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パルスザン ルーゼル 直属の悪魔族。 ルーゼル 軍の知恵者として活躍した。 フーリンの印象が強すぎる分、忘れられやすい存在 -- 名無しさん (2008-09-05 19 13 38) 毒ブレスと魔法で堅実に攻めるタイプ。 -- 名無しさん (2008-11-08 22 48 26) フーリンに比べると地味だが魔法も得意で毒ブレスが使える為、 味方の補助役として優秀である。 -- 名無しさん (2008-11-09 10 47 00) 名前の由来は「風林火山」から……だと思う。 OPで、ルーゼルに対して冷静に助言する一方で、 クロウボールの到着にはしゃいだりもするお人。 -- 名無しさん (2009-02-03 22 54 36) 風林火山か、思い付かなかった -- 名無しさん (2010-09-17 13 26 54) 面白いものが届きましたよ。 -- 名無しさん (2011-06-29 03 33 16) クロウボールです! -- 名無しさん (2012-04-04 11 05 37) 能力よりもルーゼルは頭の良さで右腕として使ってたんだろうな -- 名無しさん (2015-02-23 10 22 52) 悪魔族の縁の下の力持ちといえるキャラ 彼の諌言と補助魔法がなかったらフーリンは死んでいた -- 名無しさん (2015-07-06 17 28 39) クロウボールです!^q^ -- mititdoll (2020-01-10 08 32 45) リオームに仕えるドルスザンの兄 -- 名無しさん (2020-04-29 22 25 19) ↑アルテナに仕えるスヴェステエスザン?? -- 名無しさん (2020-10-10 00 31 45) 名前 コメント
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「さて、人間達に手向けるレクイエムの一小節目を奏でに行くとするか・・・」 列伝 基本スペック 基本能力値 コメント 列伝 魔王ルーゼルの側近。 魔界で知らぬ者はいないと言われる程の切れ者で、ルーゼルも全幅の信頼を置いている。 フーリンと共にルーゼルを補佐し、特に戦略面において魔王軍に貢献する。 フーリンと同じく、人間に対する敵意はあまりなく、信頼するルーゼルの為に辣腕を振るう。 人間界の魔法に対して強い関心を持ち、しばしば資料の保存や研究を行っていた。 この姿勢は人間を敵視する悪魔の反感を買い、特にムナードからは非常に嫌われていた。 これが、後のムナード反乱に繋がる結果になってしまった。 基本スペック Ver6.85s 名前 パルスザン 肩書き 魔王の軍師 種族/性別 悪魔族/男性 クラス デーモン 雇用種族 悪魔 雇用クラス デビル リッチー 特殊雇用 S6→ヨネア 初期勢力 S1~S2→魔王軍宿将(Lv.13)S3→魔王軍宿将(Lv.18)S4→魔王軍宿将(Lv.21)S5→魔王軍宿将(Lv.23)S6→ハルト国マスター(Lv.26) 主君 ルーゼル 敵 S6→ムナード ショハード 雇用費/維持費/財政値 400/150/500 個人スキル デビル準拠初期→闇魔法B アタックⅡ ディフェンスⅡ マジックⅡ レジストⅡ デクストⅡ スピートⅡ ムーブⅡLv.20→闇魔法A リーダースキル 魔法抵抗UP 幻覚耐性UP 混乱耐性UP 石化耐性UP 訓練効果UP(3) 必殺スキル 基本能力値 HP 800 MP 100 攻撃 80 防御 80 魔力 100 魔抵抗 120 素早さ 80 技術 80 HP回復 5 MP回復 20 移動力 140 移動型 飛行 exp_mul 128 召喚可 1 初期耐性 火 少強 毒 少強 水 少強 麻痺 少強 風 少強 幻覚 強い 土 少強 混乱 強い 光 少弱 沈黙 強い 闇 強い 石化 強い 神聖 少弱 恐慌 少強 死霊 即死 少強 弓矢 吸血 少強 城 魔吸 強い 解呪 無敵 ドレイン 少強 一般ユニットより高い能力値は青字で記載。 コメント 魔王軍の初期人材。テンションが低そうな顔をしている 魔王の側近だけあって本人は非常に強力な悪魔ではあるのだが、 他の奴らのインパクトが強すぎるために影が薄い点も原作から引き継いでいる。 -- 名無しさん (2009-09-17 07 52 39) 更新により汎用性の高いリーダースキルを取得した -- 名無しさん (2009-09-30 21 19 44) かなり堅く、フーリンやルーゼルが退却した後も奮戦している姿を見かける -- 名無しさん (2009-10-01 21 30 45) 不安定なフーリンと違い、安定して戦ってくれる。 -- 名無しさん (2009-10-01 23 07 59) 魔法の撃ち合いに向いたリーダースキルを持つ。 リッチを率いたり、ネクロヒールやブリザードを強化するなどの使い方がオススメ。 