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『いのちはたいせつ 中篇』 35KB 虐待 日常模様 引越し 家出 共食い 番い 飼いゆ 野良ゆ 姉妹 子ゆ ゲス ペットショップ 愛護人間 虐待人間 独自設定 うんしー 続きです 中編です。 先に前編をお読みになるようお願いします 11 「どごおおおおおおおおおおおお!? がばいいでいぶのおじびじゃんどごにいっだのおおおおお!?」 朝日がようやく顔を出し、うっすらと明るくなり始めた早朝 親れいむの鳴き声でにおねーさんは飛び起きた 「ど、どうしたの? れいむちゃん落ち着いてね!?」 「なんなのれいむ・・・おちびちゃんがおきちゃ・・・ゆわああああああああ! おちびちゃんがいなぐなっでるううううううううううううう!!!!」 「ええっ!?」 れいむの額からはおちびちゃんがたわわに実った茎がなくなっていた 昨日の夜寝る前までは確かに生えていたのに、いまは根っこから引き抜かれて跡形もなくなっている 「ゆんやあああああああ! れいむのおじびじゃああああああああああん!」 「どういうことなの!? まりさなんにもわかんないよ!! おねーさんおじえでよおおおおおおお!!!」 「私に聞かれてもわからないよぉ! ねえぱちゅりー何か知って・・・あ」 ぱちゅりーの住んでいるゆっくりハウスをみると、中にはおちびちゃんの実った茎が牛乳瓶に挿してあった 実ゆっくり達は安らかな笑みを浮かべてゆっくりと眠っている どうやら命に別条はないようだ 「ねぇ! ぱちゅりー! これはいったいどういうことなの!?」 「むきゅわわわわぁ・・・ おねーさんゆっくりおはよう」 「欠伸なんかしてないで答えてよ! これはどういうことなの!?」 「むきゅん、そうせかさないでほしいわ。 いまからちゃんとせつめいしてあげるから・・・ おねーさんはあんこがおやからおちびちゃんにうけつがれるのはしっているかしら」 「・・・知ってる。 図書館で借りた本にそう書いてあった」 「ならはなしがはやいわ おやからうけつがれたあんこはおやの“きおく”がはいっているの その“きおく”をうけつぐと、おやとおなじようなせいかくのゆっくりにそだつわ あのれいむとまりさは、もはやかんっぜん!にげすかしてしまっているわ そんなおやからあんこをうけついだりしたら、うまれたじてんでげすになっちゃうのよ そうなったらもうどんなにべんきょうしてもむだ・・・ じぶんかってにかんがえて、わがままばっかりいう、げすなゆっくりにしかそだたないわ だから、おやからあんこをうけつがない“くりーん”なじょうたいでおちびちゃんをそだてるひつようがあったの」 「だからってなんで茎を引き抜いたりしたの? おちびちゃんが死んじゃったら元も子もないでしょう?」 「むきゅー。 おねえさんはべんきょうぶそくね・・・ひつようなちしきがまるでたりていないわ」 「・・・・・・ギリッ!」 「くきさんはね、べつにおやのひたいにはえてなくてもいいのよ くきさんのねっこがあまあまにつながっていればおちびちゃんはちゃんとそだつの おねーさんにかってきてもらったがむしろっぷさんをたっぷりすっておちびちゃんたちはごきげんよ!」 「へーそーなんだー・・・ でもお母さんから切り離されたらゆっくりできないんじゃないかなぁ! ねぇ、そうおもわないのかなぁ!!」 「・・・おねーさん? どうかしたの? ちょっとおかしいわよ?」 おねーさんは両手の拳をギリりと握りしめて歯を食いしばっていた 両目でぱちゅりーの瞳を射抜くように見つめ、わなわなと身体が震えている 一目見ればそれは怒りを抑えているという様子だと解るだろうが、ぱちゅりーも所詮はゆっくりなのかそのことに気付いていなかった 「おなかさんがいたいの? はやくといれにいったほうがいいとおもうわぁ・・・」 「べつにトイレに行きたいわけじゃありませんから」 「ならどうしたっていうの? まさか、といれにまにあわなかったとか・・・」 「そういうわけではありません。 心配しないでも結構です」 「・・・むきゅん? おねーさん、おしゃべりのしかたがへんよ?」 「いつも通りなのでどこもおかしくありません」 「・・・そう、ならいいけど」 おねーさんは怒っていた 見下したような態度で話すぱちゅりーに論破され怒りが沸点に達してしまった 勿論ぱちゅりーには見下すとかその気はなかったが、プライドを酷く傷つけられたおねーさんにはそう思えたのだ 今まで積み重ねてきた不満がぶり返して苛立ちばかりがつのってゆく 「その子たちの世話は全部任せますのでよろしくお願いします 私がやってもどうせゲス化させてしまいますからね」 「むきゃ! さっきからなんなのかしらそのたいどは まるでしらないひとにはなすみたいなしゃべりかたをしているわ」 「さっきも言いましたけど別に何でもないです。 気にしないでください」 「・・・もういいわ。 ぱちぇはすきにやるからごはんとうんうんのおせわだけしてちょーだい」 冷たい態度をとるおねーさんに愛想を尽かしたぱちゅりー 二人の間には深い溝ができてしまった 12 「それじゃあおちびちゃんたち! ふくっしょう!してちょうだいね!」 「「まりしゃはにんげんしゃんのいうこちょをききましゅ!」」 「「れいみゅはにんげんしゃんをゆっくちさせましゅ!」」 新たに生まれた四匹の赤ゆっくりがぱちゅりーの授業を受けている 同じ言葉を復唱させるぱちゅりー式の勉強法だ 柵を隔ててその隣では・・・ 「お外に勝手に出たら人間さんのすぃーに轢かれてゆっくりできなくなるんだよぉ! ゆっくり理解できたかなー?」 「「「「ゆっくちりかいしちゃよ!」」」」 「もういいのじぇ! そんなことよりはやきゅあみゃあみゃほしいのじぇ!」 おねーさんが自作の紙芝居で先に生まれた姉達に授業をしている 中には話を聞いていないのもいたが、おおむね上手くいっているようだ こうして二つに分けられて教育を受ける赤ゆっくり達 どちらの授業もそれなりの効果があり、姉グループも妹グループも少しずつおねーさんの言うことを聞くようになっていた 一部を除いては・・・ 「きょうはみんなじぇぼーりゅしゃんぢぇあしょぶんだじぇ! いっしょにあしょびたいこはこっちにくりゅんだじぇ!」 「ゆわーい! まりしゃも! まりしゃもぼーりゅしゃんであしょぶー!」 「れいみゅもー!! れいみゅもにゃかまにいれちぇー!」 「あ、ちょっとまってよ! 遊ぶのは勉強がおわってからでしょ!?」 いつものように授業をはじめようとすると、例の癇癪まりさが勝手にボールを持ち出して遊び始めたのだ 慌てて止めに入るがちょこまかと動きまわってなかなか捕まえられない そのすきに他の赤ゆっくりも遊びだしてしまい、姉グループは完全に授業崩壊を起こしてしまう 「いくのじぇー! ぱしゅぱしゅ! こっちへぼーりゅをよこしゅのじぇー!」 「ゆっくちりかいしちゃよ! ゆっくちいいい!」 「ちょっと! お願いだから言うこときいて! ねぇ、ってばぁ!」 ボール遊びに夢中になっている赤ゆ達にはおねーさんの言葉は通じない 元気いっぱいに跳ねまわっている様子は本来あるべき姿を取り戻したかのようだ なかでも癇癪まりさは生き生きとボールを蹴って他の赤ゆを先導している 「みんにゃまりしゃのかちゅやくをみちぇるのじぇ! しょーれ! ちょりぷりゅうりゅちょらぐれーちょまぎゅなみゅしゅーぱーしゅーとっ!!!」 ぽーん 緩やかな放物線を描いて飛んでいくボール その先には・・・ 「むぎゃん! ちょっと! いまぼーるさんをきったのはどこのだれかしら!?」 ボールはぱちゅりーの顔面に直撃した 顔にはまあるくボールの後がくっきりと残っている 「ゆわーい! ぱちゅりーのくしょびゃびゃあをしぇいっしゃい!したのじぇ~!」 「ゆわぁ! まりしゃしゅごいにぇ! まりしゃもまりしゃみちゃいになりちゃいよ!」 「れいみゅも! れいみゅもびゃびゃあにしぇいっしゃいしちゃい!」 歓声を上げる姉グループのメンバーに調子に乗っておどける癇癪まりさ ぱちゅりーがキッと睨みつけるとバカにした顔で一斉に舌を出した 「びりょびりょびりょびりょびゃ~! くやちかっちゃらここまじぇくるのじぇ~!」 「あびゃびゃびゃびゃびゃびゃ! まりしゃこわ~い! ぱちゅりーしぇんしぇいがおこっちゃうよ~」 「ゆぷぷぷぷ! にぇえにぇえ、れいみゅをしぇいっしゃいすりゅにょ? やれりゅもんにゃらやっちぇみりょー!」 「さすがはまりさのおちびちゃんだね! とってもゆっくりしてるよー!」 「おちびちゃん! もっとだよ! あのばかぱちゅりーをせいっさいしてみんなをゆっくりさせてね!」 親ゆっくりが褒めるてさらに調子に乗る癇癪まりさ ぱちゅりーの方へ歩み寄り、お尻を向けて左右に振った 「ほーりぇほりぇ! まりしゃのあんよをぺんぺんしちぇみりょー!」 にくったらしく挑発する癇癪まりさ おねーさんが守ってくれると勘違いでもしているかのような大胆な行動だ しかし、それが単なる妄想に過ぎなかったことに気づかされることになる ぶすり! 「ゆぅ・・・? なにがおこっちゃのじぇ? あんよしゃんが・・・ゆぴいいいいいいいいい! までぃじゃのっ! までぃじゃのがぼじぎゃのよぼにゃあんよじゃんがああああああああああ!!!」 「むっきゅん! これですこしははんっせい!してくれるかしら?」 痛みに耐えかねて泣きながらのた打ち回る癇癪まりさ あんよにはつまようじが深々と刺さっている 言うまでもなく、それを突き刺したのはぱちゅりーである おねーさんは何もしないでその光景をじっと見ていた 「おねーさん! どんなきょういくしているのかわからないけど じゅぎょうのじゃまをするようなことはさせないでちょうだい!」 「・・・・・・ごめんなさい」 ぱちゅりーが怒鳴っても、おねーさんは無表情に謝るだけだった 13 「ゆんやあああああああ! いじゃいのじぇええええええええ!」 「だいじょうぶだよおちびちゃん! きっとよくなるからね! ぺーろぺろ!」 「ぺーろぺろ! ぺーろぺろ! ゆぎぎぎぎ・・・それにしてもあのげすぱちゅりー・・・ かわいいおちびちゃんをこんなめにあわせるなんて、れいむゆるせないよ!」 「ぺーろぺろ! まりさもだよ! いつかせいっさいしてぜんごろしにしてやる!」 「おどおおおじゃああん!? おぎゃあああじゃあああん!? べーろべろずるんだじぇ!? まりじゃまだいぢゃいのじぇ!!」 「ご、ごめんねおちびちゃん! ぺーろぺろ!」 「ぺーろぺろ! ぺーろぺろ!」 ゆっくりハウスの中では親ゆっくりが癇癪まりさの足を治そうと必死にぺーろぺろしている 傷はさほど深くないのだが、あんまりにも痛そうに騒ぐため可哀そうに思えてしまうのだ 「いじゃいいいい・・・ いじゃいいいよおおおおおお・・・ ゆ? どぼじでべーろべろやめじゃうのおおおおおおおおおおお!?」 「ごめんねおちびちゃん・・・ もうまりさはげんっかい!だよ・・・」 「れいむもべろさんがかろうしすんっぜん!だよ・・・ ゆっくりりかいしてね」 「ゆぎぎぎぎ・・・ これもじぇんぶあのげしゅぱちゅりーのしぇいなんだじぇ! ぜったいいちゅかふくっしゅう!してやるのじぇ!」 以前からぱちゅりーを快く思っていなかった癇癪まりさ 制裁しようにも親ゆっくりは当てにならず、おねーさんは何もしてくれなかった 抑えようのない憎しみがやり場をさがして迷走する 「じぐじょおおおおおお! どうじゅれびゃふぐじゅうでぎるのじぇえええ!」 小さな中枢餡をフル稼働して復讐する手立てを考える 考えあぐねた果てに恐ろしい結論へと達してしまった 「ゆっふっふ。 いいこちょをおもいちゅいたのじぇ・・・」 不気味に笑う癇癪まりさ 彼女が復讐のターゲットに選んだのはぱちゅりーではなくその教え子だった 砂糖水で育った妹達は両親の餡子を受け継がなかったものの 一応親であるためれいむとまりさにはよくなついたが、ぱちゅりーの息がかかった妹達を両親はどこかやっかみがっていた これを制裁して無きものにすればぱちゅりーへの復讐が果たせるうえに、家族の中の邪魔者も始末で来て一石二鳥 両親もおねーさんもきっと褒めてくれるだろう 英雄として両親から褒められる光景を頭の中に浮かべながら爪楊枝を咥えた 「ゆぴー・・・ ゆぴー・・・」 「まりしゃ・・・ がんびゃりゅ・・・ ゆぴー」 「れいみゅにょ・・・ れいみゅにょあみゃあみゃ・・・」 「ゆぴー・・・ もうちゃべらりぇにゃいよ・・・」 安らかに寝息を立てて眠っている妹達に忍び寄る そんなアホずらでいられるのも今のうちだ 癇癪まりさは一番近くにいた赤まりさのあんよをひと思いに突き刺した 「ゆぴぃ? ・・・ゆ、ゆんやあああああああああああああああああ!」 「みちゃか! まりしゃはちゅよいのじぇ! さいっきょうなのじぇ!」 「どびょちちゃにょ・・・? ゆ? まりしゃおねーしゃん!? なにやっちぇりゅにょおおおおおおおお!?」 「おまえもしぇいっさい!しちぇやりゅのじぇ! ぷーすぷす!」 「ゆびいいいいいいいいい! れいみゅにょあんよしゃんがああああああああああああ!」 「やめちぇえええええええええ! ぼびょじじぇごんにゃこちょすりゅにょおおおおおおおおお!?」 「まりしゃおねーしゃん! ゆっくちしてよおおおおお! ゆっくちゆっくちいいいいい!」 「ぢゃまりぇぢゃまりぇ! おまえちゃちのしぇいじぇまりしゃはいちゃいいちゃいしちゃんのじぇ! しょのむくいはうけちぇもりゃうのじぇ! ぷーすぷす! ぷーすぷす!」 「「ゆんやああああああああああ!!」」 泣き叫びながらうねうねと蠢く妹達 何とか攻撃から逃れようと逃げ回っているが、あんよをぷーすぷすされているので這ってしか動けない お家の中を追い立てられ逃げ場を失った妹達は角に集まって震えている 「ゆっふっふ! これぢぇもうにげりゃれないんだじぇ!」 「「「「ゆんやあああああああ!」」」」 「お、おちびちゃん!? なにやってるの!?」 「やめてあげてね! いもうとたちがこわがってるよ!」 ようやく事態に気付いた親達が慌てて止めに入る 癇癪まりさは咥えていた爪楊枝を放そうとしない むしろ待っていたと言わんばかりに両親の方へと駆け寄ってゆき、涙を浮かべて訴えた 「こいちゅりゃはおちょーしゃんちょおきゃーしゃんをえいえんにゆっくりさせようちょしちぇちゃのじぇ! ぱちゅりーにせんっのう!されていいなりになっちぇしまっちゃのじぇ!」 「ゆゆ!? それはほんとうなの!?」 「ほんっとう!なんだじぇ! しんっじちゅ!は、いちゅもひとちゅなのじぇ!」 「ならしかたないね! せいっさい!もやむなしだね!」 「「「「どびょじぢぇじょんにゃごじょいうにょおおおおおおおお!?」」」」 いったんは疑ったものの、自信満々に言う姉の言うことをあっさりと信じてしまう親まりさ 親れいむもそれに迎合して庇うようなことは一切しなかった そんな両親を見て絶望する妹達 全てが癇癪まりさの計画通りに動いたというわけだ ぱちゅりーを除いて・・・ 「あなたたちいったいなにをしてるの!?」 「ゆん!? かってにひとのおうちにはいってこないでね! ふほうしんっにゅう!でこくそするよ!」 「かわいいれいむのおちびちゃんになんのよう!? ゆっくりしないででていってね!」 親ゆっくり達がぱちゅりーを中に入れまいと立ちふさがったが強引にそれを突破 目の前では今まさに癇癪まりさによって妹達の処刑が始まろうとしていた 「ばかなことはよしなさい! このゆっくりごろし!」 「ゆぴいいいいいいいいい!? いじゃいのじぇええええええええ!」 癇癪まりさをもみあげで引っ叩き、妹達から無理やり引き離す 助けられた妹達は一斉にぱちゅりーへと泣きついた 「ゆええええええん! こわかっちゃよおおおおおお!」 「しぇんしぇええええええ! ありがちょおおおおおおおお!」 「いいのよ、せんせいがまもってあげるからあんしんしてね・・・」 優しく声をかけてなだめる様子は本当の親子であるかのようだった 14 「おねーさん!? おねええええさああああん!!」 「え、なに!? どうしたの?」 「どうしたのじゃないでしょおおおおおおおおお!?」 「とりあえず落ち着いて頂戴! 落ち着いてゆっくり話してね」 興奮するぱちゅりーの背後には四匹の赤ゆが震えながら寄り添っている ぱちゅりーが指導を担当していた妹グループの赤ゆ達だ 「おねーさんのぐるーぷのわるがきまりさがこのこのこたちをさつっがい!しようとしたのよ!」 「ええ!? それ、ほんとうなの!?」 「ほんとうかどうか、あのばかおやたちにきいてみるといいわ!」 ゆっくりハウスのでは頬を赤くはらして泣き叫ぶ癇癪まりさを両親がぺーろぺろしてあやしている 他の兄弟達は頬を膨らませてぱちゅりーに向かって威嚇行為をとっており その場は軽くパニックを引き起こしていた 「ねぇ、あなた達・・・ ぱちゅりーの言ってることって本当なの?」 「ゆううううううううう!? なにいってるの!? おちびちゃんはせんっのう!されてげすになったおちびちゃんから まりさたちをまもってくれようとしたんだよ!?」 「そうだよ!!! このおちびちゃんは“えいゆん”だよ!? とくべつなおちびちゃんなんだよ!?」 「はやぎゅぞのぐじょばじゅりーをじぇいじゃいじろおおおおおおおおおおお!! いましゅぐでいいのじぇえええええええええええええええええええええええ!!」 両親と癇癪まりさの言っていることを聞く限り、妹達を癇癪まりさが殺そうとしたのは事実のようだ 妹グループの怯えようを見れば、どちらが先に手を出したかは一目瞭然だ 「・・・むきゅん。 これでわかったでしょう わかったらはやく“ぎむ”をはたしてちょうだい・・・」 「・・・・義務?」 「そう・・・ そのげすまりさをつぶして“ぎむ”をはたすのよ」 「・・・・・・つ・・・ぶ・・・す?」 「そうよ、まさかことばのいみがりかいできないのかしら? ころすってことよ」 「・・・・・・なに言ってるの?」 ゲス化したとはいえ、おちびちゃんである癇癪まりさを潰せと、さも当たり前のようにのたまうぱちゅりー おねーさんは眉間にしわを寄せる 「なにってるの?じゃないでしょう!? げすかしたのならとうっぜん!そのむくいはうけるべきよ!」 「報い?当然? 一体何を言ってるの?」 「ほんっとう!におねーさんはあんこのうなのね! いいわ、できないならぱちぇがやるだけよ!」 爪楊枝を口に咥えるぽちゅりー そのまま泣き叫ぶ癇癪まりさの方を向いて、吹き矢を吹くような要領で爪楊枝を飛ばす 爪楊枝は癇癪まりさの眉間に音もなく深々と刺さった 「ゆわあああああああ! おじびじゃあああああああああん!」 「どぼじでごんなごどずるのおおおおおおおおおおおおお!?」 「ゆ? にゃんにゃのじぇこりぇ・・・?」 大騒ぎする両親とは対照的に、何が起こったか判らず落ち着いている癇癪まりさ 当たり所が良かったのか絶命するには至らなかったようだ 「なんてことするの!? 正気なの!?」 「むきゅん! ぱちぇはしょうきよ! って・・・ なにをしようとしているの!? やめなさい!!」 「ゆ・・・ゆんやああああああああああ!? まりしゃのおかおににゃんちぇこちょしちゃのじぇえええええええええええ!?」 ぱちぇりーを無視して癇癪まりさの額に刺さった爪楊枝を引き抜く 額から異物を取り除かれた癇癪まりさは、自分が何をされたのかに気付いて喚きはじめる 「おねーさん!! そんなことしてないではやくそいつをつぶしなさい! どうなってもしらないわよ!?」 「ねぇ、ぱちゅりー。 どうしてそんなこと言うの?」 「どうしてって・・・とうぜんでしょ? わるいことをしたらそのばつをうけるのはにんげんさんでもいっしょでしょうに・・・」 「うん、そうだよ。 でも謝って反省すれば許してあげてもいいんじゃないかなぁ?」 「あやまる?ゆるす? おねえさんはあまあますぎてへどがでるわ! このげすちびはかぞくをころしてじぶんがゆっくりしようとしたのよ!? あやまってゆるされるようなれべるじゃないわ! さっさとつぶすべきよ!」 「ねぇ、ぱちゅりー? どうしてそんなに簡単に殺すなんて言えるの? 同じゆっくりでしょ? みんな一生懸命生きてるんだよ? かけがえのない命なんだよ?」 「そいつはそのかけがえのないいのちをふみにじろうとしたのよ!? おねーさんがいくらべんごしてもそのつみはきえないわ!!!」 「ごめんね、ぱちゅりー。 私はあなたに何を言われてもその子を殺す気はないから・・・」 「・・・そう、それがおねーさんのだしたけつろんなのね わかったわ、それならぱちぇにもかんがえがあるわ!」 ぱちゅりーはそう言って妹グループのおちびちゃんを全て頭の上に乗せると、玄関の方へと跳ねて行った 「ぱちぇはこのこたちとここをでていくわ。 あとはおすきにどうぞ、ぶりーだーのおねーさん」 「・・・ここを出て行ってご飯はどうするの? 寝る場所は? 捕食種だってでるよ?」 「どうぞくごろしをかばうおねーさんといっしょにいるよりははるかにあんぜんだわ」 「・・・・・・そう」 「ぱちぇからのさいごのおねがいよ、このとびらさんをあけてちょうだい」 「うん、これでいい?」 「ありがとう。 おねーさん、ゆっくりさようなら」 ドアを開けると、ぱちゅりーはそのまま飛び出して行ってしまった おねーさんは姿が見えなくなるまで見送ったが、ぱちゅりーが振り返ることはなかった 15 「すみません・・・虹川というゆう医はいますか?」 「虹川先生はただいま診察中でして・・・」 「妹が訪ねてきたと伝えてもらっていもいいですか? 緊急で話したいことがあって・・・」 「・・・わかりました、おかけになってお待ちください」 おねーさんは兄が務めているゆっくりクリニックへとやって来ていた ぱちゅりーが家出したことを伝えるためだ 兄は大学を出てゆっくり専門の医者であるゆう医になった おねーさんと同様、彼もまたゆっくりが好きでたまらない愛で派の人間だったのだ そんな兄が誇らしくもあり羨ましくもあった ゆっくりに携わる仕事に就くのはおねーさんにとって夢であり、先にそれを果たしてしまった兄に少しでも早く追いつきたかった 「・・・何の用だ。 今は勤務中だ、手短にすませろ」 診察を終えた兄が診察室に顔を出した 白衣を着てメガネをかけたまじめそうな風貌 普段のふざけた態度とはかけ離れたまじめで落ち着いた雰囲気 ぱちゅりーを家に連れてきた時とは、まるで別人のようだ 「ぱちゅりーが・・・ ぱちゅりーが家出しちゃったんだ・・・」 「なんだ、そんなことか それなら加工所に問い合わせてバッチのナンバーを照合してもらえ。 控えは一緒に渡してあっただろ?」 「そうじゃなくて・・・ぱちゅりーとは喧嘩しちゃって・・・」 「だからなんだ。 あれの飼い主はお前だ、歯向かったなら従わせろ」 「・・・できないよ。 私なんかよりずっとゆっくりのこと知ってて、プライド高くて・・・」 「できないじゃない、やるんだ それくらいできないでブリーダーになんてなれるはず無いだろ」 「どうすればいいの? 皆言うこと聞かないし、勉強させてもすぐ忘れるし・・・ もう、何をどうすればいいかわからないよ・・・」 「都合のいい時だけ人を頼るのはやめろ お前一人でやると言ったんだから最後まで責任を持て、義務を果たせ」 「・・・責任? ・・・義務?」 「次の診察があるからもう行く 今後、職場に私用で押し掛けるのはやめろ。 迷惑だ」 「あ、ちょっと! まってよ!まって・・・」 兄は何も答えずに行ってしまった (なんで人前だとそんなに冷たいの? どうして他人みたいな態度をとるの?) その背中に無言で問いかけるものの、答えは当然返って来ない 16 おねーさんの家を出て行って数日後 ぱちゅりー達は近くの公園で寝泊まりしていた 穴があいたり崩れかけたりしている野良ゆの段ボールハウスが並ぶ中、一つだけま新しいお家がある 段ボールの上に雨よけのビニールシートが被せられ、地面に枝でしっかりと固定されている ゆっくりが作ったとは思えないような立派なつくりだ その中から、ぱちゅりーがひょこりと顔を出す 「むきゅん、おそとにでてもだいじょうぶそうね」 そう言ってぱちゅりーがお外に出ると四匹の赤ゆっくりがずーりずりと後に続く お家を出た当日は不安で泣きやまなかったものの、ようやく外の世界に慣れ始めてきている 厳しい授業の甲斐あってか、素直に言うことを聞いて勝手な行動をとるものは一匹もいなかった 「それじゃあ、おちびちゃんたち! きょうもごみひろいをするわよ!」 「「「「ゆっくちりかいしちゃよ!」」」」 ぱちゅりーは公園のゴミ拾いや雑草の除去などボランティア活動に精を出している 野良となった今、このおちびちゃん達を飼いゆっくりにするには人間を頼るほかない だが、通りすがりの人間におちびちゃんを飼いゆっくりにしてほしいとせがんでも良い結果は得られないだろう ならば人間が目を引くような行動をして注目を集めるしかない 一見賢そうな行動に思えるがそれ以外に方法が無いのだ 選択肢のないぱちゅりーのとった苦肉の策である 「おちびちゃんたち! みんなできょうりょくしてこのあきかんさんをはこんでね!」 「「「「ゆっくちりかいしちゃよ!」」」」 公園の遊歩道の脇には空き缶が何個も捨てられている それを一つずつ運んで山積みにするのだ 非力なゆっくり、それも赤ゆっくりからしたら想像を絶する重労働である 「もうまりしゃはへちょへちょだよ・・・」 「もうぢゃめ・・・れいみゅうごけにゃい・・・」 「いったんきゅうけいにしましょう! いまぱちゅりーがごはんをよういするからまっててちょうだい!」 赤ゆ達は空き缶を運んで二~三十センチほど進むと直ぐにばててしまう ぱちゅりーは無理をさせずにこまめに休憩をとり、その間に雑草を引っこ抜いて口に含む 何度か咀嚼して柔らかくなったものを休憩中の赤ゆ達に与えるのだ 「ぺっぺ! さあ、たんとめしあがれ!」 「「「「むーちゃむーちゃ・・・ それなりー・・・」」」」 微妙な表情で雑草を食べる赤ゆ達 雑草はそれほどおいしい物ではない、だが食べれないわけではない 残念そうに食べてはいるものの文句を言わずに完食した 「ぱちゅりー! ゆっくりしていってね!」 「むきゅん? まりさ? ゆっくりしていってね!」 この公園の群れの長であるまりさが話しかけてきた ぱちゅりーがこの公園に住むことを快く受け入れてくれた善良なまりさだ 「きょうもせいがでるね! はやくかいぬしさんがみつかるといいね!」 「そうね・・・でもげんじつはそんなにあまくないわぁ・・・」 「だいじょうぶだよ! ぱちゅりーみたいなかしこくてゆうっかん!なゆっくりならすぐにかってもらえるよ」 「ぱちぇがかってもらってもいみがないのよ・・・ このこたちのかいぬしがみつかるまでのらをつづけるつもりよ・・・」 「ぱちゅりーはやさしいんだね・・・ さすがは“えいゆん”だよ」 「むきゃ! ぱちぇは“えいゆん”でもなんでもないわ! はずかしいからそのはなしはやめてちょうだい!」 ぱちゅりーがこの公園にやってきた初めの晩 野生のれみりゃが群れを襲撃した 泣いて逃げ惑うだけで抵抗しようともしない野良ゆ達が次々と餌食になっていく中 ぱちゅりーは全く動じずに細かい枝を口で飛ばしてれみりゃを返り討ちにしたのだ といっても、偶々目玉に当たって驚いたれみりゃが逃げ出しただけなのだが・・・ 「まりしゃもおおきくにゃっちゃら、ぱちゅりーしぇんしぇいみちゃいに“えいゆん”になりゅよ!」 「れいみゅもがんばっちぇしぇんしぇーになりゅ! しぇんしぇーになっちぇゆっくちすりゅう!」 「もう、あなたたちったら・・・」 叶いもしないような将来の夢を語りだした赤ゆ達を、ぱちゅりーは呆れながらも何処かゆっくりした表情で見ていた 「ゆふふふふ。 ぱちゅりーはおちびちゃんたちがだーいすきなんだね まりさのかわりにむれのおさをやってほしいくらいだよ!」 「むぎゃん! またそんなことをいって・・・ ぱちぇにはにがおもすぎるわ・・・」 「ゆぎゃああああああああああああああああああああああ!!!」 「「ゆん!?」」 長まりさと話していると、公園の静寂を悲鳴が切り裂いた その声は転んでけがをしたとか言うレベルではなく、もっと悲惨なことが起きたことを知らせている 「まりさはようすをみてくるよ! ぱちゅりーはおちびちゃんとおうちへひなんしてね!」 「ゆ、ゆっくりりかいしたわ!」 長まりさの言った通り、おちびちゃんを連れてお家に向かうぱちゅりー お家に到着しておちびちゃんを中に入れるとすぐにまりさの元へと向かう わざわざ助けにいく義理などないのだが、数日間とはいえ生活を共にしたことでぱちゅりーには連帯感が生まれていた 「うぎゃああああああああ! やべろおおおおおおおおおおお! おじびじゃんぼつぶずなああああああああああああああああ!」 群れの中心部から長まりさが叫ぶ声が聞こえた 三人の人間が長まりさのお家を踏みつぶしたり蹴ったりして遊んでいる そのうちの一人が長まりさのおさげを掴んでぶらぶらとゆすっていた 17 「すみません・・・ちょっといいですか?」 「はい、なんでしょうか?」 おねーさんは近くのゆっくりショップに来ていた 手に抱えているケースの中には癇癪まりさを除く四匹の赤ゆっくり達が入っている 赤ゆっくりとはいっても子ゆっくり手前まで成長しておりテニスボールより少し小さいくらいの大きさだ 「この子たちを買い取ってほしいんですけど・・・」 「あ、はい。 もしかしてブリーダーの方ですか?」 「ええっと・・・一応・・・」 「はい! ではいまからこの子たちの評価をさせていただきますのでしばらくお待ちください!」 金髪にピアスをした店員はさわやかに微笑んで赤ゆっくりの入ったケースを持って行った おねーさんは椅子に座って腰掛けて足をぶらぶらさせながら店内を見渡す ケースの中には金や銀バッチをつけたゆっくりが入っていて、値札には十万・二十万と言った値が付けられている 一方柵の中に放し飼いになってる銅バッチのゆっくりには一匹あたり五千円とかなり値に開きがある この違いはしつけの違いなのだろうか? それとも血統がいいのか? そんなことをおねーさんんが考えていると、奥からさっきの金髪ピアスの店員と小太りでバーコード禿げの中年男性が出てきた 中年男性の付けた緑色のエプロンには店長と書かれたネームプレートが付けられている 「どーも。 わたくしがこの店で店長を務めさせていただいている山田というものです」 「あ、どうも。 私は虹川っていいます」 「虹川さん・・・結論から申し上げてあなたの育てたゆっくりをこちらで買い取ることはできません」 「・・・・・・なぜですか?」 「わかりませんかね。 まぁ、解らないから質問してるんでしょうね・・・」 「はぐらかさないではっきり言ってもらえますか? 腑に落ちません」 山田はやれやれと言った感じでかぶりを振り、おねーさんの目を見て言った 「・・・腐った生ごみの受け取りを拒否するのに理由が必要ですか?」 「生ごみ? どういうことですか!?」 「どういうこともなにもないですよ。 あんなゲス化したのを持ってこられてもこちらとしてはいい迷惑なんですよ というより、あれは庭飼い用なのに室内で飼育してゲス化したようですがどうしてそんなことをしたんですか?」 「・・・それは」 「理由なんてありませんよね? どうせそちらの方が元気そうだからなんてどうしようもない理由で選んだんでしょう あなたはまだスタートラインにすら立つことのできないレベルだということなんですよ」 「ブリーダーの資格ならちゃんととりましたけど!? よかったら認定証みせましょうか!?」 「必要ありません。 そもそも資格なんて適当に勉強すれば誰だって受かりますからね あなたに足りないのは知識うんぬんではなく、ゆっくりに教育を施すだけの能力が無いということなんですよ 要は大人になり切れていない子供のままだっていうことです」 「・・・・・・・」 「私の方から言えるのはそれくらいです。 では」 そう言って山田と名乗った男は店の奥に行ってしまった 残されたおねーさんに金髪の店員が優しく声をかける 「しかたないよ、失敗は誰にでもあるからゆっくり頑張ってくださいね」 「・・・・・ありがとうございます」 「よかったら一匹当たり千円で引き取りますけどどうですか?」 「え!? いいんですか?! ええっと・・・いま領収書を用意しますね!」 「ああ、違うんです。 そう言うことじゃなくて・・・引き取るっていうのは千円で処分しますよってことなんですよ」 「しょ・・・ぶん・・・」 「うん、ゆっくりは特殊外来種生物として国から指定されているでしょ? だから一度登録したら処分するには色々手続きが必要なんですよ 潰して生ごみとして捨てることもできなくはないんだけど、最近色々五月蠅くなってきてね・・・ それを代わりに代行する手数料ってことで本当は三千円かかるんだけどおまけして千円ってことで」 「どうして・・・どうして処分するんですか?」 「どうしてって・・・ゲス化したら飼ってても意味ないでしょ? あ、もしかしてまだ認定受けてなかった? だったら早めに処分しておいた方がいいよ! もし成体まで育っちゃったらバッチつけなくちゃいけないし、付けないまま飼っててもそれはそれで罰金だからね」 「・・・どうして どうして簡単に処分なんて言えるんですか!? ゆっくりが大好きなんですよね!? だからこういう仕事してるんですよねぇ!? じゃあなんでそんなに簡単に処分なんて言えるんですか!? ねぇなんで!!」 