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彼女がフラグを立てる理由 BASIC MEDIUM HARD Level 3 6 9 Objects - - - BPM 165 TIME - Artist YELL Version plus(彼女がフラグをおられたら PACK) 動画 攻略 名前 コメント ※攻略の際は、文頭に[BASIC] [MEDIUM] [HARD] [SPECIAL] のいずれかを置くと、どの譜面に関する情報かが分かりやすいです。 コメント(感想など) 名前 コメント ↑攻略と無関係の曲に対するコメントはこちらでお願いします。あまりにもかけ離れた内容は削除される場合があります。
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上条当麻「こんだけ暇なのも久し振りだなー。インデックスも今夜は小萌先生ん家で焼肉らしいし、今夜の飯は何にす――」 上条当麻は放課後の校舎を暇潰しがてら歩いていた。 が、曲がり角で何かと衝突した。大した衝撃でも無かった為、かえって何事かと辺りを見回すが、原因は見当たらない。 逢坂大河「……ひとに、ぶつかっておいて、謝ることもできないの……?」 上条はやたらドスの効いた声を聞き、漸く視界の最下方、その更に下から物凄い眼光で睨み付けている少女に気が付いた。 上条「あーはいはい何でまた見るからに噛み付きますよー的な少女と出逢ってんでせうか?やっぱ上条さんには駄フラグ以外は有り得ないのだろうか、いや有り得ない!」 こういった事が日常茶飯事なのか、上条はうんざりだと言わんばかりに喚き散らしていたが、対峙している少女の眼光に更なる鋭さが篭ると、「ひっ」と情けない声を上げながら床に尻餅をついた。 逢坂「……すぐに謝れば、許してあげたけど、そこまでナメた態度を取るのなら、いっぺん…死んでみる…?」 上条「ひっ、何でまた某地獄流しの少女風な事…っつうか死ぬから!木刀は死ぬか―――!」 CAST とある魔術の禁書目録 上条当麻 とらドラ! 逢坂大河
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「「本日天気晴朗なれども波高し……」」 同盟軍の二提督が演説を始める。出だしが同じだけど、こなたは某団長さんの真似だろうし、みゆきはガチで日露戦争のアレなんだろうな。それにしても疑問なのは、二人とも指揮下の艦隊に向けて演説しているはずなのに、何故か私の方に熱い視線を投げかけているということ。ああ、つかさもだ。こういう場合はどうしたらいいんだろう? とりあえず手でも振り返してみようかな……。 ……やめた。宇宙戦争そっちのけで襲われかねない。 さて、帝国軍は私の打撃艦隊が左、つかさの機動艦隊が右という位置取りで、マップ中央部を目指して目下航行中。そこへ先行した偵察艇から、同盟軍艦隊を発見という報告が入った。同時に、主力艦隊のレーダーも敵の偵察艇を探知したという報告が入る。彼我両軍とも同時に主力を発見、と。奇策を弄しようもないので、こうなるわよね。 同盟軍もこちらと同様、こなたの打撃艦隊が左、みゆきの機動艦隊が右に位置している。旗艦の艦名に圧倒されてうっかりしてたけど、旗艦の艦種からあちらも同じようなコンセプトで艦隊編成を行ったことが伺える。編成の仔細までは分からないけどね。 このままだと、マップ中央部で双方の打撃艦隊と機動艦隊が正対することになる。そこは特に障害物とかのない宙域なので、「かがみんを我らの手に作戦」は、それらを利用したものではないらしい。位置取りを替えて探りを入れてみようかなんて考えてみたけど、同じ部屋でテーブルを挟んで対戦しているのであまり意味はない。 そうこうしている内に、艦隊はマップ中央部に到達してしまう。主力艦隊のレーダーが同盟軍の艦影を捉える。 砲撃戦用意……。無意識に心の中で唱え、カーソルを「攻撃」コマンドに合わせる。 「砲撃戦用意!」 「砲撃戦用意」 敵はというとこなたがそれを声に出し、みゆきが復唱する。 「ラブラブビームの準備はいい?」 「ラブラブビーム、全砲門発射体制です」 すわ! 同盟軍の新兵器か!? 孔明の罠か? 「鬱積煩悩愛羅武勇ミサイルは?」 「鬱積煩悩愛羅武勇ミサイル、全ランチャーに装填済みです」 白い学ランのお化けを着たリーゼントの兄ちゃんが、改造バイクに乗って発射管から飛び出してきたら白旗を揚げよう……。私は固くそう誓った。それにしても敵将の会話が聞こえるというのも奇妙なものね。会話の内容はさらに奇妙だけど。 なんて考えている内にも両軍の距離は縮まり、やがて互いを艦砲射程のイエローゾーンからレッドゾーン内で捉えるに至る。その瞬間、つかさを除く三人が「攻撃」コマンドをクリックする乾いた音が鳴り、静かに戦闘の開始を告げた。 「撃て撃てーッ!! 敵の大将を愛の業火で焼いてやりなさーい!!」 訂正。全然静かじゃなかったわ。団長さん風に攻撃命令を出すこなたに……。 「この胸より愛を込めて……撃ち方始め!」 戦艦の装甲よりも厚そうな胸を揺らすみゆき。 二人とも微妙にズレた言い回しで、その上余計な一言と、私へのウィンクのおまけにつきだ。 「ファイエル!」 ネタにネタで応じる事の危険性は理解しているつもりだけど、一応帝国風ドイツ語で私も命じる。ついでに同盟軍のウィンク攻撃に、顰め面で反撃しとく。こら、睨まれて嬉しそうな顔をするな。 出遅れたつかさというと、愛するお姉ちゃんの真似をしたつもりらしい。 「ファブ●ーズ!?」 臭いを消したいのか? 「ファ」しか合ってない。 こうして戦闘はごく平凡な形で幕を上げた。 双方の打撃編成の第一艦隊と、機動編成の第二艦隊が向き合った格好での撃ち合う格好となっている。つまり、こちらから見て左では私(帝国軍第一/打撃編成)とみゆき(同盟軍第二/機動編成)、右ではつかさ(帝国軍第二/機動編成)とこなた(同盟軍第一/打撃編成)という形ね。 つかさの艦隊は動きはいいけど打たれ弱いので、腰を据えての撃ち合いとなると分が悪く、早くもこなた艦隊に対して劣勢に陥る。 「うえ~ん、お姉ちゃ~ん」 さっそく救援要請が来る。全くもう、宿題や忘れ物以外にもこんな世話もしなきゃならないのね……。 「あんたの艦隊は足が速いんだから、こなたの横に回るとか特色を生かした戦い方があるでしょ」 「お姉ちゃんから離れたくない~」 そんな事言って負けたら、そのお姉ちゃんがこなたやみゆきのものになっちゃうのよ……なんて言ったら、パニクるんだろうな。 「ほら、砲撃だけじゃなくて艦載機も出しなさいよ」 「うえ~~ん、ここ関東だよぉ! 負けたらお姉ちゃんと関西に駆け落ちするぅ~!」 訂正、もう十分パニクってたわ。 「見せつけてくれるじゃん」 黒いオーラを立ち上げながらこなたが言う。心なしか、こなた艦隊も勢いを増す。 「妬けてしまいますね」 みゆきの顔も、眼鏡レンズの反射光の奥に翳る。個人的には、うっとり嘗め回すような視線を送られる方がよっぽど怖いんだけどね。 こんな具合だったので、みゆき艦隊の奇妙な点に気付くのが遅れてしまった。異変の原因は司令官の言動が奇妙だからではなく、作戦によるものと思われる。というのも、防御に優れた台形陣を組み、最低限の反撃だけ行いながら、じっと私の艦隊の攻撃に耐えていた。艦隊までMなのか? 同じ機動編成の艦隊であるにも拘らず、つかさのとこと比べてあまりに損害が少ない。不審に思いカーソルを当て情報を引き出してみると、動力用のエネルギーをもシールドに回して、可能な限りの防御を行っていた。 私は、砲火を中央に集中できる凹形に陣形を組み替え、艦列を右に左にと振ってみゆきを挑発してみる。が、相手は乗ってこない。いや、こんな風に乗ってきやがった。 「ああ、かがみさんが私を挑発しています。誘ってますよ、性的な意味で」 「性的な意味はない!」 「分かる、分かるよみゆきさん。凹形陣て、形が何かに似ててエロいんだよね。性的な意味で」 「おま……それ……」 「うう、今から病院に駆け込んで、男性になってきてはだめでしょうか? 性的な意味で」 「それより、頭の修理をしてもらいなさいよ。ネジが数本と、鼻の栓が外れてるはずだから、アコーディオン工場かモノマネ教室に行ってつけてもらいなさい」 「かがみさん……」 みゆきの涙ぐんだ目が、こちらを見る。今のは言い過ぎか? 「なんてお優しい。私もう堪りません!」 そういう受け取り方をされると、本気で心配になってくる……。 「耐えるんだ、みゆきさん。ここで戦線を放棄したら、全てが無駄になってしまうよ。性的な意味で」 「より耐えているのは私の方だ……(泣)」 「煉獄の業火に焼かれている気分です。性的な意味で」 「なんか発言の最後に、『シャツも着ないで』って言わずにはいられない子供の会話みたいね」 「「「え!?」」」 三人が顔を上げ、私の方を見る。三人……そう、つかさも。どうしたんだろう? 「かがみさんがシャツも着ないで、上半身裸でいるのかと思ってしまいました」 「考えてみたらセーラー服だったね」 「な~んだ」 そして何事もなかったようにゲームに戻っていく三人。一体なんなんだ? 「その煩悩を、煉獄の炎で焼き清めなさいよ」 「かがみさんの愛の炎の中へであれば、この身を差し出します。今すぐ!!」 「ごめんね。生憎持ち合わせてないわ、それ」 「燃え上がる前の愛ならお持ちなのですね? わかります」 「ああ、まあね。全部やるから、さっさと燃やして灰にしちゃっていいわよ。それよりさ、煉獄ってなんだっけ? 非DQ的な意味で」 「煉獄とは、西暦1140年ごろまでに確立された、キリスト教世界における第三の死後の世界の概念で―」 あー、この方が鬱陶しくないわ。よし、今の内に艦載機を出してみゆき艦隊を叩こう。 「第三というのはもちろん、天国・地獄に次ぐ第三という意味で―あ、かがみさんの積極的なアプローチが!」 私の意図に気付くと、みゆきも艦載機を出してインターセプト(中間迎撃)する。 