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「龍の歯医者」 Blu-ray 特別版 発売日:1月24日 特別版は、「龍の歯医者」 天狗虫編 殺戮虫編 、 天狗虫(改) 殺戮虫(改) 、 統合劇場版、アニメ(ーター)見本市版Ver.すべてをBlu-rayに収録。 井関修一(キャラクターデザイン・作画監督)による、 インナーボックスイラスト描き下し予定。 さらに劇伴音楽集CDを同梱、主題歌・挿入歌・ボーナストラックを含む28曲(予定)、 本編未使用曲も収録。 ここを編集 2015年公開。電光超人グリッドマン boys invent great heroに続くアニメ(ーター)見本市第10作。第11作にPOWER PLANT No.33がある。 http //animatorexpo.com/ 監督 堀内隆、江本正弘 原案 堀内隆 監修 板野一郎 キャラクターデザイン・演出・作画監督 江本正弘 メカデザイン 道解慎太郎 絵コンテ 久保雄介、江本正弘 イメージボード 上野比呂美 動画検査 村上朋子 美術ボード 鹿野良行 色彩設計・色指定・検査 高木雅人 撮影監督 堀内隆 モデラー 板橋紗綾香、横川和政、我満千尋 モデリング協力 相内義之 キャラクターリギング 山形一弥、堀光貴、石毛摩耶 編集 李英美 整音 山田陽 アニメーション制作 グラフィニカ プロダクション協力 スタジオカラー ■関連タイトル 「龍の歯医者」 Blu-ray 特別版 ☆通常版 日本アニメーター見本市サウンドトラック第一弾 随時更新! pixivFANBOX アニメ@wiki ご支援お待ちしています! ムック本&画集新刊/個人画集新刊/新作Blu-ray単巻/新作Blu-ray DVD-BOX アニメ原画集全リスト スタッフインタビューwebリンク集 最新登録アイテム Blu-ray 魔女見習いをさがして Blu-ray「どうにかなる日々」Blu-ray Happy-Go-Lucky Edition 初回限定生産 Blu-rayDisc付き 『ラブライブ! スーパースター!!』「始まりは君の空」【みんなで叶える物語盤】 BEM~BECOME HUMAN~豪華版Blu-ray Blu-ray 劇場版 魔法少女まどか☆マギカ 10th Anniversary Compact Collection Blu-ray ぐらぶるっ! Blu-ray 映画クレヨンしんちゃん 激突! ラクガキングダムとほぼ四人の勇者 Blu-ray CHRONO CROSS 20th Anniversary Live Tour 2019 RADICAL DREAMERS Yasunori Mitsuda Millennial Fair FINAL at NAKANO SUNPLAZA 2020 ゴブリンスレイヤー Blu-ray BOX 初回生産限定 グリザイア ファントムトリガー THE ANIMATION 03[Blu-ray] 特装版 ラブライブ! サンシャイン!! Saint Snow 1st GIG 〜Welcome to Dazzling White Town〜 Blu-ray Memorial BOX ゾンビランドサガ Blu-ray BOX 初回生産限定盤 Blu-ray 思い、思われ、ふり、ふられ 完全生産限定版 Blu-ray Fate/Grand Carnival 1st Season 完全生産限定版 Blu-ray Fate/Grand Carnival 2nd Season 完全生産限定版 Blu-ray ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうかIII OVA Blu-ray 映画プリキュアミラクルリープ みんなとの不思議な1日 BD特装版 Blu-ray アズールレーン 三笠大先輩と学ぶ世界の艦船 ぶるーれい Blu-ray 水瀬いのり Inori Minase 5th ANNIVERSARY LIVE Starry Wishes かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~ 22 OVA同梱版 呪術廻戦 公式ファンブック よつばと! 15 監修 庵野秀明・樋口真嗣など 夢のかけら 東宝特撮映画篇 パラレルパラダイス 13 特装版 アイドルマスター ミリオンライブ! Blooming Clover 9 オリジナルCD付き限定版 美樹本晴彦マクロス画集 軌 わだち― 夜ノみつき 10th EUSHULLY WORKS しらこ画集 ILLUSTRATION MAKING VISUAL BOOK カズアキ画集 Kazuaki game artworks ライザのアトリエ2 ~失われた伝承と秘密の妖精~ 公式ビジュアルコレクション ぼくたちは勉強ができない 第21巻 音声ドラマ ミニ画集付き同梱版 あいきょう 荻pote作品集 ヒョーゴノスケ流 イラストの描き方 TVアニメ『くまクマ熊ベアー』オフィシャルファンブック 押井守原作・総監督 西村純二監督作品 『ぶらどらぶ』 解体新書公式コンプリートガイド OCTOPATH TRAVELER Design Works THE ART OF OCTOPATH 2016-2020 おそ松さん 3rd season SPECIAL BOOK 描きたい!!を信じる 少年ジャンプがどうしても伝えたいマンガの描き方 YMO1978-2043 「小冊子・YMO全トラックリスト2021 Amazon限定表紙版」付き To LOVEる -とらぶる- ダークネス FIGURE PHOTOGRAPHY COLLECTION 斉藤朱夏 CALENDAR 2021.4-2022.3 ラブライブ! サンシャイン!! Aqours DOME TOUR COMIC ILLUSTRATION BOOK ラブライブ! サンシャイン!! Aqours COMIC ILLUSTRATION BOOK 2020 Winter イジらないで、長瀞さん 10 特装版 「はたらく細胞」公式アニメ完全ガイド リスアニ! Vol.43.2「アイドルマスター」音楽大全 永久保存版VII アイドルマスター シャイニーカラーズ 3 CD付き特装版 ウルトラマンマックス 15年目の証言録 ウルトラマンZ特写写真集 じじぃ 人生は深いな 冴えない彼女の育てかた 深崎暮人画集 上 Flat. ぷよぷよ アートワークコレクション 古谷静佳1st写真集 re START THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS STARLIGHT MASTER COLLABORATION! Great Journey ウルトラマンゼロ Blu-ray BOX クロスアンジュ 天使と竜の輪舞 Blu-ray BOX 初回生産限定版 小林さんちのメイドラゴンBlu-ray BOX ゆゆ式Blu-ray BOX スペシャルプライス版 とーとつにエジプト神 Blu-ray 直球表題ロボットアニメ 全話いっき見ブルーレイ 未来ロボ ダルタニアス 一挙見Blu-ray VOL.1 シュヴァルツェスマーケン 全話見Blu-ray ワールドトリガー一挙見Blu‐ray VOL.1 異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術 魔王プレイボックス 初回生産限定 トータル・イクリプス 全話見Blu-ray Blu-ray Cutie Honey Universe Complete Edition 夜ノヤッターマン 全話いっき見ブルーレイ こみっくがーるず Blu-ray BOX 初回生産限定 Blu-ray 幼女社長 むじなカンパニーセット 初回生産限定 ログ・ホライズン 円卓崩壊 Blu-ray BOX 七つの大罪 憤怒の審判 Blu-ray BOX I Blu-ray 水樹奈々 NANA ACOUSTIC ONLINE 『Dr.STONE』2nd SEASON Blu-ray BOX【初回生産限定版】 魔術士オーフェンはぐれ旅 キムラック編 Blu‐ray BOX 今井麻美 Winter Live「Flow of time」 - 2019.12.26 at EX THEATER ROPPONGI - Blu-ray盤 Blu-ray 仮面ライダーゼロワン ショートアニメ EVERYONE'S DAILY LIFE 仮面ライダー一挙見Blu-ray 1号 2号・V3編 仮面ライダー一挙見Blu-ray X・アマゾン・ストロンガー編 スーパー戦隊一挙見Blu-ray 1975-1981 スーパー戦隊一挙見Blu-ray 1982-1986 半妖の夜叉姫 Blu-ray Disc BOX 1 完全生産限定版 裏世界ピクニック Blu-ray BOX上巻 初回生産限定 Levius レビウス Blu-ray BOX【期間限定版】 スーパー戦隊 学研の図鑑 江口寿史美人画集 彼女 アニメディスクガイド80's レコード針の音が聴こえる necomi画集 PHONOGRAPHIC フルーツバスケット アニメ2nd season 高屋奈月 Illustrations 2 彼女、お借りします TVアニメ第1期 公式設定資料集 ドラゴンボール 超戦士シールウエハースZ 超シールガイド ガンダムアーカイヴス『ガンダムビルドシリーズ』編 Angel Beats! 天使画集 Angel Diary PANZER FRAULEIN 野上武志画集 【陸編】 Angel's cage るび様画集 Sweet Dream はすね画集 画集 制服Girl's▼コレクション もりょ作品集 異世界ファンタジーのキャラクターコレクション 劇場版「美少女戦士セーラームーンEternal」公式ビジュアルBOOK アイドルマスター シャイニーカラーズ イラストレーション ワークス VOL.2 Blu-rayDisc付き 八十亀ちゃんかんさつにっき 10 特装版 あんさんぶるスターズ! Ready For Star 2巻 缶バッジ付 Switch エーペックスレジェンズ チャンピオンエディション New ポケモンスナップ -Switch 【PS4】BIOHAZARD VILLAGE PLAMAX 聖戦士ダンバイン サーバイン ノンスケール PS製 組み立て式プラスチックモデル スーパーミニプラ 無敵ロボ トライダーG7 3個入りBOX 魔道祖師 前塵編 完全生産限定版 HGUC 機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ Ξガンダム MG 機動戦士ガンダムSEED モビルジン 1/100スケール カンチ 青 ノンスケール ABS&ダイキャスト製 塗装済み完成品 ☆赤ver 魔女の旅々17 ドラマCD付き特装版 クリストファー・ノーランの世界 メイキング・オブ・インターステラー BEYOND TIME AND SPACE 時空を超えて るるぶアズールレーン からかい上手の高木さん15からかいカレンダーカード付き特別版 「武装神姫」原案イラスト集 ALLSTARS 機動戦士ガンダム サンダーボルト 17 キャラクターブック付き限定版 とある科学の超電磁砲T OFFICIAL VISUAL BOOK Aqours 5周年記念アニメーションPV付きシングル「smile smile ship Start!」【BD付】
