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ティアリングサーガユトナ英雄戦記 17-115~124・136~138・151~156・158~162 115 ティアリングサーガ ユトナ英雄戦記 sage2005/07/24(日)02 10 56 ID 2CFyugLv ~プロローグ~ 舞台はモーラトン海に浮かぶ大陸リーベリア。 今をさかのぼること800年前、この地は邪神ガーゼルが支配する暗黒の大陸であったが、 青年カーリュオンが、大地母神ミラドナの娘・ユトナの愛を得て、 人々を率い、邪神が支配する帝国を討ち滅ぼした。 カーリュオンとユトナは結ばれ、4人の王女が生まれ、 それぞれの王女の名を冠した4つの聖王国が誕生した。 リーヴェ王国、カナン王国、レダ王国、サリア王国。 4王国は協調と抗争を繰り返しつつ、 600余年の永きに渡りリーベリア大陸に君臨した。 だが50年前に起きたレダ王国とサリア王国の戦争により、両王国が相次いで滅亡。 リーヴェ王国とカナン王国もまた長く戦争状態にあったがリーヴェが滅び、 大陸の覇権はカナン一国のものとなる。 カナン王バハヌークは、邪神ガーゼルの教えを第一とするガーゼル教国と 同盟を結び、かつての邪神が支配していたゾーア帝国の再興を宣言。 皇帝となったバハヌークは、大陸全土の制圧に向けて動き出す。 物語は、その1年後より始まる。 116 ティアリングサーガ ユトナ英雄戦記 sage2005/07/24(日)02 11 44 ID 2CFyugLv ※あらかじめ知っておくと便利な近代史:【レダ解放戦争】 レダ王国が滅亡した際、強力なリーダーを失い混乱したレダ地方に集まった 若者たちの戦い。 その中で特に卓越した12名が「12英雄」と呼ばれ「6勇者」と「6賢者」に分類される。 6勇者→グラムド(ラゼリア公国大公・故人) アーレス(カナン王国第一王子・故人) ロファール(ウエルト王国国王) テムジン(エリアルの傭兵王) ヨーダ(ゾーアの暗黒剣士) ヴァルス(グラナダ提督) 6賢者→マイオス、ナリス(水の神官家の父息子・二人とも故人) オクトバス、アンドレ(火の神官家の父息子・二人とも故人) エーゼンバッハ(風の神官家)、 アフリード(レダの賢者にして、エーゼンバッハの娘シルフィーゼの夫) ※神官家とは かつて、王国は巫女(王女)とその一族である神官家が政治を行う 神聖国家だったが、現在では王家がそれに取って代わり、 神官家は祭事的なことにのみ発言力がある。 どちらもカーリュオンの血は引いており、王家と神官家の間では婚姻も盛ん。 ・本編ストーリーは、リュナンとホームズ、二人の主人公の視点から交互に進みます。 リュナン:リーヴェ王国の一公国ラゼリアの公子。12英雄の一人・グラムド(故)の息子。 17歳。生真面目で沈着冷静な割にぶっとんだ台詞を吐くことが多い。 ホームズ:グラナダ海賊「シーライオン」の若。12英雄の一人・ヴァルスの息子。 20歳前後。リュナンの幼なじみで親友でかつ兄貴分。弓の使い手。 117 ティアリングサーガ ユトナ英雄戦記 sage2005/07/24(日)02 12 53 ID 2CFyugLv 《リュナン編》 MAP1~7(ウエルト王国) カナンとリーヴェとの戦いにより、リーヴェ王国から落ち延びた ラゼリアの公子リュナンは、父グラムドも亡くし、 守り役のオイゲンや生き残った若い部下たちと共に、 グラムドとも旧知であったグラナダのヴァルス提督のもとに逃れていた。 だがグラナダでも戦いが起き、ヴァルス提督はリュナンと息子のホームズを 逃がしていた。 (本編はここから) リュナンは島国ウエルトに助力を請うためシーライオンの船を進めてもらう。 リュナンとホームズと一時別れることになるが、二人は再会を約束しあう。 しかし、ウエルト王国では国王ロファールが戦争で行方不明となっており、 宰相コッダが国を牛耳ろうと企み、王妃リーザを幽閉していた。 リーザ王妃は娘のサーシャ王女と騎士ケイトに、 信頼するヴェルジェのマーロン伯爵のもとへ命令書を届けさせるが、 コッダはサーシャへ兵を差し向けていた。 ウエルトに上陸したリュナンたちは、兵に追われていたサーシャを救い出し、 話を聞き出す。 サーシャと共にマーロン伯の元を訪れたリュナン。 ウエルトの助力を請う以前に、まずウエルトの国政を何とかしなければ どうしようもない、ということで、リュナンたちもウエルト解放のために戦うことに。 まずは国の混乱に乗じて暴れている山賊たちを討伐することになったリュナン軍。 山賊討伐の最中にリュナンは、山賊たちに囚われていたシスターのエンテと出会う。 エンテは元にいたマルス神殿に戻ると言うが、 女性一人では危険だということで、軍で保護することに。 エンテは、リュナンのことを知っている様子だが……。 また、6勇者の一人・暗黒剣士ゾーアの娘である剣士ジュリアも仲間に。 マルス神殿からエンテを迎えにやって来たサリア王国の天馬騎士・マーテル。 サーシャの母・リーザ王妃とマーテルの母は姉妹で、 マーテルとサーシャはいとこ同士。 神官家の血に連なるマーテルは、エンテを守る任務を受けていた。 しかしマルス神殿では、エーゼンバッハが突如来襲した ガーゼルの教皇・グエンカオスと対峙し、敗北。 リュナンたちが神殿に辿り着いた時には虫の息だった。 エーゼンバッハは、駆けつけたエンテに、勇気を持って生きろと言い残し息絶える。 ここでエーゼンバッハの孫、風の魔道士マルジュが、 母親のシルフィーゼから「エンテを守れ」と言われ仲間になる。 エンテはマルジュを弟のように思っている。 マルジュはそれが気に入らず、思春期+反抗期まっしぐら。 また、神殿内で、北の小国バージェから亡命してきたと言う騎士ジークが仲間になる。 しかしリュナンはジークに対し不審を感じる。 ケイトもジークに不審を感じ、ジークに素性を問い詰めるが、 彼の悲惨な過去を聞き、ころっと女心を揺らされてしまう。 118 ティアリングサーガ ユトナ英雄戦記 sage2005/07/24(日)02 13 50 ID 2CFyugLv その頃、ウエルト王宮ではリュナン軍から敗走した聖騎士ロジャーが コッダに責められていた。 ロジャーの家は貴族で、代々コッダの家に仕えてきたため、 やむなくコッダに加担していた。 しかしロジャーはコッダに、駆け落ちまでした恋人のメルを、 反乱軍を討伐するまでの人質に奪われてしまう。 だがメルは救い出され、解放軍と合流。 風の神官家の娘であるメルは、弟のマルジュと再会し、 ロジャーとの仲はとっくに許されていたことを知る。 嫌々ながらも解放軍と戦うために王宮を守るロジャー。 しかしメルの無事な姿を見ると、解放軍に寝返る。 また、サーシャが母親のリーザ王妃から預けられた天馬の笛で 天馬騎士になることができる。 リーザ王妃は昔は有名な天馬騎士で、レダ解放戦争でも 夫のロファールらと共に戦ったことがあった。 ついに解放軍の前に敗れ去ったコッダ。 リーザ王妃は、国を救ってくれたリュナンに、快く兵力と軍資金を出す。 また、サーシャも行方不明となった父ロファールを探すためにも、 ついていくことになった。 119 ティアリングサーガ ユトナ英雄戦記 sage2005/07/24(日)02 14 30 ID 2CFyugLv MAP8 その頃ホームズは、イスラ島で暴れていた海賊退治をしていた。(こいつらも海賊だが) そこで出会った、天然系・素性不明の少女カトリ。 カトリは育ての親のロウ司祭に連れられ、 マルス神殿のエーゼンバッハの所に預けられるところだった。 だが司祭が海賊に殺され、囚えれられていたのだ。 カトリは最初はホームズのことを怖がっていたが、天然なのですぐ懐く。 ある日ホームズと喧嘩したカトリは、拾った杖でゾンビを大量召喚して 沼地に一人きりになる。 恐怖でカトリがユトナ神に祈ると、カトリの体が火竜に変化する。 時間が経つと元の姿に戻ったものの、カトリはすっかり怯えてしまう。 ちょうどそこにリュナン軍到着。 ホームズは、カトリの身につけていた腕輪がリングオブサリア、 サリア王家に伝わる紋章の腕輪であることに気づいていた。 カトリが変化したのは、サリアの守護聖竜ネウロン。 ホームズは、カトリが聖竜の巫女であると言い、 普通の娘として暮らしたければ腕輪を外せ、と言うが、 話を聞いていたエンテが突然、腕輪はカトリを守るものであるから、 決して外してはならないと主張する。 まだ怖がるカトリに、ホームズは「俺がお前を守ってやる」発言。 ホームズはリュナンに、「世界を巡って冒険するから、 レアアイテムゲットしたら届けるぜ」と気前のいい友情を見せる。 また、リュナンがウエルトの兵力を連れて行ってしまうため、 このあたりの悪党も片付けておいてくれるとのこと。 ※ここでリュナン軍とホームズ隊のメンバー入れ替えができる。 リュナン、エンテはリュナン軍に固定、 ホームズ、カトリ、シゲン(ホームズの相棒兼ホームズ隊のツッコミ役・ ジュリアの義兄)はホームズ隊に固定。 ホームズと別れたリュナンは、マール王国へと船を向ける。 マール王国では、リチャード王子がレダ王国の生き残り、ティーエ王女を救い出しており、 リチャード軍と共にレダ同盟軍を率いていた。 ティーエとリチャードは婚約している。 マール港に辿り着いたエンテは、旧知である、光の魔道士メリエルと再会する。 メリエルは水の神官家の大賢者マイオスの孫娘で、 行方不明の兄リシュエルを探していた。 メリエルとエンテはいとこ同士とのことで、メリエルはリュナン軍についてくる。 マール王宮へ出向いたリュナンは、リチャード&ティーエと対面。 リュナンを侮っていたリチャードだったが、リュナンは堂々とした態度で渡り合う。 リュナンはティーエに、レダ王国の再興を考えているのか尋ねるが、 ティーエは「ガーゼル教国を滅ぼし、教皇グエンカオスを倒すことが 私に課せられた使命です」と語る。 120 ティアリングサーガ ユトナ英雄戦記 sage2005/07/24(日)02 15 05 ID 2CFyugLv MAP9~MAP10 軍を進めるリュナンたちに、カナン軍との戦いは避けられない。 だが、敗れ去ったカナンの将軍に「祖国を救ってくれ」と言われたり カナンも一枚岩ではないことを知る。 カナンのバハヌーク皇帝は若い后に溺れ、カナンが持ちこたえているのは 有能な二人の王子、バルカとジュリアスのおかげらしい。 もともと、リュナンの父のグラムド大公とカナン第一王子アーレスは盟友で、 両国の間には二人の働きによって和約が結ばれるはずだった。 だが、リーヴェの守護聖竜ミュースが現れ、その場を焼き尽くし、 グラムドもアーレスも死亡した。 これが「ノルゼリアの悲劇」である。 どちらの国でもこの殺戮を互いのせいだと思っており、和約は当然破棄された。 誰が何のために聖竜を利用したのか? カナンとリーヴェが憎しみ合えば利を得るものは誰か? 自由都市セネーからカナン軍を追い払ったリュナンは、 いつのまにかティーエ、リチャード率いる西部諸国同盟と リュナン率いるリーヴェ・ウエルト連合がゾーア帝国を相手とする 「ユトナ同盟」として盟約を結んでいたことを知る。 リチャードが勝手に発表したらしい。油断のならない奴である。 121 ティアリングサーガ ユトナ英雄戦記 sage2005/07/24(日)02 15 59 ID 2CFyugLv 《ホームズ編》 MAP11~MAP16 自称「夢をロマンを求めて世界を旅する冒険者」ホームズ一行はウエルトで悪者退治。 サーシャがホームズ隊にいると、ホームズ&サーシャ関連のイベント発生。 サーシャはホームズの身につけているペンダントに見覚えがあるとのこと。 「ホームズのようなお兄様がほしかった」とサーシャはずいぶんホームズに懐く。 ホームズは天然系の年下の少女に懐かれる属性があるらしい。 また、ホームズ隊がウエルト王宮に立ち寄ると、何故かリーザ王妃は姿を見せない。 とある洞窟では山賊に囚われていた雷魔道士エリシャと エリアルの傭兵サムソンが仲間になる。 マルス神殿へ向かう途中だったエリシャは、 マルジュとメルの行方不明の父・アフリードのことを知っている様子。 また、ホームズ隊は、イスラ海賊の頭目に義姉レネを奪われていた ブラードの少年アトロムを助ける。 孤児のアトロムは、自分を拾って育ててくれたレネをとても慕っていた。 だがレネは海に落ちてしまい、落ち込むアトロム。 カトリは、ホームズ隊に敗れたイスラ海賊の頭目・メルヘンの命をこっそり助けていた。 メルヘンは、実は割と信心深く、カトリの養父のロウ司祭を生かしておいたことが 判明する。 ロウ司祭と涙の再会を交わすカトリ。めでたしめでたし。レネは行方不明のままだが。 ロウ司祭はホームズを信頼し、カトリをそのまま預ける。 マール王宮に辿り着いたホームズ隊。 グラナダとマール王国は同じ海運国として同盟を結んでおり、 ホームズとリチャードは幼なじみのようなものだったが、大変仲が悪かった。 ホームズをとっとと追っ払うリチャード。 ホームズはリチャードに野心がありすぎることに懸念を抱き、ティーエに リチャードに利用されているんじゃないか、と苦言を呈すが、 ティーエは「リチャードは悪人ではない」ととりあえずリチャードを庇うのだった。 アトロムの住んでいた街・ブラードに辿り着いたホームズ隊。 そこには、草原の狼の異名を持つ、セルバ大公レオンハートがいた。 レオンハートは、サリアの王妃の弟。 レオン大公はホームズのことが気に入った様子。 また、レオンハートの姪で、マーテルの妹である天馬騎士フラウと、 その友人で、カナンから亡命してきてレオンハートに預けられていた 騎士見習いサンが仲間に。 フラウはマーテルから「カトリ様をお守りする事があなたの使命」と命令される。 理由はわからないものの承諾するフラウ。 その頃リュナン軍でも、レオンハートに協力を仰ごうという動きが。 リチャードと対等に渡り合ったというリュナンのことを やっぱり気に入ったレオンハートは快く承諾。 ホームズにブラードの街を任せて(リュナン絡みのことなのでホームズもあっさり承諾) 出陣するのだった。 122 ティアリングサーガ ユトナ英雄戦記 sage2005/07/24(日)02 18 01 ID 2CFyugLv 《リュナン編》 MAP17~MAP19 レオンハートと協力し、セルバで戦うリュナン軍。 しかしそこに、何故かカナンの守護聖竜ラキスが現れる。 突然の事態にそれはびっくりするリュナンたち。 だが、ラキスはどこか攻撃をためらい、そのままいなくなる。 ラキスの正体は、盗賊にさらわれていた少女ネイファ。 ネイファは、兄のセネトと再会すると、セネトと共にエリアル国へと戻っていった。 エリアルに戻ったセネトは、ティーエが同盟を率い戦っていることを聞き、 昔なじみであるティーエに会いたいと思う。 ここではセネト&ネイファ兄妹の素性は明かされない。 レオンハートとやっと対面したリュナンは、カナン王国の事情を聞く。 亡くなったアーレス王子の妻が14年前何者かに殺され、 二人の子供が行方不明だと言う。 アーレス王子の妻はカナン神殿にいたエーゼンバッハ老師の娘であり、 エーゼンバッハもカナンから追放されたのだ。 カナンにも複雑な事情があることを改めて知るリュナン。 レオンハートは、内乱状態にあるサリアを解放するまでは リュナン軍と合流して帝国と戦えないからそれまで待っててくれ、と さわやかに別れる。 「カナンの盾」と呼ばれる強力なバルバロッサ将軍を倒し、 カナン軍の要塞を落としたリュナン軍。 そこに、サリアの村から火の神官家・大神官オクトバス(故)の娘であるクラリスが リュナンの元に面会へやってきた。 クラリスはウエルト王妃リーザの姉でもあり、 戦乱で落ち延びたウエルト王ロファールを匿っていた。 ようやくロファールと対面するリュナン。 (サーシャがリュナン軍にいるとロファールとの父娘再会イベント有り。 サーシャがホームズ隊にいる時はイベントは後回し) 身体も癒えたロファールは、帝国を討ち果たすために リュナンたちと共に戦う心意気を語る。 また、リュナンはクラリスから、聖竜ミュースが カナン王子アーレスとリュナンの父・グラムド大公の命を奪った 「ノルゼリアの悲劇」についての話を聞く。 リーヴェ王家には、一般には知られていないが メーヴェという名の末の姫がいたらしい。 だがメーヴェ王女はユトナの聖痕を持って生まれたために、 水の神殿に預けられ神殿から出ることは固く禁じられていた。 しかし教皇グエンカオスが水の神殿のマイオスを殺し、 メーヴェ王女と王家の腕輪・リングオブリーヴェを奪い、 王女を無理矢理、聖竜として覚醒させたのだ。 エーゼンバッハとオクトバスはグエンと戦い、 オクトバスの命と引き換えに王女と腕輪は取り戻された。 リュナンは、父の仇をミュースだと思っていたが、 グエンカオスことが真の敵だったことを知る。 リュナンとの会見の後、クラリスはエンテと会話。 エンテこそがリーヴェの王女メーヴェであった。 エンテは幼い頃、神殿に閉じ込められていることを 哀れに思ったリュナンの父・グラムド大公に連れられ、 3日間だけ外の世界に出たことがあった。 その時に出会ったリュナンを、エンテは幼い頃から想い続けていたが、 何も覚えていないリュナンに本当のことは話せずにいた。 だがクラリスはエンテに、リュナンは気づいていながら あえて知らないふりをしているのでは…、と語る。 123 ティアリングサーガ ユトナ英雄戦記 sage2005/07/24(日)02 19 41 ID 2CFyugLv 《ホームズ編》 MAP20~MAP23 ブラードにレオンハートが戻ってきたので、ホームズ隊も行動を再開。 行き先はレダの古城。 死んだと思われる、アトロムの義姉・レネのため、レダ古城にあると言われる 死者を甦らせる伝説のオーブ・ダクリュオンを取りに行くためだ。 50年前のレダ王国とサリア王国の戦争で、形成不利と見たレダ王は戒めを破り、 レダの守護聖竜クラニオンを呼び出した。 クラニオンはサリア王国を破壊し尽くしたが、レダの諸都市をも壊滅させ、 最後にはレダ王宮をも焼き払った。 そのため、レダは滅亡し、王宮跡も魔獣たちの巣窟となっていた。 レダ古城に辿り着いたホームズ隊だが、ちょうど魔竜となったクラニオンが 暴れ回っていた。逃げ惑いながら戦うホームズ隊。 だがそこにグエンカオスが現れ、クラニオンに優しく語りかけると そのまま共に去って行った。 ダクリュオンはなんとか手に入れたものの、 イル島の聖なる塔の復活の祭壇まで持っていかなければ使えない。 ホームズたちは一度ブラードまで戻ることに。 ブラードではレオンハートが、サリアの王位を狙うサリア王弟・アハブ大公の 軍隊から攻撃を受けていた。 戻ったホームズ隊はレオンハートの窮地を救う。 しかし、軍を率いていた老将ザカリアはまだ生きていた。 ザカリアを助けようと手当てをするカトリ。 意識を取り戻したザカリアは、カトリの胸元にあるユトナの聖痕を見つけ、 カトリがサリア王国の王女マリアであると告げる。 十数年前、サリア城を制圧し反乱を成功させたアハブ大公はザカリアに 生まれたばかりの王女を殺すよう命令させたが、 ザカリアは王女を殺すことはできず、旅の神官に王女を委ねたのだと言う。 更に、カトリの両親である、国王夫妻も生きているとのこと。 サリア城の地下牢に幽閉されているらしい。 レオンハートやホームズたちは、アハブのいるサリア城に攻め込み、勝利を収める。 国王夫妻も無事に救い出され、カトリは長い間夢見ていた両親と再会し、涙を流す。 124 ティアリングサーガ ユトナ英雄戦記 sage2005/07/24(日)02 20 59 ID 2CFyugLv 国王夫妻とホームズたちは、サリアの神官長クラリスから話を聞くために サリアの村へ向かう。 クラリスは喜び、サリア王国再興までにサリアの村へ留まるよう国王夫妻に促す。 王女と判明したカトリも同様である。 サリアの村に留まっていたリュナン軍とホームズ隊も久々に合流。 リュナンはホームズに会えたことに喜ぶ。 一方、ロファールもホームズのことが気になる模様。 その頃、今までリュナン軍に従属していたジークが、軍を脱走する。 ジークを今まで信用しきれなかったリュナンは驚かなかったが、 ジークに恋をしていたサーシャ付きの騎士・ケイトは激しく動揺し、 ジークはガーゼルに捕らえられたのだ、と主張する。 ガーゼル魔道軍との戦いで傷を負い、療養していたところを アハブ大公に利用されていた炎の魔道士リシュエルは、 妹のメリエルと、いとこであるエンテと再会した。 リシュエルとメリエルはエンテの素性を知っている。 リシュエルとメリエルの兄妹は火の神官家・水の神官家、双方の血を引いており、 リシュエルが火の神官家、メリエルが水の神官家の力を受け継いでいた。 リシュエルは、権力欲に取り付かれ自分の妹をリーヴェ国王に嫁がせ、 国王の意のままに動いていた父親・ナリス(故)を恨んでいた。 エンテが幼い頃神殿に閉じ込められていたのは リシュエルの父の仕業でもあったのだ。 8年前にエンテが解放されてからは、リシュエル&メリエルとエンテは、 兄妹のように育っていたのだった。 リュナンとホームズも、長く再会を喜び合う間もなく、それぞれ出発の時が来ていた。 リュナンは祖国リーヴェを、ホームズは故郷グラナダを取り戻すために。 カトリはホームズとの別れを惜しむが、ホームズは 「お前なんかいなくたって平気だ」とそっけない態度を見せる。 136 ティアリングサーガ ユトナ英雄戦記 sage2005/07/25(月)01 48 16 ID erF/XuCb 《リュナン編》 MAP24~MAP26 順調にリーヴェにまで軍を進めていくリュナン軍。 その頃、リーヴェ王宮にいるカナンのバルカ王子とジュリアス王子は、 亡き兄アーレス王子の遺児である、セネト王子とネイファ王女が現れた という報告を聞く。 セネトもネイファも、14年前にアーレスの館が賊に襲われた際、死んだと思われていた。 セネトと名乗る少年はカナン王国で反乱軍を興し、 ガーゼル教国に支配されていたカナンの街や村を解放しているらしい。 バルカとジュリアスは、事の真相を確かめるため、リュナン軍との戦いから一時撤退。 ついに故郷のラゼリア公国へまで戻ったリュナンは、 昔からリュナンをライバル視していたレンツェンハイマー公子の 卑劣な作戦に遭いながらも、レンツェンを討ち果たし、 見事ラゼリアを解放することができた。 リュナンはラゼリアの民たちの前に姿を現し、 改めて、リーヴェ王宮を解放し戦争を終わらせることを誓う。 137 ティアリングサーガ ユトナ英雄戦記 sage2005/07/25(月)01 48 46 ID erF/XuCb 《ホームズ編》 MAP27~MAP30 サリアの村を後にしたホームズは、追いかけてきたカトリから、 リングオブサリアを預かる。 本当は皆と別れたくない、と言うカトリは、ホームズに 「私の代わりにこの腕輪を連れて行ってほしい」と頼みサリアの村へ戻った。 シゲンは仲間に加わったゾーアの魔女シエラと語り合う。 かつてガーゼル教国でゾーアの魔剣士と呼ばれたシゲンは、 ゾーア人狩りによって処刑される寸前のシエラを助けた。 だがシゲンは教皇のやり方に疑問を持つようになり、 シエラと共に教団を抜けようとしたが、魔女として洗脳されていたシエラは拒否。 しかしシゲンがいなくなった後、シエラはひとりで考え続け、脱走してきたのだった。 シゲンは自分のやり方でゾーア人を解放するという思いを秘めていた。 マールの王宮まで戻ったホームズは、カトリの育ての親のロウ司祭に、 カトリが無事に両親に会えたことを話す。 身体の癒えたロウ司祭は、ホームズ隊についてくることに。 ホームズはロウ司祭から、さまざまな大陸の歴史や神話を聞く。 ロウ司祭の話によると、レダ古城にいた魔竜クラニオンは、 40年前に行方知れずとなったレダの王女ティータらしい。 