約 1,941,020 件
https://w.atwiki.jp/kimo-sisters/pages/1547.html
211 名前:二人だけの世界に 1[sage] 投稿日:2012/06/26(火) 01 53 19.32 ID YAa1DaU3 「ふう……やっと、仕上がった……」 ちょうど時計の針の日付が変わった頃、自室の机で作業を終えて、ペンタブを置いてふっと息をつき、軽く背伸びをする。 高校二年の中里愛奈は『aizato』というペンネームで月に8ページほど、女子高生のゆるい日常を描いた漫画を連載している、先日、デビューしたばかりの4コマ漫画家。 幼い頃から絵を描くのが好きで、漫画家になるのが夢であった愛奈は去年、新人賞に応募して佳作を受賞し、現役の女子高生ながらもプロデビューしたのであった。 ゆるい日常系の漫画のイメージに違わない可愛らしいキャラを描く画力と『現役の女子高生漫画家』という宣伝文句でかなり注目を集めており、編集からも将来有望な新人と一目置かれている。 「でも、まさかこんなに早く夢が実現しちゃうなんてね……」 机に置かれていた自身の漫画が掲載されている雑誌を手に取って、自作に目を通し感慨に耽る。 幼い頃からの夢とは言え、流石に高校生でデビューできるなど夢にも思わなかったので、愛奈も未だにこれが夢なのでは無いのかと思うときもある様だ。 しかし、これは紛れも無い現実なのだ。 「うーん……後はこの原稿を編集さんに送って……って、もうこんな時間か……明日も学校があるし、早く寝て……と、その前にちょっとジュースでも飲んでくるか」 漫画誌を置いて、台所に行き、軽く喉を潤してから明日に備えて寝ることにする。 だが、誰もが羨む様な順風満帆に見える彼女には一つ、大きな悩みがあった。 「あ……」 部屋を出た所で、愛奈は弟の拓巳とバッタリ会い、一瞬見つめあった後、拓巳はバツの悪そうな顔をして目を逸らし、逃げるように愛奈の向かい側にある自室に引っ込んでしまった。 「はあ……また遅くまでゲームかしら……」 溜息を付きながら、弟の部屋のドアを少し見つめ、階段を下りて台所に向かう。 中里拓巳は愛奈の一つ下の弟で同じ高校に通っている……のだが……。 「たっくん……いつまで、ああしてる気なのかな……」 愛奈は冷蔵庫から取り出したジュースを飲みながら、憂鬱な気分で拓巳の事を考える。 彼女の弟、拓巳は現在不登校中で、ほとんど家に引き篭もっている状態なのだ。 拓巳は第一志望の高校に落ち、二次募集で愛奈の通っている高校に入学してきた。 彼も最初の内は真面目に学校に通っていたのだが、愛奈の通っている学校は元の第一志望の高校より学力的に大きく見劣りしているので、 授業のレベルが彼にとってはレベルが低すぎたという事と全般的に無気力な雰囲気が漂っている為、拓巳も段々学校に行く気をなくしてしまい、更に気弱そうな外見が祟ったのか、 イジメにあった事もあり、6月頃から度々学校を休むようになり、7月に入ってから完全に不登校になってしまった。 既に夏休みも終わり、10月に入ろうとしているが、一向に学校に行く気配が無い。 愛奈も何度か説得しているが、既にやる気をなくしてしまっており、何を言っても聞く耳ももたず、ひたすら自室に篭ってネットやゲーム、漫画に耽る毎日を送り、完全に引き篭もってしまっていた。 「どうしよう……?このままだと、出席日数まずいよね?何とか明日からでも学校に行かせる様にしないと……」 また可愛い弟と一緒の学校に行けると喜んだのも束の間、すぐに不登校になってしまい、完全に無気力になってしまった拓巳の身を愛奈は誰よりも案じ、最近は夜も眠れないくらいに愛奈も思い詰めていた。 元々、この家は両親が仕事で不在がちなため、姉である愛奈が家の事も一手に引き受けているので、拓巳の面倒も全て彼女が見ている様な状態であった。 「……何とかしないと……」 最早、口癖になってしまった言葉をぽつりと呟き、コップを置いて自分の部屋に戻っていった。 「たっくん、ちょっと良い?」 「……」 翌日――学校から帰ってきた愛奈がノックをして部屋に入ると、拓巳は愛奈に返事どころか、見向きすらせず、ただ生気を失った目でパソコンに向かいながら、ネットゲームを漫然とプレイしていた。 弟のその様子を見て、愛奈も心がズキリと痛む。 元々、内向的な拓巳であったが、最近は自分とも殆ど会話すらしないので、彼女の心は押し潰されそうになるくらい傷ついていた。 何か、怒らせるような事をしただろうか? どれだけ考えても思い当たる節が無く、自分との会話を拒否する拓巳に思い悩み、胃が痛くなるような思いをしていた。 212 名前:二人だけの世界に 2[sage] 投稿日:2012/06/26(火) 01 54 26.38 ID YAa1DaU3 あ、あのね。今日、たっくんの担任の先生からプリントを色々、預かっているから……これ。ちゃんと見といてね」 「……」 (はあ……) パソコンに向かっている拓巳に歩み寄って、鞄からプリントを取り出して差し出すが、彼は相変わらず気づいていない振りをしているのか、無言でモニターに向かってネットゲームを行っているだけであった。 「ねえ、たっくん。そろそろ学校に行かないと駄目だよ。今なら出席日数もまだギリギリ何とかなると思うからさ……」 恐る恐る、愛奈は拓巳に声を掛けるが、拓巳は一向に見向きもしない。 「ほら、たっくんを虐めていた子達ももう学校に来ていないって。だから、もう大丈夫だよ。もうすぐ中間試験も始まるし、たっくんなら学年トップだって余裕でしょ」 「…………」 愛奈も出来るだけ、優しく拓巳に説得を試みるが、拓巳は相変わらず無言のままであった。 拓巳を虐めていた子達が学校に来ていないというのは嘘ではなく、既に学校を自主的に中退して実際にもう学校に来ることは無い。 愛奈と拓巳の通っている学校は地元でも偏差値が低い高校なせいか、不良っぽい生徒も多いが、そういう生徒はすぐに中退していなくなってしまう。 なので、拓巳の様に急に学校に来なくなってしまう生徒もさほど珍しくはないので、他に拓巳の事を気に留める者もいなかった。 悲しい現状だが、拓巳はもうイジメ以前に学校の雰囲気に馴染む事が出来ず、廃人の様な生活を続けていく内に登校する気力を既に失ってしまっていた。 「行くのが怖いなら、お姉ちゃんが一緒に学校に付いていくようにしてあげるから……ね、お願い……」 愛奈は拓巳の肩に手を置いて揺すり、おねだりする様な口調で しかし、拓巳は何も言わず、マウスをクリックしているだけ。 「…………これ、置いていくからね」 流石に呆れたのか、愛奈は嘆息しながらプリントを机に置き、この部屋を出る事にした。 「あんな、動物園みたいな所、行きたくない……」 「えっ?」 愛奈がドアノブに手を掛けて、部屋を出ようとした所で、拓巳はモニターを見ながら消え入りそうな声でそう呟き、愛奈も振り向いて拓巳の背中を見つめる。 「……じゃあね」 何秒か見つめた後、何処か嬉しそうな声を出してドアを開き、部屋を出た。 「たっくん……」 何日、いや何週間ぶりだろうか?実に久しぶりに拓巳が自分に語りかけたので、愛奈も心から安堵し、ドアにもたれ掛かりながら、ホッと胸を撫で下ろす。 本当に嫌われてしまったのではないかと恐れていたが、自分の事が嫌いで学校に来たくない訳ではない様だという事――そして、何より拓巳の声が聞けた事が嬉しかった。 だが、拓巳が立ち直る為には自分が何とかしないと……。 「プロットでも考えるか……」 ここで考えても埒があかないので、愛奈は自室に戻り、気晴らしがてらに次の号で掲載する漫画のプロットを練り上げる事にした。 「……」 姉が出て、ドアが閉まった所で拓巳は無言で振り向き、愛奈が去った後のドアをじっと見つめる。 そして、愛奈への罪悪感で拓巳も胸が締め付けられ、吐き気がしそうになっていった。 愛奈は自分が引き篭もるようになってからも、決して自分をなじる様な事は言わず、今みたいに優しく学校に行くように説得してくれる。 だが、その姉の態度を見る度に、姉への罪悪感と劣等感で胸が痛み、却って彼女への心を閉ざす要因へとなってしまった。 自分が甘えているのはわかっている。このままではいけない事も十分、わかっている。 だけど、拓巳はどうしても家から出る気になれなかった。 (……もし、見捨てられたらどうしよう……) 今はまだこんな自分にも親身にお世話してくれるが、いつか愛想を尽かれて、出て行ってしまうかもしれない。 ましてや愛奈は既にプロの漫画家なのだ。こんな何の取り柄もない引き篭もりの弟をいつまでも面倒を見てくれるとは考えられない。 実は拓巳は彼女が連載している漫画を一度も見たことはないのだが、ネットでどの程度の評判かは調べていて、現役の女子高生という事でかなり話題になっていた上に、漫画自体の評判も良かった。 このまま売れっ子になってしまえば当然、卒業後は自立してこの家も出て行ってしまい、自分の事も見捨てられてしまうのは確実。 もし、そうなったら自分を庇ってくれる人も親身にお世話をしてくれる人もいなくなる。 両親は引き篭もりを続ける様なら、恐らく家から出て行けと言って、追い出されてしまうだろう。 そんな恐怖に怯えながらも、一歩踏み出す事が出来ず、再びモニターに目を向けて、気を紛らわすようにネットゲームに興じ始めたのであった。 213 名前:二人だけの世界に 3[sage] 投稿日:2012/06/26(火) 01 55 29.60 ID YAa1DaU3 「えっと、あの資料集は……」 翌日の放課後、漫画の参考資料を探すため、愛奈は地元の図書館に出向いていった。 学校の図書室では蔵書数が少ないため、資料探しには良く市立図書館を利用するようになっていた。 「あった、あった。後は……」 お目当ての資料を見つけた後、他に参考になりそうな資料は無いかと、漫然と本棚を見つめながら歩いていく。 そして、一冊のある本が目に入った。 「……ん?何、なに……『私はこれでひきこもりを脱出しました』……」 ふと、目についた本を手に取り、その場でパラパラと捲って目を通していく。 愛奈が手に取った本は長期間、ニート、ひきこもりをしていた人達が、どの様にしてそれを脱出していったかの体験談を綴った物であった。 拓巳を立ち直らせるきっかけがあるかもしれない―― 愛奈はどう思い立ち、藁にも縋る様な思いで、その本に目を通していった。 (うーん……どれもあまり参考になりそうにないな……) だが、読み進めていったのは良い物の、まだ高校生の拓巳が参考になりそうな体験談は無くかった。そして、しばらく読み進めていくととあるサブタイトルが目に付いた。 『不登校からの脱出――友達の支え』 ――!?これだっ! 本のタイトルを見た瞬間、食い入るようにその本を手に取り、読み進めていく。 この体験談は、本の主人公はやはり拓巳と同じ様に受験に失敗して、底辺の高校に入ってしまい、やさぐれて不登校になってしまったと書いてあった。 プライバシー保護の為に多少事実をぼかしていると注意書きが書いてあるとはいえ、実体験を基にしているのなら必ず何か糸口があるはずだ。 そんな彼が立ち直ったきっかけを作ったのが、幼馴染の女友達の存在。 同じ学校に通っていた彼女が、親身に彼の相談に乗り、まずは彼女が朝、彼に制服だけを着せて、そして一緒に校門まで強引に連れて行くなど徐々に慣れさせ、最後はめでたく不登校を脱出して、高校も卒業し、今はその幼馴染の女子と結婚して家庭まで持っていると言う。 「ふーん、何か漫画みたいな話……」 漫画家の自分がこんな感想を漏らすのも変な感じがしたが、この話自体は実際に漫画みたいに面白いとは思ったので、カウンターに行き、資料集と一緒にこの本も借りる事にした。 だが……。 「はあ……でも、この話は参考になりそうにないな……」 溜息を付きながら図書館を出て、先ほど借りた小説の表紙を見つめる。 不登校の子が治ったのは、幼馴染の彼女の支えがあっての事。 拓巳には支えてくる幼馴染や彼女など居ない。顔は童顔で姉の目から見ても悪くないとは思っているのだが、内向的な性格が祟って、女子の友達も皆無と言って良かった。 男の友達は勿論いたが、高校に入ってからは完全に疎遠になってしまい、今、行っている学校には仲の良い友達も居ない。 両親も仕事で不在がちなので、拓巳を献身的に支えてくれる人など誰も…… 「いや……私がいるじゃない……」 そうだ。いつもそばにいる姉の自分がやらなくて、誰がやるというのだ。 と、愛奈は思ったが、今までだって、少なくとも自分なりには拓巳を立ち直らせようと頑張っていた。 だけど、拓巳の心を揺り動かす事は出来ず、却って自分が説得する度に、益々内に篭ってしまっている様な気もしていた。 今までのやり方では駄目だ……他に何か良い方法は無いかと悩みながら、重い足取りで家へと向かう。 (そうだ。たっくんもこの本に出てきた子みたいに、彼女でも出来れば……) ふと、愛奈は思い立ったが、彼女を作らせると言っても、拓巳には親しい女子など居ないし、愛奈もこんな理由で友達を紹介するのも気が引けた。 「……それに、たっくんが彼女だなんて……」 拓巳が他の女と仲良くしている所を想像すると、何故か胸がずきりと痛みだす。 生まれてから、ずっと一緒にいた大切な弟。 そんな大事な拓巳を他の女に任すなど、出来るだろうか? (嫌……だよ……) 絶対に出来ない。たっくんは私の……私だけの……他の誰よりもずっと、私が大事に思っている。 214 名前:二人だけの世界に 4[sage] 投稿日:2012/06/26(火) 01 57 25.39 ID YAa1DaU3 でも、彼女でも作って拓巳に新たな生きがいを与えないと、すぐに立ち直るきっかけは作れないかもしれない。 出席日数は足りてるだろうか?確か、3分の1以上欠席したらアウトだと聞いた事があるので、今はまだ大丈夫だが、あまり猶予も無い。 でも、他に方法が思いつかない。たっくんに生涯を捧げる覚悟で親身に支えて立ち直らせる事の人物か。 今、拓巳に必要なのは一生を捧げる覚悟のある女性の存在なんだ。そんな人が何処に……。 「…………ふ、ふふ……そうだよ……ここに……」 そうだ、ここにいるじゃないか。拓巳をずっとそばで支えて、彼を導いてくる女性が。 彼が生まれてから、ずっとそばについて見ていた人が。 ぐるぐると目の回るような葛藤の中で、愛奈が導き出した答え―― 通常なら、まず出しえない方法であったが、拓巳の事を考えていく間に様々な感情が彼女の胸の内に錯綜していき、そのやり方しかないと結論付けてしまった。 それは愛奈の心が壊れた瞬間でもあった―― 「……たっくん、お風呂沸いたからそろそろ入ってー」 「……」 夕飯を食べ終わった後、自室のベッドで寝そべりながらテレビを見ている最中に愛奈に風呂に入る様に告げられたので、拓巳はむくっと起き上がり、部屋を出て浴室へと向かう。 いつも、夕飯の食器の片づけを終えた愛奈が先に風呂に入り、それからしばらく経った後に拓巳が入るので、入るのは少し夜遅くになる。 今日もいつもと同じ時間に、いつもと同じ様に愛奈に入浴を促されたので、言われるがまま、拓巳は風呂に入っていった。 (よし、入ったみたいね……) 愛奈はこっそりと浴室へと向かい、拓巳が風呂に入った事を確認する。 どうしよう……?いや、何を迷う必要があるのか。拓巳を立ち直らせる事が出来るのは自分しかいないじゃないか。 (そうだ……これはたっくんの為……たっくんの未来を守る為なんだ……) 彼女は改めて意を決し、浴室のドアの前に立って衣服を脱ぎ始めた。 ガラっ 「っ?なっ!」 拓巳が洗髪して頭を流し終わった直後、突然ドアが開いたので、振り向いてみると、そこには一糸纏わぬ姿で、少し頬を赤らめながら肌を晒して立っている姉の姿があった。 「……え?ど、どうしたの……?」 「えへ……ひ、久しぶりにさ……たっくんと一緒にお風呂に入りたいなって……思って」 「は、はああっ?ちょっと、何で急にそんな……」 あまりにも突然の事で困惑して固まっている拓巳を余所に、愛奈はドアを閉めて、拓巳の後ろに腰を落とし、風呂桶を手に持って自らの体に掛け湯をする。 (うっ……) その様子があまりにも色っぽかったので、思わず見入ってしまう。 愛奈の肌は珠の様に白くて、見るからにスベスベとした美しい肌をしており、胸の膨らみも恐らく同じ年頃の女子高生よりもやや大きく、腰のくびれも 今まで愛奈のスタイルなど気にもしたこと無かったが、その姉の美しいばかりの裸体に拓巳は視線を逸らす事が出来なかった。 「……くす……ねえ、たっくん。お背中流してあげようか?」 「ふえっ!い、良いよ……」 「ふふ……遠慮なんかしないで……ほら」 「あっ、ちょっと……」 愛奈は半ば強引に拓巳の背中に (うう……恥ずかしい……) 何とか追い出したいとは思ったものの、突然の事で頭がパニックになって何も言葉を出すことが出来ず、俯きながら、愛奈のされるがままにゴシゴシと丁寧に背中を擦られていく。 こうして姉弟で一緒にお風呂に入るのは何年ぶりだろうか?小さい頃は良く一緒に入っていた。だけど、何故急に……? 「……じゃあ、流すね?」 背中全体を丹念にスポンジで擦った後、愛奈は拓巳の背中を湯桶で流す。 