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アリシアちゃん アリシアちゃん【ありしあちゃん】(妄想) 総務部所属。 フェアリーことピクシー。オムレツスパが好物。 部長を「ぶーたん」と呼ぶスイーツで残念な娘。
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エニシア 機械神ウィ・ア・ズの司る国の首都。機械という特性なのか、精霊に狙われやすいらしい。 -- GOGH (2006-01-14 23 26 22) 属性は金。精霊と相反する存在らしい。もともとエニシアは地下も存在する都市であるが、現在使用している地下部分よりもさらに奥深くの層が存在しており、ハンターや国王リュートによる探索が進められている。封鎖されている箇所なども多く、モンスターも存在しているため、実は巨大な戦艦ではないか、との噂も囁かれているようだ。判明していない部分には国王リュートの神霊力も浸透しづらく、異界化モンスターや、太古の機械が暴走していることが、捜索が難航している大きな原因に上げられるだろう。エンジェル・ダストと呼ばれる地区も存在するが、全くとして捜索は進んでいないようだ。 -- GOGH (2006-10-28 14 35 50) 名前 コメント
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エニシア山_puki
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シア・シャルラハロート 享年:16 髪の色:赤 / 瞳の色:赤 / 肌の色:色白 身長:150 体重:55 ポジション:ソロリティ クラス: ロマネスク / ステーシー 初期配置:花園 行動値:9 ■パーソナルデータ■ 暗示:破局 [記憶のカケラ] 内容 尾行者 何かがあなたにつきまとっていた 最終戦争 人類が滅亡する原因となった戦争 花園 どこまでも広がる花園の中で幸せであった。その光景に帰りたいと思う。 親愛 ムクゲお姉さん [未練] 内容 狂気度 発狂時 たからもの への 依存 ■■□□ 幼児退行(最大行動値減少(-2)) デイジー への 依存 ■■■□ 幼児退行(最大行動値減少(-2)) リコリス への 憧憬 ■■■□ 贋作妄想(対象のいるエリアに移動できない。また、対象が同じエリアにいるなら離れなければならない。) ファラハ への 嫌悪 ■■□□ 敵対認識(敵に当たらない攻撃の全てが、射程内なら嫌悪の対象に命中する) ■強化値■ 武装 変異 改造 メインクラス 0 0 2 サブクラス 1 1 0 ボーナス 寵愛 =合計= 1 2 2 ■マニューバ■ [部位] マニューバ名 タイミング コスト 射程 効果 [頭] のうみそ オート 2 [頭] めだま オート 1 [頭] あご アクション 2 0 肉弾攻撃1 [腕] こぶし アクション 2 0 肉弾攻撃1 [腕] うで ジャッジ 1 0 支援1 [腕] かた アクション 4 自身 移動1 [胴] せぼね アクション 1 自身 次カウントで使うアクション1つのコスト-1 [胴] はらわた オート [胴] はらわた オート [脚] ほね アクション 3 自身 移動1 [脚] ほね アクション 3 自身 移動1 [脚] あし ジャッジ 1 0 妨害1 [ポジション] 号令 ラピッド 2 貴方を含む舞台上の姉妹全員、望む攻撃マニューバ1つを「ラピッド」で使用可 [サブクラス] 死に続け ラピッド 0 0-1 損傷している基本パーツを1つ修復 [メインクラス] 調律 ラピッド 0 0 ターン終了まで、対象は損傷したパーツを使用できる [メインクラス] 死の舞踏 ジャッジ 0 自身 攻撃判定の出目を振りなおす [腕] 狙撃ライフル アクション 2 2-3 射撃攻撃1、攻撃判定出目+1 [胴] つぎはぎ オート なし 自身 戦闘終了時、このパーツと損傷した基本パーツを1つ修復可 [胴] うろこ ダメージ 1 自身 防御2 [腕] アサシンブレード ラピッド 2 0 白兵攻撃2+連撃1 [胴] リミッター ダメージ 0 自身 このパーツが損傷した際のみ使用可 最大行動値+2 [ポジション] 内緒話 オート なし なし 戦闘開始時と終了時、任意の姉妹一体と会話判定を行ってよい 基本的に敬語でしゃべってお姉さんっぽくふるまう。 頭にいつもバスケットかぶってる。 プレイスタイルとしては号令かけて花園からの固定砲台
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私はリーフィア。7歳の小学1年生。 冬の遠足で、バスに乗ってホテルに向かっている。 みんながうとうとする中、私は焦りながら スカートの前を両手でギュッと押さえていた。 「うぅ……。」 どうしよう……。 おもらし……しちゃった……! トイレに行きそびれて、我慢しようと思ったのに。 少しずつ、おむつの中が温かくなって……。 でも大丈夫、もうすぐ着くはず。 すぐにトイレに行っておむつ交換すれば……。 30分後 「んっ……くぅっ……!」 何で、どうして。 さっきおもらししたばかりなのに。 しゅっ、しゅわぁっ 「やぁっ……!」 これ以上出たら、おむつから溢れちゃう! お願い……早く着いて……! 「リーフィア。」 「グレイシアちゃん……。」 隣の席のグレイシアちゃんが、小さな声で。 「もしかして、トイレ?」 「う、うん……。」 「もうちょっとだけ頑張って、ほら。」 窓の外を見ると、ホテルは目の前。 ずっと俯いて我慢してたから気づかなかった。 あの中にトイレがある。おしっこができる。 真っ白なトイレ、温かい便座。 力を抜いて、思いっきり、気持ちよく……。 しゅいいぃぃぃーーー…… 「んっ……!!」 や、やだやだ!おしっこ!おしっこ! じわぁ…… 前を押さえる両手が温かくなる。 「降りよう。」 グレイシアちゃんに支えられて おしっこの袋を刺激しないようにゆっくりと歩いた。 「しおりをよく見て、お部屋に荷物を……。」 先生のお話が全然頭に入ってこない。 頭の中はもう、おしっこのことで一杯だった。 一番後ろでこっそり体をくねらせる。 膨らんだおむつがクシャクシャと音を立てる。 早く、早く、早く。 「リーフィア、こっち!」 グレイシアちゃんに手を引かれて走った。 