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こちらは、同じくアニキャラ個別内にある「京太郎×咲スレ」に投下されたSSなどを共有・保管させて頂いているページです→【咲-Saki-】京太郎×咲スレ7【ほっぺつんつん】 1-2スレ目 3スレ目 4-5スレ目 6スレ目 7スレ目 これ以降のSSは下のリンク参照 つ咲-Saki- 京太郎SSまとめ test -- (管理人) 2009-12-01 16 36 48 編集完了。リンク切れなどありましたら教えてください -- (管理人) 2009-12-02 17 36 31 いつもありがとうございます -- (名無し) 2009-12-02 19 26 42 「京×咲+良い嫁さんさなァのヤツ」 は誤字? -- (名無しさん) 2009-12-04 06 20 25 ごめんなさい。修正しときました -- (管理人) 2009-12-04 23 14 12 「大将戦」 みたいな本編再構成モノが見たいといってみるテスト -- (名無し) 2009-12-21 20 55 26 管理人いないの?もう3つぐらいSSたまってるけど -- (名無しさん) 2009-12-22 12 24 59 遅くなってすみません。最近多忙なため、ついつい後回しにしてしまいました。ちなみにこのページは誰でも編集できるので、私が更新遅れてる時はどなたか代わりに編集していただけると助かります -- (管理人) 2009-12-26 00 32 45 京咲さいこう -- (名無しさん) 2012-09-23 19 21 03 名前 コメント すべてのコメントを見る #ref error :ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (京太郎×咲スレ共有SS)
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http //hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1343554133/ 京太郎「はあ、麻雀もの……でも俺麻雀打てないんですけどいいんですか?」 監督「大丈夫、君は初心者という設定だからね」 京太郎「ならいいんですけど……麻雀がテーマじゃあかわいい女の子は期待出来ないな~、な~んてハハハ!」 監督「ああ、それは大丈夫。この企画書を読んでみてくれ」 京太郎「どれどれ……む!?」 京太郎「こ、これ出てくるの女の子ばっかりじゃないですか!」 監督「少女たちが麻雀で闘う話なんだよ。それもかわいい子がいっぱいだ」 京太郎「しかも俺の役は、主人公の『宮永咲』が居る清澄高校麻雀部唯一の男!?」 京太郎「主人公とイチャイチャしながら他の女の子ともイチャイチャできる最高の役じゃないですか!!」 監督「あ、ああ……」 京太郎「主人公は最強で、俺は初心者という設定……これも後々何かありそうだ!」ワクワク 監督「う、うむ……」 京太郎「今まで、頑張って来て良かった……監督、俺頑張りますから!!ありがとうございます!それじゃ!」ガチャ 京太郎「やったーー!!」 プロデューサー「監督!やっぱりこの役は他の人に!彼が可哀想過ぎます!」 監督「俺だって……だが、あの嬉しそうな笑顔を見たらもう何も言えないじゃないか……」 プロ「あんな好青年に……こんな事って……!」 監督「須賀くん……すまない……!」 京太郎「こんにちは!須賀京太郎です!」 咲「あ、はじめまして!咲です!よろしくお願いします」 京太郎(か、可愛い!!この娘が主役の咲ちゃんか~、ドキドキ) 和「和です、よろしくお願いしますね!」 京太郎(こ、この娘も可愛い!む、胸が……oh) 優希「優希だじぇ!よろしくなー!」 京太郎(元気な娘だな、何かこっちまで元気になるぜ!) まこ「染谷まこじゃ、よろしくな」 京太郎(やっぱり眼鏡の子も居た!可愛いな~) 久「部長役の竹井久よ、よろしくね須賀くん」 京太郎(び、美人だ……!クールな雰囲気……!イイ!) 京太郎「これからよろしくお願いします!」 京太郎「ふぅ~……最初だから緊張したけど、上手く行って良かったぜ!!」 京太郎「俺が和を見て妄想するシーンで咲が嫉妬してたのがすっげー可愛かったな……」 京太郎「タコスの奴は何故かしらんけど俺に懐いたし、先輩方も優しい」 京太郎「こんないい役くれた監督にはいくらお礼を言っても足りない位だぜ!」 京太郎「これから出番も増えてくだろうし、俺も麻雀打てる様にならなきゃな!」 その頃 監督「素晴らしいスタートだった」 プロ「……はい」 監督「そろそろ次の打ち合わせ……行ってくる……」 プロ「くっ……」 監督「君は、これから開催される大会には出られない」 京太郎「えっ!?な、何故?」 監督「団体戦は男子が君しか居ないから……それに、個人戦は」 京太郎「あ~そうか、俺初心者ですもんね、個人戦で負けちゃうのは当たり前か」 監督「ああ……君には悪いが……」 京太郎「何で謝るんですか~!俺にはみんなの応援という仕事があるじゃないですか!」 監督「む……」 京太郎「出番が無い時は麻雀でもやってますよ!」 監督「あ、ああ」 京太郎(じゃあ俺はしばらくは完全に咲たちのサポート役ってわけか……俺が麻雀で活躍するのはまだ先になりそうだな) 予選終了 京太郎「しばらく大会が続いたな……俺の出番も買い出しばっかりやってた気がするぜ」 京太郎「咲たちが全国行けて本当に良かったな~、でも最近咲が麻雀頑張ってるからあんまり話せなかったのは残念、なんて」 京太郎「しかし全国の壁は高く厚い!メンタル的にも厳しくなるから、俺がみんなの助けになるぜ」 京太郎(それに!明日からは待ちに待った合宿!) 京太郎(しかも他校の女の子たちと一緒だぜ!こりゃ~ハプニング満載の予感……おっとイカンイカン) 監督「すまん、ちょっといいか……?」 京太郎「おっ!打ち合わせですね!」 京太郎「えっ……留守番……?」 監督「……そうだ」 京太郎「そんな……俺、もしかしてミスしましたか!?」 監督「そんな事は無い!君はよくやってくれているよ……これは決定事項なんだ」 京太郎「そ、そんな……そうだ、買い出し役は!?タコス買わないと面倒な事に」 監督「大丈夫、タコス買い出し班は既に設置してある」 京太郎「じゃ、じゃあ咲は!?こういうのには甘酸っぱいイベントの一つや二つ付き物でしょ!」 監督「それも……間に合っている」 京太郎「」 監督「君は留守番の間、龍門渕のハギヨシ君と麻雀でもやっていてくれ……」 京太郎「」 京太郎「そうだよな……全国前の大会といったら真面目な話だよな……エッチなハプニングなんて起こしてられないもんなあ……」 京太郎(甘酸っぱいイベントが間に合ってるって何だよ……恋のライバルが現れるのか?) 京太郎(別の男と咲を争うなら、それはそれで美味しいが……何か引っかかる) 京太郎(何か嫌な予感がする……もしかして俺、この作品についてとんでもない勘違いをしてるのか……?) その頃 監督「いいかい、君はこの合宿で咲ちゃんに一気に接近するんだ」 監督「名前で呼び合う約束をする、いいね?」 和「は、はい/////」 (ついに宮永さんと名前で呼び合うのですね……感激です/////) ハギヨシ「どうなさいました?須賀さん?」 京太郎「あの……『咲-saki』とはどういう作品なのか教えてくれませんか」 ハギヨシ「っ……何故です?」 京太郎「いえ、大した事じゃ……ただ、確認しておきたいんです、この作品が、一体どんな作品なのか」 ハギヨシ「……わかりました、これを見てください」ガチャ 京太郎「この映像は……?」 ハギヨシ「須賀くんが見ていなかった部分の咲!咲-sakiの全てです!」 京太郎「……」 京太郎「……」 京太郎「えっ何これは」 京太郎「俺がいない所で女の子たちがキャッキャウフフしてるんだけど……」 京太郎「しかも一部ただの友情というには厳しいシーンもあるんだけど」 京太郎(???) ハギヨシ「須賀くん……くそっ!こんな事って……!!」 京太郎「ゆ、百合……百合シーンがあるのは判るぜ」 京太郎「そういう需要はあるし、これだけ女の子が入れば尚更だ」 京太郎「和にそっちのケがあるのはまあいいだろう(良くないけど)、問題は……」 京太郎「俺全然出てなくね?」 ハギヨシ「須賀くん……もういい、もういいんだ!麻雀やろう!麻雀!」 プロ「知ってしまったね……」 京太郎「プロデューサーさん、これは……」 プロ「咲-sakiは、君と咲ちゃんとの甘酸っぱい恋愛とちょっとエッチなハプニングと、そして熱い麻雀の漫画」 プロ「そう思っていたんだよね?」 京太郎「……はい」 プロ「熱い麻雀は間違ってない」 京太郎「……」 プロ「咲ちゃんとの甘酸っぱいイベントも、あるにはある」 ハギヨシ「相手は須賀くんでは無いじゃないですか!」 プロ「……」 プロ「だが私たちは嘘は言っていない……そうだろ?」 ハギヨシ「じゃあ!須賀くんの企画書は何ですか!騙す気マンマンじゃないですか!!」 『麻雀初心者の須賀京太郎が何気なく部活に誘ったクラスメイト宮永咲は、天才麻雀少女だった!?』 『無名な清住高校麻雀部が全国を目指す青春ストーリー!』 プロ「何一つ嘘ではないだろう?主人公が須賀くんとは一言も書かれていない」 ハギヨシ「くっ……」 京太郎「ハギヨシさん……もういいですよ……」 プロ「わかったね?君はもはや居ても居なくても変わらない端役なんだ」 ハギヨシ「この野郎……!」 プロ「ハギヨシくん……君はちゃんとして貰わないと、龍門渕のみんなも困ってしまうぞ?」 ハギヨシ「う……」 プロ「じゃあ僕は打ち合わせがあるからこれで」ガチャ 京太郎「…ハギヨシさん、ありがとうございました」 ハギヨシ「すみません、大声をあげてしまいました……」 京太郎「いや、俺嬉しかったですよ!俺の勝手な勘違いなのに俺の為に怒ってくれて」 京太郎「今日は俺、帰りますね!お邪魔しました!」 ハギヨシ「須賀くん……」 プロ「……須賀くんに言ってやりましたよ」 監督「そうか……」 プロ「彼、辞めてくれるでしょうか」 監督「彼にこのまま出演してもらうのはあまりに偲びない……他の人に代わってもらおう……」 京太郎「辞めませんよ」 監督「!」 プロ「!」 プロ「な、何でここに」 京太郎「いや、プロデューサーさんがあんな冷たい事言うなんて何か裏があるんじゃないかーって、へへへ」 監督「いいかい、君はもはやこの作品に居る意味は無いんだ!ただの背景、空気なんだぞ!君にそんな所で終わって欲しく無い!」 プロ「そうだ!君の頑張りならみんな知ってるし、今なら他の作品でやり直す事だって……」 京太郎「確かに、分かった時はショックでした。