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ストーリーに於ける立ち位置 妖怪に攻め滅ぼされた町にやってきて、復興させた魔法使い。人と妖怪が分け隔てなく生きていける世界の実現のため命蓮寺を建立。 毘沙門天の弟子であるしょうに信仰を集めさせていた。しかし一度妖怪に町を滅ぼされてる事から住人は妖怪を憎んでおり、人間ではない びゃくれんやしょうは素性を隠しながら日々を過ごしていた。そんな中、びゃくれんが町の人々を生け贄にしようとしている噂が広まり 彼女は投獄されてしまう。霊夢たちの活躍で疑惑が晴れたものの、自分の素性が住人にバレてしまう。長老は引きとめようとしたが もうこの町には居られないという事でパーティーに同行する。 能力について 回復、補助に加え「聖」属性の攻撃魔法も使える魔法使いタイプ。 「エンチャントシールド」はれいむの「ふうまけっかい」と同時に使うことでパーティの防御面はほぼ万全になる。 また「ホーリー」など倍率が高い魔法も扱えるため余裕があれば攻撃に参加できる点も強み。 「エンチャントブレイド」は対象が単体であるものの、「パワー」と「オーラ」を同時に付与出来るので、 物理攻撃と「CRI」の高い さくやや にとりに使えば効果的だ。 エンチャントシールドもエンチャンドブレイドも消費SPが高いので、頻繁に使うならLv10まで振ってしまいたい。 終盤はれいむだけでは回復が足りない場合もある。余裕があればワイドヒールのレベルも上げておこう。 「聖」と「闇」属性の攻撃スキルを習得するが、「聖」属性は「魔法」、「闇」属性は「物理」扱いと分かれており、 「STR」が低めの彼女には「闇」属性側の攻撃スキルは相性が悪い。 装備可能な武具 武器 杖、鈍器、弓、本、札 防具 軽盾、軽鎧、腕輪 ステータス 属性 闇 LV HP SP STR AGI VIT INT DEX LUK 1 26 40 3 6 3 9 8 5 10 80 101 3 8 4 13 10 5 20 143 176 4 10 5 16 12 5 30 216 256 6 15 6 18 12 5 40 287 338 6 18 6 22 15 5 50 349 424 6 19 6 29 17 5 60 409 489 6 19 6 29 17 5 70 457 555 6 19 6 29 17 5 80 546 624 6 19 6 29 17 5 90 602 691 6 19 6 29 17 5 99 648 752 6 19 6 29 17 5 修得スキル 名称 消費SP 属性 範囲 効果 依存ステータス 習得レベル 備考 ヒール 4 味方・単 HPを回復・倍率100% MATK 1 パワーチャージ 13 自分 「パワー」状態を「9ターン」付加する 1 [SP減少率] スキルレベル × 1[L-10] で消費SP「3」 ダークネスアタック 6 闇 敵・単 物理・倍率110%ダメージ ATK + ASPD 1 セイクリッドアロー 4 聖 敵・単 魔法・倍率100%ダメージ MATK 1 アシストチャージ 20 味方・単 「パワー」状態を「9ターン」付加する 6 [SP減少率] スキルレベル × 1[L-10] で消費SP「10」 ワイドヒール 18 味方・全 HPを回復・倍率50% MATK 8 オーバーヒール 14 味方・単 HPを回復・倍率300% MATK 12 アークレイ 12 聖 敵・全 魔法・倍率100%ダメージ MATK 12 キュアオール 20 味方・単 状態異常を回復 (「しぼう」は除く) 15 [SP減少率] スキルレベル × 1[L-10] で消費SP「10」 リザラックション 60 味方・単 「しぼう」を回復 19 [SP減少率] スキルレベル×4[L-10] で消費SP「20」 エンチャントシールド 60 味方・全 「シールド」状態を「5ターン」付加する 22 [SP減少率] スキルレベル × 3[L-10] で消費SP「30」 エンチャントブレイド 60 味方・単 「パワー」「オーラ」状態を「7ターン」付加する 23 [SP減少率] スキルレベル × 3[L-10] で消費SP「30」 ラッシュアタック 99 自分 「ラッシュ」状態を「5ターン」付加する MATK 24 [SP減少率] スキルレベル × 3[L-10] で消費SP「69」 ダークパワー 21 闇 敵・単 物理・倍率300%ダメージ ATK 26 必中 ホーリー 35 聖 敵・単 魔法・倍率350%ダメージ MATK 28 ナックルマスタリー - パッシブ 「すで」の「ATK」が「スキルレベル × 10%」増加する 1 「ATK」計算時の「STR」依存率が上昇※両手とも「すで」の場合のみ効果あり マジックマスタリー - パッシブ 「魔法」ダメージが「スキルレベル × 2%」増加する 1 アドバンスドフリー - パッシブ 「FLEE」が「スキルレベル × 2」上昇する 1 効果補足 パワー 「ATK」増加 シールド 「物理」ダメージ半減 オーラ 「クリティカル率」上昇 ラッシュ 攻撃力、命中率が大幅に上昇 名前 コメント
