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使用機材 高感度 CCD カメラ(WAT-100N) 赤道儀(EM-200) ビデオキャプチャ PC2台(1 台は CPU2.0GHz 以上、HDD 空き容量 50GB 以上が望ましい) ビデオ端子線(黄色) カメラレンズ CCDカメラ接続器具(カメラレンズ or FC100)
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使用機材 Autobahn シンセサイザー、ピアノ Moog - Minimoog Arp - Odyssey EMS - Synthi-A Farfisa - Professional Piano リズムマシン Farfisa - Rhythm Unit 10(カスタム) Vox - Percussio King エフェクター Schulte - Compact Phasing A Mutron - Biphase Computer World シンセサイザー Moog - Minimoog Moog - Polymoog Sequential - Circuits Prophet 5 Texas Instruments - Language Translator Texas Instruments - Pocket Translator Mattel - Bee Gees Stylophone シーケンサー Roland - MC8 MicroComposer Sequencer 出典 http //kraftwerkfaq.hu/equipment.html#equipment
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たまには楽器の話をw 実は音楽や楽器の話が大嫌いです! たまに打ち上げとかで延々と楽器や使用機材の話してる奴いんじゃん。 そんな奴らはグーでぶん殴ろうかなって思ってますw まずはギター メインに使ってるのはエピフォンのフライングV、ちなみに元ロリータ18号のエナモデルなんです。中古で29800円で買いました。ピックアップとブリッジをカスタムしてます。ポイントはいままで対バンしたバンドのステッカー貼りまくりのボディw多分軽く100枚以上貼ってますw その他、レコーディングで使用しているのがギブソンのレスポール、レスポールは主にバッキングや刻みで使用。クリーンはフェンダーのストラト。あとバキバキにしたいときはフェンダーのジャガー使ってます。 足下は実にシンプルなんす ワイヤレスがエアライン。チャンネルは13番。 まぁワイヤレスなんでまずワイヤレスレシーバーからチューナー。チューナーはボスのTU_3、そんでABチャンネル。ABチャンネルはスマイル先生のハンドメイドっす。このチャンネルから歪みとクリーンに別れるんですがクリーンはそんままJC120で。 ほんで歪みラインはまず、ラット。いまさらラットっすw そっからブースターがわりにソバットのオーバードライブ。 ほんでケツにボスのフランジャーと実にシンプルな足下っす。 なんかワチャワチャ足下にエフェクター並べるのがダサいと思う年頃なんす。 これ以上は楽器の話できませんw 名前 コメント
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使用機材 エレキギター Duesenberg Starplayer Ⅱ(カラー: Surf Green )ライブツアー「先攻エクスタシー」、学園祭ツアー「学舎エクスタシー」でメインギターとして使用。「幸福論」「ここでキスして。」のPVでも使用。 Duesenberg Starplayer TV(カラー: Silver Sparkle )ライブツアー「下剋上エクスタシー」、単発公演「(稀)実演キューシュー 座禅エクスタシー」、ライブツアー「東京事変 live tour 2005"dynamite!"」でメインギターとして使用。「Σ」「やっつけ仕事」「群青日和」のPVでも使用。 Duesenberg Starplayer TV (カラー: Surf Green )ライブツアー「下剋上エクスタシー」でサブギターとして用意されていたもの。 Duesenberg Starplayer TV(カラー: Gold / Black )ライブツアー「雙六エクスタシー」で使用。「車屋さん」のPVでも使用。 Duesenberg V-Caster (カラー: Vintage White )東京事変の「遭難」のミュージック・ビデオ、ライブツアー「東京事変 live tour 2005"dynamite!"」でサブギターとして使用された。 Duesenberg Rocket (カラー: Black White )東京事変のライブハウスツアー「東京事変 live tour 2007 Spa Treatment」の一部の公演で使用された。 Rickenbacker 620(カラー: Jetglo )ライブツアー「先攻エクスタシー」、学園祭ツアー「学舎エクスタシー」でサブギターとして使用。「ギブス」のPVでも使用。 VOX Phantom (カラー: Red )「COUNTDOWN JAPAN 06/07」で使用。 Gibson RD Artist (カラー: Natural )2006年以降の活動でよく使われているもの。「勝ち戦」のPVでも使用されている。 Gibson Flying V (カラー: Antique Natural )PV:「アイデンティティ」 NAGARE (カラー: Blue )Sweet Love Shower 99などで使用 アコースティックギター K.Yairi FK-1Jライブツアー「東京事変 live tour 2005"dynamite!"」、「東京事変 "DOMESTIC!" Just can t help it.」で使用されている。 Martin OOO-28EC エレキベース Danelectro LONGHORN BASS(カラー: AQUA BURST )ライブハウスツアー「御起立ジャポン」で使用 アンプ Orange Rockerverb Orange PPC412 その他 13Wトランジスターメガホン TR-310
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後藤 正文 喜多 建介 山田 貴洋 伊地知 潔 DrumsSet:Pearl Reference Granite Sparkle(#194) 22"×18"BD 10"×8" 12"×9"TT 16"×16"FT Snare:RF1450S/C 若しくは RFS1450 Pedal H-1000/P-2000C Cymbal AAX-14"X-CELARATOR HATS/AA-8"Splash/VAULT-19"CRASH/AA-20"METAL-X RIDE/VAULT -18"CRASH/AA-20"METAL-X CHINESE Percussion PTM-10GH Other Roland SPD-S BOSS DB-90 [以前の使用機材] Tour 2006「count 4 my 8 beat」 DrumsSet:Pearl Reference 20"×16"BD 12"×9"TT 14"×14"FT Snare:RFS1450(バスドラ側に傾斜) Pedal P-2000C(青カム使用) Cymbal HHX-14"GROOVE HATS/AA-8"Splash/VAULT CRASH VL18CS-B/AA-20"METAL-X RIDE/VAULT CRASH VL16CS-B Other Roland SPD-S(タンバリン、クラップ、ウィンドチャイム等をサンプリング) EDIROL R-1(「月光」のイントロ収録) BOSS DB-88 (資料:月刊GiGS 2006年8月号) DRUMS Pearl MASTERS RETROSPEC/MSX[バスドラ:22"×18",タム:10"×8",12"×9",フロア:16"×16"] ハット側にスプラッシュとタンバリン、逆側手前にチャイナを配置。 Snare 前と同じくPearlChadSmithモデルをバスドラ側に傾斜。 予備用スネアとしてPearl SensiTone ClassicII[SCB1450/B]を使用。 Pedal PearlP-2000C[黒カム]、ハットスタンド H-1000 Cymbal 全てSABIAN。AA Splash 8", AA Flat Hats14", AA MediumCrash16",18",AAChinese20", HH Medium Heavy Ride 20"
