しさん (2009-08-21 10 41 13) ゆうかりんの好敵手の悪魔って悪霊の間違いなんじゃないかなあなんて -- 名無しさん (2009-08-25 00 27 00) 魅魔じゃなくてEX姉妹のほうです、説明不足ですいません -- 名無しさん (2009-08-25 12 00 29) いろんな意味で、だいなし -- 名無しさん (2010-01-01 02 28 39) 大ちゃんwww -- 名無しさん (2010-01-03 23 59 13) いい話だなあ にしても大ちゃんw -- 名無しさん (2010-01-05 16 43 14) そういえば大ちゃんの羽って虫っぽいな -- 名無しさん (2010-01-10 14 31 11) 大妖精この野郎www -- 名無しさん (2010-11-04 07 17 23) つまり、俺とリグルと大妖精とで家庭を築けと言うんですねわかります -- 名無しさん (2010-11-04 20 11 29) 大ちゃんあんたってぇやつぁ…… だが不思議と「大妖精○ね」とか思わないのは、 何故だ? -- 名無しさん (2010-11-05 01 44 14) 思惑が外れてるからじゃないか? -- 名無しさん (2010-11-05 04 43 12) 悪魔といえばあの東方のヒロイン最強キューティクルレミリア様をおわすれ((殴 咲夜「……」 -- レミリア・スカーレット (2015-03-16 23 34 27) 名前 コメント
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いのちみじかしこいせよおとめ【登録タグ NexTone管理曲 い デスおはぎ ミリオン達成曲 曲 殿堂入り 重音テト】 作詞:デスおはぎ 作曲:デスおはぎ 編曲:デスおはぎ 唄:重音テト 曲紹介 「乙女は生涯現役なのです」 大正4年に作詞作曲された「ゴンドラの唄」より約100年、使い古され馴染みがありすぎるタイトルだとは思ったものの、これしかないと思い、このフレーズを曲名に拝借させて頂きました。(作者コメ転載) 調声を ゆらほにゃP が、PVを 小山乃舞世氏 が手掛ける。 コンピCD 『0401-The Best Days of 重音テト』、デスおはぎ氏3rdアルバム『最強テットテト音源集』収録曲。 2016年9月16日、UTAU3曲目のミリオンを達成。 歌詞 齢(よわい)十五のそこらの小娘です 世間知らずと承知の上で家を出てきました 弱い頭で捻り出した答えです 「このおうちにはこれ以上住んでられないわ」 初めて見るビルディング 初めて見るブラウン管の裏 「あらまあ、まるで人がゴミのようだわ。 どうして大人はつまらなさそうに生きるのかしら。」 捨て猫がニヤリ嘲(わら)う 「それはこの世の禁句(タブー)さ」 無限ループのまだ 1/5 知らぬが仏 世間の舞台裏 化けの皮被ってにらめっこしようか 恋は天下の廻りもの 女子は歩けば棒に当たるのです 相も変わらず君は嘘を吐くばかり 会い?哀?合い? I ? 愛されたい! 齢○○のそれなりの淑女(レディー)です 酸いも甘いもそれなりに噛み分ける世代(トシ)ですが 今も中二病と闘病中です ww だってだって心(ハート)は今もガラスの十代(ティーン)のままだもの(キリッ 捨て猫の気分だわ 渡る世間はリア充(オニ)ばかり お城の周りで Lv 上げのような通常営業(ルーティン) 「こんなつまらない世の中なら死んでしまおうかしら」 なんて冗談も本気(マジ)で洒落になんない年頃 無限ループはもう 2/5 で だけどゴールもまだ見えないまま 日常ってヤツに押し流される毎日です いつしか描いた未来は 忘却の彼方に超場外ホームラン 相も変わらず先行き見えぬ人生設計 曖昧昧昧アイラブ曖昧ライフ! 無限ループ残り 1/5 行きはよいよい帰りは超超特急 恋せよ乙女 命光陰矢の如し 飛んで火にいる夏の女子 急がば獣道でも全速前進! 「先生、もう一度青春がしたいです」 ―― いやぁーさすがにそろそろ・・・ NO! NO! NO! 無限ループまだまだロスタイム 「諦めたらそこで人生終了です」 相も変わらず君は生きてるのかしら 部屋の□(しかく)しか見れない 私に知る術はもう無いけど 相も変わらず本日は晴天なり バイバイバイバイ また来世っ。 コメント + コメント 2012 この曲大好き!ルビありがたいです! -- 名無しさん (2012-10-11 21 59 00) この曲でテト知りました。曲もテトも最高です!! -- 名無しさん (2012-10-12 16 10 29) 調教がすごいです!!歌詞ありがとうございます -- 名無しさん (2012-10-14 13 29 18) 曲もPVも素敵!!あと調教が凄い!! -- 名無しさん (2012-10-16 22 09 28) この曲でもっとUTAUを知って欲しいな -- 雷音 (2012-10-17 19 17 15) もはやボカロは古い -- 名無しさん (2012-10-18 08 12 37) はまった -- 名無しさん (2012-10-20 16 44 57) むっちゃはまる! -- 特 (2012-10-28 20 21 51) 『部屋の□(しかく)しか見れない』ってとこ『部屋の□(しかく)しか見えない』じゃない? -- 由愛 (2012-10-30 23 32 21) これぞUTAUの本気 -- 名無しさん (2012-11-03 11 17 22) この曲でUTAU好きになった -- 名無しさん (2012-11-03 13 29 12) テト素敵!そして切ない…。 -- 名無しさん (2012-11-04 22 03 53) カラオケ配信希望!! -- ai (2012-11-11 23 05 41) テトちゃんいい声だね~ -- セミリア (2012-11-18 07 01 58) カラオケ配信希望(^^) -- 名無しさん (2012-11-19 15 55 45) 初見ではまったww -- 名無しさん (2012-12-05 18 06 09) いやぁーさすがにそろそろ・・・ ←誰だww でもこの曲、テトがsunnげえ可愛い!! -- あばす (2012-12-21 16 20 43) 個人的にDAMから配信してほしい〜 というかテトの中の人なんでも出来るんだな、すげぇ!! -- テト廃 (2012-12-22 10 12 49) 『「先生、もう一度青春がしたいです」 ーーーいやぁーさすがにそろそろ・・・ 「!」』みたいなやりとり日常でありそう(笑) -- 名無し@テト様ぁぁぁぁ (2012-12-28 10 21 48) テト可愛すぎるなぁ カラオケ配信してくれ -- ボカロ廃 (2012-12-28 19 24 02) ルビありがとうございます! -- のきあ (2012-12-29 18 15 03) + コメント 2013 この歌まじでネ申(*´∀`*) -- 名無しの子 (2013-01-03 17 13 44) この曲歌えるようになりたい・・・。 -- 火影 (2013-01-05 17 38 02) カラオケ配信されないかなぁ…メッチャ歌いたい♪!! -- 名無しさん (2013-01-06 14 17 55) 1/12にJOYで配信されます -- 名無しさん (2013-01-08 16 26 45) ホントですか!? -- 火影 (2013-01-08 18 49 37) 明日やんハゲた -- 名無しさん (2013-01-11 14 14 25) テトの中で一番好きカモ・・・( #10047;ฺ^ω^ #10047;ฺ) -- ☆SHIHOニャン☆ (2013-01-19 12 46 44) いい曲だーー‼ -- ごがつ (2013-01-20 17 41 07) この曲すき!テトかわいい☆ -- 愛ずる (2013-02-09 21 24 25) 自分的テト三大神曲です! この曲大好きです! -- 名無しさん (2013-02-20 12 33 53) バイバイバイバイまた来世! -- 名無しさん (2013-02-21 07 02 19) 配信めちゃくちゃ嬉しいです!!この曲大好き♪ -- 名無しさん (2013-02-28 20 12 53) 神神神神神神神神神w -- テトしゃん大好き♪ (2013-02-28 22 21 00) てと、あいしてる。 -- 名無しさん (2013-03-11 13 48 27) ハマりました!テトって調教難しいってよく言われてるのに…マジ神調教です! -- 名無しさん (2013-03-17 21 24 46) とってもいい曲。けど着物のあのむきがきになる -- 名無しさん (2013-03-20 21 03 50) バイバイバイバイまた来世! なんか好きかも・・ここだけ -- 薄桜鬼・ボカロ大好き (2013-03-22 23 26 57) 「先生、もう一度青春がしたいです」 いやぁ、さすがにそろそろ・・・・ ってかテト30代だよね・・・・・? (*∀*) -- 薄桜鬼・ボカロオタク (2013-03-23 23 53 05) 諦めたらそこで人生終了です! -- ギナ (2013-03-27 20 00 23) 諦めたら……そこで、人生終了ですよ……? -- 名無しさん (2013-03-29 08 10 11) 良い曲だ。是非とも歌いたいな -- 名無しさん (2013-04-01 15 14 43) なんかさびしくないか⁈ -- そらみ (2013-04-20 13 22 00) デスおはぎさんのセリフの所がいつ聴いても笑ってしまう -- つぐみ (2013-05-02 08 35 33) いいなこれ -- 名無しさん (2013-05-02 17 13 17) 命光陰矢の如し、命短し恋せよ乙女。 -- スナイパー (2013-05-02 19 02 54) テトの声に合ってる! -- 名無しさん (2013-05-03 12 50 51) 男子のクセに、この曲に感動してしまった…orz 歌詞も曲も感動的だ。 -- 名無しさん (2013-05-04 11 03 19) UTAUの時代がきた! -- 名無しさん (2013-05-11 16 16 37) この曲最近ハマッた!!(`∀´)↑↑ -- イチゴだいふく (2013-05-11 22 23 15) デスおはぎさんサイコー! -- た (2013-05-25 17 20 17) 「命光陰矢の如し」って何て読むんですか?教えてください! -- 名無しさん (2013-06-02 03 14 25) いのちこういんやのごとし。ですよ -- 名無し (2013-06-07 04 41 34) 覚えるの難しい…でも神曲! -- 志島 (2013-06-28 22 39 28) やっと歌えるようになった!! -- たー (2013-06-29 14 23 27) 難しッ・・・でもテトかっけぇーーー!!!!! -- ゆきっち (2013-07-06 10 53 20) この歌聞くとめっちゃほっとする・・ -- 盟臨 (2013-07-06 21 37 17) ヤバイ!かわゆん。 -- 霧野蘭丸☆いのち (2013-07-08 20 05 57) NO! NO! NO! ンとこ好き。 -- らんちゅむ。 (2013-07-08 20 15 06) 先生もう一度青春がしたいです。切に。笑 -- ケロイド (2013-07-11 18 52 25) この唄好きです!! はまりましたぁ! -- 桜 知世子 (2013-07-13 16 55 28) この曲歌いやすいですww4回でサビ完璧に歌えるように!?Σ(°Д°;) -- Me.