そこに見えたのは、青と赤のトイレのマーク。 「ダメだよ、グレイシアちゃん!」 「何言ってるの!我慢できないんでしょ!?」 「そうだけど……っ!」 急に大きな波が来て、思わず立ち止まった。 今戻ったら……みんなの前で……。 「トイレ……!」 最後の力を振り絞って、全力で走った。 個室のドアが見えた、その時。 ぷしゃっ 「あっ。」 ぷしゅっ、しょわっ、しょわわっ 「ああっ。」 じょわぁぁぁーーー……びちゃびちゃびちゃ…… 「はぁー……。」 気持ちいい……。 ばしゃっ! ずっしりと重くなったおむつが床に落ちた。 水たまりが跳ねて、冷たい空気がお尻を撫でる。 「リーフィア、それって……。」 「あっ……。」 グレイシアちゃんに、見られた。 おむつ、バレちゃった……。 30分後 「おかえりなさい。」 「た、ただいま……。」 やっと気持ちが落ち着いて、お部屋に入った。 「服、着替えたんだ。」 「う、うん。」 何を話せばいいか分からなくて、しばらくじっとしていると。 「……もう来ないかと思った。」 やっぱり、そう思うよね。 「ごめんね、私が一緒で。」 「えっ?」 「おむつして……おもらしして……。」 「こんなの……ぐすっ……嫌だよね……。」 「ごめんなさい……ごめんなさい……!」 胸の奥が熱くなって、涙が溢れて止まらなかった。 でも、そんな私にグレイシアちゃんは。 「そ、そうじゃなくて!」 「えっ……?」 「全然お部屋に来てくれないから、その……。」 真っ赤になって、少し俯きながら。 「……さ、寂しかった……。」 グレイシアちゃんは、そう言ってくれた。 「グレイシアちゃん……ぐすっ……!」 「あー、もう……ほら!」 泣いてばかりの私にグレイシアちゃんが見せたもの、それは。 「これって……。」 「い、言わなくても分かるでしょ……?」 白くて、薄くて、でもふわふわしてて。 「私もしてるの……おむつ……。」 「おねしょ、するから……。」 グレイシアちゃんが、おねしょ……。 「……ずっと怖かったの。このお泊りで、おむつがバレたらどうしようって。」 「だから、その……こんなこと言うのも変かもしれないけど……。」 「リーフィアがおむつしてるって分かって、嬉しくて……。」 そっか。 グレイシアちゃんも、私と同じ気持ちだったんだ。 心の中のモヤモヤが晴れていく。 もう、一人で悩まなくていいんだ……。 「フフッ……。」 「ど、どうしたの?」 「なんだかスッキリして……。」 「あっ……おむつ替えなら、先生のお部屋で……。」 「ち、違うよぉ!」 コンコンッ 「二人とも、ちょっといい?」 タブンネ先生は大きなお布団のようなものを持っていた。 「あら、その様子だともう説明は要らないみたいね。」 「説明って……?」 「ソレよ、ソレ。」 「あっ……。」 グレイシアちゃんのおむつ持ったままだった。 「ホテルのおねしょシーツを借りてきたから、寝る前に敷いてね。」 「は、はい……。」 グレイシアちゃん、耳まで真っ赤。ホントにおねしょするんだ。 「ねえ先生、私たちだけ二人で一部屋なのって……。」 「もちろん、おむつのためよ。」 先生のお部屋は具合の悪くなった子が来るかもしれないから 他の誰にもバレる心配がないよう、私たちだけにしてくれたらしい。 「先生、ありがとう!」 「フフッ、どういたしまして。」 「お風呂に行く前にパンツに穿き替えるの、忘れないようにね。」 「「はーい!」」 夜はみんなで温泉に入った。 先生に言われた通り、私はパンツを穿いて。 ……お風呂の中でちょっとだけ出ちゃったのは、ナイショ。 夜、寝る前 「おやすみなさい、リーフィアちゃん、グレイシアちゃん。」 「「おやすみなさい……。」」 今日はいろんなことがあって疲れちゃった。 けど、グレイシアちゃんと仲良くなれた。 おむつのことを話せるお友達ができて、すっごく嬉しい。 「うぅー……。」 「どうしたの?」 「私だけおむつ穿くの、恥ずかしい……。」 おむつを腰まで上げながら、グレイシアちゃんが言った。 「リーフィアも穿いて!」 「ええっ!?わ、私、おねしょはしないし……。」 「……ダメ?」 いつもはクールなグレイシアちゃんが 涙目の上目遣いなんて、そんなの反則だよ……。 「もう、しょうがないなぁ。」 「……ありがと。」 私は黄色の、グレイシアちゃんは水色のパジャマ。 その下におむつを穿いて、おねしょシーツを敷いた。 「グレイシアちゃん、電気消すよ。」 「うん……。」 真っ暗で静かなお部屋。 お布団の中で、グレイシアちゃんが私の手を握った。 「あの、さ……。」 「なぁに?」 「……グレイシアでいいから。」 「えっ?」 「な、何でもない!」 ぷい、と横を向いてしまった。 「……おやすみ、グレイシア。」 「……おやすみ……。」 深夜2時 グレイシアちゃーん、おトイレ行きましょー……。 あらまぁ。おむつもう濡れちゃってる。 仕方ない、先生が替えてあげようかしら。 起こさないようにそーっと……。 「これでよしっ。」 おてて繋いでぐっすり。どんな夢見てるのかしら。 「よかったわね、二人とも♪」
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毎度お馴染み、神奈川県川崎市。 「…んー」 「どうしたのよ、あんた」 「いや…ほら、あの女の子」 商店街で買い物していた我らがヒーロー・サンレッドとかよ子さん。二人の視線の先には。 「―――新装開店セールでーす!よろしくお願いしまーす!」 現実じゃありえねー天然物のピンク髪は、彼女が人外の存在である事を雄弁に物語っている。雪よりも白い清らかな肌 と、穢れを知らぬ清純可憐な愛らしい顔立ち。 そんな年端もいかぬ美少女が、道行く人々に向けてチラシを配っているのだった。 「女の子型の怪人ってのは珍しいけど、あの子は最近よく見るんだよな…こないだは定食屋で働いてたぞ」 「ああ、そう言えば私も他の場所でティッシュ配ってるの見たわ」 「そんなに仕事を掛け持ちしてんのか…働きモンだなあ、おい」 「そうねー。誰かさんに見習ってほしいぐらいね」 ゲホンゲホン、とわざとらしく咳をするレッドさん。確かにかよ子さんのヒ○という身分から見れば、この寒空の下で汗水 垂らして働く少女の姿は、ちょっと胸を打たれてしまうものがあるのだった。 天体戦士サンレッド ~少女の願い!サンレッド・怒りの全力バトル そんなある日の夜。 道行くレッドさんは、ふと前方に人影を発見した。 「あれ?あの子は…」 件のピンク髪勤労少女である。