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たそがれは逢魔が刻、という。 べつに妙なものに出くわさなくても、魔が刺す、ということはあって、 それが物憂い秋ならば、なおさらのことである。 すでに日も暮れかかって、放課後の教室はオレンジ色に染まっていた。 無人の机がズラリと並んでいる中に、ポツンと黒い影がひとつ。 机に覆い被さるように、ぐったりとしている―――― 結城リトである。 「はあ……」 静まり返った空間に、ため息が溶けていく。 リトは疲れていた。 ララの妹たちが家に転がり込んできてから、心の休まる時がない。 学校だけでなく、家でもあんな調子が続くのでは、たまったものではない。 彼とても健全な男子であるから、四六時中、桃色の空気に包まれていると、 危うく自制を失いそうになることもあるわけで、つまり、疲れるのである。 そして今、ララを先に帰して、ひとりでボンヤリしているリトであった。 そもそも、彼の日常に女の子が関わるようになったのは、最近の話で、 トラブルに慣れてきたとは言いながら、根本のところは純情なままである。 つまり、まともに女の子とつきあった経験がないのであるから、 色気ばかりが供給されて、はけ口のない状態というのは、これは困る。 リトは机に突っ伏したまま、もぞもぞと身体を動かした。 廊下のほうに、足音が聞こえたかと思うと、ガラッと扉の開く音―――― 「あれ? 結城じゃん」 のっそりと顔を上げると、テニス・ウェアに包まれた胸が歩いてくる。 視線を上げると、ウェーブのかかった髪―――― 淡いベージュ色だったはずだが、夕暮れの光の中で、焦茶色に見えた。 「籾岡か……」 「何やってんの?」 「べつに…… 籾岡は?」 「部活。 終わったトコ」 そう言って、リサは、リトの足元にスポーツ・バッグを放り出した。 (そうか、籾岡もテニス部だったな……) ラケットの袋を肩から外して、となりの机に置くと、 その机の上にヒョイと飛び乗るようにして、腰かける。 (どうして、わざわざ、となりに座るんだ……) もともと、籾岡里紗は人懐っこいほうで、女子に対するスキンシップなど、 常軌を逸しているが、女子がいなければ、話し相手は男子でもかまわない。 リトもそれを知らないではなかったが、今は女子と話すのが疎ましかった。 「元気ないじゃん」 「そうか?」 「ララちぃに振られたとか?」 「あのな……」 リサは、アハハと楽しそうに笑って、ぐっと伸びをした。 リトは再び机に倒れ込んだが、顔はリサのほうに向けたままだった。 スコートから伸びた太ももが、目の前にチラチラした。 いつもなら、真っ赤になって取り乱しているところである。 ところが、今日はそんな光景を目にしても、血液が這い上がってこない。 ボンヤリと視線を上げると、リサが悪戯っぽくニヤニヤと笑っていた。 (ああ、いつもの籾岡だ……) 頭に浮かんだのは、それだけで、そのままリサのほうを見ていた。 リサは不思議そうな顔をして、それから、大きく脚を組み替えた。 アンダー・スコートがチラリと見えた。 リトは身じろぎもせずに、リサの太ももの奥を睨んでいた。 「ちょ、ちょっと、結城ィ?」 「ん?」 「いつまで、見てるワケ?」 リサの頬が、かすかに赤く染まっていた。 それで、リトも自分の置かれた状況に気がついた。 宵闇せまる教室に、女の子と二人きり。 からかったのを、真面目に受け取った―――― と思われている。 まずい。 これはまずい。 「ご、ごめん……」 あわてて顔を背けて、反対側―――― 窓のほうを見る。 窓ガラスに映ったリサの顔が、ニヤ~ッと崩れた。 いつものリトに戻ったので、安心したのだろうか。 「ちょうどいいや、そのまま、そっち向いてて」 そう言ってリサは、ユニフォームのシャツの裾を、一気にたくし上げた。 (なっ……) 叫び声を上げそうになるのを、リトは必死でこらえた。 窓ガラスに白いお腹が映って、それから、黒いブラジャーが目を奪う。 「ん、ん~ん……」 艶めかしい声と共に、シャツの襟が広がっていって、 二の腕が持ち上がると、腋の下があらわになった。 ひょいと頭が現れて、乱れた髪が、わさわさと揺れる。 リサは、丸めたシャツを放り投げると、 ふうっと息を吐き出して、こっちを見た。 「ハイ、ここまで~」 「へっ?」 「コーフンしたァ?」 細めた目に、弓を伏せたような眉、ニ~ッと笑っている口元―――― 自分のペースに引き込んだと見るや、すぐにリベンジとは、天晴れである。 リトは真っ赤になって、席を蹴立てるように立ち上がった。 「トイレ?」 「バカ! オレは帰るよ!」 そう叫んで、カバンをひっつかむ。 リサを見ないようにして、荒々しく足を踏み出す。 踏み出した先に、リサのスポーツ・バッグがあった。 ガタ――――ン!! 一瞬、何が起こったのかわからなかった。 目の前の景色が、ガラリと変転する。 机の天板を額縁のようにして、ふわあっと広がった髪。 大きく見ひらかれた目、細い首すじ、むきだしの華奢な肩。 黒いブラジャーのふくらみの上に、自分の手が乗っていた。 ――――柔らかい。 柔らかいと言えば、こっちの脚がもつれたままのところに、 からむように押しつけられた脚も、信じられないほど柔らかい。 香水と、汗の匂いが混じり合って、むせ返るような空気。 二人は身じろぎもせずにいた。 遠く、チャイムが鳴り出す。 キーン…… コーン…… カーン…… コーン…… 「……結城?」 たぶん、リトの目つきが尋常ではなかったのだろう。 リサの声は、かすかに震えていた。 リトの手が、ぎゅっと縮むように、リサの胸に食い入る。 「痛ッ!」 ブラジャーの肩紐がねじれて、浮き上がる。 リトは、その白い肩へ覆い被さっていった。 「キャッ!」 咬みつくように唇を寄せると、しっとりと汗ばんでいる。 ――――しょっぱい。 「私に八つ当たりしないでよ!」 その言葉で、リトはハッと我に返った。 一瞬、腰が引ける。 リサはパッと持ち上げるように、リトの身体を横に払いのけると、 机の反対側に、転がり落ちるようにして逃れた。 なるほど、力自慢のスポーツ・ウーマンである。 向こう側で、机から落ちかかっているリト。 こっち側で、椅子に身を預けるようにして、ひざまずいているリサ。 二人とも激しく息を弾ませて、ものを言わなかった。 やがて、リサはふらふらと立ち上がり、ずれたブラジャーを直した。 屈み込んで、シャツを拾い上げると、手早く着込む。 「あのサ、結城ィ……」 「えっ、な、なに?」 「そーとー溜まってんねェ」 リサは乾いた笑い声を立ててから、ふいに生真面目な表情を浮かべて、 ぐっと覗き込むようにして、リトの目を見つめた。 「そんな扱い、私だってショックだな~」 そう言って身を屈めると、リトの踏んづけたスポーツ・バッグを拾う。 「あ、いや、籾岡、オレは……」 ヒュッ、と喉元にラケットを突きつけられて、リトは黙った。 「私、帰るから、悪いけど自分で処理して」 「しょ、処理って……」 「もしくは、家に帰ってララちぃに頼めば?」 「バ、バカ!」 ウヒョヒョ、と笑って去っていくリサは、いつものリサのようであった。 遠ざかる足音も消えて、ふと気づけば、窓の外は闇に沈んでいた。 次の朝、リトとララは、いつものように学校の門をくぐった。 「どーしたの、リト、元気ないね」 「いや、そんなことないって……」 「そお?」 ララは、いまいち納得がいかない様子で、首をかしげている。 実際、リトの目の下には、ひどい隈ができているのであった。 ホールの下駄箱の前で、籾岡里紗と沢田未央が追いついてきた。 「あっ、リサミオだ、おっはよー!」 「ヤッホー、ララちぃ!」 「ん~、ララちぃ、今朝もノーブラですか~?」 さっそくララの胸を揉みにかかる、リサミオであった。 「きゃっ、あはは、くすぐったいよぉ!」 ララの嬌声と、ミオのはしゃぎ声にまぎれて、リサの小声が飛んでくる。 (結城ィ、隈なんか作っちゃって、昨夜はお盛んだったようだねェ) (バ、バカ、何言ってんだ、何もしてないよ、オレは!) (てゆーか、あんた今、私の顔見て、逃げようとしませんでしたァ?) (うっ!) (根性ナシ!) ミオが、気配に感づいたのか、こっちを覗き込んでくる。 「リサ、結城と何話してんの?」 「ナイショ!」 「うひょー、アヤシイなー」 「私と結城が? 冗談でしょ!」 リサミオとララは、じゃれあったまま、転がるように廊下を歩いていった。 ひとり残されたリトは、ふうっと息を吐き出して、それから、微笑んだ。 いつもと変わらない、平穏な日常―――― リトは、ララたちの後を追うように、ゆっくりと廊下を歩き出した。 ところで、リトは気づかなかったけれども、ひとつ、いつもと違った点があった。 それは、リサの制服の胸元に、ちゃんとリボンが結ばれていたということである。 秋の空に、始業のチャイムが鳴った。 キーン―――― コーン―――― カーン―――― コーン――――
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ショーウインドウが並ぶ街の繁華街を黒い服に長い金髪の少女、金色の闇は歩いていた。 ふと店のショーウインドウに映る自分の姿をじっと見つめる。 そこに映る自分の姿は服装、髪型、体格は殺し屋として名を馳せたころからほとんど変わっていない。 でも… 「私…変わったかな…」 ヤミはぽつりとつぶやいた。 ショーウインドウに映る自分の目は昔の自分のそれとは明らかに異なっていた。 原因はわかっている。 ラコスポの依頼で結城リトの抹殺のため地球にやって来たものの、そこで自分に温もりをくれる人に出会ってしまったからだ。 ララ・サタリン・デビルーク、結城美柑、そしてターゲットで合ったはずの結城リト。 この3人の他にも彼らの友人たちも、殺し屋の自分にとてもよくしてくれた。 どうしてだろう。私が怖くないのだろうか。 ヤミはそのまま公園に向かい、ベンチに腰掛けてゲームのパスカードを取り出した。 くだらないゲームだと思いながらも、なぜかそのカードを捨てることもモモに返すこともできずにいる自分がいた。 私は何かを期待しているのだろうか? 居心地が良すぎるくらいの温もりの中に自分も浸かっていられるかもしれないだなんて… だがヤミはリトがゲームの中で何をしていたか思い出していた。 リトが見境なく複数の女性たちとセックスの快楽に浸っていたことを。 地球では基本的に一人の男性に一人の女性が伴侶となる。 それはヤミが地球に来てから読み漁っていた書物から得た知識である。 ヤミが読んだ恋愛小説でもそんな風に主人公とヒロインが結ばれるものが多かったような気がする。 しかしヤミは自分でもわかっていた。 自分が結城リトに惹かれていること、そして、強がりで未だに彼を生かしているなどと言ってはいるが、それも周囲にはバレバレの嘘だと見抜かれているであろうことも。 もし彼に惹かれていなくてもどうせ自分は彼を殺すことはできない。 彼がいなくなったらララは、美柑はどんな顔をするだろうか。 自分がどうするべきなのかわからない。 殺し屋の自分が温もりを求めるなんて間違っている。それでもこの居心地の良さを手放したくなくて、そしてそんなことを思う度なぜか結城家のほうに足が向いていた。 今もそうだ。 自分は日陰になっている公園のベンチで長い時間ぼーっとしていたはずだ。 なのに気がつけば立ちあがって彼女に、美柑に会いたくなる。 しかもこれが初めてではない。 結城家の人間に見つかっていないだけであって、何か悩みがあると決まってヤミは結城家の周辺をうろうろしていた。 殺し屋として宇宙を独りで放浪していたころはこんなことは考えられなかった。 自分を狙う賞金稼ぎや敵対勢力、そして殺された者の復讐のために自分を追う者、敵は数え切れないほどいた。 宇宙船の中は比較的安全だったが、それでも恋しくなる場所ではなかった。 だが今はどうだろう。 辺境の惑星だからか自分の敵となる者はほとんど来ないし、自分を受け入れてくれる人がいて、恋しくなる場所もある。 その恋しい場所の前でヤミは大きくため息をついた。 「はあ…。私はどうしてこんなところに…」 「あれ?ヤミ?」 いきなり声をかけられ、ヤミは柄にもなくびくっとして後ろを振り向く。 そこにはリトとララがお互いに腕を組んで立っていた。 もう二人は恋人同士なのだな、と恋愛に疎いヤミでもさすがにわかる。 リトのもう片方の手には買い物袋がぶら下がっていた。 二人で買い物に行って、その帰りのようだ。 「買い物の帰りですか…」 「まあな」 リトが笑って答える。 そこである程度予想はしていたものの、ララが一緒に夕飯を食べないかと提案してきた。 「ヤミちゃんも一緒にご飯食べようよ♪」 「いえ…私は…」 「美柑も会いたがってると思うし…」 「…」 結局ヤミはその晩結城家で夕食を取ることにした。 美柑の名前を出されるとどうも自分は断れなくなっているらしい。 それほどまでに美柑は自分を変えてしまった人物なのだ。 「わー、ヤミさん!どうしたの?」 美柑は笑顔でヤミを迎えた。 「いえ、その…。たまたま近くを通りかかったので…」 「上がって上がって!晩御飯すぐ用意するからさ!」 美柑はリトから買い物袋を受け取ると、スリッパをパタパタと言わせながらキッチンに走っていった。 「…お邪魔します…」 「俺たちは宿題を少しでも進めとくか、ララ」 「そうだね」 リトとララはリトの部屋に一緒に入っていった。 リビングで雑誌を読んでいたヤミだが、美柑の料理の匂いが鼻をくすぐると静かに立ち上がった。 「食器を並べるの、手伝いますよ」 「ありがとう、ヤミさん」 だが、食器棚から食器を取り出していたヤミの様子がいつもとどこか違うことに美柑は気づく。 「ねえヤミさん。今日はなんか元気ないね」 「…そう…ですか…?」 美柑はやはり鋭い。 作り笑いさえもできない自分がヤミは恨めしかった。 それと同時に、それまで結城家に来ていた時の、美柑に会えた時の自分がどういう風に見られていたのか、そして結城家に来た時の嬉しい気持ちを自分が隠し切れていなかったことをつくづく思い知らされた。 「少し…悩みがあるんです…」 どうしていつもの強がりが出てこないのだろう。 どうして「なんでもありません」の一言が出てこないのだろう。 ヤミは自分でも不思議だった。 食器棚に向かったまま動かないヤミを美柑はじっと見つめた。 「悩み…?私でよければ聞くよ…」 「美柑は…その…誰かを好きになったことはありますか?」 唐突な質問に美柑は声が裏返ってしまう。 「えっ?それってどういう…」 「しかも、相手が既にいる人を…です」 続けられたヤミの言葉に美柑はさらにびっくりする。 「さ…さすがにそれはないなあ…」 美柑は頬を掻きながら答えた。 「地球では男女の付き合いは一対一が基本ですよね?その…いきなりのことで困るとは思いますが、美柑ならどうしますか?」 ヤミの真剣な目、その裏にはすがるような気持ちさえ透けて見えた。 ヤミさん…。真剣なんだ…。 美柑にはヤミの言う相手は誰だかわからなかった、というよりこのときの美柑はいきなりのヤミの恋愛相談に相手が誰なのか考える余裕も失っていた。 「うーん…。既に相手がいる人…かあ…。まさかとは思うけど、その人結婚してたリする?」 しっかり者とはいえ美柑はまだ小学生、この手の話はなかなかにきつい。 それでも美柑はヤミの力になりたかった。 「いえ…それはまだ…」 「そっかあ。結婚してたら相手の人も迷惑に思うかもしれないけど、とりあえず伝えるだけ伝えてみたらどうかなあ?」 「そう…ですか?」 美柑はどうやら自分の告白を後押ししてくれるらしい。 不思議だ。 本心では殺し屋の自分が誰かに愛されるなどあるわけないと諦めているのに。 でも美柑の笑顔にそんな気持ちがかき消されそうになる。 自分の唇の端が上がりそうになったのがヤミにははっきりとわかった。 美柑もそれに気づいていたが、敢えてそこには突っ込まないでおく。 「自分の気持ちを伝えるのって大変かもしれないけど、きっとそのままだと後悔すると思うよ」 「…はい…」 夕食を終え、ヤミが結城家を出て行こうとすると、今度は美柑が泊まっていけと言いだした。 ヤミはその申し出を快諾した。 「じゃあおやすみー」 結城家の面々がそれぞれの寝室に入っていく。 リトはリトの自室へ、ララ、ナナ、モモは天井裏の自宅へ、美柑、セリーヌ、ヤミは美柑の部屋に入っていく。 ヤミは美柑の部屋の床に敷かれた布団に入る。 最近は立ったまま寝ることもすっかり無くなった。 目を閉じると優しい睡魔が襲ってくる。 「おやすみ、ヤミさん」 「はい…おやすみなさい、美柑…」 深夜、ヤミは廊下に人の気配を感じて目を覚ました。 『まさか泥棒…?』 忍び足で動くそれは美柑の部屋の前を通り過ぎ、リトの部屋の方へ向っていく。 ここでヤミはふと結城家の間取りを思い出してみる。 階段はリトの部屋と美柑の部屋の間にある。 もし泥棒が入って来たなら階段を上ってきて、自分に気付かれることなく美柑の部屋の前を通り過ぎることなどあり得ない。 「…」 忍び足で動くそれの来た方向にあるのはデビルーク姉妹の部屋に行くためのトランスポーターだけ。となると…。 忍び足で動いていたそれはリトの部屋の前で一旦止まり、そのままリトの部屋に入っていったようだ。 ヤミは気になってそっと美柑の部屋を抜け出す。 「リト…」 「ララか…。したくなったのか?」 「うん…。リト…して…」 部屋の扉に耳を当ててみると、ぼそぼそとだが話声が聞こえた。 どうやらさっきの人物の正体はララだったようだ。 ヤミはホッと安心するとともに、これからリトとララが交わることを直感し、心臓の音がどんどん大きく、そして速くなっていくのを感じた。 ベッドが軋む音、ララがベッドの上に上がったのだろう。 そのまま小刻みにベッドの軋む音が聞こえる。 二人でキスをしながら抱き合い、愛撫し合っているのだろうか。 映像が見えているわけではないが、ヤミの頭の中にはリトとララが裸で抱き合っている様子が鮮明に浮かんだ。 153 名前:ファミリーシミュレーション EP13 相談[] 投稿日:2011/02/08(火) 05 29 48 ID CatZr8WT [7/11] 「あん…。もー…リトったらえっちぃ…」 「それが夜這いをかけてきた女の台詞?」 「むー…だって好きなんだから仕方ないんだもん…」 お互いにくすくすと笑ってから、またベッドの軋む音がした。 「あんまり声は出すなよ?」 リトがララに釘を刺す。 「リトがあんまり激しくしなかったら…ね?」 「じゃあこうしようか…」 「んっ…」 二人はキスをしているのだろう。 そのままベッドの軋む音が規則的なものに変わる。 ララがリトにペニスを挿入されたのだろうとヤミは想像する。 想像はどうやら当たっていたらしく、二人の吐息は荒く混じり合い、ベッドの軋みが激しくなっていくのがわかる。 ヤミのショーツには愛液が滴り、無意識に指が自分の生殖器に伸びる。 二人の吐息が間近に感じられるほどにヤミは自慰行為に没頭していった。 必死に声を押し殺し、自分のクリトリスの皮を剥いて指を這わせる。 快楽と共に別の何かが体に流れ込む。 それは寂しさなのだとヤミは気づいていただろうか。 高まる興奮を抑えられず、ヤミはリトのベッドが軋む音を聞きながら昇り詰めていく。 ヤミの秘部は白く濁った愛液で醜く汚れ、リトとララはヤミが自分たちの性行為に聞き耳を立てているとも知らずに絶頂を迎える。 ベッドの軋む音が止み、ヤミははっとして自分が何をしていたのかを自覚する。 「もう…リトったらこんなに中に出しちゃって…」 「ララの中気持ちいいから仕方ないだろ?」 「ねえリト…。私部屋に帰りたくない…」 ここでベッドが軋む音が一回した。 ララがリトに抱きついたのだろうか。 「やれやれ…。ちゃんと早起きしろよ?」 「むー、いつもナナやモモに起こしてもらってるリトに言われたくないもん」 「それもそうか…」 二人はこのまま眠るつもりらしい。 ヤミは指に冷たくまとわりつく愛液を舌で舐めとってみる。 少ししょっぱい味がした。 次の日の朝、この家で一番早起きの美柑が起きるとともにヤミも目を覚ました。 「おはよう、ヤミさん」 美柑がヤミに笑いかける。 「おはようございます、美柑…」 「まうっ」 セリーヌも元気よく飛び起き、美柑に抱きつく。 「おはよう、セリーヌ」 美柑はセリーヌをあやしながらヤミに言った。 「これから朝ごはん用意するからね」 「あ、私も手伝います」 「うん。じゃあ下りよっか」 美柑の部屋を出る。 ヤミはついリトの部屋のドアを立ち止まって見つめてしまう。 それに気づいた美柑がヤミに声をかける。 「ん?リトなら多分もう少ししないと起きてこないんじゃないかな」 「そう…ですか…」 「まあ最近はナナさんやモモさんが起こしてくれるから、ほっといてもいいよ」 「…はい…」 美柑は知っているのだろうか。 リトが昨晩ララを抱き、恐らくもう何人もの女性と肉体関係を持っていることを。 もし知らなかったとしたら、美柑はそれを知ったときどう思うのだろうか。 ヤミはそのことに少し不安を覚えながら美柑の後についていった。
