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【冬休み五日目】(合宿三日目) 京太郎(はうっ……!) 京太郎(体が重い……!けれど俺の眼は開いている!) 京太郎(これが世に聞く金縛りと言うやつなのか……!) 京太郎(……でも本当に重いな、何なんだろ) 京太郎(何だこの柔らかい感触)プニプニ 京太郎(弾力があって、スベスベで……)プニプニ 京太郎(こんな抱き枕あったっけ?)プニプニ 京太郎「……」バサッ 穏乃「…………ん~」ギュゥ 京太郎「なんだ高鴨か……」プニプニ 京太郎「……高鴨!?」 京太郎(何これなんだよこれ!なんで俺裸なの?ってかなんで高鴨まで裸なの!?) 穏乃「京太郎……寒い……」ギュゥ 京太郎「ちょっ、そんな寄せられるとまずっ―――!」 穏乃「んっ…………」モゾモゾ 京太郎(こっ、これは世に聞く素股……!?) 京太郎(回復技「あさのひざし」で覚醒したマイサンが高鴨の太ももに包み込まれているだとォ!) 京太郎(まずい、この状況は非常にまずい!) 京太郎(第一この状況を咲に見られでもしたらまず冥土直行便!) 京太郎(高鴨を起こせば事情は聞ける、だがこの快感は得られなくなってしまう……!) 京太郎(どうする!どうする俺!) 京太郎(昨日何があったかは知らないが……) 京太郎(こんなところにいられるか!俺は布団に戻る!) 京太郎(さーて寝巻寝巻ー) 京太郎「なんで高鴨の布団にあるんだよ……へくしょん!」 京太郎「さむっ、早く着替えないと」 京太郎(高鴨が俺の布団で寝てるから、俺は高鴨の布団で寝ないとか) 京太郎(夜話してたとき、あいつずっと枕抱きしめてたよな……) 京太郎「」クンクン 京太郎(何これ、高鴨みたいなのでもこんな匂いするのか) 京太郎(すげえ、クセになりそう) 京太郎(つーか、そもそもなんであいつが俺の布団にいたんだ?) 京太郎(……まあ、起きた後で聞けばいいか……) 京太郎(…………) 京太郎(なんとか起床時間前に起きて高鴨を移動させておいた……) 京太郎(なんでああなったんだ……?) 朝 京太郎「はい、それでは練習を始めまーす」 咲「いつもより元気なくない?大丈夫?」 京太郎「ああ、大丈夫、無問題だ」 京太郎(昨日は何があったんだ……気になってしょうがないぞ) 咲「?」 穏乃「京太郎、おはよっ!」 京太郎「よっす」 穏乃「なんか元気無いね、どうしたの?」 京太郎「ん……なんでもない」 穏乃「そっかー」 京太郎(高鴨のせいだなんて言えないよな、俺の夢だったという可能性も否めないわけだし) 京太郎(って、今俺高鴨と二人っきりじゃん、話聞けるじゃん) 京太郎(どうしよ、聞いてみようかな……) 京太郎「高鴨、ちょっと聞いてもいいか?」 穏乃「え?なになに?」 京太郎「今日夢見た?」 穏乃「へ?」 京太郎「いやー、今朝俺と高鴨が裸で抱き合ってる夢見てさ」 京太郎「やっぱりそんなんありえないよなー」 穏乃「…………」 京太郎(静かになった?考えてるのか?) 穏乃「う、うん!そうだよ、私と京太郎がそんなことするなんて、そんなの絶対おかしいよ」アセアセ 京太郎「……お前って俺のこと京太郎って呼んでたっけ?」 穏乃「えっ、ほ、ほら、大星さんとか三尋木さんとか京太郎って呼んでたから私も呼ぼーって」 京太郎「そうなのか?」 穏乃「そ、そーだよ!あ!あっちの対局終わったみたいだから私行ってくるね!」 京太郎「高鴨?」 ―――時をさかのぼること、深夜 穏乃「ん……」モゾモゾ 穏乃(ダメだ、目が覚めて寝れないや) 穏乃(どうやったら寝れるかな……) 京太郎「ん~……」Zzz 穏乃(須賀……かぁ) 穏乃(男の子の身体ってどんなんなんだろ) モゾモゾ 穏乃(浴衣だから脱がしやすいなぁ)モゾモゾ 穏乃(うわ、これが男の子の身体か)サワサワ 穏乃(これ全部筋肉なのかな、あ、乳首とかもあるんだ) 穏乃(……なんか暑くなってきたな……)モゾモゾ 穏乃(誰も見てないし、脱いじゃえ!) 京太郎「んぅ……」ギュゥ 穏乃「へっ!?」 穏乃(私、抱きしめられてる?) ギュゥゥゥ 穏乃(少し苦しいけど……でも、安心する……) 穏乃(私も……)ギュゥ 穏乃(ちょっと息荒くなってきた……なんでだろ) 穏乃(眠くなってきたし……このまま……)ギュゥ 穏乃(京太郎…………京太郎、かぁ……) 穏乃(そんなことがあったなんて言えない!絶対に!)ブンブン 京太郎(結局あれは夢だったのか、一夜の過ちとかじゃなくてよかった、うん) 淡「きょうたろー、何の話してたのー?」 京太郎「ん?高鴨とか?」 淡「なーんか変な話をしてた気がするんだよねー」 京太郎「いやまさか、高鴨はそういうのに縁なんて無い方だろ」 淡「んー、だよねー」 京太郎「それで、次はお前が抜けてきたのか」 淡「そーそー、でもさ、練習ばっかだと疲れるから喋って時間つぶさない?」 京太郎「まあいいけど」 淡「じゃあ何話そっかー?」 京太郎「俺としてちょっと気になることがあんだけどさ」 淡「何?」 京太郎「なんで男女が同じ部屋に寝てるのにエロエロなイベントがほとんどないんだろうな」 淡「えっ、いくらきょうたろーでもそれは引くよ?」 京太郎「お前相手だったらこっちから願い下げだよ」 淡「いくらきょうたろーでもそれは怒るよ?」 京太郎「いやだってお前……」チラッ 淡「?」ペターン 京太郎「ふっ」 淡「鼻で笑った!今鼻で笑ったよね!」 京太郎「高鴨みたいな太もものエロさもなく、滝見さんほどの胸もない淡……ふっ」 淡「可愛いじゃん!私、可愛い!ほらほら!」 京太郎「はいはい可愛い可愛い」 淡「ばーかーにするなー!」ポイッポイッ 京太郎「痛っ!痛い!牌投げるなって!痛っ!」 昼 京太郎「午後は自由時間にするから、どっか遊びに行っていいぞー」 穏乃「やった!ラーメン!ラーメン!」 淡「サキサキー、どこ行こっかー」 咲「私は……行きたいところとかはあんまりないかな、咏ちゃんは?」 咏「んー私もよくわかんねーし、大星に任せるよ」 淡「任されたよ!じゃあれっつらごー!」 ワイワイガヤガヤ 春「…………」ポリポリ 京太郎「…………」 春「…………」ポリポリ 京太郎「滝見さんはどこか行ったりしないのか?」 春「」コクッ 京太郎「そっか、外寒いもんなー」 春「……そっちは?」 京太郎「あいつらの輪に入るのはなんか悪い気がしてな、邪魔しちゃいそうだし」 春「…………」ポリポリ ゴソゴソ 京太郎「何してるんだ?」 春「笑う犬」 京太郎「DVDなんてあるのか、知らなかった」 春「」コクッ 京太郎(……暇だ) 京太郎(部屋の中には俺と滝見さんだけ) 京太郎(何かすること……)チラッ 春「……」ポリポリ ポヨン 京太郎(胸……おっぱい……乳……おもち……) 京太郎(滝見さんの豊かな胸を観察し、研究する……天才なのか俺は!) 京太郎(……だが、どういう場面を研究すればいいんだ?) 京太郎(ここは滝見さんに揉ませてもらって、実際の揉み心地を研究しよう!) 京太郎(頼み込むなら土下座というのが古からの習わし!) 京太郎(本当にすまないという気持ちで……胸がいっぱいなら………!どこであれ土下座ができる……!たとえそれが……) 京太郎(肉焦がし……骨焼く……鉄板の上でもっ……!) 京太郎「滝見さん!」 春「……何」 ブス… ∫ ;′ ∫ ,;′ ブス…',. -――-゙、 ;' ジジジ… ; / へ ` 、'; ∫ 京太郎「俺に!胸を揉ませてください!」 _;'___{. , -/、/=;´イヽ;'_ /三三j='rー、\_ 、)_℡, ;;〉三'`、ジジ… /三三└'゙ー ;‐;;‐;;'`ー;;ヾ'`"´三'三;`、 囮ヱヱヱヱヱヱヱヱヱヱヱヱ囮 囮災炎災炎炙災炒炎災灸災炭囮 ◎┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴◎ 春「…………」 春「…………」ポリポリ ヤッタ!ヤッタ!ヤッタ! 春「……ふふっ」ポリポリ 京太郎「見なかったことにしないで!せめて反応して!寂しいから!」 春「…………許可すると思う?」 京太郎「いいえ全く」 京太郎「だが!しかし!それでも!ここで退くわけにはいかないんだ!男として!健全な青少年として!」 春「……無駄な情熱」 京太郎(本当に揉みたいという気持ちで……胸がいっぱいなら………!どこであれ土下座ができる……!たとえそれが……) 京太郎「頼む!この通りだ!」 春「……どうして?」 京太郎「俺はただ、滝見さんの胸が揉みたい!触りたい!あわよくばしゃぶりつきたい!だって欲求不満だから!」 京太郎「滝見さんなら、俺の願望を満たしてくれると思ってる!俺は滝見さん(の胸)が大好きなんだ!」 京太郎「一目見たときから思ってた!頼む!俺に揉ませてくれ!」 春「…………」 春「……病院に行くべき」ジトッ 春「頭の」 京太郎「冷たい!視線も言葉も冷たい!だが、俺は――――ッ!」 春「…………」ジトッ 京太郎「…………」 京太郎「ごめんなさいでした……」 春「…………」ポリポリ 京太郎(……俺は、何をしていたんだろう) 春「…………」ポリポリ 京太郎『俺は滝見さん(の胸)が大好きなんだ!』 春「…………」ポリ... 夜 京太郎「練習再開だ、準備しろー」 淡「えー!今晩も休ませてよ!」 京太郎「終わったら散々くつろいでるだろうが」 淡「むぅ……」 京太郎「結局お前が来るのか……」 淡「だって遊びたいんだもん!」 京太郎「お前なぁ……」 淡「ほらほら、ちゃっちゃとやっちゃお?」 京太郎「……はぁ」 淡「ねーねーきょうたろー」 京太郎「何だよ」 淡「私のこと好きー?」 京太郎「はぁ!?何言ってんだよ」 淡「どーなの?」ズイッ 京太郎「……まあ、好きか嫌いで言えば……嫌いではないけど」 淡「じゃあ好きなんだ!」 京太郎「そういうわけでもないんだが……それが何だよ」 淡「じゃあさ!じゃあさ!」 淡「私が頑張ったらさ、いっぱい甘えていい?」 京太郎「甘える?」 淡「撫でてもらったり、お菓子食べさせてもらったり?」 京太郎「ん……いいぞ、それでお前が頑張れるなら」 淡「よしっ!たくさん頑張っちゃうよ!……っとその前に」ポスン 京太郎「おい」 淡「これ知ってる?充電っていうんだよ?」 京太郎「いや知らないけど」 淡「こうすると淡ちゃんパワーがどんどん溜まっていくんだ!こう、ドバァーっと!」 京太郎「さいですか」 淡「よーし、頑張ろー!」 咏「よっす」 京太郎「よっ」 咏「あんさぁ、京太郎ってもうオーダーとか決めた?」 京太郎「いや、まだ全然だけど、そろそろ決めた方がいいか?」 咏「そうなんじゃね」 京太郎「一つ大会のことで気になってたんだけどさ、一戦目と二戦目でオーダー変更とかできんの?」 咏「ああ、できるはずだったと思うぜぃ、知らんけど」 京太郎「そっか……ちゃんと考えなきゃな」 京太郎「ほい、それロン」 咏「うげっ、また和了られた……」 京太郎「もうちょい守備堅くした方がいいぞ、大きいの和了る前に和了られてたら意味ないしな」 咏「それもそうなんだけど……京太郎が強いんだよ」 京太郎「やるからには本気でやらないとダメだろ」 咏「確かにそうなんだけどさ……」 京太郎「ま、こっからも一緒に頑張っていこうぜ」 咏「……おう」 咏(……ってか、京太郎なら多分……) 咏(……違う、今はそんなこと考えてる時間じゃねえ) 【風呂】 カポーン 京太郎「ふぅ~」 京太郎「明日で合宿最後か、今まで誰かが入ってきて落ち着けなかったけど」 京太郎「今日だけでもゆっくり休めてよかった……」 ザバッ 京太郎「うっし、明日も頑張ろう!」 京太郎(臨海の監督さんたちもここに泊まってるんだよな……) 京太郎(まだ、俺がこいつらを引っ張れてるのか不安だし、行ってみよう) 淡「ねえーきょうたろー聞いてる?」 京太郎「ん、おお聞いてる聞いてる」 淡「ホントにー?」 京太郎「ホントホント」 淡「んーとね、それで――――」 ―――一時間後 京太郎「」キョロキョロ 京太郎「作戦、開始だ」 コンコン 京太郎「失礼しまーす」 京太郎「監督さんの部屋がここだって聞いて来たんですけど……」 霞「あら、京太郎くんじゃない」 晴絵「おっす、須賀くん」 善野「何しに来たん?」 京太郎「皆さん同じ部屋で寝てるんですか……?」 トシ「そういう仕様らしいから仕方ないんだよ」 臨海「キョウタロウ?」 霞「それで、何の用なの?」 京太郎「はい、実は――――」 雅枝「なるほどな、つまりはアドバイスが欲しい、いうことやな」 晴絵「シズとかは直線的で扱いやすいと思うけどなぁ」 京太郎「あいつ以外が問題なんですよね」 臨海「それなら、私たちでレッスンしてあげるのがよいでしょうか」 霞「そうですね、少し夜が遅いですけど」 善野「須賀くん、時間大丈夫?」 京太郎「はい!頑張ります!」 トシ「それじゃあ始めようかね」 臨海「―――――と、ざっとこんなものかな」 晴絵「どうだ?勉強になった?」 京太郎「なるほど、ばっちりです!」 トシ「彼女たちと同い年の須賀くんなら、親身にもなってあげられるし、発破だってかけやすいはずさね」 雅枝「あのチームをまとめるのに適してるっちゅうわけやな」 京太郎「そうだったんですか?」 善野「せやから、須賀くんも自信持って頑張ってな」 霞「敵同士だけど、頑張ってね」 京太郎「はい!本当にありがとうございました!」 臨海「ここまでで、いいかな」 京太郎「同じホテルなのにわざわざ見送りなんていいですよ」 臨海「これでも私たちは教育者だからな、心配なものは心配なんだ」 京太郎「そうっすか、ありがとうございます」 臨海「いや、礼なんていらないよ」 京太郎「でもこんな時間に俺の相談に乗ってくれて申し訳ないというか」 臨海「……そういえば、君はどうして私を訪ねてきたんだ?石戸先生の方が相談もしやすかっただろうに」 京太郎「んー……監督さんが頼りになりそうだったから、ですかね」 京太郎「霞さんたちが頼りないってわけじゃないんですけど、一昨日とか俺のこと看ていてくれたじゃないですか」 京太郎「だから監督さんのところに行こうとしたんだと思います」 臨海「……そう、か……そう言われて悪い気はしないな」 京太郎「というわけで、ありがとうございました」 臨海「うん、頑張ってくれ」 京太郎「へへっ、負けませんからね」 臨海「こちらもそう老いぼれちゃあいないよ、じゃあな」スタスタ 京太郎「おやすみなさーい」 【冬休み5日目】(合宿三日目)終 【冬休み6日目】(合宿四日目) 京太郎(清々しい朝!冬の日差しにその寒さ!) 京太郎(けどさぁ……) 京太郎「…………」サワッ 咲「んっ」ビクッ 京太郎(なんで咲の胸を触ってるんだ俺……)サワサワサワサワ 京太郎(ってかなんでこんな後ろから抱き着いてるような体勢になってんだよ……)サワサワサワサワ 京太郎(今までないものだと思ってたけど、服越しでも案外あるもんなんだな)サワサワサワサワ 京太郎(そもそも昨日何があったんだ?)サワッ 咲「あっ、んっ……」ビクビクッ 京太郎(急に震えだしたけど、寒いのか?) 京太郎(布団もっとかけてやらないと……) バサッ スタスタ... 咲(なんか変な感じがしたから起きちゃったけど)モジモジ 咲(何なんだろうこの感じ……体がすごく熱くて……) 咲(ちょっと気持ちいい、かも……) 咲(京ちゃん、私の胸が好きなのかな) 咲(……触ってくれたってことはそういうことだよね) 咲(なんだか、嬉しいな) 朝 京太郎(……はっ!) 京太郎(朝、か?) 京太郎(でもなんか暑いような……) 咏「ぅ…………」モゾモゾ 京太郎(なんでまた俺の布団で寝てるんだよ……) 京太郎(小さいからはみ出なくっていいけどさ) 京太郎「えいえい」ツンツン 咏「にゅ……ぅ……」プニプニ 京太郎(一昨日は滝見さん、昨日は高鴨、そんで今日は咏か) 京太郎(何なの俺、何か憑いてるんじゃねえの?) 咏「んぅ…………きょぅたろぉ……」 咏「……すきぃ…………」 京太郎「!」ビクッ 京太郎(びびったぁ……寝言か、そりゃそうだよな) 京太郎(第一好かれるようなことあんました覚えないし、うん) 京太郎(けど、もし俺が咏と付き合ったら……) 京太郎(…………) 京太郎(通報されるな) 淡「今日はみんなで人生ゲームをしよー!」 京太郎「……はぁ」 咲「いいの?京ちゃん」 京太郎「ときには息抜きも必要だろうからな」 淡「私黄色使うねー!」 春「……青」 穏乃「じゃあ私は赤!」 咏「んーと……じゃあ私は緑にするかねぃ」 淡「あ、そーだ!一番金持ちの人は誰かに命令できるってことにしよ!ってかそうするから!」 京太郎(うわぁ、めんどくせぇ……) 淡「今めんどくせえって思ったでしょ!」 京太郎「なっ、どうしてそのことが!」 淡「私ときょうたろーは以心伝心だからね!愛し合ってるっていうのー?」 咲「」ムッ 咏「」ムッ 淡「んー、私が勝ったら何しよっかなー」 春「勝たないから心配しないでいい」ポリポリ 淡「へータキミン言うねー」 京太郎「とっとと始めるぞー」 一位 京太郎 二位 春 三位 穏乃 四位 淡 五位 咲 六位 咏 淡「うわ、びみょー」 咲「また家が燃えちゃったよぉ……」 咏「竜巻で飛ばされるよりまだマシだろ……」 穏乃「やった!ブラックバス釣れた!」 京太郎「何とか一位だったけど、滝見さんすげーな」 春「……ギャンブルは得意」ポリポリ 京太郎「俺が一位だから何か命令していいんだよな?」 淡「……チッ」 京太郎「あくどい顔で舌打ちするなよ!なんか恐いから!」 京太郎「じゃあ咏が俺にマッサージ、咲は滝見さんにマッサージな」 咲「え?」 咏「ふぇ?」 穏乃「そんなのでいいの?」 京太郎「ああ、気持ちよけりゃいいだけだから」 淡「なにそれつまんないー!」 春「……なんで私まで」 京太郎「細かいことは言わずに、な?」 春「…………」ポリポリ 咏「でもよぉ、マッサージってどうすりゃいいん?」 京太郎「肩揉んだりでいいぜ、そこまで本格的にやる必要はないからな」 咏「へいへい、んじゃ始めるよ」 咏「京太郎って結構肩凝ってるのな」 京太郎「んーまあな」 咏「ん……しょ」 京太郎「こういうのもいいな、なんかリラックスできるわ」 咏「それは私の腕がいいからなんじゃねーの?知らんけど」 京太郎「そうかもな、毎日やってもらいたいくらいだぜ」 咏「ま、毎日って……」 京太郎「ん?どうした?」 咏「どうもしてねえよ!」グキッ 京太郎「痛っ!?」 咲「滝見さんのうなじ、綺麗だね」 春「…………」コクッ 咲(滝見さんの胸大きいな……) 咲(私も黒糖食べれば大きくなるのかな) 咲(もし大きくなったら京ちゃんも……ってなんで京ちゃんのこと考えてるの!) 咲(京ちゃん大きいの好きだもんね……羨ましいなぁ) 咲(って、あーもう!) 春「?」 淡「つまんなかったからもう一回!」 京太郎「せめて種目変えようぜ……」 一位 京太郎 二位 穏乃 三位 淡 四位 咏 五位 咲 六位 春 京太郎「また俺の勝ちだな!」 淡「つまんないつまんないつまんないー!」 穏乃「うーん、いい線行ってたと思ったんだけどなぁ……」 咏「まあ、いっか」 咲「順位下がっちゃったよぉ……」 春「……命令は?」ポリポリ 京太郎「お、そうだったな、んじゃ、命令は――――」 京太郎「全国で充電ってのが流行ってるらしい」 咲「充電?」 京太郎「一人がもう一人の膝の上に乗ってエネルギーを蓄えるとかなんとか」 穏乃「へー、今度憧にやってもらおうかな!」 京太郎「つーわけで、俺が滝見さんに充電をする」 咏「は?」 淡「え?」 春「…………」ポリポリ 京太郎「ほら、俺今二連勝だから最下位の滝見さんに運気を注入するっていうか」 咲「それって滝見さんが京ちゃんの上に座るってことだよね?」 京太郎「ん、それがどうかしたか?」 咲「どうかしたか、って……」 京太郎「よし、んじゃ滝見さん乗ってくれ」 春「…………」ポスン 淡「……それだけ?」 京太郎「これだけ」 淡「なにそれ!またつまんないよ!」 春「……黒糖食べさせて」 京太郎「おう、いいぞ」ヒョイ 春「…………」ポリポリ 咏「なんでこんなん見てないといけないんだよ……」 穏乃「滝見さん、充電されてる感じとかするの?」 淡「まっさかーそんなことあるわけ……」 春「……須賀くんが伝わってくる」 淡「何その効果!?」 淡「もう一回!もう一回!」 咲「もう昼だからそろそろやめない?」 淡「諦めちゃだめだよサキサキ!」 咲「諦めるも何もないと思うけど……どうする?京ちゃん」 京太郎「俺も黒糖食べていいか?」 春「……食べさせてあげる」 咲(なんで向かい合ってるの!?) 京太郎「じゃあ俺も」 春「…………」ポリポリ 京太郎「…………」ポリポリ 咲(なんだか兄妹みたいで微笑ましい光景だけど、どうしよう咏ちゃん!)チラッ 京太郎「服に黒糖こぼれてるぞ」ヒョイ パクッ 春「あ……」 咏「」イラッ 咲(こっち見てないや……こうなったら高鴨さん)チラッ 穏乃「滝見さん私も黒糖食べたい!」 春「……どうぞ」 穏乃「ありがと!」ボリボリ 咲(あ、これダメなパターンだ) 咲(でも私がしっかり聞かないと!) 咲「京ちゃん、お昼ご飯食べに行く?」 京太郎「……」ナデナデ 春「…………」ポリポリ 京太郎「滝見さんの髪、綺麗だな」 春「……春でいい」 春「…………」 春「……なんでもない」 京太郎「春の髪、綺麗だな」 春「…………」カァァ 咲「」イラッ 昼 京太郎「今日の午後は自由時間だぞー」 淡「よーやくきょうたろーもわかってきたみたいだね」ウンウン 穏乃「三尋木さん!ラーメン食べに行かない?」 咏「おーいいぜぃ、どっちが食べられるか勝負な」 穏乃「よしっ!燃えてきたぞぉぉぉぉおおおお!」 淡「じゃあタキミン遊びに行こー!昨日行けなかったからね!」 春「……」コクッ 京太郎「……んじゃ、俺たちも遊びに行くか」 咲「えっ、私と?」 京太郎「咲以外に誰がいるんだよ、ほら行くぞ」 咲「あっ、ちょっと待ってよ京ちゃん!」 咲「わぁ、本がいっぱいだよ、京ちゃん!」ピョンピョン 京太郎「確かに大きいけど、はしゃぎすぎだろ」 咲「長野じゃこんなに大きいところあんまり無かったもん!ああ……いいなぁお姉ちゃん」 京太郎「咲、ホントに本のこと好きなの……」 ポツーン 京太郎「……な」 京太郎「あんにゃろうどこ行きやがった……」 京太郎(目を離したらいつもこうだ、まあ本屋なら大体……) 咲「京ちゃんどこぉ……」 咲(お手洗いにも行きたいのにぃ……) 京太郎「ったく、何やってんだよ」ギュッ 咲「ぁ……」 京太郎「トイレに行きたかったら俺に言え、連れて行ってやるから」 咲「そんなこと、言えるわけないじゃん……」 京太郎「お前がいなくなったら困るんだよ、だから、さ」 京太郎「俺がいるときは、俺に頼れ」ニコッ 咲「…………あぅ」カァァ 京太郎「スッキリしたか?」 咲「お、女の子に何言ってるの!京ちゃんのバカ!」ポカポカ 京太郎「相変わらず咲はちんまいなー」 咲「もー!」 咲「…………」ジーッ 京太郎(こうして咲と本屋に来たわけだけど……) 咲「…………」ペラッ 京太郎(……なんかつまんねえ) 京太郎(何かいたずらしてやるか) 京太郎(にしても何読んでんだ?)チラッ 咲(京ちゃんの顔が……うぅ)カァァ 京太郎(恋愛小説か?咲もそういうの読むんだな)チラッ 咲「///」ポシュー 京太郎(咲の耳……か) 京太郎(……よし) 咲(京ちゃんの顔が近いから集中できないよぉ……)カァァ 咲(でも京ちゃんに怪しく思われちゃうからちゃんと読まないと……)ジーッ 京太郎「ふーっ」 咲「ひゃぁっ!」ビクッ 京太郎「あっはっは!なんつー声出してんだよ」 咲「も、もうっ!京ちゃんのバカ!」 咲「あっち行っててよ!」 京太郎「はいはい、十分経ったらまたここに来るから絶対に動くなよ」 咲「言われなくてもわかってるもん!べーっ!」 京太郎(―――とは言われたけど、時間が来るまで何しよ) お品書き 1.牌のお姉さんの麻雀教本 中級編…2000円 2.牌のお姉さんの麻雀教本 上級編…2800円 3.小鍛治健夜の目指せ!グランドマスター!…2800円 4.戒能良子のものまね王! 5.迫り来る怒涛の修羅場…2000円 6.女性を落とす40の方法…1000円 7.ライトノベル…600円 8.小説…600円 9.恋愛小説…600円 10.野依理沙の感情コントロール法…1000円 11.一日を活用する本…1500円 12.咲が読んでたのと同じ恋愛小説…700円 京太郎(咲も読んでたし、俺も似たようなの読んでみるか) 京太郎(……思春期の恋愛模様を描いた作品、か面白そうだ) 京太郎(咲の読んでたやつはどんな話だったんだろ) 京太郎(まあいいや、買いに行こ) 「ありゃぁたっしたー」 京太郎(後は咲を探しに行くだけだな) 京太郎(この辺のコーナーだったよな……あ、いた) 咲(京ちゃんまだかな……)モジモジ 京太郎(何だあいつ?足踏みしたり脚寄せ合ったり……) 咲(なんでまたお手洗いに行きたくなっちゃうんだろう……)モジモジ 京太郎(?) 京太郎(こっちに気づいてないのか?じゃあ……) 京太郎「おい、咲」 咲「へっ……あ、京ちゃん」 京太郎「早く行くぞ」グイッ 咲「えっ、なに、どこ行くの?」 京太郎「トイレ、行きたくなったんだろ」 咲「どうしてわかったの?」 京太郎「お前のことだからな、ほら着いたぞ」 咲「あ、ありがと……」モジモジ 咲(どうして京ちゃん、私がお手洗いに行きたいってわかったんだろ) 咲(なんで私を引っ張って行ってくれるんだろ) 咲(…………) 咲(帰るときは、私から京ちゃんの手繋ごうかな) 咲(手をつないで買い物に行くって、デートみたいだよね) 咲(……こんな風に、また遊びに行けたらいいな) 咲「お待たせ、京ちゃん」 京太郎「ん、そんなに待ってねえよ」 咲「えへへ、それじゃあ帰ろっか」ギュッ 京太郎「あ……ああ、そうだな」 咲(恋人繋ぎって、ちょっと大胆だったかな) 京太郎「って咲、本買わなくていいのか?」 咲「あっ、忘れてた!ちょっと待ってて!」トテトテ 京太郎「だから走るなっての!」 夜 京太郎「いよいよこの合宿も終わりっつーわけで、練習するぞー!」 穏乃「おー!」 淡「元気150%の淡ちゃんなら負けないよ!」 咲「私も負けないもん!」 春「…………」ポリポリ 咏「うぅ……胃もたれきつぃ……」 淡「そい!リーチ!」 咲「じゃあ私も、リーチ」 咏「そんじゃ、リーチ」 穏乃「リーチ!」 「「「「……」」」」 京太郎「何やってんだあいつら……」 春「……きょうたろう、始めて」 京太郎「ん……ああ」 京太郎(春が集中できるからって充電しながらやってるけど……) 春「…………」ウツラウツラ 京太郎(人の膝の上で寝るなよなー) 春「ん……」モゾモゾ 京太郎(やばっ、動かれると流石にまずいっ) 京太郎(これは起こすしかない……よな) 京太郎「おーい、春ー」 春「…………」 京太郎「後ろからじゃ起きてんのかどうかわかんねえよ……」 京太郎「…………」 春「…………」 京太郎「……俺も寝るか」 京太郎「最後の相手は高鴨か」 穏乃「んそっ、よろしくね!」 京太郎「おう、頑張るぞ!」 穏乃「うぉぉぉぉおおおお頑張るぞぉおぉおおお!」 京太郎(なんだろう、このやり取り終わらない気がするぞ?) 穏乃「いやぁー、今日で合宿も終わりなんだねー」 京太郎「手、動かせよ」 穏乃「須賀は楽しかった?私は楽しかったよ」 京太郎「いや、だからさ」 穏乃「東京のラーメンおいしかったし、麻雀も楽しかったし!」 京太郎「集中しようぜ、集中」 穏乃「大星さんや宮永さんともまた打てたから良かった!」 穏乃「須賀はどう思う?」 京太郎「麻雀しようぜ」 穏乃「うん、やっぱり楽しかったよね!」 京太郎「どこをどう捉えればそうなる!?」 京太郎「これで合宿は終わりだ!」 京太郎「そしてぇえぇえええええーーーー!」 淡「打っち上っげだーーーー!」ドンドンパフパフ 咲「わ、わー!」 咏「いえーい!」 穏乃「ラーメン!ラーメン!」 春「…………」ポリポリ 淡「でもどこに行くのー?」 京太郎「う……んー、どうしよ」 京太郎「じゃあカラオケでいっか」 咲「えぇ……私歌とか上手くないよ?」 京太郎「楽しけりゃいいんだよ、みんなもいいだろ?」 穏乃「憧によく連れていかれたからね、オッケーだよ!」 淡「私もいいよ!」 咏「ま、いんじゃね」 春「…………」ポリポリ 京太郎「誰から歌うんだ?」 淡「その前にルール決めようよ!」 咏「ルール?」 淡「六人の内負けた人が言うこと聞くとか!」 咲「わざわざそんなことしないでもいいんじゃ……」 淡「じゃあ一番の人がきょうたろーに充電してもらうとかは?」 咲「」ピクッ 咏「」ピクッ 京太郎「おい待てそのルール、俺が一位じゃ意味ないじゃねえか」 淡「え~、どうせきょうたろーは勝てないよー」 京太郎「何だと?」 穏乃「まーまー二人とも落ち着いて」 淡「タキミンはどう思う?」 春「……いいと思う」 京太郎「くっ……」 淡「嫌だったら代替案を提案してねー」 京太郎「折衷案ってことで俺が一位になったら他の人に命令」 京太郎「他の人が一位になったら俺が充電、でどうだ?」 咲「どうだ、っていうか……」 咏「京太郎が得しすぎだろ……」 淡「うん、それでいいや!」 穏乃「じゃあ一番は私行くよ!」 春「…………」ポリポリ 穏乃「青空が眩しいー、君がいる風景はー」←16点 淡「重さじゃー測れない、こんな想いー」←52点 咲「こわいもののない世界ならー」←58点 淡「何なのこの機械!おっかしいんじゃないの!」 淡「私が52点なんてあり得ないでしょ!」 京太郎「ふっ」 淡「鼻で笑うな!」 春「雲の形、突き抜けるー」←96点 咏「毎日ナニがあって、頭抱えてもー」←92点 京太郎「たましいゴーンと、チャイムを打たれたならー、打たれちゃったら!」←61点 淡「なんできょうたろーの歌より私の方が下なの……」ガックシ 咲「それは同感かも……」ガックシ 穏乃「うん……」ガックシ 京太郎「なぜそこまで落ち込む!?」 春「きょうたろう、充電」 京太郎「お、おお、いいぞ」 春「」ポスン 春「……頭撫でて」 京太郎「ああ、よしよし」ナデナデ 淡「ちょっ、そんなオプション――――!」 淡(待てよ、ここで頭なでなでを禁止したら私が勝ってもあまり得はない!) 淡(それにこう考えている間にもタキミンのきょうたろーポイントがどんどんたまっていく!) 淡(まさかこれが――――) 春「……ふっ」 淡(先手必勝のジャスティス!