彼女は買い物袋を手に、一軒家に入っていく所だった。 特に何の変哲もない木造二階建て。フロシャイム川崎支部に、ちょっと似ていた。 表札には女の子的な丸っこい字で<エニシア軍団>と書かれている。 「皆、ただいまー」 途端にガラガラと玄関の戸が開き、わらわらと男達が出てきた。 人間もいれば怪人もいる、玉石混合の連中だったが、たった一つ共通している事があった。 それは。 「お帰りなさいませ、姫様」 「お疲れでしょう、今お茶を入れますので…」 「バカ野郎!エニシア様には俺がお茶を入れるんだ!」 「何言ってやがる!それは俺の役目だぁ!」 「つうかなにエニシア様なんて馴れ馴れしく呼んでんだあ!」 「そうだそうだぁ!俺だってそう呼びたいけど我慢してるんだぞ!」 ―――少女に対して、やたら高い忠誠心を持っているらしい、という事である。 ちょっと暴走気味なくらいに。 「もう、ケンカはダメでしょ!私達は仲間なんだから、仲良くしなきゃ。ねっ?」 「「「はいっ!」」」 そんな諍いも、少女の鶴の一声であっさり収まる。妙な集団ではあるが、その結束は固いようだ。 (ふーん。よく分からねーけど、慕われてんだな。あの…エニシアって子) ちょっと救われた気分になるレッドさんだった。やはり彼も男として、可愛い女の子には優しい気分になるのだ。 そうこうしているうちに、少女―――エニシア達は家の中へと入っていった。 「なーんか、気になる連中だよな…<レッドイヤー>!」 レッドさんは精神を集中して、特殊能力<レッドイヤー>を発動させた。これは周囲10km以内のあらゆる物音を完璧 に聞き分ける事が出来る、物凄い地獄耳なのだ! だけどプライバシーの侵害だよね、普通に。でもレッドさんは何処吹く風で、屋内の音声を探る。 ガサゴソガソゴソ。何やら作っているような音。 <姫様、ただでさえお疲れだというのにそのような…> <いいんだよ。造花作りって結構楽しいし> 「…家に帰っても仕事してんのか…しかも今時造花って…」 居た堪れないレッドさんである。ちなみに彼は家にいる時はTVを見ながらゴロゴロしている。 <私だって、自分の食べる分くらいは自分で稼がないと。それに、軍団の維持費だってバカにならないでしょ?> <だからといって、姫様がそこまで働く事はありません!> <そうですよ!金の事なんて心配しなくても、俺達だってバイトしてるし…> <ありがとう。でも…私、思うの。人の上に立つからには、自分が一番汗を流さないと、誰も付いてこないって> 「…………」 ちなみにレッドさんはここ数年、金なんて一銭も稼いでいない。 <ううっ…姫様ぁ…!俺達、一生姫様に付いていきます!> <力を合わせて、きっと姫様の望みを叶えてみせますから!> <そうとも!姫様のためなら俺達、死ねますから!> <気持ちは嬉しいけど…死ぬのはダメだよ。皆、作戦は常に命を大事に、だよ。私との約束、ねっ?> <はっ!皆、姫様の御命令だ。復唱いくぞ!命を大事に!> <命を大事に!><命を大事に!><命を大事に!> そこでレッドイヤーを解除し、レッドさんはその場を後にした。 「…何をやりてーのかは知らねーけど…ま、頑張れよ。お嬢ちゃん」 更に、別の日。 一際冷え込む夕暮れだった。 「―――よろしくお願いしまーす!」 元気のいい声が、商店街に木霊する。 「今日も、チラシ配りか…」 かよ子さんと共に、レッドさんはまたしてもあの少女―――エニシアの姿を目撃した。 (あんな小娘があれだけ働いて…何しようってんだよ) 本当なら、お洒落して友達と遊びに出掛けて、時には恋をして、青春を謳歌して然るべき年頃だろう。 だけど、エニシアの姿はそんな<当り前の女の子>としての全てを放棄しているようにさえ思える。 確かに、彼女には心を許せる仲間達がいるだろう。 彼等が待っていてくれる、温かい家もあるだろう。 それでも彼女は―――本当に、それでいいのだろうか? (そこまでしてやりたい事があるって…どういう気持ちなんだよ…) 項垂れるレッドさん。その肩をポン、と叩かれた。 「気になるんでしょ?行ってきなさい」 かよ子さんは、そう言って微笑む。 「か弱い女の子を助けるのも、ヒーローの務めでしょ」 「…へっ。出来た女だよ、お前は」 レッドさんは照れ隠しに胸を反らせながら、自販機で温かいココアを買い、エニシアに向けて歩き出すのだった。 「…はあ」 かじかんだ手に息を吐きかけたぐらいでは、寒さは紛れない。 エニシアの本来は白魚のように繊細な指先は、連日の仕事で痛々しく真っ赤に擦り切れていた。 「でも…私に付いてきてくれる、皆のためだもの…」 軍団員の顔を一人一人思い浮かべていけば、挫けそうな心が暖まった。 彼等は自分にとって単なる部下ではない。 給金もロクに払えないような自分を<姫様>と慕い、心の底から信じて付いてきてくれた、大切な仲間だ。 こんな小娘の、世迷言のような<とある目的>を叶えようと集まってくれた同志だ。 そう。軍団の皆は自分の大事な―――家族だ。 「頑張らないと…え?」 その鼻先にぬっと突き出された、ココアの缶。顔を上げると、そこにいたのは赤いマスクのあの御方。 「寒いだろ。飲めよ」 「あの…あなたは?」 「親切なお兄さんだよ。いいから受け取れ。金なんか取らねーから」 レッドさんは少女の小さな手にココアを押し付けると、自分はそっぽを向いてタバコを吹かし始める。 「…ありがとう」 戸惑っていたエニシアだったが、不器用なレッドさんなりの優しさを確かに感じ取り、笑顔になった。 「いただきます」 チラシを脇に抱え、プルトップを開けて口を付ける。温かくて甘い液体が、冷え切った身に染み渡っていく。 「ああ、美味しい…」 エニシアは幸せそうにココアを啜る。レッドさんはそんな彼女の横顔を見つめ、気になっていた事を尋ねた。 「…なあ、お嬢ちゃん。余計な詮索かもしれねーけど、訊いていいか?」 「うん。何かな?ココアのお礼だし、何でも答えるよ」 「最近ここらでしゃかりき働いてるみたいだけどよ。そんなに仕事ばっかして金貯めて、どうすんだ?何かやりたい 事があって、金がいるとか?あ、いや、勝手な想像だけどな」 レッドイヤーでその辺りは分かっていたが、それを言ったら犯罪者扱いされるのでぼやかしながら訊く。 「そんな所。どうしてもやりたい事があって…そのためには、お金がいっぱいあるにこしたことはないから」 「そっか」 ふー、とタバコの煙を吹き出し、レッドさんは言う。 「俺でよけりゃ、手伝ってやろうか?」 「え…?」 