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「わぁー、緑がいっぱいだねー!」 「まうー!」 澄み切った空に甲高い声が響き渡る 周囲を山々に囲まれた丘でララ(とセリーヌ)が感嘆の声をあげる 彼女達は今、結城一家とともにキャンプ場に来ていた 「えっ、ホントに!?」 美柑がその電話を取ったのは、夏休みも終盤に差しかかったある日のことだった 電話先の相手はリトと美柑の母親である林檎だ ファッションデザイナーである彼女は長らく海外で仕事をしていたが、今度の連休に久しぶりに家に帰ってくると言う さらに父親の才培も先日週刊連載の一つを終了したばかりで、林檎と同じ日に休暇をとることができたのだ つまり、結城家では本当に久しぶりに家族みんなで過ごすことになる そこでリト達は悩んだ末、近場のキャンプ場で一泊二日の野外生活をすることに決めた 普段、時間に追われ忙しい毎日を送っている両親に、少しでも時間を忘れゆっくりしてほしいという思いからだ 計画を立てるリトと美柑を、ララもニコニコしながら眺めていた 「ふふ、楽しそーだねー♪私も何か手伝おっか?」 「いや、大丈夫だよ。もう終わるとこだからさ」 「そっかぁ。雨降らないといいね。たっくさん楽しんできてね!」 そこまで話して、作業をしていたリトの手が止まる すると今度はリトが、怪訝な表情でララを見つめてきた 「……何言ってんだ?お前」 「え、何って……だから、キャンプ楽しんできてねって」 至極当然のように答えるララ しかしリトは呆れたようにため息をつきながらララのほうを向いた 「あのなぁ……お前も行くんだよ、一緒に」 「……えぇ!?私も?だって家族サービスだから家族みんなでって」 「ララさんも家族でしょ?置いてくわけないよ」 驚くララに美柑が付け加え、さらに驚く ニコッと微笑む美柑に、やれやれといった表情のリト 「ね?」 「今さらなーに言ってんだよ」 「リト……美柑……」 家族。その言葉がララの胸に染み渡る 幼い頃から両親とほとんど触れ合うこともなく育ってきたララにとって、いつも 一緒にいる存在は妹達とペケくらいのものだった そんな自分のことを、目の前の二人は何の気兼ねもなく家族だと言ってくれる。当然のように ララにとってはそれがたまらなく嬉しいことだった 「……ありがと、二人とも大好きだよ」 自分にとってのもう一つの「家」をくれた二人に対して、ララは心から感謝の気持ちを述べる リトは照れくさそうに頬を掻き、美柑は同じく照れくさそうに笑う ララの素直さは時に、周りから見れば恥ずかしく思えてしまうこともある しかしそれこそがララの良さなのだということも、ララと触れ合った多くの人達は知っている 無論、リトと美柑も例外ではない 家族として、姉のような存在として、そして恋人として――ララを慕っているのだ そんなこんなでキャンプ場に到着した一行 車から降りるなり、ララはセリーヌと一緒に大はしゃぎ 見渡す景色に目を輝かせていた 「ふふ、あんなにはしゃいじゃって。自分も行くってわかった途端、すっごく楽しみにしてたもんね」 「てるてる坊主100個くらい作ってたな。ったく、やっぱこーゆーとこは変わってないよなー。子どもっぽいつーか」 「でも、そーゆーとこが好きなんでしょ?」 「ばっ……!」 小悪魔の表情で美柑がからかうと、リトは声も出ないほど真っ赤になる 家にいる時ならまだしも、両親の目の前でそんなことを言われたからだ 「なになに、なんか面白いことになってそうじゃない?」 林檎が興味津々といった様子で美柑の顔を覗く すると美柑はリトを横目に見ながら、近頃の兄の恋愛事情を報告した 「うん。なんかリトとララさん付き合ってるみたいなんだけど~。私の前とかじゃ素っ気ないくせに、二人きりになると結構甘えてたりするんだよねェ」 「なっっっっ!み、美柑お前覗いて……あっ」 しまった、そう思い言葉を止める しかしすでに遅く、美柑と林檎はニヤニヤとこちらを眺めている 悔しさやら恥ずかしさやらで何も言い返せないリトの背中を、父親の才培が笑いながらバンバンと叩いた 「よかったじゃねーかリト、あんな可愛い彼女ができて!毎晩お楽しみってか?なっはっはっは!」 「う、うるせーエロバカ親父!!」 「リートー、何してるのー?はやくこっち来てみなよー♪」 キャンプ場にララの美声とリトの悲痛な叫びが交互に響くのだった 「……んで、なんでこんなとこにいるんだオレ達は……」 テントを張って昼食をとり、夜まで自由行動をとることになった一行 美柑と林檎、セリーヌはキャンプ場に来ていた他のグループとゲームなどをして過ごすらしく、才培はその辺を探険してくると言ってどこかに消えてしまった そしてリトとララはなぜか、キャンプ場から少し下ったところにある川岸に腰を降ろしていた リトの手には釣竿が握られ、先端から針のついた糸が垂れ水面でゆらゆらと揺れている 「もー、忘れちゃったの?リトパパに言われて夕ごはんのお魚釣りに来たんだよ」 「説明ありがとう……ってゆーか、みんな好きなことしてるのになんでオレだけ……」 「いーじゃないっ」 ぶつくさ文句を言うリトに、ララが体育座りのまま近付いて肩を寄せる 途端にララの甘い匂いが鼻をくすぐり、思わず竿を落としそうになる 「お、おい……」 「こんないっぱいの自然の中で、リトとゆっくりするのも私はすっごく幸せだけどなぁ。リトはそー思わない?」 「そ、それは……」 そうだけど……と口ごもるリトにララはさらに体を寄せ、その体温をいっぱいに 感じる 川の近くは空気が澄んでいて涼しいのだが、触れ合った部分だけが熱を持っている もはや釣りに集中できる状況ではなく、リトは今すぐに竿を放り投げてララを抱き締めたくなる だがそれを遮るようにララが口を開いた 「あーあ、ナナとモモも来られたらよかったのになぁ」 「え?ああ……」 そう呟いたララは本当に残念そうで、リトは伸ばしかけた手を止める いつも眩しいくらいの笑顔をくれる彼女には似合わない、沈んだ表情だった 「ついてないよねー、リトママが帰れるって連絡が入る前の日に連れ戻されちゃうなんて」 「……まあ仕方ないんじゃねーかな、ララ達の父さんの命令なんだろ?」 「うん……そうなんだけど、あの子達も来たかっただろうなぁって」 キャンプに来る数日前、デビルークから連絡が入った 内容はギドからのもので、しばらく勉強をサボっていた二人をデビルークに連れ戻し、集中的に王族のたしなみを学ばせるというものだった もちろんナナとモモは嫌がったのだが、久々に本気で怒っているギドの剣幕と、逆らったら小遣いカットという脅しに渋々従うこととなったのだ ちなみに、ペケはその際お目付け役としてついていくとになった(ザスティン達だけでは頼りないため) 「やっぱり私ももっと抗議してあげればよかったな……ペケもついてっちゃったし」 「ララ……」 「ん……」 リトはただ名前を呼んで、伸ばした手でララの頭を撫でてやる するとララは気持ち良さそうに目を閉じた 「ララは悪くないよ。むしろ、そこまでみんなのこと考えてるんだから立派だって」 「そうかなぁ」 「そうだよ。ララはいいお姉ちゃんだ」 「……えへへ、誉められた♪」 曇っていた表情は一瞬で晴れ、いつもの楽しそうな顔を見せてくれる そんなララのことを、リトは心の底から可愛いと思った しばらく釣りに集中していたリトだが、一向に釣れる気配はない 本当に魚がいるかどうかも怪しくなってくるほどだ 「ちくしょ~、釣れないな……ララ、退屈だったらその辺で遊んでても……ララ?」 そこでふと気付く 先程からずいぶんとララが大人しいことに いつも元気で落ち着きのないララが、こんなに静かなはずがない 呼び掛けてみると、案の定返事の代わりに返ってきたのは可愛らしい寝息だった リトの肩を枕代わりに、規則正しい寝息を立てて幸せそうに眠っている 「……ノンキだよなぁ、本当に」 苦笑しながら片方の手でララの頬をつついてみる 「むぅ~……」 心地よい睡眠を邪魔され一瞬表情が曇るが、すぐに元の天真爛漫な寝顔に戻る その様子を笑いをこらえて見つめていたリトだったが、次第に悪戯心以上の欲望が湧いてくる 「やべ……」 これほど近くでララの寝顔を見ることもあるにはあるのだが、それは主に夜や朝、それもベッドの上がほとんどだ こんな昼間から、誰もいないとはいえ外で密着して寝顔を見ている そして何より、眠っているララの顔は真っ白な翼を生やした天使のごとく可愛らしい 何やらいけない気分になってしまっていた 「ララ……」 片手をララの肩に回し抱き寄せるようにする 今度こそもう止められそうにない 同時に顔を近付け、ほんの少しだけ開いた唇に自らの唇を…… 「っ!?き、きたっ!」 「ふぇ?」 重ねようとしたところで、突然リトの釣竿が引き始める 驚いたリトの声でララも目を覚ました 「こ、これはデカイ……かも……!」 「ホント?わぁ、リトがんばれー♪」 真剣な顔で竿を引くリトと、それをいかにも楽しそうに応援するララ リトがゲーム攻略しているのをララが隣でワクワク眺めている図にも似ている いつもゲームでいいところを見せているリトは、是非このチャンスをものにしてララを喜ばせてやりたいと奮い立った 「そこっ、ほらそこだよリトっ!」 「わかってる……くっ、今だぁー!」 タイミングを見計らって竿を一気に引き上げる 二人の顔に少量の水しぶきがかかる そして次の瞬間、リトの顔を薄汚れた長靴が直撃した 「はぁ……」 その夜、リトはあまり広くないテントの中でため息をついた 隣では父親の才培が大きなイビキをかいて寝ていたが、あまり気にはならなかった 思い浮かぶのは昼間の出来事 あのあとさらに数時間粘ったのだが、釣れたのはとても夕食のおかずにはならないような小魚が二匹ほど キャンプ場に帰ると美柑や林檎の笑顔もひきつっていた それだけではない、自分にあれほど信頼と期待を寄せてくれるララを裏切ってしまった もちろんララがそんなことで自分を評価しないことはわかっているし、むしろ顔面に長靴がぶつかったことをずっと「大丈夫?」と心配してくれていた 「でもなぁ……かっこいいとこ、見せてやりたかったよなぁ……」 数時間前の自分が恨めしい ララを笑顔にさせてやりたかった、どうしてもそのことが気になって寝付けない そして前言撤回、やはり親父のイビキはうるさい そんな時だった 「……?何の音だ?」 テントの入り口の辺りで、何やらゴソゴソと物音がしている 泥棒……?一瞬そう思ったが、懐中電灯の光で浮かび上がったシルエットがすぐさまその正体をリトに教えた 長い髪に、特徴的なアホ毛 お尻の辺りから伸びるハート型の尻尾 「ララ……?」 一体こんな時間に何の用だろうか まさか夜這い?とも思ったが、いくらララでもありえない 隣に親父が寝ている状況だ だとしたら、一体なにが? そんなことを考えるうちに、テントのファスナーを下ろしララが顔を覗かせる 「……あ、リトっ!起きてたんだ」 「……なんだよ、襲いに来たのか?」 「し、しないよそんなこと!ちょっとこっち来てっ」 ララに言われるがまま、テントから体を乗り出す するとララは空を指差し小声で叫んだ 「ほら、見てっ!星がいっぱいでキレイだよ♪」 「……おわ……」 ララの瞳がまっすぐ見据える先には、光輝く無数の星が広がっている 空いっぱいの宝石に魅せられたリトは、さっきまで考えていたことが全て吹き飛んでしまった 「こっち、もっとよく見える場所あるんだよ!」 「わ、おいっ」 あっけにとられたリトの手を引き、ララはキャンプ場を抜け出して小高い丘へと登っていく それから少し行くと周囲の木々が姿を潜め、空に視界が開けた 「すっげえ……ここ、ララが見つけたのか?」 「うん♪高いとこに登ったらもっとよく見えるかなって思って」 合っているのかいないのかわからない理論ではあったが、どうやら今回はそれが功を奏したようだ 「こうやって寝っ転がると首が疲れないよ♪」 言うが早いかララは躊躇うことなくその身を草の上に仰向け、大の字になって満天の星を見上げる リトもそれに倣い仰向けになる 「ホントにすごいな……こんなの初めてかも」 「えへへ……元気、出た?」 「え……?」 不意なララの問いかけにリトが聞き返すと、ララは少しだけ困ったように微笑んだ 「リト、晩ごはんの時もずっと元気無かったみたいだから……さっきのこと気にしてるのかな~って」 「ララ……」 リトの胸がじんと熱くなる 僅かなことでも自分の変化に気付き、心配してくれるララの気持ちが素直に嬉しい でもそれと同じくらい自分が不甲斐なかった 「……ごめんな、ララ。ララのこと喜ばせてやりたかったんだけど……」 「ううん、そんなことない。一生懸命なリトの顔、すっごくかっこよかったよ。それに……」 月明かりだけでもはっきりわかるほど、ララの頬が朱に染まる 無邪気な女の子の顔から、一人の相手を想う少女の顔へ 思わず見とれてしまうほどだった 「それにリト、私のために頑張ろうとしてくれたんだね。嬉しい……」 「そんな風に言われたら照れるよ……ララだってこうして、オレのこと気遣ってくれたじゃん」 「……気遣った、わけじゃないよ」 「え?」 どういう――訊ねようとしたリトの胸に、寝転んだままララが飛び込んでくる 逃がさないように、背中に腕を回ししっかりと抱き着く 「喜んでほしかったから……リトの笑った顔大好きだから、見たかっただけ」 「……だったらオレだってそうだよ。オレもララが笑ってくれたら、死ぬほど嬉しいから……」 「えへへ……喜んでくれた、かな……?」 「うん」 優しく微笑みながらリトが頷く そして、どちらともなく顔が近付いていく その距離は一瞬で無くなり、気が付いた時には重なっていた 「ん……」 「……っララ」 軽く触れ合うだけのキス それだけで全身が熱を持ったように火照っている こんな場所で、という思いはあったものの、気持ちは止められそうになかった もう一度顔を近付け、今度は舌先を伸ばしていく リトがララの舌を捕らえると、それを絡めとるように唇を重ね、一気に口の内でも外でも繋がる 「ん……ふぅ、ちゅ……」 激しくララの口内をまさぐるように動き、全てを蹂躙するように貪る その動きは野獣のようでありながら、溶けるほどの愛と優しさがこもっている ララが愛しくてたまらない 「ん……ふぁ」 「はぁ、はぁ……ララ」 「ここで……するの?」 「大丈夫……誰も来やしないよ」 「……うん♪」 普段の冷静なリトであれば、いくら人が来そうにないとはいえこんな場所でなどするはずがない その冷静さも失わせてしまうほど、今のリトはララを求めている ただただ嬉しくて、ララはとびきりの笑顔をリトに見せる それがOKの合図だった 「ララ」 「んぁ……」 服の中に素早く手を潜らせ、下着の上から柔らかな乳房を包む 指先に少し力を加えるとそれに合わせて胸が窪み、ララは眉をひそめる 「リトぉ……もっと触ってぇ……」 ララの要望に応え、もう片方の手でスカートを捲りショーツ越しに秘部を擦る 指先にはほんのり湿った感触があった 「ララもやる気満々だったんだ?」 「り、リトとキスしたら気持ちよくなっちゃったんだもん」 「エッチだなぁ、ララは……」 そんなとこも好きだけど、と付け加えララの耳に舌を沿わせる いきなりだったのでララは不意を突かれ、悲鳴をあげて体を震わせた 「ひゃうっ」 「ララの可愛い声がもっと聞きたいなあ」 「ふあっ、あっ」 いやらしく耳を責めながら、胸と股間に配置した手も動かす 秘部からはリトを誘う蜜が漏れ、手の動きに合わせて音を立てていた 「だ、めぇ……ぱんつグショグショになっちゃうよぉ……!」 「替え持ってきてないの?」 「あ、あるけどぉ……」 「……あー、そっか」 リトは何かに気付くと、ララにグッと顔を近付けてニヤッと笑って見せる 「そんなに直接触ってほしいんだ?」 「ち、ちが……」 「違わないだろ、ココこんなに濡らして。ぐちゃぐちゃに掻き回されたいんだよな」 リトの瞳に見つめられ、ララは何も言えない もうこの人は自分の全てを知っている――観念したララは小さく首を縦に振った それを合図にリトはショーツを取り払い、割れ目に沿って中指を沈み込ませた 「やあぁ……!」 「すげ……とろとろだよララのここ……」 リトへの愛で溢れ返ったララの秘部は、リトの指を何の抵抗もなく受け入れる それでいてリトの指を離すまいとぴったり吸い付き、血流が止まるほどに締め付けてくる 「ララ、エロすぎ……」 「お願いリト……私、リトにめちゃくちゃにしてほしいよ……」 切ない声で鳴くララ リトの理性を奪うには十分だった 侵入させた指を折り曲げ、ララの内側をしつこく追い立てるように擦る それだけでララの喘ぎも溢れ出る愛液も止まらない 「あぁぅ……んゃぁ、んあっ……りとぉ、そ、こぉ……ああっ」 「……まずイカせてあげるな」 徐々に指の動きを激しくしていくと、それに呼応するようにララの下半身が痙攣を始める 止めどなく流れる愛液が、ララの絶頂が近いことを示している 「だめぇぇぇ……いっちゃ、ぅ……いっちゃうぅぅぅ」 「いいよ、イって」 「んっ、はぁ、んあぁぁぁぁぁぁっ」 全身を反らせララが絶頂を迎える 秘部からは愛液が勢いよく飛び出てリトの腕を塗らした 「はぁ……はぁ……ぅぁ」 「思いっきりイっちゃったな」 焦点の合わないララの頭を撫でながら、耳元でささやく しかしまだまだこれで終わりなはずがない リトはララを抱き抱えると股の間に自分の体を入れ、そのまま自分が仰向けになる ララがリトの上に跨がるような形になる 「今日はララが上な」 「え……?」 「こんなとこじゃ背中痛いだろ?」 「リト……」 彼の何気ない優しさに心が温まる さっきまであれだけ意地悪に責め立てていても、一番に考えるのはやはりララのことだ 嬉しくてララはリトの胸に抱き着いた 「愛してる……リト」 「……うん」 それだけ言うと、ララはリトのズボンのチャックを下ろし取り出す すでに限界まで血液が集まったそれは今にも爆発しそうなほど硬くなっており、ララは驚きと感嘆で目を丸くした 「わぁ……すごい」 「あの……今日は口でしなくていいからさ」 「え?でもリト、お口でされるの好きだって……」 「シャワー浴びれないんだし、髪とかについたら大変だろ?……てゆーか」 少し間を置いて続ける 「はやくララの中、入れたい……」 「……うん」 一刻もはやくララと繋がりたい そんな気持ちがリトの言葉にも体にも溢れてくる それに応えようと、ララは腰を浮かせ入り口を手で広げた 「じゃ、入れるね?」 「ああ……」 短く言葉を交わし、リトのものを秘部にあてがう そのまま力を抜き重力に身を任せると、「くちゅ」と音がしリトがララの中へと埋まっていく 「あ……あぁ……」 「くぅ……」 全身に広がる快楽に、恍惚の表情を浮かべるララ 最も幸せな瞬間だ 自然にララの目から涙が零れる 「リト……リトっ」 「ララ……」 互いの名前を呼び合いながら、無我夢中で腰を振る 粘膜が擦れ合い快感を増幅していく 「ララ……おっぱいよく見せて?」 「ふぇ……?こう……?」 片方の手で体を支えながら、もう片方の手でシャツをたくし上げる するとリトはララの胸元に手を伸ばし、ブラのホックを外す パチッという音とともにララの豊満な胸が露になった 「ララのおっぱい、すげー好き」 「ひぁっ」 すべすべの肌を撫で回し、その頂点にある小さな突起を指先で弄ってやる 敏感な神経を通して刺激が伝わり、また大きくララの体が震える 「やあぁ……おっぱい、おっぱいぃ……!」 「ララも自分でさわってみなよ……ほら」 リトの手に導かれ、反対の胸に自らの手で触れる リトに触られる胸、自分で触る胸、リトと繋がる秘部 複数の場所から絶えず与えられる快楽にララは溺れ、自分の意志とはほぼ無関係に本能のまま体を動かす 「りと……ああ、きもちいぃ……おっぱいとあそこ、きもちいいよぉ……!」 「くっ……ララ、中……キツイ……!」 動くたびララの中のぬるぬるがリトのものを亀頭から根元まで優しく扱き、射精感を強める 背筋がゾクゾクするほどの快楽に、リトも絶頂の時が近付いてくる 「ララ……!」 「リト……んぅ」 リトは少し体を起こし、ララの頭を引き寄せる 唇を重ね、舌を絡ませ、互いの口内を味わい尽くす その間も口と口の隙間からはいやらしい水音や荒い息遣いが零れ、辺り一帯を二人だけの妖艶な空間に変える 虫の声も川のせせらぎも星の瞬きも、全てが二人のためにあるように思えた 「りと、もう……私もう、だ、めぇ……っ」 「オレももう、出る……!ララっ」 「りと、リトっ!お願い、一緒にっ」 「うん……ぐ、ああぁ!」 力いっぱいララを抱き締める その瞬間、リトの先端から大量の精液が解き放たれ、ララの中を染め上げていく それを受け止めると同時に、ララも快楽の果てへとたどり着く 「あっあぁああっ!やぁっん、ああぁっ」 何度も何度もリトの上で収縮を繰り返し、残った精液を全て搾り取るようにしながら快楽に堕ちていく 長いオーガズムが終わると、ララは眠るようにリトの胸の中へ倒れ込む その拍子にリトのものがララの中から抜け、放たれた精液が愛液とともに体外へ流れ出た しばらく呼吸を整えたあと、リトとララは抱き合ったまま再び空を見上げていた 体は疲れていたが、少しでも長く二人の時間を延ばしたかった 「なぁ、ララの星はどこら辺にあるんだ?」 「うーん……ここからじゃ正確な位置はわからないけど、あっちの方かなぁ」 ララの指差した方向をリトも見つめる もちろんその先に見えるのはある程度の距離にある恒星ばかりで、ララ達の住むデビルーク星など見えるはずもない 途端にリトは怖くなり、ララの体を一層強く抱き締めた 「リト?」 「……ララは、ずっとそばにいてくれるよな」 「え?」 突然の問いかけに聞き返すララ リトの瞳は真剣で、どこか不安が漂っていた ララはふっと微笑むと、リトの体を優しく抱き返す 「どんなに遠い星で生まれたって、私は今ここにいるよ。今リトのそばにいる。これからも……それが全てだよ」 「ララ……」 「リトは……リトは私のこと、見捨てたりしないよね……?」 上目遣いで見つめながらリトのシャツをキュッとつかむ そんな姿がまたリトをどうしようもなく焦がしていく リトはララがそうしてくれたように、出来る限り優しい笑顔を見せてララの頬に手を添えた 「当たり前だろ……もうずっと前から決めてるんだ、オレがララを幸せにするって。だからララがいてくれないと困るっつーか……」 少し照れくさそうにしながら、それでいて嬉しそうに言ってくれるリト 幸せにする――その言葉だけでララは幸せだった 潤んだ瞳をいっぱいに細めてとびきりの笑顔になる 「えへへ♪じゃあ私も決めた!絶対リトに幸せにされる!」 「ぷ……何だよそれ」 「そして私もリトを幸せにする!……ね?」 「……そうだな」 もう一度、抱擁を交わしながら リトはララの耳元でささやいた 「もう一回……いい?」 「リトがしたいなら、私も♪」 再び重なる唇 そのあと数時間、二人の熱が鎮まることはなかった 寝不足のリトとララが帰りの車の中で寄り添って眠る姿を、その後しばらく美柑にからかわれたのは言うまでもない
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とうとうリトとララは初めてのセックスをすることになった。 「ねぇ、リト! せっかくだから、すっごくロマンティックな所でしようよ!」 「ロマンティックって……オレ、学生だからホテル代とかねーし、車もねーし……」 「そんなのいらないって! 私に任せといて!」 「おい! ちょっと……」 リトはララに強引に引っ張られ、ララの部屋に連れて来られた。 そこには何やら直径5メートルくらいの透明なカプセルが置いてあった。 「さ、服を脱いだら入って入って!」 「うわっ!?」 リトが服を全部脱ぎ捨てるとララに押されてカプセルの中に入る。 続いてララも中に入り、カプセルの中には裸のリトとララ二人だけになった。 「お、おい……こんな所でするのか?」 「えっへっへー、まあ見てて見てて!」 ララが得意気な顔をして、透明な壁際にある透明な器具を操作する。 すると…… ブンッ!! 「うわっ!? って、えええぇっ!?」 カプセルの周りが宇宙空間になっていた。 「えへへ♪ すごいでしょ!」 「な、なんだこれ、周りがスクリーンになってるのか?」 「違うよ! 私達、今本当に宇宙空間にいるんだよ! だから、ほら!」 トンとララがリトの体を軽く押す。 フワリ、とリトの体が宙に浮いて行く。 「うわっ!?」 手足をバタバタさせるリトだが、体はそのままフワリと移動して透明な壁にぶつかる。 壁の素材はとても柔らかく、羽毛の布団のような触り心地がした。 「うわー……オレ、今本当に宇宙にいるのか……」 「うん! ねえリト、周り見て! すごいでしょ!」 ララに言われてリトが周りを見回す。 リトの目に映るのは、漆黒の宇宙空間に浮かぶ、赤く輝く太陽、青く光る地球、白く照り返す月、 そして数え切れない星、星、星……。 (天の川って、本当に川だったんだな……) もはや星座という言葉が無意味と思えるくらいの無数の星々に、リトは圧倒されっぱなしだった。 「じゃ、しよ! リト!」 トンと壁を蹴ったララがフワリとリトの方に飛んで来てリトに抱き着く。 「うわっ!」 抱き着かれたリトがドンと壁に当たり、二人で抱き合ったまま跳ね返って空中へと飛んで行く。 「リト、だーい好き!」 「んっ!?」 裸のララがギューっと裸のリトの体を抱きしめ、熱烈なキスをする。 唇に当たるララの唇の感触。 胸に当たるララのふくよかな乳房の柔らかさ。 二人の足は絡まり合い、もつれ合って空中でクルクルと回転する。 上下の感覚はなく、なんの重さも感じない。 リトは完全な浮遊感を体感していた。 ララの体を前に押せばそのまま空中に浮き、引き寄せればスッと自分の体にくっつく。 (なんか、夢の中にいるみたいだな……) 空を飛ぶ夢を見た時の感覚。 それが現実のものとなり、リトの体全体に伝わっていた。 「ぷはっ♪」 ララが唇を離す。 そして…… 「ね、リト。反対向きになろっ」 「うわっ!?」 ララがリトの肩をクッと横に押し、リトの体は腰を中心として半回転する。 リトの足を受け止めたララは、リトのペニスに口を近付ける。 「うふっ。リトの、可愛い♪」 ぱくっ。 ララはリトのペニスを口でくわえた。 「はうっ!」 「ちゅうっ……はむっ……んぱっ……」 まだ勃起しきっていない柔らかなペニスを根本まで玉ごと口に含み、口の中で弄ぶララ。 玉を唇で柔らかく揉みほぐされる感触が、リトの興奮を高めて行く。 「うっ……うあっ……ララっ……」 興奮で顔を赤くしながら、リトは叫んだ。 「やったな……お返しだっ」 リトはララの腰に手を回すとしっぽを左手で掴み、右手でしっぽを擦り上げる。 「ひゃっ!? し、しっぽはダメぇ……」 思わず口をリトのペニスから離したララが甘い声を上げる。 リトはその言葉にかまわずにしっぽ攻めを続ける。 さらに、顔をララの秘所に近付けると、クリトリスを中心に舌をペットリとララの秘所に 押し当てて舌先を曲げてグイッと割れ目に押し入れ、顔全体をグッ、グッと押し付けながら 微妙に舌をバイブレーションさせてララの敏感な箇所を巧みに刺激していく。 「あっ……あんっ……り、リト……上手いよぉっ……」 たまらずにリトの腰に抱き着くララの顔の前では、 リトのペニスがもう興奮で勃起しきっていた。 「もうそろそろだねっ」 ララがリトの足を取ってリトの体をクルリと横に回す。 再び向き合った二人の体。 「リト、入れてっ♪」 「なんか、軽いなぁ……」 初めての経験だというのに、ララの態度も軽くって、ララの体重も軽くって、 なにもかも軽くってフワフワしている。 (こんなんでいいのかなぁ……) フッと軽い笑いを浮かべると、リトはペニスの先端をララの秘所に押し当てた。 そして…… 「んっ……あんっ!」 スッとララの腰を引き寄せると、ペニスはあっさりとララの膣に挿入されていた。 「なんか、初めてだってのにえらく簡単に入っちまったなぁ……」 「だって、はやくリトと一緒になりたかったからっ。えへへ♪」 「お前、痛いとかないのか?」 「リトのだから、痛くても嬉しいんだよっ。えへっ」 屈託のない様子で嬉しげに語るララ。その様子を見ていたリトが肩をすくめてフッと笑う。 (まったく……。こいつにはかなわないな) そして、ニッコリと笑ってララに告げる。 