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『びゃくれん、悩む』 19KB 愛で 捕食種 希少種 現代 独自設定 よろしくお願いします 本作は以下三作の続き物となっております。 anko4299 ゆっくりは幸せな夢を見るか? anko4309 野良ゆっくりを飼うということ anko4454 びゃくれんと大学にいってきた ※希少種がもの凄い優遇されており、さらに賢いです。 夏、梅雨を越えて日差しが強くなりセミの鳴き声も聞こえ始めた頃。 びゃくれんと共に住んでいるお兄さんはなにやらびゃくれんの大きさと体重を計っていた。 「おお、びゃくれんも遂に成ゆっくりだなぁ」 「いままでたいせつにしてくれてありがとうございます、おにいさん」 「いやいや、まだまだこれからだろうに」 そう言いながらお兄さんはびゃくれんの大きさを計っていたメジャーをしまった。 だいたいバスケットボールサイズが成ゆの基準になるが、一応加工所では赤ゆっくりから成ゆっくりまでそれぞれの大きさと重さを分類するガイドラインがある。 多少ぞんざいに扱ってもどうにでもなるし代わりも効くれいむやまりさのような通常種はともかく、希少種となるとやはりその辺り気を遣いたい飼い主は多いのだ。 もちろん、でたらめ饅頭生物ゆっくりのこと、大きくなって重くなれば成ゆであるという認識で構わないのだが。 「そうだなー、成人式ならぬ成ゆん式ってやつか? びゃくれんは何が食べたい?」 「え? わたしはいつものゆっくりふぅどでいいですよ?」 「お祝いだよお祝い。何か食べたいものはない?」 「あ、ならびわがたべたいです!」 「おやつに時々食べてるじゃんそれ……」 本当にびゃくれんは枇杷が好きだなとお兄さんは思う。 びゃくれん種は枇杷を好むのは仏教に関するからか、それとも中身が枇杷ジャムだからなのかはわからないのだが。 中身と言えば、びゃくれんの中身を調べようとうんうんを調べた時は一週間くらいびゃくれんが口をきいてくれなかった時があったなぁとぼんやり思い出す。 それはともかく。 「いやいや、せっかく大人のゆっくりになったんだ。そろそろ人間の食べ物を食べても良いんだぞ?」 「おにいさんのを、ですか?」 「ああ。とはいっても味の薄いやつだけどな」 「でも、ゆっくりであるわたしがにんげんのたべものをたべるとたいへんなんですよね?」 「実はそれのことなんだけどな」 赤ゆっくりに甘いものを与えるとそれ以外を受け付けなくなるのは有名な話だ。 それはつまり、味覚が未発達なところへ強烈な味を染み込ませるとそれ以外の感覚を得る前に失ってしまうからである。 それとは逆に赤ゆの時からゆっくりフードそれなり味のような淡泊な、言い換えれば味の薄いものを与えておけばゆっくりは自ずと味わうという行為をするようになる。 それは『むーしゃむーしゃ』や『しあわせー!』に代表される汚い食い散らかしも抑制されることになるし、なにより食事だけでとてつもないゆっくりを得ることにもつながっていく。 そしてこれらの前段階を終えて成ゆになると、舌もしっかりと発達を終え人間の食物を得ても問題がなくなるのだ。 「ま、あんまり辛い物とか甘すぎるのはダメだけどな」 「そうなんですか。んー、でも……ゆぅ」 「どうした?」 「ごめんなさい、どんなたべものがあるのかわからないんです……」 そういえばそうだった、とお兄さんは思い返す。 びゃくれんは礼儀正しいゆっくりであり、飼い主であるお兄さんの食事をたかることもねだることも、一度たりとてしていない。 時にゆっくりが『ぱすたさん』だとか『あいすさん』だとかほざいて人間にたかる時があるが、あれはやはりそういう食べものに接する機会があったから知っているのである。 飼い主に迷惑をかけない、そう言う風に自分を律しているびゃくれんだからか、そっちの方面に疎いようである。 ともあれ。 「そうか、そうだなぁ」 「だからわたしは、いつものとおりでいいんです。おにいさんのおきもちはほんとうにうれしいですし、うけとりたいのですけど……」 「いやいや、びゃくれんは悪くないから、な?」 お兄さんは困ったような笑みをする。 確かにびゃくれんは今まで一度もワガママを言わなかったし、躾を良く聞くという理想の飼いゆっくりと言ってもいいだろう。 ただ、人間とは不思議なものでそうやっているもの対しては無条件に甘えて欲しいと思うようになるのである。 いつもワガママ三昧のものから発せられるワガママと、いつも真面目なものが発するたまのワガママ、どちらが可愛らしいかは当然だろう。 もちろん、内容にもよるが。 「んー……ん? おや電話だ?」 と、びゃくれんと一緒になって悩んでいたお兄さんは机の上に放り出していた携帯が光っているのを見つけた。 開いてみれば大学の友人からである。 何か用があるのだろうか、と通話ボタンを押した。 「もしもし」 『おう、今晩暇か?』 「いや、びゃくれんが成ゆになったから何かお祝いでも――」 『そうか、びゃくれんも遂に成体ゆっくりか! 丁度いい、今日はみんなで鍋をするからお前も来いよ。びゃくれんも連れてな、じゃな!』 「おい!?」 言いたいことを言うなりさっさと電話を切ってしまった。 恐らく断らせるつもりはないのだろう。 まぁ丁度いいかとお兄さんは納得した。 あの友人はゆっくりを飼っている友人だ、なのにキムチ鍋などという無茶をするはずもあるまい。 「というわけなんだがびゃくれん、今夜は鍋に決まったぞ」 「なべ……ですか?」 「ま、夜になったらわかるから」 可愛らしく頭を、もとい身体全体を傾げるびゃくれんを撫でながらお兄さんはそう言うのであった。 夜、日もすっかり沈んだ頃。 お兄さんはびゃくれんを抱きかかえて、友人の下宿するアパートへと向かっていた。 大学へ向かうように坂道を登っていき今度は大学の横を通り過ぎていく。 それから数分、目的のアパートが見えてきた。 いつ来ても大学が近いっていいよなぁと思いつつ、お兄さんは友人の部屋のインターホンを押した。 「はいはい、って来たか」 「来ましたよ。つうか夏場に鍋かよ」 「いいだろ別に。