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クリプトコッカス属 クリプトコッカス属 属名 Cryptococcusクリプトコッカス 担子菌系酵母。 一部の菌はクリプトコッカス症という感染症を引き起こします。 フィロバシジエラ属(Filobasidiella)の無性世代(アナモルフ)です。 代表的な菌 C. ネオフォルマンス(C. neoformans) ‥ クリプトコッカス症の原因菌 C. ガッティ(C. gattii)…同じくクリプトコッカス症の原因菌 C. アルビダス Link WIKIPEDIA Cryptococcus (外部リンク/英語) ウィキペディア クリプトコッカス症 (外部リンク)
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診断 クリプトコッカス髄膜炎 半年間続いていたと思われる慢性髄膜炎の鑑別(Mandellの5版の997ページにchronic meningitis として詳しく鑑別が載ってます。)として結核とクリプトコッカスを考え、抗結核剤とフルコナゾール を開始した。ステロイドも併用。(結核性髄膜炎で推奨される) その後クリプトコッカス抗原価256倍、墨汁染色陽性、培養陽性と判明。 アンフォテリシンBと5FCで加療した。アンフォテリシンBを6週間使用後フルコナゾール400mgで維持 し、培養も陰性化して退院となった。維持量は一般的にはnon-HIVの場合フルコナゾール 200mgである が、HTLV-1陽性であることから400mgで維持した。(根拠なし) 不明熱に何らかの神経所見や頭痛がある場合慢性髄膜炎を考えるべきであり、髄液検査をしない限り 見逃しかねないものである。単核球優位で糖が低下する髄膜炎では真菌や結核以外に癌性やサルコイ ドーシス、膠原病なども鑑別に挙がるが、診断の困難さと予後の関係から抗結核剤はとりあえず開始 して、結果をみて判断するしかないと思われた。 なおこの症例では培養が陰性化した後も墨汁では陽性が続いたが、維持療法2ヶ月で消えた。この症例で この2年間で3人もクリプトコッカス髄膜炎がいました。 3人ともHTLV-1は陽性で、 HTLV-1との関連はありそうですが、疫学的な裏付けはありません。 中原先生が論文にするそうです。 2000.9.20 西垂水
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B クリプトコッカス症
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Cryptococcal Meningitis 鑑別診断単核球優位の細胞増多を示す髄液所見と糖の低下より:真菌性髄膜炎(クリプトコッカス)結核性髄膜炎癌性髄膜炎ウイルス性髄膜炎 Gd造影にて脳幹部及び脳表面の髄膜(軟膜)が造影されている。このような所見は、結核や真 菌の感染を契機に血管炎が起こるために強く造影されると考えられており、これらの診断にか なり有用(Pathognomonic finding)である。 治療経過中に左半身麻痺を起こした際に撮影した造影MRI.。右前頭葉にリング状に造影される結節影を認め、クリプトコッカスによるgranuloma(Cryptococcoma)と考えた。この時には周囲に浮腫を伴っており、この結節の圧迫による麻痺と診断した。 上記のような疾患が鑑別に挙げられたが、MRIの特徴的な所見より真菌性(特にクリプトコッカス)と結核性髄膜炎の 可能性を強く疑った。真菌性の診断目的にて髄液の墨汁染色・クリプトコッカス抗原を提出し、結核に対しては ADAやPCRを提出した。墨汁染色は陰性であったが、クリプト抗原が16倍と低値ながら陽性であった。ADAやTb PCRは 3回提出したが陰性であり、最終診断はクリプトコッカス髄膜炎とした。Amphotericin Bとフルシトシンの併用で、 6週間治療し、その後に経口のフルコナゾール200mgに変更した。 髄液所見は正常化し、クリプト抗原も陰性化した。 髄液の培養は何れも陰性であった。 本例はHIV(-),HTLV-1(-)であり、また他の免疫を抑制するような疾患も検索したが、明らかな基礎疾患は分からなかった。 1年前にブドウ膜炎の既往があり、また入院時に頸部に小さなリンパ節腫脹があり、サルコイドーシスやベーチェット病 などの可能性も考えられたが、現時点では不明である。 2001.7.31 松田・吉留・久松
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Cryptococcal Meningitis 鑑別診断 単核球優位の細胞増多を示す髄液所見と糖の低下より: 真菌性髄膜炎(クリプトコッカス) 結核性髄膜炎 癌性髄膜炎 ウイルス性髄膜炎 Gd造影にて脳幹部及び脳表面の髄膜(軟膜)が造影されている。このような所見は、結核や真菌の感染を契機に血管炎が起こるために強く造影されると考えられており、これらの診断にか なり有用(Pathognomonic finding)である。 治療経過中に左半身麻痺を起こした際に撮影した造影MRI。右前頭葉にリング状に造影される結節影を認め、クリプトコッカスによるgranuloma(Cryptococcoma)と考えた。この時には周囲に浮腫を伴っており、この結節の圧迫による麻痺と診断した。 上記のような疾患が鑑別に挙げられたが、MRIの特徴的な所見より真菌性(特にクリプトコッカス)と結核性髄膜炎の可能性を強く疑った。真菌性の診断目的にて髄液の墨汁染色・クリプトコッカス抗原を提出し、結核に対してはADAやPCRを提出した。墨汁染色は陰性であったが、クリプト抗原が16倍と低値ながら陽性であった。ADAやTb PCRは3回提出したが陰性であり、最終診断はクリプトコッカス髄膜炎とした。Amphotericin Bとフルシトシンの併用で、6週間治療し、その後に経口のフルコナゾール200mgに変更した。髄液所見は正常化し、クリプト抗原も陰性化した。髄液の培養は何れも陰性であった。 本例はHIV(-),HTLV-1(-)であり、また他の免疫を抑制するような疾患も検索したが、明らかな基礎疾患は分からなかった。 1年前にブドウ膜炎の既往があり、また入院時に頸部に小さなリンパ節腫脹があり、サルコイドーシスやベーチェット病などの可能性も考えられたが、現時点では不明である。 2001.7.31 松田・吉留・久松 名前 コメント
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ストレプトコッカス属 ストレプトコッカス属 学名 Staphylococcusストレプトコッカス 和名 レンサ球菌属 真正細菌の一属。 グラム陽性で通性嫌気性または偏性嫌気性の球菌。 乳酸菌の仲間。 一つ一つの球菌が規則的に、直鎖状に配列して増殖します。 ヒトや動物の口腔や腸内に多く住んでいます。 学名の由来は、「streptos=曲げやすい、柔軟な」+「coccus=粒・果実」という意味のラテン語からきているそうです。 代表的な菌 S. サリバリウス S. ミュータンス(S. mutans) ‥ 虫歯菌 S. ミレリ(S. milleri) S. ニューモニエ(S.pneumoniae) .. 肺炎球菌 S. ピオゲネス(S.pyogenes) .. 溶連菌 Link ウィキペディア レンサ球菌 (外部リンク) WIKIPEDIA Streptococcus (外部リンク/英語)
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HISTOPLASMOSIS Histoplasma capsulatumはdimorphorous(酵母型と菌糸型)な真菌で,米国では最も一般的な全身性真菌感染症であるヒストプラズマ症を引き起こす.感染性のあるH. capsulatum胞子を吸入することで,無症候性感染を起こす.健常者でも有症候性の呼吸器感染を起こすこともあるし,時に慢性進行性呼吸器感染症や播種性感染症を呈する.H. capsulatumは,日和見宿主,殊にHIV感染者では日和見感染症を生ずる重要な起炎菌である. Ⅰ. 生育と特徴 H. capsulatumは通常の真菌培地で発育するが,brain-heart infusionのようなenriched agar上では発育が加速する.菌糸期では室温では10-21日が必要で,特徴的な筒状の胞子を有することで同定に至る.37℃での酵母期への転換にはさらに7-14日を要する.生検検体も染色および培養に供される.Gomori-メテナミン銀染色およびPAS染色では小さな細胞内酵母の像を呈する.喀痰や血液からもWright染色で同定できる. Ⅱ. 分布 A. 流行域 ヒストプラズマ症は世界中で生じるが,米国中央部,特にオハイオとミシシッピ渓谷が流行地域である.テネシーとケンタッキーでは成人層の90%以上がH. capsulatumの感染を受けており,これは皮膚反応が陽性であることで判明する.より当方のメリーランドやバージニアでは,被験者すると85%が暴露を受けていることが分かる. B. 感染源 H. capsulatumは本来土壌に生息する.この微生物は,鳥類(例;ムクドリ,ニワトリ,黒鳥)やコウモリの排泄物で汚染された土壌でよく発育する.鶏舎・黒鳥止まり木清掃従事者や洞窟探検者は重暴露のリスク下にあり,アウトブレイクの元凶となる.都市住居でもみられることがあり,H. capsulatum胞子の巣窟は野外,講演,古い建物にも存在しうるため,巣窟が建設や取り壊しなどで拡散すれば呼吸器ヒストプラズマ症のアウトブレイクが生ずる結果となる. Ⅲ. 