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はやてのところに変な人達が集まったら クロス元:多数あるため割愛 最終更新:08/05/15 第一話 第二話 拍手感想 TOPページへ このページの先頭へ
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月光が等しく地に住む者を優しく照らし出す夜、世間は俗に言うクリスマスイヴ真っ最中である。 恋人と愛を語らい、家族が幸せな団欒を形成する時間に、何故かどちらにも当てはまらずに外で一人佇んでいる少女がいた。 八神はやてという少女は、かすかに吹きすさぶ北風を浴びながら、 (やっぱり、誰もおれへんなあ……) 日のある時分は大勢の子供や家族連れ、それに老人達の幸せな声が響き渡るだろう、公園という名の空間も、月が出てしまえばただ木々の擦れる音のみが支配する静寂の世界へと変わってしまう。 誰もいない事が分かっていて、それでも誰かがいることを心のほんの片隅で期待して、誰かと遊べる事を期待して。 そんな小さな、吹けば消えてしまいそうな願いから、普通の子供は家族と夕食を囲っているだろう時間帯に、年端も行かぬ少女がたった一人で公園にいる理由であった。 ならば昼に来て、子供達と遊べばいいではないか―――彼女の肉体に何もなければ、とっくにそうしていただろう。 彼女は車椅子に座っていた。八神はやては、原因不明の病気によって両足が動かず、小学校にも通えず通院と入院、そして自宅で独り暮らしの繰り返しを繰り返していた。 当然、本来学校で出来るはずの友人は作れず、更に両親もすでにこの世には無く、自然独りぼっちの生活になる。 加えて十にも満たぬ年の少女がそのような状況では酷と言わざるを得ないが、彼女は年齢にあるまじき気丈さで周囲には平気なように振る舞う。 それでも、一人になってしまえば、つい愚痴をこぼしてしまうのは、年齢から考えると仕方の無い事だった。 誰かと一緒にいたい。誰かと友達になりたい。せめて、誰かとおしゃべりをしたい。 八神はやてはその希望を口に出さない。足の病で方々に迷惑をかけているのに、これ以上わがままを言ってどうするのか。そんなことは、できない。してはならない。 そう思っていた。思わざるを、得なかった。 故に、その代償行為か、はたまた何かを求めてか、彼女は一人、公園の闇を行く。 こんな日に、誰もおるはずあれへんのに、と自分の思考で自分を傷つけながら。 「あれ? うんっと……何やろ?」 暗かったから、だろうか。子供一人の体重を支える車輪の音しかしない公園の砂場に、舞台の主役が浴びるスポットライトみたく街頭の光をその身に受けて光る、小さな石のような、もしくは宝石のような丸っこい物体。 それに気付いたのは偶然か、はたまた都合の良い運命の悪戯か。そんな事は毛頭関係無く、はやては近づいてそれを拾い上げる。 おもちゃのようではあるが、それにしては安っぽくはないようにも見える。かといって高級かと言われると、そこまでは行かない気がする。 そんな想像をしながらも、光を受け、真紅の反射を見せるそれをはやては摘まみ、君もおいていかれんたんか? と問いかけた。 せいぜい、子供が遊びに来たときにお気に入りの石を持ち出し、そのまま落としていって忘れていったのだろうと考える。 特に返答は期待していなかったのだが、まるで意識があるかのように石は鈍い輝きをもって答えた。 「なんや、生きてるみたいやなあ、ピカピカ光って」 指に、無機質な物体らしくないほんのりと暖かな感触すら感じ、はやては珍しいものを見たと胸を弾ませる。 「うわ、ほんまにただの石やないみたいや。持ち主においていかれて、こんなとこほったらかしでおったら、寂しないか?」 ―――私やったら、寂しいわ。 つい、本音の欠片をこぼしてしまう。 慌てて羞恥に辺りを見回すが、もとより公園にはひとっこ一人おらず、木々のざわめく音や風のなる音、そしてはやてと赤い石のみ。 そういえばそうだったと、ほうと胸を撫で下ろす。 そんなはやてに石は、まるで何かを訴えかけているかのように赤く明滅する。 それが彼女には、何の音も聞こえていないのに慰められているかのように感じられていた。 「もう、心配せんでもええよ。石田先生もおるし、今でも十分幸せやから。……ううっ、ちょっとさむなってきた」 ただでさえ冬で、しかも夜で、そして自分は病人。風邪を引いてはいけないし、そろそろ夜も遅くなってくる事から、帰る事を選択する。 「また石田先生に怒られてまうからな、危ないって」 と、赤い石をポケットに入れ、車椅子を反転させようとして、 「―――っと、ととっ……あれ?」 目の前の茂みから飛び出してきた、少年が一人。青い髪で高校生ぐらいの体躯を包む貧相なコートはよれよれで、所々傷や泥だらけであり、必死の表情を貼り付けていた顔と相俟って、何かからの命からがらの逃亡者を連想させた。 突然の事にはやては驚きに固まることしか出来ず、一方少年は何でこんなところに人が、といった程度の驚きだったが、 「オラァ、何処行きやがったクソガキぃ!」 「くそ、街三つも追いかけさせやがって!」 「落ち着け、所詮子供が一人だ。手分けして探せばどうにかなる!」 更に後ろから聞こえるダミ声などに即座に反応、少年は少女にどうこうする余裕もなくキョロキョロ辺りを見回し、跳躍。 スパイダーマンよろしく近くに生えている木々の枝元―――高さ5メートル程度に一発で着地。そして、枝葉に身を遮らせるようにして隠れた。 「えっと……なに、あれ」 いきなり開催された万国ビックリショー(出演者一名)に、ようやく意識を回復したはやては、まずそう呟く。 次に何を喋るべきか迷ったところで、後のダミ声集団らしき者達三人組が続いて茂みから姿を現した。 あからさまに怪しい大柄の黒スーツに、顔には大小なり傷。おまけに目付きがとても悪く、漫画やドラマでしか見たことの無いはやてであっても、一発でその手の人と直感できた。 即ち、ヤクザor借金取り。 (あんな人、ほんまにおるんやなあ) 思わず現状を肯定できず心中で呟くと、 「おい、そこのガキ!」 「えっ! ……あの、私のこと、ですか?」 「他に誰がおるねん、ええ!」 「ご、ごめんなさい!」 「まあええ、さっきこっちに、青い髪の貧相な顔の貧相なガキが逃げてけえへんかったか!?」 「隠すとためにならんぞ!」 一昔前のドラマのチンピラのようなだったが、年若いはやてには中々刺激が強かった。言葉を途切れ途切れにしながらも、相手を怒らせないようにすばやく返答する。 「あ、あの、私の前の茂み、さっきおじさんらが来た方向から、ピューンって逃げました」 「ちっ、まだ逃げてやがるのか!追うぞ!」 子供の親切に礼も言わず、車椅子の側を駆け抜けていく男達。そのダミ声と足音が聞こえなくなってから、ようやくはやては胸を撫で下ろす。 「はあ、ほんま驚いたわ。けど、さっきの人は何したんやろ?」 見つけたら全身の部品を細切れにして輸出してやるいわれとったけど、と首を傾げる。子供には分からない世界に浸していた思考は、先ほど少年が隠れた辺りの木々からの声で断ち切られた。 「……あの、そこの方、ありがとうございます」 「え? ……ああ、気にせんでええよ。もう降りてきて、大丈夫ちゃうの?」 「そうですね、では失礼します」 と、約五メートルの高さを一発で跳躍した少年は、やはり何の躊躇いもつかえもなく、一気に飛び降りて着地した。 確かにさっきの男の言うように貧相ではあったが、格好はともかく顔はそう貧相ではないのではないか、と第一印象。まあ、幸の薄そうではあるが。 「ありがとうございます、おかげで助かりました。けど、どうして嘘をついてまで?」 「ええとな、あまりにビックリしてもうたから、つい。せやけど、嘘はついてないで」 「え、どうしてですか?」 「私はおじさんが来た方向から逃げた言うたけど、後ろに逃げたとは言うてないし、ピューンって上に逃げたのはほんまやし」 少しの、沈黙。やがて、その意味に気付き、 「ああ、なるほど」 「けど凄いなあ、あんな高いところへひとっとびやなんて。まるでスーパーマンか何かみたいや」 はやてが素直に賞賛の瞳を向けると、少年の顔に何故陰が射し、 「ええ……怖いお兄さんがたに追いかけられる生活を十年以上も続けてたら、自然と身に付きますから」 僕ってそんないいもんじゃありませんから、大体全身拘束抜けとか密室からの脱出方法なんて知ってて何の役に立つんですかと、どすの利いた小声で呟き出すハヤテに、少女は着ぐるみネズミの中の人の、裏の哀愁じみた顔を見た気がした。見たことはないが。 ともかくこの話は危険と判断し、はやては、そうだ、話題を変えよう! とばかりに違う話を持ち出す。 「そ、そういえば、お兄さんの名前は何て言うの? ここで会ったのも何かの縁やし、教えて欲しいな」 少女のハヤテに対する警戒心はとうに無くなっていた。もとから第一印象が「怖い人に追いかけられていたかわいそうな変な人」だったので、殆んど無かったとも言えるが。 「僕ですか? 綾崎ハヤテと言います」 少女に視線を合わせるため、そして疲れた身体を休めるため、ハヤテは近くのベンチに腰を下ろす。ようやく肩の荷が降りたかのように、大きくため息をついた。 「ハヤテ……さん? 奇遇やねえ、私もはやてって名前なんよ。