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スオムス義勇独立飛行中隊穴拭智子 迫水ハルカ エルマ・レイヴォネン エリザベス・F・ビューリング キャサリン・オヘア ウルスラ・ハルトマン ジュゼッピーナ・チュインニ その他加藤武子 ミカ・アホネン アウロラ・E・ユーティライネン ラウラ・ニッシネン ハンナ・U・ルーデル アーデルハイド ヨンナ・ハッキネン キャラクター表 補足 ノベル「スオムスいらん子中隊」シリーズ(著:ヤマグチノボル) ノベル「サイレントウィッチーズ スオムスいらん子中隊 ReBooT!」シリーズ(著:築地俊彦) のキャラクター。 スオムス義勇独立飛行中隊 Suomus Volunteer Independent Flying Squadron 穴拭智子 あなぶき ともこ(コミックアラカルトでは穴吹と誤記されてしまっている) 所属扶桑皇国陸軍飛行第1戦隊(1937年) 扶桑皇国陸軍明野飛行学校実験中隊(1939年) 階級少尉(1937年、1939年) 中尉(1940年) 年齢14歳(1937年) 16歳(1939年) 身長 160cm 誕生日 12月5日 使い魔 キツネ「コン平」使い魔では珍しく、人間の言葉を理解し自らも会話できる。 智子を「お嬢様」と呼ぶ。 歳を経て尻尾の増えていく妖狐である可能性がある。 通称 「扶桑海の巴御前」扶桑海事変における智子の活躍を報じた新聞がつけたあだ名。 自称 「白色電光の穴拭」穴吹智の自称である「白色電光戦闘穴吹」に由来。 飛行第50戦隊第3中隊で穴吹智が搭乗した一式戦闘機「隼」である「吹雪」号の尾翼から機体後部へのマーキングが白色電光だった。 使用機材長島飛行脚 九七式戦闘脚 ※以下は「いらん子中隊」シリーズにおける初期設定。中島 キ27 九七式戦闘脚マ一型乙魔道エンジン 中島の正式名称は中島飛行脚株式会社。機械化航空歩兵の装着する飛行脚(ストライカーユニット)を作る会社の中で扶桑において最大規模を誇る。 中島 キ44マ41型魔道エンジン 二式単座戦闘脚「鍾馗」という制式名称とペットネーム(愛称)を予定。 試作機? - 増加試作機?(増加試作機 - 生産型、など他の可能性も) こないだの試作時に比べ不具合もかなり解消されてる by 中年男性の整備隊長 史実では制式制定の前に増加試作機による独立飛行第47中隊が陸軍航空審査部から編成されて実用試験を兼ねて実戦投入された。 使用武器八九式7.7mm固定機銃 ホ103 12.7mm機関砲リベリオンの傑作機関砲、ブローニングM2をモデルに作られたが、すべての性能がブローニングに劣っている。 炸裂砲弾(炸裂弾)採用。 扶桑刀「備前長船」先祖伝来の業物を軍刀拵えにしたもの。 扶桑皇国陸軍ならではの正式装備。 その他扶桑海事変(1937年)で7機撃墜のエース。当時は14歳で、白一色の長マフラーがトレードマークだった。 真っ白なマフラーに下手くそな字で、「豪勇穴拭」と書いていた by 加東圭子 宣伝映画『扶桑海の閃光』に本人役で主演し、一躍国民のスターになる。『扶桑海の閃光』は扶桑海事変の半年後に扶桑海事変をモチーフとして陸海軍の全面協力のもとに制作された。智子も撮影のため東京の世田谷、砧の円谷特殊撮影所まで出向いて出演した。 迫水ハルカや稲垣真美は『扶桑海の閃光』を観て扶桑海のウィッチたちに憧れウィッチになった。 『扶桑海の閃光』のイメージモデルは映画『加藤隼戦闘隊』だと思われる。 機械化航空歩兵の候補生時代からその飛行センスと剣術の腕で将来を嘱望される。 特技は格闘戦。 十八番の戦闘機動は「ツバメ返し」。非常に小さな半径で後旋回する機動。 「燕返し」を得意技とする佐々木小次郎の刀は「備前長船長光」(後世の通称「物干し竿」)。 TVアニメ(2008年)などで主人公の宮藤芳佳のイメージモデルが「空の宮本武蔵」こと武藤金義なので、芳佳と智子でイメージ的に対になっている可能性がある。 物憂げな雰囲気の、切れ長の目の凛々しい端整な扶桑人形のような美少女。扶桑では智子をモデルとした扶桑人形が作られた。 智子は扶桑で最も有名なウィッチの一人であり、特に同性に人気があったことから、智子をモデルとした扶桑人形は年頃の少女への贈り物として喜ばれた。 飛行服は白の巫女衣装に下半身は丈の短い赤い袴。イラストではウィッチ用の手甲と脚甲もつけている。 これらを合わせて扶桑皇国陸軍のウィッチの正装。 寝るときは裸の上に綿入れ半纏一枚だけ。 生真面目で堅物、責任感が強い。 プライドが高い。 +作中の発言より ちょっと頑固で、融通がきかないのが玉にキズ by ビューリング この人、流されやすいだけです by ハルカ あの押しの弱さは直ったのかしら? by 加東圭子 随分とわかりやすい女ねー by オヘア おいっちにおいっちに。煩悩滅殺。見敵必殺。煩悩滅殺。見敵必殺 by 智子 へっぽこ陸式 by ハルカ しっかし、心底わかりやすい女ねー by オヘア トモコ中尉は、ケモノさんです…… by エルマ わたしはノーマルなの! by 智子 わたしはッ!こんなんじゃないッ!断じてこんな女ではないッ!もっとクールでッ!もっと凛々しくてッ!扶桑海の巴御前でッ! by 智子 心がそう言っても、きっと身体が違うこと言ってるね。思春期にはよくあることねー by オヘア そうなの?わたし、やっぱりそうなの?ああ、考えてみれば、扶桑皇国にいたときから寄って来るのは女の子ばっかり!おねえさまおねえさまなんて言われて、確かにちょっと満更でもない気がしてたけど、それってやっぱりそうなのかしら! by 智子 だ、大丈夫ですトモコ中尉。わたし、トモコ中尉が女子好きーな変態さんでも、隊長として認めます。嗜好と、お仕事は別ですからっ! by エルマ まあまあ。そのうちホントに好きになりますから! by ジュゼッピーナ 声優 下地紫野 イメージモデル 穴吹智 (1921-2005)所属 大日本帝国陸軍飛行戦隊 - 警察予備隊 - 保安隊 - 陸上自衛隊 通称「ビルマの桃太郎」 「運の穴吹」 自称 「白色電光戦闘穴吹」 撃墜数 51本人の日誌による。 公認は30。戦後の研究者によれば39とも言われる。 弱武装、低速の一式戦闘機「隼」で大型爆撃機を撃墜するために「背面突進」という攻撃法を編み出す。反航状態の大型爆撃機の直上に占位してから背面急降下に入り、相手の操縦席を目指して突入して近接射撃、機体同士が衝突する寸前で前方へ離脱するという攻撃法。 大日本帝国海軍航空隊で用いられた直上方攻撃や菅野直の直上前方攻撃法と同じような攻撃法だと思われる。 出典 『スオムスいらんこ中隊』/『スオムスいらん子中隊ReBOOT!』/TVアニメ(2008年)/世界の航空歩兵シリーズ/ストライクウィッチーズ零 迫水ハルカ さこみず はるか 所属扶桑皇国海軍横浜航空隊(『スオムスいらん子中隊』) 横須賀航空隊(『スオムスいらん子中隊ReBOOT!』) スオムス義勇独立飛行中隊 連合軍第507統合戦闘航空団「サイレントウィッチーズ」戦闘隊長 年齢14歳(1939年) 19歳(1944年) 身長153cm(1939年) 156cm(1944年) 誕生日 4月1日 階級一等飛行兵曹 中尉(1944年) 使い魔 タヌキ島田フミカネによるキャラクターデザインの段階では三毛猫を使い魔として描かれた。 通称 「味方撃ちの迫水」 ストライカーユニット三菱 A6M 十二試艦上戦闘脚栄一一型魔道発動機 後に零式艦上戦闘脚一一型として制式採用される。 維持旋回性能が高く、低速での格闘戦に優れた飛行脚。航空母艦での運用のため短距離での離発着を要求された結果、驚くほどに軽い翼面荷重を手に入れ優れたドッグファイターになった。 使用武器九九式一号20mm機関銃 九九式二号20mm機関銃長砲身なので弾丸の初速が高く、弾が後落しない。 装弾数が60発から100発に増加。 護身用の8mm拳銃九四式拳銃? 九九式二号二型改 その他扶桑皇国海軍横浜航空隊創設以来の落ちこぼれ。 『扶桑海の閃光』を観て扶桑海のウィッチたちに憧れウィッチになった。 実家はウィッチの家系で、代々海軍。 セーラー服にゴム引きのコート、碇のマークのついた帽子の小柄な少女。 綺麗にそろえられた前髪の下にくりくりとした黒い瞳の可愛い顔立ち。 趣味はお団子などお菓子作り。 特技は弓道。 1942年、穴拭智子の推薦で一時帰国し士官教育を受け、1943年にスオムス帰任。休み時間は終わった! by 智子 1944年、中尉昇進、智子の離任を受け第三代中隊長代理に就任。 1944年末、スオムス義勇独立飛行中隊が507JFWに改組されたのに伴い初代戦闘隊長。 +作中の発言より 占位も機動も射撃もあてずっぽうだ by ビューリング 自分の問題点。それは甘えだ。 by ハルカ 地獄におちますよ by エルマ 自分を信じると書いて“自信”と読む。自分に足りないのはその自信…… by ハルカ ちびっこ変態海軍 by 智子 もしかしたらあの子……、とんでもない才能を秘めているのかもしれない。 by 智子 でっかい完璧な壜底眼鏡を空戦時のみ装用。レンズが分厚いので、まるで水中眼鏡でもかけているよう。 「かけろ!」全員の魂の叫びが、唱和した。 by 智子&エルマ&オヘア&ウルスラ 声優 花守ゆみり イメージモデル 特になし(ヤマグチノボルの発言による) 出典 『スオムスいらん子中隊』/『スオムスいらん子中隊ReBOOT!』/WORLD WITCHES 2018 エルマ・レイヴォネン ELMA LEIVONEN 年齢 15歳(1939年) 身長 162cm 誕生日 6月4日 階級 中尉 使い魔 ミンク 所属 北欧スオムス義勇独立飛行中隊 通称 ひばり(キウル)スオムス空軍におけるコールサイン(無線呼び出し符号)。 「Leivonen」はフィンランド語で「ひばり」の意雲雀(ひばり) - (s) kiuru; leivo, leivonen ストライカーユニットファロット G50ファロット A.74魔道エンジン おそらくはロマーニャでも余剰になったか機種改編で必要なくなった飛行脚なんだろう by 智子 比較的旋回性に優れた飛行脚。 Me 109E「メルス」DB601魔道エンジン フィンランドではメッサーシュミット Me 109を「メルス」と呼んだ。 史実ではフィンランド空軍はMe 109G-2とG-6を使用。 史実ではMe 109Eは第二次世界大戦初期の主力型式、Me 109Gは後期の主力型式。 ちょっと舵に癖があるが上昇力に優れ、慣れると鋭い突っ込みを可能とする素晴らしい飛行脚。これほど一撃離脱に向いた機体もない。 使用武器ブレダ-SAFAT 12.7mm機関銃 MG FF/M 20mm機関銃? MG151/15 15mm機関銃?もしくはMG151/20 20mm機関銃? 9mm拳銃ルガーM/23?もしくはラハティL-35? その他苦労性で気が弱く、肩を落とす仕草がよく似合う。「みんながんばろうね!」が口癖。 空回りしがちだが、みんなを守りたい、祖国を守りたいという意識は誰よりも強い。 スオムス義勇独立飛行中隊の初代中隊長。のちに中隊長を穴拭智子に譲る。 1944年、前線をほぼ退いて大尉・名誉中隊長(大尉)。同年の20歳の誕生日頃から地上勤務となる。 エイラ・イルマタル・ユーティライネンの先輩にあたる。 白に近い、薄い金髪の少女。 妙に生真面目。 天然でとじっ子。 気弱で押しも弱い。 +作中の発言より 第一中隊、ナンバーワンの落ちこぼれ by アホネン いらん苦労と悲観に振り回されるタイプ by ハルカ 前向き前向き。ポジティブシンキング、ポジティブシンキング by エルマ 中尉はほんと、いい人ね by オヘア とにかくわたし!トモコ中尉の指揮下で戦って、勉強したいんです!立派な指揮官になるために! by エルマ ビューリング少尉の援護があったからですわ。彼女が、ずっと、わたしの後方を守ってくれたから…… by エルマ 声優 田中あいみ イメージモデル 特になし(ヤマグチノボルの発言による) キャラクターデザイン覇気のない、幸薄そうな感じに仕上げました。 by 島田フミカネ 出典 『スオムスいらん子中隊』/『スオムスいらん子中隊ReBOOT!』/WORLD WITCHES 2018 エリザベス・F・ビューリング ELIZABETH F. BEURLING フルネームはエリザベス・フレデリカ・ビューリング。 年齢 18歳(1939年) 身長 165cm 誕生日 12月6日 階級 少尉 使い魔 ダックスフント島田フミカネによるキャラクターデザインの段階ではアイリッシュ・セッターを使い魔として描かれた。 所属 ブリタニア403飛行隊 通称 「シルバー・フォックス(銀狐)」オストマルクの国際ネウロイ監視航空団時代のコールサイン。 ストライカーユニットハリケーン Mk. II二線級の飛行脚じゃない by 智子 大きな爆撃機を相手にするには、旋回や多少の速度性能より、射撃時の安定性が高いハリケーンの方が有効です。 by ビューリング スピットファイア Mk. V(BR323号機)ロールス・ロイス マーリン45魔道エンジン 速度、上昇、旋回、どれをとっても一流の飛行脚。 使用武器ブローニング .303 ブリティッシュ 7.7mm機関銃1インチ(2.54cm)×0.303=約7.7mm なお、12.7mmは0.5インチ。 ヒスパノ・スイザ HS.404 20mm機関砲イスパノ Mk. I(1940年)相当なのか、Mk. II(1941年)相当なのかは不明。 グルカナイフ その他海洋国家ブリタニアの植民地ファラウェイランド出身のクール・ビューティー。反骨精神旺盛、マイペースかつ変わり者だが、腕は確か。 ブリタニア403飛行隊随一の問題児。軍規違反82回、始末書232枚、営倉入り55回、軍法会議8回、銃殺刑になりそうになったこと3回。 ついたあだ名が「スクリューボール」。 ブリタニアではブラフシューペリアのオートバイに乗っていた。 以前はオストマルクの国際ネウロイ監視航空団にいた。その頃はヘッド・オン・ショット(対正面射撃)で撃墜数を稼いでいた。 厭世的な雰囲気を、そのグレーの目にたたえた美少女。 銀色の長髪に黒い皮のライダージャケット。くつろいだ空間ではこんな感じかな。 by 島田フミカネ いつもタバコを吸っている。ブリタニアではリベリオンからレンドリースのラッキーストライクの紙巻を吸っていた。パッケージは緑地に赤い丸のマーク。 ブリタニア人だが紅茶好きではなくコーヒー党。茶など飲めるか。味が薄い。 by ビューリング +作中の発言より ユーはすぐに一人の世界に入っちゃうねー by オヘア わたしはどうにも、悪いほう、悪いほうへと考えるくせがあるからな by ビューリング ここでも相変わらずの“ジョンブル”っぷりを発揮しているのかね? by ルーデル わたしはあんな風にはならないからな。きっと。うん、大丈夫だ。 by ビューリング 灰色銀髪の偏屈島国女 by ハルカ 声優 行成とあ イメージモデル ジョージ・F・バーリング (1921-1948)所属 イギリス空軍(The Royal Air Force) - 王立カナダ空軍 - イスラエル空軍 通称 「スクリューボール(奇人・変人)」何か普通と違うものに接したときの口癖が「スクリューボール(突っ拍子もねえ)」だったことから。 愛称 「バズ(Buzz)」 撃墜数 31他に協同撃墜1、撃破9。 マルタ島攻防戦におけるイギリス空軍のトップエース(撃墜27)。スピットファイアMk.Vに搭乗して活躍。 冬戦争に義勇飛行士としてフィンランド空軍へ参加することを志願するが父親の反対により断念。 少尉任官を「空戦に集中したいから」と拒否。上官に強制的に少尉に昇進させられる。 命令不服従や上官への反抗、規律違反などを理由にイギリス空軍やカナダ空軍を辞めさせられる。 資料Beurling, George and Leslie Roberts. Malta Spitfire The Buzz Beurling Story. London Penguin Books, 2002 秦郁彦『第二次大戦航空史話〈中〉』(中公文庫、1996年) アルフレッド・プライス『スピットファイアMk Vのエース 1941‐1945』柄沢英一郎訳(大日本絵画、2003年) 鈴木五郎『戦闘機A(エース)風雲録―第一次・二次世界大戦の撃墜王たち』(PHP文庫、2004年) キャラクターデザイン第一次世界大戦期の飛行服、制服というよりヒコーキ野郎をイメージしました。シルクのスカーフと、シープスキンの手袋など。 by 島田フミカネ 出典 『スオムスいらん子中隊』/『スオムスいらん子中隊ReBOOT!』/WORLD WITCHES 2018 キャサリン・オヘア KATHARINE O HARE 年齢 17歳(1939年) 身長 167cm 誕生日 3月13日 階級 少尉 使い魔 アライグマ茶色の毛に覆われているが、顔だけが白い。尻尾は黒と茶色の縞々模様。作中では動物の種類について明言されておらず、他に[[レッサーパンダ 島田フミカネによるキャラクターデザインの段階ではアビシニアンを使い魔として描かれた。 所属 リベリオン合衆国海軍航空母艦レキシントン所属第3戦闘中隊 通称 「クラッシャー(壊し屋)・オヘア」 ストライカーユニットビヤスター バッファロー作中においてサイクロンの新型エンジンに換装して魔力3割増。 史実ではF2A-1はライト R-1820-34 サイクロン 9(950馬力)で、改良型のF2A-2はR-1820-40 サイクロン 9(1200馬力)。 史実ではフィンランドにおいてB-239(F2A-1のフィンランドへの輸出型)のライト R-1820-G5 サイクロン 9(950馬力)を、ソ連から捕獲したシュベツォフ M63(1100馬力)やM62(1000馬力)に換装した例もあり。 F4F ワイルドキャット見た目は不恰好ですが、悪い飛行脚じゃありません。頑丈だし、旋回性能も悪くありません by レキシントンの航空指揮官の中佐 使用武器ブローニングM2 12.7mm機関銃 45口径のリボルヴァーM1917リボルバー? その他リベリオン出身のおてんば娘。能天気。とにかくよく物を壊すが、「新しいの買えばノープロブレム!」と本人はまったく気にしない。 飛行学校での訓練期間からスオムスに転属までにストライカーを63機壊す。 腰まである長い金髪に肉感的なボディ。 ばかでかいという形容が似合う胸。 リベリオン海軍の礼服や冬季飛行服を粋に着こなす。 陽気で快活。 底抜けに楽天家。 テキサスの田舎娘 by レキシントンの艦長 南部の粗忽者 by レキシントンの艦長 カウガール by レキシントンの艦長 南部のひょっとこどっこい by レキシントンの艦長 お前はいつも大変だな。リベリオン人。 by ビューリング 声優 井坂瞳 イメージモデル エドワード・H・オヘア (1914-1943)所属 アメリカ合衆国海軍航空隊 愛称 「ブッチ」 撃墜数 12 アメリカ海軍の最初のエース。 シカゴの「暗黒街の帝王」アル・カポネの顧問弁護士をしていたエドワード・J・オヘアの息子。 ニューギニア沖海戦において、レキシントンに雷撃しようとした一式陸上攻撃機9機をF4F ワイルドキャット1機で迎撃して5機を撃墜し、議会名誉勲章を授与される。 ジョン・サッチと共にサッチ・ウィーブを編み出す。 レーダーが装備されたF6F ヘルキャットの夜間戦闘機型であるF6F-5Nの開発に関わる。 アメリカ海軍のギアリング級駆逐艦のオヘア(DD/DDR-889)の艦名は彼に由来した。 シカゴ・オヘア国際空港は彼を記念して現在の名称になった。 資料鈴木五郎『撃墜王列伝―大空のエースたちの生涯』(光人社NF文庫、2003年) 鈴木五郎『戦闘機A(エース)風雲録―第一次・二次世界大戦の撃墜王たち』(PHP文庫、2004年) 『Scale Aviation 2008年11月号』(大日本絵画、2008年) キャラクターデザインちょっと田舎の典型的アメリカンガール。アニメのシャーリーとかぶらないよう、ややギャルっぽい造形にしました。 by 島田フミカネ 出典 『スオムスいらん子中隊』/『スオムスいらん子中隊ReBOOT!』/WORLD WITCHES 2018 ウルスラ・ハルトマン URSULA HARTMANN 所属カールスラント空軍第3防衛飛行中隊(1939年) ノイエ・カールスラント技術省(1945年) 階級曹長(1939年) 中尉(1945年) 身長 148cm(1939年) 年齢10歳(1939年) 16歳(1945年) 誕生日 4月19日 使い魔 アナグマ島田フミカネによるキャラクターデザインの段階ではエーリカ・ハルトマンと同じダックスフントを使い魔として描かれた。 使用機材He112正式採用をめぐる競合でMe109に敗れた機材。 フラックウルフ Fw190タイプA-0BMW 801魔道エンジンを搭載した、フラックウルフ190の先行量産型。 使用武器12.7mm機銃 空対空火薬ロケット×2門カールスラントのヴェーラ・フォン・ブラウンのロケット研究を元にウルスラが開発。 