「……もう良いでしょ、恥ずかしいから、いい加減に出てよ……」 「くす……えい♪」 「ちょっ!何だよ……!」 愛奈は拓巳の言う事を無視し、流し終わったばかりの背中に頬を預ける。 「たっくん、大きくなったね……この背中……前に見た時より、ずっと逞しくなってるよ……」 「い、一体なんなの?いい加減に離れて……」 ぎゅっ 流石に我慢できなくなった拓巳は愛奈を強引に引き剥がそうとするが、愛奈はそれを阻止するかの如く、拓巳の肩をぎゅっと掴み、更に乳房を背中に押し当てる。 (あ、愛奈お姉ちゃんの……お、お……) 巨乳という程ではないが、その背中からでも十分に感じとる事が出来る肌理細やかな肌触りとふくよかな感触に、拓巳に鼓動も自然に早まっていく。 愛奈の肌は手入れが行き届いているのか、本当にスベスベとしていて、触れているだけで頭がぽおっとなるぐらいに気持ち良く、その感触の虜になりかけていた。 215 名前:二人だけの世界に 5[sage] 投稿日:2012/06/26(火) 01 58 58.75 ID YAa1DaU3 たっくん……今まで、本当にごめんね……」 「は?」 「私、今までたっくんとちゃんと向き合っていなかった……たっくんが悩んでいる時も気を遣ったつもりっだんだけど、何処か一歩引いた態度で接していた……だから、こうなったのも私のせいなんだって、気づいた……」 「なっ!?そんな事……!」 (違う!何で、愛奈お姉ちゃんがそんな……) こうなったのは全部、僕のせいだ。僕が受験に失敗して、それで勝手にやさぐれて、学校に馴染もうともせずに、ふてくされて勝手に引きこもって……。 ただ、ただこんな自分が情けなくて自己嫌悪に悩まされ、それに苦しみ、しかも姉が高校生でありながら、漫画家デビューした事で、姉に対する劣等感や嫉妬も拭い難い程、 出てきてしまい、拓巳は愛奈にも心を閉ざすようになり、それが益々自己嫌悪を生み……といった具合で益々閉じこもってしまった。 「だから、どうしたんだよ……どうして、愛奈お姉ちゃんが……」 「私ね……もう、逃げないよ。たっくんともちゃんと真正面から向き合う事にした。だから……」 愛奈は拓巳から一旦、離れてすっと立ち上がり、 「これからはずっとたっくんのそばにいるよ……たっくんのそばにいて、ちゃんとお世話して、悩んでいることやして欲しい事があったら何でもしてあげる」 「あ、愛奈お姉ちゃん……?」 拓巳はふと、愛奈の方を振り向くと、愛奈は頬を赤らめて若干俯きながらも、自らの全裸を隠そうともせず、拓巳に見せ付ける。 元々、愛奈はおっとりとした目つきをしていたが、湯気に当てられているせいもあるのか、そのトロンとした目は立ち眩みがする程の色気を拓巳に感じさせていた。 「それが出来るのは……たっくんのそばにいてあげられるのは私だけだから……私しかいないから……」 拓巳が振り向いた所で、愛奈は拓巳の右手をすっと手に取り、そのまま左の乳房に押し当てる。 「ひっ……!」 初めて触る姉の胸。湯気で火照っているからかマシュマロの様に柔らかかった。 「ふふ……私の胸……良いよ……ううん、私の体、たっくんの好きにして良い……これから、私の全てはたっくんの……拓巳の物だから……」 愛奈は乳房に当てられている拓巳の手をぎゅっと握り、強引に掴ませる。 拓巳も自然に愛奈に添えられている乳房を揉み始め、姉の均整の取れた白く美しい裸体に目を奪われていた。 自分の姉の裸がこんなにも美しいとは想像すらしていなかったので、呆然と見惚けていたのだ。 「ふんっ……あっ……たっくん、もっと強くしても良いよ……ほら、もう一つの手も……」 「ね、ねえ、冗談はいい加減にしてよ!僕はもう出るから……」 愛奈がもう片方の手を握ろうとした所で拓巳も正気に戻り、慌てて手を離して立ち上がる。 そして、愛奈の元を横切ろうとした瞬間―― 「うわっ!うっ……!」 (えっ?な、何……?) 拓巳は愛奈に強引に壁に押し当てられ、気がついた時には愛奈の顔が拓巳の眼前にくっついており、そして唇には柔らかい物が接触していた。 「んっ……うっ、んん……」 (こ、これって……) 「ん、ちゅっ、んく……ちゅっ、ぷちゅっ、ん、ちゅっ……ちゅっ、んちゅ……」 愛奈は拓巳の肩に手を添えながら顎をくいっと上げて、ぎゅうぎゅうと拓巳の口を貪っていく。 拓巳もだが、愛奈に取っても初めてのキス―― 当然、愛奈も慣れている訳ではないので、ぎこちない舌使いであったが、それでも拓巳の体内に自分の愛を流し込むかの様に必死で舌を駆使し、唾液を絡めながら拓巳の口に吸いついていった。 216 名前:二人だけの世界に 6[sage] 投稿日:2012/06/26(火) 01 59 50.85 ID YAa1DaU3 ん、んちゅっ、んっ……ん、くう……ちゅっ、ちゅぷっ……ん、んく……」 「ん、んく…………」 あれから、数十秒は経っただろうか?ようやく、愛奈は拓巳から唇を離し、うっとりとした細目で彼を見つめる。 拓巳は呆然とした表情をして、自分を惚けた表情で見つめている愛奈を見ながら、固まっていた。 「……冗談じゃないよ……私、たっくんの事、好きだよ……多分、生まれたときからずっと……今日、やっと自分の気持ちに気づいた……」 「な、何だよ……どうしたんだよ、おかしいよ……」 「くす……うん、おかしいかもね。弟に対して、こんな事をするなんて……でも、良いの。私がたっくんのお嫁さんになって……たっくんを元気にしてあげるって、決めたから……私しかいないってわかったから……」 「……」 何処か焦点の合わない目をしながら、信じられない様な言葉を次々と口にしていく愛奈を唖然と見つめる事しか出来ない拓巳。 本当に狂っているのではないか?不登校の自分がそう思うのも少しおかしな気がしたが、今の愛奈が正気ではない事は誰の目にも明らかであった。 何故、こんな事に?自分のせいでおかしくなったのか?と、心で思って絶望的な気分が胸を支配しようとした所で、すかさず愛奈が、 「たっくんのココ……大きくなっているね……」 「ひっ……!」 姉の肌と今の濃厚な接吻で、いきり立っていた拓巳の肉棒を右手で優しくなぞると、拓巳も思わず体をビクつかせて、声を上げる。 「本気だよ……だからね……こんな事だってしてあげるんだから……」 愛奈はゆっくりとしゃがみ込み、拓巳の肉竿を手で握り、擦っていく。 「……ん、んん……どんどん、元気になっていくね」 「あう……ちょっと、もう……」 姉の柔らかい手で握られ、摩られている肉棒には、自分でするのとは比べ物にならないぐらいの心地良く、姉にされているという背徳感も混ざり合ってどんどん膨張し、先走り液が早くも滲み出てきた。 「ん、ん……はむっ……」 自分の手で気持ち良くなっている拓巳の一物が堪らなく愛おしく感じたのか、嬉しそうな目で見つめながら、パクッと口に含む。 「ん……ん、ちゅるっ……ん、ぶちゅっ……ちゅっ……」 (ああ……これがたっくんの……弟のおち○ちん……) 実の弟の肉竿を口で奉仕している事に、愛奈の心はゾクゾクする様な背徳感と興奮に見舞われ、手で押さえながら、本やネットなどで得た知識を元に口内で唾液と舌で竿を絡めながら無我夢中で擦っていく。 「ん、ちゅっ、んふう……じゅっ、じゅるっ、んちゅ……ん、むふう……じゅるっ、んちゅ、じゅる……」 「あ、ああ……」 口内で竿を嬲られ、途方も無い快楽に襲われながら、愛奈が自分の一物に口で奉仕している姿を、何が起きてるのかわからないといった顔で眺める拓巳。 ほんの昨日まで、愛奈が自分にこんな事をする素振りなど全くと言って良い位、見せていなかった。 (ああ、そうだ……これは夢なんだ……) 愛奈お姉ちゃんがこんな事をする筈がない。悪い夢でも見てるんだと、思った瞬間、 「ん、じゅるっ、じゅるっ、ちゅっ、んふう……ちゅっ、ちゅっ、ちゅっ、んふうっ……へへへ……たっくんのおち○ぽ、美味しいよ……ん、はむ……」 愛奈はそんな拓巳の気持ちを察したのか、肉棒を一旦口から出し、先端にキスの雨を降らせながら、ウラスジをゆっくりと舌で嘗め回していく。 これは夢ではない。いや、夢では味わえないくらいの気持ち良さを与えてあげる。今の愛奈はその一心でフェラチオを行ったいた。 「じゅっ、ちゅぷ……ん、ちゅるっ……ん、じゅっ、じゅる……」 初めてとは思えない舌使いヌルヌルとした口壁に絡みつかれ、拓巳の肉棒は瞬く間に射精に追い込まれていく。 「じゅっ、ちゅるっ……ん、ちゅぷ……ん、じゅるっ、んちゅ……ふふ……好きな時に出して良いからね……ちゅっ、はふ……じゅっ、じゅる……」 「あ、あぐう……」 悪戯っぽい笑みを浮かべながら、竿を軽く握り、先端部分から滲み出ていたカウパーを舌で舐めとった後、再び口に咥え、先程以上の勢いでスロートを開始する。 217 名前:二人だけの世界に 7[sage] 投稿日:2012/06/26(火) 02 00 36.92 ID YAa1DaU3 既に限界まで膨張していた肉棒は愛奈の口内の舌と口の粘壁との摩擦で、追い討ちを掛けるような猛烈な快感が全身をほとばしり、拓巳は立ちくらみを起こしそうになった。 「ん、じゅっ、じゅる……ん、ちゅっ、ちゅるっ、じゅるっ、ん、ん、じゅるっ……ちゅっ、んちゅっ、ん、んふう……」 (うっ……!もう……) 「ん、じゅっ、ん、ちゅぷ……ん、んふうっ……!」 愛奈が上目遣いで拓巳を見上げ、その可愛らしい視線にドキッとした瞬間、遂に愛奈の口内に精液が解き放たれた。 (ん、くう……これがたっくんの……ん……) 口内に何か妙な味の液体が放出されたのを感じて、すかさず顔を前に出して口の奥まで竿を飲み込み、放たれた拓巳の子種を一心不乱に飲み込んでいく。 そんな姉の様子を見て、益々胸が熱くなったのか、放たれる精の勢いは留まる所を知らず、どんどん愛奈の口内に吸収されていった。 「じゅっ、ん、んちゅう……ん、んんう……ん、んふ……」 「はあ……はあ……」 ようやく、射精が収まった後も愛奈はしばらく拓巳の肉竿をじっと手で掴み、口に含んだまま余韻に浸っており、愛する人の精の味を堪能していた。 「ん、んく……はあ……いっぱい、出してくれたね……嬉しいよ……ちゅ……」 ようやく、愛奈は肉棒を開放して満足気な顔で亀頭にキスし、その柔らかい唇が触れた触れた瞬間、体に電流の様な物が流れ出て体がビクっと震える。 「……ふふ、まだ満足できない?」 「は……?」 「遠慮なんかしなくても良いよ……私の全てはたっくんの物なんだから……」 と、俯きながら呟くと愛奈はすっと立ち上がって、浴室のドアの縁に手をついて、お尻を突き出す。 「な、何……?」 「わかってるんでしょ……?早く、たっくんのおち○ちん、私の膣中に挿れてえ……本当の意味で思いっきり愛し合おう、ね?」 「……」 愛奈は拓巳にお尻を突き上げながら、手で既に濡れそぼった秘書を指で開き、艶かしい視線と声で拓巳に一線を超えるように誘ってくる。 既に弟と関係を持つ事に何の躊躇いもなかった愛奈は、早く早くと餌をおねだりする犬の様な心境でお尻を振りながら、拓巳と性交する事を待ち望んでいた。 そんな変わり果てた愛奈の様子を呆然と、見ている拓巳。 「ねえ、早くう……お姉ちゃんのエッチなおまんこにたっくんのちょうだい……」 「あい……な……お姉ちゃん……」 愛奈が蕩ける様な声でおねだりをしているのを見て、拓巳の中で何かが弾けた。 「ねえ……きゃっ♪」 遂に我慢しきれなくなったのか、切れてしまったのか、拓巳は愛奈の腰を手で思いっきり掴んで、手で竿を掴み、愛奈の秘所へと突き当てた。 「はは……やっと、その気になったんだねたっくん……嬉しい……あふっ……」 もう完全に何かが壊れてしまったのか、無我夢中で先端を膣穴に突き当てて、一気に挿入しようと試みる。 夢か現実かというのもどうでも良い。とにかく目の前にいる盛った雌を犯すことで拓巳の頭は一杯であった。 「うっ、ああん……もっと優しく……あっ、やん……はっ、はぐああああああぁぁぁぁっっっ!」 愛奈がお尻をくいっと上げた瞬間、遂に拓巳の男根が愛奈の膣中に挿入され、処女膜を貫通する。 初めての証である破瓜の血が滴り落ちていき、遂に姉弟は超えてはいけない線を超えてしまった。 「ひぐううっっ!あっ、いたあああっっ……あっ、うぐあ……」 初めてであるにも関わらず乱暴に挿入されたので、予想していた以上の激痛に見舞われ、流石に苦悶の声を上げる。 だが、今の拓巳にはそんな愛奈の心境は知ったことではなかった。 「はぐっ……あっ、やああっ!そんないきなり、あっっ!はあああっっ!」 挿入してすかさず、本能の赴くままに腰を突き動かしていく拓巳。 218 名前:二人だけの世界に 8[sage] 投稿日:2012/06/26(火) 02 01 31.61 ID YAa1DaU3 まだ痛みが残る膣内で激しくいきり立った肉棒が激しく蹂躙していき、愛奈は快感とも苦痛とも取れない声を浴室内で張り上げていった。 「うがああっっ!はんっ!いや、そんな慌てないで……あっ、はんっ!あっ、はっ、はんっ……もっと優しくう……はっ、いたっ、はああああっっ!」 あからさまに苦しそうな顔をしている愛奈の髪の毛を拓巳は思いっきり掴んで、持ち上げながら子宮を思いっきりついていく。 愛奈のほうから誘ってきたんだ。だから、勝手な事を言うなと言わんばかりに子宮を男根で思いっきり突きまくった。 「ふはっ!あっ、ああーーっ!そうよっ!それで良いんだよっ!私の体はたっくんの……私の全部、あなたの物だからああっ!あっ、はあああっっ!」 まだ痛みはあるものの、拓巳が自分と体を重ね合わせてくれている事が何よりも嬉しく、愛奈は拓巳とセックスしていると言うこと自体に異様な興奮を覚え、ヨガリ狂う。 「はふんっ!あっ、はあああっっ!う、んああっっ!あっ、ああああっっ!」 (これが……これが愛奈お姉ちゃんの……) 次第に愛奈の体も出来上がってきたのか、拓巳の男根を包んでいる膣肉が徐々に締め上げられ、その柔らかい肉に締め付けられる快楽でますます、肉棒の摩擦が激しさを増していく。 「ふああっっ!たっくんの良いっ!良いよ……弟のち○ぽ……お姉ちゃんを犯しているうううっっ……はっ、うはあああっっー!」 更に愛奈はお尻を突き上げ、結合部から淫らな水を噴出しながら、腰を振りまくって実弟に淫らな様子をこれでもかというくらい見せ付ける。 もう、愛奈も拓巳も目先の快楽に完全に囚われ、繋がったまま果てる事しか考えていない。 「はふうう……あっ、ひゃんっ!あっ、うぐああっっ!あっ、はあああっっ!あっ、イク……そろそろ、イっちゃ……あっ、あああっっ!」 「くっ……」 愛奈の膣中の締め付けは益々厳しくなり、愛液とも絡み合って、拓巳の肉棒は二度目の絶頂を迎えようとしていた。 「うふっ……出すんだね……良いよっ!早く、私の……エッチな愛奈お姉ちゃんのおまんこに……いっぱい、いっぱい……はっ、うがあああーーっっ!」 「う……うわああああああああああっっーー!!」 「はぐっ、はっ、あっ、イクウウウウっっ!あっ、んはああああああぁぁぁーーーっっ!!」 拓巳は愛奈のお尻を掴んで絶叫しながらラストスパートを掛け、それからまもなく愛奈も嬌声を張り上げてお尻を突き上げ、ほぼ同時に達する。 「んああっっ!はっ、やあああああぁぁぁぁっっ……」 愛奈の子宮に先端を思いっきり突き当てて、精液をガンガン流し込み、愛奈も息を切らしながら、拓巳の精が胎内に溢れてくる感触を味わう。 膣壁で優しく包まれた肉棒から湧き出た精液は先程以上に愛奈の中に飲み込まれていった。 「はあ……はあ……たっくんの……私の中にいっぱい……はあ……」 「はあ……はあ……」 ようやく収まった後、拓巳も愛奈も繋がったままがっくりと腰を落とし、そのままの状態で息を切らして余韻に浸る。 男女の仲になれた事に愛奈は今まで感じたことの無い至福感で一杯になっていた。 「くす……たっくん……本当に良かったよ……」 「はあ……んっ……っ!!」 愛奈がドアの縁に手を付きながら、後ろで息を切らしている拓巳に優しく声を掛けると拓巳もハッと我に帰った。 「ふふ……どうする、たっくん?もう一回やろうか?たっくんの好きな様にして……」 「あっ……あ……」 「たっくん?」 拓巳は青ざめた顔をしながら体を震わせ、自分と愛奈が繋がっている部分にじっと目を向け固まっている。 「ねえ、どうしたの……顔色が……きゃっ!」 「……っっ!」 バタンっっ! 拓巳はすぐに肉棒を引き抜いて、目の前にいる愛奈を突き飛ばし、走って風呂から逃げ出す。 そして、そのまま部屋に駆け込み、拓巳はベッドに蹲ってしまった。 「あーあ……くす……たっくんたら、恥ずかしがり屋さん」 (でも、そんな所もとっても可愛い) 愛奈は慌てふため拓巳を見て、心底穏やかな顔をして微笑む。 あんな姿も今の愛奈には堪らなく愛おしく感じていたのであった。 219 名前:二人だけの世界に 9[sage] 投稿日:2012/06/26(火) 02 02 44.58 ID YAa1DaU3 「起きて、たっくん……朝だよ……」 「ん……」 ゆさゆさと体を揺すられ、目を開けると、愛奈が穏やかな笑顔を浮かべながら、拓巳の事を見下ろしていた。 「くす……やっと、起きたね」 「…………っ!」 しばらくボーっとし、目が覚めた後、すぐに飛び起きてベッドから後ずさる。 