ありねす (2013-08-11 20 27 44) この歌好きですっ!!!!! -- 倫理 (2013-08-14 20 43 41) カラオケ配信なんでないのですっ>< -- UT (2013-08-20 21 16 12) この曲でテト好きになった私w -- ソフィア (2013-09-07 21 06 32) テト、大好きになりましたあああww -- 表裏 (2013-09-15 12 14 40) 最後の所らへん大好き!ピアノで誰か弾いてくれ! -- ねおん (2013-10-13 20 38 00) 初めて聴いたけど・・・最高やわぁ。 マジでヤバい -- ハマヒガ (2013-12-06 11 44 12) この曲でテトが好きになった。マジ神だこの曲 -- 名無しさん (2013-12-14 14 29 50) テトさん最高 -- みかち (2013-12-21 20 52 35) テト一番好きじゃわ(*^▽^*) -- 名無しさん (2013-12-30 10 28 17) + コメント 2014 テトかっいい! -- ふらんそわ (2014-01-16 21 27 51) テト……死んでたんですね…ww -- 名無しさん (2014-01-19 17 35 53) ハマりすぎてヤバイッ!w -- テト (2014-02-21 22 49 14) めっちゃ好きやねん!!!!←いい曲やんね´∀` -- テトリス∞ (2014-03-15 13 12 26) テトやばぃぃぃぃぃぃ!軽~く「また来世っ」って言っちゃうんだ…!そこもいいんだけど! -- nono (2014-04-15 23 11 17) 面白いw -- いやぁ~さすがにそろそろ (2014-04-19 15 11 05) この曲好き!今日カラオケで歌ったw -- ひろどら (2014-04-27 21 46 35) ニコ動で重音テトの誕生祭が今週のVOCALOIDでやってて知った!好きだぁ~!(^_^) -- とり (2014-05-06 14 31 03) もっと評価されるべき!中毒。 -- 名無しさん (2014-05-08 01 53 24) うごメモで知った。テトまぢ人気ww -- ぐーみん (2014-05-15 21 50 29) テトの好きな曲2位です!((1位は不動の吉○ラメント←←←3位も不動の明○ロマン てかボカロ古い言う前に3次元進むの遅くね? -- はるぁ+*×°. (2014-05-27 16 22 03) これ最後の残り1/5ってのはつまり余命15年ってことだよね。最初の1/5は15歳で二番の2/5は30歳だね!□しかみえないってのは寝たきりでもう天井しか見えないってこと…だよね -- 名無しさん (2014-06-02 19 11 08) 最初のテトと同い年だけど、すごい心に響きます! UTAUの中で一番好きです♪ -- すみれ (2014-06-03 21 07 54) 歌えないけどこの歌すき! -- ティアナ (2014-06-28 16 39 08) 曖昧昧昧 アイラブ 曖昧ライブ!! -- 名無しさん (2014-07-26 14 02 51) 「それはこの世の禁句さ」と「なんて冗談も本気で洒落になんない年頃」が好き! -- 名無しさん (2014-07-26 20 26 22) ○○ってどんな歌詞ですか? -- 名無しさん (2014-07-28 12 50 30) テトーーーーーーーーーー テト愛は誰にも負けません コスプレももってます -- きめら* (2014-08-08 19 10 22) テトマジ可愛いっす!めっちゃハマったっす -- 廃人39号 (2014-08-13 00 55 35) テトかわい!!PVいいやんか! -- ♪みわぽん♪ (2014-08-25 07 06 29) リズムいいし面白い -- 名無しさん (2014-08-31 16 35 37) すっごくいい曲ですね(*'▽') このリズム大好きです! -- 紅桜@銀 (2014-09-19 23 14 36) この歌を聞いてテトちゃんを好きになりました! -- 名無しさん (2014-10-05 14 38 37) この曲、今のアタシにぴったり!テトちゃんかわえかー^^ -- キティ (2014-10-21 19 35 46) はあ……いい曲だ -- 名無しさん (2014-11-13 20 33 43) 好き好き好き好き -- きなこ (2014-11-18 21 57 05) 今も中二病と闘病中ですww -- 漆黒の魔女・ルナ (2014-11-25 18 38 55) セルフバカーな小山乃さんボーカル版も好き(笑) -- 名無しさん (2014-11-27 15 05 56) この曲大好きっっっ -- にゃのはにゃ (2014-12-22 23 44 26) これ聞くと恋はいいものだ、と思う。 -- かしづく女 (2015-01-10 19 11 20) もはや中二病と闘病する気も失せたわwww -- クロハ様なう♥ (2015-02-12 21 33 52) ちょくちょく中2病が入ってるww -- むくび (2015-02-14 14 30 28) 「それはこの世の禁句さ」d=(*>ω<*)=b -- オレンジライス (2015-03-12 19 04 04) 「あらまあ、まるで人がゴミのようだわ。 」wwww某大佐の台詞がwwwwwwwwwww -- 名無しさん (2015-03-24 17 05 32) 最高の曲です。 -- SAKURA (2015-07-22 16 41 56) 渡る世間はリア充ばかりwwwwwww -- summersea (2015-08-30 09 45 58) 恋はいいね~。 -- マカロンLOVE (2015-10-23 18 14 52) これすげぇ懐かしい -- 名無しさん (2015-11-05 16 35 21) ( ´∀`)キリッ -- なっつん (2015-12-13 20 20 10) 歌詞が身に染みる歳になってしまった… -- 名無しさん (2016-02-17 13 30 31) サビが半端ない! -- 良太 (2016-07-21 11 52 21) 最後の「バイバイバイバイ また来世っ。」ってところが好き( *´艸`) -- 名無しさん (2016-11-01 14 11 25) リア充とかいて鬼と読む -- イルマ (2016-11-07 20 19 56) 人間が歌ってるみたいだ…すごい。 -- はるごんはいつも眠たげ (2017-01-09 22 31 17) この曲をテトが歌ってるのが良き。 -- MaRiMo♪ (2017-01-21 19 38 37) 今まで 命短をめいたんって呼んでたわ -- 名無しさん (2017-09-12 21 20 37) 好き! -- 名無しさん (2019-08-01 10 29 44) 名前 コメント
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命短し恋せよ乙女(前編) ◆LJ21nQDqcs 彼女は歩を止めて深呼吸すると屈伸し、ストレッチ運動の限りを尽くした後にふと振り向いた。 どのくらい走ったか、と戦場ヶ原ひたぎが腕時計を見つめるとおおよそ10分。 つまりは第二回放送の直前であった。 ひとつの呼吸の乱れもないその様子は、さすが陸上部のエースだった人間と言える。 いくらハンデがありまくるとはいえ、もはや息も絶え絶えになっている男子生徒とは大違いだ。 「遅いわね、上条くん。あなたが普段どのような生活を送っているのか、 などと言ったことには全く興味はないけれど、 せめてもうちょっと不摂生を慎んだらどうなのかしら」 はんのうがない。ただのしかばねのようだ。 「あら、走りすぎて死んでしまうなんて、まるでマラトンの伝令ね。 でも、せめてわたしのディバックを手渡してから死んでいただけないかしら」 上条当麻はorzの状態から何とか片腕を上げると、素直にディバックを手渡した。 戦場ヶ原ひたぎにとって前準備もそこそこな、ほぼならしの走りでも、 部活動も殆どこなしていない上条当麻にとっては、全力疾走。 まさにマイペースで走り続ける戦場ヶ原を追いかけると言う、精神的にもきつい状況の中、 上条当麻のスタミナはガリガリと削られ、僅か十分でほぼ底を尽きかけた。 口を開いても吐息しか漏れない。 不平を言おうモノなら、辛辣な毒舌が待っている。 泣き言さえ言えず、定番の台詞も封印された上条にとって、現在出来ることは まるで犬のように、ただただ口を開けっ放しにして、ぜえぜえと呼吸を繰り返すのみだった。 一方、戦場ヶ原といえばディバックから三匹の子猫を取り出してニャーニャーと撫でるのみ。 やがて第二回定時放送が始まった。 ■ 放送を聞きながら地図に放送禁止エリアを書き込み、さて死者発表となったとき、 自分がやはり相当に緊張していることを、戦場ヶ原は自覚した。 彼女の恋人が相当強力な人間たちと同行していることは知っていたが、 それでもやはり心配せずにはいられない。 ここに居る、どのような危険でも無鉄砲に突っ込んで行く無謀の塊とはやや違うが、 阿良々木暦はある人物いわく「胸がむかつくほど優しくていい人」なのだ。 トラブルが少女とネギを背負って怒涛のように現れる、そのような人間なのだ。 またなにか他の女と出会って危険に巻き込まれでもしたら、などと考えると 怒りで太いマジックペンすらへし折りそうになってしまう。 そんなか弱い少女の願いはギリギリのところで、すんでのところで守られた。 発表された死者の中には阿良々木暦の名は、無かった。 ただし同行者と聞いたセイバー、幸村両名が死亡した。 つまり、やはり、案の定、絶望的なことに、 阿良々木暦はトラブルに巻き込まれた。 それもかなり逼迫した命の危険のある大事に。 そういう事だろう。 放送で発表される順番は第一回と同じく死亡した時間順、と言うことならば 幸村が死亡してかなりの時間、逃走もしくは応戦の後にセイバーが死んだと思われる。 D-6に一行が居たとするならば、幸村が死亡したのは、やはりあの列車暴走の際だろう。 とするならば最大で正午までの三時間ほど。 阿良々木暦がどのようして、強力な個人を打倒するに至るほどの脅威から身を守ったのか。 戦場ヶ原には想像もつかないし、阿良々木がそのような事態に直面した際、 わざわざ同行者を見殺しにするような人間とも、思えなかった。 と、するならば。何らかの事情で各人散り散りになったところを、 一人ずつ始末されたと考えるのが無理のないところではないのか。 これも想像が妄想を呼ぶ、晴れない霧の中を歩くような予測でしかない。 しかしここに至るまでの10行の文章の、 遥か数十倍のテキスト量を誇る考察を脳内で巡らせていなければ、 自己というものを失ってしまいそうなくらい、彼女は混乱していた。 ロクでもないことに、激しい呼吸を繰り返す作業に飽きた上条にすら、その動揺を悟られるほど。 その上条も、インデックスのあまりに作業的な機械的な放送の次に、 男によって語られた【首輪換金制度】には動揺を隠せなかった。 いくらこの場で葬る必要も意志もないと見栄を斬ったものの、 見知った人間が首輪目当てに漁られる光景は、上条をもってしても耐え難かった。 故に上条当麻は戦場ヶ原ひたぎに提案する。 「あの~戦場ヶ原さん?」 「何かしら、上条くん。わたしは今ご覧の通り子猫たちの毛づくろいで忙しいの。 要件なら手短に頼むわ」 とても悠長な事をしているように上条さんは思うんですけどねぇ、などという皮肉も口に出さず、 上条当麻はひどく真面目な顔をする。 「…御坂の遺体を、何処か人目につかないところに隠したいんだ」 「いいわ、十秒で帰ってきなさい」 簡潔ながら、なんとも矛盾に満ちた言葉だ。 「なんだよ、十秒って!ここに来るまで全力疾走で、ええっと」 「十分ね」 「そう十分!それくらいの時間がかかったっていうのに十秒って! 1/60の時間で、どうやって御坂の遺体をどうにかしろっていうんだよ?!」 それを聞くと戦場ヶ原はなんだそんな事、とばかりに上条を見下げた。 