病因 A. 起炎菌 飛沫核の胞子を吸入することで感染が生ずる(成立する).胞子は肺胞に沈着し,酵母型に変換しマクロファージに貪食される.感染したマクロファージがリンパ管を通じて局所リンパ節に拡散し,網内系,肝臓,脾臓や骨髄に血行性に拡散する. B. 健常宿主では,最初の暴露から1-21日で細胞性免疫が発達する.Tリンパ球がサイトカインを産生しマクロファージを活性化し細胞内酵母を消化する.同時に感染巣で乾酪性または非乾酪性肉芽腫が形成される.この反応が感染をコントロールしている.経過とともに肉芽腫は石灰化し,レントゲンでは特徴的なGohn複合体および脾臓石灰化がみられる. C. 患者によっては有効な細胞性免疫が発達しない場合がある.感染(定着状態)はこれに含まれない.播種性ヒストプラズマ症が生じる.播種性ヒストプラズマ症の主要なリスクは高齢者,極小児,白血病やリンパ腫などの免疫抑制患者,被移植者,ステロイド治療中の者である.AIDS患者は播種性ヒストプラズマ症に進展する際の最大のリスクである. Ⅳ. 臨床像,診断,治療 A. 急性肺ヒストプラズマ症 1. 臨床像 a. 健常宿主:健常人では少量の吸入暴露は潜在感染となり無症状である.稀に有症候性となる場合があるが,これは小児か乳児の場合である.また,稀に呼吸器感染症が播種性感染症に至る場合がある. b. 胞子の大量吸入暴露後の感染症で有症候性の疾患を生ずることがあり,これを急性肺ヒストプラズマ症と称される. (1)先行暴露歴がなく急性期症状を呈し,10から18日間の潜伏期間の後で感冒様症状(悪寒,発熱,倦怠感,頭痛,筋肉痛,乾性咳嗽,胸痛)で発症する.結節性紅斑,多形性紅斑,移動する関節痛の場合もある.CXRでは通常量促成で,斑状で肺門縦隔リンパ節腫脹を伴う結節性浸潤影である.胸水はあまりみられない.多くの患者では2,3週間で症状は緩解する. (2)以前に暴露された者の場合はやや違ったパターンとなる.症状は似ているが程度は軽く先夫期間は短い(3-7日).CXRでは結節は微細でありリンパ節腫脹,胸膜病変,後の石灰化は伴わない. 2. 診断 a. 潜在性感染症は,皮膚テスト陽転や特徴的な石灰化を呈するCXR所見によってretospectiveに診断される. b. 急性症候性肺ヒストプラズマ症は培養および痰の検査によって診断されるが10%未満である.役に立つ追加検査は以下の通りである. (1)CXRは,先述の通り.疑わしい所見がある場合がある. (2)皮膚テストは急性疾患を診断する際には有用ではない.流行地域の居住者の多くは既感染のため陽性を示すからである. (3)補体結合反応により酵母型もしくは菌糸型抗原に対する抗体を検出する.一方若しくは両方を計測すると,急性感染症では抗体価は1 8以上で,70%以上で1 32を示す.流行地域では健常者での偽陽性は1 8から1 16であり,この範囲であれば疑わしい. (4)抗原検査:H. capsulatumのポリサッカライド抗原は,急性肺ヒストプラズマ症の患者の約20%で尿中または血清中に検出される. 3. 治療 健常宿主では良性の自然軽快する疾患であり治療を必要としない.症状が2から4週間継続する患者ではITCZ 200mg/日を6週から12週間が望ましい.AMPH-B 0.5-0.7mg/kg/日を初期に使用すべきなのは呼吸不全の場合か要人工呼吸療法の場合である.感染症医へのコンサルテーションが推奨される. B. 進行性播種性ヒストプラズマ症 一般的ではないが,急性感染症の約2000-5000症例の1回の割で起こり,概して日和見宿主(AIDS,被移植者など)に生じる.時に健常成人での報告がある.急性暴露若しくは酵母への暴露の直後に播種性疾患が生じることがあり,またその患者が流行地を作り出しさらに日和見状態を作り出す.播種性疾患で明らかな先行要因がない患者の場合,HIV感染を除外する必要がある. 1. 臨床像は,通常乳児またはAIDS患者で生じるが,非常に重篤なものから数ヶ月から数年に及ぶ長期に経過するものまで多彩である. a. 全身症状:発熱,悪寒,倦怠感,食欲不振,体重減少が一般的.急性に吸入的な暴露の後,3ヶ月以上症状が続く場合には全身病変があることを示唆している. b. 肝脾腫や肝臓検査異常が一般的で乳児では顕著である. c. 粘膜潰瘍は患者の35-40%に生じ,消化管特に回腸に生じる.食欲不振,吐き気,腹痛,下痢,肉眼的出血や穿孔を来す.口腔咽頭,鼻腔,口唇,歯肉,喉頭潰瘍は診断のための生検部位として重要である. d. 副腎はしばしば侵され,副腎不全は早期に生じ,または初期感染の数年後にも生じうる.臨床的に重要な副腎不全の頻度は不明である. e. CXRは正常のこともあり,間質影や結節性浸潤影を呈することもある. f. 貧血と白血球減少は一般的で,特に重症患者でみられる. g. 一般的ではない病像として,髄膜炎,皮膚病変(丘疹,結節,潰瘍),心内膜炎,骨融解病変がある. h. AIDS患者や播種性ヒストプラズマ症では高頻度に重症となりショック,ARDS,DIC,CNS病変を呈することがある. 2. 診断 a. 補体結合反応は50-70%の患者で陽性となるが解釈には注意を要する.先述の通りである. b. 抗原検査.H. capsulatumポリサッカライド抗原は播種性疾患患者の,血清で50%以上,尿中で90%以上で検出される.治療によって消失し再燃によって再び陽性となることから,治療への反応をフォローする際には繰り返し測定すると有用である. c. 骨髄培養は播種性疾患患者の75%以上で陽性となる.血液培養は40-70%で陽性となる.血液培養のlysis-centrifugation techniqueにより感度が高まる.特にAIDS患者では有用である.患者の半数以上で痰培養や尿培養でも検出される. d. 特殊染色:骨髄穿刺液や痰のメテナミン銀染色により24時間から48時間以内に診断を得られる.重症患者では末梢血のWright染色では白血球中にHsitoplasmaが認められることがある.口腔病変,肝病変,リンパ節病変がある場合には同部の生検により検体を採取する場合がある. 3. 治療 進行性播種性ヒストプラズマ症では全例で抗真菌剤が適応である. a. HIV陰性の日和見宿主で,症状があり入院が必要な程重症な場合には,AMPH-B 0.7mg/kg/日が推奨される.総量で30-35mg/kgが成人の場合の投与量である.症状が緩解した場合にはAMPHを中止し6ヶ月間ITCZ 200mg-400mg/日を継続した後,治療終了となる.軽症で入院を要しない場合,ITCZ単独療法が使用される場合もある. b. AIDS患者でCNS病変を有する場合や急速に重篤な状態になる場合,AMPH-Bによる治療開始が必要である.症状が改善した後,ITCZ 200mgを8から12週間継続し治療を終える.AIDS患者で軽症から中等症の場合,ITCZ 300mgを1日2回3日間投与し,その後200mgを1日2回8から12週間,初期投与する.再燃予防のため,AIDS患者は寛解後ITCZ 200-400mgを維持療法として投与されるべきである.AIDS患者でCD4 100/mm^3の患者がヒストプラズマの高頻度地域に居住している場合,予防としてITCZ 200mg/日が考慮されてしかるべきである. d. HIV陰性の健常者の場合,ITCZ 200mg/日を6ヶ月間が認容性が良好で効果的でもある.ITCZに堪えられない場合,FLCZ 400mg-800mg/日またはketoconazole 200-400mg/日でもよい.重症患者またはCNS病変がある患者の場合,AMPH-Bで治療されるべきである.感染症医に相談すべきである. 4. 予後 治療しない場合,死亡率は90%以上である.HIV陰性の場合,AMPH-Bによる治療で死亡率は7-15%に低下する.AIDS患者での死亡率は発症時の重症度に依る.再燃は1年以内に起こることが殆どである. C. 慢性肺ヒストプラズマ症 既存の慢性肺疾患がある場合に起こる.遷延性の浸潤影(肺臓炎)として発現する.およそ10-20%の症例では慢性空洞性疾患に進展する. 1. (初期の)非空洞性肺臓炎 a. 病像:倦怠感,熱,咳,胸膜痛は一般的な症状であるが,無症候性のものもいる.CXRは間質性浸潤影を示し,典型的な場合には肺尖背部に認められる.浸潤影は2,3ヶ月で消失し,梗塞様壊死領域が増大し,やがて収縮し容積減少に至る. b. 診断:痰培養は1/3の患者で陽性となる. c. 治療:肺臓炎の早期のエピソードは通常は自然治癒し良性の経過をとるが,肺組織の著明な破壊を遺すため呼吸不全を来しやすくなる.患者によっては,巨大なエア・スペースやブラが感染を伴い,このことで慢性空洞に至る.臨床的に進行している場合や浸潤影が悪化している場合には,空洞性ヒストプラズマ症のところで記述したような初期治療を行うべきである. 2. 空洞性病変 a. 臨床像:咳,痰が著明であり通常体重減少,熱,易疲労性を伴う.喀血も一般的である.肺基礎疾患があると病像が悪化しやすい.CXRでは空洞があり,肺尖部に多く,肺炎領域に隣接する.炎症が鎮火した場合,空洞壁は薄くなるが,活動性感染があれば厚壁空洞である.壁が2mm以上ある場合,感染の持続の可能性がある. b. 診断 (1)培養やWright染色に依る細菌学的確定診断は35-60%で得られるが,培養陽性が必ずしも活動性感染状態や再燃を意味する訳ではない. (2)CXRのほうが微生物学的データより疾患活動性を反映する指標となる. (3)補体結合反応は75%の患者で陽性となるが,解釈には注意を要する. c. 