また、ガーゼルの教皇・グエンカオスは、元はレダ王国の土の神官家の一族だった。 レダが滅亡した後、グエンカオスはゾーア人を率いて反乱を起こし、 レダの旧領北部にガーゼル教国を打ち立てたのだ。 常人とは思えないほどの知識を持つロウ司祭だが……? ホームズたちもついにグラナダにまで上陸する。 そこには、死んだと思われていたアトロムの義姉・レネがいた。 レネはカナンの将軍に救われていたのである。 アトロムは無事に、レネと再会することができた。 戦いには勝ち、グラナダを取り戻したものの、ホームズには釈然としないものが残った。 とりあえず父親のヴァルス提督の安否を気にするホームズだったが、 相棒のシゲンの案内で連れられた館では、身体の癒えたヴァルスが 女性を侍らせくつろいでいた。 ヴァルスは、もう自分は引退するからおまえがグラナダ領主になれ、と、 ホームズに鎧と剣を渡す。 いい加減な父親にすっかり腹を立てるホームズ。 シゲンは、ヴァルス提督はグラナダの民を必死で救い出し、 ホームズの帰りを待っていたのだ、ととりあえずフォローする。 またホームズは、レネからアトロムを拾った経緯を聞く。 詳しい話を聞いたホームズは、アトロムがヴァルスの息子であると確信する。 つまりアトロムはホームズの異母弟であった。 ヴァルスは大陸中に女性がおり、自分の兄弟姉妹は100人を越えているだろう…、 とはホームズの弁。 この件はひとまずアトロムに黙っておくことにしたホームズ。 イル島の奥にある、伝説の大賢者モースが住むと言うモースの塔へ行くため、 イルの村へ立ち寄ったホームズ隊。 イルの村には、シゲンの義理の父親でありジュリアの実父である、 6勇者の一人・ヨーダがいた。 シゲンの両親は二人とも古のゾーア人であり、ヨーダは育ての父である。 シゲンは自分と実の父親を捨て、カナンのバハヌーク皇帝の女となった 実母・カルラを憎んでいた。 ジュリアに手合わせをしたりシゲンと語らったり一通り父親っぽいことをしたヨーダも ホームズ隊についてくることに。 モースの塔の最上階まで辿り着いたホームズ隊だが、大賢者モースは不在だった。 塔を守っていた巫女ミーメによると、モースは異世界に旅立ち しばらく戻ってこないそうだ。 ※これまでにリュナン軍及びホームズ隊に死亡者がいると 祭壇でダクリュオンを使い生き返らせることができる。 その頃、サリアの村では、カトリがグエンカオスにさらわれる事件が起きていた。 クラリス神官長は、ホームズに使者を送る。 そのことをまだ知らないホームズは、ラゼリアを取り戻したリュナンの元へ。 138 ティアリングサーガ ユトナ英雄戦記 sage2005/07/25(月)01 49 45 ID erF/XuCb 《リュナン軍&ホームズ隊合流》 ラゼリア公国。リュナンは一人で部屋にいるエンテを発見する。 そこはリュナンが幼い頃使っていた部屋だった。 リュナンはエンテに、昔の思い出話を語り始める。 5歳か6歳くらいの頃に、父が小さい女の子を連れてきて、 ここで一緒に遊んだ記憶がある、と。 その女の子は泣いていたから「泣くな。僕が守ってあげる」とリュナンは約束した。 彼女は、自分がいつか恐ろしい竜に生まれ変わって人々を焼き殺し、 リーヴェ王国を滅亡させると信じていた。 幼いリュナンは、そんなことには絶対させないから僕の側を離れるな、と 彼女に言った。だがその子は突然いなくなった……。 リュナンは、その女の子に裏切られたと思った、と語る。 「約束を破ったのはエンテ。君の方だ……」 リュナンは、エンテのことを思い出していた。 幼すぎたリュナンは、エンテがいなくなったのは全てエンテのせいだと思っていた。 エンテという名前は、リュナンの父親のグラムド大公が与えた仮の名であった。 エンテは、本名のメーヴェよりもエンテと呼ばれる方が好きだから、 マルス神殿に身を隠す時もエンテと名乗っていたと語る。 だがリュナンは、「今でもエンテは僕を裏切っている。エンテは僕を試そうとした。 だから僕を欺き続けた」とエンテを冷たく突き放す。 思い悩むリュナンだったが、ホームズとの再会で酒を酌み交わし、気を紛らわせる。 リュナンとホームズが話をしていると、ロファールとサーシャの親子がやってくる。 ロファールはホームズに、サーシャへの気遣いに感謝している、と述べる。 いずれは真実を話さなければいけない、と語るロファールに、 ホームズは「何を言っているのかわからねえ。ただサーシャが好きだから守る」と 話をはぐらかす。 レオンハートは恋人のレネとゆっくり話をすることができた。 レオンハートには忘れられない妻がいたが、 最近、娘との再会イベントで妻が死んだことを知り、 妻を忘れることはできないが、これからはレネ一人を愛すると誓う。 一方、ケイトはジークがいなくなってからずっと気を落としていた。 サーシャはそんなケイトを心配し、励ます。 そんな中、ホームズの元にサリアの村がグエンカオスに襲われたことが知らされた。 リュナンと別れ、カトリ救出のために急ぐホームズ。 ロウ司祭は、邪神ガーゼルを復活させるため、 女神ユトナの血を引くカトリを連れさらったのだ、と推測する。 ユトナの血を受け継ぐ巫女を邪神に捧げれば眠りから目覚めると、 経典に記されていると言うのだ。 しかし、カトリ一人だけでは意味がない。 ユトナ神の4人の娘が全員そろわなければいけないはずだ。 全てを見透かしたようなロウ司祭の言葉。 司祭に力があっても戦えないのでは仕方がない、とホームズはロウ司祭とここで別れる。 サリアの村に戻ってクラリス神官長から話を聞いたホームズ。 ホームズはカトリを取り戻すためにガーゼル神殿に向かうことを決意。 ホームズは改めてカトリが大切な存在であると気づく。 151 ティアリングサーガ ユトナ英雄戦記 sage2005/07/26(火)01 35 48 ID 7VSMABc+ 《ホームズ編》 MAP31~MAP33 クラリス神官長の案内で、ホームズ隊は辺境地帯を越えて サリアの火の神殿へと到着する。 神殿の奥から地下洞窟を抜けると、ガーゼル神殿の邪神の祭壇に辿り着くそうだ。 ホームズは火の神殿内で、カトリから預かったリングオブサリアの力を得て、 聖剣サリアを引き抜く。 グエンカオスの暗黒魔法を破るためには聖剣が必要なのだ。 ホームズは「リュナンとエンテを見守ってやってくれ」と クラリスをサリアの村へ引き返させた。 《リュナン編》 MAP34~MAP37 リーヴェ王宮では、カナンのバルカ王子とジュリアス王子が ソフィア公国へ養女として出していた実の妹であるレシエから セネトたちに関する話を聞いていた。 14年前、バルカとジュリアスの兄・アーレスの館が襲われ、 夫人が殺され二人の幼子が行方不明になったが、 その二人――セネトとネイファは乳母の手によって逃がされていた。 セネトとネイファは、エリアルの女剣士・カティナに預けられ、彼女の養子として育った。 カティナは6勇者の一人、傭兵王テムジンの実の娘である。 昨年、ネイファが15歳になり、ふとした出来事から ネイファの中に眠るカナンの守護聖竜ラキスが目覚め、 セネトとネイファはそこで初めて自分たちの出生を知った。 セネトは妹のネイファを守るため、ガーゼル教国と戦う決意を固め、 エリアルの傭兵たちを率いてここまで戦ってきたと言う。 しかしネイファは、風の神殿でグエンカオスに囚われてしまったそうだ。 現カナン皇帝であるバハヌークはガーゼルの魔女カルラに骨抜きにされたままである。 セネトが生きていることを知ったバルカとジュリアスは、父バハヌークを討ち、 今までの過ちを清算してから、セネトにカナンの未来を託すべきだと考える。 152 ティアリングサーガ ユトナ英雄戦記 sage2005/07/26(火)01 36 58 ID 7VSMABc+ リーヴェ王宮を目指し、カナン軍と戦うリュナン軍。 そこに、バルカ王子の娘・エストファーネ王女がリュナンを討ちに 単身やって来るが、あっさり捕らえられる。 エストファーネは、以前にリュナン軍に殺されたバルバロッサ将軍を慕っており、 仇を討つつもりだった。 バルバロッサと並び「カナンの剣」と呼ばれたエルンスト将軍をも倒し、 ひたすら軍を進めるリュナンたち。 そこにセネト王子の使者として、ヴェーヌという天馬騎士がリュナンの前に現れた。 ヴェーヌから、セネト王子の存在とカナンの事情を聞くリュナン。 反帝国派であるセネトはリーヴェ王国との和平を望んでいると言う。 リュナンとセネトのそれぞれの父親が成し遂げられなかった、 ノルゼリアでの和約を今一度果たしたい、とセネトは考えているそうだ。 しかし、セネトがよくても、カナン皇帝バハヌークと バルカ、ジュリアス両王子の意思を聞かなければならない。 ヴェーヌは、セネトがカナン王城に戻るまで進撃を留まってほしいと頼むが、 停戦を求めるならばリーヴェ王宮からカナン軍が撤退する方が筋、と リュナンは判断は保留する。 リュナンは捕虜にしていたエストファーネはヴェーヌに預け、セネトの元へ送ることにした。 ヴェーヌは、妹のマーテル&フラウと一時再会。 火の神官家のクラリス神官長の娘であるヴェーヌ、マーテル、フラウの三姉妹は 亡き祖父オクトバスから、ヴェーヌは風の巫女ネイファを、 マーテルは水の巫女エンテを、フラウは火の巫女カトリを守るように言われていた。 後日、ノルゼリアで会おうと約束し、ヴェーヌはセネトの元へ戻った。 リーヴェ王宮に留まっているジュリアスは、リュナン軍に城を明け渡すのを拒否。 リュナンはその事実を嘆き、ジュリアスに全力で戦いを挑む。 ジュリアスは兵士たちにはノルゼリアに撤退せよと命令を下していたが、 カナン兵は最後までジュリアスと共に戦うとリーヴェに残る。 しかしジュリアスはリュナン軍の前に倒れ、生き残ったカナン兵は撤退。 王宮を取り戻したリュナンの元に、リーヴェの貴族たちが大勢押しかけてくる。 今まで戦いの陰に隠れていた彼らは、リュナンに取り入り、 自分たちの地位を守ろうと必死なのだ。 そんな中、タトゥス公爵という貴族が、 エンテをリーヴェ王国第一王位継承者のメーヴェ王女としてリュナンに紹介する。 リーヴェの諸侯らには、リュナンをメーヴェ王女の婿として迎えようという思惑があった。 だがリュナンはエンテの前で「このような形でお受けできない」ときっぱりと婚約を断る。 エンテは静かにそれを受け入れ、自分はノルゼリアの和平を見届けた後、 水の神殿に戻るという旨を語る。 そして最後に「どうかリーヴェを見捨てないで下さい」とリュナンに願うエンテ。 リュナンは、国のために結婚すると言ったエンテに憤慨していた。 だがオイゲンはエンテの立場を擁護。 王家に生まれたがゆえに悲惨な少女時代を過ごしてきたエンテが、 リュナンと共にならば頑張れると言った意味がリュナンにはわからないのか、と。 一方、カナン王宮ではバルカ王子が父バハヌークを殺害。 バルカはすぐに後を追うつもりでいたが、ガーゼルの魔女カルラが現れ、 全てグエンカオスのシナリオ通りだと語る。 そこにセネト一行が到着。カルラは一時撤退する。 セネトと、彼に同行していたエストファーネはバルカの死に立ち会う。 バルカはセネトに「カナンを頼む」と言い残し息絶えた。 バハヌーク皇帝、バルカ王子、ジュリアス王子が相次いで死亡し、 実質セネトがカナンの代表となった。 153 ティアリングサーガ ユトナ英雄戦記 sage2005/07/26(火)01 39 04 ID 7VSMABc+ ついにノルゼリアの街で、リュナンとセネトによる リーヴェ・カナン両国の和平が結ばれようとしていた。 エンテはかつて聖竜ミュースに変身し、ノルゼリアの街を焼いたことを悔い、 見届ける覚悟でついてくる。 セネトとリュナンの会見により、無事に和平は結ばれた。 だがその直後、グエンカオスが聖竜ラキスへと身を変えたネイファを連れ、 ノルゼリアに乗り込んできた。 エンテはとっさに自らも竜になり、ラキスと戦う。 セネトは必死でラキスに向かってやめるよう呼びかける。 ラキス=ネイファはセネトの声で一時正気を取り戻し、 セネトにリングオブカナンの腕輪を渡すが、グエンカオスに再び連れ去られる。 騒ぎの収まった後、エンテの姿は消えていた。 水の神殿へと向かったエンテは、リングオブリーヴェをリュナンに渡すようにと オイゲンに預けていた。 リングオブサリアを手に入れたセネトも、風の神殿に向かい 聖剣カナンを手に入れることを決意し、リュナンと再会を約束する。 ケイトはガーゼル兵の中にいたジークを発見していた。 ジークがガーゼルに脅迫されていたと思い込んでいたケイトだったが、 彼がグエンカオス教皇の腹心・カルラの弟であることを知る。 ジークに騙されていたのだ、とケイトは愕然とする。 カルラとジークの姉弟は、ゾーア人の子として生まれただけで リーヴェ人からひどい迫害を受けていた。 リーヴェの法律では12歳以下の子供は処刑できないことになってたので、 幼い二人は地下牢に放り込まれていたが、 カルラが13歳になり処刑されそうになった時にグエンカオスに救われ、 以来、ガーゼル教国に仕えていたのだ。 カルラは後に愛し合った男と子供を捨て、教皇の命令でカナン王バハヌークの妾となった。 それも全て、リーヴェに攻め込んで、リーヴェ地下牢に囚われたままになっている 弟のジークを救い出すためだった。 軍では、ケイトがガーゼルと通じて軍を脱走したと言うことになっていた。 そんなことも知らないサーシャは、姿の見えないケイトのことを心配するが……。 水の神殿に戻ったエンテは、ネイファの身代わりとなるつもりだったが、 そのままグエンカオスに捕らわれてしまっていた。 エンテを追って、水の神殿に辿り着いたリュナン。 そこでクラリス神官長と出会ったリュナンは、エンテから託されたリングオブリーヴェと 神殿に眠る聖剣リーヴェが一つになるべきものだと聞き、見事に聖剣を甦らせる。 地下道を通り、グエンカオス追ってリュナン軍は邪神の祭壇まで向かう。 154 ティアリングサーガ ユトナ英雄戦記 sage2005/07/26(火)01 41 11 ID 7VSMABc+ 《ホームズ編&リュナン編》 MAP38~MAP39 ガーゼル神殿では、レダ同盟のティーエ王女とリチャード王子が グエンカオスの罠にかかっていた。 3人の巫女を捕らえたグエンカオスは、最後の土の巫女であるティーエをも 手に入れようとしていた。 プライドの高いリチャードは、以前にティーエに愛を拒まれたことを恨んでおり、 グエンカオスにティーエを引き渡してしまった。ティーエの持つ聖剣レダも奪われる。 また、ケイトはガーゼルの手から解放されていたが、 ジークに裏切られたショックと騎士としての誇りを失ったことで、軍に戻れずにいた。 放心状態になっていたケイトをサーシャが必死で説得し、ケイトは軍に戻る。 一方、ジークは姉との語らいで迷いをなくし、リュナン軍に最後の戦いを臨む。 敗れたジークは、ケイトへ許してくれと言い残し息絶えた。 (ケイトでジークを倒した場合のみ) そしてホームズ隊とリュナン軍は、ついに邪神の祭殿へ足を踏み入れる―― 155 ティアリングサーガ ユトナ英雄戦記 sage2005/07/26(火)21 46 05 ID 7VSMABc+ ティアリングサーガ ユトナ英雄戦記 《最終戦》 MAP40 4人の巫女を揃えたグエンカオスは、祭壇で邪神ガーゼル復活の儀式を 今しも始めようとしていた。 グエンカオスは40年前に行方知れずとなったレダの王女ティータと愛し合う仲だった。 だがサリア王国とレダ王国の長く続いた戦争に苛立ったレダ王は、 末娘のティータを無理矢理、聖竜クラニオンに変え、戦わせた。 ティータ王女は戦争の中で錯乱し、人間の姿に戻ることができなくなった。 滅びることもできないティータは、人間たちに蔑まれ何度も何度も殺されながら 生き続けたのだ。 グエンカオスは、人間がティータを受け入れないのならば、 自らが神になり、この世界を最初から作り直せばよいと考えた。 それに、グエンカオスも年老い、余命いくばくもない体では これ以上ティータを見守り続けることができない。 だから、邪神の肉体を得て、永遠の生命を得ようと言うのだ。 ティーエ、ネイファ、エンテ、カトリの4人の巫女はそれぞれの言葉で グエンカオスにその意義を問いかけるが、グエンカオスは聞く耳を持たない。 まずはカトリ、次にネイファ、その次にエンテが生贄にされていく。 神殿に駆けつけたリュナン、ホームズ、セネトらは愕然とする。 最後にティーエが生贄に捧げられようとした時、賢者アフリードのワープの術で、 リチャードが神殿に戻ってきた。 ティーエなどどうなってもいいと思っていたリチャードだったが、 やはり彼女を見捨てることができず、ティーエをかばい、 グエンカオスの暗黒魔法に身を焼かれてしまった。 しかしリチャードの最後の力で、ティーエの元に聖剣レダが戻る。 ティーエは聖剣でグエンカオスを攻撃。 だが、グエンカオスは不完全ながらも、邪神ガーゼルとして目覚めてしまった。 リュナン、ホームズ、セネトの3人も各々の聖剣を手に、ガーゼルに立ち向かう。 一方、ジークが死んだことを知ったカルラも最後の戦いへ。 ここでシゲンがカルラに戦いを挑むとイベント発生。 シゲンはカルラが長く恨んでいた母親と悟り、剣を向ける。 シゲンが勝利すると、カルラはシゲンが息子であったことを承知していた上で倒れる。 カルラはシゲンが迫害もされず生きていたことに安堵し、息絶えた。 聖剣を持ったリュナン、ホームズ、セネト、ティーエは 一斉にグエンカオスから変化したガーゼルへと攻撃。 4つの聖剣が共鳴し、ついにガーゼルは滅亡した。 156 ティアリングサーガ ユトナ英雄戦記 sage2005/07/26(火)21 46 55 ID 7VSMABc+ ガーゼルを倒した4人の前に現れたのは、大地母神ミラドナ。 神話では、兄妹神であるガーゼルとユトナを生み出した至高の女神と言われている。 ミラドナは、全てのものをあるべき姿に還し、 グエンカオスとティータの魂を救済すると言う。 ガーゼルの地下神殿は浄化し、生贄にされた娘も目覚めるでしょう…、と。 光が満ち、ネイファ、カトリ、エンテは目を覚ました。 ネイファはセネトと、カトリはホームズとそれぞれ再会を喜び合う。 リュナンはやっとエンテに「僕にとってエンテは必要な人だ。エンテが好きだ」と 告白する。 一人寂しそうなティーエ……、だったが、何故かリチャードまで甦っていた。 生き返った後もティーエに「俺に任せておけばレダを昔のような大国にしてやる」 と大きな口を叩くリチャード。 「俺たちの旅はまだまだ終わっちゃいない」 戦いが終わったのに打ち切りENDのようなことを言うホームズ。 つられて「僕たちの新しい旅立ちに祈ろう」と言い出すリュナン。 158 ティアリングサーガ ユトナ英雄戦記 sage2005/07/26(火)21 49 42 ID 7VSMABc+ 《エンディング》 地下神殿から出た一行は、それぞれのあるべき場所に戻ることになる。 ※キャラクターの生存や死亡状況、イベント時の選択によって 変わる箇所もありますが、以下は基本的に全員生存パターンで、 イベントの進め方で各キャラの出生等が判明している場合のエンディングです。 誰かが死亡していると誰かと誰かが結ばれる、などというEDパターンもありますが、 ここでは省いてます。 セネト&ネイファ兄妹は兵を連れカナンに戻る。 いとこ同士であるメル&マルジュ姉弟に今度マルス神殿に行くと約束。 いつかカナンにも来てほしいと頼む。 セネトとネイファは、育ての親である、エリアル王国のカティナやテムジンとも 別れることになる。 お互いに淡い思いがあったらしいセネトとティーエは、互いの道を行くために離れ離れに。 ホームズ隊で仲間になっていたエリアルの傭兵サムソンはカティナの夫であった。 サムソンが次期エリアル王であったことに驚くホームズ。 メルとマルジュは10年以上も前に戦死されたと思われていた父アフリードと対面。 アフリードはレダの魔道士エリシャの母親に救われていた。 エリシャはアフリードを父親のように思っていたとのこと。 しかしエリシャの母はアフリードが完全に回復すると同時に亡くなっており、 エリシャはメルに「アフリード様をお返しする」と言う。 マルス神殿に戻ったアフリードは10数年ぶりに妻シルフィーゼと再会する。 メルはそのうちロジャーと結婚する予定。 マルジュも少しは成長し、エンテへの思いを振り切った様子。 159 ティアリングサーガ ユトナ英雄戦記 sage2005/07/26(火)21 50 51 ID 7VSMABc+ リーヴェに戻ったリュナンたちだが、王宮ではタトゥス公爵が待ち構えており、 自分がメーヴェ王女と結婚すると決まったと告げる。 しかしリュナンは「王女は渡さない」と以前自分が結婚の話を蹴ったことも棚に上げて タトゥスをこき下ろす。 兵や民は今まで戦ってきたリュナンを支持しており、 更にリュナンには他国からの後ろ盾もある。小物のタトゥスはすごすごと退散。 暗い過去を背負ってきたエンテはやっと「リュナン様を信じて生きていきます」と 幼い頃からの想いを叶えることができた。 リーヴェは落ち着いたものの、ひとまずリュナンは 最初に力を貸してくれたウエルトのリーザ王妃の元まで報告をするため、 エンテを王宮に残し、ホームズらと共に発つ。 エンテを想い続けてきたリシュエルも結果的にエンテにふられたことに。 リシュエルはいとこのマーテルに、火の神殿の再建に協力してくれるよう頼む。 火の神官家の亡きオクトバスは、リシュエルとマーテルが結ばれ 火の神殿を継いでくれることを期待していた。 だがマーテルは、リシュエルには力を貸すが、私たちの将来は私たちで決める、と あっさりな態度。 メリエルは水の神官家を継ぐ予定。 ヴェーヌと、親友のサンと別れたフラウもサリアに戻る。 レオンハートも恋人のレネや再会した娘のプラムと共にサリアへ。 ホームズはレオンハートに「現国王の後にあんたがサリア王になれ」と言う。 アトロムは自らの出自も知らないまま、ホームズから グラナダ領主の仕事を押し付けられてしまう。彼の受難の日々は始まったばかり。 無事に再び両親と会うことができたカトリ。 サリア王やレオンハートはホームズにもサリアに残ってくれることを願うが、 ホームズは一つところに留まる気はなかった。 しかしそんなホームズをカトリは引き止めようとはせず、人が変わったように 「ホームズがいなくても大丈夫です」と告げる。ホームズはそれが気に入らない。 160 ティアリングサーガ ユトナ英雄戦記 sage2005/07/26(火)21 51 46 ID 7VSMABc+ リチャードとティーエはマール王宮に戻る。 エリシャもティーエ王女を助けるためにマールに残る。 マールではロウ司祭も一連の出来事を知り、ホームズの元へ会いに来た。 ホームズは試しにロウ司祭に「俺たちと一緒にグラナダまで行った記憶があるか」 と問いかける。 ロウ司祭は「ずっとマールにいた」との答えを返す。 (はっきりとは明かされないが、ホームズについてきたロウ司祭=大賢者モース、 だったらしい) ホームズは偽ロウ司祭=モースから聞いた話と、 地下神殿に現れたミラドナを見て、リーベリア大陸の真実の創世記を知った。 大地母神ミラドナの正体は、不滅の肉体と高度な魔法力を有した、 古代種族エミユの王女であった。 エミユは種としての限界が近付いてきていたため、 王は娘たちを他の大陸で眠りにつかせていた。 眠りにつく方法には、本体を残したまま眠りにつく方法と 大地と同化する方法とがあったが、 ミラドナの従者たちは前者を取り、王女を眠らせ神殿を築いた。 従者たちは、神殿を侵す者は神の怒りに触れると噂を流し、 守護の魔獣を生み出して去って行った。 だが、その噂を聞いたゾーア人たちは、 エミユの地下神殿を自分たちの神であるガーゼル神殿として崇めるようになる。 