「じゃあ五分でも十分でも一時間でも。好きなだけ彼女の元に走ればいいわ。 さぁ行ってきなさい。別に引き止めはしないわ」 「よし分かった!その間、襲われるなよ!」 許可が下りるや否や、上条は戦場ヶ原から見て右の方向へ全力疾走し、 そして十秒後、戦場ヶ原から見て左側から現れた。 ■ 上条はそれに気づかず三回ほどループして、ようやく異変に気がついた。 「上条くんってバカだと思っていたけど、想像以上に判断力がないのね」 これでよく今まで生きてこれたものね。と言外に漏らしながら、 戦場ヶ原はペットボトルに口を付けて、軽く口の中を湿らすと、 目の前で奇妙な顔をしている少年を見る。 「なんだよ、これ!?わけがわからねぇぞ!」 「訳がわからないのは体験すれば分かることでしょ。そんな自明のことをわざわざ口に出さないで。 それに唾を飛ばさないで頂けるかしら。唾がかかると妊娠してしまいそうだわ」 そもそも、と戦場ヶ原は続ける。 「仮にも陸上部のエースだったわたしが。ならしとは言え十分も走っていて、 たかが二キロに満たないであろう距離を走り終えられないなんて思うのかしら。 あなたの滅茶苦茶なフォームで、わたしに一、二分程度の遅れで済むと思っているのかしら。 それは私を過小評価しすぎな上に、自分を過大評価しすぎというものだわ」 いくらなんでも五分も六分も差がつくはずはないだろう、と反論しようとしてとりあえずひっこめる。 「じゃあここは、この公園は堂々巡りさせられる結界でも張ってあるってことか」 「そうね、いま客観的に見たところ、あの無駄に大きいモニュメント、献花台かしら、から、 このベンチのすぐ横までが範囲みたいだわ。おそらくはそれを直径とした円形の結界ね」 入るのは自由だが出ることを許されない。 まるでGを冠するあの生き物ホイホイのようね、という言葉を戦場ヶ原は飲み込んだ。 いくらなんでもG呼ばわりは自分を瑣末に扱いすぎだと思ったからだ。 「あの~戦場ヶ原さん?それはもしかして上条さんをモルモットに使ったってことなのかな?」 精一杯の引きつった笑顔を見せつけて、上条は戦場ヶ原を見やる。 「今は考え事をしているの。くだらない確認でわたしの気を散らさないでくれないかしら」 そう、戦場ヶ原は考えを巡らせていた。焦っていた。 出来うることならば、彼女は放送までにD-6駅に着こうとしていた。 全ては最愛の人を阿良々木暦に少しでも早く再会するため。 危機に陥っているだろう恋人に多少なりとも力になるため。 それを、この空間は阻んだ。 理不尽な、魔法とも怪異ともとれるこの奇妙な空間に。 「前にこんな事態に陥ったことがあるの。その時は地縛霊が原因でね。 その地縛霊の怪異を鎮めたら、その事件は解決したわ。 さっき上条くんを向かわせたのは、確認のためもあるけど、その右手」 そう言って上条の"幻想殺し"を見る。 「もしかしたらこの空間を切り開いてくれるかと思ったのだけれども。どうやら無駄だったようね」 あらゆる魔術・超能力の類を打ち消す幻想殺しも、限度や限界は当然ある。 その一つが空間にかけられた魔術は消すことが出来無い、と言うものだ。 「この右手は結界の類は打ち消せない。ワリィ、戦場ヶ原。役に立てなくて」 「呼び捨てにしないでくれないかしら。と、何回も言ったわよね? まぁあまり誠意のこもってない謝罪も付け加えてのことだったから、この場は引いてあげるわ」 とてもそうは見えなかったが、戦場ヶ原は相当に精神的に参っていた。 唯一心当たりのある解決法が有効でなかったのだ。 あとは此処で状況が好転することを祈りつつ待つしかない。 それはつまり時間の浪費につながる。 それはつまり阿良々木暦の死につながりかねない。 それはつまり戦場ヶ原ひたぎと言う、パーソナリティの崩壊につながりかねない。 つまり戦場ヶ原は焦りまくっていたのだ。 ■ (なんでこんな事になっちまったんだ) ベンチの端と端に座りながら、上条もまた、焦っていた。 上条の事情は戦場ヶ原と比べれば遥かにマシだ。 ただこの場に足止めを食らっているに過ぎない。 だが自分が動かないことで、周りの状況が悪化して行くのが、許せなかった。 阿良々木暦が危険に侵されて行くのが、許せなかった。 主催者の企むこのゲームが進行することが、許せなかった。 そして立ち往生するしかない自分の無力が、許せなかった。 (無力。そうだ、アーチャーのように力があればこんな所、飛び越えていけるだろうに。 ん?アーチャー?) ハタ、と上条は気づく。 アーチャーはこの団地を、この公園を視察したとか言ってなかったか? そしてC.Cも、最初にこの公園でライダーと言う人間に襲撃されたとか言ってなかったか? この二人、いや三人は特に公園で足止めされたとは言っていなかった。 「なぁ戦場ヶ原、さん」 上条が口を開いた刹那、戦場ヶ原の右手からコンパスの光が漏れ出たのを見て、 慌てて呼び捨てにすることをやめる。 「いや、あのさ。なんでアーチャーやC.Cがこの結界に引っかからなかったのかな~、と」 「彼らが強いからでしょ」 あっさりと言い放つ。 顔中をはてなマークで支配させた上条をよそに、戦場ヶ原は続けた。 「ここを出る際に特に注意を払った様子も彼らには無かったようだし、 なにか資格があれば容易に出られるのでしょうね。 そしてゲーム開始直後にライダーと言う人間がここから出られたと言うことは、 何らかの儀式やフラグが必要と言うわけでもなさそうだし、 じゃあ単純になんらかの要素が強い人間なら無条件で出られる、と言うことじゃないかしら」 いずれにしても待つしか無いわね、と戦場ヶ原は溜息をついた。 確かに自分たちではどうしようもなさそうな脱出方法だな、と上条は認めた。 しかしここで時間をただ救助を待つ事は、上条当麻には出来なかった。 まだなにか方法があるはずだ、と悪あがきをしなくては気が済まなかった。 「じゃあよ、この結界のなにか核となるものを破壊出来れば、なんとかなるかもしれねぇ!」 すっくと立ち上がると、上条はやおら走り出す。 何もあてがなく、見当も付けずにがむしゃらに。 まぁせめて見当くらいは付けたいものね、と戦場ヶ原もまたベンチから立ち上がり、 とりあえずはこの空間の範囲を見極めてみようかしら、と歩き出す。 なにかしていなければ、気が滅入る一方で性格が悪くなってしまいそうだったからだ。 そんな彼と彼女らの努力をあざ笑うかのように、すぐに一人がこの場に登場する。 ダダダダダ ダダダダダダダ ダダダダダダダダダダダダダダダダダダ 愛と言う名の狂気そのものとなった、哀れな襲撃者。 黄色い雨合羽にその身を包んだ、狂信者。 胸に刺さった二本の剣も気にせず近づく、左腕全てを獣毛に覆われた破壊者。 神原駿河。 その成れの果て。 ■ 献花台を調べてみようとそのモニュメントに登った上条は、異音に気づき振り返る。 目にうつるのは眼前に迫る、雨合羽から除く狂気の瞳。 その直後、 神原駿河の"左腕"が、モニュメントを一撃のもとに完全破壊した。 振り返った時に足を踏み外して転落し、偶然にも攻撃を回避した上条当麻は、果たして幸運なのか不幸なのか。 落ちきる前に破壊、いや爆破と言った方が状態としては適切だろう、された献花台の破片と爆風により、 さらに放り飛ばされる。 ドン!と身体を地面に打ち付け、さらにバウンドする上条のその身に、 さらに追撃をしようと雨合羽の襲撃者が飛びかかる。 空中から振り下ろされる圧倒的パワーとスピード。 もはや確定となった死を前に、上条当麻は走馬灯も見ることも出来なかった。 知覚が全く追いつかない。 上条から見た世界は、未だ足を踏み外してモニュメントから転落する最中。 故に身を捩るなどといった回避行動をなんら取ることも出来無い。 饒舌に神原駿河を説得し、その道を是正することも出来無い。 死んでしまった御坂美琴へ想いを馳せることも出来無い。 ここにいる戦場ヶ原ひたぎを心配することも出来無い。 インデックスに対して無念を馳せることも出来無い。 上条当麻には、最早なにをすることも出来無い。 振り下ろされる"左腕"が奏でる、 音速を超えた故に弾き出される暴力的な爆音が、 辺りに響き渡った。 ◇ 征天魔王は一路、南を目指していた。 真っ黒な瘴気を身につけ、調整の済んだ我が身と先程の戦いに満足し、 これより殺戮の宴ぞ、と息巻いたところに突如として感じた、 己を纏う瘴気と同質の存在を南方に認めたからだ。 彼は魔王である。 故に世界にただ一つの王でなければならなかった。 彼は魔王である。 故にこの世で最も最悪でなければならなかった。 彼は魔王である。 故に自らの一成分であろうと同質の存在など、この世に存在することすら許せなかった。 故に織田信長という存在は、全てに憤怒し、全てを破壊し、全てを殺し尽くしてきた。 ましてや自らの手足ともいえる瘴気と同質の存在など、許容出来ようはずが無い。 故に織田信長は疾走する。爆走する。激走する。 その姿は傍から見れば最早、黒い衝撃波としか認識出来無いであろう。 身を纏う瘴気は憤怒によりさらに濃さを増し、金色に輝くその鎧をすら漆黒の鎧へと変貌させた。 マントは何時の間にやら信長の背に生える、片羽根の黒き翼へと生まれ変わった。 最早万全となった彼の行く手を阻むものは無し。 敵はE-6公園にあり。 ◇ あの時の神原駿河は、阿良々木暦を抹殺せんと閉鎖された空間で殺し合ったあの時、 戦場ヶ原ひたぎの姿を認めた瞬間、攻撃の手を止めた。 レイニーデビルだけでなく、神原自身が明確な殺意を抱いて行動したあの時ですらそうだった。 だがこの神原駿河の成れの果ては、戦場ヶ原の姿を認めた上で、 彼女が目の前にいることを認知した上で、上条当麻を攻撃した。 まるで見せつけるかのように。 獲物の捕殺に成功した犬が、これよみがしに主人に獲物を見せつける行為。 褒めてもらいたいが故の、誇りをもって胸を張るがごとき行為。 その為の全力。その為の殺人。その為の行動。 ああそうか この神原は犬なのだ 上条に初撃を食らわせ損ねた神原を見て、戦場ヶ原ひたぎはそう直感した。 目の前でスローモーションのように落下し、爆風に吹き飛ばされ、そして地面に激しくバウンドする上条と、 その中でただ一人変わらぬに動く神原。 逡巡している間に、神原はそのまま上条を粉砕するであろう。 戦場ヶ原にとってみれば、上条はただほんの半日ともに行動しただけの存在だ。 常ならば、それほど思い入れも何も無いはず。 なぜ彼を救いたいと思ったのかと聞いても、ただ夢見が悪くなりそうだから、と返すだろう。 無論本心ではない。確かに本心ではないが、真意が何処にあるかは彼女自身も判断がついていない。 彼が自分と阿良々木暦を助ける、と言ったからだろうか。 神原に後戻りの出来ぬ行為をさせたくなかっただけなのもしれない。 そのように戦場ヶ原としては珍しく、遊びの無い、余裕の無い思考を巡らす。 ではどうすれば、可愛い後輩に殺人を犯さずに済むのか。上条を救うことが出来るのか。 もはや猶予はない。 だからだろうか。普段の彼女ならば陳腐と言って切って捨てるような台詞が口に出た。 「おやめなさい、神原!」 ■ その言葉に上条の顔面へのインパクトの、本当に直前で拳を止めた神原は、 器用なことにそのまま空中でバク宙し、物理法則などをすべて無視して後方の戦場ヶ原の許へ飛びかかる。 戦場ヶ原は跳びかかった神原を御し来れずに芝生の上へ押し倒され、両肘で身を起こして前方を見ると、 上条は神原のグレィトォな一撃の拳圧のみで数メートル吹っ飛んでいた。 「不幸だあああああああああああああああああああああああ!!」 そして地上に激突し、なおもガコンガコンと後転して何度も頭を強打し、樹にぶつかってようやく止まった。 まぁ生きてはいるようだからから心配ないわね。 上条はとりあえず置いて、戦場ヶ原は自分の胸の谷間で頭をグリグリと擦りつけている神原を見やる。 神原にもし尻尾が生えていたのなら、まず間違いなくそれは左右に振られていただろう。ゴキゲンってやつだ。 「もう少し感動的な再会をしたかったものね」 立ち塞がる者を全てを粉砕する覚悟で自分の許へ至った、変わり果てた可愛い後輩の頭を撫でる。 