「続きはベッドの中で、愛の炎に焼かれながらお話しするという事でいかがでしょうか?」 艦載機を指揮しながら、こんな事を抜かす。こちらの攻撃隊はほとんど阻止されてしまったけど、みゆきは艦載機も含めそれ以上積極的に打って出ようとしなかった。 「それは無理ね。今の私の愛が届かなかった以上は……」 単なる買い言葉よ、これ。伝染したんじゃないんだからね。でもまあ、これほどの反応を引き出すとは予想外だったわ。 「そんな事はありません。しっかり届いてますよ。かくなる上は、司令官同士の一騎打ちでカタをつけましょう!」 「何で服を脱ぐんだ!? 相撲でもとるのか?」 「白兵戦になりますが、主に寝技を使わせていただきます。さあ、ベッドへ!」 私を食べ物と勘違いした犬のようにハッハッと息を弾ませながら、こなたのベッドをバンバン叩く。私は無視して、艦載機をこなた艦隊に振り向けた。 「ちょ、みゆきさん。それ私のベッド……おお、こっちにもキタッ。愛が届いた!」 「どこの軍隊が艦載機に愛を載せるんだ!?」 「私も加わっていいんだね? 白濁の白兵戦に」 「壮絶な感じがするな……」 「私も混ざる~!」 つかさも参戦表明。そのときは味方じゃなさそうね……。 でも、これではっきりしたことがある。みゆき艦隊の行動は、時間稼ぎだ。何のためかといえば一つしかない。今戦場で進行中の事象は、つかさ艦隊の崩壊だけなのだから。 ならばどうする? 目標をこなた艦隊に変更するか? いや、ダメだ。みゆきに横っ面を晒すことになる。そんなことしたら艦隊はビームを、私はキスを浴びせられることになってしまう。ならば、同盟軍艦隊の間隙に突撃して突き崩すか? あわよくば後方に抜けて、つかさ艦隊と前後から挟撃もできる……もうこれしかない。 霧の中に光明を見つけたような気分で、その為の操作にかかろうとしたとき、作戦計画が根底から覆されてしまった。 「お、お姉ちゃ~~ん!」 情けないことこの上ないつかさの叫び声。こなた艦隊から痛撃を浴び続けたつかさ艦隊は、ついに戦闘継続が不可能なほど統制を乱し、再編成が必要となってしまった。 「みゆきさん、今だ!」 「はいっ!」 邪魔な妹を先に片付けたってことかしら? この時を待ちわびていたみゆき艦隊が、ついに動き出した。 「最終鬼畜萌え要素 高良・M、行け!」 これは何だろう。某疾風の「行け、バイエルライン!」と同じノリなのか? 「女は度胸です。泉さん、援護してください!」 みゆきはみゆきで、空飛ぶ女海賊みたいだし。 と、悠長に構えている場合じゃない。 カチカチ カタカタ…… マウスとキーボードを激しく操作する音。 みゆきはまず1500隻規模の分艦隊を二つ作り、私の艦隊の両脇から後方へ送ろうとする。その間に本隊は、台形陣から紡錘陣形に組み替える。こちらは中央部に放火を集中するため凹形陣をとっていたため、本隊をしたたか叩いたものの、分艦隊にはうまく応射できない。艦載機に攻撃させたものの、快速な敵分艦隊は、損害を出しながらそれを振り切ってしまった。 「かがみさん……いれますよ」 身の毛もよだつ一声とともに、みゆきの主力は突進した。 中央突破! みゆきはそのいきり立つ切っ先を、私の(艦隊の)一番奥深い場所目掛けて突き立てた。 非 性 的 な 意 味 で !! 艦列に楔が打ち込まれると、温存していた艦載機を放ち、一気に突き崩しにかかる。 「いや! やめて……らめぇ~~!」 嬌声じゃないわよ? 私はみゆき艦隊の先鋒に放火を集中するよう命じたものの、こなた艦隊からの援護射撃で右翼がうまく連動しない。さらに先の分艦隊たちが、後方から左翼に対して牽制射撃をかける。 「ああっ~~!!」 だから、嬌声じゃないってば。ちょっと中央突破されただけよ。それに「旗艦被弾」というアラートも表示された。 「尖頭形のモノで、かがみさんを真ん中から引き裂くことが出来ました」 みゆきは勝ち誇ったように言うけど、その主力艦隊は、突破時の勢いが強すぎて大きくオーバーランしてしまっている。二つの分艦隊はそれを追うように反転し、主力を追いかける。 ―あれ? でも、何かおかしい。みゆき艦隊の意図は中央突破・背面展開のはずだから、分艦隊は主力をその場で待てばいいはずだ。何で本隊を追いかけるのか? それに、何で分艦隊は二つなんだろう? 操作が大変になるだけなのに。 そんな疑問を感じはしたけど、私はそれを僥倖として態勢の立て直しを図った。というより、それどころじゃなかったんだけどね。 私の旗艦「ぎょぴちゃん」は、被弾による被害は少なかったものの、中央突破で分断された右側の集団に流されてしまっていた。だから、左側の集団が操作できなくなってる。幸い右集団はつかさ艦隊よりもよっぽど秩序を保っていたため、こなた艦隊に反撃しながら、スラスター(横とか前とか上とか下についた補助用エンジンとでも思って)を吹かして平行移動し、再合流を図る。 合流まであと少し。つかさ艦隊の再編完了もあと少し。みゆき艦隊は回頭を終え、こちらの背後に迫ってきている。 どうすればいい? どうすれば巻き返せる? その答えが出ない内に、多くのことが同時に起こった。 まずつかさ艦隊の再編成が完了した。 「お姉ちゃんの嫁、ふっか~~つ!」 誰があんたの婿だ? 分断されていた私の艦隊が再合流した。 「かがみが生き別れた左半身と再開したか……」 私は合体ロボットか何かだったのか? みゆき艦隊の背面展開が完了した。 「かがみさん、帰ってまいりました」 帰って来なくてもよし。再び旅立て。でもまあ、ここまでは三人の発言も含めて想定内。 そして想定外の出来事。それは私の艦隊の左側面と、つかさ艦隊の右側面にひょっこりと敵の小艦隊が姿を現した事だった。 「!!?」 「あれ~~!?」 つかさも事態の深刻さに気付き、素っ頓狂な声を上げる。私は声も出なかった。 いうまでもなくそれは、みゆきが先に後方へと突破させた分艦隊だった。私の艦隊の左翼への牽制射撃が終了すると、主力と合流すると見せかけて、戦場を大きく迂回して側面へと向かわせたというわけね。その暁回(ぎょうかい)運動をこちらのレーダーは捉えていたはずだけど、分断された左翼との再合流を焦る私は、全くそれに気付かなかった。 つかさ? さあ……? それ以前にレーダーの見方、分かるのかな? あるいはレーダーがどこに表示されているか、分かっているかどうか? ていうか、私以外のものが目に入ってるかどうか。 みゆき艦隊のオーバーランも不手際などではなく、分艦隊と足並みを揃える為のものだったのかもしれない。 とにかくここにきて、同盟軍の意図が前後挟撃ではなく、包囲殲滅だと分かった。 脱出路はまだあった。私の前方と、つかさの後方だ。私の艦隊は前進するだけでいいけど、つかさは後退するか、左転針→前進→右転針→前進と動いて私と同じところから脱出するかという、困難な道しか残ってなかった。そしてつかさなら、間違いなく後者を選ぶ。でも、同盟軍がそれを看過し座視するほどお人好しではないことも、また間違いなかった。 私にはまだチャンスがあった。艦隊に前進を命じればよかった。つかさを見捨てればよかった。……私には、それができなかった。 「みゆきさん!」 「はい!」 同盟軍は……なんだっけ? ああ、そうだ。「かがみんを我らの手に作戦」の仕上げにかかっていた。両艦隊とも右翼を右方向へ伸張し、こなたは私の前方を、みゆきはつかさの後方を遮断しようとしていた。 勝手に姉を婿認定し、勝手にその嫁に座に納まってしまうようなとんでもない妹だけど、それでも見捨てることはしないという姉としての心理をも、この一人っ子たちは見透かした上で、作戦に組み込んでしまったのだろうか? 躊躇って行動できずにいる私の目の前で、伸張を続けていたそれぞれの右翼が、側面に回っていたみゆきの分艦隊と連結し、同盟軍の包囲環が完成した。 「「艦列、うにょ~ん」」 同盟軍の二提督はそう言った。それは作戦成功を意味する符号だったのかもしれない。 負けたわね、完全に……。 私は溜息をつき、勝者の口上を待った。 「可愛がってあげるよぉ、袋のかがみちゃ~ん♪」 「やりました。ついに、ついに……かがみさんの緊縛に成功です!」 ……こんなところかしらね。まあ、負けることで本当にそうなっちゃうんだけど。 「―って、あれ?」 同盟軍の砲撃が止まっていた。これって何てバグ? それともエラー? 二人を見ると、何やら深刻な顔で悩んでいる様子だった。 「どうしたの?」 「大問題発生です」 「『だいもん』が大発生したんじゃないよ」 「知ってるわよ」 それって何て西部警察? 「かがみ自身と、かがみの名のついたつかさの旗艦、どっちを先に攻めようか迷っちゃってねー」 「フェルマーの最終定理も裸足で逃げ出す難問です」 数学の定理に足が生えてたら、私の方が逃げ出すわ。 「かがみの旗艦が『かがみの貞操』とかだったら、迷うことはなかったんだけどねー」 「アホか!」 でもこれはチャンスだった。私に見とれているつかさの肩を叩き、「お尻も叩いて」という願いを無視して艦隊行動の指示を出す。 「半円陣を組んで右舷90度回頭。急いで」 「う、うん……。うげんて?」 「右よ、右! 早く!」 叫びながら私も「陣形」メニューから半円陣を選択し、つかさとは反対に左舷90度回頭を命じる。そしてつかさ艦隊と背中を合わせる格好で円陣を形成する。 「♪ わ~い お姉ちゃんと合体だ~ ぷ~ぷかっぷ~」 「合体」ってこの場合、「釣りバ●日誌」的な意味なんだろうな。例によって無視して、射撃命令を出す。 「ファイエル!」 「ファ●リーズ!」 包囲環全体に対して砲火を浴びせる。 「やっぱりかがみ自身を先にモノにしてだね……」 「降伏後に旗艦を鹵獲(ろかく)、ですね」 同盟軍も基本方針が決まったらしい。私の艦隊に対して特に砲火が集中された。しかしながらこちらはわずかに先手を打てたおかげで、同盟軍の艦列に綻びを生じさせることに成功した。 「つかさ、脱出よ」 「どうやって?」 