「あっ、あ……あ……」 「?どうしたの、たっくん?そんなに青い顔をして……」 「え……?あ、いや……」 きょとんとした表情を見せ、首を傾げている愛奈を見て、ハッと落ち着きを取り戻す。 (夢……だったのかな……?) まじまじと制服姿に着替えている愛奈を見つめる。見た所、愛奈にいつもと変わった様子は無い。 毎朝、このぐらいの時間になると起こして学校に行くよう促し、拓巳がベッドに蹲ったまま無視していると、溜息を付きながらすぐに諦めて学校に行く。 これがここ最近のパターンであった。 「もう……急に慌ててびっくりしたじゃない……」 「ご、ごめん……」 少し呆れた様子の愛奈を見て、思わず謝罪して顔を逸らす。 (何だ夢だったのか……) その愛奈の顔を見てそう思い、ホッと一息つく。 良かった……あんな事、実際に有り得る訳無いじゃないか。と、必死で言い聞かせ、いつもの様にベッドに蹲ろうとした所、 「さ、そろそろ朝御飯にしようか」 拓巳の肩を手で掴み、朝食に誘おうとしたが、拓巳は無言でそれを払いのけ、また掛け布団に潜り込もうとする。 「くす……台所まで行くのが面倒なんだよね?だから、今日はここまで二人分の朝食を持ってきてから……」 (え?持ってきた……?) いつもとは違うパターンの言葉を聞いて、一瞬振り返る。 普段は朝食に限らず、夕食も愛奈が食べ終わって、しばらくしてから台所に行き、ラップに掛かっている食事を一人で食べている。 それなのに、今日になって何故……と、不審に思った瞬間―― 「……んっ!んんっ……!」 拓巳が自分に顔を向けた所ですかさず愛奈は拓巳の肩に手を添え、拓巳の唇に柔らかい物が接触してきた。 「ん……ん、んふっ!……っ!な、何を!?」 すぐに拓巳は愛奈を引き離すと、愛奈はもじもじと照れくさそうな顔をしながら、 「えへへ……私とたっくんはもう恋人同士なんだから、このくらい普通でしょ?」 「は……?」 その言葉を聞いて、再び全身から脂汗が滲み出て、呼吸が荒くなっていく。 「夕べ、お風呂場で……あんなに愛し合ったんだもん……あは……弟とこんな関係になっちゃうなんて、バレたら私も学校に行けなくなって連載も中止になっちゃうかも。でも、たっくんと一緒なら別に構わないかな……」 愛奈は拓巳の体に擦り寄り、指で胸の辺りをなぞりながら、甘える様な口調で呟いていく。 「昨日の事……もしかして、まさか……」 「うふふ……ちゅ……さ、早く朝御飯食べよ。今まで気が利かなくてごめんね。こうやって、私がこの部屋まで持ってきて食べさせてあげれば良かったんだよね」 頬に軽くキスした後、愛奈はテーブルに並べてあったスープの入れてある皿を取り出し、蓮華ですくって、 「はい、あーん。お姉ちゃんがたっくんに全部食べさせてあげるからね」 無邪気な笑みで拓巳の口に持っていくと、拓巳はガタガタ震えながら、その愛奈の異様な様子を見つめる。 「ねえ、どうしたの……?昨日からずっとおかしいよ……何があったのか教えてくれよ」 震えながら、哀願するように訊ねると、愛奈はニコリと微笑み、 「私、ずっとたっくんのそばにいてお世話するって決めたの。今まで本当にごめんね。不安だったんだよね?私が何処かに行っちゃうんじゃないかと思って。 でも、もう大丈夫だよ。私はたっくんの伴侶になって死ぬまで支えてあげるって、決めたから……」 220 名前:二人だけの世界に 10[sage] 投稿日:2012/06/26(火) 02 04 17.81 ID YAa1DaU3 「違うっ!そんな事思って……」 いや、思っていた。愛奈に見捨てられたら、自分はどうなるんだろうと?死ぬしか無いんじゃないかと思い詰めていた。 だけど、そんなのは勝手な甘えだと自分でもわかっていた。 ましてや、こんな関係になりたいと望んだ事は……。 「これからはたっくんの好きな事、何でもしてあげるよ。学校に行きたくないって言うなら行かなくて良い。もちろん、一緒に行きたいけど、私はたっくんの嫌がる事はもう無理にはしないからさ……」 「違う!違う!そんな事、思ってない!僕は……そんなこと……」 「……」 愛奈から出る異常な雰囲気を肌で感じ、目に涙を浮かべながら必死で否定する拓巳を見て、愛奈は蓮華を一旦、スープの入っている皿に置き、 「大好きだよたっくん……怖かったんだよね……だから、ずっとお姉ちゃんがそばにいてあげるからね……」 拓巳を優しく抱きしめて、頭を撫で赤ん坊をあやす様な声で拓巳を包みこむ。 「ち……違う……」 その愛奈の異常なまでの優しさは今の拓巳には恐怖の対象でしかなかった。 何で、こんなおかしくなったのか?自分が学校に行かなくなってしまったからか? 愛奈を邪険に扱ってきたからか?考えれば考えるほど、思い当たる節が出てきて、罪の意識で狂いそうになっていく。 「もう、止めてくれっ!」 拓巳は遂に耐え切れなくなり、愛奈を思いっきり突き飛ばして、引き離す。 「…………ふふ……じゃあ、そろそろ行くね。食器は台所に置いておけば良いよ。帰ったら私が片付けるから」 愛奈はすっと立ち上がり、制服のリボンを整えて、鞄を手に持つ。 「あ、今日は放課後、編集さんと打ち合わせがあるからちょっと遅くなるんだ。本当にごめんね。それじゃ、行ってきます」 愛奈はそう告げて軽く拓巳にキスした後、軽く手を振って退室し、拓巳を一人残し学校へと向かった。 バタン 「…………うっ……う、う……」 閉められた部屋の扉をしばらく呆然と見つめた後、拓巳はベッドに崩れ落ち、そのまま涙を流す。 自分のせいで姉がおかしくなってしまった。その罪の意識に押し潰されそうになり、ベッドから動くことが出来なかった。
https://w.atwiki.jp/everfree/pages/41.html
新ジャンル『世界に二人』のSSでございます やっと更新しました(´・ω・`;) 『世界に二人』前編 『世界に二人』後編 『世界に二人』後日談 『世界に二人』番外編 お楽しみください
https://w.atwiki.jp/everfree/pages/42.html
1とは別のスレ住人が書いた『世界に二人』でございます。 まずは『世界に阿部さんと二人』(藁 56 :愛のVIP戦士 :2007/02/03(土) 23 14 17.35 ID uotA/v2n0 よし!俺も≫1に負けじとがんばるぞぉ!! ~世界に阿部さんと2人きりになったようです~ ちゅんちゅんちゅん・・・ ふわー今日もいい天気・・・どれ、朝の太極拳にでも行くか・・・ と、眠たい眼を歯磨き粉で開眼させる私は、今年で20になる、花の女子大生、 趣味は上記の通り朝の太極拳。 私「さーて、今日も気の力を体いっぱいに蓄えてくるか~」 とアパートのすぐ隣の公園に向かう私・・・ 63 :愛のVIP戦士 :2007/02/03(土) 23 19 28.46 ID uotA/v2n0 私「んー、やっぱり朝は静かで良いわねー」 と、道路を挟んですぐの公園へ向かう私。 でも、いつものように聞こえてくるあの音楽が流れてこない・・・ 私「あれ?今日は太極拳休みかな?」 とりあえず、公園に入ってみると、いつもならうじゃうじゃいる老老男女がいない。 私「やっぱり休みかー、仕方ないコンビニいって立ち読みでもするか」 と、私の足は500mほど先のコンビニへと向かった。 65 :愛のVIP戦士 :2007/02/03(土) 23 23 25.74 ID uotA/v2n0 コンビニへ向かう私、でもやっぱりおかしい、今日太極拳休みだなんて昨日言ってなかったし てか、いくら朝にしてもこんなに静かじゃない・・・私の住んでるところはそこそこ 都会だし、一日に数えるほどしか車の通らない田舎とは違い、車が走らない時間帯はないはず・・・ 私「わたし、夢でも見てるのかな?」 とにかく、コンビニまで行けば人がいるでしょ! 69 :愛のVIP戦士 :2007/02/03(土) 23 27 36.83 ID uotA/v2n0 コンビニへと歩みを進める私・・・と、歩道の横のベンチに人がいた!! , ´  ̄ ̄ ` 、 i r-ー-┬-‐、i | |,,_ _,{| N| "゚ ` {"゚`lリ ・・・・・・・・っち ト.i ,__ _ ! /i/ l\ ー .イ|、 ,.、-  ̄/ | l  ̄ / | |` ┬-、 / ヽ. / ト-` 、ノ- | l l ヽ. / ∨ l |! | ` | i / |`二^ l. | | <__,| | _| |.|- \ i / ,イ____!/ \ .| {.| ` - 、 ,.---ァ^! | | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄l __{ ___|└―ー/  ̄´ |ヽ |___ノ____________| }/ -= ヽ__ - ヽ -‐ ,r ゙ l | __f゙// ̄ ̄ _ - |_____ ,. -  ̄ \____| | | -  ̄ / | _ | ̄ ̄ ̄ ̄ / \  ̄| ___`\ __ / _l - ̄ l___ / , / ヽi___.|  ̄ ̄ ̄ | _ 二 =〒  ̄ } ̄ / l | ! ̄ ̄| _______l -ヾ ̄ l/ l| |___| 72 :愛のVIP戦士 :2007/02/03(土) 23 31 00.51 ID uotA/v2n0 なんか私は嫌われてるみたいだ・・・話しかけずにとりあえずコンビニへ いこう・・・ あった・・・でも・・・・ええっ?なんで?ねぇ?・・店員さんがいない? 明かりがついてるんだからやってるよね?ね?なに?どっきり? 訳がわからなくなってきた私はとりあえず家に帰ってTV見ることに決めた・・・ 多分夢なんだ・・・これは・・・・ 74 :愛のVIP戦士 :2007/02/03(土) 23 35 48.61 ID uotA/v2n0 正直よくわからない、何でこんなに静かなの?そういう法律でも出来たの? ああーー!!とにかく家いこう!私は走った、さっきのベンチの人にまた舌打ちされたけど家いこう!! はぁっ、はぁっ・・・家に着いたわたしは玄関も閉めずとりあえずTVをつけた!! テレビなら・・・テレビなら何かしらの情報をくれるはず・・・!! ぷちっ・・・ 『やりなさい・・・やりなさい・・・やりなさい・・・」 はっ???????????ぷちっチャンネルを回す私、 『やり・・・や・・やりな・・・やりなさ・・」 ???????????????????なにこれ?なにこれ?なにこれ?? どうやらここまでのようです。誰か完結させてくれる方いませんでしょうか(笑) 次は1とは別のスレ住人が書いた『世界に二人』の後日談でございます。 597 :愛のVIP戦士 :2007/02/06(火) 02 13 35.49 ID /CYxlue8O ~厨的番外編~ ディンドゥーン ガチャ 女「おい~すっ!」 男「よっ、さあ、入れよ」 女「おじゃましま~す」 部屋にて 女「なんだろ、少し懐かしい気がする」 男「ははっ、あっちの世界ではこの家に泊まったからな」 女「そういえばアンタそんなこと言ってたね」 男「そうそう、ついでにあの猫もな」 女「ははははは、それってよく考えるとちょっとした修羅場だよね」 男「確かにな」 女「それじゃ、今日は泊まっていっていいんでしょ?」 男「な、何言って!!!」 女「くすっ、かぁわいい。今夜はお姉さんがじっくり指導してあげるね☆」 男「っ!!!!!!」 女「ははは、赤くなっちゃって。やっぱりかわい~い」 598 :愛のVIP戦士 :2007/02/06(火) 02 14 15.91 ID /CYxlue8O 女「それじゃお風呂いただきまっす!」 男「いってらっしゃい」 女「覗くなよ~」 男「覗かないよ!!!」 女「そんなこと言っといて、あの時は覗いたくせに~」 男「なっ!!! あれはタオルを置きに………って、え? 君今… 終わり ではでは☆
https://w.atwiki.jp/everfree/pages/21.html
新ジャンル『世界に二人』 ある日突然自分以外誰もいない世界にやってきてしまった『男』… そこで『男』は『女』と出会い… 世界 世界2 世界3 世界4 世界5 世界6 世界7
https://w.atwiki.jp/everfree/pages/39.html
304 :愛のVIP戦士 :2007/02/05(月) 09 12 43.19 ID I6GK1gqOO 翌朝 男(ん、朝か。あたまいてぇ、飲み過ぎたか) 女「起きた?おはよ」 男「おわっ?!なんで横で寝てるんだよ!部屋に帰ったじゃん!」 女「さぁー、あたしも随分酔ってたから、全然記憶にないのよ、本当」 男「んじゃあれも、酔った勢いか…」 女「え?なんのこと?」 男「うんにゃなんでもない。今日は、出かけるか。デートでもすんべぇ」 女「うん。解った!なんか、キャラ変わった?」 男「さぁ、どうだろ?んじゃ、とっとと朝飯食おう」 305 :愛のVIP戦士 :2007/02/05(月) 09 24 47.06 ID I6GK1gqOO 男「しっかし妙だよなぁ。なんでドラマやアニメなんかは映るくせに、ニュースは見れないんだろ?そもそも誰も居ないならテレビなんか映らないし、電気水道ガスもダメになる気がする。」 女「…解らない」 男「そっか、そりゃそうだよね。しかし、この世界がなんなのか知らなくちゃいけないし、あわよくば脱出しなきゃだしなぁ。気楽なのもいいけど、やっぱり気味悪いし」 女「う、うん」 男「どした??具合悪いの?」 女「ううん、んじゃ、着替えてくるねっ」 男「お、おう」 307 :愛のVIP戦士 :2007/02/05(月) 09 34 03.54 ID I6GK1gqOO 男「さて、出かけますかね。どこいこっか」 女「あたし、服がみたい~」 男「んじゃ一旦街に出るか、お前の仲間もいるかもにゃ?」 猫「にゃー」 女「その子つれてくの?」 男「そりゃそうだ。大事ななかまじゃん」 女「変わったね」 男「?」 女「なんでもない。今日はにけつでいこっ、デートでしょ?」 男「おう、んじゃ行くかっ!」 女「ごーごー」 308 :愛のVIP戦士 :2007/02/05(月) 09 38 23.89 ID I6GK1gqOO 女「にけつなんかしたことあるのー?」 男「モテてた時期はあったといったべ?付き合いこそしなかったけど、こゆことはしたよー」 女「ふぅーん。んじゃ、これは?」 ぎゅっ 男「うわ、胸、胸当たってる」 女「はっきり言うなぁ~君は。面白い~」 男「やめろ、コケるって、やばいって!」 女「はいはい、安全運転心掛けてね」 男「はぁ、焦った。(やっぱり、結構ある)」 女「すけべー」 男「は?!」 女「図星かぁ~、ぁぁやらしい」 男「ハメられたぁ!!」 309 :愛のVIP戦士 :2007/02/05(月) 09 48 55.70 ID I6GK1gqOO 男「アンタも、結構男慣れしてる感じだねぇ。結構付き合ったり?」 女「いやぁー、実際一人だけだよー。前言ったとおり、やってないしね~」 男「げ、下品じゃないか!」 女「なんか初々しいやつだな、君は」 男「アンタが変な事言うからだっ!」 女「抱きたくなった?」 男「知らん!真っ昼間からなんなんだか」 女「ぇーひどーい」 男「ひどいのはアンタだ!」 猫「にゃー?」 313 :愛のVIP戦士 :2007/02/05(月) 10 48 24.60 ID I6GK1gqOO 男「とうちゃーく」 女「よっし、買うぞー」 男「いやいや、盗るでしょう、アナタ」 女「まぁそだね」 男「まぁ、怒るやつも居ないべや、とってけとってけ」 女「やった、ちょっと付き合ってよ?」 男「これがめんどくさいから付き合いたくないんだよ…」 女「いーからいーから、デートって言い出したのは君でしょ?」 男「あいよ、了解了解」 314 :愛のVIP戦士 :2007/02/05(月) 10 56 12.51 ID I6GK1gqOO 女「これなんかどう?」 男「ぁー似合う似合う」 女「これは?」 男「ぁー似合う似合う」 女「これはっ?」 男「ぁー似合う似合う」 女「全部いただきますー」 男「俺の意見どうでもよくない?」 女「女の子ってのはそーゆーもんなの。解る?」 男「なんなんだか」 女「ま、君には難しいかもね、乙女心は」 男「人の心って、他人には解りづらいと思うけど?」 女「ま、そうかもね~。んじゃ、君の服を探しに行こうっ」 男「う、うん」 318 :愛のVIP戦士 :2007/02/05(月) 11 59 51.28 ID I6GK1gqOO 男「これでいいや」 女「えー、そんな簡単に。こっちのがいいよー」 男「いや、機能性を重視してだね」 女「着飾ればかなりカッコいいのに」 男「褒めても何も出ない。ただ、たまにはこゆのもいいかもね」 女「素直じゃないなぁー」 男「うっさい!」 320 :愛のVIP戦士 :2007/02/05(月) 12 36 36.06 ID I6GK1gqOO 男「昼飯食おうぜ~」 女「うっしゃ。なにたべよう。」 男「せっかくだし高いもん食べようぜ」 女「んじゃ、お寿司でも食べよっか」 男「おう」 … 男「ない。