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0040前 化け物の殺し方 ◆BrXLNuUpHQ 虹村億泰、北上美晴、上田次郎、西塔明斗、星降奈、カザン、蜘蛛の鬼(父)
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[名前]上田次郎 [出展]TRICK [演優]阿部寛 [性別]男性 [年齢]1965年11月4日生まれ [一人称]私 [二人称]お前、あなた、君 [三人称]あいつ、彼、彼女 日本科学技術大学(略して日本科技大)の教授。自他共に認める巨根。 専門は物理学。ただ詳しい専攻は不明で、むしろ著書や研究室を見る限りではかなり怪しい研究をしている可能性もある。 拝島(東京都昭島市)出身。星座は蠍座。 事件の依頼が来るとすぐに山田奈緒子に頼り、一緒に調査を行おうとする。 奈緒子のことを「山田」「YOU」などと呼んでいる。また、見栄を張る時に『〇番助手』と言い表すこともある(現在は108番、終いには「奉公人」や「付き人(世話人)」呼ばわりしていたことも)。 超常現象等を全否定しているのにも拘らず自分の先祖が想像上の生き物・天狗であることを公言しており、間宮林蔵のきわめて遠い血筋を自称している。 愛車は自身が尊敬していた教授の遺品である「次郎号」で、車種はトヨタ・パブリカ。 また巨根だが未だ童貞であり、そのことがコンプレックスになっている。 著作は 「どんと来い! 超常現象」 「どんと来い、超常現象2~黒門島ひょーりゅーき~」 「どんと来い、超常現象3~そして私は伝説になった~」 「どんと来い、超常現象4~私のLEGENDに終わりはない~」 「なぜベストを尽くさないのか」。 上田への超常現象解明の依頼のために本を携えて依頼人がやってくるケースが多いが、当の依頼人が実は犯人だというケースが多いため依頼料が手に入ったことはない。 [能力] 通信教育で学んだ空手を得意とし(自称免許皆伝レベル)、十数人に囲まれても全員倒せるほどの強さを持つ(銃にはビビるので敵わない)。劇場版2での彼の戦闘能力はもはや空手の域を遥かに超えている。 得意の中学・高校の理科の知識を使ってトリックを見破ることもあるが大概はそれに引っかかり、その上超常現象は存在するとすぐに信じてしまう。 しかし論理パズルや確率などにはめっぽう強い。 奈緒子の使う手品のトリックにも気付かないので「デクの棒」などと見下されており、背が高いため柱などによく頭をぶつける。 座右の銘は「なぜベストを尽くさないのか」であり、自分に言い聞かせると超人的な力を発揮する(縄を引きちぎる、断崖絶壁を這い登る、忘れていた知識を思い出すなど)。 奈緒子からは「デカいだけで何の役にも立たない」とよく言われるが、なぜか誠に奇妙な免許やスキルを会得しており、ひょんなことで役に立ったり(立たなかったり)する。 代表的なものだとフランス語、四桁の四則演算の暗算、ヒューズ取替え検定一級などである。 [性格] 傲慢な性格で自身を「世界一の天才」と自称しているが、その割には極端に臆病で高所恐怖症、気が小さく、不可解な現象を見るとすぐに気絶する(気絶については、本人は疲労と見た超常現象のくだらなさによる単なる居眠りとしている)。 超常現象を信じない割には、ウルトラマンのようなポーズを取ることによってワープできる(したつもり)。 奈緒子と同じく友人関係は乏しい。 奈緒子(オカズの足しにもならないとまで言っている)以外の若くて綺麗な女性に弱く、犯人が若くて綺麗な女性だと簡単に利用されてしまう。 但し世渡り上手な一面があり、教授という肩書きも手伝ってか、山田の母の里見や世間(特に俗っぽい人間)からは敬意を受けることがよくある。 多くが山田の功績である一連の事件解決の経緯を完全に自らの功績として発表してしまうあたりにそれが現れているといって良いだろう。 以下、多ジャンルバトルロワイアルにおけるネタバレを含む +開示する 上田次郎の本ロワにおける動向 初登場話 003 上田教授のドンと来い!変身! 登場話数 5 スタンス 対主催 死亡話 キャラとの関係 キャラ名 状態 呼び方 二人称 関係・認識 初遭遇話 由詑かなみ 仲間 かなみちゃん、かなみくん 君 同行者 003 上田教授のドンと来い!変身! 山田奈緒子 仲間 山田 お前、YOU 貧乳 未遭遇 東條悟 友好→敵対 東條君 君 なぜベストを尽くさないのか! 050 男なら、ベストを尽くして強くなれ 北条沙都子 友好 沙都子ちゃん 君 萌え 050 男なら、ベストを尽くして強くなれ ミハエル・ギャレット 友好→敵対 ミハエルくん 君 F-5公園にて協力 065 目を開けながら見たい夢がある シャドームーン 敵対 F-5公園にて戦闘 065 目を開けながら見たい夢がある 亀山薫 仲間 亀山君 君 助けられる 070 Blood bath 稲田瑞穂 仲間 稲田君 君 同行者 070 Blood bath 前原圭一 敵対 襲撃される 093 上田次郎は二人の狂人を前に気絶する 踏破地域 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 A ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ B ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ C ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ D ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ E ■ ■ ■ ■ □ ■ ■ ■ ■ ■ F ■ ■ ■ ■ □ ■ ■ ■ ■ ■ G ■ ■ ■ ■ □ □ ■ ■ ■ ■ H ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ I ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ J ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ G-6水族館→G-5森→F-5公園→E-5山道
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[名前]上田次郎 [出典]TRICK [演優]阿部寛 [性別]男性 [年齢]1965年11月4日生まれ [一人称]私、僕、俺 [二人称]あなた、君 [三人称]あいつ、彼、彼女 日本科学技術大学(略して日本科技大)の教授。自他共に認める巨根。 専門は物理学。ただ詳しい専攻は不明で、むしろ著書や研究室を見る限りではかなり怪しい研究をしている可能性もある。 拝島(東京都昭島市)出身。星座は蠍座。 事件の依頼が来るとすぐに山田奈緒子に頼り、一緒に調査を行おうとする。 奈緒子のことを「山田」「YOU」などと呼んでいる。また、見栄を張る時に『〇番助手』と言い表すこともある(現在は108番、終いには「奉公人」や「付き人(世話人)」呼ばわりしていたことも)。 超常現象等を全否定しているのにも拘らず自分の先祖が想像上の生き物・天狗であることを公言しており、間宮林蔵のきわめて遠い血筋を自称している。 愛車は自身が尊敬していた教授の遺品である「次郎号」で、車種はトヨタ・パブリカ。 また巨根だが未だ童貞であり、そのことがコンプレックスになっている。 著作は 「どんと来い! 超常現象」 「どんと来い、超常現象2~黒門島ひょーりゅーき~」 「どんと来い、超常現象3~そして私は伝説になった~」 「どんと来い、超常現象4~私のLEGENDに終わりはない~」 「なぜベストを尽くさないのか」。 上田への超常現象解明の依頼のために本を携えて依頼人がやってくるケースが多いが、当の依頼人が実は犯人だというケースが多いため依頼料が手に入ったことはない。 [能力] 通信教育で学んだ空手を得意とし(自称免許皆伝レベル)、十数人に囲まれても全員倒せるほどの強さを持つ(銃にはビビるので敵わない)。劇場版2での彼の戦闘能力はもはや空手の域を遥かに超えている。 得意の中学・高校の理科の知識を使ってトリックを見破ることもあるが大概はそれに引っかかり、その上超常現象は存在するとすぐに信じてしまう。 しかし論理パズルや確率などにはめっぽう強い。 奈緒子の使う手品のトリックにも気付かないので「デクの棒」などと見下されており、背が高いため柱などによく頭をぶつける。 座右の銘は「なぜベストを尽くさないのか」であり、自分に言い聞かせると超人的な力を発揮する(縄を引きちぎる、断崖絶壁を這い登る、忘れていた知識を思い出すなど)。 奈緒子からは「デカいだけで何の役にも立たない」とよく言われるが、なぜか誠に奇妙な免許やスキルを会得しており、ひょんなことで役に立ったり(立たなかったり)する。 代表的なものだとフランス語、四桁の四則演算の暗算、ヒューズ取替え検定一級などである。 [性格] 傲慢な性格で自身を「世界一の天才」と自称しているが、その割には極端に臆病で高所恐怖症、気が小さく、不可解な現象を見るとすぐに気絶する(気絶については、本人は疲労と見た超常現象のくだらなさによる単なる居眠りとしている)。 超常現象を信じない割には、ウルトラマンのようなポーズを取ることによってワープも可能(なつもり)。 奈緒子と同じく友人関係は乏しい。 奈緒子(オカズの足しにもならないとまで言っている)以外の若くて綺麗な女性に弱く、犯人が若くて綺麗な女性だと簡単に利用されてしまう。 但し世渡り上手な一面があり、教授という肩書きも手伝ってか、山田の母の里見や世間(特に俗っぽい人間)からは敬意を受けることがよくある。 多くが山田の功績である一連の事件解決の経緯を完全に自らの功績として発表してしまうあたりにそれが表れているといって良いだろう。 以下、多ジャンルバトルロワイアルにおけるネタバレを含む +開示する 上田次郎の本ロワにおける動向 登場話 003 050 065 070a 070b 093 098 111 125 131a 131b 131c 134 146a 146b 153 156a 156b 156c 156d 157 158 160a 160b 160c 160d 160e 160f 162a 162b 164a 164b 165a 165b 168a 168b 170b 170c 172 174 175 176a 176b 176c 176d 176e 177 登場話数 26 スタンス 対主催、役立たず、疫病神 初期支給品 インペラーのデッキ@仮面ライダー龍騎、富竹のポラロイド@ひぐらしのなく頃に キャラとの関係 キャラ名 状態 呼び方 二人称 関係・認識 関係話 山田奈緒子 仲間 山田 YOU、君、お前 貧乳 未遭遇 由詑かなみ かなみちゃん、かなみくん 君 131話まで同行 003 050 065 070a 070b 093 098 111 125 131a 131b 131c 東條悟 友好→敵対 東條君 なぜベストを尽くさないのか! 