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いままで書いたもの とかいはコーディネイター 植物型ゆっくり 魔理沙とゆっくり~邂逅篇~ 取替えられた子 お前なんかドスじゃない ばーさすちれーでん ねるねるねるゆ みょんな事から知人からゆっくりを預かった。 「ゆっくりしていってね!」 種類はゆっくりれいむ。紅白リボンのついた小憎らしい顔の饅頭だ。 育て方も何もわからないが預かってしまった以上は責任を持って世話 をしようとおもう。とりあえず死ななければいいといわれたので気楽 にやれるし。 彼が決意を固め、知人から預かったれいむの育て方のメモを読んでい る背後の方で、れいむは今までと違うおうちに興味津々。 ソファーの上で飛び跳ねたり、ベッドの上で飛び跳ねたり、彼の頭の 上で飛び跳ねたりとやりたい放題であった。 「ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりしていってね!……と言われたらゆっくりしていってね! と返しましょう……か……」 メモを読んでいるだけの彼に挨拶を返してもらえたと思い込んだれい むは満面の笑みを浮かべて彼の頭から飛び降りて、おうちの中を探検 する。元の飼い主の殺風景極まりない部屋と違い、色々な物が置いて あるこの家はれいむにとってこれ以上無い遊び場であった。 しばらく探検を続けていると、体の奥からぎゅるるるると低い音が鳴 り響いた。れいむのハラの虫である。 れいむは未だに部屋の隅でメモを読み続けている彼の所まで這って行 くと、袖を優しく噛んでくいくいと引っ張って訴えた。 「ゆっくりおなかがすいてきたよ!」 もっと直接的にエサよこせー、と言っても良かったのだが他所のおう ちでそんな事を言うほどれいむは馬鹿ではなかった。最も、これでは そう言ってるのとほとんど同じなのだが。 彼はれいむの言葉を聴くと、メモ帳をもう一度覗き込んでからすっく と立ち上がり、戸棚の中に置いてあった日神のカップヌードルを手に 取ってこう言った。 「ラーメンでも食べるか?」 何気なく放った、彼のその言葉に、 れいむは遠い昔の事を思い出した。 「ほ~られいむ、おいしいラーメンが出来たぞ~」 「ゆっくりおいしそう!」 ラーメンの器を持っているのは、れいむの本当の飼い主である青年で ある。彼は巷でも噂のラーメン狂で、ペットにもラーメンを与えるほ どの熱狂ぶりであった。 「ほーられいむ、口を開けて~」 「ゆあーん」 彼は、にこにこと笑いながら箸で面を持ち上げて、れいむの前に差し 出し……急に手に持っていた箸を置いて。 「そぉい!」 大声を上げながら、れいむの頭に熱々のラーメンを叩きつけた。 「ら゛ーめんはゆっぐりでぎないー!!」 「そうか……」 彼はしょんぼりした様子で手に持っていたカップラーメンを棚に戻し た。 れいむは震えていた。あれ以来れいむはラーメン恐怖症になってしま ったのだ。 絡みつくちぢれ麺、肌にこびり付く豚の背脂、濃厚なしょう油とんこ つスープ。思い出しただけで顔が焼かれるような痛みを思い出す。 「ゆっぐりでぎないゆっぐりでぎないゆっぐりでぎない……」 れいむはもみあげで頭を覆い隠して、恐怖の記憶が消えるまでひたす ら祈り続けるしかなかった。 一方、彼はすっかり困っていた。 メモに書いてある通り、ラーメンを与えようとしたら物凄く抵抗され てしまったのだ。 やはりカップめんではダメなのだろうか。妙においしい謎肉の無くな ったカップヌードルでは、ゆっくりにすら拒絶されても仕方が無いの だろうか。 彼はうーんと唸りながら知恵を絞り、そして思いついた。 「なら出前を取ろう。何が食べたい?」 部屋の隅でガタガタ震えていたれいむは全身をびくりと振るわせた。 出前。デマエ。でまえ。DE=MAE。 思い出すのもおぞましいその単語を聞いたれいむの脳裏に、恐怖の記 憶が蘇る。 「うーん、出前でうどんとラーメンどっちを頼もうか……」 その日、彼は丁度食材を切らして出前を取ろうとしていた。例によっ て頼むのは麺類だ。ただ、今日は何の気の迷いか、ラーメン以外にも うどんという選択肢が上っていた。 「れ、れいむはおうどんたべたいよ!」 れいむは以前の恐怖の記憶からすぐさま声を上げた。 「でも僕はラーメンの方が」 「そんなことよりおうどんたべたい!」 「塩ラーメン……いやでもチャーシューメンも捨てがたい……」 「どぼじでおうどんにじでぐれないのー?!」 意見が通らずとうとう泣き始めるれいむ。これには飼い主の青年も大 弱り。仕方なくれいむの頭を撫でくり回しながら要求を呑むしかなか った。 「な、泣くほどうどんが食べたいならそうするよ……そんなにうどん 好きだったっけ?」 そして20分後。 「お、届いた届いた」 「ゆっゆっ! ゆっくりたべさせてね! はやくたべさせてね!」 届けられた岡持ちの前でれいむは涎をだらだらと垂らし、ぽよんぽよ んと跳ねながら青年を急かす。(どうして岡持ちごと置いていったの かとか、そういう野暮なツッコミはなしである) 「おや、どうしてだろう」 「ゆ?」 その岡持ちに手を突っ込んだ青年が首を捻るのを見て、れいむも頭上 に疑問符を浮かべた。 青年は突っ込んでいた手を抜いてそれをれいむに見せながら、こう言 った。 「うどんじゃなくて熱々のラーメンが入ってた」 そして青年は、ラーメンが零れないように付けられていたラップと輪 ゴムを手早く外して、叫んだ。 「そぉい!」 れいむの頭が、濃厚な味噌バタースープに塗れた。 「やべでねーーー! でまえはゆっぐりでぎないよーーー?!」 バターのクリーミーな香りが鼻腔(ない)を擽る感覚を幻想しながら れいむは床をのた打ち回る。 まさかうどんとラーメンを間違えられるなんて。お店の人がやってき てお題はいりませんと言われるなんて。 瞳からとめどない涙を溢れさせながられいむはただひたすらに嗚咽を 漏らすのだった。 「出前もダメなのか……」 名案と思った策もあえなく潰え、彼は肩を落とす。 こうなったら直接ラーメン屋まで食べに行くしかないのかもしれない が、扱いに慣れてないゆっくりを連れて外に出るのは少し不安だ。 やはり家の中でなんとか事を終えたい。 「しかしどうすれば」 もはや役に立たないと断じたメモ帳をゴミ箱に放り捨てて彼は知恵を 絞る。 そして、閃いた。 「そうだ、開けてないお中元があったはずだ。きっとその中に何か食 べれるものが入ってるかもしれない」 お中元。オチューゲン。Oh!Chu-gen! れいむの耳に、その忌むべき単語が滑り込むと同時に、れいむはあの 出来事を思い出した。 「お中元が届いたよれいむ!」 「ゆぅ?」 ある日、飼い主の青年は大きな箱を抱えながら大声を上げてれいむの 寝床に入ってきた。 れいむは寝ぼけ眼をもみあげでごしごしと擦りながら返事をする。 「おちゅうげんってなに?」 「まぁとにかく知ってる人から送られてくるものだよ。美味しいお菓 子とか入ってるかもよ?」 美味しいお菓子と聞いてれいむの目の色がカッと変わる。 「ゆゆっ! れいむおかしたべたいよ! ゆっくりあけてね!」 「焦るなってまぁ落ち着けよ。どれどれ、中身はっと……おっ、これ はすごい!」 箱のスキマから中を見た青年は大袈裟に声を上げる。その反応を見て れいむの期待も高まり、はしゃいで青年の周りを必死に跳ね回る。 「ゆゆっ! みせてみせて! れいむにもみせてね!」 青年は、そんなれいむににっこりと微笑み、箱に突っ込んでいた腕を 引き抜いてそれをれいむに突きつけながら高らかに声を上げた。 「熱々のラーメンでしたー!」 瞬間、れいむの表情が固まる。 そして青年は、それを振りかぶりながら大声を上げた。 「そぉい!」 覚えているのは、全身に纏わりつく潮の臭いだけだった。 「だじがにずごいげどあぎらがにおがじいでじょーーー?!」 叫びながられいむは錯乱し、ソファーに飛び乗ってテーブルの縁に頭 をガスガスと叩きつけ始めた。 彼は、残念そうに「嫌かお中元……」と呟きながらテーブルをソファ ーから離してれいむの自傷行為をやめさせた。 れいむはソファーに顔を埋めてひたすら涙を流した。 どうして、どうしてこんな事に。さっきまでゆっくりできてたのに。 と。 一方、彼は困り果てていた。 彼は料理の腕が殺人的なため、食料は基本カップめんだけしか置いて いないのでお中元がダメと言われたらもう他に食べ物が無いのだ。 万策尽きたか。 そう思っていると、玄関からピンポーンという来客を告げる音が鳴り 響いた。 情緒不安定なれいむの傍を離れるのはどうかと思ったが、まぁ自殺に 走ったりはしないだろうと考え、外には行かないようしっかりと窓に 鍵を閉めて玄関へと向かった。 そんな彼の心配を他所に、れいむは既に立ち直る事に成功していた。 折れるのも直るのも速いのがゆっくりの特徴の一つである。 「おなかがすいてゆっくりできないけどがまんするよ!」 そう宣言し、辛い環境にも負けない強い自分に陶酔する。そうでもし なければゆん生やっていけないからだ。 と、そこへ今まで何処かへ行っていた家主の彼がやってきて、こう言 った。 