おねーさんは涙を浮かべて店員に詰め寄る 店員は頭を掻いて目をそらした 「ははは、確かに処分なんて可哀そうなことできないって、そう考えていた時期が俺にもありました でも結局それってただのエゴなんだよね。 可哀そうだからとか言ってたら商売にならないって 気持ちは分からなくもないけど、そんなこと言ってたら金バッチのゆっくりなんて育てられないよ ブリーダーを目指すんならもっと現実を見なよ・・・」 「・・・でも、生きてるんですよ? かけがえのない命なんですよ? それを処分するなんて・・・・」 「ったくもーめんどくせーなあああああああああああああああああああ!!!!」 丁寧に受け答えしていた金髪の店員は態度を豹変させた 眉を吊り上げて威嚇するような目つきで睨みつけてくる 「なにが命だよ!? さっきから聞いてたら綺麗事ばっかりぬかしやがって!!! 大体ゲス化させてそいつらのゆん生台無しにしたのてめーだろうがよおおおおおおお!!! 自分がしたこと棚に上げて偉そうに御託並べてんじゃねーぞゴラァ!!!!!」 「・・・・・あの、その、すみません!」 「今更あやまってんじゃねーよ!!! もうそいつらには加工所で死ぬかお前に殺されるかしか選択肢がねーんだよ!! よくもまぁぬけぬけと“かけがえのない命”だなんてぬかせるな!? っばーーーーかぁ!!!」 「・・・・・うぅぅ ごべんばばいいいいいいいい!!」 「泣いて謝るくらいなら死ね! 腹切って死ね!」 「おい、お前なんてこというんだ・・・」 山田が戻って来て金髪の店員を落ち着かせる まだ何か言おうとしていたが、頭をひっぱたいて黙らせていた 「わるかったな、こいつは一度こうなると手がつけられないんだ。 すまん」 「ばだじごぞごべんばばいいいいいいいいいい!!」 「ああ、もう泣くな泣くな・・・ 悪かったよホントに」 「うわあああああああああああああん!!!」 おねーさんは泣いた 今までため込んでいたものを全て吐きだすかのように、泣いた 18 「やべべぐばばびいいいいいいい! どっでぼゆっぐぢぢだおぢびじゃんなんでずうううううううう!」 「ちゅぶれりゅううううううううう! じんじゃうううううううううう!」 「ぴゃぴゃああああああああ! ちゃしゅけちぇええええええ!」 顔面を涙でぐしゃぐしゃにした長まりさが必死に懇願している 番であるありすは既に潰されており、地面にはカスタードのシミができていた 人間は長まりさの子供の子まりさと子ありすを足蹴にして、今にも潰してしまいそうだ 「こんなゴミ饅頭のどこがかわいいんだよw」 「なんにもできねーくせに粋がってんなよ! 下等生物のくせに何言ってんだよ! なぁ?」 「だなだな!」 人間達は学生服をだらしなく着ていて、みすぼらしい身なりをしている どうやら近くの学校の生徒が授業をサボっているようだ 「むきゅぅ・・・ どうしたらいいの・・・? ぱちぇにはわからないわ・・・」 ぱちゅりーは賢かったので止めに入って行っても無駄なことは理解していた 木の陰から隠れて様子を窺っていたのだが、その木は姿を隠すにはあまりにも細すぎた 「ぱちゅりいいいいいい!? までぃざどまでぃざのおじびじゃんだじぼだずげでねええええええええ!?」 「むぎゃ! よけいなことを・・・」 「おん? あそこに一匹隠れてるな」 長まりさのせいで見つかってしまったい、人間がのそのそと近寄ってくる 追い詰められたぱちゅりーは最後の手に出た 「まちなさい! このきんばっちさんがめにはいらないのかしら!?」 「あん? なんだこいつ・・・いっちょまえにバッチなんか付けてやがる」 「どうせ捨てられたんだろw 潰しちまってもだいぢょーぶw」 「むぎゃん! なんてむちなのかしら! ・・・いいわ、つぶしなさい! そのかわり、ごじつおくられてくるせいきゅうしょにめをしろくろさせるといいわ!」 「はー・・・ 饅頭にしては頭が回るみたいだな。 こいつの言ってることほんとかもしんねーぞ」 「まじかーw じゃあ、この金髪饅頭共潰したらけーるかw」 「だなだな」 危機が回避されてホッとしたのもつかの間 長まりさが信じられないことを言った 「まっでね!? ぞのばじゅりーにはばっぢざんのづいでないおじびじゃんがいるんだよ! までぃざのおじびじゃんじゃなぐでぞっじのおじびじゃんをつぶじでね!?」 「むぎゃあああああああああ! どぼじでぞんなごどいうのおおおおおおおおおおおおおお!?」 「ほ~ で、そのおちびちゃんはどこにいるんだか教えてくれよ」 「あっじのじまじまのじーどざんのやねのおうじだよ! でぎだばっがりのぎでいなおうじだよ!」 「・・・んじゃ、そっちいきますか」 「だなだな」 「むぎゃあああああああああ! ごのうらぎりぼのおおおおおおおおお!」 「わるくおもわないでね! のらのせかいはひじょうなものなんだよ!」 長まりさは人間におさげを掴まれたまま、へらへらと笑っている 既に生き残ったつもりでいるようだ 「にんげんさん! やくそくどおりおちびちゃんをたすけてあげてね! すぐでいいよ!」 「やくそくぅ? 何言ってんだてめぇ・・・」 「ゆ? だってぱちゅりーのおうちをおしえたらゆるしてくれるんでしょ? うそはよくないよ!」 「そもそもてめーとそんな取引をしたつもりはねぇ。 おい、やっちまえ」 「だなだな!」 リーダー格の人間が合図をすると、おちびちゃんを踏みつけていた人間が少しずつ体重をかけ始める 既に息絶え絶えの子まりさと子ありすは尋常ではない悲鳴をあげた 「おどうじゃあああああああああ! おどじゃ! だじゅげでええええええええええ! まりじゃじぬ! じんじゃ!う! ぐるじ! じぬうううううううううううう! ゆぎぃ! ああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」 「びゃびゃああああああああああああああ! だじゅげぢぇえええええええええええ! あでぃじゅじにぢゃぐにゃい! もっどゆっぐぢ!もっどもっど!ゆっぐぢいいいいい! ゆぎゃああああああああ! ぎゅごごごおご! ごべべべおげええええええええ!」 頬が張り裂けんばかりに膨れ上がり、両目は今にも飛び出しそうな勢いでせり出している 一文字に結んだ口からは中身が歯と歯の間から漏れ始めた 「おでがいでず! どっでもゆっぐぢぢだおぢびじゃんなんでず! がげがえのないいのぢなんでず! だっだびどづのいのぢだんでずうううう!」 「でたwかけがえのない命w お前らが言うと薄っぺらく聞こえるんだよなーw」 「一ついいこと教えてやるよ。 かけがえのない命だなんてもともと人間にとっちゃぁ無意味な言葉なんだよ」 「どぼじででずがああああ!!! までぃざにばわがりばぜん!」 「それはなぁ・・・ お前らみたいなアホとバカが自己満のために使う言葉だからだよ」 「どぼいうごどでずがあああああああああああ!?」 「犬や猫が虐待されれば可哀そうって言うくせに、保健所でガス室送りにするし 花を踏みつぶしたら怒られるけど、雑草を引っこ抜きゃあ褒められる 命は大切だって言っておきながら蚊やゴキブリは平気で殺す 自殺するなって言う割には、いじめは止めねーリストラはする ここまで矛盾してんのに“かけがえのない命”なんてキリッって言える奴はただのバカかアホだろ? ようするにお前らみたいな奴が人間にもいるってことだ そーゆー奴らが使うような言葉だから、薄っぺらくしか聞こえねえってわけだ」 「おおーw すげえな、ちょっと俺感動しちゃったよw」 「そうか? 適当に言っただけだぞ?」 「ぞれがばでぃざだじどがんげいあるんでずがあああああああ!?」 「いや、ねーよ。 もういいだろそいつら潰しちまえ」 「だなだな!」 「おどじゃ! おどうじゃああああああああ! までぃじゃじにだぐにゃよおおおお! ぐるじ! ぐるじいいいい! ゆぴょおおおおおおおおおおおおおおおおおおお! ゆぎゅおおおおおぎゅうおおおおゆぎょおおおおおおおおおおお『ブチぃ!』・・・」 「やぢゃやぢゃ! ありじゅばじばばぜになっぢぇ! ゆっぐぢ!じゅりゅんぢゃもん! ゆっぐじ! ゆっぐじいいいいいい! あでぃじゅはゆっぐじいいいいいいいいい! おごおおお! げっぇげっぇえっ! あでぃ!じゅ! ぢょがいは『ブチョ!』・・・」 破裂寸前の子まりさと子ありすはさらに圧力をかけられてあっけなく爆ぜた 地べたには餡子とカスタードの小さな花が新たに花開いた 「ああああああああああああああああああああああああああああああああ!!! までぃざのおじびじゃん! おじびじゃんがああああああああああああああ!!! どっでぼゆっぐぢぢでだのにいいいい! どぼじでごろしちゃったのおおおおお!?」 「うるせーな! そいつさっさと黙らせようぜ!」 「だなだな!」 「はいよーw 死ね!このウジ虫w」 「やめでね!? までぃざをごろざないでね!? までぃざはあだらじいおよべざんどおじびじゃんづぐっでゆっぐぢ『ベシャア!』ゆっぐ・・・じ・・・」 長まりさを掴んでいた人間は勢いよく近くの看板に叩きつけた 勢い余っておさげがちぎれてしまい長まりさの顔面がぴたりと張り付く その身体はピクリともせずにずるずるとずり落ちていって、看板には餡子のラインが縦に引かれた 「はぁーすっきりした! じゃあ早速つぎいこーぜ!」 「だなだな!」 「むきゃん! まちなさいあなたたち!」 ぱちゅりーは人間の後を必死に追う 何もできないと知りながら 後編へ続く
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『いのちはたいせつ 前篇』 36KB 虐待 日常模様 妊娠 家出 共食い 番い 飼いゆ 野良ゆ 姉妹 赤ゆ 子ゆ ゲス ペットショップ 現代 愛護人間 虐待人間 独自設定 うんしー なかとそとの人です はじめに この作品は・・・ 人間が迷惑行為に及ぶシーンがあります 通常種のみ登場します 三部構成のため非常に長いです 虐待が行われるのは中編の終盤からです 以上の点に注意してお読みになるようお願いします 1 家賃月四万五千円 キッチンとユニットバスつきの賃貸マンション 居住スペースとなる場所には柵やゆっくりハウスなどが置かれ手狭になっている その中で一人の女性が腰に手を当て「よし」とつぶやいた 彼女はこれからゆっくりブリーダーとしての第一歩を歩もうとしているのだ この世界に突如として現れた不思議生物ゆっくり 我が国にしか存在しないこの奇想天外な生き物は世界中が注目している いまやゆっくりペット業界の需要はウナギ登り その勢いはとどまることを知らない そんな状況なら一攫千金あてようと新規参入する人がいるわけで おねーさんもそんな中の一人だった 彼女は人語を喋り、中身がお菓子でできたゆっくりが大好きだった 笑顔が素敵なれいむ、元気なまりさ、都会派なありす、森の賢者ぱちゅりー・・・ ゆっくりたちの微笑む顔を思い出すだけで小一時間は夢想にふけることができる ゆっくりの一家が駅前の広場などでお歌を歌っていると、ついコンビニで買ったお菓子を差し出してしまう あまり褒められた行動ではないとわかってはいるが本能で動いてしまうのだ もし、ゆっくり達と共に暮らしておかねが稼げればこんなに幸せなことはない こつこつとアルバイトをしてためたお金で飼育設備を整え 図書館やネットで必要な情報を集めた やることはすべてやった。 準備は万端。 何か不穏なフラグが立っているような気がするが これから始まるのは悲劇や喜劇なのではなく、偉大なサクセスストーリーなのだ と、少なくとも彼女はそう思っている 「さぁてっと・・・ さっそくれいむとまりさに起きてもらうかな」 おねーさんが目をやった先には、密封されたプラスチックケース 中にはコールドスリープさせられているれいむ種とまりさ種が一匹ずつ入っている これから繁殖させるために加工所で買ってきた物だ 「じゃあ・・・ れいむ、まりさ・・・ゆっくり『ピンポーン!』・・・はぁ・・・なんなのよ、もう」 箱を開けようとした途端、チャイムがけたたましく鳴り響いた 軽く出鼻をくじかれたような気分だ 『ピーンポン!ピンポン!ピーンポーン!』 「はいはい、いまでますよ~」 何度もしつこく鳴らされる呼び出し音に若干イライラしながら、一抹の不安が頭をもたげる せっかくこんな大切な時に一体何の用だろう 宗教や新聞の勧誘だったらいやだな 重い気持ちで扉を開けた 「よぉ! おっす、おらお兄さん! 元気にや『バタン!』・・・」 あの黒ぶち眼鏡・・・間違いない、兄だ 最悪だ、せっかくの船出が台無しだ 自転車で日本一周しようと出かけた瞬間、家の目の前でトラックに轢かれたような気分だ ドンドンドンドン! ドンドンドンドン! 奴はしつこく扉をノックする 近隣の住民に迷惑がかかる前にさっさと追い返そう 毅然とした態度で臨めば追い返せるはずだ、多分 「さっさとかえれや! このうじむしげじげじまだらうんこ野郎!」 「むきゅん、 なんてげひんなにんげんさんなのかしら・・・」 「こんなんでも俺の妹なんだ。 勘弁してやってくれ」 へらへらと笑っている兄の腕の中には、憮然とした表情でこちらを見ている金バッチをつけた一匹のパチュリーがいた 2 「せっかく可愛い妹を心配して実の兄が訪ねてきたというのに、お前ってやつは・・・」 「余計なお世話です。 さっさと帰ってください」 「おいおい、兄弟なのに敬語はよそうぜ。 まるで他人みたいじゃないか」 「ええ、他人ですのでなるべく早くお引き取りお願いします」 「ははは、こやつめ。 ツンデレというものがまるで分かっておらぬ」 「むきゅん・・・なんなのかしら、このちゃばん」 飼育設備で狭くなった部屋の隅っこで小さくまとまり紅茶をすする二人と一匹 彼女にとって最も忌むべき存在であり、唯一の家族である兄は一向に帰る気配はない 長々と下らなことを喋って居座る気満々である 「お願いですから帰ってください。 帰らないのなら私が出て行きます」 「まぁまぁ、そう熱くなるなって。 これからブリーダーとしての人生を歩もうとするお前に素敵なプレゼントを持って来たんだからよ」 「要りません。 帰ってください」 「いや、帰らないね。 お前がプレゼントを受け取るまで帰らないね」 「・・・はぁ。 そのプレゼントっていうのはなんなんですか?」 「そこのぱちゅりーだよ」 「・・・え?」 眉間にしわを寄せてパチュリーの方を向く ぱちゅりーは二人のやり取りなど全く意に介せずとでも言うかのように、紅茶の香りを楽しんでいる 「だから、そのぱちゅりーをお前にやるって言ったんだよ」 「・・・要りま『だまれ』・・・はぁ!?」 「このまま放っておいたらお前は絶対に失敗する。 そうならないための保険だ、保険」 「ふざけんなっ!!! なんでやるまえから失敗するとか決めつけてんの!?」 「まぁ、だてにお前の兄貴やってるわけじゃないけんね。 どうなるかくらい解るわボケ」 「帰ってよ! もうあんたの顔なんて見たくないんだよ!」 兄からの心ない言葉に思わず声を荒げる 胸の奥が何かで締め付けられるように苦しい 「勘違いしてるみたいだから一つ言っておく これはお前の為じゃなくてこれから生まれてくる赤ゆっくりの為だ」 「・・・・・何が言いたいの?」 「早い話、お前に育てられた赤ゆっくりは直ぐにゲス化して売り物にならなくなるってことだ 売り物にならなくなったゆっくりの末路はお前もしってるだろ? 加工場で食品やゆっくりフードに加工されてぐしゃぐしゃにされちゃうんだぞ! 命はたいs『ばちゃ!』あっっっっっっづううううううう!!!」 おねーさんは紅茶の入ったティーカップを投げつけた 茶色い半透明の液体が顔面にぶちまけられ、兄は両目を抑えてのた打ち回った 「おめめが! おめめがあじゅいいいいいいいいいいいい!」 「もういいでしょ!? さっさと帰ってよこのバカ兄貴!!!」 「うわあああああん! もうこねえよおおおおおお!」 泣きながら逃げてゆく兄を見送るおねーさん 上がっていたテンションは急降下し暗くどんよりとした気分になってしまった 「まったくすなおじゃないのね」 紅茶を飲み終えたぱちゅりーがぼそりと呟いた 3 「いい? あなたはそこでじっとしててね」 「・・・ゆっくりりかいしたわ」 「あのバカになに吹き込まれたかしらないけど、勝手なことしないでね」 「・・・むきゅん。 まるでしんようされていない」 兄の置いて行ったぱちゅりーに念を押してれいむとまりさの入っているケースに手をかける 思わぬ邪魔が入ったが、これでようやく出発することが出きる 深呼吸して気持ちを落ち着けて、プラスチックケースの封をといた プシューーーーーーー!!! 中から勢いよく冷気が噴出して冷たい空気が両手に降り注ぐ 「ゆっくりしていってね!」 おねーさんは蓋をあけると不自然に微笑みながら言った 返事はない 「おねーさん・・・いいにくいのだけれど、こーるどすりーぷしてたゆっくりはすぐにはあいさつできないのよ」 「・・・そ、それくらしってるもん。 ちょっとふざけただけだもん」 ぱちゅりーに指摘されそっぽを向くおねーさん 前途は多難である 「ねぇ、この子たちどれくらいで目が覚めるの?」 「しばらくようすをみるひつようがあるわね。 って、ちょっとそのはこみせてもらってもいいかしら?」 「え? ・・・別にいいけど」 不意にぱちゅりーに尋ねられ、言われるがまま空になった箱を差し出す ぱちゅりーは箱に書いてあるロゴや説明文を目を細めて読んでいく 「むきゅ・・・ こ、これはひどい・・・」 「・・・え? どうしたの?」 「これにわがいようゆっくりじゃない! なんでこんなのえらんじゃったの!?」 「ええ!? 駄目だったの?」 「だめにきまってるでしょ! こんなせまいおうちのなかでにわがいようなんてそだてたら じゅっちゅうはっく、すとれすさんでげすかするわ!」 「ウソでしょ!?」 「ぱちぇはうそなんてついてないわ! それにしてもどうしてにわがいようなんてえらんだの!?」 「だって・・・ 元気そうで育てがいがあると思ったから・・・」 「むきゅぅ・・・ あたまがいたいわ・・・ まさかここまであんこのうなんてそうていのはんいがいよ・・・」 おねーさんは室内飼い用ではなく庭飼い用ゆっくりを選んでしまっていた 理由は先ほど自分の口で述べたとおり 庭飼い用は気温や天候の変化に耐性があり、外での環境に適応している しかし、自由に駆け回ることのできない室内ではストレスが溜まりゲス化しやすいのだ おねーさんは準備を始めているその時点ですでにフラグを立ててしまっていたのである 「ぱちぇがいなかったらこのことにきづきもしなかったでしょうね・・・」 「・・・はい。 すみません」 おねーさんは正座をしてぱちゅりーの小言を聞く 二人の間の力関係はすっかり逆転してしまっていた 4 「「ゆっくりしていってね!!!」」 「私が飼い主のおねーさんよ! ゆっくりしていってね!」 「むきゅん、ぱちぇはぱちぇよ。 ゆっくりしていってね」 目を覚ましたれいむとまりさがお決まりの挨拶をした 笑顔で挨拶を返すおねーさん とりあえず形だけの挨拶で済ますぱちゅりー 既に二人の間には温度差が生じていた れいむとまりさは挨拶をすますと辺りをきょーろきょろと見渡しはじめた しばらくして探しているものが見つからないのか、不安な顔でおねーさんに尋ねた 「ゆぅ・・・ ここはどこなの? くささんもはなさんもはえてないよ?」 「なんだかゆっくりできないよぉ・・・ れいむたちはどこにいればいいの?」 先ほどぱちゅりーが指摘したとおり、二匹は早速この住環境に不安を抱き始めたようだ おねーさんはあわてて説明する 「ご、ごめんね! おねーさんのお家は狭くて二人にはここで生活してもらうことになるの・・・」 「ゆうううう!? じゃあくささんのうえでおひるねも、ぴょんぴょんもできないのぉ!?」 「ゆんやあああああ! こんなせまいところじゃゆっくりできないよおおおおお!!」 「ああ、もぅ・・・ ほんとに、ごめんね・・・ ごめんね」 「・・・むきゅん。 ちょっといいかしら」 泣き出しそうな二匹を前にうろたえてばかりで何もできないおねーさん その間にぱちゅりーが割って入った 「れいむ、まりさ。 よくきいてね。 さいきんれみりゃがひんっぱん!にもくげきされるようになったわ もしおそとでせいかつしてたられみりゃにみつかって、すぐにむーしゃむしゃされてしまうの だからこれはしかたのないそちなのよ。 ゆっくりりかいしてね」 「ゆぅ・・・ れみりゃのせいならしかたないね・・・」 「ゆっくりりかいしたよ・・・ れいむもしにたくないからぱちゅりーのいうとおりにするよ」 なんということでしょう・・・ ぱちゅりーのでまかせをすっかり信じ込んでしまったではありませんか これにはおねーさんも大喜び 「よかったぁー! これで一安心だね! じゃあれいむちゃんとまりさちゃん! さっそくすっきりーしようか!」 「・・・・・・・は?」 「お、おねーさん?なにいってるの? まりさはりかいふのうだよ?」 「ゆぅ? ねえねぇぱちゅりー・・・このにんげんさんあんこのうなの?」 目が点になる三匹 ゆっくり達とは対照的におねーさんは自信満々だ 「だってすっきりーしたらおちびちゃんができるんだよ!? おちびちゃんはゆっくりできるんだよ! 皆知ってるでしょ?」 「むぎゅぅ・・・だめだわこのひと、はやくなんとかしないと・・・」 まるでどこぞのしんぐるまざーのような言い分に呆れかえるぱちゅりー れいむもまりさもドン引きである 「まりさはまだれいむとはしりあったばかりだからすっきりーするつもりはないよ」 「れいむもだよ。 しらないゆっくりとすっきりするなんてやりまむびっちさんだよ」 「・・・え? 二人とも初対面なの?」 「・・・そういうもんだいじゃねーから」 ぱちゅりーはゆっくりらしからぬ物言いで突っ込みを入れた 5 それから数日後 ぱちゅりーの助言もあり何とかれいむとまりさを仲良くさせることに成功したおねーさん れいむの額に生えた茎には五匹の実ゆっくりが安らかな笑みを浮かべて鈴なりになっている まるまると大きく肥えた実ゆは、ふるふると震え今まさに生まれようとしているのだ 「ゆーん! とってもゆっくりしたおちびちゃんだねー! まりさはまちきれないよぉ!」 「おちびちゃんたちゆっくりしないではやくうまれてね! うまれたられいむがおうたをうたってあげるよ!」 「うふふふふ、そんなに急かさないの!」 和気あいあいと盛り上がるれいむとまりさとおねーさん ぱちゅりーは少し離れておねーさんのことを冷めた目で見ていた 「ねぇ、おねえさん。 ちょっといいかしら」 「ん? なぁにぱちゅりー?」 「ひとつちゅうこくしておくわ。 このままいったらあのにひきもうまれてきたおちびちゃんもまちがいなくげすになるわ」 「なんでわかるの? まだ生まれてもいないじゃない」 ぱちゅりーは真剣に話したが、有頂天になっているおねーさんは聞く耳を持たない 「うまれてなくてもわかるわ! おねーさんもあのふたゆもきっとおちびちゃんをあまやかすわ!」 「そんなこと言われても・・・ どうしてそんな自信満々に断定できるの?」 「おねーさんをみてたらだんってい!できるわ! いままでしてきたことをおもいだしてみなさい!」 「そんな怒らないでよォ・・・」 今までおねーさんがしてきたこと・・・ ご飯が足りないと言われればゆっくりフードを山のように盛って与え 柵が邪魔だと言われれば部屋を自由に行き来できるように撤去し お家が狭いと言われれば新しいお家を買って与える・・・ 「なにも間違ったことはしてないとおもうけど・・・」 「むぎゅうううううう! あたまがわれそうにいたいわ・・・ と・に・か・く!!! あたらしくうまれたおちびちゃんはぱちぇがきょうっいく!するからそのつもりで」 「ええええ! ぱちゅりーが先生してくれるのぉ!?」 「そのつもりよ。 おねーさんじゃまともなことなにひとつおしえられそうにないからね」 「ありがとおおおお! ぱちゅりーって実はとってもいい子だったんだね!」 「・・・・・・」 「ゆぅぅぅぅ! うまれるよ! おちびちゃんたちうまれるよ!」 「はやくうううう! れいむのかわいいおちびちゃん!」 話をしているといつの間にか出産の時を迎えたおちびちゃん達 茎の一番先に実っていた赤まりさがぶるるっと震えると、床に敷いていたまりさのお帽子の上にぽとりと落ちた 「ゆっくちしちぇいっちぇにぇ!」 「「ゆっくりしていってね!」」 「ゆっくりしていってね! ほらほら、ぱちゅりー! とっても可愛いよ!」 「むきゅ? はいはい、ゆっくりゆっくり」 「にゃんぢゃかこにょぱちゅりーゆっくちしちぇにゃいにぇ!」 「・・・・・・」 こんな調子で次々と順調に生まれ、まりさ種三匹れいむ種二匹の計五匹が無事に誕生した 「おにゃかしゅいちゃよおお! むーちゃむちゃしちゃいよおお!」 「おちびちゃんたちはこれをたべてね!」 れいむが額に生えていた茎を引き抜いておちびちゃん達に与える 茎を前にした赤ゆっくり達は大きく口を開けて茎を食べ始めた 「「「「「むーちゃ!むーちゃ! ちあわちぇー!!!」」」」」 食べながらしあわせーと叫び食べかすをまき散らしている そんな赤ゆ達をぱちゅりーはすかさず注意した 「おちびちゃんたち・・・ ごはんをたべるときはのみこんでからしあわせーするのよ じゃないとたべっかすがおっこちてにんげんさんがゆっくりできなくなるわ」 「ゆゆ!? なにいってるの!? しあわせーはゆっくりできるんだよ! そんなこともしらないの!?」 「ぱちゅりーはだまっててね! れいむのおちびちゃんたちはゆっくりしてるんだよ!」 ぱちゅりーの指摘に食ってかかる両親達 ここで譲歩してしまったらずるずるとよくない方向へと向かって行ってしまう 二対一にもかかわらず、ぱちゅりーは負けじと両親達を睨みるつけた お互いににらみ合ったまま動かず一触即発の空気が張り詰める 「ぱちゅりー・・・ 今日は生まれたばっかりだから大目に見てあげてね」 「そう・・・ おねえさんはそれでいいのね」 おねーさんが優しく語りかけると、ぱちゅりーはため息をついて両親達から視線をそらした 6 「それじゃあいまいったことをふくっしょう!してみてちょうだい」 「まりしゃはにんげんしゃんをゆっくちさせましゅ!」 「れいみゅはおちょくじちゅうにしあわせーしません!」 「まりちゃはかっちぇにおしょちょにでましぇん!」 「れいみゅはにんげんしゃんがゆるちちぇくれりゅまぢぇ、しゅっきりーしましぇん!」 「・・・まりしゃはにんげんしゃんのいうこちょをきくのじぇ」 ぱちゅりーの授業を受ける赤ゆ達は何度も同じことを復唱させられていた こうすることで、餡子に人間さんとの付き合い方やルールを記憶させて行くのだ やる気のない子にはぱちゅりーから厳しい喝が入れられる 「まりさ! やるきないの!? ちゃんとおおきなこえでいいなさい」 「ゆぅ!? まりしゃはにんげんしゃんのいうこちょをきくのじぇ!」 「それでいいのよ。 さぁ、おちびちゃんたちあとじゅっかいふくっしょう!するわよ」 「「「「「ゆえええええええ!?」」」」」 多少厳しすぎるような気もするが、こうでもしないと社会性というものは身につかない 経験上ぱちゅりーはそのことを知っていた 「ゆうううううう! どうしてまりさのおちびちゃんたちがこんなことしなくちゃいけないのおおおおお!?」 「もっとゆっくりさせてあげてよおおおお! おちびちゃんがかわいそうだよおおおおおおお!!」 柵の中に入れられた両親達はそのやり取りを見て文句を言っている 庭飼い用だったため、お家の中での生活の仕方を教わって来なかった親ゆっくりは 赤ゆ達が受けさせられているぱちゅりーの授業が心底不満でしょうがなかった どうしてこんなにゆっくりできないことを可愛いおちびちゃんにさせるのだろう ぱちゅりーへの不満は直接本ゆんには向かわず、おねーさんへと向けられる 「おねーざん! どぼじでごんなごどずるのおおおおおお!?」 「ごごがらだじでね! おじびじゃんだじどあぞばぜでねえええ!!」 「で、でもぉ・・・ 今はお勉強の時間だから・・・」 授業の邪魔になるからといって両親を柵の中に閉じ込めたのはぱちゅりーの指示によるものだ こうでもしないと授業に乱入して赤ゆ達に好き勝手させてしまうので仕方なくおねーさんはその指示に従っていた 「ごんなのぜんぜんゆっぐじでぎないよおおおおお!」 「おねえざんはれいむだじのごどがぎらいなの!? だがらごんないじわるずるの!?」 「ご、ごめんねぇ・・・ だめなおねーさんでごめんねぇ・・・」 半泣きになりながら必死に訴える親ゆっくり そんな親ゆっくりに、おねーさんはその場しのぎの謝罪を繰り返していた 一方、授業を受けている赤ゆ達にも変化が表れ始める 「やぢゃやぢゃもうやぢゃ! まりしゃ、おべんきょうにゃんきゃしちゃくにゃのじぇ! こんにゃこちょしちぇにゃいぢぇ、おきゃあしゃんにしゅーりしゅりしちぇもりゃうのじぇ!!」 先ほどやる気のなかった赤まりさが駄々をこねて授業を完全に放棄してしまったのだ しかし、ぱちゅりーも甘くはない 毅然とした態度でこう言い放った 「それじゃあ、おちびちゃんはおべんきょうのあとのあまあまはぬきね。 ゆっくりりかいしてね」 「どびょじぢぇじょんにゃごぢょいうにょおおおおおおおおおおおおお!?」 授業の後にはほんのわずかではあるがあまーいお菓子がもらえることになっている これもぱちゅりーの提案で飴と鞭で授業に集中させようと言うのだ パサパサしたゆっくりふーどでは味わうことのないびっくりするようなしあわせー それを一度味わった赤ゆ達は我慢して授業を受けるようになる 「まりしゃもあみゃあみゃしゃんほしいのじぇえええええ!!!」 「それならきちんとおべんきょうすることね。 つぎにわがままいったらあしたもあまあまはおあずけよ」 「ゆぴいいいいいいいいい!? しょんにゃにょないのじぇえええええええ!!」 大慌てで授業に復帰する赤まりさ 何度も何度も狂ったように復唱する 「まりしゃはにんげんしゃんにょいうこちょきくのじぇ! いうこちょきくのじぇ! きくのじぇえええええええ!!!」 「おちびちゃんおちついてね。 ちゃんとしゅうっちゅう!するのよ」 「まりしゃはまりしゃは・・・あばばばばばばばばばばば!!!」 「これではじゅぎょうにならないわね・・・ おねえさん、このこをちょっとあずかっててもらえないかしら・・・」 「う?うん・・・ わかったよ・・・」 赤まりさをクールダウンさせるために、いったんおねーさんに預かってもらい ぱちゅりーは残りの赤ゆっくりに授業を続行する 「ゆわああああああああん! おねえしゃああああああああん! まりしゃはおべんきょうにゃんかしちゃくにゃいにょじぇえええええ!!!」 「でも、そんなこと言ってたら立派な飼いゆっくりになれないよ?」 「しょれにゃりゃあんっしん!しゅりゅのじぇ! まりしゃはいじゅれびっぐになっちぇおねーしゃんをちあわしぇーにしちぇあげりゅのじぇ!」 「へー・・・ 頼もしいじゃん。 期待してるよー」 「おおいにきたいしちぇるちょいいのじぇ! おねーしゃんしゅーりしゅり」 調子に乗った赤まりさはおねーさんの指にすーりすりをした その表情はとてもゆっくりしており、他の赤ゆ達はじっとおねーさんを見つめて授業どころではなくなってしまった 「む、むきゅん! おねーさん・・・ そのことあそんでたらほかのこまでしゅうちゅうできなくなってしまうわ あそぶんだったらどこかみえないばしょでしてちょーだい」 「あ、ごめんねー! 可愛いかったからつい・・・」 「つい、じゃないでしょおおおおおおおお! やるきあるのおおおおおおお!?」 「そんなに怒らないでよ。 私だって悪気があってやったわけじゃないし・・・」 「おねーしゃんをこまりゃせりゅなあああ! ぷきゅー!!!」 おねーさんの手のひらの上でぷきゅーをしてぱちゅりーを威嚇する赤まりさ ぱちゅりーはやれやれとかぶりを振って残りの赤ゆに宣言した 「きょうのおべんきょうはおしまいにしましょう。 いまからあまあまさんをくばるわ! もちろん、おねーさんとあそんでたわるいこはあまあまさんはおあずけよ!」 「「「「ゆわーい!」」」」 「ゆぴいいいいいいいいいい! まりしゃにょあみゃあみゃあああああああ!」 ぱちゅりーは被っていたお帽子から金平糖を取り出すと、それを二粒づつ赤ゆ達に配っていく 金平糖を口に入れた赤ゆは小さな瞳を輝かせてもみあげやおさげをピコピコさせて喜んでいる お預けを食らった赤まりさは大声で泣きわめきながら右へ左へとのた打ち回って悲しーしーをばら撒いていた 「ゆんやああああああ! まりしゃもあみゃあみゃたべちゃいのじぇええええ!! おねええええしゃああああああああん! あみゃあみゃちょうだいなのじぇええええ!」 赤まりさに同情の視線を向けるおねーさん ぱちゅりーはキッとおねーさんを睨みつけて牽制した 「そんな目で見ないでよォ・・・ 別にお菓子あげたりしないから・・・」 そう言いながらも、おねーさんは泣き喚く赤まりさが気になって仕方なかった 7 「ゆぴいいいいいいい! おねえしゃあああああああん!」 授業放棄であまあまをおあぜけされた赤まりさがおねーさんに泣きつく あれからこの赤まりさは度々授業放棄を繰り返し、その都度ぱちゅりーからお仕置きを受けている お仕置きといっても、貧弱なぱちゅりーのもみあげであんよをペンペンするくらいだったのでそれほど痛い訳ではないのだが・・・ 無論、あまあまもおあずけされ毎日のように姉妹たちがおいしそうにあまあまを口にする様子をおさげを咥えて見ていた ストレスでいーらいらした赤まりさは勉強に集中できずに癇癪を起すという悪循環に陥っている そんな赤まりさが逃げ場所に選んだのはやさしいおねーさんだった 「おねーしゃあああん! まりしゃちょしゅーりしゅりしてほしいのじぇええええ!」 