八神はやてって言います」 「そうなんですか、確かに奇遇ですねえ」 まさか名前の由来―――借金取りからはやてのごとく逃げられるように名付けられたってとこまで一緒じゃないでしょう、とはハヤテは尋ねられなかった。そんな両親は自分だけで十分である。 「ところで、なんであんな怖い人に追いかけられてたん? なんか借金がどうのこうの言われてたけど」 「いやあ、クリスマスイヴに両親が一億五千万ほど借金を作りまして、返せなくなったからって僕をあの人達に売ったんですよ。流石に永遠に海の上の生活とか、突発的対自動車衝突後金銭要求職人とか、人体分解輸出は嫌なので、逃げてきました」 本当にどんな神経してるんでしょうねあの親は、はははと笑う少年ではあったが、はやてはどん引きして、いや、そこ多分笑って終わらせたらあかんと思うんやけど! と心中で突っ込むしかなかった。 「けど、もうさっきの人を撒いたから、安心できるんやないですか?」 「ええ。けど、家も仕事もお金も無くなってしまいましたから、まずはどれかを見つけないと」 「えっと……当てはあるんですか?」 「とりあえず、風雨の凌げる場所なら何でも良いですね。 そういえば、逃げてくる途中でいい廃ビルを見つけましたから、そこ……で……」 話はそこまでだった。ハヤテは急速に自分の足元が崩れ落ちる錯覚に襲われた。 膝が地につく。身体が落ちるのが止められない。視界を黒のカーテンが遮り、意識が何か白いものに食い荒らされていく。 無理もない事だった。ハヤテ自身は気が張っていて先程まで気付いていなかったが、両親の浪費癖と傍若無人、そして自分の生活の確保と言う責任を双肩に何年も背負い、 その上今日一日は肉体労働のバイク便のアルバイト→未成年である事がバレてクビ→追い討ちで両親が自分を売った借金取りからの休む間もない逃亡という行動に、肉体も精神も悲鳴もあげていた。 その結果、美少女と会話する暇があるのなら、さっさと休めと身体と心がラインダンスを踊りながらストライキを決行。結果、ハヤテは意識を失い、無防備に地面に倒れ伏す。 「わーっ、どないしたんや! 大丈夫……やなさそうや! 落ち着いて、こう言う時はなんかで聞いた……メディック、メディーック! ってちゃうわ! 石田先生呼ぼう!」 二人の一連の様子を、遠目で観察している者がいた。 茂みに隠されていて姿は見えないが、その者の目は確実に一点を見つめていた。慌てて携帯を取り出して操作し始める、少女のポケット。否、その中の赤い宝石―――レイジングハートを。 (見つけた……) その影が起こした感情は、安堵。 自分の国からこの世界に来た際うっかり無くしてしまい、魔力反応を頼りに探していた。それが無いと『目的』の達成が非常に困難になるところであったが、幸いにも『目的』ごと確認に成功できた。 即ち、彼女―――八神はやてこそが、その者の目的の協力者(予定)にして、魔法の杖『レイジングハート』の適合者となるべき者なのだ。 あとは、どうやって説得すればいいものか。それを考えながら、影は静かに姿を消した。 痕跡も何も、残さぬまま。 一方、その出歯亀とは全く別に、もう一人の観察者が別の茂みに隠れていた。尤も、こちらは観察者ではなく、どちらかと言えば目撃者であったのだが。 こちらの感情はといえば、憤慨と義務感であった。前の観察者とは違い、こっちは二人の台詞や行動に注目していた。 一億五千万の借金を背負わされ、親に捨てられた少年が夜、誰もいない公園にて幼女と出逢い、そして今車に乗ってきた妙齢の美人女性―――恐らくは先程幼女が使っていた携帯で呼ばれた女性によって、幼女ともども車に連れ込まれる。 「いかん……いかん、な」 これは非常に憂慮すべき事だ。モラルの崩壊、現代社会の闇がまさに目の前に現れている。 人間は何十年経っても進歩はしないらしい。これがゆとり教育の弊害と言うものか! 例えばあの男のように、一人の家無し少女を手込めにしてからと言うものの、次々と現れる女性を我が物にし、ひとつの家でハーレムを築きあげるロクデナシのロリコンペドフィリア・オポチュニスト(学名)になるかもしれない。 あるいは夜な夜な怪しげな飲食店で店員を勤めながら、そこのバイ店主や筋肉オカマに愛を囁かれるようなアブノーマルな男になるかもしれない。 どちらにせよ、彼は現代社会の被害者なのだ。大人たる自分が、導いてやらねばならない。 他の人間が聞いたら頭に膿が湧いているのかと呆れるか、それとも某新聞のように事実を歪曲するなと怒り出すかという考えを頭に思い浮かべながら、目撃者―――男は首のネクタイをキュッと締め直す。 大体こちらは見知らぬ時代に飛ばされて四苦八苦しているというのに、あの少年は家無き子ながらいきなり寝床を確保しそうな勢いである。 ようするにちょっとした嫉妬も混じっていた。男の嫉妬は最低である。 「……ふむ」 男は何かを思い付いた、むしろ思い出したかのようにニヤリと笑うと。 目にも止まらぬ早さで、後方に腕を振るう。 「くうんっ!?」 こっそりと近づいていた殺気だった野犬をボールペンの投擲で威嚇し、鼻歌を歌いながらその場を去る。 野犬が縄張りを荒らす者がいたから近づいてきたとか、鳴き声が犬の場所とは違っていたとか、その鳴き声がむしろ狐みたいであったという事は、男には一切関係なかった。 その顔は、いいアイデアを思い付いた顔。巻き込まれる者の事を考えない、一方的なアイデア。 元敏腕企業戦士にして、現在はただのホームレス。 広田(高屋敷)寛は、再びいい感じでネジが緩んでいた。 そして、目が覚めた。 「あ、おはようさん。大丈夫なん?」 「えっと……ここは?」 昨晩とは全く違う、まるで病院着のような姿で、ハヤテは自分がどこかのベッドで眠っていたと理解した。 だが、ここは何処だ? と困惑する問いの答は、今さっき声をかけてきた者が返す。 「ここは海鳴の病院や。あの時急に倒れたから、知り合いのお医者さんに頼んで運んで来てもろたんや。さ、石田先生呼ばなね」 「びょう……いん……?」 一瞬ハヤテはぼおっとした頭のまま、某K1ファイターのように「お前は何を言っているんだ」と考えたが、すぐに何やら事態が急転している事を理解し、頭を必死に回転させる。 某一休の思考効果音が三つほど脳裏で流れ、彼はすぐさま行動を起こす。 この行動力の素早さこそが、今まで親無しで生き延び、金を稼ぎ、借金取りから何度も逃げ切り、学校にすら通えた原動力である。 ついさっきまでぶっ倒れて気絶していたのが信じられない行動のスピードに、車椅子に乗っていたはやては必死で身を起こし、しがみつくのがやっとであった。 「ちょっと待って、何処行く気なん!? いきなり立ち上がって!」 「逃げるんです」 「何でっ!?」 「保険証もお金も持ってないのに、病院の世話になんかなれませんよ!」 「そやけど、さっきまで倒れてたのにいきなり動いたら危ないですよ!」 「大丈夫です! 身体の丈夫さはインパルスガンダムぐらい自身がありますから!」 「それは微妙に不安やっ! せめてアカツキにしとき!」 どちらも結局不安な、引く事の無い押し問答―――まさかベッド上に立ち上がる自分の足にしがみつく幼女を容赦なく蹴り飛ばして逃げるわけにはいかない―――を繰り広げていると、おもむろにノックも無しに病室の扉が開かれた。 「話は聞かせてもらったわ―――」 「な、なんだってー!?」 「…………」 言葉を遮られるような突然の返答に、新たなる客はどう答えればいいのか分からずに口をパクパクさせ、 ハヤテはハヤテで思わずお約束の形で突っ込んだものの、まさか沈黙と硬直が返ってくるとは思わなかったので、今では無視して窓から飛び降りたほうがよかったかなと反省している。 はやての方はその客にして自分の主治医である真面目そうな石田医師が、まさかそんなネタじみた事を行うとは思いもよらず、呆然とするしかなかった。 名誉の為に弁護するとすれば、彼女ははやてが呼ぶより早く病室前を通り過ぎようとしたところ、偶然物音と揉める声を聞きつけ、たまらず部屋に突入しただけだった。決して狙ったわけでは無い。 その沈黙の三すくみは、近くを通ったとあるちっちゃな銀髪少女医師の、「皆さん、何をしているんですか?」という声がかかる約十分ぐらいまで継続していたという。 どうして、こうなってしまったのだろう? 彼女の考えることは、ずっと同じ場所で巡り続けていた。一つの事しか、考えられなくなっていた。 どうして、戻れなくなってしまったのだろう? どうして、お兄ちゃんを感じ取れないんだろう? どうして―――世界を移動できなくなってしまったのだろう? 頭が狂っている、と思うかもしれないが、彼女の言う『世界』とは、本来の言葉の意味の世界とは違う。 小さな子供が自分の住む場所が一つの世界、それ以外は他の世界だと思っている事が時たまあるように、彼女もまた、自分の行ける場所がそれぞれの別々の世界だと思っていた。 本来はひと繋がりの世界である、様々な場所。ネオン輝くビル群、巨大な軍基地、狼の眠る草原。彼女は想えば、一つの世界の中ならどこにだって行ける。 ただ時々、そうほんの時々ではあるが、全世界がコンピュータに統率された世界や、剣と魔法のファンタジー世界など、本当に世界の壁を越えてしまうことも、たまにある。 そんな時でも、彼女は『兄』の存在を感じとり、元の世界へと帰還する事は可能だ―――壁を越えた事にも気付かず。 だと、言うのに。今はそれが出来なくなっている。 彼女は気付いてはいないが、兆候はあった。