意外な申し出だったのか、エニシアはきょとんとしてレッドさんを見つめる。 「ほら、俺は一応この川崎市を守るヒーローだしな。市民のために出来ることがあるならやってやるよ。どーせ毎日 ヒマだし。あ…でも金貸してくれとか言われたら困るけど」 レッドさん、アレだからね。かよ子さんに養われてる身だからね。 「ヒーロー…ああ。だからそんなマスクしてるんだね。へー、私、ヒーローの人って初めて見た」 「おう。自分で言うのもなんだけど力にゃ自信あるし、手先も結構器用だぜ?」 ぐっと、力瘤を作って叩いてみせる。 「だから、俺に出来る事があるなら遠慮なく言えよ。正義のヒーロー・サンレッドは、頼れる男だぜ?」 「…ありがとうね。レッドさん。私、本当に嬉しいよ」 でも、それはダメ。エニシアはそう言った。 「レッドさんに頼ることは、しちゃダメなの」 「おいおい、何でだよ?俺がこれだけモチベーション高いのって、結構レアなテンションなんだぞ」 「それでも…それでも、ダメなの!」 そしてエニシアは、衝撃の事実を告げた。 「だって私―――世界征服を企んでるんだもの!」 「…は?」 トンデモな発言に、レッドさんは間抜けな声を出してしまう。 「だから、ヒーローのレッドさんが世界征服の手伝いなんて出来ないでしょ?」 「そりゃ、そうだけどよ…」 レッドさんはこの寒いのに冷汗をだらだら流しつつ、あー、と眉間を押さえた。 「マジで、世界征服企んでんの?そしてそれを、ヒーローの俺の目の前で告白すんの?」 「うん!だって、世界征服は―――誰にも恥じる事のない、私の…ううん、私達全員の夢だもの!」 そう語る彼女の眼差しは、夢見る少女そのものだった。その輝きを見れば、誰もが心癒される事だろう。 夢の内容がアレでなければ。 「あ、でも…一つだけ、正義の味方のレッドさんが、私達のために出来る事ならあるよ」 「…なんだ。言ってみろ。ここまで来たら聞いてやるからよ…」 「それじゃあ、優しい正義のヒーローさんに、悪の姫君からのお願いだよっ!」 エニシアは、咲き誇る花のような笑顔でレッドさんに告げる。 「いつか私達の軍団と闘う時が来たら、手加減無しでやってね。全力のヒーローと真っ向勝負でぶつかって、そして 打ち倒す。それが世界征服と並ぶ、悪の軍団としての醍醐味だもの!」 とん、っと再びチラシを手にして、レッドさんにペコリと頭を下げた。 「ココア、ご馳走様。美味しかったよ」 「そりゃ…どうも…」 「だけど、覚悟していてね。いずれレッドさんとは雌雄を決さなければいけないんだから。正義の味方のレッドさんと 悪の軍団である私達は、謂わば光と闇の闘いだものね」 「はは…そだな…」 「それじゃあ、いつか対決しようね!約束だよー!」 「おう…」 テンションが見る見る内に下がっていくレッドさんにもう一度屈託なく笑いかけて、エニシアは再びチラシ配りに戻る のだった。それを見ながら、レッドさんは呟く。 「ヴァンプといい金属野郎といいあの子といい…世界征服、そんなに流行ってんのかよ…世も末だな」 レッドさんはもう心の底からやり切れない、とばかりにどよよ~~~んと目線を落とすのだった。 ―――数日後。 いつもの対決場所である公園。 そこにいたのはレッドさんとヴァンプ将軍、それにフロシャイム川崎支部の皆さん。 ここまではいつも通りだが、今回は更に珍客がいた。 「天体戦士サンレッド…我ら<エニシア軍団>に歯向かう愚か者。ああ、私は悲しい…あらゆる命の象徴たる太陽 を、この手で」 チラリと手元のカンペを見て、続ける。 「地に堕とさねばならないとは…サンレッド!せめて美しく、そして残酷に逝きなさい!」 少女―――エニシアはそこまでのたまった所で、軍団員に向き直る。 「えっと、こんな感じでいいかな?ちゃんと悪の姫君っぽさとか出てる?」 「出てますよ、姫様!もうオーラ出まくりです!テニス部部長くらい出てますよ!」 「俺、ちょっと感動して膝が震えてますもん!」 「どこに出しても恥ずかしくない、ワルでクールな姫様でしたよ!」 「姫様バンザーイ!」 おべっかでなく、マジでのたまっている辺りが余計にタチが悪かった。 「そ、そうかな。えへへ…」 ほっぺを真っ赤にして照れるエニシア。それを聖母の眼差しで優しく見守るヴァンプ様。 レッドさんはそんな心温まる光景を黙殺し、ヴァンプ様の胸倉を掴んだ。 「あいたたた。何するんですか、レッドさん…」 「何するじゃねーよ!何なんだよこいつら!何で俺達の対決場所にいるんだよ!」 「え?レッドさんの知り合いなんでしょ、エニシアちゃん。前にココアを貰ったって言ってましたけど」 「そういう事を訊いてんじゃねーよ!何で対決に同伴してんだって事だよ!」 「ああ…実はエニシアちゃん、ウチの怪人のバイト先の知り合いでして」 「ほほお。それで?」 「それで、彼女も軍団を結成して世界を狙っている事は知っていたんで。それなら一度、我々フロシャイムと同盟を 結んでレッドさんと闘ってみないかって誘ったんです」 「…………」 レッドさんはエニシアを見た。エニシアは嬉しそうな顔でニコニコしている。 「勿論私達<エニシア軍団>も二つ返事で承諾したの。世界征服のためには、いずれフロシャイムも倒さなければ ならない相手だけど、その前にヒーローであるレッドさんを協力して抹殺しようって。ねー」 「ねー」 「悪の組織同士がそんな<放課後ウチに来て遊ぼー>みたいなレベルで同盟を結んでんじゃねー!」 「いいじゃないですか、レッドさん。仲良き事は美しき哉、ですよ。ねー、エニシアちゃん」 「ねー、ヴァンプさん」 すっかり仲良しさんな二人である。スパロボとかでありがちな<目的のために手を組んだけど隙を見せればお前ら も潰してやるぜゲッヘッヘ>な空気なんて微塵もない。 「…………バカだ…こいつら、正真正銘のアホ共だ…」 何でこの神奈川県川崎市溝ノ口には、頭カラッポでろくでもねー夢ばっか詰め込んだような奴が集まるのか? そして何故よりによって、俺がその地を守るヒーローやってんのか? 「とにかく!今日はエニシア軍団と共に貴様を叩き潰してくれるわ!覚悟せよ、サンレッド!ふはははは!」 「手加減など無用よ、サンレッド!あなたは善で我らは悪…あれ?カンニングペーパーどこだっけ」 「姫様、しっかり!」 「俺達がついてますから!」 ブチンッ!確かにそんな音が聴こえた。ついにレッドさんがブチ切れた音である。 「エニシアちゃんよ…確かおめー、全力で俺に闘ってほしいって言ったよな…」 「うん、言ったよ?」 「手加減すんなとも言ったな…」 「うん」 「ああ、分かった。