「だ、だめだよ・・・ 今は勉強のお時間でしょ?」 「やぢゃやぢゃ! まりしゃはあんにゃちゅまらにゃいこちょしちゃくにゃいのじぇ! しょれよりおねーしゃん、きいてほしいのじぇ! まりしゃはぱちゅりーにいじわりゅしゃれちぇ あみゃあみゃがたべられにゃいにょじぇ・・・」 「うん、でもそれはまりさちゃんがちゃんとお勉強しないからでしょ?」 「まりしゃはがんばっちぇるのじぇ! じぇも・・・まりしゃはおちゅむがよきゅないのじぇ・・・」 「そんなことないと思うよ? まりさちゃんも頑張ればきっと立派な飼いゆっくりになれるよ」 「がんばっちぇるけじょだめなにょじぇ! まりしゃにはむりなのじぇ! ぢゃかりゃおねーしゃん・・・ まりしゃにすこちでいいかりゃあみゃあみゃをわけちぇほしいのじぇ・・・」 「ごめんね、そんなことしたらおねーさんがぱちゅりーに怒られちゃうよ・・・」 「おねーじゃんばばじゅりーのがいぬじでぢょおおおおお!? ぢゃっぢゃりゃにゃんじょがでぎるでじょおおおおお!! はやぎゅあにょげしゅばじゅりーをぜいっざい!するのじぇ!!!」 「なんでそんなこというのよぉ! そんなこと言ってたら立派な飼いゆっくりになれないよ!」 「ゆんやあああああああ! まりしゃもあみゃあみゃたべちゃいいいい! ゆっぐりじだいいいいいい!」 頼りのおねーさんにも見放されヒステリックに喚く赤まりさ 涙をぼろぼろと零しながら失禁して、足元には水たまりができた そんな赤まりさをみて気が気でない親ゆっくりのれいむとまりさ 柵に身体を食いこましてなんとか赤まりさを助けるよう懇願している 「おねーさん! おねがいだからおちびちゃんをゆっくりさせてあげてね!」 「おちびちゃんはとってもゆっくりしたおちびちゃんなんです! だからあまあまをたべさせてあげてね!」 「そんなこといわれてもぉ・・・」 ぱちゅりーの方をちらりと見るおねーさん 視線が合わなくても睨みつけられているような気がしてならない 「ごめんね、皆我慢してお勉強してるからそれはできないんだ・・・」 「「どぼじでぞんなごどいうのおおおおおおおおおおおおおおおおお!?」」 「ゆんやああああああああ! ゆんやああああああああ!」 「いいかげんにしなさい!!! ほかのこがじゅぎょうにしゅうちゅうできないでしょ!」 しびれを切らしたぱちゅりーが大声で一同を怒鳴りつけた 授業を受けていた他の赤ゆ達は、一連の騒動で集中力がとぎれ好き勝手に遊び始めている 「おねーさん、おねがいだからぱちゅりーのあしをひっぱるようなまねはしないでちょーだい」 「ごめんなさい・・・」 「まったく・・・ ぱちぇがひっしにがんばってるのに・・・ それと、こんどからじゅぎょうをうけられないこはかんっぜん!にかくりしてね じゃないとほかのこまでそのこのようになってしまうわ」 「ちょ!? それはちょっと可哀そうだよ! いくらなんでも一人ぼっちにしたらそれこそゲスになっちゃわない!?」 「ほんとうにゆっくりのことなんてひとつもりかいしていないのね・・・ なんでもいうとうりにしてゆっくりさせるのがゆっくりのためになるとおもったらおおまちがいよ」 ぱちゅりーの言葉にカチンときたおねーさん それまで素直に小言を聞いていたが声を荒げて反論する 「何も知らない!? なんでそんなこと解るの!? これでも私だって色々調べて頑張って来たつもりだよ! 何も知らないのはそっちじゃない! 偉そうな口きかないでよ!」 「むきゅううう? がんばってしらべた? いったいなにを!? わらわせるわね! がんばったけっかがこれだよ!!! ぱちぇがいなかったらなにもできないくせに、かたはらいたいわ!」 「もういい!! 私はあんたなんかの力なんて借りない! 私は私一人でやっていく!」 「そう、ならそうすればいいわ・・・ あとでないてこうかいしてもしらないわよ」 「後悔なんてしないもん! あんたみたいな兄貴の言いなりのゲロ饅頭の言うことなんかもう聞きたくない!」 「むぎゃ! ・・・いまのひとことはぱちぇをほんきでおこらせてしまったわ」 ついに仲たがいを起こしてしまった二人 ぱちぇは愛想を尽かしたのかさっさと専用のゆっくりハウスへはいって行ってしまう 残されたおねーさんは肩で息をして顔を真っ赤に染めていた 「しゃっしゅがおねーしゃんなのじぇ! まりしゃはみなおちたのじぇ! これでやっちょゆっくちできるのじぇ! ゆっくちありがちょー!」 傍らでは騒動の引き金になった赤まりさが嬉しそうにはしゃいでいた 8 次の日から赤ゆ達のお勉強はおねーさんがすることになった 徹夜で授業で使う小道具を作っていたので眼もとにはクッキリとクマが浮いている 朝ごはんが終わりゆっくりの一家が一通りゆっくりした後いつものように赤ゆ達を集める 「みんな! 今日からおねーさんがお勉強を教えてあげるから皆あつまってね!」 「・・・ゆぅ? なにいってるの? ばかなの?しぬの?」 「おねーさん、ごはんをむーしゃむしゃしたあとはうんうんたいそうのおじかんだよ?」 「・・・・・・え?」 うんうん体操 それはゆっくり達が溜まった餡子を排泄するためのストレッチ体操のようなものだ ゆっくりは古くなった餡子を排泄して常に新しい餡子で身体を満たすようにしている 便秘などでうんうんができなくなってしまった場合、体調不良を引き起こし場合によっては死に至る 特に赤ゆっくりは身体が小さく餡子の入れ替わるサイクルが早いため便秘の解消は死活問題だ そのため、親ゆっくりは毎日食事をとったあと必ず子供にうんうん体操をさせるのだ おねーさんはこのことは知っていた しかし、親ゆっくりがおちびちゃんにうんうん体操などさせているところを見たことが無い ぱちゅりーが強制的に勉強を始めてうんうん体操をさせなかったためだ 「えっと・・・ じゃあうんうん体操しようか・・・」 「ゆーん! おねーさんははなしがわかるね! ゆっくりできるね!」 「ばかぱちゅりーとはおおちがいだね! あたまがおとうふさんみたいにじゅうっなん!だね!」 そもそもうんうん体操は気温差の激しい野生の環境で行われるもので、室内飼いには必要ない れいむもまりさも庭飼い用だったためにうんうん体操をやりたがっているのだ 「それじゃあおちびちゃんたち! いまからみんなでれいむのまねをしてね!」 「「「「「ゆっくちりかいしちゃよ!!!」」」」」 「あんよをおおきくふ~りふり~ みぎへひだりへふ~りふり~」 「「「「「ふ~りふり~」」」」」 「ちからいっぱいの~びのび~ たか~くたか~くの~びのび~」 「「「「「にょ~びにょび~」」」」」 「あにゃりゅにちからをこ~めこめ~ うんうんさんすっきりー!!!」 「「「「「しゅっきりー!!!」」」」」 もりょりょりょりょブリブリブリん!!! 「ちょ!だめだよ! こんなところでうんうんしないで!」 一斉にうんうんを垂れ流す赤ゆ達 そもそもうんうんを出すための体操なのだから出るものが出るのは当然なわけで・・・ あわててティッシュで排泄物を拾うおねーさんをよそに、赤ゆ達は嬉しそうにはしゃいでいる 「にゃんぢゃかちょっちぇもゆっくちできちゃよ!」 「れいみゅ、うんうんちゃいしょうぢゃーいしゅき!」 「おべんきょうにゃんかよりこっちにょほうがゆっくちできりゅのじぇ!」 「ゆぴぃ・・・ にゃんじゃかまりしゃにぇむくにゃっちぇきちゃよ・・・」 「れいみゅはおなきゃがしゅいちゃよ! あまあまちょうらいにぇ!」 好き勝手騒ぐ赤ゆっくり達 その様子を見て、親ゆっくりのれいむとまりさは満足そうに微笑んでいた 「やっぱりおちびちゃんはこうでなくっちゃ! これでこそゆっくりだよ!」 「つぎはおねーさんにあまあまをもらってむーしゃむしゃしたら、おひるねしてゆっくりしようね」 「待って! まってまって! すとーっぷ!」 既に次の予定を勝手に立てている親におねーさんは必死の思いで待ったをかけた 「あまあまを食べた後お昼寝してゆっくりするって・・・ お勉強はどうするの?」 「ゆゆ!? おねーさんはまりさたちのおちびちゃんをゆっくりさせてくれるんでしょ!?」 「そうだよ! れいむはおねーさんがゆっくりさせてくれるっていうから、おちびちゃんたちをおねーさんいまかせたんだよ!」 「・・・はぁ。 あのね、ゆっくりさせてあげたいけどお勉強はちゃんとやらないとだめなんだよ。 それは理解して頂戴」 「はああああああああ!? おべんきょうはゆっくりできないっていったよね! まりさはなんどもいったよね!?」 「いくらなんでもかんっだい!なれいむもおこるよ! おねーさんはゆっくりはんせいしてね!!!」 勝手にあまあまをもらうだのお昼寝するだののたまいた次は逆切れである これには流石のおねーさんもイラッっときた しかし、ぱちゅりーと喧嘩したてまえ不用意に怒鳴ったりできない 「でもね、このままじゃ飼いゆっくりになれなくなってゆっくりできなくなるんだよ? それでもいいの?」 「なにいってるの? おねーさんがゆっくりさせてくれるんでしょ?」 「れいむのおちびちゃんはおねーさんがせきっにん!をもってゆっくりさせてね。 これはぎむだよ」 「そうだよ、義務だよ。 だからお勉強をして飼いゆっくりになる訓練をするんだよ。 じゃないと・・・」 兄の言った言葉が頭をよぎる お前の育てたゆっくりは飼いゆっくりになれないでゲス化する ゲス化したゆっくりは加工所でぐしゃぐしゃに・・・ 「じゃないとみんな加工所で潰されてぐしゃぐしゃにされちゃうよ! それでもいいの!?」 「はああああああああ?! なんでそうなるのおおおおおおお!?」 「ゆんやああああああああ! かこうじょいやあああああああああ!!」 「お・・・おちょうしゃん?」 「どうしちゃにょ・・・ ゆっくちできにゃいにょ・・・?」 “加工所”という言葉の効果は覿面だった さっきまで勝ち誇った顔で偉そうにしていた親ゆっくりは隅っこでガタガタ震えて失禁している 彼女達はようやく観念しておちびちゃんに授業を受けさせることに同意してくれた さっそく赤ゆっくりを集めて授業を始めるおねーさん ぱちゅりーはそれを冷めた目でみていた 9 「こんなふうに火さんをかってにつかったりしたらゆっくりできなくなるんだよー みんな、ゆっくり理解してね!」 「「「「「ゆっくちりきゃいしちゃよ!」」」」」 おねーさんはスケッチブックで作った紙芝居で赤ゆ達に授業を行っていた これは昨日徹夜で作ったもので、太いマジックペンで縁取りされたゆっくりが色鉛筆で丁寧に塗られている 内容はお家の中で暮らしていた飼いゆっくりがガスコンロを勝手にいじって大けがをしてしまうというものだ 金髪に火が点いたまりさがぽろぽろと泣いている場面で、おねーさんは繰り返し火の危険性を訴えた 赤ゆの方も、何度も繰り返し同じことを復唱させられるぱちゅりーの授業より やさしくわかりやすいおねーさんの授業の方が気に入っているようだ 癇癪をおこして授業放棄していた赤まりさも今回はおとなしく話を聞いている 「どうかな、みんな勝手にお家の中にあるものをいじったりしたらゆっくりできなくなることがわかったかな?」 「ゆっくちりかいしちゃよ! まりしゃはいいこにしちぇゆっくちすりゅよ!」 「れいみゅ、おねーしゃんにょおべんきょうぢゃーいしゅき!」 「ゆわーい! これぢぇあみゃあみゃがたべれるのじぇ! あみゃあみゃあみゃあみゃ!」 これではだめだ・・・ ぱちゅりーは深くため息をついた こんなやり方では赤ゆっくりを教育することはできない 一見、紙芝居を使って生活するためのルールを教えるのはよい方法に見える 事実ぱちゅりーの授業で癇癪を起していた赤まりさは最後までおとなしくしていた しかし、餡子脳のゆっくりへの教育はそう簡単にはいかない ゆっくりは基本的に体内の餡子に記憶を蓄積させる 楽しい思い出も、辛かった時の記憶も同じように記録されるのだが ゆっくりは不要だと中枢餡が判断した記憶のみをうんうんと一緒に排泄してしまうことができるのだ おねーさんの授業のように楽しく解りやすくすれば赤ゆ達は最後まで話をきくだろう だが、餡子に蓄えられた情報は楽しかった記憶のみが残され他は淘汰されてしまう だから赤ゆ達は『おねーさんの授業はゆっくりできる』という記憶は残るが 『ガスコンロは勝手にいじってはいけない』という肝心の部分が抜けて行ってしまうのだ 「それじゃあお勉強を頑張ったみんなにはあまあまをあげようね!」 「「「「「ゆわーい!」」」」」 楽しい授業の後にあまあま。 これもだめだ ぱちゅりーがあまあまを与えていたのは、あくまで辛い授業の後の楽しみとしてだ 辛いことばかりさせていたらストレスで餡子を吐いてしまい餡子を記憶ごと吐いて元も子もなくなってしまう おねーさんの授業はつらくもなんともなく、むしろ赤ゆ達は楽しんで受けている ならばあまあまなんぞ不要である これでは逆に甘やかしていることにしかならない 「ゆわーい! あみゃあみゃしゃんはゆっくちできりゅにぇー!」 「ハフハフ! ぺりょぺりょ! ゆっくちー!」 「あみゃあみゃしゃんおいちいにぇ! れいみゅはおべんきょーがんばりゅよ!」 「ぺーりょぺりょ! ぺーりょぺりょ!」 「ごっくん! ゆわーん!おねーさーん! あみゃあみゃしゃんのんじゃったのじぇ! もうひとちゅちょーらいなのじぇ!」 「だめだよ、あまあまは一日一人二個ずつっていったでしょ」 おいしそうにあまあまを食べる赤ゆ達 その中であのよく癇癪を起していた赤まりさは与えられた金平糖を飲み下しておねーさんにお代わりを要求した 流石にこれは我がままだと判断したおねーさんはその要求をやんわりと却下した 「おねぎゃいなのじぇ! もうひとちゅでいいのじぇ! あみゃあみゃちょうらいなのぜ!」 「れいみゅも! れいみゅもあみゃあみゃちょうらい!」 「まりしゃももういっきょちょうぢゃい! ひとちゅでいいよ!」 「れいみゅもあみゃあみゃのんじゃった! だかられいみゅにもちょーらいね!」 「まりちゃもまりちゃも! ゆわーん! あみゃあみゃほちいよー!」 一斉に赤まりさの真似をしておねーさんに群がる赤ゆ達 もはや先ほど教えられたことなど覚えていまい 餡子の中はあまあまをどうやって沢山貰うかというこで一杯になっているはずだ 「だめだよ! あまあまはそんなに沢山あげられないの! ゆっくり理解してね!」 「やぢゃやぢゃ! あみゃあみゃほしいのじぇ! あみゃあみゃ!あみゃあみゃ!」 「「「「あみゃあみゃ!あみゃあみゃ!」」」」 「おねーさん!? おちびちゃんたちぜんっぜん!ゆっくりしてないよ!? なにやってるの!?」 「みそこなったよおねーさん! れいむはおねーさんへのにんっしき!をあらためなくてはならないよ!」 いつものように駄々をこねた赤まりさにそれにならって他の赤ゆも真似をする そこに親ゆっくりも加勢してもはや勉強どころではなくなっていた 「ねぇ、みんな・・・ ちゃんということきいてよ・・・ おねがいだから・・・」 涙目になりながら必死に訴えるおえんーさん その願いが通じることはなかった 10 「なにやってるの!? あなた達!?」 「それはこっちのせりふだよ! すっきりをのぞきみするなんておねーさんはとんだへんったい!さんだね!」 「れいむはずかしいよおおお! そんなにじろじろみないでねええええ!」 おねーさんがゆっくりショップに買い物に行っている間に親ゆっくりが勝手にすっきりをしていた 既にれいむの額には茎が生えていて四つの実ゆっくりが実っている 「勝手にすっきりしたらだめって教えたでしょ!?」 「おちびちゃんはゆっくりできるんだよ! ごはんもたくさんあるからだいじょーぶだよ!」 「おちびちゃんはゆっくりできるっていってたのはおねーさんでしょ! れいむおぼえてるよ!」 都合のいいことはきちんと覚えていたれいむ おねーさんは頭が痛くなってその場にへたり込んだ 「ああ、もぅ・・・ どうして皆言うこと聞いてくれないの・・・?」 こうなってしまった原因は全ておねーさんにある そのことに彼女は気付いていない 「いもうちょがうまれりゅよ! ゆっくちゆっくち!」 「はやきゅきゃわいいいもうちょとゆっくりしちゃいよー!」 「まりしゃがいもうちょたちがいだいにゃゆっくちになれりゅようにきたえちぇやりゅのじぇ!」 「れいみゅはおうちゃをうちゃってあげりゅよ!」 「はやきゅ~! いもうちょはゆっくちしにゃいでうみゃれちぇにぇ!」 おねーさんのことなど知ったことかと言わんばかりに赤ゆ達も大はしゃぎ もはや飼いゆっくりになることなど全く頭に無いのか、新しい家族とゆっくりすることしか考えていないようだ 「むきゅん。 おねーさん、ぱちぇのたのんでおいたものはかっておいてくれたかしら」 「・・・え? あ、買ってきたよ・・・ でもこれ何に使うの?」 ぱちゅりーに買っておいたものを渡す まるで対岸の火事とでも言うかのように涼しいかおをしている 買って来たものはラムネとガムシロップに空の牛乳瓶 牛乳瓶は空の状態では売っていなかったので中身はおねーさんが飲みほしておいた 「むきゅん、たすかるわ。 もうひとつおねがいがあるのだけれど、このびんのなかにおみずをいれてもらえないかしら」 「いいけど、おみずなんかいれてどうするの?」 「ぱちぇはよなかにのどがかわくからそれがあるとらくなのよ」 「ふぅん・・・ わかったよ」 おねーさんは言われたとおり空になった牛乳瓶に水を入れてぱちゅりーに渡した 「さあ、おちびちゃんたち! もうおねむのじかんだよ! ゆっくりやすんであしたもゆっくりしようね!」 「おちびちゃんたちがゆっくりできればいもうとたちもゆっくりできるよ! だからゆっくりねむねむしようね!」 「「「「「ゆっくちりきゃいしちゃよ!」」」」」 親ゆっくりが宣言してぞろぞろとゆっくりハウスの中へ入って行く一家 そこにぱちゅりーがやって来て一家に話しかけてきた 「むきゅううう! まりさ!れいむ!おちびちゃんたち! ぱちぇのはなしをきいてちょうだい!」 「ゆぅ? なにいきなりはなしかけてるわけぇ?」 「ゆっくりできないぱちゅりーはあっちにいってね! じゃないとれいむはぷきゅーするよ!」 「ぱちぇがいままでまちがっていたわ! あなたたちはとってもゆっくりしたゆっくりよ! だからぱちぇもなかまにいれてほしいの!」 「ゆぷぷぷぷ! いまさらなかなおりしようとしてもおそいよ! まりさはゆっくりできないぱちゅりーなんてしらないよ!」 「れいむはもうかんっぜん!にあいそをつかしてるんだよ! ゆっくりしないでさっさとどっかへいってね!」 「ええ、いままでぱちぇがしてきたことはゆっくりできないことよ・・・ だからなかなおりのしるしにこれをうけとってほしいの!」 そう言ってぱちゅりーは帽子の中からラムネを取り出してれいむとまりさに渡した 「それをおちびちゃんたちにあげてみて! きっとゆっくりできるとおもうわ!」 「ゆん? なあにこれ」 「れいむ、こんなのみたことないよ?」 「おちょうしゃん! にゃんにゃのじぇしょれ?! ゆっくちしちぇにゃいでまりしゃにちょうらいなのじぇ!」 「あ、かってにたべたらだめだよおちびちゃん!」 親まりさからラムネを奪ってむーしゃむしゃする癇癪まりさ 乱暴に噛み砕いてごっくんと飲み下すと、輝くようなとびっきりの笑顔で言った 「しあわちぇー!!! これむっちゃうめえ!!! もっちょちょーらいなのじぇ! たくしゃんでいいのじぇ!」 「なにたべちぇりゅにょ? れいみゅにもちょうらい!」 「ひとりぢめはゆっくちできにゃいよ! まりちゃにもたべしゃしちぇにぇ!」 「れいみゅもれいみゅも!」 「まりしゃもまりしゃも!」 「わ、わかったからおちびちゃんたちおちついてね!?」 「まだまだたくさんあるからゆっくりしてね!?」 ラムネにありつこうとする赤ゆっくりに慌ててラムネを配るれいむとまりさ あんまりおちびちゃん達がおいしそうに食べるので自分達も食べてみることにした 「これめめっちゃうめえ! ハフハフ!」 「なにこれー!? しあわせがあふれてくるよー!?」 れいむとまりさが汚くラムネを食い散らかす様子を見て、ぱちゅりーは何も言わずに去って行った 中編へ続く
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『いのちはたいせつ 中篇』 35KB 虐待 日常模様 引越し 家出 共食い 番い 飼いゆ 野良ゆ 姉妹 子ゆ ゲス ペットショップ 愛護人間 虐待人間 独自設定 うんしー 続きです 中編です。 先に前編をお読みになるようお願いします 11 「どごおおおおおおおおおおおお!? がばいいでいぶのおじびじゃんどごにいっだのおおおおお!?」 朝日がようやく顔を出し、うっすらと明るくなり始めた早朝 親れいむの鳴き声でにおねーさんは飛び起きた 「ど、どうしたの? れいむちゃん落ち着いてね!?」 「なんなのれいむ・・・おちびちゃんがおきちゃ・・・ゆわああああああああ! おちびちゃんがいなぐなっでるううううううううううううう!!!!」 「ええっ!?」 れいむの額からはおちびちゃんがたわわに実った茎がなくなっていた 昨日の夜寝る前までは確かに生えていたのに、いまは根っこから引き抜かれて跡形もなくなっている 「ゆんやあああああああ! れいむのおじびじゃああああああああああん!」 「どういうことなの!? まりさなんにもわかんないよ!! おねーさんおじえでよおおおおおおお!!!」 「私に聞かれてもわからないよぉ! ねえぱちゅりー何か知って・・・あ」 ぱちゅりーの住んでいるゆっくりハウスをみると、中にはおちびちゃんの実った茎が牛乳瓶に挿してあった 実ゆっくり達は安らかな笑みを浮かべてゆっくりと眠っている どうやら命に別条はないようだ 「ねぇ! ぱちゅりー! これはいったいどういうことなの!?」 「むきゅわわわわぁ・・・ おねーさんゆっくりおはよう」 「欠伸なんかしてないで答えてよ! これはどういうことなの!?」 「むきゅん、そうせかさないでほしいわ。 いまからちゃんとせつめいしてあげるから・・・ おねーさんはあんこがおやからおちびちゃんにうけつがれるのはしっているかしら」 「・・・知ってる。 図書館で借りた本にそう書いてあった」 「ならはなしがはやいわ おやからうけつがれたあんこはおやの“きおく”がはいっているの その“きおく”をうけつぐと、おやとおなじようなせいかくのゆっくりにそだつわ あのれいむとまりさは、もはやかんっぜん!にげすかしてしまっているわ そんなおやからあんこをうけついだりしたら、うまれたじてんでげすになっちゃうのよ そうなったらもうどんなにべんきょうしてもむだ・・・ じぶんかってにかんがえて、わがままばっかりいう、げすなゆっくりにしかそだたないわ だから、おやからあんこをうけつがない“くりーん”なじょうたいでおちびちゃんをそだてるひつようがあったの」 「だからってなんで茎を引き抜いたりしたの? おちびちゃんが死んじゃったら元も子もないでしょう?」 「むきゅー。 おねえさんはべんきょうぶそくね・・・ひつようなちしきがまるでたりていないわ」 「・・・・・・ギリッ!」 「くきさんはね、べつにおやのひたいにはえてなくてもいいのよ くきさんのねっこがあまあまにつながっていればおちびちゃんはちゃんとそだつの おねーさんにかってきてもらったがむしろっぷさんをたっぷりすっておちびちゃんたちはごきげんよ!」 「へーそーなんだー・・・ でもお母さんから切り離されたらゆっくりできないんじゃないかなぁ! ねぇ、そうおもわないのかなぁ!!」 「・・・おねーさん? どうかしたの? ちょっとおかしいわよ?」 おねーさんは両手の拳をギリりと握りしめて歯を食いしばっていた 両目でぱちゅりーの瞳を射抜くように見つめ、わなわなと身体が震えている 一目見ればそれは怒りを抑えているという様子だと解るだろうが、ぱちゅりーも所詮はゆっくりなのかそのことに気付いていなかった 「おなかさんがいたいの? はやくといれにいったほうがいいとおもうわぁ・・・」 「べつにトイレに行きたいわけじゃありませんから」 「ならどうしたっていうの? まさか、といれにまにあわなかったとか・・・」 「そういうわけではありません。 心配しないでも結構です」 「・・・むきゅん? おねーさん、おしゃべりのしかたがへんよ?」 「いつも通りなのでどこもおかしくありません」 「・・・そう、ならいいけど」 おねーさんは怒っていた 見下したような態度で話すぱちゅりーに論破され怒りが沸点に達してしまった 勿論ぱちゅりーには見下すとかその気はなかったが、プライドを酷く傷つけられたおねーさんにはそう思えたのだ 今まで積み重ねてきた不満がぶり返して苛立ちばかりがつのってゆく 「その子たちの世話は全部任せますのでよろしくお願いします 私がやってもどうせゲス化させてしまいますからね」 「むきゃ! さっきからなんなのかしらそのたいどは まるでしらないひとにはなすみたいなしゃべりかたをしているわ」 「さっきも言いましたけど別に何でもないです。 気にしないでください」 「・・・もういいわ。 ぱちぇはすきにやるからごはんとうんうんのおせわだけしてちょーだい」 冷たい態度をとるおねーさんに愛想を尽かしたぱちゅりー 二人の間には深い溝ができてしまった 12 「それじゃあおちびちゃんたち! ふくっしょう!してちょうだいね!」 「「まりしゃはにんげんしゃんのいうこちょをききましゅ!」」 「「れいみゅはにんげんしゃんをゆっくちさせましゅ!」」 新たに生まれた四匹の赤ゆっくりがぱちゅりーの授業を受けている 同じ言葉を復唱させるぱちゅりー式の勉強法だ 柵を隔ててその隣では・・・ 「お外に勝手に出たら人間さんのすぃーに轢かれてゆっくりできなくなるんだよぉ! ゆっくり理解できたかなー?」 「「「「ゆっくちりかいしちゃよ!」」」」 「もういいのじぇ! そんなことよりはやきゅあみゃあみゃほしいのじぇ!」 おねーさんが自作の紙芝居で先に生まれた姉達に授業をしている 中には話を聞いていないのもいたが、おおむね上手くいっているようだ こうして二つに分けられて教育を受ける赤ゆっくり達 どちらの授業もそれなりの効果があり、姉グループも妹グループも少しずつおねーさんの言うことを聞くようになっていた 一部を除いては・・・ 「きょうはみんなじぇぼーりゅしゃんぢぇあしょぶんだじぇ! いっしょにあしょびたいこはこっちにくりゅんだじぇ!」 「ゆわーい! まりしゃも! まりしゃもぼーりゅしゃんであしょぶー!」 「れいみゅもー!! れいみゅもにゃかまにいれちぇー!」 「あ、ちょっとまってよ! 遊ぶのは勉強がおわってからでしょ!?」 いつものように授業をはじめようとすると、例の癇癪まりさが勝手にボールを持ち出して遊び始めたのだ 慌てて止めに入るがちょこまかと動きまわってなかなか捕まえられない そのすきに他の赤ゆっくりも遊びだしてしまい、姉グループは完全に授業崩壊を起こしてしまう 「いくのじぇー! ぱしゅぱしゅ! こっちへぼーりゅをよこしゅのじぇー!」 「ゆっくちりかいしちゃよ! ゆっくちいいい!」 「ちょっと! お願いだから言うこときいて! ねぇ、ってばぁ!」 ボール遊びに夢中になっている赤ゆ達にはおねーさんの言葉は通じない 元気いっぱいに跳ねまわっている様子は本来あるべき姿を取り戻したかのようだ なかでも癇癪まりさは生き生きとボールを蹴って他の赤ゆを先導している 「みんにゃまりしゃのかちゅやくをみちぇるのじぇ! しょーれ! ちょりぷりゅうりゅちょらぐれーちょまぎゅなみゅしゅーぱーしゅーとっ!!!」 ぽーん 緩やかな放物線を描いて飛んでいくボール その先には・・・ 「むぎゃん! ちょっと! いまぼーるさんをきったのはどこのだれかしら!?」 ボールはぱちゅりーの顔面に直撃した 顔にはまあるくボールの後がくっきりと残っている 「ゆわーい! ぱちゅりーのくしょびゃびゃあをしぇいっしゃい!したのじぇ~!」 「ゆわぁ! まりしゃしゅごいにぇ! まりしゃもまりしゃみちゃいになりちゃいよ!」 「れいみゅも! れいみゅもびゃびゃあにしぇいっしゃいしちゃい!」 歓声を上げる姉グループのメンバーに調子に乗っておどける癇癪まりさ ぱちゅりーがキッと睨みつけるとバカにした顔で一斉に舌を出した 「びりょびりょびりょびりょびゃ~! くやちかっちゃらここまじぇくるのじぇ~!」 「あびゃびゃびゃびゃびゃびゃ! まりしゃこわ~い! ぱちゅりーしぇんしぇいがおこっちゃうよ~」 「ゆぷぷぷぷ! にぇえにぇえ、れいみゅをしぇいっしゃいすりゅにょ? やれりゅもんにゃらやっちぇみりょー!」 「さすがはまりさのおちびちゃんだね! とってもゆっくりしてるよー!」 「おちびちゃん! もっとだよ! あのばかぱちゅりーをせいっさいしてみんなをゆっくりさせてね!」 親ゆっくりが褒めるてさらに調子に乗る癇癪まりさ ぱちゅりーの方へ歩み寄り、お尻を向けて左右に振った 「ほーりぇほりぇ! まりしゃのあんよをぺんぺんしちぇみりょー!」 にくったらしく挑発する癇癪まりさ おねーさんが守ってくれると勘違いでもしているかのような大胆な行動だ しかし、それが単なる妄想に過ぎなかったことに気づかされることになる ぶすり! 「ゆぅ・・・? なにがおこっちゃのじぇ? あんよしゃんが・・・ゆぴいいいいいいいいい! までぃじゃのっ! までぃじゃのがぼじぎゃのよぼにゃあんよじゃんがああああああああああ!!!」 「むっきゅん! これですこしははんっせい!してくれるかしら?」 痛みに耐えかねて泣きながらのた打ち回る癇癪まりさ あんよにはつまようじが深々と刺さっている 言うまでもなく、それを突き刺したのはぱちゅりーである おねーさんは何もしないでその光景をじっと見ていた 「おねーさん! どんなきょういくしているのかわからないけど じゅぎょうのじゃまをするようなことはさせないでちょうだい!」 「・・・・・・ごめんなさい」 ぱちゅりーが怒鳴っても、おねーさんは無表情に謝るだけだった 13 「ゆんやあああああああ! いじゃいのじぇええええええええ!」 「だいじょうぶだよおちびちゃん! きっとよくなるからね! ぺーろぺろ!」 「ぺーろぺろ! ぺーろぺろ! ゆぎぎぎぎ・・・それにしてもあのげすぱちゅりー・・・ かわいいおちびちゃんをこんなめにあわせるなんて、れいむゆるせないよ!」 「ぺーろぺろ! まりさもだよ! いつかせいっさいしてぜんごろしにしてやる!」 「おどおおおじゃああん!? おぎゃあああじゃあああん!? べーろべろずるんだじぇ!? まりじゃまだいぢゃいのじぇ!!」 「ご、ごめんねおちびちゃん! ぺーろぺろ!」 「ぺーろぺろ! ぺーろぺろ!」 ゆっくりハウスの中では親ゆっくりが癇癪まりさの足を治そうと必死にぺーろぺろしている 傷はさほど深くないのだが、あんまりにも痛そうに騒ぐため可哀そうに思えてしまうのだ 「いじゃいいいい・・・ いじゃいいいよおおおおおお・・・ ゆ? どぼじでべーろべろやめじゃうのおおおおおおおおおおお!?」 「ごめんねおちびちゃん・・・ もうまりさはげんっかい!だよ・・・」 「れいむもべろさんがかろうしすんっぜん!だよ・・・ ゆっくりりかいしてね」 「ゆぎぎぎぎ・・・ これもじぇんぶあのげしゅぱちゅりーのしぇいなんだじぇ! ぜったいいちゅかふくっしゅう!してやるのじぇ!」 以前からぱちゅりーを快く思っていなかった癇癪まりさ 制裁しようにも親ゆっくりは当てにならず、おねーさんは何もしてくれなかった 抑えようのない憎しみがやり場をさがして迷走する 「じぐじょおおおおおお! どうじゅれびゃふぐじゅうでぎるのじぇえええ!」 小さな中枢餡をフル稼働して復讐する手立てを考える 考えあぐねた果てに恐ろしい結論へと達してしまった 「ゆっふっふ。 いいこちょをおもいちゅいたのじぇ・・・」 不気味に笑う癇癪まりさ 彼女が復讐のターゲットに選んだのはぱちゅりーではなくその教え子だった 砂糖水で育った妹達は両親の餡子を受け継がなかったものの 一応親であるためれいむとまりさにはよくなついたが、ぱちゅりーの息がかかった妹達を両親はどこかやっかみがっていた これを制裁して無きものにすればぱちゅりーへの復讐が果たせるうえに、家族の中の邪魔者も始末で来て一石二鳥 両親もおねーさんもきっと褒めてくれるだろう 英雄として両親から褒められる光景を頭の中に浮かべながら爪楊枝を咥えた 「ゆぴー・・・ ゆぴー・・・」 「まりしゃ・・・ がんびゃりゅ・・・ ゆぴー」 「れいみゅにょ・・・ れいみゅにょあみゃあみゃ・・・」 「ゆぴー・・・ もうちゃべらりぇにゃいよ・・・」 安らかに寝息を立てて眠っている妹達に忍び寄る そんなアホずらでいられるのも今のうちだ 癇癪まりさは一番近くにいた赤まりさのあんよをひと思いに突き刺した 「ゆぴぃ? ・・・ゆ、ゆんやあああああああああああああああああ!」 「みちゃか! まりしゃはちゅよいのじぇ! さいっきょうなのじぇ!」 「どびょちちゃにょ・・・? ゆ? まりしゃおねーしゃん!? なにやっちぇりゅにょおおおおおおおお!?」 「おまえもしぇいっさい!しちぇやりゅのじぇ! ぷーすぷす!」 「ゆびいいいいいいいいい! れいみゅにょあんよしゃんがああああああああああああ!」 