そして肩の付け根まで獣毛で覆われた"左腕"を見て、やっぱりね、とため息をつく。 神原駿河は恋する乙女である。 恋に命を賭けられる、男前な乙女である。 想い人の前では、可愛い自分でありたいと思う乙女である。 戦場ヶ原ひたぎが死ねといえば、喜んで死ぬような乙女である。 逆に言えば、戦場ヶ原ひたぎが死の危機に陥ったとするならば。 そのような理不尽に対して、自分がどうしようも出来無いような状況に陥っていたら。 戦場ヶ原ひたぎを救うためならば、悪魔に魂を捧げるだろうことは想像に難くない。 自分を抱きしめる神原の、その背中をさする戦場ヶ原は、 果たして彼女が悪魔に魂を捧げざるを得ない状況に陥っていたことを、察した。 背中に開いた大きな刺し傷。 怪物的な力で殴られたのか、大きく凹んだ背中。 鼓動を止めた心臓。 バトルロワイアルという、いつ誰が死んでもおかしくない異常な状況。 致命傷を負い、もはや呼吸することすら困難であろう、自らの身体。 もはや手詰まりなところまで、神原駿河は追い詰められていた。 ならば手を出してもおかしくない。全てを御破算にする最後の手段。 レイニーデビル。 三つの願いを叶える低級悪魔。 ■ 「魂と引き替えに、"三つ"願いを叶えてやろう」 どうしようもなく焦がれて、努力して、それでも到達出来無いことを諦めきれない、そんな理不尽。 生きていれば誰しも衝突するであろう、そんな高い壁を、 「魂さえ捧げれば、ひょいと飛び越えることが出来ますよ」と誘惑されて、躊躇しない人間がいるだろうか。 そもそも魂と言う概念自体が、どのようなものか現代人とかく日本人には理解し難い。 死後の世界や神を信じない、信じようとしないものにとって、魂の清濁はあまり頓着するべき問題ではない。 だが神原駿河には神はいた。 戦場ヶ原ひたぎと言う名の神。 手段を問わず、魂を穢して願いを叶えるには、その神は熾烈だった。 故に悪魔に魂を捧げるなどと言う行為は、最大のタブーとして彼女の胸の内にしまわれた。 だが狂信するが故に、愛するが故に、彼女は絶望した。 絶望するが故に、彼女は神を裏切った。 そんな事をすれば、神は彼女を許さぬであろうことを承知の上で。 果たして三つ目の願いは唱えられた。 ここに居るのは哀れな殉教者、神原駿河の成れの果て。 ■ アーチャーが公園に着いた時、そこにあったのは瓦礫と化した献花台と、その脇でピクピクと痙攣する上条。 そしてそこからやや離れた所で、戦場ヶ原の膝枕にゴロゴロと甘える雨合羽の少女の姿だった。 「なにが起こった」 想定外の事態に、アーチャーはそのような凡庸な台詞しか出せなかった。 ついぞ先程まで交戦していた時の張り詰めた殺気は、神原からは一欠片も感じられなかった。 見れば胸に刺さった干将莫耶も、引き抜かれたのか前に置かれている。 致命傷なまでに押し込まれたそれを引き抜いた場合、ショック死しかねない衝撃を肉体に受けるであろうに、 この少女は未だピンピンとしている、というか喉を撫でられてどうやらゴロゴロと鳴いている。 「あら、誰かと思えば露出狂のアーチャーさん。 よくも私の可愛い後輩に傷つけて頂けたわね、などといった芸の無い台詞はこの場に似あわないわね。 そう、それはもう別にいいの。問題はもっと別のこと。 わざわざ神原を傷つけて、のこのことここに戻ってきて、それでなんの土産もないってどういう事かしら」 まるでハワイ旅行から行ってきた同僚に、土産がないことをなじるサラリーマンのように突っかかる戦場ヶ原。 まぁそういう奴は両者ともにロクでも無いことが多いから、 そのような会話を聞き及んだら、そういう二人にはあまり近づかない方がいい。 ともかくとして、状況を見るにつれ上条当麻はどうやらなんの役にも立たず、 かえって戦場ヶ原が事態を収めた、ということだろうか。 アーチャーは破壊され尽くした献花台を見てそう判断した。 第四次聖杯戦争。 その最後の決戦場に残された災厄の残滓であるあの献花台が造成された時点で、 死者の魂は弔われて久しい。 にも関わらず、それから十年後の第五次聖杯戦争に到るまで、 死者の怨念は冬木市自然公園に染み付き、瘴気によって人が寄り付くのをよしとしなかった。 この島のこの場はそれの完全なるコピー、もしくはそれそのもの。 献花台によって鎮められていた死者の怨念が、今解放されてこの空間に漂っているのか。 偵察に立ち寄った時よりも嫌悪感が激しくなっているな、とアーチャーは感じ取った。 とりあえずヒステリーを起こしている女性に逆らう度胸は、アーチャーにはない。 事の次第を戦場ヶ原に伝えると、痙攣している上条の様子をみる。 どうやら命に別状はなさそうだが、意識を取り戻すにはもう少し時間が必要だろう。 「それで、気絶している上条くんの身体を丹念に調べてナニをするつもり? などという下衆なことは聞かないでおくわ。気持ち悪いもの。 まぁ神原はそういう趣向を大層気に入っていたようだけども」 今はそのようなシチュエーションにも反応はしないのね、と 膝の上で頓着せずにじゃれつく神原を見つめ溜息を漏らしかけるも、寸前に押しとどめる。 「言わなかったけれども、この公園は結界で取り囲まれていて私達では出ることは出来ないの。 私はまぁ神原に頼むとして、上条くんをここから出して頂けないかしら」 それを聞いてアーチャーが僅かに顔をしかめる。 確かにここは忌むべき怨念の巣ではあったが、 オリジナルの冬木市公園は、そのような不可思議な現象が起こる場所では決して無かった。 さらに言えば午前中に回ったときにも、そのような仕掛けは無かったはず。 なにか仕掛けがあれば、探索した際に気が付くはずだ。 ならば、この場はその間に変容を遂げた、と言うことか。 ◇ 一方その頃C.Cは確かにアーチャーが入っていったと思われる空間に入れずにいた。 緊急を要する移動であったため、彼は彼女を連れては行かなかった。 故にとことこと、マイペースに徒歩でここに来ていたわけだが。 《絶望の城》と表された、この団地の中心にあるだろう公園。 だがその場所は今、なにやら真っ黒な球体に覆われていた。 無論、前に立ち寄った、というか転送されてきた時にはこのようなことにはなっていなかった。 目の前の真黒き壁に手を触れてみると、僅かに反発を感じ壁それ自体に触れることも出来無い。 力を入れれば触れること自体は可能であろうが、進入不可能であることには変わりないだろう。 それよりも問題なのは、壁に触れた際に頭に響いた呪詛の念。 様々な人の思念と通り過ぎてきた、魔女である自分にならば理解出来る。 あれは死者の怨念、そのものだ。 その怨念らは「アーチャー」「エミヤ」「サーヴァント」「許さぬ」などとほざいていたようだ。 怨念が実体化し、空間を取り囲み、対象がこの地にやってきたことで、呪いが結実した。 魔術的な素養など欠片も無い、 テレビバラエティなどで報じられるオカルト話や怖い怪談程度しか知らぬC.Cではあるが、 現実にこのような有様を見てしまうと、そのような結論しか思い浮かばない。 要するに理屈は分からぬが、現象はここに存在するわけだ。 「さて困った。少なくとも、あいつが怨念などに遅れをとるとも思えぬが」 このような怨念は執念深く、しかもこれだけの規模となると内側から破壊するのは骨が折れるであろう。 まぁ少なくとも自分はなんの役にも立つまい。 C.Cはとりあえず物陰に隠れ、状況が好転するのを待った。 どれほどの時間が経ったのか。 それともすぐそれは起こったのか。 気がつけばC.Cの足元に、壁を形成する怨念よりも遥かに凝縮した闇が足元を覆っていた。 それは辺りの団地を全て覆い尽くし、日中だというのに空を黒く染め上げた。 かの闇の中心に立つは、闇を凝縮したかのような鎧に身を包む一人の男。 地面に長大な剣を突き刺し、念を集中させ周囲の空気を激しく歪ませている。 男は裂帛の気合とともに剣を振り上げ、再び大地に突き立て 爆発 C.Cの視界が炎熱と爆風と瓦礫と破片で覆いつくされた。 ◇ 「ふむ。どうやらこれを突破するのは骨だぞ」 アーチャーは何時の間にやら公園を取り囲んだ黒い壁をコンコンと叩いて、率直な感想を述べた。 戦場ヶ原の説明を聞き、おそらくは人払いの類だろうと見当を付け、 さてそれでは、と辺りを見渡したところで異変に気づいた。 心眼スキルすら騙すとは、なかなか気の利いた結界と言える。 実体化した結界を調べる限り、壊せないことはなさそうだが、突破するまでとなるとそれなりに時間がかかる。 しかも結界の核となっている部分は公園内にはなく、 おそらくは周りを取り囲む団地の配置そのものが結界を形成している事までは、調べが着いた。 五行風水の流れをくむ陰陽道による陣地形成、 さらにはどうやら鬼門もしくは裏鬼門からの瘴気を含んだ魔力供給を受けていると思しきこの結界は、 無尽蔵な実的質量をもって行く手を阻む。 十分な魔力を一点から放出すれば、力技での脱出は可能だろう。 しかしそれではこちらの魔力を大量に消費してしまう。 外にいる人間に団地の一角を爆破してもらうのが一番手堅いが、あいにく外と連絡をとる手段が手元に無い。 さらに言えば、発破技術に長けた人物自体に心当たりがない。 「簡単な話しね。結界の変容はどうやらあなたがここに入ったことが原因なのだから、 あなたが結界を打ち破る責任と義務があるわ」 「この結界を早急に打ち壊す手段は、ある。だが代償はそれなりに高くつく。 結論から言えば、君が焼け死ぬ。 さらに私の魔力がやや消費され、なにか強力な敵、たとえばD-6駅を襲撃した連中と遭遇した場合、 かなりの苦戦が予想されるな。端的に言えば、実行するのにやや躊躇してしまう策だ」 「あら、なんとも素敵ね。ここで未だに寝ている上条くんにも聴かせて上げたい策だわ」 「あぁだから次善策にとりかかる」 そういうとアーチャーはディバックから岩剣を取り出し、 戦場ヶ原に膝枕される神原の目前に突き刺すと、そこらの樹に寄りかかる。 「なんの冗談かしら」 「果報は寝て待て、だ。君も彼や彼女のように休養を取りたまえ」 ◇ 果たして織田信長はE-6公園に至った。正確には公園を取り囲む結界の前にいた。 結界に触れてみれば、なるほど、それは実体化するほどの量と質を誇る怨念と瘴気。 それが吹き溜まりとなって、ここにうず高くそびえていた。 「ほう、南西の方角より瘴気を取り込んでおるのか」 信長はニアミスしたが、太陽炉の爆発によって西南を守る結界は破壊されている。 そして破壊されたことによる穴は、未だ塞がれずに放置され、外界よりの瘴気を無限に吸い込んでいた。 その瘴気は怨念の渦と化しているここ、自然公園に取り込まれ、積層され、結果としてこの有様である。 信長自身も漏れ出た瘴気の恩恵を受け、不完全ながらも復調を遂げたが、これは別の話。 公園に渦巻いた怨念はその濃度を上げて、もはや食虫植物のごとく獲物を待ち受ける結界となった。 そして怨念の究極対象。 災厄のただ中にあって、ただ一人生き残った少年の帰還。 憎悪の中心たるサーヴァントの帰還をもって、結界は結実を迎え閉ざされたのである。 瘴気を纏い、利用しているものがいたらその場で切り捨てる気であったが、 モノが単なる結界であるならば、奪うまでだ。 幸い地脈も瘴気も十分ある。怨念もあって信長にとっては好都合。 まともな魔術師ならば忌避して近寄らない、それらマイナスの因子も、 征天魔王にかかれば役に立つ道具でしかない。 どうやら結界の核となっている、周りに立ちそびえる簡素な城に自らの瘴気を纏わせる。 量的に膨大ではあるが、時間をかければこの程度、なんとするものぞ。 最終的に信長が張った瘴気の結界は、公園の結界を遥かに超える規模で展開された。 それは《絶望の城》全てを取り囲むほど。 ここまで強大な結界を彼が敷けたのは、公園に注がれる瘴気の殆どを横取りし、地脈を吸い上げた故。 前準備は全て整った。 あとは導火線に火をつけるのみ。 撃鉄は手に持つ長大な刀。 火花は裂帛の気合。 火薬は瘴気。 対象は、《絶望の城》全て! 「いざや開かん、冥底の門!」 