寿司が回ってない。」 女「それどころか、他のレストランもなにもないよ。おかしいよ」 男「いや、よくよく考えたら、あった方がおかしいんだよね。なんであったんだろ。コンビニや、マックには。」 女「解んない。ここにもマックはあったし、そこで食べよう」 男「おう。いつか身体壊しそうだね」 女「仕方ないよ」 321 :愛のVIP戦士 :2007/02/05(月) 12 40 25.00 ID I6GK1gqOO 男「なかなか旨いなぁ。そういや、結構前にメガマックってあったよね、ありゃ笑ったわ」 女「何年前の話よ…。あの頃はハンバーガーも一個一個人が作ってて、学生のバイトにうってつけだったね。」 男「今や全自動、居るのは接客役だけ、って感じだもんなぁ」 女「便利な世の中になったよねぇ、本当」 男「うん。…なんかひっかかるけど」 女「なに?」 男「うんにゃ、解らないけど、なにかが解りかけてる」 女「ふぅーん。」 323 :愛のVIP戦士 :2007/02/05(月) 12 49 06.97 ID I6GK1gqOO 男「お、ゲーセンはやってんだ」 女「うわぁー、かわいい」 男「うっしゃ、取ってやるよ、金の使い道無さそうだだしね」 女「頑張って!」 … 男「いやだからあれはアームが弱くてだな」 女「そゆ言い訳はいいから」 男「何故キレてる」 女「キレてないっすよ」 男「何年前のネタだよ、懐かしいなぁ」 女「だねぇ。ぁ、プリクラでもとろっか」 男「プリクラなんか、初めてだなぁ」 女「早く早く」 324 :愛のVIP戦士 :2007/02/05(月) 12 57 52.12 ID I6GK1gqOO 女「ん~どしよ、明るさはこんな?壁紙こんなで」 男「こんなめんどくさいのかぁ、よくあんなにとるね、女の子は」 女「乙女心は複雑よ~」 男「なんかおかしくね?なんかちがくね?」 女「はいはいとるよ」 男「何回とるの?」 女「八回位?」 男「んなポーズ考えられないよ」 女「はいはい次々」 男「次はどしよ」 女「こっちむいて」 男「?」 女「ちゅー」 男「な、なにを!」 女「ちゅーぷりー。やりぃ」 男「ちゅーぷり撮ったら別れると聞いた事が」 女「付き合ってないんだからいいんじゃない?はぁー面白い、顔真っ赤っか」 男「あぁぁ!うるさい!」 325 :愛のVIP戦士 :2007/02/05(月) 13 15 50.88 ID I6GK1gqOO 女「ぁ~、君可愛く写ってる。」 男「うるさい。本当止めてくれ」 女「はい、半分あげる」 男「お、おう」 女「一応もらうんだぁ」 男「…」 女「どうしたね?」 男「いや、なんでもない。本屋でもいかね?」 女「そだね、読みたい漫画あるし」 男「よっし、行こう」 329 :愛のVIP戦士 :2007/02/05(月) 13 48 35.93 ID I6GK1gqOO 男「やっぱり週刊誌の情報系がないよ。ちょっと期待してたんだけど」 女「でも漫画とかはあるね。最新刊だし」 男「おかしい。ジャンプとかでも、情報ページがない。全く。漫画しかない。」 女「情報が完全に入って来ないってこと?」 男「そうみたいだね。本当に、良く解らんね。なんなんだ、この世界は。」 女「とりあえず暇潰しに、何冊か持って行きますか」 男「そだね」 330 :愛のVIP戦士 :2007/02/05(月) 14 05 24.14 ID I6GK1gqOO 男「なんでだ、なんで情報が遮断されてるんだ?よくよく考えればニュースに新聞、広告。世界の状態が全く解らない世界じゃんか」 女「ん、そだね」 男「やけに冷静だね。やっぱり、知ってた?探しても情報は見つからない事」 女「うん、まぁ三日の内に結構見てたから。まぁ、自分で探した方がいいと思って教えなかったけどね」 男「他に何も隠してない?別に怒らないよ?」 女「いや、あたしも解らない事だらけ。出た結論は、君と同じ。ここは、元の世界に干渉出来ない世界、って事。気になるのは、あっちの世界であたしたちがどうなってるのかな、ってこと。」 男「確かに。いや、あっちの世界?もしかしたら、それがこの世界かもしれないじゃん。別に世界を移動した訳じゃなくて、世界自体がこうなっちゃったと」 女「そうだったら、もう戻れないってことじゃない!希望が少しでも持てる考え方しよう?」 男「そっか。まぁ、本当解らないしね。いい方に考えようか。」 女「うん」 男「となると、原因と帰り方だよな、残る疑問は」 女「うん」 男「探そう。なにかしら、あるかもしれない。」 女「…うん」 334 :愛のVIP戦士 :2007/02/05(月) 14 45 41.69 ID I6GK1gqOO 男「買いたいもん買ったし、帰るか」 女「盗りたいもん、じゃない?」 男「そうだったね。まぁいい、帰ろう帰ろう。明日どうしよっか」 女「あたし、海をみたい。なんか、無償に。」 男「海ぃ?となると、となり街になるね。結構かかるなぁ」 女「むしろ、今から向わない?今あるもんで、旅は出来るよね」 男「だね。んじゃ、ちょっくら旅に出ちゃいますか!」 女「おー!」 335 :愛のVIP戦士 :2007/02/05(月) 14 53 44.67 ID I6GK1gqOO 男「当然ながらチャリなの?バイクが欲しいよ」 女「運転出来るの?」 男「まぁね。持ってはないけど」 女「ふぅん。んじゃ、ちょっと待ってて~」 男「?」 … 男「ちょっとどころじゃない。一時間は待ってる。」 女「ごめんごめん、はいバイク。」 男「かっけええ!ってか、どっから?」 女「んとー、そこらのバイク屋。うち、ここに近いの、だから知っててさ、ここら辺は。」 男「へぇー。ま、サンキュー。んじゃ、行きますか」 女「うん!」 336 :愛のVIP戦士 :2007/02/05(月) 15 13 42.51 ID I6GK1gqOO 男「今日はどこまでいくかぁ」 女「いけるとこまでいって、ホテルがあったらとまろう」 男「ホテル…」 女「君、変な考えしないの!すけべ!」 男「違う!そんなんじゃないやい!」 女「やーい、ムキになってんのー。ほら、安全運転安全運転。」 男「うっぜー。なんなんだか。」 女「風が気持ちいい。涼しいわぁ」 男「そだなぁ。なかなかいいバイクだし。」 女「ね。ま、ガソリンもスタンドでもらえばいいんだし、全然余裕だね」 男「いこーぜ、二人たびぃ!」 女「がんがんすすめー」 339 :愛のVIP戦士 :2007/02/05(月) 15 21 21.23 ID I6GK1gqOO 男「結構きたね。あそこにホテルあるし、あれでいっか」 女「ん、オッケー。ラブホ選ばないとは流石童貞。」 男「アンタも処女だろうが」 女「うわ、きれー。超高級ってやつ?」 男「スルーですか。よし、おいでねこ、ついたよ」 女「すっかり忘れてた」 猫「ふしゅー」 男「怒ってますよ?」 女「ごめんごめん」 340 :愛のVIP戦士 :2007/02/05(月) 15 37 54.26 ID I6GK1gqOO 男「ここのレストランもダメだね。コンビニが近くにあったな、とってくるよ」 女「うん、あたしカップラーメンたべたい」 男「あいよー」 女「いってらっしゃい」 …… 男(流れとは言え、旅か。まぁ悪くないな) 男(しかし、家からホテルになっただけで、めっちゃ焦ってる自分) 男(悟られたら面倒だし、隠さなきゃな。ヌいとくか?いやまさかな) …… 女「にゃー」 猫「……」 女「なんであたしはダメなの?!」 342 :愛のVIP戦士 :2007/02/05(月) 16 16 30.71 ID I6GK1gqOO 男「ただいま」 女「おかえり」 男「なにやってんの?」 女「いやさ、猫が懐かないから、困ってんのよ」 男「ぁーはいはい、ダメだよ、猫は心から愛さなきゃ」 女「意味分からない」 男「にゃー?」 猫「にゃん」 女「なんでなんでなんで!!もう、とりあえずお風呂入ってくるね。」 男「にゃーい」 344 :愛のVIP戦士 :2007/02/05(月) 16 26 03.01 ID I6GK1gqOO 男(やっぱり落ち着かない。変な事考えちゃ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ) 男「どうするよ、にゃ?」 猫「にゃっ」 男「ぁっ!お前、何処行くんだ!」 男「行っちゃった。ドア閉めときゃ良かったな、まぁ帰ってくるか」 男(……益々緊張する) 女「でたよー」 男「は、はい!ってう、うわぁ、服きろ、服ぅ!」 女「いや、バスタオル巻いてんじゃん。うぶだなあ~」 男「うるさい!とりあえず、俺も入ってくる!」 345 :愛のVIP戦士 :2007/02/05(月) 16 33 37.59 ID I6GK1gqOO 男「上がったぞ~。って、なんでまだバスタオルなんだよ!?」 女「ん~?暑いし、いいじゃーん」 男「早く着ろよ!」 女「やなこった、君だって今はタオル一枚じゃーん」 男「着るよ!全く」 女「えーきちゃうのー?」 男「え?」 女「もったないー、こんな美女がほぼ裸なのに?」 男「酔ってますね?」 女「いや、シラフ」 男「……まじですか?」 女「さぁ?どうする童貞君?」 349 :愛のVIP戦士 :2007/02/05(月) 17 01 04.66 ID I6GK1gqOO 男「……どどどどうすれば?!」 女「ホント、見てる方が恥ずかしいリアクションだねぇ。とりあえず、おいで。」 男「は、はい」 女「まるで別人だね、かわいー」 男「は、はい」 女「へんなのー。とりあえず」 ちゅー 男「……」 女「……ま、こんな感じかな。あたしがリードしちゃっていいの?」 男「お、お願いします」 女「全く。プライドもなにもありゃしない。ま、いいけど~」 350 :愛のVIP戦士 :2007/02/05(月) 17 04 36.01 ID I6GK1gqOO 女「へぇ~、やっぱりテンパってても、身体は正直なんだぁ」 男「ってか、電気消しません?すごい恥ずかしいんですが」 女「普通逆だよ、君。ま、断ります~」 男「え~」 女「はいはい、んじゃ抵抗しない」 男「……」 女「素直でよろしい」 351 :愛のVIP戦士 :2007/02/05(月) 17 06 45.27 ID I6GK1gqOO 女「んじゃ始めようかね」 男「ん……はい」 (続きは省略されました。稚拙でも構わないという方はkskして下さい。) 356 :愛のVIP戦士 :2007/02/05(月) 17 12 28.71 ID I6GK1gqOO 女「はは、意外とおっきいんだねぇ」 男「い、言わないで下さい。本当はずいんですから。」 女「かわいー。はいはい、とりあえず手ねー。」 …… 女「気持ちいい?」 男「は、はぃ、くっ」 女「あはぁ、本当に初めてなんだねぇ。んじゃ、もうちょいはやくしよっか」 男「え、あ、ぅぅん」 女「声も出せないかぁー、お姉さん頑張るねー」 男「くっ……」 359 :愛のVIP戦士 :2007/02/05(月) 17 17 47.27 ID I6GK1gqOO 男「あの、そろそろやばいっす」 女「ぇーはやーい。……ま、いっか、んじゃ最後にサービス」 ペロッ 男「え、なにこれ、ぁ、変な感じ」 女「はぁびふだからねぇ~、はぁひぃてもいいよ、飲んだげる」 男「え、なんて、え、ちょっと」 女「ふふ、びっふりしてるね。……ちゅー」 男「うわ、マズい、出ますよっ……!!」 女「!!……けほっけほっ」 男「だ、大丈夫?!」 女「なにこれにがーい。しかも熱いしネバネバだし、うわ、なにこれぇ」 男「……初めて?」 女「ちょっと無理しすぎたぁー。みずのんでくるぅー。うぇー。」 男「いってらっしゃい」 360 :愛のVIP戦士 :2007/02/05(月) 17 23 34.25 ID I6GK1gqOO 女「ごめんごめん、変な事するからムードぶち壊しだねぇ」 男「いや、そんなことは」 女「ふぅーん?やる気満々なんだぁ?」 男「いや、そういう意味じゃ」 女「んじゃ、やめよっか」男「え」 女「やる気ないんでしょ?んじゃやめよっか」 男「いやいやいや」 女「んじゃ、『やらせてください、女様』って言って見なさい」 男『や、やらせてください女様』 女「やばい、ゾクゾクしてきた、望む所よ!」 男「うわ、押し倒すなんて、って……う……わ」 女「ひもひいい?」 男「う、うん」 362 :愛のVIP戦士 :2007/02/05(月) 17 27 44.86 ID I6GK1gqOO 男「くっ、ぁ……」 女「さぁて、そろそろあたしも、色々やって?」 男「え?」 女「元気になったし、今度はあたしの番。すきにして?」 男「は、はい、失礼します」 女「やっぱり胸かぁー、ぁっ、んん」 男「痛い?」 女「ううん、それより、もうちょい強く」 男「は、はい」 女「んんん、ぁぁ、はぁ、はぁ」 男「か、かわいいね」 女「すけべぇ、ぁ、は、んん」 363 :愛のVIP戦士 :2007/02/05(月) 17 34 25.14 ID I6GK1gqOO 女「ん、胸もいいけど、そろそろ、んぁ、はぁ、ね?」 男「あ、あぁ、そうか」 …… 女「うわぁ、予想以上に恥ずかしいね」 男「でしょ?んじゃ、始める。って、ひゃぁ」 女「んん!!……どしたの?」 男「いゃ、こんなに濡れるん」 女「いーわーなーいーでー」 男「は、はい、叩かないで叩かないで。んじゃ。」 クチュクチュ 女「あぁん、あぁ、はぁ、き、ぁぁ、いい、はぁ」 男「……」 女「はぁ、ぁぁ、中だけじゃなくて、あぁ、上も、ね、あぁ」 男「は、はい」 女「あぁぁ、はぁ、はぁ、あぁ」 365 :愛のVIP戦士 :2007/02/05(月) 17 37 21.27 ID I6GK1gqOO 女「はぁ、はぁ、あぁ、んん」 男「気持ちいい?」 女「う、うん、はぁ、いいよぉ」 男「いきそう?」 女「ぅ、ぅぅん、なんか、気持ち良過ぎて、なんか、ぁ、いけないかな、あぁ」 男「そうか……」 女「そろそろ、いいよぉ、きてぇ」 男「え?!んじゃ、えっと、ごむごむ」 女「早く、いいよ、そのままで、早くきてぇ」 男「う、うん、解った」 366 :愛のVIP戦士 :2007/02/05(月) 17 42 38.75 ID I6GK1gqOO 男「んじゃ、いくよ」 女「……初めてなんだからね?」 男「う、うん。痛かったら言ってね?」 女「うん。おいで?」 男「はい。……あれ、はいらない?すべるよ」 女「言わないで!……ほら、ここ、ね?」 男「そんな強く握らないで、あぁ、うん、解った。んじゃいれるね」 女「んん」 男「うわぁ、はぁ」 女「んんんん」 男「ぁ、ぁ、はぁん。くっ」 女「!!!」 男「どうした!大丈夫?!」 女「ううん、大丈夫、へーき、ちょっと痛いけど」 男「無理しないで?」 女「うん、ただ、しばらくこのままで、ね?」 男「うん」 368 :愛のVIP戦士 :2007/02/05(月) 18 00 35.76 ID I6GK1gqOO 女「そろそろいいよ」 男「う、うん、動くね」 女「うん……ぁぁ、はぁ、あぁ、ねぇ?」 男「ん?はぁ、くっ」 女「あたし、あたしのこと、すきぃ?」 男「くっ、はっ、知らない事だらけで、はぁ、はぁ、だけど、ん、すき、だよ、今日は楽しかったし、んん、くっ、一緒に居たい」 女「そう、良かった、あたしもすきだよ、ずっと一緒、二人で、この世界に、ね。……嬉しい」 男「うん、あぁ、ねぇ、ごめん、もう、きつい」 女「いいよ、だして、ね?」 男「中はマズいね、ん、出すね、ん」 女「だめだよー」 男「ぇ、待って、ちょ、足で押さえないで、ぁ、やばい、でるっ!!!」 女「ん、あぁー、こんな感じなんだ、出てる、あぁ、はぁ、たくさんだね、さっきも出したくせに~」 男「くっ、はぁ、ぁぁ、ふぅ……」 369 :愛のVIP戦士 :2007/02/05(月) 18 03 56.26 ID I6GK1gqOO 女「お疲れ様ー。なでなで」 男「……気持ち良過ぎだけど疲れたし、はぁ、もうクタクタ」 女「初めてにしては上出来じゃない?結構良かったよ~」 男「ってか、痛くなかった?大丈夫?」 女「結構平気。君の大きいから、不安だったんだけどね」 男「い、いうなぁ!」 女「あはは、本当かわいー。」 男「う、うるさい!って、もう怒る気力もないや」 女「そか、んじゃ寝よっか」 男「ん、おやすみ。ちゅっ」 女「んっ。結構大胆だね。おやすみ。」 男「……zzz」 女「早っ!!……お疲れ様」 377 :愛のVIP戦士 :2007/02/05(月) 18 41 47.04 ID I6GK1gqOO 翌朝 男「ん、お、ふぅ」 女「やっと起きた。おはよ。」 男「おう、おはよう。」 女「グッスリ寝てたね。さて、ご飯食べて海にごーごー!」 男「元気だな。よし、行こう!海を見に!!」 378 :愛のVIP戦士 :2007/02/05(月) 18 48 24.08 ID I6GK1gqOO バイク中 女「海、結構近そうだねー」 男「そうだな、昼前には着きそうだなぁー」 女「だね。この旅も終わりかぁー。」 男「いっそのこと、どっかいっちまおうか。なぁ?」 女「……それは、ダメ。」 