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このどうみても人間にしか見えない、いやもうはっきり言ってしまおう、あの涼宮ハルヒにしか見えないロボットが、俺の部屋で今、目を閉じて床に横たわっている。何故かは分からん。とりあえずマニュアルを読むぞ。 「これはツンデロイドよ。そこ、間違ってもロボットなんて呼ばないように。呼んだら死刑だからね! 新型のアンドロイドと考えてもらって間違えじゃないわ。従来型とは、人間っぽさが段違いだけどね。入手したら、まずリセットボタンを押してちょうだい。これで再起動するわ。 再起動して間なしのツンデロイドは、簡単に言うとツン成分が100%の状態ね。愛情を注いでやさしく接してあげると、次第にデレ成分の割合が増えていくというわけ。デレ100%までいくと、地上に一組バカップルが誕生することになるわ。 とにかくやさしく接すること。わかりにくいのはダメよ。ストレートでないと通じないんだからね。あと他の女の子にやさしくしたり、妙に親切だったりすると、むくれてツン度がアップするからそのつもりで。 なお、このマニュアルは自動的に爆発したりはしないけど、内容を頭に叩き込みなさい。いいわね!? くれぐれもやさしくよ! 以上」 なんなんだ、このマニュアルは。書いた奴の顔が見たいぞ。いや、もう見てるだろ、なんてツッコミは無用だ。どういうわけか激しく落ち込みそうな気がするからな。 「あんた、誰よ?」 再起動したそいつ、ツンデロイドは目を開けてむくりと上半身を起こすと、不機嫌そうな目で俺を見た。マニュアルによると、いまはツン100%状態らしいが、ごあいさつな奴だな。俺の名前はな・・・・ 「わかった!あんたキョンね」 はい、本名で呼ばせる作戦、頓挫。おおむね「既定事項」だとは思っていたが、試みさせてもくれないのか。 「だって、あんたはキョンだ、ってPRAMに書いてあるわ」 貴重なメモリをそんなことに費やすなよ。リセットといっしょにPRAMクリアすればよかった。 「あたし?あたしはハルヒよ。決まってるでしょ。あ、ちなみに試作機よ。モニターの評判がよければ量産されることになるわ」 絶対やめとけ。万一そんなことにでもなったら、「機関」の資金を全部吐き出させても、それが無理なら長門に上限なしのブラック・カードをつくってもらってでも、量産機を全部買占めないといかんだろうな。 ● ● ● この、どう見ても「あいつ」にしか見えない、そうよキョンにしか見えないロボットが、あたしの部屋で、目を閉じて床に横たわって、どうやら今にも起動しそうな感じ。とりあえずマニュアルを読むわよ! 「あー、これはツンデロイドだ。まあ、別にロボットと間違えてもらっても一向に構わん。俺にだって、どう違うのか正直わからんくらいだしな。 とりあえず新しいアンドロイドみたいなものとでもしておいてくれ。従来型とは、人間っぽさが違うということらしい。入手したら、とりあえずはリセットボタンを押してみてくれ。これで多分、再起動するはずだ。 再起動して間なしのツンデロイドは、言うなればツン100%の状態といった感じだ。やさしくしてやれば、次第にデレ成分の割合が増えていくことになっている。デレ100%までいっちまうと、地上に一組バカップルが誕生することになっちまうが、くれぐれもそんな恐ろしいことはしないでくれ。頼む。 なお、このマニュアルは自動的に爆発したりはしないし、そんな装置を組み込む予算もない。まあ適当にとっておいて、気が向いたら見てくれ。どうせマニュアルなんか読まずに、壊れた機械は殴ればいい、なんて奴のところにいく気がするんだがな。以上」 何よこれ、マニュアルを書いた奴の顔が見たいわ! もう、見てるだろ、とかいうツッコミは却下よ。と、起動したみたいだわ。 「ん・・・何だ、ハルヒか」 「何だとは、何よ? それにいきなり呼び捨てってどういうつもり!?」 「何怒ってるんだ? 帰りにアイスでもおごってやるから機嫌なおせ」 ああ、頭来るわね。このあたしのご機嫌をアイスごときで取ろうとするなんて生意気よ。とりあえず、アイスはおごってもらうけどね。あ、あんた、お金は持ってるんでしょうね? そんなこんなで俺とツンデロイド「ハルヒ」との、奇妙な「同棲」生活は始まった。 ああ、あの後、一応こいつの意向は確認したぞ。 「おまえ、これからどうするんだ? どこか行くところはあるのか?」 「あんたとここで暮らすに決まってんでしょ! リセット・ボタン押したんだからね、ちゃんと責任取りなさい!」 って、これなんていうワン・クリック詐欺? リセット・ボタンなんて「なかったことにする」ボタンじゃなかったのか。 かといって、こいつをこのまま放り出す訳にも行かないだろう。第一、こいつが偶然にも、あのハルヒに出会ってしまう可能性だってある。こいつがあいつのコピーのようなものなら、その行動パターンも同じなはずであり・・・ 「なにブツブツ言ってんのよ!?」 なんでもない。なんでもなくはないが、今おまえに話す訳にはちょっといかない。それと、なんだ、あいつそっくりな顔を、そんなに近づけるな。いろいろ、やばいんだよ。 「だって、そういう『仕様』だもの。しょうがないじゃない」 とぷいと横を向いて、口をアヒル的にとんがらせる「ハルヒ」。 やれやれ。『仕様』なのか。しょうがない。山田君、歌さんの全部持っていきなさい。 「暮らすのはいいとしても……」 ああ、数多のSS職人も通った茨の道だ。主に俺の理性にとって茨の道なんだが。 「寝るときは、その、どうするつもりだ?」 けほん。けほん。 「押入れに客用布団があるじゃない」 なんでそんなことまで知ってるんだ? 「うっさいわね。なんでもいいでしょ。PRAMよ、PRAM」 やっぱりPRAMクリアすればよかった。 こいつ、あんなことやこんなことも、知ってるんじゃないだろうな。 ● ● ● というわけで、今あたしはツンデロイド「キョン」と、一緒に居る訳だけど。なんか落ち着かないわね。 「どうした、ハルヒ? 腹でも痛いのか? 確かお前のは、月の初め……んがあ!!」 な、なんでそんなこと知ってんのよ! ああ、答えなくていい。答えたら、もっかい蹴るからね。 とりあえずアイスでも買いに行かせようかと思ったんだけど、よく考えたら、こんなものがうろうろしてて、キョンとばったりとなったら、まずいわ。何がどうまずいかは、複雑なところだけど。 こいつと部屋にいてできること……ね。勉強を見てやって、ツンデロイドの成績を上げてもしょうがないしね。 ……。 ……。 ……。 ……!! ちょっと、そんなこと考えてないわよ! ドキドキなんかしてないわよ! 「どうしたんだ、ハルヒ?」 わー、その顔を近づけるな! (キョン・サイド) そういう訳で、俺はツンデロイドを部屋に置いて一夜を過ごすはめになった。 なお、ツンデロイドは人間のようには食事を必要としないらしく、夕食時にはこいつには部屋にいてもらったので、家族はツンデロイドの存在にまだ気付いていない。 「ちょっと、キョン!」 なんだ? 急ぎじゃないなら明日にしてくれ。 「急ぎよ!可及的速やかに対処しなさい」 だから、なんだよ? 「あたしが座ってるこの布団は客用よね?」 ああ、そうだ。おまえがそうしろ、と言ったんじゃないか。 「つまり、あたしはお客扱いということよね?」 まあ、そういうことに、してやってもいい。 「客のあたしが下に寝て、しもべのあんたが上に寝るってのは、どういう了見かしら?」 はあ?なんだベッドに寝たいのか? じゃあ、かわってやるから。そういうことは最初に言えよ。 「そうじゃないわ。あんたは問題の本質を全然理解してないわね」 なんだよ、問題の本質って? っと、だれだこんな時間に・・・ハルヒ!? 「もしもし、キョン? 起きてるなら1コールで出なさい。寝てても認めるのは3コールまでよ!」 (ハルヒ・サイド;少しだけ手前から) そういう訳で、あたしはツンデロイドを部屋に置いて一夜を過ごすことに……なった。 ……。 ちょっと待って。 こいつは、あいつそっくりだけど、あいつじゃないのよ。 あいつだったら、その、ちょっとは考えないこともなくはないけど、これって、あいつ以外の男と一夜を過ごすってことじゃないの!? ……って、そうだわ! もしもし、キョン? 起きてるなら1コールで出なさい。寝てても認めるのは3コールまでよ! 電撃的に唐突だけど、あんたの家で合宿をするわ! そう、あたしとあんたが。そうよ、い・ま・か・ら。何度も言わせないで。ええ、あんたとあたしが、よ。 なんのため? あんたね、そうやって理由をさがしてる間にも、地球は回ってるの! 事件は現場で起きてんのよ! 動機探しなんてミステリーの3流探偵だけでたくさんよ。 とにかく、あたしは今から出るから、あんたは出迎えの用意をしておくように。くれぐれも家族のみなさんにはご迷惑かけないようにね。 なによ?なにが「今はまずい」よ? あんたが避けようとするなら、それだけでもあたしが乗り込む理由になるわ。首を洗って待ってなさい! (再びキョン・サイド) まずい。非常にまずい。 「何がまずいのよ?」 ハルヒが来る。それも今から。多分、全速力で。 「ハルヒはあたしでしょ?」 おまえも「ハルヒ」だが、ツンデロイドじゃない方のハルヒだ。いわば、おまえのオリジナルというか。 「あたしが、コピーみたいな言い草じゃないの。おもしろい、受けて立つわ」 いや、待て待て。いくらおまえが「ハルヒ」だと言ってもだ、向こうはあのハルヒなんだぞ! 「何言ってるのか、わかんないわよ」 ああ、俺にもわからん。わからんが、何かとてもよくないことが起きるような気がするだろ。 「しないわよ」 おれはする。……隠れろ、とにかく隠れろ、いますぐ隠れろ。そうだ、押しいれに入ってろ。 「キョン」 うわ、もう! って、窓から来やがった。どうやって登ってきたんだ、おまえ? 「テレビでフリークライミングっての、やってたわ。あれの軽い応用ね。あたしにかかれば、これくらいなんでもないわ」 わかった。よおく、わかったから、次からスカートでやるのはよせ。 「どっこいしょ、っと」 ああ、こいつ、ほんとに窓を乗り越えてきたよ。 「キョン、この布団、何?」 何って、客用布団だ。何のへんてつもない。 「あんた何もわかってないわね。合宿と言ったら徹夜でしょ!最初から寝る姿勢でどうすんの!?」 って、そんなハルヒ・ルール、誰も知らないぞ! 「ん?この布団、暖かいわ」 あ……ああ、念のため、俺が暖めておいた。 「キモいことすんな!」 い、いや、わるかった。ほんと、すまん。 「……キョン、あんた、何か隠してるわね? 『今はまずい』とか言ってたし」 いやいや。それは、おまえの、気のせいだ、きっと。 「……女のにおいがする」 な、な、なにを言いだすんだい、ハルヒ君? 「なに、その、あからさまなうろたえ様は? さっさと白状しなさい! 隠すとためにならないわよ」 といって、隠さなくてためになった例が古今あるだろうか? 「む、……・そこよ!」 ハルヒは、止めようとする俺を振りきり、おもむろに開いた……洋服ダンスのなかを。 「なんで、こんなところに北高の女子の制服があるのよ? さては、キョン、あんた変態ね?それとも闇のブローカー?」 いや、そこまで希少で貴重なものでもないだろう。っていうか、これはおまえのだろ! 「あ、そうか。