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1.扶桑皇国海軍艦上戦闘脚【零式艦上戦闘脚二二型乙】/高野上飛曹装備、後に他国ウィッチの練習用に 【零式艦上戦闘脚五四型】/津野谷大尉以下、三八六空分遣隊装備 【烈風艦上戦闘脚二二型】/土井環少尉装備、後に高野上飛曹にも配備 2.扶桑皇国海軍局地戦闘脚【局地戦闘脚「紫電」五三型】/出雲涼少佐、南坂喜美佳大尉、リョーコ・バッシス中尉装備 【局地戦闘脚「雷電」三三型】/エレオノール・ベネックス中尉装備 3.扶桑皇国海軍艦上爆撃・攻撃脚【艦上爆撃脚「彗星」三三型/五四型】/モルガン・ベアール中尉装備 1.扶桑皇国海軍艦上戦闘脚 【零式艦上戦闘脚二二型乙】/高野上飛曹装備、後に他国ウィッチの練習用に 九六式を経て、扶桑皇国海軍がようやく手に入れた、完成度の高い艦上戦闘脚。今は事故で殉職した、宮藤博士が手ずから開発したものであり、各国のストライカーの始祖とも言える。それほどシールド出力は大きくなく、今となっては速度も陰りを見せているが、素直な操縦性と長い航続距離。中高度までならば極めて良好な運動性能は、多くのウィッチの頼もしい武器となり、現在でも各型かなりの数が実戦部隊で使われている。 高野上飛曹が用いているのは、二二型乙という中期製造モデルである。魔導エンジンを「栄(マ)」一二型から二一型へ換装。機体の量産性と強度を改善した上で、エーテル排気管をロケット式に変更。最大速度を二一型の280~290kt(ウィッチの魔力により、ある程度の誤差は存在する)から300kt以上に。降下制限速度を400kt近くへ引き上げ、同時に上昇力を改善したタイプである。反面、若干舵が重くなり、航続距離も一割ほど減少しているが、それでも原型の素直な操縦性を損ねるほどではなかった。これは教育部隊などでも大いに歓迎されている。高野上飛曹が年齢と飛行時間の割に、技量の上達が早かったのは、教官達に恵まれたこともあるが、零式の素直な操縦性、運動性に助けられた部分も大きい。 多くのユニットが樫城中尉によって大改修を受ける中、高野上飛曹の零式だけは、手を入れられることはなかった。初期の離着艦訓練指導で苦労した土井少尉、南坂少尉、高野上飛曹、そして出雲少佐が、後に続々やってきた。離着艦経験のない各国基地航空のウィッチ達に、最初の離着艦を教えるのに最適な機材であったからだ。ぶっつけ本番で苦労した樫城中尉、バラノフ少尉もその点は同意しており、最初の搭乗ウィッチが後に述べる教導訓練で忙しい中、敢えて原型を維持して丁寧に整備し続けた。 そして、その際に指導を積極的に買って出たのは、零式二二型の性能をフルに活用して、技量と戦果を上昇させ続け、飛曹長に昇進した高野であった。彼女自身は、当時(何と一時帰国した竹井大尉が「員数外」で寄越してくれた)「烈風」二二型を用いていたが、性能差に酔うことなく。寧ろ、零戦と烈風の共通事項。離着艦時の安定性、低空での運動性の高さを相手に合わせ、丁寧に指導して見せたのだ。当時、急速に拡大する部隊運営と維持のため、出雲中佐、南坂大尉(名誉回復により階級復帰)、土井中尉など、他の皇国海軍飛行士官達は、なかなか離着艦指導に時間を割くことが出来なかった。彼女たちも時間を作っては、新たにやってくるウィッチを母艦へ馴染ませる指導を行ったが、十分とは言い難かった。 それを補ったのが高野飛曹長、そして彼女の愛機であった零式二二型であった。素直な操縦性と運動性を持つ零式は、基地航空出身ウィッチから離着艦の恐怖を取り除くのに、最適な機材であった。そして、堅実さを重視する竹井大尉や土井中尉。チームプレイを重視する南坂大尉。無茶はしても無理はさせない出雲中佐の背中を見てきた彼女は、自ずと教官としての才能も開花させていた。彼女が教え込む零式、烈風、それから各自のストライカーという段階を踏んだ丁寧な指導は、多くのウィッチ達を短時間で「日向」に馴染ませた。なお、彼女自身がミケという長毛三毛猫と共に暮らしていること。使い魔も奇しくも三毛猫であること。そして、高野飛曹長の烈風と、彼女が転属してきたウィッチに使わせる零式には、黒、白、茶の三色帯がカラーリングされていたことから「三毛猫印の名教官」と慕われた。陸戦ウィッチであるベネックス中尉を、促成で何とか離着艦の基礎を身につけさせたのも、この零式二二型であった。 このように、実戦機材としては不十分でも、母艦練習用機材としては最適な性能を持ち、高野皐月という、若くして人を教える才能に開花した少女に恵まれた零式は、多くのウィッチを部隊に迎え入れる橋渡しとして、重要な役割を果たし続けた。既に予備装備扱いとなった後も、六六六空では「三毛猫印」の零式は、丁寧に整備され、一種の氏神のように大切に保存されているという。 【零式艦上戦闘脚五四型】/津野谷大尉以下、三八六空分遣隊装備 海軍航空ストライカーユニットの主力は、着実に「紫電」「烈風」といった2000馬力級の新世代ストライカーへと移行しつつある。しかしながら、未だに多数の零式が一線部隊を含めて、配備されていることも事実である。海軍としては主に二線級部隊装備や輸出機材として、零式艦上戦闘脚の性能改善を企図していた。それは上記の二二型乙を更に改修、旋回性能を若干犠牲にした上で、速度と兵装ペイロード、シールド出力強化を図った五二型。長島飛行脚が零式系列の心臓である「栄(マ)」発動機に、魔力エタノール噴射装置を追加した三一型を搭載した零式五三型などで、ある程度の成果を得ることは出来た。 しかしここで問題が生じた。零式特有の運動性が損なわれたというのは、ある意味では仕方がない。どれほど運動性、操縦性に優れていても、兵装ペイロードとシールド出力、何より速度で話にもならないレベルでは、戦闘装備としては数えられない。問題は発動機の供給問題であった。当時の長島飛行脚は陸海双方に対し、設計を根本から見直して信頼性を改善した「誉(マ-45)」や「マ-44」といった大出力魔力エンジンを大車輪で製造しており、既に将来製造が先細る「栄(マ)」系列へ割くリソースが、余りに不足していたのだ。これは陸海軍が、少しでも多くの高性能ストライカーを要求したこと、戦線の激化に伴うやむざる自体であった。 一方の宮菱重工業は、リベリオン式の大規模流れ作業式航空工場を持つ長島に対抗すべく、その豊富な資本を用いて彼らの倍近い規模の、やはり同様の流れ作業式機械化製造ラインをくみ上げていた。陸海に対し「マ-43」「マ-112Ⅱ/Ⅲ」などの新世代魔導エンジンを、比較的遅滞なく大量に納入できるだけのリソースを得ていた。海軍はこの点に目を付け、ストライカーユニットの構造にかなり手を入れねばならぬのを承知で、海軍名称「金星(マ)六二型」。つまり「マ-112Ⅱ」への換装を決心した。宮菱としても自社製ストライカーに自社製エンジンをというのは、零式設計段階より強く主張しており、彼等は青写真どころか、試作機組み立てが可能なレベルまで要素技術研究を進めていた。 結果として試作機は海軍の指示から三ヶ月を待たず完成している。横須賀航空隊のテストウィッチの試験結果は、最大速度310~320kt前後。上昇力6000mまで6分40秒と2000馬力級ストライカーに迫るものへ向上し、兵装ペイロードも背面パックを用いれば、飛行特性を損なわず、九九式二号二型改13mm機銃複数を十分搭載できると判断された。無論、横の運動性は低下しており、些か操縦特性は重くなっている。航続距離も初期の二一型などとは比較するべくもないほど低下している。しかし、既存の機材を改修することも可能な範疇で、零式が再び「戦える安価なストライカー」として復活したことは大きかった。 海軍は昭和十九年秋にこの試作機を「零式艦上戦闘脚五四型」として正式採用。内地の安全地帯に配備されている二線級部隊や、外地の十分な整備が期待できない部隊への簡素な装備として。あるいはスオムス、ヒスパニアなど2000馬力級高速ストライカーを購入するには、些か国費が不足している国家へ、一定数の輸出に成功している。宮菱は欧州中堅国家の母艦航空隊を山西に押さえられたのに対して、安価な改良中古機材を小規模国家。あるいは比較的航続距離の長い、扱いやすいストライカーを欲している国家へ売り込むことで応じたのである。「海上護衛戦」では水上機母艦「日進」に分遣された津野谷大尉以下九名の三八六空選抜隊が装備し、主に低高度邀撃に活躍している。 【烈風艦上戦闘脚二二型】/土井環少尉装備、後に高野上飛曹にも配備 扶桑皇国海軍が「紫電」系列と並び、昭和十九年より配備を進めている新型戦闘脚。零式艦上戦闘脚の生みの親、宮藤博士の要素技術開発データ。そして、開発に零式だけでなく、他の艦上飛行脚を装備したウィッチ出身者も参加している。当初はあろう事か、航空本部から「レシプロ戦闘機と比較した上で」性能諸元が、ウィッチの意志を無視して押しつけられる経緯も存在した。しかしながら、彼等は彼等で新型戦闘機の開発に忙殺されることになり、まるで興味を失ったかのように、「既存の艦上戦闘脚に全般的に優越すること」という、なおざりな指示以外、関わらなくなった。 これがある意味で、「烈風」を救ったと言っても良い。実際、カールスラントの名機、メッサーシャルフBf109にしても、設計当事者があくの強い人物であり、ウィッチの意見を軽視したことから、後々幾度もの改良を経て、今の性能があるといえる。その意味では、技術者がウィッチ出身者でなくとも、テストパイロットから要素技術関係者の随所に、ウィッチ出身者を置くことが出来た烈風は幸運であった。結果として、一義として航続距離。そして速度、離着艦性能が求められた。シールド強度について、それほど優先順位が置かれなかったことは、ある意味で扶桑皇国海軍らしいといえるが、多数の母艦による空母機動部隊を複数編成し、「コントロールされた墜落」と「墜落すれば助からない洋上飛行」。双方をこなさなければならない、海軍航空のウィッチからすれば、長く飛べず、尚かつ離着艦で頻繁に事故を起こすようなストライカーなど願い下げというのは、無理のない話であった(扶桑皇国が後方国家であり、否応なしに他国への援軍。外征軍となったことも影響している)。 魔導エンジンには当初より、宮菱製「Mk9-M(後のマ-43)」型が採用されることになった。長島航空脚の「誉(マ-45)」魔導エンジンの採用も一時期検討されたが、開発の先行していた「紫電」初期型で事故が頻発。