彼自身は魔法スキルを持たず突出しがちなため、敵が多い間は攻撃禁止を指示するのもあり。 -- 名無しさん (2009-10-14 19 38 39) 更新で四属性に対する耐性強化のリーダースキルが追加され、神聖、光以外の魔法で彼の部隊を撃破するのが困難になった。魔法戦に関しては全人材のなかでもトップクラスのリーダースキルである。魔法に対して凄まじい硬さを誇るため、ルーガルト戦などで大いに活躍できるだろう。 -- 名無しさん (2009-11-12 01 12 36) s6では魔界に送り返されたルーゼルに代わってハルト国の君主となっているが、 なぜか家臣が女性ばっかりである。 -- 名無しさん (2009-12-24 01 55 39) 良い陪臣に恵まれると攻撃力1000近い化け物軍団に COMパルスザン強すぎる('A`) -- 名無しさん (2010-01-04 07 21 32) 見た目はルーゼルよりも魔王らしく見えてしまう。優男な魔王も良いかな? -- 名無しさん (2010-03-21 12 11 26) 光耐性上がるとか凶悪すぎる -- 名無しさん (2010-03-21 15 09 35) 人間族の魔法に興味があり、特に人間に敵意もないから人間の魔術師系くらいは雇えてもいいのでは? -- 名無しさん (2010-04-13 21 18 53) ストーリー的にヨネアは雇用できてもいいような気がする そしてスケコマシが加速した -- 名無しさん (2010-04-13 21 50 03) 2.75現在、相変わらず魔法に対して非常に強い Lvに相当の差がない限り、一般マジシャン人材・賢者程度の魔力ではアークデーモンとなった彼とその部下にまともなダメージは与えられない -- 名無しさん (2010-05-10 17 10 09) 雇用、戦闘共に魔王の側近に相応しい非常に優秀な人材。 更新によりダークエルフを雇えるようになったため魔王軍でもアタックとレジストが使用可能に。 更に石化、混乱、沈黙耐性付与も習得。同族との戦いが有利になった。 -- 名無しさん (2010-05-20 16 51 52) デーモン部下にして魔法使い殴り倒すか、リッチー引き連れて後衛から撃ち落とすか・・・ -- 名無しさん (2010-07-23 00 23 14) ダークエルフが雇用可 また、ニューマックがデッドライトを雇用可能なので、魔王軍でも、人間人材を雇える日がついにやってきた!! でもなー魔抵抗高いのは確かにいいんだけどなぁ~ ナイトの突撃でやられるしなー 火力低いしなー やっぱり微妙だなー -- 名無しさん (2010-08-11 23 53 07) ナイトの突撃は痛いよね(´Д⊂ヽ草原では蹂躙されちまう -- 名無しさん (2010-09-25 10 08 38) むしろ平原でナイトの突撃に耐えられるユニットのが珍しい気がする -- 名無しさん (2010-09-26 16 29 24) 悪魔系は召喚で足止めできるからまだマシな部類だしね。 -- 名無しさん (2010-09-26 18 18 22) 草原の突撃ができないナイト・・・ 必要価値ゼロじゃねーかw -- 名無しさん (2010-09-26 19 04 36) 能力が高いせいか若干役割を求められすぎな気もする。 悪魔の能力とLSの効果でマジシャンや竜騎士には無敵といっていいぐらい強く、その他大半の種族と互角以上に戦えるのに草原の騎馬まで対応できたらさすがにそれはやりすぎ。 でも折角標準より高い魔力を持っているのだから闇魔法CかBぐらいなら習得してもいいとは思う。 -- 名無しさん (2010-09-26 20 39 25) フーリンもそうだがCPUでは大した脅威にならない。 他の悪魔が倒せるならなんか堅い悪魔ぐらいで終わる、最近は悪魔自体強くなって変わったが。 -- 名無しさん (2010-09-26 22 50 54) 更新により闇魔法を獲得し、高めの魔力を生かせるようになった。 クラスはデビル系のままだが、スキル的にベリアルである。 -- 名無しさん (2010-09-30 10 50 50) 波動やダークブレスと比べて闇魔法は経験値効率がいいので成長速度も大幅に改善された。 -- 名無しさん (2010-09-30 11 44 42) 強キャラの悪魔人材にしては珍しく必殺技が無いものの地味にLSが強力 -- 名無しさん (2010-09-30 22 02 04) パルスザンには保父さんの称号を与えよう。 なぜかって?小悪魔ロリ2人と相性が良すぎるからさ。 -- 名無しさん (2010-12-08 21 03 52) スヴェステェンADVに続くパルスザンADVの予感 -- 名無しさん (2010-12-08 23 17 58) リッチーと違いMP回復がデビルなので連射できないのが欠点か。 突破力や派手さは無いが強い。魔王軍の要であることは間違いない。 -- 名無しさん (2010-12-17 10 14 50) 闇魔法Aを部下に付加できてもいい気がするが…… -- 名無しさん (2010-12-17 23 33 11) それだとナームとかぶるしなあ。ブラッドサックはないが。 -- 名無しさん (2010-12-18 11 18 08) 人間の魔法を研究してるんなら四元素魔法のレベルAまで付加するとか ナームはブラッドサックⅡがあるから闇魔法A付加でも差異化できている気はするけれども -- 名無しさん (2010-12-18 12 32 40) それだとリリックさんが涙目w パルスザンの魔法研究は専ら耐性付与方面に充てられていたとか? どこぞのチョルチョさんみたいに。 -- 名無しさん (2010-12-18 16 16 21) パルさんの見せ場は魔法・ブレス弾幕の突破だからなあ。 付加するなら近接か中距離じゃね?魔法剣とか。 -- 名無しさん (2010-12-19 01 41 43) 魔法剣は面白いかも パルスザンは現状でも肩書き通りの強さだけどもうひと味欲しかったりするんだよなあ -- 名無しさん (2010-12-19 06 29 48) じゃあファーレンに倣って毒ブレスで -- 名無しさん (2010-12-19 06 58 35) エレメンタル系の魔法とかはどうだろう -- 名無しさん (2010-12-22 04 14 58) 必殺や攻撃技追加LS等が無いから地味に見える 魔法研究で耐性ということで、必殺のクリスタルウォール追加とか リア充爆発してもらう事になるが -- 名無しさん (2010-12-22 11 18 30) 光を継ぐ者ではプレイヤーに対して超迷惑行為を行う。 少しは自重しろ。 -- 名無しさん (2010-12-22 21 33 16) ↑何回か予告あるし、それなりにターンもかかるので少しは自重してると思う。 少しは。 -- 名無しさん (2010-12-23 23 51 26) とうとうこの方も戦死……。 -- 名無しさん (2011-03-24 00 42 51) 何故かパルスザンに鬼畜系のイメージを持てない。幸薄そうな顔だからか。 -- 名無しさん (2011-04-17 12 55 32) 顔グラやハルト国OPをはじめとするイベントのせいで苦労人の印象が強いからな -- 名無しさん (2011-04-17 15 56 38) だいたい一般デビル率いて突撃することが多いし、堅いから最期まで踏みとどまるし、 ゲームシステム的には死ぬべくして死んだという気もする。 -- 名無しさん (2011-04-17 22 29 31) 光耐性付与が大きい。S6でラザムと対峙するときは彼の部隊が要。 大抵アルナス・ウルスがラザム滅ぼすんで滅多も無いけども。 -- 名無しさん (2011-06-15 22 33 46) S7のOPを見るにポポイロイトと遊んであげてたみたいだから 面倒見がよさそうだ -- 名無しさん (2011-07-04 13 18 59) パルスィの方がルーゼルよりステータス高いんだねえ・・・ -- 名無しさん (2012-10-08 02 35 02) 本当だ。召喚レベルとHP回復くらいしか、勝っているところがない。 …だがスキル面で魔王様強いからな。 -- 名無しさん (2012-10-08 02 40 53) 魔王よりもその臣下が強いんだよな レベルの上がったベリアル部隊とか倒せるのか心配になるくらいの強さ -- 名無しさん (2012-10-08 10 51 37) 今更だが、更新で各能力強化魔法2を得たことで人材最強クラスの一員となった。ただでさえ強い悪魔に強化をつけてくる。 s1・s2で調子こいていたリューネがたった4・5部隊に止められるのはだいたいこいつのせい。敵操作時にAIがアホなのが欠点であり、プレイヤーにとって救いである。 -- 名無しさん (2013-03-02 22 05 41) S1で2ターン目に魔王軍が北上すると、こいつに対抗できないCPUリューネはボコボコにされる -- 名無しさん (2013-05-20 16 11 43) s5のパパルザンイベントは思わず笑っちまったぜ -- 名無しさん (2013-12-31 22 52 19) シャルロットを下につけると強化魔法が無尽蔵に打てるようになってかなり強い -- 名無しさん (2014-05-06 14 58 58) パルスザン……ftじゃすごい悪人ズラだったのにすっかりイケメンになっちまって -- 名無しさん (2015-02-18 10 44 48) 上のステータスと耐性を見てると何かが狂ってるとしか思えないほど強い そしてじっさいに使っても強いのだが、やはり派手さには欠ける -- 名無しさん (2015-11-23 16 03 38) うん器用ビンボー。でも強い。 -- 名無しさん (2018-06-06 02 13 11) フーリンのほうが器用ビンボーですけどね、初見さん -- 名無しさん (2020-04-04 14 23 09) パルチザンみたい -- 名無しさん (2022-06-15 21 20 58) ↑あとあとさんのセンス的にパルメザンチーズだと思う -- 名無しさん (2023-10-28 09 11 41) 精鋭の部下に全バフを撒いてシンプルにゴリ押す脳筋スタイルは地味だがあまりにも強い それを嫌って速攻を掛けようとするとルーゼルやキオスドールがいる場合は範囲で一気に食われるのが魔王軍の厄介さ -- 名無しさん (2023-11-27 15 35 04) ムーアとの相性が良いが普通の戦闘時間では活かされない ダンジョンでは猛威を振るう -- 名無しさん (2023-11-28 08 57 09) 名前 コメント