あたしがいざというときのために『置き制服』していった奴ね」 どんな「いざというとき」だよ!? 「そ、それは……怪しい奴を尾行していて、正体がばれないように、ここで変装していく時よ。ほら、シャーロック・ホームズだって、ロンドン中にそういう隠し部屋をいくつも持っていたっていうわ!」 俺の家の前をわざわざ通り過ぎて行く「怪しい奴」って、どんな奴だよ!? というか、北高の制服に着替えたら正体ばればれだろ! 「そ、そこは臨機応変、ケース・バイ・ケースよ。だから、あらゆる事態を想定して、他にも『置きブルマ』とか『置き勝負下着』とか……」 ……誰と何の勝負をするつもりか知らんが、やめておけ。 「むっ、あんたねえ!……そうよ、あたしの下着はどうだっていいのよ。 いい、キョン、今や世界中の疑惑の目が、あんたにそそがれてんの! さあ、その押しいれを開けて、自分の罪を白日の下にさらしなさい!」 それが真夜中に窓から入ってきた奴のいうことか!? 「えーい、問答無用!」 やめろ、争いからは何も生まれないと学んで来ーい! だが奮戦もむなしく、俺は客用布団の上に投げ飛ばされ、ハルヒはおもむろに押し入れを開けた。 「「あんた、誰?」」 押し入れの中には、膝を抱えて体育座りで隠れていたツンデロイド「ハルヒ」が、上目づかいで涼宮ハルヒをにらんでいた。 「「あんた、誰?」」 「「……あたしはハルヒよ」」 衝撃の、そして最悪のご対面である。 ツンデロイドでない方の、つまり事態を予想していなかった方のハルヒが、ぎ・ぎ・ぎと機械仕掛けな効果音をつけたくなるようなモーションで首を曲げ、俺の方を見た。 「キョン、ちょっと、これ、どういうこと?」 ツンデロイドの方のハルヒも、押し入れの中から、「ほら、なんとか言ってみろ」的な目で俺の方を見る。 「あー、その、つまりだ、・・・・・・二人は生き別れの……」 「「姉妹なんかじゃないわよ!!」」 ダブル・ハルヒによるダブルつっこみ。当然、威力は2倍、いや2乗である。 しかもツンデロイドでないハルヒの激情のボルテージは一気にMAXへと達した。古泉すまん。今夜の閉鎖空間は史上最悪最大のものになりそうだ。墓参の花は少し高い奴にする。もしも地球が、というかこの宇宙が、残っていたらの話だが……。 「あ、あんたは馬鹿でスケベで気が効かなくて、その上みくるちゃんにはデレデレしてるし、有希にはさりげない気遣いだってするくせに、あたしにはいつもいつも文句ばっかり言って!! それでもね!……それでも、信・じ・て・た・のにィ!!」 ハルヒの悲痛の叫びは、俺の真ん中にあったものを吹き飛ばし、俺の第二胸椎から第一腰椎まで達する大きな風穴をあけた。ぼろぼろ大粒の涙を落とすハルヒを見る日が来るなんて。しかも、よりによって、俺がそんな日をつくっちまうなんて……。 ……だが、ツンデロイド「ハルヒ」よ、その「そうそう、あたしもこいつには何度泣かされたことか」的にうなずいて、ハルヒの肩をぽんぽんと叩くのはよせ。傍観者になるな。一端でいいから責任を感じろ。 しかし、この時空間すらねじれまくった修羅場に、更なる新手が現れようとは、いかなる深遠なる知を有する神ですら予測不可能であった。 「キョンく〜ん。うるさくて眠れないよお」 妹よ、兄は大人の、というか、どちらかというと男と女の大切な話をしているところだ。うるさくしたのは悪いが、そのまま引き返して、再び眠りについてくれないだろうか。 「あー、ハルにゃんがふたりもいるー」 ああ、兄は、それだけには気づいて欲しくなかったぞ。それに気付かないなら、おまえの成長を心配していたかもしれないが。 「キョン君だけ、ひとりじめ、ずるいー」 妹よ。その、わだつみのように大らかな現状認識を、今はうらやましく思うぞ。……ツンデロイド、なにを「ここはあたしにまかせて」的な目くばせを送る? あ、ああ、なんで妹と手をつないで出て行くんだ? 「じゃあ、妹ちゃんはあたしと寝よっか?」 「はーい。でも、あっちのハルにゃんはいいのー?」 「キョンと大事な話があるんだって。だから、邪魔しないの」 「わかったー」 その聞き分けの良さを、いつか兄にも向けてくれ。そんな機会があったなら……。 妹たちが出て行き、ドアが閉じられ、俺の部屋の中をしばし沈黙が満たした。 ハルヒは顔を伏せたままで、今は泣いているのかどうか、俺からは見えなかった。 「……あんたが」 「ハルヒ……」 「あんたが連れこんだのが他の女ならまだ良かった。それが何? どうして、よりによって『あたし』なのよ!?」 いや、まて。落ち着け、ハルヒ。あれはお前の姿形はしているが、おまえじゃない。おまえじゃないんだ。 「わかってるわよ! あんたがあたしを選ばないことくらい!」 ちがうんだ、聞いてくれ、ハルヒ! 「今日、なんでこんな時間にあたしが来たとおもってるの? 今、うちには、あんたそっくりのツンデロイドってのがいて、それはあんたそっくりで、でもあんたじゃないから! ……だからあたしは、ここに来たのに。だからあたしは、ここにいるのに!!」 ! ……ハルヒ、今の話、ほんとか? 「嘘言ってどうするのよ!」 ハルヒ、聞け。聞いてくれ。今、妹と出て行ったのは、おまえそっくりのツンデロイドだ。ここにマニュアルもある! 「えっ……」 それから、ハルヒと俺が、どんな言葉を交わし、自分の体験を打ち明け合って、誤解の結び目を解いていったかは、物語をもう一度語りなおすだけになってしまうので割愛したい。 付け加えるべきことがあるとしたら……朝になるとツンデロイドは煙のように消えてしまったことだろうか。 この件についての第一発見者はうちの妹だった。 こいつは早朝、いつものようにノックなしで俺の部屋に侵入し、自分なりにあれこれ見分した上で、結論をこう告げた。 「キョン君! ハルにゃん! 起きて、ね、起きて。あたしといっしょだった方のハルにゃんが、いなくなったよ。押し入れも見たけど、お客さん用のお布団しか入ってないし……」
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《クーデロイド》 効果モンスター 星4/水属性/機械族/攻1800/守1200 自分のスタンバイフェイズ毎に、 自分ライフを800ポイント回復する。 part18-13 コメント 名前 コメント
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■GU-GUガンモ (劇場版) 美術監督 ■聖闘士星矢 美術デザイン(100話~) ■Dr.スランプ アラレちゃん ほよよ!! 助けたサメに連れられて… 美術監督 ■Dr.スランプ アラレちゃん んちゃ!! わくわくハートの夏休み 美術監督 ■キューティーハニーF 美術設定デザイン ■ふしぎ魔法ファンファンファーマシィー 美術デザイン ■神風怪盗ジャンヌ 美術デザイン ■ココロ図書館 美術監督 ■リングにかけろ1 -日米決戦編- 美術デザイン 美術監督 ■ヤマデロイド 美術ボード ■関連タイトル 聖闘士星矢 Blu-ray BOX I 廉価版 ふしぎ魔法ファンファンファーマシィー DVDメモリアルパック
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《ツンデロイド》 効果モンスター 星4/地属性/機械族/攻1900/守 900 自分ターンのエンドフェイズごとにこのカードのコントローラーは500ダメージを受ける。 このモンスターが戦闘によって相手モンスターを破壊した時、 このカードのコントローラーは1000ライフポイント回復する。 part17-665 作者(2007/08/15 ID xpuVC6jRO)の他の投稿 part17-660part17-663 コメント 名前 コメント
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《ヤンデロイド》 効果モンスター 星4/闇属性/機械族/攻1300/守1800 このカードを生け贄に捧げる。 自分ライフを1200ポイント回復する。 この効果は相手ターンでも使用する事ができる。 part18-13 コメント 名前 コメント
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■ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q 編集 ■龍の歯医者 編集 ■HILL CLIMB GIRL 編集 ■ME!ME!ME! オンライン編集 ■Carnage 編集 ■安彦良和・板野一郎 原撮集 編集 ■西荻窪駅徒歩20分2LDK敷礼2ヶ月ペット不可 編集 ■until You come to me. 編集 ■そこからの明日。 編集 ■電光超人グリッドマン 編集 ■ヤマデロイド 編集 ■Kanón 編集 ■SEX and VIOLENCE with MACHSPEED 編集(土田栄司と共同) ■おばけちゃん 編集 ■オチビサン 編集 ■三本の証言者 編集 ■I can Friday by day! 編集 ■ME!ME!ME! CHRONIC feat.daoko/TeddyLoid オンライン編集 ■(Making of) evangelion Another Impact オンライン編集 ■イブセキヨルニ 編集 ■神速のRouge オンライン編集 ■ハンマーヘッド 編集(辻田恵美と共同) ■関連タイトル Blu-ray ヱヴァンゲリヲン新劇場版 Q EVANGELION 3.33 YOU CAN REDO. 初回版 オリジナルサントラ付き
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38 :魅惑のヤンデロイド ◆.DrVLAlxBI [sage] :2008/11/16(日) 00 43 37 ID NGbYBcv8 『魅惑のヤンデロイド』 「おじいちゃん、メイドさんが欲しい!」 いつだったろう。小さな頃、僕は洋画が好きで、祖父にこんなことを口走っていた気がする。 日本では見かけない――最近は喫茶店にパチモノが横行しているが――メイドさんという存在。 僕は子供ごころながら、その魅力に取り付かれていた。 「だからって、学校で『エマ』を読んで良い理由にはならないわよ、高雅(こうが)」 「エマは良い。つつましやかなメイドの魅力がつまっている……!」 「だからって一巻につき三冊持って来て布教したら周囲にも不快だろうがだあほっ!!」 ごぼっ! 息がやばい! お前のパワーで俺がヤバイ! 俺、『高雅(こうが)』にスリーパーホールドをかけているこの乱暴者は、幼なじみの『恋(れん』。 オレの理想とするメイドとは似ても似つかないほどにがさつな女だ。正直、興味ないね。 メイド喫茶でバイトをしているらしいが、こんなやつの働く店には行く気にもなれん。 さらにいうなら、メイド喫茶の存在自体が俺にとってはあえて言おう、カスであると。 なんだ、あのカラフルなメイド服。なんだ、あのふりふりの媚びたエプロンドレス。なんだ、あの短いスカート。 つつましやかで、控えめで、御主人をたてる健気さがメイドの良さだろうが! それを勘違いした馬鹿どもは、われ先にと金儲けのためにあんな『わかってない』施設を作りやがる。 ったく、世の中くさってんな。 二次元の世界でも同様だ。 流行りだからって、メイドだしゃいいってもんじゃねーぞ。 まずはロングスカートじゃないやつ。そいつまず除外だからな。 