ガーゼル神は、エミユが作り上げた幻想の神であった。 後にゾーア人と他の大陸から渡ってきたユグド人との間で戦争が起こり、 追い詰められたゾーア人の若き長であるカルバザンは、 地下神殿に竜の姿で眠っていたミラドナの血を飲み、竜に変身する力を得た。 その後、カルバザンはミラドナの力を一人占めするために、 地下神殿に何人も生贄を送り込んた。 ユトナはその中の47人目の娘だった。 ユトナの強い嘆きで目を覚ましたミラドナは、全てを悟り、 ユトナを救うため、彼女に自分の血と与え、聖剣と守護の腕輪を渡した。 地下神殿を出たユトナは後の英雄カーリュオンと合流して ガルバザン=ガーゼルを倒したのだ。 リーベリアに広く流布され、伝えられてきた伝説とは、大分違う。 ※大賢者モースは、ミラドナの4人の従者のうちの一人らしい。超長生き。 残りの3人は誰かは不明。 ※モースの塔でミーメが言っていた「異世界」とは異大陸? (余談:一応関係ないことになっていますが、 FEシリーズの暗黒竜・紋章・外伝・聖戦あたりをプレイした人には ここらへんの話は興味深いものになってると思います) 161 ティアリングサーガ ユトナ英雄戦記 sage2005/07/26(火)21 53 29 ID 7VSMABc+ ケイトはウエルトに戻っても気落ちしたまま。騎士を続ける意欲もなくしている。 サーシャはそんな彼女を心配し続けるのだった。 ウエルト王宮に入ろうとしないホームズ。 サーシャは不審がるものの、ホームズとまた会う約束をし、笑顔で別れる。 ロファールとサーシャは、王宮で待っていたリーザ王妃と再会を果たす。 リーザはリュナンに礼を述べる。 ロファールはリュナンに、リーザをホームズに会わせてやってほしいと頼む。 リーザは躊躇するものの「母と子ならば会えば心が通じる」とのロファールの言葉に ホームズと会う決心をする。 ホームズと出会ったリーザ。だが母として名乗りを上げることはせず、 サーシャが世話になったことに礼を言う。 ホームズも、「サーシャに会いにウエルトに遊びに来る。それでいいだろ」 とだけ約束するのだった。 ウエルトを出て、ついにリュナンとホームズの二人だけになった。 幼い頃のように些細な喧嘩をする二人。 ホームズはリュナンに、エンテも連れて来て一緒に旅に出ないか、と誘う。 「僕も自由な旅がしたかった…」とリュナン。 カトリはどうするのか、とリュナンはホームズに問うが、 ホームズはカトリの別れた時の態度が解せなかった。 結局、カトリを忘れられないホームズはカトリを迎えに行く。 だが、既に船にはシゲンに連れられたカトリが乗り込んでいた。 カトリはシゲンの入れ知恵で、ホームズにわざとつれない態度を取っていたのだ。 シゲンはエンテも一緒に連れて来ていた。用意がよすぎる。 エンテは、彼女の気持ちを察したオイゲンから、王国のことは任せ リュナンと共に旅をしてきなさい、と言われていた。 またエンテは、これからは本名のメーヴェと呼んでほしい、とリュナンに頼む。 メーヴェと言う名は、大海を飛び回る海鳥のように、自由に健やかに育ってほしい、と エンテの母親が付けたものだった。 それを知ったエンテは、過去を受け入れ、メーヴェと言う名を受け入れたのだ。 「僕もメーヴェの方が似合っていると思うよ」と愛は盲目状態のリュナン。 それを聞いていたカトリは、「私もマリアに戻した方がいいのかな」と呟くが ホームズは「お前はカトリだ!それ以外の名前は許さねえ!」 対照的な2組。 そろそろ呆れたシゲンが(シゲンにも恋人がいるとそのキャラも同行している ※プレイの仕方によって相手は変わる)彼らに声をかけ、一行は出発する。 ホームズ「よし。シーライオン、出撃だ!」 Fin 162 ティアリングサーガ ユトナ英雄戦記 : おまけsage2005/07/26(火) 21 55 05 ID 7VSMABc+ 6勇者関連のまとめと神官家関連の簡易家系図。 これに王家が加わると更に複雑に。 ●6勇者とその子供 グラムド(故) ― リュナン アーレス(故) ― セネト、ネイファ ロファール ― サーシャ テムジン ― カティナ ― (セネト、ネイファ←養子) ヨーダ ― ジュリア、(シゲン←養子) ヴァルス ― ホームズ、アトロム ●水の神官家 マイオス(故)―┬― ナリス(故)―― リシュエル、メリエル(※1) │ └― エレナ(故) │ ├―――― メーヴェ(エンテ) │ バドウム(故) (リーヴェ国王) ●火の神官家 オクトバス(故)―┬― アンドレ(故)―― レネ │ │ ナリス(故) │ │ │ ├―――― リシュエル、メリエル(※1) │ │ ├― ロゼ(故) │ │ ロベルト(故) │ (サリア国王妃の弟) │ │ │ ├―――― ヴェーヌ、マーテル、フラウ(※2) │ │ ├― クラリス │ │ ヴァルス │ (グラナダ提督) │ │ │ ├―――― ホームズ │ │ └― リーザ(※3) │ ├―――― サーシャ │ ロファール (ウエルト国王) ●風の神官家 アーレス(故) (カナン国王子) │ ├―――― セネト、ネイファ │ エーゼンバッハ(故)―┬― セレーヌ(故) │ └― シルフィーゼ │ ├―――― メル、マルジュ │ アフリード ※1 水の神官家の長男ナリスと火の神官家の長女ロゼが結婚し、 リシュエルとメリエルが産まれた。 ※2 クラリスの夫(故人)はサリア王妃(カトリの母)の弟で、レオンハートの兄。 ヴェーヌ、マーテル、フラウの三姉妹はカトリともいとこ同士。 ※3 リーザについては、 ヴァルスと結婚→ホームズ出産 →ヴァルスと別れる→ロファールと結婚→サーシャ出産 …とゲーム中からは推測できるシナリオになっている。 公的にはホームズはリーザの息子にはなっていない。 164 ティアリングサーガ ユトナ英雄戦記 : おまけsage2005/07/26(火) 21 56 57 ID 7VSMABc+ リュナン、ホームズと並んで主要人物である、セネトとティーエの戦いについては 本作では謎の部分が残ったままでした。 セネト編やティーエ編もシナリオ上は考えてあったのでしょうが、 日の目を見ることがありませんでした。残念です。
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ティアリングサーガユトナ英雄戦記 17-115~124・136~138・151~156・158~162 115 ティアリングサーガ ユトナ英雄戦記 sage2005/07/24(日)02 10 56 ID 2CFyugLv ~プロローグ~ 舞台はモーラトン海に浮かぶ大陸リーベリア。 今をさかのぼること800年前、この地は邪神ガーゼルが支配する暗黒の大陸であったが、 青年カーリュオンが、大地母神ミラドナの娘・ユトナの愛を得て、 人々を率い、邪神が支配する帝国を討ち滅ぼした。 カーリュオンとユトナは結ばれ、4人の王女が生まれ、 それぞれの王女の名を冠した4つの聖王国が誕生した。 リーヴェ王国、カナン王国、レダ王国、サリア王国。 4王国は協調と抗争を繰り返しつつ、 600余年の永きに渡りリーベリア大陸に君臨した。 だが50年前に起きたレダ王国とサリア王国の戦争により、両王国が相次いで滅亡。 リーヴェ王国とカナン王国もまた長く戦争状態にあったがリーヴェが滅び、 大陸の覇権はカナン一国のものとなる。 カナン王バハヌークは、邪神ガーゼルの教えを第一とするガーゼル教国と 同盟を結び、かつての邪神が支配していたゾーア帝国の再興を宣言。 皇帝となったバハヌークは、大陸全土の制圧に向けて動き出す。 物語は、その1年後より始まる。 116 ティアリングサーガ ユトナ英雄戦記 sage2005/07/24(日)02 11 44 ID 2CFyugLv ※あらかじめ知っておくと便利な近代史:【レダ解放戦争】 レダ王国が滅亡した際、強力なリーダーを失い混乱したレダ地方に集まった 若者たちの戦い。 その中で特に卓越した12名が「12英雄」と呼ばれ「6勇者」と「6賢者」に分類される。 6勇者→グラムド(ラゼリア公国大公・故人) アーレス(カナン王国第一王子・故人) ロファール(ウエルト王国国王) テムジン(エリアルの傭兵王) ヨーダ(ゾーアの暗黒剣士) ヴァルス(グラナダ提督) 6賢者→マイオス、ナリス(水の神官家の父息子・二人とも故人) オクトバス、アンドレ(火の神官家の父息子・二人とも故人) エーゼンバッハ(風の神官家)、 アフリード(レダの賢者にして、エーゼンバッハの娘シルフィーゼの夫) ※神官家とは かつて、王国は巫女(王女)とその一族である神官家が政治を行う 神聖国家だったが、現在では王家がそれに取って代わり、 神官家は祭事的なことにのみ発言力がある。 どちらもカーリュオンの血は引いており、王家と神官家の間では婚姻も盛ん。 ・本編ストーリーは、リュナンとホームズ、二人の主人公の視点から交互に進みます。 リュナン:リーヴェ王国の一公国ラゼリアの公子。12英雄の一人・グラムド(故)の息子。 17歳。生真面目で沈着冷静な割にぶっとんだ台詞を吐くことが多い。 ホームズ:グラナダ海賊「シーライオン」の若。12英雄の一人・ヴァルスの息子。 20歳前後。リュナンの幼なじみで親友でかつ兄貴分。弓の使い手。 117 ティアリングサーガ ユトナ英雄戦記 sage2005/07/24(日)02 12 53 ID 2CFyugLv 《リュナン編》 MAP1~7(ウエルト王国) カナンとリーヴェとの戦いにより、リーヴェ王国から落ち延びた ラゼリアの公子リュナンは、父グラムドも亡くし、 守り役のオイゲンや生き残った若い部下たちと共に、 グラムドとも旧知であったグラナダのヴァルス提督のもとに逃れていた。 だがグラナダでも戦いが起き、ヴァルス提督はリュナンと息子のホームズを 逃がしていた。 (本編はここから) リュナンは島国ウエルトに助力を請うためシーライオンの船を進めてもらう。 リュナンとホームズと一時別れることになるが、二人は再会を約束しあう。 しかし、ウエルト王国では国王ロファールが戦争で行方不明となっており、 宰相コッダが国を牛耳ろうと企み、王妃リーザを幽閉していた。 リーザ王妃は娘のサーシャ王女と騎士ケイトに、 信頼するヴェルジェのマーロン伯爵のもとへ命令書を届けさせるが、 コッダはサーシャへ兵を差し向けていた。 ウエルトに上陸したリュナンたちは、兵に追われていたサーシャを救い出し、 話を聞き出す。 サーシャと共にマーロン伯の元を訪れたリュナン。 ウエルトの助力を請う以前に、まずウエルトの国政を何とかしなければ どうしようもない、ということで、リュナンたちもウエルト解放のために戦うことに。 まずは国の混乱に乗じて暴れている山賊たちを討伐することになったリュナン軍。 山賊討伐の最中にリュナンは、山賊たちに囚われていたシスターのエンテと出会う。 エンテは元にいたマルス神殿に戻ると言うが、 女性一人では危険だということで、軍で保護することに。 エンテは、リュナンのことを知っている様子だが……。 また、6勇者の一人・暗黒剣士ゾーアの娘である剣士ジュリアも仲間に。 マルス神殿からエンテを迎えにやって来たサリア王国の天馬騎士・マーテル。 サーシャの母・リーザ王妃とマーテルの母は姉妹で、 マーテルとサーシャはいとこ同士。 神官家の血に連なるマーテルは、エンテを守る任務を受けていた。 しかしマルス神殿では、エーゼンバッハが突如来襲した ガーゼルの教皇・グエンカオスと対峙し、敗北。 リュナンたちが神殿に辿り着いた時には虫の息だった。 エーゼンバッハは、駆けつけたエンテに、勇気を持って生きろと言い残し息絶える。 ここでエーゼンバッハの孫、風の魔道士マルジュが、 母親のシルフィーゼから「エンテを守れ」と言われ仲間になる。 エンテはマルジュを弟のように思っている。 マルジュはそれが気に入らず、思春期+反抗期まっしぐら。 また、神殿内で、北の小国バージェから亡命してきたと言う騎士ジークが仲間になる。 しかしリュナンはジークに対し不審を感じる。 ケイトもジークに不審を感じ、ジークに素性を問い詰めるが、 彼の悲惨な過去を聞き、ころっと女心を揺らされてしまう。 118 ティアリングサーガ ユトナ英雄戦記 sage2005/07/24(日)02 13 50 ID 2CFyugLv その頃、ウエルト王宮ではリュナン軍から敗走した聖騎士ロジャーが コッダに責められていた。 ロジャーの家は貴族で、代々コッダの家に仕えてきたため、 やむなくコッダに加担していた。 しかしロジャーはコッダに、駆け落ちまでした恋人のメルを、 反乱軍を討伐するまでの人質に奪われてしまう。 だがメルは救い出され、解放軍と合流。 風の神官家の娘であるメルは、弟のマルジュと再会し、 ロジャーとの仲はとっくに許されていたことを知る。 嫌々ながらも解放軍と戦うために王宮を守るロジャー。 しかしメルの無事な姿を見ると、解放軍に寝返る。 また、サーシャが母親のリーザ王妃から預けられた天馬の笛で 天馬騎士になることができる。 リーザ王妃は昔は有名な天馬騎士で、レダ解放戦争でも 夫のロファールらと共に戦ったことがあった。 ついに解放軍の前に敗れ去ったコッダ。 リーザ王妃は、国を救ってくれたリュナンに、快く兵力と軍資金を出す。 また、サーシャも行方不明となった父ロファールを探すためにも、 ついていくことになった。 119 ティアリングサーガ ユトナ英雄戦記 sage2005/07/24(日)02 14 30 ID 2CFyugLv MAP8 その頃ホームズは、イスラ島で暴れていた海賊退治をしていた。(こいつらも海賊だが) そこで出会った、天然系・素性不明の少女カトリ。 カトリは育ての親のロウ司祭に連れられ、 マルス神殿のエーゼンバッハの所に預けられるところだった。 だが司祭が海賊に殺され、囚えれられていたのだ。 カトリは最初はホームズのことを怖がっていたが、天然なのですぐ懐く。 ある日ホームズと喧嘩したカトリは、拾った杖でゾンビを大量召喚して 沼地に一人きりになる。 恐怖でカトリがユトナ神に祈ると、カトリの体が火竜に変化する。 時間が経つと元の姿に戻ったものの、カトリはすっかり怯えてしまう。 ちょうどそこにリュナン軍到着。 ホームズは、カトリの身につけていた腕輪がリングオブサリア、 サリア王家に伝わる紋章の腕輪であることに気づいていた。 カトリが変化したのは、サリアの守護聖竜ネウロン。 ホームズは、カトリが聖竜の巫女であると言い、 普通の娘として暮らしたければ腕輪を外せ、と言うが、 話を聞いていたエンテが突然、腕輪はカトリを守るものであるから、 決して外してはならないと主張する。 まだ怖がるカトリに、ホームズは「俺がお前を守ってやる」発言。 ホームズはリュナンに、「世界を巡って冒険するから、 レアアイテムゲットしたら届けるぜ」と気前のいい友情を見せる。 また、リュナンがウエルトの兵力を連れて行ってしまうため、 このあたりの悪党も片付けておいてくれるとのこと。 ※ここでリュナン軍とホームズ隊のメンバー入れ替えができる。 リュナン、エンテはリュナン軍に固定、 ホームズ、カトリ、シゲン(ホームズの相棒兼ホームズ隊のツッコミ役・ ジュリアの義兄)はホームズ隊に固定。 ホームズと別れたリュナンは、マール王国へと船を向ける。 マール王国では、リチャード王子がレダ王国の生き残り、ティーエ王女を救い出しており、 リチャード軍と共にレダ同盟軍を率いていた。 ティーエとリチャードは婚約している。 マール港に辿り着いたエンテは、旧知である、光の魔道士メリエルと再会する。 メリエルは水の神官家の大賢者マイオスの孫娘で、 行方不明の兄リシュエルを探していた。 メリエルとエンテはいとこ同士とのことで、メリエルはリュナン軍についてくる。 マール王宮へ出向いたリュナンは、リチャード&ティーエと対面。 リュナンを侮っていたリチャードだったが、リュナンは堂々とした態度で渡り合う。 リュナンはティーエに、レダ王国の再興を考えているのか尋ねるが、 ティーエは「ガーゼル教国を滅ぼし、教皇グエンカオスを倒すことが 私に課せられた使命です」と語る。 120 ティアリングサーガ ユトナ英雄戦記 sage2005/07/24(日)02 15 05 ID 2CFyugLv MAP9~MAP10 軍を進めるリュナンたちに、カナン軍との戦いは避けられない。 だが、敗れ去ったカナンの将軍に「祖国を救ってくれ」と言われたり カナンも一枚岩ではないことを知る。 カナンのバハヌーク皇帝は若い后に溺れ、カナンが持ちこたえているのは 有能な二人の王子、バルカとジュリアスのおかげらしい。 もともと、リュナンの父のグラムド大公とカナン第一王子アーレスは盟友で、 両国の間には二人の働きによって和約が結ばれるはずだった。 だが、リーヴェの守護聖竜ミュースが現れ、その場を焼き尽くし、 グラムドもアーレスも死亡した。 これが「ノルゼリアの悲劇」である。 どちらの国でもこの殺戮を互いのせいだと思っており、和約は当然破棄された。 誰が何のために聖竜を利用したのか? カナンとリーヴェが憎しみ合えば利を得るものは誰か? 自由都市セネーからカナン軍を追い払ったリュナンは、 いつのまにかティーエ、リチャード率いる西部諸国同盟と リュナン率いるリーヴェ・ウエルト連合がゾーア帝国を相手とする 「ユトナ同盟」として盟約を結んでいたことを知る。 リチャードが勝手に発表したらしい。油断のならない奴である。 121 ティアリングサーガ ユトナ英雄戦記 sage2005/07/24(日)02 15 59 ID 2CFyugLv 《ホームズ編》 MAP11~MAP16 自称「夢をロマンを求めて世界を旅する冒険者」ホームズ一行はウエルトで悪者退治。 サーシャがホームズ隊にいると、ホームズ&サーシャ関連のイベント発生。 サーシャはホームズの身につけているペンダントに見覚えがあるとのこと。 「ホームズのようなお兄様がほしかった」とサーシャはずいぶんホームズに懐く。 ホームズは天然系の年下の少女に懐かれる属性があるらしい。 また、ホームズ隊がウエルト王宮に立ち寄ると、何故かリーザ王妃は姿を見せない。 とある洞窟では山賊に囚われていた雷魔道士エリシャと エリアルの傭兵サムソンが仲間になる。 マルス神殿へ向かう途中だったエリシャは、 マルジュとメルの行方不明の父・アフリードのことを知っている様子。 また、ホームズ隊は、イスラ海賊の頭目に義姉レネを奪われていた ブラードの少年アトロムを助ける。 孤児のアトロムは、自分を拾って育ててくれたレネをとても慕っていた。 だがレネは海に落ちてしまい、落ち込むアトロム。 カトリは、ホームズ隊に敗れたイスラ海賊の頭目・メルヘンの命をこっそり助けていた。 メルヘンは、実は割と信心深く、カトリの養父のロウ司祭を生かしておいたことが 判明する。 ロウ司祭と涙の再会を交わすカトリ。めでたしめでたし。レネは行方不明のままだが。 ロウ司祭はホームズを信頼し、カトリをそのまま預ける。 マール王宮に辿り着いたホームズ隊。 グラナダとマール王国は同じ海運国として同盟を結んでおり、 ホームズとリチャードは幼なじみのようなものだったが、大変仲が悪かった。 ホームズをとっとと追っ払うリチャード。 ホームズはリチャードに野心がありすぎることに懸念を抱き、ティーエに リチャードに利用されているんじゃないか、と苦言を呈すが、 ティーエは「リチャードは悪人ではない」ととりあえずリチャードを庇うのだった。 アトロムの住んでいた街・ブラードに辿り着いたホームズ隊。 そこには、草原の狼の異名を持つ、セルバ大公レオンハートがいた。 レオンハートは、サリアの王妃の弟。 レオン大公はホームズのことが気に入った様子。 また、レオンハートの姪で、マーテルの妹である天馬騎士フラウと、 その友人で、カナンから亡命してきてレオンハートに預けられていた 騎士見習いサンが仲間に。 フラウはマーテルから「カトリ様をお守りする事があなたの使命」と命令される。 理由はわからないものの承諾するフラウ。 その頃リュナン軍でも、レオンハートに協力を仰ごうという動きが。 リチャードと対等に渡り合ったというリュナンのことを やっぱり気に入ったレオンハートは快く承諾。 ホームズにブラードの街を任せて(リュナン絡みのことなのでホームズもあっさり承諾) 出陣するのだった。 122 ティアリングサーガ ユトナ英雄戦記 sage2005/07/24(日)02 18 01 ID 2CFyugLv 《リュナン編》 MAP17~MAP19 レオンハートと協力し、セルバで戦うリュナン軍。 しかしそこに、何故かカナンの守護聖竜ラキスが現れる。 突然の事態にそれはびっくりするリュナンたち。 だが、ラキスはどこか攻撃をためらい、そのままいなくなる。 ラキスの正体は、盗賊にさらわれていた少女ネイファ。 ネイファは、兄のセネトと再会すると、セネトと共にエリアル国へと戻っていった。 エリアルに戻ったセネトは、ティーエが同盟を率い戦っていることを聞き、 昔なじみであるティーエに会いたいと思う。 ここではセネト&ネイファ兄妹の素性は明かされない。 レオンハートとやっと対面したリュナンは、カナン王国の事情を聞く。 亡くなったアーレス王子の妻が14年前何者かに殺され、 二人の子供が行方不明だと言う。 アーレス王子の妻はカナン神殿にいたエーゼンバッハ老師の娘であり、 エーゼンバッハもカナンから追放されたのだ。 カナンにも複雑な事情があることを改めて知るリュナン。 レオンハートは、内乱状態にあるサリアを解放するまでは リュナン軍と合流して帝国と戦えないからそれまで待っててくれ、と さわやかに別れる。 「カナンの盾」と呼ばれる強力なバルバロッサ将軍を倒し、 カナン軍の要塞を落としたリュナン軍。 そこに、サリアの村から火の神官家・大神官オクトバス(故)の娘であるクラリスが リュナンの元に面会へやってきた。 クラリスはウエルト王妃リーザの姉でもあり、 戦乱で落ち延びたウエルト王ロファールを匿っていた。 ようやくロファールと対面するリュナン。 (サーシャがリュナン軍にいるとロファールとの父娘再会イベント有り。 サーシャがホームズ隊にいる時はイベントは後回し) 身体も癒えたロファールは、帝国を討ち果たすために リュナンたちと共に戦う心意気を語る。 また、リュナンはクラリスから、聖竜ミュースが カナン王子アーレスとリュナンの父・グラムド大公の命を奪った 「ノルゼリアの悲劇」についての話を聞く。 リーヴェ王家には、一般には知られていないが メーヴェという名の末の姫がいたらしい。 だがメーヴェ王女はユトナの聖痕を持って生まれたために、 水の神殿に預けられ神殿から出ることは固く禁じられていた。 しかし教皇グエンカオスが水の神殿のマイオスを殺し、 メーヴェ王女と王家の腕輪・リングオブリーヴェを奪い、 王女を無理矢理、聖竜として覚醒させたのだ。 エーゼンバッハとオクトバスはグエンと戦い、 オクトバスの命と引き換えに王女と腕輪は取り戻された。 リュナンは、父の仇をミュースだと思っていたが、 グエンカオスことが真の敵だったことを知る。 リュナンとの会見の後、クラリスはエンテと会話。 エンテこそがリーヴェの王女メーヴェであった。 エンテは幼い頃、神殿に閉じ込められていることを 哀れに思ったリュナンの父・グラムド大公に連れられ、 3日間だけ外の世界に出たことがあった。 その時に出会ったリュナンを、エンテは幼い頃から想い続けていたが、 何も覚えていないリュナンに本当のことは話せずにいた。 だがクラリスはエンテに、リュナンは気づいていながら あえて知らないふりをしているのでは…、と語る。 123 ティアリングサーガ ユトナ英雄戦記 sage2005/07/24(日)02 19 41 ID 2CFyugLv 《ホームズ編》 MAP20~MAP23 ブラードにレオンハートが戻ってきたので、ホームズ隊も行動を再開。 行き先はレダの古城。 