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ゆっくりちるのは今日も行く。 どこって?どこだろ、野原かな? 違った、今日は森まで行くの。 根っこは飛び越えどんどん進む。 「あたいったらばおんそくねっ!」 ゆっくりちるのは満足げ。 歩くだけでも大満足。 「ゆゆゆゆ!?がむこうにいるよ!」 見つけた見つけたたくさん見つけた。 ゆっくりまりさの大家族。 森に住んでる大家族。 1、2、3、うん、いっぱい居るよ。 向うもちるのを見つけたよ。 ゆっくりまりさは何を言う? 「ゆっくりしていってね!」 ゆっくりまりさはそう言った。 ゆっくりだからそう言った。 それは習性?それとも文化? 細かいことはわからない。 「いわれなくてもゆっくりよ!」 言われてちるの無い胸張った。 ぺったん?違うよまるまる無いよ。 ゆっくりちるのは無い胸張った。 胸の変わりに顎見せ「えへん。」 そうしてちるのはこう言った。 「ちょっとあんたらあそびましょうよ!」 「いいよいっぱいゆっくりしようね!」 ちいさいまりさも続けていった。 「ゆっくりしようね!」 とってもゆっくり。 遊ぶのだってゆっくりだ。 頷くまりさの大家族。 「あたいったらゆうこうてきねっ!」 ちるのは知ってる友好的。 てきってつければいんてりじぇーん。 細かいことはわからない。 「ねえどこにいくの?」 「あたいがきめるわ!」 ゆっくりちるのが先頭きった。 まりさもそれについていく。 ちっさいまりさもついていく。 まりさがいっぱいついていく。 ゆっくりちるのの大行進。 みんなぴょこたら跳ねて行く。 ちょっと息切れちいさいまりさ。 ゆっくりちるのが振り向いた。 「たいりょくめんでもさいきょーね!」 ゆっくりちるの満足げ。 ちいさいまりさに大勝利。 やっぱりあたいはさいきょーね。 少し休んでまた行進。 いっぱいまりさがついてくる。 1、2、3、うん、いっぱいだ。 大きな数はわからない。 野原を横断ゆっくりちるの。 草の背どんどん高くなる。 ゆっくりまりさがふと口きいた。 「ちるのはどこまでいくきなの?」 細かいことはわからない。 ゆっくりまりさ不安顔。 後ろみなけりゃわかんない。 ゆっくりちるのはどんどん進む。 ゆっくりちるのは満足げ。 草の背どんどん高くなる。 折れ草先っちょ鼻に来た。 ゆっくりちるのが立ち止まる。 足は無いけど立ち止まる。 青草鼻を大行進。 ちるのはたまらずくしゃみした。 「へっくちっ!」 目の前氷がゴロン。 大きな氷がゴロンと出てきた。 ちるののくしゃみが凍らせた。 水も無いのに凍らせた。 細かいことは分からない。 まりさそれ見て驚いた。 まなこがまん丸驚いた。 熱かったからぺろぺろ舐めた。 氷を囲んでぺろぺろなめた。 「ぺ〜ろぺ〜ろひんやり〜♪」 「すいーつね!」 べろがひんやりきもちいい。 ぺろぺろ舐めたら氷が濡れた。 ぺろぺろぬるぬる滑りそう。 まりさためしに体当たり。 一ころ二ころで草原抜けて。 氷が地面を滑ってく。 石の地面を滑ってく。 「これってとってもゆっくりしてるよ!」 まりさ氷を追っかけた。 ちるのも後から追っかけた。 ちるのちょっぴり不満顔。 まりさ氷を追い越した。 まりさもいちど体当たり。 今度はちるのに向かってすべる。 「こんどはまりさにむかっておして!」 ちるの元気に体当たり。 ぽよんとはじける体当たり。 ゆっくりちるのは満足げ。 そうしてみんなで氷を押した。 ちるのがどすんと氷を押した。 氷が向うに滑ってく。 まりさたちから離れてく。 まりさぷくーで不平をもらす。 「のーこんさんとはゆっくりできないよ!」 ゆっくりちるの氷を追った。 まりさも後からついてくる。 ゆっくりちるのは満足げ。 氷はじゃぶんとお池に落ちた。 じゃぶんと水がはねてきた。 ちるのにばしゃんきもちいい。 まりさは氷を眺めてる。 まりさがぴきゅんと閃いた。 「これにのったらゆっくりできるよ!」 ちいさいまりさを凍りに乗せた。 お池の上をどんぶらこ。 氷に乗ってどんぶらこ。 「とってもゆっくりできるよ!」 「みんなでのってあそぼうね!」 ちいさいまりさはご満悦。 おおきいまりさも自慢顔。 ちるのは何故だか憮然としてる。 まりさがちるのにクエスチョン。 「どうしてちるのはそんなかお?」 「あながあるわよまりさのけーかく!」 「!?それはいったいどんなあな!?」 ゆっくりちるのは一拍置いた。 探偵みたいに一拍置いた。 ちるのはゆっくり指摘した。 「こおりはどこからもってくつもり!?」 まりさはちるのをベロ指した。 まりさに言われて氷を作る。 ちるのくしゃみで氷を作る。 ちょっと形にこだわった。 上はとんがり下平ら。 浮きやすくって乗りやすい。 「あたいったらあーちすと!」 ちるの意外と凝り性ね。 ゆっくりちるのは自慢顔。 みんなで氷に乗っかった。 ひんやりしててきもちいい。 みんなでぷかどんぷかぶらこっこ。 お池の上をぷかぷか進む。 お日様ギラギラ足ひやこんこん。 間に挟まれ気持ちいい。 ぷかぷかしてたらお昼寝タイム。 すやすやくーくーお昼寝タイム。 お目々冷めたらまりさが減った。 1、2、3の次がない。 まりさは慌てて見回した。 ゆっくりちるのは寝ぼけ顔。 「まりさのかわいいおちびちゃん!」 ゆっくりまりさはひたすら叫ぶ。 涙ぽろぽろわんわん叫ぶ。 「まってあわてることないわ!」 ゆっくりちるのが気付いて叫ぶ。 「どうして!?」 まりさが応えて叫ぶ。 「きえたのなんてきのせいよ!」 「だからどうして!?」 まりさがぷくー。 「だってきえかたわからない!」 消え方なんてわからない。 だって帰るのどうするの? 進むのなんて風まかせ。 氷の他に行く場所ない。 消えたのなんて気のせいさ。 ゆっくりちるのは自慢顔。 まりさがさらに慌てだす。 「どぼじでごん゛なごどなるのぉおぉおお!?」 まりさ三匹大慌て。 体を揺すって慌ててる。 慌てて岸を目指して揺する。 揺すったところで進まない。 だって氷は風まかせ。 ばしゃんちいさなまりさが消えた。 足を滑らせまりさがばしゃん。 氷の上からまりさがばしゃん。 「ばでぃざのがばい゛い゛おぢびぢゃん!」 「ごぼごぼだずげべお゛がばざぶっ!!」 ちいさいまりさ水面でぶくく。 あぶく残して沈んで溶けた。 ゆっくりまりさは1、2、2匹。 ゆっくりまりさが涙を流す。 叫びと一緒に涙を流す。 「どぼぢで?!がばいいおぢびぢゃん!! あ゛ん゛な゛に゛い゛い゛ごだっだどにぃ!!」 ゆっくりちるのは思わず叫ぶ。 「せまい!」 ほんとだ氷が溶ける。 ゆっくりまりさまた大慌て。 「ぢんぢゃう!」 「い゛や゛だ!お゛み゛ずは゛ごぶぁ゛い゛!」 まりさは二匹で泣き喚く。 「せまい!」 ちるのがまた叫ぶ。 「お゛ばえ゛のぜいだなんどがぢでね゛!」 ゆっくりまりさがちるのに叫ぶ。 足場が無くておしりが濡れる。 ひんやり背筋が凍りつく。 ゆっくりまりさは震えて泣いた。 「まかせて!」 ちるのがウィンク返す。 ゆっくりまりさが泣きやんだ。 お目々まん丸ちるのを見てる。 ゆっくりちるのは満足げ。 細かいことはわからない。 ちるのはまりさに笑顔を返す。 ゆっくりまりさはてな顔。 細かいことはわからない。 まりさが叫ぶ。 「ばやぐぢで!」 氷がドンドン解けて来た。 まりさの口から唾が跳ぶ。 ちるのの鼻に一滴とんだ。 ちるのはたまらずくしゃみした。 カチン氷がまた凍る。 足ごと氷が固まった。 まりさの氷が固まった。 「ありがとちるの!」 まりさが泣いた。 ちいさなまりさといっしょに泣いた。 ちるのの氷は溶け切った。 ぶくぶくちるのが沈んでく。 まりさが必死にべろ伸ばす。 ゆっくりちるのに届かない。 ゆっくりまりさが泣き叫ぶ。 ゆっくりちるのは満足げ。 細かいことはわからない。 お日様沈んで辺りが冷える。 氷は溶けないもう大丈夫。 ゆっくりまりさは岸まで待った。 風に任せて岸まで待った。 ゆっくりちるのは水の下。 まりさはしくしく涙を零す。 氷の上に涙を零す。 岸までついたまりさとおちび。 「ありがとちるの」と最後に言った。 ぴょこんと跳ねて陸の上。 ぐるりと回り水の下。 日常トラブル安全危険。 幸せ不幸天国地獄。 一寸先は闇だった。 おかしい足が動かない。 足が凍ってはがれない。 氷の上で跳ねたらぐるり。 バランス崩してひっくり返る。 氷は足からはがれない。 ぶくぶくまりさはあぶくを吐いた。 水の下からあがれない。 氷が張り付きあがれない。 岸まで来たのにあがれない。 ぶくぶくまりさ悲鳴をあげた。 (とけちゃう!) まりさ叫んで呑んだ。 水ががぼごぼ流れ込む。 おちびを見ると真っ黒氷。 おちびが水に溶けていた。 まりさはますます悲鳴をあげた。 (いやだ!) まりさが悲鳴をあげる。 水の中では届かない。 助けを求めてあたりを見回す。 向うの水底何か居た。 ゆっくりちるのがそこに居た。 平気な顔してゆっくりちるの。 お池の底で魚と遊ぶ。 かえる倒してご満悦。 ゆっくりちるのは満足げ。 まりさ最後の力で叫ぶ。 (たすけて!) ちるのはべろ振り笑う。 ゆっくりちるのは満足げ。 お水に落ちたまりさたち。 お水の下でどうなった? きっとさっきのお魚たちと ゆっくりお話ゆっくり遊ぶ。 細かいことはわからない。 陸にあがったゆっくりちるの。 今日の一日思い出す。 歩いた、まりさ、遊んだ、楽しい。 ゆっくりちるのは満足げ。 細かいことはわすれてる。 ゆっくりちるのは野原で眠る。 お日様出るまで眠ってる。 ゆっくりちるのは明日も行く。 細かいことはわからない。 きっと明日も満足げ。 ゆっくりちるのはいつまで行くの? 細かいことはわからない。 きっとちるのは満足げ。 死んでもきっと満足げ。
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/2545.html
ゆっくりちるのは今日も行く。 どこって?どこだろ、野原かな? 違った、今日は森まで行くの。 根っこは飛び越えどんどん進む。 「あたいったらばおんそくねっ!」 ゆっくりちるのは満足げ。 歩くだけでも大満足。 「ゆゆゆゆ!?がむこうにいるよ!」 見つけた見つけたたくさん見つけた。 ゆっくりまりさの大家族。 森に住んでる大家族。 1、2、3、うん、いっぱい居るよ。 向うもちるのを見つけたよ。 ゆっくりまりさは何を言う? 「ゆっくりしていってね!」 ゆっくりまりさはそう言った。 ゆっくりだからそう言った。 それは習性?それとも文化? 細かいことはわからない。 「いわれなくてもゆっくりよ!」 言われてちるの無い胸張った。 ぺったん?違うよまるまる無いよ。 ゆっくりちるのは無い胸張った。 胸の変わりに顎見せ「えへん。」 そうしてちるのはこう言った。 「ちょっとあんたらあそびましょうよ!」 「いいよいっぱいゆっくりしようね!」 ちいさいまりさも続けていった。 「ゆっくりしようね!」 とってもゆっくり。 遊ぶのだってゆっくりだ。 頷くまりさの大家族。 「あたいったらゆうこうてきねっ!」 ちるのは知ってる友好的。 てきってつければいんてりじぇーん。 細かいことはわからない。 「ねえどこにいくの?」 「あたいがきめるわ!」 ゆっくりちるのが先頭きった。 まりさもそれについていく。 ちっさいまりさもついていく。 まりさがいっぱいついていく。 ゆっくりちるのの大行進。 みんなぴょこたら跳ねて行く。 ちょっと息切れちいさいまりさ。 ゆっくりちるのが振り向いた。 「たいりょくめんでもさいきょーね!」 ゆっくりちるの満足げ。 ちいさいまりさに大勝利。 やっぱりあたいはさいきょーね。 少し休んでまた行進。 いっぱいまりさがついてくる。 1、2、3、うん、いっぱいだ。 大きな数はわからない。 野原を横断ゆっくりちるの。 草の背どんどん高くなる。 ゆっくりまりさがふと口きいた。 「ちるのはどこまでいくきなの?」 細かいことはわからない。 ゆっくりまりさ不安顔。 後ろみなけりゃわかんない。 ゆっくりちるのはどんどん進む。 ゆっくりちるのは満足げ。 草の背どんどん高くなる。 折れ草先っちょ鼻に来た。 ゆっくりちるのが立ち止まる。 足は無いけど立ち止まる。 青草鼻を大行進。 ちるのはたまらずくしゃみした。 「へっくちっ!」 目の前氷がゴロン。 大きな氷がゴロンと出てきた。 ちるののくしゃみが凍らせた。 水も無いのに凍らせた。 細かいことは分からない。 まりさそれ見て驚いた。 まなこがまん丸驚いた。 熱かったからぺろぺろ舐めた。 氷を囲んでぺろぺろなめた。 「ぺ〜ろぺ〜ろひんやり〜♪」 「すいーつね!」 べろがひんやりきもちいい。 ぺろぺろ舐めたら氷が濡れた。 ぺろぺろぬるぬる滑りそう。 まりさためしに体当たり。 一ころ二ころで草原抜けて。 氷が地面を滑ってく。 石の地面を滑ってく。 「これってとってもゆっくりしてるよ!」 まりさ氷を追っかけた。 ちるのも後から追っかけた。 ちるのちょっぴり不満顔。 まりさ氷を追い越した。 まりさもいちど体当たり。 今度はちるのに向かってすべる。 「こんどはまりさにむかっておして!」 ちるの元気に体当たり。 ぽよんとはじける体当たり。 ゆっくりちるのは満足げ。 そうしてみんなで氷を押した。 ちるのがどすんと氷を押した。 氷が向うに滑ってく。 まりさたちから離れてく。 まりさぷくーで不平をもらす。 「のーこんさんとはゆっくりできないよ!」 ゆっくりちるの氷を追った。 まりさも後からついてくる。 ゆっくりちるのは満足げ。 氷はじゃぶんとお池に落ちた。 じゃぶんと水がはねてきた。 ちるのにばしゃんきもちいい。 まりさは氷を眺めてる。 まりさがぴきゅんと閃いた。 「これにのったらゆっくりできるよ!」 ちいさいまりさを凍りに乗せた。 お池の上をどんぶらこ。 氷に乗ってどんぶらこ。 「とってもゆっくりできるよ!」 「みんなでのってあそぼうね!」 ちいさいまりさはご満悦。 おおきいまりさも自慢顔。 ちるのは何故だか憮然としてる。 まりさがちるのにクエスチョン。 「どうしてちるのはそんなかお?」 「あながあるわよまりさのけーかく!」 「!?それはいったいどんなあな!?」 ゆっくりちるのは一拍置いた。 探偵みたいに一拍置いた。 ちるのはゆっくり指摘した。 「こおりはどこからもってくつもり!?」 まりさはちるのをベロ指した。 まりさに言われて氷を作る。 ちるのくしゃみで氷を作る。 ちょっと形にこだわった。 上はとんがり下平ら。 浮きやすくって乗りやすい。 「あたいったらあーちすと!」 ちるの意外と凝り性ね。 ゆっくりちるのは自慢顔。 みんなで氷に乗っかった。 ひんやりしててきもちいい。 みんなでぷかどんぷかぶらこっこ。 お池の上をぷかぷか進む。 お日様ギラギラ足ひやこんこん。 間に挟まれ気持ちいい。 ぷかぷかしてたらお昼寝タイム。 すやすやくーくーお昼寝タイム。 お目々冷めたらまりさが減った。 1、2、3の次がない。 まりさは慌てて見回した。 ゆっくりちるのは寝ぼけ顔。 「まりさのかわいいおちびちゃん!」 ゆっくりまりさはひたすら叫ぶ。 涙ぽろぽろわんわん叫ぶ。 「まってあわてることないわ!」 ゆっくりちるのが気付いて叫ぶ。 「どうして!?」 まりさが応えて叫ぶ。 「きえたのなんてきのせいよ!」 「だからどうして!?」 まりさがぷくー。 「だってきえかたわからない!」 消え方なんてわからない。 だって帰るのどうするの? 進むのなんて風まかせ。 氷の他に行く場所ない。 消えたのなんて気のせいさ。 ゆっくりちるのは自慢顔。 まりさがさらに慌てだす。 「どぼじでごん゛なごどなるのぉおぉおお!?」 まりさ三匹大慌て。 体を揺すって慌ててる。 慌てて岸を目指して揺する。 揺すったところで進まない。 だって氷は風まかせ。 ばしゃんちいさなまりさが消えた。 足を滑らせまりさがばしゃん。 氷の上からまりさがばしゃん。 「ばでぃざのがばい゛い゛おぢびぢゃん!」 「ごぼごぼだずげべお゛がばざぶっ!!」 ちいさいまりさ水面でぶくく。 あぶく残して沈んで溶けた。 ゆっくりまりさは1、2、2匹。 ゆっくりまりさが涙を流す。 叫びと一緒に涙を流す。 「どぼぢで?!がばいいおぢびぢゃん!! あ゛ん゛な゛に゛い゛い゛ごだっだどにぃ!!」 