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登録タグ グロ セクシャル 危険度4 去勢 小説 黙読注意 去勢の時間です!という去勢系の小説またはイラスト投稿サイトに投稿された小説である「学寮」と続編の「それからの学寮」がヒットする。 恐らくフェイクではあるがどちらにも去勢手術の様子の画像が貼られているため注意。 そういった画像の中には、性器が切断された瞬間の画像もある。 因みに著者の名誉教授氏は、他にもショッキングな小説を投稿している。 分類:グロ、セクシャル 危険度:4 コメント フェイクであっても当然痛々しいものには変わりようがないな... -- かっき~ (2023-09-10 10 00 57) そのうちニコニコの淫夢ファミリーに仲間入りしそう -- 名無しさん (2023-09-10 10 56 18) サイト開いていきなりかよ -- ナイル (2023-09-10 23 43 34) 嫌がってるところを無理矢理……なストーリではないが、コラ画像がキモすぎ -- 名無しさん (2023-09-14 13 44 10) CGでもめっちゃきつい -- ゲーム太郎 (2023-09-30 10 28 31) 更新が意外と最近なのがオドロキ \(´ __ `)/ -- れいやん (2023-09-30 16 32 43) これ1じゃなかったっけ? -- 名無しさん (2023-10-17 16 45 50) ワード名は真面目そうに見えるのに… -- 名無しさん (2024-01-28 10 16 36) 名前 コメント
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TwitterFCのライチュウ名誉教授による作品 ライチュウのお絵かき
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参議院 行政監視委員会 平成23年5月23日 石橋克彦(参考人 神戸大学名誉教授) 参議院TV http //www.webtv.sangiin.go.jp/generator/meta_generator_wmv.php?ssp=5046 mode=LIBRARY pars=0.12860068615233067 参議院 行政監視委員会 平成23年5月23日
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1 名前:風吹けば名無し[] 投稿日:2010/10/29(金) 22 51 46.89 ID 3SLpVdA6 これからの「大正義」の話をしよう――。 学生数減少で経営難に苦しむ陳国際大学が、打開策として「3年G組金玉先生」こと巨人小笠原(37)を終身名誉教授に招聘すると発表した。 この常軌を逸したオファーにカッスは「ミスター死に損ないと同じ肩書きなど御免被る」と、二つ返事で快諾。 さっそく陳国際大学岩舘学部にて毎週9800分、背番号と同じ2単位の講義を受け持つことになった。 カッスが担当するのは国際キン融論。国際社会においてキンタマと自分自身をいかに融合させるかという命題に特化した講義だ。 講義の中でカッスは「現代社会を生きる我々にはキンタマのような柔軟さが求められている」と力説、学生たちも雑巾を振り回しながらこれに肯いた。 熱弁のあまり気がつけば全裸になっていたカッスだったが、最後列でボンバーマンに熱中する不届き者(24)を発見。 DSを没収し「(単位は)与えられねーわ」と説教したところ、逆上した学生にタッチペンで尿道を突き刺されて窒息死した。 これについて大正義巨人軍原監督は「東大出身の原辰徳です」とコメントし、スペイン語の試験にラミレスを持ち込んで除籍された学生時代を懐かしんだ。 なお秋季キャンプには間に合う模様。 21 名前:風吹けば名無し[] 投稿日:2010/10/29(金) 23 05 37.24 ID tbQWfJfC 「与えられねーわ」って元ネタ何? 27 名前:風吹けば名無し[] 投稿日:2010/10/29(金) 23 07 56.99 ID wVGfQWn2 21 http //www.youtube.com/watch?v=yM5p9Poiwtg p=22BD6B7DC7881A87 playnext=1 index=44 http //hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/livejupiter/1288360306/
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環境市民からのお知らせです。 ─────────────────────────────────────── ★ ~全世界で聴けます&放送後も聴けます~ ★ ~内部被爆の専門家 琉球大学名誉教授 矢ケ崎克馬先生に聞く~ 3月21日(月)午後4 00から5 00ごろ * 京都三条ラジオカフェ Ustreamから配信 * ─────────────────────────────────────── 被災地の皆様心よりお見舞い申し上げます。 福島原発が一刻でも早く事態がおさまるよう願っています* 東北地方太平洋沖地震による、福島原発事故の影響で放射性物質 が日々放出され、不安が高まっています。 テレビや新聞の報道では、相変わらず身体の表面(外側)からの被 爆ばかりが伝えられ、放射能物質が体内に入ってしまった場合の内 部被爆については報道されていません。 そこで、内部被爆の専門家である琉球大学名誉教授の矢ケ崎克馬 先生に、その影響と私たちが今とるべき行動について、お話しを伺い ます。 ※この他にも状況に応じて震災の情報をお伝えします。 【時間】3月21日(月)午後4 00から5 00ごろ 【出演】琉球大学名誉教授 矢ケ崎 克馬 氏 他 ■参考著書『隠された被曝』(新日本出版) 2010年7月出版 ■番組の聴き方 ―――――――――――――――――――――――――――― ■京都三条ラジオカフェ 地震関連番組Ustream 遠隔地でもリアルタイムできけます。