瞬間地上に太陽が生まれ、莫大な熱量とともに全てを破壊し、崩壊し、瓦解させた。 炎上する全ての中で佇みながら信長は高笑いを浮かべる。 公園を取り囲んでいた瘴気全てが、第六天魔王の身体に取り込まれて行く。 戦国の世と変わらぬ、死に際して放たれる雑兵、愚民どもの怨念と呪詛。 それが周囲に振り撒かれ、また魔王に集約され凝縮され、 彼の手となり脚となり血となり肉となる。 「フゥハァーッハーッハーッハーッッ!我は第六天魔王!織田ァ信長ぞ!」 やがて瘴気を全て取り込み、視界が開けたその場には、 信長の姿と、焼け野原と、地面に倒れ伏せる者たちの姿のみであった。 ◇ 自らの膝枕で、すっかりと獣のようになってしまった可愛い後輩をあやす内に、 戦場ヶ原ひたぎは何時の間にやらうたた寝をしていた。夢も見ない、短い時間であったが。 膝にかかる圧力が無くなったことで目を覚ました彼女は、軽く伸びをすると辺りを見回して神原の姿を探す。 見れば献花台の残骸の上で壁の向こうに向かって唸っている。 アーチャーは、といえば上条当麻を抱えて、やはり神原と同じ一点を見つめていた。 野生の勘、千里眼、心眼、などなど全て合わせて警戒に値する敵が、この壁の向こう側にいる。 「果報が来たぞ。準備はいいか、女」 「せめて敬意をもって名前を呼んで頂けないものかしら。やる気が失せるわ」 減らず口を叩きながら、物陰に身を隠しつつもバールを取り出し、子猫たちをディバックに押し込む。 やがて漆黒の結界の内側からでも分かるような、激しい光と爆発が巻き起こり、 そして結界は崩壊した。 四方八方から爆風が襲いかかる。 「嘘」 もはや何処にも隠れ場所はない。 飽和された爆風は、その中心である公園に存在するもの全てを蹂躙する。 いついかなる状況に於いても、執念をもって報復をする気満々である戦場ヶ原ひたぎである。 自らの死の覚悟だなんてする気も無かったが、これには観念せざるを得ない。 血のような爆熱が自らに迫る刹那、雨合羽の少女が爆炎の中より飛び出し、戦場ヶ原に覆いかぶさった。 時系列順で読む Back のどかデジタル Next 命短し恋せよ乙女(後編) 投下順で読む Back のどかデジタル Next 命短し恋せよ乙女(後編) 161 ひたぎクラブ/とうまブレイク/■■■アーチャー/???ウィッチ 戦場ヶ原ひたぎ 194 命短し恋せよ乙女(後編) 161 ひたぎクラブ/とうまブレイク/■■■アーチャー/???ウィッチ 上条当麻 194 命短し恋せよ乙女(後編) 183 飽く迄も愛してくれる? アーチャー 194 命短し恋せよ乙女(後編) 183 飽く迄も愛してくれる? C.C. 194 命短し恋せよ乙女(後編) 183 飽く迄も愛してくれる? 神原駿河 194 命短し恋せよ乙女(後編) 189 戦場に生きる者達(後編) 織田信長 194 命短し恋せよ乙女(後編)
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命短し恋せよ乙女(後編) ◆LJ21nQDqcs 「どうした!第六天魔王が名乗ったのだぞ?平伏するばかりでなく、返事をしてみせぃ!」 戦場にてただ一人佇む織田信長であったが辺りに動くものはない。 「詰まらぬ。全て死に絶えたか」 そうポツリと漏らすと、鉄の騎馬にのって逃げおおせた者共を追うべく踵を返す。 トレース、オン 干将・莫耶が信長の背に向かい猛烈な速度で迫る。 しかし命中の直前。 双刀はまるで独自の意志を持つかのようにはためくマントによって、粉砕された。 次いで新たに呼び出した干将・莫耶を携え、突進するアーチャーの熾烈なる一撃を、 信長は嘲笑をもって長大なる刀、物干し竿で弾き返す。 「奇襲とは卑怯よなぁ、弱者よ!」 「卑怯?あいにく誇りなんぞと言うものはとっくに捨てていてね!」 超長剣・物干し竿にとってクロスレンジ、つまり通常の白兵距離は死角と言ってよい。 干将莫耶のような短剣の間合いならば、なお致命的だ。 アーチャーはそれを狙い、懐に入り必殺の間合いで一撃を放つ。 また一撃、 さらに一撃、 そして一撃。 踊るように繰り広げられる、双剣の間断ない芸術的とも言える攻撃は、 しかして最早剣術を超えた領域にある信長の悪魔的技術によって、全てが短剣ごと粉砕される。 いや、そればかりではない。 払い切った全てがアーチャーに対する攻撃として転化し、襲いかかった。 しかし弓兵は軽業師のように身をそらし、飛び退り、前転し、飛びかかる。 手に持つ短剣を粉砕されては複製し、一撃を放っては粉砕されて身を躱す。 クロスレンジにおいて全く不利を感じさせず、ハンデだとでも言わんばかりに対応する信長と、 それでも懐に入り続け粉砕されようとも無限に複製し、突撃し、切り返しに反応して回避し続けるアーチャー。 傍目には互角に見えるが、その実、信長には未だ瘴気による一撃とマントによる一撃がある。 対するアーチャーはまさにジリ貧であり、攻撃の手段と防御の手段を徐々に削り取られて行く一方。 「一人で余に匹敵しようなどとは片腹痛い!せめて、うぬを五人連れて参れ!」 「誰が一人と言った!」 その瞬間、黒き閃光が信長に襲いかかる! 信長の右側より果敢に攻め続けるアーチャーの丁度逆側、 左後方より岩剣が音速を超えて放たれ、土煙が辺り一帯を覆う。 音が追いつき轟音が辺りを包むと、衝撃波が土煙を吹き飛ばした。 無論、あの程度の爆発では滅ぶに能わず。 黄色い雨合羽も健在な、左腕全てを獣毛に覆われし不屈の愛戦士。 レイニーデビル完全体、神原駿河。 参戦。 ■ 実の所アーチャーにとってレイニーデビル=神原駿河は敵でしか無い。 逆もまた真なりで、神原は明確にアーチャーをも攻撃の対象としていた。 自らの腹に深々と短剣を突き刺した男を許せるほど、神原駿河は寛容ではない。 だがアーチャーの体術がそれをさせなかった。 彼の驚異的な戦場把握能力は神原が未だ健在で、近いタイミングで襲いかかってくることを察していた。 故にジリジリと、自分と神原の狭間に信長を誘導した。 第六天魔王は何故そのような移動をするのかと言う理由は分からずとも、当然意図は理解していた。 にも関わらずアーチャーの策を許してしまったのは、彼の体術がやはり超越していたからに他ならないだろう。 結果。 神原駿河の初撃は信長に見舞われた。 信長がかの者を敵と認定するには、十分過ぎるほどの強烈な一撃。 かくてアーチャーは1対2という絶望的な状況から、どうやら2対1、もしくは1対1対1の三すくみと言う かなりマシな状況に好転させることに成功した。 一瞬とはいえ、アーチャーが信長を凌駕した瞬間である。 ◇ 一方神原駿河は手綱を離された狂犬のように、見境なく両者に襲いかかっていた。 攻撃対象は二人。 自らの腹に短剣を突き刺した黒衣の男。 今しがた戦場ヶ原を殺さんとした漆黒の鎧の男。 手綱を離せばそのように見境なく暴れるであろうことは戦場ヶ原には分かっていた。 だが爆風から身を呈して自分を守った神原の姿を見て、 偶然か故意かは分からぬが、自分の唇に唇を合わせた後輩の姿を見て、 唇を離し、ポロポロと涙を流す可愛い後輩の姿を見て。 戦場ヶ原ひたぎは察してしまった。 『神原駿河』と言う存在は、抜け殻ではなく未だそこにあると言う事に。 その僅かに残った命の炎を、自分の為に激しく燃やさんとしていることに。 自分の過保護が神原駿河を、彼女が燃やさんとしている炎を、くすぶらせていると言う事に。 だから一瞬とはいえ手綱を離してしまった。 「いきなさい」 行きなさいなのか、生きなさいなのか、逝きなさいなのか。 言った戦場ヶ原にも分からなかった。 ただ次の瞬間、神原は戦場に赴く。 愛を守らんとする為に。 ■ 戦場ヶ原ひたぎは微かに湿る唇を抑えて、身を起こした。 視線の先には、戦場ヶ原の想像と動体視力を遥かに超えるレベルで行われる、死闘。 踊るように踏み込むアーチャー、それを全て弾き返す信長。 頓着せずに巨大な岩剣を振り下ろす神原、それをマントで受け流す信長。 マイペースに攻撃を続ける神原に合わせるようにして、間隙を付いていくアーチャーであったが、 それでも信長の牙城は遥か高くそびえ、君臨している。 第六天魔王の頂きは未だ、遠い。 「万死に値するわ、神原。あとで確実に殺してあげるから、 だからそんな黒尽くめの変態男など、倒してしまいなさい」 見ればやや離れた位置に上条当麻と、そしてC.Cがいる。 上条当麻は未だに気絶しているのか倒れたまま。 目立った傷も無いことから、とりあえずは無事であろう。 一方のC.Cは、と言えばあちこちが血でまた汚れているようだが、 死んではいないようで、ピンピンしている。 その証拠に彼女は激戦をよそに、戦場ヶ原にたったったっとスキップしながら近づいてきた。 「逃げないのか?」 不思議そうにC.Cは尋ねる。 悠然として戦場ヶ原は応える。 「あの戦いで黒尽くめの変態男を倒せなければ、どちらにせよ私たちは生きてはいないでしょうね。 逃げ切る算段も無いし、どう行動しても無駄。ならここで観戦している方が良くないかしら?」 「そうは言っても考えているのだろう?手段を」 全てを見透かしたように語る碧髪の少女。 侮辱されたかのように思ったのか、戦場ヶ原はやや眉をひそめて応える。 「考えてないとでも思ったのかしら。 それは遥かに侮辱ね。人間は考えることによって他者と区別されるの。 考えていないとしたらそれは人間ではなく、ただそこに存在しているだけの置物ね」 「生憎と私にはここから逃げうる手段など考えもつかない。 いや、私一人であるならばいくらでも手段は思いつくが、 全員含めての逃亡手段となると、コレは最早魔法や超能力の類だな」 両者の舌鋒は、今ここに至っても衰えることを知らない。 ならば戦場ヶ原には思いつくのか、とC.Cは挑戦的で不遜で不敵な瞳で彼女を見つめる。 「一つ思いついたけど、とてもじゃないけどバカバカしいわ。 口にするのもはばかられるわね。第一、あの二人を一度こちらに呼びつける必要があるのだもの」 「なるほど、道理を引っ込める必要がありそうだな」 そう言い終わると、この究極に相性が悪い二人の女性は、気味が悪いことに一点を見つめる。 未だ昏倒し続ける上条当麻を。 そしてまた仲がいいことに、同じタイミングで溜息を思わず漏らすのだった。 「無理ね」 「無理だな」 ■ 「どうした、魔王!減らず口の数が減ってきたぞ?流石に余裕がなくなってきたか?!」 アーチャーは身を低くして物干し竿の一撃を躱し、膝を付くほどの低姿勢でそのまま短剣を押し込む。 それを信長は手首を捻って物干し竿を回転させ容易に受けきり、そのまま対手の首を狙う。 アーチャーは膝まづく形で上体を逸らし、その一撃を空振りさせる。 さらに身体のバネを用いて飛び上がり、なおも信長に肉薄する。 一方、神原も執拗に岩剣を打ち付ける。 地面を擦りながら火花とともに繰り出される遥かに重く、鋭い一撃は、 しかして闇を凝縮したかのような瘴気で強化されたマントによって包まれ、威力を殺される。 アーチャーも神原も、人智を超えた戦士であった。 しかしその二人をもってしても、信長の鎧にすら触れることが出来無い。 これは式、デュオ、五飛と比べて、彼と彼女が劣っていると言うわけではない。 信長の瘴気の充実と、本気の度合いが先程の戦いとは違うのだ。 神原もアーチャーも必殺の一撃をくり返し浴びせている。 第六天魔王と言えど、その一撃であろうと食らえば倒されるまでは行かないまでも、 かなり危ない状況に陥るだろうことは想像に難くない。 傲岸不遜な織田信長をして、それを否定出来ないほどに二人の攻撃は熾烈なのだ。 よって鎧で受けきる、と言う発想自体が無い。 全ての攻撃は、その身で受ける前に弾き返し、粉砕し、減衰させる必要が、この戦いではあった。 確かにアーチャーの言うとおり余裕は無かったのかも知れない。 だがそれも先の戦いに比べれば、のこと。未だ信長は全力を出さずにいた。 油断はないが、愚民ごときに自分の全力を引き出せるとは思えなかったし、 事実、彼女と彼は信長の全力を今のところ引き出せていなかった。 