勝てば魏呉蜀!) 咲(勝てば官軍だと思うけど……) 淡(ここは黙るしかない!) 京太郎「淡、どうかしたか?」 淡「ううん、なんでもないよー」 淡(タキミン……恐ろしい子……!) 春「……きょうたろう」 京太郎「どうした?」 春「何かして」 京太郎「何か、って何だよ」 春「……抱きしめたり、とか」 京太郎「なら今頭撫でてるじゃん」 春「そうじゃなく……」 京太郎「んー……じゃあ……」 京太郎(咲とかがいるからあんまり大胆なことはできないとして……) 京太郎(そうだ!) 京太郎「……春」ボソッ 春「」ビクッ 京太郎「どきどきしてるんだ、俺の胸……春を充電したい、十年も、二十年も」ボソボソ 京太郎「っ……お前のそばに居続けたい」ボソボソ 京太郎「きっと、お前のことが好きなんだ……いや、春が好きだ、断言できる」ボソッ 京太郎「りゆうはわからない、色々ありすぎて、お前の好きなところが多すぎて」ボソボソ 京太郎「……なあ、春」 春「……///」カァァァァァ 京太郎「好きだぞ」ボソッ 春「///」ボシュー 咲「あの二人何してるのかな?」 淡「さあー?じゃあ次の曲入れちゃおー!」 穏乃「信じる、それだけで越えられないものーはない」←97点 淡「ほどかれてくの、どこまでもー」←70点 咲「がんばっちゃったがんばった我々東南西北わーいわーい!」←83点 淡「だからなんで私がこうなんのよ!」 穏乃「点数上がったんだからいいじゃん」 淡「アンタが一番おかしいでしょ!」 春「君の知らない、私だけの秘密」 京太郎「春は歌上手いなー」 春「……」カァァ←31点 咏「冒険でっしょ、でっしょ!」←76点 京太郎「ハートのエッジに挑もう、思うたけ見つめてー」←92点 穏乃「今度は私だよ!」 京太郎「ぐぬぬ、あとちょっとだったのに……」 穏乃「ねぇー私にも何かしてー」 京太郎「だから何かって言われてもな……」 京太郎「んじゃ、遠慮なく」サワッ 穏乃「ふぇっ」 京太郎「高鴨の太ももって結構筋肉ついてんだな」サワサワ 穏乃「ちょっ、何触ってんのさ!」 京太郎「こんな恰好で寒くないのか?」サワサワ 穏乃「はしってるから……大丈夫、だけど……」 京太郎「でも、ちゃんと肌スベスベしてるし、女の子って感じするぜ」サワサワ 穏乃「それ、褒めてくれてるのかわかんないんだけど」 穏乃(さっきから何かが当たってる気がするし……須賀に触られてると……何だろう) 穏乃(ちょっと変な……)モゾモゾ 春「…………」ボリ!ボリ!ボリ! 咲「京ちゃん何やってんだろ……」 咏「あいつ……」 淡「タキミンまであらぶってる……」 淡「次は絶対に勝ってやるんだから!」 穏乃「私はもういいや……」 咲「私も頑張る」グッ 春「…………」ポリポリ 咏「今度こそ勝つぜぃ~」 穏乃「みみーもとで囁き呼ぶ声に振り向けば、気づかぬうち開かれていたトビラー」←66点 淡「ガッティーノ、ガッティーナ、私だけの傍にいてねー」←15点 咲「わーたっしーとしようよ、ココロが晴天ドキツモ昇天」←75点 淡「」チーン 京太郎「ぶははははは!どんだけ機械に嫌われてんだよ!」 咲「京ちゃん、淡ちゃん可哀想だよ」 京太郎「でもよぉ、あっはははは!」 淡「うっさいうっさいうっさーい!どうせきょうたろーだってこんな点になるもん!」 京太郎「ならねーよ、ま、見てればわかるけどな」フフン 春「アザレアを咲かせて、暖かい庭までー」←5点 咏「おおきな夢、夢、スキでしょ?」←83点 京太郎「本気の恋ー、それは突然花が咲くー」←90点 淡「みんなしてずっこいずっこい!」 京太郎「結局実力ってことだな」 淡「むぅ……」 咏「んで、命令何すんの?」 京太郎「おっ、そういえばそうだったな」 咲「エッチな命令とかは……ダメだよ?」ニコッ 京太郎「わ、わかってらぁ、そんぐらい」アセアセ 春「…………」ポリポリ 京太郎「んー、と、じゃあ……淡?」 淡「なによぉ……」グスッ 京太郎「いや、負けたからって泣くなよ」 淡「だって、きょうたろー程度に負けるとかありえないし……」グスッ 京太郎「ナチュラルに失礼だな、おい」 春「……命令」ポリポリ 京太郎「ああ、ちょっと考え中な」 京太郎(全員に猫のごとく甘えてもらう、とか言おうと思ってたけど俺もそこまで空気が読めない男じゃあない) 京太郎(淡が泣いたままだと嫌な気がするし……淡の脇をくすぐって励ますとかいいんじゃないか?) 京太郎(あわよくば淡の胸に触れる、って違うわ!どんだけ変態なんだ俺!) 京太郎(それにあんな胸触ったってなぁ……)ハァ 京太郎「淡」 淡「なに?」 京太郎「ほい」ガシッ ヒョイッ 淡「はぁっ!?」 咲咏穏「ええっ!!」 春「…………」ポリポリ 淡「なっ、何してんの!」 京太郎「ほーれ高い高ーい」 淡「子どもじゃないんだから降ろしてよー!」ジタバタ 京太郎「はっはっは、じたばたはHPが少なくないと威力弱いんだぜー」 淡「っていうかスカート見えるから!」ゲシッ 京太郎「ぐへぁっ」グラッ 咲「あっ!」 咏「京太郎のバランスが!」 穏乃「大星さん危ない!」 淡「きゃぁっ!」 京太郎「淡っ!」 京太郎(これだと淡が頭から落ちる、最悪病院行きだ!) 京太郎(それだけはさせない!) ドッシーン! 咲「きょ、京ちゃん!」 京太郎「いつつ……腰打ったっぽい」 咏「ったく、気ぃ付けろよなー」 京太郎「わりぃわりぃ」 淡「もー!きょうたろーのせいで危なかったじゃん!」 京太郎「人が身を挺して守ったっつうのに一言目がそれかよ……」 淡「ぁ……それはありがとう、だけど……」モジモジ 淡「って!そもそもきょうたろーが高い高いなんてしなきゃよかったんじゃん!」ウガー 京太郎(一瞬でもしおらしくてかわいいと思った俺がバカだった) 淡「こうなったらやり返してやる!えいっ」ガシッ 京太郎「うおっ!」 淡「んぐぐ……」 淡「持ち上がれぇ……!」 京太郎「淡、あんまり無理しない方がいいんじゃないか?」 淡「うっさい!やり返すったらやり返すんだから!」 ――十分後 淡「なんで持ち上がんないのさー!」 京太郎「体格差があるからしゃあないだろ」 淡「きょうたろーの筋肉硬かったし、抱きしめてるみたいで気持ち良かったよー!」 京太郎「なんでこの状況で褒められてんだろ俺」 京太郎「次で最後にするか」 咲「そうだね、もう結構遅いし」 咏「じゃさ、じゃさ、最後は全員で同じ歌歌ってその得点を競うってのはどうなん?」 淡「あ、いいねーそれ!」 穏乃「じゃあ何歌うの?」 春「……だんご三兄弟」 咲「中々古いね!?」 京太郎「そりゃみんな知ってるだろうけどさ……」 淡「じゃあセーラームーンとかは?」 咏「そっちのがおぼろげなんだよねぃ……」 穏乃「タ○リ倶楽部のオープニングは?」 京太郎「あれカラオケに入ってんのか?つーかどんなチョイスだよ」 淡「タ○リ……なにそれ?」 咲「私も土曜日は夜遅くまで本読んでるから知らないな」 京太郎「それ、見てるって言ってるようなもんだぞ」 咲「空耳しか見てないもん!」 淡「だから何それ?」 京太郎「結局、おいでよ亀有を歌うことになったぞ!」 咲「どうしてこうなっちゃうの……」 穏乃:96点 春:90点 淡:66点 咲:27点 京太郎:21点 咏:1点 咏「1点……1点……」チーン 淡「また勝てなかった……」ガクッ 咲「私だって4位だったんだから、元気出そ!」 春「…………黒糖、いる?」ポリポリ 淡「いるいるっ!ちょーだい!」 咲「ゲンキンだなぁ……」 穏乃「また私が一番かぁ……よっ!」ポスッ 京太郎「俺の膝に慣れるの早くね」 穏乃「まあ、嫌いじゃないからねー」 京太郎「新子だったら「こんなこと死んでもやらないわよっ!」とか言いそうだよな」 穏乃「あはは……有り得るね」 京太郎「今回も何かするか?」 穏乃「うんっ、おまかせで!」 京太郎「んじゃ、まずは」サラッ 穏乃「ん……」 京太郎「高鴨の髪の毛さらっさらだな」ススッ 穏乃「えーそうかな?」 京太郎「綺麗だし、いい匂いもするぞ」ソソッ 穏乃「なんかむずむずする……」 京太郎「やっぱり女の子の髪って気持ちいいな」 咲「……やっぱり?」ゴッ 京太郎「ヒッ」 咲「京ちゃん、他の女の子の髪触ったことあるの?私にはないのに?」 京太郎「そ、それは言葉の綾というやつで、触ったっつうか撫でたときとか……ほら!小さいときにお前のことも撫でてたろ!」 咲「……そういうことならいっか」 咲「ほら、続けなよ」 京太郎「は、はい……」 京太郎(なんか重い雰囲気になってんですけど!?) 京太郎(やべーよ殺されるよ、何だよあの殺気、このまま抱きしめようかと思ったけど絶対無理だよ) 穏乃「もう終わり?」 京太郎「う……ああ……うー……」 京太郎(けどまだこうしていたい自分もいるわけで……) 京太郎「いや、まだだ!」ギュッ 穏乃「わっ!」 京太郎(あっれー?どうして俺は高鴨を抱きしめてんの?おっかしいなー) 淡「髪いじって抱きしめるって……」 咏「あんさぁ、京太郎?流石に限度ってものがあると思うぜぃ」 京太郎「ちっ違うわ!これは俺が無意識下に行った行動であって俺自身の行動じゃないんだ!」 京太郎「そうっ!いわばそれは反射!思考とは真逆!目の前いる高鴨を抱きしめるのは俺の性なんだ!」 淡「なお悪いわっ!」ゲシッ 京太郎「脛はやめろって痛いから……」 京太郎(なおさら酷い雰囲気になった気がする……) 咲「」ニコニコ 淡「」ジトッ 咏「」ジーッ 穏乃「~♪」 春「」ポリポリ 京太郎「なあ、高鴨?」 穏乃「穏乃でいいよ、私も京太郎って呼ぶから!」 京太郎(この状況で何言いだしちゃってんのお前!?) 京太郎「何言っちゃってんの、おい」 穏乃「今さ、京太郎に抱きしめられてるとなんか安心するんだ」 穏乃「ウチ女子高だから、久しぶりに男子と話したのに楽しくて」 穏乃「だから京太郎とはもっといい友だちになりたいな、って」 京太郎「今言うことなのかよ……」 京太郎(しかもこの惨状で) 穏乃「なんか言うタイミング逃しちゃいそうだったからね」 京太郎「そ、そうか」 京太郎(何これ、何が言いたいのこいつ) 京太郎(言われて滅茶苦茶嬉しいけど……) 咲「ジュゴゴゴ」ニコニコ 淡「ジュゴゴゴ」ジトーッ 咏「ジュゴゴゴ」ジーッ 春「……」ポリポリ 京太郎(ストロー悲鳴あげてるから!こっち向かないで怖いから!) 穏乃「京太郎ー」 京太郎「なっ、なんでございますでしょうか」 穏乃「呼んでみただけだよ、えへへ」 京太郎(そういうことされると……もう……)カプッ 穏乃「ひゃぁっ?」 京太郎「んっ……」ハムハム 穏乃「京太郎ぉ、くすぐったいよぉ」 京太郎「ははほはっへはいへぇ」 穏乃「耳元で喋らないでよ、ふふっ」 京太郎(なんで俺、穏乃の耳咬んでんだろ……) 京太郎(あとは耳に息を吹いて終わらせよう) 咲淡咏「」ゴゴゴゴゴゴゴ 京太郎(あいつらに殺される気しかしない!) 京太郎「……ん」 京太郎(俺の唾液ですごくエロく見える……) 京太郎「ふーっ」 穏乃「んんっ!」ビクッ 京太郎「こ、これで終わりだ!」 京太郎(何やってんだろ俺……) 京太郎「かーっ!歌った歌ったー!」 淡「きょうたろーの変態」 京太郎「まだ言うか」 咲「8時くらいだけど、新幹線間に合うかな?」 咏「大丈夫なんじゃね、知らんけど」 穏乃「んー、でも確かに危ないかもね」 京太郎「じゃあここで解散っつうことでいいか?」 淡「うん!」 穏乃「だねー」 京太郎「そっか、じゃあ行くぞ」 咲「ま、待ってよ京ちゃん」 春「……お疲れ」 穏乃「またね」 淡「また来週だよー!」 咏「じゃあなー」フリフリ 京太郎「おう!頑張ろうなー!」 咲「そっか、私以外みんな博多行きなんだ」 京太郎「春は今から帰って家に着くのか?」 春「ホテルは取ってある」 穏乃「どうせだし京太郎の部屋に泊まればいいんじゃないかな」 春「……いいの?」 京太郎「いやダメだろ、年頃の男女が同じ部屋で寝泊まりなんて」 咲「つい昨日までやってたんだけどね……」 咲「あ、私こっちだから」 京太郎「そっち東北新幹線だぞ」 咲「えっ!?わわっ、危なかったよ!」 京太郎「お前、よく東京まで来れたな」 咲「バ、バカにしないでよ!」 京太郎「はいはい、バカにしませんよー」 咲「バカにする気満々でしょ!」 京太郎「長野新幹線あっちだぞー」 咲「わ、わかってたから!わかってたからね!」 京太郎「はいはい、じゃあな」ナデナデ 咲「だからバカにしないでよ!」 穏乃「京太郎って宮永さんと仲良いんだねー」 京太郎「ま、幼馴染だからな」 穏乃「いつごろから知り合ったの?」 京太郎「咲とは小学生くらいかな、なんでだ?」 穏乃「んー、ちょっと気になったから?」 春「……二人とも、はい」 京太郎「黒糖一袋!いいのか?」 穏乃「うおっ!おおおっ!」 春「お疲れ様のプレゼント」 京太郎「そっか、あんがとな」 穏乃「んー!おいしー!」ボリボリ 春「……」ニコッ 【冬休み6日目】終
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前話 次話 みさき「準決勝もついに大将戦です。この大将戦でどう動くでしょうか」 理沙「…………」 みさき「ついに無視されました」 理沙「違う!考えてた!」 咲(私の番か……ここで勝ったら決勝……お姉ちゃん……) 京太郎「咲、おい咲どした?」 咲「……京ちゃん」 京太郎「大丈夫だって。リードはあるんだ。気楽にやれよ。ほら、いつもみたく俺飛ばすくらいで」 咲「アレは京ちゃんだから飛ぶんだよ」 京太郎「なんだとこのちんちくりんは」 咲「せめて飛ばないようにしてほしいなー」 京太郎「自分の実力分かって言いやがれ。お前和優希と打つんだぞ?俺なんて飛ぶかお前に+-0にされるかだっての」 咲「……ふふっ」 京太郎「なんだよ」 咲「なんでもないよ」 咲(やっぱ京ちゃんといると安心するな) 咲「じゃ、行ってくるね」 京太郎「おう、行って来い」 ネリー「じゃー行くねー」 智葉「おう。無理するなよ」 ネリー「分かってるよー。姫松が追い上げてきてるんでしょ?」 智葉「いや……清澄だ」 ネリー「1位だから無理してこないでしょ?」 智葉「あれは多分宮永照辺りと同じだ」 ネリー「?」 恭子「い、行ってきます」カタカタ 洋榎「落ち着きや。すでにカタカタゆうてるで」 郁乃「善野さんが見てるで~?」 恭子「そ、そうやった……カタカタしてる場合じゃないわ。負けられへん!」 有珠山大将「やるだけやってくるね」 成香「が、頑張ってください!」 ネリー「ツモ!」 ネリー(んー……サトハが言うほどの感じはしないなー) 有珠山(やっぱ強いわー) 恭子(また化け物ばっかやん……)カタカタ 咲「…………」 咲「ツモ」 みさき「前半戦終了です」 理沙「……静か!」 みさき「ええ、特に大きく変わったことはありませんね」 理沙「……まだ!」 みさき「はい?」 ネリー「サトハー、清澄特に変わったとこないよー」 ダヴァン「うーん……分かりまセン」 智葉「思い違いじゃないと思うんだがな」 恭子「や、やぱっり化け物ばっかですやん!」カタカタ 郁乃「大丈夫やって~……多分」 恭子「ホンマ負けそうでメゲルわ……」 漫「あ、諦めんでください!」 由子「頑張るのよー」 恭子「くっ……やるしかないんか」 有珠山大将「アレね。ただでは帰らんって気分よ」 有珠山中堅「なんか違うんじゃない?」 咲「……ここ、どこ?」 大将後半戦 咲「カン」 有珠山大将(あ、やば) 咲「もいっこカン」 ネリー(ちょ、ちょっと何これー!?) 咲「カン」 恭子(も、もう勘弁してや……)カタカタ 咲「ツモ」 咲「ツモっ」 みさき「試合終了!!準決勝を勝ちぬけたのは清澄高校と臨海女子高校です!」 みさき「臨海を抑えて初出場の清澄が1位ですが、どうですか?」 理沙「……意外!」 みさき「はい、ありがとうございました」 咲「お疲れ様です」 ネリー「お、お疲れ様です……」 ネリー(さ、最後やばかったー……え?またこの人とやるの?) 恭子「あ、ありがとうございました……」カタカタ 恭子(……メゲるわ) 有珠山大将「お疲れ様です」 有珠山大将(後半何もやってないわー……) 試合結果 1位清澄2377+552=2929 2位臨海1645+351=1996 3位姫松1482+454=1936 4位有珠山681+150=831 夜 京太郎「明日のミーティングと最後の練習っていうし、なんか買ってこないとな」 京太郎「それにしても、全国の決勝か……まさかここまでくるなんてな」 京太郎「……俺、何にもしてねーのにな」 京太郎「……やっぱ、俺も麻雀上手くなりてーな」 京太郎「……ん?あそこにいるのは」 京太郎「あのジャージとポニテは……」 穏乃「明日か……」 京太郎「おい、何やってるんだ?」 穏乃「うわぁっ!?す、須賀くん?」 京太郎「高鴨、だったよな。何やってるんだ?」 穏乃「んー、夜風に当たろうと思って」 京太郎「こんな時間に?」 穏乃「……ちょっと、落ち着かなくてさ」 京太郎「……隣、いいか?」 穏乃「うん……明日さ、決勝じゃん?」 京太郎「あぁ」 穏乃「私達さ、優勝じゃなくて和とまた遊びたい!って目的できたんだ」 京太郎「和と遊ぶ、か。それで決勝まで来るんだから大したもんじゃねぇか」 穏乃「ありがとう。でそれが叶って、今なんか落ち着かないんだ」 穏乃「アレだね。遠足の前の夜って感じ」 京太郎「お前……全国の決勝と遠足を同じにするなよ」 穏乃「あはは」 京太郎「……高鴨は不安とか無いのか?」 穏乃「え?」 京太郎「明日、途中で飛んだり、自分がすっげえ失点したり、そういう不安」 穏乃「無いね!」 京太郎「……即答?」 穏乃「うん!だって、そういうのも込みで楽しいし!」 穏乃「だから決勝も不安とかじゃなくて、どんな麻雀ができるかの楽しみしかない!」 京太郎「……高鴨は強いな」 穏乃「そんなことないよ?宥さんとかが点は稼いでるし…」 京太郎「そういうのじゃねぇって……楽しむか、そうだよな」 京太郎(大会が終わったら、改めて麻雀しよ。楽しむために) 穏乃「ねぇ、同い年だしさ、私のことは穏乃でいいよ」 京太郎「じゃ、俺も京太郎でいいぜ」 穏乃「うん!明日、楽しみだね京太郎!」 京太郎「そうだな。俺は打てないけど、楽しみだ!」 コンビニ店員「ありがとうございましたー」 京太郎「さて、お菓子もタコスの材料も買ったし、帰るか」 京太郎「ん?あの人は……」 京太郎「……あいつ、何やってんだ?」 淡「……むー」 京太郎「よう、何やってんだ?」 淡「あ、キョータロー」 京太郎「こんな時間にこんなとこで……明日あるのにいいのか?」 淡「明日……ねーキョータロー」 京太郎「なんだ?」 淡「咲って強い?」 京太郎「なんだいきなり……まぁ、強いよ。麻雀は」 淡「そっかー……」 京太郎「なんだ?何が言いたい?」 淡「明日さー……大丈夫かなって」 京太郎「おいおい、あんなに強気だったじゃねーか」 淡「でもさー、高鴨穏乃とか、テルーの妹の咲とか、そんなんいるじゃん?」 淡「本当に今までみたいに勝てるのかなーって思って……どうしよ」 京太郎「…………」 京太郎「…………」なでなで 淡「え?ちょ、何すんの?」 京太郎「いや、なんとなく?」 淡「なんとなくで女の子の髪に触るのー?」 京太郎「昔、咲や照さん相手によくこうしたんだよ」 淡「テルーに?」 京太郎「迷子になった後だったり、喧嘩して泣いた後だったり、何か不安がった時だったり」 京太郎「あ、咲は今もか」 淡「……子供扱い?」 京太郎「んー、俺が麻雀に関してお前らに言えるようなことはないんだよなー」 京太郎「だから、こうして不安が和らぐようにするしかできない」 淡「……駄目じゃん」 京太郎「お前が信じるお前を信じろ」 淡「……なんのアニメ」 京太郎「熱いアニメなんだけど、外したか?」 淡「こういう時にアニメのセリフー?もうちょっと気のきいたこと言わないとモテないよ?」 京太郎「くっ……返す言葉もねぇ」 淡「でも……少しは元気出た。ありがとね」 京太郎「ん、まあ元気になったんならいいさ」 淡「でもさー、敵を元気にしてどうすんのー?清澄としては私がへこんでた方がいいんじゃない?」 京太郎「はぁ?何言ってんだ。そんなの関係ないだろ?これくらいやって当然だ」 淡「……キョータローってさ、結構凄いこと言うよね」 京太郎「うん?」 淡「あははっ、ありがとね!そして明日清澄負かしたらごめんね!」 京太郎「簡単には負けねーよ」 淡「じゃないと困るしー。じゃ、まったねー!」 京太郎「なんだ?……ま、元気になったしいいか。帰るか」 朝、大会会場 久「……いよいよね」 まこ「なんじゃ、緊張しとるんか?」 久「そりゃね。ずっと待って、そして部員が揃って、大会に出て、ここまで来た」 久「今日、決まるのよね……全国優勝するのが、どこか」 和(私は転校してしまうかが、ですね) 咲(お姉ちゃん……) 久「……みんな、今さらどうこう言うことは無いわ」 久「ただ、全力を尽くしましょう」 久「そして、全国優勝するわよ!」 咲、和、優希、まこ「おぉーっ!!」 久「……今さらだけど、わざとじゃないわよね?」 和「さすがにそんな人ではありませんよ……」 まこ「なんというか……今日ぐらいビシッとしたかったわ」 優希「もう、仕方ないことだじぇ」 久「そうね……と言う訳で須賀くん」 京太郎「はい」 久「咲、探してきてね?」 咲「ここ……どこ?」 京太郎「すぐに見つけてきます」 まこ「どうやったらあんな風に一致団結した後に迷子になれるんじゃろな」 優希「咲ちゃんの特殊能力か?」 和「そんなオカルト……ありそうで怖いです」 咲「どこだろ……あ!」 照「……咲?」 咲「……お姉ちゃん」 照「……ここまで来たんだね」 咲「うん……」 照「団体戦で直接当たることは無いけど……負けないから」 咲「……私だって負けないよ!」 照「うん……じゃ、会場で」 咲「うん!」 京太郎「って待てい!!」 照「あ、京ちゃん」 咲「もう!ここはかっこよく去るとこだよ!」 京太郎「お前な……会場と反対の方向に去ってどうするんだ」 咲「う……」 照「……私はちゃんと会場の方向だから」 京太郎「照さんは応援席でしたけど」 照「…………」 京太郎「2人とも連れて行くんで、手離さないでくださいね」ギュッ 咲「……またそういうことする」 照「私達は迷子じゃない」 京太郎「どの口が言いますか……」 咲「あ、私こっちから来た…」 京太郎「そっちは遠回りになるからな」 照「お菓子のにおいが……」 京太郎「控え室にあるでしょう。菫さんが買ったって言ってましたよ」 京太郎「はぁ……全国決勝前なのに、締まらないなこの姉妹」 咲・照「ねぇ京ちゃん」 京太郎「ええい静かに引っ張られてろ!」 白糸台控室 菫「本当にありがとう……毎回毎回探しに行くから助かった」 京太郎「いやいや、慣れてますから」 照「そんな毎回じゃ…」 菫「じゃあ迷子にならなかった試合言ってみろ」 照「…………」 放送「各校先鋒の方は…」 照「じゃ、行ってくるから」 菫「おいこら」 誠子「逃げた?」小声 尭深「逃げたね」小声 淡「テルー、頑張ってねー!」 照「うん」 京太郎「途中まで同じなんで、行きましょうか?」 菫「頼む。色々終わったら改めてお礼をする」 照「そこまでしなくても…」 淡「ここって決勝だけしか使われない会場だったよね。テルー分かるの?」 照「……京ちゃん、行こ」 京太郎「照さん、だからそっちじゃないですって」 菫「……チームメイトだが、アレが全国1位だと思うと複雑だ」 晴絵「さて、玄。行ってきな」 穏乃「玄さん頑張ってください!」 玄「う、うん!また宮永さんが相手だけど、頑張るよ!」 宥「が、頑張ってね」 灼「応援してる」 憧「まかせたわよ!」 智葉「さて、行くか」 ネリー「なんかいつもより気合入ってるー?」 明華「決勝だからでしょう?」 ダヴァン「いや、また宮永照が相手だからデスヨネ?」 智葉「あぁ……真向勝負だ。今度は負けん」 ハオ「頑張れ」 優希「タコスよし、マントよし。準備万端だじぇ!」 和「普通麻雀打つ前に気にしないものですが……」 まこ「今さらじゃな」 優希「京太郎はまだか」 咲「うん。お姉ちゃんを送っていくって言ってたし」 久「試合前に相手校の選手を送るって……いや、この場合送られる方が問題か」 咲「あはは……優希ちゃん、頑張ってね」 優希「まかせるじぇ!相手が高校最強だろうとなんだろうと、私は勝つ!」 和「油断は禁物ですよ」 まこ「ま。無理せずいつも通りやりゃええわ」 久「そうね。優希、いつも通りのあなたで、頑張りなさい」 優希「おう!片岡優希、行ってくるじぇ!!」 前話 次話 名前 コメント
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こちらは、同じくアニキャラ個別内にある「京太郎×咲スレ」に投下されたSSなどを共有・保管させて頂いているページです→【咲-Saki-】京太郎×咲スレ7【ほっぺつんつん】 1-2スレ目 3スレ目 4-5スレ目 6スレ目 7スレ目 これ以降のSSは下のリンク参照 つ咲-Saki- 京太郎SSまとめ test -- (管理人) 2009-12-01 16 36 48 編集完了。リンク切れなどありましたら教えてください -- (管理人) 2009-12-02 17 36 31 いつもありがとうございます -- (名無し) 2009-12-02 19 26 42 「京×咲+良い嫁さんさなァのヤツ」 は誤字? -- (名無しさん) 2009-12-04 06 20 25 ごめんなさい。修正しときました -- (管理人) 2009-12-04 23 14 12 「大将戦」 みたいな本編再構成モノが見たいといってみるテスト -- (名無し) 2009-12-21 20 55 26 管理人いないの?もう3つぐらいSSたまってるけど -- (名無しさん) 2009-12-22 12 24 59 遅くなってすみません。最近多忙なため、ついつい後回しにしてしまいました。ちなみにこのページは誰でも編集できるので、私が更新遅れてる時はどなたか代わりに編集していただけると助かります -- (管理人) 2009-12-26 00 32 45 京咲さいこう -- (名無しさん) 2012-09-23 19 21 03 名前 コメント すべてのコメントを見る #ref error :ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (京太郎×咲スレ共有SS)
