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世界樹の迷宮II ドクトルマグス1人旅プレイ記 3周目 ギルド1枠(=1人旅) 糸購入禁止(仮) クエスト禁止 磁軸の柱禁止 未完 一部で有名なWizライクの名作3Dダンジョン探索系RPG。の2作目。 世界樹IIは3周目になるので、某人のブシドー1人旅に影響されつつ別の職……ドクトルマグス1人旅でプレイ開始。 プレイ記は3層ボス戦付近で停止中。一応、進行としては3層ボスは撃破し4層も突破、5層も後半いざラスボスへ……というところまで。 そこまで到達して、予想外の25Fの『道中』で絶望的な確率の突破が必要になったため断念。磁軸の柱がないと5層の道中は長すぎる。 世界樹の迷宮II Part2 施設制限プレイ記 ギルド・公宮以外の施設禁止 ベスト盤購入後、プレイ開始……予定。 一応、机上の空論によれば無茶・無謀ながら無理ではなさそう……もっとも、恒例の強ボスである3層と23Fボスは鬼門。
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前作からの見直し UIの面 L/Rボタンでのカニ歩きを実装。 マッピング用アイコンの種類増加。 買い物時にステータス画面が表示され、購入する武器や防具を装備した時の値が分かる。 バランスの面 休養(レベルが下がるがSPを振り直せる)がレベル1時からでき、下がるレベルが5になった(初代では10下がる) 追加クラスの解禁時期が序盤になったので、育成の負担が減った(初代では中盤辺りだった) 初代世界樹から、3つの新しいクラスが追加され、パーティ編成の幅が広がった 各クラスのバランスが再調整されている初代で猛威を振るったレンジャーやメディックは火力が抑えられ補助型になる、ブシドーは構えスキルがパッシブ化して使いやすくなる等 初代世界樹と比較してエグい点の存在 全体的にやられる前にやれと言わんばかりの戦闘バランスになっている。 プレイヤー側にも効果の強いスキルが多く存在するが、敵が使ってくるスキルも全体的に威力が高くなっているので、対処できる防御スキル無しで行動を許してしまうと、壊滅させられる。一部のモンスターは単独でエンカウントした時、必ず先制を取ってくるので、こちら側が1人持っていかれるかそれ以上の被害を被ることも珍しくない。 !!ああっと!! 採集を行うと、「!!ああっと!!」と表示され、モンスターの先制で戦闘になる。!!ああっと!!では現在探索しているフロアよりも進んだフロアで出現するモンスターも出現するので、格上の敵に確定で先制されることになる。そうなるとほぼ確実にこちらが全滅する。 初代において、採集と宿泊を繰り返す、効率の良い稼ぎプレイが行われたことを受けて、罠となる要素を導入すると言う考え方で導入された要素であると思われる。製作サイドも流石に今作の!!ああっと!!はやり過ぎたと感じたのか、後発の作品では緩和されている。 FOEを倒しても得られる経験値が0 初代において、FOEを倒せば経験値が多く得られる。的確な戦法で格上のFOEを狩る事で、効率の良い稼ぎプレイが行われたことを受けてか。 また、FOEは避けるべき強敵であることを認識させるべくして、倒すメリットを削った可能性も考えられる。 前作は休養するとレベルが大きく下がる事と、冒険の状況に応じてキャラクターを新しく育成する等の作業を行う際の稼ぎスポットを兼ねている位置づけだったことを考えると、妥当ではなかったのかも知れない。 世界樹の迷宮IIをオススメするユーザー 初代世界樹における不便仕様の改善や、クラスの性能の再調整等が見られ、初代から正統進化したと言える作品。ただ、初代と比べると全体的にエグい要素が増加しているので、世界樹に初めて手を出す場合はオススメであるとは言いにくい。バランス調整のミスや救済処置なのかと思われるような、高性能スキルもある程度存在するが、それらを初見かつ情報なしでプレイする場合に見つけられる保証もないことを考えると、エグイものと考えた方が良い。 前作をクリアすると、パスワードが手に入り、そのパスワードを入力すると、イベント等にちょっとした変化が起こると言うオマケのような要素も存在する。このことで入手できる装備が存在するが、イベントが変化した結果、プレイヤー側に不利な展開になるものも多く、結果的に難易度が上がる。 初代世界樹をプレイした上で、エグイ所も含めて面白かったと言うプレイヤーにオススメ。通常版とアトラスベストコレクション版が存在するが、通常版で多かったバグがベストコレクション版でその大半が修正されているので、手を付ける場合は後者を推奨する。
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世界樹の迷宮II 諸王の聖杯 世界樹の迷宮II 諸王の聖杯 HD REMASTER 機種:NDS,NS(HDリマスター),PC(HDリマスター) 作曲者:古代祐三 発売元:アトラス 発売日:2008,2023(HDリマスター) 概要 「世界樹の迷宮」シリーズの2作目。 前作のテイストをそのままに、インターフェイスの改良や新職業の追加、各職業のバランス調整などが行われている。 今作のサウンドトラックはPC-8801FM音源サンプリングver.とニンテンドーDS音源ver.が収録された3枚組となっている。 2014年には本作のリメイクである『新・世界樹の迷宮2 ファフニールの騎士』が発売された。 2023年に前作と続作『III』と共にHDリマスターされた。 (前作:世界樹の迷宮 次作:世界樹の迷宮III 星海の来訪者) 収録曲(サウンドトラック順) 曲名 補足 順位 さぁ冒険を始めたまえ! オープニング NDS155位 街景 伝説に名を刻む者 街施設 ギルド 迷宮I 古跡ノ樹海 ダンジョン 1~5F アトラス114位夏222位一面225位 戦場 初陣 通常バトル 前編 第8回792位アトラス62位RPGバトル263位NDS226位通常戦闘曲117位 鉄華 至宝を得よ バトル終了 街景 北に広がる大地 街施設 ハイ・ラガード公国中央市街:昼 迷宮II 常緋ノ樹林 ダンジョン 6~10F アトラス213位 情景 鮮血と闇 イベント 恐怖 戦場 死を呼ふ突風 f.o.e バトル 街景 風は勇者を引き寄せん 街施設 ハイ・ラガード公国中央市街:夜 迷宮III 六花氷樹海 ダンジョン 11~15F アトラス213位冬・雪・氷68位 戦場 悲しき氷の守護者 アーテリンデ ライシュッツバトル アトラス155位 戦場 朱色の雨 ボスバトル 街景 美しく気高き地 街施設 ハイ・ラガード大公宮 迷宮IV 桜ノ立橋 ダンジョン 16~20F 第3回145位第5回139位第6回355位第7回135位第8回175位第9回494位第10回873位第11回672位第14回587位第15回917位2008年23位アトラス75位和風18位癒し286位ダンジョン51位NDS259位 情景 桜と翼 イベント 翼持つ者 戦場 響く剣戟の調べ 通常バトル 後編 第7回952位2008年75位アトラス213位NDS411位 迷宮V 天ノ磐座 ダンジョン 21~25F アトラス114位ダンジョン327位 情景 蒼と銀 イベント 真実 戦場 最後の戦い ラストバトル1 戦場 天の支配者 ラストバトル2 英雄たちの帰還 エンディング1 エンディング284位 迷宮VI 禁忌ノ森 ダンジョン 26~30F 第4回704位 戦場 戦慄 通常バトル 最終層 2008年59位アトラス155位 戦場 散るもかなり 隠しボスバトル キミ達の冒険は終った エンディング2 もう一度挑む日まで ゲームオーバー つかの間の安らぎを ジングル 宿泊 報償 ジングル イベントクリア サウンドトラック 「世界樹の迷宮II 諸王の聖杯」オリジナル・サウンドトラック 「世界樹の迷宮II 諸王の聖杯」スーパー・アレンジ・バージョン ピアノと弦楽器の生演奏による世界樹の迷宮I II スーパー・アレンジ・バージョン
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世界樹の迷宮II 諸王の聖杯 出版社 アトラス アトラス 出版年月 2008年3月 2008年4月 ISBN 978-4-7577-4072-3 978-4-7577-4208-6 税込価格 1,100円 1,760円 ゲーム概要 2008年2月21日発売。ハードはDS。
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世界樹の迷宮II 諸王の聖杯 Etrian Odyssey II Heroes of Lagaard アトラス 2008年2月21日 DS 世界樹の迷宮の続編 探索が楽しい3DダンジョンRPG 新職業なども増えたが、致命的なバグもあるためプレイするさいは他サイトでチェックです 続編 世界樹の迷宮III 星海の来訪者 関連 wizardryシリーズ
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世界樹の迷宮II 諸王の聖杯 作品情報 公式HP http //s2.atlusnet.jp/index.html 7枚 パラ子師匠 ギルド長 ギルド長(ツリ目差分) ギルド長(兜差分) ハイラガート公女 ハイラガート公女(剣差分) アーテリンデ