でも、別に俺は目立つキャラでも、咲の恋人役で無くてもいいんですよ」 京太郎「そういうのに憧れてて、なれたと思った時は嬉しかったです」 京太郎「でも、清澄のみんなと一緒に部活して、買い出しに行って、応援して……楽しかった」 監督「予選ではそれでも良かったかもしれないが、しかし、全国ではそれすらほぼ映らなくなるんだぞ!」 京太郎「違うんですよ」 京太郎「俺が嬉しかったのは、咲たちが泣いたり笑ったりしてるのを、一緒に共有出来ることなんです」 京太郎「姿は出てこなくても、セリフは無くても、俺はそこに居て、みんなと同じ時間を過ごしてる。最高じゃないですか!」 監督「き、君は……」 京太郎「みんなは百合百合してるからそういう意味じゃ一人だけど、逆に言えばそれを間近見られる、これって役得ですよ!」 プロ「……」 京太郎「それに監督やプロデューサー、ハギヨシさんっていう友達も出来ましたしね」 京太郎「お二人が俺の事を心配してくれてたのがとても嬉しいです」 ガチャ 咲「ただ今戻りましたー!あ!京ちゃん!」 タコス「サボりとは感心しないじぇ~!」 京太郎「よう、お帰り咲いいててて!いきなり何だよタコス!」 咲「京ちゃん、みんな部室で待ってるよ!行こ?」ニコッ 京太郎「ん?おお、そうだな。じゃあ監督、プロデューサーさん、俺はここで」ガチャン 監督「……彼を選んで良かったなあ」 プロデューサー「……そうですね」 ついに清澄高校麻雀部は全国大会に出場した そこでは様々なドラマが生まれたという しかし京太郎の姿は一度も出てこなかった タコス「うう……決勝緊張するじぇ……」 久「大丈夫よ、深呼吸して」 まこ「いつも通りじゃ!」 和「優希、ファイトですよ!」 咲「優希ちゃん、頑張って!」 だが咲ファンはみな覚えていた 部を影で支え続けた、もう一人の主人公を 京太郎「負けんなよ!タコス!」 おわり
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http //hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1380058656/ 京太郎「合同で旅行ですか?」 久「そっ。全国も終わったし、ちょっとは羽目を外さないとね」 和「確かに、たまにはいいかもしれませんね。でもどこに行くんですか?」 久「ふふ……なんとね……二泊三日で、海よ!」 咲「海ですか!」 京太郎「おおっ!!」 まこ「しかし、合同っちゅう事は他にも呼ぶんじゃろ?」 久「そうね。長野からわざわざ応援しに来てくれた皆も誘おうと思ってね」 咲「わあ、楽しそうですっ」 京太郎「まじすか!!よっしゃあ!」 優希「うおーっ!!楽しみだじぇ!!」 久「だから皆、来週末は空けておいてね。ほかにも決まり次第連絡するわ」 一同「「「はーい!」」」 ―週末― ブロロロ 久「よし、バスも来たわね。皆準備できてるー?」 優希「できてるじぇー!」 咲「大丈夫です」 和「あれ?でも……須賀君が見当たりません」 まこ「京太郎は遅刻か?」 久「あ、須賀君には買出し頼んでるのよ。もうそろそろ」 タッタッタ 京太郎「遅くなってすみませーん!」 久「ほら、来た」 優希「犬ー!早く来るじぇー!」 ドサッ 京太郎「ふうっ……これ、頼まれてた物です」 久「御疲れ様。それじゃ、行きましょうか」 優希「おー!乗り込むじぇー!」タッタッタ 和「こら!ゆーき!運転手さんに挨拶でしょう!」スタスタ 咲「優希ちゃんは元気だなぁ」スタスタ まこ「ちっと静かにしてくれりゃせんかの」スタスタ 久「はいはい、ほら乗った乗った」 京太郎「了解です。それじゃ俺も」 久「え?」 京太郎「え?」 久「……?」 京太郎「え、どうしたんですか?」 久「いえ、それじゃ行ってくるわね」 京太郎「はい……あ、先乗ります?」 久「え?」 京太郎「え?」 久「いえ、ええ。乗るけど」 京太郎「?」 久「……須賀君?」 京太郎「はい?」 久「えっと、行ってきます」 京太郎「はい?」 久「留守番よろしくね?」 京太郎「はい」 京太郎「……」 京太郎「はい?」 京太郎「あの、俺は」 久「あれ……言ってなかった……っけ?」 京太郎「……」 久「……」 ダッ!! 京太郎「えっ」 久「……」タッタッタ!! ガチャッ バタン!! 久「それじゃ!御土産買って来るわね!!」 京太郎「えっ」 久「運転手さん、もう出て大丈夫です」 ブロロロロ 京太郎「えっ」 咲「えっ!?あれ!?京ちゃんは!?」 優希「ぶちょー!?犬は!?」 和「須賀君が置いてけぼりなんですが!」 久「えっとね……須賀君は留守番って事言い忘れちゃってたみたい。てふふ」 まこ「鬼じゃ!!糞鬼じゃアンタ!!」 咲「きょ、京ちゃん……」 和「あんなに楽しみそうに旅行用具買い揃えてたのに……」 久「ま、まぁまぁ!須賀君の分まで楽しみましょ!」 ブロロロ 京太郎「……」 京太郎「……」 京太郎「……部室、行くか」 ―部室― ガチャッ 京太郎「……」 シーン… 京太郎「……」 スタスタ ガラッ ストッ 京太郎「ふぅ……」 京太郎「……」 京太郎「……」 京太郎「……」 京太郎「……」 京太郎「……」 京太郎「ふふっ」 京太郎(楽しみにしてたんだけどなぁ) 京太郎(親にも旅行に行くって言っちまったし) 京太郎(なんだろう……凄い虚無感だ) 京太郎「……」 シーン… 京太郎「……」 京太郎「……」 京太郎「……」 京太郎「ふふ」 京太郎「……」 京太郎「……」 京太郎「笑えねぇ」 京太郎「……」 京太郎「……」 京太郎(風越の福路さんとか、和とか、咲の水着姿) 京太郎(凄く、楽しみにしてたんだけどなぁ) 京太郎(何日も前から、天気予報気にして……) 京太郎(当日は何して遊ぶとか……予定立てて……) 京太郎(青い海……青い空……) 京太郎(夢にまで……見て…………) 京太郎「……」 京太郎(……ここは……部室だ) 京太郎(青い海も、白い浜辺も、水着の女の子達も居ない) 京太郎(茶色い、木造建築だ) 京太郎「……」 京太郎「……」 京太郎「……」 京太郎「……」 京太郎「……」 京太郎「……?……」 京太郎「…………!!」 京太郎「…………いや」 京太郎「いや、……いや!」 ガタッ……! 京太郎「ここは……青い海じゃないか……!?」 京太郎「……俺が今立っているのは……」 京太郎「白い砂浜じゃあないか……!!!」 京太郎「ヤッター!!」 京太郎「海だ!!!」 京太郎「ヤッター!!!!」 京太郎「ここは海なんだ!!!!ヤッター!!!!」 京太郎「そうと決まれば……!!」ダッ ガサゴソ 京太郎「早速水着に着替えるぞ!!」 ―廊下― スタスタ 一太(しまった……会長に書いてもらわないといけない書類を忘れていた) 一太(会長、全国大会終わったけど部室にいるだろうか……) 一太(まぁ居なかったら家まで届ければいいか) 一太(着いた。誰かいるかな) コンコン 一太「すみません、生徒議会の者です」 「どうぞ」 一太(野太い声が聞こえた) 一太「失礼します」 ガチャッ 京太郎「……」←全裸 一太「……」 京太郎「……」 一太「……お邪魔しました」 バタン スタスタ 一太(……悟った目をしていた……) 京太郎(何だったんだろう、副会長……) 京太郎(まぁいいや。海パン履こう) ………… ザッ 京太郎「海っっだ――っっ!!」 京太郎「ヤッホ――――――!!!!」 京太郎「くぅ~っ!!太陽に身を焼かれる様だぜ……!!」 京太郎「……潮風が気持ち良い……」 京太郎「へへっ!よし!それじゃあ」 京太郎「早速海に飛び込むか!!」 京太郎「よーし……」 京太郎「……」 京太郎「海……」 京太郎「……」 ―水道― ジャァァァァァァ 京太郎「……」 ジャァァァァァァ 京太郎「……」 ジャァァァァァァ 女子「なんであの人海パン姿で水汲んでるんだろう……水泳部かな」 女子「何か真顔で怖いね……」 ―部室― ガチャッ 京太郎「……」 ブンッ!! バッッシャァァーン!!! 京太郎「海だァ―――――――!!!!」 ピシャピシャ 京太郎「ははっ!!冷たくて気持ち良いー!!」 京太郎「潮辛くねえ!!すげえ!淡水だこれ!!」 京太郎「ほら!!皆も来いよ!!すっげえ気持ちいいから!!」 京太郎「皆……も……」ピタッ シーン…… 京太郎「……」 京太郎「……」 京太郎「……皆……」 京太郎「……おいでよ」 フルフル 京太郎「おいで……てばぁっ……!」フルフル 「……」 京太郎「……!」ピクッ バッ!! 京太郎「……!!」 京太郎「……今の……声」 京太郎「……」 京太郎「…………み」 京太郎「皆……?……居るのか……?」 京太郎「おい!皆!どこだ!?」 京太郎「どこに居るんだよ!!皆!!」 京太郎「皆!隠れてないで、出て来いよ!!」 京太郎「じゃないと、俺」 京太郎「俺……一人ぼっちに……!!」 「……」 京太郎「……!!」バッ!! 京太郎「……あ」 京太郎「…………あぁぁ……!!」 京太郎「……そこに……そこに居たのか……!!」 麻雀牌「……」 京太郎「皆ぁ!!」 スタスタ 京太郎「もう、皆ここにいたのかよぉ~!」 牌「……」 京太郎「ほら!皆も一緒に海に入ろうぜ!!」 牌「……」 京太郎「む、ノリ悪いな……」 ガシッ!! 京太郎「それっ!!」 バシャァーン!! 京太郎「ははは!どうだ?気持ちいいだろ!?」 牌「……」 京太郎「……う……わ、悪かったよ……そんな皆して睨むなよ」 牌「……」 京太郎「あーもう!!はいはい!!手を貸します貸します!!ふて腐れるなって!」 京太郎「よいしょっ……っと」 牌「……」 京太郎「悪かったってば、そんな睨むなって」 京太郎「でもほら、何人かはそのまま泳いでるぞ?」 南「……」プカプカ 京太郎「ほら。お前も泳いでみたらどうだ?」 牌「……」 京太郎「あはは、悪かった。お前カナヅチだもんな」 牌「……」 京太郎「ああ、知ってたよ。お前とは幼馴染だしな」 牌「……」 京太郎「え?あぁはいはい。お前たちも引き上げてやるって」 ヒョイッ 京太郎「全くお前はいつまで経っても高飛車でお嬢様なんだから」 牌「……」 京太郎「……そんな目してるともう一回投げ込むぞ」 牌「……」 京太郎「……ぷっ、あはは!!冗談だっての!!」 牌「……」 京太郎「えっ!?なんで次はお前が俺を睨んでるの!?」 京太郎「……ひょっとして嫉妬ぉ~?」 牌「……」 京太郎「隠すな隠すな!いやぁもてるオトコは辛いなぁ~!」 萬子「……」 京太郎「わっ!?せ、先輩!!前隠してください!!前!!」 …… スタスタ 京太郎「ふう……ちょっと泳ぎ疲れたぜ」 京太郎「あれ?」 牌「……」チョコン 京太郎「ああ、お前も休憩中なんだ」 牌「……」 京太郎「え?俺?いやちょっと泳ぎ疲れちゃってさ」 牌「……」 京太郎「しっかし……こんな大所帯じゃそりゃ疲れちまうよなぁ」 京太郎「136人も居るからなぁ」 牌「……」 京太郎「……どうした?