「しっかり掴まってろよ」 「うんっ」 ララがリトの肩に両手で抱き着く。 リトはララの腰に手を当てると、空中でピストン運動を始めた。 「あんっ! はんっ!」 一突き、一突き、リトがララの膣にペニスを突き入れる。 いきなり、ペニスを挿入されたララがリトの体を横にグルリと回した。 「えいっ! 花びら大回転ー♪」 「うわっ!?」 二人の体はリトのペニスを支点にグルグルと互いに反対向きに回り出した。 「うわーっ!?」「キャーッ! すっごーい、リトのおちんちん、グルグル回ってる!」 二人の視界では太陽が、地球が、月が、天の川が、グルグルと目まぐるしく回転していく。 そしてララがリトの体を受け止め、二人の体はようやく停止した。 「な、なんか、目が回って……」 「リト! もっともっとっ!!」 ララはリトをギュッと抱きしめて豊満な乳房を胸に擦り付けてくる。 それに反応してリトの腰が速度を増す。 「うおおぉっ!」 パン、パン、パン、パン! 重さが無い分、自分の腰を動かすのもララの体を引き寄せるのも地上でやるよりも楽だった。 そのせいか、リトはいつもよりも遥かに速く、夢中で腰をララに叩き付けていた。 パ、パ、パ、パ、パ、パ、パ…… 「すごいっ……すごいよ、リトっ……ああっ……もう、最高っ……」 顔を紅潮させ、髪を振り乱して汗を飛び散らせながら喘ぐララ。 乱れた髪は重力に引かれることなく空中に散らばり、 飛び散った汗は丸い滴となって空中を漂っている。 ポン。 ララの背中が透明な壁の布団に当たった。 リトはララの後ろの壁を掴むと、最後の連続突きを始めた。 「うおおっ……ララっ……ララっ……」 「リトっ……リトっ……リトーっ……」 だんだんとリトの腰が震え出す。 リトの限界を感じたララはキュッとリトの背中に手を回して抱きしめた。 「来てっ……来てぇっ……リトっ……」 「うおおおぉっ……ララっ……ララーっ!!」 ズン……! 最後の重い一突きと共に、リトはララの中に精を放った。 「あーっ……」 体の中にリトの熱い迸りを感じたララが、その熱さに全身で感じ入るように体を震わせ、 うっとりとした表情で嬌声をあげた。 「は……」 一瞬リトが放心状態になり、壁を掴んでいた手が離れてしまう。 二人はまた空中に浮き出して、ララの紅い髪がフワッと広がってゆく。 その時。 ぼんやりした頭で、リトが目にした光景。 (あ……) ダイヤモンド・リング。 ララの頭の後ろに真っ赤な太陽が輝き、それに照らされたララの散らばった髪が、 キラキラと女神のような荘厳な光を放っている。 幸せの絶頂にいるララの笑顔が、豊潤な生命を予感させるララの乳房が、 完璧に均整の取れたララのピンクのはじけそうな裸体が、 この世で最も美しい光に包まれて、神秘的な光景を生み出していた。 それを見たリトの口が、思わず動いた。 「お前って、太陽の女神だったんだな」 それを聞いたララがクスッと笑う。 「リトは、地球の王子様だよっ」 ララから見たリトは、静かに青い光を放つ地球を背負った、 宇宙で一番優しくて、落ち着く存在だった。 「そっか」 「うん!」 あはは、と二人で笑い合う。 「じゃ、あの月は春菜かな?」 「春菜ちゃん?」 ララにそう言われて、リトが静かに佇む月の方に目をやってみる。 その静かでどことなく陰のある雰囲気は、確かに春菜を感じさせた。 (春菜ちゃん……) リトがじっと月を見つめていると、その表面に春菜の顔が映し出された。 その顔は膨れっ面で、なぜかジトッと恨みがましくリトを睨みつけていた。 「うっ……」 浮気者をなじるような春菜の顔にリトがたじろいでしまう。 (ははは……。春菜ちゃん、結構嫉妬深いからなぁ……) リトの顔から冷や汗がにじみ出て、宙に浮かんで飛んで行く。 「あれー? どうしたの、リト。なんか、小さくなったよ」 「あ、そ、そりゃ、一回出したからじゃねーか」 「ふーん。じゃ、もう一回しよっか!」 「おいおい……」 二人がそんな会話をしていた時、ふとリトが気が付いた。 「あれ? なんか、さっきより地球が大きくなってきてねーか?」 「んー? そう言えば……」 話しているうちに、もっと地球が大きく見えて来る。 ようやくリトが気が付いた。 「こ、これ、落ちてねーか!?」 「あれ? おかしいな……。ちゃんと場所を選んだのに……。 あっ! そっか! エッチしてる内に月の場所が変わって、重力の影響が変わっちゃったんだねっ」 「そんな理屈を言ってる場合かーっ!」 どんどんカプセルが加速して地球に落下していく。 「うわーっ!?」 「大丈夫だよ、リト! これは大気圏突入にも耐えられるように設計してあるから!」 と、ララが説明している内にカプセルが大気圏に突入し、空気との摩擦熱によって 表面が燃え上がる。炎に包まれたカプセルの中でリトが叫ぶ。 「うおーっ!? ま、マジ大丈夫かっ!?」 「大丈夫だって! 熱くないでしょ!」 とララが言ってる内に、カプセル内部の温度がどんどん上昇して行く。 「あち! あち! 全然大丈夫じゃねーっ!!」 「むー。おかしいなあ……」 目を瞑って眉をひそめて考えるララ。 急に、ララがにっこりと笑った。 「せっかくだから、エッチしよっか」 「はあっ!?」 ララはリトの腰をキュッと自分の方に引き寄せる。 リトのペニスは、興奮と恐怖感、それにララの体から伝わる柔らかい感触で、 また勃起してしまっていた。 「リトこんなに興奮してるんだもん!」 「ちょ、ちょっと……んーっ!?」 ララはリトを引き寄せて、濃厚なキスをした。 そして、プハッと唇を離しておねだりする。 「ねぇ……リト、しようよー」 「な、な、な……」 「熱く燃えるような恋、って奴だよね!」 燃え盛るカプセルの真っただ中。 この生死の境の非常事態にここまで呑気な発言をされたリトは…… 「うおーっ! もう、ヤケクソだーっ!!」 思いっきり腰を動かしてララにペニスを突き込み始めた。 「キャーッ! リトの、熱くってすごいっ!!」 カプセルが太平洋に着水するまでの数十秒間。 リトとララは、宇宙で最も熱い恋を経験した。 (終)
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十一月最後の日曜の午後 久しぶりに一人で彩南町の商店街へとやってきた唯 街の景色は、すでに秋が終わり、すっかり冬の景色に変わっていた ウインドウショッピングを楽しんでいた唯の元にも、冬の風がやってくる しっかりと首に巻いてあるはずのマフラーの隙間から忍びこんできた木枯らしに、肩を震わせた 「うう…すっかり寒くなったわね」 「今日の午後は暖かくなります」という天気予報を信じて手袋を着けてこなかった唯の 白い手は、白を通りこして真っ白になってしまっていた テレビの向こうの予報士に顔をムッとさせると、唯は両手を擦り合せながら、はぁ、と息を吹きかける これ以上寒くなる前に今日はもう帰ろう、と歩きかけた唯の足がふいに止まった 唯の前方に人だかりができていたのだ 唯は眉を顰めた 「何かしら?」 新しく買ったブーツを石畳に鳴らしながら近付いて、輪の外からひょい、と覗きこむと、 サンタの格好をしたケーキ屋の従業員が子供達に風船を配っていた 風船は、トナカイに星に雪だるまといった、クリスマスをモチーフにしたものばかり 「…そっか、もう、そんな季節なんだ」 よく耳をすませば、街の雑踏にまぎれて聞こえてくる、定番のクリスマスソング 目をキョロキョロさせると、クリスマスケーキの予約タペストリーに、クリスマスプレゼ ントのセールの張り紙 毎日のドタバタで、すっかりクリスマスの存在を忘れてしまっていた唯は、そんな自分に 苦笑を浮かべると、少しの間、サンタと子供達のやり取りに見入ってしまった サンタに風船をプレゼントされた小さな子供たちが「サンタさん、ありがとー」「クリスマ ス、いい子にしてるから、ゼッタイゼッタイおウチにきてね」と、キャッキャと騒いでいる 「クリスマスか…」 頭の中に自然と浮かぶのは、大切な人達の顔 「…………よし!」 唯は小さく気合いを入れると、冷たさで真っ白になった手をキュッと握りしめた 頭の中でどんどん溢れる妄想に顔が緩みそうになるのを、なんとか我慢しながら向かった 先は、ケーキ屋の向かい側にある本屋だった 「でもプレゼントって何を贈ればいいの…?」 本屋の中を一回りした唯は、「クリスマス特集」と題したコーナーの前で悩んでいた 手に取った本は、「我が子に贈る、とっておきのクリスマスプレゼント」 パラパラと捲ってみるものの、イマイチピンとこない 自分の時はどうだったのか、唯は少し記憶を巡らせてみる 真っ暗な部屋の中にクリスマスソングが流れていて ロウソクの炎がケーキの上で揺れていて プレゼントの箱を手に喜んでいる小さい自分 プレゼントは毎年、ドールハウスだったり、絵本だったり、お人形だったり、etc.… 「う〜ん…」 誰かの、それもとっても大切な人へ贈るプレゼントとなると、いろいろと考えてしまう 考えて、悩んで、考え過ぎてしまう 「ん〜…」 唯の顔色は中々、晴れない 「……こんな時、結城くんがいてくれたらな…」 隣にいつもいる、だけど今日はいない相手に一瞬、寂しさを募らせる唯だったが ガンバって、ガンバって、なんとかデートの誘いを言えたのに、丁重にお断りされてしま った時の事が頭の中で甦り、唯は頬を膨らませた 「…まったく! どこで何してるんだか?!」 ブツブツと呟きながら唯の指が一冊の児童書を選ぶ 唯はページを捲りながら頭の中を高速回転させた ………… ……… …… … 「…よし」 唯は本をパタンと閉じた そして、歩き出す 頭の中に描くのは、セリーヌのプレゼント そしてもう一つの大切なプレゼント セリーヌと同じぐらい大切で、だけど意味が少し違っていて 「ふ…ふん! セリーヌちゃんのついでに作ってあげるだけなんだからっ!」 精一杯の強がりを口にすると、唯は目的の場所へとやってきた 「えっと、どれがいいのかしら?」 本棚を埋め尽くす本、一冊一冊に、唯の真剣な目が向けられる しばらく悩んでいた唯は、一冊の本を手に取った 本の表紙には『初めての編み物』と書いてある 「わ、私だって編み物ぐらいできるんだから!」 と、自分を鼓舞すると、唯は足早にレジに向かった 夜、自室に戻った唯は、早速、買ってきた本を広げてみた 「えっと…これがこーなって…」 床に転がるいくつもの毛糸に、木製の棒針 家庭科の授業ぐらいでしか使った事がないモノ達に囲まれて、唯の手がギコチなく動く 「それから…次は…ってあれ? なんで!?」 本に載ってあるお手本と自分の編んでいるモノのあまりの違いに、思わず唯は絶句した 慌てて本と手元とを何度も見比べる 「だって、時計周りの反対って書いて……うぅ…」 いつも強気な唯にしては珍しい弱気な声 自分のあまりの不器用っぷりに、歪に歪む裏目だけのマフラーを思わず床に投げ出そうと して、唯は慌てて制止をかける 「だ、ダメよ! ダメ! しっかりしなさい! これは大切なモノなのよ!」 頭の中に浮かぶ二人に「ごめんなさい」と謝りながら、唯はまた黙々と棒針を動かしていく 「次は表目ね。右手の針に糸をかけて……あぁ!? また間違った…うう」 カチコチ、カチコチ、時計の針の音だけが鳴る部屋の中に、何度、唯の悲鳴が響いた事か 何度も間違えて、編み直して、不器用な自分への苛立ちを口にする唯 けれども唯の手は止まらない 一編み、一編みに想いを込めて棒針を動かしていく 「…針を抜いて……出来た! これであとは色を変えて…」 クリスマスまであと数週間 この日から、唯の寝不足な毎日が始まる事になる ————そしてクリスマス、当日 「まうー!」 いつもとは違う家の中の様子にセリーヌは、朝からワクワクしっぱなしだった 見慣れたリビングの天井や床には、ガーランドやいろんな色のクリスマスボールが飾られている キラキラと輝くクリスマスボールにセリーヌが手を伸ばしかけた時、キッチンの方から声が響いてきた 「まう?」 セリーヌはクリスマスボールを手にキョトン、と首を傾げた 朝からクリスマスのケーキ作りや料理の仕込みと 今や結城家のキッチンは、ちょっとした戦場になっていたのだ 「美柑ちゃん、イチゴってあと何個必要?」 「ああ、えっと…ケーキの上にのせるだから……10個かな」 昼過ぎから結城家にやって来た唯は、早速ネコ柄のエプロンに身を包むと、テキパキと手 を動かしていく 唯にいろいろと指示を飛ばすと、美柑はリビングの方を振り返る 「リトー! ちょっとこっち来て手伝ってよ!」 キッチンの主の声がいつもより大きく響く それだけ今日という日に気合いが入っている証拠なのだが 朝早くから美柑に起こされたリトは、キッチンに入ってくるなり、小さく欠伸を噛み殺した 「リビングの飾りつけ終わった?」 「ああ。あとはツリーだけなんだけど…。なんかモモとナナが『私たちがやります!』って 言ったっきりなんだよな」 「ふ〜ん」 そう言えば昨日から部屋に籠ったきり、中々、姿を見せなくなった二人の顔を思い浮かべ、 美柑は小さく眉を寄せた 「ま、料理が出来たら、下りて来るんじゃない? それよりリト、買い物行って来てくれ る? いろいろ足りなくなっちゃって」 気合いを入れ過ぎてしまい、予定より料理のレパートリーが増えてしまったのだ 美柑は両手を合わせると可愛らしく「お願い」をした リトは快く「いいぜ」と頷くと、美柑から買い出しメモを受け取った 「何かあったらケータイに連絡してくれな。ララも来る?」 「うん。行く行く!」 リトと同じくリビングの飾り付け担当のララは、ひょっこり顔を覗かせると、元気に返事を返す 「気をつけてね。結城くん」 「ああ。唯もガンバレよ。楽しみにしてるからさ」 「ええ」 なるべく唯と美柑の邪魔をしないように、リトはそれだけ言うと足早にキッチンから出た 「じゃ、行くか!」 「ほーい」 リトは上着を羽織るとララと一緒に玄関を出た 「ん〜…どれどれ」 手慣れた手付きでオーブンから天板を取り出す美柑 天板の上には、ふわふわのスポンジケーキが乗ってある 美柑は「よいしょ」とケーキクーラーの上に天板を乗せると、新しいクッキングシートを スポンジケーキの上にかぶせた 「あとは冷めれば完成っと。唯さん、そっちはどう?」 「ええ、こんな感じでどうかしら?」 まな板の上に並べられているのは、唯らしい、キレイに切り揃えられたフルーツたち 「じゃあ、このスポンジが冷たくなったら、さっき作ったココアクリームを塗ってほしい んだ。で、それがおわったら、今度はそのフルーツを上に適当に散らして…」 わかりやすくテキパキと教えてくれるのはうれしいのだけど、初めてのケーキ作りに唯の 顔から不安と心配は消えない メモを取りながら難しい顔をする唯に、美柑はニッコリと笑いかける 「だいじょーぶだって! すっごく上手にできてるよ。唯さん、筋がいいから!」 「そっ、そんな事…!?」 と、全否定の唯だったが、美柑は知っている 唯がどれだけ一生懸命なのかを 「美柑ちゃん、お願いがあるの」 ある日、突然、唯にお願いされた事。それは料理を教えてほしい、というものだった 「暇なときでいいから。お願い!」 両手を合わせて、ずっと年下の美柑にペコ、と頭を下げる唯 そんな必死な姿を裏付けるように、唯はみるみると腕を上げていった 最初は大きさを揃える事どころか、ちゃんと切る事もできなかった包丁捌きは、今や時々、 美柑の目を瞠るものまでになっていた そして今日も ギコチなかったクリーム作りは、もうすっかり一人前の手付きに ケーキの焼き加減、甘さの調整等、美柑があまり口を挟まなくてもいいレベルにまで成長している ケーキ作りをする唯の目付きは、いつだって真っすぐで、真剣で 「うん。そうだよね。当たり前だよね」と美柑は、心の中で唯に話しかけた そう、だって今日は、恋する女の子なら誰だってガンバル、特別な日なのだから 「私だって!」と美柑はこっそりと心の中で言ってみる が、「違う! 違う! なんでそーなるのっ!?」と慌てて修正 そんな一人ツッコミをしていた美柑の目がふいに陰る。視線の先にはエプロンに身を包む、 いつもよりずっと魅力的な唯の姿 もし…もし、リトと唯さんがケッコンしたら、私は、こんな風にガンバらなくても いいのかな…? 今日みたいにずっとガンバッたりなんかしないで——— 一生懸命な唯の横顔にふとそんな事を考えてしまう美柑 手がまったく動いてないボーっとしている美柑に、唯はパレットナイフをガラスボールの上に置いた 「どうしたの? もしかして私、何か間違ったとか…」 「ん…ん〜ん、そーじゃないよ…!」 少しだけ寂しさを覚えたことを悟られまいと、美柑は子供特有のあどけない笑みを浮かべて見せた 「よかった。何か失敗したんじゃないかって思って……それにしても、美柑ちゃんってや っぱりすごいわね」 「え? 何が?」 「今日の事」 テーブルの上に所狭しと置かれている、具材や調味料、調理器具等々 それらを見渡しながら唯は、エプロンの腰に手を当てると小さく溜め息をついた 「私だとこうはいかないもの。きっと大失敗に終わっちゃうわ」 「そんな事ないよ! だって、私は小さいころからずっとやってきたからで…だから…」 「やっぱりすごい。美柑ちゃん」 と、唯はクスっと笑った それはリトが見ればとろけるような笑顔 「……私、今よりゼッタイに上手くなるわ! そしたら来年のクリスマスは、もっとすご い事したいなって思ってるのよ」 「来年?」 「ええ。美柑ちゃんと二人ですごいケーキを作って、結城くん達を驚かすの」 「私と…二人で…」 唯の初めて見せる、あどけない子供っぽい笑顔 「それって……じゃ…じゃあ、これからも私と一緒に作ってくれるの? 唯さん」 「それはもちろん! と言うか私の方からお願いしたいぐらいで……その…これからもよ ろしくお願いね、美柑ちゃん」 「……ッ」 一瞬、感じた寂しさ それがキレイに胸の中から消えている事に、美柑は屈託ない、いつもの笑顔を浮かべた 「うん。こちらこそ! これからもよろしくね! 唯さん!」 セットしたタイマーのベルと、玄関のドアを開ける音が同時に鳴った 早速、帰ってきたリトに飛びつくセリーヌに続いて、エプロン姿の唯と美柑が遅れてリトとララを出迎える 「おかえりなさい。結城くん」 「おかえりーリト」 「ただいま」 外はかなり寒いのか、フル装備で出かけたはずのリトの顔は、白を通りこして赤くなっていた 「じゃーん!」 リトの隣でケロっとした顔のララは、両手いっぱいの紙袋を高々と掲げる 「見て見て! いっぱい買ってきちゃった!」 「いっぱいって…あなたね」 呆れ顔の唯の前にララは、「ほいっ」と、いかにも重そうな紙袋をドスンと降ろした 玄関マットの上にコロン、と転がるリンゴに続いて、袋の入り口にお菓子の箱が覗く それも一つや二つではない 「って、これ全部お菓子なの!?」 目をパチクリさせる美柑に、リトは苦笑交じりに頬を掻いた 「クリスマスだし、今日ぐらいいいんじゃねーかと思ってさ。ちょっと多目に買って来たんだ」 半分以上はララのおねだりだけどな、と心の中で付け加えるリト 美柑は「ま、いつもの事だしね」と苦笑すると、紙袋の中から欲しかった食材を取り分けていった 「まったく、勝手なことして」 「ま、まァ、大目に見てやろーぜ、唯。ララだって盛り上げるために買って来たんだからさ」 「…ふん」 と、嫉妬混じりのジト目を必要以上にリトに送りつけると、唯は美柑と一緒にキッチンに戻っていった 「な、なんか唯のヤツ、怒ってる…? なんで?」 冷や汗が浮かぶ頬を指で掻きながら、この後に待っているであろうご機嫌取りに小さく 溜め息を吐くリトの足元で、ガサゴト、と物音 「なんだ?」 見ると、いつの間にかリトの腕の中から下に下りていたセリーヌとララが、お菓子選びに 夢中になっていた 「おお! コレおいしそーだね! 開けてみよーっと!」 「まうっ♪」 「やめなさい!」 「あー!?」 「まうー!?」 「これは後で!」 手を伸ばしてくる二人からクッキーを遠ざけながら、リトは何気なく唯がいるキッチンに 視線を送った 「……なんとか渡すタイミング作らねーとな」 リトの視線は再び尚も諦める様子を見せないララとセリーヌの二人に、気持ちはクローゼ ットの中に大切にしまってある、あるモノに向かった その後、結城家の中は、一層の慌ただしさを見せた キッチンの中は、すでに美柑と唯が牛耳る戦場と化している 摘み食いをしそうとしたララとセリーヌに唯の声が飛ぶ 「ちょっとダメよララさん! セリーヌちゃんも! めっ!」 一方、飾りつけが終わり、クリスマス一色に染まるリビングでは、リトが後片付けに追われていた 掃除機をかけ、テーブルの上をキレイに拭き、ゴミを一つにまとめていると、ひょっこり とモモが顔を覗かせにやってきた 「リトさん、お疲れ様です」 「モモ! 中々、下りてこないから心配してたんだぜ!」 「すみません。いろいろ忙しくって」 「もうじき始まるからナナにも下りてくるように言ってくれよ。あ、そーいや、ツリーは どーなったんだ?」 「ふふふ、秘密です。楽しみにしててくださいね」 と、ニッコリ笑顔を残し、モモは再び自室へと帰って行ってしまった 「ま、まァ…だいじょうぶ、だよな…?」 モモの妖しい笑顔に一抹の不安を覚えてしまうリトであった そして、全ての準備は整い いよいよ結城家のクリスマスが始まる———— 真っ暗な部屋の中に、いくつものロウソクの炎が浮かびがる 「それじゃあ、セリーヌちゃん」 「まうっ!」 唯に抱っこされながらセリーヌは、ケーキの上のロウソクに顔を近づける ゆらゆらと揺れ動く炎たちが、セリーヌのキラキラお目目をますます輝かせる セリーヌは目いっぱい息を吸い込んだ。そしてロウソクに向かって吸いこんだ息を吹きかける 「ふーーっ!!」 ロウソクの炎がみんな消えると、クラッカーが一斉に鳴りだし、みんなの声が唱和した 「「「「メリークリスマス!!!」」」」 リビングに灯りが灯ると、テーブルの上のモッツァレラチーズのサンドイッチや、ロース トビーフにお馴染みのローストチキン、キッシュにホタテのソテー入りのサラダ、温かい スープ等々に、みんなの歓声が上がる 唯と美柑は、顔を見合わせて頷き合うと、キッチンに入って行った 少しして、二人は大きなトレイを手に戻って来た トレイの上には、二人が昼過ぎから頑張って作った、ブッシュ・ド・ノエルに、イチゴの タルト、ビスキュイにマカロンetc.が乗ってある 甘い匂いに包まれるリビングにまた大きな歓声があがると、早速、美柑は手慣れた手付き でケーキを切り分けていく 「コレって唯が作ったのか?」 「え、ええ。そうよ」 リトの皿に盛られたココアパウダーたっぷりのブッシュ・ド・ノエルに、唯の心拍数が早鐘を打つ ブッシュ・ド・ノエルは美柑の監修があったとはいえ、唯がほぼ一から作ったケーキだ 自分の皿にあるケーキの存在も忘れて唯の目は、フォークで切り取った一欠片を口に入れ ようとするリトから離れない リトはワクワクしながらケーキを口にいれると、モグモグモグモグ、とたっぷり時間を かけてケーキを味わう 唯の白い喉が緊張で小さく音を立てる 「……ん?」 「な、何よ…。お、おいしくなかったら別にムリして…」 「す…スゲーうまいじゃん!」 「え…」 思わず余計な一言を言いかけた唯の口をリトの満面の笑顔が封じる リトはどんどんケーキを口にしていった 「うん…うまい。ホントにうまいぜ! 唯」 「そ…そう…なの?」 皿の上のブッシュ・ド・ノエルは、あっという間になくなってしまった リトは早速、お代りをお願いする 再び皿の上に盛られたのは、フルーツとココアクリームたっぷり、そしてお菓子の家付きだ 「いっただきま〜す!」 口の中に入れたリトの顔が幸せいっぱいに緩む 「うん。うん。やっぱうまいよ、唯の作ったケーキ」 「……っ」 「毎日食べたいぐらいだぜ! また作ってくれよな!」 「…まっ、まったく大げさなんだから……そ、そこまで言うなら、べっ、別に考えてあげても…」 赤くなった顔をふぃ、と逸らす唯の胸にセリーヌが「まうー」と抱きつく 「セリーヌちゃん!? どうしたの?」 「まう♪」 顔を上げたセリーヌの口周りは、ココアクリームですっかり汚れてしまっていた 唯はテーブルの上のティッシュで手早く拭いていく 「もう、こんなに汚して」 「まう〜♪」 とってもうれしそうなセリーヌは、唯のほっぺにすりすりと顔を寄せる 「セリーヌちゃん?」 「セリーヌも、唯のケーキ食っておいしかったんだよ」 「そ、そうなの?」 「まうっ!」 