暑けりゃクーラーを入れればいいだけだろ」 「こんばんは、おにいさん」 「ん、びゃくれんもいらっしゃい」 狭い玄関に入りキッチンを横目に居間へと入ると、座布団には真っ赤な髪の毛をツインテールにしたゆっくりがテレビを眺めていた。 「お、いらっしゃい。せまいへやだけどゆっくりしっていっておくれ」 ゆっくりこまちである。 こまちはのんびりと挨拶をすると、これまたのんびりとテレビを眺め始めていた。 「お前の部屋じゃねーだろ」 「おっと、そうだった。しつれいしたよおにいさん」 「ま、実際そうなんだけどな」 あははと笑いあうこまちとその飼い主。 そんなことは関係ないと言わんばかりにびゃくれんをそのへんの座布団に座らせたお兄さんは聞く。 「で、今日は何鍋にするんだ?」 「水炊きだよ。ポン酢でいただくのさ、白米と一緒にな」 「食材は?」 「ない」 「はぁ?」 「あと二人来るからみんなで買いに行こうってわけ。ちなみに、一人千円出し合ってだな」 やいやいと話をしている飼い主たちを見つつ、びゃくれんはテレビを眺めているこまちにゆっくりと近づいていく。 「こ、こんばんは。こまちさん」 「ん? どうかしたかいびゃくれん? もうおなかがすいたのかい?」 「いえ、そういうわけではありませんが」 「まぁとりあえずすわりなって。あたしだけがざぶとんにすわってるってのもぐあいがよくないからねぇ」 そう言いながらこまちは部屋の隅に置かれていたゆっくり用の座布団を引っ張り出してくる。 一体この部屋にはいくつ座布団があるのだろうと思いつつ、びゃくれんは座布団の上に座る。 「ありがとうございます、こまちさん」 「よしなって、このざぶとんはおにいさんがかってくれたものさ。それをあたしがすすめただけさ。たいしたことじゃない」 豪快に笑うこまち。 「それにこまちさんってのもよしてくれよ。そうかしこまられるとせなかのあたりがむずむずしちまうよ」 「あ、はい。わかりました、こまちさん。あら?」 「あっはっは、さきはながそうだねぇ」 そうしてびゃくれんとこまちが話していると、部屋の中にチャイムの音が響いた。 ピンポン、と軽い音がしてこまちの飼い主のお兄さんがはいはいどちらさまと言いながら玄関へと向かっていく。 扉が開いた音、まぁ上がれよという声、そして。 「うー、こんばんはこまち。それにびゃくれん。びゃくれんははじめましてか?」 「こぼね~」 胴付きのゆっくりふらんと胴無しのゆっくりゆゆこが廊下を渡ってやって来た。 さて飼い主のお兄さんたちはというと。 「じゃあ食材買いに行く?」 「どこのスーパーよ?」 「びゃくれん置いといて大丈夫かな?」 「ふらんもゆゆこも居るんだ。通常種が入って来てもどうとでもなるだろ」 と、ふらんとゆゆこの飼い主はそのまま部屋に入ることなく買い物に出ることになりそうである。 一方ふらんとゆゆこはそれを想定済みだったのかはわからないが、こまちから出された座布団の上に行儀よく座っていた。 「そうそう、ゆゆこ。パック詰めを二つほど買っといたから我慢できなかったら食べるんだぞー」 「うー! ぱっくづめ!」 「ははは、もちろんふらんも食べていいからな」 パック詰めを買ってきたのはどうやらゆゆこの飼い主らしい。 基本的に大食いであるゆゆこの為と用意しているのだろうが、捕食種であるふらんが食べるのも予期していたような響きがあった。 それを知ってか知らずかふらんが玄関の方へすぅーっと飛んで行ったかと思うとすぐにまた帰って来た。 両手にビニール袋を抱えながら。 「じゃあ出かけてくるから後はよろしくー」 「はいよ。きをつけていっておくれ、おにいさん」 「ありがとうな、こまち」 その言葉が終わると扉の閉まった音に続いてガチャリと鍵を閉める音が続いた。 「かえってくるまでゆっくりするとしようかねぇ」 「こぼね~」 「うー、もうおなかがすいたのかゆゆこ?」 「こぼねぇ」 「うー、すこしはやすぎないか?」 「ゆゆこさんはくいしんぼうなんですね」 「こぼね!」 キリッという効果音が付きそうなゆゆこだが、その表情はとにかく愛らしい。 本当に食事というものを楽しみにしているという雰囲気が伝わってくるのだ。 食べ物に対し敬意を持っているといってもいいだろう。 「まぁまぁいいじゃないか。ゆゆこがたべたいならたべさせてあげれば。ゆゆこがおなかいっぱいになっておにいさんたちのおなべをたべられなくなるだけだしねぇ」 「こぼねっ!? こぼねぇ~……」 「そうすればわたしたちがいっぱいたべられますからね」 「ゆゆ~……」 それは考えてなかった、とゆゆこは顔を俯かせる。 確かに今このパックの中身を食べたいが、だからと言って鍋を食べられなくなるのは困る。 でもやっぱり食べたいと思う気持ちは強くゆゆこの視線はパックの入ったビニール袋へ向かう。 こうしてみると、晩御飯の前にお菓子を食べたがる子供のようだ。 「ふふっ、だったらちょっとずつたべたらどうでしょう? たべすぎなければいいんですよね?」 「こぼねっ! ゆゆ~ん!」 「うー、ゆゆこはひとづかいがあらい」 びゃくれんの提案にそれだと言う様に一鳴きするとビシッ、という効果音が付きそうな勢いでふらんの方を向くゆゆこ。 ふらんはふらんで乗り気では無さそうな事を言うのだが、背中の羽根をぱたぱたと上下させていた。 口に出さないだけで本当は自分も食べたかったのだろう。 そしてふらんがビニール袋から取出したパック詰めを見て、びゃくれんが固まるのであった。 袋の中身は、びゃくれんがいままでに見たことのないもの。 「あ、あの……ふらんさん、それはいったい?」 「ん。れいみゅとまりちゃのぱっくづめ」 出てきたのは食用ゆっくり1パック12個入り、れいみゅとまりちゃがそれぞれ一つずつである。 ちなみに、1パック100円で買える。 