死んだと思われる、アトロムの義姉・レネのため、レダ古城にあると言われる 死者を甦らせる伝説のオーブ・ダクリュオンを取りに行くためだ。 50年前のレダ王国とサリア王国の戦争で、形成不利と見たレダ王は戒めを破り、 レダの守護聖竜クラニオンを呼び出した。 クラニオンはサリア王国を破壊し尽くしたが、レダの諸都市をも壊滅させ、 最後にはレダ王宮をも焼き払った。 そのため、レダは滅亡し、王宮跡も魔獣たちの巣窟となっていた。 レダ古城に辿り着いたホームズ隊だが、ちょうど魔竜となったクラニオンが 暴れ回っていた。逃げ惑いながら戦うホームズ隊。 だがそこにグエンカオスが現れ、クラニオンに優しく語りかけると そのまま共に去って行った。 ダクリュオンはなんとか手に入れたものの、 イル島の聖なる塔の復活の祭壇まで持っていかなければ使えない。 ホームズたちは一度ブラードまで戻ることに。 ブラードではレオンハートが、サリアの王位を狙うサリア王弟・アハブ大公の 軍隊から攻撃を受けていた。 戻ったホームズ隊はレオンハートの窮地を救う。 しかし、軍を率いていた老将ザカリアはまだ生きていた。 ザカリアを助けようと手当てをするカトリ。 意識を取り戻したザカリアは、カトリの胸元にあるユトナの聖痕を見つけ、 カトリがサリア王国の王女マリアであると告げる。 十数年前、サリア城を制圧し反乱を成功させたアハブ大公はザカリアに 生まれたばかりの王女を殺すよう命令させたが、 ザカリアは王女を殺すことはできず、旅の神官に王女を委ねたのだと言う。 更に、カトリの両親である、国王夫妻も生きているとのこと。 サリア城の地下牢に幽閉されているらしい。 レオンハートやホームズたちは、アハブのいるサリア城に攻め込み、勝利を収める。 国王夫妻も無事に救い出され、カトリは長い間夢見ていた両親と再会し、涙を流す。 124 ティアリングサーガ ユトナ英雄戦記 sage2005/07/24(日)02 20 59 ID 2CFyugLv 国王夫妻とホームズたちは、サリアの神官長クラリスから話を聞くために サリアの村へ向かう。 クラリスは喜び、サリア王国再興までにサリアの村へ留まるよう国王夫妻に促す。 王女と判明したカトリも同様である。 サリアの村に留まっていたリュナン軍とホームズ隊も久々に合流。 リュナンはホームズに会えたことに喜ぶ。 一方、ロファールもホームズのことが気になる模様。 その頃、今までリュナン軍に従属していたジークが、軍を脱走する。 ジークを今まで信用しきれなかったリュナンは驚かなかったが、 ジークに恋をしていたサーシャ付きの騎士・ケイトは激しく動揺し、 ジークはガーゼルに捕らえられたのだ、と主張する。 ガーゼル魔道軍との戦いで傷を負い、療養していたところを アハブ大公に利用されていた炎の魔道士リシュエルは、 妹のメリエルと、いとこであるエンテと再会した。 リシュエルとメリエルはエンテの素性を知っている。 リシュエルとメリエルの兄妹は火の神官家・水の神官家、双方の血を引いており、 リシュエルが火の神官家、メリエルが水の神官家の力を受け継いでいた。 リシュエルは、権力欲に取り付かれ自分の妹をリーヴェ国王に嫁がせ、 国王の意のままに動いていた父親・ナリス(故)を恨んでいた。 エンテが幼い頃神殿に閉じ込められていたのは リシュエルの父の仕業でもあったのだ。 8年前にエンテが解放されてからは、リシュエル&メリエルとエンテは、 兄妹のように育っていたのだった。 リュナンとホームズも、長く再会を喜び合う間もなく、それぞれ出発の時が来ていた。 リュナンは祖国リーヴェを、ホームズは故郷グラナダを取り戻すために。 カトリはホームズとの別れを惜しむが、ホームズは 「お前なんかいなくたって平気だ」とそっけない態度を見せる。 136 ティアリングサーガ ユトナ英雄戦記 sage2005/07/25(月)01 48 16 ID erF/XuCb 《リュナン編》 MAP24~MAP26 順調にリーヴェにまで軍を進めていくリュナン軍。 その頃、リーヴェ王宮にいるカナンのバルカ王子とジュリアス王子は、 亡き兄アーレス王子の遺児である、セネト王子とネイファ王女が現れた という報告を聞く。 セネトもネイファも、14年前にアーレスの館が賊に襲われた際、死んだと思われていた。 セネトと名乗る少年はカナン王国で反乱軍を興し、 ガーゼル教国に支配されていたカナンの街や村を解放しているらしい。 バルカとジュリアスは、事の真相を確かめるため、リュナン軍との戦いから一時撤退。 ついに故郷のラゼリア公国へまで戻ったリュナンは、 昔からリュナンをライバル視していたレンツェンハイマー公子の 卑劣な作戦に遭いながらも、レンツェンを討ち果たし、 見事ラゼリアを解放することができた。 リュナンはラゼリアの民たちの前に姿を現し、 改めて、リーヴェ王宮を解放し戦争を終わらせることを誓う。 137 ティアリングサーガ ユトナ英雄戦記 sage2005/07/25(月)01 48 46 ID erF/XuCb 《ホームズ編》 MAP27~MAP30 サリアの村を後にしたホームズは、追いかけてきたカトリから、 リングオブサリアを預かる。 本当は皆と別れたくない、と言うカトリは、ホームズに 「私の代わりにこの腕輪を連れて行ってほしい」と頼みサリアの村へ戻った。 シゲンは仲間に加わったゾーアの魔女シエラと語り合う。 かつてガーゼル教国でゾーアの魔剣士と呼ばれたシゲンは、 ゾーア人狩りによって処刑される寸前のシエラを助けた。 だがシゲンは教皇のやり方に疑問を持つようになり、 シエラと共に教団を抜けようとしたが、魔女として洗脳されていたシエラは拒否。 しかしシゲンがいなくなった後、シエラはひとりで考え続け、脱走してきたのだった。 シゲンは自分のやり方でゾーア人を解放するという思いを秘めていた。 マールの王宮まで戻ったホームズは、カトリの育ての親のロウ司祭に、 カトリが無事に両親に会えたことを話す。 身体の癒えたロウ司祭は、ホームズ隊についてくることに。 ホームズはロウ司祭から、さまざまな大陸の歴史や神話を聞く。 ロウ司祭の話によると、レダ古城にいた魔竜クラニオンは、 40年前に行方知れずとなったレダの王女ティータらしい。 また、ガーゼルの教皇・グエンカオスは、元はレダ王国の土の神官家の一族だった。 レダが滅亡した後、グエンカオスはゾーア人を率いて反乱を起こし、 レダの旧領北部にガーゼル教国を打ち立てたのだ。 常人とは思えないほどの知識を持つロウ司祭だが……? ホームズたちもついにグラナダにまで上陸する。 そこには、死んだと思われていたアトロムの義姉・レネがいた。 レネはカナンの将軍に救われていたのである。 アトロムは無事に、レネと再会することができた。 戦いには勝ち、グラナダを取り戻したものの、ホームズには釈然としないものが残った。 とりあえず父親のヴァルス提督の安否を気にするホームズだったが、 相棒のシゲンの案内で連れられた館では、身体の癒えたヴァルスが 女性を侍らせくつろいでいた。 ヴァルスは、もう自分は引退するからおまえがグラナダ領主になれ、と、 ホームズに鎧と剣を渡す。 いい加減な父親にすっかり腹を立てるホームズ。 シゲンは、ヴァルス提督はグラナダの民を必死で救い出し、 ホームズの帰りを待っていたのだ、ととりあえずフォローする。 またホームズは、レネからアトロムを拾った経緯を聞く。 詳しい話を聞いたホームズは、アトロムがヴァルスの息子であると確信する。 つまりアトロムはホームズの異母弟であった。 ヴァルスは大陸中に女性がおり、自分の兄弟姉妹は100人を越えているだろう…、 とはホームズの弁。 この件はひとまずアトロムに黙っておくことにしたホームズ。 イル島の奥にある、伝説の大賢者モースが住むと言うモースの塔へ行くため、 イルの村へ立ち寄ったホームズ隊。 イルの村には、シゲンの義理の父親でありジュリアの実父である、 6勇者の一人・ヨーダがいた。 シゲンの両親は二人とも古のゾーア人であり、ヨーダは育ての父である。 シゲンは自分と実の父親を捨て、カナンのバハヌーク皇帝の女となった 実母・カルラを憎んでいた。 ジュリアに手合わせをしたりシゲンと語らったり一通り父親っぽいことをしたヨーダも ホームズ隊についてくることに。 モースの塔の最上階まで辿り着いたホームズ隊だが、大賢者モースは不在だった。 塔を守っていた巫女ミーメによると、モースは異世界に旅立ち しばらく戻ってこないそうだ。 ※これまでにリュナン軍及びホームズ隊に死亡者がいると 祭壇でダクリュオンを使い生き返らせることができる。 その頃、サリアの村では、カトリがグエンカオスにさらわれる事件が起きていた。 クラリス神官長は、ホームズに使者を送る。 そのことをまだ知らないホームズは、ラゼリアを取り戻したリュナンの元へ。 138 ティアリングサーガ ユトナ英雄戦記 sage2005/07/25(月)01 49 45 ID erF/XuCb 《リュナン軍&ホームズ隊合流》 ラゼリア公国。リュナンは一人で部屋にいるエンテを発見する。 そこはリュナンが幼い頃使っていた部屋だった。 リュナンはエンテに、昔の思い出話を語り始める。 5歳か6歳くらいの頃に、父が小さい女の子を連れてきて、 ここで一緒に遊んだ記憶がある、と。 その女の子は泣いていたから「泣くな。僕が守ってあげる」とリュナンは約束した。 彼女は、自分がいつか恐ろしい竜に生まれ変わって人々を焼き殺し、 リーヴェ王国を滅亡させると信じていた。 幼いリュナンは、そんなことには絶対させないから僕の側を離れるな、と 彼女に言った。だがその子は突然いなくなった……。 リュナンは、その女の子に裏切られたと思った、と語る。 「約束を破ったのはエンテ。君の方だ……」 リュナンは、エンテのことを思い出していた。 幼すぎたリュナンは、エンテがいなくなったのは全てエンテのせいだと思っていた。 エンテという名前は、リュナンの父親のグラムド大公が与えた仮の名であった。 エンテは、本名のメーヴェよりもエンテと呼ばれる方が好きだから、 マルス神殿に身を隠す時もエンテと名乗っていたと語る。 だがリュナンは、「今でもエンテは僕を裏切っている。エンテは僕を試そうとした。 だから僕を欺き続けた」とエンテを冷たく突き放す。 思い悩むリュナンだったが、ホームズとの再会で酒を酌み交わし、気を紛らわせる。 リュナンとホームズが話をしていると、ロファールとサーシャの親子がやってくる。 ロファールはホームズに、サーシャへの気遣いに感謝している、と述べる。 いずれは真実を話さなければいけない、と語るロファールに、 ホームズは「何を言っているのかわからねえ。ただサーシャが好きだから守る」と 話をはぐらかす。 レオンハートは恋人のレネとゆっくり話をすることができた。 レオンハートには忘れられない妻がいたが、 最近、娘との再会イベントで妻が死んだことを知り、 妻を忘れることはできないが、これからはレネ一人を愛すると誓う。 一方、ケイトはジークがいなくなってからずっと気を落としていた。 サーシャはそんなケイトを心配し、励ます。 そんな中、ホームズの元にサリアの村がグエンカオスに襲われたことが知らされた。 リュナンと別れ、カトリ救出のために急ぐホームズ。 ロウ司祭は、邪神ガーゼルを復活させるため、 女神ユトナの血を引くカトリを連れさらったのだ、と推測する。 ユトナの血を受け継ぐ巫女を邪神に捧げれば眠りから目覚めると、 経典に記されていると言うのだ。 しかし、カトリ一人だけでは意味がない。 ユトナ神の4人の娘が全員そろわなければいけないはずだ。 全てを見透かしたようなロウ司祭の言葉。 司祭に力があっても戦えないのでは仕方がない、とホームズはロウ司祭とここで別れる。 サリアの村に戻ってクラリス神官長から話を聞いたホームズ。 ホームズはカトリを取り戻すためにガーゼル神殿に向かうことを決意。 ホームズは改めてカトリが大切な存在であると気づく。 151 ティアリングサーガ ユトナ英雄戦記 sage2005/07/26(火)01 35 48 ID 7VSMABc+ 《ホームズ編》 MAP31~MAP33 クラリス神官長の案内で、ホームズ隊は辺境地帯を越えて サリアの火の神殿へと到着する。 神殿の奥から地下洞窟を抜けると、ガーゼル神殿の邪神の祭壇に辿り着くそうだ。 ホームズは火の神殿内で、カトリから預かったリングオブサリアの力を得て、 聖剣サリアを引き抜く。 グエンカオスの暗黒魔法を破るためには聖剣が必要なのだ。 ホームズは「リュナンとエンテを見守ってやってくれ」と クラリスをサリアの村へ引き返させた。 《リュナン編》 MAP34~MAP37 リーヴェ王宮では、カナンのバルカ王子とジュリアス王子が ソフィア公国へ養女として出していた実の妹であるレシエから セネトたちに関する話を聞いていた。 14年前、バルカとジュリアスの兄・アーレスの館が襲われ、 夫人が殺され二人の幼子が行方不明になったが、 その二人――セネトとネイファは乳母の手によって逃がされていた。 セネトとネイファは、エリアルの女剣士・カティナに預けられ、彼女の養子として育った。 カティナは6勇者の一人、傭兵王テムジンの実の娘である。 昨年、ネイファが15歳になり、ふとした出来事から ネイファの中に眠るカナンの守護聖竜ラキスが目覚め、 セネトとネイファはそこで初めて自分たちの出生を知った。 セネトは妹のネイファを守るため、ガーゼル教国と戦う決意を固め、 エリアルの傭兵たちを率いてここまで戦ってきたと言う。 しかしネイファは、風の神殿でグエンカオスに囚われてしまったそうだ。 現カナン皇帝であるバハヌークはガーゼルの魔女カルラに骨抜きにされたままである。 セネトが生きていることを知ったバルカとジュリアスは、父バハヌークを討ち、 今までの過ちを清算してから、セネトにカナンの未来を託すべきだと考える。 152 ティアリングサーガ ユトナ英雄戦記 sage2005/07/26(火)01 36 58 ID 7VSMABc+ リーヴェ王宮を目指し、カナン軍と戦うリュナン軍。 そこに、バルカ王子の娘・エストファーネ王女がリュナンを討ちに 単身やって来るが、あっさり捕らえられる。 エストファーネは、以前にリュナン軍に殺されたバルバロッサ将軍を慕っており、 仇を討つつもりだった。 バルバロッサと並び「カナンの剣」と呼ばれたエルンスト将軍をも倒し、 ひたすら軍を進めるリュナンたち。 そこにセネト王子の使者として、ヴェーヌという天馬騎士がリュナンの前に現れた。 ヴェーヌから、セネト王子の存在とカナンの事情を聞くリュナン。 反帝国派であるセネトはリーヴェ王国との和平を望んでいると言う。 リュナンとセネトのそれぞれの父親が成し遂げられなかった、 ノルゼリアでの和約を今一度果たしたい、とセネトは考えているそうだ。 しかし、セネトがよくても、カナン皇帝バハヌークと バルカ、ジュリアス両王子の意思を聞かなければならない。 ヴェーヌは、セネトがカナン王城に戻るまで進撃を留まってほしいと頼むが、 停戦を求めるならばリーヴェ王宮からカナン軍が撤退する方が筋、と リュナンは判断は保留する。 リュナンは捕虜にしていたエストファーネはヴェーヌに預け、セネトの元へ送ることにした。 ヴェーヌは、妹のマーテル&フラウと一時再会。 火の神官家のクラリス神官長の娘であるヴェーヌ、マーテル、フラウの三姉妹は 亡き祖父オクトバスから、ヴェーヌは風の巫女ネイファを、 マーテルは水の巫女エンテを、フラウは火の巫女カトリを守るように言われていた。 後日、ノルゼリアで会おうと約束し、ヴェーヌはセネトの元へ戻った。 リーヴェ王宮に留まっているジュリアスは、リュナン軍に城を明け渡すのを拒否。 リュナンはその事実を嘆き、ジュリアスに全力で戦いを挑む。 ジュリアスは兵士たちにはノルゼリアに撤退せよと命令を下していたが、 カナン兵は最後までジュリアスと共に戦うとリーヴェに残る。 しかしジュリアスはリュナン軍の前に倒れ、生き残ったカナン兵は撤退。 王宮を取り戻したリュナンの元に、リーヴェの貴族たちが大勢押しかけてくる。 今まで戦いの陰に隠れていた彼らは、リュナンに取り入り、 自分たちの地位を守ろうと必死なのだ。 そんな中、タトゥス公爵という貴族が、 エンテをリーヴェ王国第一王位継承者のメーヴェ王女としてリュナンに紹介する。 リーヴェの諸侯らには、リュナンをメーヴェ王女の婿として迎えようという思惑があった。 だがリュナンはエンテの前で「このような形でお受けできない」ときっぱりと婚約を断る。 エンテは静かにそれを受け入れ、自分はノルゼリアの和平を見届けた後、 水の神殿に戻るという旨を語る。 そして最後に「どうかリーヴェを見捨てないで下さい」とリュナンに願うエンテ。 リュナンは、国のために結婚すると言ったエンテに憤慨していた。 だがオイゲンはエンテの立場を擁護。 王家に生まれたがゆえに悲惨な少女時代を過ごしてきたエンテが、 リュナンと共にならば頑張れると言った意味がリュナンにはわからないのか、と。 一方、カナン王宮ではバルカ王子が父バハヌークを殺害。 バルカはすぐに後を追うつもりでいたが、ガーゼルの魔女カルラが現れ、 全てグエンカオスのシナリオ通りだと語る。 そこにセネト一行が到着。カルラは一時撤退する。 セネトと、彼に同行していたエストファーネはバルカの死に立ち会う。 バルカはセネトに「カナンを頼む」と言い残し息絶えた。 バハヌーク皇帝、バルカ王子、ジュリアス王子が相次いで死亡し、 実質セネトがカナンの代表となった。 153 ティアリングサーガ ユトナ英雄戦記 sage2005/07/26(火)01 39 04 ID 7VSMABc+ ついにノルゼリアの街で、リュナンとセネトによる リーヴェ・カナン両国の和平が結ばれようとしていた。 エンテはかつて聖竜ミュースに変身し、ノルゼリアの街を焼いたことを悔い、 見届ける覚悟でついてくる。 セネトとリュナンの会見により、無事に和平は結ばれた。 だがその直後、グエンカオスが聖竜ラキスへと身を変えたネイファを連れ、 ノルゼリアに乗り込んできた。 エンテはとっさに自らも竜になり、ラキスと戦う。 セネトは必死でラキスに向かってやめるよう呼びかける。 ラキス=ネイファはセネトの声で一時正気を取り戻し、 セネトにリングオブカナンの腕輪を渡すが、グエンカオスに再び連れ去られる。 騒ぎの収まった後、エンテの姿は消えていた。 水の神殿へと向かったエンテは、リングオブリーヴェをリュナンに渡すようにと オイゲンに預けていた。 リングオブサリアを手に入れたセネトも、風の神殿に向かい 聖剣カナンを手に入れることを決意し、リュナンと再会を約束する。 ケイトはガーゼル兵の中にいたジークを発見していた。 ジークがガーゼルに脅迫されていたと思い込んでいたケイトだったが、 彼がグエンカオス教皇の腹心・カルラの弟であることを知る。 ジークに騙されていたのだ、とケイトは愕然とする。 カルラとジークの姉弟は、ゾーア人の子として生まれただけで リーヴェ人からひどい迫害を受けていた。 リーヴェの法律では12歳以下の子供は処刑できないことになってたので、 幼い二人は地下牢に放り込まれていたが、 カルラが13歳になり処刑されそうになった時にグエンカオスに救われ、 以来、ガーゼル教国に仕えていたのだ。 カルラは後に愛し合った男と子供を捨て、教皇の命令でカナン王バハヌークの妾となった。 それも全て、リーヴェに攻め込んで、リーヴェ地下牢に囚われたままになっている 弟のジークを救い出すためだった。 軍では、ケイトがガーゼルと通じて軍を脱走したと言うことになっていた。 そんなことも知らないサーシャは、姿の見えないケイトのことを心配するが……。 水の神殿に戻ったエンテは、ネイファの身代わりとなるつもりだったが、 そのままグエンカオスに捕らわれてしまっていた。 エンテを追って、水の神殿に辿り着いたリュナン。 そこでクラリス神官長と出会ったリュナンは、エンテから託されたリングオブリーヴェと 神殿に眠る聖剣リーヴェが一つになるべきものだと聞き、見事に聖剣を甦らせる。 地下道を通り、グエンカオス追ってリュナン軍は邪神の祭壇まで向かう。 154 ティアリングサーガ ユトナ英雄戦記 sage2005/07/26(火)01 41 11 ID 7VSMABc+ 《ホームズ編&リュナン編》 MAP38~MAP39 ガーゼル神殿では、レダ同盟のティーエ王女とリチャード王子が グエンカオスの罠にかかっていた。 3人の巫女を捕らえたグエンカオスは、最後の土の巫女であるティーエをも 手に入れようとしていた。 プライドの高いリチャードは、以前にティーエに愛を拒まれたことを恨んでおり、 グエンカオスにティーエを引き渡してしまった。ティーエの持つ聖剣レダも奪われる。 また、ケイトはガーゼルの手から解放されていたが、 ジークに裏切られたショックと騎士としての誇りを失ったことで、軍に戻れずにいた。 放心状態になっていたケイトをサーシャが必死で説得し、ケイトは軍に戻る。 一方、ジークは姉との語らいで迷いをなくし、リュナン軍に最後の戦いを臨む。 敗れたジークは、ケイトへ許してくれと言い残し息絶えた。 (ケイトでジークを倒した場合のみ) そしてホームズ隊とリュナン軍は、ついに邪神の祭殿へ足を踏み入れる―― 155 ティアリングサーガ ユトナ英雄戦記 sage2005/07/26(火)21 46 05 ID 7VSMABc+ ティアリングサーガ ユトナ英雄戦記 《最終戦》 MAP40 4人の巫女を揃えたグエンカオスは、祭壇で邪神ガーゼル復活の儀式を 今しも始めようとしていた。 グエンカオスは40年前に行方知れずとなったレダの王女ティータと愛し合う仲だった。 だがサリア王国とレダ王国の長く続いた戦争に苛立ったレダ王は、 末娘のティータを無理矢理、聖竜クラニオンに変え、戦わせた。 ティータ王女は戦争の中で錯乱し、人間の姿に戻ることができなくなった。 滅びることもできないティータは、人間たちに蔑まれ何度も何度も殺されながら 生き続けたのだ。 グエンカオスは、人間がティータを受け入れないのならば、 自らが神になり、この世界を最初から作り直せばよいと考えた。 それに、グエンカオスも年老い、余命いくばくもない体では これ以上ティータを見守り続けることができない。 だから、邪神の肉体を得て、永遠の生命を得ようと言うのだ。 ティーエ、ネイファ、エンテ、カトリの4人の巫女はそれぞれの言葉で グエンカオスにその意義を問いかけるが、グエンカオスは聞く耳を持たない。 まずはカトリ、次にネイファ、その次にエンテが生贄にされていく。 神殿に駆けつけたリュナン、ホームズ、セネトらは愕然とする。 最後にティーエが生贄に捧げられようとした時、賢者アフリードのワープの術で、 リチャードが神殿に戻ってきた。 ティーエなどどうなってもいいと思っていたリチャードだったが、 やはり彼女を見捨てることができず、ティーエをかばい、 グエンカオスの暗黒魔法に身を焼かれてしまった。 しかしリチャードの最後の力で、ティーエの元に聖剣レダが戻る。 ティーエは聖剣でグエンカオスを攻撃。 だが、グエンカオスは不完全ながらも、邪神ガーゼルとして目覚めてしまった。 リュナン、ホームズ、セネトの3人も各々の聖剣を手に、ガーゼルに立ち向かう。 一方、ジークが死んだことを知ったカルラも最後の戦いへ。 ここでシゲンがカルラに戦いを挑むとイベント発生。 シゲンはカルラが長く恨んでいた母親と悟り、剣を向ける。 シゲンが勝利すると、カルラはシゲンが息子であったことを承知していた上で倒れる。 カルラはシゲンが迫害もされず生きていたことに安堵し、息絶えた。 聖剣を持ったリュナン、ホームズ、セネト、ティーエは 一斉にグエンカオスから変化したガーゼルへと攻撃。 4つの聖剣が共鳴し、ついにガーゼルは滅亡した。 156 ティアリングサーガ ユトナ英雄戦記 sage2005/07/26(火)21 46 55 ID 7VSMABc+ ガーゼルを倒した4人の前に現れたのは、大地母神ミラドナ。 