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【遊】レッドクィーン(SP) 基本情報 名前 【遊】レッドクィーン 種族 魔種 ジョブ アタッカー 召喚コスト 50 <タイプ> 大逆者 タイプ テイルズ HP 500 ATK 80 DEF 90 覚醒 可 超覚醒 可 アーツ 無 CV 慶長 佑香 備考 魔種〔レッドクィーン〕との同時登録不可「限定使い魔カードゲットキャンペーン」にて入手可能 アビリティ 召喚 なし 覚醒 なし 超覚醒 遊戯の支配者 攻撃力とディフェンダーの敵ユニットに与えるダメージが上がる。さらに、自身が攻撃した敵ユニットのバトルスタイルを、一定時間ファイタースタイルに固定する。 最近修正されたバージョン Ver3.515 [2017.06.08] ステータス 状態 HP ATK/DEF 召喚 500 80/90 覚醒 550 100/110 超覚醒 600 240/190 DATA・フレーバーテキスト +Ver3.5 Ver3.5 身長 1.22[meter] 体重 23.6[kg] 赤色 格別よの 黄色 まぁ……悪くはないの 白色 う、受け入れてやらなくもない 気になるもの 新たな“ゲーム” イラストレーター Tomatika フレーバーテキスト episode:【遊】レッドクィーン(from “Ver.KK ~久遠の眠り姫~”)『ロスト・クィーン』静かな――。ひとこと、そう言い現す他に形容のしようが無い薄明るい空間。白い壁、白い床、白い天井、中央に置かれた木製のテーブルと二脚のアンティークチェア――それ以外、人が生活に必要なものなどは一切見当たらない。それどころか、その部屋にどうやって入ることができたのか、“扉”すら存在しなかった。“入ることができた”?――そう、そこには、二人の少女が椅子に腰かけ、テーブルを挟み向かい合っていた。一人は黒い髪に黒い服。もう一人は対照的に白い髪に白い服。しかしその顔は瓜二つで、二人とも同じく、透けるように肌が白かった。とは言え、その表情から受ける印象は随分と違う。“黒い少女”は、この世の全てを拒絶するように顔を下に向け、しかし、怯えたようなその目だけはテーブルの上にじっと向けられていた。一方“白い少女”はこの世の全てを嘲笑うようにふんぞり返り、口角を吊り上げ、目を細めて同じくテーブルへと視線を落としていた。では、二人の視線の先にあるものは?それは64マスの市松模様が描かれた板と、32個の黒と白の駒たち――“チェス・ボード”。不規則に並んだ駒の配置を見るだに、ゲームは既に始まっているらしい。白い少女が爪で椅子のひじ掛けをトントンと叩きながら口を開いた。「ふ~ん、黒いお馬さんは楽しく跳ねて<d7>――ね。これでグルーエンフィールド・ディフェンス。ちょっと遅くなったけれど、やっとオープニングが整ったというわけかしら」「…………」「良かったわ。あのまま序盤から崩れて、ゲームにすらならなくなってしまったらどうしようかと思っていたの。それじゃ、わたしもこの流れに乗せて頂くとするわね。王様が少し寂しそうにしているから――はい」白い少女が白い「ルーク」をつまみ、つつぅと盤面を滑らせて自身の「キング」の左横――<d1>につける。黒い少女は黙ったまま30秒ほど盤面を凝視した後に、僅かに手を震わせながら黒い「ナイト」を<b6>へと動かした。「ふん」 白い少女は鼻を鳴らして「クィーン」を<c5>に――黒い少女は怯えた目で「ビショップ」を<g4>へ――。果たして、局面はどちらに有利に動いているのだろうか。片目をつむって盤面を眺めていた白い少女は、笑みを浮かべて「ビショップ」を手に取ると、顔を伏せる黒い少女の様子をじぃっと窺いながら、その反応を試すようにゆっくりと<g5>へと滑らせた。黒い少女は変わらず下を向いている。しかし、その目は大きく見開かれ、縦に大きく釣り上がった眉根は、確かな困惑を示していた。そしてしばらく後、すぅと小さく息を吸うと「ナイト」をつかみ、静かに<a4>へと動かした。「あら」その「ナイト」は、白い少女の「クィーン」を刈り取れる位置にあった。「クィーン」とは、チェスにおける要であり最強の駒である。当然それをこのまま取らせるわけにはいかない。だが同時に、<a4>に置かれた黒の「ナイト」は、<c3>に置かれていた白の「ナイト」の射程にもぴたりと収まっていた。そして今、黒の「ナイト」を守る駒は――ない。「クィーン」を守ることができ、相手の戦力も削げる。ここは迷わず「ナイト」を取ればいいだろう。なんといっても、それは“タダ”なのだ。しかし、白い少女は顎に手をやり、もう一度盤面全体をよく見渡し、そして気付いた。<a4>の「ナイト」を取るために白の「ナイト」を動かすこと――それは<c3>から逆サイドへ利かせていた「ナイト」の“睨み”を解くことであり、盤面右半分の均衡を崩し、大きく黒を優勢へと傾ける道筋に繋がっていたのだ。つまり、黒い少女の狙いは、「クィーン」への攻撃で盤面左に注意を引き、一見“タダ”見える「ナイト」を餌に罠を張る――「……いい、手ね」しばし考えた後、白い少女は結局<a4>の「ナイト」を取ることなく「クィーン」を<a3>へと逃し、均衡の維持を選んだ。そして上体を前のめりに起こして両肘をテーブルにつき、組んだ両手に顎を乗せ、黒い少女に微笑みかける。「どうやらちゃんと勝つ気があるようで安心したわ。この“最奥の部屋”には、もう誰も助けに来られない。そして、ここから出ることができるのは“一人だけ”――勝つしか、ないのだものね」その言葉が耳に入っているのか、やはり黒い少女は下を向いたまま――ただ、黙って伸ばしたその手は、掛けられた言葉への返事とばかりに<a4>の「ナイト」をつかんで<c3>の白いナイトを奪い、白の陣地へと切り込ませる。白い少女はすぐさま「ビショップ」を敵陣<e7>へと切り込ませ、先程のお返しとばかりに黒の「クィーン」に攻勢をかけた。逃げるしかない黒の「クィーン」は自陣を離れ、おずおずと前に出て<b6>へと腰を下ろす。「出てきた出てきた。うふふ。いいじゃない、王様よりも女王どうしの果たし合いが勝利を決める――まさにわたしたちにぴったりの展開だわ」むき身で前線に顔を出した黒の「クィーン」を見逃すはずはなかった。敵陣深くに攻め入っていた先程の「ビショップ」は、踵を返して黒の「クィーン」の斜め下<c5>につけ、再び女王の喉元に断頭台の刃を突きつけた。「さ、どこに逃げても結構よ」白い少女は楽し気な笑みを浮かべて手を広げる。黒い少女は相変わらず下を向いたまま張り付くように盤を見つめ、何かに堪えるように肩を震わせていた。そして、ゆっくりと震える手を伸ばし――「……え?」その指は、左盤面で死に瀕している「クィーン」ではなく、右盤面――<g4>にいた「ビショップ」を掴んでいた。白い少女は眉根を寄せ、うつむいたままでいる目の前の少女の顔を覗き込む。黒い少女は構うことなく、そのまま「ビショップ」を中央<e6>へと動かして手を放した。その後、すっかり顔が見えない程に下を向いてしまったその表情は、もはや窺い知れない。「ふぅ………」白い少女は目を閉じて大きくため息をつくと、ためらうことなく「ビショップ」で黒の「クィーン」を取った。「正直、がっかりだわ。あなたが、自分から“死”を選ぶだなんて。“この部屋にいる”ということは、まだ生きたいと思っていると信じていたのに――“自分のこと”だけに、本当にがっかり」黒い少女を見つめる白い少女の目――そこには落胆と共に、怒りとも悲しみともとれる色が濃く浮かんでいた。しかし黒い少女は、その視線も言葉も受け止めて返すことなく、再び盤面に手を伸ばす。白い少女は顔を歪ませ、「もういいわ。負けを認めてキングを倒しなさいな(※)」そう告げるも、やはり反応はない。そしてその手は――<e6>の「ビショップ」を掴み、「もういいと言ったわ!! いい加減に――」 <c4>にいた白の「ビショップ」を取った。そのビショップは、<f1>に鎮座する白の「キング」を守っていたはずの駒だった。つまり、それが意味するところは――「………そんなっ!?」「……“チェック”……」黒い少女は、か細い声で、確かにそう言った。思わず白い少女が腰を上げる。「うそ……『クィーン』を、犠牲にしたっていうの!?」黒のビショップは、間違いなくその長く伸びた矛先を、敵の「キング」へと突きつけていた。そして、その逃げ道には、序盤で取り逃がした<c3>の「ナイト」と、後方で待機していた<e8>の「ルーク」がしっかりとにらみを利かせていた。更には、「キング」の強固な盾であったはずの味方の駒たちが逃げ道を阻む壁となり、もはや孤高の白王が進める道は<g1>と<f1>のふたつのみ、この間を行ったり来たりする他ない状況に追い込まれていた。「そう……後はもう、ウィンドミルのようにくるくる回るしかないというわけね……」まだ結末は迎えていない。しかし、それは容易に想像することができた。白い少女はどかりと椅子に腰を下ろすと、降参とばかりに両手を上げた。「ごめんなさい、侮っていたのは私の方だったみたい――見事な『クィーン・サクリファイス』だわ」黒の少女はやはり下を向いたままで、王手をかけた「ビショップ」を掴んだ手も、そのまま微動だにしない。「……勝つためには、どんな手をつかうことも厭わない。“女王”を犠牲にしても――自分の身を削ってまっ赤な血にまみれても、“ゲームの支配者”であることを選ぶ。そうして、決して自らに敗北を許さない。それがあなたであり、あなたという“存在”――」白い少女の言葉が紡がれるに従い、なんと、駒を掴む黒い少女の手が獣のそれへと変わっていく。真っ黒な髪に赤が混じり、その黒い服に、血が内から滲み出すように“赤”が広がっていく――。「そうよね?――<赤の女王>、レッドクィーン」黒い少女は、いつの間にか赤いドレスを纏い、真っ赤な王冠を被った少女へと姿を変えていた。少女は駒を掴む獣の手をゆっくりと引き、手にした王笏のバットを持ち直すと、顔を上げ、赤い瞳を真っ直ぐ白い少女へと向けた。「よく、妾を見つけたな――“ただ勝たせる”のではない、追い詰め、必死の抵抗をさせた上での勝利を味わわせる。深層に潜った妾を“あぶりだす”には、確かにそれしか手はあるまいよ」「そうね。“勝利の欲求”を最高に引き出させるこれ以外の方法じゃ、あなたと言う存在を世界に浮き上がらせることなんてできないもの」「本気で身を隠していたとはいえ、実力は本物だったのだがな。それを容易にやってみせた――さすがは“貴様”というわけか――」レッドクィーンの言葉を聞く白い少女もまた、いつの間にか姿を変え、ふわりとした白いドレスを纏い、赤い冠を頭に載せて、フラミンゴの描かれたクリケットバッドを行儀よく膝上に乗せていた。「であろう?――<悪夢の女王>、ダークアリスよ」ダークアリスはニコリと笑みを浮かべ首を傾ける。しかし、それを受けるレッドクィーンの表情に、いつもの不遜な笑みはない。「……“あれ”から、どれくらいたった」「どうかしら……ここには時間の概念なんてないし。ただ、まだ“あちら”の決着はついていないわよ。アリスは最後の戦いに向かったわ。そしてわたしは“こっち”」「………」「とにかく、チェスはわたしの負けのようね。おめでとうレッドクィーン。『~久遠の眠り姫~』を永遠の眠りから目覚めさせ、世界を救うために“あの子の夢”になった素敵なあなたは、これで解放されるわ」「……貴様はどうなる?」レッドクィーンが目を細める。「当然、眠り姫の“夢”を無くしてしまうわけにはいかないから、ここに残って代わりに“あの子の夢”になるしかないわね。選手交代というわけ。少し待たせてしまったけれどいいわよね?」笑みを浮かべたまま、あっけらかんとそう言った。「……どういうつもりだ。それでは貴様が永遠にこの夢に閉じ込められることになるではないか」「そうよ。そう言ったつもりだけど」「ぬぅ……」レッドクィーンはギリリと歯噛みをし、“黒い少女”のように下を向いた。その空気は、扉の無い白い部屋に再び重い静寂を呼び寄せる。そして――「――妾はここにいる」そう言った。白い少女はにわかに気色ばみ、「ちょっと! あなたが我儘なのは今に始まったことではないけれど、広くて深いこの夢の中を方々探し回ってやっと見つけてあげたのよ? 夢の奥の奥、こ~んな深層に隠れているんですもの! しかも、姿も記憶も失くした状態で! この部屋に入るのにだって、結構な“代償”を払ったんだから!」