放送後も、音源、画像を こちらから聴いたり、みたりできます。 http //www.ustream.tv/channel/fm797-radiocafe-live-program-from-kyoto ■ポッドキャスト:放送後、このサイトにも音源をUPします。 http //797podcast2.seesaa.net/category/9876027-1.html ■周波数:79.7Mhz ★これまでに放送した音源はこちら★ http //www.kankyoshimin.org/modules/blog/index.php?content_id=66 ■番組について ―――――――――――――――――――――――――――― 本日の番組は京都三条ラジオカフェとNPO法人環境市民が企画し、 京都三条ラジオカフェから放送しています。 ▼番組全般の問い合わせ 京都三条ラジオカフェ 〒604-8071 京都市中京区寺町三条下ル永楽町224 とーべぇビル303 代表TEL 075-253-6900 FAX. 075-253-6901 代表E-mail info@radiocafe.jp URL http //www.radiocafe.jp Twitter fm797radiocafe ▼原発事故、環境問題からみた震災情報の問い合わせ 誰もが参加できる環境NGO NPO法人環境市民 〒604-0932 京都市中京区寺町通り二条下る 呉波ビル3階 TEL:075-211-3521 FAX 075-211-3531 / E-mail:kouhou@kankyoshimin.org URL:http //www.kankyoshimin.org Twitter @kankyoshimin 会員募集中:http //www.kankyoshimin.org/modules/member/index.php?content_id=1 ●環境市民 東日本大震災情報~原発事故・ボランティア等~ http //www.kankyoshimin.org/modules/blog/index.php?cat_id=7 ここまで、転送歓迎 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ★がんばれ東北!東北地方太平洋沖地震~原発・支援活動情報~ http //www.kankyoshimin.org/modules/blog/index.php?cat_id=7 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ NPO法人環境市民 〒604-0932 京都市中京区寺町通り二条下る 呉波ビル3階 TEL:075-211-3521 FAX 075-211-3531 / E-mail:kouhou@kankyoshimin.org URL:http //www.kankyoshimin.org Follow me! ツイッターアカウント kankyoshimin ★毎月発行!環境市民の情報誌「みどりのニュースレター」 http //www.kankyoshimin.org/modules/library/index.php?content_id=63 ▼ラジオ「環境市民のエコまちライフ」 http //kankyoshiminradio.seesaa.net/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┌──────────────────────────┐ ◆ 問合せ先 ◆ ・環境市民 京都事務局 life@kankyoshimin.org ・環境市民 東海事務所 tokai@kankyoshimin.org ・環境市民 滋賀事務所 cefshiga@kankyoshimin.org 発行・編集/NPO法人 環境市民 電子かわら版チーム 〒604ー0932 京都市中京区寺町通二条下る呉波ビル3階A TEL/075-211-3521 FAX/075-211-3531 mailto life@kankyoshimin.org(代表) http //www.kankyoshimin.org/ └──────────────────────────┘ 21世紀、地球を、地域を、生活を、持続可能な豊かさに
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日本の保守化を『右傾化』と批判し、現在を満州事変の前夜のようと韓国紙に語る。渡辺利夫氏の『新脱亜論』を『植民支配とアジア侵略 を全面肯定して南北韓統一を望まない「明治の栄光」史観の典型』と論評する左派。 日本の韓国統治やシナ事変を歪曲する典型的な極左。 news24.2ch.net/test/read.cgi/news4plus/1218667451/l50
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衆議院 科学技術・イノベーション推進特別委員会 平成23年5月20日 参考人(琉球大学名誉教授) 矢ヶ崎克馬君 衆議院TV http //www.shugiintv.go.jp/jp/video_lib3.php?deli_id=41000 media_type= ○川内委員長 次に、矢ヶ崎参考人にお願いいたします。 ○矢ヶ崎参考人 委員の先生の皆さん、おはようございます。矢ヶ崎克馬でございますが、私は、本日は、放射線の人体に影響を及ぼすということに関しまして、その基礎になる物理的な考察をさせていただきます。 私の大学での専門というのは物性物理学といいまして、磁石や超電導や半導体、そういったことを基礎科学的に扱ってまいりましたが、本日は、一般科学の立場でこの現象についてお話ししたいと思います。 一般科学というのは、現象と本質を論じる、科学の倫理を論じる、測定と背後の実態等を論じる、そういう分野の科学でございますけれども、すべての科学の基礎に一般科学が位置しております。 自己紹介はこれで終わりますが、私の発言はレジュメに趣旨が書かれておりますが、きょうはプレゼンテーションで、絵を見ていただきながら御説明したいと思っております。 