神話では、兄妹神であるガーゼルとユトナを生み出した至高の女神と言われている。 ミラドナは、全てのものをあるべき姿に還し、 グエンカオスとティータの魂を救済すると言う。 ガーゼルの地下神殿は浄化し、生贄にされた娘も目覚めるでしょう…、と。 光が満ち、ネイファ、カトリ、エンテは目を覚ました。 ネイファはセネトと、カトリはホームズとそれぞれ再会を喜び合う。 リュナンはやっとエンテに「僕にとってエンテは必要な人だ。エンテが好きだ」と 告白する。 一人寂しそうなティーエ……、だったが、何故かリチャードまで甦っていた。 生き返った後もティーエに「俺に任せておけばレダを昔のような大国にしてやる」 と大きな口を叩くリチャード。 「俺たちの旅はまだまだ終わっちゃいない」 戦いが終わったのに打ち切りENDのようなことを言うホームズ。 つられて「僕たちの新しい旅立ちに祈ろう」と言い出すリュナン。 158 ティアリングサーガ ユトナ英雄戦記 sage2005/07/26(火)21 49 42 ID 7VSMABc+ 《エンディング》 地下神殿から出た一行は、それぞれのあるべき場所に戻ることになる。 ※キャラクターの生存や死亡状況、イベント時の選択によって 変わる箇所もありますが、以下は基本的に全員生存パターンで、 イベントの進め方で各キャラの出生等が判明している場合のエンディングです。 誰かが死亡していると誰かと誰かが結ばれる、などというEDパターンもありますが、 ここでは省いてます。 セネト&ネイファ兄妹は兵を連れカナンに戻る。 いとこ同士であるメル&マルジュ姉弟に今度マルス神殿に行くと約束。 いつかカナンにも来てほしいと頼む。 セネトとネイファは、育ての親である、エリアル王国のカティナやテムジンとも 別れることになる。 お互いに淡い思いがあったらしいセネトとティーエは、互いの道を行くために離れ離れに。 ホームズ隊で仲間になっていたエリアルの傭兵サムソンはカティナの夫であった。 サムソンが次期エリアル王であったことに驚くホームズ。 メルとマルジュは10年以上も前に戦死されたと思われていた父アフリードと対面。 アフリードはレダの魔道士エリシャの母親に救われていた。 エリシャはアフリードを父親のように思っていたとのこと。 しかしエリシャの母はアフリードが完全に回復すると同時に亡くなっており、 エリシャはメルに「アフリード様をお返しする」と言う。 マルス神殿に戻ったアフリードは10数年ぶりに妻シルフィーゼと再会する。 メルはそのうちロジャーと結婚する予定。 マルジュも少しは成長し、エンテへの思いを振り切った様子。 159 ティアリングサーガ ユトナ英雄戦記 sage2005/07/26(火)21 50 51 ID 7VSMABc+ リーヴェに戻ったリュナンたちだが、王宮ではタトゥス公爵が待ち構えており、 自分がメーヴェ王女と結婚すると決まったと告げる。 しかしリュナンは「王女は渡さない」と以前自分が結婚の話を蹴ったことも棚に上げて タトゥスをこき下ろす。 兵や民は今まで戦ってきたリュナンを支持しており、 更にリュナンには他国からの後ろ盾もある。小物のタトゥスはすごすごと退散。 暗い過去を背負ってきたエンテはやっと「リュナン様を信じて生きていきます」と 幼い頃からの想いを叶えることができた。 リーヴェは落ち着いたものの、ひとまずリュナンは 最初に力を貸してくれたウエルトのリーザ王妃の元まで報告をするため、 エンテを王宮に残し、ホームズらと共に発つ。 エンテを想い続けてきたリシュエルも結果的にエンテにふられたことに。 リシュエルはいとこのマーテルに、火の神殿の再建に協力してくれるよう頼む。 火の神官家の亡きオクトバスは、リシュエルとマーテルが結ばれ 火の神殿を継いでくれることを期待していた。 だがマーテルは、リシュエルには力を貸すが、私たちの将来は私たちで決める、と あっさりな態度。 メリエルは水の神官家を継ぐ予定。 ヴェーヌと、親友のサンと別れたフラウもサリアに戻る。 レオンハートも恋人のレネや再会した娘のプラムと共にサリアへ。 ホームズはレオンハートに「現国王の後にあんたがサリア王になれ」と言う。 アトロムは自らの出自も知らないまま、ホームズから グラナダ領主の仕事を押し付けられてしまう。彼の受難の日々は始まったばかり。 無事に再び両親と会うことができたカトリ。 サリア王やレオンハートはホームズにもサリアに残ってくれることを願うが、 ホームズは一つところに留まる気はなかった。 しかしそんなホームズをカトリは引き止めようとはせず、人が変わったように 「ホームズがいなくても大丈夫です」と告げる。ホームズはそれが気に入らない。 160 ティアリングサーガ ユトナ英雄戦記 sage2005/07/26(火)21 51 46 ID 7VSMABc+ リチャードとティーエはマール王宮に戻る。 エリシャもティーエ王女を助けるためにマールに残る。 マールではロウ司祭も一連の出来事を知り、ホームズの元へ会いに来た。 ホームズは試しにロウ司祭に「俺たちと一緒にグラナダまで行った記憶があるか」 と問いかける。 ロウ司祭は「ずっとマールにいた」との答えを返す。 (はっきりとは明かされないが、ホームズについてきたロウ司祭=大賢者モース、 だったらしい) ホームズは偽ロウ司祭=モースから聞いた話と、 地下神殿に現れたミラドナを見て、リーベリア大陸の真実の創世記を知った。 大地母神ミラドナの正体は、不滅の肉体と高度な魔法力を有した、 古代種族エミユの王女であった。 エミユは種としての限界が近付いてきていたため、 王は娘たちを他の大陸で眠りにつかせていた。 眠りにつく方法には、本体を残したまま眠りにつく方法と 大地と同化する方法とがあったが、 ミラドナの従者たちは前者を取り、王女を眠らせ神殿を築いた。 従者たちは、神殿を侵す者は神の怒りに触れると噂を流し、 守護の魔獣を生み出して去って行った。 だが、その噂を聞いたゾーア人たちは、 エミユの地下神殿を自分たちの神であるガーゼル神殿として崇めるようになる。 ガーゼル神は、エミユが作り上げた幻想の神であった。 後にゾーア人と他の大陸から渡ってきたユグド人との間で戦争が起こり、 追い詰められたゾーア人の若き長であるカルバザンは、 地下神殿に竜の姿で眠っていたミラドナの血を飲み、竜に変身する力を得た。 その後、カルバザンはミラドナの力を一人占めするために、 地下神殿に何人も生贄を送り込んた。 ユトナはその中の47人目の娘だった。 ユトナの強い嘆きで目を覚ましたミラドナは、全てを悟り、 ユトナを救うため、彼女に自分の血と与え、聖剣と守護の腕輪を渡した。 地下神殿を出たユトナは後の英雄カーリュオンと合流して ガルバザン=ガーゼルを倒したのだ。 リーベリアに広く流布され、伝えられてきた伝説とは、大分違う。 ※大賢者モースは、ミラドナの4人の従者のうちの一人らしい。超長生き。 残りの3人は誰かは不明。 ※モースの塔でミーメが言っていた「異世界」とは異大陸? (余談:一応関係ないことになっていますが、 FEシリーズの暗黒竜・紋章・外伝・聖戦あたりをプレイした人には ここらへんの話は興味深いものになってると思います) 161 ティアリングサーガ ユトナ英雄戦記 sage2005/07/26(火)21 53 29 ID 7VSMABc+ ケイトはウエルトに戻っても気落ちしたまま。騎士を続ける意欲もなくしている。 サーシャはそんな彼女を心配し続けるのだった。 ウエルト王宮に入ろうとしないホームズ。 サーシャは不審がるものの、ホームズとまた会う約束をし、笑顔で別れる。 ロファールとサーシャは、王宮で待っていたリーザ王妃と再会を果たす。 リーザはリュナンに礼を述べる。 ロファールはリュナンに、リーザをホームズに会わせてやってほしいと頼む。 リーザは躊躇するものの「母と子ならば会えば心が通じる」とのロファールの言葉に ホームズと会う決心をする。 ホームズと出会ったリーザ。だが母として名乗りを上げることはせず、 サーシャが世話になったことに礼を言う。 ホームズも、「サーシャに会いにウエルトに遊びに来る。それでいいだろ」 とだけ約束するのだった。 ウエルトを出て、ついにリュナンとホームズの二人だけになった。 幼い頃のように些細な喧嘩をする二人。 ホームズはリュナンに、エンテも連れて来て一緒に旅に出ないか、と誘う。 「僕も自由な旅がしたかった…」とリュナン。 カトリはどうするのか、とリュナンはホームズに問うが、 ホームズはカトリの別れた時の態度が解せなかった。 結局、カトリを忘れられないホームズはカトリを迎えに行く。 だが、既に船にはシゲンに連れられたカトリが乗り込んでいた。 カトリはシゲンの入れ知恵で、ホームズにわざとつれない態度を取っていたのだ。 シゲンはエンテも一緒に連れて来ていた。用意がよすぎる。 エンテは、彼女の気持ちを察したオイゲンから、王国のことは任せ リュナンと共に旅をしてきなさい、と言われていた。 またエンテは、これからは本名のメーヴェと呼んでほしい、とリュナンに頼む。 メーヴェと言う名は、大海を飛び回る海鳥のように、自由に健やかに育ってほしい、と エンテの母親が付けたものだった。 それを知ったエンテは、過去を受け入れ、メーヴェと言う名を受け入れたのだ。 「僕もメーヴェの方が似合っていると思うよ」と愛は盲目状態のリュナン。 それを聞いていたカトリは、「私もマリアに戻した方がいいのかな」と呟くが ホームズは「お前はカトリだ!それ以外の名前は許さねえ!」 対照的な2組。 そろそろ呆れたシゲンが(シゲンにも恋人がいるとそのキャラも同行している ※プレイの仕方によって相手は変わる)彼らに声をかけ、一行は出発する。 ホームズ「よし。シーライオン、出撃だ!」 Fin 162 ティアリングサーガ ユトナ英雄戦記 : おまけsage2005/07/26(火) 21 55 05 ID 7VSMABc+ 6勇者関連のまとめと神官家関連の簡易家系図。 これに王家が加わると更に複雑に。 ●6勇者とその子供 グラムド(故) ― リュナン アーレス(故) ― セネト、ネイファ ロファール ― サーシャ テムジン ― カティナ ― (セネト、ネイファ←養子) ヨーダ ― ジュリア、(シゲン←養子) ヴァルス ― ホームズ、アトロム ●水の神官家 マイオス(故)―┬― ナリス(故)―― リシュエル、メリエル(※1) │ └― エレナ(故) │ ├―――― メーヴェ(エンテ) │ バドウム(故) (リーヴェ国王) ●火の神官家 オクトバス(故)―┬― アンドレ(故)―― レネ │ │ ナリス(故) │ │ │ ├―――― リシュエル、メリエル(※1) │ │ ├― ロゼ(故) │ │ ロベルト(故) │ (サリア国王妃の弟) │ │ │ ├―――― ヴェーヌ、マーテル、フラウ(※2) │ │ ├― クラリス │ │ ヴァルス │ (グラナダ提督) │ │ │ ├―――― ホームズ │ │ └― リーザ(※3) │ ├―――― サーシャ │ ロファール (ウエルト国王) ●風の神官家 アーレス(故) (カナン国王子) │ ├―――― セネト、ネイファ │ エーゼンバッハ(故)―┬― セレーヌ(故) │ └― シルフィーゼ │ ├―――― メル、マルジュ │ アフリード ※1 水の神官家の長男ナリスと火の神官家の長女ロゼが結婚し、 リシュエルとメリエルが産まれた。 ※2 クラリスの夫(故人)はサリア王妃(カトリの母)の弟で、レオンハートの兄。 ヴェーヌ、マーテル、フラウの三姉妹はカトリともいとこ同士。 ※3 リーザについては、 ヴァルスと結婚→ホームズ出産 →ヴァルスと別れる→ロファールと結婚→サーシャ出産 …とゲーム中からは推測できるシナリオになっている。 公的にはホームズはリーザの息子にはなっていない。 164 ティアリングサーガ ユトナ英雄戦記 : おまけsage2005/07/26(火) 21 56 57 ID 7VSMABc+ リュナン、ホームズと並んで主要人物である、セネトとティーエの戦いについては 本作では謎の部分が残ったままでした。 セネト編やティーエ編もシナリオ上は考えてあったのでしょうが、 日の目を見ることがありませんでした。残念です。
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ティアリングサーガ ユトナ英雄戦記 機種:PS 作曲者:44.0(上野義雄)、関美奈子、立花瞳、京田誠一 開発元:ティルナノーグ 発売元:エンターブレイン 発売年:2001年5月24日 概要 ファイアーエムブレムの生みの親である加賀昭三氏が中心となり、エンターブレインの協力を得て製作したSRPG。 そのため全体的にFEと良く似た雰囲気を持ち、開発段階ではタイトルも『エムブレムサーガ』で主人公リュナンは青髪だった等、色々やりすぎて任天堂と裁判沙汰になったことでゲーム史に名を残す一作。 一方でゲーム自体はよく作り込まれており評価は高く、(一応の)続編であるベルウィックサーガも製作されている。 音楽は当時アスキーに所属していた関美奈子氏、プロデューサーズ・ワークショップの立花瞳氏、ミュージシャンの上野義雄氏と京田誠一氏が担当。 効果音は田中敬一氏と緒方優氏が制作している。 サントラに収録されている曲はゲームで実際に使用された原曲ではなく、サントラ用に編曲され音質も向上している豪華版と言える内容。そのため、曲によってはゲーム版とは少々雰囲気が異なると感じる事もあるだろう。 収録曲(サウンドトラック順) 曲名 作・編曲者 補足 順位 Disc1 タペストリー 関美奈子 タイトルデモムービー ユトナの戦士 関美奈子 タイトル画面 戦いの序曲 関美奈子 自軍ターンMAP1,2,3,6,7,8,24,27,28 ラゼリアの騎士 44.0 リュナン軍全体マップ(MAP19まで)自軍ターンMAP26A,26B,34,36 フィールド342位マイナーゲーム29位初代PS134位 闇の支配者 関美奈子 敵軍ターンMAP8,15,16,20,30 トライアル 関美奈子 敵軍ターンMAP4,10,18,23,25,27,29,31,35 闇の軍団 44.0 ボス戦 果てしない戦い 44.0 対戦モード攻撃シーン 驚きと悲しみ 44.0 悲壮な決意 京田誠一 悲しき戦士たち 44.0 勝利の誓い 関美奈子 知られざる真実 44.0 甦る記憶 立花瞳 追憶 関美奈子 危険な兆候 関美奈子 火の聖竜ネウロン変身時 クレセント・ヒル 立花瞳 ホームズ軍敵攻撃シーン 戦場の朝 立花瞳 微笑み 関美奈子 ティータイム 立花瞳 武器屋のオヤジ 44.0 武器屋 勇気をあげる 関美奈子 プラム「おどる」、リーリエ「うたう」使用時 忘れ得ぬ君 関美奈子 届かぬ想い 京田誠一 ユトナの伝説 立花瞳 戦い前夜 44.0 勝利は我らに 京田誠一 自軍ターンMAP17,22 ソードマスター 関美奈子 グラナダの戦士01 立花瞳 自軍ターンMAP11,12,13,14,15,16,20,23,29,31,32 リーヴェの大河 立花瞳 リュナン・ホームズ軍全体マップ(MAP24~30まで) 初代PS284位 自由の大地 関美奈子 剣士の村 関美奈子 自軍ターンMAP30 街の灯 44.0 古の伝説 44.0 コロシアム 44.0 闘技場 闘技場のテーマ 関美奈子 闘技場戦闘シーン リヴァイアー 44.0 秘密の店 突撃! 44.0 パストラル 立花瞳 暖かな日射し 44.0 永遠の友 関美奈子 オーバーロード 関美奈子 敵軍ターンMAP2,6,11,12,13,24,26A,26B,34 迫りくる危機 44.0 カナンの夜明け 関美奈子 敵軍MAP3,7,9,28 Never Ending Dream ~日本語ヴァージョン~ 立花瞳 Disc2 制圧 関美奈子 凱歌II 44.0 誓いの剣 関美奈子 デュエル 関美奈子 リュナン軍味方攻撃シーン シージュ 立花瞳 戦場の嵐 44.0 ダイバージョン 44.0 心の傷 44.0 熱き想い 立花瞳 遠い記憶 44.0 青き聖竜の旗 関美奈子 海/ホームズのテーマ 関美奈子 ホームズ軍全体マップ(MAP23まで) マルレーン 44.0 道具屋 闇の探索 関美奈子 陰謀 44.0 邪神の祭壇 44.0 敵軍ターンMAP1 レダの少女 44.0 熱き涙に 立花瞳 願い 立花瞳 とぼけた奴ら 44.0 赤の傭兵 関美奈子 闇の手先 44.0 草原の風 関美奈子 敵軍ターンMAP17,22 北の大陸 関美奈子 自軍ターンMAP5,19 ブロードナイト 44.0 敵軍ターンMAP21 大いなる太鼓 関美奈子 勇者の証 立花瞳 クラスチェンジ 小さな街で 関美奈子 悲しい別れ 44.0 味方倒れる 心の闇 立花瞳 敵軍ターンMAP40 地下迷宮 44.0 自軍ターンMAP21,33,37,38,39 光と闇 立花瞳 第4兵団 関美奈子 自軍ターンMAP4,9,10,18,25,35 カナンの勇者 44.0 ホームズ軍味方攻撃シーン 誰が為に 関美奈子 去り行く者 京田誠一 データセーブ・ロード画面 不安な午後 京田誠一 勇者の集い 京田誠一 大地を越えて 関美奈子 ガーゼルの恐怖 関美奈子 敵軍ターンMAP5,19,32,33,37,38,39 ナイトレイド 関美奈子 リュナン軍敵攻撃シーン 最後の戦い 立花瞳 リュナン・ホームズ軍全体マップ(MAP31以降)、自軍ターンMAP40 レシーダII 関美奈子 最終ボス戦 Never Ending Dream ~Instrumental~ 立花瞳 Never Ending Dream ~英語ヴァージョン~ 立花瞳 スタッフロール サントラ未収録曲(仮曲名) ボス戦2 一部のボス戦(MAP13メルヘン,MAP23アハブなど) サウンドトラック ティアリングサーガ ユトナ英雄戦記 オリジナルサウンドトラック
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ティアリングサーガ ユトナ英雄戦記の動作報告(*1) 引用元 コメント すべてのコメントを見る
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ティアリングサーガ ユトナ英雄戦記を編集 ゲーム名 ティアリングサーガ ユトナ英雄戦記 GameID Disc1 Disc2 Disc3 Disc4 Disc5 SCPS-00000 - - - - ゲーム名 ティアリングサーガ ユトナ英雄戦記 the Best GameID Disc1 Disc2 Disc3 Disc4 Disc5 SCPS-00000 - - - - ・現在の推奨設定 吸出ツール Alcohol 52% 変換ツール PopstationMD Free GUI v7.1b 圧縮レベル マルチディスク(*1) GAME ID 変更しない CFWのバージョン 6.35PRO-B8 POPSのバージョン 6.35(Original from flash) ・設定 安定化 高速化 ・現在ある不具合、問題など 動いた人の喜びの声、動かない人の怨嗟の声(ソフトに関する事等フリーコメント) 名前 コメント すべてのコメントを見る ティアリングサーガ ユトナ英雄戦記の動作報告をする ↓表を編集する↓ [部分編集] 動作確認表 [吸出]Alchol 52%[変換]PopstationMD Free GUI v7.1b 6.39PRO-B8 6.35PRO-B8 6.20TN-D 5.00m33-6 不明 起動 クリア 起動 クリア 起動 クリア 起動 クリア 起動 クリア 6.39 6.35 6.20 5.50 5.00 4.01 3.90 3.80 3.72 3.71 3.52 3.51 3.40 3.30 3.11 3.10 3.03 3.02 3.01 3.00 不明 ・表の備考 6.35PRO-B8 5.00M33-6 ・関連情報 ゲームの評価 Amazonのレビュー...[続きを読む] 攻略情報 裏技改造 アイコン・解説書 セーブデータ PSP用 PC用(エミュレータ用) PSP←→PCへの変換方法 PlayStation Archive
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【TOP】【←prev】【PlayStation】【next→】 ティアリングサーガ ユトナ英雄戦記 タイトル TearRingSaga ティアリングサーガ ユトナ英雄戦記 機種 プレイステーション 型番 SLPS-03177 ジャンル シミュレーションRPG 発売元 エンターブレイン 発売日 2001-5-24 価格 6800円(税別) タイトル ティアリングサーガ ユトナ英雄戦記 ファミ通名作ゲーム文庫 機種 プレイステーション 型番 SLPM-87369 ジャンル シミュレーションRPG 発売元 エンターブレイン 発売日 価格 3000円(税別) タイトル ティアリングサーガ ユトナ英雄戦記 機種 プレイステーション 型番 SLPM-80610 ジャンル 体験版 発売元 エンターブレイン 発売日 価格 非売品 駿河屋で購入 プレイステーション
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『ティアリングサーガ ユトナ英雄戦記』( - えいゆうせんき、Tear Ring Saga)は、2001年5月24日にエンターブレインがプレイステーション向けに発売したシミュレーションRPGである。開発は『ファイアーエムブレム』シリーズを立ち上げた加賀昭三が起業したティルナノーグで、キャラクターデザインは『ファイアーエムブレム トラキア776』の広田麻由美。 (wikipediaより転載) おまけ(ティアリングサーガ) 縛りプレイがんばってください・。・ -- (・。・) 2007-09-11 15 45 56 ・。・! -- (・。・!) 2007-09-11 15 47 19 名前 コメント すべてのコメントを見る