「………」「妾は、目覚めとうない」「話が違うわね。あなた、この子の夢になるって宣言したとき、『この娘の夢を取り戻す方法を考えよ』って言ってなかったかしら?」「うるさい……うるさい、うるさい!! そもそもまだ『チェックメイト』も、『リザイン』も宣言されてはおらぬではないか! まだ勝負は終わっておらぬのだ!! 続行だ! 全て終わるまで何があるかわからぬのがゲームよ! 勝利は……ええい、とにかく勝負だ! 終わったら早々に立ち去るがよい」立ち上がり、王笏を振り回して喚き立てるレッドクィーンの声が、白い部屋に虚しい残響を残す。釣られて腰を浮かしかけていたダークアリスだったが、その響きを耳にして幾分冷静になったか、「ふぅ」と気を落ち着かせるように息をついた。そして、「そう言うと思っていたわ。だって――」寂し気に、こう言った。「あなたは世界を救うために身を犠牲にしたのではなくて、本当はここに“逃げ込んだ”のですものね」レッドクィーンの王笏を持つ手に、軋む指の音がこぼれそうな程に力がこめられる。「貴様に……何がわかる」「わかるわ。あなた、まともな方法じゃ自分がこの夢から出る術がないことをわかっていて、この選択をしたのしょう?」「…………」「さっきの黒い女の子――世界の全てから目を背けて、それでも“勝利”から逃れることが出来ずに苦しんでいる女の子――それが今のあなたの本当の姿、違う?」「……くっ……」「わたしはもう一人の“アリス”。あの子の“世界を憎む心”が『悪夢』として形を成した存在だった――あなたは、そんなわたしから生まれてしまったもう一人のわたし。アリスがわたしを認め、わたしもアリスを受け入れた時に、残してきてしまったもう一人のわたしなんだもの……わからないはずがないじゃない」ダークアリスはバットを静かにテーブルに置き、そこに居ない誰かを思い浮かべるように、悲し気な目で宙を見た。「アリス――あの子はとっても不思議な子。気づくといつもみんなの中心にいて、誰でも虜にしてしまう。あのへそ曲がりなチェシャ猫も、恐ろしいジャバウォックやバンダースナッチでさえも、一緒に旅をしたみんなは、どんどんあの子を好きになっていくわ。そして、わたしもそうなった。世界を恐れて、憎むしかなかったわたしを、あの子は優しく抱きしめてくれたわ。わたしはそれを受け入れてしまったの。だから、あの子と一緒にいたくて、わたしの一部を捨ててしまったのよ。それがあなた。わたしはね、あなたの存在を認めたくなかったわ。だって、あなたはわたしの大嫌いなわたしなんですもの――<夢の管理人>として光り輝くあの子を、羨ましいと思ったわたし……あの子を邪魔と憎んだわたし……決してあの子に負けるわけにはいかないと、悪夢に誓ったわたし……黒くて、まっ赤に染まった、わたし……。けれどね、レッドクィーン。結局、あなたもわたしと同じだった――」レッドクィーンは返事をせず、「――あなたも、あの子を好きになってしまったのでしょう?」ただただ、ダークアリスの言葉に耐えるように王笏を強く握り続ける。「でも、あの子への憎しみから生まれたあなたにとって、あの子を好きになることは“負ける”ということ。ゲームをして、勝利する――それがあなたという“存在”なのに、みんなで仲良しこよしなんてできるわけがないものね。だからあなたは、さっきの『クィーン・サクリファイス』のように、自分を犠牲にして、眠り姫の夢に身を隠すことで、“負けないという勝利”を選んだのだわ」――ガンッッッ!!「そうだ……」レッドクィーンは握りしめた力を爆発させるように、思い切りテーブルに王笏を叩きつけた。「それがどうした……悪いか! ゲームはな、一人ではつまらんのだ! 対戦相手が、共に語る者がいてこそ楽しいのだ! それを教えたのはお前らだ! このもやもやも、苦しみも、全部お前らのせいだ! もっとお前らと勝負がしたい! もっとお前らと遊びたい! もっとお前らと笑い合いたい! 妾とお前らで何が違う!? だが“無理”だ。わかっておるわ……生まれたときよりどこまでも、妾という“存在”はお前らの“敵”なのだ!! なのに――」そして癇癪を起した子供のように王笏を壁に叩きつけ、「お前らのせいだぞ!! お前らのせいで、妾は――お前らを好きになってしまったのではないか!!」下を向き、肩を震わせて両の拳を握った。「……それでも、妾は<赤の女王>だ。何者も受け入れぬ、唯一絶対の勝者――“たった一人の女王”なのだ」レッドクィーンはよろりと力が抜けたように椅子に腰を落とした。「ならば、これ以上好きにならず、嫌われもしないために、三人でことを成し遂げたあの一番楽しかったときに消えてしまおうと、そう思ったのに……なぜ……」そのまま椅子の上で膝を抱えこみ、小さくなって顔を膝に埋める。「……だって、それしかないではないか……」その声は、常に気丈な彼女の口からこぼれたとは思えない程、か細く、弱く、震えていた。ダークアリスはレッドクィーンに近づくと、その頭にそっと手を乗せた。「……いいえ、方法なら他にもあるわ」「……手をどけよ……憐れむな、忌々しい……」「本当にある――“見つけた”のよ。確かに、勝利を欲する<赤の女王>である限り“敵”は必要なのでしょうね。だからわたしたちは――あなたの“敵”をやめることにしたの」レッドクィーンはほんの少しだけ顔を上げ、乱れ、顔に掛かった髪と膝の隙間からダークアリスを見上げた。「……どういう意味だ。お前たちがどう思っていようとも、お前たちが<夢の管理人>で、<悪夢の女王>である限り、<赤の女王>である妾は決して挑むことをやめぬであろう」「だから、それを“やめる”のよ」「それは……まさか……」「ええ、わたしたちは、<夢の管理人>と<悪夢の女王>を“降りる”ことにするわ」「なんだと……!?」レッドクィーンは思わずガバリと身を跳ね上げた。同時に目の端に浮かんだ光や、鼻から少し垂れ落ちようとしている雫を見られていることに気付き、慌てて空中から赤いアルマジロを引っ張り出すと、じたばたと暴れるその腹で顔の汚れをふき取って投げ捨てる。「なんだその馬鹿馬鹿しい択は!? ゲームにすらなっておらぬではないか!」「馬鹿とは失礼ね。これはあなたが取った択と同じ、ちゃあんと“負けない”選択なのよ」ダークアリスは腕を組んで頬を膨らませ、ぷいと顔を横にむける。しかし、レッドクィーンは収まらない。「どこがだ! それでは“眠り姫”の夢を繋ぎ止めるどころの話ではないぞ! <夢の管理人>が居なくなれば、『夢の世界』が崩壊してしまうだろうに!!」「だからわかっているわよ。これはその二つを同時に解決できる話なの。世界の為に何百年も眠り続けることになったあの子を、また永遠の眠りにつかせるわけにはいかないもの。つまりね、管理人がいなくなり、誰も居なくなった『今の夢の世界』そのものを“あの子の夢”にしてしまうの。そしてその代わりに『新しい夢の世界』をつくるのよ」「なっ……新しい『夢の世界』”だと!? そんなことができるわけ……!! ……いや、それならばたしかに……むむぅ……」レッドクィーンは腕を組み、考えこんでしまう。「当然問題は山積みよ。『今の夢の世界』にいる住人たちは、強い力をもった子たちから順に“放り出されて”しまうでしょうし、新しい<夢の管理人>も探さなきゃならない。アリスの無事の帰還はもちろん必須。誰も居なくなった『夢の世界』も穴ぼこだらけだから、“あの子の夢”に見合うようにちゃあんとキレイにしなきゃならないわ」「だがそのような大業、<役職>がなければまともな力など振るえぬぞ」「そうね。だからわたしが<悪夢の女王>を降りるのはもう少し先の話。当然あなたの力も借りるわ」「アリスはどうする?」眉根を寄せるレッドクィーンの顔を見て、ダークアリスは悪戯っ子そうな笑みを浮かべた。「あの子は――<帽子屋>になるって言っていたわ」「んん?? それでは、今度はあの<帽子屋>が……」「あの人は『謎』になるの。この“ゲーム”に参加するみ~んなが目指す謎にね。『謎』が何かはもちろん謎よ。あなたならわかるでしょう? 『謎』の説明をしてしまったら、『謎』が『謎』じゃなくなって面白くないものね。そして、あの人がこのゲームの“最後の鍵”を握ることになるわ」「……しかし、あの“変わり者”にそんな大役が務まるのか?」「ふふ、もともと謎めかしい人だったけど、実はね、このアイデアはあの人が言い出したのよ。アリスとわたしだけではここまでのことは思いつかなかった。それであの人に相談したの。あの人の言っていることはいつも突飛で、誰にも理解できないけれど、誰にも思いつけないことを考えるなら、あの人ほどの適任者はいないわよね」いつの間にか椅子から立ち上がり、すっかり話に引き込まれてしまったレッドクィーンは、腕組みをして思考を巡らせる。「なるほど……勝算はある、というわけか」「ええ、これはとても大きなゲームよ。ベットの対象は『夢の世界』。ゲームマスター兼ディーラーはわたしたち。プレイヤーは夢の世界の住人全員。ゴールは『大いなる謎』となる“あの人”。そして賞品は――『新しい夢の世界』」「……まて、まだだ。初めに貴様は『ここに残る』と言った。あれはどういう意味だ」「ええ、確かに言ったわね。ここに残るのは本当よ。でも“この部屋”じゃない。まずわたしたちは一緒にこの部屋を出て、『夢の世界』に残って“補修”をするの。ごめんなさいね、『永遠に』といったのは意地悪よ。だって、あなたのわがままには本当に苦労させられたんだから、少しくらい仕返しさせてくれてもいいでしょう? これでおあいこ。ここから、わたしとあなたはしばらく一緒よ」「………」「あなたならもうわかっていると思うけど、これはとびきり難しいゲームよ。だから是非、あなたの力も借りたいわ。『ゲームの支配者』であるあなたの力をね」微笑みかけるダークアリスの視線を、レッドクィーンはもはやそらすことなくしっかりと受け止めていた。「一つ聞かせよ――なぜ、ここまでする?」その質問にダークアリスは目を見開き、次いで大きく大きくため息をついた。「はぁ~~~~。ここまで話していて、まだ言わなきゃわからないの? 本当、あなたゲームこと以外はさっぱりね」「ぬぅ、なんだその目は! も、もちろんわかっておるわ! だがもし違ったらいかんから、はっきり申せと言っておるのだ!」ぶんぶんと手を振り言い訳をするレッドクィーンに、ダークアリスはもう一度小さく息を吐くと、「――あなたは、わたしたちを“好きになった”と言ってくれたわよね。お返しするわ。わたしたちだってそう思ったのよ。だからこうすることにしたの。これはあの子の言葉で、そしてわたしの言葉――」レッドクィーンの手をとって、にこりと微笑みかけた。「もうあなたは、わたしたちの大好きな友だちだからよ――三人目の“アリス”」レッドクィーンは、その言葉にひゅうっと息を飲んだかと思うと、握られた手を勢いよく振りほどき、くるりと背を向けて数歩離れる。ダークアリスは何事かと手を伸ばすが――「近寄るな! 妾は今、見せたくない顔をしておる!! あと、拭くものが無い! 貴様の赤いハリネズミを貸せ!!」「いやよ。……もう、仕方のない“わたし”ね。待っててあげるから、早く準備を整えなさい。そろそろ行かなくちゃ」しかし、その背は黙したままで返事をしない。「……わかってるわよ。安心して。ここでのことは誰も見てないし、今のぐちゃぐちゃな顔は、私とあなたの秘密にしておいてあげる。それでいいでしょ?」ダークアリスが三度目のため息と共にそう言うと、赤い背中は小さくコクリと頷いた。しばらく後、空中からあれやこれやと取り出して身なりを整えたレッドクィーンは、トコトコと歩いて投げ捨てた錫杖を拾うと、ダークアリスの前に立ち、のけぞり倒れそうな程に胸を張った。「――ふん、いいだろう! 力を貸してやる!! だが……」そしてビシッとダークアリスに錫杖を向けた。「……さっきのことは、本当に言うなよ」ダークアリスはその先をついとつまんで横によける。「わかってるわよ。しつこいわね」「言ったら貴様をまっ白なショートケーキにして、ジャバウォックの白い歯に塗りたくってやるからな」口から出る言葉とは裏腹に温かな笑みを浮かべた二人は、どちらからともなく歩きだし、再びチェスボードを挟んで対峙した。「はいはい。それじゃ決着をつけて、行きましょうか――もうひとりの“わたし”」「うむ、そうするとしよう――もうひとりの“妾”よ」「わたしたちが本気で組んだからには、絶対負けるわけにはいかないわね」「ふん、負けるものか。なぜならなら――」「“妾は『ゲームの支配者』なのだ”――でしょ?」「ふん、その通りだ。