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プロローグ side京太郎 京太郎『そうそう、だから引っ越すことになったんだよ』 京太郎『いや、そう言われても親父の仕事の都合だって。悪かったって』 京太郎『おいおい、もう会えないって訳でもないし、電話だってこうして今みたいにできるんだから、そんなこと言うなよ』 京太郎『だからお前も携帯持てって……そこは頑張れよお前』 京太郎『引っ越し先?あぁ、奈良だよ。昔、小6くらいの時に1週間くらい休んだ時あったろ?そん時行ったことあるんだよ』 京太郎『おぉ、よく覚えてたな。そうだよ、その時地元の子供に誘われて麻雀覚えたんだ』 京太郎『お前とたまに麻雀やるようになったのもその頃からだよな……あの頃は+-0ばっかで酷かったよなお前』 京太郎『ん?あぁ、俺もそこまで遊んだ奴らのことしっかり覚えてる訳じゃないけど……小学生なのに、とんでもないおもちの持ち主はいたな』 京太郎『……なんだよ、なんか文句あるのかよ』 京太郎『うるせー、麻雀と勉強以外なら相手してやる』 京太郎『引っ越し先?詳しく?俺もまだそこまで詳しくは聞いてないけど、確か……』 京太郎『阿知賀ってとこだ』 憧「あーもう、めんどくさいなー」 晴絵「ほらほら、もーちょいで大掃除も終わるし、頑張れ頑張れ」 憧「分かってるわよー」 穏乃「それにしても、結構やることあるもんだねー」 玄「毎週掃除はしてたけど、やっぱり徹底的な大掃除となったらやることは増えるのです」 憧「さすが旅館の娘。で、宥姉は今なにしてんの?」 宥「す、ストーブのお掃除……」 灼「もうピカピカだとおも……」 宥「ううん、もっと綺麗にしておくと、もっともっとあったかくなるの~」 玄「おかげでうちの暖房器具は年中綺麗なのです」 穏乃「へー、アレ?京太郎は?」 灼「さっきゴミ捨てに……ん?」ピリリ 灼「京太郎からメール……『色々と必要なものを思い出したので、そのまま買い物やってきます』って」 憧「必要なものって……誰よりも掃除道具そろえて、一番働いてたのに何がいるってんだか……」 穏乃「んじゃあこっちは後は宥さんと使ってないロッカーを…わっ!?」バサバサッ 晴絵「おいおい、そこは今日京太郎が荷物置いてるって、最初に言ってたろ?」 玄「京太郎くんの鞄が……荷物も散らばっちゃって」 灼「早く拾って、京太郎に謝っとこ?」 穏乃「はい……ゴメン京太郎」 憧「全く……ん?このノート……」ペラッ 4月×日 引っ越しの片づけも済んだし、今日から新しい日記を書いて行こう 長野から奈良の阿知賀まで引っ越し、ここには以前来たことがあるが、あんまり覚えてないな 地元の子と遊んだ覚えはあるんだがなー ま、のんびりやっていくか 今日は疲れたし、さっさと寝るに限る 咲には明日にでも連絡するか 憧「これは……京太郎の日記?」 穏乃「えぇ!?京太郎って日記書いてたんだ!」 玄「ほほぅ……つまり京太郎くんが隠しているおもちのことが!?」 灼「それは無いとおも……」 宥「か、勝手に読んだら駄目だよ~」 憧「えー?宥姉も気になるんじゃない?」 宥「そ、それは……」 晴絵「そうね、憧。教師として、それはちょっとどうかと思うわ」 穏乃「赤土先生……」 晴絵「あ?もしもし京太郎?買い物どう?ちょっと買ってきて欲しいものがあるんだけど……そうそう、ちょっと開いてる店遠いんだけど」 晴絵「いける?時間かかる?いいっていいって。ちゃんとみんなで待ってるから。うん、じゃ、戻ってくる前には連絡ね」ピッ 憧「……ハルエ、本音は?」 晴絵「え?面白そうじゃない?ここで止めるのも無粋ってもんだし?」 灼「ハルちゃん……」 晴絵「ま、本当にまずそうなことあったらすぐ終わり。もしもの時は責任とって、京太郎に宥の胸でも揉ませればいいでしょ」 宥「えぇっ?」 玄「お姉ちゃんのおもちなら大丈夫ですのだ!」 穏乃「うーん……確かに京太郎ならそれで喜びそう」 灼「それもどうかと思うけどね……」 憧「じゃ、続きいくわよー?」 4月○日 今日は少し辺りを散策してみた 俺が入学予定の阿知賀学院や和菓子屋や神社、ボーリング場や旅館など、色々見て回った そーいや昔こっちに来た時、同年代の女の子3人が子供用の麻雀教室に連れてってくれたっけ あれはどっかの学校だったと思うんだけど、女子校だったよな……ま、いっか 旅館は、昔来たとき泊まった旅館、松実館という旅館だ 外から様子を見ただけだが、少し懐かしく感じた 確かここの娘さんとも仲良くなったっけ。名前は……やべ、思い出せねぇ 女の子だが、おもちに対しての理解がある娘だったのは覚えてるんだがな そんなことを考えながら旅館の近くを歩いていると、宿泊客っぽい、なかなかいいおもちの女性が歩いていた 女性はそのまま旅館に入っていったが……おかしい、おもちの揺れが不自然だ アレは……パッドか? そう思っていると、つい「……パッド?」と声に出ていたようだった すると、「……確かにすばらしいおもちのように見えますが、アレはパッドですのだ」そう後ろから声が聞こえた 振り返ると、制服を着たなかなかにすばらなおもちの女の子が立っていた 女の子は悲しそうに目をつぶって首を横に振り、「と、急ぎなので失礼します」そう言って旅館の方に走っていった そのおもちの揺れはまさに本物だった しかし……どっかで会ったことあるような…… 憧「……玄……あんたって……」 宥「く、玄ちゃんだから……うん……」 灼「……はぁ」 穏乃「あ、あはは……」 玄「な、何?京太郎くんとのファーストコンタクトなのにこの冷たい反応は?」 晴絵「いやー、まぁしゃーないってか……というか京太郎もパッドの見分けとかつくのか。すごいな」 玄「この程度当然ですのだ!」 憧「はいはい。そーいや子供用の麻雀教室ってあるけど、これってアレよね?」 穏乃「だね。あ、次で書いてあるよ」 4月△日 今日は高校の入学式、だったんだが…… 去年まで女子校だったとか聞いてねーよ 男子10人いないし、めっちゃ浮いてるわ。誰だコイツ?って感じでめっちゃ見られたわ しかし元女子校、ってことと、実際に校内を見てみたことで思い出した 小6の時、ここの教室を使った麻雀教室に来たんだ俺 確か、ポニテにジャージの子と、ショートの活発そうな子、それと小6とは思えないおもちの子 この3人に誘われて来たっけ 懐かしいし、思い出したのはいいんだが、流石に小6の時、1週間だけ遊んだ相手なんて向こうも覚えてないだろうな ま、いいや。明日にでも記憶を頼りに、当時の教室でも探してみるか 憧「やっぱりね」 穏乃「小6の時、たまたま1人でいるとこ見つけて誘ったっけ」 憧「そうそう。私とシズはすぐに打ち解けたけど、和だけ少し警戒してたわよね」 玄「一緒に和ちゃんのおもちに触れる方法考えたりしたなぁ」 灼「……小学生と一緒に何やってるの」 宥「あはは……」 晴絵「当時、シズと憧と和が男連れてきた、って結構覚えてたのにね」 憧「まー、1週間もいなかったし仕方ないんじゃない?でも和のことは覚えてたっぽく書いてあるわね……」 玄「あのおもちを忘れるなんてとんでもない!」 宥「そ、そういうことで覚えてたの~?」 灼「まぁ、京太郎だし?」 穏乃「確か、この翌日だったっけ?京太郎が来たの」 晴絵「そーね。次の日の部活の時間だったかしら」 4月□日 今日、授業が終わってから麻雀教室の部屋を探しにいった 以外と覚えているもので、あっさりとたどり着いた まだ麻雀教室やってるのか?と思いながらドアを開けると、 そこではポニテの子、ツーサイドアップ、というのか?その髪型の子、ショートボブの子。やけに厚着をしている子、の4人が普通に麻雀をやっていた 俺も驚いたが、向こうはもっと驚いたのだろう いきなり「だ、誰!?」って言われた とりあえず生徒だと言ったが、当然だがまだ警戒されているようだった 黙っていても仕方ないので、子供用の麻雀教室とかやってないのか聞くと、今度はさらに驚いた顔をされた 「……なんでアンタここで麻雀クラブやってたの知ってんの?」と、ツーサイドアップの子に言われた 隠すようなことでもないので、昔1週間ほどここに来たことがあること、3人の女の子に誘われて麻雀を教わったことを言った するとその子は少し考えるような素振りを見せ、 「その3人って……1人はこんな感じでジャージじゃなかった?」そう言ってポニテの子を立たせた ……同じクラスだったか?立たせた子もそうだ。と思いながらよくポニテの方を見ると、会ったことがあるような気がしないでもなかった ポニテの子もじーっと俺の方を見たと思うと、「……あぁ!!京太郎!?」いきなり大声で俺の名前を呼んだ 呼ばれて思い出した。そうだ、昔誘ってくれた1人はこの子だ。いや、それよりも驚くべきことがあって、俺はついそれを言ってしまった 「なんでお前小6の時とあんま変わらないんだ!?」言った後、怒られた しばし怒られた後、改めて自己紹介と、そしてお互いに覚えていることを話した 4人は高鴨穏乃、新子憧、鷺森灼、松実宥というらしい。鷺森さんはひとつ上、松実さんはふたつ上だった 小6の時、俺を誘ってくれた3人の内、1人は高鴨さん、もう1人がなんと新子さんだった 新子さんの方は高鴨さんと違ってかなり変わっていて、また驚いた 俺と違い、2人はちゃんと名前まで覚えていてくれたらしい ありがたいけど、忘れてた自分が情けねぇ 「色々と話したいこと、聞きたいことがあるのは分かった。でも、明日また来てくれない?」と、鷺森さんに言われた なんでも、今日はもう1人いる部員は休みで、顧問の先生は今日は用事で来れるか分からないらしい 明日、今度はちゃんと全員揃うから、その時また来てほしい、とのことだった 勿論それでOKだ また明日、授業が終わったらここに、という訳で今日は帰った それにしても、まさか3人の内2人に会えるなんてな もう1人、名前は原村和というらしい、あのおもちが今どうなってるか、気になるところだ 晴絵「確かこの日玄は用事があって、私は新学期で色々忙しくて来れなくて、後で聞いて驚いたわー」 玄「京太郎くんが来てると知ってれば来たのに……」 灼「それは仕方な……」 穏乃「それにしても、小6から変わってないは失礼だよね!自分が背高いからって、私だってちゃんと背伸びたりしてるんだよ!?」 憧「……怒るのは仕方ないけど、京太郎の反応ももっともだと思うわ」 穏乃「憧まで言うの!?」 憧「未だに小学校の時と同じジャージ来てるくせに何を言うか」 穏乃「い、一応サイズは大きくしてるし!」 憧「そういう問題じゃないっ!」 宥「つ、次いこ~?」 4月●日 授業が終わり、高鴨さんと新子さんと一緒に元麻雀クラブ、現麻雀部室まで行った 高鴨さんの方は普通に話してくれるが、新子さんはまだ少し距離を取られているような感じだった 部室に着くと、昨日会った鷺森さんに松実さん、それと、なんと以前松実館前で会った子、それと、副担任の赤土先生がいた 以前松実館前で会った子、松実玄さんと言うらしく、松実宥さんの妹らしい 松実館の娘さん、そして、おもち好き。それで思い出した。麻雀クラブと旅館、両方で玄さん(本人からそう呼ぶように言われた)と会っていたこと おもちの柔らかさ、いかにして自然におもちに触れるかについて話し合ったことについて、やっと思い出した 玄さんの方は、この前俺と会って、少ししてから思い出していたらしい。また会えて嬉しいと言ってくれた 玄さんとの話が終わると、赤土先生が話してくれた 赤土先生は、昔ここでの麻雀クラブで教えていて、俺のこともちゃんと覚えていてくれたらしい 俺、高鴨さん、新子さん、原村和さんでここに来たこと、俺に麻雀を教えてくれたこと、1週間も無かったけど、俺も一緒に楽しくやっていたこと 言われて思い出してばっかりだけど、嬉しかった そして、俺と麻雀クラブに関する話が終わり、今の話をしてくれた 今、阿知賀の麻雀部として部員5人顧問1人でやっていること 何より、本気でインハイ出場を目指していること 赤土先生は、入部自体するなら歓迎するけど昔みたいに楽しいだけじゃない、と言ってくれた インハイ出場を目指している、ということに驚いたが、みんなの反応を見るに本気らしい 俺は今日は見学で、少し考えさせて欲しい、と言った それから見学させてもらったが……みんなマジなんだと改めて思い知ることになった 楽しそう、ではあった。でもそれだけじゃない、ってなるとなー…… しばらくして、俺だけ先に帰った 色々思い出せて良かったし、麻雀部に入部くらいは考えてたけど どうすっかなー 憧「……今だから言えるけど、これ結構きついこと言ってるよね」 晴絵「ちょっ、最初一番京太郎の入部に反対してた憧が言う!?」 灼「……確かに、捉え方次第じゃ、少人数で強豪気取り?」 宥「そ、それは言い過ぎじゃないかな?」 穏乃「……でも、全国で和と遊びたいってのは本気だったし、結果こういう言い方になったってこと?」 玄「でも、同じ麻雀クラブの仲間だったんだし、赤土先生も悩んだ結果言ってくれたんだと思うよ?」 4月◇日 今日は麻雀部のことは置いといて、他の部を見に行こうかと思っていた が、HR終了直後、高鴨さんに捕まって麻雀部まで引っ張られた 部室には玄さんが居て、俺達が着いた後、新子さんも来た 高鴨さんは「よし!打とう!」そう言った。すぐに新子さんがツッコミを入れていた 曰く、とりあえず昔の4人で打ちたい、とのことだった それを聞いたら玄さんと新子さんも仕方ない、といった感じだった 今思い出せば、俺は麻雀を初めて教わった時から酷い相手とばっかりだよなー 長野では咲とよく打ってたけど、あいつの+-0止めさせるのに苦労したっけ 玄さんは相変わらずのドラ麻雀、新子さんは容赦ないし、高鴨さんも結構酷い でも、思ったより対応できた。運は良かったのか、結果は3位と僅差で2位 1局終わったし、それで帰ろうと思ったが、高鴨さんがすぐに次の準備をしていた そのつもりは無いと言ったが「は?勝ち逃げする気?」と、4位だった新子さんからも言われ、そのまま2局目へ それからは、ずるずると3局目、4局目とドンドン続き、俺も楽しくなってきたり、途中で宥さんや鷺森さんとも打ったりと、気付けば夕方になっていた 入部するかも決めてないのにこんな時間まで打ってていいのか?と考えていると、いつからか居た赤土先生が入部届を渡してきた 「……こりゃ反対のしようもないわ」そう言う赤土先生も回りには、笑顔の高鴨さんと玄さん宥さん、仕方ないといった表情の新子さんと鷺森さんがいた 俺はその場で麻雀部に入部した 晴絵「打ってる内に細かいことはどうでもよくなった、って聞いてたけど、憧が引き留めたからだったかー」 憧「ち、違うわよ!私はただ、入部するかも分からない奴に負けたくなかっただけよ!!」 灼「結果入部してるけどね」 玄「ま、まぁ楽しかったし、京太郎くんが居て助かったことも多かったからいいですのだ!」 宥「うん、みんなで打つの楽しかったしね」 穏乃「私は京太郎とこれからも遊べるってだけで嬉しかったですよ?」 閑話、その頃の咲さん 咲「……うぅ、なんでこんなとこに麻雀部あるんだろ?」 咲「京ちゃんと打って、『麻雀またやれば』、って言ってくれたけど……部室見つからないよぉ……」 久「あら?どうしたのこんなとこで?」 咲「ひっ!?あ、学生議会長さん?」 久「兼麻雀部部長よ。ここ、部室だけど、入部希望者?」 咲「は……はい」 咲「嶺上開花、と、これで逆転ですね」 和「そんなオカルトみたいな打ち方……」 久「まーまー、いいじゃない。今のところ即戦力!いやー、ありがとう宮永さん!」 咲「い、いえ……私はそんな……」 まこ「謙遜せんでもええぞ。ここまでやられるとは思っとらんかった」 優希「ぐぬぬ……タコスの力を得た私相手にここまでやるとは……とんでもないじぇ!」 久「ほんっととんでもないわねー。これで全力?実はまだ2回変身を残してるとかない?」 まこ「流石にそれはないじゃろ」 咲「あ……実は、普通に勝つより得意な打ち方があるんですけど……ちょっと止められてて」 優希「ほ、本当に変身するのか!?」 和「人はそんなことできません。つまり、これは手を抜いていたと?」 咲「そ、そうじゃなくて!……その、ちょっと怒られるような打ち方だから……」 久「?よくわからないけど、やってみない?たまには一番得意な打ち方もやらないといけないでしょ?」 まこ「お前、自分が見たいだけじゃろ?」 咲「……じゃ、じゃあ……いきます」 この後めちゃくちゃ+-0した 4月▽日 麻雀部に入部した インハイ出場を目指している、と言っていたが、理由をまだ聞いていなかったので聞いてみた すると、赤土先生がある動画を見せてくれた どうやらインターミドル個人の決勝らしい そこに映っていたのはすばらなおもち!……の、持ち主、原村和さんだった 要は、インハイの舞台で原村和さんに会いたいから、らしい 確かにこのおもちには会いたくなる よし!俺も個人でインハイ出場を目指そう! より気合いを入れて頑張ろう! 憧「まずは胸か!」 玄「え!?違うの!?」 灼「違うから」 晴絵「俺もインハイ目指します!って言いだしたのはこれかー……まぁ、その向上心はいいことだけど」 宥「動機が動機ですからね……」 穏乃「まぁ、私も驚きましたし……でも胸、胸かぁ……」 4月■日 部室に行くと、まだ玄さんしか来ていなかった 穏乃と憧(昔はそう呼んでたから、という訳で何故か先生以外全員名前で呼ぶことになった)は後でくるらしい 玄さんだけ、だったので久しぶりに聞いてみた そう、おもちについてだ 初めて会った時、俺達はお互いが原村和の胸を見ていることに気付き、そして熱い握手を交わした 連絡こそ取れなかったが、おもちへの情熱が変わっていないのは、先日のパッドを見抜いた件で理解し合っていた 他の誰かが来るまで、俺達はおもちに対しての熱い議論を交わしていた しかし、宥さんが厚着の下からも主張するおもちの成長が続いていたり、憧着痩せ説などもいい収穫だったが、玄さん自体も結構あるんだよな…… 自分のだからって玄さんは一切気にしてないけど……俺は玄さん自身の胸についても語りたいのに! それを前にして語れないジレンマ!!なんて辛いんだ…… 灼「…………」 穏乃「…………」 憧「玄ー?何人の胸で色々話してくれてんのー?ちょっ、コラ逃げんな!!」 宥「うぅ……またおっきくなったの、黙っててって言ったのに……」 晴絵「玄ー?あー、ありゃ顔真っ赤だったかー。自分が見られてるって今まで気付いて無かったな」 憧「あぁもう逃げて!シズ?灼さん?どしたの静かになって」 灼穏乃「自分の胸に聞いて」 ※玄は後で回収されました 4月◎日 休日、まだこの辺りの地理とか分からない部分があるので適当にふらついていた そしたら、空から女の子が落ちてきた!ならぬ山から女の子が降りてきた。穏乃だった 昔遊んでた時も何度か山に行きたがってたけど、今も山登ってんのかよ…… せっかくだから穏乃に付き合って一緒に登ってみたけど……なんでそんなにひょいひょい登れるんだ? 俺も体力に自信あったけど、それ以上じゃねぇの? そのまま1日付き合って、日が暮れる前には山を下りたけど、「久しぶりに誰かと登ったから楽しかったー!!」と穏乃はすげーいい笑顔だった 俺はヘトヘトになったのに、疲れとか全然見えねぇ また山行こう!と言われたが、次は誰か巻き込もう 穏乃「……あ!これってひょっとして、初デートになるの!?」 憧「なってたまるか!!」 灼「流石にない」 玄「山が好きなのは分かるけど……ずっと登ってたの?」 穏乃「ちゃんと降りたり登ったりしてましたよ?」 宥「そういうことじゃないと思うけど……」 晴絵「しずらしいっちゃしずらしいわ……むしろ付き合った京太郎に拍手」 4月☆日 今日は久しぶりに咲に電話して、ついつい長話をしてしまった 聞いてみると、なんと自分から麻雀部に入ったらしい 嬉しい進歩だ しかし清澄の麻雀部って、長野には風越とか、去年大暴れとかの話を聞いた龍門渕とかあるのに、大丈夫なのか? そう聞くと、インターミドルチャンプがいるらしい まさか、原村和!?そんな近くにあのおもちがあったのか!? 早くおもちについて話せ!と言ったら電話を切られた 酷い、俺はただ今の原村和とおもちが知りたかっただけなのに! 畜生、また明日にでも電話してみるか 玄「気付かない内におも…和ちゃんが近くにいたなんて」 灼「今何言いかけたの?」 憧「長野に引っ越した、ってそういや言ってなかったわね」 穏乃「京太郎も清澄に和がいるって言わなかったし、お互い様じゃない?」 宥「和ちゃんは京太郎くんのこと、覚えてたのかな」 晴絵「どーだろうねー。意外と初恋だったり?」 憧「まっさかー」 閑話、4月末、長野 「付き合ってください!」 和「申し訳ありませんが、お断りします。見知らぬ方とお付き合いはできません」 「そ、そんな……」 優希「まーたふったのかー」 咲「また、ってそんなに告白されてるの?」 優希「おう!中学で転校してから私が知ってるだけで……あ、これ両手両足の指足りないじょ」 和「そんなに多くは……ないですよね?」 優希「どーだろなー?和ちゃん、ふった相手に向かって『初めまして』って言って泣かせたりしてたしー」 咲「うわぁ……」 和「そ、そう言われてもほとんど話してない人ですよ?そんな覚えられませんよ」 咲「覚えきれないくらい告白されてきたんだ……」 和「咲さん!?」 優希「はっはっは。しかし、中学の時も思ったけどなんでそんな断ってばっかなんだじぇ?好きな人でもいるのか?」 和「いえ……ただ、ああいういきなり告白してくる人が多いだけです」 優希「ふーん……実は初恋の相手が忘れられない、とかムロマホと話したこともあったんだがなー」 和「何話してるんです!?そんなことじゃないですよ。むしろ、もう名前も思い出せませんし」 咲「え?初恋の人はいるの?」 優希「それは初耳だじぇ……てっきり男に興味がないのかと」 和「怒りますよ?初恋くらいありますよ。もっとも、さっきも言いましたけど、名前も思い出せませんし、顔もぼんやりしてますけど」 和「……今思えば初恋というより、数少ない仲の良い同年代の男の子、というべきでしょうか……」 咲「へぇ……いつくらいの時?」 和「そうですね……長野に引っ越してくる前の、奈良に居た頃でしょうか」 優希「ほうほう」 和「小学校6年生くらいの時、その時の友達と一緒に知り合った男の子だったんです」 和「確か、親の用事か何かで来ていて、1週間も居なかったんですが、話しやすくて一緒に居て楽しい男の子でしたね」 和「……私の胸ばかり見ていたこと以外、いい思い出ですね」 優希「おー……そんな僅かな期間に芽生える恋」 咲「そして数年後の再開……恋愛小説の基本だね!」 和「そんな期待しても、連絡先も知りませんし、あの男の子がどこから来たのかも知りません」 和「名前も憶えていませんし……ああ、ひとつ覚えていることがありました」 和「金髪でした、その男の子」 5月×日 阿知賀に入学して1ヶ月、周りが女子ばかりな環境にもそれなりに慣れてきた まぁおもちが見れるチャンスは逃さないけどな! 他の男子の奴らとも人数が少ないからか必然的に仲良くなった 他の奴らだが、意外と部活にはあまり入っていないらしい 元お嬢様高校だし、運動系の部活とかやっぱり難しいらしい なので、いっそ男子で何か部活を作らないかという話になった 運動系の野球部やサッカー部、下心が見えている水泳部、変わり種でツインテール部とか言い出した奴もいた 色々な意見が出たが、写真部という意見にほぼ全員の男子が賛同した 主な活動は学園内の風景を撮ること、そこにうっかり他の生徒が入ってもしょうがないよね? それに俺達は強く同意し、詳しく部を作るための話し合いをしよう、としたその時 赤土先生が俺達のいた教室に入ってきた …………その後、男子達による創部計画は無かったことになった 憧「……何したの?最後、なんか涙が滲んでるんだけど」 晴絵「はっはっは。教育的指導教育的指導」 灼「さすがハルちゃん……」 穏乃「い、いいのかな……」 玄「写真部……そこでおもちの写真を撮るのなら私はそこに入っても!」 宥「玄ちゃん?麻雀部はどうするの?」 玄「あぅ……」 5月○日 今日からゴールデンウィーク 去年までなら適当に出かけたり鹿児島に行ったりしていたが、今年はインハイのため麻雀部で練習 でもやっぱみんな俺より上手いなー 特に玄さんなんかアレ初見じゃ無理だろ こっちにドラは来ないで向こうが独占とか、どんな縛りプレイだ このドラ麻雀で先鋒として頑張るんだ、と張り切っていた ちょっとドラ麻雀に負けまくってたんで、冗談半分に先鋒の選手は貧乳が多いと言った すると玄さんはかなりショックを受けたようで、目に見えてミスが増えた ここぞとばかりに、各校のエースは貧乳が多く、故に先鋒はエース、先鋒は貧乳という別称まであると言うと、今にも泣きそうな顔になってしまった ちょっと苛め過ぎたか。なんか苛めたくなるんだよな 少しして、このことがバレ、憧と灼さん、赤土先生にしこたま叱られた 帰り、玄さんは苛められたことで怒ってか、あからさまに俺を無視していたが、 すばらなおもち発見というと、すぐにいつものようにおもちについいて語りだした これも嘘だったんだが、玄さんはポカポカ俺を叩いてきた 年上なのにからかい甲斐がある可愛い人だ 憧「しょーもない嘘で京太郎が玄泣かした時かー」 灼「騙される玄も玄だけど……」 晴絵「ま、それも玄らしいっちゃ玄らしいけどね」 穏乃「それはどうなんでしょう……でも先鋒はエースを先鋒は貧乳って、京太郎も面白いこと思いつきますよね?」 宥「だね~。ん?玄ちゃんどうしたの?」 玄「……今気付いたのです……私がインハイで出会った先鋒は、みんなおもちが控えめだった!!」 玄「こ、これはまさか本当に先鋒は貧乳!?」 憧「アンタ全国の先鋒に喧嘩売ってんの?」 5月△日 今日も1日麻雀。まぁ休日に女子の中に男子1人って、考えてみりゃ恵まれてる状況だよなー 現実は麻雀でフルボッコだけど 憧とか狙ってんのかってくらい俺に直撃させる これがまた上手いからどうしようもない 一体いつの間にそんなに実力を、そう言うとドヤ顔するのがイラッとくるぜ いや、それよりも気になったことがあったので聞いてみた 「一体いつの間にそんなに綺麗になったんだ?」と 憧は一瞬ポカンとした後、顔を真っ赤にしていた 最後に会った時は俺や穏乃と一緒に走り回るような活発な感じだったのに、今やこんな女の子らしくなって この数年で一体そうやってそんな変わったんだ そこに関しては穏乃や玄さん、赤土先生も同感だったのか色々聞いていた 玄さんは手をワキワキさせていたけど、それは違うだろう。それもいいけど 赤土先生が「彼氏できた?」と聞くと、憧はさらに真っ赤になって妙な声を出していた 面白くなったのか、みんなでからかい続けると 「か、彼氏とかいたことないから!!」と憧は叫んだ その後ハッとして、何故か俺を思いっきり叩いてきた 理不尽だ。俺は綺麗になったしか言ってないのに 帰りも何故か憧にアイスを奢ることになった 晴絵「あー、この辺りから京太郎が無自覚に口説くのが目立ってきたよね」 灼「そういえば玄の時も可愛いって……」 憧「うぅぅ……急に綺麗になったとか言われたらああなるわよ!」 玄「か、可愛い……いやでも私は憧ちゃんみたいに綺麗じゃないし……」 宥「ふ、2人とも落ち着いて~」 穏乃「さらっと、気付いたら言ってるんですよね」 晴絵「別の時だけど、シズもいいリアクションしてたわよ?」 5月□日 GW最終日は、松実館での短期バイトだった 人手が足りないってことで頼まれたんだが 玄さんも宥さんも結構着物が似合っていた。宥さんは中にガッツリあったかいもの仕込んでいるんだろうけど 最初は勝手が分からなかったが、しばらく色々聞くと、ハギヨシさんに教わった様々なスキルもあってかそれなりに働くことができた なんか色んな人から驚かれたり褒められたりしたが、そんな大したことはしてないんだがなぁ 終わった後のバイト代も最初に言われていた額よりずっと多かった 玄さん宥さんの親父さん曰く、「これじゃ足りないくらい働いてくれた。受け取ってくれ!」とのことだった その後、卒業後に旅館に来ないかと誘われた。せめてバイトでも!と 最後に「なんならうちの娘どっちかいるか?いっそ両方とかどうよ!」流石に玄さん宥さんが叩いて止めた 恥ずかしかったのか2人とも赤くなっていた ま、いいバイトだった。今後もたまに短期ならということで話は終わった 玄「……旅館の娘なのに、京太郎くんに負けたのです」 宥「……京太郎くん、すごかった」 穏乃「いや、アレは勝てませんって」 灼「正直人じゃない……」 晴絵「言い過ぎだって。ほら、京太郎も誰かに教わったってあるし……」 憧「教えた人はもう人間止めてるレベルじゃない?」 GW前 side京太郎 京太郎『っつーわけで、今年はそっちに行けなくなったわ』 京太郎『……いや無理だって、みんな頑張ってんのに俺だけ抜けるとか』 京太郎『オイ、電話しながら黒糖食うのはやめろ』 京太郎『そもそも親戚っつっても血なんてほぼ繋がっちゃいないだろ、親父がおっちゃんと仲良かったからみたいなもんだし』 京太郎『いや、もう来ないって訳じゃないんだから、またそのうち行くって。だから黒糖は一旦置いとけ』 京太郎『え?今年はみんな集まる?良子さんも?』 京太郎『あー、プロ入りしてから来なかったもんな、良子さん。なんだっけ、今年は冬木市?では聖なる牌を取りに行ったんだっけ?』 京太郎『違った?ま、いっか』 京太郎『ん?……ああ、分かってるって』 京太郎『良子さんやおばさんおじさんにもよろしく言っといてくれ、春』 5月●日 今日は運動会だったけど……疲れた 男子だからって準備でも片づけでもこき使われたぜ 運動会自体はそれなりに楽しかった 特に揺れるおもちが最高でした。玄さんにいい見学ポイントを教えてもらっておいて本当に良かった 競技自体は普通だったが、いくつかに男子が混ざる、といった形だった まぁ10人いないくらいだし、しゃーない それでもなかなか楽しかった。特に、障害物競争は良かった あえておもちのある娘と並走して揺れるおもちをごく自然に楽しんだりできた ただ、途中の障害の借り物が少し悩むものだった 他はやかんとか、ヅラとか、こ○亀152巻とか微妙な物もあったが、俺が引いたのは『尊敬できる先輩』だった こっちに来て日が浅いので、少し悩んだ結果、玄さんを連れてゴールした ちょっと無理矢理手を引いたからか、少し玄さんは息が上がって赤くなっていた 一応、尊敬できる先輩として連れてきたと言うと喜んでくれた 尊敬しているとも。おもちと同志的な意味で まぁ、本人も分かっているだろう 玄「え!?人間性とかそういうのじゃなかったの!?」 憧「むしろなんで迷いなくそれ信じたの?」 晴絵「結構辛辣な意見ねー」 灼「そんなことだと思ってた」 宥「あ、あはは」 灼宥(選ばれなくて、ちょっと凹んだし) 穏乃「2人ともどうかしたんですか?」 5月◇日 今日も部活 今日は結構遅くなった 帰りに穏乃の希望で俺、穏乃、憧の3人でコンビニに寄った そこで、憧が急に他校の娘に声を掛けられていた どうやら中学の時の同級生らしい 確か、晩成だったか?奈良で何年も連続でインハイに出てる でもって偏差値70とか。憧もそこに行く予定だったとか 憧、頭めっちゃ良かったんだなー とりあえず憧がどうして来なかった、とか言われてたので、一応止めようと思って間に入ると 「誰……まさか……憧の彼氏!?」こっちが何か言う前にそう言う晩成の娘 いやいやそんなんじゃねー、と言おうとするがまた遮って 「……男が原因で来なかったのか」とか向こうは勝手に納得しだした 憧もかなり否定していたが、向こうはそのまま今年も晩成が勝つとか言い残して走り去って行った 後からコンビニから出てきた人が 「初瀬ー、アレ?……え!?お前なんで走って行ってるんだ!?私一応先輩だぞオイ!?」そう言って走って追って行った なんか誤解されたままで終わった 俺にはどうしようもないから憧にまかせたけど……どーなったかな 憧「……まだ微妙に誤解したままなのよねー」 穏乃「え!?壮行試合とかやったのに!?」 宥「た、大変だね」 玄「そうですのだ!一刻も早く本当は私の彼氏だって誤解を解いて…」 憧「しれっと何言ってる!!」 灼「……私のってメールしとこかな」 晴絵「青春だねー」 初瀬「うーん……」 やえ「どうした?携帯持って唸って」 初瀬「いや……その、略奪ってどうやればいいのかなって」 やえ「……色々言いたいことはあるが、私も競争相手にいるって忘れるなよ?」 5月▽日 部室に行くと、宥さんしかいなかった 宥さんはまだストーブを付けさせてもらえないからか、5月だというのに寒そうにしていた あんなに厚着してて寒いとか、大変だろうな ほっとくのもアレなんで、無いよりマシと思い、俺の上着を貸した 宥さんは驚いていたが、寒さには勝てないのかお礼を言ってから上着を受け取った 大き目だからか、厚着をしておもちな宥さんでも充分に着れた 上着1枚じゃあんまり変わらないと思っていたが、宥さんはあったか~いと言って、今日は普段より調子が良かった ただ、俺の上着を着ていることを憧や灼さんに問い詰められた。俺が 親切心なのに、解せぬ 宥「京太郎君の上着、あったかかったな~」 玄「なんて羨まし……じゃなくて、お姉ちゃん!ちゃんと着ないとだめなのです!」 憧「そ、そーよ!もっと、京太郎から借りなくていいくらい着とかなきゃ!」 灼「そーいえばこの前私にも貸してくれた……」 穏乃「いいなー……よし、私も!」 晴絵「シズはまずジャージだけなのをやめような」 5月■日 今日も部活 だが、部活前に灼さんに会った そのまま一緒に部室に行こうとしたが、灼さんが階段で足を滑らせてしまった 階段といっても、そんなに段差が無かったからか大事はなかったが、足を挫いてしまったようだった 大丈夫と灼さんは言っていたが、そのままにしておけず、保健室に行こうと言っても聞いてくれなかったので、 強制的に抱えて運んだ。