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「修正依頼」が出ています。対応できる方はご協力をお願いします。 ティアリングサーガ ユトナ英雄戦記 【てぃありんぐさーが ゆとなえいゆうせんき】 ジャンル シミュレーションRPG 対応機種 プレイステーション メディア CD-ROM 1枚 発売元 エンターブレイン 開発元 ティルナノーグビッツラボラトリー 発売日 2001年5月24日 定価 6,800円 プレイ人数 1人~2人 判定 良作 ポイント 『ファイアーエムブレム』生みの親によるSRPG2部隊制による編成の自由度の高さ群像劇的なストーリーやキャラ描写も魅力著作権侵害を巡る裁判沙汰に発展 ティアリングサーガシリーズユトナ英雄戦記 / ベルウィックサーガ 概要 ストーリー 主要登場人物 特徴 評価点 賛否両論点 問題点 総評 FEシリーズとの類似と、FE・TS裁判 余談 概要 『ファイアーエムブレム』(FE)シリーズの初代ディレクターである加賀昭三氏が、インテリジェントシステムズ退社後にエンターブレインの協力を得て製作したSRPG。略称は『TS』。 様々な部分でFEとの共通点が多く、キャラクターデザインも『トラキア776』を手掛けた広田麻由美氏が担当している。 しかしFEとの類似要素の多さ、FEの関連作であるかのような宣伝方法などが問題視され、最終的に任天堂とエンターブレインの裁判沙汰にまで発展するなど、発表から発売後まで多くの物議を醸した作品でもある。 ストーリー 邪神ガーゼルを打ち滅ぼした英雄カーリュオンと聖女ユトナとその4人の娘によって、リーベリア大陸にリーヴェ、カナン、レダ、サリアの4王国が建国された。 それから時が流れ、邪神ガーゼルを崇拝するガーゼル教国がカナン王国へ侵攻。カナンはリーヴェ王国に援軍を要請するがリーヴェはこれに応じず、カナンはガーゼルと手を組んでリーヴェ王国へと攻め込み、かつてカーリュオンの時代に存在した古のゾーア帝国の再興に加担してしまう。リーヴェに与するラゼリア公国のグラムド大公によりこのカナンの侵攻は途中で阻止され、グラムドとカナンの王子アーレスの働きによりリーヴェとカナンの間に和平が合意されようとしたが、そこへ伝説上の存在だったリーヴェの聖竜ミュースが突如襲撃。グラムドとアーレスはミュースの炎の息により焼き尽くされ、一握りの灰にされてしまう。カナンはこれをリーヴェの策略だと断定し、ついにリーヴェはカナンの軍隊によって滅ぼされる。グラムドの息子であるラゼリアの公子リュナンは、グラムドの親友だったグラナダ海賊頭領ヴァルスと残されたラゼリア兵達の助けを借りてカナン軍とゾーア軍に応戦するも、ついに港町グラナダの地も陥落。そしてヴァルスとラゼリアの老騎士オイゲンが身を挺し、リュナンをヴァルスの息子のホームズと共に船で脱出させた。ヴァルスはグラナダに残り、リュナンと共にグラナダを脱出したオイゲンは重傷を負って二度と武器を握れなくなり、リュナンとホームズに残されたのはラゼリアの新兵や古参の海賊といった僅かな手勢だけだった。リュナンは父の友人が統治するウエルト王国へ援軍を要請するために、ホームズはここぞとばかりに長らくの夢だったリーベリア各地の冒険のために、それぞれの道を歩むことになる。そして、物語はリュナンがウエルト王国に降り立ったところから始まる… 主要登場人物 ラゼリアの公子・リュナン リーヴェ王国ラゼリア公国の公子で、主人公の一人。残されたラゼリアの兵達を指揮し、別の国の王子と交渉で渡り合う胆力も持っている。パッケージ右下の剣を構える茶髪の少年。 立場が立場であるだけに、冷徹な判断を下したり常にしかめっ面をしている印象が強いが、親友であるホームズの前では年相応に笑ったり、数えきれない人数の敵兵を倒していくことにやりきれない思いを抱く。 シーライオン・ホームズ 海獅子の旗を掲げるグラナダ海賊頭領で主人公の一人。各地を旅して、お宝を見つけ出すのが夢。とても口が悪く、特に序盤はカトリや周りの人物に暴言を投げかける粗暴な性格のようにも見える。しかしそれは本来の優しさを表に出さないだけで、大事な場面ではちゃんと他人への気配りができる人物。それでいて敵対する相手には好戦的でもあり、リュナンとは別方向に敵への容赦が無い。パッケージ左の弓を構える金髪の男性。 この手のゲームの主人公では珍しく弓を主武器としている。(*1)。 水の巫女・エンテ ウエルト王国にあるマルス神殿のシスター。治療の杖を使うことができ、山賊に騙されて囚われていたところを近くのトーラス村の戦士・バーツに救助され、その途中でリュナンと出会う。リュナンのことを知っているようだが…?パッケージ右上の青い髪の女性。 リュナンには控えめな敬語で話しかけるので物静かな印象のある少女だが、旧知の知り合いや敵には強い口調で話すこともある。 火の巫女・カトリ ウエルト王国より北の海に浮かぶイスラ島の海賊に囚われていた少女。もともとは司祭の元で育てられている孤児だったが、海賊の襲撃によりその育ての親の司祭とはぐれてしまい、ホームズ達に保護される。パッケージ左上の赤い髪の女性。 とても純粋で優しい少女だが、それが災いして気が立っている時のホームズを刺激して何度も怒らせてしまう。しかし、カトリは怯えつつもホームズの内面に触れていき、次第に惹かれていく。 エンテ同様シスターとして杖が使えるほか、謎の腕輪の力により、聖竜ネウロンに変身することができる。ネウロンは非常に強力だが、ネウロンになっている最中はカトリ本人に経験値が入らず、ネウロンに頼りきりだと周りのユニットも育たないため、囮、壁役等の運用が考えられる。 イルの剣士・シゲン 剣士の村イルに住む伝説の剣聖ヨーダの義息。義理の妹にジュリアという女剣士が居る。ヨーダはヴァルスの親友であり、その息子達であるホームズとシゲンもまた親友同士である。 ゾーア帝国とは因縁があり、特にカナン王国の陰に潜むゾーアの魔女カルラを何かしらの仇として追っている。しかし普段は暗い過去を見せず、親友であるホームズの相談相手になったり、口喧嘩をしたり、店の主人から譲渡を持ち掛けられた武器屋を即座に売っ払おうとしたり、掴みどころのない性格をしている。 所有者が死亡してもその場で蘇生させる魔剣中の魔剣デュラハンの使い手で、シゲン本人の能力も相応に高い。ホームズ隊に最初から居るが、中盤以降は☆が付与されるので死亡するとゲームオーバーになる重要ユニットとなる。 また彼には物語上重要な役割があるので、☆が付く前に倒されても死亡せずに撤退扱いとなり中盤に復帰する。その際に本来なら終盤にならないと加入しない魔女シエラを早期加入させられるという隠し要素がある。 ウエルトの王女・サーシャ リーベリア大陸南西の島国ウエルトの王女。サリア王国付近のバルト要塞の戦乱で敗走して現在生死不明となっているウエルト王ロファールとリュナンの父グラムドは友人だったため、リュナンとは幼い頃に面識がある。パッケージ左下の青い髪の女性。 ウエルト王国内でクーデターが発生し、主犯格が差し向けた追っ手から逃れる為に、護衛役の女騎士ケイトと共に港町ソラへ逃げ込もうとしているところでリュナンと再会する。 母親であるウエルトの王妃リーザが元天馬騎士であり、サーシャもその素質を受け継いでいる。力とHPがやや伸びづらいが周囲の味方に支援効果を与えるカリスマスキルを持ち、更にウエルト関係者のユニットほぼ全員に大きな支援効果を与えることができるため、彼女を上手く運用すると戦闘を楽に進めることができる。というか 対戦モードを前提としたプレイの場合、彼女の育成はほぼ必須。 クラスチェンジを2回行う事が出来る唯一のユニットでもある。 シナリオ1のみ彼女に☆が付いているので、倒されるとゲームオーバーになってしまう。 特徴 基本システムはオーソドックスなターン制SRPG 反撃・追撃・特攻といった戦闘システムや、ペガサスに乗った飛行兵など『ファイアーエムブレム』シリーズとの共通点はかなり多く、FEシリーズを経験済ならまったく違和感なくプレイすることができる。 2人の主人公を交互に操作するシステム ゲームが始まると、まず帝国に祖国を追われたラゼリア公国の公子・リュナンを主人公とした物語が展開される。しかしある程度進行すると、リュナンの親友であるグラナダ海賊の頭領・ホームズももう一人の主人公として操作できるようになる。リュナン編は過去のFEシリーズと同じく、順番にマップを攻略していく一本道の構成。闘技場を除き自由に経験値稼ぎは出来ず、アイテム購入のタイミングも限られている。ストーリー的にも敵の正規軍と戦うため、敵は強く難しいマップが多め。一方でホームズ編は大陸中を自由に移動して冒険することができる。メインのストーリー以外にも「遭遇戦」としてザコ敵と何度も戦うことができるため、経験値・アイテム・軍資金などを好きなだけ稼ぐことも可能。敵はゾンビやゴーレムなどのモンスターが多く、いわゆる『外伝』風のパートになっている。 リュナン軍とホームズ軍のメンバーは、物語の節目で数回行える「部隊編成」によって自由に振り分けることができる。一部の主要キャラは部隊が固定だが、それ以外のほとんどのキャラは自由に編成が可能。そのため、レベルが低いユニットはホームズ隊の遭遇戦で鍛え上げ、育ったらリュナン軍に送って戦力として活躍してもらう……と言った戦略が可能。逆に難易度を上げたいのであれば遭遇戦の経験値稼ぎ無しでもクリアできるバランスなので、様々なプレイスタイルが可能になっている。 クリアデータで対戦が可能。 エンディング時点でのデータで対戦することができる。GBA版FEの通信闘技場とは異なり、本編と同様のマップ制での対戦であり、本編で使用されたマップやこのモード専用のマップを使用することができる。それ以外に5対5の勝ち抜き制のマップも用意されている。そのままだとバランスに非常に難があるものの、細かいルール設定が可能で出撃可能なユニットを制限したり強すぎるアイテムを使用禁止にすることができる。 またクリアデータから作成するパーティに操作中のBGMをゲーム内で使用されたBGM+没曲から自由に選択できるという機能もあり、実質サウンドテストも兼ねている。 評価点 主人公の一人であるホームズの人気が高い。 リュナンは『FE』ではオーソドックスな剣歩兵型主人公だが、ホームズは主人公なのに間接攻撃専用の弓しか使えない(*2)という画期的なユニットだったりする。成長率は中の上といったところだが、初期パラメータがかなり高く、「弓使いは俺一人で十分だ」と劇中でのたまうのも納得できる優秀なユニットでもある。 ホームズは自分勝手にふるまって口も悪いようでいて、実は仲間思いで、戦いを好まない親友の負担を減らすために力を尽くしているという、いわゆる「ツンデレ」と呼べる性格。もう一人の主人公であるリュナンから全面的に頼られているなど、プレイヤーからも、作品内のキャラクターからも、評価、人気の高い人物である。 武器が豊富にあり、個性的なものが多い。 命中率、及び武器の重さに劣る斧であっても、守備力を増強する斧等の興味深い性能を持つ武器がある。弓は特にバリエーションが多く、射程が通常よりも伸びた武器(*3)や命中率が高いがその分重量のあるボウガン系武器、遠距離用の投射機もある。 雑魚モンスターを召喚できる杖や、ステータスを一時アップする杖、複数のマスにいる敵を同時に攻撃できる魔法もある。更に使用者は一人しかいないうえ性能の低い物が多いが、専用魔法やレアな魔法の代用として使える暗黒魔法も目を引く。 しかし、武器の数こそ豊富だが武器種間のバランスに関しては今一つと言ったところ。(後述) なお、ファイアーエムブレムシリーズをはじめ、多くのSRPGに取り入れられている3すくみ(*4)は存在しない。 40マップにも及ぶボリュームと、多彩な内容のステージ。 軍が3つに分けられた状態からの進攻、強力な竜が暴れる中の防衛戦、船の上での戦い、レアアイテムを持ちながら逃亡する敵将の追撃、中立区での小競り合い、大半の地形が沼、といったようにステージ内容はとてもバラエティ豊か。 60人以上の多彩な味方キャラ スキルシステムを採用しており、キャラの運用方法に個性がある。スキルはアイテムや施設の利用以外にレベルアップでも増えるので、弱いと思っていたキャラが便利なスキルを覚えてエースになる、なんてこともおり、下級職か上級職かで、特定レベルで覚えるスキルが二者択一というキャラも。 能力的に恵まれていなくともシナリオやイベント面で恵まれているキャラも多く、膨大なキャラがいる割には完全に空気と呼べるキャラは少ない。リュナンとホームズ、どちらの軍勢に加えるかで発生するイベントが変わるキャラもいて、両編の一軍の編成を変えて何度も周回プレイをしたり、ホームズ編でお気に入りのキャラをとことんまで強化するなど、やり込むプレイヤーは少なくない。 更に、持っているだけで成長率が上がるアイテムが存在するし、ドーピングアイテムもフリーマップをあさっていると多数入手できるため、普通は育てても弱いキャラでもプレイヤーの努力次第で強くできるのでキャラ強化は難しくない。 全体的にHP以外の成長率は控えめ(*5)だが、これはMHPとLUK以外の上限の低さ(*6)に合わせていると思われる。 味方キャラクターに関してはグラフィックのカラーパレットが独自に設定されている。キャラの個性を演出するとともに、マップでもちゃんと色違いのため、間違えて同クラスの別ユニットを選択するというようなSRPGでよくある凡ミスは起こり辛くなっている。そのため、味方ユニットと敵ユニットはキャラクターの向きで区別している。 ただし、鮮やかな明るい色の服を着ている顔グラフィックなのにユニットとしてのグラフィックは暗い色の服を着ているなど、色が一致していない味方ユニットも少しだけ居る。 これだけのユニットが仲間になるので、エンディング分岐も多彩かつ複雑怪奇。特定のユニットが不在だったりイベントの回収の有無で展開が全く異なるユニットが多く、未見のエンディングパターンを探していく楽しみがある。 ちなみに仲間にできるユニット(*7)を全て仲間にした上で戦死者が居なければ、エンディングに追加される特殊なシーンもある。 クラスの数も充実しており、上級職スタートのユニットにも救済要素がある。 例えば、騎士系クラスの下級職こそ「ルークナイト」固定だが、ルークナイトからCCできるユニット毎に個別でCC先クラスが設定されており、軽装のため上限値の低い代わりに下馬しても移動力以外のステータスが落ちない「コマンドナイト」、スタンダードな性能の「パラディン」、パラディンの耐久性を上げたうえで突撃も使える特攻兵「ブラックナイト」、最強クラスのステータス(*8)と強力な兵種スキルを兼ね備えた「ゴールドナイト」と、様々な種類の上級騎士が存在する(*9)。 ユニットのレベル上限は上級、下級職両方とも最大40まで。より詳しく言うと、下級職はレベル20でいったん成長がストップするが、CCすることでレベル上限が現在のレベルから+20される(*10)。上級職で加入するユニットはデフォルトでレベル30まで育成できるが、「スーパープルフ」というレベル上限を10上げるアイテムを使うことでレベル40まで成長できる。 初期職が下級職であるか、上級職であるかでレベル格差がほぼ存在しないのが強みだと言える。なお、リュナンとホームズのみ下級職時代からレベル上限が30になっており、 主人公ユニットがゲーム終盤に差し掛かる頃合いでのイベントでの強制クラスチェンジを迎える前にレベル上限に到達してしまい、使うのが惜しくなるということはまず無い。 セーブ関連の問題を除きさえすれば、操作性はなかなか快適。 セレクトボタンを押せば、各ボタンの機能が確認できる。 ソフトリセットは当然完備されているが、タイトル画面に戻るだけではなく、戦闘開始時点に戻ることも可能。いちいちセーブファイルを選ぶ手間が無くやり直せるのは嬉しい(*11)。 敵味方の移動・攻撃範囲表示設定を変更することが可能。 SRPG初心者は敵の攻撃範囲を出してプレイしたり、このゲームの熟練者なら味方の攻撃範囲はおろか、敵の移動範囲を出さずに経験と知識を踏まえてプレイすると言ったように、ちょっとした難易度調整が可能。ユニットステータス画面もまた充実しており、武器性能はもちろん、移動コストまで細かく確認できるので、移動範囲を非表示にしていてもここで推測できなくも無い。かといって人間の推測は完璧ではないので攻撃範囲を見誤ることもあり、これがまた緊張感を生む。 レベルアップヒストリー機能により、ユニットの成長を振り返ることができる。ユニットの強さや成長率の高さ(もしくは低さ)を実感できるとともに、初期値さえ分かればドーピング回数を逆算するということもできる。 マップ上にマーカーを最大4つまで置くことが可能。敵の攻撃範囲を可視化したり、再移動後の停止場所の目印にしたりすることができるので利便性は非常に高い。 群像劇的な展開が光るシナリオ。 軍を率いる公子リュナンと海賊兼冒険者のホームズ、二人の主人公を交互に行動させることで、世界の変化を複数の視点から楽しむことができる。また、たとえ引き離されたり死んでしまったとしても絆は永遠に消えない、という友情の大切さや、戦争に絶対的な正義は存在しないという不文律を軸にして展開されるシナリオは現在まで高い評価を得ている。 前述の通りサブキャラクターにもイベントが多く、世界観の奥深さを演出している。 BGM 勇壮だがどこか哀愁漂う旋律が決戦を彩る「ラゼリアの騎士」や英雄的なオープニングテーマ「ユトナの戦士」などが名曲としてあげられる。 エンディングテーマ「Never Ending Dream」は、CDメディアであることを生かし、生音源(*12)である。非常に長時間のプレイが要求されるこのゲームを締めくくるにふさわしい、しっとりしたバラードで、どういうわけか英語曲。ゲーム中にも、後半の非常に重要なシーンでアレンジ版が流れる。後に発売されたサウンドトラックでは日本語バージョンも収録された。 キャラの育成がしやすい。 本作では、ホームズ隊で立ち寄れる地域にフリーマップが存在しており、育成がしやすくなっている。シナリオ中に3回、リュナン軍とホームズ隊でキャラの入れ替えができるため、ホームズ隊で強化した仲間をリュナン軍に預けて活躍させる、といったことも可能。 どれほどレベル差があろうとも、敵を倒すと必ず経験値を20手に入れる事が出来るので、5体倒せば必ずレベルアップできる。グレイスマミーなど、弱いのに経験値を必ず80くれるボーナス的な敵キャラもいる。 賛否両論点 主人公の一人であるリュナンのとっつきにくさ リュナンは見た目は普通だが喋りや性格がかなり堅く、軍師であるオイゲン(*13)にきつく当たることも多く、雰囲気からやや冷たい印象を受ける事もある。もう一人の主人公ホームズが明るく面倒見の良い性格で好かれやすい為、ホームズと比べてリュナンに好感を持ちにくいといった意見も見受けられる。 レベル差を差し引いても、パラメータの初期値がホームズよりかなり低く、成長率もやや低め。さらに、ホームズがクラスチェンジで新しい武器を使えるようになるのに対し、リュナンにはそれがないなど、ユニットとしての性能もやや物足りないものとなっている。 親友でほぼ唯一気を許せる相手とも言えるホームズともゲームの性質上ほとんど別行動で、それが一層リュナンを頑なに見せている部分がある。事実ゲーム中で何度かホームズと再会する際は年相応の少年らしさが見られる。 まだ年若い少年としてそのジレンマに思い悩む描写や、ヒロインであるシスターエンテとのすれ違いラブロマンスなど、ストーリーの盛り上がりに一役買っている部分もある。そのため、これまでの加賀昭三氏が手がけたゲームの正義感溢れる“王道”的な主人公とは一線を画する魅力ある主人公として、リュナンを評価しているプレイヤーも少なくない。(*14) 熟練度システム 味方のユニットが敵を撃破するか杖を使用した時、「使用した武器種」「戦っているマップの種類(*15)」「敵の兵種」の数値が加算され、それぞれ10溜まるごとに該当する条件下において命中率と回避率が1%上がる(*16)。例えば、剣を使って敵を10体倒すと剣を使った攻撃の命中率が1%増え、剣を装備している間回避率が1%増えるという具合。通常の範疇ではほとんど気にする必要が無いシステムではあるが、杖を使うキャラに250回杖を振らせて杖の熟練度を最大まで上げると回避盾として機能するようになるなど意識して上げると有利になるようになっている。 しかし対戦モードを前提としたデータを作成するとなると状況が一変し、「 各熟練度が最大値に達していないユニットは対戦モードでは単なるカモ 」と化す。条件が揃えば命中率と回避率が50〜75%も増えるというのはゲームバランスの面では極めて重いシステムであり、「このユニットはこの種類のマップで戦えない この種類の敵が出てくるマップで戦えないので他のユニットに比べて評価がワンランク落ちる」などキャラ格差を加速させた。熟練度システムそのものが無いかあっても補正が少なければもう少しマシな状況になったと思われる。 もちろん対戦モードだけの話なので本編中では前述の通りの便利なシステム程度の影響に留まっている。また、そこまで限界育成した強すぎるユニットはゲーム上の対戦ルール設定で縛ることは一応可能。 武器の撃破数と呪い 同じ武器で敵を倒し続けると51体倒した時点で1体につき必殺率が1%ずつ上がっていく(上限+50%)。必殺率が上がった武器はアイテム情報でも「Crt+◯%」と小さく表示される。このゲームは特殊な武器以外の耐久力を修復することができるリペアハンマーというアイテムが市販されており、それを利用して武器を鍛えることができる。2回攻撃可能なマスター系の武器や後述のルナの剣は特殊な武器には該当しないので鍛え上げると一騎当千の武器にすることができる。 ……のだが、100体撃破した時点でその武器が呪われることがある(*17)。呪われた武器は運が低いユニットが使うと自分にダメージが入ることがあるという危険な代物と化してしまう。呪いを解く方法もあるにはあるのだがノーヒントでまず気付かない。そもそもこのシステム自体説明書でもゲーム中の情報でも説明が無いために(*18)、武器をリペアハンマーで直しながら使っていて気付いたら呪われていたということや、最初に100体撃破した武器が呪われた為に呪われたかどうか判断できずそのままセーブしてしまったということが十分起こりうる。 更に 鍛えた武器を闘技場に持ち込むと高確率で門前払いされる(*19)。 闘技場で鍛えた武器を使うには適度に能力が低いユニットに持たせる必要がある。 一部の変化後の通名が微妙だったり、変化してもおかしくないのに変化しないユニットが居る。 どう感じるかは個人差があると思われるが、「シュラムの死神」→「黒の傭兵」でクラスチェンジ前の通名の方が評判が良いヴェガや全味方ユニット中唯一クラスチェンジしてもどんなイベントが発生しても通名が「炎の魔道士」から変化しないリシュエルは残念がられる声も多い。 初期から居る騎兵コンビであるアーキスとクライスは特定のスキルを習得した後の通り名の表示形式が他のユニットと異なっていて浮いてしまっており、それぞれ 『烈風の』・『疾風の』 と(*20)、妙に半端で間の抜けた響きとなっており笑いを誘うこととなった。 サーシャに仕える女性騎士ケイトは下記のイベントを進めると途中から通り名が「ウエルトの騎士」から「なげきの騎士」になってしまい、以降変化しない。全味方ユニット中一人だけネガティブな通り名になっているためどうにも浮いてしまう。イベントが発生しない条件を満たせば回避可能だが、イベントが発生する条件を満たすのがあまりに容易で無意識のうちに達成してしまうものであるため、事前知識が無いと回避はほぼ不可能。 登場人物の血縁等の人間関係が異様に複雑 一度プレイしただけで理解するのは困難。完全に把握しているプレイヤーはごく僅かだろう。知らないとストーリー自体を理解しかねる、ということはない。養子関係や義兄弟関係のキャラがかなり多く、あるキャラの実父が別のキャラの養父になっているのは序の口で、各地に実子が居るとんでもないキャラも存在しており血縁図を書くと確実にぐちゃぐちゃになる。 特に血が繋がっていない兄妹、姉弟という関係のキャラが味方ユニットに3組も居る。しかもその内の1組は恋愛的なペアエンドあり。 マップ攻略中のセーブ回数が有限。 このゲームでは、全体マップで何度もセーブできる他、攻略中は「きおくの杖」というアイテムを使用することでセーブすることができる。きおくの杖は序盤に仲間になるエンテが持っている他、中盤にホームズ隊側で1本、終盤にリュナン軍側でもう1本(*21)手に入る。複数入手可能な時点で察せられるが、 きおくの杖には18回という耐久力が設定されている。 セーブ画面を開いてセーブを実行すると、杖を持っているユニットが杖を掲げて使用する演出が入る。きおくの杖でセーブした攻略途中のデータは何度でもロード可能。 このきおくの杖を「ユニットの成長吟味に使用するか」、「額面通りにゲームの中断に使うか」で事情が変わってくる。前者の場合はユニットを丁寧に育成できる便利アイテムになるが、後者の場合はわずか18回しか攻略の中断ができないセーブ制限と化してしまう。特にリュナン軍は序盤から長丁場になるマップが多いため、慣れていないプレイヤーではノーセーブでマップクリアまで一気に攻略するのが難しい。そもそも中盤のホームズ側できおくの杖が手に入ることを知らずに序盤のホームズ隊の誰かにきおくの杖を渡してしまうと、リュナン軍では途中セーブできなくなってしまうことになる。 