では、プレイヤー共に『悪夢』を見せてやろう」そして二人は駒がばらばらと倒れているチェスボードに手を伸ばし、お互いに相手の「キング」を掴んだ。 「これで、どちらも勝者というわけね」「ドローがあるのがチェスではあるが、“両方勝者”のドローとはな……ん? しかしこの部屋からは“一人”しか出られぬはずだが……何か考えがあるのか?」「今さら!? そんなのあるに決まっているでしょ? 外にはこの部屋にわたしを入れてくれた、“怖い人”が待ってるからズルはできないの。ルールはしっかり守るわ。さぁ、行くわよ」ダークアリスはそういうと、バットを構えて二回力強く床を打ち、天井に向かって声を上げた。「お待たせ! 勝者が決まったわ!!」すると、どこからともなく豪奢なファンファーレが鳴り響き、ゲームの終了を祝福するように天井からはらはらと大量の紙吹雪が舞い散った。レッドクィーンは「ん?」と顔をしかめて、紙吹雪の一つをつまみ上げる。「なんだこれは――良く見れば『トランプ』ではないか」その言葉と同時に、床に落ちた大量の紙吹雪が一斉に立ち上がり、槍を構えた「トランプ兵」となった。トランプ兵たちはわらわらとレッドクィーンとダークアリスを取り囲むように集まっていき、ハートのエースが吹いたラッパの合図と共に一気に二人に飛び掛かった。「んん? 何ごとだ!? え~い、なんだお前らは!! 離れよ! 妾をどうするつもりだ!! ダークアリス、こいつらを何とかせよ!」暴れるレッドクィーンなどお構いなしに、際限なく現れては次々に飛び掛かっていくトランプ兵たち。二人は次第にトランプの山に埋もれていってしまうが、にもかかわらず、レッドクィーンとは対照的に至極落ち着いているダークアリスは、もがもがと口まで塞がれて喚きたてているレッドクィーンを見て困ったような笑みを浮かべた。「もぉ、最後までバタバタと……安心なさい。部屋から出る条件は『勝者であること』と『一人であること』――わたしたちは、もともと“一人”でしょ?」そうしているうちに、二人の姿はトランプ兵に埋め尽くされ、すっかり見えなくなってしまう。そして、高く積みあがったトランプの山がぐらりと揺れ、ばさりと一気に崩れたかと思うと、そこにいたはずの二人の姿は煙のように消えていた。* * * *部屋の外には、見渡す限り白で埋め尽くされた、さらに大きな空間が広がっていた。その中にただ一点、豪奢に咲く赤い薔薇に覆われたソファーが浮いている。退屈そうにそこに寝そべっていた『ハートの女王』は、待ちくたびれたようにひとつ欠伸をすると、億劫そうに身を乗り出して、突然地面に現れた少女に目を向けた。「やっとですか……“ズル”は、ないでしょうね? わたくしは“ズル”はゆるしませんよ?」少女はハートの女王を見上げると、微笑みと共に丁寧にスカートの端をつまんでお辞儀を返す。「ふむ、礼儀は心得ているようですね。最近は随分と忘れられているようですけど、何といってもあなたは『夢の世界』特A級の犯罪者なのですからね。<司法官>であるわたくしが警戒するのも当然というもの。なのでとりあえず“心臓”を取り上げて死刑にしてさしあげたわけですが――」美しいグリーンの目を細めて、少女の様子をじっくりと見やる。「――どうやら、“ズル”は無いようですね。もし、あなたたちが間違った選択をしたら、首を切り落としてさしあげようと思って楽しみにしていたのに、とても残念です。いいでしょう、『司法取引』は成立です。心臓を返してあげます――トランプたち」ハートの女王が指を鳴らすと、どこからともなく集まったトランプ兵たちが綺麗な隊列を組み、次々と長い列を形作っていく。そして、ハートのエースのラッパが吹き鳴らされると同時に一斉に倒れたそれらは、白い空間に長い長い「道」を描いていた。「それが帰り道です。改めて言っておきますが、アリスがお出かけしている今、<管理人代行>はこのわたくしですからね。わたくしはあの子のように甘くはないですよ? まずは“お代”として、とりあえず虫食いだらけになってる夢の世界を補修してもらおうかしら。それじゃ頼みましたよ――『赤い悪夢の女王』さん」そう言うと、ハートの女王は眠たげに欠伸をして薔薇のソファーに深く寝そべり、そのままふわふわと飛んで行ってしまった。その後ろ姿に、少女はもう一度お辞儀をすると、元気に腕を振ってトランプの道を歩き出す。そしてふと立ち止まると、思い出したように空中から何かを取り出し、「しばらくは窮屈だとおもうけれど、準備が整うまでは我慢してね」そう言って、白く美しい髪が流れ落ちる頭に、ちょこんと真っ赤な王冠を載せた。――fin※チェスにおいて、「キングを倒す」ことは負けを宣言することになる。 考察 2017年4月27日から始まったキャンペーンで登場したカードのうちの一枚である。 超覚醒まではアビリティが無いが、召喚時のステータスは80/90と、総合的に見るとまあまあ良い部類。 超覚醒でアビリティ「遊戯の支配者」が発動する。 それにより、攻撃力が60上がり、ディフェンダーの敵ユニットに与えるダメージに固定値が20付加される。 このため、【遊】レッドクィーンは通常攻撃時DEF15のディフェンダー根元を1確殺できる。 また、攻撃した敵ユニットのバトルスタイルを、5秒間ファイタースタイルに固定する。 Ver3.515 [2017.06.08~]にて、「遊戯の支配者」の攻撃力上昇値が、+50から+60へと上方修正された。 キャラクター説明 本文 関連動画 +紹介映像 閉じる +編集用コメント *編集が苦手な方はこちらへ情報提供お願いします こっちも覚醒の数字130/140はおかしいです。修正しておきますよ。 -- 名無しさん (2017-04-25 17 09 35) 名前 コメント 余りにも当Wikiやゲームから逸脱した無関係な雑談や、誹謗中傷めいた暴言、ページに関係ないコメントはおやめ下さい。 wikiは不特定多数の人が利用する場です。プレイヤーの個人名や所属ギルドなどを書き込む行為は慎んで頂きますようお願いします。 個人的な日記として使用するのも控えて下さい。 +コメント *雑談や使用方法などの相談にご利用下さい 名前 コメント
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レッドクィーン 最終更新日時 2019年04月16日 (火) 23時10分26秒 基本情報 名前 レッドクィーン ジョブ ディフェンダー 召喚コスト 50 セフィラ なし HP 500 ATK 80 DEF 100 PSY 70 武装 可 血晶武装 可 アーツ 無 CV 慶長 佑香 対象称号① 赤と白の伽人「赤と白のおとぎばなし」に関係する使い魔を使って50回勝利する。 対象称号② THE THREE ALICEアリス、ダークアリス、レッドクィーンすべての勝利回数が10回以上になる。 アビリティ 状態 ボーナス アビリティ 召喚 なし なし 武装 なし なし 血晶武装 ATK+50 遊戯の支配者 自身のバトルスタイルがファイタースタイルに固定される。 エクストラアビリティ 種族 アビリティ 詳細(2018/12/03時点) 人獣 ルークディフェンス 自身のATKの60%相当のディフェンダー属性ダメージ追撃 自身の攻撃に、「攻撃力に応じたディフェンダー属性ダメージ」を上乗せする。 神族 キングクラウン 自身のATKの50%相当のクリティカルダメージ追撃 自身の攻撃に、「攻撃力に応じたクリティカルダメージ」を上乗せする。 魔種 ナイトアタック 自身のATKの60%相当のアタッカー属性ダメージ追撃 自身の攻撃に、「攻撃力に応じたアタッカー属性ダメージ」を上乗せする。 海種 ビショップマジック 自身のATKの60%相当のマジシャン属性ダメージ追撃 自身の攻撃に、「攻撃力に応じたマジシャン属性ダメージ」を上乗せする。 不死 クィーンティアラ 自身のATKの10%分の固定ダメージ追撃更に自身のATKの15%分HPを回復する 自身の攻撃に、「攻撃力に応じた固定ダメージ」を上乗せする。さらに、攻撃を当てたとき、自身の攻撃力に応じてHPが回復する。 パラメーター 状態 種族 HP ATK DEF PSY 備考 召喚 500 80 100 70 武装 550 110 130 90 血晶武装 人獣 600 200 170 120 神族 魔種 海種 不死 修正情報 +修正履歴 修正履歴 ▲Ver4.208(2019.01.31)にて、上方修正 (神族)キングクラウン クリティカルダメージ:攻撃力の40%→50% ▼Ver4.207(2018.12.20)にて、下方修正 (不死)クィーンティアラ 固定ダメージ:攻撃力の10%HP回復量:攻撃力の20%→15% ▲Ver4.206(2018.12.03)にて、上方修正 武装ボーナス 血晶武装時攻撃力:+40→+50 DATA・フレーバーテキスト +創魔 第1弾 創魔 第1弾 創魔 第1弾 No 2-006 身長 1.22[meter] 体重 23.6[kg] 現在地 代官山 体を形作るもの まっ赤な悪夢のトランプ 特に好きなゲーム チェス 大事な友だち 二人のアリス イラストレーター Tomatika フレーバーテキスト(LoV4.net) ◆◆ レッドクィーン ◆◆「あなたたちね、余計なことをしてくれたのは」町の夜景が見下ろせる高台のオープンカフェ――その植え込みのブロックに仁王立ったダークアリスは、フラミンゴの描かれたクリケットバットを構え、キッと目を怒らせた。突き出されたバットが向く先――そこには、テラスの中央に置かれた傘付きのテーブルを囲み、三人の男が座っていた。一人は夜空を見上げながら笑顔でワイングラスを傾け、一人は我関せずとばかりにモクモクとスモークチーズを頬張り、一人はトカゲのような、アナグマのような、額に赤い宝石をつけた奇妙な動物を肩に乗せ、難し気な顔で何やら一心に宝石のようなものを磨いている。そんな行動といい、ブルー、エンジ、グレーと分かれた服の色といい、三者三様それぞれ異なっているものの、皆一様に紳士然としたスーツに手袋をはめ、形の良いハットを被っていた。「どういうつもりかしら? 『まちがい帽子』の数が増えているのだけれど」ダークのアリスの問いに、うっとりと夜空を眺めるブルーのスーツの男が答える。「いやいや、本当はあと一人増えるはずだったのだけどね。あの人は気まぐれだから、いったいいつ来るのやら」「そんなことより今は食事中だ。伯爵、あのやかましいお嬢さんを静かにさせてくれないか? 周りのお客にも迷惑だろう」エンジのスーツの男が、チーズの刺さったフォークをクルクル回しながらそう言ったものの、周囲の客も店員も特にこの騒ぎに反応する様子はない。それどころか、“動く”様子すら――ない。それもそうであろう。ライトの明かりを受けて硬質な光を返す彼ら彼女らの体を見るだに、その誰もが“宝石”になってしまっているのだから。そして伯爵と呼ばれたグレーのスーツの男はというと――やはり返事をすることなく、一心不乱に宝石を磨き続けていた。「静かになんてしないわ。“アリス”はどこに行ったの? 間違いなくあの子はあなたたちの誰かに会ったはずよ!」ダークアリスが訊ねるものの、誰一人答える者はない。するとその様子に呆れたようにため息が一つ、「はぁ……困ったものですねぇ。紳士なのは恰好ばっかり。皆様にはマナーというものが欠けていらっしゃる。ほらほら、紳士諸兄の皆さん、せっかく素敵なレディーが皆様みたいな唐変木に話しかけて下さっているのですよ? 自己紹介くらいなされてはどうです? さあさ、伯爵から!」奇妙な動物がそう言ってグレーのスーツの男から宝石を取り上げると、男はハッと正気を取り戻したかのように肩をビクつかせた。そして動物を睨みつけながら宝石を取り返して丁寧に布に包むと、「失敬、そうでしたそうでした。カーバンクル、そういう忠告は早く言ってくれませんかね?」と立ち上がり、胸と腰に手を当て、慇懃にダークアリスに向かって頭を下げた。「私はサンジェルマンと申します。お見知りおきを――お次は侯爵ですかな?」すると水を向けられたエンジのスーツの男が、ダークアリスを見ずに片手を上げて、「ん? ああ、私は――そうそう、確かカバラ侯爵だ。いやぁ、なかなかにしてここのチーズは美味いね。はい、博士」と適当な挨拶をする。次いでブルーのスーツを着た男がワイングラスを掲げ、「僕はファウストだ。爵位はないが、宜しく頼むよ」とウィンクをした。