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インディーズ時代、今思い出してもあの頃がこのお仕事を始めた中で、最も辛い日々だったと思う。 先にデビューしたBerryz工房と比べると、私たちは正直いって待遇面ではあまりいいとはいえなかった。 キッズで活動を開始したのは一緒なのに、私たちはいつまでも予備軍のままバックダンサーをしていた。 それを考えると、今となってはあの頃に自分たちを応援してくれる人がいるのが信じられない。 だから、舞美ちゃんたちがステージに立つと、お客さんいなかったらどうしようか、と不安になっていたのも頷ける。 そう、彼女たちが小さくもれっきとしたコンサート会場で歌っている間、私たちに与えられたステージはデパートである。 デパートのステージですら、私たちには大きい会場に思えたこの時期に、℃-uteをまとめる人がいた。 今はもう芸能人をやめて、一般人に戻ってしまった彼女。 いなくなった彼女こと村上愛は、℃-uteでは数少ないお姉さん的存在で、誰からも頼りにされていた。 しっかり者だったというのもあるんだろうけれど、千聖はめぐにはかなり懐いていた。 メンバーの心の変化をよく観察し、アドバイスをくれることが多く、年長者なのにえりかちゃんに舞美ちゃんも頼っていた。 頼りにされると、つい頑張ってトークも歌も踊りも一番になろうとしていた人。 彼女に憧れと尊敬の念を千聖は込めていて、つい抱きついていたりした。 「舞ちゃん、お疲れ様。今日は本当に楽しいステージになったね」 「うん、今日はよかった。お客さんのノリもよかったし、気分は最高かも」 「わかるわかる。今日のお客さんはいつもよりいっぱい回転してたしね。グルグルさ」 千聖はその場で回転するお客さんのモノマネを始めた。 千聖はモノマネが大好きで、当時から藤本さんの真似はよくやっていて、この前のソロイベントでも唄っていた。 声から唄い方、どれもが藤本さん本人が唄ったのかと錯覚してしまった。 でも、ステージで唄うのは私が大好きな千聖なものだから、頭が混乱しておかしな感覚だった。 千聖の歌声はとても綺麗なのに、私は悲しくなるばかりだ。 だって、声変わりしたとき、千聖はもう藤本さんみたいにはもう歌えないんだから。 「こらこら、こんな人が通るところで回転してたら危ないぞ」 廊下なこともあって、通りがかりの人がずっと行き交いしていたが、千聖を避けて歩いてくれていた。 そんな気遣いをされているとは気づかない私たちは、面白いと笑いあっていた。 そこへ、あのめぐの登場というわけである。 めぐは千聖の回転を止めると、腰に手をおいて鼻息荒く注意をしてきた。 「ご、ごめんよぉ~そんなこと考えてなかったよ。てへへへ」 「てへへじゃないよ。あんたって子は。今日のステージのことで褒めてあげようと思ったのに」 めぐが褒めてあげるといった途端、反省の色をみせていた千聖が急に明るい顔に戻った。 あぁ~嫌な予感がしてきた。 私を蚊帳の外にして、千聖の奴はきっとめぐばっかりに気をとられてしまうだろう。 「めぐぅ~千聖ね、今日はうまく出来たよぉ~千聖、頑張ったよね?」 「うん、頑張った。偉いね、この前よりも歌がすごく上手くなってるしさ」 「ありがとぉ~めぐ大好き」 予感的中。 めぐには私には見せたこともない甘えん坊な一面を覗かせる千聖。 めぐが千聖を男の子だと知っていたか今となっては不明だけど、ボーイッシュで可愛いと弟のように可愛がっていた。 めぐにあって私にないもの、包容力という母性的なものが千聖にあんな顔をさせるのか。 すぐに諦めるつもりはないにせよ、私にはかけている部分ではある。 それを小学生時代の私に求めるとなると、ちょっとどころではなく酷な気がする。 「舞美ちゃ~ん、遊ぼうよぉ~」 「どうしたの、舞ちゃんは。今日はやけに甘えん坊だね。何かあった?」 「ううん、そうじゃないけどさ。つまんないんだもん」 「しょうがないな~舞ちゃんは。何して遊ぶ?」 千聖がめぐに甘えている間、私は自分のお姉ちゃんのもとへ行くことが多かった。 この頃は千聖が舞美ちゃんに恋しているなんて思わなかったから、私は血の繋がったお姉ちゃんみたいに甘えた。 ハローモーニングの撮影があった時、私は風船割りゲームの最中に怖くなって抱きだしたことがある。 耳元に風船が破裂する甲高い音が響き、つい泣き出してしまったのだ。 そこへ「大丈夫?」と声をかけてくれたのが、舞美ちゃんだったのである。 泣きじゃくる私の顔を下から覗き込み、優しく怪我はないかと親身になってくれた。 それがあって、デビューできずにキッズのままでいたことも影響して、私は舞美ちゃんを本当にお姉ちゃんだと思った。 ”家族”と言ってもいいくらい、小さい時から苦楽をともにしてきた仲間なのだ。 お姉ちゃんでいてほしかったのに、舞美ちゃんは私から千聖を奪おうとしている恋敵になってしまった。 「舞美ちゃん、花火ずっとみていたいね」 「うん、こんなに綺麗な花火は初めてかも」 もう花火が綺麗にも思えなくなってきた。 めぐに邪魔され、今度は舞美ちゃん、どうして私の前にはこんなに邪魔が入るの? 意地悪な運命だね、千聖。 私はこんなにもあなたを想っているのに、あなたは私のことをちっとも想ってくれていない。 もっとあなたを振り向かせるにはどうしたらいいの? あなたから舞美ちゃんを引き離すには私じゃ無理なのかな・・・ 私の切ない苦しみも、夜空に咲く花火みたいに美しく散ってしまえばいいのにね。 私はこんなに苦しくてもきっとあなたを忘れることは出来ないんだろうな。 ね、せめてあなたの手に私の手を添えるくらいは運命でも邪魔はしないよね。 「舞ちゃん、どうしたの? 手当たってるよ?」 「馬鹿、のせてるの。今だけはこうしてていいでしょ」 「うん。舞ちゃん、花火もうすぐ終わりだね。来年こそ浴衣姿みせてね」 「どうせ私にはお世辞のくせに」なんて意地っ張りな私はつい嫌味をいってしまう。 「違うよ。舞ちゃんには似合うと思ってるからだよ。ね」 ズルイ、千聖が私のおいた手から自分の手をぬいて、上から被せてきた。 包み込むような力強さでギュッと握ってくれる。 しかも、来年はあなたに浴衣姿をみせなきゃって思わせるとびっきりの笑顔でだ。 やられた、こういう笑顔に私は弱くて、めぐのことも舞美ちゃんのことも許してしまえるのだ。 溜息をつきながら、私は強く握ってくれた手の温もりを感じつつ、来年のプランを今から考えていた。 来年こそはあなたと二人っきりで花火がみたいから。 ←前のページ トップページ