いつもうるさいくらい元気なお前がやけに元気ないじゃんか」 牌「……」 京太郎「……何かあったのか?」 牌「……」 京太郎「元気がないのは俺の方だって?…そんなこと、ねーよ」 牌「……」 京太郎「そんなことねーって。いい加減しつこいぞ」 牌「……」 京太郎「わかったような口をきくのは止めてくれ…いーじゃねーか、お前だって楽しいんだろ?」 牌「……」 京太郎「ならそれでいいだろ。わかったならもう…」 牌「……」 京太郎「…うるせーよ」 牌「……」 京太郎「うるせえって言ってんだろ!黙れよ!」 牌「……」 京太郎「何でお前は俺に現実を突きつけてくるんだよ…頼むからもう黙っててくれよぉ…」 牌「……」 京太郎「俺はもう嫌なんだよ…こんな…報われない現実…」 牌「……」 京太郎「…ははっ、諦めるな…ってか…安っぽいセリフだな…」 京太郎「本当は青い海なんて見えてなかった…白い砂浜だってな…」 牌「……」 京太郎「全部、ただの茶色なんだよ…」 牌「……」 京太郎「わかってるって…お前にそんなことを言わせてるのだって俺なんだ…だからさ」スッ 牌「……」パタン 京太郎「もう、逃げるのはやめだ。」 タッタッタッ… 京太郎「…ん?誰かが走って…?」 ??「ふぎゅっ!」ドテッ 京太郎(おいおい…まさかな…) ??「あぅぅ…」プルプル 京太郎「やっぱりか…」ハァ スタスタ ガラッ 京太郎「よう。咲」 咲「きょおちゃあん…」グスッ ーあの後咲はやっぱり俺のことが気になってバスを降りてここまで来たわけだ。 こんなに時間がかかったのはいつものことだな。その後は特筆する事もない。ただ… 咲「なんで京ちゃん水着着てるの?」 京太郎「へっ!?あぁ、これはな…ブシツヲマルットソウジスルタメダヨ?」 咲「…何で目をそらすの?」 京太郎「ソラシテナンカ…ナイヨ?」 咲「…もう、京ちゃんは私がいないと何するかわかんないね!」フフン 京太郎「てめぇ咲!ふざけたこと言ってんじゃねえ!」グリグリ 咲「痛い痛い痛い~!!」 京太郎「ま、ありがとな…わざわざ来てくれて」ナデナデ 『if -心神喪失ルート-』 京太郎「所詮、俺は雑用係だからな…あいつらと同じなんてただの思い上がりなんだよ」 京太郎「ただ部室をきれいに、牌符を見やすいようにするだけで役に立つんだ」 京太郎「人の役に立つことは良いことだ。これをずっとやってれば誰にも嫌われないし疎まれることもない」 京太郎「あぁ、でも心は邪魔だなぁ。仕事を邪魔するのはいつも感情なんだから」 京太郎「心なんて、キエテシマエバイイノニー」 ーーーーー 久「あ、あのね須賀君…ごめんね?連絡忘れちゃってて…」オドオド 京太郎「いいですよ別に。俺は気にしてませんから。皆が楽しんできてくれたならそれで良いです」ニコッ 久「須賀君…」ウルウル 和「許してもらえて良かったですね部長」 まこ「たまには怒った方が薬になると思うんじゃがなぁ…」 優希「ま、所詮犬だからな!」 咲(なにか…おかしい…) 京太郎「どうした、咲?なんか暗いぞ」 咲「う、ううん。何でもな…!?」ズサッ 京太郎「?」 咲(何がおかしいのかわかった…今の…今の京ちゃんは…) 咲「笑ってなんか…ない…」 京太郎「…気付かれたか?まあいい」ボソッ 優希「犬!とりあえずさっさとタコスをよこせー!」 京太郎「はいはい。買ってくるから少し待っててくれよ…」タッタッタッ 優希「…んん?」 和「どうしましたゆーき?」 優希「いや、なんか…素直すぎる気がするじぇ…んー?」 和「言われてみれば…でもいつもに比べたらってぐらいだと思いますよ」 優希「…のどちゃんが言うなら多分…そうだな!」 まこ「全く…咲?おんし…泣いておるのか?」 咲「…え?」ポロポロ 優希「咲ちゃん!?」 咲「あれ?なんで…涙が…?」グシグシ 和「何か嫌なことでもあったんですか!?」 咲「わかんない…わかんないけど…止まらない…」ポロポロ ーもしかしたら、このとき私は分かっていたのかもしれない… ーもう、「京ちゃん」には会えないのだと… カンッ 『if -京子ちゃん未遂ルート-』 京太郎「……」 京太郎「……うん、分かった」 京太郎「俺だって部員の一人なんだ、と思っていたけれど。 どうやら皆はそう思っていないらしい」 京太郎「まあ、麻雀が弱いからな。仕方ないか」 京太郎「……本当にそうか?」 京太郎「皆の俺に対する態度は、もっと根本的な部分にあるんじゃないだろうか」 京太郎「……」 京太郎「ああ、そうか。俺が男だからか」 京太郎「……しょうがない」 京太郎「取るしかないか」 京太郎「えーと、確かリンゴを剥くときとかのナイフがあったはずだよな」 京太郎「……お、あったあった」 京太郎「よし、やるか。せーの」 一太(……どうもさっきのが気になる。ちょっと様子を見てこよう) 一太「あの、須賀君いるか、い…………!?」 京太郎「あ、副会長」 京太郎「すいません、今取り込み中なんで」 一太「い、いや。待て、待ってくれ! 何をやってるんだ君は!」 京太郎「邪魔しないでください! 麻雀部になるために必要なんです!」 一太「いいからそのナイフを離せ! きゅ、救急車!」 ピーポーパーポー 京太郎「……」 一太「や、気がついたかい?」 京太郎「あれ? ここ、病院……?」 一太「覚えてないのかい?」 京太郎「ええと、確か、確か俺は――――ああ」 京太郎「思い出しました」 京太郎「……バカみたいだ、俺」 一太「親御さんとは連絡がついた。もうすぐ来ると思う」 一太「それで。まあ、傷は浅かった。ちょっと痕が残るかもしれない けど、ほら、付け根の部分だしね」 京太郎「……」 一太「それで。どうしてあんなことを?」 京太郎「……自分でもよく分かりません」 京太郎「ただ、部員として扱われていない気がして」 京太郎「それは、俺が男だからって思って。それで……」 京太郎「女になれば、仲間になれると思ったんです」 一太「――須賀くん、いいかい?」 京太郎「……」 一太「ムゴいことを言うようだけど、君は彼女たちの仲間になれない」 一太「たとえ君が女になったとしても、それは変わらない。むしろ、 部の雰囲気は変わり果てるだろう」 一太「それは多分、君が望むことじゃない。君が気を遣われて、 ひたすら怯えられる毎日なんて、想像したくもないだろう」 京太郎「……じゃあ! 俺にどうしろって言うんですか!」 一太「そんなの簡単だろう、須賀くん。いいかい?」 ――部を、辞めてしまえばいいのさ―― 京太郎「……」 京太郎「……ああ」 京太郎「……そうですか。もう、それしかないんですか」 一太「ない。君がこのまま、精神を削られる毎日に耐えるなら 別だけどね。心を鉄にして、機械みたいに」 京太郎「無理です。……もう、耐えられない」 一太「退部届。書いておく?」 京太郎「……一晩考えさせて下さい」 一太「うん。どこかの部に入部するなら、問題ないよ。中途入部は 珍しくもないからね」 一太「それから……会長たちには連絡していないから」 京太郎「ありがとうございます」 その後、親がやってきて泣かれて怒られた。 申し訳ないな、と俺も泣いて謝った。 京太郎「……」 京太郎「退部か」 京太郎「……いや、でも……」 ???「なあにが「デモデモダッテ」さ。バカか、てめぇは」 京太郎「……」 京太郎・裏「分かっているだろう? お前にもう、麻雀をする理由は ない」 京太郎「そんなことは、ない」 京太郎・裏「和目当て? そんなの夏が来る前に終わった、恋ですら ない憧れだろう」 京太郎・裏「雑用係としてコキ使われることに幸せを感じる? そこまでドMって訳でもないだろ」 京太郎・裏「とうの昔に、麻雀は飽きていた。いや、諦めていただろう」 京太郎・裏「お前が麻雀部にしがみついていた理由は、ただ一つしかないじゃないか」 京太郎・裏「……咲のためだ。あいつが自分の足で立って、前に 進むためだろ」 京太郎「……」 京太郎・裏「中学のとき、あいつと知り合って俺たちは誓った。 宮永咲が、きちんと前を向いて歩いて行くために全てを捨てると」 京太郎・裏「なのに、お前はそれを中途で歪ませた。何故だか分かるか?」 京太郎「……やめろ」 京太郎・裏「やめない」 京太郎・裏「簡単な理屈さ。お前はあいつが、自分の足で立ったことを 認めたくなかっただけじゃないか――」 京太郎「やめろって言ってるだろ!」 ――初めて出会ったときのことを覚えています。 ――今にも消えてしまいそうに、儚いあの娘の姿を覚えています。 ――手を引っ張っても動かなくて。 ――だから、彼女を担いで歩き出しました。 京太郎・裏「よくあることさ。父親が、娘の結婚を認めないのと同じ 理屈でしかない。お前は単に、嫉妬しているだけだ」 京太郎「うるせえ! お前に何が分かる!」 京太郎「咲は、アイツは、俺がついていてやらないと――」 京太郎・裏「諦めろ。もう俺たちの役割は終わったのさ。 ……でも、いいじゃないか。俺たちの、俺の望みは、そうだったろう」 京太郎・裏「アイツが、俺のいないところでも立って歩けるように。 胸を張って、生きていけるように」 京太郎・裏「――そう、願っていたからじゃないのか」 京太郎「違う! 違う、違う、違う! 俺は、俺は、俺は――」 京太郎・裏「まだ分かってないのか、お前は。 咲はここで終わらない。そしてお前も、ここで終わらない。別に 死んだ訳じゃない、一つを失っただけだ」 ――失ってはならない、大切な陽だまりのような彼女を。 ――失うことを、ただ恐れたからじゃないのか。 京太郎「……」 京太郎「……ああ」 京太郎「……そうか。俺は、咲を失っていたのか」 京太郎・裏「とっくの昔にな。お前が麻雀に誘って、彼女が自分の 意志で麻雀を始めた頃に」 京太郎「振られた……いや、何か違うな。いや、振られたで 正しいのか」 京太郎・裏「それも、自分から振らせておいてだ。……だってそうだろ? お前は、麻雀なんかやらせなければ良かった。アイツは一生、 お前だけを見て生きていただろうさ」 京太郎「……そっか。これで終わりなのか」 京太郎「彼女を守り続ける日々も。彼女の傍にいる日々も」 京太郎・裏「さてな。守り続ける日々は終わったが、傍にいる日々が 終わるかは分からないぜ」 京太郎「……そんなものか?」 京太郎・裏「スゴい、我ながらこの鈍さは相当だ」 京太郎「……まあいいや。で、俺はこの後何をすればいい?」 京太郎・裏「さあな。お前が死のうが生きようが、男になろうが女に なろうが世界は続き、世界は回り、世界は動く」 京太郎・裏「だから、走るしかないんだよ。須賀京太郎」 京太郎・裏「大体お前、走ることしか能が無いんだから」 京太郎「……そうだな。明日からは何の為に進もうか」 京太郎・裏「決まってるだろ。自分の為に進め」 京太郎・裏「じゃあな、俺。