050 065 070a 070b 北条沙都子 友好 沙都子ちゃん 萌え 050 065 ミハエル・ギャレット 友好→敵対 ミハエルくん F-5公園にて協力 065 070a 070b シャドームーン 敵対→中立→敵対 シャドームーンさん 70話にてF-5公園で、158話にてF-8で戦闘、164話から同行、174話より戦闘 065 070a 070b 158 160a 160b 160c 160d 160e 160f 164a 164b 165a 165b 168a 168b 170b 174 175 176a 176b 176c 亀山薫 仲間 亀山君 君 助けられる 070a 070b 稲田瑞穂 稲田君 98話まで同行 070a 070b 093 098 前原圭一 敵対 襲撃される 093 瀬田宗次郎 君 F-6市街地北部にて襲撃される 098 カズマ 仲間 カズマ君 かなみを任される 098 131c 134 146b L Lさん F-7東にて保護される、157話まで同行 111 125 131a 131c 134 146a 146b 153 156a 156b 156c 156d 157 南光太郎 F-7東にて保護される、134話まで同行 111 125 131c 134 泉こなた 仲間→敵対 Lたちの同行者 111 125 131a 131b 枢木スザク 敵対 F-7にて襲撃される 125 杉下右京 仲間 君 警察署で情報交換、最期を看取る 131a 131b 131c 岩崎みなみ みなみちゃん 警察署で情報交換、146話まで同行 131a 131b 131c 134 146a 146b 城戸真司 警察署で出会う、156話から同行 131a 131b 131c 134 156a 156b 156c 156d 157 158 160a 160b 160c 160d 160e 翠星石 友好→敵対→友好 翠星石くん 警察署で出会う、156話から160話まで同行、168話にて戦闘 131a 131b 131c 134 156a 156b 156c 156d 157 158 160a 160b 160c 160d 160e 160f 168a 168b 170b 174 175 176a 蒼星石 友好 情報交換をする 131a 131b 桐山和雄 友好→敵対 警察署で情報交換、G-9にて戦闘 131a 131b 131c 134 146b 浅倉威 敵対 君 G-9にて戦闘 131b 131c 水銀燈 友好 水銀燈くん 同盟を結ぶ、157話まで同行 153 156a 156b 156c 156d 157 ヴァン 情報交換をする、同行者 156a 156b 156c 156d 157 158 160a 160b 160c 160d 160e 160f 162a 162b 164a 164b 165a 165b 168a 168b 170b C.C. 情報交換をする、元同行者 156a 156b 156c 156d 157 158 160a 160b 160c 160d 160e 160f 162a 162b ストレイト・クーガー 情報交換をする、157話まで同行、164話で合流 156a 156b 156c 156d 157 164a 164b 165a 165b 168a 168b 170b 後藤 敵対 G-8総合病院にて襲撃される 157 狭間偉出夫 中立→友好 狭間君 F-8にて接触、164話から同行 160c 160d 160e 160f 164a 164b 165a 165b 168a 168b 170b 174 175 176a 176b 176c 176d 176e 北岡秀一 F-8にて接触、164話にて一時同行 160d 160e 160f 164a 164b 170b 174 175 176a 176b 176c 176d 176e ジェレミア・ゴットバルト F-8にて接触、164話にて一時同行 160d 160e 160f 164a 164b 柊つかさ 柊君 君 F-8にて接触、164話にて一時同行 160d 160e 160f 164a 164b 170b 174 175 176a 176b 176c 176d 176e 雪代縁 敵対 F-8市街地にて襲撃される 162a 162b 薔薇水晶 F-8にて戦闘 164a 170b 志々雄真実 F-8にて戦闘 164a 踏破地域 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 A B C D E F G H I J ??? 元の世界 G-6水族館→G-5森→F-5公園→E-5山道→F-6市街地北部→F-7東→F-8東部→H-9警察署→G-9→H-9警察署霊安室→H-9警察署二階会議室→G-9→F-8→G-8総合病院→G-8総合病院付近→F-8小病院→F-8市街地→F-10沿岸部→???→パソコンルーム→???→元の世界
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上田次郎&キャスター ◆CKro7V0jEc 東京の街を、二人の若い男女がふらふら歩いている。 右脇では緑の壊れたトヨタ・パブリカが二人の歩く速度に合わせて自走している。 デカい男の名は、上田次郎。日本科学技術大学の物理学教授である。 もう一方の貧乳の女の名は、山田奈緒子。自称・天才美人マジシャンという胡散臭い肩書きの貧乳である。 二人は、今回の「聖杯戦争事件」を解決して、とぼとぼと家に帰っていた。 事件を解決しても、世間は冷たいもので、二人に見送り一つよこさない。 しかし、普段は果てしなく遠い辺境の村から東京に向かうのに対して、「聖杯戦争事件」は都内の事件なので、比較的距離が短く、いつもに比べて苦労はなかった。 その代り、上田と山田の談笑の時間も必然的に短くなった。 「いやぁ、しかし、今回の聖杯戦争事件は大変だったな……You」 「何が『大変だったな』だ……お前は何もしてないじゃないか!」 「実は、私は自分に催眠をかけて、夢世界で夢魔とこう、ハァッ!! デヤァッ!! ヘァァァァァァァッッ!!!!!!! と戦っていたんだ」 「気絶してただけじゃないか!!」 二人は、巷で噂の「紅い月」と「聖杯戦争事件」が霊能力者によるインチキであった事を暴露した後であった。 上田としても、最初から赤い月やら聖杯戦争やらはまっっっっっったく、これっぽっちも信じていないので、わざわざインチキだと証明しに行く必要もないはずだった。 しかし、上田の歴代の著書を全て読んだ人間が、「娘が聖杯戦争に行ったきり帰って来ない」と泣きついて来てしまえば断る事ができないお人よしな上田なのである。 今回もそうした経緯で、聖杯戦争サークルに乗りこみ、「聖杯戦争なんてインチキだ!これには何かトリックがある!」と高らかに叫ぶに至った。 ……とはいえ、その時は珍しく、数千円の金を積んでも第6256番助手の山田奈緒子の協力を得る事ができず、困っていた。その日の山田は、まるで100万円のギャラの仕事にありつけたかのようにご機嫌だったのである。 心細く、気が重かった上田が、いざ「英霊」を呼び出す段階に来ると、そこにいたのは、「キャスター・山村貞子」と名を変えた山田だった。これで流石に上田も聖杯戦争が嘘であると気づいた。 山田は、ここでサーヴァントの短期バイトをして、インチキを手伝っていたのである。その額は、やはりと言うべきか、100万円だった。 それから、ついでのように殺人事件が発生し、矢部がそこに居合わせ、それを上田と山田で解決し、こうして帰路についている。 「フン……だいたい、100万円ぽっちでよくまあ、ああもがめつくインチキの手伝いができるものだ。そこまで困窮しているのか、Youは」 「しょ、しょうがないじゃないですか! あのままだと家賃も払えないし……」 「祟りじゃ~~~~~」 「言うな!!」 「何が『祟りじゃ~~~~~』だ! あれは貞子じゃなくて八墓村だろッ。あれじゃあこの私じゃなくても気づくのに時間はかからないだろう」 「いや、だからあれは!!」 山田は、キャスター・山村貞子として最初に現れた時、長い髪を真下に垂らしながら、「祟りじゃ~~~~~」などと奇声を発していたのである。 これが山田でなければ、光の中から現れたとしか思えないサーヴァントの姿に上田も気絶していたかもしれない。 今回の事件で実際に気絶したのはその後である。 「……あ、そうだ。上田さん。そういえば、あの時、一体私に何を言おうとしたんですか?」 唐突に、山田がそう切りだす。 今回の事件でも、二人が絶体絶命のピンチに陥った時、「この際だ……君に大切な事を言っておきたい」と上田が言いだしたのである。それを山田は唐突に思い出したのだ。 そこから先、何やかんやの機転で助かったせいで、何を言おうとしたのかは聞きそびれてしまった。 それを訊かれると、急に上田はしどろもどろになる。できればあのまま有耶無耶になってほしかったのだろう。 「あれはだな……そう、君は貧乳だ、それも超ド級の貧乳だ、とな」 「嘘をつけ! 私はその、超ド級というほどではなくてだな……」 「それよりYou、君も何か大事な事を言いそびれてるんじゃないか」 「……え? 何ですか?」 「今……9……」 「え?」 「今夜……9時……」 「ああ! そうだ! 大事な連絡って、めちゃくちゃ大事な事じゃないですか!」 「ハイ、今夜9時より、仲間由紀恵そっくりな天才美人マジシャン・山田奈緒子と」 「阿部寛そっくりな天才イケメン物理学者・上田次郎が、トリック史上最高のインチキ超能力を暴く、『トリック劇場版-ラストステージ-』がテレビ朝日系『日曜洋画劇場』で放送されます」 「地上波初登場だ……。上田、ちゃんとハンカチを用意しておくんだぞ」 「フン……今回は泣かないぞ。花京院の魂を賭けてもいい」 「そう言って毎回泣いてるじゃないか」 「それは、君の貧乳が可哀想で思わず同情して……」 お見逃しなく!! 【クラス】 キャスター 【真名】 山村貞子(山田奈緒子)@TRICK 【パラメーター】 筋力E 耐久E 敏捷E 魔力E 幸運E 宝具E 【属性】 秩序・善 【クラススキル】 陣地作成:E 魔術師として有利な陣地を作り上げる技能。無理。 道具作成:E 魔力を帯びた道具を作成できる。だが山田には無理。 【保有スキル】 手品:E インチキ手品を披露する。 あまり人を惹きつける事ができない。 乳:A- このスキルのランクはAに近ければ近いほど女性的魅力が減っていく。 【宝具】 『本物の霊能力者』 ランク:? 種別:? レンジ:? 最大補足:? 散々伏線として出てきた「本物の霊能力者」とは何なのか? その正体は今夜、明らかになる……。 【Wepon】 不明 【人物背景】 今夜の『トリック劇場版-ラストステージ-』で明らかに! 【願い】 金ほしい(生還済)。 【マスター】 上田次郎@TRICK 【マスターとしての願い】 今夜の『トリック劇場版-ラストステージ-』で明らかに! 【能力・技能】 今夜の『トリック劇場版-ラストステージ-』で明らかに! 【人物背景】 今夜の『トリック劇場版-ラストステージ-』で明らかに! 【方針】 今夜の『トリック劇場版-ラストステージ-』で明らかに! ※この作品は2015年1月25日に投下されました。