剣とマントと瘴気。 この三つを複合させた戦いを、この島において未だ信長は本格的には試していない。 この島での制限下で、どこまで出来るのか、どこまで辿りつけるのか。 剣とマント、剣と瘴気については既に実戦で試している。 (そろそろ全力で攻撃する慣らしに入るとするか) そのタイミングを測るための沈黙であり、全力を出させた戦士たちに対する黙祷である。 「そろそろ飽いた。第六天魔王の全力。見せてくれよう」 アーチャーの剣戟を粉砕しながら、神原の怒涛を受け流しながら、 第六天魔王・織田信長は宣言する。 空間が黒く歪むのをアーチャーは感じる。 心眼スキルが、非常に速いレベルで身の危険を知らせる。 (最早逃げるのが最上の策、と言うことか!) だが退くことは出来無い。そのきっかけが無い。タイミングが無い。 神原駿河の爆発力も最早限界に近い。 信長はアーチャーの攻撃も神原の攻撃も、粉砕せずに身を回転させて弾き返す。 次の瞬間、マントと瘴気と超長剣が一体となって、竜巻を形成する。 「是非も無し!」 アーチャーと神原はその渦の中心に、否も応もなく引きずり込まれる。 圧倒的な手数が、暴虐が、力が、瘴気が、二人を暴力的に叩き続ける。 波状攻撃とは、飽和攻撃とは、このことだ。 神原とアーチャーは信長の絶対的なキルゾーンに脚を踏み入れてしまった。 岩剣が削り取られ、剣製が消耗していく! 物干し竿が神原の首を狙い、マントがアーチャーの首を捉えたその刹那、 「ふざけるんじゃねええええええええええええええええええええええ!!」 立ち上がる一人の少年の姿。 歩く恋愛フラグ。レベル0。無能力者。虚言使い。幻想殺し。 全てに不屈を誓い、強要するもの。 上条当麻である。 ■ 上条当麻は許せずにいた。 自分の目の前で殺し合いが行われていることに。 それが自分がどうにか出来るレベルを、遥かに超越した戦いだと言うことを認めることに。 そしてなにも出来ずに立ちすくむのが最良であると言う、幻想に。 「ふざけんじゃねぇぞ、てめぇ!なに問答無用で殺し合いをしていやがる!」 信長は上条当麻の言動に呆れて、竜巻のごとき戦闘形態を解いていた。 チャンスとばかりに打ち込まれるアーチャーと神原の攻撃を、軽くいなす。 「愚民には理解出来ぬ!我は第六天魔王!それが全てぞ!」 顔は正面の上条を見続けながらも、左右から攻め立てる二人の攻撃はしっかりと跳ね返す。 傍目にもレベルの違いは歴然であった。 「なにをしている少年!貴様などがここに割って入ったところで、なんの足しにもならん! 少女たちを連れて即刻逃げろ!」 信長の長剣をすんでで躱したアーチャーの怒号が響く。 「織田信長、とか言ったな!確かにお前は強いよ! 俺なんかが割って入ったところであっという間に死ぬしか無いだろうよ! だけどよ!なんでそんなに強いのにこんなゲームに乗っていやがる!? なんでこんな所で殺し合いをしていやがる?! 首輪を付けられて、あいつらの思惑に乗って、それで魔王を名乗っていやがるのかよ!」 「小童ぁ!」 憤怒の信長は瘴気を上条に飛ばす。 地を走る瘴気が飛び跳ねて襲いかかるが、しかし上条はそれを右手で消滅させる。 信長の眉がハッキリと驚愕と興味を示す。 「そうだ、織田信長!お前は全く俺なんかより遥かに凄いよ!偉人だよ! ならなんで、このゲームをぶち壊そうとしやがらねぇ?! なんでこんなくだらねぇことを踏みつぶして、前に進もうとしやがらねぇ?! お前があいつらをまず始末しようともせずに、殺し合いをしているのは何故だ?!」 「我と同じ舞台に立ち、あまつさえ魔王たる余と対等の立場で話す、 うぬのような虫けらを叩き潰すためぞ!」 それを聞いて上条当麻は遂に歩き出す。駆け出す。走り出す。 「なら言ってやる!対等だの虫けらだの、こんな状況で言うならば! こんなゲームに参加させられて、こんな首輪を付けられて、まだそんな幻想を言うならば!」 右手を握り、怒号を吐き出し、そして跳躍する。 アーチャーと神原は信長に対して同時に一撃を打ち込み、剣とマントで受けざるを得なくする。 残る武器は瘴気のみ。 信長は瘴気を槍の形に固定させると、上空に次々と射出する。 しかし上条当麻は右手を前に突き出し、その全てを消し去る。 空中で右手を再度握り締め、振りかぶり、そして前に押し出す。 これこそが上条当麻の代名詞。上条当麻の持つ、唯一の能力。 幻想殺し、イマジンブレイカー! 「その幻想をぶち殺す!」 ■ 信長にとって許せぬことに、ただの凡夫に過ぎぬと勘定に入れていなかった少年の一撃は、 瘴気の壁を易々と突き破って、自らの身体に到達した。 流石の魔王にとってもこの能力は未知数であり、致命的な箇所への打撃は脅威であった。 よって対手の狙いを微妙にずらさんとする為に、身をよじる。 それがアダとなったのか、それが幸いであったのか。 上条当麻の幻想殺しは織田信長の首、その自由を拘束する首輪に直撃した。 キュイイイィィィィン 上条当麻の脳裏に、幻想殺しが作用したときに漂う、独特の音が響く。 (通った?!) 確かに、間違いなく、ハッキリと。 幻想殺しイマジンブレイカーは首輪に作用した。 ■ 「来なさい!神原!」 「引き上げるぞ、アーチャー!」 信長に幻想殺しの一撃が見舞われた瞬間、いやその直前。 すでに遥か後方へと走り去っていたC.Cと戦場ヶ原ひたぎが、同時に叫んだ。 言われるまでも無い、とアーチャーは未だ空中で拳を振り抜いている上条当麻を抱え、 跳躍をもって戦線を離脱する。 神原もまた、床を踏み抜く疾走をもって全力で後退した。 「させぬわァ!」 信長も幻想殺しの一撃を喰らいながらも瘴気を飛ばして、三人の前に檻を形成する 幻想殺しと言えど、物理的に言えば単なる高校生のパンチである。 その程度でひるむ第六天魔王ではない。 しかしその瘴気の檻すら、アーチャーの脇に抱えられた上条当麻によって霧散させられる。 瘴気を信頼しすぎたためか、信長の追跡は遥かに遅かった。 多少の差を付けられても女二人の足もある。 問題なく追いつけるだろうと言う慢心も、どこかにあったのかも知れない。 ■ 一方、戦場から離脱した五人は走りながらも、戦場ヶ原の悪だくみを聞いていた。 そこにアーチャーが物言いを入れる。防御陣は二重にすべきだと。 「それは受け入れられないわね。わたしの案は全員を生きて逃がす方法よ」 アーチャーの真意に気づいた戦場ヶ原が反論する。 「あぁ。だが"全員"を"生きて逃がす"ならこれが最上だ。違うか?」 アーチャーの偽悪的な微笑に、戦場ヶ原は傍らで手を繋ぐ神原の顔を見ずにはいられない。 自分を信じて疑わない忠犬のようなその目に、戦場ヶ原はポツリと呟く。 「熱き血潮の冷えぬ間に、明日の月日はないものを」 ある歌の一節。刹那の激情を能しとする青春歌。 華と散るらんとする神原に、これ以上の場はないのではないのか。 「分かったわ。でも私は諦めが悪いわよ」 戦場ヶ原は頷い"てしまっ"た。 五人の眼前は"絶望の城"が崩壊した為、地平線まで真っ更に見える。 南東の方角にひたすら走っていた戦場ヶ原ひたぎは、ついに目的地に到達する。 直線距離にすれば50メートルも無い。彼女ならば一足飛びである。 そして息付く暇もなく走りながら、ディバックを背中より外し小脇に抱えて、"ソレ"を引っ張り出す。 すなわち 【飯田線車両@咲-Saki-】 線路に車輪を当てはめ、一気に滑り落とすと、そこには二両編成の電車が現れた。 「どんな幻想だよ、コレ」 流石に呆然と立ちすくむ上条を、アーチャーはさっさと車両の中に押し込んだ。 神原を車両の上に、アーチャーを車両内に配置し、車掌室には残りニ人が押し込まれる。 飯田線車両は最大で85キロしか出せない、急勾配を意識した車両である。 よって最大速度を出せたとしても、信長を振り切ることは難しい。 要するにこの車両こそが決戦場なのだ。 やがて飯田線は走りだす。 車窓から見える景色は、徐々に速さを増していることを教える。 そして屋根の上にドスン!とした落下音が響き渡る。 「おいでなすったか。さて、神原がどれほど持ち堪えるかな」 アーチャーは車内で緊張に身をたぎらせた。 ■ 「なるほど、これが"れっしゃ"か。なかなかに頑丈で、そして力強きものよなぁ」 信長は感嘆とした表情で語る。 神原は応えない。 いや、応えること自体が最早出来無い。 洒脱なジョークと破廉恥な言葉の洪水も、最早彼女から聞くことは出来無い。 あげることが出来るのは、ただ獣のごとき咆哮のみ。 それを悲しいと思うことすら、彼女には出来無い。 その身は既にレイニーデビルのものなのだから。 そう、もはや下級悪魔との契約と、神原自身に唯一残った戦場ヶ原への愛だけが 彼女の生命を繋ぎとめていた。 「自らの言葉を持たぬか。その戦いぶり、傍若無人ぶり、本多忠勝を思い出すな。 いや、その腕、猿か。"覇王"などと言ってはしゃぐ、あの小童をも思い出す」 信長の脳裏に浮かぶのは、愛に生きる可憐な少女とは似ても似つかない、いかつい戦国武将たち。 喋ることの出来ぬ神原に変わり、彼が饒舌になるのは、やや興奮しているためか。 「猿の分際で我の前に立ちふさがるとは笑止千万!立ちふさがるもの、全て滅ぼす!」 超長剣・物干し竿を構え、マントを翻す。 「是非も無し!」 物干し竿を横薙ぎに振るった信長は違和感を感じた。 先程の戦、この猿めはこちらの攻撃にあわせ、あの岩剣を振るいこちらの攻撃ごと潰してみせた。 だが今はそれはない。 いや、防御自体を捨てている! 神原の身体をやすやすと切り裂く超長剣。 だが神原はそれを意に介そうともせず、前に押し出て岩剣を振り回す。 それをマントで受け流しながら、信長は敵の真意に気がついた。 この猿はこちらが剣とマントの二刀流であることに対抗するために、 防御を捨てて攻撃一辺倒に打ち込むつもりなのか、と。 「詰まらぬ!死兵なぞは雑兵が相手すべき生兵法ぞ!」 信長の攻撃はどれも二の太刀要らず。一撃必殺である。 それをただ喰らって反撃をしようなどと、単なる自殺行為だ。 打ち合いなどではなく、一方的な虐殺でしか無い。 だが神原は勝算をもってこの戦い方を選んだ。 いや、既に勝算など計算できる状態ではない。 レイニーデビルの本能が、この戦法を選んだ。 列車の屋根へ赴く神原に向かって戦場ヶ原が語った言葉がある。 「神原、哀れな姿になってまでわたしに尽くしたいと言うのなら、 ここであいつの足を、死ぬ気で止めなさい」 望むところだった。 もし神原に意識があったのならば、一も二もなく首を縦を振ったことであろう。 もはやこの身は先輩、戦場ヶ原ひたぎへの愛で出来ている。 だから信長の足止めをするのに、命など要らなかった。 信長を止めることが先輩への愛を表現することになるからだ。 ■ 運転室にて前方を見やる戦場ヶ原は、何故可愛い後輩を死地に送り出したのかと自問自答していた。 あのような言葉をかければ、神原駿河は本当に命をかけてしまうだろう。 ならばなぜ。 「いいのか?」 C.Cが問う。それ以上は言わない。 おそらくは、いや、まさしくその質問の意図は今戦場ヶ原の胸中にあるものと同じであろう。 「えぇ。全員が生き残る方法は僅かとは言え、コレしか無いのだもの」 アーチャーがこのプランを受けたのは、単純により多くのものが確実に生き残る案だったからだ。 "全員"が生き残るなどと言う絵空事を信じてはいない。 だが上条当麻は信じて疑わない。 よって列車の上で行われている戦闘が、傍目には一方的な虐殺になっていることなど想像もしていない。 ある程度まで踏ん張ったら、無理をすることなく車両内部に降りてくる。 そうするであろうと聞いていたし、アーチャーがここにいるのは二段構えの防御陣ゆえと聞いていた。 だから多少の間の抜けた問答を戦場ヶ原と繰り広げていた。 「それにしても、戦場ヶ原、さん。」 「なにかしら上条くん。運転している彼女の邪魔にならない程度でお願いするわ」 C.Cは器用にもレバーを操って電車を運転する。初めて見る操作系にも関わらず、その様子に躊躇はない。 