「やめちぇえええええええええ! ぼびょじじぇごんにゃこちょすりゅにょおおおおおおおおお!?」 「まりしゃおねーしゃん! ゆっくちしてよおおおおお! ゆっくちゆっくちいいいいい!」 「ぢゃまりぇぢゃまりぇ! おまえちゃちのしぇいじぇまりしゃはいちゃいいちゃいしちゃんのじぇ! しょのむくいはうけちぇもりゃうのじぇ! ぷーすぷす! ぷーすぷす!」 「「ゆんやああああああああああ!!」」 泣き叫びながらうねうねと蠢く妹達 何とか攻撃から逃れようと逃げ回っているが、あんよをぷーすぷすされているので這ってしか動けない お家の中を追い立てられ逃げ場を失った妹達は角に集まって震えている 「ゆっふっふ! これぢぇもうにげりゃれないんだじぇ!」 「「「「ゆんやあああああああ!」」」」 「お、おちびちゃん!? なにやってるの!?」 「やめてあげてね! いもうとたちがこわがってるよ!」 ようやく事態に気付いた親達が慌てて止めに入る 癇癪まりさは咥えていた爪楊枝を放そうとしない むしろ待っていたと言わんばかりに両親の方へと駆け寄ってゆき、涙を浮かべて訴えた 「こいちゅりゃはおちょーしゃんちょおきゃーしゃんをえいえんにゆっくりさせようちょしちぇちゃのじぇ! ぱちゅりーにせんっのう!されていいなりになっちぇしまっちゃのじぇ!」 「ゆゆ!? それはほんとうなの!?」 「ほんっとう!なんだじぇ! しんっじちゅ!は、いちゅもひとちゅなのじぇ!」 「ならしかたないね! せいっさい!もやむなしだね!」 「「「「どびょじぢぇじょんにゃごじょいうにょおおおおおおおお!?」」」」 いったんは疑ったものの、自信満々に言う姉の言うことをあっさりと信じてしまう親まりさ 親れいむもそれに迎合して庇うようなことは一切しなかった そんな両親を見て絶望する妹達 全てが癇癪まりさの計画通りに動いたというわけだ ぱちゅりーを除いて・・・ 「あなたたちいったいなにをしてるの!?」 「ゆん!? かってにひとのおうちにはいってこないでね! ふほうしんっにゅう!でこくそするよ!」 「かわいいれいむのおちびちゃんになんのよう!? ゆっくりしないででていってね!」 親ゆっくり達がぱちゅりーを中に入れまいと立ちふさがったが強引にそれを突破 目の前では今まさに癇癪まりさによって妹達の処刑が始まろうとしていた 「ばかなことはよしなさい! このゆっくりごろし!」 「ゆぴいいいいいいいいい!? いじゃいのじぇええええええええ!」 癇癪まりさをもみあげで引っ叩き、妹達から無理やり引き離す 助けられた妹達は一斉にぱちゅりーへと泣きついた 「ゆええええええん! こわかっちゃよおおおおおお!」 「しぇんしぇええええええ! ありがちょおおおおおおおお!」 「いいのよ、せんせいがまもってあげるからあんしんしてね・・・」 優しく声をかけてなだめる様子は本当の親子であるかのようだった 14 「おねーさん!? おねええええさああああん!!」 「え、なに!? どうしたの?」 「どうしたのじゃないでしょおおおおおおおおお!?」 「とりあえず落ち着いて頂戴! 落ち着いてゆっくり話してね」 興奮するぱちゅりーの背後には四匹の赤ゆが震えながら寄り添っている ぱちゅりーが指導を担当していた妹グループの赤ゆ達だ 「おねーさんのぐるーぷのわるがきまりさがこのこのこたちをさつっがい!しようとしたのよ!」 「ええ!? それ、ほんとうなの!?」 「ほんとうかどうか、あのばかおやたちにきいてみるといいわ!」 ゆっくりハウスのでは頬を赤くはらして泣き叫ぶ癇癪まりさを両親がぺーろぺろしてあやしている 他の兄弟達は頬を膨らませてぱちゅりーに向かって威嚇行為をとっており その場は軽くパニックを引き起こしていた 「ねぇ、あなた達・・・ ぱちゅりーの言ってることって本当なの?」 「ゆううううううううう!? なにいってるの!? おちびちゃんはせんっのう!されてげすになったおちびちゃんから まりさたちをまもってくれようとしたんだよ!?」 「そうだよ!!! このおちびちゃんは“えいゆん”だよ!? とくべつなおちびちゃんなんだよ!?」 「はやぎゅぞのぐじょばじゅりーをじぇいじゃいじろおおおおおおおおおおお!! いましゅぐでいいのじぇえええええええええええええええええええええええ!!」 両親と癇癪まりさの言っていることを聞く限り、妹達を癇癪まりさが殺そうとしたのは事実のようだ 妹グループの怯えようを見れば、どちらが先に手を出したかは一目瞭然だ 「・・・むきゅん。 これでわかったでしょう わかったらはやく“ぎむ”をはたしてちょうだい・・・」 「・・・・義務?」 「そう・・・ そのげすまりさをつぶして“ぎむ”をはたすのよ」 「・・・・・・つ・・・ぶ・・・す?」 「そうよ、まさかことばのいみがりかいできないのかしら? ころすってことよ」 「・・・・・・なに言ってるの?」 ゲス化したとはいえ、おちびちゃんである癇癪まりさを潰せと、さも当たり前のようにのたまうぱちゅりー おねーさんは眉間にしわを寄せる 「なにってるの?じゃないでしょう!? げすかしたのならとうっぜん!そのむくいはうけるべきよ!」 「報い?当然? 一体何を言ってるの?」 「ほんっとう!におねーさんはあんこのうなのね! いいわ、できないならぱちぇがやるだけよ!」 爪楊枝を口に咥えるぽちゅりー そのまま泣き叫ぶ癇癪まりさの方を向いて、吹き矢を吹くような要領で爪楊枝を飛ばす 爪楊枝は癇癪まりさの眉間に音もなく深々と刺さった 「ゆわあああああああ! おじびじゃあああああああああん!」 「どぼじでごんなごどずるのおおおおおおおおおおおおお!?」 「ゆ? にゃんにゃのじぇこりぇ・・・?」 大騒ぎする両親とは対照的に、何が起こったか判らず落ち着いている癇癪まりさ 当たり所が良かったのか絶命するには至らなかったようだ 「なんてことするの!? 正気なの!?」 「むきゅん! ぱちぇはしょうきよ! って・・・ なにをしようとしているの!? やめなさい!!」 「ゆ・・・ゆんやああああああああああ!? まりしゃのおかおににゃんちぇこちょしちゃのじぇえええええええええええ!?」 ぱちぇりーを無視して癇癪まりさの額に刺さった爪楊枝を引き抜く 額から異物を取り除かれた癇癪まりさは、自分が何をされたのかに気付いて喚きはじめる 「おねーさん!! そんなことしてないではやくそいつをつぶしなさい! どうなってもしらないわよ!?」 「ねぇ、ぱちゅりー。 どうしてそんなこと言うの?」 「どうしてって・・・とうぜんでしょ? わるいことをしたらそのばつをうけるのはにんげんさんでもいっしょでしょうに・・・」 「うん、そうだよ。 でも謝って反省すれば許してあげてもいいんじゃないかなぁ?」 「あやまる?ゆるす? おねえさんはあまあますぎてへどがでるわ! このげすちびはかぞくをころしてじぶんがゆっくりしようとしたのよ!? あやまってゆるされるようなれべるじゃないわ! さっさとつぶすべきよ!」 「ねぇ、ぱちゅりー? どうしてそんなに簡単に殺すなんて言えるの? 同じゆっくりでしょ? みんな一生懸命生きてるんだよ? かけがえのない命なんだよ?」 「そいつはそのかけがえのないいのちをふみにじろうとしたのよ!? おねーさんがいくらべんごしてもそのつみはきえないわ!!!」 「ごめんね、ぱちゅりー。 私はあなたに何を言われてもその子を殺す気はないから・・・」 「・・・そう、それがおねーさんのだしたけつろんなのね わかったわ、それならぱちぇにもかんがえがあるわ!」 ぱちゅりーはそう言って妹グループのおちびちゃんを全て頭の上に乗せると、玄関の方へと跳ねて行った 「ぱちぇはこのこたちとここをでていくわ。 あとはおすきにどうぞ、ぶりーだーのおねーさん」 「・・・ここを出て行ってご飯はどうするの? 寝る場所は? 捕食種だってでるよ?」 「どうぞくごろしをかばうおねーさんといっしょにいるよりははるかにあんぜんだわ」 「・・・・・・そう」 「ぱちぇからのさいごのおねがいよ、このとびらさんをあけてちょうだい」 「うん、これでいい?」 「ありがとう。 おねーさん、ゆっくりさようなら」 ドアを開けると、ぱちゅりーはそのまま飛び出して行ってしまった おねーさんは姿が見えなくなるまで見送ったが、ぱちゅりーが振り返ることはなかった 15 「すみません・・・虹川というゆう医はいますか?」 「虹川先生はただいま診察中でして・・・」 「妹が訪ねてきたと伝えてもらっていもいいですか? 緊急で話したいことがあって・・・」 「・・・わかりました、おかけになってお待ちください」 おねーさんは兄が務めているゆっくりクリニックへとやって来ていた ぱちゅりーが家出したことを伝えるためだ 兄は大学を出てゆっくり専門の医者であるゆう医になった おねーさんと同様、彼もまたゆっくりが好きでたまらない愛で派の人間だったのだ そんな兄が誇らしくもあり羨ましくもあった ゆっくりに携わる仕事に就くのはおねーさんにとって夢であり、先にそれを果たしてしまった兄に少しでも早く追いつきたかった 「・・・何の用だ。 今は勤務中だ、手短にすませろ」 診察を終えた兄が診察室に顔を出した 白衣を着てメガネをかけたまじめそうな風貌 普段のふざけた態度とはかけ離れたまじめで落ち着いた雰囲気 ぱちゅりーを家に連れてきた時とは、まるで別人のようだ 「ぱちゅりーが・・・ ぱちゅりーが家出しちゃったんだ・・・」 「なんだ、そんなことか それなら加工所に問い合わせてバッチのナンバーを照合してもらえ。 控えは一緒に渡してあっただろ?」 「そうじゃなくて・・・ぱちゅりーとは喧嘩しちゃって・・・」 「だからなんだ。 あれの飼い主はお前だ、歯向かったなら従わせろ」 「・・・できないよ。 私なんかよりずっとゆっくりのこと知ってて、プライド高くて・・・」 「できないじゃない、やるんだ それくらいできないでブリーダーになんてなれるはず無いだろ」 「どうすればいいの? 皆言うこと聞かないし、勉強させてもすぐ忘れるし・・・ もう、何をどうすればいいかわからないよ・・・」 「都合のいい時だけ人を頼るのはやめろ お前一人でやると言ったんだから最後まで責任を持て、義務を果たせ」 「・・・責任? ・・・義務?」 「次の診察があるからもう行く 今後、職場に私用で押し掛けるのはやめろ。 迷惑だ」 「あ、ちょっと! まってよ!まって・・・」 兄は何も答えずに行ってしまった (なんで人前だとそんなに冷たいの? どうして他人みたいな態度をとるの?) その背中に無言で問いかけるものの、答えは当然返って来ない 16 おねーさんの家を出て行って数日後 ぱちゅりー達は近くの公園で寝泊まりしていた 穴があいたり崩れかけたりしている野良ゆの段ボールハウスが並ぶ中、一つだけま新しいお家がある 段ボールの上に雨よけのビニールシートが被せられ、地面に枝でしっかりと固定されている ゆっくりが作ったとは思えないような立派なつくりだ その中から、ぱちゅりーがひょこりと顔を出す 「むきゅん、おそとにでてもだいじょうぶそうね」 そう言ってぱちゅりーがお外に出ると四匹の赤ゆっくりがずーりずりと後に続く お家を出た当日は不安で泣きやまなかったものの、ようやく外の世界に慣れ始めてきている 厳しい授業の甲斐あってか、素直に言うことを聞いて勝手な行動をとるものは一匹もいなかった 「それじゃあ、おちびちゃんたち! きょうもごみひろいをするわよ!」 「「「「ゆっくちりかいしちゃよ!」」」」 ぱちゅりーは公園のゴミ拾いや雑草の除去などボランティア活動に精を出している 野良となった今、このおちびちゃん達を飼いゆっくりにするには人間を頼るほかない だが、通りすがりの人間におちびちゃんを飼いゆっくりにしてほしいとせがんでも良い結果は得られないだろう ならば人間が目を引くような行動をして注目を集めるしかない 一見賢そうな行動に思えるがそれ以外に方法が無いのだ 選択肢のないぱちゅりーのとった苦肉の策である 「おちびちゃんたち! みんなできょうりょくしてこのあきかんさんをはこんでね!」 「「「「ゆっくちりかいしちゃよ!」」」」 公園の遊歩道の脇には空き缶が何個も捨てられている それを一つずつ運んで山積みにするのだ 非力なゆっくり、それも赤ゆっくりからしたら想像を絶する重労働である 「もうまりしゃはへちょへちょだよ・・・」 「もうぢゃめ・・・れいみゅうごけにゃい・・・」 「いったんきゅうけいにしましょう! いまぱちゅりーがごはんをよういするからまっててちょうだい!」 赤ゆ達は空き缶を運んで二~三十センチほど進むと直ぐにばててしまう ぱちゅりーは無理をさせずにこまめに休憩をとり、その間に雑草を引っこ抜いて口に含む 何度か咀嚼して柔らかくなったものを休憩中の赤ゆ達に与えるのだ 「ぺっぺ! さあ、たんとめしあがれ!」 「「「「むーちゃむーちゃ・・・ それなりー・・・」」」」 微妙な表情で雑草を食べる赤ゆ達 雑草はそれほどおいしい物ではない、だが食べれないわけではない 残念そうに食べてはいるものの文句を言わずに完食した 「ぱちゅりー! ゆっくりしていってね!」 「むきゅん? まりさ? ゆっくりしていってね!」 この公園の群れの長であるまりさが話しかけてきた ぱちゅりーがこの公園に住むことを快く受け入れてくれた善良なまりさだ 「きょうもせいがでるね! はやくかいぬしさんがみつかるといいね!」 「そうね・・・でもげんじつはそんなにあまくないわぁ・・・」 「だいじょうぶだよ! ぱちゅりーみたいなかしこくてゆうっかん!なゆっくりならすぐにかってもらえるよ」 「ぱちぇがかってもらってもいみがないのよ・・・ このこたちのかいぬしがみつかるまでのらをつづけるつもりよ・・・」 「ぱちゅりーはやさしいんだね・・・ さすがは“えいゆん”だよ」 「むきゃ! ぱちぇは“えいゆん”でもなんでもないわ! はずかしいからそのはなしはやめてちょうだい!」 ぱちゅりーがこの公園にやってきた初めの晩 野生のれみりゃが群れを襲撃した 泣いて逃げ惑うだけで抵抗しようともしない野良ゆ達が次々と餌食になっていく中 ぱちゅりーは全く動じずに細かい枝を口で飛ばしてれみりゃを返り討ちにしたのだ といっても、偶々目玉に当たって驚いたれみりゃが逃げ出しただけなのだが・・・ 「まりしゃもおおきくにゃっちゃら、ぱちゅりーしぇんしぇいみちゃいに“えいゆん”になりゅよ!」 「れいみゅもがんばっちぇしぇんしぇーになりゅ! しぇんしぇーになっちぇゆっくちすりゅう!」 「もう、あなたたちったら・・・」 叶いもしないような将来の夢を語りだした赤ゆ達を、ぱちゅりーは呆れながらも何処かゆっくりした表情で見ていた 「ゆふふふふ。 ぱちゅりーはおちびちゃんたちがだーいすきなんだね まりさのかわりにむれのおさをやってほしいくらいだよ!」 「むぎゃん! またそんなことをいって・・・ ぱちぇにはにがおもすぎるわ・・・」 「ゆぎゃああああああああああああああああああああああ!!!」 「「ゆん!?」」 長まりさと話していると、公園の静寂を悲鳴が切り裂いた その声は転んでけがをしたとか言うレベルではなく、もっと悲惨なことが起きたことを知らせている 「まりさはようすをみてくるよ! ぱちゅりーはおちびちゃんとおうちへひなんしてね!」 「ゆ、ゆっくりりかいしたわ!」 長まりさの言った通り、おちびちゃんを連れてお家に向かうぱちゅりー お家に到着しておちびちゃんを中に入れるとすぐにまりさの元へと向かう わざわざ助けにいく義理などないのだが、数日間とはいえ生活を共にしたことでぱちゅりーには連帯感が生まれていた 「うぎゃああああああああ! やべろおおおおおおおおおおお! おじびじゃんぼつぶずなああああああああああああああああ!」 群れの中心部から長まりさが叫ぶ声が聞こえた 三人の人間が長まりさのお家を踏みつぶしたり蹴ったりして遊んでいる そのうちの一人が長まりさのおさげを掴んでぶらぶらとゆすっていた 17 「すみません・・・ちょっといいですか?」 「はい、なんでしょうか?」 おねーさんは近くのゆっくりショップに来ていた 手に抱えているケースの中には癇癪まりさを除く四匹の赤ゆっくり達が入っている 赤ゆっくりとはいっても子ゆっくり手前まで成長しておりテニスボールより少し小さいくらいの大きさだ 「この子たちを買い取ってほしいんですけど・・・」 「あ、はい。 もしかしてブリーダーの方ですか?」 「ええっと・・・一応・・・」 「はい! ではいまからこの子たちの評価をさせていただきますのでしばらくお待ちください!」 金髪にピアスをした店員はさわやかに微笑んで赤ゆっくりの入ったケースを持って行った おねーさんは椅子に座って腰掛けて足をぶらぶらさせながら店内を見渡す ケースの中には金や銀バッチをつけたゆっくりが入っていて、値札には十万・二十万と言った値が付けられている 一方柵の中に放し飼いになってる銅バッチのゆっくりには一匹あたり五千円とかなり値に開きがある この違いはしつけの違いなのだろうか? それとも血統がいいのか? そんなことをおねーさんんが考えていると、奥からさっきの金髪ピアスの店員と小太りでバーコード禿げの中年男性が出てきた 中年男性の付けた緑色のエプロンには店長と書かれたネームプレートが付けられている 「どーも。 わたくしがこの店で店長を務めさせていただいている山田というものです」 「あ、どうも。 私は虹川っていいます」 「虹川さん・・・結論から申し上げてあなたの育てたゆっくりをこちらで買い取ることはできません」 「・・・・・・なぜですか?」 「わかりませんかね。 まぁ、解らないから質問してるんでしょうね・・・」 「はぐらかさないではっきり言ってもらえますか? 腑に落ちません」 山田はやれやれと言った感じでかぶりを振り、おねーさんの目を見て言った 「・・・腐った生ごみの受け取りを拒否するのに理由が必要ですか?」 「生ごみ? どういうことですか!?」 「どういうこともなにもないですよ。 あんなゲス化したのを持ってこられてもこちらとしてはいい迷惑なんですよ というより、あれは庭飼い用なのに室内で飼育してゲス化したようですがどうしてそんなことをしたんですか?」 「・・・それは」 「理由なんてありませんよね? どうせそちらの方が元気そうだからなんてどうしようもない理由で選んだんでしょう あなたはまだスタートラインにすら立つことのできないレベルだということなんですよ」 「ブリーダーの資格ならちゃんととりましたけど!? よかったら認定証みせましょうか!?」 「必要ありません。 そもそも資格なんて適当に勉強すれば誰だって受かりますからね あなたに足りないのは知識うんぬんではなく、ゆっくりに教育を施すだけの能力が無いということなんですよ 要は大人になり切れていない子供のままだっていうことです」 「・・・・・・・」 「私の方から言えるのはそれくらいです。 では」 そう言って山田と名乗った男は店の奥に行ってしまった 残されたおねーさんに金髪の店員が優しく声をかける 「しかたないよ、失敗は誰にでもあるからゆっくり頑張ってくださいね」 「・・・・・ありがとうございます」 「よかったら一匹当たり千円で引き取りますけどどうですか?」 「え!? いいんですか?! ええっと・・・いま領収書を用意しますね!」 「ああ、違うんです。 そう言うことじゃなくて・・・引き取るっていうのは千円で処分しますよってことなんですよ」 「しょ・・・ぶん・・・」 「うん、ゆっくりは特殊外来種生物として国から指定されているでしょ? だから一度登録したら処分するには色々手続きが必要なんですよ 潰して生ごみとして捨てることもできなくはないんだけど、最近色々五月蠅くなってきてね・・・ それを代わりに代行する手数料ってことで本当は三千円かかるんだけどおまけして千円ってことで」 「どうして・・・どうして処分するんですか?」 「どうしてって・・・ゲス化したら飼ってても意味ないでしょ? あ、もしかしてまだ認定受けてなかった? だったら早めに処分しておいた方がいいよ! もし成体まで育っちゃったらバッチつけなくちゃいけないし、付けないまま飼っててもそれはそれで罰金だからね」 「・・・どうして どうして簡単に処分なんて言えるんですか!? ゆっくりが大好きなんですよね!? だからこういう仕事してるんですよねぇ!? じゃあなんでそんなに簡単に処分なんて言えるんですか!? ねぇなんで!!」 おねーさんは涙を浮かべて店員に詰め寄る 店員は頭を掻いて目をそらした 「ははは、確かに処分なんて可哀そうなことできないって、そう考えていた時期が俺にもありました でも結局それってただのエゴなんだよね。 可哀そうだからとか言ってたら商売にならないって 気持ちは分からなくもないけど、そんなこと言ってたら金バッチのゆっくりなんて育てられないよ ブリーダーを目指すんならもっと現実を見なよ・・・」 「・・・でも、生きてるんですよ? かけがえのない命なんですよ? それを処分するなんて・・・・」 「ったくもーめんどくせーなあああああああああああああああああああ!!!!」 丁寧に受け答えしていた金髪の店員は態度を豹変させた 眉を吊り上げて威嚇するような目つきで睨みつけてくる 「なにが命だよ!? さっきから聞いてたら綺麗事ばっかりぬかしやがって!!! 大体ゲス化させてそいつらのゆん生台無しにしたのてめーだろうがよおおおおおおお!!! 自分がしたこと棚に上げて偉そうに御託並べてんじゃねーぞゴラァ!!!!!」 「・・・・・あの、その、すみません!」 「今更あやまってんじゃねーよ!!! もうそいつらには加工所で死ぬかお前に殺されるかしか選択肢がねーんだよ!! よくもまぁぬけぬけと“かけがえのない命”だなんてぬかせるな!? っばーーーーかぁ!!!」 「・・・・・うぅぅ ごべんばばいいいいいいいい!!」 「泣いて謝るくらいなら死ね! 腹切って死ね!」 「おい、お前なんてこというんだ・・・」 山田が戻って来て金髪の店員を落ち着かせる まだ何か言おうとしていたが、頭をひっぱたいて黙らせていた 「わるかったな、こいつは一度こうなると手がつけられないんだ。 すまん」 「ばだじごぞごべんばばいいいいいいいいいい!!」 「ああ、もう泣くな泣くな・・・ 悪かったよホントに」 「うわあああああああああああああん!!!」 おねーさんは泣いた 今までため込んでいたものを全て吐きだすかのように、泣いた 18 「やべべぐばばびいいいいいいい! どっでぼゆっぐぢぢだおぢびじゃんなんでずうううううううう!」 「ちゅぶれりゅううううううううう! じんじゃうううううううううう!」 「ぴゃぴゃああああああああ! ちゃしゅけちぇええええええ!」 顔面を涙でぐしゃぐしゃにした長まりさが必死に懇願している 番であるありすは既に潰されており、地面にはカスタードのシミができていた 人間は長まりさの子供の子まりさと子ありすを足蹴にして、今にも潰してしまいそうだ 「こんなゴミ饅頭のどこがかわいいんだよw」 「なんにもできねーくせに粋がってんなよ! 下等生物のくせに何言ってんだよ! なぁ?」 「だなだな!」 人間達は学生服をだらしなく着ていて、みすぼらしい身なりをしている どうやら近くの学校の生徒が授業をサボっているようだ 「むきゅぅ・・・ どうしたらいいの・・・? ぱちぇにはわからないわ・・・」 ぱちゅりーは賢かったので止めに入って行っても無駄なことは理解していた 木の陰から隠れて様子を窺っていたのだが、その木は姿を隠すにはあまりにも細すぎた 「ぱちゅりいいいいいい!? までぃざどまでぃざのおじびじゃんだじぼだずげでねええええええええ!?」 「むぎゃ! よけいなことを・・・」 「おん? あそこに一匹隠れてるな」 長まりさのせいで見つかってしまったい、人間がのそのそと近寄ってくる 追い詰められたぱちゅりーは最後の手に出た 「まちなさい! このきんばっちさんがめにはいらないのかしら!?」 「あん? なんだこいつ・・・いっちょまえにバッチなんか付けてやがる」 「どうせ捨てられたんだろw 潰しちまってもだいぢょーぶw」 「むぎゃん! なんてむちなのかしら! ・・・いいわ、つぶしなさい! そのかわり、ごじつおくられてくるせいきゅうしょにめをしろくろさせるといいわ!」 「はー・・・ 饅頭にしては頭が回るみたいだな。 こいつの言ってることほんとかもしんねーぞ」 「まじかーw じゃあ、この金髪饅頭共潰したらけーるかw」 「だなだな」 危機が回避されてホッとしたのもつかの間 長まりさが信じられないことを言った 「まっでね!? ぞのばじゅりーにはばっぢざんのづいでないおじびじゃんがいるんだよ! までぃざのおじびじゃんじゃなぐでぞっじのおじびじゃんをつぶじでね!?」 「むぎゃあああああああああ! どぼじでぞんなごどいうのおおおおおおおおおおおおおお!?」 「ほ~ で、そのおちびちゃんはどこにいるんだか教えてくれよ」 「あっじのじまじまのじーどざんのやねのおうじだよ! でぎだばっがりのぎでいなおうじだよ!」 「・・・んじゃ、そっちいきますか」 「だなだな」 「むぎゃあああああああああ! ごのうらぎりぼのおおおおおおおおお!」 「わるくおもわないでね! のらのせかいはひじょうなものなんだよ!」 長まりさは人間におさげを掴まれたまま、へらへらと笑っている 既に生き残ったつもりでいるようだ 「にんげんさん! やくそくどおりおちびちゃんをたすけてあげてね! すぐでいいよ!」 「やくそくぅ? 何言ってんだてめぇ・・・」 「ゆ? だってぱちゅりーのおうちをおしえたらゆるしてくれるんでしょ? うそはよくないよ!」 「そもそもてめーとそんな取引をしたつもりはねぇ。 おい、やっちまえ」 「だなだな!」 リーダー格の人間が合図をすると、おちびちゃんを踏みつけていた人間が少しずつ体重をかけ始める 既に息絶え絶えの子まりさと子ありすは尋常ではない悲鳴をあげた 「おどうじゃあああああああああ! おどじゃ! だじゅげでええええええええええ! まりじゃじぬ! じんじゃ!う! ぐるじ! じぬうううううううううううう! ゆぎぃ! ああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」 「びゃびゃああああああああああああああ! だじゅげぢぇえええええええええええ! あでぃじゅじにぢゃぐにゃい! もっどゆっぐぢ!もっどもっど!ゆっぐぢいいいいい! ゆぎゃああああああああ! ぎゅごごごおご! ごべべべおげええええええええ!」 頬が張り裂けんばかりに膨れ上がり、両目は今にも飛び出しそうな勢いでせり出している 一文字に結んだ口からは中身が歯と歯の間から漏れ始めた 「おでがいでず! どっでもゆっぐぢぢだおぢびじゃんなんでず! がげがえのないいのぢなんでず! だっだびどづのいのぢだんでずうううう!」 「でたwかけがえのない命w お前らが言うと薄っぺらく聞こえるんだよなーw」 「一ついいこと教えてやるよ。 かけがえのない命だなんてもともと人間にとっちゃぁ無意味な言葉なんだよ」 「どぼじででずがああああ!!! までぃざにばわがりばぜん!」 「それはなぁ・・・ お前らみたいなアホとバカが自己満のために使う言葉だからだよ」 「どぼいうごどでずがあああああああああああ!?」 「犬や猫が虐待されれば可哀そうって言うくせに、保健所でガス室送りにするし 花を踏みつぶしたら怒られるけど、雑草を引っこ抜きゃあ褒められる 命は大切だって言っておきながら蚊やゴキブリは平気で殺す 自殺するなって言う割には、いじめは止めねーリストラはする ここまで矛盾してんのに“かけがえのない命”なんてキリッって言える奴はただのバカかアホだろ? ようするにお前らみたいな奴が人間にもいるってことだ そーゆー奴らが使うような言葉だから、薄っぺらくしか聞こえねえってわけだ」 「おおーw すげえな、ちょっと俺感動しちゃったよw」 「そうか? 適当に言っただけだぞ?」 「ぞれがばでぃざだじどがんげいあるんでずがあああああああ!?」 「いや、ねーよ。 もういいだろそいつら潰しちまえ」 「だなだな!」 「おどじゃ! おどうじゃああああああああ! までぃじゃじにだぐにゃよおおおお! ぐるじ! ぐるじいいいい! ゆぴょおおおおおおおおおおおおおおおおおおお! ゆぎゅおおおおおぎゅうおおおおゆぎょおおおおおおおおおおお『ブチぃ!』・・・」 「やぢゃやぢゃ! ありじゅばじばばぜになっぢぇ! ゆっぐぢ!じゅりゅんぢゃもん! ゆっぐじ! ゆっぐじいいいいいい! あでぃじゅはゆっぐじいいいいいいいいい! おごおおお! げっぇげっぇえっ! あでぃ!じゅ! ぢょがいは『ブチョ!』・・・」 破裂寸前の子まりさと子ありすはさらに圧力をかけられてあっけなく爆ぜた 地べたには餡子とカスタードの小さな花が新たに花開いた 「ああああああああああああああああああああああああああああああああ!!! までぃざのおじびじゃん! おじびじゃんがああああああああああああああ!!! どっでぼゆっぐぢぢでだのにいいいい! どぼじでごろしちゃったのおおおおお!?」 「うるせーな! そいつさっさと黙らせようぜ!」 「だなだな!」 「はいよーw 死ね!このウジ虫w」 「やめでね!? までぃざをごろざないでね!? までぃざはあだらじいおよべざんどおじびじゃんづぐっでゆっぐぢ『ベシャア!』ゆっぐ・・・じ・・・」 長まりさを掴んでいた人間は勢いよく近くの看板に叩きつけた 勢い余っておさげがちぎれてしまい長まりさの顔面がぴたりと張り付く その身体はピクリともせずにずるずるとずり落ちていって、看板には餡子のラインが縦に引かれた 「はぁーすっきりした! じゃあ早速つぎいこーぜ!」 「だなだな!」 「むきゃん! まちなさいあなたたち!」 ぱちゅりーは人間の後を必死に追う 何もできないと知りながら 後編へ続く