まず、今、私どもが放射線、放射能、そういったことを盛んに議論しておりますが、これを、どんなところからの言葉の意味があるかということをまず確認させていただきたいと思っております。 一番左側には原子の姿がありまして、原子というのは一番ど真ん中に原子核がありまして、その周りを電子が回っております。この電子の数は、真ん中に含まれているプラスの電気量と同じものがありますけれども、今、放射能というのは、この原子核にかかわることでございます。 ある種の原子核で、すべての原子核ではありませんが、核分裂で出てくる原子はすべてこれから説明する性質を持っておりますけれども、ここの原子核がエネルギーが高いものですから、余分なエネルギーを外に捨てようといたします。そのときに三種類の放射線と呼ばれるものを放出します。原子核から捨てられるもの、これが、例えばベータ線というのは電子が速いスピードで出てまいりますけれども、そういう非常にエネルギーを持った状態のもので、これが放射線と呼ばれるものです。 放射能というのは、原子核から放射線を出す能力というような意味で放射能、そういう言葉が使われております。このアルファ、ベータ、ガンマというのはかなり性質の違うものでございますが、まずは、放射線が作用するのは、今度は、こちらを、作用される方の、体を構成しているような原子で例えますと、この一番外側の電子が影響を受けます。でも、私どもの体は、原子が孤立しているということはありません。すべて分子になっております。 次をお願いいたします。 これは、一番単純な水素原子が水素の分子になる、そこの絵をかいておりますが、水素の原子は、プラス一価の原子核に電子が一個回っている、そういう状態でございます。 ところが、日常は水素分子として燃料に使われておりますが、この分子、重い原子同士がつながるのは、電子がペアをつくる、これが決定的なポイントでございます。それなものですから、放射線がこの分子を構成しているペアの電子にどう作用するか。これが後、生物的にどんな影響が出てくるかというようなことの一番基本になります。 次をお願いいたします。 放射線は、この分子に衝突をいたします。衝突するとき、一番外回りの電子というのは、もうすべてと言い切っていいんですが、ペアの電子のつがいになって、原子と原子をつなげている役割を持っております。これが、放射線がぶつかると、ここにある電子が原子の外に飛び出してしまう、吹き飛ばされてしまうわけです。このときに、この電子がここにいたのが、原子から離されてしまうという意味で、電離という言葉を使います。 それで、私ども生物が受けても、鉄やその他の無生物が受けても、すべて放射線の基本作用は分子がちょん切られる、これがまず押さえておくべき基本的なプロセスでございます。 次をお願いいたします。 これは、私どもの体を構成する分子はたくさんの種類があります。いっぱいありますが、一番典型的に健康に害を与えるものは、DNAの分子を切断する、これがどういう結果をもたらすか、ここを考察することがポイントになります。 まず、ここにかいてある、DNAというのは、二本のたくさんつながった分子が全く同じものが二つ用意されております。これが細胞分裂などできちっと同じ遺伝子を伝えていくために、一本では同じものがコピーできない、二本用意されているというのがDNAの姿ですが、まず、この絵は、DNAの一本だけ分子切断が行われてしまう、二本目は大丈夫である、そういう絵をかいてありますけれども、この場合、分子が切断されても生物学的な修復作用で、もとに戻りたいという再結合が起こります。再結合が、周囲に健全なものがずっと並んでいますと、比較的高い確率できちっともとどおりになります。 このタイプの切断をするのはガンマ線といいまして、相互作用が非常に弱いものですから、ところどころ分子切断をして、エネルギーを余らせて我々の体を突き抜けて外に出てしまう。それで、外部被曝が主にこういうタイプの分子切断をすると判断しております。 次をお願いいたします。 ところが、アルファ線、ベータ線というのは非常に相互作用が強いものでありまして、アルファ線というのは、体の中ではたった四十マイクロメートルという距離しか進みません。四十マイクロメートルというのは、この紙の厚さぐらいが四十マイクロメートルというものでありますが、でも、この四十マイクロメートルの間で全部エネルギーを使い切るということで、ちょっとしか飛ばないという結果になっております。それで、四十マイクロメートルのところに何と十万個も分子切断を行っていきます。そうすると、DNAの二本の分子は両方とも切られてしまう。それで、この場合には、生物学的に、もとに戻ろうとしても、間違ってつながってしまう。間違ってつながってしまったものが生き延びると、遺伝子の変性ということにつながりまして、これから生物学的に非常に大きな影響が出てくるところでございます。 次をお願いいたします。 今、福島の原発での放射能というのは、原子炉から放射性のほこりが舞い散って出ているものでございます。この絵にかいてある一粒一粒が放射能のほこりと考えていただきますと、ほこりですから、体の中に吸い込んだり飲み込んだりしてしまう。これが内部被曝ということの原因なんですが、この放射性のほこり、例えば一マイクロメートル、一マイクロメートルというのは一ミリメートルの千分の一の大きさでございますけれども、これが目には見えない。目には見えないけれども、原子の数でいくと一兆個の原子が詰まっております。そうすると、その放射性原子がそれだけあるものですから、飲み込んだほこりが体の中に入って、体の中で放射線がばんばん出てくる、それが内部被曝でございます。 実は、内部被曝は、アルファ線もベータ線も、短くしか飛ばないものも全部、体にきいてくるものですから、外部被曝よりもはるかに高い被曝量を与えます。 次をお願いいたします。 これは放射性のほこりが体の外にあるときですが、例えば、ベータ線はたかだか一メートルしか飛ばない、一メートル以上離れたところにほこりが存在すると、体に当たるのはガンマ線だけだ。ですから、外部被曝というパターンをここに示しておりますけれども、外部被曝はガンマ線だけにやられる、そういう理解が近似的に成り立ちます。 