MG151/15 15mm機関銃 9mm拳銃 その他エーリカ・ハルトマンの双子の妹。優秀な姉と比較される事が多く、それが煩わしいと思っていたが、スオムス戦線での仲間との交流と戦果による自信がつくに従い、このわだかまりは払拭された模様。 真面目で向学心に溢れるが、寡黙で必要以上に口を開かない。興味のある事柄には突然饒舌になる事もある。 心の赴くままに行動している姉と違い、何事も本で得た知識が優先で、マニュアル通りに動くことを規範としている。「わたしは教科書からすべてを学ぶ」が信条。 しかし体が頭に追いついていないので、思い通りに動けておらず、特に射撃ではそれが顕著。 姉と同様に高いウィッチの素質があったが、たとえ上官でも他人の話を聞かない性格から士官学校には入れなかった。この「他人の話を聞かない」という性格は、姉のエーリカにも垣間見られるが、ウルスラには特に顕著である。 下士官として任官し、訓練の後スオムスへ義勇軍として送られると、義勇独立飛行中隊(通称いらんこ中隊、後に第507統合戦闘航空団に昇格)に所属。この中で他人との付き合い方や戦い方を覚え、本のみに依存する性質から少しずつ脱却していった。 実験が趣味。義勇独立飛行中隊にいる際、独自に空対空ロケットを開発し大型機に対して戦果を挙げた。後にリトヴャク中尉が装備しているフリーガーハマーに発展。 この成果がカールスラント技術省に認められ、後に兵器開発に携わる。 本国の技術省に転属後は、夜間の工科大学に通いつつ、ロケット兵器を中心とした新兵器の開発と運用に尽力。新型兵器フリーガーシュレックのテストの為ブリタニアの501基地を訪問。同隊のリトヴャク中尉とは訪問以前から交友があった。(秘め話CD 3) ウィッチとしての能力を生かして新型ストライカーユニットの開発にも協力しており、使用機材は多岐に渡る。ジェットストライカーMe262の開発に携わっている。バルクホルン大尉が使用し大破したMe262試験用ユニットの回収の為、ロマーニャの501基地を訪れる。(『ストライクウィッチーズ2』4話) 改良を加えたMe262をサン・トロン基地に持ち込み、バルクホルン大尉による試験に供用。さらに姉エーリカの戦闘にHe162ジェットストライカーで駆けつける。(『Operation Victory Arrow』Vol.1) 作中の発言よりユーは長生きしそうね by オヘア 貴官と姉とは、随分性格が違うようだな by ルーデル ・・・・・・本が読めない by ウルスラ 声優 野川さくら イメージモデル ウルスラ・ハルトマン (1924-1996)愛称 「ウーシュ(Usch)」 その他エーリヒ・ハルトマンの妻で、結婚前の名前はウルスラ・ペーチュ。 エーリヒ・ハルトマンとは彼女が15歳の時からの交際の後に結婚した。 ソ連に抑留された夫が帰ってくるのを信じて十年間待ち続けた。 彼女自身の誕生日は3月23日。 キャラクターデザインハルトマンの双子の妹ですが、作中の時代設定に合わせ、より幼く描いています。 by 島田フミカネ 出典 スオムスいらんこ中隊/秘め歌コレクション 3/TVアニメ『ストライクウィッチーズ2』(2010年)/第五〇一統合戦闘航空団全記録弐 第二集/OVA『ストライクウィッチーズ Oeration Victory Arrow』(2014年)/TVアニメ『ストライクウィッチーズ ROAD to BERLIN』(2020年) ジュゼッピーナ・チュインニ GIUSEPPINA CENNI 所属カールスラント空軍第4航空群第2大隊(『スオムスいらん子中隊』、カールスラント国境防衛戦において) ロマーニャ空軍第97急降下爆撃航空群第239飛行隊 階級曹長(1937年) 准尉(1939年)准尉さんってのは、現場叩き上げの腕っこきです by エルマ 身長 156cm 年齢 14歳(1937年)16歳(1939年) 誕生日 2月27日 使い魔 山猫 使用機材ファロット G50 使用武器12.7mmSAFAT機関銃 その他ロマーニャ空軍出身だが、カールスラント空軍第4航空群第2大隊に編入され(『スオムスいらん子中隊』での設定)国境防衛戦闘に参加。 ヒスパニア戦役で実戦経験を積んでおり、既にエースとして高い空戦技術を持っていた。 急降下爆撃隊を率い、地中海方面からカールスラント国境までを転戦。 ロマーニャ国内で「チュインニ方式」と呼ばれる、低空を水平飛行して目標の手前の水面に遅延信管を付けた爆弾を投下、水切りのように爆弾を移動させる反跳爆撃(スキップボミング)を実戦で初使用。部隊は「ワルツを踊る少女たち」の異名で知られた。 この戦法で沿岸部の要塞型ネウロイの破壊にも成功している。 ネウロイ勢力圏内で戦闘行動中行方不明の認定を受け、一時は生存が絶望視される。徒歩による自力帰還を果たすが、記憶を喪失しており、同時に華麗な空戦機動のテクニックも失っていた。 リハビリを兼ねてスオムス義勇独立飛行中隊に配属された。 +作中の発言より パスタ准尉 by ハルカ この子はガチだ by 智子 マンマミーヤ! by ジュゼッピーナ そこのパスタ食い! by ハルカ わたしこれでも、ロマーニャ娘よ? by ジュゼッピーナ 実に陽気なロマーニャ娘。 りんごより、トモコ中尉が剥きたいなぁ…… by ジュゼッピーナ 声優 齋藤小浪 イメージモデル ジューゼッペイ・チェンニ (1915-1943)所属 イタリア王立空軍(Regia Aeronautica) 通称 「ワルツを踊る小人」この場合の「小人」は少年の意。 彼が第5飛行連隊第102大隊第239中隊の急降下爆撃開始の無線の合図に使った言葉が「Valzer ragazzi!(英訳すると「Waltz boys!」。「ワルツを踊れ坊やたち!」くらいの意と思われる)」だった。 撃墜数 8すべてスペイン内戦における戦果。 急降下爆撃の名パイロットで急降下爆撃隊の名指揮官として有名。ユンカース Ju87 スツーカやレジアーネ Re.2002に搭乗。 少数ながらも精鋭のイタリア急降下爆撃隊を率いてギリシャ・イタリア戦争や地中海の戦いにおける対地攻撃や対艦船攻撃で戦果をあげた。 跳飛爆撃(スキップ・ボミング)を最初に実戦で採用。「チェンニ方式」として知られる。 第二次世界大戦の前のスペイン内戦では戦闘機のパイロットとしてフィアット CR.32に搭乗。 急降下爆撃のパイロットになる前の第51飛行連隊第354中隊に所属時はフィアット G.50にも搭乗。 キャラクターデザイン作品中の役割から、ミステリアスな雰囲気に。出身地由来の健康的な褐色肌も、極力見せないように抑えた色調に統一しました。 by 島田フミカネ 出典 『スオムスいらん子中隊』/『スオムスいらん子中隊ReBOOT!』/世界の航空歩兵シリーズ/第五〇一統合戦闘航空団全記録弐 第三集/WORLD WITCHES 2018 その他 加藤武子 ミカ・アホネン アウロラ・E・ユーティライネン ラウラ・ニッシネン →国別キャラ - スオムス ハンナ・U・ルーデル アーデルハイド →国別キャラ - 帝政カールスラント ヨンナ・ハッキネン キャラクター表 いらん子中隊キャラ一覧画像 いらん子中隊キャラのイメージモデル一覧画像 いらん子中隊キャラのストライカーユニットのモデル一覧画像 補足 スオムスいらん子中隊キャラクター補足
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資料や参考になるページ 資料や参考になるページ スオムスいらん子中隊シリーズ公式サイト 島田フミカネ - Wikipedia ヤマグチノボル - Wikipediaスオムスいらん子中隊シリーズ4巻について 上田梯子本人が運営するサイト。 ヤマグチノボル『ストライクウィッチーズ―スオムスいらん子中隊がんばる』(角川スニーカー文庫、2006年)電子書籍版 ヤマグチノボル『ストライクウィッチーズ 弐ノ巻―スオムスいらん子中隊恋する』(角川スニーカー文庫、2007年)電子書籍版 ヤマグチノボル『ストライクウィッチーズ 参ノ巻―スオムスいらん子中隊はじける』(角川スニーカー文庫、2008年)電子書籍版 島田フミカネ『島田フミカネ ART WORKS』(角川グループパブリッシング、2008年)島田フミカネによる1巻から3巻までの表紙絵や各種智子の版権絵、義勇独立飛行中隊各キャラの立ち絵とケモノ耳なしの顔のラフ、ミカ・アホネン、ハンナ・ルーデル、加藤武子の立ち絵、ハッキネン少佐と糸河衛の顔のラフなどが掲載。お勧め。 角川書店編『ストライクウィッチーズ オフィシャルファンブック コンプリートファイル』(角川グループパブリッシング、2009年)義勇独立飛行中隊各キャラ(ジュゼッピーナは未掲載)の立ち絵とケモノ耳なしの顔のラフが掲載。ビューリング以外のキャラは『島田フミカネ ART WORKS』には載っていないコートやジャケットなど着用の立ち絵あり。ただし、カラーではなくモノクロのページに掲載。 『ザ・スニーカー 2008年8月号』(角川グループパブリッシング、2008年)ヤマグチノボルと島田フミカネの対談(共同インタビュー)記事あり。 ストライクウィッチーズ~機械化乙女秘めごとパック~(角川書店、2007年)付属の島田フミカネ「STRIKES」(ミニイラスト集)に義勇独立飛行中隊のキャラクターの設定も掲載。身長の情報あり。 『ストライクウィッチーズ DVD 第5巻 限定版』付属の「第五〇一統合戦闘航空団 作戦予定表」(カレンダー)に義勇独立飛行中隊各キャラの誕生日の情報あり。 園崎未恵、野川さくら、田中理恵『ストライクウィッチーズ キャラクターコレクション 3』(コロムビアミュージックエンタテインメント、2009年)収録されている秘め歌トークにウルスラ・ハルトマン(キャラクターボイス:野川さくら)が登場。 南房秀久『ストライクウィッチーズ 乙女ノ巻2』(角川グループパブリッシング、2009年)ウルスラ・ハルトマンについて触れられている部分がある。 +ウルスラ・ハルトマンについて触れられている部分(157ページ) バルクホルンが突っ込むが、ハルトマンは鼻歌まじりで本棚を見て回る。 意外と、この手の本が好きなようだ。 「妹が見たら喜ぶかな?」 ハルトマンにしては珍しい、少し、考え込むような表情。 「……いや、あいつはもっと小難しいのしか読まないかもなあ」 「妹さん?」 と、芳佳は尋ねる。 「ん。双子の妹。無類の本好き」 そう言いながら、ハルトマンは大判の絵本の棚の前に立った。 『ストライクウィッチーズ アフリカの魔女』(同人誌、2008年)鈴木貴昭「すとらいくうぃっちーず こぼれ話」に2004年にストライクウィッチーズのプロトタイプとして作られた冬戦争が舞台のプロットの一部やストライクウィッチーズの設定解説、参考図書紹介などあり。 『ストライクウィッチーズ 砂漠の虎』(同人誌、2008年)鈴木貴昭「アフリカの星 鷲と月と太陽と」の中で穴拭智子と加藤武子について触れられている。 冬コミ新刊「ストライクウィッチーズ 砂漠の虎」 - Firstspear.com あくしずと砂漠の虎と - 闇文社電子出版局 中山雅洋『北欧空戦史』(学研M文庫、2007年)鈴木貴昭が挙げたストライクウィッチーズの参考図書の一つ。スオムスいらん子中隊は冬戦争をモチーフとしているので作品理解の助けになる。安い、入手しやすい、読みやすい、戦記物というより歴史物としておもしろい、同書に登場する主な飛行機の写真が一通り載っている、巻末には著者とユーティライネンやカタヤイネンなどフィンランド空軍のエースたちとの座談会も掲載、とお勧め。ただし、空戦のみに内容を絞ってあるため冬戦争、継続戦争の全体の経過などは簡単に触れられている程度。 史実WW2レファレンスルーム 戦場 スオムス戦線 歴史資料館 各キャラクター誕生日一覧 - ストライクウィッチーズ 百合SSまとめ ストライクウィッチーズの登場人物 小説版 - Wikipedia ストライクウィッチーズ 登場人物 小説版 - Uncyclopedia ストライクウィッチーズ スオムスいらん子中隊シリーズ - もの書きWiki ストライクウィッチーズ - MEDIAGUN DATABASE 穴拭智子 - ストライクウィッチーズな日々 ストライクウィッチーズ:機体考察・小説版 - 模型と本の話 愛のハルトマン - 幕僚日誌III Giuseppe Cenni - Wikipedia (it) カール・グスタフ・フォン・ローゼン伯爵 - 安直堂 カール・グスタフ・フォン・ローゼン - Wikipedia 陸軍九七式戦闘機 - 古典航空機博物館 ニ式単座戦闘機 鍾馗 - 古典航空機博物館 二式単座戦闘機 鍾馗 - ハセガワ公式ホームページ メッサーシュミット Bf109 History - ハセガワ公式ホームページ Fw190の真実 KANON in the AIR 第二次世界大戦 欧州編 KANON in the AIR 第二次世界大戦 太平洋編 ホ-103 12.7mm機関砲 - 福住兵器工廠 99式20ミリ固定機銃の歴史 M1917リボルバー - Wikipedia (en) Parabellum Lahti L-35 ブレダ-SAFAT 12.7mm機関銃の評価は? なぜフィンランドはフィアット G.50を購入したのか? なぜフィンランドでF2A バッファローは活躍できたのか? なぜアメリカのパイロットは士官がほとんどだったのか? この部分はネタバレがあります +ウルスラ、エルマ中尉、第一中隊の機関銃について 季節は秋深まる十一月の十日【1巻71ページ】1939年11月10日 (エルマ中尉)ロマーニャ製のG50ですっ!【1巻91ページ】エルマ中尉の作中当初の装備はブレダ-SAFAT 12.7mm機関銃と考えられる。 ほとんどの子が装備した機銃は、七・七ミリか、十二・七ミリ機関銃【1巻95ページ】 ウルスラは(中略)持っていた十二・七ミリ機銃を【1巻100ページ】ウルスラのスオムス着任当初の装備は12.7mm機関銃。 わたくしたちは(中略)新鋭のメルスE型を装備【1巻115ページ】 メルスの装備した二十ミリ機関砲【1巻164ページ】第一中隊の装備するメルスE型の機関銃は20mm。 (ハルカは)護身用の八ミリ拳銃だけが装備品になってしまった。【2巻37ページ】 新型の補充を依頼した。【2巻48ページ】 キャサリンは腰からリヴォルヴァーを抜いて、四十五口径弾を【2巻70ページ】 エルマ中尉とウルスラも、九ミリ拳銃でもって【2巻70ページ】 一月二十二日【2巻75ページ】1940年1月22日 義勇独立飛行中隊に対する、新機材が到着しました【2巻77ページ】 ビューリングとウルスラに送られてきたのは、本国から運ばれた新型機銃だった。【2巻77ページ】この時点でMG151/15 15mm機関銃は「新型」であるとも解釈できる。 ……MG151。十五ミリ機関砲【2巻78ページ】 マウザーの十五ミリは、エース好みの口径と聞いている。【2巻78ページ】MG151/15 15mm機関銃はある程度は実戦で使用されていると考えられる。 エルマ中尉に用意されたのは、カールスラントから運ばれてきたメルスE型であった。【2巻79ページ】 (エルマ中尉)「す、すごい!ぴかぴか!」【2巻79ページ】新品もしくはオーバーホール済みの機体を受領したと思われる。 (エルマ中尉は)第一中隊と同じ装備を与えられ【2巻79ページ】第一中隊と同等の装備、つまり20mm機関銃に装備変更したと考えられる。 運命の二月五日【2巻165ページ】1940年2月5日 義勇独立飛行中隊は、装備機が全損。【2巻189ページ】 飛行脚は全部壊れちゃったね。【2巻202ページ】 (智子の台詞)第一中隊のメルスでも引っ張ってきなさい【2巻202ページ】 補充の機体が届くまで借りることになった予備機のメルス【3巻13ページ】 魔女たちは次々にカールスラント製のメルスを装着【3巻19ページ】 二十ミリMG機関砲(モーターカノンとルビ)の野太い発射音【3巻24ページ】智子が使用して発射。 第一中隊の予備機のメルスE型の機関銃は「MG」の「20mm」で「モーターカノン」。 MG FF 20mm機関銃は試作レベルでしかモーターカノンとしては使われていない。 MG FF/M 20mm機関銃はMe 109F-1でモーターカノンとして使われている。 MG FF 20mm機関銃の重量は26kg。 (第一中隊の)メルスの二十ミリを食らい【3巻35ページ】 今日は補充機が届く日【3巻52ページ】 カールスラント本国でも配備が始まったばかりのフォッケウルフ190の先行量産型……、FWタイプA0【3巻88ページ】 (ウルスラが)大きなMG151機関砲を背負っても【3巻89ページ】 (ジュゼッピーナは)ロマーニャのG50を装備【3巻89ページ】 (ジュゼッピーナは)十二・七ミリ機銃弾を【3巻102ページ】ブレダ-SAFAT 12.7mm機関銃と考えられる。 アホネン大尉は、智子たちにMG機関砲を突きつけた【3巻164ページ】 長砲身のモーターカノン【3巻164ページ】MG 151/20 20mm機関銃はMG 151/15 15mm機関銃の口径を拡大し全長を短縮したもの。つまり、MG 151/15 15mm機関銃の方がMG 151/20 20mm機関銃より砲身が長い。 ひょいっとMG151を手渡した【3巻164ページ】この時点で第一中隊は「モーターカノン」の「MG151」を装備していると考えられる。 口径は不明。 機関砲は四十キロ以上もある【3巻165ページ】MG 151/15 15mm機関銃の重量は39kgでMG 151/20 20mm機関銃の重量は42kg。どちらであってもおかしくはない。 (ウルスラの)MG151モーターカノンの弾が切れる【3巻173ページ】 以上、本編の記述より。 史実では、 Me 109Eの20mm機関銃(すべて翼内装備)MG FF 20mm機関銃(E-3) MG FF/M 20mm機関銃(E-4以降) Me 109FのモーターカノンMG FF/M 20mm機関銃(F-1) MG151/15 15mm機関銃(F-2とF-3) MG151/20 20mm機関銃(F4以降) Fw 190の20mm機関銃(すべて翼内装備)MG FF/M 20mm機関銃(A-1) MG FF/M 20mm機関銃およびMG151/20 20mm機関銃(A-2からA-5) MG151/20 20mm機関銃(A-6とA-7) なお、スオムスいらん子中隊シリーズでは基本的にストライカーのモデルとなった機体が装備していた機関銃をウィッチが装備している。 以上から3巻までの描写までで推測すると、 第一中隊は、作中当初はMG FF/M 20mm機関銃を使い、後にMG151/15 15mm機関銃に装備変更。義勇独立飛行中隊に補充機が届いた補給(3巻52ページ)で運ばれてきた? エルマ中尉は、作中当初はブレダ-SAFAT 12.7mm機関銃を装備。メルスE型に機種転換時にMG FF/M 20mm機関銃に装備変更。その後で更に第一中隊と同時にMG151/15 15mm機関銃に装備変更? ウルスラは、作中当初は12.7mm機関銃(詳細不明)。後にビューリングの依頼による補充でMG151/15 15mm機関銃に装備変更。 もしくは、 第一中隊は、ずっとMG151/20 20mm機関銃を使用していて1巻から3巻までの作中の時間内で機関銃の装備変更はなし。 エルマ中尉は、作中当初はブレダ-SAFAT 12.7mm機関銃を装備。メルスE型に機種転換時にMG151/20 20mm機関銃に装備変更。 ウルスラは、作中当初は12.7mm機関銃(詳細不明)。後にビューリングの依頼による補充でMG151/15 15mm機関銃に装備変更。その後でFWタイプA0受領以降はMG151/20 20mm機関銃に装備変更の可能性も。 ビューリングの依頼による補充時はカールスラント本国が何らかの意図があってわざわざMG151/20 20mm機関銃ではなくでMG151/15 15mm機関銃を送ってきたとも考えれる。年齢が若く小柄で射撃が下手なのを考慮して高初速で「狙ったところにまっすぐ飛んでいく」MG151/15 15mm機関銃が向いてると判断した? などの可能性が考えられる。