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『いのちはたいせつ 後篇』 33KB 虐待 日常模様 引越し 家出 番い 飼いゆ 野良ゆ 姉妹 赤ゆ 子ゆ ゲス ペットショップ 現代 愛護人間 虐待人間 独自設定 うんしー 最後です 後編です。 先に前編と中編をお読みになってください 19 ぱちゅりーは人間を引きとめようと必死に追いかけたが、ゆっくりの足では到底追いつけるはずもなく あっさりとおちびちゃん達の待つお家は見つかってしまう 「しましまシートの綺麗なお家・・・ ああ、あれか」 「よくできてるなー! 他のボロ屑とは大違いで逆に浮いてるって言うw」 「おちびちゃあああああああん! にげてえええええええええええ!」 必死に叫んだものの、既にお家は完全に包囲されており逃げられる筈もない 人間がお家をひっくり返すと、なかからおちびちゃん達がぽろぽろとこぼれ落ちた 「「「「おしょらをとんじぇるみちゃいいいいいい!?」」」」 「おお!大量w で、こいつらどーすんのw」 「こいつを使う。 きっといい声で鳴いてくれるぜ」 リーダー格の人間はポケットから鍵を取り出した 形状からして何かの乗り物のカギのようだ 「ゆうううう! しぇんしぇーたしゅけちぇー! きょわいよー!」 「じゃ、ちびのだいじなだいじなところにフェードイーーーーーーーーーーーーン!」 「ゆぴ? ・・・・ゆぴいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!」 「オラオラオラオラオラオラ!」 「ゆ・・・ゆげぇ・・・ もっじょ・・・ゆっぐじ・・・」 「あれ、もう死んじまった・・・つまんねぇ・・・」 赤まりさはあっけなく絶命した 脆く崩れやすい赤ゆっくりの身体は簡単に壊れてしまうのだ 「むぎゃあああああああ! おじびじゃああああああああん!」 「おいおい、こいつらお前の子供じゃないっしょ? なんでそんなに必死なのw」 「ぞのごだじばばじぇのがわいいおじえごなのおおおおおおおおお! おでがいでずがらごろざないでぐだざいいいいいいいいいいい!」 「へー・・・ 可愛いって割には抵抗しないんだな さっきの金髪どもは子供を取り返そうとして必死になってたのに」 「・・・・・・むぎゃ?」 「みろよ、あのありすとかいう饅頭は噛みついてまでして子供をとりかえそうとしたんだぞ」 そう言ってリーダー格は袖をまくった 腕にはうっすらとではあるが長ありすの番だったありすのものと思われる歯型が残っていた 「それに引き換え、やめろとは言うもののただ見てるだけのお前 やっぱり血の繋がってない他人ってことなんだな。 あ、血じゃなくて餡子か」 「そ、そんなこと・・・」 「おい! お前らのせんせーはお前らのこと別に助けたいとか思ってないってよ!」 「うぞぢゃああああああああああああああああ!」 「しぇんしぇーはれいみゅにょこちょみすてたりしにゃいいいいいいいいいい!」 「いいかげんにゃこちょいうちょまりしゃおこりゅよ! ぷきゅー!」 「ほらほら、皆お前のこと信じてるみたいだぞ? 助けてやれよ」 「む、むきゅう・・・ でも、ぱちぇがていこうしてもにんげんさんにはかなわないわ・・・」 「諦めんなよぉ! どうして諦めるんだそこで!」 「で、でもぉ・・・」 「かけがえのない命なんだろ? 大切な一つしかない命なんだろ? その命がゲス人間の手によって無慈悲に奪われようとしているのになにもしないのか?」 「ぱ、ぱちぇには・・・」 なまじ頭がいいため人間との力の差を理解して抵抗しようとしてもできないぱちゅりー リーダー格はつまらなそうにそんなぱちゅりーを見てため息をついた 「・・・はぁ。 もうなんかどうでもよくなってきた お前ら、大先生は抵抗しても無駄だからお前らのこと見捨てるってよ」 「まりしゃしぇんしぇのこちょしんじちぇちゃにょにいいいいいいいいいい!!」 「しぇんしぇええええええ?! れいみゅがきらいにゃにょおおおおおお!?」 「どぼじでだじゅげじぇぐれにゃいにょおおおおおおお!?」 「じがううううううううううううう! ばじぇはみんなだいずぎなのにいいいいいいいい!」 「だったらちっとは行動で示せばよかっただろ。 もうおせーよ」 そう言って手に持っていたおちびちゃん達を一匹ずつ地面へ落とす人間 高い位置から落とされたため地面にあんよが食い込む さながら、熟れた果物を床に落としたような光景だ 「ゆぁ・・・まりしゃの・・・ まりしゃのあんよしゃんがうごかにゃいいいいいいい!」 「ゆぴいいいいいいいい! いちゃいよおおおおお! うごけにゃいよおおおおお!」 「しぇんしぇええええええ! れいみゅをたしゅけちぇええええええええ!」 「ほらほら、金バッチなら助けるだろ? それともお前ゲスなの? だから助けないの?」 「ぱちぇはげすじゃないいいいいいいいいいいい!!」 「じゃあ助けろよw もうおせーけどなw」 「だなだな!」 「どぼじでだじゅげじぇぐれにゃ・・・ゆぎいいいいいいいいいいい! じぇんじぇえええええええええ! ぐるじいいいいいいいいいい! じぇんじぇ!ぱちゅりじぇんじぇ! ぐるじ!じぬ!じ『ぐちゃ!』・・・」 「みちぇないじぇはやくたしゅけちぇえええええええええええええええ! えええええごっごごおごおげえええええ! ごべべべおげべっべべ! でいびゅもう・・・・じゃ・・・め・・・ もっじょ・・・ゆ『べちょ!』・・・」 「しぇんしぇいのうしょちゅきいいいいいいいいいいいいいい!!! まもっちぇくれりゅっていっちゃよにぇ!? れいみゅを・・・ぴゅび!! ゆぴゅぅ! だじゅげ・・・じぇんじぇええええええ『げちょ!』・・・」 人間はぱちゅりーに断末魔を聴かせるたに一匹ずつゆっくりと体重をかけて潰した 助けを求められても動こうとしないぱちゅりーを睨みつけて絶命してゆくおちびちゃん達 「おじびじゃあああああああああああああああああああ!」 「もーいこうぜ。 なんか興ざめだわ」 「賢いっつっても無力なのには変わりはないんだなw だっせw」 「だなだな!」 「むぎゅううううううううううううう! ぱちぇがまもっであげるっでやぐぞぐじだのにいいいいいいいいいい! ごべんべええええええええええ! だめなぜんぜいでごべんべえええええええええええ!」 人間達は他の段ボールハウスを蹴ったりしていたが、しばらくすると何処かへ行ってしまった 残されたぱちゅりーは餡子の塊になったそれに泣きながら謝り続ける 「あれ~。 もしかして君バッチつきかなー?」 「ゆんやあああああああああああ! ゆんやああああああああああああ!」 悲しみに暮れたぱちゅりーは作業着の人間が話しかけてきたことにも気付かなかった 20 「ここだろ? ここでいいんだろ?」 「ずびばぜんんん! わざわざおぐっでいだだいでええええええ!」 「いや、かまわねーよ。 それよりさっきは言いすぎた、すまん」 「いいんでずうううううううう! ありがどうございばじだあああああ!」 おねーさんは金髪の説教を受けた後ゆっくりショップで閉店まで泣き続け、心配した店長の山田が車で自宅まで送ってくれた 車の中でも泣き続けたおねーさんは涙と鼻水と涎で服がぐしょぐしょに濡れてしまっている 「じゃあな、そんなに落ち込んでないで頑張れよ」 「はいいいいいいい! ずびばぜんでじだああああああ!」 「あのー・・・ もしかしてこの部屋の方ですか?」 「あん? おまえこんなところで何やってんだ?」 不意に作業着の男が話しかけてきた 山田はその男の顔を見て顔をしかめる 自分の店で働いている金髪の店員と顔が瓜二つなのだ 「えっと・・・ すみませんが何処かでお会いしたことありましたっけ?」 「いや、あんたとよく似てるやつと勘違いしたみたいだ・・・ 気にしないでくれ」 「はぁ。 それで、この部屋の住人の方は?」 「こっちの・・・ うわ!大丈夫か?」 「おええええええええ! だいじょうぶでずうううううう!」 おねーさんは屈みこんで胃の中の内容物を吐きだしていた ストレスに耐えきれず嘔吐してしまったようだ 「だ、大丈夫ですか!? もしかして飼っていたゆっくりが見つからなくて泣いているんですか? なら安心してください! 先ほど僕が保護しておきました!」 「うげえええええ! ・・・ほごおおおおおおおおお?」 「はい、こちらの金バッチのぱちゅりーで間違いないですか?」 作業着の男は透明なケースにをおねーさんに差し出した その中に入っているのは確かに数日前に家出したはずのぱちゅりーだった 防音性なのか声は聞こえないが、涙を流しながら何かを言おうとしている 「公園で保護したんですけど、そうとう弱ってるみたいで・・・ バッチに住所データが記録されていたので直接自宅まで伺わせていただいたんですよ」 「おでえざあああああああああああああああああん!」 ケースの蓋をあけるとぱちゅりーはおねーさんに飛びついた 何か恐いことでもあったのか小刻みに震えている おねーさんはそんなぱちゅりーをぎゅっと抱きしめた 「おでえざあああああああああん! ごべんなざいいいいいいいいいいい! ばじぇがまじがっでだわああああああああああああああああああああ!」 「わだじのぼうごぞごめんなざいいいいいいいいいいいいいいいいいい! ばぢゅりーのいうごどぼぎいでいでばごんなごどにわああああああああ!」 「ばじぇがんばっだげどおじびじゃんだじみんなごろざれじゃっだのおおおおおお!」 「わだじのぞだでだおじびじゃんぼげずになっじゃっだよおおおおおおおおおおお!」 「「ゆんやああああああああああああああああああああ!」」 「感動の再会ってやつですね! うう・・・なんだかこっちまで泣けてきた」 「・・・そうか? あまりぞっとしないけどな」 抱き合いながら涙を流す二人を見て 作業着の男はハンカチで涙を拭いて 山田はどうでもいいとでも言うかのように欠伸をした 21 「おねーさん? ほんきなの?」 「・・・本気だよ。 きちんと義務を果たして責任はとるよ」 「せきにんってなに!? ねぇ!? せきにんってなんなの!?」 「やべでええええええええ!!! ぜぎにんどらなくていいからゆっぐじざぜでええええええ!」 「やめるのじぇ! ゆっぐぢでぎないのじぇええええええ!」 「「「「ゆんやあああああああああああああああああ!」」」」 台所で包丁を手に真剣なまなざしで目の前の物を見据えるおねーさん 視線の先には親ゆっくりのまりさとれいむ そして透明なケースに入れられた癇癪まりさを含めた五匹のおちびちゃん達 ぱちゅりーは足元で心配そうに様子を窺っている 「お、おねーさん? せめてらむねさんでねむらせてから・・・」 「だめよ! そんなことしたら命を奪う実感が無くなっちゃう! 正面から向き合って命の大切さを思い知るためにもこのままいく! 大丈夫・・・この子たちの命は無駄にしない。 ちゃんと責任を持って全部食べるよ」 「おねーさん・・・ ぱちぇもきょうりょくするわ!」 完全にゲス化してしまった一家の処分を自らの手で行う決意をしたおねーさん かけがえのない命を無駄にしないために、その身を食らって処分しようというのだ ぱちゅりーはそんなおねーさんに感銘を受けて協力を申し出ている れいむが邪魔をしないように一旦ケースの中に入れて 親まりさを真っ二つに切断しようと左手で身体を抑えつけて包丁を突き立てる しかし、ぐねぐねと暴れるのでなかなか刃を立てることができない 「危ないから動かないで! 動くと余計痛いよ!」 「むじゃいうなああああああああ! までぃざばまだじにだぐないいいいいいいい!」 「お、おねーさん! うごけないようにあんよをやいたらどうかしら・・・」 「あんよを焼いちゃうの?! ちょっとそれは・・・」 「でもこのままじゃおねーさんがけがをしてしまうわ・・・ むきゅん! たぶんだいじょうぶよ! どうせすぐしんじゃうし!」 「そっかー・・・ ごめんね、ちょっとだけ我慢してね!」 「ふざけるなあああああああああああああああああああああ!」 フライパンを強火で一気に過熱する 数分間加熱されたフライパンは油を敷いていないのに白い煙が立ち上り焦げくさい臭いがする あんよがこびりつかないようにサラダ油をたっぷりと注ぐ 「やべろおおおおおおお! はなぜええええええええええ!」 「ごめんね・・・ 悪いのは全部私だから・・・ ごめんね!」 持ち上げるとおしりを左右にに振って暴れるまりさ 両手で掴んで無理やりフライパンの上へと押し付ける 「ゆっ・・・・・ゆぎぃっ! ゆびょお! ゆんやああああああああああああああああああ! いぢゃいよおおおおおお! いぢゃいいいいいいいいい! ぐるじいいいいいいいいいいいい! あぢゅいいいいいいいいいい! までぃざのあんよざんがあぢゅいよおおおおおおおおおおお!」 普段の憎たらしい顔からは想像できないような苦痛にゆがんだ表情で泣きわめくまりさ 油に浸かったまりさのあんよから水分が奪われてゆき、小さい粒が弾けるような小気味よい音を立てる 身体をのーびのびさせて抵抗するものの、しっかりと抑えつけられているため逃れることはできない 「だぢゅげぢぇえええええええ! おでえええええええざあああああああああん! までぃじゃいいごにじゅりゅがらゆるじでぐだぢゃいいいいいいいいいいい! ぼんどうじあぢゅぐでぐるじいんでずうううううう! だずげでぐだぢゃいいいいいいい!」 「ごめんね! ごめんねったら!あばれないでよ! ねぇぱちゅりー!? 全然動くんだけど!?どうなってるの?」 「わわわわわからないわ! たぶんやいてるのがあんよだけだからよ!」 「えええ!? じゃあ他の部分も焼けばいいの!? もっと焼けば動かなくなるの!?」 「ゆぎいいいいい! あぢゅいいいよおおおおお『プッシャアアアア!』おおおおおおお!!!」 「いやああああ! 危ないいいいいいいいいいい!」 まりさが失禁してしまったために油が盛大に跳ねる おねーさんは軽くパニックになってしまい、まりさの後頭部を抑えるとそのまま顔面をフライパンに押し付けた 「ぎょぼおおおおおおおおおおおおおお! おぼおぼおぼげえええええええええええ! ゆびゅうううううう! ゆびぎゃああ! あぢゅい! あぢゅ! ゆべげえええええええええええ!」 「いやあああああああ! どうなってるのよおおおおおおおお! ぱちゅりー助けて!」 「むぎゃあああああああ! ぱちぇにいわれてもむりよおおおおおおおお!」 既に油のほとんどが蒸発しており、辺りには焦げくさい臭いが充満する 落ち着きを取り戻したおねーさんはフライパンからまりさを引き離そうとするがなかなか離れない やっとの思いで引き離すとべりべりと顔面の皮がはがれおち油をたっぷりとすった中身が露わになる 両目は熱で膨張したのか破裂していて、唇も剥がれて歯茎が露出している 「ごめんなさい・・・ こんなに苦しませる筈じゃなかったのに・・・」 「ゆげ・・・げ・・・ゆげげ・・・」 「までぃざあああああああああ! ゆっくりよぐなっでね!? ぺーろぺろ!」 もはや原形をとどめていないそれに、れいむは傷口をふさごうとぺーろぺろをしようとする しかし、透明なケースに阻まれて見えない壁を必死にぺーろぺろするというおかしな行動になってしまう 「ゆぎぃ! ゆぎぎぎぃ! ゆげげげえ!」 「ごめんね・・・ 今楽にしてあげるからね!」 おねーさんはまりさを持ち上げるとその身体にかぶりついた 「もごもご・・・おげぇ! むぐううううう! もごもごおおおおおお!」 「お、おねーさんだいじょうぶ・・・?」 「ゆぎっぴろげぴゃあああああああああああああああ!!!」 「やべろおおおおおおおおおお! でいぶのまでぃざぼむーじゃむじゃずるなああああああああ!」 油をたっぷりと含んでいるため食べ心地は最悪 おまけにさんざん苦しませたので甘みが増しており、胃を鷲掴みにされたような衝撃が襲う まりさの上げる奇声は次第に静かになってゆき、しばらくするとうめき声にか聞こえなくなる 「うげええええ・・・ だめだ・・・気持ち悪い・・・」 「むりはきんっもつ!よ! のこりはあした食べましょう!」 「だめだよ・・・ そんなことしたら余計長く苦しんじゃうから、今ここで全部食べるよ・・・もぐもぐ!」 「だべるなああああああああ! でいぶのまでぃざぼだべるなああああああああ!」 あんよから食らいついて半分ほど食べきったところでまりさの中枢餡まで到達する 中枢餡は一定の間隔で鼓動しており、その様子は心臓のそれを思わせた 「ううう・・・これ食べなくっちゃいけないんだよね・・・」 おねーさんは肉で言うホルモン系の部分が大の苦手で、内臓の類は一切手をつけないタイプだった そんな彼女からしたら、餡子とはいえゆっくりの生き胆を生で食らうのにはハードルが高すぎる 「でも・・・責任はとるよ! いただきます!」 「ごべあがあああああああああああああああああああああああああああああああああ!」 意を決して中枢餡にかぶりつく 口の中に外側の餡子とは違うねっとりと絡みつくような甘さが口に広がる まりさは尋常ではない断末魔をあげてようやく絶命することができた 「もごごご! もげおげえええ! もごもご・・・ごっくん!」 「おねーさん! よくやったわ!」 十分ほどかけてまりさを完食したおねーさん 後には皮と髪の毛とお飾りのお帽子だけが残された 22 「までぃああああああああああ! どぼじでごんなごどずるのおおおおおおおおお!?」 「おどうじゃああああああああん! おどうじゃんがしんじゃっだのじぇえええええええ!」 「「「「ゆんやああああああああああああ!」」」」 家族の大黒柱を失って悲しみにくれる一家 その中から一匹の赤まりさを取り出してまな板の上に乗せる 「ゆぴいいいいいいい! はなしちぇえええええええ!」 「だいじょうぶだよ・・・ すぐに楽にしてあげるからね・・・」 おねーさんはすりこぎを取り出すと、赤まりさに向かって振りおろした 狙いがわずかにそれてしまい身体の半分だけを潰してだけで絶命させることができなかった 「ゆぎょぎょぎょごおおおおおおお! いぢゃいぢょおおおおおおおおお!? おべべがびびゃびいいいいいいいい! おがあぢゃああああああああああ!」 「あ、え、どうしよう! どうすればいいのぱちゅりー!?」 「はやくのこりもつぶしてらくにしてあげなさい! そうしないといつまでもくるしんでしまうわ!」 「わ、わかった! ごめんね! ごめんね! ごめんねええええええええええ!」 何度も何度もすりこぎを叩きつけ、まな板の上にはぐずぐずになった餡子とお飾りの残骸が残された 「でいぶの! でいびのがわいいおじびじゃ! おじびじゃばばばばばばばば! ゆひひっ!」 「ゆわわわわ・・・ おきゃあしゃんがおかしきゅなっちぇるのじぇ・・・」 「「「ゆんやあああああああああああああ!」」」 ケースの中では目の前でおちびちゃんを殺されたれいむが軽く発狂しかけており 残りのおちびちゃんは恐怖におびえてひたすら泣き続けている 唯一、癇癪まりさだけが正気を保っていた 「どうしよおおおお! これじゃあ余計にくるしませちゃうよおおおおお!」 「むきゅん! しかたないわ! いっそのことふらいぱんでやいてしまいましょう!」 「で、でもぉ・・・・それじゃあさっきみたいに・・・」 「たっぷりとあぶらをしけばもんだいないわ! きっとくるしまないでそくしするはずよ!」 言われたとおり、油をたっぷりと流し込んで強火で加熱する ぎらぎらと煮えたぎった油はさながら地獄の釜と言ったところだろうか その中へ一匹ずつ菜箸で挟んで投入していく 「やめちぇえええええええええ! ゆっぐぢでぎにゃい! ゆっぐじゆっぐじいいいいい!」 ボチャン! 「ゆびぃ!? ・・・ぴぎゃあああああああああああああ! ぎゃあああああああああ! あぢゅいいいいいいいい! あんびょぎゃかりゃぢゃがおべべがいぢゃいいいいいい!」 「やめちぇえええええ! れいみゅまだじぇんじぇんゆっぐぢじでにゃい! ゆっぐぢじじゃいいいいい!」 ボチョン! 「ゆぎょおおおおおおおおお! おぎゃあじゃ! おどうじゃ! だじゅげじぇええええ! いぢゃ! あぢゅ! あぢゅいいいい! おぎゃあじゃ! いぢゃあああああああ!」 「おねーしゃん・・・ おにぇがいぢゃよ・・・ れいみゅいいこにすりゅかりゃ・・・ こりょさにゃでにぇ・・・?」 ボベチョ! 「ああああああああああああああああああ! ああああああああああああああああああああ! あじゅううううう! ひぢゃいひぢゃいい! ごばごばばあああああああああ!」 「でいぶのがわいいおじびじゃんがああああああああああああああああああああ! おでええええざあああああああん! でいぶがわるがっだがら! あやばりまずがら! おじびじゃんぼだずげであげでぐばばびいいいいいいいいいいいいいいいいい!」 加熱しすぎてしまった為赤ゆ達は余計に苦しむ羽目になってしまう 油の中で苦しそうにうねうねと蠢くおちびちゃん達 灼熱地獄から逃れようとして身体を動かすものの壁際までたどり着くことはできない ぱちゅりーは油に入れれば直ぐに即死すると言っていたが、そんなことは無かった まりさ同様死ぬまでに時間がかかり長く苦しむことだろう 「ぱちゅりいいいいいいいいいいいい!? 皆苦しんでるけど大丈夫なの?」 「そんなはずは・・・ むぎゃん!わからないわ!」 「でいぶのおじびじゃん! ゆんやああああああああああああ!」 口や目から油が侵入して呼吸することすらままならない 髪の毛やお飾りは熱で変形して原形をとどめておらず、外皮はこんがりときつね色に変わり始めている 高温で揚げてしまった為に中枢餡まで熱が通らず、いまだに死ぬことができない 「ひぎゃい! ひぎゃ! おぎゃじゃ! ひぎゃああああああ! ひっぎいい! ひぎゃい! あ、んぎょ!うぎょははひ! あんひぎょみげひゃぎいいい!」 「おへーはん! ひはひほおおお! ひはあっははあひひいいいいいいいい! おへはいははははふへええふははひいいいい! おへえはああああああん!」 「ゆぎょ! ゆゆがああああ! おぎゃあざあああああああああ! おぎゃざ! ゆがあああああ! ゆぎょお!ゆぎょ! おぎゃあざあああああああああ!」 舌に熱が通って呂律が回らないのかまともに喋れていない 菜箸で一匹ずつ取り上げて皿の上に置く こんがりとした揚げ饅頭が三つで仲良く並んだ ついでに先ほど潰したおちびちゃんの残骸をのせて一応料理らしくはなった 「むきゅぅ・・・ それはぱちぇがたべるわ・・・」 「いいの? おねがいするよ・・・私さっきのでお腹の調子がおかしくなってて・・・」 その提案を快諾するおねーさん すでに胃袋にはまりさがパンパンにつまっているのだ これほどありがたい申し出はないだろう 「むぎゅううううう・・・ おちびちゃんたちごめんね! はーみゅはみゅ!」 「ゆぎぃ・・・ いじゃい・・・ いじゃ『もぐちゅ!』・・・もっじょ・・・ゆっぐじ・・・」 あつあつのそれを口に含んで一気に噛み砕くぱちゅりー なかから程良く温まった体液が噴出し口の中に広がってゆく それは今で食べてきたどんなものよりも甘く、甘美なものだった 「はやぎゅ・・・でいびゅも・・・ごろじで・・・」 「まりじゃも・・・まりじゃもごろじじぇ・・・」 「どぼじでぞんなごどいうのおおおおおおおおお!? しんじゃっだらゆっぐぢでぎないでしょおおおおおおおおおお! おじぢじゃんだじゆっぐぢだよ!? ゆっぐぢぢでいっでね!! ゆっぐぢゆっぐぢいいいいいいいいいいいいいい! どぼじででいぶのおじびじゃんがごんなべにいいいいいいいいいいいいいいいいいいい! ゆひひひひひひひひ!」 残りの赤ゆっくりも早く自分を食い殺すように懇願する れいむは我が子の死を受け入れられずに半狂乱になって叫び続ける 「ゆげええええええ・・・ なんでこんなにおいしいのにゆっくりできないのかしら・・・」 「「はやぎゅううう・・・ はやぎゅごろしちぇえええ・・・・」」 「わ、わかったわ! いまふたりともらくにしてあげるから!」 残りの二匹を同時に口に含んで同時に噛み砕く さっきの二倍の量の体液が溢れて口からタラタラと漏れる 何とか飲み込もうとするが、お飾りが仕えてなかなか飲み込むことができない 「もご!もごごごご!もごご! ごっくん・・・むぎゅ!エレエレエレエレ・・・」 「ちょ!ぱちゅりー大丈夫!?」 飲み込むと同時に内容物を吐き出してしまうぱちゅりー 白と黒が混ざりあったゲル状の液体を吐きだすと小刻みに痙攣し始めた 「大丈夫!?大丈夫ったら!? ねえ!?しっかりしてよぉ!」 半泣きになりながらぱちゅりーにオレンジジュースをぶっかけるおねーさん 意識は取り戻したもののぐったりとしているぱちゅりー 満身創痍の二人だが、まだれいむと癇癪まりさが残されているためリングアウトは許されない 23 「ごめんね! れいむちゃんはゆっくり逝かせてあげるからね・・・」 「おねーさん! 気をつけてね!」 「やべろおおおおおおおおおお! でいぶをごろずなああああああああああああ!」 れいむをシンクの中へと放り込み、高く掲げた包丁を振りおろして一気に絶命させようとするおねーさん 小細工をしても余計苦しませるだけだと悟ったので、多少は危険を覚悟しつつ絶命させやすい方法をとったのだ 「どぼじでごんなごどずるのおおおおおおおおおおお!? どぼじでまでぃざどがわいいおじびじゃんをごろじじゃっだのおおおおおお!!? おじびじゃんをづぐらぜだのはおねーざんでしょおおおおおおおおおおおおお!!」 「うぅ・・・ それは・・・」 「でいぶだぢだっていきでるんだよ! かけがえのないたったひとつのいのちなんだよ! ぞれなのに!どぼじでごんなひどいごどでぎるの!? おがじいよ!!まじがっでるよ!! おでーざんだって、がわいいがらおじびじゃんをづぐらぜだんでしょ!? かわいいおじびじゃんどゆっぐぢぢだがっだがら ごはんをむーじゃむじゃざせでぐれだんでじょ!? みんなみんなでいぶのだいぜづながぞぐだったんだよ! いのちだっだんだよ!!! ぞれをおなががずいだらむーじゃむじゃするなんでまちがっでるよおおおおおおおおお!!」 自らの死を悟ったれいむはおねーさんに向かって反論し始めた 命乞いをするよりも、理不尽に奪われてしまった家族の命の重さというものを訴えたかったのだろう れいむの反論はまだ続く 「でいぶだっでいっばいがまんじでぎだんだよ!? おぞどにでだがっだげどがまんじだよ!! くささんのうえでおじびじゃんどいっじょに おひるねしたりおうだをうだっだりじだがっだよ!! でぼ、おでーざんがゆるじでぐれながっだがら がんばっでがまんしたでしょおおおおおおお!? おじびじゃんどもっどあぞびだがっだのに べんぎょうずるっでいっであぞばぜでぐれながっだよねぇ!? でいぶにはやりだいごどがだぐっざん!あっだよ! もっどもっどゆっぐぢぢだがっだよ! でぼまでぃざもおじびじゃんぼおでーざんがむーじゃむじゃしじゃっだよ! もうなんじぼでぎないよおおおおおおお! ゆっぐぢでぎないよおおおおおおおおおお!」 そう、れいむは今まで沢山我慢してきたのだ お外にでてまりさと一緒に楽しく遊ぶおちびちゃん達を見ていたかった 草さんの上で一家そろってお昼寝したり、のーびのびしてみたかった かけっこをして元気いっぱいに遊ぶまりさのおちびちゃんが見たかった 楽しそうにお踊りを踊りながら歌うれいむのおちびちゃんの歌が聞きたかった それらは全て叶わずに、目の前に突き付けられたれたのは刃のように冷徹で残酷な現実だった 「おでーざんばでいぶのゆんぜいをだいっなし!にじだぜぎっにん!をどっでね! しゃざいどばいしょうをせいぎゅうずるよ!!! あまあまだぐざんどころじゃゆるざないがらね!? ぜぎにんどっでぎむをはだぜえええええええええええええええ!!!」 「・・・さいよ」 「ゆうううううううううう!? ぎごえないよ!? もっどはっぎりしゃべっでね!! あやまるんだったらどげざしでね!! おでこざんをゆがにこすり『うるさいよ!!!』ゆううううう!?」 「さっきから聞いてたらなんなの!! そんなこといってたら商売になんないでしょ!!」 「ゆぎいいいいいいいいい!? ぎゃくぎれするなあああああああああああ!!」 「こっちは商売でやってるんだよ!! あんたをゆっくりさせるためのボランティアじゃないんだよ!! 命? かけがえのない!? 大切な命!? なにそれ?おいしいの? 人間はあんたらゆっくりだけじゃなくて全ての生き物の命をもてあそぶようなゲスなんだよおオオお! 犬や猫なんて可愛がってても簡単に捨てて毒殺するし! 牛や豚なんて食う為に無理やり太らせてバラバラにしちゃう! 人間のじゃまなら徹底的に絶滅するまでいぢめる、殺す! 遺伝子だって都合よく組み替えるようなゲスだよおオオおお! ゆっくりだって例外じゃないんだよ! 人間の言うこと聞かない悪い子は加工所で潰しちゃうんだよ!」 「ゆがあああああああ!!! でいぶはわるいごじゃないいいいいいいい!!! じゃんどにんげんさんのいっでだごどはまもっでだよおおおおおおおおおおお!!! でぼ、おぞどでゆっぐぢする“るーるさん”じがおぞわっでないのに おうちにとじこめたのはおまえだああああああああああああああああああああ!!!」 「そんなのしらないよ!? 私が買ったんだから私の言うこと聞くでしょ普通!」 「なにぞれええええええええええええ!? ぞんだのむじゃぐじゃだよおおおおおおおおおおおお!!」 ついに開き直ったおねーさん れいむは反論の余地を失いぱちゅりーに助けを求めた 「ばぢゅりいいいいいいいい!!! だずげでよ! おなじゆっぐぢでじょおおおおお!? かけがえのないいのちをまもっでよおおおおおおおおおおおおおお!!!」 「むきゅん・・・ あなたが“かけがえのないいのち”なんていってもうすっぺらくきこえるだけよ ゆっくりあきれめて、おいきなさい」 「ゆぎゃあああああああああ!!! おじびじゃ! でいぶをだずげろゆっぐぢざぜろおおお!」 「ゆひいいいい! むりなのじぇ! まりしゃはひちょりでゆっくちしゅりゅかりゃ、おきゃあしゃんなんちぇしらにゃいよ!」 「ゆがああああああああああ!!! ふざけるなあああああああああああ!」 最愛のおちびちゃんにも見捨てられ怒りが沸点に達したれいむ こめかみのあたりからは餡子が噴出しており、穏やかではない 「こうなったのも全部私のせいだから! ごめんね!れいむちゃん!」 「ゆがああああああああああああああ! やべろおおおおおおおおおおおおおおおお!」 れいむに向かって真っすぐに包丁を振り下ろす 眉間の辺りに突き刺さり、そのままあんよへと貫通した しかし中枢餡は無事だったのか、れいむは包丁に貫かれたまま生きていた 「ゆぎょおおおおおおおお?! なにごで!?どぼなっでるのおおおおおおおお!? いぢゃい!いぢゃい!いぢゃいいいい! でいぶのおがおが! でいぶのおおおおおお!!! ごおごおおおおおお! でいぶのおがおおおおお! でいぶのでいぶのおおおおおおおお!?」 「ひいいいいいいいい! ぱちゅりー!? これどうすればいいの!? 助けてよ!!!」 「むきゅううううううううう!? そんなのしらないわ! おねーさんがなんとかしてちょうだい!!」 「ゆんやああああああああ!!! おぎゃあじゃああああああああああああ!!!」 完全にパニックったおねーさん れいむのあんよにかぶりつく 「えーい!ままよ!がぶり! むじゃああああむじゃあああ! もぎゅもぎゅううううううう!」 「ゆぎいいいいいいいいい!? ゆぐぢいいいいいいいいいいいいいい!!」 「むぎゃあああああ!?おねーざん!? おじづいでね!? あぶないわよ!?」 頭に血が上ったおねーさん 暴れるれいむを食い続ける 「ガツガツ!むしゃむしゃ! ・・・うっ おげええええええええええええええええええ!!!」 「お、おでええええええええざああああああああああ・・・うっっぷ!エレエレエレエレ!」 胃が限界に達したのかついに中身を吐き出してしまった それをみてもらいゲロをするぱちゅりー ピンポーン! タイミング悪く来客を知らせるベルが鳴る 正常な判断ができないおねーさん 包丁片手にドアを開ける 「ちょっと!!! さっきから五月蠅いんですけど、いいかげんに・・・・ってなにそれ」 「ごめんなさい・・・ ごめんなさいいいいいいいいいいいいい!!!」 「でいぶを!! でいぶをだずげでぐだざいいいい!! おでがいじば・・・ゆげえええええええ! ゆごごごごげべっげべっげべええええええええええ!! ・・・・・ガクッ」 「エレエレエレエレ・・・ おでーざんぼゆどぅじであげべぐばばび・・・」 抗議に来たお隣に住んでいる女性の住人はおねーさんの姿をみて絶句した 洋服はこげ茶色の嘔吐物でぐちゃぐちゃに汚れ、血走った眼で包丁を掲げるおねーさん 包丁に突き刺さったまま助けを求めてながらタイミング良く絶命したゆっくりれいむ 脇に抱えたられたゆっくりぱちゅりーは白く泡立った中身を吐きだしている 「ひいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!」 苦情を言いに来た女性は何も言わないで帰って行ってしまった おねーさんはボー然と立ちつくしてその場で失禁した 24 「・・・こんなふうにガラスさんを割ったりしたら破片であんよが切れちゃうんだよー! みんなわかったかなー?」 「「「「「ゆっくちりかいしちゃよ!」」」」」 「それじゃあみんな! ぱちぇといっしょにふっくっしょう!しましょう!」 「「「「「はーい!」」」」」 一週間後、そこには元気に赤ゆっくりに授業をするおねーさんとぱちゅりーの姿が! なんとかあの後正気を取り戻したおねーさんはぱちゅりーを介抱して一命を取り留めることに成功した そもそもどうしてあんな酷いことをしてしまったのか、自分でもよくわからない 最初からぱちゅりーの言うとおりラムネを使っておけばよかったと思うが既に過ぎたことだ 後悔してもおそい 「それじゃあいいこにべんきょうしたこにはごほうびのあまあまをあげましょう!」 「「「「「あみゃあみゃ!あみゃあみゃ!」」」」」 「みんなひとりふたつづつだからねー! なかよくわけてねー!」 「「「「「ゆっくちりかいしちゃよ!」」」」」 現在、おねーさんの部屋にはれいむ種、まりさ種の他に ありす種ぱちゅりー種みょん種などの他の種族などもおり計五匹がおねーさんとぱちゅりーの授業を受けている 種類がバラバラなのは、同じ種族より違う種族を一緒に育てた方が教育しやすいとネットで知ったからだ 完全に和解した二人はそれぞれの持ち味を生かして、解りやすく覚えやすい授業を行っている 努力の甲斐あってか順調に教育は進んでいるようだ このままいけば金は無理でも銀バッチならとれるかもしれない 「ゆがああああああああああ! そのあばあばはまりざのなのぜ! ごっじによごぜええええええ!」 あまあまを貰う為にぱちゅりーの前に並んでいた赤ゆっくりの列に、一匹の子まりさが割り込んできた 例の問題児、癇癪まりさである 「よごぜええええええ! ばでぃざにあばあばをよごぜえええええ! ぜんぶだああああああ!」 「みんな! みてちょーだい! こんなふうにじぶんだけゆっくりしようとするゆっくりはゆっくりできるかしら?」 「ゆっくちできないよ! おなじまりしゃとしちぇはぢゅかしーよ!」 「れいみゅもこんなまりしゃとなんかいっしょにゆっくちしちゃくないよ!」 「きょれはひぢょい・・・なんちぇいにゃかもにょなにょかしりゃ!」 「むきゅぅ・・・ これがげしゅなのにぇ・・・」 「はぢをしるちょいいみょん!」 「そうだね! 自分勝手なわがままな子はお仕置きだね!」 おねーさんは癇癪まりさを持ち上げると、透明の平たい物を取り出した いびつに角ばった先端が鋭く光る 「これはさっきお話ししたガラスさんが割れたものです。 これであんよをひっかくと・・・」 「ゆぎぃ!? までぃぢゃのしゅんしょくのあんよしゃんがああああああああ!」 「あんよが傷ついてなかの餡子が漏れちゃいまーす!」 「「「「「ゆっくちりかいしちゃよ!」」」」」」 癇癪まりさは赤ゆっくりの教育道具として一役飼っていた 授業を妨害したりあまあまを奪おうと襲い掛かってくるがその度に返り討ちにあう ある時はライターで髪の毛を燃やされ、ある時は辞書を頭におとされて・・・ と、襲い掛かる度に授業の実験材料にされてしまうのだ 本ゆんは本気で妨害しているつもりだが、むしろ赤ゆの教育に役立っているので感謝したいくらいだ 「はーい! あまあまを食べたらおひるねしてゆっくりしようねー!」 「「「「「ゆわーい!」」」」」 「ゆがああああああ! いぢゃいいいいいい!」 喚く癇癪まりさは放っておいてお昼寝の準備をする 致命傷ではないので後で治療すればまた元気にゲスいセリフを吐くだろう これからも長い間、教材として頑張ってもらわなければならないのだからこれくらいで死なれては困る おねーさんはゆっくりの扱いにだいぶ慣れてきたようだ 「ねぇ、ぱちゅりー?」 「むきゅん? なにかしらおねーさん」 赤ゆっくりを寝かして、癇癪まりさを治療し終えたおねーさんは小さい声でぱちゅりーに呼びかけた 「これから行きたいところがあるんだけど一緒について来てもらえる?」 25 「次の方、どうぞ」 「・・・お兄ちゃん?」 やって来たのはゆっくりクリニック おねーさんはぱちゅりーの健康診断という名目で兄に会いに来たのだ 「全く・・・私用で顔を出すのはやめろって言っただろ」 「今日はぱちゅりーの健康診断ってことで来てるからいいでしょ でね、お兄ちゃん・・・ついでにお礼を言いに来たんだけど」 「悪いが今は勤務中だ。 プライベートなことは後にしてくれ」 「はぁ・・・相変わらず融通利かないんだね・・・まぁ、いいや ぱちゅりーのことありがとね。 おかげでうまくやれそうだよ」 「そうか・・・ とりあえずその書類に目を通しておいてくれ 俺は内容物の採取の準備をしてくるから、その間にこれをなめさせておいてくれ」 「これは?」 「ラムネだ。 ゆっくりに舐めさせると『眠気を催してぐっすりと眠ってしまいます』・・・・」 「でしょ? お兄ちゃん」 「・・・・知ってたのか。 書類読んでおけよ」 兄はそう言って奥へと行ってしまった 「むきゅう・・・もうちょっとすなおにおはなしすればいいのにね」 「しかたないよ・・・昔っからああだもん」 「むきゅぅ? そうなの?」 「人前だとあんな風に他人みたいな話し方しかしてくれなかったんだ・・・ あの態度が好きになれなくて、気まずかったからあんまり近くに寄らないようにしてたんだよ ホントはもっと仲良くしたかったんだけどね」 人前では他人行儀な態度をとる兄 そのくせ、家で二人っきりの時はふざけた態度で接してくる それは交通事故で両親が死んで家族が二人っきりになっても変わらなかった そんな兄と関わるのが嫌になって自然と距離を置いて行くようになった 思えばこのことを誰かに話したのは初めてかもしれない 兄のことを誰かに相談するのは気が引けた したとしても悪口ばっかり言って素直に思っていたことは話せなかっただろう もしかしたらゆっくりのぱちゅりーだからこそ正直に話せたのかもしれない 「おにーさんはおねーさんにきらわれるのがこわかったのよ、きっと」 「え? 嫌われたくなかったら普通はもっと仲良くしてくれてもいいんじゃないの?」 「むきゅん! すかれたいひとにはなかなかすなおになれないものよ! とくに、ほかのひとのまえではね」 「え? よく解らないんだけどどういうことなの?」 「せけんていというやつもあったんじゃない? おねーさんとちがってえりーとさんみたいだし」 「ねぇ・・・それってどういう意味なのかな?」 「むきゃ! ぱちぇはおもったことをいったまでよ!」 「・・・・・・読み終わったか?」 兄が戻って来た ずれたメガネを左手の中指と人差し指で直している 「あ・・・ごめんなさい。 まだです」 「なら早くしろ。 気になることがあれば書いておけ こいつには向こうでラムネを舐めさせておく」 「うん、わかった・・・お兄ちゃん?」 「・・・・・」 「ホントにありがとね」 「・・・・・」 「・・・・・」 「・・・一つだけアドバイスだ」 「・・・何?」 「命は大切にな」 兄はそう言うとぱちゅりーを抱えて行ってしまった 「むきゅん・・・やっぱりすなおじゃないのね」 ぱちゅりーがぼそりと呟いた 終 あとがき ここまで読んでいただいてありがとうございます 本当なら前後篇で二分するはずだったんですが 気付いたら三分割になってしまいました・・・すみません 今回はブリーダーものということで 人間による身勝手な命の価値基準というのがテーマでした 当初はオチをゆっくり一家の自滅にしようとしたんですけど 書いているうちに・・・どうしてこうなった というわけでここまでお付き合いいただきありがとうございます 次回からはなるべく短めにまとめて行こうと思っています では 書いたもの anko2410 さくのなかとそと anko2428 はんせいしてますごめんなさい anko2441 ありすはありす anko2469 にくたいげんご