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【2日目】 「聖杯戦争……」 日本科学技術大学――都内に位置する、この大学の研究室で、上田次郎教授はある男と対面していた。 散らかったデスクとセットになった椅子にもたれながら、上田は男を見上げる。その態度はどことなく尊大だ。 大学教授という肩書を持ち、「先生」と呼ばれる以上、それなりの威厳がなければならないというのもあるのだろう。 上田の前にいる男は、彼に全ての要件を伝えていた。 筋肉質で長身――この特徴は上田にも当てはまる――、かつ、特徴的なのは口ひげやアフロヘアーだ。 それはさながら、具志堅用高のような格闘家を彷彿とさせる。 上田ほどの体格の男と、具志堅用高のような男とがこうしてデスクを挟んで会話をしている状況は極めて特異であると云えよう。 本来なら、二人が出会うのは、リングやジムであるのが自然だ。 「なるほど、あなたの言う事はわかりました。 ……ただ、私の口から、一つだけ言っておきましょう」 上田は、椅子に座ったまま、目の前の男に笑顔で言った。 この男も、こうして見ると顔立ちの悪いタイプではないのだが、良い年こいて今の所[編集済]である。 それというのも、彼の持つ[編集済]は男性の平均的なサイズを遥かに凌駕し、それを見ただけで世の男性が泣いて逃げてしまう程の■■なのだ。 仮にもし、その■■を女性が見たとすればどう思うだろう。 大きい程に良いというのも事実であるが、大きすぎるという事は、[編集済]の際に誰しもに恐怖を抱かれるという事である。 仮面ライダー然り、異形というのは時として、他人に嫌悪される存在として描かれる。 彼の■■は、最早、そんな代物だった。 下手をすれば、某財団に研究対象とされかねないレベルであり、彼が英霊となった時には、宝具として成立しかねない程の■■――。 それが、今だに彼を[編集済]のままにする、悪しき呪いをかけているのだ。 ……が、そんな事はどうでも良い。 とにかく、上田は目の前の男に続きを言った。 「あなたの言う事は、バカげている」 上田の口から出てきたのは、遠慮のない竹を割ったような一言だった。 この頭の固い物理学教授が、容易く『聖杯戦争』などという物の話を信じてくれるわけがないという事だ。 仮に、上田に話をしに来たサーヴァントが上田次郎の著書のファンだったならば結果は違ったかもしれないが、現世に現れたばかりの英霊がそんな事を知る筈もない。 確かに、英霊には現代の知識が自動的に組み込まれるものの、上田の著書はだいたい2000部くらいしか売れておらず、社会的影響が極めて薄かった。 売っているとすれば、AmazonとかBOOK OFFとかその辺だ。 目安としては、だいたいAmazonだと1円(ただし送料はかかる)、BOOK OFFだと108円くらいで売っている(あくまで108円は2016年現在の消費税で換算)。 内容は文字が大きい為にかなり薄く、どうでもいい事ばかり書いてある。 こんな有様では、もし、全知全能の英霊がいたとしても、スルーされかねない。 この本にあらかじめ目を通しておけというのは酷な話だった。 「いや、だから本当なんだって……!」 サーヴァントは食い下がろうとしたが、上田は冷静に掌を上に向けて、ドアを差した。 退場せよ、という合図だった。 「――今日の所は、お引き取りを」 彼の一言と共に、サーヴァントはしぶしぶこの部屋を出て、上田はわらびもちを食べ始めた。 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ 日本科学技術大学のキャンパスを見上げながら、サーヴァントは肩を落とした。 自然と口からため息が漏れる。 大学のキャンパスの外では、変な踊りを踊っている変な連中がいたが、彼はそれを無視してそこを突っ切って歩いていた。 「はあ……」 サーヴァント――セイヴァー。 救世主のクラスを持つ男の真名は、「マーク」。 マークの名はあまり馴染みがないかもしれないので、彼のリングネームも重ねて伝えておこう。 ――その誉れ高きリングネームは「ミスター・サタン」であった。 「まあ、物理学の教授じゃあ、こんな話、信用してくれないのも当然だよなぁ……」 並みいるサーヴァントの中で、彼が戦い抜く自信はそこまでの物ではなかった。 確かに、サタンは生前、地球のヒーローとしてあがめられる程の英雄だったし、地球では知らない者はいないほどの強い信仰がある。 何より、「救世主」と呼ばれるにふさわしい力で、セルや『何か』から地球を救った……事になっている。 そんな彼が英霊の座に就くのも当たり前の事であったが、実を言えば、その伝説は出鱈目だらけで、サタンは大した事をしていないのだった。 これから出会うサーヴァントが、仮にもし、本当にセルたちを倒した孫悟空やベジータや孫悟飯ならばサタンよりはるかに実力は上になる。 まあ、彼らの場合は話せば何とかなるとしても、セルのような相手だったとすれば、サタンは確実に戦死だ。 死んでしまえば、サーヴァントとしての威厳を保てなくなってしまう。 だから、生前の行いが偽りだとバレてしまうくらいあっさり負ける訳にはいかないというのが現実だった。 ………………で、うまい事敗北から逃れたいと思っていたのに、マスターがアレというオチだ。 根本的にマスターに信用される事すらままならない状態では、今後も見通しは薄い。 せめて、マスターが戦闘能力を持っていれば別だったのだろうが、あの調子ではそれもなさそうだ。 まさか、物理学の教授が、実はサーヴァントや達人と渡り合えるほどの戦闘能力の持ち主という訳もあるまい。 そうであったら嬉しいのだが……。 「だが、どうにかして、マスターに信用してもらわなければ……!」 サタンは、そう思いながら、どこかへふらふらと歩いていく。 彼にとっては、普通に歩いていても人々の歓声を浴びないというのは珍しい感覚だ。 生前にスターで英雄だった彼にしてみれば、新鮮だが、その分、寂しくもある。 ただ、お陰で、自由に歩き回り、いろんなものに触れられるという利点がある。 何か、話術が上手くなる本を探せばいいのだ。 本屋にいけば、様々な本が読める。 営業トークのやり方が書いてある新書など、腐るほど陳列されているのがこの国の書店だった。 「おっ、丁度良い。あそこに本屋があるじゃないか……」 そうして、町をフラフラ歩いていると、彼の目の前に、オレンジと紺の看板が視えた。 とりあえず、この店で何か本でも探すか……と、サタンは、その自動ドアをくぐった。 「いらっしゃいませ、こんにちはー」 「「「いらっしゃいませー、こんにちはー」」」 そう、その店の名前は――――『BOOK・OFF(ブック・オフ)』だった。 【CLASS】 セイヴァー 【真名】 マーク(ミスター・サタン)@ドラゴンボール 【パラメーター】 筋力E+ 耐久D+ 敏捷E+ 魔力E 幸運A+++ 宝具EX 【属性】 秩序・善 【保有スキル】 騎乗:D 騎乗の才能。 大抵の乗り物なら人並み程度に乗りこなせる。 仕切り直し:B 戦闘から離脱する能力。 また、不利になった戦闘を初期状態へと戻す。 黄金律:B 人生においてどれほどお金が付いて回るかという宿命。 永遠に尽きぬと思われる財産を所有している。 覇者の余裕:B 時に敵対した存在を味方につけてしまう純粋な精神。 敵対したサーヴァントやマスターを、稀に改心させる事が出来る。 【宝物/宝具】 『世界の救世主(ミスター・サタン)』 ランク:EX 種別:対人宝具 レンジ:地球全土 最大捕捉:全人類 怪物たちから地球を救い出した英雄の誇り高きリングネーム。 その称号は、地球の神にさえも認めさせたといわれ、全人類の畏敬の対象となっている。 セイヴァーがこの名で残した偉業は数多あるが、何より「どんな強敵と対峙しても必ず生還とする」という逸話が強く影響している。 その為、この宝具がある限り、セイヴァーとそのマスターは、「混沌」の属性を持つ全てのサーヴァントからの攻撃や精神干渉を受けても、絶対に死亡せず、致命傷さえも負わない。 これは、敵がいかに強力な能力を使ったとしても、因果を捻じ曲げて発動し、「秩序」や「中庸」の属性のサーヴァントやマスターを相手にした場合でも、少なからずこの宝具の影響を与えてしまう。 何より、共に行動しているマスターにも影響が伝播する(ただし、共に行動していなければ影響は受けない)。 『王者の一番弟子(ミスター・ブウ)』 ランク:A+ 種別:対人宝具 レンジ:1~10 最大捕捉:1~10人 ミスター・サタンの一番弟子と言われたピンク色の太った格闘家。 セイヴァーと非常に親しく、常に彼と一緒に行動している為、使い魔として召喚する事が出来る。 時に、セイヴァーが闘うまでもないレベルの相手と戦う為に引っ張り出され、セイヴァーの代わりに格闘を行う。 その強さは未知数で、軽く触れただけで相手を吹き飛ばしてしまう事もある。 ただし、食いしん坊であり、魔力の燃費が絶望的に悪い為、万全の魔力を持っている時も十秒程度しか現界できない。 現界した時点で宿主の意識を共有する為、指示を行う必要はないが、場合によっては使い魔のくせに指示を聞いてくれない事も。 また、当然だが、ミスター・サタンの一番弟子である彼はトリックじみた攻撃は行わず、純粋な格闘攻撃のみを仕掛けてくる。 【weapon】 なし。 【人物背景】 もはや地球人を相手には説明不要だろうが、一応説明しておく。 ミスター・サタンは、格闘技の世界チャンピオンにして世界の英雄である。 第24回天下一武道会で優勝しており、その後は、セルという恐ろしい怪物を容易くやっつけた。 その後も第25回天下一武道会などで優勝し、記録を残した事は言うまでもない。 他にも何かをやっつけた気がするが、その記憶を持つ者は少なく、記録上にもない。 ちなみに、何故か絶対的に「死なない」のが彼である。 【サーヴァントとしての願い】 自分の実力を露呈させない為にも、この馬鹿げた戦いを一刻も早く終わらせ、英霊の座に還る。 ただ、マスターである上田次郎が一向に信じてくれないのはどうにかせねば……。 【マスター】 上田次郎@TRICK 【マスターとしての願い】 なし。 【weapon】 己の肉体。 【能力・技能】 多ジャンルバトルロワイアルのwikiのページに詳しく書いてあります。 【人物背景】 多ジャンルバトルロワイアルのwikiのページに詳しく書いてあります。 【方針】 どんと来い超常現象。 【備考】 聖杯戦争の事はセイヴァーに訊きましたが、まったく信じてない上に追い返しました。 参戦時期は不明。 候補作投下順 Back アンジェラ・ラングレー&アサシン Next 海馬瀬人&デュエリスト
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ここを編集 ■シャドーハウス -2nd Season- 作画監督 12(小・渡・池・中・モ・長・松・木・大・今・稲) ■関連タイトル Blu-ray シャドーハウス 2nd Season 1 完全生産限定版 随時更新! pixivFANBOX アニメ@wiki ご支援お待ちしています! ムック本&画集新刊/個人画集新刊/新作Blu-ray単巻/新作Blu-ray DVD-BOX アニメ原画集全リスト スタッフインタビューwebリンク集 最新登録アイテム Blu-ray 魔女見習いをさがして Blu-ray「どうにかなる日々」Blu-ray Happy-Go-Lucky Edition 初回限定生産 Blu-rayDisc付き 『ラブライブ! スーパースター!!』「始まりは君の空」【みんなで叶える物語盤】 BEM~BECOME HUMAN~豪華版Blu-ray Blu-ray 劇場版 魔法少女まどか☆マギカ 10th Anniversary Compact Collection Blu-ray ぐらぶるっ! Blu-ray 映画クレヨンしんちゃん 激突! ラクガキングダムとほぼ四人の勇者 Blu-ray CHRONO CROSS 20th Anniversary Live Tour 2019 RADICAL DREAMERS Yasunori Mitsuda Millennial Fair FINAL at NAKANO SUNPLAZA 2020 ゴブリンスレイヤー Blu-ray BOX 初回生産限定 グリザイア ファントムトリガー THE ANIMATION 03[Blu-ray] 特装版 ラブライブ! サンシャイン!! Saint Snow 1st GIG 〜Welcome to Dazzling White Town〜 Blu-ray Memorial BOX ゾンビランドサガ Blu-ray BOX 初回生産限定盤 Blu-ray 思い、思われ、ふり、ふられ 完全生産限定版 Blu-ray Fate/Grand Carnival 1st Season 完全生産限定版 Blu-ray Fate/Grand Carnival 2nd Season 完全生産限定版 Blu-ray ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうかIII OVA Blu-ray 映画プリキュアミラクルリープ みんなとの不思議な1日 BD特装版 Blu-ray アズールレーン 三笠大先輩と学ぶ世界の艦船 ぶるーれい Blu-ray 水瀬いのり Inori Minase 5th ANNIVERSARY LIVE Starry Wishes かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~ 22 OVA同梱版 呪術廻戦 公式ファンブック よつばと! 15 監修 庵野秀明・樋口真嗣など 夢のかけら 東宝特撮映画篇 パラレルパラダイス 13 特装版 アイドルマスター ミリオンライブ! Blooming Clover 9 オリジナルCD付き限定版 美樹本晴彦マクロス画集 軌 わだち― 夜ノみつき 10th EUSHULLY WORKS しらこ画集 ILLUSTRATION MAKING VISUAL BOOK カズアキ画集 Kazuaki game artworks ライザのアトリエ2 ~失われた伝承と秘密の妖精~ 公式ビジュアルコレクション ぼくたちは勉強ができない 第21巻 音声ドラマ ミニ画集付き同梱版 あいきょう 荻pote作品集 ヒョーゴノスケ流 イラストの描き方 TVアニメ『くまクマ熊ベアー』オフィシャルファンブック 押井守原作・総監督 西村純二監督作品 『ぶらどらぶ』 解体新書公式コンプリートガイド OCTOPATH TRAVELER Design Works THE ART OF OCTOPATH 2016-2020 おそ松さん 3rd season SPECIAL BOOK 描きたい!!