治療:多くの症例,特に壁厚が2mm未満の薄壁空洞の場合は,自然に消退する.そのような症例では初期は経過観察する.無治療の場合,35-40%の薄壁空洞は残存し増大し進行性呼吸不全に進展する.空洞が増大し臨床的に改善しない場合には抗真菌剤の適応である.経口でITCZ 200-400mg/日またはKTCZ 400mg/日を6ヶ月間以上治療する.これにより65%-80%の反応率があり,APMH-Bの成績より良好である.外科治療の適応についてははっきりしたものはなく,肺基礎疾患があるために外科治療の対象にならないこともしばしばである.IDへのコンサルテーションを薦める. D. 一般的ではない病像 1. ヒストプラズマ腫は原発性肺感染症の治癒期に生ずる場合がある.これらの無症候性の病変は中心部が石灰化した孤立性肺結節(直径1-4cm)としてみられる場合がある.抗真菌剤の適応はない. 2. 縦隔(リンパ節)線維化は,縦隔・肺門周囲に非常に厚い( 1mm)線維性被膜を伴い,隣接する既存構造に浸潤または圧迫しものをさす言葉である.この病変は寛恕だが容赦なく進行し,これまでいかなる治療的アプローチも有効ではなかった. 3. 縦隔肉芽腫は巨大な乾酪性リンパ節で融合し初感染の後被包化される.時に隣接臓器を圧迫し有症候性のことがある.治療はAMPH-B 0.7-1.0mg/kg/日またはITCZ 200-400mg/日が有用である. クリプトコッカス症 Cryptococcus neoformansは腐敗性真菌で,日和見状態と同様に健常者にも疾患を来す.髄膜炎,肺感染症がもっとも一般的なものであり,C. neoformansはAIDS患者の髄膜脳炎の主要な原因である. Ⅰ. 生育と同定 臨床検体からの分離株は被包化された酵母で,しばしば墨汁染色やWright染色で同定可能である.臨床検体を視覚化することで早期の診断推定に役立つ.標準的な培養技術が用いられ,単離に使用される培地にはcycloheximideを含有していてはいけない.この物質が発育を阻害するからである.発育には3-7日間かかり,同定には3-4日かかる.時に遅い場合があり,培養陰性と看做して破棄するまでに4-6週間培養しないと行けない場合がある. Ⅱ. 病因と宿主要因 C. neoformansはどこにでもいる真菌で世界中のトリ糞,特にハト糞飛沫中にある.土壌,ある種の果物,汚染されたミルクや食産物中にもみとめられる.その微生物の吸入により発病に至る.患者の多くは明らかな免疫障害を有さない.日和見状態にある患者,殊に細胞性免疫障害がある者は重症な急速進行・播種性感染症に陥る傾向にある.重症に対しての最も重要なリスクにはAIDS,リンパ腫,被移植者,副腎ステロイド投与者がある. Ⅲ. 肺病変 気道はC. neoformansの最初の侵入門戸であると推測されている.肺クリプトコッカス症は,通常一過性で無症候性なため診断される頻度は髄膜脳炎よりも頻度は低いがおそらく本真菌に依る最も一般的な形態である. A. 臨床症状 肺感染症は通常後遺症を遺さず,患者の多くは無症候性である.大量吸入によって定着するか宿主免疫が全身的または(慢性肺疾患等で)局所的に障害されているかであると,症候性の肺疾患が起こりやすくなる.臨床的に有意な疾患は,通常は亜急性の経過をとり鈍い胸痛,痰をほとんど伴わない咳,呼吸困難を伴う.長期に及ぶと微熱,体重減少も呈することがある. B. 診断 クリプトコッカス感染症の臨床像は非特異的であり,診断はいかに疑いを持つかに依る.日和見状態にある患者はリスク下にある.明確な炎症反応に乏しいため,感染の一般的な兆候,白血球増多やESR亢進,を欠くこともある. 1. 痰培養は侵襲性肺疾患でも10-30%で陽性となるのみである.気道への腐敗性の定着により痰培養陽性になることがあり,確定診断には開胸肺生検や経気管支肺生検により組織への浸潤を示すことが必要となる.メテナミン銀染色,PAS染色,Mayer-mucicarmine染色により酵母は容易にみつけることができる. 2. CXR所見は様々で,無症候性者の孤立結節影から症候性患者の局所性/葉性浸潤影まである.びまん性間質性肺炎からARDSまで呈しうる.しかし空洞や胸水は稀である. 3. 肺クリプトコッカス症が疑わしいかまたは証明された場合は全て脊髄液と血液を採取しそれぞれC. neoformans培養,クリプトコッカス抗原へ提出し,播種性疾患をrule otすべきである. C. 治療 肺クリプトコッカス症の患者全てが治療が必要という訳ではない. 1. 以下の条件に合致すれば健常宿主の場合は2-4ヶ月間の観察期間をとってよい.即ち,(a)肺外病変がない,(b)血液培養,髄液培養,尿培養が全て陰性,(c)髄液クリプトコッカス抗原が陰性で血清抗体が陰性または低いか安定しているか低下している,(d)肺病変が小さいか安定しているか終息傾向にある. 2. 抗真菌療法は以下の状況で開始する.即ち,(a)画像所見が悪化,(b)呼吸状態の悪化が明白,(c)播種が明白,(d)患者が日和見状態にある,である.免疫抑制状態にある患者は播種のハイリスクであるため抗真菌療法が必要である.軽症または中等症状の免疫正常患者の場合,FLCZ 200-400mg/日を3から12ヶ月間投与する.健常宿主で重症の場合かFLCZ治療で失敗した場合にはAMPH-B 0.5-0.7mg/kg/日が推奨される.肺病変のある日和見患者は,初期にAMPH-B 0.7-1.0mg/kg/日で2週間治療しその後FLCZ 400-800mg/日で8から10週間治療しさらにその後FLCZ 200mg/日で6から12ヶ月治療することが推奨されている.IDへのコンサルトが推奨される. Ⅳ. 播種性疾患 肺から血流を介してのクリプトコッカス酵母の播種はどの臓器にも起こりうるが,CNSが多い.皮膚病変や骨髄病変も起こりうる.播種性疾患患者は全て抗真菌療法が必要である. A. CNS C. neoformans感染症では髄膜脳炎をとることが最も多い.クリプトコッカスCNS感染症の患者の多くは日和見状態にある.第6章,第18章を参照. 1. 臨床像:クリプトコッカス髄膜炎の臨床像は非常に多彩である.短期間の急性期症状をとるが,免疫抑制が高度な状態にある場合(HIV患者)は特に顕著である.他の場合は診断がつくまで数週から時には数ヶ月間にわたって症状がはっきりしないことが多い.主要症状・兆候には頭痛,発熱,項部硬直(しばしば欠如),脳神経麻痺,記憶判断力障害,嗜眠,obtundation,昏睡である. 2. 診断 a. CSF (1)標準的な検査:症状のある患者の90%はCSF異常を示す.初圧高値,蛋白増加,糖低下,リンパ球優位の細胞数増多であるが,時に正常な場合がある.AIDS患者ではこれらの項目は正常かわずかな異常であることが一般的であり,さらに特異的検査により信頼を置くべきである. (2)墨汁染色:非AIDS患者でCNS病変がある場合は約50%,AIDS患者の場合は70%以上が墨汁染色陽性となる.アーチファクトやリンパ球が間違われて,偽陽性もありうる.菌体はグラム染色でも認められることがある. (3)確定診断:CSFの培養で菌が同定されることが必要である.大量のCSFを遠心したものの沈渣を使用すべきである. b. クリプトコッカス・ポリサッカライド抗原 ラテックス凝集反応で同定できる.クリプトコッカス髄膜炎が疑われる場合には,8 1以上を示す場合には殊に有用である.クリプトコッカス感染症に対しては適切に検査された場合には感度および特異度は90%以上である.稀に,リウマチ因子若しくは日和見感染を来すTrichosporon beigelii感染を併発していると偽陽性を来すことがある.血清中及び尿中で陽性になることがある.AIDSでクリプトコッカス髄膜炎が疑われる患者ではスクリーニング検査として有用である. 3. 治療 クリプトコッカス髄膜脳炎は全身抗真菌化学療法の絶対的適応である. a. AIDS患者のクリプトコッカス髄膜炎では,治療の初期目標は急性期疾患をコントロールすることであり,容易に継続が可能な後療法に繋げ,クリプトコッカスの感染状態を抑制することで,患者の機能を維持することである.AMPH-B 0.7mg/kg/日+5-FC 25mg/kg q 6hrsによる積極的な導入療法を2から3週間行うことが多くの専門家によって推奨されている.APMHはFLCZよりも速やかにCSFを安定化させる.導入療法が成功したら,FLCZ 400mg/日による維持療法を8週間行い中止に持っていく.IDへのコンサルトが推奨される. b. AIDS患者での維持療法は再燃を予防することが目的である.初期治療を終えた後にはFLCZ 200mg/日を受けるべきである.維持療法としては忍容性もよい.ITCZよりもFLCZのほうが好まれる. c. HIV陰性で健常者の場合は,伝統的な治療であるAMPH-B 0.3mg/kg/日+5FC 25-37.5mg/kg経口6時間毎,を4から6週間行うことで良好な成績となる.毒性があることと不便である点で,専門家達はAMPH-B 0.5-1.0mg/kg/日+5FC 25mg/kg r 6hrsで2週間の導入治療を行ったのちFLCZ 400mg/日を8から10週間継続する方法を推奨している.CSFが正常化するまで腰椎穿刺を繰り返す. d. HIV陰性の日和見患者(例;被移植者)では長期の治療が必要である.AMPH-B 0.7-1.0mg/kg/日で2週間,その後,FLCZ 400-800mg/日で8から10週間,さらにFLCZ 200mg/日を6から12週間,が推奨されている. e. 頭蓋内圧亢進はクリプトコッカス髄膜炎では一般的であり,死亡率や致命率が増加する.