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登録日:2009/12/31(木) 21 02 43 更新日:2023/11/22 Wed 12 48 13NEW! 所要時間:約 5 分で読めます ▽タグ一覧 こちらは何気にパンツ ストライクウィッチーズ ヤマグチノボル レズ 俺達の春は来ない 完結が危ぶまれる作品 小説 百合 築地俊彦 『ストライクウィッチーズ』の外伝となる小説。 1939年のスオムスが舞台で、スオムス義勇独立飛行中隊、通称「いらん子中隊」(後の第507戦闘航空団「サイレントウィッチーズ」の原型)を中心に描かれる。 作者は『ゼロの使い魔』で有名なヤマグチノボル。 3巻まで出版され、3巻末尾に4巻2009年春発売の記述を残したままヤマグチの逝去に伴い絶筆となった。 その後、2018年から原案:ヤマグチノボルとして、本作のリメイク作品『サイレントウィッチーズ スオムスいらん子中隊ReBOOT!』(*1))が発売されている(既刊4巻)。執筆を手掛けるのは『けんぷファー』等の築地俊彦。生前のヤマグチと親交があり、小説『ブレイブウィッチーズ Prequel』3巻では本作に先駆けハルカのその後を描いていた。 リメイクにあたり設定が他作品等との整合性をとるため一部修正され、いらん子中隊の駐屯基地もヤマグチ版のカウハバからラッペーンランタに変更。4巻で諸事情からカウハバに移動したが。 なお、ヤマグチ版は紙版が中古で出回っている他電子書籍も継続して販売されており、容易に両方読める。読み比べてみるのも一興。 【登場人物】 いらん子中隊 能力は高いが性格や素行に問題があるエース達と、一応やれば出来るが色々と難を抱えている面々からなる、正規部隊から弾き出された「いらん子」達の義勇兵部隊。 とはいえ後に戦闘に出す事自体が危ぶまれるウィッチで構成された空飛ぶ楽隊が登場したため、本編の活躍も含めるとこれでも実は出来る子ではある。 寄せ集めながら徐々にチームワークが出来成果を上げていった様子は、後の「統合戦闘航空団」計画へと発展することになる。 ◆穴拭智子 16歳 階級は少尉→中尉 「扶桑海の巴御前」の二つ名を持つ扶桑陸軍エース。 プライドの高い堅物で、入隊当初はスオムス送りにされたこともあって他の隊員と衝突していたが、後に和解。 押しに弱く流されやすい性格で、ハルカやジュゼッピーナ等同性を引き寄せるフェロモンが出ている。 故郷にいたころは武子や後にアフリカへ向かう加東圭子と戦友関係にあり、圭子は『アフリカの魔女』小説版にて「昔自らの戦意を鼓舞するため『白色電光の穴拭』と名乗っていた」と回想している。 なお、後の『ブレイブウィッチーズPrequel3』にて、同作の時期(「サイレントウィッチーズ」結成前)には扶桑に帰国した事が明らかにされている。 ◆迫水ハルカ 14歳 階級は一等飛行兵曹 機動や射撃の能力がさっぱりの扶桑海軍の落ちこぼれで、通称「味方撃ちの迫水」。しかし智子の得意技であるつばめがえしを訓練なしで成功させたり、実はド近眼だった事から実戦時たまに眼鏡をかける様になると芽が出てくる等、実は才能はあるのかも。 なお眼鏡嫌いの理由は眼鏡がビン底系なので掛けた顔が嫌いな事と、自分の変な顔を智子に見られたくないから。 だが成長するにつれそんな長所や萌え所を打ち消す程の肉食系の気が少しづつ露わになり、夜は智子をベッドの上で「撃墜」する程に駄目な方向にも育っていった。 後の『ブレイブウィッチーズPrequel3』で再登場した際、一端扶桑に帰国して昇進した後再びスオムスへと向かい、同地で結成された「サイレントウィッチーズ」にも引き続き参加した事が判明。 アニメ版のアフターストーリーでサーニャを狙ってるのは多分こいつ。 ちなみに、作者の意向からワールドウィッチーズシリーズとしては珍しい完全オリジナルのキャラクターとして描かれている。 ◆エルマ・レイヴォネン 15歳 階級は中尉 いらん子中隊初代隊長。 天然でドジっ娘。気弱な性格で「みんながんばろうね!」が口癖。戦闘にも臆病で成果も少なかったが、中隊長の座を智子に譲ってからは撃墜数を増やしている。 エイラの先輩。 ◆エリザベス・F・ビューリング 18歳 階級は少尉 昇進か転属かを迫られ後者を選ぶ、ひねくれたクールビューティー。軍規違反を繰り返し、銃殺刑になりかけたこともある。 戦闘の腕は確かで、智子にも劣らない撃墜数を上げている。必要と有れば死んだふりや智子を空中でストライカーユニットのみ(全裸)にする。ヘビースモーカー。 後に小説版『アフリカの魔女』3巻にてマルタ島戦線に援軍として参加。本来のストライカーユニットが輸送船の座礁で壊れたため支給品内のスピットファイアを装備した。 ◆ウルスラ・ハルトマン 10歳 階級は曹長 無口なメガネッ娘。読書好きでいつも本を手放さない。研究好きでもあり、対空ロケットが成功してからは兵器開発の実験で度々部屋を壊している。 アニメ2期にもジェットストライカーの開発者として登場。小説に比べ、かなり社交的になっている。エーリカの双子の妹。 ◆キャサリン・オヘア 17歳 階級は少尉 ノーテンキなおっぱい。リベリオンの田舎娘。「~ねー」と語尾につく。 スオムス転属までにストライカーを63機壊し、通称は「クラッシャー・オヘア」。 そのやらかしは小説版『アフリカの魔女』3巻でも「空母上のストライカーユニットに多大なる被害をもたらし辺地に左遷されたウィッチ」という伝説として、空母ウィッチ達の戒めとなっている。 陽気な性格で隊ではムードメーカー。 ◆ジュゼッピーナ・チュインニ 16歳 階級は准尉 補充員。 カールスラント前線で戦っていたが、撃墜されて記憶喪失に。記憶が戻ってからはハルカと智子の撃墜数を競う仲になった。 ロマーニャっ娘でテクニシャン。 林檎より智子を(全裸に)剥きたいお年頃。 扶桑 ◆加藤武子 智子の親友かつ戦友。 個人の撃墜数にこだわらず、部隊での戦法を重要視する。 スタンドプレーに走りがちな智子の行く末を案じ、彼女をスオムス送りにした(*2)。 カールスラント派遣後は指揮官として活躍しているようだ。 ◆糸川衛 キ44と共にスオムスにやってきた技師。 智子に好意を持ち、恋人関係になるが…。 スオムス ◆ミカ・アホネン エルマとは元々同じ部隊であり、エイラの先輩。ガチレズのおデコちゃん。部下を妹と名付け、「お姉様」と呼ばせている。 アホやねんとかいうな。 ◆ハッキネン 基地の司令官。常に冷静な女性。通称及びコールサインは「雪女」。 ◆マンネルハイム将軍 スオムス総司令官。 スラッセン奪還作戦に向かうウィッチ達に訓示を述べた。モデルはおそらくカール・グスタフ・エミール・マンネルヘイム。 史実においてフィンランドを独立へ導き第二次世界大戦でも独立を守り抜いた、正に「英雄」が相応しい人間。 カールスラント ◆ハンナ・U・ルーデル 階級は大尉。スツーカ部隊の長で(ReBOOT版ではアーデルハイドと二人で強制休養も兼ねての教導任務によるスオムス派遣)、爆撃の女王でもある。ビューリングとは過去に共闘し、その際に顔を負傷。肌の色で人間を判断しない軍人。 ストライクウィッチーズ最強クラスのフルモンスターで、ウルスラの姉エーリカらと並ぶカールスラントが誇る四強が一人。 元ネタは「史上最強の幼女大好き破壊神」や「アンサイクロペディアに嘘を言わせなかった男」で有名なあの人。 ◆アーデルハイド ルーデルの副官。 凍らせた薔薇のような美人。 追記・修正お願いします △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 永遠の未完 -- 名無しさん (2015-03-24 21 36 32) いらん子中隊が未完ならみんな死ぬしか無いじゃない!あなたも私も! -- 名無しさん (2015-03-24 22 59 36) ↑ドラえもん「……」 -- 名無しさん (2015-03-24 23 01 04) 2009年春がやっとやってきたんだな -- 名無しさん (2018-07-20 21 12 41) 続刊と聞いて -- 名無しさん (2018-09-20 05 32 01) シリーズ新作『ルミナスウィッチーズ』のアニメイントロ文を見ると、いらん子小隊はまだ前線に行けるだけいらん子では無かった感が浮上してきた。 -- 名無しさん (2022-04-07 13 28 48) 名前 コメント
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スオムスいらん子中隊、もといスオムス義勇独立飛行中隊が結成されてから1週間が過ぎたとき、この中隊にまた一人のウィッチが配属された。 その名は俺少尉。カールスラント空軍第1訓練航空団第Ⅳ飛行隊第12中隊に所属し、航空ウィッチの癖に「砲撃」によってネウロイを撃破したため、 「フライングアーティラリー(空飛ぶ砲兵隊)」、「ヒューマンバッテリー(人間砲台)」というあだ名で着々とスコアを伸ばしていた。 しかし、ある作戦で部隊の隊長を誤射してしまい負傷させてしまった罪で軍事裁判にかけられ、そのまま重営倉送りにされてしまった。 それが故意ではなく事故だったと分かり、俺は重営倉を出ることができたが、既に部隊内に彼の居場所は無く、スオムスに厄介払い同然に派遣された。 そんな俺の物語である。―――― 第1章 スオムスいらん子中隊の俺 第1話 スオムスいらん子中隊の俺 第2話 スオムスいらん子中隊の俺 第3話 スオムスいらん子中隊の俺 第4話 スオムスいらん子中隊の俺 第5話 スオムスいらん子中隊の俺 第6話 スオムスいらん子中隊の俺 第7話 面白かった!でも第3話の最初ビューリングの口調がおかしかったぞ -- 名無しさん (2011-10-18 18 47 18) 続きとっても楽しみにしております -- 名無しさん (2011-10-19 00 08 26) タイトル変えたのかな? 続き待ってます -- 名無しさん (2011-10-19 04 06 16) 某国の空飛ぶトーチカみたいですな~ 続き待ってます -- 名無しさん (2011-10-19 16 41 29) そろそろ続きが来ると信じてるよ -- 名無しさん (2012-02-14 06 10 47) 続きは…? -- 名無しさん (2012-04-22 17 27 41) 続きが気になります -- 名無しさん (2014-03-04 00 40 32) 名前 コメント
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目次 「ストライクウィッチーズ いらん子中隊」シリーズを読む関連記事 ストライクウィッチーズ―スオムスいらん子中隊がんばる-目次 ストライクウィッチーズ-弐ノ巻 スオムスいらん子中隊恋する ストライクウィッチーズ-参ノ巻 スオムスいらん子中隊はじける 「ストライクウィッチーズ いらん子中隊」シリーズを読む 関連記事 今すぐストライクウィッチーズいらん子中隊を読む方法 - そっと×× 【雑記】「銃は分解・結合するものではありません。敵を撃つものです。」~ょぅι゙ょと泥沼のビルマ戦線と元・覆面作家の本~やっと読了・・・orz 英国空軍パーク将軍の彫像、ロンドン・トラファルガー広場に立つ!~「いらん子中隊」読者は要注目!~ビューリングの「大人しく昇進か、スオムス送りか」の選択を突きつけたブリタニアの基地司令のモデルと思われる、英国空軍パーク将軍 ストライクウィッチーズ―スオムスいらん子中隊がんばる- ストライクウィッチーズ―スオムスいらん子中隊がんばる (角川スニーカー文庫) 目次 +目次 プロローグ 第一章 穴拭智子少尉 第二章 北欧スオムス 第三章 蒼空の訓練 第四章 智子の憂鬱 第五章 ネウロイの侵攻 第六章 撃墜王 第七章 対決!ディオミディア! エピローグ 解説『ストライクウィッチーズ』企画の成り立ち 鈴木貴昭(『ストライクウィッチーズ』ワールドコーディネーター) ストライクウィッチーズ、小説版に寄せて 島田フミカネ(キャラクター原案) (付記)ストライクウィッチーズの世界その世界 魔力革命 飛行機の開発 敵の出現 ウィッチ-ズの誕生 ストライクウィッチーズ-弐ノ巻 スオムスいらん子中隊恋する ストライクウィッチーズ 弐ノ巻―スオムスいらん子中隊恋する (角川スニーカー文庫) ストライクウィッチーズ-参ノ巻 スオムスいらん子中隊はじける ストライクウィッチーズ 参ノ巻 スオムスいらん子中隊はじける (角川スニーカー文庫) 読書/特集/ストライクウィッチーズを読む
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スオムスいらん子中隊、もといスオムス義勇独立飛行中隊が結成されてから1週間が過ぎたとき、この中隊にまた一人のウィッチが配属された。 その名は俺少尉。カールスラント空軍第1訓練航空団第Ⅳ飛行隊第12中隊に所属し、航空ウィッチの癖に「砲撃」によってネウロイを撃破したため、 「フライングアーティラリー(空飛ぶ砲兵隊)」、「ヒューマンバッテリー(人間砲台)」というあだ名で着々とスコアを伸ばしていた。 しかし、ある作戦で部隊の隊長を誤射してしまい負傷させてしまった罪で軍事裁判にかけられ、そのまま重営倉送りにされてしまった。 それが故意ではなく事故だったと分かり、俺は重営倉を出ることができたが、既に部隊内に彼の居場所は無く、スオムスに厄介払い同然に派遣された。 そんな俺の物語である。―――― 第1章 第1話 第2話 第3話 第4話 第5話 第6話 第7話 面白かった!でも第3話の最初ビューリングの口調がおかしかったぞ -- 名無しさん (2011-10-18 18 47 18) 続きとっても楽しみにしております -- 名無しさん (2011-10-19 00 08 26) タイトル変えたのかな? 続き待ってます -- 名無しさん (2011-10-19 04 06 16) 某国の空飛ぶトーチカみたいですな~ 続き待ってます -- 名無しさん (2011-10-19 16 41 29) そろそろ続きが来ると信じてるよ -- 名無しさん (2012-02-14 06 10 47) 続きは…? -- 名無しさん (2012-04-22 17 27 41) あけおめ。更新こい! -- 名無しさん (2014-01-21 05 25 30) あけましておめでとうございます。 -- 名無しさん (2014-01-24 05 11 25) 501以外も最近活発なのでage -- 名無しさん (2015-03-06 21 44 33) 楽しみだ -- 名無しさん (2015-03-07 17 21 37) 今年こそ! -- 名無しさん (2015-04-18 15 34 47) 今年こそ! -- 名無しさん (2015-04-19 00 01 42) 今年こそ!更新頼む -- 名無しさん (2015-05-04 15 03 08) 更新を・・・更新をくれ・・・更新してくれぇぇぇ!! -- 名無しさん (2015-05-05 22 43 47) 更新求む!! -- 名無しさん (2015-05-13 19 30 56) 頼むよ〜 -- 名無しさん (2015-05-14 20 59 26) 来ないかね… -- 名無しさん (2015-05-14 21 02 13) 荒らしに執着されてるようだが気にせず。待っとるよ -- 名無しさん (2015-05-16 00 20 23) シャーリー「ゴミスレが伸びてる理由もわからないな」 -- 名無しさん (2015-06-02 02 00 42) 更新してくれ・・・たのむから・・・ -- 名無しさん (2015-09-28 23 10 19) あくしろ〜 -- 名無しさん (2016-03-22 22 44 15) 名前 コメント
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ストライクウィッチーズ世界のウィッチ一覧を作ろう! 修正、追記、変更などの編集はお気軽に。 記述の体裁など細かいことは気が向いた人がやってくれるでしょう。 2010年9月19日にページの分割について提案されました。編集人の方はご意見をお願いします。 注意:各ウィッチの英字表記・誕生日はイメージモデル等からの推測も含まれます。 +スオムス スオムススオムス空軍ミカ・アホネン エイラ・イルマタル・ユーティライネン ニッカ・エドワーディン・カタヤイネン エルナ・キンニュネン エルマ・レイヴォネン アイラ・ペイヴィッキ・リンナマー エイニ・アンティア・ルーッカネン エリカ・リリィ ラウラ・ニッシネン エルセ・リーヒカッリオ ウーラ・サルヤモ ハンナ・ヘルッタ・ウィンド ピィヨツィア マグヌッソン アウリッキ ヒリヤ キエロ マリッカ シーリ タイナ テッポ トイニ スオムス陸軍アウロラ・E・ユーティライネン ハロネン レーヴェンシュライホ スオムス イメージモデル フィンランド共和国 スオムス空軍 イメージモデル フィンランド空軍 ミカ・アホネン MIKA AHONEN 所属 スオムス空軍第三機械化航空歩兵大隊第一中隊中隊長 階級 大尉 愛称 「おねえさま」 イメージモデル 不明候補 レオ・アホラ(撃墜数1) 候補 レオ・アホカス(撃墜数12) 「ミカ」という名前については、元F1ドライバーのミカ・ハッキネンからだと思われるが、男性名なので愛称か通称だと推測される。 「アホネン」という名字については、スキージャンプ選手のヤンネ・アホネンからだと思われる。 出典 スオムスいらん子中隊シリーズ エイラ・イルマタル・ユーティライネン EILA ILMATAR JUUTILAINEN 所属 スオムス空軍飛行第24戦隊第3中隊 階級少尉 (Vänrikki)(一期) 中尉 (Luutnantti)(二期) プロモーションDVD版では飛行長(准尉)だった。 身長 160cm 年齢 15歳(一期)16歳(二期1話以前に誕生日を迎えている) 誕生日 2月21日 使い魔 黒狐 固有魔法 『未来予知』感知系に分類される。少し先の未来をイメージとして感じることができる。 通常はタロットを媒介とするが、占いの結果は解釈次第で如何様にも判断できることもあり、当たるとも当たらないとも言われている。 現状の行動がもたらすあらゆる可能性の中から最も確率の高い結果を見ているとも考えられ、その場合は、周囲の状況全てを目に見えないものも含めて感知・分析し、結果を推論する能力と言える。宮藤軍曹から「当てずっぽう」「凄い正確な当てずっぽう」と言われる。(秘め話CD 2) 第2期第6話まで実戦でシールドを使ったことがない(本人談) 通称 「ダイヤのエース」飛行第34戦隊でエイノ・イルマリ・ユーティライネンが搭乗していたMe109G-2の機体にトランプの「ダイヤのエース」のマーキングがされたことがあることに由来すると思われる。 愛称 「イッル」スオムス時代の愛称で、第501統合戦闘航空団ではファーストネームでしか呼ばれた事がない。ナンダヨモー(´・×・`)(秘め声CD 4) パーソナルマーク ダイヤの右半分が濃い水色、左半分が薄い水色の中に白い狐 使用機材ビヤスター F2Aバッファロー(BW-364号機)24戦隊で戦果を重ね、マンネルヘイム十字章を叙勲した時に使用していたユニット。 メッサーシャルフ Bf109G-2(MT-212号機)(一期)第501統合戦闘航空団に転属となって最初に使用したユニット。 メッサーシャルフ Bf109K4(二期) 使用武器スオミM1931 (Suomi M1931) MG42 (Mashinengewehr 42) その他陸戦ウィッチの姉(アウロラ・E・ユーティライネン中尉)がいる。 スオムス第一のスーパーエースであり、第二のエースであるウィンド大尉と並び「射撃のハンナ、回避のエイラ」と賞される。故国ではファンも多い。 被弾率0%の、如何なる状況からも生還する奇跡のウィッチ。あらゆる攻撃を本能的にシールドを使わずに紙一重で回避してしまうため、実戦闘におけるシールド使用は実は不得手。リトヴャク中尉とロッテを組んでの高度30000mにおける大型ネウロイとの戦闘で、初めてシールドを使いこなす事に成功する。(二期6話) 当初はインモラ基地に配属されたが、すぐに新設されたルーッカネン分遣隊に派遣され、ベルツィレ基地に移動。バッファローを乗機とし、凍湖を仮設基地としながら転戦し戦果を重ねた。 スオムス最高位の勲章、マンネルヘイム十字章を受勲。当時の階級は飛行長(准尉相当)で、現場活動を重視し士官教育の勧めを拒否していたが、第501統合戦闘航空団への転属が決定すると餞として少尉に任官され送り出された。 面倒見が良く世話好きだが、今ひとつ押しが弱く、周囲の状況に流されやすい面がある。間が抜けたところもあり、からかうつもりが逆にからかわれている事も多い。ハルトマン中尉、イェーガー大尉、ルッキーニ少尉には度々弄ばれている。(秘め話CD 1、2、3) 独特のイントネーションで発する口癖「ムリダナ」を真似されて頻繁にネタにされてしまっている。(秘め話CD 3、秘め録CD 上) 同隊のリトヴャク中尉に対し、同性ながら明確な恋愛感情を抱いている。但し、肝心なところではヘタレる部分があり、一線を越える関係には発展していない。同中尉のストライカーユニットの補修部品の入手を手伝った事から交流が始まった。 ナイトウィッチであるリトヴャク中尉の夜間哨戒任務に度々随行している。 リトヴャク中尉と任務を共にし、同中尉と仲が良くなった宮藤軍曹に度々嫉妬する。(一期6話、二期6話) 占いが趣味。「エイラ・イルマタル・ユーティライネンの人生相談」というラジオ番組を開局し、隊員達の相談に乗ろうとしていた。(秘め話CD 1、2、3) 一度、タロットカードでリトヴャク中尉との仲を占おうとしたが「悪い結果が出るかもしれない」というプレッシャーからカードを捲ることが出来なかった。