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世界樹の迷宮II 諸王の聖杯 part40-31~40 31 :DS・世界樹の迷宮2 -諸王の聖杯-:2008/07/09(水) 20 47 22 ID J9D0WNCn0 世界背景 舞台は北の高地にある『ハイ・ラガード公国』と、中心にそびえる巨大な『世界樹』。 天高く伸びる世界樹は『空飛ぶ城』につながっているという伝説があり、信仰の対象であった。 それゆえに、国民の中には世界樹のことを『世界樹様』と呼ぶものも少なくない。 また古き伝承では公国の人々は『空飛ぶ城』から降りてきた民の末裔だとも言われている。 ある日、世界樹の内部に、多彩な未知の動植物や遺跡群を含んだ迷宮が発見された。 巨大な自然の迷宮を上へ上へと進んでいけば、『空飛ぶ城』にたどり着くかもしれない――。 公国を治める大公は、大陸全土にお触れを出した。 「世界樹に挑み、伝説の真偽を調べる冒険者を求む!」 夢とロマンに溢れる布告に、大陸中の冒険者が続々と公国へと集まっていった。 しかし、幾多の冒険者が世界樹に挑んだが、いまだ迷宮を踏破し謎を解いたものはいなかった。 公国の経済は主に『冒険者』が世界樹の迷宮から持ち帰る物資によってまかなわれている。 それはモンスターから得られる素材であったり、迷宮内で『発掘』『採取』『伐採』されるもので あったりするが、いずれにせよそれらの物資が寒さ厳しい北国の環境を支えているのは確かだ。 そのため、公国では冒険者に対し非常に優遇した制度を採用している。 冒険者は『ギルド』に登録すれば、前科不問で公国の国民として永住権が与えられる。 また国内の施設――宿、交易所、薬泉院など――も冒険者に対し非常に協力的であるし、 酒場に『クエスト』という形で冒険者たちへのさまざまな依頼をすることができるシステムも 確立しており、冒険者・国民の両方の生活を支えている。 ハイ・ラガード公国は、世界樹とそれに挑む冒険者によって成り立っている国なのであった。 32 :DS・世界樹の迷宮2 -諸王の聖杯-:2008/07/09(水) 20 49 29 ID J9D0WNCn0 第一階層 古跡ノ樹海 また新たな冒険者たちが公国を訪れた。彼らは『冒険者ギルド』にてギルドの登録を行った。 (前作クリアパスワードがあると、前作の舞台『エトリア』から新たな冒険を求めてやってきた 歴戦のギルドとして扱われる。特殊アイテムの引継ぎもある。でもメンバーのレベルは1。) 冒険者として認められるための入国試験も軽く突破し、2階、3階へと進んでいく。 すると大きな黒いオオカミが彼らの行く手をさえぎった。オオカミが導くままに歩みを進めると、 一人のパラディンが現れる。彼はギルド『ベオウルフ』のフロースガル(とクロガネ)と名乗った。 ベオウルフは公国でも有数の有力ギルドだと言われ、獣を仲間に冒険することで知られている。 フロースガルは彼らに、先に進まず、一度大公宮に戻り『ミッション』を受領するように伝える。 (公国の冒険者たちには、公国が発動するミッションに従事する義務がある) その助言に従った彼らは、行方不明となった衛士を救出するミッションを無事に完遂する。 生き残った衛士の証言から、第一階層で魔物が増殖しているのは、ある魔物の影響だと判明する。 公国はその魔物、『キマイラ』の討伐のミッションを発動。彼らもそれを受領する。 彼らがキマイラ討伐に向かう途中、4階にいる1人の衛士からベオウルフにまつわる話を聞く。 ベオウルフはかつて5人のギルドであったが、キマイラに挑み、3人が殺されたというのだ。 フロースガルとクロガネの2人は、その仇を討つべく、ふたたびキマイラに挑もうとしている。 5階にたどり着いた彼らを迎えたのは、深く傷つき、悲しい目をしたクロガネだった。 クロガネから地図の切れ端を受け取った彼らは、そこに記された場所へ向かい、キマイラを討つ。 急いでクロガネのところに戻るが、すでに手遅れだった。クロガネは首輪を彼らに渡し、力尽きる。 ギルド・ベオウルフはここに滅びる。しかし、その魂は、彼らに引き継がれたのだった。 (このキーアイテム『信頼の首輪』があると、新職業『ペット』の仲間が作成できるようになる) 33 :DS・世界樹の迷宮2 -諸王の聖杯-:2008/07/09(水) 20 51 13 ID J9D0WNCn0 第二階層 常緋ノ樹林 6階に上ると、樹海は、新緑の季節を思わせる緑の樹海から一転、紅葉が舞い散る森へと変貌する。 7階まで進むと、公国も彼らの実力を認め、信用に足る有力なギルドとして国家機密にかかわる ミッションを任せるようになった。ベオウルフなき今、彼らは国を代表するギルドのひとつなのだ。 公にされてはいないが実は、ハイ・ラガードを治める大公は大病を患い臥せっているという。 王の一人娘である公女が公国の古文書を調べたところ、ひとつだけ解決する手段を発見した。 その特効薬の材料を8階にあるサラマンドラの巣からとってくる危険なミッションを無事に完遂。 意気揚々と8階まで進んだ彼らの前に、不意に暗い印象漂うガンナーの老人が立ちはだかる。 彼は魔弾のライシュッツと名乗り、敵意むき出しで迷宮探索をやめるように言い二丁の銃を構える。 一触即発のところに、ドクトルマグスの少女――アーテリンデと名乗った――が割り込んできた。 彼女ら2人はギルド『エスバット』として、未熟な冒険者を監督する任務についているのだという。 (エスバットとベオウルフの2組が公国内での有力ギルドの代表だという話を大臣から聞ける) アーテリンデは、この先に進みたいのならば、一度戻ってミッションを受けてくるよう指示する。 単なる注意にしてはライシュッツの放った殺気は強烈すぎるものであったような気もするが…… (会話の選択肢によっては威嚇射撃までしてくる) 大公宮で、10階の奥にいる強敵『炎の魔人』を討伐せよというミッションを受領する。 恐るべき生命力を持つこの魔物は、何度討伐しても数日で復活してしまうというのだ。 それゆえ、この魔人と戦えるだけの実力がないギルドは10階へ近づけないようにしているという。 逆に言えば、このミッションを受領できるのはそれだけの実力のあるギルドということであり、 完遂し第三階層まで進めるギルドは公国内でも数少ない、非常に厳しい試練なのだ。 彼らは炎の魔人を撃破し、無事ミッションを完遂、次の階層へと進んでいくのであった。 34 :DS・世界樹の迷宮2 -諸王の聖杯-:2008/07/09(水) 20 52 36 ID J9D0WNCn0 第三階層 六花氷樹海 11階に上ると、そこは一面の銀世界であった。降り積もる雪、凍りついた足場が探索を妨害する。 彼らは12階に進み特効薬の材料(氷花4つ)を集めるミッションを完遂、公女様と謁見する。 公女は言う、特効薬を完成させるためには、今まで集めた2つの材料を『諸王の聖杯』の中に入れ 調合する必要がある……そしてその聖杯は『空飛ぶ城』の中心に安置されているというのだ。 目指すは『空飛ぶ城』。その決意を新たに、彼らは迷宮をひたすら登り続ける。 先へと進もうとする彼らの前に、アーテリンデが現れ、迷宮の探索をやめるように言ってくる。 断ると、彼女は悲しそうな顔をして、この公国に伝わる『空飛ぶ城』の伝説を語り始めた。 空飛ぶ城には、『天の支配者』とその眷属が住み、地上で死した魂を集めているのだという。 「これは噂なんかじゃない」とアーテリンデは言った。何かを知っている、確信している口調で。 「先に進みたいなら、止めやしないわ……今は、ね」 ……彼女はそう呟いて去っていった。 14階にて再びライシュッツに出会う。今回は明確な殺意を持って彼らに手を引くよう伝えてきた。 「警告を無視して進むならば、15階、氷と雪の広間がヌシらの墓場となる、覚えておけ!」 街に戻り情報を聞くと、エスバットにはいろいろよからぬ噂があるらしいことが分かる。 15階で発見された冒険者の死体の背中に、弾痕らしき傷があったという証言まである……。 35 :DS・世界樹の迷宮2◆l1l6Ur354A:2008/07/09(水) 20 54 06 ID J9D0WNCn0 15階の広間。夜の寒さで凍った湖面を越えた先で、鋭い殺気を放つエスバットの2人と出会う。 吹きすさぶ寒風、降りしきる雪のなか、2人はぽつぽつとその目的を語り始めた。 ……かつてエスバットの一員だったドクトルマグスの女性が、第三階層で命を落とした。 彼女は『天の支配者』の手により永遠の命を与えられ、第三階層を支配する怪物と化したという。 「それでもあたしたちは彼女を守りたいの。どんな姿になろうと彼女はあたしにとって大切なの」 アーテリンデはそう言い武器を構える。……ハイ・ラガードの最強のギルド同士の戦いが始まる。 ……人並みを外れた戦闘力を持つエスバットの2人を彼らは辛くも退けた。 呆然とするアーリデンテをかばうように前にでたライシュッツが、彼らに語りかける。 「我らの負けだ。自由に進むがいい」……負けを認めたうえで、ライシュッツは続ける。 「この先に進めば、ヌシらは必ず『氷姫』に出会うだろう。彼女を倒すな、とは言わぬ。 ただ…… 彼女は『天の支配者』のため、人為らざる身になっている。それを救うため…… 我らにはできなかった『天空の城』発見と、そこに住む『天の支配者』の討伐を頼みたい」 そういって頭を下げた2人は、そのまま去っていった……。 名実共に公国最強のギルドとなった彼らは、凍りついた池の上で氷姫『スキュレー』を破り、 新たな階層へと歩みを進めていく。 もう彼らの歩みを止めるものはない。いざ、『空飛ぶ城』を目指して進むのみ! 36 :DS・世界樹の迷宮2◆l1l6Ur354A:2008/07/09(水) 20 55 12 ID J9D0WNCn0 第四階層 桜ノ立構 夏の新緑、秋の紅葉、冬の白銀……それに次ぐ新たな階層の森は、桜舞い散る春景色であった。 それだけでなく、足場となっている島はなんらかの不思議な力で空中に浮かんでいるのである。 景色に見とれていた彼らに空から声がかかる。翼を持つ不思議な亜人種が彼らを見下ろしていた。 歓迎するでもなく、敵対意志を示すでもなく、彼らを『土の民』と呼んで飛び去っていく。 大公宮にそのことを報告すると、公女が文献に残されていた伝説を教えてくれた。 それによると、翼を持つ民の力を借りねば、空飛ぶ城にたどり着くことはできないのだという。 さらに冒険を進め、迷宮を登っていく。18階の扉につくと、翼を持つ民に行く手をさえぎられる。 公女から教わった『盟約の言葉』を伝えると、彼らは驚いたように飛び去っていった。 さらに進み、20階の最初の扉の前で、ついに『空の民』の長……クアナーンに出会う。 彼は「盟約の言葉だけでは足りぬ。いにしえの飾りを持ってこい」と要求してきた。 大公宮で公女から飾りを受け取って再び訪ねると、クアナーンは彼らを『古き盟約の者』と認め、 扉を超えて進むことを許可した。「我らは汝らに天への道を指し示すのが使命である」と。 さらに進み、20階の中央フロア前にたどり着くと、そこでふたたびクアナーンに出会う。 この先はかつては空の民の聖地であったが、今は『天空の女王』のねぐらになっているのだという。 この機会にクアナーンから空の民や彼らの言う『神の声』について聞いてみるが、純朴な彼らから 得られる情報はあまりに少なかった。彼らは昔からこの世界樹の高層に住んでいる一族であること、 迷宮内で傷つき倒れた土の民を『天の城』に届けるよう命じられていたこと、しかしその理由は 分からず、その者たちがどうなっていたかも分からないということ… クアナーンと別れ、彼らは歩みを進める。『ハルピュイア』を撃破し、その奥の扉を開ける。 そこに立ち上る光の柱に触れると、彼らの身体は不思議な力に包まれ、上へ上へと上っていく…… 37 :DS・世界樹の迷宮2◆l1l6Ur354A:2008/07/09(水) 20 57 45 ID J9D0WNCn0 第五階層 天ノ磐座 光が晴れる。目の前には、黄土色の未知の金属で出来た、細い1本の空中回廊と、それにつながった 同じく黄土色の金属の巨大な建造物……『空飛ぶ城』があった。……伝説は、本当だったのだ。 回廊を進み、城の内部に入った彼らに、不思議な声が降り注ぐ。「我が居城に訪れたるは何者か?」 高圧的にそう尋ねてきた声の主は自らを「天の主」『オーバーロード』…… 神 であると名乗った。 