「こんな便利なものを支給されていたのなら、わざわざ駅であんな長い間待つ必要は無かった、と 上条さんは思うんですがねぇ?」 「愚問ね、上条くん。私が列車を運転出来ると思っているのかしら? それにどこで事故が起きたのか分からない状況で、列車を走らせるなどといった愚行を 私がするとでも思っているのかしら?」 上条は押し黙るしか無かった。 そして車両は目的地にあと少しで到達する。 D-6駅。真田幸村が横死した、運命の場所へ。 ■ 何度打ち込まれただろうか。 神原の身体はもはやぼろぼろであった。 全身に切り傷を負い、欠損した部位も数多い。 だが、捨て身の攻撃は遥かに数は少ないものの、信長にクリーンヒットを与えていた。 レイニーデビル完全体、神原駿河の一撃は鋭く、そして重い。 常人ならば両断されているであろうその攻撃を、信長は三度にわたり受けていた。 気合で立ってはいるものの、疲れ知らずの信長が、休養を欲するほどにダメージを蓄積させた。 今また信長の一撃が振るわれ、神原が同時に信長へと岩剣を振るう。 神原が右肩口から斬られ、信長はマントによって減衰したものの完全ではなく、岩剣は腹部を強打する。 思わず膝をつきそうになったのは、信長の方であった。 常ならば狂気の言葉を奏でる口元に、今は一筋の血筋が滴っていた。 どうやら内臓へのダメージは深刻らしい。肺にダメージが至るのも時間の問題であろう。 信長にとって、許されざるべき事態である。 対手の表情はまぶかに被った着物によって見えぬが、おそらくは壮絶な笑みをでも浮かべているのだろう。 しかしここまで攻撃に耐える敵というのも本多忠勝以来である。 この華奢であろう身体の何処に、そのような耐久力が秘められているのか。 レイニーデビルは下級悪魔である。 尤も下級と言えど、決して劣っているわけではない。 知能を持たぬからこそ下級悪魔なのだ。 悪魔の本分は人を騙し、翻弄し、魂をすすることである。 故に悪魔の階級は主に知能の優劣によって決められているのであろう。 この下級悪魔レイニーデビルの耐久力、我慢強さは眼を見張るものがあった。 さらに神原自身の不屈の精神により、 レイニーデビルはなかなか彼我の実力差に絶望することが出来ずにいた。 神原駿河、およびレイニーデビルが観念した瞬間、かの悪魔は契約を放棄して宿主から抜け出る。 だが神原駿河は観念しない。 だから神原駿河は諦めない。 故にレイニーデビルは契約を放棄出来無い。 そして列車は最終地点に到着する。 作業用ハロ達が必死になって復旧活動を続けるD-6駅へ、速度を変えずに突っ走る。 ■ 「頃合だな。列車から離れるぞ」 アーチャーは運転室に赴き、C.Cと戦場ヶ原ひたぎを脇に抱える。 「ちょっとまてよ!?神原がまだ降りてきてないぞ!」 上条当麻が案の定反抗する。 プランの底に潜む真意を、彼だけが飲み込めずにいた。 「彼女は自らが捨石になることを選んだ。その意志を無にするな、上条当麻」 C.Cが上条に告げる。 無論それで引き下がる上条ではない。 「馬鹿野郎!そんなことがゆ」 アーチャーによる当て身が上条の身体をくの字に曲げた。 そのままアーチャーの腕の中で四肢をぶらんと下げる。 「ここまで予想通りの行動をするとはな」 アーチャーが皮肉に顔を歪ませる。 「仕方ないわ。それが上条くんなのだもの。 でも、私達までその厳しさを共有することは、無いわ」 「説得する時間も、共有する時間も、今はない、と言うことか」 C.Cは珍しくも戦場ヶ原の思考を理解した。 「同調しないで頂けるかしら。今は少し気が立っているの」 そういって彼女は自分を脇に抱えようとするアーチャーを拒絶した。 「私は神原が降りてくるまで待つわ」 アーチャーは呆れ顔で反論する。 「女、このまま行けば列車は横転するぞ?」 「私は当然生き残る。神原も連れて行く。全部出来なければ気が済まないの。 最初に言わなかったかしら?私は諦めが悪いの」 強欲の限りを彼女は発揮する。 「なるほど。では理想に抱かれたまま死ぬわけだな」 「運が悪ければそうなるかしらね」 アーチャーの皮肉など戦場ヶ原にとっては些事である。彼の方など見もせずに言い放つ。 瞬間、当て身が炸裂し、戦場ヶ原も意識を失う。 「生憎とこちらは全員生きて帰らすために行動していてね」 彼はそう言うと気絶した二人を脇に抱え、C.Cをおんぶして最早横転するのみの列車から跳躍して離れる。 そして近くのビルの屋上に跳び乗った。 見れば列車は切り結ぶ二人を屋根に乗せたまま横転し、 作業車や作業場、ハロ達を大量に巻き込んで大爆発を起こしていた。 アーチャーが最後の仕上げをするべく、千里眼を発動して目標を見定めると、 弓を出現させ、同時に剣をつがえる。 一瞬にして剣を射撃に適した形態に変形させ、魔力を集中する。 そして気合とともに射出する。 「偽・螺旋剣(カラドボルグ)!」 ■ 横転した列車の傍らでなおも信長と神原は組み合っていた。 信長が地に足を付けることによって、形勢は大きく傾いた。 瘴気によって大幅に切れ味と威力を増したマントによって、岩剣を遂に両断して無力化すると、 瘴気を凝縮したかのような真黒き超長剣によって神原の首は跳ね飛ばされた。 無残に転がる神原の首。 信長はようやくと激戦が終わったことを確信し、刀をついて一息を入れた。 しかし、である。 神原の首を拾い上げる手が、信長の目に映る。 その腕を、 その肩を、 その胸元を 信長は見覚えがあった。 当然であろう。 それは首を失った神原自身であった。 首を失えば人は死ぬ。 そのような自明のことにいちいち突っ込む人間はいない。 しかし神原駿河は行動をもってそれに反論した。 その不屈の精神は、かような幻想など打ち砕き、首を抱えて岩剣を振りかぶる。 「まやかしがぁっ!」 首を跳ねて死なぬのならば、魂魄全てが抜き出るまで切り刻むのみ! そう決断し、刀を振り上げた信長の目に一本の矢が映る。 それは信長のやや後方に突き刺さり、大爆発をまたもや起こす。 数棟のビルが爆発により瓦解し、押し倒され、信長の後方に巨大なバリケードを築く。 それを見た瞬間、神原駿河は遂に前のめりにどう、と倒れた。 ゴロゴロと転がる首に映る表情は満足気で、何処か微笑んでいるようにも見える。 「奴らなにが目的で、あのような」 そう思った信長は先程の放送で告知された立ち入り禁止エリアを思い出す。 『三時間後、午後三時以降より立ち入り禁止エリアが三つ増加します。 今回の閉鎖エリアは【A-2】【C-7】【D-6】の三箇所です。』 信長は慌てて自らの居場所を確認出来る《でばいす》を取り出して確認する。 【D-6】 14:59:59 「なにぃ?!」 驚愕する信長の耳に、機械的な警告文が響き渡る。 立ち入り禁止区域に入りました。速やかに退去して下さい。 立ち入り禁止区域に入りました。速やかに退去して下さい。 立ち入り禁止区域に入りました。速やかに退去して下さい。 信長は辺りを見回す。 周囲は倒壊したビルで立ち塞がれていた。 「賢しいわ!」 倒壊したビルを飛び越えようとした刹那、脚を掴まれて信長は一瞬立ち止まる。 振り返り見れば、首のない神原駿河のもはや悪魔の抜けて綺麗になった左腕が信長の脚を掴んでいた。 否。掴まれたのでない。既に掴まれていたのだ。 巨大に膨れた左手が、元の細い小さな神原の左手に戻った為か。 僅かに掴むには足りなかった信長の脚を、神原駿河の左手は今、掴んでいた。 「小娘えええええええええええええええええええええええ!」 次の瞬間、三度の爆音がD-6駅を蹂躙した。 【E-6北部/住宅地/一日目/午後】 【C.C.@コードギアス 反逆のルルーシュR2】 [状態]:疲労(小)、健康 [服装]:血まみれの拘束服 [装備]: [道具]:基本支給品一式 阿良々木暦のマジックテープ式の財布(小銭残り34枚)@化物語 ピザ(残り60枚)@コードギアス 反逆のルルーシュR2 オレンジハロ@機動戦記ガンダム00 [思考] 基本:ルルーシュと共に、この世界から脱出。 不老不死のコードを譲渡することで自身の存在を永遠に終わらせる――? 1:さてスザクは何処に行ったのやら 2:ルルーシュと合流する 3:利用出来る者は利用するが、積極的に殺し合いに乗るつもりはない 4:正直、ひたぎとは相性が悪いと思う 5:………それでもまぁ少しは慰めてみようか [備考] ※参戦時期は、TURN 4『逆襲 の 処刑台』からTURN 13『過去 から の 刺客』の間。 ※制限によりコードの力が弱まっています。 常人よりは多少頑丈ですが不死ではなく、再生も遅いです。 【アーチャー@Fate/stay night】 [状態]:健康 魔力消費(中) [服装]:赤い外套なし、hollowスタイル [装備]:なし [道具]:基本支給品一式、不明支給品×1(確認済み)、臙条家の鍵@空の境界、虎竹刀@Fate/stay night 、聖骸布X2@ [思考] 基本:本当の“答え”を見つけ出す。 1:この場において過去の改竄は無駄。 2:単独行動を取り情報を集めながら衛宮士郎を捜し出す。 3:2の過程でルルーシュ、アーニャ、ユーフェミア、を見付けたら3回目の放送なら象の像へ集うよう伝える。 5:臙条家の鍵の合う場所を探す。 6:荒耶、赤毛の男(サーシェス)に対し敵意。 [備考] ※参戦時期は衛宮士郎と同じ第12話『空を裂く』の直後から ※凛の令呪の効果は途切れています ※参加者は平行世界。またはそれに類する異界から集められたと考えています。 ※デイパックの容量に限界が無いことに気付きました。 ※「絶望の城」は殺し合いを促進させるための舞台と考えています。 ※「臙条家の鍵」は何らかの重要施設、武器が隠されている扉を開けるものと考えています。 ※スザク、幸村、暦、セイバー、デュオ、式の六人がチームを組んでいることを知りました。 ※スザク、駿河、レイと情報交換を行いました。「絶望の城」については伏せてあります。 ※聖骸布の上着が幻想殺しによって壊れました。 一応布自体はまだ残っています。 【戦場ヶ原ひたぎ@化物語】 [状態]:疲労(小)ポニーテール、気絶中 [服装]:直江津高校女子制服 [装備]:文房具一式を隠し持っている、ヘアゴム スフィンクス@とある魔術の禁書目録、 アーサー@コードギアス 反逆のルルーシュR2、あずにゃん2号@けいおん! [道具]:支給品一式 X2 不明支給品(1~3、確認済) 、バールのようなもの@現地調達 [思考] 基本:阿良々木暦と合流。二人で無事に生還する。主催者の甘言は信用しない。 0:神原… 1:上条当麻に協力。 2:ギャンブル船にはとりあえず行かない。未確認の近くにある施設から回ることにする。 3:正直、C.C.とは相性が悪いと思う [備考] ※登場時期はアニメ12話の後。 ※安藤から帝愛の情報を聞き、完全に主催者の事を信用しない事にしました。 ※安藤の死亡によりギャンブル船に参加者が集められているかは怪しいと考えています。 【上条当麻@とある魔術の禁書目録】 [状態]:健康、気絶中 [服装]:学校の制服 [装備]: [思考] 基本:インデックスを助け出す。殺し合いには乗らない。御坂の遺体は必ず連れて帰る。 0:……… 1:戦場ヶ原ひたぎに同行。阿良々木暦を探す。戦場ヶ原ひたぎと3匹の猫の安全を確保する 2:インデックスの所へ行く方法を考える。会場内を散策し、情報収集。 3:壇上の子の『家族』を助けたい 。 4:そういえば……海原って、どっちだ……? [備考] ※参戦時期は、アニメ本編終了後。正体不明編終了後です。 ■ 第六天魔王・織田信長は、爆発して散ってしまった神原駿河の首に、未練があった。 人の身でありながら、ここまで魔王の身体を傷つけた者は、おそらくこの少女が最初で最後であろう。 敵ながらもその戦いぶりは、やはり見事であった。 出来れば丁重に葬ってやりたいと言う気持ちは、信長と言えど僅かばかりあった。 だが、それよりも信長の心にあるのは、首輪による主催側からの拘束より解放されたと言う実感であった。 未だ首に首輪はあるが、その機能の殆どを信長は相殺した。 