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登録日:2012/01/24(火) 03 08 10 更新日:2024/02/09 Fri 21 02 57NEW! 所要時間:約 6 分で読めます ▽タグ一覧 闇の書の闇 A's A'sPORTABLE GOD クリスマス ストレージデバイス デバイス バグ リインフォース ロストロギア 夜天の魔導書 小林沙苗 後付け設定満載 涙腺崩壊 紫天の書 闇 闇の書 魔導書 魔法少女リリカルなのは 出典:魔法少女リリカルなのは The MOVIE 2nd A's、セブン・アークス、アニプレックス、2012年7月14日、©NANOHA The MOVIE 2nd A's PROJECT TVアニメ『魔法少女リリカルなのはA s』及び映画『魔法少女リリカルなのは The MOVIE 2nd A s』に登場する茶表紙の本。物語の根幹に関わる最重要アイテム。 闇の書の意思の声:小林沙苗 持ち主と世界に破滅を呼ぶとされる禁断の本。 そのあまりの強大な力故に時空管理局から『第一級ロストロギア(発展し過ぎた文明の遺産。危険過ぎて封印されるべきアイテム)』に指定されている。 魔導師や特殊な生物の魔法の源である「リンカーコア」の魔力を食らうことでページを増やしていき、全666ページが完成すると、持ち主たるマスターに凄まじい力を与える(*1)。 しかし、その強大過ぎる力はマスターの意思すら食いつぶし、世界を滅亡に導いてしまう。破滅しかもたらさないことが伝わっていないのか、それとも歴代の主の慢心のせいなのか、過去何度も暴走しては多くの次元世界や人命を葬ってきた。 魔導師一人に対してリンカーコアを蒐集できるのは一度のみで、これは特殊生物も同じ。 更に蒐集の際には魔力と同時に魔導師の所有する魔法をも吸収する特性を持つ。 最大の特徴は転生機能と無限再生機能。 例え破壊されても再生して他世界にワープしてしまう。 そのせいで闇の書の完全破壊は不可能とされていた。 時空管理局は何度も封印を試みてきたものの失敗を重ね、犠牲者を出している。 数々の世界に破滅を齎し、終わることのない永遠の旅を続ける悪魔の魔本。 それこそが「闇の書」である。 経緯は不明ながら鎖で厳重に封印された状態で八神はやての家に置かれていたが、 はやてが9歳になった瞬間に(劇場版ではその前日にはやてがバスに轢かれそうになった時に)封印が解かれ、 守護騎士であるヴィータ・シグナム・シャマル・ザフィーラを呼び出した。 だが、はやては魔力蒐集を望まなかったためそのまま放置されていた。 出典:魔法少女リリカルなのは The MOVIE 2nd A's、セブン・アークス、アニプレックス、2012年7月14日、©NANOHA The MOVIE 2nd A's PROJECT しかし、はやての原因不明の麻痺が「闇の書が足りない魔力をはやてから奪い取っていたこと」が原因であることが判明。 放置すればやがて彼女の命を奪うことを知った4人は、はやてを救うため独断で魔力蒐集を開始した。 クリスマスイブ。遂に完成間近になるが、なのはたちに変身した謎の「仮面の男たち」の策謀で(劇場版では闇の書の闇の暴走で) ヴォルケンリッターの4人を無理矢理生贄にされてしまったため、はやての眼前で遂に完成してしまう。 大切な家族を失った悲しみと家族を奪った者への憎しみを引き金として、はやての肉体を変化させ銀髪赤眼の成人女性と顕現。 「白き魔導師」なのはと「黒き魔導師」フェイトを倒さんとするが……。 以下ネタバレ 出典:魔法少女リリカルなのは The MOVIE 2nd A's、セブン・アークス、アニプレックス、2012年7月14日、©NANOHA The MOVIE 2nd A's PROJECT 本来は『闇の書』などという名ではなく『夜天の魔導書』。 マスターと共に旅をし、各地の魔導師の技術を収め研究して、後生に伝えるために作られた健全な魔導書だった。 闇の書を不滅の存在たらしめていた転生機能と無限再生機能は、各地へ旅をするためのワープ機能と情報保全のための自己修復機能が変質したもの。 そしてマスターを守り、魔導書を完成させるための「守護騎士プログラム」ヴォルケンリッター(「雲の騎士」の意味。劇場版だと実際雲と名乗っている)が付いていた。 戦力としてみれば、ヴィータやシグナムに近接、ザフィーラに防御を担当させ、 固定砲台に近いマスターが融合騎の支援も受けつつ魔導書の多種多彩な魔法で支援。 負傷や離脱方面ではシャマルに支援させるという組み合わせになる。 それぞれ単体でもなのはやフェイトとタイマンを張る実力者で、彼らが補い合いながら向かってくることになる。 こんなに高水準かつ非常にバランスの良い力を魔導書一冊で担えるとなれば、元の魔導書がどれだけ優秀だったかが分かる。 しかし、いつかの時代のマスターがシステムを改変。 自己進化式の自動防衛プログラムを組み込んだことでバグが発生。 ワープ機能と自己修復機能は無限に再生し、転生し続ける機能へと改悪され、 自動防衛プログラムに至ってはマスターの意思に関わらずにマスターを取り込み過剰防衛を働き、手当たり次第に破壊を行うようになった。 劇場版にて自動防衛プログラムにも名前が与えられ「ナハトヴァール」という名前になった。 意味は明かされていないが、ベルカ語がドイツ語とほぼ同等と考えるとおそらくは「夜の鯨」または「真の夜」か。 さらに劇場版に追加された設定によると、 古代ベルカが領土拡大のために周辺世界にも手を伸ばしながら戦争開始した頃から、 すでに闇の書になっていたらしく、様々な主の元を渡り歩きながら戦争を体験していたようだ。 騎士たちも、記憶機能にまでバグが発生し、闇の書の完成=マスター死亡という事実さえ忘れ、歴代の悲しい記憶ばかり引き継いでいた。 クロノ・ハラオウンの父「クライド・ハラオウン」もかつて闇の書の犠牲となっていた。 仮面の男の正体「リーゼアリア・リーゼロッテ」の主人、 そしてクライドの上官で師匠でもあった全ての首謀者たる時空管理局提督「ギル・グレアム」は闇の書に終止符を打つため、 そしてクライドの仇を討つために今回の行動を起こしたのであった。 「銀髪赤眼の女性」は元々は夜天の魔導書のマスタープログラムであり、 マスターとユニゾンすることで蓄積された膨大な魔法を円滑に運用するユニゾンデバイス。 だが望んでいない破壊を齎しマスターの命を奪い続けることに悲しみ、永遠に終わらぬこの連鎖に絶望していた。 フェイトを自らの幻想世界に取り込むも、なのはの決死の攻撃で眠っていたはやての意識が覚醒。 はやては「永遠に覚めることのない夢」より、例え辛くとも「前に進む現実を生きる」ことを選び、 管理者権限でマスタープログラム(管制人格)と防衛システムの切り離しに成功。 二度と「闇の書」などという悲しく醜い名を呼ばせぬために、新たな名を与える。 夜天の主の名において、 汝に新たな名を贈る。 強く、支えるもの……、 『幸運』の追い風……、 『祝福』のエール……、 リインフォース。 はやては魔導師として覚醒。 ヴォルケンリッターも蘇り、フェイトも幻想世界から脱出した。 だが切り離された自動防衛プログラムは巨大な怪物「闇の書の闇」として暴走する。独自の意思があるのか、女性の上半身のような部分が生成されていた。 ちなみに劇場版ではかなりデザイン変更がなされて凄いことになった(手描き→CGになっているがそれどころではない)。 TV版では一方的にやられてたが、劇場版は攻撃力、防御力がパワーアップして迫力のバトルを展開した。 出典:魔法少女リリカルなのは The MOVIE 2nd A's、セブン・アークス、アニプレックス、2012年7月14日、©NANOHA The MOVIE 2nd A's PROJECT なのは・ヴィータ・フェイト・シグナムによりバリアを砕かれ、ユーノ・アルフ・ザフィーラに拘束され、 さらにはやてのミストルティンで石化され、クロノのエターナルコフィンで完全凍結されてもなお再生し暴走するも、 なのは・フェイト・はやてのトリプルブレイカーを喰らい沈黙。 残ったコアも衛星軌道上に運ばれアースラのアルカンシェルで完全消滅した。 この一連の攻撃は劇場版でパワーアップしており、 特にテレビ版で分かりづらいと言われたクロノのエターナルコフィンは、なのは達のトリプルブレイカーのための時間稼ぎという事がより明確になっている。 ミストルティンはおそらく、エターナルコフィンの準備のためなのだろう。 だがリインフォースは自分が存在すればいずれ防衛プログラムが蘇ると告げ、はやて以外に皆に自分を消滅させることを望む。 翌朝はやてに黙って消えようとするも、追いかけてきたはやてに『もっと幸せにする』と涙ながらに制止される。 だが彼女ははやてに「一度でもあなたと共にいれて良かった」と言い、こう告げる。 「私はもう、世界で一番幸福な魔導書です」と。 そして新たに作られるであろうユニゾンデバイスに自らの名を付けて欲しいと告げ、笑顔で雪の空に消えていった……。 【魔法少女リリカルなのはA s PORTABLE THE BATTLE OF ACES】 出典:魔法少女リリカルなのはA's PORTABLE -THE BATTLE OF ACES-、ウィッチクラフト、バンダイナムコゲームス、©なのはA's PROJECT©2010 NBGI、2010年1月21日 本作ではリインフォースは生き延びている(詳細はリインフォースの項目を参照)ため、夜天の魔導書そのものも存続していると思われる。 今作では闇の書の残滓が闇の欠片として関係者の姿を取って暴走。なのはたちや八神家に戦いを挑んでくる。 更には、マテリアル(構築体)として3体のマテリアル 星光の殲滅者、雷刃の襲撃者、闇統べる王が現れる。 消滅してもなお周囲に厄災をもたらしてしまっているが、 管理局側としては闇の書事件の余波被害として予想していたことであり、大事件にはなることなく処理された。 【魔法少女リリカルなのはA s PORTABLE THE GEARS OF DESTINY】 3体のマテリアル達が復活。それに伴って闇の欠片、更には謎の姉妹も現れる。 彼らは、砕けえぬ闇の復活を目指して暗躍する。 紫天の書 本作にてディアーチェが語った闇の書のシステム。 リインフォースや守護騎士たち初期プログラムには干渉されないように、後に埋め込まれた独立型プログラム。 そのため、リインフォースも存在を把握していなかった。 無限連環プログラム「エグザミア」とそれの制御プログラム。制御プログラムをサポートする理と力の4つからなるプログラムで、 それぞれアンブレイカブル・ダーク、ロード・ディアーチェ、シュテル・ザ・デストラクター、レヴィ・ザ・スラッシャーとして顕現している。 ディアーチェ曰く「後に組み込まれた自動防衛プログラムのせいで寝ていた」とのこと。つまり前作でのおかしな言動は寝ぼけていたせいだったらしい。 この「紫天の書」が「夜天の魔導書」の直接的な暴走の原因かどうかは定かではないが、 その独特のプログラムの性質上「無限再生能力」に関わっている可能性は高いと思われる。 ■余談 偶に勘違いされるが、闇の書=夜天の魔導書はユニゾンデバイスではなく、大容量の魔導書型ストレージデバイスに該当する。 そしてその制御のためにユニゾンデバイスであるリインフォースが本の内部に搭載されており、 夜天の魔導書が有する膨大な魔法の砲身として、アームドデバイスのシュベルトクロイツがある。 つまり夜天の魔導書は、ストレージ・ユニゾン・アームドの三つのデバイスが揃って一つなのだ。 追記・修正は新しい名前を与えてからお願いします。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 二次ではよく守護騎士ともども復讐の対象にされることが多い悲しい立ち位置だったりもするが……実際のトコ、はやて以前のマスターの下ではどういう行動を取っていたのやら。 -- 名無しさん (2013-09-12 08 57 01) 闇の書になった時期は最低でも500年ほど前からだから、どれだけの惑星を壊したのやら。これでジュエルシード並の破壊力を持ってたらやばかったな。 -- 名無しさん (2013-09-12 09 56 26) ↑2 ドラマCDではやてが見た過去だと、只の駒扱いだった(一期のフェイトみたいな感じ)。ヴィータはやたら荒んでたし、それ以前も雑に扱われていたんだろうと思う -- 名無しさん (2013-09-15 10 21 56) ViVidの特別編だと、労わってくれるようなマスターもいたらしいが、少数派だったみたいだし闇の書完成→死亡コンボはそのままだったらしい。 -- 名無しさん (2013-09-15 10 42 58) 映画でコイツに宙吊りバインドされたなのははエロ可愛い -- 名無しさん (2013-10-18 01 11 44) ところで闇の書について一般人側の情報規制はされていたのかな?こんな結末が待ってるってわかってたら普通蒐集しないで管理局に来るか、自暴自棄になって蒐集するかどっちかしかないと思うけど -- 名無しさん (2013-10-20 23 36 21) ↑おそらく管理局に駆け込んでも上層部にもみ消されて穴蔵行きだろう。エターナルコフィンもごく最近出来た魔法みたいだしな。永久封印が出来ない以上一時的に主を封印するしか無いし。つまり八方塞がり。 -- 名無しさん (2013-11-01 08 14 24) ↑多分知らされてないんじゃないかな? -- 名無しさん (2013-11-01 08 14 57) 時空管理局自体が成立して100年も経っていないような組織だし、闇の書の情報自体も周知されてはいないんじゃないかな -- 名無しさん (2013-11-09 20 26 28) 暗黒医療会院長……やっぱりフィリス先生に似てるな。 -- 名無しさん (2013-11-11 10 43 55) グレアムはどうやってこれの発見に成功したんだろう? -- 名無しさん (2013-11-11 11 18 37) ↑日本に幼女観察に行って、好みの幼女が居たのでストーキングしてみたら自宅にあったに一票。 -- 名無しさん (2013-11-11 11 50 03) 未発見世界に転生するかもしれないんだから、見つけた時には凄い喜びに襲われただろうな。 -- 名無しさん (2013-11-11 11 54 12) しかも海外とはいえ出身世界だしなあ。はやての世話とかも手続きやりやすかっただろう。 -- 名無しさん (2013-11-11 12 01 57) しかも本当に父親と知りあいだったら、これほどやりやすいこともなかっただろうね。その場合、グレアム提督の心理的負担がさらに上がるけど -- 名無しさん (2013-11-11 16 51 48) しかし、グレアム的には仕方なかったとはいえ、ほとんど幼女虐待であることを忘れてはいけない。 -- 名無しさん (2013-11-11 20 22 47) ↑5 言われもないロリコン容疑がwww偶々地球に帰ったらあったとかかなぁと -- 名無しさん (2013-11-11 22 03 18) ↑だってさ、闇の書って基本家の中で鎖巻かれて飾られてた訳だし、幼女ウォッチングのついでに自宅を物色でもやってなきゃ気づかないって。 -- 名無しさん (2013-11-12 09 53 10) 闇の書を感知する魔法があって、偶々地球で網を張ってたら見つかったのかもしれんだろいい加減にしろwww -- 名無しさん (2013-11-12 10 32 27) 冒頭のセリフの後なのはの「永遠なんてないよ」に続くけど、地味にエターナルコフィンとグレアムの計画を否定してる。 -- 名無しさん (2013-11-13 17 01 11) つかエターナルコフィンで本当に封印出来るのかね? 凍結出来ても馬鹿魔力であっさり破られそうな気がしてならないんだが…… -- 名無しさん (2013-11-13 20 45 01) ↑主ごとだったら封印はできる。破壊や加熱などで外部から凍結が解除されない限りその対象を半永久的に封印できるからね。40年くらいで溶けそうだけど -- 名無しさん (2013-11-13 20 49 26) ソシャゲ版なのセントだと完全にプレイヤーの嫁状態で私は大変幸せです -- 名無しさん (2013-12-05 20 59 37) 犬耳を付けた褐色の筋肉イケメンに幼女……、製造者チームは容姿決めに絶対に揉めたな。 -- 名無しさん (2013-12-14 17 48 48) ↑なんか見た目だけは闇の書になってから吸収した人物や守護獣な気がして仕方がない -- 名無しさん (2013-12-14 17 50 37) ↑↑イヌミミ付けた美女が長年の整備不良と改悪でガチムチになったと妄想してみる。 -- 名無しさん (2013-12-14 17 52 21) 古代ベルカの戦争を何度も体験しながら、ベルカ自体は滅ぼしていない。戦争なだけあってアインスを普通に倒せる武器とかあったんだろうか? -- 名無しさん (2013-12-14 19 03 58) 主を潰せば良いから対策自体は割と楽なんじゃないだろうか。守護騎士を主から分断すれば…… -- 名無しさん (2013-12-14 19 08 09) ↑分断できればいいんだがな・・・ -- 名無しさん (2013-12-14 19 16 04) 戦争中に666ページ集める余裕が無かっただけかも。死体から集める生活なら完成するか? -- 名無しさん (2013-12-14 19 21 56) AAAランクでも3ページにしかならないしバレずに集めるのは難しいだろうから集められなかったが正解だろうな -- 名無しさん (2013-12-14 19 41 21) 戦争中に主になった人は、蒐集しないと死ぬし、戦争に乗じて集めても死ぬし、仮に完成しても死ぬ……八方塞がりじゃないか。 -- 名無しさん (2013-12-14 20 11 54) 捨てよう(提案) -- 名無しさん (2014-01-05 02 28 42) ↑帰ってきますwいやはや。ほんまもんのロストロギアだわ。劇場版のジュエルシードがまだ普通に感じる。個人的に闇の書の闇はテレビ版のほうが好きだったなぁ -- 名無しさん (2014-01-05 20 03 46) ジュエルシードの暴走が惑星規模なのか宇宙規模なのか分からないなか、ナハトは惑星を飲み込むと明確に世界の規模を提示してるんで恐ろしさが伝わりやすい。……挿入歌が終わるころには石化したけど。 -- 名無しさん (2014-01-05 20 21 24) 管制人格のリインフォースの項目を別途建てて、こちらは闇の書自体の項目として編集させていただきました。 -- 名無しさん (2014-02-20 00 47 37) ↑乙です。 -- 名無しさん (2014-02-20 00 50 48) これと比べたらジュエルシードもレリックも可愛いモノだよな。エクリプス何とか? あぶないんじゃないですかねぇ(鼻ほじ) -- 名無しさん (2014-04-19 11 59 38) 内部に存在する人格が異様に多いね なのぽ版も含めると9人もいるのか -- 名無しさん (2015-04-26 08 10 03) これって盗賊の極意なんじゃ? -- ネオン (2017-09-30 12 34 53) 確かTV版アニメの終盤で暴走した自動防衛プログラムは物理型と魔法型のバリアーを2枚ずつ交互に張った「多重4層バリアー」を展開してたんだっけ?ヴィータ→なのは→シグナム→フェイトの順番で攻撃していたのは、そう言う意味があったらしいが・・・。 -- 名無しさん (2018-02-04 23 25 10) Detonationで実は死んだ人間を生き返らせることと時間操作以外は何でもできると判明したヤバい奴 -- 名無しさん (2018-10-25 22 25 45) 歴代の主含めそれらの欲求のために亡くなった人たちはどれほどいるのだろうか -- 名無しさん (2020-09-11 19 28 11) ゲッター線の情報なんかも入ってそう。ドワォ -- 名無しさん (2021-08-16 16 07 25) リインフォースが消えたところで闇の書が安全になったなんて保証がないし 世界を滅ぼしまくった存在を運用する管理局やばくね? -- 名無しさん (2023-06-24 05 55 31) 名前 コメント