奇妙な人工物の仕掛けに行く手を阻まれながらも、彼らは歩みを進めていく。 22階、23階……進んでいくたびに、オーバーロードは彼らに語りかけてきた。 「汝らは自然の摂理をどう考える?」「生きる者みないずれ死す、それが抗えぬ自然の摂理だ」 「だが、それに抗い、死を超越できるとすればどうだ?」「汝らは不死には興味はないか?」 「我は長きに渡り、不死を研究してきた……」「その成果が『諸王の聖杯』だ」 彼は自らの研究材料として、強靭な生命力を持つ者……すなわち冒険者たちを利用していたという。 いままでの迷宮で戦ってきた怪物たちは、彼の手で怪物に変えられた冒険者だというのだ……! 一方で、城のいたるところに不思議な仕掛けが残されていた。突起物を押すと、オーバーロードと 思しき人物が、なにやらつぶやいているような声が流れるのだ。 「…人類が生き延びるには…」「…神をも恐れぬ所業であろうと…」「…みな去ってしまった…」 「…彼女までも…」「…だがたとえ私ひとりでも…」「…研究を続けて…」 オーバーロードが作り出したという23階の守護魔獣『ジャガーノート』や、行く手を阻む大小様々な 金属人形たちを破り、彼らはさらに複雑さを極める城をひたすらに進んでいく。 そしてついにたどり着いた25階……そこでついに、オーバーロードと対面する。 38 :DS・世界樹の迷宮2◆l1l6Ur354A:2008/07/09(水) 20 58 42 ID J9D0WNCn0 「遂にたどりついたか。我が空船の最上階、王の間に」 とオーバーロードは尊大な口調を崩さずに言う。そのまま彼は、彼の研究とこの城の歴史を語った。 ……遠い昔、古の時代に、世界は一度滅びた。この『空飛ぶ城』は、滅び行く大地から逃れるため 古の神の船になぞらえて作られた「箱舟」だったのである。 しかし、空に逃れた人々も、そこで安住を得られたわけではなかった。環境の変化に耐えられない 者が続出したのだ。彼はそれを救うべく、 人間を作り変える研究 を行なった。遺伝子レベルでの 肉体強化という、かつては禁忌とされていた 神の領域 に踏み込んだ研究を。 そんな彼と袂を分かつ者たちが現れた。「どうせ死ぬなら、慣れ親しんだ大地で死のうじゃないか」 彼らは城を出て、滅び去った大地の欠片で人間としての生活を行うことを選んだ……それが土の民、 すなわち、大地でほそぼそながらも昔からの営みを続ける人間たちの先祖であった。 「我は有限の人の身体を捨て、永遠に滅びぬ身体に精神を宿し、研究に埋没したのだ! 我を信じ、 ついてきた者たちをあらゆる厄災から守るために! いまだ『諸王の聖杯』は完成しておらん… 汝らの目的が聖杯ならば、それを渡すわけにはいかぬ! 死して灰燼と化すがよい!!」 オーバーロードの金属の箱のような身体、さらに真の人を超えた姿までも撃破すると、どこからか 激しい光が音もなく巻き起こり、オーバーロードは光の粒子となって消え去っていった。 ついに『諸王の聖杯』を手に入れた彼らは、それを持って公国大公宮へと帰還する。 ――それはひとつの伝承の終わりか、あるいは新たな物語の始まりか――。 (完) 39 :DS・世界樹の迷宮2◆l1l6Ur354A:2008/07/09(水) 20 59 46 ID J9D0WNCn0 注意: 大部分プレイ経験に基づいて忠実に書いたつもりですが、記憶と妄想が混同している可能性もあり。 セリフなど不安なところは全部世界樹Wikiを参照して書きましたが、文字数などの都合上、ゲーム内 記述とは多少違った部分があります。ニュアンスは変えていないつもりです。 あと本筋以外はぜんぶすっとばしました。全部かいてたら時間がいくらあっても足りやしないんで。 最初のハイラガの経済のあたりはほぼゲーム内描写に忠実ですが微妙に妄想微修正があり。 第一階層は忠実なはず。フロースガルさんのミッションがらみの細部を忘れたのでズレてるかも。 第二階層の国家機密うんぬんは妄想。有力ギルドと認めたフシはあるがそういうことは言われない。 ほかは忠実のはず。サラマンドラのミッションとエスバット登場の順序が逆だったかもしれない。 第三階層は忠実にしたつもり。エスバットのほかのメンバーなどの詳細はゲーム内では不明。 これもゲーム内では明言されてないが、スキュレーになった女性はおそらくアーテリンデの母親。 第四階層もほぼ忠実。ただし、クアナーンの名前が分かるのは実際は飾りを見せたあと。 第五階層もほぼ忠実。オーバーロードの非常にウザい自分語りがメインとなって話が進んでいく。 ラスボスが喋りすぎると小物になるの法則がここまで見事に成り立っているのも珍しい。 ただ、城のいたるところで聞ける台詞はうろ覚え。Wikiで確認しようとしたが見つからなかった。 ここではセリフ変化の選択肢が2箇所ある。最初の問いかけと、最後、ボス第1形態撃破後。 最初の問いかけの全パターンを比較すると、オーバーロードの 他者 観が垣間見えて面白い。 ボス第一形態後の問いかけは、いわゆる「手を引け」系。Yesと答えると本当に手を引いて即座に ゲームオーバーになるというびっくり仕様になっているので要注意。 あと6層もあるんだけど、自分はまだ途中なんで書けなかった。申し訳ない。 40 :ゲーム好き名無しさん:2008/07/09(水) 22 23 43 ID rwqO8oGwO 世界樹2で城でスイッチを押すと聞けるセリフ 携帯で撮ったのが残っていたので投下 多分不完全 ・箱舟に乗って生き残った人々に対しての演説と思われる物 「…いいですか。みなさん。 我々の祖国は全て…… 消えてしまったのです…」 「今となっては…… かつての国家の意味がない。 新しい指導者を……」 「…私が……私こそが この箱舟を建造し…… 新しいユートピアを……」 ・オーバーロードの独白と思われる物 「…環境の変化の為か…… このままでは…… 全て…死を待つだけ…」 「…各国家の一流の…… …研究者……。人の… 遺…伝子を……組…換え…」 「我…は……機械の…… 身体……人の……弱…を… 永遠に……生きる……」 「我らは…生きねばなら… …新たな…大地……の… 王となる…為に………」 「遺伝……は…人の… 細胞……が…分…裂…を 不死…化…すれ…ば…」 「この…世界…で…… 生き…テロ…メア…を …改良…す…」
https://w.atwiki.jp/storyteller/pages/1146.html
世界樹の迷宮II 諸王の聖杯 part40-31~40 31 :DS・世界樹の迷宮2 -諸王の聖杯-:2008/07/09(水) 20 47 22 ID J9D0WNCn0 世界背景 舞台は北の高地にある『ハイ・ラガード公国』と、中心にそびえる巨大な『世界樹』。 天高く伸びる世界樹は『空飛ぶ城』につながっているという伝説があり、信仰の対象であった。 それゆえに、国民の中には世界樹のことを『世界樹様』と呼ぶものも少なくない。 また古き伝承では公国の人々は『空飛ぶ城』から降りてきた民の末裔だとも言われている。 ある日、世界樹の内部に、多彩な未知の動植物や遺跡群を含んだ迷宮が発見された。 巨大な自然の迷宮を上へ上へと進んでいけば、『空飛ぶ城』にたどり着くかもしれない――。 公国を治める大公は、大陸全土にお触れを出した。 「世界樹に挑み、伝説の真偽を調べる冒険者を求む!」 夢とロマンに溢れる布告に、大陸中の冒険者が続々と公国へと集まっていった。 しかし、幾多の冒険者が世界樹に挑んだが、いまだ迷宮を踏破し謎を解いたものはいなかった。 公国の経済は主に『冒険者』が世界樹の迷宮から持ち帰る物資によってまかなわれている。 それはモンスターから得られる素材であったり、迷宮内で『発掘』『採取』『伐採』されるもので あったりするが、いずれにせよそれらの物資が寒さ厳しい北国の環境を支えているのは確かだ。 そのため、公国では冒険者に対し非常に優遇した制度を採用している。 冒険者は『ギルド』に登録すれば、前科不問で公国の国民として永住権が与えられる。 また国内の施設――宿、交易所、薬泉院など――も冒険者に対し非常に協力的であるし、 酒場に『クエスト』という形で冒険者たちへのさまざまな依頼をすることができるシステムも 確立しており、冒険者・国民の両方の生活を支えている。 ハイ・ラガード公国は、世界樹とそれに挑む冒険者によって成り立っている国なのであった。 32 :DS・世界樹の迷宮2 -諸王の聖杯-:2008/07/09(水) 20 49 29 ID J9D0WNCn0 第一階層 古跡ノ樹海 また新たな冒険者たちが公国を訪れた。彼らは『冒険者ギルド』にてギルドの登録を行った。 (前作クリアパスワードがあると、前作の舞台『エトリア』から新たな冒険を求めてやってきた 歴戦のギルドとして扱われる。特殊アイテムの引継ぎもある。でもメンバーのレベルは1。) 冒険者として認められるための入国試験も軽く突破し、2階、3階へと進んでいく。 すると大きな黒いオオカミが彼らの行く手をさえぎった。オオカミが導くままに歩みを進めると、 一人のパラディンが現れる。彼はギルド『ベオウルフ』のフロースガル(とクロガネ)と名乗った。 ベオウルフは公国でも有数の有力ギルドだと言われ、獣を仲間に冒険することで知られている。 フロースガルは彼らに、先に進まず、一度大公宮に戻り『ミッション』を受領するように伝える。 (公国の冒険者たちには、公国が発動するミッションに従事する義務がある) その助言に従った彼らは、行方不明となった衛士を救出するミッションを無事に完遂する。 生き残った衛士の証言から、第一階層で魔物が増殖しているのは、ある魔物の影響だと判明する。 公国はその魔物、『キマイラ』の討伐のミッションを発動。彼らもそれを受領する。 彼らがキマイラ討伐に向かう途中、4階にいる1人の衛士からベオウルフにまつわる話を聞く。 ベオウルフはかつて5人のギルドであったが、キマイラに挑み、3人が殺されたというのだ。 フロースガルとクロガネの2人は、その仇を討つべく、ふたたびキマイラに挑もうとしている。 5階にたどり着いた彼らを迎えたのは、深く傷つき、悲しい目をしたクロガネだった。 クロガネから地図の切れ端を受け取った彼らは、そこに記された場所へ向かい、キマイラを討つ。 急いでクロガネのところに戻るが、すでに手遅れだった。クロガネは首輪を彼らに渡し、力尽きる。 ギルド・ベオウルフはここに滅びる。しかし、その魂は、彼らに引き継がれたのだった。 (このキーアイテム『信頼の首輪』があると、新職業『ペット』の仲間が作成できるようになる) 33 :DS・世界樹の迷宮2 -諸王の聖杯-:2008/07/09(水) 20 51 13 ID J9D0WNCn0 第二階層 常緋ノ樹林 6階に上ると、樹海は、新緑の季節を思わせる緑の樹海から一転、紅葉が舞い散る森へと変貌する。 7階まで進むと、公国も彼らの実力を認め、信用に足る有力なギルドとして国家機密にかかわる ミッションを任せるようになった。