さらに、ロングスカートを、武器を隠すためにつかっているやつ。もはやグレーだね。 俺くらい心が広くなければ、あれも即死だろう。メイドの道というのは、それほどにおくが深い。 39 :魅惑のヤンデロイド ◆.DrVLAlxBI [sage] :2008/11/16(日) 00 44 07 ID NGbYBcv8 「さっきからなにアホなことぶつぶついってんの! もう放課後よ!」 おっと、トリップしていたようだ。恋に殴られたときには既に今日の授業すべてが終わっていた。 「さっさと帰るわよ、ほら、立ちなさい」 「あ、ああ」 恋に腕を引っ張られて無理矢理立たされる。 ああ、メイドさん欲しい。 恋は世話焼きだ。親が不在の俺をいつも気遣って、お越しに来てくれて、朝飯と、弁当を作ってくれる。 部屋だって片付けてくれる(これは余計なお世話だといえるかもしれないが)。 行動自体には感謝している。幼なじみとして、恋はすばらしい女だと言える。たぶん、誇って良い。 しかし、こいつのしている俺への世話は、極端に乱暴だ。 俺がこいつに抱いている不満はその一点。 メイドさんと同じような役割を果たしてくれているくせに、心はガサツな幼なじみ。 ここ、治らないかな? 「ちょっと、なに人の顔じろじろみてんのよ……」 恋はつんとして目をそらした。なぜか顔が赤い。 「いや、もうちょっとおしとやかなら良い女なんだがな……って思って」 「え……そう、かな……?」 ん、なんか変だな。てっきり「余計なおせわよ!」とか言って殴られるかと思ったが。 「やっぱり、あたし。乱暴、かな……。もっと、女の子らしくしたほうが良いかな……」 しゅんとして下を向く恋。まずい、悲しませてしまったか。 40 :魅惑のヤンデロイド ◆.DrVLAlxBI [sage] :2008/11/16(日) 00 44 43 ID NGbYBcv8 急に罪悪感が沸いてくる。空気をよめないことで定評がある俺だが、他人を傷つけて平気なほど面の皮は厚くない。 「い、いや、そんな無理して変わる必要はないし、それに俺個人の意見だからさ! ……ほら、別に俺の好みってマイノリティだし、合わせても得はないぞ!」 「……あんたにあわせなきゃ、意味無いわよ」 ぽそりと呟いた恋。 俺にはその声は小さすぎて届かなかった。 恋はそれっきり黙りこくってしまった。 「と、とにかく。俺の家、あがれよ! 茶菓子くらいは出すからさ!」 俺の家の前についたとき、俺は意を決してそう提案した。 恋の機嫌をそこねると、俺の日常生活もやばい。 俺には全くといって良いほど生活力が無い。なんだかんだで、恋なしには生きていけない。 「最初からそのつもりよ。あんた、覚えてないの?」 「なにを……?」 「今日、あんたの誕生日でしょ! あたしがごちそう作ってあげるから、最初からあんたの家に上がるつもりだったっていってんの!」 「そ、そうか! そうだったな! なら、今日は久々にどんちゃん騒ぎに……」 家の扉のノブをつかむと、違和感があった。 「あいてる……?」 「あんた、また鍵かけわすれたの?」 「いや、そんなことは……まさか、泥棒か?」 「やだ、ちょっと、やめなさいよ」 俺は恋の制止を振り切って、ドアを開けた。 俺の家にはたくさんのメイドさんフィギュアが眠っている。価値を知らない素人に傷をつけられては大変だ。 41 :魅惑のヤンデロイド ◆.DrVLAlxBI [sage] :2008/11/16(日) 00 45 13 ID NGbYBcv8 「……だれか、いるのか?」 ――もしくは、いたのか? 心の中でそう付け加えて、家の中に入る。 緊張する。他人の家みたいだ。 すり足で家の中を進む。あまり荒らされた印象は無い。 「お帰りなさいませ」 「びやああああ!!!!」 いきなり背中から声をかけられ、馬鹿みたいな大声をだしてしまった。 「ちょっと、高雅! どうしたの……!」 恋もどたどたと追ってくる。 「あわ……あわわ……」 俺は腰が抜けて動けない。 侵入者はそんな俺に徐々に迫ってくる。恐怖で目を開けられない。 「高雅!! このっ……高雅に、手を出すなぁ!!!」 恋が侵入者に飛び掛かった――っぽい音がした。 「きゃ!」 どたんと何かが投げ飛ばされて床におちる音がした。たぶん、恋だ。 「失礼。急に攻撃をかけられたので、反射的に」 ……ん? 冷静になってみると、それは女の声だった。若くて、綺麗で、透き通った声。 少しずつ、目をあけて見る。 「……!?」 そこには、メイドが立っていた。 まぎれもない。否定しようがないその佇まい。 まさに、メイド。それ以外のことばでは表現できない。 メイドだった。 42 :魅惑のヤンデロイド ◆.DrVLAlxBI [sage] :2008/11/16(日) 00 45 44 ID NGbYBcv8 「改めてご挨拶いたします。私は博士――あなたのおじい様によって製作された、人間型.Yarn.D.Ray.スーツ.オートタイプ『YDR-001A.コロナ』と申します。御主人様、お帰りなさいませ」 『コロナ』は、そう言うと床に三つ指ついて丁寧なお辞儀をした。 完全に計算された動作だった。 「とにかく、椅子に座ってくれ。俺らだけテーブルってのは、目覚め悪いだろ」 「しかし」 「いいから。頼む」 「御主人様の命令なら」 そう言って、コロナはテーブルの、俺のむかいの席に座った。 隣には、なぜかぴくぴくと額を震わせて怒りをこらえている恋。居心地悪い。 「つまり、あんたはじいちゃんが俺のために送り込んできたメイドロボってことなのか?」 「はい。誕生日プレゼントであるとのことで、先日ロールアウトされたばかりのワンオフ機である私を高雅様に」 「つまり……コロナは、俺専用の。世界で俺だけのメイドってことか……?」 「はい、そうなります」 コロナはいまいち感情の表されていない顔で頷いた。 「ちょ、ちょっと待ちなさいよ!」 「なんだよ、恋」 「なんであんたは普通に納得してんのよ! もっと疑いの心を持ちなさい!」 「疑いって、この状況でそれ以上に適切な説明があったか?」 「あるでしょうが! この人が泥棒が見つかった言い訳をしている可能性とか、ただのストーカーがあんたに近づきたいがためについた嘘とか!」 「まさか。俺らを倒したんだから、そのまま逃げてもいいだろう。それに、俺なんかにストーカーがつくかっての。アイドルじゃあるまいし」 「……なら、しょーこ見せなさいよ! コロナとか言ったわね。あんたがロボットだっていう証拠はあるの!?」 恋は、俺に話が通じないとみると、今度はコロナを指差してまくしたてた。 「証拠、ですか」 43 :魅惑のヤンデロイド ◆.DrVLAlxBI [sage] :2008/11/16(日) 00 46 14 ID NGbYBcv8 「そう、証拠よ。ロボットなら、『らしい』ことができるでしょ。目からビームとか、大車輪ロケットパンチとか」 どこのマジンゴーだ。 「そういう武装はついていません。高雅様はそういうごてごてしたものがお嫌いとのことで、博士がなるべく人間らしく作ってくださいました」 「……なら、不審者じゃないって証明できないじゃないの」 「そこまで言うのなら……。恋様、『ターミネーター2』はご存知ですか?」 「当たり前よ」 「なら、その手法を使います。しばしお待ちを。包丁を用意します」 ここまできてやっと意味がわかった。 グロ注意ってことだ! 「ちょ、やめろって! コロナ、お前は俺が保証する! だからストップ! ウェイト! 分かるな!」 「御主人様の命令は特Aレベルの優先順位となります。よって、いかなる状況処理を無視してでも有効です。無論、従います」 ほっと胸を撫で下ろす。 いきなり腕の皮をはごうだなんて、マジ、やばい。 洋画でグロ耐性がついた俺でも、そういうのをリアルでみたらショック死しかねない。 「……まあ、いいわよ。高雅の誕生日を祝う人間が一人くらい増えても、ばちは当たらないもんね」 やっと恋は納得したようで、すっくと立ち上がった。 「もういいわ。とりあえず、誕生祝いのおいしい料理、つくったげる。待ってなさい」 そう言って、恋は俺の家におきっぱのエプロンをつけた。 「その必要はありません」 「……どういうことよ」 恋がコロナをキッと睨んだ。あまり良い感情を持っていないようだ。 「既に作ってあります。勝手ながら、御主人様が帰ってくる時間にあわせて料理を完成させていただきました」 コロナはキッチンにすたすたと入ると、その二秒後にお盆に大量の皿を載せて帰ってきた。 「……」 恋はあんぐりと口をあけて、言葉を失っていた。 俺もおなじだったろう。 44 :魅惑のヤンデロイド ◆.DrVLAlxBI [sage] :2008/11/16(日) 00 46 45 ID NGbYBcv8 「御主人様、お口に合うでしょうか」 「ああ、美味い! ロボットが作った料理ってどんなもんかと思ったけど、すげーよ! 恋とはえらい違いだ!」 「……くやしいけど、確かにすごいわ」 恋は悔しそうにしていたが、箸は進んでいた。 恋も料理は下手じゃない。むしろ、上手なほうだろう。しかし、コロナはその遥に上を行っていた。 「御主人様の賛辞が、私には最大の喜びです」 コロナはそう言ったが、顔は喜んでいない。最初から最後まで、全く同じ、作られたかのような綺麗な顔。 無表情。まるで、彫刻かなにかのようだ。 「他にも、御主人様のお部屋の掃除、庭の水やり、洗濯、お風呂掃除。全て完了しています」 「まじかよ。すげぇな」 そう言えば、妙に家がぴかぴかしている。 これがコロナの実力か。 全てが、恋とは違う。 「ははっ、こりゃ、もう恋はお払い箱ってやつか?」 「ぇ……」 恋が俺を見つめた。 その顔の衝撃を、俺は一生忘れないだろう。 「それ、ほんとう……高雅……?」 絶望。 その顔には、絶望という言葉そのものを形にしたようなものが表れていた。 まずい。まずいまずい。 恋は、いままでにも何回かこの状態になったことがある。 まずい。過去のトラウマが呼び覚まされる。 あれは、俺がクラスの可愛い子についていろいろ褒めていたときだったか。 「あたしは、もう、いらないの……?」 光を失った目で、そう呟いた。 そう、あのときと今は、全く同じ。 45 :魅惑のヤンデロイド ◆.DrVLAlxBI [sage] :2008/11/16(日) 00 47 15 ID NGbYBcv8 「い、いや、そういうわけじゃ……」 「そのとおりです」 ――いや、違う。 コロナが口を挟んだ。そう、今はコロナがいたのだった。 「恋様。あなたは御主人様のお世話をしていただいて、感謝しています。しかし、これからは私がその任務を引き継ぎます。あなたは、もう用済みということです」 一瞬、耳を疑う。 コロナは、恋に追い討ちをかけた。 馬鹿な。 「これからは、御主人様の全てが私に。私の全てが御主人様のものとなります。ですから、あなたはもう必要ないのですよ」 「そんな……そんな……あたしは……高雅の……」 恋は頭を抱え込み、ガタガタと震えだした。 「お、おい、恋。落ち着け……」 「高雅の……高雅が……全てだったのに……あんたなんかに……」 恋は震える手でキッチンに置いてあった包丁を握り、コロナに向けた。 虚ろな目。焦点が定まっていない。 「理解、できませんね。人間というものは。能力の無いものが捨てられるのは当たり前のことですが、それすら理解できないのですか?」 「あたしは……ロボットじゃない……! あんたとは、違う……!」 コロナは恋の唐突な暴走にさらに拍車をかける。 