最後に再びサンジェルマン伯爵が顔を上げてハットを軽くつまみ上げ、ダークアリスに微笑みかける。「わたくしどもは『錬金の紳士同盟』と申します。此度のパーティーに是非参加させて頂きたく、遠路はるばる海の向こうよりこのジャポンに参りました。しかし――」そしてそのまま、目深にハットのツバを下げ、「なんでも余興は『かくれんぼ』だとか……残念なことに、我々はどうにもそういう子供じみた遊びは好きではないのです」そう悲し気に言った。「そんなの、何をしようと私たちの勝手でしょ?」「いいえ、夜会はやはり優雅なダンスで彩られなくては――特に、『ワルプルギスの夜』にはね」サンジェルマン伯爵の言葉に、ダークアリスは眉根を寄せた。「何を言っているのかしら? 私の周りには何を言っているのか分からない人が多いけれど、あなたたちは特にわからないわ」「そうですか? ならば簡単に申し上げるとですね、このパーティーの主催をわたくしたちが務めさせて頂こうと思うのです」「あら、誰がそんなことを頼んで?」「いいえ、誰も。けれど、既にそう決まりまして」にわかに膨れ上がる不穏な空気に、ダークアリスのバットを握る手に力が込められる。「もう一度聞いて差し上げるわ――アリスはどこ?」その時、あらかたチーズを食べ終えて生ハムに手を伸ばしていたカバラ侯爵がドンとテーブルを叩き、ハムの刺さったフォークを振り上げた。「ああもう、煩いなぁ。やはり子供は煩くていけないよ。“あの子”は特に煩くてとっても不愉快だったからさ――」と肩越しにダークアリスを見て、「退場願ったんだ」ニヤリと笑った。ダークアリスはくぅと瞬間息を飲み、目を閉じてゆっくりと吐き出す。「そうなの……子供がお嫌いですって? 誰でも初めは子供だっていうのに。子供心を失くしてしまった大人はつまらないものよ? せっかくだからおもちゃ箱の蓋を開けて、子供の夢を思い出させて差し上げようかしら――とびっきりの悪夢をね」そう言うと、何処からともなく宝石に飾られた小箱を取り出し、中から一枚のクッキーをつまみあげた。そしてひと口、「EAT ME」と書かれたそれを小さく可愛らしい口に頬張ると、なんとしたことか、ダークアリスの体がみるみる大きくなっていき、カフェの屋根を超える程の背丈となって一同を見下ろす。しかし、男たちは軽くそれを一瞥しただけで、「立って食べるだなんてはしたない」「あはは、まるで子供騙しだね。仕方がないか、悪夢とは幸せな子供が見るものだものなぁ」「確かに、大人にとっては人生こそが甘い果実であり、悪夢そのものですからな」と別段動揺した様子も見せず、変わらず食事を続ける。その態度に、ダークアリスはぷくぅと頬を膨らませると、「なんて小癪な大人たち。いいわ、ウサギの下の草の様に踏みつけて差し上げてよ!」と飛び上がり、テーブル二つ分はあろうかというその足で、思い切り男たちを踏みつけた。――が、「え?」踏み降ろした足が宙でビタリと止まってしまう。その下では、サンジェルマン伯爵がステッキを掲げ、ダークアリスの靴の裏に突き刺していた。「教えて差し上げますとね、大人とは、“悪夢”の扱いを心得ている者たちのことをいうのです」「なんで、動けない……!?」そのまま杖を引き抜くと、ダークアリスの体が、空気が抜ける風船のようにシワシワと小さくしぼんでいってしまう。そうしてすっかり元の大きさに戻りへたり込んだダークアリスに、黒い影が掛かった。見上げると、三人の紳士たちがダークアリスを囲んで見下ろしていた。「お嬢さん、わたくしはこのパーティーで『贄』に出会えるはずなのです。わたくしの望みはその『贄』に殺して頂き、芳醇なる死を賜ること――ですからね、『贄』でない方には御免こうむるのですよ」と、サンジェルマン伯爵が、「君はどうする? 一緒に踊る?」と、ファウスト博士が、「それとも退場するかい?」と、カバラ侯爵が、「「「 さぁ、踊るのなら、手を 」」」ダークアリスに三本の紳士の手が伸びる。思わずダークアリスがじりりと身を引いたその時――頭のまっ赤な王冠がカタタと揺れた。≪え~い、黙って見ておれば! 何をしておるかこのウスノロめ!≫どこからともなく小さな声がした。どこから?――いや、それは揺れる王冠からだ。その声を聴いたダークアリスは、ホッと安堵したような表情を見せる。「ウスノロとは失礼ね――もういいの?」≪ふん、もう十分休まったわ! 休まり過ぎて退屈で仕方がない! 退屈を退屈で紛らわすのはもう飽き飽きである!≫「素直じゃないわね。友だちのピンチを見過ごせないだけでしょう?」≪う、うるさい! 退屈よりはちょびっとだけマシだからな。のけ! そいつらとは妾が遊んでやる!≫そう王冠がダークアリスの頭から跳ね落ちてひっくり返ると、中からバラバラと大量のまっ赤なトランプが噴き出した。トランプは山の様に積み重なり子供の背丈くらいの高さになったかと思うと、一気にザザァと崩れ落ちる。その後には、まっ白な肌に王錫を掴んだ獣の手、そして頭からつま先まで、全身まっ赤な衣装に身を包んだ愛らしい少女が立っていた。「……ふ~ん」カバラ侯爵が目を細め笑みを浮かべる。少女は王錫をビッと男たちに向けた。「おい貴様ら! 玩具に飽きた大人は子供だ大人だと面倒くさいな! ならば妾が子供も大人も同じように興じられるものをくれてやろう」「それは興味深い。一体何です?」サンジェルマン伯爵が一歩前に出て、カンッとステッキで床を突く。少女はふふんと鼻をならしてふんぞり返り、「それはな…………ちょっと待て」頭に何か違和感を覚えたのか、片手を頭に乗せてハッとした後しかめっ面を浮かべると、キョロキョロと周りを見回して、床に落ちている王冠に目を止めた。そしてそれを拾い上げていそいそと被ると、先程よりも大きくふんぞり返り、「それは“ゲーム”だ!! そして――」再び王錫をビッと勢いよく突き出した。「妾は<赤の女王>――ゲームの支配者である!」 セリフ一覧 +通常版 通常版 召喚 さぁ勝負だ ゲームを始めるぞ! 武装 ふん……しばらく姿を消してる間に忘れたか? 血晶武装 ことゲームでは 妾はルールなのだ! 通常攻撃 それ、妾の出番だぞ! タワー制圧 ふふーん!また妾が有利になってしまったなぁ!? ストーン破壊 死滅 ぬぅ~ルール破りだぁ死刑だぁ~!! +エクストラボイス エクストラボイス 召喚 我が友にゲームを仕掛けるとは いい度胸だ! 武装 は! ゲームの結果など決まっておる! 血晶武装 何せ 妾は三人目のアリスなのだからな!! 通常攻撃 アリス ダークアリス 行くぞ! タワー制圧 妾たち三人が揃ったのだ!貴様らに勝ち目など 億に一つも無い!! ストーン破壊 見たか! これが真のゲームの支配者たちである! 死滅 おぉいアリス!ダークアリスぅ!妾を助けぬかぁ! 考察 前作Lov3登場時のアビリティをそのままに、ディフェダーにジョブを変えて参戦、創魔カードを登録した時点から使用可能な「初期創魔」である。 召喚時点では50コストとしては平凡なスペックであるが血晶武装すると大幅に攻撃力が上がる代わりに共通アビリティ「遊戯の支配者」の効果によって前作同様自身のスタイルがファイタースタイルに固定されてしまう。 しかし代わりにEXアビリティによるATK参照の追撃ダメージを獲得出来る。種族毎の追撃は以下の通り。 人獣…ATKの60%相当のディフェンダー属性ダメージ 神族…ATKの50%相当のクリティカルダメージ 魔種…ATKの60%相当のアタッカー属性ダメージ 海種…ATKの60%相当のマジシャン属性ダメージ 不死…ATKの10%分固定ダメージ、更にATKの15%分自身のHP回復 人獣・魔種・海種は属性ダメージで攻撃力の60%相当の追撃。通常時でATK120相当(ATK血晶石込なら126相当)の追撃となる。勿論、レイド等でATKを強化すれば更にダメージが強くなる。マジシャンへの対抗手段となる魔種、同ジョブに対して有利を狙える海種は使いやすい。人獣はアタッカーに対しての殲滅力を期待出来るがガーディアンにして敵のフリックを防げないこのカードの仕様上逃げるアタッカーには役に立たない。勿論、引けない状況へ追い込めればこの火力を活かせるので一考の余地はある。 神族はクリティカルダメージ。一見すると上記3ジョブ追撃より強そうに見えるが残念ながらダメージ倍率が10%低いので与えられる最大ダメージは劣る。 素の火力で運用する分にはATK100相当のクリティカルダメージとあまりアテに出来ないが、魔種レイド等が絡めば属性ダメージと違いどのジョブにも安定したダメージが与えられるのが強み。 参考に魔90のLv3レイドでATK302(ATK血晶石を含めると312)となり151(156)相当のクリティカルダメージが出せる。 ユニークなのは不死。ATKに応じた固定ダメージを与えつつHPを吸収する。紹介動画の通り、低ATKの敵ユニットとタイマンで殴りあうとほぼ一方的に相手を殴り殺す事も出来たりする(勿論、実戦では相手に逃げられたり、タイマンとは限らなかったりするが)。 完成した不死レッドクィーンに自タワーに乗り込まれるとマジシャンがいなければほぼ詰みに近い。こちらの与ダメージが回復量に追いつかないからだ。しかも慌てて出されたマジシャンのlv1召喚レイドはレイドし返すことによって凌げてしまったりする(勿論レイドを使うかどうかの見極めは難しいが、判断できるようになるとタワーに居座りやすくなる)。 そんな場合、自分のアタッカーを相手タワーに向かわせてレッドクィーンを防衛に回させる状況を作るなどの搦め手が必要になってくる(そもそもそうなっていないことが望ましいが)。 攻撃力を上げると与ダメージも吸収も強化されていくがドラキュラと違い、キルによるヒールがないのと、DEFが170と並なので、回復が追い付かないケースもあり過信は禁物。特に集団戦で集中砲火を受けると回復を活かせずあっさり沈む危険性がある。攻撃すればするほど回復していくので、主アビリティにヘイストを入れるのが望ましい。魔種と組ませる場合は豆腐小僧を採用するとなお良い。 どの種族で使うにせよ、ATKの高さがそのまま強みとなる創魔なのでレイドは魔種よりでの運用が好ましい。 キャラクター説明 『アリスと鏡の国』に登場する、チェスの戦団の女王。白の軍勢と戦争を続けている。 著者のルイス・キャロルが子供時代にお世話になった家庭教師がモチーフらしく、規律にうるさく早口で忙しない性格をしている。 LoV内ではダークアリスの悪夢がアルカナにより自我を持ち、「赤の女王」のロールに当て嵌まることで具現化した『三人目のアリス』。 それぞれが夢を創り出す存在である二人のアリスと違い、アルカナの力を利用して夢を歪め、破壊してしまう存在。 最初こそはアリスとダークアリスを否定し、眷属をけしかけたり自ら勝負を挑みに行っていたが、あるきっかけから「一時休戦」し、共同戦線を張ることになる。 そして「二人のアリスと一緒にいることが楽しい」という気持ちに気づいたレッドクィーンは、ダークアリスの力となるべく彼女と融合する道を選んだ。 ……はずなのだが、ダークアリスから再び分離し、創魔として参戦。一体何があったのだろうか。 紹介動画 +第1弾 第1弾 +編集用コメント *編集が苦手な方はこちらへ情報提供お願いします 前作Lov3登場時のアビリティをそのままに、ディフェダーにジョブを変えて参戦。 -- 名無しさん (2018-11-05 22 47 28) 血晶武装「遊戯の支配者」と強そうな名を冠しているが、ディフェダーの強みとも言えるガーディアンスタイルを封じられるため、はっきり言ってデメリットである。 -- 名無しさん (2018-11-05 22 57 36) 高くないDEFや血晶武装の特性もあり、耐久面は同コスト帯ディフェダーの中でも最低水準なので、攻める際は他のディフェダーを扱う以上に引き際を見極め無理をしないよう注意する必要がある。 -- 名無しさん (2018-11-05 23 06 38) 血晶武装「遊戯の支配者」は早い話「サクリスタイルA」そのもの。武装ボーナスでATKが上がるが、代わりに常時ファイタースタイルに固定化されてしまう。前作と異なり今回ディフェダーへの転職ということもあって、このデメリットの影響は大きい。 -- 名無しさん (2018-11-06 19 11 36) 魔種使用時の追加ダメージ計算したらATKの60%ほどだった。人獣と海種使用時の追加ダメージはまだ分からんけど恐らく魔種の時と同じかも -- 名無しさん (2018-11-07 20 32 47) 名前 コメント 余りにも当Wikiやゲームから逸脱した無関係な雑談や、誹謗中傷めいた暴言、ページに関係ないコメントはおやめ下さい。 wikiは不特定多数の人が利用する場です。プレイヤーの個人名や所属ギルドなどを書き込む行為は慎んで頂きますようお願いします。 個人的な日記として使用するのも控えて下さい。 +コメント *雑談や使用方法などの相談にご利用下さい 神族選択時の追加クリティカルダメージはかなりしょっぱい計算になっています。血漿アビにAアップ選択して魔種90 のレベル3レイドしてもD200の伏姫(ファイタースタァイ)に保証値しか入りませんでした。 嘘やろと思ってレイド切れてから根元殴ったら通常ダメージで3桁(110程、クリ・スパクリではない、うろ覚え)出てんのに追加クリダメは2桁(80程、うろ覚え)でした。 海とか魔では普通に強かった(検証諦め)んで使うなら神族以外で使う方が良いと思います。 -- 名無しさん (2018-10-31 23 40 56) 名前 コメント