男「なんでぇ??いいじゃねーかよー」 女「ううん、ダメ。あんまり、離れちゃダメなの。」 男「なんでぇ?」 女「何となくだけど、そんな気がする」 男「ま、いっか、見たら帰るか、わが故郷に!」 女「……わが、世界に」 男「ぇ?」 女「な、なんでもない!」 380 :愛のVIP戦士 :2007/02/05(月) 18 55 09.88 ID I6GK1gqOO 男「ついた!」 女「海だぁ!」 男「ま、泳ぐにはちと遅いよな。眺めるだけでもじゅーぶんだな」 女「そだね」 男「……さっきのこと、なんで?」 女「え?」 男「なんで、旅して逃げちゃダメなの?気のせいなんか嘘。何か知ってるんでしょ?」 女「……」 男「答えてくれよ!折角、信頼してるんだからさ!」 女「そういう君も、まだ隠し事してるね」 男「え」 女「この前話してくれた話。嘘が混じってる。それも根本的な嘘。なにかは解らないけど。それくらい、解る」 男「……」 女「悪いけど、君から答えて欲しい。じゃなきゃ、あたしは話せない」 男「解った。本当の事を話す。アナタには、隠し事なんかしたくないから」 女「うん」 383 :愛のVIP戦士 :2007/02/05(月) 19 05 23.30 ID I6GK1gqOO 男「アナタは、本当に勘がするどいね。たしかに、前話した話は、嘘が混じってる。根本的な。」 女「それは?」 男「俺と、友人の立場が逆。本当は俺が友人を裏切った。」 女「え」 男「やった内容は全く前に話した事と同じ。役割が違うだけ。そして」 女「?」 男「俺が孤立したのも事実だけど、それは俺の罪悪感から。」 女「……」 男「もう前みたいな関係は無理だと思った。だから、避けたんだ。謝っても仕方がなかったから。」 女「そんなことない」 男「その通り」 女「え」 男「俺はこの世界に来て、アナタと話して、大分変わった。それで、人の信頼は簡単に取り戻せる、努力さえあれば、って解った」 女「うん」 男「だから、俺は帰れるなら早く帰り、アイツに謝りたい。どれだけ時間をかけてもいい。元の関係に戻りたい。」 女「うん」 男「アナタのおかげだ。ありがとう。本当に、ありがとう。」 女「……」 384 :愛のVIP戦士 :2007/02/05(月) 19 08 35.90 ID I6GK1gqOO 男「……さて、アナタにも話していただきたい」 女「だね。約束だからね。」 男「さっき言ってた事は、どういう事?」 女「その前に。あたしも、過去話、していい?」 男「う、うん」 385 :愛のVIP戦士 :2007/02/05(月) 19 16 36.70 ID I6GK1gqOO 女「まず、この世界にくる前、直前まであたしには彼氏が居ました。高校時代から付き合ってる」 男「え?!それは」 女「だからごめんね、処女ってのも嘘なんだ。」 男「それはそんなに気にしないけど」 女「そっか。で、あたしたちはすごい幸せだった。ずっと続くと思ってた。」 男「なにがあったの?」 女「……交通事故。よくある飲酒運転よ。巻き込まれちゃって、馬鹿みたい」 男「……」 女「前日にすごい喧嘩しちゃってね。本当馬鹿だよね、もう一生謝れないのに。」 男「……俺は、まだ救われて居るのかもね」 女「うん、そうだよ。だから、早く帰って謝らなきゃ」 男「うん。それで、本題は?」 女「その前に、行きたい場所があるの。いい?」 387 :愛のVIP戦士 :2007/02/05(月) 19 20 46.53 ID I6GK1gqOO 男「……ここ?街に戻ってきたとおもったら」 女「うん。全ての答えがここにある。」 男「病院……なんだ。なんか、思い出せる気がする」 女「君は、何かを忘れている。それが思い出せたら、帰れる。だから、記憶を見つけに、行こう」 男「う、うん」 389 :愛のVIP戦士 :2007/02/05(月) 19 37 38.69 ID I6GK1gqOO 女「さっきの続きね」 男「うん」 女「あたしは生きる希望を無くした。それに、彼に直接謝りたくて仕方なかった」 男「つまり」 女「うん、解ると思う。あたしは、自殺をした」 男「……」 女「だけど、甘かったみたい。あたしは死にきれなかった。」 男「え?俺はてっきりこれが死後の世界かと」 女「そうだったら、あたしはどんなに楽だろう。彼に謝れる」 男「え。じゃあ」 女「半分正解なのよ。これが、答え」 男「病室?……!!」 『210 男』 『211 女』 女「あたしたちは、死んでない。」 390 :愛のVIP戦士 :2007/02/05(月) 19 39 47.99 ID I6GK1gqOO 男「な、なんで俺が……あぁぁ!!」 女「どうしたの?!」 男「そうだ!!思い出した!!なんで忘れてたんだろう!!お、おおお」 女「お、落ち着いて?ゆっくり、話して?」 男「う、うん…はぁ、よし、話すよ」 393 :愛のVIP戦士 :2007/02/05(月) 19 48 56.88 ID I6GK1gqOO 男「……そうだ。俺もあの日、全てを失った」 女「?」 男「いや、やっぱり、アナタよりはマシ。相手は死んでない。けど」 女「けど?」 男「『おまえなんか、死ねばいい』。そう、言われた。ハッキリと。そして、せめてもの償いと思い……俺は自殺をした。したはずなんだ。でもなんでだ?!俺は、起きた時教室に居たし、アナタみたいにハッキリ覚えて居なかった!!」 女「あたしも、最初はなんなのか解らなかった。けど、君が居ない三日間で思い出したのよ。きっかけは、彼氏の家に行ったら、葬式の準備がされていたの。勿論無人だけど、準備だけはされていた。」 男「そして、アナタは俺を校庭で見つけた?」 女「そう。そして、教室に運んだ。錯覚させる為に。……あたしみたいに、自分が死んだと思い、この世界でも自殺をはかって欲しくなかった。」 男「自殺を、またする為に、学校にきたんだ。彼氏との、始まりの場所に。」 女「うん、そう」 407 :愛のVIP戦士 :2007/02/05(月) 21 02 35.48 ID I6GK1gqOO 男「もしや、最初に学食で飯を作ったのも?」 女「あたし。人を見つけたのが、嬉しくって嬉しくって。だから、作っちゃったの。それ以外のレストランでは何も無かったでしょ?機械が全自動で行ってる、マックとコンビニ弁当だけ。人間が関わって出来るものはない。 ……何故か、娯楽関係だけはあるのが不思議だけど、まぁ神様が暇つぶしに与えてくれたのかな。現実世界の情報が入ってこないように、そういうものは取り除いて。」 男「そういう事か」 408 :愛のVIP戦士 :2007/02/05(月) 21 10 04.18 ID I6GK1gqOO 男「病院を見つけたのは?」 女「バイクを探しに行った時。実はあれ、彼氏のなの。嬉しかった、また乗れるなんて。」 男「なぁる、だからか、いくらなんでもキーがそう簡単に見つかる訳ないと思ったよ」 女「この病院の前を通った時、懐かしい感覚に陥ってね。多分君も感じたと思う」 男「うん」 女「そこで、多分あたしは一人で帰る事も出来た。けど、流石に君を置いて行けないしね。……君もね」 猫「にゃー」 男「こいつも、何らかのの理由で?」 女「多分ね、流石に猫の言葉は解らないけど。まぁ、同じ匂いがして、懐いてくれたのかもね。あたしには懐かなかったけど」 男「お前も、大変だな」 猫「にゃ」 410 :愛のVIP戦士 :2007/02/05(月) 21 16 49.49 ID I6GK1gqOO 男「結局、この世界はなんなの?」 女「多分、『死と生の狭間』ってとこだと思う。カッコいい言い方したけど。だから、元の世界にも死の世界にも干渉出来ない。……彼氏の葬式って情報が見れたのは、多分、死にまつわることでかつ、とても身近な事だから。特例かな。」 男「戻る条件は?」 女「全部予測だけど、まず、この世界の仕組みに気付く事。次にここに来て、病室で寝てる自分に会う事。最後に」 男「最後に?」 女「死ぬ前にしてた後悔を、発散させる事。これが出来なきゃ、神様はチャンスを与えた意味がないと判断して、一生この世界に閉じ込めると思う」 男「つまり」 女「そう。君は、条件を満たして居る。だから、帰れる」 男「君は?……アナタは?」 女「……」 440 : ◆w9b4NPpVQ6 :2007/02/06(火) 00 05 08.61 ID P70JsYtlO 男「アナタが後悔してるのは、彼氏の事だよね。それは、解決」 女「出来なかった。さっきは、一人で帰ろうと思えばと言ったけど、それはあの人を忘れるということ。あたしには、やっぱり無理だよ。忘れられない。忘れちゃいけない」 男「ん……」 女「だから、あたしはこの世界で、彼氏に会えないか期待した。けど、無理だった。……多分もうタイムリミットが近い、時間は有限だから。君は、帰れなくなっちゃう」 男「そんな!アナタも!」 女「仕方ないのよ!君は帰れば友達はいる。けど、あたしは、あっちにしか居ないの」 男「……」 女「君と過してた日々は楽しかった。こんなこと言っちゃ駄目だけど、彼氏に会って居なかったら、迷わず一緒に帰ったよ。ありがとう。」 男「そんなこと、言うなよ。やめてくれよ……」 448 :愛のVIP戦士 :2007/02/06(火) 00 16 42.68 ID P70JsYtlO 女「本当にごめんね。あたしには、君を送り出す事しか出来ない。流石に、君の目の前で死ぬ気にはなれないからね。」 男「待ってくれよ。一緒に行こう? せっかく、俺はアナタを好きになれた。初めての事なんだ。頼むよ。」 女「君は、元の世界でもっといい人が見つかるはず。前の君とは違う。だから、ね?」 男「……別れが辛いなんて、初めてだ。だけど、いつか絶対会えると信じてる。アナタが、生まれ変わっても」 女「うん。あたしは彼氏の元にいったら、一緒に生まれ変わる努力をする。こういうチャンスをくれた神様だもん。生まれ変わりだって絶対ある。」 男「……うん」 451 :愛のVIP戦士 :2007/02/06(火) 00 25 24.92 ID P70JsYtlO 男「じゃあ、俺は行くよ。アナタの事は絶対忘れない。そして、友達、アイツと仲直りする。俺らの馬鹿な笑い声が、アナタまで届くようにする。約束する。」 女「うん。あたしも、ずっと君を見守ってあげる。多分、彼氏は嫉妬しちゃうけどね。まぁ、任せといてよ」 男「うん。本当、ありがとう。……大好き。」 女「あたしも、大好きだよ。ありがとうね。」 …… 男「最後の口づけかね。よっしゃ、湿っぽいのは終わり! 帰るぜ、なぁ!」 猫「にゃー」 女「部屋に入れば、多分帰れる。目が覚めたら、ベッドで寝てるよ。」 男「ありがとう。何度も。んじゃ、またね。」 女「うん、『また』ね」 ガラガラガラ 男「絶対、会える」 女「うん、会える」 男「……」 ガラガラガラ 女「行っちゃったか。」 女「さぁ、あたしも。あっちに、いかなきゃ。それが、あたしの後悔の解消で、出た、結論なんだから。」 女(ありがとう。彼氏には悪いけど、君の事は、忘れない。絶対に。) 457 :愛のVIP戦士 :2007/02/06(火) 00 29 14.35 ID P70JsYtlO 男「ん」 友「男!? 男!!」 男「うるさいな……いてて、身体がいてぇ」 友「まさか!? 奇跡だろ!! 良かった、本当良かった!」 男「痛い痛い、抱き付くなっつの」 友「良かった。まさか、本当にしんじまうなんかおもわなくて、んぐ」 男「泣くなよ、情けないなぁ。」 友「だ、だって」 男「それに、謝るのは俺の方じゃん?」 友「……」 460 :愛のVIP戦士 :2007/02/06(火) 00 33 13.53 ID P70JsYtlO 男「本当に、ごめん。俺は親友として最悪の行動を起こした。こんな過ちは二度と起こさない。許しは乞わない。申し訳、無かった」 友「ん、ん、んなかたっくるしい事言うなよ。俺も、許してあげられなかったのが悪い。逆の立場だったら、多分同じ事をしてた。俺は責められない。それに、俺とお前の仲だろ?」 男「……ありがとう」 友「よせよ、ぁーかゆい、クサイ、やだやだ。早くなおして、ぶんなぐってやる。それでおあいこだ。」 男「おう!」 462 :愛のVIP戦士 :2007/02/06(火) 00 36 46.90 ID P70JsYtlO 男「あ、そうだ! となりの部屋の女の人は、今どうしてる?」 友「隣? 気にした事無かったな、ちょっと見てくるけど、なんで? しかも、女って解る?」 男「いや、なんとなくだよ、うん」 友「? まぁいいや、見てくる」 … 友「隣は、男だったよ? 両側ともにね」 男「え。」 友「前に誰がいたか聞く?」 男「いや、いいよ。」 友「? 変な奴」 男(やっぱり、彼氏を選んだか。ふられちまったなぁ、はは、当然か) 465 :愛のVIP戦士 :2007/02/06(火) 00 43 38.06 ID P70JsYtlO 数ヶ月後 男は退院し、無事に学校生活に復帰。 また、誓い通り友達は男を思いっきりぶんなぐり、それで解決となった。 男は、友達やクラスメートと、問題が起こる前と同じ、楽しい学校生活を送る事になる。 …… 友「しかしよう、お前なんで彼女つくんねーの? 惚れた女がいんのか?」 男「ま、そんなとこ」 友「誰だよ?? C組の瀬川?あいつかわいーからなぁー」 男「まさか。人の女には手を出しませんよ。それに、俺には手の届かない場所にいる。」 友「へぇ~。アイドルとか?」 男「ま、そう思ってるがいいさ。んじゃまたな。」 友「うわ、気になる、今度は探るからな!またな!」 男「ふぅ~、変な事聞くなよ、アイツ」 男(……まぁ、いい加減、忘れるべきか。ありゃ、夢だもんな) 478 :愛のVIP戦士 :2007/02/06(火) 00 54 48.96 ID P70JsYtlO 男(ちっと街に出て、買い物すっか。あっちいかねーと漫画ないし) …… 男「~♪」 ドンッ ?「わっ」 男「すみません。って、あれ?」 ?「ん、なんですか?」 男「え、いや、まさかね」 ?「用がないなら話しかけないでください」 男「すみません。しかし、いや、他人の空似か。」 スタスタスタ 男「!!! あのバイクは?」 ?「なんですか! さっきから!」 男「そのバイク、どこで?」 ?「大切な人が使ってて、くれたんです。正直、誰がくれたのか思い出せないんですが。」 男「ま、まさか。名前は?」 ?「女、ですが」 男「やっぱり!」 484 :愛のVIP戦士 :2007/02/06(火) 00 59 40.16 ID P70JsYtlO 男「俺だよ! 俺! 男! 本当に会えると思わなかった、夢だと思ってた!」 女「いや、だから、誰ですか? 存じ上げませんが。」 男「んな下手な敬語やめろよ~。ほら、冗談はこの辺にして、ね?」 女「なれなれしいなぁ、ホント。……確かに、なんか懐かしいというか、そんな感じはするけど」 男「ま、マジで? 本気なの?」 女「う、うん」 男「はぁ?どういう事だよ。」 女「さて? とりあえず、どっか入らない? なんか、興味出て来た」 男「うん」 489 :愛のVIP戦士 :2007/02/06(火) 01 03 54.32 ID P70JsYtlO とりあえずマック 男「なんかこのマックも懐かしいな。入ったの覚えてない?」 女「いや、全然。ってか、あたし、男の人とこうやってどっかで食べたりするの、初めてだし」 男「はぁ? 彼氏はぁ?」 女「まさか、居ないよぉ」 男「……今じゃなくて、前だよ?」 女「いや、全然」 男「どうなってるんだ……」 女「ねぇ、君は、あたしの何を知っているの? 教えて?」 493 :愛のVIP戦士 :2007/02/06(火) 01 08 53.12 ID P70JsYtlO 男「んじゃ、話すよ。あったこと全て。笑わずに聞いて?」 女「うん、解った」 男は『あの世界』の事を全て話した。流石にホテルの事はうまくごまかしたが、それ以外の事、彼氏の事、男の過去、そして別れとそれから。 全てを話した。 男「で、今に至ります。疑問点は?」 女「ありすぎ。作り話にしかおもえない、新手のナンパ?」 男「違うってば」 女「だよね。ありえない話なのに……納得は出来る。不思議。」 494 :愛のVIP戦士 :2007/02/06(火) 01 14 33.50 ID P70JsYtlO 男「しかし不思議なのは、なんで全て忘れてるんだ?」 女「解らない。……けど、一つ決定的な事がある。」 男「なに?」 女「君が退院する一週間前。あたしは同じ病院を退院している。」 男「!?」 女「原因は、貧血で倒れて、救急車で運ばれて、だったけど。今思えば、記憶があいまいかも。」 男「んじゃ、やっぱり。アナタは、俺の知ってる、女だ。」 女「だけど、なんで何も覚えてないんだろ?」 男「俺は記憶しているのに。第一、君は彼に会う事を望んだはずだよ?」 女「う、うん。本当、解らない。」 510 :愛のVIP戦士 :2007/02/06(火) 01 23 26.65 ID P70JsYtlO 時はさかのぼり、『あの世界』。女が考えてた通り、タイムリミットは近く、世界自体が崩壊しようとしていた。 