分かったよ。見せてやるよ、俺の全力―――!」 ブワッ―――と、全てが焼け付くような熱気がサンレッドから迸る。 「え…ま、まさかレッドさん…ほんとに全力で行くんですか?」 「も、もしかして、私、ヤバい事言っちゃった…?」 恐怖。ヴァンプ様とエニシアを筆頭とする悪の権化達を支配するのは、純然たる畏れだ。 例えるならば、龍の前の蝿。獅子の前の蟻。どれだけ楽天的な連中でも瞬時に理解できる、圧倒的格差。 食物連鎖の絶対的上位に位置する存在。どれだけ言葉を尽くしても語れない、絶対にして絶大の壁。 それこそが―――本気になった天体戦士サンレッドだ! 「燃えろ、俺の太陽闘気(コロナ)―――変身!」 吹き荒れる爆熱と灼熱の中で、サンレッドがその姿を変化させる。 真っ赤なバトルスーツを基調として、その上から輝きを放つ追加装甲が装着された。 背中には爆風でたなびく、真紅のマント。 「強火で直火で、正義が燃える―――!天体戦士サンレッド・飛翔形態―――<プロミネンスフォーム>!」 <紅炎(プロミネンス)>の名を冠するその姿は、正しく日輪の化身。 朝陽のようにキラキラ輝く、絶対太陽。 夕陽のようにギラギラ燃える、でっかい太陽。 情熱を漲らせ。灼熱を溢れさせ。太陽の戦士(ソルジャー)が―――紅蓮の闘神が、そこにいた。 「あ…ああ…ヤバい…レッドさん、本当に本気になっちゃってる…」 「あ、あの…今からやっぱり手加減してとか…無理、かな…」 燃え滾る怒りに熱く紅くバーニングなレッドさんとは対照的に、顔面蒼白・涙目でガタガタ震える悪の将軍と姫君。 「姫様!こうなったら姫様必殺のフェアリースマイルで奴を骨抜きにするしかありませんぞ!」 「大丈夫!姫様ならば出来ます!」 この期に及んで姫様絶対主義を貫き通す覚悟の家臣達。忠臣の鑑であった。 でも、それがレッドさんに通じるかどうかは悲しいかな、別問題だった。 「うっせえわバカ共!死なねえ程度に殺してやるから、覚悟しやがれぇぇぇぇぇぇ!」 煉獄の炎を身に纏いながら、サンレッドは天高く舞う。一瞬にして大気圏を突破し、宇宙空間に到達。 そこから全速力で、公園に向けて急降下!その姿はまさに、燃え盛る真紅の隕石―――! 「紅炎奥義―――<メテオクラッシュ>!」 「「「「「どっひゃ~~~!」」」」」 ―――天体戦士サンレッド。 これは神奈川県川崎市で繰り広げられる、善と悪の壮絶な闘いの物語である! なお悪の皆様方はいつもより念入りに正義の説教をされたけど、エニシアちゃんだけはバイトがあったので帰らせて もらったとさ。そんなレッドさんの優しさが心に染みるお話でした。
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姫この一言に始まり、この一言に終わる。 彼女のまわりには男っ気が多いが、ようは幼女好きが多いということなのだろう。 そう、だからこそ彼女はお姫様、と呼ばれない。 そう、だからこそ彼女は妃、と呼ばれない。 そう、彼女は…… 姫
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フィアちゃん 画像 フィアちゃん #ref error :ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (フィアちゃん.png) 機体説明 BDメインの投げキッスは味方に直接当てるタイプで、当たった味方に一定時間オールガード(被ダメ軽減)と3のHP回復効果を与える。 BDサブは4秒ほど時間を掛けて魔法陣を敷く。魔法陣に触れた味方に15秒間ハイパーショット効果を与える。 HDサブはロックした敵機に火球を発射する。LGサブは一定距離で爆発する火球を発射するか、手元で爆発して後ろに転ぶ。 武器は1個だけ持てる ※ACと武器以外はカスタマイズできません。 CV: STATUS ※手持ち武器を外した状態で記述 名前 TYPE SIZE HP COST Capacity STR TEC WLK FLY TGH ロボ価格 購入条件 フィアちゃん 補 S 250 520 535 9 12 15 12 5 100RT期間限定 なし 構成 ※SHOPで販売されている場合、セットで付いてくる手持ち武器は下に記述 パーツ名 アイコン Size Type Cost HP Str Tec Wlk Fly Tgh 備考 スパイクビット ふぃあBD#2 #ref error :ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (ふぃあBD.png) S 補 385 185 7 10 9 5 5 武器ジョイント有りMAIN:KISSSUB:MAGICALCIRCLE ふぃあHD #ref error :ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (ふぃあHD.png) S 補 50 15 2 1 2 1 -1 ふぃあBD固定パーツSUB:EXPLOSIVE FIRE ふぃあLG #ref error :ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (ふぃあLG.png) S 補 35 20 3 1 1 ふぃあBD固定パーツSUB:TUMBLE ふぃあBS #ref error :ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (ふぃあBS.png) S 補 20 10 1 2 ふぃあBD固定パーツ デモンBS9 S 補 30 20 1 3 ふぃあBD固定パーツ 必要経験値 LV1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 210 420 840 1470 2310 3150 8400 12600 21000 33600 カートリッジ ※上から順に。 名前 コスト 備考 キャパシティアップ+70 25 HP+10、6枚 内蔵武器の強化 30 2枚 内蔵武器の強化 40 Lv6、1枚 内蔵武器の強化 50 Lv9、1枚 シェルガード 20 ソードガード 30 ブラストガード 30 ビームガード 30 アンチバーニング 20 レイジングワンダー 20 Lv6 バンプアブソーバー 10 アンチスロウ 20 フロートダッシュ 20 スウェー 20 スナイパーサイト 20 Lv9 レビュー・コメント 名前 コメント すべてのコメントを見る