自由にセーブできては成長吟味し放題だったり当たらない攻撃を当たるまでリロードし続けるという行為も容易に可能でゲームバランスも崩れるだろうが、セーブそのものに回数制限があってはプレイスタイルによっては問題点になりうると言える。この点は次回作では攻略中は5の倍数のターンのみセーブ可能とすることである程度解決している。 問題点 武器種間のバランスが歪。 前提として、前述したとおり「3すくみ」が存在しないため、本作では武器の性能のみで勝負することになる。 全体的に性能が良い剣、全体的にやや重いがまだ使いやすく、安価かつ屈指の性能の投げ槍である「ピラム」がある槍は「戦える武器種」となる。 一方で、斧は全体的に重さも命中率も劣悪で、味方で斧をまともに扱えるユニットが「最初から居るお助け枠の海賊」「中盤で仲間になる斧戦士」「クラスチェンジで斧も使えるようになる後述の選択制の槍歩兵」「全ての物理武器が扱える(つまり槍も使える)万能な騎士」とわずかしか居ない上に、他の武器も使えるユニットが半数を占めるため半ば地雷のような武器となっている。これ以外の斧を扱う味方ユニットは終盤まで戦い抜けるかどうか怪しい性能か、途中で永久離脱するユニットとなっている。 弓も異様に重いものが多く、反撃を受けると追撃を受けやすいため「反撃を食らっても問題ないほどステータスが高い(ホームズなど)」か、「攻撃後の再移動により一撃離脱ができる弓騎兵」でないと運用が難しい場面が多い。 魔法は炎が一番重く、風が最も軽く、雷が中間の重さとなっている。炎魔法のみ敵単体に2-5マスの射程の遠距離攻撃を仕掛けることができる「メティオール」があったり、射程1-3マスかつ命中率が100と破格の高さである味方の魔道士のリシュエル専用の炎魔法「サンフレイム」があったりするが、それ以外の炎魔法の性能が劣悪で魔法版の斧とも言える有様になっている。 更にリシュエルの加入が魔道士では最も遅い中盤な上に上記のオーラレインの入手イベントに絡むユニットなので育成が難しく、メティオールも肝心の性能があまり良くないので支援と熟練度で余程補わないとしょっちゅう外し、範囲攻撃炎魔法「イフリード(*22)」よりも範囲攻撃雷魔法「イビルサンダ(*23)」の方が性能が良く入手機会も多いのが炎魔法の不遇に拍車をかけている。 雷がもっとも平均的な性能を持つと言え、風では火力が物足りない場面ではもっぱら雷魔法を使うことになる。風、聖、暗はユニークな性能を持つ魔法が多く、その全てに敵の反撃を受けない効果のものがあるので使い出がある。なお聖魔法と暗魔法は炎魔法並みに重いが、聖魔法が使えるのはステータスの高い賢者であり、暗魔法も味方で扱えるユニットは戦場を自由にワープ可能で敵の反撃を受けないように運用するのが楽な特殊な性能だったりするので、炎魔法ほど問題にはなりにくい。 一部のアイテム入手の機会に難があったり、運が絡む。 特定のクラスの敵を倒すと低確率でアイテムを落とすことがあり、そこでしか入手機会が無いアイテムがいくつか存在する。いずれも強力ではあるが無くてもクリア可能。 しかしその中の一つである「ムーンライト」は唯一市販のリペアハンマーで治せる聖魔法であり、他の聖魔法は個数限定のリペアの杖でしか修復できないことから聖魔法の熟練度を稼ぐにはほぼ必須であるのだが、ムーンライトはゴーレムを撃破した際に 1/200(0.5%) の確率でしか入手できない。ゴーレム自体は特定のマップに確定で出てくるものの、数が多くないので相当運が良くないとお目にかかることすら叶わないレベルの入手難度となっており、アイテムコレクターや育成マニア泣かせの武器である。 後述の「ルナの剣」というバランス崩壊級の代物も敵が落とすことがある。一本はイベントで確実に入手できるが、更に敵からもう1本以上入手するとあまりの強さに戦略も何も無くなってしまう。 何度も入れるマップの中には中身がランダムで変わる宝箱が存在する。そのマップを10回クリアすると以降は空箱のみとなるため、中に入っているアイテムの入手機会は限られる。 ……のだが、よりによってその中に全ゲーム中通しても個数限定入手のクラスチェンジ用のアイテムが含まれている。つまりここで粘らなければクラスチェンジすることができないユニットが出てくる(*24)。更にパラメータUP用のアイテムまで出てくるので中身を把握しているかどうかとその中身が出てくるまで粘れるかどうかで物資の質に差が出てくる。さらに現在ではアイテム吟味の方法も確立されているので、これを知っているか知らないかでも差ができてしまう。 ホームズ隊のイベントで「中身が伏せられた宝箱28個(中身は固定)の内5個だけ開けることができる」というものがある。大半がお金が入った袋なのだが、当たりの宝箱にはクラスチェンジアイテム(*25)やパラメータUPアイテムが入っておりやはり前情報があるかどうかで有利不利が決まる要素になっている。 一部の武器(主に特定のキャラクターが持つ専用武器)が全体的に凶悪な性能。 所有者である剣士ヴェガが最序盤で加入する上、装備中は被ダメージを全て2分の1にする「シュラム」、武器としては弱いが所有者のシゲンが死んでも武器耐久1消費で蘇生する「デュラハン」(*26)、射程が1~3と長い上に装備中に防御力を+10する「サンフレイム」、基本性能が極めて高いのに2回攻撃まで出来る「ブレンサンダ」(*27)、5の倍数ターンにしか使えないがマップ上の全ての敵を一度に攻撃できる「オーラレイン」(*28)等。特にオーラレインは再行動させれば制限を掻い潜って連発もでき、その気になれば容易に殆どの敵を一掃できる。 しかしこれらの武器は「神聖武器(*29)」という、市販のリペアハンマーでは修理できない武器として扱われており、唯一の修理手段であるリペアの杖が有限であるため、対戦モードの存在もあるので「勿体無いので使わない」というプレイヤーも多いと思われる。実際にはラスボスの撃破に必要な武器以外は、これらの☆装備に頼らなくても充分にクリア可能。 専用武器ではないものも一部非常に強力。汎用武器ながらかなりの威力を持つうえ、相手の防御力を無視してダメージを与えることができる「ルナの剣」、入手は最終盤で、直後にマップが屋内に移るため使い手が激減するが、2回攻撃が出来て耐久や攻撃力も高い投げ槍「サリアの槍」、非常に重たいが怒涛の4連射を誇る(*30)「ガトリングボウ」、攻撃さえ当たれば反撃されない魔法の「シルフィード」「プレリュード」「トゥマハーン」などが代表的。 ☆武器も基本的にプレイヤー側のユニット専用ながら全てが強力という訳では無く、市販品に毛が生えたような性能の風魔法「ヴンダーガスト」、回避率アップ効果が付いているが重すぎて回避率が額面より上がらず追撃も難しいという本末転倒な聖魔法「スターライト」、受けるダメージを半減させるが重すぎて追撃を食らいやすくなる斧「ドルハーケン」と、弱過ぎて使い物にならないような代物も存在しており、一部はユニット格差にも繋がっている。 守備力が上がるが重すぎて追撃を受けやすい「シールドアクス(*31)」、ただでさえ重い弓系武器の中で殊更重くて運用が難しいボウガン系の武器など、一応プレイヤーも入手できるが敵ユニットに持たせてバランスを取るのが目的ではないかと思われる武器の存在も。(*32) スキルの強弱が激しい。 まず前提としてほとんどのランダム発動スキルの発動率が「((自分の技-敵の技)+3)%」になっており、技が上がりにくいユニットでの発動率は著しく下がってしまう。例外として発動すると2回連続攻撃を仕掛ける「連続の技」は自分の攻撃速度にのみ依存、発動すると防御力が著しく上がる「大盾の技」は自分のLVにのみ依存しており敵のステータスの影響を受けないが、ゲーム中でそれを知る術は無い。 この仕様に振り回されているユニットも少なからず存在する一方で、技の成長率は低いがスキルは連続の技や突撃など技に依存しないものを揃えているユニットも居る。 攻撃速度が勝る相手に連続戦闘を仕掛けることが可能で反撃を受けない相手にも一方的に攻撃できる「突撃」、HP減少量に応じて必殺率が上がる「死生の技」、徒歩ユニットかつ近接武器専用と条件は厳しめだが発動すれば攻撃力3倍で敵はほぼ即死(*33)の「飛竜の技」、5回攻撃の「竜聖の技(*34)」は極めて強力。前述の敵のステータスの影響を受けない「連続の技」と「大盾の技」も発動機会が多く、特に大盾の技は最大40%の確率で発動となるので所持しているユニットは非常に硬くなる。後述しているが、とある少年騎士がクラスチェンジでこの大盾の技を覚えるので当然強いはずである。 一方で、必殺攻撃のダメージで倒せる相手にのみ発動し相手を一撃で倒す「烈風の技(*35)」、地形効果を無視して必殺攻撃を行う「地聖の技(*36)」は存在価値を疑われるほど効果が薄い。どちらも発動すると相手を轢き逃げしたり連続攻撃を繰り出すような特殊なモーションに切り替わるが、それだけである。 地聖の技は習得者が全員別に地聖の技が無くても戦えるレベルの強さなのが救いだが、烈風の技は習得者に性能がよろしくないユニットが混ざっており、それらのユニットは発動率を高めるための技のステータスがあまり上がらないため役に立たなさが非常に目立つ。しかしそれ以外の強い烈風の技習得者は別に烈風の技を発動させるまでもなく敵をズバズバ斬れるのでスキル枠の無駄遣い……という困ったスキル。 所持スキルには上限が設けられており、自力で習得するスキルに関しては制限がかからないがスキルを習得できる村や訓練場は所持スキルが6つ以上だと利用できないという制限がかかっているのでハズレスキルを先に習得してしまっているユニットはそれだけ損してしまう。後天的に烈風の技や地聖の技を覚えるユニットであればスキルを習得できる村や訓練所に行くまで育てなければ上限を回避できるが、これらのスキルを初めから所持しているユニットは……。 その他、発動すると敵の防御力を無視する「風水の技」も性能自体は悪くないが扱う武器によっては微妙なことになり(*37)、発動すると与えたダメージ分自分のHPを回復する「天聖の技」もスキル発動率の関係で敵が強くなるほど確実性に欠けていくため耐久系のスキルとしては大盾の技には使い勝手で劣る。ただしこの二つは他のスキルと同時発動するのとそれぞれ1人だけ任意に習得できる機会があるという利点があるので、連続の技を持っているユニットであれば発動機会を増やせる。 所持していると特定のマップでの命中力、回避力、移動力が上がる「草原の戦士」「海の戦士」も本編後半は辺境地帯や城砦地帯ばかりで活かす機会が無くなってしまう(*38)。 明らかに後述の裁判のゴタゴタに巻き込まれたと思われるアイテムが存在する。 聖魔法「プレリュード」がそれで、敵の攻撃を完全に封じる暗黒魔法「ザッハーク」に唯一対抗できるという触れ込みの魔法なのだが、 プレリュードを所持したユニットがザッハークを所持する敵側のガーゼル教団教皇グエンカオスと対峙する機会は存在しない。 グエンカオスはプレイヤーたちが手を下すまでもなくイベントで殺されてしまうのである。 この関係性で察せられるが ファイアーエムブレム 暗黒竜と光の剣のスターライトとマフーの関係そのもの。 やはり設定変更の煽りを受けてプレリュードのザッハーク無効効果が腐ってしまったものだと思われる。プレリュードにはザッハーク無効効果のみだけでなく、前述の通り攻撃が命中すると敵の攻撃を封じるという効果があるので完全に腐っているわけではないのが救い。 それ以外にも「ルナの剣」「ソルの剣」「ステラの剣」も低確率で敵が落とす武器であることと名称の法則に過去に発売されたゲームに登場した武器と関連性があり中々怪しい。ルナの剣に至っては追加効果が敵の守備力無視と後のFE作品の同名の魔法と被ってしまった。(*39) 戦闘アニメの出来が今ひとつ。全体的に地味で動きがぎこちない。 まず立ち合いから始まり、それから先に攻撃する側が移動という流れでテンポが悪い。更に移動後の攻撃の一動作ごとに基本ポーズに戻る仕様(*40)がそれに拍車をかけている。特に騎馬系の戦闘アニメは極端に動きが少ない。ただし味方の男性剣士はスピーディーに抜刀と納刀を繰り返す居合スタイルだったり、一部では何とか誤魔化そうとする工夫は見受けられるため、手抜きではないようだ。 もっとも、そもそもの問題として動かし方にセンスがないという点は擁護しきれない。『紋章』と比較してみると一目瞭然。これは容量不足で起こったコマ数不足が主な原因といわれている。(*41) 戦闘アニメの悪評を広げる一因として、ボスキャラ級や寝返り要員のユニットとの戦いにおいて、戦闘アニメーションをOFFにできない点が挙げられる。つまり、1つのマップに付きほぼ必ず、1回は出来の悪いアニメを見なければならないのだ。 烈風の技・地聖の技発動時は挙動が変わるようになっている。特に、通常は烈風の技を覚えない飛行系ユニットにとある場所で烈風の技を覚えさせて騎乗時に発動させると敵を轢き逃げして撃破する。また必殺時はほぼ全てのクラスがかなり大振りな動きをするし、飛竜の技発動時にモーションが変わるクラス(剣士とソードマスター)や反撃時に必殺攻撃が出るとモーションが変わるクラス(魔女)も存在し、意外と凝っている。のだがそもそもそこに至るまでの立ち合いから移動までの間が助長でぎこちなさを感じるのは否めない。 一方で手槍・手斧・弓・魔法での間接攻撃の出来は割と良い。手槍は槍歩兵であれば回しながら軽々と投げるし、手斧はFEのようなブーメラン方式ではなく力を込めて投げているのが伝わる。魔法のエフェクトは全体的に派手で、弓は通常の弓とボウガン系の弓で全く違うモーションになるなど細かい変化がある。ただしこれら間接攻撃の必殺時のモーションは上記の魔女以外は矢の先が光るだけだったり詠唱時のモーションが通常時と同じなどかなり地味。 ちなみに戦闘アニメーションをOFFにしている時のマップ戦闘アニメはFEの過去作のものとほぼ同等の出来の良さと言っても良い。若干テンポは悪いが、設定によってお互いの立ち絵だけが表示されてエフェクトも無く殴り合うだけという更に簡略化した表示にすることもできる。 隠しキャラクターである「レティーナ」の出現方法が複雑すぎて攻略本や攻略サイトが必須。 レティーナは盲目の神官の少女で、出撃しているだけで味方全員の回避率が上がるという特殊な能力を持つ。本人の能力も神官の中では強い方で、回復の杖を扱う際は他の神官よりも高い回復量を出しやすい。更に、「ちんもくの杖」という1ターンの間全員の魔法と杖の使用を封じる特殊な専用杖も使える。 しかし加入させるための方法が複雑極まりなく、更に仲間に加入した後もかなり前の選択肢で特定のキャラを仲間にしていないとすぐに強制離脱。さらに離脱時の選択次第ではイベントに関わっていたもう一人もレティーナと一緒に強制離脱、という初見では理不尽極まりないイベントとなる。しかもその選択肢が「特定キャラがいた場合に離脱を回避できる選択肢」なのもさらにタチが悪い。 この点に関してはレティーナを仲間にしてすぐ殺すことで離脱イベントを回避し、あとで蘇生アイテム(*42)を使い、とある砦の道具屋に派遣するという荒業がよく使われる。というのも、とある砦に派遣すると一時的な離脱状態となり、後戻りできないところまでストーリーを進めた時にホームズ隊に戻ってくる。そして 離脱イベントはその後戻りできない状況になる『前』に起こるもの ので、結果的に離脱イベントそのものを回避できるわけである。加入後にリュナン軍のほうで使えなくなってしまう期間が存在する弊害はあるが、ホームズ隊で育成は可能なので、やり込み的にはそれほど問題ない。ある程度プレイしていれば事前情報無しでも思いつく方法でもある。自力でレティーナを仲間にできれば、だが。 もっとも、レティーナを仲間にするかは完全にプレイヤーの任意である。ユニークな能力を持っているが攻略上重要というわけでなく、またレティーナを仲間にしなかった時のみ加入する「リベカ」という実質的な代替キャラクターの神官の少女もおり、専用杖は持たないものの能力値が高くカリスマも習得出来るので、十分一線を張れる性能を持っている。ルックスの良さからリベカもプレイヤー達から人気を博している。 上記以外も発生条件がノーヒントなイベントがいくつか存在する。 後述のオーラレインの入手イベントがその一つ。特定のタイミングで該当するユニット全員をリュナン軍に入れておく必要があるのだが、関わるユニットが全員育成機会に恵まれずホームズ隊に入れがちでイベントを逃しやすい。 オーラレインを入手したら入手したらで該当ユニットの育成が困難になるのも困りもの。レティーナイベントの解説で出ている通り、オーラレイン入手後にユニットをわざと死なせてホームズ側で蘇生させる荒技もあるにはあるが……。 同じタイミングで特定のユニットがリュナン軍に居るかホームズ隊に居るかで入手できるアイテムが変わる二者択一のものもあり、もう片方のイベント及びアイテムの存在に気付かない可能性がある。 イベントで「踊る」を習得できるユニットが居るが、習得するためのイベントを発生させられる部隊にそのユニットが居なければアウト。一応ヒントこそあるが、それはユニットの部隊分けが終わってから少し後のマップでのNPCの会話で分かる。 それ以外のイベントはリュナン軍の進軍ルート上に立ち寄る場所に用があるユニットはリュナン軍に、それ以外はホームズ隊に入れてそのユニットにゆかりのある場所に立ち寄るようにしておけばイベントの取り逃がしはしないようになっている。 仲間にする際に一癖二癖あるユニットが結構居る。 レティーナ以外も加入条件を逃しやすく、仲間にするのが難しいユニットが何人か居る。「敵側の騎士が城に囚われている少女を助けようとしているが、その騎士より先にプレイヤーが城を制圧してしまうと騎士が帰って仲間にならなくなる」「予告も無しにマップ攻略の中盤辺りで唐突に増援として登場し、登場時の台詞で誰が説得するのか判明する敵ユニット(*43)」など。 ホームズ編では敵に囲まれた状態でマップが始まる加入ユニットが多く、運が悪いと被弾し続けて回復が間に合わずやられてしまう。もっともこちらは全てのケースにおいて加入ユニットも敵も全員マップ開始時に配置されているので、リセットしたりホームズ側のユニットを鍛えてから挑めばいい話だが……。 味方を裏切って敵に回るキャラが存在する。 物語の中盤で、仲間の1人である暗黒の騎士・ジークが絶対に裏切り、以後、永久離脱する展開が存在する。 ジークは強力なステータス・数多くの所持スキル・圧倒的な成長率・騎馬兵故の移動力と移動コストの低さ(*44)、どれをとっても穴がない(*45)キャラなので、頼りにしていると後々になって手痛いしっぺ返しを受けることになる。 一方で、貴重なアイテムをもって逃げる敵キャラを追うMAP・森に囲まれたバルト要塞に攻め入るMAP(*46)など、ジークを使わないと攻略が難しくなるMAPも存在するのも事実。それでいて、リュナン軍は基本的に帝国軍の正規兵との戦いである為に難易度が高めのMAPが多く、事前情報のない初見プレイなどでは、どうしても多用することになってしまう。 ただし、ノーヒントという訳ではない。「リュナンがジークを疑っている描写がある(*47)」「呪われた武器(*48)であるデビルスピアをジークだけはノーリスクで使いこなす」「序盤で簡単に仲間になるキャラとしてはあまりに強すぎる」「倒されても死亡せず、敵の黒幕の1人である魔女カルラが現れ、ジークを連れて退却していく」等、疑うべき要素は多数存在する。 また、ジークを仲間にした時点で、ジークに好意を持ったケイトがジークに騙されて拉致されるという終盤のイベントで一時離脱してしまう(*49)。最終マップ手前でNPCとして登場するが、サーシャで話しかけて説得しないと味方に復帰しない。 内容に若干の差異はあるが、このイベントはリュナン編、ホームズ編のどちらでも発生する。つまり3回目の編成でサーシャとケイトを別々の部隊に配置してしまったら、離脱したケイトは二度と復帰しない(*50)。 またケイトを育てておらず初期ステータスに近い強さの場合、NPCとして登場した直後に処刑として敵に召喚されていたゾンビに囲まれそのままなぶり殺しにされる事もある。復帰前に死亡した場合はエンディング中の蘇生も不可能である。 3回目の編成でサーシャとケイトをリュナン軍に配属すると、ケイトが復帰したステージでステージのボスとして待ち構えているジークと戦わせる事ができる。 + ネタバレ この時、敵対したジークはケイトが死亡する攻撃を絶対に外し、ケイトが死なない仕様になっている。また、ケイトでジークを倒すと専用の特殊会話を聞く事が出来る。 ジークはかつてゾーア人の末裔としてリーヴェの軍隊によって魔女狩り同然に家族をほとんど皆殺しにされた。 ジークの姉は処刑寸前のところを暗黒教皇グエンカオスに救われてジークの身内では唯一生き残り、姉は自らの一生を懸けて幼少期から20数年に渡り投獄され衰弱していたジークを解放。 共に地獄のような日々を送った経験からゾーア帝国と邪神ガーゼルの再興に仇なす者達(≒リーヴェ人)への復讐を誓った。 ジークがリュナン軍に潜り込んだのもスパイ活動の為で、そこでケイトと出会い、ケイトは古傷だらけのジークを労り真剣に愛するようになった。 しかしジークはケイトを想いながらも祖国と姉を裏切ることができなかった……というのが一連の顛末。 なおホームズ隊側でのイベントではケイトが離脱してからジークが登場しないため、ケイトはジークの本心を聞くことなくあの男を許せないという感情を持ったまま終わる。 一般的に裏切りキャラというものはプレイヤーから批判を受けやすいのだが、ジークにはリュナン達を裏切らざるを得なかった生い立ちや深い事情があり、終盤におけるストーリーの盛り上げに一役かっているキャラでもある為、プレイヤーから嫌われる事はほとんどない。のだが、どちらかと言えば上記の通りジーク本人よりもジークの代替になる味方ユニットが限られており、事前知識が無いとジークが抜けた穴を埋めるのが難しいというゲーム上の事情に問題があると言える。 ちなみにケイトのエンディングシーンはジークを仲間にせずジークと面識を持たなかった時専用の展開がある。また、通り名が変わるフラグであるジークの離脱イベントが起こらないのでケイトの通り名が「なげきの騎士」にならない。ジークを仲間にしたかどうかは全員生存エンディングには関わらない上にジークの所持品は決して有用とも言えない(*51)ので、ゲームに慣れてきたら最初から敵状態のジークを切り捨ててプレイするのも一興。 序盤で加入するユニットの性能が抑えめである一方で、中盤以降加入するユニットの性能が優れている傾向がある。 同種のクラス内で比べれば一目瞭然で、前述の「シュラム」を所持しているヴェガなど明らかに強キャラとして設定されているユニットと、味方に同じ兵種が居ないユニット以外は中盤以降に加入するユニットと張り合えるポテンシャルをまず持たない。いずれも最序盤で加入する、いかにもな赤い騎士と緑の騎士のコンビであるクライスとアーキス、女性騎士のケイト、女性剣士のジュリア、魔法使いの少年のマルジュを育つだろうと思って育てると実はかなりヘタレやすく、FEシリーズへのアンチテーゼが含まれているのかと疑われるレベル。 + ユニットの詳細 クライスとアーキスはこの手のキャラクターにしては成長率が控えめで、下馬時でも槍を使える特殊な騎兵コマンドナイトにクラスチェンジできるが、最序盤で加入するコマンドナイトのラフィンがこの2人以上に優秀なのと、室内の槍使いであれば後述のライネルの方がよっぽど強いのでまず育成することはない。さらにコマンドナイトのパラメータ上限は他の職に比べると低い。