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パルスザン 登場シナリオ:求める力 種別:初期人材(ゲル) ゲルに仕える悪魔。千年前のルーゼルの時と同じく参謀的役割を務める。 名前 コメント
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パルスザン 登場シナリオ:戦争の復活 種別:人材 ルーゼルについてきた悪魔。魔界の知将であり人間にも理解を示す悪魔。 名前 コメント
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魔王ルーゼルの側近。 魔界で知らぬ者はいないと言われる程の切れ者で、ルーゼルも全幅の信頼を置いている。フーリンと共にルーゼルを補佐し、特に戦略面において魔王軍に貢献する。フーリンと同じく、人間に対する敵意はあまりなく、信頼するルーゼルの為に辣腕を振るう。 人間界の魔法に対して強い関心を持ち、しばしば資料の保存や研究を行っていた。この姿勢は人間を敵視する悪魔の反感を買い、特にムナードからは非常に嫌われていた。これが、後のムナード反乱に繋がる結果になってしまった。 切れ者の割に実績ががが -- 名無しさん (2023-04-27 18 25 46) 名前 コメント
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パルスザンに召使いとして仕える奴隷階級の悪魔だったが、高い潜在能力を見い出されたことからパルスザンによって魔軍に取り立てられた。悪魔らしからぬ弱気な性格だが、主であるパルスザンが戦場にいる間はどれほどの危険にさらされようとも敵に背を向けようとはせず、魔軍崩壊後もパルスザンを守って戦い続けた。 せつないよね -- 名無しさん (2023-10-28 09 00 47) 名前 コメント
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魔王ルーゼルの復活 黄昏の都ハルト。 かつて栄華を極めた壮大な都は、いつしか人々に棄てられ荒廃し、ついには戦乱の世に魔族達の居城と成り果てていた。 ただ過ぎ去る刻の中で、棄てられた恨みの念が宿るのか、闇に潜む者達は誰彼となくこの都を好み、安息の地とした。 月のない夜、深淵の闇に抱かれた廃都にひっそりと佇む城の一室。 所々に年月を感じさせる染みを広げた石造りの床に、一面、真っ赤な血で鮮やかに魔方陣が描かれている。 その魔方陣の中央に人形を模った像が祭られ、室内を照らす淡い蝋燭の灯火に浮き上がる影が揺らいでいた。 黒色の先が奇妙な帽子を被り、これも黒色のローブを身に纏った一人の少女が、手にした古びた本を開いて何やら一心に言葉を紡ぐ。 少女の背後、部屋の片隅には事の成り行きを見守る影があった。 「我が声に応えよ、汝の名は魔族が王ルーゼル。 死を超ゆる者よ、束縛されし永久の闇より目覚めたまえ……」 少女がはっきりとした言葉を紡いだ。蝋燭の灯火が微かに爆ぜる。 室内に少女の凛とした声が最期に響いてから幾許かの刻が過ぎた頃、静寂に耐えれなくなったのか男が堪らずに口を開いた。 「本当にこれでよいのか、ヨネア殿」 「その、はず、なんだけどね。間違えちゃったかも、えへ☆」 「ヨネア殿……これは遊びではないのだぞ」 「わかってますよ~だ。おじちゃんはちょっと黙っててよ」 苦言を呈された事に腹を立てたのか、少女は頬を膨らませる。 年寄り呼ばわりされたパルスザンは怒る気にもなれず、傍らに控える召使いに視線をやった。彼の召使い女魔族シャルロットもまた、困ったという風な上目遣いでそれに返す。 魔族が王ルーゼルが、冥王との勝負に敗れその姿を消してから歳月は瞬く間に過ぎた。パルスザンはルーゼルの亡き後、人界から身を引くつもりであったが、他の魔族達に説得され勢力を保とうと骨身を削る。しかし、その過程で仲違いを起こし、反目する同族との戦いに明け暮れる日々を送っていた。そんな彼に、主君の復活を仄めかした一人の少女が居た。 「おっかしいなぁ~」 手にした本をぱらぱらと捲り、首を捻る。手順に間違いがない事を確認したのか、本を閉じると無遠慮に魔方陣へと入り込み、中央に置かれた像を杖でやたらに叩きだした。 魔王ルーゼルの四散した身体は、一片の血肉すらその場に残さなかった。