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ラノベ原作、アニメは三期の製作決定にゲームと高い人気 ちなみに二期は好き嫌いが別れるらしいので悪しからず 雪風の使魔◇/epW/FoZe2 ゼロ魔のクロスでスタートを切るも、まぁすったもんだの末に休止中 ゼロの使い魔クロス-01 ゼロの使い魔クロス-02 ゼロの使い魔クロス-03 ゼロの使い魔クロス-04 クリスマス外伝 正月予告編? 雪風の使魔 正月予告編?02 DSS氏の作品 ■ 『運命と星の使い魔』 ├ 第一話『使い魔とリア充爆発』 ├ 第二話『ガンダールヴ大地に立つ』 ├ 第三話『魔剣デルフリンガー』 └ 第四話『LOVEデスティニー』 名無しさん達のゼロの使い魔作品 名無しさんのゼロの使い魔小ネタ-01 元ネタ別インデックスへ 作者別インデックスへ トップページへ
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前ページ次ページゼロの使い魔クロス 闇、太陽の光どころか、月の光も、星の光も何一つない漆黒の闇。 その中を少年は一人、パイロットスーツに身を包んだまま漂い続けている。 微動だにせず、その目は開いたまま、漆黒の闇の中を漂い続けている、まるで生きる屍の様に。 「…俺、アスランに負けて…デスティニーも壊されて…そうだ、レイは、ルナは…ミネルバのみんなは…」 少年、シン=アスカは、まるで人形のようにその瞳の光を失っていながらも、必死に何かを探すように顔を動かしはじめる。 自分の状態など気にするでもなく、周りが漆黒の闇であることさえも気にせず、戦友達の姿を探そうと、安否を知ろうと顔を動かし続ける。 「オニイチャン…」 そんなシンの耳に、彼には聞き覚えのある、いや、何があったとしても絶対に忘れられない最愛の妹の、マユ=アスカの声が響く。 「マユ…マユ、なのか? 近くにいるのか……?」 シンはその声を手がかりにするようにゆっくりと体を動かし、漆黒の闇の中を泳いでいく。 だが、その声のする方向には何もなく、シンも唯の幻聴だったのかと思い、諦め様としたそのときであった。 「どうして、マユの携帯を取りに言ったときに、マユも一緒に、タスケテクレナカッタノ?」 突如として、シンに抱きつく物がいたかと思うと、怨嗟を含んだ声でシンの耳元でそう囁く。 死者のようなその冷たい体をシンに押し付けながら。 「う、うわぁあああああああああああああああ!?」 シンは、その存在の姿を―血塗れで片腕を喪失しているマユの姿をしたナニカを―認めると同時にそれを振り払い、逃げるようにして駆け出し始める。 そう、先ほどは泳ぐようにして移動したというのに、その漆黒の空間を必死に、血塗れのマユの声を振り切るように逃げ続ける。 「シン… ステラの事守るって、言った、ステラは死なないって、言った ……なのにどうして?ドウシテステラヲコロシタノ?」 必死に逃げ続けていたシンの耳元で、彼が愛した女性ステラ・ルーシェの、悲しみを含んだ声が響いたと思うと同時に、同じく血塗れのステラが彼の目の前に突然現れる。 「あ…… アァ………!?」 その突如として現れた血塗れのマユとステラの姿に完全にシンは動揺してしまい、ゆっくりと、這うような速度で近づいてくるステラとマユから逃げる事さえもできなくなっていた。 そして、その血塗れのステラとマユの姿をした存在はシンに抱きつくようにして押し倒すと、死者の様な瞳を、シンの瞳へと合わせて、視線をはずさせないようにする。 「「シン(お兄ちゃん)、寂しい、寒い、悲しい… もう、一人は嫌(だよ)、だから、シン(オニイチャン)も死んで、イッショニナロウ?」」 そういい終わったかと思うと、二人は大きく口を開き、シンの喉元に牙を立て、まるでゾンビのようにシンを食い殺そうとし始める。 シンは、そんな二人を必死に振り払おうとしたが、あまりに強い力で押さえつけられている為に振り払う事はできず、ただ、叫びを上げる事しかできなかった…… 「や、やめろ、ステラ、マユ…!! う、ウワァアアアアアああああああああああああああアア!!」 「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア………!?!」 月に照らされる森の中で、全身から搾り出すような叫び声をあげながら、シンは跳ね起き、反射的に自分の喉下に手をやり、食い破られてないかどうかを確かめる。 「ハァッ、ハァッッ… き、傷は…ない、脈もある、俺は生きてる…… あれは、夢だったの、か……?」 シンは、荒くなっている呼吸を落ち着けながら傷がない事と、脈があること―つまりは自分が生きているという事―を確認すると、ゆっくりと頭を項垂れた。 「なんで……あんな夢……… ナッッ!!」 ゆっくりと、自分を落ち着かせるように頭を上げていたシンだったが、とある不自然な光景が目に入ると同時に、驚愕の表情をその顔に貼り付ける。 自分がパイロットスーツであると言う事にも、ヘルメットがないのに呼吸ができているという事にも気付かずに、その目に入った光景に唯驚愕していた… 「何で…なんで、月が二つもあるんだよ、なんなんだよ…ここは………」 シンの視界に入った二つの月、寄り添うように空に浮かんでいる、地球からどころか、プラントから眺めたとしてもありえるはずのない光景。 シンは、その幻想的ともいえる光景に心奪われるように見入っていたが、突如として耳に入り込んできたガサリという音に反応して咄嗟に構える。 「……(サバイバルナイフが一本、ハンドガンも一つ…予備のマガジンは二個か)」 シンは自分が今もっている武器を確認しながら、右手にハンドガンを、左手にサバイバルナイフを構えながらその音をした方をにらみ付ける。 パイロットスーツのシンが何故之だけの武装を持っているのかと疑問になるかもしれないが、之はシンにとって、いや、パイロットにとっての基本装備でしかなかったという事である。 CEでの戦争において、MSパイロットの戦死率がもっとも高い理由は機体が破壊された時の爆発に巻き込まれたりコックピットを貫かれたりしてなのではない。 むしろ、MSを破棄した後の撤退時に流れ弾を食らったり、敵の白兵部隊に殺害されたり、現地の獣に襲われて死亡するという確率のほうがよっぽど高いのだ。 特に、殲滅戦争でしかないナチュラルとコーディネイターの戦争では捕虜という物は基本的にない。 捕えれば確かに捕虜として扱うが、殺してしまえば捕虜ではなく敵として処理できるという事だ。 だからこそ、人員が少なく、優秀なパイロットの生存が必須なZAFTではMS操縦技術と同時に白兵戦技術、並びにサバイバル技術も徹底的に叩き込んでいたのだ。 そして、シンもプラントのアカデミーではトップクラスの実力を誇り、オーブからの移住者でありながらその証である赤服に身を包んだ生粋のエースである。 内心ではまだ自分の状況に困惑しているだろうに、物音の原因が自分の敵である可能性を理解し、確りと戦うか、逃げ出せる体勢で構えていた。 「きゅいきゅい~~~」 そんな、妙に甲高い様な、何かの泣き声のような音が響いたかと思うと、物音のした所にあった気配がどんどんとシンから離れていった。 「ハァッ…… なんだ、唯の動物か」 シンも安堵したのか、ハンドガンを元の位置に戻すと改めて自分の取り巻く環境を確認し始める。 「一面木だらけの森、川は…近くにはないか、取り合えず今日は寝床を確保しないとな……」 夜間、しかも月が二つ見えるという明らかに自分の常識が通じなさそうな場所という事を考えてシンはその場で簡単な寝床を作り始める。 寝床、といっても本当に簡単である、近くの木の上に変な生き物がいないかを確認した後、寝床として使えそうな枝を見つける。 そしてその枝の周囲に、備え持ちしていた糸と近くの木をサバイバルナイフで切って削り、それらで鳴子を作って動物の接近に気付けるようにしただけである。 一時間ほどで寝床を設置したシンは深く考えずに、取り合えず眠る事にだけ専念をしたのであった……… そして翌朝からシンは水場の確保と、食料の確保に専念する事となった、之もすべては生き延びるためのサバイバルである。 自分の常識が通用しないかと恐れていたシンだったが、その恐れは杞憂であり、多くの食物と水質などはシンの世界とそう大きく異なるものではなかった。 時々巨大なモグラにであったり、物凄く苦い草(はしばみ草)を齧ってしばらく悶えたりというハプニングもあったが、かねがねサバイバルは上手くいき。 最初の三日間はかなり警戒しながらサバイバルをしていたシンだったが、四日目からは段々と慣れ、一週間がたった頃にはすでに周囲の地形を完璧に覚えられていた。 そして、運命のその日、シンは前日にやや遠出をして木の実を集めたために徹夜してしまい、仮眠を取ろうと朝から横になっていた、鳴子を仕掛けることも忘れて。 それからしばらくの時が過ぎ、シンが起きた頃には既に昼を過ぎたくらいになっていたのだが、それ以上にシンにとって驚愕すべき事が目の前に存在していた。 「……フンフン、きゅいきゅい~」 仮眠からさめたシンの目の前には、シンの足の匂いを嗅いだのか、臭そうに顔をしかめている青い鱗で、三本角の様な頭部と翼を持った蜥蜴の様な不思議な動物。 ファンタジー小説などではいわゆるドラゴンと言われる生物が、シンの目の前で滞空していると言うなんともいえない光景が広がっていたのだった。 まだ、それだけならシンも刺激をしないようにとゆっくりと動いていただろう、だが、幸か不幸かシンは見てしまったのだ。 唇が乾いたのか、それともシンを捕食しようとしているのか、その唇を大きな舌で舐め回すというそのドラゴンの姿を。 もしも、もしもシンが底抜けの天然か、このドラゴンの知り合いだったと言うなら前者と取っただろうが、あいにくシンはそのどちらでもない。 100人中90人が取るだろう後者の結論、このドラゴンは自分を捕食しようとしていると言う判断を下したシンの行動は実に素早かった。 「そうやっていっつも…食えると思うな~!!」(パリィィィーーン!!) 何が気に障ったのかは知らないが、怒りの叫び声をあげながらシンはそのドラゴンを足場にして飛び越え、そしてその勢いのまま一気に駆け出す。 一瞬あっけに取られていたドラゴンだったが、即座に反転するとシンに向かっての追撃を開始する。 「クソッ、お前はいったい何なんだ~~!!」 ドラゴンが追撃してくると理解したシンは、クリアな視界とスローに動く世界の中で小石や枯れ枝など投擲に適したものを拾い上げては後方に向かって投げつける。 無論、之でドラゴンが諦めるとは思っていない、だがこういう妨害を行えば相手の速度は落ちるし、何より気力を削いで追跡を諦める切欠にはなるのだ。 実際に種割れモードのシンの投擲は実に正確で、走る速度を落とさぬままドラゴンに向かって確実に小石や枝をぶつけている。 ちなみにハンドガンやナイフは所持はしているが、シンは使うつもりは無い、補充の目処が立ってない以上それらは最後の切り札として温存する必要があるからだ。 「いたい、いたい、いたいわ、うぅ、人間なんて珍しいからお話したかっただけなのに、もう怒ったんだから、きゅいきゅい!!」 そのシンの投擲を受け続けていたドラゴンから見た目に似合わないほど可愛らしい声が漏れたかと思うと突如空気の壁が現れ、小石や枝を吹き飛ばしていく。 つまりは、ドラゴンの進行を妨害していた物がなくなったということで、その結果ドラゴンは一気に加速しシンとの距離を詰め始める。 自分を妨害するものがなくなったとはいえ、先ほどまで色々投げつけられていた事に腹を立てているのか、ドラゴンは大きくその口を開きながら滑空していく。 「えっ… 女の子の声……!?」 だが、シンはそれ以上に驚愕すべき事実、自分以外に周囲に人間はいないというのに、人間の言葉が聞こえた事で思わず立ち止まり、その声のほうへと振り返る。 そう、その声の主であり、シンを捕獲せんとつい先ほど加速して、そして怒りのあまりか大きく口を開けているドラゴンの方向を、である。 シンは完全に立ち止まっている、しかしドラゴンは加速して大きな口を開いている、その結果……… 「あっ……」 「きゅいきゅい~!?」 パックンチョ♪ そんな擬音が聞こえそうなほどに見事にシンの上半身はドラゴンの口の中にホールインワンしてしまったのであった。 しかしドラゴンもそのままシンを貪り食うのではなく、シンを口の中に入れたまま高く飛び上がると自分の巣のある方向へとゆっくりと飛び始める。 シンも諦めたのかそれともあまりの衝撃で気絶しているのか微動だにせず、時々ドラゴンが甘噛みするのに反応してぴくぴくと動くだけであった。 ドラゴンもそんなシンに気を取られていたのだろうか、突如として目の前に現れた巨大な魔法陣の存在を気にする様子もなくするりとその中に入っていってしまっていた。 トリステイン魔法学院 そこでは学生達の一生を左右すると言っても過言ではない儀式、生涯の相棒ともなる使い魔を召喚する「サモンサーヴァント」の儀式が行われていた。 次々と学生達が自分のパートナー達を、蛙だったり巨大土竜だったりを召喚しては使い魔としての契約を結び、順調に儀式は進んでいた。 途中、ゼロのルイズと呼ばれる少女が人間…しかもその世界での魔法が使えない平民を呼んだ事でひと悶着はあったが、かねがねは順調であった。 そして私事で少し遅れてしまったらしいタバサという少女がサモンサーヴァントを行い、自らの使い魔となり得る存在を召喚した時、混乱がおきた。 「ど、ドラゴンだ…しかも人を咥えているぞ!!」 「人食いドラゴンだ!!タバサが人食いドラゴンを召喚したぞ~!!」 