改善を待つまでは搭載困難と判断され、実際に国内外実験部隊から多数の改善要請が寄せられたのだ。また、「誉」がストライカーの大型化を防ぐため、極力小型大出力を狙って初期型で苦労したこと。その後に、各種部品のボアアップでトラブル減少を図ったことを受けて、「Mk9-M」もエーテル過給器や魔力変換装置などはボアアップが図られ、やや大型化。重量増大を引き起こしたが、その結果として稼働率と整備性の改善に成功している。エンジン大型化に伴う、ストライカーの寸法が膨らんだことは、空力とエーテル魔力。双方の抵抗値を極力下げるべく設計の洗練化で補われた(幸い、リベリオンで開発されたNACAエア/エーテルインテイクのパテントを購入できたことも、支えとなった)。 結果として昭和18年11月に完成した試製「烈風」は小福光子少佐がテストパイロットを務め、初飛行。航続距離はウィッチの平均戦闘時間。全力機動20分を確保した上で、戦闘行動半径600kmから700km。最大速度は(二十歳を過ぎ、既にシールドの張れない小福少佐の魔力で)毎時355kt、上昇力は6000mまで6分20秒。何より空力設計の洗練に務めた結果、特に中高度での操縦性と運動性が良好であり「零式並に離着陸が容易、一撃離脱だけでなく格闘戦もこなせる」と、他のテストウィッチからも概ね良好な評価を得た末、艦上戦闘脚「烈風」一一型として、昭和一九年一月より量産が開始されたのである。 土井少尉が装備している二二型は、徐々に扶桑近海。時には内地奥深くにさえ、シベリアより侵攻してくる「東京急行」。つまり高々度飛行を行う重爆型ネウロイへ対処すべく、二段二速魔力過給器を搭載した最新の、増加試作型である。「海鳳」戦闘飛行隊には8機しか存在しなかったユニットを与えられている当たり、土井少尉の小隊長、ウィッチとしての評価が良好であったことが伺える。何しろ最新型の機材であり、宮菱が一刻も早くデータを欲しがっていたことを聞きつけた「あの」樫城中尉により、毎日熱心に整備され、結果として航空本部を飛ばして、宮菱と六六六空。そして樫城製鋼所との繋がりを深める役割も果たした。非常に扱いやすく、性能も良好であることから、他国の基地航空出身ウィッチが転属してきた際、零式の次のステップとして、離着艦訓練に使われることも多かった。 実戦任務においては、その良好な運動性能と紫電改や疾風に迫る速度を活用し、小型高機動ネウロイの駆逐。もしくは中型以上のネウロイの防御銃座・レーザー照射部位の破壊などに活躍することになる。そして局地戦闘脚ほどではないにしても、零式よりは余程ペイロードが大きいことを活用し、時には大口径機関砲を用いた邀撃任務にも投入されている。 2.扶桑皇国海軍局地戦闘脚 【局地戦闘脚「紫電」五三型】/出雲涼少佐、南坂喜美佳大尉、リョーコ・バッシス中尉装備 山西航空機が水上型ストライカーより発展させ、最終的には宮菱の「烈風」と海軍航空のシェアを二分するにまで至った、数奇な経緯を持つ戦闘型ストライカーユニット。当初は水上型の設計そのままに、初期型「誉」魔導エンジンを搭載してしまったことから、性能は凡庸であり、尚かつ機材トラブルが耐えなかった。欧州海軍へ艦上戦闘脚として売り込みを図っていた山西としては、これは大きな痛手であった。 このことに危惧を感じた山西航空機は、まずエアフレーム側の空力的洗練、製造点数及び整備点数の減少、強度増加など、徹底して陸上・艦上戦闘脚としての洗練を図った。同時に自社の経営を潰しかけた長島より、半ば賠償金代わりに無償で供与された「誉」三三型(陸軍名称マ45-22)を搭載し、紫電二一型として海軍からの採用を勝ち取った。この機体は高度3000mで毎時335kt以上(ウィッチの魔力次第では350ktに達したこともある)、上昇力も高度6000mまで6分30秒まで向上し、航続距離も欧州で運用。ないし売り込むには十分な1700kmを達成していた。初期、中期製造型の紫電はこのタイプが多い。有名なウィッチとしては、502JFWの菅野中尉などが勇名を馳せている。 但し山西航空機は、誉の一件で完全に長島を見限ったと言っても良い(それまでも経営上で、かなりのトラブルがあった経緯も存在した)。中期の二二型以降、あるいは欧州輸出機材は悉く、宮菱製「マ-43」系列に切り替わっている。それに伴い一部、エアフレームの設計改正も必要であったが、誉に比して出力が大きく、無理の少ない二二型以降は概ね好評であった。欧州海軍や一部空軍にも、それなりの輸出に成功している。皇国海軍に於いても、基地航空隊の迎撃機としては非常に優秀と判断され、かなりの数の配備が進み続けた。それまで戦闘機ともストライカーとも縁がなかった、水上機メーカーのベンチャー機材としては、かなりの成功を収めたと言える。 そして六六六空には三機が配備され、現在配備が進んでいる最新タイプが五三型である。これは後に501JFWにも配備されるタイプであるが、「マ-43」に二段二速過給器を追加し、中高度以上での性能改善を図った最初のタイプである。同時にけして信頼性が高いとは言えなかった、魔法力・機械力併用自動空戦フラップを廃止し、反面、母艦運用能力が付与されている。従来の紫電が高度3000-5000mで最良性能を発揮する機材であったのに対して、五三型は高度6500mで毎時360kt前後を発揮可能であり、余剰機材を排除したことからエアフレームの軽量化にも成功しており、操縦特性は寧ろ素直なものとなっている(母艦へ降ろすのだから、当然ではあるが)。航続距離も空気抵抗の薄い中高度以上での性能が改善されているため、標準で2000kmを越えた。 今後、陸軍の四式戦、宮菱の「烈風」と並ぶ扶桑の主力戦闘型ストライカーユニットとして、更なる配備が行われるであろうと予測されており、山西は同時に欧州海軍へ五三型へのアップデート輸出攻勢もかけている。バッシス中尉などは、その輸出タイプを初期より飛ばしてきたテストウィッチであり、部隊指揮官の出雲少佐、彼女と同等かそれに近い技量を持つ南坂大尉と並ぶ、紫電系列のエキスパートである。兵装搭載能力の汎用性も高く、バッシス中尉がMG42や九九式二号二型改13mm機銃を好んだのに対し、南坂大尉は奇遇な縁から配備されたカールスラント製BK-5型50mm長速射砲を用いることも多かった(出雲隊長は「武器を選ばない」タイプであったが、どちらかといえば20mm機銃を用いることが多かった)。部隊において概ね高いレベルでバランスの取れた、汎用戦闘ストライカーとして部隊でも好評であり、時には陸空軍出身者が緊急に装備して出撃しても、違和感を感じなかったと言われている。 【局地戦闘脚「雷電」三三型】/エレオノール・ベネックス中尉装備 元は宮菱が十四試局地戦闘脚という仮称で、対大型ネウロイ要撃用に開発を進めていたインターセプター。試作機は昭和十七年に初飛行を行っているが、テストに当たった帆足巧美大尉があわや殉職寸前に至るほど、エアフレームと「火星」魔導エンジンの同調が不安定であり、凄まじい振動と離着陸の困難さから、一時は開発断念も検討された。当時、既に後の「烈風」となる新型ストライカーユニットの開発も進んでおり、これが所期通りの性能を発揮すれば、極論してしまえば、無理に迎撃ストライカーを開発する必要もない。しかしながら、異常振動は魔力プロペラ発生装置のコントロールシステム及び強度の簡単な改善。そして、より熟成された「火星」二三型へ換装することで解消の目処が立った。何より、帆足大尉自身が雷電を惜しんだとも言われている。 開発予算が削減される中でも、スタッフと帆足大尉の執念で同調関係の問題解消の図られた試作「雷電」は、今度は無事に試験飛行をこなした。高度6000mまでの上昇時間6分、最大速度毎時338kt、武装ペイロード九九式二号20mm機銃2門以上、運動性や離着陸性能は零戦に劣るが、操縦性も思いの外に素直であった。局地戦闘ストライカーでありながら、扶桑皇国海軍の航空機・ストライカーユニットらしいというか、航続距離も2000kmを最大で超えている。ほどなくして試製「烈風」の初飛行も控えていたが、海軍としては万が一本命の「烈風」。そして代打の「紫電」が失敗した際の保険として、このストライカーユニットを「雷電」二一型として正式採用を行った。 但し、その後の「雷電」の境遇が幸運であったかと言えば、それは否であった。「紫電」「烈風」、陸軍の「疾風」が熟成の末に高性能を示す中で、どうしても一世代旧い「雷電」の優先順位は低いものとならざるを得ず、量産機数も至極僅か。どちらかといえば、実験飛行隊や宮菱の開発した新技術の、テストベッドとして用いられることが多かった。但し、数少ない実戦部隊である第三〇二航空隊では、その大きな上昇力と降下性能、大火力とシールド出力は高く評価されており、中には赤松貞子中尉のように、東京急行相手に10機以上の撃墜数を重ねる猛者も存在していた。 そして、その実験機材としての「雷電」の最終形態がこの三三型である。魔導エンジンの排気タービン技術で些か後塵を拝する扶桑皇国は、二段三速過給器を追加することで高々度性能改善を図った。「火星」二六型と名付けられた二段三速式魔導エンジンを搭載した「雷電」三三型は、エアフレームの空力洗練を更に重ねたこともあり、性能向上は著しかった。上昇力で高度8000mまで8分20秒、降下速度制限430kt以上、高度7000mでの最大速度360kt近く。シールド出力も従来型に比して更に強化されており、ストライカー発進ユニットに据えられ、電力を疑似魔法力に変換した末での防弾試験では、ケファロス・ディオミディアの防御機銃相当の九九式二号四型20mm機銃30発以上を弾き返している。