どこかの世界で不思議な石を―――虹色のような白のような光る石を、この世界に飛んできた直後に拾った。 小さな女の子のようにそれをキレイだと考え、拾った。しかし、手に掴んだ筈の石は、まるで雲か霞を掴んでいたかのように、いつの間にか跡形もなく消え去っていた。 兄を感じ取れなくなったのは、その直後。彼女が気付いたのは、その後しばらく経ってから「ここは兄のいる場所ではない」と考えた時。 困った。彼女はまず困る事を選択した。 闇雲に歩き回ってもどうしたらいいか分からないし、泣いても喚いてもどうにもならない事ぐらいは、彼女にだって分かる。 そもそも、うっかり「泣いたり喚いたり」してしまうと、色々危ないという事もおぼろげながら理解していた。 だから、困っておく。そして、考えることにシフトする。 「あっ……」 すると、気付く事がある。いや、思い出したというべきか。 そもそも自分の姿は、意識すれば誰にも見えなくなってしまうではないか。 以前にお話した『誰か』の言葉によると、自分は姿も見えず、『レーダーもセンサーも反応しない』のだとか。 見られようと思わないのであれば誰にも見つからないのなら、心配事は無かった。 近くにあるベンチに座り込み、青いワンピースに包まれた未成熟な身体を横にして、 「くぅ……すぅ……」 水坂憐は、いつも狼の住む草原でそうしているように、少し疲れた身体と心を昼寝で休ませる事にした。 寝心地は決していいとは言えないが、ついうとうとする心地よさに負け、ついには眠りについた。 目が覚めたら、次の事を考えようと決めて。 目次へ 次へ
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「―――そう、事情は分かりました」 正気に戻った医師がハヤテをまず押しとどめ、何とか対話の方向まで持っていくことに成功した。 中々抵抗は厳しかったのだが、「お金の事は今回は何とか考えます」の言葉が効いたのか、少なくとも隙あらば逃げようという姿勢は鳴りを潜めたようだ。 保険証はともかくお金も無いから逃げるという患者は少なくは無いが、こんな若さならの少年がどうして、と思わなかったわけではない。しかし、カルテとは別に脳内に纏めたメモの、今ベッドで横たわらせている患者から聞いた事情を見直して納得する。 綾崎ハヤテ。現在高校一年生の十六歳。 幼少の頃より浪費癖かつ借金まみれの両親のもとで食うにも困る生活を続け、年齢を誤魔化して普通は成年が就くようなアルバイトを幾つも行う事で食いつなぎ、学費や生活費も全て自分で賄ってきた。 が、今日夕方に両親から強制的に借金を押し付けられる事で、かろうじて支えてきた生活の堤防が決壊。借金取りからは着のみ着のまま命からがら逃げ延びたものの、身体に限界が来て―――その後の顛末が今だ。 お金も貴重品も、私物の一つすら持ち出さず。 「要するに、原因は栄養失調と睡眠不足、疲労にストレスと、それに伴う肉体の消耗―――若いから何とかなってる、ってぐらいね」 言外に普通なら危険なのよ、という意味を込めて告げるが、相手は今さら慣れっこなのか、反省しているからなのか、反応が鈍い。 事情が事情なだけに強くは言えないが、念を押すように問いかける事でようやく返事を引き出した。 「はぁ……すみません」 「ほんまびっくりしたんよ? あんな夜中にいきなり倒れるから、どないしたらええんか分からんかったし」 「そういえば、その事についても聞いておかなきゃね。どうして、外出してたのかな?」 矛先がこちらに向いてしまい、うわ薮蛇、とはやてはうめく。医師の顔は笑っているが、目が笑っていない。 「えっと、それは、まあ……ごめんなさい」 「ふう……まあいいわ。それはまたおいおい、ね」 ちっ、ごまかされへんかったかと突然黒く舌打ちするはやてに驚きおののきつつも、ハヤテは肝心な事を聞き忘れていた事に気付いた。 「あの、すみません。結局、僕はいつまでここにいればいいんでしょう?」 少年はさっきからずっとそわそわとしている。これも彼曰く、病院みたいな場所に来るのすら生まれて数回しか無いと言うのに、ましてやベッドでのんびりと寝ているなんてブルジョアな行為がひどく落ち着かないとの事だ。 「今日一日は、安静の為にここで入院してもらうわ」 「えっ!? そ、そんな―――」 「今の貴方に必要なのは休養よ。それも身体だけじゃない、心も。特に身体に関しては、数日は絶対安静必須よ。 せめて今日一日ぐらい、働くことも借金も忘れて、ちょっと話を聞かせて貰ってから、ゆっくり眠ってても罰は当たらないと思うわ。今日はクリスマスイヴなのだから」 そう微笑んで告げる医師に、しばらく躊躇ってはいたものの、やがてハヤテは決心して眠り出そうとする。 すきま風が吹き荒れ、ボロボロの畳の上に敷く布団の上で、借金取りからの油断を欠かすこと無く警戒しながらの睡眠とは、天と地の差であった。 ハヤテを入院させ、あまつさえ金の工面をつけると申し出たのは、特別憐憫の情や同情からだけでは無かった。 いや、そこから繋がると言えば否定は出来ない。八神はやては幼い頃から両親と死に別れ、親類の遺産管理があるとはいえほぼずっと一人暮らし。綾崎ハヤテも両親はいたが、味方どころかほとんど敵の状態で、幼い頃から友達と遊ぶ前に夜逃げや身の合わぬ労働続き。 両方とも、本質的には独りぼっちなのだ。 だからこそ、同じ家に住まわせてみればどうだろう、と思ったのだ。 はやての脚の病気に対しては様々な手段を講じてはいるが、どれも効果的な手段であるとは言いがたく、むしろ長年のうちに悪化の気配すら見せている。 精神的な方向からの支えも行ってみたいとは思うものの、自分は忙しい医者の身、どうしてもはやてだけにかかりきりという訳には行かない。ましてや一緒に暮らすこともかなわない。 その代わりといっては何だが、この少年を一緒に住まわせ、支えてもらうことで、はやての精神的な、またはいざ発作が起きたときの支えとなってもらうように考えた。 そして、病状が回復に向かうのであればそれは重畳である。 ただ、彼がそれに相応しい人間か、見極めなければいけない。はやてが初めて会った人間にあんなに遠慮無しに突っ込みを入れる相手は珍しく、さっき少し話した程度でも良い性格であるとは思う。 だが、はやてを任せて良いのかはもう少しはっきり話をしてから、と判断する。自分とて生まれて三十年を越えている医師だ、それなりに人間の見分けはつくつもりである。 そんな自己中心的だと自覚した腹積もりで、彼女はハヤテを入院させた。結局、他人にしてははやての事を十分すぎるほど考えているのだが。 「話をするのは、はやてちゃんを送ってからかしらね」 しかし、その話の予定は二度と達成される事が無くなるとは、今の彼女には知るよしもなかった―――。 結局石田医師にしぼられてから、はやては我が家の前に帰還した。 さっきまでの賑やかな空気の時間が、まるで数日前のように遠く感じる静寂。日々が同じ事の繰り返しの中、何が起こるか分からないような―――楽しかった出来事はどれほどぶりだったろうか、と思い返すが、殆んど思い返せないので考えるのをやめた。 先程の少年を思い返す。貧相な顔の、からかうと面白そうな少年。直感だが、あの人は多分いい人だ。そして、いろんな意味で楽しい人。 あんな人と一緒にいたら、日常が面白いだろうなと考える。きっと、誘拐事件に巻き込まれたり、豪華客船沈没事件に巻き込まれたり――― 「……あかん、何かおかしい考えになってる」 夢の時間は終わり、今からは再び現実の時間、ひとりぼっち。 防犯のために、出掛ける前に電気付けっぱなしやったかなと思い出しながら玄関の扉の鍵を開け、 ―――お願いです、話を聞いてください どこからか聞こえる囁くような声を、受け取ったのだった。 天使と言う言葉を聞き、普通の人々はどう連想するだろうか。 神に仕える存在。無垢なる者。白い翼を生やした、想像上の産物。 だが、世界にはごくまれに存在するのだ。黒い翼を生やし、俗世に堕ち、神に仕えることを止めてまで、一つの感情を知ろうとする者が。 天使は無垢であり、それ故に愛を知らず、知ろうともしない。 それを知る事が、知ろうとする事自体が、自らを傷つけなければいけないからだと、本能で感じ取っていたからかもしれない。 それでもなお、自分を傷つけても、苦しめても、その感情―――愛情とは何かを知るために、人の世界に降り立つものがいた。 彼女―――遊羽もまた、その一人であった。 尤も、彼女に関しては事情が多少異なってはいたが。 「あちゃー……参ったわね」 遊羽は俗に言うゴスロリドレスで包まれた華奢な身体を、地面で汚れることに何の躊躇いもなく倒れ伏しながら、少しも参っていない様子のおどけた声で現状をぼやく。 だが第三者から見れば顔は血の気が引いており、指の二、三本や顔以外はほとんどピクリとも動こうとせず、軽口で済ませるような状況ではないのは一目瞭然だった。 むしろ、刻々と命のろうそくが消え去ろうとしていた。周囲の寒さが、灯火を弱らせていく。 少しでも早く、助けを呼ばなければ―――そんな事はとうに理解しているのだが、まず周りがよく見えず、何処にいるのか分からない。大声を出す元気もない。這って進む気力すらない。 以前の人間界でのとある問題行動から遊羽は『病気』にかかり、天界の病院に入院を余儀なくされた。 が、彼女の友人の調べた結果、遊羽は治療をされていると見せかけ、徐々に衰弱して死んでいくように毒を投与されていたと判明。 