今考えればお姫様抱っこの形だったな 灼さんは顔を真っ赤にして文句を言っていたが、怪我人に無理させる訳にはいかない そのまま保険室まで連れて行って、手当してもらった 手当が終わって、部室に行くから肩を貸して欲しいと言われたが、身長差がどう見ても30以上はある なのでまた同じようにお姫様抱っこで運んだ 保健室に行くときよりかなり文句を言っていたが、怪我して無理をしようとした罰です、と言ってあえてそのまま運んだ 部室にもそのまま入ってやると、流石に降ろしてから怒られた 顔は真っ赤のままだったが その後、帰りは灼さんは赤土先生に送ってもらっていた 憧にもめっちゃ怒られたし、少しやりすぎたと思う だが、また同じようなことがあったら誰でも俺はやるかもなー 灼「……アレは酷かった」 晴絵「人生初お姫様抱っこだったっけ?」 灼「うぅ……」 憧「そんな無理矢理なんて羨まし……じゃなくて酷いわよね!」 穏乃「でも、怪我してたからと考えれば……」 玄「無理しようとしたからですのだ!」 宥「……玄ちゃん?同じことしようとか考えてないよね?」 玄「ギクッ!?」 憧「オイ」 5月17日 今日は憧の誕生日だった 昔会ったことあるとはいえ、実際の付き合いはまだ一ヶ月ちょっと、いや知らんから 部活が終わってケーキが出されてから初めて知った 何も用意できてねーよ みんな何かプレゼントを用意していて、俺1人無しというのもアレなので、 ついこの前携帯で撮ったカピーのベストショットを見せたら、思った以上に喜んでくれた 結構動物とか好きらしい 写メを送った後、今度うちに見に来るという約束をした まぁ、これで喜んでくれるなら安いもんだけどな カピーを今日は少し長めに撫でといた でも写メだけってのもアレなんで、明日何かお菓子でも作って持ってくか 憧「あぁ、この時の写メ、今もたまに見るわ」 灼「結局みんなもらってたけどね」 憧「いいのいいの、可愛いんだし」 穏乃「でも、翌日京太郎が持ってきたクッキーも美味しかったですよね」 晴絵「アレ、どこで買ってきたかと思ったよ」 宥「手作りですもんね」 玄「京太郎くん、そういうとこ本当にすごいなぁ……」 5月◎日 今日は松実館でバイトした なんでも従業員が1人風邪らしいので急遽頼まれた まぁ大体は前回やったことだからそこまで苦ではない でも、前回に比べて、他の従業員の人にも結構顔を覚えてもらえたり、 たまに厨房に呼ばれて手伝いをしたり、前よりも信用されているような感じはあった 何人かからは、いっそ今から就職しないかとか誘われたりした 冗談だろうけど、気に入ってもらえたのかなー 玄「むぅ……冗談じゃないのに……」 宥「ねー」 穏乃「え?従業員の人達もですか?」 玄「うん!板前さんとか、『弟子にしてもいい』とか言ってたよ」 宥「他の人から『ちょっと本気で勧誘してくれない?』って頼まれたりもあったなぁ~」 灼「……従業員みんな本気で狙ってる?」 憧「まぁ、京太郎のスキルならねぇ……」 晴絵「そのうち松実館に就職したって言ってきそうだなー……」 5月☆日 ちょっと親父からの頼まれ事で大阪まで遠出 そこでちょっと奇妙な出会いがあった 昼に大阪ということで目についたお好み焼き屋に入った 個人でやっているようなところなのか、客は俺と、高校生の制服を着た姉妹だけだった どうやら自分で焼けるとこらしかった 俺も自分で焼いてみることにして注文し、タイミングの問題か姉妹と同じタイミングでお好み焼きのたねがきた 客が少ないからか、姉妹の会話もよく聞こえた 「ええか?今うまいお好み焼き焼いたるからな?」「でもお姉ちゃん、この前失敗せぇへんかった?」「ぐ、偶然や!」 等と微笑ましい会話だ。というか背が低い方が姉か。よく見たら妹の方が背も胸もあるな 俺も鉄板で焼いた。久しぶりだったが、案外覚えているものだった 「ええか……ひっくり返すのはタイミングと勢いや!……こう、ピピッときたらガッといくんやで?」「……大丈夫かなぁ」 声が大きいのもあってよく会話は聞こえた。なんかフラグっぽいと思っていたら、その通りだった 「……よし!今や!!」「あ、まだ早……あ~あ……」妹の「あ~あ」で全てを理解した 姉……やらかしたな 「……難しいんやって!ほら!あっちの金髪のにーちゃんも今失敗するで!!」 なんか姉妹でこっちを見ているような気がしたので、あえて見せつけるように綺麗にひっくり返したやった。ドヤ顔のおまけ付きで 「……お姉ちゃん、あの人めっちゃ上手いやん。お好み焼きめっちゃ美味しそうやん」「……見た目より味や!ちょっと!!そこのにーちゃん!!」 そう呼ばれた。まぁ最初から聞こえていたし、別に問題はないが 「うちのお好み焼きとアンタのお好み焼き、どっちが美味いか勝負や!!」そう言ってくる姉の方……思ったより貧乳だったな 断る理由もないので、焼き上がったお好み焼きを切り分けて姉妹に渡す 「……美味いな」「……お姉ちゃん、これオカンより美味しくない?」 そして渡される姉……いや貧乳のお好み焼き……THE失敗作な見た目だった 味は……まぁ普通だな。見た目アレでも悪い訳じゃあない 悔しそうにする貧乳と、申し訳なさそうな妹、もとい巨乳。対照的だった。色々と そのまま一緒に食べることになり、何故か連絡先を交換することになった 「次は負けんからな!なんなら美味いもん作ったら写メ送ったるわ!!」そう宣言しる姉妹の貧乳の方、愛宕洋榎さん 「ホンマお姉ちゃんがスンマセン。あ、これ私の連絡先です」そう言いながら連絡先を教えてくれた姉妹の妹、巨乳の愛宕絹恵さん 帰り道にメールしていると、2人が年上で麻雀部だと知った 夜、宣言通り愛宕…愛宕(貧)からからあげの写メが届いた なのでこっちはこってり豚骨のチャーシューメンを送ってあげた 言い出したのはあっちだし、問題ない問題ない 灼「大阪の愛宕さん……有名選手……」 晴絵「誰とでも仲良くなるなぁ……きっかけがアレだけど」 憧「夜にラーメンって狙ってやってるわね。というか(貧)って……」 玄「確かに愛宕さんは妹さんの方はすばらですが、お姉ちゃんの方はおもちがひかえめですのだ!!」 宥「なんで対戦してないのに分かるの?」 穏乃「……ラーメン食べたいなぁ」 憧「……アンタが引っかかるな」 洋榎「うーん……」 絹恵「……どうしたん?今日の夕飯作るんやないん?」 洋榎「いや、作ってから京太郎に送ってやろーって思っとるんやけど……」 絹恵「うん?」 洋榎「京太郎にダメージあるようなもん作ったら太るし、夜は夜で京太郎が送ってくるし……ウチはどうしたらええんや!?」 絹恵「……無茶な勝負やめたらええやん」 愛宕(貧)、必死に京太郎に仕返し中 しかし京太郎へはほぼノーダメージの模様 5月★日 今日は俺が部室に来た時玄さんしかいなかった 部活が始まるまで時間があったので、玄さんと魂の決闘(デュエル)をした お互いのカード(写真)を出し合い(見せ合い)より上をいく方が勝つ…… やはり同性の強みか、玄さんはかなりの数のカード(写真)を出す 俺も無くはないが……数が足りなかった(写真の入手は合法な手段) このまま負けるのか……そう思った時に引いたのは……鹿児島の春から送られてきた1枚の写真 石戸霞さん&明星ちゃんの規格外なおもちの写真!! 流石の玄さんもこれには涙して深々と一礼 俺達は互いの健闘を称えあい、硬い握手を交わした そしてその3分後、赤土先生と憧と灼さんに見つかり、正座で説教をくらった 写真だけは死守したがな 玄「いい決闘(デュエル)だったね……京太郎くん」 憧「机に女子の写真広げて泣きながら握手してたんだけど、やっぱ今からでも殴っていいわよね?」 晴絵「まーまー落ち着けって。うん、私より大きいのばっかだったけど、気にすんなって」 灼「……やっぱりゆるせな……」 穏乃「でも、今なら憧の写真もあるかもよ?」 憧「なっ!?」 宥「ちゃんとみんなの分あるんじゃない?」 6月×日 今日は穏乃と憧と遊ぶ予定だったが、待ち合わせ場所に2人とも来たが、憧は予定で遊べなくなったらしい 穏乃と2人で、ということになった ついでに憧からジャージ以外の服を選んでやってほしいと頼まれた 思い出してみれば昔会った時もずっとジャージで、今もその時とほとんど変わらない 普段はずっとジャージなのかと聞くと、いい笑顔で頷かれた なんで少し誇らしそうに頷く 憧の頼みもあり、商店街の服屋を見て回ることにしたが……穏乃ががっつり拒否しやがる スカートとか制服以外は絶対ないとまで断言しやがった 一応女子高生なのにそれでいいのか 元は悪くないのに、もったいない 仕方なく穏乃の服は諦め、適当に商店街を見て回ることになった ちょっとした食べ歩きみたいになったが、まぁこれはこれで楽しかった 道中で買ったものはしっかりと写メを撮り、夜に愛宕(貧)に送っといた 穏乃「ジャージでいいのにー」 憧「普段着がほぼジャージってのは流石にないわよ」 灼「だね。ちゃんと服買わなきゃ」 晴絵「……ツッコミどころか?」 宥「そ、それはちょっと……」 玄「でも、元は悪くないって言ってるから、可愛らしい服着てみるのもいいんじゃない?」 憧「それがねー……実は結構後に…」 穏乃「!?そ、それは黙っててって言ったじゃん!!」 玄「へー……じゃあ読み進めたら書いてあるかもだね!」 穏乃「!?」 6月○日 今日からついに団体戦が始まった 初戦からいきなり晩成が相手、どうなるかと思ったが、 いきなり玄さんが大きくリードを広げ、そのまま1位に! マジで晩成に勝ったよ、すげー 会場のみんなびっくりしてたわ そのまま2回戦も危なげなくトップ通過 このままの勢いで目指せ全国!! 晴絵「県予選かー、いやー、あの会場中のびっくりした顔は良かったなー」 穏乃「いきなり玄さんが5万もリード広げましたからね、アレはすごかったなー」 玄「た、たまたまだよ!それに、その後すぐ晩成の小走さんが対応してきたし」 憧「あー、あの人はマジですごいわよねー。初見で玄相手に+で終わらせるんだもの」 灼「あの人は本当に上手い、奈良個人1位だし」 宥「壮行試合の時も、すごく強かったよね~」 6月△日 団体戦、優勝おめでとう!! 晩成以外って10年ぶり?とか言われてたけどどうでもいい! 全国出場が決まったことが嬉しい このまま勝ち進んで和と、という目標のためにも、 これからも頑張っていこう とりあえずは来週の個人戦! やってやるぜ!! 穏乃「この時は嬉しかったなぁ……」 憧「今思えば夏に全国目指すって決めて、本当に全国行くとかどこのドラマよ」 晴絵「それを自分たちでやったんだ。誇っていいぞー」 灼「ハルちゃんもそうだった……」 玄「みんなで掴んだ勝利、ですのだ!」 宥「だね~」 6月□日 麻雀部が全国に行くことになったせいか、周りの扱いも変わってきた 穏乃や憧は他のクラスの人にまで色々聞かれていたようだった 玄さんと灼さんは、それぞれ旅館とボーリング場にお客が増えたと言っていた 宥さんはもみくちゃにされていた。超混ざりたかった それと、麻雀部の後援会がまたでき、予算やらでかなり援助してくれるらしい なので、インハイまでの間に毎週どこかの県の2位の学校に練習試合に行こうという話になった 詳しくは、俺の個人戦が終わってかららしい 俺は留守番かなー。ま、野郎1人なら当然だが それと、みんなで新聞を見て知ったが、長野で咲と和がいる清澄高校が全国出場を決めたらしい 穏乃が燃えていた。物理的に燃えそうでこえーよ マジで優勝かー。あいつも頑張ったんだな 後で電話しておこう 穏乃「あ、うちの店もお客増えたよ!」 憧「うちも参拝客が増えたわ。ま、そのせいで私まで巫女服着て出るはめになったけどね」 灼「なんにせよ、増えたのはありがたい」 玄「だね。お姉ちゃんは揉みくちゃにされてどうだった?」 宥「あったかかったよ」 玄「そのまま私も混ざっていれば上級生のおもちを堪能できたのに……」 晴絵「玄ー?女同士でもセクハラは成立するからなー?」 6月●日 今日から個人戦、俺の大会が始まった 俺なんかほっといていいのに、みんなわざわざ応援に来てくれた というか男子1人に女子5人+引率、目立つわ 玄さんとか落ち着くためにおもちを思い浮かべて、とかアドバイスくれたけど、 思い浮かべなくても目の前のおもちで充分ですありがとうございます そうこうしていると、晩成の先鋒、小走さんがわざわざこっちに来た 晩成は共学で、小走さん自身も個人戦に出ているが、男子の応援にも来たらしい 「個人でリベンジできないのは残念だが、やるからにはトップを目指す!それは男子も同じだ!負けないからな!」そう言い残して 行った あの人なりの激励か?悪い人じゃないのは分かる そして試合、厳しいとこもあったが、なんとか初日は突破した しかし、明日からはもっと強い相手もいるだろう 気合いを入れて、明日も頑張ろう! 憧「京太郎の試合も見ててハラハラしたわねー」 晴絵「ま、いきなり3年生ばっかの卓に入ったりだったからなー」 灼「運が良いのか悪いのか……」 穏乃「うーん……微妙なクジで1位とか引くけど……」 玄「とにかく初日は勝てて良かったよ」 宥「うん。みんなで応援したね~」 6月◇日 大会2日目、悪くは無かったし、午前中は勝ち抜けたんだが、晩成男子は上手かった 奈良県のトップ校は伊達じゃないな 1年夏でいきなり全国、なんて普通じゃ無理なのは分かってるが、悔しい 終わった後、みんな色々と慰めてくれた 玄さんなんて胸を貸すとまで言ってくれたが、断った。断るとか何シリアスっぽくやったんだあの時の俺 でも、これで終わるか もっと、もっと練習して次の大会こそやってやる! 俺は諦めねーぞ!! 穏乃「京太郎……」 憧「そんなの見せなかったくせに、やっぱり悔しかったんだ……」 晴絵「男の意地ってやつよ」 灼「……今度、小走さんも誘って京太郎と打と」 宥「うん……私も」 玄「……じゃあ私は胸を!」 晴絵「シリアスを胸でぶち壊すのは止めなさい。京太郎は喜ぶかもしれないけど」 6月▽日 今日は雨 だから制服が濡れた、とか言いながら何故か嬉しそうにジャージ姿の穏乃が言っていた 制服よりジャージの方が見慣れてしっくりくるってちょっとおかしい気がする ジャージなせいか、普段よりよく穏乃は動いていたが、そのせいかジャージが壁の釘か何かに引っかかり、盛大に破けた ジャージの下はそのまま下着だったのか、一瞬白い何かが見えたが、穏乃はすばやく隠してしまった。おしい しかしそのままにしておく訳にもいかない。制服も濡れているらしいので、一旦ジャージを脱いで貸せと言うと、殴られた 普通ビンタじゃねーの。グーってさぁ…… とにかくジャージを縫うため、妥協案として、一時的に俺の上着を貸した。まだ冬服のままでよかった 体格差の問題か、俺の上着で十分ジャージの代わりはできていた 貸している間、穏乃は何か大人しかったが、まぁジャージが直るのを待っていたんだろう ハギヨシさんに教わったことを思い出し、3分で終わらせた そのまま穏乃にジャージを返し、すぐに着替えたが……なんで今度はジャージの上に俺の上着着てんだ 結局穏乃は俺の上着を着たまま部活を始めた 俺に上着が帰ってきたのは帰り際になってからだった そんなに俺の上着が良かったのか?どこがいいのか全く分からん 穏乃「あぅ……」 晴絵「あったわねー。穏乃が珍しく京太郎を困らせてた日」 灼「あったあった。何を言われても上着を返さなくて」 宥「あったかそうだった」 玄「で?どうしてかな?」 憧「さー、キリキリ吐きなさい」 穏乃「いやその……京太郎が近くに居る感じが良くて……ちょっと話したくないなーって……あぁもうこれ以上いいじゃん!!」 晴絵「おー、穏乃が乙女の顔してるー」 憧「気持ちは分からなくもないけどねー……あたしもやろっかな」 灼「……体格的には私が」 玄「は、はいはい!私も!」 宥「わ、私もあったかくなりたいな~」 穏乃「なっ……じゃ、じゃあ私は今から京太郎に頼んで…」 晴絵「はい、その辺にしときなさいね?」 6月■日 今日から毎週末、全国の県2位の高校との練習試合だ 俺は対戦校がOKすれば付いていけるらしい 今週は穏乃の希望でなんと長野の龍門渕高校 龍門渕と言えば、長野での親友であり師匠、ハギヨシさんが勤める家 多少は面識があったからか、俺が来ることもOKだったらしい 高校、ではなく龍門渕家に招かれた。何度か来たことはあったが、相変わらずでかい すれ違う使用人の人も、ちらほら知っている人もいるので軽く挨拶もしつつ、部屋に通された そこには何度か会ったことがある人達、龍門渕透華さん、天江衣さん、井上純さん、国広一さん、沢村智紀さんがいた まさかこんな形でまた会うことになるとは、そう龍門渕の人達と話し、早速練習試合を始めることに 初戦……穏乃が天江さんにフルボッコに。ついでに俺まで巻き込まれた。飛んだけどな 穏乃が圧倒的な実力に凹んだ、かと思ったがそこは山育ち(半分くらい) すぐに復活して再び天江さんい挑む辺りが流石阿知賀の大将だ それからしばらくして、休憩がてら清澄がどうだったか聞くことに 初めは和が大将だったかと思ったが、大将はなんと咲だった 咲が大将かー……昔はそりゃ自分はおろか俺まで+-0されまくったり、カンばっかりされて気付いたら飛ばされたりしたけど…… そういうとなんか赤土先生が引き攣った顔してた 予定が合わないから会えそうにはないが、インハイで会えるかな 晴絵「あんな人外と昔から打ってて平然としてるのがすごいのよ」 憧「いや、一応あたしらとタメなんだからそんな人外とか……いや、人外というか……」 玄「おもちは人並み以下なのに……」 灼「それ言ったら色々な人に怒られるよ……」 宥「穏乃ちゃん、実際打ってみてどうだった?」 穏乃「打ってる最中は平気だったんですけど……後からすっごく怖くなりました」 咲「へくちっ……風邪かなぁ……」 6月◎日 学校帰り、少し早いけど必勝祈願のお守りでも買うべきかと話すと、 憧が自分のとこの神社でいいものを選ぶ、ということで憧と2人で神社に寄ることに 神社に着き、2人で境内にいるという憧のお姉さん、望さんを探していると、見知らぬ同年代の男の人と親しげに話す望さんを見つけた 邪魔になってはいけないし、今日はやめとくかと思ったが、隣で憧がとんでもなく驚いた顔をしていた 「そんな……お姉ちゃんに……小鍛治プロみたいになるとか考えたりはしてたけど……いやでも……」とかブツブツ言ってた憧 大分失礼なこと言ってたけど聞かなかったことにした 望さん達はそのまま神社の裏手に回って行き、俺は憧に引っ張られてそれを尾行することに 馬に蹴られたくはない、と言っても憧は「ほっとけないでしょ!?」と聞かなかった やがて、周囲から見えないような神社の裏手の奥に。俺達は近くの茂みに そのまま望さん達は急に互いに近付き、どうなるか、と思った時 憧が前に出過ぎたのか、思いっきり音を出して、望さん達に気付かれてしまった 仕方なく俺が事情を話すと、望さんは声を上げて大笑いだった 「この人、親戚だよ?憧、忘れたの?」そう言う望さん 憧はぽかんと呆気にとられた顔をした後、一気に真っ赤になった さらに話を聞くと、男の人は憧とも親戚関係にある人で、ただ建物の修理に来ただけらしい 最後まで話を聞くと、憧はすごい速さで走って逃げていってしまった 俺を置いて。せめて最後まで引っ張っていけ 「あーおかしかった。ま、あんな妹だけどよろしくね?」そう言う望さんだった 一応、帰りにお守りは選んでもらった 憧「うあああああ……なんでこんなことまで書いてんの……」 晴絵「望に男ができたと勘違いか……くく、確かに驚くけど……いやー、面白いよ憧」 憧「う、うっさい!姉の心配くらいするわよね!玄も!!」 玄「え!?そ、そう!お姉ちゃんの心配はするものですのだ!」 灼「……京太郎取られないように?」 玄「なっ!?ななななんのことかな!?」 宥「玄ちゃん……」 穏乃「いや、今更でしょう」 6月☆日 週末の泊りで練習試合、今回は愛知県だ だが俺は留守番。まぁ、相手校が女子校で女子チーム同士の練習試合だし、そりゃ普通はこうなるわなー 仕方ないので今日は1日ネト麻 久しぶりにじっくりハギヨシさんと打ったり、うっかり間違えたのかネト麻最強ののどっちとエンカウントしたり、色々あった ただ、1人仲良くなれた人がいた ハンドルネーム打倒はやりんさん 可愛らしいアバターに、アバターのおもちが大胆な人、チャットで仲良くなり、連絡先まで交換した ぼちぼちメールもやってる。なんか今度着る衣装、とか言って服の写メを送ってくれた これがかなり大胆なものだった これを平然と着れるほどの人物……是非ともリアルでも会ってみたいな 晴絵「まー、さすがに連れてけなかったわー」 憧「仕方ないわよ。せめて個人で入賞でもしてれば断られなかったかもしれないけど」 穏乃「ちゃんと京太郎も分かってるよ。お土産も買ってったし」 玄「しかし……この人もおもちがあると見た!」 灼「いやネト麻だし……そもそも女の人じゃないかも……」 宥「玄ちゃんのこういう勘は当たるよ~」 揺杏「ユキー!新しい衣装だぞー!!」 爽「希望通り胸めちゃくちゃ強調したぜー!!」 成香「わ、わぁ……」 誓子「胸元すっごく開けて……これ、本当に着るの?」 由暉子「いいですね……彼、胸が好きですし……」 6月★日 部活に早めに行くと、玄さんが部室の掃除をしていた せっかくなので俺も手伝うことに 熱いおもちへの愛を語り合いながら掃除をしていた しかし、俺と玄さんでは大きな違いがある それは、おもちを実際に触れたことがあるか否かだ 玄さんは同じ同性として、比較的容易に触れることができる だが俺は男だ。下手に触れでもしたらあっという間にデッドエンド直行コースに おもちを愛するものとして、柔らかさや重さ、それらを知りたいが俺ではその領域まで至ることはできない なんという玄さんとの大きな差。なんて大きな問題 玄さんもこの辛さが分かってくれたようで、優しく慰めてくれた その時だ 俺は掃除で濡れた床で足を滑らせ、まるで玄さんを押し倒すような形で倒れた あまりに唐突な出来事に俺は状況が理解できなかった そして、倒れている俺は、その手に当たっている柔らかいものが何かも分からなかった とりあえず手を動かすと、それは柔らかく、そしてあたたかなものだった 動かすと同時に玄さんの声も聞こえた 「きょ、きょぉ…たろ……くん……」その声でハッとした 俺の手は、俺の両手は……玄さんのおもちの上にあった つまり、俺が触れていたものは……玄さんのおもちっ!! すぐさま玄さんの上に倒れる形だった俺はそこをどき、すぐに土下座した 玄さんの表情は土下座で見えなかった が、玄さんが何かを言う前に、みんなが来た そこで土下座している俺にみんな驚き、結局玄さんのおもちを揉んだことは有耶無耶になってしまった しかし……今思い出すと、アレがおもちの感触か……すばらしい 俺はまた、ひとつ大人になれた気がするよ ありがとう、玄さん 玄「どういたしまして……やはりおもちは触れてこそ…」 憧「何やらせてんのよっ!!」バシッ 玄「あいたぁ!!叩かないでよぉ!」 晴絵「いやー、これ現場抑えられてたらアウトよ」 灼「流石に擁護できない……」 玄「事故!事故だよ!!」 宥「でも、京太郎くんに押し倒されたんだよね?」 穏乃「な、なんかそう聞くとすごいですね……」 玄「そ、そんなんじゃ……あぅぅ……」カオマッカ
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前話 次話 恒子「お前ら待ってたかー!大将戦の実況の福与恒子とご存じアラフォーが来たぞー!!」 健夜「アラサーだよ!というかいきなり何言ってるの!?」 恒子「なんか言うべきかなーって」 健夜「もう……ええと、解説の小鍛冶健夜です」 恒子「元世界第2位のアラフォー」 健夜「アラサーだって!」 恒子「はい、えー、大将戦を前にしてこうなってます」 1位白糸台2264 2位清澄1892 3位臨海1305 4位阿知賀900 健夜「白糸台はさすがですね。準決勝では弱点を突かれたのか油断したのか2位でしたけど、決勝では圧倒的な実力で1位をキープ」 健夜「それを追う各校。特に清澄が迫っていますね」 恒子「臨海と阿知賀も頑張っているよね?」 健夜「うん。でもどうしても白糸台との差が縮まらない。それがここまで」 恒子「てことは?」 健夜「大将戦でここまで変わらなかった順位が変化するかもしれません」 恒子「ほほう……女の勘、もといアラフォーの勘だね」 健夜「アラサー!今回いつもより多くない!?」 誠子「ただいま戻りました」 淡「お疲れさまでーす。今回はハンデ無しかー」 誠子「お前はまた……とりあえず汚名返上ってことで」 尭深「お疲れ様」 菫「ああ、よくやってくれた。で、淡」 淡「はーい」 菫「お前阿知賀ばかり意識するなよ?」 淡「……そんなことないですよ?」 菫「こっち見て言え」 照「……大将戦」 淡「テルー?」 照「ん……淡ファイト」 淡「うんっ!」 照「そして……気を付けてね」 淡「もっちろん!高鴨穏乃、今度こそ100回倒す!!」 菫「阿知賀はいいから他にも気を付けろよ……」 照(咲……京ちゃん……) 灼「ごめん……あんまり差縮められなかった……」 晴絵「灼……」 灼「私……」 穏乃「灼さんお疲れ様です!!」 灼「し、穏乃?」 穏乃「後は私がなんとかしてきます!」 灼「いや、なんとかって…」 穏乃「うおおおお!!燃えてきたあああ!!」 憧「少しは静かにしろ!」ベシッ 穏乃「あたっ!もーいいじゃん、逆境って燃えるし」 玄「穏乃ちゃんはいつも燃えてるよね」 宥「あったかい?」 穏乃「まだ負けた訳じゃないですし!行ってきます!!」 憧「ジャージで行くなっつったでしょ!!ほら、着替えた着替えた!」 穏乃「えー……ジャージの方がいいのに」 憧「ジャージで全国決勝大将戦なんて聞いたことないわ!」 灼「っぷ、あはははは!」 玄「灼ちゃん?」 灼「……悩んでるのが馬鹿らしくなってきた」 晴絵「……そうだな」 灼「……穏乃」 穏乃「はい!」 灼「まかせたよ」 穏乃「はい!!よーし!行くぞー!!」 憧「ちゃんと制服着ていきなさいって!!」 宥「ふふっ。あったか~い」 ダヴァン「……日本は強かったデス」 智葉「おい、こいつのラーメン持ってけ」 明華「はーい」 ハオ「何日分かなー」 ダヴァン「酷い!私に死ねト!?」 智葉「なんで麻雀よりも必死なんだお前……冗談だからな」 ダヴァン「サトハの冗談は笑えまセン……」 ネリー「じゃーネリーがばばーんと逆転してくるねー」 智葉「おう……しかし、全国大会の決勝、それも大将戦が全員1年生とはね」 明華「何か問題でも?」 智葉「いや……何が起こってもおかしくないよな」 ハオ「?」 ネリー「よく分かんないけど、行ってくるねー」 久「お疲れ様、よくやってくれたわ」 和「もう少し頑張れればよかったんですが……」 まこ「あんまり言うなって。1年生がよーやったわ」 優希「そうだじぇ!それに、おっぱいならのどちゃんが圧勝だったじぇ!」 久「そりゃー永水でも呼ばなきゃ勝てないわー」 和「もう優希!部長まで!」 まこ「うーん、わしら全員分でも足りなんか」 和「染谷先輩まで……あれ?咲さんと、こんな時真っ先に反応する須賀くんは?」 久「ああ、須賀くんは咲を対局室まで送らせたわ」 まこ「今までの会場でも迷っとったんじゃ。まず今回も迷うじゃろ」 優希「京太郎なら大丈夫だからな!」 咲「……ねぇ京ちゃん」 京太郎「うん?」 咲「えっと……私が方向音痴だってのはもう認めるからさ……」 京太郎「……まだ認めてなかったのか」 咲「それはいいよ!……手、繋いだまま対局室まで行くの?」手繋ぎ 京太郎「……咲だしなぁ」手繋ぎ 咲「私、そこまでじゃ…」 京太郎「中学の修学旅行で隣にいた咲が消えたのはさすがに驚いたなぁ……」 咲「あ、アレはお店からいい匂いがしたから……」 京太郎「このまま行くぞ」 咲「……はい」 咲(やっとお姉ちゃんのとことだけどお姉ちゃんじゃない……) 咲(でも、部長に和ちゃん、それにみんなが勝ちたいって言ってた) 咲(私は……どうしたいんだろ) 咲「……ねぇ京ちゃん」 京太郎「うん?」 咲「京ちゃんは……清澄が優勝したら嬉しい?」 京太郎「はぁ?当然だろ?」 咲「そうだよね……」 京太郎「それに、咲が勝つってのが嬉しいな」 咲「え?」 京太郎「まさかちんちくりんの幼馴染が全国決勝で大将をまかせられるなんて……感慨深いなぁ」 咲「……ちんちくりんじゃないもん」 京太郎「……それに、よくは分からないけど照さんと本気でやるって言ってたろ?」 京太郎「そりゃ照さんと直接対決って訳じゃないし……なんか上手く言えねーけど、お前が勝つ方が俺は嬉しい」 京太郎「ああもうなんだろ……とにかく俺はお前を応援するし、お前の味方だ!どうだ!?」 咲「……ぷっ、どうだって……あはははは!京ちゃん何言ってるか分かんないよ」 京太郎「う、うるせー!とにかく、お前は全力でやって、楽しめばいいんだよ!」 京太郎「県大会の決勝でも言ってたろ?楽しいって。もうそれでいいよ。ごちゃごちゃ言うのは性に合わない」 咲(なんかいろいろぐるぐる考えて、悩んでたのがどうでもいいやってなったな……) 咲「ふふふ。そうだね……全力で楽しんでくるよ!」 咲が+-0を止めました 恒子『さあ、選手が全員揃ったー!』 健夜『アレ?今宮永選手、男子に手を引かれて対局室まで来てなかった?』 恒子『アラフォーの嫉妬?』 健夜『アラサー!!』 恒子『あ、試合開始』 健夜『軽いよ!?』 淡(今回は最初っから全力!) 咲(これって……) ネリー(話は聞いてたけど面倒だよー) 穏乃(うーん……配牌をどうこうするとかできないし……) 淡「カン!」 穏乃(え!?最初から!?) 淡「ロン!」 淡(100回……100回分倒す!!) 咲(う……なんか衣ちゃんとやってた時みたい……) ネリー(金髪が強いよ……) 穏乃(うおおおお……なんかやばい!) 淡「ツモ!」 淡(あはっ!なんか絶好調じゃん!!) 恒子『前半戦終了!王者白糸台の1年生、大星淡選手が大活躍!!』 健夜『すごいですね……準決勝ではなんと言うか、油断していたように見えましたけど、今回はそれが無い』 健夜『去年の天江選手や、宮永照選手ほどじゃないですが、彼女もかなり点を稼ぎますね』 恒子『うん……さすがアラサー』 健夜『アラサー…合ってるよ!今なんで脈絡無く言ったの!?』 淡「たっだいまー!!どう!?」 誠子「あ、あぁ……お前、すごいな……」 淡「でしょー!?」 菫「ああ。今回は油断していないみたいだな」 淡「決勝だし、出し惜しみ無しです!」 尭深「でも……準決勝では後半戦から……」 淡「大丈夫」 照「……淡?」 淡「後半戦だろうとなんだろうと……負けないから」ゴッ 照(淡がここまで本気になるなんて……) 菫「普段からここまでやる気ならいいんだがな……頼むぞ」 淡「はーい」 穏乃「うわーやばいやばい!大星さん最初から全開だよ!」 宥「お、落ち着いて……」 穏乃「というか何気に宮永さんもすごいね!あとあの……名前長い子も!」 灼「……大丈夫?」 穏乃「うおおおおおお!!また燃えてきたあああああ!!」 玄「し、穏乃ちゃん?」 穏乃「いやーもうなんかすごい!!」 憧「おいおい……うち圧倒的に負けてるのよ?」 晴絵「……シズ?」 穏乃「はい?」 晴絵「楽しい?」 穏乃「すっごい楽しいです!ああもう後半楽しみすぎる!」 憧「あたしの制服で暴れるなっ!」 晴絵「そっか……最後まで楽しんできな!」 穏乃「はいっ!!」 ネリー「サトハー、アレ貸して」 智葉「いきなりなんだ」 ハオ「……眼鏡?」 ネリー「違う」 明華「サラシ?」 ネリー「……巻くほど無いよ」 ダヴァン「ドス?」 智葉「メグ、ちょっと来い」 ダヴァン「冗談ですカラ!!」 ネリー「それそれ」 ハオ「それなの!?」 智葉「そもそも持ってねーよ」 ネリー「うーん……金髪とか短髪が強いからサトハの力を借りたかったのに……」 智葉「貸し出せるものじゃないだろ……後半、いけるか?」 ネリー「最後までやってみるよー」 ネリー「……負ける気はないしね」 和「……オカルト合戦ですか」 優希「じぇー……私の時並みにやばくね?」 まこ「どうするんじゃ久?」 久「大丈夫よ」 まこ「あん?」 久「ちょっとした秘策を送ったから」 咲(お姉ちゃんとこの大将さん、思ってた以上だったな……) 咲(ちょっと差広がっちゃったし……どうしよ) 咲(そういえば……部長が休憩の時に秘策を送るから対局室から出るなって言ってたけど……なんだろ?) 京太郎「おーい、咲ー」 咲「京ちゃん?」 京太郎「えっと……」 京太郎(確か部長がこう言えばいいって言ってたな……) 京太郎「どんな事になっても、最後まで見てるから」 咲「……うん」 京太郎「全力で楽しんで来いよ」 咲「……勝てないかもしれないよ?」 京太郎「どんな事になってもって言ったろ?いいんだよ。お前の味方だって言ったし」 咲「京ちゃん……」 咲(本当に……来て欲しい時に、来てくれるんだなぁ……) 京太郎「ああ、じゃあ優勝したくなることも言ってやるよ」 咲「へ?」 京太郎「優勝したら、お前の言うこと何でも聞いてやるよ」 咲「…………え?」 京太郎「あ、こっちだけだったかな……まぁいいや。どうだ?」 咲「……約束だからね?」 京太郎「?お、おう!」 咲「破ったら……ええと、泣くよ?」 京太郎「泣くよって……あはは!それはないだろ?」 咲「い、いいの!とにかく約束だから!」 京太郎「はいはい。了解しましたよお姫様」 咲(なんでも……なんでもかぁ。何しよっかな) 咲(手を繋いでデート?あ、恋人繋ぎとかいいかな!それから膝枕とかも……よし!とにかく頑張ろう!!) 咲(これ……カンできない……) ネリー(むむむ……やっぱり借りた方がよかったかな) 穏乃(よし、配牌はまともだ!) 淡(……準決勝みたいにいくと思ってんの?) 淡「ロン!」 穏乃「……え?」 淡(100回、倒す!!) 穏乃(最後だけど、まだ諦めない!限りなく0に近い可能性だけど、それを目指すのが楽しい!!) ネリー(素直に負ける気は無いし……全力だよ!) 淡(うっわ凄い!こんなに差があるのに諦めてないとか!本当に冗談みたいな勝ち方しかないのに全員諦めないとか…) 淡(みんな、この3人みんなイケてんじゃん!!) 咲「……カン!」 淡・穏乃・ネリー「!」 淡(テルーの妹……アンタが一番イケてるよ!) 淡(でも、最後まで私が和了る!) 咲(……楽しいよ、京ちゃん) 咲(そういえば……県大会の決勝もこんなだったね) 咲(うん……最後まで、楽しむよ!) 咲「もいっこカン!」 咲(嶺上……) 咲(……ならず……か) 淡「ツモ!」 大将戦結果 1位白糸台2264+713=2977 2位清澄1892+648=2540 3位臨海1305+55=1360 4位阿知賀900+35=935 恒子『し、試合終了ー!!優勝は、白糸台高校ー!!!』 前話 次話 名前 コメント