ムリダナ(・×・)(秘め話CD 2、3) スオムスの国民性もあり、サウナ好き。建物(特にサウナ)を守護する妖精『トント』を連れ歩いている。(秘め録CD 上) 健康的な食生活を心掛けており、スオムス料理のトナカイ、ヘラジカ、鱈、サーモン、ライ麦パン、乳製品等何でも食べる。刺身なんかも食べるが、ニシンだけは嫌な思い出があり苦手。(秘め声CD 4)得意料理と言えるのはサンドイッチ程度。(秘め声CD 4) 部隊の中ではルッキーニ少尉に並ぶおっぱい星人で、リトヴャク中尉以外の相手に対しては積極的に手を出す。リトヴャク中尉に手を出したルッキーニ少尉とは当初争っていたが、リトヴャク中尉曰く「趣味の方向性が似ていた」のですぐに意気投合。(秘め声CD 4) 特にビショップ軍曹(曹長)が標的にされ易い。(秘め話CD 1、二期7話) 他の隊員への印象を述べる設問で、リトヴャク中尉以外の全員の胸の大きさについて言及。(秘め声CD 4) ガリア開放による第501統合戦闘航空団一時解散後は、カウハバ基地に所属の後、休暇を取りリトヴャク中尉の両親を探すために共にオラーシャを目指していたが戦線に阻まれスオムスに足止め。その後、占いに導かれロマーニャに向かう。 声優 大橋歩夕(旧名:仲井絵里香) イメージモデル エイノ・イルマリ・ユーティライネン (1914-1999)所属 フィンランド空軍 通称 「無傷の撃墜王」撃墜数の内戦闘機の占める割合は75機に及びその空戦の過程で被弾したことはなかった Bf109に機種改変後7.62ミリ機銃弾を2発受けたものの、それらは爆撃機の旋回機銃によるもので、翼にかすって塗装が剥がれただけと言われている 愛称 「イッル」 撃墜数 94+1/6(フィンランド空軍第一位)第二次世界大戦においてドイツ空軍のパイロットを除く公認された撃墜数では世界第一位。 出典 TVアニメ(2008年) など多数 ニッカ・エドワーディン・カタヤイネン NIKKA EDVARDINE KATAJAINEN 所属 スオムス空軍第24戦闘機隊第3中隊史実では飛行第24戦隊が名称変更して第24戦闘機隊になった。 階級 曹長 身長 160cm 年齢 15歳(1944年) 誕生日 5月31日 通称 「『ツイてない』カタヤイネン」様々なトラブルによって機体を壊す事から。 但し仲間を巻き込むような事態や致命的な重傷には発展した事がない。 愛称 「ニパ」 使い魔 雪イタチ(フェレット) 固有魔法 超回復能力(本人限定の治癒魔法)(旧記述)特殊な魔法体質として超回復能力を持っており、使い魔の治癒魔法との相乗効果で多少の怪我はたちどころに治ってしまう。 特殊な魔法体質として、特別な訓練もなく、常に中度の治癒魔法がかかり続けている。 魔法力を体内で循環させている事から、通常なら死ぬと思われる墜落からもあっさりと生還し周囲を驚かせる。 使用機材メッサーシャルフ Bf109G-2 メッサーシャルフ Bf109G-6(MT-476号機)最終的には全損して使用不能となったユニット。 メッサーシャルフ Bf109K-4(機番不明)G型全損の際、クルピンスキー中尉がカールスラント向けの補給物資から強奪してきたユニット。 使用武器MG42 その他スオムスの首都ヘルシンキ出身で、ウィッチとしての力が発現すると同時に養成学校へ入学、下士官候補生として訓練を受けた。この頃既に「ついてない」の萌芽は現れており、訓練用ユニットを何度も全損させている。 卒業後は軍曹に任命され第24戦隊第3中隊に配属。この時期の同僚にスオムスナンバーワンエースのユーティライネン中尉、同二位のウィンド大尉がいる。ウィンド大尉とは姉妹かと思えるほど容姿が似ており、さる戦いを通じて強い友情で結ばれている。 初陣でネウロイこそ撃墜したものの、被弾してエンジンを損傷し墜落寸前で基地に帰投。 その後も被弾での損傷やテスト中にユニットが足から脱落するようなトラブルに見舞われた。原因の一つは敢闘精神旺盛でシールドに配慮せず食らいつき攻撃を続ける戦法にある。 何故か行く先々でネウロイと遭遇し、必要以上に戦闘に巻き込まれるケースが多かった事も挙げられる。 スオムスではストライカーユニットの調達を輸入に頼っている事から、戦果は挙げても機材を壊すウィッチの扱いに困り、一時はエースでありながらハンガーの掃除をさせられていた事もある。 少年のような容姿で、白黒はっきりつけたがる性格。前向き一直線過ぎるあまり周りが見えなくなるタイプで、ユーティライネン中尉のいたずらによく引っかかる。明るく社交的だが、場の空気が読めないところがある。 故郷の為に頑張りたいという思いが強く、一生懸命に物事をこなすが、その真っ直ぐすぎる性格から上官ウケは悪く、態度が悪いと思われる事も多い。 ヨロイネン観測所に駐屯していた時期にユーティライネン中尉と再会し、同伴していたリトヴャク中尉と面識がある。(キミとつながる空) 後に第502統合戦闘航空団に招聘され、同じくユニット壊しとして知られていた同隊のクルピンスキー、管野直枝と共に「ブレイクウィッチーズ」と呼ばれるようになる。 声優 高森奈津美 イメージモデル ニルス・カタヤイネン (1919-1997)フルネーム ニルス・エドヴァルド・カタヤイネン 通称 「ついてないカタヤイネン」 愛称 「ニパ」 撃墜数 35.5 その他バッファローでの初フライトの離陸時に車輪が折れる。 初撃墜を経験時に自分も撃墜されかける。 エース・パイロットになった日にも被弾。 修理した戦闘機のテスト中に滑走路で裏返しになる。 戦闘機を余りにも壊すので爆撃隊に転属になる。 元の部署に戻すようアピールし過ぎてハンガーの掃除係に左遷される。 7ヵ月後に復帰するも病院送りに。 名機・メッサーシュミットBf109を受領するも、最初の飛行でエンジントラブルが発生し不時着。 エンジン交換後のテストで再びトラブルが発生し、機体は木っ端微塵に。カタヤイネンは入院。 退院後の戦闘で被弾。エンジンから漏れたガソリンが気化してコックピットに流入し、着陸の途中で意識不明になる。機体は500km/hで滑走路に突っ込み、地面に数回バウンドして再び木っ端微塵に。 グスタフ・エリク・マグヌッソン隊長は、自らの胸からマンネルハイム十字勲章を外すと、瀕死のカタヤイネンの胸の上にそっと乗せたのであった。 1997年死去。 出典 コンプエース/第五〇一統合戦闘航空団全記録 第四集/世界の航空歩兵シリーズ/ザ・スニーカー/キミとつながる空/第五〇一統合戦闘航空団全記録弐 第一集 エルナ・キンニュネン ELNA KINNUNEN 所属 スオムス空軍飛行第24戦隊第3中隊 階級 准尉 誕生日 1月18日 使用機材メッサーシャルフ Bf109K-4(白の1号機) その他地上型ネウロイの攻撃で墜落、重傷を負うも復帰。 イメージモデル エーロ・キンニュネン (1918-1943)フルネーム エーロ・アウリス・キンニュネン 通称 「細口瓶(レッケリ)」 撃墜数 22.5 出典 第五〇一統合戦闘航空団全記録弐 第四集 エルマ・レイヴォネン ELMA LEIVONEN 年齢 15歳(1939年) 身長 162cm 誕生日 6月4日 階級 中尉 使い魔 ミンク 所属 北欧スオムス義勇独立飛行中隊 通称 ひばり(キウル)スオムス空軍におけるコールサイン(無線呼び出し符号)。 「Leivonen」はフィンランド語で「ひばり」の意雲雀(ひばり) - (s) kiuru; leivo, leivonen ストライカーユニットファロット G50ファロット A.74魔道エンジン おそらくはロマーニャでも余剰になったか機種改編で必要なくなった飛行脚なんだろう by 智子 比較的旋回性に優れた飛行脚。 Me 109E「メルス」DB601魔道エンジン フィンランドではメッサーシュミット Me 109を「メルス」と呼んだ。 史実ではフィンランド空軍はMe 109G-2とG-6を使用。 史実ではMe 109Eは第二次世界大戦初期の主力型式、Me 109Gは後期の主力型式。 ちょっと舵に癖があるが上昇力に優れ、慣れると鋭い突っ込みを可能とする素晴らしい飛行脚。これほど一撃離脱に向いた機体もない。 使用武器ブレダ-SAFAT 12.7mm機関銃 MG FF/M 20mm機関銃? MG151/15 15mm機関銃?もしくはMG151/20 20mm機関銃? 9mm拳銃ルガーM/23?もしくはラハティL-35? その他苦労性で気が弱く、肩を落とす仕草がよく似合う。「みんながんばろうね!」が口癖。 空回りしがちだが、みんなを守りたい、祖国を守りたいという意識は誰よりも強い。 スオムス義勇独立飛行中隊の初代中隊長。のちに中隊長を穴拭智子に譲る。 1944年、前線をほぼ退いて大尉・名誉中隊長(大尉)。同年の20歳の誕生日頃から地上勤務となる。 エイラ・イルマタル・ユーティライネンの先輩にあたる。 白に近い、薄い金髪の少女。 妙に生真面目。 天然でとじっ子。 気弱で押しも弱い。 +作中の発言より 第一中隊、ナンバーワンの落ちこぼれ by アホネン いらん苦労と悲観に振り回されるタイプ by ハルカ 前向き前向き。ポジティブシンキング、ポジティブシンキング by エルマ 中尉はほんと、いい人ね by オヘア とにかくわたし!トモコ中尉の指揮下で戦って、勉強したいんです!立派な指揮官になるために! by エルマ ビューリング少尉の援護があったからですわ。彼女が、ずっと、わたしの後方を守ってくれたから…… by エルマ 声優 田中あいみ イメージモデル 特になし(ヤマグチノボルの発言による) キャラクターデザイン覇気のない、幸薄そうな感じに仕上げました。 by 島田フミカネ 出典 『スオムスいらん子中隊』/『スオムスいらん子中隊ReBOOT!』/WORLD WITCHES 2018 アイラ・ペイヴィッキ・リンナマー AIRA PAIVIKKI LINNAMAA 所属 スオムス空軍 階級 少尉 身長 171cm 年齢 16歳(時期不明) 誕生日 6月29日 愛称 「アイラ」 使い魔 ホッキョクオオカミ 固有魔法 不明 使用機材 不明 担当 ボーカル・リーダー パーソナルカラー パープル その他連盟空軍航空魔法音楽隊「ルミナスウィッチーズ」のリーダー。 クールな見た目だがハートは熱く、隊員のお姉さん役。 航空魔法音楽隊への転属以前に前線経験があり、音楽隊では唯一のエースウィッチ。事情があって音楽隊の所属となった。右腕に包帯を巻いている。戦傷による後方勤務? 声優 真宮涼 イメージモデル アーレ・ペイヴィオ・リンナマー(1918-1942)所属 フィンランド空軍 撃墜数 6 その他継続戦争時のフィンランド空軍エースパイロット。飛行28戦隊に所属した。 1942年、戦闘中に不時着し、地上からの味方の救援を敵の接近と誤認して自殺した。 出典 『ルミナスウィッチーズ』公式HPなど エイニ・アンティア・ルーッカネン EINI ANTIA LUUKKANEN 所属スオムス空軍飛行第24戦隊ルーッカネン戦闘分遣隊(1939年) スオムス空軍飛行第24戦隊第1中隊長(1940年秋) スオムス空軍飛行第24戦隊隊長(1942年) 階級大尉(1940年秋) 少佐(1942年) 身長 167cm 年齢 21歳(1944年末) 誕生日 6月4日 使い魔 カレリアン・ベア・ドッグ 通称 「常勝のルーッカネン」 使用機材ビヤスター F2Aバッファロー(1940年秋、BW-393号機1、のちハンナ・ウィンドに譲渡)メッサーシャルフ Bf109G-2 使用武器 その他固有魔法は持たないが、魔眼か空間把握を持っているのではないかと思わせるほどの指揮ぶりを見せる名指揮官。 イメージモデル エイノ・アンテロ・ルーッカネン(1909-1964)愛称 「エイッカ」 撃墜数 56(フィンランド空軍第三位) 出典 『オーロラの魔女』/WORLD WITCHES 2018 エリカ・リリィ ERIKA LYLI 所属 スオムス空軍飛行第34戦隊第1中隊 階級 上級軍曹 誕生日 8月5日 使用機材メッサーシャルフ Bf109G-6(MT-423号機) イメージモデル エリク・リリィ (1914-?)フルネーム エリク・エドヴァルド・リリィ 愛称 「エリッキ」 撃墜数 8 その他たびたびエイノ・イルマリ・ユーティライネンの僚機を務めた。 出典 第五〇一統合戦闘航空団全記録 第四集 ラウラ・ニッシネン LAURA NISSINEN フルネーム ラウラ・ヴィルヘルミーナ・ニッシネン 所属スオムス空軍飛行第24戦隊第2中隊 スオムス空軍飛行第24戦隊第1中隊長 階級少尉 中尉(44年末) 年齢 17歳(44年末) 誕生日 7月31日 使い魔 コリー 使用機材宮菱重工業 零式艦上戦闘脚二二型甲(MI-685号機)スオムス支援の一環として扶桑から送られたストライカーユニット。 メッサーシャルフ Bf109K-4(MT-225号機) その他スオムスのウィッチ中でも10指に数えられる精鋭で、戦場では冷静かつ勇猛果敢な狩人。スオムス軍人最高の名誉とされるマンネルハイム十字章の受勲者でもある。 新人グループをまとめるリーダーの一人で、新人にとっては鬼教官。 口数は少なく不言実行、ぶっきらぼうな口調で近寄りがたい印象を与えるが、他愛のないイタズラに興じたり、ゲームやレクリエーションには壁を作らず参加するなど、心根は気さくな性格。ポーカーフェイスでカードゲームの類に滅法強く、この手のことに勘の働くエイラと組んで、高級将校からお菓子・嗜好品を巻き上げていた。「ニパはブラフが全然ダメで、負けてばっかりだから、時々組んで勝負してた」とは本人の弁。 1944年初夏の戦闘で、コントロールを失った味方のウィッチと空中接触し墜落、重傷を負う不運があったが、その後戦線に復帰している。 イメージモデル ラウリ・ニッシネン (1918-1944)フルネーム ラウリ・ヴィルヘルム・ニッシネン 愛称 「ラプラ(Lapra)」 撃墜数 32.5 その他マンネルハイム十字章叙勲者で唯一の戦死者。 ヨエンスー出身。1936年軍に志願、第3基地航空隊で整備兵となった後、1938年にISK(戦闘航空学校)に入校。 1939年3月1日、下士官操縦者として飛行第24戦隊に配属。冬戦争中は第3中隊に属し爆撃機4機の撃墜を記録。停戦前に曹長に進級。 1942年1月21日、第2中隊に移動。同年3月30日、予備少尉に任官。 同6月8日、20機目の撃墜を記録し第69番目のマンネルハイム十字章受勲資格を得、7月5日に授与された。 1943年3月26日、中尉として士官学校を卒業。6月21日、第1中隊の中隊長となった。 1944年6月17日、ヘイモ・ランピ少尉を僚機としIl-2へ降下攻撃にかかったところ、上方から右翼を損失したウルホ・サルヤモ中尉機が衝突し戦死。 出典 第五〇一統合戦闘航空団全記録弐 第一集/ワールドウィッチーズ ヨーロッパ版 Vol.1/next world witches エルセ・リーヒカッリオ ELSE RIIHIKALLIO 所属 スオムス空軍飛行第24戦隊第2中隊 階級 中尉 誕生日 3月20日 使用機材メッサーシャルフ Bf109K-4(MT-213号機)破損したG2型を元に、主翼とエンジン、カウリングを交換してK型相当に改修された「ハイブリッド」ユニット。 イメージモデル エーロ・リーヒカッリオ (1919-?)フルネーム エーロ・ユハニ・リーヒカッリオ 撃墜数 16.5 出典 第五〇一統合戦闘航空団全記録弐 第四集 ウーラ・サルヤモ ULLA SARJAMO 所属 スオムス空軍飛行第24戦隊第2中隊 階級 少尉(1942年初秋) 誕生日 使用機材 その他長身。 カウハバの軍学校でスオムス義勇独立飛行中隊の臨時授業を受けたウィッチのひとり。 ラウラ・ニッシネン少尉の僚機を務めたことがある。この時、ニッシネン少尉から弾倉を投げつけられ混乱したネウロイを撃ち破壊。サルヤモ少尉の提案で共同撃墜扱いとなった。 イメージモデル ウルホ・サルヤモ (1917-1944)撃墜数 11.5 その他フィンランド空軍第24戦隊に所属。バッファロー、Bf109で撃墜戦果を挙げる。 1944年6月17日、撃墜され戦死。このとき損傷した自機が運悪くラウリ・ニッシネン機に衝突し、ニッシネンも戦死している。 出典 WORLD WITCHES 2018(ラウラ・ニッシネン)/『スオムスいらん子中隊ReBOOT!』 ハンナ・ヘルッタ・ウィンド HANNA HERTTA WIND 所属スオムス空軍飛行第24戦隊第1中隊長 飛行第24戦隊第3中隊長 スオムス義勇独立飛行中隊中隊長 連合軍第507統合戦闘航空団「サイレントウィッチーズ」司令 階級中尉(1942年、『オーロラの魔女』) 大尉(1944年4月、『ブレイブウィッチーズPrequel』3巻) 少佐(1944年11月) 身長 161cm 年齢 17歳(1944年末) 誕生日 7月30日 通称 「ハッセ」 使い魔 ワシミミズク 通称「極北のマルセイユ」 「白の7」 使用機材ビヤスター F2Aバッファロー(BW-393号機)士官学校卒業後、第24戦隊で撃墜数を伸ばしていた時期のユニット。 メッサーシャルフ Bf109K-4(黄の1号機)大尉に昇進の後、G型から乗り換えたユニット。このユニットを使用中にネウロイの攻撃で負傷し入院した。 使用武器MG42 その他スオムス空軍二位のスーパーエース。 弱点らしい弱点が見当たらず、空戦機動、射撃、魔法力、指揮能力、索敵の全てにおいて高い能力を持つオールラウンドファイター。中でも特に射撃に秀でており、個人携行レベルの火器であれば、拳銃から対戦車ライフルまであらゆる銃器を器用に扱う。 あらゆるユニットや兵器を自由に使いこなせる為、機材の不足しがちなスオムスでは貴重な戦力として重宝されている。 スオムス一位のエースであるエイラと並び「射撃のハンナ、回避のエイラ」と称される。 その能力から第502統合戦闘航空団や第503統合戦闘航空団への参加要請があったが、新人の精神的中核である点と、本人の希望によりスオムスに留まる。 先祖はバルトランドから移住してきた一族。 ネウロイ襲撃時は予備士官で出撃の機会がなかった為、士官学校に入校し正規の航空ウィッチとしての教育を受ける。 少尉として第24戦隊に配備されてからは、当時のスオムスでは最新鋭のビヤスター・バッファローを使用してネウロイ撃墜を重ねた。経験を積み新人士官ウィッチから頼り甲斐のある中堅士官へと成長、中隊長を務め上げる程になった。 1944年4月、スオムス義勇独立飛行中隊の第3代中隊長に就任。1944年6月の『タワー』出現にあわせて一時的に原隊復帰して活躍、第二級マンネルヘイム十字章受章。 1944年11月、少佐昇進。12月、スオムス義勇独立飛行中隊の507JFWへの改組に伴い司令就任。 絵に描いたような優等生。強いリーダーシップで引っ張るタイプではなく、人を安心させるような微笑と共に、高い包容力で部隊全体を暖かく見つめる人柄で、スオムス空軍の新人グループのまとめ役。 穏やかに適切な指示を行う態度は、萎縮しがちな新人にも力を発揮させる事ができる。 戦闘中には常に全体に目を配り、何度となく部下の危機を救って生還させている。この為、新人も経験を積み重ね成長し、部隊全体の戦力が向上する。 一時期同じ部隊にいたカタヤイネン曹長と容姿が似ており、周囲からもよく冗談の種にされている。本人はあまり気にしてはおらず、むしろ楽しんでいる様子。 胸はカタヤイネン曹長より小さい。 司令部の査察の際にカタヤイネン曹長と人違いされたが、最後まで曹長を演じて振る舞ったという意外と悪戯好きな面もある。 カタヤイネン曹長とは非常に仲が良く、互いに死線をくぐった戦友として強い絆で結ばれている。一緒に怪我をして同じ病室で寝込んでいた事もある。 カタヤイネン曹長とおそろいのセーターは、入院時に同曹長からもらったお見舞いの品。(フミカネSS、『オーロラの魔女』) イメージモデル ハンス・ウィンド (1919-1995)フルネーム ハンス・ヘンリック・ウィンド 愛称 「ハッセ」 撃墜数 75(フィンランド空軍第二位) 出典 第五〇一統合戦闘航空団全記録 第四集/next world witches/第五〇一統合戦闘航空団全記録弐 第五集/『オーロラの魔女』/『ブレイブウィッチーズPrequel』/WORLD WITCHES 2018 ピィヨツィア PYÖTSIÄ 所属 スオムス空軍飛行第24戦隊 イメージモデル ヴィクトル・ピィヨツィア (1909-1996)撃墜数 19.5 その他冬戦争から継続戦争にかけて活躍したベテラン。 フォッカーD.XXI、F2Aバッファローなどに搭乗した。彼が搭乗したフォッカーD.XXI、FR-110号機はフィンランドのD.XXIとして最高の撃墜機数を持ち、フィンランド空軍博物館に現存する。 出典 『スオムスいらん子中隊ReBOOT!』 マグヌッソン MAGNUSSON 所属 スオムス空軍飛行第24戦隊 隊長 階級 少佐 イメージモデル グスタフ・マグヌッソン (1902-1993)撃墜数 5.5 その他冬戦争から継続戦争にかけて活躍。 冬戦争では第24戦隊の指揮官を務めた。 出典 『スオムスいらん子中隊ReBOOT!』 アウリッキ ヒリヤ キエロ マリッカ シーリ タイナ テッポ トイニ 所属 スオムス空軍 飛行第24戦隊 その他コミック『オーロラの魔女』2巻で登場した端役の部隊員。 出典 『オーロラの魔女』 スオムス陸軍 イメージモデル フィンランド陸軍 アウロラ・E・ユーティライネン AURORA E JUUTILAINEN フルネーム アウロラ・エディス・ユーティライネン 所属 スオムス陸軍 第12師団第34連隊第6中隊 階級 中尉(1939年末) 大尉(1944年) 身長 172cm 誕生日 10月18日 使い魔 オオカミ 使用機材 Ⅲ号突撃装甲脚G型 その他第501統合戦闘航空団のエイラ・イルマタル・ユーティライネン中尉の実姉。 スオムス、ソルタバラの生まれ。 陸戦ウィッチとしてスオムス陸軍士官学校に入ったが中退、ガリア外人部隊に所属。ヒスパニア戦役ではモロッコから参加し「モロッコの恐怖」のあだ名をつけられた。 スオムス選りすぐりのエリートで結成された、第502統合戦闘航空団専属のストライカーユニット回収班の隊長を務める。 イメージモデル アールネ・エドヴァルド・ユーティライネン (1904-1976)通称 「モロッコの恐怖」 愛称 「パッパ(親父)」 その他エイノ・イルマリ・ユーティライネンの実兄。 出典 第五〇一統合戦闘航空団全記録弐 第一集/『ブレイブウィッチーズPrequel』/『スオムスいらん子中隊ReBOOT!』/WORLD WITCHES 2018/島田フミカネtwitter ハロネン レーヴェンシュライホ スオムス陸軍 その他陸戦ウィッチ。アウロラ・E・ユーティライネン大尉の部下。 出典 『ブレイブウィッチーズPrequel』