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修正後 モンスター ヴォルケンリッター -烈火の将- 効果モンスター レベル8 炎属性 戦士族 ATK/2700 DEF/1500 効果:このカードは通常召喚することができない。このカードは闇の書の効果でのみ特殊召喚することができる。戦闘時にデッキからカードを1枚墓地に送ることで攻撃力を300上げることができる。このカードは闇の書がフィールドから離れた場合破壊される。 ヴォルケンリッター -鉄槌の騎士- 効果モンスター レベル8 闇属性 戦士族 ATK/2600 DEF/1700 効果 このカードは通常召喚することができない。このカードは闇の書の効果でのみ特殊召喚することができる。自分のデッキからカードを3枚墓地に送ることで一ターンに一度、相手フィールド上のカードを一枚破壊することができる。または自分のデッキから5枚墓地に送ることで一ターンに一度、相手フィールド上のカードを二枚破壊することが出来る。このカードは闇の書がフィールドから離れた場合破壊される。 ヴォルケンリッター -湖の騎士- 効果モンスター レベル7 風属性 魔法使い族 ATK/2000 DEF/2000 効果 このカードは通常召喚することができない。このカードは闇の書の効果でのみ特殊召喚することができる。一ターンに一度、自分フィールド上の闇の書と名の付くカードがカードの効果の対象になった時、デッキからカードを4枚墓地に送ることでその効果を無効にすることができる。この効果は相手ターンでも発動できる。このカードは闇の書がフィールドから離れた場合破壊される。 ヴォルケンリッター -盾の守護獣- 効果モンスター レベル7 地属性 獣族 ATK/2100 DEF/2600 効果 このカードは通常召喚することができない。このカードは闇の書の効果でのみ特殊召喚することができる。デッキからカードを4枚墓地に送ることで相手の攻撃を一ターンに一度だけ無効化することが出来る。このカードは闇の書がフィールドから離れた場合破壊される。 呪われし魔導書 -闇の書- 効果モンスター レベル10 闇属性 魔法使い族 ATK/4000 DEF/4000 効果:闇の書の効果によってのみ特殊召喚することができる。1ターンに一度相手の魔法・罠・効果モンスターの効果を無効にできる。1ターンに1度、以下の効果から1つを選択して発動できる。●墓地に存在する魔法・効果モンスターの効果を使用することが出来る。●フィールド上のモンスター一体を選択し、装備カード扱いとしてこのカードに装備できる。このカードの効果で装備している効果モンスターの効果を使用することが出来る 。 元ネタ リインフォース・アインス(魔法少女リリカルなのは) 魔法カード 転生する魔導書 通常魔法 効果:自分のデッキ、または墓地から闇の書と名の付くカードを1枚手札に加える。 元ネタ:闇の書(魔法少女リリカルなのは) 闇の書 永続魔法 効果:闇の書 永続魔法 このカードの発動に成功した時、自分の手札、自分フィールドに存在するこのカード以外のカードを全て墓地に送る。1ターンに1度ヴォルケンリッターと名の付くモンスターをデッキ、墓地から特殊召喚する。このカードがフィールド上に存在する限りコントローラーのドローフェイズはスキップされ、自分のエンドフェイズ時に1000ポイントのダメージを受ける。ヴォルケンリッターと名のつくカードがモンスターを戦闘破壊した時に闇の書にカウンターをひとつのせる。フィールド上のこのカードが破壊される場合ヴォルケンリッターと名の付くモンスターを墓地に送るか、闇の書カウンターを取り除くことで効果を無効にし破壊する。闇の書カウンターとヴォルケンリッターと名の付くモンスターを合計して6以上になったときこのカードとヴォルケンリッターと名の付くモンスターを墓地に送り呪われし魔導書 -闇の書-を特殊召喚する。 元ネタ:闇の書(魔法少女リリカルなのは) 修正前 ヴォルケンリッター -烈火の将- エクシーズモンスター レベル8 炎属性 戦士族 ATK/2700 DEF/1500 効果:このカードは闇の書の効果でのみ特殊召喚することができる。このカードが相手モンスターを破壊した時、そのモンスターをエクシーズ素材とする。戦闘時にデッキからカードを2枚墓地に送ることで攻撃力を500上げることができる。 元ネタ シグナム(魔法少女リリカルなのは) ヴォルケンリッター -鉄槌の騎士- エクシーズモンスター レベル8 闇属性 戦士族 ATK/2600 DEF/1700 効果 このカードは闇の書の効果でのみ特殊召喚することができる。このカードが相手モンスターを破壊した時、そのモンスターをエクシーズ素材とする。自分のデッキからカードを4枚墓地に送ることで一ターンに一度、相手フィールド上のカードを一枚破壊することができる。 元ネタ:ヴィータ(魔法少女リリカルなのは) ヴォルケンリッター -湖の騎士- エクシーズモンスター レベル7 風属性 魔法つかい族 ATK/2000 DEF/2000 効果 このカードは闇の書の効果でのみ特殊召喚することができる。このカードが相手モンスターを破壊した時、そのモンスターをエクシーズ素材とする。自分のデッキからカードを4枚墓地に送ることで一ターンに一度デッキより魔法カードを一枚手札に加えることが出来る。 元ネタ:シャマル(魔法少女リリカルなのは) ヴォルケンリッター -盾の守護獣- エクシーズモンスター レベル7 地属性 獣族 ATK/1800 DEF/2600 効果 このカードは闇の書の効果でのみ特殊召喚することができる。このカードが相手モンスターを破壊した時、そのモンスターをエクシーズ素材とする。デッキからカードを4枚墓地に送ることで相手の攻撃を一ターンに一度だけ無効化することが出来る。 元ネタ:ザフィーラ(魔法少女リリカルなのは) 呪われし魔導書 -闇の書- エクシーズモンスター レベル10 闇属性 魔法つかい族 ATK/4000 DEF/4000 効果:闇の書の効果によってのみ特殊召喚することができる。このカードの召喚は無効化されない。1ターンに一度相手の魔法・罠・効果モンスターの効果を無効にできる。1ターンに1度、以下の効果から1つを選択して発動できる。●墓地に存在する魔法・効果モンスターの効果を使用することが出来る。●フィールド上のモンスター一体を選択し、装備カード扱いとしてこのカードに装備できる。このカードの効果で装備している効果モンスターの効果を使用することが出来る 。 元ネタ リインフォース・アインス(魔法少女リリカルなのは) 魔法 闇の書 永続魔法 効果:このカードの発動に成功した時、自分の手札、または自分フィールドにあるカードを全て墓地に送る。1ターンに1度ヴォルケンリッターと名の付くエクシーズモンスターをEXデッキ、または墓地から場に特殊召喚する。このカードがフィールド上に存在する限りコントロール者のドローフェイズはスキップされ、エンドフェイズ時に1000ポイントのダメージを受ける。フィールド上のこのカードが破壊されたときヴォルケンリッターかヴォルケンリッターと名の付くモンスターからエクシーズ素材を1つ取り除くことで破壊を無効化する。ヴォルケンリッターと名の付くモンスターかエクシーズ素材を合計して6枚以上になったときこのカードとヴォルケンリッター名の付くモンスターを破壊して呪われし魔導書 -闇の書-を特殊召喚する。 元ネタ:闇の書(魔法少女リリカルなのは)
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12月2日 なのは、リンカーコアの蒐集を続けるヴィータの襲撃を受け、戦闘に。 なのはが初めて体験する、カートリッジシステムを使用して魔力を瞬間的に強化する「ベルカ式」魔法の一撃に なのはは負傷。レイジングハートも破損するが、そこに救出に現れたのはフェイトとユーノだった(A sDVD/第1話) ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 戦闘。 フェイトとヴィータの戦いにアルフ、シグナム、ザフィーラが加わる。劣勢な戦いになのはは傷ついた体を押して 結界破壊のスターライトブレイカーを放とうとするも、シャマルの手によってリンカーコアを奪われてしまう。 そしてクロノは映像によって「闇の書」の存在を確認する。(A sDVD/第2話) なのはとフェイト、ギル・グレアム提督と出会う。 フェイトの保護観察官にあたるグレアムは「自分を信頼してくれている人を裏切らないこと」条件に、 フェイトの行動を制限しないことを約束した。(A sDVD/第3話) リンディ、クロノたちアースラのスタッフが、「闇の書」の捜索、魔導師の襲撃事件の担当になる。 アースラは修復中のため、臨時作戦本部をなのは宅の近所に決定。アリサとすずかも引っ越し先を訪れ、 フェイトと初対面。一方、ヴォルケンリッターとの対戦で破損したレイジングハートとバルディッシュは、 自らの強化「ベルカ式カートリッジシステムの搭載」を願い出る。(A sDVD/第3話) ある日の出来事。はやて・守護騎士一同と、なのは・フェイトらが、偶然同じスーパー銭湯へ。 すずかとはやて、アリサとヴィータなど、偶然の出会いはあったものの、なのは・フェイトと ヴォルケンリッターの遭遇はなし。(A sサウンドステージ01/第3.5話) フェイト、聖祥大付属小学校へ編入。なのはと同じクラスに。(A sDVD/第4話) レイジングハートとバルディッシュの修理が完了。 転入1週間後のフェイト。徐々に学校に馴染み、友人たちとの日々を過ごす。(A sTHE COMICS/ReporIV) クロノはユーノに無限書庫での「闇の書」についての調査を頼む。 クロノは自分の師匠であるリーゼ姉妹を訪ね、ユーノの調査への協力を依頼する。(A sDVD/第6話) はやての夢の中で管制人格と出会う。 闇の書の歴史と守護騎士たちの過去を知って悲しむが、目覚めた時にはその記憶を一時的に無くしていた。 (A sサウンドステージ02/第6.5話) 再び現れた仮面の戦士 管理局に捕捉されたシグナム・ヴィータ・ザフィーラ。仮面の戦士は、なのはの攻撃からヴィータを救い、 その数分後に別の場所でシグナムと戦闘を繰り広げていたフェイトの背後からリンカーコアを掴みだした。 (A sDVD/第7話) 捜査司令部がアースラに戻される。 「闇の書」対策の最後の切り札となる反応砲「アルカンシェル」を搭載したアースラ。 フェイトのリンカーコアが奪われたことや、駐屯所の管制システムがハッキングされたこともあり、 司令部はアースラへと復帰。(A sDVD/第8話) ユーノは「闇の書」の本来の名前が「夜天の書」ということと、本来の目的と、その改変の変遷を報告する。 無限書庫での調査を続けるユーノ。引き続き「闇の書」の停止や封印方法について調べを続ける。(A sDVD/第8話) ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 12月13日 はやてのお見舞いに行ったなのはとフェイト。「闇の書」の主・はやてとの初めての出会い。 守護騎士たちじゃ見舞いの際を避けることで出会わないようにつとめる。 そして「闇の書」がはやてを侵食する速度が上がってきていることも判明する。(A sDVD/第8話) 12月22日 「闇の書」の収集が残り60ページまで進む。 守護騎士たちは入院を続けるはやての元に戻らず、ひたすらに収集を続けていた。(A sDVD/第9話) ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 12月24日 蒐集から戻った守護騎士たちと、はやての見舞いに訪れたなのはとフェイトが病院で鉢合せをする。 シグナムたちからはやてが闇の書の主であることを聞かされ、ユーノのレポートで「闇の書」の過去を知っていた なのは達とフェイトは真実を伝えようとするが、騎士達はそれを聞き入れず、戦いとなる。戦いに最中、乱入した 仮面の戦士によって守護騎士たちのリンカーコアが強奪。それによって完成した「闇の書」と守護騎士達が消滅 させられたことに衝撃を受けたはやてによって封印が解かれ、「闇の書の意志」が目覚めてしまう。(A sDVD/第9話) 事件の背後にはグレアムの姿が。 2人の仮面の戦士はクロノによって、リーゼ姉妹であることが判明。仮面の戦士の動きは「闇の書」の完全なる封印を 狙ったグレアムによるものだった。(A sDVD/第10話) 「闇の書」内部に吸収されるフェイト 激しい攻防を繰り広げる「闇の書の意志」となのは・フェイト。懸命に事態収束にあたるが、フェイトは 「闇の書」内部に吸収される。フェイトは「闇の書」の中で自分の過去と記憶に向き合い、同時にはやても 「闇の書の意志」と対話する。フェイトは過去の記憶に別れを告げ、はやても「闇の書」の防御プログラムを切り離し、 管理者権限を得る。(A sDVD/第11話) 「闇の書」の防衛プログラム「闇の書の闇」を破壊、「闇の書」事件は解決する。 「闇の書の意志」に「祝福の風・リインフォース」の名を贈ったはやて。守護騎士プログラムも復旧し、騎士達は再生する。 そして、暴走を始めた「闇の書の闇」のコアを宇宙空間の軌道上へ転送、アルカンシェルにより、完全消滅させる。 (A sDVD/第12話) ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― リインフォースとの別れ。 はやてへの侵食は止まったものの、再び狂った防衛プログラムを生成してしまう、というリインフォースは 自ら消滅することを選び、騎士たちの見守る中、愛する主であるはやての前で「世界で一番幸福な魔導書」 としてその長い生涯を閉じる。(A sDVD/第13話) ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 事件その後 グレアムは希望辞職の形となり、故郷へ帰ることに。フェイトは「執務官になりたい」という夢を語り、 なのはも魔法と向き合い、管理局の仕事を継続するつもりであることを語る。ユーノは無限書庫の司書へ。 はやても嘱託魔導師として、守護騎士たちも管理局任務への従事という形で保護観察を受けることに。(A sDVD/第13話) ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 1月4日 任務を終え、平和な時間を過ごすなのはとフェイト。はやてはそんな2人にリインフォースへの思いを馳せる。 (A sTHE COMICS/ReportIV) ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― なのは・フェイト・はやて、時空管理局に仮配属。 資格取得、試験や研修などで忙しい日々を過ごす。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 4月 4年生になったなのは・フェイト・はやて・アリサ・すずか、5人で一緒のクラスに。 足も徐々に良くなり復学を果たすはやて。そして土曜日、リンディ運営のお花見が開催される。その席でフェイトは、 リンディからの養子縁組の申し出の答を出す。はやてはリインフォースの名を継ぐ自身のデバイス作成プランを考え、 融合型デバイスの作成を決める。(A sサウンドステージ03/第14話) ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 5月 なのは、フェイト、はやては時空管理局に正式に入局。 なのはは武装隊の士官候補生、フェイトは執務官候補生としてアースラに勤務。はやては特別捜査官候補生に。 シグナムたちはは武装隊の特別捜査官補佐になっていた。(A sTHE COMICS/TheEpilogue of ACES) ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 6月~12月 はやて、特別捜査官として正式採用。 ロストロギア関連の事件解決に才覚を発揮。なのはとフェイトもそれぞれの部署で士官として正式採用され、 キャリアを重ねる。リンディは艦長職を退き、本局勤務へ。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 2年後、新春 はやての手によって、リンカーコアを分け与えるという形でリインフォースIIが誕生。 八神家の末っ子として日々を過ごし始める。同時期、聖王教会の関連任務で招かれた先で、はやては カリム・ヴェロッサの義姉弟と知り合い、古代ベルカ式継承者同士として友人に。以降、互いに気安い仲となる。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 2年後、冬 教導隊入りを目指して日々を過ごしていたなのは、武装隊の演習でヴィータや隊員たちとともに異世界に。 その際、「事故」が発生。なのは、負傷する。(StrikerS THE COMICS/Episode2「A s to StrikerS」Phase2) ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 2年後冬-3年後、夏 フェイト、半年に一度の執務官試験に2連続で落第。 (StrikerS THE COMICS/Episode3「A s to StrikerS」Phase3) ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 3年後、夏 なのは現場復帰。リハビリ生活を続けながら、再び夢を目指し始める。 秋口には実質上の完全復帰、魔導師ランク「S」を取得。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 3年後、冬 フェイト、執務官試験合格。(SoundStageM TheStrikerS) ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 4年後、春 なのは念願だった教導隊入りを果たす。(SoundStageM TheStrikerS) フェイト、魔導師ランクS取得。同時期に携わった事件で、研究施設から1人の少年「エリオ・モンディアル(当時4歳)」 を保護。数か月の仮保護期間を置いた後、正式に保護責任者となる。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 4年後、秋 はやて、上級キャリア試験受験、合格。指揮官としての道を進み始める。 リインフォースII、局員採用試験合格。それを受けて、はやてはそれまで彼女と共用で使用していた魔導書型ストレージ 「蒼天の書」を正式にリイン専用とし、自身用のストレージを作成。その名を、かつて自身の運命を開いた魔導書と 同じである「夜天の書」とし、「夜天の主」の名とともにその使用を開始する。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 6年後=新暦71年、春 なのは・フェイト・はやて、私立聖祥大付属中学校の3年生に。 「ちょっとした同好会的任務」へ向かう。(A sDVD/第13話) その任務で出会ったロストロギア「レリック」が、後の一同の運命を大きく変えることになることを、一同はまだ知らなかった。 (StrikerS THE COMICS/Episode1~2「A s to StrikerS」Phase1~2) ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― その後2週間後 休暇を利用して、はやての研修・演習先であるミッドチルダ北部へと遊びに行ったなのは・フェイト。 同日、ミッドチルダで暮らす少女、スバル・ナカジマとギンガ・ナカジマは、父・ゲンヤ・ナカジマが部隊長を務める 部隊に遊びに来る予定だったが、突然の空港火災が発生。スバルとギンガの2人はそれに巻き込まれる。 