もういちいち呼び出すな」 京太郎「……」 京太郎「うん。麻雀部、辞めよう」 そう決めた。 ――数日後 京太郎「お。みんな、お帰り」 咲「ただいま……ね、ねえ京ちゃん」 京太郎「おう、咲。楽しかったか?」 咲「え? あ、うん……」 京太郎「ならいいんだ」 和「……?」 和(須賀くん。何か普段と違うような……) 優希「お、おーす! 元気してたか、京太郎ー!」 京太郎「おう、色々あったが何とかな!」 優希「そっかー! ……あ、あのな。咲ちゃんとも話したんだけど、 今度一年生だけで、また海に……」 久「た、ただいま~」コソコソ まこ「お主……今更何をやっとる。大人しく沙汰を受けい」 京太郎「部長、お疲れ様です!」 久「あ、あうあう……お、お疲れ様です」 京太郎「……?」 京太郎「まあいいや。ええと、部長。こちらを受け取ってくれます?」 久「あ、うん。ええと…………た、退部、届?」 全員「!?」 京太郎「ウッス。色々と考えて、こういう結論に達しました。 あ、勘違いしないでください。今回の一件は関係ないです。 ただ、別の何かをやりたくなったんです」 咲「きょ、京ちゃん!」 優希「きょ、きょうたろお……」 京太郎「ああ、いいからいいから」 久「……」 久「……そう」 久「……そう、よね。はい、分かりました」 部長はがっくりと項垂れて、退部届に必要なサインをくれた。 京太郎「掃除は済ませておいたし、ええと……和。これいいか?」 和「あ、あの須賀くん! 辞めるって……」 京太郎「多分、この中じゃ和が一番しっかりしてるから。受け取ってくれ。 雑務関係の引き継ぎ書類」 和「……はい。ありがとう、ございます」 優希「京太郎! ほ、ほ、本気なのか!? ねえ……やだ、やだよ」 京太郎「心配するな。タコスなら、時々作ってやるから」 優希「違う! そうじゃ、そうじゃなくて……」 京太郎「……ごめんな、優希。でも、もう俺はいいんだ」 優希「……」 優希「……わたしのこと、嫌いになった?」 京太郎「まさか。お前の騒がしいところも含めて、嫌いな点なんか 一つもないぞ」 優希「……」 優希「……そっか」 京太郎「まこ先輩、色々お世話になりました」 まこ「……ん。その、部を辞めてからどうするつもりじゃ? 帰宅部か?」 京太郎「うーん、まだ決めてませんけど。何か別のことをやりたいな、 と思ってます」 まこ「そうかあ。……おんしがそう思っちょるなら、これが一番ええん じゃろうな」 京太郎「うっす。まこ先輩も、ありがとうございました!」 咲「……」 咲「……京、ちゃん」 京太郎「……頑張れよ、咲。お前は頑張れるんだから。 心配するな。俺が保証する」 京太郎「それじゃ、すいませんが。失礼します」 ガラガラガラ。 久「……」 久「……ごめんなさい。私のせいだわ」 久「頼って、縋って、背負わせて。……見返り一つ、与えなかった」 まこ「……そうかのお」 まこ「……いや、実際そうなんじゃが。どうも、京太郎はそういうもの とは違う何かが理由な気がする」 久「……」 和「ゆーき……」 優希「あ、あいつっ。あいつっ、わ、わたしのこと嫌いって言ってないよな?」 和「ええ、大丈夫ですよ。須賀くんは、多分誰も嫌いになってないと 思います」 咲「……」 咲「……やだ」 咲「やっぱり、やだ!」 ――咲。お前は走るとコケるんだから、迂闊に走るなよ。 そんな言葉を思い出す。 中学のときだったか、高校に入ってからだったか。 人生のどん底にいた私は、京ちゃんに手を引っ張られてここまで来た。 他の女子生徒にやっかまれたこともある。 金魚のフンみたいに言われたこともある。 ……それでも良かった。京ちゃんと一緒にいられるなら、 どんな扱いだって、我慢できた。 京ちゃんの傍にいることだけが、私にとっての自慢で誇りで報酬だった。 ――ああ、そうか。 でも、京ちゃんの報酬は何だったのだろう。 私に構わないでいれば、彼女なんて幾らでも作れたはずだ。 趣味の合う友達と遊ぶことも、できたはずだ。 ――私はいつだって、須賀京太郎に「縋る」だけしかなくて。 ――あの人の報酬を、一度でも考えたことがなかった――。 咲「京ちゃん!」 ごめんなさい。 咲「京ちゃん!」 ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい。 咲「京ちゃあん!」 ごめんなさい――――――! 京太郎「……はあ。どうした、咲」 咲「わわっ!?」ツルリ 京太郎「お、危ねえ!」 ダイブ キャッチ。 滑って転びかけたわたしを、いつものように京ちゃんはあっさりと 助けてくれた。 京太郎「……はあ、本当咲は先が思いやられる」 咲「……ダ、ダジャレ?」 京太郎「我ながら上手いだろ」 全然上手くない……。 ――屋上。 橙色の光が、運動場を染め上げていた。 野球部の声と、バットの甲高い音が、遥か遠くから聞こえてくる。 青春小説の世界だな、と私は思う。 京太郎「……で、どうしたんだ?」 咲「……京、ちゃん」 辞めないで、と言いたかった。 でも、言える権利があるはずもなかった。 今までもずっとずっと、私たちは京ちゃんを酷く扱っていた。 私はそれを、どうしてかずっと見過ごしていた。 だって、京ちゃんはいつだって――いつだって、傍にいてくれると。 そんなことを、思っていた。 京太郎「……なあ、咲。どうもお前は勘違いしているみたいだから、 言ってやるぞ」 咲「何……?」 京太郎「もう、お前は俺がいなくても大丈夫なんだ」 咲「え――――?」 そんなはずはない。 そんな訳がない。 京ちゃんがいないと、私は何もできない。 京太郎「……すまん。俺はそこまで、お前を追い込んでいたのか。 違う。そうじゃない。お前はもう、大丈夫なんだ」 ――俺がいなくても、蹲って助けを待ったりしない。 ――たとえ、何かに転ばされたとしても。 ――お前はきっと、立ち上がる。 京ちゃんは、そう誇らしげに言ってくれた。 咲「無理だよ……無理、無理、絶対無理!」 咲「私は一人じゃなんにもできない! 一人じゃ立てない、 一人じゃ歩けない! 一人じゃ、前に進めない!」 京太郎「それは嘘だ。咲、俺が手を引っ張る時期は終わった。 お前の幼年期は、もう終わったんだ」 咲「違う! 違う、違う、違う……!」 京太郎「咲、哀しいことを言わないでくれ。俺に誇らせてくれ。 お前はもう、立って歩けるようになったと」 咲「――わた、しは」 京太郎「報酬のことなら心配するな。 俺は、お前が幸せであるならそれが報酬だ。有り余るほどの報酬だ」 咲「……わたしは、前に進めるの? こんなに鈍臭くて、麻雀以外 何にもできない、こんなわたしが?」 京太郎「俺はそう、信じている」 ――誇らしげに。私の傍にいてくれた少年は、笑った。 咲「……でも、不安だよ。また転ぶかもしれない、また蹲るかもしれない。 また……」 京太郎「助け起こすことくらい、俺じゃなくてもできるさ。 重要なのは、立ってから前に進めるかどうかだ」 咲「……そう。京ちゃんは、私を信じてくれるんだね」 京太郎「――ああ。俺のことは心配するな、大丈夫だよ。 お互いに頑張ろう、咲」 ――ああ。そうか。 はらはらと、眼から涙がこぼれ落ちる。 なのに、その涙はどこか温かで。 私はようやく、宮永咲を認めることができたのだ。 ――それで、ようやく私も理解できた。 ――別れることで、再会できる喜びもあるのだと。 咲「……ねえ、京ちゃん。お別れの儀式をやろう」 京太郎「儀式?」 咲「ほら。背中向けて」 京太郎「お、おう」 戸惑う京ちゃんの背中に、私はぴったりと背中をくっつける。 咲「振り向かずに、前に進もう」 京太郎「フェンスに到着するんだけど」 咲「儀式だからいいの。京ちゃん、私、まだ自分が信じられない。 私が前に歩けるかどうか、分からない」 京太郎「……」 咲「……でも。進もうと、思えたよ。京ちゃんが保証してくれるなら、 私は前に進める」 京太郎「……おう」 咲「お互いに振り返らないで、行こう」 京太郎「そうだな」 咲「じゃあ、いっせーのー…………で!」 決して振り返らない。ただ前だけを見る。 振り返りたくなるのを堪える。きっと、京ちゃんも堪えているはずだから。 居るはずだった人が隣にいない寂しさを。 その人が保証してくれた喜びで埋め尽くす。 お互いに前に進むのだ。時に道が曲がりくねることだってあるだろう。 ――だったら。いつか、道が交わることだってあるだろう。 誓いは心臓に。想いは胸に。 私には、立って進むための足がある。 和「……」 ――私は思うのです。 ――せめて、二人が女同士であれば良かったのだろうと。 ――終生変わることのない親友でいられたのだろうと。 ――でも、咲さんと須賀くんは異性同士で。 ――恋心がヘンに絡むから、きっとこれほどややこしくなったのでしょう。 ――何より、互いに自覚はないのが最悪です。 ――だから、これで良かったのです。 ――須賀くんが咲さんを導いたように。 ――須賀くんも、きっと何かに導かれる。 ――だから、多分大丈夫。 ――前に進んでも、道を間違ったとしても。 ――咲さんの恋心は、きっと、変わることなく―― ――二年後。卒業式 髪を伸ばした。 少しだけ、化粧もするようになった。 残念なことに、胸は残念なままだったけれど。 いや、それでも、まあ、少しくらいは。 いけないいけない。 私はようやく慣れてきたスマートフォンのメールを見直し、 場所が合っているかどうかを確認する。 うん、合ってる。 ……結局、前に進む速度はのろかった。 少しだけ転ばなくなった。 少しだけ道に迷わなくなった。 少しだけ――自分に、自信がついた。 それでようやく、自覚できた。 成長することで、初めて認められることがあったのだ。 ――彼は私の初恋だった。 ――ずっと、ずっと、そうだったのだ。 ――依存することでそれを隠した。 ――自分は、彼におんぶにだっこすることでしか生きられないと。 ――そう、誤魔化し続けた。 ――それに別れを告げて、一人で前に進んだ。 ――友達から助けて貰って。道筋を教えて貰いながら、 ――前に進むことだけは、自分の力でできた。 京太郎「咲ー!」 咲「……ああ」 手を振る少年の姿は、二年前より精悍になっている。 私は、須賀京太郎が好きです。 だけど、振られても構わない。いや、泣くだろうけど。最低一週間は泣き通すだろうけど。 「それでも、人は前に進める」 この人が、そう教えてくれたのだから。 京太郎「……咲、綺麗になったな」 咲「京ちゃん、かっこよくなった」 京太郎「……じゃ、やっぱり同じことを考えていたのか?」 咲「多分そうじゃないかな。……そうだといいな」 京太郎「せえの、で言おう」 咲「そうだね。……せえの!」 オレ キミ ――須賀京太郎は、宮永咲が大好きです―― ワタシ アナタ ――宮永咲は、須賀京太郎が大好きです―― かくして、二人は共に歩き出す。 カン!