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アホネンに散々馬鹿にされた後、ぷりぷりしながら夕食をとって自室に引き上げた智子だったが、いつ帰ってきても嫌になるような個室だった。 もとは倉庫の一室であっただろう部屋の半分は埃を被った木箱に占領され、その上にシーツと毛布がかけられただけの三つの木箱が並べられていた。 それがベッドである。士官である智子だからこそ個室を与えられたのだが、これなら下士官の兵舎の方がまだマシを言うものだろう。 一週間使ってきた部屋だが、帰ってくるたびにそう思う智子である。 智子は乱暴に巫女服のような飛行服を脱ぎ捨て、下着のみの姿になった。 そして上半身にまいたさらしをほどくと、大きすぎず小さすぎずの胸があらわになった。 智子は持ってきた風呂敷包みを解き、綿入れを取り出してそれを素肌に羽織る。 智子は冬に寝るときはいつもこの格好なのだ。 ベッドに横たわり、目をつむるが、すぐに開く。 智子「やっぱり寒いわ……。」 故郷である扶桑の冬と、北欧の国スオムスでは寒さのレベルが違っているのだ。 初めてこの部屋に来たときには暴力的な寒さの隙間風が入ってきていて、それを塞いだので幾分かマシになったものの、やはり寒いものは寒い。 毛布をひっ掴み、それを被って寝ようと思った矢先、誰かにドアをノックされた。 智子「誰?」 ハルカ「……わたしです。」 智子「開いてるわよ。」 ドアがゆっくりと開き、ハルカが顔をのぞかせる。 智子「どうしたの?」 ハルカはパジャマに半纏を着込み、枕を胸の前で抱え込んでハルカを見つめていた。 ハルカ「あの……なんだか眠れなくて……。」 智子「入って。」 智子はハルカを招き入れ、ドアをしめた。 智子「しかたないわ。今日だけ一緒に寝てあげる。」 と言うと、ハルカは智子のベッドに潜り込む。 ハルカ「すいません……。」 黒い髪を短く切りそろえたハルカは、本当に幼い印象を与える。 12~3歳の少女が慣れない異国で不安になるのも無理はない。 むしろ、一週間よく我慢したものだと、智子は思う。 智子「いいのよ、気にしないで。誰でも異国は不安になるわ。」 ハルカ「いえ、そうじゃなくて……。」 智子「ん?」 ハルカ「私が落ちこぼれなせいでこんな扱いを受ける羽目になってしまって…。 穴拭少尉まで一緒にさせられちゃって…。」 智子「別にあなたのせいじゃないわ。」 ハルカ「いえ…、わたしのせいです…。わたしってば横浜航空隊でも皆の足を引っ張ってたんです…。 だから、スオムス行きが決まったとき、もう皆の足を引っ張らなくて済むって喜んでたんです。」 ハルカはすこし鼻をすすりながら続ける。 ハルカ「今度は尊敬する人の足を引っ張ってしまう結果に……。」 智子「だから、別にそれはあなたのせいじゃないってば。」 ハルカ「でも四分の一は私のせいです…。十分引っ張ってます。」 智子「じゃあ頑張ろうじゃない。馬鹿にしたやつらを見返してやるのよ。」 ハルカは頷き、熱い視線で智子を見つめる。 智子「どうしたの?」 ハルカ「あの……穴拭少尉…。」 智子「なぁに?」 ハルカ「外国に来ると味噌汁が飲みたくなるって言いますよね?」 智子「そうね。」 ハルカ「その、味噌汁が食べたくなったら、私を食べてください……。」 智子「はい?」 智子は、ハルカをみつめた。毛布を顔の半分まで持ち上げ、ぷるぷると震えて目元まで赤くなっている。 智子「食べてくださいって……。」 ハルカ「わたし、これぐらいしかお役に立てませんから……。」 智子はなんだかおかしくなってしまってぷっと笑ってしまった。 ハルカ「わ、笑うなんてひどいです……。本気で言ってるんですから…。」 智子「ごめんごめん。でも女の子同士でそんな、ねぇ……。」 ハルカ「じゃあ男の人とならあるんですか?まさか、俺少尉とか……?」 智子「いや、ないけど…って、なんでそこで俺少尉の名前が出てくるのよっ!」 智子が怒鳴ると、ハルカは毛布をかぶる。 ハルカ「だ、だって、最近俺少尉と仲がいいみたいだし……。」 智子「そりゃあ、訓練に付き合ってくれるしそれなりに実力もあるからで…… そんなに深い意味はないわよ。」 ハルカ「じ、じゃあ試しに私を触ってみてください…。気に入るかもしれませんし……。」 智子はしかたなしに、毛布のなかに手を差し込む。 しかし、触るといってもどう触ればいいのか分からないので、適当になでるようにさわる。 毛布の下のハルカが小刻みに震え始める。 智子「あなた、いつも女の子同士でこんな事してるの?」 ハルカは答えずに、プルプルと震えていた。 智子「もう寝なさい。」 ハルカ「え?」 少しがっかりした声でハルカはつぶやいた。 智子「明日も早いんだから。」 そう言って智子は手を引っ込めた。 ハルカ「は、はい……。」 ハルカは思った。今までの快楽を全て集めたとしても、この数十秒間には敵わないだろう。 熱っぽい目で隣りに横たわった智子を見つめた。 綿入れがはだけて、美しい肢体が目に飛び込んでくる。 ずっと憧れだった人が目の前にいるのだ。 ハルカは、智子に聞こえないようにつぶやいた。 「ああ、智子お姉さま……、私もうこの身も心も捧げてお姉さまをお慕い申し上げますわ……。」 そんな風に決心したハルカであった………。 ――――俺の部屋は智子の部屋の隣である。 俺「ゴクリ……」 俺は、隣の部屋から聞こえてくる声に聞き耳を立てていた。 断片的にしか聞こえないが、「私を食べてください…」だの、「触って見てください」だの、色々と危ない言葉は聞こえてくるのだ。 一体、隣で何が起きているのか気になって気になって仕方がない。 いくら過酷な戦場を体験したとは言え、まだ成人もしていない青年だ。 色々と考えてしまうのはしょうがないのである……多分。 寝る前に一杯飲もうと食堂で淹れてきた紅茶は、半分も減らないうちにすっかり冷めてしまっていた。 それほど長い間、壁の向こうから聞こえる声に集中していたのだ。 その内、声も聞こえなくなったが、すっかり色々と冴えてしまった俺は、それらを鎮めようと筋トレをして眠りについた。 ――――いらん子中隊に俺が配属されて1週間が経った。 その間、智子は訓練を続けたが、ウルスラ、ビューリング、キャサリンの3人は全く訓練に参加しなかった。 エルマとハルカ、それから俺は智子の訓練に付き合っていたのだが、俺はともかくとして後の2人は全くといっていいほど技量の向上が見られなかった。 そもそもエルマは臆病で全く向かって来ようとしないし、ハルカは向かってくるものの、空戦でもっとも重要な周りへの注意力が圧倒的にないのだ。 俺は空戦技術もある程度あり智子の良い格闘戦の相手になるのだが、いつまで経っても背中の7.5cm砲を使おうとしない。 しかし、3人ともかけているものが一つあった。それは"戦意"である。 これでは本当にいらん子になってしまうわ、と基地食堂で昼食後の小休止をとっていた智子はつぶやいていた。 ハルカとエルマは午前中の訓練で体力を使い果たしてしまったのか、自室で真っ白な灰になっていた。 俺はストライカーの整備をしに格納庫へ行ってしまったし、あとの3人は食事のときに顔を合わせるだけで、この時間どこで何をやっているのか見当もつかない。 智子は近くにあった義勇兵のための新聞を手に取り、目を丸くした。 親友である加藤武子のカールスラントでの華々しい戦果が『"東洋の魔女"大活躍!』の見出しと共に載っていたからだ。 武子が戦果をあげることは喜ばしいのだが、同時に自分のやっていることがひどく虚しいものに思えてきた。 これからどうなるんだろうか……そんなことをぼんやり考えていると、俺があくびをしながら食堂に入ってきた。 俺「穴拭少尉、この後は暇かい?」 智子「ええ、午後は非番よ。訓練でもしようと思ったけど…どうせいつもの繰り返しだわ。 俺はもうストライカーの整備はいいの?」 俺「ああ、終わったよ。それで、暇なら街の方へ行ってみないか? ずっと基地にこもりっぱなしっていうのも息が詰まるだろう。」 智子「……まぁね。」 俺「一杯引っかけに行こうと思うんだが、一緒にどうだろう。」 智子「…まぁいいわ、あなたに付き合うわよ。」 俺の誘いに乗った智子は、ふらふらと立ち上がり俺の後をついて行った。 俺は整備兵に頼んで車を一台貸してもらい、智子と共にスラッセンの街へと向かった。 スラッセンはカウハバ基地から車で30分ほどの所にある小さな街で、人口は2000人ほどだ。 しかし、街はそれなりに活気に溢れている。 智子「スラッセンへの行き方、分かるのね。」 俺「空からいつもこの道を見ていたからね。おかしな事に、行ったことはないのに道は分かるよ。」 俺は笑うが、智子はつまらなさそうに窓の外を流れる景色を眺めていた。 それからしばらくしてスラッセンの街についた俺と智子が車を降りると、好奇心旺盛な子供たちが2人の元に集まってきた。 その子供たちは何やらスオムス語でしゃべりかけてくるが、智子はスオムス語が分からなかった。 智子「わ、わたしスオムス語は喋れないのよ…俺はしゃべれないの?」 俺「すまない、俺もスオムス語は生憎嗜んでいなくてね。ヒュ、ヒューヴェーパイヴェ(こんにちは)。」 智子「喋れるじゃない。」 俺「いや、これしか知らないよ。」 そうこうしている内にも、子供たちはスオムス語で捲し立ててくる。 2人がすっかり困っていると、一人の老人がスオムス訛りのブリタニア語で話しかけてきた。 老人「お二人さん、外国の方ですかな?」 俺「え、えぇまぁ……」 そう答えると、老人は子供たちの言葉を訳してくれた。 老人「この子たちは、あなた達はウィッチとその恋人かと聞いているんです。」 俺「いえ、そういうわk……」 智子「こ、恋人!?ち、違います!二人共ウィッチではありますけど! 」 智子は大声で否定した。 俺「……それで、どうしてウィッチだと?」 老人「車のナンバーがカウハバ基地のものであるし、外国人で若くて綺麗なお嬢さんだ。 ネウロイをやっつけにきてくれたウィッチなんじゃないかって、子供でも分かりますわい。」 智子「なるほど…。それにしても、ブリタニア語がお上手なんですね。」 老人「大学の教授をしておったのですよ。今は引退しましたがね。」 すると、子供たちは俺と智子の手を引っ張っていく。 俺「い、一体どこに?」 老人「自分たちの家に来ないかと言ってるんですよ。」 俺「い、家?家は一体どこに?」 俺がブリタニア語で子供たちに尋ねるが、もちろん分かってもらえず、子供たちは智子に視線を移す。 智子「え、えーっと、あなたたちの、おうちは、どこ?」 智子が身振り手振りを加えながら言うと、理解したのか子供達はレンガ造りの建物を指差す。 3階建ての大きな建物で、立派な造りであった。 俺「すごい立派な建物だ…。みんなあの家の子なのかい?」 老人「お家というか、孤児院なのです。」 智子「孤児院?」 老人「ええ、親が死んでしまったり、育てられなくなって行き場を失った子供たちなんです、彼らは。」 俺が、いきなり行ったら迷惑だからと子供たちに言うと、老人はそれをスオムス語に訳して子供たちに諭した。 子供たちは少し残念そうな顔をしたが、すぐに笑顔になって俺たちに何かを言いながら走り去って行った。 老人「がんばってネウロイをやっつけてね、だそうです。」 智子は少し考えたが、直ぐに笑顔になって孤児院の入り口から大きく手を振っている子供たちに頷いた。 子供たちが孤児院のなかに消えていくと、智子はため息をつき、老人にこの近くに酒場は無いか聞いた。 老人は、樽のかたちをした看板が下がった一軒の建物を指差し、ここらへんで唯一の酒場だと教えてくれた。 俺たちは老人に礼を述べ、酒場に向かった。 俺「さっきの子供たちの言葉は重いな。」 酒場に向かう途中、俺は口を開いた。 智子「本当にあなたの言う通りね…。私達が活躍できる舞台は訪れるのかしら……。」 そう呟きながら、酒場のドアを開ける。 ギィー、とドアが軋む音を立てながら、俺と智子は店の中へと入っていった。 店内は薄暗かったが、昼時ということもあってか、レストランも兼ねているらしいこの店はそれなりの賑わいを見せていた。 やはりスオムスで東洋人は珍しいのか、智子は一斉に注目された。 カールスラント出身の俺は、智子ほどでは無かったが、それでも独立飛行中隊のフライトジャケットを着ていたので、それなりに注目された。 二人はあまり気にした様子もなくカウンター席に座り、身振り手振りで酒を注文した。 注目されているのは二人とも慣れていた。智子は祖国の英雄として。俺は不名誉なレッテルを貼られた落ちこぼれとして。 二人はワインを注文したはずなのだが、バーテンが出してきたのは透明な酒だった。 俺「これが、ワイン?」 智子「さぁ、どうなのかしら……スオムスのワインかもしれないわ。」 二人は顔を見合わせたが、折角出てきたのだからと思い、一口飲む。 次の瞬間、喉元が炎を灯したかのように熱くなった。 ものすごくキツい酒だが、なるほど、寒いスオムスにぴったりな飲み物だと思った。 智子がバーテンを睨むと、バーテンはウォトカ、ウォトカ、とにこやかに言った。 智子はどうせなら私の心も暖めてよね、と思いながらその酒を一気に流し込んだ。 俺は、一杯だけ飲んでウォトカを飲むのを断念したが、智子はもう何度目か分からない「おかわり」コールをしていた。 バーテンが首を振り、酒瓶を持ち上げて飲むジェスチャーをした後、指でバッテンを作った。 智子はそれを無視してコップに酒を注ごうとしたが、俺はそれを制止し、智子からコップと瓶を取り上げた。 俺「飲みすぎだ、穴拭少尉。」 智子「あによ……。」 智子は俺からそれらを取り返そうとしたが、俺は店の奥を見て、一つのテーブル席を指差す。 智子はそちらのほうを向くと、見慣れた3人組が居ることに気がついた。 薄暗い店内のおかげで、お互いの存在に気づいていなかったようだ。 智子は立ち上がり、その席へと向かう。俺も彼女に続く。 キャサリン「いやぁ、楽しいねー!こうやって飲んでいると、ネウロイと戦争中ってことをすっかり忘れてしまうねー!」 すっかり酔いの回ったキャサリンが、智子と俺に背を向けて騒いでいる。 その向かいではウルスラが読書をし、ビューリングがいつもの厭世的な表情を浮かべ、ながら酒を飲んでいる。 俺「…できるだけ、穏便にしたほうがいいと思うよ。」 智子「最近基地で見かけないと思ったらこんなところにいたのね、あなた達。」 そんな俺の忠告も聞かず、智子が冷たい声で言う。 すると、3人が一斉に振り向く。 キャサリン「OH!トモコに俺!一緒に飲みましょう!」 キャサリンが真っ赤な顔に屈託のない笑みを浮かべながら俺たちを誘う。 智子はそんなキャサリンを無視し、一つだけ開いていた椅子に腰を掛けた。 キャサリンが、智子の持ったコップにワインを注ごうとすると、キャサリンの手からワインの瓶を掴んだ智子が、俺が止める暇もなく、その中身を一気に飲み干した。 キャサリン「OH……。」 智子は空になったワインの瓶をテーブルに勢いよく叩きつける。 それから、焦点の定まっていない目で、俺を含めた4人を見回す。 智子「あなたたち、自分の能力に唾吐いてるのよ、分かってるの?」 俺「いや、俺は存分に発揮してるつもりだが…。」 智子「俺少尉は黙ってて!」 俺「はい、すいません。」 ビューリング「どういう意味だ?」 智子「いい?私たちは選ばれたウィッチなの。あなたたちには、責任感ってものが無いわね。 だって、こうやって訓練や任務をほったらかして、昼間っから平気で飲んでいるんだから!」 それは今現在のお前が言えたことでは無いだろと、俺は密かなつっこみをいれた。 ビューリングは、グラスの中の酒を飲み干し、口を開いた。 ビューリング「責任感、なんていわれても困る。別に、私は望んでウィッチになったわけではない。 私には魔力があるからって言われて、勝手にウィッチにされただけだ。皆が皆、ウィッチに憧れてるわけではない。 憧れの的になりたくない少女だっているんだ。勝手にウィッチにされたんだから、こちらも勝手にやらせてもらう。 それだけのことだ。」 いつもは明るいキャサリンは、ため息をつく。 キャサリン「ミーはずーっとウィッチに憧れてたね!でも、魔力を持ってるからってその全員が空中機動の才能があるとは限らないのね……。 一生懸命にやっても、人に迷惑かけるぐらいなら、いっそのこと何もやらない方がマシなのねー。」 珍しく、しんみりとした声だ。 すると、ずっと黙っていたウルスラが、本をテーブルの上に置いてつぶやく。 ウルスラ「もう少し小さい声で喋って。気が散る。」 智子は、はぁ…とため息をついて立ち上がった。 智子「いいわ。もうあなた達には何も期待しない。」 智子は酒場を出ていってしまった。 キャサリン「期待しない、かー。いっつも同じこと言われるねー。」 ビューリング「そうだな。」 俺は、去っていく智子からキャサリン達に視線を移す 俺「なぁ、穴拭少尉はああ言ってるけど、お前らは本当にいいのか?」 キャサリン「でも、トモコの言うことは正しいねー。私たちどこいってもいらん子ね。」 ウルスラ「そうですね。」 ウルスラが本から顔をあげて、キャサリンに同意の声をあげる。 俺「…お前ら、本当は穴拭少尉の言葉、堪えてるんじゃないか?」 3人とも無言だった。 俺「実はさ、俺も部隊内じゃトラブルメーカーだったんだ。 友軍が近くにいるのに砲弾撃ち込んだり、上官誤射したり……。 ……俺は、ここに来て変わろうと思ったんだ。 いくら足を引っ張ったていい、失敗してもいい。失敗したらやり直せばいいんだ。 だから、皆で変わって、皆で居場所作って、皆で笑いあったりしようぜ? 俺が言いたいのはそれだけ。……じゃあ、先に基地に戻るから、お前らも門限は守れよ?」 そう言い残すと、俺は店の外に出て智子を追いかけた。 後に残されたキャサリン達は、お互いに顔を見合わせた。 キャサリン「本当は、ミーも変わろうと思ってここにきたね。でも、やっぱりダメね。 訓練に参加しただけで足引っ張っちゃうね。」 ビューリング「ふん、私に居場所などあるものか。ここにも無かった。」 キャサリン「でも、密かに居場所を探してたね。私も、期待してたね。 ……だけど、やっぱりいらん子ね。人間、そう簡単に変われないねー。 ウルスラ、ユーもそう思うかい?」 ウルスラは返事の代わりに、悔しそうに下唇を噛んだ。 そんな時、優雅にジャズ音楽を流していたラジオが切り替わり、スオムス国営放送局からの番組に変わる。 店内にいた客は、バーテンに何故ラジオを変えるのか、と聞いたが、バーテンはラジオには一切触れていないと答えた。 客たちは俄に騒然とし始める。 ラジオ「こちらスオムス国営放送局です。こちらスオムス国営放送局です。 ネウロイの航空機編隊が、国境を超えて侵攻中です。国境付近の各都市に空襲警報が発令されました。 住民の皆さんは各自治体の指示にしたがって落ち着いて避難してください。これは訓練ではありません。 繰り返します。こちら――――――――」 そのラジオの声と重なるように、スオムスの街に空襲警報を知らせるサイレンが鳴り響いた。 3人は、そのサイレンを聞いた瞬間、咄嗟に床に伏せた。 次の瞬間、轟音と共に地面が大きく揺れ、街道に面していた窓ガラスが全て割れた。 店内はあっという間に大混乱に陥った。泣き喚くもの、一目散に外に出ようとするものが溢れかえり、地獄絵図と化していた。 そんな中、3人は酒場の外に出て、唖然とした。 