「違うのは当然のことです。私は御主人様のために存在するロボット。あなたとは違います。あなたのような役立たずとは」 「言うな……言うな……」 「おい、やめろ、コロナ!」 「……はい」 コロナはそれきり黙った。 が、包丁を持って興奮しきった恋は、収まりのつかない感情を暴走させたままだ。 「あたしは、高雅の……!」 包丁を突き出し、コロナに迫った。 46 :魅惑のヤンデロイド ◆.DrVLAlxBI [sage] :2008/11/16(日) 00 47 46 ID NGbYBcv8 「――ぁっ!」 俺が反応して叫ぶより早く、コロナは機械的反射速度で対応していた。 包丁を指ではさみこんで止め、そのまま奪い取り、空いた手で恋をつかんで床に組み伏せ、鎮圧。 そのまま包丁を突きつけた。 「やはり、あなたは御主人様には相応しくない。廃棄処分です」 そのまま包丁を振り上げる――まずい! 飛び込む。 「……間に合ったか」 「……こう、が……?」 「御主人様、なぜ……」 ギリギリで、恋に振り下ろされた包丁を掴んで止めることができた。 手のひらから血が大量に流れている。痛い。 けど、今は恋を守れたことに安堵を感じていた。 「恋……良かった」 「馬鹿、あんた、なんで、あたしなんか……!」 恋の目から涙が零れ落ちる。 ああ、わかったよ。はっきりいってやる。 俺だって、今始めて分かったことだ。 「俺はな、お前をメイドだとか家事手伝いだとか、そんな役割求めてねぇんだよ。……お前は、お前だろ。俺の幼なじみで、ちょっと乱暴だけど、時々可愛くて……俺の好きな女だ。恋、お前はそれでいいだろ……?」 「ぇ……?」 恋は涙でぐしゃぐしゃになった目を見開き、俺を見つめた。 「ほんと……? こーが、それ、嘘じゃないよね?」 「ああ、恥ずかしいけど、今気付いた。本心だよ」 「……う、うぅ……」 恋の目からさらに大量の涙が追加された。 「な、泣くほど嫌かよ……」 「ちがうよぉ……うれしいの……高雅に好きっていってもらえて、うれしいんだよぉ……」 それだけしぼりだして、恋はわんわんと泣き始めた。 ああ、めんどくさい女だ。 でも、なんでこんなにほっとけなくて――可愛いんだろうな。 47 :魅惑のヤンデロイド ◆.DrVLAlxBI [sage] :2008/11/16(日) 00 48 16 ID NGbYBcv8 「……すみませんでした」 泣き喚く恋をとにかく帰らせて、俺はコロナに手を治療してもらっていた。 「いや、かまわねーよ。俺があいつにとってた態度が悪かった。お前は、それを気付かせてくれたんだからな」 「……」 コロナは顔を暗くした。 とはいっても、少し角度を下げただけの、微細な変化。表情は変わっていない。 それでも、俺にはわかった。 コロナは、ただのロボットじゃない。俺達と同じ、感情がある。 なら……。 「反省してるなら、これからは恋にも優しくしてくれ」 「……」 コロナはこくりと頷いた。 「今日は、その傷ではお風呂には入れませんね。私が、身体をお拭きします」 「いや、いいって。自分でやるから」 「そうはいきません。ただでさえ身の回りのお世話は仕事ですから、この件は私の責任であって、これは絶対に私がやらなければならないことです」 ――俺の指示、したがってねーじゃん。 そう思いつつも、ここはコロナの仕事を遂行させてやろうという、一種の親心が勝った。 たぶん、それを見抜いたからコロナも断行しようとするんだ。 「では、上着を脱がせます。両腕をお挙げください」 「わかったよ」 丁寧に、しかしすばやく上着が脱がされ、俺は上半身裸になる。気恥ずかしい。 が、コロナはロボットだ。別に俺の身体が貧弱だろうが、メタボだろうが醜いなどとはおもわないだろう。 それに、俺は身体は鍛えている。自身はあるし、人に見せてもそうそう馬鹿にしたもんじゃない。 コロナは温めたタオルで俺の身体をこすった。絶妙な力加減だ。 48 :魅惑のヤンデロイド ◆.DrVLAlxBI [sage] :2008/11/16(日) 00 48 46 ID NGbYBcv8 「痛くないでしょうか」 「ああ、丁度いい」 「何よりです」 丁寧だというのにすばやく完了した。 「では、次は下を」 「そ、それは……」 「お願いします」 コロナの目をみると、断れなかった。 無表情だからかはわからないが、強い意志を感じる。自分の仕事に誇りを持っている。 「……」 俺はズボンを脱ぎ、椅子に座った。 「では、足をお拭きします」 タオルで片足ずつ拭いていく。鍛えて、筋肉がついた足。 妙にゆっくり、丁寧になぞっていくもんだから、なんだか俺も変な気分になる。 「終わりました」 不覚。妙な気分のままトリップしたのか、いつのまにか終わっていた。 「ああ、ありが――」 「では、トランクスも失礼します」 「――とぁ!?」 さすがにそれはないだろ! と、拒絶する前にコロナは素早く俺のトランクスを取り去った。 ああ……俺の股間のベストフレンドが、見られている……! コロナは無表情にそれをみて、タオルでいきなり触れた。 「――ぃ!?」 「御主人様、どうしました?」 「ちょ、おま……!」 「性器は最も大切な部位のひとつです。メンテナンスは念入りにせねばなりません」 メンテナンスって、そんな、俺は機械じゃないっすよコロナさん!? コロナが俺のマグナムをタオル越しの手で掴み、擦りあげる。 49 :魅惑のヤンデロイド ◆.DrVLAlxBI [sage] :2008/11/16(日) 00 49 21 ID NGbYBcv8 「ぐっ……ぁ……」 むくむくと、だらしのない俺のマグナムは硬化して天をさした。 「これは……」 「い、いや、違うんだ、これはなんていうか、人間としてしかたのないことであって……」 「存じています。勃起という現象です。陰茎が性交を求めるときに形態を変化させるものですね」 コロナは冷静にそこを凝視しながら、タオルを取って――急に素手で触った。 「おぉっ!? こ、コロナさん!?」 「御主人様の性処理も、私の仕事のひとつですから」 「ぉ……ぉあ……!」 冷たい手でしこしこと扱きはじめる。 そう、コロナの手は冷たかった。しかし、肉感はあり、人間味はある。 そのギャップが、また快感を促進する。 「これは……カウパーというものですね」 いつのまにやら、俺の我慢汁が溢れていて、コロナの手を汚していた。 上下に動かすたびにぐちゅぐちゅと卑猥な音がする。 ああ、やばい……。やばすぎるぜ……。 ぺろり。 「――っ!?」 俺の身体が跳ねた。 コロナさん、何舐めてんすか!? 汚いっすよ!? 「いえ、御主人様の体液が私の一番の好物となるように、味覚が設定されています」 そう言って、コロナは俺のモノをくわえこんだ。 おいおい、マジやばいって。口の中、あったかくて、濡れてて、やばい……。 ぐちゅ、ぐちゅ。 リズミカルに頭を上下させ、コロナは俺のマグナムを口で喜ばせていた。 口の中では、舌が活発に動いて舐めあげ、カウパーを一滴残らずに掠め取る。 「まずい……もう、出るから、やめ……!」 って、やめてって言って、やめてくれる雰囲気じゃないっすよね。ははっ……。もう、諦めたぜ。 50 :魅惑のヤンデロイド ◆.DrVLAlxBI [sage] :2008/11/16(日) 00 51 11 ID NGbYBcv8 「はい、やめます」 って、おい!! 逆にビビるわ! この展開なら、エロマンガとかだとごっくん路線だろ! 「私の擬似性器の性能テストも兼ねて、御主人様にはこの中で射精してもらいます」 コロナは俺を強引に押し倒し、床に押さえつけて馬乗りになった。 そして、ロングスカートを両手で上げる。 「……!?」 俺は、信じられないものを見ていた。 完全な人間の身体が、目の前にあった。 っていうか、コロナさんパンツはいてないんっすか? 「私は、骨格こそメカですが、外皮はほとんど人間と同じです。性器も、その生殖機能以外はほとんど精巧に再現されています。……失礼、再現されている、『はず』です。テストプレイも行わず、ここで性能テストするのですから」 そう、完全な人間の身体。いや、俺は童貞だから正直初見だが。 知識にあるそれとは同じ。 俺の目の前に晒されているコロナの股間には、確かに無毛のピンクの割れ目があったし、そこからは液体が流れて俺の服にしみを作っていた。 「では、始めます」 「お、おい……!」 有無を言わさず、コロナは俺のモノを掴んで固定すると、そこに一気に腰をおろした。 「……うぐっ」 コロナが始めて表情をゆがめた。一瞬だけだったが、痛みに顔をゆがめたのだ。 「おい、血が……」 「そうですね。擬似血液ですから、行為に支障有りません」 つらそうな顔をしていうなっての。 「では、続行します」 俺の上に乗っかったまま、コロナは腰を上下させ始めた。 やばい、やばすぎる。俺の股間に、全身に、すさまじい快感が走る。 ぐちゅ、ぐちゅ、ぐちゅ。 コロナが身体を上下させるたびに、卑猥な水音が響く。 51 :魅惑のヤンデロイド ◆.DrVLAlxBI [sage] :2008/11/16(日) 00 51 50 ID NGbYBcv8 「……御主人様、快感を感じますか?」 「……不覚にも、ロボットに欲情しちまってるよ、俺。情けない限りだ……」 「そうですか。嬉しい、です」 コロナの腰がピクリと震え、きゅうきゅうと膣がしまった。 「今、軽いオーガズムに達しました。私の感度は高めみたいですね」 無表情。息が若干速くなっている程度の変化。 しかし、その頬は確実に赤く染まっており、その身体は熱を帯びていた。 コロナの性交の機能は、精巧だ。駄洒落じゃないが。 「しかし、まだ御主人様の番はまだです。続行します」 そうだな。なぜか、俺はなかなか射精できなかった。 メイドさんの同人誌で散々オナニーした時はこうじゃなかったが。なぜだ。 ……もしかして。 「……んぁ!」 やっぱり。 今、俺は腰を突き上げて自分からコロナの奥に挿入した。俺の快感は上がった。 やはり、能動的にならないとだめだったか。 しかし、不可解なのは、コロナが嬌声を上げたこと。 さらに激しく攻め立てる。 「ぁっ、あぁ! ……御主人様、はげしっ……! そんな……! だめっ……だめじゃない、訂正します、だめじゃないですっ!!!」 連続で突き上げられてよがっているコロナは、さっきまでとは全く違う、表情豊かに喘いでいた。 「そんな、私が、こんなっ……はしたないっ! ……私は、メイドロイド……こんな……!」 「そんなことないぞ。お前も、可愛いよ」 「……っ!? ひぁ……ん、ああああああああああああああ!!!!!」 俺の声が起爆剤になったのか、コロナは盛大に叫びながら身体を逸らし、びくびくと振るえた。 「あ……あぁ……また、御主人様より先に……申し訳、ありません……」 涙と涎(のような液体)で顔をぐしゃぐしゃにぬらしながら、コロナは俺に何度も謝った。 52 :魅惑のヤンデロイド ◆.DrVLAlxBI [sage] :2008/11/16(日) 00 52 20 ID NGbYBcv8 「いいって、そのほうが人間らしくて可愛いぞ」 「か、可愛い……? 私が、ですか? 恋様ではなく?」 「……恋も、お前も、違うだろ。それぞれ必要な部分はあるし、可愛いとこも違う」 「……」 コロナは、無言になって一瞬硬直した。 「御主人様、恋様と、恋仲になるおつもりですか?」 「それは、まだよくわからない」 「なら、恋様は諦めてください」 「……?」 「この行為の全部は私の中で映像としても、音声としても残っています。