幸い友人が天界でエリートの位置にいた事と、遊羽自身が入院当初は抜け出して人間界に降りていた事から、病院から抜け出すことは何の不自然もなかった。 せいぜい、「ああ、久しぶりにまたやったか」と思われるぐらいだろう、それはそれで複雑ではあるが。 「ずっとは無理だけど、しばらくはこっちで誤魔化し続けるわ。その病気ですぐ死ぬって事は無いはずだから、逃げなさい」 「……うん、またね」 天界での最後のやりとりをかわし、遊羽は人間界へのゲートに飛び込む。 また、出逢える事を信じて。 ただ、誤算が存在した。地上へと降りる前に、今まで投与されていた毒物が予想以上に遊羽の身体を蝕んでおり、ゲート転移に耐えきれなかったこと。 そのせいで、彼女の予想していない場所に飛ばされた事。 そして、今まさに身体を動かす体力すら残っていない事。 故郷には居る事も出来ず、人間界の知人の元にも向かえず、このまま誰知らず朽ちていくしかないのか。 微かな幸いと言えば、彼女がここがどこかを全く理解していないところか。 空には静かに舞う白い雪、木々がほんの少しやさしくざわめく夜。 その音を子守唄として、僅かに開かれていた瞳が今まさに閉じようとしていたその時。 「だ、大丈夫ですか!」 「え……誰? どこにおるん?」 開けたドアの奥や左右、後ろを見ても人の姿形は見当たらない。なんや空耳かあと気を取り直したが、 『そこの、車椅子に乗ったあなたです』 確かに、少年の声が聞こえる。聞き間違いでは、無い。しかも頭の中に聞こえるような気がするが、それにしても何処にいるのだろうか? 「なあ、どこにおるん?」 『待っててください、今姿を現しますから』 その言葉と共に、はやての前に姿を現したのは――― 「……茶色いねずみ?」 本当はフェレットが近いのだが、想定外の生き物が現れた為、つい大雑把なまとめ方の言葉しか出てこない。これは色々な意味でツッコミを待っているのか、素人ドッキリで本人は暗闇の奥で笑いをこらえているのか、そもそも何を話せば良いのか。 そしてフェレット―――ユーノ・スクライアの方も、この世界に来たばかりでねずみとフェレットの違いが分からず、否定も肯定もしなかった。こちらも、どう話を切り出すべきかで悩み、反応を窺いながら黙りこくる。 しばしの沈黙が流れる。両手の指で数えられないぐらいの秒が経過した時、ユーノがこらえきれず用件を話そうとして、 「ようできたぬいぐるみやねえ」 「って、違いますよ! 僕はぬいぐるみじゃないです」 「冗談やって」 いったいどんなからくりかは分からないが人語を話しているフェレットを前にして、はやてはあっけらかんとしている。つい先程の変人の件で、耐性が出来ていたのかもしれない。 もしくは、そんな細かい事を気にしない性格であるのか。 実際のところ、はやてにはもちろん驚きの思いはあった。この現代日本において、一般的に動物が喋ることがあるという夢物語や妄想を信じるほど、はやては子供ではない。 だが、それを些細なものとするほど、強い感情が彼女の心を塗りつぶす。 ―――こんな面白いコト逃したら、また退屈な日に逆戻りや! 小さな胸の中に響き渡る鼓動が、止まらない。友達とも遊べず、身体をめいいっぱい動かしたい盛りであるだろうにそれもできないはやてだからこそ、沸き上がる強い思い。 今自分は、普通には出会わない事に足を突っ込んでいる! 嬉しかった。嬉しいとしか言葉が浮かばなかった。騙されているならとことん騙されてやれとも思った。 もし足が動かせるのなら、冷凍マグロを抱えて水中エレベータに乗り込んだり、忍者ごっこをして記憶喪失の兄を困らせたりするぐらい奇抜な行動を起こしていただろう。 非論理的で支離滅裂ではあったが、それぐらいユーノという存在の登場は、はやてにとって衝撃を与えた。 もっとも、衝撃が大きすぎて、結局当たり障りの無いボケをかます事しか出来なかったが。 どちらにせよ、特に驚きも怯えもしない相手に慌てる必要は無いと感じたのか、ユーノは本題を切り出す事にした。 「僕は、ユーノ・スクライアです。公園で先程、赤い宝石を拾いませんでしたか?」 「私は、八神はやてって言うんよ。……ああ、そういえばさっき拾ったよ」 言われてようやく思い出し、ポケットの中にしまったままの赤い石を取り出した。今の今までまで人生で一、二を争うほど濃すぎる時間を送り、つい忘却の彼方に放り投げていた。 「もしかして、これユーノさんの?」 「ユーノでいいよ、同い年ぐらいみたいだし。そう、この世界に来てしまった時に落としてしまったんだ」 「この世界……って?」 「なるほど、そこからだね。実は……」 綾崎ハヤテは、病院を抜け出していた。何て事はない、忘れ物をしたからである。 普通の人間がたった一晩、しかも二、三時間程度では、いくら命の危険から生まれる火事場の馬鹿力で全力疾走しても、三つも遠くの街まで逃げることは出来ないのである。 自称一般人のハヤテもそれは例外ではなく、もっと速く逃げる手段―――途中借りた放置自転車で相手の車とカーチェイスを繰り広げながら逃げてはいたものの、時速二百キロ以上の平均速度走行に先に自転車が息絶えてしまい、仕方無く偶然見つけた廃ビルに置いて眠らせてきた。 短時間ながら苦楽をともにしたもはや相棒とも呼べる存在、後で取りに来ようとは思っていたのだが、後は知る通りの顛末である。はやてと出逢い、倒れて病院へ行き、安静を命じられる。取りに行く暇など、無かった。 (少し眠って回復出来ましたし、書き置きを残して来たから大丈夫でしょう) そんな事をしても怒られるのは必然であるのだが、ハヤテは行ってすぐに戻ってくるつもりであるので、たかをくくっていたのであった。 そして、そんな考え方こそが、死亡フラグもといトラブルフラグである事に本人は気付いていないのである。 廃ビルに到着して、果たして自転車はすぐに見つかった。そろそろ本気で寒くなって来た夜風にコートがはためくが、臨時の相棒を眠らせた屋内はそれほどでもない。 ついさっき雪まで降ってきたのに、やっぱり直接風が来ないからだろうか、とどうでも良いことを考えながら、自転車の容態を確認する。 フレームがボコボコに折れ曲がり、チェーンが外れてはいたが、タイヤは奇跡的に無事だった。ドリフトが平気で出来そうなぐらい磨り減っていたが、これなら病院に戻って落ち着いて直してやれば息を吹き返すだろう。 「……え?」 ほっとしたその時、ハヤテの視界の片隅にキラリと光る何かが飛び込んで来た気がした。 見間違いかと思い、目をパチクリと瞬かせるが、月の光を呼び寄せては弾いているのか、暗闇の中で確かに何かが光っている。 いや、よく見ると…… 少女が、仰向けになって倒れていた。顔は美少女と言っても通用する形、中肉中背で、遠くから見る限りでは外傷、暴行の痕ならびにひどい出血は無さそうだと分かり、少しほっとする。 だが、ハヤテをそのまま絶句させたのは、廃ビル内にあるまじきその姿に驚いたからでは無かった。 全身が黒一色の、ひらひらがこれでもかと付いた、ゴスロリと言われるワンピース風の衣装、おまけに頭部にはメイドのようなヘッドドレス。しかもこんな冬の夜中だと言うのにそれ一着。それだけでも十分おかしいと言うのに、僅かに見える背中の部分から黒い一対の翼の飾り。 これをコスプレと言わずして何と言うのか。年に数回ある大型イベントにて見られるような姿ではないか。ついそんな言葉が脳裏をよぎったハヤテは、内心まずい人に出会ったなあと思いつつも、流石に見なかった事にも出来ず、近寄って呼び掛ける。 「だ、大丈夫ですか!」 つい言葉が上ずってしまったが、何も反応が無い。いや、彼女の開きかけの瞳が逆に閉じてしまった事で、何やら嫌な予感を感じた。 もう一度状態を確認。熱は無く、平熱程度か。服の乱れも外傷も無い。手首を握って脈拍を確かめる……生きてはいるが、かなり小さい。 「ん……う?」 色々探られている事に気が付いたのか、閉じた瞳が重々しくながら再び開き、困惑と疑問の視線で見られていることにハヤテは気付く。とりあえずまだ生きていることにほっとしながらも、ハヤテは出来るだけ不審がらせないように声をかけた。 「大丈夫ですか? 今すぐ、病院に連れていきますから」 「ん……たい、き……じゃ、ない?」 一瞬何の事か分からなかったが、それが人の名前だと言う事に気付く。 それは誰なのか、どうしてこんな奇妙な格好で、こんなところにいて、まるで息も絶え絶えな状態で倒れているのか。聞きたい事はそれなりにあったが、まずはそれを棚上げにして病院への帰還を優先する事を選択。 「痛いところとか、ありますか?」 「全身が……軋んでるみたい。かなり、痛いかも」 「今から背中に背負います、病院で見てもらわないと」 「え……っと、多分、こっちの病院は無駄だと思う」 「なんで、そんな事を? 諦めちゃダメですよ、コートで縛って固定しますから、背中に掴まっていて下さい」 「うん……これ、向こうの病気だし。そもそも、病気なのかな?」 後半の言葉はしかしハヤテには届かず、少年は少女を背負い、有らん限りの速さで走る。この状態での二人乗りは流石に危険な為、再び自転車を置いていかざるを得なかったが。 ユーノ・スクライアは異世界からの来訪者である。 彼らの世界は魔法が科学とならんで発達しており、宇宙人どころか異世界人の存在も特に珍しいものでは無い。 