にぱっと笑うセリーヌの屈託ない笑顔に、唯はホッと安堵の溜め息をつく そしてセリーヌの頬にそっと唇を当てた 「セリーヌちゃんに喜んでもらって、私、すごくうれしいわ」 「まう♪」 (なんかオレの時と態度が違うよな…) フォークを口に咥えて、深い溜め息を吐くリト みんなお腹が空いていたせいで、テーブルの上の料理たちは、みるみると姿を消していく と、突然、イチゴのタルトを頬張ったまま、ララが立ちあがった 「じゃー、そろそろプレゼント交換しようよ! まずは唯から!」 「ちょ…!? なんで私から!?」 心の準備がまったく出来ていなかった唯は、あわあわと慌てながら、ソファーに置いて いたピンクのリボンとネコのシールで可愛くラッピングされた真っ白な箱をリトに差し出した 「え、オレに?」 「う、うん」 一同の「おおー」という声に二人の顔が真紅に染まる 「あ、開けてもいい?」 「……っ」 恥ずかしさでもはや声すら出ない唯は、コクコクと首を振って返事を返す リトの手が丁寧にラッピングされた紙包みをはがし、蓋を開ける 「お!」 「まう?」 リトとセリーヌは箱の中を覗いた 箱の中には、毛糸で編まれたもこもこのモノが入っていた リトは早速、取りだして広げてみる 「これって…」 「え、えっと……あなたとセリーヌちゃんのなんだけど」 リトには真っ白なマフラー セリーヌには赤い手袋とセーター 「これ、唯が編んだのか?」 「ええ…まぁ…そうだけど」 俯き気味にポソポソと小声で話す唯 ケーキの感想を聞く時よりも、なんだかずっと緊張してしまう セリーヌは唯から貰う初めてのプレゼントを手に、大喜びで何度も飛び跳ねた そして、もう待ちきれないと言った顔をしながら、美柑に「着たいまうー!」と駆け寄った 「セリーヌちゃん、外で遊ぶのが好きだから、冬でも元気に遊べるようにって思ったの。 ど、どう…かな?」 「まう♪!」 セリーヌは着せてもらったセーターと手袋をみんなに披露する様に、その場でクルっとタ ーンを決めた 「まうー♪」 拍手喝采に包まれるリビング。やっと堅くなっていた唯の顔が少しだけ綻ぶ それでもまだまだ恥ずかしさと不安と緊張でいっぱいの唯 リトを見つめる目は今にも、泣き出しそうなほどだ 「ゆ…結城くん…」 「ああ。じゃ、早速」 リトはすでにうれしさでいっぱいに緩みきった顔で、マフラーを首に巻いた はたしてリトが巻いたマフラーの付け心地は———— リトはマフラーの端を手になんだか、言い難そうな顔を浮かべた 「……な、なァ」 「……」 「えと……これってもしかしなくても…」 「…うっ」 「ちょ…ちょっと長く…ないか?」 「ううっ…」 リトの巻いたマフラーは、長かった あまりにも長過ぎて、もう一人ぐらい巻けるんじゃないか、と思うほどに 唯は顔を苦くさせたまま、何も言い返せなかった 言えない 最初は悪戦苦闘を繰り広げたマフラー編みも、慣れてくるにつれ、楽しくて、そして妄想が 止まらなくなって リトの喜ぶ顔を想像しながら編むと、どんどん編めちゃって、止まらなくなってしまったなんて とてもじゃないけど、言えない 落ち込む唯に美柑は、手を差し伸べる 「ま、まあ、長いマフラーだと、いろんな巻き方できるからいいと思うよ。うん」 なんだか苦しいフォローでも美柑はへこたれない 「それに、セリーヌのセーターと手袋すっごく温かそうだよ。セリーヌも大喜びしてるじゃん」 「まうー♪」 セリーヌは再びターンを決めると、うれしそうに唯に抱きついた 「セリーヌちゃん……う、うれしい?」 「まう!」 「うん。よかった。…結城くんは…?」 「えと…」 まだ若干の戸惑いがあるリトの脇腹に美柑の肘が入る 「ってぇ!? あ…ちょっと長いけど、けどスゲーうれしいぜ! 大事にするよ! ずっとな!」 最後の「ずっと」の部分に特別なニュアンスを込めて言ったリト その気持ちが通じたのか、唯の顔にようやく晴れ間が差してくる リトはホッと安堵の溜め息をつくと、美柑に目配せした 「うん。じゃあ、今度は私たちの番かな」 「お、次は美柑とリトか」 ターキーを頬張るナナの期待に満ちた目に、少しドキドキしながら、美柑はキッチンから チェック柄の紙袋を取ってくる 「はい。私とリトから、みんなにだよ!」 美柑とリトが取りだしたのは、いろんな柄や形のティーセットだった 「ほら、リト」 「あ、ああ」 美柑に責付かれてリトが一歩前に出る 「えと、唯。クリスマスプレゼント」 「え、私に?」 リトが唯に手渡したのは、両手に乗る程度の箱だった 箱の表面には、二匹のネコがじゃれ合っている絵が描かれている 「開けても…」 「ああ」 ドキドキしながら箱の蓋を開けた唯の目が大きくなる 「コレって…」 「どうかな? その使ってくれるかな…」 照れくさくて顔が真っ赤なリトと箱の中身を唯の目が何往復もする 真っ白いティーカップの取っ手はネコの尻尾 カップの外回りには、二匹のカップルのネコの様子が、物語の様にして描かれている ソーサーにもカップと同じ二匹のネコが顔を寄せ合っている絵がある 「か、カワイイ…」 思わず呟いた唯の一言にリトの固くなっていた顔が緩む 「ほら、唯ってネコ好きだから、唯にぴったりだなって思って」 「じゃあ、これって結城くんが私のために選んで…」 そうわかると、不思議なことにティーカップがさっきよりもほんのりと温かくなったような気がした まるでいつも温かくさせてくれるリトの笑顔みたいに 「ありがと…!」 「ああ」 二人だけの世界を作り出してしまうリトと唯に美柑は、「やれやれ」と苦笑を浮かべると、 みんなにティーセットを渡していく 「じゃ、みんなにも配るからね」 ララには、恋の天使「キューピット」が可愛く描かれた純白のものを ナナには、デフォルトされたいろんな種類の動物が描かれたものを モモには、バラの花に金の模様が施されたちょっと豪華な感じのものを セリーヌには、真っ黄色のヒマワリが描かれたものを 実はティーカップをプレゼントしよう、と言ったのは美柑だった 美柑曰く「ウチの中に、みんなの 専用 の食器があるってなんかイイと思うんだ」 美柑が人一倍、みんなの事を大事に想っている事は、リトにもわかっていた 美柑がどれだけ 家族 と過ごす時間を大切にしているのかも 誰よりもガンバリ屋で、そして寂しがり屋な美柑の一番の宝物だから リトは、快く頷くと、休みの日に美柑と一緒に選びに出かけたのだった 「おおー! 私のカップだァ♪」 と、初めての専用カップに声を弾けさせるララの横でナナは、プレゼントされたばかりの カップをクルクル回す 「へー。チキューってまだあたしが知らないヤツらがいるんだな。お、このツノ生えたヤツは、 サイって言うんだろ?」 セリーヌは早くもジュースを淹れてもらって「うま、うま」とおいそうに口にしている 「ありがとうございます。美柑さん」 モモはカップを手に美柑に笑顔を送った 「いいって。そんな畏まらなくたって…」 「でも残念ですね…。これで、もう間違えてリトさんのコップを使えなくなってしまいま した。好きだったんですけどね、リトさんのコップ」 「なっ!? ちょっとそれどーゆー事っ!? モモさん!」 美柑の表情が一変。いろんな意味にも取れるモモの発言に、思わず声を大きくさせてしまう 「モモさん、いったい、どーゆーつもりよ?!」 「さァ、私は、特に」 「特にって、もうっ!」 モモに詰め寄る美柑の横顔は、少しだけ怒っていて、それでいてとっても楽しそうで、うれしそうで 二人きりのクリスマスの時には、見られなかった顔だった 美柑のすぐ近くでは、唯のカップを「見せて、見せて」とお願いするララの姿 また賑やかさが増したリビングの光景にリトは笑みを浮かべた 「よかったな。美柑」 「じゃあ」 「今度はアタシたちの番だな」 ナナとモモは、ちょっと得意気な顔で頷き合う モモはどこにしまってあったのか、大胆に開けた服の胸元に手を入れると、デダイヤル を取りだした 「それではお庭を見てください。ナナ?」 「オッケー!」 庭に通じる大きな窓のカーテンを開けると————そこには何もなく。ただ夜の闇が 広がっているだけだった 「えと…何もないけど?」 「これからでよ。リトさん。ふふ」 妖しげな微笑みを浮かべながらモモのキレイな指がデダイヤルを操作する 操作はすぐに終わり。そして転送ゲートが庭の真ん中に現われる 「なんだっ!?」 まばゆい光の中、一同が見たモノは、大きなモミの木に星屑がいっぱいに散りばめられた 巨大なクリスマスツリーだった ツリーの一番上には大きな星が乗ってあり、色を変えながら、辺りに星屑を降らしている そして一体どういう仕組みなのか、サンタやトナカイのイルミネーションが飛び跳ね 動き回り、みんなの前でダンスをし始める 「す…スゴーイ!!」 「キレイ…!」 「まうー!」 みんなの反応にモモは口に手を当てて、満足そうに微笑む 「コレがあるからツリーの用意しなくてもよかったのか!?」 「そういう事です。お気に召しましたか? リトさん」 「ああ。もちろん! サンキューなモモ!」 飾りつけを頼んだ時のモモの何かを企んでいる様な顔に、ほんの少しの不安を覚えていたリト けれどもそんな不安なんて消し飛ばしてしまうほどの光景が目の前に広がっている リトは素直な気持ちと共に、笑顔をモモにプレゼントした モモの白い頬が赤く染まり、年相応の子供らしい笑顔が浮かぶ 赤や青の光で包まれる幻想的な光景に、ツリーを作ったモモを含めみんな見蕩れていた そんな中、ナナが意気揚々とデダイヤルを取りだす 「まだまだこんなモンじゃないぜ! よっと!」 ナナの指がデダイヤルの上を走り、再び庭に転送ゲートが出現する ただし、今度は一つだけではなかった 庭に現われた十数個の転送ゲート その中から現われたのは、地球では見た事もないような動物達だった 「じゃーはじめるぞ!」 ナナの掛け声と共に動物達は一斉に鳴き声を上げ、動き出す 白クマ(の様な)がボールに乗ったり、ペンギン(の様な)が優雅に空中を飛んだり ライオン(の様な)が火の玉でお手玉したり、まるでサーカスの一団がやってきた様な喧 騒が庭に訪れる 「ナナちゃん、これって…」 「へへーん! すごいだろ? こいつらみんなあたしのペットなんだ」 と、唯に胸を張りながらナナは得意気に笑う 「クリスマスってよくわかんないけど、パーティーならやっぱ賑やかじゃないとな! でも、なんかこんなコトやってると、城でやってたパーティー思い出すなァ」 「城…ってナナちゃんの家の?」 「ああ」 ナナは腕を組むと、唯に可愛い八重歯を見せた 「と、言っても、城でやるパーティーとかもっとスゴいんだぞ! 姉上とか大張りきりだしな!」 「で、でしょうね…」 「はは…」 どれぐらい「大張りきり」なのか、怖くて内容を訊けなかった唯とリト 乾いた笑みを浮かべる二人の前でセリーヌとララは、うれしそうに動物たちと一緒に飛び跳ねていた 「ほーい。最後は私からのプレゼントだね」 リビングの真ん中でララが取り出したのは、デダイヤル ポチポチ、とボタンを押すと、急に外が白みを帯びた 「な、なんだ!?」 一同が外を見ると、どうやったのか、いつの間にか空から雪が舞い降りていた 美柑はポカンと真っ白な空を見上げた 「雪…!? で、でも天気予報じゃ今日は…」 「うん。私が降らせたの。この『こんこんスノーくん』で」 (『こんこんスノーくん』…?) 美柑の脳裏に少し前の、久しぶりにリトと二人でデートした時の事が甦る (…そっか。じゃあ、やっぱりララさんが…!) ふっと顔がゆるむ美柑とララの視線が交わる あの時はありがとう と視線を送る美柑に、ララはキョトンとした顔を浮かべた 「ん? 何? 何?」 「いいから、いいから。続けて」 と、一人うれしそうな顔をする美柑 「う〜ん…じゃー、次! やっぱりクリスマスと言ったらコレだよね!」 「何すんだ? 姉上」 デダイヤルを覗きこむナナの前で、ララの指が楽しそうにデダイヤルのボタンを押していく 「ん〜♪ ほいっ!」 いきなりリビングに眩い光が走り、みんなの体が淡い光に包まれる 光は一瞬で収まり、現われたのは———— 「なんだっ?」 「ええっ!?」 「な、何よこれは!?」 リビングにいたみんなの衣装がいつの間にか変わっていた セリーヌは、羽根の生えた天使 女の子達は、ブーツを履いたサンタの衣装 リトは、頭から足の先まで、ただし顔だけは出ている、トナカイの着ぐるみを着ていた 「えへへ、クリスマスと言ったらやっぱりサンタさんだよねー」 「まうー♪」 羽根の効果なのか、セリーヌは光の粉を巻きながらリビングの上を飛んでいた 「へー、これがサンタってヤツのカッコか」 「たまにはこういう格好をするのもいいですね」 初めて着るサンタの衣装にナナは興味津々、モモは大胆に開いた胸の谷間にまんざらでもない顔を浮かべる 「うわっ…なんかみんなすごいってゆーか…」 「ちょ…ちょっと!? 何なのよ! コレはっ!!」 顔を赤くするリトの隣で唯は、スカートの裾を引っぱって下半身をガードさせながら声を大きくさせた 唯のサンタ衣装は、上半身が赤をベースに白いファーが付いたチューブトップ 下半身は、黒のハイニーソックスにブーツ、そして超ミニのスカート どれぐらいミニかというと、あまりにも短すぎて、タータンチェックのショーツが露わになるほどだった 「ララさん! 今すぐ、元にもどして!!」 「えー。せっかく用意したのに。それに今日は、クリスマスだし」 「そんなの関係ないわよっ!!」 真っ赤になって叫ぶ唯だったが、急に何かを思い出したように、口を噤んだ そして、すぐ隣にいるリトに鋭い視線を飛ばす 「な、何だよ」 「……ジロジロ見たりしたら許さないからね!」 「み、見ないって!?」 トナカイの格好で言われても説得力がないのか、唯のジト目はさらに深くなる 「じゃーみんな! クリスマス、もっと楽しもーっ!!」 「そんな事より! 服、早く戻してッ!!」 と、トラブルの張本人であるララの元気な声に、唯の悲鳴にも似た声が応え 結城家のクリスマスは、ますます賑わいを増していくのだった 「まう…」 唯の膝の上で大好きなお菓子を食べていたセリーヌだったが、ここにきて睡魔がやってき たのか、大きな欠伸をした 「ん、セリーヌちゃん、眠くなったの?」 と、チョコを一口ぱくっ、と食べながら、唯はセリーヌの顔を覗きこんだ セリーヌは目尻に浮かぶ涙を両手で擦ると、唯にもたれかかる 「時間も時間だしな」 リトは苦笑交じりに、すっかりとろけきった目をするセリーヌの頭をよしよしと撫でた 時刻はすでに10時を廻っている いつもなら、とっくにおやすみしているセリーヌだったが、今日だけ特別、という事で起きていたのだ けれど、それももう限界の様子 「じゃ、オレが二階に寝かしにいってくるよ」 「いいの?」 「ああ。唯はチョコでも食ってろって。好きなんだろ? 甘いお菓子」 「むっ…」 隣でイタズラっぽく笑うリトに思わず言葉を詰まらせてしまう唯 テーブルの上に一箱だけ残っていたチョコを開けてから、まったく止まらない 口の中でほのかに香る甘さと苦さが唯の食欲を刺激しっぱなしだ 他にもマカロンやビスキュイ等。テーブルの上の甘いお菓子は、ほぼ唯の独壇場になっていた 「セリーヌ、おいで。そろそろ寝にいこうな?」 「まぅ…」 セリーヌは唯の顔を見つめると、その胸にギュッと抱きついた ギューっと抱きついて、再び天使の様な顔で見つめる 「まうー」 「うん。おやすみセリーヌちゃん。また明日ね」 「まうっ」 唯に頬ずりするとセリーヌは、リトに抱かれて二階へと上がっていった リトに抱っこされながら、「おやすみまうー」と、手を振るセリーヌの姿が見えなくなる まで唯は手を振った 「唯ー!」 「わ、ちょ…ララさん!?」 体中から甘い匂いをさせるララに突然、抱きつかれた唯 セリーヌのいなくなった分を埋め合わせるかの様にララは、唯の膝で頬杖をついてニッコリと笑う 「何よ?」 「ん、唯が寂しそーな顔してたから! どーしたのかなって!」 「…してないわよ。そんな顔」 ララなりの気遣いに胸の中でクスっと笑みを浮かべつつ、唯はぷいっとナナ達のいる外に 視線を向ける そんな唯にララは、テーブルの上のポッキーの箱から一本を取り出すと、それを口に咥え て唯に迫ってきた 「唯、ん!」 「なっ!?」 「んー!」 「もう! ハレンチなマネはやめて!」 リビングに響く唯の声に、「何? 何?」と再び家の中に入ってきた美柑達 静かだったリビングは再び、クリスマスの喧騒に包まれる事になる 賑やかな声を子守唄にセリーヌを寝かしつけたリトは、トナカイの着ぐるみを脱ぐため(律 義にずっと着ていたのだ)自分の部屋にやってきた ファスナーを下ろすと、汗を掻いた素肌に窓から吹き込んだ夜の風が心地いい 「ったく、ララのヤツは」 楽しそうなララの顔に苦笑を浮かべながら、ズボンを穿くと、ふいに背後に足音がした 「結城くん」 声のした方を振り返ると、部屋の入口に唯の姿があった
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誰もいないはずの昼休みの屋上 だがそこに二つの影があった 辺りをキョロキョロと見回しながら、人がいないことを確認すると屋上と階段を繋ぐ ドアのついた建物の陰に隠れる そして一方の影、少年が待ち切れない様子で口を開く 「さ、ララ…早くしてくれよ…もう我慢できないんだ」 「クスッ…えっちだね、リト…」 「仕方ないだろ…?ララのこと考えてたら、どうしても収まらなくなっちまったんだから…」 「うれしい…すぐに気持ち良くしてあげるね……♪」 そう言うと、ララはリトの制服のズボンに手をかけ、チャックを下ろし始める すでにトランクスの上からでもわかるほどリトのモノは膨れ上がっており、快感を求め びくびくと脈打っていた 「わ…リト、もうおっきくなってる…!」 「頼むララ…はやく、はやく気持ち良くしてくれ…!」 「うん…♪」 苦しそうに懇願するリトのモノを、ララはトランクスの上からそっと摩る するとそれだけでリトのモノはびくっと震えさらに大きさを増す 「すごく苦しそう…私ももう我慢できないよ…!」 「ララ……う…っ!」 ララはトランクスの穴に手を入れると、リトのモノを直接手で取り出した トランクス越しに感じるそれとは明らかに違う感覚に、リトは息を詰める 「おっきいよリト…こんなの口に入るかな?」 「入るさ…ララの口だってエロいだろ?」 「ばか……んちゅ、ちゅう…ちゅるっ…」 リトの言葉に顔を赤くしながら、ララはそそり立つ肉棒に舌を沿わせ根本から 舐め上げてゆく 裏筋を舐められ、その快楽にリトは苦悶の表情を浮かべる 「うぁ…ララ、あ…っ!」 「かわいい…リト…♪」 雁の部分をねっとりと舐め続けると、先端からは早くも先走りの液が漏れ始める それを見たララは気を良くし、今度は根本にある袋の片方に舌を沿わせもう片方を左手で 優しく揉み上げる 右手は硬くなった肉棒をしっかりと握りしめ、ゆっくりと上下に動かす 「ぁ…ララ、きもちいい……く…っ!」 「もっと良くしてあげるね…」 うっとりと笑みを浮かべると、ララの舌はリトのモノを下から上へと這っていき 先端にたどり着く 一番敏感な部分を生暖かい感触が包み、リトの身体がびくんと震える 「くぁ、ララ…!」 「待ってて…今食べてあげるから…♪」 舌を沿わせたまま、ララは口を開けリトのモノを口内へと導いていく傷つけないよう、 歯を立てないよう慎重に飲み込んでいき、根本まで頬張ると頭を上下に激しく揺さ振る その度ヌルヌルした舌や内壁が肉棒と擦れ、リトに極上の快感を与える 堪らずリトはララの頭を手で掴むが、ララはお構いなしに運動を続ける 「ララ…ララ!もっと激しく…!」 「んぶぅ…じゅるぅぅ、ん…んんぅ!」 言われるがまま、さらに激しく舌と頭を動かすララ 込み上げる射精感に必死で堪えながら、ララの頭を撫でる 「はぁ、ララ……可愛いよララ…!最高だ…!」 「ん…りろ、イキたかったらイッていひよ…?」 「ああ、さすがに…そろそろげんか、い…!」 溢れ出るカウパーを舌で器用に舐めながらさらに動きを早くすると、 リトのモノはびくびくと震えララに限界を伝える 「うあぁっ、ララっ!出る……っっ!」 「ひーよ…れんぶらひて……」 言うが早いか、リトのモノはララの口の中でどくどくと脈打ちながら大量の精子を 吐き出してゆく 自分でする時などとは比べものにならない量のそれは、ララへの想いとともに 注がれてゆく ララはそれを一滴残らず逃すまいと、口から溢れた分も舌で舐めとり喉の奥に流し込む そして再びリトのモノに口を付け、中に残った分も残らず吸い出し綺麗に掃除を済ませる 「ん…すごくおいしい、リトの…」 「はぁ…はぁ……、ララ…!」 満足げに笑みを浮かべるララの頬にリトがそっと手を添えると、ララは上目遣いで リトを見つめニッコリと笑う 「どうだった?リト」 「…最高だった」 それだけ言うと、リトはララの顔を引き寄せ唇を重ねる 零れるララの吐息を飲み込むように、舌を侵入させ歯列をなぞり ララの舌に絡ませる 先程までリトを犯していた口内は、今度は逆にリトによって犯されていく その感覚にララは身を震わせながら興奮していた 「リト…んちゅ、りろぉ…っ!」 「ちゅる…、ララ…!」 リトはララの制服のスカートに右手を滑り込ませると、パンツの上から ララの秘密の部分をなぞる するとそこはすでに湿り気を帯び、摩る度染みが広がりを増してゆく 「ララ…もう濡れてんじゃん…?」 「だ、って…リトが…!リトが気持ち良さそうなの見てたら、私も感じちゃったんだもん…」 「とか言って、ホントはここに来る前から濡らしてたりして…」 「違う、もん…ひぁっ!」 パンツを履いたままのそこに指を軽く突き入れてみる するとララは甘い声をあげぴくんと身体をよじらせる 「きもちいい?ララ」 「あふぅ…いいょぉ、リトぉ…!もっと、もっとして、ね?」 快楽に表情を歪めながら言うララに、リトはニヤリと笑いながらララのそこを指先で くちゅくちゅと弄る ララはリトの肩を掴みながら、決定的な快感を与えられないもどかしさに腰をくねらせていた 「ゃあ、リト…!ちゃんとしてよぉ…っ!」 「ちゃんとって?具体的に言わないとわかんないんだけど」 「ぃじわる……お願い、お願いだから直接触って…!変になっちゃうよ……!」 「ん、よく言えました」 ララの頼みを受けたリトは、パンツをずらし直接愛液のの溢れ出るそこに指を添わす するとそこはくちゅくちゅと音を立て、摩る度にララの口からはとろけそうな甘い甘い 喘ぎが零れる 「ぁ…♪ぁぁん♪きもひいぃ…もっとぉ……!ひぁん♪」 「ララエロすぎ…!もうココ大洪水だぞ…」 リトが触れるそこはララの愛液で溢れ返り、触れるだけでくちゅくちゅと激しい水音が 発せられる その音はララの中で羞恥心とともに快楽を増大させていき、リトの指の動きに合わせ 激しく腰を震わせる程になっていた 「あぁっ…ぁあン♪りとぉ、りとぉっ♪」 (まだ指を入れてもいないのに…これで入れたらどうなるんだろ?) 好奇心とララの乱れる姿をもっと見たいという欲望から、リトはララの秘所に指を 滑り込ませる愛の蜜が湧き出るそこは滑りがよく、簡単にリトの指を受け入れる リトの指がララの内壁に触れた瞬間、ララは大きく身体をのけ反らし一気に絶頂へと 上り詰める その瞬間に、想いが涙と喘ぎと大量の蜜になってララから溢れ出す 「ふぁぁ、ぁっあんっ!あっあっあぁん♪」 「うわ…すげ…!」 太腿を伝い流れ出る大量の愛液とララのあられもない姿に、リトの芯が再び疼きだす 肉棒は硬さを取り戻し、ララの目の前で脈打つ 「…ぁ?リと…またぉっきくなっちゃったんだ…♪んちゅぅ…るる」 イッたばかりで焦点が定まらないララだったが、それでもそそり立つリトのモノを見ると 身体が動いてしまう 意識せずともララの身体はすっかりリトの虜になっていた そしてそれはリトも同様、ララ無しでは堪えられない。心も身体もララを求め熱くなる 「ララっ、オレもう…!」 「入れたいんでしょ…?ここに…」 そう言ってララは欲望に満ちた肉壷の入り口を自らの手で開きリトに見せる ゴクリと唾を飲み込むと、リトは吸い寄せられるようにララのそこに自分の熱い想いの 塊を宛てがう 「ララ…いいよな…?」 「来て…!リトにめちゃくちゃにしてほしいの…!」 一気に貫く。 ずるるる、と音を立てながらリトのモノはララの中を突き進み一瞬で最奥までたどり着く 「かは、ぁ…!リト……っ!」 「ら…ラ……!」 ララの中は無数のヒダが包み、それ以上ない最高の快楽を生み出す 何度身体を重ねても、リトはこの瞬間が堪らなく幸せだった 自分と愛するララが一つになるこの感覚は、何度味わっても決して飽きることはない 「はぁ、ララ…動くぞ…!」 ずりゅ、ずりゅ…! 「ぁ、あん…!リト、あぁっ!リト、りとぉっ……!」 リトが腰を動かす度、粘膜が擦れ合い快感が生まれる その快感がもっと欲しくて、ただひたすらに腰を振る ララもリトの動きに合わせるように腰を浮かせ前後に動かし、挿入をさらに深めるようにする 「ララ…すげ、いいよ…中、きもちいい…!」 「あん、わたし…も…!リトのい、ぃよぉ…!もっと…もっと……ぉ…っ!!」 想いを重ねるように、両手を取り合う リトはララの身体を抱き起こし、涙に濡れる唇に自分の唇を重ね舌を入れる ララはリトの後ろで脚を組み、離さないようしっかりと抑える 二人の他には誰もいない屋上に、ただいやらしい水音と甘い喘ぎが響き渡る それが興奮を煽り、快楽を増してゆく すでに二人の身体は限界が近づいていた 「ララ…っ、オレ、そろそろ…!」 「私もっ、もう…っ!」 もう一度唇を重ね、堅く抱きしめ合う 瞬間、二人はほぼ同時に達した リトの肉棒からは先程出したばかりとは思えない程の量の欲望が飛び出し、ララの膣内を真っ白に染め上げる ララは自分の中を貫く熱い感覚に、腰をびくびくと震わせる 「あ…あ…!リトのが中に…いっぱい出てるよぉ…♪あっつくて…きもひいぃ………♪」 「はぁ…ララ…」 お腹の中が満たされていく感覚に身を震わせるララの様子を、リトはただ見つめる いやらしくてエッチで淫らなハズなのに、今のララの表情が、身体が、とても美しく見えた いてもたってもいられず、リトは目の前で乱れるその身体を抱きしめる 「リトぉ……すっごく、きもちよかったよ………♪」 「ああ…オレもだ…やっぱり最高だよ、ララ」 「えへへ…だぁい好き、リト♪」 再び唇を重ね合う二人 二人だけのこの時間が幸せで堪らない この至福の時を終わらせるなど勿体ないと思った 「…なぁ、ララ。昼休みとっくに終わってるけど…」 「え?あっ、ホントだね。…どうしよっか?」 「なんかもうメンドくさいし…もっかいやらないか?たまには…いいだろ?」 「え~?……うん、リトがいいなら…♪」 「へへっ。ララ…」 「リト、んぅ……っ!」 もう一度身体を重ね合うリトとララ 結局、この日屋上での行為は放課後まで延々と続けられたという 『まったく…こちらの身にもなってほしいものですね』 ペケのぼやきは夢中で愛し合う二人の耳には届かない