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――車内―― 咏「いやねぃ、タコス生地ねぃ、また持ってくるとはねぃ。」 京太郎「忙しい中練ってもらったんだぁ……」 京太郎「それも師匠に // / / ;ィ | | | i゙、 ゙、 ゙、 ゙、 /// / / / ハ /| | ハ |\゙、 | ゙、/// // / / | | |;ハ ゙、 | | _゙、 |__\ | ゙、//| | | | | | |┼--゙、 ゙、 | | _ ゙、 `l | ゙、/ | | | | |l |゙、| _=|\ | / ,-ァ=〒、_| | | | | | | | i | | | ´}._ol冫 V人_ ー゜ " | i |;、 |. | | | | | | トヽ /' \゙、 /.| /,ベ、 | ゙、N| | |゙、N i゙、 /l // } i / また騙されてるんですから ゙、 ゙、| ハ ゙、 | ` // / /リ 須賀君、今回はやめといたほうが…… ゙、| ゙、 ゙、| ___ |/.__/;ィ/ ゙、 ゙、゙'゙、 `ー=' ,/ /'/ \ /| / `i 、 _/ |;;/ ,| ` ー- ´ _,'゙}、_ /|ゝ、_ __, -‐ァ' ,! . . .\ / . . /ヾ_/¥ 、_/‐'_´,| . . . . . `r、_ ,..-‐/ . . . / `> _/`  ̄ | . . . . . . . ゙、 .`ー-、__ _,..-‐ .´ . . / . . . . . / ,イ ハ i ゙、 | . . . . . . . . . ゙、 . . . . . . .`ー-、_ .´ . . . . . . / . . . . . ./ / / / | | | | . . . . . . . . . . . ゙、 . . . . . . . . . . . .`ー-、 | って言われてるところを。」 京太郎「なにいってんですか、そんなわけないでしょう!」 ハーヴェストタイム 京太郎「前回野菜を作ったんですから今回は収穫ですよ!」 宮永父「なんで師匠の言う事聞かないの……普通の人はわかるんだよね、大体。」 京太郎「生地頼むのまだ早かったなぁ……まだトマト青かった……」 宮永父「でも、でも言わせて貰ったらあれだよ? なにもね、料理をやるからと言ってね。」 宮永父「てめぇで勝手にね、龍門渕まで前日出向いてね、タコス生地作ってくれなんてこっちは一言も言ってないわけだよ。」 宮永父「師匠に悪いだの何だの言ってるけど、確かに悪いさ、でも悪いのは君だろう?」 京太郎「おお、なるほどなるほどー。」 京太郎「おーい、宮永さん、えぇ? あんた気持ち良い事言うなぁ、おーい。」 京太郎「宮永さん……あなたの肉親をー……オレはどんどん、おみまいしてくぞぉ……」 宮永父「家族に手ぇ出すなよ。」 京太郎「何言ってんだよ。」 京太郎「選べよ。」 京太郎「東京か? それとも長野か? どっちだ? 行くぞ俺は。」 京太郎「タコスが腐らねぇ内に。」 尭深「んふふふふ……」プルプル 京太郎『どーも咲さん、知ってるでしょう?』 京太郎『須賀京太郎でございます。』 京太郎『おいタコス食わねぇかぁ?』 京太郎『優希たちもおいでぇ、タコス焼くぞぉ。』 京太郎『辛いかい?』 京太郎『オレはもっと辛い物を、咲のお父さんにぃ、食べさせられてるんだよぉ。』 京太郎『残さず食えよぉ。』 咏「こえー!」ケラケラ 宮永父「片手にこう、包丁を持って、座ってるわけだろ? シェフの格好したやつが、俺んちで。」 宮永父「で、もう家の咲が泣きながら『私が食べます!』」 尭深「んふふふ……」プルプル 咏「あははは!」ゲラゲラ 京太郎「そしてそれが終わったら東京に飛ぶんだよ。」 京太郎『お姉さん、知ってるでしょう?』 京太郎『京太郎でございます。』 京太郎『パイ食わねぇか』 京太郎「東京だったら急がねぇとな……皿焼いたら直ぐ行くよ。」 夏野菜スペシャル終了 こっから屋久島の釣り 栗生五年一組(京太郎・穏乃(のー)) 宮浦五年三組(霞(みすかー)・誠子) 咏「やっぱりルアーがいいんじゃないかねー? 沈むもの、わっかんねーけど」 京太郎「おい……宮浦!」テクテク 誠子「?」 京太郎「おまえなに使ってんの?」 京太郎「それおまえ、栗生のルアーだべや」 咏「あはははは!」ゲラゲラ 京太郎「おいのー! ちょっこれ見てみ、これ絶対うちのルアーだってこれ」 咏「いちゃもんつけてる!」ゲラゲラ 穏乃「まじ?」タッタッタッ 咏「来た来た来た! のーが来た!」ゲラゲラ 京太郎「のー、これうちんだよな、これ?」 穏乃「あれー?」 京太郎「これ先週……給食費と一緒に盗まれたルアーじゃねぇのか?」 京太郎「これ栗生のルアーだべや、これ」 誠子「やめやめやめて……」 誠子「みすかー! みすかー! みすかぁー!」 誠子「やめやめ、やめてください! やめてください!」 霞「ちょっと……ちょっと!」タッタッタ 京太郎・穏乃「なんだよ(ですか)……」 霞「返してあげなさいよ!」タッタッタッ 誠子「ちょ!? みすかー!?」 咏「あははは! 戻っていった!」ゲラゲラ 誠子「ルアー欲しいんですか? ルアー欲しいんだったらあそこにたくさんありますよ……」 咏「あるぞみんなそこに、そこにたくさんあるぞーわっかんねーかな?」 穏乃「あっこれ全部栗生んじゃねぇ?」 京太郎「洒落になんねぇべ宮浦ァ……」 咏「ルアーをねぃ、真ん中につけると錘になっていいみたいだよー、知らんけど」 京太郎「真ん中スか?」 咏「あと15分ー知らんけどー」 ――残り15分―― 京太郎「釣れてる?宮浦……」 誠子「? あ、はい」チッカチッカ 京太郎「おい、お前これ光んじゃんこれ……」 京太郎「お前これ栗生んじゃねぇ?」 穏乃「あーこれ栗生って書いてあるね」 穏乃「これ、おとつい盗まれたやつじゃない?」 誠子「みすかー! みすかー!」 霞「ちょおっと!」タッタッタ 京太郎・穏乃「またきた……」 霞「返してあげなさいって!」 咏「あははは!」ゲラゲラ 穏乃「栗生んですよそれ!」 京太郎「どうよ?」チッカチッカ 咏「着けたからどうだって話だよ!」ゲラゲラ 穏乃「もう人のモノ盗っちゃだめですよ」 咏「余計な事言ってると知らんよー……あと十分だねぃ」フフフ…… 京太郎・穏乃「やっべー!」ガタガタ ――残り10分―― 京太郎「みすかーってやつ、勝負捨てねぇヤツだなぁ」 咏「うん?」 京太郎「スゲェもん、捨て身だもん」 京太郎「おまえ本当にオレらと学年同じ?」 咏「あっはははは!」ゲラゲラ 霞「おぉわ!」 咏「来た来た来た! みすかー君来た!」 咏「しなってるしなってる!」 京太郎「みすかー君かっこいいよなぁ……」 霞「……うふふ」グイグイ 京太郎「みすかー君、だってなんか骨格できてるもんな」 京太郎「からだ大人じゃんあれ……」 京太郎「みすかー君5年生じゃねぇよな」 咏「お、来た来た、みすかー君20ポイント!」 咏「宮浦合計110じゃね? 知らんけど」 京太郎「おかしくねえ? 宮浦ばっかり……」 京太郎「あれそれ栗生のじゃねぇ?」 京太郎「のー来てみ! のー来てみ! おいちょっとこれ……」 京太郎「これ栗生んじゃねぇ?」 穏乃「あ、これ栗生のです」 京太郎「これうちで飼ってるやつじゃねぇ?」 咏「くくくくく……」ケラケラ 霞「よっと」ポイッ 京太郎・穏乃「あ」 京太郎「みすかーくん絶対5年じゃねぇよ」 京太郎「だいたい、宮浦に外人いるなんてきいたことねえもん」 穏乃「みすかーなんておかしいよ、日本人なのに」 咏「んなこといったら"のー"ってなんだよ!」ゲラゲラ 京太郎「みす家くんってことねえもんな」 咏「はい、あと五分じゃねぇ? 知らんけど」 京太郎・穏乃「やっべー!」バタバタ ――残り5分―― 京太郎「栗生がやべぇんじゃねぇの? 宮浦にしねぇ?」 穏乃「あ、釣れそうな気がする」 京太郎「だべ?」 京太郎「あのジャージほしいなぁ……」 穏乃「あいつから取りますか……」テクテクテク 誠子「?」 京太郎「そのジャージ栗生んじゃねぇ?」 誠子「!?」 咏「あははははは!」ゲラゲラ 穏乃「これ絶対栗生んですよ」 霞「……ちょっと」テクテクテク 霞「返してあげなさいって!」ヌギヌギ 咏「こっちは巫女服脱ぎ始めた!」ゲラゲラ 穏乃「さっさと返せー」 咏「はいあと3分ー」 京太郎・穏乃「やっべー!」バタバタ 咏「はい残り30秒だよ~!」 咏「はい残り20秒……」 咏「あ、来ました! 来ました! 来ました!」 京太郎「だって……みすかーくんタバコ吸ってんじゃん!」 咏「あははは!」 京太郎「くわえタバコじゃん! みすかーくん」 咏「残り15秒~」 霞「ん~」 咏「おお、みすかー20ポイント獲得ー」 咏「はい、終ー了ー」
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【冬休み一日目】 憧「朝から女子の……触るとかほんっとあり得ない!」 京太郎「寝相だったんだからしょうがないだろ!ってかそれが嫌なら布団離せばよかったじゃねえか!」 憧「そ、それは……っ」 京太郎「何だよ?」 憧「せっかく須賀が敷いてくれたのに悪いと思って……」 京太郎「…………」 憧「……ちょっとは、信じてたのに」 京太郎「……お、おう」 京太郎(何だろう、俺がとんでもないことやっちゃったみたいになってるんだけど……) 京太郎「じゃ、じゃあ俺朝飯作るから、新子さんは待っててくれ」 憧「御馳走様でした」 京太郎「お粗末さん、どうだった?俺の朝飯」 憧「……良かったと思うわよ」 京太郎「ん、そっか」 憧「それじゃ、もう帰るから」 京太郎「おう、またいつでも来いよ!」 憧「誰が来るか、べーっ!」 ガチャ バタム 晴絵「お前らー忘れ物は無いなー」 穏乃「はーい!」 玄「当然なのです!」 灼「問題ない」 宥「マフラーに、手袋に、セーターに、ちゃんちゃんこに、ホッカイロに、湯たんぽ、七輪……大丈夫です」 憧「七輪持ってるんだ!?」 晴絵「あ、そうだ、望から連絡があったんだけど三日くらい家族旅行に行くから憧はここに泊まってろだってさ」 憧「ここ、って……須賀の部屋に!?」 晴絵「石戸先生の家に泊まればいいさ、ひょっとして須賀くんの部屋が良かった?」 憧「そんなわけないでしょ!何なのよウチはもう……」 晴絵「ま、私たちも大阪観光するから、何かあったら連絡ね」 憧「ちょっ、なら私も連れて行ってよ!」 晴絵「ごっめーん、この車五人乗りなんだー」 玄「憧ちゃんもそろそろ男の子と仲良くなった方がいいと思うから、頑張ってね!」 憧「行き六人乗ってたよね!頑張るって何を!?」 宥「じゃあね~」 穏乃「憧なら大丈夫!」 灼「それじゃ……」 憧「しず!?宥姉に灼さんまで!」 ブロロロロロロ 憧「なんで、なんでこんなことに……」ガクッ 京太郎「新子さん?もう行ったんじゃないのか?」 憧「うるさいわよバカ!」ゲシゲシゲシゲシ 京太郎「暴力反対!脛痛いから!」 朝 京太郎「冬休みの初日だし、ジョギングに行こう」 京太郎「ふぅ……特に何もなかったな」 京太郎「今日から冬休み、頑張っていくぞー!」 昼 京太郎「昨日の鍋パーティー、憩さんたちがいればもっと楽しかったんだろうな……」 京太郎「…………」 京太郎「一回憩さんの家に行ってみよう」 京太郎「確かあっちの方だったよな」 【荒川邸】 京太郎「うわっ」 京太郎(なんつー豪邸だよ……) 京太郎(門大きいし、中も広そうだし、流石は大病院の院長ってか) 京太郎(でも、どうやって入ればいいんだ……?) 京太郎(ここは正面突破がベストだろうな) 京太郎(そうと決まればチャイムは……あった) 京太郎(指の腹でしっかりと押して……) 京太郎(…………) 京太郎(んんっ!?) 京太郎(押せない!押そうと思っているのにいざとなると緊張して押せない!) 京太郎(落ち着け……落ち着くんだ京太郎、モモたちの家に行くときのように……) 京太郎(深呼吸するんだ……) 京太郎(よし!)ポチッ ピンポーン 京太郎(押してしまったぁぁあっぁああ!!) 京太郎(やばい、どうしよう、同姓の他の人のだったらどうしよう!誰もいなかったらどうしよう!うわぁあぁぁあぁああ!!) 秘書『入りなさい』 ギギィィィィ 京太郎(あっ、開いた) 京太郎(門から家まで長い、一本道じゃなかったら迷うぞ……) 京太郎(ここにチャイムは……ないか) コンコン 京太郎「こ、こんにちはー、須賀京太郎というものですがー」 ガチャ 秘書「院長が貴方を待ってるわ、はやく上がって頂戴」 京太郎「お邪魔しまーす……」 秘書「で、今日は何をしに来たのかしら」 京太郎「憩さんについて聞きに来たんですけど」 秘書「貴方は、お嬢様に戻って来てほしいのかしら?」 京太郎「勿論です、憩さんも俺たちと同じ、清々荘の住人なんですから」 秘書「……そう」 秘書「この先に院長がいるわ、私はここまで」 秘書「それじゃあ、頑張って頂戴」ガチャ 秘書「院長、須賀様がお見えになられました」 京太郎(まずは元気のいい高校生でいってみよう!) 京太郎「こんにちはっ!」 荒川父「…………」ジロッ 京太郎(えっ、なにもう怖い、帰りたい、漏れそう) 荒川父「ははっ」 荒川父「元気がいいな、入りたまえ」 京太郎「はいっ!失礼します!」 荒川父「座るといい、それとそこの紅茶もどうぞ」 京太郎「はい、ありがとうございます」 荒川父「君が須賀京太郎君、そうだね?」 荒川父「話は憩と秘書から聞いているよ、それに国麻も見た」 荒川父「新聞で見た通り、なかなかいい顔をしているね」 京太郎「そうですか?そう言われると……照れますね」 荒川父「……それで、そんな君がここに何の用だい?」 京太郎「えっと、ですね……」 京太郎(今日は憩さんの話を聞きに来たんだよな……) 京太郎(秘書さんの『連れ戻した』っていうのも気になるし) 京太郎(それこそ、憩さんの『高校だけでも自由でいたいなー』っていうのも気になる) 京太郎(何を聞けばいいんだ?) 京太郎「まずお聞きしたいことがあるんですけど……」 荒川父「うむ、何でも聞きたまえ」 京太郎「じゃあ……憩さんを『連れ戻した』っていうのはどういうことなんですか?」 荒川父「それは憩から聞いていなかったかな、憩の試験の点数が悪かったからたるんでいると思って連れ戻したんだよ」 京太郎「……あ」 京太郎(そういえば憩さんもそんなことを言っていたような) 荒川父「君が聞きたいのはそれだけかい?」 京太郎(あれ?でも確か今回の憩さんの試験の成績は……) 京太郎「憩さんの成績、今回は1位でしたよね?」 京太郎「それなら、憩さんがここに住む理由はもうないのではないでしょうか?」 荒川父「…………」 荒川父「なるほど、君はやはり憩に帰ってきてほしいんだね」 荒川父「……だが、残念ながらそれはできない」 荒川父「ここから先は私たち家族の話なんでね、君の聞きたいことがそれだけなら私はそろそろお暇するよ」 荒川父「午後から診療があるのでね、さあ、どうする?」 京太郎「言われるがままに出てきてしまった」 京太郎「なんだか緊張したし、仕方ない、うん」 京太郎「それにしても、憩さんをこっちに返せない理由か……」 京太郎「お父さんはもう話してくれなさそうだし、他の人に聞くしかないか」 夜 京太郎「はぁ……疲れた」 京太郎「今日はあと何しよ……」 京太郎「…………」 京太郎「エイスリンさんを説得してみよう」 京太郎「……今ならエイスリンさん起きてるかな?」 京太郎「まずはエイスリンさんを誘ってみよう」 京太郎「場所は……霞さんの卓を貸してもらえばいいか」 京太郎「そうと決まればメールで……」ピッ 京太郎「…………」 京太郎「返ってこない……だと……」 京太郎「……はぁ」 京太郎「他のことしよ」 夜 京太郎「エイスリンさんからは返ってこないし……」 京太郎「他の人にメールしてみよう」 京太郎「今日家に行ったんだし、憩さんに何か言っておくべきかな」 京太郎「さてと、どう送ろう」 京太郎『今日憩さんのお父様へご挨拶に行きました』 京太郎「単純志向でいこう」ピッ ヴーッ ヴーッ 憩『ええっΣ(・□・;) お父さんそんなこと言ってなかったんやけど…… でもなんで?』 京太郎『憩さんがどうしてまだ実家に残っているのかを聞きたかったんですよ 結局よくわからないままなんですけどね』ピッ ヴーッ ヴーッ 憩『それは…… 京太郎くんでも無理、かも』 京太郎「やっぱり無理……なのか」 京太郎「けど、諦めずに聞けば聞きだせるかもしれない」 京太郎「……どうすればいい」 京太郎「…………」 京太郎『わかりました、家族の話ですもんね 込み入ったことを聞いてすみませんでした おやすみなさい』 京太郎「…………」ピッ ヴーッ ヴーッ 憩『こっちも……ごめんな おやすみ』 京太郎「なんで逃げたんだろ……」 京太郎「気を取り直して雅枝さんにメールしてみよう」 京太郎「監督のノウハウとかも聞いておきたいし」 京太郎「といってもそこまで統率力はいらないよな……?」 京太郎『こんばんは!須賀です! リーダーシップについてコツを教えて下さい!』ピッ ヴーッ ヴーッ 雅枝『なんや、藪から棒に』 京太郎『ほら、今度大会じゃないですか 俺が一年の監督になるんでそれに向けての志?を教えてほしいな、と』ピッ ヴーッ ヴーッ 雅枝『そういうことか、なら――――』 雅枝『――――ということを念頭に置けばええと思うで』 京太郎『なるほど、わかりました!』ピッ ヴーッ ヴーッ 雅枝『夜遅くまで感心やな ゆっくり寝るんやで』 京太郎『ありがとうございました!』ピッ 京太郎「よしっ、何かがつかめた気がするぞ!」 【冬休み一日目】終 【冬休み二日目】 京太郎「布団から出たくねえ……あったけえー」ヌクヌク 京太郎「はぁ……何もしたくない……」 朝 京太郎「このままでいると体に悪そうだからちょっとでかけるか」 京太郎「……やっぱりやめようかな」 京太郎(本屋まで来てみたけど……) 京太郎(寒いから中に入ろう) ウィーン 京太郎(あったけ~) 京太郎「……あ」 照「京?」 京太郎「朝から本屋って凄いな、感心するぞ」 照「そうかな、用は済んだから私は帰るけど、京は何をしているの?」 京太郎「あー、俺はちょっと寄り道をな」 照「……そう、じゃあね」 京太郎「ん、またな」 ウィーン 京太郎「朝から照と外で会うとはな……」 京太郎「あれ?今のは照も誘って一緒に散歩すればよかったんじゃないか?」 散歩へ行った! 昼 京太郎(これからどうしようって思ったけど……) 京太郎(このまま何かがつっかえたままなんて嫌だ) 京太郎(ってなわけで来ちゃった……) 【荒川】 京太郎(やっぱり広いなぁ……) ピンポーン 秘書『今日は何の用?』 京太郎「今日は……」 京太郎「憩さんのお父さんとまた話せればな、と」 秘書『冬休みの昼間から御苦労なことね、遊びに行く友だちとかはいないの?』 京太郎「遊びに行くほどの友だちは……いないです」 秘書『そう、院長に聞いてみるわね』 京太郎「今の件必要だったんですか!?」 秘書『一寸そこで待っていて頂戴』 京太郎「はい」 秘書『今日は無理だそうよ』 京太郎「そうなんすか……じゃあ……」 京太郎「もう帰りますね」 秘書『あら、てっきりお嬢様を押し倒しに来たのかと』 京太郎「こんなところでするわけないでしょう、というかそんなことしませんから!」 秘書『それでも本当のところは……』 京太郎「機会があれば、そりゃあ……」 秘書『ですって、お嬢様』 京太郎「えっ!憩さんそこにいるんですか!?」 秘書『いないわよ、何を言っているの』 京太郎「何なんすかもう……」 秘書『またのお越しをお待ちしております』 京太郎「話ぶったぎった!?ってそうじゃない」 京太郎「こちらこそ失礼しました」ペコッ 京太郎(今日は無理かぁ、今度行けばまた話せるかな……) 夜 京太郎「今日も誰かにメールしてみようかな……」 京太郎「そういえば明日から合宿じゃねえか、後で準備しないとな」 京太郎「チームは違うけど、もこにしてみよう」 京太郎「そういえば他のチームはどこに泊まるんだろう?」 京太郎「俺らと同じところだと鉢合わせできるかもしれないけど……」 京太郎『もこ、起きてるか? 俺のチーム明日から合宿なんだけど もこだったらお菓子に何持っていく?』ピッ ヴーッ ヴーッ もこ『舌が纏う磯海の香り、伯方の味』 京太郎『のりしお味か、俺はガーリックが好きだな』ピッ ヴーッ ヴーッ もこ『ガーリック……それならコンソメの方が美味』 京太郎『コンソメかー、安定だよな 他には何が好きなんだ?』ピッ ヴーッ ヴーッ もこ『祖国の母の味、漆黒の実』 京太郎『ココアの方か、それは俺も好きだな』ピッ ヴーッ ヴーッ もこ『京太郎はよく解している 合宿頑張って』 京太郎『そっちもな! お互い試合も頑張ろうぜ!』ピッ ヴーッ ヴーッ もこ『おやすみなさい』 京太郎『おう、おやすみ』ピッ 京太郎「次は……憩さんだな」 京太郎「でも昨日も送ったしな……」 京太郎『大会頑張ってきます、超応援してください』ピッ 京太郎「大会までは……あと十日くらいだな」 ヴーッ ヴーッ 憩『ちょっと気早ない? それに京太郎くんが敵やったら応援しいひんで』 京太郎『そうなったら憩さんに見せつけてあげますよ 俺の凄い所!図太く逞しく憩さんが涙目になるまでにね!』ピッ 京太郎「憩さんはどっちのチームなんだ?」 京太郎「つっても、どうせ決勝戦で当たるよな」 ヴーッ ヴーッ 憩『京太郎くん……いくら夜やからってはっちゃけすぎやない?』 京太郎「どういう意味だ?」 京太郎『はっちゃける、ってどういう?』 一時間後 京太郎「……全然返って来ない」 ヴーッ ヴーッ 京太郎「噂をすれば、か」 憩『返すの遅くなってごめんなー 京太郎くんはこんな遅くまで起きてないで早く寝るんやで』 京太郎『憩さんこそ、クマ作ったりしないでくださいよ それではおやすみなさい』ピッ ヴーッ ヴーッ 憩『おやすみー』 京太郎「ホントに憩さん何やってたんだ?」 京太郎「まあ真面目な憩さんのことだし勉強でもしてたんだろ」 京太郎「俺も明日のために少し打って寝よう!」 【冬休み二日目】終 【冬休み三日目】(合宿一日目) 11:00 京太郎「寒っ!東京寒っ!」 京太郎「夏はあんなに暑かったのに冬はここまで寒いのかよぉ」 京太郎「移動諸々含めて全員住所バラバラだから12時にホテル集合ってことにしておいたんだけど」 京太郎「用心に用心を重ねて11時に着いてしまった……」 京太郎「誰か来ないかな、そうすれば時間も潰せるのに……」 京太郎「へっくしょん!」 京太郎「なんか足元が凍えてきた気がするぞ」ガクガク 京太郎「そういや股間と脇の間は血管があるからあったかいんだっけ」 京太郎「こうなったら直接……」ゴソゴソ 咏「…………」 京太郎「ほぁーあったけぇ~……」←手を第三階層へ 咏「…………」ジーッ 京太郎「…………」 咏「何やってんだよお前……」 京太郎「ち、違う!これは俺のせいじゃないんだ!」 咏「両腕股間に埋まってろ!」ゲシッ ゴキィィィン 京太郎「あふっ」 京太郎「ふぅ、ようやく収まって来たぜ」 咏「みっともねえからやめろよな、あーゆーこと」 京太郎「それもそうだなー」 咏「んで、最近どうなのさ」 京太郎「どうって、部活か?」 咏「んーまあ、それもあるし……あとは……京太郎のこと、とか……知らんけど」 京太郎「最近って言われてもなぁ……」 京太郎「やっぱり、咏がいなくて寂しかったかな」 咏「えっ……」 京太郎「みんなで銭湯に行ったり、鍋パーティーやったりしたんだけどさ、なんか物足りなかったんだよ」 京太郎「俺につっかかってくる咏がいなくて、学校でもお前がいないと変な気分だった」 咏「……そっか」 京太郎「そーなんだよな、咏がいないとテストの範囲が分からなくなって困るし、勉強の相談もできないし」 咏「おい」 京太郎「ま、何だかんだで俺は元気にやってるよ、そっちはどうなんだ?」 咏「おい、流すんじゃねえよ」 咏「こっちも……まあ悪かないかねぃ」 京太郎「そっか」 咏「あっ……私も……」 京太郎「ん?どした?」 咏「私も、京太郎がいなくて……」カァァ 京太郎「あん?もうちょいちゃんと声出せよ」 咏「寂しかったんだよ!京太郎がいなくて!」カァァ 京太郎「どうどう、落ち着けー咏ー」 咏「なんだよ!なんだよぉー!」ブンブン 京太郎「はーい、ストォーップ」ガシッ 咏「頭押さえるな!新喜劇かよぉーっ!」ブンブン スカスカ 京太郎「あはははははは」 咏「笑うんじゃねー!」ブンブン スカスカ 京太郎「これで全員揃ったか?」 咏「ひーふーみー……そうなんじゃね?知らんけど」 春「…………」ポリポリ 穏乃「宮永さん久しぶり!」 咲「ひ、久しぶりだね」 淡「たかかもしずの!ここで会ったが百年目!覚悟しててよ!」 京太郎「……なんか個性的な面子揃えちゃったな……」 昼 京太郎「えっと、俺が選手兼任監督の須賀京太郎です」 京太郎「この度は遠路はるばるお集まりいただき……あ、何て言うんだっけ?」 咏「そーゆーのいーから、まずは何すんだよ」 淡「はいはーい!私、人生ゲームやりたーい!」 咲「大星さん、私たち合宿に来たんだよ?」 淡「もーサキサキはわかってないなー」 咲「サキサキ?」 春「……合宿だからこそ遊ぶ」ポリポリ 淡「おぉ!タキミンわかってるね~」 春「…………」ポリポリ 穏乃「それで、何するの?」 京太郎「普通に練習だ」 淡「えー!つまんないよ!ぶー!ぶー!」 京太郎「まずはどれだけ打てるかを見たいからな」 淡「そんなんこの淡ちゃんが一番に決まってんじゃん!」 京太郎「その一番を決めようって話なんだけどな」 淡「それでも私が一番なんだけどね~」 咏「さあどうだろうねぃ、威勢だけなんじゃねえの?」 咲「打つなら本気で打つよ?」 穏乃「私も精一杯頑張る!」 淡「……ふん!蹴散らしてあげるもんね!」 京太郎「んじゃ、まずは咲と高鴨と咏と滝見さんで打っててくれ」 咏「へいへーい」 穏乃「頑張るぞー!おー!」 咲「よろしくお願いしまー……す」 春「…………」ポリポリ 淡「ねえ私は!?私も打ちたい!打ちたい!」 京太郎「お前は後だ、今は俺と特訓だ」 淡「えぇ~京太郎と~?」 