治療オプションとしては腰椎穿刺を毎日繰り返すか腰椎ドレーンを留置するかVPシャントがある.IDへのコンサルトを推奨する. f. 補足項目は第6章を参照 B. 中枢神経系以外の肺外病変 1. 皮膚 播種性疾患患者の10-15%が皮膚病変を呈し,顔面と頭皮に出やすい.稀ではあるが皮膚原発クリプトコッカス症の報告があり,クリプトコッカスの皮膚病変がある場合には全て播種性疾患と看做すべきである.日和見患者で結節性紅斑,膿疱,warts with molluscum contagiosum-like appearance,皮下結節,潰瘍がある場合には,クリプトコッカス皮膚病変を疑うべきである.粘膜病変は一般的ではない.皮膚生検で真菌染色及び培養を行うと診断に至る. 2. 骨 播種性疾患の5%で骨病変を呈する.長骨,頭蓋骨,椎骨が侵される.レントゲンでは円形の骨融解性であり硬化は伴わない.診断には生検および培養が必須である. 3. 播種性疾患の死後の検索では殆どの臓器への拡散が認められる(と報告されている).ある臓器でクリプトコッカスが検出された場合には全身検索が欠かせない.HIV感染者は,特定の臓器への局在がなくても播種性クリプトコッカス感染症候群を呈する.発熱,悪寒,筋肉痛,嗜眠,血清クリプトコッカス抗原陽性を呈する. 4. 非CNS肺外クリプトコッカス症患者への治療的なアプローチはCNS病変の場合と類似する.長期治療が要求される. COCCIDIOIDOMYCOSIS Coccidioides immitisは感染性の高い真菌であり,米国では流行地域において頻繁に肺感染症を生ずる.本微生物に依る疾患の多くは良性で自然治癒の転帰をとるが,慢性の肺または皮膚疾患,髄膜炎,播種性疾患を呈することがある. Ⅰ. 発育・特徴 ルーチンの培養法が用いられ,2-5日で疑診が得られる.培地での発育は速い.検査員への感染性が非常に高いため培地の取り扱いには十分に注する必要がある.人から人への感染は知られていない.C. immitis小球は痰,ドレナージ検体,感染組織から検出される.二重のrefractileで厚壁を有し,20-80mmである.典型的な場合,発育の諸段階で認められる.このspherulesを同定する数種類のキットがあり,potassium hydroxide,HE,メテナミン銀,PASも含まれる. Ⅱ. 病因 coccidiodomycosisは米国の南西部,メキシコ,中南米が流行地域である.流行地域への旅行から帰った後や当該地域に居住していて感染した者が後年再燃する場合がある.感染はarthrosporeの飛沫感染によって生じるため,新しい掘削,新しい開墾地,埃の嵐に関連した乾燥した気候でアウトブレイクが生じる. Ⅲ. 臨床像 A. 急性肺coccidiodomycosis C. immitisの初感染を受けた患者の多くは肺内で自然治癒する. 1. 潜伏性または無症候性の場合が約60%.先行感染の有無は皮膚テストでのみ検出可能である. 2. 有症候性.40%は,7日から28日(平均 10-16日)の潜伏期間の後,感冒様症状(flu-like illness)をとる. a. 症状と症候:熱,倦怠感,乾性咳嗽,息切れ,寝汗,食欲不振,胸膜痛が一般的である.10-40%は発症後数日以内に,明確な全身性の紅斑性皮疹,時に蕁麻疹用の外観を伴い,悪化する.末梢血好酸球増多がみられることがある.感染者の25%未満で皮膚過敏症が,結節性紅斑や多型紅斑を伴い生じる.これらは関節痛や肺臓炎を伴い,所謂“valley fever”と呼ばれる古典的な病像に合致する. b. CXR所見:急性coccidioidal pneumonitisの一般的な所見は,区域性肺炎で,50%でみられる.わずかな浸潤影がみられることもあり,これは30%程度.肺門リンパ節腫脹や胸水(時に大量)は約20%でみられる.さらに,孤立性または多発性結節,薄壁空洞,縦隔リンパ節腫脹もみられることがある.CXR異常は通常1-3週間で消失する. 3. 診断 a. 痰:初感染の場合,約40-70%は培養陽性となる.口腔咽頭に定着することは殆どないため,陽性の場合には実質的に肺coccidiodomycosisの診断に至る. b. 皮膚テスト:急性期感染と既感染の再燃を鑑別できないうえ,播種性疾患ではしばしば陰性となる.疫学的な評価でのみ有用である. c. しばしば血清学的に診断される.血清沈降抗体,免疫拡散法,ラテックス凝集反応はIgM抗体であり,発症後3週以内で75%が陽性となる.4週を過ぎると沈降抗体は検出できなくなる.補体結合法はIgG抗体を検出する.これは出現するのは遅いがIgMより長期に陽性となる.発症後3ヶ月までで補体結合反応は50%の患者で陽性だが,抗体価は1 32未満のことが多い.症状のある急性肺疾患の患者では90%以上で沈降抗体か補体結合反応が陽性となる.補体結合反応が上昇するか高値が持続するとしても診断的意義は低いが,低下すれば改善していることを意味する. 4. 治療 急性coccidioidomycosisの患者の多くは特異的な治療をしなくても6-8週以内に治癒する.しかし,以下の状況では全身的な抗真菌剤投与を考慮しなくてはならない.即ち衰弱,妊娠,免疫抑制,播種性疾患へ暴露されている人種,補体結合抗体価が上昇しているか持続高値,進行性肺疾患,2週間以上症状が持続,である.専門家によれば,合併症のない急性肺coccidioidomycosisの場合,ITCZ 200mg1日2回またはFLCZ 400-800mg/日の3-6ヶ月投与が推奨されている.びまん性浸潤影がある場合,臨床的に明らかな改善が得られるまではAMPH-Bにより治療し,続いてazole系経口剤で最低1年間治療することが推奨されている. B. 肺病変では他の病像もとりうる 1. 慢性肺coccidioidomycosis:急性肺炎の症状が数ヶ月も数年も持続する場合がある.微熱,体重減少,咳を呈する.血清補体結合反応が陽性となり,痰培養ではしばしばC. immitisが陽性となる.ITCZまたはFLCZで1年以上治療することが推奨されている. 2. 孤立性肺結節:流行地域では一般的.症状がないか免疫抑制ではない場合,抗真菌剤の適応はない. 3. 急性初感染の後にみられる空洞性病変は自然に消失することが一般的である.患者は無症状なこともあるし,喀血,微熱を呈することもある.痰培養はしばしば陽性である.空洞が残存するかどうかの予測は困難であるが,多くは1年から2年で自然に消失する.患者によっては喀血や隣接する肺への進展のためazole系薬剤による治療は手術が必要なこともある. C. 播種性coccidioidomycosis 感染者の1%未満であるが播種性疾患(肺外病変)に進展する.この合併症は,被移植者,血液悪性疾患患者,免疫抑制性化学療法者など日和見患者によく生ずる.局所性肺疾患がリスクとなる場合もあるが,AIDSは播種性疾患のリスクとして増加中である.播種性疾患は妊娠中,特に第三期に明らかになる場合が多い.また,非白人(Filipino,Hispanic,African American)は白人より播種性疾患のリスクが高い.播種性疾患は初感染の数週後や数年後に起こりうるし,潜伏していたものが再燃した後にも起こりうる. 1. 骨関節病変:播種性疾患の1/3以上が骨・関節病変を有している.骨で侵されやすいのは頭蓋骨,椎体,手足の骨である.骨融解が一般的で,覆っている部分の軟部組織にまで及び膿瘍やドレナージ洞を来す.関節病変は単一関節であることが多く,一般的に膝と足首を侵す. 2. 皮膚病変:播種性疾患では侵されやすい.小膿疱やプラークから疣状に増殖するものまで多彩である.稀に,C. immitisが定着して直接病変を来すことがある. 3. 髄膜炎:C. immitisによる中枢神経病変は通常は軽微で非特異的であり,初感染の数ヶ月以内に起こることが多い.頭痛,発熱,体重減少,が一般的な症状である.髄液検査では単核球優位の白血球増加と蛋白上昇が見られる.末梢血好酸球増多も知られている. 4. 他の頻度の低い病変:尿路生殖器系では前立腺炎や精巣上体炎をとる.腹膜炎やリンパ節炎も知られており,稀にだが眼病変も起こりうる.miliary diseaseはCXRでびまん性の網状影・浸潤影として現れるが,AIDSではこのような形をとることが多い. 5. 診断 確定診断には感染組織や体液中に病理学的証拠および/または培養が必要である.血液培養や尿培養が陽性となることはあまりない.髄膜炎患者ではおよそ1/3で陽性となる.播種性疾患では補体結合反応が増加している必要がある.患者の多くは1 32以上である.しかし,例外的に髄膜炎の場合には血清抗体価はずっと低い傾向にある.髄膜炎の場合,髄液補体結合抗体が75%以上で検出される.補体結合反応価は検査施設によって異なるが,特に著明な結果が出た場合には気に留めておく必要がある. 6. 治療 全身抗真菌剤療法は播種性疾患の全病型で適応である. a. 髄膜炎以外の場合,azole系経口剤で開始する.ITCZ またはFLCZ 400mg/日である.治療期間は最低でも1年間で,疾患が不活動性となってから6ヶ月である.より重症で急速に悪化する場合にはAMPH-B 0.5-0.7mg/kg/日も代替薬である. b. 専門家によれば髄膜炎では経口FLCZ 400-800mg/日も新たなオプションであるようである.反応率はAMPH-Bの髄腔内投与と同等で毒性が低い.ITCZ 400-800mg/日も有用である.しかし残念ながら再燃率が非常に高く,治療期間について明確になっていない.IDへのコンサルトが推奨される.