だが、彼の強大な魔力は、肉体を失っても僅かながらにその思念を残している。パルスザンはそれを必死にかき集め、彼を模した像へと封したのであった。残された魔力から肉体を再生させる。魔王を現界させたヨネアならばもしや、と、彼は考えた。 ヨネアは執拗なまでにルーゼルの化身ともいえる像を杖で叩き続けている。そのあまりに遠慮のない様に、さしもの温厚なパルスザンもとうとう怒りを露にした。 「ルーゼル様に対してなんと無礼な振る舞い……もう我慢ならん」 一歩を踏み出したとき、唐突に室内に変化がおきた。 血で描かれた魔方陣が煌々と輝きを放ちながら、その血が徐々に像へと流れ染み込んでいく。それはまるで生血を啜るかのようで、その光景に目を奪われていると、閉め切られた室内に怒涛のごとく風が巻き上がり、渦を巻いた。蝋燭の灯火はかき消され暗闇が辺りを支配する。頭に幾重にも響く凄まじいまでの唸りが室内を満たし荒れ狂う。あまりの事にヨネアは驚き、急いでパルスザンの背に隠れる。その横には、彼の手をひしと握り締めるシャルロットの姿があった。 「おお……感じるぞ……ルーゼル様のお力だ」 パルスザンの目に、室内を縦横無尽に奔る全ての力が、一点に、像に収束をはじめたのが見て取れていた。凝縮された力が像へと取り込まれていく。 魔王ルーゼルの復活は間近であった。 像に無数のひびが生じ、内から夥しい闇の波動が漏れ、禍々しい輝きを放つ。 「ルーゼル様……!」 パルスザンが震える声で叫ぶ。その叫びに呼応するかのように、像が大きく鳴動し、爆散した。 暗闇に支配されていた室内を、蝋燭の灯火が蒼白く輝き辺りを明るく照らす。まるで主の復活を歓迎するかのように、自然と独りでに灯ったようである。否、正しくは、目覚めた自身の姿を配下達に見せようというルーゼルの配慮であった。 永い眠り。そう、ただ無に呑まれた彼は、眠っていた。何も感じず、何も考えず、真の闇にたゆたい眠り続けていた。 何時からそうしていたのかも解らぬ彼の耳に、ひとつの声が響いた。 ――。 なんだ、我は眠いのだ。邪魔をするな。 ――ゼル様。 うるさい。眠らせてくれ。 ――ルーゼル様。 ルーゼル? なんの事だ。 ――ルーゼル様! そうか……我の名であったな。その声はパルスザンか。わかった、今、起きよう。 永い眠りから目覚めた彼の目に、心配そうな表情を浮かべるパルスザンが映る。その顔は、何故かやけに高い所にあった。 「な、なんだこれは」 城の一室、ルーゼルが使用していた部屋はそのままに残され、復活を果たした主を迎え入れていた。 部屋の壁に掛けられた鏡を前に、ルーゼルは戸惑いの声をあげる。そこに映る自身の姿が信じられないという風に、手足を動かしては、つぶさに確認するように目を見開く。 鏡に映るのは、背の低い小柄な男がひとり。 「やあん、かわいいのだわ!!」 魔族の雄ドラスティーナが、そんなルーゼルの一挙手一投足に艶やかな歓声で反応している。 二人のやり取りを背後で見守るパルスザンの口から、自然と溜息が漏れた。 魔王ルーゼルの復活は成った。儀式は成功した。 しかし、どこをどう間違ったのか、姿を現したルーゼルは元の彼に比べ極端に背が低かった。他者を圧倒する威厳を湛えた声色は鳴りを潜め、背格好に合った物となっている。まさに子供であり、その表現が一番適切である事は誰の目に見ても明らかであった。復活の際、ルーゼル様の身に何が起きたのか、事の仔細をヨネアに問おうとしたものの、当の彼女は一目散に消えてしまい訊きそびれている。慕い続けている主君に今一度逢えた事は、パルスザンにとって何事にも換えられない嬉しさがあったが、その心中は複雑である。 「ルーゼル、ちょっと波動を試してみるのだわ」 ドラスティーナが笑みを浮かべて催促していた。 「う、うむ」 ルーゼルが小さな両手を開いて前に突き出す。彼の得意としていた魔の波動を、その手の平から放とうとする。一声、唸った。 ポンッという乾いた音が鳴り、煙がもくもくと昇る。 波動は、魔族であれば大抵の者が容易に扱える力である。以前の彼からは想像もつかない余りの事に、ドラスティーナは堪えられなくなったのか、 「あはははははは」 と、目の端に涙を浮かべて笑い出した。 ルーゼルは小ぶりで愛嬌のある顔を真っ赤に染める。 「わ、笑うな!」 「お、怒らないで……ふふ……ほ、ほ、欲しいのだわ。そう、ナイトメアはどうなのだわ」 ナイトメアは魔王ルーゼルの奥義にして、彼の力の象徴ともいうべきものである。 ルーゼルもそれならばと、自らを奮い立たせるように、先程と同じように構えをとった。 結果は前より悲惨だった。プスッという何かが明らかに不発した音が僅かに室内に響いただけで、今度は煙すらも昇らない。ルーゼルは愕然とした表情を浮かべ、両手を床について崩れた。その背にドラスティーナの容赦ない笑い声が降りかかる。 パルスザンの口から漏れた溜息の原因はこれであった。復活を果たしても、その力は失われたまま。これでは誇り高いルーゼル様に申し訳が立たない。