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レッドクィーン (R) 基本情報 名前 レッドクィーン 種族 魔種 ジョブ アタッカー 召喚コスト 50 <タイプ> 大逆者 タイプ テイルズ HP 500 ATK 70 DEF 100 覚醒 可 超覚醒 可 アーツ 無 CV 慶長 佑香 アビリティ 召喚 なし 覚醒 なし 超覚醒 サクリスタイルA 攻撃力が上がる。ただし、ファイタースタイル時にバトルスタイルを変更できなくなる。 最近修正されたバージョン Ver3.511 [2017.03.07] ステータス 状態 HP ATK/DEF 召喚 500 70/100 覚醒 550 90/120 超覚醒 600 250/200(アビリティ込) DATA・フレーバーテキスト +Ver3.2 Ver3.2 身長 1.22[meter] 「くぅ…!あの忌々しい〈処刑好き〉さえいなければ、今ごろは…!まぁよい。幸い、ダークアリスが抜けきる前に“あの娘の夢”が崩壊したおかげで、〈悪夢の女王〉の力のいくらかは妾の中に残っておる。それに…」赤の女王はバットに力を込めて強く地面を叩きました。すると赤の女王の周りは樹も地面も、全てが真っ赤に染まってしまいました。「この〈悪夢の女王〉の力と、あの娘からこぼれ落ちた“夢のカケラ”…この2つがあれば、もはや〈処刑好き〉も〈夢の管理人〉も妾の敵ではない。フフフ…ゆくゆくは〈夢の管理人〉の力も手に入れ、全てを〈赤の女王〉たる妾の物としてくれよう!その為にもまずは“夢のカケラ”と悪夢の住人たちを集めねばならぬな。チェスには手駒がなければ始まらぬからの。」赤の女王は再びバットに力を込めると、今度はそのバットで何もない空中を叩きました。すると、女王の前にぽっかりと赤い穴が口をあけました。赤の女王は満足そうな笑みを浮かべると、その穴に飛び込んでいきました。───『スカーレットテイル』その8 体重 23.6[kg] 移動力 悪夢から悪夢へ 出生地 ダークアリスの悪夢 目的 真な 悪夢の女王 となる 大切なもの 紅い"王冠" イラストレーター 須田 彩加 +Ver3.3 Ver3.3 身長 1.22[meter] 探索隊たちをまっ赤な駒に変えた赤の女王は満足げに言いました。「ふむ、この島はなかなかに良い島だの。ジャバウォックに、バンダースナッチ、おまけに8人と一匹もの駒が手に入ったわ。おぉ、あそこにも。どれ」赤の女王はひょいっと木の枝に飛び乗ると、近くにいた動物たちに触れました。すると、動物たちは次々とまっ赤に染まり、みな一様に赤の女王にかしずきました。「うむ、良い良い。さて、あとこの島で良い駒になりそうな者は、やはりアレだな。先ほどの探索隊が探していた動物、『スナーク』とかいったか。そいつも妾の手駒としてやろう」赤の女王は、うきうきと森を探しました。すると、岩の裂け目に怪しげな動物が。赤の女王は、探索隊が持っていたスナークの特徴が書かれたメモを見ると、満足げにうなずきました。「羽毛に牙、ひっかき爪、まちがいないの」そう言って、赤の女王がその動物に近づき触れると、赤の女王はひゅんっとどこかへ消えてしまい、あとには、こんな探索隊のメモだけが残りました――“スナークには羽毛と噛み付き牙が生えている。頬髭を生やしていて引っ掻き爪もある。ただし、あるスナークはブージャムであり、これに触れるとどこかに消えてしまうので注意するように”───『スカーレットテイル』その9の③ 体重 23.6[kg] 移動力 悪夢から悪夢へ 現在の目的 手駒集め 今回の収穫 8人と6匹 チェスの相手 アリスたち イラストレーター 電鬼 +Ver3.5 Ver3.5 身長 1.22[meter] 冗談ではないぞ、帽子屋。確かに良いお茶ではあったがな、そなたの余興は妾の口にまったく合わぬ!」そういうと、<赤の女王>はバットを握りしめ――「キミだって気づいていたんだろう? それとも気付かないふりをしていたのかな? “夢のカケラ”の力を使う時に、誰かに覗かれたような感じがしなかったかい?」――続く帽子屋の言葉に、振り上げた腕を止めました。「魔女が復活しちゃったら、キミの中の“夢のカケラ”はどうなっちゃうんだろうねぇ? どうしよう! スポンジが溶けて、真っ黒クリームだけがのこっちゃう!」「ぐぬぅ…… 夢がはじけて、魔女の“呪い”だけが残るというわけか……!」<赤の女王>は、今にも爆発しそうに体を震わせます。「まぁ、“夢のカケラ”を食べちゃったの? それじゃせっかくの計画が…」とラプンツェル。アリスが帽子屋に尋ねます。「ねぇ帽子屋さん、お腹の中の“カケラ”は取り出せないの?」「う~ん、むずかしいねぇ。飲んだ紅茶がカップに戻るなら、僕としてもこんなに幸せなことはないんだけれど。こうなったら、お腹のなかにカップごと入れるしかないんじゃないかな?」それを聞いたアリスは「そっか!」と、手を叩きました。「<赤の女王>の“カケラ”が取り出せないなら、<赤の女王>ごと“あの子の夢”に入って、“夢の結晶”を完成させればいいのよ! どう? もうひとりのわたし?」アリスの提案を受けたダークアリスは、少しだけ口元に指を当てて考えて、ため息をつきました。「…はぁ、そういうこと。確かに“それ”なら計画もちょっとの修正で済みそうね。気がのらないけどしょうがないわ。いじきたない<赤の女王>のせいで、なんで私がそんな目に…」「…くぅっ、<悪夢の女王>ごときが生意気な… して、さっきからそなたらの言っておる計画とは何なのだ!?」わなわなとバットを震わせながら尋ねる赤の女王に、アリスは丁寧に計画の内容を話しました。「――という風に、私たち<夢の管理人>、<悪夢の女王>、そしてあなたが力を合わせて、あの子の夢を完成させたあとに“呪い”だけを壊して、魔女をもう一度しっかり封印しようと思うの。私たちが“呪い”の破壊に集中している間は、ラプンツェルが守ってくれるわ」ラプンツェルが、鎧をまとった魔法の長い髪を掲げてえっへんと胸をはります。「…理屈としてはわかるが、“夢の結晶”が完成した段階で魔女と共に“呪い”とやらが妾を食らうのであろう? ならば初手を打つ前にチェックメイトではないか」赤の女王の疑問に答えたのはダークアリスでした。「あなたが協力を約束できるのであれば、そこは私が守ってあげられるわ。」「貴様が妾を守る、だと?」「あなたは私の中の悪夢から生まれた、いわば“悪夢の結晶”のようなものよ。そして私は全ての悪夢を管理する<悪夢の女王>。あなたが持っていった残りの<悪夢の女王>の力を返してくれれば、“夢の結晶”が復活した瞬間に“呪い”から“あなただけ”を外して、私の中の悪夢に避難させることくらいは簡単よ。ただ、そのためには私も“あの子の夢”の中に一緒に入らなきゃいけないってのが、気が乗らないところなのよね。一度あなたに閉じ込められていたところですもの。良い気はしないわ」そこまで聞いて、赤の女王は考えます。そして「どうする?」と尋ねるダークアリスの顔は、真剣そのものでした。これまでの経緯を考えれば、もっと自分に攻撃的であってもおかしくないはずなのに――(<悪夢の女王>たちが、魔女を復活させたくないのは間違いなかろう――だが、どうしてあんな顔で……あれではまるで妾を――)しばらく考えた後、赤の女王はすっかり冷めたお茶を飲み干すと、気取った調子で、「――ふん、最後に童が再び悪夢より表に出て“呪い”を破壊する、か……まるでプロモーション、いや、この場合はキャスリングかの…」とつぶやき、そしてアリスたちにバットを向けて言いました。「よかろう。ただし、貴様の悪夢には妾の駒も一緒に連れていってもらうぞ。そして全てが終わった後に、改めて妾と勝負せよ。誰が夢の世界を支配するのが相応しいか、決着をつけてやろう」「えぇ、わかったわ、<赤の女王>。全てが終わったら、私たちのゲームをしましょう」そういって笑い合うふたりをみて、アリスもにっこり笑って言いました。「きまりね、それじゃ“夢の結晶”のところに行きましょう!」「あらアリス、どこに飛んでいったのかわかるの?」ラプンツェルが首をかしげます。「えぇ、それは、きっと夢の世界の外…“あの子”が眠るあの場所――『黒い森』よ!」~『スカーレットテイル』その12の④~ 体重 23.6[kg] 職業 赤の女王 赤の女王の仕事① 全ての夢を悪夢にする 赤の女王の仕事② 全ての悪夢をまっ赤に染める 赤の女王になる前 悪夢の女王の影 イラストレーター 輪くすさが 考察 Ver3.2より登場しだしたデメリットを受け入れて高ステータスを得るタイプの使い魔の一体。 サクリするのはスタイル。神族のウリエルと違ってATKが上がる。 ちなみに狙っているのか分からないがエラッタ前のアリスと同じ素スペックである(ただしエラッタ前なので別コスト)。 超覚醒するとスタイルを変更できなくなるデメリットを受ける代わりにATKが上がり、ステータスは250/200になる。 デメリットがあるとはいえ、コストのわりに高いステータスを発揮できる非常に使いやすいカードであり、比較的長い間採用されてきた使い魔だったが、 現在は環境の変化もあり優先してデッキに採用するにはやや力不足といった状況になってしまっている。 ※ゲームを始めたばかりの人は間違えやすいかもしれないが、 スタイルを変更できなくなるのは超覚醒時のみ。 召喚・覚醒時は通常通りフリックスタイルで戦闘できる。 Ver3.511 [2017.03.07~]により、「サクリスタイルA(超覚醒)」の攻撃力上昇値が+70から+80へ上方修正された。 キャラクター説明 「鏡の国のアリス」の登場人物。赤のチェスの駒たちを従えた赤色の女王の駒であり、白の女王と王が率いる白の軍勢と日夜チェスゲームを続けている。 のんびりとした白の女王と比較すると非常に口うるさく尊大な性格。鏡の国に迷い込んだアリスにビスケットを与え、鏡の国がどういった世界なのかを説明した。 LoVでの彼女はかなり大幅な設定のアレンジが加えられている。 アルカナの影響によりアリスの分身であるダークアリスから更に分裂して生まれた三人目の「アリス」。ダークアリスが夢を「歪め」てアリスが夢を「守る」のならレッドクィーンは夢を「壊す」存在。 故に二人の「アリス」と敵対し、アルカナの力を利用して夢の世界アンブラルソルムを支配しようとした。 利害の一致から協力してくれたハートの女王の助力もあり一時は退けることに成功したものの、完全にアルカナの力は失っておらず、再びアンブラルソルムを支配するために暗躍を始めた。 その後はある事情から渋々であるものの二人の「アリス」と協力。三人の「アリス」による同盟を結成することとなる。 初登場時は中々にホラーチックなデザインだったのだが、LoV3からは可愛らしいイラストで描かれることが多くなった。(ただしポリゴンはそのままである) また、VR版のセリフはメタ発言全開のネタ仕様となっている。 関連カード カードデータリンク Ⅰ --- Ⅱ --- Ⅲ --- +編集用コメント *編集が苦手な方はこちらへ情報提供お願いします 名前 コメント 余りにも当Wikiやゲームから逸脱した無関係な雑談や、誹謗中傷めいた暴言、ページに関係ないコメントはおやめ下さい。 wikiは不特定多数の人が利用する場です。プレイヤーの個人名や所属ギルドなどを書き込む行為は慎んで頂きますようお願いします。 個人的な日記として使用するのも控えて下さい。 +コメント *雑談や使用方法などの相談にご利用下さい 名前 コメント