ガンマ線もあらゆる方向に飛んでいくんですが、体の方向に向かったものだけが被曝に当たります。ところが、このほこりが体の中に入ってしまいますと、あらゆる方向に出た放射線、それから、短いものも長いものも全部、先ほどの分子切断にきいてきてしまいます。 そういう意味で、内部被曝というのは、外部被曝というものよりも非常に大きな被曝を考慮しなきゃいけない。これが、実は日本では、内部被曝ということが決定的に無視されているというのが学会の姿でございまして、大変困った状態であると私は思っております。 次をお願いいたします。 これが、チェルノブイリ事故の後の子供の甲状腺疾患それから甲状腺腫、そういったものがどんなふうに年々あらわれているかということですけれども、特徴的なものは、一九八六年にチェルノブイリの爆発がありましたが、この五年後あるいは六年後に子供の疾患が急激にふえております。 それで、千人当たりの数で示しておりますが、何と、九五年以後は、十人に一人、千人に百人の割合で子供の疾患があらわれております。これは現場の病院などでしっかり確認できることなんですけれども、これをどんなふうに放射線と結びつけるかということに関しては、いろいろ見解が分かれるというような情けない状況でございます。 次をお願いします。 これは実は、被爆者の方々が現在どういう健康不良状態を持っているかというようなことで、ちょっと読みにくいところがありますが、上は腰痛、二番目が高血圧、視覚障害、神経痛など、ずっと二十項目にわたって、一九八五年から一九九〇年、千二百三十二人の被爆者の方の健康状態を調べたものでございます。一般国民という白い枠、これは厚労省のデータでありますけれども、何と、そのいずれの項目も数倍しております。 これで、やはり、私がまず物理的にお話し申し上げました、こういうプロセスがある以上、福島県を中心にして、子供たちにも大人にも、今お見せしたようなそういう症状、疾患が必ず出てまいります。それに対して、私どもの社会がどういうふうに保障していくか、どういうふうに健康管理をしていくか、これが一番大事なことで、かつ、今きちっと被曝を防止することが将来の莫大な医療費、そういうものを軽減しつつ、健康を保持するという意味で大変重要な課題となっております。 準備した絵は、皆さんに全部お話しすることができませんでしたが、基本的なことは、私がお話ししたいことはそれでございますので、どうぞよろしくお願いします。(拍手) ○川内委員長 矢ヶ崎参考人、ありがとうございました。 衆議院 科学技術・イノベーション推進特別委員会 平成23年5月20日
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(毎日新聞2010年12月13日記事) TPP参加は誤り 日本の米作・畜産は規模拡大政策では存立し得ない http //mainichi.jp/life/money/kabu/eco/pickup/news/20101210org00m020057000c.html ◇伊東光晴(いとう・みつはる=京都大学名誉教授) 日本の農業はどうなるのか。国際競争にさらされた時、生き残ることはできるのか。その危惧感は、今も昔も変わらない。 並木正吉さんが『農村は変わる』(岩波新書)を書いたのは1960年であった。専業農家の大幅な減少を、後継者の数を予測し、これほど美事に将来を言いあてたものはない。兼業農家の激増である。 専業農家が耕作規模を拡大して所得をあげ、兼業農家が農外収入を加えることによって、豊かな生活を維持できるのであれば問題はない。事実、戦前をとっても、婿が地元の小学校の先生というような農家は豊かだった。こうした兼業農家は、ある意味で理想でもあった。米作の機械化はこの兼業を容易にした。 だが、兼業農家が売る農産物も、専業農家が売るものも、外国からの安い農産物におされ、市場から消えだしたならば、問題は別である。極端な場合を考えるならば、兼業農家は、自分たちが食べるだけのものを耕作し、専業農家はいなくなる状況である。 事実、「ウルグアイ・ラウンド農業合意」(93年12月)直前であったが、「世界農業モデル」を使い、米について、関税のない世界で競争が価格だけで行われると仮定したうえで、日本の米作の将来を予測した。その結果は、イン・ザ・ロングランでは日本の米作は当時の4割に減り、自分の家で食べる米だけが作られるという結果なのである。米作専業農家は存立の余地がない。 これが、同じように成り立たなくなる畜産・乳製品を加え、農産物の自由化に危惧感を持つ理由である。日本の農業は野菜、果物だけになるのか。 ◇自然的条件の決定的な違い あらためて書くまでもなく、農業は製造業と違って、自然的条件の違いが重要である。100ヘクタールの耕地が5つあり、その1つが5年に1度水田となり、他が休耕したり、牧草がまかれ、放牧され、有機質が土に戻されたりするという恵まれた条件下のオーストラリアの水田耕作と、日本や中国の零細性の農業とは決定的に違う。オーストラリアの水田耕作の拡大を制約しているのは水不足であるが、日本の零細農業とこの種の大規模機械化農業とは、農民の意欲や努力をはるかにこえた自然条件にもとづくコスト差が発生する。アメリカの水田耕作は、このオーストラリアの水田よりも大規模である。 もちろん、耕作規模の広さだけが競争力ではない。タイの米作がアメリカのそれに競争できるのは労務費の安さである。だが農業所得の向上を政策目標とするならば、所得の向上とともに、やがて競争力は失われてゆくことになる。わが国の葉タバコは戦後も輸出されていた。それが高度成長にともなう農業賃金の上昇によって、その地位を失ったのと同じである。 もしも、こうした自然条件の違いを無視して、市場競争にゆだねたならば、条件の劣る地域は、産業として成り立たなくなるのが当然である。 確かに、経済合理性を重視し、現実の国際政治を無視すれば、競争劣位の農業を縮小して、優位の産業に特化するのもひとつの政策である。 しかし、基本的な食糧を生産していない大国が存在しうるかどうかは――レアアースについての中国の輸出制限が大問題になっている時、また弱肉強食下の国際政治の下で――明白であろう。