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「つんくとか来て楽しかった」 オーディションに合格を果たした時、小さかった私は感想を求められてこう答えた。 小学生になったばかりの私に相手を敬って、『さん』付けをしろ、なんて要求をする人はそうそういないと思う。 良くも悪くもこの言葉はかなり印象的だったようで、撮影に参加していたスタッフから笑い声が漏れた。 私には何故笑っているのかわからず、聞かれたことに対して答えただけだった。 大人たちが笑っている理由がわからないまま、スタジオで待つモーニング娘。の元に呼ばれた。 横にずらっと十四人が並び、誰が合格するか不安な中、つんく♂さんの発表を待つ。 そして、つんく♂さんから言われたのは「全員、合格です」の言葉だった。 この言葉を聞き、現年長メンバーは驚きつつも喜び、騒いでいたことを記憶している。 でも、私はそれがどんなに大変なことなのかもわからなかったので、いまいち喜べなかった。 その後も映画の撮影をします、と言われ、映画監督の前で台詞を読んだり、と気づけば活動を開始していた。 皆が皆、仕事をしていく中でデビューをするんだ、という明確な目標を持った。 でも、彼だけは違った。 岡井千聖はモーニング娘。に憧れて入ったから、初めからデビューしたくてキッズにいたのだろう。 本来、ハロプロには男の子は入れない決まりがあるのだけど、彼は”女の子”と偽ってキッズになった。 私は彼がキッズに合格した頃から、随分と男の子みたいな子が入ったなと気にしてはいた。 これといって確信を持っていたわけじゃない。 何となく、彼の存在が気になって仕方なく、いつも彼の事を目で追っていた。 年が一つ違いだったこともあり、私たちは一緒にいる時間も多く、一気に打ち解けた。 私は千聖を好きになっていた。 彼を見た瞬間から恋をしていたのかもしれないが、好きだと自覚するようになったのは何年か経った後だ。 自覚をしたあたりからだろう、彼に自分の気持ちをぶつけていったのは。 夜空に星が輝く中、私たちがステージを後にした国立競技場から花火が上がるのが見えた。 前座の形で出させてもらった今夜の花火大会は、自分たちも見られたらいいな、と密かに願っていた。 それがこうして叶うと、言葉に出来ないくらいに嬉しいものだ。 しかも、隣には手を繋いだ千聖がいる。 千聖は、花火を見上げるばかりで隣の私をちっとも見ようとはしてくれない。 私も花火を見ようとするものの、千聖が気になってそれどころではなくなっている。 だけど、花火が元は見たかったわけだからどうにかしてみたいな、と思う私はいい案を思いついた。 大好きな千聖の瞳に映った花火をみていれば、同時に見たい二つのものが見られる。 案の定、「舞ちゃん、花火が綺麗だよ」と囁きつつも、花火に集中する千聖の瞳には綺麗な花弁が咲いている。 心の中でそっと、「千聖の花火が一番綺麗じゃん」といおうと思ったのだが、やめておいた。 そうしたら、恥ずかしがって千聖がきっと花火から目を逸らしてしまい、私も見てくれない可能性もある。 どっちも見られなくなるのは悲しいし、今はこれが一番いい状態なんだろう。 「舞ちゃん、今年の花火はたぶん僕が生きてきた中で最高に綺麗だよ」 「どうして?」 「だってさ、今年は舞ちゃんがいるし、℃-uteのメンバーも一緒にいる。これって最高じゃない?」 「そうだね。今年の花火は特別かもね」 「でしょ~舞ちゃんもしっかり見ておきなよ」 千聖が花火から目を逸らし、からかうような目で私ににっこりと微笑んだ。 その笑顔が純粋そのもので、彼の瞳を通してみたらどんなものでも綺麗に映ってしまいそうだ。 しっかり見ておくといっても、私は千聖ばかりしっかり見ているけれど、それでもいいなら見ている。 千聖と見るから特別なのであって、私には彼がいなかったら去年と変わらないただの花火になっていた。 それを変えてくれたのは、千聖だ。 「来年もここでライブやって、花火が見られるといいね。舞ちゃんの浴衣姿が見てみたいよ」 「えぇぇ~やだなぁ~撮影で見慣れてるじゃん。変わんないよ」 「そんなことないって。舞ちゃんは成長しているし、来年はぐっと大人っぽい浴衣姿になりそうだよ」 「ぐ~んと伸びて、千聖のつむじを見下ろす高さにいたりしてね」と、笑いながら返してみた。 すると、彼は少し寂しそうな顔になり、溜息をついて「そうかもしれない」、と呟いた。 そうだった、彼は今は伸び悩んでいる時期でまだ身長が思うように伸びていないのだ。 去年までは彼が大きかったのに、今年に入ってからはどんどん伸びる私が追い抜いてしまった。 隣に並ぶと、千聖が幼い顔つきのせいもあって弟みたいになっている。 彼は身長が抜かれた事を実はどんな事よりも気にしていたみたいなのだ。 四月のよみうりランドではネタにしてコントをしたが、あれだって進んで話していたわけでは決してない。 スタッフの書いた台本通りの台詞を話していたに過ぎない。 とうとうグループ一の小柄になった彼は、これからの成長次第では伸びると期待しているようだ。 後から私を抜いて、今とは逆に私が再び見上げられるようになったら、どんなにいいか。 そうなってくれたら、千聖も身長のことで卑屈な思いをせずにすむのに。 「千聖、男なんだからこれから伸びるって。平気平気」 「だといいな。だって、小さいと舞ちゃんだって嫌でしょ」 「嫌じゃないよ。千聖は千聖じゃん。違う?」 「違くないよ。でも、僕はもっと大きくなってかっこよくなりたいなって」 「何だよ、暗い顔するなって。千聖~ほら、花火綺麗だよ」 私は気を逸らそうと、花火を指差してみたのに、千聖は花火を見てもまだ身長が気になっているらしい。 失言してしまったことに今更ながら気づいたが、もう時既に遅し。 どうして一言多いかな、私って人間は。 そこへ「よっ、お二人さん。何、花火見てイチャついてるのかな~」、と舞美ちゃんが現れた。 千聖の隣に座ると、舞美ちゃんはさっそく千聖をからかってふざけ始めた。 こういうところ、何だか中学にいる男の子みたいだ。 好きな子を見ると、ついからかいたくなるなんてちょっと女の子っぽくないよ。 でも、千聖はそういう舞美ちゃんも好きなんだ。 「イチャついてなんているもんか。いつも通りさ。花火見てただけ」 「千聖~花火見るなら誘いなよ。マネージャーさんにここにいるって教えてもらうまで知らなかったんだから」 「ごめんごめん。舞美ちゃんたちはマネージャーさんと話しあいがあるみたいだったしさ」 「そんなの気にしなくていいのに。今日は花火観て帰らないと損だよ。あっ、すっごい綺麗」 「うん、綺麗だ」 ちぇっ、まただ。 せっかく二人きりでいたのに、舞美ちゃんが来てすっかり台無し。 こうなったら、とことんいじり倒してやるまでだから、覚悟してよね。 舞美ちゃんのお邪魔虫という思いと同時に、私にはある事が思い出されていた。 インディーズ時代、それ以前から千聖はやたらとお姉さんたちに可愛がられやすい事を――― 舞波ちゃん、めぐ、二人とも千聖をよく可愛がっていたし、千聖自身懐いていた。 舞美ちゃんに軽くつっこみを入れようとする直前、意識は過去にフェードアウトを起こした。 インディーズ時代、デパートなどを回ってイベントをこなす日々を送っていた時に。 半ば、彼を脅すようにキスを迫ったり、抱きしめてとおませな事を要求した。 千聖は男の子だとバレてしまえば、活動を続けられなくなるのはわかっていたから、こう言えば嫌でも要求を呑むのは当然だ。 頬っぺたにキスをするのも照れる彼を、私は叱ったりした事もある。 もっとちゃんとして、と。 千聖はその後も照れ屋で、なかなかキスもしてくれたことはなかったけど、私は側にいられるだけでよかった。 そのお願いを神さまが聞いてくれたのか、私たちは同じグループになることが出来た。 それが私と千聖の物語の始まりとなった。 次のページ→