臨時協力の魔導師として、現場の救助に向かったなのはとフェイト。スバルはそこでなのはに救出され、 以降、自らの道を進み始める。(StrikerS/第1話) ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 新暦71年 はやての「自分の部隊を持ちたい」という夢が、カリムの協力によって早い時期での実現の可能性を帯びてくる。 管理局地上本部が持て余すロストロギア「レリック」の保守管理・対策部隊としての構想で部隊の準備が進み始め、 はやてに協力するフェイトは部隊の人材探しに取りかかる。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 新暦72年2月 フェイト、ある事情から竜召喚師の少女キャロと出会い、行き場のなかった彼女を保護。 保護責任者としてキャロの立場を確保する。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 新暦72年5月 フェイトの希望指名によって、本局勤務の通信士兼デバイスマイスター、シャリオ・ルフィーニが 執務官補佐となり、フェイトと行動を共にしはじめる。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 新暦72年6月~ スバル・ナカジマ12歳。ミッドチルダの管理局陸士訓練校に入行。当時13歳のティアナ・ランスターと出会い、 「自作デバイス持ち同士」ということから、ルームメイト兼コンビに。 以降、魔導師としての道を進み始める。未熟なスバルに最初は苛立ってばかりのティアナだったが、 スバルが秘めた思いやその前向きさに少しづつ共感を覚えてゆく。なお、ティアナはこの時期スバルの紹介で ギンガに出会っている。(StrikerS THE COMICS/Episode4~5「Starting Stars」Phase1~2) ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 新暦73年5月 スバル・ティアナ、訓練校卒業。陸士386部隊・災害担当突入隊へと配属される。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 新暦75年3月 機動六課、4月からの正式稼働を前に準備が進んでゆく。隊舎セッティング開始。 エリオ・モンディアル、管理局員としての研修課程を修了。管理局員となり、機動6課への配属が決定。 キャロ・ル・ルシエ、辺境自然保護隊から機動六課への配属が決定。アルトやヴァイスら、 一同が機動六課へと集結してゆく。(StrikerS THE COMICS/Episode7「Started Riot 6」) ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 新暦75年4月 スバル・ティアナ、魔導師ランク試験「陸戦Bランク」を受験。 そして、なのはとスバルは再開する…。(StrikerS/第1話)
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闇の書 ランク:B E/G(魔法少女リリカルなのはA’s) 属性 ・性別不明 ・夜天の書 ・自律プログラム 敗北条件 G時:重要拠点が全て破壊されていないと敗北 能力値 ESP能力レベル 5 ESPパワー 40 耐久力 4 精神力 6 特殊能力 ・守護騎士ヴォルケンリッター守護騎士ヴォルケンリッター[戦闘前](E時) 1D6を振り、この戦闘中以下の効果を得る。同じ目が出るまで使用可能。 1 烈火の将シグナム:[支援][攻撃][格闘(武器) 1]LV:2かつ反撃不可の格闘攻撃を行う。 2 紅の鉄騎ヴィータ:[格闘(武器):1]支援行動で有効な防御Cカードを1つを破棄させることでできる 3 風の癒し手シャマル:[対抗(Cカード)]ESPジャマーLV:3所持 4 蒼き狼ザフィーラ:[代理:1][格闘(白兵):1]ザフィーラの耐久力が0の間、出目4は消失する。通常手番の主要行動で、ザフィーラを復活可能 5 「経験」 6 ブラッディダガー:[攻撃][主要][固有]バズーカ所持 ・闇の書[戦闘][主要][攻撃][固有](E時) 2D6を振り2以下(対象の減少耐久力分、出目をずらせる)で対象キャラクターのシートを見て、 自分が覚えてない能力を死亡するまでランダムで1つ獲得。 その後、そのキャラクターを小麦畑に送る。 対象は小麦畑チェックに失敗時、耐久力を1回復してよい。帰還先はこのキャラクターのいるマスとなる。 このキャラクターが死亡した場合即座に小麦畑から帰還する。 ・祝福の風リインフォース[死亡時][常動] 改心でのアライメントの変更無し。 (L)からの改心が成功している場合、死亡時2D6を振り 6以下なら(G)となり、基地周辺で復活。 備考 このキャラクターへの意見 名前 コメント
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第8話「激闘の始まりなの」 「嘘……」 「何なの……あれは……!!」 モニターを見て、エイミィとリンディは言葉を失った。 サーチャーには一切反応は無かった 空を割り、あの大型生物―――ベロクロンが現れる前兆は、一切見られなかった。 タイミング的に、ヴォルケンリッター達を助けに現れたかのようには見える。 だが……シャマルを助けた仮面の男の手のものにしては、様子がおかしすぎる。 その表情こそ伺う事は出来ないが、仮面の男は明らかに戸惑いを見せている。 こうなれば、考えられる可能性は一つ……第三者の乱入しかない。 「……皆、注意して!! 相手が何者かは分からないけど、嫌な予感がするわ!!」 『いえ……何者かは、分かってます!!』 「ミライ君……?」 『……あれは超獣です。 奴の……ヤプールの生み出した、超獣です!!』 「超獣……!?」 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 「な……なんだよ、これ……!!」 「怪獣……だって……!?」 招かれざる来訪者の姿を前にして、誰もが動きを止めた。 ミサイル超獣ベロクロン……この場には、全く相応しくない存在。 ベロクロンは唸りを挙げ、荒々しく息を吐いた。 ミライはすぐになのは達へと念話を送り、敵の正体について教えた。 ベロクロンは、ヤプールが最初に作り出した超獣。 ウルトラマンエースを苦しめ、そして自身も苦戦を強いられた強敵。 そんな相手が現れた原因は、一つしかない……ヤプールはこの世界で復活を果した。 何故、こんな急速に復活したかは分からないが……考えるのは、問題を全て片付けてから。 皆が事態に対応すべく、動こうとする……が。 その瞬間、まさかの事態が起こった。 「……今だ、引くぞ!!」 「なっ!?」 全員の動きが止まった一瞬の隙を突き、ヴォルケンリッターが動いたのだ。 今ならば、結界を破壊できる……ヴィータはグラーフアイゼンのカートリッジをロードする。 そして、グラーフアイゼンを巨大な破壊槌―――ギガントフォームへと変形させた。 この状態ならば、たとえ堅固なこの魔力結界でも……十分に破壊できる。 ヴィータは全力で、グラーフアイゼンを結界に叩きつけた。 「しまった……!!」 「ぶち抜けぇぇぇぇぇぇぇっ!!!」 結界に、大きな風穴が開く。 そしてその瞬間、ヴォルケンリッターが急速離脱を開始した。 突如として現れた怪獣の正体は、気にならないといえば嘘になる。 だが、今はここから抜け出ることが最優先事項である。 それに……なのは達は強い。 きっとこの程度の敵は退けられるだろうから、大丈夫だ。 そう思ったが故の行動であったが……一人、ダイナだけは脱出を渋っていた。 「ダイナ、おい!!」 「あいつ、一体何を考えている……?」 「……メビウス。」 「ダイナ……?」 「……ごめん!!」 「!!」 ダイナは、たった一言メビウスに告げ、そしてようやく撤退を開始した。 彼の一言の謝罪が、その心情の全てを物語っていた。 ダイナはウルトラマンとして、凶悪な怪獣や侵略者達を相手に戦い続けてきた。 それこそが、ウルトラマンである自分に出来る事であると信じての行動だった。 そんな彼にとって、ベロクロンを置いて撤退するというのは、苦渋の選択だったのだ。 ダイナは悩んだ末に、自分の仲間達を取った。 メビウス達を信じるしかない……そう割り切って、ダイナは空へと消えていった。 「ダイナ……分かった。 皆さん、破れた部分の結界を急いで塞いでください!! ベロクロンを、絶対に外に出したら駄目です!!」 ダイナが何故戦っているのかは分からない。 だが、彼には邪ではない目的があることだけは、間違いない。 この決断も、苦渋だったに違いないだろう。 ならば同じウルトラマンとして、必ずベロクロンを倒すまでである。 ベロクロンを外へ出さないようにと、職員達が結界を塞いだ。 それと同時に……ベロクロンが動いた。 全身の突起が、勢い強く発射される。 ミサイル超獣の由来は、この突起―――全身に装備されたミサイルにある。 標的は、この場にいるベロクロン以外の全て。 「うわぁっ!?」 「ちょっと、何て数撃ってきてるのさ!!」 放たれたミサイルの数は、百は超えているであろう数。 その上、ベロクロンの突起は次々に再生していっている。 早い話が、敵の弾数は無限―――撃ち放題だ。 なのは達は、スピードを上げてミサイルを回避しにかかる。 だが……厄介なことに、ミサイルはホーミング式だったのだ。 「振り切れない……!?」 ぴったりと、ミサイルは逃げるなのは達を追尾してくる。 強引に振り切ろうと、なのは達は曲芸飛行と見紛う様な軌道を描きながら空を飛んだ。 だが、ミサイルも全く同じ軌道を取ってくる……振り切れない。 こうなれば、とる手段は一つ……迎撃しかない。 なのはとフェイトは、お互いに頷き合い、カートリッジをロードさせた。 新たな力を得た今のデバイスならば、かなりの数を落とせる。 「アクセルシューター!!」 『Accel Shooter』 「フォトンランサー!!」 『Photon Lancer』 「シュートッ!!」 「ファイアッ!!」 二人は、後方へと振り向き様に魔力弾を一斉発射。 襲い掛かるミサイルの群れを、一気に爆破しにかかった。 結果は重畳……ミサイルは次々に爆発の連鎖を起こし、打ち落とされていく。 流石に全てとはいかないが、かなりの数をこれで撃墜できた。 残るミサイルは、距離を離した後に再度迎撃しよう。 そう思い、二人がスピードを上げようとする……が。 「ギャオオオォォォォォッ!!」 「えっ!?」 ベロクロン本体が、ここで仕掛けてきてしまった。 口を開き、勢いよく火炎を放射してきたのだ。 とっさに二人は障壁を展開、火炎を防ぎにかかる。 だが……無情にもミサイルの嵐は、彼女達の無防備な背後へと迫ってきていた。 二人がそれに気付いたのは、既にミサイルとの距離が後僅かとなっていた時だった。 「なのは、フェイト!!」 「くそ、この距離じゃ……!!」 ユーノ達はすぐさま援護に回ろうとするも、それは不可能だった。 ミサイルを引き離そうとして飛び交っていた内に、二人との距離を少し離しすぎていたからだ。 間に合わない……このままでは、確実にミサイルは直撃する。 二人の身長以上の大きさがあるミサイルを、それも何発も受ければ、バリアジャケットの防御も役を成さないだろう。 致命傷は確実……なのはとフェイトは、迫り来るミサイルを前に、思わず目を閉じてしまった。 だが……その瞬間だった。 「セヤァァァッ!!」 「え……!?」 「ミライさん……!!」 突如として、二人の目の前に眩い閃光が走った。 そして、その光が晴れた時……そこには、メビウスディフェンサークルを展開したメビウスがいた。 ギリギリ、二人の援護に入る事が出来た……迫り来るミサイルを全て、メビウスはバリアで受け止めた。 間に合わないと誰もが思った中、何故メビウスはそれが出来たのか。 その理由は一つ……彼が思わぬ手段で、一気に間合いを詰めてきたから。 その手段とは、、ウルトラマンの本来のサイズ―――眼前のベロクロンと同じ程の、巨大な体躯に戻る事。 巨大化する事により、一気に二人との距離を縮めたのだ。 怪獣相手ならば、態々人間サイズに合わせる必要は無い……全力で打ちのめすのみ。 メビウスはミサイルを全て受け止めきると、そのまま上空へと飛び上がる。 そして、体を回転させて一気に急降下。 ウルトラマンジャックが編み出した、必殺の蹴り技―――流星キック。 その強烈な一撃が、ベロクロンの眉間にもろに叩き込まれた。 ベロクロンはたまらず、怯んで攻撃を中断してしまう。 「ギャオオオォォォォッ!!」 「いける、これなら……!!」 先ほどまでは、敵の余りの大きさに圧倒され気味だった。 だが、ミライが巨大化した今……そんな不安は、全て掻き消えた。 一気に反撃に出るべく、皆が行動に移る。 まず、まだミサイルにつけられているクロノ達が動いた。 敵の動きが一瞬でも止まってくれたのなら、十分に効果を発揮できる攻撃手段がある。 かなりの荒業ではあるが……これが、最もベストな手段。 「よしっ……さぁこい!!」 「ほらほら、こっちだよ!!」 三人は一気にスピードを上げ、ベロクロンの背後左右から迫った。 ミサイルも当然ながら、それをピッタリとつけてくる。 メビウス達はそれを見て、すぐにその狙いを察した。 そして、三人とベロクロンとの距離がギリギリまで詰まった時……クロノの合図で、全員が動いた。 「今だ!!」 三人が上空へと急上昇する。 ミサイルは、勿論それを追尾しようとする……が。 三人と全く同じ軌道を取っていたのが、ここで仇になった。 彼等とミサイルとでは、大きさが違う。 スレスレでベロクロンを回避する事は出来ず……ミサイルは全て、ベロクロンにぶち当たった。 「グギャアアァァァァァァッ!!??」 「やった!!」 「攻撃の手を緩めるな、一気に攻めるぞ!!」 全身から黒煙を噴出しながら、ベロクロンが悲鳴を上げる。 敵が弱った今、ここで一気に攻めに出る。 メビウスは勢いよく前へと踏み込み、ベロクロンに殴りかかった。 だが、ベロクロンとてここで倒れるほど弱くは無い。 メビウスの拳を受け止めると、ベロクロンは大きく口を開いた。 火炎放射の他にもう一つ、ベロクロンには口から放つ武器がある。 それは、全身の突起よりも更に巨大なミサイルだった。 「セヤッ!?」 メビウスはとっさに腕を振り払い、拳を自由にする。 だが、この距離ではかわせない。 確実に命中してしまう……そう思われた、その矢先の事だった。 今度は先程とは逆……なのはとフェイトが、メビウスを助けに入った。 二人はカートリッジをロードし、より堅固な障壁を同時に展開した。 『Protection Powered』 『Defensor Plus』 「バリア……!!」 「バーストォッ!!」 攻撃を受け止めると同時に、二人は魔力を込めて障壁を爆破した。 その狙いは、障壁の爆破による攻撃の相殺。 そして、その余波を相手にぶつける事。 ベロクロンは爆風と衝撃に煽られ、倒れこみそうになる。 だが、流石になのは達の何十倍という巨体は、そう簡単には倒れるものではなかった。 しかし……そこへと、思わぬ追撃が迫った。 「だったら……これでどうだぁっ!!」 ゴシャァッ!! 「グギャアァッ!?」 ベロクロンの顔面に、巨大な鉄槌が叩きつけられた。 その正体は、先程ダイナがメビウスに投げつけた残骸―――高層ビルである。 この攻撃を放ったのは、ユーノだった。 彼は、チェーンバインドでビルの残骸を縛り……そのまま持ち上げて、ベロクロンに叩きつけたのだ。 とてつもない荒業ではあるが、効果は絶大だった。 ベロクロンは流石に耐え切れなくなり、地面に倒れ伏せる。 「ユーノ君、ナイス!!」 「しかし、かなり荒っぽいやり方だな……」 「あのヴィータって子のデバイスを見て、思いついたんだ。 ハンマー投げの要領で、こういう風に出来ないかなって。」 初めて試してみた攻撃ではあったが、中々うまくいってくれた。 倒れこんだベロクロンは、なのは達を力強く睨みつける。 そして、肩のミサイルを一斉放射しようとした……が。 それを直感的に察したクロノとアルフが、先に動いていた。 バインドの同時発動。 光の鎖がベロクロンの全身を拘束し、身動きをとれなくした。 ミサイルを使えなくなるという予想外の事態に対し、ベロクロンが唸りをあげた。 今こそが、ベロクロンを撃破する最大のチャンス。 「皆、今だ!!」 メビウスが、一斉攻撃の合図をかけた。 レイジングハートとバルディッシュに、カートリッジがロードされる。 S2Uの先端から、魔力が溢れ出す。 メビウスが右手をメビウスブレスに添え、大きく腕を開きその力を解放する。 それとほぼ同時に、ベロクロンは拘束を力ずくでぶち破った。 だが……時は既に遅し。 攻撃の準備は、完了している。 「ハァァァァァァァッ!!」 「ディバイィィン……!!」 「プラズマ……!!」 「ブレイズ……!!」 「セヤアアァァァァァァッ!!」 「バスタァァァァァァッ!!」 「ブレイカァァァッ!!」 「カノンッ!!」 メビュームシュート・ディバインバスター・プラズマブレイカー・ブレイズカノン。 莫大な量の魔力と光線が、一斉にベロクロンへと放たれた。 一発一発だけでも、必殺技と呼ぶに相応しい破壊力を持ち合わせている攻撃。 そんな代物を、四つも同時にときた。 当然……防御魔法もバリアも持っていないベロクロンに、耐え切られるわけが無い。 「グオオオォォォォォンッ!!??」 ドグオォォォォォンッ!! ベロクロンは、見事に爆発四散した。 破片すら残さずの、完全消滅。 その様子を見て、なのは達はようやくため息をつけた。 ヴォルケンリッター達との戦いから、ベロクロンへの連戦。 流石に体力的に厳しいものがあったが、とにかく勝つことは出来た。 ここでメビウスも、人間サイズへと体の大きさを変える。 『皆、お疲れ様。』 「けど……素直に、喜べる結果じゃないな。」 「……ヤプール……」 シャマルを助けに現れた、仮面の男。 空を割って現れた、ヤプールの超獣。 今回の戦いは、事件を更なる混沌へと誘ってくれた。 単に、闇の書の守護騎士達を捕まえるだけでは片付けられない……そんな状況になってしまったようである。 『兎に角、皆一度戻ってきて。 話はそれからにしましょう。』 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 「はやてちゃん……本当に、ごめんなさい……!!」 『ええって、気にせんで。 すずかちゃんとふたりで鍋はちょう寂しかったし、すずかちゃんが誘ってくれて……』 その頃。 八神家では、一同が暗い面持ちをしていた。 その理由は、はやてに寂しい思いをさせてしまったこと。 今日は、すずかが家へと遊びに来る筈の日だったのだ。 だが、皆の不在の為にそれが叶わなくなってしまった。 もっともはやては、すずかの家にお邪魔させてもらったので、あまり寂しい思いはしていないようではあるが…… 「はい、じゃあヴィータちゃんに代わりますね。」 「……はやて、もしもし……?」 「……寂しい思いを、させてしまったな。」 「うん……」 守護騎士として、主であるはやてに何とお詫びしたらいいだろうか。 主に対する責任感から、そんな思いをヴォルケンリッター達は抱えていた。 ただ、一人だけ―――アスカだけは、それにプラスアルファの要素を抱えてしまっていた。 あの状況では、仕方なかったとはいえ……ウルトラマンである自分が、怪獣を野放しにしてしまった。 その事実に対する申し訳なさが、彼にはあったのだ。 シャマルによると、あの後すぐに怪獣はメビウス達が撃破したようではあるから、それだけが救いだったが…… 「……アスカ、すまないな。」 「いや……謝らなくていいよ。 気にしてないって言えば、嘘になるけど……俺は、はやてちゃんや皆の為に戦うって決めたんだしな。」 後ろ向きに考えていても仕方ない。 あの場でああしなければ、今度は大切な者達が危機に晒されてしまっていた。 それに……自分はあの時、メビウスならばきっと怪獣を倒してくれると、そう信じて行動したのだ。 アスカは頭を振り、ネガティブな気持ちを振り払う。 過ぎた事を悔やんでいても、何も始まらない……大切なのは、これからだ。 「しかし、あの巨大生物……一体何なんだ?」 