京太郎「なんだよ不満か?」 淡「ま、私の厚意に感謝することだね」 京太郎「なんでお前が上から目線なんだよ」 咲「ロン、1300です」 淡「やっぱり私もあっちで打ちたい!」 京太郎「どっちなんだよ」 淡「でも京太郎に教えてもらうっていうのも……」ウーン 京太郎「考え事はいいから、次の問題行くぞ」 淡「こんな何切るなんかやったって、どうせダブリーかければ済む話だもん!」 京太郎「お前はダブリーと絶対安全圏に頼りすぎなんだよ」 淡「そっちの方が楽だし強いじゃんかー」 京太郎「実際はそうかもしれんが、素の力も重要だぞ」 京太郎「咲や照みたいに上手くなって、その力があればもっと速く強くなれる」 淡「そうなの?」 京太郎「多分な、やる気になったか?」 淡「ふふっ、しょうがないなーそこまで言うならやってあげよう!」 淡「ぐへぇー集中するの疲れたー」 京太郎「こんだけなら……まあ十分か」 咲「ツモ、1700オールです」 京太郎「あっちは咲の七連荘で終わってないみたいだな」チラッ 淡「もう何もしたくなーい」グデー 京太郎「起きろ、淡」 淡「えーなにさー」 京太郎「もうちょい続けるぞ」 淡「んぅぅ……こんなのアレだよ!過剰労働だよ!ブラック企業だよ!白糸台とは真逆だよ!」 京太郎「ホワイトだけに、ってか?」 淡「そーそーホワイトだけにね!……ってネタばらししないでよ!」 京太郎「うん、元気みたいだな、じゃあ続きやるぞー」 淡「ぐぬぬ……」 京太郎「次の問題行くぞー」 淡「…………ぐぅ……」 京太郎「おーい、淡ー」 淡「むにゃむにゃ……もう食べられないよぉ……」 京太郎「くっ、なんだこのテンプレ的な寝言は……」 京太郎「けど幸せそうに寝てるし、邪魔するのも悪いな」 京太郎「風邪引かないように上着かけて、っと」 淡「……んぅ……おいしぃ……」 京太郎「お疲れさん」ナデナデ 京太郎(……夢の中のこいつは何食べてんだ?) 淡「きょうたろーのうで……おいしぃ……」 京太郎「」 咲「ロン、1000は4000です」 咏「十本場ってどういうことだよ……」 穏乃「くそぉ、勝てなかったー……」 春「…………」 咲「京ちゃん、こっちは終わったよ!」 京太郎「ん、お疲れさん」ナデナデ 淡「すぅ……」 咲「京ちゃん、大星さんに何してるの?アイスティーに睡眠薬でも入れたの?」ムッ 京太郎「どういう発想なんだよ、疲れて寝ちまったみたいでさ」ナデナデ 咲「それで、私たちはどうすればいいの?」 京太郎「んーそうだな……じゃあ各自自由時間、休憩ってことで」 咲「はーい」 カポーン 京太郎「ぱぱっと風呂入ってゆっくり休むかなー」 京太郎「今日は淡と咏の相手で疲れたんだよな……」 京太郎「それにしても、学年選抜の合宿で温泉貸切にできるってすげーな……」 京太郎「おまけに男子は俺一人だし、ゆっくり―――」 ガララ 京太郎(男子は俺一人のはずだけど……誰だ?) 京太郎(ひょっとすると滝見さんか……?)クルッ 臨海「…………」 京太郎「…………」 臨海「キョウタロウ、言い残すことは無いか?」ニコッ 京太郎「俺がお仕置きされる方なんですか!?そっちが後でしょ!?」 臨海「確かにそうかもしれないが、今現在キョウタロウは私の裸を見ているわけだ」 京太郎「なら隠しましょうよ!隠してくださいよ!」 臨海「問答無用!」 京太郎「理不尽すぎる!」 ブオン 京太郎(何これ速っ!?) 京太郎「グヘアぁっ!」 ドバァァァァアアン 京太郎「うっ……」ズキッ 臨海「ようやく目が覚めたか」 京太郎「監督さん……ここは……?」 臨海「浅めの風呂があったから連れてきたんだ」 臨海「よくよく考えると私が悪かったな……すまなかった」 京太郎「だからそう言ったじゃないですか……」 京太郎(あれ?ちょっと待てよ?) 京太郎(俺の目の前には監督さんの顔と、白い物体) 京太郎(頭の下はやたらと柔らかいものがある……ってことは……)チラッ 臨海「元気になったか?」ナデナデ 京太郎「膝枕ぁ!?」ガバッ 臨海「!」ビクッ 臨海「…………」 臨海「キョウタロウ…………?」 臨海「膝枕なんて……嫌、だったか?」 臨海「こんな年増の膝枕なんて、嫌だったか?」ウルウル 京太郎(なんで泣きそうになってんのこの人!?) 京太郎「そんなことないですよ!気持ち良かったです!むしろずっとしてほしかったですけど、誰かに見つかるかもしれないじゃないですか!」 臨海「あう……それはそうだな……」 臨海「……わかった、後はゆっくりしていてくれ。私は先に上がるよ」 京太郎「あ……はい」 ガララ ピシャッ 京太郎「…………」 京太郎(膝枕気持ち良かったなぁ……) JR京太郎「激しく同意」 京太郎(…………抜いとくか) 京太郎「ふぅ……すっきりした……」 夜 京太郎「また練習するぞー」 穏乃「その前に卓球したい!」 淡「もう寝たーい」 咲「二人とも、京ちゃんの言うこと聞こうよ」 咏「ま、初日だしこんなもんじゃねえの?」 春「…………」ポリポリ 京太郎(滝見さん全然しゃべらないな……) 淡「ようやく私の番だね!」 春「早くサイコロ振って」ポリポリ 淡「何それおいしそー!ちょーだい!」 春「…………」ウーン 春「……考えておく」ポリポリ 穏乃「今回こそ勝つ!」 咲「私も負けないよ!」 京太郎「―――と、まああっちの四人は打たせておいて」 京太郎「俺たち何する?」 咏「べっつになんでもいんじゃね?知らんけど」 京太郎「そんじゃあ茶でも飲みながらまったりするか」 咏「それいいねぃ~、んじゃそれにしよっか」 京太郎「咏って、どうして神奈川に帰ったんだ?」 咏「何だよ藪から棒に……」 京太郎「だって、急すぎやしないか?」 京太郎「ついこの前ゴキブリを退治したと思ったら、お前はもう部屋にいないんだから」 咏「……京太郎なら、そう言うと思ってたよ」 咏「私さ、地元が嫌だったから大阪まで逃げたんだよ」 咏「半年間っていう条件付きでさ」 京太郎「半年……?」 咏「まあ国麻もあったから、厳密には七か月くらいだったんだけどねぃ」 京太郎「たった半年って、何だよそれ」 咏「それだけでも、私は十分楽しかったぜぃ」 咏「私の実家、三尋木屋って知ってっか?」 咏「元々呉服屋とかやってて、今は関東を中心にデパートとかもやってんだけどさ、私はそこの社長令嬢なわけなんよ」 京太郎「……は?」 京太郎「お前が金持ちの社長令嬢?」 京太郎「そんなこと聞いたことねえぞ」 咏「だーぁって言ったことねえもーん」 京太郎「お前なぁ……」 京太郎「結局、お前が清々荘に帰ってくるのには親の許可が必要ってことなのか?」 咏「んー……そうなんじゃね?」 京太郎「……そうか」 京太郎「一筋縄じゃ、いかないみたいだな」 淡「うがー、勝てなかったー」 京太郎「どんまいどんまい」 淡「ダブリーかけたらサキサキがタキミンの見え見えに振り込んじゃうし、絶対安全圏も効いてないみたいだし……」 京太郎「じゃあ俺と特訓して強くなろうぜ!負けっぱなしなんて嫌だろ?」 淡「そうなんだけどさー……眠いんだよねー……」 京太郎「あと一時間くらいなんだから頑張れよ」ナデナデ 淡「んむー……京太郎が言うなら頑張らないこともないけどさぁ……」 淡「……ねえ、私って強くなれるかな?」 京太郎「そりゃなれるんじゃねえの、いつもの淡のやる気があればもっと強くなれるさ」 淡「いつもの私?」 京太郎「天上天下唯我独尊!みたいな感じで、自信満々の淡なら大丈夫だ」 淡「サキサキにも勝てる?」 京太郎「もっと努力しないとダメだけどな」 淡「しずのにも勝てる?」 京太郎「手加減したり油断しなきゃ勝てるはずだ」 淡「自信、か……」 淡「わかった!頑張ってみる!」 淡「ダメ……疲れた……眠い……」 京太郎「ギリギリ一時間……もうそろそろ上がるか」 京太郎「部屋はここをそのまんま使うんだよな」 穏乃「ツモ!2000オール!」 京太郎「あいつらが終わるまでに布団敷いておくか」 穏乃「わっはー!お布団ふっかふかー!」 京太郎「高鴨ー、ちゃんと歯磨きして寝ろよ」 穏乃「はーい!」 咏「六枚布団敷いてっけど、どう寝るん?」 京太郎「あっ、そういえば……」 | 京 | 淡 | 春 | ↓ ↓ ↑ ↑ ―――――――――― A B C D | 穏 | 咏 | 咲 | ↑ ↓ ↓ ↑ 淡「それじゃー何話そっか!」 京太郎「話そっか!じゃなくて大人しく寝ろよ」 淡「だって合宿だよ!?六人部屋だよ!?寝る前にすることと言ったらガールズトークしかないでしょ!」 京太郎「俺はボーイなんだけど……」 穏乃「あーそれ憧がよく言ってたなー」 淡「でしょでしょ!さあ話そうよ!」 京太郎「頼むから静かにしてくれ……」 咏「ガールズトークっつっても何話すんだ?」 淡「やっぱりここは恋の話でしょ!ウタはわかってないな~」 咲「そういうものなの?」 淡「そーゆーもんなの!」 春「…………」 春(黒糖食べたい) 春(でも歯磨きしちゃったから無理……)ガクッ 淡「タキミンもこっち来なよ!」グイッ 穏乃「恋の話って言っても私んとこ女子高だから何にもないんだよねー」 淡「こっちは共学だけど男の方が情けないんだよー、私に見合う男はどこにいんだろ」 咏「お前の程度が低いだけなんじゃね?知らんけど」 淡「そういう咏はどうなの?……あっ、咏みたいなのに寄ってくるのは性犯罪者くらいしかいないかーごめんごめ~ん」 咏「ふんっ、こっちだって彼氏の一人や二人……」チラッ 京太郎「咏は彼氏いたことあるのか……」 咲「京ちゃんの方こそ、あっちでたくさん女の子ひっかけてそうだけど?」 京太郎「俺が女子をひっかける?ないないノーウェイノーウェイ」 京太郎「一緒に昼飯食う友だちはおろか、一緒に帰る友だちもいないんだぜ?」 咲「へ、へぇ……」 咲「……ごめん」 京太郎「謝るな!なんか惨めになる!」 穏乃「じゃあ須賀は好きな子とかいないの?」 咏「!」 咲「!」 京太郎「ん?俺か?そうだなー……」 咏「……」ゴクリ 咲「……」ゴクリ 京太郎「照、かな」 咏「は?」 咲「ひ?」 淡「えー、テルー?」 春「……インターハイチャンピオン」 淡「テルーが好きって、それちょっとおかしいんじゃないの?」 京太郎「お前も十分おかしいだろうが」 咲「ねえ京ちゃん、京ちゃんはお姉ちゃんのどこが好きなの?」ゴゴゴゴゴゴ 京太郎「あ、あのー、咲さん?いや咲様?背中から何やら悍ましいものが……」 咏「それは私も聞きたいところだねぃ」ゴゴゴゴゴゴ 京太郎「咏まで!?なんでそんなに怒ってるの!」 淡「まーまーネタの一つってことでー」 京太郎「ぐ……それはだな……」 京太郎「んっと……そうだな……」 京太郎(不安で放っておけないっていうのもあるし、それに反して頼りになるあのかっこよさ) 京太郎(などなどいろいろあるけど……) 咲「ねえ、京ちゃん?」 京太郎「なんd……!?」ビクゥ / .. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .\ / . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ヽ . ' . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .゚。 . ' . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . / . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ゚。 . ' . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ./ . . . . . . / . . . . i . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .゚ . ' . . . . . . . .. . . . . . . . . . . . . . . . . . . ' . . / . . . . . / . . . . . i . ,| i . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ゚ . ' . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ' . . .′ . . . /i . . . . ,|ノ | ト、 . i . . . . . . . . . . . . . . . . ゚ / . . . . . . . . i . . . . . . . . . . . . . . . .. ' . . | . . . . . ' | . . . / | | | ヽ . . ト、_ . . . . i . . . . . . . . . ゚ ./ . . . . . . | . . . . . . . . . . . . . . ' . . | . . . . ' | . . . | | |_」 -| . .Τ 丶 i | . . . . . . . . ハ / . . . . . /| . . . . . . . . . . . . . ' . . . | . . . . ' | . . . | |/| ,′ | . ./ Ⅵ | . . . . i . . . ./∧ ./ . . . . 'フ . | . . . . . . . . . . . . i. . . . | . . . . ' | . . . .i '| |' . . 」ィ芹丐 Ⅵ| . . ∧ . // . .i / . . . '´ / . ∧ . . . . . . . . . . . . |. . . ∧ .;. ′ | . . / |' . .x豕刋 芍⌒マⅥ . ∧ V .'i . . | ./ . . '´ ' . . / ∧ . . . . . . . . . /|. . . ' V ;| | . / . . . ,狄i[_ o -i| . . }! | / i i . | . ′ / . '´ .i . /i/ ∧ . . . . . . . / | . . . .' ∨| | / . . . . . .汽,. 、汐 . . リ .|イ / / . . | . ′./'´ .| . / .| / ∧ . . . . . . i′ | . . .;' V| |' . . . . . . . .`¨¨´ ' ' / |_/ / . . . |/ .| / | ./ ∧ .. . . . . | | . / ゙| . . . , '´ .| / . ∧| .|' .| / ./ .∧ . . . . | | / . .; ´ |イ . . ./ .| .| | / . / ∧ . . . . Ⅳ |' -‐--- '´ ' /i/ .| / . / /i . \ . . .| iム / 、 イ /| .| . ./ / .| . . . .\ .从_ムー---‐ ´ .イ '! / .| / ./ .| . . . . 厂 ´ト、. ヽ _.. / / |′ .|' ./ | . . . ∧ . /| . `¨¨へ '´ ./ iル′ .|/' | / ∨ !、 . / |>o。_ / .!-ー-- .._ {. | ./ ∨{. Y/ | . . . ./i . ¨7 T¨¨¨¨¨¨´ ^ー 、 ` ̄ 咲「早く答えてよ」 京太郎「ヒィッ!」 咲「ねえ、早く」 京太郎(なんで微妙に遠いのにあんなに怖いんだよ!なんだよあの目力!) 京太郎「……嘘でした」 咲「そ、良かった」 _____ ... ´ ` .. / 、 / \ 丶 / \ \. ′ |. .| ヽー'⌒ | i i l i l\ | | | | ∧ | . l .i l⌒ヽ. .| | | |匕Ⅵ /ト、 /从 | | | 八 .i | { V ノ ∨ ,ィ | |. ヽ 从 _ ≠⌒ Ⅵ /} \ {⌒\ .{ r==ミ , Y 乂 \r' uノ 丶、 _ー‐、 r‐ ー' フ / _ヘr─ァ、ー ┬ 、 ≦-─、 京太郎(恐い!その笑顔すら恐いっす咲さん!) 【冬休み三日目】(合宿一日目)終了 【冬休み四日目】(合宿二日目) 京太郎「ん……ふぁぁ……」 京太郎(起床は8時にしておいたけど今は……) 京太郎(まだ7時か、起きようかな) 京太郎「……?」 京太郎(体の周りに変な感覚…………) 京太郎(何なんだ?) 京太郎(胸にあるのは……顔?頭?) 京太郎(腹に巻きついてるものがあって、腰には何やらやわらかいものが……って!) 京太郎(何ですとぉっ!?)ガバッ 春「…………くしゅん!」 春「…………」パチクリ 京太郎「…………」ゴクリ 春「…………何してるの?」 京太郎「それはこっちの台詞のような気がしないでもない」 京太郎(そっか、髪下ろしてるのか) 京太郎(ポニーテールも可愛かったけどこれもこれで可愛いな」 春「…………」ジトッ 京太郎「何でそんな目で見てるんですか……」 春「霞が言ってた、須賀京太郎は胸のある子には野獣だから気を付けてって」 京太郎「くっ、またこうして俺に対する誤解が生まれたのか……」 春「……今何時?」 京太郎「まだ7時だけど、どうする?」 春「…………寝る」ギュッ 京太郎「えっ、なんでそれで抱き着くの」 春「須賀君は抱き枕役」 京太郎「抱き枕に役なんて無いと思うけど……」 春「学芸会の石ころ役、みたいな」 京太郎「何だよそれ!その役の子可哀想だろ!端役にも程があるだろ!」 春「……うるさい」 京太郎「……すまなかった」 春「わかればいい、おやすみ」 京太郎「ん、おやすみ」ナデナデ 春「!」ビクッ 京太郎「すまん、寝やすいだろうと思ったんだけど……嫌だったか?」 春「……続けて」 京太郎「……なあ、一つ聞いてもいいか?」 咲「何かな?」 京太郎「どうして俺は布団に巻かれているんだ?」 咲「滝見さんを布団に連れ込んで抱きしめていた京ちゃんを罰するためだよ」ニコッ 京太郎「いや待て俺は何もしていないんだけど」 咲「小説の犯罪者って大体そう言うよ」 京太郎「無実だ!俺は無実だ!」 咲「じゃあそんな京ちゃんへの罰を言い渡しまーす」ニコニコ 京太郎(目が笑ってない!目が笑ってないぞ咲!) 咲「そーれーはー」 京太郎「」ゴクリ 咲「朝ごはん抜き!」 京太郎(意外に軽い!?) 朝 淡「はーおいしかったー!」 穏乃「朝からラーメン食べられるなんて思わなかったなー」 咏「和食まで充実してたしすげーよなここ」 京太郎「腹減った……」グゥゥゥ トントン 京太郎「ん?」 春「……須賀君、黒糖」 京太郎「いいのか?」 春「…………」コクッ 穏乃「今度は私が須賀に教わる番だね!」 京太郎「おう、ビシビシ鍛えてやるぞ」 穏乃「おっし!それじゃあ走りに行こう!」 京太郎「えっ、はっ?なんで!?」 穏乃「ほらほら!遅かった方が速かった方におごるんだからね!」 京太郎「おい!待てって!せめて下は穿けって!」 穏乃「大丈夫大丈夫!スパッツ穿いてるから!」 京太郎「風邪引いたら困るから穿けって!」 穏乃「風邪引いたことないから大丈夫だって!」 京太郎「何なんだよこの健康優良児!」 京太郎「ごらぁぁあぁ!待てぇぇええ!」ダダダダ 穏乃「男子のくせに足遅いよー!」タッタッ 京太郎「つーか真面目に麻雀しろよ!」ダダダダ 穏乃「私は走れば走るほど強くなるんだよー!」タッタッ 京太郎「そんなバカなことがあるかー!」ダダダダ 晴絵「おっシズじゃーん!」 穏乃「え、赤土さん!?」キキーッ 京太郎「どうしてここにいるんですか?」キキーッ 晴絵「そっか、シズたちも昨日から合宿だったっけ」 晴絵「で、何してんの?」 京太郎「高鴨がジャージの下を穿いてないのに部屋から飛び出していったんですよ」 穏乃「いやぁーちょっとストレス解消に」 晴絵「なるほどなるほど、じゃあシズは私たち二人でしごこうか」 穏乃「え゙っ」 京太郎「よーし、覚悟しろよ高鴨ー!」 穏乃「えええっーーー!」 京太郎「走ったらまた腹減ったぞ……」 淡「それじゃあ私との練習は無しってことで!」 京太郎「それはダメだ」 淡「戦士にだって休息は必要なんだよ!」 京太郎「そういうことは真面目に戦ってから言え」 淡「飽きたー!」 京太郎「昨日の勢いはどうしたんだよ」 淡「きょーたろーの言うことはわかってるよ?」 淡「だけどやる気が湧かないって言うか……何だろ、よくわかんないんだよね」 京太郎「じゃあ頑張ったら俺が何かしてやるよ」 淡「何か、って何でもいいの?」 京太郎「可能なことなら何でもいいけど」 淡「そっかーきょーたろーに何でもかぁ~」 京太郎「特訓始めるぞー」 淡(やっぱり一緒に買い物とか?それともタキミンみたいに一緒に寝てもらうとかも……)ホワホワ 京太郎(あ、これダメなパターンのやつだ) 朝 京太郎「まだまだ練習するぞー!」 咏「いくらなんでも根詰めすぎなんじゃねーの?」 京太郎「三泊四日なわけだし、まだまだこれからだ!」 穏乃「そうそう!まだまだ頑張ろう!」 淡「なんで熱血麻雀バカが二人もいんだろ……」 春「……黒糖おいしかった?」 京太郎「ああ、さっきはありがとな」 春「……どういたしまして」 春「…………」ポリポリ 京太郎「…………」 春「…………」ポリポリ 京太郎(滝見さんって大人しそうだけど、虫とか見たらおびえるのかな?) 京太郎(怪談とかは霞さんと同じ巫女さんだから大丈夫だろうけど) 京太郎(普段無口な子がふとした拍子で出しちゃった声とか可愛いんだよな……)チラッ 春「…………?」ポリポリ 京太郎(ポニーテールでうなじも綺麗だし、胸も大きい、顔も可愛い) 京太郎(あの四人とは大違いだな) 咲咏淡穏「くしゅん!」 春「……須賀君、教えて」 京太郎「お、ああ、ごめんごめん」 京太郎(でも無表情なのが難点か) 春「……さっきから何考えてるの?」 京太郎「いや、なんでもないぞ!これっぽちも考えてないぞ!」 春「……そう、ここ教えて」 京太郎「えっと、ここはな―――」 咲「京ちゃんは対局やらないの?」 京太郎「あっちは牌譜を見て、こっちでしっかり個人を見る!」 京太郎「どうだ、監督らしいだろ?」 咲「そうなのかな?よくわかんないけど……」 咲「見るって、滝見さんの時はどこを見てたんだろうね?」 京太郎「もちろん滝見さんの腕とかを見ていたさ!」 京太郎(細くて白かったなぁ) 咲「へぇ……腕ねぇ……」 咲「普通、そういうときは腕前っていうものだと思うけど」 京太郎「ぎくっ」 京太郎「……ってかさ、咲、お前さっきから滝見さんのことばっか気にしすぎじゃね?」 咲「ぎくっ」 咲「それは……京ちゃん昔から大きい方が好きだったし……」 咲「私なんかよりもずっと見てることが多かったし」 咲「それが気になるっていうか、不満だったの!悪い!?」 京太郎「なんで逆ギレしてんだよ……」 京太郎「ま、安心しろ」 京太郎「ちゃんと咲のことは見てるから、な?」 咲「……優しいなぁ、京ちゃんは」 京太郎「だろ?もっと俺を信じろって!」 咲「それでも朝のことは許さないけどね」ジトッ 京太郎「だから俺は何もしてないって言ってるだろ!」 咲「さあどうだか、京ちゃんのことだもん」 京太郎「お前なぁー!こうしてやるぞ!」フニフニ 咲「いひゃいよ!ほっへふはははいへよひょうひゃん!」 京太郎「苦しめ苦しめげっへっへ!」 咏(真面目に練習しろよあいつら……) 夜 京太郎「いてて……」ヒリヒリ 京太郎「なんで頭叩くんだよ!」 咲「京ちゃんが放してくれないからでしょ!」 京咲「「むむむむむ!」」ジーッ 穏乃「二人とも落ち着いて、ビークールだよ?」 咏「あいつら仲良いな……」 京太郎「次は滝見さんの番だな」 春「またよろしく」ポリポリ 京太郎「滝見さんは高鴨や淡とは違って、言うこと聞いてくれるからやりやすいよ」 春「……そういうといやらしく聞こえる」 京太郎「そういうつもりじゃなかったんだけどな、あはは」 春「…………」ポリポリ 京太郎「なあ、滝見さん?」 春「……何?」 京太郎(話しかけられときは食べやめるんだな) 京太郎「結構好きなんだな、黒糖」 春「これがないと生きていけない」 春「むしろ生きているから食べる」 春「いわば対価」 京太郎「食べないとバターみたいに溶けるってか」 春「黒糖の無い人生なんて無い方がマシ」 京太郎「そこまで好きなのか……」 春「うん、大好き」ニコッ 京太郎「」ドキッ 春「……どうしたの?」 京太郎「い、いや、なんでもない」 春「次の問題は?」 京太郎「次は……これだ」 春「考えてみる」 京太郎(何だよ今の笑顔……天使か?エイスリンさんに負けずとも劣らない天使なのか?) 咲「お疲れ様、京ちゃん」 咲「対局早めに終わったからお夜食作ってみたんだけど、食べる?」 京太郎「何作ったんだ?」 咲「えーっとね……サムゲタン!」 京太郎「なんか力が漲って来た気がする」ギンギン 咲「そ、良かった」 京太郎「でも今更漲っても相手は咲だからなー」 咲「なにそれどういう意味?」 京太郎「俺が咲に教えられることなんて無いだろ?咲は麻雀上手いし」 咲「京ちゃんとモモちゃんに麻雀教えたのも私とお姉ちゃんだもんね」 京太郎「ああ、そうだったらしいな」 咲「京ちゃんってさ、麻雀してきて良かったと思う?」 京太郎「俺か?」 咲「京ちゃんならもっと向いてることもあったんじゃないかな、って」 咲「京ちゃん運動神経もいいんだからスポーツとかやれば、男の子の友だちも増えて人気者になれたかもって最近思うんだ」 京太郎「そういうことか……」 京太郎「まあ、俺は正解だったと思うぜ、後悔なんかしてない」 京太郎「確かに男子麻雀はレベルも低くてこの頃は競技人口も衰退してきて、同じ部活の男友達なんていないけど、それでも楽しい」 京太郎「麻雀があったから照や咲やモモともっと仲良くなって、色んな人たちにも知り合えた、友だちっていうかどうかは別として」 京太郎「照たちと一緒に戦って、咲たちと打って、そんで今は咲と一緒に戦える」 京太郎「こうして咲と仲良く話してるのだって麻雀あってこそなんだ」 京太郎「それに、他人と知り合うために楽しい麻雀をやめて、何かを始める、とかしないだろ?」 京太郎「俺はそれでいいんだよ、咲が心配するようなことじゃねえ」ナデナデ 咲「もう頭撫でないでよ!子どもじゃないんだから」 京太郎「俺にとっちゃ、咲なんていつまでも変わんないちんちくりんだよ」 咲「ちんちくりん、って……」ジトッ 京太郎「俺たちはずっと友だちなんだよ、麻雀が無くてもさ」 京太郎「二人だけの思い出も、みんなとの思い出もある、良い思い出も、悪い思い出だって」 京太郎「全部咲たちがいたから作れた思い出なんだ、麻雀だけが作った思い出じゃない」 京太郎「咲もそう思うだろ?」 咲「……そうだね」 咲「私、京ちゃんと出会えて良かったと思うよ」 京太郎「何だよ、今日の咲少しおかしいぞ」 咲「ちょっと色々考えちゃったんだ、えへへ」 京太郎「ん、そっか」 咲(そして、これでわかっちゃった) 咲(私、京ちゃんのこと――――) 京太郎「っておい、麻雀しろよ」 咲「あ、そうだった」 京太郎「今日も疲れたー!」 京太郎「風呂上りは何飲もっかなー」 ガララ 京太郎「今日は……誰もいないよな」 京太郎「昨日みたいなことが無いようにさっさと上がろう」 ガララ 京太郎(もう来たの!?ってか来る前提ってどういう思考だよ俺……) 雅枝「んー!ええ場所やなー!」 雅枝「まさか日替わりでごっつい温泉楽しめるなんて思えへんかったわ、今度絹たちも連れてこー」 京太郎(雅枝さんか……だがしかし今は子煩悩モード、すきを突いて出れば……) ガララ 京太郎(ってまた誰か来た!?) 春「…………」 京太郎(滝見さんまで!?あ、また髪下ろしてる……いいなぁ) 京太郎(ってそうじゃない!二人もいたら抜け出せないじゃないか!) 京太郎(どうする俺!どうすればいいんだ!) 絹恵「お母さんの背中流したる」 洋榎「嫌や!オカンの背中はウチが洗うんや!」 雅枝「オカンの背中は半分こでけへんでー」 雅枝(みたいなことになればええなぁ……)ホワホワ 京太郎(雅枝さんは問題ないとして、滝見さんを意識しつつ出よう) 京太郎(身体はまた後で洗えばいいし)ソーッ 春「~♪」シャァー 京太郎(なんか鼻歌歌ってご機嫌みたいだな) 京太郎(シャワーのせいで見えないけど、やっぱり大きいな……) 京太郎(そうじゃねえ、早く出ないと)ソーッ 春(今日は頑張った)シャアー 春(良子たちと戦って勝つ)シャアー 春(須賀君たちと頑張る)シャアー 春(明日も頑張る)キュッ 春(早く風呂に入って寝る) 春「…………」 京太郎「あ」 春「…………」ジトッ 京太郎(見つかってしまったー!) 京太郎(やばい何だよこれどうしよう!) 京太郎(こうなったら……!) 雅枝「お前……何しとるんや?」 京太郎「はぁっ!?」 雅枝「……正面堂々女湯覗きとはええ度胸やな……」ゴゴゴゴゴ 京太郎「正面堂々入って来たのはそっちでしょうが!」 雅枝「そこの子!はやくここから出るんや!そして通報や!」 京太郎「通報ってどういうこと!?」 雅枝「それまで私が時間を稼ぐ!」ゴギッ 京太郎「腕挫十字固めだとぉ!?」ゴギゴギ 雅枝「これで堪忍したか覗き魔!はよギブアップせい!」 京太郎「痛い!痛いですよ雅枝さん!」 京太郎(あれ?手首に柔らかい感覚が……) 雅枝「なんで私の名前知っとるんや!まさかストーカーか!ストーカーなんか!?」 京太郎(あぁ~やわらけ~) 雅枝「何とか言わんかボケェ!」ゴギィッ ボキッ 京太郎「……あ」 雅枝「かーっ、まさか京太郎やったとは思わんかったわー、ほい、いちご牛乳」 京太郎「目が悪かったから男湯と女湯の区別がつかなかったってどういうことっすか」 雅枝「部屋に眼鏡置いてきたからわからんかったんや、いやー悪かったなー」 京太郎「幸い腕は大丈夫でしたし……」 京太郎(それに胸も合法的に触れたしな) 京太郎(そういえば、滝見さんはどうして男湯に入ってたんだ……?) | 咏 | 淡 | 咲 | ―――――――――― | 春 | 京 | 穏 | 淡「今日もガールズトークするよー!」 京太郎「俺はボーイなんで寝ますねー」 グイッ 春「寝ちゃだめ」ポリポリ 京太郎「えぇぇぇ……」 穏乃「そうだよ!この瞬間、このひと時も大事な思い出なんだよ!」 京太郎「なんでそんなに無駄に熱いんだよお前……」 咲「それで今日の議題は?」 淡「ん~コイバナは昨日したから……ガールズトーク……ガールズトーク……」 京太郎「話題が無いなら寝るぞー」 グイッ 春「寝ちゃだめ」ポリポリ 京太郎「だからなんでだよ……ってか黒糖こぼれるから布団の上で食べるのやめとけ」 春「……わかった」ムスッ ――十分後 淡「そだっ!趣味の話しよっ!」 京太郎「おせーよ!何分かかってんだよ!」 淡「私と喋るの……きょうたろーは嫌なの?」ウルウル 京太郎「うっ」 淡「私がやっと思いついたのに……」ウルウル 京太郎「……あーもう、しょうがねえ!さっさと喋って寝るぞ」 淡「やたっ!きょうたろーありがと!」 春「……泣き落とし」 咏「だなー」 咏(私もああすれば京太郎に可愛がってもらえんのかねぃ……知らんけど) 淡「サキサキの趣味は何ー?」 咲「私は読書、かな」 淡「へー、じゃあテルーと一緒だ!」 京太郎「二人で静かに本読んでばっかだったからな、友だちもできなかったんだよ」 咲「京ちゃんに言われたくないもん」 京太郎「俺だって友だちくらいいるさ、織斑くんだろ、葉山くんだろ、それに……」 咏「男友達に君付けしないだろ、ふつー」 京太郎「ぎくっ」 淡「まーきょうたろーは置いといて、タキミンは?」 春「黒糖探し」ポリポリ 淡「ん……そ、そっかー、黒糖探しね、うんうんわかるわかるよー」 京太郎「嘘つけ」ペシッ 淡「あわっ」 京太郎「んで、高鴨はどうなんだ?」 穏乃「私は山登ったり、たまにお母さんの手伝いとかしてるよ」 京太郎「手伝い?」 穏乃「ウチの実家和菓子屋さんでさ、こう見えて和菓子作りは得意なんだ」エッヘン 京太郎「和菓子作りは、か」 穏乃「あ、料理はインスタントラーメンくらいしかできないよ」 京太郎「だろうな」 なんだかんだで話は盛り上がった 【冬休み4日目】(合宿二日目) 終