加工所印なので安心安全で人間もゆっくりが食べても安心な一品である。 「それを……たべるんですか?」 「そう。これがふらんのごはん」 「ゆゆん!」 「そしてゆゆこのおやつ」 パックの中でそれぞれ個包装されたれいみゅやまりちゃたちはとにかく幸せそうに眠っていた。 もちろん、このゆっくりたちは未だ生きている。 すやすやと幸せそうに眠って見えるのは真空状態で袋詰めされたためであり、今は一種の仮死状態にあるだけだ。 今頃れいみゅは現れるはずもない美麗なゆっくりと番になり、おちびちゃんを育てている夢を見ているのだろう。 まりちゃは全ての生き物がひれ伏し、あまあまを献上される自分を想像しているのだろう。 永遠に適うことのない夢であるのは間違いないが。 「ゆゆこはなにたべる?」 「こぼねぇ~」 「れいみゅとまりちゃだな」 「ぜんしゅじゃないか。さすがゆゆこだねぇ」 ふらんがパック詰めの蓋を開く。 元々捕食種用の生餌としても売られているもの、それに胴付きが多い捕食種では自分で開けさせて食べさせるのもいいだろうとゆっくりの力でも開けられるようになっているのだ。 慣れた手つきでふらんがれいみゅとまりちゃをそれぞれ三匹ずつ取り出していく。 そして個包装をぺりぺりと剥がしていくと。 「ゆ! ゆっきゅりしちぇいっれいみゅはとりしゃん!」 「ゆゆこ」 「こぼねぇ~」 れいみゅがその言葉を言いきる前に、れいみゅはゆゆこの口の中へと収まっていた。 ゆっくりと咀嚼して飲み込み、とろけそうな笑顔をゆゆこが見せる。 ゆゆこが飼いゆっくりとして人気が高いのはこの食事の時の笑顔だと言われているが、それも納得の笑顔だった。 「まりちゃはまりちゃなのじぇ! ゆっきゅりすおしょらをとんじぇるみちゃい!」 「こ~ぼ~ねぇ~」 ゆゆこが飲み込んだのを確認するとふらんは再び個包装を剥がしにかかり、剥がし終えてはゆゆこへと投げていく。 ゆゆこはもちろん大きく口を開けて待ち構え、パック詰めゆっくりたちは何もわからないままに溶かされ食べられていくのだ。 それを繰り返すこと都合四回。 「こぼ~ねぇ~」 「まんぞくしたのか? じゃあつぎはわたし」 「あの、その、ふらんさん?」 そう言ってまりちゃの個包装を剥がしにかかったふらんに、ようやく思考停止状態から立ち直ったびゃくれんが尋ねた。 『うー?』と首を傾げながらふらんがその手を止めてびゃくれんを見る。 ふらんの手の中ではその空気を読まずにれいみゅが何事かを叫んでいた。 「どうしたんだびゃくれん?」 「その、ふらんさんはこのゆっくりたちがすこしかわいそうだとかはおもいませんか?」 「うー?」 本当にわからないというようにふらんは更に首を傾げる。 そして自身の手の中に居るれいみゅをふらんは見た。 ふらんという中枢案の奥底に刻まれた恐怖からか、れいみゅはもるんもるんと尻を振りながらふらんの手から逃れようとしていた。 「そのゆっくりだってわたしたちとおなじようにいきていますし、びょうどうにいきるけんりがあるとおもうんです」 びゃくれんはゆっくりがゆっくりを食べると言う光景を見て、自然とそんな考えが生まれていた。 それはびゃくれん種が持つ本能から出てきた言葉だろう。 そんな言葉が出るのもびゃくれんが成体になったからだろうか。 「どういうことだびゃくれん?」 「やっぱり、ゆっくりがいきたゆっくりをたべるのはどうかとおもうんです。ゆっくりはいきていますし、それにいきるけんりというのはびょうどうであって」 「うー……びゃくれんのいうことはむずかしい」 そう言ってふらんは手の中のれいみゅを弄り始めた。 殺すでもなく痛めつけるでもなく、考え事をするように弄繰り回す。 手遊びの様なものだが、手の中のれいみゅはたまったものではないだろうがそんなことはどうでもいい。 「でも、ふらんはゆっくりをたべないとゆっくりできない」 ふらんはそうポツリと言った。 「こぼねぇ……」 ふらんに合わせるようにゆゆこも小さく鳴いた。 ゆゆこは基本的に雑食であるが、野生で生きるゆゆこはゆっくりを捕食することが多い。 ゆっくりは小麦粉や餡子でその脆弱な身体を構成しているので栄養価が高いのだ。 ゆゆこ自身は生粋のペットショップ生まれではあるが、ゆっくりを食べること自体に忌避感はない。 もちろん、野良ゆっくりなど食べずに飼い主からおやつとして与えられる食用ゆっくりばかりだけだが。 「そうですか……こまちさんはどうおもいますか?」 「あたしかい? あたしはべつにゆっくりをたべようとはおもわないねぇ。でもゆっくりをたべることにかんしてはなんにもいうつもりはないよ」 あっけらかんとこまちは言う。 「うー、びゃくれんがいいたいことはなんとなくわかる」 「こぼねー……」 「でも、ゆゆこのいうとおりふらんたちもいきてる。そしてふらんたちはいきるためにゆっくりをたべる。じゃあふらんはどうすればいい?」 「ふらんさん……」 「それにねびゃくれん、いきるけんりがあるってことはいずれしぬぎむがあるってことだよ。それがはやいかおそいかのちがいだけ。あたしだけじゃない、びゃくれんもいつかしぬしあたしのおにいさんだってしぬんだ」 死ぬ、その言葉を聞かされてびゃくれんは俯き震えた。 今よりずっと小さくて幼かった頃、今思えば碌でもない両親の為にとその身を投げ出そうとしたことがある。 あの時は死ぬということが良くわかっていなかった、けれども今は……どうだろう? 死ぬと言うことはつまり、お兄さんとはもう話もできないし、こうして一緒に過ごして居るこまちやふらんやゆゆことも話せなくなると言う事……。 そこまで考えてびゃくれんは顔を上げた。 「やっぱりこむずかしいことをいうのはあたしのがらじゃないねぇ」 「うー……」 「こぼねぇー……」 誰もかれもが申し訳なさそうだった。 