タバサが召喚したのはウィンドドラゴンと呼ばれるその世界でも高位の存在、学生が呼び出した事は珍しいが、それだけならまだこんな混乱はおきるはずはなかった。 その混乱の原因は、その召喚されたドラゴンの口からはみだす足である、そう、シンを甘噛みしているドラゴンを呼び出したからなのであった。 しかし他の人間には口の中でシンが生きている事実も知らないし、ドラゴンもただ甘噛みしているだけと言う事実だって理解できるはずがない。 よって、人食いドラゴンを食事中に呼び出してしまったんだと言う認識になってしまい、その場は大混乱に陥ってしまったのであった。 「……吐き出して」 しかし、そのドラゴンを召喚した当人であるタバサはじっとドラゴンの瞳を見つめていたかと思うと、突然そう呟いた。 誰もがそんなタバサの無謀ともいえる行為を恐れた、タバサもそのドラゴンに食われるのではないかと言う思いを抱いた。 そして、その学生達を束ねていた教師であるコルベールという頭部が寂しくなっている男性が魔法を詠唱してドラゴンの注意を自分にひきつけ様としたそのときであった。 「きゅいきゅい~」 ドラゴンがえらく可愛らしい声でそう鳴いたかと思うと、タバサの言葉どおりに口の中に入れていたシンをペッっと吐き出したのであった。 吐き出されたシンは気絶している様子ではあるが命に別状も無く、唾液まみれな事意外は特に外傷も無く呼吸も確りしていた。 「ふむ…じゃれついていたのか?まぁ仕方ない、特例になりますがこの神聖な儀式で召喚されたいじょうはそのドラゴンと、その人間はミス・タバサの使い魔です、儀式の続きを」 そんなシンの様子と見慣れぬ服装、そして明らかに自分が知らない高度の技術が使われている銃に興味がいっていたコルベールだったがタバサに続きを促す。 タバサもそれに反応するように一度だけうなずくと、契約の呪文「コントラクトサーヴァント」の呪文を詠唱し、ドラゴンと、いまだに気絶しているシンに口付けを行う。 その後、シンの左手に不思議な文字、契約の証であるルーン文字が刻まれた事を確認すると、コルベールは生徒達に解散を通達した。 その言葉に従って次々と自らの魔法で空を飛び、自分の使い魔とともに寮へと帰っていく学生達の中で、唯一違う行動を取っている者たちがいた。 一方はルイズと言う名の少女と彼女の使い魔となったサイトと言う少年、彼女達は魔法で飛んでいくのではなく、自らの足で寮へと帰っていく。 そしてもう一方はシンとドラゴンを召喚したタバサという少女、彼女はドラゴンに名前を、「シルフィード」と言う名前を与え。 シンをシルフィードに背負わせ、自らもその背中に乗り、所々回り道をするように滑空しながら寮へと戻っていった。 本来は呼ばれるはずの無かった少年、シン=アスカ、歴史とは本来たった一つの要素が加わった程度で流れが変化する物ではない筈であった。 だが、その要素が多くの人との繋がりを持ち、流れの中心に位置し始めると、歴史は大きく揺り動かされる事となる。 その流れの先が行き着くのは安息の光か、更なる苦痛の闇なのか、その当事者となるシンでさえも、今はまだ何もわかってはいなかった… 前ページ次ページゼロの使い魔クロス
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前ページ次ページゼロの使い魔クロス シンがシルフィードと言うウィンドドラゴンに咥えられたまま召喚され、タバサの使い魔となって既に四日が過ぎた。 召喚された当日の夜に、タバサの部屋でようやく気絶から目覚めたシンが最初にした事はタバサとの情報交換であった。 タバサ側からはシンが自分の使い魔になったと言う事、シンを咥えていたドラゴンの事、そして今自分のいる学院の事等を。 そしてシン側からは自分は元軍人だったということ、自分がいた場所は恐らくこの世界ではないと言う事等を伝え合う事となったのだった。 無論、タバサもシンの情報は最初から鵜呑みにはしなかった、だが、あまりにも自分が知っている世界の常識と異なる情報からその事実を認識する事になったのだ。 タバサは日頃から本を読み漁り続けていると言う事から学生でありながらも下手な学者よりも遥かに知識に精通している。 その為、シンが言っているプラントと言う言葉、ナチュラルとコーディネイター、そして月が一個と言う話を聞くにつれて、異世界からの訪問者と認識するようになったのだ。 事実、この世界ハルケギニアにはこういった「異世界からの訪問者」と言う伝承は以外に多い、もっとも、多くの人間はそんな事を信じはしないが… だが、タバサはシンの瞳をじっと見つめ、嘘を言っていないという確信を得たために、シンの言葉を信じることにしたのであった。 そして、タバサは幾つかの条件をつける以外は基本的にシンの自由を許す形を取ることとなったのだ。 まずはシルフィードが会話可能だと言う事を他の人間に漏らさないこと、そして近郊の森に小屋を構えてそこで一緒に住んでほしいと言う事。 前者の理由はシルフィードは貴重な種族で、そのことがアカデミーの研究者たちに知られると実験材料に提出しろと言われかねないということだった。 元々シンもそういった連中には激しい嫌悪を抱く性質なので前者の条件はあっさりと飲んだ。 そして後者はシルフィードもずっと話せない、そして寝るときに一人では可哀想だというタバサなりの優しさである。 シンも、最初食われそうになった事もありやや警戒していたが、そもそもの原因が自分の誤解だと知るとその罪滅ぼしをかねてそれを承諾したのだ。 トリステイン学院近郊の森 シンとシルフィードの小屋 「きゅいきゅい、朝よ朝、おきて、お話、お話の続き~」 「ふわぁぁ…、わかったわかった、朝食の用意するから少し待てって…」 そんなこんなで学院からやや離れた森で同居する事となったシルフィードとシンの朝は非常に早く、日が昇るとほぼ同時に始まる。 これは学院についたら喋れなくなるシルフィードが先にシン相手に出来るだけお話をしたいという思いがあっての事だった。 というのも、シンは学院についた後シルフィードと自分の食事のせめてもの礼として食堂で働く事になったからだ。 最初はお話の時間が少なくなると渋っていたシルフィードだったが、シンが食べ残しで出たお肉を持って帰ると言う事で何とか納得したようだった。 実際シンは余り物や調理した時に残った野菜屑等を貰って帰り、それを簡単に調理して朝食にし、シルフィードもそれを食べるのが楽しみになっている。 「それで、昨日は何を話してたんだっけ?」 「えっと~…そうそう、ヨウカンって子とであったときの事だったわ」 「ヨウカン? あぁ、ヨウランの事かあいつとであったのはアカデミーの食堂で…」 シンはまるで妹に語る様にシルフィードに調理した肉や野菜を与えつつ、自分の食事を食べながら思い出話をシルフィードに聞かせる。 シルフィードにとっては未知の世界の言葉ばっかりだったが、それでも人間の話が聞けると言うだけで嬉しいのかいつも満足そうだった。 人間とドラゴンと言う姿の違いさえ気にしなければ、まるで兄妹の会話のように自然な会話が二人の間では繰り広げられていた。 「で、アイツは唯の事故だって言うのに俺の事を変なあだ名で… って、そろそろやばいな」 「きゅいきゅい… 太陽が大分昇っているのね、そろそろシンのお仕事の時間、早く乗って、急いでいきましょう」 放っておけば何時までも続きそうな二人の会話だが、そうもいかずシンの仕事の時間が近づくと一度お開きになる。 ちなみにシンとシルフィードがどうやって時間を知っているかと言えば、シンが作った簡単な日時計で時間を計っているのだ。 朝食が終わり、仕事の時間が近づくとほぼ同時にシンは荷物を入れたバッグを手に持ち、シルフィードの背中に乗って学院の食堂へと向かう。 ちなみにその飛行中は学院に近づくと言う事から会話が殆ど出来ないのでシルフィードも減速はせず、かなりの速度で向かうようにしている。 トリステイン学院 食堂裏口 食堂の裏口付近まで来るとシルフィードは減速し、そのまま着陸する、そしてそれとほぼ同時にシンがシルフィードの背中から降りて裏口から食堂に入る。 「今日もサンキュー、シルフィード、また帰りも頼む」 「きゅいきゅい~~」 その寸前、裏口に入るかはいらないかの時にシンは何時もそう簡単にシルフィードを労ってから内部に入る。 そしてシルフィードもそれを聞き、シンが入るのを見届けた後に再びゆっくりと飛行を始め、空のお散歩を開始するのであった。 「おはようございます、マルトーさん」 「おう、来たなアスカ、ほれ、今日のノルマだ、確り頼むぜ!!」 「了解です」 調理服に身を包んだシンが食堂に入ると同時にその食堂を取り仕切る料理長であるマルトーに声をかけ、マルトーもそれに返事をしながら野菜の束をシンに渡す。 之はシンが幾らサバイバルやある程度の食事が出来るとはいえ調理師としての実力は持ってない事から、野菜の皮むきや下拵えを担当する事になったからである。 ちなみに、この食堂で働こうとシンがマルトーに頼み込んだときには少しひと悶着が起きたりもしている、それを少し語るとしよう。 マルトーはこのトリステイン魔法学院で働いてこそはいるが、本来は魔法が使えるからと威張り散らしている貴族が大嫌いな人間である。 もっとも、それはマルトーが特別と言うわけではない、この世界での平民―魔法が使えない人々―が当然のように抱いている感情である。 しかし、魔法を持たない平民はどれだけ足掻いても魔法が使える貴族には勝てない、そういう考えがこの世界には蔓延している。 だからいかに嫌悪の感情を抱いたとしても、反逆の刃を向ける事は出来ず、ただひたすらに耐えるしか出来なかったのだ。 そして、そんな彼らから見た、タバサの使い魔となったシンの姿は「貴族に媚を売っている裏切り者」と印象であった。 最初は使い魔、つまりは奴隷同然の扱いを受けるだろうとして同情されかけたのだが、タバサは一切そんな事を行わなかったからである。 特に、同じように召喚されたサイトと言う少年がその主であるルイズに犬扱いされている事からも、シンへのそういう逆風は強くなっていた。 だからこそ、シンが最初に働かせてほしいと言っても、マルトーは当然のようにそれを拒絶し、ご主人様の貴族に養ってもらえと言い放った。 だが、シンは拒絶されても何度も、何度もマルトーに頼み込んだ、途中で怒ったマルトーがシンの顔を蹴り飛ばしても、それでも頼み込んだのだ。 そんなシンの必死な態度にほだされたのか、マルトーはたった一つだけの質問をした、雇うか雇わないかの判断のために。 「お前は何でそんなにここで働きたいんだ? 別に働かなくてもあのタバサって貴族様ならひどい扱いはしないだろう?」 そんなマルトーの問いに、シンは必死な表情をして答えた。 「俺は、迷惑をかけたくないだけです、タバサには色々と助けてもらっているから、少しでも、迷惑をかけたくない、だから働きたいんです。」 そんなシンの言葉を聞いたマルトーは、覗き込むようにしてシンの瞳をじっと見つめていたが、柔らかな笑みを浮かべると、シンの頭を軽くなでる。 「迷惑をかけたくないから、せめて食い扶持くらいは自分で…か、顔を蹴って悪かったな、下拵えや皮むきくらいはできるな?今日から働いてもらうぞ?」 「あ、ありがとうございます!!」 そのシンの言葉に偽りは混じっていないと思ったマルトーは、シンの顔を蹴った事をわびると近くにあった予備の調理服をシンに手渡しながらそういい。 そしてシンもその調理服を受け取ると、まるで少年のような無垢な笑顔を浮かべて、マルトーに深く礼をすると近くの少女―シエスタと言うらしい―に案内されて更衣室に向かっていった。 しかし、シンは気付いていなかった、過去の自分なら間違いなく蹴られればマルトーに襲い掛かっていたと言うのに、何故今の自分は我慢していたのかと言う事を。 失う事への潜在的な恐怖に蝕まれてしまった己の心の歪みにシンは気付かないまま、トリステインでの日常生活に馴染み始めていたのであった…… 閑話休題 野菜の下拵えや皮むきくらいならシンも中々の手捌きをみせらる事ができ、まったく出来ないと思い込んでいたマルトーをほんの少しだけ感嘆させたりしていた。 とはいえ、その皮むき技術などもサバイバル技術の延長線上の為、細かい細工技術はさすがにシンでは出来ないのもまた事実であり。 そういう細工部分は一緒に皮むき等の下拵えをしているメイド達、特に最初にシンと会話してきたシエスタと言う少女によく習う事になっていた。 シンはさすがコーディネイターと言うべきか、技術の吸収は早く、最初は足手まといの部分もあったがどんどんと急成長していた。 その成長速度は、シンから約一日遅れで食事抜きの期間賄い食を貰う御礼にと手伝いに来たサイトが激しい闘志を燃やす程でもあった。 そして、シンも元々の性格柄か相手にライバル視されてスルーできない性格で、その結果発生するサイトとシンの競争のお陰で下拵えの終了速度はどんどん早くなっていたりする。 「よ~し、アスカ、今日はそれでいい、後はサイトに任せてデザートの配膳の手伝いを頼む」 「え… いいんですか?」 「あぁ、下拵えも大半終わったからな、訓練もかねて残りはサイトに任せたい、だからお前はシエスタ達の手伝いを頼む」 マルトーのその言葉にシンは頷き、デザートの配膳準備をしていたシエスタ達の手伝いに向かう。 ちなみにこの食堂では基本的に配膳はメイド達が行うようにしている為、シンがその手伝いをすると言うことは女学校に紛れ込んだ男一人の状態になる。 そして、シンの顔立ちも決して悪くは無いどころかかなりランクは高い、その結果メイド達の中にはシンと御近づきになろうとするものも出てくる。 