「お隣のお姉さんからケーキ貰ったからこれを食べろ」 その手には、あの白くて甘くてとても柔らかそうなとても忌々しい物 体の姿があった。 「れ~いむちゃん! お誕生日おめでとう! お祝いにケーキを買っ てきたよ!」 「ゆわーい! ケーキー!」 とてもおいしそうな大きなホールケーキを見て、れいむは禁断症状を 起こした薬物中毒者のように跳ね回る。そんなれいむの喜びようを見 て飼い主の青年もにこにこと笑った。 しかし、そのケーキにナイフを入れようとした時に事件は起こった。 「あれ? 切れないなぁ、なんだろう」 青年がごりごりと音を立ててナイフを押し当てるが、ケーキはびくと もしない。その様子にれいむも頭上に疑問符を浮かべた。 そして、突如として青年は何かに気付いたように明るい声を上げてそ のケーキを鷲掴みにして、持ち上げた。 「なぁんだ! このケーキはハリボテで実は熱々のラーメンだったの かぁ!」 そうして現れたのは、湯気の立ち昇る辛味噌ラーメンだった。 「そぉい!」 「ぱっぱぴっぷっぱぴぷぺぽーーーーー?!」 カプサイシンによる全身を刺し貫くような痛み。それを思い出してれ いむはソファーの上を転がりまわりながら奇声を上げた。 ケーキは甘くて美味しくてゆっくりできる。しかし、あれは本当にケ ーキなのか? ケーキと見せかけて本当はラーメンでれいむにぶっか けるつもりなんじゃないか? 過去のトラウマから、れいむはその手に持たれた白い塊を信じる事が 出来なくなってしまっていた。 青年はやや困ったような表情を浮かべ、ケーキにラップをかけて冷蔵 庫にしまった。 と、そこで思い出したようにポケットからそれを取り出してれいむに 声をかける。 「そうだ、ついでにドラ焼きも貰ったけどこれは食べれるか?」 その単語を聞き、れいむの脳裏にあの出来事がフラッシュバックする。 「れいむ! 国民的大スターの青ダヌキロボも大好きなおいしいドラ 焼きを買ってきたよ! 欲しい?」 「ゆゆっ! ほんとう?! ゆっくりちょうだいね!」 れいむはそう言いながら玄関に向かって飛び出した。 「ウ・ソ!」 玄関にいた青年は、いい笑顔を浮かべて手に持っていたネギラーメン を高々と天に掲げた。 れいむは驚愕の表情を浮かべる。 「アホのラーメンお見舞いじゃぁー!」 「い゛らないー! でいぶはなにもいりまぜんーーー!!」 「そうか……」 涙を流しながらその悪魔の言葉から逃げるようにソファーから滑り落 ちるれいむ。 そんなれいむに彼は追い討ちの言葉を重ねた。 「そうだ、食べ物が無いなら歌を歌って気を紛らわそう」 歌。歌はダメだ。リリンの生んだ呪術の極みだよ。 ワケのわからない言葉と共に古の記憶が蘇る。 「れいむ、この歌知ってる?」 「ゆっ? どんなおうた? ゆっくりきかせてね!」 青年は唐突にズボンを脱ぎ、やけに大きい膨らんだポケットのついた ズボンに履き替えると意気揚々と歌いだした。 「ポーケットをーたーたーくとー」 「ゆっ! しってるよ! びすけっとさんがでてくるんだよ!」 「熱々のラーメン」 そうしてポケットからラーメンを出す青年。 見詰め合う二人。重なり合う視線。振り上げられたワンタンメン。 「そぉい!」 「おうだはゆっぐりでぎないよー?! ゆっぐりやべでねー?!」 「……困った」 いやいやと首を振りながらあとずさるれいむの前で青年は頭をわしゃ わしゃとかき回しながら呟く。 もう万策尽きた。困り果てた彼は半ばやけくそになって声を上げる。 「そうだ、手品とか見たくないか。親指が伸びたり耳が大きくなった りするぞ」 手品。マジック。魔術。それは正に悪魔の所業。 その言葉を聴いた瞬間、れいむの記憶はあの日に戻っていた。 「ほられいむ、手品だよ。見てごらん」 飼い主の青年が赤いハンカチを持ちながられいむにそう告げる。れい むは始めてみる手品にわくわくを押さえきれない表情でそこに座って いた。 「タラララララ~♪」 青年が何らかのメロディを口ずさみながら赤いハンカチを振り回す。 「タラララララ~ララ~♪」 赤いハンカチはテーブルの上でひらひらと舞い踊る。 「タラララララ~ララ~ララ~ララ~ララ~ララ~……」 そして、赤いハンカチがテーブルの上に広げられ、 青年はハンカチから手を離すと、テーブルの下からおもむろにそれを 取り出した。 「ラーメン」 ほこほこと湯気の立ち昇るチャーシューメン。テーブルは10分以上前 からそこで手をつけられずにいたのにも関わらず、出来立てほやほや の状態でずんとそこに佇んでいた。 そして、目を白黒させて驚いているれいむに向かって青年はそれを勢 いよく叩きつけた。 「そぉい!」 「でじなはやだーーー! ごあいよーーーーーー!!」 「怖い……人体切断とか爆弾つきの密室から脱出とかそういう本格的 でスプラッタな物はできないんだが……」 耳(にあたる部位なのだろうか)をもみ上げで塞いでイヤイヤと頭を 振るれいむの背中に無力な彼の声が降り注ぐ。 持ち芸の少ない彼はもう気のきいた遊びに誘う事すら出来ない。 それでもえぐえぐと嗚咽を漏らすれいむに何かしてやらなければなら ないと考えた彼は、冷蔵庫にあれがある事を思い出して声を上げた。 「そうだ、冷蔵庫にオレンジジュースがあるからそれを上げよう」 冷蔵庫。その呪われしパンドラの箱の名前を聞いた瞬間、れいむは恐 れ慄き封印した記憶を取り戻した。 「おにいさん! れいむのどがかわいたよ!」 「えぇ? 困ったなぁ、今断水中で水が出ないんだよ」 「やだやだ! れいむおみずのみたい!」 床を転がって駄々をこねるれいむ。その様子を見た青年はすっくと立 ち上がるとのそのそと冷蔵庫に向かって歩き出した。 「冷蔵庫に何かあればいけどなぁ」 「おみずじゃなくてもおれんじじゅーすさんでもいいよ!」 あつかましく水よりもいいものを要求するれいむ。 そして冷蔵庫をごそごそと漁っていた彼は顔を綻ばせてこう言った。 「おっ、良かったなれいむ」 「なになに?」 「熱々のラーメンがあった」 そうして冷蔵庫から引き抜いた彼の手には不自然なほど湯気の立ち昇 る熱々のしょう油ラーメンが入った器が握られていた。 「そぉい!」 目の前に広がるベーシックなしょう油スープ。 「ゆ゛っ゛く゛り゛て゛き゛な゛い゛ーーーーーーー!!!」 そのおいしそうな臭いを思い出して、とうとうれいむは絶叫しながら 気絶した。 次の日。 やたらと憔悴した様子の彼は、泣き疲れて眠ってしまったれいむの入 ったケージを飼い主の青年に手渡しながらこう言った。 「ゆっくりを飼うって難しいんだな」 「そうか?」 おわり このSSに感想をつける
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いままで書いたもの とかいはコーディネイター 植物型ゆっくり 魔理沙とゆっくり~邂逅篇~ 取替えられた子 お前なんかドスじゃない ばーさすちれーでん ねるねるねるゆ みょんな事から知人からゆっくりを預かった。 「ゆっくりしていってね!」 種類はゆっくりれいむ。紅白リボンのついた小憎らしい顔の饅頭だ。 育て方も何もわからないが預かってしまった以上は責任を持って世話 をしようとおもう。とりあえず死ななければいいといわれたので気楽 にやれるし。 彼が決意を固め、知人から預かったれいむの育て方のメモを読んでい る背後の方で、れいむは今までと違うおうちに興味津々。 ソファーの上で飛び跳ねたり、ベッドの上で飛び跳ねたり、彼の頭の 上で飛び跳ねたりとやりたい放題であった。 「ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりしていってね!……と言われたらゆっくりしていってね! と返しましょう……か……」 メモを読んでいるだけの彼に挨拶を返してもらえたと思い込んだれい むは満面の笑みを浮かべて彼の頭から飛び降りて、おうちの中を探検 する。元の飼い主の殺風景極まりない部屋と違い、色々な物が置いて あるこの家はれいむにとってこれ以上無い遊び場であった。 しばらく探検を続けていると、体の奥からぎゅるるるると低い音が鳴 り響いた。れいむのハラの虫である。 れいむは未だに部屋の隅でメモを読み続けている彼の所まで這って行 くと、袖を優しく噛んでくいくいと引っ張って訴えた。 「ゆっくりおなかがすいてきたよ!」 もっと直接的にエサよこせー、と言っても良かったのだが他所のおう ちでそんな事を言うほどれいむは馬鹿ではなかった。最も、これでは そう言ってるのとほとんど同じなのだが。 彼はれいむの言葉を聴くと、メモ帳をもう一度覗き込んでからすっく と立ち上がり、戸棚の中に置いてあった日神のカップヌードルを手に 取ってこう言った。 「ラーメンでも食べるか?」 何気なく放った、彼のその言葉に、 れいむは遠い昔の事を思い出した。 「ほ~られいむ、おいしいラーメンが出来たぞ~」 「ゆっくりおいしそう!」 ラーメンの器を持っているのは、れいむの本当の飼い主である青年で ある。彼は巷でも噂のラーメン狂で、ペットにもラーメンを与えるほ どの熱狂ぶりであった。 