「メビウスは、何か知っていたみたいだけど……俺はあんな怪獣、見たこと無いぞ。」 アスカは、スーパーGUTSの隊員として、そしてウルトラマンとして多くの怪獣を見てきた。 だが、ベロクロンは見た事の無いタイプの相手だった。 空を割って現れるなんて、これまでに前例が無い。 異次元からの侵略者……そう考えるのが、自然だろうか。 「あの生物……確か、シャマルを助けた仮面の男が現れてすぐに出現したな。 まさか、あの男が呼び寄せたというのか?」 「ううん、それは無いと思うわ。 あの仮面の男は、私に闇の書の呪文を使うように言ってきた。 あんな生物を呼び出せるのなら、そんな真似しなくたって皆を助けられたんだし……」 「確かにそうだな……両者に関係はないと見るべきか。 あの仮面の男に関しては、どう思う?」 「何者かは分からないわ……少なくとも、当面の敵ではないと思うけど……」 「……今回の一件で、恐らく管理局も本腰を入れてくるだろう。 我々も、あまり時間が無い……」 「ああ……一刻も早く、主はやてを闇の書の真の所有者に……」 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 「カートリッジシステムは扱いが難しいの。 本来なら、その子達みたいに繊細なインテリジェントデバイスに組み込むような物じゃないんだけどね…… 本体破損の危険も大きいし、危ないって言ったんだけど、その子たちがどうしてもって…… よっぽど悔しかったんだね、自分がご主人様を守ってあげられなかったこととか……信頼に応えきれなかった事が。」 「ありがとう……レイジングハート。」 「バルディッシュ……」 数分後。 ハラオウン家に戻ったなのはとフェイトは、デバイスについての簡単な説明をまずは受けていた。 今回の戦いは、二機のパワーアップがあったからこそ乗り越える事が出来た。 これでやっと、互角にヴォルケンリッターと戦うことが出来る。 二人は自分達のデバイスへと、心から礼をした。 「モードはそれぞれ3つづつ。 レイジングハートは中距離射撃のアクセルと、砲撃のバスター、フルドライブのエクセリオンモード。 バルディッシュは汎用のアサルト、鎌のハーケン、フルドライブはザンバーフォーム。 破損の危険があるから、フルドライブモードはなるべく使わないようにね。 特に、なのはちゃんの方は。 かなりの負担になるから、フレーム強化をするまでは絶対にエクセリオンモードは、使わないでね?」 「はい。」 「……今、片付けるべき問題は二つね。 一つは勿論闇の書だけど、もう一つ……」 「ヤプールが、この世界にいた……それも、こんなに早く復活するなんて。」 最も恐れていた、最悪の事態が実現してしまった。 あの時……確かにヤプールは、メビウスと共に次元の割れ目へと落ち込んだ。 それも、瀕死の重傷を負った身で……ヤプールの消滅は確実だった。 しかし……ヤプールは、この世界に降り立ってしまった。 そして驚異的な速さで復活を果たし、自分達の目前へとベロクロンを出現させてきた。 「……僕の所為です。 ヤプールは、僕と一緒にこの世界に……!!」 「そんな、ミライさんの責任じゃないわ。 ミライさんが来たのは、全くの偶然だし……!!」 「それにミライ君は、そのヤプールを倒そうとしてたんでしょ? だったら、そんな風に気にしなくても……それに、復活したならまた倒せばいいじゃない。」 「確かにその通りだな。 ヤプールが、ミライさんが言うとおりの悪魔だというなら……何をしでかすか分かったもんじゃない。」 「ヤプールの目的……そういえば、何であんなタイミングで……超獣、だっけ? あんなのが出現したのさ?」 「それなんだよね……」 何故、あのタイミングでヤプールが仕掛けてきたのか。 単純な侵略が目的だというのなら、普通に街中でベロクロンを出現させればよかった筈。 それを態々、結界の内部で出現させた理由がいまいち分からないのだ。 可能性としてありえるのは、二つ。 一つ目は、ミライとダイナ―――ウルトラマンの撃破が狙いだった事。 ヤプールからすれば、ウルトラマンは憎むべき敵……この可能性は、十分考えられる。 実際問題、ヤプールはこれまでに何度も、ウルトラマンの撃破に的を絞って仕掛けてきた事があった。 エースキラーやメビウスキラーが、その最もたる例である。 だが……二つ目の可能性の事を考えると、どうもこの可能性がありえるかどうかが分からなくなってしまう。 それだけ、もう一つの要素―――ヤプールの狙いが闇の書であるという可能性が、強すぎるからだ。 闇の書の圧倒的過ぎる力を、ヤプールが狙っているというのは、十分にありえる。 「でも、だったらヤプールがどうして闇の書の事を知っているんですか?」 「ヤプールは、強い邪悪な力の存在を感じ取るのが得意だからね。 闇の書の詳しい事は分からなくても、漠然と、強い力だって事は感じ取れたんだと思うよ。」 「もしかして……クロノ君の前に現れた仮面の人が……?」 「いや、それは無いと思う。 もしもあの仮面の男がヤプールなら、闇の書の呪文を使えなんて言う必要がない。 ……謎が増える形になってしまうけど、仮面の男はヤプールとはまた別の相手だと思うんだ。」 「……闇の書の主が、ヤプールって可能性は?」 「それは私も考えていたわ。 でも、それだと少し妙なのよね……」 「妙?」 「まずは、ウルトラマンダイナだ。 ミライさんと同じウルトラマンなら、そんな悪魔に加担するなんて考えられないよ。」 「僕もそう思います。 さっきだって、ダイナは僕にすまないって言ったし……」 「それに、何よりも守護騎士達の事だ。 彼等はまるで、自分の意思で闇の書の完成を目指しているようにも感じるんだ……」 「え、それって何かおかしいの? 闇の書ってのも、要はジュエルシードみたく、力が欲しい人が集めるもんなんでしょ? だったら、その力が欲しい人のために、あの子達が頑張るってのもおかしくないと思うんだけど。」 「……それが、そうでもないんだよね。」 闇の書の主がヤプールなのかもしれない。 この可能性は、ダイナが加担している時点で既に希薄である。 そして、それに駄目押しをかけるのが守護騎士達の存在。 彼等の性質を考えると、ヤプールが主の場合……どうにもおかしな点が出てきてしまうのである。 「第一に闇の書の力はジュエルシードみたいに自由な制御の効く物じゃないんだ。」 「完成前も完成後も、純粋な破壊にしか使えない。 少なくともそれ以外に使われたという記録は一度もないわ。 ……ここまでは、ヤプールの目的と一致してなくも無いんだけど……」 「問題なのは、闇の書の守護者の性質だ。 彼らは人間でも使い魔でもない。」 「え……?」 「人間でも、使い魔でもない……?」 「彼等は、闇の書に合わせて魔法技術で作られた疑似人格。 主の命令を受けて行動する……ただそれだけのためのプログラムに過ぎないはずなんだ……」 人間でも使い魔でも無い、魔法技術で生み出された存在。 その言葉を聞き、フェイトは己自身の事を考えてしまった。 彼等守護騎士達は、まさか…… 「私と同じような……?」 「違うわ!!」 「!!」 フェイトの呟きを、リンディは真っ向から否定した。 彼女は確かに、人とは違う生まれ方をした存在。 プロジェクトFによって生み出された、クローン人間である。 だが……それでも、生まれ方が少し違うだけで、立派なフェイトという人間なのだ。 「……フェイトさん、貴方は普通の人間よ。 間違っても、そんなこと言わないでね……」 「はい……ごめんなさい。」 「あ、あの……じゃあ、もしかして僕の様な存在ってことですか? 人間の姿を借りた、ウルトラマンみたいな……」 「いや、ウルトラマンとはまた別の存在だよ。 闇の書の守護者は、闇の書の防衛プログラムが実体化して、人の形を取ったものなんだ。」 エイミィがモニターに、ヴォルケンリッター達に関する詳細を映し出した。 今回の魔道師襲撃事件に加え、過去の闇の書事件に関するデータ。 今現在で分かっている情報全てが、モニターに映し出されている。 それの必要な部位を見ながら、クロノが説明を続けていく。 「守護騎士達には、意思疎通のための会話能力があるのは、これまでの事件でも確認できている。 だが……彼等に感情が表れたっていう例は、一度も無いんだ。」 「魔力の蒐集と主の護衛、それだけが彼等の役目の筈なんだけど……」 「でも、ヴィータちゃんは怒ったり悲しんだりしてたし……」 「シグナムからも、確かに人格を感じました。 仲間や主の為にって……」 「主の為に……あ!!」 ミライはここで、クロノ達が何を言いたいかを悟った。 もしも主がヤプールの場合、彼等の行動はありえないのだ。 人格や感情が形成される筈が無い……ヤプールにとって、そんなものは不要な代物だ。 ただ、自分の思い通りの手駒であればそれでいい筈。 仕えている途中で、何らかの理由で形成されたとしても……ヤプールなら、それを平気で潰すだろう。 それに何より、あの悪魔の為に自分達の意思で蒐集を目指すなんて……そんな馬鹿な話、ある訳が無い。 「……つまりヤプールは、闇の書の横取りを狙ってるって事かな?」 「まあ、現状ではその可能性が濃厚なんだけど……まだ断言は出来ないね。」 「詳しい事は、調査を進めてみなければ分からないか。 それにしても……闇の書自体についての情報が、やっぱり少なすぎるな。」 今は少しでも、闇の書に関する情報を集めるべきである。 その為に、クロノはここでユーノを頼る事にした。 スクライア一族である彼には、うってつけの仕事が一つあるからだ。 「ユーノ、明日から少し頼みたい事があるんだ。」 「いいけど……僕に?」 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 「じゃあ……アレの出現には、自分は関係ないと言うんだな?」 「ああ……ヤプール、だったか。 ウルトラマンに関しても、初耳だが……」 深夜。 日も完全に沈み、草木も眠る丑三つ時。 全く人気の無い路地裏で、仮面の男と黒尽くめの男が対峙していた。 仮面の男は、黒尽くめの男に対してかなりの不信感を抱いていた。 それもその筈……あのベロクロンの出現は、黒尽くめの男の仕業である可能性が高いからだ。 「なら、お前の言っていた切り札とか言う生物はどうなる?」 「ガディバは、私が生み出した魔道生物の一種だ。 アレは、敵に乗り移り操る事が目的の寄生獣……確かにその過程で、ガディバにある程度の力は蓄えられる。 だが、ガディバ単体には戦闘能力は無い……超獣なんぞとは、全く別の代物だ。」 「……お前が現れた時期と、ヒビノミライが現れた時期は、多少のズレがあるとはいえかなり近い。 お前がもしもヤプールだというのなら、辻褄が合うぞ?」 「ならば、私がお前に何故あのデバイスを渡せた?」 「……」 仮面の男は、黒尽くめの男がヤプールなのではないかと疑っていた。 しかし、黒尽くめの男はそれを断固として否定している。 実際、否定出来るだけの証拠が黒尽くめの男にはあった。 それは、彼がデバイスを手渡した事。 黒尽くめの男は、デバイスに関する知識を持ち、そして作り上げるだけの技術があるということだ。 この世界に来て間もない筈のヤプールに、それが出来るとは到底思えない。 超獣という未知の兵器を生み出せるだけの技術力があるとはいえ、デバイスとそれとは全くの別物だ。 やはり、単なる偶然の一致に過ぎないか。 仮面の男は、しばし考えた後……謝罪の言葉を口にした。 「すまないな……少し、考えすぎていたようだ。」 「そうか……まあ、気にしないでくれ。 確かに、私をヤプールだと判断してもおかしくはない状況だったしな。」 「……じゃあ、私は戻るとしよう。 また何かあったら、連絡する。」 「ああ……」 仮面の男が、その場から姿を消した。 その後……黒尽くめの男は、微笑を浮かべる。 それは、明らかな嘲笑。 ものの見事に口車に乗ってくれた、仮面の男に対する嘲りの笑みだった。 「くくく……馬鹿な奴等だ。」 仮面の男の推測には、実は穴があった。 ヤプールがデバイスを作り上げられる理由が、一つだけ存在しているからだ。 それは……ヤプールが、前々からその存在を知っているという可能性。 魔法の力を、黒尽くめの男―――ヤプールが既に知っているという事だった。 「闇の書の力……ようやく我が手に収められる時が来たのだ。 光の一族を抹殺し、地球をこの手にする時が……何者にも、邪魔はさせん。 そう……何者にもな……!!」 戻る 目次へ 次へ
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第12話「敗北、そして新たな出会いなの」 「ゾフィー、ヒカリ……!! ついに現れたか、宇宙警備隊め……!!」 異次元空間。 ゾフィーとヒカリの乱入という事態を目にし、ヤプールは歯軋りした。 宇宙警備隊の介入は、全く予想していなかったわけではない。 メビウスが時空管理局側にいる以上、時空管理局がメビウスの世界を見つけ出すかもしれない。 逆に宇宙警備隊側が、メビウスを探してこちらの世界にやってくるかもしれない。 そう、可能性としては考えてはいたが……実際に現れたとあっては、やはり厄介だ。 ヤプールは掌から黒いガスを噴出させ、それを凝視する。 「……まだだ。 仮に、奴等のコアを全て使ったとしても……まだ届かん。 完成さえしてしまえば、宇宙警備隊も時空管理局も……誰が相手であろうと…… 暗黒四天王や、皇帝さえも……!!」 闇の書さえ完成すれば、全ての目的は達成される。 そうなれば、もはや止められる者はいない……だが、まだまだ完成には遠い。 フェイトのリンカーコアを吸収しても、まだ闇の書のページは埋まりきっていなかったのだ。 今の所、ページを大幅に増やす方法が一つだけ、あるにはあるが……それを用いても、まだ届かないだろう。 ヴォルケンリッターやダイナが、地道な蒐集を進めるのを待つか。 答えは否……こちらからも、出来る事をやらなければならない。 ページを増やす手立てが……無い訳ではないからだ。 (尤も、これで奴等が倒れてしまえばそこまで……かなりの賭けにはなるがな。 奴等に、それだけの力があるかどうか……) ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 「超古代の戦士……それが、ウルトラマンダイナの正体か。」 『うん……ミライさんの様な、光の国のウルトラマンってわけじゃないらしいんだ。』 時空管理局本局。 ユーノは、ウルトラマンダイナについて調べ上げた事に関して、なのは達に報告していた。 分かった事は、ダイナはミライと同じ光の国のウルトラマンではないと言う事。 ダイナは異世界において、超古代の時代に悪と戦い続けてきた光の戦士の一人。 そして、スフィアと呼ばれる知的生命体の火星襲来を機に、現代に目覚めたという事である。 ミライの予想は、見事に的中していたのだ。 「そう言われてみると、確かに納得できるね。 なんかダイナって、ゾフィーやヒカリと違って、色が派手だったしさ。」 「ダイナは、レッド族・シルバー族・ブルー族のどれに当てはまるのか、分からないウルトラマンでしたからね。」 「え……ウルトラマンって、そういう風に色で分けられてるんですか?」 「うん、そうだよ。 だからそれもあって、ダイナが異世界のウルトラマンだって思ったんだけど…… まあ、どれに分類したらいいのかっていう例外みたいなウルトラマンもいるにはいるから、不安だったんだ。」 ミライは、恐らく自分が知る限りは最強のウルトラマンであろう、ウルトラマンキングの事を考えて溜息をついた。 正直な話、あのウルトラマンキングだけは、どれに分類したらいいか未だに悩む。 シルバー族といえばシルバー族なのかもしれないが……カラーリングが、少々独特すぎる。 本人に聞いてみれば分かるのかもしれないが、相手が相手だけに、会える機会は極めて少ないだろう。 兎に角、この事は一旦置いておくことにして、ユーノの報告を聞くのに専念する事にする。 『ダイナのいた世界では、他にもウルトラマンは確認されてる。 ウルトラマンティガ……ダイナと同じ、超古代の戦士が現代に目覚めたウルトラマンなんだ。 一応、他にもイーヴィルティガっていうウルトラマンもいたらしいけど……こっちは悪党だったらしいからね。 怪獣とか侵略者とか、そっちの方に分類されてたんだ。』 「じゃあダイナは、そのティガっていうウルトラマンと、一緒に地球を守り続けていたの?」 『いや、それがそうじゃないんだ。 ティガが現れたのは、ダイナが現れる七年も前なんだけど……ティガはある戦いを切欠に、姿を消したんだ。』 ユーノは画面に、ティガに関する資料を映し出す。 ダイナと似た姿を持つ、もう一人のウルトラマン―――ウルトラマンティガ。 その異世界において、初めて人々の前に現れた、最初のウルトラマンである。 ティガが現れたのは、ダイナが現れるよりも八年も前。 超古代の戦士の遺伝子を受け継ぐ一人の青年―――マドカ=ダイゴが、ティガの力を手にした事が全ての切欠であった。 ―――もっともなのは達は、ダイゴの名前までは分からなかったようだが――― ティガは、数多くの悪と激闘を繰り広げ、人々を守り抜いてきた。 しかし、月日が経つに連れて戦いは熾烈を極めるようになり……ティガも、苦戦を強いられる用になっていった。 そして終には、ティガとは対極をなす『闇』の存在―――最強の敵、邪神ガタノゾーアが復活を遂げた。 ガタノゾーアの力は恐ろしく強大であり……ティガも、その前に敗れ去ってしまったのだ。 だが、それでも人々は希望を捨てなかった。 闇に屈しまいとした人々の希望は、光となってティガを蘇らせたのだ。 希望の光を得たティガ―――グリッターティガは、その圧倒的な力でガタノゾーアを打ち倒した。 そして、戦いが終わった後……ダイゴは、ティガへと変身する力を失ってしまったのである。 「希望が力になって、闇を倒した……」 「最後まで諦めず、不可能を可能にする……それがウルトラマン。 異世界でも、それは変わらないんだね。」 『それからしばらくの間、ティガは人々の前に現れることはなかったんだけど…… 邪神との戦いから二年後に、ティガは再び現れたんだ。』 邪神ガタノゾーアとの戦いから、二年後。 超古代遺跡ルルイエより、闇の力を持つ巨人が復活を果した。 そのリーダー格である戦士カミーラは、かつてティガと恋人同士にあった。 彼女はティガと再び出会う為、ダイゴの前に現れ、ティガへと変身する力を与えたのである。 その後、ダイゴは彼女等を打ち倒す為にとティガへと変身を遂げたのだが……現れたティガは、かつての彼と違った。 その全身は、闇を連想させる漆黒のカラーリングをしていた。 そう……ティガは本来、彼女達と同じ闇の力を持つ戦士だったのだ。 二年前は、正義の心を持つダイゴがその力を手にした事により、光の戦士として覚醒した。 だが今回は、カミーラの力の影響が大きかった為か、闇の戦士―――ティガダークとして目覚めてしまったのである。 そして、その変身は極めて不完全なものであった。 正義の心を持ったまま闇の戦士として覚醒してしまったが為に、本来の力を発揮できないでいたのだ。 しかし、それでもティガは諦めず、彼女等に戦いを挑んだ。 その結果……奇跡は起こった。 ルルイエに眠っていた超古代の光の戦士達が、戦いの最中にティガへと光を分け与えたのだ。 ティガは戦士達の光を得、グリッターティガへと覚醒し……そして、カミーラ達を終に打ち倒したのである。 『そして、この戦いから六年して……終にダイナが現れたんだ。』 「じゃあ、それを最後にティガは消えたんだね。」 『いや、それがこれが最後じゃないんだ。』 「……ふぇ?」 『さっき言ったのと矛盾しちゃうけど……実はティガは、一度だけダイナと共闘してるんだ。』 それは、ティガが最後に現れてから六年後の話。 地球侵略を目論む異星人―――モネラ星人が、地球に襲来してきた時の事である。 ダイナは、モネラ星人の切り札である超巨大植物獣クィーンモネラに、敗れ去ってしまったのだ。 圧倒的な力を持つ巨悪の前に、ウルトラマンが倒されてしまう。 奇しくも状況は、かつてのティガとガタノゾーアとの最終決戦と、同じであったのだ。 そして……この絶望的な状況を救ったのも、かつてと同じもの―――希望の光であった。 希望を捨てず、諦めなかった人々の想いが光となり、そしてその光が……ティガとなったのである。 ティガは己の光を……人々の希望をダイナへと分け与え、ダイナを復活させた。 