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http //hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1342928340/ 久「ええっ!誰に!?」 京太郎「…く、暗かったので顔も見てないんです」グスグス まこ「げ、元気をだすんじゃ」 和「須賀君…」 優希「た、タコス食うか…?」 京太郎「…皆、ありがとう」グスグス 咲「…なきゃ」 久「?」 咲「消毒しなきゃ!何処の誰かも分からない人に犯されて放って置けないよ!」ガタン 優希「!!」 京太郎「え?」 久「…」スタスタ カチャリ 京太郎「ぶ、部長?」ガタッ 優希「…座ってるんだじぇ、京太郎」ガシッ 京太郎「…ひっ」ガクガク 咲「ちゅっ…れろ…」 京太郎「うっ…」ブルブル 咲「えへへ、京ちゃん気持ちいい?」 京太郎「も、もうやめてくれ咲…」 咲「そっかぁ…もっと頑張るね」 京太郎「さ、咲…」 久「あら、なかなか上手じゃない」 咲「そ、そうですか?えへへ」レロレロ 京太郎「ううっ」 京太郎「のどかっ…これをほどいてくれ…!」ハッ 和「…」ポー 京太郎「発熱してる…むぐっ(息がっ…)」ムググ 和「須賀君…」ギュゥゥ 京太郎(誰か…)ムググ 京太郎「もう誰も信用できない…」ヨロヨロ 京太郎「あんなところ、やめてやる…」 京太郎「…」ヨロヨロ 京太郎「うう…腰が痛い…」 京太郎「もうだめだ…歩けない」ガクッ ハギー「おや?どうなさいました?」 京太郎「…?」 ハギー「歩けないようですね、どうぞこちらへ」ガシッ 京太郎「す、すみません…」ヨロヨロ ハギー「…」 京太郎「…もうだめだ」 京太郎「車で何か飲まされた上に知らないところにつれてこられた…」ズルッズルッ 京太郎「あと、お尻が痛い…」ズルッズルッ 京太郎「這ってでも逃げないと」ズルッズルッ 透華「あら?」 京太郎「!」ビクン 一「き、君!どうしたのそんなところで!」 純「行き倒れか…?ほれ、手を貸してやるよ」グッ 京太郎「す、すみま…」ボッキーン 純「なっ…お前!」 京太郎「!!こ、これは違うんです…へんな薬を飲まされて…」 智紀「こんな男を野放しにしておいては衣が危ない、出せるだけ出しておくべき」 京太郎「誤解なんです!違うんです」 透華「往生際が悪いですわ!」ガシッ 一「ごめんねー、でも衣に万が一があっても嫌だしね」ズルズル 京太郎「うっ…」ローン 透華「またですの?ほんとに一の指使いは一流ですわね」 一「これでも手品師だからね」 智紀「いまので6回目」 純「結構出したな」 京太郎「…じゃ、じゃあこれで…」ズリッズリッ 純「まあ待てよ」ガシッズルズル 京太郎(力強っ!)ズルズル 純「羽交い絞めにしとけばいいのか?」ガシッ 透華「抑えててくださいまし…んあっ」リーチ 透華「じっくりたっぷりねぶるように味わわせていただきますわ」グイグイ 京太郎「も、もう許して…下さっ…ううっ」ローン 透華「あら?もう何も出ませんわね」 純「おいおい俺たちまで回ってくるのか?」 京太郎「この辺は危ない…」ヨタヨタ 京太郎「出来るだけ遠くへ行かないと…」 智美「おーい、そこのー」ブロロロ 京太郎「…?」 佳織(眼が虚ろです…) ゆみ「何処へ行くか知らないがそんな状態では満足に歩けないだろう」 ブロロロ 智美「で…なんであんな事になってたんだー?」ワハハ 京太郎「その…かくかくしかじかで…」 智美「…そ、そうなのかー」ムラムラ もも「た、大変だったっすね…」ムラッ 睦月「う、うむ…」 ブロロロ キキッ 京太郎「…?…ここ、どこですか?」 智美「山」ワハハ ゆみ「…ふぅっ、なかなかよかったぞ」 モモ「こ、これが加治木先輩の中に…」ゴクリ モモ「つ、次私がやるっす!」 京太郎「む、無理です!」ガララ 京太郎「だれか助けてください!」ダダッ モモ「ああっ、だめっすよ」ガシッ 京太郎「だ、だれk…ムゥ」 佳織「す、すみません静かにしてください…」マタガリ 智美「まあこんな山奥だ、誰もこないだろうけどなー」ワハハ モモ「ああっ、先輩に入ったのが私にも入ってるっす!」ヘコヘコ 京太郎「ンー…ンー…」ローン 佳織(息が…当たって…)グリグリビクビク 智美「なかなか回ってこないなー」ワハハ 睦月「うむ」 智美「じゃあ学生証と携帯も控えたし、"またなー"」ブロロ 京太郎「」ピクピク 美穂子「…あら?」 京太郎「…!」 美穂子「よかった…眼が覚めて…」 未春「半日は寝てましたもんね」 華菜「なにがあったか話すし!」 京太郎(この人たちはいい人そうだ…) 京太郎「じ、実は…」 美穂子「…///」モジモジ 華菜「キャプテン照れてるし」 未春「し、しかたないよ女子高なんだし…///」 京太郎「す、すみません…こんな話を…」 華菜「いいし!話すことで楽になることもあるし!」 未春「そういった話に疎いからなんとも言えないけどね…」 華菜「初心だし!」 美穂子「そ、そんなことないわ!私もう高三よ!」 華菜「にゃっ!?キャプテンは経験があるし!?」 美穂子「そ、それは…知識だけなら…多少…」モジモジ 華菜「じゃあ試してみるし!」ガシッ 京太郎「…え?」ビクッ 未春「…」ガシッ 美穂子「…ご、ごめんね?」 京太郎「ひっ」ブルブル 華菜「脱ぐし!」バッ 美穂子「きゃっ…」 未春「これが…男の人の…」 京太郎「も、もういいでしょう?帰してください…」 美穂子「…」サワサワ 京太郎「っ…福路さん…」ピクク 美穂子「…(かわいい)」サワサワ 京太郎「ううっ…」 美穂子「…(確かこうすれば)」コスコス 京太郎「うあっ」ローン 美穂子「きゃっ」ベトッ 華菜「キャプテン!」 美穂子「…(不思議な味)」ドキドキ 美穂子「…」トローン 京太郎「じゃ、じゃあ俺はコレで…」 美穂子「まって」ギュッ 美穂子「もっと、くれるわよね」ハムッレロレロ 京太郎「うあっ…」 華菜「キャプテンばっかりずるいし!華菜ちゃんも舐めるし!」チュゥ 京太郎「ちょっ、離してくださ…」 未春「わ、私も…」レロォ 京太郎「うああっ…」ローン 美穂子「!」ピチャピチャ 華菜「かわった味だし!」 未春「も、もう一回お願い(あんまり飲めなかったや)」 京太郎「そ、そんな…」 ピチャピチャ 京太郎「長野は…だめだ…」 京太郎「あらゆる意味でダメだ…魔界だ…」 京太郎「むこう3年は帰りたくない…ところでここは…」 穏乃「どうかしましたかー?」 京太郎「ひっ…いえ…」 穏乃「もしかして道に迷いましたか?」 京太郎「ま、まあそんなところです」 穏乃「じゃあついてきてください!」 京太郎「は、はあ…」 京太郎(どうしてこんな山奥に人が…) 穏乃「~というわけで迷ってたんだ」 玄「ふぅーむなるほどなるほど」 宥「…」ブルブル 灼「なんにせよよろしく」 レジェ(…この匂い)クンクン レジェ「ねえ君、もしかして~~」 京太郎「え、ま…まあそうですね…それで逃げてきたところです…」 憧「何それ犯罪じゃない!」 レジェ「それは違うわ、須賀君だっけ?あなた気付かなかったの?」 京太郎「…?」 レジェ「ただでさえ女だらけのこの作品で数少ない男キャラ」 レジェ「しかも他の男は完璧超人執事とおじいさん(あとモブ)」 レジェ「貴方は知らず知らずの内に、作品内での男女比率が均等になるようなフェロモンを発していたのよ!」 京太郎「そ、そんな!?じゃあ出来るだけ人から離れないと…」 京太郎「…」ハッ 京太郎「し、失礼しま…ひぃっ」グッ レジェ「まあまあ、その前にやってくことがあるでしょ?」 宥「あったかーい」ギュッ スリスリ 京太郎「や、やめてくださ…」 玄「ふぅーむなるほどこれは見事な…」ヌガシヌガシ 玄「…んっ…れろっ」ジュルジュル 宥「…暖かい」ギュー 穏乃「サンドイッチだね」 憧「なーんか手出しづらいわね」 灼「…」スタスタ 京太郎「ちょっ…離してくださっ…」チュゥー 灼「ん…」チュゥー 憧「…やるじゃん」 穏乃「…」ウズウズ 憧「じゃー空いてる手でも借りよっかな」パシッ 憧「ほら揉んだもんだー」 穏乃「わ、私も!」パシッ ワサワサチュパレロヌルスバラッ レジェ「彼が見えなくなってしまったわ…」ヤレヤレ 照「…ツモ」 照「…ツモ」 淡「最近トルネードツモしなくなりましたね」 照「ああ、出せなくなった」 淡「ええ!?」 照「…」 照(あの日から何故かトルネードが出せない) 照(あれをきっかけに能力が京ちゃんに移ってしまったのだろうか) 照(幸い照魔境は残っているが・・・) 照(京ちゃんから発するなんかいい匂いが風で撒き散らされると大変なことになる) 照(止めないと…でもまずはあと4回ほど咲ニーしておこう) 照(いや…) 照(あと5…6回だな…)キリッ 淡(かっこいい…) 宥「あったかいのもっときてぇー」グリグリ 玄「お、おねえちゃんばっかりずるいよー」フニフニ 京太郎「ウッ…も、もうムリデス…ムググ」 憧「ちょっと手が動いてないわよー」ギュムギュム 京太郎(俺は死ぬんだ…) バターム 「待ちや!!」 阿知賀「!?」 「そのままやったらソイツ死んでまうで…」 レジェ「あ、貴方は…」 穏乃「どうしてここに…」 「きまっとるやろ…うちは未来が見えるねん!」ドーン 京太郎「…た、助けが…きたのか」 怜「そや、辛かったな何回も出さされて、もう安心しい」 京太郎「や、やっと解放される…」 怜「何言うてんねん」 京太郎「…え?」 怜「要は出さんかったらええだけの話や」 怜「うちの力を使えば延々寸止めも可能やで」(マジキチスマイル) 京太郎「…」ダッ 怜「逃げたで!」 穏乃「…」バッ 京太郎「…うわぁっ」ドターン 怜「なかなかタフやな…でもこのすばら印の筋肉弛緩剤(錠剤)を飲ませとけば」スッ 京太郎「ひぃぃ」ガクガク 怜「皆口開けさせえ!」 京太郎「うわあああやめろおお」ドッタンバッタン 京太郎「うあっ…」ローン 怜「まーた放銃かい」 怜「ほな8本場いきましょか」グリグリ 京太郎「待っ…ああっ…」ビックンビックン 怜「ははは、流石に5人がかりで押さえつけられたら何もできへんな」 玄「お任せあれ」 怜「こっちは竜華に毎晩鍛えられとるからな」グリグリ 京太郎「うああ」ローン 怜「早いとこうちをイかせへんとミイラになってまうで」グリグリグリ 京太郎「」ローン 怜「お?」 京太郎「」 怜「…誰か水もってきてー」 レジェ(ほんとに病弱なのかしら) 咲「ここに京ちゃんが…」 久「信用できるのね?」 智美「おー、須賀君の携帯はここを示しているぞー」ワハハ もも「一応GPSアプリ勝手に入れておいてよかったっすね」 ゆみ「さすがモモだ」 透華「まったく、リムジンではなくヘリを手配するべきでしたわ」 池田「でもまあ無事についたし!」 純「ほれ行くぞー」ガチャッ 美穂子「だ、ダメよ勝手に開けちゃあ…」 ゾロゾロゾロ わらわらわら まこ「…」 睦月「…」 まこ「見えんな」 睦月「うむ」 怜「またハコった(気絶)」 煌「このすばら印の気付け薬を使うのですばらっ」 まこ「…」 睦月「…」 まこ「まるで女体の海じゃの」 睦月「うむァ」 咲「カン、カン」グリグリ 咲「もいっこカン」 京太郎「」リンシャンカイホー 京太郎「な、何とか逃げてこれた…」フラフラ 京太郎「痛い…体中べとべとだし…」フラフラ 照「…あれは」 京太郎「…」フラフラ 照(丁度よかった…能力を返してもらおう)ゴスッ 京太郎「…がっ」バタン 京太郎「…うっ」 照「これが…咲の中に…っ!」ズッズッ 京太郎(誰だ…暗くて…見えない…) 京太郎(ダメだ…また意識が…) ~~~ 京太郎「…はっ」ムクッ 京太郎「ここは…旧校舎前…」 京太郎(…何も思い出せない) 京太郎「と、とにかく部室に行かないと」 久「昨日までの記憶がない?」 咲「…」 京太郎「はい…なにがなんやら…」 優希「…」 まこ「その頭のコブはどうしたんじゃ」 京太郎「え…あ…」ズキン 京太郎「そうだ…昨日俺は誰かに殴られて…」 京太郎「…あ」 和「そ、それで…」 京太郎「レイプされた…」 カン
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前話 次話 京太郎インタビューその4 全国大会へとやってきた清澄高校。そしてSK君。 今回から全国大会中の様子を高スパンでお送りする予定の為、インタビューの様子を動画で配信する事となった。 それに合わせて、以前より問い合わせの多かったSK君の素顔の公表についても交渉し、これを受諾。 彼の身内と取材陣しか知らなかったSK君の端正な顔立ちが、今明かされる。 まずは動画配信、並びに素顔の公表を受け入れてくださって、ありがとうございます。 京太郎「はい。といっても、そんなに需要があるとは思えませんけどね。このインタビューって、基本的にうちとかの女子選手達の裏側が知りたい人が見るものでしょうし」 ……需要しかないから問い合わせが殺到したのですが……まぁいいでしょう。 京太郎「それで、今回はどんな話をしましょうか」 それではまず気になった事なのですけど……気を悪くしないでくださいね? 京太郎「はい?」 良く来られましたね? 京太郎「? と言いますと?」 いえ、基本的に大会での遠征となると、選手や監督、コーチくらいのもので、それ以外の応援する部員となると、それこそ大手の学校になるのですよね。 京太郎「あ、あーそういう話ですか」 S君一人分にしても遠征費は馬鹿になりませんし、男子となるとまた別で部屋を押さえる必要があるので、それだけのお金を学校から出してもらえたということに……まさか自費ではありませんよね? 京太郎「それは無いですけど……うーんと。聞くところによると、どうやら学校としては元々俺も付いていかせるつもりは無かったそうです。理由はさっき言ってた通りで」 では、何故? 京太郎「俺ももっともな理由だと思ったんですが、部長がそれについて先生方に抗議したらしくて」 部長さんが、ですか? 京太郎「はい。なんでも「何言ってるんですか! S君がいなかったら咲は広い東京で迷子のまま帰って来なくなりますし、優希はエネルギー切れで行き倒れますし、和なんか道行くわるーいお兄さんに連れ去られて行方不明になるでしょーが!!」とか」 後輩達に対する信頼がまるでありませんね……。 京太郎「心配なんだと思いますよ。かくいう俺も同じ所で心配ですから。そんな訳で、応援兼ボディガード兼マネージャーという形で一緒に東京来る事になりました」 成程。 京太郎「咲は東京に着くまでの駅でも何度か迷子になりますし、優希は遠征に思ったより時間が掛かったせいでエネルギー切れて自分で歩かなくなりますし、和は俺と一緒にいる時にも遠目でジロジロ見られてたみたいで、付いてきて正解だったな……とは思いましたね……」 それはまた、予想を裏切らない方達ですね……。 東京に来た事はありますか? 京太郎「無いですねー。今の時代、電車やら新幹線やら飛行機やらでどこでも行けますけど、特別用が無いとそれだけの時間と金を掛けて出掛ける事無いですし」 長野から出た事も無い? 京太郎「いえ、家族旅行とか修学旅行とかではありますけど……、東京方面に行った事は無いかな」 どうですか? 東京に来てみて。 京太郎「圧巻、ですよね。色んな建物が所狭しと立ち並んでますし、何より人が多いのなんの」 初日にして東京の洗礼を浴びましたか。 京太郎「そうなりますかね。で、初日の昨日は遠征ってのもあってみんなは旅館で休んでました」 みんなは? 京太郎「俺も疲れてましたけど、みんな程じゃなかったし、ちょっと休んだらじっと落ち着けなくなって、周りの地理を把握する意味でもと思って散歩したんですよ」 迷子にはなりませんでしたか? 京太郎「旅館の名前やらはメモってたので、地図アプリを開けば場所は分かりましたから、特に問題ということは無かったですね。咲とは違うのだよ! 咲とは!」 それ以上は宮永さんに怒られそうですが。 京太郎「あいつ麻雀絡ませない限りは怒っても大して怖くないですしねー。で、テキトーにその辺をほっつき歩いてたら、「あ! え、S君だ!」って突然声掛けられまして」 目線を入れない素顔の公開は今回が初なのに、掛けられたんですか。 京太郎「ええ。誰だ? と思って見てみたら穏乃……阿知賀女子の高鴨穏乃でして」 阿知賀女子のというと、奈良県代表高校の? 京太郎「ええ。そういや雑誌でそんな高校もあったな、と」 穏乃……というと。 京太郎「あー。まぁ話してる内に思いの外仲良くなった、というか。その時は向こうも礼儀正しくして、「あ、あの! 私麻雀部で、奈良県から出場してる高鴨穏乃って言うんですけど! 長野で清澄高校のS君ですよね!?」って聞かれまして」 前から思ってましたが、物真似上手いですよね。 京太郎「そうですか? それで、そうだけどって返したら、どうやら和の昔の友達らしくて」 ほほう。意外な所に接点が。 京太郎「他にも和の友達がいて、今の和について聞きたいからっつって阿知賀の人達が泊まってる部屋に案内されまして」 ホイホイと連れ込まれてませんかそれ。 京太郎「まー普通なら警戒するとこでしょうけど、毒気が抜かれるというか危機感を持つだけアホらしいというか、これで騙されてたら俺の見る目を一生信用出来ないってくらい無邪気だったんで。大人しく連れていかれました」 それで、連れ込まれてからどうなりましたか? 京太郎「一応俺を連れてくるっていう連絡は事前に入れてたみたいで。部屋に入った時に紙袋を被った人に「ふっふっふ、良く来たのですSK君!」って出迎えられました」 紙袋。 京太郎「頭を覆い隠してた紙袋の穴から長い黒髪が伸びてましたし、他の特徴と阿知賀女子の人ってのと照らし合わせて正体は松実玄さんってのはすぐ分かったんで、指摘したら「はうっ!? な、なんで分かったの!?」って言った後にハッとして「ち、違うよ!? 私は謎の覆面女子高生MK! 奈良県代表阿知賀女子麻雀部先鋒で、旅館を経営してる松実家の次女で、ドラ保有率100%故に阿知賀のドラゴンロードと呼ばれている松実玄ちゃんではないのです!」なんて取り繕い始めまして。隣にいた鷺森さんに「玄。余計な事までバラしてる」ってツッコまれてました」 なんでそんな奇天烈な行動を……。 京太郎「さぁ……? ともかく正体バレバレなのが分かると松実玄さんは紙袋脱いで、阿知賀女子の四人の人と自己紹介しました」 四人、ですか? 五人ではなく? 京太郎「一人は男性慣れしてないとの事で布団に包まってました」 布団に包まって。 京太郎「……まぁ男慣れしてる人ってのは一人もいませんでしたが、特にって感じで。あと監督もいたそうなんですが、その時は席を外してましたね」 それで、その四人と原村さんについて? 京太郎「いえ、和の友達は五人の内三人で、内一人は包まってたので、穏乃と玄さんの二人と、ですね」 玄さん? 京太郎「あー。姉妹で一緒にいたんで、松実さんだと混ざるからって名前呼びするように、と」 阿知賀女子の方と仲良くなるスピードが尋常じゃないですね。 京太郎「俺も結構なものだと自負してますが、向こうも向こうでコミュ強でしたからねぇ……」 彼女等の部屋にいる間はその二人とずっと原村さんについて語ってたのでしょうか? 京太郎「それがそうでもなくて……しばらく話してる内に、話の流れで玄さんが「ええ!? S君、おもちに触った事無いの!?」とか言い出しまして」 おもち? 京太郎「直訳すると女の子の胸の事です」 何故そんな話の流れに……。 京太郎「なんだったかなぁ……。和は今あれだけ大きいけど、小学生の頃から凄かったんだよーって玄さんが語り始めたからだったような」 それで、それから松実玄さんが胸…………おもちについて語っていたんですか。 京太郎「いや、そこからは話すぐ終わったんですよね。……いや終わらせられたというか……」 というと? 京太郎「俺が触った事ないです、と返したら玄さんが「それは勿体無い! 大丈夫なのです! おもちは友達! 怖くないよ! ほら!」とか言って、俺の手を掴んで自分の胸を鷲掴ませまして……」 え。 京太郎「俺が呆気に取られて何秒かぐいぐいさせられたら、玄さんも自分のやってる事に気が付いたんでしょうね。一気に顔が真っ赤になって弁解らしき言葉を口にしようと」 かなりおばか…………勢いで生きてる方なんですね。 京太郎「あまり包めてませんよオブラート」 ちなみに鷲掴んだ感触は如何でしたか? 京太郎「………………………………ノーコメントで」 京太郎「で、なにか言葉になる前に新子さん……包まってた人ですね。が、「くーーーろーーー……?」って、笑顔で怒ってる感じで玄さんの後ろに立ってまして」 いつの間に出て来てたんですか。 京太郎「俺達が話してる内に顔だけはちょこっと布団から出してたのは見えてましたね。で、それ見て怯えた玄さんを「逆セクハラ娘は出ていきなさい!」つって部屋から蹴り出してました」 先輩に容赦がありませんね、新子さん。 京太郎「幼馴染みだと年の垣根ってあって無いものかもですね……。それで、閉め出された玄さんが部屋の外で「お、お゛ね゛え゛ぢゃああああん!!」って泣き叫びながら、何故か部屋から遠ざかっていって、その後で宥さん……姉の方の松実さんが「く、くろちゃー……」つって追いかけてって、まず松実さん二人が部屋から消えまして」 まず? 京太郎「その後、新子さんに助け舟出してくれた事にお礼を言ったら、聞いたことの無い悲鳴? を上げられまして」 悲鳴? ……具体的にはどのような? 京太郎「確か「ふきゅ!」だったかな?」 また新しい悲鳴ですね……。 京太郎「そんでまくし立てるように穏乃にあれこれ言った後、新子さんも部屋から出て行っちゃって、俺と穏乃と鷺森さんの三人が取り残されました」 それで、その場はもう解散となった? 京太郎「俺はそうかなと思ったんですが、穏乃的にはそうでなかったらしく、ちょっと言い辛そうな感じでもじもじしてたんですよ」 おや、面白そうな反応が……。 京太郎「俺がどうした? って聞いたら穏乃は意を決した感じで「あ、あのね!」つって」 これは、まさか……!? 京太郎「「S君ってドラゴン○ール読んでる!?」って」 ズコーッ! 京太郎「うわっびっくりした! なんですか急に顔面スライディングして!」 い、いえ……思ってた反応と違ってたもので……。 767名無しさん@お腹いっぱい。2021/07/01(木) 17 45 44.38ID PTFFyHFK0 京太郎「まぁ俺も唐突! とは思いましたけどね。どうやら穏乃ってドラゴ○ボールの大ファンなんですけど、周りにそういうの語れる人がいなかったらしくて。男で同年代で和の友達の俺ならもしかしたら、って思ったらしいです」 同年代の男の子ならともかく、原村さんの友達は関係あるんでしょうか……。 京太郎「ある程度信用出来る男って意味なら、あるかもですね」 それで、S君は読んでるんですか? ドラ○ンボール。 京太郎「そりゃあもう。漫画は読破してますし、アニメもDVDが全部家にありますし、ゲームも全部とはいきませんが古いのから新しいのまで揃ってます」 かなりのファン度ですね。 京太郎「穏乃はゲームこそ無いものの、数あるド○ゴンボール映画をコンプリートしてましたよ」 そうなると、とても話が合ったんじゃないですか? 京太郎「そうですね。俺は男友達にもファンはいますけど、穏乃はそうじゃなかったんで、今までに語れなかった分を語り尽くそうって勢いで話してました」 その流れで下の名前呼びになったんですか? 京太郎「ええ。そろそろ帰らないとって時間になって、語り足りないし連絡先交換しようっつって、その時に」 東京初日で女の子の連絡先ゲットしたんですね? 京太郎「言い方!」 では、最後になにか一言。 京太郎「東京でオススメの、テイクアウト出来るタコスが売っている店を知っている方がいらっしゃれば、どうかコメントの方お願いします」 晴絵「…………私がいない間に何やってんだあんたら」 穏乃「いやーごめんなさい! 初めての東京でテンション上がって、その辺をダッシュしてたら京太郎君ぽい人見掛けちゃって! 確認したら本物だったからそのまま連れ込んじゃいまして!」 晴絵「いやそれもだけどさぁ……見ず知らずの男を部屋に招くとかさぁ……」 穏乃「? 和の友達だし、見ず知らずじゃないですよ?」 晴絵「そーなんだけどさぁ……」 灼「ハルちゃん。穏乃には何言っても無駄……」 憧「しずもしずだけど、玄も玄よ。なんであんなに恥を晒したわけ?」 玄「言い方酷くない!?」 灼「須賀君が部屋にいる間、ほぼずっと布団に包まってた憧も大概だと思……」 憧「そ、それは仕方ないでしょーよ! 部屋でだらだら過ごしてたらいきなりしずから連絡来て「S君見つけた! 今そっちに一緒に向かってるー!」とか言うのよ!? 心の準備ってものがあるでしょ!?」 穏乃「でも憧、雑誌で京太郎君の写真とかコメントとか読んで、「ふーん。まぁ、悪い奴じゃないかもね」とか言ってたし、男の子苦手な憧でも大丈夫かなって思ったんだけど」 憧「……違うのよ……悪い奴どころか、本物見たら超タイプだったのが問題なのよ…………」 穏乃「へ?」 憧「と、とにかく! どーすんのよ玄。あの時の事が知られて、アンタこれから「初対面の男に胸触らせた痴女」って事になるんだけど?」 晴絵(動画のコメントだと「勢いで胸触らせちゃうおばか女子高生」って感じだけどな……) 玄「痴女!? ち、違うよぉ。私本当にそんなつもりなくて……」 憧「和だってそんなつもり無いけど、ネットじゃ「長野が生んだエロの化身」とか呼ばれてるわよ。そこ行くと玄は「奈良が生んだエロの化身」になるわね」 玄「うぇぇん! そんな渾名つけられたらもうお嫁に行けないぃぃぃ!!」 灼「そしてそんな化身と一緒に出場する私達……」 憧「言うな……言わないで…………」 玄「おねえちゃぁぁぁん!!」ビエー 宥「だ、大丈夫だよ玄ちゃん。その時は、ほら。責任を取ってもらう? って事で……」 晴絵「逆セクハラした立場でそれは難しくない……?」 穏乃(今度は和や清澄の人達とも一緒に話せたらいいなー) ちなみに、公表されたSKの素顔に注目が集まったので、阿知賀女子麻雀部の事柄はそれ程話題に挙げられなかったという。 カン 前話 次話