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抗真菌剤 表17.2:全身投与に使われれる抗真菌剤 表17.3:毒性 Ⅰ. AMPH-B 侵襲性真菌症に対して最も信頼性のある薬剤 A. mode of action:真菌細胞膜のergosterolに結合し,孔を開き細胞抗生物質の漏出を来す.そして細胞死に至る. B. PK:実は良くわかっていない.消化管からの吸収は良くない.全身性疾患はivで治療する必要がある.代謝は生じず,排泄は胆道からである. C. 分布:組織濃度がもっとも高いのは肝臓,脾臓,肺,腎臓である.髄液,耳下腺液,水溶性ホルモン,尿,透析液への移行は良くない.血漿濃度が高いからと言って治療がうまくいく訳ではない. D. 至適レジメン,総投与量,総治療期間についてのコンセンサスはない. 初期投与量を1mgとしこれを30分から1時間かけて投与する方法がある.患者は稀に血圧低下などの特異反応やアナフィラキシー反応を示すからである. 5-10mg/dの漸増法,単回投与する方法などあり,筆者らは重症患者の場合にはfull-dose (e.g. 0.5mg/kg/日)をivし0.7-1.0まで増量して行く方法を好んでいる.1日最大量を50mgとすべきという専門家もいる. 1日量を4時間かけて投与する方法もあり,筆者らは好んでいる.短時間投与のほうが有害事象の頻度が低いという意見もある.AMPH-Bはほ乳類の細胞内Kを放出させる作用があり,腎障害患者では重篤な高カリウム血症のリスクがある. 血清Cr 2.5-3.0またはBUN 40以上では,減量したり,回復するまで中止したり隔日法に切り替える専門家が多い.腎機能が落ちても累積はしない(胆道排泄だから).腎毒性はあるが累積はしない.透析になったらfull dose.初期腎毒性は量依存性,後期腎毒性は投与量依存性.治療中止数ヶ月後には正常に戻る例が多いが不可逆性の場合もある.投与前に生食を投与(500-1000mLを1〜2時間前に投与)すると腎毒性発生率を低減できるかもしれない. 局所投与はcoccidioidal meningitisや難治性のcryptococcal meningitisで適応がある. E. 毒性 1. 発熱,振えの副作用:投与開始後最初の1週間に出現することが一般的でやがて消失する.AMPH-Bにより単核球からIL-1やTNFが放出されることによる.プロスタグランジンE2の放出を続発する.視床下部の熱閾値をかえてしまう.acetoaminophen(成人では650mgを経口で),diphenhydramine hydrochloride(ベナドリル),meperidineをAMPH-Bの投与前30分に予防投与する向きもある.筆者らはルーチンには投与しないが,初回投与時に生じた場合には2回目以降では予防投与する.ibuprofen(10mg/kgの単回投与)も有用である.hydrocortisone 25-50mg ivを併用することもあり有用であるが,ステロイドを単独で使用することは推奨できない. 2. 食欲不振,吐き気,嘔吐が出ることも一般的だが,次第に軽減される. 3. 腎毒性:主要なdose limiting factor.早期毒性は用量依存性だが,後期毒性は総量依存性である.治療中止後数ヶ月で正常に回復することが一般的だが,不可逆性の場合もある.治療初期には隔日にモニターすべきである.安定している場合や在宅投与を受けている場合でも血清クレアチニンとカリウムを週に2,3回は検査する.円柱尿やRTAは投与量の調整の指標にはならないが,腎障害の予測にはなる. 投与前に生食を投与すると腎障害を減じることが出来るかもしれない.もしくは塩分摂取を継続してもよいかもしれない.塩分負荷が差し支えない場合には筆者らは500mL-1000mLの生食を1-2時間で投与している. 4. 貧血:75%で生じる.EPO産生抑制と骨髄抑制による.白血球減少,血小板減少は稀. 5. 低カリウム血症はRTAにより生ずる.約25%.低マグネシウム血症も生じる. 6. 血管炎:一般的.AMPH-B濃度が0.1mg/mLを超えないようにすると予防しうる.ヘパリン同時投与もよい. 7. 重篤な肺障害:急性の呼吸困難,低酸素血症,間質性浸潤影がAMPH-B投与やWBC輸血で報告されている.AMPH-BにしろWBC輸血にしろ,間隔は長い方がよい. 8. 生食負荷,プレメディが事前に印刷された用紙,日毎の投与量と総投与量,血清クレアチニンや他の治療が記録できるフロー・シートを用意している施設もある. F. 妊娠:胎児への影響はない. G. 併用療法:flucytosineとの併用は相乗効果がある.殊に非AIDSでのクリプトコッカスの場合である.他の薬剤での併用効果については有望だが,動物実験での話である. H. 好中球減少下での遷延性の発熱に対して.慎重に診察し検査をフォローしてもフォーカスがつかめないことが多いうえ,広域抗生剤を投与しても熱は遷延する.播種性真菌感染症の早期診断は困難であるため,抗真菌剤の全身投与も考慮すべきである.広域抗生剤投与にも関わらず熱が5-7日続き,血液培養が陰性であれば白血球減少から回復するまでAMPH-B 0.5mg/kg/日を開始する.入院中の重症患者ではもっと早く開始する場合もある.AMPH-Bに引き続いてFLCZを投与することについては前向き研究で確立した. I. コストについては表17.4を参照 Ⅱ. AMPH-B脂溶製剤 従来のAMPH-Bでは有害事象がもとで投与量が制限されることが多い.リポソーム工法によるDDSで全身的な毒性を増さずに臓器へのAMPH-B高濃度を実現できている.脂溶製剤は3つある. A. 治療指標改善のメカニズム 1. 毒性を軽減しつつ効果を増強するメカニズムについてはわかっていないが, a. 真菌感染の主な部位であるマクロファージへ高濃度で到達する. b. 組織マクロファージへ速やかに取り込まれるため,大量投与による腎障害を回避できる. c. 脂肪から真菌細胞膜への伝達が選択的. d. in vitroのデータでは,感染によるサイトカイン放出を惹起せず,従来のAMPH-Bと同程度である. B. 薬物動態 研究は少数.従来のdeoxycholate-AMPH-Bとの効果の比較もない.臨床効果や毒性がどのように変わっていくかは未知数. C. 適応と投与量 1. ABLC:AMPH-Bに不耐性か難治性の侵襲性真菌感染症に承認されている. 2. L-AMB:有熱性好中球減少症で真菌感染症が疑われる場合のエンピリック治療に承認されている.AMPH-Bに不耐性か難治性の重症真菌感染症に承認されている.推奨投与量は3-5mg/kg/日である 3. ABCD:AMPH-Bに不耐性か治療不成功例の侵襲性アスペルギルス症に対して承認されている. D. 効果と毒性 1. 前向き,無作為抽出臨床研究はないが,これまでのデータから脂溶製剤はAMPH-Bより腎毒性がきわめて少ない.注射に関連した毒性もやはりあるが,L-AMBが最も軽微である.ABLCとABCDは,L-AMBとAMPH-Bの中間くらいである. 2. 効果は同等である.腎毒性が少なくより高用量を投与できれば,治療上有利である. 3. 日和見宿主では侵襲性アスペルギルス症・ムコール症は死亡率が高いことから,実際の臨床ではL-AMBの大量投与で治療を開始することになる. 4. コストの点から今のところは他の抗真菌薬で治療がうまくいかなかった症例や耐えられなかった症例,あるいはAMPH-Bで腎障害を生ずるリスクが高い症例への代替薬の位置づけである. Ⅲ. Flucytosine (5-FC) C. neoformans,Candida種,Torulopsis種に活性があるが,耐性が増加している. 5-fluorouracilと5-fluor-2-deoxyuredylic acidに変換され,RNAとDNAの機能を阻害する. 体液のある空間への分布は良好.特にCSFでは血清濃度の60-80%に達する. 排泄:90%は代謝されずに尿に排泄される.腎機能が落ちていると集積される.肝機能障害では影響ない.蛋白結合はわずか.透析や腹膜透析で除去される. 経口剤の吸収は良好(90% )で経口剤のみ. 腎機能正常では12.5-37.5mg/kgを6時間毎だが,専門医の多くは最大量を100mg/日とすることを推奨する. 腎障害時には減量する.血中濃度をモニターしながら調節する.100μg/mL未満とするが推奨は40-60である.Stammらはノモグラムを作成した.表17.5を参照すること. 毒性は多くの場合,血中濃度が100を超えた場合に生ずる. 肝障害:5-7%.無症候性が多く可逆性.致死的肝壊死の報告もあり,毎週肝酵素はチェックする. 白血球減少と血小板減少:骨髄障害の既往がある場合に出やすい.AIDSでクリプトコッカス髄膜炎の治療にAMPH-Bと併用して5-FCを投与する場合によく生じた.そのため,AIDSのクリプトコッカス髄膜炎の場合にはAMPH-B単独で治療する.一方で,5-FCと併用した方が過度の毒性なく予後もよいという研究もある.AIDSのクリプトコッカス髄膜炎ではFLCZとの併用で良好な成績である. 消化管:軽微な下痢が多いが重症化する場合もある 催奇形性:動物実験では催奇形性があるため,妊婦では有用性が胎児への危険性を上回る場合にのみ使用する. 授乳:母乳中に排泄されるかどうかはわかっていないので,5-FCを投与された場合には授乳を中断する. F. 