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『いのちはたいせつ 後篇』 33KB 虐待 日常模様 引越し 家出 番い 飼いゆ 野良ゆ 姉妹 赤ゆ 子ゆ ゲス ペットショップ 現代 愛護人間 虐待人間 独自設定 うんしー 最後です 後編です。 先に前編と中編をお読みになってください 19 ぱちゅりーは人間を引きとめようと必死に追いかけたが、ゆっくりの足では到底追いつけるはずもなく あっさりとおちびちゃん達の待つお家は見つかってしまう 「しましまシートの綺麗なお家・・・ ああ、あれか」 「よくできてるなー! 他のボロ屑とは大違いで逆に浮いてるって言うw」 「おちびちゃあああああああん! にげてえええええええええええ!」 必死に叫んだものの、既にお家は完全に包囲されており逃げられる筈もない 人間がお家をひっくり返すと、なかからおちびちゃん達がぽろぽろとこぼれ落ちた 「「「「おしょらをとんじぇるみちゃいいいいいい!?」」」」 「おお!大量w で、こいつらどーすんのw」 「こいつを使う。 きっといい声で鳴いてくれるぜ」 リーダー格の人間はポケットから鍵を取り出した 形状からして何かの乗り物のカギのようだ 「ゆうううう! しぇんしぇーたしゅけちぇー! きょわいよー!」 「じゃ、ちびのだいじなだいじなところにフェードイーーーーーーーーーーーーン!」 「ゆぴ? ・・・・ゆぴいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!」 「オラオラオラオラオラオラ!」 「ゆ・・・ゆげぇ・・・ もっじょ・・・ゆっぐじ・・・」 「あれ、もう死んじまった・・・つまんねぇ・・・」 赤まりさはあっけなく絶命した 脆く崩れやすい赤ゆっくりの身体は簡単に壊れてしまうのだ 「むぎゃあああああああ! おじびじゃああああああああん!」 「おいおい、こいつらお前の子供じゃないっしょ? なんでそんなに必死なのw」 「ぞのごだじばばじぇのがわいいおじえごなのおおおおおおおおお! おでがいでずがらごろざないでぐだざいいいいいいいいいいい!」 「へー・・・ 可愛いって割には抵抗しないんだな さっきの金髪どもは子供を取り返そうとして必死になってたのに」 「・・・・・・むぎゃ?」 「みろよ、あのありすとかいう饅頭は噛みついてまでして子供をとりかえそうとしたんだぞ」 そう言ってリーダー格は袖をまくった 腕にはうっすらとではあるが長ありすの番だったありすのものと思われる歯型が残っていた 「それに引き換え、やめろとは言うもののただ見てるだけのお前 やっぱり血の繋がってない他人ってことなんだな。 あ、血じゃなくて餡子か」 「そ、そんなこと・・・」 「おい! お前らのせんせーはお前らのこと別に助けたいとか思ってないってよ!」 「うぞぢゃああああああああああああああああ!」 「しぇんしぇーはれいみゅにょこちょみすてたりしにゃいいいいいいいいいい!」 「いいかげんにゃこちょいうちょまりしゃおこりゅよ! ぷきゅー!」 「ほらほら、皆お前のこと信じてるみたいだぞ? 助けてやれよ」 「む、むきゅう・・・ でも、ぱちぇがていこうしてもにんげんさんにはかなわないわ・・・」 「諦めんなよぉ! どうして諦めるんだそこで!」 「で、でもぉ・・・」 「かけがえのない命なんだろ? 大切な一つしかない命なんだろ? その命がゲス人間の手によって無慈悲に奪われようとしているのになにもしないのか?」 「ぱ、ぱちぇには・・・」 なまじ頭がいいため人間との力の差を理解して抵抗しようとしてもできないぱちゅりー リーダー格はつまらなそうにそんなぱちゅりーを見てため息をついた 「・・・はぁ。 もうなんかどうでもよくなってきた お前ら、大先生は抵抗しても無駄だからお前らのこと見捨てるってよ」 「まりしゃしぇんしぇのこちょしんじちぇちゃにょにいいいいいいいいいい!!」 「しぇんしぇええええええ?! れいみゅがきらいにゃにょおおおおおお!?」 「どぼじでだじゅげじぇぐれにゃいにょおおおおおおお!?」 「じがううううううううううううう! ばじぇはみんなだいずぎなのにいいいいいいいい!」 「だったらちっとは行動で示せばよかっただろ。 もうおせーよ」 そう言って手に持っていたおちびちゃん達を一匹ずつ地面へ落とす人間 高い位置から落とされたため地面にあんよが食い込む さながら、熟れた果物を床に落としたような光景だ 「ゆぁ・・・まりしゃの・・・ まりしゃのあんよしゃんがうごかにゃいいいいいいい!」 「ゆぴいいいいいいいい! いちゃいよおおおおお! うごけにゃいよおおおおお!」 「しぇんしぇええええええ! れいみゅをたしゅけちぇええええええええ!」 「ほらほら、金バッチなら助けるだろ? それともお前ゲスなの? だから助けないの?」 「ぱちぇはげすじゃないいいいいいいいいいいい!!」 「じゃあ助けろよw もうおせーけどなw」 「だなだな!」 「どぼじでだじゅげじぇぐれにゃ・・・ゆぎいいいいいいいいいいい! じぇんじぇえええええええええ! ぐるじいいいいいいいいいい! じぇんじぇ!ぱちゅりじぇんじぇ! ぐるじ!じぬ!じ『ぐちゃ!』・・・」 「みちぇないじぇはやくたしゅけちぇえええええええええええええええ! えええええごっごごおごおげえええええ! ごべべべおげべっべべ! でいびゅもう・・・・じゃ・・・め・・・ もっじょ・・・ゆ『べちょ!』・・・」 「しぇんしぇいのうしょちゅきいいいいいいいいいいいいいい!!! まもっちぇくれりゅっていっちゃよにぇ!? れいみゅを・・・ぴゅび!! ゆぴゅぅ! だじゅげ・・・じぇんじぇええええええ『げちょ!』・・・」 人間はぱちゅりーに断末魔を聴かせるたに一匹ずつゆっくりと体重をかけて潰した 助けを求められても動こうとしないぱちゅりーを睨みつけて絶命してゆくおちびちゃん達 「おじびじゃあああああああああああああああああああ!」 「もーいこうぜ。 なんか興ざめだわ」 「賢いっつっても無力なのには変わりはないんだなw だっせw」 「だなだな!」 「むぎゅううううううううううううう! ぱちぇがまもっであげるっでやぐぞぐじだのにいいいいいいいいいい! ごべんべええええええええええ! だめなぜんぜいでごべんべえええええええええええ!」 人間達は他の段ボールハウスを蹴ったりしていたが、しばらくすると何処かへ行ってしまった 残されたぱちゅりーは餡子の塊になったそれに泣きながら謝り続ける 「あれ~。 もしかして君バッチつきかなー?」 「ゆんやあああああああああああ! ゆんやああああああああああああ!」 悲しみに暮れたぱちゅりーは作業着の人間が話しかけてきたことにも気付かなかった 20 「ここだろ? ここでいいんだろ?」 「ずびばぜんんん! わざわざおぐっでいだだいでええええええ!」 「いや、かまわねーよ。 それよりさっきは言いすぎた、すまん」 「いいんでずうううううううう! ありがどうございばじだあああああ!」 おねーさんは金髪の説教を受けた後ゆっくりショップで閉店まで泣き続け、心配した店長の山田が車で自宅まで送ってくれた 車の中でも泣き続けたおねーさんは涙と鼻水と涎で服がぐしょぐしょに濡れてしまっている 「じゃあな、そんなに落ち込んでないで頑張れよ」 「はいいいいいいい! ずびばぜんでじだああああああ!」 「あのー・・・ もしかしてこの部屋の方ですか?」 「あん? おまえこんなところで何やってんだ?」 不意に作業着の男が話しかけてきた 山田はその男の顔を見て顔をしかめる 自分の店で働いている金髪の店員と顔が瓜二つなのだ 「えっと・・・ すみませんが何処かでお会いしたことありましたっけ?」 「いや、あんたとよく似てるやつと勘違いしたみたいだ・・・ 気にしないでくれ」 「はぁ。 それで、この部屋の住人の方は?」 「こっちの・・・ うわ!大丈夫か?」 「おええええええええ! だいじょうぶでずうううううう!」 おねーさんは屈みこんで胃の中の内容物を吐きだしていた ストレスに耐えきれず嘔吐してしまったようだ 「だ、大丈夫ですか!? もしかして飼っていたゆっくりが見つからなくて泣いているんですか? なら安心してください! 先ほど僕が保護しておきました!」 「うげえええええ! ・・・ほごおおおおおおおおお?」 「はい、こちらの金バッチのぱちゅりーで間違いないですか?」 作業着の男は透明なケースにをおねーさんに差し出した その中に入っているのは確かに数日前に家出したはずのぱちゅりーだった 防音性なのか声は聞こえないが、涙を流しながら何かを言おうとしている 「公園で保護したんですけど、そうとう弱ってるみたいで・・・ バッチに住所データが記録されていたので直接自宅まで伺わせていただいたんですよ」 「おでえざあああああああああああああああああん!」 ケースの蓋をあけるとぱちゅりーはおねーさんに飛びついた 何か恐いことでもあったのか小刻みに震えている おねーさんはそんなぱちゅりーをぎゅっと抱きしめた 「おでえざあああああああああん! ごべんなざいいいいいいいいいいい! ばじぇがまじがっでだわああああああああああああああああああああ!」 「わだじのぼうごぞごめんなざいいいいいいいいいいいいいいいいいい! ばぢゅりーのいうごどぼぎいでいでばごんなごどにわああああああああ!」 「ばじぇがんばっだげどおじびじゃんだじみんなごろざれじゃっだのおおおおおお!」 「わだじのぞだでだおじびじゃんぼげずになっじゃっだよおおおおおおおおおおお!」 「「ゆんやああああああああああああああああああああ!」」 「感動の再会ってやつですね! うう・・・なんだかこっちまで泣けてきた」 「・・・そうか? あまりぞっとしないけどな」 抱き合いながら涙を流す二人を見て 作業着の男はハンカチで涙を拭いて 山田はどうでもいいとでも言うかのように欠伸をした 21 「おねーさん? ほんきなの?」 「・・・本気だよ。 きちんと義務を果たして責任はとるよ」 「せきにんってなに!? ねぇ!? せきにんってなんなの!?」 「やべでええええええええ!!! ぜぎにんどらなくていいからゆっぐじざぜでええええええ!」 「やめるのじぇ! ゆっぐぢでぎないのじぇええええええ!」 「「「「ゆんやあああああああああああああああああ!」」」」 台所で包丁を手に真剣なまなざしで目の前の物を見据えるおねーさん 視線の先には親ゆっくりのまりさとれいむ そして透明なケースに入れられた癇癪まりさを含めた五匹のおちびちゃん達 ぱちゅりーは足元で心配そうに様子を窺っている 「お、おねーさん? せめてらむねさんでねむらせてから・・・」 「だめよ! そんなことしたら命を奪う実感が無くなっちゃう! 正面から向き合って命の大切さを思い知るためにもこのままいく! 大丈夫・・・この子たちの命は無駄にしない。 ちゃんと責任を持って全部食べるよ」 「おねーさん・・・ ぱちぇもきょうりょくするわ!」 完全にゲス化してしまった一家の処分を自らの手で行う決意をしたおねーさん かけがえのない命を無駄にしないために、その身を食らって処分しようというのだ ぱちゅりーはそんなおねーさんに感銘を受けて協力を申し出ている れいむが邪魔をしないように一旦ケースの中に入れて 親まりさを真っ二つに切断しようと左手で身体を抑えつけて包丁を突き立てる しかし、ぐねぐねと暴れるのでなかなか刃を立てることができない 「危ないから動かないで! 動くと余計痛いよ!」 「むじゃいうなああああああああ! までぃざばまだじにだぐないいいいいいいい!」 「お、おねーさん! うごけないようにあんよをやいたらどうかしら・・・」 「あんよを焼いちゃうの?! ちょっとそれは・・・」 「でもこのままじゃおねーさんがけがをしてしまうわ・・・ むきゅん! たぶんだいじょうぶよ! どうせすぐしんじゃうし!」 「そっかー・・・ ごめんね、ちょっとだけ我慢してね!」 「ふざけるなあああああああああああああああああああああ!」 フライパンを強火で一気に過熱する 数分間加熱されたフライパンは油を敷いていないのに白い煙が立ち上り焦げくさい臭いがする あんよがこびりつかないようにサラダ油をたっぷりと注ぐ 「やべろおおおおおおお! はなぜええええええええええ!」 「ごめんね・・・ 悪いのは全部私だから・・・ ごめんね!」 持ち上げるとおしりを左右にに振って暴れるまりさ 両手で掴んで無理やりフライパンの上へと押し付ける 「ゆっ・・・・・ゆぎぃっ! ゆびょお! ゆんやああああああああああああああああああ! いぢゃいよおおおおおお! いぢゃいいいいいいいいい! ぐるじいいいいいいいいいいいい! あぢゅいいいいいいいいいい! までぃざのあんよざんがあぢゅいよおおおおおおおおおおお!」 普段の憎たらしい顔からは想像できないような苦痛にゆがんだ表情で泣きわめくまりさ 油に浸かったまりさのあんよから水分が奪われてゆき、小さい粒が弾けるような小気味よい音を立てる 身体をのーびのびさせて抵抗するものの、しっかりと抑えつけられているため逃れることはできない 「だぢゅげぢぇえええええええ! おでえええええええざあああああああああん! までぃじゃいいごにじゅりゅがらゆるじでぐだぢゃいいいいいいいいいいい! ぼんどうじあぢゅぐでぐるじいんでずうううううう! だずげでぐだぢゃいいいいいいい!」 「ごめんね! ごめんねったら!あばれないでよ! ねぇぱちゅりー!? 全然動くんだけど!?どうなってるの?」 「わわわわわからないわ! たぶんやいてるのがあんよだけだからよ!」 「えええ!? じゃあ他の部分も焼けばいいの!? もっと焼けば動かなくなるの!?」 「ゆぎいいいいい! あぢゅいいいよおおおおお『プッシャアアアア!』おおおおおおお!!!」 「いやああああ! 危ないいいいいいいいいいい!」 まりさが失禁してしまったために油が盛大に跳ねる おねーさんは軽くパニックになってしまい、まりさの後頭部を抑えるとそのまま顔面をフライパンに押し付けた 「ぎょぼおおおおおおおおおおおおおお! おぼおぼおぼげえええええええええええ! ゆびゅうううううう! ゆびぎゃああ! あぢゅい! あぢゅ! ゆべげえええええええええええ!」 「いやあああああああ! どうなってるのよおおおおおおおお! ぱちゅりー助けて!」 「むぎゃあああああああ! ぱちぇにいわれてもむりよおおおおおおおお!」 既に油のほとんどが蒸発しており、辺りには焦げくさい臭いが充満する 落ち着きを取り戻したおねーさんはフライパンからまりさを引き離そうとするがなかなか離れない やっとの思いで引き離すとべりべりと顔面の皮がはがれおち油をたっぷりとすった中身が露わになる 両目は熱で膨張したのか破裂していて、唇も剥がれて歯茎が露出している 「ごめんなさい・・・ こんなに苦しませる筈じゃなかったのに・・・」 「ゆげ・・・げ・・・ゆげげ・・・」 「までぃざあああああああああ! ゆっくりよぐなっでね!? ぺーろぺろ!」 もはや原形をとどめていないそれに、れいむは傷口をふさごうとぺーろぺろをしようとする しかし、透明なケースに阻まれて見えない壁を必死にぺーろぺろするというおかしな行動になってしまう 「ゆぎぃ! ゆぎぎぎぃ! ゆげげげえ!」 「ごめんね・・・ 今楽にしてあげるからね!」 おねーさんはまりさを持ち上げるとその身体にかぶりついた 「もごもご・・・おげぇ! むぐううううう! もごもごおおおおおお!」 「お、おねーさんだいじょうぶ・・・?」 「ゆぎっぴろげぴゃあああああああああああああああ!!!」 「やべろおおおおおおおおおお! でいぶのまでぃざぼむーじゃむじゃずるなああああああああ!」 油をたっぷりと含んでいるため食べ心地は最悪 おまけにさんざん苦しませたので甘みが増しており、胃を鷲掴みにされたような衝撃が襲う まりさの上げる奇声は次第に静かになってゆき、しばらくするとうめき声にか聞こえなくなる 「うげええええ・・・ だめだ・・・気持ち悪い・・・」 「むりはきんっもつ!よ! のこりはあした食べましょう!」 「だめだよ・・・ そんなことしたら余計長く苦しんじゃうから、今ここで全部食べるよ・・・もぐもぐ!」 「だべるなああああああああ! でいぶのまでぃざぼだべるなああああああああ!」 あんよから食らいついて半分ほど食べきったところでまりさの中枢餡まで到達する 中枢餡は一定の間隔で鼓動しており、その様子は心臓のそれを思わせた 「ううう・・・これ食べなくっちゃいけないんだよね・・・」 おねーさんは肉で言うホルモン系の部分が大の苦手で、内臓の類は一切手をつけないタイプだった そんな彼女からしたら、餡子とはいえゆっくりの生き胆を生で食らうのにはハードルが高すぎる 「でも・・・責任はとるよ! いただきます!」 「ごべあがあああああああああああああああああああああああああああああああああ!」 意を決して中枢餡にかぶりつく 口の中に外側の餡子とは違うねっとりと絡みつくような甘さが口に広がる まりさは尋常ではない断末魔をあげてようやく絶命することができた 「もごごご! もげおげえええ! もごもご・・・ごっくん!」 「おねーさん! よくやったわ!」 十分ほどかけてまりさを完食したおねーさん 後には皮と髪の毛とお飾りのお帽子だけが残された 22 「までぃああああああああああ! どぼじでごんなごどずるのおおおおおおおおお!?」 「おどうじゃああああああああん! おどうじゃんがしんじゃっだのじぇえええええええ!」 「「「「ゆんやああああああああああああ!」」」」 家族の大黒柱を失って悲しみにくれる一家 その中から一匹の赤まりさを取り出してまな板の上に乗せる 「ゆぴいいいいいいい! はなしちぇえええええええ!」 「だいじょうぶだよ・・・ すぐに楽にしてあげるからね・・・」 おねーさんはすりこぎを取り出すと、赤まりさに向かって振りおろした 狙いがわずかにそれてしまい身体の半分だけを潰してだけで絶命させることができなかった 「ゆぎょぎょぎょごおおおおおおお! いぢゃいぢょおおおおおおおおお!? おべべがびびゃびいいいいいいいい! おがあぢゃああああああああああ!」 「あ、え、どうしよう! どうすればいいのぱちゅりー!?」 「はやくのこりもつぶしてらくにしてあげなさい! そうしないといつまでもくるしんでしまうわ!」 「わ、わかった! ごめんね! ごめんね! ごめんねええええええええええ!」 何度も何度もすりこぎを叩きつけ、まな板の上にはぐずぐずになった餡子とお飾りの残骸が残された 「でいぶの! でいびのがわいいおじびじゃ! おじびじゃばばばばばばばば! ゆひひっ!」 「ゆわわわわ・・・ おきゃあしゃんがおかしきゅなっちぇるのじぇ・・・」 「「「ゆんやあああああああああああああ!」」」 ケースの中では目の前でおちびちゃんを殺されたれいむが軽く発狂しかけており 残りのおちびちゃんは恐怖におびえてひたすら泣き続けている 唯一、癇癪まりさだけが正気を保っていた 「どうしよおおおお! これじゃあ余計にくるしませちゃうよおおおおお!」 「むきゅん! しかたないわ! いっそのことふらいぱんでやいてしまいましょう!」 「で、でもぉ・・・・それじゃあさっきみたいに・・・」 「たっぷりとあぶらをしけばもんだいないわ! きっとくるしまないでそくしするはずよ!」 言われたとおり、油をたっぷりと流し込んで強火で加熱する ぎらぎらと煮えたぎった油はさながら地獄の釜と言ったところだろうか その中へ一匹ずつ菜箸で挟んで投入していく 「やめちぇえええええええええ! ゆっぐぢでぎにゃい! ゆっぐじゆっぐじいいいいい!」 ボチャン! 「ゆびぃ!? ・・・ぴぎゃあああああああああああああ! ぎゃあああああああああ! あぢゅいいいいいいいい! あんびょぎゃかりゃぢゃがおべべがいぢゃいいいいいい!」 「やめちぇえええええ! れいみゅまだじぇんじぇんゆっぐぢじでにゃい! ゆっぐぢじじゃいいいいい!」 ボチョン! 「ゆぎょおおおおおおおおお! おぎゃあじゃ! おどうじゃ! だじゅげじぇええええ! いぢゃ! あぢゅ! あぢゅいいいい! おぎゃあじゃ! いぢゃあああああああ!」 「おねーしゃん・・・ おにぇがいぢゃよ・・・ れいみゅいいこにすりゅかりゃ・・・ こりょさにゃでにぇ・・・?」 ボベチョ! 「ああああああああああああああああああ! ああああああああああああああああああああ! あじゅううううう! ひぢゃいひぢゃいい! ごばごばばあああああああああ!」 「でいぶのがわいいおじびじゃんがああああああああああああああああああああ! おでええええざあああああああん! でいぶがわるがっだがら! あやばりまずがら! おじびじゃんぼだずげであげでぐばばびいいいいいいいいいいいいいいいいい!」 加熱しすぎてしまった為赤ゆ達は余計に苦しむ羽目になってしまう 油の中で苦しそうにうねうねと蠢くおちびちゃん達 灼熱地獄から逃れようとして身体を動かすものの壁際までたどり着くことはできない ぱちゅりーは油に入れれば直ぐに即死すると言っていたが、そんなことは無かった まりさ同様死ぬまでに時間がかかり長く苦しむことだろう 「ぱちゅりいいいいいいいいいいいい!? 皆苦しんでるけど大丈夫なの?」 「そんなはずは・・・ むぎゃん!わからないわ!」 「でいぶのおじびじゃん! ゆんやああああああああああああ!」 口や目から油が侵入して呼吸することすらままならない 髪の毛やお飾りは熱で変形して原形をとどめておらず、外皮はこんがりときつね色に変わり始めている 高温で揚げてしまった為に中枢餡まで熱が通らず、いまだに死ぬことができない 「ひぎゃい! ひぎゃ! おぎゃじゃ! ひぎゃああああああ! ひっぎいい! ひぎゃい! あ、んぎょ!うぎょははひ! あんひぎょみげひゃぎいいい!」 「おへーはん! ひはひほおおお! ひはあっははあひひいいいいいいいい! おへはいははははふへええふははひいいいい! おへえはああああああん!」 「ゆぎょ! ゆゆがああああ! おぎゃあざあああああああああ! おぎゃざ! ゆがあああああ! ゆぎょお!ゆぎょ! おぎゃあざあああああああああ!」 舌に熱が通って呂律が回らないのかまともに喋れていない 菜箸で一匹ずつ取り上げて皿の上に置く こんがりとした揚げ饅頭が三つで仲良く並んだ ついでに先ほど潰したおちびちゃんの残骸をのせて一応料理らしくはなった 「むきゅぅ・・・ それはぱちぇがたべるわ・・・」 「いいの? おねがいするよ・・・私さっきのでお腹の調子がおかしくなってて・・・」 その提案を快諾するおねーさん すでに胃袋にはまりさがパンパンにつまっているのだ これほどありがたい申し出はないだろう 「むぎゅううううう・・・ おちびちゃんたちごめんね! はーみゅはみゅ!」 「ゆぎぃ・・・ いじゃい・・・ いじゃ『もぐちゅ!』・・・もっじょ・・・ゆっぐじ・・・」 あつあつのそれを口に含んで一気に噛み砕くぱちゅりー なかから程良く温まった体液が噴出し口の中に広がってゆく それは今で食べてきたどんなものよりも甘く、甘美なものだった 「はやぎゅ・・・でいびゅも・・・ごろじで・・・」 「まりじゃも・・・まりじゃもごろじじぇ・・・」 「どぼじでぞんなごどいうのおおおおおおおおお!? しんじゃっだらゆっぐぢでぎないでしょおおおおおおおおおお! おじぢじゃんだじゆっぐぢだよ!? ゆっぐぢぢでいっでね!! ゆっぐぢゆっぐぢいいいいいいいいいいいいいい! どぼじででいぶのおじびじゃんがごんなべにいいいいいいいいいいいいいいいいいいい! ゆひひひひひひひひ!」 残りの赤ゆっくりも早く自分を食い殺すように懇願する れいむは我が子の死を受け入れられずに半狂乱になって叫び続ける 「ゆげええええええ・・・ なんでこんなにおいしいのにゆっくりできないのかしら・・・」 「「はやぎゅううう・・・ はやぎゅごろしちぇえええ・・・・」」 「わ、わかったわ! いまふたりともらくにしてあげるから!」 残りの二匹を同時に口に含んで同時に噛み砕く さっきの二倍の量の体液が溢れて口からタラタラと漏れる 何とか飲み込もうとするが、お飾りが仕えてなかなか飲み込むことができない 「もご!もごごごご!もごご! ごっくん・・・むぎゅ!エレエレエレエレ・・・」 「ちょ!ぱちゅりー大丈夫!?」 飲み込むと同時に内容物を吐き出してしまうぱちゅりー 白と黒が混ざりあったゲル状の液体を吐きだすと小刻みに痙攣し始めた 「大丈夫!?大丈夫ったら!? ねえ!?しっかりしてよぉ!」 半泣きになりながらぱちゅりーにオレンジジュースをぶっかけるおねーさん 意識は取り戻したもののぐったりとしているぱちゅりー 満身創痍の二人だが、まだれいむと癇癪まりさが残されているためリングアウトは許されない 23 「ごめんね! れいむちゃんはゆっくり逝かせてあげるからね・・・」 「おねーさん! 気をつけてね!」 「やべろおおおおおおおおおお! でいぶをごろずなああああああああああああ!」 れいむをシンクの中へと放り込み、高く掲げた包丁を振りおろして一気に絶命させようとするおねーさん 小細工をしても余計苦しませるだけだと悟ったので、多少は危険を覚悟しつつ絶命させやすい方法をとったのだ 「どぼじでごんなごどずるのおおおおおおおおおおお!? どぼじでまでぃざどがわいいおじびじゃんをごろじじゃっだのおおおおおお!!? おじびじゃんをづぐらぜだのはおねーざんでしょおおおおおおおおおおおおお!!」 「うぅ・・・ それは・・・」 「でいぶだぢだっていきでるんだよ! かけがえのないたったひとつのいのちなんだよ! ぞれなのに!どぼじでごんなひどいごどでぎるの!? おがじいよ!!まじがっでるよ!! おでーざんだって、がわいいがらおじびじゃんをづぐらぜだんでしょ!? かわいいおじびじゃんどゆっぐぢぢだがっだがら ごはんをむーじゃむじゃざせでぐれだんでじょ!? みんなみんなでいぶのだいぜづながぞぐだったんだよ! いのちだっだんだよ!!! ぞれをおなががずいだらむーじゃむじゃするなんでまちがっでるよおおおおおおおおお!!」 自らの死を悟ったれいむはおねーさんに向かって反論し始めた 命乞いをするよりも、理不尽に奪われてしまった家族の命の重さというものを訴えたかったのだろう れいむの反論はまだ続く 「でいぶだっでいっばいがまんじでぎだんだよ!? おぞどにでだがっだげどがまんじだよ!! くささんのうえでおじびじゃんどいっじょに おひるねしたりおうだをうだっだりじだがっだよ!! でぼ、おでーざんがゆるじでぐれながっだがら がんばっでがまんしたでしょおおおおおおお!? おじびじゃんどもっどあぞびだがっだのに べんぎょうずるっでいっであぞばぜでぐれながっだよねぇ!? でいぶにはやりだいごどがだぐっざん!あっだよ! もっどもっどゆっぐぢぢだがっだよ! でぼまでぃざもおじびじゃんぼおでーざんがむーじゃむじゃしじゃっだよ! もうなんじぼでぎないよおおおおおおお! ゆっぐぢでぎないよおおおおおおおおおお!」 そう、れいむは今まで沢山我慢してきたのだ お外にでてまりさと一緒に楽しく遊ぶおちびちゃん達を見ていたかった 草さんの上で一家そろってお昼寝したり、のーびのびしてみたかった かけっこをして元気いっぱいに遊ぶまりさのおちびちゃんが見たかった 楽しそうにお踊りを踊りながら歌うれいむのおちびちゃんの歌が聞きたかった それらは全て叶わずに、目の前に突き付けられたれたのは刃のように冷徹で残酷な現実だった 「おでーざんばでいぶのゆんぜいをだいっなし!にじだぜぎっにん!をどっでね! しゃざいどばいしょうをせいぎゅうずるよ!!! あまあまだぐざんどころじゃゆるざないがらね!? ぜぎにんどっでぎむをはだぜえええええええええええええええ!!!」 「・・・さいよ」 「ゆうううううううううう!? ぎごえないよ!? もっどはっぎりしゃべっでね!! あやまるんだったらどげざしでね!! おでこざんをゆがにこすり『うるさいよ!!!』ゆううううう!?」 「さっきから聞いてたらなんなの!! そんなこといってたら商売になんないでしょ!!」 「ゆぎいいいいいいいいい!? ぎゃくぎれするなあああああああああああ!!」 「こっちは商売でやってるんだよ!! あんたをゆっくりさせるためのボランティアじゃないんだよ!! 命? かけがえのない!? 大切な命!? なにそれ?おいしいの? 人間はあんたらゆっくりだけじゃなくて全ての生き物の命をもてあそぶようなゲスなんだよおオオお! 犬や猫なんて可愛がってても簡単に捨てて毒殺するし! 牛や豚なんて食う為に無理やり太らせてバラバラにしちゃう! 人間のじゃまなら徹底的に絶滅するまでいぢめる、殺す! 遺伝子だって都合よく組み替えるようなゲスだよおオオおお! ゆっくりだって例外じゃないんだよ! 人間の言うこと聞かない悪い子は加工所で潰しちゃうんだよ!」 「ゆがあああああああ!!! でいぶはわるいごじゃないいいいいいいい!!! じゃんどにんげんさんのいっでだごどはまもっでだよおおおおおおおおおおお!!! でぼ、おぞどでゆっぐぢする“るーるさん”じがおぞわっでないのに おうちにとじこめたのはおまえだああああああああああああああああああああ!!!」 「そんなのしらないよ!? 私が買ったんだから私の言うこと聞くでしょ普通!」 「なにぞれええええええええええええ!? ぞんだのむじゃぐじゃだよおおおおおおおおおおおお!!」 