そして、魔法は既に一般生活には無くてはならないものとして、浸透しきっているものだ。 ちなみにそれを聞いたはやては、「ようある魔女っ娘やのうて、えすえふの方なんやね」と感想。 閑話休題。 彼は若くして、一族とともに世界を巡る考古学者として働いており、主に遺跡の調査・発掘を行っていた。彼らの世界は年齢よりも魔導師としての実力やその仕事の知識量で上下が重視されるが、弱冠9歳にして一つの発掘現場の指揮を任されると言えば、その実力も知れるだろう。 今回も、とある世界で新たに見つかった謎の魔導遺跡を調査中だった。最奥部に未知なる装置の存在する、年代すら不明の遺跡。 しかし、調査中に不意に遺跡の中心にあった謎の装置が起動し、気が付けばこの世界に飛ばされていたのだと言う。 「管理内世界では今まで知られていない魔導体系。何千年も昔と思われる材質。そして、その遺跡はかつて『根の世界への門』と言われていたそうです……話を戻します」 その後、突然異なる世界に飛ばされたという事は理解したものの、元の世界―――せめて見知った世界に戻る事すらすぐには難しいのだという。 突然海の真ん中に放り出され、地図と大した装備の無い船だけを渡されたのと同じようなもの。目的地は分かる、向かう手段もある。だが、そもそも自分がどこを出発地点にしているかが分からない。 無闇に世界移動を繰り返すわけにはいかない。それにも魔力が必要だし、いざと言う時のために魔力は温存しておきたい。 そういった話を一通り聞き、はやては頷いた。 「つまり、帰り方がハッキリするまで、置いといてほしいってことやね」 「ええ……って、そこまで飛躍していいの?」 ユーノ個人としては数日、せめて一日身体を休められる場所があればよかっただけなのだが、はやては何言うてるのとカラカラ笑う。 「ええんよ、ユーノ君みたいなかわええ動物がおったら、大歓迎やって」 (動物……って、今の姿はそうだった) 「それに、誰も知り合いがおらんと、世界にひとりぼっちってのも、寂しいで?」 妙に実感のこもったような言葉に少しつかえる何かを覚えたものの、それは脇に置いておき、ユーノは長いフェレットの首を丸く曲げて感謝を言葉に変える。 「……ありがとうございます」 「ええねん、そんなかしこまらんでも。それで、この石は返した方がええんやった?」 「いいえ、それは―――はやてが預かっていて」 思わぬ返答に、目を丸くする。そして視線で問いかける、これは君のとちゃうの、と。 声に出していない思考を読み取ったか、ユーノは懐―――動物体のどこに懐があるのかは謎だが―――から石を取り出し、掲げる。 はやてが拾ったのとそっくりの、赤い石。 「僕には、こっちのレイジングハートがあるから」 「この石って、そんな名前なん? レイジング……えっと、ストーム?」 「ハートです。これはデバイス―――分かりやすく言えば、魔法の杖の元なんだ」 「って、そこは魔女っ娘なんやなあ。それと、ツッコミ薄いで」 SFからファンタジーへ逆戻りした話に苦笑しながらもその目は、はよ教えてえなと食い付きを見せる。 はやてとて年齢一桁の少女、まだまだそういったものに対する興味は、強い。テレビから出てきたような存在が目の前にいれば、尚更だ。 ただ、魔法の杖と聞いたとき、この時はやては呪文を唱えてマハリクマハリタやぴんぷるぱんぷるなどの幻想的なものを想像していたのも無理はないだろう。 まさか数ヵ月後に、友人になった相手の杖から荷電粒子砲まがいの一撃を食らわされようとは、神ならぬはやてには想像しようがない。 「僕の―――いえ、僕らの世界のデバイスは、調整と本人の努力があれば、ある程度は誰でも起動できて、使用できる。だけど……」 きゅい、とマッチ棒のような指でユーノははやての持つ石を指差す。 「それは、デバイスとしては異質な存在なんだ」 「使ってる人が、大変な目に逢うとか?」 「そんな危険なデバイスは無い……訳じゃなかった気がするけど、その話は今は置いておくね」 言葉通り右から左へ物を運ぶ仕草をするフェレットを見て、和む。かわええなあ。 「以前ある遺跡から発掘されたそれを解析したところ、それもまた偶然『レイジングハート』って名前だって分かったんだ」 「じゃあ、ユーノのは発掘されたんや無いって事?」 「僕のは……って、それもまあ置いといて」 しかし、それ以外に分かることが全くといっていいほど無く、おまけに今まで何人もの魔導師が装備しようとしたが、誰もが反応すら無かった。 はっきり分かっているのは、どうやら意識がある―――インテリジェンスデバイスではないかという事だが、 「その意識がやっかいなんだ。この石は人を―――適合者を選ぶ」 「適合者? 使って欲しい人の事?」 「まあ、そうだね。それは今まで誰にも反応を見せなかった。光ることすらしなかったんだ。だけど―――」 「もしかして、私が公園で拾ったときの事?」 急いてはやてが尋ねると、ユーノはただ頷くのみ。語らず、あの時光ったのを見た、と目で告げられているように感じた。 「何か、心当たりはある?」 「ええっと……」 公園でこれを見つけたとき、光っているのを見たから拾えたわけだが、よくよく考えると暗い所で光っているからといって、そんなに簡単に闇の中で見つけられたものだろうか? もしかしたら、この石が私を呼び寄せていた? と考え、 「……いや、なんもあらへんわ」 「そうか……いや、別に気にしなくていいから」 「あ、うん。 さっきの話やけど、持っててええんやったら、私が持っとくわ。せやけど、ほんまに私が持っててええの?」 指でつまみ上げた小さく新たな知人は、しかし公園の時とは反応がまるで嘘のように沈黙していた。 「それに、私は具体的に何すればええの? 魔法とか言われても、私は何にもでけへんし」 「持っていてくれるだけでいい。正直、何が出来るかもそれが何を伝えたいのかも全然分からないし、選ばれたはやてと一緒にいれば、もしかしたら何か分かるかも―――」 ふと、言葉が途切れる。言い間違えて言葉を訂正しようとしているのか、さもなくばして欲しい事を思い出したのかとも思ったが、それにしては妙に表情が厳しいのに気付く。 何を考えているのか、呆然としているだけなのか、フェレットは長い首を天に向けたまま硬直している。 きょろりきょろりと、細長い首の先にある頭が二度三度、何かを確かめるように振られる。 迂濶に尋ねられず黙り込む事数秒、小動物の豆のような口から零れた呟きは、驚き。空中で鮫が泳いでいるような非常識を目撃したような、あり得ないと否定したがっている声。 「どうして……」 「ん、どないしたん?」 「―――行かないと!」 復帰するが早いか、ユーノは突然駆け出していく。逃げたわけでは無さそうだが、いきなりの奇行にはやては無視された事も忘れ、車椅子を動かし始めた。 ついさっき知り合った友達を、追いかける為に。 「何なんやろ……いったい……」 胸騒ぎがこだまする。さっきまでの面白さを覚える非日常では無く、嫌な予感がする方のそれを、彼の突如の言動からはやても感じずにはいられなかった。 銃を持った奴が相手なら、覇王○○拳を使わざるを得ない。そんなフレーズが浮かぶ程に、ハヤテは窮地に立たされていた。 繰り返すようだが、ハヤテは長年の貧窮生活によって、大抵の事なら何でも切り抜けられる力を身に付けている。 背中に妙齢の少女を背負っている程度、重荷にも感じない。雪が降るような寒空の下でも、大した活動阻害にもならない。 が、それも体調が万全の時には、だ。精神と肉体がともに消耗しきっている現在であれば、取るにも足らなかった筈の障害がとても邪魔なものとなる。 「くっ、は―――あっ」 骨や神経を通じて全身に染み渡る、まるで氷のナイフで抉られるような冷えた痛みに、ともすれば後ろの荷物を落としそうになる。が、堪えて背負い直し、一歩を進める。 「やっぱり、安静にしておけばよかったかな」 誰にも聞こえないように、後悔しつつ呟くハヤテ。彼女は再び気を失ったのか、静かなものだ。 医師の言う事を聞かず、勝手に自転車を取りに行った自分が悪いとは分かっていたのだが、 (取りに行かなきゃ、この人はどうなっていたか分からないだろうし……うん、いい方向に考えよう! 大丈夫、借金取りから逃げ切りましたし、何とかなります! ……なるのかなあ) 空元気で気勢をあげようとするが、いかんせん大元の元気が足りない。 脚の感覚が薄い。スポンジになってしまったかのように、一歩一歩の安定性が足りなくなっている。 手に力が入らない。自分が何の何処をおんぶしているのか、つい忘れそうになる。 そして、目がほとんど開かない。視界が狭い。きっと自分の顔を見ている誰かに感想を聞けば、遮光型土偶のような目だと言うだろう。 「―――あ」 転んで倒れ伏したのに気付いたのが、その事実から数秒も経ってから。 何故か何とかしないとと言う意識が働かず、身体は指一本も動かせない筈なのに、感覚だけが鋭敏になっている。 我が身を冷やす原因は、薄く積もった雪が原因か、それともコンクリートか。頭の回転が妙に速くなっているのか、段々と周囲の時間がゆったりと重みを増してくる。 同時に、昔に振られた彼女の事、ここで肉を食えとサファリパークで放り出された事、ついさっき親に売られた事。俗に言う走馬灯が頭の中を流れつつも、目の前を横切る雪の塊の粒々一つ一つや地面のでこぼこすらもはっきり認識できた。 (確か、これは頭の処理速度が向上されている事で起こることだって、どこかで聞いたかな) 目が覚めたら、自分は新たな世界の創造主になっているのか、どこかの女の人と人格交換でもしているのか。あるいは、時の滅びた世界に魂だけが投げ出されてしまうのだろうか。 こんな時でもそうつまらない事を考えてしまえる余裕がある辺り、もしかすると自分は心の片隅で終わりを望んでいたのかもしれない。 守られる筈の両親から押し付けられる枷。急激に何度も訪れる環境変化。終わりの見えない借金。 そして、願ってももがいても手に入らない、普通の生活。 (もう、――――――) 最期に想ったのは何だったのか。 全てのしがらみから解き放たれたかのように、ハヤテの瞳は固く閉じられた。 強く強く、何者をも寄せ付けないかのように―――。 前へ 目次へ 次へ