「ほーられいむ、口を開けて~」 「ゆあーん」 彼は、にこにこと笑いながら箸で面を持ち上げて、れいむの前に差し 出し……急に手に持っていた箸を置いて。 「そぉい!」 大声を上げながら、れいむの頭に熱々のラーメンを叩きつけた。 「ら゛ーめんはゆっぐりでぎないー!!」 「そうか……」 彼はしょんぼりした様子で手に持っていたカップラーメンを棚に戻し た。 れいむは震えていた。あれ以来れいむはラーメン恐怖症になってしま ったのだ。 絡みつくちぢれ麺、肌にこびり付く豚の背脂、濃厚なしょう油とんこ つスープ。思い出しただけで顔が焼かれるような痛みを思い出す。 「ゆっぐりでぎないゆっぐりでぎないゆっぐりでぎない……」 れいむはもみあげで頭を覆い隠して、恐怖の記憶が消えるまでひたす ら祈り続けるしかなかった。 一方、彼はすっかり困っていた。 メモに書いてある通り、ラーメンを与えようとしたら物凄く抵抗され てしまったのだ。 やはりカップめんではダメなのだろうか。妙においしい謎肉の無くな ったカップヌードルでは、ゆっくりにすら拒絶されても仕方が無いの だろうか。 彼はうーんと唸りながら知恵を絞り、そして思いついた。 「なら出前を取ろう。何が食べたい?」 部屋の隅でガタガタ震えていたれいむは全身をびくりと振るわせた。 出前。デマエ。でまえ。DE=MAE。 思い出すのもおぞましいその単語を聞いたれいむの脳裏に、恐怖の記 憶が蘇る。 「うーん、出前でうどんとラーメンどっちを頼もうか……」 その日、彼は丁度食材を切らして出前を取ろうとしていた。例によっ て頼むのは麺類だ。ただ、今日は何の気の迷いか、ラーメン以外にも うどんという選択肢が上っていた。 「れ、れいむはおうどんたべたいよ!」 れいむは以前の恐怖の記憶からすぐさま声を上げた。 「でも僕はラーメンの方が」 「そんなことよりおうどんたべたい!」 「塩ラーメン……いやでもチャーシューメンも捨てがたい……」 「どぼじでおうどんにじでぐれないのー?!」 意見が通らずとうとう泣き始めるれいむ。これには飼い主の青年も大 弱り。仕方なくれいむの頭を撫でくり回しながら要求を呑むしかなか った。 「な、泣くほどうどんが食べたいならそうするよ……そんなにうどん 好きだったっけ?」 そして20分後。 「お、届いた届いた」 「ゆっゆっ! ゆっくりたべさせてね! はやくたべさせてね!」 届けられた岡持ちの前でれいむは涎をだらだらと垂らし、ぽよんぽよ んと跳ねながら青年を急かす。(どうして岡持ちごと置いていったの かとか、そういう野暮なツッコミはなしである) 「おや、どうしてだろう」 「ゆ?」 その岡持ちに手を突っ込んだ青年が首を捻るのを見て、れいむも頭上 に疑問符を浮かべた。 青年は突っ込んでいた手を抜いてそれをれいむに見せながら、こう言 った。 「うどんじゃなくて熱々のラーメンが入ってた」 そして青年は、ラーメンが零れないように付けられていたラップと輪 ゴムを手早く外して、叫んだ。 「そぉい!」 れいむの頭が、濃厚な味噌バタースープに塗れた。 「やべでねーーー! でまえはゆっぐりでぎないよーーー?!」 バターのクリーミーな香りが鼻腔(ない)を擽る感覚を幻想しながら れいむは床をのた打ち回る。 まさかうどんとラーメンを間違えられるなんて。お店の人がやってき てお題はいりませんと言われるなんて。 瞳からとめどない涙を溢れさせながられいむはただひたすらに嗚咽を 漏らすのだった。 「出前もダメなのか……」 名案と思った策もあえなく潰え、彼は肩を落とす。 こうなったら直接ラーメン屋まで食べに行くしかないのかもしれない が、扱いに慣れてないゆっくりを連れて外に出るのは少し不安だ。 やはり家の中でなんとか事を終えたい。 「しかしどうすれば」 もはや役に立たないと断じたメモ帳をゴミ箱に放り捨てて彼は知恵を 絞る。 そして、閃いた。 「そうだ、開けてないお中元があったはずだ。きっとその中に何か食 べれるものが入ってるかもしれない」 お中元。オチューゲン。Oh!Chu-gen! れいむの耳に、その忌むべき単語が滑り込むと同時に、れいむはあの 出来事を思い出した。 「お中元が届いたよれいむ!」 「ゆぅ?」 ある日、飼い主の青年は大きな箱を抱えながら大声を上げてれいむの 寝床に入ってきた。 れいむは寝ぼけ眼をもみあげでごしごしと擦りながら返事をする。 「おちゅうげんってなに?」 「まぁとにかく知ってる人から送られてくるものだよ。美味しいお菓 子とか入ってるかもよ?」 美味しいお菓子と聞いてれいむの目の色がカッと変わる。 「ゆゆっ! れいむおかしたべたいよ! ゆっくりあけてね!」 「焦るなってまぁ落ち着けよ。どれどれ、中身はっと……おっ、これ はすごい!」 箱のスキマから中を見た青年は大袈裟に声を上げる。その反応を見て れいむの期待も高まり、はしゃいで青年の周りを必死に跳ね回る。 「ゆゆっ! みせてみせて! れいむにもみせてね!」 青年は、そんなれいむににっこりと微笑み、箱に突っ込んでいた腕を 引き抜いてそれをれいむに突きつけながら高らかに声を上げた。 「熱々のラーメンでしたー!」 瞬間、れいむの表情が固まる。 そして青年は、それを振りかぶりながら大声を上げた。 「そぉい!」 覚えているのは、全身に纏わりつく潮の臭いだけだった。 「だじがにずごいげどあぎらがにおがじいでじょーーー?!」 叫びながられいむは錯乱し、ソファーに飛び乗ってテーブルの縁に頭 をガスガスと叩きつけ始めた。 彼は、残念そうに「嫌かお中元……」と呟きながらテーブルをソファ ーから離してれいむの自傷行為をやめさせた。 れいむはソファーに顔を埋めてひたすら涙を流した。 どうして、どうしてこんな事に。さっきまでゆっくりできてたのに。 と。 一方、彼は困り果てていた。 彼は料理の腕が殺人的なため、食料は基本カップめんだけしか置いて いないのでお中元がダメと言われたらもう他に食べ物が無いのだ。 万策尽きたか。 そう思っていると、玄関からピンポーンという来客を告げる音が鳴り 響いた。 情緒不安定なれいむの傍を離れるのはどうかと思ったが、まぁ自殺に 走ったりはしないだろうと考え、外には行かないようしっかりと窓に 鍵を閉めて玄関へと向かった。 そんな彼の心配を他所に、れいむは既に立ち直る事に成功していた。 折れるのも直るのも速いのがゆっくりの特徴の一つである。 「おなかがすいてゆっくりできないけどがまんするよ!」 そう宣言し、辛い環境にも負けない強い自分に陶酔する。そうでもし なければゆん生やっていけないからだ。 と、そこへ今まで何処かへ行っていた家主の彼がやってきて、こう言 った。 「お隣のお姉さんからケーキ貰ったからこれを食べろ」 その手には、あの白くて甘くてとても柔らかそうなとても忌々しい物 体の姿があった。 「れ~いむちゃん! お誕生日おめでとう! お祝いにケーキを買っ てきたよ!」 「ゆわーい! ケーキー!」 とてもおいしそうな大きなホールケーキを見て、れいむは禁断症状を 起こした薬物中毒者のように跳ね回る。そんなれいむの喜びようを見 て飼い主の青年もにこにこと笑った。 しかし、そのケーキにナイフを入れようとした時に事件は起こった。 「あれ? 切れないなぁ、なんだろう」 青年がごりごりと音を立ててナイフを押し当てるが、ケーキはびくと もしない。その様子にれいむも頭上に疑問符を浮かべた。 そして、突如として青年は何かに気付いたように明るい声を上げてそ のケーキを鷲掴みにして、持ち上げた。 「なぁんだ! このケーキはハリボテで実は熱々のラーメンだったの かぁ!」 そうして現れたのは、湯気の立ち昇る辛味噌ラーメンだった。 「そぉい!」 「ぱっぱぴっぷっぱぴぷぺぽーーーーー?!」 カプサイシンによる全身を刺し貫くような痛み。それを思い出してれ いむはソファーの上を転がりまわりながら奇声を上げた。 ケーキは甘くて美味しくてゆっくりできる。しかし、あれは本当にケ ーキなのか? ケーキと見せかけて本当はラーメンでれいむにぶっか けるつもりなんじゃないか? 過去のトラウマから、れいむはその手に持たれた白い塊を信じる事が 出来なくなってしまっていた。 青年はやや困ったような表情を浮かべ、ケーキにラップをかけて冷蔵 庫にしまった。 と、そこで思い出したようにポケットからそれを取り出してれいむに 声をかける。 「そうだ、ついでにドラ焼きも貰ったけどこれは食べれるか?」 その単語を聞き、れいむの脳裏にあの出来事がフラッシュバックする。 「れいむ! 国民的大スターの青ダヌキロボも大好きなおいしいドラ 焼きを買ってきたよ! 欲しい?」 「ゆゆっ! ほんとう?! ゆっくりちょうだいね!」 れいむはそう言いながら玄関に向かって飛び出した。 「ウ・ソ!」 玄関にいた青年は、いい笑顔を浮かべて手に持っていたネギラーメン を高々と天に掲げた。 れいむは驚愕の表情を浮かべる。 「アホのラーメンお見舞いじゃぁー!」 「い゛らないー! でいぶはなにもいりまぜんーーー!!」 「そうか……」 涙を流しながらその悪魔の言葉から逃げるようにソファーから滑り落 ちるれいむ。 