併用療法 CandidaとCryptococcusの多くは5-FCに感受性があるが,重症感染症に単剤で使用する機会が増えるにつれ耐性が広がっている.AMPH-Bと併用することで,in vitroでもin vivoでもCandidaおよびCryptococcusに対して相加・相乗効果を有する.相加効果あるということは,AMPH-Bの投与量を減らすことが出来るということであり,毒性を少なくすることにつながる.残念ながら,AMPH-Bは5-FCの腎排泄を障害し5-FCの毒性を増す.そのため,特にAMPH-Bと併用する場合には5-FC血中濃度を測定しなければならない.併用療法はクリプトコッカス髄膜炎と時に全身性カンジダ症に頻繁に推奨される. G. コスト Ⅳ. アゾール アゾール系は全身性真菌感染症に対するAMPH-Bの代替薬で,安全で効果的.表在性感染症の局所治療としても有用.窒素分子の数によって分類される.5-membered zole ringはimidazole (miconazole,ketoconazole)またはtriazole (itraconazole,fluconazole)である.アゾール系は同一のメカニズムで真菌活性を発揮する.真菌細胞膜の主なステロールであるエルゴステロールの生合成を,cytochrome P450依存性真菌酵素であるC-14 lanosterol demethylaseへの干渉を介して,阻害する.膜透過性が変化して細胞生育と複製を阻害する.残念ながら,アゾール系はほ乳類のcytochrome P450系依存性の酵素に作用し,このことで重大な障害や薬物相互反応を生じる.triazoleはimidazoleに比べ,ほ乳類のcytochrome P450酵素へよりも真菌のcytochrome P450酵素に対しての親和性が高く,毒性と薬物相互作用がより小さい. C. Fluconazole bis-triazole.カンジダ感染症,AIDS患者のクリプトコッカス髄膜炎の一部の初期治療および予防に用いられる.ivまたはpo製剤あり. 1. 薬物動態 消化管からの吸収は優れており(90% ),iv投与の場合と同等.吸収に際して胃酸は必要ない.H2-blockerの併用で吸収は低下しない. 代謝は受けず,80%はそのままの形で腎から排泄される.腎不全でも減量の必要はない. 尿中濃度は高い.尿路カンジダ症にも効果がある. CSFへの移行も良い.血清レベルの60-80%である.痰,唾液,水晶体への移行も良い. 薬物動態は若年者と高齢者で同等である. 2. 臨床用途 AIDS患者のクリプトコッカス髄膜炎の初期治療と維持療法の両方に有用であることが証明されている.しかし,重症者,意識障害を伴っている患者,予後見通しの悪い患者ではAMPH-Bが選択され,患者が落ち着きCSFパラメータが改善した後の治療としてはFLCZでもよい.AIDS患者での維持療法としては経口剤で200-400mg/日が選択される. 日和見患者の口腔咽頭カンジダ症および食道カンジダ症の治療にも有効. 膣カンジダ症のマネージメントではルーチン使用は推奨されない.局所治療がうまくいかなかった場合や再発を繰り返す場合には有効かもしれない. カンジダ血症や全身性カンジダ症患者の治療にFLCZを用いることについては議論が残る.しかし,最近の研究では,好中球減少がある場合もない場合も,これらの症候群の治療にFLCZを用いてAMPH-Bと同等の効果だったとするものもある. 骨髄移植時の予防投与でも良好な成績.しかし,FLCZ耐性のCandida kruseiの報告もみられる.AIDS患者の多くは継続的にもしくは断続的に長期にわたってFLCZが投与されており,また世界的に使用されているため,FLCZ耐性も増加してきている. coccidiodomycosis,histoplasmosis,blastomycosis,sporotricosis治療にFLCZを使用のする際の役割は検討段階.以前の研究では,FLCZはcoccidioidal meningitis治療に有用であった. 肝脾カンジダ症もFLCZに(良好に)反応する. 3. 投与量 経口でも吸収が良いので,経口投与量と経静脈投与量は同じ.消化管運動が障害されている場合や経鼻胃管で吸引されている場合はivが選択される.懸濁液もよい. 口腔咽頭カンジダ症では,初日200mg,以降は100mgを感染がなくなるまで.数日以内に反応することが多く1週間以上の治療は不要.AIDS患者では頻繁に再燃することが知られており,このような場合維持療法が有効.1週間に1回100mgで多くの場合再燃を予防できる. 食道カンジダ症では,初日200mg,二日目以降100mg.最大400mgが必要な場合もある.最低2週間治療する. 全身性カンジダ症またはカンジダ血症では,最近出た二つの無作為抽出試験によると,好中球減少下にはない場合はFLCZ 400mgでAMPH-Bと同等のアウトカムであった.C. kruseiのようなnon-albicans種のいくつかではFLCZに耐性があるため,このような場合にはAMPH-Bが使用される必要がある. クリプトコッカス髄膜炎:AIDS患者での再燃防止には,経口で200mg/日. AIDS患者のクリプトコッカス髄膜炎の初期治療では,初日に400mg,次いで低リスク患者では200-400mg/日.専門家の多くは当初はAMPH-Bで,その後FLCZという治療を推奨する. HIV陰性者のクリプトコッカス髄膜炎でFLCZが適切かどうかについては明確にはなっていない. 腎不全患者では投与量を減らす.loading doseを投与した後は減量する.Ccr 50 では通常量,Ccr 21-50では半分量,Ccr 11-20では1/4量.維持透析中の患者では,透析後に通常量を投与する. iv FLCZは経口投与が出来ない場合に用いられる.血清濃度は経口の場合と同程度なので,それ以外にivの利点は特にない. 妊娠:適切な研究がない.益が害を上回る場合にのみ使用すること. 授乳:乳中中濃度は血清中濃度と同等であるため,授乳中婦人の服用は推奨しない. 4. 有害事象 低頻度だが,毒性はAIDS患者で報告されている.皮疹,吐き気と嘔吐,Stevens-Johnson症候群,肝毒性.副腎でのステロイド合成に影響するがketoconazoleほどではない.インポテンス,女性化乳房,月経異常(無月経)が稀だが報告されている. 5. 薬物相互作用 頻度は少ない.ketoconazoleほど多くはない. RIF;FLCZ濃度を下げる. ワーファリン,フェニトイン,RBT,CsA;FLCZによる増加.PT測定や血中濃度測定が重要. FLCZとterfenadine,astemizoleとの相互作用は十分研究されていない.データがそろうまでは併用はさけるべき.cisaprideにも干渉する. 6. コスト;高価である. D. Itraconazole もともとは真菌感染症の全身的投与用に発売された経口剤であったが,β-cyclodextrinで処理を施しivで投与できるようになった.原発性histoplasma症およびblastomycosis症の治療用に認可され,現在は侵襲性アスペルギルス症にも認可されている. 1. 薬物動態 カプセルの空腹時の吸収は30-40%である.生物活性は食事によって著しく増強されるため,食事とともに服用するのが良い.胃酸で増強され,制酸剤で減弱する. 経口剤は空腹時での吸収がよく,また酸の影響を受けない. 蛋白結合率が高く(99.8%),CSF移行性は皆無. 脂質親和性が高く,組織濃度は血清濃度を上回る.皮膚,爪にも移行し,半減期は血清中より組織中の方が長い. 過剰な肝代謝が生じ,しかし代謝物の大部分も抗真菌活性を有し,1%未満が尿中に排泄される. 腎不全,透析,腹膜透析は血清濃度に影響しない.しかし,iv中のβ-cyclodextrinは腎臓より排泄される. 2. 臨床応用 histoplasma,blastomycosisの治療に認可されており,アスペルギルス症では代替薬である. in vitroでは幅広い抗真菌活性を有し,Candida種,C. immitis,S. schenckii,C. neoformans,Aspergillus種に活性がある. 慢性皮膚爪真菌感染症の一部の治療に有用. 3. 投与量 食事と一緒に接種する必要がある.iv製剤は経口摂取不能の患者でよい.200mg/日以上では分割投与する. histoplasma,blastomycosisでは200mgでも400mg/日でも治療成績は同じという結果が出た.治療抵抗性の場合は100mgずつ増量し最大400mg/日とする.最短6ヶ月間の治療が推奨されているが,histoplasma症ではしばしば1年以上必要な場合がある. アスペルギルス症では,肺および肺外アスペルギルス症でAMPH-Bに抵抗性の患者での効果があとになって証明された.200mg1日3回をloading doseとして(重症では3日間),200-400mg/日で治療する.ABPA,mycetomaの治療にも用いる. FDAはsporotrichosisの治療にも認可したが,ヨウ化カリウムの代替薬として有用である.皮膚型もしくは皮膚リンパ型では通常量は200mg/日で3-6ヶ月間投与する.高用量(200mgを1日2回)は骨・関節感染症や肺感染症に用いる. 小児用量:小児での安全性および有用性は証明されていない. 腎不全:腎不全での投与量の調節は必要ない.透析でも腹膜透析でも血清濃度は変化しない.β-cyclodextrinを含有するiv製剤は腎で排泄されるため,腎不全では投与量を調節する.Ccr 30mL/min未満ではiv ITCZは使用すべきではない. 4. 