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本編は水平線で囲ってあります。 2008-10-14-なのは総合スレ [たとえば僕が高熱を出して病院に行く最中に] 2008-10-20-魔法少女リリカルなのはのヴィータちゃんはアイス大好きかわいい 2008-11-04-魔法少女リリカルなのは総合スレ [ゲームで遊びたいよぉ…] [ドライブに行きたいよぉ…] 2008-12-17-魔法少女リリカルなのは総合スレ [公園を通って帰りたいよぉ…] [リリカル世界に突入したいよぉ…] [当たり前の1日を過ごしたいよぉ…] [はやてちゃんと正月をまったりと過ごしたいよぉ…] 2009-01-02-魔法少女リリカルなのは総合スレ [罰ゲームをくらいたいよぉ… ] [とある作戦を企てていた。] [それはないよぉ…。] [雪が降ってるよぉ…] 2009-02-11-魔法少女リリカルなのは総合スレ [前日だよぉ…。] [僕は大バカ野郎だよぉ…。] [自分から行動するよぉ…] [叫んでしまったよぉ…] 2009-03-05-魔法少女リリカルなのは総合スレ [初めましてだよぉ…。] [爪を切っていたよぉ…。] [口の中の神秘だよぉ。] [何度も唱えるよぉ…。] [暗黒密室告白事件だよぉ…] 2009-04-06-魔法少女リリカルなのは総合スレ [僕が落とされた3つの理由、だよぉ…] [今、そっちに行くよぉ…。] [絶妙なハーモニーだよぉ…。] [今日はいきなりよく会うよぅ…] [その体温、36度8分だよぉ…] [最近暑いけどまだその時期じゃないよぅ] [始まったよぉ…] [きっとそういうことなんだよぉ…。] [こんな過ごし方も全然ありだよぉ…] [山を登るよぉ…] 2009-05-07-魔法少女リリカルなのは総合スレ [恋のカツンコツンだよぉ…] [通じたいよぉ…] [好きってどういうことなんだよぉ…。] [わん…わんわんぉぉ…。] [伝わらない気持ちの届け方だよぉ…。] [ちょっと行ってきたよぉ…。] [その帰り道だよぉ…。] [大好きな人の大切な日だよぉ…] [一人反省会だよぉ…] 2009-06-07-魔法少女リリカルなのは総合スレ [届けることが出来なかったよぉ…] [遥か古より来たよぉ…] [まだ梅雨は続くよぉ…] 2009-07-08-魔法少女リリカルなのは総合スレ [パンツなんだよぉ…] [3人目を探すよぉ…] 2009-07-18-魔法少女リリカルなのは総合スレ [お出かけするよぉ…] [パンツを買いに行く話] [とある日曜日の朝のこと。] 2009-08-05-魔法少女リリカルなのは総合スレ 2009-08-28-魔法少女リリカルなのは総合スレ [戻ってこれたよぉ…] [今年最後の花火大会だよぉ…] [練習するよぉ…] 2009-09-29-魔法少女リリカルなのは総合スレ [続・練習するよぉ…] 2009-11-10-魔法少女リリカルなのは総合スレ [最終手段だよぉ…] 2009-11-28-魔法少女リリカルなのは総合スレ [今、会いにいくよぉ…] [深夜の密会だよぉ…] [作るよぉ…]
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はやて 【JR東日本】 東京~盛岡・新青森を東北新幹線経由で結ぶ新幹線列車。 2002年の東北新幹線八戸延伸開業によって登場した。 大宮~仙台をノンストップで走り、東北新幹線の最速達列車となったが、2011年に「はやぶさ」の登場でその座を明け渡す。 新青森行きの列車は基本的に東京~盛岡で「こまち」を連結する。 2011年11月からは「はやぶさ」用のE5系も運用に入り、その場合ははやてにもグランクラスが設定される。 使用車両:E2系、E3系(E2系と連結)、E5系 運転期間:2002年12月~
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はやて ◆概要 ――――
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はやて 91391 ■名前 はやて ■使用デッキ 【地雷!?自爆!?】 【おにぃ朝だよ~♪】 【レベルアッパー】 【ガチん娘】 【明日のナージャ】 etc. ■概要 第二回大会 ロリレベ杯ではロリということで本気を出した その結果2位という記録に 女装男子ものという『18歳未満お断りゲー』が大好きで、要するにムッツリスケベな変態である。 スカイプ中でもプレイしていることがある もちろん、ヘッドホンなどは使わずスピーカー安定 たまに聞こえてくるので注意が必要だ! ミュートという便利な機能があるがそれを使うと反応が鈍くなってしまうので使っていない 最近スカイプにてむふふなことをしたが知っている人は少ないという オナニーにおいてはハイレベルなテクニックを駆使し、どんな過酷な状況であろうとも抜く事が出来るようになった。 因みに抜く時間を自由に調節でき、最短で10秒、長い時には1時間耐久でオナる事もあるらしい。 愛用オナホールはTENGAである。
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正式なHNは「天藍のはやて」片翼の鷹では「たこやき」とも言われるが最近は「いかやきと」呼ばれる事の方がも多い ※たこやきについては該当記事を参照 リセットが多い、リセ厨である。 チャットには様々な時間に来てくれおり常連の一人と呼べる しかし最近変態であることが発覚、注意されたし 日頃はGの脅威に晒されることが多いらしい、本人は早く駆除したいのだとか・・・しかし余りにも駆除しないため「共存しているんじゃないか」「添い寝してるんじゃないかとの」質問も上がっている ただしあまりにもINが長い場合PCをつけてしまったまま寝てしまっていることがあるのが難点 また、デュエルの腕はなかなか強い
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_ , ...... 、_ , -‐ . . . ̄ ̄ . . . .‐- . 、 / . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .__ . .`ヽ、 / /` .` .ヽ . . . . . . . . . - .´ . . . .ヽ . . . ヽ、 / ./ . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .', . . . . .', / . / . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ヽ . . . . .i . . . . .i ,' . / . .| . . . . . . . . | . . . . . . . . . . . . . . i . . . . | . . . . .| i . .i . . | ._|___| . . .| .| . . . .| . . .ヽ____|ヽ∠| . . . .| | .| | . . | . .| . . |` .メ、| . . . | ナ .´ .i l . .|,へ.| . . . . .| | .| .| . .', . .| . . | . . | .| . . . .!.||ヽ . ヽ . .| . . . | . . . . .! | .| .| . . .', .イ伐≠ミlヽ . . .|.芹万サイ . . | . . . . ,' | .| .| . . . ',`.弋z_ソ` \ | 弋zシ./| . . . | . . . ,' ', .| | . . . lヘ\/l/l ヽ/l/l / | . . ./ . . ./ Nヽ . . . | ヽ、 ′ //| . ./ | ./ _ヽ . .!、ヽ > 、 .ー ,イ/ . | ./ / ./. / ヽヽヽヽ_ヽ|>..<┬┤/ ///. / ヽ | | | ||.|/`/_/____ / 、 ヽヽヽ \ Ⅶ 川 `ヽ、 /へ 、>< ヽヽゝ ヽヾ }{ //.| ヽ、 //;;;∨ `ヽ、`ヽ、` ´ ヽ ≠,' / く__/ / ゝ ∧ヽ;∨ `ヽ、/ ヾ≠/ ヽ / /. ヽヽ;∨ ,' ヾ、/ ヽ / /. `ヽ∨ ', }ヾ ヘ ヽ/.! ', .ヽ ヾ、ヽヽ }. ', ', .ヽ / 〃,' i ', ', ',.