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レッドクイーン タイプ 大逆者 タイプ テイルズ 種族 魔種 ジョブ アタッカー HP 500 ATK 70 DEF 100 コスト 50 アビリティ 召喚 なし 覚醒 なし 超覚醒 サクリスタイルA 「ぁむ…むぐ…うむ、なかなか良い味ではないか。誰が作ったのかは知らぬが、褒めてつかわそう。だが、惜しむらくは…」赤の女王は手が汚れることも構わず次のケーキをむんずとつかむと、ケーキにのったイチゴだけをつまんで食べました。「もっとイチゴをたくさん使った、生地もクリームも真っ赤なケーキであれば、妾のお気に入りのひとつに入れてやらんでもなかったが…まぁ、<悪夢の女王>の髪のように白いクリームと、<夢の管理人>の髪のように黄色いスポンジ、それらをふんずけて座るたったひとつの赤いイチゴ…これはこれで、なんとも良い味わいよの」そう言って、赤の女王はイチゴのなくなったケーキをぽいっと放り投げます。部屋を見回すと、あたりはイチゴのなくなったケーキだらけ。それを真っ赤なハリネズミがむしゃむしゃとさらに食べ散らかします。赤の女王はその様子を見て、良い良いと笑いました。「しかしあの生き物…あの物語の罠に引っ掛かってしまったのは失敗であったが、飛ばされた先が“ここ”だったのは幸いであったの。ここが何の物語かは知らぬが…そろそろケーキにも飽いたし、喉も渇いたわ。ほれ、とっとと茶を出して、あの『夢』の話を聞かせぬか」すると、突然テーブルの上にたくさんのカップやティーポットが現れました。カチャカチャと音を鳴らすカップに、ひとりでに浮いたティーポットがお茶を注いでまわります。それを見た赤の女王は、顔をしかめると、「フン、カチャカチャと…マナーがなっとらん!」そう言ってバットを握りしめカップたちを――叩こうとして、後ろからその腕を掴まれてしまいました。「おやおや、乱暴なお客さんだ。招待状は出してないはずなんだけどねぇ? いや、真っ白な招待状は君が食べちゃったのかな? それろもそっちのネズミくんかな? どちらにせよだ。まずは一緒にお茶を楽しもうじゃないか。さぁ、お好きな席にどうぞ!」―――『スカーレットテイル』その9の④ 身長 1.22[meter] 体重 23.6[kg] 移動力 悪夢から悪夢へ 現在地 何かの会場のような場所 ヒント① たくさんのケーキと飲み物 ヒント② 6時で止まっている時計 イラストレーター 樋上いたる
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アーノルドクィーンをお気に入りに追加 アーノルドクィーンの情報をまとめています。リンク先には学生・未成年の方には不適切な表現内容が含まれる場合があります。またリンク先の内容を保証するものではありません。ご自身の責任でクリックしてください。 アーノルドクィーン <保存課> 使い方 サイト名 URL アーノルドクィーン <情報1課> #bf アーノルドクィーン <情報2課> #blogsearch2 アーノルドクィーン <情報3課> #technorati アーノルドクィーン <報道課> 全解説キャメロン本人の書き下ろし!『ターミネーター』から『アバター』まで制作秘話満載、ジェームズ・キャメロン初の保存版作品集発行!12月に世界同時期発売、初版は5000部限定。 - PR TIMES アーノルド・シュワルツェネッガー、マスクやコロナワクチン反対派は「愚か者」。 - VOGUE JAPAN デシャンボー、入院中ウッズから助言「パーマー氏のように勇敢に」 逆転で8勝目/米男子 - サンケイスポーツ アーノルドクィーン <成分解析課> アーノルドクィーンの42%は夢で出来ています。アーノルドクィーンの39%は野望で出来ています。アーノルドクィーンの12%は魔法で出来ています。アーノルドクィーンの6%は睡眠薬で出来ています。アーノルドクィーンの1%は果物で出来ています。 ページ先頭へ version3.0
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2000年8月10日発売3ブロック タイムアタック形式のレースゲームが遊べます。 パチスロ2機種のデータベースもあります。 【収録内容】 ホットロッドグランプリ:ガソリンで補給、砂地で減速、障害物でゲームオーバー。 データベース 【通信販売】 パチスロ帝王WアラベスクRホットロッドクィーン Best of the Best パチスロ帝王W
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アリス (R) 人獣 009 名前 アリス コスト 30 種族 人獣 HP 450 ATK 80 DEF 70 移動速度 4 攻撃対象 単体 攻撃属性 光 弱点属性 炎 スキル なし サポートスキル ゲージ 特殊技 ヘッジホッグシュート 分類 強化 特殊技効果 範囲内の味方全ての通常攻撃を一定時間、複数攻撃にする。 効果範囲 斜め前方円 イラストレータ Tomatika DATA 身長 1.22[meter] それを聞いてアリスはとても面白そうだと思いました。「だったらわたしはその『紅蓮の王』に会いにゆくことにするわ。神話の神様や悪魔と一緒に壊れてしまった世界を立て直すなんて、すごい冒険になりそうなんですもの」その時、さっきまで一緒に遊んでた鏡の中のもうひとりのアリスが、ぷいっとアリスに背を向けました。――歌曲「紅蓮の国のアリス」その1 体重 23.6[kg] 移動力 空間を跳躍 生息域 夢の国 好きなもの 楽しいお話 好物 紅茶とスコーン 考察 Re 2になって自身が単体・4速になり、FS無し・ゲージからゲート・サーチ・Wリジェネとなった。 自身も特殊の効果に含まれるので大幅な強化といえるだろう。 しかし通常のデッキでは【】アリスが存在することもあり採用はなかなか難しそう。 レッドクィーンの追加によりアリス・ダークアリス・レッドクィーンのアリス豪傑が組めるようになった。 全員単体で、ダークアリスは敵の攻撃範囲縮小、レッドクィーンは防御ダウン+連環と相性がいい。 余談 元ネタは当然ルイス・キャロル作「不思議の国のアリス」から。 アリスと聞いて青い薔薇を想像する人は少なくはないだろう。谷村新司を想像する人もいていいはずだ。 ピンクレディーやメガテンを連想する人もいるだろう。
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マッドハッター 最終更新日時 2019年03月05日 (火) 09時47分06秒 基本情報 名前 マッドハッター ジョブ ディフェンダー 召喚コスト 50 セフィラ なし HP 500 ATK 80 DEF 90 PSY 80 武装 可 血晶武装 可 アーツ 無 CV 古島 清孝 対象称号 赤と白の伽人「赤と白のおとぎばなし」に関係する使い魔を使って50回勝利する。 備考 特定カードとの同時登録不可 アビリティ 状態 ボーナス アビリティ 召喚 なし なし 武装 なし なし 血晶武装 DEF+30 ゆかいな時間殺し 攻撃対象の周囲にいる最も召喚コストの高い敵ユニット1体に、「攻撃力に応じたディフェンダー属性ダメージ」を与える。 エクストラアビリティ 種族 アビリティ 人獣 穴空きのティーカップ 攻撃対象と、攻撃対象の周囲にいる最も召喚コストの高い敵ユニット1体に、「一定時間、移動速度を下げる効果」を付与する。このとき、周囲にいる同敵ユニットに与える効果は、攻撃対象よりも上がる。 神族 熱くないホットミルク 攻撃対象と、攻撃対象の周囲にいる最も召喚コストの高い敵ユニット1体に、「一定時間、攻撃力を下げる効果」を付与する。このとき、周囲にいる同敵ユニットに与える効果は、攻撃対象よりも上がる。 魔種 立ちっぱなしの椅子 攻撃対象と、攻撃対象の周囲にいる最も召喚コストの高い敵ユニット1体に、「一定時間、防御力を下げる効果」を付与する。このとき、周囲にいる同敵ユニットに与える効果は、攻撃対象よりも上がる。 海種 短い長話 攻撃対象と、攻撃対象の周囲にいる最も召喚コストの高い敵ユニット1体に、「一定時間、攻撃間隔を長くする効果」を付与する。このとき、周囲にいる同敵ユニットに与える効果は、攻撃対象よりも上がる。 不死 食えない絶品茶菓子 攻撃対象と、攻撃対象の周囲にいる最も召喚コストの高い敵ユニット1体に、一定の確率で、「攻撃力に応じたクリティカルダメージ」を与える。このとき、周囲にいる同敵ユニットに与える効果は、攻撃対象よりも上がる。 パラメーター 状態 種族 HP ATK DEF PSY 備考 召喚 500 80 90 80 武装 550 110 120 100 血晶武装 人獣 600 150 190 130 神族 魔種 海種 不死 DATA +創魔 第2弾 創魔 第2弾 創魔 第2弾 No 創魔:2-020 身長 1.8[meter] 体重 56[kg] 出身 ヴュルテンベルク かつて暮らした国 イギリス 好き 謎かけ 愛した国 『夢の世界』 イラストレーター Tomatika フレーバーテキスト(LoV4.net) ≪ From“レッドクィーン(ver 4.2)”≫「さあ! ゲームを始めるぞ! 」店中の人間たちが宝石のオブジェに変えられ、異様な空間と化した高台のオープンカフェに、勢いよく王錫を掲げたレッドクィーンの声が響き渡った。今ここに、その声を聴く者は四人と一匹。レッドクィーンの横に立つ彼女の分身――ダークアリスと、それに対峙する謎の紳士たち――『錬金の紳士同盟』を名乗るカラバ侯爵、ファウスト博士、サンジェルマン伯爵とその“お付き”の動物カーバンクル――。サンジェルマン伯爵が、質問の権利を主張するようにカカンッとステッキで二回床を突き、訊ねた。「なるほど、ゲームですか。お嬢さん方の手にするそれを見るにクリケットですかな? 紳士のたしなみ故、それならば我らもお相手できますが……ちと人数が足りませんね」「またまた無理しちゃってぇ、伯爵クリケットお上手でしたっけ?」「何を言いますか、カーバンクル。それはお前が知らぬだけ。わたくしのクリケットの腕前は――」「ふん、クリケットでもビスケットでもゲームであればなんでもよいぞ? ただ一チーム十一人も揃えるのはまだるっこしいからな、二対三で相手してやろう? ただし、ボールは貴様らだ!」「あはは、なんてロマンティックな横暴だ!」レッドクィーンの言葉にファウスト博士が手を叩く。「横暴も何もあるものか! 妾がルールなのだから――なんだ、もう一人の妾よ」レッドクィーンの肩のパフスリーブをダークアリスがちょんと引っ張り、そっと耳打ちをした。「……ちょっと、あなたまさか何のゲームをするか考えてなかったんじゃないでしょうね?」「それがどうした。妾はゲームの支配者であるからして、どのようなゲームでもゲームであれば問題ない!」そう胸を張るレッドクィーンに、ダークアリスは「この子は……」と額をおさえる。すると、カラバ侯爵が進み出て、「わかったわかった。では私が提案してやるよ」「ほう。しかし見たところ、貴様はひと際胡散臭いからな、どうせつまらん――」「『犯人当てゲーム』なんてどうかな?」エンジ色の山高帽の唾をくいと下げ、口元をニヒリと笑みに歪めた。「お……面白そうではないか。して、ルールは?」「君らが探している『アリス』という女の子だがね、実は僕らのうちの誰かが“持っている”」「持っている?」ダークアリスが怪訝な表情を浮かべる。「そう、そして『犯人』を一回で当ててもらう。当たれば私たちは大人しく引き下がろう」「外れたら?」「そうだねぇ……それじゃ、“『夢の管理人』の証”を貰おうか」「………?」ダークアリスは何やら考えるように黙し、代わりに疑問を呈したのはサンジェルマン伯爵だった。「何です? カラバ侯爵。わたくしは『贄』を見つけて『ワルプルギスの夜』を迎えられさえすれば……」「これが一番の近道なんだよ、伯爵。管理人の力が手に入れば『贄』なんてどうにでもなるさ」「ふむ……なるほど」「僕はロマンティックな夜を過ごせれば何でもいいよ。君らはどうする?」ファウスト博士の問いかけに、ダークアリスはちらりと横を見やり、ワクワクに肩を上下させているレッドクィーンを見て「聞くまでもないわね」と了承した。