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―――意表を突いた展開。それは物語にとって大切な要素の一つである。 されど、これは神奈川県川崎市で繰り広げられる、人知を超えた怪人やヒーローの世知辛い日常を綴る物語。 それゆえに読者の皆様方には<どうせいつもの日常風景が垂れ流されるんだろ、ケッ>なんて思われるのだ。 うん。その通りなんです、すいません。 「いらっしゃいませ!ピ○・キャ○ットへようこそ!」 フリフリ可愛らしい制服に身を包んだ、ピンク髪の少女がにこやかに接客する。 そう、前回レッドさんに全力で闘ってもらえたある意味幸運、ある意味凶運の悪の姫君・エニシアである。 悪の軍団を率いる彼女は、今日はどうやらファミレスのバイトに精を出している様子だった。 「よー、エニシアちゃん。相変わらず可愛いねー」 「ちわっす!」「ちわっす!」 店に入ってきたのは、モグラ型怪人コンビのモギラとモゲラを引き連れたアリジゴク怪人・アントキラーさん。 「あ!アントさんじゃない。最近よく来てくれるね」 「いやー、もう三日に一度はエニシアちゃんの顔見ないと落ち着かなくて(笑)」 「またまたー。私より可愛い人なんて、この店にはたくさんいるじゃない」 「何言ってんの。今やウサ兄さんと並ぶ○ア・キャロッ○川崎店の看板娘じゃないの。なあ、お前ら」 「そうっすよ。もっと自分に自信持っていいんすよ」 「よっ、この癒し系!悪のアイドル!」 モギラとモゲラもアントキラーに続き、エニシアを褒め称える。先輩に追従してのおべっかでなく、本心である。 確かにアントキラーの言う通り、可愛い店員が多い事で有名なこの店でも、エニシアは頭一つ抜きん出た美少女 だ。その人気ぶりたるや、この漢に並ぶほどである。 「こらっ!エニシアちゃん、通路で立ち話してたらダメでしょ!」 思わず抱きしめたくなるような愛くるしい声で叱ってきたのは、そう、我等がアニソルのリーダー・ウサコッツ。 (※忘れていらっしゃる方が大半でしょうが、このSSではウサコッツはここでバイトしてます) 彼はエニシアの先輩として、彼女を厳しく戒める。 「す、すいません。ウサ先輩」 「バイトだってお金もらってる以上はプロなんだよ!?お客さんとお話しするのもサービスの一環だけど、きちんと 席に案内してからにしなよ!」 プリプリ怒るが、姿が愛らしいので全然怖くない。客や店員からは<きゃー!怒ってるウサちゃんも可愛いー!> と黄色い声が上がる始末だ。 それでも直接の後輩であるエニシア、そしてアントさん率いる三人組怪人はしゅんとしてしまう辺りは流石である。 「アントキラーも、お客さんだからって何してもいいわけじゃないんだよ?<お客様は神様>というけど、マナーは きっちり守ってもらわないと、困るのはお店なの!」 「はい!すんません、ウサ兄さん」 「すんませんっした!」「すんませんっした!」 「よし、反省したならいいよ。じゃあエニシアちゃん、席に案内してあげて」 「はい!ではアントさんにモギモゲさん、こちらへどうぞ」 丁寧な仕草で三人を案内するエニシア。それを見ながらウサコッツはうんうん、と頷くのだった。 そんな先輩と後輩の心温まる交流の中に、闖入者はやってきた。 「―――おい、お前ら。丁度よかった、ここにいたのか」 赤いマスクの今一つ影の薄い主人公・サンレッドである。 今日のTシャツは<バター飴・ジンギスカン・熊カレー>。これ、実は今回の伏線ね。テストに出るよ。 「あ…レッド!何しに来たのさ!」 「何だよ、ウサ公。いきなりケンカ腰か…別に仕事の邪魔しにきたわけじゃねーよ。ちょっと話があってな…」 いつになくテンションの低いレッドさんである。しかしてその顔つきは、どこか真剣であった。 「おう、お前ら。ちょっと座らせてもらうぞ」 アントさん達の席に、返事も待たずにさっさと座る。実に嫌な先輩っぽさである。 「え、でも…」 「ああ?何だよ、また病院に行きてーのか、コラ」 「…どうぞ座ってください」 流石のアントキラーもレッドさんに対してはそう言うしかない。レッドさんは早速タバコを吹かし始めた。 何となく重苦しい雰囲気である。そんな空気を打ち破るように、エニシアが注文を取りにやってきた。 「アントさん、御注文は…あれ?レッドさんも来てたんだ。あ、もしかして私に会いに来てくれたり?」 「あー、まあ、そんなトコだよ」 「うふふ、嬉しい。でも、浮気はダメだよ?そんな事したら、かよ子さんに言い付けちゃうからね」 「バーカ。そんなマセたセリフはあと十年経ってから言えっての…しかし、今日もバイトかよ?」 「うん!今日も明日もバイトだよ。だって夢(世界征服)のためには、グータラなんてしてられないもの」 エニシアはロリリッ!と表情を引き締め、決意を熱く語った。 (※ロリリッ!とは、ロリィな女の子がキリッ!とした時にどこからともなく放たれる効果音です) 「…そりゃ感心だ。けど、明日は休め。絶対休め。何が起きても休め。つーかもう、アジトに鍵かけて引きこもれ。 絶対に外を出歩くんじゃねーぞ。いいな」 「え?」 レッドさんの発言に、エニシアは目を丸くする。そりゃこんな訳の分からん事を突然言われりゃそうなるだろう。 「どういうことっすか、レッドさん」 アントキラーが会話に割って入る。レッドさんは気だるげにタバコの煙を吐き出した。その姿は、怯えているように さえ見える。宇宙最強とすら思える戦闘力の持ち主である、この漢が。 「…北海道にな、ヤベーくらいタチの悪いヒーロー二人組がいる。その人らにとっちゃ正義なんざ口実で、ただ単 に悪の怪人をしばき倒し、ぶっ殺す事が大好きっつー、とんでもねー連中だ」 ごくり、と悪の怪人達は唾を飲み込む。 このチンピラヒーローのサンレッドがこうも言うのだ。それだけで相当トンデモな二人組に違いない。 「そ、それは怖いね…でも、そのヒーローさん達は北海道にいるんでしょ?私達には関係ないよね?ねえ?」 エニシアの口調には、そうであってくれという切なる願いが込められていた。だがレッドさんは無情に首を横に振る。 「二人は北海道の怪人なんざとっくの昔に皆殺しにしちまってて…今は日本各地を回って、怪人狩りしてるんだよ。 けど成果が上がらなくて、もう怪人だったら誰でもいいってくらいのテンションになっちまってる…」 だらだらと、脱水症状を起こすんじゃないかというくらいの汗が額を流れ落ちる。 