を信じる 少年ジャンプがどうしても伝えたいマンガの描き方 YMO1978-2043 「小冊子・YMO全トラックリスト2021 Amazon限定表紙版」付き To LOVEる -とらぶる- ダークネス FIGURE PHOTOGRAPHY COLLECTION 斉藤朱夏 CALENDAR 2021.4-2022.3 ラブライブ! サンシャイン!! Aqours DOME TOUR COMIC ILLUSTRATION BOOK ラブライブ! サンシャイン!! Aqours COMIC ILLUSTRATION BOOK 2020 Winter イジらないで、長瀞さん 10 特装版 「はたらく細胞」公式アニメ完全ガイド リスアニ! Vol.43.2「アイドルマスター」音楽大全 永久保存版VII アイドルマスター シャイニーカラーズ 3 CD付き特装版 ウルトラマンマックス 15年目の証言録 ウルトラマンZ特写写真集 じじぃ 人生は深いな 冴えない彼女の育てかた 深崎暮人画集 上 Flat. ぷよぷよ アートワークコレクション 古谷静佳1st写真集 re START THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS STARLIGHT MASTER COLLABORATION! Great Journey ウルトラマンゼロ Blu-ray BOX クロスアンジュ 天使と竜の輪舞 Blu-ray BOX 初回生産限定版 小林さんちのメイドラゴンBlu-ray BOX ゆゆ式Blu-ray BOX スペシャルプライス版 とーとつにエジプト神 Blu-ray 直球表題ロボットアニメ 全話いっき見ブルーレイ 未来ロボ ダルタニアス 一挙見Blu-ray VOL.1 シュヴァルツェスマーケン 全話見Blu-ray ワールドトリガー一挙見Blu‐ray VOL.1 異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術 魔王プレイボックス 初回生産限定 トータル・イクリプス 全話見Blu-ray Blu-ray Cutie Honey Universe Complete Edition 夜ノヤッターマン 全話いっき見ブルーレイ こみっくがーるず Blu-ray BOX 初回生産限定 Blu-ray 幼女社長 むじなカンパニーセット 初回生産限定 ログ・ホライズン 円卓崩壊 Blu-ray BOX 七つの大罪 憤怒の審判 Blu-ray BOX I Blu-ray 水樹奈々 NANA ACOUSTIC ONLINE 『Dr.STONE』2nd SEASON Blu-ray BOX【初回生産限定版】 魔術士オーフェンはぐれ旅 キムラック編 Blu‐ray BOX 今井麻美 Winter Live「Flow of time」 - 2019.12.26 at EX THEATER ROPPONGI - Blu-ray盤 Blu-ray 仮面ライダーゼロワン ショートアニメ EVERYONE'S DAILY LIFE 仮面ライダー一挙見Blu-ray 1号 2号・V3編 仮面ライダー一挙見Blu-ray X・アマゾン・ストロンガー編 スーパー戦隊一挙見Blu-ray 1975-1981 スーパー戦隊一挙見Blu-ray 1982-1986 半妖の夜叉姫 Blu-ray Disc BOX 1 完全生産限定版 裏世界ピクニック Blu-ray BOX上巻 初回生産限定 Levius レビウス Blu-ray BOX【期間限定版】 スーパー戦隊 学研の図鑑 江口寿史美人画集 彼女 アニメディスクガイド80's レコード針の音が聴こえる necomi画集 PHONOGRAPHIC フルーツバスケット アニメ2nd season 高屋奈月 Illustrations 2 彼女、お借りします TVアニメ第1期 公式設定資料集 ドラゴンボール 超戦士シールウエハースZ 超シールガイド ガンダムアーカイヴス『ガンダムビルドシリーズ』編 Angel Beats! 天使画集 Angel Diary PANZER FRAULEIN 野上武志画集 【陸編】 Angel's cage るび様画集 Sweet Dream はすね画集 画集 制服Girl's▼コレクション もりょ作品集 異世界ファンタジーのキャラクターコレクション 劇場版「美少女戦士セーラームーンEternal」公式ビジュアルBOOK アイドルマスター シャイニーカラーズ イラストレーション ワークス VOL.2 Blu-rayDisc付き 八十亀ちゃんかんさつにっき 10 特装版 あんさんぶるスターズ! Ready For Star 2巻 缶バッジ付 Switch エーペックスレジェンズ チャンピオンエディション New ポケモンスナップ -Switch 【PS4】BIOHAZARD VILLAGE PLAMAX 聖戦士ダンバイン サーバイン ノンスケール PS製 組み立て式プラスチックモデル スーパーミニプラ 無敵ロボ トライダーG7 3個入りBOX 魔道祖師 前塵編 完全生産限定版 HGUC 機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ Ξガンダム MG 機動戦士ガンダムSEED モビルジン 1/100スケール カンチ 青 ノンスケール ABS&ダイキャスト製 塗装済み完成品 ☆赤ver 魔女の旅々17 ドラマCD付き特装版 クリストファー・ノーランの世界 メイキング・オブ・インターステラー BEYOND TIME AND SPACE 時空を超えて るるぶアズールレーン からかい上手の高木さん15からかいカレンダーカード付き特別版 「武装神姫」原案イラスト集 ALLSTARS 機動戦士ガンダム サンダーボルト 17 キャラクターブック付き限定版 とある科学の超電磁砲T OFFICIAL VISUAL BOOK Aqours 5周年記念アニメーションPV付きシングル「smile smile ship Start!」【BD付】
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上田次郎のどんと来い、鬼退治 ◆ZUJmXB0CS. (これから、どうする?) 部屋のソファに座る中野二乃は、焦りを感じていた。 殺し合いに否定的な参加者たちと出会い、安心感から恋愛事情を吐露した十数分後。 冷静さを取り戻すにつれて、自分たちの現状について再認識し始めた。 すると、大切な人たちが今どこでどうしているのか、無性に気になり出したのだ。 (私みたいに、安全な人に会えるとは限らないのよね) もし、危険な人物に襲われたとき、彼ら彼女らは逃げることができるのか。 それぞれの顔と、林間学校でのスキーの腕前などを思い出しながら、二乃なりに考える。 五姉妹の中で運動神経が良いのは四葉だが、それでも女子高校生の範囲は超えない。 そして、一花や五月、二乃の運動能力はいたって平均。 三玖と風太郎は、運動音痴のカテゴリに入る。 (そう、例えば上田さんみたいな男の人に襲われたら……) 同じ部屋にいる上田次郎をちらりと見る。その体格は風太郎よりも良い。 本人曰く「通信教育で空手を学んだ」らしく、その発言にも納得できるガタイの良さだ。 二乃は冷静に、逃げられないと判断した。 何しろ自分が襲われたと仮定しても、逃げられる気がしないのだ。 他の姉妹も風太郎も、逃げられるイメージは浮かばなかった。 可能性があるとすれば四葉だが、単純でお人好しなので、簡単に騙されそうだと判断した。 (みんな大丈夫かしら……) そんな焦りはつゆ知らず、上田は鏡台に自分の首元を映してしげしげと眺めている。 沖田が外へ見回りに出てから、もう十五分以上そうしていた。 二乃は呆れながらも、上田に声をかけた。 「上田さん、これから――」 「まず考えるべきは、この首輪を外す方法を考えることだろう」 「えっ、コレ外せるの?」 食い気味な上田の言葉に、二乃は驚いた。 BBに嵌められた首輪。これが有るのと無いのとでは、状況が大きく異なる。 まさかと思いつつ、反応する声にも、自然と期待が込められる。 「もちろん。私はマサチューセッツ工科大学の研究機関にいたこともある。 専門は物理だが、なに、仕組みが分かって適切な工具があれば、簡単に外せる」 口角を上げて、どや顔をする上田。 「で、仕組みは分かるの?」 「……」 「……工具は?」 「……」 二乃の期待は、あっさりとしぼんだ。 上田は気を取り直したように話を再開する。 「そう、仕組みは外から観察するだけでは限界がある。 この首輪の設計図か……あるいは、そう、サンプルが欲しいところだな」 「サンプルって、どう……」 二乃は続く問いを呑み込んだ。 首輪を手に入れる方法。それは簡単に想像できたが、口にするのは憚られた。 「……BBは、ゲーム感覚で殺し合いをさせる異常者だ。 何かの気まぐれで設計図を支給している可能性もあるだろう。 個人的には、このA-3エリアにある“研究所”が気になるが……」 上田も明言するつもりはないようで、お茶を濁すような言い方をした。 しかし、それよりも二乃は上田の発言で気になる点があった。 「じゃあ、上田さんは研究所に行くの?私、PENTAGONに行きたいんだけど」 「君の住んでいるマンションか……ふむ」 行きたい理由は、姉妹がいる可能性が高いから。 単純な発想だが、それ以外に姉妹と会う方法は考えついていない。 そんな問いかけに、上田は腕を組んで難色を示した。 現在地点を考えると、PENTAGONと研究所とは方向が大きく異なるのだから当然だ。 「行かせてあげるべきでしょう。上田さん」 そこに現れたのは、新選組の沖田総司。 三十分ほど前、上田が沖田に外の偵察を頼んでいたのだが、ちょうど帰ってきたようだ。 「おお沖田くん。外の様子はどうだった?」 「生憎と誰にも会えませんでした。ただ……」 コホコホと咳をしてから、沖田は壁に背を付けた。 痩せた身体で咳をするものだから、どうしても心配になる。 二乃がそれを伝えると、沖田は「よく言われます」と微笑んだ。 「ただ?」 「わずかですが血と火薬の臭いがします。京を思い出しますね」 「京か。ハハハ、流石は新選組だ」 沖田の表情は真剣そのものだった。 二乃はそんな沖田の言葉に、不吉なものを感じた。 ■ (京を思い出すだと?どうやら、本気で沖田総司を演じているらしいな。 “こりん星”とか“ちぇるちぇるランド”のようなものか?まったく、理解に苦しむ) 上田次郎は笑いながら、内心では沖田のことを訝しんでいた。 そもそも、上田はこの現状を“テレビ番組の企画”だと考えていた。 バラエティ番組においては、“ドッキリ”という表現手法が長年使用されてきた。 最近では、単純に驚かせるだけではなく、長時間の観察をおこなう手法も多い。 この殺し合いも、それに類似した壮大な企画に違いない、という考察である。 (何の説明もなしに参加させるとは非常識だが、まあそれはいい。) 上田はまた、参加者それぞれに役割があることをも看破した。 