、 / /// ,'. ', ', ',` /イ.ヽヽ __ イ ', ', __ ', ヽ、 // ヽヽ_ - | . ', , <;;ヽ;;;;;;ヽ------≠'---'┴‐‐‐ ┘、. } -現在の戦闘用ステータス ┏───────―――――──┓│ 名前:【はやて】│l ステータス―─┳――――――┴──────────────┓┗┤所属 .│【やる夫の女】 ┣――――――┼─────────────────────┫ │体力 │【2000/2000】 ┣──────┼─────────────────────┫ │属性 │【闇】 ┣──────┼─────────────────────┫ │装備 |【シュベルトクロイツ・蒼天の書】 ┣──────┼─────────────────────┫ │基本攻撃力 |【300】 ┣──────┼─────────────────────┫ |l アビリティ ─┴───────────────────―――――┓ ┗┤ブルーティガードルヒ(基本攻撃力+100) |シュヴァルツェ・ヴィルクング(基本攻撃力+100、防御無効) |デアボリック・エミッション(基本攻撃力+200、防御無効) |ミストルテイン(基本攻撃力+150、石化判定有り) |パンツァーシルト(発動後3ターンダメージ-300) |クラウ・ソラス(回避不能技。基本攻撃力と同じダメージ) |フレースヴェルグ(敵全体に200ダメージ) |ラグナロク(ダメージ800) |スレイプニール(常時発動型飛行アビリティ。) ┗────────────────────────────── +アーヴァロル在住時のステータス ┏──――――──┓│ 名前:【はやて】│l ステータス―─┳―――──────────────┓┗┤分類 │【元地球軍人/地球人】 ┣――――――┼─────────────────────┫ │体力 │【600/600】 ┣──────┼─────────────────────┫ │心 |【15/15】 ┣──────┼─────────────────────┫ │精神状態 |【従属】 ┣──────┼─────────────────────┫ │装備 |【現時点では無し】 ┣──────┼─────────────────────┫ │経験 |【有り(非処女)】 ┣──────┼─────────────────────┫ │調教 |【69/100】 ┣──────┼─────────────────────┫ │調教レベル .|【M:5 B:20 V:19 A:25】 ┣──────┼─────────────────────┫ |l アビリティ ─┴───────────────────―――――┓ ┗┤ダウンロード(ヴォルケンリッター3人分の性的弱点データを有する) |家事上手(炊事洗濯何でもござれ) | ┗──────────────────────────────┛ +調教時のステータス ┏──――――──┓│ 名前:【はやて】│l ステータス―─┳―――──────────────┓┗┤分類 │【地球軍人/地球人】 ┣――――――┼─────────────────────┫ │体力 │【500/500】 ┣──────┼─────────────────────┫ │心 |【0/15】 ┣──────┼─────────────────────┫ │精神状態 |【従属】 ┣──────┼─────────────────────┫ │装備 |【現時点では無し】 ┣──────┼─────────────────────┫ │経験 |【有り(非処女)】 ┣──────┼─────────────────────┫ │調教 |【55/100】 ┣──────┼─────────────────────┫ │調教レベル .|【M:5 B:15 V:15 A:20】 ┣──────┼─────────────────────┫ |l アビリティ ─┴───────────────────―――――┓ ┗┤ダウンロード(ヴォルケンリッター3人分の性的弱点データを有する) |精神力・強(強い精神力の持ち主) | ┗──────────────────────────────┛ +地球決戦暴走時ステータス ,ィ、 ,.-‐=ァ ー--、 ,ィ  ̄ ヽ ヾィゞ´ ___ ィ弐∨ ィォソo==― ‐‐ / } ゝ; `ヽ、 ´{!ゝiメ ニ.ソノー.リ ヽ / / `ー--、 `''ー-ヘ ,.ィ` ,ィリ,ィ } i r ´,}. \ ,ィー-.,,__ . ´ / ,..==- ヽ. ,. イ´ } ゞ/ゞ リゝ.ヘ `ー yー.,r },ィ.i ノ ;;;ィr ´__ ,...-― ´ `ー--/ ,ィ / / / =/ {イ `== ゝ-{ ,孑ノイ > ノ ;イ ̄ ̄ ̄ ̄ > //rト-- '∠/ ゝ=‐-ヽ /リ !. i !ヽヽ ヾー‐‐''  ̄ ̄ ´ / ´ ,..ィ"´ レ `{ ̄/r ´ミ 彡、. . . .\' }/ !.} ! i ',`ヾヽ / ´  ̄> i//!_ _`ヽ . .\/ / ' リ ヽ `\ / ,.ィ ´ ;ィ´`// // ! `iニ´', ', ヽ ≧t- 、 `ヾ;} // ̄ /´ / .イ ! .i. '.,. ', ヽ \ .レ //./ ,.ィ´ !-‐ !  ̄ ヽ.ィ"´,. ヽ ゝ. /ヾ-‐' | { / .} { ヾ´ , `ー.、 ト、 / | !/ .! i '.,__.}ヽ. \ } \ / // ;' } ;イ´|i! , ' ゞ7ィ', ', / ヽ / / ,/ / !/ i! , ' ヾマヘ, .} /マ ', ./ ;イ // i! i , 'ィ-ヘ .レ } / ヽ ', // /´ .{ } ゝ,.リ, レ ヽ ', /' リ , ヽJト. \{ { ゚ ノ 'レ } ` ´ ゝ'┏───────―――――──┓│ 名前:【????】│l ステータス―─┳――――――┴──────────────┓┗┤所属 .│【―――】 ┣――――――┼─────────────────────┫ │体力 │【1800/2000】 ┣──────┼─────────────────────┫ │属性 │【闇/無】 ┣──────┼─────────────────────┫ │装備 |【―――】 ┣──────┼─────────────────────┫ │基本攻撃力 |【300】 ┣──────┼─────────────────────┫ |l アビリティ ─┴───────────────────―――――┓ ┗┤ブルーティガードルヒ(基本攻撃力+100) |シュヴァルツェ・ヴィルクング(基本攻撃力+100、防御無効) |デアボリック・エミッション(基本攻撃力+200、防御無効) |ミストルテイン(基本攻撃力+150、石化判定有り) |パンツァーシルト(発動後3ターンダメージ-300) |ラグナロク(ダメージ800) |スレイプニール(飛行アビリティ。) ┗──────────────────────────────┛ フェイトの姉で元地球軍人。 ティアナ・ランスターとダンタリオンが開発した試作デバイスの影響と自らの境遇からによる暴走で破滅願望を持つ地球編のラスボスとして君臨した。 地球編4日目にやる夫とは接触している。 14日目に、ルイズのわがままに応対しているシーンを見かける。 以降何度か見かけるが次第に病んでいく状況が見て取れた。 30日目の地球最終戦においてフェイトが消息不明になった時に、暴走。 ヴォルケンリッター共々出撃したが、本人はやる夫に敗北。 捉えられ、調教を受けたもののフェイトの処遇にあわせて スクデット編19日目まではアーヴァロルにあるアイリスフィールの経営する宿屋で働いていたが 20日目に妹と共に基地に移動した。 同日に私兵部屋2号室に移動したさい正式にランク10の戦闘員として登録された模様。 24日目のはやてファミリーで出撃に参加。やる夫のラトラーターとコンビでMAP兵器を連発して戦場を蹂躙した。 はやてのデバイスに関してはジェイル・スカリエッティがスクデット侵攻12日目までに基本的な魔改造が完了し、20日目に受領。 料理の腕は完璧。フェイトの弁当を含め三食自分で作って節約してた。 過去の経験上、もやしなど安い食材を多用するが美味しく作ることができる。 戦場では広域・高射程・高威力の攻撃を行える優秀な固定砲台であり、冷静な判断力を持つ指揮官でもある。 特に引き際の鮮やかさは地球編にてフェイトが多数の強敵相手に生き残れた理由の一つとされている。 逆に引き際を知らないセルベリアに対しては呆れていた。 24日目の出撃の際、フェイトやヴォルケンリッター、一応主人であるやる夫を完璧に指揮してみせた。 ちなみに調教時ヴォルケンズのデータのフィードバック 強烈な体験をしたことが忘れられず、最近自慰の回数が増えてきている。 スクデット編14日目の自室お食事会イベント時に、やる夫からの指令?を受けたことにより(詳細はとあるアーヴァロルのはやてさん・①) アーヴァロル星でのやる夫のための女の子狩りを開始することになった。 19日目現在でエリと遠坂凛の二人を性的に陥落させている。 ラウラや篠ノ之箒、シグナムと共に、「どうしてこうなった」キャラの一人である。 もっとも彼女の場合は暴走の原因が、やる夫と離ればなれで生活していた寂しさである為スクデットに移ってからその残念さはナリを潜めている。 新年企画「双六大会」において、タマモ、KOS-MOS、十六夜咲夜の4人で、『チームサーヴァント』で参加している。 名前 コメント