この技術は、宮菱の「烈風」性能改善型や、その次のストライカーユニットに引き継がれてゆくことになり、「雷電」そのものは、静かな余生を送る予定であった。 そして、このユニットに目を付けたのが、出雲少佐であった。彼女はガリア共和国陸軍から複雑な経緯の末にスカウトしてきた、エレオノール・ベネックス竜騎兵中尉が、航空ウィッチとしても高い才能を有していること。そして、陸戦ストライカーのエース時代の戦歴から、徹底した一撃離脱戦術に最適な素地を持っていることを見抜き、宮菱に供与を要請したのだ。同社としても既に技術的減価償却の終わった機材であり、さして渋ることなく予備部品とマニュアル込みで三三型はやってくることになる。そして、かの竜騎兵中尉は出雲少佐以上の破天荒な戦ぶりを見せ、奇しくも「雷電ここにあり」を天下に示すことになった。なお、リベリオン海軍が「雷電」を「JACK」と試験交換導入した際に愛称を付けた事から、ベネックス中尉はこの雷電へ「ヘヴィ・ジャック」と命名し、そしてこよなく大切にしたとも言われている。 但し、彼女の航空ウィッチとしての実働適性試験を兼ねた作戦行動に於いて、正規の「雷電」三三型。J2M7は一度、敵対空砲火により完全に大破、放棄されている。今現在、ベネックス中尉が用いているのは、現地より回収されたJ2M7の健在な部品。そして横空で予備機材として埃を被っていた二一型(J2M3)のエアフレームを改修して、それら健在残存部品を組み込み、更にはエンジンを試験導入されていたリベリオン製空冷魔導エンジン「R2800-18」(2100馬力)に換装した機材である。本来であれば、このように一品ものの機材は実戦部隊で不適切であるが、部隊の欧州派兵が近づき、彼女を別の機材で再教育する時間的猶予が足りなかったこと。また、ガリアで陸戦ウィッチとして使いこなしたE-75から、無理矢理引き剥がすように連れてきた彼女に対する、六六六空のせめてもの贖罪とも言われている。武装はMK108型機関砲4門パックに強化され、向上した飛行性能共々使いこなすことで、彼女は更に大物食いに猛威を振るうことになる。 3.扶桑皇国海軍艦上爆撃・攻撃脚 【艦上爆撃脚「彗星」三三型/五四型】/モルガン・ベアール中尉装備 彗星は海軍が尾張航空機と共同で開発した、「戦闘脚並の速度で対地支援攻撃が行える艦上爆撃脚」という、極めて野心的なストライカーユニットであった。欧州戦線の事例を見るまでもなく、鈍足な爆撃型ストライカーや旧式爆撃機では、ネウロイ相手に損害を増すばかりであり、有効な対地支援や阻止攻撃など、望むべくもなかった。その状況を打開すべく、陸海軍共同でカールスラントより製造ライセンスを取得した「DB601」水冷型魔導エンジンを搭載し、噴進弾多数や二五番爆弾さえ搭載できるウェポンラックを備えた、スマートな外見に反して、重装備なストライカーユニットである。試作機は空荷ならば毎時300kt以上を発揮し、これは当時の零式艦上戦闘脚二一型を凌駕するものであった。 各部電気機械や魔導機械システムに、初期トラブルが頻発した時期も存在したが、それらを概ね改善。更には尾張航空機がカールスラント製「DB601」を独自改良した「熱田(マ)」三二型魔導エンジンを搭載した一二型は、ウィッチの魔法力次第によっては320ktを軽々と突破している。現在の海軍航空隊に於いて、レシプロ大型高速陸上攻撃機「泰山」と並ぶ、対地攻撃手段の主軸として活躍している。ベアール中尉が使用しているのは、前線の万全とは言えない野戦飛行場での運用を前提に、魔導エンジンを空冷の頑丈な「金星(マ)」六二型へ換装。機体構造を強化した三三型である。空気抵抗の増大により速度は若干低下したが、整備手順は格段に減少しており、元が海軍艦上機で航続距離が長いことから、欧州でもかなり好調な売れ行きを示した機材でもある。 ベアール中尉はこの三三型に、時にはリベリオン製キャリバー50口径重機関銃4門をウェポンラックに搭載しての対地掃射。もしくは、カールスラント製パンツァーファウストを現地改造した空対地ロケット多数を搭載し、主にアフリカ戦線で活躍した戦歴を持つ。また、リベリオンで近代化改装され、今は奪還されたガリア本土で使用されている装甲空母「ベアルン」で離着艦訓練を受けた経験を有することから、六六六空では大がかりな再訓練が必要ない、貴重な艦上機乗りでもあった。 中尉当人の飛行時間、技量には大きな問題はなかったが、機材には些かの難があった。確かに「彗星」は対地爆撃ユニットとしては格段に足が速いが、近年、戦闘機型ネウロイの高性能化は著しく、そしてどちらかといえば六六六空は要撃任務の多い部隊であった。三三型はベアール中尉の魔法力ならば、ウェポンラックに空対空戦闘用MG42機銃4門を搭載し、毎時310kt以上を発揮することも可能であった。しかし正直なところ、44年末から45年の要撃任務に用いるには不安のある性能であった。そしてベアール中尉は復興ガリア政府に於ける、象徴的なウィッチの1人でもあり、安易に撃墜でもされれば国際問題になりかねない(家柄と言うより、彼女の献身ぶりがガリア国民に少なからぬ人気を呼んでいたのだ)。 この問題に一枚噛んできたのが、次世代攻撃型ストライカーユニット「流星」の熟成のため、要素技術収集に余念のない尾張航空機であった。彼等は計画で終わった「彗星」への「誉(マ)」三三型(1890馬力)搭載計画を掘り起こし、次世代攻撃型ストライカーユニットのテストベッドの一つとしようとしたのだ。部下の1人を実験台にされることに、出雲少佐はいい顔をしなかったが、ベアール中尉は「必要なら胸を貸しましょう」と笑顔で快諾した。また、榊整備大尉と斯波整備中尉、そして樫城中尉も、何か不具合があれば最大限のバックアップを行うと約してしまっては、かの少佐といえど渋々承諾する他はなかった。但し代償として軽度でも事故が生じた場合は、何らかの戦闘機への機種転換を行うこと。改良されたとは言え癖の多い「誉」を使うからには、最良の個体を準備させることを約させた上で。 尾張航空機としても扱うウィッチの立場、そして自社の社運もかかっているため、改修と魔導エンジン調達には、細心の注意を払って実施された。四四年一二月、オラーシャへの輸送船団護衛任務「北」号作戦ぎりぎりに完成は間に合った。試製五四型一号機は、ベアール中尉自らの試験飛行の結果、最大速度で毎時330kt以上、上昇力も零式五四型と同等レベルまで引き上げられ、ペイロード増大にもある程度成功していた。彼女はこの、数奇な運命で改修されたストライカーユニットにより、哨戒、対地支援、時には要撃戦闘まで、幅の広い活躍を見せることになる。「オペレーションマルス」発動直前、VG39-Lが届くまで、彼女と彗星五四型の絆は続いた。
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Gt.斎藤宏介 ■ギター ・ATELIER Z ストラトタイプ ・Fender Stratocaster ・Fender Telecaster ・Gibson Les Paul ■アンプ ・BOGNER Shiva 1x12 ・Marshall スピーカー ■エフェクター ・BOSS DD-7(デジタルディレイ) ・LINE6 DL4 Delay(ディレイ) ・ELECTRO-HARMONIX HOLY GRAIL(リヴァーブ) ・Human Gear FINE OD(オーバードライブ) ・Electro-Harmonix Graphic Fuzz(ファズ) ・Providence PEC-2(スイッチングシステム) ・BOSS TU-2(チューナー)・GUYATONE Cool Booster CB-3(ブースター) Ba.田淵智也 ■ベース ・http //masahidesakuma.net/2009/10/tabuchi-bass.html Dr.鈴木貴雄
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2.扶桑皇国陸軍ストライカーユニット【キ-45「試験改造」型戦闘脚】/樫城中尉装備→予備装備・一時期バラノフ中尉(階級復帰)が使用 【三式戦闘脚Ⅱ型改欧州仕様】/ノーラ・キヴィニーット中尉装備 【四式戦闘脚Ⅰ型乙】/樫城勇音中尉、陣流寺龍華中尉、大槻千早中尉装備 3.諸外国製ストライカーユニット【フラックウルフFw190戦闘脚】/アーデルハイト・ハンマーシュミット大尉、リーヌ・クスリンナ少尉、ジャンヌ・ヴァルツ曹長、ショーコ・リトマネン曹長装備 【メッサーシャルフBf109G6戦闘脚】/ティリアナ・リッピ中尉装備 【ハイネケルHe219戦闘脚】/白水御影少尉装備 【F7F-4N「タイガーキャット」艦上戦闘脚】/ベルタ・エッカート少尉、アルベティーニ・クラリーチェ少尉装備 【FM-2「ワイルドキャット」艦上戦闘脚】/ソフィア・レオノア軍曹装備 【P-39「エアコブラ-J」型戦闘脚】/クラーラ・バラノワ少尉装備 【La-7M/La-9戦闘脚】/オラーシャ陸軍現行並び将来主力航空ユニット 2.扶桑皇国陸軍ストライカーユニット 【キ-45「試験改造」型戦闘脚】/樫城中尉装備→予備装備・一時期バラノフ中尉(階級復帰)が使用 川滝航空機工業の開発した「キ-45」型戦闘脚は、当初、「マ-102」魔導エンジンを双発で搭載。 ウィッチの魔力をより高効率に転換し、大火力を持たせるだけの身体能力強化と飛行能力を与える、大型ネウロイキラーとして開発された。 しかし、設計に際して頑丈さと慎重さを優先した結果、確かにペイロードはそれなりだが、 魔法力の大きい若手が限界で飛ばしても、570km/h程度も発揮できない鈍足ユニットとなってしまった。 