中野二乃を含めた五姉妹のように、無力であり、踊らされる役割。 自分を沖田総司だと思い込んでいる一般人のように、舞台を混乱させる役割。 そして、殺し合いという企画を進めるためには、他者を襲う役割もいると予想できる。 それでは、上田自身が考える、上田の役割とは何か。 (この世界一の天才がするべきことは、この島からの華麗なる脱出だ!) 上田次郎は天才物理学者である。 つまり、明晰な頭脳を期待されて、企画の参加者に選ばれたのである。 ならば、首輪を解除し、不可能と告げられた脱出を成功させるのは当然のこと。 加えて、偉大なる先達として、迷える者たちを導くことも欠かせない。 上田は迷える者たちを横目で見た。 「ねぇ、血と火薬ってどういうこと?」 「ここから少し離れたところで、爆発か何かが起きたようです。 死人が出たかどうかは分かりませんけど。少なくとも怪我人はいますね」 「そんな……」 平然と告げる沖田に、目に見えて動揺する二乃。 姉妹や想い人が巻き込まれている可能性があるのだから無理もない。 ここは上田が、安心するような言葉をかけるべきだろう。 そう、落ち着きを取り戻させるために。 「心配しなくても――」 「ですから、上田さん。早く移動するべきだ。 二乃さんの大事な人たちを、一刻も早く探さなければ」 考え出した言葉は遮られた。 「……うむ」 上田は躊躇いを抱いていた。 もちろん、今のところ安全なこの場所から動きたくない、という理由ではない。 危険な人物がいるかもしれない場所に行くのが怖いという、臆病な発想ではない。 たった独りで行動することへの不安感など、全く存在しない。 決して、そんな理由ではないのだ。 「私はPENTAGONに行きたいんだけど、沖田さんはどうするの?」 「特に目的地はありませんし、二乃さんの護衛をしますよ」 「ホント!?」 自分がいなくなると、この二人は心細く感じるかもしれない。 年長者として、まだ若い二人を導く必要があるのではないか。 そんな思考から、上田は躊躇うのだ。 「ただ、大砲か銃か分かりませんが、武器を持った人もいますから、行動は慎重に。 基本的にわたしが先行して、安全を確かめてから、二乃さんが付いてくる形にしましょう」 「え、ええ……わかったわ」 しかし、躊躇う間にも時間は過ぎていく。 なんなら上田抜きで話が進んでいる。 上田は沖田と二乃の間に割り込んで言った。 「それと、姉妹の皆さんの特徴を――」 「よし。私は先程も言ったが“研究所”に興味がある。二手に分かれることにしよう」 上田は研究所まで単身で行動をすることを決断した。 これは勇気ある決断である、と上田は内心で自分を褒めた。 ――もし、このとき上田が既に“鬼”や“亜人”のような異形の存在を目にしていたら、この殺し合いをテレビの企画と勘違いせず、同じ行動を取ることが出来ただろうか。 「では、行きましょうか」 「ええ」 そうして、ようやく上田たちは外に出た。 外はまだ暗い。暗闇は恐怖の対象である。 上田は自分を奮い立たせるために、あの言葉を呟こうと決めた。 「なぜベストを――」 「しっ!静かに」 沖田が鋭い声を発したのは、そのときだった。 ■ (蹄の音――!) 西の方角を見ながら、沖田総司は警戒心を強めた。 舗装された道の向こうから聞こえてくるのは、馬の蹄の音だ。 「へぇ、イケメンの男二人に、可愛らしい子やないの」 人気の無い暗闇から、その姿はいきなり現れたかに見えた。 見事な白馬にまたがる、着物の少女だ。 少女は沖田たちを見つけると、馬からひょいと降りて近づいてきた。 「そこの人はおっきぃなぁ。背ぇもやし、コッチも……」 「どぅわっ!?や、止めなさい!」 近くにいた上田の下半身をまさぐる少女。上田は制止の声を出すが、抵抗は弱い。 やたらと露出の高い服に、年不相応な色香。 これだけでも奇妙な存在だが、それより沖田が注目したのは、一対の角である。 「……あんた、鬼ですか?」 鬼へと向ける感情は人より何倍も強い沖田。 おのずと少女に向ける視線は鋭く、語気は強くなる。 「なぁに?不躾やわぁ。 人にものを尋ねるときは、自分から名乗るべきと違う?」 不満そうな声を出し、殺意を隠そうともしない少女。 剣呑な雰囲気に、上田は冷や汗を流し、二乃は身震いをした。 「……新選組一番隊組長、沖田総司」 沖田は静かに名乗りを上げた。 すると、少女は一瞬きょとんとして、それから納得したように頷いた。 「へぇ……ウチの知ってる沖田総司は、女子(おなご)やったけどなぁ」 「……?」 沖田総司が女子?そんな疑問符を浮かべつつ、相手は鬼なのだから、まともに相手をするのは間違いなのかもしれないと思い、思考から排除する。 「そんなことより、わたしは名前を名乗りましたけど」 沖田は、愛刀の切っ先を少女に向けた。 少女は嘆息してから、挨拶をし始めた。 「せやったね――ウチは酒呑童子。 あんたはんの想像通り、こんななりでも鬼どす。あんじょう、よろしゅう」 「しゅてんどうじ?」 「京都の大江山にいたとされる、伝説の鬼の名前だ」 首を傾げる二乃と、解説を入れる上田。 その名前は沖田もいつか聞いた覚えがある。かの名将、源頼光らが討伐したとされる鬼の頭領だ。 しかし、知名度はさして重要ではない。 「そうですか。そんなナリでも鬼なんすね」 重要なのは、相手が“鬼”であり。 沖田総司の使命が“鬼退治”であるということだ。 「うふふ、そないに殺気を出されると、ウチも昂るわぁ」 沖田は鞘を投げ捨てた。 ■ 剣筋が閃く。 目にも留まらぬ沖田の突きが、酒呑童子の胸に迫る。 対する酒呑童子は、後方に跳ぶことでそれを回避する。 そのまま民家の壁面に足をつけると、常人離れした脚力で以て、自らの身体を射出した。 酒呑童子の身体は軽いとはいえ、当たれば重い一撃となる。 間一髪、沖田は斜め前に倒れるように身を屈めて、事なきを得る。 同時に刃で腕を切り裂かんとしたが、かすった程度の感触しか得られない。 すぐさま立ち上がり振り向くと、酒呑童子も同様に立ち上がるところだった。 再び相対する二人。 一方は顔をしかめており、もう一方は満面の笑みを浮かべている。 沖田は手元の愛刀・菊一文字を見た。 菊一文字の刀身には、所有者でなければ気づかない程度の小さなひびが入っていた。 酒呑童子はにこにこしながら、自分の手を見た。 左手の爪が割れて、血が滲んでいた。 「爪が汚れてしもうたわ。どうしてくれるん?」 「真っ赤に塗り直すってのはどうです?」 「それはええ考えやね」 「どーも」 お互いに軽口をたたきながら、視線は相手から逸らさない。 沖田は考える。 彼我の距離は、沖田の剣なら一足飛びで貫ける。 爪が削れたのだから、特に皮膚が堅いということもない。 赤い血液が流れるのだから、殺せないということもない。 喉と心臓と鳩尾。急所を速く、正確に突けば終いなのだ。 もし殺せなければ、次の手を考えるまで。 酒呑童子は嗤う。 相手の剣は達人級。油断すれば首が飛ぶ。 先の先、速さではまず敵わない。ならば後の先、待ちの姿勢か。 神速の突きを躱すことさえできれば、あとは痩躯を砕くだけだ。 ああ、そんなことよりも。 久方ぶりの、この命のやり取りがたまらない。 「!」 再び沖田が仕掛ける。 前後左右に移動しながら、牽制のように突きを繰り出していく。 当たれば即死の突きの連続を前に、酒呑童子は身じろぎひとつしない。 牽制と理解した上で、間合に入られた瞬間に返すつもりだ。 「しゃあっ!」 気合と同時に、沖田はこれまでより深く踏み込む。 酒呑童子の視界から、一瞬沖田の姿が掻き消える。 刀は右手。それゆえに、酒呑童子は反射的に、沖田の右半身側に避ける。 「うぅんっ!」 結果的に、その選択は失敗であった。 酒呑童子の太ももには浅からぬ傷ができ、血が滲んでいる。 沖田の選択は、得意手の突きではなく、駆け抜けてすれ違いざまに脚を狙う一撃。 それなりに広い場所であるからこそ可能な技だ。 痛みを受けて座り込む酒呑童子。 (とった!) 振り向きざまに刀を中段に構え直し、酒呑童子の状態を見て、即座に斬りかかる。 上段から振り下ろされる刀は、鬼の少女の首を刎ね飛ばす―― 「待ちなさい!」 ――ことはなかった。 ■ 勝利の感触を得た沖田。反対に敗北を感じた酒呑童子。 しかし、ここで誰も予想していなかった闖入者が現れた。 沖田の刀と酒呑童子の間に割って入ったその男は、誰であろう上田だった。 「ここは互いに矛を収めて、ね?」 「上田さん、どういうつもりです」 震えながら、沖田のことをなだめすかそうとする上田。 さて、極度の臆病者である上田が、こんなことができるだろうか。いや、普通はできない。 このとき、上田がこうした行動に至った要因は、三つある。 まず、「上田は殺し合いをテレビの企画だと勘違いしている」こと。 上田は、沖田や酒呑童子は、クオリティの高い芝居と殺陣をしていたと思い込んでいる。 そのため、間に入り込んでも命の危険はない、という誤解が生まれた。 次に、「上田は自分が期待されていると勘違いしている」こと。 上田は殺し合いをテレビの企画と勘違いした上で、自分の役割を考えていた。 そして、沖田が酒呑童子と争い始めたのを見て、年長者としてこの争いを上手く治めるべきだという考えに至ってしまった。 最後に、「上田は酒呑童子の酒気にあてられている」こと。 ほんの数分前、上田は酒呑童子の声色や吐息を、至近距離で感じていた。 そのため、思考を半分近く蕩かされて、つまりは、魅力に酔わされていた。 酔うと気が大きくなる人間は多い。この点については、上田ばかりを責められないだろう。 とにもかくにも、上田は酒呑童子を庇う形となった。 沖田の問には答えずに、上田は座り込んだ酒呑童子の前に屈んで、声をかけた。 「酒呑童子さん。貴女は鬼だそうだが、人を殺すつもりはあるんですか?」 「どうやろなぁ。ウチは楽しみたいときに楽しむだけやさかい」 上田の質問に、酒呑童子は迂遠な答え方をした。 しかし、その返答を聞いた上田は、頷いて沖田の方に振り向いた。 「聞いたか、沖田くん。 酒呑童子さんは、少なくとも殺人自体を楽しむ性質(たち)ではない」 「え?」 「は?」 その瞬間、沖田はおろか酒呑童子さえも、疑問符を浮かべた。 二人の理解が追いつく前に、上田は言葉を重ねる。 「酒呑童子さんのことは、私に任せてくれたまえ」 「な……」 「ちょっと、それ平気なの?」 絶句する沖田と、心配する二乃。 再び酒呑童子の方に向き直り、声をかける上田。 「傷は平気ですか?」 「うふふ、鬼を庇う人やなんて、珍しいなぁ」 「我々は協力してこの島から脱出するんです。貴女にもぜひ協力していただきたい」 「ふぅん……?」 酒呑童子は上田に興味を抱いたようで、しげしげと上田を見ている。 その上田は、完全に勢いに任せて話していた。 「その力、正しいことに使えば、多くの人の役に立つはずです。 天才の頭脳と鬼の力が合わされば、まさしく鬼に金棒、鬼にマチェット、鬼にミサイル!」 沈黙した酒呑童子に対して、上田はさらにまくしたてる。 二乃と沖田も反論せず、状況をただ見守っていた。 この選択が正しいのかどうかは、上田自身にすら分かっていない。 「ええよ」 「……え?」 選択の答えは、酒呑童子の微笑みだった。 思わず問いかける上田に、もう一度、甘い声がかかる。 「ええよ、協力したっても」 「それはありがたい!さあ、ご唱和ください」 遠巻きに上田たちを眺める二乃も。 愛刀の納めどころを失った沖田も。 交渉が成功し混乱している上田も。 相変わらず笑みを浮かべる酒呑も。 「せーの!」 この場において、状況を正しく理解できていた者はいない。 ただひとつ、明らかなことがある。 「どーんとこーい!」 この場に居た誰もが、上田に毒気を抜かれていたということだ。 ■ その後、上田が酒呑童子の脚を手当てすることになり、二人は民家に戻った。 沖田は鬼との協力に最後まで難色を示していたが、なし崩し的に上田に押し切られた。 なにより酒呑童子が上田に従う様子を見せていたことが、沖田の反論を消したのだ。 結果、二乃と沖田はPENTAGONに向かい動き出した。 「さて、そろそろ我々も行きましょう」 「せやね」 上田が促すと、酒呑童子はつまらなさそうに呟いた。 その理由は、自身の能力が削がれていることを感じたからである。 (まったくBBはんも、余計なことしてくれはるわぁ) 酒呑童子のスキル「果実の酒気」は珍しいスキルだ。 普段ならば、骨をも蕩かす声色や吐息で、たいていの人間は籠絡できる。 しかし、この場においてはその効果が弱まっているらしい。 そう判断したのは、上田が泥酔しきっていないからである。 沖田や先刻の喧嘩小僧のように、意気で以て抵抗してくる者はまだしも、上田のような平凡な人間に抵抗する力があるとは考えにくい。 (つまり、ウチが弱体化させられてる……つまらんことしてくれるわ) もちろん、スキルが上田に全く効いていないわけではない。 むしろ中途半端に効果が出ているからこそ、危険な戦闘に割り込んで、かつ鬼を庇うような奇行に走ったのだと酒呑童子は考えていた。 そもそも、効きが弱いこと自体は問題ない。 それよりも、自分という存在に制限がかけられている、という事実が不満なのだ。 「さて、研究所に行くには……山越えは危険だな。 馬で山を迂回しながら進むことになりますが、平気ですか?」 「ヘーキどす」 (ま、とにかく少しは大人しくしときましょ。 上田はんのお陰様で、命拾いしたわけやし。それに……) 酒呑童子は上田に感謝こそすれ、全面的に従うつもりはない。 力関係を考えれば、鬼が人間に従うことなど、そうそうないのだから。 極論を言えば、恩を返さずに喰い殺しても構わない。 しかし、今はまだそうしないことに決めた。 その理由は単純明快。 (上田はん、眼鏡を外したらええ感じやと思うし。 美味しいかどうか、見極めさせてもらうのもありやわ) そう、酒呑童子はイケメンが好きなのである。 鬼らしく楽しむ、その生き方を忘れる酒呑童子ではない。 (それに、沖田はんも――また会えるとえぇなぁ) 家を出る酒呑童子の口元には、再び笑みが浮かんでいた。 【F-5 民家付近/黎明】 【酒呑童子@Fate/Grand Order】 [状態]:健康、左頬に打撲 [装備]:普段の服、白馬@TRICK [道具]:基本支給品一式、ランダム支給品0~2 [思考・状況] 基本方針:楽しめそうなら鬼は鬼らしく楽しむ 1:ひとまず上田と行動する。 2:小僧(村山)と会って強くなってたら再戦する 3:沖田総司とも再戦したい。 [備考] ※2018年の水着イベント以降、カルデア召喚済 ※神鞭鬼毒酒が没収されているため、第一宝具が使用できません ※スキル「果実の酒気」は多少制限されています。 【上田次郎@TRICK】 [状態]:健康、若干の酔い [装備]:スーツ [道具]:基本支給品一式、ランダム支給品1~3 [思考・状況] 基本方針:この島からの華麗なる脱出。 1:酒呑童子と行動する。 2:研究所に向かいたい。 [備考] ※参戦時期、未定。後続に任せます。 ※殺し合いをテレビの企画だと考えています。 【中野二乃@五等分の花嫁】 [状態]:健康 [装備]:制服にカーディガン [道具]:基本支給品一式、ランダム支給品0~2 [思考・状況] 基本方針:殺し合いはしたくない。 1:大切な人たちに会いたい。 2:PENTAGONに向かう。 [備考] ※修学旅行中(少なくとも79話ラスト以降)からの参戦。 【沖田総司@衛府の七忍】 [状態]:健康 [装備]:着流し、菊一文字則宗@衛府の七忍 [道具]:基本支給品一式、ランダム支給品1~3 [思考・状況] 基本方針:『びぃびぃ』と名乗る鬼を討った後、元和に戻って鬼退治。 1:己の『誠』を信じて突く。 2:二乃さんを護衛する。 3:酒呑童子については保留。 [備考] ※第三十五話以降からの参戦。 【白馬@TRICK】 酒呑童子に支給された。 劇場版3に登場した。人を乗せる訓練を受けている以外は普通の馬。 奈緒子や上田を乗せたことはないので、二人を覚えていることもないだろう。 Next 慕う者たち Previous もがき続けてCrazy,Crazy,Crazy 前話 お名前 次話 鬼が嗤う 酒呑童子 UNSTOPPABLE 時代を貫いて響くもの 上田次郎 中野二乃 割れた星のTRIANGLE(前編) 沖田総司 目次へ戻る
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上田次郎は二人の狂人を前に気絶する ◆.WX8NmkbZ6 上田次郎はリアリストである。 (自称)天才物理学者という立場もあって非現実的な事象は原則として認めない。 しかしこのバトルロワイアルに放り込まれてからはそう言っていられない状況に置かれている。 上田が直面した出来事の多くは「あり得ないもの」であり「あってはならないもの」だ。 普段なら推理をして真相を暴いている所だが、そういう次元の話ではない。 そう、上田の持つ常識はこの場では何の役にも立たないのだ。 それはたった今、目の前にいる女学生――稲田瑞穂との会話においても同じだった。 「安心しなさい、か弱き一般市民上田次郎。 まだアフラ・マズダ様の加護はないけれど、かなみという少女共々必ず守護しましょう」 「そ、それは……どうも……」 常日頃ならその物言いに、言葉遣いがまるでなっていない等と文句の一つも零していただろう。 しかし上田は瑞穂を相手に強く出られないでいた。 時を僅かに遡る。 上田達は亀山の協力により公園から命辛々逃げ出し、走り続けた。 痛みから気を失った由詫かなみを抱いた上田が前を走り、それに瑞穂が付いて来る形だ。 地図を確認する余裕は無く、踏み締める地面は次第に舗装された道路から山道に変わって行く。 足を止めるきっかけになったのは放送だった。 シャドームーンに追い付かれるのは直接的な死に繋がるが、放送を聞き逃す事も遠く死に繋がる。 上田は小心者であるが故に冷静にそう判断し、周囲を見渡した。 足下は落ち葉の溜まった地面、身の回りの木々同士の間隔は数メートル以上。 この場所なら人が接近すれば足音で気付けるし、視界は良好。 そしてシャドームーンが追って来ている気配は無い。 そもそもシャドームーンに追い掛ける気があるならとっくに追い付かれているだろう。 ここまで考えて漸く上田は立ち止まり、放送に耳を傾ける。 「亀山君は、やはり……」 上田達が逃げる時間稼ぎの為に残った亀山がどうなったのか、上田も薄々は分かっていた。 しかしそれを第三者の口から改めて告げられると心が痛む。 そして放送には他にも知った名前が混じっており、上田の恐怖心を余計に煽った。 放送が終わり、気絶しそうになりながらふと瑞穂の方を見るとしんみりとした表情を浮かべている。 公園でシャドームーンとの交戦中に出会って以降まともな会話をした事が無い。 故に人柄は分からなかったが、これまで同行していた亀山の死に心を悲しんでいる事は見て取れた。 さぞ心細い事だろう、この私が慰めてやらなければ。 そのように上から目線で考えた後に上田は瑞穂に改めて名乗り、休憩がてら情報交換を始める。 一カ所に留まるのは危険だという判断から、初めのうちは歩きながら話していた。 だが二人はいつの間にか立ち止まり、向かい合って会話している。 互いにどうしようもなく話が噛み合わず、上田が数時間前の亀山と同じ境遇に立たされた為だ。 瑞穂が真顔で淡々と告げる話は中学生の少女が脳内で作り上げた妄想としか思えない。 上田がこれまでに出会って来たインチキ霊能力者達の様子にも似ている。 しかし目が据わった瑞穂の話と一蹴するには上田には根性が足りなかった。 かといって信じる事も出来ず、上田はただ生返事を繰り返す。 プログラム、光の戦士、マウンテンカメール。 瑞穂に長々と話をされて上田の脳が混乱を極めた時、背後でバサリと音がした。 振り返るが誰もおらず、上田はその音を気のせいだと思う事にする。 しかし正面に向き直ると、同じ方向から更に大きな音が聴こえた――聴こえてしまった。 誰かがいる、その事実だけで上田は卒倒しそうになる。 いるとすれば死角となっている木の陰だが、上田はそれを確認しようとすらしなかった。 「やはり誰もいないようだな、ではそろそろ出発しようか!」 早口で告げて、上田は小走りでその場を離れる。 別にビビっている訳ではなく、危険人物との接触の可能性を減らす為だ。 上田は自分にそう言い聞かせた。 数メートル進んで、上田は瑞穂がついて来ていない事に気が付く。 「稲田君、……」 振り返ると、瑞穂は先程まで立っていた位置から一歩も移動していなかった。 そして瑞穂の見つめる先には一人の少年。 デイパックを握り締めた手は震え、眼には怯えが混じっている。 「どうして死なないんだよ……」 上田の方を睨みつけながら、意を決したように少年は叫ぶ。 「どうして死なないんだよ、北岡秀一ッ!!!」 それは狂人の叫びだった。 ▽ 「何で! どうしてだ!!」 圭一は激昂し、声を荒げていた。 原因は直前にあった放送内容にある。 「悟史が死んだって!? どういう事だよ、それ……!」 この会場における唯一の味方だと思っていた北条悟史の死。 レナが生きているという事実と併せて考えれば――『転校』させられたに違いない。 「しかも……どうして魅音は死んでるのに、レナは死なないんだよ!!」 支給されたデスノートに、圭一は確かに園崎魅音と竜宮レナの二人の名前を書いた。 説明書の通りなら二人は死んでいるはずだが、放送によれば魅音しか死んでいないようである。 (沙都子まで死んでるのに、何でだ……? くそ、クールになれ前原圭一……考えるんだ) ノートにはおびただしい数の名前が刻まれ、実際に魅音は命を落としている。 このデスノートがただのノートとは思えなかった。 (だったら何でレナは死なない……?) 考えてみるが答えは見付からない。 そこで圭一は結局ノートの力を実験する事にした。 名前を書いた相手が目の前にいれば、その効果を確認する事が出来る。 それを試せる機会が都合良くは巡って来ない事が問題だが、いずれは必要になる作業だった。 そして気にしないようにしてはいるが、――首筋が痒い。 自身が死んだ時の事を思い出せば決して掻くべきではないが、痒い。 圭一は痒みから意識を向ける為に別の事を考え始めた。 (そう言えば俺、今どこにいるんだ?) 未だ黒煙を上げるG―10・D―7・F―5を目印に現在位置を確認するとE-6。 放送までの間、北岡達と更に距離を取る為に歩いているうちに再び公園方面に来てしまっていた。 己の不注意を反省しながら、圭一は危険地帯から遠ざかろうとする。 その圭一が歩を止めて素早く木陰に身を隠したのは、話し声が聞こえたからだ。 徐々に近付いて来ている声の主を確認しようと僅かに顔を覗かせ、驚愕した。 (な、何でここにいるんだ……あんなに走ったのに……!!) 対象までの距離は十数メートル。 名簿を事前に確認したので名前は分かっている。 竜宮レナと北岡秀一、それに柊つかさだ。 (しかも、レナとグルだったなんて……!) 殺し合いに放り込まれ、死体を目撃し、北岡達との接触し、デスノートは機能しない。 これらの極度のストレスに晒された圭一は今――雛見沢症候群L5を発症しているのだ。 圭一と同年代の女学生はレナに。 長身で少女を抱えた成人男性である上田は北岡に。 抱えられたその少女、かなみはルルーシュを殺したというつかさに見えた。 (レナ、本当に生きてたんだな……) レナを一度は撲殺し、デスノートで更に殺そうとしながら、それでもどこかで考えていた。 レナはオヤシロ様に乗っ取られてしまっただけで、レナ自身に罪は無いのではないかと。 しかしこうして人殺しの北岡達と行動するという、圭一が自ら作った妄想の映像を見て思い直す。 (レナはこの殺し合いに乗っている。 オヤシロ様の存在なんかじゃ誤魔化せない、レナは異常なんだ!!) 圭一はデイパックから鉛筆とデスノートを取り出した。 上田達は圭一から数メートルの距離まで接近した上で、足を止めて会話を続けている。 (北岡の名前も顔も分かってる……そして本人が目の前にいる。 そうだ、今ならこのノートを試せるじゃないか。 何故だかあの五ェ門って男がいないみたいだけど……これはチャンスだ!) 頭を後ろに下げて、深呼吸する。 (クールになれ、前原圭一。 目の前にレナがいたって怖がる事は無い、レナはこっちに気付いていないんだ。 