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特別編、 1原点回帰 細かい設定、状況等は気にしないでください 某所、和室 京太郎「...zzz」横になって熟睡中 ガチャ 和「なんですかね、このメンバーでここに集合って」 霞「そうね。何か共通点でもあったかしら」 姫子「胸……は違うとして、インハイ出場者とかじゃなかと?」 玄「なんとすばらな組み合わせ……まぁ細かいことはいいですのだ」 怜「せやなー。ウチははよ帰りたいんやけど……ん?京太郎?」 和「須賀くん?……寝てますね」 霞「こんなところで寝て……京太郎くんも呼ばれたのかしら」 玄「ですね。京太郎くん、早く起きるのです。夢のような光景が広がっていますよ」 和「玄さん?流石に怒りますよ?」 姫子「よー寝とるし、起こさん方がよかとやなか?」 怜「…………」 玄「しかし京太郎くんなら今の光景を……園城寺さん?」 姫子「なんか考え込んで、どがんしたと?」 怜「いや……これ、チャンスやないん?」 和霞姫子玄「!?」 怜「今、京太郎無防備に寝とるやん?何しても、ばれないんやないんかな、思ってな?」ニヤリ 和「いやいやいや、そんな、寝てる人に」 玄「さ、さすがに駄目なんじゃないのかな、って思いますよ?」 霞「……なるほど」 姫子「……確かに、チャンスかもしれん」 和「2人とも!?」 霞「いやねぇ、そんな悪戯しようとか考えてる訳じゃないわよ?」 姫子「そうそう、そんな寝てる人にそがんこつはねぇ」 玄「ほっ」 霞「添い寝かしら」 姫子「こう、起きた時に何か一言とか」 和「何する気ですか!?」 怜「ほほー、ええなー」 姫子「こう、ゆうべはおたのしみでしたね、的な?」 霞「あ、じゃあ少し服も乱した方が……」シュル 姫子「起きてから2回戦、実際は1回戦やけど……よかね」ジュルッ 玄「そ、そそそそんなことさせません!!」 和「玄さん……」 霞「ちょっと揉んでいいから見逃してくれない?」タユン 玄「はいよろこんで!!」 和「期待した私がバカでした!!」 怜「せやったら、こう、京太郎を中心に脱ぎ散らかされた服と、みんなが裸で寝とくとか……」 霞「ハーレムねー……アリね」 姫子「それもよかね……こう、所有物って感じがまた……」 玄「霞さんのおもちが揉めて京太郎くんにまで……あわわわわ……」 和「そ、そんなことさせません!」 怜「ほほぅ」 和「そんな……は、ハーレムなんて……ダメです!!」 怜「……なぁ、ひとつ提案なんやけど?」 和「な、なんですか」 怜「ウチはな、あんたが正妻でええと思うとる」 和「え、えぇ!?せ、せせ正妻って……」 怜「元々の付き合いも一番長いし?同い年やん?ウチはまぁ2,3番目くらいでええから、な?」 和「そ、そんなこと……」 霞「そうね……私も1番目とかじゃなくていいわ」 姫子「私は……むしろ4、5番目とかの方がなんか興奮できるし……」 玄「わ、私も……その、京太郎くんが一緒なら……」 怜「みんな異論ないみたいやし、どや?後はあんたが決めるだけやで?」 和「……私は……」 京太郎「……ん、ふぁ~……よく、寝……た?」 和「……あ、おはようございます」やや乱れた服 京太郎「……の、和!?なんで隣に!?」 和「もう、忘れちゃったんですか?」 京太郎「わ、忘れた?俺が、何を?」 和「……あんなに激しく、みんなと……」 京太郎「え?」 霞「うふふ、おはよう」着崩れた服 怜「寝坊やなぁ」乱れた服 玄「そ、その……不束者ですが……というか……」慌てて直したような服 姫子「おはようございます……ご、ご主人様」半脱ぎの服&首輪 京太郎「…………はい?」 この後、5人同時に責任を求められたり、とあるまな板姉妹が乱入してきたりと、状況は更なる悪化の一途を辿った 京太郎「俺が一体何をしたっていうんだ!?」 しかし彼は、一切何もしていない 強いて言えば、ただ熟睡していただけである カンッ!!
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特別編 アラフォー道場 ※上の特別編の続きです あらすじ デッドエンドな京ちゃんに救いの手を差し伸べよう! 京太郎「……ん?なんだここ……道場?」 「ここは迷えるものが訪れる場所……」 京太郎「だ、誰だ!?」 はやり「その名も……牌のお姉さん道場!!」道着&竹刀装備 健夜「……どーも」ネコミミ&スク水装備 京太郎「…………夢か」 はやり「ちょっと!!いきなり何言ってるの!?」 京太郎「夢だ。だってアラフォー道場って看板が上にあってそんなこと言える訳ないし」 はやり「え?あぁ!?何この看板!?ちょっと!!どういうこと!?」 健夜「もうどうでもいいじゃん……私なんか、『ブルマ?いやいやこっちでしょ!』とか言われていい年してネコミミとスク水だし……」ズーン はやり「すこやん暗くならない!!私達まだアラフォーじゃないから!!その恰好もまだいけるって!!」 健夜「いいよ……大体なんなのブルマ枠って……そんなの咏ちゃんとか良子ちゃんがやればいいのに……」ブツブツ はやり「あー……とりあえず落ち込み始めたすこやんはほっといて、ようこそ我が道場へ☆」 京太郎「ど、どうも」 京太郎(うわ、きっつ) はやり「ここはデッドエンドった君を救うための場所です!!」 京太郎「あー……やっぱデッドだったんですね俺」 はやり「そうそう、君の今回の死因は……まぁいいとして☆」 京太郎「それよくないでしょ!?そこをどうこうするアドバイスとかする場所じゃないんですか!?」 はやり「それが……うん、ぶっちゃけ君じゃどのルートも入れないね☆」 京太郎「そんな馬鹿な!!和ルートも長野おもち制覇ルートも全国おもちハーレムルートも無理だって言うんですか!?」 はやり「あ、ロリコン副会長との友情ルートならいけるっぽいよ?」 京太郎「社会的デッドエンドじゃないですか!!」 はやり「まぁ落ち着いて☆そんな君を救うための道場だからね☆」 京太郎「アラフォー道場が?」 はやり「次そう呼んだら潰すぞ」 京太郎「さーせん。で、その……この道場はそんな役割が」 はやり「そうそう、という訳で、解決策を発表しまーす☆」 京太郎「おお、アドバイスとかじゃなく具体的な解決策ですか!是非教えてください!!」 はやり「はやりんルートに入ろう☆」 京太郎「……はい?」 はやり「だから、女子高生はスパっと諦めて、はやりんルート☆」 はやり「今ならなんと、これにサインするだけでルート確定だよ☆」婚姻届、はやり記入済み☆ 京太郎「……そんなの人生の墓場ルートじゃないですかー!?助けて!!そこのネコミミスク水の人!!」 健夜「……仕方ないなぁ……はい、これで少なくともそっちのルートからは逃げられるよ」婚姻届、健夜記入済み 京太郎「こっちも駄目だー!!」 理沙「……こっち!!」婚姻届、理沙記入済み 京太郎「増えた!?」 はやり「さぁ」ズイッ 健夜「さぁ」ズイッ 理沙「……早く!!」ズイッ 京太郎「う、うわあああああああああああああ!!!」 京太郎「……っはぁ!!死んでられるかー!!」ガバッ 照「あ、おかえりー」 京太郎「照さん!?」 照「とりあえずギュルって引き戻しといた」 京太郎「よ、良かった……あのままえらいことになるとこだった」 照「そう……とりあえず」 京太郎「はい?」 照「お菓子が切れた。作って?」 京太郎は、照専属シェフルートに確定した!! カンッ!!