女「や、まさか、世界が無くなるなんて! これじゃあたしは何も出来やしない!」 女「早く、死ななきゃ。彼に、会いにいかなきゃ!」 彼「それは間違ってるよ」 女「え!?」 彼「ごめん、こんなギリギリで。実は、結論一緒に居たんだけどね。」 女「な、なんで!? まさか」 彼「そ、猫ちゃん。なんでか解らないけど、あんな形でしか女の前に現れられなかった。いやぁ、悲しかったよ? 存在忘れられてた時は」 女「なんで今更!? ずっと会いたかったのに」 彼「多分、男君が帰った時の歪みかなんかだよね。多分だけど。はは、多分反則技かなぁ」 女「会えて、良かった」 彼「でも、ごめん。時間があんまりない。」 女「そうだね……」 519 :愛のVIP戦士 :2007/02/06(火) 01 31 31.78 ID P70JsYtlO 女「ごめんなさい。本当に。あんな事に、なるとは思わなかった」 彼「僕もだよ。死んじゃって、ごめんね」 女「アナタは悪くない! ……ごめんなさい」 彼「はは、痴話喧嘩の後に彼氏が死んじゃうなんて、僕が情けないだけ。だから、顔あげて?」 女「許してくれるの?」 彼「許すも何も、おこっちゃいないよ。信頼ないなぁー。」 女「そんなことない! ……ありがとう。」 彼「うん。んじゃ、君の後悔も発散だね!」 女「え?」 彼「ちょっと時間ギリギリだ。荒技になるけど、君は帰らなきゃ!」 女「え? ……そうだね、約束したもん。」 彼「ちょっと寂しいし嫉妬しちゃうけど、彼はいい人だ。猫好きに悪い人はあない。」 女「そうだね。」 彼「だから、君を任せられる。幸せになれよ。」 女「うん」 彼「ごめんね、キスはダメなんだ、男君としたばっかだしね」 女「そだねぇ、ははっ」 彼「んじゃ、帰すよ?いい?」 524 :愛のVIP戦士 :2007/02/06(火) 01 37 10.51 ID P70JsYtlO 彼「それと」 女「?」 彼「流石に死者と会話はマズいんだわ。あっちにも決まりがあってね。」 女「うんうん」 彼「悪いけど、忘れてもらう。僕の事も、男の事も、この世界も」 女「え!?」 彼「大丈夫! 君達なら絶対会える! 心配することはない!」 女「ぇ、ぇ」 彼「。あっちで待ってる。男とも飲みたい。いくらでも待つ。見守ってる。またな、女。バイク、よろしく。」 女「っ……」 …… 彼「ま、転送の時間ずらしたし、まだなんとかなるっしょ。さて、俺も帰らなきゃな。」 彼(じゃあな。よろしく。) 531 :愛のVIP戦士 :2007/02/06(火) 01 41 57.26 ID P70JsYtlO ……ということで、『あの世界』は崩壊し、彼氏は戻るべき場所へ。女は、男より少し早く戻ったのです。 流石に彼氏の力だけでは現実世界に関与出来ないので、女が現実世界についた時、神様が矛盾がないように、人々の記憶などをいじりました。 ただ、あの世界にも現実世界にも居ないで、『二つをつなぐ道』をさまよっていた男を除いて。 そんな事を知らない男たち ですが…… 男「さて、どうしましょ」 545 :愛のVIP戦士 :2007/02/06(火) 01 50 30.63 ID P70JsYtlO 女「ん~、まぁとりあえず、記憶は戻せそうにないねぇ」 男「だよな。まぁ、でも、せっかくだし、メルアドなんかを」 女「そだね。なんかあったら、連絡取り合おう」 男「うん。んじゃ、今日はこの辺で、また!」 女「ばいばーい」 …… 男(解らないけど、これは神様がくれたチャンスだなぁ) 男(今回は、俺自身の力で、頑張らなきゃだ。あの世界とは違う) 男(絶対、幸せにしてやる。天国の彼氏に、嫉妬されるだろうけど、見守ってもらえるように。ここに、誓う。) 男が実際、女と付き合い、結婚し、幸せな家庭を築くかは解りません。前みたいにうまくいくとは限りません。 ただ、あの世界を乗り越えた二人に、越えられない苦難などない。その絆は、何よりも強い。 そうであることを、願うばかりです。 ~おわり~ 前編へ|新ジャンル『世界に二人』TOP|後日談へ
https://w.atwiki.jp/myalllove/
限りある電話の切り際に「愛してるよ」と囁く、名残惜しい別れ際には濃厚で熱烈なキスをする。 普通の恋人同士なら、こんなにも愛を交わすことはないでしょう。いつでも電話ができて、 会いたい時に会える、一緒にいたいと思ったら思う分だけいられるのですから。 不倫相手との電話、キス、そしてセックス。次の約束が明確でないからこそ、いま二人だけでいられる瞬間に全力で愛を交わします。 セックスはまさにその最たるものでしょう。不倫経験のある方なら分かるはずです。 身体だけの関係じゃない、私たちは心から愛し合っている、会えなくても平気、と言いながら、1分1秒を惜しむようにずっとずっと愛し合い繋がり続けたいと求める衝動を。 不倫の恋に建前はいりません。もちろん関係上、一定以上のある種の理解は必要ですが、こんなに愛を伝えてよいものか、こんなに求めたら引かれてしまうのではないか、など心配ご無用。 ごちゃごちゃ考えている暇があったら、思いの丈を全身で表現するだけ。 二人で過ごす夢のような時間は、あっという間に流れていくのですから。
https://w.atwiki.jp/everfree/pages/40.html
803 :愛のVIP戦士 :2007/02/06(火) 18 24 46.38 ID P70JsYtlO 男と女が再会してから、それほど経たないある日の事です。 友「最近、付き合い悪いな。どうしたんだよ? 怪しいぞ。」 男「ぁ~、ん、察しろ」 友「まさか! 女か!? 女が出来たのか?」 男「いや、まだ付き合っちゃいない。けどまぁ、時間の問題かな~」 友「うっぜ、うっぜ! なんだよ、女なんか作ってもめんどくさいだけ、って言ってたくせに」 男「人は簡単に変われるんだよ。じゃ、今日も会う約束してるから。ばいばーい。」 友「お、おう、ばいばい……なんなんだよぉぉぉぉ」 男「あいつも、その気になりゃ彼女出来んのになぁ。さ、急ごう。」 806 :愛のVIP戦士 :2007/02/06(火) 18 29 03.43 ID P70JsYtlO 男「ごめんごめん、遅くなって。」 女「女のコを待たせないの。解った?」 男「ごめんってばさ。な、あとでなんかおごるからさ。」 女「そんなんはいいよ、それより、早く行こっ」 男「うん。今日は何をしに?」 女「ん、そうだね~、映画でも見に行こっか」 男「おう、解った。俺あれがみたくてさ……」 …… 810 :愛のVIP戦士 :2007/02/06(火) 18 36 12.45 ID P70JsYtlO …… 女「なによ、つまらなかったじゃない」 男「いやぁ、俺は面白かったよ?」 女「女の子はね、もっとロマンスが欲しいの。君、本当に解んないよね、そゆとこ。誰かさんみたい。」 男「誰かさん?」 女「そう、まるで……あれ? あたし、誰の事言ってるんだろ?」 男「……」 女「へんだよね、ごめんごめん」 男「あのさ」 女「?」 男「初めて、会った時に、バイク乗ってたよね? 今週末、あれに乗って出かけない? 行きたい場所があるんだ。」 女「うん、いいよ。バイク運転出来るの?」 男「バイク持ってないけど、出来る。後ろに人を乗せて走らせた事も、ある」 女「ふぅーん、やるじゃん」 男「覚えてないか、まぁ当然だけど」 女「?」 男「んや、いい。んじゃ、そゆ事で、週末! またね」 女「う、うん、またね」 815 :愛のVIP戦士 :2007/02/06(火) 18 42 27.92 ID P70JsYtlO 約束の、週末。一旦男の家に女がバイクに乗って来て、一緒に行くこととしました。 ブロロロロ 男「あ、来た来た」 キキーッ 女「やっほー、どうよ?」 男「マジカッコいいと思う、何度見ても」 女「いやぁ、それほどでも」 男「この、バイク」 女「ぁ~、はいはい、お約束ですか」 男「嘘嘘、冗談だって。女も、カッコいいってば。」 女「ありがと。まぁ、これからは君がエスコートしてね」 男「了解。んしょっと。ちゃんとつかまっていろよ? んじゃ、出発」 女「しんこぅっ!」 818 :愛のVIP戦士 :2007/02/06(火) 18 47 09.84 ID P70JsYtlO ブロロロロ 女「どこいくのー?」 男「俺が、本当に自分に正直になれた所。忘れられない場所。」 女「ふーん、カッコいいけど、意味分からない」 男「あぁ? 元はと言えば女が……まぁいいや」 女「? だけど、気持ちいい、涼しい」 男「やっぱり、女は女だな」 女「なんのこと? 『あの世界』?」 男「さぁね」 女「ごまかさないでよ。……けど、なんか、懐かしい気はする。こうやって、色々旅をしていた。」 男「それは多分、俺じゃないけどね」 女「え? きこえなーい」 男「なんでもない! 飛ばしていくよ!」 女「うん? うん、ゴーゴー!」 823 :愛のVIP戦士 :2007/02/06(火) 18 51 39.85 ID P70JsYtlO 男「ついた!」 女「海? 泳ぐには遅いよ?」 男「まぁ、砂浜で遊ぶ位は出来るでしょ、ね」 女「子供~?」 男「いいからいいから、ほら、行こう!」 女「仕方ないわね~、はいはい」 …… 女「疲れた~、もうクタクタ。こんな時間だし。」 男「本当童心にかえっちゃったね。」 女「こんな事する為にここに?」 男「いや、違うよ。……夕日がキレイだ」 女「これを見にここに?」 男「いや、それも違う。ちょっとあってるけど、シチュエーションとしてベストだから選んだし」 女「?」 828 :愛のVIP戦士 :2007/02/06(火) 18 58 41.13 ID P70JsYtlO 男「聞いて下さい」 女「うん」 男「女さん、好きです。忘れてるけど、『あの世界』で過してた時から、ずっと。再会出来た時は、夢だと思ったくらい。これは神様がくれた、最高の送りもので、チャンスだと思った」 女「……」 男「そして、俺は女を楽しませよう、幸せにしようと、頑張った。彼氏に、負けないように。思い出す事は無くても、彼氏は絶対俺たちを見てるから」 女「うん」 男「俺は、女を幸せにする。俺なら出来る、いや俺にしかできない。女が覚えていなくても、『あの世界』を過ごした日々、そして絆は、消えない。俺の心に、ある。これも、神様がくれた贈り物だと思う。」 女「うん」 833 :愛のVIP戦士 :2007/02/06(火) 19 06 29.90 ID P70JsYtlO 男「年下だし生意気だし、すけべだし情けないし、時間守らないけど、アナタを幸せにすることは俺以外に出来ないて思う。……気のせいだとは思うけど、彼氏が、信じてくれてる。そして、それが俺の出来る、最高の恩返し」 女「恩返し?」 男「俺なりに考えたけど、『あの世界』で別れる時、女は完全に『現実世界』に帰ってくるのを諦めてた。けど、ここにいる。と、いう事は、彼氏がなんかしてくれたに決まっている。じゃないと、女は、『あの世』に行ったはずなんだから」 女「……うん」 834 :愛のVIP戦士 :2007/02/06(火) 19 09 47.49 ID P70JsYtlO 男「これは、『あの世界』でも言い忘れた事。……付き合って下さい。僕はアナタを幸せにします。絶対。」 女「……」 男「だめ、かな?」 女「ううん、えと、ちょっと、嬉し過ぎて」 男「な、泣かないでよ、困るよ」 女「ご、ごめん」 ぎゅっ 男「ん……」 女「えと、ふつつかものですが、よろしくお願いします。」 男「うん、お願いします。」 女「大好き。懐かしい、大好きな匂いがする」 男「……うん。俺も、大好きだ。」 836 :愛のVIP戦士 :2007/02/06(火) 19 13 42.42 ID P70JsYtlO 女「ははっ、恥ずかしいね」 男「そだね、なんか、あらたまっちゃって」 女「へへへ、君が彼氏かぁ~」 男「だめ?」 女「まさか! 夢みたい、君となら幸せになれるよ、絶対」 男「うん。ぁ、ちょいちょい」 女「ん?」 チュッ 男「……」 女「……」 女「はは、手が早いね。すけべ。」 男「ご、ごめん」 女「ううん、いいよ!」 男「良かった、んじゃそろそろ帰ろうか」 女「うん!」 男「よしっと……ん? なんか、落ちてる?」 女「……ものじゃないよ、動いてる! …子猫だ!」 838 :愛のVIP戦士 :2007/02/06(火) 19 17 36.12 ID P70JsYtlO 男「猫!? まさか」 女「大分弱ってる、早く病院連れてこう?」 男「お、おう」 …… 女「元気になって良かったね」 男「ただ、おなかすかせてただけとはね、良かった良かった」 猫「にゃー」 男「……」 女「どうしたの?見つめちゃって。気に入った??」 男「やっぱり、あの猫か? お前なのか?」 猫「……」 845 :愛のVIP戦士 :2007/02/06(火) 19 25 34.77 ID P70JsYtlO 猫「にゃー」 女「はは、大分懐かれてるねー。かわいいし、飼っちゃったら?」 男「気楽に言うなよ……けど、こいつは特別。飼うよ、うん。なんか、俺らを守ってくれる気がするんだ、なんとなく。」 女「?」 男「こいつのお陰で、今の俺がいて、女がいる。……そんな気がする。」 女「そっか。んじゃ、二人と一匹の、幸せな世界のはじまりだね」 男「うん、その通りだ!」 猫「にゃー!」 …… 彼(さてと、こんなとこかな?) 846 :愛のVIP戦士 :2007/02/06(火) 19 28 59.02 ID P70JsYtlO 彼(いやぁ、勿論あの猫は僕じゃない。流石にそんな事は出来ないよ。僕は、あの猫の体を借りてたから、返しただけ。そして、彼らの『幸せの世界』に必要なピースだから、男君と再会出来た。それだけ。) 彼(まぁ、こうやって正式に付き合う事になったみたいだね。アイツは気難しいし、ワガママだし、怖いくらいドSだし……付き合うのは大変だよ、男君) 彼(でも、君なら大丈夫。君は誓った。僕の期待に応えられる。大丈夫だ。) 彼(さて、見守ってあげたいけど、僕は嫉妬深いんだ。結構今もピクピクきちゃってる。だから、僕はもう消える事にしよう。僕のすべきことは終わった。) 彼(あわよくば、男君たちの近くに、生まれ変われるかもね。僕もまた『幸せの世界』のピースだから。) 彼(さて、そろそろ行こう。……じゃぁな、女) …… 852 :愛のVIP戦士 :2007/02/06(火) 19 32 43.68 ID P70JsYtlO ---数年後 男「ははは、そのバイクが気に入ったか~」 女「不思議ね、本当に楽しそう。まだ、しゃべれもしないのに、このコ」 男「まったくだよ、俺にはなかなかニコリともしてくれないのに。ママには良く懐くけどね」 女「まぁ、男の子なんだから、そうなんじゃない? さて、そろそろご飯よ」 男「うん、そだね、よし、行こっか」 ---- 男たちの『幸せの世界』は、まだ出来たばっかりです。 ~本当のおわり~ 後編へ|新ジャンル『世界に二人』TOP|前編へ無限ループ
https://w.atwiki.jp/everfree/pages/38.html