躊躇う必要だって無い) ――親切で面倒見のいいレナに、ポジティブでアクティブな魅音。 ――生意気だが賑やかな沙都子、口数は少ないが優しい梨花ちゃん。 ――みんな大事な仲間だ。 ――でも……ギラギラしているのに空虚で、しかもねっとりとした、レナと魅音のあの眼を思い出せ。 ――俺が余計な好奇心で雛見沢の暗部を知ろうとした為に、俺は殺されたんだ! もし願いが叶うなら、事件も祟りも何も知らずに笑っていたあの頃に戻りたかった。 そう思うが、それは甘い考えだと一蹴する。 レナに関しては一度試している為、まずはノートに北岡の名前を書く。 記入してから四十秒後に相手は死ぬというルールを確認しながら漢字も正確に記入した。 書き終えるとノートを閉じて脇に抱え、同時に時計を出してカウントを始める。 ノートの効果で『北岡』が死ぬのを確認出来たら、再度レナの名を記入すればいい。 もし何も起きなければこのノートをただの悪趣味なノートと断定し、この場は逃げるつもりだ。 (四十秒なんてすぐだ……焦るな、冷静に待つんだ……!) 一応いざという時の為に鉄パイプの先だけデイパックの口から覗かせ、肩に担いでいる。 だがこうしている間にも『レナ』に存在を気付かれるかも知れないと思うと、汗が噴き出した。 時計を握る手がじっとりと濡れる。 秒針が進むのが遅く、一秒の長さを思い知らされた。 (首が痒い……でも掻いちゃ駄目だ、それじゃあの時と同じだ……!) 喉元を掻き毟りたくなる衝動を抑え付けながら待つ。 (早く、早く……あと三十秒……!!) バサリ、と音がした。 脇に抱えていたノートが地面に滑り落ちた音だ。 圭一は慌ててしゃがみ込み、ノートを拾おうとする。 そして肩からデイパックがずり落ちた。 (ッ――!!!!!) ノートが落ちるよりも遥かに大きい音で、上田達に聴こえなかったはずが無い。 上田達の数秒の沈黙が永遠にも感じられた。 額や手を濡らしていた汗が瞬時に凍りつくような感覚。 バクバクと弾けそうな程に心臓が脈打つ。 口を手で押さえ、息を止める。 瞬きしたその瞬間にレナが鉈を持って襲いかかって来るように思えて、目を閉じる事さえ出来ない。 (来るな、来ないでくれ……!!!) 「やはり誰もいないようだな、ではそろそろ出発しようか!」 その言葉と共に足音が遠ざかって行くのを聴き、圭一は止めていた息を一気に吐き出す。 一度乾いた汗が再び流れ落ちた。 胸をなで下ろして目を閉じ、呼吸を整える。 だが即座に安心している場合ではないと目を見開いた。 (時計は!?) 秒針を見れば、残り十秒足らず。 (駄目だ、このままじゃ北岡が行っちまう! 確認しなきゃならないのに!!) 歩き出した上田に追い付くべく、圭一は木陰から身を乗り出す。 圭一は気が動転していた。 ノートの効果を確認するだけなら焦って追い掛ける必要は無かったのだ。 わざわざ『北岡』が絶命し地面に倒れるその瞬間を見ようとして、木陰から出てしまった。 その場から離れようとしている足音が上田一人分しかない事にも気付かずに。 「あ、……」 その場に留まり、こちらをじっと見ている瑞穂と目が合う。 先に行った上田も足を止めて振り返り、圭一を見た。 四十秒経過。 ノートの効果が現れる気配も無く、最悪の状況だった。 「どうして死なないんだよ……」 追い詰められながらも精一杯の虚勢を張り、声を絞り出す。 「どうして死なないんだよ、北岡秀一ッ!!!」 ▽ 瑞穂にとってマウンテンカメールこと亀山薫の死は大きな痛手だった。 警察署内にスパイとして送り込み、戦士の使命をより効率的に果たす予定が台無しだ。 瑞穂は損得勘定の意味で大きなショックを受けていたが、それだけでは無く。 亀山は同行者の心配をしていた。図書館で死体を見て憤っていた。 それらは演技でも計算でも無く本心だったのだと、公園での行動を見た今なら分かる。 彼は本当に勇敢な戦士だったのだ。 打算以外の部分でも瑞穂は少しだけ、ほんの少しだけ傷付いていた。 代わりに同行する事になったのが足手纏いになりかねない一般人だというのも困りものだ。 上田次郎。 職業は日本科学技術大学教授と名乗っており、この大学は国家との関連は薄いようだった。 官僚の友人がいる等と誇らしげにうそぶいていたが、こちらはただの見栄かハッタリだろう。 役人の関係者ならもっと堂々としているはずで、プログラムを知らない事とも矛盾する。 ……そう、プログラムを知らないのだ。 亀山だけでなく上田も知らなかった事に瑞穂は驚いた。 また上田の話からすれば、同行者であるかなみもこれを知らないという事である。 無知を装っているか、本当に知らないか、ただのバカなのか。 上田の様子を見るに後者二つのうちのどちらかだろうと当たりを付ける。 強大な悪に立ち向かう勇敢さも実力も持ち合わせていない、毒にも薬にもならない一般人。 瑞穂は上田という人物をそう解釈した。 つまり瑞穂は上田を完全にナメており、敬語を使わないのもその為である。 そしてもう一人が負傷した少女となっては、瑞穂も落ち込まざるを得ないのだった。 しかしここで瑞穂は考え方を変える。 瑞穂は上田やかなみと同行しているのではなく「戦士仲間から一般人の保護を任された」のだ。 足手纏いではなく守護対象。 そう思えば戦士プリーシアとしてのやり甲斐も出るし、亀山の遺志を汲んでやる事も出来る。 それを上田に宣言してやると上田は非常に喜んでおり、その反応に瑞穂は満足した。 無知な上田にアフラ・マズダ様の崇高な話を聞かせている時、二度の物音が聴こえた。 臆病者の上田はそのまま出発しようとしたが、瑞穂は違う。 一度なら偶然で済まされても、二度続いた以上それは何者かが潜んでいるという事なのだ。 ずっと見ていた。 ずっとずっと目を逸らさずに、物陰に居る悪魔の存在を感じながら。 そして現れた少年はどうやら瑞穂と上田の事を誰かと勘違いしている様子だった。 それだけなら話し合えば解決する問題だが、怯える少年は明らかに正常な精神状態に無い。 そして音を立ててしまった後逃げようとはせず、姿を現しても弁明しようとしなかった。 あまつさえこちらが去った後から追跡をしようと目論んでいたようだ。 確証は無いがプログラムに乗っている可能性が高い。 (でも、斬れば分かるわ) 斬れれば悪魔、斬れなければ人間。 アフラ・マズダ様の力が宿った剣なら、それを確かめられる。 その考えに至ると間髪入れずにデイパックから模擬刀――瑞穂にとっての光の剣を抜いた。 そして何の遠慮も躊躇いも無く圭一に向かって走り出す。 「く、来るな、」 数時間前は北岡達を襲った圭一だが、今度は襲われる側になったのだ。 「来るなぁあああああああああああ!!!!!!」 瑞穂に襲われた人物は、亀山に続きこれで二人目になる。 亀山の時は「光の剣」を腕で受け止められた事で、瑞穂は彼を「悪ではない存在」と見なした。 しかし圭一の場合、同じ結果にはならなかった。 血が滴る。 圭一は尻餅をついた体勢で腕を押さえていた。 瑞穂が左から右へ横薙ぎに振るった剣を避けようとしたが掠り、切れてしまったのだ。 完全に避けていれば勿論切れなかった。 受け止めていても切れなかった。 ただ模擬刀のうちで唯一人を殺傷出来る先端が当たり、切れた。 その僅かな違いが圭一の命運を分ける。 「やはりあなたはアフラ・マズダ様の敵、この星を侵略しようとする悪魔の手先だったのね」 そう呟いて瑞穂は、立ち上がれないままでいる圭一めがけて剣を振った。 ▽ バットを持ち歩き始めたばかり頃、レナと対峙してもバットはまるで役に立たなかった。 恐ろしさを前に、ただでさえ混乱していた圭一はバットを武器として認識出来なかったのだ。 今もそれと同じだ。 『鉈を持って猛然と襲い掛かって来るレナ』に怯え、銃の存在を失念している。 それでも腕を切り落とさんと繰り出された初太刀は、後方に倒れ込む事で何とか直撃を避けられた。 (な、何だよ……また『オヤシロ様』かよ……『雛見沢』を侵略するって何だよ……!!) 圭一がレナにそうしたように、『レナ』は鉈で圭一の頭を叩き割ろうとしている。 そこまで分かっていても膝が笑ってしまい、立ち上がれない。 しかし流れる自分の血を見て、圭一は思った。 ――もう死ぬのは嫌だ。 ――オヤシロ様なんて知らない。 ――死んだはずの俺がこうして生きているのは、もう一度死ぬ為なんかじゃない。 ――俺は、死にたくない!!! 圭一はデイパックから出してあった鉄パイプの先に手を伸ばす。 今の圭一にはバットでレナと魅音を撲殺した実績があった。 レナが鉈を持っていようと、恐かろうと、殴り続ければ死ぬ事を知っている。 銃の事まで気が回らなくとも、鉄パイプだけが圭一に安心感を与えるのだ。 「うがぁああああああああああ!!!!!!」 喉の限界まで声を張り上げて威嚇し、鉈が振り下ろされるよりも早く鉄パイプを振り抜く。 今度は瑞穂が攻撃を避けようとして尻餅をつく番だった。 二人が立ち上がって体勢を整えるのは同時。 そして各々の武器を振り上げるのも同時だった。 ▽ シャドームーンとライダー達の戦いは余りに現実離れしていた。 その現実感の無さ、そして気を抜けば死ぬという一念が上田の意識を留めていたと言っていい。 それに対し現在、超常現象の類は何も起きていない。 鉄パイプと模擬刀を交えているのはどちらも何の変哲も無い学生に過ぎない。 だが行われているのは「戦い」と言うには生温い、紛れも無い「殺し合い」だった。 殺人への背徳感も相手への同情や容赦も何も無くただ殺意だけがある。 人物も武器も全て現実的なのに、やっている事は殺し合い。 殺人事件を見慣れてしまった上田にとっても異様な――狂った光景だった。 このバトルロワイアルが始まってから、上田は何度も気絶したくなる事態に出会った。 実際に何度も気絶した。 しかし上田(にして)はここまで良く頑張ったのだ。 シャドームーンの前では気絶しなかったし、かなみを抱えたまま全力疾走した。 故に上田の体力も我慢も限界に来ている。 少年少女が凶器を振り回す情景を暫し眺めた後おもむろに、上田はかなみを抱えたまま気絶した。 ▽ カズマの声が聴こえた気がして、かなみは目を覚ます。 彼の姿を探そうとしても、横倒しになった上田が視界を塞いでいて辺りを見回す事は出来ない。 寝転がった体勢から身をよじって起き上がろうとするが、身体に痛みが走り叶わなかった。 しかしカズマがそこに居ない事だけはすぐに理解する。 声が似ていたとしても、そこに居る少年は心も体も余りに弱かった。 カズマと比較する気さえ起きない程に。 身動きが取れないままかなみはその狂人同士の殺し合いの様をただ聴き、そして感じる。 聴こえるのは凶器が風を切る音と二人が地面を踏み荒らす音、そして少年の怒号。 感じるのは狂気の奔流。 オヤシロ様とアフラ・マズダ様という目に見えない存在への恐怖と崇拝がこの二人を突き動かす。 この二人は目に見えないものを見て、見えるものを見ないで戦っていた。 勘違い、すれ違い、言葉は通じない。 それは滑稽で、虚しい戦いだった。 ――私は、夢を見ませんでした。 ――普段ならきっと私は夢を見ているでしょう。 ――そして夢の中の私は、どうにもならない事をどうにかしようと抗い続ける人になっているんです。 ――とても激しく、荒々しく、雄々しい夢。 ――その人は怒りと悲しみも笑い飛ばせる程、強い人なのです。 ――今は夢が見えないけど、負けない。 ――夢の中のあの人達に笑われてしまうから。 ――……でも。 ――私、かず君といたい。 ――会いたいよ、かず君……。 かなみは再び意識を手放す。 衝突していたうちの片方の狂気が、命が潰えるのを感じながら。 ▽ 目潰し、フェイント、足払い。 それらが全く使われないのは両者にスポーツマンシップがあるからでは当然なく。 そんな事をしている余裕も技術もこの二人には無く、武器を振り回す事しか出来ないのだ。 「うおおおおおおおお!!!!」 叫ぶ圭一に対し、瑞穂は無言。 無機物のような不気味さを感じながらも圭一は左から右、右から左と鉄パイプを振った。 扱っているのが素人の少年とは言え鉄の塊、一撃一撃が致死の威力を持つ。 もし手足に当たれば骨折は免れないし、模擬刀で受け止めれば容易く折れるだろう。 瑞穂もそれを分かっているようで、模擬刀で受け止めるような事はせずに避け続けた。 