ああ、とびゃくれんは嘆く。 「ごめんなさい、へんなことをいってしまって……」 びゃくれんは特に深い考えがあったわけではない。 ゆっくりがゆっくりを食べると言う光景からつい、内から湧き出るままに言ってしまったのだ。 それなのに他のゆっくりたちは責めるのではなく、同じように申し訳なさそうな顔をするのだった。 「うー……びゃくれんはわるくない」 「ゆゆ~ん……」 「へへっ、こうなるとなにもかんがえないぶんそのへんのゆっくりのほうがきはらくかもしれないね」 そういってふらんの手に握られたれいみゅを皆が見た。 ただ目の前の恐怖から逃げようとする、至って動物的な反応をするれいみゅ。 れいみゅも確かに生きているかもしれないが、やはりいずれは死ぬのだ。 「ゆっきゅり! ゆっきゅり! れいみゅはこんにゃちょころでしんじぇいいゆっきゅりじゃじゃいにょにぃぃぃ!」 「うー、でもこんなふうにはなりたくない」 「そうだね。あたしもずっとおにいさんといっしょにいたいし」 考えなければ楽かもしれない。 涙を流し恐怖のあまりおそろしーしーすら流せないれいみゅは彼女らの悩みが永遠にわかることはない。 それはそれで幸せなのだろう。 しかしそれは飼い主と飼いゆっくり以上の関係を築いている今、到底受け入れられるものではない。 今の幸せがどれだけ心地よいものか彼女らにもわかっているのだ。 「うー」 「ゆびぇぇぇれいみゅのぉ、あ、あんこしゃ……すわな……」 そしてこのれいみゅはふらんに餡子を吸われて死んだ。 それだけのこと。 命の源である餡子を吸われてペラペラになったれいみゅの皮は、ゆゆこの口の中へと放り投げられ、やがて溶けてなくなった。 「うー、びゃくれんはやさしいな」 「ゆゆ~ん」 「ほんと、やさしすぎてしんぱいになっちまうよ」 「みなさん……」 びゃくれんはただ、嬉しそうに涙をこぼすのだった。 「ごめんなさい、ほんとうに……」 「いいんだよ。あたしたちはともだちだろ?」 「ゆゆ~ん!」 「うー、なかないでびゃくれん」 ふらんが近づき、その小さな手でびゃくれんの涙をそっと拭いた。 それから少しして、しんみりし始めていた空気を打ち破るかのように鍵が開く音がした。 「ういーっす。帰ったぞー」 「おー、いい子にしてたかー?」 「これ冷蔵庫か?」 「俺鍋だすわー」 扉が開く音がしたかと思うとビニール袋を抱えた四人の飼い主たち。 それぞれが勝手に動きだしコンロを出したり具材を用意したりと鍋の準備を始めていく。 一気に変わった部屋の空気をこれ幸いと、ふらんは自分の飼い主に声をかける。 「うー、なにかてつだえること、ない?」 「そうだな、箸を運んでもらおうか」 「うー!」 そう言ってふらんは背中の羽根をはためかせて飛んで行く。 それを見ていたびゃくれんも自分の飼い主に尋ねる。 「あの、わたしもてつだえることはありませんか?」 「うーん、今のところないかなぁ」 「そうですか……」 またもびゃくれんは申し訳なさそうに引き下がる。 そんな様子を見兼ねたこまちがびゃくれんに話しかける。 「そんなにてつだいたかったのかい?」 「はい。いつもいっしょにいるのになにもできないですから……」 「ほんとうにやさしいんだねぇ、びゃくれんは」 「いえ、いっしょにゆっくりしたいだけですから」 そういってびゃくれんは寂しそうに微笑んだ。 「どうつきになればまたちがうんだろうけどねぇ」 「どうつき、ですか? それはいったい――」 「鍋の準備できたぞー」 「そらそら飯だぞこまち」 びゃくれんの問いは最後まで発せられることはなく、こまちは飼い主の膝の上に収まり、びゃくれんもまた飼い主のあぐらの上にのせられるのであった。 大いに食べ、呑んだ後。 酒臭い息を吐きながら四人の飼い主たちはそのまま雑魚寝していた。 飼いゆっくりたちも存分に鍋を楽しみ、眠たそうにまばたきを繰り返していた。 「うー、ねむい……」 「いっぱいたべたからねぇ。あたしもそろそろねむいよ」 「ふふっ。ゆゆこさんはたくさんたべましたか?」 「こぼねっ!」 酒の入りもありさっさと寝てしまった飼い主たちほどではないが、ゆっくりたちもお腹いっぱい食べた為にいささか眠そうである。 それぞれの飼い主の元へと近づいていき、眠りにつこうとしていた。 ゆっくりたちがさぁ眠ろうとすると、飼い主たちはいっせいにゆっくりを抱きしめる。 「うー?」 「あはは、おにいさんったらしょうがないねぇ」 「こぼね~♪」 「おにいさん……」 びゃくれんは飼い主の腕に抱かれながらゆっくりと目を閉じた。 この温もりは、幸せはあの時死んでいたら絶対に得られなかったもの。 誰にも渡したくない、そう思ってびゃくれんは寝ぼけた頭の中で自嘲気味に笑うのだった。 ――わたしはいきていて、あのれいむとまりさたちはしんでしまって。 ――そしておいしいものをたべて、こうしておにいさんにだかれている。 ――びょうどうっていったのに、このばしょをわたしたくないなんてじぶんかってですよね。 これは矛盾、種としての本能と飼いゆっくりとしてお兄さんと過ごすうちに生まれた感情に挟まれるびゃくれん。 少しだけ悶々としたものを感じるけれども、びゃくれんが出した結論は少しだけ遠回りだけども。 ――でも、そうおもうのはわるいことではないのかもしれませんね……。 やっぱりお兄さんと一緒にゆっくりしたい。 そう思いながら、お兄さんに身をゆっくりと体を預けて眠りにつくのだった。 ―了― 書いたもの anko4299 ゆっくりは幸せな夢を見るか? anko4309 野良ゆっくりを飼うということ anko4358 まりさはかりのてんっさい!! anko4454 びゃくれんと大学にいってきた