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嘘だ、ドンドコドーン。 「舞も最初はちょっと驚いちゃったわけ。だって、昨日まではこんなものついてなかったんだもん」 舞ちゃんは自分の股にあるそれを掴み、首を傾げながら弄っている。 みているこちらがハラハラするような危険な掴み方をするものだから、僕としてはすぐにでも注意してあげたい。 それを乱暴にすると、自分がどれだけ痛い目にあうか知らないよ、と。 「舞ちゃん、今にも握りつぶしちゃいそうな触り方するのはやめてよ。みてるこっちがハラハラしちゃうからさ」 「え、何で? 別にいいじゃん。千聖のじゃなくて、これは舞のなんだもん。それとも、千聖のを弄らせてくれるの?」 「そ、それはダメだって。ま、まぁとにかく触るのやめてよ」 舞ちゃんは僕の注意を素直に聞いてくれたのか、溜息をついて手をそれから放した。 手は放したものの、まだ自分でも納得できないみたいでじっと見入っている。 「舞はこんな形だけど、千聖についてるのは形違うの? 男の子ってよく大きいとか小さいで馬鹿みたいに盛り上がってるよ」 「同じかな。ただ、大きさとか色が違うけどさ」 「そうなんだ。へぇ~。舞のと千聖のだとどっちが大きいわけ?」 「え、えぇ~どうだろうな~わかんないって。そんなのわかるわけないじゃん」 舞ちゃんの股からぶら下がっているそれは、形や色がどこか作りものめいた不自然さがある。 えりかちゃんがいつか、僕に「このカタログに載ってるバイブと千聖のってどっちが大きいかな?」と言ってみせてきた雑誌 に載っていたあれとそっくりなのだ。 舞ちゃんの不自然なそれと僕のでは大きさ比べしたらどうなるんだろうな。 僕はズボンを引っ張って、自分のものをようく眺め、舞ちゃんのものと口語に見比べた。 ま、負けた・・・僕のがどんなに頑張っても勝てる大きさじゃない。 「ははぁ~ん、舞のと比べてみて、小さかったって顔してるね。千聖、焦ってるでしょ」 「そ、そ、そんなわけないだろう。僕の方が大きかったよ。舞ちゃんのは昨日生えたばっかりだから、勝てないって」 「へぇ~本当かな。昨日生えてきた舞のものの方が大きいから負け惜しみ言ってるだけに聞こえますけど」 舞ちゃんは僕が焦っているのが手に取るようにわかるようだ。 図星すぎて、見栄を張った僕は「大きかったよ」と返してしまったが、これはもう大きさ比べをしようと言っているようなものだ。 舞ちゃんは「大きかったよ」の言葉を待ってましたとばかりに、また不気味な笑顔に戻った。 これぞ、舞ちゃんが殺戮ピエロだと言われる所以なのかもしれない、と妙に納得してしまった。 「千聖、大きいって言うなら、舞にもみせてくれるよね。だって、そうじゃないと舞はわからないから」 「や、やだよ。舞ちゃんにみせるなんて絶対に嫌だよ。大きくても、小さいって馬鹿にするくせにさ」 「小さいって馬鹿にしないならいいでしょ。ね、千聖。お願い。舞にもみせて」 舞ちゃんは本当にずる賢い子だな。 男の子の証拠をぶら下げているくせに、お願いごとをする時になるといつもの可愛い女の子みたいに出来るんだから。 こんな事をされては、もう抵抗する気も失せてしまう。 「わかったよ。ただし、一瞬だからね。それで比べてよ。どっちが大きいかさ」 「OK!! 舞がちゃんと白黒つけてあげる」 見る前から自信ありげに舞ちゃんは勝利した気分に浸っているっぽい。 悔しいけど、舞ちゃんの勝ちだ。 あんな大きさに勝てるわけないじゃないか、まるで大根みたいに太くて大きいんだから。 「さぁ、脱いで。ちゃんとみててあげるからね」 「うん。ちょっとだけだからな」 僕はズボンとパンツを掴み、緊張しないように一気に膝まで下ろした。 「ど、どうだ。これが僕のやつだ。参ったかぁ~」 「ふぅん、すんごく小さいね。がっかり。やっぱり舞の方が大きいんじゃん」 「ちょ、ちょっと~顔が近いぞ。っていうか、舞ちゃんいつの間に僕の目の前に移動してるの」 今日は舞ちゃんに驚かされるばっかりだ。 最初は電車で寝ていたはずの僕を起こしてきたこと。 次に男の子の証拠である、おちんちんがついていたこと。 今は舞ちゃんがドラゴンボールの悟空がした瞬間移動をしたことだ。 さっきまでは少し離れていた距離にいた舞ちゃんが、僕のおちんちんと数十センチの位置でしゃがんでいる。 「どうしてでしょう。えへへ」 舞ちゃんはにっこりとほほ笑んで、じっと僕のおちんちんを観察しだした。 「千聖のは温かいね。熱があるみたい。それにいきなり固くなったり、大きくなった。すごいね」 「ちょ、ちょっと~僕のを掴まないでよ。やめろったら」 舞ちゃんは自分のがあるくせに、僕のおちんちんに興味津々で指で摘まんできた。 棒を舞ちゃんのひんやりとした指が包みこみ、鳥肌が立つような快感が走る。 思わず、「うぅ」なんて間抜けな声をあげ、上半身が前屈みになる。 「ちさとぉ~可愛いじゃん。あはは、やめろって言っても顔真っ赤にしてる。ちょ~面白い」 最悪の玩具がとんでもない人物に行き渡った瞬間だった。 僕はこれからどんなことをされてしまうのだろう、と不安を感じながら、舞ちゃんの指で気持ちよくなっていた。 ←前のページ 次のページ→
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今日は静岡の浜松で℃-uteのコンサートがあり、私たちは新幹線に乗って静岡までやってきた。 あいにくの雨で、遠くから会場まで来てくれたファンの人たちのことも気が掛かりだけど、一番の心配は我がリーダーだ。 今、会場でリハーサルを行っているのは私を含め六人なのだ。 舞美ちゃんは遅刻して私たちと同じ新幹線に乗り遅れ、まだ新幹線の中にいる。 リーダーなのにおっちょこちょいで頼りないところがある舞美ちゃんは、それでも℃-uteには大事なリーダーだ。 私個人としても、舞美ちゃんはいつまで経っても本当のお姉ちゃんみたいに思っている。 千聖とのことは嘘なんだと言ってほしいけど、嘘じゃないことは自分自身がよくわかる。 だから、今もこんなに苦しい想いをしているんだもの。 その苦しい思いをちょっとでも取り除きたいくせに、私は今、千聖を尾行した。 千聖はリハーサル中もずっと気にしていた、舞美ちゃんの現在の様子をマネージャーさんに尋ねいている。 「マネージャーさん、舞美ちゃんはまだなのかな?」 「そうね、同行してるスタッフの話だとあと一時間くらいってことだけど。千聖は舞美がそんなに心配?」 そわそわとして落ち着きなくリハーサルをしていたせいで、千聖はスタッフさんから集中していないと注意されていた。 