街の至る所から煙が立ち上り、いくらかの建物が爆弾によって破壊されていた。 平和な街が一瞬にして地獄へと変わった。 すぐそばで、少年が泣きじゃくっていた。 キャサリン「どうしたねー?怪我でもしたね?」 唯一スオムス語の話せるウルスラが、少年の話を聞く。 ウルスラ「ここはこの子たちの孤児院だったそうです。」 ビューリング「……居場所がなくなって、ここに来たのに、結局、また居場所が無くなってしまったな。」 ビューリングが珍しく感情を込めてつぶやく。 3人は無言で顔を合わせ、そして頷いた。 キャサリン「居場所が無くなるのは、私たちだけで十分ね!」 店を出た俺は、智子が車で基地に帰ろうとするのを慌てて止める。 俺「あ、穴拭少尉!俺を置いていくつもりか!?」 智子「ふん、歩いて帰ればいいじゃない。」 智子は顔を洗ったのか、すっかりと目を覚ましたようだった。 俺「そんな冷たいこと言わないでくれよ……。」 そう言いながら俺は車の運転席へと座る。 智子はむすっとしながらも、助手席へと乗り込む。 俺はエンジンをスタートさせ、ゆっくりと車を発進させる。 俺「なぁ、オヘア少尉達はいいのか?」 智子「知らないわ、あんな連中。そんなに気になるなら、俺少尉が見に行ってくればいいじゃない。」 俺「いや、まぁそうなんだけどさ……。」 智子「大体あなたねぇ、飲みに誘っておいて一杯しか飲めないってどういうこと!?」 俺「い、いやあんなに強いとは思わなかったんだ……。」 智子「男の癖に情けないわね。」 俺「はは、面目ない。」 智子「私たち、これからどうなるのかしらね。何もしないまま解散かしら……。」 俺「穴拭少尉がそんな弱気だなんて、珍しいじゃないか。 『扶桑海の巴御前』のそんな一面が見られるなんて、俺はラッキーかもな。」 智子「うっ……うるさいわねぇ……。」 智子が前に向き直ったとき、上空にいくつもの黒点が見えた。 智子「ねぇ、俺少尉。あれなんだと思、う……?!」 俺「穴拭少尉、何もしないまま解散ってのは無さそう……ネウロイだ!」 俺は車のアクセルを踏み込み、スピードを上げる。 黒点のうちの一つが、みるみるうちに大きくなっていく。 智子「こんなときにっ!俺少尉、前!」 俺「分かってる!」 俺は咄嗟にハンドルを切り、雪混じりの泥をはねあげる。 次の瞬間、今まで車があった場所を曳光弾の光が通り過ぎる。 俺「機銃掃射だ!また戻ってくる!」 智子がバックミラーを覗くと、ボテッとした胴体に小さな翼が生えたようなシルエットが見える。 ネウロイの主力戦闘機と言える、ラロス級だ。 ラロスは旋回し、こちらに機首を向け、高度を落した。 俺「穴拭少尉、次はどっちだ!左か!?右か!?」 智子「左よ!」 俺は左にハンドルを切り、ラロスの射線上から車体を外す。 車の数センチ横に機銃弾が掃射される。 ネウロイと車の速度に大きく差があるため、掃射時間が短いのが唯一の救いだろうか。 俺「今のは危なかった!…次はどうする!?」 智子「今考えてる!」 ネウロイは再度旋回し、こちらに機首を向けて高度を落とす。 しつこいネウロイだと、智子は思った。 智子「どっちなの、どっち!」 俺「下!」 ネウロイの翼が光った瞬間、俺は咄嗟に智子の頭を右手で押さえつけ、左手でハンドルを抑える。 ガラスの割れる音が車内に響き、頭上数センチのところで機銃弾が空気を裂く音がした。 俺「フォルクスワーゲンがオープンカーになってる!」 フロントガラスだけでなく、屋根まで吹っ飛ばされたようだ。 ネウロイは今度こそ止めを刺すつもりだろう。また旋回していた。 智子は思っていた。何もしないままこんなところで―― 俺「死ぬなんて嫌だ!何もしないでこんなところで死んでたまるか!」 俺と智子の考えが一致していた。 智子「えぇ、そうね!こんなところで死んでたまるもんですか!」 俺と智子は顔を見合わせて笑った。 俺「運転、変わってくれ!」 智子「どうして!?」 俺「あいつを追い払うんだ!」 智子「どうやって!」 俺「リアシートの下にMG17が積んであって……」 俺は、昼間にストライカーユニットを整備士に行ったとき、MG17の調子が気になって、森で射撃訓練するからこっそり載せといてくれと 整備兵に頼んでいたのである。 智子「それを早く言いなさいよ!」 俺「今思い出したんだよ!」 智子「早く、運転変わりなさい!早く!」 助手席に居た智子がハンドルを握り、俺は使い魔を発現させながらリアシートへと滑り込む。 リアシートのクッションを外すと、MG17機関銃が横たえられていた。 俺はそれを素早く掴み、安全装置を外して初弾を薬室に送り込む。 俺「うおおおお!喰らえネウロイ!」 俺が銃口をネウロイに向け引金を引くと、7.92mm弾が毎分1200発という速さでネウロイに叩き込まれていく。 突然の反撃に驚いたのか、ネウロイは機銃掃射せずに俺達の上空を通り過ぎた。 すると次の瞬間、ラロスの主翼が軽い爆発を起こし、横の森へと突っ込んだ。 智子「俺少尉、やった!?」 俺「…いや、俺じゃない。ウィッチだ。」 俺は上空を見上げて複数のウィッチのシルエットを見つけた。 智子「だれなの?エルマ少尉?まさか、ハルカ!?」 俺「いや、どっちも外れ……多分、第1中隊の連中だな。」 智子はそう聞いた瞬間、ミカ・アホネン大尉の憎たらしい顔が脳裏をよぎった。 あんな連中に助けられるなんて! 俺たちがなんとかカウハバ基地に辿り着いたとき、基地のあちこちからは火の手が上がっていた。 時折、基地の対空機銃が去っていくネウロイを追撃しているが、全く無意味だった。 MG17を担いだ俺と智子が機体のある格納庫へと飛び込むと、エルマとハルカが抱き合って震えていた。 智子「何やってるの!早く私たちの機体を出して!」 整備兵たちは智子のキ27と俺のJu88を素早く出し、俺たちはそれを装着する。 そしていざ飛び立とうとしたとき、ハッキネンの声が通信機から聞こえる。 ハッキネン「こちら雪女、こちら雪女。ウィッチは全機、帰投してください。」 智子「雪女。敵の位置を知らせてください!」 ハッキネン「穴拭少尉、緊急時以外の無線発信は、中隊長以外許可されていない。」 俺「今がその緊急時じゃないですか!」 ハッキネン「敵は全て引き上げました。戦闘は終了です。俺少尉と穴拭少尉も帰投しなさい。」 俺たちの叫び声とは対照的なハッキネンの冷静な声が、本日の戦闘の終了を宣言した。 ――――その夜 俺たち義勇独立飛行中隊のメンバーは食堂に集まっていた。 カウハバ基地は機銃掃射で穴ぼこにされたものの、大きな被害はなかった。 しかし……基地が襲撃を受けたという衝撃は大きかった。 第1中隊の働きにより、基地を攻撃したネウロイは撃退できたものの、スラッセンへの爆撃を阻止できなかった為、住民からの非難が殺到していた。 中隊の空気は、重かった。 智子は悔しそうに座って口を開かず、俺はその横に座っていた。 ハルカは、智子に何か声をかけようとしているが、刺々しい雰囲気の智子に阻まれていた。 そこに、司令部から戻ってきたエルマが現れた。 エルマ「明日から、第一級警戒配備になるそうです。それで、私たちは第1中隊のサポートを命じられました。 アホネン大尉達のバックアップです…完全に添え物扱いですね……。」 エルマは俺と智子の方を向き、頭を下げた。 エルマ「ごめんなさい、穴拭少尉、俺少尉……。私が不甲斐ないばかりにこんな事になってしまって……。」 俺「いえ、エルマ中尉は悪くありませんよ。今回の件は俺たちも出かけてましたから、こちらにも非はあります。」 俺は笑いながらエルマを宥めるが、智子は黙ったままだ。 キャサリン「エルマ中尉だけじゃないのね。私たちも、ダメすぎたね。 今日、住むところを無くした子供たちを見たね。あんな子をこれ以上増やすわけにはいかないね。 それと…俺に言われたこと、結構心に響いたね。だからミーたちもがんばるよ。そうね、ウルスラ、ビューリング。」 ビューリングとウルスラはそれぞれ頷く。 キャサリン「そんなわけで、俺、トモコ、よろしくお願いするね。」 エルマも智子と俺の手を握った。 エルマ「俺少尉、穴拭少尉。訓練だけでなく、空中戦闘の指揮もお願いします……。 やっぱり、実戦経験のないわたしじゃ、指揮は務まりません。今日だって震えてみてただけだし……。」 俺「俺で良ければ、是非ともやらせてください。」 すると全員が「おお!」と、色めきたった。 俺「穴拭少尉も、いいよな?」 智子「……そうね。分かったわ、私も指揮をとる。」 キャサリン「これで百人力、いや二百人力ね!」 キャサリンは飛び上がり、ハルカはほっと胸をなでおろした。 ビューリングは智子と俺の方を向いて笑みを浮かべ、ウルスラも読んでいた本のページを閉じた。 俺「そうと決まったら、明日から頑張ろう!」 全員が盛り上がっているところに、智子は冷たい声で告げた。 智子「じゃあ命令を下すわ。」 キャサリン「へ?」 智子「何もしないで。私の邪魔をしないで。」 俺「ど、どういう事だ!?」 智子「言葉通りよ。この二週間、あなたたちの行動を見ていてやっと分かったわ。 あなたたちは役立たずよ!」 俺「お、おい……そんな言い方は……」 智子「俺少尉も邪魔しないで。戦争は私一人でやるから。あんたたちは見ていなさい。」 そう言って智子は部屋に戻ってしまった。 キャサリン「せ、せっかくやる気だしたのに!」 ハルカ「智子中尉……。」 自室に戻った智子はベッドに寝転がって天井をぼんやりと見つめながら、アフリカにいる親友の顔を頭に浮かべた。 智子「武子…やっぱり頼りになるのは、あなただけね。実力のない連中と、組むなんてはなっからできない相談だったのよ… 実力ある人もいるけれど……。」 昼間、俺に抑えつけられたところに軽く触れる。 意外と大きな手だった……い、いやいやあいつも信用ならないわ。 確かに実力も経験もあるけど、男のウィッチなんて聞いたことないし……。 そう考えていると、部屋のドアがノックされる。 智子「誰?」 俺「俺だ。」 智子「何しにきたの?」 俺「話をしに来た。」 智子「話すことなんて無いわ。」 俺「穴拭少尉には無くても、俺はあるんだ。」 智子「帰って。」 俺「なぁ、頼むよ。」 すると、ドアが少しだけ開く。 智子「……眠いんだから、手短にお願いね。」 俺「ああ、ありがとう。」 俺は智子の部屋に入り、紅茶の入ったカップを智子に渡す。 智子「ありがとう……。それで、話ってなにかしら?」 俺「さっきの事だ……ひとりでやるってどういうことだ?」 智子「さっきも言ったでしょ、そのまんまの意味だって。」 俺「一人で一体何を倒すんだ?」 智子「ネウロイよ……。」 俺「ラロス級か?ケファラス級か?それとももっと別のやつか?」 智子「もう!なんだっていいじゃない!」 俺「分かった……。それで、穴拭中尉はどうやってそいつらを倒すんだ?」 智子「格闘戦よ。」 俺「じゃあもし、格闘戦出来る距離まで近づけなかったら?戦闘中に敵に囲まれたら?」 智子「何が言いたいわけ?要点だけ言ってくれないかしら?」 俺「あー、つまり……格闘戦は今後の戦いに通用しないと思うんだ。」 智子「そんなことない!」 智子は、机をバンと叩く。 俺「いや、すまない。言い方が悪かった。確かに一対一であれば格闘戦も有効だし、君が『扶桑海の巴御前』と言われるほど格闘戦に長けているのは知っている。 だけど、今後ネウロイは数で押してくるだろう。これからは編隊飛行の一撃離脱戦法が主流になる。だから……――――。」 智子「そんなの、分からないでしょ……!」 俺「いいや、分かるね。俺はカールスラントの戦いでそれを体験した。」 智子「……いいわ、分かった。今度の戦いで格闘戦がいかに有効か思い知らせてあげるわ!」 俺「そんなの危険だ!」 智子「もう出ていって!ちょっとでもあなたをいいと思った私がバカだったわ!」 俺「お、おい……」 智子「出ていきなさい!」 智子が扶桑刀を抜いたので、俺は退散せざるを得なかった。 俺が出ていった後、智子は俺に貰った紅茶を飲み干し、ベッドに横たわった。 智子「所詮、人は一人なのよ……。」
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――――1939年 スオムス カウハバ基地 輸送用飛行船からカウハバ基地に降り立った俺は、この地のとてつもない寒さに辟易しながら倉庫を再利用した司令部へと向かう。 俺がこの基地に来たのは他でもなく、ここに転属になったのだ。 俺「しかし、本当に寒いな……。」 そう呟いてスオムス義勇独立飛行中隊についての資料歩いていると、鋭い眼光の女性がこちらに向かってきている。 あれは、この基地の管制士官「雪女」ことハッキネン大尉だろう。 俺は荷物を降ろして直立不動でカールスラント式の敬礼し、彼女に挨拶をする。 俺「本日よりスオムス義勇独立飛行中隊に配属になった俺少尉です。」 ハッキネン大尉は軽く答礼する。 ハッキネン「楽にしてください。話は聞いています、荷物を部屋においたら中隊の隊員と顔合わせをしてもらいます。」 俺「了解しました。」 敬礼の姿勢を解き、荷物を持って宿舎へと向かう。 ……しかし、本当に寒い。 宿舎に入り、案内された部屋に荷物を置いてブリーフィングルームに向かう。、 その途中、何度かウィッチであろう少女達とすれ違ったが、なぜウィッチの宿舎に男性がいるのかというような奇異の目で見られていた。 カールスラントでもこういう事は何度かあったから慣れているつもりではあったが、そうでもなかったらしい。 この基地でうまくやっていけるかな…そう思いながら歩いていると、資料を抱えたスオムス人らしき少女を見かけた。 その娘は中尉の階級章をつけており、俺を見るとこちらへと向かってきた…と、思っていると何もないのに躓き転びそうになる。 俺「おっと!」 俺は倒れそうになったその少女が倒れないように咄嗟に彼女を抱えるが、書類はバラバラと辺りに散らばった。 エルマ「あ…すいません…!あ、ありがとうございます!……って、もしかして、俺少尉?」 俺「えぇ、そうです。……って、なんで俺の名前を?」 エルマ「わぁ、本当に男の人のウィッチなんですねぇー…」 俺「あの?」 エルマ「は、ご、ごめんなさい!私はエルマ・レイヴォネン中尉です!」 資料を拾うのを手伝いながら、エルマの顔を見る。 スオムス空軍中尉、エルマ・レイヴォネン。 スオムスいらん子中隊の中隊長であり、今日から俺の隊長になる少女である。 エルマ「良かったぁ、優しそうな人で……。」 俺「ああ、じゃあ君が俺の隊長だね?」 エルマ「は、はぃ!」 俺「今日からここで世話になる俺少尉だ、よろしくエルマ中尉。」 エルマ「こ、こちらこそよろしくお願いします、俺少尉。」 俺「とりあえずブリーフィングルームに行こう」 エルマ「そ、そうですね……」 その後、俺はエルマ中尉に案内されて他の隊員が待つブリーフィングルームへと向かった。 ブリーフィングルームには既に他の隊員達とハッキネン大尉がいた。 俺とエルマが急いで部屋に入ると、長い金髪の女の子が「二人はもうお知り合いなのねー!」とからかってきた。 俺はそれを無視してハッキネン大尉の横に立つ。 最後にエルマが急いで席に座ると、ハッキネン大尉が話し始めた。 ハッキネン「今日からこの中隊に配属される俺少尉です。俺少尉、自己紹介をどうぞ。」 俺「えー…本日から、義勇独立飛行中隊に配属になりました俺少尉です。 原隊はカールスラント空軍第1訓練航空団第Ⅳ飛行隊第12中隊の所属でした。 至らない点もあると思いますけどよろしくお願いします。」 ハッキネン「俺少尉はカールスラントで航空ネウロイと陸上ネウロイ合わせて24機を撃破した戦績がある。」 キャサリン「OH!男の人のウィッチって珍しいね!リベリオン海軍じゃ見たこと無かったねー。」 智子「……。」 ビューリング「……。」 ハルカ「わぁ、エースさんなんですね!」 ウルスラ「……。」ペラッ しばし流れる沈黙。 …創設されてまだ1週間しか経ってないと聞いていたが、仲悪いのだろうか。 その沈黙を破るようにエルマが声を張り上げる。 エルマ「え、えーっと…遠路はるばるスオムスへようこそ!まずは自己紹介しないと、いけませんよね!」 俺が着席したのを確認すると、エルマが自己紹介を始める。 エルマ「さっきも言いましたけど…エルマ・レイヴォネン中尉です。その、一応この義勇独立飛行中隊の、中隊長をやらせてもらってます…。 よろしくお願いしますね、俺少尉っ!」ニコッ 俺「うん、よろしくね。」 エルマ「じ、じゃあ次は……。」 キャサリン「リベリオンのテキサス生まれのキャサリン・オヘアね!階級は少尉ね!」 調子良く立ち上がったのは巨乳の女の子だった。 資料では確か新鋭機を全損させたとかなんとか…。 俺「リベリオンかぁ…。よろしくオヘア少尉。」 キャサリン「よろしくね、俺!俺とエルマはお知り合い?」 俺「いや、さっきそこでぶつかったんだ。」 キャサリン「もしかしたら運命の出会いかもねー!」 エルマ「そ、そ、そんなことないです///」 と、盛り上がるキャサリンとエルマの横でキャサリンの隣の少女が立ち上がる。 ビューリング「ブリタニア空軍、エリザベス・ビューリング。階級は少尉。」 こっちの少女は、単調に自分の所属、名前、階級を述べただけで着席してしまった。 無愛想だな……。 俺「よろしく、ビューリング少尉。」 ビューリング「……。」 無視かい…… ウルスラ「わたしはカールスラント空軍、ウルスラ・ハルトマン曹長です。」 そしてその次に立ち上がったのは、同じカールスラント空軍出身の少女だった。 ……この子もビューリング少尉のように官姓名だけ言うと、座って読書を始めてしまった。 俺「よろしく、ハルトマン曹長……。」 読書を始めた彼女はもう俺に興味はないとばかりに読書に没頭している。 すごい集中力だ。 ハルカ「あの、私は扶桑皇国海軍の迫水ハルカ一等飛行兵曹です!趣味はお菓子作りで、お団子作りが得意です!」 ハルカ兵曹は、独特なメンバーの中で唯一普通に見える。 俺「よろしくな、ハルカ兵曹。」 智子「扶桑皇国陸軍、穴拭智子少尉です。」 そして最後に立ち上がったのは、なんだか不機嫌そうな扶桑の少女だった。 この人、確かどこかで……あ! 俺「もしかして、扶桑海の巴御前の穴拭智子少尉?」 智子「知ってるの?」 俺「新聞で読んだことがある。いやー、こんな所で有名人にあえるなんて感激だなぁ!」 智子「あ、ありがとう…」 俺「よろしくたのむよ、穴拭少尉。」 智子「ええ、よろしく。」 自分を知っている俺に驚いたのか、少々間の抜けた顔になった後、席についた。 エルマ「それで、俺く、俺少尉のために歓迎会の準備をしてあるんですけど……。」 智子「中隊長殿。この前も言ったはずですけど、ネウロイはいつ来るか分からないんです。 だから歓迎会なんて呑気なことはやらずに、訓練をするべきでしょう?」 エルマ「で、でも……」 智子「訓練は私に一任する、そうおっしゃいましたよね?」 エルマ「は、はいぃ……」 智子「では今から飛行訓練を行います。俺少尉も、いいわね?」 俺「は、はぁ……」 どうやらここは中尉よりも少尉の方が位が高いらしい。そう思えるほどにエルマは弱気だった。 俺は俺で、智子の熱血さに気圧され、着任早々であるが、訓練飛行を行うために格納庫へ向かった。 整備兵「俺少尉殿、貴官のストライカーはこちらですよ。」 と、格納庫でウロウロしていた俺に整備兵が声をかけてくれた。 整備兵「いやぁ私も各国のストライカーユニットと武装を見てきましたが、まさか爆撃脚が来るなんて思ってませんでしたよ。」 案内された先にはカールスラントで愛用したJu88ストライカーユニットが鎮座していた。 Ju88は戦闘用ストライカーユニットよりも速い爆撃用ストライカーユニットをコンセプトに作られたストライカーユニットなのだ。 そのため、爆撃脚でありながら時速500km/hを超える速度を出すことができ、武装も重量は増すものの、普通のストライカーユニットより多く持つことができる。 整備兵「…そして武装が機関銃のMG17と対戦車砲の7.5cm PaK40……。とんだゲテモノ装備ですな。 これだけ大口径の対戦車砲を運用する航空ウィッチなんて聞いたことがありませんよ。」 そう、俺が「フライングアーティラリー」のあだ名で呼ばれたた最大の理由は、本来は陸軍が運用する75mm対戦車砲を主武装として使っているからなのである。 俺「はは、よく言われますよ。武装がデカけりゃいいってもんじゃない、お前は砲台かって。でもこいつで一撃離脱すれば、大概のネウロイはイチコロですよ。…最近は使ってないんですけどね。」 整備兵「そりゃまたどうして?」 俺「昔、ちょっとした事故を起こしちゃいましてね……。まぁお守りみたいなもんですよ。」 整備兵「随分とデカいお守りですな!ガハハ!」 俺「確かに…。じゃあこれから、俺の機体の整備よろしくお願いしますね。」 整備兵「俺たちを泣かせるような使い方しないでくださいよ?」 俺と整備兵は握手を交わす。 俺「気をつけます。…それで、もう使えますか?」 整備兵「いつでも飛行可能な状態ですよ。これから訓練ですか?」 俺「えぇ、穴拭少尉と飛行訓練をやるそうで。」 整備兵「扶桑海の巴御前とですかい?へぇ、俺たちも見学させてもらいやすぜ少尉殿。」 俺「ははっ…まぁ、頑張りますよ。」 ここの整備兵は良い人のようだ。 