ついに開き直ったおねーさん れいむは反論の余地を失いぱちゅりーに助けを求めた 「ばぢゅりいいいいいいいい!!! だずげでよ! おなじゆっぐぢでじょおおおおお!? かけがえのないいのちをまもっでよおおおおおおおおおおおおおお!!!」 「むきゅん・・・ あなたが“かけがえのないいのち”なんていってもうすっぺらくきこえるだけよ ゆっくりあきれめて、おいきなさい」 「ゆぎゃあああああああああ!!! おじびじゃ! でいぶをだずげろゆっぐぢざぜろおおお!」 「ゆひいいいい! むりなのじぇ! まりしゃはひちょりでゆっくちしゅりゅかりゃ、おきゃあしゃんなんちぇしらにゃいよ!」 「ゆがああああああああああ!!! ふざけるなあああああああああああ!」 最愛のおちびちゃんにも見捨てられ怒りが沸点に達したれいむ こめかみのあたりからは餡子が噴出しており、穏やかではない 「こうなったのも全部私のせいだから! ごめんね!れいむちゃん!」 「ゆがああああああああああああああ! やべろおおおおおおおおおおおおおおおお!」 れいむに向かって真っすぐに包丁を振り下ろす 眉間の辺りに突き刺さり、そのままあんよへと貫通した しかし中枢餡は無事だったのか、れいむは包丁に貫かれたまま生きていた 「ゆぎょおおおおおおおお?! なにごで!?どぼなっでるのおおおおおおおお!? いぢゃい!いぢゃい!いぢゃいいいい! でいぶのおがおが! でいぶのおおおおおお!!! ごおごおおおおおお! でいぶのおがおおおおお! でいぶのでいぶのおおおおおおおお!?」 「ひいいいいいいいい! ぱちゅりー!? これどうすればいいの!? 助けてよ!!!」 「むきゅううううううううう!? そんなのしらないわ! おねーさんがなんとかしてちょうだい!!」 「ゆんやああああああああ!!! おぎゃあじゃああああああああああああ!!!」 完全にパニックったおねーさん れいむのあんよにかぶりつく 「えーい!ままよ!がぶり! むじゃああああむじゃあああ! もぎゅもぎゅううううううう!」 「ゆぎいいいいいいいいい!? ゆぐぢいいいいいいいいいいいいいい!!」 「むぎゃあああああ!?おねーざん!? おじづいでね!? あぶないわよ!?」 頭に血が上ったおねーさん 暴れるれいむを食い続ける 「ガツガツ!むしゃむしゃ! ・・・うっ おげええええええええええええええええええ!!!」 「お、おでええええええええざああああああああああ・・・うっっぷ!エレエレエレエレ!」 胃が限界に達したのかついに中身を吐き出してしまった それをみてもらいゲロをするぱちゅりー ピンポーン! タイミング悪く来客を知らせるベルが鳴る 正常な判断ができないおねーさん 包丁片手にドアを開ける 「ちょっと!!! さっきから五月蠅いんですけど、いいかげんに・・・・ってなにそれ」 「ごめんなさい・・・ ごめんなさいいいいいいいいいいいいい!!!」 「でいぶを!! でいぶをだずげでぐだざいいいい!! おでがいじば・・・ゆげえええええええ! ゆごごごごげべっげべっげべええええええええええ!! ・・・・・ガクッ」 「エレエレエレエレ・・・ おでーざんぼゆどぅじであげべぐばばび・・・」 抗議に来たお隣に住んでいる女性の住人はおねーさんの姿をみて絶句した 洋服はこげ茶色の嘔吐物でぐちゃぐちゃに汚れ、血走った眼で包丁を掲げるおねーさん 包丁に突き刺さったまま助けを求めてながらタイミング良く絶命したゆっくりれいむ 脇に抱えたられたゆっくりぱちゅりーは白く泡立った中身を吐きだしている 「ひいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!」 苦情を言いに来た女性は何も言わないで帰って行ってしまった おねーさんはボー然と立ちつくしてその場で失禁した 24 「・・・こんなふうにガラスさんを割ったりしたら破片であんよが切れちゃうんだよー! みんなわかったかなー?」 「「「「「ゆっくちりかいしちゃよ!」」」」」 「それじゃあみんな! ぱちぇといっしょにふっくっしょう!しましょう!」 「「「「「はーい!」」」」」 一週間後、そこには元気に赤ゆっくりに授業をするおねーさんとぱちゅりーの姿が! なんとかあの後正気を取り戻したおねーさんはぱちゅりーを介抱して一命を取り留めることに成功した そもそもどうしてあんな酷いことをしてしまったのか、自分でもよくわからない 最初からぱちゅりーの言うとおりラムネを使っておけばよかったと思うが既に過ぎたことだ 後悔してもおそい 「それじゃあいいこにべんきょうしたこにはごほうびのあまあまをあげましょう!」 「「「「「あみゃあみゃ!あみゃあみゃ!」」」」」 「みんなひとりふたつづつだからねー! なかよくわけてねー!」 「「「「「ゆっくちりかいしちゃよ!」」」」」 現在、おねーさんの部屋にはれいむ種、まりさ種の他に ありす種ぱちゅりー種みょん種などの他の種族などもおり計五匹がおねーさんとぱちゅりーの授業を受けている 種類がバラバラなのは、同じ種族より違う種族を一緒に育てた方が教育しやすいとネットで知ったからだ 完全に和解した二人はそれぞれの持ち味を生かして、解りやすく覚えやすい授業を行っている 努力の甲斐あってか順調に教育は進んでいるようだ このままいけば金は無理でも銀バッチならとれるかもしれない 「ゆがああああああああああ! そのあばあばはまりざのなのぜ! ごっじによごぜええええええ!」 あまあまを貰う為にぱちゅりーの前に並んでいた赤ゆっくりの列に、一匹の子まりさが割り込んできた 例の問題児、癇癪まりさである 「よごぜええええええ! ばでぃざにあばあばをよごぜえええええ! ぜんぶだああああああ!」 「みんな! みてちょーだい! こんなふうにじぶんだけゆっくりしようとするゆっくりはゆっくりできるかしら?」 「ゆっくちできないよ! おなじまりしゃとしちぇはぢゅかしーよ!」 「れいみゅもこんなまりしゃとなんかいっしょにゆっくちしちゃくないよ!」 「きょれはひぢょい・・・なんちぇいにゃかもにょなにょかしりゃ!」 「むきゅぅ・・・ これがげしゅなのにぇ・・・」 「はぢをしるちょいいみょん!」 「そうだね! 自分勝手なわがままな子はお仕置きだね!」 おねーさんは癇癪まりさを持ち上げると、透明の平たい物を取り出した いびつに角ばった先端が鋭く光る 「これはさっきお話ししたガラスさんが割れたものです。 これであんよをひっかくと・・・」 「ゆぎぃ!? までぃぢゃのしゅんしょくのあんよしゃんがああああああああ!」 「あんよが傷ついてなかの餡子が漏れちゃいまーす!」 「「「「「ゆっくちりかいしちゃよ!」」」」」」 癇癪まりさは赤ゆっくりの教育道具として一役飼っていた 授業を妨害したりあまあまを奪おうと襲い掛かってくるがその度に返り討ちにあう ある時はライターで髪の毛を燃やされ、ある時は辞書を頭におとされて・・・ と、襲い掛かる度に授業の実験材料にされてしまうのだ 本ゆんは本気で妨害しているつもりだが、むしろ赤ゆの教育に役立っているので感謝したいくらいだ 「はーい! あまあまを食べたらおひるねしてゆっくりしようねー!」 「「「「「ゆわーい!」」」」」 「ゆがああああああ! いぢゃいいいいいい!」 喚く癇癪まりさは放っておいてお昼寝の準備をする 致命傷ではないので後で治療すればまた元気にゲスいセリフを吐くだろう これからも長い間、教材として頑張ってもらわなければならないのだからこれくらいで死なれては困る おねーさんはゆっくりの扱いにだいぶ慣れてきたようだ 「ねぇ、ぱちゅりー?」 「むきゅん? なにかしらおねーさん」 赤ゆっくりを寝かして、癇癪まりさを治療し終えたおねーさんは小さい声でぱちゅりーに呼びかけた 「これから行きたいところがあるんだけど一緒について来てもらえる?」 25 「次の方、どうぞ」 「・・・お兄ちゃん?」 やって来たのはゆっくりクリニック おねーさんはぱちゅりーの健康診断という名目で兄に会いに来たのだ 「全く・・・私用で顔を出すのはやめろって言っただろ」 「今日はぱちゅりーの健康診断ってことで来てるからいいでしょ でね、お兄ちゃん・・・ついでにお礼を言いに来たんだけど」 「悪いが今は勤務中だ。 プライベートなことは後にしてくれ」 「はぁ・・・相変わらず融通利かないんだね・・・まぁ、いいや ぱちゅりーのことありがとね。 おかげでうまくやれそうだよ」 「そうか・・・ とりあえずその書類に目を通しておいてくれ 俺は内容物の採取の準備をしてくるから、その間にこれをなめさせておいてくれ」 「これは?」 「ラムネだ。 ゆっくりに舐めさせると『眠気を催してぐっすりと眠ってしまいます』・・・・」 「でしょ? お兄ちゃん」 「・・・・知ってたのか。 書類読んでおけよ」 兄はそう言って奥へと行ってしまった 「むきゅう・・・もうちょっとすなおにおはなしすればいいのにね」 「しかたないよ・・・昔っからああだもん」 「むきゅぅ? そうなの?」 「人前だとあんな風に他人みたいな話し方しかしてくれなかったんだ・・・ あの態度が好きになれなくて、気まずかったからあんまり近くに寄らないようにしてたんだよ ホントはもっと仲良くしたかったんだけどね」 人前では他人行儀な態度をとる兄 そのくせ、家で二人っきりの時はふざけた態度で接してくる それは交通事故で両親が死んで家族が二人っきりになっても変わらなかった そんな兄と関わるのが嫌になって自然と距離を置いて行くようになった 思えばこのことを誰かに話したのは初めてかもしれない 兄のことを誰かに相談するのは気が引けた したとしても悪口ばっかり言って素直に思っていたことは話せなかっただろう もしかしたらゆっくりのぱちゅりーだからこそ正直に話せたのかもしれない 「おにーさんはおねーさんにきらわれるのがこわかったのよ、きっと」 「え? 嫌われたくなかったら普通はもっと仲良くしてくれてもいいんじゃないの?」 「むきゅん! すかれたいひとにはなかなかすなおになれないものよ! とくに、ほかのひとのまえではね」 「え? よく解らないんだけどどういうことなの?」 「せけんていというやつもあったんじゃない? おねーさんとちがってえりーとさんみたいだし」 「ねぇ・・・それってどういう意味なのかな?」 「むきゃ! ぱちぇはおもったことをいったまでよ!」 「・・・・・・読み終わったか?」 兄が戻って来た ずれたメガネを左手の中指と人差し指で直している 「あ・・・ごめんなさい。 まだです」 「なら早くしろ。 気になることがあれば書いておけ こいつには向こうでラムネを舐めさせておく」 「うん、わかった・・・お兄ちゃん?」 「・・・・・」 「ホントにありがとね」 「・・・・・」 「・・・・・」 「・・・一つだけアドバイスだ」 「・・・何?」 「命は大切にな」 兄はそう言うとぱちゅりーを抱えて行ってしまった 「むきゅん・・・やっぱりすなおじゃないのね」 ぱちゅりーがぼそりと呟いた 終 あとがき ここまで読んでいただいてありがとうございます 本当なら前後篇で二分するはずだったんですが 気付いたら三分割になってしまいました・・・すみません 今回はブリーダーものということで 人間による身勝手な命の価値基準というのがテーマでした 当初はオチをゆっくり一家の自滅にしようとしたんですけど 書いているうちに・・・どうしてこうなった というわけでここまでお付き合いいただきありがとうございます 次回からはなるべく短めにまとめて行こうと思っています では 書いたもの anko2410 さくのなかとそと anko2428 はんせいしてますごめんなさい anko2441 ありすはありす anko2469 にくたいげんご
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『いのちはたいせつ 前篇』 36KB 虐待 日常模様 妊娠 家出 共食い 番い 飼いゆ 野良ゆ 姉妹 赤ゆ 子ゆ ゲス ペットショップ 現代 愛護人間 虐待人間 独自設定 うんしー なかとそとの人です はじめに この作品は・・・ 人間が迷惑行為に及ぶシーンがあります 通常種のみ登場します 三部構成のため非常に長いです 虐待が行われるのは中編の終盤からです 以上の点に注意してお読みになるようお願いします 1 家賃月四万五千円 キッチンとユニットバスつきの賃貸マンション 居住スペースとなる場所には柵やゆっくりハウスなどが置かれ手狭になっている その中で一人の女性が腰に手を当て「よし」とつぶやいた 彼女はこれからゆっくりブリーダーとしての第一歩を歩もうとしているのだ この世界に突如として現れた不思議生物ゆっくり 我が国にしか存在しないこの奇想天外な生き物は世界中が注目している いまやゆっくりペット業界の需要はウナギ登り その勢いはとどまることを知らない そんな状況なら一攫千金あてようと新規参入する人がいるわけで おねーさんもそんな中の一人だった 彼女は人語を喋り、中身がお菓子でできたゆっくりが大好きだった 笑顔が素敵なれいむ、元気なまりさ、都会派なありす、森の賢者ぱちゅりー・・・ ゆっくりたちの微笑む顔を思い出すだけで小一時間は夢想にふけることができる ゆっくりの一家が駅前の広場などでお歌を歌っていると、ついコンビニで買ったお菓子を差し出してしまう あまり褒められた行動ではないとわかってはいるが本能で動いてしまうのだ もし、ゆっくり達と共に暮らしておかねが稼げればこんなに幸せなことはない こつこつとアルバイトをしてためたお金で飼育設備を整え 図書館やネットで必要な情報を集めた やることはすべてやった。 準備は万端。 何か不穏なフラグが立っているような気がするが これから始まるのは悲劇や喜劇なのではなく、偉大なサクセスストーリーなのだ と、少なくとも彼女はそう思っている 「さぁてっと・・・ さっそくれいむとまりさに起きてもらうかな」 おねーさんが目をやった先には、密封されたプラスチックケース 中にはコールドスリープさせられているれいむ種とまりさ種が一匹ずつ入っている これから繁殖させるために加工所で買ってきた物だ 「じゃあ・・・ れいむ、まりさ・・・ゆっくり『ピンポーン!』・・・はぁ・・・なんなのよ、もう」 箱を開けようとした途端、チャイムがけたたましく鳴り響いた 軽く出鼻をくじかれたような気分だ 『ピーンポン!ピンポン!ピーンポーン!』 「はいはい、いまでますよ~」 何度もしつこく鳴らされる呼び出し音に若干イライラしながら、一抹の不安が頭をもたげる せっかくこんな大切な時に一体何の用だろう 宗教や新聞の勧誘だったらいやだな 重い気持ちで扉を開けた 「よぉ! おっす、おらお兄さん! 元気にや『バタン!』・・・」 あの黒ぶち眼鏡・・・間違いない、兄だ 最悪だ、せっかくの船出が台無しだ 自転車で日本一周しようと出かけた瞬間、家の目の前でトラックに轢かれたような気分だ ドンドンドンドン! ドンドンドンドン! 奴はしつこく扉をノックする 近隣の住民に迷惑がかかる前にさっさと追い返そう 毅然とした態度で臨めば追い返せるはずだ、多分 「さっさとかえれや! このうじむしげじげじまだらうんこ野郎!」 「むきゅん、 なんてげひんなにんげんさんなのかしら・・・」 「こんなんでも俺の妹なんだ。 勘弁してやってくれ」 へらへらと笑っている兄の腕の中には、憮然とした表情でこちらを見ている金バッチをつけた一匹のパチュリーがいた 2 「せっかく可愛い妹を心配して実の兄が訪ねてきたというのに、お前ってやつは・・・」 「余計なお世話です。 さっさと帰ってください」 「おいおい、兄弟なのに敬語はよそうぜ。 まるで他人みたいじゃないか」 「ええ、他人ですのでなるべく早くお引き取りお願いします」 「ははは、こやつめ。 ツンデレというものがまるで分かっておらぬ」 「むきゅん・・・なんなのかしら、このちゃばん」 飼育設備で狭くなった部屋の隅っこで小さくまとまり紅茶をすする二人と一匹 彼女にとって最も忌むべき存在であり、唯一の家族である兄は一向に帰る気配はない 長々と下らなことを喋って居座る気満々である 「お願いですから帰ってください。 帰らないのなら私が出て行きます」 「まぁまぁ、そう熱くなるなって。 これからブリーダーとしての人生を歩もうとするお前に素敵なプレゼントを持って来たんだからよ」 「要りません。 帰ってください」 「いや、帰らないね。 お前がプレゼントを受け取るまで帰らないね」 「・・・はぁ。 そのプレゼントっていうのはなんなんですか?」 「そこのぱちゅりーだよ」 「・・・え?」 眉間にしわを寄せてパチュリーの方を向く ぱちゅりーは二人のやり取りなど全く意に介せずとでも言うかのように、紅茶の香りを楽しんでいる 「だから、そのぱちゅりーをお前にやるって言ったんだよ」 「・・・要りま『だまれ』・・・はぁ!?」 「このまま放っておいたらお前は絶対に失敗する。 そうならないための保険だ、保険」 「ふざけんなっ!!! なんでやるまえから失敗するとか決めつけてんの!?」 「まぁ、だてにお前の兄貴やってるわけじゃないけんね。 どうなるかくらい解るわボケ」 「帰ってよ! もうあんたの顔なんて見たくないんだよ!」 兄からの心ない言葉に思わず声を荒げる 胸の奥が何かで締め付けられるように苦しい 「勘違いしてるみたいだから一つ言っておく これはお前の為じゃなくてこれから生まれてくる赤ゆっくりの為だ」 「・・・・・何が言いたいの?」 「早い話、お前に育てられた赤ゆっくりは直ぐにゲス化して売り物にならなくなるってことだ 売り物にならなくなったゆっくりの末路はお前もしってるだろ? 加工場で食品やゆっくりフードに加工されてぐしゃぐしゃにされちゃうんだぞ! 命はたいs『ばちゃ!』あっっっっっっづううううううう!!!」 おねーさんは紅茶の入ったティーカップを投げつけた 茶色い半透明の液体が顔面にぶちまけられ、兄は両目を抑えてのた打ち回った 「おめめが! おめめがあじゅいいいいいいいいいいいい!」 「もういいでしょ!? さっさと帰ってよこのバカ兄貴!!!」 「うわあああああん! もうこねえよおおおおおお!」 泣きながら逃げてゆく兄を見送るおねーさん 上がっていたテンションは急降下し暗くどんよりとした気分になってしまった 「まったくすなおじゃないのね」 紅茶を飲み終えたぱちゅりーがぼそりと呟いた 3 「いい? あなたはそこでじっとしててね」 「・・・ゆっくりりかいしたわ」 「あのバカになに吹き込まれたかしらないけど、勝手なことしないでね」 「・・・むきゅん。 まるでしんようされていない」 兄の置いて行ったぱちゅりーに念を押してれいむとまりさの入っているケースに手をかける 思わぬ邪魔が入ったが、これでようやく出発することが出きる 深呼吸して気持ちを落ち着けて、プラスチックケースの封をといた プシューーーーーーー!!! 中から勢いよく冷気が噴出して冷たい空気が両手に降り注ぐ 「ゆっくりしていってね!」 おねーさんは蓋をあけると不自然に微笑みながら言った 返事はない 「おねーさん・・・いいにくいのだけれど、こーるどすりーぷしてたゆっくりはすぐにはあいさつできないのよ」 「・・・そ、それくらしってるもん。 ちょっとふざけただけだもん」 ぱちゅりーに指摘されそっぽを向くおねーさん 前途は多難である 「ねぇ、この子たちどれくらいで目が覚めるの?」 「しばらくようすをみるひつようがあるわね。 って、ちょっとそのはこみせてもらってもいいかしら?」 「え? ・・・別にいいけど」 不意にぱちゅりーに尋ねられ、言われるがまま空になった箱を差し出す ぱちゅりーは箱に書いてあるロゴや説明文を目を細めて読んでいく 「むきゅ・・・ こ、これはひどい・・・」 「・・・え? どうしたの?」 「これにわがいようゆっくりじゃない! なんでこんなのえらんじゃったの!?」 「ええ!? 駄目だったの?」 「だめにきまってるでしょ! こんなせまいおうちのなかでにわがいようなんてそだてたら じゅっちゅうはっく、すとれすさんでげすかするわ!」 「ウソでしょ!?」 「ぱちぇはうそなんてついてないわ! それにしてもどうしてにわがいようなんてえらんだの!?」 「だって・・・ 元気そうで育てがいがあると思ったから・・・」 「むきゅぅ・・・ あたまがいたいわ・・・ まさかここまであんこのうなんてそうていのはんいがいよ・・・」 おねーさんは室内飼い用ではなく庭飼い用ゆっくりを選んでしまっていた 理由は先ほど自分の口で述べたとおり 庭飼い用は気温や天候の変化に耐性があり、外での環境に適応している しかし、自由に駆け回ることのできない室内ではストレスが溜まりゲス化しやすいのだ おねーさんは準備を始めているその時点ですでにフラグを立ててしまっていたのである 「ぱちぇがいなかったらこのことにきづきもしなかったでしょうね・・・」 「・・・はい。 すみません」 おねーさんは正座をしてぱちゅりーの小言を聞く 二人の間の力関係はすっかり逆転してしまっていた 4 「「ゆっくりしていってね!!!」」 「私が飼い主のおねーさんよ! ゆっくりしていってね!」 「むきゅん、ぱちぇはぱちぇよ。 ゆっくりしていってね」 目を覚ましたれいむとまりさがお決まりの挨拶をした 笑顔で挨拶を返すおねーさん とりあえず形だけの挨拶で済ますぱちゅりー 既に二人の間には温度差が生じていた れいむとまりさは挨拶をすますと辺りをきょーろきょろと見渡しはじめた しばらくして探しているものが見つからないのか、不安な顔でおねーさんに尋ねた 「ゆぅ・・・ ここはどこなの? くささんもはなさんもはえてないよ?」 「なんだかゆっくりできないよぉ・・・ れいむたちはどこにいればいいの?」 先ほどぱちゅりーが指摘したとおり、二匹は早速この住環境に不安を抱き始めたようだ おねーさんはあわてて説明する 「ご、ごめんね! おねーさんのお家は狭くて二人にはここで生活してもらうことになるの・・・」 「ゆうううう!? じゃあくささんのうえでおひるねも、ぴょんぴょんもできないのぉ!?」 「ゆんやあああああ! こんなせまいところじゃゆっくりできないよおおおおお!!」 「ああ、もぅ・・・ ほんとに、ごめんね・・・ ごめんね」 「・・・むきゅん。 ちょっといいかしら」 泣き出しそうな二匹を前にうろたえてばかりで何もできないおねーさん その間にぱちゅりーが割って入った 「れいむ、まりさ。 よくきいてね。 さいきんれみりゃがひんっぱん!にもくげきされるようになったわ もしおそとでせいかつしてたられみりゃにみつかって、すぐにむーしゃむしゃされてしまうの だからこれはしかたのないそちなのよ。 ゆっくりりかいしてね」 「ゆぅ・・・ れみりゃのせいならしかたないね・・・」 「ゆっくりりかいしたよ・・・ れいむもしにたくないからぱちゅりーのいうとおりにするよ」 なんということでしょう・・・ ぱちゅりーのでまかせをすっかり信じ込んでしまったではありませんか これにはおねーさんも大喜び 「よかったぁー! これで一安心だね! じゃあれいむちゃんとまりさちゃん! さっそくすっきりーしようか!」 「・・・・・・・は?」 「お、おねーさん?なにいってるの? まりさはりかいふのうだよ?」 「ゆぅ? ねえねぇぱちゅりー・・・このにんげんさんあんこのうなの?」 目が点になる三匹 ゆっくり達とは対照的におねーさんは自信満々だ 「だってすっきりーしたらおちびちゃんができるんだよ!? おちびちゃんはゆっくりできるんだよ! 皆知ってるでしょ?」 「むぎゅぅ・・・だめだわこのひと、はやくなんとかしないと・・・」 まるでどこぞのしんぐるまざーのような言い分に呆れかえるぱちゅりー れいむもまりさもドン引きである 「まりさはまだれいむとはしりあったばかりだからすっきりーするつもりはないよ」 「れいむもだよ。 しらないゆっくりとすっきりするなんてやりまむびっちさんだよ」 「・・・え? 二人とも初対面なの?」 「・・・そういうもんだいじゃねーから」 ぱちゅりーはゆっくりらしからぬ物言いで突っ込みを入れた 5 それから数日後 ぱちゅりーの助言もあり何とかれいむとまりさを仲良くさせることに成功したおねーさん れいむの額に生えた茎には五匹の実ゆっくりが安らかな笑みを浮かべて鈴なりになっている まるまると大きく肥えた実ゆは、ふるふると震え今まさに生まれようとしているのだ 「ゆーん! とってもゆっくりしたおちびちゃんだねー! まりさはまちきれないよぉ!」 「おちびちゃんたちゆっくりしないではやくうまれてね! うまれたられいむがおうたをうたってあげるよ!」 「うふふふふ、そんなに急かさないの!」 和気あいあいと盛り上がるれいむとまりさとおねーさん ぱちゅりーは少し離れておねーさんのことを冷めた目で見ていた 「ねぇ、おねえさん。 ちょっといいかしら」 「ん? なぁにぱちゅりー?」 「ひとつちゅうこくしておくわ。 このままいったらあのにひきもうまれてきたおちびちゃんもまちがいなくげすになるわ」 「なんでわかるの? まだ生まれてもいないじゃない」 ぱちゅりーは真剣に話したが、有頂天になっているおねーさんは聞く耳を持たない 「うまれてなくてもわかるわ! おねーさんもあのふたゆもきっとおちびちゃんをあまやかすわ!」 「そんなこと言われても・・・ どうしてそんな自信満々に断定できるの?」 「おねーさんをみてたらだんってい!できるわ! いままでしてきたことをおもいだしてみなさい!」 「そんな怒らないでよォ・・・」 今までおねーさんがしてきたこと・・・ ご飯が足りないと言われればゆっくりフードを山のように盛って与え 柵が邪魔だと言われれば部屋を自由に行き来できるように撤去し お家が狭いと言われれば新しいお家を買って与える・・・ 「なにも間違ったことはしてないとおもうけど・・・」 「むぎゅうううううう! あたまがわれそうにいたいわ・・・ と・に・か・く!!! あたらしくうまれたおちびちゃんはぱちぇがきょうっいく!するからそのつもりで」 「ええええ! ぱちゅりーが先生してくれるのぉ!?」 「そのつもりよ。 おねーさんじゃまともなことなにひとつおしえられそうにないからね」 「ありがとおおおお! ぱちゅりーって実はとってもいい子だったんだね!」 「・・・・・・」 「ゆぅぅぅぅ! うまれるよ! おちびちゃんたちうまれるよ!」 「はやくうううう! れいむのかわいいおちびちゃん!」 話をしているといつの間にか出産の時を迎えたおちびちゃん達 茎の一番先に実っていた赤まりさがぶるるっと震えると、床に敷いていたまりさのお帽子の上にぽとりと落ちた 「ゆっくちしちぇいっちぇにぇ!」 「「ゆっくりしていってね!」」 「ゆっくりしていってね! ほらほら、ぱちゅりー! とっても可愛いよ!」 「むきゅ? はいはい、ゆっくりゆっくり」 「にゃんぢゃかこにょぱちゅりーゆっくちしちぇにゃいにぇ!」 「・・・・・・」 こんな調子で次々と順調に生まれ、まりさ種三匹れいむ種二匹の計五匹が無事に誕生した 「おにゃかしゅいちゃよおお! むーちゃむちゃしちゃいよおお!」 「おちびちゃんたちはこれをたべてね!」 れいむが額に生えていた茎を引き抜いておちびちゃん達に与える 茎を前にした赤ゆっくり達は大きく口を開けて茎を食べ始めた 「「「「「むーちゃ!むーちゃ! ちあわちぇー!!!」」」」」 食べながらしあわせーと叫び食べかすをまき散らしている そんな赤ゆ達をぱちゅりーはすかさず注意した 「おちびちゃんたち・・・ ごはんをたべるときはのみこんでからしあわせーするのよ じゃないとたべっかすがおっこちてにんげんさんがゆっくりできなくなるわ」 「ゆゆ!? なにいってるの!? しあわせーはゆっくりできるんだよ! そんなこともしらないの!?」 「ぱちゅりーはだまっててね! れいむのおちびちゃんたちはゆっくりしてるんだよ!」 ぱちゅりーの指摘に食ってかかる両親達 ここで譲歩してしまったらずるずるとよくない方向へと向かって行ってしまう 二対一にもかかわらず、ぱちゅりーは負けじと両親達を睨みるつけた お互いににらみ合ったまま動かず一触即発の空気が張り詰める 「ぱちゅりー・・・ 今日は生まれたばっかりだから大目に見てあげてね」 「そう・・・ おねえさんはそれでいいのね」 おねーさんが優しく語りかけると、ぱちゅりーはため息をついて両親達から視線をそらした 6 「それじゃあいまいったことをふくっしょう!してみてちょうだい」 「まりしゃはにんげんしゃんをゆっくちさせましゅ!」 「れいみゅはおちょくじちゅうにしあわせーしません!」 「まりちゃはかっちぇにおしょちょにでましぇん!」 「れいみゅはにんげんしゃんがゆるちちぇくれりゅまぢぇ、しゅっきりーしましぇん!」 「・・・まりしゃはにんげんしゃんのいうこちょをきくのじぇ」 ぱちゅりーの授業を受ける赤ゆ達は何度も同じことを復唱させられていた こうすることで、餡子に人間さんとの付き合い方やルールを記憶させて行くのだ やる気のない子にはぱちゅりーから厳しい喝が入れられる 「まりさ! やるきないの!? ちゃんとおおきなこえでいいなさい」 「ゆぅ!? まりしゃはにんげんしゃんのいうこちょをきくのじぇ!」 「それでいいのよ。 さぁ、おちびちゃんたちあとじゅっかいふくっしょう!するわよ」 「「「「「ゆえええええええ!?」」」」」 多少厳しすぎるような気もするが、こうでもしないと社会性というものは身につかない 経験上ぱちゅりーはそのことを知っていた 「ゆうううううう! どうしてまりさのおちびちゃんたちがこんなことしなくちゃいけないのおおおおお!?」 「もっとゆっくりさせてあげてよおおおお! おちびちゃんがかわいそうだよおおおおおおお!!」 柵の中に入れられた両親達はそのやり取りを見て文句を言っている 庭飼い用だったため、お家の中での生活の仕方を教わって来なかった親ゆっくりは 赤ゆ達が受けさせられているぱちゅりーの授業が心底不満でしょうがなかった どうしてこんなにゆっくりできないことを可愛いおちびちゃんにさせるのだろう ぱちゅりーへの不満は直接本ゆんには向かわず、おねーさんへと向けられる 「おねーざん! どぼじでごんなごどずるのおおおおおお!?」 「ごごがらだじでね! おじびじゃんだじどあぞばぜでねえええ!!」 「で、でもぉ・・・ 今はお勉強の時間だから・・・」 授業の邪魔になるからといって両親を柵の中に閉じ込めたのはぱちゅりーの指示によるものだ こうでもしないと授業に乱入して赤ゆ達に好き勝手させてしまうので仕方なくおねーさんはその指示に従っていた 「ごんなのぜんぜんゆっぐじでぎないよおおおおお!」 「おねえざんはれいむだじのごどがぎらいなの!? だがらごんないじわるずるの!?」 「ご、ごめんねぇ・・・ だめなおねーさんでごめんねぇ・・・」 半泣きになりながら必死に訴える親ゆっくり そんな親ゆっくりに、おねーさんはその場しのぎの謝罪を繰り返していた 一方、授業を受けている赤ゆ達にも変化が表れ始める 「やぢゃやぢゃもうやぢゃ! まりしゃ、おべんきょうにゃんきゃしちゃくにゃのじぇ! こんにゃこちょしちぇにゃいぢぇ、おきゃあしゃんにしゅーりしゅりしちぇもりゃうのじぇ!!」 先ほどやる気のなかった赤まりさが駄々をこねて授業を完全に放棄してしまったのだ しかし、ぱちゅりーも甘くはない 毅然とした態度でこう言い放った 「それじゃあ、おちびちゃんはおべんきょうのあとのあまあまはぬきね。 ゆっくりりかいしてね」 「どびょじぢぇじょんにゃごぢょいうにょおおおおおおおおおおおおお!?」 授業の後にはほんのわずかではあるがあまーいお菓子がもらえることになっている これもぱちゅりーの提案で飴と鞭で授業に集中させようと言うのだ パサパサしたゆっくりふーどでは味わうことのないびっくりするようなしあわせー それを一度味わった赤ゆ達は我慢して授業を受けるようになる 「まりしゃもあみゃあみゃしゃんほしいのじぇえええええ!!!」 「それならきちんとおべんきょうすることね。 つぎにわがままいったらあしたもあまあまはおあずけよ」 「ゆぴいいいいいいいいい!? しょんにゃにょないのじぇえええええええ!!」 大慌てで授業に復帰する赤まりさ 何度も何度も狂ったように復唱する 「まりしゃはにんげんしゃんにょいうこちょきくのじぇ! いうこちょきくのじぇ! きくのじぇえええええええ!!!」 「おちびちゃんおちついてね。 ちゃんとしゅうっちゅう!するのよ」 「まりしゃはまりしゃは・・・あばばばばばばばばばばば!!!」 「これではじゅぎょうにならないわね・・・ おねえさん、このこをちょっとあずかっててもらえないかしら・・・」 「う?うん・・・ わかったよ・・・」 赤まりさをクールダウンさせるために、いったんおねーさんに預かってもらい ぱちゅりーは残りの赤ゆっくりに授業を続行する 「ゆわああああああああん! おねえしゃああああああああん! まりしゃはおべんきょうにゃんかしちゃくにゃいにょじぇえええええ!!!」 「でも、そんなこと言ってたら立派な飼いゆっくりになれないよ?」 「しょれにゃりゃあんっしん!しゅりゅのじぇ! まりしゃはいじゅれびっぐになっちぇおねーしゃんをちあわしぇーにしちぇあげりゅのじぇ!」 「へー・・・ 頼もしいじゃん。 