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特別編 side千里山 ※日記発見から中身拝見までの流れは省略します ■月◎日 今日、竜華さんと怜さんから同時に告白された 2人とも話し合った結果こうなってしまったし、どっちを選んでも恨まない、とまで言ってくれた 正直嬉しい。2人の素敵な人からここまで想われてるなんて、男としてこれほど嬉しいことは無いだろう だが、二者択一、どちらか1人を選べ? そんなこと、すぐに選べる訳がない だから、俺は少し考えて、場を和ませる冗談のつもりでこう言ってしまった 「どうせなら、両方いただきたいですね」 なーんちゃって、そうすぐ言うつもりだった しかし、2人はそれを聞いて、あろうことか、笑顔になった 「ええの!?ホンマ!?」「いやー、正直ウチらもそれもアリやって話してたとこなんやで?」すっごくいい笑顔で話す2人 「せやったら」「善は急げやで!」そのまま2人に両手を掴まれ、引っ張られる俺 「両方いただきたいんやろ?」「やったら、すぐに味あわせたるで?」 ……最高だった 竜華「いやー」テレテレ 怜「京太郎ったらなー」テレテレ 泉「……え?2人とも?両方って……」 竜華「もう泉!何言わせるつもりなん!?」 怜「2人仲良く、京太郎のものになったっちゅうことや」 泉「えぇぇぇ!?」 セーラ「あー、やけに2人とも京太郎とべたべたしとる思うてたら……」 浩子「まさか両方とは……どっち選ぶか五分五分やと思うとったのに……」 竜華「京太郎、体力あってな?」 怜「元気やから、な?」 泉「先輩と同級生のそんな話聞きたなかったですよ!?」 セーラ「泉、諦めや。もうどうにもならんわ」 浩子「……いや、どうにかなるかもしれませんよ?」 セーラ「フナどういうことや?」 浩子「2人もOKなんやろ?……後3人増えるくらい、どうってこと無いかもしれんってことえです」 泉「……え?」 竜華「あー……どやろ?」 怜「いけるんちゃう?ちゅーかアレを2人で受け止めるんもきついし?」 セーラ「……ちょっと京太郎のとこ行ってくるわ」 浩子「ウチも行きますよ。ほら、泉行くで」 泉「……え?え?ホンマに?」 翌日、京太郎は5人ハーレムを完成させていた
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咲「うーん…3ピン」タンッ 優希「あ、それロンだじぇ!12000」 咲「あー、やっぱ東場じゃ優希には勝てないなー」 優希「フッフッフ…3マだろうが東場じゃ私の独壇場だじぇ」 京太郎「おい優希、ちったぁ手加減してくれよ…俺も参加くらいさせてくれっての!」 優希「犬は南場から頑張るんだな!」 咲「うーん、3年になってもなかなか東場じゃ優希には勝てないよー、はい」チャリ 優希「これでも結構必死だったりするんだじぇ、東場とはいえさすがに咲ちゃん相手に気を抜いたら勝てないじぇ、ほい3000バック」チャリ 俺達は3年生になった。 1年の時、俺達は全国優勝はできずにその年の冬に和は転校していった。 そして、春には部長が卒業した。 部員が4人になった。 俺達は2年になった。麻雀部には誰も入部しなかった。 次の年、染谷先輩は少し心残りじゃったが、ぬしらと麻雀ができて楽しかったと言って卒業して行った。 部員が3人になった。 今年、俺達が3年になった。今年も麻雀部には誰も入部しなかった。 部員は3人のままだ。 インターハイは個人戦では出るかもしれないが、3人ともそこまで乗り気ではない。 毎日、授業が終わったら部室でダベりながら3マをする毎日だった。 咲「あ、もうこんな時間か」 時計は17時を少し回っていた。 京太郎「じゃ、今日はこのへんでお開きにしますか」 優希「そうだな、あ、帰りにタコスでも食べていくじぇ!」 京太郎「太るぞ、そのぽんぽこのお腹がもっとぽんぽこりんになるぞ」 優希「うっ、そ、そうだな…」タジタジ 咲「ふふっ、さっ、帰ろっか二人共」 二人「おー」 外 京太郎「いやー、最近随分日が長くなったなー」 咲「だね、そろそろ夏が来るしね」 優希「だじぇ、また、あの熱い夏がっ!来るっ!!!」 京太郎「あー、そういえば二人共今年は個人戦どうすんの?」 咲「うーん、優希ちゃんはどうする?」 優希「私はみんなに合わせるつもりだじぇ」 京太郎「なんだよその人任せ」 優希「うーん、まぁ、もうそこまで魅力を感じていないからなインハイには…」 咲「うん…私もぶっちゃけ…」 京太郎「じゃ、今年は清澄高校はインハイ不参加ということでオーケー?」 二人「オーケー」 京太郎「どうしようもない麻雀部員達だなおい」 優希「そうか?まぁ、私は今のままで十分楽しいからそれでいいんだじぇ」 咲「私もそんな感じかな」 京太郎「そうだな、俺もそうだわ」 咲「だめだねー、私達」 京太郎「だな、ハハハッ」 こんなダラっとした日常が俺は結構好きだった。 毎日授業が終わったらグダグダ麻雀して。 笑っていられる。 咲と優希は特別な存在だった。 こうして毎日三人並んで帰る。 何も知らない俺は幸せだった。 数日後 部室 ガチャ 京太郎「おー、まだ優希だけか」 優希「おうっ、咲ちゃん先生に呼ばれて遅くなるだって」 京太郎「へー、そうなのか、よいしょ」カバン置く 優希「なんか飲むか?」パタパタ 京太郎「あー、麦茶ある?」 優希「麦茶?」ガチャ 優希「あー、ちょうど二人分くらいあるな」ヨイショ コポコポ 優希「ほい」差し出す 京太郎「あんがと」受け取る 優希「おう」イスに座る 京太郎「ゴクゴク、ぷはっ、あー、麦茶がうまい季節になってきたな」 優希「だな」ゴクゴク 京太郎「んー?そいやお前、少しふとっ」 優希「それ以上言ったらコロス」 京太郎「その発言だけで十分だ…お前、少しは気を使えよー、一応女の子だろ?」 優希「…。京太郎は…痩せてる子の方が好きか?そんでおっぱいが大きくて…」 京太郎「え?あー、まぁ、胸はある方が好きっちゃ好きだし、あんま太ってるのも痩せてるのも…」 京太郎「まぁ、丁度いいのが好きって、お前何を言わせる?」 優希「ほほう、じゃあ、私はその基準で言ったら恋愛対象外ってことか?」 京太郎「は?お前はー、まぁ、うーん…」 優希「悩みやがるのか」 京太郎「あー、って何でそんなこと聞く?」 優希「ん?あー、今後の参考までにな、他の男の好みもきっとそんなんだろーなーって思って」 京太郎「あー、まぁ、それは人によるからなんとも言えないと思うぞ?」 優希「そうか」 京太郎「そーゆーお前はどーゆー男が好みなんだ?」 優希「私か?そうだなー、優しくて料理が上手くて気が使えて身長が高くて一緒にいて楽しい奴が好きだな」 京太郎「ほー、そんな男なかなかいないと思うぞ。お前も結構理想高いな」 優希「そうか?案外いるもんだぞ?」 京太郎「そうなのか」 優希「そういえば京太郎、咲ちゃんとは幼なじみなんだよな?」 京太郎「ん、まぁ、そうだな、腐れ縁って感じだと思うが」 優希「京太郎は…咲ちゃんの事がその…好きだったりするか?女の子として…」 京太郎「は?突然何言い出すんだよ」 優希「どうなんだ?」ジトッ 京太郎「おいおい、何でそんな睨むようにこっち見るんだよ?」 京太郎「あいつとはただの幼なじみってだけだっつーの、それ以上でもそれ以下でもないよ」 優希「そうか…」 京太郎「そうだよ…」 優希「…」ジッ 京太郎「…。なんだよ…」 優希「なんでもなーい」スクッ 京太郎「変な奴だな…」 優希「はいはい、私は変な女だじぇ」ゴソゴソ 優希「あー、麦茶もうないじぇ、京太郎、後で買っておいてくれ」 京太郎「へいへい、いつまたっても俺が雑用ですかい」 優希「あー、じゃあ私が一緒に買いに行ってやるじぇ、ついでにタコスの材料を買って…」 京太郎「お前…痩せる気無いんだなマジで」 優希「っ…。分かったじぇ…ダイエットしてみるじぇ…」 京太郎「お?ホントにできるのか?」ニヤニヤ 優希「やってやるじぇ!そんで、京太郎を見返してやるじぇ!」 京太郎「ハハッ、頑張れよ!応援してるぞ」 優希「…。おう」 ガチャ 咲「やっほー、どうしたの二人共?随分楽しそうな声が外まで聞こえてきてたけど?」 京太郎「お、実は優希がダイエット始めるらしいぜ」 優希「ちょ!おまえっっ!!!」 咲「え?ホント優希ちゃん!?」 京太郎「これで後戻りできなくなったな?」 優希「うぅっ…今に見てろと…」 咲「あはは、優希ちゃん、無理しちゃだめだからね?」 1学期末 ガチャ 京太郎「あれ?優希一人か?」 優希「おう、咲ちゃん委員会の会議だって」 京太郎「そうか、あー、喉乾いた。」 優希「麦茶しか無いぞ?」 京太郎「むしろ麦茶がいい」 優希「だよな、やっぱ夏は麦茶だじぇ、ホレ」 京太郎「サンキュー」ゴクゴク 京太郎「ぷはっ、あー、生き返る」 優希「それにしても、暑いなー」うちわで京太郎扇いでやる 京太郎「あー、涼しいー」 優希「男って夏は大変だよなー、ズボンだし」 京太郎「やっぱスカートって涼しいのか?」 優希「そうだな、靴下も全部脱げばそれなりにな」スカートパタパタ 優希「うー、私は暑さに弱いんだじぇ…」上着パタパタ 京太郎「…。あれ?お前…痩せた?」 優希「お?そこに気づいたか犬よ」 京太郎「ああ、ぽんぽこのお腹が引っ込んでた」 優希「お?エッチだな京太郎、私の素肌を見て発情したか?」 京太郎「そういうのいいから」 優希「どうだ?私はやればできる女なんだぞ」エッヘン 京太郎「おみそれしました」ヘヘー 優希「どうだ?魅力倍増か?」ホレホレー 京太郎「ちょ、お前、やめろよ!」 優希「胸は…まぁ、あれだがかわいいだろー、どうだー?ほれほれ」 京太郎「おまっ、変なポーズやめろ」 優希「ふっ、犬は今日も私の魅力に釘付けか、私も罪な女だ」 京太郎「おい、いい加減にっ…見えるから…」あっち向き 咲「…。何やってるの?」 京太郎「うおっ!咲っ!?」 咲「何してんの二人共…」ジトー 優希「おっ、咲ちゃん。実はだな、私は見事に痩せたのだ!だから京太郎に見せびらかしてたのだ!」 咲「え?そうなの?」 優希「おう、ほれ」お腹見せる 京太郎「おまっ」横見る 咲「あっ、ホントだ引っ込んでる」 優希「私は血の滲むような努力をしたんだ…」遠い目 咲「すごいなー優希ちゃんはー有言実行しちゃうんだもん」 優希「だろー?」 京太郎「だから今見直してたところだ」 咲「そうなんだー」 京太郎「よし、じゃあ今日は優希のダイエット成功祝いとして東南戦10回な」 優希「おい、それは祝ってるのか?私を疲れさせたいのか?」 咲「身軽になった優希ちゃんに勝つのは難しそうだなー」棒 京太郎「ロン!9600」 優希「うへー」 咲「ロン!7700」 優希「あべしっ!」 京太郎「うーん、やっぱ10回戦くらいになると優希も弱っちくなるな…」 優希「うへー、8回戦くらいから東場も厳しくなってしまうじぇ…咲ちゃんはともかく、京太郎にも勝てないとは…」 咲「てゆうか京ちゃんも強くなったよねー」 京太郎「そうか?」 優希「たしかにそうだな、私だけじゃなく咲ちゃんからも何回か上がってるしな」 京太郎「まぁ、いつもこのメンバーでやってるからな、なんとなくわかるんだ癖とか」 咲「え、私、癖とかあるの?」 京太郎「あー、いや、決定的にあるってわけじゃなくてなんとなくわかるっていうか」 咲「へー」 優希「犬だから鼻が効くのか?」 京太郎「お前の場合は単純に打牌がヌルくなるだけだ」 京太郎「そしてそんな俺たちの熱血麻雀奮闘記は……」 京太郎「これからだ!!」 カン