1 :愛のVIP戦士 :2007/02/03(土) 21 39 17.37 ID eXzTsXeGO 男「ん…」 「…授業おわっちまったか…?なんで誰も居ない…?」 男「…妙だな…やけに静かだ…まだ昼前だから、学校が終わるまで寝てたなんてありえないし…」 男「…とりあえず、食堂に行こう…」 2 :愛のVIP戦士 :2007/02/03(土) 21 41 59.40 ID eXzTsXeGO 男「…食堂までの道もだれもいやしねぇ…なんなんだ…」 男「…あれ…良い匂い…まさかっ?!」 男「…いや、飯だけ作ってある…。なんでだれもいないのに…」 男「…とりあえず、食おう…」 3 :愛のVIP戦士 :2007/02/03(土) 21 45 31.81 ID eXzTsXeGO 男「食った食った…とりあえず探そう、誰かしらを」… 男「…これだけ探しても、だれもいやしない…明らかにおかしいだろ…なにがあったんだ…」 男「…学校だけじゃないかもしれない…とりあえず帰ろう」 … 男「…!?人?人が倒れてる?」 グラウンドに横たわる人影に近寄る男 男「…女の子だ…おい、大丈夫か?」 女「…ん…ん」 4 :愛のVIP戦士 :2007/02/03(土) 21 52 08.83 ID eXzTsXeGO 女「…ん、…だ、だれ?!気安く触んないで!?」 男「…ぁ、すまん…。…二年の男だ。」 女「…三年の女。…あれ、みんなは?…あたし、教室でみんなと遊んでたはずよ?」 男「…俺も授業中ねちまったみたいで、起きたらこの様。初めて会ったのが、アナタ」 女「…は?意味分からない。…とりあえずなんか頭痛いから帰る…」 男「待って、危ないかも」 女「うるさいわね。ついてこないで」 男「…すみません…」 女「…まぁ、とりあえずあたしは帰るから。じゃあね。」 17 :愛のVIP戦士 :2007/02/03(土) 22 11 55.83 ID eXzTsXeGO 男「なんなんだか…まぁいい…とりあえず帰るか」 … 男「まぁ、なんか当然の如く、誰にも会わなかったな…信号は動いてるし、コンビニもやってんのにな…」 男「ただいま~…誰もいねぇか」 男「…とりあえずテレビでもみっか」 … 男「…おかしい。アニメとか映画とかドラマとかはやってるのに、ニュースになると途端に映らなくなる」 男「…なんなんだ…」 20 :愛のVIP戦士 :2007/02/03(土) 22 15 37.48 ID eXzTsXeGO 男「…寝よう。これは夢だ。ありえないし。意味が解らんしな。」 … 男「…あれ、おかしい。朝寝坊して部屋グチャグチャにしたのに、片付いてる」 男「…なんでだ…ついさっきまでオフクロがいたのか…?」 男「…益々謎だ…」 ピンポーン 男「ヒィッ」 ピンポーン ピンポーン ピンポーン 男「…だ、だれだよ…」 ピンポーン 男「…人、だよな…とりあえず、いくか…」 24 :愛のVIP戦士 :2007/02/03(土) 22 19 19.68 ID eXzTsXeGO 男「……ゴク」 カチャ 男「だれだっ!」 女「ヒィッ」 男「…アナタか…って、なんで俺の家が?」 女「家に、住所録があったの。今時、個人情報とかでうるさいのに古いよね、お陰で助かったけど」 男「助かった…?」 女「んにゃにゃ、こっちの話。…それより、完全に世界がおかしくない?」 男「…まぁ…とりあえず…入る?」 女「ん、おじゃましまーす」 30 :愛のVIP戦士 :2007/02/03(土) 22 25 54.32 ID eXzTsXeGO とりあえず、女の家の状況を聞く。同じ感じなようだ。 男「…おかしいよな、明らかに。なんで皆が消えた?」 女「あたしに聞かないで。ってか、一応あたしは年上なんだから、敬語使いなさいよ、敬語」 男「…解りました、申し訳ございません、女さん」 女「…やっぱ気持ち悪いからいいや」 男「…なんなんだか…」 女「なんかいった?」 男「いえなんでも?…その荷物は?」 女「ぇ…あぁ、これは…そうそう、お腹減ってない?コンビニからお弁当頂戴したの、食べる?」 男「…おう」 35 :愛のVIP戦士 :2007/02/03(土) 22 35 28.71 ID eXzTsXeGO 男「…ごっさん」 女「ごちそさま」 男「…んで~どうする?とりあえず解散するか?」 女「…え?」 男「状況が状況とは言え健全な男女が一つ屋根のしたはマズいんじゃないかぁ?あんただって、彼氏の一人や二人いるだろ?」 女「い、いないわよ、そんなん!…ってか、それ正気?…こんな状況だよ、危なくない?」 男「…いや、人が俺ら以外に居ないんだし、危険はないだろ…」 女「…もし何かあったら?!責任とれる!?」 男「…解ったよ。妹の部屋があいてるはずだ、そこつかってくれ。荷物は…そのために持って来た?」 女「…部屋どこー?早くお風呂入りたいから、沸かしといて~」 男「…なんなんだか…」 37 :愛のVIP戦士 :2007/02/03(土) 22 39 15.51 ID eXzTsXeGO 男「風呂沸いたよ」 女「先入る~♪覗くなよ」 男「誰が…」 女「このないすばでぃを見てもその気にならないの?!あんた、もしや…」 男「黙ってくれ、早く入って来い…」 女「はいはーい」 男「…厄介だなぁ…めっちゃくちゃ苦手なタイプだ…」 男「…ま、確かに見掛けは悪くない…いや、良い、っても言えるけど…」 男「…ま、いいや。部屋でゆっくりしよ」 41 :愛のVIP戦士 :2007/02/03(土) 22 43 39.67 ID eXzTsXeGO 女「…ふぅ」 女「…なんでこんなことに…」 女「まぁ…一人じゃないだけましか…」 女「あいつ、なかなか使えるわね。顔も悪くない。あたしはかわいいタイプが好きなんだけど、まぁ文句言えないわね、おっさんと二人きりとか考えたら…全然まし」 女「…これからどうなるんだろぉ…」 女「…とりあえずあいつと、作戦たてるかな」 女「よし、出よ」 ガチャ 男「!?」 女「?!!」 男「いや、たおるおきに、きただけどそんな」 女「…いいから出てけ…部屋で…待ってろ…」 男「いや、は、あの」 女「もう一回言わなきゃわかんねぇの?」 男「はい!!!」 … 女「…やっぱサイテー。…なにこのベタベタな展開は…」 44 :愛のVIP戦士 :2007/02/03(土) 22 48 41.33 ID eXzTsXeGO 女「さて」 男「すみませんでした」 女「言い訳無用」 ゴンッ 男「痛っ。いや、見てないって本当!」 女「ふぅん…まぁいい。あんたも早く入ってきな」 男「はい!すみません!」 女「まったく。本当さいっあく。」 48 :愛のVIP戦士 :2007/02/03(土) 22 53 33.18 ID eXzTsXeGO 男「やっば、もろみちまった」 男「んなつもりは無かったんだが、ラッキーなのか、弱み握られた感が…」 男「ったく、身体は正直なんだからな…」 男「ま、忘れよ忘れよ。さぁ出るか」 ガチャ 男「…」 男「ま、居る訳ないか」 男「さぁ、ご機嫌取りにはジュースで十分かな?もってってやるか」 51 :愛のVIP戦士 :2007/02/03(土) 23 00 14.12 ID eXzTsXeGO 男「コーラとオレンジどっちがいい?」 女「おこちゃま?」 男「あ?」 女「まったく、冷蔵庫どこ?した?」 男「あ、あぁ」 女「ちょっと探らせて」 … 女「なんだあるじゃん」 男「酒かよ」 女「カタイ事言わない、せっかくなんだから」 男「なにがせっかくだ。…結構焦るべきな気がするんだが」 女「…そうね。なんでこうなったんだろう」 54 :愛のVIP戦士 :2007/02/03(土) 23 10 28.97 ID eXzTsXeGO 話し合うが埒があかない 男「とりあえず寝よう。明日、町を捜索しよう」 女「そだね。んじゃ、オヤスミ」 男「おう」 --- 女「…初めてあったのに。…まぁいいや、ねよ」 --- 男「ったく、さっきのモヤモヤがおさまんねー。…男って面倒だわ…。…ねよねよ」 55 :愛のVIP戦士 :2007/02/03(土) 23 12 15.99 ID eXzTsXeGO 翌日。着替えて、街に出る事に。 男「当然、電車やバスはないから、チャリでいこう」 女「んじゃ一旦とりに帰るね」 男「あいよ」 57 :愛のVIP戦士 :2007/02/03(土) 23 15 08.41 ID eXzTsXeGO チャリに乗って来る女。とりあえず繁華街に行って見る事に。 男「見事にいないな」 女「なんでだろ」 男「それ禁句」 女「…はい」 男「とりあえず、飯くわね?」 女「やってるの?」 男「マックとか行って見よ」 --- 男「やっぱりだ。何故か用意されてる」 女「とりあえず、いただきまーす」 男「まったく、なんなんだか…」 68 :愛のVIP戦士 :2007/02/03(土) 23 26 15.61 ID eXzTsXeGO 男「さて…人を探そう」 女「おー」 必死に探すが、誰も見つからない 男「なんでなんだ。なんでなんだよ。おかしいだろ、絶対、絶対」 女「…そんなこと言わないでよ…不安になるじゃな」 男「うるさいなぁ!!ちょっと黙ってろよ!お前の存在も怪しいんだよ!…同じ学校だったら、見た事あるはずなのに、初対面だろ!?明らかに変じゃねーか?!ぇ!?」 女「………」 男「なんとかいったらどうなんだよ?!昨日は俺も人に会った安心感から油断したけどさ、あぶねぇじゃん?!こんなにしたの、お前かよ!!」 女「そんな訳ないっ!!」 男「んなん信用出来るかよ!」 女「落ち着いて!!疲れて、人が居なくて、焦ってるだけだよね?」 男「ちげぇ…冷静になった…それだけの話…」 女「…」 73 :愛のVIP戦士 :2007/02/03(土) 23 33 57.92 ID eXzTsXeGO 男「…なんなんだよ?お前は?」 女「…」 男「答えろよ!!」 女「ヒィッ」 男「…ったく。冷静さを欠かした俺が馬鹿だった。俺らしくない…なんなんだ…」 女「怒らないで、聞いて?」 男「…まぁ信じるかは話を聞いてからにしよう」 81 :愛のVIP戦士 :2007/02/03(土) 23 49 58.69 ID eXzTsXeGO 女「あたしがアナタと同じ学校の生徒、っては本当であり嘘なの。」 男「?」 女「少し離れた箇所の…実は、大学生なの。ここの卒業生。君とは、入れ替わりになるかな。」 男「…なるほど。それで制服はあるんだな?しかし、なんでまたそんな格好をしてウチの学校に来た。そして倒れてた?…ますます怪しい。」 女「うん、それなんだけど…実は、あたし、一人ぼっちの世界を、あなたより三日多く過ごしてたの」 男「え?」 女「…だから君を見つけた時は、本当安心した。それと同時に、怖かった。」 男「?」 女「信じてくれるか。…今みたいに疑心暗鬼にならないかどうかが」 男「…だから変装した、という訳だな」 84 :愛のVIP戦士 :2007/02/03(土) 23 56 30.06 ID eXzTsXeGO 女「君を見つけたのは本当偶然。あたしも一人でフラフラしてて、高校を見つけて。ある意味暇潰しみたいな感じで寄ったの。したら、君が教室に一人でいて。」 男「何故すぐ起こさなかった」 女「いきなり知らない人間に寝てる床起こされて、不快にならない人なんか居ないでしょ?…拒絶が怖くて、怪しまれない格好になって…んで、グラウンドに倒れてたフリをしたの」 男「何故?」 女「君と同じような状況ですよ、って知らせた方が親近感わくでしょ?」 男「…なるほど。まんまと騙された訳だ、俺は」 女「信じる?」 男「…信じよう。正直怪しさは拭い切れないが、まぁ、一緒に行動することに異論はない。効率的であるしな。」 95 :愛のVIP戦士 :2007/02/04(日) 00 07 17.32 ID wJCQLA45O 女「本当?!ありがとう!」 男「ただーし。完全に信用した訳じゃない。解ったな?」 女「…はい」 男「…俺も怖いんだ。人を信じるのが。だから…すまない。」 女「?」 男「気にすんな。とりあえず帰ろう。ここに居ても意味は無さそうだ」 女「うん」 猫「にゃー」 男女「!?」 102 :愛のVIP戦士 :2007/02/04(日) 00 12 09.17 ID wJCQLA45O 猫「にゃー」 男「え、あ、猫?!」 女「かわいいー、じゃなくて、やった、いきものいきもの!!」 男「よっしゃー!…何が嬉しいんだ…猫じゃ、手助けにならん…」 女「…解ってるけどさ…でも、もしかしたら人も」 男「これだけ探して居ないんだ。居ないよ。」 女「…アナタは一人の寂しさを知らない」 男「あ?」 女「だからそんな事が言えるんだ。…猫でも、どれだけ救われるか…」 男「…はっ、そうですか。ま、連れてってもいいんじゃない?飯には不思議と困らないんだし、ね。」 女「うん」 男「んじゃ、かえろ」 103 :愛のVIP戦士 :2007/02/04(日) 00 14 57.18 ID wJCQLA45O 男「今日の収穫は…猫だけか…」 女「なんか、食べ物みたいに言わないでよ」 男「すまないなぁ。まぁいい。風呂飯済ますぞ。」 女「今度こそ、覗くなよ」 男「誰が」 猫「にゃー」 106 :愛のVIP戦士 :2007/02/04(日) 00 22 13.57 ID wJCQLA45O 風呂後 女「申し訳ないんだけど」 男「?」 女「なんでアナタ、そんなに疑心暗鬼になっちゃったの?」 男「なっちゃったじゃない。元々だ。昨日がどうかしてた。」 女「嘘。絶対嘘。」 男「え?」 女「昨日のアナタは自然だった。でも、今日のアナタは、なんか、焦りとか、思い込みとか…そういうのが、ある」 男「焦りも思い込みも全然関係ないし、俺は全然正常だ」 女「それがおかしいの。そう、自分に言い聞かせてる。違う?」 男「…いちいちうるさいな…」 女「なにか原因があって、アナタは人を信じようとしてない。でも、急に異常事態になったから、焦って素が出た。そんな感じ。」 男「なにを!」 女「違うの?…違わないでしょ?今も焦ってるもん。図星って感じ」 男「…くっ」 女「話して見なよ?ね?」 男「…」 118 :愛のVIP戦士 :2007/02/04(日) 00 51 07.32 ID wJCQLA45O 男「…俺は、友達に裏切られた事があるんだ」 女「うん」 男「そいつは親友だった。いつだって一緒に居たし、考えてる事は同じだと思ってた。クラスでも俺とそいつが馬鹿やってんのを見て、皆が笑う。すげぇたのしかった。…だけどな。裏切られたんだ。俺は。」 女「?」 男「ま、ありがちな話なんだがな。俺はあいつに見捨てられた。…一緒に遊んでたら、ろくでもないのに絡まれてな?あいつはそん時金があったから見逃してもらえた。けど、俺は無理だった。…あいつには、逃げた後警察なりなんなり、知らせる事が出来たはずなのに、逃げた。 …俺は、絶望した。恐怖の前には友情なんて無意味に等しいと。信頼などするべきでないと。良く分かった。 次の日から俺は一人になった。皆から好んで離れた。どうせ、信じたって裏切られるしな。ま、そーゆーこったぁ。」 女「…そっか。後悔は?」 男「…していない。してる訳がない。俺は悪くないんだからな。」 女「…そう」 119 :愛のVIP戦士 :2007/02/04(日) 01 00 44.98 ID wJCQLA45O 俺「だから俺は人を信じない。分かった?」 女「…そんな過去なら、仕方ないかもね…」 俺「だろ?はは、解ってくれたか、喜ぶべきかどうか」 猫「にゃー」 俺「お前は気楽だなぁー。にゃー?」 猫「にゃー」 女「…君は、本当は優しくて、いいひとな気がする…」 男「…そうかな。そんな訳ないと思うけど。だったら、君を疑ったりしないと思うけど?」 女「でも、あたしを信頼し始めてない?」 男「え」 女「だってそうじゃなきゃ、こんな話しないでしょ?ね?」 男「…いや、それは君が誘導尋問的したからじゃない?」 女「それにほら、昼間に比べて口調が軽くなってる。…それが素の君なんじゃない?」 男「…素の、俺…」 女「うん。だから、本当は許してあげたいんじゃない、その人を」 男「…」 女「ま、色々複雑だろうから、解らないけどね。今日は寝よっか、疲れたし。明日は家でゆっくりしましょ?」 男「うん…。おやすみ」 女「おやすみ」 --- 男「素の…俺…か」 男「…ごめんなさい」 173 :愛のVIP戦士 :2007/02/04(日) 11 28 20.32 ID wJCQLA45O 翌朝 男「…さて、今日は家でのんびりって事ですが?何致しましょうか?」 女「んー…ゲームやろ、ゲーム」 男「は?」 女「あたしたちには信頼関係が足りないんでしょ?なら、遊ぼうよ、ね?なにもってんのー?ぁ、wiiあんじゃん、wii!」 男「…本当なんなんだか、このひとは」 猫「にゃ?」 男「お前もそう思うか?」 猫「にゃんにゃん」 男「にゃー」 女「なにやってるの?」 男「ぇ、いや、ん…なんでもないっ!」 175 :愛のVIP戦士 :2007/02/04(日) 11 36 15.91 ID wJCQLA45O 男「…あんた、つえーな…」 女「え?そう?ていっ」 男「うわ、なんだそれ…さけらんねー」 女「このゲームろくよんでもあったよね?すごいハマったんだぁ~」 男「…負けらんねー」 女「それは、こっちもだよ?」 男「(なんで俺はこんな事してんだ?しかし、人と遊ぶのも久しいなぁ…。…いや、まだ油断しちゃ駄目だ。やっぱりこの女、なんか怪しい)」 女「ほれ、スマッシュ」 男「…つぇぇ」 178 :愛のVIP戦士 :2007/02/04(日) 12 08 32.28 ID wJCQLA45O 女「…君は彼女いないの?」 男「はぁ?いるわけねーだろ」 女「ムキにならないムキにならない。今まで居た事は?」 男「ないね。恋愛なんて友情よりも信じられない」 女「…」 男「ん?そーゆーアンタはどうなんだよ?」 女「あたしは大人の女性よ?…今は居ないけどっ」 男「なんだ、大口たたいとにて、なあー?」 猫「にゃー」 女「…なに、なによ!黙れ童貞!」 男「なんだと?」 女「図星ね!」 男「悪いか!」 女「べっつにー」 男「…くぉぉぉ。ムカつくぅぅぅ。」 181 :愛のVIP戦士 :2007/02/04(日) 12 27 59.93 ID wJCQLA45O 猫「にゃー」 男「にゃにゃー」 猫「ふしゅー」 男「うわ、にゃにゃー」 猫「にゃー」 女「猫語解るの?」 男「わかんねーよ?ただ、かわいいじゃん」 女「ん、んん…」 男「にゃー」 女「(こいつのがかわいい…ってか、面白い…)」 182 :愛のVIP戦士 :2007/02/04(日) 12 31 43.81 ID wJCQLA45O 男「動物は裏切らないよ」 女「?」 男「愛せば愛するだけ愛してくれる。まぁ猫は難しいけど、そこは可愛さでカバー。にゃ?」 猫「にゃ」 男「だから…俺は動物が好きなんだよね」 女「人間だって同じだよ」 男「それはないよ」 女「ないなんてない」 男「…まぁ、今日はそゆ話無しにしようよ。