そんなれいむに彼は追い討ちの言葉を重ねた。 「そうだ、食べ物が無いなら歌を歌って気を紛らわそう」 歌。歌はダメだ。リリンの生んだ呪術の極みだよ。 ワケのわからない言葉と共に古の記憶が蘇る。 「れいむ、この歌知ってる?」 「ゆっ? どんなおうた? ゆっくりきかせてね!」 青年は唐突にズボンを脱ぎ、やけに大きい膨らんだポケットのついた ズボンに履き替えると意気揚々と歌いだした。 「ポーケットをーたーたーくとー」 「ゆっ! しってるよ! びすけっとさんがでてくるんだよ!」 「熱々のラーメン」 そうしてポケットからラーメンを出す青年。 見詰め合う二人。重なり合う視線。振り上げられたワンタンメン。 「そぉい!」 「おうだはゆっぐりでぎないよー?! ゆっぐりやべでねー?!」 「……困った」 いやいやと首を振りながらあとずさるれいむの前で青年は頭をわしゃ わしゃとかき回しながら呟く。 もう万策尽きた。困り果てた彼は半ばやけくそになって声を上げる。 「そうだ、手品とか見たくないか。親指が伸びたり耳が大きくなった りするぞ」 手品。マジック。魔術。それは正に悪魔の所業。 その言葉を聴いた瞬間、れいむの記憶はあの日に戻っていた。 「ほられいむ、手品だよ。見てごらん」 飼い主の青年が赤いハンカチを持ちながられいむにそう告げる。れい むは始めてみる手品にわくわくを押さえきれない表情でそこに座って いた。 「タラララララ~♪」 青年が何らかのメロディを口ずさみながら赤いハンカチを振り回す。 「タラララララ~ララ~♪」 赤いハンカチはテーブルの上でひらひらと舞い踊る。 「タラララララ~ララ~ララ~ララ~ララ~ララ~……」 そして、赤いハンカチがテーブルの上に広げられ、 青年はハンカチから手を離すと、テーブルの下からおもむろにそれを 取り出した。 「ラーメン」 ほこほこと湯気の立ち昇るチャーシューメン。テーブルは10分以上前 からそこで手をつけられずにいたのにも関わらず、出来立てほやほや の状態でずんとそこに佇んでいた。 そして、目を白黒させて驚いているれいむに向かって青年はそれを勢 いよく叩きつけた。 「そぉい!」 「でじなはやだーーー! ごあいよーーーーーー!!」 「怖い……人体切断とか爆弾つきの密室から脱出とかそういう本格的 でスプラッタな物はできないんだが……」 耳(にあたる部位なのだろうか)をもみ上げで塞いでイヤイヤと頭を 振るれいむの背中に無力な彼の声が降り注ぐ。 持ち芸の少ない彼はもう気のきいた遊びに誘う事すら出来ない。 それでもえぐえぐと嗚咽を漏らすれいむに何かしてやらなければなら ないと考えた彼は、冷蔵庫にあれがある事を思い出して声を上げた。 「そうだ、冷蔵庫にオレンジジュースがあるからそれを上げよう」 冷蔵庫。その呪われしパンドラの箱の名前を聞いた瞬間、れいむは恐 れ慄き封印した記憶を取り戻した。 「おにいさん! れいむのどがかわいたよ!」 「えぇ? 困ったなぁ、今断水中で水が出ないんだよ」 「やだやだ! れいむおみずのみたい!」 床を転がって駄々をこねるれいむ。その様子を見た青年はすっくと立 ち上がるとのそのそと冷蔵庫に向かって歩き出した。 「冷蔵庫に何かあればいけどなぁ」 「おみずじゃなくてもおれんじじゅーすさんでもいいよ!」 あつかましく水よりもいいものを要求するれいむ。 そして冷蔵庫をごそごそと漁っていた彼は顔を綻ばせてこう言った。 「おっ、良かったなれいむ」 「なになに?」 「熱々のラーメンがあった」 そうして冷蔵庫から引き抜いた彼の手には不自然なほど湯気の立ち昇 る熱々のしょう油ラーメンが入った器が握られていた。 「そぉい!」 目の前に広がるベーシックなしょう油スープ。 「ゆ゛っ゛く゛り゛て゛き゛な゛い゛ーーーーーーー!!!」 そのおいしそうな臭いを思い出して、とうとうれいむは絶叫しながら 気絶した。 次の日。 やたらと憔悴した様子の彼は、泣き疲れて眠ってしまったれいむの入 ったケージを飼い主の青年に手渡しながらこう言った。 「ゆっくりを飼うって難しいんだな」 「そうか?」 おわり このSSに感想をつける
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注意:元ネタレイプ いままで書いたもの とかいはコーディネイター 植物型ゆっくり 魔理沙とゆっくり~邂逅篇~ 取替えられた子 お前なんかドスじゃない ばーさすちれーでん ねるねるねるゆ ゆっくりを飼うって難しい ゆっくり分身 れいぱー 公然猥褻れみりゃ 決死の虐待 虐待お兄さんの冒険 人外魔境の森編 ゆっくりさん 虐待お兄さんの冒険 異形達の海岸編 じゃんけん13奥義 先日、私が飼っているまりさの子供の部屋で大便していた時の事だ。 そこに突然旧・日本兵の格好をした見知らぬ男が入ってきた。 最初は泥棒かと驚いたが、無言のまま血走った眼でこちらを睨みつけ てくる。 その視線の余りの異様さに私は恐怖を感じた。 「貴方は誰ですか、何をしているんですか?」 沈黙が恐ろしくて、少しでも恐怖を紛らわすためにそう尋ねるとその 彼は鬼のような形相で、 「バカヤロー!」 と叫び、そのまま霞のように忽然と消えてしまった。 その後、散歩から帰ってきたまりさに事情を話したんだけど、 「ばりざのゆっぐりぷれいずがぁーーー!!」 と泣き叫ぶばかりで話にならなかった。 まりさの両親も、 「どうしてこんなことしたのーーー?!」 「ゆっくりあやまってね! はやくおそうじしてね!」 と、怒鳴ったり喚いたりしながらズボンの裾を引っ張ったりぽすぽす と体当たりを仕掛けてくるばかりでその男の話は何も出来なかった。 もしかすると一家は、私にも言えないような重大な秘密を抱えている んだろうか? そう思った私は、友人の一人で寺生まれのGさんに相談する事にした。 Gさんは私の話を聞いてすぐに立ち上がり、私にその部屋に案内する ように告げた。そして部屋につくと、未だに私に対して、 「おにいさんとはゆっくりできないよ!」 「ゆっくりでてってね!」 「ぷくーーー!」 と怒気を向けるゆっくり一家に掌を向け、 「破ッ!!」 と叫んだ。瞬間、Gさんの手から眩い光が発せられ、ゆっくり一家は 跡形もなく消し飛び辺りには静寂が戻った。 寺生まれって凄い。私は久しぶりにそう思った。 あなたも、飼いゆっくりの部屋で大便する時は気をつけてください。 でないと、大変な事になりますよ…… おしまい 作者:○ーメンぶっかけ祭の人 このSSに感想をつける
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いままで書いたもの とかいはコーディネイター 植物型ゆっくり 魔理沙とゆっくり~邂逅篇~ 取替えられた子 お前なんかドスじゃない ばーさすちれーでん ねるねるねるゆ ゆっくりを飼うって難しい ゆっくり分身 れいぱー 公然猥褻れみりゃ 決死の虐待 虐待お兄さんの冒険 人外魔境の森編 ゆっくりさん 虐待お兄さんの冒険 異形達の海岸編 じゃんけん13奥義 ゆっくりの背筋も凍る怪談 彼は道の真ん中で立ち尽くしていた。 そこに立ち止まっている彼は黒髪黒目、中肉中背。成人男性よりやや 低めの背、猫科動物を連想させるやや釣りあがった性格の悪そうな目 を細めて足元のそれを見下ろしていた。 「何してんだ?」 言われたそれは、彼の足元の床で妙な色の布を被りながら路傍の石の 様に丸くなっている。 「ゆっふっふ、れいむはぎゃくたいおにーさんにちょーせんしにきた んだよ」 丸まった身体を僅かに震わせながらそれは答えた。彼はそれの言葉に 僅かに眉を顰める。 虐待お兄さん。それはゆっくりを虐待するものに与えられる称号とも ゆっくりを虐待する妖怪とも、南米の深奥に潜むヌボンバ族に十年に 一人生まれる伝説の戦士で、現地の言葉で『小人を甚振る事に快感を 覚えるもの』という意味を持つ人間であるとも言われている。彼は一 つめに該当する人間だった。 どこからそれが漏れたのか知らないが、それを誇るような趣味は無い ので自分がそうだという話が広まってるような事は好ましくない。ま た後で早朝からゴミ拾いをするなど対策を練らなければならないと彼 頭を抱えた。 「それで、何してんだ?」 そして、頭を抱えている間もずっとそこで蹲ったままのれいむに対し て再度同じ問いを重ねた。 「ゆっひっひ、れいむは『こーがくめーさい』をてにいれたんだよ。 これをつかえばれいむはおにーさんにはみえなくなるからおにーさん はもうれいむにかてないんだよ」 「ふーん」 れいむは奇妙な笑い声を上げ、襤褸切れのスキマから底部の後ろの方 を覗かせながらそう言った。当然だが襤褸切れで覆われてる部分も丸 見えである。 彼はどうでもよさそうに呟きながら片足だけ靴を脱ぎ、 「じゃあ、」 そしてれいむの頭に脚を乗せて言った。 「今俺が右足を乗せてるこの丸っこくて柔いものは何だ?」 「ゆっへっへ」 柔らかい体をぐにぐにと歪ませながられいむは笑う。 「れいむはとーめいでみえなくなってるはずだから……それはたぶん れいむのぶんしんさんだね!」 勢いよく顔を上げて自信ありげな顔をする。もはや全身のほとんどが 襤褸切れで隠されてすらいない。無論透明でもない。 「そーなのかー。分身なら」 彼はれいむに乗せた足にやや力を込める。 「床板まで砕く勢いで捻りを咥えながら踏み抜いても痛くないな潰れ ないな壊れないな死なないな」 「ゆっはっは。そんなのあたりまえでしょ。ぶんしんはれいむじゃな いんだよ。それにしてもなんだかあたまがいたいよ。ふしぎ!」 脚に押し潰され、もう球形とは言えない横長の楕円の形に全身を歪ま せながらもれいむは高々に宣言した。 そしてれいむは、 「ふんっ」 「ゆぷんっ!」 一息の間に彼の脚に踏み抜かれ、内圧に耐え切れず爆砕した。 一面の餡子の海の中、右足を餡子で汚した彼はぼそりと呟いた。 「痛くて潰れて壊れて死んだじゃねーか」 おわり 作者:○ーメンぶっかけ祭の人 このSSに感想を付ける