今一度、主君として魔族を率いて欲しいのだが、この状態では到底、他の者に対して示しがつかない。パルスザンは自責の念に苛まれていた。手をついて項垂れる小さな主君に、何か言葉をかけようと考えるも、それはただの慰みにしかならないと思い留まる。復活したルーゼルは、事の顛末をパルスザンから聞かされても、決して彼を責めようとはしなかった。それがまた、パルスザンの心をきりきりと締め上げる。 その事を知ってか知らずか、ひとり目に涙を浮かべて大笑いをしていたドラスティーナが、ふと黙り込むと、背に生えた美しい翼を羽ばたかせて床に崩れるルーゼルの下へと詰め寄った。 豊満な胸にルーゼルの小さな顔を押し付けるようにして強く抱きしめる。急に抱き寄せられたルーゼルが、手足をばたばたと動かして抵抗するが、彼女は一向に離そうとしない。その頭を撫でる彼女の表情は、目許に優しさを湛え、愛しむように柔らかい。ルーゼルも抵抗を諦めたのか、なすがままにされていた。 室内に、ただ、静かな刻が流れる。 何時までもルーゼルを抱くドラスティーナに、パルスザンがいい加減に声を掛けようと口を開きかけたとき、それを察したのか、彼女が口元に人差し指を添えた。 不思議に思う彼の耳に、微かな寝息が聞こえてくる。どうやら、胸に抱かれたまま寝てしまったようだった。小さな身体で無理に力を行使して疲れたのだろうか。 パルスザンは扉を静かに閉め、部屋を後にした。 静寂に包まれた長い廊下に足音が響く。 魔王ルーゼルの復活は成った。しかし、その力は完全ではない。 パルスザンの心に新たな使命が生まれていた。 ――ルーゼル様を、いつか必ず元のお姿に。 成すべき事は実に多い。自分に果たして、それだけの力があるのか。 自問する彼の手を、包むように何かが触れる。 意志を表すかのように、その手を強く握り返す。 長い廊下に響く彼の足音に、寄り添うようにもうひとつの足音が響いていた。 熱いね! -- 名無しさん (2020-08-03 20 37 27) 名前 コメント
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魔界随一の怪力を誇る魔王軍の暴れ者。戦場に在って敵はおろか行く手に立つ味方さえも殴り殺すほどの暴力の持主であり、人間からは「盲牛」と呼ばれ恐れられた。 「地上には強者が多く居る」とのパルスザンの口車に乗って大陸へ召喚されたが、人間の脆さに憤慨していたところ、ルートガルト国のオステア侵攻後に行方をくらませていた流浪のノーアと出会う。 勝負を挑んだゼオンであったが決着は付かず、それ以来生涯で最高の好敵手としてノーアの姿を探し続けた。 ノーアがオステア国の元帥として兵を挙げたことを知った際はまっさきに先陣を切って一騎討ちを申し込んだが、敗北の寸前にパルスザンの策によってノーアは騙し討ちに遭い殺されてしまう。 激怒したゼオンは魔王軍を出奔し、後にムナード党に参陣。執拗にパルスザンを追い続けたが策に掛かり捕えられ、服従を申し入れられたがこれを拒否。 処刑される寸前までパルスザンを罵倒し続け、首を落とされた後も捨て台詞を吐いたという。 「くたばれ、バカが。」 -- 名無しさん (2009-12-25 00 33 19) クオリティ高いので、こっちに改訂していただきたいです。 -- 列伝案1作者 (2009-12-25 00 47 52) かっこよ -- 名無しさん (2023-04-27 18 24 33) 名前 コメント
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魔王軍分裂後、パルスザンを君主として纏まった国家。 パルスザンは魔王が死に魔王軍が分裂した今、人界にいる意味はないと撤退を考えるが多くの悪魔がそれを拒否。 ムナードへの嫌悪。魔王を殺した冥王への復讐。冥王を倒し名を上げようとする功名心。 思惑の異なる者たちはムナードに与することなく人界に留まるため結束していた。 魔王の敗北、フーリンの死。全ての原因は自らにあると自信を喪失していたパルスザンは、言われるがまま戦争を続けることを承諾する。 そして、ハルト国は戦争のために、軍備を整えるのだった。 いいね。なんかいい空気が出てる感じがする。 -- 名無しさん (2010-02-12 00 05 17) 内容は見事。ってか、パルスザンの顔と中身がマッチしていて良いと思う。 しかし、長すぎてシナリオ選択時に全文表示できていない・・・。 ~ムナード党に所属することなく あたりが、文字限界みたいなので、削れるところ削ったらどう? -- 名無しさん (2010-02-12 23 24 13) 指摘されたように長すぎたので、頑張って削りました。 これでどうにか全文が表示されるはず… -- 投稿者 (2010-02-13 07 19 15) 高名心→功名心、組する→与する 揚げ足取るようで悪いけど、こうじゃない? -- 名無しさん (2010-02-13 07 31 44) 修正しました -- 投稿者 (2010-02-13 07 37 09) サーザイトじゃなくてパルスザンがマスターだった時代があるの? -- 名無しさん (2024-01-24 12 22 43) 名前 コメント