この首輪には魔術的な仕掛けと、技術的な仕掛けが施してある。 その両方を封じなければ、首輪の爆破装置からは免れぬ。 しかし魔王は偶然にもそれを成し遂げた。 魔術的機構。 これは上条当麻の一撃により沈黙した。 あれを首輪で受けた事は、今思えば僥倖と言う他ない。 次に機械的な機構。 これについては全くの偶然の産物。 信長の鎧は本来、金に輝いているはずである。 しかし現在は瘴気によって黒く染まっている。 なぜか。 瘴気が光の全てを吸収し、閉じ込めてしまっているからである。 そして瘴気は、どうやら光だけではなく、ある種の信号も吸収する。 すなわち首輪に対する爆破信号。 いずれもただの偶然、幸運と片付けることが出来るだろう。 だが、それらが積み重なって魔王は今なお健在。 何らかの意志が彼に生きよと告げているようであった。 最早、拘束具は拘束具にあらず。 第六天魔王は無人となったD-6駅を悠然と歩く。 首輪による強制力は封じた。 あとは島に残る虫けらどもと、主催者を一掃するのみ。 「…皆殺しだ」 信長の高笑いだけが辺りに響き渡った。 【D-6/駅/一日目/午後】 【織田信長@戦国BASARA】 [状態]:健康、全身に裂傷、腹部に大ダメージ、疲労(大) [服装]:ギルガメッシュの鎧、黒のマント [装備]:物干し竿@Fate/stay night、マシンガン(エアガン)@現実 [道具]:基本支給品一式、予備マガジン91本(合計100本×各30発)、予備の遮光カーテンx1 、マント用こいのぼりx1 電動ノコギリ@現実 トンカチ@現実、その他戦いに使えそうな物x? [思考] 基本:皆殺し。 1:いざ戦場へ ……。 2:目につく人間を殺す。油断も慢心もしない。 3:信長に弓を引いた光秀も殺す。 4:首輪を外す。 5:もっと強い武器を集める。 6:ちゃんとした銃器を探す。 8:高速の移動手段として馬を探す。 9:余程の事が無ければ臣下を作る気は無い。 [備考] ※光秀が本能寺で謀反を起こしたor起こそうとしていることを知っている時期からの参戦。 ※ルルーシュやスザク、C.C.の容姿と能力をマリアンヌから聞きました。どこまで聞いたかは不明です。 ※視聴覚室の遮光カーテンをマント代わりにしました。 ※トランザムバーストの影響を受けていません。 ※思考エレベータの封印が解除されましたが、GN粒子が近場に満ちたためです。粒子が拡散しきれば再び封印されます。 ※瘴気によって首輪への爆破信号を完全に無効化しました。 ※首輪の魔術的機構は《幻想殺し》によって破壊されました。 ■ 神原駿河にとって戦場ヶ原ひたぎとはどのような人物であったのか。 先輩であり、敬愛する人間であり、陸上部のエースであり、 ヴァルハラコンビの片割れであり、エロの師匠であり、 だがやはり、一言で言うならば『最愛の人』であった。 例え命にかけても、魂を悪魔に売ってでも守りたかった最愛の人。 言葉も失い、理性も失い、それでもなお、守りたいと願い続けた。 その無事を命をかけて、見守ることが出来て。 神原駿河は満足だった。 【神原駿河@化物語 死亡】 時系列順で読む Back 命短し恋せよ乙女(前編) Next 境界線上の水平線 投下順で読む Back 命短し恋せよ乙女(前編) Next 境界線上の水平線 194 命短し恋せよ乙女(前編) 戦場ヶ原ひたぎ 魔王信長(前編) 194 命短し恋せよ乙女(前編) 上条当麻 魔王信長(前編) 194 命短し恋せよ乙女(前編) アーチャー 魔王信長(前編) 194 命短し恋せよ乙女(前編) C.C. 魔王信長(前編) 194 命短し恋せよ乙女(前編) 神原駿河 GAME OVER 194 命短し恋せよ乙女(前編) 織田信長 魔王信長(前編)
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【検索用 いのちみしかしこいせよおとめ 登録タグ 2012年 NexTone管理曲 UTAU YouTubeミリオン達成曲 い ゆらほにゃP デスおはぎ ミリオン達成曲 小山乃舞世 曲 曲あ 殿堂入り 重音テト】 + 目次 目次 曲紹介 歌詞 コメント 作詞:デスおはぎ 作曲:デスおはぎ 編曲:デスおはぎ 調声:ゆらほにゃP PV:小山乃舞世 唄:重音テト 曲紹介 「乙女は生涯現役なのです」 曲名:『命短し恋せよ乙女』(いのちみじかしこいせよおとめ) 大正4年に作詞作曲された「ゴンドラの唄」より約100年、使い古され馴染みがありすぎるタイトルだとは思ったものの、これしかないと思い、このフレーズを曲名に拝借させて頂きました。(作者コメ転載) コンピCD 『0401-The Best Days of 重音テト』、デスおはぎ氏3rdアルバム『最強テットテト音源集』収録曲。 2016年9月16日、自身初のミリオンを達成。現在、UTAUオリジナル曲でミリオンを達成している曲の一つである。 歌詞 齢(よわい)十五のそこらの小娘です 世間知らずと承知の上で家を出てきました 弱い頭で捻り出した答えです 「このおうちにはこれ以上住んでられないわ」 初めて見るビルディング 初めて見るブラウン管の裏 「あらまあ、まるで人がゴミのようだわ。 どうして大人はつまらなさそうに生きるのかしら。」 捨て猫がニヤリ嘲(わら)う 「それはこの世の禁句(タブー)さ」 無限ループのまだ 1/5 知らぬが仏 世間の舞台裏 化けの皮被ってにらめっこしようか 恋は天下の廻りもの 女子は歩けば棒に当たるのです 相も変わらず君は嘘を吐くばかり 会い?哀?合い? I ? 愛されたい! 齢○○のそれなりの淑女(レディー)です 酸いも甘いもそれなりに噛み分ける世代(トシ)ですが 今も中二病と闘病中です ww だってだって心(ハート)は今もガラスの十代(ティーン)のままだもの(キリッ 捨て猫の気分だわ 渡る世間はリア充(オニ)ばかり お城の周りで Lv 上げのような通常営業(ルーティン) 「こんなつまらない世の中なら死んでしまおうかしら」 なんて冗談も本気(マジ)で洒落になんない年頃 無限ループはもう 2/5 で だけどゴールもまだ見えないまま 日常ってヤツに押し流される毎日です いつしか描いた未来は 忘却の彼方に超場外ホームラン 相も変わらず先行き見えぬ人生設計 曖昧昧昧アイラブ曖昧ライフ! 無限ループ残り 1/5 行きはよいよい帰りは超超特急 恋せよ乙女 命光陰矢の如し 飛んで火にいる夏の女子 急がば獣道でも全速前進! 「先生、もう一度青春がしたいです」 ―― いやぁーさすがにそろそろ・・・ NO! NO! NO! 無限ループまだまだロスタイム 「諦めたらそこで人生終了です」 相も変わらず君は生きてるのかしら 部屋の□(しかく)しか見れない 私に知る術はもう無いけど 相も変わらず本日は晴天なり バイバイバイバイ また来世っ。 コメント 名前 コメント
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霊撃蓬莱の薬及び不老不死の実験、テーマソング♪大神神話伝、及び不死能力を持つ永琳、妹紅、輝夜(全ギア)を禁止する珍しい独立宣言。 自軍ユニットの修行による強化を2倍に引き上げることが出来る。 非常に高い修行効果が期待できるようになる反面で、基本的に不死を使用できないため即死や戦闘力詐欺に弱くなる。 根性やコンテニュー、転生は使用できるため、この辺りでなんとか補いたいところ。 元から修行倍率を高めることが出来るユニットと合わせるのもシンプルながら非常に強力。倍プッシュだ……! 「命短し~」と銘打っているが、ご長寿な方々にも使用できる。 まぁ乙女だからセーフなのだろう。多分 おや、こんなところにスキマが・・・ピチューン
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いのちみじかしこいせよおとめ【登録タグ VOCALOID い ゆた パピ子りん 初音ミク 曲】 作詞:ゆた 作曲:パピ子 編曲:パピ子 唄:初音ミク 曲紹介 初恋桜フィーバー! パピ子氏 の4作目。 歌詞は PIAPRO で公募した結果、 ゆた氏 の作品を採用。 歌詞 命短し恋せよと 初めての恋におちたの 巡り廻る季節 貴方に 咲き乱れたい恋心 凛と吹きすさぶ春風に 舞い上がる紅 裾おさえて 花弁の行方 見守る 落ちる花びらを手のひらに まるで私を誘うしぐさに 望んで惑わされたい 命短し恋せよと 高鳴る鼓動が幾度も 繰り返し貴方に恋して 蕾だけつもっていくの 咲かずにふくらむ想いを 連ねて散らす言ノ花 遠い日に貴方と並んで 見つめた桜に似ていた 恥じらいなく手を繋いでた あの頃には戻れないけど 嗚呼 これから繋ぐ季節を 貴方のとなりに寄りそって ゆびさき絡めて 視線紡いで 優しさ感じていたい 命短し恋せよと 震える唇ひらいて 大人のふりして紅ひいた 小指の赤が切なくて 誰にも聞かれないように 呟いてみた 「恋」してる 二文字の甘さにときめいて 溜息さえ恋に染まる 忘れてしまえればと 失くしてしまえればと 思うほど色づいた 蕾ほころびはじけた 命短し恋せよと 舞い散る花びらのように 降りつもる想い 言ノ葉に のせて貴方に届けたい 戻ることは出来ないから 重ねつづけた恋心 好きですと告げたら貴方は どんな顔をするのかしら 命短し恋せよと 繰り返した桜の色 巡り廻る季節 貴方の 腕のなかで今は見てる コメント 好きです -- 名無しさん (2012-01-09 22 10 15) 題が某小説に似てる気が...w -- 名無しさん (2012-01-09 22 56 36) そんなタイトルで大丈夫か…? -- K-DASH- (2012-01-09 23 14 39) ↑大丈夫だ、問題ない! -- 名無しさん (2012-01-09 23 15 06) 似てるんじゃなくてオマージュでしょ -- 名無しさん (2012-01-09 23 21 56) タイトルww -- 名無しさん (2012-01-10 00 21 22) 愛狂います。ケセラ セラ -- 名無しさん (2012-01-10 18 37 33) タイトルは某小説のオマージュではないよ。もっと前からある言い回し。むしろ小説の方がもじってる。 -- 名無しさん (2012-02-10 01 58 12) あたしは某乙女ゲームのなんかかと思った・・・・;; -- 紫姫 (2012-06-26 22 07 36) このタイトル某恋愛ゲームのサブタイトルと被ってるw -- 愛蘭 (2012-07-28 23 29 02) 小説も乙女ゲーのも、大正時代の「ゴンドラの唄」からとってるんだよ。もちろん、この歌も。 -- 若紫 (2012-07-29 15 11 57) なんで伸びないの? -- 名無しさん (2013-01-02 23 02 15) もう1つのは? -- 名無しさん (2013-08-03 01 19 57) (๑╹ڡ╹)╭ ~ ♡あいらぶミク♡ -- 名無しさん (2013-09-28 17 35 13) 雰囲気も曲調も大好き!大正浪漫良いなー^^ -- 名無しさん (2015-02-21 16 30 14) この曲はまったー!大好きです! -- リコピン (2016-02-10 20 49 48) 同じ題名でテトのやつもあるよねこれ。 -- 名無しさん (2016-05-15 13 38 17) 名前 コメント
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米田「花の~命は~短くて~」 上野の光景 帝都花組と巴里花組の幻が大神の元に駆け寄る 花火、マリア、紅蘭 すみれ、コクリコ、グリシーヌ ロベリア、レニ、アイリス、カンナ、織姫 エリカ、さくら 帝都花組と巴里花組の幻が大神の幻の元に集まる 幻が消える 米田「命短し恋せよ乙女、紅き唇褪せぬ間に。」 慎之介とあやめと一馬の幻が現れる。 米田「咲いて散る桜の花、サクラ大戦かあ・・・」 一人歩む米田 完