期待してるよー」 「おおいにきたいしちぇるちょいいのじぇ! おねーしゃんしゅーりしゅり」 調子に乗った赤まりさはおねーさんの指にすーりすりをした その表情はとてもゆっくりしており、他の赤ゆ達はじっとおねーさんを見つめて授業どころではなくなってしまった 「む、むきゅん! おねーさん・・・ そのことあそんでたらほかのこまでしゅうちゅうできなくなってしまうわ あそぶんだったらどこかみえないばしょでしてちょーだい」 「あ、ごめんねー! 可愛いかったからつい・・・」 「つい、じゃないでしょおおおおおおおお! やるきあるのおおおおおおお!?」 「そんなに怒らないでよ。 私だって悪気があってやったわけじゃないし・・・」 「おねーしゃんをこまりゃせりゅなあああ! ぷきゅー!!!」 おねーさんの手のひらの上でぷきゅーをしてぱちゅりーを威嚇する赤まりさ ぱちゅりーはやれやれとかぶりを振って残りの赤ゆに宣言した 「きょうのおべんきょうはおしまいにしましょう。 いまからあまあまさんをくばるわ! もちろん、おねーさんとあそんでたわるいこはあまあまさんはおあずけよ!」 「「「「ゆわーい!」」」」 「ゆぴいいいいいいいいいい! まりしゃにょあみゃあみゃあああああああ!」 ぱちゅりーは被っていたお帽子から金平糖を取り出すと、それを二粒づつ赤ゆ達に配っていく 金平糖を口に入れた赤ゆは小さな瞳を輝かせてもみあげやおさげをピコピコさせて喜んでいる お預けを食らった赤まりさは大声で泣きわめきながら右へ左へとのた打ち回って悲しーしーをばら撒いていた 「ゆんやああああああ! まりしゃもあみゃあみゃたべちゃいのじぇええええ!! おねええええしゃああああああああん! あみゃあみゃちょうだいなのじぇええええ!」 赤まりさに同情の視線を向けるおねーさん ぱちゅりーはキッとおねーさんを睨みつけて牽制した 「そんな目で見ないでよォ・・・ 別にお菓子あげたりしないから・・・」 そう言いながらも、おねーさんは泣き喚く赤まりさが気になって仕方なかった 7 「ゆぴいいいいいいい! おねえしゃあああああああん!」 授業放棄であまあまをおあぜけされた赤まりさがおねーさんに泣きつく あれからこの赤まりさは度々授業放棄を繰り返し、その都度ぱちゅりーからお仕置きを受けている お仕置きといっても、貧弱なぱちゅりーのもみあげであんよをペンペンするくらいだったのでそれほど痛い訳ではないのだが・・・ 無論、あまあまもおあずけされ毎日のように姉妹たちがおいしそうにあまあまを口にする様子をおさげを咥えて見ていた ストレスでいーらいらした赤まりさは勉強に集中できずに癇癪を起すという悪循環に陥っている そんな赤まりさが逃げ場所に選んだのはやさしいおねーさんだった 「おねーしゃあああん! まりしゃちょしゅーりしゅりしてほしいのじぇええええ!」 「だ、だめだよ・・・ 今は勉強のお時間でしょ?」 「やぢゃやぢゃ! まりしゃはあんにゃちゅまらにゃいこちょしちゃくにゃいのじぇ! しょれよりおねーしゃん、きいてほしいのじぇ! まりしゃはぱちゅりーにいじわりゅしゃれちぇ あみゃあみゃがたべられにゃいにょじぇ・・・」 「うん、でもそれはまりさちゃんがちゃんとお勉強しないからでしょ?」 「まりしゃはがんばっちぇるのじぇ! じぇも・・・まりしゃはおちゅむがよきゅないのじぇ・・・」 「そんなことないと思うよ? まりさちゃんも頑張ればきっと立派な飼いゆっくりになれるよ」 「がんばっちぇるけじょだめなにょじぇ! まりしゃにはむりなのじぇ! ぢゃかりゃおねーしゃん・・・ まりしゃにすこちでいいかりゃあみゃあみゃをわけちぇほしいのじぇ・・・」 「ごめんね、そんなことしたらおねーさんがぱちゅりーに怒られちゃうよ・・・」 「おねーじゃんばばじゅりーのがいぬじでぢょおおおおお!? ぢゃっぢゃりゃにゃんじょがでぎるでじょおおおおお!! はやぎゅあにょげしゅばじゅりーをぜいっざい!するのじぇ!!!」 「なんでそんなこというのよぉ! そんなこと言ってたら立派な飼いゆっくりになれないよ!」 「ゆんやあああああああ! まりしゃもあみゃあみゃたべちゃいいいい! ゆっぐりじだいいいいいい!」 頼りのおねーさんにも見放されヒステリックに喚く赤まりさ 涙をぼろぼろと零しながら失禁して、足元には水たまりができた そんな赤まりさをみて気が気でない親ゆっくりのれいむとまりさ 柵に身体を食いこましてなんとか赤まりさを助けるよう懇願している 「おねーさん! おねがいだからおちびちゃんをゆっくりさせてあげてね!」 「おちびちゃんはとってもゆっくりしたおちびちゃんなんです! だからあまあまをたべさせてあげてね!」 「そんなこといわれてもぉ・・・」 ぱちゅりーの方をちらりと見るおねーさん 視線が合わなくても睨みつけられているような気がしてならない 「ごめんね、皆我慢してお勉強してるからそれはできないんだ・・・」 「「どぼじでぞんなごどいうのおおおおおおおおおおおおおおおおお!?」」 「ゆんやああああああああ! ゆんやああああああああ!」 「いいかげんにしなさい!!! ほかのこがじゅぎょうにしゅうちゅうできないでしょ!」 しびれを切らしたぱちゅりーが大声で一同を怒鳴りつけた 授業を受けていた他の赤ゆ達は、一連の騒動で集中力がとぎれ好き勝手に遊び始めている 「おねーさん、おねがいだからぱちゅりーのあしをひっぱるようなまねはしないでちょーだい」 「ごめんなさい・・・」 「まったく・・・ ぱちぇがひっしにがんばってるのに・・・ それと、こんどからじゅぎょうをうけられないこはかんっぜん!にかくりしてね じゃないとほかのこまでそのこのようになってしまうわ」 「ちょ!? それはちょっと可哀そうだよ! いくらなんでも一人ぼっちにしたらそれこそゲスになっちゃわない!?」 「ほんとうにゆっくりのことなんてひとつもりかいしていないのね・・・ なんでもいうとうりにしてゆっくりさせるのがゆっくりのためになるとおもったらおおまちがいよ」 ぱちゅりーの言葉にカチンときたおねーさん それまで素直に小言を聞いていたが声を荒げて反論する 「何も知らない!? なんでそんなこと解るの!? これでも私だって色々調べて頑張って来たつもりだよ! 何も知らないのはそっちじゃない! 偉そうな口きかないでよ!」 「むきゅううう? がんばってしらべた? いったいなにを!? わらわせるわね! がんばったけっかがこれだよ!!! ぱちぇがいなかったらなにもできないくせに、かたはらいたいわ!」 「もういい!! 私はあんたなんかの力なんて借りない! 私は私一人でやっていく!」 「そう、ならそうすればいいわ・・・ あとでないてこうかいしてもしらないわよ」 「後悔なんてしないもん! あんたみたいな兄貴の言いなりのゲロ饅頭の言うことなんかもう聞きたくない!」 「むぎゃ! ・・・いまのひとことはぱちぇをほんきでおこらせてしまったわ」 ついに仲たがいを起こしてしまった二人 ぱちぇは愛想を尽かしたのかさっさと専用のゆっくりハウスへはいって行ってしまう 残されたおねーさんは肩で息をして顔を真っ赤に染めていた 「しゃっしゅがおねーしゃんなのじぇ! まりしゃはみなおちたのじぇ! これでやっちょゆっくちできるのじぇ! ゆっくちありがちょー!」 傍らでは騒動の引き金になった赤まりさが嬉しそうにはしゃいでいた 8 次の日から赤ゆ達のお勉強はおねーさんがすることになった 徹夜で授業で使う小道具を作っていたので眼もとにはクッキリとクマが浮いている 朝ごはんが終わりゆっくりの一家が一通りゆっくりした後いつものように赤ゆ達を集める 「みんな! 今日からおねーさんがお勉強を教えてあげるから皆あつまってね!」 「・・・ゆぅ? なにいってるの? ばかなの?しぬの?」 「おねーさん、ごはんをむーしゃむしゃしたあとはうんうんたいそうのおじかんだよ?」 「・・・・・・え?」 うんうん体操 それはゆっくり達が溜まった餡子を排泄するためのストレッチ体操のようなものだ ゆっくりは古くなった餡子を排泄して常に新しい餡子で身体を満たすようにしている 便秘などでうんうんができなくなってしまった場合、体調不良を引き起こし場合によっては死に至る 特に赤ゆっくりは身体が小さく餡子の入れ替わるサイクルが早いため便秘の解消は死活問題だ そのため、親ゆっくりは毎日食事をとったあと必ず子供にうんうん体操をさせるのだ おねーさんはこのことは知っていた しかし、親ゆっくりがおちびちゃんにうんうん体操などさせているところを見たことが無い ぱちゅりーが強制的に勉強を始めてうんうん体操をさせなかったためだ 「えっと・・・ じゃあうんうん体操しようか・・・」 「ゆーん! おねーさんははなしがわかるね! ゆっくりできるね!」 「ばかぱちゅりーとはおおちがいだね! あたまがおとうふさんみたいにじゅうっなん!だね!」 そもそもうんうん体操は気温差の激しい野生の環境で行われるもので、室内飼いには必要ない れいむもまりさも庭飼い用だったためにうんうん体操をやりたがっているのだ 「それじゃあおちびちゃんたち! いまからみんなでれいむのまねをしてね!」 「「「「「ゆっくちりかいしちゃよ!!!」」」」」 「あんよをおおきくふ~りふり~ みぎへひだりへふ~りふり~」 「「「「「ふ~りふり~」」」」」 「ちからいっぱいの~びのび~ たか~くたか~くの~びのび~」 「「「「「にょ~びにょび~」」」」」 「あにゃりゅにちからをこ~めこめ~ うんうんさんすっきりー!!!」 「「「「「しゅっきりー!!!」」」」」 もりょりょりょりょブリブリブリん!!! 「ちょ!だめだよ! こんなところでうんうんしないで!」 一斉にうんうんを垂れ流す赤ゆ達 そもそもうんうんを出すための体操なのだから出るものが出るのは当然なわけで・・・ あわててティッシュで排泄物を拾うおねーさんをよそに、赤ゆ達は嬉しそうにはしゃいでいる 「にゃんぢゃかちょっちぇもゆっくちできちゃよ!」 「れいみゅ、うんうんちゃいしょうぢゃーいしゅき!」 「おべんきょうにゃんかよりこっちにょほうがゆっくちできりゅのじぇ!」 「ゆぴぃ・・・ にゃんじゃかまりしゃにぇむくにゃっちぇきちゃよ・・・」 「れいみゅはおなきゃがしゅいちゃよ! あまあまちょうらいにぇ!」 好き勝手騒ぐ赤ゆっくり達 その様子を見て、親ゆっくりのれいむとまりさは満足そうに微笑んでいた 「やっぱりおちびちゃんはこうでなくっちゃ! これでこそゆっくりだよ!」 「つぎはおねーさんにあまあまをもらってむーしゃむしゃしたら、おひるねしてゆっくりしようね」 「待って! まってまって! すとーっぷ!」 既に次の予定を勝手に立てている親におねーさんは必死の思いで待ったをかけた 「あまあまを食べた後お昼寝してゆっくりするって・・・ お勉強はどうするの?」 「ゆゆ!? おねーさんはまりさたちのおちびちゃんをゆっくりさせてくれるんでしょ!?」 「そうだよ! れいむはおねーさんがゆっくりさせてくれるっていうから、おちびちゃんたちをおねーさんいまかせたんだよ!」 「・・・はぁ。 あのね、ゆっくりさせてあげたいけどお勉強はちゃんとやらないとだめなんだよ。 それは理解して頂戴」 「はああああああああ!? おべんきょうはゆっくりできないっていったよね! まりさはなんどもいったよね!?」 「いくらなんでもかんっだい!なれいむもおこるよ! おねーさんはゆっくりはんせいしてね!!!」 勝手にあまあまをもらうだのお昼寝するだののたまいた次は逆切れである これには流石のおねーさんもイラッっときた しかし、ぱちゅりーと喧嘩したてまえ不用意に怒鳴ったりできない 「でもね、このままじゃ飼いゆっくりになれなくなってゆっくりできなくなるんだよ? それでもいいの?」 「なにいってるの? おねーさんがゆっくりさせてくれるんでしょ?」 「れいむのおちびちゃんはおねーさんがせきっにん!をもってゆっくりさせてね。 これはぎむだよ」 「そうだよ、義務だよ。 だからお勉強をして飼いゆっくりになる訓練をするんだよ。 じゃないと・・・」 兄の言った言葉が頭をよぎる お前の育てたゆっくりは飼いゆっくりになれないでゲス化する ゲス化したゆっくりは加工所でぐしゃぐしゃに・・・ 「じゃないとみんな加工所で潰されてぐしゃぐしゃにされちゃうよ! それでもいいの!?」 「はああああああああ?! なんでそうなるのおおおおおおお!?」 「ゆんやああああああああ! かこうじょいやあああああああああ!!」 「お・・・おちょうしゃん?」 「どうしちゃにょ・・・ ゆっくちできにゃいにょ・・・?」 “加工所”という言葉の効果は覿面だった さっきまで勝ち誇った顔で偉そうにしていた親ゆっくりは隅っこでガタガタ震えて失禁している 彼女達はようやく観念しておちびちゃんに授業を受けさせることに同意してくれた さっそく赤ゆっくりを集めて授業を始めるおねーさん ぱちゅりーはそれを冷めた目でみていた 9 「こんなふうに火さんをかってにつかったりしたらゆっくりできなくなるんだよー みんな、ゆっくり理解してね!」 「「「「「ゆっくちりきゃいしちゃよ!」」」」」 おねーさんはスケッチブックで作った紙芝居で赤ゆ達に授業を行っていた これは昨日徹夜で作ったもので、太いマジックペンで縁取りされたゆっくりが色鉛筆で丁寧に塗られている 内容はお家の中で暮らしていた飼いゆっくりがガスコンロを勝手にいじって大けがをしてしまうというものだ 金髪に火が点いたまりさがぽろぽろと泣いている場面で、おねーさんは繰り返し火の危険性を訴えた 赤ゆの方も、何度も繰り返し同じことを復唱させられるぱちゅりーの授業より やさしくわかりやすいおねーさんの授業の方が気に入っているようだ 癇癪をおこして授業放棄していた赤まりさも今回はおとなしく話を聞いている 「どうかな、みんな勝手にお家の中にあるものをいじったりしたらゆっくりできなくなることがわかったかな?」 「ゆっくちりかいしちゃよ! まりしゃはいいこにしちぇゆっくちすりゅよ!」 「れいみゅ、おねーしゃんにょおべんきょうぢゃーいしゅき!」 「ゆわーい! これぢぇあみゃあみゃがたべれるのじぇ! あみゃあみゃあみゃあみゃ!」 これではだめだ・・・ ぱちゅりーは深くため息をついた こんなやり方では赤ゆっくりを教育することはできない 一見、紙芝居を使って生活するためのルールを教えるのはよい方法に見える 事実ぱちゅりーの授業で癇癪を起していた赤まりさは最後までおとなしくしていた しかし、餡子脳のゆっくりへの教育はそう簡単にはいかない ゆっくりは基本的に体内の餡子に記憶を蓄積させる 楽しい思い出も、辛かった時の記憶も同じように記録されるのだが ゆっくりは不要だと中枢餡が判断した記憶のみをうんうんと一緒に排泄してしまうことができるのだ おねーさんの授業のように楽しく解りやすくすれば赤ゆ達は最後まで話をきくだろう だが、餡子に蓄えられた情報は楽しかった記憶のみが残され他は淘汰されてしまう だから赤ゆ達は『おねーさんの授業はゆっくりできる』という記憶は残るが 『ガスコンロは勝手にいじってはいけない』という肝心の部分が抜けて行ってしまうのだ 「それじゃあお勉強を頑張ったみんなにはあまあまをあげようね!」 「「「「「ゆわーい!」」」」」 楽しい授業の後にあまあま。 これもだめだ ぱちゅりーがあまあまを与えていたのは、あくまで辛い授業の後の楽しみとしてだ 辛いことばかりさせていたらストレスで餡子を吐いてしまい餡子を記憶ごと吐いて元も子もなくなってしまう おねーさんの授業はつらくもなんともなく、むしろ赤ゆ達は楽しんで受けている ならばあまあまなんぞ不要である これでは逆に甘やかしていることにしかならない 「ゆわーい! あみゃあみゃしゃんはゆっくちできりゅにぇー!」 「ハフハフ! ぺりょぺりょ! ゆっくちー!」 「あみゃあみゃしゃんおいちいにぇ! れいみゅはおべんきょーがんばりゅよ!」 「ぺーりょぺりょ! ぺーりょぺりょ!」 「ごっくん! ゆわーん!おねーさーん! あみゃあみゃしゃんのんじゃったのじぇ! もうひとちゅちょーらいなのじぇ!」 「だめだよ、あまあまは一日一人二個ずつっていったでしょ」 おいしそうにあまあまを食べる赤ゆ達 その中であのよく癇癪を起していた赤まりさは与えられた金平糖を飲み下しておねーさんにお代わりを要求した 流石にこれは我がままだと判断したおねーさんはその要求をやんわりと却下した 「おねぎゃいなのじぇ! もうひとちゅでいいのじぇ! あみゃあみゃちょうらいなのぜ!」 「れいみゅも! れいみゅもあみゃあみゃちょうらい!」 「まりしゃももういっきょちょうぢゃい! ひとちゅでいいよ!」 「れいみゅもあみゃあみゃのんじゃった! だかられいみゅにもちょーらいね!」 「まりちゃもまりちゃも! ゆわーん! あみゃあみゃほちいよー!」 一斉に赤まりさの真似をしておねーさんに群がる赤ゆ達 もはや先ほど教えられたことなど覚えていまい 餡子の中はあまあまをどうやって沢山貰うかというこで一杯になっているはずだ 「だめだよ! あまあまはそんなに沢山あげられないの! ゆっくり理解してね!」 「やぢゃやぢゃ! あみゃあみゃほしいのじぇ! あみゃあみゃ!あみゃあみゃ!」 「「「「あみゃあみゃ!あみゃあみゃ!」」」」 「おねーさん!? おちびちゃんたちぜんっぜん!ゆっくりしてないよ!? なにやってるの!?」 「みそこなったよおねーさん! れいむはおねーさんへのにんっしき!をあらためなくてはならないよ!」 いつものように駄々をこねた赤まりさにそれにならって他の赤ゆも真似をする そこに親ゆっくりも加勢してもはや勉強どころではなくなっていた 「ねぇ、みんな・・・ ちゃんということきいてよ・・・ おねがいだから・・・」 涙目になりながら必死に訴えるおえんーさん その願いが通じることはなかった 10 「なにやってるの!? あなた達!?」 「それはこっちのせりふだよ! すっきりをのぞきみするなんておねーさんはとんだへんったい!さんだね!」 「れいむはずかしいよおおお! そんなにじろじろみないでねええええ!」 おねーさんがゆっくりショップに買い物に行っている間に親ゆっくりが勝手にすっきりをしていた 既にれいむの額には茎が生えていて四つの実ゆっくりが実っている 「勝手にすっきりしたらだめって教えたでしょ!?」 「おちびちゃんはゆっくりできるんだよ! ごはんもたくさんあるからだいじょーぶだよ!」 「おちびちゃんはゆっくりできるっていってたのはおねーさんでしょ! れいむおぼえてるよ!」 都合のいいことはきちんと覚えていたれいむ おねーさんは頭が痛くなってその場にへたり込んだ 「ああ、もぅ・・・ どうして皆言うこと聞いてくれないの・・・?」 こうなってしまった原因は全ておねーさんにある そのことに彼女は気付いていない 「いもうちょがうまれりゅよ! ゆっくちゆっくち!」 「はやきゅきゃわいいいもうちょとゆっくりしちゃいよー!」 「まりしゃがいもうちょたちがいだいにゃゆっくちになれりゅようにきたえちぇやりゅのじぇ!」 「れいみゅはおうちゃをうちゃってあげりゅよ!」 「はやきゅ~! いもうちょはゆっくちしにゃいでうみゃれちぇにぇ!」 おねーさんのことなど知ったことかと言わんばかりに赤ゆ達も大はしゃぎ もはや飼いゆっくりになることなど全く頭に無いのか、新しい家族とゆっくりすることしか考えていないようだ 「むきゅん。 おねーさん、ぱちぇのたのんでおいたものはかっておいてくれたかしら」 「・・・え? あ、買ってきたよ・・・ でもこれ何に使うの?」 ぱちゅりーに買っておいたものを渡す まるで対岸の火事とでも言うかのように涼しいかおをしている 買って来たものはラムネとガムシロップに空の牛乳瓶 牛乳瓶は空の状態では売っていなかったので中身はおねーさんが飲みほしておいた 「むきゅん、たすかるわ。 もうひとつおねがいがあるのだけれど、このびんのなかにおみずをいれてもらえないかしら」 「いいけど、おみずなんかいれてどうするの?」 「ぱちぇはよなかにのどがかわくからそれがあるとらくなのよ」 「ふぅん・・・ わかったよ」 おねーさんは言われたとおり空になった牛乳瓶に水を入れてぱちゅりーに渡した 「さあ、おちびちゃんたち! もうおねむのじかんだよ! ゆっくりやすんであしたもゆっくりしようね!」 「おちびちゃんたちがゆっくりできればいもうとたちもゆっくりできるよ! だからゆっくりねむねむしようね!」 「「「「「ゆっくちりきゃいしちゃよ!」」」」」 親ゆっくりが宣言してぞろぞろとゆっくりハウスの中へ入って行く一家 そこにぱちゅりーがやって来て一家に話しかけてきた 「むきゅううう! まりさ!れいむ!おちびちゃんたち! ぱちぇのはなしをきいてちょうだい!」 「ゆぅ? なにいきなりはなしかけてるわけぇ?」 「ゆっくりできないぱちゅりーはあっちにいってね! じゃないとれいむはぷきゅーするよ!」 「ぱちぇがいままでまちがっていたわ! あなたたちはとってもゆっくりしたゆっくりよ! だからぱちぇもなかまにいれてほしいの!」 「ゆぷぷぷぷ! いまさらなかなおりしようとしてもおそいよ! まりさはゆっくりできないぱちゅりーなんてしらないよ!」 「れいむはもうかんっぜん!にあいそをつかしてるんだよ! ゆっくりしないでさっさとどっかへいってね!」 「ええ、いままでぱちぇがしてきたことはゆっくりできないことよ・・・ だからなかなおりのしるしにこれをうけとってほしいの!」 そう言ってぱちゅりーは帽子の中からラムネを取り出してれいむとまりさに渡した 「それをおちびちゃんたちにあげてみて! きっとゆっくりできるとおもうわ!」 「ゆん? なあにこれ」 「れいむ、こんなのみたことないよ?」 「おちょうしゃん! にゃんにゃのじぇしょれ?! ゆっくちしちぇにゃいでまりしゃにちょうらいなのじぇ!」 「あ、かってにたべたらだめだよおちびちゃん!」 親まりさからラムネを奪ってむーしゃむしゃする癇癪まりさ 乱暴に噛み砕いてごっくんと飲み下すと、輝くようなとびっきりの笑顔で言った 「しあわちぇー!!! これむっちゃうめえ!!! もっちょちょーらいなのじぇ! たくしゃんでいいのじぇ!」 「なにたべちぇりゅにょ? れいみゅにもちょうらい!」 「ひとりぢめはゆっくちできにゃいよ! まりちゃにもたべしゃしちぇにぇ!」 「れいみゅもれいみゅも!」 「まりしゃもまりしゃも!」 「わ、わかったからおちびちゃんたちおちついてね!?」 「まだまだたくさんあるからゆっくりしてね!?」 ラムネにありつこうとする赤ゆっくりに慌ててラムネを配るれいむとまりさ あんまりおちびちゃん達がおいしそうに食べるので自分達も食べてみることにした 「これめめっちゃうめえ! ハフハフ!」 「なにこれー!? しあわせがあふれてくるよー!?」 れいむとまりさが汚くラムネを食い散らかす様子を見て、ぱちゅりーは何も言わずに去って行った 中編へ続く
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anko2500 ゆっくりワライタケ 【虐待】 anko2501 胴付きになりたかったまりさ 【小ネタ】【挿絵】 anko2502 ゆっくすハンターまりさ 【観察】 anko2503 新たなエネルギー源 【小ネタ】 anko2504 冷凍ゆっくり 【制裁】【挿絵】 anko2505 いのちはたいせつ 前篇 【虐待】 anko2507 いのちはたいせつ 中篇 【虐待】 anko2508 いのちはたいせつ 後篇 【虐待】 anko2509 神は饅頭の信徒を裏切るか? anko2510 おうち宣言その攻防 anko2511 手伝ってやろうか? 【いじめ】 anko2512 ある研究員の悩み 【虐待】 anko2513 お手軽 【小ネタ】 anko2514 新発見、ゆっくりの新しい移動法 【小ネタ】 anko2516 読書の秋 【愛で】 anko2517 おうち宣言その攻防別の家編+その後 【制裁】 anko2518 三つ食べた 【小ネタ】 anko2519 ほんとうのうえ 前篇 【観察】 anko2520 ほんとうのうえ 後篇 【観察】 anko2521 ゆっくりが農業について学んだようです 【いじめ】 anko2522 仲良くしろよ 【いじめ】 anko2523 鬼意山は肉まんがお好き 【虐待】 anko2524 シャンプーの香り 【虐待】【挿絵】 anko2525 私の名前は 前編 【いじめ】 anko2526 私の名前は 後編 【いじめ】 anko2527 れいぱーありすの死に際 anko2528 れいみゅのはじめてのおさんぽだよ! 【虐待】 anko2529 武装農業地帯(前編) 【制裁】 anko2530 武装農業地帯(後編) 【制裁】 anko2531 ゆっくりと金が欲しいニンゲン 【虐待】 anko2532 とりっく・おあ・とりーと! 【いじめ】 anko2533 きょういくてきしどう 【制裁】 anko2534 ユンクロニティ 【観察】 anko2535 3度目 【小ネタ】 anko2536 おにいさんの生まれた日 【虐待】 anko2537 小ネタ三本 【虐待】 anko2538 ゆっくり憐れみの令 anko2539 都会の輪舞 【愛で】 anko2540 影の薄いゆっくり 【愛で】 anko2541 ゆっくり飼育~ゆっくりに見えない程度の壁~ 【いじめ】 anko2542 俺のれいむがゲスなわけがない 【制裁】 anko2543 ドスはゆっくりできるんだよ!! 【制裁】 anko2544 崩壊 【制裁】 anko2545 デレは? 【観察】 anko2546 ゆっくり女 anko2547 絶対に渡さない anko2548 1byteの重み 【虐待】 anko2549 箱庭のゆっくり 【愛で】 anko2550 引かされた境界線(中編) 【愛で】 anko2551 雪が降った日 【観察】 anko2552 ゴルフ場でゆっくりと 【虐待】 anko2553 コウノトリ 【虐待】 anko2555 それは虐待か制裁か 前編 【制裁】 anko2556 おにんぎょ姫 anko2557 ならゆっくりだけしてろ!! 【虐待】 anko2558 憧れの飼いゆっくり 【愛で】 anko2560 ゆっくり国の憂鬱 【観察】 anko2561 すぃーはゆっくりできない 【制裁】 anko2562 それは虐待か制裁か 後編 【虐待】 anko2563 代償は誇りと・・・ 【制裁】【挿絵】 anko2564 れいむをゆっくりさせてあげた 【虐待】 anko2565 俺のちぇん 【愛で】 anko2566 座敷ゆっくり 【愛で】【挿絵】 anko2567 噴水 【いじめ】 anko2568 餌 【いじめ】 anko2569 加工所は勝手に生えてくるんだよ! 【虐待】 anko2570 アナル道 【愛で】 anko2571 拾った赤ゆが大きくなったので 【愛で】 anko2572 想像上の… 【虐待】 anko2573 最後のゆっくり 【制裁】 anko2574 戦い方を教えてみたり 【虐待】 anko2575 涙 【虐待】 anko2576 奴隷にするために 【制裁】 anko2577 恐怖の円盤生物シリーズ1 【虐待】 anko2578 引かされた境界線(後編) 【制裁】 anko2579 べリアル・サイス:後篇 【制裁】 anko2580 愚かなれいむ 【挿絵】 anko2581 ある赤い目のゆっくり 前編 【虐待】 anko2582 あまあまこわいよ 【虐待】 anko2583 とある人間の数日間 【制裁】 anko2584 Yukkuri Tradition 【いじめ】 anko2585 決戦!双葉城 【挿絵】 anko2586 何の捻りも無い話 【いじめ】 anko2587 れいむ種に対する概論 【考証】 anko2588 ひとりぼっちのまりさ 【観察】 anko2589 学校:秋(前編) 【虐待】 anko2590 エゴだよ、それは 【小ネタ】 anko2591 学校:秋(後編) 【虐待】 anko2592 判子 【虐待】 anko2593 借金苦 【いじめ】 anko2594 負けたの誰だ? 【制裁】 anko2595 テーブルバイブレータ 【虐待】 anko2596 趣味は登山です 【制裁】 anko2597 土に埋めてみた 【いじめ】 anko2598 オモイコミ ノ チカラ anko2599 甘いジュースと辛いうんうんのどっちがいい? 【愛で】
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【検索用 たいせつなこと 登録タグ 2018年 KAITO MEIKO Rella TSO UTAU VOCALOID た ふわりP 初音ミク 巡音ルカ 曲 殿堂入り 重音テト 鏡音リン 鏡音レン】 + 目次 目次 曲紹介 歌詞 コメント 作詞:ふわりP 作曲:ふわりP 編曲:ふわりP 絵:Rella 動画:とさお(TSO) 唄:初音ミク・鏡音リン・鏡音レン・巡音ルカ・MEIKO・KAITO・重音テト 曲紹介 曲名:『たいせつなこと』 歌詞 (動画より書き起こし) つきよのあかりを あびて ひびはやがて まぶたをこすり ときのさかいめを つげて あすのかたを なでた そらもようは あいもかわらず あおく あかく くろく ながれた もしもそれが えいえんならば ほほえみを うつして やさしさを たくして しあわせを はぐくんで ここに つたえて といかければ こえが こえが こえが こころに かたるだろう きっと きっと きっと こたえがみつかるように そっと せなかを おすだろう つきのあかり きこえるねいろに こころを すませて はれまのあかりを あびて まちはやがて にぎやかになり えきへなだれこむ ひとの たたかう あせを たたえた あゆむみちは あいもかわらず ながく とおく たかく そびえた もしも それが ひつぜんならば ほほえみを うつして やさしさを たくして しあわせを はぐくんで ここに つたえて といかければ こえが こえが こえが こころに かたるだろう きっと きっと きっと こたえがみつかるように そっと せなかを おすだろう はれのあかり きこえるねいろに こころを すませて アスファルト ほはばを かたむけて のこした じてんしゃに ライトが ともりはじめ いえじへと むかう たいよう いのちのこきゅうを むすぶ あのころの ぼくらから めのまえの ぼくらへと わたされた じかんと たくされていた いきるよろこび めまぐるしさに たちむかって けずれたこころ けれどそこに あのころの あなたの えがおをどうか わすれないでいて たいせつなことは いきるよろこび そしてけしきに つきがのぼった おりかさなった しずけさの こもれびの はて やすらかにつづいていく いぶきを つなぐように ほしがさいた ひかりが あわくふりそそいだ といかければ こえが こえが こえが こころに かたるだろう きっと きっと きっと こたえがみつかるように そっと せなかを おすだろう はしりぬけた かぜのきどう うちあがって かなたへととんだ らららららら おだやかに わきあがる らららららら かがやきを ほらね ぼくたちはここに うみだしつづける あすのあかり きこえるねいろに こころをすませて コメント 歌もいいし絵がきれい -- 名無しのものです (2019-02-11 10 51 59) 重音テトも入るなんて素敵すぎる!! -- 名無しさん (2019-02-12 00 28 14) オーケストラ+合唱団verも壮大でめっちゃ好き -- 名無しさん (2020-02-04 00 22 00) 優しい雰囲気が好きです -- 名無しさん (2022-02-28 20 26 25) オーケストラ感大好き…ふわりPさんほんとうに天才 -- 名無しさん (2022-06-23 15 15 24) 名前 コメント
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【検索用 たいせつなはしょ 登録タグ 2009年 VOCALOID た パル♪ 初音ミク 曲 曲た】 + 目次 目次 曲紹介 歌詞 コメント 作詞:パル♪ 作曲:パル♪ 編曲:パル♪ 唄:初音ミク 曲紹介 ニコニコが好きです…!みんながニコニコできる曲を作りたいです。 曲名:『たいせつな場所』(たいせつなばしょ) 初めてのミクオリジナル曲&初投稿です。(作者コメより転載) 歌詞 一人になりたいとテレビを消して 音のなくなった部屋で 辛い事ばかり考えて泣いている君 あぁ… 時がたてば癒えてくるものかなぁ んん… 一人で乗り越えられないなら 手を貸すよ 貸したいよ 苦しい時はおいでよ ここに 今日は雨だけど 一緒に見ようよ 雨の後の虹を 強くなりたいと目標立てて 一生懸命で 思ったようにいかなくて 泣いてる君 あぁ… 少し休めば元気になるかなぁ んん… 一人で悩む事ないはずだよ 話そうよ 聞きたいよ 寂しい時はおいでよ ここに 少し寒いけど 一緒に歩こうよ 温まるから さぁ 戻れない時 大切な時 思い出の場所 大切な場所 思い出の人 忘れたい恋 叶わない恋 過ぎてゆく時 大人になって 恋にあせって 疲れてしまって あぁ… 疲れた時はおいでよ ここに 今日は雨だけど 一緒に見ようよ 雨の後の虹を どんな時もおいでよ ここに みんな待ってるよ 一緒に思い出作っていこう これからもずっと コメント 名前 コメント