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『びゃくれんと大学にいってきた』 12KB 愛で 日常模様 希少種 現代 よろしくお願いします 本作は以下二作の続き物となっております。 anko4299 ゆっくりは幸せな夢を見るか? anko4309 野良ゆっくりを飼うということ 拙作が少しでも読者の皆様にお楽しみいただけたなら幸いです。 とあるマンションの一室。 日当たりのいいその部屋に、お兄さんとびゃくれんは住んでいる。 その部屋の主であるお兄さんは座椅子に腰掛けながらゆっくりとした時間を過ごしていたが、置いてあった時計の時間を見て溜め息を吐いた。 「あー、もう出ないといけねぇなぁ」 「どうしたんですか、おにいさん?」 溜め息と共に漏れ出た呟きに、机の上に乗せられていた同居人のゆっくりびゃくれんが反応する。 お兄さんは一人暮らしが長いと独り言が増えるって本当だなと思いつつ、びゃくれんに溜め息の原因を教えてやった。 そしてその原因が、びゃくれんも嘆息する理由になるのはわかっている……が、伝えねばなるまい。 「学校だよ、学校」 「がっこうさん、ですか。ですよね、おにいさんはがっこうさんにいかないとゆっくりできないんですよね……」 ゆっくりは首しかない不思議饅頭ではあるが、その分身体全体を使ってその喜怒哀楽を示してくれる。 びゃくれんは今、明らかに顔を伏せてその寂しさを身体で表現していた。 お兄さんがびゃくれんを飼い始めてから一週間ほど、その間にお兄さんはもう何度も学校に行っているのだが、未だにびゃくれんは慣れないらしい。 「そうだなぁ。そろそろかなぁ……」 「ゆ? あの、どうしたんですか?」 「うん? いやな」 そういってお兄さんは考え込む。 びゃくれんの大きさは子ゆっくりと呼ばれるサイズだ。 大きさ的にはテニスボール位と言ったところか、もしかしたら丁度いい頃合いかもしれない。 いやいや、びゃくれんにはまだ早いか、いやいやと考えて結局はまぁいいだろうとお兄さんは結論を出した。 決して目を離さないようにすればいいし、そんな荒れた学校でもない。 むしろ“飼いゆっくり”にとっては理想の学校なのだ。 大丈夫であろう。 「よし、じゃあびゃくれん、行くか」 「え? いくって、どこにです?」 「学校にだよ、学校」 「え、ええっ!?」 びゃくれんの驚きをもって、この外出は始まるのだった。 「ゆわぁ、そとってすごいんですねぇ」 「まぁなー」 子ゆっくり用のバスケットを片手に、背中にショルダーバッグを背負ったお兄さんはのんびりと坂道を登っていた。 公園とお兄さんの部屋の中しか知らないびゃくれんにとっては目に映るものすべてが真新しいようで、その度に歓声をあげている。 お兄さんはそのびゃくれんの歓声に適当に相槌を入れつつ、まだまだ坂道の先は長いなぁと心の中で愚痴っていたのだった。 「おいっす」 「しろっ! おはようございますっ!」 先の長い坂道を恨めし気に睨んでいると、後ろから声を掛けられた。 振り向くと知り合いとその飼いゆっくりであるゆっくりえいきであった。 えいきは座布団が敷き詰められた自転車のカゴに入れられているのだが、どうにも檻の中に入れられているような感じもする。 「おっす」 「お、おはようございます!」 「ん? なんだ、お前もようやくゆっくりを飼い始めたのか? ほ~、びゃくれんか。また変わったゆっくりにしたんだなぁ」 「ま、いろいろとあってな。それは道すがら話すよ」 「お、おはようございます、え……えいきさん」 「しろっ! おはようだぞびゃくれん!」 挨拶を交わし、二人と二ゆんは学校に向かって坂を上りはじめるのであった。 自転車を置きに行く知り合いとえいきと別れ、お兄さんは学校の正門に至っていた。 「おはようめーりん」 「じゃおぉぉぉん」 「おっ、おはようございます。めーりんさん」 「じゃおん!」 正門で門番ゆっくりをしているゆっくりめーりんに話しかけながら頭を撫でてやるお兄さん。 びゃくれんも同じように挨拶をする。 このめーりんは野良ゆっくりではなく飼いゆっくり、それも学校の飼いゆっくりである。 その証拠に、めーりんのお飾りである帽子には金バッジが付けられていた。 この学校では人間とゆっくりの共存共栄をめざし、その一環としてゆっくりに学内の仕事をいくつか割り振っており、例えばこのめーりんは門番としての仕事を与えられている。 力が強くそれでいて気が優しい、守るものを持つとそれを守る為に全力を尽くすというめーりんにはぴったりな仕事だ。 「うー、おにいさん」 「おう、ふらんか。どうした?」 「おにいさんがもってるびゃくれん、みせてくれるか?」 今度は金バッジを付けたゆっくりふらんが舞い降りてきた。 このふらんも学校の飼いゆっくりである。 意思疎通ができる言葉を話せないめーりんではできない仕事は、このふらんが担当しているのだ。 その仕事とは、生徒が連れてくるゆっくりに問題がないか見る為である。 「おう、ほれ」 「お、おはようございます、ふらんさん……」 「うー、おはようびゃくれん。ん、どうばっじか。びゃくれんだからいいな。ごめんなさいおにいさん、じかんとらせた」 「仕事だろ、手間取らせて悪かったな」 「うー、だいじょうぶ」 ゆっくりに問題がないか、と言っても要はバッジの有る無しを見る為だ。 この学校では持ち込まれたゆっくりが何か問題を起こした場合、その責任を飼い主にとらせるということでバッジ付以外のゆっくりの持ち込みを禁止しているのだ。 特にゲスの割合が多いと言われるれいむやまりさの様な通常種は銀バッジ以上がなければ基本的には学校の敷地内には入らせてすらもらえないのである。 