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次鋒戦開始 親 桃子 91000 由子 24200 郁乃 193400 宥 91400 由子「ロン、3900なのよー」 桃子「はいっす」 桃子(相変わらず地味な和了りっすね) 桃子(でもさっきはどうして私のことが見えてたんすかね?) 桃子(胸がどうとか……?) 東2局 桃子 87100 親 由子 28100 郁乃 193400 宥 91400 郁乃「ロン、12000やで~」 桃子「はいっす」 由子(代行、やっぱり手強いのよー) 東3局 桃子 75100 由子 28100 親 郁乃 205400 宥 91400 由子(後輩のミスは私が) 由子(取り返すのよー) 由子「ロン!24000なのよー!」 由子(これでオーラスの仕返しはしたのよー) 由子(さて次は……) 郁乃(親流されてもうたか~真瀬ちゃん強いわ~) 宥(うぅ、全然和了れないよぉ……) 桃子(3連続放銃、でも他の人たちは私を見てはいないっす…………)スッ 桃子(ここからはステルスモモの独壇場っすよ) 桃子が[ステルスモード]に移行しました! 東4局 桃子 51100 由子 52100 郁乃 205400 親 宥 91400 宥(玄ちゃんが守った点棒、守る!) 桃子「リーチっす」 宥(またあったかくない牌……) 由子(清澄の、これは国士?危ないのよー) 郁乃(まだまだ稼ぐで~) 宥(これも、あったかくない……)トン 桃子「ロン、32000っす」 宥「ふぇっ!?は、はい」 宥(リーチなんてかかってたっけ?) 郁乃(いつの間に……) 南1局 親 桃子 83100 由子 52100 郁乃 205400 宥 59400 郁乃「ツモ、1600・3200や~」 郁乃(今日は辛いなぁ、でも、あとちょっとや~) 由子(代行の妹さん……対策試してみるのよー) 【対抗策】発動! 【身代わりの幻影】をコピーしました 南2局 桃子 79900 親 由子 50500 郁乃 211800 宥 57800 桃子「ツモ、3000・6000っす」 桃子(ずっと視線を感じるっす) 桃子(どうしてこの人が見えるんっすか) 桃子(くるくるさん……) 南3局 桃子 91900 由子 44500 親 郁乃 208800 宥 54800 由子「リーチなのよー」 桃子(この人、本当に私を……) 桃子(試させてもらうっす!)トン 由子(一発ならず……のよー) 由子(清澄の東横さん……) ――――――――――― 由子『清澄?』 善野『せや、多分二回戦で当たることになるとこ』 善野『そんで、これが真瀬さんの相手や』 由子『東横桃子……?』 善野『なんでもその子、消えるらしいんや』 由子『消える?卓上から、ですか?』 善野『信じがたいんやけどな、そんで真瀬さんには東横さんの対策をしてもらうわ』 由子『対策……でも、どうやって』 善野『おもちや、おもち』 ――――――――――― 由子(私が鍛えたおもちレーダー、上手くいってるのよー) 桃子(やっぱり気のせいっすかね?)トン 由子「ロン、16000なのよー」 オーラス 桃子 75900 由子 61500 郁乃 208800 親 宥 54800 由子(そういえば、阿知賀のひとのおもち力も高いのよー) 由子(……うらやましいのよー) 由子「ロン、四暗刻単騎で32000なのよー」 桃子「はえっ!?」 由子「これで終わりなのよー」 宥(一回も和了れなかったよぉ……) 郁乃(真瀬ちゃん……) 次鋒戦終了 三箇牧 208800 (+15400) 姫松 93500 (+69300) 阿知賀 54800 (-36600) 清澄 43900 (-47100) 由子「おつかれさま、なのよー」 桃子「おつかれっす……」 宥「おつかれさまでしたぁ……」 郁乃「おつかれさん~」 憧「私が一番乗りね」 憧(ついに来たインハイ決勝!負けられないよね、もう) 咏「うーっす、今日もよろしく頼むねぃ」 憧「今日も私が勝つから」 咏「ほぉ、言うねぃ、ま頑張ってくれよ~」 洋榎「なんやまたチビかいな、女子高生の身長どうなっとんねん」 久「あらいいじゃない可愛らしくって」 久「あなたも同じなんだし」 洋榎「今どこ見て言うた、ん?」 久「さあ、始めましょうか」 洋榎「なんや無視かいな……」 中堅戦開始 親 久 54800 洋榎 93500 憧 43900 咏 208800 久(テンパイ、さて、取り返させてもらいましょうかね!) 【悪待ち】発動! 久(これで、よし) 久「リーチ!」 咏(清澄のやつなかなか速いねぃ) 咏(ま、私は速いよりか高い方が好きなんだよねぃ) 咏(取りあえずスジを)トン 久「ロン、裏乗って12000!」 咏「はあっ!?」 咏(三面捨てて単騎?打点も下げてるし、何がしたいんだよこいつ……) 東1局一本場 親 久 66800 洋榎 93500 憧 43900 咏 196800 久(いい調子よ、もう一回くらいできるかしら?) 【悪待ち】発動! 久(今度は……これで) 久「リーチ」 憧「ポン!」 憧(一発消し!)トン 久「ロン……24300」 東1局二本場 親 久 91100 洋榎 93500 憧 19600 咏 196800 憧(あと2万点……) 憧(でも姫松はこれを取り返した、私もあきらめない!) 憧「ツモ!2200・4200!」 東2局 久 86900 親 洋榎 91300 憧 28000 咏 194600 憧「ロン、2000!」 咏(おいおい、ずっと削られっぱなしじゃねえかよ) 咏(これじゃあ前みたいに……) 洋榎(ずっと黙ってんのは好きやないなぁ) 洋榎(もうちょい待っとくか) 東3局 久 86900 洋榎 91300 親 憧 30000 咏 192600 咏「ツモ、3000・6000」 咏「取られてばっかじゃないんだよねぃ」 咏「次行くぜぃ~」 憧(止められた……でもまだまだ!) 洋榎(ここまで焼き鳥か、まあハンデとしちゃちょうどええわ) 洋榎(狩るでー三箇牧狩るでー) 【灼熱の矛】発動! 東4局 久 83900 洋榎 88300 憧 24000 親 咏 204600 洋榎「先駆けリーチ!」 憧(清澄の悪待ち、三箇牧の超火力) 憧(でもこの姫松は何がなんだかわかんないのよね)トン 洋榎「それロン!さーて裏はどないかなー」 洋榎「って、乗っとらんやないか!」 洋榎「3900や!」 憧(騒がしい……) 南1局 親 久 83900 洋榎 92200 憧 20100 咏 204600 洋榎「カン!」 洋榎「嶺上開花!1000・2000や!」 洋榎「まだまだ止まらんでー」 南2局 久 81900 親 洋榎 96200 憧 19100 咏 203600 久(愛宕さんの親、流しておこうかしら、ね!) 【悪待ち】発動! 同コンマのため、流局 久「リーチ!」 憧(清澄またリーチ?もう勘弁してよ) 咏(これ以上の失点はちょっとねぃ) 南3局一本場(供託棒:1) 久 81900 洋榎 93200 親 憧 20100 咏 204600 洋榎「ロン、4200や!」 憧「はい」 洋榎「悪いなぁ、けどウチらも負けてられへんのや」 洋榎「ほな行くでオーラス!」 南3局 久 81900 洋榎 98400 憧 16200 親 咏 204600 同コンマのため、流局 憧(まだ負けられない!) 憧(なんとしてでも和了る!) 洋榎(楽しかったな、これで終わりか) 憧(最後まであきらめない、あきらめたくない!) 中堅戦終了 三箇牧 203100 (-5700) 姫松 99900 (+6400) 清澄 80400 (+36500) 阿知賀 17700 (-37100) 洋榎「おつかれさんさんさんころり~」 久「おつかれさま」 憧「お疲れ様でした……」 咏「おっつかれぃ~」 憧(ダメだな、私……ホント)グスッ 京太郎「阿知賀、大丈夫かな」 京太郎「淡とか由子さんみたいに巻き返してくれるといいんだけど……」 洋榎「お、須賀やん」 京太郎「どうも」 洋榎「今の試合見とったか?凄かったやろ?」 京太郎「ずっと3900は凄かったですね」 洋榎「そ、それは言わんといてや……」 京太郎「収支で言えば清澄の竹井さんの方が凄かったですし、なんとも」 洋榎「よし、決めたわ!個人戦でリベンジしたる!見とってや!」 京太郎「楽しみにしておきますよ」 洋榎「あ、せやアドレス交換せえへん?須賀のは持っとらんかったから」 京太郎「確かにそうですね、じゃあこれ」 洋榎「…………っと」 洋榎「登録完了や、あとでそっちに空メール送っとくわ」 洋榎「ほなまた」 京太郎「頑張ってくださいねー!」 ――――――――――――――― 絹恵「よろしくお願いします~」 和「お願いします」 憩「よろしくですーぅ」 灼「よろしく」 灼(取り返さないと、私が) 灼(私たちは5人で阿知賀) 灼(負けたくない) 副将戦開始 親 灼 17700 絹恵 99900 和 80400 憩 203100 和「ツモ、3000・6000」 灼(やっぱり強い……) 灼(でも、負けない) 東2局 灼 11700 親 絹恵 96900 和 92400 憩 200100 灼(テンパイ、出遅れたけど) 灼(反撃開始) 【ボウリング打法】発動! 灼「ロン、8000」 灼(三箇牧から削りたいんだけど) 灼(今はそんなこと言ってられない) 東3局 灼 19700 絹恵 96900 親 和 84400 憩 200100 憩(大将は照ちゃんの妹……) 憩(なるべく空けんとな)キィィン 【孔穿つ閃光】発動! 憩「リーチ!」 絹恵(荒川さんも鷺森さんも、同じ学年なのに凄いなぁ) 絹恵(私も頑張らんと!)トン 憩「ロン……6400や」 絹恵「はい……」 東4局 灼 19700 絹恵 90500 和 84400 親 憩 206500 灼(荒川さんの親……) 灼(仕掛ける) 【ボウリング打法】発動! 同コンマのため、流局 絹恵(うーん、ツモ悪いなぁ……) 灼(ダメだ、このままじゃ) 和(流局ですか) 和(三箇牧の人からなるべく取りたいですね) 南1局 親 灼 21200 絹恵 92000 和 82900 憩 205000 和「ツモ、1300・2600」 和(穏乃や憧、玄さんがいるところでも容赦はしません) 和(私も、負けられないのです) 灼(原村さん……) 南1局 灼 18600 親 絹恵 90700 和 88100 ※[大天使モード]に移行しました 憩 203700 憩(まだまだ、もう一回や!)ピキィィン 【孔穿つ閃光】発動! 憩「リーチ」 灼(こんなに終盤でリーチ?) 絹恵(荒川さんのリーチ……オリとかな)トン 和(…………)トン 憩(一発やないんやな……)トン 灼(流局)トン 絹恵(ノーテン流局かぁ) 絹恵(お姉ちゃんみたいになれたらなぁ……)トン 憩「それロン、6400や」 絹恵「あ、はい」 南3局 灼 18600 絹恵 84300 親 和 88100 憩 210100 灼(ここまで全然稼げてない) 灼(絶対に、勝つ) 【ボウリング打法】発動! 和「ツモ、500オールです」 灼(和了られた……) 灼(穏乃に回す) 灼(みんなで遊ぶって、みんなで言った) 灼(まだ試合は終わってない) 南3局一本場 灼 18100 絹恵 83800 親 和 89600 憩 299600 灼(できるだけ多く) 灼(できるだけ、全力で) 【ボウリング打法】発動! 灼(よし……) 絹恵(全然テンパイできへん) 絹恵(みんな、お姉ちゃん、ごめん)トン 灼「ロン、32300」 絹恵「はい……」グスッ 灼(うまく行った)グッ 灼(あと一回) 南4局 灼 50400 絹恵 51500 和 89600 親 憩 199600 灼(5万点、15万点差) 灼(ツモれるとありがたい) 【ボウリング打法】発動! 絹恵(だ、ダメや……)トン 灼(姫松の愛宕さん……) 灼(せっかくの倍満、裏が乗れば三倍満、和了りたいけど) 灼(姫松が飛ばされるかも) 灼(一回見逃そう) 灼(和了れるかな……) 灼(高目一発を和了れなかったのは残念だけど) 灼(まだ時間はある) 絹恵(残り5万点……末原先輩に頑張ってもらうしか) 絹恵(オーラスにノーテン) 絹恵(お姉ちゃんやったら……) 和(あまり取れませんでした) 和(すみません、咲さん) 灼(来た、今日は運が良かった) 灼「ツモ、3000・6000」 副将戦終了 三箇牧 203600 (+500) 清澄 86600 (+6200) 阿知賀 62400 (+44700) 姫松 48500 (-51400) 絹恵「はぁ……」ズーン 漫「はぁ……」ズーン 由子「二人とも元気出すのよー」 洋榎「せやで絹!愛宕家の血が泣くで!」 絹恵「せやかて、ねぇ……」 漫「せやなぁ……」 恭子「行ってきます」 善野「頑張ってな、末原さんならできるで」 恭子「ホンマにこの恰好で行かなきゃですか?」 善野「準決勝でわかったやろ?何事もまずは形から、や」 恭子「はぁ……」 ―――――――――― 穏乃「行ってきます!」 灼「今日は制服なんだ」 憧「決勝戦だから私が言っておいたのよ」 玄「穏乃ちゃん頑張って!」 宥「みんなの分、頑張ってね」 穏乃「はい!」 ―――――――――― 咲「あ、和ちゃん!」 和「咲さん……あまり稼げませんでした」 和「ごめんなさい」 咲「ううん、いいよ」 咲「私が勝つから」 咲「和ちゃんは大丈夫だよ」 和「咲、さん」 咲「それじゃあまた後で」 和「はい……」 ―――――――――― エイスリン「イッテキマス!」 エイスリン「I ll be back!」 照「頑張って」 咏「逃げ切ればいいだけだしねぃ」 郁乃「エイちゃんなら大丈夫やで~」 憩「頑張ってな」 エイスリン「ウン!」 大将戦開始 親 咲 86600 恭子 48500 穏乃 62400 エイスリン 203600 恭子(準決勝のときみたいに……)トン 咲「ポン!」 恭子(大明槓やなかったか……)トン エイスリン(チャンカン)トン 咲「カン!」 エイスリン(ヤッタ!) エイスリン「ロン!6400!」 咲「うっ……」 咲(また……) 東2局 咲 80200 親 恭子 48500 穏乃 62400 エイスリン 210000 恭子(まさか三箇牧が親を流すとは)トン 穏乃「ロン、24000です」 恭子(思わ……) 恭子「はっ!?」 東3局 咲 80200 恭子 24500 親 穏乃 86400 エイスリン 210000 恭子「ロン、12000」 咲「はい」 恭子(どうしたんや?全く和了っとらんやないか) 恭子(何をする気……?) 東4局 咲 68200 恭子 36500 穏乃 86400 親 エイスリン 210000 エイスリン(コノママ……keep)トン 咲「カン」 咲「嶺上ツモ、5200」 咲(こんな感じでいいかな) 咲(さて、と) 【魔王の嶺】発動! 穏乃(三倍満……この調子) 南1局 親 咲 73400 恭子 36500 穏乃 86400 エイスリン 204800 恭子(清澄……ようわからん) 恭子(また二回戦ときみたいにプラマイゼロ?この局面でせえへんやろ) 恭子(何を考えとるんや……) 咲(…………) エイスリン(マダダイジョウブ……)トン 咲「カン」 エイスリン「エッ」 咲「カン」 咲「もいっこカン」 咲「カン」 エイスリン「ア……ア……」 咲「嶺上ツモ、四槓子四暗刻、48000」 南1局一本場 親 咲 121400 恭子 36500 穏乃 86400 エイスリン 156800 咲(点差縮まったし、もう自由に打っていいよね……) 【帳尻合わせ】を発動しなくなりました 穏乃(一気に48000!?) 穏乃(何がなんだかわからない)トン 咲「カン」 咲「18000の一本場は18300です」 【魔王の嶺】の効果が切れました 南1局二本場 親 咲 139700 恭子 36500 穏乃 68100 エイスリン 156800 恭子(清澄……相変わらずやったか) 恭子(私は点差縮めに行く!)トン エイスリン「ロン、12600!」 エイスリン「ヨシッ!」 恭子(三箇牧、ようやるわ……) 恭子(これで25000) 恭子(メゲるわ……) 【恐怖伝染】が発動しました 南2局 咲 139700 親 恭子 23900 穏乃 68100 エイスリン 169400 同コンマのため、流局 咲(またこれ……) 咲(まだ頑張らなくちゃなのに……っ!) 南2局一本場 咲 139700 親 恭子 23900 穏乃 68100 エイスリン 169400 エイスリン「ロン、32300!」 咲「えっ……」 咲(これ、勝てるの?) 咲(嫌だ、勝ちたい) 咲(和ちゃんとまだ楽しむんだ) 咲(負けない) 【魔王の嶺】と【帳尻合わせ】が発動しました 南3局 咲 107400 恭子 23900 親 穏乃 68100 エイスリン 201700 咲「カン」 咲「嶺上ツモ、3000・6000」 咲(オーラスで何とかしないと!) 穏乃(もうオーラス……出来て2位) 穏乃(最後まで楽しもう!) 【インフレーションギア】がレベルアップしました 南4局 咲 119400 恭子 20900 穏乃 62100 親 エイスリン 198700 穏乃(満貫……) 穏乃(ここまで来れたんだから、もういいか) 穏乃「ロン、8000!」 大将戦終了 清澄 119400 (+32800) 姫松 20900 (-27600) 阿知賀 70100 (+7700) 三箇牧 190700 (-12900) 理沙(あーあ、今日もやっちゃった) 理沙(口下手なのになんで仕事に呼ばれるんだろう) 理沙(解説もルックスもダメダメなのに) 理沙(東京でファンの人に会ったときも……) ―――――――――――――― 豊音『あ、野依プロだよー!』 豊音『サインください!』キラキラ 理沙(書いてあげたいけど時間がない……) 豊音『ダメですか?』 理沙(そうだ、あとで書いて送ってあげればいいんだ!) 理沙『書けない!』プンスカ 豊音『えっ』 理沙(あ、ああ……) 豊音『そうですよね、迷惑ですよね』 豊音『ごめんなさい!』ダッ 理沙『あ…………』 ―――――――――――――― 理沙(昔ならまだそんなに口下手じゃなかったんだけど) 理沙(戻りたいな……) 「おーいそこのお姉さん!」 「あんた、若返りたくないか?」 理沙「……え?」 ―――――――――――――― 理沙(ワカガエール、これを飲めば私も……) 理沙(覚悟を決めろ野依理沙!) 理沙「えいっ!」ゴクッ 理沙「…………」 理沙(……何もない、そらそうだよね) 理沙(はぁ……これからどうしよう)ズキッ 理沙「うっ!」ズキズキッ 理沙(胸が……っ!)ズキズキズキッ 理沙「ああっ!」 エイスリン「Bye.」ピッ 京太郎「誰と話してたんですか?」ヒョコ エイスリン「ワッ!」ビクッ エイスリン「キョウタロークン……」ジトッ 京太郎「すみません、まさかそこまで驚くとは」 京太郎「立てますか?」 エイスリン「ウン、All right.」パッパッ エイスリン「momトハナシテタ」 京太郎「お母さんですか、優勝報告とか?」 エイスリン「ヨロコンデタ!」 京太郎「そうですか」 エイスリン「コレ」 京太郎「?なんですかこの紐」 エイスリン「オマモリ」 京太郎「お守り……ってあの俺があげたやつですか」 エイスリン「……」コクッ 京太郎「白い紐に黄色のお守りだったのに、どうしてこんな……黒焦げているんだ」 お守り「」ボロッ エイスリン「サキ、コワカッタ」ウルッ エイスリン「カテテ……」ウルウル エイスリン「ウワアアアアン」ポロポロ 京太郎「お疲れ様でした、でも泣くのはまだ早いですよ」 京太郎「歓喜はみんなで、悲哀は一人で」 京太郎「さ、帰りましょう」 エイスリン「ウン……」グシュッ 京太郎(お母さん……か) エイスリン「……ヒクッ」 京太郎(エイスリンさんもいつか帰っちゃうのか) 団体戦に優勝した! 京太郎「明日から個人戦か、頑張ろう!」 霞「あ、そうだ京太郎くん」 京太郎「何ですか?」 霞「あなた、これからホテル別のところよ」 京太郎「え?」 霞「今泊まってるところって男子個人戦の会場まで遠いのよね」 霞「バスとかがあればよいのだけれど、それも無いし」 霞「だから移ってもらうわ、荷物はもう運んであるからそのまま直行でよろしくね」 京太郎「ちょっと待ってくださいよ!」 霞「場所はこれに書いてあるから、じゃあね」 霞「それじゃあ叙○苑行きましょうか!」 キャッホーイ 京太郎「」 京太郎「まあ新しい出会いがあると思えば……うん」グスッ 京太郎「姫松高校御一行……」 京太郎「姫松……!」 京太郎「天は俺を見放さなかったようだな!」グッ 京太郎「部屋は……ここか」 京太郎「いよいよ新天地だ!」 京太郎「お邪魔しまーす、って誰もいないか」 京太郎「おお、和室じゃない……」 洋榎「絹ーマッサージし……」 京太郎「えっ」 洋榎「えっ」 京太郎「どうして洋榎さんがここに?」 洋榎「それはこっちの台詞や!ウチか!ウチの体目当てに忍び込んできたんか!」パァァ 京太郎「どうしてそんなに嬉しそうなんですか」 京太郎「とりあえず俺は霞さんに確認してくるんで、洋榎さんも監督さんに確認してきてください」 洋榎「わかったわ」ドヒューン 洋榎「そっちの先生に頼まれたんやと」 京太郎「こっちもそう言ってます、宿泊料の節約だとか」 洋京「「はぁ……」」 洋榎「まあまずはスペース決めへん?」 洋榎「ウチはこっから……ここまでや!」 京太郎「それこの部屋の80%ですよね!俺にどうしろと」 洋榎「寝床やったら押入れの中で十分やないか」 京太郎「どこの猫型ロボットですか、それに暑すぎますよ」 洋榎「せやったら……一緒に寝るか?」 京太郎「いやいやいや、それはどうなんですか」 洋榎「ま、そんときはそんときやな」 京太郎「ですね」 京太郎(これからどうするかな……) 京太郎「親睦も兼ねて何かしましょうか」 洋榎「せやな、ウチも暇やし」 洋榎「そんで何するんや?」 京太郎「そうですね……じゃあ 543でも」 京太郎「スピードでもしましょうか」 洋榎「お、ええな!」 京太郎「ジョーカー抜いてっと」 洋榎「なんでジョーカー抜くん?」 京太郎「え、抜かないんですか?」シュッシュッ 洋榎「赤と黒に分けないんか?」 京太郎「普通に切りません?」 洋榎「いや、それはおかしいで」 京太郎「はい、配り終わりましたよ」 洋榎「ウチが33枚で、京太郎が4枚やな……って、15枚足らんやないかー!」 京太郎「わかってますよ、3、3、4、3、2、っと」 京太郎「じゃあ始めましょうか」 洋榎「マックススピードの洋榎とはウチのことやで!」 洋榎「うがー負けたー!」 洋榎「なんで手元に山札持っとんねん!反則やろ!」 京太郎「逆にどうして洋榎さんは持たないんですか?」 洋榎「こうなったらババ抜きで勝負や!」 洋榎「……あ、ババや」 京太郎「……うわっ、まさか引くとは」 洋榎「…………」 京太郎「…………」 京太郎「2人でやってもつまらないですね」 洋榎「うん」 京太郎「もう寝ましょうか」 洋榎「うん」 洋榎「って、なんでや阪神関係無いやろ!」 京太郎「今さら!?」 【9日目】終了 【10日目】開始 京太郎「朝起きたら洋榎さんに抱き着かれていた……」 京太郎「これが竜華さんだったらな……ちょっとトイレ行って来よう」 京太郎「会場に行くか、道に迷ったりしたら困るからな」 京太郎「洋榎さん、朝ご飯頼んでおきましたから」 洋榎「ん……おおきに」 京太郎「じゃあもう俺出ますね」 洋榎「行ってらー」 一回戦開始(1位で通過) 親 男C 25000 男B 25000 男A 25000 京太郎 25000 男C(俺はみんなに応援されてここへ来た!) 男C(初戦から押していくぜ!) 男C「ツモ、500オール!」 東1局一本場 親 男C 26500 男B 24500 男A 24500 京太郎 24500 男C(東風で起家は苦手だったんだが) 男C(どうやら俺はついてるようだ) 男C「ツモ!12100オール!」 男B「なっ」 男A「にっ」 京太郎「ぬっ!?」 東1局二本場 親 男C 62800 男B 12400 男A 12400 京太郎 12400 京太郎(え~何これ、三倍満ツモとか) 京太郎(とりあえず挽回しないと) 京太郎(よし、来た) 京太郎(三倍満には三倍満だ!) 京太郎「ツモ!6200・12200!」 東2局 男C 50600 親 男B 6200 男A 6200 京太郎 36800 京太郎(まくるには跳満ツモか) 京太郎(この手牌だったら……いけるな) 京太郎「ツモ!」 京太郎(あれ、裏が乗っちゃったぞ) 京太郎「4000・8000です」 一回戦終了 男C 46600 男B -1800 男A 2200 京太郎 52800 京太郎「一時はどうなるかと思ったけど、大丈夫だったな」 京太郎「この調子で勝ち進むぞ!」 【side-憩】 憩(久しぶりやな、この雰囲気) 憩(団体戦は共闘したけど) 憩(今年は勝たせてもらうで、照ちゃん) 一回戦開始 親 女C 25000 憩 25000 女B 25000 女A 25000 憩(……これは) 憩(最初からツいとるやん) 憩「ロン、24000」 女A「ひゃ、ひゃい!」 東2局 女C 25000 親 憩 49000 女B 25000 女A 1000 憩「カン!」 憩「カン!」 憩(んーやっぱ妹ちゃんみたいにはできへんか) 憩(ま、ええわ、これで満貫確定) 女A「うぅ……」トン 憩(これで終わりや) 憩「ロン、12000!」 一回戦通過 女C 25000 憩 61000 女B 25000 女A -11000 【side-京太郎】 京太郎「どうやら憩さんと照さん」 京太郎「竜華さんと船久保さんは全員一回戦を通過したらしい」 京太郎「明日は二回戦か、どうなることやら」 夜 洋榎「ただいまえだのクラッカーやでー」 京太郎「違いますよねそれ」 洋榎「そういえば須賀も個人戦出とるんやったな、どやった?」 京太郎「なんとかまくって飛ばして通過です」 洋榎「そうかーなんとかかー」 洋榎「まあウチは清老頭ブチ当てたったわ」ドヤッ 京太郎「そうだ、じゃあ二人で祝勝会でもしましょうよ」 洋榎「お、ええな、何するんや?」 京太郎「今日はスマブラで!」 洋榎「は?スマブラ?」 京太郎「たしかここのフロントでゲームキューブ借りられるんですよ」 洋榎「カセットは?」 京太郎「ちょうど持ってきてたんで」 洋榎「なんでもっとんねん」 京太郎「というわけで、俺がフロント行ってる間に洋榎さんは他の人を二人くらい呼んできてください」 洋榎「二人だけやったらつまらんからな、合点承知やで!行ってくるわ!」ドヒューン 京太郎「よし、準備完了だ」 洋榎「ただいまやでー」 京太郎「あれ、呼んでこなかったんですか?」 洋榎「監督誘いに行ったら友達呼んでくる言っとったわ」 京太郎(監督って善野さんって人だよな……) 京太郎(じゃあその友達って……) 善野「お邪魔するで」 郁乃「お邪魔するで~」 洋榎「あ、アンタは三箇牧の次鋒やないか!」 郁乃「京太郎くん久しぶりやな~」 京太郎「やっぱりですか……」 洋榎「ほな始めるでー」 郁乃「その前に~ルールどうするんや~?」 京太郎「げっ」 郁乃「私としては勝った人が何か命令一つする~とかがええんやけど~」 洋榎「それええやん、採用や」 善野(元監督やのに友達同士みたいやな……) 洋榎「ウチのクッパがあああああああ!」 善野「ミュウツー安定やな」 郁乃「あ~京太郎くんに負けてもうたか~」 郁乃「ガノンちゃん強かったんやけどな~」 京太郎「俺のマルスをなめないほうがいいですよ」 京太郎「それじゃあ命令タイムですね」ニヤッ 郁乃「あ、対象は最下位の洋榎ちゃんだけやで~」 洋榎「そんなん聞いとらんで!」 郁乃「言ってないも~ん」 洋榎「」イラッ 善野「まあまあ二人とも落ち着いて」 京太郎「洋榎さん」 洋榎「!な、なんや、何すればええんや」 京太郎「肩もみをしてください」 洋榎「脱げば、ええんやな……え?そんなんでええの?」 京太郎「何を考えてたんですか」 洋榎「そら……その……」モジモジ 洋榎「…………命令やから///」ボシュッ 郁乃「顔真っ赤っかやな~可愛えわ~」 洋榎「う、うっさいわボケ!」 洋榎「……ほな、始めるで」 京太郎「はい」 洋榎「んっ、んっ、ど、うや?」 京太郎「はい、そこ、気持ちいいです、んっ!」 洋榎「ここか?ここがええのんか~?」 京太郎「立場逆です」 郁乃「暇やから私も私も~!」ガチャガチャ 京太郎「ちょ、どうしてズボン脱がそうとしてるんですか!」 郁乃「ん~下のマッサージ?」 京太郎「なんで疑問符!?善野さん止めてくださいよ!」 善野「私はなーんも見とらんでー」 京太郎「思いっきりこっち見てますよね!?」 【10日目】終了 【11日目】開始 京太郎「まさかほぼ徹夜でスマブラをすることになるとは」 京太郎「善野さん監督なんだからなんとかしてくれよ……」 京太郎「そういえば善野さんと初めて話したな」 午前 京太郎「もう会場に行っておくか」 京太郎「今日はどんな人と戦うんだろうな」 二回戦開始(1位で通過) 京太郎「リーチ!」 男F(こいつが噂の須賀京太郎か) 男D(三箇牧、よくわからぬところだな) 男E(とりあえず当たらないように) 男D(全力かつ優雅に打ちまわそう)トン 京太郎「ロン、24000」 東2局 男F 25000 親 男D 1000 男E 25000 京太郎 49000 男F(開局早々の三倍満) 男D(女子二位の荒川憩が昨日やったと聞く) 男E(それでこそ上等!) 男E(私が打ち下してやる!)トン 京太郎「ロン、12000」 東3局 男F 25000 男D 1000 親 男E 13000 京太郎 61000 男E(なんだよ、なんなんだよこいつ!) 男D(どうしてこうも高い打点を出せるんだ!) 男F(ここまでか……) 京太郎「なあ、あんた達」 京太郎「麻雀って、楽しいよな」 京太郎「あんた達も一緒に楽しもうぜ!」 男F(こいつ、何を?) 男E(頭いかれてんのか?) 男D(面倒くさいなぁ)トン 京太郎「ロン、32000」 男D「えっ」 二回戦通過 男F 25000 男D -31000 男E 13000 京太郎 93000 二回戦開始 親 女D 25000 女E 25000 憩 25000 浩子 25000 浩子「ツモ、2000・4000」 浩子(予想はしとったけど、まさか二回戦でこの人と当たるとはな) 憩(船Qちゃん、楽しみやな) 浩子(まあ逃げれば問題はないやろ) 東2局 女D 21000 親 女E 23000 憩 23000 浩子 33000 女D「ロン、2000」 女D(たとえ個人戦二位だろうと、搾り取る!) 女D(私だって岐阜の一位なのだから!) 浩子(岐阜個人戦一位……) 浩子(データ通り) 浩子(搾り取ったるわ) 【分析】発動! 東3局 女D 23000 女E 23000 親 憩 21000 浩子 33000 女E「ロン、んー裏乗らなかったかー」 女E「12000で」 浩子「う……あ、はい」 浩子(福井三位、データは……) 浩子(そうやったな、まだ負けへんで) 【分析】発動! オーラス 女D 23000 女E 35000 憩 21000 親 浩子 21000 浩子「ツモ、500オール」 女D(なんか、この人といると) 女E(調子が崩れる) 浩子「一本場」 浩子(荒川憩、どうして和了らんのや) オーラス一本場 女D 22500 女E 34500 憩 20500 親 浩子 22500 同コンマのため、流局 憩(ここまでノーテン) 憩(トップとは18000点差) 憩(どうしたものか……) オーラス二本場 女D 23500 女E 35500 憩 17500 親 浩子 23500 憩(ダマで跳満ツモってもうた) 憩(これで和了しても30100、一位の人は……) 憩(32300) 憩(まだ、ダメや) 憩(練りなおさな) 憩(リーチかければ、倍満……) 憩(せやけど、フリテンか……) 憩(大丈夫や、大丈夫) 憩(ウチならできる!) 憩「リーチ!」 【孔穿つ閃光】発動! 憩(さあ、来てや!) 憩「一発ツモ!」 憩「裏は乗っとらんけど、4200・8200!」 女E「ま、まくられたぁ~」 女D「ありがとうございました」 浩子「おつかれでした」 浩子(去年よりは差が縮まったみたいやな) 浩子(それがわかっただけで儲けもんや) 二回戦通過 女D 19300 女E 31300 憩 34100 浩子 15300 夜 京太郎「二回戦は憩さんが船久保さんを倒して通過、照と竜華さんもそれぞれ通過」 京太郎「知り合いと戦わなきゃ、か、辛いだろうな」 京太郎「少し疲れたし風呂に入るか」 京太郎「洋榎さんはいないみたいだし」 京太郎「ふぅ、いい湯だった」 京太郎「前は竜華さんと鉢合わせしちゃったからな」 京太郎「洋榎さんも勝ち進んだのだろうか?」 【11日目】終了