そのため、対地襲撃などには「ホ-203」「ホ-401」などの大口径短砲身機関砲を使うことで活躍したが、 「ラロス改」などの戦闘機型ネウロイに襲われた場合は、逃げに徹する他はなく、 鈍重さ故に撃墜され、重傷を負うウィッチも少なくなかった。 これを全面的に改修。空力抵抗低減と工作点数減少、魔導エンジンを「マ-112Ⅱ」へパワーアップしたのが、 現在各地の戦闘飛行隊などで配備が進んでいる、三式双発戦闘脚「キ-96」である。こちらは性能は申し分のないものであったが、 最新機材と言うこともあり、扶桑海側やオラーシャ極東に展開するウィッチ部隊に優先的に配備された。 故に、樫城中尉の所属する、山陰方面防空を担当する飛行戦隊には、待てど暮らせど配備されることはなかった。 何しろ彼女は飛行第五戦隊の一員として、オラーシャ方面へ展開していたとき、リベリオンの員数外の二段二速過給器を、 部隊の殆どの「キ-45」へ取り付け、明野(航空学校・本部)の頭越しに、現地改修で性能改善を行った「前科」持ちであった。 これに業を煮やした樫城中尉と一部結託(あるいは巻き込まれた)同僚達。そして、整備班が「キ-96」の図面を取り寄せ、 極力それに近づけるべく独自改修してしまったのが、このユニットである。 どうしても原設計が古く、機体強度などで危険が感じられる部分は、 樫城製鋼所も製造している超々ジュラルミン(一部は高額きわまりないマグネシウム合金)等の過剰設計で乗り切った。 魔導エンジン自体も、宮菱が試験データが欲しくて仕方がなかった。 しかし航空本部の試験隊経由では、どうしても時間がかかる試作エンジン。 「マ-112Ⅲル」(二段三速過給器及び液化魔力エーテル噴射装置搭載、出力1700馬力)の増加試作型を 「明野(航空本部)より早くデータが取れますよ」という、悪魔の囁きで十数基を取り付け、戦隊の半分に搭載したのだ。 当然、これらの改造は半ば不当改造であり、部隊公費を用いることが出来るはずもない。 しかし「ウィッチ1名連隊長1名」と言われるほど、高額なウィッチの俸給、各種手当てなどの主計を担当していた樫城中尉が、 各位の俸給手当等々を(当人に至っては8割以上を)工面して、何とか予算を捻出している。 後々、高野上飛曹や土井少尉、バラノワ少尉などの戦友達にその件を尋ねられた際、 「戦力不足によるリスクを抱え込む方より、使い道のない俸給を発散する方が余程マシ」と、彼女ははっきり言いきった。 結果として完成したユニットは、離着陸こそやや癖があるが、空に上がってしまえば650km/h以上の速度を 「ホ-401」等を抱えてさえ、十分発揮できる高速ユニットに生まれ変わった。 過剰設計を行っているだけに頑丈でもあり、樫城中尉が度々着艦に失敗しても、 軽傷で済んでいるのは、このユニットの強度と咄嗟の魔法シールド出力に負うところが大きい。 但し、当然の事ながら、これは軍法に抵触しかねない側面を有していた。 上級部隊に当たる飛行師団司令部等ではかなりの問題とされ、議論を読んでしまい、参謀や法務将校達は頭を抱えた。 厳密に解釈すれば違法行為として処罰も可能ではある。 しかし反面、彼女は既存のユニットを大幅に性能改善する情報を大量に軍、企業双方にもたらしてくれた。 技術的な面だけでなく、オラーシャ戦線で僚機を失わず、多数の重爆ネウロイを撃墜したエースであったことも、 彼らの懊悩に拍車をかけた。最終的に飛行師団司令部の下した決定は玉虫色のものであった。 樫城中尉の技術的功績は大なれど、軍規上問題となりうる点が多い為、厳重注意と二週間の謹慎処分。 その上で「陸海共同運用の端緒」という名目で、自らの試作機共々「日向」飛行隊へと転属させられたのだ。 功績は認めるが、当面は陸軍から離れて色々落ち着くまで、 海軍で隠居して欲しいというのが、彼らの偽らざる本音だったのかもしれない。 とはいえ「日向」飛行隊、そして後の六六六空にとっては技術と戦技双方に長けた樫城中尉。 そしてこの高速邀撃ユニットの転属は、干天の慈雨であった。当初は離着艦訓練で難儀したものの、 その技術を一通りマスターしてからは、更なるチューンナップを経た上で、 各種重火器を搭載した上で重爆邀撃に猛威を振るっている(その気になれば二式30mm機銃2門さえ搭載できた)。 【三式戦闘脚Ⅱ型改欧州仕様】/ノーラ・キヴィニーット中尉装備 川滝航空機が作り出した、水冷魔導エンジンを用いる三式戦は、欧州にも供与。ないし輸出もされている。 欧州諸国は水冷式が主流であり、極論すれば、エアフレームだけでもかなりの売却が見込めたのだ。 実際、三式戦闘脚は相応の水冷魔導エンジンを得た場合、頑丈な機体構造から、 一撃離脱を中心とした高速戦闘が可能な機材として、重宝されることも多い。 その海外顧客の一部にはスオムス空軍も存在していた。 同国空軍はカールスラントから導入した機材、メッサーシャルフBf109系列を主力としている。 これは迎撃機としては申し分ないが、ラロス系列の戦闘機型ネウロイ、 もしくは長時間滞空哨戒などには、余り好適なストライカーユニットではなかった。 この点を補完するため、スオムス空軍の中でも精鋭中の精鋭。 第24飛行戦隊には扶桑の零式、カールスラントのFw190など、他国製試験機材が増えつつあった。 キヴィニーット中尉装備の三式もその一つであったのだ。 そして川滝は自社製魔導エンジン採用に拘らなかった(寧ろ水冷魔導エンジン技術は、欧州に劣る点を承知していた)ため、 同戦隊の主力。メッサーシャルフBf109G-2/6と同系列の「DB605」エンジンを搭載している。 皮肉な話であるが、寧ろオリジナルの「マ-140」水冷魔導エンジンよりも、換装によって性能はかなり向上している。 高度7000mで640km/h、MW50魔力エーテル噴射装置を用いれば、670km/h以上の高速を叩き出した。 また、欧州諸国空軍の基準からすれば、1500km以上の航続力は十分なものであった。 上昇力も概ねBf109に劣るものではなく、降下性能に至っては850km/hを突破したこともある。 スオムス空軍では限定的ながら、数個中隊の三式戦欧州仕様の導入を検討していると言われる。 当初はロマーニャのMC205も候補に入っていたが、 こちらは運動性と上昇力に申し分はないものの、航続距離がBf109Gと大差ない点が難ありとされた。 そして、そのテストウィッチの一人であるキヴィニーット中尉は、 当然ながらこのユニットの特性、得手不得手を十分に知り尽くしていた。 優れた高々度性能と一撃離脱能力、反面、横の旋回戦と中高度以下の空戦には不適と。 その意味では、中高度以下での戦闘が得意なリトマネン曹長・Fw190A5とのペアは、まさに打ってつけであった。 同時に、人類側の高射砲、戦闘機、ストライカーユニットの性能向上に合わせるかのように、 高々度飛行能力を身につけ始めたネウロイを相手に、存分に要撃しうる戦闘ユニットとして六六六空で活躍することになる。 なお、離着艦修得の面で彼女が苦労したのは、寧ろ発艦であった。 三式戦は速度が出るまでに時間がかかるため、一時期はRATOを使用していたこともある。 この機材を知り尽くした彼女の手により、欧州仕様三式はかなりの戦果を挙げたが、 ブリタニアに展開した第五〇一統合戦闘航空団。 かの精鋭部隊が接触したような、新型ネウロイとの高々度戦闘で中尉の三式戦は一度大損傷を負う。 幸いにして中尉本人は軽傷で済んだが、ストライカーユニットは「よくぞ母艦まで戻れたものだ」と言われるほど、 酷い有様であった。気筒の半数が吹き飛び、冷却機が限界寸前まで損壊していた。 ここにいたり、今回ばかりは制式に明野の陸軍航空本部経由で、川滝航空機工業へ復旧が要請された。 幸いにして「DB603/605」系列の実機を詳細に解析し、自社では再現不可能な部分は大型化などで切り抜け、 概ね同等レベルの性能を発揮しうる「マ-240」の量産に漕ぎ着けていた。 中尉のユニットはこの新型エンジンへの換装と共に、陸軍が三式戦Ⅲ型の名称で製造している、 「マ-240」搭載型に極力近づける改修を、全般的に施された。その改修結果はモデルとなったⅢ型に近い良好なものであった。 高速発揮に便利ではあるが魔法力消費も大きいエーテル噴射装置を用いずとも、高度8000mで660km/h以上を達成。 流石に中高度以下での戦闘が不得手な特性までは変わっていないが、上昇力やペイロードもかなりの向上を見ている。 中尉は同じく水冷ユニットを用いるシュニッツラー少佐、ヴァルツ曹長等と共に、 この部隊の高高度邀撃ウィッチとして、六六六空解散まで長く活躍することになる。 【四式戦闘脚Ⅰ型乙】/樫城勇音中尉、陣流寺龍華中尉、大槻千早中尉装備 長島飛行機が、初期トラブルを徹底して洗い出した自社製「マ45」エンジンを、 同世代の高速ストライカーと比較して相当に絞り込まれた、 工作点数が少なく頑丈なエアフレームに搭載した新世代主力戦闘脚。 同じ2000馬力級ストライカーユニットに比べると、魔力プロペラの半径も比較的小さい。 これは長島の設計陣が最高速度よりも、加速性能を重視した為といわれている。 設計の随所にはキ-43/44など、過去の自社製ユニットの要素技術の改良が盛り込まれており、 長島の戦闘飛行脚。その技術的集大成ともいえる。 そしてこの機材は、初期型「マ45」の頓挫で経営の傾きかけた長島を、 レシプロ戦闘機の「陣風」共々救ったベストセラーともなった。 