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次話 京太郎インタビュー 西田「うーん……原村和さんのインタビューに成功したのはいいけど、必要最低限って感じだからもうちょっと何か欲しいところね。 チャンプの妹である宮永咲さんに取材出来たら良かったのだけど……ってあれは」 咲「京ちゃーん。これから部活ー?」 京太郎「あー、いや先に購買でシャーペンの芯買ってくるわ。ついでになんかあるか?」 咲「んー。それじゃあ……」 西田「すみませーん!」 咲「ひぇっ!?」 京太郎「ん?」 西田「少しお話いいですかー!?」 咲「あわわ、き、記者の人だ! ごめん京ちゃん後でね!」ビュー 京太郎「あ、おい! ……行っちまった」 西田「あら、逃げられちゃった」 京太郎「すいません、何か咲に用ですか?」 西田「ええ。清澄高校麻雀部のインタビューとして、あの子にもお話聞きたかったのだけど……あの様子じゃ無理そうね」 京太郎「そうっすねー。あいつ結構人見知りなんで、そういうのは無理かなって」 西田「姉妹でも、似ない所は似ないのね……」 京太郎「はい?」 西田「こっちの話。申し遅れました。私、西田といいます。よろしくね」 京太郎「あ、須賀です。よろしくっす」 西田「須賀君。君は彼女と仲良いの?」 京太郎「? ええ、まぁ」 西田「もしかして、彼氏……だったり?」 京太郎「いやいや、そういうのじゃないっすよ」 西田「あらそう。仲良さそうだったからつい」 京太郎「よく言われますけどね。それじゃ、俺もそろそろ行きますね」 西田「……あ、ちょっと待って」 京太郎「?」 西田「さっき清澄高校麻雀部のインタビューをしたいって言ったじゃない?」 京太郎「ええ、はい。咲にも話聞きたいって」 西田「良ければ、君の話も聞かせてもらえないかな?」 京太郎「お、俺っすかぁ?」 西田「ええ。選手達と関わりある、選手でない人の意見っていうのも、結構ネタになるからね。一応撮影はさせてもらうけど、そんなに時間は取らせないし、退屈もさせないから」 京太郎「んー……。まいっか。部長に遅れる連絡だけさせてもらっていいですか?」 西田「ありがと」 それじゃあ改めて、お名前から。 京太郎「清澄高校一年、須賀京太郎です。よろしくお願いしまーす」 清澄高校麻雀部とは、どういう関係で? 京太郎「関係っつーか、一応部員です。俺も」 一応、と言うと? 京太郎「いやー、他のみんなは大会に出て全国へー、とかってレベルなんですけど、俺だけ初心者なんですよね。高校に入ってから初めたばっかで」 周りは経験者ばかり? 京太郎「そうですね。と言っても、部員は大会に出た5人と俺の合計6人なんす。ハーレムってやつですよハーレムははは」 あまり嬉しそうではありませんね。 京太郎「……いや、部活で他が女の子だけって、どーしたって異物感出ますよねって話です……」 部室にいると気まずい? 京太郎「気まずいかって言われるとそーでもないんですよ。やっぱり女子だから男子だからで気を遣わなきゃいけない事はあるんですけど、そういう壁をお構い無しに仲良くなる奴もいますし、みんな良い人ですしね」 特に仲のいい部員といえば? 京太郎「やっぱ咲とタコス……あー、優希ですね。片岡優希。さっき言ったお構い無しの奴です」 同学年ですと原村和さんもいらっしゃいますが、そちらとは? 京太郎「仲が悪い、って訳じゃないですよ? ただ、和は二人よか真面目なんで、男女は適切な距離感を保つべきって考えがあるんでしょうね。二人と比べたら距離はあるかなって」 ガードが堅いと。 京太郎「そう………いや、あれで無防備な所もあるんで、身持ちが固いって言うべきかな。うん」 片岡優希さんは男女垣根無い方だそうですね。 京太郎「良い言い方をすればそうですねー。お子ちゃまとも言えますけど」 宮永咲さんは、そうではない? 京太郎「男女どちらとも人見知りするって意味なら、垣根無いとも言えますけどね。学校の友達は部内にしかいないみたいですから」 宮永さんとは、どのように仲良くなったのでしょうか? 京太郎「どのように、かー……。えーとですね、咲とは中学の時に同じクラスだったんですよ」 高校の部活以前に交流があった? 京太郎「そうですね。で、クラス委員を男女一人ずつ出さなきゃいけないってなった時に、ほぼ押し付けられる形で俺と一緒にクラス委員になったのが咲だったんですよ。俺は面倒だけどまあいっかーってノリだったけど、あいつは多分嫌だけど嫌って言って話し合いにもつれ込む方が嫌って感じでしたね」 その頃の宮永さんは、どんな人でした? 京太郎「ぼっちなのは変わらないんですけど、あの頃は人見知りってより、誰とも関わりたくないって言いたげなぼっちでしたね。委員で最初話しかけた時も挨拶だったかをボソッと喋るくらいで、暗いなーとか冷たい奴だなーとか思いましたし」 そこからどうやって仲良くなったのでしょうか? 京太郎「それが聞いてくださいよ! クラス委員の最初の仕事で、誰々の席がどことかの掲示を作るんですけど、出来た紙を先生に見せてくるつってさっさと教室を出て、しばらくしても戻ってこなかったんですよね」 その間、須賀さんは待ってた? 京太郎「掲示を貼るまでが仕事なんで、先に帰られるとは思わなかったですしね。で、暇潰しに携帯弄ってたら、先生が教室に来て「まだ出来ないのか?」って言うんすよ。あいつが行った筈って言ったら、いや来てないって」 入れ違いになってた? 京太郎「どころか咲の奴、校舎内で迷子になってたんですよ!」 迷子。 京太郎「信じられます!? 入学して一週間足らずとはいえ、一緒に行くと言った俺に「別にいいです」と言っておきながら! その棟の一階にある職員室までに辿り着けず! 俺と先生が探しに行って見つけたのが別の棟の3階ですよ!? しかも見つけた時にはトイレが限界近くて、涙目でプルップルしてやがったんすよ!」 京太郎「目視出来る距離にあった女子トイレに案内され、駆け込んで行く姿を見て、俺は確信しましたね。「ああ、こいつはポンコツだな」と」 ポンコツ、ですか。 京太郎「ええ。それからというものの、日常のあらゆる所でそのポンコツぶりを遺憾なく発揮して、クラスでの立ち位置は「一人になりたいぼっち」から「クールぶりたいポンコツ」に変わっていきました」 いわゆるマスコット枠、みたいなものですか? 京太郎「そんな感じですねー。それで、そのポンコツをからかいつつ話してたらいつの間にやら、という風に」 宮永さんはその頃、麻雀では 京太郎「あ、中学の時には麻雀やってなかったですあいつ」 やっていない? 京太郎「ええ。どうやら小学生の頃までに家族麻雀でやってたぐらいで、中学の時にはそういう話全くしてなかったです。俺もその頃はハンド部で、麻雀とか全然でしたし」 それで、団体戦の大将を任されている? 京太郎「びっくら、ですよねー。俺もまさかカモだと思って麻雀部に連れてきたポンコツが、麻雀では魔王に変身するとは」 魔王ですか。 京太郎「俺が勝手に呼んでるだけですけどね。あいつ麻雀やってる時、時たまスゲー形相というか、黒いプレッシャーぽいのが出るんすよ。部長とかは俺が気付いてるより多めにそういうの感じてるみたいです。それがもう魔王! って感じで」 萎縮してしまう? 京太郎「んー。そうなった時には「うわ怖っ」ってなるんですけど、「でもこいつポンコツだしなぁ」って考えると冷めた目になりますね」 麻雀をしている時と、していない時のギャップをどう思う? 京太郎「ギャップと言われても、みんなそういうもんじゃないですか? 咲のは極端な方だと思いますけど、俺だって家族と接する時と友達と接する時で違いはありますし。なんならもっと変わる人もいますしね」 現在の宮永さんを見てどう思いますか? 京太郎「俺以外にも友達出来てるし、前より明るくなったし、熱中するものが出来たしで、良い変化だと思います」 では、最後に何か一言。 京太郎「清澄はレディースランチが美味いですよ」 咲「ちょっと京ちゃん! これどういうこと!?」 京太郎「ん? ああ、この記事この前のインタビューの」 咲「私の中学時代の黒歴史が暴露されてるし、「ポンコツ魔王」とか呼ばれてるんだけど!? これ京ちゃんの仕業でしょ!? なんでこんなことするの!?」 京太郎「だってお前がポンコツなのは今でも変わりないし、魔王っぽいのは事実だし」 咲「ひどい!」 京太郎「ひどくない!」 久「和のでっかい写真のページに、事細かに書いてあるわねー。大将、宮永咲の素顔って」 和「何故か須賀君の顔写真付きですね。目線に黒線が入ってますけど」 優希「京太郎、お前ついに……」 京太郎「ついにってなんだよ! 容疑者の供述とかじゃねーんだよ!」 咲「話終わってないよ! どうしてくれるの!? 私全国の場でこれ読んだ人に「あ、ポンコツの人だ」とか「魔王の人だ」って思われるんだよ!?」 京太郎「逆に聞くけどお前、麻雀してない時でポンコツじゃない時あるか?」 咲「あるよ! なんかこう……京ちゃんより国語の成績良いとか!」 久「語る所がそれの時点でもうポンコツよね」 優希「しかも理数系はのどちゃんの半分以下だじぇ」 和「体育だと何もないところでずっこける運動音痴ですし」 京太郎「な? 咲。お前は誰もが認めるポンコツなんだよ」 咲「むきー!」 久「けど須賀君。今回はいいけど、メディアの場であんまりうちの情報ベラベラと喋らないようにね。ただでさえノーマークだった清澄が県大会優勝して注目を浴びてるんだし」 京太郎「大丈夫ですって。俺相手にそう何回も取材なんて来ないですし」 ガチャ まこ「おーい京太郎ー。前回のインタビューが好評だったから、おんしにまた取材したいと記者の人が来とるんじゃが」 京太郎「あるぇ?」 カン 次話
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特別編 side白糸台 ※京太郎は昔から照と知り合いという設定です。日記発見から中身拝見までの流れは省略します ×月○日 今日学校に行ったらやけに視線を感じる 後、なんかヒソヒソ話してるのを見るし、男友達からはめちゃくちゃ叩かれた そのまま放課後、部活に行くと、部室に入った瞬間みんながこっちを向いた 全く身に覚えがない状態だったが、先輩の1人が虎姫ってマジか?と聞いてきた なんのことか分からなかいと言うと、とにかく虎姫の部屋に行けと言われた そのまま虎姫の部屋に行くと、部屋の『須賀京太郎専用ハーレム』というプレートが掛かっていた なんだこりゃー!!とマジで大声を出してしまった 近くを歩いていた人がえ?違うの?とか聞いてきたけど違うに決まってると言った だが、昨日から掛かってて学校中の噂になっているらしい 朝からの事全部に合点がいった。犯人誰だー!! そのまま部屋を開けると照さんが居た 照さんは営業用スマイルでこう言った 「おかえりなさいご主人様」 犯人は照さんだと確信した その直後に来た菫さんも自体を今知ったらしく、激怒していた 照さん曰く、ちょっとした悪戯だったらしい。悪戯で済んでねーよ 菫さんと俺の話し合いの結果、照さんは1週間お菓子抜きが決定した 照さんがすごい絶望的な顔をしていたが知るか ちなみにプレートは『宮永照、ただいまお菓子断ち中』に変えといた 誠子「あぁ、これか……クラスのみんながやけに良かったねとか言ってきたな」 尭深「私は『胸は一番だしね』って言われた」 淡「私はふつーだったなー」 菫「お前らまだいいだろ……私なんかえらく心配されたぞ。本当に大丈夫か、とか疲れているんじゃないのか?とかばっかりだった」 誠子「真面目な弘世先輩がハーレムって、ありえませんしね」 菫「全くだ」 照「あの時の一番の被害者は私」 菫「黙れ愉快犯」 照「普段みんながくれるお菓子も無かったし、京ちゃんが手回しして家でもお菓子ないし……辛い日々だった」 淡「あはは。おかげで部活の時何人も飛んでたよねー」 菫「まだいい方だろ。下手に騒ぎが広がってたら須賀が刺されていてもおかしくないぞ」 尭深「ちょっとシャレになってないですね」 照「……京ちゃんをこのままマネージャーにする予定だったのに仕方ないか」 誠子「どういう作戦だったんですか」