それでも、舞美ちゃんが心配で仕方なかったから、こうしてマネージャーさんを探し回っていたのだろう。 舞美ちゃんの心配をする千聖の顔は真剣そのもので、今日みた顔で一番力がある。 そんなに舞美ちゃんが心配なの? もしも、私が舞美ちゃんみたく遅刻したら千聖は心配してくれるよね。 「うん、やっぱりリーダーいないとしまらないからさ。舞美ちゃんに全力で走ってこいって伝えといてよ」 「ふふっ、はいはい。千聖、休憩もうすぐ終わりだからステージに戻る」 「はぁ~い」 舞美ちゃんがいつ来るのか、それがわかると嬉しそうな顔でリハーサルに戻っていった。 千聖、私があなたから離れたんじゃないよ、あなたが舞美ちゃんにくっついていっちゃっただけなんだよ。 ギュっと張り裂けそうになる胸を抑え、私も千聖を追いかけてリハーサルに戻る。 まだ諦めちゃダメだ、チャンスならこれからどんどんあるんだから。 「休憩おわり、リハーサル続きやるよ!!」 客席からスタッフさんの声が会場いっぱいにこだまする。 私は笑顔の千聖をチラチラと眺めながら、自分の立ち位置についた。 舞美ちゃん、気持ちなら私は負けないからね。 「お待たせ~ごめんねぇ~皆」 あれから一時間、慌てた様子で会場に舞美ちゃんが到着した。 舞美ちゃんが到着する頃には、私たちはリハーサルを通しで何度もやって疲れていた。 ジャージ姿でステージに上がってきた舞美ちゃんに、皆が遅いぞと声をかけつつ、笑顔で出迎える。 私もそうしたかったけど、怒りたい気持ちが胸の中をグルグルと渦を巻いている。 遅刻をしてきて笑顔で謝られても全然許す気にならないし、何よりあんなに千聖の気持ちを独占してしまうのが許せない。 私だって、お姉ちゃんのことは許してあげたい。 でもね、やっぱり千聖をいきなりかっさらっていくのはダメなの。 「もぉ~そうやって皆が甘やかす。だから、舞美ちゃんは遅刻するんだよ。舞美ちゃんも舞美ちゃんだよ」 「どうしたの、舞ちゃん?」 皆が一人勝手に怒る私をおかしなものを見る目でみてくる。 私一人を除いて皆が許しているよ、と空気を醸し出しているのに、私だけが怒っているから浮いてしまう。 何さ、もう知らない。 「舞ちゃん、ごめんね。お姉ちゃん、お寝坊さんだったね」 「いいよ、ちょっと怒ってみたかっただけ。それよりリハーサルの続きをするんでしょう」 はぁ、舞美ちゃんの到着で一層激しく降るようになった雨に、私の悲しみの涙もちょっぴり混じっているのかもしれない。 そう思いながら、私はリハーサルに頭を切り換えた。 次のページ→
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舞ちゃんは床に手をついて、口からだら~っと白い液体を吐きだしていた。 せき込んだ舞ちゃんはとても苦しそうで、そんなにも不味いものを飲み込ませてしまったのかと罪悪感がした。 元はと言えば、舞ちゃんが僕の注意を振りきってそのまま続けたのが悪いのだけど、今はそんなこと言えるはずがない。 「舞ちゃん、大丈夫かい?」 僕は駆け寄って、舞ちゃんの華奢な背中を肩から腰にかけてゆっくりとさすってあげた。 「大丈夫なわけないじゃん。あんなに不味いとは思わなかった。もうダメ」 「ごめんよ。僕がもうちょっと耐えていたら、こんなことにはならなかったかもしれないのにね」 「耐えたっていつかは出るんだから、結局同じじゃん。千聖の馬鹿」 「馬鹿とは何だ。謝ってるじゃないか。怒るなよ、舞」 本当に可愛くない奴だな。 自業自得なくせに、それを棚にあげて馬鹿とは何だ。 舞ちゃんは僕に対してはやたらと理不尽な要求が多いよな。 僕に悪戯をしかけて楽しんでいることもあれば、突然抱きついてきたりして甘えてくることもある。 どちらが舞ちゃんの本当の気持ちなのかわからなくて、正直言って最近は戸惑っている。 「ちさとぉ、男の子はみんなこういうの出すの?」 「う、うん・・・」 嫌な予感がする。 さっきまでは得意げに自分は知識だけはあるって話をしていたくせに、今更になって、何でこんなことを確認したがるのだろう。 「そうかぁ~へぇ~。舞も千聖みたいになるってわけだね。ふふっ」 まただ、何かを企んでいるのが丸わかりな不気味な笑顔にまた変わった。 舞ちゃんからいち早く遠ざかったほうがよさそうだ、と判断した僕は少しだけ後ずさった。 それを見越していたとばかりに、舞ちゃんは僕の肩をぎゅっと掴んで引き寄せた。 「ねぇ、千聖は仮に舞が本当に男の子だったとして、舞のを舐めてくれる?」 「ん~そ、それは僕が女の子だったら、ってこと?」 「そうだね、女の子の千聖も舞みたいにいきなり生えてきちゃうの。それで今みたいに舐めることになるの」 こいつ、僕に巨大な自分のおちんちんを舐めさせようって考えなのか。 だとしたら、何が何でも僕は舞ちゃんの元から逃げ出さなくてはならなくなる。 バナナほどのものを口に詰め込まれるところが、想像したくもないのに勝手に頭の中に溢れてくる。 頬張りきれないものを詰め込まれ、むせ返る僕に容赦なく奥まで口に入れるよう命令してくる舞ちゃんの姿が、はっきりと浮かんだ。 もちろん、表情は今も見ている不気味な笑顔だ。 「舐めるのはごめんだよ。こんなの僕の口じゃ入りきらないし」 「そういうと思った。千聖って自分だけ気持ちよくなればいいって人間なんだね。ひどぉ~い」 「そ、そんなわけないじゃん。舞ちゃんも気持ちよくなればいいじゃないか」 「口がダメなら別のほうを試すまで。さぁ、お尻を向けてもらおうかな。千聖、四つん這いになって」 あまりの要求に、思わず舞ちゃんの顔をじっと見入ってしまっていた。 おいおい冗談だろう、とは言いだせない雰囲気が舞ちゃんの体から溢れだしている。 しかし、冗談であってほしい僕の願いなど聞いてもらえるはずがないことは、顔をみれば一目瞭然だ。 「逃げるのはなしね。といっても、逃げられるはずもないんだけどね」 「う、嘘だ~やめろ。やめてくれ。僕はそんな経験なんて真っ平御免だ。嫌だぁ~」 「はいはい、そういうのは諦めが悪いって舞ちゃんに嫌われますよ。千聖は素直ないい子でしょ」 「素直でいい子じゃなくていいから、やめて。嫌だよ。絶対に嫌だ」 僕は舞ちゃんの手を振りほどき、力いっぱい地面を蹴って逃げ出そうとした。 蹴ったはず、なのに、地面から離れて一歩を踏みしめる足の速さが歩いているのと変わらない。 そんな馬鹿な・・・僕は確かに蹴ったはずなのに。 「無駄無駄、千聖は往生際が悪い子だね」 「や、やめ、やめてくれぇ~」 「はいはい。ズボンとパンツをいっぺんに脱がせちゃうからね。あらら、綺麗な形をしたお尻だね」 力一杯抵抗しようともがいているはずが、力が出てこない。 全神経を集中させているのにも関わらず、舞ちゃんにされるがままとなっている。 僕があまりにも抵抗しないものだから、あっさりと脱がせることに舞ちゃんは成功したみたいだ。 下半身がやたらとすぅすぅして、色々な意味で寒い。 「舞ちゃん、ごめんなさい。もう口の中に出したりしないから許して。