モジュール化された頑丈な機体構造、大型化を押さえたコンパクトなエアフレーム設計、 最大速度よりも加速力を重視した魔力プロペラなど、シベリアで苦労したウィッチの意見を大きく採り入れ、 高速大半径旋回、ダイヴ&ズームを重要視した、現場の声を設計段階からよく取り込んだ機材でもある。 旋回性能や低速時の安定性こそ劣るが、最大速度や上昇力は、 馬力に勝るはずの海軍の「烈風」よりも優れる(用途が違うので一概には言えないが)。 改善された「マ45」の信頼性もあり、飛行実験本部の黒江大尉の試験では、 高度6000mで毎時660km、高度5000mまで4分50秒の上昇力を叩き出している。 降下性能も高く、限界速度は780km/h以上と言われている。 増加試作型段階から陸軍航空ウィッチからの評価は高く、従来、整備泣かせであった「マ45」の過給器なども、 ボアアップと部品規格化で大分整備プロセスが簡略化され、実用に耐えうると陸軍は判断。 昭和19年に「四式単発戦闘飛行脚」の名前で正式採用を行い、全面的に既存の単発戦闘脚の代替を行うことを決心した。 それによる大量発注は長島飛行機の経営危機を救ったが、 一時は、特にエンジンの製造が間に合わなかったことから、配備が遅延した時期もある。 この混乱が解消されるのは、昭和19年夏以降であった。主にオラーシャ派兵部隊や内地防空部隊。 そして各地の統合戦闘航空団へ有線配備された四式は概ね好評で、欧州機に劣らない速度と上昇力、それを凌駕する航続距離は、 504JFWのキ-44のエキスパートとして知られる中島錦少尉をして、「これこそ欲しかった」と言わしめるほどであった。 このストライカーユニットはロングセラーとなり、一部は海外に輸出されるほどであった。 また、各種改良型や派生型も多い。六六六空では3機が使用されているが、この部隊の機材はⅠ型乙という、 エアフレーム強度の改善(重武装射撃の反動対処)を行ったタイプである。 また、航空戦艦での運用と言うことから、Ⅰ型乙の中でこの部隊の機材だけは、着艦フックが増設された。 けれん味の多いこの部隊ですら、評価は上々であった。長い間、キ-43やキ-45改を乗りこなした扶桑陸軍航空出身者達から見ても、 四式は六六六空が多用する一撃離脱の重爆要撃、同時に対戦闘機戦闘にも最良に近い機材と高く評価されている。 なお、改良型や派生型が多いと称したとおり、長島飛行機はこのストライカーユニットを長く改良し続けている。 その決定版が、エアフレームをやや拡大して、魔導エンジンを「マ44-13ル」へ換装したⅢ型(キ-117)である。 エーテル排気タービン搭載の、「マ45」初期型の反省を反映した新型大排気量魔導エンジンを搭載し、 高々度性能の大幅な改善を図ったタイプである。高度8000mで毎時685kmを叩き出し、兵装ペイロードや降下速度も跳ね上がっている。 当然、優先配備部隊はウラジオや内地の防空飛行戦隊であったが、遣欧艦隊も参加したヴェネチアハイヴ排除作戦。 「オペレーション・マルス」発動直前に、六六六空にも3機が予備整備部品と共に届けられたと言われるが、実態は定かではない。 3.諸外国製ストライカーユニット 【フラックウルフFw190戦闘脚】/アーデルハイト・ハンマーシュミット大尉、リーヌ・クスリンナ少尉、ジャンヌ・ヴァルツ曹長、ショーコ・リトマネン曹長装備 カールスラントの代表的な戦闘ストライカーユニットの一つであり、六六六空に於いても多数が配備されている機材のひとつ。 メッサーシャルフ系列の機体と異なり、元ウィッチが開発しただけに、非常に操縦特性は素直であり、 同時に「軍馬」と言われるほど頑丈で、メンテナンスも容易であった。 製造数ではBf109に及ばないが、実戦部隊での評価は寧ろ、こちらの方が高かったと言われる。 また、Bf109に及ばないとは言え、他国の基準からすれば相当数の機体が製造されており、 それだけに派生型も多い。この部隊にやってきたフラックウルフも、大別すれば三種類に分けられる。 最も癖が無く、代表的な機材がハンマーシュミット大尉、リトマネン曹長が用いるA5/A8型である 。中高度以下で最善の性能を発揮する空冷タイプであり、高々度戦闘こそ苦手であるが、高度5000mで毎時650km以上の速度を発揮し、 特にその良好な降下性能と高速大半径旋回性能は、対戦闘機戦闘に威力を発揮した。 航続距離こそやや短いが、扶桑皇国陸軍の四式戦に大きな影響を与えただけに、特性は近い。 2人がオールラウンドプレイヤー、もしくは接近戦闘を得意とすることから、 中高度や低高度での、ラロス改を主目標とした対戦闘機戦闘に威力を発揮している。 もう一つ種類は、リトマネン曹長同様にスオムスよりやってきたクスリンナ少尉が用いる、R2型である。 この機体は少数が製造された夜間戦闘仕様であり、軽量小型の魔導レーダーアンテナを追加。 同時に、高々度性能の改善を図るために、エンジンがBMW801R型。二段四速過給器を追加した魔導エンジンへ換装されている。 長距離巡航を重視した為、最大速度に関しては明確化されていないが、「日向」の電探記録を見る限り、 高度8000mで650km/h以上を発揮できたことは確かなようだ。 彼女は自らが用いる改造型九二式重機関銃(何と嘗て救援に赴いた扶桑の歩兵連隊から譲渡されたらしい)の弾薬全てを曳光弾とし、 更には大出力無線機を追加することで、自らを夜戦におけるピケットとして徹底して位置づけた。 最大の変わり種は、ヴァルツ曹長の装備する機体であろう。彼女の期待は書類上は「A8」とされている。 しかし扶桑へ出向する彼女の身を案じた基地司令と整備班長が、奇策に等しい抜け道を使ったのだ。 装備改変が予定されていたため、先行配布されていたFw-190Dの図面を参考。 更には彼女の原隊飛行場へ不時着、大破したHe219の「DB603E」型エンジンを用いて、「D型に限りなく近いA8型」に作り直したのだ。 本来なら厳罰ものであるが、装備改変に伴う座学のために来訪していたフラックウルフ社技師の手も借りて、 員数外の装備を用いて、作り上げてしまったのだ。 幸いにして扶桑に於いてもDB603は「マ-240」の名称でライセンス製造されており、部品供給の目処が立ったのは救いであった。 彼女は、原隊の期待に背くことなく、高々度要撃要員の1人として活躍を示している。 これだけの種類が存在しながらも、何とか整備維持、運用が出来たのは、 近代的ストライカーユニットの原型を作り上げた宮藤博士の部品規格化の徹底もあるが、 フラックウルフ社の更なる機材モジュール化、ユニット化、強度重視設計の恩恵も大きい。 この部隊には重爆要撃や対地支援が得意な反面、対戦闘機戦闘が苦手なウィッチも多かったが、 フラックウルフは四式戦や紫電、烈風と共に、彼女達に群がる戦闘機タイプのネウロイ駆逐に、大きな威力を発揮している。 無論、対爆撃機戦闘でも無力というわけではなく、恐ろしい話であるが、弾薬を撃ちつくしたヴァルツ・リトマネン曹長が臨時でペアを組み、 「機銃の銃床で撲殺」する形で、中型ネウロイ複数を撃墜したケースも存在する。 【メッサーシャルフBf109G6戦闘脚】/ティリアナ・リッピ中尉装備 ロマーニャの中堅貿易商、そこの令嬢にしてかなりの度胸と経験も持つティリアナ・リッピ中尉。 彼女が自前の飛行艇共々赴任してきた際に、持ち込んできた単戦型ストライカーユニット。 言うまでもなく、カールスラント空軍の中で、数量的に最も多いユニットである。 当初はメーカー側の、技術的には優れているが、唯我独尊的な態度。ウィッチの意見の聞き入れに消極的な態度から、かなりの問題児であった。 さりながら、メッサーシャルフとて、伊達や酔狂で長年、カールスラントの航空メーカーとして食ってきたわけではない。 彼らは前線からの不満に合わせ、逐一改良型を作り出し、その課程で徐々にウィッチの意見も、積極的に取り入れるようになっている。 量産性を重視した上で、最大の懸念であった機体強度不足を中心とした改善を繰り返している。 そしてリッピ中尉の装備するG型系列にいたって、一応は一通りのネガを払拭されている。 その気になれば、20mmクラスの機関砲も十分搭載できるペイロード。航続距離こそ短いが、きわめて高い巡航速度。 高高度でも600km/h以上を安定して発揮できる「DB605」水冷魔導エンジン。 そして、些かエアフレームが繊細とはいえ、かなりの強化を施された結果、一撃離脱に徹した場合の上昇力と降下性能も、相応に改善されていた。 また、この部隊には現行機種に乗り換える間に、Bf109系列を装備していた欧州出身者が多数いることも幸いし、 整備維持、運用研究、離着艦訓練なども比較的順調に進んだ一面もある。 「日向」飛行隊では、その航続距離の短さ。その代償として得た高速と高高度性能を活用し、専ら艦隊防空に用いられている。 リッピ中尉自身も、ロマーニャ空軍で中隊長勤務を行っていた頃から、 この機材との付き合いであり、特性は重々理解しているため、この点に異存はなかった。 また、彼女は自分の愛機が戦闘行動時間が短いことをよく理解しており、 短時間に大量の7.92mm機銃弾を叩き付けられるMG34汎用機関銃2門を装備し、 重爆邀撃隊の阻害に襲来するラロス系列の戦闘機型ネウロイを相手に、かなりの奮闘を見せている。 当初は、些か勇敢さと攻撃性に任せた、慎重さの足りない部分もあったが、 その点を先任のバッシス中尉やキヴィニーット中尉、ハンマーシュミット大尉など、カールスラント製機材を扱った経験を有するベテランから、 指摘、指導を受けることで、現在は中堅以上の、頼りになるフロントアタッカーとなっている。 なお、後々になって彼女の機材も、こればかりはカールスラント本国の正式部品を用い、 エンジンを「DB605」の中でも最新型に換装した「K4」型に近い仕様へ改修を受けている。 