だが圭一にとっても瑞穂の一撃は致死の威力を持っている。 それは模擬刀ではなく「鉈」だからだ。 もし命中すればいつかのケンタ君人形よろしく、身体の部位が切断されるのは目に見えていた。 また鉄パイプで受け止めても上手く捌ける自信は無い。 それに瑞穂は基本的に避けに徹しているが、油断すればすぐに踏み込んで来る。 よって圭一は瑞穂に攻撃の隙を与えないよう、近付けないよう、鉄パイプを休み無く振った。 凶器同士がぶつかり合う音は無く、鉄パイプと模擬刀はただ風を切る。 模擬刀より僅かに長いリーチの鉄パイプを持つ圭一が有利で、瑞穂は防戦一方。 しかしどちらが優勢であっても、凶器を避けるか振るか、それだけの不格好な戦いだった。 やる事成す事、事態を悪転しかさせない。 そして巡って来た最悪の状況を早く終わらせたいと、圭一は焦る。 その上切れた腕から流れた血で鉄パイプが滑らないようにしており、手には余計に力が籠っていた。 「レナ、早く……死んでくれ!!」 それまで左右に振っていた鉄パイプを頭上まで持ち上げた。 上から下へ、重力に従った動きの方が威力は上がる。 レナと魅音を殺した時の事を思い出しながら、鉄パイプを瑞穂の頭に向けて垂直に叩き付けた。 しかしやはり瑞穂は避け、鉄パイプを代わりに地面へ叩き付けてしまう。 一時的に晒した無防備な姿を瑞穂は見逃さず、鉄パイプに阻まれていた間合いまで入り込んだ。 振り下ろした鉄パイプを振り上げ、鉈を受け止めるという二つの動作では間に合わない。 そう判断した圭一は咄嗟に、瑞穂に向かって直接振り上げる事で攻撃に転じる。 瑞穂も圭一に向けていた刀の角度を変えて刀身の中程でその攻撃を受け止めるが、やはり折れた。 勢いは殺し切れず、鉄パイプは瑞穂の右腕に打ち付けられる。 「これで、終わりだ!!!」 圭一が渾身の力とありったけの殺意を以て鉄パイプを振り被った。 振り上げて叩き付けるという二つの動作でも、相手が怯んだ隙を狙えば命中するのだ。 だが瑞穂は、まるで怯んでいなかった。 折れた模擬刀を左手に持ち替え更に一歩、痛みを感じていないかのように圭一の間合いに踏み込む。 その距離は互いの顔に息が掛かりそうな程に近い。 予想外の動きに圭一がたじろぎ、凶器を振り下ろすタイミングを一瞬だけ遅らせる。 その一瞬に瑞穂は――折れて尖った刀の切っ先を圭一の口から水平に、喉の奥まで突き刺した。 「がッ……」 更に奥に押し込もうとする瑞穂を押し退け、圭一は地面に転がる。 鉄パイプも投げ出して喉を押さえ付けた。 口の中には鉄の味が広がり、異物が挿入されたせいで食道からは胃液が逆流しようとしている。 それに喉の痛みを意識すると、これまで耐えていた痒みまで込み上げて来た。 痛みと痒みを押さえようとして地面をのたうち回っている圭一の上に、影が差す。 見上げると眼前に、左手に鉄パイプを握った瑞穂が立っていた。 「っ――――!!!!!」 悲鳴を上げようとするが、喉から声は出ない。 這いつくばった圭一に向かって、鉄パイプは振り下ろされる。 頭を腕で庇おうとすれば腕を折った。 逃げようとすれば足を折った。 何か言おうとしているのにも構わず、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も。 それは丁度、圭一が死の直前にレナと魅音に対して行った仕打ちと同じだった。 『転校』――失踪した悟史と同じ道を辿ろうとする仲間を、ただ心配していた。 怒鳴られてもドアで指を挟まれても信じて貰えなくても、バットで頭蓋を割られても。 ただ心配してくれたレナと魅音を圭一は撲殺する。 そして罪を犯して更に、犯した罪に気付かないという罪を犯し続けた。 この罪に気付くには、「この」圭一には経験が足りないのだ。 これは幾度も幾度も繰り返される世界の中で、奇跡のような確率で漸く気付けるものだから。 一度死んで生き返った程度では、届きようが無かった。 裂けた喉では声は出ず、それでも唱え続ける。 東京での葬儀の帰りに聞いた、少女の声。 自宅の前、雨の中でレナが口にしていた言葉。 前原圭一が大石蔵人に電話越しに遺した、最期の言葉。 ――ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめ―― 最後の一撃と同時に、謝罪の言葉は途切れた。 【前原圭一@ひぐらしのなく頃に 死亡】 ▽ 上田が目を覚まして最初に見たものは返り血を浴びた瑞穂の姿だった。 瑞穂は上田が起きるのを待っていた様子で、上田の顔をじっと見ている。 瑞穂の背後に目線をずらせば、目を見開いたままの血塗れの少年が転がっていた。 死んでいる。 現場検証も推理もするまでも無く、犯人は瑞穂だ。 悲鳴を上げて再び気絶しそうになるが、瑞穂が持つ血染めの鉄パイプを見て思い留まる。 もし瑞穂の気に障るような事をすれば次は自分が同じ目に遭うかも知れない。 上田がガクガクと震えていると、瑞穂は口を開いた。 「アフラ・マズダ様に代わって、私が認めます」 「は?」 唐突な言葉に上田は呆けた声を出してしまうが、瑞穂は気に留める事無く続ける。 「貴方は今を持って『地球を救う誇り高き戦士』になる資格を得ました、おめでとう」 瑞穂は亀山の時と同様に微笑み、パチパチと拍手した。 折れた腕を無理矢理動かしながら笑みを浮かべるその姿は、不気味だ。 しかし話の続きを聞けばその言葉の通り、上田に対し悪意は抱いていなかった。 かなみを抱えて気絶する姿が「光と闇の戦いから少女を庇っている」ように見えたらしいのだ。 「あなたはどうやら、誰かを守る時に真価を発揮するタイプの戦士のようね」 「な、……なかなか分かっているじゃないか、私が凡人とは一線を画すという事を。 私は自分の素晴らしさをひけらかせないシャイな人間で、仮の名で功績を上げる事も多いのだ。 時に下町の殺人事件を解決し、時に飲料水からエコを訴え、時に世紀末の荒野で悪党の秘孔を突き、」 「上田次郎……うえだ……うえ、だ……」 少女に褒められて調子に乗る上田を他所に、瑞穂は思案を始めた。 上田は嫌な予感から逃げ出したい気持ちで一杯になるが機嫌を損ねる訳にはいかず、逃げられない。 「……やっぱり私じゃ思いつかないわね……仕方ないわ。 一時的に大地の戦士ウェーダーマンネクストかっこ仮でどうかしら」 ダサい。そして長い。 言いたい事は幾らでもあるが、言葉にはならない。 「う、嬉しいな……はっはっは……」 「気に入ってくれたみたいね。きっとアフラ・マズダ様もお喜びになるわ」 せめてアフラ・マズダ様は瑞穂よりまともなセンスの持ち主であって欲しい。 上田は心の底から強く願った。 「それでウェーダーマンネクスト、そろそろこの死体から離れるべきよ。 他の参加者に見られたら誤解されてしまうかも知れないわ」 血塗れになってしまった鉄パイプはここに捨てて行くようだ。 ――誤解も何も、君が殺したんだろう。 とは思うが、そのツッコミは心の中にしまっておいた。 瑞穂にとっては「人の姿をした悪魔を倒しただけ」なのだから、仕方が無い。 「しかし、どこに向かおうか……」 かなみの怪我は軽くはないし、瑞穂の腕も折れている。 瑞穂は「アフラ・マズダ様と交信出来るようになれば回復する」そうだが当てにならない。 二人の状態を考えれば向かうべきは病院だが、果たしてそれは最善の選択だろうか。 負傷した人間が向かう先と言えば病院。 殺し合いに参加している人間ならすぐにそれを思い付き、先回りしている者もいるかも知れない。 加えて病院だからといって医者や医療道具が完備しているとは限らない。 そこで上田は警察署の存在を思い出す。 あの勇敢な亀山が信頼しているという杉下右京を頼れば、この状況も打開出来るはずだ。 行くまでの道すがら住宅地を通れば、清潔な布等の応急処置に必要な物も揃う。 それを瑞穂に話すとすぐに同意して貰えた。 (私の専門は謎を解く事であって、犯人の逮捕は守備範囲外だ。 稲田君に関しては右京という人物に任せよう) 上田はこの思惑も、心に留めて置いた。 歩き出す前に上田は少年の死体を見て、ふと奇妙な点に気付く。 「何でこの少年は銃を使わなかったんだ?」 少年のベルトに拳銃が差さっていたのだ。 木陰に潜んでいた時、或いは反撃する時、これを使っていれば死んでいたのは上田達の方だ。 ――心のどこかで、私達を殺す事に躊躇いがあったのか……? この少年は確かに危険だった。 しかし言動からすると、北岡という人物に襲われた結果恐怖で疑心暗鬼に陥っていた可能性もある。 レナという人物共々、北岡も警戒しておいた方がいいだろう。 「思えばこの少年も、被害者だったのかも知れないな……」 全てこの少年一人の錯乱の結果だとは知らずに、上田は黙祷を捧げた。 手を合わせた後、上田は近くに落ちていたノートを拾って銃と共に圭一のデイパックに詰める。 血塗れになった鉄パイプは恐いので触らない。 「それを持って行くの?」 「失礼な。私は死者の持ち物をネコババするような器の小さい人間ではない」 言いつつ、圭一のデイパックを自身のデイパックに押し込めた。 銃など使った事は無いし、一応拾ってみただけのノートが何の役に立つかは分からない。 ただ、何でもいいから身を守る道具が欲しかったのだ。 「借りて行くだけだ」 上田に悪びれる様子は無かった。 (そう言えば、何か忘れているような……?) かなみを背負って歩きながら、心に僅かな引っ掛かりを感じる。 しかしその正体は分からない。 (まぁIQ220を裕に超えるこの私が思い出せないという事は、余程どうでもいい事に違いない) 上田は結局、強欲で大飯食らいで礼儀を知らない心と胸の貧しい女の存在を終ぞ思い出せなかった。 【一日目朝/E-6 山道】 【上田次郎@TRICK(実写)】 [装備] 無し [支給品] 支給品一式×3(水を一本紛失)、富竹のポラロイド@ひぐらしのなく頃に、デスノート(偽物)@DEATH NOTE、ベレッタM92F(10/15)@バトルロワイアル(小説)、予備マガジン3本(45発)、雛見沢症候群治療薬C120@ひぐらしのなく頃に、不明支給品0~1(銭型に支給されたもの) [状態] 額部に軽い裂傷(処置済み)、全身打撲 、疲労(中) [思考・行動] 1:住宅地を通って二人の応急処置をしつつ、警察署を目指す。 2:竜宮レナと北岡秀一を警戒。 3:杉下右京に頼り、瑞穂を何とかして貰う。 4:何か忘れているような……? ※ 龍騎のライダーバトルについてだいたい知りました。カードデッキが殺し合いの道具であったことについても知りましたが、構造などに興味はあるかもしれません。 ※ 東條が一度死んだことを信用していません。 ※デスノートの中身はまだ確認していません。 【由詫かなみ@スクライド(アニメ)】 [装備] 無し [支給品] 支給品一式、ランダムアイテム(1~3確認済み) [状態] 左腕骨折、頭部に損傷、全身打撲 [思考・行動] 0:気絶中 1:カズマに会いたい。 2:アルターが弱まっている事、知らない人物がいる事に疑問。 ※彼女のアルター能力(ハート・トゥ・ハーツ)は制限されており 相手が強く思っている事しか読む事が出来ず、大まかにしか把握できません。 又、相手に自分の思考を伝える事もできません ※本編終了後のため、自分のアルター能力を理解しています。 【稲田瑞穂@バトルロワイアル(小説)】 [装備] 無し [支給品] シアン化カリウム@バトルロワイアル、本人確認済み支給品×2、支給品一式 [状態] 疲労(大)、アフラ・マズダ様のお声が聞けないため若干落ち着かない(´・ω・`) 、右腕骨折 [思考・行動] 1:神秘の水晶を奪還し、アフラ・マズダ様と再び交信する。 2:悪は討つ。 3:右京と言う人間は……? 4:上田と協力し、かなみを守護する。 ※E-6の山道、圭一の死体の近くに折れた模擬刀と血塗れの鉄パイプが放置されています。 時系列順で読む Back adamant faith Next MOON PHASE 投下順で読む Back adamant faith Next MOON PHASE 070 Blood bath(後編) 上田次郎 [[]] 由詑かなみ [[]] 稲田瑞穂 [[]] 076 寝・逃・げでリセット! 前原圭一