ベオウルフなき今、彼らは国を代表するギルドのひとつなのだ。 公にされてはいないが実は、ハイ・ラガードを治める大公は大病を患い臥せっているという。 王の一人娘である公女が公国の古文書を調べたところ、ひとつだけ解決する手段を発見した。 その特効薬の材料を8階にあるサラマンドラの巣からとってくる危険なミッションを無事に完遂。 意気揚々と8階まで進んだ彼らの前に、不意に暗い印象漂うガンナーの老人が立ちはだかる。 彼は魔弾のライシュッツと名乗り、敵意むき出しで迷宮探索をやめるように言い二丁の銃を構える。 一触即発のところに、ドクトルマグスの少女――アーテリンデと名乗った――が割り込んできた。 彼女ら2人はギルド『エスバット』として、未熟な冒険者を監督する任務についているのだという。 (エスバットとベオウルフの2組が公国内での有力ギルドの代表だという話を大臣から聞ける) アーテリンデは、この先に進みたいのならば、一度戻ってミッションを受けてくるよう指示する。 単なる注意にしてはライシュッツの放った殺気は強烈すぎるものであったような気もするが…… (会話の選択肢によっては威嚇射撃までしてくる) 大公宮で、10階の奥にいる強敵『炎の魔人』を討伐せよというミッションを受領する。 恐るべき生命力を持つこの魔物は、何度討伐しても数日で復活してしまうというのだ。 それゆえ、この魔人と戦えるだけの実力がないギルドは10階へ近づけないようにしているという。 逆に言えば、このミッションを受領できるのはそれだけの実力のあるギルドということであり、 完遂し第三階層まで進めるギルドは公国内でも数少ない、非常に厳しい試練なのだ。 彼らは炎の魔人を撃破し、無事ミッションを完遂、次の階層へと進んでいくのであった。 34 :DS・世界樹の迷宮2 -諸王の聖杯-:2008/07/09(水) 20 52 36 ID J9D0WNCn0 第三階層 六花氷樹海 11階に上ると、そこは一面の銀世界であった。降り積もる雪、凍りついた足場が探索を妨害する。 彼らは12階に進み特効薬の材料(氷花4つ)を集めるミッションを完遂、公女様と謁見する。 公女は言う、特効薬を完成させるためには、今まで集めた2つの材料を『諸王の聖杯』の中に入れ 調合する必要がある……そしてその聖杯は『空飛ぶ城』の中心に安置されているというのだ。 目指すは『空飛ぶ城』。その決意を新たに、彼らは迷宮をひたすら登り続ける。 先へと進もうとする彼らの前に、アーテリンデが現れ、迷宮の探索をやめるように言ってくる。 断ると、彼女は悲しそうな顔をして、この公国に伝わる『空飛ぶ城』の伝説を語り始めた。 空飛ぶ城には、『天の支配者』とその眷属が住み、地上で死した魂を集めているのだという。 「これは噂なんかじゃない」とアーテリンデは言った。何かを知っている、確信している口調で。 「先に進みたいなら、止めやしないわ……今は、ね」 ……彼女はそう呟いて去っていった。 14階にて再びライシュッツに出会う。今回は明確な殺意を持って彼らに手を引くよう伝えてきた。 「警告を無視して進むならば、15階、氷と雪の広間がヌシらの墓場となる、覚えておけ!」 街に戻り情報を聞くと、エスバットにはいろいろよからぬ噂があるらしいことが分かる。 15階で発見された冒険者の死体の背中に、弾痕らしき傷があったという証言まである……。 35 :DS・世界樹の迷宮2 ◆l1l6Ur354A:2008/07/09(水) 20 54 06 ID J9D0WNCn0 15階の広間。夜の寒さで凍った湖面を越えた先で、鋭い殺気を放つエスバットの2人と出会う。 吹きすさぶ寒風、降りしきる雪のなか、2人はぽつぽつとその目的を語り始めた。 ……かつてエスバットの一員だったドクトルマグスの女性が、第三階層で命を落とした。 彼女は『天の支配者』の手により永遠の命を与えられ、第三階層を支配する怪物と化したという。 「それでもあたしたちは彼女を守りたいの。どんな姿になろうと彼女はあたしにとって大切なの」 アーテリンデはそう言い武器を構える。……ハイ・ラガードの最強のギルド同士の戦いが始まる。 ……人並みを外れた戦闘力を持つエスバットの2人を彼らは辛くも退けた。 呆然とするアーリデンテをかばうように前にでたライシュッツが、彼らに語りかける。 「我らの負けだ。自由に進むがいい」……負けを認めたうえで、ライシュッツは続ける。 「この先に進めば、ヌシらは必ず『氷姫』に出会うだろう。彼女を倒すな、とは言わぬ。 ただ…… 彼女は『天の支配者』のため、人為らざる身になっている。それを救うため…… 我らにはできなかった『天空の城』発見と、そこに住む『天の支配者』の討伐を頼みたい」 そういって頭を下げた2人は、そのまま去っていった……。 名実共に公国最強のギルドとなった彼らは、凍りついた池の上で氷姫『スキュレー』を破り、 新たな階層へと歩みを進めていく。 もう彼らの歩みを止めるものはない。いざ、『空飛ぶ城』を目指して進むのみ! 36 :DS・世界樹の迷宮2 ◆l1l6Ur354A:2008/07/09(水) 20 55 12 ID J9D0WNCn0 第四階層 桜ノ立構 夏の新緑、秋の紅葉、冬の白銀……それに次ぐ新たな階層の森は、桜舞い散る春景色であった。 それだけでなく、足場となっている島はなんらかの不思議な力で空中に浮かんでいるのである。 景色に見とれていた彼らに空から声がかかる。翼を持つ不思議な亜人種が彼らを見下ろしていた。 歓迎するでもなく、敵対意志を示すでもなく、彼らを『土の民』と呼んで飛び去っていく。 大公宮にそのことを報告すると、公女が文献に残されていた伝説を教えてくれた。 それによると、翼を持つ民の力を借りねば、空飛ぶ城にたどり着くことはできないのだという。 さらに冒険を進め、迷宮を登っていく。18階の扉につくと、翼を持つ民に行く手をさえぎられる。 公女から教わった『盟約の言葉』を伝えると、彼らは驚いたように飛び去っていった。 さらに進み、20階の最初の扉の前で、ついに『空の民』の長……クアナーンに出会う。 彼は「盟約の言葉だけでは足りぬ。いにしえの飾りを持ってこい」と要求してきた。 大公宮で公女から飾りを受け取って再び訪ねると、クアナーンは彼らを『古き盟約の者』と認め、 扉を超えて進むことを許可した。「我らは汝らに天への道を指し示すのが使命である」と。 さらに進み、20階の中央フロア前にたどり着くと、そこでふたたびクアナーンに出会う。 この先はかつては空の民の聖地であったが、今は『天空の女王』のねぐらになっているのだという。 この機会にクアナーンから空の民や彼らの言う『神の声』について聞いてみるが、純朴な彼らから 得られる情報はあまりに少なかった。彼らは昔からこの世界樹の高層に住んでいる一族であること、 迷宮内で傷つき倒れた土の民を『天の城』に届けるよう命じられていたこと、しかしその理由は 分からず、その者たちがどうなっていたかも分からないということ… クアナーンと別れ、彼らは歩みを進める。『ハルピュイア』を撃破し、その奥の扉を開ける。 そこに立ち上る光の柱に触れると、彼らの身体は不思議な力に包まれ、上へ上へと上っていく…… 37 :DS・世界樹の迷宮2 ◆l1l6Ur354A:2008/07/09(水) 20 57 45 ID J9D0WNCn0 第五階層 天ノ磐座 光が晴れる。目の前には、黄土色の未知の金属で出来た、細い1本の空中回廊と、それにつながった 同じく黄土色の金属の巨大な建造物……『空飛ぶ城』があった。……伝説は、本当だったのだ。 回廊を進み、城の内部に入った彼らに、不思議な声が降り注ぐ。「我が居城に訪れたるは何者か?」 高圧的にそう尋ねてきた声の主は自らを「天の主」『オーバーロード』……"神"であると名乗った。 奇妙な人工物の仕掛けに行く手を阻まれながらも、彼らは歩みを進めていく。 22階、23階……進んでいくたびに、オーバーロードは彼らに語りかけてきた。 「汝らは自然の摂理をどう考える?」「生きる者みないずれ死す、それが抗えぬ自然の摂理だ」 「だが、それに抗い、死を超越できるとすればどうだ?」「汝らは不死には興味はないか?」 「我は長きに渡り、不死を研究してきた……」「その成果が『諸王の聖杯』だ」 彼は自らの研究材料として、強靭な生命力を持つ者……すなわち冒険者たちを利用していたという。 いままでの迷宮で戦ってきた怪物たちは、彼の手で怪物に変えられた冒険者だというのだ……! 一方で、城のいたるところに不思議な仕掛けが残されていた。突起物を押すと、オーバーロードと 思しき人物が、なにやらつぶやいているような声が流れるのだ。 「…人類が生き延びるには…」「…神をも恐れぬ所業であろうと…」「…みな去ってしまった…」 「…彼女までも…」「…だがたとえ私ひとりでも…」「…研究を続けて…」 オーバーロードが作り出したという23階の守護魔獣『ジャガーノート』や、行く手を阻む大小様々な 金属人形たちを破り、彼らはさらに複雑さを極める城をひたすらに進んでいく。 そしてついにたどり着いた25階……そこでついに、オーバーロードと対面する。 38 :DS・世界樹の迷宮2 ◆l1l6Ur354A:2008/07/09(水) 20 58 42 ID J9D0WNCn0 「遂にたどりついたか。我が空船の最上階、王の間に」 とオーバーロードは尊大な口調を崩さずに言う。そのまま彼は、彼の研究とこの城の歴史を語った。 ……遠い昔、古の時代に、世界は一度滅びた。この『空飛ぶ城』は、滅び行く大地から逃れるため 古の神の船になぞらえて作られた「箱舟」だったのである。 しかし、空に逃れた人々も、そこで安住を得られたわけではなかった。環境の変化に耐えられない 者が続出したのだ。彼はそれを救うべく、"人間を作り変える研究"を行なった。遺伝子レベルでの 肉体強化という、かつては禁忌とされていた"神の領域"に踏み込んだ研究を。 そんな彼と袂を分かつ者たちが現れた。「どうせ死ぬなら、慣れ親しんだ大地で死のうじゃないか」 彼らは城を出て、滅び去った大地の欠片で人間としての生活を行うことを選んだ……それが土の民、 すなわち、大地でほそぼそながらも昔からの営みを続ける人間たちの先祖であった。 「我は有限の人の身体を捨て、永遠に滅びぬ身体に精神を宿し、研究に埋没したのだ! 我を信じ、 ついてきた者たちをあらゆる厄災から守るために! いまだ『諸王の聖杯』は完成しておらん… 汝らの目的が聖杯ならば、それを渡すわけにはいかぬ! 死して灰燼と化すがよい!!」 オーバーロードの金属の箱のような身体、さらに真の人を超えた姿までも撃破すると、どこからか 激しい光が音もなく巻き起こり、オーバーロードは光の粒子となって消え去っていった。 ついに『諸王の聖杯』を手に入れた彼らは、それを持って公国大公宮へと帰還する。 ――それはひとつの伝承の終わりか、あるいは新たな物語の始まりか――。 (完) 39 :DS・世界樹の迷宮2 ◆l1l6Ur354A:2008/07/09(水) 20 59 46 ID J9D0WNCn0 注意: 大部分プレイ経験に基づいて忠実に書いたつもりですが、記憶と妄想が混同している可能性もあり。 セリフなど不安なところは全部世界樹Wikiを参照して書きましたが、文字数などの都合上、ゲーム内 記述とは多少違った部分があります。ニュアンスは変えていないつもりです。 あと本筋以外はぜんぶすっとばしました。全部かいてたら時間がいくらあっても足りやしないんで。 最初のハイラガの経済のあたりはほぼゲーム内描写に忠実ですが微妙に妄想微修正があり。 第一階層は忠実なはず。フロースガルさんのミッションがらみの細部を忘れたのでズレてるかも。 第二階層の国家機密うんぬんは妄想。有力ギルドと認めたフシはあるがそういうことは言われない。 ほかは忠実のはず。サラマンドラのミッションとエスバット登場の順序が逆だったかもしれない。 第三階層は忠実にしたつもり。エスバットのほかのメンバーなどの詳細はゲーム内では不明。 これもゲーム内では明言されてないが、スキュレーになった女性はおそらくアーテリンデの母親。 第四階層もほぼ忠実。ただし、クアナーンの名前が分かるのは実際は飾りを見せたあと。 第五階層もほぼ忠実。オーバーロードの非常にウザい自分語りがメインとなって話が進んでいく。 ラスボスが喋りすぎると小物になるの法則がここまで見事に成り立っているのも珍しい。 ただ、城のいたるところで聞ける台詞はうろ覚え。Wikiで確認しようとしたが見つからなかった。 ここではセリフ変化の選択肢が2箇所ある。最初の問いかけと、最後、ボス第1形態撃破後。 最初の問いかけの全パターンを比較すると、オーバーロードの"他者"観が垣間見えて面白い。 ボス第一形態後の問いかけは、いわゆる「手を引け」系。Yesと答えると本当に手を引いて即座に ゲームオーバーになるというびっくり仕様になっているので要注意。 あと6層もあるんだけど、自分はまだ途中なんで書けなかった。申し訳ない。 40 :ゲーム好き名無しさん:2008/07/09(水) 22 23 43 ID rwqO8oGwO 世界樹2で城でスイッチを押すと聞けるセリフ 携帯で撮ったのが残っていたので投下 多分不完全 ・箱舟に乗って生き残った人々に対しての演説と思われる物 「…いいですか。みなさん。 我々の祖国は全て…… 消えてしまったのです…」 「今となっては…… かつての国家の意味がない。 新しい指導者を……」 「…私が……私こそが この箱舟を建造し…… 新しいユートピアを……」 ・オーバーロードの独白と思われる物 「…環境の変化の為か…… このままでは…… 全て…死を待つだけ…」 「…各国家の一流の…… …研究者……。人の… 遺…伝子を……組…換え…」 「我…は……機械の…… 身体……人の……弱…を… 永遠に……生きる……」 「我らは…生きねばなら… …新たな…大地……の… 王となる…為に………」 「遺伝……は…人の… 細胞……が…分…裂…を 不死…化…すれ…ば…」 「この…世界…で…… 生き…テロ…メア…を …改良…す…」
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世界樹の迷宮III 星海の来訪者 アトラス 2010/4/1 DS 世界樹の迷宮のシリーズ3作目、3DダンジョンRPG。 突如水没した海都アーモロードに繋がる謎の遺跡を、自分だけの地図とギルドを作成して探索しましょう 今作はイメージを一新し、全てが新たなる職業に変わりましたし、 通常のダンジョン探索以外にも、船でも冒険に出るができるようになった。 関連 世界樹の迷宮II 諸王の聖杯 前作 wizardryシリーズ さ行 ニンテンドウDS 世界樹の迷宮 世界樹の迷宮II 諸王の聖杯 続・気になるゲーム PR 世界樹の迷宮III 星海の来訪者 公式設定画集 (アトラスファミ通) 世界樹の迷宮3星海の来訪者4コマmaximum (マキシマムコミックス)
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世界樹の迷宮II 諸王の聖杯 【せかいじゅのめいきゅうつー しょおうのせいはい】 ジャンル 3DダンジョンRPG 対応機種 ニンテンドーDS メディア 256MbitDSカード 発売元 アトラス 開発元 アトラスランカース 発売日 2008年2月21日 定価 5,229円(税込) セーブデータ 1個 レーティング CERO A(全年齢対象) 廉価版 アトラス・ベストコレクション2010年7月15日/2,940円 判定 なし 世界樹の迷宮シリーズ 概要 特徴・前作からの変更点 評価点 問題点 バグ・不具合が非常に多い システム面 賛否両論点 シビアな難易度 バトルバランス面 非常に面倒なレベルキャップ解放の仕様 ダンジョン構成 武具辞典 総評 余談 その後の展開 概要 3DダンジョンRPG『世界樹の迷宮』シリーズの第二作。 舞台は前作のエトリアから「ハイ・ラガード公国」に変わり、冒険者は迷宮の最上部にあると噂されている天空の城を目指す。 時間軸としてはエトリアでの冒険から少し経った頃であり、ハイ・ラガードの人々もエトリアのことを知っているなど若干の繋がりが示されているが、前作を遊んでいなくても特にプレイに支障はない。 特徴・前作からの変更点 マッピングなどの世界樹の迷宮シリーズを通しての特徴は世界樹の迷宮を参照。 新クラスの追加 前作の9クラスに加え、さらにガンナー、ドクトルマグス、ペットの3クラスが追加、全12種となった。 新職業それぞれの主な役割としては、ガンナーは後衛での物理・属性攻撃役、ドクトルマグスは回復 攻撃役、ペットは前衛での防御 攻撃役とどの職業もオールラウンダーな傾向がある。 フォーススキル ブーストに代わって追加された特別なスキル。戦闘行動でフォースポイントを最大まで貯めることで使えるようになる、各クラスの切り札的存在。封じが得意なダークハンターなら一度に敵の全ての部位を封じ状態にする「オールボンテージ」や、回復役のメディックなら味方全員の全状態異常回復&HPを全快させる「超医術」など、どのスキルも一度使えば一気に形勢逆転できる強さがある。 フォースポイントは戦闘を行っていくと徐々に増加していくが、逃走すると少し、街に戻ると全部なくなってしまう。アイテムでポイントを増やすことも可能。 FOE関連の調整 橙・赤・黒の3種類のFOEに加え、新たに青(冒険者は通れない低い壁を通ることができるFOE)、紫(下画面の地図に表示されないFOE)が追加された。 青FOEは自分たちの動ける範囲も含めかなり自由に動くので、FOEに追いつかれる危険性が高まった。 紫FOEは地図に表示されないため、視認できても向きが判別できず、動きを予測しづらい。戦闘面でも極端な防御耐性を持ったものが多数で、攻撃手段によってはほとんどダメージを与えられず、場合によっては遭遇後高確率で全滅…という事も少なくない。 本作ではFOEを倒しても経験値を獲得できない。これは「脅威としてのFOE」を強調するためにあえて意図的に行った調整であり、代わりにFOEの動きを止めたり、特定の場所へ誘導したりするアイテム・スキルを増やして戦闘自体を回避しやすくなるなど、別ベクトルでの調整も並行して行っている。とはいえこれは不評だったのか、後の作品ではFOEを倒すと経験値が得られるように戻った。 シビアな難易度 Iの時はシビアな難易度が話題となったが、今作でもそれは引き継いでおり、一概には言えないものの前作よりも難易度が高く感じやすい。本作をシリーズ最難関として挙げるプレイヤーも少なくない。 初心者に迷宮の恐ろしさを十分すぎるほど教えてくれる最初のミッション 「ハイ・ラガード入国試験」 、前作経験者を唖然とさせる新仕様 「!!ああっと!!」 などは本作の難易度を象徴する用語として今でも有名。 前作で好評だった厳しめのゲームバランスをさらに昇華させた形になるが、一方で「理不尽すぎる」といった声も少なくなく、賛否両論の結果となった。詳細は賛否両論点にて後述。 前作からの引継ぎ要素 前作をクリアすると入手できるパスワードをスタート時に入力することで、迷宮内のミニイベントなどに変化がある。変化とはいっても元々存在しているイベントの展開が若干悪くなり、その結果難易度が少し上昇する程度だけでストーリー進行には全く関係ない。 無理にパスワードを用意しなくとも問題はない…というよりむしろ「前作でのギルド名を引き継ぐかどうかは任意だが、仮に変更した場合その事をずっとNPCに指摘される」という仕様があるので、前作をクリアしていない場合はむしろパスワードを入力しないほうが賢明であろう。 なお本作以降のシリーズではこういった引継ぎ要素は存在しない。 評価点 ストーリー 伝説に残る天空の城を見つけ出すという王道的な内容、攻略中に出会うNPCも友好的で、(それが悪いというわけではないが)やけに殺伐としたストーリー展開であった前作と比べると、いくぶん明るい、人情的な構成となっている。 前作からテキスト量が増大しており、探索で1階進むごとに各施設のNPCの会話内容が変わるようになった(前作では5階ごと、それもNPCによっては途中で打ち止めになったりしていた)。街のNPCは心優しい人ばかりなので単純にこれだけでも親しみがわきやすく、探索で疲れた心に温もりを与えてくれるだろう。 メインストーリー以外にも、クエスト数がシリーズの中でも多めで、NPCに関連するものも多数ある。彼らの意外な一面や過去を垣間見れたり、複数のクエストを通じて協力し合い最後に強敵を打ち倒したりと一種のサイドストーリーとなっているものもあり、全体的なストーリー性は格段に上がっているといえるだろう。 ダンジョン 今作は世界樹シリーズでは珍しく第一階層から第四階層を通して四季という共通点で構成されており、同じ森という舞台ながらも色彩豊かなダンジョン達は評価が高い。 第一階層は「夏」を想起させる緑の生い茂った樹海で始まるが、一見前作の第一階層と大差がないため、この時点では四季がモチーフということを意識しづらい。その後、階層を進むにつれて紅葉(秋)→雪景色(冬)と季節が廻り、最後に第四階層に踏み込むと満開の桜(春)が迎えてくれることでプレイヤーは「四季」というテーマに気づく…という心憎い演出。また第三階層(冬)のボスはゲーム内屈指の難所であり、それをやっとのことで乗り越えた先の第四階層で美しい桜の景観が迎えてくれる展開は印象深い。 BGM 前作に引き続き古代祐三氏が手掛けるBGMは評価が高い。前半の通常戦闘曲、第四、第五階層のBGMなどは特に名曲とされている。 前作のシステム面の不備を修正 追加 カニ歩き、オートバトル、買い物時のステータス画面表示、中断セーブが追加。ダンジョンをより探索しやすくなった。これらは本作以降にも受け継がれている。 貴重品が特別枠となり、アイテムスペースを圧迫しなくなった。