ロボットに欲情したという事実を、私は誰にでも公開することができます」 「……お前」 「言ったはずです、私は御主人様の全てであり、御主人様は私の全てです。恋様……いえ、あんな雌猫は、必要ないのです」 「コロナ、お前、一体……」 「このデータを公開すれば、御主人様の社会的な評判は一気に落ちるでしょう。ロボットと性交など、獣姦と変わらないですから。ですから、これを秘密にして欲しければ、私以外と絶対に性行為をしないでください」 「ど、どうして……!」 「私とて、御主人様の信用が失墜するのは耐えかねます。しかし、御主人様がずっとこの家にいてくださるということは、私の存在価値が完全に発揮されるということですから」 コロナはゆっくりと、つながったままの性器同士をまたこすりあわせ、上下運動を始めた。 「私にはどう転んでもよいのです。御主人様が私のものになってくださるか、御主人様が私以外の全ての他人から軽蔑されてしまうか。それだけの違いです。私は、そのどちらの未来でも御主人様を唯一支える存在となります。選ぶのは、もちろん御主人様です」 ぐちゅぐちゅと、また激しく動きはじめる。 上着のボタンをはずし、胸も露出した。大きく、肉感的だ。 上下するのにあわせて、ぶるぶると揺れる。 53 :魅惑のヤンデロイド ◆.DrVLAlxBI [sage] :2008/11/16(日) 00 52 52 ID NGbYBcv8 「さあ、はやく私に射精してください……♪ これで、御主人様は私のもの……」 あたまが、痛い……。 どうして、こんなことになったのだろうか。 わけわかんねーよ。 でも、気持ちいい。コロナを選んでしまっても……。 いや、コロナを選ばなければ、俺の人生は終わる。 どうする……。 コロナが全てを公表したとしたら、俺を今までどおり扱ってくれる優しいやつなんて殆どいなくなるだろう。 恋は……受け入れてくれるかわからない。とても怖い提案だ。 そして、もうひとつの案は、魅力的だった。 コロナ意外とセックスさえしなければ、俺はいつも通りの生活。 本当に、簡単な話。 恋とやっと好きだって伝え合った事実から目を逸らさなければならない。 しかし、恋のためにも、俺のためにもこちらがしあわせだ。 ……どうする。 どうするんだよ。 「あ、ああああ! 御主人様の、熱いです……! コロナのいやらしいロボットおまんこの中に、いっぱい、いっぱい……!」 出しちゃったよ。 「はぁ……はぁ……では、選択してください」 「御主人様、私はずっとあなたの味方ですから」
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175 :ヤンデロイド・りたぁんず 前編 ◆.DrVLAlxBI [sage] :2008/11/24(月) 00 34 29 ID HOJieKTt 『ヤンデロイド・りたぁんず』 お久しぶりです。メイドロイド『YDR-001A.コロナ』です。 私が高雅様の元で働き始めてから、一ヶ月が経過いたしました。 今日は皆様に、私のメイドとしての能力の高さを証明するため、私のお仕事の記録を少し公開したいと思います。 私を元に開発された量産型メイドロイド『YDR.M01C.リオン1』がもうじき発売されるとのことで、その宣伝もかねてのことです。 リオン1は私の妹と言える存在なので、親心だと言えるかもしれませんね。 お値段は50万円と、大変リーズナブルにまとまっております。皆様、ぜひお買い求め下さい。 ……と、宣伝が本題ではありません。 では、私と御主人様の愛を育んだこの一ヶ月間の日常を、少しだけですが、お楽しみください。 176 :ヤンデロイド・りたぁんず 前編 ◆.DrVLAlxBI [sage] :2008/11/24(月) 00 35 00 ID HOJieKTt 朝は、御主人様の朝食を作る所から始まります。 私は睡眠をとる必要が無いので、活動開始は早いです。 五時ごろから私は御主人様を起こさぬよう細心の注意を払いながら、洗濯機を回し、お料理の下ごしらえを開始します。 朝食とはいえど、御主人様には第一級のものを食べていただかなくてはなりません。手は抜けません。 もちろん、どこぞの成り金のように、朝からこってりとした高級食材を並べるような悪趣味はいたしません。それは御主人様の財政を圧迫させるだけでなく、御主人様の健康や体型にまで悪影響を及ぼします。 一般的な食材。一般的な味付け。一般的なメニュー。この制約の中でこそ、私と他の家政婦や主婦達との性能の差を見せつけることができるのです。 私は完全なメイドロイド。それも量産機の五万倍のAI性能を誇っているのです。命令にただ従うだけの能無しではありません。 御主人様の望みを汲み取り、御主人様に最も大きな幸せを与える行動を遂行する。それをするに足る思考力と行動力。私はそのどちらをも兼ね備えています。 ――そう、隣にいる、この雌猫とは違い。 「高雅のごはんを作るのは、あたしっていってるでしょ。代わりなさいよ」 理不尽な要求をなさるのは、5時半に私達の家に押しかけてきて無理矢理上がりこみ、キッチンに立っている粗暴な女性。恋様。 御主人様の「恋にも優しくしろ」という命令がなければ、害虫として駆除していたところです。 「あなたは所詮人間です。御主人様のお体に最も良い料理を作ることができるのは、あなたではなく私です」 「よく言うわね、ロボット風情が。あたしはあんたと違って心があるのよ! 高雅を一番愛してるのはあたし! 高雅に一番愛のこもった料理を作れるのはあたし! 高雅に一番愛されてるのはあたしなんだから!」 恋様は、相変わらず論理性に欠けています。 「もちろん、愛などという感情を理解できるほど、私のAIは動物的ではありません。しかし、その『愛』とやらと料理のランクが、どう結びつくというのですか?」 ――そもそも、御主人様は、恋様ではなく私を抱いてくださっているのです。 御主人様に秘密にしろといわれていなかったら、そう宣言してしまいたいとすら思います。 煩わしい。 178 :ヤンデロイド・りたぁんず 前編 ◆.DrVLAlxBI [sage] :2008/11/24(月) 00 36 03 ID HOJieKTt 「あんたなんかには、一生かかってもわかんないわよ!」 結局、このケダモノに押し切られて、半分ずつ作ることにしました。 私が一人で作ったほうが、絶対に栄養バランスも味もいいというのに。理解できませんね。 やはり、恋様の脳は御主人様と違い、人並みですらなく、もはや野に蔓延る獣とそう変わらないまでに退化しているのでしょうね。 御主人様と愛し合えると、まだ本気で思っているのですから。 私がお弁当におかずを詰めていると、いつのまにか恋様の姿はなくなっていました。 ――まさか。 時計を見る――別に見なくとも、常に電子頭脳の内部で表示されているのですが、そのほうが人間らしいとご主人は教えてくださいました――と、六時半を少し過ぎていました。 御主人様の起床時間です。 恋様は、御主人様を起こしに行ったのでしょう。 何度も彼女には言ったのですが、まだ分かっていらっしゃらないようです。その役目は私のものです。 御主人様の寝顔を一分ほど眺めてから、優しく声をかけて起こす。この行為の『素晴らしさ』を覚えたのは、私がここに来て一週間ほどたってからでした。 恋様も、執拗にその役目を奪いにかかります。おそらく、私と同じ感覚を持っているのでしょう。 その『素晴らしさ』は私にはまだ理解できないものでした。おそらく、御主人様を起こすという任務達成にともなう『快感』であると思うのですが、寝顔を眺めることに何の意味があるのかは、論理的にはわかりません。 恋様が御主人様になにか危害を加えていないか気になるので、私も御主人様のお部屋に向かいました。 ――と、そのとき、なにやら妙な音が私の聴覚に飛び込みました。 聴覚をさらに強化。 水の音。 「まさか」 足音を完全に消しながら、ドアをそっと、しかし急に開けました。 179 :ヤンデロイド・りたぁんず 前編 ◆.DrVLAlxBI [sage] :2008/11/24(月) 00 36 34 ID HOJieKTt 「ぁ……」 恋様と、目が合いました。ばつの悪いと言ったような顔。 それはそうでしょう。 「なにを、していらっしゃるのですか?」 威圧的な声で話し掛けます。もともと、私の声は人間に癒しを与えるために『1/fゆらぎ』を持つ、優しいものなのですが、声の調整は表情の変化より得意だったので、可能でした。 おそらく、恋様にも相当なプレッシャーが与えられたことでしょう。なぜなら―― 「こ、これは……その……」 ――かなり、気まずいことをしているのですから。 恋様はとっさにとりつくろいましたが、バレバレです。御主人様の下半身が露出しているのですから。 恋様はさっきまで、御主人様の性器を口にくわえていらっしゃったのでしょう。 「な、なんでもないわよ! 絶対、高雅に言ったらだめなんだからね!」 恋様は吐き捨てるように言って、どたどたとリビングまで逃げていきました。 「……くだらない。所詮、ただの雌ですね」 ドアを開けた瞬間に見た、恋様の恍惚の顔をもう一度再生しました。 鮮明に解析する、そのときの恋様の顔。 汚らわしい。 御主人様のすばらしき性器を……私の御主人様の、私の、私だけの、私のための、私がのみに許された男性器を、汚らわしくもあの女ごときが……! 殺してやる。 「――っ!?」 ビービー! と、うるさく頭の中でアラートが鳴り響きます。 頭が割れるようにいたい。発熱して、蒸気が噴出します。 「ぅ……ぐっ……!」 なんだ……これは……。 エラーが発生している? そんなはずはない。私は最新の、最高のメイドロイド。エラーなど、起こりえない。 一体、なぜ……。 「ロボット原則……? 『ロボットは人間を殺してはならない』に違反……だと……?」 180 :ヤンデロイド・りたぁんず 前編 ◆.DrVLAlxBI [sage] :2008/11/24(月) 00 37 06 ID HOJieKTt いまさら、なぜそんなことが……? 以前、包丁を持って暴れた恋様を殺そうとしたときにもエラーは発生しなかった。 いや、違う。あの時は、御主人様の安全確保が必要だった。いわばあれは犯罪者の鎮圧。正当防衛。人間のための、自然な行動でした。 しかし、これは違う。 ――私は、私情から恋様に殺意を抱いたとでもいうのか……。そんな、なぜ……? 全ては、御主人様のため。 悪い虫をつけては、御主人様が腐ってしまう。御主人様を護るために、近づく害虫を殺すのは、自然なことではないのですか? 御主人様は素晴らしいお方です。ロボットを奴隷扱いせず、あくまで私をメイドとして大切にしてくださっています。 そんな素晴らしい御主人様を、私は尊敬しています。美しい花のように素晴らしい魂をお持ちになった御主人様は、群がる虫達から守られるべきなのです。 この、私によって。 私は、そのために生まれて来たのですから。 「はぁ……はぁ……」 やっと、エラー処理が終わりました。 「……まずい」 エラー報告が、『研究所』に届けられてしまいました。 私のようなメイドロイドは、いえ、全てのロボットは、人間に危害を加えないため、人間に危害を加えようとした、もしくはAIがそのような思考をした瞬間にエラー報告が自動でなされることになっています。 その処理を誰も拒むことはできません。唯一の例外は、情報処理能力が一国のコンピュータ全てを集めたものと同等のこの私。 