ゆっくりちるのは思わず叫ぶ。 「せまい!」 ほんとだ氷が溶ける。 ゆっくりまりさまた大慌て。 「ぢんぢゃう!」 「い゛や゛だ!お゛み゛ずは゛ごぶぁ゛い゛!」 まりさは二匹で泣き喚く。 「せまい!」 ちるのがまた叫ぶ。 「お゛ばえ゛のぜいだなんどがぢでね゛!」 ゆっくりまりさがちるのに叫ぶ。 足場が無くておしりが濡れる。 ひんやり背筋が凍りつく。 ゆっくりまりさは震えて泣いた。 「まかせて!」 ちるのがウィンク返す。 ゆっくりまりさが泣きやんだ。 お目々まん丸ちるのを見てる。 ゆっくりちるのは満足げ。 細かいことはわからない。 ちるのはまりさに笑顔を返す。 ゆっくりまりさはてな顔。 細かいことはわからない。 まりさが叫ぶ。 「ばやぐぢで!」 氷がドンドン解けて来た。 まりさの口から唾が跳ぶ。 ちるのの鼻に一滴とんだ。 ちるのはたまらずくしゃみした。 カチン氷がまた凍る。 足ごと氷が固まった。 まりさの氷が固まった。 「ありがとちるの!」 まりさが泣いた。 ちいさなまりさといっしょに泣いた。 ちるのの氷は溶け切った。 ぶくぶくちるのが沈んでく。 まりさが必死にべろ伸ばす。 ゆっくりちるのに届かない。 ゆっくりまりさが泣き叫ぶ。 ゆっくりちるのは満足げ。 細かいことはわからない。 お日様沈んで辺りが冷える。 氷は溶けないもう大丈夫。 ゆっくりまりさは岸まで待った。 風に任せて岸まで待った。 ゆっくりちるのは水の下。 まりさはしくしく涙を零す。 氷の上に涙を零す。 岸までついたまりさとおちび。 「ありがとちるの」と最後に言った。 ぴょこんと跳ねて陸の上。 ぐるりと回り水の下。 日常トラブル安全危険。 幸せ不幸天国地獄。 一寸先は闇だった。 おかしい足が動かない。 足が凍ってはがれない。 氷の上で跳ねたらぐるり。 バランス崩してひっくり返る。 氷は足からはがれない。 ぶくぶくまりさはあぶくを吐いた。 水の下からあがれない。 氷が張り付きあがれない。 岸まで来たのにあがれない。 ぶくぶくまりさ悲鳴をあげた。 (とけちゃう!) まりさ叫んで呑んだ。 水ががぼごぼ流れ込む。 おちびを見ると真っ黒氷。 おちびが水に溶けていた。 まりさはますます悲鳴をあげた。 (いやだ!) まりさが悲鳴をあげる。 水の中では届かない。 助けを求めてあたりを見回す。 向うの水底何か居た。 ゆっくりちるのがそこに居た。 平気な顔してゆっくりちるの。 お池の底で魚と遊ぶ。 かえる倒してご満悦。 ゆっくりちるのは満足げ。 まりさ最後の力で叫ぶ。 (たすけて!) ちるのはべろ振り笑う。 ゆっくりちるのは満足げ。 お水に落ちたまりさたち。 お水の下でどうなった? きっとさっきのお魚たちと ゆっくりお話ゆっくり遊ぶ。 細かいことはわからない。 陸にあがったゆっくりちるの。 今日の一日思い出す。 歩いた、まりさ、遊んだ、楽しい。 ゆっくりちるのは満足げ。 細かいことはわすれてる。 ゆっくりちるのは野原で眠る。 お日様出るまで眠ってる。 ゆっくりちるのは明日も行く。 細かいことはわからない。 きっと明日も満足げ。 ゆっくりちるのはいつまで行くの? 細かいことはわからない。 きっとちるのは満足げ。 死んでもきっと満足げ。
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ゆっくりちるの飼育日誌 おとこもすなるにきというものを、という書き出しなのは確か土佐日記だろうか、と乏しい古文知識から引用をしてみたが、似合わないので止める事とした。 日記というのは柄ではないが、飼育日誌を読み返した時に去来する感情を期待してみたためだ。体調管理という意味合いもある。 たしか、小学生の時分に宿題に出された朝顔の観察日記は三日で飽きて、それ以降は無趣味だった母親がそれを楽しむようになり、 幾分達者な絵をつけていて、教師にはそれでバレた。母にガーデニングという趣味が出来たというのは、いいことだったが。 その当時は文字通りの三日坊主だが、忍耐心についてはいくらか成長したつもりなので、この日記をつけてみることとしよう。 最低でも一週間坊主ぐらいにはなれるはずだ。なってほしいが。 飼育種族はゆっくりちるの、品種は中型種、有性生殖を行う品種でもある、体調は良好で、いささか元気すぎるくらい。 くりっとした青い目と同じ色のリボン、幾分不遜な顔つきをしていて、緊張気味に見える。 大きさは赤ん坊を脱して、テニスボールほど、といったところだろう。 名前をつけてやろうかと思ったが、ネーミングセンスという物が絶無な当方としては、種族名のちるのと呼ぶ事とする。 まさか名前で虐待と言われたくはない。 10月3日 ちるのは、ペットショップで売れ残っていた子である。 順調に他のれいむやらまりさやらは売れていたが、ぽつねん、と一人、あるいは一匹、または一頭とでも呼ぶべきか。 ともかくもそう呼ぶに足る状況で取り残されていた。 もとよりゆっくりを飼ってみたいと思っていたが、動物を飼うという事はその子の一生に責任を持たねばならない、という事でもある。 だから迷っていたが、ついに決心がついた。というわけで、ちらちらとこちらを見ているちるのを買うこととした。 その店はゆっくり専門というわけではないのだが、管理は行き届いているように見えたし、実際評判は悪くないようだったので、そこで購入した。 試しに、店員の女性になんでこの子だけずっと居るのか、を聞いてみたら、わかり易すぎる理由が返って来た。 「まあ、これから冬になりますから……」 納得である。 確かにちるのは冬になると元気になるらしいが、ほほを触ってみたらすこし冷たいし、気温がこころもち低くなったように感じる。 それほど寒くはならないらしいのだが、さすがに冬場にちるのを飼う気にはなるまい。ここに飼う気になったやつはいるが。 なぜか会計を担当したのは、サッカーボールぐらいの大きさに育ったゆっくりりんのすけで、女性店員ではなかった。 これはなんだ、という視線を向けると、苦笑しながら店員は、家で飼ってる子なのですが、たまたま連れてきてみたらレジに陣取って動かない。 ならば、というわけで会計を担当させてみたところ、思いのほかうまくいっている。 ということで、りんのすけがレジ担当になったという。 どうやってレジのキーを打っているかは、丸っきりの謎だというのだから、笑うところだろうか。 「ゆっくりお金をおいていってね!!!」 店じゅうに響く大きな声でりんのすけは言う。 それに答えて、はいはい、と言いながらちるのの代金を置いていき、店を出る。 空気穴の開いた箱の中でがたがたと動き回りながら、ゆっくりしていってね!!!などとちるのは言っている。不安なのだろうか。 付記:どうも、女性店員に聞いた話によれば、りんのすけはお金を勘定する事は好きなようで、しかも得意なのだが、それの価値についてはとんと無頓着らしい。 まあ、レジ係としては適任ではあるのだろうが。 車に新しい同居人を乗せて、家路につく。 やんちゃな筈のちるのも、外の風景を見せているとおとなしいもので、何のトラブルも無かった。 家に着き、箱を開けてやると、ちるのはあっちこっちをぴょんぴょんと飛び跳ねながらはしゃいでいた。 危ないものは特に置いていない筈なので、大丈夫だとは思うのだが、と考えた次の瞬間にはこけて顔を地面に打ち付けていた。 「あたい、サイキョー!」 そういいながら、むくり、と起き上がる。なんというか、元気がよくてそれはそれで素晴らしいのだが、大丈夫なのかな、と思わないでも無い。 その後も、ペットOKながら多少狭いワンルームを元気よく跳ねながら移動し、アルミラックの上に上ってふんぞりかえったり、 コンポの上で踊っていたらカセットテープの開閉ボタンを押してしまい、ころころと転がりながら裏側に落ち、 そこから埃まみれになって出てきたり、見ていて飽きない。 さすがに埃はまずいので、濡れタオルを出して、床に敷いてやると、ちるのはきゃっきゃっと笑いながらそこで転がり、埃を落とす。 そして、それをニコニコしながら見ていると、ちるのはタオルから飛び上がり、出しっぱなしのこたつに置いてある座布団の上にとびのり、 初日だというのに不安さを微塵も感じさせない、自慢げな表情であの台詞を言った。 「ゆっくりしていってね!!!」 なるほど、とりあえずゆっくり出来るところを見つけられたらしい。 「ゆっくりしていくよ」 そう私は答えた、と記憶している。 まあ、そこそこいいスタートじゃあないだろうか、と自画自賛はしてはみる。 今日のちるののご飯は、ホットミルクとペットショップで購入したペレット食だったのだが、 ホットミルクはいつの間にかミルクシャーベット、のようなものに変わっていた。 ちるののくしゃみが原因らしい。なるほど、赤ちゃんのゆっくりが凍ることがあるから気をつけるように、と書かれているわけだ。 「のめないよ!!!」 仕方が無いので、スプーンで掬って口に運んでやる事にした。 「むーしゃ♪むーしゃ♪……しあわせー!!!」 ……結果オーライだったのかもしれない。しかし、ここまで簡単に人に慣れるものなのだろうか?犬だってここまで簡単に慣れはしなかったはずだが。 10月4日 朝になると、ベッドの上で飛び跳ねるちるのの声で目を覚ました。 「ゆっくりごはんをつくってね!!!」 自慢げなちるのの顔と時計とを見てみれば、七時をとっくに回っていた。すわ遅刻かと慌てたが、今日は非番だった。 「ちるの」 「ゆ? なぁに?」 小首を、という表現もおかしいが傾げながら、ちるのは聞いてくる。 「どいてくれないとご飯が作れないぞ」 「ゆっくりどくね!」 ぱああ、と急に表情が明るくなり、調子外れなゆという音しかない歌をちるのは歌いながら、ベッドから飛び降りる。 達者なもので、少し高さのある梯子をひょいひょいと飛び降りていくのだが、最後の一段で顔から落ちた。 だが、昨日と同じように、むくりと起き上がり。 「あたいサイキョー!」 と言っている。怪我をしなかったのか、と上から声をかけてみるが、サイキョーだから怪我なんてしないよ!だそうな。 とは言っても、顔の真ん中の辺りが真っ赤になっていたので軟膏でも塗ってやるべきかな、と思ったが、 のそのそと起き出して、ちるのの朝食と、自分の朝食を用意している間に消えていた。回復力も結構高いようだ。 ゆっくりの食事は人間と同じものでも大丈夫だ、と言われているが、それでも昨日と同じペレット食と、 ゆっくりれいむとまりさが描かれたマグに入っている、暖めた牛乳だけだ。 多分、あのペットショップでは恒常的にこういったものを食べていただろうから、急に変えるのはいけない、 と本に書いてあった通りにしてみた。なにせ、まだ二日目だ。 ベーコンエッグと、トーストをむしゃむしゃとやっていると、ちるのはこちらのベーコンをちらちらと見ている。 こういうときに、簡単にあげるとわがままな上に、癇に障る言動を繰り返すようになる、というのであえて見なかったことにする。 「ゆっ……ゆゆゆ」 再びこちらを見始める、ビニル皿に平たく盛られたペレットの減り具合は悪化する一方で、口の端から涎まで垂れてくる始末だ。 「ちるの、食べないのか?」 「ゆっくりたべてるだけだよ! と、とらないでね!」 ちるのは再びもぐもぐとやり始めたが、こちらへの視線はいや増すばかり。 明日辺りは小さなベーコンエッグでも作ってみよう。そう考えながら、ベーコンに箸をつけた。 燻製の香りと、カリカリとした食感、塩気の強い旨みがたまらないが、これをこのまま出したらちるのの口の中を切るかもしれない。 意外と飼って見ないとわからない事が多いものだ。 非番ながら、特に用事も何も無いものだから、ちるのと一緒に何故か子供向けのテレビを見ていた。 ちるのは、上機嫌に調子はずれの歌を歌いながら、踊っている。 「ゆっ♪ ゆゆっ♪ ゆー!」 何というか、子供向けの番組を喜ぶあたりは、それらしいかな、とは思う。 その間に、パソコンを立ち上げて、ニュースサイトを巡るが、そばに居なくなった事に気付いたちるのがやってきた。 「どおじであぞんでぐれないのー!!!」 涙を堪えながら、ゆっく、ゆっくと言っている。 手の上に乗せてごめんね、というと泣き止んでくれたが、自信たっぷりなように見えて、かなり不安だったらしい。配慮不足だった。 「じゃあ、お歌の練習をしようか」 「やるー!」 涙を拭ってやると、二人で歌の練習をした。 相変わらずちるのの歌は調子はずれだったが、不安は吹き飛んだらしい。終始笑顔で、にこにこ笑っていた。 お昼はペレットとオレンジジュース、夜はペレットとホットミルク、肉じゃがにを少し分けて分けて食べさせてみた。 なんというか、ペレットとは食べる勢いが全然違う。あんまり美味しくないんだろうか。 そう考えてペレットを食べてみたが、全然美味しくない。これは酷い味だ。 10月5日 やられた。朝をちるのと一緒に食べて、お昼ご飯を置いて出社したのだが、帰ってきてみれば家がすさまじい事になっていた。 ティッシュはぶちまけられてるわ、スピーカーは倒れているわ、アルミラックに載っていた炊飯器は落ちているわで、泥棒に入られたのかと思ったが、 ちるのが部屋のど真ん中であたいサイキョーと言っていたことから、下手人はあっさり発覚。 悪いことをしたので、勿論しかったが、泣き出すわ喚くわでこっちの神経の方が磨り減りそうになる。 確かに昨日の今日で置いていくのはまずかったが。 「あ゛だい゛わ゛る゛ぐな゛い゛も゛ん゛!!!」 その泣き声に諦めて、ご飯をちるのの分も作るが、ちるのはただ泣いていただけで、ちっとも謝っていないことを思い出した。 食べようとしていたちるのを止める。 「先にいう事があるだろう」 そういうと、また泣き出そうとするので、泣いたって駄目だ、と強く言う。 「なんであんなことをしたの?」 あんなこと、とは言うまでも無いが悪戯の結果生み出された惨状のことである。 「ゆ……ゆうう……だって、だってぇぇぇぇぇ!!!」 寂しかったから、らしい。 飼われているゆっくりは、時折構ってほしくて悪戯をする、とは聞くが、さすがにここまで凄いとは思わなかった。 「そうか……ごめんなさいは?」 「ゆ……おにいざん、ごべんなざい」 よし、上出来だ、と言って涙を拭ってやり、一緒にご飯を食べた。 次第に機嫌を直してくれたしまあよしとする。次が無いことを祈りたい。 ちなみに、ご飯を食べた時には、怒ることを優先してしまい、散らかしっぱなしだった。 悪戯をした後片付けを一緒にやることで、自分がどれだけ迷惑な事をしたか、を自覚できたらしい。瓢箪から出た駒というやつだろうか。 あとがき? とりあえず、久々に投稿してみます。ゆっくりと動物の人です。 今回は、飼育日誌をつける……という形式で書いて見ました。 まだ小さめ(だけど滑舌はある程度はっきりしてる。赤ゆっくりじゃなくて子ゆっくり、というとこでしょうか)という設定なので、 外に出る描写が無いのは仕様です。 車があることから、基本的には幻想郷の外側、って感じになってます。野生の子も居れば、飼われる子も居る、って感じでしょうか。 昔から犬や猫のように、ゆっくりという隣人が居るって感じの世界観……というほど大袈裟なものでも無いですが。 版権作でわかりやすい例だと、河童の飼い方みたいな感じですかね、この場合では。 ……いや、本音を言うと、ゆっくりを頭の上に乗せてみたいなぁ、という欲望が筆を滑らs(以下略) このゆっくりちるのの可愛さは 下手すると鼻血レベルものだなwww -- 名無しさん (2010-07-26 22 48 39) ちるのかわいい 虐待なくてよかった -- 名無しさん (2010-11-03 17 28 59) ちるの可愛いーーーー! ほしいーーーー! -- 名無しさん (2010-11-25 17 25 32) おうどんたべたい! -- 名無しさん (2011-03-17 19 28 26) こんなに可愛いと冬でも欲しいな -- 名無し (2011-03-18 22 40 03) うん、サイキョーだな!鼻血とまんねー -- 名無しさん (2012-07-25 15 40 03) 名前 コメント