安らぎたい」 女「…自分からしたくせに」 男「…」 199 :愛のVIP戦士 :2007/02/04(日) 17 16 00.80 ID wJCQLA45O 男「飯作れないの?」 女「なんで?」 男「コンビニ弁当ばっかじゃん」 女「うるさーい。んじゃ作ったげるよ」 男「おう、楽しみにしてるわ」 … 男「おー見た目はなかなかだな」 女「うむ。くえー」 男「いただきー。なかなか旨い。合格。」 女「良かった」 男「ぴんぴろぴろりん」 女「?」 男「信頼度アップ」 女「キャラ変わったね」 男「まぁ、旨い飯作る人に悪い人はいないだろ。」 女「え」 男「なんてな。ごっそさん」 女「うん」 200 :愛のVIP戦士 :2007/02/04(日) 17 23 20.89 ID wJCQLA45O 男「んじゃ先風呂入るわ」 女「あいー」 … 男「んもぉ、自分がよくわからんね」 男「信頼してんのか、してねーのか」 男「人なんか、信頼したって、裏切られるだけ」 男「そう思ってたのに、なんでだろう、あいつなら信じてもいいような」 男「いや、まだ判断が早いな。油断は禁物だ。」 男「うむ、出よう」 209 :愛のVIP戦士 :2007/02/04(日) 18 35 39.71 ID wJCQLA45O 男「出たよ」 女「んじゃあたし入ってくるね」 男「うん、解った」 … 女(だんだん良くなって気がする、もう少し、って感じだなー) 女(ま、がんばろっと) 210 :愛のVIP戦士 :2007/02/04(日) 18 44 09.21 ID wJCQLA45O 女「上がったよー」 男「うい。酒飲む?」 女「気が利くね。ってか大分柔らかくなったね。どしたの?」 男「んーまぁー気分かな。あんまり気張ってても疲れるしね」 女「それがいいと思うよ」 男「アナタさ、男の扱い方うまいね」 女「はぁ?そんなことないよ」 男「やっぱり、彼氏が居た人は違うねぃ~。やりやり?」 女「な、あほっ!ってか、アンタ酔ってるね?」 男「んにゃことにゃいよなぁ?」 猫「zzz」 女「だめだこりゃ」 212 :愛のVIP戦士 :2007/02/04(日) 19 07 19.68 ID wJCQLA45O 男「実際どうよ?やりやりなん?」 女「アンタ随分失礼な事聞いていますね」 男「さぁね」 女「あたしは、そーゆーのは大事にとっておくのです」 男「うわ、負け犬の遠吠えっぽい」 女「うっさい。ってか、付き合った事すらない童貞君には言われたくない」 男「うわー泣けるわー」 216 :愛のVIP戦士 :2007/02/04(日) 19 22 04.36 ID wJCQLA45O 男「俺だってモテてた時期はありましたよ。まぁめんどくさいし、男と遊ぶ方が楽だし楽しいし」 女「ホモ?」 男「違う!そういう意味じゃない!」 女「ふぅーん、なら良く、こんな美人のお姉さんと過してて変な気起こさないねぇ?」 男「え、まぁ」 女「ふーん。やっぱりホモじゃん。あはは。」 男「この人のが酔ってる」 218 :愛のVIP戦士 :2007/02/04(日) 19 28 10.48 ID wJCQLA45O 女「実際どうなのぉ?変な気起こさないのぉ?」 男「色々ごちゃごちゃしててそんな余裕なかったもんなー、いやホント」 女「ふぅーん、いまはぁ?」 男「酔ってるから良く分かんね。冷静な判断にかけちまうよ~」 女「かたっくるしい言い方するねぇ。ま、いいんだけどさぁ」 男「まぁなぁ」 222 :愛のVIP戦士 :2007/02/04(日) 19 32 50.93 ID wJCQLA45O 男「ちょっとトイレ」 女「ぬいてこいやぁ~」 男「な!?黙れ!!」 女「あはは~」 … 男(いやいやいやいや、ちょっと酔ってるとは言えなんなんだあの人!?) 男(いや、本当、やばいな…今日は早くねよ、じゃないと間違いが起こるぞこりゃ) 223 :愛のVIP戦士 :2007/02/04(日) 19 36 59.72 ID wJCQLA45O 女(やばいなぁ~、完全に酔ってる、あたし) 女(久しいからなぁ~男の子と飲むのなんか。いゃぁー間違いがおこらない内に寝た方がいいかもしれないなぁ) 女(まぁ、かわいーからもうすこしいじってもいいけど!) 272 :愛のVIP戦士 :2007/02/05(月) 00 21 57.73 ID I6GK1gqOO 男「ただいま、って寝てる?なんなんだか」 女「おきてるよー」 男「吐かない内に、早く自分の部屋に帰ってください。そろそろ寝なきゃですよ、こんな時間だよ」 女「やぁだぁまだまだ飲むぅ。…うぷ」 男「おらぁぁぁぁ早くトイレいってこぉぉぉい」 女「うん!うぷっ」 … 男「本当意味がわからねー。なんか、その気も冷めちまった気がする。」 女「その気ってどの気?」 男「うわぁ!いたのかぁ!?」 女「ふぅーん、すけべなんだぁ、なんだかんだでぇ」 男「や、うるさい!」 282 :愛のVIP戦士 :2007/02/05(月) 01 11 18.78 ID I6GK1gqOO 男「酔ってるんだよね?!そうそうだよね!?」 女「うんにゃ、結構マジ。本当、アナタ見つけた時安心したのよ、この安堵感は言葉で表せない。良かった。なんかこういうのも変だけど、ありがとう」 男「お、おう。なんだかんだで、やっぱ俺一人じゃもっとおかしくなってたかもしんないなぁ。俺も感謝してるよ、ありがとう。」 女「うん」 ぎゅっ 男「わ、わ、だきつ、だきつくなだきつく」 女「少し黙ってて。しばらくこのまま。」 男「…」 283 :愛のVIP戦士 :2007/02/05(月) 01 20 08.75 ID I6GK1gqOO 男「あのーいい加減、恥ずかしいんですが」 女「別に見られてる訳じゃないし、あたしたちしかこの世界にいないんならいいじゃん」 男「そこ認めちゃうんですか」 女「う、うん、そろそろ仕方ないでしょって思って来てね」 男「ほほぉ~そうかぁ」 女「ま、この世界も、段々悪くない気がして来て。って今日感じた」 男「?」 女「あたし一人なら最悪だけど、アナタ居るし。ちょっと不安だったけど、全て話してくれたし」 男「…」 女「だから、結構この世界も慣れてきた。ま、仲良くやりましょ?」 男「お、おう」 女「やるってそういう意味じゃないよ?」 男「解ってるよ!!」 287 :愛のVIP戦士 :2007/02/05(月) 01 34 51.15 ID I6GK1gqOO 女「ま、今日はもう寝よっか。本当変な事しちゃいそうだし、酔ってるのは事実だし」 男「そだね。酔ってる女を抱く気にはなりゃーせん」 女「うっさーい!ま、おやすみ~。あ、ちょっといい?」 男「?」 チュッ 男「?!!」 女「んじゃおやすみ」 男「え、どゆこと、ねぇ、おい!?」 … 女(やりすぎかな?ま、かわいいからいっか!) … 男(あーもーますますぐちゃぐちゃだ!寝よう、寝よう!) 新ジャンル『世界に二人』TOP|後編へ
https://w.atwiki.jp/hakarowa4/pages/228.html
二人だけの楽園 ◆auiI.USnCE ―――こんな世界で、ふたりきり。 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 「……ああ……ああ…………あぁぁぁあぁあぁ」 壊れた空の下で、響く、絶望の声。 身体を抱えて、彼女は慟哭していた。 瞳から溢れ出る涙が、彼女の哀しみを現しているんだ。 彼女――小牧さんにとって、大切な妹が死んでしまったから。 僕――直枝理樹を利用して護りたいといった妹が、放送で呼ばれたんだ。 嘘だと叫びたくても、彼女の妹の後に呼ばれた早間の名前で、それが真実だと示してしまう。 そして、僕の友達も死んだ。大切な親友が。 「真人……そんな……」 決別するかもしれない、親友が。 僕よりも先に逝ってしまった。 その事実に、僕はうちのめされる様に立ちすくんでいる。 護ると約束した、小牧さんの所にすらいけずに。 泣いてる彼女の元に、行きたいのに。 僕は、その場で立ち竦んでいる。 筋肉、筋肉と言っていたバカみたいな友達だったけど。 優しくて、とても頼りになる、大好きな友達だった。 そんな真人が、死んだ。 信じられない、信じたくない。 殺すかもしれなかったのに。 「あれ……?」 僕の頬に温かい雫が。 泣いてるのか、僕は。 捨てると言ったのに。 僕は……僕は…… 「くそっ…………くそっ……」 何故か悔しくなって、地面を蹴る。 哀しくなってるのが、何故か悔しかった。 今すぐ、小牧さんを助けに行かないといけないのに。 護ると約束したのに、僕は哀しみで動けない。 目の前で、真人の幻影が僕を笑っているような気がした。 こんなんじゃ……ダメだ。 こんなんじゃ……ダメなんだ。 僕は…………僕は…… だらしがないな、という真人の声が聞こえた気がした。 僕はハッとなって前を向く。 真人は当然居なくて、代わりに居たのは…… 「…………小牧さんっ!?」 自分の頭に、銃を突きつけた小牧さんだった。 僕は頭が真っ白になって、そのまま愛佳さんに向かって駆け出していく。 哀しみも悔しさも、追悼の気持ちも、もう、どうでもよかった。 ただ、彼女を護りたかった。 僕の手を取ってくれたから。 僕が護らないといけないから。 そう思ったから。 後ろでへっと笑っている真人がいた気がした。 そして、これが、僕の、僕が、選んだ道であり、 親友との決別だった。 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 「小牧さん、やめるんだっ!」 僕は引き金を引こうとする、愛佳さんの手を間一髪で止めた。 小牧さんは、ゆっくりと振り返り、僕の顔をしっかり見つめて、 「…………直枝君…………やっぱ、だめだよぉ…………これは罰なんだ」 泣きながら、呻くように彼女は呟いた。 絶望に染まりきった顔で。 彼女は、罰と言った。 「一度でも、人を騙そうとした。その報いだよ……」 報い……報いなのか。 これが、こんな残酷な事が。 報いなんて…… 「そうだ…………あたしは……もう穢れたんだもん……だから、やっぱり……」 穢れた? 小牧さんが? 大切に妹を思っていた彼女が……穢れた? 「きっと…………こんな残酷な世界に、あたしはいらない……んだ……」 彼女は、儚く、泣きながら、笑った。 その表情の小牧さんは、何処かに消えてしまいそうで。 僕の表情が歪んでいくのがわかる。 「だから、約束……護れそうもないや……ごめんね、直枝君」 そう、彼女は、哀しく言った。 この世界に居場所は無いと。 こんな世界で生きたくないと。 罪を背負い、穢れてしまった彼女は。 大切な人を失ってしまった彼女は。 ――――死にたい、と願っていた。 僕は………… 僕は。 僕は――――! 「ううん、ダメだよ、小牧さん……生きなきゃ……生きていかなきゃ、ダメだ」 「……直枝君?」 僕は、 僕は、震える小牧さんを、力強く抱きしめていた。 この世界に留まる事を選んで欲しいから。 そして、僕は誓ったんだ。 彼女だけのリトルバスターズになるって。 彼女を護る為に、彼女を生かす為に。 だから、 「君が、この世界で生きる事が辛いと言うなら、僕が隣で護ってあげる」 壊れた空の下。 生きる事が苦しいと言うなら、僕が隣に居る事を誓う。 彼女を護ると心から、誓ってみせる。 「君が、背負っている罪が重いというなら、一緒に背負おう。君が受ける罰が大きいと言うなら、一緒に受けよう」 彼女が背負う罪がどんなに重たいとしても、僕が一緒に背負うと誓う。 彼女が受ける罪がどんなに大きいとしても、僕が一緒に受ける事を誓う。 それが、彼女の救いになると言うなら、僕はどんな苦しみでも甘んじて受けいれる。 「君が、どんなに穢れてるとしても、僕は君をどんなものよりも、綺麗と思う」 ああ、そうだ。 彼女が穢れてる訳が無い。 大切な妹のことを思って、身体を使ってまで僕を一生懸命に護ろうとした彼女が。 穢れているはずがない。そんな訳があるもんか。 むしろ、どんな人よりも、綺麗で優しいんだ。 「君が、この残酷な世界でいらない存在だとしても、僕は、僕と君が生きる世界で、君を必要だと誓う」 もし彼女が、この世界から、否定されたとしても。 僕は、僕が生きる世界で彼女を必要だと誓える。 僕は彼女を護る為に、生きたい、生きていきたい。 それが、僕の生きる世界だから。 だから、 「僕と生きよう、小牧さん。僕は君が必要だから……二人で作ろう、二人だけの楽園を」 ぎゅっと彼女の手を握り締める。 とても、温かい。 そんな、温かく、小さなてのひらのような、世界で、楽園で。 僕は彼女と一緒に生きていきたい。 「君を護るから、護って、護り抜いて。そして僕達の、空の色で溢れる、楽園の中で生きよう」 だから、僕は護る。 君を護って、護り抜く。 その先に僕達が生きる楽園があるから。 「なお……えくん……」 潤んだ瞳で彼女は僕を見つめた。 彼女は、握り締めていた僕の掌を優しく包む。 「なら、あたしは……貴方の為だけ、生きたい。生きていきたいです」 優しい告白。 僕を見つめながら、彼女は言葉を紡ぐ。 「あたしも、直枝君の傍に居ます。直枝君が背負う罪も、受ける罰も一緒に抱えます」 それは、誓いの言葉。 僕達が、僕達の楽園で生きる為の、宣誓の言葉だった。 「どんなに、穢れていても、貴方の傍に居る時は綺麗で居たい。あたしは、貴方が必要だから」 何もかも失った彼女が。 頼れる存在が僕しか居なくて。 それで、僕に依存するしかなくても。 それでいい、それでいいんだよ。 「だから、あたしを護ってくれますか? あたしと一緒に、あたし達の楽園で生きてくれますか?」 彼女の最後の確認。 彼女の為に何もかも捨てる誓い。 二人きりの小さなてのひらの楽園で、生きる約束。 「小牧さん……」 「……あっ」 言葉じゃ、伝わらない。 そう思ったから、僕は唇を重ねた。 強く抱きしめながら、思いを伝えるために。 「もっと……あたしが必要だって、証明してください……お願い……あたしを――――」 僕も彼女が必要だから。 彼女も僕が必要だから。 だから、僕は、震える彼女をそのまま、静かに押し倒した。 柔らかな、感触が、手に伝わる。 僕はそれを貪る様に、触った。 「愛佳って……呼んで……理樹君」 「うん…………愛佳さん」 そして、僕たちは身体を求め合った。 互いが必要である事を証明するために。 二人だけの、二人きりの楽園で、 僕達は生きていく。 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ すぅすぅと彼女は、僕に寄りかかりながら寝息を立てていた。 僕は、何も着ていない彼女に僕の上着をかけて上げた。 もう、僕がずっと望んでいた楽園 親友達と望んだリトルバスターズは、もう、見えない。 けど、大丈夫。 僕は、彼女を護るんだ。 彼女と一緒に生きるんだ。 僕と彼女だけの楽園の中で。 僕と彼女だけのリトルバスターズで。 暖かな小さな手のひらの楽園を護る為に。 僕は生きていく。 例え、それが親友を殺す事になっても。 僕は、今の楽園を護っていく。 それが、僕が彼女に誓った事で。 僕の生きる世界だった。 【時間:1日目午後7時30分ごろ】 【場所:E-6】 直枝理樹 【持ち物:レインボーパン詰め合わせ、食料一日分】 【状況:頭部打撲】 小牧愛佳 【持ち物:缶詰詰め合わせ、缶切り、レミントンM1100(2/5)、スラッグ弾×50、水・食料一日分】 【状況:心身に深い傷】 132 嘆きの種子 時系列順 136 終わった世界で何もかも終わる 121 未練という叶わぬ哀しい願い 投下順 123 なまえをよんで 100 Shattered Skies 直枝理樹 150 スラップスティック 小牧愛佳
https://w.atwiki.jp/hmiku/pages/6981.html
ふたりだけのばしょ【登録タグ ふ シュワイP ステンシル 初音ミク 曲】 作詞:ステンシル 作曲:シュワイP 編曲:シュワイP 唄:初音ミク 曲紹介 星空でダンスを踊っているようなジャズソング 星空を思い浮かべるメロディと体が動き出すようなリズムが心地良い曲 サウンドに載せて踊るように気持ち良く歌うミクの歌声が可愛く、心地良い。 コラボサークル「Culb-Ru ne」の11作品目 歌詞 (ピアプロより転載) ここは 星空のステージ あなたと 私踊る 誰も知らないの 二人だけの場所 あなた 上手なステップね 私も 合わせてみる 軽やかな影が 二つ重なるの 星たち 踊る イルミネーション ふわりふわり きらめきだして 一緒に 踊るの 私 あなたの手をとって 指先 あわせてみる 二人の瞳が ららら 星になる らららー らら らららららららー ららららー ららららららー あなたと二人で一緒にうたおう 私たち まるで 天使みたい ずっとずっと 重なり合って いつまでも 歌うの ふわり 月明かりの中で あなたと 二人踊る 誰も知らないの 二人だけの場所 あなた 優しい歌声ね 私も 合わせてみる 軽やかな影が 二つ重なるの お月様 踊る イルミネーション ふわりふわり きらめきだして 一緒に 踊るの ここは 星空のステージ あなたと 二人踊る 二人の笑顔が ららら 輝くの コメント 名前 コメント