カーバンクルは、「決まりの様ですね。退屈そうですし、僕はそろそろお休みの時間なので先に寝かせてもらいますよ」そう言って、サンジェルマン伯爵の肩の宝石にするりと吸い込まれるようにして消え行ってしまう。そうして残った全員がゲーム参加の意を表明したことに、レッドクィーンは満足そうに頷くと、胸を張って一歩前に出た。「では、さっそく始めるぞ!」そして元気よく王錫を振り上げ、「犯人は貴様―――」いきなりカラバ侯爵に向かってそれを振り下ろ――そうとしたところで、慌ててダークアリスにその手を掴み止められた。「ちょっと!? 少しは考えなさいよ!」「何だダークアリス! こいつがそうだと妾の勘がいっておるのだ!!」「勘とかそういうので決めちゃだめでしょ!? 『夢の世界』の未来が掛かってるのよ!?」「だって見るからに怪しいではないか!! あいつは絶対何か嘘をついているぞ!?」にわかに始まった二人のアリスの口論を、紳士たちは白んだ目で見ていたが、しばらくギャーギャーとやり合う内に気持ちが落ち着いてきたのか、レッドクィーンが改めて目の前の三人を見回して言った。「『かくれんぼ』のためにアリスが用意した『まちがい帽子』は二つ……つまりやつらの内の一人は確実に“偽者”なのであろう? ならそいつが『犯人』というわけではないか。そもそもお前は、アリスから“正解”を聞いておらぬのか?」「聞いてないわ。ルールは考えたけど、仕込みはあの子任せだったんだもの」「むぅ、ではどうせよと……」そうレッドクィーンが腕を組んだところで、ダークアリスが腰に手を当て「ふふ~ん」と鼻を突き出した。「なんだ、何か考えがあるのか?」「人に怖い夢を見せる<悪夢の女王>である私が、何の勝算もなしにこんなゲームに参加すると思う?」ダークアリスはいたずらっ子そうな笑みを浮かべ、宙をまさぐり何かを掴むとスッと手前に引く。すると何もない空中に引き出しが現れ、その中から銀色のコンパクトのようなものを取り出した。「何だそれは?」「『アンハッピーレーダー』よ。グリンダがオズに作らせたコレを持って来てくれて、あの子がいなくなったことが分かったの。コレはね、誰かを不幸せにしようとしているやつに反応するのよ」「つまり、あのしたたかなアリスが不幸をふりまくやつなどに捕まるわけはない、油断して捕まるとしたら、相手は頭の中が一番“幸せ”な奴――それをそいつで見つけようというわけか」「そういうこと」二人の会話を聞いたサンジェルマン伯爵が渋い表情を浮かべた。「お嬢さん方、そんな機械をつかうのはズルというものでは――」「あら、準備がいいと言ってくださらない?」「うむ、ルールにそれはいかんとはない。あっても妾がルールであるからして妾が認めよう」辟易とした顔の紳士たちを前に、ダークアリスはコンパクトの蓋を開いた。中には羅針盤のような針が浮かんでおり、頼りなげにふるふると震えている。そしてそれを三人それぞれの前にかざすと、内二人の前では大きく針が振れ、一人の前では小刻みに揺れるだけだった。ダークアリスはその一人にニッコリ微笑みかけると、「『犯人』はあなたよ!!」ファウスト博士の帽子をバットで跳ね上げた。ファウスト博士はされるがまま、呆けた顔で宙を舞う自身の帽子を見上げる。すると、空中で帽子がぷくぅと膨れたと思うと、地面に落ち――中から、コロンと少女が転がり出した。金色の髪に白いハットを被り、フラミンゴ柄のクリケットバットをもった少女は、口に手を当てて欠伸をしつつ伸びをする。「ふわぁ、おはよう……」「ふん、寝ておったのか。いい気なものだな」「あらレッドクィーン、外に出てたのね。それにダークアリスまで。それじゃもう『かくれんぼ』の勝者は決まったのかしら?」「それはまだよ。よく眠れたかしら?――アリス」彼女こそ、行方をくらませていた元『夢の管理人』アリス――アリスは周囲を見渡すと、立ち上がってスカートをはたき、三人の紳士を眺め見た。「ふ~ん。私が用意した『まちがい帽子』より数が多いわね。何が起こっているのかしら?」「『犯人当てゲーム』をしていたの。詳しくは後で説明するわ」首をかしげるアリスをよそに、ダークアリスは三人の紳士の前に進み出ると、「私たちの勝ちね! さあ、ご退場願おうかしら?」とバットを突き出した。しかし――「あれまぁ、一発で取られてしまったねぇ」と、ファウスト博士。「そんなところに入れておくからですよ。ファウスト君は人生を楽しみ過ぎて、少し用心というものが足りない、そう思いませんか? カラバ侯爵」と、サンジェルマン伯爵。「まぁ、いいんじゃないか? どの道“だからといって”という訳だし」と、カラバ侯爵。三者は皆一様にニヤニヤ笑みを浮かべている。「ちょっと、何を笑っているの? あなたたちは負けたのよ? さっさと出ていきなさい!」三人の態度にムッと眉根を寄せたダークアリスがバットを振って催告するが、やはり笑みは止まらない。「いやいや、お嬢さん。わたくしどもは負けてなどいませんよ?」「そうだね、つまりは僕たちの“勝ち”ということだ」サンジェルマン伯爵とファウスト博士がそう言った。「ほう……妾を前に、ゲームの結果を侮辱するつもりか?」その言葉に、レッドクィーンが威嚇するように王錫で肩をトントンと叩きながら睨みつける。しかしカラバ侯爵はお構いなしにその視線を笑い飛ばした。「はは、わからないかなぁ? つまり、君たちは『犯人』を“当てていない”のさ」「何を言っているの? アリスを攫った犯人を当てたじゃない!」「確かにアリスを“持っていた”けどね、残念ながら、僕は“攫って”はいないよ」ファウスト博士が両手のひらと肩を上げて首を振り、カラバ侯爵が腰に手を当てて三人の少女の前に身を乗り出した。「いいか? 『犯人』とは、“罪を犯した人”だ。彼女は望んでファウストの帽子に隠れたんだ。故に、彼は『犯人』ではない」「そんなの詐欺よ! それにそんなわけ……アリス――?」ダークアリスが振り向きアリスを見ると、「そうね……ごめんなさい。その人の言う通り、私は自分から彼の帽子に入ったの」とすまなそうな顔で言った。「どうして……」「だって、『かくれんぼ』の最大のヒントは私なんだもの。なら、私も見つからないように隠れた方が安全じゃない? 黙っていなくなったのは悪かったけど……」「しかしだな、隠れるにしてもなんでこんな奴のところなのだ!? 信用できぬにも程がある! いくらもう一人の妾だとて訳がわからぬぞ!?」レッドクィーンが詰め寄る。「それは――」アリスはファウスト博士をじっと見ると、「この人が、『初代夢の管理人』だからよ」そう言った。ダークアリスとレッドクィーンが目を見開いた。「……ほう」それは知らなかったとばかりにサンジェルマン伯爵も目を細める。「……へ? 僕がかい?」そして、ファウスト博士までも。そんなファウスト博士にアリスは、「そ、“自分で自分を騙すことにした”、今のあなたは覚えていないでしょうけどね」と困ったような、悲しそうな、複雑な笑顔で微笑みかけた。一同が驚く中、しかし、カラバ侯爵はまるで気にする風もなく、「そう言うわけで、我らの勝ちだ。『夢の管理人』の証を渡してもらおうか」と一歩前に進み出て手を差し出した。その手に気押されるようにダークアリスが唇を噛んで一歩下がり、レッドクィーンが「ぐぬぬ」と王錫の柄を握り締める――が、「ちょっと待ってくださる?」二人の前に、アリスが体を滑り込ませた。「経緯はよくわからないけど、これって『犯人当てゲーム』なのよね?」「そうだけど、それがどうかしたか?」「なら――あの子たちが出した答えは『正解』よ」そう、きっぱりと言い切った。アリスの思いがけない言葉に、「……ふぇ?」「だってさっきあなた……」背後の少女たちはキョトンとした表情を浮かべ、「…………」カラバ侯爵の目がスッと細まる。「へぇ、その根拠には興味があるな。話してみろよ」「でも、その前に『本当の正解』も当てておこうかしら」アリスは物語の名探偵のように後ろ手を組んで、三人の紳士と二人の少女の間をゆっくり歩き始めた。「……うん、一応これはフェアなゲームになっているのよね。ちゃあんと答えは用意してあったの。『アリスを持っている』は“引っ掛け”で、“罪を犯した人”が『犯人』――」そのままファウスト博士の前まで歩いて足を止め、「あなたは『犯人』ではないと出題者が言ったのだから、一応は候補から外れるわよね」「それはなにより」ニコリと笑みを浮かべるファウスト博士を背に、続いてサンジェルマン伯爵の前まで歩く。「おじ様はきっと人間の尺度では罪人なのでしょうけど、本人に罪の意識が全くなく、裁かれたことも無いのでしょうからその限りではないわね」「痛み入ります」「つまり――」アリスはふわりとスカートをひるがえしてクルリと回ると、「『本当の正解』――罪人はあなたよ」カラバ侯爵を指さした。「一応、理由を聞いておこうか?」カラバ侯爵が腕を組みつつ、不敵な笑みを浮かべて問いかける。「あなた、『夢の世界』のことに詳し過ぎるわ。『夢の管理人』になるために『証』が必要だなんて、『夢の世界』の住人でもごく限られた人しか知らないのに」「それがどうした? 私たちは相当に長い年月を生きている。生きているうちにそんな情報を手に入れることもあるというものさ」「そうかしら? 一番年長に見えるおヒゲのおじ様はご存知ないように見えたけど」サンジェルマンは、一度に向けられた皆の視線に少し身を引いたが、「さてね」と言った風に肩をすぼめる。「それに、あなた――『カラバ侯爵』と言ったわよね? その名前には心当たりがあるわ。『夢の管理人』だけが見られる『住民名簿』、その中に、ずいぶん昔に『人の世界』に降りた“夢の住人”がいたの」ピクリ、とカラバ侯爵の眉が揺れた。「『赤ずきん』、『長靴をはいた猫』――その人は名を変え、『人間の世界』で、本当は話してはならない『夢の世界』の住人の物語を書き広めて一財を成したわ。そしてその素性がバレそうになるとまた名前と職を変え、今度は人々を騙して爵位を手に入れるまで上り詰め――裁かれた」「ふん、元『夢の管理人』か……なかなかの慧眼だね」ニヤニヤと浮かび続ける笑み――しかしその瞳は笑っていない。アリスはそんなカラバ侯爵をまっすぐ見据えて言った。「その時、あなたはこう名乗っていたはずよ? 人の世界で罪を犯した稀代の詐欺師――『カリオストロ』」カラバ侯爵――またの名をカリオストロ――は、山高帽を外すと、「“正解”、私が『犯人』だ」と両手を広げた。「なんだ、やっぱりそいつだったのではないか!」と、レッドクィーン。「なんと、君はそんな素性の持ち主だったのですか? カリオストロ伯爵」「ええ。でも知っての通り、錬金の腕は本物なので、お気になさらず」カリオストロは何ら悪びれた様子無くサンジェルマン伯爵にそう答え、 「それで――」アリスの前に立ち、じろりと上から見下ろした。「どうしようというんだ? 私の正体はどうあれ、回答のチャンスは一回。君たちはその一回を間違えたわけだから、私たちの勝利は揺るがない。さらに君は私の正体を見破ってその証明までしてくれたわけだ。なのに君はこのファウスト博士が『犯人』だと言う……それに、一体どんな意味が?」「あら、わからない? そんなはずはないと思うけど。その意味を明らかにするために、あなたの正体を明らかにしたのだから」「………」カリオストロの表情が僅かに歪んだが、「すまないが僕も知りたいな。君も認めた通り、僕はカリオストロくんに言われて君に接触しただけで、何の罪も犯していない」そうファウスト博士が皆の注意を引いたため、それに気づいた者はいない。アリスは改めてファウスト博士の方を向いて言った。「さっきも言ったけれど、私があなたを信用したのは、あなたこそが『初代夢の管理人』だからよ」「それなんだがね、君の言う通り、僕にそんな記憶はまったくない。“自分で自分の記憶を封じた”というのもさっぱりだ。それはいったい――」アリスは一瞬悲しそうな顔をしてから、目を閉じ、意を決したようにファウストの言葉に口を挟んだ。「――あなたはかつて、『夢の世界』で罪を犯したの」「………?」「昔、世界を滅ぼそうとした魔女の夢を、ある少女の夢に閉じ込めたのよ。その所為で、その子は永遠の時に閉じ込められ、眠り続けることになった。そしてあなたはその罪の意識から、自ら『夢の管理人』を下りたのよ」怪訝な顔をするファウスト博士に、「だからあなたは罪人で、とっても優しい人」アリスはそう、いたわる様に微笑みかけた。「あはは、そんなこと――」ファウスト博士はやはり訳がわからないといった風に苦笑を浮かべていたが、「まいったな」と頭を掻きつつ、その手に違和感を覚えて自身の手を見る。