また通常のアイテムも1個100エンを支払うことで預けることが可能になった。 マップ画面のアイコンが10種類から21種類に増加し、床の色も3色で塗り分けられるようになった。その結果、地図が分かりやすくなっている。 戦闘で全滅した時に、マップの記録と同時に踏破記録も保存されるようになった。 FOEは自分たちが踏破した場所にいる時のみ地図に表示されるので、全滅後の探索時にFOEの動きが分かりやすくなった。 「休養」で下がるレベルが前作の10から5に軽減された。また本作では最初から休養できる上、レベル5以下ならレベルダウンなしで休養できるようになった。 大半のクラスが最初から選択できるようになった。なお、ペットは唯一最初から選択できないが、最初のボスを倒せば解禁される。前作の同様のポジションのブシドーは11階・カースメーカーは16階で解禁されたため、それらに比べると加入や育成の負担は小さい。 磁軸の柱とよばれる、街から起動させた柱まで一方通行でワープできるオブジェクトが各階層中盤やボスフロア前に設置された。これにより探索再開前やボス戦前に既に踏破済みのフロアを歩く必要がなくなり、無駄な手間や体力消費を減らすことができるようになった。 問題点 バグ・不具合が非常に多い 前作のようなデータを破壊・消滅するような致命的なバグは消滅したが、バグの数は前作よりも増えているうえにやっかいなものばかり。 なお、2010年に発売されたベスト盤ではほとんどのバグが修正されているため、今から購入する際にはそちらをおすすめする。初版の場合は各自で情報を収集して不具合を防ぐしかない。 特にスキル関連の不具合が多い。有益なものから取得してしまうと取り返しがつかなくなるものまで様々。 ダークハンターの「蠱毒の極」「無我の極」は自身の状態異常耐性を上げる優秀なスキルなのだが、「最初~5人目までに作成したダークハンター」でそれを習得すると、敵側でそのスキルの効果が発揮されるようになってしまう。ダークハンター自体が状態異常を使って戦うクラスなので影響は大きい。 ブシドーの「小手打ち」は対象へダメージを与えると共に腕封じを付与するスキルなのだが、実際には腕封じが付与されない。そして、代わりに「月影」になぜか腕封じ効果が付与されている。もともと小手打ちと威力が同等で高い速度補正がウリの「月影」に腕封じ効果まで付いているのでプレイヤーにとっては嬉しいことではあるが。 レンジャーのフォーススキル「夢幻陣形」は味方全員の物理回避率をアップ、ブシドーのスキル「死地の心胆」は自身の物理回避力をアップさせるスキルなのだが、実際には前者は「メンバー全員の物理回避率ダウン」と、後者は「自身の物理命中率ダウン」とマイナス効果が発揮されてしまう。 アルケミストの術式攻撃のダメージ計算において、記述ミスにより敵の防御力を参照するところをアルケミスト自身の防御力を参照してしまっている。 「レベル○○の(クラス)を連れてくる」クエストを受注中、その条件を満たしていない状態で探索をすると歩行が遅くなる。1歩1歩にクエストの成否を判定してしまっているらしい。 システム面 特定の職業の使用を強制するクエスト・通路が存在する。本作は特定の職業が必要なクエストだけでなく、「特定の職業がいないと通れない通路」「特定の職業をかなりの高レベルまで育てていないと戦えないボス」「特定の職業1人でしか入れない通路」なども存在し、地図や図鑑を完成させたいなら嫌でもそれなりに育てなければならない。 一応、今作はLv70程度までなら育てるのに前作ほどの苦労はなく、シナリオを進める上では特定の職業を強制されることはない点が救いではある。 相変わらず戦闘速度が遅い。Aボタン押しっぱなしでようやく普通の速度。 オートバトルは処理速度こそ上がるものの通常攻撃しかできないため、使用機会はかなり限られる。少しでも気を抜けば雑魚戦でも全滅する本作ではなおさら。 マッピングの線が引きにくい。全体的に地図の線が引きにくく、特に右から左に引くのは反応しない確率が高い。マッピングは本シリーズにおいてとても重要なので、線が引きにくい事は重度の欠陥である。なお、ベスト版では修正されている。 アイコンの種類と置ける数が少ない。 エクストラダンジョンである第6階層では膨大なワープゾーンが設置されているフロアがあるが、それら全てに別の種類のアイコンを置いて判別しようとすると全く数が足りなくなる。このため完全にマップを把握しようとすると全て記憶するか、方眼紙などを用意して手作りしなければならない。 同様の問題は前作から存在していたが今作でも改善されなかった。さらに前作はワープで飛ばされる場所にある程度の法則性があったのでアイコン無しでも攻略は不可能ではなかったが、今作は規則性が無いのでより厳しくなっている。 賛否両論点 シビアな難易度 Iの時もレトロゲームを想起させる難易度が話題となったが、今作ではそれが更にレベルアップしている。前作同様厳しいゲームバランスを求めている層に応えた形だろうが、それを踏まえてもなお「理不尽」と言える部分も多くなり、賛否両論となった。 全体的な戦闘バランスとしては「殺られる前に殺れ」「短期決戦」な傾向が強い。これは「前作で超強力だった防御バフ『医術防御』が削除」「パラディンのガードスキルが弱体化(*1)」「敵側のバステ付与率がかなり高い割りに予防手段に乏しい」「壊滅級の攻撃を特にパターンも無く使ってくるボスやFOEが多い」などの理由から、敵の攻撃に対して「受ける戦法」が取りにくい環境であることが原因。 それに対して、敵側のHPはこちらの火力に対して低めなことが多く、また厄介なバステ耐性持ちも少ないため「バステを駆使して封殺している間に大火力を叩き込み、相手が行動できないうちに倒すのが一番楽かつ安定する」という尖ったゲームバランスになった。 体力が減ると厄介なスキルを使うモンスターも存在するので、ゲームバランス自体が「殺られる前に殺れ」を助長している、と言えなくもない。 厄介な能力を持つ雑魚敵も多い。例えば一部の雑魚敵は異様に回避率が高く「AGIブースト」のスキルポイントを多く振っていないとさっぱり攻撃が当たらない。しかしAGIブーストは最大で10ポイントも費やす必要があり低レベルのうちは恩恵が少ないため、そういった敵に直面してからポイントを振っても命中率が向上するまで時間がかかり過ぎてしまう。 回避率が高いモンスターに限って「残り一体になると強力なモンスターを呼び出す」「 全体即死をぶっ放す 」といった恐ろしい特性を持っていることも多く、さっさと片づけないと大変な事態になる。 「残り一体になると強力なモンスターを呼ぶ」という行動は、前作でレベル上げの手段として有名だった「仲間を呼び出すモンスターをわざと残すことで延々と倒し続ける」というテクニックに対するメタといえる。本作ではこのような、前作経験者の意表を突いてくるような要素がいくつか存在する。 FOEも前作以上に危険性が増しているうえに、苦労して倒しても経験値が得られないため徒労感が強い、という意見がある。 代表的なのが上記の紫FOEの代表格である通称「南瓜(カボチャ)」系統。「物理属性全無効」「非物理属性も1or2種を無効」といった凄まじい耐性を持ち、パーティによってはほとんどダメージを与える手段が無く、逃げられない状態で接触してしまうと詰むことも多い。地図で視認できないだけでも厄介なのに、不意に湧いて来たり逃げられない位置に陣取っていることも珍しくなく、迷宮探索を困難にしている。 ただし南瓜系統のドロップ品から作れる武具は強力なものもあり、戦うメリットがないわけではない。 橙FOEや赤FOEも厄介な位置に居座っていることが多くプレイヤーを悩ませる。とくに一部のFOEは、一つ上の階層を攻略中のパーティすら一手で壊滅させる高威力技を前触れ無しに放ってくるため、よっぽど対策を講じていなければ逃げる以外の手が無い。 一部のスキルとそれ以外の行動の危険度が違いすぎるため、妨害に頼らず真っ向から戦う場合「このスキルを使われたら終わり」というバランスになりがちで、運ゲーの側面が強くなっている。 正攻法での攻略が困難なため、ほとんどのFOEに対する封殺技を持つ鞭ダークハンターが非常に強力というバランスになっている。(詳細は後述) HPが減ると危険な行動を取るモンスターがいることは先述したが、「不意打ち時のみHP満タンでも該当スキルを使ってくる」というルール無視の仕様を持つものもおり、探索中の不意の奇襲でなす術なく全滅しそれまでの苦労が水の泡…という事態も起こりうる。 本作特有の、特に理不尽な要素として以下の3つがよく話題に上がる。 最初のミッション「ハイ・ラガード入国試験!」 本作の序盤はシリーズ屈指の難易度と言われているが、それを象徴するものがこれ。 1番最初に受けるミッションであり「特定地点からスタートし樹海出口までの地図を作ってくる」というものだが、樹海に入っていきなり地図もできてない樹海のど真ん中に放り出される。当然この時はレベル1なので連戦すら厳しい。ご丁寧に、探索範囲のすぐ近くには次の階に出るモンスター3体との戦闘イベントまで備えてあり、誤って入り込みなす術なく樹海の養分になる新米冒険者が後を絶たない。 また、やっとの思いで出口までたどり着いても 地図が完成していないと衛士が出口を通してくれない という血も涙もない仕様があり、余力が無い場合は全滅を宣告されたに等しい。明らかにゲーム始めたてのプレイヤーに課していいミッションではない。 「死者が出ているにもかかわらず街まで帰してくれない衛士」という光景は今でも語り草。後の作品でもゲーム内でネタにされるほど。 新システム「!!ああっと!!」 こちらも難易度上昇の要因の一つとして有名。採集ポイントでのアイテム採集中に低確率で前述のメッセージと共に雑魚敵の奇襲を受けるというもの。前作には無かった仕様だがゲーム中にこれを示唆するものは一切なく、採集ポイントで連打してたら突如奇襲を受け唖然とする…というのは前作経験者あるあるの一つ。 元ネタは『wizardry』シリーズの宝箱のトラップが作動した際のナレーション「*おおっと*(Oops!)」と思われる。 ただ奇襲されるだけでも危険なのだが、「!!ああっと!!」で出てくるモンスターは その階層終盤の敵編成 となっており、全滅の危険性が非常に高い。前触れ等は一切なく、敵の奇襲を防ぐレンジャーのスキル「危機感知」も無効のため防ぐ方法は存在しない。 これも、前作で金策として使われた「採集スキルに極振りしたレンジャー5人で採集→帰還し採集したアイテムを売却、のループを繰り返す」テクニック、通称「ゴレンジャー」に対するメタ要素と言える。 本作はアイテムや武具(特に最終盤の装備)の価格が高く、それに対しモンスタードロップ品の売値が低いので装備を充実化させるためには採集での稼ぎはほぼ必須であり、多くのプレイヤーが奇襲の恐怖に震えながらアイテムを集めることになった。 そもそも1日に可能な採集回数も前作から半減しているうえ、「!!