もっとも、女性に非常に弱いシンにとってそのアプローチを回避する有効な手段が思いつかないのでシエスタに話しかけてそこから抜け出ると言う形になる。 そんなラブコメな空気を見ていたサイトは「シンの癖に… いや、逆に考えよう、キラやアスランじゃ無くてよかったと…」と、不思議な言葉を呟きながら皮むきを続けていた。 配膳開始間際はシエスタと一緒に配っていたシンだったが、4人程回ったところであらかたの配り方を理解し、シエスタと別行動を取るようになった。 多少のぎこちなさはあったが、女性陣には美形といえるシンが配膳してくれると言う事で案外良好な受け入れ方をされていた。 そして、シンが自分が担当する最後の人物にデザートの配膳を終えたそのとき、食堂の隅のほうに不自然な人だかりをみつけ、そちらの方に向かって歩いていった。 「申し訳ありません!! 申し訳ありません!!」 「まったく、之だから平民は… いや、平民ごときに配慮を期待した僕が愚かだったのかもしれないね」 その人だかりの中心では、明らかに貴族のお坊ちゃまと言う感じの男がシエスタに何か因縁をつけている様な光景が広がっていた。 状況をよく理解できていなかったシンは幸い付近にいたタバサの姿を認めて、状況を聞こうと声をかけた。 「なぁ、いったい何がどうなっているんだ?」 「……二股の痴情の縺れ、そして少女に責任転換」 シンの疑問にタバサは本を読んだまま、はしばみ草のサラダを食べながらあっさりとそう答える。 そして、シンはそれだけの情報でも大体の状況を理解し、シエスタを助けようと人だかりを割って中にはいっていく。 「貴族を侮辱した平民を処刑してもいいんだが… 女性相手に手を上げるのは紳士ではないな、そうだ、この侘びに一晩僕に付き合ってもらおうか な?」 最初は憤怒の表情だけであったが、実はスタイルも顔も良いシエスタを好色な瞳で見始めたその貴族は自分の夜伽の相手をしろとシエスタに言い寄る。 貴族に平民は逆らえない、その事を生まれた時からずっと教え込まれたシエスタは、悲痛な表情を浮かべてそれを受け入れようとした…その時。 バッキィィイイ!! 「いい加減にしろよ、アンタは!!」 憤怒の表情を浮かべたシンが、全力の右拳でその貴族の顔を殴りつけ、シエスタと貴族の間に割ってはいる。 「ウグッ… 平民…いや、ミス・タバサの使い魔か、貴様、使い魔ごときが貴族に手を上げて唯で済むと思っているのか!!」 「あぁそうでした、アンタはお偉いお偉い貴族様でしたね、でもな、仲間が言い掛かりつけられている所を見逃せるもんか!!」 最初は挑発するように、そして後半では殺気さえも伴った威圧感を漂わせながら、シンはその貴族に対してそう反論する。 「…シエスタに謝れ、そうすれば俺も謝ってやるさ」 ゆっくりと、戦闘態勢にはいり、殺気を隠さないままその貴族を威圧し続けるシン。 そして、その貴族も、幾つもの実戦と修羅場を潜り抜けてきたシンの威圧に押し負けるように怯み、冷静さを取り戻したので謝ろうとしていたのだが… 「おいおい、ギーシュの奴魔法も使えない平民、しかも使い魔ごときにびびってるぜ」 「そりゃその程度の奴はモンモランシーにも、あの一年の女にも捨てられるよなぁ」 「所詮ドットメイジなのに二つに手を出したのが大間違いって事か?」 外野から聞こえるシンと対峙している彼―ギーシュ=ド=グラモン―を嘲る声により冷静さを失い、逆にシンに対して憎悪を抱くようになっていた。 「ふ、フフフ…… いいだろう、貴族に手を上げた君に、死刑されるだけの君にちょっとしたチャンスをやろう、ヴェストリの広場で決闘だ!!」 そして、ギーシュはその憎悪の感情のままに、自分の理性が「やめろ、謝ったほうが安全だ」と警鐘を鳴らすのを無視して、シンに対して決闘を申し込んだ。 「…謝る気は無いんだな?」 「くどい!! どうしても謝らせたいなら僕を、このギーシュ=ド=グラモンを決闘で破りたまえ、平民の使い魔君」 シンの最後通達と言える声にも、ギーシュは冷静さを取り戻せないままそう言い放ち、決闘の場所であるヴェストリの広場へと向かっていった。 そして彼らを取り囲んでいた貴族たちも、面白い見ものが始まるといった表情で次々とギーシュの後に続いていったのであった。 そんな貴族達にまるで路傍の石でも見るかのような視線を向けていたシンだったが、シエスタが座り込んだまま怯えている様子だったので声をかける。 「大丈夫かシエスタ?」 「こ、殺されちゃいます!! 私が私が犠牲になればアスカさんは… お、お願いです、決闘なんてやめてください!!」 シンの言葉に反応するように、シエスタは必死にシンにしがみつき、決闘をやめるようにと懇願する。 だが、シンはそんなシエスタを落ち着かせようと頭をなでながら、優しい笑みを浮かべながらこういったのだ。 「大丈夫、シエスタは、俺が守るから」 場違いともいえるような、まるで一見すればプロポーズのようなその言葉を受けてシエスタの脳内はオーバーヒートを起こし、シエスタの動きは完全に止まる。 シンはそんなシエスタの様子を見て、何とか落ち着いてくれたと言う誤解をすると食堂の更衣室へと向かっていく。 そんなシンからしばらく遅れて更衣室に向かったシエスタの視界に飛び込んできたのは、衣服を脱ぎ捨て、下着一枚になっているシンの姿だった。 「俺は、ああいう奴らが許せないんだ、力を持っているのに、守る事が出来るって言うのに、力の無い人達を虐げる奴らが…」 そんなシエスタの行動を、「何故決闘を受けるのか?」という疑問によるものだと思ったシンは、自分の内心を吐露し始める。 「だから俺は、軍人になった、そんな奴らを止めたくて、一人でも多くの人達を守りたくて……」 そう言いながらシンは荷物の中に入れていたパイロットスーツを身に纏い、ナイフとハンドガンを装着していく。 段々と鋭くなっていくシンの気配、だが、シンの内心を聞いているシエスタやマルトー、食堂に居る人間達はそれ以上に悲しさを覚えていた。 そう、内心を吐露しているシンのその声は、まるで帰る場所を探して泣きじゃくっている子供の声のように聞こえていたから…… 「でもさ、結局どれだけがんばったって守れない人達も居た、倒せない奴らも居た、でも、やっぱり俺は諦められないんだ…だから」 そこでシンは言葉を区切り、深く、深く深呼吸をすると、決意を秘めた表情を見せ、自分へとの宣言を行った。 「だから、アイツは、ギーシュ=ド=グラモンは、俺が倒す!!」 そんなシンの決意を秘めた言葉に、食堂に居る面々は感激し、シンを激励しながら送り出していき、シンも其れに応えるように片腕を上げると、決闘の場所へと歩いていくのであった…… おまけ 今回のNGシーン そんな貴族達にまるで路傍の石でも見るかのような視線を向けていたシンだったが、シエスタが座り込んだまま怯えている様子だったので声をかける。 「大丈夫かシエスタ?」 「こ、殺されちゃいます!! 私が私が犠牲になればアスカさんは… お、お願いです、決闘なんてやめてください!!」 シンの言葉に反応するように、シエスタは必死にシンにしがみつき、決闘をやめるようにと懇願する。 だが、シンはそんなシエスタを落ち着かせようと頭をなでながら、優しい笑みを浮かべながらこういったのだ。 「大丈夫、シエスタは、俺が守るから」 場違いともいえるような、まるで一見すればプロポーズのようなその言葉を受けてシエスタの脳内はオーバーヒートを起こし、シエスタの動きは完全に止まらなかった。 「は、はい!!そ、その、全身全霊尽くしますので、末永くお願いします!!」 突然のシエスタの言葉に逆にフリーズを起こした我らがシン、ようやく言葉の意味を理解して必死に弁解しようとしたが。 「いや~、アスカ、そういう事か、なるほどねぇ、惚れた女のために決闘を受ける… 泣かせるじゃねぇか、だが、男ってのはそうじゃなきゃ な!!」 料理長であるマルトーが先に行動、シンの背中をバンバンたたくとコック達に声をかけ始める。 「よ~し、お前ら!!今日のディナーメニューの変更だ!! アスカが決闘から帰ってきたらシエスタとの披露宴だ、手を抜くなよ!!」 「「「うぃ~~~~っす!!!!」」」 そんなマルトーの言葉に、同じくシンの「愛する人のため決闘に挑む平民」の姿に感激したコック達が腕によりをかけた料理作りを開始し始める。 「なんで、なんでこうなるんだ…… なんなんだよ、これは……」 あまりの急展開にシンはそう漏らしたのだが、もはやシンの言葉を聞く人間はその場には誰も居なかったという…… 前ページ次ページゼロの使い魔クロス
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前ページ次ページゼロの使い魔クロス トリステイン魔法学院 ヴェストリの広場 シンが決闘の場所に指定されたそこに到着したときには、ギーシュを取り囲むかのように学生達の壁が出来ていた。 集まった理由はたったの一つ「馬鹿な平民が貴族に決闘をうった」と言う情報を聞いて、暇つぶしにということである。 「逃げずに良く来たね、その事だけは褒めてあげよう!! だが、逃げた方がよかったとすぐに思う事になるよ」 シンの姿を認めたギーシュは、芝居がかった態度を取りながらその手に持った薔薇の形をした杖をシンへと向ける。 「これで最後だ、シエスタに謝れ、そうすれば俺も謝ってやる」 しかし、シンはそんな事は意に介さぬ様子でギーシュに向かってもう一度そう通達する。 「…フフフ、どうやら、本気で一度死んで見なければわからない様だね、ミス・タバサには申し訳ないが、躾けが出来ていなかったと言う事で チャラにして貰おうか!!」 シンの言葉に余計に激怒したギーシュはその杖を振るい、青銅でできた戦乙女のゴーレム―ワルキューレ―を召喚する。 「僕は青銅のギーシュという二つ名を持つメイジだ、だからこのワルキューレで君の相手をさせてもらう、否とは言わないだろうね?」 「別にいいさ、俺だって武器を使うからな」 そんなギーシュの言葉に呼応するかのようにシンもナイフを抜刀して戦闘態勢にはいる。 「鉄のナイフか… 確かに鉄は青銅よりは上だ、だが、平民風情が持てる鉄で僕のワルキューレに勝てると思うな!!」 シンのナイフを見て一瞬目を細めたギーシュだったが、そう叫びながら素手のワルキューレを動かしシンに攻撃を仕掛ける。 ガキィィーーーン!! 「クッ…!!」 シンはその一撃をナイフを盾にするようにして防ぎ、その勢いを利用してワルキューレとの距離をとる。 「耐えたか、少しは出来るようだね」 そう言うとギーシュはまたワルキューレを動かし、ギーシュの指示通りにワルキューレはその拳を振るいシンへと襲い掛かる。 しかし、シンも伊達にエースの証である赤服を着ていたわけではない、ワルキューレの攻撃をギリギリのラインで見切り、回避する。 そしてワルキューレもそんなシンに次々と追撃を仕掛け、反撃の隙を与えないようにと襲い掛かり続ける。 だが、シンは慌てず冷静にワルキューレの攻撃の間合いを読み、その一撃の速度を肌で覚え始め、段々と回避行動にも余裕が出来始めていた。 「えぇい、早くしとめるんだ、ワルキューレ!!」 その事をギーシュも理解したのか、段々とワルキューレを操る動きに焦りの色が見え始め、其れを反映するかのように攻撃だ段々と大振りになってくる。 「貰った!!」 当然、実戦慣れしているシンがその大振りの攻撃によって生じる決定的な隙を見逃すはずは無く。 正面からナイフを深くワルキューレの足の関節に突き入れるとそのまま半円を描くように背後へと抜け、行き掛けの駄賃と言わんばかりにその足に蹴りをいれて離れる。 「フッ、残念だったね、その程度のキックで倒れるほど僕のワルキューレはもろく…」 ズッドォォォン!! 勝ち誇ったようなギーシュの言葉は、皮肉にもワルキューレが地面へと倒れ、自重によって崩壊する音で遮られた。 そう、ナイフによって間接を大きく切り開かれ、そこを蹴られる事で大きく体重を傾けさせられ、其れを支えきれず崩壊したワルキューレの音で。 もしも、ギーシュの言うとおりにシンのナイフが唯の鉄製なら如何に青銅とはいえワルキューレを切り裂くことは出来なかっただろう。 だが、シンの持つサバイバルナイフは唯の鉄ではない、プラントが誇るレアメタルによって作られた特注品のサバイバルナイフだったのだ。 これはシンが特別に持っている訳ではない、アカデミー卒業時に赤服だった学生達に与えられたエースの証という意味での逸品である。 赤服はプラントの誇りをあらわす鎧、レアメタルのナイフはプラントを守り、敵をなぎ払う剣をイメージして渡されるという事である。 そして、そのレアメタルで作られたナイフは並みの硬度と切れ味ではない、MSサイズの刀を用意すれば戦艦さえも切り裂ける程の逸品である。 だからこそ、本来切り裂く事に特化していない筈のナイフですら、鋼鉄ならまだしも、青銅や鉄位ならば十分に切り裂く事が出来るのであった。 そして、ワルキューレがナイフ一本で倒されたという現実を受け入れきれないのか、ギーシュも、周りの貴族たちも呆然と立ち尽くしていたのだが。 「まだ、やるのか?」 シンのそんな言葉により我を取り戻すと、ギーシュは憎悪の、他の貴族たちは畏怖の目でシンへと視線を戻す。 「…フウッ、確かに、ワルキューレが倒された事は認めよう、いささか遊びすぎたようだね、ここからは本気でいかせて貰おうか」 ギーシュはそういうと杖を六度振るい、其れに反応するかのようにワルキューレが六体、新しくシンの目の前に召喚される。 そして、そのワルキューレたちは先ほどのように素手ではなく、接近戦を警戒しているのか全員が槍の様な武器を持っていた。 