そして、ティガとダイナはついにクィーンモネラを打ち倒したのである。 「……全く、とんでもない話だね。 信じてさえい続ければ、必ず奇跡は起こるって……でも、そういうのも嫌いじゃないよ。」 『これが、ティガが人々の前に姿を現した最後の戦いだよ。 それからは、ずっとダイナが戦い続けていたんだけど……』 「……ダイナはある戦いを切欠に、姿を消した?」 『うん、その通りだよ。 ダイナは、暗黒惑星グランスフィアとの戦いを最後に……消え去ったんだ。』 地球と一体化を遂げようとした、暗黒惑星グランスフィア。 周囲に巨大なブラックホールを持つ、近づくもの全てを飲み込む巨大な闇。 ダイナは仲間達と力をあわせ、グランスフィアとの決戦に臨んだ。 そして、グランスフィアを消し去る事に見事成功し、地球を救ったのだが…… ダイナは、グランスフィア消失時に発生した巨大なブラックホールに、そのまま飲み込まれてしまったのである。 これが、人々がダイナを見た最後だと記録されている。 「えっと……そのブラックホールが、私達の世界に通じていたってことでいいんだよね?」 『多分そういうことだと思う。 そして、その後は……何らかの切欠でヴォルケンリッター達と出会って、行動を共にしてる。』 「しかし分からないのは、ダイナが何で彼等と一緒にいるかだな。 こうして見てる限り、ダイナはミライさんと同じ……人々を守るために戦ってきた、ウルトラマンなんだろう? なら、どうして闇の書側の味方なんか……」 ダイナの正体が分かったのは良いが、御蔭で尚更謎が深まった。 何故ダイナが闇の書側についたのかが、皆目検討がつかなくなってしまったからだ。 もしも、ダイナが悪党であるのならば話は分かる。 だが……彼は正義の味方として戦い続けた、ウルトラマンなのだ。 ならば何故、闇の書を完成させようとしているのだろうか。 仮に、ヴォルケンリッターに恩義を感じているのだとしても……やはり、考えられない。 「……ザフィーラの奴は、自分達の意思で闇の書の完成を目指してるって言ってた。 主は関係ないって……もしかして、闇の書を完成させなきゃいけない理由があるのかな?」 「けど、闇の書は破壊にしか使えないはずだし……あ、ユーノ君。 その闇の書に関しては、何か分かってるのかな?」 『はい、御蔭で色々と分かりました。 とりあえず、今分かってる事は全部話しますね。』 ユーノは画面に、闇の書に関する資料を映し出した。 ここまで調べてみて、様々な事が分かった。 まず最初に、闇の書というのは正式な名称ではないということ。 闇の書の本来の名前は『夜天の魔道書』ということである。 その本来の目的は、各地の偉大な魔道師の技術を吸収して研究する事。 それらを記録として半永久的に残す為に造られた、主と共に旅する魔道書……それが、夜天の書であったのだ。 そんな夜天の書が破壊の為に力を発揮するようになったのは、ある持ち主がプログラムを改竄したから。 圧倒的な力を欲しさに、全てを捻じ曲げた者がいたからである。 この改竄の結果、旅をする機能・破損したデータを自動修復する機能が暴走してしまった。 転生と無限再生の機能は、これが原因で生じてしまったのだった。 だが闇の書には、これらを遥かに上回る凶悪な機能が、更に搭載されてしまっていた。 それは、主に対する影響の変化にあった。 闇の書は、一定期間蒐集がない場合……主自身の魔力を侵食し始める。 そして完成した後には、破壊の為だけに主の力を無際限に使い続ける。 その為、これまでの主は皆……完成してすぐに、その命を闇の書に吸い取られてしまったのである。 「……ロストロギアの持つ、強大な力を求めた結果か。 どこの世界でも、そんな奴はいるんだな……」 「封印方法や停止方法については、分かった事はあるか?」 『それは今探してる。 でも、完成前の停止は……多分難しい。』 「え……どうして?」 『闇の書が真の主と認識した人物でないと、システムへの管理者権限が使用できない。 つまり、プログラムの停止や改変ができないんだ。 無理に外部からアクセスしようとしたら、主を吸収して転生するシステムも組み込まれてる…… だから、闇の書の永久封印は不可能って言われてるんだ。』 「……ファイナル・クロスシールドも、破られる可能性がありえるんだよね……」 闇の書の封印は、流石のウルトラマンでも厳しいようであった。 かつてヤプールを封印したファイナル・クロスシールドでも、下手をすれば打ち破られる危険性がある。 そしてそれは、破壊に関しても同じ事が言える。 アルカンシェルで跡形もなく吹き飛ばしても再生するというのであれば、自分達の光線はまず通用しない。 例え、一撃で惑星を一つ消滅させるだけの破壊力を持つ最強兵器『ウルトラキー』を使ったとしても、恐らく結果は同じだろう。 しかし……それでも、主を闇の書の完成前に捕まえ、闇の書を破壊するしか手はない。 結果を先送りにするだけではあるが、現状を何とかする事は可能だ。 皆の顔つきが、一層険しくなる。 こんなに危険な魔道書を作り上げたかつての主に対して、少なからず怒りを感じているようである。 するとそんな中、アルフがふと口を開き、疑問に思ったことを訪ねてみた。 「ユーノ、闇の書を改竄したかつての主ってのがどんな奴なのかは、分からないのかい?」 『名前とか出身世界とか、詳しい事までは分からないけど……古い歴史書には、こう書いてあった。 まるで血の様な赤い色をした、悪魔の様な存在だって……』 「悪魔……」 悪魔という単語を聞くと、どうしてもヤプールの事が頭に思い浮かんでしまう。 散々、ミライやゾフィー達といったウルトラマン達が、ヤプールの事を悪魔と呼び続けていたためであるが…… 流石に考えすぎだろうと、皆が苦笑する。 しかし……唯一、ミライだけは引っ掛かりを感じていた。 何故ならば、ヤプールも……赤い色をしているからだ。 (本当に……単なる偶然なんだろうか……?) 単なる偶然として片付けるには、何かが引っかかる。 ヤプールが闇の書を狙うのは、本当に、唯単に強い力の存在を感じ取っただけだからなのだろうか。 それとも……もしかしたら、最初から闇の書の存在を知っていたのではないだろうか。 そう……闇の書の改竄を行ったのは、ヤプールなのではないだろうか。 そんな悪い予感を……ミライは、少なからず感じていたのだった。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 「入院?」 「ええ……そうなんです。」 翌日。 はやて達は、彼女が通っている病院へとやってきていた。 今朝、急にはやてが強烈な痛みに襲われ、倒れてしまったのだ。 慌ててアスカ達は、彼女を病院へと運び込んだのだが…… そこで、彼女の担当である石田女医から、入院を勧められたのだ。 どうやら、麻痺が徐々に広がり始めている可能性があるらしい。 事態が事態だけに、流石にアスカ達もそれを承諾せざるをえなかった。 そして今、はやては病室でその事実を伝えられ、少し落ち込んでいる。 「あ、でも……検査とか、念の為だとか言ってたしさ。 そんな心配しなくてもいいって。」 「うん、それはええけど……私が入院したら、皆のごはんは誰が作るん?」 「う……」 「ま、まあそれは……何とかしますから。」 「大丈夫ですよ……多分。」 「はやて、毎日会いに来るからな。 だから……心配、しなくても大丈夫だからな?」 「うん……ヴィータはええ子やな。 せやけど、無理に毎日来んでも大丈夫やからね。 やる事ないし、ヴィータ退屈やろ?」 「う、うん……」 自分の身よりも、周りの者の事を第一に心配する。 そんなはやての優しさを前に、誰もが言葉を発せられないでいた。 彼女が何故倒れたのか……その原因は明らかだ。 闇の書の侵食が、早まってきているのだろう。 何としてでも、彼女を救わなければならない。 より早くの完成を……目指さなければならない。 この優しい主を、絶対に死なせてなるものか。 「あ、でもすずかちゃんからメールとか来るかもやし……心配せぇへんかな……」 「それでしたら、私が連絡しておきますね。」 「まあ、はやてちゃんは普段から頑張ってるんだしさ。 たまには三食昼寝つきの休暇ってことで、ゆっくりするといいよ。」 「そやな……じゃあ、ありがたくそうさせてもらうわ。」 「じゃあ私達は、一度荷物を取りに戻ります。 また後ほど。」 「うん、気をつけてな。」 アスカ達は、はやてが入院中必要になるものを取りに帰るため、病室を後にした。 しかし……それから、しばらくした後だった。 はやては胸を押さえ、苦しみ始めたのだ。 アスカ達に心配をさせまいと、ずっと痛みを堪え続けていたのである。 これまでに経験した事のないレベルの激痛が、体中を駆け巡る。 一体、自分に何が起こっているのか。 はやては、何も分からぬまま、ただ痛みに耐えていた。 (あかん……しっかりせな。 このままじゃ、皆が困るんやもんね……) ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 「なのはちゃん、フェイトちゃん、アリサちゃん……ちょっといいかな?」 「すずか?」 翌日。 フェイトは無事に意識を取り戻し、なのは達と共に学校にいた。 彼女のリンカーコアの回復には時間が少しばかりかかるが、日常生活には一切支障はない。 その為、これまでと変わらずに学校生活を送れている様だった。 二人は管理局から指示があるまで、現場待機という形になっている。 そして今は、丁度下校時なのだが……仲良し四人組が教室を出てから少しして、すずかがふと口を開いた。 なのは達はその表情を見て、何か深刻な悩み事があるに違いないとすぐに察する。 そして、その予感は見事に的中した。 「実は……はやてちゃんが、入院しちゃったって。」 「え……入院?」 「うん……そうなの。」 すずかの心配事とは、昨日の事―――親友であるはやてが、入院してしまったということだった。 なのは達も、直接の面識がないとはいえ、はやての事はすずかから色々と聞いている。 メールの文面を見る限りでは、然程重い症状というわけではなさそうだが……事が事だけに、流石に心配だった。 彼女は、自分に何か出来ることはないだろうかと思っていたのだ。 そしてその思いは、なのは達三人も同じく感じていた。 ならばと、早速アリサが提案する。 「じゃあさ、皆でお見舞いに行こうよ。」 「うん、私もそれがいいと思う。 今日いきなりは流石にだから、連絡入れて、明日辺りに。」 「うんうん……メールに、励ましの写真とか一緒に乗せてさ。」 「皆……ありがとう。」 「何言ってんの、すずかの友達なんでしょ? 私達にも、紹介してくれるって言ってたじゃないの。」 皆ではやてのお見舞いに行く。 四人の意見は一致し、早速すずかははやてへとメールを打とうとする。 そのまま、四人は学校の外へと出てバス停へと向かう。 そして、十字路に差し掛かったときだった。 「あ、ミライさん。」 「あ、皆。」 四人は、丁度外に出かけていたミライと出会った。 アリサとすずかの二人は、翠屋で始めてあった時以外にも、ミライとは何度か会っていた。 なのは達がハラオウン家の夕食に招かれた時や、なのはの父である士郎が監督を務めるサッカーチームの応援に行った時。 エイミィがなのはの姉の美由希と意気投合して、皆で銭湯に行った時など、色々だ。 ちなみに当たり前だが、賑やかな女性人とは対照的に、ミライは一人男湯で過ごしていた。 ユーノは事情を知らないアリサ達がいる手前一緒には行けなかったし、クロノも都合が悪く仕事ときたからだ。 だが、一人で空しく過ごしていたかというと、全くそんな事は無い。 実は言うと彼は、その銭湯で偶々同じ境遇の男性と出会い、そのまま意気投合してしまっていたのである。 この出会いは後々、色々と波紋を巻き起こすわけなのだが……まあそれは別の話。 ここで、なのは達はミライにある頼みをする事にした。 「ミライさん、よかったら写真撮ってもらってもいいですか?」 「写真……いいけど、どうしたの?」 「実は、友達が入院しちゃって……励ましのメールを送ろうと思ったんですけど。」 「考えてみたら、誰かにとってもらわないと四人全員映れないんですよね。 それで、どうしようかって思ってたんだけど……」 「それで写真かぁ……うん、いいよ。 早速撮ってあげる。」 「ミライさん、ありがとうございます♪」 その後、ここでは流石に通行人の迷惑だからということで、五人は近くの公園へと移動した。 ミライははやての事は知らないが、きっと彼女達の良き友達なのだろうと思っていた。 だから彼は、早く良くなって欲しいと願いを込め、四人の写真を撮る。 しかし、この時はたして誰が思っただろうか。 この写真が、思わぬ波紋を呼ぶことになろうとは…… ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 「あ、すずかちゃんからだ。」 数分後。 八神家では、シャマルが食事の下ごしらえをしている最中であった。 はやてが入院中のため、今は彼女がはやての携帯電話を預かっている。 早速、シャマルはすずかからのメールを確認する。 メールの内容は、明日の放課後に友達と共に、はやての見舞いに行くという事。 はやてにとって、すずかは誰よりの親友である。 彼女から励ましの言葉があれば、きっとはやても喜ぶに違いないだろう。 それに、すずかが友達を連れてきてくれるというのならば、はやてに新しい友達が出来る。 思わずシャマルの顔に、笑みが浮かぶ……が。 この直後、メールに添付されていた一枚の写真を見て……彼女の表情は、凍りついた。 「え……!?」 シャマルは目を見開き、硬直する。 思わず、握っていた菜箸をシンクに落としてしまった。 しかしそれも無理は無い。 その写真に、あの二人―――なのはとフェイトが映っていたのだから。 まさか、すずかが彼女達と友達だなんて、思ってもみなかった。 このままではまずい……そう感じ、すぐさまシャマルは他の四人へと念話を飛ばす。 『シャマルか……どうした?』 「た、大変なの!! テスタロッサちゃんと、なのはちゃんと、すずかちゃんとが……!!」 『落ち着け、シャマル。 一体、テスタロッサ達がどうしたんだ?』 「あの二人が、管理局魔道師が……明日、はやてちゃんに会いに来ちゃうの!!」 『ハァッ!? ちょ、それって……俺達の事、ばれたの!?』 「ううん、そうじゃないんだけど……あの二人、すずかちゃんのお友達だから……!!」 『何だって……?』 あの二人は、すずかの友人だった。 ヴォルケンリッター並びにダイナ達は、その事実に驚き言葉を失う。 何と言う偶然だろうか。 はやてが闇の書の主であるという事までは、どうやらばれてはいないようだが……それでもこれはまずい。 シャマルが焦りを覚えるのも、無理は無い。 「どうしよう、どうしたら……!!」 『落ち着け、シャマル。 幸い、主はやての魔術資質は全て闇の書の中だ。 詳しい検査をされない限り、まずばれはしない。』 「そ、それはそうだけど……」 『つまり、私達と鉢合わせることがなければいいわけだ。』 「うぅ……顔を見られちゃったのは、失敗だったわ。 出撃する時に、変身魔法でも使ってればよかった……」 『今更悔いても仕方ない。 ご友人のお見舞いには、私達は席を外そう。 後は主はやてと、それと石田先生に我等の名前を出さないようにお願いしておこう。』 「はやてちゃん、変に思わないかなぁ……」 『仕方あるまい……頼んだぞ。』 「うん……」 『……ちょっと待った。 確かに、シグナムさんとか皆はやばいけどさ……俺はセーフなんじゃない?』 「……あ。」 アスカの一言を聞き、皆がハッとした。 確かに蒐集の際には、アスカはウルトラマンダイナに変身して出撃している。 自分達と違い、顔も名前も知られていない筈だ。 彼だけは、なのは達と接触してもセーフなのではなかろうか。 誰もがそう思ったが……すぐにこの後、皆があることを思い出す。 『駄目だ、アスカ……お前も顔が割れている可能性がある。』 『え?』 『お前さ、一番最初に変身した時……ほら、あたし助けた時だよ。 あの時、一瞬だけど顔見られてなかったか?』 『……あぁっ!?』 自分でもすっかり忘れていた。 この世界に来て、一番最初にダイナへと変身した時。 あの時、一瞬だけとはいえ姿を見られていた可能性があるのだ。 ばれていない可能性もあるが、それでも顔を見せるにはリスクが高すぎる。 結局のところ、誰もなのは達の前に姿を現す事はできないということだ。 アスカは大きく溜息をつき、己の不運を呪った。 本当に今更ではあるが、この世界に来る前までの様に、隠れてこっそり変身すべきだったか。 いや、それではこうしてはやての為に戦うことも出来なかったし……どちらにせよ、どうしようもない。 『……落ち込んでいても仕方ない。 気を切り替えて、蒐集に戻るか……あ~、くっそ……』 「……兎に角、それじゃあ急がないと……」 早速シャマルは、身支度を整え外出しようとする。 はやて達に、自分達の名前を出さぬよう注意をしなくてはならない。 一体、どう説明すれば納得してくれるだろうか。 病院に着くまでに、いい言い訳を考えなければならない。 これまでにないこの事態に、シャマルは相当の危機感を抱いていた。 (怒っちゃうかな、はやてちゃん……) ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 「シャマルの奴、大丈夫かな……?」 異世界、大海原。 その上空を飛びながら、ヴィータはシャマルの事を考えていた。 自分達の名前を出さないようにとはいうものの、どうはやて達に説明するのだろうか。 下手な事を言って、彼女達を怒らせたり、不安がらせたりしないだろうか。 どうにも、マイナスな方向へばかり物事を考えてしまう。 「……いけねぇ。 今は、こっちに集中しないといけないのに……」 ヴィータは大きく頭を振り、蒐集活動に集中しようとする。 闇の書さえ完成させてしまえば、後はどうにだってなる。 はやてを一刻も早く回復させるのが、自分達の役目。 そう思おうとするが……ヴィータには、すぐにそれが出来なかった。 昨日から、何かが自分の中で引っかかっていたからだ。 (……何かがおかしいんだ。 こんな筈じゃないって、私の中の記憶が訴えている……でも。 今は、こうするしかないんだ……!! はやてが笑わなくなったり、死んじゃったりしたら……!!) しかし、ヴィータはその引っ掛かりをすぐに否定する。 自分がこうして躊躇ったりしている内に、はやてに何かがあったらどうしようもない。 彼女の命は、後どれだけもつか分からないのだ。 だから、やるしかない……やるしかないのだ。 自分達には、迷っている暇は無い。 「やるよ、アイゼン!!」 『Ja!!』 海中から、巨大な海蛇の様な魔道生物が出現する。 ヴィータはカートリッジをロードし、その脳天へと全力でグラーフアイゼンを叩きつけた。 だが、一撃で倒れてはくれない……どうやら、それなりに実力があるようだ。 ならばそれだけ、リンカーコアから蒐集できる魔力も期待できる。 久々に当たりを引いたと確信し、ヴィータは一気に勝負に出た。 再度カートリッジをロード、グラーフアイゼンの形態を変化させる。 とてつもなく巨大な破壊槌―――ギガントフォームに。 「ぶちぬけぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!」 グラーフアイゼン最強の一撃が、魔道生物の横っ面にぶち込まれた。 流石にこれには耐え切れなかったようであり、魔道生物は悲鳴を上げて崩れ落ちる。 すかさずヴィータは、アイゼンを振り下ろして追撃。 その頭部に、強烈な一撃をぶち込んだのだった。 これで、魔道生物は完全に沈黙。 すぐにヴィータは、リンカーコアを生物から摘出させる。 結果は予想したとおり……これまでの生物に比べて、比較的強い魔力であった。 これなら、それなりにはページを埋められそうだ。 すぐに、蒐集に移ろうとする……が。 この直後……予期せぬ事態が、彼女に襲い掛かった。 ドッバァァァァァァァァンッ!! 「えっ!?」 「ギャオオオオオォォォォォォォォッ!!」 突然、背後から大津波が襲いかかってきたのだ。 ヴィータはとっさに障壁を展開、それに飲み込まれないようにと踏ん張る。 この津波は、自然に発生したものではない。 同時に聞こえてきた鳴き声こそが、何よりの証拠である。 すぐにヴィータは、その声の主であるだろう相手の迎撃に移ろうとする。 