ああっと!!」が発生した分の採集回数はきっちり減らされる。倒せば特別なアイテムを落とすといったこともなく、ただただデメリットしか存在しない。 公式発表によると「!!ああっと!!」の発生率は1%…とのことだが、実際には採集ポイントによってバラつきが大きく、明らかに1%どころではない場所も多いので信用できる数字ではない。発生確率が高いうえに、すぐ背後に戦闘中のみ乱入してくるFOEの湧き場所があるという明確な罠ポイントまである始末。 メインパーティでも容易に壊滅させられるうえに発生時のメリットがないことから、探索のついでに採取する行動がとりづらくなり、結果としてメインとは別の採取専門部隊を組んで、事前にセーブしておき「!!ああっと!!」を引かないことを祈りながら採集しまくる…というだけの要素になっている。元々取る必要性の薄かった採取スキルをメインパーティで取る意味が一層無くなってしまうこととなり、思惑は裏目に出る結果となった。 「!!ああっと!!」自体は後のシリーズにも引き継がれているが、さすがに不評が多かったのか、後作では本作とほぼ別物の仕様になっていたり、マイルド調整されたりしている。 強制不意打ちモンスター 特定の敵が単体で出現した場合、必ず奇襲から始まり高確率で決まったスキルを使ってくる、通称「強制不意打ち」「特殊先制」と呼ばれる仕様がある。「!!ああっと!!」と同じくレンジャーのスキル「危機感知」も無効であり、防ぐ手段が存在しない。 必ず敵が単体のため「ああっと」より壊滅の危険性は低いが、採集しない限り発生しない「ああっと」より、迷宮を探索する限りどうしようもないこちらのほうが理不尽という声もある。「ああっと」と同じくメリットは一切なく、冒険者だけが損をする仕様。 最初の階層からこの仕様を持つモンスターもいるのだが、使用するスキルがよりにもよって「高威力の単体攻撃」。このモンスター自体の攻撃力もかなり高く、大ダメージは免れない。特にダークハンターやブシドーといった脆い前衛職との相性は最悪であり、到達段階では実質的に「ランダムで発生する防ぎようのない即死攻撃」に等しい。序盤では蘇生の費用も帰還するためのアイテム代も馬鹿にならず、ただ徒にこちらの時間と資金を浪費させるだけのシステムになっている。 これらの理不尽さは「対処のしようがなくてつまらない」という意見もあれば、「世界樹ならこのくらいしないと」と正反対の意見もあり、好みが分かれている。 開発陣はどうやら前者の意見を重視したようで、後続となる作品では、前述した「FOE」「!!ああっと!!」への対策や、初心者から上級者まで楽しめるように難易度を分けるなどの変更・改良を重ねていった。 バトルバランス面 今作は「殺るか殺られるか」の尖ったバランスと上述したが、敵のみならず冒険者側にも難易度を劇的に変え得る高性能スキルがいくつか存在し、それがそのまま職業の評価に繋がっている。 もっとも、明確に他職の劣化、下位互換といった職は存在せず、それぞれ個性は差別化できている。強いといわれている職業も、これを使えば余裕でクリアできるというわけでは全くなく、「いない場合と比べて随分ラクになる」というのが正しい表現かもしれない。 + 長いので格納 鞭装備のダークハンター スキル「ジエンド」と「オールボンテージ」が極めて強力。また、鞭装備時は行動速度に全武器トップのプラス補正がかかる。「殺られる前に殺れ」なバランスの本作でこれはかなりのアドバンテージである。「耐久力が低め」「本領を発揮させるのに手間がかかる」といった問題もあるが、ハマれば十分強い。 ジエンドは鞭装備時のみ実行できるスキルで、完全即死耐性を持たない対象を確定で即死させる。低レベルの内は瀕死に近い状態までHPを削らなければ成功しないためそこまで強力な訳ではないが、スキルLv10まで上げるとHPが55%以下であれば耐性を持たない限りそれがFOEやボスであっても確実に即死させられる凶悪スキルと化す。 本作では即死有効かつ即死させるとレアドロップというまさにおあつらえのボスが序盤にいるため、これ一つで経験値稼ぎと金策が同時にこなせる。FOEから経験値を得ることができず、レベル上げに手間がかかる本作においてこの点は大きい。 オールボンテージは対象の頭・腕・脚部位全てを確実に封じ状態にできるフォーススキル。本作では封じの持続時間が短いため、全封じは1ターンしか保たない事も多いが、敵スキルはほぼ全てがいずれかの部位依存であるため、それらを確実に封じられるのは強力。発動の遅さがネックではあるが、レンジャーの「アザーズステップ(味方1人をターンの最初に行動させる)」と合わせれば弱点を打ち消せる。フォースを回復するアクセラ系のアイテムを大量に用意しておいて毎ターンダークハンターに使用し、常時フォーススキルを使用できるようにしておけばどんな敵であってもほぼ完封できる。さらにダークハンターは「対象が全封じの場合に威力が急上昇する」攻撃スキル「エクスタシー」も所有しており、オールボンテージで縛っておいて高火力のエクスタシーを放つという単純かつ強力な動きを無理なく行える。 本作ではFOEの条件ドロップに特定部位の封じを要求されることが多いので、そういった意味でも封じが得意な鞭ダークハンターの有用性が高くなっている。「三部位を封じた状態で撃破」などという、本職以外では非現実的な条件すらある。 アルケミスト 相手に非物理属性ダメージを与える「○○の術式」はどれも強いが、中でも無属性ダメージを与えるスキル「核熱の術式」が超強力。スキルLv5の核熱の術式は数百~千オーバーの大ダメージを与えられるうえに、無属性なので敵の属性耐性でダメージが減衰しない。前提スキルが厳しいため序盤に習得することは難しいが、中盤にこのスキルを完成させてしまえば表ダンジョンの攻略中はダメージソースとしてはまさに一強となる。 フォーススキル「超核熱の術式」は核熱の術式の全体攻撃版。フォーススキルなので連発こそできないものの、初期から習得しているのが何よりの強み。序盤の階層では、ゲージさえ貯めておけば通常では歯が立たないような遭遇時点のFOEを相手に一撃ないし瀕死まで一気に持っていってゴリ押すことができる。勿論ボス戦でも非常に有効。 核熱以外にも三属性攻撃スキルを簡単に揃えられるのは序盤ダンジョンの堅い雑魚敵やFOE戦で非常に有効で、特定の属性攻撃でとどめを刺す系等の条件ドロップを簡単にクリアできるようになるのも好ポイント。 弱点はスキルLvを上げると威力上昇に比例してTP消費も激しくなるため息切れしやすく、通常攻撃の弱さからそうなると何も出来なくなってしまうこと。そして致命的なのがダメージ式の計算上本編攻略中の終わり頃にはダメージが頭打ちになってしまい、それ以降は他職に追いつき追い越されてしまうこと。補助技を殆ど覚えず攻撃一辺倒のスキル構成であるため、ザコもFOEもHPが跳ね上がる隠しダンジョンでは戦力外になりやすくなる。所謂早熟型の職ではあるのだが、本編攻略段階ではいるといないとでは火力が全く違ってくるためやはり強職と言えるだろう。 カースメーカー ザコ戦では高確率で相手を眠らせる「睡眠の呪言」や、1ターン300ダメージ程度の毒を付与し最終盤のザコでも2~3ターンで確殺できる「病毒の呪言」が猛威を振るい、ボス相手には相手を全属性弱点に変える「変化の呪言」、自分のHPが低いほどダメージが上昇する攻撃スキル「ペイントレード」などで活躍できる。最大HPブースト済&現在HP1桁で放つ特化したペイントレードは通称「ペイン砲」と呼ばれ、敵を瞬殺する際に大きな助けとなる。 攻撃か補助一辺倒になりがちな本作のスキル環境の中で器用さ、幅広さという点では髄一で、どんなパーティに入れても仕事ができるのが強み。前提や準備が厳しく、気軽に使える訳ではないペイントレード以外で直接的な攻撃スキルが無く、デバフを打った後に暇になりやすいのが弱点ではあるが、世界樹の迷宮シリーズは伝統的にアイテムの効果が高いゲームなのでアイテム役に回る選択肢がある。 レンジャー 戦闘面では前作からかなり弱体化したが、探索スキルの「警戒歩行」の性能が超強力。スキルLv10ではエンカウント率の上昇率が極端に下がり、しかも効果時間は250歩と非常に長い。その強力さ故に「デバッグモード」と呼ばれることもあり、効果を切らさなければ1フロア分のマッピングを雑魚戦無しで完成させられたりする程。賛否両論点に記載のある、強制不意打ちを初めとした理不尽な雑魚戦に対する唯一にして最大の答えであるため、このスキルの有る無しではダンジョン探索の難易度が天と地ほども変わる。ある意味では前作の医術防御に近いかもしれない。 ダメージ床のダメージを軽減もしくは無効化する「警戒斥候」も優秀。今作のダメージ床は割合でHPが削られかなり痛いので、これを無効化できるのは大きい。もっともこのスキルはメディックも習得可能。 戦闘面では前述した「アザーズステップ」が何よりのウリ。素早さが低い味方のフォローや危機的状況からの立て直しなど用途が非常に広く、これが使えるだけ戦闘が非常に計算しやすくなる。前作に比べ前提スキルがかなり重くなり、早々には習得できなくなったが、それでも最優先で習得したいスキルだろう。なおスキルレベルを上げることで成功率が上がると説明されているが、実際はレベル1の時点でほぼ100%成功する。よってレベル上げはTP消費が増えるだけの罠。前作でも同じだったのでバグではなく仕様なのかもしれない。 弱点はやはり戦闘面。前作から火力が大幅に抑えられたためダメージソースとしては力不足。ただし状態異常付きの弓スキルを習得して補助に回る選択肢もある他、序盤で最強格の弓を手に入れる機会がありうまく入手できればしばらくの間はアタッカー顔負けの火力を出すことも可能。 逆に弱い職業は今作追加職であるペット。立ち位置としては攻撃や回復もできるタンクといった感じで、攻めにも回れるパラディンといった触れ込みだが、特に同じタンク職であるパラディンと比較すると使いづらい点が目立つ。 タンク職としては味方のダメージを庇う「忠義の心」や狙われ率を上げる「陽動」で味方の攻撃を引き付け、自身の高いHPと防御力をもってそれを受けるという動きになるが、前者はパッシブスキルである上に確率発動なため安定せず、後者はパラディンの「挑発」でも同じことができる上にあちらの方がダメージの軽減率が高い。 忠義の心で受けるダメージは「庇われる側のステータスに依存する(つまり自身の防具性能は無視され、かばった相手が低防御力であるほどダメージが大きくなる)」という困った特性があり、せっかく防御バフを持ってたり耐性アクセサリを付けやすい仕様なのにこれらを活かせないチグハグ間が目立つ。ペットの体力はかなり高いとはいえ、柔らかい職が多い本作で範囲攻撃を庇おうものならあっさり撃沈することも多々。 忠義の心のダメージを減らすには、庇われる側の防具、耐性を引き上げる必要があるが タンク職のダメージを軽減するために周りの仲間が防御を固める というのは本末転倒もいいところである。 