「そっちはそっちでうまくやりなさい」 私は艦隊を紡錘陣に組み直し、さっきのお返しとばかりに同盟軍の艦列の綻び、こなた艦隊とみゆき艦隊の連結部目掛けて突進した。 「ふぁ~。かがみ、らめぇ~。裂けちゃおうよぉ!」 「かがみさん、すご……あぁ! は、激しすぎます」 「変な事言うな! 変な声出すな!」 いくばくかの押し合いの後、私の艦隊は包囲環を食い破ることに成功した。その直前、こなたの総旗艦「かがみ様激Love」の位置が判明したという報告も入った。 一方……。 「おねえちゃ~ん! 待ってぇ~!」 つかさ艦隊は脱出に失敗した。私の艦隊の脱出時に包囲環全体が揺らいだけど、突進力に劣る半円陣のまま中でもたもたしていた。 みゆきの中央突破時と同様、私の艦隊も勢いがつきすぎてオーバーランしたけど、これによって十分な間合いを取ることが出来たので、反転させる。そして状況を分析し、作戦を立てる。 まず、同盟軍はどうするだろうか? ここはこのまま包囲環を維持し、つかさ艦隊を各個撃破してから私に向かってくるだろう。壊れた人為にそぐわない精緻な作戦立案と、巧妙な艦隊運動で以ってせっかく作り上げた包囲環だ。みすみす手放すことはない。 帝国軍の状況はどうか? 黒井先生の授業にも出てきたオルレアンの篭城軍のように、ジャンヌ・ダルクとなった私の、外からの攻撃に呼応して動くことをつかさに期待するのは難しい。ならば外から同盟軍に出血を強い、つかさ艦隊を捨て石にして、その全滅までに同盟軍に対して数的優勢を確立するよりない。 ついさっき躊躇って実行できなかった事の、正にその結果というべき状況に置かれたわけだけど、こうなった以上背に腹は替えられない。お腹の肉を背中に回しても、太っていることには変わりはない(胸に回せたらなあ……)。 ならばどうするか? 同盟軍のどこに出血を強いるか? 答え=こなたの総旗艦を撃つ! この間約0.7秒。今チャンネルをテレ玉(テレビ埼玉)に合わせ、「埼玉銘菓十万石まん●ゅう」のCMを見たら、「うまい! うますぎる!」というナレーションが、「早い! 早すぎる!」とでも聞こえただろう。 私の頭はそれくらい冴えていた。 ま た は 壊 れ て い た !! そんなわけで、こなた艦隊の後方宙域へ進路を取る私の艦隊。総旗艦「かがみ様激Love」を討ち取るのが先か、つかさ艦隊が全滅するのが先か? たとえ「かがみ様激Love」を討てなくても、つかさ艦隊が全滅した時点で数的優勢を確保できれば、その後の消耗戦で勝利できる。 ……そう思ってたんだけど。 「かがみん、待て~」 「お待ちくださ~い」 同盟軍の奴ら、あっさりと包囲を解きやがった。こっちに向かってくる。何だろうこれ。浜辺で戯れるバカップルのノリ? 「お姉ちゃ~ん!」 つかさも向かってくる。 同盟軍との距離が縮まり、たちまち砲戦となる。同盟軍の砲火が私の艦隊に殺到する。私もこなたの総旗艦目掛けて応射する。 「はあ、やっと追いついた」 到着したつかさ艦隊に、光背からこなた艦隊を叩かせようとすると、 「お姉ちゃんの隣に行きたいんだけど、ダメ?」 「そんな事してみなさい。姉妹の縁を切って、こなたの嫁になるから」 この一言は凄まじい効果を発揮した。 「あぶあひ!」 こなたが鼻血を吹いて倒れた。お株を奪ったわね。 「ああ、総司令官が昏倒されました。メディッーク!」 お株を奪われたみゆきが、衛生兵を呼ぶ。 「いるわけないでしょ」 いや、いた。そうじろうおじさんだ。こなたの鼻にティッシュを詰めると、そそくさと帰っていった。ティッシュを抱えて廊下で何をしていた? つかさに対しても効果覿面で、その艦隊はこなた艦隊の背後に猛攻を加えている。 「お姉ちゃんは私の嫁……おねえちゃんは私の嫁……」 何か唱えている。これは、「くたばれカイザー!」「ジーク・カイザー」のノリなのか? みゆき艦隊が前進し、総司令官と私の間に割って入ろうとするけど、こなた艦隊が前進してそれを阻止する。そういや、団長さんの艦隊もキョ●とガチの間に割って入ってたっけ。味方同士でも火花が散るのは、どこも同じなのね。 両軍とも第一艦隊の艦数が激減し、この狂乱の宴も終焉が近い。 「旗艦被弾」というアラートは、もう数え切れないほど出た。こなたも同じだろう。 割って入ることを諦めたみゆき艦隊が側撃を加えてきたが、背後を取られないよう後退し、こなた艦隊との砲戦を続行する。 もはや総力戦。ショスタコーヴィチでいえば七番の第一楽章より、五番の第四楽章の方がふさわしい状況だ。 全艦、ありったけのビームとミサイルを敵に叩きつけろ!! 最後まで立っていられるのはこなたか、私か……? かくて日は暮れ つかさ功成りて (私の)万骨は枯る 「やったぁ~」 帝国軍勝利という旨が表示されるや、つかさは飛び上がって私に抱きつき、そのままこなたのベッドに押し倒した。これは起こしに行った時の反応によく似ていて(引きずり込まれるか押し倒されるかの違いだ)、不本意ながら慣れてしまっていたため、難なく脱出できた。 同盟軍の二人ときたら、助けもせずにうな垂れていた。無理もない。もうあんたたちのものじゃないんだもんね。 「私たちの負けです」 「うん……」 冷静に考えれば、最終局面において、帝国軍の方がはるかに有利だった。こなたの同盟軍第一艦隊は、序盤でつかさの帝国軍第二艦隊と本気で砲戦を行い、私の帝国軍第一艦隊よりも消耗していたし、みゆきの同盟軍第二艦隊が側面攻撃にとどまったのに対し、つかさ艦隊はこなた艦隊の背後を取っていた。こなたの総旗艦「かがみ様激Love」が爆沈した時点で、艦隊の艦数は40隻を切っていたけど、私の方はまだ500隻いた。消耗の差がそれだけ出ていたということになる。勝利は当然の帰結とも言える。でも最初15000隻いたんだから、生存率は3%強。ははは、大した味方殺しね。 「ですがつかささん。これだけははっきり申し上げておかなければなりません」 うん、まあ、つけ上げるといけないから言ってあげて。私はベッドに腰掛け、二人を睥睨するように見る。 「私たちは、かがみさんの魅力に負けたのです」 ズベッ 「かがみが可愛いから、追いかけずにいられなかったんだよねー」 イタタたた……。 「お顔の愛らしさは言うに及ばず、逃走時のあのお尻!」 「お尻だねー」 「あれを見せ付けられて、追いかけずにいられましょうか!? あれを見てしまったら最後。何人たりとも心が猟犬となり、ウサギを追って野を越え、山を越え、海をも越えて、心の翼は夜空を駆け抜け、かがみさんを求める切ない慟哭は天を裂き、やがて宇宙の果てまで……あの、大丈夫ですか?」 あんたこそ大丈夫か? 「うん……そのお尻をちょっと打っただけ。それに、頭がちょっと痛いかな……」 来るぞ、来るぞ……。 「それは大変です! すぐに治療しないと。さあ、脱いでください!」 「私のベッドに横になって」 ワキワキする二人の手が、しかし急に止まる。 「そうでしたね……」 「もう私たちのものじゃないんだよね……」 はあ……と肩を落とす二人。つかさは抱きついてチュッチュしながら、 「お医者さんごっこ~」 なんていってる。ほう、医学部志望か。がんばれ~。 パソコンは、戦闘結果と一緒にそれぞれの旗艦の状態もモニターしていた。 つかさの旗艦「かがみお姉ちゃん、大好き」は特に変化はない。 総司令官の戦死で降伏したみゆきの旗艦「かがみさん、愛してます」は、宇宙空間にありえないくらい巨大な白旗を掲げていた。 こなたの旗艦は、ない。つかさ艦隊と私の艦隊の砲撃が同時に着弾して轟沈し、原子に還元したのだろう。虚空を映し出していた。 そして私の― 「ぎょぴちゃん……」 私の旗艦「ぎょぴちゃん」は、度重なる被弾により破孔が生じ、外部に突き出た機器は千切れ飛び、装甲版が歪んだり溶けたりで、原型を保っていなかった。武装はあらかた潰され、機関部にも被弾していた。これは人間で言うと片足が折られたに等しい。 こんなになるまで戦ってくれたんだね…… そう思うと鼻の奥がツンとして、胸に熱いものがこみ上げてきた。 そして私は悟った。この戦いの勝者はつかさじゃない。もちろん白旗を上げたみゆきでもなく、旗艦とともに原子に還元したこなたでもなく、まして私ですらない。 「お姉ちゃん……?」 抱きつく体をやんわりと引き離すと、つかさは不思議そうな顔をした。 「行かなきゃ。この戦いの勝者の元へ」 「え? ええ? ここに……」 「『ぎょぴちゃん』を見て。私の旗艦の」 「あー、ボロボロ~」 「この戦いはね、私を乗せたぎょぴちゃんがこんなになるまで頑張ってくれたから勝てたの。よってこの戦いの勝者は、ぎょぴちゃんとします」 「「「えー」」」 「私はぎょぴちゃんのものになりました」 「「「え~~~!!」」」 最大音量の抗議×3。 私はキレるべきだった。 私はキレた。 「い い わ ね ?」 鬱積したものを全て解き放つと、何か黒い物が出た。ゴゴゴゴって地鳴りもする。 「「「ひぃっ!」」」 恐怖におののいた三人が飛び上がる。みゆきなどは、窓を開けてそこから逃走しようとしていた。つかさが腰に、こなたが足にしがみつかなかったら思いを遂げたことだろう。 「異論はないようね。じゃ」 廊下で腰を抜かしていたそうじろうおじさんにも一礼すると、私は颯爽と泉家を後にした。 勝者の待つ我が家に向けて。 次の休日。 今年初めて半袖を着た私は、弁当とお菓子(別物かって? 当然!)と金魚鉢を抱えて、近くの公園へと出かけた。 休日の公園は人出が多く、家族連れ、恋人連れ、友人連れ、動物連れにあと何だか分からないけどとにかく来ている人までいて、ずいぶん賑やかだった。動物連れの人には犬はもとより、籠に小鳥を入れて連れてきてる人、猫を散歩している人までいた。話には聞いたことあるけど、本当にいるのね……。 その猫を一睨みして追っ払うと(猫だけよ。人の方には愛想笑いして……あ、小鳥の人の方へ行っちゃった。気をつけて~)、金魚鉢を池のほとりの置いてみる。エサでももらえると思った鯉が寄ってきたけど、これは失敗だった。ぎょぴちゃんはかなりビビッていた。井の中の蛙、池の中の金魚……いや、いいんだけどね。 