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「よーしできた!」 深夜、元気よくキッチンから聞こえたのはララの声 たった今冷蔵庫から取り出した物を誇らしげに見つめる 「リト…おいしいって言ってくれるかな~」 その日は2月13日。そう、バレンタインデーの前日である 地球の文化で、女の子が好きな男の子にチョコをあげる風習があるとリサから聞いたララは、その日のた めに御門先生から作り方を教えてもらい製作に励んでいた チョコをあげる相手は、もちろん地球にやってきてからずっと想い続けているリト 「女の子らしいとこ見せれば結城のやつもコロッと堕ちるかもよ~?」というリサの言葉を真に受け、慣 れないながらも一生懸命作った これならきっとリトも少しは振り向いてくれるハズ…! そんな期待を込めて作ったチョコのラッピングを始める と、そこでふとララの手が止まる 「…そういうば味見してなかった」 御門に教えられた通りの分量や加熱時間で作ったものの、初めてということもあり必ずしも上手く出来て いるという保証はない 発明や運動においては類い稀なセンスを見せるララだったが、こと料理においてはほとんど経験がない 王宮では超一流の料理人を雇っていたし、地球でもこれまた一流の腕をもつ美柑がいたためララには料理 をする機会はなかった 余分に作っていたチョコを手に取り、口へと運ぶ ハート型のそれは口に入ると瞬く間に溶け、コクのある甘味とほのかな苦味が舌の上に広がる 「…おいしい♪」 よかった…これならきっとリトも喜んでくれる そう思った瞬間、突然ララの中で何かが弾けた ピクン! 「!?」 体全体に波のように熱が広がる 頭の中がふわふわした妙な感覚に侵され、何も考えられなくなっていく 「や…ァ、なに…コレ…っ!」 服を着ているのがもどかしくなるほど胸の奥が火照り、焼け付くように手足が熱くなる 耐え切れずララはその場に倒れ込む 「はァ…あぅ、リトぉ…助けて…!!」 その頃リトはというと、ララが置かれている状況など知るわけもなく自室のベッドで爆睡していた 明日はバレンタインということもあり、見ている夢はもちろん春菜の夢 「う~ん…春菜ちゃん…おいしい…むにゃむにゃ」 呑気な寝言を発するリトの部屋に、ひたひたと足音が近づく それは部屋の前で足を止めると、がちゃりと音を立てドアを開く 自分に近づく気配などには気付きもせず、リトは眠り続ける 「結城くん、チョコ美味しい?」 「ああ、すっげえ美味しいよ!サンキュー、西連寺!」 「よかった…!じゃあ結城くん…?」 「な、なに?西連寺」 「私も…食べて…?」 「へ…?」 突然服を脱ぎ始める春菜 慌ててリトが止めようとする 「わ、さささ西連寺!!!?いきなり何を…!」 「結城くぅん…」 春菜はリトの肩を掴むと自分の方に引き寄せ、唇を奪う 「☆△@■◎~ッ!?」 何が何だかわけのわからないリトだったが、唇に残る感触は本物そのもので、リトの興奮は最高潮になる 「西連寺…!」 「結城くん…お願い…!」 好きな女の子にキスされ涙目で迫られ、もはやリトに自分を抑えることなど出来ない 下着だけになった春菜の胸に手を添え、揉みしだく (春菜ちゃん…意外と胸おっきい!?) 揉む度に形を変えるそれはこの世のものとは思えないほど柔らかく触り心地が良い 下着を取り払い直に揉むと、春菜はより大きな反応を見せる 「や…ハぁ、あァん!気持ちいいよぉ、リトぉ…!」 ――リト? 突然春菜に名前で呼ばれ一瞬困惑するリトだったが、なるほどこんなことをしているのに苗字で呼び合う のはおかしいと思い直す 「よ、よし…春菜、ちゃん!」 「あぁア、リトぉ!もうダメぇ、ここに欲しいのぉ!」 そう言って春菜が指差したのは両足の付け根、最も女を主張する部分 いつの間に脱いだのか、そこはすでに何も纏っていない 初めて見る女の子のそこに、リトはゴクンと息を呑む 「ほ、欲しいって…!」 「リトぉ」 突然春菜はリトのズボンをトランクスごと脱がせ、硬く反り立つモノを取り出す 「うわ、ちょ!春菜ちゃん!?」 「おっきぃ…♪」 取り出したリトのモノをうっとりしたように見つめると、今度はそれを自分のぬるつく秘所に宛てがう 自身の愛液で濡れるそこは、簡単にリトのモノを受け入れる 「ああァ!リト、りとぉ!!」 「う、ああっ!春菜、ちゃん…!」 ぬるぬるした感触ととてつもない締め付けに、リトのモノは早くも爆発寸前になる 春菜が腰を上下に動かす度、ぱんぱんという音が鳴り響きリトを追い詰めていく 「あ、ァ、ぁあん!リ・トぉっ!」 「くっ…もうダメだ、春菜ちゃん…!ゴメン…!!」 ドクン リトのモノが春菜の中で脈打ち、白い欲望を膣内に吐き出す それに合わせるように春菜も腰を震わせ絶頂を迎える 「ふぁぁぁ、リトぉ…!」 「く…春菜ちゃん…!」 あまりの快感に目を閉じるリト 呼吸が整い、再び目を開ける 「いいよぉ…リトぉ…もっともっとしたいよぉ…!」 「っ、な!?ララ!!!?」 リトが目を開けた時、目の前で喘いでいたのは先程までいた春菜ではなく、顔を真っ赤に染めたララだっ た わけがわからず、再びリトは困惑する 「な…ら、ララ!?お前いつから…!?」 「ふぅぇ…?最初っから…だよぅ?リト全然私の名前呼んでくれないから寂しかったよぉ…!」 最初から…? そこでリトは悟る 春菜とエッチしていたのは最初から最後まで全部夢だったのだ 思えば突然下着が消えたり名前で呼ばれたりと不自然な点がいくつかあった そもそも冷静に考えてみれば、いきなりあんな展開になるはずがない 全ては童貞男の悲しい妄想だったのだ だが、あのあまりにもリアルなキスの感覚や射精感は…? と、改めて自分の置かれた状況を確認する 自分は自室のベッドに仰向けに寝転がり、その上に全裸のララが覆いかぶさるようにいる 顔は少し近づければ唇が触れ合うほど近くにあり下半身に目をやると… 「!!!!!?」 そこには、ララの秘所に身を埋めた自分のモノが 接合部からは白濁の液が流れている つまりは、先程の夢は夢であって夢はでなく、実際はララとエッチしていたのだ そのことにやっと気付きリトは青ざめる 「な、なにやってんだお前ェーっ!」 「だって…リトと一つになりたかったんだもん」 「…!」 とろんと熱を帯びた声で言われ、紅潮するリト ララの目にはうっすらと涙が溜まり、瞳が潤んでいる そんなララの表情に理性を奪われそうになるリトだったが、出来るだけララの裸を見ないようにしながら 肩を引き離す 「と、とにかく!さっさと離れて…」 そう言ってリトが接合部から自身のモノを引き抜こうとすると、ララはリトの首に腕を回しそれを制する 「お、おいララ!」 「イヤっ!いやだよ、離れたくない!!」 「バカ、何勝手なこと言って…!」 必死で離れまいとするララをリトが引き離そうとする すると、ララは目に溜めていた涙をぽろぽろと零しながらリトの胸に泣きつく 「やだよぉ…!やっと一つになれたのに…一人にしないで……!」 「ら…ララ…?」 いつもと様子の違うララに戸惑うリト 普段見慣れないララの涙に心を大きく揺さ振られる (まさか…またコロット風邪?) 一瞬そう思ったリトだったが、以前ララがコロット風邪にかかった時とは症状が違う あの時は恥じらいを表し奥手な女の子になったが、今回は逆に積極性が増している 体全体が火照っているようではあったが、熱があるわけではない 何か、ララの心の奥底に眠るものを見ているようにリトは感じた 「ララ…お前」 「リト…お願い…!私を全部あげるから、だから離れないで…ずっと傍にいさせて…!!」 ――自分を全て捧げてまで共にいたい そこまで言われてしまい、さすがのリトも理性を抑えるのに限界がきていた ただでさえ挿入したままだというのに、抱き着かれこれほどまでに自分への想いをぶつけられてしまって は、落ち着いていられる方がおかしい 「リトぉ…!」 「…」 上目遣いで見つめるララの唇に、そっとキスを落とす 一瞬目を見開くララだったが、リトが舌を侵入させるとそれに応えるように舌を絡ませる 「んふ…ちゅぅぅ…ちゅるっ…んんぅ」 初めて経験する舌を絡ませるキスに、リトは頭の中がとろけそうな良さに襲われる 絡み合う舌のぬるぬるとした感触が何とも言えない高揚感を生み出す (ララの口…甘い…チョコ…?何でもいいけどやばい…めちゃくちゃ気持ちいい…!) とろけるようなララの味に気が狂いそうになる 口の端からは唾液が垂れるが、そんなことはお構いなしに深く貪り合う 「くちゅ…ん…ちゅっちゅるる……くちゅぅぅ…」 呼吸をするのももどかしいほど夢中で求める 数分間互いの口を味わった後名残惜し気に唇を離すと、二人の間に銀色の糸が伝う 「りとぉ…♪」 「ララ…!」 未だ繋がったままの下半身は、キスですっかり怒張したリトのモノをララが締め付け、先程よりさらに圧 迫感を増していた 耐え切れずリトが腰を浮かすと、ララは切なげな喘ぎ声をあげる 「んぁっ…りと…!」 「はぁ…く、ララ、動いていいか…?」 返事を待たずに腰の運動を開始するリト きつく締め上げるララのそこは、動く度極上の快楽をリトに与える 「ぅあ…やばいララ…オレまた…!」 「ぁ、ぁあんっ!来て、リト!中に欲しいの、リトのいっぱい欲しいのぉっ!!」 必死で腰を動かすリトの後ろでララが足を組み、決して離れないよう固定する 一瞬躊躇ったリトだったが、込み上げるものを抑えることはできず一気に達する びゅっ、びゅるるるん 勢いよく発射された欲望はララの疼いて止まない膣を貫く 「あはぁァ…リト…気持ちいいよぉ…♪」 「ララぁ…っ!」 そのまま二、三度震えたあと、搾り取られたモノは元気を無くし引き抜かれる 「ぁ…ん……あふぅ…♪」 ララはまだ快感に浸っているようで時々ぴくっと痙攣しながら喘ぎを漏らしている (疲れた…) そう思って目を閉じるリト このまま寝てしまおうか、と考えていると再び下半身に鋭い感覚が走る 「くっ…ァ、ララ…!?」 「だめ…もっと欲しいの…リト…」 「もっとって、もう…うぅっ!」 「こうしたら…きもちいい?」 シュッ… シュッ… リトのモノをララの柔らかい手が包み、優しく上下に扱く 先程絶頂に達したばかりで何とも言えない感覚に襲われるが、とても初めてとは思えないララの指使いに リトのモノはすぐに硬さを取り戻す 「ぁは…♪またおっきくなったね、リトの…」 「ば…か、やめ…!」 ララは抵抗するリトのモノをにちゅっと口づけると、上目遣いでリトを見る 「どうして…?さっきのリトとっても気持ち良さそうだったよ…?」 「そ、それはそうだけど…っ!」 「リトが私で感じてくれて…私すっごく嬉しいよ…!」 「っぁ…!ララっ…!」 リトを扱く手に力が篭る それに敏感に反応するリトを見たあと、ララはリトのモノに口を近づける 「っ!?おい、何を…」 「もっと気持ち良くさせたいの…リト…大好きだから」 そしてモノを口に含むララ 膣内とはまた違ったその感覚に、リトのモノはまた大きさを増してゆく 「んふっ…リほ、まはおおひくなってふ…!」 「うぁ…ララぁ」 ララが喋ろうと口を動かす度、歯が、舌が、リトのモノを刺激する 耐え切れずリトから喘ぎが零れる 「ぁ…、く…ララっ…!」 「りト…かわいぃ…♪」 気持ち良さそうなリトの声に満足したララが舌の動きを開始する 裏筋を舐め上げ、雁に舌を沿わせるとそれだけでリトに電流のような快感が走る 「う…ララ、やばっ…そこ…!」 「こほがひいの?」 反応が大きかった部分を責め立てると、案の定リトの先端からは先走り液が滲み出る それを綺麗に舐めとると喉の奥に流し込む 「ん…ぅ」 「は…ララ…!そこ…そこもっとして……!」 苦しそうな視線を送るリト それを見たララに悪戯心が芽生える 「リト…イきたい…?」 「え…」 くりくりと先端を焦らされ、先走りが後から後から溢れ出る 「ぅ、ララ…やめてくれ…!」 「切なそうな顔もかわいい…♪」 舌をちろちろと触れさせ、袋を手で摩りその度にリトのモノから溢れる液を舐める それを子供のように夢中になって繰り返すと、リトの体にも限界がやってくる 「ら、ララぁ…!イきたい…イかせて……!!」 「うん♪それじゃイかせたげるね」 リトの言葉を聞き、満足げに頬張ろうとする しかしリトがそれを制止する 「待って…ララ」 「?リトぉ…?」 「オレ…またララの中に入れたいんだ…いいだろ?」 「リト…!」 目を丸くするララ 受け身だったリトが、自ら自分と一つになりたいと言ってくれた 初めて、自分を求めてくれた あまりの嬉しさで、ララの瞳に涙が浮かぶ 「な…ララ!?」 「嬉しい…リト」 涙に濡れる顔をぎゅっとリトの胸に寄せるララ そんなララの仕草がリトの心を撃ち抜く (か…かわいい…!) 自分の胸に顔を埋めるララを優しく抱きしめる 頭を撫でると、ぴくっと震える 「ララ…顔上げろって…」 「ん…リト…」 薄く開いたララの唇に自分の唇を重ねる さっきと同じように舌を入れ、内から優しくララをほぐしてゆく 舌を絡ませるとララの甘い吐息が口元から零れる 「ふぁ…ん」 左手で胸を揉み、右手は秘所に延ばす 指で触れるとくちゅくちゅと水音が響く 時々指を中に滑り込ませると、その度反射的に腰を左右にくねらせる その反応が面白くて、リトは何度も何度も指を出し入れする 「いっ、ァ…んぅ!」 「可愛い…ララ」 ひとしきり反応を楽しんだあと秘所から手を離し自分のモノをそこに宛がう と、そこでリトはあるものに気付く (これ…血!?) 自分の右手を見ると、僅かに赤い液体が付着しているのがわかる それは紛れも無くララの秘所から流れた血 「おまえ…初めてだったのか!?」 「ふぇ…?うん、そーだよ…?」 (初めてで襲うかよ!?) そんなことを考えるリトに、ララが微笑みかける 「リトが初めての相手で幸せだよ…♪リト以外の人とはしたくないから…」 「ララ…」 初めてで少なからず痛かったであろうに、全くそんな素振りを見せなかったララ 彼女にとって初めての不安や恐怖など、リトと交われる喜びに比べれば些細なことでしかない その喜びを心からの笑顔にしてみせるララが、リトにはとても愛おしく思えた ララの受け止めたリトはその体をぎゅっと抱きしめる 「リト…?」 「ララ…オレ…」 リトの肩が震える。耳まで紅くなったリトの顔から何かを察したララはふっと笑って答える 「リト…来て」 「…うん」 くちゅっと音を立ててリトのモノが挿入されていく ララの締め付けは衰えるどころかさらに強まり、リトを追い詰める 「く…ララ、きつ…い…っ!」 「ぁァあああ…!」 全て入り切ったところで一旦動きを止め、軽く触れるだけのキスを交わす 「動くぞ」 「…うん」 ゆっくり腰を前後に動かす 入れる度に幸福感に包まれ、引き抜く度寂しさが襲う。それを繰り返されララは気が狂いそうになる 「ふぁ、あ!リトっ、もう私…ヘンになっちゃ、うぅ!」 「く、は…もう、十分おかしくなってるだろ…?っへへ…」 「ひどっ…い、あ…はァ♪」 息も絶え絶えに腰を振るリトとララ 一旦動きを止めリトがララから引き抜くと、ララは切なそうな表情を向ける 「やァ…やめちゃ…やだぁ…!」 「心配すんなって…ここで止められるほど余裕ねーよ」 ふっと笑うと、リトはララを後ろから抱き抱えるような格好にして挿入を再開する 「んぁ…♪」 「ほら…こうすればよく見えるだろ?」 視線を下に向けると、リトとララの接合部分が露になっているのがわかる 二人の液が混じり合い絡み合うそこは泡立ち真っ白になっている 「なんか…恥ずかしいよ」 「そんなことねえって…ララすげー可愛い」 「ホント?」というララの視線に目で返したあと、リトは再び腰を動かす ララの足を抱え上下運動をさせるとララの口から喘ぎが漏れる 「あ…あぁ…ん、はぁ…リト…!」 「ここも気持ちいいんだろ?」 接合部より少し上の部分にある小さな豆を摘むと、ララの反応は一層大きくなる 「や、ぁあん!そこ…そこはっだめぇ…!よすぎちゃ、う…っ!」 こりこりと擦る度跳びはねるララの喘ぎにリトの興奮も増してゆく 今日はもう二回もイっているのだが、それでもララの中で暴れる棒は硬さを失わない ララの中は信じられないほどの良さでリトを締め付け、あっという間に射精感が込み上げる 「ら、ララ…オレそろそろ…!」 「わたしもっ…も、ダメぇ…ぁ、イく、ぁあっイクいくイくぅぅぅぅぁ!!」 大きく体をのけ反り絶頂を迎えるララ。リトもほぼ同時にララの中で果てる 接合部からは納まり切らなかったリトの精が溢れ出る ララは押し寄せては引き、また押し寄せては引いていく快感の波に堪えるように体を硬直させ震えている 「ふぅぅ…ぁあ…んぅう…っぁ!」 しばらくしてからリトが自身を引き抜くと、二人の液が混ざり合った白濁の塊が流れ落ちる それと同時にリトとララの意識も遠退いていく 「はぁ…リト、だい…好き…♪」 「ララ…オレ…………も……」 「ふわああ…」 柔らかな朝の陽射しにリトは目を覚ます 今日も気持ち良く一日が始まる、そう思い隣を見ると全裸で横たわるララの姿が 「なななななな!?」 ずざざざっと後退りし、昨日のことを思い出す 「お…オレ、ララと…!!」 やってしまった…! もうこうなってしまった以上後に退くことはできない 曖昧にせずちゃんとララに自分の気持ちを伝えねば、そう思いララを起こす 「…ん?リトぉ?」 「お、起きたか!」 「えへへ、おはよーリト!あれ?なんで下に何も履いてないの?ていうか私昨日リトと一緒に寝たっけ? 」 …はい? 単に寝ぼけているのだろうか ララは何事も無かったかのようにあっけらかんとしている 「いや、何でって…昨日ほら、な?」 「むー?昨日…?昨日は確かチョコ作ってて、味見したらなんかヘンになって…あ、そうだ!待っててリ ト!」 「お、おいララ!」 そう言うと勢いよく部屋を飛び出し下へと降りていくララ 取り残されたリトは呆然とドアを見る 「…おぼえて…ないの…?」 しばらくして階段を上がってきたララは、片手に箱のような物を持っていた 「えへへ、バレンタインデーのチョコだよ!リトにあげる♪」 「バレンタイン…?そっか、そういえば今日は2月14日…」 「はいっ♪受け取って♪」 満面の笑みでチョコを差し出すララ リトは先程のララの言葉がひっかかる 「なぁ…お前さっきこのチョコ味見しておかしくなったとか言わなかったか?」 「えー?ああうん、なんだか食べたら体があっつくなってね、そこから覚えてないの♪でも大丈夫だよ♪ ♪」 「全然大丈夫じゃねーだろっ!!」 がっくりと肩を落とすリト 昨晩一つになった気持ちはチョコの力による幻だったのか ララの本気の想いもチョコによって作られたもの… 自分と初めて交わった瞬間をララは覚えていない その事がリトの胸を痛いほど締め付ける 「…どうしたの?嬉しくないの…?リト…」 「そうじゃないけど…そんな危ないチョコ食べれないだろ」 「えー、でも御門先生にちゃんと教えてもらって作ったんだけどなァ」 「…御門先生!?」 ギランとリトの目が光る いくら先生とはいえ、純粋なララ(と自分)の気持ちを弄ぶなど許せるはずもない 「ララ、早く学校行くぞ!」 「えー、待ってよリトーっ!」 「ええ、確かに教えたわよ」 学校の保健室で、御門は表情を変えず淡々と話す 息巻くリトが御門に問い詰める 「やっぱり先生が犯人ですか!一体何入れさせたんですか!!」 「んー、催淫効果のあるホレ星の薬草よ♪犯人だなんてやーねぇ、ちょっとしたイタズラ心よ♪」 「イタズラって…」 「まさかララさんが食べちゃうなんてねェ、味見のことすっかり忘れてたわ♪」 はぁ…と呆れるように溜息をつくリト この先生は一体何を考えているのだろうか 「でもね結城くん…勘違いしないで欲しいの」 「へ?何がですか?」 「あの薬草には人格を変える力があるわけじゃない、ってこと…誰しもが心の奥深くに眠らせている想いを呼び起こして、自分に素直に行動するようになるだけなの。 だからララさんが取った行動も、決して薬がさせたわけじゃないわ。ただ解き放ってあげただけ…わかるわね?」 「…つまり……?」 「ララさんもそうなる事を心の底で望んでたってことよ。普段からオープンな彼女にだって心に秘めてるものはあるのよ。女の子なんだからね」 「はぁ…」 どっちにしてもララが昨日のことを忘れているということに変わりはなく、リトのショックは大きかった (…でもララの想いがウソじゃないって改めてわかっただけでもいいか) くるりと出入口の方を向くと、二人の会話に全くついてこれず頭に?マークをたくさん浮かべたララの手を引いて歩き出す 「それじゃ先生、もう二度とこんなことはしないでくださいよ?」 「さァどうかしらねぇ?♪」 再び大きな溜息をつきながらリトはピシャッと勢いよくドアを閉める 「………」 怒ったように黙り込んで廊下を歩くリト そんな様子を不思議に思ったララが尋ねる 「ねぇ、どうしたのリト?御門先生がどうかしたの?」 そこでリトはピタリと足を止めララを向き直る 「リト…?」 「ララ…ララは、オレの事…本当に、本気で、好き…なんだよな…?」 突然真剣な眼差しで問い掛けられ、戸惑うララ だがすぐにそれは、少し恥ずかしそうに顔を赤らめた女の子の表情に変わる 「…うん…大好きだよ」 ドキン 再び感じた、ララの一途な想い 決心の固まったリトは、ララの手に肩を乗せ体を引き寄せ、唇にそっと口付ける 「…っリト!?」 「ララ…オレ……」 突然の出来事に何が何だかわからないといった様子のララに、リトはふっと微笑みを見せる 「オレも…お前のことが――」