まいぢゃ~ん」 見っともないのはわかりきっているけど、僕はこれから行われることを想像しているうちに怖くなって泣いてしまった。 小さい頃、熱を出して座薬を入れられたときを思い出してしまったのだ。 あの時、お母さんが「痛くないからね」と優しく言ってくれたのに、結局体が引き裂かれるほど痛かった。 座薬でそれ程の痛みなのだから、舞ちゃんのバナナサイズのおちんちんを入れられたら死んでしまう。 まだまだやりたいことがたくさんあるんだし、こんなところで死にたくなんかない。 「痛くないからね、よぉしいくよ」 「ぎゃあああああ!! 痛いよぉ~いだいよぉ~」 「まだ入ってない。これからです。千聖、じゃあいくよ」 「うわぁぁ~」 ダメだ、お尻の穴に変な違和感が感じられる。 うわぁ、体が真っ二つに引き裂かれる。 僕は・・・ 「千聖、寝言が叫び声ってうるさすぎ。あのね、ここは電車なんだからね。静かにしてなきゃダメでしょ」 「え?」 「え、じゃない。あんたねぇ~もうすぐ駅につくよ」 どうしたんだろう。 僕はさっきまでお尻の穴に舞ちゃんのバナナを入れられそうになっていたはずなのに、今は全然違うところにいる。 ガタンゴトン、と響く音がすると僕の体は上下に揺すられるのだ。 目の前に広がるのは電車でよくみるあの光景で、まるでさっきまでのことは夢だったかのようだ。 「あはは、すんごい寝ぼけた顔してる。そんな調子だと、舞台の練習どころじゃないね」 「えぇと、僕は寝てたの? あれれ、さっきまで違う場所にいたと思ったのに」 「あんたねぇ~自分が寝てたこともわからないって酷すぎ。舞美ちゃんに怒ってもらったほうがいいよ。怠けすぎって」 本当にこれは現実なんだろうか。 これが実は夢で、さっきのあの嫌な出来事が現実だなんてことはなし、であってほしい。 まだ若干震えが残る体を両手で支えながら、僕は舞ちゃんにおかしな質問をせざるをえなかった。 「あのね、おかしなこと聞くのはわかってるんだけど、舞ちゃんって実は男の子だったりはしないよね?」 「はぁ? あんたねぇ、馬鹿じゃないの。そんなわけないじゃん。舞にぶたれたいの?」 「や、やめろって。何となく聞いただけなんだからさ」 「はいはい。もう駅降りるぞ」 釈然としないものはあったけれど、僕と舞ちゃんはスタジオ近くの駅に着いたので降りることになった。 僕はここでようやく自分のパンツがヌルヌルとしていることに気付いた。 そうか、僕は夢をみていたんだ。 これくらいの年には付き物の夢精をしてしまったんだ、とわかった僕は安心して力が抜けてきた。 「スタジオが近いんだからシャキっとする。はいはい、しっかり歩け」 「うん。そうか~夢だったかぁ~あはは。舞ちゃん、今日はジュースおごってあげるよ」 「え、マジでぇ? やった~千聖だぁいすき」 舞ちゃんは現金なもので、おごってあげると言い出した途端に満面の笑顔で飛びついてきた。 僕よりも身長は伸びたけど、まだまだ手のかかる子供な面と大人な面がぶつかりあう複雑な年頃なのだ。 最近、ばっさりと切ってショートカットにイメチェンした舞ちゃんは、ますます年頃になってきたと思わせる。 いつまでもこんな風に甘えてきてくるだけならいいのにな、と思うけど、そうもいかないのが舞ちゃんらしさでもある。 わがままだけど、誰よりも僕に甘えてくれる舞ちゃんはやっぱり可愛い。 好きだぞ、舞。 この時、千聖はほんの一瞬だけ、舞の眼に光るものを発見できなかった。 そう、あれは本当に夢なんだっただろうか。 それは神のみぞ知る・・・ ←前のページ トップページ
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リハーサルは順調に進み、あっという間に最後まで通しを終えていた。 リハーサルが終了すると、千聖は真っ先に舞美ちゃんに駆け寄っていき、ニヤニヤしながら声をかけた。 舞美ちゃんは千聖の頭を撫でてあげ、まるでお姉ちゃんが弟を甘やかすみたいに見える。 ℃-uteが出来た頃、この二人がこんなに仲良くなるなんて私には想像できなかった。 私には二人は大事な人であっても、二人がお互いを大事な人としてみるなんてありえない、はずだった。 そう思った私に、現実はこうしてありえない状況が目の前にある。 「今日みたいに遅刻はしちゃダメだからね。そうだ、コンサート中に罰ゲームやろうよ。罰ゲームさ」 悪戯っ子な千聖が、とびっきりの悪戯を思いついた時にする得意げな顔で罰ゲームを提案する。 舞美ちゃんは「無理だよぉ~」とか言って、甘えた声で罰ゲームを拒否している。 本人がとくに意識したわけでもないんだろうけど、舞美ちゃんは困ったときは甘えた声を出すことが多い。 いつも家ではお兄ちゃん二人に囲まれているから、ああやって助けてもらっているのかもしれない。 愛しの舞美ちゃんが甘えた声を出すからか、千聖のやつニヤニヤして「どうしようかな」とか焦らして意地悪をしている。 「ちょっと~罰ゲームはなし。いきなりやれって言われても、無理だよ」 「平気だって。そんなに難しいことはスタッフさんもやらせないからさ。じゃあ、スタッフさんに言ってこよう」 「こら~待ちなさい!! 千聖、こらぁ~」 舌を出し、楽しそうに追いかけられながら逃げる千聖と、追う舞美ちゃん。 二人がどこかへ消え去ったのを見送り、残された私は楽屋へとトボトボと帰る。 帰る途中、またしても私は嫉妬だけじゃなくて、悔しい思いが混じっているのはどうしてなんだろうか考えていた。 悔しい思いでいるのは舞美ちゃんに千聖を取られたからなのか、千聖に舞美ちゃんを取られたからなのか。 どちらなのか、私にはわからない。 考えれば考えるだけ、惨めな思いを自分がするだけなのだから、もうこれを考えるのはやめにしたい。 大事な人を憎むなんて、自分がとっても悪い人間に思えるから・・・ 「舞ちゃん、さっきはごめんね。やっぱり遅刻が許せなかった?」 「舞美ちゃん・・・」 一人、楽屋の隅で黙って座っていたら、いきなり舞美ちゃんから声をかけられた。 「リーダーなのに遅刻はダメだよね。リーダー失格かな、とか言って」 無理をしているのがみえみえだ。 自分でも言いたくないくせにリーダー失格なんて口にするから、自然と顔が引きつっている。 馬鹿だな、舞美ちゃんは。 私はここで仕方ないな、と思って、つい笑ってしまった。 乗せられたくなんてなかったのに、舞美ちゃんのペースになっている。 「もう千聖ったらね、罰ゲーム面白いからしようってスタッフさんに声かけにいったんだよ。信じられないでしょ」 ダメだな、私も。 私に怒ってないよと言ってほしくて、しゃべりっぱなしの舞美ちゃんをみていたら、さっきまでの怒りとかがなくなっている。 嫉妬や悔しさで苦しかったはずの胸も、舞美ちゃんの笑顔をみていたら、許してあげる気になってきたのだから。 お姉ちゃんはお姉ちゃんなんだ。 好きな人を奪っていこうとも、舞美ちゃんは私のお姉ちゃん。 どんなにえりかちゃんがファッションセンスがあってアドバイスをくれても、舞美ちゃんにはなれない。 「馬鹿」 「え、えっ? い、いきなりどうしたの? もたれかかってきて」 「気にしないの。これで許してあげるんだから安いもんでしょ」 「う、うん」 舞美ちゃんの肩に寄りかかると、不思議と温かい気持ちになる。 舞美ちゃんの人柄が目にみえない何かになって、怒っていた私の気持ちをリラックスさせてくれるのかもしれない。 これからも、千聖とのことで悩みは続くとは思う。 でも、私にはこの人がずっとお姉ちゃんなんだ。 お姉ちゃん、今日はこれで私の怒りは抑えてあげるね。 「舞ちゃん、甘えん坊だな~お姉ちゃん、そろそろ着替えないとコンサート始まっちゃうのに」 「あとちょっとだけ。そうしたら、許すから。あとちょっとだけ」 あとちょっとだけ、こうさせて、舞美お姉ちゃん。 ←前のページ トップページ