同時にエンジン出力向上に伴い、扶桑皇国空技廠が規格化製造している、エーテル燃料増漕のパイロンへの取り付け機能を付与。 ある程度の航続距離の改善も図られた。 流石は商家の娘というべきか、彼女は扶桑の標準型エーテル増漕に関するライセンス製造権を、出雲中佐やロマーニャ本国を仲介して、 母国にももたらしており、ある程度、同国空軍が用いるBf109GやMC202などの航続距離、戦闘時間改善を図ろうと努力もしている。 このあたりは実に聡明で逞しく、祖国を離れても自国の現状を見据えているあたり、彼女が只のお嬢様ではないことの証左であろう。 【ハイネケルHe219戦闘脚】/白水御影少尉装備 優れた戦術空軍でありながら、些か夜間防空で立ち遅れていたカールスラント空軍。 彼らがメッサーシャルフBf110に続き、当初より夜間戦闘機材として設計、開発した双発重量級ストライカー。 贅沢なことに、魔導エンジンには最新の「DB603E」が双発で搭載されており、高高度性能やペイロードは優秀である。 実際のところ、このエンジンが選ばれた理由はひとえに、夜間防空戦闘に於いては、 どうしても重量のかさむ機載魔導レーダーの搭載が必須であること(固有魔法の広域探索補助機能も有する)。 そして夜間哨戒はどうしても、長時間となることから大きな航続距離が必要となり、魔法エーテル燃料の搭載量を重視。 何より、その割には敵ネウロイと接触し、攻撃を行うチャンスが僅少であるため、短時間で撃墜するため、大火力を搭載するためである。 このため、He219は双発戦闘脚というカテゴリーを差し引いても、かなり重い部類の機材に入る。 あちらは当初より艦上戦闘脚として設計されたとはいえ、 リベリオンの同じ双発、F7F「タイガーキャット」の2割以上の重量というあたりから、お察しいただきたい。 そのため、最大速度はエンジン出力に比して、平均で620km/h強といったところである。 また、重量級の機体であるため、操縦特性はかなり癖があり、一時期は「日向」での運用に際しては、 着艦は当初よりバリアネット使用を前提とすることも考慮された。 幸いにしてこの点は、この頃になると陸空軍出身の空中勤務者への、離着艦教育体系が完成していたため、 白水少尉の長く複戦を扱ってきた技量もあり、何とか実用の粋に達している。 この機材もBf110と同様、些かカールスラント贔屓気味の陸軍が、数個中隊分を導入したものである。 正直なところを言えば、整備手順は多く、離着陸には陸上基地でも長大な滑走路が必要。 そして夜戦でも、やはり単戦ストライカーの護衛をつけないといけないなど、欠点は少なくない。 さりながら「DB603」双発の大出力に支えられた、広域魔導レーダー哨戒能力。高高度でも安定して600km/h以上を発揮できる速度。 そして何より、兵装ペイロード・火力の大きさは優れた長所であった。 本家カールスラント空軍でも、多用な兵装を用いて運用。かなりの戦果を挙げているが、扶桑皇国陸軍においても、 同じく試験導入されたMk108型30mm機関砲、ホ-5型20mm機関砲を背面兵装パック、 両腕などに保持し、最大で6門を背負って出撃した事例さえ存在している。 その索敵能力と火力は、他の欠点に釣り合うものであり、一度捕捉してしまえば、 複数種類の機関砲多数の同時斉射により、短時間にディオミディアさえ撃破してしまう事も少なくはなかった。 しかしこの機材は余りに重く、複雑で、高価に過ぎた。 また、魔導レーダーシステムが魔法力及び電子技術双方の研究で小型化が進み、 単戦タイプのストライカーへの装備も可能となってからは、如何に夜戦邀撃機として優秀でも、 扶桑陸軍航空も大量調達に二の足を踏むようになったのだ。ある意味では不遇な扱いを受けたとも言える。 結果として2個飛行隊相当30機前後の試験配備に終わり、現在の夜戦隊の主力は四式複戦(キ-96/102)系列や、 四式単戦や海軍の「紫電改」に小型魔導レーダーを増設した夜戦仕様へ移行している。 但し、その高性能は実戦部隊でも惜しまれており、一時期、特に損耗の多かった北海道、 千島方面夜間防空を担当する、飛行第十三戦隊などを中心に、輸入された機材は一線装備として活躍している。 大型爆撃ネウロイに張り付いて、大出力シールドを張りながら殴りあうコンセプトは、白水少尉の空戦スタイルにも適合していたようであり、 夜間重爆殺しとして、ツァーメザウなどの戦術教授を受けた事もあり、開眼していくことになる。 【F7F-4N「タイガーキャット」艦上戦闘脚】/ベルタ・エッカート少尉、アルベティーニ・クラリーチェ少尉装備 リベリオン海軍が発注、採用した「双発魔導エンジン搭載の艦上戦闘脚」という、ある意味で異色のストライカーユニット。 同国の傑作艦上戦闘ストライカー「ヘルキャット」と同一の「R2800」型魔導エンジンを双発で搭載。 空力設計も洗練されており、双発ストライカーとしては非常に軽量に仕上がっている。 夜戦ストライカーユニットの傑作として知られる、カールスラントのHe219に比して2割以上軽量であり、 最大速度は毎時400ノット以上と俊足を誇った。 上昇力や武装搭載能力も大きく、リベリオン海軍も一時期、このストライカーユニットに大きな期待を寄せたと言われる。 しかし、この機材は艦上戦闘脚としては離着艦に強度上、些か難があること。どうしても調達コストが高価であること。 何より複戦特有の対戦闘機戦闘が不得手な特徴は、解消しきれなかった。 そして艦上機、陸上機を問わず、単発レシプロストライカーユニットの、著しい性能向上により、 存在意義が薄れたことから、結果として発注は少数に止まっている。 扶桑皇国海軍においても、フレーム強度をやや強化した上で、 魔導レーダーアンテナを追加した夜戦仕様を1個飛行隊相当、試験導入を行っていた。 リベリオンならではの高い品質管理と速度、上昇力、夜間運用能力は高い評価を得ているものの、 やはり扶桑においても海軍は「紫電」「烈風」、陸軍は四式戦系列の高性能化により、 存在意義が有用とは認められず、航空技術廠にして試験飛行を定期的に繰り返す日々が続いていた。 この機材が扶桑皇国海軍で、僅かなりとも脚光を浴びたのは、「あの」六六六空においてであった。 同部隊では対地攻撃型・空対空哨戒用ストライカーユニット「天山」を用いるウィッチ2名がおり、 彼女達は「天山」の特性を活用し、夜間・悪天候の哨戒任務に活躍していたが、 護衛戦闘機なしでは運用できるものではなく、その点が徐々に問題化しつつあった。 この点に懸念を抱いた指揮官、出雲少佐が海兵同期の空技廠勤務横河少佐に渡りを付け、 予備部品込みで2機を代替機材として配備したのだ。双発ストライカーユニットの母艦運用は、平易なものではなかったが、 同部隊では樫城中尉、白水少尉と双発型のエキスパートが存在しており、彼女達の教育により習熟を得ている。 樫城中尉曰く「そもそもが艦上機で、出来ない方がおかしい」とのことであった。 六六六空におけるF7F-4Nは、あくの強い機材に慣れた彼女達らしいというか、けして悪い評価ではなかった。 2人のウィッチは樫城中尉や白水少尉の教え。「重爆に対してダイヴ&ズームの一撃離脱に徹すること」 「敵戦闘機は優位にない限り相手にしないこと」を一義とした戦術を行い、 特に夜間や悪天候での哨戒戦闘任務。もしくは、大きなペイロードを活用した戦闘爆撃任務に活躍している。 この点は2人のウィッチの1人、エッカート少尉が、 かのルーデル大佐率いる第二爆撃航空団出身の、対地攻撃のエキスパートであることも幸いした。 なお、横須賀航空隊に於いても六六六空の運用実績をフィードバックした上で、残存機体を用いた実戦部隊を編成。 主に北海道やオラーシャ方面における夜間防空、もしくは対地攻撃隊のパスファインダーとして活躍している。 少量導入された機材としては、意外にその寿命は長く、昭和23年まで小改造を受けながら各種任務に使用され続けた。 【FM-2「ワイルドキャット」艦上戦闘脚】/ソフィア・レオノア軍曹装備 リベリオンがF4F型系列の最終型として開発した、輸出仕様の艦上戦闘脚。 元々が素直な操縦性と良好な低空性能を持つF4F系列であるが、 このFM-2はほぼ別物といえるほどの機材に仕上がっている。 魔導エンジン出力は1350馬力にまで引き上げられ、 並行して機体重量は1割以上、構造素材変更や空力特性改善により、軽量化が図られている。 その運動性は中高度以下では、特に良好であり、 レンドリース先のオラーシャやガリアなどでも、かなり高い評価を得ている。 飛行時間がそれほど長いとは言えず、離着艦経験も乏しいレオノア軍曹が、 短時間で「日向」への離着艦に習熟できたのは、この素直な軽量ストライカーの恩恵といえる。 とはいえ、問題が存在しなかったわけではない。確かに扱いやすく、良好な運動性を誇り、 速度もエンジン出力を考慮すれば妥当な570km/h以上に達している。 低空戦闘では使いでのある機体であったが、近い将来に、 より進化したしたネウロイと交戦した場合、何処まで通用するかは不安が持たれていた。 事実、「日向」も参加した北号作戦に於いては、 高速化したケファラス中爆の昼間邀撃に、彼女は苦戦を強いられている。 それでも友軍機の支援もあり、低空へ誘い込んで食いつき、 2機スコアを稼いでいるが、現状を漫然と維持することが危険であることは、誰もが認識していた。 この点について、六六六空は2つの手段を準備した。 一つは、オラーシャ帝国陸軍最新のストライカーであり、何故か供与されてきた「La-9」に彼女を徹底習熟させること。 