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ギシッ――…。 ギィ――…。 (ん……ぅ………何の音?) 真夜中、突如聞こえてきた何かが軋む音に睡眠妨害され、虚ろな意識の中でリトがゆっくりと目を開けると――。 「あ、リト起きちゃった」 「ラッ、ララぁ!!?///」 そこには、リトの身体を押さえつける様に馬乗りになって楽しそうな笑顔を浮かべているララがいた。 しかも当然の如く裸で。 「おおおお前一体何やってるんだよ!?また人のベッドに潜り込むつもりだったのか!!?ダメだぞ、ちゃんと自分の部屋で寝ろよな!! つーか寝る時は服着ろって何時も言ってんだろぉ!!いやその前にそこからどけって!!///」 突然の、真夜中の裸の女の子の来訪(今に始まった事じゃ無いが…)に慌てふためき、何とか部屋に返そうと怒鳴り散らすリト。 しかし…。 「えへへ…、今日は違うよぉ~♪」 「へ?」 そんなリトの台詞をララは軽~く受け流し、今日の目的が添い寝じゃない事を告げる。 「あのね、前にリサから貰った恋愛についての本を読んでたんだけどね」 (―ってまだ持ってたのかよ、あの訳の分からんHow to 本…) 「その中に、好きな人をメロメロにするには『ヨバイ』ってのをするのが効果的だって書いてあったの♪」 「はあっ!!?///」 無邪気な笑顔でとんでもない事を言い出すララに驚愕するリト。 「待て待て待てぇい!!!お前いきなり何バカな事言い出すんだよ!!てかお前『夜這い』の意味分かって言ってんのかぁ!!?///」 「寝てる人にこっそりえっちなコトする事でしょ?よいしょっと…」 さり気にリトのシャツを捲くし上げながらサラリと答えるララ。 「――ってコラァ!!何どさくさに紛れて人の服を脱がせにかかってんだよぉ!!?」 「脱がさなきゃヨバイ出来ないじゃん。ブラ取るよ?」 「取るなぁ!!そもそも夜這い自体するなぁ!!てゆーか――!!///」 「ん?」 「そ…そーゆーのは異性に対してやる事であって…。オレ今同性だし…///」 ここで自分の身体変化を盾にして、この場を何とか切り抜けようと誤魔化し始めるリト。 「あ、そっかぁ…」 「そそ、だから今こんな事やったって意味無いってば///」 「少なくとも今乗り切れば、今後の夜這いに対して対策はいくらでも立てられる」という考えを胸に、 何とかララを諦めさせようと説得を試みる。 「………んー…」 「リトの言ってる事も一理ある」と思ったのか、しばし考え込むララ。 ――が、それも一瞬の事で…。 「でも大丈夫だよ。今は女の子でもリトはリトだし♪」 「なぁっ!!?///」 どこまでも前向きなララらしく、結局そんな結論に達した。 「ブラ取るね?」 「ちょっ…///」 抵抗しようとしたが、マウントポジションを取られてる事に加え、ララの常人離れした怪力に押さえつけられて身動き一つ取れない。 器用に片手でホックを外して、ララはリトのブラジャーを剥ぎ取った。 「わぁ…、やっぱり大っきぃなぁ、リトのおっぱい。それに…、触り心地もさいこぉ…♪///」 「お、おい…やめ……あっ……は…///」 ポツリと呟きながら、両手で優しく、壊れ物を扱うかの様にリトの胸を揉みし抱くララ。 少しずつ、マシュマロみたいなふわふわした様な感触に酔いしれ始め、やがて無意識の内に乳首を口に含んで、 赤ちゃんみたいに吸ってみたり舌先で転がしてみたりし始める。 「ぁ…はぁ………ぅ…んぅ……ら…ララぁ…///」 感じながらも、残った理性をもって何とか引き剥がそうと抵抗するリト。 だが、ララの愛撫と身体に当たる二つの膨らみの感触の所為で思う様に力が入らず、 少しずつ理性をトバされていき次第になすがままの状態に陥っていく。 「んむ……ちゅ………ん……ふふっ、リトかわいい…♪」 僅かに見え隠れするリトの恍惚の表情にちょっぴり満足気はララ。 「コッチも……ね?」 リトの身体を撫でる様に片方の手を滑らせ、下着の中へ――。 「やっ…!そ…そこは……ああっ…!///」 「わぁ…、もうぐちょぐちょだよ?リトのココ…♪」 触れてみるとクチュリと厭らしい水音が聴こえてきて、その音を聞いたリトの顔が羞恥心に溢れ、ララから目を背けた。 「ぉ……お前が調子に乗って…あんなにするからっ…///」 「ちゃんと私で感じてくれたんだ。うれしい…♪」 心から嬉しそうな微笑を浮かべるララ。 「私も………ほら…///」 リトの手を取って自らの秘裂に触れさせる。 「ぁ……濡れ……///」 「えへへ…、リトの反応見てる内にこんなになっちゃった…///」 指から伝わるララの『女の子』の温もりと、溢れ出る愛液の生暖かさ…。 ふざけて抱きつかれる時とは明らかに違う、リトにとって初めて体験する直接的な感触である。 そして、これをきっかけにリトの理性は完全に崩落した。 「ぁの………もっと……触ってみていい…?///」 「ぅん…、いじりっこしよ♪///」 お互いにゆっくりと指を動かし始める。 クチュクチュと秘裂を弄る音が二重奏となり、より一層部屋に響き渡る。 「あっ…ふぁっ!……リ…リトぉ…!気持ち良い……ああっ…!///」 「んふぁ……はっ……ララぁ……その表情エロぃ…ぅわぁっ…!///」 「リ…リトだってぇ…!凄くえっちな顔…ああっ…!して…んんっ…!してるよぉ…!んむっ…///」 どちらともなく唇を重ね、互いの舌を求め貪り合い、流れてくる唾液を呑み込んではまた舌を絡ませる。 その行動に比例して、秘裂を弄り合う指も速度を上げ、聴こえてくる卑猥なハーモニーも徐々に大きくなっていく。 「むはぁっ…!あっ…!リ…リト激し……ふわぁあっ…!だ、だめぇ!いっ、いっちゃあ…!いっちゃうぅぅーーっ!!///」 「お…オレもぉ…!ああっ…!も……限かぁ…!ぅわぁああーーっ!!///」 一気に頂点まで上り詰め、瞬間、二人の身体がビクンと強張り、お互いに噴出させた大量の愛液がシーツをグッショリと汚していく。 身体は痙攣して思う様に動かず、ララは糸の切れた人形の様にリトの上に倒れ込んだ。 「はぁ……ぁ……ぁはぁ…///」 「ぁ…はぁ……はぁ……は……///」 お互いの胸の膨らみの感触を感じながら、そのままの状態でしばらく呼吸を整え合う。 「は……ぁ……はぁ………えへへ…リトのえっち…♪///」 「誘ったのはお前だろ…。お前の方がえっちだって…///」 再び唇を重ね合う。 先程と同じ様に舌先で口内を弄び合いながら唾液交換し、それが媚薬となって二人の欲望は萎える事無くより深くなっていく。 加えて、部屋に充満する妖艶な雰囲気とお互いの放出した淫臭が更に拍車を掛ける。 「んちゅ……ん…ぅ……はぅ…ん………むはぁ…っ…リトぉ……ココ、キレイにしてあげるね…///」 そう言ってするりとリトのパンツを脱がせると、ララは自分の頭をリトの秘裂に近付け、秘裂をリトの頭に近付けさせる。 「ふふっ…凄くキラキラしてる…。それに……えっちな臭い…♪///」 「ララだってぐちょぐちょだぞ…?マジでエロ過ぎ…///」 ぽーっとした表情で大事なトコを眺め合う二人。 そのえっちな光景に思考回路が麻痺して、頭の中が真っ白になってゆく。 あるのはただ一つ…。もっといっぱい気持ち良くなりたい…、もっと相手を気持ち良くさせたい…。ただそれだけである…。 「リトも……私のをキレイにして…。今度は舐め合いっこしよ…?///」 「ぅ……ぅん………分かった…///」 ソロソロと舌先を秘裂へと伸ばして、ほぼ同時に割れ目の部分をなぞった。 「うふぅっ…!///」 「んんぅっ…!///」 ゾクリと身震いして一瞬動きが止まったが、直ぐに再び舌先を秘裂に這わせる。 絶頂したばかりだから敏感になっており、舌が蠢く度に膣から愛液が止め処なく溢れ出して、秘裂や周りの茂みまで汚していく。 それをお互い腰を掴んで口元に引き寄せ、顔下半分愛液まみれになりながら夢中で舐めとり合い、 一滴も残すまいと喉の奥へと流し込む。 「んまぁっ…!あっ…んぐっ…ちゅ…ぅ……はぁ…凄ぉい…どんどん出てくる…。甘いのいっぱい……ふぁあっ…!」 「んっ…ぷわぁっ…!はんっ…ぐ……ちゅる…ぅあ…ララも……んぐぅ……すっげー溢れて……追いつかな……ああっ…!///」 「ふわぁ……リトぉ……もっと……もっとちょうだぁい…。リトももっとしていいからぁ…///」 「ああ……オレも……もっとララのジュース欲しい…///」 更なる快楽感を求め合うかの様に、割れ目の入り口部分だけを這わせていた舌を今度は膣内へとねじ込んだ。 「ぅわぁぁっ…!はぁぁ…あぁぁん…!はっ…れろ…んちゅ……リ、リトぉ、気持ち…んああっ…!き…気持ち良いよぉ…!///」 「ぁああっ…!ラ、ララぁ、ララも…ふわぁあっ…!ラ、ララも上手…あぁぁっ…!///」 月明かりだけが照らす部屋に響き渡る、お互いの秘裂をピチャピチャ舐め合う音と、コクリと喉を鳴らして愛液を飲み込み合う音、 そして部屋中に満ち溢れる淫臭――。 それらの要素全てがリトとララの性欲を更に燃え上がらせ、更に淫らな行動へと誘う。 「ぷはぁっ…!リトぉ……もっと気持ち良い事しようよ…///」 「ふぁ…は……ぇ?///」 リトの秘裂から口を離して、最初の馬乗り体勢になるララ。 そこから、自分の尻尾をお互いの秘裂の間へゆっくりと近付けていく。 そして…。 「いくよ、リト…///」 「い、いくよって…、おま……何を――///」 「する気なんだ?」と聞こうとしたと同時に、ララの尻尾が二人の秘裂の間に潜り込んだ。 「ふわぁあっ!!///」 「きゃうぅぅっ!!///」 二人一斉に嬌声を上げる。立て続けにララは尻尾を動かし、自分とリトの秘裂を擦り付け始めた。 「ふわぁああっ!はぁ…あぁああっ!し…シッポぉ…!シッポとアソコがぁ!あぁぁんっ!かっ、かんじちゃうぅっ!!///」 「ぅわぁあぁっ!あっはぁぁっ!す、すごいこすれて……きゃああっ!だ、だめぇ!なんか…やぁああっ!!///」 二つの性感態を駆使して、リトと自分を攻め立てるララ――。 ララの尻尾と秘裂による攻めでただただ快楽の波に流されるリト――。 口元から涎を垂らしながら押し寄せる快感に溺れ、それでももっとこれ以上の快楽感を求め合うかの様に、 自らの腰を動かしぶつけ合う。 「あぁぁん!ぐ…ぐちゃぐちゃいってぇ……わ…わたしとリトのお汁が混ざり合ってぇ……すごいえっちだよぉ…!!///」 「ラ、ララぁ…!あんま…あんっ!あんま激しく……するなってぇ…!!」 「だ、だってぇ!腰とシッポが勝手にぃ!そ、それにリトだってぇ!ひゃあぁああっ!!///」 尻尾で秘裂の割れ目から上部の突起物まで満遍なく擦り合わせ、 腰をお互いに押しつけ合う様にぶつけ合い、 貪る様にディープキスを交わす。 まるで盛りのついた獣の様に、リトとララは本能のおももくままにお互いの身体を蹂躙し合う。 そして――。 「あぁぁああっ!!ラ、ララぁ!!お、オレもうっ!!///」 「わっ、わたしもぉ!!ね、ねぇ、いっしょ…一緒にぃっ!!///」 「ふわぁあっ!!い、いく!いくいく!!もうだめっ――!!///」 「きちゃあ!きちゃうよぉ!!わたしぃ、いっちゃうぅぅっ!!///」 「「ひゃあぁああーーーーー――!!!///」」 ―――――― 「――なんて事無かったの?」 「あるわけ無いでしょうがぁ!!!///」 保健室にリトの怒号が響き渡った。 「えー無いのぉ~!?なんだつまんない。私てっきり結城君の事だから既にヤる事ヤったんだと思ってたけど…。 さっきみたいな感じで♪」 御門先生がニヤニヤしながら勝手な妄想を繰り広げる。 「あのですねぇ!!そんな事ある訳無いしやる訳無いでしょうが!!オレは鬼畜か何かですか!!?」 「え?何を今更」 「どーゆー意味だそれはぁ!!?」 かなり失礼な事を言う御門先生にリトの怒り爆発。 『ピキッ』 「「…………へ?」」 不意に、空間全体にひびが入った様な音が聞こえ、氷河期に逆戻りしたかの様な極寒の冷気が辺りを包んだ。 「こ……これ…は……」 滝のような冷や汗を流しながら、冷気が漂って来る方を見ると…。 「結城……リト……」 「やっ、ヤミぃ!!?」 全身『殺気』という名の武装を施したヤミが立っていた。 「あ…あなたは……プリンセスと毎晩……そんなえっちぃ事を…///」 顔を真っ赤にしながら全身を震わせ、軽蔑の眼差しをリトに向けるヤミ。 「まままま待て待て!!今のは御門先生の妄想であってオレは決してそんな事は――!!」 必死で弁明するリトだが、ヤミの耳には全く入っていない様で――。 『ジャキッ!!』 有無を言わさぬ迫力で髪の毛を無数の刃へ変身させ――。 「死んで下さい…!///」 「ちょっ、待て――キャーーー!!!」 「きゃあっ!あなた達暴れるなら外で――!!」 そして、保健室は戦場と化した――。
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「......」 少女―――モモ・ベリア・デビルークは独り夜空を見上げ黄昏ていた。 (ここには、リトさんだけではなく、ヤミさんに春菜さん...お姉様まで連れてこられている) リトとララは勿論のこと、後の二人もリトのハーレム候補というだけでなく、大切な友達だ。 故に、彼らと殺し合う結論はありえない。 (けれど、お姉様や私を参加させたということは、あの男はそれだけの自信があるということ) ララとモモ、特にララは機械の開発において宇宙でも有数の腕前だ。 当然、地球の機器などあっさりと分解してしまうだろう。 けれど、そんな彼女をこの殺し合いに巻き込むということは、この首輪を解除されない絶対の自信があるということだ。 あの主催の男が自分達の素性を知らなかったと知らずに殺し合いに巻き込んだとは考えにくい。 だとしたら―――あくまでも普通の人間の姿をしている自分が、『怪物』とランク付けされるはずがないのだから。 (このことから、彼は少なくとも私たちの素性は知っている) 自分達が宇宙人と知った上で殺し合いに巻き込んだとすれば、逃げ道は非常に限定される。 ならばどうするか。 考えるまでもない。 (まずはリトさんたちを全員脱出させる―――そのために、首輪を集める) 首輪を集める。その意味は彼女も当然解っている。 だが、手段を選んでいては手遅れになりかねないのだ。 あの優しいリトさんやお姉様は、絶対に殺し合いに乗りはしない―――それどころか、他者に気をかけて命すら落としてしまうかもしれない。 春菜さんも、なんだかんだで非常時に強い人だ。殺し合いに乗ることはないだろう。 ヤミさんは、もしかしたら殺し屋時代のことを思いだして、殺し合いに乗ってしまうかもしれない。 けれど、彼女が手にしつつある温もりを失わせたくはない。これ以上、血に汚れさせたくない。 みんな、キレイなままで、あの騒がしい街で平和に暮らしてほしい。 故に、モモは決意した。 己の手を汚すことを厭わない。必ず、大切な彼らを生還させてみせると。 (私が『怪物』ということはお姉様はもちろん、おそらくヤミさんもそうでしょう) ランクが怪物ということは、どの首輪を手に入れても点数は1点にしかならないということだ。 つまり、必要な首輪の数は最低でも6個。 4人全員を合わせれば、最低16個も集めなければならない。 「...急がないと」 例え、大好きな者たちから、想い人から侮蔑されようとも忌み嫌われようとも構わない。 ただ、彼らが生きていてくれればそれでいい。 デビルーク星第三王女、モモ・ベリア・デビルーク―――これより、孤独の戦いに赴く。 【H-3/一日目/深夜】 【モモ・ベリア・デビルーク@TOLOVEる ダークネス】 [状態]:健康 [首輪ランク]:怪物 [装備]:ヴァイジャヤの猛毒薬品セット@魔人探偵脳噛ネウロ [道具]:基本支給品一式、 不明支給品0~2 基本方針:他の4人(リト、春菜、ララ、闇)の脱出優先 0:首輪を集める。手段は択ばない。 1:それに平行して首輪の解析も進める。 GAME START モモ・ベリア・デビルーク
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「それじゃあ……いくよ!!」 「ええ……」 リトのいつにもまして真剣な目に唯は吸い込まれそうになってしまう (あァ…私…私……) 胸においた手から激しい鼓動が伝わってくる ドキ、ドキ、ドキ、ドキ、ドキ、ドキ 両肩に置かれたリトの手に導かれる様に、唯の体はリトに引き寄せられる 「唯…」 「あっ////」 互いの息が掛かる距離まで二人は縮まり、その唇がふれる瞬間―――― 「やっ…」 「え?」 「やっぱりハレンチすぎるわこんなことッ!!」 リトの体は後ろに吹っ飛んだ 「あははははっ」 「笑いごとじゃねーよ……」 うなだれるリトの横を笑いながらララが並んで歩く 「だってリトこれで何回目なの?」 リトは頭の中で過去の唯との成績を思う浮かべその惨々な結果に溜め息をもらす 古手川唯とリトが付き合って数週間、二人の間はまったく進歩がなかった だけどリトだって男だ、これまで唯にアプローチしようと色々やってきた 体の関係なんて絶対無理。だからせめてキスぐらいはとがんばってみたはものの …… 一緒にいる時ぐらいは大丈夫だろうと手を握ろうとしては叩かれ、抓られ、怒ら れること数知れず 「リトも大変だねェ~」 にこにこ顔で楽しそうにしているララをリトは横目で睨みつける 「おまえなー人事だと思って……」 夕方の帰り道、なんだかんだと楽しそうに歩いている二人を見つめる者がいた 電柱の影に隠れて唯は校門からずっと二人の後を付けていたのだ 「ララ=サタリン=デビルーク…」 結城くんの家の同居人にして、宇宙人なんてとんでも設定の子 しかもスカートをあんなに短くして!! ララの見えそうな丈のスカートに唯の目がきびしくなってくる 「ゆ、結城くんの同居人だっていうから大目に見てきたけれど…」隣を歩くリト の楽しそうな顔を見ると、むかむかしてくる リトの腕にべたべたと腕を絡めてくるララに唯の顔付きが変わる 「結城くんに限って大丈夫だと思うけど……」 リトの唯への思い、唯のリトへの思い これはまちがいなく確かなものだと唯自身もわかっていた。 わかってはいるのだが……実際リトの周りにはカワイイ女の子が多いのも事実 同じクラスの西連寺さんに、違うクラスのルンって子、それに3年の天条院セン パイも怪しいそして――― 「ララさん!同居人だっていうけどちょっと仲がよすぎない?」 唯の中のもやもやはつのるばかり唯は気付かれないように二人の後をそっと付け ていく ぐぅ~~ぐぅ~~~ 「やだっ!こんな時に////」 夕方も廻った7時過ぎ、結城家の夕食の団欒を窓から見ていた唯のお腹がなって しまう 「ん~~だけどお腹空いたし…」唯は物陰の大きな植物の影に隠れるとかばんの 中から用意していたお菓子の数々を取り出す 「それにしても…なんなのこの大きな植物」 カロリー○イトを口に咥えながら唯は見上げるほどの大きな植物を見て呟く 「こんなの見たことないわ…まさかこれも宇宙の…?」 その時、植物に気をとられていた唯の後ろからガサゴソと音がなった 植木の陰から現れたそれは唯に飛び掛るとそのまま押し倒し口を封じようとする 「キャ…な、なんなの!?結んんッ…むぅぅ!!」 口を塞がれながらも唯は自分を襲った者を確かめようと、暗がりの中懸命に目を 凝らす 雲の間から月の光がその者を照らし出すと唯の目が大きく見開かれる (ウソ!?…結城くんじゃ…ない…) 月明かりが照らし出したその男は全身黒尽くめの服装に、頭には顔をすっぽり覆 うほどの黒の穴あき帽子を着けていた (こ、この人もしかして!?) 「ああそうだよ!この家ガキしかいねえじゃねえか。俺達みたいな連中にとっち ゃあ 絶好のターゲットになるんだぜ!!」 (た、大変だわ!早く結城くんに知らせないと!!) 唯は体を動かそうとするがびくともしない。それに男は下卑た笑みで応える 「まあ見つかったとあっちゃあ…お前もただでは済まないってわかるよな?」 男の自分を品定めするかの様な目つきに、唯の背中に怖気が走る 「へへへ、あんた彩南高の生徒だろ?あそこはなかなかカワイイ子が多いからな 俺も前々から狙ってたんだが…」唯の体がびくっと震える、男の手が制服に伸び スカートに伸ばされる 「こんなところで会えるとはな、しかもかなりの美人ときた!待ってろよ今から 俺が男を教えてやるよ!」 屈強な男の力の前では唯の力なんてないに等しい 逃げたくても逃げれない、助けを呼びたくても呼べない 恐怖が唯を包み目から涙を溢れさす 「あんたみたいなきつめな感じの子が涙を流すなんてそそるな~」顔にかかる男 の荒い息、無遠慮に触られる太もも (結城くんにも触られたことないのに…こんな…) リトの顔が声が浮かんでくる 結城くん…結城くん助けて!…助けて!! 「へへ、それじゃあ女子高生のあそこを見てみるとするか」 男の手が唯のスカートの中にもぐりこみ下着に伸ばされた、その時「グェェェェ っっ」 聞いたこともない様な奇声があたりにこだまする それはシュルシュルと鞭の様な蔦を伸ばすと男の手を足を絡めとる「へ?」 男の間抜けな声といっしょに男を天高くまで放り投げてしまった それをぼーぜんと見上げる唯の前に断末魔と共に10mの高さから落とされた男 の哀れな姿が降ってくる 「いったいなんなの……?」 乱れた服を整える唯の呟きと異変に気付いた結城家の面々が庭に飛び出してきた のは同時だった 「お前いったいなに考えてんだよっ!!!」 唯から事の顛末を聞き終えたリトの怒鳴り声が家に響き渡る 「モルボルが助けてくれたからよかったけど、お前あのままだと…ああもうくそ っ!!」 擦り傷が出来ていた唯は美柑から手当てをされながらだまってリトの話を聞いて いた その顔は後悔、自責の念、悲しみ、そして恐怖が色濃く刻まれている そんな唯の顔を見ていると怒っていいのか慰めていいのかリトはわからなくなっ てしまう 「とにかくだな、お前…」 「リト~~!唯大丈夫になった?」 扉を開けて元気に声を掛けるのは警察への連絡や事後処理を色々やってくれたラ ラだ そんなララへみんなの視線が集まる 「あれ?どうしたのみんな?」 「…ララさんちょっと!」 気を使った美柑に無理矢理部屋から連れ出されるララ 部屋にはリトと唯だけが残される「…まぁその…ホントに平気そうでよかったよ …」 「…うん…」 「……」 「……」 沈黙が続く。リトは唯にどうしていいのかわからなかった 今までの唯との経験上抱きしめてもいいのか、怒っていいのか、ただそばにいて やるだけでいいのかリトはどうしていいのかわからないもどかしさと唯に何もし てやれない悔しさでいっぱいだった。その手が赤くなるほど強く握り締められる 「ごめん…オレ下に下りてるから」 リトの背中越しに閉じられる扉の音が胸に響く (はァ~…結城くん怒ってる…)自分がしたことを考えると当然だと感じた。そ して心のどこかでリトを信じれなかった 罰があたった。 擦り傷ができた手を擦りながら唯はリトがもたれていた壁をじっと見つめる (私結城くんにどうしてほしいの?……したいことされたいこと沢山あるのに… ) 二人きりの時は手をつなぎたいし、デートだって買い物にだってたくさん行きた い 今日だって本当だったら抱きしめてほしいし、頭を撫でながら「唯大丈夫か?」 って言ってほしい ――――それに…それに結城くんが望むなら私…なんでも…… そこまで考えると唯の顔は真っ赤に染まる (そんなのダメ!ダメよ唯!!ハレンチすぎるわ////) 唯は膝を抱えると自分の体を抱きしめる様にギュッと小さくなる ――――だけど…だけど私…私だって…… と、そこで扉をノックする音に唯は顔をあげる ガチャリとドアを開けて入ってきたのは美柑だった。手にはトレイを持っている 「唯さん大丈夫?これ簡単なものだけど…お腹空いてるんじゃないかと思って」 トレイの上にはおにぎりと、みそ汁そして肉と野菜の炒め物が乗っている そのおいいそうな匂いに唯のお腹もぐぅ~っとなりだす 「あ、ありがとう////」 よほどお腹が空いていたのか唯はパクパクと料理を口に運んでいく「おいしい… すごくおいしい!!」 味に感心しきりの唯をニコニコしながら見ている美柑 「でしょ?作ってる人の腕がいいから!」 微笑む美柑をじっと見つめ返す唯(すごい!こんなに小さいのに…私こんなこと できない……) 「えっと、ところでリトのヤツから伝言があるんだけど。唯さんこれからどうす るの?」 「えっ?…これから?」 全然考えていなかった。唯はどうするのか考え込む 「…えっとリトが『よかったら今日うちに泊まっていけ』だってさ。ほらもう遅 いし」 時刻はもう10時近くになっていた 「え?と、泊まる?ここに?」 「ソ!で部屋はオレの部屋使えだってさ」 「で、でもそれだと私結城くんと、そのいっしょの…」 「ああ、リトはどうせリビングででも寝るから心配しないで。とりあえずそれ食 べたら先にお風呂入っちゃって」 それだけ言うと美柑は一階に降りていった 「と、泊まるってそんなこと…」付き合ってるといっても彼氏の家に泊まるなん て唯の中ではありえなかった 「どうしたらいいの……だけどもう遅いしそれに…」 唯の脳裏にさっきの光景がよみがえる ギュッと目をつむり頭の光景を追い出そうとする (大丈夫、大丈夫よ唯、きっと結城くんが守ってくれるわ) 唯は落ち着くまでリトの顔を思い浮かべていた 結局落ち着きを取り戻した唯はリトのうちに泊まることにした 「今日はしょうがないわ。だってこれは仕方がないことなの!」 脱衣所で服を脱ぎながら唯は誰に言っているのかぶつぶつ言い訳を繰り返してい た 「それになにも結城くんと一緒に寝るわけじゃないし!そうよ…結城くんのベッ ドを使わせてもらうだけよ!ベッドを…結城の使っているベッド……」 「あれ誰か入ってる?…あっ唯!」 「ラ、ララさんっ!?////」 ノックもなしに扉を開けたララに、唯は慌てて制服で体を隠す 「ちょ、ちょっと!あなた入ってくる時はノックぐらいしないとダメじゃない! !」 