もっとも、銀バッジを持っていようがいまいがめーりんとふらんに相対すればだいたいその性質がわかるのであるが。 「おはよう、めーりん」 「ゆぷぷぷぷ、なんでゆっくりできないめーりんがこんなところにいないの。れいむのめざわりだからさっさとしんでね! すぐでいいよ!」 「お前なに言ってんだれいむ!」 「ゆ? なに、れいむはぎんばっじさんなんだよ! めーりんがきんばっじなんてうそだよ! あんなゆっくりしてないゆっくりがきんばっじなんて、にせものなんかおかざりにつけて、おおおろかおろか」 「じゃぉぉぉん……」 「なにいってるかわからないよ! ゆふんっ、これだからゆっくりできないゆっくりは……」 「うー、めーりんをいじめるな!」 と、言ってる側からこれである。 あのれいむのその後は想像に難くないだろう。 「行こうか、びゃくれん」 「は、はい!」 「たすけろどれいいいいいい! れいぶをゆっぐじざぜろぉぉぉぉぉ!」 「うー、おにいさん、ざんねんだけどこのれいむは……」 「あぁ、いいよいいよ。折角銀バッジまで育てたのになぁ、結局ゲスだったかぁ」 「おいぐぞどれぃぃぃぃ! なんでれいぶをだずげないんだぁぁぁぁ!」 ちなみにこれは一種の恒例行事ともなっており、中には自分の飼いゆっくりの性質を確かめるために飼いゆっくりを持ち込む飼い主もいるそうである。 「…………」 「どうした、びゃくれん?」 「い、いえ! なんでもないですよ!」 「そうか?」 びゃくれんは時々、正門の方を振り返りつつも、諦めたように溜め息を吐いた。 後ろの方では泣き叫ぶれいむが、飼い主の手によって加工所の人間に渡されようとしていた。 ……加工所の職員がいつどこから現れたのはまったくの謎のままで。 「あー、ラムネを買い忘れたな」 「? らむ、ね? ですか?」 「おう。まぁびゃくれんはいい子だから静かにできるよな」 「は、はい!」 ゆっくりと授業を受けることもできる、というのは飼い主にとっては嬉しいかもしれないが、講師からすればたまったものではない。 静かにしてくれさえすればいいのだが、ゆっくりとはその名前に反して自分勝手に動いたり騒ぐのが好きなナマモノだ。 その根底にあるのは自分さえよければという思考なのだが、それはともかく。 静かに授業を受けられないのであるならば眠っていてもらおう、その手段としてラムネは多くの飼い主が必需品として携帯しているのだ。 どうやらそのラムネの実践が、大教室の前の方で行われそうである。 「どうしてまりさがしずかにしないといけないんだぜ!」 「あー、もう、これでも食ってろ」 「さいしょからだせば……ゆわぁ、なんだかまりさ、ねむくなって……」 「まったく、もう少し大人しくなってくれればいいんだが」 とまぁこんな具合である。 もっともこれは騒ぐゆっくりに対してだけであり、例えば後ろの方ではてるよを連れてきている男性の飼い主が居るが。 「めどい……ねる」 「おう、授業が終わったら起こすから」 「おねがい」 このようにゆっくりの種類と性質よりけりである。 もちろん、授業は退屈と知っているゆっくりなどは自分からラムネを貰おうとするものもいたり、講義が始める前は何かと騒がしい。 まぁゆっくりが居ようが居まいが、学生が騒がしいのに変わりはないのだが。 そうこうしているうちにチャイムが鳴り、講師が教室に入ってくる。 確か次の授業は仏教についてだったか。 「よーし、静かにしろー。静かにせんゆっくりはさっさと眠らせろー」 講師のそんな言葉で授業が始まるのは最早皆慣れっこだ。 慣れたようにレジュメが配られ、寝る態勢に入る者、携帯を弄る者、ゲームをする者、筆箱を取り出す者様々だ。 「おし、んじゃ早速平安時代に作られた仏像を見て行こうか」 そう言って講師がプロジェクターの準備を始めていく。 さっさと授業終わらないかなとお兄さんがぼうっとしていると、なにやらびゃくれんが震えているのに気が付いた。 「どうかしたのか、びゃくれん?」 「あの、おにいさん……」 ゆっくりにしては控えめな、小さい声でびゃくれんは尋ねてくるのだが、その声はどこか震えている。 なにかあったのだろうか、と慎重に問うてみると。 「ほ、ほんとうにほとけさまがみられるのですか?」 と、興奮を胸の内から漏れないよう、必死に堪えている風にそう聞かれたのだ。 ああそういえば、とお兄さんは思い出す。 びゃくれんは仏教系の物を好む種類だ、お寺とか仏像とか、そういうものを見るともの凄くゆっくりできるらしい。 実際、プロジェクターによって仏像が投影されると 「な、なむさんっ!」 と、びゃくれんが叫んだかと思うとポンッという軽い音と共にびゃくれんが巻物の芯ようなものと虹色の文字を浮かべていた。 これが話に聞く“えあまきもの”かと思っていると、どうやらびゃくれんはここ以外にも居るらしく、ちらほらと“えあまきもの”が浮かんでいるのがわかる。 暗い部屋では虹色に光る文字は目立つのだ。 「はぁぁぁ、かっこいいです」 心底ゆっくりした表情を浮かべているびゃくれんはうっとりとした表情で、投影された仏像を眺めていた。 連れて来たかいがあったなぁと思いながら、お兄さんはびゃくれんの姿を観察していた。 「なんだ、びゃくれんを連れてるやつが居るのか? 寝てる生徒よりはよっぽどやりがいがあるな。じゃあ次は如来像を見てみようか」 「な、なむさんっ!」 あちこちから聞こえるなむさんっ!の声。 その度に“えあまきもの”が咲き誇る様子はなかなかに綺麗だ。 「はぁぁぁ。かっこよかったです」 「そうか。そいつは良かったな」 「はい。これもおにいさんのおかげです。ほんとうにありがとうございます!」 そう言われると悪い気はしない、今度寺にでも連れて行ってやろうか。 と密かに思うお兄さんなのであった。 