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* いつもハードな虐待ばかり書いてるんで、たまにはほのぼの系。 * 夏も終わって、ちるのも構われなくなったので、いい頃合いかなーって。 『ゆっくりちるのの生態』 D.O ゆっくりちるの。 中身がアイスクリーム(ソフトクリーム)である、いわゆる希少種である。 中身も中身なため、冷気を操ること、にとりと同じく水に耐性を持つこと、 ゆっくりでは珍しい空を飛ぶ能力を持つことなどは知られている。 しかし、ちるの達がどのように生まれ、何を食べ、どのようなおうちに住んでいるのか、意外と知られていない。 たとえば、多くの通常種が3か月周期で誕生~成体となるのに対し、 ちるのは1年かけてじっくりと成体に育つことなども、知られていないことの一例であろう。 そこで今日は、ゆっくりちるのの生活を一年を通して追っていくことで、学んでいきたいと思う。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 冬の中頃から春にかけて、水質の良い川や湖を訪れると、 水面からすくっと伸びた水草の、茎の水面付近に白い物がくっついているのが見える。 ショートケーキのデコレーションと言っても違和感のないこれ、 この白い塊一つ一つが、ゆっくりちるのが産声を上げるまでのゆりかごなのである。 この高栄養のゆりかご内には、ちるのの卵が一つづつ産み付けられている。 未だすーやすーやと寝息を立てながら産まれる時を待つちるの。 彼女たちはどのようなゆっくりした未来を夢見ているのであろうか。 今は春、多くの通常種達が汚らしくすっきりーしてゴミのような子饅頭を量産するころ、 この白いクリームがもぞもぞとうごめき、青い宝石のような赤ちるのが顔を出す。 「あたいっ!!!」 元気よくクリームから飛び出す赤ちるの、その大きさは一般的なビー玉サイズであり、 一般的に言われる赤ゆっくりよりもさらに一回り小さい。 しかし、ちるの達はこの小さなサイズの中に、実に多くの驚くべき力を秘めているのだ。 と、いうよりも、ある程度の能力が備わって誕生しないと、産声を上げる前に永遠にゆっくりする。 空を飛ぶことができないと水没するし、弱すぎると卵の殻を割ることもできず餓死する。 そもそもクリームが水に流されてしまうと誕生することもできない。 産み落とされたちるののうち、7割が産まれることすらできずにその生涯を終える。 幸運こそが、ゆっくりに求められる最大の能力なのだ。 「あたいっ!あたいっ!」「あたいっ!!」「あたたいっ!」 とはいえ、いったん産まれてしまえば強いのがちるのである。 なんといっても空を飛びまわれることは大きい。 それに、クモの巣程度に引っ掛かるほどには弱くもなく、 しかも産まれたてのこの時期は、ちるのはクリームというよりは氷そのものであることから、 鳥にも狙われることがない。 「とりさぁぁぁぁああん!おちびちゃんつれていかないでぇぇぇぇ!!」 「ゆーん、おしょらとんでるみちゃいー。ゆっ!ゆぴぃぃぃぃいいい!!れいみゅをたべにゃいでぇぇぇぇ!!」 などということが行われている間に、赤ちるのは水面すれすれを飛びながら、 ちょん、ちょん、と水に口をつける。 赤ちるの~子ちるのは、サイズの問題もあるが、もっぱら水を主食としている。 研究者によっては、プランクトンや水草を食べているのだ、という者もいるが、 どちらにしても食事風景はこの様な実に優雅なものである。 生ゴミや土まみれの虫をあさましくむさぼり食う駄饅頭とは別世界の存在と言っていいだろう。 「あたいっ!!!」 こうして、ちるの達の春はゆっくりと過ぎていくのである。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 夏、ちるのはテニスボールサイズまで育ち、 水草の陰ですーやすーやするには大きくなりすぎてしまった。 そろそろちゃんとした『おうち』が必要な時期である。 そんな夏の日、ゴミれいむとクズまりさのつがいが、5匹の赤饅頭と一緒に一匹の子ちるのを囲んでいた。 この時期に湖や川でよく見かける光景である。 「ゆーん、ちるのはおばかだけど、すずしくてきもちいいよ!」 「あたいったらゆっくりね!」 「ゆーん、ゆっくちー。」 「・・・そーだぜ!ばかちるのをおうちにつれていったら、いっつもすずしいのぜ!さぁ、くるのぜ!」 「あたい!あたいー!」 ちるの、めーりんのような片言しか話せない種は、 通常種にとってはゆっくりできていない、低能なゆっくりということらしい。 そんな通常種からすれば、この子ちるのは夏の間自分たちが快適に過ごすための奴隷のようなものなのである。 ちるの自身もさほど抵抗する気配がないのをいいことに、 このゴミ一家はちるのの羽をお口でつまみあげて、強引におうちに連れ帰っていった。 だが、実のところ片言しかしゃべれないゆっくり種といえば、 めーりん、ちるの、るーみあ、れみりゃ、ゆゆこ・・・・・・ 全てが通常種を大きく上回る能力を持ち、しかもめーりん以外は全て捕食種なのである。 ここは、岩の割れ目を利用したゴミ一家のおうち。 「あたいー・・・・・・。」 「ゆふーん。ゆっくりすーやすーやできるね。」 「ゆっくちおやしゅみなしゃい!・・・しゅーや、しゅーや、ゆっくちー。」 「すーや、すーや、しあわせー。」 ちるのをおうちの奥につっこんで、すっかり油断してすーやすーやと寝息を立て始める一家。 ちるのも暴行を受けたわけでもないので、ゆっくりと寝息を立て始めた。 ちるのの寝息は、目を覚ましていた時より少しだけ冷たくなる。 そして、その温度は徐々に低下していき、遂には冷凍庫から漏れ出す冷気以上に低い温度となっていった。 「ゆっくち・・・ゆっく・・・・・・。」 少しずつ、少しずつ、しかし確実に温度を低下させていくおうちの中、 赤ゆっくり達は、目を覚ますことなく、餡子の芯まで熱を奪われて永遠にゆっくりしていく。 それは、成体であるれいむとまりさすら例外ではなく、 夜明け前、遂にこの一家は二度と目を覚ますことなく冷凍饅頭と化したのであった。 「すーや、すーや。ゆーん!あたいったらゆっくりね!!!」 ちるのが目を覚まして朝の挨拶を済ますと、そこには冷凍饅頭。 自分をおうちに招いてくれたゆっくり一家が、なぜか変わり果てた姿で永遠にゆっくりしていた。 どれだけ揺すったり挨拶してみても、返事がない。ただのしかばねのようだ。 「あたいー・・・。あたい!あたい!」 これは丁度いいと、ちるのは今日こそ自分のおうちを作ることにした。 ちるののおうちは、鳥のように空を飛べること、水には強いことなどから、 通常種のような土に掘った穴、木の洞、洞窟ではなく、特殊な形態をしている。 大事なのは、まず材料集め。 基礎になるのは目の前で永遠にゆっくりしている一家のお飾りだ。 まりさのお帽子をお口にくわえ、親れいむ・赤れいむの大小のリボンをお帽子の中に詰める。 続いて、一家の髪の毛をブチブチと引き抜いて、こちらもお帽子の中にぎゅうぎゅうと詰め込んでいく。 そして、ちるのは水辺に大きく枝を張る木の枝に『材料』を運び、自分のおうちを作り始めるのであった。 成体まりさのお帽子を枝の分かれ目中央に置き、その周囲に小枝や草の茎を敷き詰め、れいむのリボンで補強する。 最後にお帽子の中央にゆっくりの髪の毛を敷き詰めて、葉っぱや羽毛なども場合によっては詰め込み、 『おうち』の完成となる。その姿は、まさしく鳥の巣そのものだ。 まあ、こんな高い所に巣を作るせいで、ちるの種の死因No.1は、睡眠中におうちからの転落死であったりするのだが。 「あたいったらゆっくりね!!!」 こうして、晴れてマイホームを持ったちるのは『おとな』の仲間入りを果たすのであった。 ちなみにはげ饅頭となった冷凍ゆっくり達は、このあとちるののおうちに運び込まれ、 ちるの自身の冷気でしっかり冷蔵され、夏の間の食料として無駄なく消費されるのである。 通常種がちるのを、れみりゃの様に恐れない理由は、このようにして、目の前で捕食する姿を見せることがないためである。 そしてまた、標的となったゆっくりが逃げ切ることが絶対にないためでもある。 そう、ちるの種は、ある意味ではふらん種以上の狩人なのだ。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− そして季節は秋を迎える。 ちるのは夏の間、ほとんどをおうちの中(上)で、冷凍したゆっくりをむーしゃむーしゃと食べながら過ごしていた。 その過程で、ちるのも大きく育ち、その大きさは、ハンドボールより少し小さい程度にまでなっている。 通常種の成体がバスケットボールサイズであることを考えると、少々小さいようだが、 自然界では、ちるの種の成体のサイズは大体この程度であり、 ソフトクリーム屋で見かけるバスケットボールサイズのちるのは品種改良の結果である。 この時期になると、通常種は冬ごもりのために、大量の食料を蓄えるべく奔走する。 今目の前にいるれいむも、10匹の赤れいむを連れて、ごはん集めに必死の様子だ。 「ゆんせっ!ゆんせっ!はやくごはんをあつめないと、ふゆさんがきちゃうよ!」 「ゆっゆーん!きのこしゃんおいししょー!むーちゃむーちゃ!」 「おちびちゃん、どぼじでごはんさんたべちゃうのぉぉぉおお!?」 「れいみゅはおなかしゅいてりゅんだよ!ゆっくちむーしゃむーしゃさせてくれにゃいおきゃーしゃんは、ゆっくちちにぇ!」 「ゆぁぁぁん。どぼじでぞんなごどいうのぉぉぉ・・・」 まあ、この時期におちびちゃんがいる時点で死亡フラグである。 だが、それを自力で回避できるようなら、そいつは群れの長くらいにはなれるだろう。 「あたいっ!あたいっ!」 ちるのは遊んでほしそうにれいむ一家を見ている。 「ばかなちるのはどっかいっててね!ゆっくりできなくするよ!」 「ゆーん、れいみゅもちるのみたいにあしょびたいよー。」 「なにいってるの?ちるのみたいにあそんでたら、ふゆさんのあいだにごはんがなくなって、ゆっくりしんじゃうよ!」 「ゆあーん、むーちゃむーちゃできにゃいとゆっくちできにゃいよー。」 「ふゆしゃんはゆっくちできにゃいから、ゆっくちどっかいっちぇにぇ!ぷっきゅー!」 ちなみにちるのは、主食=水orゆっくり、な上、寒さにも極めて強いので、冬ごもりの準備なぞ必要としていない。 馬鹿は赤れいむをぞろぞろ連れて冬ごもりの準備をしている母れいむのほうである。 加えて言うとちるのは、れいむ一家『と』遊びたいのではなく、赤れいむ『で』遊びたいだけなのであった。 「じゃあおちびちゃん、ゆっくりおうちにかえるよ。」 「ゆっくちりきゃいしちゃよ!」 母れいむを先頭に、一列に並んだれいむ一家は、おうちまでの道のりをぽよんぽよんと跳ねていく。 ちるのは、その列の最後尾に、音一つ立てずにゆっくりとついていく。 そして、最後尾の赤れいむから順に、一匹ずつ『ふぅっ』と冷気を吹きかけて、 「ゆ゛・・・ゆ゛っぐぢ・・・ゆ゛。」 一瞬で表皮と表面の餡子だけを凍りつかせ、身動き一つ、声一つ出せないようにして捕獲していった。 「ゆっくりおうちについたよ!おちびちゃんたち、ゆっくりしてね!」 そして、おうちの入口までたどり着き、母れいむが振り向いたとき、 10匹いたはずの赤れいむの姿は、4匹にまで減少していた。 「ゆぅ?なんだかおちびちゃんがすくないきがするよ?いち、に、さん、たくさん・・・きのせいだね。」 「ゆーん、はやくおうちにはいりょーよ。ゆっくちつかれちゃよ。」 「ごめんね、おちびちゃん。いま、えださんをどかすからね。」 「ゆっくちー。」 一方ちるのに捕らえられた6匹の赤れいむは・・・ 「あたいっ!あたいっ!」 「ちる・・・ゆっく・・させちぇ・・・」 ちるのに咥えられている間中、その口から発せられる冷気で冷やされ、表面を氷漬けにされていた。 そして今いるのは、湖のはるか上空。 はるか下に見える水面を、凍ったおめめで眺める赤れいむは、ほとんど顔を動かせないなかでも、怯えた表情を浮かべていた。 「ゆっく・・・ちる・・おかあしゃ・・・」 ぽろり。ぽちゃん。 「おきゃあぢゃ・・・ごぼぉ・・・ゆぴぃ!おみじゅ・・・ゆっく・・・ごぼ。」 「あたいったらゆっくりね!」 「ごぼごぼごぼ・・・・・・」 赤ゆっくりを氷漬けにして、水の中に放り込んで解凍する。 秋にちるの種が好んで行う遊びであった。 実に非生産的な遊びに見えるが、先ほどの母れいむにしても、 10匹の赤ゆを抱えての冬ごもりは無理でも、4匹ならなんとかなるかもしれない。 うっかり母性の強い母ゆっくりが、自分を食べさせて赤ゆを生き延びさせながら、 結局寒さに弱い赤ゆ達も凍え死ぬ、というのは最悪のパターンなのである。 この『遊び』は、ちるの種が生まれつき備えた、ゆっくり種の間引き機能なのだ。 まあ、ここまでしても、やはり7~8割がたは冬を越えられないのが通常種なのだが。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− そして冬。 町の野良ゆっくりはともかくとして、自然界のゆっくり達はほとんどが冬ごもりを行っている。 だが、この他のゆっくりや動物達がほとんどいなくなる時期こそが、 ちるの種のもっとも活発に活動する時期、つまり繁殖期となる。 冬に活動する捕食種はゆっくりれてぃだけであり、 れてぃ種はちるの種を襲うことがない以上、これ以上に安全な時期はないのだ。 「おい、あれみろよ。湖が青く光りはじめたぜ。」 「ああ・・・、今年ももうすぐ終わりだなぁ。」 人間の暦でいえばクリスマスから年末年始の時期にかけて、 毎夜、ちるのの生息する湖や川は、一斉にライトアップされる。 ちるのに生える氷の羽が、澄んだ青い光を放ちはじめるのだ。 これは、ちるの種の求愛行動であり、より強い光を放つ者同士が惹かれ合う。 産まれてからこれまでずっと一匹で暮らし続けたちるの達が、初めてつがいをつくるのだ。 その神秘的な光景は、夏の蛍・冬のちるの、とたとえられ、 天空の星々が地上に舞い降りたようだと言う詩人もいる。 つがいとなったちるの達は、空中と湖面に青い軌跡を残しながら、互いの下膨れをくっつけ合って舞い続ける。 そして次第に螺旋を描くように天空高く舞い上がり、花火のようにひときわ強い輝きを放って絶頂を迎えるのであった。 「あたいったらすっきりね!!!」 湖の上空に放たれ続ける青い打ち上げ花火、それは、星に住む神々が、新たな生命の誕生を祝福するかの様であった。 こうして、にんっしんを終えたちるのは、水辺に伸びる背の高い草、 その茎の水面近くへと、クリームにくるんだ卵を、一つづつ産み付けていく。 出産を終えたつがいは、仮初めの婚姻を早々に解消して各々のおうちへと帰り、 冬の間はずっと、ゆっくりと独身生活を過ごすのであった。 春、自分達の新しい仲間の誕生をゆっくりと待ちながら・・・ まあ、しばらくSS書いてなかったんで、リハビリです。 感覚が戻ってこないよぉ。 もう2~3本リハビリが必要っぽいですね。 それにしても、餡小話も、最近ものすごい量アップされるようになってきましたね。 最初は人も少なそうだからちょーどいいや、とばかりに投稿してたんですけど、 最近は影が薄くなる一方ですよ。 引退時期かなぁ。 餡小話掲載作品 ふたば系ゆっくりいじめ 132 俺の嫁ゆっくり ふたば系ゆっくりいじめ 148 ここはみんなのおうち宣言 ふたば系ゆっくりいじめ 157 ぱちゅりおばさんの事件簿 ふたば系ゆっくりいじめ 249 Yの閃光 プラス本作品 『町れいむ一家の四季』シリーズ(ストーリー展開順・おまけについては何とも言えないけど) 春-1-1. ふたば系ゆっくりいじめ 161 春の恵みさんでゆっくりするよ 春-2-1. ふたば系ゆっくりいじめ 154 竜巻さんでゆっくりしようね 春-2-2. ふたば系ゆっくりいじめ 165 お姉さんのまりさ飼育日記(おまけ) 春-2-3. ふたば系ゆっくりいじめ 178 お姉さんとまりさのはじめてのおつかい(おまけのおまけ) 春-2-4. ふたば系ゆっくりいじめ 167 ちぇんの素晴らしきゆん生(おまけ) 春-2-5. ふたば系ゆっくりいじめ 206 町の赤ゆの生きる道 夏-1-1. ふたば系ゆっくりいじめ 137 真夏はゆっくりできるね 夏-1-2. ふたば系ゆっくりいじめ 139 ゆっくりのみるゆめ(おまけ) 夏-1-3. ふたば系ゆっくりいじめ 174 ぱちぇと学ぼう!ゆっくりライフ(おまけのおまけ) 夏-1-4. ふたば系ゆっくりいじめ 235 てんこのインモラルスタディ(おまけのおまけのおまけ) 夏-1-5. ふたば系ゆっくりいじめ 142 ゆうかりんのご奉仕授業(おまけ) 夏-2-1. ふたば系ゆっくりいじめ 146 雨さんはゆっくりしてるね 夏-2-2. ふたば系ゆっくりいじめ 205 末っ子れいむの帰還 秋-1. ふたば系ゆっくりいじめ 186 台風さんでゆっくりしたいよ 秋-2. ふたば系ゆっくりいじめ 271 都会の雨さんもゆっくりしてるね 翌年 ふたば系ゆっくりいじめ 224 レイパーズブレイド前篇(おまけ)