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いくら外見ばかり大人になっても、舞ちゃんは中身はまだまだ子供だ。 僕が人のことを言えないのはわかっているけど、それでも舞ちゃんも負けず劣らずの悪戯好きな面が強い。 前は舞美ちゃん相手に悪戯していることもあったのに、最近では僕がいい標的になっている。 身長を抜いてますます僕を抑え込みやすくなったから、冬には雪の上でのりかかられてしまった。 あの時は冗談抜きできつかった。 今も今で冗談抜きできついけど、今の状況で冗談を抜いたら笑えない。 舞ちゃんの顔に大量に僕のミルクがかかって、また悪戯をする理由を与えてしまう。 僕の知ってる舞ちゃんなら、結局理由なんてあってないようなものだし、関係ないといえば関係ない。 「ねぇ~このねばねばしたのは何? すんごい出てるんだけど」 舞ちゃんがおちんちんを前後に動かす指をとめ、先っぽから出ている液体をすくってじっくりと眺めている。 AVやエロ本をみても僕にはわからないことが多く、おちんちんの先っぽから溢れる透明な液体の正体は知らない。 一つだけわかっていることがあるとすれば、透明な液体が溢れるのは僕が気持ちよくなっていることだけだ。 「わ、わかんないよ」 「うっそ~。千聖もエッチな本とか読むんだり、AVをみてるから知ってるんじゃないの?」 「な、何で決めつけるんだよ。し、知らないよ」 「はっは~ん。わからないふりして、自分はそういうのに興味ありませんって格好つける気だ」 女の子の勘って、怖いくらいにずばり正解を言い当てることがある。 それがとくに相手にとって、言いあてられたくないことなんかにはよく働く。 今回の場合、僕が℃-uteのメンバーたちの前だとまだエッチを知らない純情ぶることだ。 愛理やえりかちゃんにはもう恥ずかしい姿をみられているのに、まだ抵抗する自分がいる。 舞ちゃんと舞美ちゃんの前では余計に強い。 「ち、違うよ。僕は本当に知らないだけなんだ。舞ちゃんもこんなことやめろよぉ~」 「だぁめ。千聖が顔を真っ赤にして恥ずかしがってる姿をみてたら、やめたくなくなっちゃった」 ひざを抱えるように座る姿勢のまま、舞ちゃんはずっと僕のおちんちんを弄っている。 その手は人間が動かしているとは思えない正確な動きを続け、僕に一休みだってくれやしない。 「ふふっ。千聖、足が震えてきてるよ。ガクガクいってる。しっかり立ちなよ」 「む、無理だよ。そっちが手を放してくれないと、しっかり立てないの」 「そんなこといってさ。こっちはしっかり勃起ってるじゃん。こういうの勃起って言うんでしょ?」 僕の顔を見上げ、私は何でも知ってるのとでも言いたげな表情を向けてくる。 「ど、どこでそんな言葉、覚えてくるのさ。保健の教科書なんていうなよ」 「そんなわけないじゃん。千聖の知ってることくらい、舞でも知ってるんだから。で、こうするともっと気持ちいいんでしょ?」 舞ちゃんは手で僕のおちんちんを包みこみながら、口を大きく開けてぱっくりと咥え込んできた。 何のためらいもなく、舞ちゃんは僕のおちんちんをあっさりと口に入れるから、一瞬何が起こったか理解できなかった。 ゆっくりと僕の下半身の中心にある舞ちゃんの頭が動くのを見守る。 AVでも聞いたことないようないやらしい音をたてながら、舞ちゃんは舌を使って丁寧に舐めている。 「ま、舞ちゃん、な、何してるんだよ。今度こそ本気でやめないと怒るぞ。こら、舞」 「んふっ、千聖はこれが気持ちよくないんだ。本当は気持ちよくてやめてほしくないくせに」 そうだよ、僕は君があのフェラチオをしてくれていることがすごく気持ちいい。 考えていることが吹っ飛んでしまいそうなくらい、気持ちよくてやめてほしくなんかない。 でも、それでも僕は君にやめてって言わないといけないんだ。 君と僕は友達なのにこんなことしていたらおかしいんだよ。 「千聖、いつまで余裕ぶっていられるかなぁ~やめてって言ってもこっちはやめてほしくないんじゃない」 舞ちゃんは頬にかかる横髪をはらい、とても中学生の女の子がみせるとは思えない笑いを浮かべた。 これがいつか聞いたことがある妖艶か、とはこの時は思い当たるわけもなかった。 ←前のページ 次のページ→
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「やめろって言ってるだろう・・・バカ舞。うぅ・・・やめ・・・うぉう」 「ふふっ、やめ・・・うぉう、だって。しっかり気持ちよくなっちゃってるくせに」 スッポンは噛みついたら決して放さないって話に聞いたことがある。 今の舞ちゃんはまるでスッポンみたいに僕のおちんちんから放れてくれそうにない。 「千聖が気持ちいいのはわかったから、無理しなくていいよ。私がイカせてあげる」 何て言葉を言うようになってしまったんだろう。 夢でも見ているような錯覚さえする。 僕の知っている舞ちゃんは、冗談でもこんなエッチな言葉は使わなかったっていうのに、今、「イカせてあげる」と言い出した。 僕みたいにAVやエロ本をみて言葉を覚えたならいざ知らず、舞ちゃんがそんなものを見ているとは思えない。 どこで覚えたのかはわからないけど、とにかく実際問題、舞ちゃんは「イカせてあげる」と言っている。 自分の中の舞ちゃんのイメージが崩された気がして、何とも言えないショックがある 「ぼぉ~っとしちゃう程気持ちよくなってた? 千聖君、大丈夫?」 「ち、違うって。ただ考え事してただけだよ。大丈夫って言うなら、やめろ」 「やめろって何を? はっきり言ってくれないと舞わかんなぁ~い」 白々しいったらありゃしない。 自分でしていることの意味がわからないでもないくせに、よくもこんな事が言えたものだ。 僕が抵抗もしないものだから、じっくり苛めてやろうって考えでもしているに違いない。 やめてほしければ何をしているか言いなさい、とでも言いたいんだ。 僕に『フェラチオ』って言わせて、恥ずかしがるのを見て楽しむ気満々なんだ。 ここまで出来ると怒りを通りすぎて感心してしまう。 「ほら、何をやめてほしいのかいいなよぉ~千聖」 「そんなのわかってるくせに。僕のあ、あ、あそこをペロペロ舐めるのをやめるんだ」 「あそこだって。今どき、小学生でも言わないよ。