珍しい男性ウィッチとして奇異の目で見られていた俺は、彼らの人当たりのよさに感激しながら、愛機のJu88へと足を突っ込んだ。 魔法陣を展開し、使い魔であるジャーマンシェパードドッグの耳と尻尾を発現させる。 ストライカーに魔力が供給され、BMW801魔導エンジンが回転しはじめ、エーテル体がプロペラの形となって風を巻き起こす。 俺「調子いいな……俺少尉、出撃します。」 MG17機関銃と75mm対戦車砲を持ち、滑走路までタキシングしながら向かう。 滑走路には智子、ハルカ、エルマが既に待機しており、中央にいた智子こちらを睨んでいた。 智子「一体何やってたの?遅すぎるわ!」 俺「すまん…整備兵とストライカーユニットについて話してたからな…。」 智子「そんなのは後にしてちょうだい。それで、あなたのストライカーユニットはなに?」 俺の脚には、角ばった形のストライカーが装着されていた。 俺「Ju88戦闘爆撃用ストライカーユニットだ。」 智子「初めて見る機体ね。…それでそれは?」 智子は俺が背中に背負っているPaK40に気づいたのか、そちらを見ながら聞いてくる。 俺「7.5cm対戦車砲だよ。ネウロイなんて一発……。」 智子「それ…当たるの?」 智子に話を遮られ少しイラついた俺だが、話を続けた。 俺「……まぁ、それなりに。っていっても模擬戦で使うのはこっちのMG17になるだろうけどね。」 智子「ふぅん…ま、いいわ。これで全員揃ったわね。それじゃあ私の後についてきて。」 そう言って智子は、膝を曲げ滑走を始める。十分な速度を得たところで魔力を解放して姿勢を伸ばし、離陸する。 智子の使用する九七式戦闘脚のエンジン出力は大きいものではないが、機体重量が軽いためグングンと上昇していく。 それに続くのは十二試艦上戦闘脚を履いたハルカであった。十二試艦戦は最新鋭機のため、上昇力は一番あるのだろう。 その次にG50を履いたエルマと続く。 そして最後はJu88を履いた俺だ。やはり武装と機体の重さがネックなのか、他のストライカーユニットに比べて幾分か長めの滑走距離を必要としていた。 高度3000mに達した時点で中隊は水平飛行に移り、先頭の智子が喉頭式通信機のスイッチを入れる。 智子「あー、こちら扶桑一番、全員上がった?」 ハルカ「扶桑二番、大丈夫です!」 エルマ「スオムス一番、だ、だいじょうぶでーす!」 俺「え、えーっと……。」 エルマ「俺少尉、えっと、国名がコールサインになってるんです。」 俺「あー、なるほど、了解した。ってことはカールスラント二番か…。 カールスラント二番、大丈夫だ。エルマ、ありがとう。」 エルマ「い、いえ、とんでもないです!」 エルマは顔を真っ赤にしながら、手をわたわたと振っていた。 俺「……穴拭少尉。エルマとハルカ兵曹以外の3人は?」 智子「…さぁね、どこかを散歩でもしてるんじゃないかしら?」 俺「散歩?そうか……」 後で聞いた話なのだが、ビューリング、ウルスラ、キャサリンの3人は俺達が訓練をしている間、 基地から30分ほどのスラッセンという街の酒場にいたらしい。 智子達4人は上がった順番に編隊を組み、しばらく巡航速度で進む。 すると、智子が通信機を発信の合図のために二度叩き、3人に伝える。 智子「では散開、この前みたいに私一人で相手するわ。」 エルマ「あ、あの…穴拭中尉、今日もやるんですかぁ?」 智子「当たり前です。あなた達が上達するまで、やりますから。」 ハルカ「智子少尉、怪我しちゃいますよぉ!…智子少尉が怪我したら私、私…!」 智子「はいはい、私より自分の心配をしてね。」 俺「あの、一体何が始まるんだ?」 智子「あなた達3人で私1人の相手をするの。お分かり?」 俺「な、なるほど……。」 俺は内心、そんな無茶な、と思っていた。 彼女がいくら扶桑海の巴御前と呼ばれていても、 大多数のネウロイと違って複雑な動きをするウィッチ3人を相手にするのはいささか無理がありすぎる。 そんな事を考えている内に、ハルカの元気な声が通信機を通して聞こえてきた。 ハルカ「扶桑二番、行きまーす!」 ハルカは滞空している智子に向けて一直線に突っ込んでいく。 目をつむりながら突進するので、もちろん攻撃が当たるわけもない。 智子はひらりとハルカを避け、刀の鞘でぽんと頭を叩く。 ハルカ「あいたっ!」 智子「はい、撃墜。」 あっさりと撃墜判定をもらってしまったハルカは、すごすごと安全空域へと退避した。 …そういえばさっきからエルマの姿が見えないのだが…見つけた。安全空域をぐるぐると旋回している。 なるほど、これでは穴拭少尉が一人で相手しても勝てるわけだ。 智子「中隊長!またそんなところにいるんですか!?」 そういって智子が一睨みすると、エルマはひっ、と小さく悲鳴をあげる。 エルマ「き、今日も撃墜でいいでーす!」 智子「だから!それじゃあ訓練にならないと言っているでしょうが!」 エルマ「ご、ごめんなさーい!」 臆病なエルマは、智子に謝罪しながら遠くへと逃げてしまった。 …全く、中隊長の癖になんて臆病虫なのかしら…そう考えたところで智子は気づく。 智子「俺少尉は一体どこ?」 俺少尉の姿が見当たらずに辺りを見回していると、はるか頭上に彼の姿を認めることができた。 智子「あんなところに…!」」 智子はキ27の軽快さを駆使して俺を追うように上昇していく。 俺は、Pak40を背負いなおしMG17を手にして智子とヘッドオンするように急降下を始める。 智子「私と格闘戦をするつもり?面白いわね…!」 智子は軽く下唇をなめ、扶桑刀を抜き取り、俺との距離を縮めていく。 100メートル、70メートル、50メートル……。 俺との距離がぐんぐんと近づき、25メートルまで来たとき、智子は体を沈め、軸線をずらす。 そしてそのまま沈み込んで俺の下へと潜り込み、ループをする。そうすれば、俺の後ろを取れるはずだったが、その予想は外れた。 智子がループし終わった瞬間に、俺のMG17が智子の顔に突きつけられていた。 俺は、智子とすれ違った瞬間に右足のダイブブレーキだけを展開させたまま、 右足の推力をあげて右足を軸にするように無理やり横回転をしてループしてきた智子と正対したのだ。 こうする事によって、すれ違った瞬間に方向転換し、敵の後ろを取れるのだ。 無理矢理ではあるが、ストライカーユニットだからこそできる機動であった。 俺「これは、俺の勝ちでいいのかな……?」 俺はニヤリと口角をあげ、智子に尋ねる。 智子は呆気に取られたような顔をしていた。 智子「え、えぇ…そうね。俺少尉の勝ちだわ。……完全にやられたわ…。」 智子は悔しそうに刀を納めながら、通信機のスイッチを入れる。 智子「二人共、訓練は終わりよ。基地に帰りましょう。」 ハルカ「はーい。」 エルマ「うぅ、二人共、大丈夫なんですかぁ~?」 俺「あぁ、大丈夫だよエルマ中尉。」 エルマ「良かったー…早く帰ってサウナに行きたいです。」 俺「サウナなんてあるのか?」 エルマ「えぇ、えっと、スオムスじゃお風呂じゃなくてサウナに入るのが常識で……。」 智子「俺少尉、あの時どうやってあんなに早くターンしたの?」 俺「あぁ、この機体にはダイブブレーキっていうのが付いてて、そいつを使ったんだ。 かなり無茶苦茶なターンの仕方で、よく整備班の連中に怒られてたんだけどね。」 そんな会話をしながら、訓練を終えた俺たちはカウハバ基地へと着陸した。 ストライカーを格納庫に戻し、整備兵と少しだけ調整の話をした。 その後、食事をとろうと食堂に向かう途中に、突然背後から高らかに笑い声が聞こえてきた。 アホネン「おほほほほほほほ!」 その笑い声がした瞬間、智子はめんどくさそうにため息を吐き、エルマはびくっと肩を震わせ、ハルカは顔を赤らめつつ笑いを我慢していた。 俺が何事かと思って振り返ると、お揃いのボアがついた革のジャケットを着て、腕にはスオムス空軍のマークをつけた十人ほどの少女が並んで俺たちを見つめていた。 エルマ曰く、スオムス空軍の正式なウィッチらしい。 エルマ「アホネン大尉!」 そう叫んだとき、ハルカが「ブフォ」と吹き出した気がするが、気にしないでおこう。 アホネン「はぁーん?この殿方がエルマ中尉の部隊に配属されたっていう新しいウィッチね? スオムス一の落ちこぼれ部隊はどこの馬の骨とも知れない殿方でも入れてしまうのね。 部隊としてのプライドは無いのかしら。さすが"いらん子中隊"ね。」 彼女がそう言うと、後ろにいた十人ほどの少女が大声で笑う。 アホネン「先ほどの訓練、見せてもらったわ。穴拭智子少尉、あなた、『私は格闘戦でサイキョー』なんて思ってたみたいでしたけど、 そんなこと無かったわね!」 智子「なっ!そ、そんなこと言ってないわよ!」 アホネン「でも、格闘戦に随分と自信をお持ちになっていたじゃない。」 智子「ぐぅっ……」 智子は図星を突かれたのか、押し黙ってしまった。 アホネン「それも今日まででしたわね。それから、エルマ中尉。」 エルマ「は、はいぃ……。」 アホネン「今日もあなたは逃げてばかりでしたわね。あなたは逃げるしか能がないのかしら?」 エルマ「すいません……。」 ハルカ「は、はぃ、すいません!私は今日もがむしゃらに突撃してしまいました!すいません!」 アホネン「あなた、いつも素直なのね。わたくし、すきよ。」 それからアホネンはハルカに近寄り、彼女のあごを持ち上げる。 ハルカ「ひぇ…や、やめっ…んー…!」 アホネンはハルカの唇に自らのそれを押し付けた。 ハルカ「ぷはっ…!」 智子「ちょ、ちょ、ちょっと!またあんたはぁ!」 アホネン「あら、この間も言ったでしょ?挨拶してさしあげただけよ。」 智子「やっぱりあんたおかしいわ!」 アホネン「それは人の自由でしょ?」 智子とアホネンが言い争っているところに、俺が声をかける 俺「アホネン大尉、でしたっけ?一体何なんです?黙って聞いていれば偉そうに……。」 アホネン「あーら、俺少尉でしたかしら?あなたの資料読ませてもらいましたわ。 戦績はそこそこのようですけど、カールスラントで戦ってた割には少ないんじゃなくて?」 俺「それは、カールスラントに制空権がなく、爆撃隊だった我々は中々出撃できなかったものですから…。」 アホネン「そうでしたのー。でもあなたはカールスラント空軍で重営倉に入っていたそうじゃない! 確か…当時の上官を後ろから撃ったんだったかしら?」 アホネンがそう言うと、後ろの少女たちがヒソヒソと声を潜め喋りはじめる。 「聞きました?上官を撃ったですって…。」「まぁ、怖いですわね……。」 「どうしてカールスラントはこんな犯罪者を寄越したのかしら…。」 エルマ、智子、ハルカは驚いて俺の顔を見つめる。 特にエルマは顔を真っ青にして涙目になっていた。 俺「アホネン大尉。何か勘違いしているようですが、あれは事故です。」 アホネン「ふん、どうかしら?ま、せいぜい私たち正規軍の足を引っ張らないよう訓練に励みなさいな!おほほほほほ!」 そう言って、アホネン達は去っていった。 智子「なによあいつ、なによあいつ、なによあいつ!覚えてらっしゃい!絶対に見返してやるわ!」 アホネンが立ち去った後、智子の叫びが日の落ちたカウハバ基地にこだました。
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アホネンに散々馬鹿にされた後、ぷりぷりしながら夕食をとって自室に引き上げた智子だったが、いつ帰ってきても嫌になるような個室だった。 もとは倉庫の一室であっただろう部屋の半分は埃を被った木箱に占領され、その上にシーツと毛布がかけられただけの三つの木箱が並べられていた。 それがベッドである。士官である智子だからこそ個室を与えられたのだが、これなら下士官の兵舎の方がまだマシを言うものだろう。 一週間使ってきた部屋だが、帰ってくるたびにそう思う智子である。 智子は乱暴に巫女服のような飛行服を脱ぎ捨て、下着のみの姿になった。 そして上半身にまいたさらしをほどくと、大きすぎず小さすぎずの胸があらわになった。 智子は持ってきた風呂敷包みを解き、綿入れを取り出してそれを素肌に羽織る。 智子は冬に寝るときはいつもこの格好なのだ。 ベッドに横たわり、目をつむるが、すぐに開く。 智子「やっぱり寒いわ……。」 故郷である扶桑の冬と、北欧の国スオムスでは寒さのレベルが違っているのだ。 初めてこの部屋に来たときには暴力的な寒さの隙間風が入ってきていて、それを塞いだので幾分かマシになったものの、やはり寒いものは寒い。 毛布をひっ掴み、それを被って寝ようと思った矢先、誰かにドアをノックされた。 智子「誰?」 ハルカ「……わたしです。」 智子「開いてるわよ。」 ドアがゆっくりと開き、ハルカが顔をのぞかせる。 智子「どうしたの?」 ハルカはパジャマに半纏を着込み、枕を胸の前で抱え込んでハルカを見つめていた。 ハルカ「あの……なんだか眠れなくて……。」 智子「入って。」 智子はハルカを招き入れ、ドアをしめた。 智子「しかたないわ。今日だけ一緒に寝てあげる。」 と言うと、ハルカは智子のベッドに潜り込む。 ハルカ「すいません……。」 黒い髪を短く切りそろえたハルカは、本当に幼い印象を与える。 12~3歳の少女が慣れない異国で不安になるのも無理はない。 むしろ、一週間よく我慢したものだと、智子は思う。 智子「いいのよ、気にしないで。誰でも異国は不安になるわ。」 ハルカ「いえ、そうじゃなくて……。」 智子「ん?」 ハルカ「私が落ちこぼれなせいでこんな扱いを受ける羽目になってしまって…。 穴拭少尉まで一緒にさせられちゃって…。」 智子「別にあなたのせいじゃないわ。」 ハルカ「いえ…、わたしのせいです…。わたしってば横浜航空隊でも皆の足を引っ張ってたんです…。 だから、スオムス行きが決まったとき、もう皆の足を引っ張らなくて済むって喜んでたんです。」 ハルカはすこし鼻をすすりながら続ける。 ハルカ「今度は尊敬する人の足を引っ張ってしまう結果に……。」 智子「だから、別にそれはあなたのせいじゃないってば。」 ハルカ「でも四分の一は私のせいです…。十分引っ張ってます。」 智子「じゃあ頑張ろうじゃない。馬鹿にしたやつらを見返してやるのよ。」 ハルカは頷き、熱い視線で智子を見つめる。 智子「どうしたの?」 ハルカ「あの……穴拭少尉…。」 智子「なぁに?」 ハルカ「外国に来ると味噌汁が飲みたくなるって言いますよね?」 智子「そうね。」 ハルカ「その、味噌汁が食べたくなったら、私を食べてください……。」 智子「はい?」 智子は、ハルカをみつめた。毛布を顔の半分まで持ち上げ、ぷるぷると震えて目元まで赤くなっている。 智子「食べてくださいって……。」 ハルカ「わたし、これぐらいしかお役に立てませんから……。」 智子はなんだかおかしくなってしまってぷっと笑ってしまった。 ハルカ「わ、笑うなんてひどいです……。本気で言ってるんですから…。」 智子「ごめんごめん。でも女の子同士でそんな、ねぇ……。」 ハルカ「じゃあ男の人とならあるんですか?まさか、俺少尉とか……?」 智子「いや、ないけど…って、なんでそこで俺少尉の名前が出てくるのよっ!」 智子が怒鳴ると、ハルカは毛布をかぶる。 ハルカ「だ、だって、最近俺少尉と仲がいいみたいだし……。」 智子「そりゃあ、訓練に付き合ってくれるしそれなりに実力もあるからで…… そんなに深い意味はないわよ。」 ハルカ「じ、じゃあ試しに私を触ってみてください…。気に入るかもしれませんし……。」 智子はしかたなしに、毛布のなかに手を差し込む。 しかし、触るといってもどう触ればいいのか分からないので、適当になでるようにさわる。 毛布の下のハルカが小刻みに震え始める。 智子「あなた、いつも女の子同士でこんな事してるの?」 ハルカは答えずに、プルプルと震えていた。 智子「もう寝なさい。」 ハルカ「え?」 少しがっかりした声でハルカはつぶやいた。 智子「明日も早いんだから。」 そう言って智子は手を引っ込めた。 ハルカ「は、はい……。」 ハルカは思った。今までの快楽を全て集めたとしても、この数十秒間には敵わないだろう。 熱っぽい目で隣りに横たわった智子を見つめた。 綿入れがはだけて、美しい肢体が目に飛び込んでくる。 ずっと憧れだった人が目の前にいるのだ。 ハルカは、智子に聞こえないようにつぶやいた。 「ああ、智子お姉さま……、私もうこの身も心も捧げてお姉さまをお慕い申し上げますわ……。」 そんな風に決心したハルカであった………。 ――――俺の部屋は智子の部屋の隣である。 俺「ゴクリ……」 俺は、隣の部屋から聞こえてくる声に聞き耳を立てていた。 断片的にしか聞こえないが、「私を食べてください…」だの、「触って見てください」だの、色々と危ない言葉は聞こえてくるのだ。 一体、隣で何が起きているのか気になって気になって仕方がない。 いくら過酷な戦場を体験したとは言え、まだ成人もしていない青年だ。 色々と考えてしまうのはしょうがないのである……多分。 寝る前に一杯飲もうと食堂で淹れてきた紅茶は、半分も減らないうちにすっかり冷めてしまっていた。 それほど長い間、壁の向こうから聞こえる声に集中していたのだ。 その内、声も聞こえなくなったが、すっかり色々と冴えてしまった俺は、それらを鎮めようと筋トレをして眠りについた。 ――――いらん子中隊に俺が配属されて1週間が経った。 その間、智子は訓練を続けたが、ウルスラ、ビューリング、キャサリンの3人は全く訓練に参加しなかった。 エルマとハルカ、それから俺は智子の訓練に付き合っていたのだが、俺はともかくとして後の2人は全くといっていいほど技量の向上が見られなかった。 そもそもエルマは臆病で全く向かって来ようとしないし、ハルカは向かってくるものの、空戦でもっとも重要な周りへの注意力が圧倒的にないのだ。 俺は空戦技術もある程度あり智子の良い格闘戦の相手になるのだが、いつまで経っても背中の7.5cm砲を使おうとしない。 しかし、3人ともかけているものが一つあった。それは"戦意"である。 これでは本当にいらん子になってしまうわ、と基地食堂で昼食後の小休止をとっていた智子はつぶやいていた。 ハルカとエルマは午前中の訓練で体力を使い果たしてしまったのか、自室で真っ白な灰になっていた。 俺はストライカーの整備をしに格納庫へ行ってしまったし、あとの3人は食事のときに顔を合わせるだけで、この時間どこで何をやっているのか見当もつかない。 智子は近くにあった義勇兵のための新聞を手に取り、目を丸くした。 親友である加藤武子のカールスラントでの華々しい戦果が『"東洋の魔女"大活躍!』の見出しと共に載っていたからだ。 武子が戦果をあげることは喜ばしいのだが、同時に自分のやっていることがひどく虚しいものに思えてきた。 これからどうなるんだろうか……そんなことをぼんやり考えていると、俺があくびをしながら食堂に入ってきた。 俺「穴拭少尉、この後は暇かい?」 智子「ええ、午後は非番よ。訓練でもしようと思ったけど…どうせいつもの繰り返しだわ。 俺はもうストライカーの整備はいいの?」 俺「ああ、終わったよ。それで、暇なら街の方へ行ってみないか? ずっと基地にこもりっぱなしっていうのも息が詰まるだろう。」 智子「……まぁね。」 俺「一杯引っかけに行こうと思うんだが、一緒にどうだろう。」 智子「…まぁいいわ、あなたに付き合うわよ。」 俺の誘いに乗った智子は、ふらふらと立ち上がり俺の後をついて行った。 俺は整備兵に頼んで車を一台貸してもらい、智子と共にスラッセンの街へと向かった。 スラッセンはカウハバ基地から車で30分ほどの所にある小さな街で、人口は2000人ほどだ。 しかし、街はそれなりに活気に溢れている。 智子「スラッセンへの行き方、分かるのね。」 俺「空からいつもこの道を見ていたからね。おかしな事に、行ったことはないのに道は分かるよ。」 俺は笑うが、智子はつまらなさそうに窓の外を流れる景色を眺めていた。 それからしばらくしてスラッセンの街についた俺と智子が車を降りると、好奇心旺盛な子供たちが2人の元に集まってきた。 その子供たちは何やらスオムス語でしゃべりかけてくるが、智子はスオムス語が分からなかった。 智子「わ、わたしスオムス語は喋れないのよ…俺はしゃべれないの?」 俺「すまない、俺もスオムス語は生憎嗜んでいなくてね。ヒュ、ヒューヴェーパイヴェ(こんにちは)。」 智子「喋れるじゃない。」 俺「いや、これしか知らないよ。」 そうこうしている内にも、子供たちはスオムス語で捲し立ててくる。 2人がすっかり困っていると、一人の老人がスオムス訛りのブリタニア語で話しかけてきた。 老人「お二人さん、外国の方ですかな?」 俺「え、えぇまぁ……」 そう答えると、老人は子供たちの言葉を訳してくれた。 老人「この子たちは、あなた達はウィッチとその恋人かと聞いているんです。」 俺「いえ、そういうわk……」 智子「こ、恋人!?ち、違います!二人共ウィッチではありますけど! 」 智子は大声で否定した。 俺「……それで、どうしてウィッチだと?」 老人「車のナンバーがカウハバ基地のものであるし、外国人で若くて綺麗なお嬢さんだ。 ネウロイをやっつけにきてくれたウィッチなんじゃないかって、子供でも分かりますわい。」 智子「なるほど…。それにしても、ブリタニア語がお上手なんですね。」 老人「大学の教授をしておったのですよ。