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【ゆっくりを飼おう】 ゆっくりまりさ見切品\498 「そこのおねぃさんまりさをかってほしいんだぜ」 「今まで飼っていたユックリが死んでしまったので、買いに来てみたが…」 「ひろいおうち~」 とりあえず安かったので買って家へつれて帰った 「ゆお~ だぜ~」 「すごくきにいったよ!ここをまりささまのゆっくりぷれいすにするんだぜ」 「ばばぁはめざわりだからゆっくりしね!」 グッ ゲスの見分け方 以下はゲスの特徴 目下に盛上、ニヤついた口、まるもっこりみたいな目、何でも自分が見つけたものの所有権を主張する、毒舌か誹謗発する キレたおねぃさんはハンマーか潰し ゲスまりさは圧死した 「やっぱ安物は駄目ね~ もうちょっと奮発するかな今度はぱちゅりーでも飼ってみるかな~」 \バタンッ/ ここは難有り品コーナーか 安いけど瞬殺しそうだからなぁ なすび型れいむ100円 「ゆう ゆぅ」 でいぶ\50_ 「ゆっくりしね!」 ゲスまりさ\50_ 「うんうんするよ」 種付け用アリス\50_ 「んほぉぉぉ!」 「ぱちゅりーはっと、うわ高いなぁ! ぱちゅりー \10000 「むきゅ!」 まりさ \2000 「ゆっへっへっ!おねぃさん、まりさをかってくれたらきもちよくしてやるのぜ」 「このまりさゲス化してるな店員さんに報告しておこう難有り行きおめでとう」 新入荷 いちりん \50000 「かわいい…(キュン)」 続く? 【ゆっくりを飼おう・続】 <「ありがとうございました~!」 <「なんでまりささまがなんありにいどうなんだぜはなすんだぜぇぇぇ!」 「買ってしまった」 「ゆっくりできそうなおうち~ やさしいおねぃさんにかってもらえてしあわせ~」 「痛い出費だわ…五万円かぁ、今月は卵かけご飯にのり玉で我慢するしかないか…はぁ」 お辞儀→「ふつつかものですがおせわになりますおねぃさんをゆっくりさせれるようにがんばります」 「まぁ…」 「かわいいなぁ、もう! これならのり玉でも我慢できそうだわ」 「ゆっくりしていってね!(ラジオ)」 「ゆっくりしていってね!」 「『注意ゆっくりいちりんは自身の命が危ない時などに特殊な能力が働く場合があります』??? まぁ虐待するわけでもないし別に気にすることじゃないわねさ」 「さ、晩御飯だよゆっくり食べてね」 「おししそ~だよ~」 「むーしゃむーしゃ…」 「あら?『しあわせー』しないのかしらら」 「しあわせー!」 「あぁお口に入ってるのを食べてからするのね お行儀いいわねーさすが五万円、躾も完璧だわ」 「おさらさんきれいにするよ」 ぺ~ろぺ~ろ ペロペロ 「おねぃさんおさらさんぺ~ろぺ~ろしてきれいにできたよ!」 「なんという優秀な子!」 公園デビュー 「ちょうちょさんゆっくりまってね!」 「楽しそうね」 「ちょっとトイレに行ってくるからそこで待っててね」 「ゆっくりいってらっしゃい~」 「ゆゆ~」 ヌッ… 「ゆっへっへっ…こんどはあのゆっくりですっきりしてじんげんのいえにころがりこんでやるのぜ いただくのぜー!」 「ゆあ?!」 「まりさのじまんぺにぺにでにんっしんさせやるのぜ!」 ドンッ 「やだぁぁ」 「やめてぇ!」ガン!「ゆぶお!」 「なんてことするんだぜー!やさしくしてあげたらつけあがりやがってもうようしゃしないんだぜ!」ヒリヒリ 「おねぃさん!」 「やっぱ公園なトイレじゃすっきりできないわ!」 「おねぃさ~ん!」 「ゆっへっへっおかしてやるのぜぇ」 「ゆ~ん」 「あ!うちのいちりんにゲスっぽいまりさがせまってる!」 「いま助けるわよ! ええっと…こいつでいいわ!」 「あ~すっきりしたいわぁ~」 ガシッ! 「ゆほ?」 「ゆっくり弾いけぇ!どっせい!」 ドッギャァァァンッッ!」 「ゆほおぉぉ!おそらをとんでるみたいだわぁ」 メリ… 「ゆぎゃぁぁ!」 ドクシャァ! 「ゆぅ~ん」 なでなで 「もうだいじょうぶだよ」 「ゆぎぎぎ…いったいなんなんだぜ」 ぬぅ 「あらぁ~とってもすてきなまりさねぇ~」 「ゆっぎゃぁあぁぁぁ!」 「んほおぉぉぉぉ!えきべんすっきりいくわよぉぉぉん!」 「ゆ っゆ っゆ っ」 「ほら、もう泣かないの帰ったらいっぱい遊んであげるから」 スッ 「ん?」 「にげもんさんここをとおりたかったら つうこうりょうのあまあまをおいていってね!」 「よこちぇ~」 「ゆっひゃっひゃ!」プッ 「ここをとおりたいんでしょ? はやくあまあまちょうだいね わからないの? ばかなの?しぬの?」 ぎゅ! 「おきゃーつぁーん!」 「でいぶのこどもになにずるのー!」 2分後… 「ゆがあぁぁぁ!でいぶのまむまむがざげるぅぅぅぅ! おちびぢゃあぁん」 「ゆ っゆ っ」「ゆ っゆ っ」プリンップリンッ 帰宅 「おうち~ただいま~」 「いちりん~そんなにはしゃぐところぶわよ~」 ドンッ! 「ゆあ?!」 「いちりん!」 「ゆあぁーん! いたいよ~おねぃざあぁーん!」 「いちりん!傷は浅いわよ! な、何者?!」 「ここはまりさたちのおうちのおうちだよ!」 「ばばぃぁはさっさとあまあまもってきてね」ぷく~ 「よこちぇ~」 ゆっくり処分穴 「ほら、いちりん~傷なおしてあげるからこっちにおいで~」 「ゆ、ゆぴ…」 「ほら、我慢我慢 さ、今日はもう寝なさい」 「ゆ~んゆ~ん おねぃうさ~ん」 「ゆぅゆぅ」 「まったく、甘えんぼうさんね」 「コンビニにおやつを買いにいって来るから ちゃんとお留守番していてね」 「いちりんとうりでおるすばんできるよ!」 「ゆぅ…ゆぅ…」 「ゆぅ…」 ヌッ ガッシャーン! 「ゆあ?な、なに?」 「んほおおぁおおお~~!!」 「ゆんやあぁーー!! お、おねぃさぁ~ん!!」 「ゆぁあぁぁん!おねぃざあぁん い、いちりんにんっしんしちゃったよおぉぉぉ!」 「い、いちりん な、なんてことを… でも、なんでレイパーのほうが死んでるの…?」 前5分 ヌッチ 「もぉやめでぇぇ!」 ヌッチ 「ぬふぅ!いっぱつくらいじゃ まだまだおわらないわよぉ!」 ヌッチ 「ゆあああぁぁぁぁ! 『しにたくない』 よおぉぉぉ!」 モクモク モクモク ドンッ -思い出始め (『記憶 ゆえ~ん ゆあ~ん』) -思い出終了※赤レイパーありす参照 ヌッチ 「ぬふぅ!いむうとのまりさいじょうの いやらしいからだだねぇ!」 ヌッチ ドゴン 「ゆ っ!」 ビダーンッ! 「ゆぴゅっ!」パキッ ゴゴゴゴ… 「そんなことがあったのね… (想像以上ね…いちりんの能力) ひっく ひっく あとは実ゆっくりをどうするか…」 「ゆぅ」 「ゆぅ」 「ゆぅ ちゅっきりぃ」 (心の声「なんてふてぶてしい顔… しかもぺにぺに立てて… 生まれる前からレイパー確定してるわね 潰してやろうかしら」) 「まぁ!いちりんに似た子が一匹だけいるわ!」 「ゆ!おねぃさんいちりんそのこをそだててあげたいよ!」 「う~ん…まぁ一匹ならいいかな その代わり他のレイパー似な子はダメよ、またいちりんに危険が及ぶかもしれないからね」 「ありがとうおねぃさん!いちりんがんばっていいこにそだてるよ!」 「んじゃ、邪魔なレイパーら子は切り離すわね」 ヂョキッ 「もっちょ…ゆっきゅ」 「みゃ…みゃぁ…」 「ちゅっきりしたかっ…ちゃ…」 「…なんだろうこの苦悶な表情をみてるとなんだかゾクゾクするわ… 風邪かしら」
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ゆっくりいじめ系2835 魔理沙とゆっくり~邂逅篇~ ゆっくりいじめ系2838 取替えられた子虐家無 ゆっくりいじめ系2851 お前なんかドスじゃない ゆっくりいじめ系2859 ばーさすちれーでん虐希無 ゆっくりいじめ系2890 ゆっくりを飼うって難しい虐他性共無ゆ ゆっくりいじめ系2912 ゆっくり分身虐他共強無 ゆっくりいじめ系2913 れいぱー虐滅汚家ゆ ゆっくりいじめ小ネタ537 とかいはコーディネイター ゆっくりいじめ小ネタ539 植物型ゆっくり虐家ゆ ゆっくりいじめ小ネタ548 ねるねるねるゆ虐改家無 ゆっくりいじめ小ネタ565 公然猥褻れみりゃ ゆっくりいじめ系2922 決死のゆ虐 ゆっくりいじめ系2928 虐待お兄さんの冒険 人外魔境の森編 ゆっくりいじめ系2937 ゆっくりさん虐無 ゆっくりいじめ系2968 虐待お兄さんの冒険 異形達の海岸編虐希料無 ゆっくりいじめ系2969 じゃんけん13奥義虐他強無 ゆっくりいじめ小ネタ597 ゆっくりの背筋も凍る怪談虐他無