「僕は最高七体のワルキューレを召喚できる、先ほど君に一体倒されたから残り六体が限界、そして素手では君に無礼だろうから武器も持たせ た…」 ギーシュはそこまで言うと薔薇の杖を顔の真ん前まで持ち上げ、一度その匂い嗅ぐ素振りを見せると、シンへと向かって突き出すように振るう。 「……本気なんだな?」 そのワルキューレ達が持っている武器を見て、シンは冷めた瞳でギーシュをにらみつける。 「勿論さ、使い魔君、勝負再会といこうか!!」 だが、ギーシュはその瞳が表す言葉の意味に気付けないまま、シンに対してそう返した。 そして、その言葉とともにワルキューレ達は各々が持つ槍でシンへと攻撃を開始し、シンも流石に多勢に無勢という様子で必死に回避行動を開始し始めた。 「ふふふ、流石にこの数相手では勝ち目は無いようだね、今なら、土下座して謝れば許してあげても良いよ?」 そう言いながらもギーシュはワルキューレを操り、段々とシンの逃げ場をつぶすようにして包囲し始めていく。 だが、ギーシュは気付くべきであった、ほぼ包囲し終わったというのに、シンが不敵な笑みを浮かべていたという事実に。 それに気付けないままギーシュはシンを包囲し、それでも降伏しようとしないシンに向かって一斉に攻撃を仕掛けたその時だった。 シンは姿勢を低くするとほぼ同時に自分の正面に居るワルキューレの足元へと逃げ込んだのだ。 最初のワルキューレを切り裂いたナイフの切れ味を恐れたギーシュは、必死にシンを倒そうとワルキューレ達を動かす。 足元にもぐりこまれたワルキューレがシンを蹴りだそうと、そして残るワルキューレが槍でシンを攻撃しようとするのだが。 其れこそがシンの狙いだった、即座にシンは自分を蹴りだそうとするワルキューレの背後に回り、槍の攻撃の盾にする。 そして槍もワルキューレも同じ青銅である、その結果攻撃の盾にされたワルキューレと、それに攻撃した青銅の槍全てが破壊される。 その結果ワルキューレの残りは五体、そして槍は破壊されたワルキューレが持っていた一本だけになってしまったのであった。 「ば、馬鹿な… 僕のワルキューレが、同士討ちをするなんて……」 ギーシュは自分のワルキューレが命令をしたわけでもないのに同士討ちしたという事実を認識しきれずに愕然としていた。 何故同士討ちしたのかという説明するならば、其れはたった一言で終わる、ワルキューレがセミオート操縦だったからという事だ。 セミオートは目標を指示してどんな行動をするという命令は出来るが、その後の行動自体はワルキューレ自体の判断で行われる。 そしてセミオートの最大の欠点は、急に出現した障害物等に柔軟に対応しきれないという事と急停止がほぼ不可能であるという事。 その結果「シン」を「槍で攻撃する」という命令を受けたワルキューレは、突然現れた「盾にされた」ワルキューレに反応しきれず攻撃してしまった、という事である。 「之で終わりか? なら、シエスタに謝れ」 淡々とした、だが鋭い視線でギーシュを睨み付けながらのシンの台詞に、ギーシュは完全に恐怖を覚えた。 謝ってしまおうと、元々悪いのは二股をしていた自分だったのだからと恐怖に怯えるギーシュの理性が再び訴えかける。 だが、其れを受け入れる事は出来なかった、ギーシュには、その訴えが正しいものだと理解しながらも、受け入れる事は許されなかった。 「馬鹿に、馬鹿にするな…!! 平民風情が、使い魔風情がこの貴族である僕を馬鹿にするな!!」 そう、彼の歪んだ―ハルケギニアではある意味当然の―貴族としてのプライドが、平民に謝る事など許さなかったのだ。 だが、冷静さを欠いた指揮で倒せるほどシンは易しい相手ではない、じわじわと削り取られるように一体、また一体とワルキューレが撃破されていく。 しかし、シンとて生身の人間である、いくらコーディネイターとはいえ戦闘のための特別な調整を受けていたわけではない。 勢いよく動き回れば息切れもするし疲労もたまる、そしていくら強く握り締めていても掌に汗もかけば衝撃で麻痺だってする。 幾らワルキューレを斬れるとはいえしょせんはナイフ、一度に切り裂ける限界などたかが知れているため何度も何度もきりつける必要がでる。 まして、ギーシュとて馬鹿ではない、最初のワルキューレの撃破された原因をよく理解し足の関節部分をしっかりと守っている。 その結果、一体のワルキューレを倒す為の時間が長くなり、それに比例するようにシンの疲労はどんどんと溜まっていく。 その疲労が極地に達したその時、六体目のワルキューレの間接を切り落とし、戦闘不能にしたのとほぼ同時に足を縺れさせ、その手に握り締めていたナイフを落としてしまう。 シンは急ぎ体勢を立て直してナイフを拾おうとするが、既に限界に近い肉体は言う事を素直には聞いてくれない、そしてその油断を見逃してくれるはずもなく… ドスゥン!! ベキッ、ゴキリィッッッ……!! 「ウッ…クアァアアアアアアアアッッ!!」 「ふぅ… まったく、手間を取らせてくれるね、本当に」 ナイフを掴もうとした左手をワルキューレに強く踏み込まれ、シンの左手の骨は激しい悲鳴をあげる、恐らくは骨が折れ砕けたのだろう。 だが、ギーシュはそんなことは意に介さぬ様子で、憎悪の炎を宿した瞳でシンをにらみつけている。 「平民風情が、この誇り高きトリステイン王家の元帥を父に持つこのギーシュ=ド=グラモンをここまで梃子摺らせるとはね、いっそ賞賛に値す るよ」 ギーシュはそういいながらもワルキューレの足をシンの左手から動かす様子はなく、寧ろその手に持たせた槍をシンの頭に向けようとしている。 だが、シンにはそんなことはどうでもよかった、それ以上に聞き逃せない言葉があったのだ…… 「お前、今、なんて言った… お前の父親が、何だって……?」 「やれやれ、平民は学がないとは思っていたがつい先ほどの言葉まで忘れているのかい?僕の父親は王家に仕える元帥だ、それがどうかしたか い?」 その言葉を聴き、その意味を正確に理解したその時、シンの脳裏で、今までの様な赤い種子ではなく、闇の様な真っ黒な種子が弾けた。 そしてギーシュはシンが「恐怖」を感じていると思い、勝ち誇った顔をしながらそう呟く、だからこそ気づいていなかった、気づく事ができなかった。 急激にシンの瞳から光が失われ、まるで漆黒の虚無の様な色に染まっていく様子を、そして、右手がすばやく動き、ハンドガンを手にしていたという事実を。 パンッッ!! 「う、うわぁああああああああああ!?ぼ、僕の左手が、じ、銃!?」 乾いた音が一度、シンの持つハンドガンから響き、発射された弾丸がギーシュの左手を正確に撃ち抜いた。 「軍人の息子が奪うのかよ、罪もない人達から、力ない人達から…… 全てを奪うのかよ!!!」 動揺しているギーシュを射殺さんばかりに睨み付けながらシンは右手一本でワルキューレを押し返し、その足元から自分の左手を抜き、ギーシュに向かって歩み始める。 「ヒイィッッ!? わ、ワルキューレ!!」 完全に動転したギーシュはワルキューレを操り恐怖を排除しようとし、そしてその主の意を汲んだワルキューレが槍をシンの脇腹に突き刺す。 しかし、脇腹を突き刺されたというのにシンは致命傷以外には興味がないとでもいいたげにその傷を一瞥し、鬱陶しげに槍を引き抜くと再び銃を構え。 自分がワルキューレに刺された所とまったく同じ場所を、ギーシュの脇腹に狙いを定めると引き金を引き、撃ち抜いた事を確認するとゆっくりと歩き始める。 「痛いか?痛いよな、でもな、シエスタにした事に比べたら、お前達が「平民」に与えてきた痛みと比べたらそれくらいなんて事ないだろ?」 まるで周囲全ての貴族に言い聞かせるかのようにシンはそう呟くと痛みで蹲っていたギーシュの頭を傷ついた左手で掴み、右手でハンドガンを突きつける。 「俺はさ、子供のころ戦争に、「強い力」に大切な人達を全部奪われて、それが悲しくて、それが悔しくて軍人になったんだ。 自分みたいな人間をもう作りたくなかったから、一人でも多くの、「罪も無い、力も無い」人達を守りたくて…… だから、だから俺はお前を、軍人の、力ない人を守るべき人間の息子なのに、逆に力ない人を虐げて、全てを奪おうとしているお前のことが許 せない!!」 シンがそう叫び、ハンドガンの引き金を引こうとしたその瞬間、周囲で見ていた貴族達が惨劇を覚悟したその瞬間、唯一動いていた少女がいた。 「空気の鎚よ、彼の者を強く打ち据えよ、エアハンマー!!」 少女のその呪文が響くとほぼ同時にシンは空気の鎚によって激しく殴りつけられ、勢いよく地面へと叩きつけられる。 「タバサ…… あんたも、こいつらとおなじ、かよ……」 シンはその魔法を詠唱した少女を、使い魔であるシンの主人のタバサに向かって憎悪を宿した瞳で睨みつけていたのだが。 「…あなたは、命の重みを知っているはず、だから止めた……それだけ」 シンから一切視線をそらさず、真摯な音色を含んだそのタバサの声を聞くと何故か嬉しそうな顔をし。 「そっか… 俺、また繰り返す所だったのか……… サンキュー、タバサ」 そう呟くと、そのまま倒れたシンの体に襲い掛かってくる疲労の誘いに乗るように、ゆっくりと意識を手放していった。 タバサはそんなシンの横まで歩いていくと、シンを起こさないように左手と脇腹の怪我を癒すために治癒魔法を唱え始める。 「ギーシュ!!」 多くの貴族がタバサとシンが織り成す空気に呑まれ、ただ魅入っていたのだが、金髪ロールの少女がただ一人ギーシュへと走りよった。 「あぁ、モンモランシー」 ギーシュにモンモランシーと呼ばれた少女は即座に自分の持つ秘薬を使いギーシュの傷を癒すと、タバサをキッと睨みつける。 「ミスタバサ!!その使い魔を早く処分して頂戴!!」 「……何故?」 「ギーシュにあれだけのことをした使い魔なんて危険すぎるわ!! 今回はまだよかったものの何時また貴族に牙を向くかわかったものじゃないわ!!」 「大丈夫、彼は獣じゃない」 怒髪天を突く勢いのモンモランシーとそれを流水のように受け流しているタバサ、そして当然そんなやりとりでモンモランシーが納得するはずはなく。 「いいえ、獣以下よ!! 貴族に暴言どころか殺そうとするなんて… いいわ、貴方が処分しないというなら私が処分するわよ!!」 そう宣言すると同時にシンにトドメをささんとその手の杖をシンへと向けたのだが…… 「やめるんだモンモランシー!! これは僕が挑んだ決闘で、僕は負けたんだ、これ以上僕の誇りを、そして彼の誇りを辱めないでくれないか?」 「ギーシュ……」 治療を受け終わったギーシュがそれを静止し、ゆっくりとタバサの方へと歩み寄っていく。 「ミスタバサ、彼のことでひとつだけ聞きたいことがあるんだが…」 「……私にわかることなら」 タバサはギーシュの言葉に反応こそしているが顔はシンに向けたままで、治癒魔法を発動し続けている状態で対応する。 モンモランシーがそんなタバサの態度に激昂しかけるがギーシュは手でそれを制して言葉をつむぎ始める。 「銃を使い、メイジを相手にする場合は治癒が間に合わない心臓か頭を狙うのが基本、そうでなければ魔法で回復されるだけで意味は無い… そして彼のあの腕なら一撃で僕の頭を撃ちぬくこともできたはずだ、だからこそ気になるんだ、なぜ彼は態々僕が攻撃した場所だけを狙って狙撃したのか」 ギーシュの言葉に少し考えるそぶりを見せたタバサだったが、「これは私の意見でしかない」と呟いた後にギーシュの顔を見ながらこう答えた。 「彼は、奪われる痛みを知っている、そして人が一方的に虐げられるのを極度に嫌っている、むしろ虐げる人物を憎んでいる。 だからその痛みを知らない貴方に教えようとした、そして貴方が軍人の息子と知り、憎しみを抑えきれなくなって貴方を殺そうとしていた。」 普段無口な少女にしては珍しいほどの長文の言葉に彼女の親友であるキュルケという少女が激しく驚いていたがそれは今回は特に関係は無く。 その言葉を聴き、シンに投げ掛けられた言葉を吟味していたギーシュだったが、ゆっくりとタバサに向かって言葉をつむぎ始める。 「ミスタバサ、彼が起きたら伝えていただきたい、ギーシュと言う名の男が君に強く謝罪したいと思っていると言うことを」 「わかった… でも、それは貴方がするべきことをしてから」 「あぁ、わかっているよ、シエスタと言うんだったかな? あの少女にしっかり謝罪しないといけないね……」 ギーシュはタバサの言葉に頷きながらそう答えると、ゆっくりと貴族達が集まっている方向へと歩き出した。 自らの敗北と、これから先、シンに使い魔だから、平民だからと言う理由で手を出すことは自分が許さないと言う宣言を行うために…… それから三日後、シンは完全復活し食堂へと戻り「我等が勇者」として料理長マルトー率いる食堂従業員一同に大歓迎を受けることとなる。 シンはそういう特別扱いを嫌って今までどおりでいいと言っていたのだが、逆にそこがいいとマルトーに気に入られてしまった。 そしてそんな光景を見て段々とシンに対する敵意を募らせている少年、サイトの姿があったのだが、それには誰も気づく事ができなかった。 そしてその事が後に大きな引き金となるのだが、そのことを知る人物は今はどこにもいなかった……… おまけのおはなし 実は、シンの傷は一日で完治しており、三日も病床に臥している必要性は無かったのだが…… シン「ん……ここ、は、俺は……」 シエスタ「シンさん!! おきたんですか?もう大丈夫なんですか!!」 意識が覚醒したのかゆっくりと目を開き、顔を上げようとするシンに凄い勢いで駆け寄っていくシエスタ。 しかしシンはシエスタの接近に気づくことは無く、手で目を押さえながら頭を上げていき…… ポ ヨ ン ♪ シン「………ん?」 ムニュウゥッ♪ 突然頭にぶつかった柔らかい感触を疑問に思いながら、一体何なのかとそれを思わず触ってしまったシン。 その脳裏にはシルフィードにヨウカンと呼ばれた少年の「このラッキースケベ」と言う言葉がエンドレスに響いていた。 そう、その言葉が意味するシンの頭にぶつかり、思わず手で触ってしまったものとは……!! シエスタ「そ、その、私、シンさんなら寧ろ望んで御相手しますけど、まだ日も高いですし、い、いえ、いやと言うわけではないんですけど…」 オーバーヒートして暴走寸前のシエスタのたわわに実った胸を鷲づかみのように触っているシンという光景がそこには広がっていた。 100人中99人が見れば絶対に誤解するこの光景を見たとある少女が、当然その例外である一人に入るはずは無く…… タバサ「………シン」 その冷たい氷のような声を聞いたシンはその少女、タバサの方を振り向くと、そこには杖を構えて呪文を詠唱し始めているタバサの姿が……!! タバサ「…病床だから、絶対安静」 そう呟くとタバサはスリープクラウドの魔法を唱え―流石に病人相手に攻撃魔法は控えたらしい― シンの意識を深い眠りへと誘ったのであった。 そして再び眠りだしたシンの姿を見て、シエスタがとても残念そうな顔をしていたのが実に印象的であった。 之だけならまだよかったのだが、実はタバサが唱えたスリープクラウドの威力が本人の想像以上に強かったらしく昏睡状態になってしまったのだ。 その結果、シンの世話を自分がすると狂信的な勢いで迫るシエスタに、それを解除魔法を探すための本を読みながらも即効却下するタバサ。 そして暇なのかシンを時々甘噛みしようとしたり、そのまま飛行しようとするシルフィードと言うとんでもない状態になっていたのだが。 空気が読めなかったギーシュが「自分がシンの世話をする、せめてもの侘びの一つだから」とシンの世話役を買って出てそれをタバサが承認したのだった。 その事でギーシュはシエスタに酷く恨まれたが、目覚めた後、その事実を聞いたシンには泣きながら感謝され、親友と言えるほどに仲良くなったと言う。 前ページ次ページゼロの使い魔クロス