気だるい授業を終えたお兄さんは食堂へと来ていた。 たくさんの人間と抱えられたゆっくりでごった返す中、お兄さんはきょろきょろと人を探しているようだった。 「おう、こっちだこっち」 「おにいさん、こっちだぞう!」 「おー、席取りサンキューな」 「ありがとうございます、おにいさん、えいきさん!」 確保しておいた席にお兄さんが座ると、その机の上にえいきと同じようにびゃくれんも乗せてやる。 並べてみると成ゆっくりと子ゆっくり、バスケットボールとテニスボールが並んでいるようなものだ。 「お、おおきいですね、えいきさん……」 「すぐにびゃくれんもこのくらいおおきくなれるんだぞ!」 「んじゃ、飯買って来るけど、お前は?」 「俺はパンだ。びゃくれんは見といてやるからさっさと買ってこい」 「おう、頼む」 そうしてお兄さんは食堂の列へと並ぶのだが、お兄さんが居なくなったことに不安になったのか急にそわそわしだすびゃくれん。 なぜそんなにそわそわするのだろうか。 「おいどうしたびゃくれん? 何かあったのか?」 「いえ、あの、おにいさんはどこへいかれたのでしょう? すこしふあんで」 ふむ、とお兄さんは考え込む。 確かにびゃくれんにとっては知らない土地に置き去りにされるようなものだろう。 さてどうしたものかと思っていると、飼いゆっくりであるえいきがびゃくれんに寄り添っていた。 「だいじょうぶだぞ。びゃくれんのおにいさんはすぐにかえってくるからな!」 「そ、そうですよね」 「しんぱいしなくてもだいじょうぶなんだぞ!えいきがついてるんだぞ!」 「あ……ありがとうございます、えいきさん」 すーりすりと頬をこすりあわせる二ゆんになんだか和むお兄さん。 と、そこへお盆をもったお兄さんが帰って来た。 「お、なんだか仲良しになってるなぁ、どうしたんだ?」 「くろっ! だめなんだぞおにいさん! びゃくれんをさびしがらせちゃいけないんだぞ!」 「あ、あの、そんなことはないですから!」 「そうだぞー! びゃくれんを寂しがらせるお前は悪い奴なんだー!」 「も、もう! おにいさんまで!」 「……つまり、どういうことなんだよ?」 呆気にとられるお兄さんであった。 授業を終えて帰宅する頃には、お兄さんはすっかり怠そうに身体を動かしていた。 一方のびゃくれんは、やはりその授業の中でも見る物全てか新しいことの発見で興奮しきりだったが。 「おにいさん、がっこうさんってすごいところなんですね」 「ああ? ああ、そうかもなぁ。俺は疲れるけど」 「あの……おねがいがあるのですが、いいでしょうか、おにいさん?」 「なんだ?」 我が儘も言わないし、躾も良く聞くびゃくれんだ。 そんなびゃくれんの頼みを無下に断れるはずがあろうか、いや、ない。 「ぶしつけなもうしでだとはおもうのですが、またがっこうさんにいっしょにつれていってくださいませんか?」 学校がそんなに良かったのだろうか、それとも授業が楽しかったのか。 やはり見る物全てが新しいとそれだけ学ぶことも多いのかもしれない。 それにだ、昼食の時にも言われたが、あまりびゃくれんを一人にさせておくのも良くないのかもしれない。 折角ゆっくりを連れて入れる環境にあるのだから、それを利用しない手はないだろう。 「おう、いいぞー」 「あ、ありがとうございますっ! おにいさん!」 「……ん? 頼みってのはそれだけか?」 「はいっ! ああ、もうわたしうれしくて……なむさんっ!」 嬉しさのあまり“えあまきもの”を出してその喜びを表現するびゃくれんに、お兄さんはそんな大したことをしていないのになと苦笑するのであった。 今日はいつものゆっくりフードに甘い果物、びゃくれんの好物である枇杷でもつけようかと心の中で思いつつ。 ―了― 書いたもの anko4299 ゆっくりは幸せな夢を見るか? anko4309 野良ゆっくりを飼うということ anko4358 まりさはかりのてんっさい!!
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白蓮 店名 中国料理 白蓮(びゃくれん) 住所 北海道稚内市潮見4-3-23 電話番号 0162-32-3577 営業時間 11 30-14 00,17 00-22 00 定休日 水曜 客席数 30程度(カウンター,小上がり) 駐車場 有 Webページ 料理 ※ 全てのメニューを乗せている訳ではありません LINK 最北俺的日記 白蓮(びゃくれん)
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びゃくろく
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冒険する過程で仲間になるキャラクターについて れいむ アリス にとり てんし メイリン ゆゆこ もこう さくや ムラサ さとり びゃくれん レティ ゆうか
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[ひじり びゃくれん] 登場作品:上海アリス幻樂団「東方Project」 △ やらない夫が離島で古い伝説に挑むようです △ やらない夫は突っ走るようです ◇ 涼宮ハルヒのあんこ(完)(R-18) ←樋口円香 ヒに戻る 翡翠→
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八鍬白蓮 プロフィール 名前 誕生日 血液型 身長 体重 スリーサイズ やくわ・びゃくれん八鍬 白蓮 ガーデン レギオン ポジション レアスキル サブスキル 使用CHARM 柳都女学館 LGビュルギャ 柳都女学館生徒会長 ビュルギャ隊長 交友関係 解説 キャスト 名前 作品