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ゆっくりいじめ系2835 魔理沙とゆっくり~邂逅篇~ ゆっくりいじめ系2838 取替えられた子虐家無 ゆっくりいじめ系2851 お前なんかドスじゃない ゆっくりいじめ系2859 ばーさすちれーでん虐希無 ゆっくりいじめ系2890 ゆっくりを飼うって難しい虐他性共無ゆ ゆっくりいじめ系2913 ゆっくり分身虐他共強無 ゆっくりいじめ系2914 れいぱー虐滅汚家ゆ ゆっくりいじめ小ネタ537 とかいはコーディネイター? ゆっくりいじめ小ネタ539 植物型ゆっくり?虐家ゆ ゆっくりいじめ小ネタ548 ねるねるねるゆ?虐改家無 ゆっくりいじめ小ネタ565 公然猥褻れみりゃ? ゆっくりいじめ系2922 決死のゆ虐 ゆっくりいじめ系2928 虐待お兄さんの冒険 人外魔境の森編 ゆっくりいじめ系2937 ゆっくりさん?虐無 ゆっくりいじめ系2968 虐待お兄さんの冒険 異形達の海岸編虐希料無 ゆっくりいじめ系2969 じゃんけん13奥義虐他強無 ゆっくりいじめ小ネタ597 ゆっくりの背筋も凍る怪談?虐他無
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子供向けのパンフではなく、大人向け、という感じで書いています。子供向けは地味に、というかかなり難しい……。 『ゆっくり』を飼う時に気をつけるべきこと 『ゆっくり』という生物なのか、妖精なのか、はたまた他の何者かすら分からない存在がいる。 まあ、あのエキセントリックな形状や、ふてぶてしい造形、ふとみせるかわいらしさに魅了されているのは確かであるが 飼い方を理解しないうちに買ってしまい、大変なことになってしまう例も増えているので、このような文章を執筆する事に相成った。 基本的に、このパンフレットでは彼ら(オスやメスといった区別が無意味であるが)の選び方、飼い方、躾の方法 ゆっくりと人間とのよりよい関係の構築を図るためには、どうすればよいのか、を述べていく。 まあ、有り体に言えば、どうやったらお互いゆっくりできるのか、という事だ。 実は、これが簡単なようでいて、非常に難しい。 ゆっくりは種類にもよるが、概ねゆっくりしたい欲求というものがあり、これを満たすことが野生では難しい。 対して、飼育環境下では、普通の飼い主であれば飢えで苦しむ事も無いし、雨の対策で一苦労という事も無い。 人間とは言葉が通じるため、自分のやってほしいことを人に伝える事が簡単である。 という点も、ゆっくりしたい欲求を満たすハードルをさらに下げる。我侭になりやすいのだ。 そうなってからでは遅い。では、どうすればよいのか、を簡単ながら、説明していきたいと思う。 1.ゆっくりの選び方 a.品種 家庭で飼育する動物としては異例なほど大きくなる品種や、または極端に小さい品種など、大きさに非常に幅があるため、これは重要な部分である。 小さいアパートなのに、れてぃなどの大きくなる品種のゆっくりを購入することなどは避けるべきであるし、 極端に小さい品種(大きくなっても、ゴールデンハムスター程度)の場合はケージを購入していなければまずい。 多頭飼いをする場合は、なるべく相性がいい種族同士で組み合わせてやる事が重要である。 例えば、もこうとちるのや、れてぃ、あるいはかぐやなどを一緒の環境で飼育する事は、お互いの為にならないので止めておくべきだろう。 要は『ゆっくりできない』為に飼い主にもゆっくり同士にもストレスが蓄積するからだ。 逆に、らんや、ちぇん、或いはまりさとれいむ、ありすとまりさ、まりさとぱちゅりー、れてぃとチルノ もこうとけーねなどの組み合わせは相性がよく、非常に『ゆっくりできる』組み合わせである。 この中では、まりさとれいむ、ありすとまりさ、まりさとぱちゅりーなどなどが、多頭飼いをする際に比較的容易な組み合わせだろう。 b.外見 他の生物と同じで、基本的には毛並みや色艶を見る事が大事である。 体表にひびが入っていたり、髪がパサついていたりした場合、ストレスに弱い固体か、極度のストレスを受けているという事になるので、そういった個体を飼う事は避けたほうが無難。 また、リボンや帽子などが破れていたりした場合も、同様である。 同時に、ゆっくりを買うにあたっていい店かどうか、という判断材料にもなるため、しっかりと見ておくことをお勧めする。 また、特に変わった個体を買う事もお勧めしない。 そういった個体は気性が荒かったり、ゆっくりというカテゴリーの中から見ても行動や性格が変であったりする場合も多い。 初めて飼う場合は、避けたほうが良いだろう。 c.血統 基本的にペットショップなどで購入する場合は、親がはっきりしているケースも多いのだが、これは重要である。 友人などから貰う際も、最低限親の代の話を聞いておくべきだろう。 というのも、親の繁殖方法と、子の繁殖方法は同じである事が多いためだ。 多頭飼いをしないから安心かと思いきや、単為生殖が可能な品種も存在する為、気がつけば大変なことに、という事態が発生する事もある。 最低限調べておくべき事だ。 また、大型化する種族でも、片方の親が小型品種、ないし標準的な大きさの品種と掛け合わされたケースがあり あまり大きくならないように調整されていることもあるので、どうしても大型の種族がほしい。 という場合には、そういった調整された子を購入するという手もある。 ただし、値は張るうえ、遺伝的に問題を抱えているケースがあるため、どうしても、というケースでもなければ避けるべきだ。 2.ゆっくりの飼育環境 a.用意すべきもの 実は、この項目ほど書くことにこまるものはない。多種多様すぎるのだ。 基本的に小さい品種は、ハムスター用の金網ケージやガラスケースを用意し、ゆっくり出来る家などを置いてやればよく、下は砂を敷いてやる事をお勧めする。 砂利などはゆっくりの体を傷つけるので、使うのは避けるべきだ。 金網ケージには下に置く金網がついていることも多いが、ゆっくりの体を傷つける為、外しておくべきだろう。 水はハムスター用の給水機でよいが、ハムスターを飼う際と同様に水はお皿に入れて置いてはいけない。 ゆっくりは水を必要とするが、同時に水に大変弱い。さらには不衛生だ。 食事はゆっくり用のペレットがあり、それを低めの平たいお皿に入れてやればよい。 病気の際には、それらのペレットを噛む力がなくなることもすくなからずあるため、練り餌なども用意して置いて損は無いが、これは下地を汚しやすい為、常食には向かない。むろん排泄物などは無いが、ゆっくりは食事の際に散らかしやすいために、下地を汚しやすいのだが、練り餌の場合は顕著である。 ゆっくりできるように、定期的な掃除を心がけよう。 おやつだが、基本的に人間用のお菓子を与えても問題は無い。 ただし、喜ぶからと言って与えすぎると、肥満になって、獣医のお世話になる羽目になる。注意が必要だ。 標準的な品種の場合は、犬用の脱走防止柵やケージなどを用意し 食器として人間の子供用ビニル皿を購入、あとは自分の湯呑みを用意してやればよい。 ただし、ゆっくりの体はそうしょっちゅう傷つくようなものではないが、やはり角の有るものは、ウレタンなどを貼り付けるなどして 体を傷つけない配慮をしてやれば、お互いゆっくり出来る。 食事は人間と同じものでよく、塩分や味付けで特別な配慮は必要ない。 ただ、ゆっくりが食べられるように、魚や肉はある程度切っておくことや、味噌汁やお吸い物はすこしぬるめにしておくべきなどの配慮は必要だ。 おやつは、小型種と同様である。与えすぎてはいけない。 大型品種の場合は、室内飼いには向かず、屋外で飼う事になるが 初めは室内で飼うために、標準的な品種と同じような準備をする必要がある。 というのも、いかに大型種とはいえ、子供のころはあまり大きさに違いは無く、大人になる際に急激に成長するためである。 だんだんと外に慣らす訓練が必要なのは言うまでも無いが、野犬や鴉などにつつかれて死んでしまうこともあるので、初期は室内で飼ってあげたほうがよりゆっくりできる。 とはいえ、さすがに放し飼いにするのは近隣に迷惑である為、大型の屋根付ケージを用意する必要がある。 増水する可能性がある大雨が降っている場合は室内に入れられるようにしておくことも重要だ。 食事は人間と同じものでも問題は無いが、成長期には比較的多めに食べる為、大型種用のペレット食に慣れさせるようにするべきだろう。 食費がかさむ為である。 体つきの品種の場合は、標準型と同じものを用意してやればよい。 ただ、自分の箸を欲しがるので、それをご褒美としてやると大変喜ぶ。衣服を代える必要は無いが、中には着替えたがる子も居るので 着替えは用意しておいて損は無い。 