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■ 第一章 ├ サブ・ゼロの使い魔-1 ├ サブ・ゼロの使い魔-2 ├ サブ・ゼロの使い魔-3 ├ サブ・ゼロの使い魔-4 ├ サブ・ゼロの使い魔-5 ├ サブ・ゼロの使い魔-6 ├ サブ・ゼロの使い魔-7 ├ サブ・ゼロの使い魔-8 ├ サブ・ゼロの使い魔-9 ├ サブ・ゼロの使い魔-10 ├ サブ・ゼロの使い魔-11 ├ サブ・ゼロの使い魔-12 ├ サブ・ゼロの使い魔-13 ├ サブ・ゼロの使い魔-14 ├ サブ・ゼロの使い魔-15 ├ サブ・ゼロの使い魔-16 ├ サブ・ゼロの使い魔-17 ├ サブ・ゼロの使い魔-18 ├ サブ・ゼロの使い魔-19 ├ サブ・ゼロの使い魔-20 ├ サブ・ゼロの使い魔-21 ├ サブ・ゼロの使い魔-22 └ サブ・ゼロの使い魔-23 ■ 第二章 傅く者と裏切る者 ├ サブ・ゼロの使い魔-24 ├ サブ・ゼロの使い魔-25 ├ サブ・ゼロの使い魔-26 ├ サブ・ゼロの使い魔-27 ├ サブ・ゼロの使い魔-28 ├ サブ・ゼロの使い魔-29 ├ サブ・ゼロの使い魔-30 ├ サブ・ゼロの使い魔-31 ├ サブ・ゼロの使い魔-32 ├ サブ・ゼロの使い魔-33 ├ サブ・ゼロの使い魔-34 ├ サブ・ゼロの使い魔-35 ├ サブ・ゼロの使い魔-36 ├ サブ・ゼロの使い魔-37 ├ サブ・ゼロの使い魔-38 ├ サブ・ゼロの使い魔-39 ├ サブ・ゼロの使い魔-40 ├ サブ・ゼロの使い魔-41 ├ サブ・ゼロの使い魔-42 └ サブ・ゼロの使い魔-43 ■ 間章 貴族、平民、そして使い魔 ├ サブ・ゼロの使い魔-44 ├ サブ・ゼロの使い魔-45 ├ サブ・ゼロの使い魔-46 └ サブ・ゼロの使い魔-47 ■ 第三章 その先にあるもの ├ サブ・ゼロの使い魔-48 ├ サブ・ゼロの使い魔-49 ├ サブ・ゼロの使い魔-50 └ サブ・ゼロの使い魔-51
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トリステイン魔法学院 タバサの部屋 虚無の曜日といわれる休日のその日、サイトと共に休暇を貰う事になったシンはタバサに部屋に呼び出されていた。 ちなみにシンの衣服は仕事中以外はパイロットスーツのままだったりする、その理由はそれ以外の着替えが存在していないからである。 「で、渡したいものって何なんだ?」 その呼び出された理由をシルフィードから聞いていたシンは回りくどいことはせず直球でタバサにたずねる。 タバサはそんなシンの態度に気分を害する様子も無く、タバサは一本の鞘に納まっているナイフをシンへと差し出す。 そんなタバサの態度にシンは「之が渡したいものなのか」と言う判断をするとそのナイフを受け取り、鞘から抜き出す。 そうするとどうした事だろうか、急にシンの体は金縛りにあったかのように動かなくなってしまったのだ。 「な……!? な、なんなんだ…よ、これ……は…!!」 シンはその『金縛り』を必死に解こうと体を動かそうとするも、体は言う事を聞いてくれない、声を出すのだけでも精一杯だ。 そんなシンの様子を見てタバサは杖をその手に持つと呪文の詠唱を開始し始めると、その体から稲妻が迸り始める。 タバサのその行動にシンは『殺される』覚悟を決めたかのように目を瞑り、その稲妻が自分の肉体を焼き尽くす瞬間を待った。 「ウギャァアアアアアアアア!!!!」 稲妻が襲い掛かり、凄まじい悲鳴がシンの口…からではなく、その手に持っていたナイフから飛び出る。 其れと同時に無傷のシンの手からナイフが転げ落ち、まるで糸が切れたかのようにシンもその場に座り込む。 そしてタバサは杖をもう一度確りと構えると呪文を詠唱し始め、再び稲妻がその転げ落ちているナイフへと襲い掛かる。 「ち、ちょっ!?ま、まってくれ、ライトニングクラウドは…わぎゃぁああああああああ!!」 其れと同時にナイフから再び激しい絶叫が飛び出し、シンはそんな光景を呆然と見ながらも、命が助かった事に安堵を覚えていた。 「で、一体何なんだ?その変なナイフは…」 さらにその後二回ライトニングクラウドを喰らい、まるで打ち揚げられた魚のようにピクピク震えているナイフを見ながらシンはそう問いかける。 「意思を持った魔剣、インテリジェンスナイフの地下水」 シンの問いに簡潔に答えるタバサ、そしてその答えから導き出された一つの仮定を、シンは再びタバサに尋ねる。 「…つまり、俺の体がさっき動かなくなったのはこのナイフのせいなんだな?」 その問いに頷いて答えるタバサ、そして其れを見たシンはおもむろに腰に備えていたナイフを抜刀すると地下水の刀身にカツカツとぶつける。 「なぁ、俺は一応元軍人で、流石にナイフに対するやり方なんか知らないけど、多少の拷問の仕方位は知ってるんだぜ?」 「ち、ちょっと待った!! 少し、少し刺さってる刺さってる!! わ、わかった、キチンと丁寧に答えるからもうやめてくれよ旦那!!」 流石に自分の体を勝手に束縛された事に腹立っているのだろう、シンは無表情のままのその言葉に地下水はおびえながらそう答える。 そしてタバサはそんな光景を軽く一瞥すると近くにあった本を手に取り読書に没頭していくのであった。 「じゃあ、何で俺の体を操ったりしたんだ?」 「旦那を試す為だよ、そこのお穣ちゃんに頼まれた事とはいえ、俺も裏ではちょっとは名の知れた傭兵メイジだったんだ。 スクウェアクラスのメイジだって操ってた事もあるこの俺がメイジでもない奴に使われるってのはちょっと癪だったんでね」 その地下水の言葉を聞きながら、シンはナイフを収め、地下水をその手に持ちながら近くの椅子に腰をかける。 「で、その試した結果っていうのはどうなんだ?」 「ギリギリ及第点かね、旦那の潜在魔力は平民の平均よりちょっと上程度、それだけなら失格もいい所だがちょっと気に入った点があったんでね。」 「気に入ったところ?」 「まずは俺の操作魔法を喰らって抵抗してた旦那の精神力の高さだ、初見であんだけ抵抗できる人間はかなり少ないからな。 後もう一つは旦那筋肉のつき方さ、そこらの馬鹿な傭兵みたいに無駄な筋肉はほとんどついてない、まるで野生の獣みたいな筋肉だったからな。 俺は『地下水』って名前が示すように静かに潜入してから相手を屠る方が得意なんだ、そういう場合旦那みたいな筋肉と精神的にタフな人間が一番向いている」 自分が『暗殺家業』に向いているといわれて少し眉をしかめたシンだったが、地下水はそのまま言葉をつむぎ続ける。 「ま、条件付でなら旦那の相棒になってもいいぜ、自分で言うのもなんだが、持ってりゃ魔法だって使える超お買い得物件だと思うぜ?この地下水様はな」 「…条件って何だ?」 『魔法を使える』という、確かに魅力的な誘いを目の前にしながらも、シンは慎重に条件を尋ねる。 そんなシンの態度に逆に好感を覚えながらも、あくまで其れを気取られないように押し隠しながら地下水は条件を語り始める。 「な~に、簡単な事さ、旦那の体を徹底的に『暗殺』用に鍛え上げて貰うだけさ、一日二時間位の訓練を毎日続けることでな。 魔力が少ない分は肉体を鍛え上げてカバーして貰わないと俺も困るんでね、どうだい、この条件を飲むかい?」 「………体を鍛え上げるだけだな?」 「そうさ、別に旦那に暗殺家業をやれって言う訳じゃない、鍛え方はこの地下水様が指南してやる、悪い条件じゃないだろ?」 普通の平民ならば戸惑う事無く食いつくほどの好条件を出されながらも、それでも確実に『譲れない一線』を確かめていくシン。 そしてそんなシンの態度を見てさらに好感を深めながらも、それ以上の譲歩をしようとはしない地下水。 しばらく睨むように地下水のその刀身を見つめていたシンだったが、やがて決心がついたのか口を開く。 「わかった、その条件を飲む、これからよろしく頼むな、地下水」 「あいよ、旦那が良く判んないだろうメイジとの戦い方も確り指南してやるさ、この取引を損したなんて思わせないほどに有能なところを見せてやるよ」 地下水のその言葉に苦笑したシンだったが、地下水を鞘に収めると自分のナイフの真上辺りに備えて、礼を言おうとタバサに近づこうとしたその時。 「タバサ!!今から出かけるわよ、急いで支度をして………あら、お邪魔だったかしら?」 この部屋の主であるタバサの無二の親友、キュルケがタバサの部屋に突然入り込んできたかと思ったら、シンとタバサの姿を見てそう呟いた。 「…は? って、あんたは何を誤解しているんだ~~~!!」 一瞬何を言っているんだ? と混乱しかけたシンだったが、『男と女が二人部屋の中』だったと言う認識にいたると顔を真っ赤にしながら否定をし始めた。 「って、そんなこと言っている場合じゃなかったわ!! お願いタバサ、力を貸して、貴方の使い魔じゃなきゃ追いつけないのよ!!」 そんなシンの否定をあっさりとスルーしながらキュルケはタバサに抱きつくとまるで泣きつくかのように懇願し始める。 そしてタバサはほんの少しだけ溜息をつくと本を閉じ、キュルケにその「理由」を尋ねるのであった。 キュルケの理由は一言で言えば簡単、「最近気になっているサイトをつれてルイズが街に行った、追いかけたいから力を貸して!!」と言うものだった。 何でもキュルケ曰く「あのどこか抜けて居るところがまた良いのよね~」という事らしいが、とりあえずシンにもタバサにもそんなことは関係ない。 しかし『親友』の頼みは断れないのかタバサはシルフィードを呼び出すと、シンを残して街へと向かおうとしたのだが。 「きゅいきゅい~(お兄様だけ一人ぼっちなのは可愛そうなのね)」 という、タバサを「御姉さま」と慕い、最近シンを「お兄様」として慕いだしたシルフィードがシンの上半身をパクっと甘噛み。 そんな光景にパニックを起こしかけているキュルケをスルーしているタバサの指示に従い其のまま街へと飛んでいったのであった。 トリステイン王都 なんとか無事―甘噛みされっぱなしのシン以外は―王都にたどり着いたタバサ御一行だったのだが、肝心のルイズとサイトは見失ってしまっていた。 その理由は一つ、長い間シルフィードの口内に入っていたシンが見事に気絶してしまっていたからだった。 その事からタバサはシルフィードに軽いオシオキを、そしてキュルケはパニックになりながらもシンの手当てをする事になった。 幸いシンは早期に気絶から復帰したが、キュルケがパニックから復活したときには完全に見失っていたのだ。 その事からどうした物かと頭を悩ませたキュルケだったが、シンが「武器屋ってあるのか?」と言う質問をしたことから。 とりあえず武器屋から順番に店を回って探していこうと言う結論になり、早速武器屋に向かったのだが、そこで偶然が重なる。 そう、ちょうど『サイト』が持つ武器を購入しに来たルイズ御一行と出会うことになったのだ。 「で、急にどういう風の吹き回しなのルイズ?」 「ギーシュに勝ったそこの使い魔程は求めないけど、多少は戦ってもらわなきゃ困るから武器を買いに来た、それだけよ」 サイトに思いっきり抱きついた後、キュルケは「何故武器屋に?」と尋ね、ルイズも其れに簡潔に答える。 そのルイズの答えに、『シン』よりも『サイト』が劣ると言う意見にサイトが一瞬反応したが、其れに気づいた人間は居なかった。 ルイズとキュルケは其のまま雑談―というよりもキュルケがからかいルイズが食いかかっている―しているし、タバサは本を読み始めている。 そしてシンはシンで武器を、特に銃器を集中してみて回っていたので気づけなかったのだ。 「……何か欲しい?」 武器を手にとっては戻しているシンにタバサは本を読んだままそう問いかける。 