現実の国際政治を考えると、経済効果性をこえ、農業の存立をはからなければならないのである。 ここで現実にたちかえれば、2つのことに注意を向けざるをえない。 第1は、アメリカを含め、強力な農業基盤を持っている国ですら、農業保護の政策がうたれていることである。かつて書いたように、恵まれた自然条件のうえに、輸出支援の政府補助を受けたアメリカの綿花が、額に汗して働くインド、エジプト、ブラジルの綿花に競争を挑んでいくのである。 ウルグアイ・ラウンドでの米欧の対立が、この輸出をめぐる補助政策にあったことは、忘れてはならない。こうしたことに くらべるならば、自国農業を保護する日本の政策は、2次、3次の問題にすぎない。 ◇アメリカの政策は自国の利益中心 第2は、アメリカの政策である。アメリカは、戦後世界の貿易ルールを決めるガット(関税及び貿易に関する一般協定)を作った国である。にもかかわらず批准せず、他国にはガットの規定に従うことを求め、自らがガット違反で攻撃されると、批准していないというダブルスタンダードで逃れ、農産物についてはガット25条のウェーバー条項(自由化義務の免除)を55年に取得し、自らは輸入農産物の制限措置をとった。 この55年という戦後の時期、ガットの内国民待遇(ガット第3条――自国の人、物、企業に与えるものと同じ権利を他国の人、物、企業に与えるというもの。俗に自由化原則といわれる)という考えは、主として工業製品に適用され、農産物のように、自然的条件の大きな違いのあるものは、関税で調整すればすむ問題であるというのが当初の考えであった。ガットの対象とするのは工業製品で、農産物は事実上対象外だったのである。 だが、アメリカが国際競争において強者の地位から落ちるにつれて、アメリカは、内国民待遇の原則を相互主義に変えだした。日本はアメリカにならい、農産物の関税を下げるべきである、等々である。 そして、ガットに代わるWTO(世界貿易機関)が交叉的報復措置を認めると、ガットとは反対に、アメリカ議会は直ちに批准した。農業分野での保護主義が相手国にあれば、工業製品分野で報復を行うことができる。これが交叉的報復措置であり、これがアメリカの経済外交の武器となると考えたからである。わが国の財界は、これに怯え、農業を犠牲にする道を選びだしたのである。 ◇ウルグアイ・ラウンドでの日本の失敗 ウルグアイ・ラウンド農業合意で、わが国は大きな政策上の誤りをおかした、と私は思っている。それは当時、経済協力開発機構(OECD)日本政府代表部参事官としてパリにいた篠原孝・現民主党議員がよく知っているところである。ミニマム・アクセス(関税を認める代わりに最低限の輸入量の義務づけ)要求に、項目変更で対抗すればよかったのである。 米とか小麦とかトウモロコシとかに細分せず、「穀類」とするならば、大量の小麦、トウモロコシの輸入をしている日本は、米のミニマム・アクセスを行わなくてよいという主張である。米は世界市場では、わずかな、とるにたらぬ貿易商品であり、多国間交渉というウルグアイ・ラウンドの場で問題になるものではなかった。だがアメリカは、クリントン大統領の選挙区アーカンソー州の米を日本に輸出したがっていたのである。当時、ガットの責任者が来日し、日本で米問題が大問題になっているのに驚いていた。現状を続けるつもりだったからである。 米が国内で過剰なのに、輸入を義務づけられ、現在、1200万人が1年間に食べる量の米を加工用として輸入している。明らかに選んだ方策は愚挙である。対米従属外交のもたらしたもの以外ではない。 ◇TPPか、東アジア共同体か それから17年、問題はさらに飛躍した。2010年11月の上旬から横浜で開かれた環太平洋経済連携協定(TPP)の会議である。TPPはまず4カ国(シンガポール、チリ、ニュージーランド、ブルネイ)で発足し、ついで参加を表明したのは、アメリカ、オーストラリア、ペルー、ベトナム、マレーシアで、日本は協議を開始し、中国、カナダ、フィリピンが会議に参加予定と報じられた。本当に中国が加わるかどうかはわからない。 一見、TPPは地域的にもバラバラで、EUのように地域的なまとまりのうえに共同体に進む可能性はない。また、EUのように、アメリカを中心とする経済圏に対抗する経済圏でもない。その点で、故森嶋通夫ロンドン大学教授にはじまり、谷口誠元国連大使・OECD事務局次長が提唱している東アジア共同体でもない。 谷口氏はその著書『東アジア共同体』(岩波新書)で次のように書いている。「私は日本が21世紀において、躍進するアジアと共に、そしてアジアの中核として歩むことを切に希望する。そして21世紀に日本がさらなるアジアの発展と安定に貢献し、同時に日本自身が発展し、安全を確保するための道でもある。そのためには、これまでの安易な対米一辺倒の外交姿勢を改め、対欧州外交も視野に入れ、より自主的な、多角的な外交を展開していかなければならない」と。 対米対等外交を主張する政治家ならば、東アジア共同体を選ぶだろう。こと農業についてみれば、零細農という点で日本と同じ中国があり、そのうえでの協調政策が考えられることになろう。他方、TPPは、オーストラリア、ニュージーランド、カナダ、アメリカという畜産国、大農法の農産物輸出国が並んでおり、その発端は農業と関係のないシンガポールが主導したのである。しかもそれはすべての関税引き下げ、いや全廃をはかろうというものなのである。零細農をかかえる中国がTPPに加わるはずがない。 日本への工業製品の輸入はほとんど無税である。関税全廃でも怖いものなしであろう。他方、相手国の全廃は望むところ。日本経団連がTPP参加に全面的賛成の理由である。だが農業は関税で生きつづけている。米、肉、乳製品等である。どうなるのか。 菅首相は、突如、外国に向かって、日本は第2の開国であるとして、TPPへの参加、つまり関税引き下げを宣言した。突如という点で、参議院選時の消費税引き上げ宣言と同じである。菅内閣による「新成長戦略」が、経団連の意向を受けた経済産業省的発想であったように、これも同省の発想であろう。特定官庁の考えに、他省が反対しないようにする手段が、政治主導の名の下で閣議決定するという手法であることも、同様である。日本農業はどうなるのか。 農家・農業対策を別にうつと菅首相はいう。