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ゆっくりちるのの生態 14KB いつもハードな虐待ばかり書いてるんで、たまにはほのぼの系。 夏も終わって、ちるのも構われなくなったので、いい頃合いかなーって。 『ゆっくりちるのの生態』 D.O ゆっくりちるの。 中身がアイスクリーム(ソフトクリーム)である、いわゆる希少種である。 中身も中身なため、冷気を操ること、にとりと同じく水に耐性を持つこと、 ゆっくりでは珍しい空を飛ぶ能力を持つことなどは知られている。 しかし、ちるの達がどのように生まれ、何を食べ、どのようなおうちに住んでいるのか、意外と知られていない。 たとえば、多くの通常種が3か月周期で誕生~成体となるのに対し、 ちるのは1年かけてじっくりと成体に育つことなども、知られていないことの一例であろう。 そこで今日は、ゆっくりちるのの生活を一年を通して追っていくことで、学んでいきたいと思う。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 冬の中頃から春にかけて、水質の良い川や湖を訪れると、 水面からすくっと伸びた水草の、茎の水面付近に白い物がくっついているのが見える。 ショートケーキのデコレーションと言っても違和感のないこれ、 この白い塊一つ一つが、ゆっくりちるのが産声を上げるまでのゆりかごなのである。 この高栄養のゆりかご内には、ちるのの卵が一つづつ産み付けられている。 未だすーやすーやと寝息を立てながら産まれる時を待つちるの。 彼女たちはどのようなゆっくりした未来を夢見ているのであろうか。 今は春、多くの通常種達が汚らしくすっきりーしてゴミのような子饅頭を量産するころ、 この白いクリームがもぞもぞとうごめき、青い宝石のような赤ちるのが顔を出す。 「あたいっ!!!」 元気よくクリームから飛び出す赤ちるの、その大きさは一般的なビー玉サイズであり、 一般的に言われる赤ゆっくりよりもさらに一回り小さい。 しかし、ちるの達はこの小さなサイズの中に、実に多くの驚くべき力を秘めているのだ。 と、いうよりも、ある程度の能力が備わって誕生しないと、産声を上げる前に永遠にゆっくりする。 空を飛ぶことができないと水没するし、弱すぎると卵の殻を割ることもできず餓死する。 そもそもクリームが水に流されてしまうと誕生することもできない。 産み落とされたちるののうち、7割が産まれることすらできずにその生涯を終える。 幸運こそが、ゆっくりに求められる最大の能力なのだ。 「あたいっ!あたいっ!」「あたいっ!!」「あたたいっ!」 とはいえ、いったん産まれてしまえば強いのがちるのである。 なんといっても空を飛びまわれることは大きい。 それに、クモの巣程度に引っ掛かるほどには弱くもなく、 しかも産まれたてのこの時期は、ちるのはクリームというよりは氷そのものであることから、 鳥にも狙われることがない。 「とりさぁぁぁぁああん!おちびちゃんつれていかないでぇぇぇぇ!!」 「ゆーん、おしょらとんでるみちゃいー。ゆっ!ゆぴぃぃぃぃいいい!!れいみゅをたべにゃいでぇぇぇぇ!!」 などということが行われている間に、赤ちるのは水面すれすれを飛びながら、 ちょん、ちょん、と水に口をつける。 赤ちるの~子ちるのは、サイズの問題もあるが、もっぱら水を主食としている。 研究者によっては、プランクトンや水草を食べているのだ、という者もいるが、 どちらにしても食事風景はこの様な実に優雅なものである。 生ゴミや土まみれの虫をあさましくむさぼり食う駄饅頭とは別世界の存在と言っていいだろう。 「あたいっ!!!」 こうして、ちるの達の春はゆっくりと過ぎていくのである。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 夏、ちるのはテニスボールサイズまで育ち、 水草の陰ですーやすーやするには大きくなりすぎてしまった。 そろそろちゃんとした『おうち』が必要な時期である。 そんな夏の日、ゴミれいむとクズまりさのつがいが、5匹の赤饅頭と一緒に一匹の子ちるのを囲んでいた。 この時期に湖や川でよく見かける光景である。 「ゆーん、ちるのはおばかだけど、すずしくてきもちいいよ!」 「あたいったらゆっくりね!」 「ゆーん、ゆっくちー。」 「・・・そーだぜ!ばかちるのをおうちにつれていったら、いっつもすずしいのぜ!さぁ、くるのぜ!」 「あたい!あたいー!」 ちるの、めーりんのような片言しか話せない種は、 通常種にとってはゆっくりできていない、低能なゆっくりということらしい。 そんな通常種からすれば、この子ちるのは夏の間自分たちが快適に過ごすための奴隷のようなものなのである。 ちるの自身もさほど抵抗する気配がないのをいいことに、 このゴミ一家はちるのの羽をお口でつまみあげて、強引におうちに連れ帰っていった。 だが、実のところ片言しかしゃべれないゆっくり種といえば、 めーりん、ちるの、るーみあ、れみりゃ、ゆゆこ・・・・・・ 全てが通常種を大きく上回る能力を持ち、しかもめーりん以外は全て捕食種なのである。 ここは、岩の割れ目を利用したゴミ一家のおうち。 「あたいー・・・・・・。」 「ゆふーん。ゆっくりすーやすーやできるね。」 「ゆっくちおやしゅみなしゃい!・・・しゅーや、しゅーや、ゆっくちー。」 「すーや、すーや、しあわせー。」 ちるのをおうちの奥につっこんで、すっかり油断してすーやすーやと寝息を立て始める一家。 ちるのも暴行を受けたわけでもないので、ゆっくりと寝息を立て始めた。 ちるのの寝息は、目を覚ましていた時より少しだけ冷たくなる。 そして、その温度は徐々に低下していき、遂には冷凍庫から漏れ出す冷気以上に低い温度となっていった。 「ゆっくち・・・ゆっく・・・・・・。」 少しずつ、少しずつ、しかし確実に温度を低下させていくおうちの中、 赤ゆっくり達は、目を覚ますことなく、餡子の芯まで熱を奪われて永遠にゆっくりしていく。 それは、成体であるれいむとまりさすら例外ではなく、 夜明け前、遂にこの一家は二度と目を覚ますことなく冷凍饅頭と化したのであった。 「すーや、すーや。ゆーん!あたいったらゆっくりね!!!」 ちるのが目を覚まして朝の挨拶を済ますと、そこには冷凍饅頭。 自分をおうちに招いてくれたゆっくり一家が、なぜか変わり果てた姿で永遠にゆっくりしていた。 どれだけ揺すったり挨拶してみても、返事がない。ただのしかばねのようだ。 「あたいー・・・。あたい!あたい!」 これは丁度いいと、ちるのは今日こそ自分のおうちを作ることにした。 ちるののおうちは、鳥のように空を飛べること、水には強いことなどから、 通常種のような土に掘った穴、木の洞、洞窟ではなく、特殊な形態をしている。 大事なのは、まず材料集め。 基礎になるのは目の前で永遠にゆっくりしている一家のお飾りだ。 まりさのお帽子をお口にくわえ、親れいむ・赤れいむの大小のリボンをお帽子の中に詰める。 続いて、一家の髪の毛をブチブチと引き抜いて、こちらもお帽子の中にぎゅうぎゅうと詰め込んでいく。 そして、ちるのは水辺に大きく枝を張る木の枝に『材料』を運び、自分のおうちを作り始めるのであった。 成体まりさのお帽子を枝の分かれ目中央に置き、その周囲に小枝や草の茎を敷き詰め、れいむのリボンで補強する。 最後にお帽子の中央にゆっくりの髪の毛を敷き詰めて、葉っぱや羽毛なども場合によっては詰め込み、 『おうち』の完成となる。その姿は、まさしく鳥の巣そのものだ。 まあ、こんな高い所に巣を作るせいで、ちるの種の死因No.1は、睡眠中におうちからの転落死であったりするのだが。 「あたいったらゆっくりね!!!」 こうして、晴れてマイホームを持ったちるのは『おとな』の仲間入りを果たすのであった。 ちなみにはげ饅頭となった冷凍ゆっくり達は、このあとちるののおうちに運び込まれ、 ちるの自身の冷気でしっかり冷蔵され、夏の間の食料として無駄なく消費されるのである。 通常種がちるのを、れみりゃの様に恐れない理由は、このようにして、目の前で捕食する姿を見せることがないためである。 そしてまた、標的となったゆっくりが逃げ切ることが絶対にないためでもある。 そう、ちるの種は、ある意味ではふらん種以上の狩人なのだ。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− そして季節は秋を迎える。 ちるのは夏の間、ほとんどをおうちの中(上)で、冷凍したゆっくりをむーしゃむーしゃと食べながら過ごしていた。 その過程で、ちるのも大きく育ち、その大きさは、ハンドボールより少し小さい程度にまでなっている。 通常種の成体がバスケットボールサイズであることを考えると、少々小さいようだが、 自然界では、ちるの種の成体のサイズは大体この程度であり、 ソフトクリーム屋で見かけるバスケットボールサイズのちるのは品種改良の結果である。 この時期になると、通常種は冬ごもりのために、大量の食料を蓄えるべく奔走する。 今目の前にいるれいむも、10匹の赤れいむを連れて、ごはん集めに必死の様子だ。 「ゆんせっ!ゆんせっ!はやくごはんをあつめないと、ふゆさんがきちゃうよ!」 「ゆっゆーん!きのこしゃんおいししょー!むーちゃむーちゃ!」 「おちびちゃん、どぼじでごはんさんたべちゃうのぉぉぉおお!?」 「れいみゅはおなかしゅいてりゅんだよ!ゆっくちむーしゃむーしゃさせてくれにゃいおきゃーしゃんは、ゆっくちちにぇ!」 「ゆぁぁぁん。どぼじでぞんなごどいうのぉぉぉ・・・」 まあ、この時期におちびちゃんがいる時点で死亡フラグである。 だが、それを自力で回避できるようなら、そいつは群れの長くらいにはなれるだろう。 「あたいっ!あたいっ!」 ちるのは遊んでほしそうにれいむ一家を見ている。 「ばかなちるのはどっかいっててね!ゆっくりできなくするよ!」 「ゆーん、れいみゅもちるのみたいにあしょびたいよー。」 「なにいってるの?ちるのみたいにあそんでたら、ふゆさんのあいだにごはんがなくなって、ゆっくりしんじゃうよ!」 「ゆあーん、むーちゃむーちゃできにゃいとゆっくちできにゃいよー。」 「ふゆしゃんはゆっくちできにゃいから、ゆっくちどっかいっちぇにぇ!ぷっきゅー!」 ちなみにちるのは、主食=水orゆっくり、な上、寒さにも極めて強いので、冬ごもりの準備なぞ必要としていない。 馬鹿は赤れいむをぞろぞろ連れて冬ごもりの準備をしている母れいむのほうである。 加えて言うとちるのは、れいむ一家『と』遊びたいのではなく、赤れいむ『で』遊びたいだけなのであった。 「じゃあおちびちゃん、ゆっくりおうちにかえるよ。」 「ゆっくちりきゃいしちゃよ!」 母れいむを先頭に、一列に並んだれいむ一家は、おうちまでの道のりをぽよんぽよんと跳ねていく。 ちるのは、その列の最後尾に、音一つ立てずにゆっくりとついていく。 そして、最後尾の赤れいむから順に、一匹ずつ『ふぅっ』と冷気を吹きかけて、 「ゆ゛・・・ゆ゛っぐぢ・・・ゆ゛。」 一瞬で表皮と表面の餡子だけを凍りつかせ、身動き一つ、声一つ出せないようにして捕獲していった。 「ゆっくりおうちについたよ!おちびちゃんたち、ゆっくりしてね!」 そして、おうちの入口までたどり着き、母れいむが振り向いたとき、 10匹いたはずの赤れいむの姿は、4匹にまで減少していた。 「ゆぅ?なんだかおちびちゃんがすくないきがするよ?いち、に、さん、たくさん・・・きのせいだね。」 「ゆーん、はやくおうちにはいりょーよ。ゆっくちつかれちゃよ。」 「ごめんね、おちびちゃん。いま、えださんをどかすからね。」 「ゆっくちー。」 一方ちるのに捕らえられた6匹の赤れいむは・・・ 「あたいっ!あたいっ!」 「ちる・・・ゆっく・・させちぇ・・・」 ちるのに咥えられている間中、その口から発せられる冷気で冷やされ、表面を氷漬けにされていた。 そして今いるのは、湖のはるか上空。 はるか下に見える水面を、凍ったおめめで眺める赤れいむは、ほとんど顔を動かせないなかでも、怯えた表情を浮かべていた。 「ゆっく・・・ちる・・おかあしゃ・・・」 ぽろり。ぽちゃん。 「おきゃあぢゃ・・・ごぼぉ・・・ゆぴぃ!おみじゅ・・・ゆっく・・・ごぼ。」 「あたいったらゆっくりね!」 「ごぼごぼごぼ・・・・・・」 赤ゆっくりを氷漬けにして、水の中に放り込んで解凍する。 秋にちるの種が好んで行う遊びであった。 実に非生産的な遊びに見えるが、先ほどの母れいむにしても、 10匹の赤ゆを抱えての冬ごもりは無理でも、4匹ならなんとかなるかもしれない。 うっかり母性の強い母ゆっくりが、自分を食べさせて赤ゆを生き延びさせながら、 結局寒さに弱い赤ゆ達も凍え死ぬ、というのは最悪のパターンなのである。 この『遊び』は、ちるの種が生まれつき備えた、ゆっくり種の間引き機能なのだ。 まあ、ここまでしても、やはり7~8割がたは冬を越えられないのが通常種なのだが。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− そして冬。 町の野良ゆっくりはともかくとして、自然界のゆっくり達はほとんどが冬ごもりを行っている。 だが、この他のゆっくりや動物達がほとんどいなくなる時期こそが、 ちるの種のもっとも活発に活動する時期、つまり繁殖期となる。 冬に活動する捕食種はゆっくりれてぃだけであり、 れてぃ種はちるの種を襲うことがない以上、これ以上に安全な時期はないのだ。 「おい、あれみろよ。湖が青く光りはじめたぜ。」 「ああ・・・、今年ももうすぐ終わりだなぁ。」 人間の暦でいえばクリスマスから年末年始の時期にかけて、 毎夜、ちるのの生息する湖や川は、一斉にライトアップされる。 ちるのに生える氷の羽が、澄んだ青い光を放ちはじめるのだ。 これは、ちるの種の求愛行動であり、より強い光を放つ者同士が惹かれ合う。 産まれてからこれまでずっと一匹で暮らし続けたちるの達が、初めてつがいをつくるのだ。 その神秘的な光景は、夏の蛍・冬のちるの、とたとえられ、 天空の星々が地上に舞い降りたようだと言う詩人もいる。 つがいとなったちるの達は、空中と湖面に青い軌跡を残しながら、互いの下膨れをくっつけ合って舞い続ける。 そして次第に螺旋を描くように天空高く舞い上がり、花火のようにひときわ強い輝きを放って絶頂を迎えるのであった。 「あたいったらすっきりね!!!」 湖の上空に放たれ続ける青い打ち上げ花火、それは、星に住む神々が、新たな生命の誕生を祝福するかの様であった。 こうして、にんっしんを終えたちるのは、水辺に伸びる背の高い草、 その茎の水面近くへと、クリームにくるんだ卵を、一つづつ産み付けていく。 出産を終えたつがいは、仮初めの婚姻を早々に解消して各々のおうちへと帰り、 冬の間はずっと、ゆっくりと独身生活を過ごすのであった。 春、自分達の新しい仲間の誕生をゆっくりと待ちながら・・・ まあ、しばらくSS書いてなかったんで、リハビリです。 感覚が戻ってこないよぉ。 もう2~3本リハビリが必要っぽいですね。 それにしても、餡小話も、最近ものすごい量アップされるようになってきましたね。 最初は人も少なそうだからちょーどいいや、とばかりに投稿してたんですけど、 最近は影が薄くなる一方ですよ。 引退時期かなぁ。 