「ごめんね唯。それよりさ唯が入るんなら私も入る」 唯の返事も待たずにペケの機能を解除したララは、唯の手を引っ張って風呂場に 連れて行く 「ほら唯も早く!早く!」 「ちょっと私は…」 唯は湯船に浸かりながら溜め息を吐く (まったくどうしてこんなことになるのよ!) 「ん?なにか言った唯?」 ララの言葉にも顔をふいっとそむける唯。そんな唯の腕を取るとララは湯船から 出ようとする 「ちょっとなんなの!?」 「唯体の洗いっこしようよ」 「な!そ、そんなのイヤよ自分でするわ////」 「いいからいいから」 ララは唯を鏡の前に座らせると背中にまわってタオルにボディーソープをつけ始 める 「じゃあ最初は私が洗う番」 (結局こうなるのね……) 鏡に映る自分を見ながら唯は憂鬱な顔をする (私は今日なにしてるの……) 唯の背中をゴシゴシと泡だらけにしていくララ (結城くんを怒らせて、妹さんには気を遣わせて、ララさんには今こうして…… ッ!?///) 唯は異変に気付き自分の体を見下ろす 「あれ?唯って胸おっきいんだね!ぷにゅぷにゅしててやわらかァい」 いつの間にか背中を洗い終えたララは、手を前に回し唯の胸を触っていた 「な、な、な、なにやってるのよあなたはーーーーッ!!?///」風呂場に唯の叫 び声が響き渡る 「え!?だって唯の胸すごくやわらかいんだもん」 「だ、だからってあなた…ちょ、ちょっとやめッ!///」 ララは唯の胸の感触が気に入ったのか両手に泡をつけて揉んでいく「ちょっとや めなさっ!…あァダメ、ララさんお願いだから…んッ///」 「あはは、唯嫌がってるわりには先っちょ硬くなってきてるよ?」「ちが、違う のこれは…とにかくもうやめてっ!////」 胸を押さえて椅子から立ち上がる唯を残念そうに見つめるララ 「こ、こんなハレンチなこと…////」 「え~でもリトは唯の胸いっぱい触ってるんでしょ?私も触りたいよ~」 「ゆ、結城くんはこんなハレンチなことしないわ!!」 唯の言葉にララはきょとんとする「え?ウソ!?だってリトすごくエッチだよ」 「そんなはずはないわ!結城くんはその…エッ…は、はしたないことなんてしな いわ!!」 「そうかな~だってリトの部屋エッチな本とかビデオとかいっぱいあるよ」 ララの言葉に今度は唯がきょとんとなる 「一人でごそごそ見てたり、夜中にはぁはぁしてたり、あと……」ララの言葉一 つ一つに頭がクラクラしてくる。唯は頭を抱えて椅子に座り込んでしまう (そんな…結城くんがそんなこと……だってだって私の前じゃ…)「ねえ唯大丈 夫?」 心配そうに唯を見つめるララ 「唯ってホントにリトと何もないんだね」 「あたりまえよそんなこと!そんなハレンチなこと高校生がするなんてダメに決 まってるじゃないっ!!」 唯の言葉にララは少し考え込む 「ん~でもそれだとリトは唯になにもできないの?唯にしたいこととか、唯にし てほしいこととかきっといっぱいあると思うのに。 リト唯になにをしたらいいのかわからなくなっちゃうよ?」 さっきの事を思い出す 本当は結城くんに抱きしめられたかったこと、頭を撫でてほしかったこと リトのつらそうな顔が甦る ――――私……私は…… ――――私だって本当は結城くんと…色々したい…だけど…だけど… 「だけど…そんなハレンチはこと私は許せないわ!」 ララは少し考え込むといきなり唯に後ろから抱き着いた 「ちょ、ちょっとあなたなにするのよ!?」 「ねえ唯もっと自分の気持ちに素直になろうよ」 「ええっ?」 「私風紀のこととかよくわかんないけどそれって、リトよりも大事なことなの? 」 「それは……」 「自分の気持ちよりも大切なものなの?」 唯は言葉をつまらせる、ララの一言一言に胸の中心がチクリと痛む――――そん なこと比べられるわけないじゃない 「唯?」 俯いたままなにも話さない唯にララが心配して顔を覗き込む ――――だって、だって 唯はララの腕を振りほどくと立ち上がってララを見下ろす 「あなたに関係ないでしょう?…私のことは私が一番よくわかってるもの!!あ なたに心配されることなんてなにもないわよっ!!」唯はララに顔を背けるとそ のまま背を向けて風呂場から出て行った 唯が部屋に入ろうと扉を開けると、部屋に戻ってマンガを読んでいたリトと目が 合う すぐに目をそらすリトの態度が唯の胸を締め付ける 唯は床に置いてある丸いクッションに座るとリトの顔を横目でちらちら盗み見る さっきの風呂場での出来事が、唯の胸にどんどん不安を広げる 『なあそろそろキスぐらいしてもいいだろ?』 『なっ!そんなにダメに決まってるじゃない!そういう考えが風紀の乱れにつな がるの』 『唯、ケータイでおまえの写メ撮らせてくれよ』 『コラっ!学校に不必要な物を持ってきちゃいけません!』 ――――結城くん…… 『あのさ…手繋がないか?』 『えっ!?そ、そんなこと……できるわけ…』 『やっぱ無理だよなァ…そのごめんな唯…』 ――――私本当にこのままでいいの…… 『ん~でもそれだとリトは唯になにもできないの?唯にしたいこととか、唯にし てほしいこととかきっといっぱいあると思うのに。リト唯になにをしたらいいの かわからなくなっちゃうよ?』 ――――結城くんが望むなら私がんばって…… そこまで考えて唯は自分の考えに頭を振って否定する (ダメよ唯!そんなこと考えちゃ!私はなにも間違ってはいないわ) 一人悩み考え込む唯の姿にリトは目を向ける 「なあ唯、その…ケガはもう平気なのかよ?」 思いがけないリトの言葉に唯は伏せていた顔を上げ目を丸くさせる「え、ええ… もう平気!妹さんがちゃんとしてくれたから」 手を擦りながら応える唯の手の甲には擦り傷ができていた 白い肌に滲む赤い傷跡がよりいっそう傷を痛く見せる 「その…ごめんな唯!オレおまえが危ない時に何もできなくてさ」「えっ!?結 城…くん?」 「オレ唯に何もしてやれないししてこなかったし…おまえが不安になるのも無理 ねェって思った。怖くて泣いてる唯を見てもどうしていいのかわかんなくて…オ レ情けないよな」 ――――違うのに!そうじゃないのに… そう思ってもリトになにも言えない自分がもどかしい 「好きって気持ちだけじゃダメだってわかってんのに…。それだけじゃ足りねえ のに、オレ何やってんだよ」 ゴンッとリトが床を殴りつける音が唯の胸にも響き握り締めた手にも力が入る 「くやしくて、どうしていいのかわかんなくて、唯にどんな顔向けていいのかわ かんなくてそれでオレ…ごめんな唯」 「・・・・・ッ!!」 「オレ唯のことすげー大事に思ってる!それにずっと一緒にいれたらなって…… だからオレ…そのアア!何言いたいのかわかんなくなってきた!つまりオレは… ってあれ?唯?」 リトは慌てて唯のそばまで駆け寄る 「おまえ…どうしたんだよ?オレなにか気に障るようなこと言ったのか?」 唯は無言で首をふりふりと横に振って否定する 「じゃあなんで泣いてるんだよ?」 リトの言葉に安心した?不安になった?うれしかった?悲しかった? 自分でもわからない気持ちが後から後から溢れてきて、唯の目から涙がぽろぽろ こぼれる 「ちょ、ちょっと待て唯!おまえ泣きすぎだ…えっとティッシュ…ティッシュは ?」 女の子の涙を始めて間近で見たせいで それも普段絶対に弱気なところを見せない唯の涙、リトの頭はパニックになる 唯はそんなおろおろとするリトの手を取るとキュッと握り締める 「ええッ!!?」 その手を自分の頬に当てる唯にリトの頭はパニックを超えて沸騰しそうになって しまう 「ゆ、唯?え、えっと…おまえオレの手今…」 「…いいの!こうしていたい」 「ほ、ホントにいい…のか?」 リトの手を頬に寄せる唯は相変わらず涙をこぼしていたが、その顔は落ち着きを 取り戻していた その様子にリトはなにも言わず唯の頬をそのまま両手で包み込むようにして撫で る ――――あったかい結城くんの手それに…やさしい匂いがする 唯は目を閉じるとその手をリトの手と合わせるように握り締める ――――こんな、こんな近くに結城くんがいるのに私何してるんだろ…… 『ねえ唯もっと自分の気持ちに素直になろうよ』 ララの言葉が浮かぶ。その言葉に唯はクスっと笑ってしまう (とりあえずお礼は言っておかなきゃね…) そんな唯の様子にリトは一人困惑している 「なあ…ホントに大丈夫なのかよ?」 「本当に平気よ!それに…それにあなたが私を守ってくれるんでしょ?」 涙を目にためながら見つめる唯にリトは力強く頷いた それからしばらく二人は隣通しに座りながらぼ~っとしていた ただその手はギュッと握り締められたままで 「…あのさ…そのこれからもこうやって手繋ぎたいんだけどダメかな?」 しどろもどろに言うリトに唯は顔を背けながら返す 「別に…いいわよ。だけど…二人きりの時だけだからね∕∕∕∕ 」 「ホントか!!?」 身を乗り出して聞き返すリトに唯の顔が赤くなる 「だ、だからといって調子にのったりしないで!手だけだからね!」 「それでも全然うれしいよ!ありがとー唯!!」 そう言いながら思わず唯に抱きついてしまったリトの体がとまってしまう 「ちょ、ちょっとドサクサになにしてんの!?∕∕∕∕」 「あッ!?」 「あ、あなたねえ…さっき言ったばかりじゃない!」 腕を振り上げた唯と、思わず目をつぶりそうになるリトの二人の体がふいに止ま る 目いっぱに映るお互いの顔と鼻にかかる甘い吐息 数センチしか離れていない至近距離で見つめあうリトと唯 どちらかの喉がゴクリと鳴る 「なあ…キスしてもいいか?∕∕∕∕」 唯は答えることができず唇を噛締める リトはその身をさらに唯に寄せると、唯の細い腰に手を回して体を引き寄せる 唯は思わず抗議の声を出そうとリトの胸に手を置いてしまう 「イヤならこのまま突き飛ばしてもいいんだぞ?」 答えることのできない唯は体を硬くする。リトの手に唯のぬくもりと小さな震え が伝わってくる 「唯?」 リトのやさしい声、いつもと変わらない匂いが唯を包んでいく ドクン、ドクン、ドクン、ドクンお互いの鼓動が聞こえ伝わってくる 「…結城くん、私…こんな私でも本当にいいの?」 不安そうな顔を向ける唯にリトは笑いかける 「なに言ってんだよ!そりゃあ色々きびしいし融通が利かないところもあるけど な」 リトの言葉に唯はムッとしてしまう 「けど、けどオレ唯が好きだ!怒ったところも笑ってるところも、拗ねてるとこ ろも 照れてるところもみんなみんな大事で大好きだ!」 リトの顔を見てるだけで心がくすぐられる 体の芯からあったかくなる 唯はそんな自分にクスリと笑う、それはリトにとったら極上の笑顔であり、リト の心の全てを鷲掴むには十分すぎた リトの手に力が入る ――――結城くん、私あなたで良かった。結城くんを好きになって本当に良かっ た 「結城くん、好きよ大好き」 それはリトには聞こえない唯だけの呟き 長くて短い、甘くてとろけるような時間が二人を包んでいく その感触に唯はそっと目を閉じて愛しい人を待つ お互いの気持ちをのせて二人は初めてのキスを交わす 授業も終わり、人気のない放課後の教室で唯は一人黒板をきれいに拭いていた 委員長選挙で敗れたとはいえ唯の風紀への考えは何一つとして変わらなかった 唯曰く 『委員長だとかそうじゃないとか関係なく、気づいた人がどんどん風紀活動をす るべきだわ!そうじゃないとこの学校の秩序が守れなくなるし―――……』 頭の痛くなる唯の力説を頭の中から追い出すと、リトは教室の後ろの壁にもたれ ながら何回目かになる欠伸を噛殺していた (ダルい……みんなとっくに帰ったっていうのにオレ達は教室でなにやってんだ ?) けれどそんな気持ちとは裏腹に今も一生懸命黒板を拭いている唯を見ていると自 然と笑みがこぼれてくる リトと唯二人の出会いは最悪といっても過言ではなかった。ララのせいで唯には 変な誤解を与えるし、おかしな発明のせいでボコられ散々だった けれど今となってはいい思い出?だった。少なくともリトの中ではリトが思い出 に浸っていると唯が黒板の上の淵を拭こうと一所懸命腕を伸ばしていた 身長が平均的な唯にとって黒板の上の方は届きにくく、いつも困っていた 「ほら、雑巾貸してみろよ」 だからいつも最後はリトの役目になっていた 「ありがとう」 なんだかんだで付き合ってから色々あった二人の距離はずっと縮まり、唯も素直 にリトへ自分の気持ちを言うようになってきていた そんな微妙な距離が心地いいのかリトは二人きりになれるこの時間帯が好きにな っていた 「……よし終わったぜ!こんなもんでいいだろ?」 唯は一通り黒板を見回すと満足げに頷きリトの手から雑巾を取ろうと手を伸ばす リトはその手を逆に掴み返すと唯の体を自分に引き寄せる 「ちょ、ちょっと!なんなの?」「唯、ご褒美は?」 リトは少しいじわるく笑うと顔を近づける 「ご褒美っていったいどういうつも…んんっ!∕∕∕∕」 リトの熱い抱擁とキス。誰もいない教室の中で二人の影は一つになっていく 唯にとってキスはいまだに抵抗があった、まして人がいないといっても学校の中 嫌でも頭の中にいつものハレンチなっと風紀の乱れという言葉が横切る (だけど…だけど私結城くんのキスに勝てないな……) リトとのキス、甘い時間とぬくもりにこの時ばかりは唯も一人の女の子になって しまう 目を閉じてもわかるリトの顔と息遣い。唯の胸はどんどん高鳴っていく リトは一度唯から離れると息を整える。間近にある好きな人の顔に二人の頬も自 然と赤くなっていくなにも言わずに照れている唯を見ているとリトの中の理性が 動き出す リトは唯の腰に手を回すとぐいっと引き寄せ体を密着させる 制服越しに伝わる唯のやわらかい胸の感触があったかい体温がリトの男の部分を 刺激する リトは再び唇を重ねる。今度はさっきよりも激しくさらにもう一歩進めて 「ん、んんッ…うん!」 口の中に進入してくる異変に気づくと唯はどんっとリトを突き飛ばした 荒い息を吐いてむっと睨み付ける唯 初めてのキスから2週間あまり、それから二人は何度もキスを重ねてきた だけど日に日にエスカレートしていくリトの行動に唯は少し困惑していた リトのしたいこと考えていること、教科書程度の知識しかない唯でも本能的にわ かってしまうこと、つまり大人の関係になりたい 唯だって女の子だ、そりゃ好きな人から求められたり思ってくれたりされるとう れしい リトと手を繋ぎキスをするだけで幸せに包まれる、だからそれ以上のことを求め るのは唯にだってすごくわかる、わかるのだが…… 「……私帰るわ」 くるりと背を向けて帰り支度を始める唯の後を、ばつが悪そうにリトが追いかけ る 並んで歩く二人は無言。リトもさすがに言葉が出てこない 居心地の悪そうなリトの手に唯は何も言わずにそっと手を伸ばす 絡み合う指と手が二人の中心でギュッと重なり合う 唯なりの「さっきはごめんね」の気持ちなのか唯はリトから赤くなっている顔を 隠す様にそっぽを向いていた そんな唯にリトはくすくす笑ってしまう。唯の顔はますます赤くなっていた 家に帰ると唯はすぐにベッドに横になった 唇に残るリトの感触に指を這わせる 唯にとってリトのしたいことは痛いほどわかっていた。わかっているからこそ拒 絶も大きくなる 「だってそんなこと…できるわけが……」 だけどそれと同時にリトを求めている自分もいることに唯はとまどってもいた 最初はぎこちなかったキスも今は多少の照れと抵抗だけでできる なによりリトのキスを待っている望んでいる自分がいること 「結城くん……」 最近はリトを思うだけで体が勝手に熱くなる 今だってじんじんと熱くなっていく下腹部 「私結城くんを求めてるの?……ダメよそんなこと!…そんなハレンチなこと… 」 体の素直な反応を頭で拒絶すると唯は汗ばむ手をギュッと握り締めた 翌日の学校 今日も相変わらずなクラスの面々が帰った後、二人は授業に使った道具を直すた め体育倉庫を整理していた 「なんでここはいつもこんなに散らかってんだよ!」 ぶつぶつ文句を言うリトだったが唯以上に汗と埃にまみれながらも動いていた 唯はそんなリトのやさしさが誰よりも好きだった。自然と顔もほころんでくる 「よし!終わったー!!」 最後の道具を片付けるとさすがに疲れてのか二人はマットの上に座り休憩する 少し砂埃のついた体操服を気にする唯に、リトは手で砂を払い落としていく なにげないリトのやさしさが胸に響く 唯はそんなリトを見つめると昨日から思い悩んでいた事を打ち明けようと口を開 く 「あの結城……」 「あっ!リトこんなとこにいたんだ」 唯の言葉を割いていつもの声が体育倉庫にこだます 入り口に制服に着替えたララが立っていた 「ララ?なんかあったのか?」 「やっと見つけたー!こんな所にかくれちゃってもーっ!!」 ララはリトのところまで駆け寄るといつもと同じ調子で腕に抱きつく その様子に唯の表情が変わる 「へへへ、実は美柑から買い物頼まれてるの。だからリトもいっしょに行こ!」 「お、おいちょっと待て!誰も行くだなんて言ってねえだろ?痛いっひっぱるな よ!」 リトの腕を取るとそのまま連れて行こうとするララに唯が立ち上がる 「あなたちょっと待ちなさい!」「なーんだ唯か~、いたんだ」 「なんだとは何よ!気やすく呼ばないでっ!!だいたい結城くんは今私を手伝っ てくれているの!あなたの用事はそれからでもいいでしょ?」 「え~でも唯の用事ってもう終わってるんでしょ?」 ララの返しに言葉をつまらせる唯。確かに作業は終わって休憩していたのだが… … 「…だ、だからといって勝手に結城くんを連れて行かないで!」 「そんなこと言っても私もリトに用事があるし……ん~というか唯、今日はなん だかリトを離したがらないね?」 その言葉に唯の体がビクッと震える 「どうしたの唯?」 「べっ、別にそんなことは…それに私は結城くんのか、彼女なわけだし…だ、だ いたいあなたに私たちのことは関係ないでしょっ!!?」 唯の声の大きさに驚いたララは大きな目をさらに大きくさせる 「……そうだよね。リトと唯は付き合ってるんだしごめんね!私二人の邪魔しち ゃった」 ララは申し訳なさそうな顔をするとそのまま倉庫から出て行った 「お、おいララ?唯おまえなんであんな大声で言うんだよ?ララびっくりしてた じゃねえか」 唯は顔を俯かせてなにも答えない「とにかくオレララを追っかけてくるからおま えちゃんと謝れよ?」 「…嫌……」 「へ?」 「行かないで結城くん…」 いつもの唯とは違う甘えた猫の様なくすぐったい様な声にリトは反応できない 「私のそばにいて……お願い…」「あ、ああ…」 唯の声に力が抜けていくような気のない返事をするとリトは唯の隣に座る (どうしたんだ唯のヤツ…) 唯の横顔を覗き込むリトの目にいつもと様子が違う唯が映る 俯いているため少し影になっているが、少し潤んだ黒い瞳に白い頬を赤くさせて 、なにか考え事をしている唯はすごく色っぽくて、リトの心臓をドキリとさせる 「な、なあどうしたんだよ?」 唯はゆっくり顔を上げると恥ずかしいのかあさっての方向を見つめる 「……嫌なの」 「え?」 「…嫌なの!結城くんが私以外の人と一緒にいるの∕∕∕∕ 」 きょとんとしているリトを見つめる唯の顔がみるみる真っ赤に染まっていく 「…えっと…∕∕∕∕」 (そうじゃなくてなんとか言いなさいよ!∕∕∕∕) リトの言葉を待っている間も唯の心臓は破裂しそうなほどドキドキしていた 自分の言った言葉が何度も頭の中で反芻される (…私なに言ってるのよ……∕∕∕) 自分自身でも驚いていた。リトと出会ってからの変化、初めて抱く異性への感情 唯は恐る恐るリトを見る。唯の体は緊張と恥ずかしさのため少し震えていた そんな唯の震える手をリトはギュッと握り締める 「別に唯から離れるわけじゃねえから…その心配すんなよ∕∕∕ 」 「え…ええ…∕∕∕」 「……」 「……」 沈黙が続き慌しかった倉庫内に静けさが満ちていく 二人は手を握り合ったまま言葉を探す 「「あ、あのさ(ね)」」 ハモッてしまった声にまた黙ってしまう 「な、なんだよ?」 「結城くんこそ…」 「…そういえばお前さっきオレに何か言おうとしてなかったか?」その言葉に唯 の心臓の音がドクンと大きくなる 「べ、別になにも…∕∕∕」 俯き顔を赤らめる唯の横顔をリトはじっと見つめる 普段の毅然とした強気な唯も好きだが今みたいなしおらしい唯も…… (か、カワイイ…) 唯にデレデレになる顔を引き締めるとリトは意を決したのか唯の肩に手を回す 「なあ唯?」 「なによ?…あっ!またご褒美?ダメよあんなこと何回…」 「そうじゃねえよ!そうじゃなくて」 近づくリトの体が唯に密着していく。自分を見つめるリトの真剣な顔に唯の胸は 高鳴る 「な、なんなの…?∕∕∕∕」 「オレお前がほしいんだ。キスとかじゃなくて唯の全てがほしいんだ」 「えぇ!?」 唯自身も昨日から色々考えていたがまさかリトの口からそれもストレートに言わ れるとは思ってもいなかった 「ダメ…か?」 「えっと…ダメ…じゃ…」 ――――ダメじゃない私だって本当は結城くんともっと… ボソボソとしか言わない唯の口にリトの唇が近づいていく 「あッ…ちょ…っと」 「なにも言わないってことはOKってことだよな?」 リトは唯の唇に自分のを重ねていく。いつもと同じ触れ合うだけのキス リトは一度唯から離れると唯の目を見つめながら再び重ねていく 「ん、んッ…」 肩に回した手で唯の体を引き寄せる。唯は抵抗しようとリトを押し返す様に胸元 に手を伸ばすが、次第にその手も力を失い逆にリトの体操服をギュッと掴む 「唯…好きだ…」 「うん…∕∕∕∕」 何度も重ねては離れあう唇に次第に二人の息も熱くなっていく リトは唯を強く抱きしめるとその口に貪る様に唇をあてる 驚いて目を丸くしている唯の口内にすばやく舌を入れると中を舐めまわしていく (な、なな何なのこれ―――ッ!?) 自分の思い描いていたそれとはずいぶん掛け離れたキスに唯の中で次第に嫌悪感 が増していく 「んッ…んん、うん…ちょ、じゅる…ちょっと待っ…」 リトは薄目を開けて唯の表情を覗き込む、その目にはあきらかな不信感があった 「ご、ごめん…」 申し訳なさを顔いっぱいに表しながらリトは声を落としていく 「オレやっぱ…ダメだな…自分のコトしか考えてねえな…」 「……待って!」 唯は肩を落とし倉庫から出て行こうとするリトを呼び止める 「べ、別にあのキスが嫌なだけで…結城くんとするのが嫌ってわけじゃ…」 もごもごと話す唯だったがその手はリトの体操服の袖を引っ張っていた それは自分でも気づかない、唯自身の心の中を表す無意識の行動 「それじゃあ?」 「う…うん、だけど変なことしないでよ……」 その言葉に自然と顔がほころんでくる。リトは唯の両肩に手を置くとキスをする 何度も味わいたいずっとそうしていたい気持ちをぐっと我慢して、リトはそのま ま口を首筋へと這わせる 初めて触れる唯の首筋。白くなめらかな肌へと口を這わす度にリトの息が首にか かる 「んッ…」 小さく震える唯の体。その背中に腕を回しギュッと抱きしめる やわらかい、女の子特有の体の感触にリトは息を呑む 普段腕や体に抱きついてくるララとは違う感触、もっと特別な何かリトはさっき から一言もしゃべらない唯の緊張を解してやろうと首を舌で愛撫していく 左右に這わされる舌が唾液の線を薄く描き、リトが軽くキスを繰り返すたびに首 筋に赤い印が浮かぶ「あッ…ん、ん」 唯の髪を撫でる度に流れるシャンプーの香り、体操服に染み込んだ唯自身の匂い と少し掻いている汗の匂い 嫌でも反応してしまう男のモノが唯の太ももに押し付けられる 「ゆ、結城くんッ…ちょっと…」「えっ?何?」 リトは唯から離れると自分の自己主張しているソレに気づき赤面する 「うわッ!わ、悪い…そんなつもりじゃなくてッ!!これはその…」 必死に弁明をするリトがおもしろいのか唯はクスクスと笑い出す 「笑うなよな…男はいろいろあるんだよ…」 尚も笑い続ける唯にリトはムッと来たのか唯の体を抱き上げると床に敷いてある マットに寝かせる びっくりした唯が抗議の声をあげる前にリトはさっきから気になっていたところ に手を這わせる 短パンから伸びるスラリとした長い脚に太もも。やわらかい肉の感触が撫でる度 に手に伝わる 「ちょっとやめッ…くすぐったい…」 体をくねらせて悶える唯にリトは身を屈めて顔を近づけさせる 「結城くん……?何する気なの…ひゃッ!?」 唯の体がビクンと跳ねる。リトが手で太ももを揉みながらその舌で吸い付いたか らだ 「やめッ…あァ、んッ」 ピクンピクンと反応する唯の表情を上目遣いで追いながらリトは舌を滑らせてい く 黒いソックスの上から足の指を丁寧に舐め取り、膝に内股と何往復もされる舌に 唯の口から喘ぎが聞こえてくる 笑われたお返しなのかリトは少し意地悪な笑みを浮かべると、太ももの付け根へ と舌を伸ばす 太ももをつーっと伝う唾が短パンの中へと落ちていく、その感触に唯は寝ていた 上体を起こして声を荒げる 「ちょっと!