特殊例としては、れみりゃ種や、ふらん種などは日傘を用意した方がよい。 ちるの種やれてぃ種には、夏に体を冷やす道具(アイスノンなど)を用意しておいてあげる事が重要だ。 もこう種は寒さに弱いので、防寒具を用意すれば喜ぶ。 ただし、不燃性の繊維を用いたものでなければ、もこうも防寒具も、さらには家も地獄を見る事になる。 最後に、基本的に人間にとって不快な環境はゆっくりにとっても不快であるため、なるべく部屋の掃除はまめにしておいた方がいい。 さもなければ、ゆっくりできない飼い主という烙印を押されることとなる。 b.気をつけるべきこと 基本的に、もともとゆっくりの体は野生で生きてきているだけに頑丈だが、それでも限界は存在する。 画鋲が刺されば痛いし、家具の角に強くぶつければ切れる。 猫のようにするすると移動できるわけではなく、ぴょんぴょん跳ねながら移動するので、段差などにも多少気をつけてやる必要がある。 階段を上り下りしたがっている時は、安全面を考えて、抱えて移動してやるのがベターだろう。十分に広い場合はこの限りでは無いが。 ウレタンなどで家具の角を覆ったり、十分に気をつけるように躾をすれば問題は無いが、やはり最低限飼う上で注意すべき事である。 そして、ゆっくりは比較的頭がよく、暇であるが為に悪戯を覚える事が多い。 或いは、おなかが減って、お菓子のつまみ食いなどをする事もあるため、これらの対策を怠るべきではない。 悪戯はきちんと叱り、お互いに気持ちよくすごすにはどうすればいいか、を教える事が重要である。 c.しつけについて 他の動物などと比べて、我侭になりがちであるため、子供の時に厳しくしつけをする必要がある。 悪戯をすれば口で厳しくしかるべきであり、悪戯の現場に連れて行って、どうしてこのようなことをしたのか、を聞きだし、謝るまではそのままにしておくべきだろう。 かわいい盛りであるが、だからと言って甘やかしてしまっては駄目だ。大人になってからでは、散々苦労をする羽目になる。 餌を与えない、たたくなどの体罰は推奨できないが、本当にひどい悪戯をした場合にはすべきだろう。 ただし、手や足を使っての体罰はエスカレートしがちであるため、器具を用いての罰の方がよい。 なぜなら、悪戯をされた後は、飼い主側の頭に血が上っているので、抑制を欠いた暴力の結果、死んでしまうこともあるからだ。 しつけとただの暴力は違うことを頭に入れておくべきだろう。それに、犬や猫と違い、言葉が通じる、という最大の利点があるのだから。 他にも理由があり、体罰を受けた子は、自分の子供にも同様の体罰を行い、殺してしまうケースがある。故に、体罰は推奨できない。 d.ゆっくりプレイスについて ゆっくりは、本能的にゆっくりぷれいすというものをさがす事に長けている。 たとえ親に教えられなくとも、その単語を知っているのだ。 基本的には自分で見つけるものなのだが、人間にとって重要なものの上でゆっくりされては困る事も多いので、そういった場合は注意して止めさせるべきだ。 あとがき とりあえず、中の人は書いてて疲れました。なんか基本的なことに終始した気がしますが……あ、wikiで動物の人ってなってて、なんか嬉しいな、とか思ってたり。 ……にしても……なんつーか、愛でてませんよね、これ。パンフレットっつー設定で書いてみたものの、何か違う。ちなみに、もっと続くはずでしたが、疲れたので(以下略) ゆゆっ! これはうちのゆっくりできないぱかにみせないといけないね! -- 名無しさん (2009-07-14 23 55 21) ウチに新しくゆっくりが来たてどうすれば良いのか迷っていたので非常に助かりました、これからもゆっくりとゆっくり過ごしていきたいと思います~ヽ( ー`)ノ~ -- 名無しさん (2009-07-15 14 53 34) ゆっくりしたいぜ -- 名無しさん (2010-11-29 18 05 46) ゆっくり飼いてええぇぇぇぇぇ -- ちぇんとぱちゅりーとれみりゃ飼いたい (2012-03-21 15 33 10) この設定はいろんなssに継承されていますね。 -- 名無しさん (2013-07-24 00 01 00) 名前 コメント
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『ゆっくりを飼うよ!』 6KB いじめ 飼いゆ 野良ゆ いつもの小ねたです 「むーちゃ、むーちゃ、しあわしぇぇぇぇぇ!!これおいちー!とーっても、ゆっくちできりゅよ!!」 ペットショップで売っていた、賞味期限ギリギリの安物ゆっくりフードを、満面の笑みを浮かべて食べている子れいむ。 大きな声で叫びながらの食事マナーは、飼い主の少女を不快にさせた。 クチャクチャと音を立て、食べカスをボロボロと床に溢す。 少し食べては、グネグネと体をくねらせて大喜びし、少し食べては大はしゃぎでエサ皿の廻りを跳ね回る。 「ちょっと!食べ方が汚いわよ!親に注意されなかったの?もっと綺麗に食べてよね!まったく、野良って全部こうなのかしら?」 「ゆゆー?なにいっちゅえるの?れーみゅは、とーってもきれいで、ゆっくちしちぇるよ!しつれーなこと、いわにゃいでね!ぷんぷん!」 食べ方を注意された事に腹を立てたのか、子れいむは少女を睨んでぷくーっと膨れ上がる。 少女はそんな子れいむを捕まえると、水槽から取り出して机の上に置いた。 「ゆぷぅぅぅ?!なにしゅるのぉぉぉ?!まだ、れーみゅが、ごはんをたべちぇるでしょぉぉ?!どーしちぇ、じゃましゅるのぉぉ?!」 「何その態度?私はあなたの飼い主なのよ?!これはお仕置きが必要ね…」 そう言うと少女は子れいむを押さえつけて、ペン立てから取り出した定規で子れいむの底部を叩いた。 「ゆぴゃい!いちゃい!ゆびゃ!ゆびぃ!やめちぇ!どーしちぇ、れーみゅをいじめりゅのぉぉ?!ゆぴゃ!ゆぴぃ!やめろぉ!このくじゅ!ゆびゃぁぁぁぁん!!」 子れいむは底部を叩かれる度に、体を大きく震わせ、両目を跳び出さんばかりに見開いて涙を流す。 それでも、どうしてこんな目に合っているのか理解して無い様で、嗚咽を漏らしては少女を罵倒していた。 「どう?少しは懲りた?反省して、私の言う事を聞くなら、許してあげるわよ?」 「ゆびぇぇぇ…なにいっちぇるの?はんしぇーするのは、くそにんげんでしょ?れーみゅは、なんにも、わるいこちょしてないのにぃ!ゆるしゃないよ!!」 一旦仕置きを止めて、様子を伺う少女。 だが子れいむに反省の色が見えないばかりか、少女を涙目ながらに睨みつけ、怒りをぶつけるのだった。 少女はそんな子れいむを見て、呆れたようにため息を一つついた。 何故少女が、野良ゆっくりを飼い始めたのか、疑問を持つのは当然だろうが理由は簡単である。 同級生の家で飼いゆっくりを見て、自分も飼ってみたくなったのだ。 だが、友人の家で見たゆっくりは、ペット用に躾けられたゆっくり。 自由気ままに生きている、野良とは全くと言っていほど別モノなのだ。 ゆっくりの事をよく知らない少女にとっては、野良も飼いゆっくりも区別がつかなかったのだ。 ゆっくりとは言え、一応は生き物。 飼うとなると、当然それなりの苦労がある。 少女も野良ゆっくりの躾に、悪戦苦闘していた。 「ゆゆ~ゆ~ゆ~ゆゆ~ん♪」 楽しそうに歌を歌っている、野良ゆっくりのれいむ。 体を揺らしながら、目を細めて自分の世界に入りきっている。 そんな野良れいむの元に、少女が現れた。 「あっ、いたいた!まったく、どういうことなのよ?!」 「ゆゆ?どーしたの、にんげんさん?なにかあったの?ゆっくりしていってね!」 爽やかに笑う野良れいむとは対照的に、少女はとても不機嫌そうに眉をしかめる。 「あんたの子供、全然言うこと聞いてくれないじゃない!何なのこれは?頭悪いの?」 「ゆゆ?なにいってるの?れいむのおちびちゃんは、とーってもゆっくりしている、いいこだよ!!にんげんさんも、ゆっくりできたでしょ?」 少女が怒っているのを、不思議そうな顔をして見つめる野良れいむ。 少女はそんな野良れいむの態度が面白くないのか、更に苛立たせた声を上げる。 「ゆっくりしてる?!何がよ?!こんなに頭の悪いゆっくりは、要らないから!!」 グチャ! 「ゆびゃ!………ゆぎゃぁぁぁぁぁ?!おちびちゃんがぁぁぁぁぁ!!どぼじでぇぇぇぇぇ?!ゆっくり!ゆっくりしてねぇぇぇぇぇ!!」 そう言うと少女は、握り締めていた子れいむを、野良れいむの顔面目がけて投げつけた。 握られた時に死んだのか、野良れいむにぶつかって弾けたのかは知らないが、子れいむは大量の餡を野良れいむに浴びせて絶命した。 野良れいむは、変わり果てた我が子を見て大泣きをする。 そんな野良れいむに興味がなくなったのか、少女はその場を後にした。 「ゆふふ~ん♪のじぇのじぇ~!まりちゃ、かいゆっくちに、なれたのじぇー!!ゆっくちー!きょーからまりちゃ、しあわしぇに、ゆーくちくらしゅのじぇ~♪」 今度は野良の子まりさを拾った少女。 子まりさはすっかり上機嫌で、少女の手の中で幸せそうに体を揺らす。 飼いゆっくりになれれば、自分が幸せになれると思っているようだ。 だが当然ながら、子まりさの思い描いたような暮しは待っていなかった。 