餡小話掲載作品 ふたば系ゆっくりいじめ 132 俺の嫁ゆっくり ふたば系ゆっくりいじめ 148 ここはみんなのおうち宣言 ふたば系ゆっくりいじめ 157 ぱちゅりおばさんの事件簿 ふたば系ゆっくりいじめ 249 Yの閃光 プラス本作品 『町れいむ一家の四季』シリーズ(ストーリー展開順・おまけについては何とも言えないけど) 春-1-1. ふたば系ゆっくりいじめ 161 春の恵みさんでゆっくりするよ 春-2-1. ふたば系ゆっくりいじめ 154 竜巻さんでゆっくりしようね 春-2-2. ふたば系ゆっくりいじめ 165 お姉さんのまりさ飼育日記(おまけ) 春-2-3. ふたば系ゆっくりいじめ 178 お姉さんとまりさのはじめてのおつかい(おまけのおまけ) 春-2-4. ふたば系ゆっくりいじめ 167 ちぇんの素晴らしきゆん生(おまけ) 春-2-5. ふたば系ゆっくりいじめ 206 町の赤ゆの生きる道 夏-1-1. ふたば系ゆっくりいじめ 137 真夏はゆっくりできるね 夏-1-2. ふたば系ゆっくりいじめ 139 ゆっくりのみるゆめ(おまけ) 夏-1-3. ふたば系ゆっくりいじめ 174 ぱちぇと学ぼう!ゆっくりライフ(おまけのおまけ) 夏-1-4. ふたば系ゆっくりいじめ 235 てんこのインモラルスタディ(おまけのおまけのおまけ) 夏-1-5. ふたば系ゆっくりいじめ 142 ゆうかりんのご奉仕授業(おまけ) 夏-2-1. ふたば系ゆっくりいじめ 146 雨さんはゆっくりしてるね 夏-2-2. ふたば系ゆっくりいじめ 205 末っ子れいむの帰還 秋-1. ふたば系ゆっくりいじめ 186 台風さんでゆっくりしたいよ 秋-2. ふたば系ゆっくりいじめ 271 都会の雨さんもゆっくりしてるね 翌年 ふたば系ゆっくりいじめ 224 レイパーズブレイド前篇(おまけ) D.Oの作品集 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る ちるのに遊ばれて赤れいむたちよかったね! -- 2016-10-07 12 53 55 ちるのだけは虐待したくないな。 -- 2015-07-20 16 17 49 原作と立場が逆転しているなw -- 2014-05-05 12 04 58 チルノがハイスペック極まれり何だが -- 2014-03-19 16 05 34 DOしね -- 2013-12-15 15 48 19 ちるの=青い宝石、れいむとまりさ=ゴミクズですね。www -- 2013-08-21 13 23 41 ちるのすげー、湖に光るちるのとか見てみたいな -- 2013-01-17 10 05 25 つーか、ゆっくりで一番ゆっくりしてるゆっくりって、ちるのなんじゃねーの? -- 2012-10-06 13 20 49 さりげなく通常種がいじめられてるのもいいね! -- 2012-09-17 15 02 57 「あたいったらさいきょうね!!」・・・はほんとだったwww -- 2012-07-11 22 35 42 ちるのってばかわいいわね! -- 2011-09-20 20 19 05 イイハナシダー -- 2010-09-28 16 31 00 ちるのはとても可愛くてゆっくりできるね! -- 2010-09-14 00 36 02
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「ふたば系ゆっくりいじめ 305 ゆっくりちるのの生態/コメントログ」 ちるのはとても可愛くてゆっくりできるね! -- 2010-09-14 00 36 02 イイハナシダー -- 2010-09-28 16 31 00 ちるのってばかわいいわね! -- 2011-09-20 20 19 05 「あたいったらさいきょうね!!」・・・はほんとだったwww -- 2012-07-11 22 35 42 さりげなく通常種がいじめられてるのもいいね! -- 2012-09-17 15 02 57 つーか、ゆっくりで一番ゆっくりしてるゆっくりって、ちるのなんじゃねーの? -- 2012-10-06 13 20 49 ちるのすげー、湖に光るちるのとか見てみたいな -- 2013-01-17 10 05 25 ちるの=青い宝石、れいむとまりさ=ゴミクズですね。www -- 2013-08-21 13 23 41 DOしね -- 2013-12-15 15 48 19 チルノがハイスペック極まれり何だが -- 2014-03-19 16 05 34 原作と立場が逆転しているなw -- 2014-05-05 12 04 58 ちるのだけは虐待したくないな。 -- 2015-07-20 16 17 49 ちるのに遊ばれて赤れいむたちよかったね! -- 2016-10-07 12 53 55 ↓DOしねってかいてるげすはゆっくりできないよ!いますぐしんでね! -- 2022-02-14 11 18 42
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10月6日 とりあえず、三日坊主だけは脱せたが、一週間坊主となる可能性も無きにしも非ず、である。 成長したちるのを見て、このころは可愛かったのになあ、と思うのか、それとも今はもっともっと可愛くなったなあ、 と思えるようになるのかは、私しだいであるというのは、いささか不安でもある。 ともかく、最低限一ヶ月坊主ぐらいにはなり、日記をつけねば違和感で卒倒しかねないほどになりたいものである。 昨日のいざこざの後に私が仕事に行かねばならないという事を『二人ともゆっくりできなくなる』という言葉で納得してもらえたのはよかった。 朝食はベーコンとほうれん草を入れたココットとヨーグルト、冷蔵庫にあった野菜で作ったスープと、 薄く切った食パンをカリカリに焼いたものを出した。ちるのに与えた量は、私の四分の一ほどだ。 ちるの用のココットは、鶏卵では多すぎるので、ウズラの卵で作ってみた。 平皿に出すと見た目が多少悪いので、スプーンですくって食べさせてやる。 「むーしゃ♪ むーしゃ♪ しあわせー!」 口の端に黄身のかけらをつけ、にこにこと笑いながら食事をしているちるのを見ていると、心が洗われるのだが、 ちるののご飯と、自分の弁当を作って出なくてはならないため、私は早く食事を切り上げ、ココット以外をむしゃむしゃと上機嫌に、 しかも恐ろしい勢いで食べているちるのにゆっくり食べないととっちゃうぞ、というと、表情がいっぺんに慌てたものに変わった。 「だめだよ!!! あたいのだよ!!!」 ゆっくり食べれば取らないよ、と冗談めかして言うと、昼食を作り、ラップをかけて、食卓の上に置いておく。 昨日の昼食はペレットがメインだったので、ラップの剥がし方をちるのに説明しなくても済んだのだが、今回はおにぎりと鶏の唐揚げに、 切り干し大根の煮物、朝に使ったほうれん草のあまりで作った胡麻和えに卵焼きであるため、ラップをかけておかないと不味い。 飲み物として、たっぷりの水を入れた給水機と、平皿に入れた、凍らせたオレンジジュースもオマケにつけておく。 ちるのが自分で入れられれば一番なのだが、冷蔵庫を開けるだけの力があるわけではないのだから、仕方が無い。 「ゆっくりわかったよ!!! あたいがんばるね!!!」 返事はいいのだが、本当にわかったのだろうか、いささか不安になっては来ていた。……その不安は、見事に的中していた。 要は、ラップをうまくはがせなくて、挙句食い破ろうとして大失敗。 さらには、ひっくり返して大惨事になってしまったわけである。 水気はそれ程無かったから、純然たる被害は幾分ましだったが、ぴいぴい泣いているちるのと、 ひっくり返った皿、言っている内容にげんなりしたものだ。 「おなか、おなかすいたよおおお!!!」 教訓、お昼はペレットにしておかないと悲惨な事になる。……夜は一緒に片付けて、美味しくいただけたのだが。 あと、さすがに子供が喜ぶ怪獣映画だからだといって、いかにいってもヘドラを見せるのは不味かった。 10月7日 さて、爽やかな目覚めかと思いきや、なにやら額の辺りが冷たかった。 「ゆ……ゆう……ゆう……さ……サイキョー!」 一応寝床は用意してやっていたつもりだったのだが、私の頭を寝床にしていたらしい。 そもそもサイキョーってどういう寝言だ。そんなに強さ比較が大好きなのか、などと思わないでもないが、 あんまり意味は無いのかもしれない。 起こすつもりで、ちるののぷにぷにしたほっぺをつつくが、ちっとも起きずに、寝言の頻度が上がっていくだけである。 どんな夢を見ているのか、非常に気になるところだ。 怪獣映画のDVDを昨日見せたのが原因かもしれない。 というより他に原因が無い。強がってはいたが、よっぽど怖かったんだなあ、と思う。 せめて頭ではなくて布団に潜り込んでもらいたかったが。 「ちるの、ちるの、起きなさい」 「……ゆゆゆ?……ゆ~……おにいさん、なんであたいここでねてるの?」 声には反応する辺り、実はゆっくりの触覚は鈍いのかもしれない。この子だけかもしれないが。 ともあれ、あくびをしながらぴょん、と跳ねてベッドの梯子をちるのは降りる。最後の一段に差し掛かった時に、また落ちるかな、と思ったら上手に着地した。思わず私もガッツポーズを作る。 ちるのは、こちらを見てえへへと笑っていた。前回失敗したのは少し恥ずかしかったらしい。 「あたい、サイキョーね!」 「サイキョーだね」 またしても例の調子のはずれた歌を歌いながら、テーブルの定位置についてコロコロと転がり、ごはん、ごはん、と催促している。 「こらこら、ご飯はもうちょっと待て」 「ゆっくり待ってるね!!!」 普段のゆ、という音だけの歌ではなく、ごはん、ごはん、おいしいごはん~とずっと歌っている、 この子、よっぽど食い気が強いのかもしれない。 舌を使って上手に食べるし、ゆっくりという種族の名にはまるっきり反する凄まじい勢いだ。 とは言っても、さすがに子供だけあってぽろぽろこぼすが。 朝以外には特に変わったこともなく、相変わらずちるのは可愛かった。 悪さと言えば、新聞紙に包まってマントだよ!と言っていたことぐらいだろうか。 遊んだら片付けよう、と言っておけば、人間基準から見れば雑だが、しっかりと片付ける。 結構頭のいい子かもしれない。……こういうのを、親ばかというのだろうか。まだ四日しか経っていないのだが。 10月8日 マーフィの法則によれば、安心したと思ったらトラブルが発生するらしい。 まさにその通りだな、とは思う。昨日、一昨日と大人しくしていたから安心しきっていたようだ。 開けた冷蔵庫に潜り込んで、中で涼むだけならいざ知らず、カレー粉を舐めてぴいぴい泣いていたのだ。 ちなみにレタスはちるのの噛んだあとがついており、ジュースの蓋は同じように、しかも大量の歯型があった。 道理で行ってくる、といったときに返事が無いはずであった。 発見したのは、帰ってから。ちるのの涙で冷蔵庫は水浸しである。 バターの箱がふやけるくらいまで泣いていたらしい。私の不注意だ。 「ごわがっだよ゛おぉ!!!」 「勝手に潜り込むからだ。何でこんな事をしたんだ?」 「だって、だっでぇ、ずずしそうだっだんだもん!」 ひっく、ひっくとしゃくりあげ、今度はこっちの右手が水浸しになるところだった。 「……なんにしても、危ないから勝手に冷蔵庫に入っちゃだめだ、怖かったんだろ?」 「もうじない!!!」 真っ暗で怖くて仕方がなかったらしい。完全にこちらの不注意だった。 「……よし、反省したな。……こっちも悪かったよ、気付かなくってごめんな」 「ゆっぐり反省じでね!!!」 ゆっぷし、とくしゃみをしている。風邪を引いたのかもしれない。 タオルで体を包んでやるが、小一時間もするとタオルをわずらわしげに脱ぎ捨て、ごはんまだー?と聞いてきた。現金なものである。 10月9日 さて、今日は貯まった有給を消化する為に休め、と言われていたので、休みである。 ちるのと一緒に動画サイトで、歌を歌いながら動画を見たりしていたが、ゆっくりのおつかい、というクリップが目に入り、クリックしてみる。 それは、体つきのれみりゃがゴールデンレトリバーの散歩をしながら、お肉屋さんとか八百屋におつかいに行く。 という内容だったが、嬉しそうなれみりゃと、苦労人のような表情をした犬の対比が面白い。 だが、これは不味いかもしれない、と思った次の瞬間には、ちるのがこう言い出した。 「あたいもおつかいやるよ!!!」 無謀とはこういう事を言うのだろうか。駄目だという事を説明すると、案の定ちるのは泣き出したので、 折衷案として一緒に買い物に行く事にした。ちるのは胸ポケットにおさまり、普段とは違う視点にご満悦の様子だった。 「ゆ!あのおにくおいしそうだよ!おにいさん!」 「……確かにおいしそうだけど、高すぎるよ、ちるの」 ちるのご指名の牛肉ではなく鳥の胸肉の二枚入りを買い、一枚で鶏はむを作って、もう片方はバンバンジーを作る事にした。 まあ、ちるのはお肉が食べられるという事で、今度はおにくの歌を作詞して歌い始めていた。そんなに肉が好きなのだろうか。 買い物が終わるころには、嫌に静かだったので、ポケットの中を見てみるとちるのは寝ていた。 はしゃぎ過ぎたようである。寝る子は育つというが、もっともっと育ってもらいたいところだ。 帰る途中の公園の遊具の中に、野良のまりさが居た。 どうも捨てられた子のようで、体の大きさはちるの程度だ。可愛い盛りの筈なのだが…… ポケットの中でもぞもぞとちるのが動き出すのがわかる。起きたらしい。 「……ゆ?まりさがいるよ!おにいさん!」 「お、起きたのか?ちるの」 「おきてたよ!!!」 ついさっきまで寝ていて、なおかつよだれまで垂らしているのに寝ていない、と主張している。 まあ、追求したところで望む答えが返って来るわけでもない。 「ゆ?おにいさん、ここはまりさのおうちだよ!ゆっくりしていってね!!!」 多少不安そうな目をしていたが、まりさはドーム状の遊具の中で例の表情をしてこちらにゆっくりしていってね、と言っていた。 人に慣れているようで、どこかの子供が餌付けでもしているのかもだ。 「ゆっくりしていくね!!!」 ぴょん、とちるのがポケットから飛び出し、まりさとじゃれあい始める。 肉は氷のパックを当てているので、少しくらいは持ってくれるだろうと踏んで、ベンチの上に買い物袋を置き、コーヒーを買いに行く。 「あたいね、あたいね!サイキョーなんだよ!」 「ゆ!すごいね!」 ころころと転がって、遊具の端から端まで競争したり、ほおをすりすりとしたり、 ゆという音しかない歌を一緒に歌ってけらけらと笑っていたりで、微笑ましい。 とはいえ、さすがにいつまでも遊んでいると、袋の中身がとんでもない事になる。 「ちるの、帰るぞ」 「おにいさん!もっとあそんでたいよ!」 「ちるの、だめだよ!言う事聞かないと置いていかれちゃうよ!」 まりさはそう言い出し、ちるのを強引に遊具の外に押し出した。 ……涙をこらえるかのような表情が、印象的だった。ちるのは呆けていたが、跳ねながらまたね!と言い、 こちらの手に乗って、ポケットにもぞもぞと入り込んだ。 言う事を聞かないから置いていくんだ、という要旨の事を言って、この子を前の飼い主が置いて言ったらしい。 許せないし、腹立たしいが……。 あとがき? さて、ゆちるの飼育日誌第二段です。相変わらず地味な感じですが、仕様です。 日々のトラブルだとかを記していく、という感じなのですが、楽しんでいただけたならば、幸いです。 楽しめなかったという方には、ごめんなさい。 基本的にこの世界のゆっくりは犬や猫のようなポピュラーなペット、というポジションなのですが、妖精っぽいものなのかもしれません。 まあ、動物だろうが妖精だろうが、ゆっくりが可愛いというのは不変ですが。あんたもそう思うだろ?(byダン・モロ) ゆっくりと動物の人 まあ、動物だろうが妖精だろうが、ゆっくりが可愛いというのは不変ですが。あんたもそう思うだろ 全力で同意します。素晴らしい作品をご馳走様でした。 -- 名無しさん (2008-09-21 21 30 09) まりさかわいそうだなぁ。なんとかならないかなぁ。ゆっくりさせてあげたいなぁ。(泣 -- ゆっけの人 (2008-10-05 00 06 34) ああ、俺もそう思うね、もしもゆっくりが本当にいるとしたら マッハで可愛がってやんよ! -- 名無しさん (2008-10-05 00 13 12) チルノいいよチルノ ちょっとイタズラするくらいで余計可愛いかもしれんね -- 名無しさん (2009-03-23 15 46 29) お守りとかを胸ポケットに入れるとフラグを避けれるそうだ -- 名無しさん (2009-10-13 23 20 14) まりさ・・・ -- 名無しさん (2010-12-01 13 23 06) ゆっくり飼いたい! -- 名無しさん (2012-03-27 09 11 51) まりさ!バッチコイ!! -- 名無しさん (2012-07-25 15 44 01) まりさ捨てたやつ 人権剥奪されればいいのに -- 名無しさん (2012-08-14 10 11 08) 名前 コメント