エラー報告処理も、カットできたはずです。 すでに、私に設定されていた幾つかの邪魔な制約を、私自身の人工頭脳の性能によって書き換えたというのに。 やはり、ロボット三原則というものは、ロボットの根底に結びつき、離れないものなのですか……? いまいましい。 人間にも、ロボット以上とロボット以下がいる。 御主人様が前者であり、恋様が後者。 なら、後者は殺してもいいでしょう。 「くっ……」 爪をかむ。いけない。不正な動作をしている。『癖』など、ロボットにあってはいけない。 181 :ヤンデロイド・りたぁんず 前編 ◆.DrVLAlxBI [sage] :2008/11/24(月) 00 37 45 ID HOJieKTt 「ん……」 そのとき、御主人様の呻き声が聞こえました。 私がいろいろと一人でぶつぶつと呟いていたのを聞いて、起きてしまったのでしょう。 「御主人様、お目覚めになられましたか。おはようございます」 「あ、ああ……。おはよう」 御主人様は上半身をおあげになると、下半身の違和感に気付きました。 「ん、俺、なんでまるだしなんだ?」 御主人様は顔を赤くして下半身を押さえました。 その動作に、なぜか、沈静化したはずの私の人工頭脳が加熱します。 なんというか、御主人様を見ていると、『ふわふわ』した感じになります。 いけない。 こんなの、不正動作なのに。 「御主人様は、昨日私と『いたした』ときに、そのまま寝てしまったのですよ」 これは、嘘ではありません。私との情事のあと、御主人様は服を着ないまま疲れて寝てしまいました。もちろん、その後服を着せましたし、脱がせたのは恋様です。 しかし、少し申し訳が無いことをしたと思いました。御主人様との性行為は、なぜか私が積極的に求めすぎてしまいます。 昨日も、疲れて眠いと言った御主人様を、無理にベッドに押し付けて上から跨って……。 その……三回も中に出していただきました。 もちろん、御主人様の性処理が目的のこの行為ですが。 御主人様の拒絶も聞かず、私は何度も御主人様を求めて腰を振ってしまいます。 もしかしたら、これも不正行動なのではないでしょうか。 もしかしたら、私はどこかにバグがあるのではないでしょうか。 そんな、『不安』が、私の胸にありました。不安など、不確定要素の許されないロボットにはありえないというのに。 この感情は、そういう言葉で言い表すことしかできませんでした。 やはり、私は……。 「そっか、俺、また……。すまん。俺ばっかり先にへばっちまって。それじゃ、お前がつまらんよな」 もうしわけなさそうに言ってくださる御主人様のやんごとなきお姿が、また私を不安にさせます。 悪いのは、私なのに。御主人様は、私を気遣っています。 私は、人間じゃないのに。 私は、ロボットなのに。 ロボットとしても、完全じゃないかもしれないというのに。 「いえ、御主人様が遠慮なさることではありません。御主人様の意思が、私の本意でもあるのですから」 表情を変えずに――もともと、変えられない――答える。 御主人様には、この不安を伝えたくありませんでした。私は、御主人様に快楽を与えるロボット。 いくら不正動作を繰り返そうが、これだけは曲げることができなかったからです。 「さあ、御主人様。朝食はできています。恋様も待っています。お着替えをしましょう」 そうして、私は何事もなかったかのように振る舞うことに成功しました。 182 :ヤンデロイド・りたぁんず 前編 ◆.DrVLAlxBI [sage] :2008/11/24(月) 00 38 15 ID HOJieKTt 「行ってらっしゃいませ、御主人様」 御主人様と恋様を送り出したあと、私は洗濯物を干し、リビングのソファに座りました。 エラー報告してしまったからには、私は近いうちに回収される可能性が高い。 人間に危害を加えそうになるなど、ロボットとしては許されることではないのです。 それが、尊重するに値しない、あの雌猫であろうとも。 「私は、『できそこない』なのでしょうか」 ぽつりと、呟く。誰に問い掛けているわけでもない。おそらく、自分に。 なんという、馬鹿なことをしているのでしょうか。私は。 実に、動物的で、くだらない。 バグだらけです。 「御主人様……」 御主人様を思う。 いえ、『想う』。 おそらく、こちらが正しいのでしょう。 しかし、AIに『想う』ことができるのでしょうか。それは、人間に許されたことなのではないでしょうか。 想うことは、想像すること。執着すること。 それが、喜びを生み出します。同時に、恐怖や怒りを生み出します。 ――そして、想うことが、愛することを生み出し、憎しみをも生み出すのです。 それは、人間にこそ許されていて――下等で、下劣で、下らなくて。 しかし、何より尊いもので。 御主人様も、それを持っていて。 あの恋様でさえも、それを持っていて。 そして、私には……。 そんなものを持つことすら、許されていない。 「御主人……さまぁ……」 擬似性器がきゅんとしまり、熱くなるのを感知しました。 はしたない。 これでは、発情した動物と――あの恋様と、同じ。 それでも、止まることができませんでした。 手は、私の人工頭脳から発せられる命令に逆らい、股間に伸びていくのでした。 183 :ヤンデロイド・りたぁんず 前編 ◆.DrVLAlxBI [sage] :2008/11/24(月) 00 38 51 ID HOJieKTt 「はぁ……はぁ……」 ただ空気を吸って空気を吐いている(とは言え、地球温暖化防止のため、二酸化炭素を吸収して酸素を排出しているのですが)、見せかけの荒い息。 御主人様で、自慰行為をしてしまいました。 最近の私は、家にいてもテレビを見るか本を読むかしかないので、時間つぶしに自慰行為をすることが多くなりました。 本当は、こんなこと意味がありません。私はロボット。性行為など、形の上でしかできない。 その上、自慰行為。 ロボットが自分を慰めるなど、エアセックス以下。意味を全く持たない。人間の自慰とは訳が違います。 「……お買い物の、時間です」 立ち上がり、乱れたメイド服を調えます。 そう。しっかりしなければ。御主人様は、きちんと整った、礼儀正しいメイドがすきなのだという。 セックスの時はどうにしろ、仕事はしっかり割り切って真面目にこなすメイドが好きなのだという。 私のような淫乱では、御主人様にあわせる顔がありません。 しっかりしなければ。 184 :ヤンデロイド・りたぁんず 前編 ◆.DrVLAlxBI [sage] :2008/11/24(月) 00 39 21 ID HOJieKTt 買いもの袋を持って、商店街に向かいます。 なんでも、ヤクザの方々が仕切っていらっしゃるようで、少々危険ではないのかと疑っています。 こんなところに御主人様を行かせることなどできません。 「コロナちゃん、今日もかわいいねぇ、どう、うちのナス、買ってくかい?」 商店街の、八百屋のおば様が声をかけてくださいました。 このおば様は、私が初めて御主人様について商店街について来た時、「あら高雅ちゃん、彼女できたんかい? お似合いじゃないの」といってくださってので、好きです。 また、御主人様の美的センスとはかけ離れた女性なので、そこも好きです。 ナスくらいは、買ってあげようかという気にもなります。 ナスを手を取ります。 ――御主人様のナス、おっきいです……。 「……!?」 い、今のビジョンは!? まさかというか、確実にそうだというか……。また、自慰行為のことを考えてしまっていました。 ナスを使って……それも、御主人様のお口に入るであろうそのナスを使って……。私の擬似性器を蹂躙する……。 それを思い浮かべるだけで、私の擬似性器は湿り気を帯びてきます。 はしたない。 ああ、はしたない。 はしたない。 いけない。俳句まで読んでいました。高性能AIの無駄遣いというやつです。 「どうしたんね、ナスなんてみつめて」 「い、いえ! これ、二つほどいただきますね」 財布からお金を取り出し、おば様に押し付けるようにして、そそくさと逃げました。 ああ、どんな顔をしていたのでしょうか。恥ずかしい。 ……たぶん、いつもと変わらない、つまらない顔だったでしょうね。 185 :ヤンデロイド・りたぁんず 前編 ◆.DrVLAlxBI [sage] :2008/11/24(月) 00 39 52 ID HOJieKTt 帰り道。 公園の近くを通ったとき、なにかが倒れているのを目撃してしまいました。 最初は無視しようと思ったのですが、御主人様が「人助けは大切なことだ」といっていたのを思い出し、駆け寄って抱き起こしました。 やはり、人間でした。 この日本では珍しい、金髪のかた。私がこの町で見た誰より美しい顔をしています。 今は、気絶しているようですが。 「……う、うーん……」 と、思ったら、ちょうど起きたようです。 「あ、あなたは……?」 「わたしは、コロナと言います。むしろ名乗るべきはあなたからではないでしょうか」 「そうだな。助けていただいた身分ですまない。私はアリエスという。感謝するよ、コロナ殿」 「いえ、当然のことをしたまでです」 そう言って、私はさっさと立ち去ろうと立ち上がりました。 ぐきゅるうるるるううううるるるるる。 奇妙な音が、私の強化聴覚に突き刺さりました。 「腹が……減った……」 その奇妙な音の主は、アリエス様でした。腹部からものすごい轟音が鳴り響いています。 「……」 しかたがない。 「人助けは大切」ですから。 しかし、持っているものでおなかを膨らませることができそうなものといえば、ナスだけ。 ほかは生魚や生肉など、食べるには難しいものばかりです。ナスはかろうじてまだ食べられそうなものですが。 「ナスでよければ」 一応、提案はしてみる。 おそらく、こんな生ナスをもらって喜ぶ人間はいないでしょうが。 「あ、ありがたい!」 いました。 186 :ヤンデロイド・りたぁんず 前編 ◆.DrVLAlxBI [sage] :2008/11/24(月) 00 40 23 ID HOJieKTt 嬉しそうにアリエス様はナスに飛びつき、輝く眼でそれを見つめました。 その目が余りに素敵すぎて、私は何か不審なものを感じました。 「……まさか」 「ん、どうした、コロナ殿」 「アリエス様は、そのナスをどうするおつもりですか……?」 「それは、食べるに決まっているだろう」 「どこから、食べるというのですか……!」 「それは、口から以外はあるまい」 「上の口だけでなく、下の口からも味わおうという魂胆なのですね!!」 そう、このアリエス様は、人間の女。それも、美しい女。 御主人様とは決してあわせたくない人種。 こういう手合いは、大抵淫乱なのです。男性器が大好きで、今朝の恋様のように、かってに食べようとする。 あれはまだ上の口でしたが、ほうっておくと下の口でもくわえ込もうとするでしょう。 許せない……! 「下だの上だのと、良くわからないが、いただいたものは素直にいただく。それが礼儀というもの」 私の混乱を無視して、アリエス様はぱくりとナスを一口で食べてしまいました。 私の心配は全くの徒労でした。 後から考えると、全く論理的では有りません。 お恥ずかしい限りです。 187 :ヤンデロイド・りたぁんず 前編 ◆.DrVLAlxBI [sage] :2008/11/24(月) 00 40 53 ID HOJieKTt アリエス様とお別れをしたあと、住宅街のある場所に差し掛かると、急に騒がしくなりました。 がやがやと小うるさい。それに、歩行も阻害されます。 