しかし、この直後だった。 もう一発、続けて津波が発生したのだ。 それも今度は、正反対……魔道生物のいた方からである。 よりにもよってこのタイミングで、敵は二体現れたのだ。 ヴィータは片手で障壁を維持しながら、もう片方の手でも障壁を展開し、背後の津波に対応する。 なのはの砲撃魔法なんかに比べれば、この程度の相手は何とかしのげるレベルだった。 そして、津波をしのぎきった時……彼女は、信じられない光景を目にした。 「なっ……嘘だろ!?」 「ギャオオォォンッ!!」 魔道生物がいた方に出現した、その大型生物。 まるで刃の様に鋭く尖った尾びれを持つ、紅い体色の二足歩行獣―――レッドギラスが、空を仰いで大きく雄叫びを上げた。 あろうことかこの怪獣は、今ヴィータの目の前で……彼女が倒した魔道生物を、食らったのだ。 それも……摘出したリンカーコアごとである。 これにはヴィータも、怒りを感じずにはいられない。 何としてでもぶち倒し、リンカーコアを引きずり出す。 すぐさま、彼女はレッドギラスに襲いかかろうとする……が。 それよりも早く、彼女の背後にいたもう一匹の怪獣が動いた。 レッドギラスと全く同じ、唯一の違いはその体色が黒色である怪獣―――ブラックギラス。 ブラックギラスはヴィータへと、全力で拳を振り下ろしてきた。 「くっ!!」 ギリギリのところで気付き、ヴィータはこれを回避した。 どうやら、二体纏めて相手にする必要があるらしい。 ならば、このままギガントフォームの一撃をぶち込んで、打ち倒してくれる。 ヴィータは大きく振り被り、そして二匹へと振り下ろそうとする。 しかし、それよりも僅かに早く……レッドギラスとブラックギラスが動いた。 二匹はまるでスクラムを組むように、互いの肩をがっちりと掴んだのだ。 そして……その体勢のまま、急速で回転し始めた。 これこそが、かつてウルトラセブンとウルトラマンレオを苦しめた、双子怪獣必殺の攻撃―――ギラススピンである。 グラーフアイゼンとギラススピンが、真っ向からぶつかり合った。 鉄槌の騎士必殺の一撃と、双子怪獣必殺の一撃。 相手にうち勝ったのは…… 「ぐっ……うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!??」 グラーフアイゼンが弾かれ、ヴィータが大きく吹っ飛ばされる。 うち勝ったのは、ギラススピンの方であった。 ヴィータは当然知らなかっただろうが、ギラススピンはかつて、ウルトラセブンのアイスラッガーにもうち勝った程の攻撃。 彼女の最大の一撃をもってしても、うち破るには届かなかったのだ。 勝ち誇るかのように、双子怪獣は唸りを上げる。 そしてヴィータは、海面へと叩きつけられ……海中へと沈んでいった。 (嘘だろ……? こんなんで、終わりなんて……) まさかこんな所で、こんな敗北をするなんて、思ってもみなかった。 絶対にはやてを助け出そうと、そう誓ったばかりだというのに……何という様だろうか。 悔しくて仕方が無い。 こんな所で、終わりたくなんか無い。 ヴィータは、徐々に薄れ行く意識の中……大切な仲間と、そして主の事を思った。 (シグナム、シャマル、ザフィーラ、アスカ……はやて……はやてぇ!!) 「……はやてぇっ!!」 ヴィータが大声を上げ、起き上がる。 大きく肩で息をし、周囲を見回す。 するとここで彼女は、風景がそれまでとは全く変わっていることに気がついた。 大海原とは一転、緑色の木々が生い茂っている。 目の前では焚き火が燃えており、海水で冷えた体を温めてくれる。 もしかして、誰かが自分を助けてくれたのではないだろうか。 そう思ったヴィータは、他に誰かいないのかと、周囲を見渡してみる。 すると……少しばかり離れた位置から、何者かが近寄ってきた。 馬を連れた、カウボーイハットを被っている中年の男性。 そのわきに抱えられている薪を見て、助けてくれたのはこの人に違いないとヴィータは確信する。 「お、気がついたか……大丈夫そうだね。」 「はい……えっと、助けてくれてありがとうございます。 ……助けてくれたんですよね?」 「ああ、そうだ。 浜辺に流れ着いていたところを見つけてね……本当、驚かされたよ。 ……一体、何があったのかな?」 「……あたしは……」 先程の出来事を思い出し、ヴィータは唇をかみ締める。 突然現れた、謎の生物二匹に負けてしまった。 それも……グラーフアイゼンの最強形態であるギガントフォームが、真っ向勝負で破れたのだ。 鉄槌の騎士と鉄の伯爵にとって、これ以上ない屈辱だった。 そんなヴィータの表情を見て、男は少しばかり暗い表情をする。 どうやら、よっぽどのことがあったに違いない……これは、聞くのをよした方がいいだろうか。 そう思って、話を中断しようとするが……ヴィータが話をし始め、それを遮った。 「……あたしは、負けたんだ。 あの、黒と赤の二匹の怪獣に……アイゼンが……!!」 「……!!」 ヴィータの言葉を聞き、男は表情を変えた。 赤と黒の二匹の怪獣……場所は海。 彼には、思い当たる節があったのだ。 だが……それ以上に問題が、最後の一言―――アイゼン。 まさかと思い、男は確認をとろうとした。 「……よかったら、名前を教えてもらえないかな?」 「あ……ヴィータです。」 「ヴィータか……」 男はその名前を聞き、軽く一息をついた。 やはり、予想したとおりだった……偶然とは恐ろしいものである。 まさかこんな所で、出会う羽目になろうとは。 しばし、男は言葉を失っていた。 そんな彼をヴィータは、不思議そうな顔をして見つめてくる。 流石にこのままではまずいと感じて、男はすぐに口を開いた。 そして……己の名を、彼女へと告げる。 「……俺はダン。 モロボシ=ダンだ。」 モロボシ=ダン。 かつて、地球防衛に当たった一人の戦士。 ウルトラ兄弟の一人であり、そしてウルトラマンレオの師―――ウルトラセブンその人である。 戻る 目次へ 次へ
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「・・・お前が持っていたデバイス、確かランスロット、とか言ったな・・・ あれを一体どのようにして手に入れたのだ?あれに搭載されている”ユグドラシル・ドライブ”は その強大すぎる出力と危険性故に現在ではそれの開発と使用を禁じられているはずだが・・・」 同じ頃・・・ 八神朱雀の尋問を続けていたルルーシュであったが、突如入ってきたリンディの 連絡を受け、尋問を中断するのだった 「・・・はい、ルルーシュです・・・・・・はい・・・現在も・・・!?・・・それは確かですか? ・・・ええ・・・ええ・・・解りました、お待ちしています、では・・・」 「ルルーシュ、何かあったの?」 彼の反応に疑問を抱きカレンが先程の連絡の内容を聞き出そうとしたが ルルーシュはそれを無視し朱雀にこう伝える・・・ 「・・・お前に直接会って話をしたい人物がいるそうだ。尋問を中断し その者が到着し次第、その者を交えた上で尋問を再開させる。いいな?」 ルルーシュの言葉に一瞬驚いた表情を見せる朱雀。直ぐに冷静さを取り戻す彼であったが ルルーシュはその彼の動揺を見逃さなかった (・・・どうやらこの男も気付いている様だな・・・先程の連絡の内容も あながち嘘ではないのかも知れんな・・・) ルルーシュがそう考えていると、カレンが先程と同様の問いを繰り返し尋ねて来たので カレンに耳打ちし、先程の連絡の内容を伝える (・・・本当なの!?でもそれじゃこちらのデータと矛盾が・・・) (いや、これは彼から情報を引き出すチャンスだ。やらせてみる価値はある) 連絡の内容に驚くカレンではあったが、ルルーシュはそれを押しのけ なのはと朱雀の面会を彼女に容認させるのだった それから程無くしてリンディ、エイミィの二人がなのはを引き連れて 朱雀の捕らえられていた部屋に入室し、そしてなのはを朱雀の横たわる ベッドの前に引き入れ、座らせる 朱雀となのはは互いの瞳を向き合わせ、微動だにしなかったが 二人は意外な程冷静な態度を崩さなかった。まるで悟ったかの様に・・・ やがてなのはは意を決し朱雀に尋ねる 「朱雀さん、ですよね・・・?」 「・・・ああ、そうだ・・・」 「・・・どうして・・・、どうしてなんですか?何で闇の書の復活なんかに関わっているんですか・・・? 朱雀さん、前に言ってましたよね・・・?はやてちゃんの病気が重くなってるって・・・ あの時は病院に行っていたって・・・。あの話は嘘だったんですか・・・? 答えて・・・!朱雀さん・・・!!」 なのはは今にも泣きそうな表情で朱雀に尋ねる。だが・・・ 「はやての症状が重くなっているのは事実だ・・・闇の書による干渉によって・・・」 朱雀の意外な答えになのはは衝撃を受ける・・・ 「闇の書による干渉に、って・・・それは一体・・・」 狼狽しながらもなのはは質問を続けるが、朱雀が逆に彼女に質問を投げかける 「・・・君こそ、どうしてこんな事をしているんだい?君はこんな事をするような子じゃ・・・」 「・・・私の事なんかどうでもいいんです!!それよりも何ではやてちゃんが そんな事になっているんですか!?答えて下さい、朱雀さんっ!!」 なのはが声を荒げて朱雀を問いただす様を見兼ねて、リンディとエイミィが 彼女を落ち着かせようと宥める。そんな彼女の悲痛な叫びを受け遂に朱雀は・・・ 「・・・解った。話そう・・・。僕やはやてに何が起こったか、その全てを・・・」 そして朱雀は全てを打ち明けた・・・ 闇の書とシグナム達との出会い、彼女達との共同生活、はやての容態の急変 そして何故彼やシグナム達が闇の書の纂集を行っているのか、その本当の理由を・・・ ただ、彼やはやてをを助け支えてきたグレイおじさんの事だけは 彼に迷惑をかけまいと、その事を伏せていた・・・ 彼の証言はその場に居た者達全てに衝撃を与えた・・・ そしてなのははその余りの事態の深刻さに堪えきれず、遂に泣き崩れてしまう・・・ 「・・・そんな・・・どうして・・・どうして、そんな事に・・・!」 「エイミィさん、なのはさんを救護室へ。もう、これ以上は・・・ ルルーシュさんも、いいですね・・・?」 リンディの提案に頷くエイミィとルルーシュ 「・・・カレン、お前もだ。容態が落ち着き次第彼女から可能な限りの情報を引き出せ。 後でこちらもデータの再検証を行う。いいな?」 「・・・分かったわ・・・」 こうしてエイミィとカレンがなのはを引き連れ部屋を後にし、 部屋にはルルーシュ、リンディ、そして朱雀の三人だけが残された 「あの、質問をしてもいいですか・・・?」 「ん?何だ・・・?」 朱雀の問いにルルーシュが応答する 「虫の良い話とは僕も考えていますが・・・貴方達は妹を救える他の手段を 何かご存知無いでしょうか・・・」 「御免なさい・・・それは私達でも・・・」 朱雀の問いに対しリンディが謝罪する 「闇の書はその性質上、我々も的確な対処が出来ずにいるのが現状だからな。それに・・・ そもそもお前やお前の妹が闇の書に選ばれたのはお前達の持つ”ある特殊能力”が あるからこそだ。それがこの問題に対する難度を更に高めている・・・」 「特殊能力?」 ルルーシュの発言に疑問を持ち、朱雀は更に質問を投げかける 「我々は、自らが持つ内なる魔力をそのまま使う事が出来ない・・・」 「えっ・・・?一体、何を・・・」 朱雀の発言をルルーシュが制止する 「話は最後まで聞け。それ故に我々は気の遠くなる様な長い時を掛けて 魔力を変換、そして運用する術を編み出してきた・・・ 音声魔術や方陣魔術に代表される様々な魔術様式・・・ 使い魔やゴーレム等といった魔導生命体・・・ そしてデバイスやお前達が所持していた闇の書といった我々が魔術を行使するのを 補佐し、その性質を高める為の魔導器具・・・ 今の我々でもそれら無くして魔力というモノを実際に運用出来ないのが実情だ。だが・・・ そういったプロセスを一切必要とせず、自分の魔力はおろか他人の魔力さえも 吸収、同調、変換、そして転用できる者達がごく稀に現れる・・・」 「そんな・・・それはランスロット、いやデバイスが行うんじゃ・・・」 朱雀は自分がこれまでやってきた事を思い出し、ルルーシュを問いただす 「・・・それはお前自身の力だ。魔力という存在を発見し、魔術という概念を生み出した 一握りの天才達・・・始祖の力・・・レアスキル・・・我々はその者達を ”デヴァイサー”と呼んでいる・・・」 「”デヴァイサー”・・・」 朱雀はルルーシュの言葉を反芻した 「我々の持つデバイスも、元はその者達の名称を語源としているからな・・・ そしてその力は、闇の書が活動する為に必要不可欠なものでもある・・・」 「闇の書に?それは一体・・・」 「闇の書は元々は魔術を行使する為に生み出された触媒だ。他人の魔力を吸収する 機能、というより意思を持ち合わせてはいるが、それを実際に行使する力は 備わっていない、いやその性質上それは不可能だ・・・」 「じゃあ何で闇の書は纂集という行為が・・・!?まさかっ・・・!?」 「そういう事だ。実際に纂集を行っているのは闇の書本体では無い・・・ ”デヴァイサー”、つまりお前の妹の魔力がそれを行っているのだ・・・」 朱雀はその事実に驚愕する。 「・・・待ってくれ。じゃあ今妹が苦しんでいるのは・・・でも、纂集を行う事でシグナムさん達の分の 魔力の負担が無くなるって・・・!」 「纂集を行えば守護騎士達の魔力負担が無くなる、か・・・。それは事実かも知れない・・・ だが、纂集を行えば行う程、”デヴァイサー”、つまりお前の妹の魔力が消費され失われる。 となれば、それを補う為に闇の書が取るべき行動は一つだ」 「そんな・・・じゃあ、俺達のやってきたことは・・・」 「そうだ・・・闇の書の纂集は結果的に逆にお前の妹の首を絞めている、という事だ・・・」 自分の信じていた事が崩され、朱雀は恐怖でブルブルと震えだす 「それに闇の書が完全に覚醒すれば、やがてその主である”デヴァイサー”を取り込み、 それをコアとして”デヴァイサー”が絶命するまでその魔力を吸い尽くし その魔力を用いて無尽蔵に周囲にある物を吸収、変質し続けていく・・・ その後に待っているのは総ての滅びだ。お前が先程居た世界の様にな・・・ 闇の書を復活させても結局お前の妹は”モノ”として扱われ、酷使される それは生き地獄だ・・・分かるか?お前達のやってきた事は何もかもが無意味、且つ 愚かであった、という事が・・・」 「そんな・・・それじゃあ妹はこのまま死ぬしか無いって・・・!!そういう事なのかっ!! 貴方達はそれを知っていながら何で今までそれを止められなかたんだっ・・・!!」 「落ち着きなさいっ!!」 半ば錯乱状態になりバインドを強引に引き千切ろうした朱雀を リンディは身体を張って止める 「・・・自分達のしてきた事を棚に上げよく言う・・・我々が何もせず闇の書を放置してきたと、 そう思っているのならそれは間違いだ。実際そこにいるリンディさんも 闇の書の所為で11年前に夫を亡くしているだからな・・・」 朱雀はハッとし、身体の動きを止めた 「ルルーシュさん!!」 「いえっ!彼にも知ってもらうべきでしょう!!11年前に起きた惨劇をっ!!」 自分の過去を知られるのを恐れたリンディだったが、ルルーシュはそれを諌め、発言を続けた 「・・・11年前、我々は多くの犠牲を払い、前の闇の書の主を殺して闇の書の奪取に成功、 特異領域に封印しようと闇の書をその為の施設に護送中だった・・・ だが、自らが滅されるのを恐れた闇の書がそれまでに溜め込んでいた魔力を開放し それを護送していた艦船”エスティア”を侵食し出したのだ・・・」 朱雀はそれを黙って聞き入れていた・・・ 「闇の書によって”エスティア”の制御システムが完全に破壊され、艦に乗っていた 多くの者達が脱出出来ずに闇の書の侵食を受け命を落とした・・・ そしてその艦の艦長だったクライド・ハラオウン提督が、別の艦を指揮していた ギル・グレアム提督に自身ごと”エスティア”を破壊しろと進言し、そして・・・ 広範囲大量殲滅兵器”アルカンシェル”を用いて闇の書ごと”エスティア”を撃ち抜き クライド提督共々”エスティア”は海の藻屑と消えたのだ・・・」 「それなら、どうして、闇の書は・・・?」 朱雀は震えながらもルルーシュに質問する 「・・・闇の書は自身がその存在の危機に晒された時、自身の判断で主の権利を剥奪し 転移、逃亡するという”転生機能”が備わっている・・・大方アルカンシェルが命中する直前に 転移逃亡し、今度はお前達の前に現れた・・・そんな所だろう・・・」 朱雀は呆然と、ただ真上の風景を見上げていた・・・ 「ふぅっ、今日の尋問はここまでにしよう・・・構いませんね・・・?」 ルルーシュの言葉にリンディは頷く 「・・・あの、僕はこれから一体どうなるのでしょうか・・・?」 朱雀は二人に尋ねる 「・・・申し訳ないけど・・・貴方も”デヴァイサー”の資質を持っている以上このまま 元の世界に還す事は出来ません・・・詳しくは上層部の判断待ちになりますが、 恐らく、時空管理局・・・つまりこちらの世界の特殊保護管理施設で監視付の生活を 強いられる事となるでしょう・・・」 「そう、ですか・・・」 「ですが、理解して欲しいんです・・・貴方達がこのまま闇の書の纂集を続ければ 貴方の妹はおろか、なのはさんや貴方の世界の人達が危険に晒される、という事を・・・」 「ええ、分かってます・・・」 朱雀が落ち着きを取り戻しルルーシュとリンディが部屋を立ち去ろうとしたその時・・・ 「・・・済みません・・・」 と、朱雀はそう謝罪した 「いいのよ、今はゆっくり休んで。後の事はこれから考えましょう。ね?」 「・・・はい・・・」 リンディはそう朱雀に言い残し、部屋を後にした アースラのブリッジに向かう廊下でルルーシュとリンディは歩きながら 今後の事について話し合っていた 「・・・彼は本当は優しい子なのに・・・なのはさんにはどう説明したらいいか・・・」 「・・・事実を打ち明けるべきでしょう。下手な嘘はかえって命取りになります。」 「ルルーシュさんって本当にリアリストね・・・女の子の心って繊細なのよ? ナナリーさんにはあんなに優しいのに貴方ってばもう・・・」 「・・・ナナリーは関係無いでしょう。それよりも彼の証言とこちらのデータの食い違い・・・ その件についての再調査を公安部に要請したいのですが、よろしいですね?」 「・・・ええ、御願いするわ・・・はぁっ・・・」 リンディは溜息をつきながらルルーシュの提案を受け入れた 「リンディさん」 「はい?」 「恐らく、今回の一件は只闇の書を捕獲するだけでは済まなくなると思います。もしかする・・・」 ルルーシュが自分の考えをリンディに伝えようとした、正にその時・・・、 「キャアッ・・・!」 「くっ・・・!」 突如として響く轟音と激しい振動。二人は思わずその場に座り込む 「ブリッジ!何があったの!?応答して!!」 リンディが個人用の通信端末でブリッジと連絡を取ろうとしたが、 一向に連絡が付かなかった・・・ 「ダメ!!つながらない!!」 「こっちもです!!リンディさん、ともかく今はブリッジへ!!」 「ええ、行きましょう!!」 こうして二人はブリッジへと走り出していくのだった・・・ 戻る 目次へ 次へ