「いちゃいの、いやなのじぇぇぇぇ!!どーしちぇ、まりちゃをいじめるのじぇぇぇぇ!!ゆびぇぇぇぇぇん!」 「はぁぁ?!何言ってるの?あんたが何時まで経っても、トイレの場所を覚えないから悪いんじゃない!この馬鹿ゆっくり!!」 「ゆびゃぁぁぁん!まりちゃ、ばかじゃにゃいのじぇぇぇぇ!!おとーしゃんが、てんしゃいだって、ほめてくれたのじぇぇぇ!!」 「天才なら、なんでこんなに覚えが悪いのよ?夢でも見てるの?!このうん○ゆっくり!」 何度教えてもトイレの場所を覚えず、水槽内の至る所にしーしー、うんうんを撒き散らす子まりさ。 少女はそんな子まりさの両頬を抓り、宙吊りにしてお説教するが、子まりさは何故怒られているのか理解していなかった。 子まりさは少女から逃げようと、必死に体をブリブリと動かしてみるが、その度に抓られた頬が痛み、涙を流してゆんゆんと泣いた。 この他にも、餌の食べ方が汚いとか、芸を仕込もうとしてが、思うように覚えない等で、子まりさは尻を叩かれたり、デコピンを喰らったりしていた。 念願の買いゆっくりになれたと喜んでいた子まりさは、たった一日で飼いゆっくりになる事の厳しさをその身に刻む事になった。 そして翌日。 少女は子まりさをその手に握り、公園にやって来た。 「ゆゆ?きのうの、ゆっくりしてるにんげんさん!ゆっくりしていってね!きょうはどうしたのぜ?おちびはげんきなのぜ?」 少女は、昨日拾った子まりさの親である、野良まりさの元にやってきた。 野良まりさは少女を見上げると、満面の笑みで挨拶をする。 少女はそんな野良まりさに、笑顔を返した。 「ええ、とっても元気よ。元気に泣くから五月蝿いくらいね。」 「ゆゆ!それはよかっ………ど、どういうことなのぜ?おちびちゃんが、にんげんさんを、ないてこまらせたのぜ?」 少女の言葉に、顔を曇らせる野良まりさ。 だが少女は笑顔のまま、野良まりさを見つめる。 「そうよ。とっても五月蝿かったわ。お父さんにね、野良より、ちゃんとしたペット用のゆっくりを飼った方が良いって言われたの。だからこれを返しに来たの。」 そう言うと少女は、握っていた子まりさを、野良まりさの目の前に放り投げた。 「ゆびゃ!いっちゃいぃぃぃぃ!ゆびぇぇぇぇぇん!ゆっくち!ゆっくっちぃぃぃぃ!ゆっくちさせちぇよぉぉぉ!ゆんやぁぁぁぁ!!」 「ゆ?………ゆわぁぁぁぁぁ!!おちびちゃん!どぼじでこんなことずるのぜぇぇぇぇ?!おちびちゃんは、とーってもゆっくりした、さいこうのゆっくりなのにぃぃぃぃ!!」 子まりさは顔を真っ赤に腫らして、尻をブリブリと振りながら泣き叫ぶ。 野良まりさは、そんな子まりさの体を舌で優しくなめながら、少女を睨み付ける。 「どうしてって言われてもねぇ…このちびまりさは、ペット失格だから。飼い主の言う事聞かないんじゃ、要らないわ。じゃあね!」 少女はそう言うと、野良親子に背を向けて公園を後にした。 「ゆぅぅぅ!どーしちぇ…まりちゃ、とーってもゆっくちしちぇるのに…ゆびゃぁぁぁぁん!!ゆっくちぃぃぃ!」 「おちびちゃん、ゆっくり!ゆっくりしてね!…ゆぐぐぐ…どぼじで…なにがちがうのぜ…なにがわるいのぜ…おなじゆっくりなのに…」 野良まりさは誰に言うでもなく、悲しそうに、悔しそうに、そう呟いた。 子まりさは、そんな野良まりさの隣で、駄々をこねる様に体をブリブリと動かして、何時までも泣いていた。 完 徒然あき
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いままで書いたもの とかいはコーディネイター 植物型ゆっくり 魔理沙とゆっくり~邂逅篇~ 取替えられた子 お前なんかドスじゃない ばーさすちれーでん ねるねるねるゆ ゆっくりを飼うって難しい ゆっくり分身 れいぱー 公然猥褻れみりゃ 決死の虐待 虐待お兄さんの冒険 人外魔境の森編 ゆっくりさん 虐待お兄さんの冒険 異形達の海岸編 じゃんけん13奥義 ゆっくりの背筋も凍る怪談 一生一人でゆっくりしてろ! 「まりさ! どうしてアンタはそうなの!」 頭上から降り注ぐ怒声。余りにも理不尽なそれを、まりさは黙って縮 こまりながら受け止める。 叫んでいるのはまりさの飼い主だ。顔を怒りで真っ赤にそめ、失望に 染まりきり、憎悪すら滲んだ顔でまりさを見下している。 「ゆっくりごめんなさい、ゆっくりごめんなさい……」 まりさは顔を伏せたまま、喉を震わせ掠れた声を漏らす。しかし、飼 い主の表情は変わらない。 飼い主はまりさを掴みあげ、鬼の形相で怯えるまりさを睨みつける。 「ホントアンタはダメなゆっくりなんだから! どうして――」 そして、それを指差しなが言った。 「――あのれいむみたいにできないの?!」 指差された先。そこには、もみあげを使い器用にナイフとフォークを 操り、お行儀よくフレンチを食べるお隣のれいむの姿があった。 まりさは叫んだ。 「でぎるわげないでじょーーーーーーー?!」 事の発端は1ヶ月前であった。 「今日のご飯はまりさの大好物の犬のエサよ!」 「ゆわーい!」 その日もまりさとその飼い主である女性はいつもどおり仲良く散歩に 出かけ、丁度家へ帰ってきた所だった。マンションの二階、その廊下 に出ると、自分の部屋の隣にダンボールが山積みにされているのに気 がついた。 「おねーさん、これなーに?」 「お隣に誰か引っ越してきたのね」 と、丁度その時隣の扉が開き、頭に饅頭を載せた20歳くらいの青年が 現れた。ルックスもイケメンだ。 そして、こちらの存在に気付いた青年と饅頭が、口を開いた。 「やぁ! 僕は虐待お兄さん!」 「れいむはれいむだよ! ゆっくりしていってね!」 そしてこの爽やかな笑顔。 飼い主とまりさは、青年の言葉を聴かなかった事にして挨拶した。 それから数日たち、青年が基本変質者だが悪い人間ではないと思い込 んだ飼い主とまりさは、日頃やたらと働く青年のまりさをたまに預か るような仲になった。 ……そう、まりさの地獄はこの時から始まっていたのだ。 「今日のおやつは特売の100円ケーキよー。特売よ特売」 「「ゆわーい。けーきー」」 やたらと特売を強調する飼い主に与えられたケーキを、まりさはいつ も通りむーしゃむーしゃと齧る。よく噛み、飲み込んで 「しあわせー!」 と叫び、口の周りについた生クリームを舌で綺麗に舐め取った。 そして、ふと隣にいるれいむを見て、驚愕した。 れいむは、そのもみ上げで掴んだマイフォークで、ケーキを一口大に 切り分けてお上品に食べていたのだ。 唖然と口を開いてその様を眺めるまりさと飼い主。当然だ。ゆっくり がフォークを使って物を食べるなど、常識的に考えてありえない。 「……れいむは行儀がいいわねぇ。まりさもれいむを見習いなさい」 半ば引き攣った笑みを浮かべて、気のない声を上げる飼い主。まりさ はその飼い主の声に答える事はできなかった。れいむの使うフォーク がかちゃかちゃと皿と触れ合う音だけが響いていた。 それからも、れいむは、ゆっくりらしからぬ凄まじさを事あるごとに 披露した。 5桁×5桁の暗算、トランプを使った透視、鬼隠し編プレイ時点での ひぐらしの謎の解明、レベル1でドラクエクリア、東方ルナティック 初見ノースコクリア等である。 それを見るたびに飼い主はまりさに言った。 『まりさもれいむを見習いなさい』 『まりさもれいむみたいになりなさい』 『まりさと違ってれいむは凄いわね』 『まりさはどうしてれいむと違ってダメなのかしら』 『まりさはどうしようもないわね』 飼い主は結構見栄っ張りなところがあり、基本キチガイだった。他人 のゆっくりより劣るまりさを責めるようになったのだ。日に日に厳し く、執拗になっていく飼い主の叱責に、まりさの心は磨り減って行っ た。 まりさの名誉のために言うと、まりさは決してダメではない。むしろ 飼いゆっくりとしては非常に優秀といえる部類に入る。 まりさは不出来ではない。ただ、比較される対象が悪かったのだ。 飼い主はヒステリックに泣き叫びながらまりさに告げた。 「どうしでできないのよぉぉぉぉぉぉ?! れいむを見習いなさい! れいむは3階から投げ捨てられてもへっちゃらでしょぉぉぉぉぉ?! あんたも2階から投げ捨てられるくらい我慢しなさいよぉぉぉぉ!!」 「でぎるわげないでじょぉーーーーーーーーー?! おねがいだがら おぢづいでねぇーーーーーーーーーー?!」 まりさは長い鍛錬の末にようやく動かせるようになったお下げで必死 に窓枠にしがみ付く。己の命が掛かっているので正に命がけだ。 そんな中、地面でゆっくりしていたれいむが上空のまりさに向かって 声をかけた。 「おそらをとんでるみたいでゆっくりできたよ! まりさもゆっくり していってね!」 そのズレた声に、思わずお下げの力が緩み、 「ゆっぐりでぎないぃーーーーーーーーーーーーーーー!!!」 まりさは、空を舞いながらそう叫んだ。 おわり 作者:○ーメンぶっかけ祭の人 あとがき SSの展開に悩んでいる間に何がなにやらわからない事になっている ので騒動が治まるまでふたばにいくことにします。 戻ってくる事があったらその時はまたよろしくお願いします。 このSSに感想を付ける