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若葉はやて 製作・K’(カズ・ダッシュ) ○若葉はやて(女性) 所属……聖乙女学園国語教師 年齢~年齢不詳。外見は16歳前後だが、80代である事は間違いない(!?) 一人称~私 二人称~あなた、~ちゃん 身長~154cm・体重~??kg スリーサイズ~84・57・83 フェイティア~なし(能力~なし……?) 性格~毅然としたメイド 聖乙女学園国語教師。 恩年80歳以上(詳細不明)でありながら、外見は16歳というトンでもない人。 第二次大戦中は『常若のハヤテ』と呼ばれていたと言う、メイド界の生きる伝説。 何時も毅然と振舞い、エレガントな雰囲気すら醸し出すメイドの鏡。 ただ、怒らせたりブロックワード(『おばあさん』とか『おばあさま』)を口走ると 瞬時に現れ、怒りの制裁で愚か者を成敗する。 投げ技・投擲技を扱い、大技『山嵐バンカー・バスター』を始めとする 通称『メイド柔術』を得意とする。 特殊能力・フェイティアは所有していないが、無くても魔人の如き強さを誇る。 @『メイド柔術』 はやてが考案した格闘術。 神速で相手の懐に飛び込み、ガードを無視して相手を投げ飛ばす。 その速度は常人はおろか、動体視力強化型の能力・フェイティア所有者でも見切ることは不可能。 柔道技を基本としており、畳は勿論コンクリートならば相手を絶命させる事すら可能。 絶命は免れたとしても3ヶ月はベッドの上だろう、と言われる。 *シナリオ使用の方針 基本的に自由。ブロックワードには、過敏反応させてやって下さい。 ######## 若葉はやて 若葉はやて, わかばはやて, (人間(若葉はやて専用)), 1, 2 陸, 4, M, 12000, 235 特殊能力 阻止Lv3=メイド柔術/真空掴み 実 50 100 性別=女性 6500, 250, 1000, 100 BABA, ori_karin_001.bmp 隠しナイフ投擲, 1000, 2, 4, -10, 20, -, -, AAAA, +20, 実共L1 メイド式徒手空拳, 1200, 1, 1, +10, -, -, -, AAAA, +10, 突 メイド式コークスクリュー, 1300, 1, 1, +0, -, -, 110, AAAA, +0, 突 遠投式メイド・スロー, 1300, 1, 1, -20, -, 40, 110, AAAA, +10, 接吹L4 魔球・冥土L.バレット, 1600, 2, 5, -15, 20, 25, 120, AAAA, +0, 実共L1AL1 戦車投げ, 2000, 1, 1, -10, -, 50, 120, AAAA, +10, 接無 山嵐バンカー・バスター, 2800, 1, 1, -20, -, 120, 130, AAAA, +0, 接無貫L3 #捕まったら命は無い。怪物? 若葉はやて はやて, 女性, 人間, AAAA, 170 特殊能力なし 160, 142, 155, 152, 170, 158, 強気 SP, 35, 神速, 1, 必中, 12, かく乱, 18, 祝福, 24, 気合, 26, 奇襲, 52 ori_karin_001_a.bmp, -.mid #魔人。正真正銘の化物。 #命中~413、回避~410 若葉はやて 回避 はやて(微笑み), はい、残念です 回避 はやて(微笑み), そんなに力を入れても、何も出来ませんよ? 回避 はやて(微笑み), ほらほら、リラックスリラックス 回避 はやて(真剣), お客様、あまり無作法な行為はお止め下さい 回避 はやて, 困ったお客様ですねぇ…… 回避 はやて, ……どうしましょ? 回避 はやて(微笑み), はい残念。次週をお楽しみに♪ ダメージ小 はやて(真剣), うーん、メイドにあるまじき失態です…… ダメージ小 はやて, まぁ、この程度なら大丈夫ですから ダメージ小 はやて(攻撃), メイド・ボディは鋼のボディ!! はやて(真剣), メイド・ボディは鋼のボディ!!.……って言いますけど、痛いモノは痛いです ダメージ小 はやて, どうなさいました、お客様? ダメージ小 はやて, うーん、これ以上邪魔すると捻ってしまいますよ? ダメージ小 はやて(真剣), 本当に、困ったお客様です…… ダメージ小 はやて(真剣), 仕事を増やさないで下さい~ ダメージ中 はやて(えー!), はぅ~…… ダメージ中 はやて(えー!), えーと、本気、ですか、ね? ダメージ中 はやて, うーん、一応聞きますけど…… .メイドに手を出す事がどれだけ恐ろしい事か、.知らないんですか? ダメージ中 はやて(真剣), ……ですから暴れないで下さい、お客様 ダメージ中 はやて(微笑み), まだまだですね ダメージ中 はやて, なるほど…… ダメージ中 はやて(えー!), タンコブが~……あぁ~…… ダメージ大 はやて(微笑み), …… はやて(えー!), ……はっ!? .も、もう少しで逝く所でした…… ダメージ大 はやて(真剣), あの、もうそろそろ……こちらも怒りますよ? ダメージ大 はやて(攻撃), 堪忍袋の緒は、切れる為に有るんですよ!! ダメージ大 はやて(えー!), うひゃあぁぁぁぁぁ!? ダメージ大 はやて(えー!), じょ、冗談じゃないですよー!! ダメージ大 はやて(えー!), で、ですから、ここから先はお通しできません!! ダメージ大 はやて(真剣), まだです、まだ動けます……たぶん 破壊 はやて(えー!), ……む、無念です 射程外 はやて(真剣), あれ、いませんね? 射程外 はやて(微笑み), お客様ー、何処にいらっしゃいますかー? 射程外 はやて(怒り), ……ちっ 射程外 はやて(真剣), まぁ、無い袖は振れない、とも言いますし 攻撃 はやて(微笑み), ではでは、参りましょうか! 攻撃 はやて(微笑み), メイドのお仕置きは、激しいですよ? 攻撃 はやて(微笑み), それじゃ、少々粗相をしましょうか 攻撃 はやて(攻撃), 荒事は、バトル・メイドの十八番です! 攻撃 はやて(攻撃), ……では、参ります 攻撃 はやて(攻撃), 料理して差し上げます! 攻撃 はやて(微笑み), どどーんと参りますよー! 攻撃 はやて, 実力行使をお許しください、お客様 攻撃(対朱雀院飛鳥) はやて(攻撃), このハレンチ娘がーっ!! 攻撃(対朱雀院飛鳥) はやて(攻撃), いくら財閥総帥と言えど…….その行為は目に余るものがあります!! 攻撃(対朱雀院飛鳥) はやて(攻撃), これは、メイドからの愛の鞭です!! 攻撃(対ステルス) はやて(攻撃), このバトルメイド・アイにかかれば、.あなたなど B 全裸 /B も同然です!! 攻撃(対ステルス) はやて(攻撃), メイド・イヤーは地獄耳ッ!! 攻撃(対ステルス) はやて(攻撃), ……あなた、見ていますねッッッ!! 攻撃(対ステルス) はやて(攻撃), この目は誤魔化せませんよ!! 攻撃(対ステルス) はやて(攻撃), はいそこ! 勝手に入ってはいけません!! かけ声(対ステルス) はやて(攻撃), このバトルメイド・アイにかかれば、.あなたなど B 全裸 /B も同然です!! かけ声(対ステルス) はやて(攻撃), メイド・イヤーは地獄耳ッ!! かけ声(対ステルス) はやて(攻撃), ……あなた、見ていますねッッッ!! かけ声(対ステルス) はやて(攻撃), この目は誤魔化せませんよ!! かけ声(対ステルス) はやて(攻撃), はいそこ! 勝手に入ってはいけません!! 魔球・冥土L.バレット はやて(攻撃), 弾丸のレーザービーム! 魔球・冥土L.バレット はやて(攻撃), ピッチャー、振りかぶって……投げたー! 魔球・冥土L.バレット はやて(微笑み), 見切れるものならどうぞ? 遠投式メイド・スロー はやて(攻撃), スキあり! 遠投式メイド・スロー はやて(攻撃), この間合いに入った、己の愚かさを呪いなさい! 遠投式メイド・スロー はやて(攻撃), お星様にしてしまいましょう! 山嵐バンカー・バスター はやて(微笑み), ふふ、あなたは運が悪いですね…… はやて(攻撃), ふふ、あなたは運が悪いですね…….我が最終奥義を味わう事になるなんて、ね! 山嵐バンカー・バスター はやて(微笑み), 受け身など出来ませんよ……? はやて(攻撃), 受け身など出来ませんよ……?.この技は、純粋な『殺し』の必殺技ですから!! 山嵐バンカー・バスター はやて(微笑み), さぁ、捕まえました…… はやて(攻撃), さぁ、捕まえました……きえぇぇぇぇぇぇぇぇいっ!! 山嵐バンカー・バスター はやて(微笑み), 人の話を…… はやて(攻撃), 人の話を……聞きなさいっ!! 発進 はやて(微笑み), では、御奉仕スタートです!