泥縄で「農業構造改革推進本部」を作り、農政を改善するのだ、と。新聞報道によれば、それは生産性の向上、規模拡大である。農水省は、民主党の主張である戸別所得補償方式(平均価格と平均コストの差を補償するというもの――これは国際ルールで認められている)を前面に出したうえで、菅首相におもねり、専業農家中心の規模の拡大をこれに加えている。 ウルグアイ・ラウンド農業合意の時、自民党はこうした専業農家の規模拡大という考えで6兆円を投じたが、効果なく、受益者は農家ではなく、主として建設業者だった。 自民党の石破茂政調会長は、民主党の戸別所得補償方式に反対することを明言し、あいかわらず従来の路線である専業農家支援強化の政策を主張している(『朝日新聞』10年11月11日付)。 ◇対抗力としての国内フェアトレード 私は11月のはじめ、宮城県の大崎市の、文字どおり米どころの農村を見ることができた。見渡すかぎりの水田――そこで説明をしてくれた農業耕作のリーダーが、5町歩(約5ヘクタール)の米を作る兼業農家だった。米作5町歩ではやっていけません、という答えなのである。私がこの地で知った米作専業農家は、約10町歩を耕す人1人であった。専業米作者がどれだけいるのか。 日本が構造改善で規模を拡大しても、前述したアメリカの米作とは競争にならない。自然的条件の差はいかんともしがたいのである。土地制約性のない農業ならば問題はない。現在日本の鶏卵の小売値は、中国より安いのである。土地制約性を無視し、構造改善とか、生産性を上げるとかいう考えは、現実の政策としては力を持たないのである。 専業農家比率が高いのは、果樹、野菜を除けば畜産である。もし関税が全廃されたなら、日本の畜産は崩壊するだろう。商 品として残るのは、米にしろ肉にしろ、高品質のものと、果物・野菜栽培農家であろう。 規制緩和し、農業以外からの参入によって日本農業を再生する、と口にする人もいる。例外的な野菜栽培工場を除くならば、それは画に描いた餅である。歴史をみれば、かつて農業も工業のように大型機械化し、資本主義化が進むと考えた時期もアメリカにはあった。しかしアメリカの歴史が示したのは、最適なのは、大型家族農経営だということであった。資本主義的経営が根づかなかったのは、自然を相手にする農業の特質ゆえである。 農業において、資本主義の発展があるものとして、これに対抗しようとしたソビエトの農業集団化、それに基づくコルホーズ・ソフホーズが失敗したのも、中国の人民公社が失敗したのも、同じ理由である。規制緩和論の、農業以外からの資本の導入を……は、イデオロギー以外の何物でもない。 政策のひとつとしては、経済産業省や経団連の主張のように、農業を海外との自由な競争にゆだね、崩壊するものは崩壊させ、日本の産業を比較優位に移すこともありうる。だが、国際政治の現実においては、ある程度の食糧の自給がないならば、対抗力を失い、他国に従属せざるを得なくなる。シンガポールのような農業がなきに等しい国に、大国は存在しないのである。TPPを主導したのは、このシンガポールであることを忘れてはならない。 さらにいうならば、農業保護を行っていない先進国はない。 国際政治の現実をみれば、農業保護政策は行われなければならない。問題はその内容である。戸別所得補償方式は、その成否を決める実施方法に難しさがある。加えて参議院での少数与党の現状では、それが賛成を得ることは難しい。いや、TPPそれ自身が議会を通らないだろう。 可能なのは、日本農業に大きな打撃を与えない国との間の2国間協定で、TPPにならい、関税をゼロに向けていくというものである。それのみが現実的であろう。 問題なのは、時間をかけて国内農業を戸別所得補償で整備し、これを定着させ、そのうえでTPPへの参加を表明するのではなく、突然第2の開国を口にし、これから国内農業政策をさぐるという菅首相の政治手法である。それは、矛をまじえた後にあわてて鎧を着ようというようなものである。このような首相の下では政権交代のメリットは生まれず、次の選挙で民主党は大敗するに違いない。 前述した11月の宮城県訪問で、私は地元のおいしいご飯をいただいた。その米は、市価(60キロ=1万3000円)より高い2万400円で、鳴子温泉のホテルや仙台駅の駅弁屋が契約して買いとっているという。しかも生産費と価格との差は、地元の農業振興の資金にしている。私はこれを国内フェアトレードと呼んだ。 日本の農業関係者は、日本の政治家には期待できないかもしれないことを覚悟し、自分たちで自らを守る体制を作らなければならない。生産者と消費者を縦につなぐ組織の構築である。 ガルブレイスは、経済の調整メカニズムに競争を加え、「対抗力(countervailing power)」を対置した。市場原理主義にもとづく競争原理に対して、対抗力による国内フェアトレードである。そしてそれは、やがて拡大され、アメリカの市場原理主義に対抗する、国際的ルールになっていかなければならない。 2010年12月13日
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http //www.okinawatimes.co.jp/spe/syudanjiketsu/kinkyu_interview02.html 軍強制認めず・教科書検定緊急インタビュー(2) 安仁屋政昭沖国大名誉教授 (12月28日朝刊社会25面) 「美しい死」へ読み替え 軍の影響「関与」超える ―訂正申請の結果は、沖縄戦研究を反映しているか。 検定は、一九七〇年代以降の沖縄戦研究の成果や記録の蓄積を無視している。日本軍の強制を書かなければ「集団自決(強制集団死)」は、沖縄戦の実態をゆがめ、文字通りの集団自決になる。しかし「集団自決」は、軍の強制によって、肉親同士が殺し合いをしたのが実態だ。なぜそのようなことが起こったのか、それは軍の強制があったからだ。 そのことは、戦争体験者が苦痛を乗り越えて語った心からの叫びに、研究者や報道が、真正面から向かい合って、明らかにされてきた。 「集団自決」から軍の強制が除かれれば、住民が自主的に死んでいった、美しい死、祖国を守るための死へと、読み替えられる。沖縄から、厳しくそのことを問わなければならない。 ―「集団自決」は、皇軍(日本軍)と住民の関係の中で起こったと強調してきた。 天皇の軍隊である皇軍の本質とは、天皇制を守ることで、住民を守ることではない。 沖縄戦の直前のミクロネシア、サイパンの戦闘で、皇軍は住民を守ってはいない。沖縄戦は本土防衛の盾というが、実際は、本土の人々を守るためでもなく、天皇制を守るための時間稼ぎだった。沖縄戦の後、日本側の本土決戦の方針に対し、米軍は南九州や関東に上陸する作戦を立てていた。そこで地上戦が起これば、やはり本土でも、住民は守られず「集団自決」や住民をスパイ視した虐殺が起きていたはずだ。 軍隊は、住民を守らないという視点から、「集団自決」とスパイ視虐殺は同質同根のものであると、繰り返し主張されなければならない。 ―「集団自決」に対する軍命、強制について、沖縄戦研究が明らかにしたものは何か。 当時の沖縄の状況は、米軍によって海と空が封鎖されていた。軍事の概念では「合囲地境」といわれる状況で、皇軍が支配する軍政だった。そこに民政はなく、住民はそのような中で、軍命によって支配されていた。そのような大枠を理解すれば、とても皇軍が「関与」するにとどまったとはいえない。(聞き手=編集委員・謝花直美)
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http //list.jca.apc.org/public/cml/2010-October/005832.html 尖閣列島沖漁船衝突事件 加藤哲郎さん(一橋大学名誉教授、早稲田大学客員教授)の見方と考え方 [CML 005939] 尖閣列島沖漁船衝突事件 加藤哲郎さん(一橋大学名誉教授、早稲田大学客員教授)の見方と考え方 higashimoto takashi taka.h77 at basil.ocn.ne.jp 2010年 10月 12日 (火) 17 25 40 JST 以下、「加藤哲郎のネチズンカレッジ」2010年10月1日付より尖閣列島沖漁船衝突事件に関する加藤哲郎さん(一橋大学名誉教授、早稲田大学客員教授)の見方と考え方をご紹介させていただきたいと思います(加藤教授の論は転載者の判断で読みやすさのために適宜改行しています)。 http //www.ff.iij4u.or.jp/~katote/Home.shtml ================================== 夏の調査旅行から帰国して1週間は時差ボケが直らず、昼夜逆転生活。おまけに重い資料を積み込んだスーツケースをかついでのドイツ国内鉄道旅行が効いてか持病の腰痛が再発、しばらく寝たきりのテレビ三昧で、日本という閉ざされた情報空間の「空気」が読めてきました。もちろん日本のマスコミは、尖閣列島沖漁船衝突事件をめぐっての日中関係の悪化、「固有の領土への侵入」「菅政府の弱腰」「検察への政治介入」「中国政府の横暴」を大きく報じています。でも、どうも英語・独語メディアばかり見てきた流れでは違和感。中国で拘束された4人の日本人のうち3人が解放されたのは、「日本の主張を理解した国際世論の圧力」風の解説もありますが、本当でしょうか。 一つは、尖閣列島は「日本固有の領土」で、それは国際法上も確立されたもの、だから中国人船員逮捕も「国内法に従い粛々と司法の手で」進めてきたという日本での話。ヨーロッパでのニュースでは、当初から「領土紛争」として扱われていました。試みに、Googleに英語でSENKAKUと打ち込んで出てくるニューヨーク・タイムズの記事。必ず「Senkaku/Diaoyu Islands」と、日本側呼称と中国側呼称を併記して ます。英独のテレビでも同じでした。より詳しいのは、英語版wikipediaのSENKAKU ISLANDSの項目。もちろん1895年以来の日本の主張も書いていますが、それには中国・台湾のDiaoyu Islandsについての主張が併論されています。つまり当事国以外にとっては、紛争・係争がある限り「領土問題」であり、日本の主 張が世界で認められているという前提で国際関係に立ち入ると、「日本海」と「東海」、「竹島」と「独島」、千島列島と同じような、国際政治の力学にさらされることになります。 もちろん中国が台湾を自国の一部とみなし、ソ連やベトナムと領土をめぐる戦争まで踏み込み、周辺諸国とさまざまな紛争を抱えていることも、世界的には常識です。けれども、それらは平和的交渉で解決されることが望まれるだけで、実際には第3国にとっての地政学的距離や外交的・経済的利害によって動かされます。中国がいまや日本をしのぐGNP大国であり、ヨーロッパ経済にとっても危機脱出のための重要なパートナーであることや、3代世襲を世界に表明した北朝鮮と同じように一党独裁の「社会主義」を名乗る国であることも、当然顧慮されます。他方で、日本がドイツと同じく第二次世界戦争の敗戦国でありながら、EUの一員となったドイツとは異なり、戦後の近隣諸国との関係で多くの紛争を抱えていることもよく知られています。つまり、日本が「固有の領土」を強調すればするほど、ヤルタ会談・サンフランシスコ講話・沖縄返還からさかのぼり、日中戦争・「満州事変」・朝鮮植民地化から日露・日清戦争、台湾出兵・琉球処分にいたる日本の過去への国際的再点検が始まり、日本政府の歴史認識が試されることになります。 世界からは「領土問題」として見られているという点を直視しないと、具体的問題での外交処理も難しくなるでしょう。つい先日中国から帰国した友人の話では、日本に詳しい中国知識人は、ウェブで全文がすぐ読める井上清『「尖閣」列島ーー釣魚諸島の史的解明』(初版1972/再刊1996)を参照し引用しているとのこと。かつての著名な歴史学者の著書で、「戦後歴史学」の責任も問われているのです。 もう一つ、気になったのは、日本の外務大臣が強調する、アメリカ政府の「尖閣諸島は日米安保条約第5条の適用対象になる」という言明。クリントン国務長官の話で、アメリカ軍が尖閣列島を守ってくれる、沖縄海兵隊が「抑止力」、だから普天間基地辺野古移転日米合意を堅持し「思いやり予算」も今まで通りで、とエスカレートしていますが、実際には、クローリー国務次官補の言う「対話の促進および問題が速やかに解決されることを希望する」という部分が主眼で、むしろ「尖閣諸島の領有権についての米国の立場は示さない」という態度であったと考えられます。