「いや… こいつの予備弾薬が手に入るかなと思ったんだけど… 無理そうだし、こっちの銃は整備の仕方も知らないしな…」 そう呟きながらシンは自分の腰のガンホルダーに備えているハンドガンに手を触れると、タバサは少し考えるそぶりを取り… 「……ナイフ、投擲用を10本位なら買っていい、これで足りるはず」 そうシンに声をかけると、エキュー金貨を20枚ほど手渡すと、再び本に没頭し始める。 弾薬の補充が難しいなら、比較的補充が容易なナイフを投擲武器にすることである程度カバーすればいい、ということである。 特にメイジは『杖』を用いての魔法攻撃がメインである為、詠唱妨害の意味合いで『刃物』が飛んでくるナイフ投げは地味に効果があるのだ。 本来そういう攻撃は盾として召還された筈の使い魔が防御するものだが、案外メイジ達は戦闘に使い魔を連れてこない時のほうが多かったりもする。 流石にシンはそこまではしらないのだが、タバサに「サンキュー」とだけ声をかけると即座に武器屋の親父にこの金額でナイフを購入したいと声をかける。 「投擲用ですか?そうですねぇ… 名工が鍛えた品なんで少々根を張るんで、一本でエキュー金貨一枚って所になりますが…」 「…これが、名工の鍛えた武器?」 「そうですぜ、一見普通のナイフですが固定化の魔法もかかってますんで生半可なナイフよりは頑丈ですよ」 明らかにゴマすりをしながらシンにナイフを売ってこようとするその態度に何か嫌な予感がしたシンは地下水を抜き出す。 「なぁ地下水、このナイフって本当にそれだけ価値があるのか?」 「は~はっはっは!! 旦那、馬鹿言っちゃいけねぇよ、こんな二束三文使ったら犬っころを殺す前にポキッと折れちまう」 ナイフから発せられた声とその内容に店主は顔面を蒼白にしていき、まったく違う方向から物音がして、そちらにサイトが向かっていく。 「…投擲用としても価値は無いって事か?」 「そうだね、旦那の腕力なら刺さるかもしれないけど、まともに芯もなさそうだし一回投げればそれでぽっきりだと思うぜ」 「なるほど、ね」 そういうとシンは笑顔で、しかし目が笑っていない威圧を与える笑顔で店主の方へと向きなおす。 「あのさ、俺は確かに投擲用っていったけど、流石に実戦に使えないようなナイフはいらないんだけど?」 「へ、へへへい!! い、今別のナイフを持ってきますんで少しお待ちください!!」 流石に修羅場を幾度も潜り抜けているシンの威圧は辛いのか、店主は脂汗をかきながら店の奥に向かい、新しいナイフを15本ほど持ってくる。 「こ、これは質はいいんですが平民の鍛冶師が作ったんでまともな買い手が出てない品でして、これなら15本でエキュー金貨三枚で十分です!!」 「…地下水?」 「ん~… 今度のは上等だね、投擲用どころか普通に使えるぜ、この鍛冶師の武器なら贔屓にしてもいいくらいだ」 新しく持ってきたナイフを見て、シンは念のためにと相談役の地下水に訊ね、地下水も太鼓判を押したことで店主の顔色が戻る。 そしてシンはナイフと其れを保持する為のホルダーを購入すると残ったお金をタバサに返し、早速ナイフホルダーを装着していく。 そんなシンを横目に、サイトは発見したインテリジェンスソード―デルフリンガーと名乗った―を買いたいとルイズに要求していた。 ルイズは見た目が錆びているその剣を購入することに難色を示したが、サイトに耳打ちされると納得した様子でその剣を購入した。 店主はその口が悪く、何かと客に喧嘩を売っていたデルフリンガーに手を焼いていたのかエキュー金貨50枚で其れを販売した。 その剣をサイトに売っている間、店主はシンの方をちらちら見ていたのでまだ怯えていたから安くしたと言う部分もあった。 ちなみにサイトがルイズに耳打ちした言葉とは… 「シンが喋るナイフを持っているなら、こっちは其れより上の喋る剣を持った方がいい」と言う言葉だった。 この言葉の奥に潜んでいる意味―サイトが明らかにシンに対し敵意を持っている―という事にルイズは気付けぬままデルフリンガーを購入した。 貴族とはいえ世間知らずでしかないルイズはサイトの言葉を「主人の立場を気遣って」のものと判断してしまったと言うことだ。 その後、シンはタバサに連れられ衣服屋で着替えを幾つか購入し、ルイズもタバサへの対抗心からかサイトに服を幾つか購入する。 どうやらゼロのルイズと呼ばれていた自分と学年最優秀生徒と謳われているタバサが同じように『平民』を使い魔にしたと言うことでプライドを保っていたのだが。 『ギーシュとの決闘』でシンがギーシュに勝利して見せたことを知り、『格の違い』を見せ付けられたと思い込んだらしく、タバサに対抗心を激しく燃やしていたようだ。 そのおかげでルイズのサイトへの待遇は『タバサのシンへの待遇』に負けてたまるかとどんどん改善されていったことは良かったのだが。 肝心のルイズが何かにつけてサイトに「あの使い魔くらい強かったら」とか「主人の顔に泥を塗るな」と、愚痴をぶつけていたのだ。 そして、それはタバサと張り合うかのように服等を購入している間も収まらず、キュルケがその状況を見て呆れるほどであった。 何かにつけて『シン』と比較されるサイトの瞳には暗い炎が宿り、段々とその勢いは増し続けていた…… そしてその日の晩、ルイズ達の人間関係を大きく揺り動かす原因となる事件がおきた。 メイジ専門の盗賊であり、自身も土のメイジである『土くれのフーケ』が魔法学院の宝物庫を強襲、『破壊の杖』と呼ばれる宝物を盗まれてしまったのだ。 そのフーケに対抗するべく、ちょうど現場へと駆けつけていたルイズ・サイト・キュルケ・タバサの四人とシルフィード・サラマンダーの二匹が奮戦するも。 フーケが操る30メイルにも及ぶゴーレムに打ち勝つことは出来ず、フーケの逃亡を許してしまう結果となったのであった。 ちなみにシンはその時地下水の指導の下鍛錬を行っており、その事件を知ったのは帰ってきたシルフィードの話を聞いた時であった。 強奪された破壊の杖、サイトの心の奥深くで燃え盛る暗い炎、様々な思惑と感情を混ぜ合わせながら物語は次の局面へと進んでいく。 今にもはちきれそうなほどに絞られた弓が射抜くのは光か、闇か…… 双月はただ、静かに彼らを照らし続けていた…… おまけのNGシーン 「で、渡したいものって何なんだ?」 その呼び出された理由をシルフィードから聞いていたシンは回りくどいことはせず直球でタバサにたずねる。 タバサはそんなシンの態度に気分を害する様子も無く、タバサは一本の鞘に納まっているナイフをシンへと差し出す。 そんなタバサの態度にシンは「之が渡したいものなのか」と言う判断をするとそのナイフを受け取り、鞘から抜き出す。 そうするとどうした事だろうか、急にシンの体は金縛りにあったかのように動かなくなってしまったのだ。 「な……!? な、なんなんだ…よ、これ……は…!!」 シンは必死に体を捩ると、僅かに、体がシンの意思に従い動きはじめる、その動きは段々と強いものになっていき… 「クソッ……!! このナイフ、こいつが原因で…!!」 シンは腕を大きく振り上げ、そのナイフを地面に投げつけるようにして手放す。 その事でシンを金縛りにしていた力が無くなったのか、シンは勢いあまってよろけ、何かにぶつかり倒れる。 「いつつ…… あのナイフは……」 シンはそこまで行った時点で現在の状況に気付いた、ぶつかった物とはタバサであり、そして今自分はタバサを押し倒して右手を胸に当てていると言う状況に。 しかもタバサはシンに押したおされているのに顔色一つ変えずシンの顔をじっと見つめている。 そんな不思議な雰囲気に呑まれ動くことを忘れたシンだったが、そんな状況のままずっとして居れば当然… 「タバサ!!いますぐでかけ……… WAWAWA、わっすっれっもの~」 タバサの親友であるキュルケが部屋に入ってきたが、何か忘れ物したらしく全力疾走で去っていった。 「………ハッ!? ご、誤解だ~~~!!」 たっぷり30秒ほどだった後、自分が激しく誤解されたと知ったシンはキュルケを追いかけたが、もはやとめることは出来なかった… そしてそれから二日後、タバサとシンがなぜか学院公式カップルとして完全に認知されてしまい。 ギーシュが「結婚式には呼んでくれよ」と空気を読まずに発言したことで『ブラックシエスタ』が光臨し、学院を混沌の災禍に叩き込んだと言う…… 一覧へ
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ゼロの使い魔への道-1 『ギーシュ危機一髪 その1』 『ギーシュ危機一髪 その2』 『ギーシュ危機一髪 その3』 『キュルケ怒りの鉄拳 その1』 『キュルケ怒りの鉄拳 その2』 『キュルケ怒りの鉄拳 その3』 『燃えよドラゴンズ・ドリーム その1』 『燃えよドラゴンズ・ドリーム その2』
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ドロの使い魔-1 ドロの使い魔-2 ドロの使い魔-3 ドロの使い魔-4 ドロの使い魔-5 ドロの使い魔-6 ドロの使い魔-7 ドロの使い魔-8 ドロの使い魔-9 ドロの使い魔-10 ドロの使い魔-11 ドロの使い魔-12 ドロの使い魔-13 ドロの使い魔-14 ドロの使い魔-15 ドロの使い魔-16 ドロの使い魔-17 ドロの使い魔-18 ドロの使い魔-19 ドロの使い魔-20 ドロの使い魔-21
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Finale ゼロの使い魔コンプリートイラストコレクション 兎塚エイジ アートワークス 発売日:3月25日 全500点以上のイラストを収録した『ゼロの使い魔』画集が登場! 13年の時を経て、ついに完結を迎えた伝説のライトノベル『ゼロの使い魔』――。 そんな『ゼロの使い魔』の世界を彩ってきた、兎塚エイジ先生による全イラストを収録した、 『ゼロの使い魔』のもう一つの集大成となる画集が登場! ここを編集 2006年7月放送開始。プライムビデオが配信開始。続編にゼロの使い魔~双月の騎士~がある。 http //www.zero-tsukaima.com/ 監督 岩崎良明 原作 ヤマグチノボル シリーズ構成・脚本 吉岡たかを キャラクター原案 兎塚エイジ キャラクターデザイン・総作画監督 藤井昌宏 プロップデザイン 飯塚晴子 動画検査 荻野信子、河野隆子、岡本弘樹、高橋真理子 美術監督 廣瀬義憲 色彩設計 石川恭介 撮影監督 丸茂力也 2DCG 向井吉秀 編集 後藤正浩 音響監督 高橋剛 効果 今野康之 調整 黒崎裕樹 録音 三浦拓也 音楽 光宗信吉 設定制作 中川二郎 アニメーションプロデューサー 松倉友二 アニメーション制作 J.C.STAFF プロデュース ジェンコ 脚本 吉岡たかを 絵コンテ 岩崎良明 二瓶勇一 上原秀明 佐々木皓一 鈴木洋平 福田道生 大上相馬 東海林真一 演出 岩崎良明 吉本毅 上原秀明 佐々木皓一 鈴木洋平 高島大輔 山内東生雄 上田繁 矢花馨 作画監督 藤井昌宏 つるあかりみなみ 柴田志朗 中島美子 篁馨 杉本功 亀井治 冷水由紀絵 木本茂樹 中村基 梶谷光春 プライムビデオ ゼロの使い魔 Ep. 1 "ゼロのルイズ" 監督 岩崎良明 再生時間 0時間23分 初公開日/初回放送日 2006年7月3日 提供 ゼロの使い魔製作委員会 ■関連タイトル ゼロの使い魔 Blu-ray BOX スペシャルCD2枚付 Finale ゼロの使い魔コンプリートイラストコレクション 兎塚エイジ アートワークス ゼロの使い魔 ~Last Song from ZERO~ ゼロの使い魔 主題歌集 ゼロの使い魔 サウンドトラック スペシャルCD~聞かないと、許さないんだから!~ ゼロの使い魔 ルイズBEST[CD+DVD] ねんどろいど ルイズ ゼロの使い魔ビジュアルコレクション 画集 兎塚エイジZeroゼロの使い魔イラストコレクション フィギュア・ホビー:ゼロの使い魔 原作小説 ヤマグチノボル/ゼロの使い魔 1巻 rakuten_design= slide ;rakuten_affiliateId= 053df7e0.7c451bd1.0c852203.190c5695 ;rakuten_items= ctsmatch ;rakuten_genreId=0;rakuten_size= 468x160 ;rakuten_target= _blank ;rakuten_theme= gray ;rakuten_border= on ;rakuten_auto_mode= on ;rakuten_genre_title= off ;rakuten_recommend= on ; 随時更新! pixivFANBOX アニメ@wiki ご支援お待ちしています! ムック本&画集新刊/個人画集新刊/新作Blu-ray単巻/新作Blu-ray DVD-BOX アニメ原画集全リスト スタッフインタビューwebリンク集 最新登録アイテム Switch ゼルダの伝説 Tears of the Kingdom Switch 世界樹の迷宮Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ HD REMASTER Switch ピクミン 4 大友克洋 Animation AKIRA Layouts Key Frames 2 小説 機動戦士ガンダム 水星の魔女 1 ONE PIECE FILM REDデラックス・リミテッド・エディション 4K ULTRA HD Blu-ray Blu-ray 劇場版 ソードアート・オンライン -プログレッシブ- 冥き夕闇のスケルツォ 完全生産限定版 Blu-ray 映画『ゆるキャン△』 Blu-ray 【コレクターズ版】 Blu-ray ウマ娘 プリティーダービー 4th EVENT SPECIAL DREAMERS!! Blu-ray 天地無用!GXP パラダイス始動編 Blu-ray第1巻 特装版 天地無用!