「そして、俺に連絡があったんだよ…明日、来るって…」 「ま…まさか…」 「そのまさか…明日、来るんだよ。神奈川県川崎市溝ノ口に!」 ヒイっと、誰ともなく悲鳴を上げた―――! 「俺の先輩…兄弟戦士アバシリンが!しかも、手当たり次第に殺る気満々で!」 天体戦士サンレッド ~絶望の宴!最凶ヒーロー兄弟・本土上陸 ―――そして、翌日。フロシャイム川崎支部アジト。 そこはアバシリン来襲の報を受けた川崎市在住の悪の皆さんの緊急避難所と化していた。 カーテンは固く閉ざされ、電灯は消され、蝋燭だけが唯一の光源。 皆は一様に防災頭巾を被り、お先真っ暗な顔で俯いている。 範馬勇次郎と江田島平八がタッグを組み、しかも殺る気満々でやって来るも同然なのだから、それも仕方なかろう。 「ああ、もう…何で姉貴や兄貴が全員海外に遠征してて俺一人で留守番って時に、こんな事になんだよ…」 吸血鬼のヤフリーくんは、今にも灰になって消滅しそうな程の恐怖に震えていた。 彼もまたコタロウ経由でレッドさんから連絡をもらい、こうして川崎支部へ身を寄せているのだった。 頼れる家族は上記の理由で不在、産まれ立ての仔鹿のように怯えるしかなかった彼をヴァンプ様達は快く迎えた。 今は吸血鬼も怪人もない、彼等は同じ脅威に立ち向かう同志である。 「…エロパロ板的展開ヤダ…婦女暴行ヤダ…凌辱ヤダ…触手ウネウネも人体改造もヤダヤダァァァァァッ!」 レッドさんから如何な話を聞かされたか、エニシアちゃんは悪夢の如き想像にすっかり怯えて、某アスキーアート のように泣き叫んでいた。 (彼女はエロパロ板サモンナイトスレにて、色々悲惨な経験をしていたりします。御了承下さい) ああ、見える。並行世界で肉便器の如き無惨な扱いを受ける自分の姿が。 きっと数時間後には、同じ不幸が我が身に降りかかるのだ。 「姫様、大丈夫です!俺達が必ずや鬼畜野郎アバシリンの魔の手から、姫様を御守りします!」 軍団員の皆様は、決死の覚悟で己の姫君を守り通す決意を固めつつ、ガチガチ歯を鳴らしていた。 「あー…百年バイトして、折角貯金したのになー…どうせならもっと贅沢すんだった…」 アントキラーはすっかり命を諦めていた。 「オメーはまだいいよ、アント。そうやって後悔する事が出来るんだから。俺なんて、ロクに後悔する事もねーよ… ああ、四千年生きたけど特に悪い事もなかったけど、いい事もなかったなー…バレンタインで母ちゃん以外から チョコ貰った事もねーし…ああ、義理チョコでいいから欲しかった…」 死を前にして、カーメンマンは己の特になにもなかった人生を嘆いていた。 「チクショー!せめて最期にカップ麺を喰いまくってやる!」 秘蔵のカップ麺コレクションを並べて、メダリオはヤケ喰いしていた。 「ああ…抹殺したかったなあ、レッドさん…征服したかったなあ、世界…」 虚ろな瞳で、ヴァンプ様は力なく呟く。 他の怪人達も似たようなもので、実に終末的なムードが漂っていた。 そんな中、ヒムが神妙に呟く。 「北海道の兄弟戦士アバシリンか…ここ川崎で、その名を聞くとはな」 「ヒムくん…もしかして、アバシリンの二人と何かあったの?」 ヴァンプ様からの質問に、ヒムは顔を暗くしながら答えた。 「オレの先輩にフレイザードという男がいた…戦場とあらば手段を選ばず勝利に固執し、女の顔も平然と焼き潰す 非道な男だったが、後輩に対しては面倒見のいい岩石生命体でな。オレや仲間も随分世話になった…」 魔界立魔界中学校に在籍していたあの頃。 仲間と共に不良のレッテルを張られ、親からも教師からも見放されていた。 そんな中、同じく札付きのワルだったフレイザード先輩だけは、自分達に何かと世話を焼いてくれたものだ。 (おい、ヒム。これ、もう見飽きたからやるよ) 無骨漢キャラを気にしてエロ本も買えない自分のために、それを譲ってくれた。 (ガラスを割ったのはオレだ。こいつは関係ねえ!) これ以上内申が悪くなったら退学というフェンブレンのために、罪を被ってくれた事もある。 (全く、情けねえ。こんくれえ自分で直せよな) 自転車のチェーンが外れて困っていたシグマを、憎まれ口を叩きながらも助けてくれた。 (テメエなんかに何が分かるんだ!こいつは金属生命体だ。腐ったミカンじゃねえ!) ブロックをネチネチいびっていた嫌味な教師の胸倉を掴み、そう言い放ったものだ。 (へっ!お前ら、こんな連中に手こずってんじゃねえぞ!) ザボエラ中学との抗争で危機に陥った時に、汗だくになって駆けつけてくれた時には、思わず涙が出た。 頼れる先輩だった。最高の先輩だった――― 「そんなフレイザード先輩は、例に漏れず世界征服を企み、北海道へ旅立った―――」 「あ…ま、まさか…!」 「そう。殺られたのさ、アバシリンに…!」 ヒムはぐっと、拳を握り締めた。 「実家に届けられた先輩の遺体は、原形を留めない程に惨たらしくもグチャグチャにされていた…あそこまでする 必要があったってのかよ、チクショウ…!先輩は、ちょっとばかり世界征服を企んでただけじゃねえか!」 「ヒムくん…」 ヴァンプ様は、そっとヒムの肩に手を置くしかなかった。 「悔しい…!オレは悔しいんだよ!先輩の仇がそこにいるってのに、コソコソ隠れるしかないのが!」 本当は今すぐに飛び出して、アバシリンにこの拳を叩きつけたい。 だが――― 「サンレッドすらビビらせるような奴相手に、今のオレじゃどう足掻いても勝ち目はねえ…くそっ…くそぉっ…!」 自分はこうして、悔し涙を流すしかないのか―――そんなヒムに、ヴァンプ様はそっと語りかける。 「悔しいなら、強くなればいいんだよ」 「将軍さん…」 「ヒムくん。その涙を、忘れちゃダメだよ。今の悔しさを忘れない限り…ヒムくんはきっと、もっと強くなれるよ」 「…へっ。変わってるよ、あんた。商売敵のオレを励ましてどうすんだ、全く…」 「はは。やっぱり私って、悪の将軍らしくないのかな。ダメだね、私ってば」 「ああ、全然な…けど、ありがとよ。ハドラー社長とアルビナスさん以外じゃ、あんたくらいのもんだよ。オレなんか を気遣ってくれた大人は…」 涙は止まる事はないが、心に重く圧し掛かっていた何かは消えていた。ヴァンプ様とヒムは、立場は違えど目的 を同じくする者同士、力強く笑い合った。 地獄と化した川崎に咲いた、友情という名の華一輪。 世界征服を企む悪の怪人同士とはいえ、その美しさに偽り などない。絶望の中で灯った希望に、悪の皆さんは僅かながら救われた気分だった。 その時。 