ベンチに移動して、弁当を食べる。ぎょぴちゃんの分もちゃんと持ってきてあって、一緒にランチ。桜の頃は過ぎていたけど、それに続く花たちで公園はむしろその頃よりも華やいでいた。ちょっと虫もいるというが難点ね。 晴天に恵まれた陽気は、ベンチに横になって暁を覚えずと洒落込みたいほどだったけど、猫が近くにいるとあってはうかうか寝ていられない。寝相は良いほうだけど、金魚鉢を倒す危険性も否定できない。 膝枕もしてもらえないし、ね……。 ふと、他の犬や小鳥や猫、家族や恋人を連れた人、あと何だか分からない人たちから見て、私がどう見えるかということに興味がわいた。 金魚を連れて散歩に来ている、ちょっと変わった女の子? 残念。ほとんどハズレ。「女の子」という点しか合ってない。 金魚とデートをしている、ごく普通の女の子。これが正解。 そう、デートよ。で・い・と。だってあの戦いの結果、私はぎょぴちゃんのものになったのだから。 ところで膝枕といえば、私は気付いていた。頼めば喜んでやってくれそうな人、むしろ泣きながら土下座してさせてくれと言いそうな人の存在に。 お菓子をつまみながら、暁を覚えない程度に目を閉じて、耳を澄ませてみましょう。 赤く咲き誇るツツジの茂みのそのまた奥。私を付け狙う雌狼が三頭。頭隠してアホ毛隠さず……。 「むぅ……かがみへの愛を艦名にこめ、フラグシップにフラグを立てたつもりだったけど……」 「かがみさんご本人は、ぎょぴちゃんフラグを立ててたんですね……」 「どんだけー」 「男性より、金魚になりたくなってきました……」 「じゃあ私は金魚鉢になる」 「いや、二人ともそんなことより、かがみを見てみなよ」 「……イイ」 「……イイ」 「……イイねー」 「ぎょぴちゃんに微笑みかけるかがみさん……」 「ぎょぴちゃんに話しかけるかがみん……」 「ぎょぴちゃんを抱えて歩くお姉ちゃん……」 「「「眼福(だなー/ですねー/だねー)」」」 そこ! ツツジの中の三人! そういうことはもっと小声で言うように。ていうか、逮捕されない内に家に帰りなさい。 あー、いやいや。相手にしたら負けだ。気にかけてもいけない。 心頭滅却……色即是空……いやいや、これ仏教の教えだわ。私は神社の娘だし……落ち着け落ち着け。 まあ、とにかく。私はぎょぴちゃんとセットということが認められたみたい。ぎょぴちゃんと一緒の限り、私は安泰かつ平穏ということだ。 だからお願い。 ぎょぴちゃん、長生きしてね。 おわり コメントフォーム 名前 コメント ぎょぴちゃんendかwww -- 名無しさん (2009-10-06 16 10 15) 銀英伝好きの自分には最高でした。 -- 名無しさん (2009-10-04 17 41 10) ギャグのテンポが良すぎるwwしかしみゆき無敵だなw -- 名無しさん (2009-06-10 12 32 54) まさかのぎょぴちゃんフラグ‥‥ -- 名無しさん (2008-12-26 18 05 21) これはもっと評価されるべき。性的な意味で -- 名無しさん (2008-08-01 09 18 56) ぎょぴちゃん・・・orz -- みみなし (2008-05-04 21 08 10)
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「ね~ぇ、かがみん(はむはむ)。面白いゲームがあるんだけどぉ(もみもみ)」 「誘うのは分かるが、そういう時はせめて耳元で囁くというレベルに留めてくれないか?」 「ど~してぇ(はむはむ もみもみ)」 「ここは学校、ここは教室。休み時間とはいえ、人をゲームに誘うに際して、耳を甘噛みしたり、胸をまさぐるというのいかがなものかと思うんだが」 「だっておいしそうなんだもん。現においしいし」 「私はいつから食品になったか教えてくれ」 「いいじゃないか、減るもんじゃないし」 「あんたにやられるとなんか減りそうなんだよ」 「ん~、つまり減るのが嫌だという事は、私に吸収されるのが嫌。つまりぺったんこのままの私が好き。そう解釈していいのカナ、カナ?」 「ちょ、顔近いから。息をかけるな、気色悪い事言うな、揉むな、噛むな」 「ぺろ~ん」 「舐めるのもダメ!」 「何もかも禁止されちゃうと、最後の手段を取らざるを得なくなるんだけどなぁ」 「わーたわーた。どつき合う……いやいや、付き合ってやるから」 「交際してくれる?」 「そうは言ってねー! 一緒にゲームしてやるから、服の中に手を突っ込みながら中を覗くのはやめてくれ」 「今日は黄色……」 「黄色ですね!」 「うおっ、みゆき!?」 「呼ばれて飛び出てじゃんじゃかじゃん、です」 「呼んでないし、曲が違うというのはこの際構わないが、それより教えてくれ。何で私の脚の間から顔を出してるの?」 「いけませんか?」 「眼鏡っ子を眼鏡ごと産んだ様な錯覚を味わうには、私はまだ若すぎるんだけど」 「私似のお子さんが欲しいということですね。わかります」 「私は分からない」 「おぎゃーと言った方がよかったですか?」 「言わなくて正解」 「正解ということは、愛の試練を乗り越えたと解釈してよろしいのですね? じゃあ結婚しましょう。印鑑はお持ちですか?」 「乗り越えてねーし、結婚しねーし、持ってねーよ。どういう論法だ」 「じゃあ今から作りに行きましょうか。印鑑とか子供とか。その後は役所までひとっ飛びです」 「ひとっ飛びって、何に乗っていく気だ?」 「私に、じゃダメでしょうか? 私としましては、出来ればかがみさんに乗りたいんですが」 「それ何の話?」 「結婚生活・夜の部における上下関係の話です」 「そんな話、始めた覚えないんだけど。それより最初の質問に答えてくれない?」 「何故私がかくも深くかがみさんを愛してやまないか、ですね?」 「何故私の脚の間から顔を出してこんな不埒な会話をしてるか、だよ」 「かがみさんの今日の下着を確認するためです。ちなみに黄色でした」 「何で?」 「こうしないと中が見えないからです。ちなみに黄色でした」 「何で?」 「透視能力はないもので。ちなみに黄色でした」 「何で?」 「スカートを脱がした方がよろしかったでしょうか? ちなみに黄色でした」 「そうじゃなくて、何で私の下着を確認する必要があるんだ?」 「知識欲と性欲を満たすためですが」 「知識欲は勉学に、性欲はせめて男に向けるようにして欲しい」 「じゃあ男になってください」 「なんですと!?」 「病院は紹介いたします。費用も負担いたします、一生。ついでに執刀も私が」 「医師免許持ってないだろ。ていうか一生ってどういう意味だ。それに、性別を変える気はない!」 「じゃあ私に男になれと言うんですね?」 「いや、それだといよいよ洒落にならないから、女のままでいい」 「わかりました。女としての全存在を賭け、かがみさんを愛します。さあ、指輪の交換を」 「何で準備してんだよ」 「用意が良いと褒められました」 「褒めてない!」 「けなされました……」 「けなしてもいない」 「これも愛なのですね。わかります」 「みゆきのMは別の意味のMだったのか」 「かがみさんの私という人間への理解が深まり、今この上ない喜びを感じています」 「ああいえばこう言うし……」 「ああいえば交友……こういう交友もあるのだよ、かがみん」 「だから揉むな、噛むな、まとわりついて腰を振るな!」 「お姉ちゃんたち、話はまとまった?」 「まとまってないわよ。絶好調決裂中。ていうか、そもそも交渉を始めた覚えさえないわ」 「要するに、こなちゃんのいうゲームの勝者が、お姉ちゃんを手に入れることが出来るんでしょ」 「どう要約すればそうなるんだ??」 「既定路線ですね」 「ガチだよ、ガチ」 「みゆき、そろそろどいて欲しいんだけど。いや、だからって私の脚を肩に乗せたまま立ち上がらないでほしい」 「おお、絶景」 「いい眺めです」 「黄色だぁ……昨日から知ってたけど」 「見るなぁ~!」 ……喋るわよ? 散々喋ってきたような気もするけど……。 どうもこんばんは、またはこんにちは。 皆様おなじみ、ゲームの景品に成り下がってしまった柊かがみです。 えーとまあ、見て来たとおりね。 私が柊かがみであるという事以上の何かを示せというなら、同級生や双子の妹にセクハラ……もとい深く愛されながら、楽しい学園生活を送っているといったところかしら。 どうしてこのような事になってしまったかといえば、聞くも涙、語るも涙。人によっては笑い話とも取れるだろうけど、張本人の私の口からはとても言えるようなことじゃないわ。 だいたいお察しの通りかとは思うけど、ツンデレと需要がどーたらこうたらって話になるらしいのね、これが。 ……どーしても気になるなら、加害側張本人にでも聞きなさいよ。別に聞いて欲しいわけでも、誰かに救いの手を差し伸べて欲しいわけでもないんだからね。 な、泣いてなんかないわよ! ……泣きたくはなるけど。 あ……ごめん。「聞くも涙、語るも涙」って言ったの私だわ。 まあとにかく、放課と同時に実行した逃亡計画も失敗に帰し、あの三人の襲撃を受けた私は、日下部と峰岸の奪回作戦も空しく拉致されて、こなたの家へと連行されたという次第……。 タイトル画面には、どこかで聞いたことのあるよな、ショスタコーヴィチの交響曲第七番第一楽章が威勢よくチーチーンブイブイと鳴っているけど……。 「『The Day of CancerⅢ bis』……『蟹座の日Ⅲ改』?」 「そういう意味なんだ」 「さすがお姉ちゃん」 そう言って抱きつこうとするこなたとつかさを、私は間一髪で回避すると、二人は抱き合うように衝突した。ニューヨーク沖でも似たような光景があったわね。 「おっと人違い」 「ごめんね、こなちゃん」 おいおいお二人さん。今抱き合ってただろ。フラグはどうした? 立ったんじゃないのか? 何であっさり離れる? 