毒性 200-400mg/日の推奨量では認容性は十分ある.毒性の報告は600mgを超えた場合がほとんどである. 吐き気・嘔吐:10%みられるが,中止する必要はない.夕食時に投薬したり,均等二分割するとよい. 肝機能障害は軽微で一過性. 稀なものとしては掻痒感,皮疹,頭痛,高血圧,低カリウム,足底浮腫,うっ血性心不全.インポテンツは通常一過性.600mg未満では副腎のステロイド産生には影響しない. 5. 薬物相互採用 ketoconazoleと比べ,肝microsomal enzyme阻害能は低い. 制酸剤,PPI,H2RAは血清濃度を下げる. RIF,PHTは代謝を誘導し濃度を下げる.CBZ(carbamazepine),PBT(phenobarbital)も下げる. terfenadine,astemizoleとの併用は禁忌.QT延長や致死性の心室性不整脈を誘発する.cisaprideも同様. CsA,digoxin,PHTの濃度を上昇させる. ワーファリンの抗凝固活性は増強される. SU剤の血糖降下作用は増強される. 6. 妊娠:ラットでは催奇形性あり.乳汁中にも排泄される. 7. コスト:高価な薬剤 E. Voriconazole 侵襲性アスペルギルス症に認可.Scedosporium apiospermum(Pseudallescheria boydiiの無性型),Fusarium種による重症感染症で他の薬剤に認容性のないものにも認可.他の病原性真菌,Candida種,Cryptococcus種,Dermatophyte種など,多くに活性がある.経口でもivでも投与可.有害事象も少ないが,視覚障害を訴えることが多く,また肝障害も報告がある. 1. 薬物動態 VRCZはCNSを含む組織移行性が良好.肝臓で代謝され代謝物は腎臓から排泄される.薬物動態は直線的ではない. 経口剤(50/200mg)の生物活性はヒトでは96%,最高血中濃度は経口投与後2時間.他の特性はiv製剤とpo製剤で同等. iv製剤にはsulfobutyl ether β-cyclodextrinを含有する.dextrinは腎から排泄されず,腎不全患者では蓄積する.腎不全患者では投与量の調節が必要. 血中の58%は蛋白と結合している. 体内分布は速い.4.6/mg.CSF濃度は血清と同時に測定した場合には30%-68%. 肝臓でcytochrome P450酵素系により代謝される.代謝の飽和度によるため代謝は直線的ではない.肝不全では投与量の調節が必要. loading doseが投与された場合,最初の24時間でピーク濃度に達すし安定レベルに至る. 2. 臨床応用 侵襲性アスペルギルス症では初期治療およびサルベージ治療のいずれにも認可されている.初期治療としては,反応率 53%である(AMPH-Bでは32%). 症例コホートは少数だが,Scedosporium apiospermumおよびFusarium種では63%,43%と良好な成績である. 将来的には侵襲性カンジダ症,カンジダ血症の治療薬として,また,有熱性好中球減少症でのAMPHに替わる薬剤かもしれない. 3. 投与量 初日にはloading doseを投与し血漿濃度を定常状態近くに持っていく.loading doseは6mg/kgを12時間あけて2回投与する. 維持量:4mg/kg q 12hr.ivで開始されたら経口に切り替える.経口の場合,体重40kg以上なら200mg q 12hr,40kg未満なら100mg q 12hr. 肝不全では投与量調節が必要.loadig doseは同じだが,維持量は中等度肝不全(Child-Pugh "A" or "B")なら50%とする.重度の肝不全(Child-Pugh "C")では検討されていない. 腎不全:経口剤は影響を受けないので投与量調節は不要.対照的に,iv製剤中のsulfobutyl ether β-cyclodextrinは中等症以上の腎不全( 50mL/min)では蓄積していく.透析で,VRCZは除去されるがsulfobutyl ether β-cyclodextrinは除去されない. 4. 毒性 主要なものは視覚障害,皮膚反応,肝酵素上昇. 視覚障害は臨床試験では30%に出た.機序は不明だが,網膜に直接作用してるらしい.また,濃度と投与量に関連しているようである.軽微で一過性.中止しないといけないケースは稀.幻覚は4%. 皮膚反応は6%.日光過敏.多くは軽微. 著明な肝酵素上昇は13.4%.量の調節をしてもしなくても治療をしている間に改善する.治療開始時点と治療中はルーチンに検査する. 5. 薬物相互作用 肝で代謝を受ける.cytochrome P450系で代謝される薬物が相互作用する. VRCZは以下の薬物の濃度を上げる(ので併用禁忌);sirolimus,terfenadine,astemizole,cisapride,pimozide,quinidine,ergot alkaloids VRCZは,多分以下の濃度を下げる;carbamazepine,長時間作動型barbiturates VRCZは以下の薬物の活性をあげる(禁忌ではない);CsA,tacrolimus,warfarin,statins,benzodiazepines,Ca-blockers,SU剤,vinca alkaloids VRCZは以下の併用で自身の血清/組織濃度が下がる;RIF,Rifabutin,PHT. 重症感染症では併用をさけるべき. VRCZは以下の薬物とは相互作用が全くないかほとんどない;cimetidine,ranitidine,digoxin,macrolide,indinavir 妊婦への安全性はカテゴリー"D". 小児への使用経験はまだこれからだが期待が持てるかもしれない.しかし,安全性についても確立していない. Ⅴ. Echinocandin 真菌細胞壁全体の構成成分であるB-(1,3)-d-glucan合成を阻害する.caspofunginが最初に上市されたが,現在のところ他剤に不耐性か難治性の侵襲性アスペルギルス症にしか適応がない.Candida種に対してはin vitro/in vivoともに優秀な抗真菌活性を有しているため,侵襲性カンジダ症やカンジダ血症の治療では突出した役割を担うようになるかもしれない.caspofunginはin vitroでもin vivoでもC. neoformansやMucor種に対しては全くまたはほとんど活性がない. A. 薬物動態 caspofunginは唯一のiv製剤で,アルブミンとの結合は97%,hydroxylationとN-acetylationによってゆっくり代謝される.そのため肝不全時には投与量の調節が必要. 腎不全時,投与量調節は不要.透析されない.透析後の補充投与も不要. B. 臨床応用 caspofunginは,他剤(AMPH-B,liposomal AMPH,ITCZ)に不耐性または難治性の侵襲性アスペルギルス症にのみ適応がある.caspofunginを第1選択とした臨床研究はまだ終わっていない.AIDS患者での播種性カンジダ症や難治性カンジダ食道炎での観察からは,本薬剤の有用性がまもなく証明されるはず. caspofunginは,in vitroではA. fumigatusおよびA. flavis,A. tereusに良好な活性を示した. 不耐性もしくは難治性侵襲性アスペルギルス症の69人を対症としたopen-labelの非比較試験では,63人がクライテリアに合致し,転帰のデータが得られた.少なくとも41%が良好な結果を得た.7日以上投与を受けた患者のうち50%は良好な反応だった.前治療に不耐性のケースでは70%が良好な転帰,前治療に難治性の場合には36%が良好な転帰だった. caspofunginとITCZの併用療法は,単剤治療で不成功だった侵襲性アスペルギルス症の治療でよい結果だった.免疫抑制状態が遷延している患者では,併用療法が重要であると筆者らは考えている. C. 投与量 侵襲性アスペルギルス症では70mg iv(div)を初日に投与し,二日目以降は50mg/日.データ数は少ないが70mg/日でも認容性はある.70mg/日以上は安全性と効果についての評価中. 腎不全;投与量調節は必要ない. 肝不全;軽度の肝不全(Child-Pugh "A")では量調節は不要.中等度の肝不全(Child-Pugh "B")では(初回投与70mgをloadingしたあとの)毎日量を35mgに減量する.Child-Pugh "C"の高度の肝不全では使用経験がない. D. 毒性 50-70mgの推奨量ではほとんど問題ない 投与中のヒスタミン症状の報告あり.皮疹,顔面腫脹,掻痒感,あったかい感じ.稀だがアナフィラキシーも. 発熱,皮疹,吐き気,嘔吐,注射部位の血管炎 caspofunginとCsAを同時期に併用して肝酵素上昇 E. 薬物相互作用 cytochrome P450系の酵素を何ら阻害しない.また,他の薬剤のCYP3A4代謝を誘導しない. 肝臓のcytochrome P450系で代謝されないが,他剤との併用で広範囲に肝酵素系を活性化するため,caspofungin自身の代謝が加速される.臨床試験では有害事象として結果が残る.efavirenz(Sustiva),nelfinavir(Viracept),PHT,DEXA,RIF,CBZと併用する場合,caspofunginを増量する場合は注意を要する. caspofunginを同時併用すると,tacrolimusは約25%濃度が下がる. F. その他考慮すべきこと 妊婦に対してはカテゴリー"C". 小児への使用の安全性については確立していない.