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ルーゼルの死 「ハッハッハッハッ」 一定のリズムで呼吸を刻みながら半獣の悪魔グエンは疾走していた。 こんなにも走る事が喜びであった事があろうか。 匍匐茎が張り巡らされた地面は、蹄を突き立てると心地よい抵抗を返し、更なる加速を促す。 馬上槍の風切り音が心地よく耳をなでていった。 ルートガルト平野――西はブレア地方から、北はハルトまで続く広大な黒土層の平地地帯である。 森林が少なく、イネ科の植物群がどこまでも続く草原を成しており、馬での移動に優れる。ファルシス騎士団を育んだ「土壌」であった。 敵部隊には各小隊に1体の漂う者がいて、後方から魔法の支援攻撃を続けていた。最右翼の漂う者、 その更に斜め後方に回り込んだグエンは急速に距離を詰め始める。 敵がグエンを察知したのは丁度魔法を打ち終えた後で、次の魔力の集中はまるで間に合っていなかった。 「遅い!」 グエンの槍が漂う者を突き上げる。耳障りな叫び声とも付かぬ異音を発し、掻き消えていった。 (これほどあっけないとは・・・ルーゼル様の見立て通りだ・・・) 飛べない悪魔――劣悪な地形の多い魔界においてグエンの体は足枷でしかなかった。同族に馬鹿にされ、 己の足がこの世で最も嫌いな物だった。悪魔の形は様々であったがグエンの体はひと際「普通」と違い、中には本気で獣と思っていた悪魔もいたのだ。 「何故俺には、こんな醜い足しかないのか」自分の足を引きちぎろうとした事すらあった・・・・・・ 1体目を始末した後、スピードを落とすことなく軌道修正のみで立て続けに次の獲物を貫ぬく。グエンは足に更なる力のみなぎりを感じて地を蹴った。 目前に現れた岩を軽やかに駆け上がり跳躍すると、高揚する心を抑えきれずにグエンは叫んだ。 「我は魔王軍騎兵隊長、グエンなりィィィーーーーー!」 パルスザンは精兵2名を引き連れ左翼にいた。大きめに回りこむだけで、地を這う者はみなルーゼルに殺到していた。 間合いをかすめる様に通過すると、漂う者はたった3体の悪魔相手に距離をとって魔法を放つ。 (まるでカラクリ人形だな、定められた動きしか出来ない。) パルスザンの任務は漂う者達が逃げぬように牽制し、グエンの突撃をサポートする事にあった。 部下に巧に指示を出しながら、グエンに身振りで追い込む位置を知らせる。この役目を軍師のパルスザンは黙々とこなした。 パルスザンにとって己の取った首級の数は問題ではない。地位におぼれることなく縁の下に徹することが出来る悪魔らしからぬ気質は、 パルスザン最大の特徴でありルーゼルが信頼を寄せる理由にもなっていた。 (どれ程の力を持っていようと、戦略を持たぬ相手など何の脅威でもない。私はなんと未熟だったのか・・・) パルスザンは預かった軍の大半を失った自らを戒め、改めて主人ルーゼルの力と戦術を敬い喜んだ。 だが、パルスザンの自責は的を得ているとは言い難い。この作戦はルーゼルがあって初めて可能となるものだったからだ。 ルーゼルは力を取り戻しつつあった。群がる敵を一瞥すると大きく腕を振る。 地を這う者の腕が、足が、肉片と体液とが飛び散り、地面が悲鳴を上げるような音を立てて引き裂かれ、ちぎれた草が舞った。 見えない巨大な鍵爪が、間合いに入ったもの全てを空間ごと引き裂いている様であった。 手が飛ぶ位で止まるような敵ではなかったが、2撃、3撃と重ねると小隊ごと肉塊と化した。 (ホルスのバカタレにもお見舞いしてやりたいが、後の楽しみとするか。) 時に後退しながら、時に敵一団の周りを旋回しながら、ルーゼルは「悪魔の爪」を叩き込み続けた。 地を這う物たちは動きの速いルーゼルに対し散開して囲もうとする事もなく、ただ殺到し砕かれた。 「昨日の屈辱をッ、全て晴らさせてもらうぞ!」 ルーゼルがハルトに到着し受けた報告は、戦力の2/3を失ったこと、殆ど戦果を挙げていないこと、押し込まれ続け戦線の維持も絶望的であることだった。 「そうか。」と一言答えたが、信頼してルートガルトに置いたパルスザンに対する苛立ちは消せなかった。 (壊滅状態ではないか、多少の不測には十分な軍勢を任せたはずだぞ。) 敗北に次ぐ敗北で消耗し、士気が著しく低下した兵達を確認すると、ルーゼルは直ちに出撃する事を決めた。 勝利により、士気と勢いを取り戻そうと思ったのである。ルーゼルの到着に沸いた今こそ好機であった。 移動する中規模部隊を横から強襲し、そのまま背後を取るように斜めに展開する。 状態異常が通用しない事は報告で知っていたので、戦列を維持しながらゆっくりと後退しつつダークブレスの斉射で敵を飲み込んだ。 ルーゼルの最初の違和感はここであった。ダークブレスの影からするすると敵前線が接近してきた。 地面をのたのた歩く敵が予想外のスピードで間合いを詰めてきたのである。 (く、もう接近戦か、もう少し削りたかったが・・・) 「波動!」 ルーゼルの号令に従い、デーモン達は近接攻撃主体へと移行した。 だが、敵の攻撃は苛烈で、鍛え上げられたデーモンたちの肉体を容赦なく引き裂いた。 馬鹿な・・・心のどこかで、ゾンビやマミーといったアンデットを想定していた・・・多少強い位だろうと・・・。 戦闘を開始してどのくらいの時が経ったろうか、僅かの間に阿鼻叫喚の地獄と化した戦場に、ルーゼルは現実味を失っていた。 最前線は次々と切り伏せられ、後ろから一個小隊の一斉射撃のように魔法をばら撒く別種の敵が空中を漂っている。 そこかしこで血を思わせる様な赤い渦巻く炎が上がり、渦の中央付近のデーモンは見る間に焼け落ちた。 パルスザンの「有効な攻撃が可能」との要請によりラザム戦線から同行させたグエンは、何体かを串刺しにしたものの自身も満身創痍であった。 気が付くと、ルーゼルは効果が期待できないと報告を受けていた筈のナイトメアを放っていた。 だが、そのおかげで自分がパニックによりただ立ち尽くしていたことにも気が付けた。 「退却!退却だ!全力で退却せよ!」 声の限り叫び、さながら壊走のような退却でハルトに戻ると、既に出撃した兵の1/4以上を失っていた。 主人を案じたパルスザンが近くに来ると、搾り出すような声で呟いた。 「パルスザン、今まで良くぞ持ち堪えた。」 その小一時間後のことである・・・ 「明日、早朝に出撃する!」 「しかし、たった今退却して来たばかりです。出撃できる兵が有りません」 「私と、パルスザン、グエン、精兵一小隊のみにて出撃する。何とかかき集めろ。」 パルスザンとグエンは訝しがったが、ルーゼルは冷静であった。 (この戦いで分かった事がある。私の力、思い知らせてくれる・・・) グエンとパルスザンが最後の漂う者を地に沈めると、地を這う者もあらかた片付いていた。 昨日手酷くやられた相手を被害を出す事もなく殲滅したことで、勝利の予感が現実味を帯びてきた。 「さて、奴を殺しにいくか。最初からそうするつもりだったからな。」 斥候の報告では、死霊軍を指揮するムクガイヤは未だ無人となった王都に居るとの事であった。 パルスザンの見立てではムクガイヤさえ討てば、統制の利かなくなった死霊どもは軍でなくなる筈である。 「無人の都で王様気分とは、哀れですな。」 グエンがいななく様に鼻で笑った。 2階正面入口から大広間に入り、そのまま真直ぐに進むと謁見の間へと通じる階段がある。ルーゼルは悠然と階段を上がってゆく。 周辺の死霊は既に殲滅したが、王都に接近しつつある死霊軍の撃退にゼオンが苦戦しており、パルスザンとグエンを向かわせていた。 階段を上がりきった部屋は、宮殿の中でもその部屋のみ一階分高く作られた最上階で、窓が多く戦争用とは言いがたい。 シルクとコルクウールを使った織りの細かい上品な絨毯が階段から真直ぐに敷かれている。その先の王座には、身じろぎもせず座る影があった。 「どうだ、私を使って王になった気分は?お目にかかれて光栄とでも言っておこうか。もう死ぬがな、この卑種めが!」 ムクガイヤであった躯はゆるりと王座から立ち上がる。 ルーゼルが腕を振り上げたその時、躯から放射状に氷塊が飛びルーゼルを打った。 「グゥ!(重い!かなりの魔力が乗せられている。)」 氷塊に壁が砕かれ、謁見室の天井が落ちてくるとルーゼルと躯は外へと飛び出した。 窓にはめられたグラゥスの細かい破片がキラキラと光りながら散り落ちる中、ルーゼルは空中で距離を詰める。 (こいつも漂う者の系統か。ならば接近戦でかたを付ける!) 眼下に広がる城下町に雷や隕石が雨のように降り注ぎ、悪魔の爪が塔を破壊する。世界の終わりのごとき激戦が無人の街を震わせた。 戦いの中、ルーゼルは不利を悟りつつあった。悪魔の爪は魔力を自身の攻撃力に乗せて放つ技であるが、敵の魔力に対する抵抗力が規格外に高かった。 かといって闇の力も通用しない。 (何と言うことだ、これは相性が悪い。) 自分が敵わなければ、魔王軍に成すすべは無い。パルスザン達を始めとして全て飲み込まれてしまうであろう。 「俺様を侮辱した貴様にだけは負けるわけにはいかない!これでも食らいやがれ!」 ルーゼルは躯に掴みかかるとそのまま町の東門の見張り塔の壁に押し付け、身に宿る全ての魔力と生命力を活性化させ炸裂させた。 「ドゴォォォーーーー」 凄まじい音にパルスザンが振り返ると、王都に紅い火柱が上がっていた。 「ル、ルーゼル様・・・。あれは・・・敵の仕業なのか。あれほどの破壊力を奴は持っているのか。あれではルーゼル様は・・・」 「あれは、おそらく・・・ルーゼル様の自爆です。」ハルトから援軍に来ていたリリックであった。 「自爆?ルーゼル様は無事なのか?」 「己の纏う魔力を外に打ち出すことなく直接炸裂させたのです。自らの血肉を爆発させるに同義なれば・・・・・・自身が助かるはずも在り申しません。」 「そ、そんなことが・・・」 「ここは引きましょう。先ずは体勢を立て直さなくてはなりません。これからの事も決めなければ・・・」 名前 コメント