「知り合いの学校のコンピューター研究会が開発した、オリジナルなんだけど」 「蟹座というとかがみさんの星座ですね」 「そうだけど、何で抱き寄せる必要があるのかしら? それにつかさもそうなんだけど」 「まあ、そうでしたか」 「今あんたの頭の中で、それがどうでもいいこととして処理される音が聞こえたような気がするんだけど」 「さすがかがみさん。私の事は何でもお見通しですね。愛を感じます」 「つかさへの愛も感じさせて欲しい」 「ところで、蟹座と蠍座は同じ水象宮に属して、相性が大変良いそうですよ」 「つかさとの相性がばっちりってことね。よかったじゃない」 「それに、B型の女性には、O型のパートナーが望ましいとよく言われます」 「つかさとの相性がばっちりってことね。よかったじゃない」 「ではひとっ飛びという事で」 「どこへだ!? それに私は第二デークだから、獅子座が少し混じってるの。獅子座と蠍座って相性悪いんでしょ。よかったわ」 「人間、多少欠点があった方が可愛いものです」 「完璧超人のあんたが言うと、説得力抜群ね」 「かがみさんに褒められました」 「力一杯けなしたんだけど……」 「それより、かがみさんはショスターコーヴィチは何番がお好きなんですか?」 「全部聞いたわけじゃないけど、短めの6番とか12番とか」 「奇遇ですね。私もなんです」 「いや、あんた今決めただろ?」 「そんなことありません。一万年と二千年前から―」 「一万年と二千年前に、ショスタコーヴィチいないし」 「いえ、かがみさんを愛していると言おうとしたのですが」 「ああ、そうだと思った。あんた、縄文人並みに話が通じないもんね」 「恐れ入ります」 「だから褒めてないってば……。そんなことより、取説読ませてよ。なになに、この度は『The Day of CancerⅢ』を手に取っていただき……おい、肩の二人!」 「なんでしょう?」 「なあに?」 「取説は他にも三冊あるでしょうが。何で私の肩の上にあごを乗っけて、同じのを一緒に読む必要があるの?」 「かがみさんに頬ずりをしたいからですが」 「お姉ちゃんのほっぺとおしくらまんじゅう~」 「離れろ」 「死ねと言うのですね?」 「言ってねー」 「二人ともやめなよ。かがみが迷惑してるよ」 「膝の上に座ったお前が言うな!」 「どして?」 「重いんだよ。それにアホ毛が中途半端に邪魔で、取説が中途半端に読みにくい」 「あ、分かった。そんなこと言いながら、本当は私のお尻が触れることで濡れちゃうんでしょ?」 「だ、誰が濡れるかぁ~!」 「今フラグ挿さった?」 「挿さったって何だよ!? 立つ物じゃないのか?」 「泉さんでダメなら、私が代わりにかがみさんの膝に座りましょう」 「私の膝を潰す気か!? 目の前まっピンクで何も見えなくなるわ!」 「今、『まっピンク』という新しい言葉に愛を込めましたね?」 「込めるかぁ!」 「コメリカ・パーク(デトロイト・タイガース本拠地)に一緒に行きたい、と?」 「MLBネタはもういいから……。それに、込めたとすれば愛と真逆のモノだし」 「かがみさんから頂けるものであれば、何であれ感激です」 この女、やっぱりMか? 私にはそういう発想できん……。 あー、叫んだ叫んだ。くたくたになりながら三人をそれぞれのパソコンの前に座らせると、改めて取説を読み始めた。この四台のパソコン、そうじろうおじさんのノート型やら、モスボール保管(この用語の使い方として正しいの?)していた旧型機やらを引っ張り出して揃えた物で、私にはそうじろうおじさんの物が割り当てられた。 「Dドライブは覗かないであげてね」 「喜んで。無理矢理見せられるかと思ってたくらいだから」 「「むぅ、そういうプレイもありか……」」 プレイって?? それに今誰の声とユニゾンしたのかな? 廊下の方で男性の声が聞こえたけど?? まあいいや。取説取説。 ゲーム自体は……なんというか、涼宮某の「射手座の日」と、銀河某伝説を知っている人にはごく分かりやすいもので、プレイヤーは各々定数15000隻の宇宙艦隊を編成し、それを指揮して敵を殲滅セヨ、とのこと。 艦種は戦艦、高速戦艦、重巡航艦(火力重視)、軽巡航艦(機動力重視)、駆逐艦、宇宙空母から用途に合わせてバランスよく選びなさい、だって。ただ、フラグシップは戦艦か高速戦艦でなければならない。首都で査問にかけられたから、巡航艦で戻ってきたというのはナシということね。 艦隊は固体ではなく気体のようなもので、分艦隊として分けることも出来れば、敵の攻撃で分断されることもあるという、のっぴきならない存在。分断された場合、フラグシップがない方の集団は、ある方の集団と再合流するか、分艦隊として設定しない限り行動不能になる。 このフラグシップ……つまり旗艦は、このゲームでは特に重要な存在で、各陣営の最高指揮官である「総司令官」が座乗する「総旗艦」が撃沈されると即敗北。また各々の艦隊も、司令官が座乗する旗艦が撃沈されると、全滅とみなされてしまう。通常、旗艦の位置は秘匿されているけど、偵察によってとか、戦闘中に接近することで位置が特定される場合もあるので、それに攻撃を集中するもよし、旗艦を囮に使うもよし。 なお某鉄壁の様に、命運尽きた旗艦を捨て、他の艦に司令部を移して戦い続けるということは出来ない。 「フラグの重要性が分かったかね、かがみんや」 「フラグシップの重要性なら分かった」 これが布石というか、伏線だったんだけど、それはひとまず置いといて……。 戦闘はてっきりバトルロワイヤルで行われるのかと思っていたけど、大人の事情とやらで陣営は二つにしか分けられないらしい。だから私はつかさと組んで「銀河紫色帝国」、こなたとみゆきは「自由青桃同盟」という事になった。ネーミングには意見したいところ大なんだけど、面倒なんでやめた。私の名が使われなかっただけよしとしよう。 便宜上、私たちを帝国軍、こなたたちを同盟軍て呼ぶわよ。いいわね? それにしても青い桃とは。食欲をそそらない国号(?)もあったものね。 何故この組分けになったかというと……。 「つかさはかがみと同棲してるから―」 「姉妹が一緒に暮らすことを同棲とは言わん!」 「全てを失うかどうかを賭けてもらう。私とみゆきさんの分け前はもう決めてあるから、安心して」 「週3日ずつかがみさんを占有し、残る1日は共有する事になります」 「つまり3Pだね、3P」 「女子高生が冗談でも3Pとか言うな!」 「かがみも言った」 「泉さんは冗談で言ったのではありません!」 「なお悪いわ!」 「ぬを~!!」 「廊下の人も反応しない!」 「長期休みの間は、共有日を増やすという案も検討中です」 「ちょっと待て。私は週休0日か?」 「大丈夫だよお姉ちゃん。私がそうさせない」 「あんたも同じようなこと考えてるだろ?」 「うん!」 力一杯肯定しやがった! そんなわけで、仕方なく(うん、もう本当に仕方なく)艦隊編成に取り掛かった。用途に合わせてといっても、二個艦隊しかないから、片方を火力重視、片方を機動力重視とするくらいしか考えが浮かばない。 で、こんな艦隊になった。 かがみ艦隊 戦艦 4500隻(30%) 艦載機9万機(艦数×20) 重巡航艦 6000隻(40%) 艦載機4万8千機(同×8) 駆逐艦 3000隻(20%) 艦載機9千機(同×3) 宇宙空母 1500隻(10%) 艦載機15万機(同×100) 艦載機合計 29万7千機 つかさ艦隊 高速戦艦 4500隻(30%) 艦載機9万機(艦数×20) 軽巡航艦 6000隻(40%) 艦載機3万6千機(同×6) 駆逐艦 2250隻(15%) 艦載機6千750機(同×3) 宇宙空母 2250隻(15%) 艦載機22万5千機(同×100) 艦載機合計 35万7750機 まあなんというか、オーソドックスこの上ないわね……。 「じゃあ最後に命名式だね」 「命名式? 取説に載ってなかったけど」 「実はそこがbisの変更点なんだよね。聞いて驚け。なんと、旗艦に好きな名前がつけられるのだ~!!」 「まあ……!」 「すごーい!」 「そんなに盛り上がることなのか?」 「分かってないようだね、かがみは。まあ、そこが可愛いんだけど」 「好きな、ですよ」 「好きな……」 三人から私の身に危険を及ぼすオーラが立ち上るが、とりあえず無視する。気にしていたら、若くして胃の病院の世話になりかねない。 それにしても好きな名前、か……。 ブリュンヒルト、バルバロッサ、ヒューベリオン、ユリシーズ、ベイオウルフ、トリスタン……。 旗艦に相応しい名前は思いつくけど、甲乙つけがたいし、それに元ネタがモロにあれというのもなんだかなあ……と感じたので、私は結局、自宅の池の住人の名前を拝借することにした。まあ私が名付けたんだしいいでしょ。元ネタはあるけど……。 「みんな、好きな人の名前はつけたかーい?」 「はい」 「つけたよ~」 「好きな人??」 明らかになった両軍の陣容は次の通り。 帝国軍 総司令官 柊かがみ 帝国軍第一艦隊 柊かがみ直率 総旗艦 戦艦「ぎょぴちゃん」 帝国軍第二艦隊 司令官 柊つかさ 旗艦 高速戦艦「かがみお姉ちゃん、大好き」 同盟軍 総司令官 泉こなた 同盟軍第一艦隊 泉こなた直率 総旗艦 戦艦「かがみ様激Love」 同盟軍第二艦隊 司令官 高良みゆき 旗艦 高速戦艦「かがみさん、愛してます」 「『好きな人』ね……。はいはい」 「いや~、みんなかがみに乗りたいという願望が表れてるね~」 「乗り心地は最高ですね。かがみさんご本人を除けば」 「お姉ちゃんを招待したくなるフネだね~」 「おや? かがみは表情がすぐれないね」 「主にあんたたち三人のせいよ」 「旗艦の艦名がお気に召しませんか?」 「あんたたちは気に入ってるみたいだけど?」 「『かがみさんに届け、私の想い』の方がよろしかったでしょうか?」 「じゃあ私は、『いのりお姉ちゃんよりもまつりお姉ちゃんよりもかがみおねえちゃんが大好き』にする」 「私のは『きょうちゃん激Love』のがフレンドリーだったカナ、カナ?」 某スペースオペラにも、旗艦に母親の名前をつけた元帥サンがいたけどさ……。 ああ、1500年後のみなさん、ついでに一万年と二千年前のみなさん、見てますか? 見ていたら笑ってください。