何よりパラディンと違って三属性攻撃に対する対抗策を何も持たないため、クリア後に出てくる対策必須級の超火力属性攻撃を放ってくる敵に対応できない。これらの点でタンク職としては完全にパラディンに後れを取っている。 攻撃スキルは火力や攻撃範囲こそ悪くないものの全体的に命中に難のある物が多く、単純にアタッカーとしてなら他の前衛職に劣る。 フォーススキル「究極傷舐め」は戦闘不能を含む状態異常の完全回復とHP500前後の回復と弱くはないが、メディックの「超医術」と効果が丸被りであちらはHP完全回復なので事実上の下位互換とタンク以外の性能も今一つ。 比較的使いやすい運用法としてはパラティンと二重タンクにすることで、パラディンが挑発で受けたダメージをさらに忠義の心で肩代わりすることで負担を分散し、パラディンが属性ガードを発動するターンに第二の物理受け役として行動しつつ、普段はアタッカーとして運用するのが扱いやすい。しかし前後衛合わせて5枠しかない枠にアタッカー兼任とはいえタンク職で2枠埋めるのが効率の良い戦法かどうかは微妙なところ。 またメディックも、序盤はその回復性能が頼りになるが、後半はやや欠点が目立つ。 前作で壊れスキル筆頭だった医術防御が無くなり、攻撃性能もナーフされ前衛に立つのは難しくなったため「雑魚戦1ターン目にできることがほぼ無い」のが最大の欠点。今作で追加されたドクトルマグスは、回復性能こそ劣るが優秀なバフや攻撃技も持っている多芸な職であり、雑魚戦でも仕事は十分あるが、メディックは回復一辺倒でありできることの幅が極端に少ない。 正攻法で殴り合うしかない序盤ではその回復量で味方を支えてくれるが、後半の「敵に動かれたら負けなので封殺する」というバランスになると、一気に手持ち無沙汰になってしまう。対するドクトルマグスは今作屈指の強バフスキルを持っているためなおさらである。 バステ回復や蘇生スキルはドクトルマグスが持っていない個性ではあるが、蘇生はともかくバステについては「付着してから治すことしかできないのに、肝心の回復職がバステに罹って動けない」という事態も頻発し、信頼性が置けないという声も多い。強敵戦においてはメディックを配置せず、回復はアイテムで完全に代用し短期決戦で倒すという選択肢を取るプレイヤーも少なくない。 フォーススキルが活用しづらい。 前作で似たポジションであったブーストシステムに比べ、ゲージがかなり溜まりづらい。たいていの場合フォースが溜まり切る前にTP切れもしくは荷物が満杯になって帰還することになり、特に継戦能力の低い序盤は役に立つことが少ない。 前述の通り、全体的に「殺られる前に殺れ」バランスなため、戦闘ターン数が少なめなことも一因。 最も多い使われ方は「雑魚戦でひたすら防御してフォースを溜め、どうしても勝てないFOEやボス相手にぶっ放して速攻」という戦法。またごく一部の強敵に対する特殊な攻略で使われることもあるが、どちらにせよ意図して準備したうえでの話である。 フォーススキル自体はどれも強力であり、また上記の戦法も、FOEが強く厄介な位置に陣取っていることが多い本作では救済措置となっているのも確かである。ただ、せっかくの各職業特有の技がこれぐらいしか活躍の場が無いというのも少しもったいない。 武器による速度補正 世界樹シリーズでは「装備している武器の種類や、選択したアクティブスキルに応じて戦闘時の行動順にプラス/マイナス補正がかかる」という仕様が存在する。ただし、本作ではこの内の「武器による速度補正」の比重がかなり大きくなっており、装備している武器の種類によって行動順がほぼ決まってしまうほどである。一応、「アクティブスキルを使用してさらに速度補正をかける」「同じ武器種の中でも物によって速度補正に差があることを利用して微調整する」といったテクニックを使用してさらなるコントロールを行うことは可能。 非常に面倒なレベルキャップ解放の仕様 本作でのレベルキャップは「最初は70→70で引退後、新たに作成したキャラはレベルキャップが71に→そのキャラをLv71まで上げて引退→新規作成キャラのレベルキャップが72に…」という風に、「最大レベルで引退し、そこから新しく作ったキャラは最大レベル+1まで上げることができる」ようになっている。引退後作成したキャラはLv30でスタートするので、Lv99になるまでには「Lv70 ⇒ 引退(Lv30) ⇒ Lv71 ⇒ 引退(Lv30) ⇒ Lv72 ⇒ … ⇒ 引退(Lv30) ⇒ Lv99」という流れを繰り返すこととなり、膨大な経験値と時間が必要で非常に面倒。更にLv99まで上げた後、「Lv99で引退した際のステータスボーナス」を手に入れるためにもう一度引退する必要がある。これを手に入れるまではレベルキャップが上がること以外のプラス要素がないのも辛い点。 ただし、ゲーム内最強の裏ボスを倒すのにも1度引退してステータスを底上げしたLv71で充分といわれており、Lv99まで上げるのはほとんど自己満足要素に近く、やりこまない人には殆ど関係がない。 このシステムは不評であったため、次作以降は「特定のボスを倒すことで順次レベルキャップが10ずつ上がる」ように変更された。 ダンジョン構成 第二階層で出現するダメージ床や第三階層の滑る床、第六階層のワープなど、ダンジョンのギミック、またそれが登場するタイミングが全体的に前作を意識したような構成であり、良く言えばオマージュ、悪く言えばマンネリ気味である。 第6階層最初のフロアである26Fのギミックがほぼノーヒント。このフロアは階段を上ってまっすぐ進んだワープに乗ることで先に進めるのだが、先のエリアに行ってみても次の階への階段が見つからない。この時点ではマップの西側しか埋まっておらず、東側がぽっかり空いているので何か仕掛けがあるのは明白だがどうやっても西側から東側には行けない。 + 26Fのネタバレ 正解は最初のワープに 夜間に入ること 。宿屋で回復すると朝5時になる仕様のせいもあり、大体のプレイヤーは一回の探索を終えて次に探索を行う時は朝の時間帯になっていることが多い。西側エリアのみであればさほど広くないため昼間の内に街に帰還→朝まで寝るというループになりがちであり、事前知識なしだと詰む可能性の高いギミックである。 時間帯限定ギミック自体は第3階層でアナウンスによるヒント付きの夜限定ギミック、第4、第5階層で時間帯によりFOE配置が変化するギミックが登場している。 ただし前階層では時間帯限定ギミックということに気付かなくともそのFOEを倒してしまえば詰むことはないがこちらは気付かなければ打つ手なしという差異があり、また第3階層のものと比較しても、あちらは「夜になって凍ったから通れる」という納得できるものだったのに対し、こちらは「夜になるとワープ先が変わる」と時間帯との関連がない。 一応、宿屋のNPCとの会話で夜間に行くことを勧める話が聞けるのだが、ここまで攻略らしい会話を発したことのないNPCであり、かつ話の流れ的にもただの雑談にしか読めず、ヒントと言うにはかなり苦しい。 流石に不評だったのか次回作以降で入る時間帯によってワープ先が変わる仕組みは一度も実装されていない。 武具辞典 世界樹の迷宮シリーズでは伝統的に「モンスター辞典」「アイテム辞典」があり、この中身をすべて埋めることが完全クリアの条件になるのだが、本作のみこれらに加えて武器、防具、アクセサリ類が登録される「武具辞典」が存在し、完全クリアのためにはこれも完成させる必要がある。世界樹シリーズでは、武具類はモンスターなどから得られた素材を一定数売却することで店頭に並ぶ仕組みだが、本作ではその所要数が他作品と比べてもひと際多く、武具辞典を完成させるためにはかなり労力がかかる。 前作では通常の雑魚敵ドロップ品の必要数はせいぜい10個程度だったが、今作では多いものは30個も必要。FOEのドロップ品も複数個売却してやっと店頭に並ぶものもある。後半の迷宮ほど敵のドロップ率は下がっていくため、普通にプレイしているだけでは数が足りなくなることも多い。図鑑には残り素材数などのヒントは載っていないため、取りこぼしがあってもどの素材が何個不足しているのか、把握することは困難。 必要素材が複数種類ある装備の場合、片方の素材が所要数に足りていれば交易所のリストからもう一つの不足素材が確認できるが、両方足りていない場合や素材が一種類のみの場合はそもそもリストに表示されない。自力でこれらを完全に埋めるのは非常に困難で、攻略情報がほぼ必須である。 いちおう、敵ドロップ率を上げるスキルの性能自体は前作より向上しているのだが…。 前作でも、ある素材が30個もしくは50個必要という特殊な装備品は存在したが、裏ボスであってもこれらの装備が必須ということはなくほぼやり込みの範疇であり、そもそも武具辞典が無かったので完全クリアの条件ではなかった。 すべての武具が登録されるので完全に埋めた時の達成感もひとしおだが、自分のギルドメンバーでは装備できない武具のためにマラソンさせられることも往々にして起こり、どちらかというと作業感のほうが強い。 特に取りこぼしやすいのが、特定のFOEのドロップ品が複数必要になるもの。そもそも本作のFOEは厄介なうえに経験値が無いのでできるだけ相手したくないのに加え、面倒な条件ドロップほど複数個必要なものが多くパーティによっては非常に苦労する。 酷いものでは 迷宮内のFOEの総数より必要ドロップ数のほうが多い (つまり日数によるFOE復活待ちが必須)なんて装備すらあり、このためだけに宿屋に連泊して日数を進めなければならないこともザラ。 作製困難な装備は最終装備になり得る性能を持っているので、装備できるキャラさえいれば無駄になりにくいが…。 これも不評だったのか、以降のシリーズでは武具辞典は存在していない。 総評 前作のシステムやUIを大幅に改善し、システムの基礎を築いた作品。 他の作品より高難易度、バグ・不具合が多いといった難点もあるため、今までダンジョンRPGをしたことのない人がいきなり今作から始めるにはやや厳しい。しかし、ストーリー・システムが大幅に劣っているというわけではないので、世界樹の迷宮の楽しさを存分に味わうことができるだろう。 余談 『世界樹の迷宮』シリーズは人によっては「タイトルにもある『世界樹』を上へ上へ登っていく」ような印象を受けるかもしれないが、実は「迷宮を上に登る」のは珍しくこの作品と第5作だけである。 その後の展開 2014年には本作のリメイクである『新・世界樹の迷宮2 ファフニールの騎士』が発売された。 2023年2月9日に本作と『I』『III』のリマスター版『世界樹の迷宮 I・II・III HD REMASTER』が発表された。対応機種はSwitch/Win(Steam)で、2023年6月1日に発売された。 懸念されていた手書き地図の有無だが、携帯モードでのタッチによる描画、コントローラー操作での描画、Win版はマウスによる描画がサポートされていることが確定した。