つまりPeace Philosophy Centreが詳しく解明しているように、「施政権」が日本にある限り日米安保の対象とするが、「主権=領土」の問題には立ち入らないと言明されたことになります。 この点に踏み込んだ、ウェブ上の岩上安身による孫崎亨長時間インタビューは秀逸。日米安保は2005年の「日米同盟:未来のための変革と再編」の戦略的合意で実質的に変質したという、孫崎『日米同盟の正体』(講談社現代新書)の延長上で、たとえ安保条約の適用範囲でも、尖閣列島で軍事紛争が起きても第一義的に日本の防衛に任され米軍は出動せず、戦争まで拡大すると今度は米国議会の承認を必要とする事案となる、と説得的に論じています。確かに外務省ホームページの訳文でも、「日本は、弾道ミサイル攻撃やゲリラ、特殊部隊による攻撃、島嶼部への侵略といった、新たな脅威や多様な事態への対処を含めて、自らを防衛し、周辺事態に対応する」とあります。尖閣列島は「島嶼部」です。ここでも米国にとっての中国と日本の戦略的重要性がポイントで、菅首相や前原外相が頼りにするほどにはアメリカは守ってくれない、というわけです。11月沖縄知事選に向けて、現職仲井真知事が再選出馬にあたって普天間「県外移転」を正式に表明しました。第二次菅内閣は、発足したばかりで外憂内患、四面楚歌です。 =================================== 井上清著の『「尖閣」列島ーー釣魚諸島の史的解明』(初版1972/再刊1996)はCML 005872で岡山の野田さんが「大変、説得力をもつ論文」という詞書を添えられて紹介の労をとってくださっていましたので、私も読みました。そして、領有権と先占権についての私のこれまでの考え方がきわめて視野の狭い見方であり、考え方であったことに気づかされました。故井上清教授は日本外務省と日本共産党の領有と先占の考え方について完膚なきまでに徹底批判しています。 ■「尖閣」列島 ――釣魚諸島の史的解明(井上清 初版1972/再刊1996) http //www.mahoroba.ne.jp/~tatsumi/dinoue0.html 先に中国側サイト(注1)で紹介されている井上教授の主張と「尖閣諸島問題」のホームページ及び「日本の領有は正当 尖閣諸島 問題解決の方向を考える」という赤旗の論評を読み比べて比較考証した際には気づかず、「尖閣諸島問題」の「中国の文献」(注2)の記述及び「尖閣諸島は明代・清代などの中国の文献に記述が見られますが、それは、当時、中国から琉球に向かう航路の目標としてこれらの島が知られていたことを示しているだけであり、中国側の文献にも中国の住民が歴史的に尖閣諸島に居住したことを示す記録はありません」という赤旗の論評(注3)の方に正しさを感じていたのですが、改めて故井上教授の上記論文の全文を熟読して井上教授の論の正しさを確認するに到りました。 尖閣諸島の領有に関する故井上教授の主張の要点は、下記の解釈の徹底さと正しさにあるように思います。 (1)『使琉球録』(1534に中国の福州から琉球の那覇に航した明の皇帝の冊封使陳侃著)の「乃属琉球者」(乃チ琉球ニ属スル者ナリ)の解釈 (2)『重編使琉球録』(1562年に冊封使となった郭汝霖著)の「界琉球地方山也」(琉球地方ヲ界スル山ナリ)の解釈 (3)『籌海図編(胡宗憲が編纂した1561年の序文のある巻一「沿海山沙図」の「福七」~「福八」に出てくる「これらの島々が、福州南方の海に、台湾の基隆沖から東に連なるもので、釣魚諸島をふくんでいることは疑いない」という解釈 (4)『使琉球雑録』巻五(1683に入琉清朝の第2回目の冊封使汪楫の使録)の「中外ノ界ナリ」の解釈 (5)『中山傳信録』(1719年に入琉した使節徐葆光の著)の姑米山についての「琉球西南方界上鎮山」の解釈 注1:日本人学者が考証 「釣魚島は古来より中国の領土」 http //j.peopledaily.com.cn/94689/94696/7142418.html 注2:『尖閣諸島問題』「中国の文献」 http //www.geocities.jp/tanaka_kunitaka/senkaku/ 注3:赤旗論評「日本の領有は正当 尖閣諸島 問題解決の方向を考える」 http //www.jcp.or.jp/akahata/aik10/2010-09-20/2010092001_03_1.html そうして故井上清教授の論の徹底性と正しさに学びながら、杉原さんがCML 005837で紹介されている「他国の手が及んでいない領土を先に発見したり、先占したりすることでそれを自国領だと宣言しうるという発想そのものを俎上にのせる必要がある」(『北方領土問題』、岩下明裕、中公新書)という考え方などにも学び、尖閣沖中国漁船衝突事件によって改めて、あるいはにわかにクローズアップされるようになった尖閣諸島の領有権の帰属の問題、また「先占」取得に関する現在の国際法法理は、国際社会における最高意思の主体を国家とみなす1648年以来現代まで続いているウェストファリア体制(国民国家体制)のパワー・ポリティクスに基づく法理といわなければならないものであること。17世紀以来のパワー・ポリティクスに基づく「国家主権」を結果的に優先させてきた古い時代の法理(その法理は、近現代の植民地主義・帝国主義の国際法上の法理としても当然通用してきたわけですが)に基づく国際法を根拠にして「先占」取得の正当性を主張するたとえば外務省や日本共産党の考え方はいまや時代錯誤の考え方というべきであり、早急に改められなければならない考え方というべきだろう、ということに気づかされました。 私の先のメール(CML 005758)における「先占」取得に関する国際法法理を支持する考え方は、まったく視野の狭いものでした。領有権と先占の問題について先のメールで述べた私の考え方は誤りであったことを認め、改めたいと思います。 東本高志@大分 taka.h77 at basil.ocn.ne.jp http //blogs.yahoo.co.jp/higashimototakashi その他の尖閣問題論考