そっちこそわかってるくせに言わない気だ」 こっちがせっかくオブラートに包んであげたのに、『おちんちん』と口に出来ない僕を馬鹿にする。 よくよく考えれば、舞ちゃんは「フェラチオ』と言わせたいのだから、『おちんちん』くらい隠さなくてもよかった。 「じゃ、じゃあ言うぞ。ぼ、僕のおちんちんを舐めるのをやめろ」 「はいはい。やめてあげるね。舞の気が済んだら」 「お、おい。もう本気で本気で怒っちゃうからな。舐めるのをやめるんだ~!!」 「残念でした。千聖が答えたのは時間切れした後なので、舞ちゃんはやめてあげません」 そう言い終わると舞ちゃんは急に速度を早めた。 手でしっかりと前後にしごかれ、口で先っぽを咥え込まれる二重の刺激で逃げられそうにない。 友達なんだからこんなことしちゃいけない、そう思っているんだから口で伝えればよかったんだ。 ちゃんと言葉で伝えていたら、舞ちゃんはやめてくれたかもしれない。 なのに、そう言えなかったのはどこかでやめてほしくないって気持ちが強かったからなんだろう。 ダメだな、これでは友達失格だ。 「千聖~どうしたの? 顔が真っ赤だよ」 「うぅ~ダメだ。で、出るよぉ~」 「ははは、そうなんだ。何がって言うのは聞かないでおいてあげる。十分いいものみてるから」 「口を放すんだ。じゃないと危険だよ。ほら、舞、放せ」 ヤバい、限界が近付いてきている。 僕がどんなに意識を別のところに持っていったところで、快感は増していく。 それがもう僕の中の限界を振りきって、体の外へ気持ちよさを発射しようとしている。 男の子の気持ちよさの発散は、日によって飛び散り具合から量などが変わる。 今日のはとても濃い目で量も結構なものだってことだ。 そんなものが舞ちゃんの口に発射されるわけにはいかないから、僕は必死に訴えた。 「舞ちゃん、もう口を放して。口の中に出たらとんでもないことになるんだぞ」 「知ってるよ。いっぱい出すところが見たいの。だから、抵抗しな・・・う・・・ん~」 言わんこっちゃない。 僕があれほどやめるよう言ったのを無視するからこうなるんだ。 舞ちゃんは僕を突き飛ばし、口の中から白く濁った液体を吐きだした。 むせ返り涙目で僕を見上げてくる瞳に、強い怒りの光があるのを見てしまった。 口元を手で拭いながら、舞ちゃんが再び不気味に笑い出した時、僕は背筋が冷える思いがした。 ←前のページ 次のページ→
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リ ・一・リ<番外編もいいところの位置づけ作品ですので、結構エロ色強いかもしれません でも、これを読むときはマイケルジャクソンのスリラーを聞きながらをおすすめします 何でかってことは最後まで読んでもらえればわかってもらえると思います 九月に入って新学期がはじまったけど、相変わらず僕の生活は変わらない。 学校にいっては居眠りをして先生に叱られて、放課後になると℃-uteとして仕事をするため電車に乗って東京に行く。 いくら寝ても寝たりないくらいだから、しっかりと電車での移動時間も無駄にしない。 窓ガラスを枕にして、電車でも僕は夢の中へと落ちていく。 今日はいい夢が見られるといいな、なんて僕は期待しながら意識を閉じた。 「千聖、起きろ。もう時間だぞ」 ずっと寝ていたいくらいなのに、僕の睡眠の邪魔をする誰かの声が響く。 しかも手で大きく体を揺すってくるだけに、さすがに起きないわけにはいかない。 仕方なしにうっすらと目を開け、睡眠のお邪魔虫が誰か確認してみた。 「舞ちゃん、か。どうしたのさ。僕はまだ電車の中でしょ。だったら、寝ててもいいはずだよね」 「何言ってるの。ここはコンサート会場だよ。もうすぐ本番なんだからね」 「そっか。おかしいな」 ぼりぼりと頭を掻きながら、今いる場所を見まわしてみると、舞ちゃんのいう通りにここはコンサート会場だった。 あれ、おかしいや。 僕は確かに電車に乗って移動中だったはずなのに。 「どうした、そんな顔をしてさ。本番なんだぞ、本番」 「本番ってそんなに強調しなくていいって。わかった、シャキっとするよ」 頬が痛いのを我慢して眠気覚ましにと、僕は軽い力で何度もと顔をはたく。 これくらいしないとだらけきった頭が起きてもくれない、頑固な眠りなのだ。 こうすると、不思議と眠気も取れてばっちりと起きられる、はずなんだけど、痛みをまるで感じないのはどういうことなんだろう。 さっきからぼぉとする眠気も覚める様子がない。 まるでまだまだ夢の中にいる感覚なのだ。 「千聖、まだ眠り足りないって顔してるよ。そっか、コンサートなんかどうなってもいいんだ」 「ち、ちがうって。何言うかな。そんなわけないじゃん」 そうだ、そんなわけない。 僕を見に来てくれているお客さんだっているのに、その人たちをがっかりさせて帰したくはない。 ほっぺたをつねるくらいの痛みがないと、僕は起きられないのかな。 ここは痛みに耐えてでもつねって、頭をはっきりとさせないといけない。 僕はいたたたと声をあげながら、頬をつねったはず・・・だったのに、痛みを感じない。 「千聖は本当にダメだね。ようし、わかった。本番は本番でも、こっちの本番で起こしてあげるね」 舞ちゃんはあまりにも僕が居眠りしていたものだから、意地悪でもするつもりなんだろう。 悪戯を思いついたときのあの不気味な笑顔になった。 どうしたって言うんだ、僕は全身から冷や汗が出るのがわかった。 「千聖、舞もね・・・実は・・・男の子なんだよ・・・ほら」 舞ちゃんが男の子!? そんな馬鹿な、と僕が疑う余地もなく、目の前には男の子である証拠が舞ちゃんの股からぶら下がっていた。 次のページ→
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「まったく、子供だなあ千聖は。」 お風呂ごときではしゃぐなんて、お嬢様でも千聖は千聖。何だか安心して、千聖の後を追うべく私も着替えを始めた。 「ん?」 ふと、脱衣籠に入っていた千聖のおブラに目が留まる。・・・千聖って、結構、あるよね。胸。 誰もいないことを確認して、私はそれを手に取った。おそるおそるタグを覗き込んで、カップ数を確認する。 orz orz orz orz orz orz いや、何となくわかってましたよ?でも、私だって最近膨らんできたような気がしなくもないような感じがしなくもないような気が(ry 甘かった。こんなに自分と差があるとは思わなかった。 よく舞美ちゃんや愛理が着替え中悲痛な顔で「ちっさー・・・胸大きいね」とかいって絡んでるのは知っていたけど、私はあえてその輪には入らなかったから、現実を知らなかったのだった。 「・・・・・」 まだ千聖のぬくもりの残るそれを自分の胸に重ねてみる。 ・・ゆるっゆるでんがな。すっかすかやで。身長はとっくに抜かしてやったけど、こっちは完敗だ。 千聖は背が低いことをすごく気にしている。胸は別にいらないから身長が欲しいとまで言っていた(あの時は舞美ちゃんの笑顔が凍った)。 