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第5話「暗黒の魔の手」 アスカ=シン―――ウルトラマンダイナの乱入。 それも闇の書側につくという事態に、誰もが動きを止めて驚くしかなかった。 それは、もう一人のイレギュラー―――黒尽くめの男にとっても同様である。 「……多次元のウルトラマンか。 これは確かに、イレギュラーだな……」 メビウスがこの世界に現れたのは、重々承知していた。 その上でなおも、全ては筋書き通りに運ばれていたはずだった。 しかし、黒尽くめの男にとってこの事態―――ダイナの参戦は、完全な予想外であった。 この世界に、ウルトラマンは存在しない筈。 異次元での戦いにより、この次元世界へと転移してしまったメビウスが唯一の存在だった筈。 自らをダイナと名乗ったウルトラマンが、ならば何故存在しているのか。 その理由は一つ……彼もまた、別世界のウルトラマンであるということだ。 「出来る事ならば、まだ介入はしたくなかったが……やむをえんな。」 男の掌から、黒いガス状の何かが湧き上がってくる。 そのガスの名は、宇宙同化獣ガディバ―――男の意のままに動く、一種の生物である。 男が見つめる先にいるのは、結界を破壊すべく魔力を集中させているなのは。 予定よりも少しばかり早いが、驚異的な相手が増えてしまった以上、チャンスは今しかない。 (ましてやあのダイナと名乗るウルトラマンは、闇の書側にいる。 メビウスよりも下手をすれば危険だ……あの二人だけでは、役不足かもしれん。) ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 「デャァァァァッ!!」 「ジュアッ!?」 メビウスvsダイナ。 ウルトラマン同士での争いという、まさかの事態……優勢なのは、ダイナであった。 ダイナの方が優勢な理由は、ウルトラマンの戦闘方法の根源にあった。 ウルトラマンは、人知を遥かに超える多彩な光線技や超能力を持つ。 ならば、何故それを駆使して最初から勝負に出ないのか。 その理由は、エネルギーの消費を抑えるためであった。 ウルトラマンとて、永続的に戦えるわけではないのだ。 かつてダイナは、人工的にウルトラマンを作り出す計画――F計画の為に、利用されたことがあった。 その結果、人造ウルトラマンテラノイドが誕生した。 しかしこのテラノイドは、実戦においてとてつもない失敗を犯した。 テラノイドは、光線技を乱発しすぎ……すぐにガス欠を起こして倒されてしまったのである。 これはテラノイドのみならず、全てのウルトラマンに共通する問題である。 事実メビウスは、かつてニセウルトラマンメビウス―――ザラブ星人と敵対した際。 テラノイドと同様のミスを犯し、後から現れた異星人に打ち倒されてしまった経験があった。 だから、彼等が光線技を使うのはここぞという時ばかりなのだ。 それ故に、二人は格闘戦において戦闘を繰り広げていたのだが……単純な身体能力では、ダイナが勝っていた。 彼の豪快なパワーに、メビウスは圧倒されていたのだ。 メビウスにとって、これ程格闘戦で追い詰められることは久しぶりであった。 (レオ兄さんやアストラ兄さん並だ……いや、パワーだけならもっと……!!) 「デャァッ!!」 (けど……それだけで全部決まるわけじゃない!!) ダイナは加速の勢いに乗せ、全力の拳を突き出してくる。 命中すればタダではすまない……防御か回避か。 普通ならば、この二択のどちらかを取るのが当然である。 しかし……メビウスはそのどちらも取らなかった。 三つ目の選択肢―――カウンターを選んだのだ。 メビウスブレスの力が解放され、左の拳に集中される。 ライトニングカウンター・ゼロ。 メビウスブレスのエネルギーをプラズマ電撃に変えて、零距離から敵に叩き込む必殺の一つ。 ダイナの一撃に合わせ、メビウスは左の拳を突き出した。 狙いはクロスカウンター……当然ながら、命中すれば半端ではないダメージが乗る。 そして、先に攻撃を命中させたのは…… ドゴォォンッ!! 「デュアアァァァッ!!??」 「セヤァァァァッ!!」 紙一重の差で、メビウスの一撃が先にダイナを捉えた。 ダイナはパワーこそメビウスに勝っているものの、テクニックではメビウスに劣っていた。 ライトニングカウンター・ゼロの直撃を受け、後方のビルへと勢いよく吹き飛び、派手に激突する。 粉塵が巻き起こり、ダイナの姿がその中へと隠される。 今の一撃で、確実に怯んだ筈……倒すならば今しかない。 「ハァァァァァァァッ……!!」 メビウスは右手をメビウスブレスに添え、大きく腕を開きその力を解放する。 その瞬間、∞の形をした光が一瞬だけその姿を見せた。 そして、メビウスは腕を十字に組み、必殺の光線技―――メビュームシュートを放った。 「セヤァァッ!!」 ダイナを殺すつもりはない……だが、手加減して勝てる相手ではない。 そう判断したが故に、メビウスは敢えて全力で挑んだ。 メビュームシュートが直撃すれば、ただではすまないだろう。 今まさに、命中の瞬間が迫ろうとしていた……しかし。 「デュアァッ!!」 「!?」 粉塵を突き破り、蒼白い光線がその姿を現した。 ダイナは怯んでいなかった。 いや、怯んではいたかもしれないが……すぐに復活を果していたのだ。 そして、メビウスがメビュームシュートを放とうとしたのを感じ……とっさに同じ行動を取っていたのだ。 ダイナ必殺の光線―――ソルジェント光線。 両者の光線が、空中でぶつかり合った。 威力は互角……両者共に、鬩ぎ合っていた。 「クッ……ウオオオオォォォォォッ!!」 「ハアアァァァァァァァァァァァァァッ!!」 二人は光線に全力を注ぎ込み、相手に打ち勝とうとする。 光線の勢いは強まるが……それでも互角。 このままでは埒が明かない。 そう思われた……その瞬間だった。 二つの光線が、鬩ぎ合いに耐え切れなくなったのか……爆ぜたのだ。 強烈な爆発が起こり、メビウスとダイナはその余波で大きく吹き飛ばされる。 「グゥゥッ!?」 「ガハッ!?」 二人は建造物を三つほどぶち抜き、四つ目にぶち当たったところでようやく止まった。 どうやら、光線の破壊力は相当なものだったようだ。 しかし、まだカラータイマーの点滅にまでは至っていない。 戦いを継続する事は十分可能……そう判断するやいなや、二人は勢いよく空へと飛んだ。 守るべき一線がある……この戦いは負けられない。 二人が、眼前の敵を打ち倒すべく攻撃を放とうとするが……その時だった。 「ん……これは!?」 「凄いエネルギーだ……これが、なのはちゃんの……!!」 膨大なエネルギーが、一点―――なのはのいる場所へと集中しつつある。 それを感じ取った二人は、思わず彼女へと顔を向けてしまった。 なのはは既に、スターライト・ブレイカーの発射態勢に入っていた。 レイジングハートが、発射までのカウントダウンを読み上げている。 「Ⅸ、Ⅷ、Ⅶ……」 「あいつ、魔力を収束させているのか……!? くそ……何かは分かんねぇけど、止めなきゃやべぇ!!」 ヴォルケンリッター達も、ダイナ同様に収束されつつある膨大な魔力に気づいた。 一体なのはが、これだけの魔力を使って何をするかは分からない。 単純に攻撃を仕掛けるつもりなのか、結界を破壊するつもりなのか―――どちらにせよ、嫌な予感がする。 皆がそれを阻止すべく、奇しくも同時に動こうとした。 しかし……当然ながら、その行動は阻まれる。 ダイナはメビウスに、シグナムはフェイトに、ザフィーラはアルフに、ヴィータはユーノに。 行く手を阻まれ、彼等は歯がゆい思いをしていた……かのように、思われていた。 だが、事実はそうではない。 何故なら――― 「補足完了……!!」 なのは達に存在を知られていなかった伏兵―――シャマルが、ヴォルケンリッター側にはいたからだ。 クラールヴィントの二本の糸が、空中で円を形取る。 そしてその内部に出来上がった空間へと、彼女は勢いよく手を入れにかかった。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 「そこだ……!!」 シャマルが行動を起こそうとした、まさしくその瞬間。 レイジングハートのカウントダウンが、残りⅠとなったのと同時だった。 黒尽くめの男が、勢いよく掌を突き出し……ガディバを解き放った。 ガディバは真っ直ぐに、なのはの背後から凄まじいスピードで接近する。 当のなのはは勿論、他の者達もそれには気づかない……いや、気づけないでいた。 そして、なのはがスターライトブレイカーを放とうとしたその時。 シャマルが、手を突き入れたその時。 ガディバはなのはの体内へと侵入を果し……そして。 「え……!?」 「あっ……しまった、外しちゃった。」 突然、なのはの胸から一本の手が生えた。 クラールヴィントを通じて、シャマルの手が彼女を突き破ったのだ。 とはいっても、なのはには肉体的なダメージはない。 シャマルの目的は、それとは別にあった。 彼女は狙いが外れたのを感じ、すぐに手を入れなおす。 直後、その手には赤く煌く光球が握られた。 これこそが、魔道士にとっての力の源。 その者が持つ魔力の中枢―――リンカーコア。 「リンカーコア、捕獲……蒐集開始!!」 シャマルはもう片方の手を、闇の書へと乗せた。 その瞬間……白紙だった筈の書物のページに、文字が次々に浮かび上がり始めた。 10ページ、いや20ページぐらいは一気に埋まっただろうか。 それに合わせて、なのはのリンカーコアが収縮をし始めていた。 (魔力が……吸い取られていく……!?) なのはは、リンカーコアの正体は知らない。 しかし、今の自分に何が起きているのかは、十分に理解できていた。 魔力が失われつつある―――吸い取られつつある。 このままではまずい。 全てが無駄になるその前に、やらなければならない―――なのはは、精一杯の力を振り絞った。 その手のレイジングハートを、勢いよく振り下ろす……!! 「スター……ライト……!! ブレイカアァァァァァァァァァァァァァァッ!!」 桜色の光が、砲撃となって撃ち放たれた。 メビュームシュートやソルジェント光線すらも上回る破壊力を持つ、強烈な必殺。 それは、海鳴市を覆い隠していた結界に直撃し……見事に風穴を開けた。 結界が崩壊していく……なのはは、結界の破壊に見事成功したのだ。 とっさにシャマルは、手を引っ込めた。 そして、それと同時に……なのはは地に膝を着き、そのまま前のめりに倒れこんだ。 「なのはぁっ!!」 『結界が破壊された……!! 離れるぞ!!』 『心得た……!!』 『うん……一旦散って、いつもの場所でまた集合!! ヴィータ……アスカさんをお願い。』 『分かった……アスカ、お前はあたしと一緒に来てくれ。 集合し終えたら、全部改めて話すから。』 『……うん、分かった。』 結界が破られた以上、時空管理局の更なる介入は確実。 ヴォルケンリッター達は、早々の撤退を決め込んだ。 事情をいまいち飲み込めていないダイナは、ヴィータについていく形となる。 逃げていく彼等を追いかけようと、とっさにメビウスも動くが…… 「待ってくれ……どうして、こんなことを!!」 「メビウス……ハァッ!!」 ダイナは二発目のソルジェント光線を、後方へと振り返り発射した。 とっさにメビウスは、メビウスディフェンサークルで防御をするが……耐え切れずに吹っ飛んだ。 その隙を突き、彼等はそのまま戦域を猛スピードで離脱していった。 完全に……逃げられてしまった。 「どうして……同じ、ウルトラマンが…… そうだ、なのはちゃん!!」 「アルフ、アースラに連絡急いで!! 早くなのはを!!」 「分かってる、もうやってるよ!!」 すぐさま皆が、なのはの元へと駆けつけた。 メビウスは着地すると同時に、変身を解き元のミライへと戻る。 なのはは完全に意識を失っている。 ユーノが回復呪文で応急処置を施してはいるが、これで元通りには流石にならない。 フェイトとアルフがアースラにすぐさま連絡を入れ、医療班を寄越すよう要請する。 自分達の、完全な敗北……そうとしか言えない結果であった。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 「それで、皆……」 「アスカさん、隠してごめんなさい。 でも、アスカさんを危険な目にあわせるわけにはいかなかったし……」 しばらくした後。 海鳴市から離れた人気のない場所で、ヴォルケンリッター達は再集合を果していた。 その後、ヴォルケンリッターはアスカへと、自分達の事情の全てを説明した。 自分達は、闇の書の意思によって作り出された守護プログラムだと。 闇の書の主を守り抜くことこそが、自分達の役目であると。 そして、主を―――闇の書に蝕まれつつあるはやてを助ける為に、自分達は戦っていると。 リンカーコアを蒐集し、闇の書を完成させればはやては回復するかもしれない。 少なくとも、病の進行を止める事は十分に可能である。 主の未来を血に染めない為に、命を奪いまではしない。 だが……主を助ける為ならば、如何なる茨の道をも進んで歩もう。 そんな強い覚悟の上で自分達は行動していると、ヴォルケンリッターはアスカに告げた。 「すまないな、アスカ。 我々の戦いに、お前まで巻き込んでしまう形になって。」 「いや……それは構わないよ。 そういう事情があるんなら……いや、事情云々じゃなくて、皆を助けたいから俺は戦ったんだし。 ……俺の事も、話さなくちゃいけないな。」 騎士達が全てを話してくれた以上、自分には事情を話す義務がある。 そう判断したアスカは、隠していた全てを話すことにした。 これまで度々話題に出していたウルトラマンダイナとは、実は自分自身であると。 ふとした切欠でダイナの力を手に入れ、ずっと悪と戦い続けてきたと。 暗黒惑星グランスフィアとの最終決戦後、ブラックホールに飲み込まれ、そしてこの世界にやってきたと。 話せることは、何もかもを話したのだ。 全てを聞かされたヴォルケンリッター達は、やはり驚きを隠しきれないでいる。 驚くのは、無理もないだろう……アスカもそう思っていた。 そして、この次に騎士達がどう質問してくるかも……大体想像がついていた。 「どうして……正体を隠していたんだ?」 「確かにあれだけ強い力があるのなら、不用意に明かせないのは分かるが……」 「目立ちたがりのお前にしちゃ、なんかなぁ……」 予想通り、騎士達は正体を隠していた理由について聞いてきた。 これに対しアスカは、少し間を置いた後に答える。 かつて自分の正体に気づき、そして同じ問いをしてきた仲間達にしたのと……同じ答えを。 「俺、確かに目立ちたがり屋だけど……それ以上に、照れ屋なんですよ。」 「……」 「………」 「……今の答え、変だった?」 「……はは。 いや……お前らしいよ。」 「ったく……しょうがねぇ奴だなぁ。」 アスカの答えは、予想を大幅に裏切ってくれた。 これに対しヴォルケンリッターは、流石に苦笑するしかなかった。 どんな深刻な理由があるのかと思ったら……アスカらしい理由である。 しかし……彼等の笑みも、すぐに消えた。 お互いの事を話し合った以上、今後は互いにどうするのかを話さなければならない。 もはや、今までどおりというわけにはいかないのだ。 しばらくの間、五人とも沈黙せざるを得なかったが……アスカが、その沈黙を真っ先に破る。 「……俺は、魔法とかそんなのはよく分からないけど。 闇の書さえ何とか完成させれば、はやてちゃんを助けられるんだよな……」 「アスカ……いいのかよ? この戦いはあたし達守護騎士の総意だけど、お前までそれに……」 「はやてちゃんが危険な目にあってるってのに、助けられないなんて俺はごめんだから。 俺には皆と同じように、戦う力が……ダイナの力があるんだ。 そしてそれを使うのは……きっと今だ。」 「アスカ……」 「だから……これから、よろしく!!」 「……ああ、こちらこそよろしく頼むぞ!!」 アスカの決意は固かった。 この世界にきて天涯孤独の身であった自分を、彼等は家族として扱ってくれた。 自分の大切な家族である者達を、この手で助けたい。 ダイナの力は、大切な人達を助ける為にあるのだ。 それを振るうチャンスは、正しく今である。 アスカは強い決意を表し、真っ直ぐに拳を突き出す。 それに合わせ、ヴォルケンリッター達も己の拳を合わせた。 この時アスカは、新たなる騎士となった。 はやてを守るためにその力を振るう、5人目のヴォルケンリッターとなったのだ。 「あ……そういえば、聞き忘れてたけど。」 「ん?」 「アスカ、あのメビウスって言うウルトラマンの事は何も知らねぇのか?」 「あいつか……ああ、ごめん。 俺もあのウルトラマンの事は、何も知らないんだ。」 メビウスの正体に関しては、アスカが一番気になっていた。 彼が知るウルトラマンは、己を除けばたった一人―――ウルトラマンティガだけである。 一応、異星人が変身を遂げたニセウルトラマンダイナや、人造ウルトラマンの様な存在もいるにはいる。 だが……メビウスは、明らかにそんな紛い物とは違う感じがした。 ティガやダイナと同じ、本物のウルトラマンである。 しかし、アスカが知らないウルトラマンがいることに関しては、大した不思議はない。 元々ティガやダイナの力は、ある遺跡の中に、彼等の姿をした石像と共に眠っていた。 その遺跡には、他のウルトラマンらしき者達の石像もあったのだ。 もしかするとメビウスは、そんな別のウルトラマンなのかもしれない。 少なくとも、アスカはそう考えていた。 「多分、あいつとはまた会う事にはなるだろうけど……その時に何か分かるかもしれないな。 この世界に俺以外のウルトラマンがいること自体、おかしいんだし。」 「そうだな……おかしい、か。 そういえばシャマル、さっきリンカーコアを捕獲しようとした時に、失敗していたな。」 「お前にしては、随分珍しいミスだな。 捕獲を失敗した事など、これまで一度もなかったというのに……」 「うん……手を入れたときに、何か妙な違和感があったの。」 「違和感?」 「リンカーコアとは別の、何かがあの子の中にあったような感じがしたの。 でも……気のせいだったかもしれないわね。 今考えてみたら、アスカさんの事でちょっと戸惑ってたし。」 「そうか……無理はしないでくれ。 もしも体調が優れないようならば、すぐにでも言ってくれ。」 「ええ、分かっているわ。」 シャマルが捕獲を失敗したという、これまでにないミス。 それに、ヴォルケンリッター達は少しだけ不安を感じていた。 だが、どんな人間にも100%はありえない……失敗は十分に起こりえる。 今回の失敗は、たまたまその僅かな可能性に当たっただけだろう。 シャマル自身も、アスカの変身により少しばかり戸惑っていたからだと言っている。 その為、皆もこの話題に関しては打ち切る事にした。 しかし……この時、誰が予測しただろうか。 闇の書の中には、今……彼等も知らぬ、未知の存在があることを。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 「上手くやったようだな……」 「ああ……予定より少しばかり早くなってしまったが、問題はない。」 結界が消え、元通りとなった海鳴市。 その一角で、黒尽くめの男ともう一人―――仮面をつけた謎の男が対峙していた。 敵対しているという風な感じはなく、どちらかというと協力者同士の様な印象が強い。 「あの魔道士を介して、私は切り札を闇の書に送り込んだ。 本来ならば、予め憑依させておいた生物を蒐集させる事で、憑かせるつもりだったが……」 「綱渡りな方法であったとはいえ、結果的に成功した。 成果は得られたのだから、それで十分だ。」 「ああ……万が一の際には、これで力を押さえ込むことが可能だろう。」 「……すまないな、助かる。」 「気にするな……我々とて、闇の書によって同胞を失った。 あれを止めようと願う気持ちは同じだ……」 黒尽くめの男は、懐から一枚のカードを取り出した。 それは、起動前の形態を取っているデバイスだった。 黒尽くめの男はそれを、仮面の男へと確かに手渡す。 「約束の品だ、受け取ってくれ。 我等の技術を結集させて作り上げた……性能は保証しよう。」 「ああ……これから我等は、闇の書の完成を急ぐ。 万が一の時は、そちらに任せるぞ。」 「分かった……お互い、気をつけるとしようか。」 仮面の男はデバイスを懐にしまい、そしてその場から姿を消した。 場に残された黒尽くめの男は……一人、笑っていた。 仮面の男を嘲笑するかのように、確かな笑みを浮かべていた。 「そう……気をつける事だな。 我々は暗黒より生まれ、全てを暗黒へと染める悪魔……そんな我等と、貴様達は手を組んでしまった。 御蔭で、どの様な結末になってしまうのかも知らずになぁ……」 全ては悪魔の筋書き通りだった。 唯一イレギュラーがあるとすれば、やはりそれはダイナの存在である。 未知数の力を持つウルトラマンが相手なだけに、全く今後の予想がつかない。 だが……それでも、問題はない。 何か厄介な事態が起ころうものならば、強引に修正するだけである。 全ては……力を手にし、光をこの世より消し去る為。 「ふふふ……はははははははは……!!!」 戻る 目次へ 次へ