そして、仮にそれが適わなかった場合の保険として、FM-2の改修を行うことであった。 これに関しては、さほど無茶を行わずとも、性能改善が見込める目処が付いていた。 元々、扶桑の「マ-112」とFM-2の心臓であるリベリオンの「R1830」系列は、 宮藤理論を用いた上で、両国が共同開発した基礎技術要素魔導エンジンが原型である。 それだけに部品の共通化、規格化も進んでいた。 扶桑で主に複戦用に大量製造の進んでいる「マ-112Ⅲ」を、小規模改修で組み込むことは、 六六六空整備班と、樫城中尉が人脈を作り上げた、宮菱技術陣との共同調査により、十分可能と判断された。 結果として、半ば試作機に近い形ではあったが、海軍名称「金星」七二型と呼称される「マ-112Ⅲ」を搭載。 エアフレームもそれに最適化し、敢えて多少の構造強化を行った機材は、レオノア軍曹自身の手により、45年初旬に初飛行を果たしている。 彼女はその頃、かなり最新鋭の「La-9」に慣熟しつつあったが、それでもFM-2の未だに損なわれていない素直な操縦性。 そして、格段に改善された中高度以上の性能に、彼女は予備機材以上の信頼を寄せていたという。 事実、最新鋭機材ゆえに、調整の難しい側面も有していたLa-9が不調を起こした際、 彼女は性能改善型FM-2で果敢に出撃することも多かった。 【P-39「エアコブラ-J」型戦闘脚】/クラーラ・バラノワ少尉装備 リベリオン陸軍で開発された、かなり変わり種のストライカーユニット。 一般的には、現行のレシプロユニットは宮藤博士の理論を原型としており、魔力プロペラは機材先端部に発生するようになっている。 しかしこの機材は、大口径火砲射撃時における安定性を重視し、機材先端よりはやや奥まった位置に、プロペラが発生するように作られている。 この設計は意外な功を奏し、特に中高度以下での安定性は高く、バラノワ少尉が「ホ-203」を有効に扱えたのも、 この機材の降下機動に際しての安定性。そしてリベリオンの機材特有の頑丈さえに、助けられた部分が多い。 反面、高々度性能は劣悪であり、主に戦闘爆撃任務に多用されている。 相応の使いでのあるユニットであったが、「日向」着任時のバラノワ少尉のユニットは廃品同然であった。 当たり前である。連隊長を脅迫し、政治将校を殴り倒す不良士官に、まともな機材を渡す軍隊など存在しない。 連隊の中で最悪に近い、廃棄寸前の機材を割り当てられたのである。 輸送船経由で彼女が着任したとき、榊整備班長でさえ「これは使うな」と即座に言い切ったほどであった。 ユニットの4割近い部品が、廃品同然とあっては当然の判断である。 そして、そこで大きく動いたのが樫城中尉であった。 一時はバラノフ少尉を自殺志願者の類と勘違いして激怒した彼女は、自らの意地にかけて、 より高性能な機材へ生まれ変わらせることを決心したのだ。 飛行第五戦隊時代、部下を生き残らせるために、必死の努力を重ねた彼女からすれば、 オラーシャ帝国が自国のウィッチへ為した仕打ちも、 それを唯々諾々と受け入れている無気力なバラノフも、許し難い対象であったらしい。 まずもって、臨時飛行隊長の樫城中尉と榊整備中尉が、松田艦長に現状報告。頭を抱えた艦長が、 やむなく海軍省経由でリベリオン陸軍へ予備部品供与を打診。 幸いにして、リベリオンでは既に新世代の航空脚の量産体制に移っており、P-39のような「中古在庫」がはけるのは歓迎された。 指定部品に加え、組み立てれば2機は作れる予備部品が只同然で、オラーシャへのレンドリースの一部から割り引かれ、 「日向」へやってきたのである。そして、そこから樫城中尉による思い切った性能改善措置が始まった。 彼女は、色々な意味で微妙な関係となった明野航空本部に繋ぎを付け、 水冷魔導エンジン用の二段二速過給機を低いリスクでテスト出来ると言う名目で、 「マ-140」性能改善用に増加試作がなされていたスーパーチャージャーを取り寄せ、再生された「V1710」魔導エンジンに搭載したのだ。 このあたりは宮藤博士によるレシプロストライカーの徹底した部品規格化、モジュール化の巨大な遺産に支えられた部分も大きい。 結果として廃品P-39は高度5000mで640km/h前後を叩き出し、1500km近い航続距離と以前の運動性を維持するまでに、再生を通り越し新生された。 「これならば戦える」と、捨て鉢気味であったバラノフ少尉が気力を取る戻すほどの性能改善ぶりであった。 武装に関しても、海軍航空ウィッチの航空機銃主力が、使い勝手の良い九九式改二型13mmへ移行。 彼等が「二式試製三七粍速射砲」として試験導入していた、 余剰の「ホ-203」が回されてきたことで、とりあえず彼女は何とか戦力の一角となった。 当初は慣れない高速、些か変わった飛行特性に悩まされ、離着艦も苦労したが、 P-39が元々低高度での良好な安定性と、野戦飛行場への着陸経験を思い出したこと。扶桑海軍ウィッチ達の粘り強い指導で、 更に飛行時間を50時間ほど上乗せすることで、ようやく不安無く離着艦出来るようになっている。 実戦では制空戦闘隊が突入回廊を開いた後、高々度性能が良好になったユニットの特性を活用し、 上空から逆落としで大口径機関砲・速射砲を数発、一撃離脱で撃ち込む戦術が多用された。 低高度での安定性が高いことから、高野上飛曹の零式と共に、「天山」を用いるウィッチの直援に回ることも多かった。 数奇な経緯を経ているが、45年初旬に機材変更を行うまで、数年に渡るバラノフ少尉の「戦友」として、 リベリオン製らしい頑丈な基礎設計と、樫城中尉執念の性能改善に支えられ、活躍することになる。 【La-7M/La-9戦闘脚】/オラーシャ陸軍現行並び将来主力航空ユニット オラーシャ帝国陸軍。その前線航空隊の主力戦闘ストライカーユニットである、La-5FN/La-7は、 他国の同世代ユニットに比して小型軽量な機体に、頑丈で出力の大きい空冷魔導エンジンを搭載。 カールスラントのフラックウルフFw190A8にも劣らない、優秀な性能を誇る機材である。 特徴としてはユニット構成素材に、合成樹脂で強化した木材を併用。 貴重な金属資源の使用量を抑えていることも挙げられる。 同時に各種装備も簡素なものであったが、それだけに整備、 製造双方でのワークロードは抑制され、大量製造が可能であった。 質素ながら列強に並ぶ性能のストライカーを短期大量生産できたことが、 ネウロイをウラルの向うへ封じ込める原動力の一つとも言える。オラーシャ陸軍航空隊のみならず、 バルトランド経由で脱出してきたカールスラント。 そしてガリア、オストマルクのウィッチ航空隊でも、多数が使用されている。 しかしながらこれらには共通の欠点が存在していた。航続距離が著しく不足していたのだ。 戦闘行動半径200km、全力戦闘時間15分では、大量製造が可能なユニットであっても、適切な防空や対地支援を行うことは難しい。 オラーシャは機械化工兵による野戦飛行場造成により対処したが、現状をよしと考慮していたわけではなかった。 その最初の打開策が44年半ばより主力となったLa-7型ストライカーの改良型、La-7Mである。 これは元より非常に優れた速度、上昇力、運動性を有するLa-7を原型とした上で、 若干の機動性低下を承知でエーテル燃料タンク容積を増加。更には樹脂強化木製増漕を搭載可能としたモデルである。 これにより最大速度は665km/h、上昇率は985m/分まで低下し、運動性も若干重いものとなったが、 増漕装備の状態では航続距離は1400kmと原型の倍以上に拡大されている。野戦飛行場の急速造成が恒常化したとはいえ、 ウィッチが滞空していられる時間が倍以上に延びたことは、制空・防空戦闘。対地支援の何れでも福音であった。 肝心の魔導エンジン「ASh-82」も、ウィッチの魔法力消費量を押さえ、 馬力変換効率を改善したマイナーチェンジモデルへと換装されている。 現行のオラーシャ陸軍前線ウィッチ飛行隊のユニットは、Yak-9Uと並び、La-7Mに置き換えられつつある。 一線部隊における評価も悪いものではなく、 「バッタのように燃料と魔法力を気にするより、余程負担が少ない」とあるベテランは述べている。 そしてLa-7Mに要求された改善要素を当初より盛り込み、再設計を行ったのがLa-9である。 扶桑皇国とオラーシャが共同開発した、レアメタル含有量を抑えつつも強度を維持した金属素材にユニット構成素材を統一。 事前にエンジン魔法力高効率化とエーテル燃料大容量化を見込んだ上で、 空力特性が局限まで洗練されている。また、将来は空母での運用さえ考慮されていた。 その改善結果は著しいものであった。最大速度680km/h以上、上昇率は高度7000mまでなら毎分1000m以上、 運動性と操縦性も素直であり、ユニットの頑丈さは原型以上に仕上がっている。 航続距離も、魔法力全盛期の年代のウィッチが慎重に扱えば、2000kmに迫るものであった。 そしてオラーシャ帝国は地中海方面における連合軍反撃作戦に、海軍水上艦隊を派兵できない代償として、 奇しくも航空戦艦「日向」での離着艦に習熟していたバラノワ陸軍中尉、 レオノア海軍曹長にこの最新ユニットを配備。彼女らを反撃作戦に参加する六六六空の一角とすることになる。 余談ではあるが、La-9のユニット構成素材及びエンジンに用いるマテリアル開発には、 冶金技師にして扶桑皇国で就労している、バラノワ中尉の父親が深く関わっているといわれている。 真偽は確かではないが、日ごろ余り覇気がない。凡百のウィッチという立場で満足していた彼女が、 以前よりは熱心に訓練、任務に取り込んでいるあたり、あながち嘘ではないのかもしれない