人類とはかくも進歩のない生き物か、と……。 同盟軍の二提督は開戦に先立ち、ヒソヒソと作戦を討議した。何か手があるのだろう。二人はこの上なく真剣だ。論理的思考ではなく勘……というか、危険を察知する本能でそれが分かった。それでなくてもゲーム慣れしたこなたに、頭の切れるみゆき。用心に越したことはない。 対するこっちはつかさかあ……。多くは期待できないわね。とりあえず各個撃破を避けるために、まとまって行動することにした。 「私から離れないで」って言ったらつかさの奴、目を輝かせてたなあ。ついでに抱きついて片手をセーラー服、もう片方をスカートの中に入れてきて、首にキスまでしてきた。あーあ、「私の艦隊から」って言っとけばよかった。結果は同じだろうけど。 「それじゃ『かがみんを我らの手に作戦』、始まるザマスよ」 「行くでがんす」 「ふんがー! こっちは作戦名決めてないよ!」 「いや、作戦自体ないし」 「『お姉ちゃんは絶対に渡さないんだからね作戦』でいい?」 なんであんたがツンデレっぽいんだ? 「まあ、勇ましい感じがするからそれでいいんじゃない?」 私は疲れた声で答えた。 両軍が動き出す。私の艦隊も嫌々動き出す。 鉛筆削りの中でグルグルとだしが取れそうなほど私の戦意は削がれていたけど、ともあれここに戦いの火蓋は切って落とされた。 つづく コメントフォーム 名前 コメント 何故ここで「レニングラード市へ捧ぐ」がw -- 名無しさん (2008-05-03 18 40 44) みゆきさん危ないwww(思考的な意味で) -- 名無しさん (2008-05-03 12 38 30) みゆきさんのキャラいいな -- 名無しさん (2008-04-30 21 43 39)
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「キョ―ン、フラグを立てるのよー」 俺達は、団長ハルヒの命令で、町内会対抗の運動会に助っ人として来ている。 俺だけでなく、SOS団と佐々木団の面々も一緒だ。それから、谷口と国木田だな。 それは結構だが、大会の間ずっと町内会の旗を立て続けるという大役を仰せ遣った。 開会式前から1時間ずっとフラグを立てて疲れたな 「栄養補給に干しブドウでもどうかな?」 「ありがとう、佐々木」モグモグ 「干しブドウ食うと喉が渇いたな」 「それは予想してたよ。お茶でもどうかな?」ゴクゴク (佐々木さんたら、自分の飲みかけのお茶を)あわわ (彼が口をつけたペットボトルを、佐々木さんは自然に飲んでいます。涼宮さんの形相が鬼のようです) (・・・)ゴゴゴゴ (キョーン)ビキビキ 「なあ、国木田。あいつらって、いつもあんな感じか?」 「中学時代からずっとそうだよ」 「フン、規定事項だ」 「―――ユニーク―――」 「佐々木さん。うらやましいのです」 大会が始まり、まず長門の出番だ。200メートル走ですね。 「長門ちょっと来てくれ」 「行く」 「宇宙的インチキパワーを使わない範囲で頑張ってくれ」ヒソヒソ 「了解した。貴方のために頑張る」 その時、長門の無表情な顔が僅かに緩んだような気がした。 「ちょっとキョン、有希と何の内緒話しているのよ」 「まあまあ落ち着いて、涼宮さん。 きっと気持ちを落ち着かせるアドバイスでも貰っているのでしょう。 我々も本番前に何かアドバイス貰いましょう」 次はヤリ投げ、九曜さんだ 「―――」 どうしました?九曜さん 「九曜さんは長門さんの真似をしていると思うよ。くつくつ」 「宇宙的インチキパワーを使わない範囲で頑張って下さい」ヒソヒソ 「―――貴方のために―――頑張る―――」 障害物だな。橘と谷口が出る。 「橘ちょっと」 「橘、失礼かもしれないが、お前は彼氏いるのか?」ヒソヒソ 「何言ってるのですか、佐々木さんの前ですよ」ヒソヒソ 「そんなの関係無いぞ。どうなんだ」ヒソヒソ 「えーと、今いないです///」ドキドキ 「橘、教えてくれてありがとう」 (そんな、佐々木さんという人がいるのに、でもキョンさんに気をかけられてうれしい、でも佐々木さんに・・・) 「おい、キョン、お前なー」 「谷口、橘の奴彼氏いないらしいから、良い所を見せればお前にもチャンスが、」 「友達思いなのはうれしいが、お前、自分のやっていること判って無いだろ」 「何か悪いことしたんなら、すまん」 「後でゆっくり話がしたいな」 次は、800メートル走。古泉とハルヒだな。 「ハルヒ」 「何よ///」 「頑張れよ」 「あんたに言われなくても頑張るわよ///」ドキドキ やれやれ、相変わらず機嫌が悪い。 「涼宮さんはああ言ってますが、あなたに励まされてうれしいのですよ」 「そうか。てっきり嫌われているのかと思った。古泉、お前の活躍も期待しているぞ」 おい古泉、なんで顔を赤らめる。 午前中だけで、この他にもいろいろな競技があった。俺の競技の間、フラグを立てるのは谷口や藤原に代わってもらった。 んで、昼休み。藤原が一時代わってくれたので、やっと休める。 「モグモグ。朝比奈さんのお弁当、すごくおいしいです」 「ありがとう。キョンくん」ドキドキ (奴は何人にフラグを立てているんだ。これも規定事項なのか?) 午後、俺と佐々木は二人三脚で大会新記録を出した。ちょっとした自慢だな。 「佐々木。今日の賞状大事にしような」 「もちろん、二人の一生の記念だよ。僕達の子供達にも自慢しよう」 大会新記録の賞状、そして俺と佐々木が二人で写っている記念写真は俺の宝物だ。 そんなこんなでフラグを立てまくった一日だった。すごく楽しかった。 (終わり)
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フラグを立てて幻想入り 動画リンク コメント・レビュー フラグを立てて幻想入り 何人目の幻想入り 作者 ひとこと 主人公 動画リンク 新作 一話 コメント・レビュー 名前 コメント すべてのコメントを見る
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フラッグを立てろ フラッグを立てろ アーティスト YUKI 発売日 2017年11月22日 レーベル ERJ デイリー最高順位 1位(2017年11月22日) 週間最高順位 5位(2017年11月28日) 月間最高順位 26位(2017年11月) 年間最高順位 184位(2017年) 初動売上 7906 累計売上 13757 収録内容 曲名 タイアップ 視聴 1 フラッグを立てろ 3月のライオン OP 2 yes ランキング 週 月日 順位 変動 週/月間枚数 累計枚数 1 11/28 5 新 7906 7906 2 12/5 ↓ 982 8888 2017年11月 26 新 8888 8888 3 12/12 532 9420 CD/総合ランキング 週 月日 CDシングル 総合シングル 順位 週/月間枚数 累計枚数 順位 週/月間枚数 累計枚数 4 12/19 312 9732 2345 11765 5 12/26 226 9958 1825 13590 6 18/1/2 167 10125 167 13757 2017年12月 1237 10125 46 4869 13757 配信ランキング フラッグを立てろ 週 月日 デジタルシングル 順位 週/月間DL数 累計DL数 1 12/19 15 2033 2033 2 12/26 1599 3632 3月のライオン OP 前作 次作 さよならバイスタンダー フラッグを立てろ 春が来てぼくらUNISON SQUARE GARDEN
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フラグとは、処理結果をTrueまたはFalseをいずれかの値で保持するレジスタ、変数のこと。Trueの場合、フラグを立てる、フラグが立っていると言う。Falseの場合、フラグを倒す、フラグが落ちていると言う。
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【種別】 用語 【元ネタ】 フラグはフラッグ=旗のことで、コンピュータ・プログラムにおける 条件判断に使われる変数(データの保存場所)のこと。 【解説】 元ネタから派生して、「特定展開を引き出すための条件を満たすこと」の俗称。 特にAVG・SLGで、実際には見えない中のゲーム・プログラムを意識する攻略方法で 「フラグを立てる」などと使われる。 当麻はこれをよく立てる。禁書スレのみならず「ライトノベルキャラが一つの学校にいたら」など でもよくそのことをネタにする人がいるが 何気にライトノベル界ではこれを当麻と同じかそれ以上、大量にたてるものは別に珍しくない。 恐ろしい世界である。 (例、ムシウタの薬屋大助、悪魔のミカタの堂島コウ、戯言シリーズのいーちゃん、 マリア様がみてるの福沢祐巳など、多数) …但し、妹達全員のフラグを個人個人で勘定すると、恐ろしいことにそれだけで約1万弱のフラグとなる。