魎皇鬼 第伍期 Blu-ray SET 「GS美神」全話いっき見ブルーレイ Blu-ray ソードアート・オンライン -フルダイブ- メーカー特典:「イベントビジュアル使用A3クリアポスター」付 ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 5th Live! 虹が咲く場所 Blu-ray Memorial BOX 宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち Blu-ray BOX 特装限定版 地球へ… Blu-ray Disc BOX 完全生産限定版 神風怪盗ジャンヌ Complete Blu-ray BOX HUNTER×HUNTER ハンター試験編・ゾルディック家編Blu-ray BOX BLEACH Blu-ray Disc BOX 破面篇セレクション1+過去篇 完全生産限定版 MAZINGER THE MOVIE 1973-1976 4Kリマスター版 アニメ・ゲームのロゴデザイン シン・仮面ライダー 音楽集 テレビマガジン特別編集 仮面ライダー 完全版 EPISODE No.1~No.98 MOVIE リスアニ!Vol.50.5 ぼっち・ざ・ろっく!号デラックスエディション ヤマノススメ Next Summit アニメガイド おもいでビヨリ アニメ「魔入りました!入間くん」オフィシャルファンブック 『超時空要塞マクロス』パッケージアート集 CLAMP PREMIUM COLLECTION X 1 トーマの心臓 プレミアムエディション パズル ドラゴンズ 10th Anniversary Art Works はんざわかおり こみっくがーるず画集 ~あばばーさりー!~ あすぱら画集 すいみゃ Art Works trim polka-トリムポルカ- つぐもも裏 超!限界突破イラスト&激!すじ供養漫画集 開田裕治ウルトラマンシリーズ画集 井澤詩織1st写真集 mascotte 鬼頭明里写真集 my pace 内田真礼 1st photobook 「まあやドキ」 進藤あまね1st写真集 翠~Midori~ 声優 宮村優子 対談集 アスカライソジ 三石琴乃 ことのは 亀田祥倫アートワークス 100% 庵野秀明責任編集 仮面ライダー 資料写真集 1971-1973 金子雄司アニメーション背景美術画集 タローマン・クロニクル ラブライブ!サンシャイン!! Find Our 沼津~Aqoursのいる風景~ 機動戦士ガンダム 逆襲のシャア 友の会[復刻版] 梅津泰臣 KISS AND CRY 資料集 安彦良和 マイ・バック・ページズ 『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』編 氷川竜介 日本アニメの革新 歴史の転換点となった変化の構造分析 Blu-ray THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS 10th Anniversary Celebration Animation ETERNITY MEMORIES Blu-ray おいら宇宙の探鉱夫 ブルーレイ版 Blu-ray 映画 バクテン!! 完全生産限定版 アイカツ! 10th STORY ~未来へのSTARWAY~ Blu-ray BOX 初回生産限定版 はたらく細胞 Blu-ray Disc BOX 完全生産限定版 Blu-ray 長靴をはいた猫 3作品収録 Blu-ray わんぱく王子の大蛇退治 Blu-ray 魔道祖師 完結編 完全生産限定版 魔道祖師Q Blu-ray Disc BOX 完全生産限定盤 にじよん あにめーしょん Blu-ray BOX 【特装限定版】 Blu-ray 鋼の錬金術師 完結編 プレミアム・エディション Blu-ray付き やはりゲームでも俺の青春ラブコメはまちがっている。完 限定版【同梱物】オリジナルアニメ Blu-ray「だから、思春期は終わらずに、青春は続いていく。」
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ゼロの使い魔 【作品名】虚無と竜の契約者 【作者名】綾小路 【URL】 http //novel.syosetu.org/11746/ 【原作】ゼロの使い魔 【長さ】現状 5話 15,546文字 【状態】連載中 【地雷条件又は注意事項】 多重クロス(ゼロ魔xDRAG-ON DRAGOON)。 【紹介理由・感想】 珍しいDOD。期待はしたが、期待通りに読めた。三人称視点。 ルイズに召喚されるまではテンプレだが、即「留年なぞ知るか」とカイムと空中デートに飛び立つアンヘルさんマジアンヘルさん。 どのエンドだったか忘れたが、アンヘルさん女神化エンド後らしい。 なんかその後サイトらしき少年も召喚されてるので、ゼロ魔組の不遇を嘆く必要も無さそう。 描写が少しばかり薄いのが唯一難点かと思ったが、ぽんぽんとオリジナル展開が続くので飽きなかった。これから期待。 【作品名】ゼロと底辺を結ぶ銀弦 【作者名】ゆにお 【URL】https //novel.syosetu.org/9366/ 【原作】ゼロの使い魔 【地雷条件又は注意事項】 【あらすじ・概要・感想】 円環少女とのクロスオーバー、円環少女のやられ役筆頭ケイツが召喚される。 ゼロ魔の世界でやはり情けない様を晒しながら、平和な世界(元の環境に比べれば)に来れてどこか幸せそう。 円環少女を読んでないと判らないネタは多数、魔法認識の勘違いっぷりについ笑いを誘われる。 書き口は三人称で文章はひっそりとしながら押さえるところは押さえてゆく形、心情描写は少ない方。こなれていて安定している。 ゼロ魔の空気と円環少女の変態性が馴染んでおり、今後が楽しみな一品。 円環の空気に染められてルイズが変態になってしまわないか非常に心配であり楽しみでもある。 【作品名】ルイズちゃん奮闘記 【作者名】水泡 【URL】https //novel.syosetu.org/6239/ ①【あらすじ・概要】 息抜きにはまさにこの作品と呼べるようなライトな読み応えに 笑いどころ満載の短編集 ギャグ物だけど、こういうはっちゃけた作品も悪くない ②【あらすじ・概要】 原作後のルイズとサイトが、世界扉を使いサイトの世界にきたという短編コメディ サイトの実家で世話になりながら、ルイズにとっては現実世界の異文化に触れる過程が面白い 発想がピンクになりがちなルイズなので下ネタも多い 短編で1話が短いのと、外伝の1話が東方世界とクロスしているのでそれがマイナス、地雷要素になるかも オリキャラはサイトの友人で視点的な関係のため、気にはならないかも 【地雷要素又は注意事項】クロス、オリキャラ 【作品名】ゼロの使い魔~ダンブルドア異世界記~ 【作者名】ロベル・アクベル 【URL】https //novel.syosetu.org/91726/ 【あらすじ・概要】 ハリーポッター世界で死んだダンブルドアがサイトの代わりに召喚される話。 文章は三人称でしっかりと描写されている。 ダンブルドアらしさが十分に出ていてダンブルドア好きなら楽しめるだろう。 しかしよくあるテンプレオリ主をダンブルドアに置き換え上手く再構成したようなダンブルドア最強万能な描き方であるためにダンブルドアが嫌いな人は余り合わないかもしれない。 とはいえ、展開こそオリ主テンプレをなぞってはいるもののダンブルドアの考察なども取り込み、上手くテンプレ展開を料理している。 原作キャラを貶めることもなく、ダンブルドアとの絡みが楽しめる。 ああでも学園の教師は少し貶めぎみかも、そこは注意。 ダンブルドアとゼロ魔好きなら見といて損はないのではなかろうか。 【作品名】マッスルと使い魔 【作者名】今夜の山田 【URL】https //novel.syosetu.org/3000/ 【原作】ゼロの使い魔 【あらすじ・概要】 インパクトがすげぇ(色々な意味で) 読んでると脳裏に北斗の拳が浮かぶのは仕方ないと思う。ただ設定的に一発屋な感じがして、エタりそうで怖い。 まだ一ヶ月も経ってないからこれは自分の予想だけど。 【作品名】それなりに楽しい脇役としての人生 【作者名】yuki01 【URL】https //novel.syosetu.org/1512/ 【あらすじ・概要】 ゼロ魔転生オリ主モノ。主人公は水系統のメイジ、学園に通う貴族。 文章はそれなりにしっかりしていてsideも使いでもない。 しかし転生してから成長していく描写から、 学園に通っている主人公へ移るのが唐突過ぎる。 そのせいでルイズ、タバサと親しげに話し始めた主人公が 悪い意味でテンプレオリ主になってしまっている。 タグに批評募集をつけるなど、向上心は伺えるので今後に期待 【作品名】ゼロと黄金の使い魔 【作者名】マッキ 【URL】https //novel.syosetu.org/4696/ 【あらすじ・概要】 Diesとのクロスでトゥルーエンド後の獣殿がルイズに召喚されるという内容。 幻想を否定したあのEND後ということでDiesファンにとっては賛否あるだろうけど自分は好き。 文章は読める、そこは問題ない。 話数はまだ3話だけど期待してる、超期待してる。 ただ、ゼロ魔の二次である以上仕方ないけど 獣殿が誰かの下につく……というのもファンにとっては好き嫌い別れるかも。 まあ、トゥルーEND後は普通に国に尽して職務を果たし 死んだらしいし気にならないと言えば気にならないかもしれない。 自分は特に気にならなかったし。 何にしてもこれからのストーリーに期待ということで一つ。 【作品名】混沌の使い魔 【作者名】Freccia 【URL】https //novel.syosetu.org/3592/ 【原作】ゼロの使い魔×真女神転生3 【あらすじ・概要】 オリ主最強系ハーレムではあったが召喚された使い魔がとんでもないものと学園や国にちゃんと認識されていたり ルイズの虚無疑惑が早期に出てきてエレ姉が早い段階で合流する独自展開入りの早さ、 エレ姉とマチルダという強気なお姉さんキャラの出番がとても多い俺得仕様 だんだん閑話が増えてきて本筋停滞気味なのが残念 【作品名】ZERO-OUT 【作者名】Yーミタカ 【URL】https //novel.syosetu.org/110061/ 【原作】 ゼロの使い魔 【長さ】長編 話数 4 連載中 【概要】 召喚に失敗したルイズがfallout世界に転移 ヒャッハー世界で弱ったりするも、サイト(転移者ではなくfallout世界線で生まれて育ったサイト)と出逢い、この世界では失われがちな人間として芯を表したりする 平均文字数が1万超えと文章量が多く、クロスのさせ方や話も良い感じで好き ルイズ転移物って少ないので期待。続きはよな 【地雷要素又は注意事項】 他作品クロス 【作品名】ゼロのヒカセン 【作者名】MKeepr 【URL】https //novel.syosetu.org/93582/ 【原作】ゼロの使い魔 【長さ】長編 【状態】連載中 【概要・感想】 常FF14の光の戦士がガンダールヴとして召喚される系 既に英雄として名を馳せた存在なため素で強いが、加護がかち合いルーンの効果は完全には得られていない 単純な最強系ではないが、それ系には変わりないので読む際は注意 なおアルビオンの呪いにかかっているもよう 【地雷要素又は注意事項】クロス、濃密な原作展開、最強系? 【作品名】ルイズがチ◯コを召喚しました 【作者名】ななななな 【URL】http //novel.syosetu.org/55397/ 【原作】ゼロの使い魔 ①【地雷要素又は注意事項】下ネタ キャラ崩壊 【概要・感想】 既に話題に上がっているだろうが、ルイズが男性器を召喚してしまい止む無く契約をした結果… 全編コメディタッチで地の文でキャラ崩壊しまくっているためルイズはこうでなきゃ嫌だ!という方はブラバしてどうぞ ②【地雷要素又は注意事項】地の文が下品?うるせえ殺すぞ 【概要・感想】 タイトル通り、ルイズが自分の体に召喚してしまったお話 だいたいルイズのフランソワーズがヴァリエールする展開 基本ルイズ視点で描写されているが、召喚したモノのせいで若干壊れているのか口というか考えてる事が汚い、というか下品 地味に鬱展開ど真ん中であるが、時々挟む下ネタがそれらを緩和してくれている 地の文で突っ込むタイプの作品が苦手でなければ楽しめるかと 【作品名】衛士アニエスの平穏な休日 【作者名】琥珀堂 【URL】https //novel.syosetu.org/16131/ 【原作】ゼロの使い魔 【地雷要素又は注意事項】 あらすじ詐欺 オリキャラ ①【あらすじ・概要・感想】 コンキリエ枢機卿の作者が書いた、あまり見ないアニエス主人公のSS。 あらすじでエロいのかと思わせておいて、冒頭で実は日常系ほのぼのと思わせておいて 最終的には密室殺人事件の解決をメインにすえた本格推理物。 サスペンスや冒険ミステリではなく、トリックをしっかり組み込んだパズラー寄り。 原作開始よりかなり前のようで、アニエスはトリスタニアで衛士(警察官?)の仕事を している。