「……永遠の時に、ね……」なぜか、その手が震えていた。同時に、ファウスト博士の脳裏に、過ぎた記憶が蘇る。――「止まった時」が動き出した! 目覚めたとき、確かに彼はそう言った。「そうか……だから僕は……」そして、その更に、ずっとずっと昔――――時よ止まれ……君は、美しい。アリスはその様子を悲し気に見つめる。「それがあなたの“罪”。だからあなたは『犯人』でもあるの」そして振り向き、カリオストロを見た。「そしてだからこそ、そんな彼の記憶を、“あなた”は蘇えらせたかったのではないかしら?」拍手が鳴り響いた。「“大正解”だ」拍手をしているのは――山高帽を深くかぶり直して下を向く、カリオストロ。いったい、何が起きているのか――。「なんだ? わけがわからなくなってきたぞ? いったい何がどうなった?? 誰か分かりやすく説明せい!!」次々と予測の外れる展開に、レッドクィーンが王錫を振り回し地団太を踏む。「えーと……新しい『夢の管理人』選出ゲームの最中にアリスがいなくなって、それはアリスがわざとやったことで、隠れた先が『初代夢の管理人』の帽子の中で、その人の仲間も“元『夢の世界』の住人”で、当の『初代夢の管理人』にはその記憶がなくて、それでいて、罪人で……?」「ふむ、わたくし思うに、これは多分に“複雑な大人の話”ですな」反芻すれども首をひねるダークアリスに、サンジェルマン伯爵がそう言ってまとめる。そしてカリオストロは、「まぁ、わからないだろうな。わかる筈がない。君らなんかに――私の気持ちが」帽子のツバを上げると、呆然と佇むファウストを見た。「そうさ、私は君に思い出して欲しかった。ファウスト、私が言っても君は信じないだろうが、実際に『夢の管理人』の言葉を聞けば、封じられた記憶も呼び起こせると思ってね。しかも、“ターリア”が目覚めた今ならば――」「「“ターリア”って、あのターリア(か)!?」」意外な名前を耳にして、ダークアリスとレッドクィーンが口を大きく開ける。それは、魔女を封印するために降魔『久遠の眠り姫』となった少女の名だった。そして彼女を目覚めさせるため、レッドクィーンは壊れてしまった「少女の夢」の代わりとなり、つい最近、ダークアリスの活躍でその状態から帰還したばかりなのであった。カリオストロは、なぜか、ファウスト博士に憎々し気な目を向けたまま続ける。「そう、その彼女さ。なぁ、君は彼女の名前を覚えているかい? “ターリア・グレートヒェン・マルグリート”――」そしてアリスを睨んだ。「アリス、さっき君は、そいつを“優しい人”と言ったな? 優しいもんか。君が言った通りなんだぞ? そいつは私のターリアを利用して、魔女を封じる代わりに、彼女を永遠の眠りにつかせたんだ。ただの――人間の癖に」「そうね……」「ちょっと待って、『初代夢の管理人』って夢の世界の住人じゃなかったの?」「そうよ、もう一人の私。私だって元は人間ですもの。そこから生まれたあなただって、そしてあなたから生まれたレッドクィーンだって似たようなものじゃない?」驚くダークアリスを他所に、カリオストロは再びファウスト博士に目を向け、指をさす。「そうさ、そいつは純粋な『夢の世界』の住人なんかじゃなかった! 悪魔の力を借りて『夢の世界』にやってきた汚らしい“人間”だ! そんな奴が『夢の管理人』を名乗り、無垢な心に付け込んで私の大事なターリアを奪っていったんだ……ターリアが眠りについた後、そんな君はどうしたと思う? なんと、卑怯な君は罪の意識に耐えかねて『人の世界』に逃げ戻った。だから私も君を追いかけた。君を探し続けた――そうだ、私も推理ショーをやってやろう」そしてテレビショーのチェアマンが観客を煽るように両手を広げ、「君はよく言っていたな、『カラスと書き物机が似ているのは何故か?』と。それが君の記憶の『鍵』なんだろう? 私が答えてやるよ!」どことはなしに宙を見つめ、黙してただカリオストロの言葉を受け入れるファウスト博士に顔を近づける。「『カラス』とは人の言葉を真似話して不吉を運ぶ智慧の象徴、『王』や『神』の使いだ。つまり、智慧を持って世界を自由にいじくり、生み出す『神』なのさ。“彼ら”は生み出す、何でもね。なぁ、それってまるで机にかじりついて物語を生み出す“我々”童話作家のようじゃないか? 君は享楽を求めて長く生き過ぎた“人ならざる人”だ――初めは偉大なる数学者にして天才錬金術師、そして物語を紡ぐ者……一時はチャールズ・ドジソンなんて名乗ってもいたよなぁ?」僅かに、ファウスト博士の指先が揺れたか。「その後、『夢の管理人』がいなくなった所為で『夢の世界』に混乱をきたしたことを知った君は、人の世界から連れてきたその“アリス”を『管理人』に仕立てあげた。そして自分は“白い帽子”に嫌な記憶を封じ込め、全てを忘れ去ったんだ! さあ、自分の罪を思い出せ! 忘れさせなんかしないぞ!? そのためだったら、『混沌』の手だって借りてやるさ! 君を追い詰め、絶望させ、私が『夢の管理人』になり、君の目の前で君の愛した『夢の世界』をめちゃくちゃにしてやる! そして彼女との失った時を取り戻すんだ!」一気にまくしたてるカリオストロであったが、呆けたように口を開けたままのファウスト博士に、果たして彼の言葉は届いているのか――しかし、不意にその目つきが、変わった。「……やれやれ、なんてやかましい」ファウスト博士は、正気を取り戻したようにそう言うと、「あの日、魔女がこの世の春を謳歌した『ワルプルギスの夜』みたいなやかましさだ」突然トコトコと歩きだしてアリスに近づき、ひょいと無表情にその白いハットを取り上げた。気のせいか、その口調と声が、先程とは幾分変わって聞こえる。「カリオストロ君、なんだろうなぁ、君の話は実につまらない。どうにもこうにも夢がない。ロマンティックとは程遠い、なんともお茶会には向かない談話だよ。そんなものを思い出してどうしろと? 僕はとうにおかしくなっているんだ。心も、声も変わっちまう程に――それでも君が僕の存在を認めてくれるのなら、僕も君の存在を認めるとしようか」そして両手でハットを挟み、二回、三回、くるりと回してみせると、「そう、認めよう。確かに僕は君の言う“そいつ”なのかもしれないが、そんなこと、僕にはどうでもいいことだ」「……何だと……」「そりゃあそうさ。僕は永遠に飲めないお茶を愛する帽子嫌いの帽子屋で、それ以上ではあるがそれ以下でもある。だからみな――」白いハットを目深にかぶり、宙よりギラリと光る巨大なバターナイフを取り出した。ナイフに映ったその不敵な顔は、青い瞳が赤色に、顔つきまでもが別人のように変わって見える。「僕のことを、『マッドハッター』と呼ぶのさ」 セリフ一覧 +通常版 通常版 召喚 お待たせしたねぇ 最低なお茶会を最高に楽しもう 武装 そうだ なぞなぞはいかがかな? 血晶武装 カラスと書き物机が似ている理由を僕が知っていると思うかい? 通常攻撃 タワー制圧 ストーン破壊 死滅 +EXボイス EXボイス 召喚 武装 血晶武装 通常攻撃 タワー制圧 ストーン破壊 死滅 考察 共通アビリティ「ゆかいな時間殺し」による、もう1体へのダメージは自身のATKの130%相当のディフェンダーダメージ。 ATK150でATK195相当 主AでATK160ならATK208相当になる。 各種族総じて、「攻撃対象の周囲にいるもう1体へのダメージ・追加効果」の方が大きくなっており、 マッドハッターが殴っている相手と真の攻撃目標は別という、トリッキーな動きをする使い魔である。 その特性上、並んでいる○○や○□には強いが、1対1では本領を発揮できない弱点がある。 人獣 神族 攻撃対象のATK-20、もう1体にATK-40。2つの効果を重ねることでATK-60することが可能。 魔種 攻撃対象のDEF-20、もう1体にDEF-40。2つの効果を重ねることでDEF-60することが可能。 海種 不死 40%前後の確率で発動 攻撃対象にATK80%相当 もう1体にATK100%相当のクリティカルダメージ追撃。 キャラクター説明 童話「アリスと不思議の国」に登場する不思議の国の住民。邦訳は「気の狂った帽子屋」「イカれた帽子屋」。 その名の通り支離滅裂な事を言う狂人で、意味のわからない発言を繰り返してアリスを困惑させる。 下手な替え歌を女王に披露した為に「時間殺し罪」の罪人とされ、永遠に時間が午後3時から進みも戻りもしない罰を背負わされている。 狂人仲間の「3月ウサギ」と「眠りネズミ」と共に、城前で終わらないお茶会を楽しんでいる。 LoVでは2から参戦していた不死所属の使い魔。ハンサムなルックスと原典通りのハイテンションでイカれた言動から人気が高かった。 夢の国アンブラルソルムにて気ままに振る舞い、誰にも与する事なく奇行三昧を楽しんでいたが、その正体はなんと「元・夢の国の管理者」。アリスの先輩にあたる。 ある事情から管理者を降りていたらしく、彼女に夢の国を任せていたのも何やら考えがあったかららしい。 彼が夢の国から消えた後、マッドハッターと同様のモーションかつ姿も似た一人の魔術紳士が現れたのだが……? 紹介動画 +第2弾 第2弾 +編集用コメント *編集が苦手な方はこちらへ情報提供お願いします もう一体へのダメージは大体1.24倍、魔種時の低下値は対象-20もう一体-40 -- 名無しさん (2019-02-02 13 03 07) 名前 コメント 余りにも当Wikiやゲームから逸脱した無関係な雑談や、誹謗中傷めいた暴言、ページに関係ないコメントはおやめ下さい。 wikiは不特定多数の人が利用する場です。プレイヤーの個人名や所属ギルドなどを書き込む行為は慎んで頂きますようお願いします。 個人的な日記として使用するのも控えて下さい。 +コメント *雑談や使用方法などの相談にご利用下さい 名前 コメント
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クィーン 『マスターロード』の派生スキル。 一定の区域を支配する女王にのみ与えられる称号。
https://w.atwiki.jp/lord_of_vermilion/pages/1363.html
レッドクィーン -- (名無しさん) 2014-11-04 20 07 51 送信みすです、レッドクィーン、召喚:「妾を呼んだのだ!余程面白いゲームなのだろうな!」、覚醒:「勘違いするでない!妾がルールなのだ!」、超覚醒:「妾は『赤の女王』!ゲームの支配者である!」 -- (名無しさん) 2014-11-04 20 13 20 原作のゲーム通りなら、アシュトンは石田彰さんのはずです。 -- (名無しさん) 2014-11-15 00 02 54 STアウナス アルカナ制圧 「来て良かった」(ラスボス直前詩人セリフ) -- (名無しさん) 2015-03-30 16 53 24 VRレッドクイーンの死滅時のセリフは「うわぁー!早く、早く復旧させるのだっ!」だと思います。 -- (名無しさん) 2015-07-08 20 48 24 VR レッドクイーンの死滅時は「うわぁー!早く早く!復活させるのだっ!」 -- (名無しさん) 2015-07-12 00 00 07 VRソロモン石割時「きるきるかりすまあっぷっぷーです♪」 -- (名無しさん) 2015-07-24 03 19 45 VRアジルスストーン破壊時ボイス 『あ、割れた』ですよ -- (名無しさん) 2015-09-03 11 54 14 アジルスの「割れた」は普通のほうで、VRのほうは「わぁ、きれーい」だったような -- (名無しさん) 2015-09-04 11 10 32 STアウナス タワー制圧「ここまで来たのだ、勝つのだ!!」(ラスボス戦直前 ゆきだるまのセリフ) -- (名無しさん) 2015-10-18 22 59 36 STアウナス 攻撃時「宿命、定め!」 -- (名無しさん) 2015-10-18 23 32 53 STアウナス「辛い定めでも従わなければならん」 -- (名無しさん) 2015-10-18 23 34 49 ↑死滅時のボイスです -- (名無しさん) 2015-10-18 23 35 10 アジルスの声優は「アジルス」だそうだ -- (名無しさん) 2016-02-29 11 49 13 ↑途中そうしん LoVAのアジルスの声優欄にそう書いてあった -- (名無しさん) 2016-02-29 11 49 42