カチャン――― 「え…い、今のは…」 玄関の鍵が開いた音に、一同は一気に顔面蒼白になった。 ギシッ…ギシッ…床が軋む音が、どんどん近付いてくる。 「あ、ああ…しまった…縁側の下に隠しておいた合鍵、回収しておくの忘れてた…!」 「ええーっ!」 「何してんすか、ヴァンプ様!」 「ご、ごめん…!」 「ヴァンプさんを責めてる場合じゃねーっすよ!どうすんですか!?」 「ヤダァァァァァァッ!肉奴隷人生ヤダヤダヤダヤダァァァァァァァァァッッッ!」 「姫様ぁぁぁぁ!どうかあなただけでもお逃げくださいぃぃぃぃ!」 「時が見える…」 「あれ?死んだはずのじいちゃんとばあちゃん…どうしたんだよ、そんな河の向こうで手を振って」 混乱と恐慌に陥る悪の権化達。しかし、敢然と立ち上がる漢が一人。 「ヒ…ヒム?お前…」 「皆、早く逃げろ。その時間くらいは、稼いでやる」 その横顔には単なる復讐心だけではない、壮烈なまでの覚悟が滲んでいる。 「そ、そんな!出来ないよ、キミだけ置いて逃げるだなんて!」 「いいんだ、将軍さん」 ヒムは今にも死地へ赴くとは思えない、爽やかな笑顔をヴァンプ様に向けた。背中からは後光が射して見える。 「この場所は、随分と居心地がよくてな…へっ。オレとした事が情が移っちまったらしい。自分の命なんか捨てて 構わねえ…それでも、あんた達にこんな所で死んでほしくねえんだ!」 がしっと、ヴァンプ様の手を握り締めた。 「オレの夢を、託すぜ。どうかオレの分まで生きて、世界征服を成し遂げてくれよ」 「…………!」 圧倒的なまでの漢っぷり。誰が予想しただろうか。このおちゃらけSSで、こんな燃え展開が来ようとは。 それは一同の今にも消えかけていた<勇気>という名の光に、確かに火を点けた。 「けっ…一人でカッコつけようったって、そうはいかねーぜ、ヒムちゃんよ」 「おうよ。悪の怪人がヒーローにビビってどうすんだっての!」 カーメンマンとメダリオが口火を切り、それは皆に伝染していく。 「はん…ほんっとバカっすねー、皆さん。一時のテンションに流されて、わざわざ死にに行こうだなんて…ま、俺 もそんなバカの一人か」 腰の刀を抜き放ち、ヤフリーは牙を剥き出しにする。 「…皆。私だけ助かろうなんて思わないよ。私達<エニシア軍団>は生きるも死ぬも一緒だよ。そうでしょ!?」 「ひ、姫様…分かりました!我々は地獄までも、姫様に付いていきます!」 悪夢から目覚め、エニシアは己の家族たる軍団員と共に立ち上がった。 そして我らがヴァンプ様も、悪の将軍としての威厳をこれでもかとばかりに発して号令をかけた。 「―――フロシャイム川崎支部、全軍出撃!我等に歯向かう兄弟戦士アバシリンを抹殺するのだ!」 「「「「「はいっ!」」」」」 ヒムはその光景に涙しそうになるのを堪え、先頭に立って憎むべき敵・アバシリンを待ち受ける。 一致団結。今、全ての悪があらゆる垣根を越えて、一つとなった。もはや彼等に、恐れる物など何もない。 それこそは結束の力。時に強大なる神々すらも退ける、決して断ち切れぬ絆がもたらす奇跡なのだ! そして、ガラガラと戸が開き――― 「あん?何だよお前ら、そんな張り切っちゃって。俺だよ俺、皆のヒーロー・サンレッドだよ。ははははは」 一気に脱力する悪の皆さん。そんなヴァンプ様達を見下ろし、レッドさんはガハハハと豪快に笑う。 「おい、カーテン開けろカーテン!蝋燭なんか立てて辛気くせーぞ!」 ちょちょいのぱっぱでカーテンを開いていくレッドさんである。相変わらず人の返事なんか聞いちゃいない。 「…いや、あの、レッドさん。今日はアバシリンさんが来るんじゃ…」 ヴァンプ様は顔を真っ青にしながらレッドさんに問うが、彼はへらへらしながら陽気に答える。 「ああ、それなんだけどよ!なんか北海道にデビルエゾジカ組とかいう連中が攻めてきたらしくってさー。アバ先輩 は喜び勇んで北海道に帰って行っちまった!つーわけでさ、もう何も心配いらねーってわけ!いやー、よかったな お前ら!死ななくて済んで!命ってホント大事だもんなー、粗末に捨てるもんじゃねーっての!」 ぎゃははははは!とバカ笑いするレッドさん。愕然としていた一同ではあったが、次第に命が助かったという実感が 沸き起こり、はあーっと安堵の溜息がそこかしこで漏れる。 「あー…気ぃ抜けたぜ、チクショウ…へへっ。まあこれで、また世界征服に向けて強くなれるってもんだぜ!」 「その意気だよ、ヒムくん。死んじゃったら何にもならないからね!よーし、皆!今日は腕によりをかけて御馳走を 作るから、ウチでご飯食べていきなさいよ!」 「おおーっ!さっすがヴァンプ様!生きててよかったー!」 「ヴァンプ様の美味しい料理が食べられるのも、命があるからだよなー!」 「ほんと、命って大切だよなー!」 「そうっすねー!というわけで、吸血鬼の俺も命の輝きに感謝しながらゴチになるっす!」 「うんうん。生きてるって素晴らしいよね!ねっ、皆!」 「その通りです、姫様!」 「命、バンザーイ!」 こうして世界征服を企む悪党達は、命の大切さをしみじみと噛み締めたのでした。 めでたしめでたし。 ―――天体戦士サンレッド。 これは神奈川県川崎市で繰り広げられる、善と悪の壮絶な闘いの物語である! なお、北海道を襲ったデビルエゾジカ組の怪人は、一匹残らず八つ裂きにされたそうですが、それはまた別の話。 皆も一つしかない命が惜しかったら、世界征服を企んだとしても、北海道にだけは絶対行かないようにね!
https://w.atwiki.jp/web-comic/pages/166.html
ゴアちゃん 掲載サイト 下級製 ジャンル 学園 ページ数 100ページ以上 描画法 モノクロ メタル要素 ★★★★★ 状態 連載中 主人公 男 【概要】 メタラーでネクロマニアックな主人公、喪紋我鳶尾が突然転校してきたネクロ少女、山本ゴアに恋をする。その日から混沌とした学園生活が始まる・・・ 紹介・応援コメント アイアン・メイデンやメガデスネタが多く出てくるのでヘヴィロック、メタル好きなら思わずニンマリするかも。 主人公に漂うヒラコーテイスト 洋楽好き以外おいてけぼりだけど潔い 要はさんかれあ さんかれあじゃないだろう レビューを書く この作品が好きな人におすすめのweb漫画 才色兼備 ゾンバン-不死身の番長- あずきの地! 僕と宇宙人 リッスン T.Yめもり~ず 堀さんと宮村くん このページの登録タグ 100ページ以上 ゾンビ ラブコメ 下ネタ 学園 連載中 このページのトラックバック trackback トップに戻る