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ラクトコッカス属 ラクトコッカス属 学名 Lactococcusラクトコッカス 真正細菌の一属。 乳酸菌。 球菌で芽胞は形成しません。 乳酸醗酵食品に多く含まれています。 pHや塩濃度の変動に強く、自然界に広く存在しています。 この属の基準種はL.ラクチスです。 代表的な菌 L. ラクチス S. ラクチス L. クレモリス L. ガルビエ(L. garvieae) L. ピスシウム(L. piscium) L. ラフィノラクチス(L. raffinolactis) Link ウィキペディア ラクトコッカス属 (外部サイト) WIKIPEDHIA Lactococcus (外部サイト/英語)
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G 髄膜炎 102I20 新生児髄膜炎の起因菌としての頻度の高いのはどれか。2つ選べ。 a 大腸菌 b 緑膿菌 c 髄膜炎菌 d B群レンサ球菌 e インフルエンザ菌 ○ a × b × c ○ d × e 正解 ad 100F48 24歳の女性。発熱,頭痛および嘔吐を主訴に救急車で搬入された。一昨日の夜から高熱,強い頭痛および嘔吐が出現し,背部痛を伴っている。身長 156cm,体重 51kg。体温 38.6℃。呼吸数 22/分。脈拍 112/分,整。血圧 80/56mmHg。胸部に異常を認めない。項部硬直とKernig徴候とを認める。尿所見:蛋白 1+,糖(-)。脳脊髄液所見:外観混濁,圧 240mmH2O(基準 70~170),細胞数 2560/μl(基準 0~2)(多核球 95%),蛋白 500mg/dl(基準 15~45),糖 15mg/dl(基準 50~75)。血液所見:赤血球 420万,Hb 13.2g/dl,Ht 42%,白血球 23000。 推定される病原体はどれか。 a 結核菌 b 髄膜炎菌 c クリプトコッカス d サイトメガロウイルス e エコー〈ECHO〉ウイルス × a ○ b × c × d × e 正解 b 診断 髄膜炎菌による細菌性髄膜炎 100C16,100C17,100C18 次の文を読み,16~18の問いに答えよ。 1歳6か月の男児。発熱と顔色不良とを主訴に来院した。 現病歴: 昨夕,不機嫌,38℃台の発熱および顔色不良に気付いた。夜は眠ったが今朝も不機嫌で元気がなかった。 出生歴: 在胎40週,自然分娩で出生した。出生時の身長 51cm,体重 3240g,頭囲 33.5cm,胸囲 33.0cm。Apgarスコア 10点(1分)。 発育歴・既往歴: 精神運動発達は正常である。予防接種はBCG,ポリオワクチン2回,DPT Ⅰ期および麻疹ワクチン完了。9か月時に突発性発疹に罹患した。 現症: 身長 82cm,体重 10.2㎏。体温 37.8℃。呼吸数 48/分。脈拍 160/分,整。血圧 96/64mmHg。意識はやや傾眠状態。顔色不良で顔貌は無欲状である。大泉門は閉鎖している。咽頭は軽度に発赤し,粘膜疹はない。リンパ節は触知しない。鼓膜の発赤はない。胸部に異常所見はない。仰臥位で,頸部を前屈すると股関節と膝関節とで下肢が屈曲し,両下肢を伸展位で掌上すると膝が屈曲する。足底をさすると母趾は底屈する。 検査所見: 尿所見:異常なし。血液所見:赤血球 394万,Hb 10.7g/dl,白血球 15900(後骨髄球 2%,桿状核好中球 10%,分葉核好中球 54%,単球 12%,リンパ球 22%),血小板 12万。CRP 11.2mg/dl。 C16 この患児が1歳時にできたと考えられるのはどれか。2つ選べ。 a つかまって歩く。 b 両手を使っておもちゃで遊ぶ。 c 積み木を2つ重ねる。 d 上着を脱ぐ。 e 二語文を言う。 ○ a ○ b × c × d × e 正解 ab C17 この患児でみられるのはどれか。2つ選べ。 a Babinski徴候 b Blumberg徴候 c Brudzinski徴候 d Kernig徴候 e Romberg徴候 × a × b ○ c ○ d × e 正解 cd C18 診断に最も有用なのはどれか。 a 咽頭培養 b 血清ウイルス抗体価 c 脳波 d 頭部単純CT e 脳脊髄液検査 × a × b × c × d ○ e 正解 e 診断 化膿性(細菌性)髄膜炎 99A57 50歳の女性。廊下に立ってボーッとしている状態を家族に発見され,まとまりのない言動がみられるようになったため,救急車で搬送された。1週前からかぜ症状と軽度の頭痛とを訴えていた。近医で感冒と診断され解熱鎮痛薬を処方されたが,症状の改善なく,昨夜から激しい頭痛が生じ、数回嘔吐した。意識はJCSでⅡ-30。身長 160cm,体重 58kg,体温 39.8℃。呼吸数 24/分。脈拍 104/分,整。血圧 160/90mmHg。頸部のリンパ節腫脹はない。胸部に心雑音はなく,ラ音を聴取しない。腹部は平坦で,肝・脾を触知しない。下肢に浮腫を認めない。眼底にうっ血乳頭はなく,瞳孔は正円同大,対光反射は両側正常で,眼球頭反射は正常である。明らかな筋力低下はなく,不随意運動も認めない。痛み刺激に対する反応に左右差はない。深部(腱)反射は正常で病的反射を認めない。項部硬直があり,Kernig徴候陽性である。血液所見:赤血球 425万,Hb 13.1g/dl,Ht 40%,白血球 12000(好中球 67%,単球 6%,リンパ球 27%),血小板 16万。血清生化学所見:AST 35単位,ALT 44単位。CRP 27.0mg/dl。脳脊髄液所見:初圧 250mmH2O(基準 70~170),細胞数 980/μl(基準 0~2)(多形核球 970,単核球 10),蛋白 403mg/dl(基準 15~45),糖 4mg/dl(基準 50~75)。 脳脊髄液検査で次に行うのはどれか。 (1) 細菌培養 (2) IgG定量 (3) ウイルス分離 (4) 結核菌PCR検査 (5) 沈渣のGram染色 a (1),(2) b (1),(5) c (2),(3) d (3),(4) e (4),(5) ○ (1) × (2) × (3) × (4) ○ (5) 正解 b 診断 細菌性髄膜炎 99I7,99I8,99I9 次の文を読み,7~9の問いに答えよ。 2歳3か月の男児。発熱,意識障害およびけいれんを主訴に救急車で搬送された。 現病歴: 3日前から発熱,不機嫌および食思不振を認めた。昨日夕方から本日にかけて頻回に嘔吐があった。次第に意識が低下し,母親の呼びかけに対してやっと開眼する程度であったが,本日昼からけいれんが頻発し,刺激に反応しなくなった。 出生・発達歴: 在胎 40週,出生体重 3200g。首の坐りは3か月。寝返りは6か月。坐位は7か月。つかまり立ちは9か月,歩行は13か月。 既往歴: 生後7か月のとき,発熱と同時に強直性けいれんを認めた。けいれんの持続は2分で,自然に止まった。脳波検査を受けたが異常は指摘されず,治療も受けていない。 現症: 身長 86cm,体重 12.5kg。体温 39.2℃。呼吸数 30/分。脈拍 128/分,整。血圧 106/68mmHg。顔つきは無表情。けいれんは認めない。外表奇形は認めない。皮膚は湿潤しており,皮疹を認めない。大泉門は閉鎖し眼瞼結膜に貧血はなく,眼球結膜に黄疸を認めない。仰臥位で頭部を持ち上げると抵抗がある。咽頭は軽度発赤。表在リンパ節は触知しない。呼吸音は正常である。不整脈と心雑音とは認めない。腹部は平坦,軟で,腫瘤は触知しない。 検査所見: 血液所見:赤血球 420万,Hb 11.8g/dl,Ht 39%,白血球 24000(好中球 72%,好酸球 1%,単球 6%,リンパ球 21%),血小板 18万。血清生化学所見:総蛋白 7.1g/dl,アルブミン 4.6g/dl,尿素窒素 12mg/dl,クレアチニン 0.6 mg/dl,アンモニア 28μg/dl(基準 18~48),AST 28単位,ALT 12単位,LDH 365単位(基準 176~353),アルカリホスファターゼ 120単位(基準 260以下),Na 134mEq/l,K 4.2mEq/l,Cl 98mEq/l。CRP 13.6mg/dl。 I7 まず行う検査はどれか。 (1) 頭部エックス線単純撮影 (2) 脳波検査 (3) 頭部MRA (4) 頭部CT (5) 脳脊髄液検査 a (1),(2) b (1),(5) c (2),(3) d (3),(4) e (4),(5) × (1) × (2) × (3) ○ (4) ○ (5) 正解 e I8 この患児のけいれんに関与しているのはどれか。 a 低血糖 b 低カルシウム血症 c てんかん d 脳浮腫 e 発熱 × a × b × c ○ d × e 正解 d I9 まず行う治療はどれか。 (1) 輸液 (2) 抗菌薬投与 (3) 血栓溶解療法 (4) 抗けいれん薬投与 (5) 非ステロイド性抗炎症薬投与 a (1),(2) b (1),(5) c (2),(3) d (3),(4) e (4),(5) ○ (1) ○ (2) × (3) × (4) × (5) 正解 a 診断 急性細菌性(化膿性)髄膜炎