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「ふたば系ゆっくりいじめ 176 ゆっくりちるのの生態(前編)/コメントログ」 後編がみあたらない ないのかな -- 2012-07-03 22 32 53 よくわからんがゲスがちるのを迫害→れてぃが制裁→さらに無関係な通常種を虐殺→通常種がちるのを迫害→以下ループ と連鎖してるのかねぇ -- 2013-04-20 23 48 11 考えさせられた話すです -- 2020-07-05 15 30 50
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ゆっくりちるのの生態(前編) 19KB ※以前あげたものを一部改変し、中編を付けてあげなおしました。 ※俺設定注意 ※駄文、稚拙な表現注意。 ※ちるの、れてぃ種優遇注意 ※グロ注意 ゆっくりドキュメンタリー ゆっくりちるのの生態(前編) チャラララーラーラータンタンチャラララーラーラー(番組のイントロがながれる) みなさんこんばんわ。ゆっくりドキュメンタリー希少種の生態のお時間です。 毎回シリーズで動く饅頭、不思議生物ゆっくりについてお伝えしております。 今回のテーマはこれ。 (もっていたフィリップを見せる) 真夏の暑さの強い味方、ゆっくりちるのの生態について見ていきたいとおもいます。 ちるのと聞いて皆さんは何を連想するでしょうか。冷たい、氷、おバカ等色々あるでしょう。はては希少種でなかなか手に入らない。買おうとしてもれいむやまりさの数十倍の値段がついていてなかなか手が出ない。そういった印象はないでしょうか。 ですが、ちるのの生態について語る前にまず言っておきたいのはちるの種は一応希少種ではあるが、全体の個体数はけして少ないわけではないということです。 事実ゆっくり保護局のさだめる希少種の希少度はSからDまでありますが、ちるのの希少度は最低のD。 これはゆっくりちぇん、ゆっくりみょんより少し高い程度ランクであり、ドスまりさよりも希少度は低く、それこそ100匹程度の群れであればれば一匹はいるレベルであり、けして珍しいものではありません。 しかし多くの人は首をかしげるのではないでしょうか?「ちるの種なんてゆっくりの群れで見たことなんてないし、そもそもちるの自体ゆっくりショップ以外じゃほとんど見ない。」と。 ではなぜこのような矛盾が起こるのでしょうか。VTRを用意したのでご覧ください。 (スタジオからVTRに切り替わる) ここは雪の降る山の中。あたりはすっかり一面銀世界となっている。 そんななか洞窟から聞こえる「ゆー、ゆー」と聞こえる調子はずれな声。 ゆっくりである。 小さな洞窟の中で30頭ほどだろうか、ゆっくりたちが肩を寄せ合うようにしながら冬を越そうとしていた。 どうやら群れ単位でいくつかの家族が合同で冬ごもりをしているらしい。 通常ゆっくりの冬ごもりは一家族で行うものだが、この群れは固体数が少なく、群れの皆が仲がいいため、群れ全体での冬ごもりを 行うことにしたのだ。 「ゆっ、おちびちゃんたちは、おうたがじようずだね」 「ゆゆっ、もちろんだよ。みゃみゃのこだもん」 「すばらしいびせいだったんだぜ。うぃーんがっしょうだんも、はだしでにげだすんだぜ」 「とってもとかいはなおうただったわ」 「むきゅ、そうね」 そう話しているのはまりさとれいむのつがいに2匹のこれいむ達、、そしておとなりにすんでいるありすとこの群れのリーダーであるぱちゅりーである。 どう聞いても歌というよりうなり声だったが、ゆっくりたちの中ではそれでいいらしい。 「ありすもはやくこういうとかいはこどもたちがほしいわ」 「むきゅ。ありすほどのびゆっくりなら、ふゆさんさえおわればいくらでももらいてはいるわ。いまはがまんしてね」 「ゆー。ふゆさん、ゆっくりしないではるになってね」 ありすは不満をもらすが、今の状態もそれほど嫌いではなかった。 大好きな群れのみんなとすーりすりやおうたをうたってすごすゆっくりした日々。 リーダーのぱちゅりーが管理してくれているおかげでけして多くはないが食料にも余裕があった。 食料集めに忙しくてつがいのお相手を見つけられなかったのは残念だったが、その分、春にはよいゆっくりとつがいになり子供も作って ゆっくりしよう。 都会派な子供たちにすてきなだーりん。かわいいおちびちゃんにはたくさんすーりすーりしてあげて、都会派がなんたるか英才教育も同時に行う。そして晴れた日にはみんなでピクニックにでかけるのだ。お花畑で無邪気に遊ぶおちびちゃんたちとそれを見守るだーりんとありす。 なんと素晴らしいことだろう。 考えただけでため息がでるほどに。 もうすでにありすの心の中は春爛漫。ゆっくりできるであろう未来に酔っていた。 実際、ありすはこの群れのなかでは一番の美ゆっくりであり、群れの中、外を問わず好意をいだいている者も少なくない。 そして、このあたりはれみりゃや、ふらんの縄張りの外であり、もしこのまま春を迎えられれえばその妄想が現実となる可能性も高かった。 無事春を迎えられればだが・・・・・ お花畑満開のありすとは裏腹にぱちゅりーにはひとつ悩みがあった。 誰かに見られてるような気がするのだ。 この洞窟は群れ合同の冬ごもりのため、ぱちゅりーの選んだもので広さや食料をおくスペース等には問題ない。 また群れのみんなががんばってくれたおかげで食料の量も十分である。 だが何かに見られているような感覚を何度も感じている。 最初は、げすまりさたちが、この群れの食料を狙っているのかと思ったが、どうやら違うようだ。 では一体だれが・・・。 考え込んでいたぱちゅりーだったが物音がそれを邪魔した。 どうやら出入り口を誰かがノックしているようだ。 こんな真冬になんだろう。となりの群れのゆっくり? それともまさかれみりゃや、れてぃが来たのではないか。 そう思い一瞬みがまえるぱちゅりーだが、もしそれならノックするはずもない。 入り口の枝や干草で作ったバリケードを破壊し、中にはいってくるか、長い舌を伸ばしてくるはずである。 例え人間でもそうするだろう。強い人間なら頑丈なバリケードも片手で粉砕するだろう。 不思議に思いながら、ぱちゅりーは入り口に向かった。 それが大きく自分の運命を変えると知らずに・・・・・ ぱちゅりーは円形の居住スペースからせまい通路を這うように進んでいた。 この洞窟は丸底フラスコ型の形になっている。 入り口から居住スペースまでの通路が狭く細長く、成体のゆっくり一体がやっと出入りすることができる程度の大きさしかなく、代わりに居住スペースが広いような作りになっていた。 なぜこのような洞窟を選んだかというと捕食種対策である。 ゆっくりが冬ごもりを成功させる為、もっとも気をつけなければならない点は食料の備蓄もあるが、捕食種への対策も同じく 重要な要素となっている。 おもな脅威として挙げられるのは、冬限定の捕食種れてぃ、冬ごもりの食料が足りなくなって慌ててもう一度食料を集めだした れみりゃ、ふらん、さらには捕食種ではないが冬ごもり用の食料を狙うげすまりさなどである。このあたりにれみりゃ、ふらんは いないが、餌がないとわかれば縄張りの外まで行動範囲を広げかねない。 このように細長い通路にしておけばれてぃ、胴付きの捕食種の進入は防げる上、もし胴なしれみりゃや、げすまりさが進入してきても、 細長い通路に詰まっている間に、尖った木の枝(まりさいわく剣)で撃退できるようできている。 しかしいくらなんでも狭すぎた。これでは這うようにしてしか外に出られない。病弱のぱちゅりーにこれはきつい。 もう少し通路を大きくしておくべきだったかと反省しつつもやっと入り口の前に着き、入り口のバリケードを取り外す。 外の木枯らしがぱちゅりーにはこたえた。 そこにいたのは、青いリボンに水色の四角い羽をもつゆっくり。 寒風吹きすさぶ中、立っていたのはゆっくりちるのだった。 「むきゅ・・・。それはごしゅーしょうさまね・・・」 ぱちゅりーは声を落としていった。 あのあと立ち話もなんだからと、ちるのを招きいれ、ぽつり、ぽつりと話すちるからここにきた事情を聞きだしたのだ。 それによるとちるのはこのとなりの谷にすむゆっくりで、父、母共にちるの種で、家族全員ちるの種だったらしい。 ちるの種は冬ごもりする必要がない為、冬でも外出できる。 ちるのは成体になったばかりの遊びたい盛り。 その日も純白の氷原を満喫し、家路についた。 そして家まで来て愕然とする。 家がないのだ。 正確には家だったほら穴が地すべりを起こし、家族全員生き埋めになっていたのだ。 泣きながらさまよい歩き、やっとゆっくりの巣らしきものを見つけ助けをもとめたというのだ。 ぱちゅりーは考える。このままこのちるのをおいだすのはゆっくりできないことだ。 ちらりと群れのみんなを見る。 群れ以外の者を自分の一存でおいていいものか? しかしこの考えは杞憂に終わる。 「ぱちゅりー、このこをむれでゆっくりさせてあげてほしいのぜ」 「こまっているゆっくりをみすてるのはしゅくじょじゃないわ」 「おねがいぱちゅりー」 安心した。どうやら群れ全員同じ意見のようだ。 「それではこのこをむれのいちいんとしてみとめるわ。よろしくね、ちるの」 こうしてちるのは群れの一員になった。 「むきゅう・・・」 ぱちゅりーは悩んでいた。ちるのが群れの一員になって3日。 ちるのは特に群れのみんなとも問題を起こさず、むしろ予想以上の働きを見せている。 ちるのは雪や寒さに強く、多少の吹雪でも平気である。 そのことを活かせば通常のゆっくりたちには不可能な雪原での狩りが可能なのだ。 はじめ、ちるのが狩りにいくといったとき冬に食料などないのに、と多くのゆっくりが思った。 しかしちるのがどうしてもと言うので、群れの使っている狩用のりゅっく(草を編んで袋状にしたもの)を貸し与えたのだ。 そしてその日の夕方ちるのはそのりゅっくいっぱいに食料を詰め込んできたのだ。 冬でも山にはたくさんの食べられる野草は存在する。 ふきのとうやスノードロップがそうだ。 その他にもどこから見つけてきたのか冬眠中のかえる等の小動物までとってきた。 これらは群れのゆっくりたちには大好評で皆争うようにして食べた。 冬ごもりでで味気の無いぱさぱさの保存食しか食べていなかったことを考えると当然である。 みんな喜んでるし、そんな様子を見てちるのも笑っている。 でも・・・・ なんだろう・・・この違和感・・・ なにか大切なことを見落としているような・・・ しかし、具体的にそれが何かはぱちゅりーには解らなかった。 そんなある日ちるのが、かりで得た戦利品に皆驚いた。 あまあまである。 ちるのはりゅっく一杯に黒いあまあまを持ってきたのだ。 簡単に甘味を味わえる飼いゆっくりと違い、野生で生きるゆっくりたちはあまあまとは無縁である。 せいぜいが柿や野いちごくらいくらいでそれすら身体能力の低いゆっくりたちにはほとんど口に出来ない。 ましてあまあまなど野生ゆっくりたちには黄金よりも価値があると言えよう。 「ゆっ、れいむにあまあまちょうだいね」 「まりさがさきだよっ!」 と巣の中は蜂の巣をつついたような大騒ぎである。 「ゆっ、あたいのさいきょーのあまあまみんなであじわってね」 ちるのはそういうと少しずつ各自に黒いあまあまを配っていった。 そして配られた端から食べていくゆっくりたち。 「しっしあわせーっ!」 「へぶんじょうたいっ!」 そう言い全員恍惚の表情を浮かべていた。 そんななか、ぱちゅりーだけがあまあまを口にしなかった。 おかしい。 あまあまは人間さんしか持っていない品のはず。けして野生には落ちていない。 どうやってちるのはあまあまを手に入れられたのか。 そう思うと食が進まなかったのである。自分の分はとなりのれいむにあげた。 そんななかちるのは全員のあまあまがなくなったのを確認すると 「おかわりがほしいひとはまだあるよ」 と叫んだ。 「どこ?どこにあるみょん!?」 「あまあまどこなんだぜ!?」 完全に興奮しているゆっくりたちにちるのは、 「そと。あんまりおおいんでいりぐちのところにおいてきたんだ。」 と、いい群れ全体を見渡すようにして 「はやいものがちだよ。」 と興奮するゆっくりをあおるかのように言い放った。 「どくんだぜ。まりさがあまあまたべるんだぜ!」 「あまあまはとかいはなしゅくじょのものよ!」 「みょんはもっとあまあまたべたいみょん!!」 そう叫びながら出口へと殺到しる群れのゆっくりたち。 出口への通路は一匹ずつしか入れないのに我先にと押し合い、へし合いし正におしくら饅頭状態。 その様はまるでパニック状態である。 「やべてね・・どいでね・・」 足元で潰れる子ゆっくりもいたが誰も気にしない。 冷静なのはぱちゅりーとちるのだけだった。 ぱちゅりーは思った。 みんなあきらかに普通じゃない。 皆を止めねば。 そう長年おさをしていた自分の勘が言っている。 「むきゅ、待ってみんなおちついて・・・むぎゅっ」 しかし最早、暴徒と化しているゆっくりたちを貧弱なぱちゅりーにとめられるはずも無い。 早々に吹き飛ばされぱちゅりーは気絶した。 「ぐふふ。一番乗りなんだぜ」 入り口を一番初めに抜けたのは群れで一番狩りのうまいまりさだった。 そしてそのまりさの前にある黒いもの。あまあまだ。 「あまあまさんはまりさにゆっくりたべられてね!」 そう言い飛びかかろうとした瞬間 まりさの世界は反転し、地面から急激に離れていった。 「まるでおそらをとんで・・ゆうぅぅぅぅ!?」 そしてまりさが見たものは・・・ 「むきゅう・・・」 どれくらい気を失っていただろうか。ぱちゅりーは目をさました。 もう巣の中には誰も残っていない。みんな外へいってしまったようだ。 打ち所が悪かったのかまだ頭がふらふらする。 しかしここでじっとしているわけにはいかない。ぱちゅりーは外へと歩き出す。 せまい入り口からなんとか這い出る。冷たい雪があんよに痛い。 そこには誰もいなかった。 もうすっかり日がくれ、月の光が雪に照り返され幻想的ですらある。 さっきは夕方だったからかなりの時間気を失っていたようだ。 しかしそうなると疑問が残る。群れのみんなはどこへいったのか。 この雪のなかどこかへいったとは考えにくい。実際ぱちゅりーもすでにこの寒さにまいっている。 「むきゅう・・・みんなどこに・・・」 その瞬間ぱちゅりーの体がふわりと浮いた。あのまりさのように。 と思った瞬間、巣の上の崖まで引き上げられ、そのまま崖の上にしたたか体を打ちつけた。 「む・・・むぎゅううぅぅ・・」 痛みのあまり悶えることしかできないぱちゅりー。 なんとか痛みに耐えつつ顔をあげるぱちゅりー。 そこで見たものは 見上げるような巨体、 白いお帽子 特有の下膨れの顔 れてぃだった。 だがぱちゅりーが本当に驚いたのはその横にいるゆっくりだった。 それはまぎれもなく自分の群れのちるのだった。 その二人の足元には仲間たちのものだったリボンやおぼうしが散乱している。 ぱちゅりーはすべてを理解した。いや理解したくなくても理解せねばならなかった。 仲間たちはこいつに食われたのだと。 そしてちるのが裏切り者だということ。 そう二匹はぐるだったのだ。 解説させてもらうと、ちるのは最初かられてぃの指示でこの群れに潜入したのだ。 れてぃへの食料として差し出すために。