お嬢様になる前から胸に関してはそんな感じだったし、気にしてるならじろじろ見るのも悪いと思って、一緒にお風呂に入っていても、私はあえて千聖の胸は見ないようにしていた。 でも、もういいか。正直、これはうらやましいぞ千聖。こうなったら穴が開くほど見てやる。生ちさπ。 「千聖?いないのー?」 すりガラスの向こうに足を運んでみたけれど、千聖の姿が見当たらない。 黒いタイルの床と、ワインレッドの丸いお風呂。思ってたより大人っぽい内装だった。 浴槽の隣にあるサウナを覗くと、千聖はいなかったけれど、奥に扉があるのがわかった。まるで隠し部屋だ。 「・・・いた。やっぱり」 「クフフ」 案の定、扉の向こうに千聖はいた。 「こういうの好きだよねー、千聖。秘密基地みたいなの」 「なんだかわくわくしない?私達、気づかなければここは利用できなかったのよ。」 そこは大きなベランダぐらいの広さの露天風呂だった。寒かっただろうに、千聖はバスタオル一枚で私が来るまで待っていてくれたみたいだ。 「バカじゃないのー。冷えてるじゃん。」 うっすら鳥肌の立った肌をなぞると、千聖は照れくさそうに肩をすくめた。 2個並んだシャワーで体を洗ったあと、ひのきの匂いのお風呂に肩を並べて入った。 「ハァ・・・気持ちいいわね」 「だねー。」 まだ外は薄暗くて、夜明けという感じじゃない。私達みたいな中学生の子供が、こんな時間に貸切の大人っぽいお風呂を独占してるなんて、何かカッコいい。 しかも私はお風呂だけじゃなくて、千聖まで独り占めしている。かなりいい気分。・・・だったのだけれど。 「せっかくだから、みなさんともここを使ってみたかったわね。チェックアウトの前に、お誘いしてみる?内風呂も使えば、7人でも大丈夫よきっと」 「・・・何それ。舞と2人じゃ嫌なの?」 「え?あ・・ごめんなさい。そういうつもりじゃ」 何だかムカムカして、私は千聖を困らせてやりたくなってしまった。 「きゃあっ!?何するの、舞さん!」 思いっきり背中から抱きついて、千聖の胸を強く握ってみた。・・・これが●カップの感触ですか。すべすべでふにゅふにゅ柔らかくて、気持ちいい。女の子の胸なんて、こんな風に触ったことがなかった。 「ま、舞、さん・・・痛っ・・・」 少し顔を歪めて、千聖はゆるゆる首を振る。 「千聖は舞のなんだからね」 いつだったかえりかちゃんに宣戦布告したそのセリフを、今度は千聖本人に告げた。こげ茶色の黒目がちな瞳が揺れる。 「わ、私は・・・物じゃないわ。離してちょうだい」 口調は穏やかだけれど、千聖は力を入れて私の手を引き剥がそうとしてきた。負けず嫌いな私は、むきになってさらに力をこめてしまった。 「っ!」 うつむいた唇から、ワンちゃんがあげるような甲高い悲鳴が漏れた。 「・・千聖は、だ、誰が千聖の一番なの。」 「え・・・?」 少し力を緩めて、後ろから密着したまま、私は千聖の耳元でボソボソ喋った。 「舞がどんな夢見たかわかってるの」 「・・・舞さん、おっしゃってる意味が・・」 「私が何考えてるか、わかってるの、千聖。」 少しの沈黙の後、千聖は胸に添えられた私の手をそっと離した。くるっと振り向いて私を見つめる顔は、ほんのり赤くて、私の知らない大人の顔をしていた。 「わ、私は、千聖が、え、え、えりかちゃんとしてることがしたいの。それ、誕生日プレゼントにして。」 「舞さん・・・」 千聖の切れ長の目が、大きく見開かれる。・・・ついに言ってしまった。 なっきぃと2人でえりかちゃんと千聖のアレを見てから、栞菜に愛理と千聖の秘密を聞いてから、私はずっと千聖のことを考えるたびに、もやもやとむずむずが押し寄せてきていた。そして、あんな夢まで見てしまった。 「・・・ごめん、キモイよね。今のなし。もう上がろう。」 何も言わない千聖の目線に耐え切れず、私はお風呂から出ようとした。 「待って、舞さん。」 その時、千聖が私の手首を強く引っ張った。 「うわっ」 千聖はそのまま私をやんわりと抱きしめた。・・・あの夢みたいに、千聖の熱い息が耳をくすぐる。 「うひゃっ」 小さな手が、私の胸をつーっとなぞった。 「千聖・・・」 「こんなことを、誕生日プレゼントにしていいのかわからないけど」 千聖は困ったように眉を下げて笑った。 「舞さん、リラックスしてね。」 「う、うん」 私が望んだこととはいえ、こんな行為に及ぶのは初めてだから、緊張が隠せない。 「私も、こういうのは初めてだから」 「う、うん。・・・え?」 「上手くできるかわからないけれど」 「ちょ、え、何言っ」 背中に硬い岩の感触。いつの間にか私は、ひっくりかえったカエルみたいな格好をしていた。目線はお風呂の雨よけ。 「えりかさんにしていただくことを参考にしてみるわね」 「は?ちょっと、」 それ違う、千聖!逆でんがな!舞が望んでいるのは逆!千聖×舞じゃなくて舞×千聖! 「ふふ、舞さん」 千聖の濡れた髪から滴がポタポタ落ちてくる。 「アッー!!」 私が最後に見たのは、重力に従ってぷるぷる揺れる、千聖の立派なたゆんたゆんだった・・・。 「舞、舞!しっかりして!」 「ん・・んぅ?お姉ちゃん・・?」 「よかった、舞起きたよ!」 気がつくと、お姉ちゃんが私の顔を覗きこんでいた。 「舞、上のお風呂でのぼせちゃったんだよ。覚えてる?」 「のぼせ・・・」 「ちっさーがケータイで私のこと呼んでくれてさ、2人で背負って部屋に戻ってきたんだよ。」 こわごわ千聖の顔を見ると、「水分、取りましょう」と言って、いつもどおりの笑顔でスポーツドリンクを差し出してきた。 「あ、ありがとう」 ――態度が普通すぎる。まさか、あの出来事はまたも私のエロい夢だったんじゃ・・・いや、でもまだ何か体が火照ってるし、舞のマイが大変なことに 「なぁに?2人ともあのお風呂入ってきたんだ?いいなー、私も行こうかな。」 「「栞菜はダメ!!!」」 「んぎゃ!」 全く同じタイミングで、千聖と私はカードキーを持って部屋を出ようとした栞菜の足に飛びついた。 「ひっどーい!痛いよ!何で栞菜はダメなんだよ!舞美ちゃん、何とか言ってよ!」 もんどり打って倒れながら文句を言う栞菜をお姉ちゃんに任せて、私は改めて千聖と見つめあった。 「・・・栞菜は変な勘が働くから、クンカクンカされたら大変。」 「・・・そうだよね」 ということは、夢じゃなかったんだ、アレ。嬉しいような、悲しいような・・・ 「舞さん、お誕生日おめでとう。」 「・・・半分、ありがとう。」 「ええ?」 今のところ おふろでちさ×まい(不本意)<<トイレでちさあいり<<<<コテージでうめちさ といったところだろうか。 ――まあ、越えられない壁を越えられたことだから、よしとしよう。 「千聖の誕生日は、舞がするからね。約束。・・・別に、誕生日じゃなくてもいいけどさ」 「もう、舞さんたら。」 思いっきり抱きついて甘えると、千聖はお姉さんモードで頭をポンポンしてくれた。 この笑顔がいつか舞だけのものになりますように。 そんな密かな願いを頭に浮かべながら、私は後の3人が起きてくるもう少しの時間だけ、千聖を独占させてもらうことにした。 前へ TOP コメントルーム 今日 - 昨日 - 合計 -