今は引退しましたがね。」 すると、子供たちは俺と智子の手を引っ張っていく。 俺「い、一体どこに?」 老人「自分たちの家に来ないかと言ってるんですよ。」 俺「い、家?家は一体どこに?」 俺がブリタニア語で子供たちに尋ねるが、もちろん分かってもらえず、子供たちは智子に視線を移す。 智子「え、えーっと、あなたたちの、おうちは、どこ?」 智子が身振り手振りを加えながら言うと、理解したのか子供達はレンガ造りの建物を指差す。 3階建ての大きな建物で、立派な造りであった。 俺「すごい立派な建物だ…。みんなあの家の子なのかい?」 老人「お家というか、孤児院なのです。」 智子「孤児院?」 老人「ええ、親が死んでしまったり、育てられなくなって行き場を失った子供たちなんです、彼らは。」 俺が、いきなり行ったら迷惑だからと子供たちに言うと、老人はそれをスオムス語に訳して子供たちに諭した。 子供たちは少し残念そうな顔をしたが、すぐに笑顔になって俺たちに何かを言いながら走り去って行った。 老人「がんばってネウロイをやっつけてね、だそうです。」 智子は少し考えたが、直ぐに笑顔になって孤児院の入り口から大きく手を振っている子供たちに頷いた。 子供たちが孤児院のなかに消えていくと、智子はため息をつき、老人にこの近くに酒場は無いか聞いた。 老人は、樽のかたちをした看板が下がった一軒の建物を指差し、ここらへんで唯一の酒場だと教えてくれた。 俺たちは老人に礼を述べ、酒場に向かった。 俺「さっきの子供たちの言葉は重いな。」 酒場に向かう途中、俺は口を開いた。 智子「本当にあなたの言う通りね…。私達が活躍できる舞台は訪れるのかしら……。」 そう呟きながら、酒場のドアを開ける。 ギィー、とドアが軋む音を立てながら、俺と智子は店の中へと入っていった。 店内は薄暗かったが、昼時ということもあってか、レストランも兼ねているらしいこの店はそれなりの賑わいを見せていた。 やはりスオムスで東洋人は珍しいのか、智子は一斉に注目された。 カールスラント出身の俺は、智子ほどでは無かったが、それでも独立飛行中隊のフライトジャケットを着ていたので、それなりに注目された。 二人はあまり気にした様子もなくカウンター席に座り、身振り手振りで酒を注文した。 注目されているのは二人とも慣れていた。智子は祖国の英雄として。俺は不名誉なレッテルを貼られた落ちこぼれとして。 二人はワインを注文したはずなのだが、バーテンが出してきたのは透明な酒だった。 俺「これが、ワイン?」 智子「さぁ、どうなのかしら……スオムスのワインかもしれないわ。」 二人は顔を見合わせたが、折角出てきたのだからと思い、一口飲む。 次の瞬間、喉元が炎を灯したかのように熱くなった。 ものすごくキツい酒だが、なるほど、寒いスオムスにぴったりな飲み物だと思った。 智子がバーテンを睨むと、バーテンはウォトカ、ウォトカ、とにこやかに言った。 智子はどうせなら私の心も暖めてよね、と思いながらその酒を一気に流し込んだ。 俺は、一杯だけ飲んでウォトカを飲むのを断念したが、智子はもう何度目か分からない「おかわり」コールをしていた。 バーテンが首を振り、酒瓶を持ち上げて飲むジェスチャーをした後、指でバッテンを作った。 智子はそれを無視してコップに酒を注ごうとしたが、俺はそれを制止し、智子からコップと瓶を取り上げた。 俺「飲みすぎだ、穴拭少尉。」 智子「あによ……。」 智子は俺からそれらを取り返そうとしたが、俺は店の奥を見て、一つのテーブル席を指差す。 智子はそちらのほうを向くと、見慣れた3人組が居ることに気がついた。 薄暗い店内のおかげで、お互いの存在に気づいていなかったようだ。 智子は立ち上がり、その席へと向かう。俺も彼女に続く。 キャサリン「いやぁ、楽しいねー!こうやって飲んでいると、ネウロイと戦争中ってことをすっかり忘れてしまうねー!」 すっかり酔いの回ったキャサリンが、智子と俺に背を向けて騒いでいる。 その向かいではウルスラが読書をし、ビューリングがいつもの厭世的な表情を浮かべ、ながら酒を飲んでいる。 俺「…できるだけ、穏便にしたほうがいいと思うよ。」 智子「最近基地で見かけないと思ったらこんなところにいたのね、あなた達。」 そんな俺の忠告も聞かず、智子が冷たい声で言う。 すると、3人が一斉に振り向く。 キャサリン「OH!トモコに俺!一緒に飲みましょう!」 キャサリンが真っ赤な顔に屈託のない笑みを浮かべながら俺たちを誘う。 智子はそんなキャサリンを無視し、一つだけ開いていた椅子に腰を掛けた。 キャサリンが、智子の持ったコップにワインを注ごうとすると、キャサリンの手からワインの瓶を掴んだ智子が、俺が止める暇もなく、その中身を一気に飲み干した。 キャサリン「OH……。」 智子は空になったワインの瓶をテーブルに勢いよく叩きつける。 それから、焦点の定まっていない目で、俺を含めた4人を見回す。 智子「あなたたち、自分の能力に唾吐いてるのよ、分かってるの?」 俺「いや、俺は存分に発揮してるつもりだが…。」 智子「俺少尉は黙ってて!」 俺「はい、すいません。」 ビューリング「どういう意味だ?」 智子「いい?私たちは選ばれたウィッチなの。あなたたちには、責任感ってものが無いわね。 だって、こうやって訓練や任務をほったらかして、昼間っから平気で飲んでいるんだから!」 それは今現在のお前が言えたことでは無いだろと、俺は密かなつっこみをいれた。 ビューリングは、グラスの中の酒を飲み干し、口を開いた。 ビューリング「責任感、なんていわれても困る。別に、私は望んでウィッチになったわけではない。 私には魔力があるからって言われて、勝手にウィッチにされただけだ。皆が皆、ウィッチに憧れてるわけではない。 憧れの的になりたくない少女だっているんだ。勝手にウィッチにされたんだから、こちらも勝手にやらせてもらう。 それだけのことだ。」 いつもは明るいキャサリンは、ため息をつく。 キャサリン「ミーはずーっとウィッチに憧れてたね!でも、魔力を持ってるからってその全員が空中機動の才能があるとは限らないのね……。 一生懸命にやっても、人に迷惑かけるぐらいなら、いっそのこと何もやらない方がマシなのねー。」 珍しく、しんみりとした声だ。 すると、ずっと黙っていたウルスラが、本をテーブルの上に置いてつぶやく。 ウルスラ「もう少し小さい声で喋って。気が散る。」 智子は、はぁ…とため息をついて立ち上がった。 智子「いいわ。もうあなた達には何も期待しない。」 智子は酒場を出ていってしまった。 キャサリン「期待しない、かー。いっつも同じこと言われるねー。」 ビューリング「そうだな。」 俺は、去っていく智子からキャサリン達に視線を移す 俺「なぁ、穴拭少尉はああ言ってるけど、お前らは本当にいいのか?」 キャサリン「でも、トモコの言うことは正しいねー。私たちどこいってもいらん子ね。」 ウルスラ「そうですね。」 ウルスラが本から顔をあげて、キャサリンに同意の声をあげる。 俺「…お前ら、本当は穴拭少尉の言葉、堪えてるんじゃないか?」 3人とも無言だった。 俺「実はさ、俺も部隊内じゃトラブルメーカーだったんだ。 友軍が近くにいるのに砲弾撃ち込んだり、上官誤射したり……。 ……俺は、ここに来て変わろうと思ったんだ。 いくら足を引っ張ったていい、失敗してもいい。失敗したらやり直せばいいんだ。 だから、皆で変わって、皆で居場所作って、皆で笑いあったりしようぜ? 俺が言いたいのはそれだけ。……じゃあ、先に基地に戻るから、お前らも門限は守れよ?」 そう言い残すと、俺は店の外に出て智子を追いかけた。 後に残されたキャサリン達は、お互いに顔を見合わせた。 キャサリン「本当は、ミーも変わろうと思ってここにきたね。でも、やっぱりダメね。 訓練に参加しただけで足引っ張っちゃうね。」 ビューリング「ふん、私に居場所などあるものか。ここにも無かった。」 キャサリン「でも、密かに居場所を探してたね。私も、期待してたね。 ……だけど、やっぱりいらん子ね。人間、そう簡単に変われないねー。 ウルスラ、ユーもそう思うかい?」 ウルスラは返事の代わりに、悔しそうに下唇を噛んだ。 そんな時、優雅にジャズ音楽を流していたラジオが切り替わり、スオムス国営放送局からの番組に変わる。 店内にいた客は、バーテンに何故ラジオを変えるのか、と聞いたが、バーテンはラジオには一切触れていないと答えた。 客たちは俄に騒然とし始める。 ラジオ「こちらスオムス国営放送局です。こちらスオムス国営放送局です。 ネウロイの航空機編隊が、国境を超えて侵攻中です。国境付近の各都市に空襲警報が発令されました。 住民の皆さんは各自治体の指示にしたがって落ち着いて避難してください。これは訓練ではありません。 繰り返します。こちら――――――――」 そのラジオの声と重なるように、スオムスの街に空襲警報を知らせるサイレンが鳴り響いた。 3人は、そのサイレンを聞いた瞬間、咄嗟に床に伏せた。 次の瞬間、轟音と共に地面が大きく揺れ、街道に面していた窓ガラスが全て割れた。 店内はあっという間に大混乱に陥った。泣き喚くもの、一目散に外に出ようとするものが溢れかえり、地獄絵図と化していた。 そんな中、3人は酒場の外に出て、唖然とした。 街の至る所から煙が立ち上り、いくらかの建物が爆弾によって破壊されていた。 平和な街が一瞬にして地獄へと変わった。 すぐそばで、少年が泣きじゃくっていた。 キャサリン「どうしたねー?怪我でもしたね?」 唯一スオムス語の話せるウルスラが、少年の話を聞く。 ウルスラ「ここはこの子たちの孤児院だったそうです。」 ビューリング「……居場所がなくなって、ここに来たのに、結局、また居場所が無くなってしまったな。」 ビューリングが珍しく感情を込めてつぶやく。 3人は無言で顔を合わせ、そして頷いた。 キャサリン「居場所が無くなるのは、私たちだけで十分ね!」 店を出た俺は、智子が車で基地に帰ろうとするのを慌てて止める。 俺「あ、穴拭少尉!俺を置いていくつもりか!?」 智子「ふん、歩いて帰ればいいじゃない。」 智子は顔を洗ったのか、すっかりと目を覚ましたようだった。 俺「そんな冷たいこと言わないでくれよ……。」 そう言いながら俺は車の運転席へと座る。 智子はむすっとしながらも、助手席へと乗り込む。 俺はエンジンをスタートさせ、ゆっくりと車を発進させる。 俺「なぁ、オヘア少尉達はいいのか?」 智子「知らないわ、あんな連中。そんなに気になるなら、俺少尉が見に行ってくればいいじゃない。」 俺「いや、まぁそうなんだけどさ……。」 智子「大体あなたねぇ、飲みに誘っておいて一杯しか飲めないってどういうこと!?」 俺「い、いやあんなに強いとは思わなかったんだ……。」 智子「男の癖に情けないわね。」 俺「はは、面目ない。」 智子「私たち、これからどうなるのかしらね。何もしないまま解散かしら……。」 俺「穴拭少尉がそんな弱気だなんて、珍しいじゃないか。 『扶桑海の巴御前』のそんな一面が見られるなんて、俺はラッキーかもな。」 智子「うっ……うるさいわねぇ……。」 智子が前に向き直ったとき、上空にいくつもの黒点が見えた。 智子「ねぇ、俺少尉。あれなんだと思、う……?!」 俺「穴拭少尉、何もしないまま解散ってのは無さそう……ネウロイだ!」 俺は車のアクセルを踏み込み、スピードを上げる。 黒点のうちの一つが、みるみるうちに大きくなっていく。 智子「こんなときにっ!俺少尉、前!」 俺「分かってる!」 俺は咄嗟にハンドルを切り、雪混じりの泥をはねあげる。 次の瞬間、今まで車があった場所を曳光弾の光が通り過ぎる。 俺「機銃掃射だ!また戻ってくる!」 智子がバックミラーを覗くと、ボテッとした胴体に小さな翼が生えたようなシルエットが見える。 ネウロイの主力戦闘機と言える、ラロス級だ。 ラロスは旋回し、こちらに機首を向け、高度を落した。 俺「穴拭少尉、次はどっちだ!左か!?右か!?」 智子「左よ!」 俺は左にハンドルを切り、ラロスの射線上から車体を外す。 車の数センチ横に機銃弾が掃射される。 ネウロイと車の速度に大きく差があるため、掃射時間が短いのが唯一の救いだろうか。 俺「今のは危なかった!…次はどうする!?」 智子「今考えてる!」 ネウロイは再度旋回し、こちらに機首を向けて高度を落とす。 しつこいネウロイだと、智子は思った。 智子「どっちなの、どっち!」 俺「下!」 ネウロイの翼が光った瞬間、俺は咄嗟に智子の頭を右手で押さえつけ、左手でハンドルを抑える。 ガラスの割れる音が車内に響き、頭上数センチのところで機銃弾が空気を裂く音がした。 俺「フォルクスワーゲンがオープンカーになってる!」 フロントガラスだけでなく、屋根まで吹っ飛ばされたようだ。 ネウロイは今度こそ止めを刺すつもりだろう。また旋回していた。 智子は思っていた。何もしないままこんなところで―― 俺「死ぬなんて嫌だ!何もしないでこんなところで死んでたまるか!」 俺と智子の考えが一致していた。 智子「えぇ、そうね!こんなところで死んでたまるもんですか!」 俺と智子は顔を見合わせて笑った。 俺「運転、変わってくれ!」 智子「どうして!?」 俺「あいつを追い払うんだ!」 智子「どうやって!」 俺「リアシートの下にMG17が積んであって……」 俺は、昼間にストライカーユニットを整備士に行ったとき、MG17の調子が気になって、森で射撃訓練するからこっそり載せといてくれと 整備兵に頼んでいたのである。 智子「それを早く言いなさいよ!」 俺「今思い出したんだよ!」 智子「早く、運転変わりなさい!早く!」 助手席に居た智子がハンドルを握り、俺は使い魔を発現させながらリアシートへと滑り込む。 リアシートのクッションを外すと、MG17機関銃が横たえられていた。 俺はそれを素早く掴み、安全装置を外して初弾を薬室に送り込む。 俺「うおおおお!喰らえネウロイ!」 俺が銃口をネウロイに向け引金を引くと、7.92mm弾が毎分1200発という速さでネウロイに叩き込まれていく。 突然の反撃に驚いたのか、ネウロイは機銃掃射せずに俺達の上空を通り過ぎた。 すると次の瞬間、ラロスの主翼が軽い爆発を起こし、横の森へと突っ込んだ。 智子「俺少尉、やった!?」 俺「…いや、俺じゃない。ウィッチだ。」 俺は上空を見上げて複数のウィッチのシルエットを見つけた。 智子「だれなの?エルマ少尉?まさか、ハルカ!?」 俺「いや、どっちも外れ……多分、第1中隊の連中だな。」 智子はそう聞いた瞬間、ミカ・アホネン大尉の憎たらしい顔が脳裏をよぎった。 あんな連中に助けられるなんて! 俺たちがなんとかカウハバ基地に辿り着いたとき、基地のあちこちからは火の手が上がっていた。 時折、基地の対空機銃が去っていくネウロイを追撃しているが、全く無意味だった。 MG17を担いだ俺と智子が機体のある格納庫へと飛び込むと、エルマとハルカが抱き合って震えていた。 智子「何やってるの!早く私たちの機体を出して!」 整備兵たちは智子のキ27と俺のJu88を素早く出し、俺たちはそれを装着する。 そしていざ飛び立とうとしたとき、ハッキネンの声が通信機から聞こえる。 ハッキネン「こちら雪女、こちら雪女。ウィッチは全機、帰投してください。」 智子「雪女。敵の位置を知らせてください!」 ハッキネン「穴拭少尉、緊急時以外の無線発信は、中隊長以外許可されていない。」 俺「今がその緊急時じゃないですか!」 ハッキネン「敵は全て引き上げました。戦闘は終了です。俺少尉と穴拭少尉も帰投しなさい。」 俺たちの叫び声とは対照的なハッキネンの冷静な声が、本日の戦闘の終了を宣言した。 ――――その夜 俺たち義勇独立飛行中隊のメンバーは食堂に集まっていた。 カウハバ基地は機銃掃射で穴ぼこにされたものの、大きな被害はなかった。 しかし……基地が襲撃を受けたという衝撃は大きかった。 第1中隊の働きにより、基地を攻撃したネウロイは撃退できたものの、スラッセンへの爆撃を阻止できなかった為、住民からの非難が殺到していた。 中隊の空気は、重かった。 智子は悔しそうに座って口を開かず、俺はその横に座っていた。 ハルカは、智子に何か声をかけようとしているが、刺々しい雰囲気の智子に阻まれていた。 そこに、司令部から戻ってきたエルマが現れた。 エルマ「明日から、第一級警戒配備になるそうです。それで、私たちは第1中隊のサポートを命じられました。 アホネン大尉達のバックアップです…完全に添え物扱いですね……。」 エルマは俺と智子の方を向き、頭を下げた。 エルマ「ごめんなさい、穴拭少尉、俺少尉……。私が不甲斐ないばかりにこんな事になってしまって……。」 俺「いえ、エルマ中尉は悪くありませんよ。今回の件は俺たちも出かけてましたから、こちらにも非はあります。」 俺は笑いながらエルマを宥めるが、智子は黙ったままだ。 キャサリン「エルマ中尉だけじゃないのね。私たちも、ダメすぎたね。 今日、住むところを無くした子供たちを見たね。あんな子をこれ以上増やすわけにはいかないね。 それと…俺に言われたこと、結構心に響いたね。だからミーたちもがんばるよ。そうね、ウルスラ、ビューリング。」 ビューリングとウルスラはそれぞれ頷く。 キャサリン「そんなわけで、俺、トモコ、よろしくお願いするね。」 エルマも智子と俺の手を握った。 エルマ「俺少尉、穴拭少尉。訓練だけでなく、空中戦闘の指揮もお願いします……。 やっぱり、実戦経験のないわたしじゃ、指揮は務まりません。今日だって震えてみてただけだし……。」 俺「俺で良ければ、是非ともやらせてください。」 すると全員が「おお!」と、色めきたった。 俺「穴拭少尉も、いいよな?」 智子「……そうね。分かったわ、私も指揮をとる。」 キャサリン「これで百人力、いや二百人力ね!」 キャサリンは飛び上がり、ハルカはほっと胸をなでおろした。 ビューリングは智子と俺の方を向いて笑みを浮かべ、ウルスラも読んでいた本のページを閉じた。 俺「そうと決まったら、明日から頑張ろう!」 全員が盛り上がっているところに、智子は冷たい声で告げた。 智子「じゃあ命令を下すわ。」 キャサリン「へ?」 智子「何もしないで。私の邪魔をしないで。」 俺「ど、どういう事だ!?」 智子「言葉通りよ。この二週間、あなたたちの行動を見ていてやっと分かったわ。 あなたたちは役立たずよ!」 俺「お、おい……そんな言い方は……」 智子「俺少尉も邪魔しないで。戦争は私一人でやるから。あんたたちは見ていなさい。」 そう言って智子は部屋に戻ってしまった。 キャサリン「せ、せっかくやる気だしたのに!」 ハルカ「智子中尉……。」 自室に戻った智子はベッドに寝転がって天井をぼんやりと見つめながら、アフリカにいる親友の顔を頭に浮かべた。 智子「武子…やっぱり頼りになるのは、あなただけね。実力のない連中と、組むなんてはなっからできない相談だったのよ… 実力ある人もいるけれど……。」 昼間、俺に抑えつけられたところに軽く触れる。 意外と大きな手だった……い、いやいやあいつも信用ならないわ。 確かに実力も経験もあるけど、男のウィッチなんて聞いたことないし……。 そう考えていると、部屋のドアがノックされる。 智子「誰?」 俺「俺だ。」 智子「何しにきたの?」 俺「話をしに来た。」 智子「話すことなんて無いわ。」 俺「穴拭少尉には無くても、俺はあるんだ。」 智子「帰って。」 俺「なぁ、頼むよ。」 すると、ドアが少しだけ開く。 智子「……眠いんだから、手短にお願いね。」 俺「ああ、ありがとう。」 俺は智子の部屋に入り、紅茶の入ったカップを智子に渡す。 智子「ありがとう……。それで、話ってなにかしら?」 俺「さっきの事だ……ひとりでやるってどういうことだ?」 智子「さっきも言ったでしょ、そのまんまの意味だって。」 俺「一人で一体何を倒すんだ?」 智子「ネウロイよ……。」 俺「ラロス級か?ケファラス級か?それとももっと別のやつか?」 智子「もう!なんだっていいじゃない!」 俺「分かった……。それで、穴拭中尉はどうやってそいつらを倒すんだ?」 智子「格闘戦よ。」 俺「じゃあもし、格闘戦出来る距離まで近づけなかったら?戦闘中に敵に囲まれたら?」 智子「何が言いたいわけ?要点だけ言ってくれないかしら?」 俺「あー、つまり……格闘戦は今後の戦いに通用しないと思うんだ。」 智子「そんなことない!」 智子は、机をバンと叩く。 俺「いや、すまない。言い方が悪かった。確かに一対一であれば格闘戦も有効だし、君が『扶桑海の巴御前』と言われるほど格闘戦に長けているのは知っている。 だけど、今後ネウロイは数で押してくるだろう。これからは編隊飛行の一撃離脱戦法が主流になる。だから……――――。」 智子「そんなの、分からないでしょ……!」 俺「いいや、分かるね。俺はカールスラントの戦いでそれを体験した。」 智子「……いいわ、分かった。今度の戦いで格闘戦がいかに有効か思い知らせてあげるわ!」 俺「そんなの危険だ!」 智子「もう出ていって!ちょっとでもあなたをいいと思った私がバカだったわ!」 俺「お、おい……」 智子「出ていきなさい!」 智子が扶桑刀を抜いたので、俺は退散せざるを得なかった。 俺が出ていった後、智子は俺に貰った紅茶を飲み干し、ベッドに横たわった。 智子「所詮、人は一人なのよ……。」