衛士隊でのアニエスの様子だとか、トリスタニアに暮らす人々の風俗などが ちらほら描写されていて面白い。 事件の捜査に行き詰まったアニエスに助言をするのが、オリキャラの按摩師の爺さん。 盲目でしわくちゃの枯れたジジイで、その性格は非常に穏やかなようだ。アニエスの 愚痴を聞いたりして、カラダだけでなく彼女の心のストレスも揉みほぐしてしまう。 見た目と年齢が非常に特殊なので、今後続編が書かれるとしても、テンプレオリ主の ようにチートパワーで無双したり、原作の女キャラとくっついたり、ましてハーレムを 作ったりするなんてことはないだろう。 一話しか書かれておらず、投稿からすでに半年が経過しているので、エタッた可能性が 高いが、同じ作者のコンキリエが二年近く間をあけて復活したので、油断できない。 アニエスのフトモモ揉みたい。 ②【地雷条件又は注意事項】オリキャラあり 【あらすじ・概要】 あらすじが、「衛士としてばりばり働くアニエスさんが、ふとしたことで知り合ったテクニシャンな男性に体を触られて、気持ち良くなっちゃうお話」 と一見コメディかと思うが、実際はあらすじ詐欺な作品 アニエスと按摩師の会話が中心で、アニエスが事件の概要を話して、按摩師が事件の謎を解く とある殺人事件の真相に迫る推理小説 ファンタジーでの殺人事件やハメではまずお目に掛かれない異色作で実に面白いと思う 作者がコンキリエや魔☆おぜうさんを書いた人 1話で完結してるので読みやすい 【作者名】だじる 【URL】http //novel.syosetu.org/4472/ 【原作】ゼロの使い魔 【長さ】6話 38,190文字 【状態】連載中 【地雷条件又は注意事項】 アンチ・ヘイトタグ有り。俺SUGEEE TUEEEかもしれない。 【紹介理由・感想】 1話がけっこう好みだったんでお気に入りに入れようかと思ったのに、2話で読む気がなくなった作品。 1話の印象は「SUGEE・TUEE臭が漂ってくるけど、それが主人公への期待に繋がる」という感覚だった。 ロマリアトップの二人と仲が良い、暗部かつ親友扱い。暗部の仕事の結果、国内外を誤魔化さなきゃいけなくなって国外(=学院)へ。 1話は三人称だったんだけど、2話から一人称が混ざる。 それでも2話序盤の語りまでは、雰囲気もあって悪くなかった。 ……なんでこの人、一人称になったらこんなに雰囲気崩れるんだろう…… と言っても、よくある最低系レベルまで崩れるわけじゃないから、読もうと思えば読めるんだろうけど、元の期待がちょっと高かったんでギブアップ。 多分合う人には普通に読めるんじゃないだろうか。 自分なりに判断してみる事をお勧めする。 【作品名】ただの使い魔には興味ありません!【習作】 【作者名】コタツムリ 【URL】https //novel.syosetu.org/10747/ 【原作】ゼロの使い魔 【あらすじ・概要】 あんまり多くの人から読まれてないけどオススメしたい良作。 ゼロ魔なのにまさかの推理もの。展開が納得できるものだっただけに意外性で度肝を抜かれた。 原作時間軸のかなり序盤、というかフーケ編で終わる。 【作品名】ご主人様は思春期(氏家ト全風ゼロの使い魔) 【作者名】あぶさん 【URL】http //novel.syosetu.org/10391/ 【原作】ゼロの使い魔 タイトルそのまんま。ゼロ魔の登場人物が氏家風に改変されてる。 具体的に言うと下ネタ大好きっ子。ゼロ魔風ではないが氏家の作風は再現されてる。 個人的には大好きです。 【作品名】魔法少女ユエ~異世界探険記~ 【作者名】遁甲法 【URL】http //novel.syosetu.org/13153/ 【原作】ゼロの使い魔×ネギま 【長さ】長編 【状態】連載中(現在7話) ①【あらすじ・概要・感想】 ネギまの魔法使い綾瀬夕映(麻帆良卒業後)がゼロの使い魔の世界に来てしまって、魔法学院で学ぶという話。 ちなみに誰かの使い魔として召喚されたわけではない。風竜を追っかけてたら、その風竜ごとタバサの召喚魔法に巻き込まれたという設定。 ゼロ魔への来訪型クロスでは来訪者が不遇な扱いを受けていないSSが個人的に好みなのだけれど、 このSSも夕映(ユエ・ファランドール)がちゃんと魔法使いとしての待遇を受けているので、自分としては安心して読める。 それぞれのキャラの言動も無理がないので期待している。 今のところ会話場面が多く、バトル要素はあんまりない。ユエはゼロ魔世界の魔法を習っているが使えていない状態。 ユエがネギま世界の解析魔法を行使するときに出した可愛らしい物体にゼロ魔側の少女が抱き着くシーンが年相応でほっこりしたよ。仲良きことは善きこと哉。 【地雷条件又は注意事項】 ユエが魔法学院で学びたがるのはそんなに不自然じゃないが、オスマンが許可する場面が若干強引なノリに見えなくもない。 彼女の介入によるルイズの成長フラグ、カトレアの治療フラグ、タバサ母の治癒フラグがたっている(あくまでフラグなので今後どうなるか分からないが)。 自分はこういった介入者の活躍は(極端なご都合主義でなければ)好きなのだが、そういう流れ自体ありがちで飽きたって人や気になる人がいたら注意。 あと感想で視点について指摘を受けて、なんか試行錯誤中っぽい? ②【地雷条件又は注意事項】side表記はないが別キャラ視点あり 【あらすじ・概要・感想】 魔法先生ネギま!の綾瀬夕映がゼロ魔の世界に召喚される 10話時点で15万文字使ってるにも関わらず殆ど進んでない。無駄描写多すぎ。 キャラの漫才がクドすぎる。 展開を進める為に必要な会話を一々他キャラが遮って延々漫才を繰り返す。 一回ならまだしも漫才が終わって改めて話を仕切り直す際にも同じ様に漫才で遮って それが何回も続きまともに会話が発展しない。これは読んでて思わず顔を顰めた。 夕映の性格が鼻に付く。 ある種クロスの醍醐味でもある片方の作品のキャラや文明SUGEEEが漏れなく入るが 互いの世界の技術形態の違いや客観的に見て自らの魔法技能が発達してるのを自覚しつつ 周りに褒められると「私は普通に出来ますが何が凄いんでしょう?」とか一々言う。最新話でも言ってる。 総合的に見れば評価されるだけあって文章も破綻なく読めるし 作者が極端な地雷要素を避けて書いてる節があるからスコップへのダメージは少なかった。 無駄に長いと評した文量も人によっては読み応えがあると思えるんじゃないかな。 【作品名】ルイズの聖剣伝説 【作者名】駄文書きの道化 【URL】https //novel.syosetu.org/10430/ 【原作】ゼロの使い魔 【地雷条件又は注意事項】 聖剣伝説LOMとのクロス、ルイズチート化、絶賛エタリ中 【あらすじ・概要・感想】 かつて理想郷の方で連載されていたゼロ魔と聖剣伝説LOMのクロス作品。 ルイズが召喚の儀の際に誤ってファ・ディール世界へと飛んでしまい、 本来の主人公の代わりに冒険をこなして一回り成長した上で、 物凄いおまけと共にハルケギニアへと帰還したところから話が始まるといった感じ。 俗に言う綺麗なルイズというやつで、自身の冒険の経験から来るハルケギニアとの認識の違いに悩みながらも 貴族としての自分の芯をしっかり持ちながら、あらゆる人たちを惹きつけていく。 綺麗になったギーシュやら吸血鬼すら救い上げる度量やら、マチルダと行動を共にするもう一人の泥棒なども見所か。 気になる点としては注意事項にもあるようにルイズが単純にチート能力持ちになっていること。 率直に言うとこれはタグによくある「○○とのクロス(能力だけ)」に近いものがあるので そういうのを苦手としている人にはキツいかもしれない。 そしてそれ以上に残念なのは、5月下旬を境に完全にエタってしまっているということか。 言っては悪いけど理想郷時代にも一度エタって作品削除した過去があるので 途中でも構わないから読んでみたいと思った人は早めに見に行っておいた方がいいかもしれない。 【作品名】【ネタ】アホの子ルイズちゃん 【作者名】花極四季 【URL】https //novel.syosetu.org/6144/ 【原作】ゼロの使い魔 【地雷条件又は注意事項】性格改変、エタリ中、申し訳程度の転移&憑依要素 【あらすじ・概要・感想】 所謂ゼロ魔のルイズ性格改変二次の一種なのだがこれまたとんでもねー方向に突き抜けている。 タイトル通りのアホの子天然ちょっと原黒でヴァリエール式体術と爆発魔法の合わせ技で只管に我が道を突き進むそんなルイズちゃん。 原作のツンケンよりも遥かに発想が柔軟で周囲には呆れられながらも一定の支持も得ている。 やりたい放題なルイズのストッパーとしてツッコミ兼オカン役なキュルケや色んな意味で空気のタバサ。 ある意味原作通りな扱いのギーシュや、良い意味悪い意味双方でアホの子ルイズに影響受けまくりなアンリエッタとかも面白い。 そして肝心のサイトがまさかの本人ではなく現実世界からの憑依者ということになっているのだが 前述したようにルイズの性格がアレすぎて大困惑なのでその手のマイナス要素はあまり感じられなくなっていたり。 寧ろ原作知識から来るメタネタというスパイスがより話を面白くしていると……言えなくもないか? 注意点としてはやはりサイトが憑依者であるということだろうか。 そういうのが根本からダメだという人もいるだろうし、あまり作中に影響していないのも確かだが じゃあ逆にその設定いらなかったんじゃとか気になってしまう人にも少々抵抗があるかもしれない。 面白いのは確かだが一話辺りの文字数が短く、原作を知っていること前提で話が進むので淡々としている感もある。 そして何よりこの手の作品にお約束のように、エタってしまっているということか。 【作品名】とある竜騎士のお話し 【作者名】魚の目 【URL】https //novel.syosetu.org/15982/ ①【あらすじ・概要】 ……主人公はテンプレ転生主人公で、近接戦闘全般と魔法、竜の扱いに長けるという香ばしい設定だが、そういったテンプレを長々説明せずダイジェストでさらっと流すのでそこまで気にならない。 物語はレコンキスタに操られた主人公がタルブでサイトのゼロ戦と激闘する所から始まる。 洗脳が解けてからはルイズとサイトの護衛として、ヤンデレッタに魔法で枷を嵌められながらも生徒として生活することに。 ゼロ魔オリ主でよくある美男子、説教、傲慢さなどはこの主人公からは感じられず、主人公もゼロの使い魔の原作知識は殆ど忘れてるため、よくある原作介入はせずに、あくまで転生した主人公がゼロの使い魔の世界で過ごす一人のメイジとして書かれているのが好印象。 惜しむらくは続きが気になるところで現在主人公の過去という外伝に走っているところ。 ②【地雷要素又は注意事項】オリ主 オリジナルスペル 転生 【あらすじ・概要・感想】 ゼロの使い魔の世界で平民の母と貴族の父の間の子に生まれ、母が死んで父方に引き取られる その後修業を重ね、異名をもつスクウェアメイジとなり、火竜を召喚して竜騎士になる オリジナルスペルに無双可能な戦闘能力、正にオリ主 ただし、アンドバリの指輪で操られてたり誓約で行動縛られたりと 精神的な攻撃を喰らうことが多い彼の未来はどっちだ 【作品名】ゼロの使い魔ちゃん 【作者名】402 【URL】https //novel.syosetu.org/958/ 【原作】ゼロの使い魔 【地雷要素又は注意事項】 エタってる、原作キャラTS、百合 【あらすじ・概要・感想】 以前の記憶は以前の記憶と割り切ったはっちゃけ二週目ルイズが 女の子のサイトを召喚した事から始まるギャグストーリー、にじふぁんからの移転作らしい 百合要素はあくまでネタであり、別に属性が無い人でも気軽に読める娯楽作品 軽妙な言い回しや会話のテンポが良く読んでいて楽しめた 【作品名】ルイズと幻想郷 【作者名】ふぉふぉ殿 【URL】https //novel.syosetu.org/17055/ 【原作】ゼロの使い魔 【あらすじ・概要・感想】 ルイズ→幻想郷。逆ウルルン滞在記の雰囲気に近い。東方知ってる人はあわあわするルイズにニヨニヨできる 知らない人でも東方がたぶん和風な世界観なのでそれなりに楽しめそう 文章力、文字数ともに平均より下とは感じなかった。宗教上の理由により「「」」が許容できない人も少し我慢してみよう、ちょっとしか出てこないので。 初めてのことばかりで驚き、てんやわんやするルイズは不憫のようでしかし、 呼んでもねーのにやってくる数々のオリ主や他原作キャラのTUEEEEに驚かされててんやわんやされることに比べてほほえましいのだ。 チャレンジする価値はあると思われる。 不安なのはハルケゲニアに帰還した後のことも書く予定らしいのだが、それが蛇足になることだ。 このSSに限ったことではないが、「「…こんな!表現」」はエンタメとは直接関係ないと思うけど ちょっといいなと思っても玉に瑕で、あまり胸を張って誰かにおすすめできんのが残念。個人的なことだけど。 【作品名】雪風は赤い砂と共に 【作者名】火の丘 【URL】https //novel.syosetu.org/18249/ 【原作】ゼロの使い魔 【地雷要素又は注意事項】クロスオーバー、性格改変 【あらすじ・概要・感想】 最近ランキングから発見したもの。 ゼロ使のタバサがシルフィードでは無くNARUTOのサソリを召喚したら、という割りとありきたりなクロスオーバー。 まだ全三話と始まったばかりだが、情景や心理の描写が地の文ではっきりと表現されていて読むのにそう苦労しなかった。 ただ作者自身これが初投稿という事なので、これから先エタったり迷走したりするかもという不安はある。 良くも悪くもこれからに期待な作品。