当然身の上話は同情を誘う為のでたらめである。 なぜこんな回りくどいまねをするのかと言うとこの群れの巣がなかなかやっかいだからである。 力技で巣の入り口を壊しても、れてぃの大きさでは巣にはとても入れない。 入り口から舌を伸ばすにしても、中のゆっくりたちまで舌が届かない。 仮に届いたとしても捕まえられるのは1匹か2匹。残りは舌の届かない奥まで逃げられてしまう。 だからこそれてぃは自分の配下であるゲスちるのを使ったのである。 作戦はこうだ。 まずゲスちるのをゆっくりの群れの中に潜入させる。 ゲスちるのは自らの長所を活かして冬ごもり中の群れに食料を提供し、群れの信用を得る。 この信用が曲者だったのだ。 仮に見ず知らずのゆっくりが「あまあまあげるよ」といっても付いていくゆっくりは少数だろう。 野生のゆっくりはそこまで餡子脳だと生き残れないのだ。 しかしこのゲスちるのの場合どうだろう。 このゲスちるのはすでになにもない冬の山から餌を手に入れると言う奇跡をおこしている。 群れは、ちるのなら野生では入手困難なあまあまを手に入れても不思議でないと思ってしまったのである。 また群れ全員に少量ずつあまあまを与えたのもうまかった。 人間空腹時にほんの少しだけ食べるとかえってお腹がすくものである。 甘味に飢えていたゆっくりにあまあまを少しだけ与えることで、もっとほしいと思わせ理性を失わせたのだ。 あまあまという欲望に支配されたゆっくりたちはおかわりがあるといえば外へ先を争って出ようとする。 あとは巣の上の崖に待機していたれてぃが舌で、巣から出てきたゆっくりを捕まえるだけ。 崖といっても2mもないので余裕でれてぃの舌が届く。あまあまに夢中のゆっくりは気づかずどんどん捕まっていく。 更に言うならこの巣の地形もれてぃに気づかなかった原因である。 もし普通の巣だった場合、2,3匹ずつ出てくるはずなので、れてぃの舌も全員捕らえることはできなかっただろう。 入り口が細長く一匹ずつしか出られない為、出てきた順番にれてぃの舌に捕まっていったのだ。 その様はまるでカツオの一本釣り。そして悲鳴を上げられないように次々に丸呑みしていったのだ。 「ひどいわ。むれのみんなをだましてたのね」 「そうだよ。あたいにとってのおさはれてぃだけ。」 そういうとにやりとわらうちるの。 ぱちゅりーは今頃になって自分が感じていた違和感の正体に気が付いた。 ちるのの笑顔だ。 今までぱちゅりーの知っているちるのの笑顔はもっと無邪気で純真だった。 ゲスまりさのように下卑た笑いではない。 しかし今頃わかっても全てが遅すぎた。 「むきゅうぅぅうう!みんなをかえしないよぉぉぉ!」 ぱちゅりーはれてぃを見据えて叫んだ。 こんなことしてもみんなが帰らないのはわかっている。しかし長としてそう言わずにはいれなかった。 「いいわよ」 「むきゅ!?」 予想外の言葉にぱちゅりーは驚いた。 「まあもっともこれをみてもそういってられるかしらねぇ。」 そう言うとれてぃは、ばっくりと大きくその口を開けた。 「むぎゅううううぅぅ!!えれえれえれ。」 思わずクリームを吐いてしまうぱちゅりー。 その口の中にいたのは紛れも無くぱちゅりーの群れのみんなだった。 しかし全員顔が無かった。 それどころか全身の皮がとけかかっており、薄皮一枚でなんとかなんとかゆっくりとしての形を維持しているものの 餡子のかたまりがうぞうぞ動いているようでかえってグロテスクである。 そう、皆れてぃの胃液(れてぃ曰く、くろまく液)によって溶けかかっていたのだ。 れてぃ種の習性として自分の胃液をコントロールできるというのがある。これにより、捕食したゆっくりを口のなかで 保存食状態にできるのだ。おそらく春夏秋をほとんど冬眠のようにくらす為だろう。 またその保存食を吐き出し、その甘い香りで他のゆっくりをひきつける撒き餌のような使用法もある。 実際このれてぃの保存食は人間にも愛好家は多く、高級ゆっくり料理店でしか出されないような代物だ。 ちるのに持たせたあまあまも当然それである。 保存食は一応生きているものの、もはや生きていると言うより、まだ死んでいないと言ったほうがいいだろう。 そうやってぱちゅりーがクリームを吐いて痙攣している所、れてぃの口の中から這い出てきたゆっくりが1匹いた。 なぜか、全身溶けかかっているのにぺにぺにをおったてたまま、クリームを吐いて動けないぱちゅりーに向かっている。 じつはこれ最初のシーンにでてきたお花畑ありすである。生命の危機に直面してれいぱーとしての本能がめざめてしまったらしい。 そしてその欲望は唯一無事なぱちゅりーへむけられてしまった。 必死で逃げようとするぱちゅりー。だが腰が抜けてしまって動けない。ついにありすにつかまってしまった。 そして始まる悪夢のような光景。 顔なしありすに執拗にすーりすりされるぱちゅりー。 皮が無い為、直接分泌液がぱちゅりーの肌へ塗りこまれる。 植物型にんっしんの茎がぱちゅりーからどんどん生えてくる。 「む・・むきゅぅぅ・・やべて・・・」 何とかやめさせようとするももう力が入らない。 のっぺらぼうのゆっくりににちゃにちゃと愛撫される恐怖にもはやぱちゅりーは限界だったのだ。 「えれえれ・・・もっとゆっくりしたかった・・・」 ついにぱちゅりーはショック死してしまった。 人間で言えば内臓むき出しの人体模型に襲われたようなものだから無理もない。 「ふん。しょせんひんじゃくなつうじょうしゅねぇ。」 れてぃは鼻で笑うように言い放ち、ぱちゅりーの死体をごくんと飲み込んだ。そしてありすのほうへ向き直る。 ありすは近くにあった切り株にむかってすーりすりしていた。 無理やりかたい木に体をこすりつけているのだから、命の源である餡子がぼろぼろと下に落ちていく。 もはやまともな思考ができないのだ。 もう何分と持たないだろう。 「まったく。せいよくだけはいちにんまえね・・・」 そう呆れたようにいうれてぃ。しかしその表情が急に変わった。 「こんなやつらのために・・・こんなやつらのためにぃ!!!」 次の瞬間れてぃはその巨体に似合わない身軽さで突進した。 その突進した先にいるのは切り株に愛撫し続けるありすだ。 どん。 もともと体の崩れかけていたありすはひとたまりも無い。 餡子を地面にぶちまけて永遠にゆっくりしてしまった。 しかしれてぃは止まらない。 「こんなくずどものために!わたしたちは!わたしたちはぁぁ!」 そう言いながらありすの死体を踏み続ける。 その表情からは先程の嗜虐と嘲りは消え、憎悪と怒りしか見えない。 れてぃが落ち着き、それをやめたころには、ありすだったものは雪の上にぐちゃぐちゃになった餡子が残るだけだった。 「れてぃ・・」 そう心配そうにつぶやくちるの。 こちらも先程のゲスの表情はもうなくなっている。 どうやらこのちるの、ただ欲望のままゲスになったのではないらしい。 その後、二匹は言葉をかわすことなく、自分たちの巣のある森の奥へときえていった。 そして一部始終を見ていたものがいた。 「あわわわわ・・・・たいへんなんだねー。わかるよー。」 このちぇんはとなりの群れのゆっくりで、冬ごもり中なにか問題が起きてないか、この群れの様子を見に来たのだ。 「みんなにしらせるんだねー。」 ちぇんはきびすを返すと自分の群れへと急いだ。 (スタジオに切り替わる) いかがだったでしょうか。あの二匹がなぜゲスになったのか、なぜあれほどまでに通常種を憎むのか。 我々にはうかがい知ることはできません。 しかし、一見何も考えていなさそうなちるの種やれてぃ種もまた様々な過去や苦悩を抱えて生きていることはご理解できたと思います。 しかしどれほど深い事情があろうと罪は罪。 こうしたごく一部のゲスちるののせいで他の多くの善良なちるの種が群れから追放されていったのを忘れてはなりません。 このあたり山々はゲスちるのが長い間いなかった為、群れの中に多数のちるの種が通常種と共に暮らしていました。 しかしそれも終わります。 目撃ゆっくりがいた為、冬ごもり終了後ゲスちるのの存在は群れの間へとすっかり知れ渡ってしまったのです。 そして始まるちるの種への迫害。 多くのちるのが群れからの追放処分や村八分に苦しみました。 しかしちるの種への苦難はこれだけでは終わらなかったのです。 (後編へ続く) あとがき 原作でも二次創作でもレティとチルノのからみは多いのに、なぜかゆっくりSSではこのカップリングは皆無に近い状態だったのでれてぃ=ちるの種専用のドスというイメージで駄文ながら書かせていただきました。 このれてぃがなぜ通常種を憎むのかは「野望のれてぃ れてぃの王国建国」(仮題)で書きたいとおもいます。 by長月 長月の作品集 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る 考えさせられた話すです -- 2020-07-05 15 30 50 よくわからんがゲスがちるのを迫害→れてぃが制裁→さらに無関係な通常種を虐殺→通常種がちるのを迫害→以下ループ と連鎖してるのかねぇ -- 2013-04-20 23 48 11 後編がみあたらない ないのかな -- 2012-07-03 22 32 53
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※以前あげたものを一部改変し、中編を付けてあげなおしました。 ※俺設定注意 ※駄文、稚拙な表現注意。 ※ちるの、れてぃ種優遇注意 ※グロ注意 ゆっくりドキュメンタリー ゆっくりちるのの生態(前編) チャラララーラーラータンタンチャラララーラーラー(番組のイントロがながれる) みなさんこんばんわ。ゆっくりドキュメンタリー希少種の生態のお時間です。 毎回シリーズで動く饅頭、不思議生物ゆっくりについてお伝えしております。 今回のテーマはこれ。 (もっていたフィリップを見せる) 真夏の暑さの強い味方、ゆっくりちるのの生態について見ていきたいとおもいます。 ちるのと聞いて皆さんは何を連想するでしょうか。冷たい、氷、おバカ等色々あるでしょう。はては希少種でなかなか手に入らない。買おうとしてもれいむやまりさの数十倍の値段がついていてなかなか手が出ない。そういった印象はないでしょうか。 ですが、ちるのの生態について語る前にまず言っておきたいのはちるの種は一応希少種ではあるが、全体の個体数はけして少ないわけではないということです。 事実ゆっくり保護局のさだめる希少種の希少度はSからDまでありますが、ちるのの希少度は最低のD。 これはゆっくりちぇん、ゆっくりみょんより少し高い程度ランクであり、ドスまりさよりも希少度は低く、それこそ100匹程度の群れであればれば一匹はいるレベルであり、けして珍しいものではありません。 しかし多くの人は首をかしげるのではないでしょうか?「ちるの種なんてゆっくりの群れで見たことなんてないし、そもそもちるの自体ゆっくりショップ以外じゃほとんど見ない。」と。 ではなぜこのような矛盾が起こるのでしょうか。VTRを用意したのでご覧ください。 (スタジオからVTRに切り替わる) ここは雪の降る山の中。あたりはすっかり一面銀世界となっている。 そんななか洞窟から聞こえる「ゆー、ゆー」と聞こえる調子はずれな声。 ゆっくりである。 小さな洞窟の中で30頭ほどだろうか、ゆっくりたちが肩を寄せ合うようにしながら冬を越そうとしていた。 どうやら群れ単位でいくつかの家族が合同で冬ごもりをしているらしい。 通常ゆっくりの冬ごもりは一家族で行うものだが、この群れは固体数が少なく、群れの皆が仲がいいため、群れ全体での冬ごもりを 行うことにしたのだ。 「ゆっ、おちびちゃんたちは、おうたがじようずだね」 「ゆゆっ、もちろんだよ。みゃみゃのこだもん」 「すばらしいびせいだったんだぜ。うぃーんがっしょうだんも、はだしでにげだすんだぜ」 「とってもとかいはなおうただったわ」 「むきゅ、そうね」 そう話しているのはまりさとれいむのつがいに2匹のこれいむ達、、そしておとなりにすんでいるありすとこの群れのリーダーであるぱちゅりーである。 どう聞いても歌というよりうなり声だったが、ゆっくりたちの中ではそれでいいらしい。 「ありすもはやくこういうとかいはこどもたちがほしいわ」 「むきゅ。ありすほどのびゆっくりなら、ふゆさんさえおわればいくらでももらいてはいるわ。いまはがまんしてね」 「ゆー。ふゆさん、ゆっくりしないではるになってね」 ありすは不満をもらすが、今の状態もそれほど嫌いではなかった。 大好きな群れのみんなとすーりすりやおうたをうたってすごすゆっくりした日々。 リーダーのぱちゅりーが管理してくれているおかげでけして多くはないが食料にも余裕があった。 食料集めに忙しくてつがいのお相手を見つけられなかったのは残念だったが、その分、春にはよいゆっくりとつがいになり子供も作って ゆっくりしよう。 都会派な子供たちにすてきなだーりん。かわいいおちびちゃんにはたくさんすーりすーりしてあげて、都会派がなんたるか英才教育も同時に行う。そして晴れた日にはみんなでピクニックにでかけるのだ。お花畑で無邪気に遊ぶおちびちゃんたちとそれを見守るだーりんとありす。 なんと素晴らしいことだろう。 考えただけでため息がでるほどに。 もうすでにありすの心の中は春爛漫。ゆっくりできるであろう未来に酔っていた。 実際、ありすはこの群れのなかでは一番の美ゆっくりであり、群れの中、外を問わず好意をいだいている者も少なくない。 そして、このあたりはれみりゃや、ふらんの縄張りの外であり、もしこのまま春を迎えられれえばその妄想が現実となる可能性も高かった。 無事春を迎えられればだが・・・・・ お花畑満開のありすとは裏腹にぱちゅりーにはひとつ悩みがあった。 誰かに見られてるような気がするのだ。 この洞窟は群れ合同の冬ごもりのため、ぱちゅりーの選んだもので広さや食料をおくスペース等には問題ない。 また群れのみんなががんばってくれたおかげで食料の量も十分である。 だが何かに見られているような感覚を何度も感じている。 最初は、げすまりさたちが、この群れの食料を狙っているのかと思ったが、どうやら違うようだ。 では一体だれが・・・。 考え込んでいたぱちゅりーだったが物音がそれを邪魔した。 どうやら出入り口を誰かがノックしているようだ。 こんな真冬になんだろう。となりの群れのゆっくり? それともまさかれみりゃや、れてぃが来たのではないか。 そう思い一瞬みがまえるぱちゅりーだが、もしそれならノックするはずもない。 入り口の枝や干草で作ったバリケードを破壊し、中にはいってくるか、長い舌を伸ばしてくるはずである。 例え人間でもそうするだろう。強い人間なら頑丈なバリケードも片手で粉砕するだろう。 不思議に思いながら、ぱちゅりーは入り口に向かった。 それが大きく自分の運命を変えると知らずに・・・・・ ぱちゅりーは円形の居住スペースからせまい通路を這うように進んでいた。 この洞窟は丸底フラスコ型の形になっている。 入り口から居住スペースまでの通路が狭く細長く、成体のゆっくり一体がやっと出入りすることができる程度の大きさしかなく、代わりに居住スペースが広いような作りになっていた。 なぜこのような洞窟を選んだかというと捕食種対策である。 ゆっくりが冬ごもりを成功させる為、もっとも気をつけなければならない点は食料の備蓄もあるが、捕食種への対策も同じく 重要な要素となっている。 おもな脅威として挙げられるのは、冬限定の捕食種れてぃ、冬ごもりの食料が足りなくなって慌ててもう一度食料を集めだした れみりゃ、ふらん、さらには捕食種ではないが冬ごもり用の食料を狙うげすまりさなどである。このあたりにれみりゃ、ふらんは いないが、餌がないとわかれば縄張りの外まで行動範囲を広げかねない。 このように細長い通路にしておけばれてぃ、胴付きの捕食種の進入は防げる上、もし胴なしれみりゃや、げすまりさが進入してきても、 細長い通路に詰まっている間に、尖った木の枝(まりさいわく剣)で撃退できるようできている。 しかしいくらなんでも狭すぎた。これでは這うようにしてしか外に出られない。病弱のぱちゅりーにこれはきつい。 もう少し通路を大きくしておくべきだったかと反省しつつもやっと入り口の前に着き、入り口のバリケードを取り外す。 