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第7話「超獣の来襲」 「人の持つ負の心を力に変え、生きる悪魔か……」 時空管理局本局。 グレアムは自室にて、リンディから渡されたミライについての資料を眺めていた。 彼はヤプールと呼ばれる異世界人との戦いの末、異世界の崩壊に巻き込まれこの世界に来たという。 その時、ヤプールも彼と共に次元の裂け目に落ちたという……グレアムは、危惧していた。 もしかするとヤプールは、ミライと共にこちら側へとやって来ているのじゃないかと。 次元の狭間に落ち込んだとき、ヤプールは瀕死の重傷を負っていたというが…… ミライが言う限りでは、ヤプールは完全消滅させる事が不可能な、邪悪の化身という。 瀕死の状態から復帰する事は、不可能ではない筈だ。 もしも危惧している通りの事態になれば、管理局はヤプールと激突する事になるだろう。 超常の存在たるウルトラマンでさえも苦戦を強いられた強敵……はたして、勝てるのだろうか。 「……いや、あるかどうか分からない事を考えていても仕方ないな。 今はそんなことよりも、もっと大切なことがあるのだし……」 自分が知る限り、最悪のロストロギアである闇の書。 本日付で、教え子であるクロノ達の部隊がその捜索担当に当たる事になった。 恐らくこの事件は、本局にも―――自分のところにも協力要請がくるであろう程の規模になるだろう。 事実、過去にそれは起こった。 大切な友人を、多くの仲間を失うことになった……忌まわしき闇の書事件。 闇の書は、決して滅ぼす事が出来ない禁断のロストロギア……奇しくも、ヤプールと同じ性質を持っている存在である。 時空管理局が闇の書を取り扱うのは、実は今回が初めてではなかったのだ。 あの悲劇だけは繰り返させてはならない。 「そういえば……元気にしているだろうかな。」 実はグレアムは、闇の書に関する調査を、前事件の終結後にも極秘で続けていた。 あの事件の所為で多くのものを失ってしまったのだから、無理も無い行動である。 そして、これはつい最近の事なのだが……調査を続けているうちに、グレアムはある一人の男とで出会った。 出会ったのは、過去に起きたこれまでの闇の書が関わる事件に関しての聞き込み中。 その男は、自分と同じ―――闇の書によって、仲間を失った者であった。 それ以来グレアムは、その男と共に秘密裏に事を進めていたのだが……最近、彼と直接顔をあわせていない。 色々と忙しく、直に会う機会が無かった為であるが…… 「ウルトラマンの事、話したら驚くだろうかな…… また、ゆっくりと酒でも飲みながら話したいものだ。」 今も自分と同じく、闇の書に関する調査を続けているであろう友人を思う。 彼の様な者の為にも……自分が、頑張らねばならないのだ。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 「いただきまーす♪」 丁度その頃であった。 ハラオウン家では、引越しの後片付けもすっかり終わって、夕食の最中であった。 勿論、夕食は引越しそば。 なのはとユーノの二人もお邪魔して、ご相伴させてもらっている。 すずかとアリサにも誘いはかけていたのだが、残念ながら用事の為に不在である。 なのはとフェイトにとっては、少しばかり残念だった。 まあ、二人とは昼間の内に一緒に過ごす事が出来たのだし、良しとしよう。 それに……明日からは、四人揃って同じクラスで学校に通う事になるのだ。 共に過ごす機会は、これから幾らでもある。 「ふぅ……おそばって初めて食べたけど、美味しいですね♪」 「え……ミライさん、食べた事ないんですか?」 「うん、僕が地球にいたころには、食べる機会がなくってね。 本当、地球って美味しいものが多くていいなぁ……」 「そうだったんですか……でも、気持ちは分かりますよ。 私達も駐屯任務とかで、現地の見たことも無い食べ物を食べた事が何回かありますし……」 「まあ、不味いものにあたることも何度かあったけど……去年のアレとか。」 「ああ、アレかぁ……アレは悲惨だったよねぇ……」 「アレって……?」 「そうだなぁ、なのはちゃん達にもわかりやすいように言うと…… 納豆とクサヤと発酵ニシンを足して三で割ったみたいな、とんでもない臭いの食べ物?」 「……え゛?」 一つ一つだけでも結構強烈な臭いを持つ食べ物ばかり。 それを足して割るって、一体どんな代物なんだ。 リンディ達の表情から察するに、どうやら味の方もアレな出来だったらしいが…… これでは、折角のそばの味も悪くなってしまう。 何とか、状況を変えねばなるまい。 そう思っていた……その矢先だった。 ピピピピピ…… 「あれ……?」 「この音……通信?」 「あ、私の部屋からだ。 ちょっと行って来るね。」 「はいはーい、エイミィですけど。」 「あ、エイミィ先輩。 本局メンテナンススタッフのマリーです。」 エイミィ宛の通信は、時空管理局本局からのものであった。 引っ越し祝い……という様子ではなさそうだ。 どちらかというと、かなり困った顔をしている。 「うん、どうしたの?」 「実は、預かってるインテリジェントデバイス2機なんですけど……なんだか、変なんです。 部品交換と修理は終わったんですけど、エラーコードが消えなくって……」 「エラーって、何系の?」 「必要な部品が足りないって……このデータです。」 「えっと、何々……え?」 送られてきたデータを見て、エイミィは唖然とした。 そのエラーコードに記述されていたのは、予想外の一文だった。 それは、本来ならば絶対に出ない筈のエラーコード。 『エラー解決のための部品、”CVK-792”を含むシステムを組み込んでください』 「これ……何かの間違いですよね? 二機とも、このまま情報を受け付けてくれなくって……」 「……レイジングハート、バルディッシュ……本気なの? CVK-792……ベルカ式カートリッジシステム……!!」 エラー解決用の部品。 それは何と、自分達の敵が用いていた代物―――ベルカ式カートリッジシステムだった。 2機がどうしてこんな要求をしてきたのかは、容易に想像がつく。 ヴォルケンリッターとの戦いにおいて、なのはとフェイトは手痛い敗北を負わされた。 その最大の敗因は……デバイスの性能差が大きかったから。 そしてそれが最も悔しいのは、他ならぬデバイス達自身だった。 自分達の力不足の為に、持ち主を傷つける事になってしまった。 もう二度と、あんな事態を起こさないためにも……2機は、この決断を下したのだ。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 「ふぁ~……」 翌日、早朝。 八神家では、一番最初に目を覚ましたはやてが、朝食の準備をしていた。 リビングの方を見てみると、シグナムがソファーに座ったままの体勢で眠っていた。 はやてはそんな彼女を見て微笑み、作業に戻ろうとする。 すると、その瞬間に丁度よく、彼女は目を覚ましたのだ。 つられて足元にいたザフィーラも、一緒に目覚める。 「んっ……」 「ごめんなー、おこした?」 「あ、いえ……」 「シグナム、ちゃんとベッドで寝なあかんよ? 風邪引いてまうやんか。」 「す、すみません……」 「ふふ……はい、ホットミルク。 あったまるよ……ザフィーラの分もあるよ、おいでー。」 「では……」 用意しておいたホットミルクを二人に手渡す。 程よい温度になっており、飲めば十分あったまるだろう。 その時、ドタバタと音を立てながら二階からシャマルが降りてきた。 そしてその後ろから、欠伸をしながらヴィータがついてくる。 「すみません、寝坊しちゃいました~!!」 「おはよう、シャマル。」 「はやてちゃん、ごめんなさ~い!!」 「ふぁ~……」 「ヴィータ、めっちゃ眠そうやな……」 「うん、ねむい……」 「……そういえば、アスカはまだ寝てるのか?」 「みたいですね……」 どうやら今日も、一番最後はアスカの様である。 これで四日連続のびりっけつだ。 仕方がないと、シグナムは立ち上がり彼を起こしにいこうとする。 すると、そんな彼女の行動を予知したのかどうかはしらないが、アスカが部屋へと入ってきた。 「ぅ~……おはよ、皆。」 「おはよう、アスカさん。 すぐ朝ごはん出来るから、待っとってな~」 「ありがと、はやてちゃん……じゃあ俺、郵便受け見てくるわ。」 「は~い。」 アスカは瞼を擦りながら、玄関へと向かう。 至って平和で平凡、しかしそれでいて幸せな朝の光景。 こうして過ごしていると、戦いのことを忘れさせてくれる。 そう……こんな日々こそが、自分達の目的なのだ。 「……あたたかいな。」 必ず、手にしてみせる。 大切な主と、大切な家族との日常を…… ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 「はい……ありがとうございます、レティ提督。」 そして、時刻は昼頃になる。 ハラオウン家では、学校にいるフェイトと、買い物中の為不在のリンディとアルフを除き、全員が作業に取り掛かっていた。 クロノは本局との連絡等を、エイミィは周辺探査ネットワークの整備を。 そしてミライは……メビウスに変身して、ベランダにいた。 彼は仲間との連絡がつくかどうか、一か八かで試している最中だった。 事件解決まではこの世界で戦うことを決意したとはいえ、流石に連絡の一つも入れないのはまずいからである。 手を上空へと向け、光を発した。 すると空に、光の国で使われている特殊な言語―――ウルトラサインが浮かび上がる。 普通の人間には、それを見ることは出来ない。 一部の怪獣や宇宙人、そしてウルトラマンでのみ、ウルトラサインを目視することは出来るのだ。 これを使い、ウルトラマン達は緊急時に連絡を取るのである。 別世界であるから、果たして仲間達がその存在に気づいてくれるかどうかはわからない。 だが、やらないよりかはマシである。 ミライは変身を解き、そして部屋の中へと戻っていった。 勿論、この時の彼の姿は誰にも見えていない。 ばれない様、ちゃんと細心の注意を払ってミライは行動している。 「ウルトラサイン、一応送ってみました。 これで兄さん達が気づいてくれるかどうかは、まだ分かりませんけど……」 「ん、OK。 クロノ君の方は、どうかな?」 「グレアム提督とレティ提督の根回しのおかげで、武装局員の中隊を借りられた。 捜査を手伝ってもらえるよ……そっちは?」 「良くないね……夕べもやられてる。 今までより少し遠くの世界で、魔導師が十数人と野生動物が約四体。」 「え、野生動物ですか?」 「魔力の高い、大型生物。 リンカーコアさえあれば、人間でなくてもいいみたい……」 「へぇ~……あ、でも考えてみたら、ユーノ君とかアルフさんも……」 「いや、それはちょっと違うよミライ君。」 エイミィはスクリーンに映像を映し出し、襲われた大型生物の映像を出す。 ユーノやアルフとは、はっきり言って程遠い外見の相手ばかりである。 確かにこの二人は、こっちに来てから動物形態で過ごす事が多いが、一緒くたにしたら可哀想だ。 しばらく行動を共にして分かったが、ミライはかなり天然が入っている。 素直で純粋なのはいいが、こうどこかが普通の人とずれているような感じである。 「まさになりふり構わずだな……」 「でも、闇の書のデータを見たんだけど……何なんだろうね、これ。 魔力蓄積型のロストロギアで、魔導師の魔力の根元となるリンカーコアを喰って、そのページを増やしてゆく……」 「全ページである666ページが埋まると、その魔力を媒介に真の力を発揮する……次元干渉レベルはある力をね。」 「本体が破壊されるか、所有者が死ぬかすると、白紙に戻って別の世界で再生する……と。」 「様々な世界を渡り歩き、自らが生み出した守護者に護られ、魔力を喰って永遠を生きる。 破壊しても、何度でも再生する……停止させることのできない、危険な魔導書。 それが、闇の書だ。」 「……絶対に消す事が出来ない存在。 まるで、ヤプールみたいだな……封印とか、そういうのは出来ないの? 兄さん達は前に一度、ヤプールを消滅させるのは不可能って考えて、封印に踏み切った事があるんだけど……」 「今までにも、それを試した人はいるみたいなんだけどね。 あまりに闇の書の力が大きすぎて、封印するのが無理だったみたいなんだ。」 ミライは、奇しくもグレアム提督と同じ感想を抱いていた。 何度滅ぼそうとも、執念を以て地の底から蘇る不死身の悪魔ヤプール。 何度消滅させようとも、転生を繰り返し永遠に行き続ける闇の書。 この両者は、どこかが似ている。 そう考えてみると……この戦いは、決して他人事ではないと思えてしまう。 ここまで首を突っ込んだ時点で、既に他人事では勿論無いのだが……どうしても、重ねてしまうのだ。 闇の書と、あの悪魔とを。 「だから私達にできるのは、完成前の闇の書を捕獲する事になるね。」 「あの守護騎士達とウルトラマンダイナを捕獲して、さらに主をひきずり出さないといけない。 ……かなり、厳しい戦いになるだろうな。」 「そうだね……守護騎士達はなのはちゃんやクロノ君達、魔道師組が相手するとして。 当然ダイナは、ミライ君に割り当てられちゃうよね……勝算ってありそう?」 「はっきり言うと、分かりません。 僕も、そしてダイナも……この前の戦いだと、出さず終いに終わったのがありますから。」 ウルトラマンダイナは、恐らくあの戦いではまだ本気を出してはいない。 何か隠し玉があるに違いないと、ミライは直感的に感じ取っていた。 そしてそれは彼も同じ……メビュームブレードにバーニングブレイブと、ダイナに見せていない力がまだある。 次の戦いでは、ダイナも本気で来るに違いない……力を使わなければならないだろう。 ダイナの実力が未知数なだけに、ミライは少しばかりの不安を覚えていた。 だが……戦う前から、マイナスなイメージを持っていては駄目だ。 ミライは気を奮い立たせ、はっきりと答えた……己の、勝負に向けての意気込みを。 「でも……僕は勝ちます。 必ず、勝ってみせます……!!」 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 「……ウルトラマンダイナ、か。」 黒尽くめの男は、建物の屋上に立って風景を眺めていた。 その視線の先にあるのは、闇の書の主―――八神はやて。 彼女は今、アスカに車椅子を押されながら、友人であるすずかと楽しそうに話をしていた。 その様を見て、男は全てを察する。 調べによれば、はやてには家族が一人もいないという。 その為、ヴォルケンリッターがその元に現れるまでは、一人暮らしだったはず。 だが……今車椅子を押しているアスカは、ヴォルケンリッターではない。 なら、彼が何者であるかはすぐに分かる。 先日の戦いで、守護騎士と共になのは達と対峙していた、あのウルトラマン―――ダイナだ。 「何故、奴が闇の書側にいるかは分からんが……頃合を見て消すべきだろうな。 最悪の場合でも、ヴォルケンリッターどもは操ろうと思えば操れる……一番厄介なのは敵は奴だ。 ……いや、奴だけというわけではなかったな。」 時空管理局―――特に、先日メビウスと共に現れた者達はかなりの凄腕だった。 最後に放たれたスターライト・ブレイカーが、その全てを物語っている。 実力が分かっているメビウスは別にして、他の魔道師達が全員、あのレベルはあるとすれば…… 「……闇の書を一気に完成へと導けるな。」 男の手から、どす黒いガスが噴出す。 そのガスの見た目は、彼が使役する寄生獣―――ガディバに酷似していた。 だが、それはガディバではなく……そもそも、生物ですらなかった。 そのガスを眺め、黒尽くめの男は微笑を浮かべる。 「ほう、もうページは半分を超えている……あの白い魔道師だけで、随分と稼げたものだな。 全員分を吸収できれば、間違いなく闇の書は完成する……」 リンカーコア自体は、死亡した生物からも採取は可能。 そろそろ、本格的に動き出しても問題は無いだろう。 唯一不安要素があるとすれば、やはりメビウスとダイナになる。 特にダイナは、実力が未知数……慎重に相手せざるを得ない。 手のガスが、より勢い強く噴出される。 とてつもなくどす黒い……暗黒という呼び名に相応しい色だった。 「さて、どう始末をつけてくれようか……」 「じゃあね、はやてちゃん。」 「うん、すずかちゃん、またね。」 「帰り道、気をつけてね。」 日も暮れ始めた頃、三人は帰路に着いた。 アスカは嬉しそうなはやての様子を見て、笑みを浮かべている。 今度の休みに、すずかが家に遊びに来てくれることになったのだ。 今から、その日はどうしようかと、はやては色々と考えていた。 「じゃあ、俺達も帰ろっか。 きっと皆、待ってるだろうしね。」 「うん。」 車の助手席にはやてを乗せ、アスカも運転席に座ろうとする。 だが……その時だった。 アスカの全身に、強烈な悪寒が走った。 例えるならば、喉元に刃物を突きつけられたかのような感じ。 額から、冷や汗が零れ落ちる。 とっさにアスカは、後方の建物―――黒尽くめの男がいた場所へと振り向いた。 だが、そこには……誰もいない。 「!?」 「……アスカ、さん?」 「あ、いや……ごめん。 なんでもないよ。」 「そっか、ならよかった。」 (……なんだ、今の……嫌な感じは……?) ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 戻る 目次へ 次へ
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―――かつて、戦争があった。 一つのコロニーの独立運動に端を発した紛争が、世界全土を巻き込む全面戦争となったのだ。 世界は地上の『地球連邦軍』、そして宇宙(そら)の『宇宙革命軍』とに二分された。 両軍は魔導師と魔導支援機器・『デバイス』を戦争の主力にし、それに伴い魔法科学を急速に進歩させていった。 戦火が日を追うごとに拡大していく中、この戦争に介入してきた一つの勢力があった。 次元世界管理組織・『時空管理局』である。 介入の主な理由は、管理世界内で行われた戦争の仲裁、並びに使用が禁止されている質量兵器の存在が確認された為であった。 時空管理局は両軍の内部に停戦と質量兵器使用の中止を要求。 だが、戦争に勝つことのみを考えている両軍がそんな要求を飲むはずもなく、管理局の意思とは裏腹に戦争は激化していった。 局員達の間で全く好転しない世界情勢が延々と続くのではと囁かれ始めた頃、一つの事件が起こった。 連邦軍の軍事施設を訪れていた時空管理局局員が、革命軍の仕掛けたテロにより死亡したのである。 この事件を切欠に管理局最高評議会メンバーはついに武力行使での停戦強制を決定。 連邦軍、革命軍に時空管理局を交えた三つ巴の争いが始まった。 もちろん、時空管理局の提唱する『停戦の実現』はその兆しを見せることはなく、ただ悪戯に、魔導師達の死体が増えてゆくだけであった。 時空管理局の武力介入が始まって八ヶ月。 戦争は膠着状態に陥り、世界全体に張り詰めた空気が満ちていた。 そんな中、最初に動いたのは革命軍だった。 革命軍は次元世界そのものに甚大な被害を及ぼす『コロニー落とし作戦』、並びに悪魔のロストロギア・『闇の書』を切り札に、地球連邦政府と時空管理局に対して降伏を迫った。 これに対して時空管理局は闇の書の封印を最優先事項と捉え、XV級船艦三隻を投入。 戦時中ということもあり、早々に闇の書をアルカンシェルで葬り去ろうとしていた。 一方、連邦軍は極秘に開発していた決戦兵器・高性能デバイス『ガンダム』を導入。徹底抗戦の構えをとった。 導入されたガンダムの、その中でも『ガンダムX』の戦果は目覚ましかった。 革命軍のコロニーを搭載したサテライトキャノンで次々と撃ち落とし、単機でおよそ35%を破壊したのだ。 ……だが、このサテライトキャノンの一撃一撃が、新暦史上最大の悲劇の銃爪となった。 勝利を焦った革命軍は守護騎士吸収により闇の書を強制起動。 闇の書は過去の例に漏れず暴走を開始し、管理局のXV級船艦を全て制圧した。 更には革命軍のコロニーの管制までをも乗っ取り、戦争の二大勢力をいとも簡単に鎮圧したのだった。 この事態に恐怖した連邦軍は、ガンダムXのサテライトキャノンで闇の書の管制人格を破壊。 一瞬勝利を確信した連邦軍だったが、司令塔を失ったコロニーはそのまま暴走を続け…… ついには、第15管理世界の人類の故郷である地球に、致命的なダメージを与えてしまった。 更にコロニー落としの衝撃による大規模次元震までもが発生。 100億を誇った人口のほとんどは失われ、次元世界自体の存続さえ危うい状態となった。 もはや、戦争に勝ちも負けも無かった。 戦後、戦争の舞台となった第15管理世界は時空管理局の完全な指揮下に置かれ、戦後世界――『アフターウォー』と称されるようになった。 この名は新暦最大の悲劇の象徴として、次元世界中に広まっていった。 そして、15年の時が流れた――― 魔導新世紀リリカルなのはXtrikerS―エクストライカーズ― 目次へ 次へ