しかしクライスもアーキスも中盤も終わり際のイベントに関わってくるというユニットなので、それらに備えるのであればイベントに合わせてステータスを調整する必要がある。 ケイトは剣と弓の両方を使える便利なユニットで、後述のルカを加入させなかった場合は序盤における唯一の弓使いなので活躍の機会はあるのだが、全体的に成長率が低い上に習得スキルも弱く、しかも彼女と同じレディナイトで初期能力値、成長率、スキルの全てにおいて完全上位互換であるシャロンが序盤に加入するので、それ以降はほぼ戦力外となる。しかし上述の通りジークを仲間にした場合はある程度育成しないと実質永久離脱になるため、全員生存エンディングを迎えたい場合は育成必須。また、ケイトはクラスチェンジ後のクラスがシステム的には強い弓騎兵のアローナイトではあるので、対戦モードでは途端にシャロン共々育成が必須になるという極端な立ち位置でもある。サーシャとロファールからの強力な支援を得られる事が救いではあるが。 ジュリアはイベントで強力なスキルである竜聖の技を習得出来るが、それを加味しても力とHPが伸びづらいので使いにくい。何より直後に加入する剣士ヴェガが、専用装備や成長率も相まって非常に強いので、大半のプレイヤーはそのままヴェガを育ててしまう。余談だが、ルクードという剣を手に入れるには、とある敵キャラをヴェガかジュリアで倒す必要があり、ジュリアをそこまで使わない場合はルクード入手のために竜聖の技を習得するイベントがスルーされる場合がある(*52)。 マルジュは風魔法を使う少年という見た目からして、いかにも大器晩成の魔術師だと思われがちなのだが、肝心の魔力の成長率が何と20%しかない。よりによって専用武器が上記の「ヴンダーガスト」であり、ウインドに毛が生えた程度の威力しか無く、役に立つのは序盤まで。あまりの酷さからヴンダーガスト諸共プログラマーの数値入力ミスが疑われる程。(*53)ただし中盤の風魔法シルフィード入手イベントは一見の価値あり(*54)。 とはいえこれらのユニットは長所で語られている通り、イベントが充実しており適切にイベントを発生させれば強力なアイテムを入手したり特殊なユニットを仲間にできる機会を得られるのと、成長率が上がるアイテムを入手できるのが中盤になるため、本命のユニットのレベルアップを抑える用途で使い続ける意義はある。また、この手のゲームは序盤に加入したユニットでスタメンが固定されやすく、中盤以降加入のユニットも使ってもらえるようにバランス取りをしているという解釈もできる。 選択制のユニットのメリットの差があまりに著しい。 序盤と中盤で「少年騎士ナロン」「斧歩兵エゼキエル」「弓戦士ルカ」「老司祭リー」「槍歩兵ライネル」の5人の中から2人だけ選べる(*55)イベントがあるのだが、選べるキャラクターの性能差、及び仲間にした際のメリットの差が著しい。はっきり言って 全員の性能とメリットを把握した上で比較すると勝負になっていないレベル である。 + ユニットの差の詳細 ナロン ルークナイトLV1 騎兵なので剣と槍を扱えるが初期能力値は低く成長率も高いわけではない。しかし所持スキルの「素質」により取得経験値が増えてレベルアップしやすく、更に上級職であるゴールドナイトのクラスチェンジのボーナスがずば抜けており一気に化ける。また、ゴールドナイトのステータス上限が全クラス中でも最強クラスであるため、成長を吟味することで名実共に最強の騎兵となることができる。 欠点らしい欠点はゴールドナイトの状態で下馬すると槍が使えなくなる上にステータスのマイナス補正が大きい点(*56)と、イベントにはほとんど絡まず、リュナンとしか支援効果が得られない点くらいである(*57)。とはいえ支援効果に頼らずとも充分過ぎる程の性能なので問題無いが。 エゼキエル アクスナイトLV4 馬に乗っていそうなクラス名だが歩兵であり、成長率は悲惨の一言。そもそも斧自体が扱いづらい武器で、習得スキルも微妙スキルの烈風の技と、通常攻略の範疇では役立てにくい地形スキルのみと、ライネルの完全下位互換状態である(*58)。終盤まで戦い抜けるか怪しいほど不遇。支援効果もレティーナからしか受けることができない。 上記のレティーナの実兄であり、裏技無しでレティーナの離脱を防ぐにはエゼキエルの加入が必須となる。また、その際の会話がとても熱く、一度は見てみる価値はある。…のだが、「レティーナイベントに気付かず見逃す、または達成できない状態になる」「通常プレイの範疇で思いつく、道具屋にレティーナを就職させる裏技を使う」「レティーナではなくリベカを仲間にしたい」これらのケースの場合は、この唯一のメリットすら消滅する。 しかも攻略本には「お勧めキャラ」などと誤った紹介がされているので、余計に性質が悪い。攻略本の情報を信じて1回目の編成で彼を仲間にして「騙された」と後悔した方は多いのではないだろうか。 一方、ホームズ隊で育成するための蘇生枠をレティーナ以外の他のユニットに譲りたい場合(*59)や、終盤戦は室内での戦いが多くなる事で騎馬系が不利になりやすいこと、クラスチェンジすれば様々な武器が使えるなどの利点は存在する。それでも戦闘力の面においてナロンやライネルに比べると厳しいのは現実だが。 ルカ 弓戦士LV2 1回目のタイミングで仲間にした場合、リュナン軍では貴重な弓ユニットになる。技と速さの成長率がずば抜けているが、力の成長率が低めで下振れしやすい難点がある。覚えるスキルは突撃、連続の技と基本は押さえている。エゼキエルとは違い、力の成長さえ気を付けていれば、終盤で使い物にならなくなるという事態にはならない。支援関係も姉のラケル、自国の王女であるサーシャから強めの支援を受けることができるため充実している。 ルカにはラケルという上級弓戦士であるボウマスターの姉がおり、ラケルはルカの有無に関わらず仲間にすることができるが、ラケルを仲間にする前にルカでラケルの家を訪問することで既に撃破数が付いた弓を入手できる。5人の中ではルカは最もイベントが充実しており、ルカが敵に殺されてしまい、それまで人間にトドメを刺せなかった(*60)ラケルが人間を殺せるようになるという悲劇的なイベントもある。なおイベントで死亡したルカの蘇生はダクリュオンを使えば可能で、発生条件を満たしていてもイベントを回避することはできる。 しかしルカにとってはこのゲームのバランスに多大に問題があり、弓で攻撃するより槍を使えるユニット(つまりナロンとライネル)がピラムを投げた方が良い場面がほとんどである。更に弓を扱うユニットとしては、攻撃後に再移動することで一撃離脱ができるアローナイトやマムルークといった弓騎兵の方がずっと都合が良い。トドメと言わんばかりに、弓歩兵としても中盤でルカの上位互換とも言える高成長率移動力成長有り良スキル持ちの女弓戦士レニーが仲間になってしまう。ホームズ隊で育成しようにもホームズもまた弓使いであり、攻略だけならホームズ1人でも事足りるので活躍の機会があまり得られない(*61)。また、ラケルも敵のHPを1残して味方にトドメを譲れる状態を維持した方が使い勝手が良く、ルカ死亡イベントを起こすメリットがあまりない。その他のイベントも、サーシャからルカに支援効果が発生する以外はラケルと微妙な性能のパラディンの間に支援効果が発生するだけと実利が少ない。 ルカ自身は決して弱くないのだが、ナロンとライネルが強過ぎてイベント閲覧目的以外では仲間にしづらいユニットとなってしまっている。ただしサーシャとの微笑ましいイベントは一見の価値あり。 リー 司祭LV15 リーは杖を使った回復と魔法攻撃が出来る味方で唯一のユニットだが、見た目や仲間にする際の「育たない」という警告通りまったく育たず、普通に使うと序盤しか役に立たない。 ただしリーを1回目のタイミングで仲間にした際に入手できる「まもりの杖」は受けるダメージを半減させるバフを付与することができる唯一無二のアイテム(*62)のためリーを選択する意義はある……というより 対戦モード重視のプレイだと1回目はリー固定。 また司祭というクラスのステータスの限界値そのものは悪くなく、杖を使うユニットの中で数少ない戦闘が伴う熟練度をまともに稼ぐことが可能なクラス(*63)で、そもそも魔法や杖を使えるユニットも限られるので丁寧に吟味すれば戦力になる可能性は秘めている。 ライネル スピアナイトLV5 2回目のタイミングで追加される。馬に乗ってそうなクラス名だがやはり歩兵で、エゼキエルとは違い成長率がなかなか高いうえに、相手のスキルを無効化する「見切りの技」まで習得する。さらに低確率だが移動力も上がる事がある。そもそも屋内で槍を使用できる味方ユニットが極めて限定される(*64)関係で、最強クラスのユニットになる可能性がある。クラスが歩兵固定であるという点が災いして再移動ができず、最終的には屋外であれば一撃離脱ができるナロンに差を付けられることになるが、ナロンと違い屋内でも能力減退の影響を受けないという強みがあるので、どちらも一長一短。 同僚であるケイトなどの最終的に騎兵になる味方ユニットとしか支援効果が発生しないため、歩調が合わない歩兵のライネルでは支援効果の恩恵を受けにくいが、ライネル自身の移動力を成長吟味で頑張って上げれば味方に追いつくようにすることはできる。また、本編中だけであればライネルは支援効果を意識するまでもなく強いので支援を意識しなくても特に問題は無い。 総合すると、戦闘力が強いキャラ(ナロン・ライネル)はイベントに乏しく、イベントに恵まれたキャラ(リー・エゼキエル・ルカ)は戦闘力が微妙…となっている傾向がある。対戦をするつもりが無い効率重視のプレイなら「 1回目ナロン+2回目ライネル 」、対戦データ向けなら「 1回目リー+2回目ナロンorライネル 」以外の選択肢は無い。特に、レティーナイベントにまず気付かないであろう初回プレイの1回目のタイミングでエゼキエルを選んでしまうと軍全体の戦力にとんでもない悪影響を及ぼすことになる。 また、リュナン軍の中盤には「 マップ下部の砂漠の中から伸びている異常に長い道からマップ上部の主戦場である開けた平原に敵の増援が殺到しようとしているので、味方ユニットを急いで送って道を封鎖する 」という育っている騎兵が複数居ないと厳しいというマップがある。このマップは1回目のタイミングでナロン以外を選んだ場合は、他の騎兵をある程度育てていないと確実に苦戦を強いられる嫌らしい構成になっている。1回目にルカやリーを選ぶにしても、このマップの存在と対策を知っていないと自軍から犠牲者を出しかねない。 もっとも、戦闘力を重視するか、対戦モードを重視するか、はたまたイベントを重視するかはプレイヤー次第であり、誰を選ぶかについての明確な意味での正解は存在しないといっていいだろう。 ラスボスは特定の手順を踏んで倒さなければ何度でも復活してしまうのだが、その攻略法が ノーヒント 。 状況から想像できる範疇の条件ではあるのだが、なにせ間違ってもヒントが出ないので気付けないとどうにもならない。しかも最終面には20ターンという時間制限まで設けられているので、余計性質が悪い。 ラスボスが復活するのを利用して最後の最後にしか使えないユニットをある程度育成することはできる。ただし熟練度稼ぎができないので極まったユニット同士の対戦モードでの使用には向かない。 カナン王国、レダ王国側のキャラクターの描写が薄い。 敵キャラも魅力的な人物が多い今作だが、取説に名前を残すゲーム開始時の敵のボス「カナン王バハヌーク」とその息子「カナン第2皇子バルカ」の出番があまりない。どちらも劇中で目立った活躍は無く、直接対決や和解も無いまま終盤で死亡してしまう。特にバハヌークが登場するのは一度きりしかなく、 実物がゲーム画面に登場した瞬間に身内に斬られて死亡する。 バハヌークは後述の公式ガイドブックの人物事典にも「愚帝」と書かれる始末。 一方バルカは会話シーンにそれなりに登場し、異国の地をほぼ問題無く(*65)治めるなど、事務方面に長けているらしいことが窺えるものの、こちらもバハヌークが死亡した直後に絶命してリュナン軍と関わることも無いまま退場していくため、消化不良感が強い。この直後にリュナンと後述のセネトの和解イベントに続いていくため、邪魔になったキャラクターをまとめて始末したように見えてしまう(*66)。 また、上記の二人に比べてシナリオでの存在感は強いが、セネトやティーエといった重要キャラの出番が少ない。 セネトはリュナンの父グラムドの親友であるアーレス(*67)の息子であり、カナン王国の継承権第1位の王子。主人公に匹敵する重要人物。共に戦っている仲間達も伝説の傭兵剣士とその娘の剣士、亡国の竜騎士王女とリュナン軍やホームズ隊に負けず劣らずヒロイックかつ個性的で、セネト自身も第三の主人公になり得たかもしれない風格を持つ。 ティーエはレダ王家の末裔であり、剣と魔法の両方を使いこなす作中唯一の魔法戦士で、ラスボスに強く関わる設定持ち。ティーエは友人のセネトと共闘することもあるがセネトとはまた違う変わった背景を持ち、そんな彼女を表立って支え獅子王子と呼ばれるリチャードという男(*68)との微妙な関係を垣間見ることができる。 といった主役級の扱いであるにも拘らずゲーム的には出番が少なく、二人ともプレイヤーが操作できるのは最終マップのわずかな間のみ。どうもセネト・ティーエ編が存在していたところを削られた結果、カナン王国陣営とレダ王国陣営のキャラクターの描写がこうなった模様。この辺りは当時の体験版の対戦モードにおいてセネト、ティーエ陣営の軍団が別個に用意されていたことや、ディレクターが後に当時の個人サイトで語っていた内容からその片鱗がうかがえる。 対戦モードのバランスが大味かつ歪。 元々が大味だった本編のルールで対戦することになるため、追加ルールを何も決めずに行うのであれば先に攻撃した側が敵を一撃で撃破できるため、基本的に先に接敵した方が勝利するようなバランスになっている。そしてこの場合、対戦モードに向いているユニットで本編中の内に熟練度と支援効果を稼ぎ、多くの地形スキル(「〇〇の戦士」)を習得させ、武器の撃破数をMAXにした側が断然有利となる。 ただしこれらには対抗策があり、敵より攻撃速度が早ければ攻撃されても先制攻撃できる「疾風の技」を持ったユニットや前述のシュラムやデュラハンを持ったユニットを前線に出すことで敵が迂闊に攻められないようにできる。シュラムやデュラハン持ちのユニットに対しても盗むスキルやシーフソードで盗んで無力化、またはソードブレイカーという剣で破壊する(*69)という手段を講じることができる。そして盗むスキルを所持しているユニットや特殊な剣の性能が微妙であるために返り討ちに遭うリスクがあるなど、賛否両論点の通りやり込み度がそのまま反映される熟練度関係の調整がどうにかできていれば一周してバランスが取れているという見方も出来たかもしれない。 全員の魔法の使用を封じる「ちんもくの杖」の効果が先攻側に対して効果が薄い。ちんもくの杖の効果の解除タイミングが「ちんもくの杖を使用した陣営にかかわらず後攻側のターン終了時」になっているためである。後攻側がちんもくの杖を使用した場合、相手の魔法による反撃を防ぐことは出来るが次のターンでの魔法の使用を防ぐことはできない。先攻側はちんもくの杖を使用することで後攻側のオーラレインを封じることが可能なので戦略的には重要な代物なのだが……。 ちんもくの杖を追加ルールで使用不可にする、先攻と後攻を一試合ごとに交代する「リターン戦」を採用することで調整は可能。 追加ルールでユニット出撃枠に戦闘力によって実質コスト制を設ける、使用可能アイテムを制限するなどかなり細かい設定ができるが、納得のいくルールにする為には試行錯誤が必要。 文字フォントが可愛らしい上に一部潰れている文字がある。 いわゆるポップ体フォントに近い。またブラウン管のテレビだとステータス画面において「ユトナの勇者」が「コトナの男者」に見えたり、「リュナン」が「リコナン」と見えるほど一部の文字が潰れていたりする。現代の解像度が良いモニターであれば問題は無いが……。 総評 『ファイアーエムブレム』生みの親の一人である加賀昭三氏が手がけたSRPGということで、同シリーズとの共通点が多い作品。 隠し要素なども多く、やり応えのある一作として仕上がっており、特にさまざまな勢力のキャラクターの心情が掘り下げられた群像劇的なストーリーは高く評価されている。 後述するように裁判沙汰で注目されてしまったのも事実だが、一本のゲームとしてみれば良い出来であることは間違いない。 FEシリーズとの類似と、FE・TS裁判 発表当初の名称は『エムブレムサーガ(*70)』。また、事前情報はいずれもFEシリーズとの明確な繋がりを連想させるものだった(*71)。 『暗黒竜と光の剣』と『紋章の謎』に登場するチェイニーが本作にも出る、などのインタビュー。 ただし初期時点ではクォータービューを採用するなど、ゲーム性の面ではむしろFEとは相違点が多かった。詳細はWikipedia『エムブレムサーガ』を参照。 体験版時点ではリュナンの髪色が青かった(参考)。当時FEシリーズはスピンオフである一作を除いて皆主人公の髪が青く(*72)、ファンの間でもFE主人公=青髪というイメージが定着していた。 キャラクター関係では他にも、『暗黒竜』のヒロイン・シーダに似たキャラ(*73)、FEに於ける似たようなクラスのキャラと同じ名前の斧使い(*74)、ペガサス三姉妹などのFEシリーズおなじみのポジションのキャラ、竜に変身するキャラ(FEに於けるマムクート)、前述のチェイニーと同じ特技(*75)を持つキャラなどが存在する。 (特にホームズ編が)『FE外伝』とシステムが酷似している。 主に全体マップ移動、二つの軍を交互に操作する、敵にモンスターが存在するといった点がよく類似点として上げられる。 FEシリーズにあるものと名前も特徴も全く同じ武器が複数存在する。主人公のみが扱える騎兵・重騎士に特効を持つレイピア、重騎士に特効を持つアーマーキラー・ハンマー等(*76)。 一部には特徴は同じでも敢て名前を変えているものもある。キルソード→キルブレード、リブロー→とおいやしの杖等。変わったところでは「クリティカル率の高い弓」の名前で、FEでよく使われるキラーボウではなく「スピニングボウ」だが、クリティカル率は普通と変わらない弓に「ボウガン」がある(*77)。 FEと被った地名はほとんどない(*78)が、あるFEシリーズの舞台を連想させるような名前の大陸も昔話に登場する。それも、名前を出す必然性が無いような場所で。 こういった内容の作品を、当時の任天堂の主力機であったNintendo 64や、発売を目前に控えていたゲームキューブではなく、任天堂の競合ハードであり同社からシェアを奪ったプレイステーションで発売した事が任天堂の怒りを買った、とも言われている(*79)。 以上のようなFEシリーズとの類似性から、任天堂側に不正競争防止法違反と著作権侵害を訴えられ、裁判に至る。 その結果、1審では「著作権を侵害しているとまでは言えない」としてエンターブレインが全面勝訴となった(*80)が、任天堂は判決を不服として控訴。 控訴審ではFEシリーズの関連作と宣伝したことについて不正競争防止法違反を一部認められ、エンターブレインは7600万円の賠償命令を下される。 ただし任天堂が主張した著作権の侵害は一審と同じ理由で認められなかった。そのため任天堂はなおも判決を不服として上告したが上告申請は却下された。今回のケースは 無敵と知られる任天堂法務部が完全勝訴できなかった 非常に珍しいものである。 上記の裁判の影響により複雑な権利関係の問題が発生しているからなのか、望まれている声が多いものの本作のリメイクやゲームアーカイブスでの配信は絶望視されている。 しかしながら、今回の判例は、「ゼノギアス」と「ゼノサーガ」や「タクティクスオウガ」と「ファイナルファンタジータクティクス」、「悪魔城ドラキュラ」と「Bloodstained Ritual of the Night」など、スタッフが共通していれば、ある程度作風が似通っても問題ないという前例になっており、そういう意味では意義のある裁判だったと言える。 また、著作権法違反で訴えられたことから、ネット上では「パクリゲー」と揶揄する意見も見受けられた。しかし上記の通り著作権法違反の主張は退けられているため、この意見は適当ではない。 さらに、本作のもう一人の主人公であるホームズは、今までのFEにはない破天荒な面が人気を博しており、FEシリーズでものちにヘクトル、アイクといった、ホームズに似た気質の主人公が登場しているなど、ある意味では互いにいい部分を補い合っているという声もある。 余談 続編である『ティアリングサーガシリーズ ベルウィックサーガ』は差別化の結果、本作とは対照的に極めて取っつきにくく尖りに尖ったゲームとなった。 2016年に、本作のプロデューサーである加賀氏がフリーゲームとして『ヴェスタリアサーガ』を発表。ヒロインの職業など、本作を知っているとニヤリとさせられる要素があちこちにちりばめられている。 予約特典として体験版が配布された他、ゲーム雑誌にも体験版が付録として付いていた。 map3までしか遊べない仕様でほぼ製品版と同じだが、台詞や一部設定が微妙に違う。また、製品版ではクリア後にしか遊べない上記の対戦が最初から遊べる。こちらはあらかじめ決められたチームから選ぶ仕様。 この対戦で選べるチーム内のキャラには、製品版ではボツになった者がわりといる。一部はデモ画面の戦闘シーンや、顔グラフィックはモブとして製品版に流用されているが、完全ボツになった者も少なくない。 動画サイトでは、この体験版にチートを使うことで先々のMAPまでプレイできたものがあげられていた。その中には製品版とは大きく違う展開も存在する。なお一部のボツキャラは『ヴェスタリアサーガ』にて、まさかの復帰を遂げている。リリース版ではクリアデータを一つ以上用意しないと対戦モードで遊べないが、体験版だとプリセットで用意されているパーティのデータも使えた(*81)。 コイントスで金を賭けて遊べる施設があるが、デフォルトでカーソルが合っている選択肢が「表に賭ける」でも「裏に賭ける」でもなく「 うーん… 」という選択しても無意味なものになっており、地味に連射コン対策されている。 販売本数と人気の割に、本作に関連する物は小説が1作品しか出なかった。ストーリー上はメインキャラなのに影が薄い人物や、詳細が不明なキャラ(*82)等の外伝シナリオを続編や小説作品にて望む声も多く聞かれたが、裁判沙汰の影響もあり難しいと思われる。 PS全盛期ということもあって30万本以上のセールスを記録した。 発売元が同じということもあり、ファミ通からオフィシャルガイドが発売されている。 唯一の公式本と言うこともあり人物図鑑などの資料は充実しているが、肝心のゲームの攻略内容は自社ソフトであるにもかかわらず誤植や間違いだらけであり、全くアテにならない。 特に有名なものが、死生の技を発動させたメリエルでオーラレインを使うと全ての敵に必殺ダメージを与えられるというものだが、全体攻撃にスキルの効果は反映されない。 「弓の女神ブリギッド(*83)の申し子ラケル」、対戦モードのマップ名の「フォレストナイト」など、裁判では取り上げられなかった細かいところでもFEと被ったり意識していると思われる要素が多い。今となっては敢えてFEシリーズとの類似点を探してみるのも楽しみの一つになるかもしれない。 のちに、ファイアーエムブレムシリーズのスタッフである堀川将之氏が『Redemption Reapers』を手掛けている。 こちらもファイアーエムブレムシリーズとのかかわりが深い作品であるが、関連作という宣伝をしていないうえ、Nintendo Switchでも販売されているため、本作のような問題は発生していない。
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