どこ舐めようとしてるのよ!?」 「どこっておまえのあそこ」 「あ、あ、あそこって……あ、あなた何考えてるのよーーッ!?」 それから「汚い」とか「ハレンチな」とか「変態」とか散々言われ続けたリトだ ったが なんとか説得を続けること10分。ようやく折れた唯は仕方ないといった感じで またマットに寝ていた 「へ、変なことしないでよね!絶対よっ!」 「もうわかったから!わかってるから心配すんなよ」 まだ何か言い足りないのか唯は苦い表情をすると小さく溜め息を吐く 好きな人とはいえエッチをすることがこんなにも大変なことなのか唯の中の世界 はだんだんと壊れ始めてきていた 短パンに手をかけるリトを見ていると思う (私これから結城くんに自分のあそこ……見られるのね…) 初めて誰かに見せる自分の大切なところ、自分以外知らない大事な部分 (大丈夫なの……?私のって変じゃ…ないのかな…) 次第に膨らむ不安が唯を戸惑わせる。短パンを少しずつ脱がしていくリトの手を 唯は掴んでしまう 「や、やっぱり…」 「あのな…さっきも言ったろ?心配すんなって、な?」 不安に塗りつぶされている心もリトのその言葉で少し楽になれる 唯は手を離すと横を向いてリトに全てを任せる スルスルと脱がせれる短パンの下からシンプルなデザインの白のショーツが見え てくる (へ~唯らしいな) リトは声に出さず感想をこぼすと少し唯の脚を広げてやる 白の生地にうっすらと染みをつくっているその部分にリトは釘付けになってしま う 本能が体を支配していくが小さく震える唯の体が、ショーツの上から指を這わし たい衝動を必死に押さえ込ませる 「……それじゃあ脱がすな?」 何も言わない唯は顔を真っ赤にしてそっぽを向いたまま 薄い布地はリトの手で簡単に脱がされていく。外気にさらされた下腹部に体がピ クンと震える まだ閉じられたままの唯の秘所はヒダの部分がすでに濡れており中の状態をリト に容易に想像させる耳まで真っ赤になっている唯は体をゆすって少し身を引いて しまうただでさえリトに見られているのに、リトの唾を飲み込む音が唯の羞恥心 をさらに煽る 「……っ!!」 恥ずかしさの限界なのか唯は思わず脚を閉じて大事なところを隠そうとする その脚をリトは両手で押さえ込み、ゆっくりと脚を広げていく 恥ずかしさで体を震えさせる唯に反して、閉じられたままの秘所は脚が広げられ ると同時に、その口を薄く開けて中身をリトの晒す ぬらぬらと愛液で光るピンク色の肉壁と花弁がリトに淫靡な光景を見せる 「すっげーこれが唯の…」 「ちょっと!あんまりじろじろ見ないでよ…恥ずかしい∕∕∕」 リトは唯の声も耳に入ってこないのか欲望の赴くままに指を近づけさせる くちゅっという音と共にリトの指は膣へと入っていく 膣内はリトが思っていた以上にあったかく、また絡みつく様な肉壁の感触に、 指を入れただけで溢れ出す愛液に息を呑む 「す、すげー…」 リトが軽く指を折り曲げると中でいやらしい水音が鳴り、唯の口から息が漏れる 身をくねらせてリトから離れようとする唯に、リトは慌てて声をかける 「ごめんッ!これ痛かったのか?」 唯は首を振って否定するもリトは心配そうに見つめる 「だい、大丈夫…だから、い…いわよ」 震える口でなんとか話す唯にリトは不安を拭えない それでも唯の体を触りたいという男の悲しい性がリトを突き動かす初めての経験 がリトから余裕と理性を奪い取っていく。そしてそれは唯も同じだった 実は風紀活動の一環として男子からエロ本を何度も取り上げてきた唯は、将来の ために これも勉強と自分に言い聞かせてこっそり読んでいたりしていたのだが…… (何なのこれ!本と全然違うじゃないっ) リトの指が動く度に体に走る快感の波が唯の頭を掻き乱す 今まで経験したことのない気持ちよさに唯は次第にその身を任せるようになって いく 「んッ、あァ…うぅん」 普段なら考えられない、死んでも口に出さない様な声が自然と出てくる 「いやァ…あァ、んっ…はあ」 口は拒絶の声を出しても体がそれを求めてしまう 自分の秘部から溢れる蜜が卑猥な音を鳴らす度に下腹部に走る快感――――私、 結城くんに…… 割れ目を押し広げてリトの二本目の指が入ってくる ――――私、結城くんをもっと…… 思考が乱されまともに考えられなくなっていく 体を包む快感と、そして愛しい人のリトの愛撫が唯を一人の女に変えていく 「あッ…んんっ、はァああ…」 短い吐息がいくつもいくつも重なり合わさり喘ぎへとなっていく そしてそれはリトのモノを刺激させるのは十分で、次第に我慢できなくなったリ トは 荒い息を吐きながら割れ目へと口を近づけさせる リトの指が徐々に激しさを増していく。その度に唯の体にぞくぞくとした感触が 下腹部から這い上がってくる 「あッん…ちょっとそん、なに指動かさないでッ、んんッ」 仰け反ってしまう体に言葉がうまく話せない ぐちゅぐちゅと泡立つほどに掻き回される秘所からは、愛液がマットをびちょび ちょに 濡らすほどに溢れ出し倉庫に独特な匂いがたちこめる 「んッあぁ…んっ、うんっ…」 掻き回される度に握り締めた指がマットで滑りその上に爪あとを残していく (やだッ変になる…頭の中がおかしくなっちゃうッ!) ギュッと目を閉じ冷静になろうとするが本能がそれを許さない ビクビクと震える体とリトを求めてしまう自分に唯は負けそうになってしまう そんな唯を見ているとリトは愛液でべちょべちょになった指を引き抜き ピクピクと動く秘所へ口を這わせていく 秘所に近づく熱い吐息に、唯は反射的に身を起こしてリトの頭を掴む 「ちょっと何してるの!?そんなところ汚い…」 「汚くなんかねーよ」 リトは頭から手をどかせると愛液でたっぷり濡れた秘部へとキスをする 「あッ…」 唇が触れただけで唯の体がぞわぞわと波打つ 「う、んんッ…あァ」 ヒダを押し広げて熱くざらついたリトの舌が進入してくる (う、そ…結城、くんの舌が入ってきてる…) 二度目の異物の挿入に唯の中で不安とそしてリトへの期待が膨らんでくる 膣内で動き回る舌に最初こそ気持ち悪さでいっぱいだった感触は、次第に興奮と 気持ちよさへと変わっていく 「はァ…うぅ、ん」 ぴちゃぴちゃと舐め回っているリトを唯は盗み見る (…結城くんすごいエッチな顔してる……) 始めて見るかもしれないリトの牡の顔に、唯の中の女の部分が刺激を受ける そんな唯の変化に気づいているのかいないのか、リトの口は休むことなく動いて いく 「唯の味と匂いがする…」 「な、なに変なコト言ってんッ…あァダメェ」 唯の反応が楽しいのかリトは唯の弱いところを見つけようと必死に舌を這わして いく そしてそれは唯の感度を上げるには十分すぎるもので――― 「あッ、ふぁァ…う、んんッ」 ビクビクと反応する唯にリトの目が輝く (へ~唯って奥よりも入り口のほうがいいのか…?じゃあ……) リトの指がすっと伸びていき赤く充血しているソレに触れる 「ああッ!!」 触れるだけで声を喘がしてしまう唯にリトはますます興奮する 爪で包皮をキレイに剥くと、大きくなっているクリトリスを指の間に挟んで転が していく 「あ、あッ…やめ、んんッ」 指で摘まれて軽く抓られてリトの執拗な責めに、唯の太ももはガクガクと震えだ す 舌で膣内を掻き回され指でクリトリスを弄られる。敏感なところを同時に責めら れ 唯の額に汗が浮かび口からは涎がこぼれてくる 「あッく…はッあァ、んんッ…」じゅるじゅると愛液をすする音が倉庫に響きそ の音が唯の羞恥心を煽る (私結城くんに体全部見られてる) 見られて、触られて、感じさせられ唯の中でこれまで経験したことのない感情が 芽生える それは嫌悪感?官能的な快感? 自分でもわからないそれは唯自身を昂らせる ―――――結城くん 昨日ベッドの上で感じた疼きにも似た感触が全身を包んでいく ―――――私結城くんがもっと 唯の足が自然とリトの首に回される 唯の腰がリトの舌の動きに合わせて少しずつ動かされる 今ならリトに全てを見せられる。今ならリトのためになんでもできる ―――――だから、だからもっともっと結城が欲しい、結城くんを感じたい 唯はリトの頭を掴み、髪がくしゃくしゃになるまで自分の秘部へと押し付ける (すごいッ…結城くんの舌が私の中ムチャクチャに犯してるみたい…) 愛しい人の前で股を開き、口からは喘ぎを漏らしリトを求める自分これまでの日 常からはかけ離れた世界が唯を変えていく リトは舌を引き抜くと愛液と唾液で濡れる顎で唯を見つめる 黒い瞳を潤めて見つめ返す唯の太ももにキスをすると自ら下着と短パンを脱ぎ去 り 勃起した肉棒を唯の割れ目にあてる 「…いくぞ?」 無言で頷く唯にリトはズブズブと膣内へと挿入していく 中はリトが思っている以上にきつくてすぐに動けなくなる 唯の膣内は強烈な締め付けでリトを包み込んで離そうとはしない その締め付けだけでリトはイきそうになる自分を根性で押さえ込む(こんなとこ ろで出すわけには……!!) 歯を食いしばるリトの様子に唯は心配そうな顔を向ける その顔になんとか笑顔で答えるもそんな余裕はすぐに掻き消える 「唯ッ…ごめんもうちょっと力…抜いてくれねえか?」 「えっ…そんなこと言っても…んッ」 熱く硬いリトのモノを唯は必死で受け入れようとする リトのためになんとかしたいと思ったが、唯自身自分のことで精一杯だった そんな唯の様子にリトは唯の腰を掴むと、少しずつ少しずつ中へと入れていく しばらくすると肉棒の先端が膜にあたる感触に二人の動きが止まる「結城くん… お願い」 リトは腰をぐいっと引き寄せると一気に処女膜を貫く 「んーーーッ!!」 目をつむって痛みに耐える唯の顔にリトは顔を歪める 「ごめん唯!もうちょっと、もうちょっとだけ我慢してくれ」 唯は痛む下腹部を無視してリトの体を抱き寄せる 目に涙を浮かべる唯の横顔、綺麗な黒髪から香るシャンプーの匂い、そしてなに より唯自身の匂い すぐにでも吐き出してしまいたい欲望をぐっと我慢すると、リトは唯の負担を減 らそうと腰の動きを抑える 「はっあァ、んんっ…あァあっ」少しずつその声に喘ぎが混じっていき顔から苦 痛が消えていく 「ゆ、結城くん…結城、くん…」リトは唯が愛しくてたまらなかった。その体を その声を心を唯の全てが欲しかった そうしないと唯を誰かに奪われてしまいそうで、唯を失ってしまいそうで…… ギュッと力強く抱きしめるリトの胸の中で、唯はそんなリトの気持ちにぬくもり に包まれていく 「結城…くん、我慢しなくてもいいわよ…私もう大、丈夫だから」リトは唯にキ スをすると舌を絡ませ唾液を貪っていく 「んんッ、はぁ…んっ」 腰を打ち付ける度に唯の体が小さく震えリトを包む膣内もギュッと締まっていく 「唯オレ…もうっ!ごめん」 「うん…」 リトの腰が激しさを増し唯の中を掻き回していく 「あッ…んんっ、…ああッんん!」 リトは肉棒を引き抜くと唯の白いお腹に白濁した欲望をぶちまける荒い息を吐き ながら唯はお腹から流れ落ちる精液を指で掬い取る 「はぁ、はぁ…はぁすごい白くてネバネバしてる…それに結城くんのまだ…ビュ クビュク出てる…」 そしてそれから10数分後―――――― 「んんッ、あっあァ」 リトは唯の秘所から流れ出す血と共に愛液を啜っている。口の中に広がる唯の味 と鉄錆の匂いに夢中になる 「唯、もうここ平気か?」 唯は震える様に首を縦に振る まだじんじんと鈍い痛みが残っているがリトに舐められると不思議と痛みが和ら いでくる 舐められる快感と痛みの間で唯は必死に体に力を入れる 「ね、ねえ?どうしてこんな格好なの?……すごく恥ずかしいんだけど…」 唯は今マットの上でリトの手によって四つん這いにさせられていた「えっなんで って……唯のこういう格好が見たいからじゃダメ?」「……な、何よそれーッ! !」 唯は顔を真っ赤にして立ち上がろうとするがそれをリトは体を抱きしめて阻止す る 「ちょ、ちょっとやめてよッ!冗談じゃないわ、こんな犬みたいな格好よくも… …」 思い出すだけでも恥ずかしいのか唯の握り締めた手がぷるぷる震える 「なんで?さっきまであんなに素直だったじゃねえか?」 「あ、あの時と今はもう違うのッ!もう終わったことなの∕∕∕ 」 「オレはまだ終わってねえよッ!!」 リトは唯を再び四つん這いにさせると蜜があふれている秘所へと指を入れる 「やッ、また指なんて入れて…あッ、もう…ダメぇ」 リトは唯の意見を無視するかのように中を掻き混ぜていく。もう膜のない膣内は さっきまでとは違ってリトの指を絡めて離そうとはしない 「本当にもうッ…ダメなんだったらぁ、結城くん聞いてるの?」 「…聞いてるよ。けどおまえのココ、もうオレを離そうとはしてないみたいだぜ 」 ぐちゅぐちゅと音が鳴るたびにと蜜が溢れる感触が唯に伝わる リトの指が動くたび太ももに伝う愛液がマットに染みをつくっていく 「あッ、だからってさっき一度終わって…んんッ」 リトは唯の口を黙らせる様に前後に激しく指を動かす。その数は二本へと増え三 本目が割れ目に触れたところで唯はリトを振り返る すぶすぶと入っていく未体験の感触に唯は背中を仰け反らせて歯を食いしばる 「ああッ…あ、くッ…結、城くん…それキツすぎる…」 「大丈夫だって、すぐに慣れるから」 手が前後に動くだけで膣内は掻き回され、肉壁は指で擦られ唯の下半身は早くも ガクガクになってしまう 「ああ、んんッ…やァ、あア」 快感が体を駆け巡り、唯は姿勢を維持できなくなってしまうと上半身をマットに 倒れこませる そしてそれは下腹部をリトに突き出す姿勢。リトの興奮はますます高まる ふるふると震えるお尻に指を這わすとラインにそって揉んでいく 「あッふァ…や、やめ、こんなの激しすぎるッ」 「…けどそれがいいんだろ?」 耳元で囁かれるリトの言葉に唯はビクッとなる こんな格好もリトの乱暴さも嫌なのに、嫌なのに…だけど体が……リトの指が出 し入れされる度に、唯の脳裏にさっきリトと繋がっていた時の感触が蘇る お尻を揉まれる度にまたリトを求めだす自分が現れる 下腹部が疼きだし、甘い言葉が唯の思考を満たしていく ――――また結城くんが欲しい、今だけ今だけ……これが終わればいつもの様に 唯はリトを見つめると潤んだ瞳で懇願する。その口は何かを言いたいのかパクパ クと動かしている 「唯どうしたいんだ?」 「…私、私……」 頭ではわかってはいても心のどこかがそれを邪魔しようとする 普段ならここで終わってしまう唯だが、この独特な雰囲気が唯を後押しする 「…私…結城くんと、また……一つになりたい」 リトは唯をまた四つん這いにさせると蜜でぐちゅぐちゅになっている割れ目に再 び勃起したモノを入れていく さっきとは違ってすんなり入るかと思っていたが中はまだまだ狭く、ギュウギュ ウとリトを締め付ける リトは唯の腰を使って一気に奥まで挿入すると、荒い息を吐きながら腰を振って いく パンッパンッと肉がぶつかる音が響き倉庫に厭らしさが満ちていく「あッ、ん… んん…はァあ」 リトは唯の体に膣内の気持ちよさに夢中になっていた。さっきまでの様なやさし さはなくただ欲望にまかせて腰を動かしていく (すげー…とろけるぐらい気持ちいい…) 中は相変わらずきつかったが少しずつ膣内はリトの形に合わせてくる。唯の膣は リトを受け入れるためだけのものになっていく (そうだよ…唯はオレだけの……オレだけの唯なんだ……) 「はあッ、んんッ…ゆ、結城くん…もう少しゆっくり、激しすぎて私ッ」 腰だけじゃなく体全体をガクガクと震わせる唯にリトは深く奥まで突き刺す 「ああッ、やァ…結城くんのがあたって…んッ」 「……唯知ってるか?…おまえって結構モテるんだぞ」 突然のリトの言葉に唯はとっさに反応できない 「隠れファンっていうのかな、みんなおまえを狙ってるんだ」 「そ、そんな…こと知らないし、それに私には…んッ、結城くん…が…」 「ああそうだよな。だからみんなオレを羨ましがってさ…」 リトは唯の背中の体操服を捲り上げ、その白い肌を晒す 「この体欲しいんだってさ…自由にしたいんだよみんな」 汗にまみれる背中に舌を這わしていく 「ひゃッ、ああっ…んっんんッ」背中で留めているブラのホックを口で器用に外 していく 「この脚も、太ももも、腰も髪も胸も顔もみんな…みんな狙ってるんだ」 ブラがマットに落ち露わになった胸へリトの手が吸い込まれていく手のひらより 少し大きめの唯の胸が、手の中で形を変えリトに弄られていく 腰を振る度にぷるぷると振るえるやわらかさが、白いすべすべの張りがリトを夢 中にさせていく すでに大きくなっている乳首を指で摘むとコリコリと動かす仕草に唯はピクンピ クンと反応する 「それダメッ…おかしく、頭が変になっちゃ…ああァ、んんッ」 リトは腰の動きを加速させるともっと奥に、もっと捻じ込むように角度を変えて いく 「いッ、あァァ…もうやめ、てェおかしくなる…おかしくなっちゃう」 「唯…唯…唯…」 何度も自分の名前を呼ぶリトに唯は愛しさでいっぱいになる だからこのまま…リトにムチャクチャにされても…… 「あッふッ、ああ…ダメェも、もう…私ッ……あ、あああァァッ!!」 唯の体で何かが弾け全身を駆け巡っていく 「はッ、はぁ…んッは…ァァ…」唯にとって初めての感覚が体の自由を奪ってい く。ビクンッビクンッと震える下腹部にそっとキスをするとリトは自分のモノを 引き抜く 「はあ…はぁ何なの…これ?すごい……」 「気持ちよかった?」 唯は首を振って笑顔を作る。その笑顔にリトは唯をギュッと抱きしめる 「ゆ、結城くん?ちょっとどうしたの?」 唯はリトの異変を察知し体を引き離すと、目の前のつらそうなリトの顔に困惑し てしまう 「…なあ唯……おまえはオレの…だよな?」 唯は目を丸くするとくすっと笑いながらそっとリトの頭を撫でていく。さっき責 められていた時のリトの言葉の数々が浮かぶ ――――私だけじゃなくて結城くんもいろいろあるのね…… 唯はリトにキスをするとわざとツンっとそっぽを向く 「そんなの当たり前じゃない!それとも何?結城くんは私が信じられないとでも 言うわけ?」 「そんなわけねえだろッ!!ただオレは……」 「…だったらそれでいいじゃない!私は結城くんが好きで、結城くんも私が好き なんでしょ?だったらそれでいいじゃない、ね?」 唯の言葉にリトは笑い出す 「ああそうだな…それでいいよな…」 リトは唯にキスをすると再びマットに寝かせた リトは唯の体操服を全部脱がせる。身に着けている物はソックスだけになるの唯 の姿 「……ムチャクチャキレイだ…」「あ、ありがとう…」 「胸触ってもいい?」 唯は顔を赤らめて何も答えない。リトはそれを肯定と受け取り指を這わせる 「…んッ」 押し返されるやわらかい弾力に硬くなっている先端 (おお~ッ!!) 心の中で歓声の声を上げるとリトは乳房へ触れていく 陶器の様な白いすべすべでもちもちした肌触り、先端の大きくなったピンク色の 乳首。 手の中でムニュムニュと形を変える乳房にリトは興奮を隠せないでいた 「唯のおっぱいすげーやわらかくて…気持ちいい!」 「ちょっと…そんなこと言わないのッ!」 けれどリトに触られるだけで体にも唯自身にも熱がこもってくる 指で弾かれ摘まれ大きくなっていく乳首にリトの熱い舌が絡まる 「んッ、はァ…」 唯の体がビクンと震え顔に薄っすらと上気がさしてくる 「すげーおいしい…じゅぱ、んん…ちゅる」 唯は赤ちゃんの様に吸い続けるリトの頭に手を置くと、導く様に胸へと顔を押し 当てる (いっぱい吸われてる…そんなにいいものなの?) 唯の疑問を裏図けるようにリトは執拗に胸を責める。舌で乳首を舐め取りもう片 方の胸を手で揉みながら指で乳首を摘んでいく 「んッぁ…はあッ、うん」 唯の喘ぎがリトを加速させる 「やッ…ああっ、ふァっんん…」リトは下に目を向けるともじもじと太ももを擦 り合わせる唯に気づく 「唯……?」 「……お願い結城くん…私もう我慢できない…」 唯からの初めてまともなお願いにリトは夢中になって唯に覆いかぶさる 「ちょっと待って!落ち着いてよ」 唯の抗議にもリトは膣内へと挿入させていく 「あっくッ…もう、もっとちゃんとしてよッ」 「悪い…」 リトはすまなさそうに笑うと腰を打ち付けていく 「あッふっ、あァ…んん」 じゅぶじゅぶと結合部から音が鳴り白濁した愛液がマットを汚す 「はッん、んん…すご、い…」 リトの力強いピストンが唯の膣内を乱暴に掻き乱していく 口から涎を垂らしながらじっと自分を見つめる唯にリトの背中はぞくぞくする 「…おまえすげーエロクなってないか?」 リトの質問にも唯は答えられない。今はたださっきの快感をリトがもっと欲しい という欲望だけ 唯は脚をリトの腰に絡め、首に回していた腕に力を入れるとリトを抱き寄せる 「ちょ、ちょっと待てってッ!これじゃあオレおまえの中に…」 「いいわよ…私の中に結城くんの全部ちょうだい」 リトの喉がゴクリと鳴る 「ホントにいいのか?」 唯は頷くと背中に回した手でリトにギュッとしがみつく 一つに重なった二人は互いの腰を合わせるように動かすと絶頂へと誘う 「あッふぁ…んっ、あんッ…」 「唯オレ…もう出そうッ」 「うん…いいわよ、私も…私ももう…んッんん…」 リトは唯の唇に貪るようなキスをすると膣内に欲望を吐き出した 自分の中に吐き出される大量のモノに、手でお腹を擦ってその感触を味わう 自分とリトが本当の意味で一つに繋がった様なそんな感覚 それに酔いしれる様に唯はゆっくりと目を閉じていく ――――そして唯はまたいつもの日常へと戻ていった 制服に着替えながら唯は浮かない顔をしていた。さっきした行為が目に浮かぶ ――――私…あんなこと… あの時は確かにリトが好きで好きでたまらなくて、離したくなくて感情的なまで にリトを求めた。だからその反動で冷静になればなるほど胸に広がるある感情 ドアの前ではきっとリトが待っている。扉の先を見つめる唯の目に戸惑いが宿る 「私…どんな顔して結城くんに会えばいいのよ…」 答えの出ないつぶやきに唯は静かに歩き出す 「遅くなってごめんなさい」 「あっ…ああ」 唯の浮かない顔にリトはとまどってしまう 「どうしたんだよ唯?」 「別に…」 「オレなにかしたか?その…さっきのコトとかさ」 その言葉に唯はビクッとなる 「やっぱり……」 「あっち、違うのそうじゃないの!」 「どう違うって言うんだよ!?」リトの問いかけにも唯は答えられない。二人は 廊下で立ちすくんだまま時間だけが過ぎていく 「あのね…」 やっと口を開いた唯だがその様子はいつもとはかけ離れており、それがひどく唯 を小さく見せる 「あのね私学校であんなことしたじゃない…」 唯は震える自分の体をギュッと抱きしめる 「普段は規則とか風紀違反だとか言ってるくせに…私…私…」 「……それでおまえはそのコト後悔してるのかよ?」 リトの言葉に反射的に俯いていた顔を上げる 「後悔なんてしてない!するはずない!だけど…私…」 「……」 「自分でどうしていのかわからないの!結城くんともっと色んなコトしたいっ! デートにもいっぱい行って、手を繋いで街も歩きたい!したいことたくさん…た くさんあるの ……だけど……」 言葉を詰まらせる唯の姿に、リトの脳裏にいつもの委員活動をしている唯が映る 「私……苦しくて…どうしていいのかわからなくて……」 俯く唯の目から涙がぽろぽろと廊下に落ちていく リトは唯に歩み寄ると笑いながら頭に手を置き撫でていく 「えっ!?ちょ、ちょっと結城くん?私真面目に…」 「おまえちょっと考えすぎだぞ…そりゃあ唯がいつも言ってるコトはすげー正し いと思うぜ!けどな唯、おまえもうちょっと自分の気持ちとかに素直になれよ」 「えっ…?」 「おまえが規則をちょっと破るぐらいなんだよ!オレいつもどれだけおまえが風 紀活動がんばってるのか知ってるんだぜ。オレの知らない時見てない時とか。 だから……ちょっとぐらい自分に甘くなってもいいんじゃねえかなその…オレの 前ぐらいはではさ∕∕∕」 リトのやさしさが胸に広がっていき、唯は止まらない涙をハンカチで拭っていく 「…あ、ありがとう…………あの…ね、今日結城くんに求められた時私本当は… すごく……うれしかったの…」 少しずつ言葉を口にする唯にリトはじっと耳を傾ける 「私あの時、ただあなたが結城くんが欲しくて欲しくて……」 唯は俯いていた顔をあげてリトの目を覗き込む 「私…いや…らしくない?」 「えっ?どこが?」 「結城くんあんな私に幻滅してない?」 「おまえなー…」 溜め息を吐くリトに唯は少し怒った感じで声を出す 「結城くんっ!!私真面目に聞いてるのッ!!!」 「…今日の唯も、いつもの規則を守ってる唯もおまえはおまえだろ?心配しなく てもオレの好きな古手川唯は世界に一人しかいねえよ」