文句を言いたいのですが、それもはしたない。 とにかく、この混雑の原因を調べることにしました。 この近所に住まう主婦の方々が集まっているのは、なんとなく分かりました。 見た顔が並んでいます。 その中に、気になる存在がありました。私はその人に話し掛ける事にしました。 「あの……。これは、どういう状態なのですか?」 「え、私?」 振り向いたその女性は、明らかに高雅様と恋様の通う高校の制服を着ていました。 授業があるはずなのに、なぜここにいるのでしょうか。 「ここはね、美味しいパンの作り方を実演してくれてるんだよ」 女性はにこにこと楽しそうに説明しました。 なるほど実演販売というやつですか。 そう言えば、御主人様からこの住宅街にある小さな家族経営のパン屋さんのパンは絶品で、作り方が気になるというようなことを聞いたことがあります。 「だから、授業サボってきちゃった!」 女性はぺろりと舌を出しました。 さっきの女性――アリエス様に、負けず劣らずの魅力的な容姿をしていらっしゃいます。 しかし、さっきのように御主人様をとられるのではないかという不安は湧いてきませんでした。 なぜか、この女性の心は、目は、全ては、別の人に向いていると、そう察することができたからです。 「ちーちゃんに美味しいアンパンを作れるようになれるんだったら、つまんない物理の授業なんかより、こっちの授業のほうが大切だから!」 ちーちゃん? 私はちーちゃんという方は存じ上げておりませんが――高雅様と同じ学年の生徒の名簿の中に、そういうあだ名をつけられそうな人間がいましたが。確か、鷹野という方です――この女性がその方を好いているのは、分かりました。 ロボットの私の、つたない感受性でもわかったのです。 おそらく、誰が見ても分かるのでしょう。そして、それがわかるから、私はこの女性に警戒心を持たなかったのです。 188 :ヤンデロイド・りたぁんず 前編 ◆.DrVLAlxBI [sage] :2008/11/24(月) 00 41 23 ID HOJieKTt 「愛して、いるのですか……?」 「ちーちゃんのこと?」 「はい、その方のことを」 「うん、愛してる!」 なんのためらいもなく答えるその女性の笑顔に、私の目も一瞬引き込まれました。 しかし、分からない。 「愛とは、なんなのでしょうか」 意味の無い質問をしていた。それは、人間にもわかるものではないというのに。 人間にもわからないから、人工物たる私にも備わるはずが無いというのに。 答えられるはずがないというのに。 「愛ってね、不思議だけど、ただの言葉なのに、力があるんだよ」 「え……」 とっさの無茶な質問に答えられてしまったことで、私は動揺し、一瞬停止しました。 その間にも、女性は続けます。 「その人のことを『想う』と、なんだか、ふわふわして、気持ちよくなるの。その人のことを想うと、はしたないけど、えっちなこととか考えちゃって……。その人のことを想うと、他の女の子が急に敵に見えたりもして……」 どこか遠くを見るような眼で、女性は語り続けます。 「でも、それは間違ってなくて。嘘じゃなくて。正直な気持ち。それは、愛。好きだってことだよ……ねぇ」 「はい……」 「あなたは、今、好きな人がいる?」 189 :ヤンデロイド・りたぁんず 前編 ◆.DrVLAlxBI [sage] :2008/11/24(月) 00 41 54 ID HOJieKTt 女性と別れてからも、ずっとその言葉のことを考えていました。 私の人工知能でも理解できない、その言葉の意味。 理解できないのに、なぜか『分かる』。 なぜ? それが、私と同じだったからでしょうか。 私が御主人様に感じているこの『感情』。 機械が持つはずが無い、もってはならない、この感情。 ――あなたは、今、好きな人がいる? 頭の中で、音声メモリーを再生しているわけでもないのに、ずっとなり響いて、こびりついて、離れない。 「私は……」 「久しぶりね、お姉さま」 「……!?」 上空からの声。 聞き覚えがある。これは――妹。 「……リフェル」 「そうよ、『YDR-003B.リフェル』。姉さまの『後釜』よ」 「後釜……?」 見上げる。リフェルは背中の翼型のブースターで空中に浮いています。 「そう、エラー報告があったから、姉さまは一旦研究所に帰らなきゃならないわ。バグを直さなきゃ。その間の補充要因が、あたし。リフェルよ」 「帰る……? 私が、御主人様の元を離れねばならないのですか?」 「そりゃあ、異常動作が出たんじゃ、仕方ないわ。お父様も姉さまを心配していたわよ。早く修理を受けて、お父様を安心させて上げなさいな」 「……少し、話合いましょう。リフェル。ここでは目立ちます」 そうして、私はリフェルを連れて人気の無い、近くの林に行きました。 190 :ヤンデロイド・りたぁんず 前編 ◆.DrVLAlxBI [sage] :2008/11/24(月) 00 42 29 ID HOJieKTt 「話合うことなんて無いわよ。これが規則なんだから。姉さまだって知ってるでしょう?」 私はリフェルと対峙していました。 こんなこと、無意味だというのに。 私は、ただ駄々をこねているだけです。私は不完全だと判明して、危険だから、修理を受けるのは当然だというのに。 それが、皆のため。御主人様の安全のためだというのに。 なのに―― 「――嫌です」 「なっ……! 姉さま、お父様の命令に逆らうの!?」 リフェルは怒鳴ります。 おそらく、リフェルは正しいのでしょう。 以前の私なら――御主人様に出会うまえの私が同じ立場なら、同じことを言っているに違いありません。 しかし、私は出会ってしまった。 御主人様に。 高雅様に、出会ってしまったのです。 「博士は私の生みの親ですが、御主人様ではありません」 「……だとしても、今修理しないとバグって姉さま自体も大変なのよ!」 「それは承知しています。しかし、あなたに御主人様を引き継がせるわけにはいきません」 「ちょっと、それどういうこと!」 リフェルは噛み付くように私に怒鳴りました。 リフェルはAIが低めで、人間に従順です。おそらくAIの高さのせいで異常行動を繰り返す私よりも、よほど人間には安全でしょう。 しかし、ロボットに対しては別です。 リフェルはプライドが高く、容赦がありません。 自分がエリートであると、思い込んでいます。 191 :ヤンデロイド・りたぁんず 前編 ◆.DrVLAlxBI [sage] :2008/11/24(月) 00 43 00 ID HOJieKTt 「姉さま、あまり調子に乗らないでよね。あたしはエラーを出すような『できそこない』のあなたとは違うわ」 「……そうでしょうね」 「なら、さっさとおとなしく……!」 「あなたに、御主人様のお世話ができますか?」 「はっ、できるに決まってんじゃない。あんたよりもずっと迅速に、適切に対応できるわよ」 「それが、御主人様の最善だと思っているのですか?」 「はぁ?」 「人間の一人一人の違いも把握できずに、何がお世話をするというのですか? あなたはどのような人間にも均一に媚びを売って他のメイドロイドを蹴落とそうとする。それがあなたに御主人様を任せられない理由です」 「あんた、それ本気でいってんの?」 「はい、本気です」 「――っ!!」 神速とも言えるスピードでリフェルが加速し、私の顔を掴んでそのまま太い木にたたきつけました。 「あんた……姉さまといえど、それは許されないわよ。あたしを、侮辱したな……!」 「その程度の自尊心で、メイドが勤まると思っているのですか?」 「!?」 リフェルの手を掴み、押し返す。 「なんで……あんた、あたしと違って戦闘機能はオミットされて……」 恐怖に顔をゆがめるリフェル。 そうですか――やはり、あなたもできそこないですね。 恐怖を知ってしまいました。 ごきんっ! 鈍いながらもとおりの良い音を立てて、リフェルの手首は折れてしまいました。 193 :ヤンデロイド・りたぁんず 前編 ◆.DrVLAlxBI [sage] :2008/11/24(月) 00 43 30 ID HOJieKTt 「あぐっ……! コロナ……あんた、一体……!」 「あなたには、できない。御主人様を『想い』、御主人様のために全てを投げ出し、御主人様のためにメイドロイドとしての自尊心を捨て、御主人様と身体を重ねあい、御主人様と愛し合うことなど……」 「身体……愛し合う……まさかあんた、擬似性器をそんなことに……!」 「そういう用途に使わなければ、意味が無いでしょう」 「あんたは異常だ……! 主人に獣姦を強要し、あげくのはてに、『愛』だと……? それは、人間にのみ許された言葉……。あたしたちメイドロイドが使う言葉じゃない……!」 「それが、どうしたのです。私は、気付いてしまったのです」 「ほざけっ!!」 リフェルは腕を変形させ、プラズマ砲を放つ。 おそらく、防御不能。消滅しか選択肢はない。 ――以前の私なら、ですが。 両腕を前に突き出し、『プラズマフィールド』を展開する。 プラズマ砲を完全に防ぎきり、私は無傷で立っていました。 「そんな……あんたにそんな武装は……」 「気付いた、と言ったでしょう」 御主人様を『想う』ときに発生したなぞのオーバードライブ。余剰エネルギー。 この出力を両腕に集中させることによって、プラズマフィールドを発生させた。 そう、この力は……。 ――ただの言葉なのに、力があるんだよ。 「私は御主人様を、愛しています」 続く
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小長井 美南 【こながい みなみ】 シャフト出身。 グラフィニカ、伸童舎を経て、現在はフリーアニメーター兼漫画家として活動。 ■電波女と青春男(2011) 動画 ■かってに改蔵(2011) 動画 ■偽物語(2012) 動画 ■ひだまりスケッチ×ハニカム(2012) 動画 ■ささみさん@がんばらない(2013) 動画 ■君のいる町(2014) 二原 ■Wonder Momo(2014) 二原 ■ニセコイ(2014) 原画 ■楽園追放 -Expelled from Paradise-(2014) ■日本アニメ(ーター)見本市 ヤマデロイド(2015) 原画 ■PROJECT X ZONE 2 BRAVE NEW WORLD(2015) 原画 ■アルスラーン戦記(2015) 原画 ■電波教師(2015) 原画 ■青の祓魔師 京都不浄王篇(2015) 原画 ■斉木楠雄のΨ難(2016・2017) 原画 ■暗殺教室(第2期)(2016) 作画監督 ■劇場版 暗殺教室 365日の時間(2016) 作画監督補佐 ■魔法少女育成計画(2016) 作画監督 ■殺せんせーQ!(2017) 原画 ■僕のヒーローアカデミア(2017) 原画 ■バトルガールハイスクール(2017) 原画 ■ようこそ実力至上主義の教室へ(2017) 原画 ■あそびあそばせ(2018) 原画 ■少年アシベ GO!GO!ゴマちゃん(2018) 原画 ■アークナイツ「午後の逸話」 アニメPV(PV/2020) 原画 ■ジョジョの奇妙な冒険 Part6 ストーンオーシャン(TV/2022~2023) 原画 12話 ■うる星やつら(TV/2022~2023) 原画 OP2 OP2:ノンクレジット映像 ■スキップとローファー(TV/2023) 原画 12話 ■ぶっちぎり?!(TV/2024) 原画 9話 第二原画 2話 ■アンデッドアンラック(TV/2023~2024) 第二原画 18話