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http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1388042098/ ガチャ 京太郎「すいませんっ掃除当番で少し遅れました!………ってあれ……?」 尭深「………」ズズズ 京太郎「えっと…渋谷先輩だけですか…?」 尭深「…うん」ズズズ 京太郎「………今日部活休み…とかじゃないですよね……?」 尭深「…うん」 京太郎「で、ですよね!…みんな遅いですね……」 尭深「…うん」 京太郎「皆何か用事でもあるんですかね……」 尭深「………」 京太郎「…………」 京太郎(き、気まずい!………やっぱり渋谷先輩と話すのは少し苦手だなぁ…) 京太郎(顔はムチャクチャかわいいんだけどなぁ……それにおもちも……)チラッ 尭深「……須賀くん…」 京太郎「は、はい!!」ビクッ 京太郎(や、やべ……胸見てたのばれたか……?) 尭深「須賀くんもお茶………飲む……?」 京太郎「あ……お、お茶ですね!はい……っていいですよ!自分で入れますから!」 尭深「……須賀くんは私のお茶じゃ…いや……?」 京太郎「い、嫌なわけないじゃないですか!そうじゃなくて先輩に煎れてもらうなんて……って意味で…」 尭深「私が煎れたいだけ……だから……」 京太郎「で、でも………」 尭深「だめ……?」 京太郎「うっ…………」 京太郎「……………わかりました……じゃあお願いします…」 尭深「……うん」 尭深「はい………」コト 京太郎「あ、ありがとうございます!……凄いいい香りですね……もしかして茶葉変えました?」 尭深「うん……あたらしいの買ってみたの……」 京太郎「そうなんですか!じゃあ戴きますね」 尭深「どうぞ……」 京太郎「…………」ズズズ 尭深「……………どう…かな……?」 京太郎「………うん!凄く美味しいですよ!」 尭深「…!」パァァ 尭深「よかった………」ニコ 京太郎「っ!」 京太郎(か、かわいい……) 尭深「………?須賀くん?どうかしたの……?」 京太郎「…はっ!な、何でもないですよ!ハハハ…」 尭深「でもよかった……須賀くんに美味しいって言ってもらえて……」 京太郎「そ、そんな!俺こそこんな美味しいお茶が飲めて嬉しいですよ!!」 尭深「どうしても最初に須賀くんに飲んでもらいたかったんだ……」 京太郎「え………?」 尭深「……………あ…///」 京太郎「えっと………それh ガチャッ 淡「すいません!遅くなりました!決して追試験をうけてたわけじゃ………って、あれ?タカミとキョータローだけ?」 尭深「………」 京太郎「………」 淡「???……どうかしたの?二人とも黙りこんじゃって…?」 京太郎「な、なんでもねぇよ……あと先輩たちならまだ来てないぞ…」 淡「なんだぁ……慌ててきて損したよ……スミレったらホントに時間に厳しいんだもーん」 京太郎「…それより淡、お前また追試受けてたのか?」 淡「…ち、違うよ!私がそんなバカなはず無いじゃん!」 京太郎「はいはい、そうですねー あわいちゃんはお利口さんでちゅもんねー」 淡「むー!そうやってバカにしてー!大体キョータローだって馬鹿じゃん!」プンスコ 京太郎「おれはだれかさんと違って赤点とったりしないからな~」 淡「ムキーー!なんなのさっきから!麻雀弱いくせに!」 京太郎「ぐっ………お、俺はまだ始めたばっかりだから……」 淡「始めたばっかりっていってももう5ヶ月はたつじゃーん!私が始めてそのくらいの頃にはもっと打ててたもんねー!」 京太郎「う、うるせーペタンコ!お前の場合取った栄養が全部雀力に吸収されてるだけだろ!」 淡「…っ!そ、そやって胸ばっか見て!変態!!スケベ!!近寄らないで!!」 京太郎「心配せずともお前みたいなちっぱいには浴場しねーよ」 淡「なっ……!……う、うるさいうるさい!キョータローなんかこうしてやるー!」バッ ゴクゴク ブーーッ 京太郎「っうわぁぁあ!!きったね…!」 淡「あははは!ばーかばーか!」 京太郎「てめー!なにすんだこの……!」ダッ 淡「あははは!捕まえてみろー!」ダダダダ 京太郎「待てこのやろー!」ダダダダ 淡「またないよーだ!あはははh…あっ!」ガッ 京太郎「おわっ!」 ドスーン 淡「いたた………………っ!///」 京太郎「………………」ムニュ 淡「……………」 京太郎「わわわ!ご、ごめん!」バッ 淡「…………///」 京太郎「その……わ、わざとじゃないんだ……すまん …」 淡「べ、べつに…!私だって悪かったし……」 淡「それに……そんな悪いきはしなかったし……」ボソッ 京太郎「……え?」 淡「……!な、なんでもない!!私トイレいってくる!!」ダッ ガチャ 京太郎「お、おい!淡!」 京太郎「どうしたんだあいつ………って絶対俺のせいだよな……ハァ……」 尭深「………」ズズズ ガチャ 菫「すまない……クラスの用事で遅くなった……」 京太郎「あ、 弘世先輩……こんにちわ」ペコッ 菫「うむ……それよりさっき淡の奴が走ってでていったのは…」 京太郎「あ……じ、じつは………」 説明中--- 菫「ハァ………まったくお前らは何を考えてるんだ……」 京太郎「す、すみません……」 菫「別にイチャイチャするのは構わんが、そういうのは外でやってくれ…」 京太郎「え!?そんなイチャイチャだなんて!あいつとはそんなんじゃ無いですよ!」 京太郎「だいたいあいつが俺のことそんな風に見てるとは思えないし……」 菫「…………」 尭深「…………」 京太郎「……え?えっと……」 菫「ハァ……これは淡にも少し同情するな…」 尭深「………」コク 京太郎「え……?え?」 菫「あぁ、それと今日は照は休みだ……どうやら熱が出たらしい……」 京太郎「え!?大丈夫なんですか!」 菫「まぁそこまで大したことはないみたいなんだが……しかしどうやらあいつの家に今ちょうど親がいないらしくて1人らしいんだ」 京太郎「それは大変ですね…」 菫「そこでだ……須賀には照の家にいって様子を見てきてもらいたいんだ…」 京太郎「え!?おれがですか!?」 菫「あぁ…本当は私が行くべきなんだがもう大会も近いし我々レギュラーは抜けられなくてな……」 京太郎「で、でも!勝手にオンナノヒトの家に上がり込むのは……」 菫「大丈夫だ……照の了承はとってある……」 京太郎「で、ですが……」 菫「頼む須賀……お前にしかたのめないんだ……」 京太郎「う…………わ、分かりました……行きます…」 菫「ありがとう!じゃあこのプリントとノートのコピーも渡しといてくれ……あとこれがあいつの家の住所だ…」 須賀「わかりました、じゃあ行ってきますね!」 菫「頼んだ」 廊下---- 京太郎「えーっと…照さんの家は………うお、割りと遠いんだな……毎朝まよったりしてないのかな……」 淡「あ……キョータロー……」 京太郎「おお、淡か」 淡「どこいくの……?」 京太郎「ああ、照先輩のお見舞いに行くんだよ……」 淡「え……?なんで京太郎が…?」 京太郎「なんか大会前だからレギュラー陣は忙しいみたいでな……」 淡「…………」 京太郎「じゃ、俺はいくから……お前もはやく部室もどれよ」 淡「…………」ギュ 京太郎「え………?」 淡「わたしも……いく………」 京太郎「は?…でもお前…練習は……」 淡「私はスッゴク強いから大丈夫!なんたって高校百年生だし!」 京太郎「………でもなぁ………」 淡「お願い……キョータロー……」ギュ 京太郎「うっ………」 京太郎(ど、どうすればいいんだ……) 京太郎「よし淡!お前の家を教えてくれ!!てか連れてって!」 淡「えぇぇ!?な、なんで私の家……?」 京太郎「いいから!!」 淡「う、うん………」 淡「ここが私の家だよ」 京太郎「おぉ………これは………!」 京太郎(普通のマンションだ…) 淡「で……どうするの……?」 京太郎「そうだった!淡!今家に誰かいるか!?」 淡「え………今はだれもいないと思うけど……」 京太郎「よし入るぞ!」グイッ 淡「わわ…!引っ張らないでよ!」 ガチャ 京太郎「おぉ…ここが淡の家か……」 淡「うん………」 京太郎「淡の部屋はどこだ!?」 淡「え!?……………あそこの扉だけど……」 京太郎「お邪魔しまーす」ガチャ 淡「ちょっと!!ま、まって!!」 京太郎「おぉぉここが淡の部屋かぁ……割と片付いてるんだなぁ……」 淡「…………あんまり………見ないでよ…」 京太郎「じゃあ淡!ここ座って!!」ポンポン 淡「え………?ってそこ私のベッドじゃん!!」 京太郎「まぁまぁ」 淡「……………はいっ!これでいい?」スッ 京太郎「…………あわい……」グイッ 淡「きゃぁ!」ボスンッ 京太郎「……………」 淡「きょ、キョータロー……?」 京太郎「……………」スッ ペロッ 淡「ひゃぁ///きょ、キョータロー!なにやって……!」 京太郎「…………」ペロペロ 淡「ひにゃぁ///そ、首っ舐めちゃらめ………んっ!」 京太郎「はぁ…はぁ……あわいぃ……」モゾモゾ 淡「や、やめて……お願い……グスッ…」 京太郎「うぉおおおおぉぉ!!」ガバッ 淡「うっ……グスン……うぅ………恐いよぉキョータロー……やだよぉ……」ポロポロ 京太郎「……っ!」ピタッ 淡「ぐすっ……キョータローは…優しくないけど…優しくて…」 淡「頼りにならないけど…頼りになって……」 淡「かっこよくないけど………かっこよくて………ぐすん…」 淡「こんなキョータロー………やだよぉ……」ポロポロ 京太郎「…………あ、あわい………」 京太郎(しまった!泣かせてしまった……!お、俺はどうすれば……) 京太郎(そうだ!こんなときはお菓子を……!)ゴソゴソ 京太郎「淡……ごめんな………俺どうにかしてたよ……お菓子食うか?」スッ 淡「……グスン………うん……」ガサガサ 京太郎「これ一昨日出たばっかりの新作のチョコみたいだぞ!」 淡「……………」モグモグ 京太郎「どうだ……?」 淡「………美味しい……」モグモグ 京太郎「そ、そうか…!よかった!」 淡「……………」モグモグ 京太郎「……………」 淡「………ねぇキョータロー……」 京太郎「お、おう、なんだ……?」 淡「………どうして……こんなことしたの……?」 京太郎「そ、それは……だな………」 京太郎「愛し照」 淡「………え?」 京太郎「お前が好きなんだ……それでこんなことを……」 淡「……え?………なにいって…」 京太郎「愛してるぞ……淡……」 淡「……っ!///」 京太郎「でもホントごめんな怖い思いさせて………もうしないk 淡「わたしも!」 京太郎「……………?」 淡「わたしも……キョータローのこと好き……だもん……」 淡「さっきはちょっと怖かったから……でも京太郎に………その………されるの別に嫌じゃないよ……?」 京太郎「あ、あわい……」 淡「だから…………その………」モジモジ 淡「続き………してもいいよ……?///」 菫「たく……須賀のやつ遅すぎるだろ……淡もかえって来ないし………亦野は行方不明らしいし………」プルルル 菫「…あ、照か?須賀はまだそこにいるn……え?まだ来てない?」 菫「何を考えてるんだあいつら………!」ワナワナ 尭深「…………」ズズズ 淡「きょうたろー………」ギュ 須賀「淡………」ギュ 完