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パティに言われて気づいたわけだけど、私の周りには萌えキャラが揃ってる。 お父さんとお母さんの馴れ初めのことを『幼馴染みのロリキャラなんてギャルゲーみたい』 なんて言ったことがあるけど、多分モテなかったお父さんに比べれば、私のほうがずっと ギャルゲーに近い生活をしている。 女の子だから当たり前? そんなの気にしない。 最近の流行では男の子を好きになる必要がないんだから私にも友達を攻略するチャンスは あるわけだよ。女の子しか登場しない漫画やアニメがゲーム化されたときに、どこの馬の骨 とも知れない男が登場して恋愛関係になったりするわけだけど、そんなのまさしくKYだね。 今は全然気配がないけど、いつかどこかから男が現れて私の友達をとられてしまうか、 わかったものではない。 そんなわけで私は決意した。私の大切な友達を男にとられるくらいなら私が攻略する! 相手にも選ぶ権利がある? そんなの気にしない。 何はともあれ、私にどれほど攻略の糸口があるのか考察してみよう。 まず、つかさ。つかさは出会いの時点でもうフラグが立ってる。 なんたって困ってるところを助けてあげたんだからね。私が高校に入って、それが初めての 友達だった。ありがとう外人。 バレンタインのチョコを私に作ってくれたりして、つかさは私に惚れてるね、間違いない。 次は、かがみ。今までの行動をみれば、かがみは大本命だ。 つかさに会うためとか言いながら私たちのクラスに来るけど、あれは絶対私のためだネ。 本人は認めたがらないけど、そんなツンデレっぷりが可愛くてしょうがない。 バレンタインも参拝のときの願い事もそうだけど、つかさを口実にして私に好意を示して くれたことは何度もあったわけで、かがみが私のこと好きなのは確定事項ですよ、もう。 続いて、みゆきさん。私が知る限り最高のスペックを持つ萌えキャラ。 さっきの二人ほどじゃないけど、私がいつもみゆきさんに萌えていることをアピールして るんだから、十分射程範囲内にあると思う。一人っ子同士、ちょっと甘えてみればいい雰囲気 に持っていける気がする。 従妹のゆーちゃん。私にとっては妹のようなもので、今は同居人でもある。 ゆーちゃんも私をお姉ちゃんって呼んでくれてるし、お父さんが家を留守がちにしてたら まんまエロゲーの設定だ。まあ、お父さんは作家だからその真逆なんだけどね。 とにかくそういう間柄だからかなり脈がある。私もゆーちゃんのためなら何だって頑張れる しね。ただ気がかりなのは、みなみちゃんの存在だ。私がゆーちゃんを攻略するためには みなみちゃんを超えなきゃいけない。逆に言えば、そこさえ乗り越えられればもう攻略したも 同然。 同じ理由で、残念ながらみなみちゃんの方は難しいと言わざるをえない。ハーレムルート とかそういうのじゃないと無理そうだ。 ひよりんは何気にいいセンいってると思う。 なんたって同じ趣味。しかも知り合う前から同人誌を読んでいて、作家として嬉しくない はずがない。勝手にゆーちゃんに本を見せるとか羞恥プレイをやっちゃったけど、その気に なれば同人誌を盾にとって脅すとかいうプレイもできないわけじゃない。エロ同人を描いて るんだからひよりんだって興味津々のはず。百合に抵抗がないっていうのも大きいネ。 パティも同類だから、これもなかなか脈があると思う。ゆーちゃんとみなみちゃんのこと を見ていて、普通に百合を理解しているのも同様で、しかもバイトを一緒にやってる仲。 そもそも私を『ぬかりがない』なんて言ったのはパティだったしね。 みさきちは、かがみを取り合うライバルだから攻略対象としては難度が高い。 しかし、だからこそどうにかすればうまく持ち込めるんじゃないだろうか? 私もいつの まにかあだ名で呼んじゃってるし。難度が高いとした上で、不可能ではないと考えていい。 峰岸さんは、諦めざるを得ないかもしれない。みさきちがいるし、彼氏持ちだしね。 ゆい姉さんも人妻だからさすがにまずい。これもしょうがない。 黒井先生はちょっと頑張ればいい感じになれると思う。 美人でもう適齢期なのに彼氏ナシ。孤独につけこめばコロッと来てくれるかも。私たちは ネットゲームとはいえクリスマスや正月を一緒に過ごした関係。教師と生徒っていう背徳感も たまらないよネ。 うん、こうして考えてみるとやっぱり私の周りはいい感じに整ってる。エンディングがない サブヒロインでもしっかりとシーンはあったりするので可能性は捨てきれない。 というわけで早速攻略開始! ……とは思ったものの、具体的にどうしようか。これだけ対象がいると、どこから手を 出していいものやら。ゲームならセーブとリセットを繰り返して総当りすればいいけど、 実際にはそうはいかない。あんまりやりすぎてNice boatな展開にもなりたくないし。 まずは改めて私たちの関係を見直すことが先決かもしれない。最初の数日は急速な展開は 望めないものだから、まずはさりげなくフラグを立てることを意識しつつ普段通りに振舞って みようと思う。 というわけで今日はゆーちゃんと一緒に登校することにした。一緒に歩くときは寒いよねと 言いながらいつもより距離を縮めて、電車に乗るときはさりげなく手をつないだり揺れたとき に庇ってやることを忘れない。 今日はかがみたちとはタイミングが合わなかったみたいで糟日部駅まで知ってる人には誰も 会わなかった。春や秋ならともかく、冬の寒さの中で来るかどうかもわからないかがみたちを 待つわけにもいかないので、そのまま二人で学校に行くことにした。 「……ねえ、ゆーちゃんって好きな人いる?」 手を繋いで、少し顔を赤らめながら聞いてみた。だって、本当に恥ずかしいんだもん。 いきなり直球な質問だけど、従姉妹なんだからいいよね。 「……うん、いるよ」 うわ、ゆーちゃん真っ赤だよ。いきなりストライクだよ。てゆーかこの可愛さは私にも ストライクだよ。ゆーちゃん萌えだよ。 「それって誰? 私の知ってる人?」 「…………」 ゆーちゃんが俯いちゃったから、それより頭を下げて顔を覗き込んでみる。熱出しすぎて いきなり倒れたりしないよね? 「ごめんねゆーちゃん、もうこれ以上何も言わないから」 「……ちゃん」 「え? なんて言ったの?」 「……みなみちゃんが好き」 マジですか! ……半ば覚悟はしてたんだけど、まさかガチだったとは。 「それで、もう告白した? 付き合ってる?」 さっきこれ以上何も言わないと言ったが、スマン、ありゃウソだった。 「……みなみちゃんのほうから告白してきて、それで……ごめんねお姉ちゃん、隠すつもり じゃなかったんだけど……」 「いや、いいんだよ。お幸せにネ」 一気に二人もフラグが消滅しちゃったけど、これもゆーちゃんの幸せのため。 私は素直に身を引くことにしよう。 さんざんネタにはしたものの、自分の従妹が百合カップルだったことは衝撃だったわけで、 校門のところでゆーちゃんと別れてみても、なんだか気分が落ち着かない。 それとは別に、私も恋人が欲しいという気持ちが大きくなってきて、俄然攻略にも熱が 入ってきた。ような気がする。 「……って、かがみじゃん。おはよ」 「こなた、おはよ」 「……つかさは?」 かがみが校門のところで待ってること自体おかしいけど、それ以上につかさがいないのが おかしい。 「……ちょっとね」 かがみも何だか元気がないように見えた。朝起きれなかったつかさを置いてかがみが先に 来てしまった、ということなら話はわかるけど、それなら言葉を濁すはずがない。 「昨日、ちょっとつかさとね」 「それでつかさを避けて、早めに登校してきちゃった?」 「まあ、そんなとこよ」 かがみは肯いてみせたけど、それでもまだ話は半分だ。本当につかさを避けてるんなら、 いずれつかさが来るとわかっているこの校門で立ち止まるはずがない。こんなところにいる のは普通、誰かを待つためだから。 「もしかして私を待ってた?」 校門で好きな人を待つというシチュエーションはありがちと言えばありがち。それでも 私のために寒空の下耐えていてくれると思うと気持ちも浮き立つじゃありませんか。 「違う。つかさを待ってるの」 なんかかがみが冷たい。いつもみたいなツンデレな物言いじゃなくて本気で私じゃないって 言ってるみたいで、正直ショックだった。 と、私が人知れず打ちひしがれていると。 「お姉ちゃーん!」 「つかさ!」 必死に走ってくるつかさと、それを聞いてつかさの名を呼びながら駆け寄るかがみ。 「ごめんねお姉ちゃん! でも、昨日のことを忘れるなんてできないよ! お姉ちゃんのこと 好きなんだもん!」 「昨日はウソをついたけど……本当は私もつかさと同じ気持ちだった。こんな私でいいなら、 ずっと一緒にいてくれる?」 「うん……もうお姉ちゃんから離れないよ」 アノ、ツカササン、カガミサン、あなたたちは天下の往来で何を仰っているのですか? 「つかさ、好きよ……」 「私も……」 そして二人は唇を――ってホントにしちゃったヨ!? 姉妹百合!? 百合姉妹!? 二人で世界を作っちゃってる。 てゆーかいろいろ飛ばしすぎだよ! フラグはどうした、フラグは!? 初めて生で百合キスを見ちゃったよ。周りもみんな固まっちゃってるよ。 「……っていうことがあったんよね」 「ということは、今頃どこかでかがみさんと一緒にいるんでしょうね」 私の中での大本命二人のフラグが消滅した経緯をみゆきさんに話していた。 昼休みになればいつもはかがみがこっちに来るのに、来ないどころかつかさまでどっかに 行っちゃったんだ。 「それにしてもショックだよ。いつのまにあんなふうになってたんだろ」 「友達といってもここでしか会いませんからね。一緒に住んでいるお二人には何か事情が あるのかもしれません。ましてや双子ですからね」 うーん、家族じゃないと立てられないフラグっていうのもあるもんなぁ。みゆきさんは 普通に受け入れすぎな気もするけど。 「チビっ子! 柊が妹とって本当か!?」 なんかうるさいのが来たよ。でも、向こうからこっちに来るのって珍しいかもしんない。 「間違いないよ。私も目撃してたからネ」 「なんてこった……柊は私の嫁なのに……」 やっぱりみさきちはかがみ狙いだったんだ。今朝までの私だったら『かがみは私の嫁』 とか言い返すところだったけど、そんな気にもなれない。 「こらこらみさちゃん、何言ってるの」 少し遅れて峰岸さんが来た。 「ごめんね、みさちゃんが迷惑かけちゃって」 「いえ、お気になさらずに」 みゆきさんが答えても意味ないと思うんだけど、まあいいや。 「あやのぉ~。柊が、柊がぁ~」 「もう。泣かないの」 この様子を見ていると、みさきちとフラグを立てるのは難しいかも。少なくとも今すぐ 立てることはできなさそう。 「柊ちゃん、柊ちゃんって、私じゃそんなに不満なのかしら?」 「でも柊は柊だからぁ」 私の目の前でこれ以上続けられても、なんというか、困る。