外の木枯らしがぱちゅりーにはこたえた。 そこにいたのは、青いリボンに水色の四角い羽をもつゆっくり。 寒風吹きすさぶ中、立っていたのはゆっくりちるのだった。 「むきゅ・・・。それはごしゅーしょうさまね・・・」 ぱちゅりーは声を落としていった。 あのあと立ち話もなんだからと、ちるのを招きいれ、ぽつり、ぽつりと話すちるからここにきた事情を聞きだしたのだ。 それによるとちるのはこのとなりの谷にすむゆっくりで、父、母共にちるの種で、家族全員ちるの種だったらしい。 ちるの種は冬ごもりする必要がない為、冬でも外出できる。 ちるのは成体になったばかりの遊びたい盛り。 その日も純白の氷原を満喫し、家路についた。 そして家まで来て愕然とする。 家がないのだ。 正確には家だったほら穴が地すべりを起こし、家族全員生き埋めになっていたのだ。 泣きながらさまよい歩き、やっとゆっくりの巣らしきものを見つけ助けをもとめたというのだ。 ぱちゅりーは考える。このままこのちるのをおいだすのはゆっくりできないことだ。 ちらりと群れのみんなを見る。 群れ以外の者を自分の一存でおいていいものか? しかしこの考えは杞憂に終わる。 「ぱちゅりー、このこをむれでゆっくりさせてあげてほしいのぜ」 「こまっているゆっくりをみすてるのはしゅくじょじゃないわ」 「おねがいぱちゅりー」 安心した。どうやら群れ全員同じ意見のようだ。 「それではこのこをむれのいちいんとしてみとめるわ。よろしくね、ちるの」 こうしてちるのは群れの一員になった。 「むきゅう・・・」 ぱちゅりーは悩んでいた。ちるのが群れの一員になって3日。 ちるのは特に群れのみんなとも問題を起こさず、むしろ予想以上の働きを見せている。 ちるのは雪や寒さに強く、多少の吹雪でも平気である。 そのことを活かせば通常のゆっくりたちには不可能な雪原での狩りが可能なのだ。 はじめ、ちるのが狩りにいくといったとき冬に食料などないのに、と多くのゆっくりが思った。 しかしちるのがどうしてもと言うので、群れの使っている狩用のりゅっく(草を編んで袋状にしたもの)を貸し与えたのだ。 そしてその日の夕方ちるのはそのりゅっくいっぱいに食料を詰め込んできたのだ。 冬でも山にはたくさんの食べられる野草は存在する。 ふきのとうやスノードロップがそうだ。 その他にもどこから見つけてきたのか冬眠中のかえる等の小動物までとってきた。 これらは群れのゆっくりたちには大好評で皆争うようにして食べた。 冬ごもりでで味気の無いぱさぱさの保存食しか食べていなかったことを考えると当然である。 みんな喜んでるし、そんな様子を見てちるのも笑っている。 でも・・・・ なんだろう・・・この違和感・・・ なにか大切なことを見落としているような・・・ しかし、具体的にそれが何かはぱちゅりーには解らなかった。 そんなある日ちるのが、かりで得た戦利品に皆驚いた。 あまあまである。 ちるのはりゅっく一杯に黒いあまあまを持ってきたのだ。 簡単に甘味を味わえる飼いゆっくりと違い、野生で生きるゆっくりたちはあまあまとは無縁である。 せいぜいが柿や野いちごくらいくらいでそれすら身体能力の低いゆっくりたちにはほとんど口に出来ない。 ましてあまあまなど野生ゆっくりたちには黄金よりも価値があると言えよう。 「ゆっ、れいむにあまあまちょうだいね」 「まりさがさきだよっ!」 と巣の中は蜂の巣をつついたような大騒ぎである。 「ゆっ、あたいのさいきょーのあまあまみんなであじわってね」 ちるのはそういうと少しずつ各自に黒いあまあまを配っていった。 そして配られた端から食べていくゆっくりたち。 「しっしあわせーっ!」 「へぶんじょうたいっ!」 そう言い全員恍惚の表情を浮かべていた。 そんななか、ぱちゅりーだけがあまあまを口にしなかった。 おかしい。 あまあまは人間さんしか持っていない品のはず。けして野生には落ちていない。 どうやってちるのはあまあまを手に入れられたのか。 そう思うと食が進まなかったのである。自分の分はとなりのれいむにあげた。 そんななかちるのは全員のあまあまがなくなったのを確認すると 「おかわりがほしいひとはまだあるよ」 と叫んだ。 「どこ?どこにあるみょん!?」 「あまあまどこなんだぜ!?」 完全に興奮しているゆっくりたちにちるのは、 「そと。あんまりおおいんでいりぐちのところにおいてきたんだ。」 と、いい群れ全体を見渡すようにして 「はやいものがちだよ。」 と興奮するゆっくりをあおるかのように言い放った。 「どくんだぜ。まりさがあまあまたべるんだぜ!」 「あまあまはとかいはなしゅくじょのものよ!」 「みょんはもっとあまあまたべたいみょん!!」 そう叫びながら出口へと殺到しる群れのゆっくりたち。 出口への通路は一匹ずつしか入れないのに我先にと押し合い、へし合いし正におしくら饅頭状態。 その様はまるでパニック状態である。 「やべてね・・どいでね・・」 足元で潰れる子ゆっくりもいたが誰も気にしない。 冷静なのはぱちゅりーとちるのだけだった。 ぱちゅりーは思った。 みんなあきらかに普通じゃない。 皆を止めねば。 そう長年おさをしていた自分の勘が言っている。 「むきゅ、待ってみんなおちついて・・・むぎゅっ」 しかし最早、暴徒と化しているゆっくりたちを貧弱なぱちゅりーにとめられるはずも無い。 早々に吹き飛ばされぱちゅりーは気絶した。 「ぐふふ。一番乗りなんだぜ」 入り口を一番初めに抜けたのは群れで一番狩りのうまいまりさだった。 そしてそのまりさの前にある黒いもの。あまあまだ。 「あまあまさんはまりさにゆっくりたべられてね!」 そう言い飛びかかろうとした瞬間 まりさの世界は反転し、地面から急激に離れていった。 「まるでおそらをとんで・・ゆうぅぅぅぅ!?」 そしてまりさが見たものは・・・ 「むきゅう・・・」 どれくらい気を失っていただろうか。ぱちゅりーは目をさました。 もう巣の中には誰も残っていない。みんな外へいってしまったようだ。 打ち所が悪かったのかまだ頭がふらふらする。 しかしここでじっとしているわけにはいかない。ぱちゅりーは外へと歩き出す。 せまい入り口からなんとか這い出る。冷たい雪があんよに痛い。 そこには誰もいなかった。 もうすっかり日がくれ、月の光が雪に照り返され幻想的ですらある。 さっきは夕方だったからかなりの時間気を失っていたようだ。 しかしそうなると疑問が残る。群れのみんなはどこへいったのか。 この雪のなかどこかへいったとは考えにくい。実際ぱちゅりーもすでにこの寒さにまいっている。 「むきゅう・・・みんなどこに・・・」 その瞬間ぱちゅりーの体がふわりと浮いた。あのまりさのように。 と思った瞬間、巣の上の崖まで引き上げられ、そのまま崖の上にしたたか体を打ちつけた。 「む・・・むぎゅううぅぅ・・」 痛みのあまり悶えることしかできないぱちゅりー。 なんとか痛みに耐えつつ顔をあげるぱちゅりー。 そこで見たものは 見上げるような巨体、 白いお帽子 特有の下膨れの顔 れてぃだった。 だがぱちゅりーが本当に驚いたのはその横にいるゆっくりだった。 それはまぎれもなく自分の群れのちるのだった。 その二人の足元には仲間たちのものだったリボンやおぼうしが散乱している。 ぱちゅりーはすべてを理解した。いや理解したくなくても理解せねばならなかった。 仲間たちはこいつに食われたのだと。 そしてちるのが裏切り者だということ。 そう二匹はぐるだったのだ。 解説させてもらうと、ちるのは最初かられてぃの指示でこの群れに潜入したのだ。 れてぃへの食料として差し出すために。当然身の上話は同情を誘う為のでたらめである。 なぜこんな回りくどいまねをするのかと言うとこの群れの巣がなかなかやっかいだからである。 力技で巣の入り口を壊しても、れてぃの大きさでは巣にはとても入れない。 入り口から舌を伸ばすにしても、中のゆっくりたちまで舌が届かない。 仮に届いたとしても捕まえられるのは1匹か2匹。残りは舌の届かない奥まで逃げられてしまう。 だからこそれてぃは自分の配下であるゲスちるのを使ったのである。 作戦はこうだ。 まずゲスちるのをゆっくりの群れの中に潜入させる。 ゲスちるのは自らの長所を活かして冬ごもり中の群れに食料を提供し、群れの信用を得る。 この信用が曲者だったのだ。 仮に見ず知らずのゆっくりが「あまあまあげるよ」といっても付いていくゆっくりは少数だろう。 野生のゆっくりはそこまで餡子脳だと生き残れないのだ。 しかしこのゲスちるのの場合どうだろう。 このゲスちるのはすでになにもない冬の山から餌を手に入れると言う奇跡をおこしている。 群れは、ちるのなら野生では入手困難なあまあまを手に入れても不思議でないと思ってしまったのである。 また群れ全員に少量ずつあまあまを与えたのもうまかった。 人間空腹時にほんの少しだけ食べるとかえってお腹がすくものである。 甘味に飢えていたゆっくりにあまあまを少しだけ与えることで、もっとほしいと思わせ理性を失わせたのだ。 あまあまという欲望に支配されたゆっくりたちはおかわりがあるといえば外へ先を争って出ようとする。 あとは巣の上の崖に待機していたれてぃが舌で、巣から出てきたゆっくりを捕まえるだけ。 崖といっても2mもないので余裕でれてぃの舌が届く。あまあまに夢中のゆっくりは気づかずどんどん捕まっていく。 更に言うならこの巣の地形もれてぃに気づかなかった原因である。 もし普通の巣だった場合、2,3匹ずつ出てくるはずなので、れてぃの舌も全員捕らえることはできなかっただろう。 入り口が細長く一匹ずつしか出られない為、出てきた順番にれてぃの舌に捕まっていったのだ。 その様はまるでカツオの一本釣り。そして悲鳴を上げられないように次々に丸呑みしていったのだ。 「ひどいわ。むれのみんなをだましてたのね」 「そうだよ。あたいにとってのおさはれてぃだけ。」 そういうとにやりとわらうちるの。 ぱちゅりーは今頃になって自分が感じていた違和感の正体に気が付いた。 ちるのの笑顔だ。 今までぱちゅりーの知っているちるのの笑顔はもっと無邪気で純真だった。 ゲスまりさのように下卑た笑いではない。 しかし今頃わかっても全てが遅すぎた。 「むきゅうぅぅうう!みんなをかえしないよぉぉぉ!」 ぱちゅりーはれてぃを見据えて叫んだ。 こんなことしてもみんなが帰らないのはわかっている。しかし長としてそう言わずにはいれなかった。 「いいわよ」 「むきゅ!?」 予想外の言葉にぱちゅりーは驚いた。 「まあもっともこれをみてもそういってられるかしらねぇ。」 そう言うとれてぃは、ばっくりと大きくその口を開けた。 「むぎゅううううぅぅ!!えれえれえれ。」 思わずクリームを吐いてしまうぱちゅりー。 その口の中にいたのは紛れも無くぱちゅりーの群れのみんなだった。 しかし全員顔が無かった。 それどころか全身の皮がとけかかっており、薄皮一枚でなんとかなんとかゆっくりとしての形を維持しているものの 餡子のかたまりがうぞうぞ動いているようでかえってグロテスクである。 そう、皆れてぃの胃液(れてぃ曰く、くろまく液)によって溶けかかっていたのだ。 れてぃ種の習性として自分の胃液をコントロールできるというのがある。これにより、捕食したゆっくりを口のなかで 保存食状態にできるのだ。おそらく春夏秋をほとんど冬眠のようにくらす為だろう。 またその保存食を吐き出し、その甘い香りで他のゆっくりをひきつける撒き餌のような使用法もある。 実際このれてぃの保存食は人間にも愛好家は多く、高級ゆっくり料理店でしか出されないような代物だ。 ちるのに持たせたあまあまも当然それである。 保存食は一応生きているものの、もはや生きていると言うより、まだ死んでいないと言ったほうがいいだろう。 そうやってぱちゅりーがクリームを吐いて痙攣している所、れてぃの口の中から這い出てきたゆっくりが1匹いた。 なぜか、全身溶けかかっているのにぺにぺにをおったてたまま、クリームを吐いて動けないぱちゅりーに向かっている。 じつはこれ最初のシーンにでてきたお花畑ありすである。生命の危機に直面してれいぱーとしての本能がめざめてしまったらしい。 そしてその欲望は唯一無事なぱちゅりーへむけられてしまった。 必死で逃げようとするぱちゅりー。だが腰が抜けてしまって動けない。ついにありすにつかまってしまった。 そして始まる悪夢のような光景。 顔なしありすに執拗にすーりすりされるぱちゅりー。 皮が無い為、直接分泌液がぱちゅりーの肌へ塗りこまれる。 植物型にんっしんの茎がぱちゅりーからどんどん生えてくる。 「む・・むきゅぅぅ・・やべて・・・」 何とかやめさせようとするももう力が入らない。 のっぺらぼうのゆっくりににちゃにちゃと愛撫される恐怖にもはやぱちゅりーは限界だったのだ。 「えれえれ・・・もっとゆっくりしたかった・・・」 ついにぱちゅりーはショック死してしまった。 人間で言えば内臓むき出しの人体模型に襲われたようなものだから無理もない。 「ふん。しょせんひんじゃくなつうじょうしゅねぇ。」 れてぃは鼻で笑うように言い放ち、ぱちゅりーの死体をごくんと飲み込んだ。そしてありすのほうへ向き直る。 ありすは近くにあった切り株にむかってすーりすりしていた。 無理やりかたい木に体をこすりつけているのだから、命の源である餡子がぼろぼろと下に落ちていく。 もはやまともな思考ができないのだ。 もう何分と持たないだろう。 「まったく。せいよくだけはいちにんまえね・・・」 そう呆れたようにいうれてぃ。しかしその表情が急に変わった。 「こんなやつらのために・・・こんなやつらのためにぃ!!!」 次の瞬間れてぃはその巨体に似合わない身軽さで突進した。 その突進した先にいるのは切り株に愛撫し続けるありすだ。 どん。 もともと体の崩れかけていたありすはひとたまりも無い。 餡子を地面にぶちまけて永遠にゆっくりしてしまった。 しかしれてぃは止まらない。 「こんなくずどものために!わたしたちは!わたしたちはぁぁ!」 そう言いながらありすの死体を踏み続ける。 その表情からは先程の嗜虐と嘲りは消え、憎悪と怒りしか見えない。 れてぃが落ち着き、それをやめたころには、ありすだったものは雪の上にぐちゃぐちゃになった餡子が残るだけだった。 「れてぃ・・」 そう心配そうにつぶやくちるの。 こちらも先程のゲスの表情はもうなくなっている。 どうやらこのちるの、ただ欲望のままゲスになったのではないらしい。 その後、二匹は言葉をかわすことなく、自分たちの巣のある森の奥へときえていった。 そして一部始終を見ていたものがいた。 「あわわわわ・・・・たいへんなんだねー。わかるよー。」 このちぇんはとなりの群れのゆっくりで、冬ごもり中なにか問題が起きてないか、この群れの様子を見に来たのだ。 「みんなにしらせるんだねー。」 ちぇんはきびすを返すと自分の群れへと急いだ。 (スタジオに切り替わる) いかがだったでしょうか。あの二匹がなぜゲスになったのか、なぜあれほどまでに通常種を憎むのか。 我々にはうかがい知ることはできません。 しかし、一見何も考えていなさそうなちるの種やれてぃ種もまた様々な過去や苦悩を抱えて生きていることはご理解できたと思います。 しかしどれほど深い事情があろうと罪は罪。 こうしたごく一部のゲスちるののせいで他の多くの善良なちるの種が群れから追放されていったのを忘れてはなりません。 このあたり山々はゲスちるのが長い間いなかった為、群れの中に多数のちるの種が通常種と共に暮らしていました。 しかしそれも終わります。 目撃ゆっくりがいた為、冬ごもり終了後ゲスちるのの存在は群れの間へとすっかり知れ渡ってしまったのです。 そして始まるちるの種への迫害。 多くのちるのが群れからの追放処分や村八分に苦しみました。 しかしちるの種への苦難はこれだけでは終わらなかったのです。 (後編へ続く) あとがき 原作でも二次創作でもレティとチルノのからみは多いのに、なぜかゆっくりSSではこのカップリングは皆無に近い状態だったのでれてぃ=ちるの種専用のドスというイメージで駄文ながら書かせていただきました。 このれてぃがなぜ通常種を憎むのかは「野望のれてぃ れてぃの王国建国」(仮題)で書きたいとおもいます。 by長月