そろそろやめてくれないかと 言おうとしたその時。 「そう、それなら私が柊ちゃん以上になれればいいのね?」 言うなり、峰岸さんがみさきちに顔を寄せて――やっちゃったよ! に、二度目の百合キス目撃ですよ! しかも今度は至近距離ですよ! みさきちもビックリしてますよ! 峰岸さんは彼氏持ちのはずですよ! 「あ、あやの!?」 「私にとっては、みさちゃんも大切なのよ?」 それを受けてみさきちが何を考えたかはわからないけど、急にしおらしくなっちゃった。 今すぐフラグが立っちゃってますよ、なぜか。 「お邪魔しちゃったね。柊ちゃんによろしくね」 何をよろしくすればいいんだろう。峰岸さんに連れられてみさきちも大人しく出て行った。 ……でも、よくこんな教室の中でやるなぁ。みんな見てるのに。 「日下部さんって受けだったんだ」 「ちょっと意外ね」 あの……クラスのみなさん、何で普通に話してるんですか? 「見せつけられてしまいましたね」 みゆきさんはにこやかに言ってるけど、そういう問題でもないと思う。 「……っていうことがあったんだけど」 放課後、教室に残っているひよりんとパティに昼休みの出来事を話したところ。 かがみとつかさのことも話したから結構な時間になって、気づけば他には誰もいない。 「小早川さんと岩崎さんが校内バカップルランキング断トツ1位かと思っていたけど、 それを脅かす存在が現れたっスね」 何そのランキング。 「このクラス、ゆーちゃんとみなみちゃんのコトってみんな知ってるの?」 「クラス中の噂っスよ。どう見ても恋人だとかどこまで行ってるんだとか」 だからなんでみんな普通に受け入れてるんだってば。 もしかして私って取り残されてる? 「ゆーちゃんってここではどんな感じ?」 「大体想像の通りじゃないかと。この間も――」 ひよりんの口から二人のバカップルぶりが次から次へと語られる。 ……思いっきり想像を超えてました。はい。 「ゆーちゃんは知らない間に大人になっていたんだね……」 「先輩にとってはショックだったかもしれないっスね……」 「デモ、ユタカとミナミのおかげで私とヒヨリは目立たずにいちゃつけるデスね」 あれ、今変な言葉が聞こえたよ? 聞き間違えカナ? 「たとえばこんなコトも」 「パティ、待って、泉先輩が見てるっス!」 「見せつけてやりまショウ」 あの、そこのお二人さん? キスはまだいいとして、どう見ても舌が入ってマスヨ? 「ん……あぅ……ちゅっ……」 ひよりんなすがままだよ。キューリはパパだよ。 っていうかもうお腹いっぱいだよ。 なんだか焦るというかなんというか、とにかく嫌な気分だった。 私とフラグが立ってると思ってたらみんながみんなカップルを作っていて、変な疎外感を 感じてる。 私がいま感じている感情は精神的疾患の一種だ。しずめる方法は知らないけど、誰かこれを 共有できる人が欲しい。……要するにフラグを立てるってことなんだけどネ。 恋人がいない人といえば黒井先生、ということで職員室に行ってみたんだけど、その先生が いなかった。代わりに生物の先生と保健室の先生がいちゃいちゃしてたけど、見なかったこと にしようと思う。 心当たりを一通り探しても見つからなくて、ふと校舎から校門の方を見ると、そこには一台 のミニパトが停まってた。婦警さんが乗ってるアレね。それだけならまだしも、そのミニパト の方に黒井先生が歩いて行ってた。 ……先生、警察のお世話になるようなことしちゃった? そのイベントをうまく捌けばフラグをゲット! という欲と単純に野次馬根性もあって、 近くで様子を伺ってみることにした。 私がそこに着くまでの間に先生はミニパトに乗り込んだものの、まだ発進どころかエンジン を駆動させてすらいなかった。できる限り遠くから車内の様子を見てみると…… 「ゆい姉さん!?」 運転手はゆい姉さん。しかも黒井先生と車の中であんなことやこんなことを! パティとひよりんがやってたのより更に激しくやっちゃってるよ! 胸まで揉んじゃってるよ! 二人とも大きいから揉み応えありそうだよ! っていうかゆい姉さん、人妻人妻! 私の心の叫びなど届くはずもなく(届いても困るけど)、二人はそれからもっと凄いことを やってた。CERO18くらいの。 私以外にも見物人がいて、全員女の子だったのはあまり気にしないでおこう。 出歯亀って言っちゃいけないヨ? みゆきさん! もう私にはみゆきさんしかいない! みゆきさんは私の心のオアシスだ! みゆきさん愛してる! という気持ちをみゆきさんにぶつけたかったんだけど、もう帰っちゃったかな。 いきなりイベントに入るのは無理としても、みゆきさんに今日あったことを話して甘える とかしてみたい。いやマジで。私の心は渇ききっているのです。 みゆきさんってもふもふした感じがあって、抱かれると気持ちよさそうなんだよね。 いや、ふかふかかな? 特定の一部分ならむにむにかな。 そんな妄想はさておいて、今日のところは諦めるしかないかな。今まで行動してなかった せいで他のカップルのフラグが立ってたと思うとあまりいい選択肢ではないんだけど、今日の ところはどうしようもないっていうのが実状だ。電話をかけて愛を育むしかないと思う。 いつもは携帯電話なんか持たない私だけど、それがイベント取りこぼしにつながるかもしれ ないと思って、今日だけは持ってきていた。結局、今まで使わなかったけど。 とにかく、駅まで歩きながらみゆきさんに電話をかけてみた。 『もしもし、高良です』 「あ、みゆきさん? 私」 お母さんも家にいるはずだけど、たまたまいなかったのかもしれない。 『泉さんですね。どうかなさったんですか?』 「いろいろあって、みゆきさんと話がしたくなったんだ」 ムードたっぷりの哀愁を込めた声で話しかけてみる。 『お話って、きゃっ、お母さん!』 「あ、お母さんいるんだ」 『はい、ちょっと、やっ、ん、あんっ……』 みゆきさん? 声にとてもアダルトな響きがあるのは何故ですか? 『やめてください、今、泉さんと電話、あぁっ』 『えっちの最中に電話に出ることないじゃない』 えーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!!! ナニヤッテルンデスカミユキサン!? 『い、泉さんが聞いてるんですよ!』 『泉ちゃんなの? 泉ちゃん、これ聞こえる?』 よく聞くと背景に何かの振動音が……。 「えーっと……お邪魔しました」 それだけ言って携帯の電源ボタンを押した。 「うぅ……木枯らしが冷たいよ……」 泉こなた、真っ白に燃え尽きました。 心の中に萌える、じゃなくて燃えるものがないとこんなにも寒く感じるものなのですね。 コート越しに自分の体を抱きしめても空しいだけです。 他のカップリングはともかく、ゆかり×みゆきは予想外でした……。 ……なぜか敬語になっていたのはさておいて、これほど冬を寒いと思ったのは初めてな 気がする。 孤独に震える私を癒してくれるものは二つしかない。アニメショップかゲーセンだ。 アニ○イトやゲー○ーズは同類がたくさんいて空しいので、ゲーセンに行くことにした。 しばらく来てなかったけど、私が得意とする格ゲーは相変わらず置いてあった。相手には 悪いけど軽くボコらせてもらうことにしよう。 と思ったけどやってる人がいない。コンピューター相手にしてもあまり燃えないんだけど。 ま、適当に流して誰かが来るのを待つとしますか。 「あーっ、この前のチビ!」 「え?」 なんとなく聞き覚えのある声がした方を振り返ってみると、そこにはなんとなく見覚えの ある人が。 「あのときは捨てゲーなんかしやがって! ゲーマーにはマナーってもんがあるだろ!」 ああ、これは……。 「もう一回勝負しろ。今度こそは……ん? どうしたんだよ、そんなに震えて」 「心の友よー!!」 立った! 立った! フラグが立った! 「な、なんだお前! いきなり抱きつくな!!」 「わかった、勝負しよう! ただし私が勝ったら私と付き合ってもらう!」 「何言ってんだよ! わけわかんねえ!」 「君が勝ったら私が君と付き合おう!」 「同じじゃねえか!」 「いや、違くなるよ。攻め受けとか」 「お前、私と何をする気だよ!?」 「あ、そっち方面わかるんだ。それなら脈ありだね」 「人の話を聞けえええええ!」 -おわり- コメントフォーム 名前 コメント 何気にゲーム版主人公全否定w あれはあれで結構面白いけど -- 名無しさん (2017-05-06 02 56 24) やまときた後修羅場して、傷心のこなたとそうじろ…… 自重しよう -- 名無しさん (2010-06-21 15 46 53) このあとやまとがやって来て修羅場ですね。 わかります。 -- 名無しさん (2009-05-18 16 13 19) きっとこの後は こう×やまと ですね(`∀´) -- オビ下チェックは基本 (2009-05-17 23 38 59) まさかかなたさんフラグがルートのどこかに(;゚Д゚) -- 名無しさん (2009-03-28 05 55 22) このあとやまとがでてくるんですね。わかります -- 名無しさん (2009-03-28 04 16 32) このあとこう×やまと -- 名無しさん (2008-07-12 00 19 33) これはいい -- 名無しさん (2008-06-09 00 04 31) そしてこなたは俺とのルートに -- 名無しさん (2008-06-06 22 03 30) ワロタ -- 名無しさん (2008-06-06 02 50 38) そしてこうはやまとの元へ -- 名無しさん (2008-06-05 03 07 46) 続き!!!www -- 名無しさん (2008-02-03 16 34 00) こうちゃんエンド見てみたいかもしれん・・・w -- 名無しさん (2008-02-01 00 32 50) ひとりぼっちのこなたカワイソスw 「世にも奇妙な物語」でありそうな噺だなw -- 名無しさん (2008-01-31 13 27 49)